以下に、本発明に好適な実施形態について図面に基づいて説明する。
[遊技機の構成]
本実施形態における遊技機の概観について図1から図3を用いて説明する。尚、以下において説明する実施形態においては、本発明に係る遊技機に好適な実施形態として本発明を第1種パチンコ遊技機(「デジパチ」とも称される。)に適用した場合を示す。
パチンコ遊技機10は、図1及び図2に示すように、ガラスドア11、木枠12、ベースドア13、遊技盤14、皿ユニット21、画像を表示する液晶表示装置32、遊技球を発射する発射装置130、基板ユニット400、遊技価値を付与する球払出ユニット500などから構成されている。
上述したガラスドア11は、図2に示すように、ベースドア13に対して開閉自在に軸着されている。また、このガラスドア11の中央には、図1に示すように、開口11aが形成されている。また、この開口11aには、透過性を有する保護ガラス19が配設されている。この保護ガラス19は、ガラスドア11が閉鎖された状態で、後述する遊技盤14の前面に対面するように配設されている。特に、この保護ガラス19は、少なくとも遊技領域15の全域と対面するように配設されておればよいが、遊技領域15に該当しない遊技盤14の前面領域16(以降、遊技領域外16と称する)に対面するように配設されてもよい。
また、ガラスドア11は、その開口11aの下方に、コントロールパネル80が配設されている。このコントロールパネル80には、遊技球の貸し出し用操作部82、メニュー画面表示、メニュー選択、決定、取り消しなどのメニュー操作部84、遊技の進行に関する操作などのゲーム操作部88などが含まれている。
上述した皿ユニット21は、図2に示すように、ガラスドア11の下方に位置するように、ベースドア13に配設されている。皿ユニット21には、図1に示すように、その上方に上皿20が設けられている。また、上皿20の下方には下皿22が設けられている。上皿20には、後述する遊技領域15に発射させるための遊技球が貯留される。また、上皿20及び下皿22には、遊技球の貸し出し、遊技球の払出し(賞球)を行うための払出口20a、22aが形成されており、所定の払出条件が成立した場合には、後述する球払出ユニット500に貯留されている遊技球が排出されることとなる。
上述した発射装置130は、図2に示すように、皿ユニット21の側方に位置するように、ベースドア13に配設されている。この発射装置130には、図1に示すように、遊技者によって操作可能な発射ハンドル26が配設されている。発射ハンドル26は、回動自在に設けられており、遊技者によって発射ハンドル26が操作されることによりパチンコ遊技を進めることができる。また、発射ハンドル26の裏側には、発射モータ(図示せず)、球送りソレノイド(図示せず)などが設けられている。尚、遊技を行う遊技者は、発射ハンドル26等の操作が可能なパチンコ遊技機10の前方側に位置することとなる。つまり、このパチンコ遊技機10は、前方から遊技可能である。
また、この発射ハンドル26の周縁には、タッチセンサ(図示せず)、発射停止スイッチ(図示せず)などが設けられている。このタッチセンサが触接されたときには、遊技者により発射ハンドル26が握持されたと検知される。発射ハンドル26が遊技者によって握持され、かつ、時計回り方向へ回動操作されたときには、その回動角度に応じて発射モータに電力が供給され、上皿20に貯留された遊技球が遊技盤14に順次発射される。また、発射ハンドル26が回動操作されている場合であっても、この発射停止スイッチが操作されたときには、発射装置130によって遊技球が発射されない。
尚、発射ハンドル26に設けられるタッチセンサは、遊技者が発射ハンドル26を握持したと判別できるものであればよく、光学的に検知するものや、熱により検知するもの等、センサの種類を問わない。
上述した遊技盤14は、図2に示すように、ガラスドア11における保護ガラス19の後方に位置するように、ベースドア13の前方に配設されている。この遊技盤14は、その全部が透過性を有する板形状の樹脂によって形成されている。この透過性を有する樹脂としては、例えば、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、メタクリル樹脂など各種の材質が該当する。つまり、遊技盤14は、透光性部材により一部又は全部が後方を視認可能に形成されている。遊技盤14は、その前面に、発射された遊技球が転動可能な遊技領域15を有している。この遊技領域15は、図3に示すように、ガイドレール30などに囲まれ、遊技球が転動可能な領域である。また、遊技盤14における遊技領域15には複数の障害釘(図示せず)が設けられている。このように、発射装置130によって発射された遊技球は、遊技盤14上に設けられたガイドレール30に案内されて遊技盤14の上部に移動し、その後、上述した複数の障害釘との衝突によりその進行方向を変えながら遊技盤14の下方に向かって落下することとなる。また、この遊技盤14は、遊技場の管理者などによって他の遊技盤に交換可能であり、遊技盤を交換することにより、バリエーションに富んだ遊技を提供することができる。
この遊技盤14の前面中央には、図3に示すように、複数の始動口44a及び44b、シャッタ40などが設けられている。これらの始動口44a及び44bに遊技球が入球したことを条件として、特別図柄(第一識別情報の一例)の可変表示が実行されることとなる。また、詳しくは後述するが、この特別図柄の可変表示の結果に応じて、通常遊技状態よりも遊技者に相対的に有利な大当り遊技状態(特定遊技状態、所謂、「大当り」)となる。この大当り遊技状態となった場合には、シャッタ40が開放状態に制御され、大入賞口39に遊技球が受け入れ容易な開放状態となることがある。
また、詳しく後述する球通過検知器54a及び54bを遊技球が通貨したことや、始動口44aに遊技球が入球したことを条件として、普通図柄(第二識別情報の一例)の可変表示が実行されることとなる。また、詳しくは後述するが、この普通図柄の可変表示の結果に応じて、通常遊技状態よりも遊技者に相対的に有利な当り遊技状態(「当り」)となる。この当り遊技状態となった場合には、羽根部材48a及び48bが開放状態に制御され、始動口44a及び44bに遊技球が受け入れ容易な開放状態となることがある。
上述したように、ガラスドア11、遊技盤14、皿ユニット21、発射装置130が配設されたベースドア13は、図2に示すように、木枠12に軸着されている。ベースドア13の中央には開口13aが形成されている。このため、ベースドア13の後方に配設される液晶表示装置32の表示領域32aが、透過性を有する遊技盤14、保護ガラス19を介して、前方から視認可能となる。また、このベースドア13の上方には、スピーカ46L、46Rが配設される。
また、遊技盤14の中央には、図3に示すように、特別図柄表示装置33が配設されている。この特別図柄表示装置33は、7セグ表示が可能な表示装置であり、特別図柄ゲームにおいて特別図柄の可変表示を行うものである。この特別図柄表示装置33における特別図柄は、一列の図柄列で構成されているが、これに限らず、例えば、複数の図柄列で構成されていてもよい。この特別図柄は、数字や記号等からなる図柄であり、本実施形態においては、“0”から“9”の数字、“−”の絵柄を用いる。このような特別図柄表示装置33は、第一識別情報の可変表示を行う第一可変表示手段の一例に相当する。
「可変表示」とは、変動可能に表示される概念であり、例えば、実際に変動して表示される「変動表示」、実際に停止して表示される「停止表示」等を可能とするものである。また、「可変表示」は、特別図柄ゲームの結果として識別情報が表示される「導出表示」を行うことができる。また、変動表示が開始されてから導出表示されるまでを1回の可変表示と称する。
また、この特別図柄表示装置33において、特別図柄の導出表示が行われ、導出表示された特別図柄が特定の表示態様(例えば、“0”から“9”のいずれかが導出表示される態様、所謂「大当り表示態様」)になったことに基づいて、遊技状態を遊技者に有利な大当り遊技状態に移行することとなる。また、導出表示された特別図柄が非特定の表示態様(例えば、“−”が導出表示される態様、所謂「はずれ態様」)になった場合には、大当り遊技状態に移行しない。
また、導出表示された特別図柄が、特定の表示態様のうちの特別の表示態様(例えば、“1”、“3”、“5”、“7”、“9”が導出表示される態様、所謂「特別大当り表示態様」)になったことに基づいて、遊技状態を遊技者に有利な大当り遊技状態に移行し、その大当り遊技状態が終了した場合に、確変状態に移行することとなる。一方、導出表示された特別図柄が、特定の表示態様のうち、特別の表示態様ではない非特別の表示態様(例えば、“0”、“2”、“4”、“6”、“8”が導出表示される態様、所謂「通常大当り表示態様」)になったことに基づいて、遊技状態を遊技者に有利な大当り遊技状態に移行し、その大当り遊技状態が終了した場合に、遊技者に相対的に不利な通常遊技状態に移行することとなる。上述したような確変状態では、通常遊技状態よりも相対的に大当り遊技状態に移行する確率が向上する。
上述した液晶表示装置32は、図2に示すように、ベースドア13に配設されている。この液晶表示装置32は、遊技に関する画像を表示するための表示領域32aを有している。この液晶表示装置32は、開口13aを介して、遊技盤14の後方(背面側)に配設されることとなる。また、液晶表示装置32は、表示領域32aが開口13aを介して遊技盤14の全部又は一部と背面側から奥行き方向に重なるように配設されている。
また、この液晶表示装置32には、特別図柄表示装置33における特別図柄の可変表示に合わせて、装飾図柄が可変表示される。詳しく後述するが、特別図柄に対応する装飾図柄は、表示領域32aの右下において可変表示されることとなる。
また、特別図柄表示装置33の右側方には、普通図柄の可変表示を行う普通図柄表示装置35が設けられている。この普通図柄表示装置35は、7セグ表示が可能な表示装置であり、普通図柄ゲームにおいて普通図柄の可変表示を行うものである。この普通図柄表示装置35における普通図柄は、一列の図柄列で構成されているが、これに限らず、例えば、複数の図柄列で構成されていてもよい。この普通図柄は、数字や記号等からなる図柄であり、本実施形態においては、“0”から“9”の数字、“−”の絵柄を用いる。このような普通図柄表示装置35は、第一識別情報とは異なる第二識別情報の可変表示を行う第二可変表示手段の一例に相当する。
また、この普通図柄表示装置35において、普通図柄の導出表示が行われ、導出表示された普通図柄が特定の表示態様(例えば、“0”から“9”のいずれかが導出表示される態様、所謂「大当り表示態様」)になったことに基づいて、遊技状態を遊技者に有利な当り遊技状態に移行することとなる。また、導出表示された普通図柄が非特定の表示態様(例えば、“−”が導出表示される態様、所謂「はずれ態様」)になった場合には、当り遊技状態に移行しない。この当り遊技状態となった場合には、羽根部材48a及び48bを開放させる制御が行われる。
また、導出表示された普通図柄が、特定の表示態様のうちの特別の表示態様(例えば、“1”、“3”、“5”、“7”、“9”が導出表示される態様、所謂「特別当り表示態様」)になったことに基づいて、当り遊技状態に移行し、当り遊技状態時における羽根部材48a及び48bの開放態様を相対的に有利に制御する一方、導出表示された普通図柄が、特定の表示態様のうち、特別の表示態様ではない非特別の表示態様(例えば、“0”、“2”、“4”、“6”、“8”が導出表示される態様、所謂「通常当り表示態様」)になったことに基づいて、当り遊技状態に移行し、その当り遊技状態時における羽根部材48a及び48bの開放態様を相対的に不利に制御することとなる。
この液晶表示装置32における表示領域32aには、普通図柄ゲームにおける普通図柄の可変表示に伴って可変表示を行う装飾図柄、遊技に係る背景画像、演出画像等、各種の遊技に関する画像が所定の態様で表示されることとなる。
