以下に、本発明に好適な実施形態について図面に基づいて説明する。
[遊技機の構成]
本実施形態における遊技機の概観について図1から図7を用いて説明する。
パチンコ遊技機10は、図1及び図2に示すように、ガラスドア11、木枠12、ベースドア13、遊技盤14、皿ユニット21、画像を表示する液晶表示装置32、遊技球を発射する発射装置130、基板ユニット400、遊技価値を付与する球払出ユニット500などから構成されている。
上述したガラスドア11は、図2に示すように、ベースドア13に対して開閉自在に軸着されている。また、このガラスドア11の中央には、図1に示すように、開口11aが形成されている。また、この開口11aには、透過性を有する保護ガラス19が配設されている。この保護ガラス19は、ガラスドア11が閉鎖された状態で、後述する遊技盤14の前面に対面するように配設されている。特に、この保護ガラス19は、少なくとも遊技領域15の全域と対面するように配設されておればよいが、遊技領域15に該当しない遊技盤14の前面領域16(以降、遊技領域外16と称する)に対面するように配設されてもよい。
また、図1に示すように、ガラスドア11の開口11aの下方に、コントロールパネル80が配設されている。このコントロールパネル80には、遊技球の貸し出し用操作部82、メニュー画面表示、メニュー選択、決定、取り消しなどのメニュー操作部84、遊技の進行に関する操作などのゲーム操作部88などが含まれている。
上述した皿ユニット21は、図2に示すように、ガラスドア11の下方に位置するように、ベースドア13に配設されている。皿ユニット21には、図1に示すように、その上方に上皿20が設けられている。また、上皿20の下方には下皿22が設けられている。上皿20には、後述する遊技領域15に発射させるための遊技球が貯留される。また、上皿20及び下皿22には、遊技球の貸し出し、遊技球の払出し(賞球)を行うための払出口20a、22aが形成されており、所定の払出条件が成立した場合には、後述する球払出ユニット500に貯留されている遊技球が排出されることとなる。
上述した発射装置130は、図2に示すように、皿ユニット21の側方に位置するように、ベースドア13に配設されている。この発射装置130には、図1に示すように、遊技者によって操作可能な発射ハンドル26が配設されている。発射ハンドル26は、回動自在に設けられており、遊技者によって発射ハンドル26が操作されることによりパチンコ遊技を進めることができる。また、発射ハンドル26の裏側には、発射モータ(図示せず)、球送りソレノイド(図示せず)などが設けられている。尚、遊技を行う遊技者は、発射ハンドル26等の操作が可能なパチンコ遊技機10の前方側に位置することとなる。つまり、このパチンコ遊技機10は、前方から遊技可能である。
また、この発射ハンドル26の周縁には、タッチセンサ(図示せず)、発射停止スイッチ(図示せず)などが設けられている。このタッチセンサが触接されたときには、遊技者により発射ハンドル26が握持されたと検知される。発射ハンドル26が遊技者によって握持され、かつ、時計回り方向へ回動操作されたときには、その回動角度に応じて発射モータに電力が供給され、上皿20に貯留された遊技球が遊技盤14に順次発射される。また、発射ハンドル26が回動操作されている場合であっても、この発射停止スイッチが操作されたときには、発射装置130によって遊技球が発射されない。
尚、発射ハンドル26に設けられるタッチセンサは、遊技者が発射ハンドル26を握持したと判別できるものであればよく、光学的に検知するものや、熱により検知するもの等、センサの種類を問わない。
上述した遊技盤14は、図2に示すように、ガラスドア11における保護ガラス19の後方に位置するように、ベースドア13の前方に配設されている。この遊技盤14は、その全部が透過性を有する板形状の樹脂によって形成されている。この透過性を有する樹脂としては、例えば、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、メタクリル樹脂など各種の材質が該当する。つまり、遊技盤14は、透過性を有する部材を含む構成であり、透光性部材により一部又は全部が後方を視認可能に形成されている。遊技盤14は、その前面に、発射された遊技球が転動可能な遊技領域15を有している。この遊技領域15は、図3に示すように、ガイドレール30などに囲まれ、遊技球が転動可能な領域である。また、遊技盤14における遊技領域15には複数の障害釘(図示せず)が設けられている。このように、発射装置130によって発射された遊技球は、遊技盤14上に設けられたガイドレール30に案内されて遊技盤14の上部に移動し、その後、上述した複数の障害釘との衝突によりその進行方向を変えながら遊技盤14の下方に向かって落下することとなる。また、この遊技盤14は、詳しくは後述するが、遊技場の管理者などによって他の遊技盤に交換可能であり、遊技盤を交換することにより、バリエーションに富んだ遊技を提供することができる。
この遊技盤14の前面中央には、図3に示すように、普通図柄始動口54、一般入賞口56e、第二シャッタ40などが設けられている。この普通図柄始動口54に遊技球が入球したことを条件として、普通図柄の可変表示が実行されることとなる。また、遊技盤14の前面左方には、特別図柄始動口44が設けられている。この特別図柄始動口44には、開閉自在な第一シャッタ44aが配置されており、遊技球が入球したことを条件として、特別図柄の可変表示が実行されることとなる。また、遊技盤14の前面右方には、可変入賞装置45が設けられている。この可変入賞装置45には、開閉自在な羽根部材45aが配置されており、その羽根部材45aが開状態である場合には入球領域45bを通過して、可変入賞装置45の内部に入球可能となる。尚、可変入賞装置45については詳しく後述するが、この可変入賞装置45の内部における特定領域48a、48b(図4参照)を遊技球が通過した場合や、上述した特別図柄始動口44に遊技球が入賞した場合においては所定の確率で、通常遊技状態よりも遊技者に相対的に有利な大当り遊技状態(特別遊技状態、所謂、「大当り」)となる。この大当り遊技状態となった場合には、第二シャッタ40が開放状態に制御され、大入賞口39に遊技球が受け入れ容易な開放状態となることがある。
上述したように、ガラスドア11、遊技盤14、皿ユニット21、発射装置130が配設されたベースドア13は、図2に示すように、木枠12に軸着されている。ベースドア13の中央には開口13aが形成されている。このため、ベースドア13の後方に配設される液晶表示装置32の表示領域32aが、透過性を有する遊技盤14、保護ガラス19を介して、前方から視認可能となる。また、このベースドア13の上方には、スピーカ46L、46Rが配設される。
また、遊技盤14の中央には、図3に示すように、普通図柄表示装置35が配設されている。この普通図柄表示装置35は、点灯可能な2つのLEDを含み、普通図柄ゲームにおいて普通図柄の可変表示を行うものである。この普通図柄表示装置35における普通図柄としての当りLEDが停止表示されたことに基づいて、当りとなり、上述した第一シャッタ44aが開状態として制御されることとなる。一方、この普通図柄表示装置35における普通図柄としてのはずれLEDが停止表示されたことに基づいて、はずれとなり、上述した第一シャッタ44aが閉状態として維持されることとなる。
「可変表示」とは、変動可能に表示される概念であり、例えば、実際に変動して表示される「変動表示」、実際に停止して表示される「停止表示」等を可能とするものである。また、「可変表示」は、普通図柄ゲームの結果として識別情報が表示される「導出表示」を行うことができる。また、変動表示が開始されてから導出表示されるまでを1回の可変表示と称する。
また、遊技盤14の中央には、図3に示すように、特別図柄表示装置33が配設されている。この特別図柄表示装置33は、7セグ表示が可能な表示装置であり、特別図柄ゲームにおいて特別図柄の可変表示を行うものである。この特別図柄表示装置33における特別図柄は、一列の図柄列で構成されているが、これに限らず、例えば、複数の図柄列で構成されていてもよい。この特別図柄は、数字や記号等からなる図柄であり、本実施形態においては、“3”、“7”の数字、“−”の絵柄を用いる。
また、この特別図柄表示装置33において、特別図柄の導出表示が行われ、導出表示された特別図柄が特定の表示態様(例えば、“7”が導出表示される態様、所謂「大当り表示態様」)になったことに基づいて、遊技状態を遊技者に有利な大当り遊技状態(特別遊技状態)に移行することとなる。また、導出表示された特別図柄が非特定の表示態様(例えば、“3”、“−”が導出表示される態様、所謂「はずれ態様」)になった場合には、大当り遊技状態に移行せず、その非特定の表示態様のうちの特殊の表示態様(例えば、“3”が導出表示される態様)になった場合には、羽根部材45aが開状態に制御され、非特殊の表示態様(例えば、“−”が導出表示される態様)になった場合には、羽根部材45aが開状態に制御されない。
上述した液晶表示装置32は、図2に示すように、ベースドア13に配設されている。この液晶表示装置32は、遊技に関する画像を表示するための表示領域32aを有している。この液晶表示装置32は、開口13aを介して、遊技盤14の後方(背面側)に配設されることとなる。また、液晶表示装置32は、表示領域32aが開口13aを介して遊技盤14の全部又は一部と背面側から奥行き方向に重なるように配設されている。この液晶表示装置32における表示領域32aには、普通図柄ゲームにおける普通図柄の可変表示に伴って可変表示を行う装飾図柄、遊技に係る背景画像、演出画像等、各種の遊技に関する画像が所定の態様で表示されることとなる。つまり、液晶表示装置32は、遊技に関する演出画像を表示する。また、言い換えると、液晶表示装置32は、遊技に関する演出画像を視認可能に表示する表示領域32aを有することとなる。
また、この液晶表示装置32には、普通図柄表示装置35における普通図柄の可変表示に合わせて、複数の図柄列(本実施形態においては3列)に対応する装飾図柄が可変表示される。言い換えると、表示手段の一例としての液晶表示装置32は、複数の図柄列(表示列)のそれぞれにおいて装飾図柄の可変表示を行う。これら複数の図柄列において装飾図柄の導出表示が行われ、普通図柄表示装置35における普通図柄の可変表示の結果が特定の表示態様となる場合には、導出表示された複数の装飾図柄の組合せが特定の組合せ(例えば、複数の図柄列のそれぞれに“0”から“9”のいずれかが全て揃った状態で導出表示される態様、所謂「普通図柄当り表示態様」)となり、遊技状態を遊技者に有利な当り遊技状態に移行することとなる。このように、液晶表示装置32は、装飾図柄(識別情報の一例)の可変表示を行う。また、この装飾図柄は、普通図柄ゲームにおいて特別図柄始動口44における第一シャッタ44aを開放させるか否かを決定するための図柄であり、液晶表示装置32は、普通図柄始動口54を遊技球が通過したと検知された場合における第一シャッタ44a(開閉部材)を、遊技球が相対的に通過し易い開状態とするか否かが判定された判定結果を表示することとなる。また、液晶表示装置32には、これらの装飾図柄の他にも、背景画像、演出用の演出画像等が表示される。
このように、遊技者によってパチンコ遊技機10の前方から遊技が行われている場合、つまり、ガラスドア11が閉鎖した状態である場合には、透過性を有する遊技盤14の背面側に液晶表示装置32が配設されるとともに、遊技盤14の前面側に透過性を有する保護ガラス19が配設されるので、液晶表示装置32における表示領域32aに表示された画像が、透過性を有する遊技盤14及び保護ガラス19を介して遊技者に対して視認可能となる。
このため、透過性を有する遊技盤14の背面に液晶表示装置32が配設され、液晶表示装置32の表示領域32aにおいて各種の演出を行うことによって、従来の遊技機にはなかった斬新な表示演出を提供することができ、興趣の向上を図ることができる。また、従来の遊技機においては、表示領域のサイズを大きくすることによって、遊技領域のサイズが小さくなる可能性があった。また、表示領域のサイズを大きくしないで、各種の画像を表示することは、遊技者にとって視認することが煩雑となるおそれもあった。そこで、各種の表示演出を実行することによって、液晶表示装置32における表示領域のサイズにとらわれない多種多様な演出を実行でき、興趣の向上を図ることができる。また、遊技盤14と、その遊技盤14の後方に配設される液晶表示装置32との間に隙間を設けたので、障害釘の調整を行う際などにおける衝撃が液晶表示装置32に伝導しにくく、液晶表示装置32を傷つけることを防止し、液晶表示装置32の製品寿命を永らえることができる。尚、液晶表示装置32に、役物、入賞口、球流路、リールの配置等のための穴を設けてもよい。
尚、本実施形態において、画像を表示する部分として液晶ディスプレイパネルからなる液晶表示装置32を採用したが、これに限らず、他の態様であってもよく、例えば、CRT(Cathode Ray Tube)を含むブラウン管、ドットLED(Light Emitting Diode)、セグメントLED、EL(Electronic Luminescent)、プラズマ等からなるものであってもよい。
上述した木枠12は、木製の枠体であり、その前方にベースドア13が軸着される。尚、本実施形態においては、木製の木枠12を用いた構成としたが、これに限らず、別の態様であってもよく、例えば、金属製、樹脂製の枠体を用いた構成としてもよい。また、この木枠12の中央には、開口12aが形成されている。この開口12aには、上述したベースドア13、液晶表示装置32、詳しく後述する基板ユニット400、球払出ユニット500などが配置される。
上述した基板ユニット400は、ベースドア13の後方に軸着されている。基板ユニット400には、パチンコ遊技機10を制御するための回路が形成された各種の基板(図示せず)などが内蔵されており、それらの基板が基板ケース(図示せず)によって覆われている。
上述した球払出ユニット500は、ベースドア13の後方に軸着されている。球払出ユニット500には、遊技球を貯留するための球貯留タンク(図示せず)と、球通路ケース(図示せず)とから構成され、球貯留タンクに貯留されている遊技球を、上述した払出口20a、22aへと導くこととなる。
上述した遊技盤14の遊技領域15には、各種の役物が設けられている。各種の役物の一例として図3を用いて以下に説明するが、これに限定されるものではない。
例えば、遊技盤14の遊技領域15内の中央上方には、特別図柄表示装置33が設けられている。
また、特別図柄表示装置33の右側方には、普通図柄の可変表示を行う普通図柄表示装置35が設けられている。
また、遊技盤14の上方には、普通図柄ゲームにおける保留個数を表示する普通図柄保留表示装置37がそれぞれ設けられている。
