以下に、本発明に好適な実施形態について図面に基づいて説明する。尚、以下において説明する実施形態においては、本発明に係る遊技機に好適な実施形態として本発明をデジタルパチンコ遊技機(デジパチ、第1種パチンコ遊技機とも称される。)に適用した場合を示す。
[遊技機の構成]
まず、遊技機の概観について図1及び図2を用いて説明する。図1は、本実施形態におけるパチンコ遊技機10の概観を示す斜視図である。また、図2は、本実施形態におけるパチンコ遊技機10の概観を示す分解斜視図である。
図1及び図2に示すように、パチンコ遊技機10は、前面に開口12aが形成された本体枠12と、その本体枠12における開口12aの内部に配設される各種の部品と、本体枠12の前方に開閉自在に軸着された扉11とから構成されている。この扉11は、図1に示すように、開口12aを前面から閉鎖するためのものであり、通常閉鎖した状態で遊技が行われる。
図1及び図2に示すように、本体枠12の前面には、上皿20、下皿22、発射ハンドル26等が配設されている。尚、一般に、遊技を行う遊技者は、発射ハンドル26等の操作が可能なパチンコ遊技機10の前方側に位置することとなる。つまり、このパチンコ遊技機10は、前方から遊技可能である。
また、本体枠12の開口12a内部には、遊技盤14や、遊技に関する画像を表示する表示手段、後述する識別情報の可変表示を行う可変表示手段としての液晶表示装置32等が上述した各種の部品として配設されている。尚、遊技盤14、液晶表示装置32以外の各種の部品(図示せず)については、理解を容易とするために説明を省略する。
遊技盤14は、その全部が透過性を有する板形状の樹脂によって形成されている。この透過性を有する樹脂としては、例えば、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、メタクリル樹脂など各種の材質が該当する。遊技盤14は、その前面に、発射された遊技球が転動可能な遊技領域15を有している。この遊技領域15は、ガイドレール30(具体的には後述の図3に示す外レール30a)に囲まれ、遊技球が転動可能な領域である。また、遊技盤14における遊技領域15には複数の障害釘13が打ちこまれている。
上述した液晶表示装置32は、遊技盤14を後方(背面側)に配設されている。この液晶表示装置32は、遊技に関する画像を表示するための表示領域32aを有している。この表示領域32aは、遊技盤14の全部又は一部を背面側から覆うように配設されている。この液晶表示装置32における表示領域32aには、詳しくは後述するが、特別図柄ゲームにおける識別情報、普通図柄ゲームにおける普通図柄、特別図柄ゲームにおける識別情報に伴う装飾図柄、遊技に係る背景画像、演出画像等、各種の画像が表示される。液晶表示装置32に関しては詳しく後述する。
また、扉11には、透過性を有する保護板19が配設されている。この保護板19は、扉11が閉鎖された状態で遊技盤14の前面に対面するように配設されている。特に、この保護板19は、少なくとも遊技領域15の全域と対面するように配設されておればよいが、遊技領域15に該当しない遊技盤14の前面領域16(以降、遊技領域外16と称する)に対面するように配設されてもよい。
このように、遊技者によってパチンコ遊技機10の前方から遊技が行われている場合、つまり、扉11が閉鎖した状態である場合には、透過性を有する遊技盤14の背面側に液晶表示装置32が配設されるとともに、遊技盤14の前面側に透過性を有する保護板19が配設されるので、液晶表示装置32における表示領域32aに表示された画像を、透過性を有する遊技盤14及び保護板19を介して遊技者に視認可能とさせる。このため、詳しくは後述するが、従来の遊技機にはなかった斬新な表示演出を提供することができ、興趣の向上を図ることができる。
発射ハンドル26は本体枠12に対して回動自在に設けられており、遊技者は発射ハンドル26を操作することによりパチンコ遊技を進めることができる。また、発射ハンドル26の裏側には、発射モータ(図示せず)が設けられている。
発射ハンドル26の周縁部には、タッチセンサ(図示せず)が設けられている。このタッチセンサが触接されたときには、遊技者により発射ハンドル26が握持されたと検知される。発射ハンドル26が遊技者によって握持され、かつ、時計回り方向へ回動操作されたときには、その回動角度に応じて発射モータに電力が供給され、上皿20に貯留された遊技球が遊技盤14に順次発射される。
尚、発射ハンドル26に設けられるタッチセンサは、遊技者が発射ハンドル26を握持したと判別できるものであればよく、光学的に検知するものや、熱により検知するもの等、センサの種類を問わない。
このように構成されたパチンコ遊技機10の概観について図3を用いて詳細に説明する。図3は、本実施形態におけるパチンコ遊技機10の概観を示す正面図である。
図3に示すように、遊技盤14の前面には2つのガイドレール30(30a及び30b)が設けられている。これら2つのガイドレール30は、遊技領域15を区画(画定)する外レール30aと、その外レール30aの内側に配設された内レール30bとから構成される。発射された遊技球は、遊技盤14上に設けられたガイドレール30に案内されて遊技盤14の上部に移動し、その後、上述した複数の障害釘13との衝突によりその進行方向を変えながら遊技盤14の下方に向かって落下する。
遊技盤14の後方(背面側)には、上述した液晶表示装置32が配設されている。この液晶表示装置32は、表示領域32aを有するものであり、表示領域32aには、各種の画像が表示される。
例えば、特別図柄ゲームにおける識別情報が可変表示される。この識別情報は、特別図柄ゲームにおいて主に特別図柄92から構成されるものである。特別図柄ゲームの詳細については後述する。この識別情報は、数字や記号等からなる図柄であり、本実施形態においては、“0”から“9”までの数字を用いる。
「可変表示」とは、変動可能に表示される概念であり、例えば、実際に変動して表示される「変動表示」、実際に停止して表示される「停止表示」等を可能とするものである。また、「可変表示」は、特別図柄ゲームの結果として識別情報が表示される「導出表示」を行うことができる。また、変動表示が開始されてから導出表示されるまでを1回の可変表示と称する。
この液晶表示装置32には、複数の図柄列(本実施形態においては3列)に対応する識別情報が可変表示される。これら複数の図柄列において識別情報の導出表示が行われ、導出表示された複数の識別情報の組合せが特定の表示態様(例えば、複数の図柄列のそれぞれに“0”から“9”のいずれかが全て揃った状態で導出表示される態様、所謂「大当り表示態様」)になったことに基づいて、遊技状態を遊技者に有利な特定遊技状態(所謂大当り)に移行することとなる。また、導出表示された複数の識別情報の組合せが、特定の表示態様のうち、特別の表示態様(例えば、複数の図柄列のそれぞれに“1”、“3”、“5”、“7”、“9”のうちいずれかが全て揃った状態で導出表示される態様、所謂「特定大当り表示態様」)になったことに基づいて、遊技状態を遊技者に有利な特定遊技状態(所謂大当り)に移行し、その特定遊技状態が終了した場合に、高確率遊技状態に移行することとなる。この高確率遊技状態は、通常の遊技状態よりも高い確率で特定遊技状態に移行する遊技状態である。尚、本実施形態においては、識別情報を複数の図柄列で構成したが、これに限らず、例えば、識別情報を一列の図柄列で構成してもよい。
また、上述した特別図柄92の上方には、特別図柄ゲームにおける保留個数を表示するため、4つの保留画像34a〜34dが表示される。これら4つの保留画像34a〜34dは、特別図柄ゲームにおける保留個数の増減に伴い、所定の表示態様に変化するように表示される。
液晶表示装置32の表示領域32aには、例えば、普通図柄ゲームにおける普通図柄94が可変表示される。この普通図柄94は、数字や記号等からなる情報であり、例えば“○”、“×”等の記号である。この普通図柄94が所定の図柄、例えば“○”として停止表示されたときには、後述する始動口44に遊技球が入りやすくなるようになる。
また、保留画像34a〜34dの上方には、普通図柄ゲームにおける保留個数を表示するために、普通図柄保留画像50a〜50dが表示されている。これら4つの普通図柄保留画像50a〜50dは、普通図柄ゲームにおける保留個数の増減に伴い、所定の表示態様に変化するように表示される。
その他にも、液晶表示装置32の表示領域32aに、識別情報の可変表示に伴う装飾図柄、遊技に係る背景画像、演出用の演出画像等、その他の画像については理解を容易とするために図示を省略する。また、詳しくは後述するが、このその他の画像には、遊技領域15に発射された遊技球が複数の障害釘13のいずれかに衝突した場合には、当該複数の障害釘13のいずれか(以降、「遊技領域15に発射された遊技球が衝突した複数の障害釘13のいずれか」を、単に「遊技球が衝突した障害釘」と称する。)の後方において衝突画像が表示される。
尚、本実施形態において、画像を表示する部分として液晶ディスプレイパネルからなる液晶表示装置32を採用したが、これに限らず、他の態様であってもよく、例えば、CRT(Cathode Ray Tube)を含むブラウン管、ドットLED、セグメントLED、EL(Electronic Luminescent)、プラズマ等からなるものであってもよい。また、特別図柄ゲームにおける識別情報としての特別図柄92、普通図柄ゲームにおける普通図柄94、保留画像34a〜34d、普通図柄保留画像50a〜50dを、液晶表示装置32の表示領域32aにおける所定の位置に表示するように構成したが、これに限らず、例えば、遊技者に対して視認可能な位置であれば別の態様であってもよい。また、可変表示手段として液晶表示装置32を採用したが、これに限らず、別の態様であってもよく、例えば、可変表示手段としてドラム、ベルト、リーフ等を可変表示手段として採用してもよい。
上述した遊技盤14の遊技領域15には、各種の役物が形成されている。各種の役物の一例として図3を用いて以下に説明するが、これに限定されるものではない。
例えば、遊技盤14の遊技領域15内の両側方には、遊技球の経路を所定の方向に誘導するための転動誘導部材59a及び59bが設けられている。また、遊技盤14の遊技領域15内の下部には、遊技球の一般入賞口56a〜56dが設けられている。
一般入賞口56a〜56dの近傍には、大入賞口(図示せず)に対して開閉自在なシャッタ40が設けられている。上述したように、導出表示された識別情報の組合せが特定の表示態様である場合には、遊技状態が特定遊技状態である大当り遊技状態に移行され、このシャッタ40が遊技球を受け入れやすい開放状態(第1の状態)となるように駆動される。また、この大入賞口には、V・カウントセンサ102(図5参照)を有する特定領域(図示せず)と、カウントセンサ104(図5参照)を有する一般領域(図示せず)とがあり、それらの領域を遊技球が所定個数(例えば10個)通過するか、又は、所定時間(例えば30秒)が経過するまでシャッタ40が開放状態に駆動される。つまり、開放状態において大入賞口への所定数の遊技球の入賞又は所定時間の経過のいずれかの条件が成立すると、大入賞口を、遊技球を受け入れ難い閉鎖状態にする。また、続いて、開放状態から閉鎖状態(第2の状態)となったシャッタ40は、開放状態において大入賞口に受け入れられた遊技球がV・カウントセンサ102を通過したことを条件に、再度開放状態に駆動される。つまり、大入賞口が開放状態のときに受け入れられた遊技球が、大入賞口内に設けられた特定領域を通過したことを条件に、閉鎖状態となった後に再度開放状態にする。
