以下に、本発明に好適な実施の形態について図面に基づいて説明する。
[遊技機の構成]
本実施の形態における遊技機の概観及び遊技盤について図1乃至図5を用いて説明する。図1は、本実施の形態におけるパチンコ遊技機10の外観を示す斜視図である。図2は、本実施の形態におけるパチンコ遊技の外観を示す正面図である。図3は、本実施の形態におけるパチンコ遊技機10の分解斜視図である。図4は、本実施の形態におけるパチンコ遊技機10の遊技盤を示す正面図であり、図5は、当該遊技盤を示す斜視図である。
図1乃至図5に示すように、パチンコ遊技機10は、奥行き方向に所定の厚みを持つように構成されており、ガラスドア11、木枠12、ベースドア13、遊技盤14、上皿20、下皿22、画像を表示する液晶表示装置32、遊技球を発射する発射装置130、払出ユニット500、基板ユニット600等から構成されている。
上述したガラスドア11は、ベースドア13に対して開閉自在に軸支されている。また、このガラスドア11の中央には、開口部が形成されており、その開口部には、透過性を有する保護ガラス19が設けられている。保護ガラス19は、ガラスドア11が閉じられた状態で遊技盤14の前面に対面するように配設されている。また、ガラスドア11の下部には、操作ボタン80(80a、80b)が設けられている。
上皿20は、ガラスドア11の下部に該ガラスドア11と一体となって設けられている。また、下皿22は、上皿20の下方に位置するようにベースドア13に設けられている。上皿20及び下皿22には、遊技球の貸し出し、遊技球の払い出し(賞球)を行うための払出口20a、22aが形成されており、所定の払出条件が成立した場合には、遊技球が排出され、特に、上皿20には、後述する遊技領域15に発射させるための遊技球が貯留される。
発射装置130は、ベースドア13の右下部に設けられている。この発射装置130には、遊技者によって操作可能な発射ハンドル26が設けられており、遊技者によって発射ハンドル26が操作されることにより、パチンコ遊技を進めることができる。この発射ハンドル26が遊技者によって握持され、時計回りの方向へ回動操作された場合には、その回動角度に応じて発射モータに電力が供給され、上皿20に貯留された遊技球が遊技盤14へ順次発射される。
上述した遊技盤14は、保護ガラス19の後方であって、ベースドア13の前方に位置するように配設されている。遊技盤14の後方には、スペーサ31、液晶表示装置32等が配設されている。ペースドア13の後方には、払出ユニット500、基板ユニット600が設けられている。また、ベースドア13の上部には、スピーカ46が設けられている。
遊技盤14は、その全部が透光性を有する板形状の樹脂(透光部材)によって形成されている。この透光性を有する部材としては、例えば、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、メタクリル樹脂等、各種の材質を用いることができる。
また、遊技盤14は、その前面側に、発射された遊技球が転動流下可能な遊技領域15を有している。この遊技領域15は、ガイドレール30(具体的には図4に示す外レール30a)に囲まれ、遊技球が転動可能な領域である。また、遊技盤14における遊技領域15には、複数の遊技釘(図示せず)が打ち込まれている。
遊技盤14の裏面側には、枠形状のスペーサ31が設けられており、このスペーサ31を介して液晶表示装置32が設けられている。すなわち、遊技盤14の裏面と液晶表示装置32の前面(表示面)との間は、スペーサ31によって所定の間隙が形成されている。液晶表示装置32は、遊技に関する画像を表示する表示領域32aを有しており、この表示領域32aは、遊技盤14の前面側から見て、該遊技盤14の透光領域に重なるように配置されている。本実施の形態の場合、遊技盤14の略全面が透光性部材によって形成されており、表示領域32aは、前面側から見て遊技盤14の遊技領域15の後方に重なる位置に設けられている。
液晶表示装置32の表示領域32aに表示された画像は、スペーサ31によって形成されている間隙及び透光性を有する遊技盤14を介して遊技盤14の前面側から視認可能となっている。表示領域32aには、演出用の識別図柄、演出画像、装飾用の装飾画像等、各種の画像が表示される。
発射ハンドル26は、ベースドア13に対して回動自在に設けられている。また、発射ハンドル26の裏側には、駆動装置である発射ソレノイド(図示せず)が設けられている。さらに発射ハンドル26の周縁部には、タッチセンサ(図示せず)が設けられている。発射ハンドル26の内部には、発射ハンドル26の回動量に応じて抵抗値を変化させ、発射ソレノイド(図示せず)に供給する電力を変化させる発射ボリュームが設けられている。
タッチセンサ(図示せず)が遊技者により接触されたときには、遊技者により発射ハンドル26が握持されたものと検知される。発射ハンドル26が遊技者によって握持され、かつ、時計回りに回動操作されたときには、その回動角度に応じて発射ボリューム(図示せず)の抵抗値が変化し、このときの抵抗値に対応する電力が発射ソレノイド(図示せず)に供給される。その結果、上皿20に貯留された遊技球が遊技盤14の遊技領域に順次発射され、遊技が進められる。なお、発射停止ボタン(図示せず)が押下された場合には、発射ハンドル26を握持しかつ回動させた状態であっても遊技球の発射が停止される。
図4に示されるように、遊技盤14の左下方には、特別図柄表示装置35と、7セグメントLEDで構成された普通図柄表示装置、LEDランプによって構成された普通図柄表示装置、特別図柄保留表示器、普通図柄保留表示器及びラウンド数表示器を含む表示部53とが設けられている。
遊技盤14の後方(裏面側)に設けられている液晶表示装置32の表示領域32aでは、特別図柄表示装置35において表示される特別図柄と関連する演出画像が表示される。例えば、特別図柄表示装置35で表示される特別図柄の変動表示中においては、特定の場合を除いて、液晶表示装置32の表示領域32aにおいて、数字や記号等からなる識別図柄や、演出用の識別情報でもある、例えば、龍の絵柄が変動表示される。また、特別図柄表示装置35において変動表示されていた特別図柄が停止表示されるとともに、液晶表示装置32の表示領域32aでも演出用としての識別図柄が停止表示される。
また、特別図柄表示装置35において特別図柄として特定の数字図柄が停止表示された場合には、大当りであることを遊技者に把握させる演出画像が液晶表示装置32の表示領域32aにおいて表示される。具体的には、特別図柄表示装置35において特別図柄として特定の数字図柄が停止表示された場合には、液晶表示装置32の表示領域32aにおいて表示される演出用の識別情報の組み合わせが特定の表示態様(例えば、複数の図柄列のそれぞれに同一の図柄が全て揃った状態で停止表示される態様及び全ての図柄列で1つの絵を表示する態様)となり、さらに、所定の文字画像とともに、大当り用の演出画像が液晶表示装置32の表示領域32aにおいて表示される。
図4及び図5に示すように、パチンコ遊技機10の遊技盤14の前面部14aには、二つのガイドレール30(30a、30b)、ステージ55、遊技球通過検出部材410、シャッタ40、始動口39、シャッタ48、大入賞口25、一般入賞口56a、56b等の遊技部材が設けられている。
ガイドレール30は、遊技盤14の前面部の遊技領域15を区画(画定)する外レール30aと、その外レール30aの内側に配設された内レール30bとから構成される。発射された遊技球は、遊技盤14の前面部14aに設けられたガイドレール30に案内されて、遊技盤14の上部に移動し、複数の遊技釘(図示せず)、遊技盤14の前面部14aに設けられたステージ55等との衝突により、その進行方向を変えながら遊技盤14の下方に向かって流下する。
この遊技盤14の前面部14aには、普通図柄抽選を行うための通過検出部材410(始動ゲート44)と、特別図柄抽選を行うための始動口39等が設けられている。この遊技球通過検出部材410を遊技球が通過することにより、普通図柄の変動表示(表示部53)が実行され普通図柄抽選が行われる。この普通図柄抽選の結果が当選となった場合には、始動口39に設けられたシャッタ40が開く。そして、シャッタ40が開いた始動口39内の始動領域に遊技球が入ると、特別図柄の変動表示(特別図柄表示装置35)が実行され特別図柄抽選が行われる。この特別図柄抽選の結果が当選となった場合には、通常遊技状態よりも遊技者に相対的に有利な大当り遊技状態となる。この大当り遊技状態となった場合には、シャッタ48が開放状態に制御され、大入賞口25に遊技球が受け入れ容易な開放状態となることがある。
遊技球通過検出部材410の通過球センサ415によって、遊技球の通過が検出された場合、普通図柄表示装置(表示部53)による普通図柄の変動表示が開始される。
表示部53において、普通図柄表示装置の普通図柄が所定の図柄で停止表示されたときには、始動口39におけるシャッタ40が閉鎖状態から開放状態となり、始動口39に遊技球が入り易くなる。また、シャッタ40を開放状態とした後、所定の時間が経過したときには、シャッタ40が閉鎖状態となり、始動口39に遊技球が入らなくなる。
なお、表示部53において普通図柄が変動中である場合に、遊技球通過検出部材410を遊技球が通過した場合には、表示部53の普通図柄保留表示LEDが遊技球の通過毎に順番に点灯し、変動表示中の普通図柄が停止表示されるまで、当該遊技球通過検出部材410への遊技球の通過に基づく普通図柄の変動表示の実行(開始)が保留される。その後、変動表示していた普通図柄が停止表示された場合には、保留されていた普通図柄の変動表示が開始される。