また、遊技盤14の遊技領域15内の中央には、普通図柄始動口54が設けられている。この普通図柄始動口54は、その近傍を遊技球が通過したことを検出したときには、普通図柄表示装置35における普通図柄(図示せず)の変動表示が開始され、所定の時間が経過した後、普通図柄の変動表示を停止する。この普通図柄が所定の図柄が当り図柄として停止表示されたときには、後述する特別図柄始動口44における第一シャッタ44aが閉鎖状態から開放状態となり、特別図柄始動口44に遊技球が入球可能となる。また、第一シャッタ44aを開放状態とした後、所定の時間が経過したときには、第一シャッタ44aを閉鎖状態として、特別図柄始動口44に遊技球が入球不可能となる。つまり、普通図柄始動口54は、遊技領域15に配置され、遊技球が通過可能な第一の通過領域の一例である。
遊技盤14の左側方には、上述した特別図柄始動口44が設けられている。この特別図柄始動口44には、遊技球が入球可能な開状態と、遊技球が入球不可能な閉状態とに開閉可能な第一シャッタ44aが設けられている。この第一シャッタ44aは、上述した普通図柄ゲームにおいて当りとなった場合に開状態に制御され、所定の時間が経過したときに、閉状態に制御される。また、特別図柄始動口44に遊技球が入球したことを条件に、所定の確率で大当り遊技状態に移行されたり、後述する可変入賞装置45における羽根部材45aが開状態に制御されたりする。つまり、特別図柄始動口44は、遊技領域15に配置され、遊技領域において遊技球が通過可能な第二の通過領域の一例である。また、第一シャッタ44aは、第二の通過領域に設けられた開閉が可能な開閉部材の一例である。
また、遊技盤14の右側方には、可変入賞装置45が設けられている。この可変入賞装置45の上方には、遊技球が入球可能な開状態と、遊技球が入球不可能な閉状態とに開閉自在な羽根部材45aが設けられており、羽根部材45aが開状態である場合には、入球領域45bを介して、可変入賞装置45の内部に遊技球が入球可能となる。つまり、この可変入賞装置45は、遊技領域15に配置され、遊技球が相対的に入球し易い第一の状態、入球し難い第二の状態に変位可能な可変入球装置の一例に相当する。また、可変入賞装置45においては、図4に示すように、透過性を有する遊技盤14の前面側に羽根部材45aが配置されるとともに、遊技盤14の背面側にその本体部45cが配置され、それらの間を遊技球が通過可能に連結されている。
可変入賞装置45の本体部45cには、図5に示すように、入球領域45bを通過した遊技球を内部に導く経路47aから47cが設けられている。経路47aは、入球領域45bからの遊技球を内部に導くための経路であり、経路47b及び47cは、経路47aからの分岐経路であり、経路47bは、経路47aからの遊技球を上方に位置する領域に導くための経路であり、経路47cは、経路47aからの遊技球を下方に位置する領域に導くための経路である。この上方に位置する領域には、1つの特定領域48aと2つの一般領域48c及び48dが設けられており、この下方に位置する領域には、1つの特定領域48bと4つの一般領域48eから48hが設けられている。特定領域48a及び48bに遊技球が入球した場合には、大当りとなり、大当り遊技状態に移行することとなる一方、一般領域48cから48hに遊技球が入球した場合には、大当りとならず、大当り遊技状態に移行することはない。このため、上方に位置する領域のほうが特定領域に入球する可能性が高くなる。このように、特定領域48a及び48bに遊技球が入球するか否かは、物理的に、かつ、能動的に達成することができるため、遊技者に対して遊技意欲を増大させ、遊技に対する興趣の向上を図ることができる。
尚、本実施形態においては、複数の特定領域48a及び48bを設けたが、これに限らず、例えば、一つの特定領域48bを設け、上方に位置する領域から特定領域48bへの誘導路が形成されていてもよい。また、誘導部材49の変位によって、特定領域と一般領域との割合に基づく特定領域への通過度合いが異なるように構成したが、これに限らず、例えば、割合が同じであっても、その表面積が異なるようにして、特定領域への通過度合いが異なるように構成してもよい。
また、経路47aと、経路47b、47cと、の間に位置する分岐位置には、誘導部材49が設けられている。この誘導部材49は、図6に示すように、経路47aからの遊技球を、経路47b、経路47cのいずれかに振り分けるための変位可能な部材である。また、この誘導部材49は、誘導部材ソレノイド122(図8参照)によって変位可能な部材であり、図7に示すように、予め定められた周期で、かつ、所定の順序で変位され、誘導部材ソレノイド122がオンに設定された場合には、経路47aからの遊技球を、図6(A)に示すように、経路47bに誘導する有利な位置に変位され、誘導部材ソレノイド122がオフに設定された場合には、経路47aからの遊技球を、図6(B)に示すように、経路47cに誘導する不利な位置に変位される。具体的には、図7に示すように、a秒間(例えば、5秒間など)オンに制御され、b秒間(例えば、15秒間など)オフに制御されることが1回の周期となる。
つまり、この誘導部材49は、可変入賞装置45における特定領域48a及び48bに遊技球を誘導可能に変位する誘導手段の一例に相当し、特定領域48a及び48bへの通過度合いが異なる位置に変位することとなる。尚、このような誘導部材49の制御位置や誘導パターンは、メインROM68に記憶されており、このようなメインROM68は、誘導部材49(誘導手段)の誘導変位態様を示し、特定領域48a及び48bへの通過度合いが異なる複数種類の誘導変位態様データが記憶された誘導変位態様データ記憶手段の一例に相当する。
また、図3に示すように、遊技盤14の遊技領域15内の下方には、遊技球の一般入賞口56aから56eが設けられている。また、一般入賞口56aから56eに遊技球が入賞した場合には、その入賞に対応する遊技球が払出装置128によって払い出される。
また、遊技盤14の遊技領域15の下方には、大入賞口39に対して開閉自在な第二シャッタ40が設けられている。上述したように、導出表示された特別図柄が特定の表示態様である場合や、可変入賞装置45における特定領域48a、48bに遊技球が入球した場合には、遊技状態が大当り遊技状態に移行され、この第二シャッタ40が遊技球を受け入れやすい開放状態(第一の状態)となるように駆動される。また、この大入賞口には、特別大入賞口入賞球センサ104(図8参照)を有する一般領域(図示せず)があり、その領域を遊技球が所定個数(例えば10個)通過するか、又は、所定時間(例えば30秒)が経過するまで第二シャッタ40が開放状態に駆動される。つまり、開放状態において大入賞口への所定数の遊技球の入賞又は所定時間の経過のいずれかの条件が成立すると、大入賞口を、遊技球を受け入れ難い閉鎖状態(第二の状態)にする。また、続いて、開放状態から閉鎖状態となった第二シャッタ40は、上限ラウンド数に至っていないことを条件に、再度開放状態に駆動される。また、大入賞口39に遊技球が入賞した場合には、その入賞に対応する遊技球が払出装置128によって払い出される。このように、大入賞口39及び第二シャッタ40は、遊技領域15に配置され、遊技球が相対的に入球し易い第一の状態、入球し難い第二の状態に変位可能な特別可変入球装置の一例に相当する。
また、第二シャッタ40の上方には、普通図柄始動通過センサ101(図8参照)を有する普通図柄始動口54が設けられている。また、遊技盤14の左側方には、特別図柄始動入賞球センサ102(図8参照)を有する特別図柄始動口44が設けられている。更には、遊技盤14の右側方には、入球領域通過センサ103、特定領域通過センサ114a、114b、領域通過センサ114cから114h(図8参照)を有する可変入賞装置45が設けられている。この普通図柄始動口54を遊技球が通過した場合に、後述する普通図柄ゲームが開始される。そして、普通図柄ゲームにおいて当りとなった場合には、第一シャッタ44aが開状態となり、特別図柄始動口44に遊技球が入球可能となる。この特別図柄始動口44に遊技球が入球した場合には、後述する特別図柄ゲームが開始される。この特別図柄ゲームにおいて大当りとなった場合には、大当り遊技状態に移行することとなる。また、この特別図柄ゲームにおいて大当りとならなかった場合において、純はずれとならなかったときには、可変入賞装置45における羽根部材45aが開状態となり、純はずれとなったときには、可変入賞装置45における羽根部材45aが開状態とならない。また、羽根部材45aが開状態となった場合には、可変入賞装置45に遊技球が入球可能となり、内部に入球した遊技球が特定領域48a、48bに入球した場合に、大当り遊技状態に移行することとなり、遊技球が一般領域48cから48hに入球した場合に、大当りとならず、大当り遊技状態に移行しない。また、普通図柄始動口54、特別図柄始動口44、特定領域48a、48b、一般領域48cから48hに遊技球が入賞した場合には、その入賞に対応する遊技球が払出装置128によって払い出される。
また、普通図柄ゲームにおける普通図柄の変動表示中において普通図柄始動口54の近傍を遊技球が通過した場合には、変動表示中の普通図柄が導出表示されるまで、普通図柄始動口54への遊技球の通過に基づく普通図柄の可変表示の実行(開始)が保留される。普通図柄の可変表示の実行が保留されている状態で、普通図柄が導出表示された場合には、所定時間経過後、保留されている普通図柄の可変表示が開始される。また、普通図柄が導出表示された場合に実行される普通図柄の可変表示の実行は一回分である。この保留された普通図柄の可変表示の実行回数(所謂、「普通図柄に関する保留個数」、「普通図柄ゲームにおける保留個数」)は、普通図柄保留表示装置37によって表示される。また、普通図柄の可変表示の実行が保留される回数にも上限が設定されており、例えば、4回を上限として普通図柄の可変表示が保留される。このように普通図柄ゲームにおける識別情報の可変表示が保留された場合には、普通図柄保留表示装置37は、その保留個数を表示することとなる。
一方、特別図柄始動口44へ遊技球が入賞し、特別図柄ゲームにおける特別図柄の可変表示中である場合には、その遊技球が入賞に応じて第一シャッタ44aが閉状態となるため、遊技球が特別図柄始動口44へ入賞不可能となるため、遊技球の入賞に基づく特別図柄の可変表示の実行(開始)が保留されない。
尚、本実施形態においては、4回を上限として普通図柄の可変表示を保留するように構成したが、これに限らず、別の態様であってもよく、例えば、一回又は複数回を上限として、普通図柄の可変表示を保留するように構成してもよく、更には、上限を設定することなく保留するように構成してもよい。もちろん、普通図柄の可変表示を保留しないように構成してもよい。また、本実施形態においては、特別図柄の可変表示を保留しないように構成したが、これに限らず、別の態様であってもよく、例えば、複数回を上限として、特別図柄の可変表示を保留するように構成してもよく、更には、上限を設定することなく保留するように構成してもよい。
[遊技機の電気的構成]
本実施形態におけるパチンコ遊技機10の制御回路を示すブロック図を図8に示す。
パチンコ遊技機10は、主に、遊技制御手段としての主制御回路60と、演出制御手段としての副制御回路200とから構成される。主制御回路60は、遊技の制御を行うものである。副制御回路200は、遊技の進行に応じた演出の制御を行うものである。
主制御回路60は、図8に示すように、制御手段であるメインCPU66、メインROM(読み出し専用メモリ)68、メインRAM(読み書き可能メモリ)70を備えている。この主制御回路60は、遊技の進行を制御する。
メインCPU66には、メインROM68、メインRAM70等が接続されており、このメインROM68に記憶されたプログラムに従って、各種の処理を実行する機能を有する。このように、このメインCPU66は、後述する各種の手段として機能することとなる。
メインROM68には、メインCPU66によりパチンコ遊技機10の動作を制御するためのプログラムが記憶されており、その他には、乱数抽選によって大当り判定をする際に参照される大当り判定テーブルや、演出を選択する際に参照される演出条件選択テーブル等の各種のテーブルも記憶されている。具体的なプログラムについては後述する。
尚、本実施形態においては、プログラム、テーブル等を記憶する媒体としてメインROM68を用いるように構成したが、これに限らず、制御手段を備えたコンピュータにより読み取り可能な記憶媒体であれば別態様であってもよく、例えば、ハードディスク装置、CD−ROM及びDVD−ROM、ROMカートリッジ等の記憶媒体に記録されていてもよい。また、これらのプログラムは、予め記録されているものでなくとも、電源投入後にこれらのプログラムをダウンロードしてメインRAM70等に記録されるものでもよい。更にまた、プログラムの各々が別々の記憶媒体に記録されていてもよい。また、本実施形態においてはメインCPU66、メインROM68及びメインRAM70を別々に設けたが、これらが一体となっているワンチップマイコンを使用してもよい。
メインRAM70は、メインCPU66の一時記憶領域として種々のフラグや変数の値を記憶する機能を有する。メインRAM70に記憶されるデータの具体例としては、以下のようなものがある。
メインRAM70には、制御状態フラグ、大当り判定用乱数カウンタ、大当り図柄決定用乱数カウンタ、演出条件選択用乱数カウンタ、大入賞口開放回数カウンタ、大入賞口入賞カウンタ、待ち時間タイマ、大入賞口開放時間タイマ等が存在する出力に関する変数、後述する副制御回路200にコマンドを供給するためのデータ、変数等が位置付けられている。
制御状態フラグは、特別図柄ゲームの制御状態を示すものである。大当り判定用乱数カウンタは、特別図柄の大当りを判定するためのものである。大当り図柄決定用乱数カウンタは、特別図柄の大当りを判定した場合に、導出表示される特別図柄を決定するためのものである。演出条件選択用乱数カウンタは、特別図柄及び装飾図柄の変動表示パターンを決定するためのものである。これらのカウンタは、メインCPU66により順次“1”増加するように記憶更新されており、所定のタイミングで各カウンタから乱数値を抽出することにより、メインCPU66の各種の機能を実行することとなる。尚、本実施形態においては、このような乱数カウンタを備え、プログラムに従って、メインCPU66が、乱数カウンタを“1”増加させるように記憶更新する構成としたが、これに限らず、別個に、乱数発生器のような装置を備えるように構成してもよい。また、はずれではあるが、リーチとするか否かを判定するためのリーチ判定用乱数カウンタを設けてもよい。
待ち時間タイマは、主制御回路60と副制御回路200とにおいて実行される処理の同期を取るためのものである。また、大入賞口開放時間タイマは、第二シャッタ40を駆動させ、大入賞口39を開放する時間を計測するためのものである。尚、本実施形態におけるタイマは、メインRAM70において、所定の周期で、その所定の周期だけ減算されるように記憶更新されるが、これに限らず、CPU等自体がタイマを備えていてもよい。
大入賞口開放回数カウンタは、大当り遊技状態における大入賞口39の開放回数(所謂、「ラウンド数」)を示すものである。また、大入賞口入賞カウンタは、1ラウンド中に大入賞口39に入賞し、特別大入賞口入賞球センサ104を通過した遊技球の数を示すものである。