また、シャッタ40の上方には、始動入賞球センサ116(図5参照)を有する始動口44が設けられている。この始動口44に遊技球が入賞した場合に、後述する特別図柄ゲームが開始され、複数列の識別情報を変動表示する変動表示状態に移行する。識別情報の可変表示開始条件としては、本実施形態においては、始動口44に遊技球が入賞したことを主な条件とする。つまり、所定の識別情報の可変表示開始条件が成立する毎に識別情報の可変表示を行うこととなる。尚、実施形態においては、始動口44に遊技球が入賞したこと等を所定の識別情報の可変表示開始条件としたが、これに限らず、別の態様であってもよい。
また、特別図柄ゲームにおける識別情報の変動表示中に遊技球が始動口44へ入賞した場合には、変動表示中の識別情報が導出表示されるまで、当該始動口44への遊技球の入賞に基づく識別情報の可変表示の実行(開始)が保留される。識別情報の可変表示の実行が保留されている状態で、識別情報が導出表示された場合には、保留されている識別情報の可変表示の実行が開始される。また、識別情報が導出表示された場合に実行される識別情報の可変表示の実行は一回分である。例えば、識別情報の可変表示の実行が3回分保留されている状態で、識別情報が導出表示された場合には、保留されている識別情報の可変表示のうち1回分が実行され、残りの2回分は保留される。
保留されている識別情報の可変表示の実行回数(所謂、「保留個数」、「特別図柄に関する保留個数」)は、保留画像34a〜34dの表示態様によって表示される。保留される識別情報の可変表示の実行回数には上限が設定されており、例えば、4回を上限として識別情報の可変表示が保留される。例えば、識別情報の可変表示の実行が3回分保留されている状態において、遊技球が始動口44へ入賞した場合には、4回目の実行が保留されるが、識別情報の可変表示の実行が4回分保留されている状態において、遊技球が始動口44へ入賞した場合には、5回目の実行が保留されず、識別情報の可変表示の実行が4回分保留されている状態を維持することとなる。
また、一般入賞口56bと一般入賞口56cとの間には、球通過検出器54a、54bが設けられている。これらの球通過検出器54a、54bは、その近傍を遊技球が通過したことを検出したときには、表示領域32a上において普通図柄94の変動表示が開始され、所定の時間が経過した後、普通図柄の変動表示を停止する。この普通図柄が所定の図柄、例えば“○”として停止表示されたときには、後述する始動口44の左右の両側に設けられている羽根部材(所謂、普通電動役物)48が閉鎖状態から開放状態となり、始動口44に遊技球が入りやすくなるようになる。また、羽根部材48を開放状態とした後、所定の時間が経過したときには、羽根部材48を閉鎖状態として、始動口44に遊技球が入りにくくなるようにする。
また、普通図柄ゲームにおいても同じように、普通図柄の変動表示中において球通過検出器54a、54bの近傍を遊技球が通過した場合には、変動表示中の普通図柄が導出表示されるまで、当該球通過検出器54a、54bへの遊技球の通過に基づく普通図柄の可変表示の実行(開始)が保留される。普通図柄の可変表示の実行が保留されている状態で、普通図柄が導出表示された場合には、所定時間経過後、保留されている普通図柄の可変表示が開始される。また、普通図柄が導出表示された場合に実行される普通図柄の可変表示の実行は一回分である。この保留された普通図柄の可変表示の実行回数(所謂、「普通図柄ゲームにおける保留個数」)は、普通図柄保留画像50a〜50dの表示態様によって表される。また、普通図柄の可変表示の実行が保留される回数にも上限が設定されており、例えば、4回を上限として普通図柄の可変表示が保留される。
尚、本実施形態においては、4回を上限として識別情報の可変表示を保留するように構成したが、これに限らず、別の態様であってもよく、例えば、一回又は複数回を上限として、識別情報の可変表示を保留するように構成してもよく、更には、上限を設定することなく保留するように構成してもよい。もちろん、識別情報の可変表示を保留しないように構成してもよい。また、本実施形態においては、4回を上限として普通図柄の可変表示を保留するように構成したが、これに限らず、別の態様であってもよく、例えば、一回又は複数回を上限として、普通図柄の可変表示を保留するように構成してもよく、更には、上限を設定することなく保留するように構成してもよい。もちろん、普通図柄の可変表示を保留しないように構成してもよい。
上述した始動口44、一般入賞口56a〜56d、大入賞口における特定領域及び一般領域に遊技球が入賞又は通過したときには、それぞれの入賞口の種類に応じて予め設定されている数の遊技球が上皿20又は下皿22に払い出される。更には、遊技盤14の下左側と下右側とには装飾ランプ36a及び36bが設けられている。更にまた、扉11の前面には、スピーカ46L、46Rが配設されている。
[障害釘の構成]
本実施形態におけるパチンコ遊技機10の複数の障害釘13を示す断面図を図4に示す。尚、本実施形態においては、図4(a)に示すような構成が適用される。また、理解を容易とするために、複数の障害釘13を代表して一の障害釘13aについて説明する。
図4(a)に示すように、透過性を有する遊技盤14には、障害釘13aが貫通している。遊技盤14に貫通された障害釘13aの一端には、検出手段としてのショックセンサ280aが配設されている。このショックセンサ280aは、障害釘13aの衝撃を検知するものである。遊技領域15に発射された遊技球が障害釘13aに衝突した場合には、その衝突に応じて衝撃がショックセンサ280aによって検知される。つまり、ショックセンサ280は、障害釘に対する遊技球の衝突を検出する検出手段の一例である。この場合には、後述するように、障害釘13aの後方に衝撃画像が表示される。例えば、図4(a)の破線に示すように、障害釘13aの後方に衝撃画像が表示される。尚、この障害釘13aの後方とは、パチンコ遊技機10の前方に位置する遊技者によって障害釘13aの近傍に衝撃画像が視認可能に表示される位置であればよい。
このようにショックセンサ280を用いることによって、遊技球が障害釘に衝突したことを直接的に検知することができ、誤動作の可能性の少ない演出を行うことができ、興趣を損なうことなく遊技を提供することができる。
尚、本実施形態においては、図4(a)に示すように障害釘13a、ショックセンサ280aを配設するように構成したが、これに限らず、別の態様であってもよく、例えば、図4(b)に示すように、障害釘13bが遊技盤14を貫通しないように構成してもよく、更には、ショックセンサ280bが障害釘13bに直接配設されなくとも、遊技領域15に発射された遊技球が障害釘13bに衝突した衝撃を検知するように配設されるように構成すればよい。また、本実施形態においては、ショックセンサ280を用いて複数の障害釘13のいずれかに衝撃があったか否か、つまり、複数の障害釘13のいずれかに遊技球が衝突したか否かを判断するように構成したが、これに限らず、複数の障害釘13のいずれかに遊技球が衝突したことを検出するものであれば別の態様であってもよく、例えば、釘に導電板等を設けて、複数の障害釘13のいずれかに遊技球が衝突したことを検出するように構成してもよい。また、例えば、磁界検出器(磁界検出ソレノイド等)を設けて、複数の障害釘13のいずれかに遊技球が衝突したことを検出するように構成してもよい。更には、例えば、光検出器を設けて、複数の障害釘13のいずれかに遊技球が衝突したことを検出するように構成してもよい。もちろん、上述した例示に限らない。
[遊技機の電気的構成]
本実施形態におけるパチンコ遊技機10の制御回路について図5を用いて説明する。図5は、本実施形態におけるパチンコ遊技機10の制御回路を示すブロック図である。
遊技制御手段としての主制御回路60は、図5に示すように、制御手段であるメインCPU66、メインROM(読み出し専用メモリ)68、メインRAM(読み書き可能メモリ)70を備えている。この主制御回路60は、遊技の進行を制御する。
メインCPU66には、メインROM68、メインRAM70等が接続されており、このメインROM68に記憶されたプログラムに従って、各種の処理を実行する機能を有する。このように、このメインCPU66は、後述する各種の手段として機能することとなる。
メインROM68には、メインCPU66によりパチンコ遊技機10の動作を制御するためのプログラムが記憶されており、その他には、乱数抽選によって大当り判定をする際に参照される大当り判定テーブルや、演出を選択する際に参照される演出条件選択テーブル等の各種のテーブルも記憶されている。具体的なプログラム、テーブルについては後述する。
尚、本実施形態においては、プログラム、テーブル等を記憶する媒体としてメインROM68を用いるように構成したが、これに限らず、制御手段を備えたコンピュータにより読み取り可能な記憶媒体であれば別態様であってもよく、例えば、ハードディスク装置、CD−ROM及びDVD−ROM、ROMカートリッジ等の記憶媒体に記録されていてもよい。また、これらのプログラムは、予め記録されているものでなくとも、電源投入後にこれらのプログラムをダウンロードしてメインRAM70等に記録されるものでもよい。更にまた、プログラムの各々が別々の記憶媒体に記録されていてもよい。また、本実施形態においてはメインCPU66、メインROM68及びメインRAM70を別々に設けたが、これらが一体となっているワンチップマイコンを使用してもよい。
メインRAM70は、メインCPU66の一時記憶領域として種々のフラグや変数の値を記憶する機能を有する。メインRAM70に記憶されるデータの具体例としては、以下のようなものがある。
メインRAM70には、制御状態フラグ、特定領域通過フラグ、高確率フラグ、大当り判定用乱数カウンタ、大当り図柄決定用乱数カウンタ、はずれ図柄決定用乱数カウンタ、演出条件選択用乱数カウンタ、大入賞口開放回数カウンタ、大入賞口入賞カウンタ、待ち時間タイマ、大入賞口開放時間タイマ、特別図柄ゲーム、普通図柄ゲームにおける保留個数を示すデータ等が存在する出力に関する変数、後述する副制御回路200にコマンドを供給するためのデータ、変数等が位置付けられている。
制御状態フラグは、特別図柄ゲームの制御状態を示すものである。特定領域通過フラグは、遊技球が特定領域を通過したか否かを判断するためのものである。高確率フラグは、特定遊技状態である大当り遊技状態に移行する確率を相対的に高めるか否かを示すものである。
大当り判定用乱数カウンタは、特別図柄の大当りを判定するためのものである。大当り図柄決定用乱数カウンタは、特別図柄の大当りを判定した場合に、導出表示される識別情報を決定するためのものである。はずれ図柄決定用乱数カウンタは、大当りではない場合に導出表示する識別情報を決定するためのものである。演出条件選択用乱数カウンタは、識別情報の変動表示パターンを決定するためのものである。これらのカウンタは、メインCPU66により順次“1”増加するように記憶更新されており、所定のタイミングで各カウンタから乱数値を抽出することにより、メインCPU66の各種の機能を実行することとなる。尚、本実施形態においては、このような乱数カウンタを備え、プログラムに従って、メインCPU66が、乱数カウンタを“1”増加させるように記憶更新する構成としたが、これに限らず、別個に、乱数発生器のような装置を備えるように構成してもよい。また、はずれではあるが、リーチとするか否かを判定するためのリーチ判定用乱数カウンタを設けてもよい。
待ち時間タイマは、主制御回路60と副制御回路200とにおいて実行される処理の同期を取るためのものである。また、大入賞口開放時間タイマは、シャッタ40を駆動させ、大入賞口を開放する時間を計測するためのものである。尚、本実施形態におけるタイマは、メインRAM70において、所定の周期で、その所定の周期だけ減算されるように記憶更新されるが、これに限らず、CPU等自体がタイマを備えていてもよい。