また、表示部53において、普通図柄表示装置の普通図柄として特定の図柄が停止表示された場合には、普通図柄抽選が当選であることを遊技者に把握させる演出画像が液晶表示装置32の表示領域32aに表示される。
また、前述したように、始動口39内には、入賞領域が設けられている。この入賞領域には、始動入賞球センサ116(図21参照)が設けられている。遊技球が、始動入賞球センサ116によって検出された場合、特別図柄表示装置35による特別図柄の変動表示が開始される。なお、本実施の形態においては、特別図柄変動表示の保留を行うようにはなされていないが、当該保留を行う場合には、特別図柄の変動表示中に、始動口39へ遊技球が入球した場合には、変動表示中の特別図柄が停止表示されるまで、始動口39への遊技球の入球に基づく特別図柄の変動表示の実行(開始)を保留するようにすればよい。その後、変動表示していた特別図柄が停止表示された場合には、保留されていた特別図柄の変動表示が開始されるようにする。なお、特別図柄の変動表示の保留を行う場合、当該保留される回数には上限が設定されており、例えば、4回を上限として特別図柄の変動表示を保留するようにする。
また、その他の条件(所定の特別図柄の変動表示開始条件)としては、特別図柄が停止表示されていることである。つまり、所定の特別図柄の変動表示開始条件が成立する毎に特別図柄の変動表示が開始される。
大入賞口25には、その前方に開閉可能なシャッタ48が設けられている。このシャッタ40は、特別図柄表示装置35において特別図柄として特定の数字図柄が停止表示され、遊技状態が大当り遊技状態に移行された場合は、遊技球を受け入れ易い開放状態となるように駆動される。その結果、大入賞口25は、遊技球を受け入れ易い開放状態となる。
大入賞口25には、カウントセンサ104(図21参照)を有する領域(図示せず)が設けられており、その領域を遊技球が所定個数(例えば8個)通過するか、又は、所定時間(例えば30秒)が経過するまでシャッタ48が開放状態に駆動される。そして、開放状態において大入賞口25への所定数の遊技球の入賞又は所定時間の経過のいずれかの条件が成立するとシャッタ48は、遊技球を受け入れ難い閉鎖状態になるように駆動される。なお、大入賞口25が遊技球を受け入れ易い開放状態から受け入れ難い閉鎖状態となるまでの遊技をラウンドゲームと呼ぶ。従って、シャッタ48は、ラウンドゲーム時に開放し、各ラウンドゲーム間では閉鎖することになる。また、ラウンドゲームは、“1”ラウンド、“2”ラウンド等のラウンド数として計数される。例えば、ラウンドゲームの1回目を第1ラウンド、2回目を第2ラウンドと呼ぶ場合がある。
続いて、開放状態から閉鎖状態に駆動されたシャッタ48は、再度開放状態に駆動される。つまり、ラウンドゲームが終了した場合には、次のラウンドゲームへ継続して進むことができる。なお、第1ラウンドのラウンドゲームから、次のラウンドゲームに継続して進むことができない(最終の)ラウンドゲームが終了するまでの遊技を特別遊技あるいは大当り遊技を呼ぶ。
特別遊技の実行中において、最初のラウンド数から最もラウンドゲームが継続された場合の最後のラウンドゲームまでのラウンド数(最大継続ラウンド数)は、本実施の形態の場合、2ラウンドのみとなっているが、停止表示された特別図柄によって異なるようにしてもよく、例えば“3”ラウンド、“6”ラウンド、“9”ラウンド、“15”ラウンドから特別図柄の停止態様に応じて選択されるようにしてもよい。
また、前述した始動口39、一般入賞口56a、56b、大入賞口25に遊技球が入賞した場合には、それぞれの入賞口の種類に応じて予め設定されている数の遊技球が上皿20又は下皿22に払い出される。
以上説明したように、遊技盤14の前面部の遊技領域15には、ガイドレール30、ステージ55、遊技球通過検出部材410、始動口39、大入賞口25、遊技釘(図示せず)等が設けられており、この遊技領域15を遊技球が転動しながら流下する間に、これらの部材に関わり合うようになされている。遊技球とこれらの部材との関わりの結果によって、遊技内容が遊技者にとって有利な状態へ移行する機会が生じる。従って、遊技者は、遊技領域15における遊技球の各部材との関わりに注目することとなる。
遊技領域15の中央部分には、遊技盤14の裏面側に設けられた液晶表示装置32の表示領域32aが透過して前面側から見えるように構成されており、遊技者は、遊技盤14を介して前面側からこの表示領域32aを視認することができる。液晶表示装置32の表示領域32aには、識別図柄が表示されるため、遊技盤14の前面部においては、この識別図柄が表示される領域を避けて、遊技球通過検出部材410等の部材が配置されている。
本実施の形態のパチンコ遊技機10においては、遊技盤14の前面部に設けられた各部品及び遊技盤14の後方に設けられた液晶表示装置32に加えて、遊技盤14の裏面部に装飾部材を設けることにより、演出効果を高めるようになされている。
すなわち、遊技盤14の裏面部には、枠形状のスペーサ31(図3)が設けられ、このスペーサ31によって、遊技盤14の後方に設けられる液晶表示装置32と遊技盤14の裏面部との間に間隙が確保されている。この間隙には装飾部材440(後述)が配設される。
以下、装飾部材440について説明する。図6は、遊技盤14と、該遊技盤14の前面部14aに取り付けられた遊技球通過検出部材410と、遊技盤14の裏面部14bに取付けられた装飾部材440を示す側面図である。図6に示すように、装飾部材440は、遊技盤14の裏面部14bと液晶表示装置32の表示面(表示領域32a)との間のスペーサ31によって確保された間隙において、遊技盤14の裏面部14bに固定されている。
この装飾部材440の取り付け位置は、遊技盤14の前面側から見て、該前面部14aに取り付けられた遊技球通過検出部材410の後方に重なる位置となっている。すなわち、遊技球が転動しながら流下する遊技領域15において、遊技者が注目する遊技球通過検出部材410の後方に装飾部材440が配設された構成となっている。また、装飾部材440は、液晶表示装置32の表示領域32aの前面側に配設されており、表示領域32aに表示された画像の前面側に装飾部材440を重ねて見ることが可能な配置構成となっている。
図7は、装飾部材440の前面側を示す斜視図であり、図8は、装飾部材440の裏面側を示す斜視図である。また図9は、装飾部材440の裏面を示す背面図である。図7乃至図9に示すように、本実施の形態における装飾部材440は、透光性のある例えば樹脂材で形成されており、半球状に形成された本体部441と、この本体部441の下部に一体形成された支持部442とを有している。本体部441は、その裏面部441bにいわゆるマルチ蒸着によって蒸着処理層が形成されている。この蒸着処理層は、裏面部441bに高屈折率と低屈折率の所定の厚さの薄膜(各種酸化物、フッ化物等)を交互に重ねた多層膜を真空蒸着法等によって形成してなるものである。この薄膜による光の干渉を利用して、特定の波長領域の光を反射し、残りの波長領域の光を透過させることができる。本実施の形態の場合、青い光を反射し、赤い光を透過させる。
なお、蒸着対象である装飾部材440は樹脂材に限らず、ガラス材等、他の透光部材を用いることができ、蒸着処理層を形成する薄膜の材料も種々のものを用いることができる。また、本実施の形態の場合、青い光を反射し、赤い光を透過させるようにしているが、これに限られるものではく、反射光及び透過光の波長は種々の組み合わせを適用することができる。さらに、蒸着処理層は、本体部441の裏面部441bに設けることに限らず、前面部441aに形成したり、又は前面部441a及び裏面部441bの両方に形成するようにしてもよい。
このような蒸着処理層を形成することにより、装飾部材440の本体部441の後方に配置される液晶表示装置32の表示領域32aにおいて表示された画像のうち、特定の波長の光(例えば青色光)は、本体部441の裏面部441b(蒸着処理層)において反射し、別の特定の波長の光(例えば赤色光)は、本体部441において裏面部441bから前面部441aへと透過するようになされている。
本体部441には、装飾体451、452及び453が取り付けられている。すなわち、装飾部材440の本体部441には、その周縁部に支持用突起部447a、447b及び447cが形成されている。支持用突起部447aには、位置決め貫通孔448a及びねじ用貫通孔449aが形成されている。一方、装飾体451には、位置決め突起部451a及びねじ孔451bが形成されている。これにより、装飾体451の位置決め突起451aを支持用突起部447aの位置決め貫通孔448aに嵌合させて位置決めした状態でねじ用貫通孔449aを介して、ねじ(図示せず)をねじ孔451bに螺合させることにより、装飾体451を本体部441に固定するようになされている。また、他の装飾体452及び453についても同様にして、支持用突起部447b及び447cには、位置決め貫通孔448b及び448cと、ねじ用貫通孔449b及び449cとが形成されており、装飾体452及び453の位置決め突起を位置決め貫通孔448b及び448cに嵌合させ、ねじ用貫通孔449b及び449cを介してねじ(図示せず)を装飾体452及び453のねじ孔(図示せず)に螺合させることにより、これらの装飾体452及び453を本体部441に固定することができる。
本実施の形態の場合、装飾部材440の本体部441として、“宝玉”をイメージしたデザインを採用し、装飾体451〜453として、龍の爪をイメージしたデザインを採用しており、遊技の進行内容に応じて、装飾部材440の後方に配置された液晶表示装置32の表示領域32aのうち、本体部441の後方の領域(前面側から見て本体部441に重なる領域)に表示される画像の色を変化させることによって、該本体部441において透過又は反射の違いによる演出効果を得るようになされている。