また、この液晶表示装置32には、普通図柄表示装置35における普通図柄の可変表示に合わせて、複数の図柄列(本実施形態においては3列)に対応する装飾図柄が可変表示される。言い換えると、液晶表示装置32は、複数の図柄列(表示列)のそれぞれにおいて装飾図柄の可変表示を行う。これら複数の図柄列において装飾図柄の導出表示が行われ、普通図柄表示装置35における普通図柄の可変表示の結果が特定の表示態様となる場合には、導出表示された複数の装飾図柄の組合せが特定の組合せ(例えば、複数の図柄列のそれぞれに“0”から“9”のいずれかが全て揃った状態で導出表示される態様、所謂「当り表示態様」)となり、遊技状態を遊技者に有利な当り遊技状態に移行することとなる。
このように、遊技者によってパチンコ遊技機10の前方から遊技が行われている場合、つまり、ガラスドア11が閉鎖した状態である場合には、透過性を有する遊技盤14の背面側に液晶表示装置32が配設されるとともに、遊技盤14の前面側に透過性を有する保護ガラス19が配設されるので、液晶表示装置32における表示領域32aに表示された画像が、透過性を有する遊技盤14及び保護ガラス19を介して遊技者に対して視認可能となる。
このため、透過性を有する遊技盤14の背面に液晶表示装置32が配設され、液晶表示装置32の表示領域32aにおいて各種の演出を行うことによって、従来の遊技機にはなかった斬新な表示演出を提供することができ、興趣の向上を図ることができる。また、従来の遊技機においては、表示領域のサイズを大きくすることによって、遊技領域のサイズが小さくなる可能性があった。また、表示領域のサイズを大きくしないで、各種の画像を表示することは、遊技者にとって視認することが煩雑となるおそれもあった。そこで、各種の表示演出を実行することによって、液晶表示装置32における表示領域のサイズにとらわれない多種多様な演出を実行でき、興趣の向上を図ることができる。また、遊技盤14と、その遊技盤14の後方に配設される液晶表示装置32との間に隙間を設けたので、障害釘の調整を行う際などにおける衝撃が液晶表示装置32に伝導しにくく、液晶表示装置32を傷つけることを防止し、液晶表示装置32の製品寿命を永らえることができる。尚、液晶表示装置32に、役物、入賞口、球流路、リールの配置等のための穴を設けてもよい。
尚、本実施形態において、画像を表示する部分として液晶ディスプレイパネルからなる液晶表示装置32を採用したが、これに限らず、他の態様であってもよく、例えば、CRT(Cathode Ray Tube)を含むブラウン管、ドットLED(Light Emitting Diode)、セグメントLED、EL(Electronic Luminescent)、プラズマ等からなるものであってもよい。
上述した木枠12は、木製の枠体であり、その前方にベースドア13が軸着される。尚、本実施形態においては、木製の木枠12を用いた構成としたが、これに限らず、別の態様であってもよく、例えば、金属製、樹脂製の枠体を用いた構成としてもよい。また、この木枠12の中央には、開口12aが形成されている。この開口12aには、上述したベースドア13、液晶表示装置32、詳しく後述する基板ユニット400、球払出ユニット500などが配置される。
上述した基板ユニット400は、ベースドア13の後方に軸着されている。基板ユニット400には、パチンコ遊技機10を制御するための回路が形成された各種の基板(図示せず)などが内蔵されており、それらの基板が基板ケース(図示せず)によって覆われている。
上述した球払出ユニット500は、ベースドア13の後方に軸着されている。球払出ユニット500には、遊技球を貯留するための球貯留タンク(図示せず)と、球通路ケース(図示せず)とから構成され、球貯留タンクに貯留されている遊技球を、上述した払出口20a、22aへと導くこととなる。
上述した遊技盤14の遊技領域15には、各種の役物が設けられている。各種の役物の一例として図3を用いて以下に説明するが、これに限定されるものではない。
例えば、遊技盤14の遊技領域15内の中央上方には、特別図柄表示装置33が設けられている。
また、特別図柄表示装置33の右側方には、上述した普通図柄の可変表示を行う普通図柄表示装置35が設けられている。
また、遊技盤14の上方には、特別図柄ゲームにおける保留個数を表示する特別図柄保留表示装置34aから34d(図4においては符号34と表す)、普通図柄ゲームにおける保留個数を表示する普通図柄保留表示装置37がそれぞれ設けられている。
また、遊技盤14の右上方には、大当り遊技状態における上限ラウンド数を表示する大当りラウンド数表示装置41が設けられている。
また、遊技盤14の遊技領域15内の上方には、球通過検出器54a及び54bが設けられている。この球通過検出器54a及び54bの近傍を遊技球が通過したことを検出したとき、又は、上述した始動口44aに遊技球が入賞したことを検出したときには、普通図柄表示装置35における普通図柄の変動表示が開始され、所定の時間が経過した後、普通図柄の変動表示を停止する。
この球通過検出器54a及び54bの近傍を遊技球が通過したと検出した場合において、この普通図柄が特定の表示態様として停止表示されたときには、後述する始動口44aの左右の両側に設けられている羽根部材(所謂、普通電動役物、以降、普通電役と称することがある)48aが閉鎖状態から開放状態となり、始動口44aに遊技球が入りやすくなるようになる。また、羽根部材48aを開放状態とした後、所定の時間が経過したときには、羽根部材48aを閉鎖状態として、始動口44aに遊技球が入りにくくなるようにする。
また、始動口44aに遊技球が入賞したことを検出した場合において、この普通図柄が特定の表示態様として停止表示されたときには、後述する始動口44bの左右の両側に設けられている羽根部材(所謂、普通電動役物、以降、普通電役と称することがある)48bが閉鎖状態から開放状態となり、始動口44bに遊技球が入りやすくなるようになる。また、羽根部材48bを開放状態とした後、所定の時間が経過したときには、羽根部材48bを閉鎖状態として、始動口44bに遊技球が入りにくくなるようにする。
これら羽根部材48a及び48bは、遊技盤14の遊技領域15において、遊技球が入賞し易い第一の状態、遊技球が入賞し難い第二の状態に変位可能な可変入賞装置の一例であり、本実施形態においては、その遊技領域15に、複数の可変入賞装置が設けられている。
また、遊技盤14の遊技領域15内の下方には、遊技球の一般入賞口56aから56dが設けられている。
また、遊技盤14の遊技領域15の下方には、大入賞口39に対して開閉自在なシャッタ40が設けられている。上述したように、導出表示された特別図柄が特定の表示態様である場合には、遊技状態が大当り遊技状態に移行され、このシャッタ40が遊技球を受け入れやすい開放状態(第一の状態)となるように駆動される。また、この大入賞口には、カウントセンサ104(図4参照)を有する一般領域(図示せず)があり、その領域を遊技球が所定個数(例えば10個)通過するか、又は、所定時間(例えば30秒)が経過するまでシャッタ40が開放状態に駆動される。つまり、開放状態において大入賞口への所定数の遊技球の入賞又は所定時間の経過のいずれかの条件が成立すると、大入賞口を、遊技球を受け入れ難い閉鎖状態(第二の状態)にする。また、続いて、開放状態から閉鎖状態となったシャッタ40は、上限ラウンド数に至っていないことを条件に、再度開放状態に駆動される。
また、シャッタ40の上方には、始動入賞球センサ116及び117(図4参照)を有する始動口44a及び44bが設けられている。これらの始動口44a及び44bに遊技球が入賞した場合に、後述する特別図柄ゲームが開始され、特別図柄を変動表示する変動表示状態に移行する。所定の特別図柄可変表示開始条件としては、本実施形態においては、始動口44a及び44bに遊技球が入賞したこと(始動領域を遊技球が通過したこと)を主な条件とする。つまり、所定の特別図柄可変表示開始条件が成立したときに(始動領域を遊技球が通過したことを条件に)特別図柄の可変表示を行うこととなる。尚、実施形態においては、始動口44a及び44bに遊技球が入賞したこと等を所定の特別図柄可変表示開始条件としたが、これに限らず、別の態様であってもよい。
また、特別図柄ゲームにおける特別図柄の可変表示中に遊技球が始動口44a及び44bへ入賞した場合には、可変表示中の特別図柄が導出表示されるまで、当該始動口44a及び44bへの遊技球の入賞に基づく特別図柄の可変表示の実行(開始)が保留される、つまり、所定の可変表示実行条件が成立したが、所定の特別図柄可変表示開始条件が成立していない場合(所定の可変表示保留条件が成立した場合)には、所定の特別図柄可変表示開始条件が成立するまで、特別図柄の可変表示の実行(開始)が保留されることとなる。特別図柄の可変表示の実行が保留されている状態で、特別図柄が導出表示された場合には、保留されている特別図柄の可変表示の実行が開始される。また、特別図柄が導出表示された場合に実行される特別図柄の可変表示の実行は一回分である。例えば、特別図柄の可変表示の実行が三回分保留されている状態で、特別図柄が導出表示された場合には、保留されている特別図柄の可変表示のうち一回分が実行され、残りの二回分は保留される。また、特別図柄の可変表示の実行が保留される回数には上限が設定されており、例えば、4回を上限として特別図柄の可変表示が保留される。このように特別図柄ゲームにおける識別情報の可変表示が保留された場合には、特別図柄保留表示装置34は、その保留個数を表示することとなる。
また、普通図柄ゲームにおいても同じように、普通図柄の変動表示中において球通過検出器54a及び54bの近傍を遊技球が通過した場合、又は、遊技球が始動口44aへ入賞した場合には、変動表示中の普通図柄が導出表示されるまで、当該球通過検出器54a及び54b、始動口44aへの遊技球の通過に基づく普通図柄の可変表示の実行(開始)が保留される。普通図柄の可変表示の実行が保留されている状態で、普通図柄が導出表示された場合には、所定時間経過後、保留されている普通図柄の可変表示が開始される。また、普通図柄が導出表示された場合に実行される普通図柄の可変表示の実行は一回分である。この保留された普通図柄の可変表示の実行回数(所謂、「普通図柄に関する保留個数」、「普通図柄ゲームにおける保留個数」)は、普通図柄保留表示装置37によって表示される。また、普通図柄の可変表示の実行が保留される回数にも上限が設定されており、例えば、4回を上限として普通図柄の可変表示が保留される。このように普通図柄ゲームにおける識別情報の可変表示が保留された場合には、普通図柄保留表示装置37は、その保留個数を表示することとなる。
尚、本実施形態においては、4回を上限として特別図柄の可変表示を保留するように構成したが、これに限らず、別の態様であってもよく、例えば、一回又は複数回を上限として、特別図柄の可変表示を保留するように構成してもよく、更には、上限を設定することなく保留するように構成してもよい。もちろん、特別図柄の可変表示を保留しないように構成してもよい。また、本実施形態においては、4回を上限として普通図柄の可変表示を保留するように構成したが、これに限らず、別の態様であってもよく、例えば、一回又は複数回を上限として、普通図柄の可変表示を保留するように構成してもよく、更には、上限を設定することなく保留するように構成してもよい。もちろん、普通図柄の可変表示を保留しないように構成してもよい。
[遊技機の電気的構成]
本実施形態におけるパチンコ遊技機10の制御回路を示すブロック図を図4に示す。
パチンコ遊技機10は、主に、遊技制御手段としての主制御回路60と、演出制御手段としての副制御回路200とから構成される。主制御回路60は、遊技の制御を行うものである。副制御回路200は、遊技の進行に応じた演出の制御を行うものである。
主制御回路60は、図4に示すように、制御手段であるメインCPU66、メインROM(読み出し専用メモリ)68、メインRAM(読み書き可能メモリ)70を備えている。この主制御回路60は、遊技の進行を制御する。