大入賞口開放回数カウンタは、特定遊技状態における大入賞口の開放回数(いわゆるラウンド数)を示すものである。また、大入賞口入賞カウンタは、1ラウンド中に大入賞口に入賞し、V・カウントセンサ102又はカウントセンサ104を通過した遊技球の数を示すものである。更には、特別図柄ゲームにおける保留個数を示すデータは、始動口44へ遊技球が入賞したが、識別情報の変動表示が実行できないときに、当該変動表示を保留するが、その保留されている識別情報の変動回数を示すものである。更には、普通図柄ゲームにおける保留個数を示すデータは、球通過検出器54a、54bに遊技球が通過したが、普通図柄94の変動表示が実行できないときに、当該変動表示を保留するが、その保留されている普通図柄94の変動回数を示すものである。
また、メインRAM70には、特別図柄記憶領域、普通図柄記憶領域が位置付けられ、記憶されている。
特別図柄記憶領域は、特別図柄ゲームにおける1回の可変表示に対応する大当り判定用乱数値、クリアデータ等のデータが記憶されており、特別図柄記憶領域(0)から特別図柄記憶領域(4)がある。特別図柄記憶領域(0)には、今現在実行されている可変表示に対応するデータが記憶されている。また、特別図柄記憶領域(1)から特別図柄記憶領域(4)には、現在実行されている可変表示が終了した後に実行される可変表示に対応するデータが記憶されている。つまり、特別図柄記憶領域(0)から特別図柄記憶領域(4)の全てのデータがクリアデータである場合には、現在の可変表示が実行されず、可変表示を実行するための保留も行われていないこととなる。また、現在の可変表示が終了した場合には、特別図柄記憶領域(1)から特別図柄記憶領域(4)の各々のデータを、特別図柄記憶領域(0)から特別図柄記憶領域(3)にシフトし、特別図柄記憶領域(4)にクリアデータを記憶する。これによって、特別図柄記憶領域の更新が行われる。一方、普通図柄記憶領域に関しても、特別図柄記憶領域と同じように、普通図柄記憶領域(0)から普通図柄記憶領域(4)がある。また、特別図柄記憶領域と同じように、普通図柄記憶領域の更新制御が行われる。
尚、本実施形態においては、メインCPU66の一時記憶領域としてメインRAM70を用いているが、これに限らず、読み書き可能な記憶媒体であればよい。
また、この主制御回路60は、所定の周波数のクロックパルスを生成するリセット用クロックパルス発生回路62、電源投入時においてリセット信号を生成する初期リセット回路64、後述する副制御回路200に対してコマンドを供給するためのシリアル通信用IC72を備えている。また、これらのリセット用クロックパルス発生回路62、初期リセット回路64、シリアル通信用IC72は、メインCPU66に接続されている。尚、このリセット用クロックパルス発生回路62は、後述するシステムタイマ割込処理を実行するために、所定の周期(例えば2ミリ秒)毎にクロックパルスを発生する。尚、このシリアル通信用IC72は、各種のコマンドを副制御回路200(副制御回路200に含まれる各種の手段)へ送信する送信手段に相当する。
また、主制御回路60には、各種の装置が接続されており、例えば、図5に示すように、V・カウントセンサ102、カウントセンサ104、一般入賞球センサ106、108、110、112、通過球センサ114、始動入賞球センサ116、普通電動役物ソレノイド118、大入賞口ソレノイド120、シーソーソレノイド122、バックアップクリアスイッチ124が接続されている。
V・カウントセンサ102は、大入賞口における特定領域に設けられている。このV・カウントセンサ102は、大入賞口における特定領域を遊技球が通過した場合に、所定の検知信号を主制御回路60に供給する。
カウントセンサ104は、大入賞口における特定領域とは異なる一般領域に設けられている。このカウントセンサ104は、大入賞口における一般領域を遊技球が通過した場合に、所定の検知信号を主制御回路60に供給する。
一般入賞球センサ106、108、110、112は、一般入賞口56a〜56dに設けられている。この一般入賞球センサ106、108、110、112は、各一般入賞口56a〜56dを遊技球が通過した場合に、所定の検知信号を主制御回路60に供給する。
通過球センサ114は、球通過検出器54a、54bに設けられている。この通過球センサ114は、球通過検出器54a、54bを遊技球が通過した場合に、所定の検知信号を主制御回路60に供給する。
始動入賞球センサ116は、始動口44に設けられている。この始動入賞球センサ116は、始動口44を遊技球が入賞した場合に、所定の検知信号を主制御回路60に供給する。
普通電動役物ソレノイド118は、リンク部材(図示せず)を介して羽根部材48に接続されており、メインCPU66から供給される駆動信号に応じて、羽根部材48を開放状態又は閉鎖状態とする。
大入賞口ソレノイド120は、図1に示すシャッタ40に接続されており、メインCPU66から供給される駆動信号に応じて、シャッタ40を駆動させ、大入賞口を開放状態又は閉鎖状態とする。
シーソーソレノイド122は、板形状でシャッタ40内部に設けられているシーソーに接続されており、メインCPU66から供給される駆動信号に応じて、シーソーを変位させ、そのシーソーの傾斜を変更する。このシーソーが傾斜された結果、特定領域を通過しやすくなるように又は一般領域を通過しやすくなるように切り替えることとなる。
バックアップクリアスイッチ124は、パチンコ遊技機10に内蔵されており、電断時等におけるバックアップデータを遊技場の管理者の操作に応じてクリアする機能を有する。
また、主制御回路60には、払出・発射制御回路126が接続されている。この払出・発射制御回路126には、遊技球の払出を行う払出装置128、遊技球の発射を行う発射装置130、カードユニット150が接続されている。
この払出・発射制御回路126は、主制御回路60から供給される賞球制御コマンド、カードユニット150から供給される貸し球制御信号を受け取り、払出装置128に対して所定の信号を送信することにより、払出装置128に遊技球を払い出させる。また、払出・発射制御回路126は、発射装置130に対して発射信号を供給することにより、遊技球を発射させる制御を行う。尚、払出装置128は、発射(投入)された遊技媒体が所定の領域を通過することにより遊技媒体を払い出す払い出し手段の一例として採用されている。
また、発射装置130には、上述した発射モータ、タッチセンサ等の遊技球を発射させるための装置が備えられている。発射ハンドル26が遊技者によって握持され、かつ、時計回り方向へ回動操作されたときには、その回動角度に応じて発射モータに電力が供給され、上皿20に貯留された遊技球が発射モータにより遊技盤14に順次発射される。尚、このような発射装置130は、遊技者の操作に応じて遊技媒体を発射(投入)する遊技球発射手段の一例として採用されている。
更には、シリアル通信用IC72には、副制御回路200が接続されている。この副制御回路200は、主制御回路60から供給される各種のコマンドに応じて、液晶表示装置32における表示制御、スピーカ46から発生させる音声に関する制御、装飾ランプ36a及び36bを含むランプ132の制御等を行う。
尚、本実施形態においては、主制御回路60から副制御回路200に対してコマンドを供給するとともに、副制御回路200から主制御回路60に対して信号を供給できないように構成したが、これに限らず、副制御回路200から主制御回路60に対して信号を送信できるように構成しても問題ない。
演出制御手段としての副制御回路200は、表示手段に対する表示制御を行う表示制御手段、可変表示手段に対する表示制御を行う可変表示制御手段、検出手段、画像変更手段としてのサブCPU206、記憶手段としてのプログラムROM208、ワークRAM210、液晶表示装置32における表示制御を行うための表示制御回路250、スピーカ46から発生させる音声に関する制御を行う音声制御回路230、装飾ランプ36a及び36bを含むランプ132の制御を行うランプ制御回路240から構成されている。副制御回路200は、主制御回路60からの指令に応じて遊技の進行に応じた演出を実行する。
サブCPU206には、プログラムROM208、ワークRAM210等が接続されている。サブCPU206は、このプログラムROM208に記憶されたプログラムに従って、各種の処理を実行する機能を有する。特に、サブCPU206は、主制御回路60から供給される各種のコマンドに従って、副制御回路200の制御を行う。特に、サブCPU206は、液晶表示装置32に対する表示制御を行う。サブCPU206は、後述する各種の手段として機能することとなる。
プログラムROM208には、サブCPU206によりパチンコ遊技機10の遊技演出を制御するためのプログラムが記憶されており、その他には、演出に関する決定を行うためのテーブル等の各種のテーブルも記憶されている。具体的なプログラムについては後述する。
また、プログラムROM208には、演出パターンが複数種類記憶されている。この演出パターンは、演出表示の進行に関するものである。演出表示は、識別情報の可変表示に応じて実行されるものである。
尚、本実施形態においては、プログラム、テーブル等を記憶する記憶手段としてプログラムROM208を用いるように構成したが、これに限らず、制御手段を備えたコンピュータにより読み取り可能な記憶媒体であれば別態様であってもよく、例えば、ハードディスク装置、CD−ROM及びDVD−ROM、ROMカートリッジ等の記憶媒体に記録されていてもよい。もちろん、記憶手段としてメインROM68を用いてもよい。また、これらのプログラムは、予め記録されているものでなくとも、電源投入後にこれらのプログラムをダウンロードし、ワークRAM210等に記録されるものでもよい。更にまた、プログラムの各々が別々の記憶媒体に記録されていてもよい。
また、本実施形態において、メインCPU66及びメインROM68を含む主制御回路60と、サブCPU206及びプログラムROM208を含む副制御回路200と、を別々に構成したが、これに限らず、メインCPU66及びメインROM68を含む主制御回路60のみで構成してもよく、この場合には、上述したプログラムROM208に記憶されているプログラムをメインROM68に記憶させ、メインCPU66により実行されるように構成してもよい。もちろん、サブCPU206及びプログラムROM208を含む副制御回路200のみで構成するようにしてもよく、この場合には、上述したメインROM68に記憶されているプログラムをプログラムROM208に記憶させ、サブCPU206により実行されるように構成してもよい。
ワークRAM210は、サブCPU206の一時記憶領域として種々のフラグや変数の値を記憶する機能を有する。例えば、演出パターンを選択するための演出表示選択用乱数カウンタ等、各種の変数等が位置付けられている。
尚、本実施形態においては、サブCPU206の一時記憶領域としてワークRAM210を用いているが、これに限らず、読み書き可能な記憶媒体であればよい。
表示制御回路250は、表示制御手段、可変表示制御手段、画像変更手段としての画像データプロセッサ(以下、VDPと称する。)212、各種の画像データを記憶する画像データROM216、画像データを画像信号として変換するD/Aコンバータ218、電源投入時においてリセット信号を生成する初期リセット回路220から構成されている。
上述したVDP212は、サブCPU206、画像データが記憶されている画像データROM216、画像データを画像信号に変換するD/Aコンバータ218、初期リセット回路220と接続されている。
このVDP212は、いわゆるスプライト回路、スクリーン回路、及びパレット回路等の回路を含み、液晶表示装置32に画像を表示させるための種々の処理を行うことができる装置である。つまり、VDP212は、液晶表示装置32に対する表示制御を行う。また、VDP212には、液晶表示装置32の表示領域32aに画像を表示するためのバッファとしての記憶媒体(例えば、ビデオRAM)を備えている。この記憶媒体の所定の記憶領域に画像データを記憶することによって、所定のタイミングで液晶表示装置32の表示領域32aに画像が表示されることとなる。
