JP2008154738A - 遊技機 - Google Patents

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Abstract

【課題】透明な遊技盤に植設された障害釘の調整の際に不具合が発生するのを防止することができる遊技機を提供する。
【解決手段】パチンコ機に、遊技者の操作によって遊技球が打ち込まれ、少なくとも所定配列で複数の障害釘201が前面側から植設される遊技領域37を有した透明樹脂からなる遊技パネル200を備えた遊技盤5と、遊技パネル200の後面側に配置され、障害釘201における植設側先端が遊技パネル200の後面から突出するのを規制する透明樹脂からなる保護部材209と、保護部材209の後側に配置され、所定の演出画像を表示可能な演出表示装置212とを具備させる。保護部材209には、所定の装飾画が描かれている。
【選択図】図11

Description

本発明は、ぱちんこ遊技機(一般的に「パチンコ機」とも称する)等の遊技機に関するものである。
従来より、パチンコ機等の遊技機において、遊技球等の遊技媒体が打ち込まれる遊技領域の略中央に所定の演出画像を表示する演出表示装置を配置したものが知られている。この種の遊技機では、近年、演出表示装置が大型化する傾向があり、演出表示装置の大型化に伴って遊技媒体が流下する遊技領域が狭くなり、遊技媒体による面白味が低下する問題があった。そこで、遊技盤の一部又は全部を透明樹脂によって形成し、その透明樹脂に障害釘や入賞口等を設けて遊技領域とすると共に、遊技盤の後側に配置された演出表示装置の演出画像が透明樹脂を介して遊技者から見えるようにしたものが提案されている(例えば、特許文献1乃至特許文献3)。
特開平7−250954号公報 特開2005−28119号公報 特開2006−230643号公報
しかしながら、このような透明樹脂からなる遊技盤では、該遊技盤に障害釘を直接打設すると、透明樹脂にヒビ割れが生じかねない。すなわちこの場合、正常な遊技を行うことが困難となることはもとより、上記遊技盤に例えばセル画などの装飾画が描かれていた場合には、このセル画も傷つけられることとなり、遊技の興趣が低下する懸念がある。
この発明は、こうした実情に鑑みてなされたものであり、遊技の興趣の低下を抑制することのできる遊技機を提供することを目的とする。
手段1:遊技機において、
「透明樹脂からなる平板部材に所定配列をもって複数の貫通孔が形成される遊技パネル、及び前記遊技パネルの前記複数の貫通孔の別に各々植設される障害釘、を有し、前記遊技パネルの前面のうちの前記障害釘が植設される遊技領域に向けて遊技球が打ち込まれる遊技盤と、
前記透明樹脂からなる平板部材としての前記遊技パネルの後面側から発光演出を行う演出装置と、
前記遊技領域に設けられ、遊技球を受け入れ困難な閉状態と当該閉状態よりも遊技球を受け入れ容易な開状態との間で開閉動作可能な開閉装置と、
前記遊技領域に向けて打ち込まれた遊技球を受け入れ可能な始動口と、
前記始動口への遊技球の入球を検出する始動検出手段と、
前記始動検出手段により前記始動口への遊技球の入球が検出されることに基づき、前記開閉装置が開閉動作される特別遊技の実行契機となる大当たりについての抽選処理を行う抽選手段と、
前記抽選手段により前記大当たりが当選されることに基づいて前記特別遊技を行う特別遊技実行手段と、を備え、
前記透明樹脂からなる平板部材としての前記遊技パネルと、前記遊技パネルの後面側から発光演出を行う前記演出装置との間には、前記複数の貫通孔に植設される前記障害釘の先端部による機械的な干渉から前記演出装置を保護する透明樹脂板が前記遊技パネルよりも硬質な樹脂材を採用して介在されてなり、
前記透明樹脂板には、所定の装飾画が描かれてなる
ことを特徴とする遊技機。
ところで前述の通り、透明樹脂からなる遊技盤では、該遊技盤に障害釘を直接打設すると、透明樹脂にヒビ割れが生じかねない。そこで、障害釘を配置する位置に予め穴を設けておき、その穴に障害釘を植設するようにすることも考えられるが、これでは障害釘が遊技盤を貫通しやすくなり、これによってその背後に設けられる部材(演出表示装置など)に障害釘の先端部が当接してしまいかねない。すなわちこの場合、演出表示装置等に傷が付いたり破損したりすることはもとより、障害釘が遊技盤側へ陥没することによって、当該障害釘としての機能を果さなくなる等の不具合が発生する問題がある。そしてこの場合、適正な遊技を行うことが困難となり、遊技の興趣が低下する懸念がある。
こうした問題に対し、障害釘を植設するために、後面側に貫通しない止り孔を採用することで、調整するために障害釘を叩いても、障害釘の植設側先端が遊技盤の後面側から突出するのを阻止するようにすることが考えられる。しかしながら、この場合、止り孔となっている分だけ相対的に、障害釘の埋込み量が少なくなり、遊技盤による障害釘の保持強度が低下してしまい、遊技盤の耐久性が低下する問題がある。そこで、止り孔の分だけ遊技盤を厚くすることで、遊技盤による障害釘の保持強度を維持させて耐久性が低下するのを防止することも考えられるが、遊技盤が厚くなることで、比較的高価な透明樹脂の使用量が増加したり、遊技盤の重量の増加によって遊技機における遊技盤を支持する部分(例えば、本体枠、ヒンジ機構、など)の強度を強く(補強)したり、或いは、組立の際等に遊技盤の取り回しがし辛くなったりして、遊技機に係るコストが増加するといった新たな問題が生じてしまう。またさらに、止り孔内に障害釘を挿入(植設)する際に、障害釘によって止り孔の開口部分が塞がれることで、止り孔内の空気が抜け難くなるので、挿入時の抵抗が大きくなって障害釘の植設に係る労力が大きくなり、障害釘の植設装置等にかかる負荷が増加する問題すらある。
この点、手段1の構成によると、
透明樹脂からなる平板部材に所定配列をもって複数の貫通孔が形成される遊技パネル、及び前記遊技パネルの前記複数の貫通孔の別に各々植設される障害釘、を有し、前記遊技パネルの前面のうちの前記障害釘が植設される遊技領域に向けて遊技球が打ち込まれる遊技盤と、前記透明樹脂からなる平板部材としての前記遊技パネルの後面側から発光演出を行う演出装置と、前記遊技領域に設けられ、遊技球を受け入れ困難な閉状態と当該閉状態よりも遊技球を受け入れ容易な開状態との間で開閉動作可能な開閉装置と、前記遊技領域に向けて打ち込まれた遊技球を受け入れ可能な始動口と、前記始動口への遊技球の入球を検出する始動検出手段と、前記始動検出手段により前記始動口への遊技球の入球が検出されることに基づき、前記開閉装置が開閉動作される特別遊技の実行契機となる大当たりについての抽選処理を行う抽選手段と、前記抽選手段により前記大当たりが当選されることに基づいて前記特別遊技を行う特別遊技実行手段と、を備え、前記透明樹脂からなる平板部材としての前記遊技パネルと、前記遊技パネルの後面側から発光演出を行う前記演出装置との間には、前記複数の貫通孔に植設される前記障害釘の先端部による機械的な干渉から前記演出装置を保護する透明樹脂板が前記遊技パネルよりも硬質な樹脂材を採用して介在されてなり、前記透明樹脂板には、所定の装飾画が描かれてなるものである。
このような構成によれば、透明樹脂からなる平板部材としての遊技パネルと、遊技パネルの後面側から発光演出を行う演出装置(発光演出装置や演出表示装置など)との間に、複数の貫通孔に植設される障害釘の先端部による機械的な干渉から演出装置を保護する透明樹脂板が前記遊技パネルよりも硬質な樹脂材を採用して介在されるため、調整の際に障害釘を叩いても、障害釘の植設側となる先端部が、透明樹脂板によって演出装置に当接するのを阻止することができ、障害釘の調整によって演出表示手段等の演出装置が傷ついたり破損したりするのを防止することができるようになる。また併せて、障害釘が必要以上に遊技パネル側へ陥没することも回避されるようになり、障害釘の調整の際に不具合が発生するのを防止することができるようになる。これによって、適正な遊技を行うことができるようになり、遊技の興趣の低下が抑制されるようになる。
また、上述の通り、後側に配置された演出表示手段等の演出装置を透明樹脂板によって障害釘の植設側となる先端部から保護することができるので、演出装置として、例えば遊技盤の大きさと略同じ大きさの演出表示手段を備えることも可能となり、遊技者に対して演出画像を大画面で見せることができ、迫力のある演出画像によって遊技者を楽しませて、より興趣の高められる遊技機とすることができる。
更に、障害釘の植設側となる先端部から演出表示手段等の演出装置を保護する透明樹脂板を備えているので、障害釘が植設される貫通孔としても何ら問題となることは無く、これにより、遊技パネルの厚さ全体を使って障害釘を保持することができ、障害釘の保持強度が低下するのを抑制して、遊技盤の耐久性が低下するのを防止することができる。
また、上記透明樹脂板として上記遊技パネルよりも硬質な樹脂材を採用するようにしたため、透明樹脂板の厚さを薄くしても、障害釘から演出表示手段等の演出装置を適切に保護することができるようになり、これによって透明樹脂板の重さを可及的に軽くすることができるようになる。
また、上述したように、遊技パネルの厚さが増加するのを防止することが可能となり、遊技パネルに係るコストが増加するのを抑制することができると共に、遊技パネルを有した遊技盤の重量が増加するのを抑制することができるので、遊技盤を支持する部分を補強したり遊技盤の取り回しがし辛くなったりするのを防止することができ、遊技機に係るコストが増加するのを抑制することができる。
なお、透明樹脂板を遊技パネルの後面側に密着するように配置しても良く、これにより、透明樹脂板の前面側で光が反射して後側に配置された演出表示手段等の演出装置による演出が見辛くなるのを防止することができる。また、遊技パネルつまり透明樹脂板の後面側も遊技媒体が移動可能な遊技領域或いは遊技媒体排出経路等とした場合、調整のために障害釘を叩いても、障害釘の植設側となる先端部が突出することが無く、遊技媒体を問題なく移動させることができ、遊技パネルの後面側でも遊技媒体の動きによって遊技者を楽しませたり、遊技媒体が滞るのを防止したりすることができ、遊技者の興趣が低下するのを防止することができる。
ところで、従来は、上記障害釘が植設される部材に装飾画が直接描かれるようなことが多く、障害釘によって上記装飾画が傷つけられてしまうことがあった。例えば、装飾画として描かれたキャラクタ体に障害釘が直接打ち込まれることすらあり、遊技の興趣に悪影響を及ぼしかねない。この点、上記構成では、上記障害釘が植設される遊技パネルとは別に設けられる、上記透明樹脂板に例えばセル画などの装飾画を描くようにしたため、障害釘によって上記装飾画が傷つけられてしまうようなことが回避されるようになり、遊技の興趣の低下が抑制されるようになる。
ただし、上記構成では、上記遊技パネルの後面側から発光演出を行うことによって透光性のある遊技盤としての優位性を生かすようにしている。すなわち、このような構成にあって、上記透明樹脂板に例えばセル画などの装飾画を単に描くようにした場合には、該装飾画によって上記遊技パネルの後面側からの発光演出が見難くなり、上記透光性のある遊技盤としての優位性が著しく低下してしまいかねない。したがって、このような透光性のある遊技盤としての優位性を好適に維持する上では、上記透明樹脂板として、
・その前面に、所定の装飾画が印刷によって画像形成されてなる。
・その後面に、遊技者側から当該透明樹脂板を介して見たときの上記演出装置による発光演出の明瞭度合いに強弱が付けられるかたちで、複数色の着色材によって裏打ちが施されてなる。
といった、透明樹脂版を採用するようにすることがより望ましい。すなわち、このような構成では、上記透明樹脂板の後面には、上記複数色の着色材によって裏面層が形成されるようになる。例えば、上記遊技パネルの後面側からの発光演出を強調したい部分には、該当する部分に白系の着色材(白い着色材)による裏打ちを行うとともにその周辺の領域には黒系の着色材(黒い着色材)による裏打ちを行うようにすれば、遊技者側から当該透明樹脂板を介して見たときの上記演出装置による発光演出の明瞭度合いに強弱が付けられるようになり、透光性のある遊技盤としての優位性をより好適に生かすことができるようになる。
要は、上記手段1の構成にあって、上記透明樹脂版としては、その前面及び後面の少なくともいずれか一方に、
・所定の装飾画が印刷された装飾画層。
・遊技者側から当該透明樹脂板を介して見たときの前記演出装置による発光演出の明瞭度合いに強弱が付けられるかたちで複数色の着色材によって形成された裏面層。
が、上記裏面層が上記装飾画層の裏側となるように形成(印刷)されてなるものを採用するようにすれば、遊技者側から当該透明樹脂板を介して見たときの上記演出装置による発光演出の明瞭度合いに強弱が付けられるようになり、透光性のある遊技盤としての優位性をより好適に生かすことができるようになる。なお、上記着色材としては、例えば、インクやフィルムなどを採用することができる。また、複数色の着色材の裏打ちについては、印刷によって行うことができる。
ここで、「透明樹脂」としては、「アクリル樹脂」、「ポリカーボネート樹脂」、「ABS樹脂」、「ポリプロピレン」、「ポリアリレート樹脂」、「メタクリル樹脂」、等が挙げられる。また、上記の透明樹脂は、「熱可塑性樹脂」とすることが望ましいが、「熱硬化性樹脂」であっても良い。
また、「遊技パネル」としては、「遊技領域の一部に対応する大きさとされたもの」、「遊技領域の全体に対応する大きさとされたもの」、等が挙げられる。なお、遊技パネルには、複数の障害釘が植設される貫通孔の他、始動口や開閉装置等の役物が設けられるための貫通孔(開口部)が形成されることとなる。
更に、「透明樹脂板」としては、板状の部材であっても良いし、シート状(膜状)の部材であっても良い。また、遊技パネルの後面側に密着した状態で配置しても良いし、遊技パネルとの間に隙間を有した状態で配置しても良く、要は、上記複数の貫通孔に植設される上記障害釘の先端部による機械的な干渉から上記演出装置が保護されるように配置されていればよい。ただし、透明樹脂板を遊技パネルに密着させて配置した場合には、後側に配置された演出表示手段等の演出装置が見辛くなるのを防止することができる点で有利である。なお、透明樹脂板に用いられる材料としては、遊技パネルに用いられる材料よりも硬質な材料を用いることが望ましい。
また、「演出装置」としては、「所定の演出画像を表示可能な表示面を有する演出表示手段」、「遊技状況等に応じて機械的に可動する演出可動役物」、「遊技状況等に応じて装飾が変化する演出装飾体」、「所定の間隔をもって点滅するランプ」、等が挙げられる。なお、「演出表示手段」としては、「液晶表示装置(LCD)」、「EL表示装置」、「プラズマ表示装置」、「CRT」、「レーザーディスプレイ」、等が挙げられる。なお、薄型の表示手段を用いることが望ましい。また、演出表示手段に対して見る方向によって異なる画像が見えるようなものとしても良い。
手段2:手段1の構成において、
「前記透明樹脂板は、
前記遊技パネルの後面に密着している」ものであることを特徴とする。
ところで、透明な遊技パネルと、透明な透明樹脂板との間に隙間が形成されていると、透明樹脂板の表面(前面)で光が反射することがあり、その光の反射によって透明樹脂板の後側に配置された演出表示手段等の演出装置が見辛くなって、遊技者の興趣を低下させてしまう恐れがある。
手段2の構成によると、透明樹脂板を、遊技パネルの後面に密着させるようにしたものである。なお、「密着」としては、「遊技パネルと透明樹脂板を形成する樹脂の重合によって密着させたもの」、「遊技パネルと透明樹脂板とを溶着によって密着させたもの」、「遊技パネルと透明樹脂板とを透明な接着剤によって密着させたもの」、「遊技パネルと透明樹脂板とを面接触により密着(圧着)させたもの」、等が挙げられる。
これにより、遊技パネルと透明樹脂板とが密着しているので、透明樹脂板の前面で光が反射するのを抑制することが可能となり、透明樹脂板での光の反射によって後側に配置された演出表示手段等の演出装置手段の演出が見辛くなるのを抑制することができ、遊技者の興趣が低下するのを抑制することができる。
また、密着により透明樹脂板が遊技パネルと一体化するので、遊技機の組立てに係る工程を少なくすることができ、組立てに係るコストを低減させることができる。
なお、遊技パネルと透明樹脂板とが密着しているので、遊技パネルつまり透明樹脂板の後面側も遊技媒体が移動可能な遊技領域或いは遊技媒体排出経路等とした場合、調整のために障害釘を叩いても、障害釘の植設側先端が突出することが無く、遊技媒体を問題なく移動させることができ、遊技パネルの後面側でも遊技媒体の動きによって遊技者を楽しませたり、遊技媒体が滞るのを防止したりすることができ、遊技者の興趣が低下するのを防止することができる。
手段3:手段1又は手段2の構成において、
「前記透明樹脂板は、
前記遊技パネルよりも薄い板材からなる」ものであることを特徴とする。
手段3の構成によると、透明樹脂板を、遊技パネルよりも薄い板材から形成するようにしたものである。
これにより、透明樹脂板の重さを可及的に軽くすることができ、遊技盤等の重量が増加するのを抑制して、上述した作用効果と同様の作用効果を奏することができる。
手段4:手段1から手段3までの何れか一つの構成において、
「前記遊技盤は、
前記遊技パネルの外周を略覆うと共に該遊技パネルが着脱可能に嵌合する嵌合段部、該嵌合段部の内側に配置され前後方向に貫通する貫通口、及び該貫通口の外周側且つ少なくとも後面側に所定配列で配置され所定のビスを螺合可能な複数の取付孔を備えた熱可塑性樹脂からなる枠状のパネルホルダと、
該パネルホルダ及び前記遊技パネルの前面側に配置され、前記遊技領域を区画形成すると共に該遊技領域内に遊技媒体を案内する案内レールを備えた前構成部材とを更に備えている」ものであることを特徴とする。
ここで、「遊技パネルを着脱可能」とするものとしては、「遊技パネルの少なくとも略対向する二辺に係合部を備えると共に、パネルホルダに遊技パネルの係合部と係合する被係合部を備え、係合部と被係合部とを係合させることで着脱可能とするもの」、「遊技パネルの適宜箇所に挿通孔を穿設し、その挿通孔を介してビス等をパネルホルダにねじ込むことで着脱可能とするもの」、等が挙げられる。
また、「嵌合段部」としては、「パネルホルダの前面側が窪んだ形態とされ、パネルホルダの前側から遊技パネルを嵌合させるようにしたもの」、「パネルホルダの後面側が窪んだ形態とされ、パネルホルダの後側から遊技パネルを嵌合させるようにしたもの」、「パネルホルダの周面の一つが窪んだ形態とされ、パネルホルダの周面から遊技パネルをスライド嵌合させるようにしたもの」、等が挙げられる。
ところで、透明樹脂からなる遊技パネル等の遊技盤を構成する部材の素材として、溶融させることで再成形可能な熱可塑性樹脂を用いることが考えられ、これにより、不要となった遊技盤を処分する際に、熱可塑性樹脂の部分を一旦溶融させた上で遊技盤や他の製品(部品)に成形することができ、資源を有効に再利用したり、廃棄処分する量を可及的に少なくして廃棄処理に係るコストを低減させたりすることができる。
しかしながら、遊技盤を熱可塑性樹脂等の樹脂により形成するようにした場合、遊技盤全体を成形するための成形型が大型のものとなり、遊技盤の成形に係るコストが増大する問題がある。また、遊技機における遊技盤は、その機種ごとに障害釘や入賞口等の配置が異なっているので、機種を変更するごとに遊技盤全体を新たに形成しなければならず、機種ごとに遊技盤を成形するための大型の成形型が必要となり、機種変更に係るコストが増加する問題がある。
一方、従来の遊技機における遊技盤を、障害釘等が植設される遊技パネルと、遊技パネルを支持する枠状のパネルホルダとにわけて構成するようにし、パネルホルダを遊技機の機種に依存しない共通パーツとすることで、遊技機にかかるコストを低減させることが考えられる。しかしながら、この場合、障害釘等が植設される遊技パネルの大きさが遊技盤の大きさよりも小さくなるので、従来より用いられている障害釘植設装置に遊技パネルをそのままセットすることができず、障害釘植設装置を改良したり新造したりする必要があり、遊技機の製造にかかるコストが増加する問題がある。