メインCPU66には、メインROM68、メインRAM70等が接続されており、このメインROM68に記憶されたプログラムに従って、各種の処理を実行する機能を有する。このように、このメインCPU66は、後述する各種の手段として機能することとなる。
メインROM68には、メインCPU66によりパチンコ遊技機10の動作を制御するためのプログラムが記憶されており、その他には、乱数抽選によって大当り判定をする際に参照される大当り判定テーブルや、演出を選択する際に参照される演出条件選択テーブル等の各種のテーブルも記憶されている。具体的なプログラムについては後述する。
尚、本実施形態においては、プログラム、テーブル等を記憶する媒体としてメインROM68を用いるように構成したが、これに限らず、制御手段を備えたコンピュータにより読み取り可能な記憶媒体であれば別態様であってもよく、例えば、ハードディスク装置、CD−ROM及びDVD−ROM、ROMカートリッジ等の記憶媒体に記録されていてもよい。また、これらのプログラムは、予め記録されているものでなくとも、電源投入後にこれらのプログラムをダウンロードしてメインRAM70等に記録されるものでもよい。更にまた、プログラムの各々が別々の記憶媒体に記録されていてもよい。また、本実施形態においてはメインCPU66、メインROM68及びメインRAM70を別々に設けたが、これらが一体となっているワンチップマイコンを使用してもよい。
メインRAM70は、メインCPU66の一時記憶領域として種々のフラグや変数の値を記憶する機能を有する。メインRAM70に記憶されるデータの具体例としては、以下のようなものがある。
メインRAM70には、制御状態フラグ、高確率フラグ、大当り判定用乱数カウンタ、大当り図柄決定用乱数カウンタ、演出条件選択用乱数カウンタ、大入賞口開放回数カウンタ、大入賞口入賞カウンタ、待ち時間タイマ、大入賞口開放時間タイマ、特別図柄ゲームにおける保留個数を示すデータ等が存在する出力に関する変数、後述する副制御回路200にコマンドを供給するためのデータ、変数等が位置付けられている。
制御状態フラグは、特別図柄ゲームの制御状態を示すものである。高確率フラグは、大当り遊技状態に移行する確率を相対的に高めるか否かを示すものである。
大当り判定用乱数カウンタは、特別図柄の大当りを判定するためのものである。大当り図柄決定用乱数カウンタは、特別図柄の大当りを判定した場合に、導出表示される特別図柄を決定するためのものである。演出条件選択用乱数カウンタは、特別図柄及び装飾図柄の変動表示パターンを決定するためのものである。これらのカウンタは、メインCPU66により順次“1”増加するように記憶更新されており、所定のタイミングで各カウンタから乱数値を抽出することにより、メインCPU66の各種の機能を実行することとなる。尚、本実施形態においては、このような乱数カウンタを備え、プログラムに従って、メインCPU66が、乱数カウンタを“1”増加させるように記憶更新する構成としたが、これに限らず、別個に、乱数発生器のような装置を備えるように構成してもよい。また、はずれではあるが、リーチとするか否かを判定するためのリーチ判定用乱数カウンタを設けてもよい。
待ち時間タイマは、主制御回路60と副制御回路200とにおいて実行される処理の同期を取るためのものである。また、大入賞口開放時間タイマは、シャッタ40を駆動させ、大入賞口39を開放する時間を計測するためのものである。尚、本実施形態におけるタイマは、メインRAM70において、所定の周期で、その所定の周期だけ減算されるように記憶更新されるが、これに限らず、CPU等自体がタイマを備えていてもよい。
大入賞口開放回数カウンタは、大当り遊技状態における大入賞口39の開放回数(所謂、「ラウンド数」)を示すものである。また、大入賞口入賞カウンタは、1ラウンド中に大入賞口39に入賞し、カウントセンサ104を通過した遊技球の数を示すものである。更には、保留個数を示すデータは、始動口44へ遊技球が入賞したが、特別図柄の可変表示が実行できないときに、当該可変表示を保留するが、その保留されている特別図柄の可変表示回数を示すものである。
尚、本実施形態においては、メインCPU66の一時記憶領域としてメインRAM70を用いているが、これに限らず、読み書き可能な記憶媒体であればよい。
また、この主制御回路60は、所定の周波数のクロックパルスを生成するリセット用クロックパルス発生回路62、電源投入時においてリセット信号を生成する初期リセット回路64、後述する副制御回路200に対してコマンドを供給するためのシリアル通信用IC72を備えている。また、これらのリセット用クロックパルス発生回路62、初期リセット回路64、シリアル通信用IC72は、メインCPU66に接続されている。尚、このリセット用クロックパルス発生回路62は、後述するシステムタイマ割込処理を実行するために、所定の周期(例えば2ミリ秒)毎にクロックパルスを発生する。尚、このシリアル通信用IC72は、各種のコマンドを副制御回路200(副制御回路200に含まれる各種の手段)へ送信する送信手段に相当する。
また、主制御回路60には、各種の装置が接続されており、例えば、図4に示すように、特別図柄表示装置33、特別図柄保留表示装置34、普通図柄表示装置35、普通図柄保留表示装置37、大当りラウンド数表示装置41、カウントセンサ104、一般入賞球センサ106、108、110、112、通過球センサ114、115、始動入賞球センサ116、117、普通電動役物ソレノイド118、119、大入賞口ソレノイド120、バックアップクリアスイッチ124などが接続されている。
特別図柄表示装置33は、主制御回路60からの信号に応じて、特別図柄ゲームにおける特別図柄の可変表示を行うものである。
特別図柄保留表示装置34は、主制御回路60からの信号に応じて、特別図柄ゲームにおける特別図柄の可変表示の保留個数を表示するものである。
普通図柄表示装置35は、主制御回路60からの信号に応じて、普通図柄ゲームにおける識別情報としての普通図柄の可変表示を行うものである。
普通図柄保留表示装置37は、主制御回路60からの信号に応じて、普通図柄ゲームにおける普通図柄の可変表示の保留個数を表示するものである。
大当りラウンド数表示装置41は、主制御回路60からの信号に応じて、移行した大当り遊技状態における上限ラウンド数を表示するものである。
カウントセンサ104は、大入賞口39内に設けられている。このカウントセンサ104は、大入賞口39における領域を遊技球が通過した場合に、所定の検知信号を主制御回路60に供給する。
一般入賞球センサ106、108、110、112は、一般入賞口56a〜56dに設けられている。この一般入賞球センサ106、108、110、112は、各一般入賞口56a〜56dを遊技球が通過した場合に、所定の検知信号を主制御回路60に供給する。
通過球センサ114、115は、球通過検出器54a及び54bに設けられている。この通過球センサ114、115は、球通過検出器54a及び54bを遊技球が通過した場合に、所定の検知信号を主制御回路60に供給する。
始動入賞球センサ116、117は、始動口44a及び44bに設けられている。これらの始動入賞球センサ116、117は、始動口44a及び44bを遊技球が入賞した場合に、所定の検知信号を主制御回路60に供給する。
普通電動役物ソレノイド118、119は、リンク部材(図示せず)を介して羽根部材48a及び48bに接続されており、メインCPU66から供給される駆動信号に応じて、羽根部材48a及び48bを開放状態又は閉鎖状態とする。
大入賞口ソレノイド120は、図1に示すシャッタ40に接続されており、メインCPU66から供給される駆動信号に応じて、シャッタ40を駆動させ、大入賞口39を開放状態又は閉鎖状態とする。
バックアップクリアスイッチ124は、パチンコ遊技機10に内蔵されており、電断時等におけるバックアップデータを遊技場の管理者の操作に応じてクリアする機能を有する。
また、主制御回路60には、払出・発射制御回路126が接続されている。この払出・発射制御回路126には、遊技球の払出を行う払出装置128、遊技球の発射を行う発射装置130、カードユニット150が接続されている。具体的には、払出・発射制御回路126には、その払出・発射制御回路126を制御するためのCPU(図示せず)と、CPUに処理を実行させるためのプログラムが記憶されているROM(図示せず)と、CPUの作業領域であるRAM(図示せず)とが少なくとも備えられている。また、カードユニット150には、貸し出し用操作部82が接続されており、その操作に応じて、カードユニット150に操作信号が供給される。
この払出・発射制御回路126は、主制御回路60から供給される賞球制御コマンド、カードユニット150から供給される貸し球制御信号を受け取り、払出装置128に対して所定の信号を送信することにより、払出装置128に遊技球を払い出させる。また、払出・発射制御回路126は、発射装置130に対して発射信号を供給することにより、遊技球を発射させる制御を行う。尚、払出装置128は、発射(投入)された遊技媒体が所定の領域を通過することにより遊技媒体を払出す払出手段の一例として採用されている。また、払出・発射制御回路126は、払出手段の駆動制御を行う払出制御手段の一例として採用されている。
また、発射装置130には、上述した発射モータ、タッチセンサ等の遊技球を発射させるための装置が備えられている。発射ハンドル26が遊技者によって握持され、かつ、時計回り方向へ回動操作されたときには、その回動角度に応じて発射モータに電力が供給され、上皿20に貯留された遊技球が発射モータにより遊技盤14に順次発射される。尚、このような発射装置130は、遊技者の操作に応じて遊技媒体を発射する発射手段の一例として採用されている。また、払出・発射制御回路126は、発射手段の駆動制御を行う発射制御手段の一例として採用されている。
更には、シリアル通信用IC72には、副制御回路200が接続されている。この副制御回路200は、主制御回路60から供給される各種のコマンドに応じて、液晶表示装置32における表示制御、スピーカ46(図1においては46L及び46R)から発生させる音声に関する制御、装飾ランプ(図示せず)などを含むランプ132の制御等を行う。
尚、本実施形態においては、主制御回路60から副制御回路200に対してコマンドを供給するとともに、副制御回路200から主制御回路60に対して信号を供給できないように構成したが、これに限らず、副制御回路200から主制御回路60に対して信号を送信できるように構成しても問題ない。
副制御回路200は、サブCPU206、記憶手段としてのプログラムROM208、ワークRAM210、液晶表示装置32における表示制御を行うための表示制御回路250、スピーカ46から発生させる音声に関する制御を行う音声制御回路230、装飾ランプなどを含むランプ132の制御を行うランプ制御回路240から構成されている。副制御回路200は、主制御回路60からの指令に応じて遊技の進行に応じた演出を実行する。また、副制御回路200には、遊技者によって操作可能なメニュー操作部84、ゲーム操作部88などが接続されており、その操作(操作状態)に応じて操作信号が副制御回路200に供給される。
サブCPU206には、プログラムROM208、ワークRAM210等が接続されている。サブCPU206は、このプログラムROM208に記憶されたプログラムに従って、各種の処理を実行する機能を有する。特に、サブCPU206は、主制御回路60から供給される各種のコマンドに従って、副制御回路200の制御を行う。サブCPU206は、後述する各種の手段として機能することとなる。
プログラムROM208には、サブCPU206によりパチンコ遊技機10の遊技演出を制御するためのプログラムが記憶されており、その他には、演出に関する決定を行うためのテーブル等の各種のテーブルも記憶されている。具体的なプログラムについては後述する。