また、装飾部材440において、本体部441の下部に一体形成された支持部442は、本体部441の半球形状の最も前方に突出した中心部よりもさらに前方に突出した平面状の取付面部442aを有し、この取付面部442aには、前方に突出した位置決め突起444a及び444bを有する。また、この位置決め突起444a及び444bの下方には、支持部442の裏面側から前面側に貫通するねじ用貫通孔446a及び446bが形成されている。これら位置決め突起444a及び444bと、ねじ用貫通孔446a及び446bとを用いて、装飾部材440を遊技盤14の裏面部14bに取り付けるようになされている。なお、本実施の形態においては、位置決め突起444a及び444bの下方にねじ用貫通孔446a及び446bを形成しているが、これに限られるものではなく、例えば、位置決め突起444a及び444bの側方又は上方等、種々の位置に設けることができる。
すなわち、図10は、遊技盤14に対する装飾部材440の取り付け方法の説明に供する斜視図である。図10に示すように、遊技盤14の遊技領域15には、裏面部14bから前面部14aに貫通するねじ孔(貫通孔)14d及び14eが形成されている。また、当該ねじ孔(貫通孔)14d及び14eの上方には、位置決め孔(貫通孔)14f及び14gが形成されている。
位置決め孔14f及び14gに、装飾部材440の取付面部442aの位置決め突起444a及び444bを嵌め合わせることにより、装飾部材440の位置決めを行い、取付面部442aを遊技盤14の裏面部14bに当接させる。そして、この状態において、支持部442の裏面側から、ねじ用貫通孔446a及び446bを介して、ねじ445a及び445bを挿入し、このねじ445a及び445bを、遊技盤14に貫通形成されたねじ孔(貫通孔)14d及び14eに螺合させることにより、装飾部材440を遊技盤14の裏面部14bに固定することができる。
ここで、図7乃至図9に示すように、装飾部材440の支持部442には、裏面側から前面側に貫通する貫通孔443が形成されており、遊技盤14には、この貫通孔443に合わせた位置に貫通孔14cが形成されている。これにより、装飾部材440を遊技盤14の裏面部14bに取り付けた状態において、装飾部材440の貫通孔443と、遊技盤14の貫通孔14cとが連通するようになされている。
一方、遊技盤14の前面部14aにおいては、図11に示すように、前述の位置決め孔(貫通孔)14f及び14gと、ねじ孔(貫通孔)14d及び14eを利用して、遊技球通過検出部材410が取り付けられる。この遊技球通過検出部材410は、図12に示すように、遊技盤14の前面部14aに当接して取り付けられる支持部412と、この支持部から前方に突出形成されたゲート本体部413と、このゲート本体部413において上下方向に貫通形成された、遊技球が通過するための開口部411と、この開口部411の内部に設けられた通過球センサ415とを有している。
支持部412の裏面側(遊技盤14に対する取付面部414)には、遊技盤14に形成された位置決め孔14f及び14gに対応して形成された位置決め突起421a及び421b(図15)と、遊技盤14に形成されたねじ孔14d及び14eに対応して形成されたねじ用貫通孔422a及び422b(図14)とが形成されている。
位置決め孔14f及び14gに、遊技球通過検出部材410の支持部412の取付面部に形成された位置決め突起421a及び421bを嵌め合わせることにより、遊技球通過検出部材410の位置決めを行い、取付面部414を遊技盤14の前面部14aに当接させる。そして、この状態において、支持部412の前面側から、ねじ用貫通孔422a及び422bを介して、ねじ423a及び423b(図14)を挿入し、このねじ423a及び423bを、遊技盤14に貫通形成されたねじ孔(貫通孔)14d及び14eに螺合させることにより、遊技球通過検出部材410を遊技盤14の前面部14aに固定することができる。
このようにして、遊技盤14の前面部14aに取り付けられる遊技球通過検出部材410と、遊技盤14の裏面部14bに取り付けられる装飾部材440とは、同じ位置決め孔14f、14g及びねじ孔14d、14eを利用して遊技盤14に取り付けられる。このように、遊技球通過検出部材410用の位置決め孔及びねじ孔と、装飾部材440用の位置決め孔及びねじ孔とを共通化することにより、遊技球通過検出部材410と装飾部材440とについて個別に位置決め孔及びねじ孔を形成する場合に比べて、これらの貫通孔の形成数を少なくすることができる。
図13は、遊技盤14の裏面側を示す背面図である。図13に示すように、遊技盤14の裏面部14bに固定された装飾部材440の貫通孔443には、遊技盤14の貫通孔14c(図11)を介して、遊技球通過検出部材410の裏面部を構成する突起部424及び端子部425が挿入されている。図14は、図13のA−A線を断面にとって示す断面図である。図14に示すように、遊技盤14に貫通形成されたねじ孔(貫通孔)14d及び14eには、遊技盤14の前面部14aから遊技球通過検出部材410を遊技盤14に固定するためのねじ423a及び423bが螺合されており、遊技盤14の裏面部14bからは、装飾部材440を遊技盤14に固定するためのねじ445a及び445bが螺合されている。このように、ねじ孔(貫通孔)14d及び14eが遊技盤14の前面側に取り付けられる遊技球通過検出部材410の取付け用及び裏面側に取付けられる装飾部材440の取付け用として共用される。
また図15は、図13のB−B線を断面にとって示す断面図である。図15に示すように、遊技盤14に貫通形成された位置決め孔14f及び14gには、遊技盤14の前面部14aから遊技球通過検出部材410の位置決め突起421a及び421bが嵌合されており、遊技盤14の裏面部14bからは、装飾部材440の位置決め突起444a及び444bが嵌合されている。このように、位置決め穴14f及び14gが遊技盤14の前面側に取り付けられる遊技球通過検出部材410の位置決め用及び裏面側に取付けられる装飾部材440の位置決め用として共用される。
図12に示すように、遊技球通過検出部材410の通過球センサ415は、例えば磁気検出素子等を用いることができ、遊技球通過検出部材410の裏面部には、このセンサからの検出信号を出力するための端子部425を支持するための突起部424が後方に突出して設けられている。この突起部424及び端子部425は、遊技球通過検出部材410を遊技盤14の前面部14aに取り付ける際に、該遊技盤14に形成された貫通孔14c(図11)に挿入される。遊技盤14の貫通孔14cは、前述したように、装飾部材440の支持部442に形成された貫通孔443と連通するようになされている。これにより、端子部425から引き出された配線(図示せず)は、装飾部材440の貫通孔443を介して遊技盤14の裏面側に引き出される。
かくして、遊技盤14の前面部14aの遊技領域15に設けられる遊技球通過検出部材410に対して、該遊技盤14の裏面部14bの同じ位置に装飾部材440が設けられることにより、遊技盤14の前面側から見て、遊技領域15に遊技球通過検出部材410と装飾部材440とが同じ位置に見えることになる。この場合、装飾部材440は、遊技球通過検出部材410に比べて大きな形状で形成されていることにより、遊技者は、遊技盤14の裏面側に設けられた装飾部材440と、該装飾部材440の前に設けられた遊技球通過検出部材410との両方を視認することができる。
すなわち、遊技者にとって注目すべき遊技球の転動が行われる遊技領域15において、遊技者が注目する遊技球通過検出部材410の後方に、該遊技球通過検出部材410とともに装飾部材440が視認可能に配設される。
装飾部材440の貫通孔443を介して遊技盤14の裏面側に引き出された配線は、装飾部材440の本体部441に形成された案内部461(図8)によって案内される。すなわち、図8に示すように、装飾部材440の本体部441には、その周縁部に切欠き部462が形成されており、この切欠き部462の内部に爪状の掛止部463が形成されている。装飾部材440の貫通孔443内に挿入された、遊技球通過検出部材410の端子部425から引き出された配線は、案内部461の掛止部463によって掛止されることにより、該案内部461を介して本体部411の外部に案内される。このように、爪状の掛止部463を形成して配線を掛止することにより、該配線を掛けるだけで容易にこれを案内することができる。
図16は、遊技盤14の裏面部14bを示す斜視図である。図16に示すように、遊技盤14の裏面部14bには、スペーサ31によって確保された間隙に、前述した装飾部材440が設けられていると共に、この装飾部材440の下部から左右に装飾板711が設けられている。すなわち、装飾部材440は、その下部(案内部461が設けられた部分)が装飾板711と同じ高さとなっており、案内部461によって案内された配線は、装飾板711の裏面側に引き出される。かくして、配線は、装飾部材440の本体部441の後方にあっては、本体部441に形成された蒸着処理層によって前面側から見て目立たなくなり、また、本体部411の外部に引き出された部分は、装飾板711によって前面側から見えることはない。このように、案内部461は、遊技球通過検出部材410から引き出される配線を、前面側から見えない位置に案内するようになされている。因みに、案内部461によって装飾板711の裏面側に案内された配線は、端子部721(図13、図16)に接続される。なお、本体部441に形成された蒸着処理層の厚みが厚くなるほど、その後方の配線は目立たなくなる。