尚、本実施形態においては、メインCPU66の一時記憶領域としてメインRAM70を用いているが、これに限らず、読み書き可能な記憶媒体であればよい。
また、この主制御回路60は、所定の周波数のクロックパルスを生成するリセット用クロックパルス発生回路62、電源投入時においてリセット信号を生成する初期リセット回路64、後述する副制御回路200に対してコマンドを供給するためのシリアル通信用IC72を備えている。また、これらのリセット用クロックパルス発生回路62、初期リセット回路64、シリアル通信用IC72は、メインCPU66に接続されている。尚、このリセット用クロックパルス発生回路62は、後述するシステムタイマ割込処理を実行するために、所定の周期(例えば2ミリ秒)毎にクロックパルスを発生する。尚、このシリアル通信用IC72は、各種のコマンドを副制御回路200(副制御回路200に含まれる各種の手段)へ送信する送信手段に相当する。
また、主制御回路60には、各種の装置が接続されており、例えば、図8に示すように、特別図柄表示装置33、普通図柄始動通過センサ101、特別図柄始動入賞球センサ102、入球領域通過センサ103、特別大入賞口入賞球センサ104、一般入賞球センサ106から110、特定領域通過センサ114a及び114b、領域通過センサ114cから114h、特別図柄始動口ソレノイド116、羽根部材ソレノイド118、大入賞口ソレノイド120、誘導部材ソレノイド122、バックアップクリアスイッチ124などが接続されている。
特別図柄表示装置33は、主制御回路60からの信号に応じて、特別図柄ゲームにおける特別図柄の可変表示を行うものである。
普通図柄表示装置35は、主制御回路60からの信号に応じて、普通図柄ゲームにおける普通図柄の可変表示を行うものである。
普通図柄始動通過センサ101は、普通図柄始動口54に設けられている。この普通図柄始動通過センサ101は、普通図柄始動口54を遊技球が通過した場合に、所定の検知信号を主制御回路60に供給する。尚、本実施形態における普通図柄始動通過センサ101は、遊技領域15に配置され、遊技球が通過可能な普通図柄始動口54(第一の通過領域)に遊技球が通過したことを検知する第一通過検知手段の一例に相当する。
特別図柄始動入賞球センサ102は、特別図柄始動口44に設けられている。この特別図柄始動入賞球センサ102は、特別図柄始動口44に遊技球が入球した場合に、所定の検知信号を主制御回路60に供給する。尚、本実施形態における特別図柄始動入賞球センサ102は、遊技領域15に配置され、遊技球が通過可能な特別図柄始動口44(第二の通過領域)に遊技球が通過したことを検知する第二通過検知手段の一例に相当する。
入球領域通過センサ103は、入球領域45bに設けられている。この入球領域通過センサ103は、入球領域45bを遊技球が通過した場合に、所定の検知信号を主制御回路60に供給する。尚、本実施形態における入球領域通過センサ103は、羽根部材45aが開状態(第一の状態)に制御された場合に遊技球が通過可能な入球領域45bを、遊技球が通過したことを検知する入球領域検知手段の一例に相当する。
特別大入賞口入賞球センサ104は、大入賞口39内に設けられている。この特別大入賞口入賞球センサ104は、大入賞口39における領域を遊技球が通過した場合に、所定の検知信号を主制御回路60に供給する。
一般入賞球センサ106から110は、一般入賞口56a〜56eに設けられている。この一般入賞球センサ106から110は、各一般入賞口56a〜56eを遊技球が通過した場合に、所定の検知信号を主制御回路60に供給する。
特定領域通過センサ114a及び114bは、可変入賞装置45内における特定領域48a及び48bに設けられている。この特定領域通過センサ114a及び114bは、可変入賞装置45内における特定領域48a及び48bを遊技球が通過した場合に、所定の検知信号を主制御回路60に供給する。尚、本実施形態における特定領域通過センサ114a及び114bは、可変入賞装置45における特定領域48a及び48bを遊技球が通過したことを検知する特定領域通過検知手段の一例に相当する。
領域通過センサ114cから114hは、可変入賞装置45内における一般領域48cから48hに設けられている。この領域通過センサ114cから114hは、可変入賞装置45内における一般領域48cから48hを遊技球が通過した場合に、所定の検知信号を主制御回路60に供給する。
特別図柄始動口ソレノイド116は、第一シャッタ44aに接続されており、メインCPU66から供給される駆動信号に応じて、第一シャッタ44aを駆動させ、特別図柄始動口44を開放状態又は閉鎖状態とする。このような特別図柄始動口ソレノイド116やメインCPU66は、第一シャッタ44a(開閉部材)を開状態とすると判定された場合に、第一シャッタ44aの開閉制御を行う開閉部材制御手段の一例に相当する。
羽根部材ソレノイド118は、リンク部材(図示せず)を介して羽根部材45aに接続されており、メインCPU66から供給される駆動信号に応じて、羽根部材45aを開放状態又は閉鎖状態とする。このような羽根部材ソレノイド118やメインCPU66は、羽根部材45aの可変制御を行う可変入球装置制御手段の一例に相当する。
大入賞口ソレノイド120は、第二シャッタ40に接続されており、メインCPU66から供給される駆動信号に応じて、第二シャッタ40を駆動させ、大入賞口39を開放状態又は閉鎖状態とする。このような大入賞口ソレノイド120やメインCPU66は、第二シャッタ40を開状態(第一の状態)に制御する特別可変入球装置制御手段の一例に相当する。また、詳しくは後述するが、このような大入賞口ソレノイド120やメインCPU66は、特定領域48a及び48bへの遊技球の通過により大当り遊技状態(特別遊技状態)に移行した場合や、特別図柄始動口44への遊技球の入球に基づいて大当り遊技状態に移行すると判定された場合に、第二シャッタ40を開状態(第一の状態)に制御することとなる。
誘導部材ソレノイド122は、リンク部材(図示せず)を介して誘導部材49に接続されており、メインCPU66から供給される駆動信号に応じて、誘導部材49を第一の状態又は第二の状態とする。このような誘導部材ソレノイド122やメインCPU66は、複数種類の誘導変位態様データから選択された誘導変位態様データに基づいて、誘導部材49の変位制御を行う誘導変位制御手段の一例に相当する。
バックアップクリアスイッチ124は、パチンコ遊技機10に内蔵されており、電断時等におけるバックアップデータを遊技場の管理者の操作に応じてクリアする機能を有する。
また、主制御回路60には、払出・発射制御回路126が接続されている。この払出・発射制御回路126には、遊技球の払出を行う払出装置128、遊技球の発射を行う発射装置130、カードユニット150が接続されている。具体的には、払出・発射制御回路126には、その払出・発射制御回路126を制御するためのCPU(図示せず)と、CPUに処理を実行させるためのプログラムが記憶されているROM(図示せず)と、CPUの作業領域であるRAM(図示せず)とが少なくとも備えられている。また、カードユニット150には、貸し出し用操作部82が接続されており、その操作に応じて、カードユニット150に操作信号が供給される。
この払出・発射制御回路126は、主制御回路60から供給される賞球制御コマンド、カードユニット150から供給される貸し球制御信号を受け取り、払出装置128に対して所定の信号を送信することにより、払出装置128に遊技球を払い出させる。また、払出・発射制御回路126は、発射装置130に対して発射信号を供給することにより、遊技球を発射させる制御を行う。尚、払出装置128は、発射された遊技球が所定の領域(例えば、普通図柄始動口54、特別図柄始動口44、一般入賞口56aから56e、大入賞口39など)を通過したと検知されたときには、遊技球を払出す払出手段の一例として採用されている。また、払出・発射制御回路126は、払出手段の駆動制御を行う払出制御手段の一例として採用されている。
また、発射装置130には、上述した発射モータ、タッチセンサ等の遊技球を発射させるための装置が備えられている。発射ハンドル26が遊技者によって握持され、かつ、時計回り方向へ回動操作されたときには、その回動角度に応じて発射モータに電力が供給され、上皿20に貯留された遊技球が発射モータにより駆動される打突部材によって遊技盤14に順次発射される。尚、このような発射装置130は、遊技者の操作に応じて遊技球を発射する発射手段の一例として採用されている。また、払出・発射制御回路126は、発射手段の駆動制御を行う発射制御手段の一例として採用されている。
更には、シリアル通信用IC72には、副制御回路200が接続されている。この副制御回路200は、主制御回路60から供給される各種のコマンドに応じて、液晶表示装置32における表示制御、スピーカ46(図1においては46L及び46R)から発生させる音声に関する制御、装飾ランプ(図示せず)などを含むランプ132の制御等を行う。
尚、本実施形態においては、主制御回路60から副制御回路200に対してコマンドを供給するとともに、副制御回路200から主制御回路60に対して信号を供給できないように構成したが、これに限らず、副制御回路200から主制御回路60に対して信号を送信できるように構成しても問題ない。
副制御回路200は、サブCPU206、記憶手段としてのプログラムROM208、ワークRAM210、液晶表示装置32における表示制御を行うための表示制御回路250、スピーカ46から発生させる音声に関する制御を行う音声制御回路230、装飾ランプなどを含むランプ132の制御を行うランプ制御回路240から構成されている。副制御回路200は、主制御回路60からの指令に応じて遊技の進行に応じた演出を実行する。また、副制御回路200には、遊技者によって操作可能なメニュー操作部84、ゲーム操作部88などが接続されており、その操作(操作状態)に応じて操作信号が副制御回路200に供給される。尚、本実施形態において、サブCPU206、表示制御回路250などは、液晶表示装置32の表示制御を行う表示制御手段の一例に相当する。
サブCPU206には、プログラムROM208、ワークRAM210等が接続されている。サブCPU206は、このプログラムROM208に記憶されたプログラムに従って、各種の処理を実行する機能を有する。特に、サブCPU206は、主制御回路60から供給される各種のコマンドに従って、副制御回路200の制御を行う。サブCPU206は、後述する各種の手段として機能することとなる。
プログラムROM208には、サブCPU206によりパチンコ遊技機10の遊技演出を制御するためのプログラムが記憶されており、その他には、演出に関する決定を行うためのテーブル等の各種のテーブルも記憶されている。具体的なプログラムについては後述する。
尚、本実施形態においては、プログラム、テーブル等を記憶する記憶手段としてプログラムROM208を用いるように構成したが、これに限らず、制御手段を備えたコンピュータにより読み取り可能な記憶媒体であれば別態様であってもよく、例えば、ハードディスク装置、CD−ROM及びDVD−ROM、ROMカートリッジ等の記憶媒体に記録されていてもよい。もちろん、記憶手段としてメインROM68を用いてもよい。また、これらのプログラムは、予め記録されているものでなくとも、電源投入後にこれらのプログラムをダウンロードし、ワークRAM210等に記録されるものでもよい。更にまた、プログラムの各々が別々の記憶媒体に記録されていてもよい。
また、本実施形態において、メインCPU66及びメインROM68を含む主制御回路60と、サブCPU206及びプログラムROM208を含む副制御回路200と、を別々に構成したが、これに限らず、メインCPU66及びメインROM68を含む主制御回路60のみで構成してもよく、この場合には、上述したプログラムROM208に記憶されているプログラムをメインROM68に記憶させ、メインCPU66により実行されるように構成してもよい。もちろん、サブCPU206及びプログラムROM208を含む副制御回路200のみで構成するようにしてもよく、この場合には、上述したメインROM68に記憶されているプログラムをプログラムROM208に記憶させ、サブCPU206により実行されるように構成してもよい。
ワークRAM210は、サブCPU206の一時記憶領域として種々のフラグや変数の値を記憶する機能を有する。例えば、演出パターンを選択するための演出表示選択用乱数カウンタ等各種の変数等が位置付けられている。
尚、本実施形態においては、サブCPU206の一時記憶領域としてワークRAM210を用いているが、これに限らず、読み書き可能な記憶媒体であればよい。
表示制御回路250は、液晶表示装置32の表示制御を行う回路であり、画像データプロセッサ(以下、VDPと称する。)、各種の画像データを生成するためのデータが記憶されている画像データROM、画像データをバッファするフレームバッファ、画像データを画像信号として変換するD/Aコンバータなどから構成されている。
表示制御回路250は、サブCPU206から供給されるデータに応じて、液晶表示装置32に画像を表示させるための種々の処理を行うことができる装置である。
表示制御回路250は、サブCPU206から供給される画像表示命令に応じて、装飾図柄を示す装飾図柄画像データ、背景画像データ、演出用画像データ等、各種の画像データなど、液晶表示装置32に表示させるための画像データを一時的にフレームバッファに格納する。そして、表示制御回路250は、所定のタイミングで、フレームバッファに格納された画像データをD/Aコンバータに供給する。このD/Aコンバータは、画像データを画像信号として変換し、所定のタイミングでこの画像信号を液晶表示装置32に供給することにより、液晶表示装置32に画像が表示される。つまり、表示制御回路250は、液晶表示装置32に遊技に関する画像を表示させる制御を行うこととなる。
また、音声制御回路230は、音声に関する制御を行う音源IC、各種の音声データを記憶する音声データROM、音声信号を増幅するための増幅器(以下、AMPと称する。)などから構成されている。
この音源ICは、スピーカ46から発生させる音声の制御を行う。音源ICは、サブCPU206から供給される音声発生命令に応じて、音声データROMに記憶されている複数の音声データから一つの音声データを選択する。また、音源ICは、選択された音声データを音声データROMから読み出し、音声データを所定の音声信号に変換し、その音声信号をAMPに供給する。AMPは、音声信号を増幅させ、スピーカ46から音声を発生させる。
ランプ制御回路240は、ランプ制御信号を供給するためのドライブ回路、複数種類のランプ装飾パターンが記憶されている装飾データROMなどから構成されている。
[特別図柄テーブル]
上述したような構成のパチンコ遊技機10におけるメインROM68に記憶されている特別図柄テーブルについて図9を用いて説明する。尚、以下に説明する特別図柄テーブルがメインROM68に記憶されていない場合であっても、このような機能を有するデータ、プログラムがメインROM68に記憶されていればよい。