尚、本実施形態においては、プログラム、テーブル等を記憶する記憶手段としてプログラムROM208を用いるように構成したが、これに限らず、制御手段を備えたコンピュータにより読み取り可能な記憶媒体であれば別態様であってもよく、例えば、ハードディスク装置、CD−ROM及びDVD−ROM、ROMカートリッジ等の記憶媒体に記録されていてもよい。もちろん、記憶手段としてメインROM68を用いてもよい。また、これらのプログラムは、予め記録されているものでなくとも、電源投入後にこれらのプログラムをダウンロードし、ワークRAM210等に記録されるものでもよい。更にまた、プログラムの各々が別々の記憶媒体に記録されていてもよい。
また、本実施形態において、メインCPU66及びメインROM68を含む主制御回路60と、サブCPU206及びプログラムROM208を含む副制御回路200と、を別々に構成したが、これに限らず、メインCPU66及びメインROM68を含む主制御回路60のみで構成してもよく、この場合には、上述したプログラムROM208に記憶されているプログラムをメインROM68に記憶させ、メインCPU66により実行されるように構成してもよい。もちろん、サブCPU206及びプログラムROM208を含む副制御回路200のみで構成するようにしてもよく、この場合には、上述したメインROM68に記憶されているプログラムをプログラムROM208に記憶させ、サブCPU206により実行されるように構成してもよい。
ワークRAM210は、サブCPU206の一時記憶領域として種々のフラグや変数の値を記憶する機能を有する。例えば、演出パターンを選択するための演出表示選択用乱数カウンタ等各種の変数等が位置付けられている。
尚、本実施形態においては、サブCPU206の一時記憶領域としてワークRAM210を用いているが、これに限らず、読み書き可能な記憶媒体であればよい。
表示制御回路250は、液晶表示装置32の表示制御を行う回路であり、画像データプロセッサ(以下、VDPと称する。)、各種の画像データを生成するためのデータが記憶されている画像データROM、画像データをバッファするフレームバッファ、画像データを画像信号として変換するD/Aコンバータなどから構成されている。
表示制御回路250は、サブCPU206から供給されるデータに応じて、液晶表示装置32に画像を表示させるための種々の処理を行うことができる装置である。
表示制御回路250は、サブCPU206から供給される画像表示命令に応じて、装飾図柄を示す装飾図柄画像データ、背景画像データ、演出用画像データ等、各種の画像データなど、液晶表示装置32に表示させるための画像データを一時的にフレームバッファに格納する。そして、表示制御回路250は、所定のタイミングで、フレームバッファに格納された画像データをD/Aコンバータに供給する。このD/Aコンバータは、画像データを画像信号として変換し、所定のタイミングでこの画像信号を液晶表示装置32に供給することにより、液晶表示装置32に画像が表示される。つまり、表示制御回路250は、液晶表示装置32に遊技に関する画像を表示させる制御を行うこととなる。
また、音声制御回路230は、音声に関する制御を行う音源IC、各種の音声データを記憶する音声データROM、音声信号を増幅するための増幅器(以下、AMPと称する。)などから構成されている。
この音源ICは、スピーカ46から発生させる音声の制御を行う。音源ICは、サブCPU206から供給される音声発生命令に応じて、音声データROMに記憶されている複数の音声データから一つの音声データを選択する。また、音源ICは、選択された音声データを音声データROMから読み出し、音声データを所定の音声信号に変換し、その音声信号をAMPに供給する。AMPは、音声信号を増幅させ、スピーカ46から音声を発生させる。
ランプ制御回路240は、ランプ制御信号を供給するためのドライブ回路、複数種類のランプ装飾パターンが記憶されている装飾データROMなどから構成されている。
[開放態様選択テーブル]
上述したような構成のパチンコ遊技機10におけるメインROM68に記憶されている開放態様選択テーブルについて図5を用いて説明する。尚、以下に説明する開放態様選択テーブルがメインROM68に記憶されていない場合であっても、このような機能を有するデータ、プログラムがメインROM68に記憶されていればよい。
メインROM68に記憶された開放態様選択テーブルは、羽根部材48a及び48bの開放態様を選択するためのテーブルである。この開放態様選択テーブルには、図5に示すように、入賞した領域(役物)と、当りとなったときの普通図柄と、開放させるか否かの抽選確率と、開放態様と、が対応付けて記憶されている。
具体的には、球通過検出器54(54a及び54b)に入賞した場合において、奇数図柄で当りとなった場合には、必ず、羽根部材48aを3秒分2回だけ開放させる開放態様が選択される。また、球通過検出器54(54a及び54b)に入賞した場合において、偶数図柄で当りとなった場合には、“3/4”の確率で、羽根部材48aを0.2秒分1回だけ開放させ、“1/4”の確率で、羽根部材48aを開放させない開放態様が選択される。始動口44aに入賞した場合において、奇数図柄で当りとなった場合には、“1/2”の確率で、羽根部材48bを4秒分2回だけ開放させ、“1/2”の確率で、羽根部材48bを開放させない開放態様が選択される。また、始動口44aに入賞した場合において、偶数図柄で当りとなった場合には、“1/4”の確率で、羽根部材48bを1秒分1回だけ開放させ、“3/4”の確率で、羽根部材48bを開放させない開放態様が選択される。
このように、開放態様選択テーブルが参照されることによって、入賞した領域と、停止表示された普通図柄と、に基づいて、開放させるか否か、開放させる場合の開放態様が決定されることとなる。
[演出選択テーブル]
上述したような構成のパチンコ遊技機10におけるプログラムROM208に記憶されている演出選択テーブルについて図6を用いて説明する。尚、以下に説明する演出選択テーブルがプログラムROM208に記憶されていない場合であっても、このような機能を有するデータ、プログラムがプログラムROM208に記憶されていればよい。
プログラムROM208に記憶された演出選択テーブルは、演出パターンを選択するためのテーブルであり、特に、普通図柄の変動中における背景の色を選択するためのテーブルである。この演出選択テーブルにおいては、図6に示すように、普通図柄ゲームにおいて遊技球が入賞した領域(役物)と、変動中における背景色と、が対応付けて記憶されている。
具体的には、遊技球が入賞した領域が球通過検知器54a及び54bであった場合には、背景色として水色が選択され、遊技球が入賞した領域が始動口44aであった場合には、背景色として赤色が選択され、遊技球が入賞した領域が始動口44bであった場合には、背景色として赤色点滅が選択される。
このように、遊技球が入賞した領域に基づいて、普通図柄の変動中における背景色が変更されることとなる。
[表示画面の説明]
また、上述した構成において実行される特別図柄ゲームに関する表示画面について図7及び図8を用いて説明する。
[特別図柄ゲームの説明]
特別図柄表示装置33においては、図3に示すように、特別図柄が可変表示される。具体的には、特別図柄の導出表示がされている場合において、所定の特別図柄可変表示開始条件が成立したときには、特別図柄の可変表示が実行される。そして、停止表示され、その導出表示された特別図柄が、非特定の表示態様(例えば、“0”から“9”などにならない態様、“−”)となったことを条件に、大当り遊技状態に移行せず、通常遊技状態等、現在の遊技状態が維持され、特定の表示態様(例えば、“0”から“9”など)となったことを条件に、遊技状態が大当り遊技状態に移行されることとなる。また、液晶表示装置32の表示領域32aにおける右下では、図7(A)に示すように、特別図柄表示装置33における特別図柄を装飾するための図柄の可変表示が行われる。
また、普通図柄表示装置35においては、普通図柄が可変表示される。具体的には、普通図柄の導出表示がされている場合において、所定の普通図柄可変表示開始条件が成立したときには、普通図柄の可変表示が実行される。そして、停止表示され、その導出表示された普通図柄が、非特定の表示態様(例えば、“0”から“9”などにならない態様、“−”)となったことを条件に、当り遊技状態に移行せず、通常遊技状態等、現在の遊技状態が維持され、特定の表示態様(例えば、“0”から“9”など)となったことを条件に、遊技状態が当り遊技状態に移行されることとなる。
また、液晶表示装置32における表示領域32a上では、図7(A)に示すように、普通図柄表示装置35における特別図柄を装飾するための複数列の装飾図柄の可変表示が行われる。具体的には、普通図柄が導出表示されている場合には、図7(A)に示すように、装飾図柄も導出表示されている。そして、上述した所定の普通図柄可変表示開始条件が成立したときには、普通図柄と同じように、図7(B)に示すように、装飾図柄の可変表示も実行される。そして、普通図柄が導出表示される前に、左列に装飾図柄が停止表示され、その後、右列に装飾図柄が停止表示される。そして、普通図柄が導出表示されるタイミングで、中列の装飾図柄が停止表示され、図7(C)に示すように、装飾図柄が導出表示されることとなる。
また、導出表示される装飾図柄は、導出表示される普通図柄と関連性を有する。具体的には、普通図柄が“−”である場合には、装飾図柄は、非特定の表示態様(例えば、同一図柄が3個揃わない態様)となり、普通図柄が“0”から“9”である場合には、装飾図柄は、特定の表示態様(例えば、同一図柄が3個揃った態様)となる。つまり、全ての列が停止表示され、その導出表示された複数列の装飾図柄が、図7(C)に示すように、非特定の表示態様(例えば、同一図柄が3個揃わない態様)となると、普通図柄が“−”として導出表示され、通常遊技状態等、現在の遊技状態が維持される。一方、複数列の装飾図柄が、図7(D)に示すように、リーチとなり、図7(E)に示すように、特定の表示態様(例えば、同一図柄が3個揃った態様)となると、普通図柄が“0”から“9”として導出表示され、遊技状態が当り遊技状態に移行されることとなる。
また、当りとなる場合であっても、導出表示される装飾図柄が、図7(E)に示すように偶数で揃った場合と、図7(F)に示すように奇数で揃った場合とでは、羽根部材48a及び48bの開放態様が異なることとなる。
また、遊技球が入賞した領域によって装飾図柄の可変表示における背景色が異なってくる。具体的には、球通過検知器54aを遊技球が通過した場合においては、図8(A)に示すように、背景色が水色であるが、始動口44aを遊技球が通過した場合においては、図8(B)に示すように、背景色が赤色となり、始動口44bを遊技球が通過した場合においては、図8(C)に示すように、背景色が赤色で点滅することとなる。
[遊技機の動作]
以下に、パチンコ遊技機10で実行される処理を図9から図11、図13から図19に示す。また、パチンコ遊技機10で実行される特別図柄制御処理(図13)の状態遷移について図12を用いて説明する。
[メイン処理]
最初に、図9に示すように、RAMアクセス許可、バックアップ復帰処理、作業領域を初期化等の初期設定処理を実行する(ステップS11)。そして、詳しくは図11を用いて後述するが、特別図柄ゲームの進行、液晶表示装置32、特別図柄表示装置33に表示される特別図柄、装飾図柄に関する特別図柄制御処理を実行する(ステップS15)。そして、詳しくは図14を用いて後述するが、普通図柄ゲームの進行、普通図柄表示装置35に表示される普通図柄に関する普通図柄制御処理を実行する(ステップS16)。そして、メインCPU66は、ステップS15、ステップS16の実行の結果に従って、特別図柄、普通図柄などの可変表示の表示制御を行う図柄表示装置制御処理を実行する(ステップS19)。このように、メイン処理においては、ステップS11の初期設定処理が終了した後、ステップS15、ステップS16及びステップS19の処理を繰り返し実行することとなる。
[システムタイマ割込処理]
また、メインCPU66は、メイン処理を実行している状態であっても、メイン処理を中断させ、システムタイマ割込処理を実行する場合がある。リセット用クロックパルス発生回路62から所定の周期(例えば2ミリ秒)毎に発生されるクロックパルスに応じて、以下のシステムタイマ割込処理を実行する。このシステムタイマ割込処理について図10を用いて説明する。
