しかしながら、従来の遊技機は、遊技盤が木製合板により形成されいるので、遊技盤を再利用することが困難であり、産業廃棄物として焼却処分等の廃棄処理をしなければならず、廃棄処理のコストが高いものとなっていると共に、木材資源を廃棄処分することとなるので、森林資源を消費してしまい、環境に与える影響が大きくなる問題がある。
そのため、遊技盤を構成する素材として、溶融させることで再成形可能な熱可塑性の合成樹脂を用いて遊技盤を成形することが考えられる。これにより、不要となった遊技盤を処分する際に、合成樹脂の部分を一旦溶融させた上で遊技盤や他の製品(部品)に成形することができ、資源を有効に再利用したり、廃棄処分する量を可及的に少なくして廃棄処理に係るコストを低減させたりすることができる。
しかしながら、遊技盤を合成樹脂により形成するようにした場合、遊技機の遊技盤は機種ごとに遊技盤の後面側に固定される各種の所定の部材(例えば、遊技媒体の排出流路を形成する部材、演出用或いは装飾用の役物や部材、など)の取付位置が異なるものとなっているので、遊技盤に取付けられるそれらの部材に合わせた取付支持部を備える必要がある。そのため、機種を変更するごとに遊技盤全体を新たに形成しなければならず、機種ごとに遊技盤を成形するための大型の成形型を新造する必要があり、機種変更(遊技機)に係るコストが増加する問題がある。
そこで、本発明は上記の実状に鑑み、リサイクル可能とすると共に機種変更に容易に対応することのできる遊技盤を備えた遊技機の提供を課題とするものである。
請求項1に記載の遊技機は、枠本体に装着される遊技盤を備え、前記遊技盤の後面側に裏構成部材が取付固定される遊技機であって、
前記遊技盤は、
遊技者の操作によって遊技媒体が打ち込まれる遊技領域の少なくとも一部を含む大きさとされた合成樹脂からなる透明板状の遊技パネルと、
前記遊技パネルの外周を略覆うと共に、該遊技パネルを前面側から着脱可能に嵌合する嵌合段部、及び
前記嵌合段部の内側に形成され前後方向に貫通する貫通口を有し、
前記遊技パネルが前記嵌合段部に嵌合された状態において、前記遊技パネルの外周面と前記遊技パネルの前記外周面と対面する前記嵌合段部の内周面との間に、前記遊技パネルの伸縮を吸収するためのクリアランスが形成される、熱可塑性合成樹脂からなる枠状のパネルホルダと、
前記パネルホルダ及び前記遊技パネルの前面側に配置され、前記遊技領域を区画形成すると共に該遊技領域内に遊技者の操作によって打ち込まれた遊技媒体を案内する案内レールを有し、前記パネルホルダと協働して前記遊技パネルを挟持する前構成部材と、
を構成部材として含み、
前記パネルホルダの前記貫通口の外周側且つ少なくとも後面側には、前記裏構成部材を該パネルホルダの後面側の所望の位置に取付固定できるように、所定のビスを螺合可能な複数の取付孔が所定配列で配置されており、
前記パネルホルダの後面に前記裏構成部材が取付固定された状態において、
前記複数の取付孔のうちの一部が取付固定に使用され、残りの取付孔が取付固定に使用されずに未使用とされることで、前記パネルホルダを機種に依存しない共通パーツとした、
ことを特徴とする。
請求項2に記載の遊技機は、請求項1に記載の遊技機において、前記裏構成部材である所定の演出画像が表示される演出表示手段が、前記遊技パネルを通して前方から視認可能となるように配置されているものである。
請求項3に記載の遊技機は、請求項1または2に記載の遊技機において、
前記遊技パネルが前記嵌合段部に嵌合された状態において、前記遊技パネルの前面と前記パネルホルダの前面とが略同一面となるものである。
ところで、従来より、遊技盤には、障害釘や入賞口等が固定される他に、演出用や装飾用などの各種役物や、入賞口等に受入れられた遊技媒体を誘導する誘導路、遊技状況に応じて所定の演出画像を表示する演出表示手段、及び役物や演出表示手段等を制御するための制御基板等が所定のビス等により固定されている。そして、この遊技盤を合成樹脂により構成するようにした場合、従来の木製合板を用いたもののように任意の位置に固定用のビスをねじ込むことができず、ビスをねじ込む位置に予め下孔(例えば、取付孔)を穿設する必要がある。しかしながら、この場合、遊技機の機種によって、障害釘や各種役物等が固定される位置が異なるので、予め穿設する取付孔の位置も異なるものとなり、他の機種に使用することができない問題がある。
手段1の構成によると、遊技媒体が打ち込まれる遊技領域が形成され、遊技領域よりも外側で後面側に所定配列で配置された複数の取付孔を備えた合成樹脂からなる遊技盤ベースと、遊技盤ベースの前面側に配置され遊技領域を区画すると共に遊技媒体を遊技領域へ案内する案内レールを備えた前構成部材とを有した遊技盤を具備するものである。
これにより、遊技盤ベースの後面側に、予め複数の取付孔が所定配列で備えられているので、ビスをねじ込む取付孔を適宜選択することにより、各種役物や演出表示手段等を所望の位置に取付固定することができる。つまり、各種役物や演出表示手段等を取付孔の配置に合せて略任意の位置に固定することができるので、同一の遊技盤ベースを用いても種々の機種に対応させることができ、機種を変更しても遊技盤ベースを流用することで遊技盤に係るコストを抑制することができる。
また、機種に応じて遊技盤ベースに取付固定される入賞口や各種役物等の種々の所定の部材の取付固定位置が異なる位置となっていても、遊技盤ベースに予め複数の取付孔が所定配列で備えられているので、各種部材の固定部を取付孔の位置と対応させるように設計することで、遊技盤ベースを機種に依存しない遊技機の共通パーツとすることができ、機種を変更しても遊技盤ベースの成形型を流用することができるので、遊技機に係るコストを低減させることができる。
更に、遊技盤ベースの取付孔を、遊技領域よりも外側に配置するようにしているので、遊技領域内に障害釘を植設したり、各種入賞口や各種役物等を配置したりする際に、取付孔がそれらの妨げとなるのを防止することができ、遊技盤ベースに障害釘、各種入賞口や役物等を良好に配置することができる。
また、遊技盤ベースを透明な部材とした場合、複数の取付孔が遊技領域の外側に配置されており、遊技領域外では取付孔が配置されることで遊技盤ベースの透明度が低下するものの遊技領域内では良好な透明度を得ることができるので、遊技領域内の後方に配置された演出表示手段、各種役物、各種装飾体等を遊技者から良好に視認させることができ、それらにより遊技者を楽しませて、興趣が低下するのを防止することができる。
また、遊技盤ベースを合成樹脂のなかでも熱可塑性合成樹脂とした場合、遊技盤ベースをリサイクルすることができ、廃棄処分にかかるコストを低減させることができると共に、省資源なものとすることができ、環境に優しい遊技機とすることができる。また、遊技盤ベースを共通パーツとすることができるので、遊技機の製造の際に、回収した遊技盤ベースをそのまま再利用するようにしても良く、更に、コストを低減させることができると共に、廃棄処分される廃棄物の量を低減させることができる。
なお、遊技盤ベースの厚さを、従来の遊技盤における木製合板の部分の厚さと対応した厚さ(18〜21mm、望ましくは、約19mm)とすることが望ましく、遊技領域においては、その厚さを8〜10mmの厚さとすることが望ましい。詳述すると、遊技領域には多数の障害釘を植設する関係上、その厚さが8mmよりも薄いと障害釘を良好に保持することができなく恐れがあり、また、厚さが10mmよりも厚くても障害釘の保持が向上しないと共に遊技盤ベースの重量が必要以上に重くなる問題があるからである。これにより、合成樹脂からなる遊技盤ベースの厚さを最適なものとすることができる。