メインROM68に記憶された特別図柄テーブルは、特定図柄を決定するためのテーブルである。この特別図柄テーブルには、図9に示すように、特別図柄態様と、乱数と、乱数の数と、状況と、が対応付けて記憶されている。
具体的には、乱数が“0”〜“253”である場合(乱数の数が“254”)には、特別図柄態様が羽根開放態様として、羽根部材45aが開状態となり、可変入賞装置45における特定領域48a及び48bに入賞可能な状況となる。また、乱数が“254”である場合(乱数の数が“1”)には、特別図柄態様が直撃大当り態様として、羽根部材45aが開状態とならず、可変入賞装置45における特定領域48a及び48bに入賞不可能な状況となる一方、その入賞なしに大当りとなる。また、乱数が“255”である場合(乱数の数が“1”)には、特別図柄態様が純はずれ態様として、羽根部材45aが開状態とならず、可変入賞装置45における特定領域48a及び48bに入賞不可能な状況となるとともに、大当りにもならない。
つまり、抽出される乱数に基づいて、可変入賞装置45における羽根部材45aを開状態とするか、大当りとするか、何もしないかが選択されることとなる。
[普通図柄変動パターンテーブル]
上述したような構成のパチンコ遊技機10におけるメインROM68に記憶されている普通図柄変動パターンテーブルについて図10を用いて説明する。尚、以下に説明する装飾図柄テーブルがメインROM68に記憶されていない場合であっても、このような機能を有するデータ、プログラムがメインROM68に記憶されていればよい。
メインROM68に記憶された普通図柄変動パターンテーブルは、普通図柄の変動パターンを決定するためのテーブルである。この普通図柄変動パターンテーブルにおいては、図10に示すように、普通図柄変動パターンを示す番号と、変動時間と、リーチの有無と、が対応付けられて記憶されている。
具体的には、大当り時においては、変動時間が10秒であり、リーチ有りである普通図柄変動パターン(番号“1”)と、変動時間が15秒であり、リーチ有りである普通図柄変動パターン(番号“2”)と、変動時間が20秒であり、リーチ有りである普通図柄変動パターン(番号“3”)と、変動時間が25秒であり、リーチ有りである普通図柄変動パターン(番号“4”)と、変動時間が30秒であり、リーチ有りである普通図柄変動パターン(番号“5”)と、変動時間が35秒であり、リーチ有りである普通図柄変動パターン(番号“6”)と、変動時間が40秒であり、リーチ有りである普通図柄変動パターン(番号“7”)と、変動時間が45秒であり、リーチ有りである普通図柄変動パターン(番号“8”)と、変動時間が50秒であり、リーチ有りである普通図柄変動パターン(番号“9”)と、変動時間が55秒であり、リーチ有りである普通図柄変動パターン(番号“10”)と、のいずれかが選択される。一方、はずれ時においては、変動時間が10秒であり、リーチなしである普通図柄変動パターン(番号“11”)と、変動時間が15秒であり、リーチなしである普通図柄変動パターン(番号“12”)と、変動時間が20秒であり、リーチなしである普通図柄変動パターン(番号“13”)と、変動時間が25秒であり、リーチなしである普通図柄変動パターン(番号“14”)と、変動時間が30秒であり、リーチなしである普通図柄変動パターン(番号“15”)と、変動時間が35秒であり、リーチ有りである普通図柄変動パターン(番号“16”)と、変動時間が40秒であり、リーチ有りである普通図柄変動パターン(番号“17”)と、変動時間が45秒であり、リーチ有りである普通図柄変動パターン(番号“18”)と、変動時間が50秒であり、リーチ有りである普通図柄変動パターン(番号“19”)と、変動時間が55秒であり、リーチ有りである普通図柄変動パターン(番号“20”)と、のいずれかが選択される。
このように、普通図柄ゲームにおける当落に基づいて、普通図柄変動パターンが選択される。また、詳しくは後述するが、当り時においては、普通図柄が導出表示されてから遊技球が誘導部材49に到達するまでの時間に基づいて、誘導部材49が有利な位置(図6(A)参照)となるように、普通図柄の変動時間が算出され、普通図柄変動パターンが選択されることとなる。また、このように、識別情報の可変表示時間が複数種類記憶されているメインROM68は、可変表示時間記憶手段の一例に相当する。
上述した液晶表示装置32の表示領域32aにおいて表示される画像について図11を用いて説明する。
図11(A)に示すように、液晶表示装置32における表示領域32aは、透過性を有する遊技盤14と重なった背面側に配置されている。特に、液晶表示装置32の表示領域32aは、普通図柄始動口54、特別図柄始動口44、可変入賞装置45、大入賞口39などが設けられた遊技領域15の一部又は全部と重なる。また、液晶表示装置32の表示領域32aにおいては、装飾図柄を表示させる装飾図柄表示領域32bをはじめとして、普通図柄始動口54が配置された普通図柄始動領域と重なる普通図柄始動表示領域32c、特別図柄始動口44が配置された特別図柄始動領域と重なる特別図柄始動表示領域32d、可変入賞装置45が配置された可変入賞装置領域と重なる可変入賞装置表示領域32e、大入賞口39が配置された大入賞口領域と重なる大入賞口表示領域32fが含まれており、図11(B)に示すように、通常遊技状態においては、一般的に普通図柄始動口54への入賞を狙うため、普通図柄始動表示領域32cに報知画像が表示され、第一シャッタ44aが開状態となる場合においては特別図柄始動口44への入賞を狙うため、特別図柄始動表示領域32dに報知画像が表示され、羽根部材45aが開状態となる場合においては可変入賞装置45への入賞を狙うため、可変入賞装置表示領域32eに報知画像が表示され、第二シャッタ40が開状態となる場合においては大入賞口39への入賞を狙うため、大入賞口表示領域32fに報知画像が表示されることとなる。
このように、遊技盤14は、普通図柄始動口54(第一の通過領域)が配置された普通図柄始動領域と、特別図柄始動口44(第二の通過領域)が配置された特別図柄始動領域(第一の領域)と、可変入賞装置45(可変入球装置)が配置された可変入賞装置領域(第二の領域)と、大入賞口39(特別可変入球装置)が配置された大入賞口領域と、を含み、特別図柄始動口44における第一シャッタ44a(開閉部材)が開状態となるときに、特別図柄始動領域の後方に所定の報知画像を表示させる制御が行われ、可変入賞装置45における羽根部材45aが開状態となるときに、可変入賞装置領域の後方に所定の報知画像を表示させる制御が行われ、大入賞口が開状態となるときに、大入賞口領域の後方に所定の報知画像を表示させる制御が行われることとなる。従って、各種の役物が配置された領域の後方に、それぞれ報知画像が視認可能に表示されることとなり、遊技者に対して視認し易い効果的な報知を行うことができる。
[遊技機の動作]
以下に、パチンコ遊技機10で実行される処理を図12から図14、図16から図29に示す。また、パチンコ遊技機10で実行される特別図柄制御処理(図14)の状態遷移について図15を用いて説明する。
[メイン処理]
最初に、図12に示すように、RAMアクセス許可、バックアップ復帰処理、作業領域を初期化等の初期設定処理を実行する(ステップS11)。そして、詳しくは図14を用いて後述するが、特別図柄ゲームの進行、液晶表示装置32、特別図柄表示装置33に表示される特別図柄に関する特別図柄制御処理を実行する(ステップS15)。そして、詳しくは図17を用いて後述するが、普通図柄ゲームの進行、普通図柄表示装置35に表示される普通図柄、装飾図柄に関する普通図柄制御処理を実行する(ステップS16)。そして、詳しくは図20を用いて後述するが、可変入賞装置45における羽根部材45aの駆動制御等の可変入賞装置制御処理を実行する(ステップS18)。そして、メインCPU66は、ステップS15、ステップS16の実行の結果に従って、特別図柄、普通図柄などの可変表示の表示制御を行う図柄表示装置制御処理を実行する(ステップS19)。このように、メイン処理においては、ステップS11の初期設定処理が終了した後、ステップS15、ステップS16、ステップS18及びステップS19の処理を繰り返し実行することとなる。
[システムタイマ割込処理]
また、メインCPU66は、メイン処理を実行している状態であっても、メイン処理を中断させ、システムタイマ割込処理を実行する場合がある。リセット用クロックパルス発生回路62から所定の周期(例えば2ミリ秒)毎に発生されるクロックパルスに応じて、以下のシステムタイマ割込処理を実行する。このシステムタイマ割込処理について図13を用いて説明する。
最初に、図13に示すように、メインCPU66は、大当り判定用乱数カウンタ、大当り図柄決定用乱数カウンタ等の各カウント値を“1”増加するように乱数更新処理を実行する(ステップS42)。そして、詳しくは図21を用いて後述するが、メインCPU66は、普通図柄始動口54、特別図柄始動口44等への遊技球の入賞又は通過を検知する入力検出処理を実行する(ステップS43)。この処理においては、メインCPU66は、各種の入賞口に遊技球が入賞したことを条件として、遊技球を払出す(賞球する)旨のデータをメインRAM70の所定領域に記憶することとなる。そして、主制御回路60と副制御回路200との同期をとるための待ち時間タイマ、大当りが発生した際に開放する大入賞口39の開放時間を計測するための大入賞口開放時間タイマ等、各種のタイマの更新処理を実行する(ステップS44)。そして、詳しくは図24を用いて後述するが、誘導部材49の駆動制御を行う誘導部材ソレノイド制御処理を実行する(ステップS45)。そして、各種の変数に基づいて駆動制御するための信号をソレノイド、モータ等に供給するために、出力処理を実行する(ステップS46)。この処理が終了した場合には、ステップS47に処理を移す。
ステップS47においては、コマンド出力処理を実行する。この処理において、メインCPU66は、各種のコマンドを副制御回路200に供給する。これらの各種のコマンドとしては、具体的には、デモ表示コマンド、導出表示される普通図柄の種類を示す導出普通図柄指定コマンド、普通図柄の変動表示パターンを示す普通図柄変動パターン指定コマンド等が含まれる。この処理が終了した場合には、ステップS49に処理を移す。
そして、ステップS49の処理において、メインCPU66は、払出装置128に賞球を行わせるための賞球制御コマンドを払出・発射制御回路126へ送信する等の払出処理を実行する。具体的には、メインCPU66は、各種の入賞口に遊技球が入賞することで予め設定された所定数の賞球払出を行うための賞球制御コマンドを払出・発射制御回路126へ供給する。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了し、割込発生前のアドレスへ復帰し、メイン処理を実行させる。
[特別図柄制御処理]
図12のステップS15において実行されるサブルーチンについて図14を用いて説明する。尚、図14において、ステップS72からステップS80の側方に描いた数値は、それらのステップに対応する制御状態フラグを示し、その制御状態フラグの数値に応じて、その数値に対応する一つのステップが実行され、特別図柄ゲームが進行することとなる。
最初に、図14に示すように、制御状態フラグをロードする処理を実行する(ステップS71)。この処理において、メインCPU66は、制御状態フラグを読み出す。この処理が終了した場合には、ステップS72に処理を移す。
尚、後述するステップS72からステップS80において、メインCPU66は、後述するように、制御状態フラグの値に基づいて、各ステップにおける各種の処理を実行するか否かを判断することとなる。この制御状態フラグは、特別図柄ゲームの遊技の状態を示すものであり、ステップS72からステップS80における処理のいずれかを実行可能にするものである。また、それに加えて、メインCPU66は、各ステップに対して設定された待ち時間タイマ等に応じて決定される所定のタイミングで各ステップにおける処理を実行する。尚、この所定のタイミングに至る前においては、各ステップにおける処理を実行することなく終了することとなり、他のサブルーチンを実行することとなる。もちろん、所定の周期でシステムタイマ割込処理も実行する。
ステップS72においては、特別図柄記憶チェック処理を実行する。詳しくは図16を用いて後述するが、メインCPU66は、制御状態フラグが特別図柄記憶チェックを示す値(00)である場合に、特別図柄始動口44に遊技球が入球したと検知された場合に、大当り判定、導出特別図柄、特別図柄の変動パターン等の決定を行う。また、メインCPU66は、特別図柄変動時間管理を示す値(01)を制御状態フラグにセットし、今回の処理で決定された変動パターンに対応する変動時間を待ち時間タイマにセットする。つまり、今回決定された変動パターンに対応する変動時間を経過した後、ステップS73の処理を実行するように設定するのである。一方、保留個数がない場合には、デモ画面を表示するためのデモ表示処理を行う。この処理が終了した場合には、ステップS73に処理を移す。
ステップS73においては、特別図柄変動時間管理処理を実行する。この処理において、メインCPU66は、制御状態フラグが特別図柄変動時間管理を示す値(01)であり、変動時間が経過した場合に、特別図柄表示時間管理を示す値(02)を制御状態フラグにセットし、確定後待ち時間(例えば1秒)を待ち時間タイマにセットする。つまり、確定後待ち時間が経過した後、ステップS74の処理を実行するように設定するのである。この処理が終了した場合には、ステップS74に処理を移す。
ステップS74においては、特別図柄表示時間管理処理を実行する。この処理において、メインCPU66は、制御状態フラグが特別図柄表示時間管理を示す値(02)であり、確定後待ち時間が経過した場合に、大当りか否かを判断する。メインCPU66は、大当りである場合に、大当り開始インターバル管理を示す値(03)を制御状態フラグにセットし、大当り開始インターバルに対応する時間(例えば10秒)を待ち時間タイマにセットする。つまり、大当り開始インターバルに対応する時間が経過した後、ステップS75の処理を実行するように設定するのである。つまり、メインCPU66は、後述するステップS268において特定領域48a及び48bに遊技球が通過したと検知された場合や、後述するステップS105において大当り遊技状態(特別遊技状態)に移行すると判定された場合に、通常遊技状態よりも相対的に有利な大当り遊技状態(特別遊技状態)に遊技状態を移行させる制御を行うこととなる。尚、このような処理を実行するメインCPU66は、特別遊技状態移行制御手段の一例に相当する。一方、メインCPU66は、大当りではない場合に、特別図柄ゲーム終了を示す値(08)をセットする。つまり、ステップS80の処理を実行するように設定するのである。この処理が終了した場合には、ステップS75に処理を移す。