最初に、図10に示すように、メインCPU66は、大当り判定用乱数カウンタ、大当り図柄決定用乱数カウンタ等の各カウント値を“1”増加するように乱数更新処理を実行する(ステップS42)。そして、メインCPU66は、始動口44等への遊技球の入賞又は通過を検知する入力検出処理を実行する(ステップS43)。この処理においては、メインCPU66は、各種の入賞口に遊技球が入賞したことを条件として、遊技球を払出す(賞球する)旨のデータをメインRAM70の所定領域に記憶することとなる。また、メインCPU66は、球通過検知器54a及び54bを遊技球が通過した場合、始動口44aに遊技球が入賞した場合には、それを契機に、普通図柄ゲームにおける当否を判定するための乱数値を抽出するとともに、その乱数値に対応して遊技球の入賞領域を示すデータを記憶することとなる。これによって、普通図柄ゲームにおいてどの領域を通過したことを契機に実行されるかが認識可能となる。
そして、主制御回路60と副制御回路200との同期をとるための待ち時間タイマ、大当りが発生した際に開放する大入賞口39の開放時間を計測するための大入賞口開放時間タイマ等、各種のタイマの更新処理を実行する(ステップS44)。そして、各種の変数に基づいて駆動制御するための信号をソレノイド、モータ等に供給するために、出力処理を実行する(ステップS46)。この処理が終了した場合には、ステップS47に処理を移す。
ステップS47においては、コマンド出力処理を実行する。この処理において、メインCPU66は、各種のコマンドを副制御回路200に供給する。これらの各種のコマンドとしては、具体的には、デモ表示コマンド、導出表示される特別図柄の種類を示す導出図柄指定コマンド、特別図柄の変動表示パターンを示す変動パターン指定コマンド、導出表示される普通図柄の種類を示す導出普通図柄指定コマンド、普通図柄の変動表示パターンを示す普通図柄変動パターン指定コマンド等が含まれる。この処理が終了した場合には、ステップS49に処理を移す。
そして、ステップS49の処理において、メインCPU66は、払出装置128に賞球を行わせるための賞球制御コマンドを払出・発射制御回路126へ送信する等の払出処理を実行する。具体的には、メインCPU66は、各種の入賞口に遊技球が入賞することで予め設定された所定数の賞球払出を行うための賞球制御コマンドを払出・発射制御回路126へ供給する。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了し、割込発生前のアドレスへ復帰し、メイン処理を実行させる。
[特別図柄制御処理]
図9のステップS15において実行されるサブルーチンについて図11を用いて説明する。尚、図11において、ステップS72からステップS80の側方に描いた数値は、それらのステップに対応する制御状態フラグを示し、その制御状態フラグの数値に応じて、その数値に対応する一つのステップが実行され、特別図柄ゲームが進行することとなる。
最初に、図11に示すように、制御状態フラグをロードする処理を実行する(ステップS71)。この処理において、メインCPU66は、制御状態フラグを読み出す。この処理が終了した場合には、ステップS72に処理を移す。
尚、後述するステップS72からステップS80において、メインCPU66は、後述するように、制御状態フラグの値に基づいて、各ステップにおける各種の処理を実行するか否かを判断することとなる。この制御状態フラグは、特別図柄ゲームの遊技の状態を示すものであり、ステップS72からステップS80における処理のいずれかを実行可能にするものである。また、それに加えて、メインCPU66は、各ステップに対して設定された待ち時間タイマ等に応じて決定される所定のタイミングで各ステップにおける処理を実行する。尚、この所定のタイミングに至る前においては、各ステップにおける処理を実行することなく終了することとなり、他のサブルーチンを実行することとなる。もちろん、所定の周期でシステムタイマ割込処理も実行する。
ステップS72においては、特別図柄記憶チェック処理を実行する。詳しくは図13を用いて後述するが、メインCPU66は、制御状態フラグが特別図柄記憶チェックを示す値(00)である場合に、保留個数のチェックを行い、保留個数がある場合に、大当り判定、導出特別図柄、特別図柄の変動パターン等の決定を行う。また、メインCPU66は、特別図柄変動時間管理を示す値(01)を制御状態フラグにセットし、今回の処理で決定された変動パターンに対応する変動時間を待ち時間タイマにセットする。つまり、今回決定された変動パターンに対応する変動時間を経過した後、ステップS73の処理を実行するように設定するのである。一方、保留個数がない場合には、デモ画面を表示するためのデモ表示処理を行う。この処理が終了した場合には、ステップS73に処理を移す。
ステップS73においては、特別図柄変動時間管理処理を実行する。この処理において、メインCPU66は、制御状態フラグが特別図柄変動時間管理を示す値(01)であり、変動時間が経過した場合に、特別図柄表示時間管理を示す値(02)を制御状態フラグにセットし、確定後待ち時間(例えば1秒)を待ち時間タイマにセットする。つまり、確定後待ち時間が経過した後、ステップS74の処理を実行するように設定するのである。この処理が終了した場合には、ステップS74に処理を移す。
ステップS74においては、特別図柄表示時間管理処理を実行する。この処理において、メインCPU66は、制御状態フラグが特別図柄表示時間管理を示す値(02)であり、確定後待ち時間が経過した場合に、大当りか否かを判断する。メインCPU66は、大当りである場合に、大当り開始インターバル管理を示す値(03)を制御状態フラグにセットし、大当り開始インターバルに対応する時間(例えば10秒)を待ち時間タイマにセットする。つまり、大当り開始インターバルに対応する時間が経過した後、ステップS75の処理を実行するように設定するのである。このように、メインCPU66は、特別図柄(第一識別情報)の可変表示の結果に基づいて、遊技者に有利な大当り遊技状態に移行させる制御を行うこととなる。このようなメインCPU66は、大当り移行制御手段の一例に相当する。一方、メインCPU66は、大当りではない場合に、特別図柄ゲーム終了を示す値(08)をセットする。つまり、ステップS80の処理を実行するように設定するのである。この処理が終了した場合には、ステップS75に処理を移す。
ステップS75においては、大当り開始インターバル管理処理を実行する。この処理において、メインCPU66は、制御状態フラグが大当り開始インターバル管理を示す値(03)であり、その大当り開始インターバルに対応する時間が経過した場合に、大入賞口39を開放させるために、メインROM68から読み出されたデータに基づいて、メインRAM70に位置付けられた変数を更新する。メインCPU66は、大入賞口開放中を示す値(04)を制御状態フラグにセットするとともに、開放上限時間(例えば30秒)を大入賞口開放時間タイマにセットする。つまり、ステップS77の処理を実行するように設定するのである。この処理が終了した場合には、ステップS76に処理を移す。
ステップS76においては、大入賞口再開放前待ち時間管理処理を実行する。この処理において、メインCPU66は、制御状態フラグが大入賞口再開放待ち時間管理を示す値(06)であり、ラウンド間インターバルに対応する時間が経過した場合に、大入賞口開放回数カウンタを“1”増加するように記憶更新する。メインCPU66は、大入賞口開放中を示す値(04)を制御状態フラグにセットする。メインCPU66は、開放上限時間(例えば30秒)を大入賞口開放時間タイマにセットする。つまり、ステップS77の処理を実行するように設定するのである。この処理が終了した場合には、ステップS77に処理を移す。
ステップS77においては、大入賞口開放中処理を実行する。この処理において、メインCPU66は、制御状態フラグが大入賞口開放中を示す値(04)である場合に、大入賞口入賞カウンタが“10”以上であるという条件、開放上限時間を経過した(大入賞口開放時間タイマが“0”である)という条件のいずれかを満たす(所定の閉鎖条件が成立した)か否かを判断する。メインCPU66は、いずれかの条件を満たした場合に、大入賞口39を閉鎖させるために、メインRAM70に位置付けられた変数を更新する。メインCPU66は、大入賞口内残留球監視を示す値(05)を制御状態フラグにセットする。メインCPU66は、大入賞口内残留球監視時間(例えば1秒)を待ち時間タイマにセットする。つまり、大入賞口内残留球監視時間が経過した後、ステップS78の処理を実行するように設定するのである。尚、メインCPU66は、いずれの条件も満たさない場合には、上述した処理を実行しない。この処理が終了した場合には、ステップS78に処理を移す。
ステップS78においては、大入賞口内残留球監視処理を実行する。この処理において、メインCPU66は、制御状態フラグが大入賞口内残留球監視を示す値(05)であり、大入賞口内残留球監視時間が経過した場合に、大入賞口開放回数カウンタが大入賞口開放回数最大値以上である(最終ラウンドである、具体的には、特別大当り遊技状態においては15ラウンド、通常大当り遊技状態においては2ラウンド)という条件を満たすか否かを判断する。メインCPU66は、この条件を満たした場合に、大当り終了インターバルを示す値(07)を制御状態フラグにセットし、大当り終了インターバルに対応する時間を待ち時間タイマにセットする。つまり、大当り終了インターバルに対応する時間が経過した後、ステップS79の処理を実行するように設定するのである。一方、メインCPU66は、この条件を満たさない場合に、大入賞口再開放待ち時間管理を示す値(06)を制御状態フラグにセットする。また、メインCPU66は、ラウンド間インターバルに対応する時間を待ち時間タイマにセットする。つまり、ラウンド間インターバルに対応する時間が経過した後、ステップS76の処理を実行するように設定するのである。この処理が終了した場合には、ステップS79に処理を移す。
ステップS79においては、大当り終了インターバル処理を実行する。この処理において、メインCPU66は、制御状態フラグが大当り終了インターバルを示す値(07)であり、大当り終了インターバルに対応する時間が経過した場合に、特別図柄ゲーム終了を示す値(08)を制御状態フラグにセットする。つまり、ステップS80の処理を実行するように設定するのである。そして、メインCPU66は、大当り図柄が確変図柄である場合には、確変状態に移行させる制御を行うとともに、大当り図柄が非確変図柄である場合には、通常遊技状態に移行させる制御を行うこととなる。この処理が終了した場合には、ステップS80に処理を移す。
ステップS80においては、特別図柄ゲーム終了処理を実行する。この処理において、メインCPU66は、制御状態フラグが特別図柄ゲーム終了を示す値(08)である場合に、保留個数を示すデータ(始動記憶情報)を“1”減少するように記憶更新する。そして、メインCPU66は、次回の変動表示を行うために、特別図柄記憶領域の更新を行う。メインCPU66は、特別図柄記憶チェックを示す値(00)をセットする。つまり、ステップS72の処理を実行するように設定するのである。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