画像データROM216には、識別情報を示す識別情報画像データ、背景画像データ、演出用画像データ、普通図柄を示す普通図柄画像データ等の各種の画像データが別個に記憶されている。また、この画像データROM216には、衝撃画像96(図7参照)の衝撃画像データが記憶されている。尚、この画像データROM216は、衝突画像を表示するための複数種類の衝突画像データを記憶する画像記憶手段の一例である。
VDP212は、サブCPU206から供給される画像表示命令に応じて、画像データROM216から、識別情報を示す識別情報画像データ、背景画像データ、演出用画像データ、普通図柄を示す普通図柄画像データ、衝撃画像データ等、各種の画像データを読み出し、液晶表示装置32に表示させる画像データを生成する。VDP212は、生成した画像データを、後方に位置する画像データから順に重ね合わせてバッファに記憶し、所定のタイミングでD/Aコンバータ218に供給する。このD/Aコンバータ218は、画像データを画像信号として変換し、この画像信号を液晶表示装置32に供給することにより、液晶表示装置32に画像を表示させる。
また、音声制御回路230は、音声に関する制御を行う音源IC232、各種の音声データを記憶する音声データROM234、音声信号を増幅するための増幅器236(以下、AMPと称する。)から構成されている。
この音源IC232は、サブCPU206、初期リセット回路220、音声データROM234、AMP236と接続されている。この音源IC232は、スピーカ46から発生させる音声の制御を行う。
サブCPU206は、演出パターンを選択し、音声データROM234に記憶されている複数の音声データから一つの音声データを選択する。その後、サブCPU206は、選択された音声データを音声データROM234から読み出し、音源IC232に供給する。音声データを受け取った音源IC232は、その音声データを所定の音声信号に変換し、その音声信号をAMP236に供給する。AMP236は、音声信号を増幅させ、スピーカ46(46L及び46R)から音声を発生させる。
ランプ制御回路240は、ランプ制御信号を供給するためのドライブ回路242、複数種類のランプ装飾パターン等が記憶されている装飾データROM244から構成されている。
また、副制御回路200には、複数のショックセンサ280が接続されている。これら複数のショックセンサ280は、複数の障害釘13の各々に対応して配設されたものである。尚、複数の障害釘13の各々には、このような複数のショックセンサ280のいずれかが配設されており、それら複数のショックセンサを符号280で表す。例えば、遊技領域15に発射された遊技球が複数の障害釘13のいずれかに衝突した場合には、遊技球が衝突した障害釘に対応する複数のショックセンサ280のいずれかがその衝突に応じた衝撃を検知し、サブCPU206に対して所定の信号を供給する。これによって、サブCPU206は、後述する衝撃画像96(図7参照)を液晶表示装置32の表示領域32aに表示することができる。
[衝突画像基準位置テーブルの説明]
また、本実施形態においてプログラムROM208に記憶されている衝突画像基準位置テーブルについて図6を用いて説明する。尚、以下に説明する衝突画像基準位置テーブルがプログラムROM208に記憶されていない場合であっても、このような機能を有するデータ、プログラムがプログラムROM208に記憶されていればよい。もちろん、プログラムROM208とは別の記憶媒体に記憶されていてもよく、例えば、VDP212に備えられたプログラム等を記憶する記憶媒体に記憶してもよい。
図6に示すように、衝突画像基準位置テーブルには、釘番号と演出基準位置情報とが対応付けられている。
この釘番号は、それぞれ、複数のショックセンサ280のいずれかに対応付けられている。つまり、複数の障害釘13のいずれかに対応付けられるものである。
また、演出基準位置情報は、液晶表示装置32の表示領域32aの表示位置を示すものである。つまり、後述するように、VDP212に備えられたビデオRAM等のバッファの記憶アドレス等を示すものである。具体的には、演出基準位置情報は、釘番号に対応する障害釘の後方に位置する表示領域32a上の位置を示すものである。
ここで、衝突画像基準位置テーブルの説明を中断し、VDP212に備えられたビデオRAM等のバッファに記憶される画像データについて図7及び図8を用いて説明する。図7は、表示される画像を示す説明図である。図8は、画像データの記憶領域の概念を示す説明図である。具体的には、図8は、VDP212におけるバッファの概念を示す説明図である。尚、図8においては、表示領域32a及び遊技盤14に対応する記憶領域を示すものであり、遊技盤14に関するものを点線によって表す。
VDP212におけるバッファには、図8に示すように、表示可能記憶領域100が設定されている。表示可能記憶領域100は、液晶表示装置32の表示領域32aに表示される画像データを記憶する領域である。この表示可能記憶領域100に各種の画像データが記憶され、記憶された画像データに基づく画像が所定のタイミングで液晶表示装置32の表示領域32aに表示される。
この表示可能記憶領域100は、第1の記憶領域82と、第2の記憶領域84とから構成される。
第1の記憶領域82には、遊技領域15の一部分の後方に位置する表示領域に表示される画像データが記憶される。例えば、第1の記憶領域82には、特別図柄ゲームにおける識別情報としての特別図柄用の画像データ、普通図柄ゲームにおける普通図柄用の画像データ、演出用の演出画像データ等が記憶される。
一方、第2の記憶領域84は、表示可能記憶領域100であり、且つ第1の記憶領域ではない領域である。この第2の記憶領域84には、遊技領域15の一部分の後方に位置する表示領域と、遊技領域外16の後方に位置する表示領域とに表示される画像データが記憶される。例えば、第2の記憶領域84には、保留画像(図3)に係る画像データ、普通図柄保留画像(図3)に係る画像データ、演出用の演出画像データ等が記憶される。
このように記憶される中でも、図7に示す衝撃画像96用の衝撃画像データが記憶される。この衝撃画像データは、主に、第2の記憶領域84に記憶される。この記憶される位置としては、図6に示す衝撃演出基準位置テーブルにおける演出基準位置情報に基づいて、例えば、演出基準位置情報が(X1、Y1)である場合には、表示可能記憶領域100において、座標(X1、Y1)に対応する符号86の位置に衝撃画像データを記憶する。上述したように、演出基準位置情報は、遊技球が衝突した障害釘に対応する記憶位置、表示位置であり、具体的には、遊技球が衝突した障害釘の後方に位置する表示位置を示す。
ここで、VDP212に備えられたビデオRAM等のバッファに記憶される画像データについての説明を終了し、表示制御の具体的な態様について説明する。
遊技領域14に発射された遊技球が複数の障害釘13のいずれかに衝突した場合に、このようなテーブルを用いることによって、当該複数の障害釘13のいずれかに対応するショックセンサからサブCPU206に所定の信号が供給され、サブCPU206は、その所定の信号に応じて、遊技球が衝突した複数の障害釘13のいずれかに対応する釘番号を算出し、算出された釘番号に基づいて演出基準位置情報を算出する。このように算出された演出基準情報に基づいて、図9に示すように、遊技球が衝突した障害釘の後方の表示領域32aに衝突画像を表示することとなる。言い換えると、液晶表示装置32の表示領域32aに表示された衝突画像は、遊技球が衝突した障害釘の配設箇所の近傍を介して前方から視認可能に表示される。つまり、副制御回路200は、ショックセンサ等によって遊技球の衝突が検出された場合に、当該衝突が検出された障害釘の後方に位置する所定の表示領域に、当該障害釘に遊技球が衝突したことを示す衝突画像の表示制御を液晶表示装置32に対して行う機能を有するのである。
[表示画面の説明]
また、上述した構成によって実行される特別図柄ゲームに関する表示画面について図10を用いて説明する。
[特別図柄ゲームの説明]
液晶表示装置32における表示領域32a上には、図10(a)に示すように、複数列における識別情報(特別図柄ゲームにおける特別図柄92)の導出表示がされている場合において、識別情報の可変表示開始条件が成立したときには、図10(b)に示すように、可変表示が実行される。また、識別情報の可変表示は、識別情報の変動表示が開始され、変動表示された複数列の識別情報が所定の順序で導出表示される。そして、図10(c)に示すように、第一停止列(例えば、左列)、第二停止列(例えば、右列)が停止表示され、それらの列に停止表示される識別情報が所定の組合せとなった場合には、リーチとなる。そして、図10(d)に示すように、第三停止列(例えば、中列)が停止表示され、その導出表示された複数列の識別情報が特定の表示態様(例えば、同一図柄が3個揃った態様)となったことを条件に、遊技状態が特定遊技状態に移行されることとなる。また、導出表示された複数列の識別情報が、特定の表示態様のうちの特別の表示態様(例えば、同一の奇数図柄が3個揃った態様)となったことを条件に、遊技状態が特定遊技状態に移行され、その特定遊技状態終了後に高確率遊技状態に移行されることとなる。
[遊技機の動作]
以下に、パチンコ遊技機10で実行される動作について、図11から図17を用いて説明する。図11から図13、図15から図17は、パチンコ遊技機10において実行される制御処理を示すフローチャートである。図14は、パチンコ遊技機10において実行される制御処理の状態遷移を示す説明図である。
[メイン処理]
最初に、図11に示すように、RAMアクセス許可、バックアップ復帰処理、作業領域を初期化等の初期設定処理を実行する(ステップS11)。そして、詳しくは図13を用いて後述するが、特別図柄ゲームの進行、液晶表示装置32に表示される識別情報に関する特別図柄制御処理を実行する(ステップS15)。そして、普通図柄ゲームの進行、液晶表示装置32に表示される普通図柄に関する普通図柄制御処理を実行する(ステップS16)。このように、メイン処理においては、ステップS11の初期設定処理が終了した後、ステップS15及びステップS16の処理を繰り返し実行することとなる。
[システムタイマ割込処理]
また、メインCPU66は、メイン処理を実行している状態であっても、メイン処理を中断させ、システムタイマ割込処理を実行する場合がある。リセット用クロックパルス発生回路62から所定の周期(例えば2ミリ秒)毎に発生されるクロックパルスに応じて、以下のシステムタイマ割込処理を実行する。このシステムタイマ割込処理について図12を用いて説明する。
最初に、図12に示すように、メインCPU66は、大当り判定用乱数カウンタ、大当り図柄決定用乱数カウンタ等の各カウント値を“1”増加するように乱数更新処理を実行する(ステップS42)。そして、始動口44、球通過検出器54a、54b、一般入賞口56a〜56d等の遊技球の入賞又は通過を検知する入力検出処理を実行する(ステップS43)。そして、主制御回路60と副制御回路200との同期をとるための待ち時間タイマ、大当りが発生した際に開放する大入賞口の開放時間を計測するための大入賞口開放時間タイマ等、各種のタイマの更新処理を実行する(ステップS44)。そして、各種の変数に基づいて駆動制御するための信号をソレノイド、モータ等に供給するために、出力処理を実行する(ステップS46)。この処理が終了した場合には、ステップS47に処理を移す。
ステップS47においては、コマンド出力処理を実行する。この処理において、メインCPU66は、各種のコマンドを副制御回路200に供給する。これらの各種のコマンドとしては、具体的には、デモ表示コマンド、左列、中列、右列に導出表示される識別情報の種類を示す導出図柄指定コマンド、識別情報の変動表示パターンを示す変動パターン指定コマンド等が含まれる。つまり、後述するように、識別情報の可変表示指令情報及び特定遊技状態とする旨の情報を副制御回路200(副制御回路200に含まれる各種の手段)に対して送信することとなる。この処理が終了した場合には、ステップS49に処理を移す。