また、遊技盤ベースを、既存の遊技盤と略同等の大きさのものとすることが望ましく、これにより、既存の製造ラインに載せることができ、製造に係るコストが増加するのを抑制することができる。
手段2:手段1の構成において、
「前記遊技盤ベースは、
前記取付孔が配置され少なくとも外周部が残るように前側に窪んだ形態の取付支持部を更に備えている」ものであることを特徴とする。
ここで、「取付支持部」とは、遊技盤ベースの後面側に取付けられる所定の部材(例えば、各種入賞口や受入口、演出用役物、装飾用役物、装飾部材、裏箱、演出表示手段等)に備えられたフランジ状の固定部を取付固定するための部位であり、具体的には、「取付固定される所定の部材の固定部の厚さよりも深く窪んだ形態のもの」、「遊技盤ベースの外周よりも所定量内側に配置された形態のもの」、等が挙げられる。なお、取付支持部の窪み量としては、1〜3mmの間が望ましく、1mmよりも少ないと取付固定される固定部の厚さが薄くなり固定部の強度が低下して破損する恐れがあるからであり、3mmよりも大きいと取付支持部における遊技盤ベースの厚さが薄くなり強度が低下する恐れがあるからである。
ところで、従来より、遊技盤の後面側に取付固定される所定の部材には、遊技盤の後面に略沿うように遊技盤の外側に延びるフランジ状の固定部を備えており、その固定部介して遊技盤の後面側に所定の部材が取付固定されるようになっている。ところが、遊技盤に所定の部材を取付固定すると、その固定部が遊技盤の後面よりも後側に突出した状態となるので、遊技盤を遊技機の遊技盤装着枠に装着固定する際に、遊技盤装着枠の装着部に固定部が当接し遊技盤が遊技盤装着枠に装着できなくなる恐れがある。そのため、固定部が遊技盤装着枠の装着部に当接しないように、固定部と当接する遊技盤装着枠の装着部に逃し部などを形成するようにすることが考えられる。しかしながら、この場合、遊技機の機種によって遊技盤に固定される固定部の位置が異なるので、機種によって遊技盤装着枠も変更しなければならず、遊技機にかかるコストが増加する問題がある。
そこで、固定部が遊技盤装着枠の装着部に当接しないように、所定の固定部材の固定部が遊技盤の後面に沿った中心側に配置されるようにすることで、固定部と装着部とが当接するのを回避するようにしていた。ところが、この場合、所定の部材の固定部が遊技盤の中心側に配置されるので、蓋然的に所定の部材が中心側に寄ってしまい、遊技盤の外周付近に所定の部材を配置することができず、例えば、所定の部材を箱状枠型の裏箱とした場合、裏箱の外周が遊技盤の外周よりも少なくとも装着部の分は小さくなって裏箱の容積が狭くなり、遊技盤の全体を有効に用いることができなかった。
手段2の構成によると、遊技盤ベースに、取付孔が配置され外周部が残るように前側に窪んだ取付支持部を更に備えたものである。これにより、取付支持部に所定の部材の固定部を取付固定することで、固定部が遊技盤ベースの後面から後側に突出するのを防止することができ、遊技盤ベースすなわち遊技盤を、遊技機における遊技盤装着枠に確実に装着固定することができる。つまり、遊技機における遊技盤装着枠を加工(変更)しなくても遊技盤を装着することができるので、遊技盤装着枠を機種に依存しない共通パーツとすることができ、遊技機にかかるコストが増加するのを防止することができる。
また、取付支持部を遊技盤ベースの外周付近に配置した場合、取付固定される所定の部材の固定部を可及的に遊技盤ベースの外周縁に近づけることができるので、より遊技盤ベースの外周近くまで所定の部材を固定配置することが可能となり、より大きな所定の部材を取付固定したり、遊技盤の略全体に亘って所定の部材を配置したりすることができると共に、所定の部材によって広がりのある演出や装飾を行うことができ、遊技者の興趣を高められるものとすることができる。
なお、裏箱を所定の部材とした場合、その固定部を可及的に遊技盤ベースの外周縁に近づけて、その容積を可及的に大きくすることができるので、裏箱内により多くの或いは大きな役物等を配置したり、より大型の演出表示手段を支持したりすることができ、遊技者の興趣をより高められるものとすることができる。
手段3:手段1又は手段2の構成において、
「前記遊技盤ベースの前記取付孔は、
前記遊技領域外周の略全周に亘って配置される複数の第一取付孔と、
該第一取付孔に螺合されるビスよりも大径のビスが螺合可能とされ、上下方向の中央よりも上側に配置される複数の第二取付孔と
からなる」ものであることを特徴とする。
ところで、遊技盤ベースの所定の部材を取付固定するための取付孔の大きさを全て同じもの、すなわち、同じ大きさのビスで所定の部材を固定するようにすると共に、種々の重量の所定の部材に対応し得るように、最も重い部材に対応した大きさのビスを用いるようにして、使用するビスの種類を少なくすると共に様々な重量の部材に対応させるようにすることが考えられる。しかしながら、この場合、一般的な重量の部材でも、大きなビスで固定することとなり、部材の固定が過剰品質となると共に、大きなビスでは取付孔に螺合させる際のねじ込み力が相対的に大きく、ビスによる固定作業の際に多くの働力が必要となり固定作業に時間がかかったり、電力などの消費量が多くなったりしてコストが増加する問題がある。
手段3の構成によると、遊技盤ベースに備えられる取付孔を、遊技領域外周の略全周に亘って配置される複数の第一取付孔と、中央より上側に配置され第一取付孔よりも大径の複数の第二取付孔としたものである。
これにより、一般的な重量の部材を遊技盤ベースに取付固定する場合は、全周に配置された第一取付孔を用いて取付固定し、重量の重い部材を遊技盤ベースに取付固定する場合には、上側に配置された大径のビスが螺合される第二取付孔を用いて取付固定するようにすることができるので、重量の重い部材を大径のビスにより固定して、その部材を確実に取付固定することができる。
また、重量の重い部材のみを大径のビスで固定するようにすることができるので、他の部材については、ねじ込み作業の楽な小径のビスで固定すれば良く、遊技盤ベースへの所定の部材の固定作業を楽に実施することができると共に、固定作業に係る時間や消費電力等を抑制して、コストが増加するのを防止することができる。
ところで、板状の遊技盤ベースに所定の部材を固定する場合、固定される部材の重心が遊技盤ベースの固定面よりも外側に飛出した位置となるので、その重心に係る重量により遊技盤ベースとの固定部には回転モーメントが作用することとなる。具体的には、重心よりも上側に配置された固定部には遊技盤ベースから遠ざかろうとする力が、また、重心よりも下側に配置された固定部には遊技盤ベースに近づこうとする力が作用することとなる。そのため、上側の固定部では、螺合された固定用のビスを引抜こうとする力が作用し、ビスに引っ張り荷重がかかり、かかる荷重によっては小径のビスでは対応しきれない恐れがある。
しかしながら、本手段によると、大径のビスを螺合可能な第二取付孔を中心よりも上側に複数配置しているので、重量の重い部材を固定する際に、上側の固定部を大径のビスが螺合する第二取付孔に固定することができ、大きなビスを用いることで大きな引っ張り荷重がかかっても対応させることができ、確実に所定の部材を遊技盤ベースに固定することができる。
手段4:手段1から手段3までの何れか一つの構成において、
「前記遊技盤ベースは、
前記取付孔と対応するように複数の位置決め孔を更に備えている」ものであることを特徴とする。