また、図13及び図16に示すように、遊技盤14の裏面部14bにおいては、装飾板705が設けられている。この装飾板705の前面部には、演出用の絵柄が描かれている。因みに、本実施の形態においては、演出用の絵柄として龍の絵柄が描かれている。そして、その絵柄に合わせて、装飾板705の一部に、該装飾板705の裏面側と前面側とを貫通する開口部706が形成されている。この開口部706を介して、液晶表示装置32の表示画像を前面側から視認することができる。すなわち、液晶表示装置32の表示領域32aにおいて表示された画像は、透光性の遊技盤14及び装飾板705の開口部706を介して、前面側から視認されることとなる。
図17は、遊技盤14の前面部14aを示す正面図である。この図17においては、遊技盤14の後方に配置された装飾部材440、装飾板711、705及び装飾板705に形成された開口部706を一点鎖線で示している。図17に示すように、遊技盤14の前面部14aには、大入賞口25やステージ55等が設けられており、これらの部材を避けて、遊技盤14の後方に装飾板705が設けられている。これにより、遊技盤14の前面側から、遊技盤14の前面部14aに設けられた部材(大入賞口25、ガイドレール55等)と共に、遊技盤14の後方に設けられた装飾板705が透光性の遊技盤14を介して視認可能となっている。また、装飾板705の開口部706を介して、液晶表示装置32の表示領域32aの一部が遊技盤14の前面側から視認可能となっている。
図18は、遊技盤14の前面部14aを示す正面図である。この図18においては、遊技盤14の後方に配置された装飾部材440、装飾板711、705及び装飾板705に形成された開口部706を一点鎖線で示すと共に、遊技盤14の後方に設けられた液晶表示装置32に表示される識別図柄801を二点鎖線で示している。図18に示すように、遊技盤14の前面部14aの遊技領域15には、識別図柄801が遊技盤14を透過して表示される領域を避けて、大入賞口25、始動口39、ガイドレール55等の部材が配置されている。これにより、遊技領域15において遊技盤14の背後において表示される液晶表意装置32の識別図柄801が遊技盤14の前面側から視認可能となっている。
遊技領域15においては、遊技者の注目対象となる、遊技球の転動と、遊技球通過検出部材410における遊技球の通過と、装飾部材440とが配置される。液晶表示装置32の表示領域32aにおいては、図19に示すように、識別図柄801が表示されると共に、装飾部材440の後方に重なる位置に装飾部材用画像803が表示され、また、装飾板705の開口部706の後方に重なる位置に開口部用画像802が遊技の進行に応じて表示される。例えば、装飾部材用画像803が赤色で表示された場合には、装飾部材440の本体部441を赤色の光が透過することにより、図20(a)に示すように、遊技盤14の前面側から見て、装飾部材440の本体部441が赤色に光る。これに対して、装飾部材用画像803が青色で表示された場合には、装飾部材440の本体部441において青色の光が後方に反射することにより、図20(b)に示すように、遊技盤14の前面側から見て、装飾部材440の本体部441の周辺が青色に光る。このように、液晶表示装置32の表示画像によって、装飾部材440の発光態様を制御することができる。
因みに、遊技盤14の裏面側の上部には、LED等の発光素子と反射板とを組み合わせた発光演出部720が設けられており、遊技内容に応じて発光制御される。
[遊技機の電気的構成]
次に、パチンコ遊技機10の回路構成について説明する。図21は、パチンコ遊技機10の制御回路を示すブロック図である。図21に示すように、パチンコ遊技機10は、主に、遊技の制御を行う主制御回路60と、遊技の進行に応じた演出の制御を行う副制御回路200とから構成される。
主制御回路60は、メインCPU66、メインROM68(読み出し専用メモリ)、メインRAM70(読み書き可能メモリ)を備えている。
メインCPU66には、メインROM68、メインRAM70等が接続されており、このメインROM68に記憶されたプログラムに従って、各種の処理を実行する機能を有する。
メインROM68には、メインCPU66によりパチンコ遊技機10の動作を制御するためのプログラムや、各種のテーブル等が記憶されている。
メインRAM70は、メインCPU66の一時記憶領域として種々のフラグや変数の値、現在の大当り確率状態、保留球数等の情報を記憶する機能を有する。なお、本実施の形態においては、メインCPU66の一時記憶領域としてメインRAM70を用いているが、これに限らず、読み書き可能な記憶媒体であればよい。
また、この主制御回路60は、後述するシステムタイマ割込処理を実行するために、所定の周期(例えば2ミリ秒)毎にクロックパルスを発生するリセット用クロックパルス発生回路62、電源投入時においてリセット信号を生成する初期リセット回路64、後述する副制御回路200に対してコマンドを供給するためのシリアル通信用IC72を備えている。また、主制御回路60には、各種の装置が接続されている。
例えば、主制御回路60からの信号に応じる各種の装置としては、特別図柄ゲームにおける特別図柄の可変表示を行う特別図柄表示装置35、普通図柄ゲームにおける識別情報としての普通図柄の可変表示を行う普通図柄表示装置33、普通図柄ゲームにおける普通図柄の可変表示の保留個数を表示する普通図柄保留表示装置50、始動口39のシャッタ40を開放状態又は閉鎖状態とする普通電動役物ソレノイド118、シャッタ40を駆動させ、大入賞口25を開放状態又は閉鎖状態とする大入賞口ソレノイド120等が接続されている。なお、特別図柄保留表示装置34、普通図柄表示装置33、普通図柄保留表示装置50は、図2に示した表示部53を構成する各表示装置である。また、本実施の形態の場合、特別図柄ゲームにおける特別図柄の変動表示の保留を行わないため、図21に示す特別図柄保留表示装置34は設けられていないが、保留を行う場合には、特別図柄保留表示装置34を設けて、特別図柄の変動表示の保留個数を表示する。
また、例えば、大入賞口25における領域を遊技球が通過した場合に、所定の検知信号を主制御回路60に供給するカウントセンサ104、各一般入賞口56(56a、56b)を遊技球が通過した場合に、所定の検知信号を主制御回路60に供給する一般入賞球センサ106、108、遊技球通過検出部材410を遊技球が通過した場合に、所定の検知信号を主制御回路60に供給する通過球センサ415、始動口39を遊技球が入賞した場合に、所定の検知信号を主制御回路60に供給する始動入賞球センサ116、電断時等におけるバックアップデータを遊技場の管理者の操作に応じてクリアするバックアップクリアスイッチ124等が接続されている。
また、主制御回路60には、払出・発射制御回路126が接続されている。この払出・発射制御回路126には、遊技球の払出を行う払出装置128、遊技球の発射を行う発射装置130が接続されている。
払出・発射制御回路126は、主制御回路60から供給される賞球制御コマンドを受け取り、払出装置128に対して所定の信号を送信することにより、払出装置128に遊技球を払い出させる。また、払出・発射制御回路126は、発射ハンドル26が遊技者によって握持され、かつ、時計回り方向へ回動操作されたときには、その回動角度に応じて発射モータに電力を供給し、遊技球を発射させる制御を行う。
更には、シリアル通信用IC72には、副制御回路200が接続されている。この副制御回路200は、主制御回路60から供給される各種のコマンドに応じて、液晶表示装置32における表示制御、スピーカ46L、46Rから発生させる音声に関する制御、装飾ランプ等を含むランプの制御等を行う。
なお、本実施の形態においては、主制御回路60から副制御回路200に対してコマンドを供給するとともに、副制御回路200から主制御回路60に対して信号を供給できないように構成したが、これに限らず、副制御回路200から主制御回路60に対して信号を送信できるように構成しても問題ない。
副制御回路200は、サブCPU206、プログラムROM208、ワークRAM210、液晶表示装置32における表示制御を行うための表示制御回路250、スピーカ46L、46Rから発生させる音声に関する制御を行う音声制御回路230、各種装飾ランプや発光演出部720(図13)等を含む発光部132の制御を行うランプ制御回路240から構成されている。副制御回路200は、主制御回路60からの指令に応じて遊技の進行に応じた演出を実行する。
サブCPU206は、このプログラムROM208に記憶されたプログラムに従って、各種の処理を実行する機能を有する。特に、サブCPU206は、主制御回路60から供給される各種のコマンドに従って、副制御回路200の制御を行う。
プログラムROM208には、サブCPU206によりパチンコ遊技機10の遊技演出を制御するためのプログラムや各種のテーブルが記憶されている。
なお、本実施の形態においては、プログラム、テーブル等を記憶する記憶手段として、メインROM68、プログラムROM208を用いるように構成したが、これに限らず、制御手段を備えたコンピュータにより読み取り可能な記憶媒体であれば別態様であってもよく、例えば、ハードディスク装置、CD−ROM及びDVD−ROM、ROMカートリッジ等の記憶媒体に記録されていてもよい。また、これらのプログラムは、予め記録されているものでなくとも、電源投入後にこれらのプログラムをダウンロードし、ワークRAM210等に記録されるものでもよい。更にまた、プログラムの各々が別々の記憶媒体に記録されていてもよい。