そして、ステップS49の処理において、メインCPU66は、払出装置128に賞球を行わせるためのコマンドを払出・発射制御回路126へ送信する等の払出処理を実行する(ステップS49)。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了し、割込発生前のアドレスへ復帰し、メイン処理を実行させる。
[特別図柄制御処理]
図11のステップS15において実行されるサブルーチンについて図13を用いて説明する。尚、図13において、ステップS72からステップS80の側方に描いた数値は、それらのステップに対応する制御状態フラグを示し、その制御状態フラグの数値に応じて、その数値に対応する一つのステップが実行され、特別図柄ゲームが進行することとなる。
最初に、図13に示すように、制御状態フラグをロードする処理を実行する(ステップS71)。この処理において、メインCPU66は、制御状態フラグを読み出す。この処理が終了した場合には、ステップS72に処理を移す。
尚、後述するステップS72からステップS80において、メインCPU66は、後述するように、制御状態フラグの値に基づいて、各ステップにおける各種の処理を実行するか否かを判断することとなる。この制御状態フラグは、特別図柄ゲームの遊技の状態を示すものであり、ステップS72からステップS80における処理のいずれかを実行可能にするものである。また、それに加えて、メインCPU66は、各ステップに対して設定された待ち時間タイマ等に応じて決定される所定のタイミングで各ステップにおける処理を実行する。尚、この所定のタイミングに至る前においては、各ステップにおける処理を実行することなく終了することとなり、他のサブルーチンを実行することとなる。もちろん、所定の周期でシステムタイマ割込処理も実行する。
ステップS72においては、特別図柄記憶チェック処理を実行する。詳しくは図15を用いて後述するが、メインCPU66は、制御状態フラグが特別図柄記憶チェックを示す値(00)である場合に、保留個数のチェックを行い、保留個数がある場合に、大当り判定、導出識別情報、識別情報の変動パターン等の決定を行う。また、メインCPU66は、特別図柄変動時間管理を示す値(01)を制御状態フラグにセットし、今回の処理で決定された変動パターンに対応する変動時間を待ち時間タイマにセットする。つまり、今回決定された変動パターンに対応する変動時間を経過した後、ステップS73の処理を実行するように設定するのである。一方、保留個数がない場合には、デモ画面が表示される。この処理が終了した場合には、ステップS73に処理を移す。
ステップS73においては、特別図柄変動時間管理処理を実行する。この処理においては、メインCPU66は、制御状態フラグが特別図柄変動時間管理を示す値(01)であり、変動時間が経過した場合に、特別図柄表示時間管理を示す値(02)を制御状態フラグにセットし、確定後待ち時間(例えば1秒)を待ち時間タイマにセットする。つまり、確定後待ち時間が経過した後、ステップS74の処理を実行するように設定するのである。この処理が終了した場合には、ステップS74に処理を移す。
ステップS74においては、特別図柄表示時間管理処理を実行する。この処理においては、メインCPU66は、制御状態フラグが特別図柄表示時間管理を示す値(02)であり、確定後待ち時間が経過した場合に、大当りか否かを判断する。メインCPU66は、大当りである場合に、大当り開始インターバル管理を示す値(03)を制御状態フラグにセットし、大当り開始インターバルに対応する時間(例えば10秒)を待ち時間タイマにセットする。つまり、大当り開始インターバルに対応する時間が経過した後、ステップS75の処理を実行するように設定するのである。一方、メインCPU66は、大当りではない場合に、特別図柄ゲーム終了を示す値(08)をセットする。つまり、ステップS80の処理を実行するように設定するのである。この処理が終了した場合には、ステップS75に処理を移す。
ステップS75においては、大当り開始インターバル管理処理を実行する。この処理においては、メインCPU66は、制御状態フラグが大当り開始インターバル管理を示す値(03)であり、その大当り開始インターバルに対応する時間が経過した場合に、大入賞口を開放させるために、メインROM68から読み出されたデータに基づいて、メインRAM70に位置付けられた変数を更新する。メインCPU66は、大入賞口開放中を示す値(04)を制御状態フラグにセットするとともに、開放上限時間(例えば30秒)を大入賞口開放時間タイマにセットする。つまり、ステップS77の処理を実行するように設定するのである。この処理が終了した場合には、ステップS76に処理を移す。
ステップS76においては、大入賞口再開放前待ち時間管理処理を実行する。この処理においては、メインCPU66は、制御状態フラグが大入賞口再開放待ち時間管理を示す値(06)であり、ラウンド間インターバルに対応する時間が経過した場合に、大入賞口開放回数カウンタを“1”増加するように記憶更新する。メインCPU66は、大入賞口開放中を示す値(04)を制御状態フラグにセットする。メインCPU66は、開放上限時間(例えば30秒)を大入賞口開放時間タイマにセットする。つまり、ステップS77の処理を実行するように設定するのである。この処理が終了した場合には、ステップS77に処理を移す。
ステップS77においては、大入賞口開放中処理を実行する。この処理においては、メインCPU66は、制御状態フラグが大入賞口開放中を示す値(04)である場合に、大入賞口入賞カウンタが“10”以上であるという条件、開放上限時間を経過した(大入賞口開放時間タイマが“0”である)という条件のいずれかを満たすか否かを判断する。メインCPU66は、いずれかの条件を満たした場合に、大入賞口を閉鎖させるために、メインRAM70に位置付けられた変数を更新する。メインCPU66は、大入賞口内残留球監視を示す値(05)を制御状態フラグにセットする。メインCPU66は、大入賞口内残留球監視時間(例えば1秒)を待ち時間タイマにセットする。つまり、大入賞口内残留球監視時間が経過した後、ステップS78の処理を実行するように設定するのである。尚、メインCPU66は、いずれの条件も満たさない場合には、上述した処理を実行しない。この処理が終了した場合には、ステップS78に処理を移す。
ステップS78においては、大入賞口内残留球監視処理を実行する。この処理においては、メインCPU66は、制御状態フラグが大入賞口内残留球監視を示す値(05)であり、大入賞口内残留球監視時間が経過した場合に、大入賞口における特定領域を遊技球が通過しなかったという条件、大入賞口開放回数カウンタが“15”以上である(最終ラウンドである)という条件のいずれかを満たすか否かを判断する。メインCPU66は、いずれかの条件を満たした場合に、大当り終了インターバルを示す値(07)を制御状態フラグにセットし、大当り終了インターバルに対応する時間を待ち時間タイマにセットする。つまり、大当り終了インターバルに対応する時間が経過した後、ステップS79の処理を実行するように設定するのである。一方、メインCPU66は、いずれの条件も満たさない場合に、大入賞口再開放待ち時間管理を示す値(06)を制御状態フラグにセットする。また、メインCPU66は、ラウンド間インターバルに対応する時間を待ち時間タイマにセットする。つまり、ラウンド間インターバルに対応する時間が経過した後、ステップS76の処理を実行するように設定するのである。この処理が終了した場合には、ステップS79に処理を移す。
ステップS79においては、大当り終了インターバル処理を実行する。この処理においては、メインCPU66は、制御状態フラグが大当り終了インターバルを示す値(07)であり、大当り終了インターバルに対応する時間が経過した場合に、特別図柄ゲーム終了を示す値(08)を制御状態フラグにセットする。メインCPU66は、所定の確率変動条件を満たした場合に、大当り確率を変動させるために、高確率フラグをセットする。つまり、ステップS80の処理を実行するように設定するのである。この処理が終了した場合には、ステップS80に処理を移す。
ステップS80においては、特別図柄ゲーム終了処理を実行する。この処理においては、メインCPU66は、制御状態フラグが特別図柄ゲーム終了を示す値(08)である場合に、保留個数を示すデータを“1”減少するように記憶更新する。メインCPU66は、次回の変動表示を行うために、特別図柄記憶領域の更新を行う。メインCPU66は、特別図柄記憶チェックを示す値(00)をセットする。つまり、ステップS72の処理を実行するように設定するのである。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
上述したように、制御状態フラグをセットすることにより、特別図柄ゲームが実行されることとなる。具体的には、メインCPU66は、図14に示すように、特定遊技状態ではない場合において、大当り判定の結果がハズレであるときには、制御状態フラグを“00”、“01”、“02”、“08”と順にセットすることにより、図13に示すステップS72、ステップS73、ステップS74、ステップS80の処理を所定のタイミングで実行することとなる。また、メインCPU66は、特定遊技状態ではない場合において、大当り判定の結果が大当りであるときには、制御状態フラグを“00”、“01”、“02”、“03”と順にセットすることにより、図13に示すステップS72、ステップS73、ステップS74、ステップS75の処理を所定のタイミングで実行し、特定遊技状態への制御を実行することとなる。更には、メインCPU66は、特定遊技状態への制御が実行された場合には、制御状態フラグを“04”、“05”、“06”と順にセットすることにより、図13に示すステップS77、ステップS78、ステップS76の処理を所定のタイミングで実行し、特定遊技を実行することとなる。尚、特定遊技が実行されている場合において、特定遊技状態の終了条件(特定遊技終了条件)が成立した場合には、“04”、“05”、“07”、“08”と順にセットすることにより、図13に示すステップS77からステップS80の処理を所定のタイミングで実行し、特定遊技状態を終了することとなる。尚、この特定遊技終了条件には、所定の時間が経過するまでに特定領域への遊技球の通過がなかったこと(所謂「パンク」)、又は、大当りラウンド最大継続数(本実施形態においては15ラウンド)が終了したことを条件として特定遊技状態を終了することとなる。
[特別図柄記憶チェック処理]
図13のステップS72において実行されるサブルーチンについて、図15を用いて説明する。
最初に、図15に示すように、制御状態フラグが特別図柄記憶チェックを示す値(00)であるか否かの判断を行い(ステップS101)、制御状態フラグが特別図柄記憶チェックを示す値であると判別した場合には、ステップS102に処理を移し、制御状態フラグが特別図柄記憶チェックを示す値であるとは判別しなかった場合には、本サブルーチンを終了する。そして、ステップS102においては、保留個数が“0”であるか否かの判断を行い、保留個数を示すデータが“0”であると判別した場合には、ステップS103に処理を移し、保留個数を示すデータが“0”であるとは判別しなかった場合には、ステップS104に処理を移す。
ステップS103においては、デモ表示処理を実行する。この処理において、メインCPU66は、デモ表示を行わせるために副制御回路200にデモ表示コマンドを供給するための変数をメインRAM70に記憶する。これによって、副制御回路200において、デモ画面の表示が実行されることとなる。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