ここで、「位置決め孔」とは、遊技盤ベースに取付固定される所定の部材に備えられた位置決め突起(別部材のピンでも良い)を挿入可能な孔であれば良く、「丸孔」、「角孔」、等の他に「多角形状の孔」としても良い。また、止り孔であっても良いし、貫通孔であっても良い。
手段4の構成によると、遊技盤ベースに、取付孔と対応する位置に位置決め孔を備えるようにしたものである。これにより、遊技盤ベースに所定の部材を取付固定する際に、所定の部材に備えられた位置決め突起を位置決め孔に挿入させることで、遊技盤ベースと所定の部材との位置関係を正しい位置にすることができ、組付け性を向上させることができる。
また、夫々の取付孔に対して対応する位置決め孔が備えられている、つまり、複数の位置決め孔が備えられているので、複数の位置決め孔により遊技盤ベースが肉抜きされることとなり、パネルホルダの重量を軽減させることができる。
手段5:手段1から手段4までの何れか一つの構成において、
「前記遊技盤ベースは、
少なくとも後面側に開口する複数の肉抜き部を更に備えている」ものであることを特徴とする。
手段5の構成によると、遊技盤ベースに、少なくとも後面側に開口する複数の肉抜き部を更に備えるようにしたものである。これにより、遊技盤ベースを軽量化することができ、従来の木製合板からなるものと比較して、遊技盤の重量が増加するのを抑制することができる。また、遊技盤ベースに合成樹脂を用いているので、射出成形等により複数の肉抜き部を容易に形成することができると共に、遊技盤ベースの樹脂厚を均一化することができるので、樹脂厚の違いにより遊技盤ベースが歪むのを防止することができる。
なお、遊技盤ベースの後面側だけでなく、前面側に肉抜き部が開口するようにしても良いし、遊技盤ベースの前後方向に貫通するように肉抜き部を備えても良い。また、遊技媒体と接するような部位(例えば、案内レールが形成された部位、遊技媒体排出流路が形成された部位など)においては、接する側とは反対側に開口するように肉抜き部を備えることが望ましく、これにより、肉抜き部内に遊技媒体が侵入したり、肉抜き部の開口に遊技媒体が接触したりして、遊技媒体の流通に不具合が生じるのを防止することができる。更に、肉抜き部を上記の位置決め孔と兼用させるようにしても良い。
手段6:手段1から手段5までの何れか一つの構成において、
「前記遊技盤ベースは、透明部材とされている」ものであることを特徴とする。
ところで、従来より、遊技状況に応じて所定の演出画像を表示する演出表示手段を備えた遊技機が知られており、遊技盤の後方に配置された演出表示手段が、遊技盤に設けられた所定の大きさの貫通する開口部を通して、遊技者から視認可能となるようになっている。しかしながら、この種の遊技機では、遊技媒体が流下する遊技領域の略中央に大きな開口部が形成されるので、実際に遊技媒体が流下可能な領域が狭くなる問題がある。
また、従来の遊技機では、遊技盤の開口部に枠状の中央役物を配置すると共に、中央役物の後側に演出表示手段を備えることで、演出表示手段の表示面を遊技盤の表面よりも後方に配置して遊技盤に奥行感が出るようにしたものも知られている。しかしながら、この種の遊技機では、遊技盤の表面が不透明とされているので、演出表示手段のみが凹んでいるように見え、実際には、奥行感の乏しいものとなっていた。
手段6の構成によると、遊技盤ベースを透明部材により構成するようにしたものである。これにより、従来の遊技機のように遊技盤に開口部を備えなくても、遊技盤ベースを通して遊技盤の後方に配置された演出表示手段等を視認することができるので、遊技領域における実際に遊技媒体が流下可能な領域を可及的に広くすることができ、遊技媒体に種々の動きをさせて遊技者の興趣が低下するのを防止することができる。
また、遊技領域が形成される遊技盤ベースを透明部材により構成するようにしているので、遊技盤ベースの後方に配置したものを遊技者に視認させることができ、例えば、遊技盤ベースの後方に、遊技領域全体に広がる大型の演出表示手段を配置してこれまでにない大型の演出画像を表示したり、種々の演出用や装飾用の役物を奥行き方向に配置してこれまでに無い奥行感のある遊技盤の構成としたりすることができ、遊技者の関心を引き付けられる訴求力の高い遊技機とすることができる。
なお、遊技盤ベースの他に、前構成部材についても、透明部材により構成しても良く、これにより、前構成部材を介しても、遊技盤の後方側を視認可能とすることができ、後方に配置された各種部材を視認させることで、これまでに無い雰囲気の遊技機とすることが可能となり、更に、遊技者の関心を引き付けられる訴求力の高い遊技機とすることができる。
手段7:遊技機において、
「遊技者の操作によって遊技媒体が打ち込まれる遊技領域が形成され、該遊技領域外周の略全周に亘って配置され所定のビスを螺合可能な複数の第一取付孔と、該第一取付孔に螺合されるビスよりも大径のビスが螺合可能とされ上下方向の中央よりも上側に配置される複数の第二取付孔とからなり前記遊技領域よりも外側且つ後面側に所定配列で配置される複数の取付孔、該取付孔が配置され少なくとも外周部が残るように前側に窪んだ形態の取付支持部、該取付支持部内の前記取付孔と対応するように配置される複数の位置決め孔、及び少なくとも後面側に開口する複数の肉抜き部を備えた透明な合成樹脂からなる板状の遊技盤ベースと、
該遊技盤ベースの前面側に配置され、前記遊技領域を区画形成すると共に該遊技領域内に遊技媒体を案内する案内レールを備えた前構成部材と
を有した遊技盤を具備する」ものであることを特徴とする。
手段7の構成によると、遊技媒体が打ち込まれる遊技領域が形成され、略全周に亘って配置され所定のビスを螺合可能な複数の第一取付孔及び中央よりも上側に配置され第一取付孔よりも大径の複数の第二取付孔とからなり遊技領域よりも外側で後面側に所定配列で配置される複数の取付孔、取付孔が配置され外周部が残るように窪んだ取付支持部、取付孔と対応する位置に配置される複数の位置決め孔、少なくとも後面側に開口する複数の肉抜き部を備えた透明な合成樹脂からなる遊技盤ベースと、遊技盤ベースの前面側に配置され遊技領域を区画すると共に遊技媒体を遊技領域へ案内する案内レールを備えた前構成部材とを有した遊技盤を具備するものである。
これにより、遊技盤ベースの後面側に、予め複数の取付孔が所定配列で備えられているので、ビスをねじ込む取付孔を適宜選択することにより、各種役物や演出表示手段等を所望の位置に取付固定することができる。つまり、各種役物や演出表示手段等を取付孔の配置に合せて略任意の位置に固定することができるので、同一の遊技盤ベースを用いても種々の機種に対応させることができ、機種を変更しても遊技盤ベースを流用することで遊技盤に係るコストを抑制することができる。
また、機種に応じて遊技盤ベースに取付固定される入賞口や各種役物等の種々の所定の部材の取付固定位置が異なる位置となっていても、遊技盤ベースに予め複数の取付孔が所定配列で備えられているので、各種部材の固定部を取付孔の位置と対応させるように設計することで、遊技盤ベースを機種に依存しない遊技機の共通パーツとすることができ、機種を変更しても遊技盤ベースの成形型を流用することができるので、遊技機に係るコストを低減させることができる。
更に、遊技盤ベースの取付孔を、遊技領域よりも外側に配置するようにしているので、遊技領域内に障害釘を植設したり、各種入賞口や各種役物等を配置したりする際に、取付孔がそれらの妨げとなるのを防止することができ、遊技盤ベースに障害釘、各種入賞口や役物等を良好に配置することができる。