ワークRAM210は、サブCPU206の一時記憶領域として種々のフラグや変数の値を記憶する。なお、本実施の形態においては、サブCPU206の一時記憶領域としてワークRAM210を用いているが、これに限らず、読み書き可能な記憶媒体であればよい。
表示制御回路250は、液晶表示装置32の表示制御を行う回路であり、画像データプロセッサ(以下、VDPと称する。)、各種の画像データを生成するためのデータが記憶されている画像データROM、画像データをバッファするフレームバッファ、画像データを画像信号として変換するD/Aコンバータ等から構成されている。
表示制御回路250は、サブCPU206から供給されるデータに応じて、液晶表示装置32に画像を表示させるための種々の処理を行うことができる装置である。表示制御回路250は、サブCPU206から供給される画像表示命令に応じて、装飾図柄を示す装飾図柄画像データ、背景画像データ、演出用画像データ等、各種の画像データ等、液晶表示装置32に表示させるための画像データを一時的にフレームバッファに格納する。
そして、表示制御回路250は、所定のタイミングで、フレームバッファに格納された画像データをD/Aコンバータに供給する。このD/Aコンバータは、画像データを画像信号として変換し、所定のタイミングでこの画像信号を液晶表示装置32に供給することにより、液晶表示装置32に画像が表示される。つまり、表示制御回路250は、液晶表示装置32に遊技に関する画像を表示させる制御を行うこととなる。
また、音声制御回路230は、音声に関する制御を行う音源IC、各種の音声データを記憶する音声データROM、音声信号を増幅するための増幅器(以下、AMPと称する。)等から構成されている。
この音源ICは、スピーカ46L、46Rから発生させる音声の制御を行う。音源ICは、サブCPU206から供給される音声発生命令に応じて、音声データROMに記憶されている複数の音声データから一つの音声データを選択する。また、音源ICは、選択された音声データを音声データROMから読み出し、音声データを所定の音声信号に変換し、その音声信号をAMPに供給する。AMPは、音声信号を増幅させ、スピーカ46L、46Rから音声を発生させる。
ランプ制御回路240は、ランプ制御信号を供給するためのドライブ回路、複数種類のランプ装飾パターンが記憶されている装飾データROM等から構成されている。
[遊技機の動作]
以下に、パチンコ遊技機10で実行される処理を図22〜図26に示す。
[メイン処理]
最初に、図22に示すように、ステップS9において、メインCPU66は、RAMアクセス許可、バックアップ復帰処理、作業領域を初期化等の初期設定処理を実行する。この処理が終了した場合には、ステップS14に処理を移す。
ステップS14において、詳しくは図24を用いて後述するが、メインCPU66は、特別図柄ゲームの進行、液晶表示装置32、特別図柄表示装置35に表示される特別図柄、装飾図柄に関する特別図柄制御処理を実行する。この処理が終了した場合には、ステップS15に処理を移す。
ステップS15において、詳しくは図25を用いて後述するが、メインCPU66は、普通図柄ゲームの進行、普通図柄表示装置33に表示される普通図柄に関する普通図柄制御処理を実行する。この処理が終了した場合には、ステップS16に処理を移す。
ステップS16において、メインCPU66は、特別図柄制御処理、普通図柄制御処理の実行の結果に従って、特別図柄、普通図柄等の可変表示の表示制御を行う図柄表示装置制御処理を実行する。この処理が終了した場合には、ステップS14に処理を移す。
このように、メイン処理においては、初期設定処理が終了した後、特別図柄制御処理、普通図柄制御処理、図柄表示装置制御処理を繰り返し実行することとなる。
[システムタイマ割込処理]
また、メインCPU66は、メイン処理を実行している状態であっても、メイン処理を中断させ、システムタイマ割込処理を実行する場合がある。リセット用クロックパルス発生回路62から所定の周期(例えば2ミリ秒)毎に発生されるクロックパルスに応じて、以下のシステムタイマ割込処理を実行する。このシステムタイマ割込処理について図23を用いて説明する。
最初に、図23に示すように、ステップS43において、メインCPU66は、大当り判定用乱数カウンタ、大当り図柄決定用乱数カウンタ等の各カウント値を“1”増加するように乱数更新処理を実行する。この処理が終了した場合には、ステップS44に処理を移す。
ステップS44において、メインCPU66は、カウントセンサ104、一般入賞球センサ106、108、通過球センサ415、始動入賞球センサ116などの、各種センサやスイッチの状態を検知する入力検出処理を実行する。具体的には、メインCPU66は、始動入賞球センサ116が遊技球を検知したか否かを判定し、遊技球を検知したと判定した場合には、特別図柄乱数値とを抽出し、メインRAM70の始動記憶領域に格納する処理を行う。また、メインCPU66は、通過球センサ415が遊技球を検知したか否かを判定し、遊技球を検知したと判定した場合には、保留個数が上限(例えば、4個)である否かを判定し、上限であると判定しない場合に、普通図柄ゲームの当り判定用乱数と、普通図柄乱数値とを抽出し、メインRAM70の普通図柄記憶領域に格納する処理を行う。この処理が終了した場合には、ステップS45に処理を移す。このように、メインRAM70は、普通図柄が変動表示を開始してから停止表示するまでの間に、普通領域を通過したことによる普通抽選を所定数まで保留する普通図柄保留手段の一例である。
ステップS45において、メインCPU66は、主制御回路60と副制御回路200との同期をとるための待ち時間タイマ、大入賞口25の開放時間を計測するための大入賞口開放時間タイマ等、各種のタイマの更新処理を実行する。この処理が終了した場合には、ステップS46に処理を移す。
ステップS46において、メインCPU66は、各種の変数に基づいて駆動制御するための信号をソレノイド、モータ等に供給する出力処理を実行する。この処理が終了した場合には、ステップS47に処理を移す。
ステップS47において、メインCPU66は、各種のコマンドを副制御回路200に供給するコマンド出力処理を実行する。この処理が終了した場合には、ステップS48に処理を移す。
ステップS48において、メインCPU66は、払出装置128に賞球を行わせるための賞球制御コマンドを払出・発射制御回路126へ送信する等の払出処理を実行する。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了し、割込発生前のアドレスへ復帰し、メイン処理を実行させる。
[特別図柄制御処理]
図22の特別図柄制御処理について図24を用いて説明する。尚、図24において、各処理の側方に描いた数値は、それら各処理に対応する制御状態フラグを示し、その制御状態フラグの数値に応じて、その数値に対応する一つのステップが実行され、特別図柄ゲームが進行することとなる。
最初に、図24に示すように、ステップS71において、メインCPU66は、制御状態フラグをロードする処理を実行する。この処理が終了した場合には、ステップS72に処理を移す。
尚、後述する各処理において、メインCPU66は、制御状態フラグの値に基づいて、各ステップにおける各種の処理を実行するか否かを判断することとなる。この制御状態フラグは、特別図柄ゲームの遊技の状態を示すものであり、各処理のいずれかを実行可能にするものである。また、それに加えて、メインCPU66は、各ステップに対して設定された待ち時間タイマ等に応じて決定される所定のタイミングで各ステップにおける処理を実行する。
尚、この所定のタイミングに至る前においては、各ステップにおける処理を実行することなく終了することとなり、他のサブルーチンを実行することとなる。もちろん、所定の周期でシステムタイマ割込処理も実行する。
本実施の形態においては、特別図柄変動表示の保留を行うようにはなされていないが、当該保留を行う場合には、メインCPU66は、ステップS72において、特別図柄記憶チェック処理を実行する。この処理において、メインCPU66は、制御状態フラグが特別図柄記憶チェックを示す値(00)である場合に、保留個数のチェックを行い、保留個数がある場合に、大当り判定、特別図柄の決定等を行う。また、メインCPU66は、特別図柄変動時間管理を示す値(01)を制御状態フラグにセットする。特別図柄の変動時間は予め規定時間に設定されており、規定の変動時間を経過した後、後述する特別図柄変動時間管理処理、すなわちステップS73の処理を実行するように設定することとなる。
ステップS73において、メインCPU66は、特別図柄変動時間管理処理を実行する。この処理において、メインCPU66は、制御状態フラグが特別図柄変動時間管理を示す値(01)であり、変動時間が経過した場合に、特別図柄表示時間管理を示す値(02)を制御状態フラグにセットし、確定後待ち時間を待ち時間タイマにセットする。つまり、確定後待ち時間が経過した後、後述する特別図柄表示時間管理処理すなわちステップS74の処理を実行するように設定することとなる。
ステップS74において、メインCPU66は、特別図柄表示時間管理処理を実行する。この処理において、メインCPU66は、制御状態フラグが特別図柄表示時間管理を示す値(02)であり、確定後待ち時間が経過した場合に、大当りか否かを判断する。メインCPU66は、大当りである場合に、大当り開始インターバル管理を示す値(03)を制御状態フラグにセットし、大当り開始インターバルに対応する時間を待ち時間タイマにセットする。つまり、大当り開始インターバルに対応する時間が経過した後、後述する大当り開始インターバル管理処理、すなわちステップS75の処理を実行するように設定することとなる。