また、従来より、遊技盤には、障害釘や入賞口等が固定される他に、演出用や装飾用などの各種役物や、入賞口等に受入れられた遊技媒体を誘導する誘導路、遊技状況に応じて所定の演出画像を表示する演出表示手段、及び役物や演出表示手段等を制御するための制御基板等が所定のビス等により固定されている。そして、この遊技盤を樹脂により構成するようにした場合、従来の木製合板を用いたもののように任意の位置に固定用のビスをねじ込むことができず、ビスをねじ込む位置に予め下孔(例えば、取付孔)を穿設する必要がある。しかしながら、この場合、遊技機の機種によって、障害釘や各種役物等が固定される位置が異なるので、予め穿設する取付孔の位置も異なるものとなり、他の機種に使用することができない問題がある。
更に、遊技パネルとパネルホルダとの関係において、パネルホルダに遊技パネルの外形と略同一内形の貫通口を形成し、その貫通口に遊技パネルを嵌合させると共に接着することで、パネルホルダに遊技パネルを固定させる方法が考えられ、これにより、従来の障害釘植設装置にセットすることができるようになる。しかしながら、この場合、遊技パネルとパネルホルダとを組立てる際に、遊技パネルの外周或いは貫通口の内周に接着剤を塗布する工程が必要となり、工程が増加する問題がある。また、遊技パネルとパネルホルダとを接着固定すると、遊技機を廃棄処分等する際に、遊技パネルとパネルホルダとを分解するのに手間が係るようになり、廃棄処分等に係るコストが増加する問題がある。
手段4の構成によると、遊技盤に、遊技パネルの外周を略覆うと共に遊技パネルが着脱可能に嵌合する嵌合段部、嵌合段部の内側に配置され前後方向に貫通する貫通口、及び貫通口の外周側且つ少なくとも後面側に所定配列で配置され所定のビスを螺合可能な複数の取付孔を備えた熱可塑性樹脂からなる枠状のパネルホルダと、パネルホルダ及び遊技パネルの前面側に配置され、遊技領域を区画形成すると共に遊技領域内に遊技媒体を案内する案内レールを備えた前構成部材とを更に備えたものである。
これにより、遊技領域を有した遊技盤を、遊技パネル、パネルホルダ、及び前構成部材に分割するようにしているので、遊技機の機種によって障害釘や入賞口等の位置が変化する遊技パネルを交換パーツとすると共に、パネルホルダ及び前構成部材を共通パーツとすることができ、遊技パネルのみを交換するだけで種々の機種に対応可能な遊技盤を備えた遊技機とすることができる。
また、パネルホルダの後面側に、予め複数の取付孔が所定配列で備えられているので、ビスをねじ込む取付孔を適宜選択することにより、各種役物や演出表示手段等を所望の位置に取付固定することができる。つまり、各種役物や演出表示手段等を取付孔の配置に合せて略任意の位置に固定することができるので、同一のパネルホルダを用いても種々の機種に対応させることができ、機種を変更してもパネルホルダを流用することで遊技盤に係るコストを抑制することができる。
更に、機種に応じてパネルホルダに取付固定される入賞口や各種役物等の種々の所定の部材の取付固定位置が異なる位置となっていても、パネルホルダに予め複数の取付孔が所定配列で備えられているので、各種部材の固定部を取付孔の位置と対応させるように設計することで、パネルホルダを機種に依存しない遊技機の共通パーツとすることができ、機種を変更してもパネルホルダの成形型を流用することができるので、遊技機に係るコストを低減させることができる。
また、遊技パネルをパネルホルダの嵌合段部に着脱可能に嵌合させるようにしており、接着固定していないので、遊技パネルとパネルホルダとを組立てるための組立工数が増加するのを抑制することができると共に、遊技パネルとパネルホルダとを容易に着脱することができるので、組立や、廃棄処分時等の分解に係る手間を簡略化することができる。
また、少なくともパネルホルダを熱可塑性樹脂からなるものとしているので、パネルホルダをリサイクルすることができ、廃棄処分にかかるコストを低減させることができると共に、省資源なものとすることができる。なお、遊技パネル、及び前構成部材についても、主要部分を熱可塑性樹脂からなるものとすることが望ましく、遊技盤のリサイクル率をより高められると共に、廃棄処分に係るコストを一層低減させることができ、環境に優しい遊技機とすることができる。また、パネルホルダや前構成部材を共通パーツとすることができるので、遊技機の製造の際に、回収したパネルホルダや前構成部材等をそのまま再利用するようにしても良く、更に、コストを低減させることができると共に、廃棄処分される廃棄物の量を低減させることができる。
更に、遊技パネルがパネルホルダの嵌合段部に嵌合されるので、パネルホルダの厚み内に遊技パネルの厚みを収めることが可能となり、遊技盤を遊技パネル、パネルホルダや、前構成部材等に分割される構成としても、その厚さが増加するのを抑制することができる。従って、遊技盤を既存のものと略同等の大きさのものとすることができるので、遊技機における遊技盤以外の部分を既存のものと共通化することができると共に、既存の製造ラインに載せることができ、製造に係るコストが増加するのを抑制することができる。
なお、保護部材を遊技パネルとパネルホルダとの間に配置するようにしても良く、これにより、遊技パネルをパネルホルダの嵌合段部に嵌合させると、保護部材が遊技パネルと嵌合段部とに挟持され、所定位置に保護部材を簡単に支持させることができると共に、保護部材が遊技パネルの後面と略密着し、保護部材の前面での反射を抑制して、後側に配置された演出表示手段等が見辛くなるのを防止することができる。
また、板状の遊技パネルを切り出し板材とすることが望ましく、これにより、成形用の金型を必要とせずに遊技パネルを製造することができるので、遊技パネルに係る製造コストを低減させることができる。また、上述の通り、遊技パネルとパネルホルダとを分割するようにすると共にパネルホルダを共通パーツとすることができるので、一体成形する場合と比較して、機種を変更する度に遊技盤全体の大きさに相当する大型の成形型を新たに製作する必要が無く、機種変更に係るコストが増加するのを抑制することができる。
更に、パネルホルダの厚さを、従来の遊技盤における木製合板の部分の厚さと対応した厚さ(18〜21mm、望ましくは、約19mm)とすると共に、遊技パネルの厚さをパネルホルダの厚さの約半分の厚さである8〜10mmの厚さとすることが望ましい。詳述すると、遊技パネルには多数の障害釘を植設する関係上、その厚さが8mmよりも薄いと障害釘を良好に保持することができなく恐れがあり、また、厚さが10mmよりも厚くても障害釘の保持が向上しないと共に遊技パネルの重量が必要以上に重くなる問題があるからである。これにより、樹脂からなるパネルホルダや遊技パネルの厚さを最適なものとすることができる。
また、パネルホルダの嵌合段部を前側が窪んだ形態とし、パネルホルダの前側から遊技パネルを嵌合させるようにすると共に、パネルホルダと前構成部材とで遊技パネルを挟持できるようにしても良い。これにより、遊技パネルを、パネルホルダとの嵌合だけでなく、パネルホルダと前構成部材との挟持によっても保持することができるので、何らかの理由によりパネルホルダとの嵌合が緩んでも、遊技パネルが脱落するのを防止することができ、遊技パネルをより確実に保持することができる。
更に、遊技パネルの他に、パネルホルダ、前構成部材、及びパネル裏板等を透明な部材によって構成しても良く、これにより、パネルホルダや前構成部材等を介しても、遊技盤の後方側を視認可能とすることができ、後方に配置された演出表示手段等の各種部材を視認させることで、これまでに無い雰囲気の遊技機とすることが可能となり、更に、遊技者の関心を引き付けられる訴求力の高い遊技機とすることができる。
手段5:手段4の構成において、
「前記透明樹脂板は、
前記遊技パネルと前記パネルホルダとの間に配置されている」ものであることを特徴とする。
ところで、遊技パネルの後面側に配置される透明樹脂板を、パネルホルダの後側に支持するようにした場合、別途の支持部材を用いてパネルホルダに透明樹脂板を支持させるようにしたり、パネルホルダに支持されるように透明樹脂板に加工を加えたりする必要があり、遊技機に係るコストが増加する問題があると共に、遊技パネルと透明樹脂板との間に隙間が形成されるので、透明樹脂板の前面側で光が反射し易くなり、光の反射によって後側に配置された演出表示手段等の演出装置が見辛くなって、遊技者の興趣を低下させてしまう恐れがある。
手段5の構成によると、透明樹脂板を、遊技パネルとパネルホルダとの間に配置したものである。つまり、遊技パネルとパネルホルダの嵌合段部との間に透明樹脂板を配置したものである。
これにより、透明樹脂板が遊技パネルとパネルホルダの嵌合段部との間で挟持されることとなり、別途の支持部材を用いなくても透明樹脂板を所定位置に支持することができ、遊技機に係るコストが増加するのを抑制することができる。また、透明樹脂板を遊技パネルの後面側に略密着させることができるので、透明樹脂板の前面側で光が反射するのを抑制することができ、後側に配置された演出表示手段等の演出装置の演出が見辛くなるのを防止して、遊技者の興趣が低下するのを防止することができる。
手段6:手段4又は手段5の構成において、
「前記パネルホルダの前記取付孔は、
略全周に亘って配置される複数の第一取付孔と、
該第一取付孔に螺合されるビスよりも大径のビスが螺合可能とされ、上下方向の中央よりも上側に配置される複数の第二取付孔とからなる」ものであることを特徴とする。
ところで、パネルホルダの所定の部材を取付固定するための取付孔の大きさを全て同じもの、すなわち、同じ大きさのビスで所定の部材を固定するようにすると共に、種々の重量の所定の部材に対応し得るように、最も重い部材に対応した大きさのビスを用いるようにして、使用するビスの種類を少なくすると共に様々な重量の部材に対応させるようにすることが考えられる。しかしながら、この場合、一般的な重量の部材でも、大きなビスで固定することとなり、部材の固定が過剰品質となると共に、大きなビスでは取付孔に螺合させる際のねじ込み力が相対的に大きく、ビスによる固定作業の際に多くの働力が必要となり固定作業に時間がかかったり、電力などの消費量が多くなったりしてコストが増加する問題がある。
手段6の構成によると、パネルホルダに備えられる取付孔を、略全周に亘って配置される複数の第一取付孔と、中央より上側に配置され第一取付孔よりも大径の複数の第二取付孔としたものである。
これにより、一般的な重量の部材をパネルホルダに取付固定する場合は、全周に配置された第一取付孔を用いて取付固定し、重量の重い部材をパネルホルダに取付固定する場合には、上側に配置された大径のビスが螺合される第二取付孔を用いて取付固定するようにすることができるので、重量の重い部材を大径のビスにより固定して、その部材を確実に取付固定することができる。
また、重量の重い部材のみを大径のビスで固定するようにすることができるので、他の部材については、ねじ込み作業の楽な小径のビスで固定すれば良く、パネルホルダへの所定の部材の固定作業を楽に実施することができると共に、固定作業に係る時間や消費電力等を抑制して、コストが増加するのを防止することができる。
ところで、板状のパネルホルダに所定の部材を固定する場合、固定される部材の重心がパネルホルダの固定面よりも外側に飛出した位置となるので、その重心に係る重量によりパネルホルダとの固定部には回転モーメントが作用することとなる。具体的には、重心よりも上側に配置された固定部にはパネルホルダから遠ざかろうとする力が、また、重心よりも下側に配置された固定部にはパネルホルダに近づこうとする力が作用することとなる。そのため、上側の固定部では、螺合された固定用のビスを引抜こうとする力が作用し、ビスに引っ張り荷重がかかり、かかる荷重によっては小径のビスでは対応しきれない恐れがある。
しかしながら、本手段によると、大径のビスを螺合可能な第二取付孔を中心よりも上側に複数配置しているので、重量の重い部材を固定する際に、上側の固定部を大径のビスが螺合する第二取付孔に固定することができ、大きなビスを用いることで大きな引っ張り荷重がかかっても対応させることができ、確実に所定の部材をパネルホルダに固定することができる。
手段7:手段4から手段6までの何れか一つの構成において、
「前記パネルホルダは、
前記取付孔と対応するように複数の位置決め孔を更に備えている」ものであることを特徴とする。
ここで、「位置決め孔」とは、パネルホルダに取付固定される所定の部材に備えられた位置決め突起(別部材のピンでも良い)を挿入可能な孔であれば良く、「丸孔」、「角孔」、等の他に「多角形状の孔」としても良い。また、止り孔であっても良いし、貫通孔であっても良い。
手段7の構成によると、パネルホルダに、取付孔と対応する位置に位置決め孔を備えるようにしたものである。これにより、パネルホルダに演出表示手段等の所定の部材を取付固定する際に、所定の部材に備えられた位置決め突起を位置決め孔に挿入させることで、パネルホルダと所定の部材との位置関係を正しい位置にすることができ、組付け性を向上させることができる。
また、夫々の取付孔に対して対応する位置決め孔が備えられている、つまり、複数の位置決め孔が備えられているので、複数の位置決め孔によりパネルホルダが肉抜きされることとなり、パネルホルダの重量を軽減させることができる。なお、位置決め孔をパネルホルダの肉抜き部と兼用させるようにしても良い。
手段8:手段4から手段7までの何れか一つの構成において、
「前記パネルホルダは、
少なくとも後面側に開口する複数の肉抜き部を更に備えている」ものであることを特徴とする。
手段8の構成によると、パネルホルダに、少なくとも後面側に開口する複数の肉抜き部を更に備えるようにしたものである。これにより、パネルホルダを軽量化することができ、従来の木製合板からなるものと比較して、遊技盤の重量が増加するのを抑制することができる。また、パネルホルダに樹脂(熱可塑性樹脂)を用いているので、射出成形等により複数の肉抜き部を容易に形成することができる。
なお、パネルホルダの肉抜き部を、パネルホルダの下端から所定範囲内までは後面側に開口するように形成することが望ましく、これにより、その部位の前面側を平坦な面とすることができ、その前面側に前構成部材の案内レールを配置することで、案内レールにより遊技媒体を円滑に案内させることができる。
また、パネルホルダの後面側だけでなく、前面側に肉抜き部が開口するようにしても良いし、パネルホルダの前後方向に貫通するように肉抜き部を備えても良い。また、遊技媒体と接するような部位(例えば、案内レールが形成された部位、遊技媒体排出流路が形成された部位など)においては、接する側とは反対側に開口するように肉抜き部を備えることが望ましく、これにより、肉抜き部内に遊技媒体が侵入したり、肉抜き部の開口に遊技媒体が接触したりして、遊技媒体の流通に不具合が生じるのを防止することができる。更に、肉抜き部を上記の位置決め孔と兼用させるようにしても良い。
手段9:手段4から手段8までの何れか一つの構成において、
「前記パネルホルダは、
前記取付孔の少なくとも一部が配置されると共に、前記貫通口の外周側且つ後面側に配置され前側に窪んだ形態の取付支持部を更に備えている」ものであることを特徴とする。
ここで、「取付支持部」とは、パネルホルダの後面側に取付けられる所定の部材(例えば、各種入賞口や受入口、演出用役物、装飾用役物、装飾部材、裏箱、演出表示手段等)に備えられたフランジ状の固定部を取付固定するための部位であり、具体的には、「取付固定される所定の部材の固定部の厚さよりも深く窪んだ形態のもの」、「パネルホルダの外周よりも所定量内側に配置された形態のもの」、等が挙げられる。なお、取付支持部の窪み量としては、1〜3mmの間が望ましく、1mmよりも少ないと取付固定される固定部の厚さが薄くなり固定部の強度が低下して破損する恐れがあるからであり、3mmよりも大きいと取付支持部におけるパネルホルダの厚さが薄くなりパネルホルダの強度が低下する恐れがあるからである。
ところで、従来より、遊技盤の後面側に取付固定される演出表示手段等の所定の部材には、遊技盤の後面に略沿うように遊技盤の外側に延びるフランジ状の固定部を備えており、その固定部を介して遊技盤の後面側に所定の部材が取付固定されるようになっている。ところが、遊技盤に所定の部材を取付固定すると、その固定部が遊技盤の後面よりも後側に突出した状態となるので、遊技盤を遊技機の遊技盤装着枠に装着固定する際に、遊技盤装着枠の装着部に固定部が当接し遊技盤が遊技盤装着枠に装着できなくなる恐れがある。そのため、固定部が遊技盤装着枠の装着部に当接しないように、固定部と当接する遊技盤装着枠の装着部に逃し部などを形成するようにすることが考えられる。
しかしながら、この場合、遊技機の機種によって遊技盤に固定される固定部の位置が異なるので、機種によって遊技盤装着枠も変更しなければならず、遊技機にかかるコストが増加する問題がある。そこで、固定部が遊技盤装着枠の装着部に当接しないように、所定の固定部材の固定部が、外周から遊技盤の後面に沿った中心側に配置されるようにすることで、固定部と装着部とが当接するのを回避するようにしていた。ところが、この場合、所定の部材の固定部が遊技盤の中心側に配置されるので、蓋然的に所定の部材が中心側に寄ってしまい、遊技盤の外周付近に所定の部材を配置することができず、例えば、所定の部材を箱状枠型の裏箱とした場合、裏箱の外周が遊技盤の外周よりも少なくとも装着部の分は小さくなって裏箱の容積が狭くなり、遊技盤の全体を有効に用いることができなかった。
手段9の構成によると、パネルホルダの後面側に、前側に窪んだ形態とされ、取付孔の少なくとも一部が配置される取付支持部を備えたものである。これにより、この取付支持部に演出表示手段等の所定の部材の固定部を取付固定することで、固定部がパネルホルダの後面から後側に突出するのを防止することができ、パネルホルダすなわち遊技盤を、遊技機における遊技盤装着枠に確実に装着固定することができる。つまり、遊技機における遊技盤装着枠を加工(変更)しなくても遊技盤を装着することができるので、遊技盤装着枠を機種に依存しない共通パーツとすることができ、遊技機にかかるコストが増加するのを防止することができる。
また、取付支持部をパネルホルダの外周付近に配置した場合、取付固定される所定の部材の固定部を可及的にパネルホルダの外周縁に近づけることができるので、よりパネルホルダの外周近くまで所定の部材を固定配置することが可能となり、より大きな所定の部材を取付固定したり、遊技盤の略全体に亘って所定の部材を配置したりすることができると共に、所定の部材によって広がりのある演出や装飾を行うことができ、遊技者の興趣を高められるものとすることができる。
なお、裏箱を所定の部材とした場合、その固定部を可及的にパネルホルダの外周縁に近づけて、その容積を可及的に大きくすることができるので、裏箱内により多くの或いは大きな役物等を配置したり、より大型の演出表示手段を支持したりすることができ、遊技者の興趣をより高められるものとすることができる。また、取付支持部の一部を、パネル裏板を収容可能な収容凹部としても良い。
手段10:手段9の構成において、
「前記取付支持部は、
少なくとも前記パネルホルダの後面側外周部が後側に突出したような状態で前側に窪んだ形態とされている」ものであることを特徴とする。
手段10の構成によると、パネルホルダにおける後面側の外周部が後側に突出したような状態となるように取付支持部が備えられているものである。これにより、遊技盤(パネルホルダ)を装着する枠状の遊技盤装着枠に対して当接するパネルホルダの外周部をパネルホルダの最も後側に位置する端部とすることができるので、取付支持部に所定の部材の固定部を取付固定しても、パネルホルダすなわち遊技盤を遊技機の遊技盤装着枠に確実に装着させることができる。
手段11:手段4から手段10までの何れか一つの構成において、
「前記パネルホルダは、
前記嵌合段部の深さが、嵌合された前記遊技パネルの前面と、前記パネルホルダの前面とが略同一面となるような深さとされている」ものであることを特徴とする。
ところで、パネルホルダに遊技パネルを支持させた状態で、従来の障害釘植設装置を用いて遊技パネルに障害釘を植設する場合、遊技パネルの前面と、パネルホルダの前面とが略一致していない状態であると、障害釘植設装置が遊技パネル又はパネルホルダの突出した方と接触する恐れがあり、従来の障害釘植設装置を用いることができず、装置を改造したり新設したりしなければならず、障害釘の植設に係るコストが増加する問題がある。
手段11の構成によると、パネルホルダにおける嵌合段部の深さを、嵌合された遊技パネルの前面とパネルホルダの前面とが略同一面となるような深さとしたものである。