また、遊技盤ベースを透明な部材とし複数の取付孔が遊技領域の外側に配置されているので、これにより、遊技領域外では取付孔が配置されることで遊技盤ベースの透明度が低下するものの遊技領域内では良好な透明度を得ることが可能となり、遊技領域内の後方に配置された演出表示手段、各種役物、各種装飾体等を遊技者から良好に視認させることができ、それらにより遊技者を楽しませて、興趣が低下するのを防止することができる。
また、遊技盤ベースを共通パーツとすることができるので、遊技盤ベースをリサイクルすることができ、廃棄処分にかかるコストを低減させることができると共に、省資源なものとすることができ、環境に優しい遊技機とすることができる。なお、遊技機の製造の際に、回収した遊技盤ベースをそのまま再利用するようにしても良く、更に、コストを低減させることができると共に、廃棄処分される廃棄物の量を低減させることができる。
更に、遊技盤ベースに、取付孔が配置され外周部が残るように前側に窪んだ取付支持部を備えているので、これにより、取付支持部に所定の部材の固定部を取付固定することで、固定部が遊技盤ベースの後面から後側に突出するのを防止することができ、遊技盤ベースすなわち遊技盤を、遊技機における遊技盤装着枠に確実に装着固定することができる。つまり、遊技機における遊技盤装着枠を加工(変更)しなくても遊技盤を装着することができるので、遊技盤装着枠を機種に依存しない共通パーツとすることができ、遊技機にかかるコストが増加するのを防止することができる。
また、取付支持部を遊技盤ベースの外周付近に配置した場合、取付固定される所定の部材の固定部を可及的に遊技盤ベースの外周縁に近づけることができるので、より遊技盤ベースの外周近くまで所定の部材を固定配置することが可能となり、より大きな所定の部材を取付固定したり、遊技盤の略全体に亘って所定の部材を配置したりすることができると共に、所定の部材によって広がりのある演出や装飾を行うことができ、遊技者の興趣を高められるものとすることができる。
また、一般的な重量の部材を遊技盤ベースに取付固定する場合は、全周に配置された第一取付孔を用いて取付固定し、重量の重い部材を遊技盤ベースに取付固定する場合には、上側に配置された大径のビスが螺合される第二取付孔を用いて取付固定するようにすることができるので、重量の重い部材を大径のビスにより固定して、その部材を確実に取付固定することができる。
更に、遊技盤ベースに、取付孔と対応する位置に位置決め孔を備えるようにしているので、これにより、遊技盤ベースに所定の部材を取付固定する際に、所定の部材に備えられた位置決め突起を位置決め孔に挿入させることで、遊技盤ベースと所定の部材との位置関係を正しい位置にすることができ、組付け性を向上させることができる。
また、遊技盤ベースに、少なくとも後面側に開口する複数の肉抜き部を備えるようにしているので、これにより、遊技盤ベースを軽量化することができ、従来の木製合板からなるものと比較して、遊技盤の重量が増加するのを抑制することができる。また、遊技盤ベースに合成樹脂を用いているので、射出成形等により複数の肉抜き部を容易に形成することができると共に、遊技盤ベースの樹脂厚を均一化することができるので、樹脂厚の違いにより遊技盤ベースが歪むのを防止することができる。
更に、遊技盤ベースを透明部材により構成するようにしているので、これにより、従来の遊技機のように遊技盤に開口部を備えなくても、遊技盤ベースを通して遊技盤の後方に配置された演出表示手段等を視認することが可能となり、遊技領域における実際に遊技媒体が流下可能な領域を可及的に広くすることができ、遊技媒体に種々の動きをさせて遊技者の興趣が低下するのを防止することができる。
また、遊技領域が形成される遊技盤ベースを透明部材により構成するようにしているので、遊技盤ベースの後方に配置したものを遊技者に視認させることができ、例えば、遊技盤ベースの後方に、遊技領域全体に広がる大型の演出表示手段を配置してこれまでにない大型の演出画像を表示したり、種々の演出用や装飾用の役物を奥行き方向に配置してこれまでに無い奥行感のある遊技盤の構成としたりすることができ、遊技者の関心を引き付けられる訴求力の高い遊技機とすることができる。
手段8:手段1から手段7までの何れか一つの遊技機において、
パチンコ機であることを特徴とする。
ここで、パチンコ機とは、遊技者が遊技機に投入する媒体である投入媒体と、遊技者が行う実質的な遊技に用いられる媒体である遊技媒体とを同一のものとした遊技機であり、投入された例えば遊技球等の媒体を用いて遊技が行われるタイプの遊技機の一種である。具体的には、「操作ハンドルの操作に対応して遊技球を発射する発射装置と、多数の障害釘、役物、表示手段等の適宜の機器が組み込まれたり、始動入賞口、大入賞口、通過口、到達口等の遊技球が入球する適宜の入球口が設けられた遊技領域と、発射装置から遊技領域に遊技球を導くレールと、遊技領域に導かれた遊技球の入球口への入球に応じたり、複数の入球口への遊技球の入球態様に応じて、所定数の遊技球を賞球として払い出す払出手段とを具備するもの」である。
なお、パチンコ機としては、種々のタイプのものがあり、一般に「デジパチ機」と称されるものに代表される「入球口への入球状態を検出する入球状態検出手段(遊技状態検出手段として捉えることもできる)と、入球状態検出手段によって入球が検出されると所定の抽選を行う抽選手段と、抽選手段の抽選結果に応じて特別図柄を変動させると共に変動を停止させる特別図柄表示手段とを備えたもの」や「加えて、特別図柄の変動中に、複数の図柄からなる図柄列を変動表示し、図柄列にて図柄を停止表示させたり、キャラクタや種々の物品等の表示物を描写し、表示物を動作させたりする等によって適宜の演出表示を行う演出表示手段を更に具備するもの」、一般に「ハネモノ機」と称されるものに代表される「役物内での遊技球の振分けによって抽選を行う抽選手段を備えたもの」、一般に「アレパチ機」と称されるものに代表される「例えば16個等の所定個数の遊技球により1ゲームが行われ、1ゲームにおける複数の入球口への遊技球の入球態様に応じて所定個数の遊技球の払出しを行うもの」等を例示することができる。
手段8の構成によると、パチンコ機において、上述した手段のいずれかの作用効果を奏することができる。
手段9:手段1から手段7までの何れか一つの遊技機において、
パチスロ機であることを特徴とする。
ここで、パチスロ機とは、投入媒体であるメダルを投入し、メダルの投入後、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作によって、夫々複数の図柄が描かれた複数のリールを回転させる等して、各リール等によって構成された図柄列を変動表示させるとともに、その後、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に応じて各図柄列の変動表示を停止させる、といった遊技が遊技者によって行われるものである。換言すれば、停止操作機能付きのスロットマシーンとして捉えることができるものである。なお、所定時間が経過しても停止用操作手段が操作されない場合には、所定時間経過したことに応じて図柄列の変動表示を停止させるものであってもよい。そして、各図柄列の変動表示の停止時において、表示された単体の図柄が特定の図柄であったり、各図柄列にて表示された図柄の組合わせが特定の組合せであったりする等、特定の条件を満たす場合に、満たされた条件に応じて所定個数のメダルを払出したり、遊技者が多量のメダルを獲得することができる遊技者に有利な特別有利状態を発生させたりするものである。