一方、メインCPU66は、大当りではない場合に、特別図柄ゲーム終了を示す値(08)をセットする。つまり、後述する特別図柄ゲーム終了処理、すなわちステップS81の処理を実行するように設定することとなる。この処理が終了した場合には、ステップS75に処理を移す。
ステップS75において、メインCPU66は、大当りであると判別した場合には、大当り開始インターバル管理処理を実行する。この処理において、メインCPU66は、制御状態フラグが大当り開始インターバル管理を示す値(03)であり、その大当り開始インターバルに対応する時間が経過した場合に、大入賞口25を開放させるために、メインROM68から読み出されたデータに基づいて、メインRAM70に位置付けられた変数を更新する。メインCPU66は、大入賞口開放中を示す値(04)を制御状態フラグにセットするとともに、開放上限時間(例えば30秒)を大入賞口開放時間タイマにセットする。つまり、後述する大入賞口開放中処理、すなわちステップS76の処理を実行するように設定することとなる。
ステップS76において、メインCPU66は、大入賞口開放中処理を実行する。この処理において、メインCPU66は、制御状態フラグが大入賞口開放中を示す値(04)である場合に、大入賞口入賞カウンタが所定数以上であるという条件、開放上限時間を経過した(大入賞口開放時間タイマが“0”である)という条件のいずれかを満たす(所定の閉鎖条件が成立した)か否かを判断する。
メインCPU66は、いずれかの条件を満たした場合に、大入賞口25を閉鎖させるために、メインRAM70に位置付けられた変数を更新する。そして、メインCPU66は、大入賞口内残留球管理を示す値(05)を制御状態フラグにセットする。メインCPU66は、大入賞口内残留球管理時間を待ち時間タイマにセットする。つまり、大入賞口内残留球管理時間が経過した後、後述する大入賞口内残留球管理処理、すなわちステップS77の処理を実行するように設定することとなる。
ステップS77において、メインCPU66は、大入賞口内残留球管理処理を実行する。この処理において、メインCPU66は、制御状態フラグが大入賞口内残留球管理を示す値(05)であり、大入賞口内残留球管理時間が経過した場合に、大入賞口開放回数カウンタが大入賞口開放回数最大値以上である(最終ラウンドである)という条件を満たすか否かを判断する。
メインCPU66は、この条件を満たした場合に、大当り終了インターバルを示す値(07)を制御状態フラグにセットし、大当り終了インターバルに対応する時間を待ち時間タイマにセットする。つまり、大当り終了インターバルに対応する時間が経過した後、後述する大当り終了インターバル処理、すなわちステップS80の処理を実行するように設定することとなる。
一方、メインCPU66は、この条件を満たさない場合に、大入賞口再開放待ち時間管理を示す値(06)を制御状態フラグにセットする。また、メインCPU66は、ラウンド間インターバルに対応する時間を待ち時間タイマにセットする。つまり、ラウンド間インターバルに対応する時間が経過した後、後述する大入賞口再開放前待ち時間管理処理、すなわちステップS78の処理を実行するように設定することとなる。
ステップS78において、メインCPU66は、大入賞口開放回数カウンタが大入賞口開放回数最大値以上ではないと判別した場合に、大入賞口再開放前待ち時間管理処理を実行する。この処理において、メインCPU66は、制御状態フラグが大入賞口再開放待ち時間管理を示す値(06)であり、ラウンド間インターバルに対応する時間が経過した場合に、大入賞口開放回数カウンタを“1”増加するように記憶更新する。メインCPU66は、大入賞口開放中を示す値(04)を制御状態フラグにセットする。メインCPU66は、開放上限時間(例えば30秒)を大入賞口開放時間タイマにセットする。つまり、上述した大入賞口開放中処理、すなわちステップS76の処理を再度実行するように設定することとなる。
そして、メインCPU66は、大入賞口開放回数カウンタが大入賞口開放回数最大値以上であると判別した場合に、ステップS80に示す大当り終了インターバル処理、すなわちステップS80の処理を実行する。この処理において、詳細については後述するが、メインCPU66は、制御状態フラグが大当り終了インターバルを示す値(07)であり、大当り終了インターバルに対応する時間が経過した場合に、特別図柄ゲーム終了を示す値(08)を制御状態フラグにセットする。つまり、後述する特別図柄ゲーム終了処理、すなわちステップS81の処理を実行するように設定することとなる。さらに、メインCPU66は、確変状態あるいは時短状態に移行させる制御を行うこととなる。
そして、メインCPU66は、大当り遊技状態が終了した場合、又は、はずれとなった場合には、ステップS81の特別図柄ゲーム終了処理を実行する。この処理において、詳細については後述するが、メインCPU66は、制御状態フラグが特別図柄ゲーム終了を示す値(08)である場合に、保留個数を示すデータ(始動記憶情報)を“1”減少するように記憶更新する。そして、メインCPU66は、次回の変動表示を行うために、特別図柄記憶領域の更新を行う。メインCPU66は、特別図柄変動表示の保留を行う場合には、特別図柄記憶チェックを示す値(00)をセットする。つまり、上述した特別図柄記憶チェック処理、すなわちステップS72の処理を実行するように設定することとなる。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
上述したように、制御状態フラグをセットすることにより、特別図柄ゲームが実行されることとなる。具体的には、メインCPU66は、大当り遊技状態ではない場合において、大当り判定の結果がハズレであるときには、制御状態フラグを(“00”)、“01”、“02”、“08”と順にセットすることにより、(特別図柄記憶チェック処理)、特別図柄変動時間管理処理、特別図柄表示時間管理処理、特別図柄ゲーム終了処理を所定のタイミングで実行することとなる。
また、メインCPU66は、大当り遊技状態ではない場合において、大当り判定の結果が大当りであるときには、制御状態フラグを(“00”)、“01”、“02”、“03”と順にセットすることにより、(特別図柄記憶チェック処理)、特別図柄変動時間管理処理、特別図柄表示時間管理処理、大当り開始インターバル管理処理の処理を所定のタイミングで実行し、大当り遊技状態への制御を実行することとなる。
更に、メインCPU66は、大当り遊技状態への制御が実行された場合には、制御状態フラグを“04”、“05”、“06”と順にセットすることにより、大入賞口開放中処理、大入賞口内残留球管理処理、大入賞口再開放前待ち時間管理処理の処理を所定のタイミングで実行し、大当り遊技を実行することとなる。
尚、大当り遊技が実行されている場合において、大当り遊技状態の終了条件が成立した場合には、“04”、“05”、“07”、“08”と順にセットすることにより、大入賞口開放中処理、大入賞口内残留球管理処理、大当り終了インターバル処理、特別図柄ゲーム終了処理の処理を所定のタイミングで実行し、大当り遊技状態を終了することとなる。
[普通図柄制御処理]
図22の普通図柄制御処理について図25を用いて説明する。なお、図25において、各処理の側方に描いた数値は、それらのステップに対応する普通図柄制御状態フラグを示し、その普通図柄制御状態フラグの数値に応じて、その数値に対応する一つのステップが実行され、普通図柄ゲームが進行することとなる。
最初に、ステップS201おいて、普通図柄制御状態フラグをロードする処理を実行する。この処理において、メインCPU66は、普通図柄制御状態フラグを読み出す。この処理が終了した場合には、ステップS205に処理を移す。
なお、後述する処理において、メインCPU66は、普通図柄制御状態フラグの値に基づいて、各ステップにおける各種の処理を実行するか否かを判断することとなる。この普通図柄制御状態フラグは、普通図柄ゲームの遊技の状態を示すものであり、各処理のいずれを実行可能にするものである。また、それに加えて、メインCPU66は、各ステップに対して設定された待ち時間タイマ等に応じて決定される所定のタイミングで各ステップにおける処理を実行する。
なお、この所定のタイミングに至る前においては、各ステップにおける処理を実行することなく終了することとなり、他のサブルーチンを実行することとなる。もちろん、所定の周期でシステムタイマ割込処理も実行する。
ステップS205においては、メインCPU66は、普通図柄記憶チェック処理を実行する。この処理において、詳細については後述するが、メインCPU66は、普通図柄制御状態フラグが普通図柄記憶チェックを示す値(00)である場合に、普通図柄に関する保留個数のチェックを行い、保留個数がある場合に、当り判定等を行う。そして、メインCPU66は、普通図柄変動時間管理を示す値(01)を普通図柄制御状態フラグにセットし、予め定めた規定時間を変動時間として待ち時間タイマにセットする。つまり、予め規定された変動時間を経過した後、後述する普通図柄変動時間管理処理を実行するように設定するのである。この処理が終了した場合には、ステップS210に処理を移す。
ステップS210において、メインCPU66は、普通図柄変動時間管理処理を実行する。この処理において、メインCPU66は、普通図柄制御状態フラグが普通図柄変動時間管理を示す値(01)であり、変動時間が経過した場合に、普通図柄表示時間管理を示す値(02)を普通図柄制御状態フラグにセットし、確定後待ち時間を待ち時間タイマにセットする。つまり、確定後待ち時間が経過した後、後述する普通図柄表示時間管理処理を実行するように設定するのである。この処理が終了した場合には、ステップS215に処理を移す。