ステップS104においては、制御状態フラグとして特別図柄変動時間管理を示す値(01)をセットする処理を実行する。この処理において、メインCPU66は、特別図柄変動時間管理を示す値を制御状態フラグに記憶する。この処理が終了した場合には、ステップS105に処理を移す。
ステップS105においては、大当り判断処理を実行する。この処理において、メインCPU66は、高確率フラグを読み出し、読み出した高確率フラグに基づいて、大当りの判定値(大当り判定値)の数が異なる複数の大当り判定テーブルから1つの大当り判定テーブルを選択する。例えば、通常時における大当り判定テーブルでは、2個の大当り判定値が設定されているが、高確率時における大当り判定テーブルでは、10個の大当り判定値が設定されており、高確率フラグに基づいて大当り判定テーブルを選択することによって、特定遊技状態に移行する確率が異なることとなる。このように、高確率フラグが所定の値(例えば“77”)である場合、つまり遊技状態が高確率遊技状態である場合には、特定遊技状態に移行する確率(識別情報の可変表示の結果を特定の表示態様とする確率)は、通常時よりも向上することとなるのである。そして、メインCPU66は、始動入賞時に抽出された大当り判定用乱数値と、選択された大当り判定テーブルとを参照する。この処理が終了した場合には、ステップS106に処理を移す。
ステップS106においては、大当りであるか否かの判断を行う。この処理において、メインCPU66は、ステップS105の参照の結果に基づいて、大当りであるか否かを判断することとなる。メインCPU66は、大当りであると判別した場合には、ステップS107に処理を移し、大当りであるとは判別しなかった場合には、ステップS108に処理を移す。
ステップS107においては、大当り図柄の決定処理を実行する。この処理において、メインCPU66は、始動入賞時に抽出された大当り図柄用乱数値を抽出し、その大当り図柄用乱数値に基づいて、左列、中列、右列に対応する識別情報を決定し、その識別情報を示すデータをメインRAM70の所定領域に記憶する。このように記憶された左列、中列、右列に対応する識別情報を示すデータは、図12のステップS47の処理により、主制御回路60のメインCPU66から副制御回路200のサブCPU206に導出図柄指定コマンドとして供給される。この処理が終了した場合には、ステップS109に処理を移す。
ステップS108においては、はずれ図柄の決定処理を実行する。この処理において、メインCPU66は、はずれ図柄決定用乱数カウンタからはずれ図柄決定用乱数値を抽出し、そのはずれ図柄決定用乱数値に基づいて左列、中列、右列に対応する識別情報を決定し、その識別情報を示すデータをメインRAM70の所定領域に記憶する。このように記憶された左列、中列、右列に対応する識別情報を示すデータは、図12のステップS47の処理により、主制御回路60のメインCPU66から副制御回路200のサブCPU206に導出図柄指定コマンドとして供給される。このような処理が実行されることによって、識別情報の可変表示の結果を決定することとなる。
尚、メインCPU66は、左列と右列とが同じ識別情報となり、更には、左列と中列とが同じ識別情報となる場合には、中列の識別情報を、所定のコマ数(例えば3コマ)だけ補正するように決定し、大当りにならないように制御している。つまり、本ステップにより、識別情報の可変表示の結果が、その識別情報の可変表示の結果が導出表示される以前に決定されるのである。この処理が終了した場合には、ステップS109に処理を移す。
ステップS109においては、変動パターン決定処理を実行する。この処理において、メインCPU66は、演出条件選択用乱数値を抽出する。メインCPU66は、ステップS107及びステップS108により決定された左列、中列、右列の識別情報に基づいて、変動パターンを決定するための変動パターン振分テーブルを選択する。そして、メインCPU66は、演出条件選択用乱数カウンタから抽出した演出条件選択用乱数値と選択した変動パターン振分テーブルとに基づいて、変動パターンを決定し、メインRAM70の所定領域に記憶する。このように記憶された変動パターンを示すデータは、図12のステップS47の処理により、主制御回路60のメインCPU66から副制御回路200のサブCPU206に変動パターン指定コマンドとして供給される。副制御回路200のサブCPU206は、受信した変動パターン指定コマンドに応じた演出表示を実行することとなる。また、変動パターン指定コマンドには、後述するように、識別情報の可変表示を実行させる指令としての可変表示指令情報の他、副制御回路200のサブCPU206によって大当りとするかハズレとするかを判定するための情報(特定遊技状態とする旨の情報)も含まれている。尚、本実施形態においては、可変表示指令情報及び特定遊技状態とする旨の情報を、同じ変動パターン指定コマンドに含ませるように構成したが、これに限らず、別の態様であってもよく、例えば、可変表示指令情報及び特定遊技状態とする旨の情報を、他の異なるコマンドに含ませるように構成してもよい。この処理が終了した場合には、ステップS110に処理を移す。
ステップS110においては、決定した変動パターンに対応する変動時間を待ち時間タイマにセットする処理を実行する。この処理において、メインCPU66は、ステップS109の処理により決定された変動パターンと、その変動パターンの変動演出時間を示す変動演出時間テーブルと、に基づいて、変動演出時間を算出し、その変動演出時間を示す値を待ち時間タイマに記憶する。そして、今回の変動表示に用いられた記憶領域をクリアする処理を実行する(ステップS111)。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
[副制御回路の動作]
一方、副制御回路200では、主制御回路60からの送信される各種のコマンドを受信し、図16に示すようなコマンド受信処理を実行することとなる。
[コマンド受信処理]
最初に、図16に示すように、変動パターン指定コマンドを受信したか否かの判断を行う(ステップS301)。この処理において、サブCPU206は、主制御回路60から変動パターン指定コマンドを受信したと判別した場合には、受信コマンドに基づく変動パターンを決定し、決定された変動パターンを示すデータをワークRAM210の所定領域にセットする(ステップS302)。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。一方、サブCPU206は、変動パターン指定コマンド以外のコマンドを受信したと判別した場合には、ステップS303に処理を移す。
ステップS301の処理により変動パターン指定コマンドを受信したとは判別されなかった場合には、図柄指定コマンドを受信したか否かの判断を行う(ステップS303)。この処理において、サブCPU206は、図柄指定コマンドを受信したと判別した場合には、受信コマンドに基づく停止図柄を決定し、決定された停止図柄を示すデータをワークRAM210の所定領域にセットする(ステップS304)。一方、サブCPU206は、図柄指定コマンドを受信したとは判別しなかった場合には、ステップS305に処理を移す。
ステップS303の処理により導出図柄指定コマンドを受信したとは判別されなかった場合には、図柄確定コマンドを受信したか否かの判断を行う(ステップS305)。この処理において、サブCPU206は、図柄確定コマンドを受信したと判別した場合には、停止図柄の確定処理を実行する(ステップS306)。一方、サブCPU206は、図柄確定コマンドを受信したとは判別しなかった場合には、その他の受信したコマンドに対応する処理を実行する(ステップS307)。このその他の受信したコマンドには、例えば、導出普通図柄指定コマンド、普通図柄変動パターン指定コマンド等、各種のコマンドが相当する。その他の受信したコマンドに対応する処理には、例えば、導出普通図柄指定コマンドを受信した場合には、サブCPU206が導出普通図柄指定コマンドに基づいて導出表示させる図柄を示すデータをワークRAM210にセットする処理、普通図柄変動パターン指定コマンドを受信した場合には、その普通図柄変動パターン指定コマンドに基づいて、変動表示させる普通図柄の変動パターンを示すデータをワークRAM210にセットする処理等、各種の処理が含まれる。
[遊技球衝突演出設定処理]
また、副制御回路200では、所定のタイミングで図17に示すような遊技球衝突演出設定処理を実行することとなる。
最初に、図17に示すように、障害釘に遊技球が衝突したか否かを判断する(ステップS401)。この処理においては、サブCPU206は、複数のショックセンサ280のいずれか(複数のショックセンサ280のうち一つ又は複数のショックセンサ)から所定の信号を受信したか否かを判断する。これら複数のショックセンサ280は、上述したように、複数の障害釘のいずれかと対応したものである。サブCPU206は、複数のショックセンサ280のいずれかから所定の信号を受信したと判別した場合には、その複数のショックセンサ280のいずれかに対応する複数の障害釘のいずれかに遊技球が衝突したと判別し、ステップS402に処理を移す。一方、サブCPU206は、複数のショックセンサ280のいずれかから所定の信号を受信したとは判別しなかった、つまり、複数のショックセンサ280のいずれからも所定の信号を受信しなかった場合には、その複数のショックセンサ280のいずれかに対応する複数の障害釘の全てに遊技球が衝突しなかったと判別し、本サブルーチンを終了する。
ステップS402においては、演出基準位置情報と表示する衝突画像を指定するデータ(以降、衝突画像指定データと称する。)とをセットする処理を実行する。この処理において、サブCPU206は、所定の信号を供給した複数のショックセンサ280のいずれかに対応する演出基準位置情報を、釘演出基準位置テーブル(図6)から読み出す。そして、サブCPU206は、釘演出基準位置情報テーブルから読み出した演出基準位置情報と、予め設定されていた衝突画像指定データとを、液晶表示装置32における表示領域32の所定の領域に衝突画像を表示させるために、ワークRAM210にセットする。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
[画像表示指令処理]
更には、副制御回路200では、所定のタイミングで、ワークRAM210にセットされたデータをVDP212に供給する。例えば、サブCPU206は、導出図柄指定コマンド、変動パターン指定コマンド等に基づいて、液晶表示装置32の表示領域32aにおける左列、中列、右列のそれぞれに対応する識別情報画像(特別図柄ゲームに用いる識別情報画像)を導出表示するためのデータ、演出パターンを表示するためのデータをVDP212に供給する。また、導出普通図柄指定コマンド、普通図柄変動パターン指定コマンド等に基づいて、液晶表示装置32の表示領域32aにおける普通図柄画像を導出表示するためのデータ、普通図柄における演出パターンを表示するためのデータをVDP212に供給する。更には、サブCPU206は、演出基準位置情報と衝突画像指定データとに基づいて、表示領域32aの所定の領域に衝突画像を表示するためのデータをVDP212に供給する。
このように、サブCPU206は、VDP212に対して、各種のデータを供給することにより、特別図柄ゲームにおける識別情報の可変表示を行わせるとともに、その識別情報の可変表示に伴って選択された演出パターンに対応する演出表示を実行させることとなる。また、遊技球の衝突が検出された場合に、当該衝突が検出された障害釘の後方に位置する所定の表示領域に、当該障害釘に遊技球が衝突したことを示す衝突画像を表示させる制御を液晶表示装置32に対して行う。
[表示制御処理]