手段9の構成によると、パチスロ機において、上述した手段のいずれかの作用効果を奏することができる。
手段10:手段1から手段7までの何れか一つの遊技機において、
パチンコ機とパチスロ機とを融合させてなることを特徴とする。
ここで、「パチンコ機とパチスロ機とを融合させてなる遊技機」とは、複数個(例えば5個)の遊技球を1単位の投入媒体とし、投入媒体を投入した後、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に応じて複数の図柄からなる図柄列を変動表示させるとともに、その後、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に応じて図柄列の変動を停止させるものである。なお、所定時間が経過しても停止用操作手段が操作されない場合には、所定時間経過したことに応じて図柄列の変動表示を停止させるものであってもよい。そして、各図柄列の変動表示の停止時において、表示された単体の図柄が特定の図柄であったり、各図柄列にて表示された図柄の組合わせが特定の組合せであったりする等、特定の条件を満たす場合に、満たされた条件に応じて所定個数のメダルを払出したり、遊技者が多量のメダルを獲得することができる遊技者に有利な特別有利状態を発生させたりするものである。
手段10の構成によると、パチンコ機とパチスロ機とを融合させてなる遊技機において、上述した手段のいずれかの作用効果を奏することができる。
このように、本発明によれば、リサイクル可能とすると共に機種変更に容易に対応することのできる遊技盤を備えた遊技機を提供することができる。
以下、本発明の一実施形態であるパチンコ遊技機(以下、単に「パチンコ機」という)を、図面に基づいて詳細に説明する。
[パチンコ機の全体構成について] 図1及び図2に基づき説明する。
図1はパチンコ機の前側全体を示す正面図であり、図2はパチンコ機の外枠の一側に本体枠が開かれ、その本体枠の一側に更に前面枠が開かれた状態を示す斜視図である。なお、図1及び図2においては遊技領域における装飾部材を省略して示している。
パチンコ機1は、外枠2、本体枠3、前面枠4、及び遊技盤5等を備えて構成されている。外枠2は、上下左右の木製の枠材によって縦長四角形の枠状に形成され、同外枠2の前側下部には、本体枠3の下面を受ける下受板6を有している。外枠2の前面の片側には、ヒンジ機構7によって本体枠3が前方に開閉可能に装着されている。なお、外枠2は、樹脂やアルミニウム等の軽金属によって形成されていてもよい。
[本体枠の構成について] 図1及び図3に基づき説明する。
図3はパチンコ機の本体枠と遊技盤とを分離して斜め右上前方から示す斜視図である。
本体枠3は、前枠体11、遊技盤装着枠12及び機構装着体13を合成樹脂材によって一体成形することで構成されている。本体枠3の前枠体11は、外枠2(図2参照)の前側の下受板6を除く外郭形状に対応する大きさの矩形枠状に形成されている。そして、前枠体11の片側の上下部には、本体枠側ヒンジ具15が固定されており、外枠2の片側の上下部に固定された外枠側ヒンジ具14に対してヒンジピン及びヒンジ孔によって開閉回動可能に装着されている。すなわち、外枠側ヒンジ具14、本体枠側ヒンジ具15、ヒンジピン及びヒンジ孔によってヒンジ機構7が構成されている。
前枠体11の前側において、遊技盤装着枠12よりも下方に位置する前枠体11の前下部左側領域にはスピーカボックス部16が一体に形成され、そのスピーカボックス部16の前側開口部には、同開口部を塞ぐようにしてスピーカ装着板17が装着されている。そして、スピーカ装着板17にはスピーカ18が装着されている。また、前枠体11前面の下部領域内において、その上半部分には発射レール19が傾斜状に装着されている。また、前枠体11前面の下部領域内の下半部分には下部前面板30が装着されている。そして、下部前面板30の前面の略中央部には、遊技球を貯留可能な下皿31が設けられ、右側寄りには操作ハンドル32が設けられ、左側寄りには灰皿33が設けられている。なお、下皿31には、遊技球を下方に排出するための球排出レバー34が配設されている。
[前面枠の構成について] 図1及び図2に基づき説明する。
前枠体11の前面の片側には、その前枠体11の上端から下部前面板30の上縁にわたる部分を覆うようにして、前面枠4がヒンジ機構36によって前方に開閉可能に装着されている。また、前面枠4の略中央部には、遊技盤5の遊技領域37を前方から透視可能な略円形の開口窓38が形成されている。また、前面枠4の後側には開口窓38よりも大きな矩形枠状をなす窓枠39が設けられ、その窓枠39にはガラス板、透明樹脂板等の透明板50が装着されている。また、前面枠4の前面の略全体は、ランプ等が内設された前面装飾部材によって装飾され、同前面枠4の前面の下部には上皿51が形成されている。詳しくは、開口窓38の周囲において、左右両側部にサイド装飾装置52が、下部に上皿51が、上部に音響電飾装置53が装着されている。サイド装飾装置52は、ランプ基板が内部に配置され且つ合成樹脂材によって形成されたサイド装飾体54を主体として構成されている。サイド装飾体54には、横方向に長いスリット状の開口孔が上下方向に複数配列されており、該開口孔には、ランプ基板に配置された光源に対応するレンズ55が組み込まれている。音響電飾装置53は、透明カバー体56、スピーカ57、スピーカカバー58、及びリフレクタ体(図示しない)等を備え、これらの構成部材が相互に組み付けられてユニット化されている。また、上皿51の左側には、遊技者が操作可能なボタン59が設けられている。
[施錠装置の構成について] 図2及び図3に基づき説明する。
前枠体11のヒンジ機構36に対して反対側となる自由端側の後側には、外枠2に対し本体枠3を施錠する機能と、本体枠3に対し前面枠4を施錠する機能とを兼ね備えた施錠装置70が装着されている。すなわち、この実施形態において、施錠装置70は、外枠2に設けられた閉止具71に係脱可能に係合して本体枠3を閉じ状態に施錠する上下複数の本体枠施錠フック72と、前面枠4の自由端側の後側に設けられた閉止具73に係脱可能に係合して前面枠4を閉じ状態に施錠する上下複数の扉施錠フック74と、パチンコ機1の前方から鍵が挿入されて解錠操作可能に、前枠体11及び下部前面板30を貫通して露出されたシリンダー錠75とを備えている。そして、シリンダー錠75の鍵穴に鍵が挿入されて一方向に回動操作されることで本体枠施錠フック72と外枠2の閉止具71との係合が外れて本体枠3が解錠され、これとは逆方向に回動操作されることで、扉施錠フック74と前面枠4の閉止具73との係合が外れて前面枠4が解錠されるようになっている。
[遊技盤装着枠の構成について] 図2乃至図4に基づき説明する。
図4はパチンコ機の後側全体を示す背面図である。
図2及び図3に示すように、本体枠3の遊技盤装着枠12は、前枠体11の後側に設けられかつ遊技盤5が前方から着脱交換可能に装着されるようになっている。遊技盤5は、遊技盤装着枠12の前方から嵌込まれる大きさの略四角板状に形成されている(図9参照)。遊技盤5の盤面(前面)には、外レール76と内レール77とを備えた案内レール78が設けられ、その案内レール78の内側に遊技領域37が区画形成されている。なお、発射レール19と案内レール78との間には、所定の隙間が設けられており、発射された遊技球が案内レール78を逆戻りした場合には、その遊技球は、その隙間から排出され下皿31に案内されるように構成されている。また、遊技盤5の前面には、その案内レール78の外側領域において、合成樹脂製の前構成部材79が装着されている。