上述したように、制御状態フラグをセットすることにより、特別図柄ゲームが実行されることとなる。具体的には、メインCPU66は、図12に示すように、大当り遊技状態ではない場合において、大当り判定の結果がハズレであるときには、制御状態フラグを“00”、“01”、“02”、“08”と順にセットすることにより、図11に示すステップS72、ステップS73、ステップS74、ステップS80の処理を所定のタイミングで実行することとなる。また、メインCPU66は、大当り遊技状態ではない場合において、大当り判定の結果が大当りであるときには、制御状態フラグを“00”、“01”、“02”、“03”と順にセットすることにより、図11に示すステップS72、ステップS73、ステップS74、ステップS75の処理を所定のタイミングで実行し、大当り遊技状態への制御を実行することとなる。更には、メインCPU66は、大当り遊技状態への制御が実行された場合には、制御状態フラグを“04”、“05”、“06”と順にセットすることにより、図11に示すステップS77、ステップS78、ステップS76の処理を所定のタイミングで実行し、特定遊技を実行することとなる。尚、特定遊技が実行されている場合において、大当り遊技状態の終了条件(特定遊技終了条件)が成立した場合には、“04”、“05”、“07”、“08”と順にセットすることにより、図11に示すステップS77からステップS80の処理を所定のタイミングで実行し、大当り遊技状態を終了することとなる。尚、この特定遊技終了条件には、大当りラウンド最大継続数(上限ラウンド数)が終了したことを条件として大当り遊技状態を終了することとなる。
[特別図柄記憶チェック処理]
図11のステップS72において実行されるサブルーチンについて図13を用いて説明する。
最初に、図13に示すように、制御状態フラグが特別図柄記憶チェックを示す値(00)であるか否かの判断を行い(ステップS101)、制御状態フラグが特別図柄記憶チェックを示す値であると判別した場合には、ステップS102に処理を移し、制御状態フラグが特別図柄記憶チェックを示す値であるとは判別しなかった場合には、本サブルーチンを終了する。そして、ステップS102においては、保留個数が“0”であるか否かの判断を行い、保留個数を示すデータが“0”であると判別した場合には、ステップS103に処理を移し、保留個数を示すデータが“0”であるとは判別しなかった場合には、ステップS104に処理を移す。
ステップS103においては、デモ表示処理を実行する。この処理において、メインCPU66は、デモ表示を行わせるために副制御回路200にデモ表示コマンドを供給するための変数をメインRAM70に記憶する。これによって、副制御回路200において、客待ち状態(所定の待機状態)となったことを認識することができる。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
ステップS104においては、制御状態フラグとして特別図柄変動時間管理を示す値(01)をセットする処理を実行する。この処理において、メインCPU66は、特別図柄変動時間管理を示す値を制御状態フラグに記憶する。この処理が終了した場合には、ステップS105に処理を移す。
そして、ステップS105においては、大当り判断処理を実行する。この処理において、メインCPU66は、高確率フラグを読み出し、読み出した高確率フラグに基づいて、大当りの判定値(大当り判定値)の数が異なる複数の大当り判定テーブルから1つの大当り判定テーブルを選択する。例えば、通常時における大当り判定テーブルでは、2個の大当り判定値が設定されているが、高確率時における大当り判定テーブルでは、10個の大当り判定値が設定されており、高確率フラグに基づいて大当り判定テーブルを選択することによって、大当り遊技状態に移行する確率が異なることとなる。このように、高確率フラグが所定の値(例えば“77”)である場合、つまり遊技状態が確変状態である場合には、大当り遊技状態に移行する確率(特別図柄の可変表示の結果を特定の表示態様とする確率)は、通常時よりも向上することとなるのである。そして、メインCPU66は、始動入賞時に抽出された大当り判定用乱数値と、選択された大当り判定テーブルとを参照する。つまり、メインCPU66は、遊技者に有利な大当り遊技状態とするか否かの判定を行うこととなる。この処理が終了した場合には、ステップS107に処理を移す。
ステップS107においては、メインCPU66は、始動入賞時に抽出された停止図柄用乱数値を抽出し、その停止図柄用乱数値と、ステップS105において判定された結果と、に基づいて、特別図柄を決定し、その特別図柄を示すデータをメインRAM70の所定領域に記憶する。このように記憶された特別図柄を示すデータは、特別図柄表示装置33に供給される。これによって、特別図柄表示装置33に、特別図柄が導出表示されることとなる。また、このように記憶された特別図柄を示すデータは、図10のステップS47の処理により、主制御回路60のメインCPU66から副制御回路200のサブCPU206に導出図柄指定コマンドとして供給される。これによって、副制御回路200において、特別図柄に対応する装飾図柄が液晶表示装置32に導出表示されることとなる。この処理が終了した場合には、ステップS109に処理を移す。
ステップS109においては、変動パターン決定処理を実行する。この処理において、メインCPU66は、演出条件選択用乱数値を抽出する。メインCPU66は、ステップS107により決定された特別図柄に基づいて、変動パターンを決定するための変動パターン振分テーブルを選択する。そして、メインCPU66は、演出条件選択用乱数カウンタから抽出した演出条件選択用乱数値と選択した変動パターン振分テーブルとに基づいて、変動パターンを決定し、メインRAM70の所定領域に記憶する。メインCPU66は、このような変動パターンを示すデータに基づいて、特別図柄の変動表示態様(特に、変動表示時間)を決定することとなる。このように記憶された変動パターンを示すデータは、特別図柄表示装置33に供給される。これによって、特別図柄表示装置33に、特別図柄が決定した変動パターンで変動表示することとなる。このように、メインCPU66は、始動口44(可変入賞装置)に遊技球が入賞したことを条件として、特別図柄(第一識別情報)の可変表示の表示制御を行うこととなる。このようなメインCPU66は、第一可変表示制御手段の一例に相当する。また、このように記憶された変動パターンを示すデータは、図10のステップS47の処理により、主制御回路60のメインCPU66から副制御回路200のサブCPU206に変動パターン指定コマンドとして供給される。副制御回路200のサブCPU206は、受信した変動パターン指定コマンドに応じた演出表示を実行することとなる。この処理が終了した場合には、ステップS110に処理を移す。
ステップS110においては、決定した変動パターンに対応する変動時間を待ち時間タイマにセットする処理を実行する。この処理において、メインCPU66は、ステップS109の処理により決定された変動パターンと、その変動パターンの変動時間を示す変動時間テーブルと、に基づいて、変動時間を算出し、その変動時間を示す値を待ち時間タイマに記憶する。そして、今回の変動表示に用いられた記憶領域をクリアする処理を実行する(ステップS111)。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
[普通図柄制御処理]
図9のステップS16において実行されるサブルーチンについて図14を用いて説明する。尚、図14において、ステップS202からステップS206の側方に描いた数値は、それらのステップに対応する普通図柄制御状態フラグを示し、その普通図柄制御状態フラグの数値に応じて、その数値に対応する一つのステップが実行され、普通図柄ゲームが進行することとなる。
最初に、図14に示すように、普通図柄制御状態フラグをロードする処理を実行する(ステップS201)。この処理において、メインCPU66は、普通図柄制御状態フラグを読み出す。この処理が終了した場合には、ステップS202に処理を移す。
尚、後述するステップS202からステップS206において、メインCPU66は、後述するように、普通図柄制御状態フラグの値に基づいて、各ステップにおける各種の処理を実行するか否かを判断することとなる。この普通図柄制御状態フラグは、普通図柄ゲームの遊技の状態を示すものであり、ステップS202からステップS206における処理のいずれかを実行可能にするものである。また、それに加えて、メインCPU66は、各ステップに対して設定された待ち時間タイマ等に応じて決定される所定のタイミングで各ステップにおける処理を実行する。尚、この所定のタイミングに至る前においては、各ステップにおける処理を実行することなく終了することとなり、他のサブルーチンを実行することとなる。もちろん、所定の周期でシステムタイマ割込処理も実行する。
ステップS202においては、普通図柄記憶チェック処理を実行する。詳しくは図15を用いて説明するが、メインCPU66は、普通図柄制御状態フラグが普通図柄記憶チェックを示す値(00)である場合に、普通図柄に関する保留個数のチェックを行い、保留個数がある場合に、当り判定等を行う。また、メインCPU66は、普通図柄変動時間管理を示す値(01)を普通図柄制御状態フラグにセットし、今回の処理で決定された変動時間を待ち時間タイマにセットする。つまり、今回決定された変動時間を経過した後、ステップS203の処理を実行するように設定するのである。この処理が終了した場合には、ステップS203に処理を移す。
ステップS203においては、普通図柄変動時間監視処理を実行する。この処理において、メインCPU66は、普通図柄制御状態フラグが普通図柄変動時間管理を示す値(01)であり、変動時間が経過した場合に、普通図柄表示時間監視を示す値(02)を普通図柄制御状態フラグにセットし、確定後待ち時間(例えば0.5秒)を待ち時間タイマにセットする。つまり、確定後待ち時間が経過した後、ステップS204の処理を実行するように設定するのである。この処理が終了した場合には、ステップS204に処理を移す。
ステップS204においては、普通図柄表示時間監視処理を実行する。詳しくは図16を用いて説明するが、メインCPU66は、普通図柄制御状態フラグが普通図柄表示時間監視を示す値(02)であり、確定後待ち時間が経過した場合に、当りか否かを判断する。メインCPU66は、当りである場合に、普通電役開放設定処理を実行し、普通電動役物開放を示す値(03)を普通図柄制御状態フラグにセットする。つまり、ステップS205の処理を実行するように設定するのである。このように、メインCPU66は、普通図柄(第二識別情報)の可変表示の結果に基づいて、羽根部材48a及び48b(可変入賞装置)が第一の状態に変位する当り遊技状態に移行させる制御を行うこととなる。このようなメインCPU66は、当り移行制御手段の一例に相当する。一方、メインCPU66は、当りではない場合に、普通図柄ゲーム終了を示す値(04)をセットする。つまり、ステップS206の処理を実行するように設定するのである。この処理が終了した場合には、ステップS205に処理を移す。
ステップS205においては、普通電動役物開放処理を実行する。この処理において、メインCPU66は、普通図柄制御状態フラグが普通電役開放を示す値(03)である場合に、普通電役開放時間タイマが“0”であるという条件を満たすか否かを判断する。メインCPU66は、条件を満たした場合に、普通電動役物である羽根部材48を閉鎖状態にさせるために、メインRAM70に位置付けられた変数を更新する。メインCPU66は、普通図柄ゲーム終了を示す値(04)を普通図柄制御状態フラグにセットする。つまり、ステップS206の処理を実行するように設定するのである。この処理が終了した場合には、ステップS206に処理を移す。
ステップS206においては、普通図柄ゲーム終了処理を実行する。この処理において、メインCPU66は、普通図柄制御状態フラグが普通図柄ゲーム終了を示す値(04)である場合に、普通図柄に関する保留個数を示すデータを“1”減少するように記憶更新する。メインCPU66は、次回の普通図柄の変動表示を行うために、普通図柄記憶領域の更新を行う。メインCPU66は、普通図柄記憶チェックを示す値(00)をセットする。つまり、ステップS201の処理を実行するように設定するのである。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
[普通図柄記憶チェック処理]
図14のステップS202において実行されるサブルーチンについて図15を用いて説明する。