これにより、遊技パネルをパネルホルダの嵌合断部に嵌合させるだけで、それらの前面側が略面一となるので、従来より用いられている障害釘植設装置を改造等しなくても遊技パネルをパネルホルダに保持した状態で従前の障害釘植設装置にセットすることが可能となり、障害釘の植設に係るコストが増加するのを抑制することができる。
手段12:手段4から手段11までの何れか一つの構成において、
「前記遊技パネルは、少なくとも略対向する二辺に配置された係合部を更に備え、且つ、
前記パネルホルダは、前記遊技パネルの前記係合部と着脱自在に係合する被係合部を更に備えている」ものであることを特徴とする。
ここで、「係合部」及び「被係合部」としては、「係合部を前面側が窪んだ段状の係合段部とすると共に、被係合部を係合段部と係合するように前面に略沿って突出する係合突部としたもの」、「係合部を前面側が窪んだ段状の係合段部とすると共に、被係合部を係合段部と係合する爪状の係合爪部としたもの」、「係合部を前面側が窪んだ段状の係合段部とすると共に、被係合部の一方を係合段部と係合するように前面に略沿って突出する係合突部とし、他方を係合段部と係合する爪状の係合爪部としたもの」、等が挙げられる。
手段12の構成によると、遊技パネルに、少なくとも略対向する二辺に係合部を備えると共に、パネルホルダに、遊技パネルの係合部と着脱自在に係合する被係合部を備えるようにしたものである。
これにより、遊技パネルをパネルホルダの嵌合段部に嵌合させた上で、係合部と被係合部とを互いに係合させることで着脱自在に係合保持するようにしており、接着固定していないので、遊技パネルとパネルホルダとを組立てるための組立工数が増加するのを抑制することができると共に、遊技パネルとパネルホルダとを容易に着脱することができるので、組立や、廃棄処分時等の分解に係る手間を簡略化することができる。
また、係合部と被係合部とを係合させることで、遊技パネルをパネルホルダに支持させるようにしており、例えば、遊技パネルをパネルホルダと前構成部材とで挟持するようにした場合と比較して、遊技領域を区画形成する前構成部材が無くても、遊技パネルとパネルホルダとを一体化することができるので、前構成部材を組付ける際の遊技パネルとパネルホルダの取り回しを容易なものとすることができると共に、遊技パネルとパネルホルダとを組付けた状態で遊技領域に障害釘や役物等を植設することができ、組立作業性等を向上させることができる。
手段13:手段12の構成において、
「前記遊技パネルの前記係合部は、前面側が窪んだ段状の係合段部とされ、且つ、
前記パネルホルダの前記被係合部は、略対向配置された一方の側が前記嵌合段部の前面との間に所定の隙間を形成した状態で前面に略沿った中心側に向かって延び前記係合段部と係合する係合突部と、該係合突部と略対向配置された他方の側が前記嵌合段部から前方に向かって大きくても前面まで突出し前記係合段部と係合する係合爪部とされている」ものであることを特徴とする。
手段13の構成によると、遊技パネルの係合部を、前面側が窪んだ段状の係合段部とすると共に、パネルホルダの被係合部の一方を、嵌合段部との間に係合段部が挿入できる隙間を形成し前面に沿って中心側に延びだす係合突部とし、他方を嵌合段部から前方に向かって突出する爪状の係合爪部としたものである。
これにより、遊技パネルにおける一辺側の係合段部をパネルホルダの係合突部と係合させた後に、他方の辺側の係合段部をパネルホルダの係合爪部と弾性係合させることでパネルホルダに遊技パネルを係合保持させることができ、パネルホルダと遊技パネルとの着脱を容易に行わせることができる。
また、大きくても前面まで突出する係合爪部としている、つまり、係合爪部がパネルホルダの前面から突出しないようにしているので、パネルホルダに遊技パネルを保持させた状態で、遊技盤(遊技パネルやパネルホルダ)の前面に沿って障害釘植設装置等の加工装置を作動(移動)させても、加工装置が係合爪部に当接することが無く、加工装置を用いて遊技盤に対して障害釘の植設等の所定の加工を良好に行わせることができる。
手段14:手段12又は手段13の構成において、
「前記パネルホルダは、
既存の障害釘植設装置の位置決め手段に対応した位置決め部を更に備えている」ものであることを特徴とする。
ここで、「位置決め部」としては、「所定の大きさの孔からなるもの」、「互いに離れた位置に配置された二つ以上の切欠き部からなるもの」、「パネルホルダの所定の辺を用いたもの」、等が挙げられる。
手段14の構成によると、パネルホルダに、既存の障害釘植設装置の位置決め手段と対応した位置決め部を備えたものである。これにより、遊技パネルを支持するパネルホルダを既存の障害釘植設装置にセットすることが可能となるので、既存の障害釘植設装置により遊技パネルに障害釘を植設することができ、障害釘植設装置を改造したり新造したりする必要が無く、遊技機の製造にかかるコストが増加するのを抑制することができる。
なお、既存の障害釘植設装置に限らず、その他の既存の装置の位置決め手段と対応する位置決め部を備えるようにしても良く、これにより、既存の生産ラインに載せることができ、遊技機の製造にかかる設備費を低減させることができる。
手段15:手段4から手段14までの何れか一つの構成において、
「前記遊技盤は、
前記パネルホルダの後面側に配置されると共に該パネルホルダの幅と対応した幅で前側及び上側が開放された箱状とされ、遊技媒体が通過可能な大きさの遊技媒体排出口を有した底板、及び前記パネルホルダの後面との間に所定量の隙間が形成される逃し部を少なくとも備え、前記遊技領域内に打ち込まれた遊技媒体を収集して前記遊技媒体排出口から下方へ排出する樹脂からなる遊技媒体収集排出部材を更に有する」ものであることを特徴とする。
ところで、従来の遊技機では、遊技領域内に備えられた各種入賞口や、アウト口に受入れられた遊技媒体が、遊技盤の裏側に導かれた後に、遊技盤の下方へ排出されるようになっており、この遊技盤の裏側には、遊技領域の所定位置に配置された各種入賞口等から遊技媒体を下方へ排出誘導する誘導路が夫々取付固定されている。しかしながら、従来の遊技機では、遊技領域内に配置される入賞口等の位置が機種によって異なっているので、遊技媒体を排出誘導する誘導路も異なるものとなり、機種変更の際に誘導路も新調しなければならず、コストのかかるものとなっていた。
手段15の構成によると、パネルホルダの後面側に配置されると共にパネルホルダと対応した幅で前側及び上側が開放された箱状とされ、遊技媒体を排出する遊技媒体排出口を有した底板、及びパネルホルダとの間に所定量の隙間を形成する逃し部を備え、遊技領域内に打ち込まれた遊技媒体を収集して排出する樹脂からなる遊技媒体収集排出部材を更に備えたものである。
これにより、遊技領域内の何れの位置に各種入賞口やアウト口等が配置されていても、それら入賞口等に受入れられることで遊技パネルの後方側に誘導されて排出される遊技媒体を箱状の遊技媒体収集排出部材により収集して、所定位置に配置された遊技媒体排出口から排出させることができる。つまり、入賞口等を遊技領域の何れの位置に配置しても遊技媒体を確実に排出することができるので、遊技機の機種を変更して入賞口等の位置が変化しても、遊技媒体収集排出部材を変更することなく遊技媒体を確実に排出させることができ、遊技媒体収集排出部材を共通パーツとすることが可能となり、遊技機にかかるコストが増加するのを抑制することができる。
また、遊技媒体収集排出部材には、パネルホルダの後面との間に所定量の隙間を形成する逃し部を備えているので、この逃し部内に、パネルホルダの後面側の取付孔に取付けられる所定の部材(例えば、各種入賞口や受入口、演出用役物、装飾用役物、装飾部材、裏箱、演出表示手段等)に備えられたフランジ状の固定部が収納配置されるようにすることで、固定部がパネルホルダへの遊技媒体収集排出部材の取付けの妨げとなるのを回避することができ、遊技媒体収集排出部材及び所定の部材を夫々パネルホルダの後面側に確実に取付固定することができる。
更に、遊技媒体収集排出部材に逃し部が備えられており、遊技媒体収集排出部材が配置された位置と略同じ位置に所定の部材を配置してパネルホルダに取付固定することができるので、パネルホルダに対して所定の部材を任意の位置に自由に配置することができ、遊技機の設計自由度を高めて遊技者の興趣が高められるものとすることができる。
なお、遊技媒体収集排出部材における逃し部の深さとしては、0.5〜3mmの範囲内とすることが望ましく、0.5mmよりも少ないと取付固定される固定部の厚さが薄くなり固定部の強度が低下して破損する恐れがあるからであり、3mmよりも大きいと逃し部における遊技媒体収集排出部材の厚さが薄くなって強度が低下する恐れがあるからである。
また、遊技媒体収集排出部材における底板の上面を、遊技媒体排出口に向かって低くなるように傾斜させるようすることが望ましく、これにより、箱状に形成された遊技媒体収集排出部材に受入れられた遊技媒体は、底板に到達することでその傾斜面に沿って遊技媒体排出口へと誘導されて、確実に遊技媒体排出口から排出させることができ、遊技媒体収集排出部材内で遊技媒体が滞ったり、停滞したりするのを防止することができる。
更に、遊技媒体収集排出部材の後側に、所定の制御基板を支持可能な基板支持部を備えるようにすることが望ましく、これにより、遊技媒体収集排出手段を介してパネルホルダに制御基板を支持することができ、制御基板をパネルホルダに支持するための部材を別途用意する必要がないと共に、遊技媒体収集排出部材により所定の制御基板を支持する、つまり、従来の基板ホルダに遊技領域から排出される遊技媒体を収集して所定位置から排出する機能を持たせたものであり、一つの部材を多機能化することで部品点数を少なくすることができ、遊技機にかかるコストが増加するのを防止することができる。なお、「所定の制御基板」としては、「遊技内容を制御する主制御基板」、「主制御基板の制御を補助する副制御基板」、「装飾用制御基板」、「演出表示制御基板」、「払出制御基板」、等が挙げられる。また、制御基板を直接支持するようにしても良いし、制御基板を収納した基板ボックスを介して支持するようにしても良い。
また、遊技媒体収集排出部材に、基板支持部に支持された制御基板と電気的に接続され後方からスライド接続可能とされたドロワコネクタを備えるようにしても良く、これにより、ドロワコネクタと接続するコネクタを後方からスライド接続させるだけでドロワコネクタを介して容易に制御基板と接続することができ、電気配線の接続にかかる手間を簡略化することができる。因みに、「ドロワコネクタ」とは、ソケット側或いはプラグ側を相対的にスライド移動させることで、複数の電気的な配線同士を接続又は切断(解除)することのできる接続コネクタのことである。
手段16:手段4から手段15までの何れか一つの構成において、
「前記遊技盤は、
前記パネルホルダの後面側で下端から所定高さまでの所定範囲内に配置され、平面状の後面に所定配列で配置され遊技媒体よりも小径で所定のビスを螺合可能な複数のビス孔を備えたパネル裏板を更に有している」ものであることを特徴とする。
ところで、従来より遊技盤には、その中心よりも下部に入賞口やアタッカ装置、及びアウト口等が配置されるのが一般的であるので、遊技盤における裏面側の下部にはそれら入賞口等を支持すると共に、入賞口等に受入れられた遊技媒体を検出して後に排出誘導する検出誘導部材等が取付固定されている。そして、遊技盤の一部に共通パーツとしてパネルホルダを用いた場合、予めパネルホルダに複数の取付孔を備えていても、その下部に取付けられる部材の種類が多いので、パネルホルダをリサイクルして再利用しようとすると、一度用いられた取付孔を用いて部材を取付固定する確率が高くなり、一度使用された取付孔に再度ビスをねじ込むことによりビスの固定強度が低下する問題がある。
手段16の構成によると、パネルホルダの後面側で下端から所定範囲に配置され、遊技媒体よりも小径で所定のビスを螺合可能な複数のビス孔を後面側に備えた樹脂からなるパネル裏板を更に備えたものである。
これにより、パネルホルダの下部の所定範囲内をパネル裏板として分割することができるので、パネルホルダをリサイクルして再利用する際に、パネル裏板を新しいものと交換して使用することで、一度使用した取付孔を使用するものを回避することができ、パネルホルダをリサイクルしても、取付けられる部材の取付強度が低下するのを防止することができる。
また、リサイクルする際に、パネルホルダよりも小さいパネル裏板を新しいものとすれば良いので、パネルホルダ全体を新造する場合と比較して、その製造コストを少なくすることができる。
手段17:手段16の構成において、
「前記パネル裏板は、
前記パネルホルダにおける前記所定範囲内の前記肉抜き部を覆うように配置されている」ものであることを特徴とする。
ところで、遊技盤(パネルホルダ)を樹脂によって構成するようにした場合、樹脂は木製合板と比較して比重が大きいので、遊技盤の重量が重くなると共に樹脂の使用量が多くなり材料にかかるコストが増加する問題がある。そこで、遊技盤に複数の肉抜き部を形成することで、遊技盤を軽量化すると共に材料の使用量を少なくすることが考えられる。しかしながら、この場合、遊技媒体と接する部位に肉抜き部を形成すると、肉抜き部内に遊技媒体が侵入したり、肉抜き部に遊技媒体が接触したりして、遊技媒体が本来とは懸離れた意図しない動きをしたり、遊技媒体が停滞したりして遊技に影響を及ぼす恐れがある。
手段17の構成によると、パネル裏板を、パネルホルダの下端から所定範囲内に形成された肉抜き部を覆うように配置したものである。これにより、各種入賞口やアウト口等に受入れられた遊技媒体を排出するために、遊技パネルやパネルホルダの後面に沿うように流下した遊技媒体が、パネルホルダの後面側に形成された肉抜き部内に侵入したり、肉抜き部の開口に接触したりして、遊技媒体が本来とは懸離れた意図しない動きや、遊技媒体が停滞する等により遊技媒体の流通に不具合が生じ、遊技に影響が及ぼされるのを防止することができる。
また、パネル裏板の後面側に箱状の遊技媒体収集排出部材を配置するようにした場合、パネル裏板により、遊技媒体収集排出部材の開放された前側を閉鎖することができ、遊技媒体収集排出部材により確実に遊技媒体を収集することができると共に、遊技媒体収集排出部材により収集された遊技媒体が、パネルホルダの後面側に形成された肉抜き部内に侵入したり、肉抜き部の開口に接触したりして、遊技媒体が本来とは懸離れた意図しない動きや、遊技媒体が停滞する等により遊技媒体の流通に不具合が生じ、遊技に影響が及ぼされるのを防止することができる。
手段18:手段16又は手段17の構成において、
「前記パネルホルダは、
その後面と前記パネル裏板の後面とが略同一面となるように、該パネル裏板を収容可能な収容凹部を更に備えている」ものであることを特徴とする。
手段18の構成によると、パネルホルダに、その後面がパネル裏板の後面と略同一面となるようにパネル裏板を収容可能な収容凹部を形成したものである。これにより、パネルホルダとパネル裏板の後面を略同一面とすることができるので、パネルホルダとパネル裏板との境界部において前後方向に段が形成されるのを回避することができ、パネルホルダの後面側に沿って流下する遊技媒体をパネル裏板の後面側へスムーズに受け渡すことができる。また、パネルホルダの後面側からパネル裏板が後方へ突出するのを防止することができるので、パネルホルダつまり遊技盤を遊技機における遊技盤装着枠に確実に装着固定することができる。
なお、パネル裏板の前面側に減量用の凹陥部を形成するようにしても良く、これにより、パネル裏板の重量を軽減させることができると共に、パネル裏板に用いる材料の量を減らすことができ、パネル裏板にかかるコストを低減させることができる。また、パネル裏板において、ビス孔周りをボス状に、また、適宜位置にリブが形成されるように凹陥部を備えることが望ましく、これにより、ビス孔を用いた固定強度を維持することができると共に、パネル裏板全体の剛性が低下するのを防止することができる。
手段19:手段16から手段18までの何れか一つの構成において、
「前記パネルホルダ及び前記パネル裏板は、何れか一方に備えられる係止部と、何れか他方に備えられ該係止部に係止可能な係止爪とを備え、
前記係止部に前記係止爪を係止させることで、前記パネルホルダと前記パネル裏板とが互いに着脱自在に構成されている」ものであることを特徴とする。
手段19の構成によると、パネルホルダとパネル裏板の何れか一方に係止部を備えると共に、何れか他方に係止部と係止可能な係止爪を備えるようにして、それら係止部と係止爪とによりパネルホルダとパネル裏板とを着脱自在としたものである。
これにより、係止部と係止爪とを互いに係止させるだけで容易にパネルホルダにパネル裏板を固定させることができ、組立にかかる手間を簡略化することができると共に、係止部と係止爪とを簡単に係止を解除することができるので、遊技機を分解する際に、パネルホルダからパネル裏板を容易に取外すことができ、分解にかかる手間も簡略化することができる。
手段20:手段19の構成において、
「前記パネル裏板は、
前記ビス孔と対応するように複数の位置決め孔を更に備えている」ものであることを特徴とする。
手段20の構成によると、パネル裏板に、ビス孔と対応する位置に位置決め孔を備えるようにしたものである。これにより、パネル裏板に所定の部材を取付固定する際に、所定の部材に備えられた位置決め突起を位置決め孔に挿入させることで、パネル裏板と所定の部材との位置関係を正しい位置にすることができ、組付け性を向上させることができる。
また、夫々のビス孔に対して対応する位置決め孔が備えられている、つまり、複数の位置決め孔が備えられているので、複数の位置決め孔によりパネル裏板が肉抜きされることとなり、パネル裏板の重量を軽減させることができる。なお、パネル裏板の位置決め孔は、パネルホルダの位置決め孔と同様の構成とすることが望ましく、これにより、遊技盤に取付固定される所定の部材の固定部の構造を統一することができ、設計ミスが発生するのを防止することができる。
手段21:手段4から手段20までの何れか一つの構成において、
「前記遊技盤は、
前記遊技パネルの外周と前記パネルホルダとの間に所定量のクリアランスが形成されている」ものであることを特徴とする。
ところで、遊技パネルをパネルホルダの嵌合段部に嵌合させるようにした場合、遊技パネルに用いる材料とパネルホルダに用いる材料の物性の違いや、同じ材料を用いても構造や大きさ等の違いによって、気温等による温度変化や経時変化等により相対的に遊技パネルが伸縮し、それらの間に隙間ができたり、互いに押圧しあって歪みが発生したりして、遊技パネルにガタ付が発生したり、遊技パネルがパネルホルダから脱落したり、或いは、遊技パネルやパネルホルダが歪により変形したりするような異常が発生する恐れがある。そして、その異常の発生によって、遊技媒体が意図しない動きをしたり、遊技機が破損したり、遊技を中断しなければならない状態となったりして、遊技に支障が出て遊技者の興趣を低下させてしまう恐れがある。
手段21の構成によると、遊技パネルの外周とパネルホルダとの間に所定量のクリアランスを形成するようにしたものである。これにより、遊技パネルの外周とパネルホルダとの間に所定量のクリアランスが形成されているので、温度変化や経時変化により相対的に遊技パネルが伸縮しても、遊技パネルがパネルホルダから脱落したりガタ付いたり、或いは遊技パネルとパネルホルダとが互いに押圧し合って歪みが発生したりするような異常が発生するのを防止することができ、異常の発生により遊技媒体が意図しない動きをしたり、遊技パネルやパネルホルダ等が破損したり、遊技を中断しなければならない状態となったりするのを防止して、遊技者の興趣が低下するのを抑制することができる。
なお、遊技パネルをパネルホルダと前構成部材とにより挟持するようにしても良く、これにより、温度変化や経時変化等により遊技パネルが相対的に伸縮した際に、パネルホルダとの嵌合や外れたり、係合部と被係合部との係合が解除されたりしても、遊技パネルが遊技盤から脱落するのを確実に防止することができる。
また、「所定量のクリアランス」としては、0〜10mmの間とすることが望ましく、更には、1〜3mmの間とすることが望ましい。これよりも小さいと、遊技パネルが伸びた時に遊技パネルとパネルホルダとが強く接触して力が作用し遊技盤が歪む恐れがあるためであり、これよりも大きいと、遊技パネルが縮んだ時に遊技パネルとパネルホルダとの間の隙間が大きくなりすぎてガタ付等が発生する恐れがあるからである。