一方、図4に示すように、遊技盤5の後側下部には、その中央部から下部にわたる部分において、各種入賞装置に流入した遊技球を受けかつその遊技球を所定位置まで導く集合樋としての機能とボックス装着部としての機能を兼ね備えた基板ホルダ91が設けられている。この基板ホルダ91の後側には、音声制御基板、ランプ制御基板等の副制御基板92が収納された副制御基板ボックス93が装着され、その副制御基板ボックス93の後側に重ね合わされた状態で、主制御基板94が収納された主制御基板ボックス95が装着されている。さらに、遊技盤5の後側に対し基板ホルダ91、副制御基板ボックス93及び主制御基板ボックス95がそれぞれ装着された状態において、本体枠3の遊技盤装着枠12の前方から遊技盤5を嵌込んで装着できるように、遊技盤5の外郭より外側にはみ出すことなく基板ホルダ91、副制御基板ボックス93及び主制御基板ボックス95が配置されている。
[本体枠の機構装着体、球タンク及びタンクレールの構成について] 図7及び図8に基づき説明する。
図7はパチンコ機の本体枠に各種部材が組み付けられた状態を斜め右上後方から示す斜視図であり、図8は本体枠単体を斜め右上後方から示す斜視図である。
本体枠3の機構装着体13には、タンク装着部111、レール装着部112、及び払出装置装着部113等がそれぞれ形成され、タンク装着部111には球タンク114が装着されている。球タンク114は、透明な合成樹脂材よりなり、島設備から供給される多数の遊技球が貯留可能な上方に開口する箱形状に形成されている。そして、球タンク114の遊技球の貯留状態が球タンク114の後側壁を透して視認可能となっている。また、球タンク114の底板部115の後側隅部には遊技球を放出する放出口116が形成されるとともに、底板部115は放出口116に向けて下傾する傾斜面に形成されている。
本体枠3の機構装着体13には、そのタンク装着部111に下方に接近してレール装着部112が一体に形成され、そのレール装着部112にレール構成部材117が装着されることでタンクレール118が構成されるようになっている。すなわち、この実施形態において、レール装着部111は、本体枠3の上部横方向部分が所定深さ凹まされた状態で形成されており、その凹部の奥側壁をタンクレール118の前壁部119とし、その凹部の下縁部に沿って一端(図8に向かって左端)から他端(図8に向かって右端)に向けて下傾する傾斜状のレール棚120が形成されている。そして、レール棚120の横方向に延びる上向き面をレール受け部121としている。
レール装着部112に装着されてタンクレール118を構成するレール構成部材117は、レール装着部112の前壁部119との間にレール通路を構成する後壁部122と、傾斜状をなす下板部と、その下板部の上面の前後方向中央部に沿って突設されレール通路を前後複数列(この実施形態では前後2列)に区画する仕切り壁(いずれも図示しない)とを一体に備えて形成されている。このレール構成部材117は、レール装着部112に対し適宜の取付手段によって装着され、これによって、前後複数列のレール通路を備えたタンクレール118が構成されている。そして、球タンク114の放出口116から放出(自重によって落下)された遊技球がタンクレール118の前後複数列のレール通路の一端部においてそれぞれ受けられた後、遊技球が自重によってレール通路に沿って転動することでレール通路の他端部に向けて流れるようになっている。また、この実施形態において、レール構成部材117は、透明な合成樹脂材より形成され、これによって、レール通路内の遊技球の流れ状態が、レール構成部材117の後壁部122を透して視認可能となっている。
タンクレール118(レール装着部112)の前壁部119は、遊技盤5の後側に突出する装備品(例えば役物)における後部の上端部との干渉を避けるため第1空間部を隔てた状態で設けられている。また、この実施形態において、本体枠3の後端部となるレール棚120の後端と、タンクレール118の後壁部は、球タンク114の後側壁と略同一面をなしている。言い換えると、球タンク114の後壁部に対しタンクレール118の後壁部が略同一面となる位置までタンクレール118が遊技盤5の後面より後方に離隔して配置されている。これによって、遊技盤5の後側とタンクレール118の前壁部119との間に装備品(例えば役物)の後部との干渉を避けるための第1空間部が設けられるようになっている。
また、タンクレール118の上方には、レール通路を流れる遊技球を上下に重なることなく整列させる整流体123がその上部において軸124を中心として揺動可能に装着されている。この整流体123には、その中央部から下部において錘が設けられている。
[払出装置装着部及び球払出装置の構成について] 図7及び図8に基づき説明する。
本体枠3の機構装着体13の片側寄りの上下方向には、次に述べる球払出装置(球払出ユニット)125に対応する縦長の払出装置装着部113が形成されている。払出装置装着部113は、後方に開口部をもつ凹状に形成されている。また、払出装置装着部113の段差状をなす奥壁部(図示しない)の所定位置には、球払出装置125の払出用モータ126(図3参照)が突出可能な開口部127が形成されている。
払出装置装着部113の凹部に球払出装置125が装着された状態において、遊技盤5との間には、第1空間部と前後方向に略同一レベルとなる第2空間部が設けられている。これによって、レール通路と球通路とが前後方向に略同一レベルで配置されている。また、本体枠3の後端、すなわち払出装置装着部113の周壁部後端、レール棚120の後端、球タンク114、タンクレール118及び球払出装置125のそれぞれの後面は略同一面をなしている。
球払出装置125は、払出装置装着部113の凹部と略同じ大きさの縦長のボックス形状をなし、払い出しに関する各種部品が装着されることでユニット化されている。なお、球払出装置125は、払出装置装着部113の凹部の後方開口部から嵌込まれて適宜の取付手段(例えば、弾性クリップ、係止爪、ビス等の取付手段)によって装着されるようになっている。
また、図示しないが、球払出装置125は、タンクレール118におけるレール通路の出口にそれぞれ連通する流入口を有する球通路が前後複数列(例えば前後2列)に区画されて形成されている。また、その内部に形成された前後複数列の球通路の下流部が二股状に分岐されて前後複数列の賞球及び貸球用球通路と球抜き用球通路とがそれぞれ形成されている。そして賞球及び貸球用球通路と球抜き用球通路との分岐部には、遊技球をいずれかの通路に振り分けて払い出すための回転体よりなる払出部材(図示しない)が正逆回転可能に配設されている。
[本体枠の後側下部の装備について] 図3及び図4に基づき説明する。
本体枠3の前枠体11の後側において、遊技盤装着枠12よりも下方に位置する前枠体11の後下部領域の片側(図4に向かって左側)には、発射レール19の下傾端部の発射位置に送られた遊技球を発射するための発射ハンマー(図示しない)、その発射ハンマーを作動する発射モータ128等が取付基板129に組み付けられてユニット化された発射装置ユニット130が装着されている。また、前枠体11の後下部領域の略中央部には、電源基板131を収容する電源基板ボックス132が装着され、その電源基板ボックス132の後側に重ね合わされた状態で払出制御基板133を収容する払出制御基板ボックス134が装着されている。払出制御基板133は、遊技球を払い出す数を記憶するRAMを備え、主制御基板94から送信される払出用信号に従って遊技球を払い出す制御信号を中継用回路基板(図示しない)に伝達して払出用モータ126を作動制御するようになっている。