ステップS75においては、大当り開始インターバル管理処理を実行する。この処理において、メインCPU66は、制御状態フラグが大当り開始インターバル管理を示す値(03)であり、その大当り開始インターバルに対応する時間が経過した場合に、大入賞口39を開放させるために、メインROM68から読み出されたデータに基づいて、メインRAM70に位置付けられた変数を更新する。つまり、メインCPU66は、後述するステップS268において特定領域48a及び48bに遊技球が通過したと検知された場合や、後述するステップS105において大当り遊技状態(特別遊技状態)に移行すると判定された場合に、大入賞口39(特別可変入球装置)を開状態(第一の状態)に制御することとなる。尚、このような処理を実行するメインCPU66や大入賞口ソレノイド120は、特別可変入球装置制御手段の一例に相当する。メインCPU66は、大入賞口開放中を示す値(04)を制御状態フラグにセットするとともに、開放上限時間(例えば30秒)を大入賞口開放時間タイマにセットする。つまり、ステップS77の処理を実行するように設定するのである。この処理が終了した場合には、ステップS76に処理を移す。
ステップS76においては、大入賞口再開放前待ち時間管理処理を実行する。この処理において、メインCPU66は、制御状態フラグが大入賞口再開放待ち時間管理を示す値(06)であり、ラウンド間インターバルに対応する時間が経過した場合に、大入賞口開放回数カウンタを“1”増加するように記憶更新する。つまり、メインCPU66は、後述するステップS268において特定領域48a及び48bに遊技球が通過したと検知された場合や、後述するステップS105において大当り遊技状態(特別遊技状態)に移行すると判定された場合に、大入賞口39(特別可変入球装置)を開状態(第一の状態)に制御することとなる。尚、このような処理を実行するメインCPU66や大入賞口ソレノイド120は、特別可変入球装置制御手段の一例に相当する。このように、特定領域への遊技球の通過により特別遊技状態に移行した場合においても、第二の通過領域への遊技球の通過により特別遊技状態に移行した場合においても、共通の特別可変入球装置を用いるため、各々独立して設ける必要がなく、遊技領域を意味なく狭めることを防止することができる。メインCPU66は、大入賞口開放中を示す値(04)を制御状態フラグにセットする。メインCPU66は、開放上限時間(例えば30秒)を大入賞口開放時間タイマにセットする。つまり、ステップS77の処理を実行するように設定するのである。この処理が終了した場合には、ステップS77に処理を移す。
ステップS77においては、大入賞口開放中処理を実行する。この処理において、メインCPU66は、制御状態フラグが大入賞口開放中を示す値(04)である場合に、大入賞口入賞カウンタが“10”以上であるという条件、開放上限時間を経過した(大入賞口開放時間タイマが“0”である)という条件のいずれかを満たす(所定の閉鎖条件が成立した)か否かを判断する。メインCPU66は、いずれかの条件を満たした場合に、大入賞口39を閉鎖させるために、メインRAM70に位置付けられた変数を更新する。メインCPU66は、大入賞口内残留球監視を示す値(05)を制御状態フラグにセットする。メインCPU66は、大入賞口内残留球監視時間(例えば1秒)を待ち時間タイマにセットする。つまり、大入賞口内残留球監視時間が経過した後、ステップS78の処理を実行するように設定するのである。尚、メインCPU66は、いずれの条件も満たさない場合には、上述した処理を実行しない。この処理が終了した場合には、ステップS78に処理を移す。
ステップS78においては、大入賞口内残留球監視処理を実行する。この処理において、メインCPU66は、制御状態フラグが大入賞口内残留球監視を示す値(05)であり、大入賞口内残留球監視時間が経過した場合に、大入賞口開放回数カウンタが大入賞口開放回数最大値以上である(最終ラウンドである、具体的には15ラウンドなど)という条件を満たすか否かを判断する。メインCPU66は、この条件を満たした場合に、大当り終了インターバルを示す値(07)を制御状態フラグにセットし、大当り終了インターバルに対応する時間を待ち時間タイマにセットする。つまり、大当り終了インターバルに対応する時間が経過した後、ステップS79の処理を実行するように設定するのである。一方、メインCPU66は、この条件を満たさない場合に、大入賞口再開放待ち時間管理を示す値(06)を制御状態フラグにセットする。また、メインCPU66は、ラウンド間インターバルに対応する時間を待ち時間タイマにセットする。つまり、ラウンド間インターバルに対応する時間が経過した後、ステップS76の処理を実行するように設定するのである。この処理が終了した場合には、ステップS79に処理を移す。
ステップS79においては、大当り終了インターバル処理を実行する。この処理において、メインCPU66は、制御状態フラグが大当り終了インターバルを示す値(07)であり、大当り終了インターバルに対応する時間が経過した場合に、特別図柄ゲーム終了を示す値(08)を制御状態フラグにセットする。つまり、ステップS80の処理を実行するように設定するのである。この処理が終了した場合には、ステップS80に処理を移す。
ステップS80においては、特別図柄ゲーム終了処理を実行する。この処理において、メインCPU66は、制御状態フラグが特別図柄ゲーム終了を示す値(08)である場合に、特別図柄の変動表示を行うために、特別図柄記憶領域の更新を行う。メインCPU66は、特別図柄記憶チェックを示す値(00)をセットする。つまり、ステップS72の処理を実行するように設定するのである。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
上述したように、制御状態フラグをセットすることにより、特別図柄ゲームが実行されることとなる。具体的には、メインCPU66は、図15に示すように、大当り遊技状態ではない場合において、大当り判定の結果がハズレであるときには、制御状態フラグを“00”、“01”、“02”、“08”と順にセットすることにより、図14に示すステップS72、ステップS73、ステップS74、ステップS80の処理を所定のタイミングで実行することとなる。また、メインCPU66は、大当り遊技状態ではない場合において、大当り判定の結果が大当りであるときには、制御状態フラグを“00”、“01”、“02”、“03”と順にセットすることにより、図14に示すステップS72、ステップS73、ステップS74、ステップS75の処理を所定のタイミングで実行し、大当り遊技状態への制御を実行することとなる。更には、メインCPU66は、大当り遊技状態への制御が実行された場合には、制御状態フラグを“04”、“05”、“06”と順にセットすることにより、図14に示すステップS77、ステップS78、ステップS76の処理を所定のタイミングで実行し、特定遊技を実行することとなる。尚、特定遊技が実行されている場合において、大当り遊技状態の終了条件(特定遊技終了条件)が成立した場合には、“04”、“05”、“07”、“08”と順にセットすることにより、図14に示すステップS77からステップS80の処理を所定のタイミングで実行し、大当り遊技状態を終了することとなる。尚、この特定遊技終了条件には、大当りラウンド最大継続数(上限ラウンド数、例えば、本実施形態においては15ラウンド)が終了したことを条件として大当り遊技状態を終了することとなる。
[特別図柄記憶チェック処理]
図14のステップS72において実行されるサブルーチンについて図16を用いて説明する。
最初に、図16に示すように、制御状態フラグが特別図柄記憶チェックを示す値(00)であるか否かの判断を行い(ステップS101)、制御状態フラグが特別図柄記憶チェックを示す値であると判別した場合には、ステップS102に処理を移し、制御状態フラグが特別図柄記憶チェックを示す値であるとは判別しなかった場合には、本サブルーチンを終了する。そして、ステップS102においては、特別図柄記憶領域データが記憶されているか否かの判断を行い、特別図柄記憶領域データが記憶されていると判別した場合には、ステップS103に処理を移し、特別図柄記憶領域データが記憶されていないと判別した場合には、ステップS104に処理を移す。
ステップS103においては、デモ表示処理を実行する。この処理において、メインCPU66は、デモ表示を行う旨のデータをメインRAM70の所定領域にセットする。このようにセットされたデモ表示を行う旨のデータは、特別図柄表示装置33に供給され、特別図柄表示装置33においてデモ表示が行われ、客待ち状態(所定の待機状態)となったことを認識することができる。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
ステップS104においては、制御状態フラグとして特別図柄変動時間管理を示す値(01)をセットする処理を実行する。この処理において、メインCPU66は、特別図柄変動時間管理を示す値を制御状態フラグに記憶する。この処理が終了した場合には、ステップS105に処理を移す。
そして、ステップS105においては、大当り判断処理を実行する。この処理において、メインCPU66は、特別図柄の始動入賞時に抽出された大当り判定用乱数値と、特別図柄テーブル(図9参照)とを参照する。つまり、メインCPU66は、遊技者に有利な大当り遊技状態とするか否かの判定を行うこととなる。言い換えると、メインCPU66は、特別図柄始動口44(第二の通過領域)に遊技球が入球(通過)したことが検知されたことを条件に、大当り遊技状態(特別遊技状態)に移行させるか否かを判定することとなる。このような処理を実行するメインCPU66は、特別遊技状態移行判定手段の一例に相当する。この処理が終了した場合には、ステップS106に処理を移す。
ステップS106においては、大当りであるか否かの判断を行う。この処理において、メインCPU66は、ステップS105の参照の結果に基づいて、大当りであるか否かを判断することとなる。メインCPU66は、大当りであると判別した場合には、ステップS107に処理を移し、大当りであるとは判別しなかった場合には、ステップS114に処理を移す。
ステップS114においては、純はずれであるか否かの判断を行う。この処理において、メインCPU66は、ステップS105の参照の結果に基づいて、純はずれであるか否かを判断することとなる。メインCPU66は、純はずれであると判別した場合には、ステップS115に処理を移し、純はずれであるとは判別しなかった場合には、ステップS108に処理を移す。
ステップS107において、メインCPU66は、特別図柄を大当り図柄(例えば、“7”など)として決定し、その特別図柄を示すデータをメインRAM70の所定領域に記憶する大当り図柄の決定を行う。このように記憶された特別図柄を示すデータは、特別図柄表示装置33に供給される。これによって、特別図柄表示装置33に、特別図柄が導出表示されることとなる。この処理が終了した場合には、ステップS112に処理を移す。
ステップS115において、メインCPU66は、特別図柄を純はずれ図柄(例えば、“−”など)として決定し、その特別図柄を示すデータをメインRAM70の所定領域に記憶する純はずれ図柄の決定を行う。このように記憶された特別図柄を示すデータは、特別図柄表示装置33に供給される。これによって、特別図柄表示装置33に、特別図柄が導出表示されることとなる。この処理が終了した場合には、ステップS112に処理を移す。
ステップS112において、メインCPU66は、羽根部材開放制限処理を実行する。この処理において、メインCPU66は、羽根部材45aを開状態にさせるデータがメインRAM70の所定領域にセットされている場合には、そのデータをクリアする。これによって、羽根部材45aを閉状態にさせるデータが、羽根部材ソレノイド118に供給される。これによって、開状態に制御されていた羽根部材45aが閉状態に制御されることとなる。尚、羽根部材45aが最初から閉状態である場合には、そのままの状態を維持させる制御を行うこととなる。尚、純はずれとなった場合も同じような処理を実行することとなる。この処理が終了した場合には、ステップS109に処理を移す。
一方、ステップS108においては、はずれ図柄の決定処理を実行する。この処理において、メインCPU66は、はずれ図柄を、特別図柄に決定し、その特別図柄を示すデータをメインRAM70の所定領域に記憶する。このように記憶された特別図柄を示すデータは、特別図柄表示装置33に供給される。これによって、特別図柄表示装置33に、特別図柄が導出表示されることとなる。この処理が終了した場合には、ステップS113に処理を移す。
ステップS113において、メインCPU66は、羽根部材開放設定処理を実行する。この処理において、メインCPU66は、羽根部材45aを開状態にさせるデータをメインRAM70の所定領域にセットする。このように記憶された羽根部材45aを開状態にさせるデータは、羽根部材ソレノイド118に供給される。これによって、羽根部材45aが開状態に制御されることとなる。尚、純はずれとなった場合には、ステップS112と同じような処理を実行することとなる。この処理が終了した場合には、ステップS109に処理を移す。
ステップS109においては、変動パターン決定処理を実行する。この処理において、メインCPU66は、演出条件選択用乱数値を抽出する。メインCPU66は、ステップS107及びステップS108により決定された特別図柄に基づいて、変動パターンを決定するための変動パターン振分テーブルを選択する。そして、メインCPU66は、演出条件選択用乱数カウンタから抽出した演出条件選択用乱数値と選択した変動パターン振分テーブルとに基づいて、変動パターンを決定し、メインRAM70の所定領域に記憶する。メインCPU66は、このような変動パターンを示すデータに基づいて、特別図柄の変動表示態様(特に、変動表示時間)を決定することとなる。このように記憶された変動パターンを示すデータは、特別図柄表示装置33に供給される。これによって、特別図柄表示装置33に、特別図柄が決定した変動パターンで変動表示することとなる。この処理が終了した場合には、ステップS110に処理を移す。
ステップS110においては、決定した変動パターンに対応する変動時間を待ち時間タイマにセットする処理を実行する。この処理において、メインCPU66は、ステップS109の処理により決定された変動パターンと、その変動パターンの変動時間を示す変動時間テーブルと、に基づいて、変動時間を算出し、その変動時間を示す値を待ち時間タイマに記憶する。そして、今回の変動表示に用いられた記憶領域をクリアする処理を実行する(ステップS111)。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
[普通図柄制御処理]
図12のステップS16において実行されるサブルーチンについて図17を用いて説明する。尚、図17において、ステップS502からステップS506の側方に描いた数値は、それらのステップに対応する普通図柄制御状態フラグを示し、その普通図柄制御状態フラグの数値に応じて、その数値に対応する一つのステップが実行され、普通図柄ゲームが進行することとなる。
最初に、図17に示すように、普通図柄制御状態フラグをロードする処理を実行する(ステップS501)。この処理において、メインCPU66は、普通図柄制御状態フラグを読み出す。この処理が終了した場合には、ステップS502に処理を移す。