手段22:手段4から手段21までの何れか一つの構成において、
「前記パネルホルダの前記嵌合段部には、前後方向に延び互いに離反した位置に少なくとも二つの突出ピンを備えると共に、
前記遊技パネルには、前記突出ピンと嵌合する嵌合孔と、前記突出ピンを挿通可能な長孔とが夫々一つずつ少なくとも形成されている」ものであることを特徴とする。
手段22の構成によると、パネルホルダの嵌合段部に少なくとも二つの突出ピンを備えるようにすると共に、遊技パネルに突出ピンと嵌合する嵌合孔と長孔とを少なくとも一つずつ備えるようにしたものである。
これにより、遊技パネルの嵌合孔及び長孔に、パネルホルダの突出ピンを嵌合及び挿通させることで、容易に遊技パネルをパネルホルダに位置決めすることができると共に、遊技パネル等が温度変化や経時変化等によって伸縮しても、遊技パネルの長孔において固定位置が可動(スライド)して伸縮が許容されるので、位置決めした状態でも遊技パネルとパネルホルダとの間に応力が作用するのを防止して、応力がかかることで遊技盤が歪むのを防止することができる。
手段23:遊技機において、
「遊技者の操作によって遊技媒体が打ち込まれ少なくとも所定配列で複数の障害釘が前面側から植設される遊技領域、少なくとも略対向する二辺に配置され前面側が窪んだ段状の係合段部とされた係合部、所定位置に互いに離反して配置される嵌合孔及び長孔を備え、透明樹脂からなる遊技パネルと、
該遊技パネルの外周との間に所定量のクリアランスが形成されるように覆うと共に前記遊技パネルが着脱可能に嵌合し前面が前記遊技パネルの前面と略同一面となるような深さの嵌合段部、該嵌合段部の内側に配置され前後方向に貫通する貫通口、該貫通口の外周側且つ後面側に配置され少なくとも後面側外周部が後側に突出したような状態で前側に窪んだ形態の取付支持部、略全周に亘って配置され所定のビスを螺合可能な複数の第一取付孔と該第一取付孔に螺合されるビスよりも大径のビスが螺合可能とされ上下方向の中央よりも上側に配置される複数の第二取付孔とからなり少なくとも前記取付支持部に所定配列で配置される複数の取付孔、該取付孔と対応するように配置される複数の位置決め孔、少なくとも下端から所定高さまでの所定範囲では後面側に開口する複数の肉抜き部、前記所定範囲内に形成され後側から前側に向かって所定量窪んだ形態の収容凹部、該収容凹部内に備えられた係止部、前面から突出しないように形成され前記遊技パネルの前記係合部と着脱自在に係合し、略対向配置された一方の側が前記嵌合段部の前面との間に所定の隙間を形成した状態で前面に略沿った中心側に向かって延び前記係合段部と係合する係合突部と、該係合突部と略対向配置された他方の側が前記嵌合段部から前方に向かって大きくても前面まで突出し前記係合段部と係合する係合爪部とされた被係合部、前記嵌合段部から前後方向に延び前記遊技パネルの前記嵌合孔及び前記長孔と嵌合及び挿通可能な突出ピン、及び既存の障害釘植設装置の位置決め手段に対応した位置決め部を備えた熱可塑性樹脂からなる枠状のパネルホルダと、
該パネルホルダの前記嵌合段部に嵌合される前記遊技パネルの後面側に密着配置され、前記障害釘における植設側先端が前記遊技パネルの後面から突出するのを規制し、該遊技パネルよりも硬質な透明樹脂からなる透明樹脂板としての保護部材と、
前記遊技パネル及び前記パネルホルダ前面側に配置され、前記遊技領域を区画形成すると共に該遊技領域内に遊技媒体を案内する案内レールを備え樹脂からなる前構成部材と、
前記パネルホルダの後面側で下端から所定高さまでの前記所定範囲内の前記肉抜き部を覆うように配置されると共に、前記パネルホルダの前記収容凹部に後面同士が略同一面となるように収容可能とされ、平面状の後面に所定配列で配置され遊技媒体よりも小径で所定のビスを螺合可能な複数のビス孔、該ビス孔と対応するように配置される複数の位置決め孔、及び前記パネルホルダの前記係止部に係止可能な係止爪を備えた樹脂からなるパネル裏板と、
該パネル裏板の後面側に配置されると共に前記パネルホルダの幅と対応した幅で前側及び上側が開放された箱状とされ、遊技媒体が通過可能な大きさの遊技媒体排出口を有した底板、及び前記パネルホルダの後面との間に所定量の隙間が形成される逃し部を少なくとも備え、前記遊技領域内に打ち込まれた遊技媒体を収集して前記遊技媒体排出口から下方へ排出する樹脂からなる遊技媒体収集排出部材とを有した遊技盤、
及び該遊技盤の少なくとも透明な前記遊技パネルを通して遊技者から視認可能とされると共に、前記パネルホルダの前記取付孔を介して前記保護部材の後側に取付けられ、遊技者に対して所定の発光演出を提示可能な演出装置を備え、
前記保護部材には、
その前面に、所定の装飾画が印刷によって画像形成されてなり、
その後面に、遊技者側から当該保護部材を介して見たときの前記演出装置による発光演出の明瞭度合いに強弱が付けられるかたちで、複数色の着色材によって裏打ちが施されてなる」ものであることを特徴とする。
手段23の構成によると、遊技機に、「遊技媒体が打ち込まれ少なくとも所定配列で複数の障害釘が植設される遊技領域、少なくとも略対向する二辺に配置され前面側が窪んだ段状の係合段部とされた係合部、所定位置に互いに離反して配置される嵌合孔及び長孔を備え、透明樹脂からなる遊技パネル」と、「遊技パネルの外周との間に所定量のクリアランスが形成されるように覆うと共に遊技パネルが着脱可能に嵌合し前面が遊技パネルの前面と略同一面となるような深さの嵌合段部、嵌合段部の内側に配置され前後方向に貫通する貫通口、貫通口の外周側且つ後面側に配置され少なくとも後面側外周部が後側に突出したような状態で前側に窪んだ形態の取付支持部、略全周に亘って配置され所定のビスを螺合可能な複数の第一取付孔と第一取付孔よりも大径のビスが螺合可能とされ上下方向の中央よりも上側に配置される複数の第二取付孔とからなり少なくとも取付支持部に配置される複数の取付孔、取付孔と対応するように配置される複数の位置決め孔、少なくとも下端から所定高さまでの所定範囲では後面側に開口する複数の肉抜き部、下端から所定範囲内に形成され前側に向かって所定量窪んだ収容凹部、収容凹部内に備えられた係止部、前面から突出しないように形成され遊技パネルの係合部と着脱自在に係合し、略対向配置された一方の側が嵌合段部の前面との間に所定の隙間を形成し前面に略沿った中心側に向かって延びる係合突部と、係合突部と略対向配置された他方の側が嵌合段部から前方に向かって突出する係合爪部とされた被係合部、嵌合段部から前後方向に延び遊技パネルの嵌合孔及び長孔と嵌合及び挿通可能な突出ピン、及び既存の障害釘植設装置の位置決め手段に対応した位置決め部を備えた熱可塑性樹脂からなる枠状のパネルホルダ」と、「遊技パネルの後面側に密着配置され、障害釘における植設側先端が遊技パネルの後面から突出するのを規制し、遊技パネルよりも硬質な透明樹脂からなる保護部材」と、「遊技パネル及びパネルホルダ前面側に配置され、遊技領域を区画形成すると共に遊技領域内に遊技媒体を案内する案内レールを備えた樹脂からなる前構成部材」と、「パネルホルダの後面側で下端から所定高さまでの所定範囲内の肉抜き部を覆うように配置されると共に、パネルホルダの収容凹部に後面同士が略同一面となるように収容可能とされ、平面状の後面に配置されビスを螺合可能な複数のビス孔、ビス孔と対応するように配置される複数の位置決め孔、及びパネルホルダの係止部に係止可能な係止爪を備えた樹脂からなるパネル裏板」と、「パネル裏板の後面側に配置されると共にパネルホルダの幅と対応した幅で前側及び上側が開放された箱状とされ、遊技媒体が通過可能な大きさの遊技媒体排出口を有した底板、及びパネルホルダの後面との間に所定量の隙間が形成される逃し部を少なくとも備え、遊技領域内の遊技媒体を収集して遊技媒体排出口から下方へ排出する樹脂からなる遊技媒体収集排出部材」とを有した遊技盤、及び遊技盤における透明な遊技パネルを通して遊技者から視認可能とされると共にパネルホルダの取付孔を介して保護部材の後側に取付けられ、所定の演出を提示可能な演出手装置を備えたものである。
これにより、障害釘が植設された遊技盤の遊技パネルと演出表示手段等の演出装置との間に透明樹脂板としての保護部材が配置されているので、調整の際に障害釘を叩いても、障害釘の植設側先端が、保護部材によって演出装置に当接するのを阻止することができ、障害釘の調整によって演出装置が傷ついたり破損したりする不具合が発生するのを防止することができると共に、演出表示手段等の演出装置を保護部材によって障害釘の植設側先端から保護することができるので、例えば、演出装置として遊技盤の大きさと略同じ大きさの演出表示手段を問題なく備えることができ、遊技者に対して演出画像を大画面で見せることができ、迫力のある演出画像によって遊技者を楽しませて、より興趣の高められる遊技機とすることができる。
また、障害釘の植設側先端から演出表示手段等の演出装置を保護する保護部材を備えているので、障害釘を植設する下孔を貫通孔としても何ら問題となることは無く、これにより、遊技パネルの厚さ全体を使って障害釘を保持することができ、障害釘の保持強度が低下するのを抑制して、遊技盤の耐久性が低下するのを防止することができる。また、障害釘用の下孔を貫通孔とすることができるので、遊技パネルの厚さが増加するのを防止することが可能となり、遊技パネルに係るコストが増加するのを抑制することができると共に、遊技パネルを有した遊技盤の重量が増加するのを抑制することができるので、遊技盤を支持する部分を補強したり遊技盤の取り回しがし辛くなったりするのを防止することができ、遊技機に係るコストが増加するのを抑制することができる。
また、遊技パネルの後面側に保護部材が密着配置されているので、調整の際に障害釘を叩いても、障害釘の植設側先端が保護部材に当接して、障害釘が必要以上に遊技パネル側へ陥没するのを防止することができ、障害釘の調整の際に不具合が発生するのを防止することができる。
更に、遊技パネルと保護部材とが密着しているので、保護部材の前面で光が反射するのを防止することが可能となり、保護部材での光の反射によって後側に配置された演出表示手段等の演出装置の演出が見辛くなるのを防止することができ、遊技者の興趣が低下するのを抑制することができる。また、遊技パネルと保護部材とが密着しているので、保護部材を遊技パネルと一体化されることとなり、遊技機の組立てに係る工程を少なくすることができ、組立てに係るコストを低減させることができる。
また、保護部材を遊技パネルよりも硬質な樹脂材で形成しており、保護部材の厚さを薄くしても、障害釘から演出表示手段等を保護することができるので、保護部材の重さ可及的に軽くすることができ、遊技盤等の重量が増加するのを抑制して、上述した作用効果と同様の作用効果を奏することができる。
更に、遊技パネルにおける一辺側の係合段部をパネルホルダの係合突部と係合させた後に、他方の辺側の係合段部をパネルホルダの係合爪部と弾性係合させることでパネルホルダに遊技パネルを係合保持させることができ、パネルホルダと遊技パネルとの着脱を容易に行わせることができる。また、遊技パネルの係合部(係合段部)とパネルホルダの被係合部(係合突部及び係合爪部)とを互いに係合させることで、遊技パネルとパネルホルダとが、その前面側が略面一となる状態で保持することができるので、従来より用いられている障害釘植設装置を改造等しなくても遊技パネルをパネルホルダに保持した状態で従前の障害釘植設装置にセットすることが可能となり、障害釘の植設にかかるコストが増加するのを抑制することができる。
また、遊技パネルとパネルホルダとを互いに係合させる被係合部が、パネルホルダの前面から突出しないように備えられているので、パネルホルダに遊技パネルを保持させた状態で、遊技盤(遊技パネルやパネルホルダ)の前面に沿って障害釘植設装置等の加工装置を作動(移動)させても、加工装置が被係合部に当接することが無く、加工装置を用いて遊技盤に対し所定の加工(例えば、障害釘の植設など)を良好に行わせることができる。
更に、パネルホルダに、既存の障害釘植設装置の位置決め手段と対応した位置決め部を備えており、遊技パネルを支持するパネルホルダを既存の障害釘植設装置にセットすることが可能となるので、既存の障害釘植設装置により遊技パネルに障害釘を植設することができ、障害釘植設装置を改造したり新造したりする必要が無く、遊技機の製造にかかるコストが増加するのを抑制することができる。
また、パネルホルダの後面側の下端から所定範囲内に形成された肉抜き部を覆うように平面状のパネル裏板を配置しており、パネル裏板によりその後面側に配置される遊技媒体収集排出部材の開放された前側を閉鎖することができるので、各種入賞口やアウト口等に受入れられた遊技媒体を排出するために、遊技パネルやパネルホルダの後面に沿うように流下した遊技媒体や、遊技媒体収集排出部材により収集された遊技媒体が、パネルホルダの後面側に形成された肉抜き部内に侵入したり、肉抜き部の開口に接触したりして、遊技媒体が本来とは懸離れた意図しない動きや、遊技媒体が停滞する等により遊技媒体の流通に不具合が生じ、遊技に影響が及ぼされるのを防止することができる。
更に、パネルホルダの肉抜き部を、パネルホルダの下端から所定範囲内までは後面側に開口するように形成しているので、その部位の前面側を平坦な面とすることができ、その前面側に前構成部材の案内レールを配置することで、案内レールにより遊技媒体を円滑に案内させることができる。
また、パネルホルダに、その後面がパネル裏板の後面と略同一面となるようにパネル裏板を収容可能な収容凹部を形成しており、パネルホルダとパネル裏板の後面を略同一面とすることができるので、パネルホルダとパネル裏板との境界部において前後方向に段が形成されるのを回避することができ、パネルホルダの後面側に沿って流下する遊技媒体をパネル裏板の後面側へスムーズに受け渡すことができる。また、パネルホルダの後面側からパネル裏板が後方へ突出するのを防止することができるので、パネルホルダつまり遊技盤を遊技機における遊技盤装着枠に確実に装着固定することができる。
更に、係止部と係止爪とを互いに係止させるだけで容易にパネルホルダにパネル裏板を固定させることができるので、組立にかかる手間を簡略化することができると共に、係止部と係止爪とを簡単に係止を解除することができるので、遊技機を分解する際に、パネルホルダからパネル裏板を容易に取外すことができ、分解にかかる手間も簡略化することができる。
また、パネル裏板の前面側に減量用の凹陥部を形成しているので、これにより、パネル裏板の重量を軽減させることができると共に、パネル裏板に用いる材料の量を減らすことができ、パネル裏板にかかるコストを低減させることができる。
更に、遊技盤におけるパネルホルダの後面側、具体的には、パネル裏板の後面側に、箱状の遊技媒体収集排出部材が備えられているので、遊技領域内の何れの位置に各種入賞口やアウト口等が配置されていても、それら入賞口等に受入れられることで遊技パネルの後方側に誘導されて排出される遊技媒体を箱状の遊技媒体収集排出部材により収集して、所定位置に配置された遊技媒体排出口から排出させることができる。つまり、入賞口等を遊技領域の何れの位置に配置しても遊技媒体を確実に排出することができるので、遊技機の機種を変更して入賞口等の位置が変化しても、遊技媒体収集排出部材を変更することなく遊技媒体を確実に排出させることができ、遊技媒体収集排出部材を共通パーツとすることが可能となり、遊技機にかかるコストが増加するのを抑制することができる。
また、遊技媒体収集排出部材には、パネル裏板の後面との間に所定量の隙間を形成する逃し部を備えているので、この逃し部内に、パネル裏板の後面側のビス孔に取付けられる所定の部材(例えば、各種入賞口や受入口、演出用役物、装飾用役物、装飾部材、裏箱、演出表示手段等)に備えられたフランジ状の固定部が収納配置されるようにすることで、固定部がパネル裏板への遊技媒体収集排出部材の取付けの妨げとなるのを回避することができ、遊技媒体収集排出部材及び所定の部材を夫々パネル裏板の後面側に確実に取付固定することができる。また、遊技媒体収集排出部材に逃し部が備えられており、遊技媒体収集排出部材が配置された位置と略同じ位置に所定の部材を配置してパネル裏板に取付固定することができるので、パネルホルダやパネル裏板に対して所定の部材を任意の位置に自由に配置することができ、遊技機の設計自由度を高めて遊技者の興趣が高められるものとすることができる。
更に、パネルホルダの後面側に、前側に窪んだ形態の取付支持部が備えられているので、この取付支持部に所定の部材の固定部を取付固定することで、固定部がパネルホルダの後面から後側に突出するのを防止することができ、パネルホルダすなわち遊技盤を、遊技機における遊技盤装着枠に確実に装着固定することができる。つまり、遊技機における遊技盤装着枠を加工(変更)しなくても遊技盤を装着することができるので、遊技盤装着枠を機種に依存しない共通パーツとすることができ、遊技機にかかるコストが増加するのを防止することができる。
また、取付支持部をパネルホルダの外周付近に配置した場合、取付固定される所定の部材の固定部を可及的にパネルホルダの外周縁に近づけることができるので、よりパネルホルダの外周近くまで所定の部材を固定配置することが可能となり、より大きな所定の部材を取付固定したり、遊技盤の略全体に亘って所定の部材を配置したりすることができると共に、所定の部材によって広がりのある演出や装飾を行うことができ、遊技者の興趣を高められるものとすることができる。
また、パネルホルダにおける後面側の外周部が後側に突出したような状態となるように取付支持部が備えられており、遊技盤(パネルホルダ)を装着する枠状の遊技盤装着枠に対して当接するパネルホルダの外周部をパネルホルダの最も後側に位置する端部とすることができるので、取付支持部に所定の部材の固定部を取付固定しても、パネルホルダすなわち遊技盤を遊技機の遊技盤装着枠に確実に装着させることができる。
更に、遊技領域を有した遊技盤を、遊技パネル、パネルホルダ、及び前構成部材に分割するようにしているので、遊技機の機種によって障害釘や入賞口等の位置が変化する遊技パネルを交換パーツとすると共に、パネルホルダ及び前構成部材を共通パーツとすることができ、パネルホルダや前構成部材等をリサイクル可能とすることができると共に遊技パネルのみを交換するだけで種々の機種に対応可能な遊技盤を備えた遊技機とすることができる。
また、機種に応じてパネルホルダに取付固定される入賞口や各種役物等の種々の所定の部材の取付固定位置が異なる位置となっていても、パネルホルダに予め複数の取付孔が所定配列で備えられているので、各種部材の固定部を取付孔の位置と対応させるように設計することで、パネルホルダを機種に依存しない遊技機の共通パーツとすることができ、機種を変更してもパネルホルダの成形型を流用することができるので、遊技機に係るコストを低減させることができる。
更に、遊技パネルとパネルホルダとを分割するようにすると共にパネルホルダを共通パーツとすることができるので、一体成形する場合と比較して、機種を変更する度に遊技盤全体の大きさに相当する大型の成形型を新たに製作する必要が無く、機種変更に係るコストが増加するのを抑制することができる。
また、遊技パネルをパネルホルダの嵌合段部に嵌合させた上で、係合部と被係合部とを互いに係合させることで着脱自在に係合保持するようにしており、接着固定していないので、遊技パネルとパネルホルダとを組立てるための組立工数が増加するのを抑制することができると共に、遊技パネルとパネルホルダとを容易に着脱することができるので、組立や、廃棄処分時等の分解に係る手間を簡略化することができる。
更に、遊技パネルがパネルホルダの嵌合段部に嵌合されるので、パネルホルダの厚み内に遊技パネルの厚みを収めることが可能となり、遊技盤を遊技パネル、パネルホルダや、前構成部材等に分割される構成としても、その厚さが増加するのを抑制することができる。従って、遊技盤を既存のものと略同等の大きさのものとすることができるので、遊技機における遊技盤以外の部分を既存のものと共通化することができると共に、既存の製造ラインに載せることができ、製造に係るコストが増加するのを抑制することができる。
また、一般的な重量の部材をパネルホルダに取付固定する場合は、全周に配置された第一取付孔を用いて取付固定し、重量の重い部材をパネルホルダに取付固定する場合には、上側に配置された大径のビスが螺合される第二取付孔を用いて取付固定するようにすることができるので、重量の重い部材を大径のビスにより固定して、その部材を確実に取付固定することができる。