[後カバー体の構成について] 図4及び図5に基づき説明する。
図5はパチンコ機の後側全体を右上後方から示す斜視図である。
遊技盤5後面に配置された表示装置制御基板ボックス135(図6参照)及び主制御基板ボックス95の後端部は機構装着体13の中央部に開口された窓開口部に向けて突出している。そして、機構装着体13の窓開口部の一側壁を構成する側壁部と他側壁を構成する払出装置装着部113の片側壁との間には、不透明な合成樹脂材によって略方形の箱形状に形成された後カバー体136がカバーヒンジ機構137によって開閉並びに着脱可能に装着されている。
後カバー体136は、略四角形状の後壁部138と、その後壁部138の外周縁から前方に向けて突出された周壁部139とから一体に構成されている。後カバー体136の周壁部139のうち、一側の壁部139aには、機構装着体13の側壁部の上下及び中間の計3箇所に形成されたヒンジ体140のヒンジ孔の上方からそれぞれ着脱可能に嵌込まれるヒンジピン141を下向きに有するヒンジ体142が一体に形成されている。また、後カバー体136の周壁部139のうち、他側の壁部139bには、払出装置装着部113の片側壁に形成された係止孔に弾性的に係合可能な係止爪を有する弾性閉止体143が一体に形成されている。
すなわち、後カバー体136は、その上下及び中間のヒンジ体142の各ヒンジピン141が機構装着体13の側壁部のヒンジ体140のヒンジ孔の上方からそれぞれ嵌込まれる。この状態で、ヒンジピン141を中心として後カバー体136が機構装着体13の他側に向けて回動されながら、その弾性閉止体143を払出装置装着部113の片側壁の係止孔に差し込んで弾性的に係合させることで、機構装着体13の後側に後カバー体136が閉じ状態で保持される。そして、後カバー体136によって、遊技盤5後面の表示装置制御基板ボックス135(図6参照)全体及び主制御基板ボックス95の略中間部から上端にわたる部分が後カバー体136によって覆われるようになっている。これによって、主制御基板ボックス95の上部に露出された主制御基板94の基板コネクタ(主として表示装置制御基板と接続するための基板コネクタ)が後方から視認不能に隠蔽されている。
また、主制御基板ボックス95の略中間部から下端にわたる部分は後カバー体136によって覆われることなく露出されている。そして、主制御基板ボックス95の下部には、その主制御基板94上に配置された検査用コネクタ144が露出されており、後カバー体136が閉じられた状態で主制御基板94上の検査用コネクタ144に基板検査装置(図示しない)を接続して検査可能となっている。
後カバー体136には、多数の放熱孔145、146、147、148が貫設されており、これら多数の放熱孔145、146、147、148から内部の熱が放出されるようになっている。この実施形態において、後カバー体136には、その周壁部139から後壁部138に延びる多数のスリット状の放熱孔145が貫設され、後壁部138の略中間高さ位置から上部においては多数の長円形、楕円形等の放熱孔146が貫設され、後壁部138の下部には多数の長円形、楕円形等の放熱孔147と所定数の横長四角形状の放熱孔148が貫設されている。
また、横長四角形状の放熱孔148は、主制御基板ボックス95の封印ねじ(封印部材)によって封印される複数の並列状の封印部149の列の大きさ及び配設位置に対応する大きさ及び位置に貫設されている。これによって、不透明な後カバー体136が閉じられた状態であっても、主制御基板ボックス95の複数の並列状の封印部149が放熱孔148の部分において視認可能に露出される。このため、後カバー体136が閉じられた状態であっても、主制御基板ボックス95の封印部149の封印状態を容易に視認することができる。また、不透明な合成樹脂材は、透明な合成樹脂材と比べ、リサイクル使用される合成樹脂材を材料として用いることが容易であるため、後カバー体136を安価に製作することができる。
後カバー体136の周壁部139のうち、上側壁部139cの所定位置(この実施形態では左右2箇所)には、電源コード(図示しない)を適宜に折り畳んだ状態で保持する略C字状でかつ弾性変形可能なコード保持体150が上方のタンクレール118の後壁面(レール構成部材117の後壁面)に向けて延出されている。このコード保持体150の先端部には、同コード保持体150を弾性変形させて電源コードを取り外すためのつまみが形成されている。
電源コードは、その一端が分電基板151の基板コネクタ152に取り外し可能に接続され、他端の電源プラグが電源コンセントに差し込まれる。前記したように、後カバー体136にコード保持体150を一体に形成して電源コードを保持することで、パチンコ機1を運搬、保管する際に電源コードがぶらついて邪魔になったり、異物に引っ掛かる不具合を防止することができる。
[本体枠の後側下部の下皿用球誘導体等の構成について] 図1及び図6に基づき説明する。
図6は、図5に示すパチンコ機の斜視図から後カバー体及び各種制御基板等を取り外した状態を示す斜視図である。
本体枠3の後下部領域の他側寄り部分(ヒンジ寄り部分)には、そのスピーカボックス部16の後段差部の凹み部分において下皿用球誘導体153が装着されている。この下皿用球誘導体153は、球払出装置125の賞球及び貸球用球通路から上皿連絡路(図示しない)を経て上皿51に払い出された遊技球が満杯になったときに、上皿連絡路の遊技球を下皿31に導くためのものである。
なお、この実施形態において、下皿用球誘導体153の後壁外面には、インタフェース基板154を収納している基板ボックス155が装着されている。なお、インタフェース基板154は、パチンコ機1に隣接して設置される球貸機と払出制御基板133との間に介在され、球貸に関する信号を球貸機と払出制御基板133との間で送受信可能に電気的に接続するようになっている。
[遊技盤の構成について] 図9乃至図20に基づき説明する。
図9は主要な部材により構成された遊技盤を斜め前方から示す斜視図であり、図10は、図9に示す遊技盤を斜め後方から示す斜視図である。図11は、遊技盤を縦方向に切断して示す断面図である。図12は遊技盤を分解して斜め前方から示す分解斜視図であり、図13は遊技盤を分解して斜め後方から示す分解斜視図である。図14(A)は前構成部材を斜め前方から示す斜視図であり、(B)は前構成部材を斜め後方から示す斜視図である。図15(A)は遊技パネルを斜め前方から示す斜視図であり、(B)は遊技パネルを斜め後方から示す斜視図である。図16(A)はパネルホルダを斜め前方から示す斜視図であり、(B)はパネルホルダを斜め後方から示す斜視図である。図17(A)はパネル裏板を斜め前方から示す斜視図であり、(B)はパネル裏板を斜め後方から示す斜視図である。図18(A)は基板ホルダを斜め前方から示す斜視図であり、(B)は基板ホルダを斜め後方から示す斜視図である。図19(A)はパネルホルダとパネル裏板とを分解して示す分解斜視図であり、(B)はパネルホルダにパネル裏板を組付けた状態で示す組立斜視図である。