VDP212は、サブCPU206からのデータに基づいて、識別情報を示す特別図柄画像データ、背景画像データ、演出用画像データ、普通図柄画像データ等、各種の画像データを画像データROM216から読み出し、重ね合わせて、液晶表示装置32の表示領域32a上に表示を行う。つまり、主制御回路60によって決定され、コマンドとして送信された識別情報の可変表示の結果に基づいて液晶表示装置32に対する表示制御を行うこととなるのである。
特に、VDP212は、サブCPU206から供給された演出基準位置情報と衝突画像指定データとを受け取った場合には、衝突画像指定データに基づいて、画像データROM216から衝突画像データ(例えば、図7に示す衝突画像データ)を読み出す。VDP212は、演出基準位置情報に対応したビデオRAMのアドレス(例えば、図8の座標X1、Y1が示すアドレス)に、読み出した画像データをセットする。VDP212は、ビデオRAM等の表示領域に相当する表示可能記憶領域100に記憶された画像データを読み出し、D/Aコンバータ218に供給し、液晶表示装置32の表示領域32aに画像を表示させることとなる。
このように、遊技球が障害釘に衝突したことによって、その障害釘に応じた位置に衝突画像が表示されるので、障害釘に関する衝突画像を遊技者に対して視認させる演出を行うことができ、演出効果の向上による興趣の向上を図ることができる。また、遊技球が衝突した障害釘を遊技者に対して認識させるための演出を行うことができ、興趣の向上を図ることができる。
[第2の実施形態]
尚、本実施形態においては、液晶表示装置32aに一種類の衝突画像を表示するように構成したが、これに限らず、別の態様であってもよく、例えば、液晶表示装置32aに複数種類の衝突画像を表示するように構成してもよい。
液晶表示装置32aに複数種類の衝突画像を表示するように構成した好適な一実施形態を図18から図21を用いて説明する。尚、上述した実施形態と同じような構成の場合には、同じ図面、同じ符号を用いる。また、上述した実施形態と同じような構成の場合にはその説明を省略する。
[衝突演出選択テーブル]
本実施形態においては、副制御回路200におけるプログラムROM208に衝突演出選択テーブルが記憶されている。この衝突演出選択テーブルについて図18を用いて説明する。尚、以下説明するテーブルがプログラムROM208に記憶されていない場合であっても、このような機能を有するデータ、プログラムがプログラムROM208に記憶されていればよい。また、本実施形態においてはプログラムROM208にこのテーブルを記憶するように構成するが、これに限らず、別の態様であってもよく、例えば、別の記憶媒体(図示せず)に記憶されていてもよい。
衝突演出選択テーブルには、図18に示すように、複数種類の衝突画像と乱数範囲とが対応付けられている。複数種類の衝突画像は、それぞれパターン番号と衝突画像名称と表示内容とが付されている。本実施形態においては、例えば、パターン番号“1”に、画像名称として衝突画像Aが、表示内容に衝撃マーク表示が付されている。また、パターン番号“2”に、画像名称として衝突画像Bが、表示内容にハッチングマーク表示が付されている。この衝突画像Aは、図7に示す画像であり、衝突画像Bは、図19に示す画像である。
また、図18に示すように、複数種類の衝突画像(例えば本実施形態においては2種類)には乱数範囲が対応付けられている。本実施形態においては、例えば、衝突画像Aに対して“0”〜“4”という乱数範囲が対応付けられており、衝突画像Bに対して“5”〜“9”という乱数範囲が対応付けられている。詳しくは後述するが、ワークRAM210の所定領域に位置付けられた衝突演出選択用乱数カウンタから読み出される(抽出される)衝突演出選択乱数値に基づいて、複数種類の衝突画像から一の衝突画像が選択される。この衝突演出選択用乱数カウンタは、逐次更新されるものである。尚、この衝突演出選択テーブルは、衝突画像のみを選択するものではないが、音声等、他の演出に関しては説明を省略する。
このような衝突演出選択テーブルを用いることによって、上述した実施形態と同じように、VDP212に備えられたビデオRAMに、選択された衝突画像データがセットされ、図20に示すように、遊技球が衝突した障害釘の後方に衝突画像が表示されることとなる。
[遊技球衝突演出設定処理]
このような衝突演出選択テーブルを用いて実行される遊技球衝突演出設定処理について図21を用いて説明する。
最初に、図21に示すように、サブCPU206は、上述した実施形態と同じように、障害釘に遊技球が衝突したか否かを判断し(ステップS401)、障害釘に遊技球が衝突したと判別した場合には、ステップS412に処理を移し、障害釘に遊技球が衝突したとは判別しなかった場合には、本サブルーチンを終了する。
ステップS412においては、乱数値に基づいて衝突画像を選択する処理を実行する。この処理においては、サブCPU206は、ワークRAM210の所定領域に位置付けられている衝突演出選択用乱数カウンタから衝突演出選択乱数値を読み出す。そして、サブCPU206は、衝突演出選択テーブルを参照し、読み出された衝突演出選択乱数値に対応する衝突演出パターンを選択する。例えば、サブCPU206は、衝突演出選択乱数値が“0”から“6”である場合には、図7に示すような衝突画像Aを選択し、衝突演出選択乱数値が“7”から“9”である場合には、図18に示すような衝突画像Bを選択する。つまり、演出を決定するための抽選を行った結果が所定の結果であることを所定の条件として衝突画像を変更するようにパチンコ遊技機10を構成する。尚、画像データROM216等の画像記憶手段に記憶された複数種類の衝突画像データから一の衝突画像データを選択する選択手段の一例としては、このような処理を実行するサブCPU206が相当する。また、遊技球の衝突が検出された場合において、所定の条件が成立したときには、前記表示手段に表示させる衝突画像を変更する画像変更手段の一例としては、このような処理を実行するサブCPU206が相当する。尚、所定の条件とは、演出を決定するための抽選を行った結果が所定の結果であることとしたが、これに限らず、別の態様であってもよい。この処理が終了した場合には、ステップS413に処理を移す。
ステップS413においては、演出基準位置情報と衝突画像指定データとをセットする処理を実行する。この処理において、サブCPU206は、所定の信号を供給した複数のショックセンサ280のいずれかに対応する演出基準位置情報を、釘演出基準位置テーブル(図6)から読み出す。そして、サブCPU206は、釘演出基準位置情報テーブルから読み出した演出基準位置情報と、ステップS412の処理によって選択された衝突画像指定データとを、液晶表示装置32における表示領域32の所定の領域に衝突画像を表示させるために、ワークRAM210にセットする。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
このように、遊技球の衝突が検出された場合に、複数種類の衝突画像データから一の衝突画像データを選択することによって、液晶表示装置32に表示させる衝突画像を変更することができる。これによって、遊技球が障害釘に衝突した場合において、所定の条件が成立したときに、表示する衝突画像を変更することができるので、障害釘に関する多彩な衝突画像を遊技者に対して視認させる演出を行うことができ、より一層、興趣の向上を図ることができる。
[第3の実施形態]
また、本実施形態においては、読み出された乱数値に基づいて、衝突画像を変更するように構成したが、これに限らず、別の態様であってもよく、例えば、抽出された乱数値の他に、導出表示される識別情報が特定の表示態様となる可能性が高い場合に、衝突画像を変更するように構成してもよい。
液晶表示装置32aに複数種類の衝突画像を表示するように構成した好適な一実施形態を図22及び図23を用いて説明する。尚、上述した実施形態と同じような構成の場合には、同じ図面、同じ符号を用いる。また、上述した実施形態と同じような構成の場合にはその説明を省略する。
[衝突演出選択テーブル]
本実施形態においては、副制御回路200におけるプログラムROM208に衝突演出選択テーブルが記憶されている。この衝突演出選択テーブルについて図22を用いて説明する。尚、以下説明するテーブルがプログラムROM208に記憶されていない場合であっても、このような機能を有するデータ、プログラムがプログラムROM208に記憶されていればよい。また、本実施形態においてはプログラムROM208にこのテーブルを記憶するように構成するが、これに限らず、別の態様であってもよく、例えば、別の記憶媒体(図示せず)に記憶されていてもよい。
衝突演出選択テーブルには、図22に示すように、複数種類の衝突画像と乱数範囲とが対応付けられている。複数種類の衝突画像は、それぞれパターン番号と衝突画像名称と表示内容とが付されている。本実施形態においては、例えば、パターン番号“1”に、画像名称として衝突画像Aが、表示内容に衝撃マーク表示が付されている。また、パターン番号“2”に、画像名称として衝突画像Bが、表示内容にハッチングマーク表示が付されている。この衝突画像Aは、図7に示す画像であり、衝突画像Bは、図19に示す画像である。
衝突演出選択テーブルには、図22に示すように、複数種類の衝突画像と乱数範囲とが対応付けられている。乱数範囲には、ハズレ時乱数範囲と大当たり時乱数範囲とが対応付けられている。ハズレ時乱数範囲は、主制御回路60によって決定された特定遊技状態への制御を行われない場合に用いられる。大当り時乱数範囲は、主制御回路60によって決定された特定遊技状態への制御を行われる場合に用いられる。また、遊技球が複数の障害釘13のいずれかに衝突し、ショックセンサ280から供給される所定の信号を受信した際に、その時点で行われている識別情報の可変表示に基づいて、ハズレ時乱数範囲と大当たり時乱数範囲とのいずれかを用いるかが選択され、選択されたハズレ時乱数範囲と大当たり時乱数範囲とのいずれかと、抽出された乱数値とを用いて、複数種類の衝突画像のうちの一の衝突画像が選択される。
尚、本実施形態においては、ショックセンサ280から供給される所定の信号を受信した際に行われている識別情報の可変表示に対応する抽選の結果に基づいて、ハズレ時乱数範囲と大当たり時乱数範囲とのいずれかを用いるかを選択し、複数の衝突画像から一の衝突画像を選択するように構成するが、これに限らず、別の態様であってもよく、例えば、ショックセンサ280から供給される所定の信号を受信した場合に、次回の識別情報の可変表示に対応する抽選の結果に基づいて、ハズレ時乱数範囲と大当たり時乱数範囲とのいずれかを選択し、複数の衝突画像から一の衝突画像を選択するように構成してもよく、更には、次回以降の複数回の識別情報の可変表示に対応する抽選の結果に基づいて、ハズレ時乱数範囲と大当たり時乱数範囲とのいずれかを選択し、複数の衝突画像から一の衝突画像を選択するように構成してもよい。この場合においては、主制御回路60(メインCPU66等)によって決定された識別情報の可変表示の結果を示すコマンドを随時副制御回路206に供給することによって、サブCPU206が、次回以降の識別情報の可変表示の結果を認識することができ、その次回以降の識別情報の可変表示の結果に基づいて、衝突画像を選択することとなる。
本実施形態においては、例えば、ハズレ時においては、衝突画像Aに対して“0”〜“6”という乱数範囲が対応付けられており、衝突画像Bに対して“7”〜“9”という乱数範囲が対応付けられている。一方、大当り時においては、衝突画像Aに対して“0”〜“4”という乱数範囲が対応付けられており、衝突画像Bに対して“5”〜“9”という乱数範囲が対応付けられている。このように、特定の衝突画像としての衝突画像Bは、ハズレ時よりも大当り時の方が選択される可能性は高く設定されている。詳しくは後述するが、ワークRAM210の所定領域に位置付けられた衝突演出選択用乱数カウンタから読み出される(抽出される)衝突演出選択乱数値と、この衝突演出選択テーブルとに基づいて、複数種類の衝突画像から一の衝突画像が選択される。