ステップS215において、メインCPU66は、普通図柄表示時間管理処理を実行する。この処理において、メインCPU66は、普通図柄制御状態フラグが普通図柄表示時間管理を示す値(02)であり、確定後待ち時間が経過した場合に、当りか否かを判断する。メインCPU66は、当りである場合に、普通電役開放設定処理を実行し、メインRAM70の普通電役開放時間タイマに6.7秒をセットし、普通電動役物開放を示す値(03)を普通図柄制御状態フラグにセットする。つまり、後述する普通電動役物開放処理を実行するように設定するのである。
一方、メインCPU66は、当りではない場合に、普通図柄ゲーム終了を示す値(04)をセットする。つまり、後述する普通図柄ゲーム終了処理を実行するように設定するのである。この処理が終了した場合には、ステップS220に処理を移す。
ステップS220において、メインCPU66は、普通電動役物開放処理を実行する。この処理において、メインCPU66は、普通図柄制御状態フラグが普通電役開放を示す値(03)である場合に、普通電動役物の開放中において所定数の始動入賞があったという条件、普通電役開放時間タイマが“0”であるという条件のいずれを満たすか否かを判断する。
メインCPU66は、いずれの条件を満たした場合に、普通電動役物48のシャッタ部材を閉鎖状態にさせるために、メインRAMに位置付けられた変数を更新する。そして、メインCPU66は、普通図柄ゲーム終了を示す値(04)を普通図柄制御状態フラグにセットする。つまり、後述する普通図柄ゲーム終了処理を実行するように設定するのである。この処理が終了した場合には、ステップS225に処理を移す。なお、メインCPU66は、メインRAM70の所定領域に記憶される普通図柄制御状態フラグの値に基づいて、普通電動役物ソレノイド118に制御信号を送信する。普通電動役物ソレノイド118は、受信した制御信号に基づいて普通電動役物48のシャッタ部材を開放状態に移行したり、閉鎖状態に移行する。
ステップS225において、メインCPU66は、普通図柄ゲーム終了処理を実行する。普通図柄ゲーム終了処理については後述するが、メインCPU66は、普通図柄制御状態フラグが普通図柄ゲーム終了を示す値(04)である場合に、普通図柄に関する保留個数を示すデータを記憶更新するとともに、次回の普通図柄の変動表示を行うために、普通図柄記憶領域の更新を行う。メインCPU66は、普通図柄記憶チェックを示す値(00)をセットする。つまり、上述した普通図柄制御状態フラグをロードする処理を実行するように設定するのである。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
[副制御回路メイン処理]
副制御回路200は、副制御回路メイン処理を実行することとなる。この副制御回路メイン処理について図26を用いて説明する。なお、この副制御回路メイン処理は、電源が投入されたときに開始される処理である。
最初に、ステップS1401において、サブCPU206は、RAMアクセス許可、作業領域を初期化等の初期設定処理を実行する。この処理が終了した場合には、ステップS1405に処理を移す。
ステップS1405において、サブCPU206は、ワークRAM210の所定領域に位置付けられた各種の乱数カウンタの乱数値を更新する乱数更新処理を実行する。この処理が終了した場合には、ステップS1410に処理を移す。
ステップS1410において、サブCPU206は、受信したコマンドを解析し、その解析したコマンドに応じたコマンド解析処理を実行する。この処理が終了した場合には、ステップS1415に処理を移す。
ステップS1415において、サブCPU206は、液晶表示装置32における画像の表示制御を行う表示制御処理を実行する。具体的には、コマンド解析処理において主制御回路60から大当り判定コマンド及び当り判定コマンドを受信したと判定した場合に、変動パターン指定コマンドに対応する演出パターンに基づいて液晶表示装置32において識別図柄801(図18)による各種変動表示が行われる。また、大当りとなった場合等、遊技者にとって有利な状態となることに対応した演出として、例えば、図19に示した開口部用画像802や装飾部材用画像803が表示されたり、又はこれらの表示色が変化する表示が液晶表示装置32において行われる。これにより、図18に示したように、装飾板705に形成された開口部706内の色が変化したり、又は装飾部材440の本体部441の色が、該本体部441の蒸着処理層における光の透過又は反射によって変化する。これにより、遊技内容に応じた演出を行うことができる。なお、開口部用画像802及び装飾部材用画像803による演出は、これらを独立に表示するだけでなく、これらの発光色や点滅等の表示態様を連携させるようにしてもよい。例えば、開口部用画像802を特定の色で表示した後、これに連動させて装飾部材用画像803を特定の色で発光させる等、種々の連携表示の態様を適用することができる。この処理が終了した場合には、ステップS1420に処理を移す。
ステップS1420において、サブCPU206は、スピーカ46L、46Rから発生させる音の制御を行う音声制御処理を実行する。この処理が終了した場合には、ステップS1425に処理を移す。
ステップS1425において、サブCPU206は、各種のランプの発光制御を行うランプ制御処理を実行する。
このように、副制御回路メイン処理においては、初期設定処理が終了した後、乱数更新処理からランプ制御処理を繰り返し実行することとなる。
[実施の形態の動作及び効果]
以上説明したパチンコ遊技機10において、遊技盤14は、透光性の部材によって形成されており、その裏面部14b設けられた装飾部材440は、該装飾部材440のさらに後方に設けられた液晶表示装置32の表示画像の光を透過又は反射することにより、視覚的な演出効果を発揮するようになされている。この装飾部材440は、遊技盤14の裏面部14bに設けられていることにより、該遊技盤14の前面部14aにおいては、遊技球が転動する遊技領域15を該装飾部材440が占有することがなくなる。これにより、遊技盤14の遊技領域15を大きく用いることができる。
このように構成することで、遊技盤14の前面部14aに設けられた遊技領域15を遊技球が転動するという、パチンコ遊技本来の遊技球の動きによる演出を大きな遊技領域15において行うことが可能となり、また、遊技領域確保のための制約を受けることなく装飾部材440を設けることが可能となる。
一方、遊技盤14の前面部14aにおいて、遊技領域15には、その中央付近に遊技球通過検出部材410が設けられており、この遊技球通過検出部材410を遊技球が通過した場合には、例えば普通図柄の可変表示といった、遊技者にとって有利なゲーム状態へ移行する機会が与えられる。
すなわち、遊技球通過検出部材410は、遊技者にとって注目すべき構成部品の一つとなっている。この遊技球通過検出部材410が遊技領域15の中央付近に配設されていることにより、遊技者は、遊技領域15における遊技球の転動状態に加えて、この遊技球通過検出部材410を遊技球が通過するか否かに注目することとなる。
この遊技球通過検出部材410は、遊技盤14の前面部14aに取り付けられており、この取付け位置において、遊技盤14を介して該遊技盤の裏面部14bに装飾部材440が取り付けられている。すなわち、遊技盤14の遊技領域15の中央付近という遊技者に最も注目され易い位置において、該遊技盤14の前面部14aには遊技球通過検出部材410が設けられ、同じ位置の裏面側には、装飾部材440が設けられている。このように装飾部材440を遊技盤14の裏面部14bに設ける構成により、遊技球通過検出部材410及び装飾部材440という、各々が遊技者の注目を集める構成要素を遊技盤14の正面から見て同じ位置に配置することが可能となる。このように、遊技者の注目の対象である遊技球通過検出装置410及び装飾部材440がそれぞれ遊技領域15の中央付近に配置されることにより、遊技者の注目するこれら2つの構成要素を遊技者の視線移動を伴うことなく遊技者に視認させることが可能となる。
また、このように、遊技盤14の同じ位置において、その前面側に遊技球通過検出部材410を設けると共に、その裏面側に装飾部材440を設ける構成とすることにより、これらを同じ貫通孔14d、14eを用いて遊技盤14に取り付けることができる。これにより、遊技盤14における貫通孔の数を減らすことができることにより、外観上煩雑な印象となることを回避することができる。また、貫通孔の数が減ることにより、パチンコ遊技機10の製造において、貫通孔の形成工程を簡単にすることが可能となる。
また、遊技盤14の前面部14aに設けられている遊技球通過検出部材410よりも大きな形状でなる装飾部材440を遊技盤14の裏面部14bに設けることにより、装飾部材440による演出効果を損なうことなく、同じ位置に遊技球通過検出部材410を設けることができる。
以上説明したように、遊技球通過検出部材410は、遊技者の注目の対象であることから遊技領域15の中央付近に設けることにより、遊技の興趣性を一段と高め得るものであり、また、装飾部材440も同様に、遊技者への演出効果を高めるために遊技領域15の中央付近に設けられるべきものである。これら遊技球通過検出部材410及び装飾部材440を前面側から見て同じ位置に配置することにより、遊技球通過検出部材410を遊技領域15の中央付近に設けることによる遊技の興趣性と、装飾部材440を遊技領域15の中央付近に設けることによる演出効果とを遊技領域15を狭くすることなく両立し得るパチンコ遊技機10を実現することができる。