最初に、図15に示すように、普通図柄制御状態フラグが普通図柄記憶チェックを示す値(00)であるか否かの判断を行い(ステップS511)、普通図柄制御状態フラグが普通図柄記憶チェックを示す値であると判別した場合には、ステップS512に処理を移し、普通図柄制御状態フラグが普通図柄記憶チェックを示す値であるとは判別しなかった場合には、本サブルーチンを終了する。そして、ステップS512においては、メインCPU66は、普通図柄に関する保留個数が“0”であるか否かの判断を行い、普通図柄に関する保留個数が“0”であると判別した場合には、普通図柄デモ表示処理を実行する(ステップS513)。この処理において、メインCPU66は、普通図柄デモ表示を行わせるために普通図柄表示装置35に普通図柄デモ表示コマンドを供給するための変数をメインRAM70に記憶する。これによって、普通図柄表示装置35において、普通図柄デモ演出が実行されることとなる。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。尚、この普通図柄に関する保留個数は、球通過検出器54の近傍を遊技球が通過したことを検出した場合に、所定個数(例えば“4”)を上限として“1”増加され、普通図柄ゲームにおける普通図柄の可変表示が終了したときには、“1”減算される。一方、メインCPU66は、普通図柄に関する保留個数が“0”であるとは判別しなかった場合には、ステップS514に処理を移す。
ステップS514においては、普通図柄当り判定処理を実行する。この処理において、メインCPU66は、普通図柄始動領域通過時に(球通過検出器54の近傍を遊技球が通過することや、始動口44aに遊技球が入賞するによって)抽出された普通図柄当り判定用乱数値と、メインROM68に記憶されている普通図柄当り判定値とを参照する。
そして、メインCPU66は、停止普通図柄決定処理を実行する(ステップS515)。この処理において、メインCPU66は、参照した結果、普通図柄当り判定用乱数値が普通図柄当り判定値と一致する場合には、当り図柄を示すデータをセットし、当りフラグに“77”を記憶する。一方、メインCPU66は、参照した結果、普通図柄当り判定用乱数値が普通図柄当り判定値と一致しない場合には、はずれ図柄を示すデータをセットし、当りフラグに“00”を記憶する。このように記憶された当り図柄、はずれ図柄は、普通図柄表示装置35に導出普通図柄指定コマンドとして供給される。これによって、普通図柄表示装置35は、普通図柄の可変表示を行う。また、当り図柄、はずれ図柄は、図10のステップS47の処理により、主制御回路60のメインCPU66から副制御回路200のサブCPU206に導出普通図柄指定コマンドとして供給される。これによって、副制御回路200において、普通図柄ゲームにおける当り、はずれを認識可能となる。この処理が終了した場合には、ステップS516に処理を移す。
ステップS516においては、普通図柄変動パターンコマンドデータ、普通図柄待ち時間タイマをセットする。この処理において、メインCPU66は、当りであるか否かの判定結果と、今現在の特別図柄ゲームの遊技状態に基づいて、普通図柄変動パターンを決定し、普通図柄変動パターンを示す普通図柄変動パターンコマンドデータをセットする。このように記憶された普通図柄変動パターンコマンドデータは、普通図柄表示装置35に普通図柄変動パターン指定コマンドとして供給される。これによって、普通図柄表示装置35は、決定された変動パターンで普通図柄の可変表示を行う。また、普通図柄変動パターンデータは、図10のステップS47の処理により、主制御回路60のメインCPU66から副制御回路200のサブCPU206に普通図柄変動パターン指定コマンドとして供給される。これによって、副制御回路200において、普通図柄ゲームにおける変動パターンを認識可能となる。この処理が終了した場合には、ステップS518に処理を移す。
ステップS518においては、普通図柄制御状態フラグとして普通図柄変動時間管理を示す値(01)をセットする処理を実行する。この処理において、メインCPU66は、普通図柄変動時間管理を示す値を普通図柄制御状態フラグに記憶する。そして、今回の普通図柄の変動表示に用いられた記憶領域をクリアする処理を実行する(ステップS519)。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
[普通図柄表示時間監視処理]
図14のステップS204において実行されるサブルーチンについて図16を用いて説明する。
最初に、図16に示すように、普通図柄制御状態フラグが普通図柄表示時間監視を示す値(02)であるか否かの判断(ステップS541)、普通図柄待ち時間タイマが“0”であるか否かの判断を行う(ステップS542)。この処理において、メインCPU66は、普通図柄制御状態フラグが普通図柄表示時間監視を示す値であり、かつ、普通図柄待ち時間タイマが“0”であると判別した場合には、ステップS543に処理を移す。一方、メインCPU66は、普通図柄制御状態フラグが普通図柄表示時間監視を示す値であるとは判別しなかった場合、又は、普通図柄待ち時間タイマが“0”であるとは判別しなかった場合には、本サブルーチンを終了する。
ステップS543においては、当りフラグが“77”であるか否かの判断を行う。この処理において、メインCPU66は、当りフラグが“77”であるとは判別しなかった場合には、ステップS544に処理を移し、当りフラグが“77”であると判別した場合には、ステップS545に処理を移す。
ステップS544においては、普通図柄制御状態フラグとして普通図柄ゲーム終了を示す値(04)をセットする処理を実行する。この処理において、メインCPU66は、普通図柄ゲーム終了を示す値を普通図柄制御状態フラグに記憶する。これによって、羽根部材48が閉鎖状態として維持されることとなる。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
一方、ステップS545においては、普通電役開放設定処理を実行する。詳しくは図17を用いて後述するが、メインCPU66は、羽根部材48の開放設定など、各種の処理を実行する。この処理が終了した場合には、ステップS550に処理を移す。
ステップS550においては、普通電役入賞カウンタに初期値(0)をセットする処理を実行する。この処理において、メインCPU66は、羽根部材48が開放状態となる場合に、普通電役入賞カウンタに初期値“0”をセットする。これによって、後述するように、羽根部材48が開放状態である場合に、始動口44に入賞した遊技球の数が所定数となったことを条件として、羽根部材48を開放状態から閉鎖状態と制御することとなる。そして、普通電役開放を示す値(03)を普通図柄制御状態フラグにセットする(ステップS550)。この処理において、メインCPU66は、普通電役開放を示す値を普通図柄制御状態フラグに記憶する。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
[普通電役開放設定処理]
図16のステップS545において実行されるサブルーチンについて図17を用いて説明する。
最初に、図17に示すように、入賞領域を参照する(ステップS601)。この処理において、メインCPU66は、普通図柄ゲームにおける当否を判定するための乱数値に対応して記憶された遊技球の入賞領域を示すデータをメインRAM70の所定領域から読み出し、参照する。そして、メインCPU66は、停止普通図柄を参照する(ステップS602)この処理において、メインCPU66は、停止表示させる普通図柄を示すデータをメインRAM70の所定領域から読み出し、参照する。この処理が終了した場合には、ステップS603に処理を移す。
ステップS603において、メインCPU66は、羽根部材48a及び48bを開放させるか否かを決定するための開放決定用乱数値を抽出し、開放決定抽選において当りであるか否かを判定する(ステップS604)。つまり、メインCPU66は、遊技球が始動口44a(一の可変入賞装置)に入賞したことを条件に、羽根部材48b(他の可変入賞装置)を所定の変位態様で変位させるか否かを決定することとなる。このような処理を実行するメインCPU66は、変位実行決定手段の一例に相当する。この処理において、メインCPU66は、開放決定抽選において当りと判定した場合には、参照結果に基づいて開放態様を決定し、データをセットする。この処理において、メインCPU66は、開放態様選択テーブル(図5参照)を参照する。そして、メインCPU66は、そのテーブルと、ステップS601及びステップS602において参照された参照結果と、に基づいて、開放態様を決定する(ステップS605)。つまり、メインCPU66は、当り遊技状態に移行される場合には、普通図柄(第二識別情報)の可変表示の結果や、入賞した装置に基づいて、羽根部材48a及び48b(可変入賞装置)における変位態様を決定することとなる。このような処理を実行するメインCPU66は、変位態様決定手段の一例に相当する。
そして、メインCPU66は、決定した開放態様を示すデータをメインRAM70の所定領域にセットする。これによって、このようなデータに基づいて、メインCPU66は、図10のステップS46の処理により、普通電動役物ソレノイド118、119にコマンドを供給し、羽根部材48a及び48bを駆動させることとなる。つまり、メインCPU66は、決定された変位態様で羽根部材48a及び48b(可変入賞装置)を所定の変位態様で変位させる制御を行うこととなる。特に、メインCPU66は、遊技球が始動口44a(一の可変入賞装置)に入賞したことを条件に、羽根部材48b(他の可変入賞装置)を所定の変位態様で変位させる制御を行うこととなる。このようなメインCPU66は、可変入賞装置制御手段の一例に相当する。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。一方、メインCPU66は、開放決定抽選においてはずれと判定した場合には、ステップS605を実行することなく、本サブルーチンを終了する。
このように、第一識別情報の可変表示の結果ではなくて、第二識別情報の可変表示の結果に基づいて、可変入賞装置の変位態様が変更されることとなり、当り遊技状態となると、可変入賞装置に遊技球が入賞し易く制御し、入賞に伴う賞球を行うとともに、第二識別情報の可変表示の結果を遊技者に意識させることによって、遊技のバリエーションを増大させ、遊技に対する興趣の向上を図ることができる。また、可変入賞装置に遊技球が入賞し易く制御することによって、入賞に伴う賞球を行うだけでなく、第一識別情報の可変表示を行うこととなるため、大当り遊技状態に移行させ易くなり、遊技に対する興趣の向上を図ることができる。また、複数の可変入賞装置を設け、それぞれ関連して変位させることができ、入賞させる可変入賞装置を増加させるとともに、それぞれの関連を遊技者に意識させることができ、遊技のバリエーションを増大させることができ、遊技に対する興趣の向上を図ることができる。また、遊技球が一の可変入賞装置に入賞した場合であっても、他の可変入賞装置が必ずしも変位するとは限らないため、他の可変入賞装置を遊技者に意識させることができ、遊技に対する興趣の向上を図ることができる。
[副制御回路メイン処理]
一方、副制御回路200は、副制御回路メイン処理を実行することとなる。この副制御回路メイン処理について図18を用いて説明する。尚、この副制御回路メイン処理は、電源が投入されたときに開始される処理である。
最初に、図18に示すように、サブCPU206は、RAMアクセス許可、作業領域を初期化等の初期設定処理を実行する(ステップS201)。この処理が終了した場合には、ステップS202に処理を移す。
ステップS202において、サブCPU206は、乱数更新処理を実行する。この処理において、サブCPU206は、ワークRAM210の所定領域に位置付けられた各種の乱数カウンタの乱数値を更新する。この処理が終了した場合には、ステップS203に処理を移す。