更に、パネルホルダに、取付孔と対応する位置に位置決め孔を備えるようにしているので、これにより、パネルホルダに所定の部材を取付固定する際に、所定の部材に備えられた位置決め突起を位置決め孔に挿入させることで、パネルホルダと所定の部材との位置関係を正しい位置にすることができ、組付け性を向上させることができる。
また、パネルホルダに、少なくとも後面側に開口する複数の肉抜き部を備えるようにしているので、これにより、パネルホルダを軽量化することができ、従来の木製合板からなるものと比較して、遊技盤の重量が増加するのを抑制することができる。また、パネルホルダに樹脂を用いているので、射出成形等により複数の肉抜き部を容易に形成することができる。
更に、少なくとも遊技パネルを透明部材により構成するようにしており、従来の遊技機のように遊技盤に開口部を備えなくても、遊技パネルを通して遊技盤の後方に配置された演出表示手段等を視認することができるので、遊技領域における実際に遊技媒体が流下可能な領域を可及的に広くすることができ、遊技媒体に種々の動きをさせて遊技者の興趣が低下するのを防止することができる。また、遊技領域が形成される遊技パネルを透明部材により構成するようにしているので、遊技パネルの後方に配置したものを遊技者に視認させることができ、例えば、遊技パネルの後方に、遊技領域全体に広がる大型の演出表示手段を配置してこれまでにない大型の演出画像を表示したり、種々の演出用や装飾用の役物を奥行き方向に配置してこれまでに無い奥行感のある遊技盤の構成としたりすることができ、遊技者の関心を引き付けられる訴求力の高い遊技機とすることができる。
また、遊技パネルの少なくとも略対向する二辺に係合部を備えると共に、パネルホルダに遊技パネルの係合部と係合する被係合部を備えるようにしており、遊技パネルの係合部とパネルホルダの被係合部とを互いに係合させることで、遊技パネルをパネルホルダに容易に支持させることができる。
更に、遊技パネルの外周とパネルホルダとの間に所定量のクリアランスが形成されるようにしており、このクリアランスによって、温度変化や経時変化により相対的に遊技パネルが伸縮しても、遊技パネルがパネルホルダから脱落したりガタ付いたり、或いは遊技パネルとパネルホルダとが互いに押圧し合って歪みが発生したりするような異常が発生するのを防止することができ、異常の発生により遊技媒体が意図しない動きをしたり、遊技パネルやパネルホルダ等が破損したり、遊技を中断しなければならない状態となったりするのを防止して、遊技者の興趣が低下するのを抑制することができる。
また、パネルホルダの嵌合段部に少なくとも二つの突出ピンを備えるようにすると共に、遊技パネルに突出ピンと嵌合する嵌合孔と長孔とを少なくとも一つずつ備えるようにしており、遊技パネルの嵌合孔及び長孔に、パネルホルダの突出ピンを嵌合及び挿通させることで、容易に遊技パネルをパネルホルダに位置決めすることができると共に、遊技パネル等が温度変化や経時変化等によって伸縮しても、遊技パネルの長孔において固定位置が可動(スライド)して伸縮が許容されるので、位置決めした状態でも遊技パネルとパネルホルダとの間に応力が作用するのを防止して、応力がかかることで遊技盤が歪むのを防止することができる。
また、上記構成では、透明樹脂板としての保護部材の前面に、当該保護部材としての透光性が維持されるように所定の装飾画を印刷によって画像形成した上で、その後面に、遊技者側から当該保護部材を介して見たときの上記演出装置による発光演出の明瞭度合いに強弱が付けられるように、複数色の着色材によって裏打ちを施すようにした。例えば、上記遊技パネルの後面側からの発光演出を強調したい部分には、該当する部分に白系の着色材(白い着色材)による裏打ちを行うとともにその周辺の領域には黒系の着色材(黒い着色材)による裏打ちを行うようにすれば、遊技者側から当該保護部材を介して見たときの上記演出装置による発光演出の明瞭度合いに強弱が付けられるようになり、透光性のある遊技盤としての優位性をより好適に生かすことができるようになる。
なお、パチンコ機としては、種々のタイプのものがあり、一般に「デジパチ機」と称されるものに代表される「入球口への入球状態を検出する入球状態検出手段(遊技状態検出手段として捉えることもできる)と、入球状態検出手段によって入球が検出されると所定の抽選を行う抽選手段と、抽選手段の抽選結果に応じて特別図柄を変動させると共に変動を停止させる特別図柄表示手段とを備えたもの」や「加えて、特別図柄の変動中に、複数の図柄からなる図柄列を変動表示し、図柄列にて図柄を停止表示させたり、キャラクタや種々の物品等の表示物を描写し、表示物を動作させたりする等によって適宜の演出表示を行う演出表示手段を更に具備するもの」、一般に「ハネモノ機」と称されるものに代表される「役物内での遊技球の振分けによって抽選を行う抽選手段を備えたもの」、一般に「アレパチ機」と称されるものに代表される「例えば16個等の所定個数の遊技球により1ゲームが行われ、1ゲームにおける複数の入球口への遊技球の入球態様に応じて所定個数の遊技球の払出しを行うもの」等を例示することができる。
手段24:手段1から手段22までの何れか一つの構成において、
「前記遊技パネルの前記貫通孔に植設される障害釘は、
前記貫通孔の孔径よりも小さい径とされた棒状の胴体部と、
前記胴体部の一端にて当該障害釘が叩打される部位となる頭部と、を備え、
前記胴体部には、当該障害釘が前記貫通孔に植設されるとき、前記貫通孔の側壁との間で噛み合うように前記貫通孔の孔径よりも大きい径とされた肉厚山部が形成されてなる」ものであることを特徴とする。
このような構成では、上記遊技パネルに植設される障害釘が、その胴体部に、例えば螺旋状や、複数の輪状に形成された肉厚山部によって、上記貫通孔の側壁との間で局所的に支持されるようになり、胴体部が単に圧入される場合よりも当該障害釘としての安定感が増すようになる。
この発明によれば、遊技の興趣の低下を抑制することのできる遊技機を提供することができる。
以下、本発明の一実施形態であるパチンコ遊技機(以下、単に「パチンコ機」という)を、図面に基づいて詳細に説明する。[パチンコ機の全体構成について] 図1及び図2に基づき説明する。
図1はパチンコ機の前側全体を示す正面図であり、図2はパチンコ機の外枠の一側に本体枠が開かれ、その本体枠の一側に更に前面枠が開かれた状態を示す斜視図である。なお、図1及び図2においては遊技領域における装飾部材を省略して示している。
パチンコ機1は、外枠2、本体枠3、前面枠4、及び遊技盤5等を備えて構成されている。外枠2は、上下左右の木製の枠材によって縦長四角形の枠状に形成され、同外枠2の前側下部には、本体枠3の下面を受ける下受板6を有している。外枠2の前面の片側には、ヒンジ機構7によって本体枠3が前方に開閉可能に装着されている。なお、外枠2は、樹脂やアルミニウム等の軽金属によって形成されていてもよい。
[本体枠の構成について] 図1及び図3に基づき説明する。
図3はパチンコ機の本体枠と遊技盤とを分離して斜め右上前方から示す斜視図である。
本体枠3は、前枠体11、遊技盤装着枠12及び機構装着体13を樹脂材によって一体成形することで構成されている。本体枠3の前枠体11は、外枠2(図2参照)の前側の下受板6を除く外郭形状に対応する大きさの矩形枠状に形成されている。そして、前枠体11の片側の上下部には、本体枠側ヒンジ具15が固定されており、外枠2の片側の上下部に固定された外枠側ヒンジ具14に対してヒンジピン及びヒンジ孔によって開閉回動可能に装着されている。すなわち、外枠側ヒンジ具14、本体枠側ヒンジ具15、ヒンジピン及びヒンジ孔によってヒンジ機構7が構成されている。
前枠体11の前側において、遊技盤装着枠12よりも下方に位置する前枠体11の前下部左側領域にはスピーカボックス部16が一体に形成され、そのスピーカボックス部16の前側開口部には、同開口部を塞ぐようにしてスピーカ装着板17が装着されている。そして、スピーカ装着板17にはスピーカ18が装着されている。また、前枠体11前面の下部領域内において、その上半部分には発射レール19が傾斜状に装着されている。また、前枠体11前面の下部領域内の下半部分には下部前面板30が装着されている。そして、下部前面板30の前面の略中央部には、遊技球を貯留可能な下皿31が設けられ、右側寄りには操作ハンドル32が設けられ、左側寄りには灰皿33が設けられている。なお、下皿31には、遊技球を下方に排出するための球排出レバー34が配設されている。
[前面枠の構成について] 図1及び図2に基づき説明する。
前枠体11の前面の片側には、その前枠体11の上端から下部前面板30の上縁にわたる部分を覆うようにして、前面枠4がヒンジ機構36によって前方に開閉可能に装着されている。また、前面枠4の略中央部には、遊技盤5の遊技領域37を前方から透視可能な略円形の開口窓38が形成されている。また、前面枠4の後側には開口窓38よりも大きな矩形枠状をなす窓枠39が設けられ、その窓枠39にはガラス板、透明樹脂板等の透明板50が装着されている。また、前面枠4の前面の略全体は、ランプ等が内設された前面装飾部材によって装飾され、同前面枠4の前面の下部には上皿51が形成されている。詳しくは、開口窓38の周囲において、左右両側部にサイド装飾装置52が、下部に上皿51が、上部に音響電飾装置53が装着されている。サイド装飾装置52は、ランプ基板が内部に配置され且つ樹脂材によって形成されたサイド装飾体54を主体として構成されている。サイド装飾体54には、横方向に長いスリット状の開口孔が上下方向に複数配列されており、該開口孔には、ランプ基板に配置された光源に対応するレンズ55が組み込まれている。音響電飾装置53は、透明カバー体56、スピーカ57、スピーカカバー58、及びリフレクタ体(図示しない)等を備え、これらの構成部材が相互に組み付けられてユニット化されている。また、上皿51の左側には、遊技者が操作可能なボタン59が設けられている。
[施錠装置の構成について] 図2及び図3に基づき説明する。
前枠体11のヒンジ機構36に対して反対側となる自由端側の後側には、外枠2に対し本体枠3を施錠する機能と、本体枠3に対し前面枠4を施錠する機能とを兼ね備えた施錠装置70が装着されている。すなわち、この実施形態において、施錠装置70は、外枠2に設けられた閉止具71に係脱可能に係合して本体枠3を閉じ状態に施錠する上下複数の本体枠施錠フック72と、前面枠4の自由端側の後側に設けられた閉止具73に係脱可能に係合して前面枠4を閉じ状態に施錠する上下複数の扉施錠フック74と、パチンコ機1の前方から鍵が挿入されて解錠操作可能に、前枠体11及び下部前面板30を貫通して露出されたシリンダー錠75とを備えている。そして、シリンダー錠75の鍵穴に鍵が挿入されて一方向に回動操作されることで本体枠施錠フック72と外枠2の閉止具71との係合が外れて本体枠3が解錠され、これとは逆方向に回動操作されることで、扉施錠フック74と前面枠4の閉止具73との係合が外れて前面枠4が解錠されるようになっている。
[遊技盤装着枠の構成について] 図2乃至図4に基づき説明する。
図4はパチンコ機の後側全体を示す背面図である。
図2及び図3に示すように、本体枠3の遊技盤装着枠12は、前枠体11の後側に設けられかつ遊技盤5が前方から着脱交換可能に装着されるようになっている。遊技盤5は、遊技盤装着枠12の前方から嵌込まれる大きさの略四角板状に形成されている(図9参照)。遊技盤5の盤面(前面)には、外レール76と内レール77とを備えた案内レール78が設けられ、その案内レール78の内側に遊技領域37が区画形成されている。なお、発射レール19と案内レール78との間には、所定の隙間が設けられており、発射された遊技球が案内レール78を逆戻りした場合には、その遊技球は、その隙間から排出され下皿31に案内されるように構成されている。また、遊技盤5の前面には、その案内レール78の外側領域において、樹脂製の前構成部材79が装着されている。
一方、図4に示すように、遊技盤5の後側下部には、その中央部から下部にわたる部分において、各種入賞装置に流入した遊技球を受けかつその遊技球を所定位置まで導く集合樋としての機能とボックス装着部としての機能を兼ね備えた基板ホルダ91が設けられている。この基板ホルダ91の後側には、音声制御基板、ランプ制御基板等の副制御基板92が収納された副制御基板ボックス93が装着され、その副制御基板ボックス93の後側に重ね合わされた状態で、主制御基板94が収納された主制御基板ボックス95が装着されている。さらに、遊技盤5の後側に対し基板ホルダ91、副制御基板ボックス93及び主制御基板ボックス95がそれぞれ装着された状態において、本体枠3の遊技盤装着枠12の前方から遊技盤5を嵌込んで装着できるように、遊技盤5の外郭より外側にはみ出すことなく基板ホルダ91、副制御基板ボックス93及び主制御基板ボックス95が配置されている。
[本体枠の機構装着体、球タンク及びタンクレールの構成について] 図7及び図8に基づき説明する。
図7はパチンコ機の本体枠に各種部材が組み付けられた状態を斜め右上後方から示す斜視図であり、図8は本体枠単体を斜め右上後方から示す斜視図である。
本体枠3の機構装着体13には、タンク装着部111、レール装着部112、及び払出装置装着部113等がそれぞれ形成され、タンク装着部111には球タンク114が装着されている。球タンク114は、透明な樹脂材よりなり、島設備から供給される多数の遊技球が貯留可能な上方に開口する箱形状に形成されている。そして、球タンク114の遊技球の貯留状態が球タンク114の後側壁を透して視認可能となっている。また、球タンク114の底板部115の後側隅部には遊技球を放出する放出口116が形成されるとともに、底板部115は放出口116に向けて下傾する傾斜面に形成されている。
本体枠3の機構装着体13には、そのタンク装着部111に下方に接近してレール装着部112が一体に形成され、そのレール装着部112にレール構成部材117が装着されることでタンクレール118が構成されるようになっている。すなわち、この実施形態において、レール装着部111は、本体枠3の上部横方向部分が所定深さ凹まされた状態で形成されており、その凹部の奥側壁をタンクレール118の前壁部119とし、その凹部の下縁部に沿って一端(図8に向かって左端)から他端(図8に向かって右端)に向けて下傾する傾斜状のレール棚120が形成されている。そして、レール棚120の横方向に延びる上向き面をレール受け部121としている。
レール装着部112に装着されてタンクレール118を構成するレール構成部材117は、レール装着部112の前壁部119との間にレール通路を構成する後壁部122と、傾斜状をなす下板部と、その下板部の上面の前後方向中央部に沿って突設されレール通路を前後複数列(この実施形態では前後2列)に区画する仕切り壁(いずれも図示しない)とを一体に備えて形成されている。このレール構成部材117は、レール装着部112に対し適宜の取付手段によって装着され、これによって、前後複数列のレール通路を備えたタンクレール118が構成されている。そして、球タンク114の放出口116から放出(自重によって落下)された遊技球がタンクレール118の前後複数列のレール通路の一端部においてそれぞれ受けられた後、遊技球が自重によってレール通路に沿って転動することでレール通路の他端部に向けて流れるようになっている。また、この実施形態において、レール構成部材117は、透明な樹脂材より形成され、これによって、レール通路内の遊技球の流れ状態が、レール構成部材117の後壁部122を透して視認可能となっている。
タンクレール118(レール装着部112)の前壁部119は、遊技盤5の後側に突出する装備品(例えば役物)における後部の上端部との干渉を避けるため第1空間部を隔てた状態で設けられている。また、この実施形態において、本体枠3の後端部となるレール棚120の後端と、タンクレール118の後壁部は、球タンク114の後側壁と略同一面をなしている。言い換えると、球タンク114の後壁部に対しタンクレール118の後壁部が略同一面となる位置までタンクレール118が遊技盤5の後面より後方に離隔して配置されている。これによって、遊技盤5の後側とタンクレール118の前壁部119との間に装備品(例えば役物)の後部との干渉を避けるための第1空間部が設けられるようになっている。
また、タンクレール118の上方には、レール通路を流れる遊技球を上下に重なることなく整列させる整流体123がその上部において軸124を中心として揺動可能に装着されている。この整流体123には、その中央部から下部において錘が設けられている。
[払出装置装着部及び球払出装置の構成について] 図7及び図8に基づき説明する。
本体枠3の機構装着体13の片側寄りの上下方向には、次に述べる球払出装置(球払出ユニット)125に対応する縦長の払出装置装着部113が形成されている。払出装置装着部113は、後方に開口部をもつ凹状に形成されている。また、払出装置装着部113の段差状をなす奥壁部(図示しない)の所定位置には、球払出装置125の払出用モータ126(図3参照)が突出可能な開口部127が形成されている。
払出装置装着部113の凹部に球払出装置125が装着された状態において、遊技盤5との間には、第1空間部と前後方向に略同一レベルとなる第2空間部が設けられている。これによって、レール通路と球通路とが前後方向に略同一レベルで配置されている。また、本体枠3の後端、すなわち払出装置装着部113の周壁部後端、レール棚120の後端、球タンク114、タンクレール118及び球払出装置125のそれぞれの後面は略同一面をなしている。
球払出装置125は、払出装置装着部113の凹部と略同じ大きさの縦長のボックス形状をなし、払い出しに関する各種部品が装着されることでユニット化されている。なお、球払出装置125は、払出装置装着部113の凹部の後方開口部から嵌込まれて適宜の取付手段(例えば、弾性クリップ、係止爪、ビス等の取付手段)によって装着されるようになっている。
また、図示しないが、球払出装置125は、タンクレール118におけるレール通路の出口にそれぞれ連通する流入口を有する球通路が前後複数列(例えば前後2列)に区画されて形成されている。また、その内部に形成された前後複数列の球通路の下流部が二股状に分岐されて前後複数列の賞球及び貸球用球通路と球抜き用球通路とがそれぞれ形成されている。そして賞球及び貸球用球通路と球抜き用球通路との分岐部には、遊技球をいずれかの通路に振り分けて払い出すための回転体よりなる払出部材(図示しない)が正逆回転可能に配設されている。
[本体枠の後側下部の装備について] 図3及び図4に基づき説明する。
本体枠3の前枠体11の後側において、遊技盤装着枠12よりも下方に位置する前枠体11の後下部領域の片側(図4に向かって左側)には、発射レール19の下傾端部の発射位置に送られた遊技球を発射するための発射ハンマー(図示しない)、その発射ハンマーを作動する発射モータ128等が取付基板129に組み付けられてユニット化された発射装置ユニット130が装着されている。また、前枠体11の後下部領域の略中央部には、電源基板131を収容する電源基板ボックス132が装着され、その電源基板ボックス132の後側に重ね合わされた状態で払出制御基板133を収容する払出制御基板ボックス134が装着されている。払出制御基板133は、遊技球を払い出す数を記憶するRAMを備え、主制御基板94から送信される払出用信号に従って遊技球を払い出す制御信号を中継用回路基板(図示しない)に伝達して払出用モータ126を作動制御するようになっている。
[後カバー体の構成について] 図4及び図5に基づき説明する。
図5はパチンコ機の後側全体を右上後方から示す斜視図である。
遊技盤5後面に配置された表示装置制御基板ボックス135(図6参照)及び主制御基板ボックス95の後端部は機構装着体13の中央部に開口された窓開口部に向けて突出している。そして、機構装着体13の窓開口部の一側壁を構成する側壁部と他側壁を構成する払出装置装着部113の片側壁との間には、不透明な樹脂材によって略方形の箱形状に形成された後カバー体136がカバーヒンジ機構137によって開閉並びに着脱可能に装着されている。