また、装飾部材440の表面には蒸着による表面処理が施されていることにより、遊技盤14を介してこれを前面側から見た場合に、該装飾部材440の後方に配置される液晶表示装置32の表示画像の色に応じて、装飾部材440における光の透過又は反射が生じることとなり、これを遊技内容に応じて切り換えることにより、一段と演出効果を高めることができる。
また、遊技球通過検出部材410は、遊技球の通過を検出するための素子(磁気検出素子等)が内部に設けられており、この検出素子からの検出信号等を外部に出力するための配線が該遊技球通過検出部材410の裏面部から引き出されている。
この配線は、遊技盤14に形成された貫通孔14cを介して該遊技盤14の裏面側に引き出されると共に、装飾部材440に形成された貫通孔443を介して装飾部材440の裏面側へ引き出されている。装飾部材440には、貫通孔443と連通する案内部461が設けられており、装飾部材440の裏面側へ引き出された配線は、この案内部461によって、さらに装飾板711の裏面側へ案内される。
これにより、透明な遊技盤14の中央付近に設けられた遊技球通過検出部材410の配線は、遊技盤14の裏面側に設けられた装飾部材440から装飾板711の裏面側へと案内されることにより、当該配線が遊技盤14の前面側から見えないようにすることができる。
また、遊技盤14と液晶表示装置32との間に装飾部材440を設け、遊技盤14の前面部14aにおいて装飾部材440と重なる位置に遊技球通過検出部材410を設ける構成としたことにより、液晶表示装置32の表示面と遊技球通過検出部材410との間に配置された装飾部材440によって、液晶表示装置32の熱が遊技球通過検出部材410に伝わることを抑制することができる。遊技球通過検出部材410は、磁気検出素子等のセンサが用いられることにより、液晶表示装置32からの熱の伝わりが抑制されることにより、当該熱によるセンサへの影響を低減することができる。
[他の実施の形態]
なお、上述の実施の形態においては、遊技領域15に比べて比較的小さな装飾部材440を用いる場合について述べたが、これに限られるものではなく、例えば、遊技領域15と略同等の大きなものを用いる等、装飾部材440として種々の大きさのものを用いることができる。
また、上述の実施の形態においては、遊技球通過検出部材410を取り付けるための取付け孔と、装飾部材440を取り付けるための取り付け孔とを、遊技盤14に形成された貫通孔14d(14e)によって共通化する場合について述べたが、これに限られるものではなく、遊技球通過検出部材410を取り付けるための取付け孔と、装飾部材440を取り付けるための取付け孔とが貫通していない構成としてもよい。この場合、図27に示すように、遊技球通過検出部材410を遊技盤14にねじ止めするための取付け孔14d1(14e1)を遊技盤14の前面部14aに形成し、該取付け孔14d1(14e1)の裏面側に装飾部材440をねじ止めするための取付け孔14d2(14e2)を形成する。このように遊技球通過検出部材410の取付け孔14d1(14e1)と、装飾部材440の取付け孔14d2(14e2)とが遊技盤14の表裏同じ位置に形成され、かつ、互いに貫通していない構成としても、遊技盤14の前面側から見て、取付け孔14d1(14e1)と14d2(14e2)とがあたかも1つの貫通孔のように見えることとなり、遊技者に対して、複雑な印象を与えることを抑制することができる。また、位置決め孔14f及び14gについても、同様にして、必ずしも遊技盤14を貫通している必要なはない。
また、上述の実施の形態においては、遊技球通過検出部材410及び装飾部材440を位置決めするための貫通孔14f及び14gを設ける場合について述べたが、この貫通孔14f及び14gを省略することもできる。この場合、遊技球通過検出部材410側の位置きめ突起421a及び421bと、装飾部材440側の位置決め突起444a及び444bとを省略する。
また、上述の実施の形態においては、表示手段として、液晶表示装置32を用いる場合について述べたが、これに限られるものではなく、プラズマディスプレイ、リアプロジェクションディスプレイ、CRTディスプレイ等を用いるようにしてもよい。
また、上述の実施の形態においては、爪状の掛止部463を有する案内部461を用いる場合について述べたが、これに限られるものではなく、例えば、装飾部材440の本体部441の周縁部に貫通孔を形成し、この貫通孔に配線を通す構成とする等、種々の構成を適用することができる。
また、上述の実施の形態においては、装飾部材440の本体部441に多層の蒸着処理層を形成することにより、光の波長によって透過及び反射を切り換えることによる演出効果を得る場合について述べたが、これに限られるものではなく、一層の蒸着処理層を設け、液晶表示装置32において表示される画像がこの蒸着処理層を透過することによる演出効果のみを得るようにしてもよい。
また、上述の実施の形態においては、遊技領域15の中央付近に遊技球通過検出部材410及び装飾部材440を配置する場合について述べたが、これに限られるものではなく、遊技者が注目する領域であれば、種々の位置を適用することができる。
また、上述の実施の形態においては、遊技球通過検出部材410として、通過の検出により普通図柄が可変表示されるようになされた検出部材の後方に装飾部材440を設ける場合について述べたが、装飾部材440と組み合わせる遊技球通過検出部材410は、これに限られるものではなく、例えば、遊技球の通過を検出してその数に基づいて遊技の進行を制御するための検出部材等、他の用途の遊技球通過検出部材を広く適用することができる。
また、上述の実施の形態においては、半球形状の本体部441を有する装飾部材440を用いる場合について述べたが、これに限られるものではなく、他の種々の形状やデザインのものを用いることができる。
[パチンコ遊技機の概要]
本実施の形態におけるパチンコ遊技機10は、遊技球が転動する遊技領域15を有し、透光部材によって形成された遊技盤14と、遊技盤14の前面に設けられ、遊技球の通過を検出する遊技球通過検出部材410と、遊技盤14の裏面側に設けられ、遊技に関する情報を表示する表示装置(液晶表示装置32)と、遊技盤14の裏面と表示装置(液晶表示装置32)との間に設けられる装飾部材440と、遊技盤14の前面に形成された、遊技球通過検出部材410を取り付けるための遊技球通過検出部材用取付け孔(ねじ孔)14d(14d1)、14e(14e1)と、遊技球通過検出部材用取付け孔(ねじ孔)14d(14d1)、14e(14e1)の裏面側に形成された、装飾部材440を取り付けるための装飾部材用取付け孔(ねじ孔)14d(14d2)、14e(14e2)と、を備え、遊技盤14の前面側から遊技球通過検出部材用取付け孔(ねじ孔)14d(14d1)、14e(14e1)を介して遊技球通過検出部材410が取り付けられ、遊技盤14の裏面側から装飾部材用取付け孔(ねじ孔)14d(14d2)、14e(14e2)を介して装飾部材440が取り付けられていることを特徴とする。
この構成によれば、装飾部材440を遊技盤14の裏面側に設けることにより、装飾部材440を目立つ位置に配置しつつ、遊技領域15が狭くなることを回避することができる。また、装飾部材440を取り付けるための装飾部材用取付け孔(ねじ孔)14d(14d2)、14e(14e2)と、遊技球通過検出部材410を取り付けるための遊技球通過検出部材用取付け孔(ねじ孔)14d(14d1)、14e(14e1)とを、遊技盤14の裏面と前面とで同じ位置に設けることにより、装飾部材用取付け孔(ねじ孔)14d(14d2)、14e(14e2)と遊技球通過検出部材用取付け孔(ねじ孔)14d(14d1)、14e(14e1)とが一つの取り付け孔のように見えることとなり、透光性の遊技盤14の前面側から見える取付け孔の構成が複雑な印象となることを抑制することができる。
また、本実施の形態のパチンコ遊技機10は、前記構成に加えて、遊技球通過検出部材用取付け孔(ねじ孔)14d1、14e1及び装飾部材用取付け孔(ねじ孔)14d2、14e2は、互いに貫通し合って遊技盤14の前面から裏面に貫通する貫通孔(ねじ孔)14d、14eを形成することを特徴とする。
この構成によれば、遊技球通過検出部材用取付け孔(ねじ孔)14d1、14e1及び装飾部材用取付け孔(ねじ孔)14d2、14e2をそれぞれ一つの貫通孔(ねじ孔)14d、14eによって形成することにより、個別に取付け孔を形成する場合に比べて、パチンコ遊技機10の製造における当該取付け孔の形成工程を一段と簡単にすることが可能となる。
また、本実施の形態のパチンコ遊技機10は、前記構成に加えて、装飾部材440は、表面に蒸着処理が施された蒸着処理層を備え、表示装置(液晶表示装置32)の表示画像は、蒸着処理層及び遊技盤14を介して遊技盤14の前面側に透過することを特徴とする。
この構成によれば、表示装置(液晶表示装置32)の表示画像は、装飾部材440に形成された蒸着処理層を介して遊技盤14の前面側に透過することにより、この蒸着処理層の透過又は反射による演出効果を得ることができる。
また、本実施の形態のパチンコ遊技機10は、前記構成に加えて、遊技盤14は、遊技球通過検出部材410から信号を取り出すための配線を裏面側に引き出す配線用貫通孔(貫通孔14c)を備え、装飾部材440は、裏面側に引き出された配線を案内する案内部461を備えることを特徴とする。
この構成によれば、遊技球通過検出部材410の配線は、遊技盤14の配線用貫通孔(貫通孔14c)を介して遊技盤14の裏面側に引き出され、さらに装飾部材440に設けられた案内部461によって、遊技盤14の裏面側に設けられた配線を隠蔽する所定の領域に案内されることにより、配線を前面側から見え難くすることができる。