ステップS203において、サブCPU206は、コマンド解析処理を実行する。詳しくは図19を用いて後述するが、受信したコマンドを解析し、その解析したコマンドに応じた処理を実行することとなる。この処理が終了した場合には、ステップS204に処理を移す。
ステップS204において、サブCPU206は、表示制御処理を実行する。この処理において、サブCPU206は、液晶表示装置32における画像の表示制御を行う。
そして、サブCPU206は、スピーカ46から発生させる音の制御を行う音声制御処理(ステップS205)、各種のランプ132の発光制御を行うランプ制御処理を実行する(ステップS206)。この処理が終了した場合には、再度、ステップS202に処理を移す。
このように、副制御回路メイン処理においては、ステップS201の初期設定処理が終了した後、ステップS202からステップS206の処理を繰り返し実行することとなる。
[コマンド解析処理]
図18のステップS203において実行されるサブルーチンについて図19を用いて説明する。
最初に、図19に示すように、サブCPU206は、受信コマンドがあるか否かを判断する(ステップS401)。この処理において、サブCPU206は、コマンドバッファにコマンドが格納されているか否かによって、受信コマンドがあるか否かを判断することとなる。この処理において、サブCPU206は、受信コマンドがあると判別した場合には、ワークRAM210の所定領域に位置付けられたコマンドバッファから、コマンドデータを読み出し(ステップS402)、ステップS403に処理を移す。一方、サブCPU206は、受信コマンドがないと判別した場合には、本サブルーチンを終了する。
つまり、ステップS402を実行するサブCPU206は、主制御回路60によって送信された各種のコマンド(例えば、変動パターン指定コマンド、導出図柄指定コマンドなど)を受信することとなる。尚、本実施形態において、ステップS402を実行するサブCPU206は、コマンド受信手段の一例に相当する。
ステップS403において、サブCPU206は、普通図柄変動パターン指定コマンドを受信したか否かを判断する。この処理において、サブCPU206は、ステップS402において読み出したコマンドデータに基づいて、普通図柄変動パターン指定コマンドを受信したか否かを判断することとなる。この処理において、サブCPU206は、普通図柄変動パターン指定コマンドを受信したと判別した場合には、ステップS404に処理を移す。一方、サブCPU206は、普通図柄変動パターン指定コマンドを受信していないと判別した場合には、ステップS406に処理を移す。
ステップS404において、サブCPU206は、演出パターン決定処理を実行する。この処理において、サブCPU206は、装飾図柄の変動パターン、背景画像を表示する画像演出パターンなど、各種の演出パターンを決定する。具体的には、サブCPU206は、普通図柄変動パターン指定コマンドに含まれる入賞領域を示すデータを読み出す。そして、サブCPU206は、プログラムROM208に記憶されている演出選択テーブル(図6(A)参照)を参照し、入賞領域に対応する変動時における背景色を選択することとなる。つまり、このような処理を実行するサブCPU206は、入賞した領域に応じて、装飾図柄の変動態様を変更可能に決定することとなる。尚、本実施形態において、このような処理を実行するサブCPU206は、変動態様決定手段の一例に相当する。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
尚、本実施形態においては、入賞領域に基づいて、普通図柄に対応する装飾図柄の変動態様を変更可能に決定したが、これに限らず、例えば、球通過検知器54aを遊技球が通過した後に当りとなり羽根部材48aを開放させ、その後、始動口44aに遊技球が入賞した後に当りとなり羽根部材48bを開放させるというように、可変入賞装置を変位させると決定された連続回数に応じて、装飾図柄の変動態様を変更可能に決定するように構成してもよい。これによって、複数の可変入賞装置において変位された連続回数によって、第二識別情報の変動態様が異なることとなり、第二識別情報の変動態様のバリエーションを増大させることができ、更には、連続回数に対応した第二識別情報の変動態様となることにより、遊技の進行状況が認識可能となり、遊技に対する興趣の向上を図ることができる。
ステップS406において、サブCPU206は、導出普通図柄指定コマンドを受信したか否かを判断する。この処理において、サブCPU206は、ステップS402において読み出したコマンドデータに基づいて、導出普通図柄指定コマンドを受信したか否かを判断することとなる。この処理において、サブCPU206は、導出普通図柄指定コマンドを受信したと判別した場合には、導出普通図柄指定コマンドに基づいて、導出表示させる装飾図柄を決定する導出装飾図柄決定処理を実行し(ステップS407)、本サブルーチンを終了する。一方、サブCPU206は、導出図柄指定コマンドを受信していないと判別した場合には、受信コマンドに対応する演出制御データをセットし(ステップS410)、本サブルーチンを終了する。
[その他の実施形態]
尚、本実施形態においては、背景色を変更させることによって、普通図柄(普通図柄に対応する装飾図柄)の変動態様を変更可能に決定したが、これに限らず、例えば、普通図柄の変動パターン自体を変更させるようにしてもよい。この場合においては、例えば、図15のステップS516において、普通図柄の変動パターンを変更させることとなる。これによって、変動時間を変更させたり、リーチとするか否かを変更させたりすることができる。また、このような変更をしない構成であっても問題ない。
また、本実施形態においては、複数の可変入賞装置が設けられており、遊技球が一の可変入賞装置に入賞したことを条件に、他の可変入賞装置を所定の変位態様で変位させるか否かを決定し、その決定結果に基づいて、他の可変入賞装置を所定の変位態様で変位させたが、これに限らず、例えば、他の可変入賞装置を所定の変位態様で変位させるか否かを決定することなく、必ず変位させるようにしてもよい。また、例えば、遊技球が一の可変入賞装置に入賞したことを条件に、他の可変入賞装置を変位させなくてもよく、別の条件を満たすことによって、変位させるようにしてもよい。また、例えば、複数の可変入賞装置を設けなくても問題ない。
更にまた、本実施形態においては、可変入賞装置に遊技球が入賞したことを条件として、特別図柄の可変表示の表示制御を行ったが、これに限らず、例えば、可変入賞装置への遊技球の入賞と、特別図柄とが対応しておらず、別の入賞を契機として特別図柄の可変表示の表示制御を行ってもよい。
[遊技盤の構成]
尚、上述した実施形態においては、遊技盤の全部を、透過性を有する部材によって構成したが、これに限らず、別の態様であってもよい。具体的には、遊技盤を、透過性を有する部材と平板状の透過性を有さない部材(例えば、木材)とを結合させて構成してもよい。もちろん、透過性を有する部材と、透過性を有さない部材とを単に結合させて構成するだけでなく、透過性を有する部材を、透過性を有さない部材で囲むように結合させる構成としてもよい。また、例えば、透過性を有する遊技盤の一部を遮蔽させる加工を施すように構成してもよい。例えば、透過性を有する遊技盤の一部を、遮光性を有する色で塗装してもよい。これによって、一部に透過性を有する遊技盤を構成することができる。もちろん、塗装するかわりに、ブラスト加工、サンドペーパによる微細粗面を形成する光散乱加工を施し、可視光線が散乱してあたかも発光するかのように形成してもよい。
つまり、遊技盤は、その一部分が少なくとも透過性を有するものであればよい。言い換えると、遊技領域の全部又は一部の後方に位置する表示領域に、その遊技領域2aの全部又は一部の近傍を介して前方から画像が視認可能に表示されるように構成すればよい。また、液晶表示装置は、透過性の高い画像を表示可能な表示領域を有し、遊技盤の前方に表示領域が配設され、入球軌跡画像を遊技盤における所定の入球軌跡に重合して表示させるように構成してもよい。
[表示装置の構成]
透過性を有さない遊技盤を用いた構成においては、各種の演出画像が表示可能な表示装置が備えられている。この表示装置は、保護カバーである対の透明アクリル板と、透明アクリル板の間に透明液晶表示装置から構成される液晶表示装置と、が積層された構成であり、表示領域に透過性の高い画像を表示可能となる。尚、液晶表示装置は、表示領域に透過性の高い画像を表示するだけでなく、特別図柄の可変表示、普通図柄の可変表示、演出用の演出画像の表示等を行う。また、この液晶表示装置の上方及び下方には、液晶表示装置のバックライトとしての照明装置の役割を果たす液晶バックライトが設けられており、点灯させることによって、液晶表示装置に表示される画像を遊技者に対して明瞭に視認可能とさせる。この液晶バックライトは、主として冷陰極管が採用されているが、本発明はこれに限らない。尚、この表示装置は、透明アクリル板、液晶表示装置、液晶バックライト等を備えているが、これに限らず、他の態様であってもよく、例えば、透明アクリル板、液晶バックライト等を備えることなく、液晶表示装置のみを備えるように構成しても問題ない。
このように、液晶表示装置は、表示領域と、遊技盤における遊技領域の全部又は一部とが重なるように遊技盤の前方に配設され、表示領域に透過性の高い画像を表示可能とするものであるので、遊技領域の全部又は一部を、液晶表示装置を介して前方から画像が視認可能に表示されることとなる。言い換えると、液晶表示装置は、遊技盤の前方に設けられ、透過して当該遊技盤を視認可能であり、遊技に関する演出画像を表示する表示領域を有する装置である。尚、遊技盤と表示装置とが奥行き方向に重ならない構成であってもよい。
尚、本実施形態においては、主制御回路60と副制御回路200との複数の制御回路を備えるように構成したが、これに限らず、別の構成としてもよく、例えば、主制御回路60と副制御回路200とをワンボードに構成してもよい。
尚、上述した実施形態においては、第1種パチンコ遊技機を例に挙げたが、これに限らず、羽根モノ、ヒコーキモノと称される第2種パチンコ遊技機、権利モノと称される第3種パチンコ遊技機、その他別の態様であってもよい。
以上、本発明の実施形態を説明したが、具体例を例示したに過ぎず、特に本発明を限定するものではない。すなわち、本発明は、主に、遊技球が転動可能な遊技領域を有する遊技盤と、前記遊技盤の前記遊技領域において、遊技球が入賞し易い第一の状態、遊技球が入賞し難い第二の状態に変位可能な可変入賞装置と、前記可変入賞装置を所定の変位態様で変位させる制御を行う可変入賞装置制御手段と、第一識別情報の可変表示を行う第一可変表示手段と、前記第一可変表示手段における前記第一識別情報の可変表示の結果に基づいて、遊技者に有利な大当り遊技状態に移行させる制御を行う大当り移行制御手段と、前記第一識別情報とは異なる第二識別情報の可変表示を行う第二可変表示手段と、前記第二可変表示手段における前記第二識別情報の可変表示の結果に基づいて、前記可変入賞装置が前記第一の状態に変位する当り遊技状態に移行させる制御を行う当り移行制御手段と、を備えた弾球遊技機において、前記当り移行制御手段によって当り遊技状態に移行される場合には、前記第二可変表示手段における前記第二識別情報の可変表示の結果に基づいて、前記可変入賞装置における変位態様を決定する変位態様決定手段を備え、前記可変入賞装置制御手段は、前記変位態様決定手段によって決定された変位態様で前記可変入賞装置を変位させる制御を行うことを特徴とするものであるが、遊技盤、可変入賞装置、可変入賞装置制御手段、第一可変表示手段、第一可変表示制御手段、第二可変表示手段、大当り移行制御手段、当り移行制御手段、変位態様決定手段、変位実行決定手段、変動態様決定手段などの具体的構成は、適宜設計変更可能である。
尚、本発明の実施形態に記載された効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、本発明による効果は、本発明の実施形態に記載されたものに限定されるものではない。