尚、後述するステップS502からステップS506において、メインCPU66は、後述するように、普通図柄制御状態フラグの値に基づいて、各ステップにおける各種の処理を実行するか否かを判断することとなる。この普通図柄制御状態フラグは、普通図柄ゲームの遊技の状態を示すものであり、ステップS502からステップS506における処理のいずれかを実行可能にするものである。また、それに加えて、メインCPU66は、各ステップに対して設定された待ち時間タイマ等に応じて決定される所定のタイミングで各ステップにおける処理を実行する。尚、この所定のタイミングに至る前においては、各ステップにおける処理を実行することなく終了することとなり、他のサブルーチンを実行することとなる。もちろん、所定の周期でシステムタイマ割込処理も実行する。
ステップS502においては、普通図柄記憶チェック処理を実行する。詳しくは図18を用いて説明するが、メインCPU66は、普通図柄制御状態フラグが普通図柄記憶チェックを示す値(00)である場合に、普通図柄に関する保留個数のチェックを行い、保留個数がある場合に、当り判定等を行う。また、メインCPU66は、普通図柄変動時間管理を示す値(01)を普通図柄制御状態フラグにセットし、今回の処理で決定された変動時間を待ち時間タイマにセットする。つまり、今回決定された変動時間を経過した後、ステップS503の処理を実行するように設定するのである。この処理が終了した場合には、ステップS503に処理を移す。
ステップS503においては、普通図柄変動時間監視処理を実行する。この処理において、メインCPU66は、普通図柄制御状態フラグが普通図柄変動時間管理を示す値(01)であり、変動時間が経過した場合に、普通図柄表示時間監視を示す値(02)を普通図柄制御状態フラグにセットし、確定後待ち時間(例えば0.5秒)を待ち時間タイマにセットする。つまり、確定後待ち時間が経過した後、ステップS504の処理を実行するように設定するのである。この処理が終了した場合には、ステップS504に処理を移す。
ステップS504においては、普通図柄表示時間監視処理を実行する。この処理において、メインCPU66は、普通図柄制御状態フラグが普通図柄表示時間監視を示す値(02)であり、確定後待ち時間が経過した場合に、当りか否かを判断する。メインCPU66は、当りである場合に、普通電動役物である第二シャッタ40を開放状態にさせるために、メインRAM70に位置付けられた変数を更新する普通電役開放設定処理を実行し、普通電動役物開放を示す値(03)を普通図柄制御状態フラグにセットする。つまり、ステップS505の処理を実行するように設定するのである。一方、メインCPU66は、当りではない場合に、普通図柄ゲーム終了を示す値(04)をセットする。つまり、ステップS506の処理を実行するように設定するのである。この処理が終了した場合には、ステップS505に処理を移す。
ステップS505においては、普通電動役物開放処理を実行する。この処理において、メインCPU66は、普通図柄制御状態フラグが普通電役開放を示す値(03)である場合に、普通電動役物の開放中において所定数(例えば、1個又は複数個など)の始動入賞があったという条件、普通電役開放時間タイマが“0”であるという条件のいずれかを満たすか否かを判断する。メインCPU66は、いずれかの条件を満たした場合に、普通電動役物である第二シャッタ40を閉鎖状態にさせるために、メインRAM70に位置付けられた変数を更新する。つまり、メインCPU66は、普通図柄ゲームにおいて当りとして、第二シャッタ40(開閉部材)を開状態とすると判定された場合に、第二シャッタ40の開閉制御を行うこととなる。このような処理を実行するメインCPU66や特別図柄始動口ソレノイド116は、開閉部材制御手段の一例に相当する。メインCPU66は、普通図柄ゲーム終了を示す値(04)を普通図柄制御状態フラグにセットする。つまり、ステップS506の処理を実行するように設定するのである。この処理が終了した場合には、ステップS506に処理を移す。
ステップS506においては、普通図柄ゲーム終了処理を実行する。この処理において、メインCPU66は、普通図柄制御状態フラグが普通図柄ゲーム終了を示す値(04)である場合に、普通図柄に関する保留個数を示すデータを“1”減少するように記憶更新する。メインCPU66は、次回の普通図柄の変動表示を行うために、普通図柄記憶領域の更新を行う。メインCPU66は、普通図柄記憶チェックを示す値(00)をセットする。つまり、ステップS502の処理を実行するように設定するのである。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
[普通図柄記憶チェック処理]
図17のステップS502において実行されるサブルーチンについて図18を用いて説明する。
最初に、図18に示すように、普通図柄制御状態フラグが普通図柄記憶チェックを示す値(00)であるか否かの判断を行い(ステップS511)、普通図柄制御状態フラグが普通図柄記憶チェックを示す値であると判別した場合には、ステップS512に処理を移し、普通図柄制御状態フラグが普通図柄記憶チェックを示す値であるとは判別しなかった場合には、本サブルーチンを終了する。そして、ステップS512においては、メインCPU66は、普通図柄に関する保留個数が“0”であるか否かの判断を行い、普通図柄に関する保留個数が“0”であると判別した場合には、普通図柄デモ表示処理を実行する(ステップS513)。この処理において、メインCPU66は、普通図柄デモ表示を行わせるために普通図柄表示装置35に普通図柄デモ表示コマンドを供給するための変数をメインRAM70に記憶する。これによって、普通図柄表示装置35において、普通図柄デモ演出が実行されることとなる。また、メインCPU66は、この普通図柄デモ表示コマンドを副制御回路200に供給することによって、副制御回路200において、客待ち状態(所定の待機状態)となったことを認識することができる。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。尚、この普通図柄に関する保留個数は、普通図柄始動口54の近傍を遊技球が通過したことを検出した場合に、所定個数(例えば“4”)を上限として“1”増加され、普通図柄ゲームにおける普通図柄の可変表示が終了したときには、“1”減算される。一方、メインCPU66は、普通図柄に関する保留個数が“0”であるとは判別しなかった場合には、ステップS514に処理を移す。
ステップS514においては、普通図柄当り判定処理を実行する。この処理において、メインCPU66は、普通図柄始動領域通過時に(普通図柄始動口54の近傍を遊技球が通過することによって)抽出された普通図柄当り判定用乱数値と、メインROM68に記憶されている普通図柄当り判定値とを参照する。そして、メインCPU66は、参照した結果、普通図柄当り判定用乱数値が普通図柄当り判定値と一致する場合には、当りを示すデータをセットし、当りフラグに“77”を記憶する。一方、メインCPU66は、参照した結果、普通図柄当り判定用乱数値が普通図柄当り判定値と一致しない場合には、はずれを示すデータをセットし、当りフラグに“00”を記憶する。また、当りとなるか否かの判定結果によって、第一シャッタ44aの開閉が決定されるため、メインCPU66は、普通図柄始動口54(第一の通過領域)を遊技球が通過したと検知された場合に、特別図柄始動口44(第二の通過領域)における第一シャッタ44a(開閉部材)を、遊技球が相対的に通過し易い開状態とするか否かを判定することとなる。このような処理を実行するメインCPU66は、開閉判定手段の一例に相当する。この処理が終了した場合には、ステップS515に処理を移す。
ステップS515においては、メインCPU66は、普通図柄決定処理を実行する。この処理において、メインCPU66は、普通図柄ゲームにおける当り、はずれの判定結果に基づいて、停止表示させる当り図柄、はずれ図柄を決定する。このように記憶された当り図柄、はずれ図柄は、普通図柄表示装置35に導出普通図柄指定コマンドとして供給される。これによって、普通図柄表示装置35は、普通図柄の可変表示を行う。また、導出普通図柄指定コマンドは、図13のステップS47の処理により、主制御回路60のメインCPU66から副制御回路200のサブCPU206に供給される。これによって、副制御回路200において、普通図柄ゲームにおける導出図柄を認識可能となる。この処理が終了した場合には、ステップS516に処理を移す。
ステップS516においては、普通図柄変動パターン決定処理を実行する。詳しくは図19この処理において、メインCPU66は、当りであるか否かの判定結果や、各種の時間に基づいて、普通図柄変動パターンを決定し、普通図柄変動パターンを示す普通図柄変動パターンコマンドデータをセットする。この処理が終了した場合には、ステップS518に処理を移す。
ステップS518においては、普通図柄制御状態フラグとして普通図柄変動時間管理を示す値(01)をセットする処理を実行する。この処理において、メインCPU66は、普通図柄変動時間管理を示す値を普通図柄制御状態フラグに記憶する。そして、今回の普通図柄の変動表示に用いられた記憶領域をクリアする処理を実行する(ステップS519)。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
[普通図柄変動パターン決定処理]
図18のステップS516において実行されるサブルーチンについて図19を用いて説明する。
最初に、図19に示すように、メインCPU66は、当りであるか否かを判断する(ステップS601)。この処理において、メインCPU66は、上述したステップS514において判定された結果に基づいて、当りであるか否かを判断することとなる。メインCPU66は、当りであると判別した場合には、当り時における普通図柄の変動停止から遊技球が誘導部材49に至るまでの時間を参照し、その時間の和を算出する(ステップS602)。この処理において、メインCPU66は、予めメインROM68に記憶され、普通図柄が導出表示されてから第一シャッタ44aが開状態に制御されるまでの時間(第一の時間、例えば、5秒など)と、第一シャッタ44aが開状態に制御されてから閉状態に制御されるまでの時間(第二の時間、例えば、5.5秒など)と、第一シャッタ44aが閉状態に制御されてから可変入賞装置45における羽根部材45aが開状態に制御されるまでの時間(第三の時間、例えば、6秒など)と、可変入賞装置45における羽根部材45aが開状態に制御されてから誘導部材49に遊技球が到達すると予測される時間(第四の時間、例えば、10秒など)と、を参照し、それらの時間の和(総和時間、例えば、26.5秒など)を算出し、メインRAM70の所定領域にセットする。尚、このような時間が記憶されたメインROM68は、総和時間記憶手段の一例に相当する。この処理が終了した場合には、ステップS603に処理を移す。一方、メインCPU66は、はずれであると判別した場合には、はずれ時における変動パターンの選択を行う(ステップS600)。この処理において、メインCPU66は、普通図柄変動パターンテーブル(図10参照)を参照する。そして、メインCPU66は、乱数を抽出し、その乱数に基づいてはずれ時における普通図柄変動パターンを選択する。この処理が終了した場合には、ステップS607に処理を移す。
ステップS603において、メインCPU66は、ソレノイドフラグがセットされているか否かを判断する。この処理において、メインCPU66は、メインRAM70の所定領域に位置付けられたソレノイドフラグを読み出し、ソレノイドフラグがセットされているか否かを判断することとなる。メインCPU66は、ソレノイドフラグがセットされていると判別した場合には、ソレノイドフラグがクリアされるまでの時間を算出し、メインRAM70の所定領域にセットする(ステップS604)。この処理が終了した場合には、ステップS606に処理を移す。一方、メインCPU66は、ソレノイドフラグがセットされていないと判別した場合には、ソレノイドフラグがセットされるまでの時間を算出し、メインRAM70の所定領域にセットする(ステップS605)。この処理が終了した場合には、ステップS606に処理を移す。
ステップS606において、メインCPU66は、算出された各時間に基づいて、誘導部材が有利な位置となる変動時間を決定し、当り時の普通図柄変動パターンを選択する。この処理において、メインCPU66は、ステップS602において算出された時間と、ステップS604又はステップS605において算出された時間と、に基づいて、遊技球が誘導部材49に至ると予測される場合における誘導部材49の誘導変位態様が有利となる時間を算出する。そして、メインCPU66は、普通図柄変動パターンテーブル(図10参照)を参照する。メインCPU66は、乱数を抽出し、その乱数に基づいて、誘導部材49の誘導変位態様が有利となる時間に対応する普通図柄変動パターンからいずれかを選択する。つまり、メインCPU66は、変位制御される誘導部材49の誘導変位態様を検知することとなる。このような処理を実行するメインCPU66は、誘導変位態様検知手段の一例に相当する。また、メインCPU66は、普通図柄ゲームにおいて当りと判定された場合、即ち、特別図柄始動口44における第一シャッタ44a(開閉部材)を開状態とすると判定された場合には、その判定された場合における識別情報の可変表示時間として、誘導部材49の誘導変位態様と、総和時間とに基づいて、複数種類の識別情報の可変表示時間からいずれかを選択することとなる。このような処理を実行するメインCPU66は、可変表示時間選択手段の一例に相当する。この処理が終了した場合には、ステップS607に処理を移す。
このように、開閉部材を開状態とすると判定された場合に、誘導手段の誘導変位態様に基づいて、識別情報の可変表示時間を選択することとなるため、開閉部材における状態の判定結果としての識別情報の可変表示を視認することによって、誘導手段の誘導変位態様を予測することができ、特定領域を遊技球が通過する期待感を高揚させ、遊技に対する興趣の向上を図ることができる。また、開閉部材を開状態とすると判定された場合における識別情報の可変表示時間が、誘導手段の誘導変位態様データの検知結果と、開閉部材を開状態とすると判定された場合において識別情報が導出表示されてから、開閉部材が開状態、閉状態に制御され、そして、可変入球装置が第一の状態に制御された後に誘導手段に遊技球が到達すると予測されるまでの総和時間と、に基づいて選択されるため、開閉部材を開状態とすると判定されたタイミングにおける誘導手段の誘導変位態様と、識別情報が導出表示されてから誘導手段に遊技球が到達すると予測されるまでの総和時間とを考慮して、識別情報の可変表示時間を選択することができ、識別情報の可変表示を視認することによって、識別情報が導出表示されてから、遊技球が誘導手段に到達すると予測されるタイミングまでにおける誘導手段の誘導変位態様を予測することができ、特定領域を遊技球が通過する期待感を高揚させ、遊技に対する興趣の向上を図ることができる。