後カバー体136は、略四角形状の後壁部138と、その後壁部138の外周縁から前方に向けて突出された周壁部139とから一体に構成されている。後カバー体136の周壁部139のうち、一側の壁部139aには、機構装着体13の側壁部の上下及び中間の計3箇所に形成されたヒンジ体140のヒンジ孔の上方からそれぞれ着脱可能に嵌込まれるヒンジピン141を下向きに有するヒンジ体142が一体に形成されている。また、後カバー体136の周壁部139のうち、他側の壁部139bには、払出装置装着部113の片側壁に形成された係止孔に弾性的に係合可能な係止爪を有する弾性閉止体143が一体に形成されている。
すなわち、後カバー体136は、その上下及び中間のヒンジ体142の各ヒンジピン141が機構装着体13の側壁部のヒンジ体140のヒンジ孔の上方からそれぞれ嵌込まれる。この状態で、ヒンジピン141を中心として後カバー体136が機構装着体13の他側に向けて回動されながら、その弾性閉止体143を払出装置装着部113の片側壁の係止孔に差し込んで弾性的に係合させることで、機構装着体13の後側に後カバー体136が閉じ状態で保持される。そして、後カバー体136によって、遊技盤5後面の表示装置制御基板ボックス135(図6参照)全体及び主制御基板ボックス95の略中間部から上端にわたる部分が後カバー体136によって覆われるようになっている。これによって、主制御基板ボックス95の上部に露出された主制御基板94の基板コネクタ(主として表示装置制御基板と接続するための基板コネクタ)が後方から視認不能に隠蔽されている。
また、主制御基板ボックス95の略中間部から下端にわたる部分は後カバー体136によって覆われることなく露出されている。そして、主制御基板ボックス95の下部には、その主制御基板94上に配置された検査用コネクタ144が露出されており、後カバー体136が閉じられた状態で主制御基板94上の検査用コネクタ144に基板検査装置(図示しない)を接続して検査可能となっている。
後カバー体136には、多数の放熱孔145、146、147、148が貫設されており、これら多数の放熱孔145、146、147、148から内部の熱が放出されるようになっている。この実施形態において、後カバー体136には、その周壁部139から後壁部138に延びる多数のスリット状の放熱孔145が貫設され、後壁部138の略中間高さ位置から上部においては多数の長円形、楕円形等の放熱孔146が貫設され、後壁部138の下部には多数の長円形、楕円形等の放熱孔147と所定数の横長四角形状の放熱孔148が貫設されている。
また、横長四角形状の放熱孔148は、主制御基板ボックス95の封印ねじ(封印部材)によって封印される複数の並列状の封印部149の列の大きさ及び配設位置に対応する大きさ及び位置に貫設されている。これによって、不透明な後カバー体136が閉じられた状態であっても、主制御基板ボックス95の複数の並列状の封印部149が放熱孔148の部分において視認可能に露出される。このため、後カバー体136が閉じられた状態であっても、主制御基板ボックス95の封印部149の封印状態を容易に視認することができる。また、不透明な樹脂材は、透明な樹脂材と比べ、リサイクル使用される樹脂材を材料として用いることが容易であるため、後カバー体136を安価に製作することができる。
後カバー体136の周壁部139のうち、上側壁部139cの所定位置(この実施形態では左右2箇所)には、電源コード(図示しない)を適宜に折り畳んだ状態で保持する略C字状でかつ弾性変形可能なコード保持体150が上方のタンクレール118の後壁面(レール構成部材117の後壁面)に向けて延出されている。このコード保持体150の先端部には、同コード保持体150を弾性変形させて電源コードを取り外すためのつまみが形成されている。
電源コードは、その一端が分電基板151の基板コネクタ152に取り外し可能に接続され、他端の電源プラグが電源コンセントに差し込まれる。前記したように、後カバー体136にコード保持体150を一体に形成して電源コードを保持することで、パチンコ機1を運搬、保管する際に電源コードがぶらついて邪魔になったり、異物に引っ掛かる不具合を防止することができる。
[本体枠の後側下部の下皿用球誘導体等の構成について] 図1及び図6に基づき説明する。
図6は、図5に示すパチンコ機の斜視図から後カバー体及び各種制御基板等を取り外した状態を示す斜視図である。
本体枠3の後下部領域の他側寄り部分(ヒンジ寄り部分)には、そのスピーカボックス部16の後段差部の凹み部分において下皿用球誘導体153が装着されている。この下皿用球誘導体153は、球払出装置125の賞球及び貸球用球通路から上皿連絡路(図示しない)を経て上皿51に払い出された遊技球が満杯になったときに、上皿連絡路の遊技球を下皿31に導くためのものである。
なお、この実施形態において、下皿用球誘導体153の後壁外面には、インタフェース基板154を収納している基板ボックス155が装着されている。なお、インタフェース基板154は、パチンコ機1に隣接して設置される球貸機と払出制御基板133との間に介在され、球貸に関する信号を球貸機と払出制御基板133との間で送受信可能に電気的に接続するようになっている。
[遊技盤の構成について] 図9乃至図19に基づき説明する。
図9は主要な部材により構成された遊技盤を斜め前方から示す斜視図であり、図10は、図9に示す遊技盤を斜め後方から示す斜視図である。図11は、遊技盤を縦方向に切断して示す断面図である。図12は遊技盤を分解して斜め前方から示す分解斜視図であり、図13は遊技盤を分解して斜め後方から示す分解斜視図である。図14(A)は前構成部材を斜め前方から示す斜視図であり、(B)は前構成部材を斜め後方から示す斜視図である。図15(A)は遊技パネルを斜め前方から示す斜視図であり、(B)は遊技パネルを斜め後方から示す斜視図である。図16(A)はパネルホルダを斜め前方から示す斜視図であり、(B)はパネルホルダを斜め後方から示す斜視図である。図17(A)はパネル裏板を斜め前方から示す斜視図であり、(B)はパネル裏板を斜め後方から示す斜視図である。図18(A)は基板ホルダを斜め前方から示す斜視図であり、(B)は基板ホルダを斜め後方から示す斜視図である。図19(A)はパネルホルダとパネル裏板とを分解して示す分解斜視図であり、(B)はパネルホルダにパネル裏板を組付けた状態で示す組立斜視図である。
本実施形態の遊技盤5は、図示するように、遊技領域37と対応する大きさの透明な樹脂からなる板状の遊技パネル200と、遊技パネル200を着脱可能に嵌合する樹脂からなる枠状のパネルホルダ202と、パネルホルダ202の前側に配置されパネルホルダ202と協働して遊技パネル200を挟持し、遊技領域37を区画形成すると共に遊技領域37内に遊技球を案内する案内する外レール76及び内レール77からなる案内レール78を備えた前構成部材79とを主に備えている。
また、遊技盤5には、パネルホルダ202の後面側で下端から所定高さまでの所定範囲内に配置される板状のパネル裏板204と、パネル裏板204の後面側に配置されると共に前側及び上側が開放された箱状で後側に主制御基板ボックス95等を支持可能な基板ホルダ91と、基板ホルダ91の後側に支持された主制御基板ボックス95内の主制御基板94等と電気的に接続され後方からスライド接続可能とされたドロワコネクタ206と、ドロワコネクタ206を基板ホルダ91に支持するドロワコネクタホルダ208とを更に備えている(図10及び図11等を参照)。
また、遊技盤5には、遊技パネル200とパネルホルダ202との間に配置され、遊技パネル200の後面側に密着配置される透明樹脂からなる保護部材(透明樹脂板)209を更に備えている(図11乃至図13参照)。なお、この保護部材209を、遊技パネル200よりも硬質な樹脂で形成することが望ましく、保護部材209の厚さを薄くしても、障害釘201の先端部による機械的な干渉から演出表示装置212や後述の発光演出装置(ランプやLED等の発光体も含む)等を保護することができるので、保護部材209の重さを可及的に軽くすることができ、遊技盤5等の重量が増加するのを抑制することができる。
更に、遊技盤5には、パネルホルダ202の後面側に取付固定されると共に遊技パネル200との間で所定容積の空間を形成可能な枠状箱型の裏箱210と、裏箱210の後面側に支持され所定の演出画像を表示可能なLCDからなる演出表示装置212とを更に備えている(図11参照)。この演出表示装置212は、裏箱210の後面側に形成された開口部210aを閉鎖するように裏箱210に着脱可能に支持されている。また、演出表示装置212は、透明な遊技パネル200を通して、パチンコ機1の前方から視認できるようになっている。
なお、この演出表示装置212の後側には、演出表示装置212等を制御する表示装置制御基板ボックス135が取付けられている。また、演出表示装置212は、従来のパチンコ機に用いられている演出表示装置と比較して、より大型のもの(例えば、5〜21インチ)が備えられている。更に、裏箱210には、パネルホルダ202に取付固定するためのフランジ状の固定部210bと、固定部210bから前方に突出する位置決め突起210cが備えられている。
この遊技盤5における前構成部材79は、上述した通り遊技球を案内する外レール76及び内レール77とからなる案内レール78を備えていると共に、外レール76の上端と内レール77の下端とを結ぶような円弧状の開口79aを備えており、この案内レール78と開口79aとによって正面視略円形状の遊技領域37が区画形成されるようになっている。そして、この案内レール79により、図示しない遊技球の発射装置によって発射レール19に沿って発射された遊技球が、遊技領域37の上部に案内されるようになっている。
案内レール78における外レール76の下端付近には、下方へ窪んだ凹部76aが形成されており、この凹部76aは、遊技球の発射速度等の関係により発射された遊技球が案内レール78から遊技領域37内に打ち込まれずに、案内レール78内を逆流した遊技球を収容して上皿51等に排出するものである。この凹部76aにより、案内レール78内を逆流した遊技球が、発射装置に戻って不具合が発生するのを防止することができるようになっている。
また、内レールの下端には、前構成部材79の後側が低くなるように傾斜した傾斜部79bが備えられている。この傾斜部79bは、遊技領域37内に打ち込まれて遊技領域37の下端に到達した遊技球を、「死球」としてパチンコ機1から排出するためのアウト口214へ誘導するためのものである。
この前構成部材79には、図示するように、その後面側に、後方へ突出する複数の位置決め固定ボス79c及び位置決め突起79dが備えられている。これら位置決め固定ボス79c及び位置決め突起79dは、詳細は後述するが、後側に配置されるパネルホルダ202及び基板ホルダ91と位置決めできるようになっている。なお、内レール77の後面側にも位置決め突起79dが複数備えられており、後述する遊技パネル200の内レール固定孔200d(図15参照)に嵌合固定されるようになっている。
遊技盤5における遊技パネル200は、図15にも示すように、その外形が遊技領域37よりも若干大きい多角形状とされており、アクリル樹脂、ポリカーボネイト樹脂、ポリアリレート樹脂、メタクリル樹脂等の透明な樹脂板により形成されている。なお、遊技パネル200の板厚は、パネルホルダ202によりも薄く、障害釘201(図11参照)を植設しても十分に保持可能な必要最低限の厚さ(8〜10mm)とされている。
この遊技パネル200には、上部の外周近傍に配置され前後方向に貫通する丸孔からなる複数の嵌合孔200aと、左右下部の外周近傍に配置され前後方向に貫通し上下方向に延びる長孔200bが夫々備えられている。これら嵌合孔200a及び長孔200bは、遊技領域37よりも外側に配置されており、パネルホルダ202との位置決めを行うものである。
また、遊技パネル200には、その上辺の両端と下辺の両端に、前側が窪んだ段状の係合段部200cが夫々備えられている。この係合段部200cは、遊技パネル200の板厚の略半分を切り欠いた形態とされると共に、嵌合孔200a及び長孔200bと同様に、遊技領域37によりも外側に配置されており、パネルホルダ202と遊技パネル200とを係合固定するためのものである。
更に、遊技パネル200には、所定位置に内レール固定孔200dが複数備えられている。この内レール固定孔200dに内レール77の後側から突出する位置決め突起79dを嵌合固定させることで、内レール77を所定の位置に固定することができるようになっている。
また、遊技パネル200には、図11に拡大して示すように、障害釘201を植設するための下孔(貫通孔)200eが、遊技パネル200を貫通するように所定配列をもって穿設されている。この下孔200eの内径(孔径)は、障害釘201の植設側の外径よりも若干小さい径とされている。この遊技パネル200には、下孔200eが所定の位置に複数穿設されており、各下穴200eに前面側から障害釘201を、図示しない障害釘植設装置を用いて植設することで、多数の障害釘201が、所定のゲージ配列となるようになっている。なお、上記障害釘201には、その一端にて当該障害釘201が叩打される部位となる頭部が形成されている。
なお、詳細な図示は省略するが、遊技パネル200には、多数の障害釘201の他に、適宜位置に風車や、一般入賞口、特別入賞口、始動口、及び中央役物等が備えられるように所定形状の貫通する開口部が形成されている。
また、遊技パネル200を押出し成形された透明な樹脂板とした場合、遊技パネル200の上下方向を押出し方向に対して約45度傾けた方向となるように材料取りをしても良く、これにより、遊技パネル200の後方に配置された演出表示装置212のドットマトリックスが押出し成形により形成される複数の微細な成形痕と干渉して、モアレが発生するのを可及的に抑制することができ、モアレにより演出表示装置212に表示される演出画像が見辛くなるのを防止することができる。
続いて、遊技盤5におけるパネルホルダ202は、正面視において遊技パネル200を包含する大きさで外形が略四角形状とされ、従来のパチンコ機の遊技盤における木製合板からなる部材(例えば、遊技盤ベース等)の厚さと略同じ厚さ(本例では、約20mm)とされた熱可塑性樹脂からなるものである。このパネルホルダ202には、図16(A)にも示すように、遊技パネル200が着脱可能に嵌合し前面側から後方側に向かって凹んだ嵌合段部202aと、嵌合段部202aの内側において略遊技領域37と同等の大きさで前後方向に貫通する貫通口202bとを主に備えている。
パネルホルダ202の嵌合段部202aは、前面からの深さが遊技パネル200の厚さと略同じ深さとされており、嵌合段部202aに嵌合された遊技パネル200の前面がパネルホルダ202の前面と略同一面となるようになっている。また、この嵌合段部202aは、その前側内周面が、図11に示すように、遊技パネル200の外周面に対して所定量のクリアランスCが形成される大きさとされている。このクリアランスCにより、温度変化や経時変化により相対的に遊技パネル200が伸縮しても、その伸縮を吸収できるようになっている。なお、クリアランスC内にゴム等の弾性部材を詰めても良い。
また、パネルホルダ202には、遊技パネル200の係合段部200cと対応する位置に、係合段部200cと係合する被係合部が備えられている。詳述すると、この被係合部は、図11及び図16(A)に示すように、パネルホルダ202下側の嵌合段部202aに配置された被係合部が、遊技パネル200における下側の係合段部200cと対応し、嵌合段部202aの前面との間に遊技パネルの係合段部200cが挿入可能な大きさの所定の隙間を形成した状態で、パネルホルダ202の前面に沿って上側(中心側)に向かって所定量延びる係合突部202cとされている。一方、パネルホルダ202上側の嵌合段部202aに配置された被係合部は、遊技パネル200における上側の係合段部200cと対応し、嵌合段部202aの前面から前方に向かって突出し係合段部200cと弾性係合する係合爪部202dとされている。この係合爪部202dは、その先端がパネルホルダ202の前面から突出しない大きさとされている。これら係合突部202c及び係合爪部202dに遊技パネル200の係合段部200cを係合させることで、パネルホルダ202は、遊技パネル200を着脱可能に保持することができるようになっている。
更に、パネルホルダ202には、嵌合段部202aに嵌合支持される遊技パネル200に形成された嵌合孔200a及び長孔200bと対応する位置に配置され、嵌合段部202aの前面から前方に向かって延び、遊技パネル200の嵌合孔200a及び長孔200bに嵌合及び挿通可能な複数の突出ピン202eを備えている。これらの突出ピン202eを遊技パネル200の嵌合孔200a及び長孔200bに嵌合及び挿通することで、パネルホルダ202と遊技パネル200とを互いに位置決めすることができるようになっている。
また、パネルホルダ202には、前構成部材79に備えられた位置決めボス79cを挿通可能な前後方向に貫通するボス挿通孔202fを備えており、このボス挿通孔202fに前構成部材79の位置決めボス79cを挿通することで、パネルホルダ202と前構成部材79とが互いに位置決めされるようになっている。
このパネルホルダ202には、図16(B)にも示すように、その後面側に、上下方向の中央やや下方より下側と外周縁を残すように前側に所定量窪んだ形態の取付支持部202gが備えられている。パネルホルダ202の後面は、取付支持部202gにより、下端より所定高さまでの所定範囲より上側で、後面側外周部が後方に突出したような状態で窪んだ形態となると共に、その窪み量(深さ)が、取付支持部202gに取付固定される裏箱210等の所定部材のフランジ状の固定部210bを収容できる深さ(本例では、約2.5mmとされており、1〜3mmの間とすることが望ましい)とされている(図11参照)。この取付支持部202gに所定の部材を取付固定することで、その固定部がパネルホルダ202よりも後側に突出するのを防止することができ、パネルホルダ202すなわち遊技盤5をパチンコ機1の遊技盤装着枠12に確実に装着できるようになっている。
また、パネルホルダ202の後面側には、下端より所定高さまでの所定範囲内で取付支持部202gが形成された位置より下側に形成され、前側に向かって窪みパネル裏体204を収容可能な収容凹部202hと、この収容凹部202h内に前後方向に貫通するように配置されパネル裏板204に形成された係止爪204cを係止可能な係止部202iとを更に備えている。この収容凹部202hは、パネル裏板204の係止爪204cを係止部202iに係止させることでパネル裏板204を着脱可能に収容すると共に、収容されたパネル裏板204の後面が、パネルホルダ202の後面と略同一面となるように形成されている。
更に、パネルホルダ202には、図示するように、後面側の取付支持部202g内及び収容凹部202hよりも上側に配置され所定のビスのとしての小径な第一ビス216(図11参照)を螺合可能な複数の第一取付孔202jと、第一取付孔202jに螺合される第一ビス216よりも大径の第二ビス(図示せず)が螺合可能とされ取付支持部202g内の上側に配置される複数の第二取付孔202kとが夫々所定配列で配置されている。なお、本例では、第一ビス216及び第二ビスのネジ部の径が、夫々約2.1mm及び約3mmとされており、第一取付孔202j及び第二取付孔202kの径が、これら第一ビス216及び第二ビスを螺合可能な径とされている。
また、パネルホルダ202には、第一取付孔202j及び第二取付孔202kと対応するように配置される複数の位置決め孔202lが備えられている。この位置決め孔202lは、第一取付孔202jや第二取付孔202kを用いて取付固定される部材に形成された位置決め突起(例えば、裏箱210の固定部210bに形成された位置決め突起210c)が挿入されるものである(図11参照)。なお、本例では、位置決め孔202lは、背面視略矩形状の止り孔とされている。
更に、パネルホルダ202には、少なくとも下端から所定高さまでの所定範囲では後面側に開口する複数の肉抜き部202mが形成されており、肉抜き部202mによりパネルホルダ202の重量が軽減されるようになっている。図16(A)にも示すように、収容凹部202hの前側、つまり、パネルホルダ202の膳面側の下端から所定高さまでの所定範囲内には、これらの肉抜き部202mが形成されておらず、その範囲内では、パネルホルダ202の前面が略平らな面となるようになっているので、その前面に配置される前構成部材79の案内レール78の後面が略平らな面となり、遊技球発射装置から発射された遊技球が、案内レール78内を滑らかに案内されるようになっている。また、このパネルホルダ202は、図示するように、肉抜き部202mが形成されることで、第一取付孔202jや第二取付孔202k等がボス状に形成されると共に、それらを支持したりパネルホルダ202の強度を維持したりするために、格子状のリブが形成された状態となっている。