[遊技球衝突演出設定処理]
このような衝突演出選択テーブルを用いて実行される遊技球衝突演出設定処理について図23を用いて説明する。
最初に、図23に示すように、サブCPU206は、上述した実施形態と同じように、障害釘に遊技球が衝突したか否かを判断し(ステップS401)、障害釘に遊技球が衝突したと判別した場合には、ステップS422に処理を移し、障害釘に遊技球が衝突したとは判別しなかった場合には、本サブルーチンを終了する。
ステップS422においては、停止図柄を示すデータを読み出す。この処理において、サブCPU206は、上述したコマンド受信処理において、受信された導出図柄指定コマンドに基づいてワークRAM210にセットされた停止図柄を示すデータ、変動パターンを示すデータを読み出す。この処理が終了した場合には、ステップS423に処理を移す。
ステップS423においては、停止図柄を示すデータに基づいて衝突画像を選択する処理を実行する。この処理においては、サブCPU206は、ワークRAM210の所定領域に位置付けられている衝突演出選択用乱数カウンタから衝突演出選択乱数値を読み出す。そして、サブCPU206は、衝突演出選択テーブルを参照し、読み出された衝突演出選択乱数値と停止図柄を示すデータとに対応する衝突演出パターンを選択する。例えば、サブCPU206は、停止図柄がハズレを示すものである場合において、衝突演出選択乱数値が“0”から“6”であるときには、図7に示すような衝突画像Aを選択し、衝突演出選択乱数値が“7”から“9”であるときには、図18に示すような衝突画像Bを選択する。一方、サブCPU206は、停止図柄が大当りを示すものである場合において、衝突演出選択乱数値が“0”から“4”であるときには、図7に示すような衝突画像Aを選択し、衝突演出選択乱数値が“5”から“9”であるときには、図18に示すような衝突画像Bを選択する。つまり、特定遊技状態に移行するか否かの抽選の結果が所定の結果であることを所定の条件としてパチンコ遊技機10を構成する。尚、抽選の結果が特定遊技状態に移行する結果である場合には、当該抽選の結果が特定遊技状態に移行しない結果である場合よりも、高い確率で特定の衝突画像データを選択する選択手段の一例としては、このような処理を実行するサブCPU206が相当する。この処理が終了した場合には、サブCPU206は、上述した実施形態と同じように、演出基準位置情報と衝突画像指定データとをセットする処理を実行し(ステップS413)、本サブルーチンを終了する。
このように制御することによって、停止図柄を示すデータが大当りを示すものである場合には、停止図柄を示すデータがハズレを示すものである場合よりも、高い確率で衝突画像B(特定の衝突画像、特定の衝突画像データ)を選択することとなる。つまり、特定遊技状態に移行する(識別情報が導出表示される態様が特定の表示態様である)か否かの抽選の結果に基づいて、衝突画像データを変更する(特定の衝突画像を選択する)こととなる。言い換えると、抽選の結果が特定遊技状態に移行する(識別情報が導出表示される態様が特定の表示態様である)結果である場合には、当該抽選の結果が特定遊技状態に移行しない結果である場合よりも高い確率で特定の衝突画像データを選択することとなる。
これによって、遊技球が障害釘に衝突した場合において、特定遊技状態に移行するか否かの抽選の結果に基づいて、表示させる衝突画像を変更させるので、表示する衝突画像を変更することができるとともに、特定遊技状態に移行するか否かの報知を行うこととなるため、障害釘に関する多彩な衝突画像を遊技者に対して視認させる演出を行うことができ、更には、遊技者に対して、期待感を提供することができる演出を行うことができ、より一層、興趣の向上を図ることができる。
また、例えば、サブCPU206は、上述したステップS422において、停止図柄を示すデータを読み出し、その停止図柄を示すデータに基づいて衝突演出パターンを選択するように構成したが、これに限らず、別の態様であってもよく、例えば、変動パターンを示すデータを読み出すように構成してもよい。
[遊技盤の構成]
上述した実施形態においては、遊技盤14の全部を、透過性を有する部材によって構成したが、これに限らず、別の態様であってもよい。遊技盤の具体的な構成の例について図24を用いて説明する。尚、図24は、理解を容易とするために、複数の障害釘13等を省略したものである。
例えば、遊技盤の一部を、透過性を有さない部材で構成してもよい。具体的には、図24(a)に示すように、遊技盤314を、透過性を有する部材314aと平板状の透過性を有さない部材314b(例えば、木材)とを結合させて構成してもよい。もちろん、図24(a)に示すように、透過性を有する部材314aと、透過性を有さない部材314bとを単に結合させて構成するだけでなく、図24(b)に示すように、透過性を有する部材315aを、透過性を有さない部材315bで囲むように結合させる構成としてもよい。
また、例えば、透過性を有する遊技盤の一部を遮蔽させる加工を施すように構成してもよい。例えば、図24(c)に示すように、透過性を有する遊技盤316の一部316bを、遮光性を有する色で塗装してもよい。これによって、符号316aに示すように、一部に透過性を有する遊技盤316を構成することができる。もちろん、塗装するかわりに、ブラスト加工、サンドペーパによる微細粗面を形成する光散乱加工を施し、可視光線が散乱してあたかも発光するかのように形成してもよい。
つまり、本発明においては、遊技盤は、障害釘が配設された配設箇所の近傍が少なくとも透過性を有するものであればよい。言い換えると、遊技盤の後方に配設された液晶表示装置に表示された衝突画像が、配設箇所の近傍を介して前方から視認可能に表示されるように構成すればよい。
更には、上述した実施形態においては、一部又は全部に透過性を有する遊技盤14を用いたが、これに限らず、別の態様であってもよく、例えば、透過性を有さない遊技盤を用いてもよい。
[表示装置の構成]
透過性を有さない遊技盤を用いた構成について図25及び図26を用いて説明する。
図25に示すように、扉311には、表示装置332備えられており、各種の演出画像が表示される。この表示装置332は、遊技者により触接された座標位置を検出するタッチパネル351と、保護カバーである透明アクリル板353、355と、それら透明アクリル板353、355の間にITO(Indium Tin Oxide、インジウムスズ酸化物)などの透明液晶表示装置から構成される液晶表示装置354と、が積層されている。この表示装置332(液晶表示装置354)は、表示領域に透過性の高い画像を表示可能となる。尚、液晶表示装置354は、表示領域に透過性の高い画像を表示するだけでなく、識別情報の可変表示、普通図柄の可変表示、演出用の演出画像の表示、衝突画像の表示等を行う。
また、この液晶表示装置354の上方及び下方には、液晶表示装置354のバックライトとしての照明装置の役割を果たす液晶バックライト352が設けられている。また、この液晶バックライト352は、電源供給時においては、点灯するように制御されている。このため、液晶バックライト392を常時電源供給時において常時駆動させることにより、液晶表示装置354に表示される画像を遊技者に対して明瞭に視認可能とさせる。この液晶バックライト352は、主として冷陰極管が採用されているが、本発明はこれに限らない。
遊技盤314には障害釘313が打ちこまれている。この遊技盤314と扉311との間に遊技領域315が設けられ、その遊技領域315に発射された遊技球316が転動可能となる。
このように、表示装置332を扉311に配設することによって、透過性のない遊技盤314を用いた場合であっても、遊技球が衝突した障害釘の前方に位置する所定の表示領域に、その障害釘に遊技球が衝突したことを示す衝突画像を表示させる制御を表示装置332に対して行うこととなる。尚、本実施形態においては、上述した実施形態における保護板19の代わりに、透明アクリル板355を備えるように構成したが、これに限らず、別の態様であってもよく、例えば、保護板19を備えるように構成してもよく、この場合には、透明アクリル板355を備えなくてもよい。
尚、この表示装置332は、タッチパネル351、透明アクリル板353、355、液晶表示装置354、液晶バックライト352等を備えているが、これに限らず、他の態様であってもよく、例えば、タッチパネル351、透明アクリル板353、355、液晶バックライト352等を備えることなく、液晶表示装置354のみを備えるように構成しても問題ない。
また、このような表示装置332、液晶表示装置354を制御するために、図25に示すように、VDP212とD/Aコンバータ218との間にスケール変換回路222を備えるように構成する。このスケール変換回路222は、表示可能記憶領域100に記憶され、VDP212から供給された画像データを、受け取り、所定の倍率の画像データとして変換し、D/Aコンバータ218に供給するものである。
このような構成とすることによって、遊技球の衝突が検出された場合に、当該衝突が検出された障害釘の前方に位置する所定の表示領域に、当該障害釘に遊技球が衝突したことを示す衝突画像を表示させる制御を表示装置332(液晶表示装置354)に対して行うのである。もちろん、上述した実施形態における処理(ステップ)と同じように、遊技球の衝突が検出された場合において、所定の条件が成立したときには、液晶表示装置32に表示させる衝突画像を選択し、変更することとなる。
また、上述した本実施形態においては、液晶表示装置32、表示装置332等の表示装置を、識別情報の可変表示を行う可変表示手段として備えたが、これに限らず、円筒状のドラムを可変表示手段として構成してもよい。また、衝撃画像を表示する表示手段、識別情報の可変表示を行う可変表示手段として、液晶表示装置32、表示装置332等の表示装置を一体に構成したが、これに限らず、別の態様であってもよく、例えば、衝撃画像を表示する表示手段、識別情報の可変表示を行う可変表示手段とを別体に構成してもよい。
尚、本実施形態においては、遊技制御手段としての主制御回路60と演出制御手段としての副制御回路200との複数の制御回路を備えるように構成したが、これに限らず、別の構成としてもよく、例えば、図27に示すように、副制御回路200と主制御回路60とをワンボードに構成してもよい。つまり、遊技制御手段と演出制御手段とを一体に構成してもよい。
尚、上述した実施形態においては、デジタルパチンコ遊技機(第1種パチンコ遊技機)を例に挙げたが、これに限らず、羽根もの、飛行機ものと称される第2種パチンコ遊技機、権利ものと称される第3種パチンコ遊技機、その他別の態様であってもよい。
更にまた、本明細書に記載された効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、本発明による効果は、本明細書に記載されたものに限定されるものではない。以上、本発明の実施形態を説明したが、具体例を例示したに過ぎず、特に本発明を限定するものではない。すなわち、本発明は、主に、発射された遊技球が転動可能な遊技領域を有する遊技盤と、前記遊技盤の前記遊技領域における盤面に配設された障害釘と、前記遊技盤の後方に配設され、遊技に関する画像を表示する表示領域を有する表示手段と、前記表示手段に対する制御を行う表示制御手段と、を備えた遊技機であって、前記障害釘に対する遊技球の衝突を検出する検出手段を備え、前記遊技盤は、その一部又は全部が透過性を有する部材から構成されたものであり、前記表示制御手段は、前記検出手段によって遊技球の衝突が検出された場合に、当該衝突が検出された障害釘の後方に位置する所定の表示領域に、当該障害釘に遊技球が衝突したことを示す衝突画像を表示させる制御を前記表示手段に対して行う機能を有することを特徴としているが、遊技盤、障害釘、表示手段、表示制御手段、検出手段、画像変更手段等の各手段など具体的構成などは、適宜設計変更可能である。