ステップS607において、メインCPU66は、ステップS600やステップS606において決定された普通図柄変動パターンを示す普通図柄変動パターンコマンドデータをセットする。このように記憶された普通図柄変動パターンコマンドデータは、普通図柄表示装置35に普通図柄変動パターン指定コマンドとして供給される。これによって、普通図柄表示装置35は、決定された変動パターンで普通図柄の可変表示を行う。また、普通図柄変動パターンデータは、図13のステップS47の処理により、主制御回路60のメインCPU66から副制御回路200のサブCPU206に普通図柄変動パターン指定コマンドとして供給される。これによって、副制御回路200において、普通図柄ゲームにおける変動パターンを認識可能となる。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
[可変入賞装置制御処理]
図12のステップS18において実行されるサブルーチンについて図20を用いて説明する。
最初に、図20に示すように、メインCPU66は、羽根部材開放フラグがセットされているか否かを判断する(ステップS631)。この処理において、メインCPU66は、メインRAM70の所定領域に位置付けられた羽根部材開放フラグを読み出し、羽根部材開放フラグがセットされているか否かを判断することとなる。メインCPU66は、羽根部材開放フラグがセットされていると判別した場合には、可変入賞装置開放設定を実行し(ステップS632)、本サブルーチンを終了する。この処理において、メインCPU66は、可変入賞装置45における羽根部材45aを開放状態に制御する。尚、メインCPU66は、可変入賞装置45における入球領域45bを所定個数(例えば、4球など)遊技球が通過した場合、又は、所定時間が経過した場合には、可変入賞装置45における羽根部材45aを閉鎖状態に制御することとなる。つまり、メインCPU66などは、可変入賞装置(可変入球装置)の可変制御を行うこととなる。このような処理を実行するメインCPU66などは、可変入球装置制御手段の一例に相当する。一方、メインCPU66は、羽根部材開放フラグがセットされていないと判別した場合には、ステップS632を実行することなく、本サブルーチンを終了する。
[入力検出処理]
図13のステップS43において実行されるサブルーチンについて図21を用いて説明する。
最初に、図21に示すように、メインCPU66は、賞球関連スイッチチェック処理を実行する(ステップS251)。この処理において、メインCPU66は、賞球に関連するスイッチである各種のセンサより、所定の検知信号が供給されているかを検出する。そして、これら所定の信号の検出処理を行ったメインCPU66は、信号を供給したセンサに応じて、賞球の数を決定し、メインRAM70に記憶する。この処理が終了した場合には、ステップS252に処理を移す。
ステップS252においては、特別図柄関連スイッチ入力処理を実行する。詳しくは図22を用いて後述するが、特別図柄に関連する特別図柄始動入賞球センサ102等は、所定の検知信号をメインCPU66に供給する。これら所定の信号を受け取ったメインCPU66は、後述するような特別図柄等に関する処理を実行する。この処理が終了した場合には、ステップS253に処理を移す。
ステップS253においては、普通図柄関連スイッチ入力処理を実行する。詳しくは図23を用いて後述するが、普通図柄始動通過センサ101等は、所定の検知信号をメインCPU66に供給する。これら所定の信号を受け取ったメインCPU66は、普通図柄等に関する処理を実行する。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
[特別図柄関連スイッチ入力処理]
図21のステップS252において実行されるサブルーチンについて図22を用いて説明する。
最初に、図22に示すように、カウントスイッチ入力があるか否かの判断を行う(ステップS261)。この処理において、メインCPU66は、各種のセンサから供給される所定の信号に応じて、スイッチ入力があると判別した場合には、この処理において、その入力に対応するカウントスイッチ検出時処理を実行し(ステップS262)、ステップS265に処理を移す。一方、メインCPU66は、カウントスイッチ入力があると判別しなかった場合には、ステップS262を実行することなく、ステップS265に処理を移す。
ステップS265においては、特別図柄始動口スイッチ入力があるか否かの判断を行う。この処理において、メインCPU66は、特別図柄始動入賞球センサ102から供給される所定の信号を受け取ることにより、特別図柄始動口スイッチ入力があるか否かを判断することとなる。メインCPU66は、特別図柄始動口スイッチ入力があると判別した場合には、大当り判定用乱数値、大当り図柄用乱数値を抽出し、メインRAM70の所定領域に記憶する特別図柄始動口検出時処理を実行し(ステップS266)、ステップS267に処理を移す。一方、メインCPU66は、特別図柄始動口スイッチ入力があると判別しなかった場合には、ステップS267に処理を移す。
ステップS267においては、Vカウントスイッチ入力があるか否かの判断を行う。この処理において、メインCPU66は、特定領域通過センサ114a及び114bから供給される所定の信号を受け取ることにより、Vカウントスイッチ入力があるか否かを判断することとなる。メインCPU66は、Vカウントスイッチ入力があると判別した場合には、Vカウントスイッチ検出時処理を実行し(ステップS268)、本サブルーチンを終了する。この処理において、メインCPU66は、大当り開始インターバル管理を示す値(03)を制御状態フラグにセットし、大当り開始インターバルに対応する時間(例えば10秒)を待ち時間タイマにセットする。つまり、大当り開始インターバルに対応する時間が経過した後、メイン処理がステップS75の処理を実行するように設定するのである。これによって、メインCPU66は、可変入賞装置45における特定領域48a及び48bへの遊技球の通過により大当り遊技状態に移行した場合に、大入賞口39を開状態に制御することとなる。一方、メインCPU66は、Vカウントスイッチ入力があると判別しなかった場合には、本サブルーチンを終了する。
また、メインCPU66は、これら各種の役物に遊技球が入球、通過した場合には、その入球、通過に基づくコマンドをメインRAM70の所定領域にセットする。このようなコマンドは、図13のステップS47の処理により、主制御回路60のメインCPU66から副制御回路200のサブCPU206に供給される。これによって、副制御回路200において、遊技球の入球、通過が認識可能となる。
[普通図柄関連スイッチ入力処理]
図21のステップS253において実行されるサブルーチンについて図23を用いて説明する。
最初に、図23に示すように、普通図柄始動口入力があるか否かの判断を行う(ステップS291)。この処理において、メインCPU66は、普通図柄始動通過センサ101から供給される所定の信号に応じて、普通図柄始動口入力があるか否かの判断を行うこととなる。メインCPU66は、普通図柄始動口入力があったと判別した場合には、普通図柄始動口検出時処理を実行し(ステップS292)、本サブルーチンを終了する。特に、メインCPU66は、メインRAM70の所定領域に位置付けられた普通図柄ゲーム始動記憶数カウンタから、普通図柄ゲーム始動記憶数(所謂、普通図柄に関する保留個数を示すデータ)を読み出し、普通図柄ゲーム始動記憶数(普通図柄に関する保留個数)が“4”より小さいと判別した場合には、普通図柄ゲームにおける普通図柄当り判定用乱数カウンタから普通図柄当り判定用乱数値を抽出し、普通図柄ゲームにおける始動記憶情報としてメインRAM70の所定領域に記憶する。一方、メインCPU66は、普通図柄始動口入力がなかったと判別した場合や、普通図柄ゲーム始動記憶数が“4”以上と判別した場合には、ステップS292を実行することなく、本サブルーチンを終了する。
[誘導部材ソレノイド制御処理]
図13のステップS45において実行されるサブルーチンについて図24を用いて説明する。
最初に、図24に示すように、メインCPU66は、誘導ソレノイドフラグがセットされているか否かを判断する(ステップS621)。この処理において、メインCPU66は、メインRAM70の所定領域に位置付けられた誘導ソレノイドフラグがセットされているか否かを判断することとなる。メインCPU66は、誘導ソレノイドフラグがセットされていると判別した場合には、ステップS622に処理を移す。一方、メインCPU66は、誘導ソレノイドフラグがセットされていないと判別した場合には、ステップS624に処理を移す。
ステップS622において、メインCPU66は、5秒経過したか否かを判断する。この処理において、メインCPU66は、メインRAM70の所定領域に位置付けられた誘導ソレノイドタイマから値を読み出し、5秒経過したか否かを判断することとなる。この処理において、メインCPU66は、5秒経過したと判別した場合には、ステップS623に処理を移す。一方、メインCPU66は、5秒経過していないと判別した場合には、ステップS623を実行することなく、本サブルーチンを終了する。
ステップS623において、メインCPU66は、メインRAM70の所定領域に位置付けられた誘導部材ソレノイドをオフとしてセットする。これによって、メインCPU66は、誘導部材ソレノイド122に信号を供給することによって、誘導部材49を不利な位置(図6(B)参照)に変位させる制御を行うこととなる。つまり、メインCPU66や誘導部材ソレノイド122は、不利な位置という選択された誘導変位態様データに基づいて、誘導部材49の変位制御を行うこととなる。このようなメインCPU66や誘導部材ソレノイド122は、誘導変位制御手段の一例に相当する。また、メインCPU66は、メインRAM70の所定領域に位置付けられた誘導ソレノイドフラグをクリアし、メインRAM70の所定領域に位置付けられた誘導ソレノイドタイマに15秒をセットする。これによって、後述するように、15秒間、誘導部材49を不利な位置に制御させることとなる。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
ステップS624において、メインCPU66は、15秒経過したか否かを判断する。この処理において、メインCPU66は、メインRAM70の所定領域に位置付けられた誘導ソレノイドタイマから値を読み出し、15秒経過したか否かを判断することとなる。この処理において、メインCPU66は、15秒経過したと判別した場合には、ステップS625に処理を移す。一方、メインCPU66は、15秒経過していないと判別した場合には、ステップS625を実行することなく、本サブルーチンを終了する。
ステップS625において、メインCPU66は、メインRAM70の所定領域に位置付けられた誘導部材ソレノイドをオフとしてセットする。これによって、メインCPU66は、誘導部材ソレノイド122に信号を供給することによって、誘導部材49を有利な位置(図6(A)参照)に変位させる制御を行うこととなる。つまり、メインCPU66や誘導部材ソレノイド122は、有利な位置という選択された誘導変位態様データに基づいて、誘導部材49の変位制御を行うこととなる。このようなメインCPU66や誘導部材ソレノイド122は、誘導変位制御手段の一例に相当する。また、メインCPU66は、メインRAM70の所定領域に位置付けられた誘導ソレノイドフラグをセットし、メインRAM70の所定領域に位置付けられた誘導ソレノイドタイマに5秒をセットする。これによって、後述するように、5秒間、誘導部材49を有利な位置に制御させることとなる。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
このように、メインCPU66は、不利な位置や有利な位置という複数種類の誘導変位態様データから、予め定められた周期(例えば、20秒という周期など)で、かつ、所定の順序(例えば、5秒、有利な位置、15秒、不利な位置という順序など)でいずれかを選択することとなる。このようなメインCPU66は、誘導変位態様データ選択手段の一例に相当する。
[副制御回路メイン処理]
また、副制御回路200は、副制御回路メイン処理を実行することとなる。この副制御回路メイン処理について図25を用いて説明する。尚、この副制御回路メイン処理は、電源が投入されたときに開始される処理である。
最初に、図25に示すように、サブCPU206は、RAMアクセス許可、作業領域を初期化等の初期設定処理を実行する(ステップS201)。この処理が終了した場合には、ステップS202に処理を移す。
ステップS202において、サブCPU206は、乱数更新処理を実行する。この処理において、サブCPU206は、ワークRAM210の所定領域に位置付けられた各種の乱数カウンタの乱数値を更新する。この処理が終了した場合には、ステップS203に処理を移す。
ステップS203において、サブCPU206は、コマンド解析処理を実行する。詳しくは図28を用いて後述するが、受信したコマンドを解析し、その解析したコマンドに応じた処理を実行することとなる。この処理が終了した場合には、ステップS204に処理を移す。
ステップS204において、サブCPU206は、表示制御処理を実行する。詳しくは図29を用いて後述するが、サブCPU206は、液晶表示装置32における画像の表示制御を行う。
そして、サブCPU206は、スピーカ46から発生させる音の制御を行う音声制御処理(ステップS205)、各種のランプ132の発光制御を行うランプ制御処理を実行する(ステップS206)。この処理が終了した場合には、再度、ステップS202に処理を移す。
このように、副制御回路メイン処理においては、ステップS201の初期設定処理が終了した後、ステップS202からステップS206の処理を繰り返し実行することとなる。
[コマンド割込処理]
また、副制御回路200では、所定のタイミング(例えば、コマンドを受信したタイミングなど)によりコマンド割込処理を実行することとなる。このコマンド割込処理について図26を用いて説明する。
最初に、図26に示すように、サブCPU206は、レジスタの退避(ステップS221)を行い、主制御回路60から受信した各種の受信コマンドを、ワークRAM210の所定領域に位置付けられたコマンドバッファに格納する(ステップS222)。そして、サブCPU206は、ステップS221において退避させたレジスタを復帰させる(ステップS223)。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
[VDP割込処理]
また、副制御回路200では、所定のタイミング(例えば、表示装置における垂直同期のタイミング(1/60s)など、一定の周期毎など)によりVDP割込処理を実行することとなる。このVDP割込処理について図27を用いて説明する。