なお、このパネルホルダ202には、既存の障害釘植設装置(図示しない)や、組立治具等の位置決め手段に対応した位置決め部202nが形成されており、障害釘植設装置に遊技パネル200を保持した状態でセットできるようになっている。また、パネルホルダ202の下部には、前構成部材79の傾斜部79bと連通するアウト口214と、前構成部材79における案内レール78の凹部76aと連通する連通孔202oが更に備えられている。
次に、遊技盤5のパネル裏板204は、パネルホルダ202の後面側で下端から所定高さまでの所定範囲内の肉抜き部202mを覆うように配置されると共に、パネルホルダ202の収容凹部202hに後面同士が略同一面となるように収容可能とされ、図17にも示すように、平面状の後面に所定配列で配置され第一ビス216を螺合可能な複数のビス孔204aと、ビス孔204aと対応するように配置される複数の位置決め孔204bと、パネルホルダ202の係止部202iに係止可能な係止爪204cと、前面側から貫通しないように陥没する減量用の凹陥部204dとを備えている。
なお、このパネル裏板204におけるビス孔204a及び位置決め孔204bは、パネルホルダ202における第一取付孔202j及び位置決め孔202lと略同じ構成とされている。また、このパネル裏板204もパネルホルダ202と同様に、凹陥部204dにより、ビス孔204a及び位置決め孔204b等が形成された部分がボス状に形成されると共に、それらを支持したりパネル裏板204の強度を維持したりするために、格子状のリブが形成された状態となっている。更に、パネル裏板204には、パネルホルダ202のアウト口214、連通孔202o、及びボス挿通孔202fと対応した位置に前後方向に貫通する開口204eが備えられている。
このパネル裏板204は、図19に示すように、パネルホルダ202の収容凹部202hに収容させると共に、パネル裏板204の係止爪204cをパネルホルダ202の係止部202iに係止させることで、パネルホルダ202と一体となり、その状態では、同図(B)に示すように、パネル裏板204の後面が、パネルホルダ202の後面と略同一面となる。このようにパネルホルダ202とパネル裏板204とを一体化することで、パネルホルダ204の後面側には、貫通口202bの外周側で略全周に亘って所定配列で第一取付孔202j、第二取付孔202k、ビス孔204a等からなる取付孔と、位置決め孔202l及び204bが配置されることとなり、それら取付孔の存在により、所定の部材を任意の位置に取付固定できるようになっている。
遊技盤5における基板ホルダ91は、図18に拡大して示すように、パネル裏板204の後面側に配置されると共に前側及び上側が開放された箱状とされ、遊技球が通過可能な大きさで遊技媒体排出口としての遊技球排出口91aを有し上面が遊技球排出口91aに向かって低くなるように傾斜した底板91bと、パネル裏板204の後面側との間に所定量の隙間が形成される逃し部91cと、後側に配置され主制御基板94を有した主制御基板ボックス95等を支持可能な基板支持部91dとを備えている。
この基板ホルダ91は、遊技領域37内に打ち込まれた遊技球を収集して遊技球排出口91aから下方へ排出することができるようになっている。また、基板ホルダ91の逃し部91cは、パネルホルダ202の取付支持部202gと同様に、パネル裏板204に取付固定された部材(図示しない)におけるフランジ状の固定部を収容できる深さ(本例では、約1mmとされており、0.5〜3mmの間とすることが望ましい)とされている。
また、基板ホルダ91には、その前面側の所定位置に、前構成部材79の位置決めボス79cと嵌合する筒状の固定ボス91eを備えており、この固定ボス91eを、前構成部材79との間にホルダパネル202を挟んだ状態で、前構成部材79の位置決めボス79cと嵌合させると共に、基板ホルダ91の後方から固定ボス91eを貫通する貫通孔91fを通して所定のビスを前構成部材79の位置決めボス79cにねじ込むことで、前構成部材79、パネルホルダ202、及び基板ホルダ91を固定できるようになっている。
更に、この基板ホルダ91には、図18(A)にも示すように、その前面下部に、前構成部材79の凹部76aと連通する開口受部91gを備えている。この開口受部91gは、遊技球排出口91aとは異なる位置で基板ホルダ91の下側に遊技球を誘導できるようになっており、基板ホルダ91内部に受けられた「死球」と、遊技球を遊技領域37内へ打ち込む際に、打ち損じた遊技球とを区別できるようになっている。
なお、本例では、前構成部材79の一部を除き、遊技パネル200、パネルホルダ202、パネル裏板204、及び基板ホルダ91が、熱可塑性樹脂により形成されており、それらの部材がリサイクルできるようになっている。なお、樹脂としては、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ABS樹脂、ポリプロピレン、ポリアリレート樹脂、メタクリル樹脂、等とすることができ、熱可塑性樹脂の他に、機能や用途に応じて適宜熱硬化性樹脂を用いても良い。また、遊技パネル200以外に、前構成部材79やパネルホルダ202、及びパネル裏板204等にも、透明な樹脂を用いても良い。
図20は、この実施の形態にかかる遊技盤5の正面図である。
同図20に示されるように、この遊技盤5の遊技領域37には、
・ゲート式の始動口として形成されている普通図柄始動口401。
・入球式の始動口として形成されるとともに、遊技球の入球が容易となるように動作する可動片402aを有する特別図柄始動口(始動口)402。
・特別遊技が行われるときに開閉動作されるアタッカ装置(開閉装置)403。
・遊技領域37の最下端部まで流下した遊技球を当該遊技領域37から排出するアウト口404。
等々、が設けられている。
ここで、上記普通図柄始動口401に遊技球が受け入れられたときは、普通始動口センサ(図示略)によって遊技球の通過が検出される。そして、このとき、予め定められた数値範囲内で更新(生成)される乱数に基づいて上記可動片402aの動作契機となる当たりについての当落にかかる抽選処理が行われ、この抽選処理の結果に応じて、普通図柄表示器(図示略)において所定の時間だけ変動表示される(普通図柄の変動表示制御)。そして、この抽選処理の結果、普通当たりが当選されたときは、上記特別図柄始動口402への遊技球の入球が容易となるように上記可動片402aが動作するようになる。
また、上記特別図柄始動口402に遊技球が入球(入賞)されたときは、第2始動口センサ(図示略)によって遊技球の入賞が検出される(始動検出手段)。そしてこのときは、上記アタッカ装置403の開閉動作が行われる特別遊技の実行契機となる大当たりについての抽選処理が行われる(抽選手段)。また、特別図柄表示器(図示略)に動的表示される特別図柄が所定の時間だけ変動表示される(特別図柄の変動表示制御)。そして、こうした抽選処理の結果、上記大当たりが当選されたときは、アタッカ装置403の開閉動作が行われ、該アタッカ装置403への遊技球の入球が可能となり、より多くの賞球が遊技者に払い出される特別遊技が行われることとなる(特別遊技実行手段)。なお、これらの電気的な処理は、例えば上記遊技パネル200の裏面側に配設された図示しない制御装置、等々によって行うことができる。
また、上記遊技盤5の中央には、演出表示装置212の表示面が上記透明樹脂からなる遊技パネル200及び保護部材209を介して遊技者から視認可能に設けられている。すなわち、上述の大当たりについての抽選処理が行われるときは、この抽選処理の結果状況が当該演出表示装置212の表示面に導出される。
また、この実施の形態にかかるパチンコ機1では、透明樹脂からなる平板部材としての上記遊技パネル200の後面側から発光演出を行う発光演出装置(図示略)を、上記演出表示装置212とは別に備えている。なお、この実施の形態の発光演出装置は、所定時間毎、若しくは演出表示装置212にて行われる表示演出や音響演出などと協働するように、上記遊技パネル200の後面側に設けられたランプやLED等の発光体を点滅(若しくは発光に強弱を付ける)させることによって、発光演出を行うようにしている。例えば、弾丸が打ち込まれたかのような発光演出が行われる弾丸演出部301、ターゲットスコープの縦横線が現れる発光演出が行われるスコープ演出部302などが、遊技領域37の背後に設けられている。
すなわち、同図20に示されるように、この実施の形態にかかる発光演出装置は、主に、遊技球が流下する遊技領域37の背後から発光演出を行うものである。このように、上記遊技パネル200の後面側から発光演出を行うことによって透光性のある遊技盤5としての優位性を好適に生かすことができるようになる。この点、この実施の形態では、このような発光演出装置(ランプやLED等の発光体も含む)と上記遊技パネル200との間に設けられる上記保護部材(透明樹脂板)209に所定のキャラクタ体のセル画などの装飾画を描くようにしている。ただし、こうした保護部材209に装飾画を単に描くようにした場合には、この装飾画によって上記遊技パネル200の後面側からの発光演出が見難くなり、上記透光性のある遊技盤5としての優位性が著しく低下してしまいかねない。
そこで、この実施の形態では、図21に、上記保護部材209の背面図を示すように、上記保護部材209として、
・その前面に、所定の装飾画が印刷によって画像形成されてなる。
・その後面に、遊技者側から当該保護部材209を介して見たときの上記発光演出装置による発光演出の明瞭度合いに強弱が付けられるかたちで、複数色の着色材によって裏打ちが施されてなる。
といった構造を採用するようにすることで、このような透光性のある遊技盤5としての優位性を好適に維持するようにしている。このような構成では、上記保護部材209の後面には、上記裏打ちされた着色材によって裏面層303が形成されるようになる。なお、上記着色材としては、例えば、インクやフィルムなどを採用することができる。また、上記着色材の裏打ちについては、例えば印刷によって行うことができる。
すなわち、このようなパチンコ機1では、保護部材209の前面に、当該保護部材209としての透光性が維持されるように所定の装飾画(装飾画層)を印刷によって画像形成した上で(図示略)、その後面に、遊技者側から当該保護部材209を介して見たときの上記発光演出装置による発光演出の明瞭度合いに強弱が付けられるように、複数色の着色材によって裏面層303を形成するようにしている。より具体的には、上記遊技パネル200の後面側からの発光演出を強調したい部分、例えば上記弾丸演出部301及び上記スコープ演出部302に対応する部分には、白系の着色材(白い着色材)による第1の裏面層303aを形成するとともにその周辺の領域には黒系の着色材(黒い着色材)による第2の裏面層303bを形成するようにしている。これにより、図20に示されるように、遊技者側から当該保護部材209を介して見たときの上記発光演出装置による発光演出の明瞭度合いに強弱が付けられるようになり(発光演出の行われる部分がくっきりと発光するようになり)、透光性のある遊技盤5としての優位性をより好適に生かすことができるようになる。
なお、上記保護部材209の裏面のうちの上記演出表示装置212に対応する部分には、裏打ちを行わない(裏面層を形成しない)ようにしている。これにより、上記演出表示装置212の表示面の明瞭度を好適に維持することができるようになる。また、上記普通図柄始動口401、上記特別図柄始動口402、アタッカ装置403、アウト口404や、各種の役物などが設けられる箇所に対応する部分は、くり貫かれている。
このように、本実施形態のパチンコ機1によると、透明樹脂からなる平板部材としての遊技パネル200と、遊技パネル200の後面側から発光演出を行う発光演出装置との間に、複数の下孔(貫通孔)200eに植設される障害釘201の先端部による機械的な干渉から発光演出装置や演出表示装置212などを保護する保護部材(透明樹脂板)209が介在されるため、調整の際に障害釘201を叩いても、障害釘201の植設側となる先端部が、保護部材(透明樹脂板)209によって発光演出装置や演出表示装置212などに当接するのを阻止することができるようになる。また併せて、障害釘201が必要以上に遊技パネル200側へ陥没することも回避されるようになり、障害釘201の調整の際に不具合が発生するのを防止することができるようになる。これによって、適正な遊技を行うことができるようになり、遊技の興趣の低下が抑制されるようになる。また、演出表示装置212及び発光演出装置等を保護部材209によって障害釘201の植設側先端から保護することができるので、遊技盤5の大きさと略同じ大きさの演出表示装置212を問題なく備えることができ、遊技者に対して演出を大きな領域にて見せることができ、迫力のある演出によって遊技者を楽しませて、より興趣の高められるパチンコ機1とすることができる。
また、上記保護部材(透明樹脂板)209として、上記遊技パネル200よりも硬質な樹脂材を採用するようにした。したがって、上記障害釘201の先端部による機械的な干渉から上記発光演出装置を保護する保護部材209としての機能を好適に維持しつつ、その厚さを薄くすることができるようになり、ひいては保護部材209の重さを可及的に軽くすることができるようになる。
また、上記障害釘201が植設される遊技パネル200とは別に設けられる、上記保護部材(透明樹脂板)209にセル画などの装飾画を描くようにしたため、障害釘201によって上記装飾画が傷つけられ難くなり、遊技の興趣の低下が抑制されるようになる。
また、上記保護部材(透明樹脂板)209として、
・その前面に、所定の装飾画が印刷によって画像形成されてなる。
・その後面に、遊技者側から当該保護部材(透明樹脂板)209を介して見たときの上記発光演出装置による発光演出の明瞭度合いに強弱が付けられるかたちで、複数色の着色材によって裏打ちが施されてなる。
といった構造を採用するようにした。すなわち、このようなパチンコ機1では、保護部材(透明樹脂板)209の前面に、当該保護部材(透明樹脂板)209としての透光性が維持されるように所定の装飾画を印刷によって画像形成した上で、上記遊技パネル200の後面側からの発光演出を強調したい部分には、該当する部分に白系の着色材(白い着色材)による裏打ちを行うとともにその周辺の領域には黒系の着色材(黒い着色材)による裏打ちを行うようにした。このため、遊技者側から当該透明樹脂板を介して見たときの上記演出装置による発光演出の明瞭度合いに強弱が付けられるようになり、透光性のある遊技盤としての優位性をより好適に生かすことができるようになる。
また、障害釘201の植設側先端から演出表示装置212等を保護する保護部材209を備えているので、障害釘201を植設する下孔200eを貫通孔としても何ら問題となることは無く、これにより、遊技パネル200の厚さ全体を使って障害釘201を保持することができ、障害釘201の保持強度が低下するのを抑制して、遊技盤5の耐久性が低下するのを防止することができる。また、障害釘201用の下孔200eを貫通孔とすることができるので、遊技パネル200の厚さが増加するのを防止することが可能となり、遊技パネル200に係るコストが増加するのを抑制することができると共に、遊技パネル200を有した遊技盤5の重量が増加するのを抑制することができるので、遊技盤5を支持する部分を補強したり遊技盤5の取り回しがし辛くなったりするのを防止することができ、パチンコ機1に係るコストが増加するのを抑制することができる。
更に、遊技パネル200の後面側に保護部材209が密着配置されているので、調整の際に障害釘201を叩いても、障害釘201の植設側先端が保護部材209に当接して、障害釘201が必要以上に遊技パネル200側へ陥没するのを防止することができ、障害釘201の調整の際に不具合が発生するのを防止することができる。
また、遊技パネル200と保護部材209とが密着しているので、保護部材209の前面で光が反射するのを防止することが可能となり、保護部材209での光の反射によって後側に配置された演出表示装置212等が見辛くなるのを防止することができ、遊技者の興趣が低下するのを抑制することができる。また、遊技パネル200と保護部材209とが密着しているので、保護部材209を遊技パネル200と一体化されることとなり、パチンコ機1の組立てに係る工程を少なくすることができ、組立てに係るコストを低減させることができる。
更に、遊技パネル200における一辺側(下側)の係合段部200cをパネルホルダ202の係合突部202cと係合させた後に、他方の辺側(上側)の係合段部200cをパネルホルダ202の係合爪部202dと弾性係合させることでパネルホルダ202に遊技パネル200を係合保持させることができ、パネルホルダ202と遊技パネル202との着脱を容易に行わせることができる。また、遊技パネル200の係合部(係合段部200c)とパネルホルダ202の被係合部(係合突部202c及び係合爪部202d)とを互いに係合させることで、遊技パネル200とパネルホルダ202とが、その前面側が略面一となる状態で保持することができるので、従来より用いられている障害釘植設装置を改造等しなくても遊技パネル200をパネルホルダ202に保持した状態で従前の障害釘植設装置にセットすることが可能となり、障害釘201の植設にかかるコストが増加するのを抑制することができる。
また、遊技パネル200とパネルホルダ202とを互いに係合させる係合爪部202dが、パネルホルダ202の前面から突出しないように備えられているので、パネルホルダ202に遊技パネル200を保持させた状態で、遊技盤5(遊技パネル200やパネルホルダ202)の前面に沿って障害釘植設装置等の加工装置を作動(移動)させても、加工装置が係合爪部202dに当接することが無く、加工装置を用いて遊技盤5に対し所定の加工(例えば、障害釘201の植設など)を良好に行わせることができる。
更に、パネルホルダ202に、既存の障害釘植設装置の位置決め手段と対応した位置決め部202nを備えており、遊技パネル200を支持するパネルホルダ202を既存の障害釘植設装置にセットすることが可能となるので、既存の障害釘植設装置により遊技パネル200に障害釘201を植設することができ、障害釘植設装置を改造したり新造したりする必要が無く、パチンコ機1の製造にかかるコストが増加するのを抑制することができる。
また、パネルホルダ202における後面側の下端から所定範囲内に形成された肉抜き部202mを覆うように平面状のパネル裏板204を配置すると共に、パネル裏板204によりその後面側に配置される基板ホルダ91の開放された前側を閉鎖することができるので、各種入賞口やアウト口214等に受入れられた遊技球を排出するために、遊技パネル200やパネルホルダ202の後面に沿うように流下した遊技球や、基板ホルダ91により収集された遊技球が、パネルホルダ202の後面側に形成された肉抜き部202m内に侵入したり、肉抜き部202mの開口に接触したりして、遊技球が本来とは懸離れた意図しない動きや、遊技球が停滞する等により遊技球の流通に不具合が生じ、遊技に影響が及ぼされるのを防止することができる。
更に、パネルホルダ202の肉抜き部202mを、パネルホルダ202の下端から所定範囲内までは後面側に開口するように形成しているので、その部位の前面側を平坦な面とすることができ、その前面側に前構成部材79の案内レール78を配置することで、案内レール78により遊技球を円滑に案内させることができる。
また、パネルホルダ202に、その後面がパネル裏板204の後面と略同一面となるようにパネル裏板204を収容可能な収容凹部202hを形成しており、パネルホルダ202とパネル裏板204の後面を略同一面とすることができるので、パネルホルダ202とパネル裏板204との境界部において前後方向に段が形成されるのを回避することができ、パネルホルダ202の後面側に沿って流下する遊技球をパネル裏板204の後面側へスムーズに受け渡すことができる。また、パネルホルダ202の後面側からパネル裏板204が後方へ突出するのを防止することができるので、パネルホルダ202つまり遊技盤5をパチンコ機1における遊技盤装着枠12に確実に装着固定することができる。