最初に、図27に示すように、サブCPU206は、レジスタの退避(ステップS231)を行い、ワークRAM210の所定領域に位置付けられたVDPカウンタを“1”増加させて記憶する(ステップS232)。このVDPカウンタは、画像を表示させるためのカウンタであり、画像を表示させるタイミングをカウントする。具体的には、垂直同期のタイミング毎に呼び出される本処理を実行する度に、VDPカウンタが“1”増加することとなる。これによって、後述する表示制御処理(図29参照)において、サブCPU206は、VDPカウンタが“2”増加する毎に、表示制御を行うためのデータを表示制御回路250に供給することとなる。つまり、本処理を実行するサブCPU206は、画像を表示するためのタイミングをカウントしている。そして、サブCPU206は、ステップS231において退避させたレジスタを復帰させる(ステップS233)。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
[コマンド解析処理]
図25のステップS203において実行されるサブルーチンについて図28を用いて説明する。
最初に、図28に示すように、サブCPU206は、受信コマンドがあるか否かを判断する(ステップS401)。この処理において、サブCPU206は、コマンド割込処理(図26参照)のステップS222においてコマンドバッファにコマンドが格納されているか否かによって、受信コマンドがあるか否かを判断することとなる。この処理において、サブCPU206は、受信コマンドがあると判別した場合には、ワークRAM210の所定領域に位置付けられたコマンドバッファから、コマンドデータを読み出し(ステップS402)、ステップS403に処理を移す。一方、サブCPU206は、受信コマンドがないと判別した場合には、本サブルーチンを終了する。
つまり、ステップS402を実行するサブCPU206は、主制御回路60、払出・発射制御回路126によって送信された各種のコマンド(例えば、普通図柄変動パターン指定コマンド、導出普通図柄指定コマンドなど)を受信することとなる。尚、本実施形態において、ステップS402を実行するサブCPU206は、コマンド受信手段の一例に相当する。
ステップS403において、サブCPU206は、普通図柄変動パターン指定コマンドを受信したか否かを判断する。この処理において、サブCPU206は、ステップS402において読み出したコマンドデータに基づいて、普通図柄変動パターン指定コマンドを受信したか否かを判断することとなる。この処理において、サブCPU206は、普通図柄変動パターン指定コマンドを受信したと判別した場合には、ステップS404に処理を移す。一方、サブCPU206は、普通図柄変動パターン指定コマンドを受信していないと判別した場合には、ステップS406に処理を移す。
ステップS404において、サブCPU206は、演出パターン決定処理を実行する。この処理において、サブCPU206は、装飾図柄の変動パターン、背景画像を表示する画像演出パターンなど、各種の演出パターンを決定する。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
ステップS406において、サブCPU206は、導出普通図柄指定コマンドを受信したか否かを判断する。この処理において、サブCPU206は、ステップS402において読み出したコマンドデータに基づいて、導出普通図柄指定コマンドを受信したか否かを判断することとなる。この処理において、サブCPU206は、導出普通図柄指定コマンドを受信したと判別した場合には、導出装飾図柄決定処理を実行する(ステップS407)。この処理において、サブCPU206は、導出普通図柄指定コマンドに基づいて、導出表示される装飾図柄を決定し、ワークRAM210の所定領域にセットする。これによって、液晶表示装置32は、装飾図柄の可変表示を行うこととなる。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。一方、サブCPU206は、導出普通図柄指定コマンドを受信していないと判別した場合には、ステップS408に処理を移す。
ステップS408において、サブCPU206は、各種の入球、通過に対応する入球コマンドを受け取った場合には、そのコマンドに対応するデータを、ワークRAM210の所定領域にセットする。これによって、サブCPU206及び表示制御回路250は、上述したような所定領域の後方に所定の報知画像を表示させる制御を行うこととなる。このようなサブCPU206及び表示制御回路250は、表示制御手段の一例に相当する。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。一方、サブCPU206は、決定結果コマンドを受信していないと判別した場合には、ステップS410に処理を移す。
ステップS410において、サブCPU206は、受信コマンドに対応する演出制御データをセットし、本サブルーチンを終了する。
[表示制御処理]
図25のステップS204において実行されるサブルーチンについて図29を用いて説明する。
最初に、図29に示すように、サブCPU206は、VDPカウンタが“2”であるか否かを判断する(ステップS351)。この処理において、サブCPU206は、上述したVDP割込処理(図27参照)のステップS232においてカウントされているVDPカウンタからVDPカウンタ値を読み出し、“2”であるか否かを判断する。つまり、上述したように、VDP割込処理において、1/60s毎にVDPカウンタが“1”増加するため、サブCPU206は、1/30s経過したか否かを判断することとなる。この処理において、サブCPU206は、VDPカウンタが“2”であると判別した場合には、ステップS352に処理を移す。一方、サブCPU206は、VDPカウンタが“2”ではないと判別した場合には、本サブルーチンを終了する。
ステップS352において、サブCPU206は、制御データ出力処理を実行する。この処理において、サブCPU206は、画像を表示させるための制御データを、表示制御回路250に供給する。例えば、サブCPU206は、画像データを示すデータなど、演出を示す制御データを表示制御回路250に供給することとなる。具体的には、サブCPU206は、装飾図柄の可変表示の表示制御や、所定領域に報知画像の表示制御を行うこととなる。そして、サブCPU206は、VDPカウンタに“0”をセットする(ステップS353)。そして、サブCPU206は、バンク切替指示を表示制御回路250に供給する(ステップS354)。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
[その他の実施形態]
尚、本実施形態においては、特別図柄始動口44に入賞した場合において所定の確率で、可変入賞装置45の特定領域48a及び48bに入賞した場合に、同じように、大当り遊技状態に移行させ、共通した大入賞口39を開状態に制御したが、これに限らず、例えば、別々の大入賞口を開状態に制御してもよい。また、例えば、それぞれで有利度が異なる特別遊技状態に移行させてもよい。
また、本実施形態においては、開閉部材を開状態とすると判定された場合において、識別情報が導出表示されてから誘導部材に遊技球が到達すると予測されるまでの総和時間が予め記憶されていたが、これに限らず、その総和時間が予め記憶されておらず、算出されるようにしてもよい。また、誘導部材49が、予め定められた周期で、かつ、所定の順序で変位されなくてもよい。
[遊技盤の構成]
尚、上述した実施形態においては、遊技盤14の全部を、透過性を有する部材によって構成したが、これに限らず、別の態様であってもよい。遊技盤の具体的な構成の例について図30を用いて説明する。尚、図30は、理解を容易とするために、複数の障害釘等を省略したものである。
例えば、遊技盤の一部を、透過性を有さない部材で構成してもよい。具体的には、図30(A)に示すように、遊技盤314を、透過性を有する部材314aと平板状の透過性を有さない部材314b(例えば、木材)とを結合させて構成してもよい。もちろん、図30(A)に示すように、透過性を有する部材314aと、透過性を有さない部材314bとを単に結合させて構成するだけでなく、図30(B)に示すように、透過性を有する部材315aを、透過性を有さない部材315bで囲むように結合させる構成としてもよい。
また、例えば、透過性を有する遊技盤の一部を遮蔽させる加工を施すように構成してもよい。例えば、図30(C)に示すように、透過性を有する遊技盤316の一部316bを、遮光性を有する色で塗装してもよい。これによって、符号316aに示すように、一部に透過性を有する遊技盤316を構成することができる。もちろん、塗装するかわりに、ブラスト加工、サンドペーパによる微細粗面を形成する光散乱加工を施し、可視光線が散乱してあたかも発光するかのように形成してもよい。
つまり、遊技盤は、その一部分が少なくとも透過性を有するものであればよい。言い換えると、遊技領域15の全部又は一部の後方に位置する表示領域32aに、その遊技領域15の全部又は一部の近傍を介して前方から画像が視認可能に表示されるように構成すればよい。
更には、上述した実施形態においては、一部又は全部に透過性を有する遊技盤14を用いたが、これに限らず、別の態様であってもよく、例えば、透過性を有さない遊技盤を用いてもよい。
[表示装置の構成]
透過性を有さない遊技盤を用いた構成について図31を用いて説明する。
図31に示すように、扉311には、表示装置332が備えられており、各種の演出画像が表示される。この表示装置332は、遊技者により触接された座標位置を検出するタッチパネル351と、保護カバーである透明アクリル板353、355と、それら透明アクリル板353、355の間に透明液晶表示装置から構成される液晶表示装置354と、が積層されている。この表示装置332(液晶表示装置354)は、表示領域に透過性の高い画像を表示可能となる。尚、液晶表示装置354は、表示領域に透過性の高い画像を表示するだけでなく、特別図柄の可変表示、普通図柄の可変表示、演出用の演出画像の表示等を行う。
また、この液晶表示装置354の上方及び下方には、液晶表示装置354のバックライトとしての照明装置の役割を果たす液晶バックライト352が設けられている。また、この液晶バックライト352は、電源供給時においては、点灯するように制御されている。このため、液晶バックライト352を常時電源供給時において常時駆動させることにより、液晶表示装置354に表示される画像を遊技者に対して明瞭に視認可能とさせる。この液晶バックライト352は、主として冷陰極管が採用されているが、本発明はこれに限らない。
遊技盤314には障害釘313が打ちこまれている。この遊技盤314と扉311との間に遊技領域315が設けられ、その遊技領域315に発射された遊技球317が転動可能となる。
尚、この表示装置332は、タッチパネル351、透明アクリル板353、355、液晶表示装置354、液晶バックライト352等を備えているが、これに限らず、他の態様であってもよく、例えば、タッチパネル351、透明アクリル板353、355、液晶バックライト352等を備えることなく、液晶表示装置354のみを備えるように構成しても問題ない。
このように、液晶表示装置354は、表示領域と、遊技盤314における遊技領域315の全部又は一部とが重なるように遊技盤314の前方に配設され、表示領域に透過性の高い画像を表示可能とするものであるので、遊技領域315の全部又は一部を、液晶表示装置354を介して前方から画像が視認可能に表示されることとなる。言い換えると、液晶表示装置354は、遊技盤314の前方に設けられ、透過して当該遊技盤314を視認可能であり、遊技に関する演出画像を表示する表示領域を有する装置である。尚、遊技盤と表示装置とが奥行き方向に重ならない構成であってもよい。
尚、本実施形態においては、主制御回路60と副制御回路200と払出・発射制御回路126との複数の制御回路を備えるように構成したが、これに限らず、別の構成としてもよく、例えば、図32に示すように、副制御回路200と主制御回路60とをワンボードに構成してもよい。
以上、本発明の実施形態を説明したが、具体例を例示したに過ぎず、特に本発明を限定するものではない。すなわち、本発明は、主に、遊技球が転動可能な遊技領域が設けられた遊技盤と、前記遊技領域に配置され、遊技球が通過可能な第一の通過領域に遊技球が通過したことを検知する第一通過検知手段と、前記遊技領域において遊技球が通過可能な第二の通過領域に設けられた開閉が可能な開閉部材と、前記第一通過検知手段によって前記第一の通過領域を遊技球が通過したと検知された場合に、前記第二の通過領域における前記開閉部材を、遊技球が相対的に通過し易い開状態とするか否かを判定する開閉判定手段と、前記開閉判定手段によって判定された判定結果を表示する表示手段と、前記表示手段における前記開閉部材を開状態とするか否かの判定結果として、識別情報の可変表示の表示制御を行う表示制御手段と、前記表示手段における識別情報の可変表示時間が複数種類記憶されている可変表示時間記憶手段と、前記第二の通過領域における前記開閉部材を前記開状態とすると前記開閉判定手段によって判定された場合において、前記可変表示時間記憶手段に記憶された複数種類の識別情報の可変表示時間からいずれかを選択する可変表示時間選択手段と、前記遊技領域に配置され、遊技球が相対的に入球し易い第一の状態、入球し難い第二の状態に変位可能な可変入球装置と、前記可変入球装置における特定領域を遊技球が通過したことを検知する特定領域通過検知手段と、前記特定領域通過検知手段によって前記特定領域を遊技球が通過したと検知された場合には、通常遊技状態よりも相対的に有利な特別遊技状態に遊技状態を移行させる制御を行う特別遊技状態移行制御手段と、前記可変入球装置における前記特定領域に遊技球を誘導可能に変位する誘導手段と、前記誘導手段の誘導変位態様を示し、前記特定領域への通過度合いが異なる複数種類の誘導変位態様データが記憶された誘導変位態様データ記憶手段と、前記誘導変位態様データ記憶手段に記憶された複数種類の誘導変位態様データからいずれかを選択する誘導変位態様データ選択手段と、前記誘導変位態様データ選択手段によって選択された誘導変位態様データに基づいて、前記誘導手段の変位制御を行う誘導変位制御手段と、前記誘導変位制御手段によって変位制御される前記誘導手段の誘導変位態様を検知する誘導変位態様検知手段と、を備え、前記可変表示時間選択手段は、前記第二の通過領域における前記開閉部材を前記開状態とすると前記開閉判定手段によって判定された場合における識別情報の可変表示時間として、前記誘導変位態様検知手段によって検知された前記誘導手段の誘導変位態様に基づく識別情報の可変表示時間を選択する機能を有することを特徴とするものであるが、遊技盤、第一通過検知手段、開閉部材、開閉判定手段、表示手段、表示制御手段、可変表示時間記憶手段、可変表示時間選択手段、可変入球装置、特定領域通過検知手段、特別遊技状態移行制御手段、誘導手段、誘導変位態様データ記憶手段、誘導変位態様データ選択手段、誘導変位制御手段、誘導変位態様検知手段、開閉部材制御手段、可変入球装置制御手段、総和時間記憶手段、特別可変入球装置、特別可変入球装置制御手段、第二通過検知手段、特別遊技状態移行判定手段などの具体的構成は、適宜設計変更可能である。
尚、本発明の実施形態に記載された効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、本発明による効果は、本発明の実施形態に記載されたものに限定されるものではない。