更に、係止部202iと係止爪204cとを互いに係止させるだけで容易にパネルホルダ202にパネル裏板204を固定させることができるので、組立にかかる手間を簡略化することができると共に、係止部202iと係止爪204cとを簡単に係止を解除することができるので、パチンコ機1を分解する際に、パネルホルダ202からパネル裏板204を容易に取外すことができ、分解にかかる手間も簡略化することができる。
また、パネル裏板204の前面側に減量用の凹陥部204dを形成しているので、これにより、パネル裏板204の重量を軽減させることができると共に、パネル裏板204に用いる材料の量を減らすことができ、パネル裏板204にかかるコストを低減させることができる。
更に、遊技盤5におけるパネルホルダ202の後面側、具体的には、パネル裏板204の後面側に、箱状の基板ホルダ91が備えられているので、遊技領域37内の何れの位置に各種入賞口やアウト口等が配置されていても、それら入賞口等に受入れられることで遊技パネル200の後方側に誘導されて排出される遊技球を箱状の基板ホルダ91により収集して、所定位置に配置された遊技球排出口91aから排出させることができる。つまり、入賞口等を遊技領域37の何れの位置に配置しても遊技球を確実に排出することができるので、パチンコ機1の機種を変更して入賞口等の位置が変化しても、基板ホルダ91を変更することなく遊技球を確実に排出させることができ、基板ホルダ91を共通パーツとすることが可能となり、パチンコ機1にかかるコストが増加するのを抑制することができる。
また、基板ホルダ91には、パネル裏板204の後面との間に所定量の隙間を形成する逃し部91cを備えているので、この逃し部91c内に、パネルホルダ202の後面側に配置されたパネル裏板204のビス孔204aに取付けられる所定の部材(例えば、各種入賞口や受入口、演出用役物、装飾用役物、装飾部材、裏箱、演出表示手段等)に備えられたフランジ状の固定部が収納配置されるようにすることで、固定部がパネルホルダ202やパネル裏板204への基板ホルダ91の取付けの妨げとなるのを回避することができ、基板ホルダ91及び所定の部材を夫々パネル裏板204の後面側に確実に取付固定することができる。また、基板ホルダ91に逃し部91cが備えられており、基板ホルダ91が配置された位置と略同じ位置に所定の部材を配置してパネルホルダ202(パネル裏板204)に取付固定することができるので、パネルホルダ202やパネル裏板204に対して所定の部材を任意の位置に自由に配置することができ、パチンコ機1の設計自由度を高めて遊技者の興趣が高められるものとすることができる。
更に、パネルホルダ202の後面側に、前側に窪んだ形態の取付支持部202gが備えられているので、この取付支持部202gに所定の部材として例えば、裏箱210の固定部210bを取付固定することで、固定部210bがパネルホルダ202gの後面から後側に突出するのを防止することができ、パネルホルダ202すなわち遊技盤5を、パチンコ機1における遊技盤装着枠12に確実に装着固定することができる。つまり、パチンコ機1における遊技盤装着枠12を加工(変更)しなくても遊技盤5を装着することができるので、遊技盤装着枠12を機種に依存しない共通パーツとすることができ、パチンコ機1にかかるコストが増加するのを防止することができる。
また、取付支持部202gをパネルホルダ202の外周付近に配置しており、取付固定される裏箱210(所定の部材)の固定部210bを可及的にパネルホルダ202の外周縁に近づけることができるので、よりパネルホルダ202の外周近くまで裏箱210を固定配置することが可能となり、より大きな裏箱210等の所定の部材を取付固定したり、遊技盤5の略全体に亘って裏箱210等の所定の部材を配置したりすることができると共に、取付固定される所定の部材(例えば、裏箱210等)によって広がりのある演出や装飾を行うことができ、遊技者の興趣を高められるものとすることができる。
また、パネルホルダ202における後面側の外周部が後側に突出したような状態となるように取付支持部202gが備えられており、遊技盤5を装着する枠状の遊技盤装着枠12に対して当接するパネルホルダ202の外周部をパネルホルダ202の最も後側に位置する端部とすることができるので、取付支持部202gに所定の部材の固定部(例えば、裏箱210等)を取付固定しても、パネルホルダ202すなわち遊技盤5をパチンコ機1の遊技盤装着枠12に確実に装着させることができる。
更に、遊技領域37を有した遊技盤5を、遊技パネル200、パネルホルダ202、及び前構成部材79に分割するようにしているので、パチンコ機1の機種によって障害釘や入賞口等の位置が変化する遊技パネル200を交換パーツとすると共に、パネルホルダ202及び前構成部材79を共通パーツとすることができ、パネルホルダ202や前構成部材79等をリサイクル可能とすることができると共に遊技パネル200のみを交換するだけで種々の機種に対応可能な遊技盤5を備えたパチンコ機1とすることができる。
また、機種に応じてパネルホルダ202に取付固定される入賞口や各種役物等の種々の所定の部材の取付固定位置が異なる位置となっていても、パネルホルダ202に予め複数の第一取付孔202jや第二取付孔202kが所定配列で備えられているので、各種部材の固定部を第一取付孔202jや第二取付孔202kの位置と対応させるように設計することで、パネルホルダ202を機種に依存しないパチンコ機1の共通パーツとすることができ、機種を変更してもパネルホルダ202の成形型を流用することができるので、パチンコ機1に係るコストを低減させることができる。
更に、遊技パネル200とパネルホルダ202とを分割するようにすると共にパネルホルダ202を共通パーツとすることができるので、一体成形する場合と比較して、機種を変更する度に遊技盤5全体の大きさに相当する大型の成形型を新たに製作する必要が無く、機種変更に係るコストが増加するのを抑制することができる。
また、遊技パネル200をパネルホルダ202の嵌合段部202aに着脱可能に嵌合させた上で、係合段部200cと係合突部202c及び係合爪部202dとを互いに係合させることで着脱自在に係合保持するようにしており、接着固定していないので、遊技パネル200とパネルホルダ202とを組立てるための組立工数が増加するのを抑制することができると共に、遊技パネル200とパネルホルダ202とを容易に着脱することができるので、組立や、廃棄処分時等の分解に係る手間を簡略化することができる。
更に、遊技パネル200がパネルホルダ202の嵌合段部202aに嵌合されるので、パネルホルダ202の厚み内に遊技パネル200の厚みを収めることが可能となり、遊技盤5を遊技パネル200、パネルホルダ202や、前構成部材79等に分割される構成としても、その厚さが増加するのを抑制することができる。従って、遊技盤5を既存のものと略同等の大きさのものとすることができるので、パチンコ機1における遊技盤5以外の部分を既存のものと共通化することができると共に、既存の製造ラインに載せることができ、製造に係るコストが増加するのを抑制することができる。
また、一般的な重量の部材をパネルホルダ202に取付固定する場合は、全周に配置された第一取付孔202jを用いて取付固定し、重量の重い部材をパネルホルダ202に取付固定する場合には、上側に配置された大径の第二ビスが螺合される第二取付孔202kを用いて取付固定するようにすることができるので、重量の重い部材を大径の第二ビスにより固定して、その部材を確実に取付固定することができる。
更に、パネルホルダ202に、第一取付孔202jや第二取付孔202kと対応する位置に位置決め孔202lを備えるようにしているので、これにより、パネルホルダ202に所定の部材を取付固定する際に、所定の部材に備えられた位置決め突起(例えば、裏箱210の位置決め突起210c)を位置決め孔202lに挿入させることで、パネルホルダ202と所定の部材との位置関係を正しい位置にすることができ、組付け性を向上させることができる。
また、パネルホルダ202に、少なくとも後面側に開口する複数の肉抜き部202mを備えるようにしているので、これにより、パネルホルダ202を軽量化することができ、従来の木製合板からなるものと比較して、遊技盤5の重量が増加するのを抑制することができる。また、パネルホルダ202に樹脂を用いているので、射出成形等により複数の肉抜き部202mを容易に形成することができる。
更に、少なくとも遊技パネル200を透明部材により構成するようにしており、従来のパチンコ機1のように遊技盤5に開口部を備えなくても、遊技パネル200を通して遊技盤5の後方に配置された演出表示手装置212を視認することができるので、遊技領域37における実際に遊技球が流下可能な領域を可及的に広くすることができ、遊技球に種々の動きをさせて遊技者の興趣が低下するのを防止することができる。また、遊技領域37が形成される遊技パネル200を透明部材により構成するようにしているので、遊技パネル200の後方に配置したものを遊技者に視認させることができ、例えば、遊技パネル200の後方に、遊技領域37全体に広がる大型の演出表示装置212を配置してこれまでにない大型の演出画像を表示したり、種々の演出用や装飾用の役物を奥行き方向に配置してこれまでに無い奥行感のある遊技盤5の構成としたりすることができ、遊技者の関心を引き付けられる訴求力の高いパチンコ機1とすることができる。
また、遊技パネル200の少なくとも略対向する二辺に係合部としての係合段部200cを備えると共に、パネルホルダ202に遊技パネル200の係合段部200と係合する被係合部としての係合突部202c及び係合爪部202dを備えるようにしており、遊技パネル200の係合段部200cとパネルホルダ202の係合突部202c及び係合爪部202dとを互いに係合させることで、遊技パネル200をパネルホルダ202に容易に支持させることができる。
更に、遊技パネル200の外周とパネルホルダ202との間に所定量のクリアランスCが形成されるようにしており、このクリアランスCによって、温度変化や経時変化により相対的に遊技パネル200が伸縮しても、遊技パネル200がパネルホルダ202から脱落したりガタ付いたり、或いは遊技パネル200とパネルホルダ202とが互いに押圧し合って歪みが発生したりするような異常が発生するのを防止することができ、異常の発生により遊技球が意図しない動きをしたり、遊技パネル200やパネルホルダ202等が破損したり、遊技を中断しなければならない状態となったりするのを防止して、遊技者の興趣が低下するのを抑制することができる。
また、パネルホルダ202の嵌合段部202aに少なくとも二つの突出ピン202eを備えるようにすると共に、遊技パネル200に突出ピン202eと嵌合する嵌合孔200aと長孔200bとを少なくとも一つずつ備えるようにしており、遊技パネル200の嵌合孔200a及び長孔200bに、パネルホルダ202の突出ピン202eを嵌合及び挿通させることで、容易に遊技パネル200をパネルホルダ202に位置決めすることができると共に、遊技パネル200等が温度変化や経時変化等によって伸縮しても、遊技パネル200の長孔200bにおいて固定位置が可動(スライド)して伸縮が許容されるので、位置決めした状態でも遊技パネル200とパネルホルダ202との間に応力が作用するのを防止して、応力がかかることで遊技盤5が歪むのを防止することができる。
以上、本発明について好適な実施形態を挙げて説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではなく、以下に示すように、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々の改良及び設計の変更が可能である。
すなわち、上記実施形態では、透明な遊技パネル200を通して後方に配置した演出表示装置212が遊技者から視認可能となるものを示したが、例えば、遊技パネル200に枠状の中央役物を固定する開口を形成し、その開口を通して後方に配置された演出表示装置が視認できるようにしても良い。また、演出表示装置212を支持する裏箱210内に、可動役物や、可動する可動装飾体等を配置するようにしても良く、この場合でも、遊技パネル200に植設された障害釘201を叩いて調整しても、保護部材209によって障害釘201の植設側先端が可動役物(演出可動役物)や可動装飾体(演出装飾体)等に当接するのを防止することができ、障害釘201の調整の際に不具合が発生するのを防止することができるパチンコ機1とすることができる。
また、上記実施の形態では、障害釘201のうちの植設される部位(胴体部)の外径(最大外径)を、下孔(貫通孔)200eの内(孔)径(最大内径)よりも大きい径としたが、棒状とされる上記胴体部の外径(最大外径)を、上記下孔200の内(孔)径(最大内径)よりも小さい径とした上で、その胴体部に、当該障害釘201が上記下孔200に植設されるとき、該下孔200の側壁との間で噛み合うように当該下孔200の内(孔)径(最大内径)よりも大きい径とされた肉厚山部を形成するようにしてもよい。このような構成では、上記遊技パネル200に植設される障害釘201が、その胴体部に、例えば螺旋状や、複数の輪状に形成されることとなる上記肉厚山部によって、上記下孔200の側壁との間で局所的に支持されるようになり、上記実施の形態のように胴体部が単に圧入される場合よりも当該障害釘201としての安定感が増すようになる。
また、上記実施の形態では、上記保護部材209は、その前面に、所定の装飾画が印刷された装飾画層を形成するとともに、その後面に、遊技者側から当該保護部材209を介して見たときの上記発光演出装置による発光演出の明瞭度合いに強弱が付けられるかたちで複数色の着色材によって裏面層303を形成することとした。ただし、例えば、上記保護部材209の前面及び後面のいずれか一方のみに、上記装飾画層及び上記裏面層303を、上記裏面層303が上記装飾画層の裏側となるように積層させて形成するようにしてもよい。要は、上記保護部材209としては、その前面及び後面の少なくともいずれか一方に、
・所定の装飾画が印刷された装飾画層。
・遊技者側から当該保護部材209を介して見たときの上記発光演出装置による発光演出の明瞭度合いに強弱が付けられるかたちで複数色の着色材によって形成された裏面層303。
が、上記裏面層303が上記装飾画層の裏側となるように形成(印刷)されてなるものを採用するようにすれば、遊技者側から当該保護部材209を介して見たときの上記発光演出装置による発光演出の明瞭度合いに強弱が付けられるようになり、透光性のある遊技盤5としての優位性をより好適に生かすことができるようになる。なお、上記装飾画層及び上記裏面層303が上記保護部材209の前面に積層されるときは、上記保護部材209の前面に形成された上記裏面層303に対して、上記装飾画層を積層することとなる。また、上記装飾画層及び上記裏面層303が上記保護部材209の後面に積層されるときは、上記保護部材209の後面に形成された上記装飾画層に対して、上記裏面層303を積層することとなる。
また、上記保護部材209の裏面のうちの上記発光演出装置に対応する部分に裏打ちを行うようにしている限りは、例えば上記保護部材209の裏面のうちの上記演出表示装置212に対応する部分も、くり貫くようにしてもよい。このような構成では、上記演出表示装置212の表示面の明瞭度のさらなる向上を図ることができるようになる。
パチンコ機の前側全体を示す正面図である。 パチンコ機の外枠の一側に本体枠が開かれ、その本体枠の一側に更に前面枠が開かれた状態を示す斜視図である。 パチンコ機の本体枠と遊技盤とを分離して斜め右上前方から示す斜視図である。 パチンコ機の後側全体を示す背面図である。 パチンコ機の後側全体を右上後方から示す斜視図である。 図5に示すパチンコ機の斜視図から後カバー体及び各種制御基板等を取り外した状態を示す斜視図である。 パチンコ機の本体枠に各種部材が組み付けられた状態を斜め右上後方から示す斜視図である。 本体枠単体を斜め右上後方から示す斜視図である。 主要な部材により構成された遊技盤を斜め前方から示す斜視図である。 図9に示す遊技盤を斜め後方から示す斜視図である。 遊技盤を縦方向に切断して示す断面図である。 遊技盤を分解して斜め前方から示す分解斜視図である。 遊技盤を分解して斜め後方から示す分解斜視図である。 (A)は前構成部材を斜め前方から示す斜視図であり、(B)は前構成部材を斜め後方から示す斜視図である。 (A)は遊技パネルを斜め前方から示す斜視図であり、(B)は遊技パネルを斜め後方から示す斜視図である。 (A)はパネルホルダを斜め前方から示す斜視図であり、(B)はパネルホルダを斜め後方から示す斜視図である。 (A)はパネル裏板を斜め前方から示す斜視図であり、(B)はパネル裏板を斜め後方から示す斜視図である。 (A)は基板ホルダを斜め前方から示す斜視図であり、(B)は基板ホルダを斜め後方から示す斜視図である。 (A)はパネルホルダとパネル裏板とを分解して示す分解斜視図であり、(B)はパネルホルダにパネル裏板を組付けた状態で示す組立斜視図である。 遊技盤の正面図である。 保護部材の背面図である。
符号の説明
C クリアランス
1 パチンコ機
5 遊技盤
12 遊技盤装着枠
76 外レール
77 内レール
78 案内レール
79 前構成部材
91 基板ホルダ
91a 遊技球排出口(遊技媒体排出口)
91b 底部(底板)
91c 逃し部
91d 基板支持部
94 主制御基板
95 主制御基板ボックス
200 遊技パネル
200a 嵌合孔
200b 長孔
200c 係合段部(係合部)
200e 下孔
201 障害釘
202 パネルホルダ
202a 嵌合段部
202b 貫通口
202c 係合突部(被係合部)
202d 係合爪部(被係合部)
202e 突出ピン
202f ボス挿通孔
202g 取付支持部
202h 収容凹部
202i 係止部
202j 第一取付孔(取付孔)
202k 第二取付孔(取付孔)
202l 位置決め孔
202m 肉抜き部
204 パネル裏板
204a ビス孔
204b 位置決め孔
204c 係止爪
204d 凹陥部
204e 開口
209 保護部材
210 裏箱
210a 開口部
210b 固定部
210c 位置決め突起
212 演出表示装置(演出手段)
214 アウト口
216 第一ビス
301 弾丸演出部
302 スコープ演出部
303 裏面層
303a 第1の裏面層
303b 第2の裏面層
401 普通図柄始動口
402 特別図柄始動口
402a 可動片
403 アタッカ装置
404 アウト口

Claims (1)

  1. 透明樹脂からなる平板部材に所定配列をもって複数の貫通孔が形成される遊技パネル、及び前記遊技パネルの前記複数の貫通孔の別に各々植設される障害釘、を有し、前記遊技パネルの前面のうちの前記障害釘が植設される遊技領域に向けて遊技球が打ち込まれる遊技盤と、
    前記透明樹脂からなる平板部材としての前記遊技パネルの後面側から発光演出を行う演出装置と、
    前記遊技領域に設けられ、遊技球を受け入れ困難な閉状態と当該閉状態よりも遊技球を受け入れ容易な開状態との間で開閉動作可能な開閉装置と、
    前記遊技領域に向けて打ち込まれた遊技球を受け入れ可能な始動口と、
    前記始動口への遊技球の入球を検出する始動検出手段と、
    前記始動検出手段により前記始動口への遊技球の入球が検出されることに基づき、前記開閉装置が開閉動作される特別遊技の実行契機となる大当たりについての抽選処理を行う抽選手段と、
    前記抽選手段により前記大当たりが当選されることに基づいて前記特別遊技を行う特別遊技実行手段と、を備え、
    前記透明樹脂からなる平板部材としての前記遊技パネルと、前記遊技パネルの後面側から発光演出を行う前記演出装置との間には、前記複数の貫通孔に植設される前記障害釘の先端部による機械的な干渉から前記演出装置を保護する透明樹脂板が前記遊技パネルよりも硬質な樹脂材を採用して介在されてなり、
    前記透明樹脂板には、所定の装飾画が描かれてなる
    ことを特徴とする遊技機。
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