本実施形態の遊技盤5は、図示するように、遊技領域37と対応する大きさの透明な合成樹脂からなる板状の遊技パネル200と、遊技パネル200を着脱可能に嵌合する合成樹脂からなる枠状のパネルホルダ202と、パネルホルダ202の前側に配置されパネルホルダ202と協働して遊技パネル200を挟持し、遊技領域37を区画形成すると共に遊技領域37内に遊技球を案内する案内する外レール76及び内レール77からなる案内レール78を備えた前構成部材79とを主に備えている。
また、遊技盤5には、パネルホルダ202の後面側で下端から所定高さまでの所定範囲内に配置される板状のパネル裏板204と、パネル裏板204の後面側に配置されると共に前側及び上側が開放された箱状で後側に主制御基板ボックス95等を支持可能な基板ホルダ91と、基板ホルダ91の後側に支持された主制御基板ボックス95内の主制御基板94等と電気的に接続され後方からスライド接続可能とされたドロワコネクタ206と、ドロワコネクタ206を基板ホルダ91に支持するドロワコネクタホルダ208とを更に備えている(図10及び図11等を参照)。
更に、遊技盤5には、パネルホルダ202の後面側に取付固定されると共に遊技パネル200との間で所定容積の空間を形成可能な枠状箱型の裏箱210と、裏箱210の後面側に支持され所定の演出画像を表示可能なLCDからなる演出表示装置212(本発明の演出表示手段に相当)とを更に備えている(図11参照)。この演出表示装置212は、裏箱210の後面側に形成された開口部210aを閉鎖するように裏箱210に着脱可能に支持されている。また、演出表示装置212は、透明な遊技パネル200を通して、パチンコ機1の前方から視認できるようになっている。
なお、この演出表示装置212の後側には、演出表示装置212等を制御する表示装置制御基板ボックス135が取付けられている。また、演出表示装置212は、従来のパチンコ機に用いられている演出表示装置と比較して、より大型のもの(例えば、5〜21インチ)が備えられている。更に、裏箱210には、パネルホルダ202に取付固定するためのフランジ状の固定部210bと、固定部210bから前方に突出する位置決め突起210cが備えられている。
この遊技盤5における前構成部材79は、上述した通り遊技球を案内する外レール76及び内レール77とからなる案内レール78を備えていると共に、外レール76の上端と内レール77の下端とを結ぶような円弧状の開口79aを備えており、この案内レール78と開口79aとによって正面視略円形状の遊技領域37が区画形成されるようになっている。そして、この案内レール79により、図示しない遊技球の発射装置によって発射レール19に沿って発射された遊技球が、遊技領域37の上部に案内されるようになっている。
案内レール78における外レール76の下端付近には、下方へ窪んだ凹部76aが形成されており、この凹部76aは、遊技球の発射速度等の関係により発射された遊技球が案内レール78から遊技領域37内に打ち込まれずに、案内レール78内を逆流した遊技球を収容して上皿51等に排出するものである。この凹部76aにより、案内レール78内を逆流した遊技球が、発射装置に戻って不具合が発生するのを防止することができるようになっている。
また、内レールの下端には、前構成部材79の後側が低くなるように傾斜した傾斜部79bが備えられている。この傾斜部79bは、遊技領域37内に打ち込まれて遊技領域37の下端に到達した遊技球を、「死球」としてパチンコ機1から排出するためのアウト口214へ誘導するためのものである。
この前構成部材79には、図示するように、その後面側に、後方へ突出する複数の位置決め固定ボス79c及び位置決め突起79dが備えられている。これら位置決め固定ボス79c及び位置決め突起79dは、詳細は後述するが、後側に配置されるパネルホルダ202及び基板ホルダ91と位置決めできるようになっている。なお、内レール77の後面側にも位置決め突起79dが複数備えられており、後述する遊技パネル200の内レール固定孔200d(図15参照)に嵌合固定されるようになっている。
遊技盤5における遊技パネル200は、図15にも示すように、その外形が遊技領域37よりも若干大きい多角形状とされており、アクリル樹脂、ポリカーボネイト樹脂、ポリアリレート樹脂、メタクリル樹脂等の透明な合成樹脂板により形成されている。なお、遊技パネル200の板厚は、パネルホルダ202によりも薄く、図示しない障害釘を植設しても十分に保持可能な必要最低限の厚さ(8〜10mm)とされている。
この遊技パネル200には、上部の外周近傍に配置され前後方向に貫通する丸孔からなる複数の嵌合孔200aと、左右下部の外周近傍に配置され前後方向に貫通し上下方向に延びる長孔200bが夫々備えられている。これら嵌合孔200a及び長孔200bは、遊技領域37よりも外側に配置されており、パネルホルダ202との位置決めを行うものである。
また、遊技パネル200には、その上辺の両端と下辺の両端に、前側が窪んだ段状の係合段部200cが夫々備えられている。この係合段部200cは、遊技パネル200の板厚の略半分を切り欠いた形態とされると共に、嵌合孔200a及び長孔200bと同様に、遊技領域37によりも外側に配置されており、パネルホルダ202と遊技パネル200とを係合固定するためのものである。
更に、遊技パネル200には、所定位置に内レール固定孔200dが複数備えられている。この内レール固定孔200dに内レール77の後側から突出する位置決め突起79dを嵌合固定させることで、内レール77を所定の位置に固定することができるようになっている。
なお、図示は省略するが、遊技パネル200には、多数の障害釘が所定のゲージ配列をなして植設される他に、適宜位置に風車や、一般入賞口、特別入賞口、始動口、及び中央役物等が備えられるように所定形状の貫通する開口部が形成されるようになっている。
また、遊技パネル200を押出し成形された透明な合成樹脂板とした場合、遊技パネル200の上下方向を押出し方向に対して約45度傾けた方向となるように材料取りをしても良く、これにより、遊技パネル200の後方に配置された演出表示装置212のドットマトリックスが押出し成形により形成される複数の微細な成形痕と干渉して、モアレが発生するのを可及的に抑制することができ、モアレにより演出表示装置212に表示される演出画像が見辛くなるのを防止することができる。
続いて、遊技盤5におけるパネルホルダ202は、正面視において遊技パネル200を包含する大きさで外形が略四角形状とされ、従来のパチンコ機の遊技盤における木製合板からなる部材(例えば、遊技盤ベース等)の厚さと略同じ厚さ(本例では、約20mm)とされた熱可塑性合成樹脂からなるものである。このパネルホルダ202には、図16(A)にも示すように、遊技パネル200が着脱可能に嵌合し前面側から後方側に向かって凹んだ嵌合段部202aと、嵌合段部202aの内側において略遊技領域37と同等の大きさで前後方向に貫通する貫通口202bとを主に備えている。
パネルホルダ202の嵌合段部202aは、前面からの深さが遊技パネル200の厚さと略同じ深さとされており、嵌合段部202aに嵌合された遊技パネル200の前面がパネルホルダ202の前面と略同一面となるようになっている。また、この嵌合段部202aは、その前側内周面が、図11に示すように、遊技パネル200の外周面に対して所定量のクリアランスCが形成される大きさとされている。このクリアランスCにより、温度変化や経時変化により相対的に遊技パネル200が伸縮しても、その伸縮を吸収できるようになっている。なお、クリアランスC内にゴム等の弾性部材を詰めても良い。
また、パネルホルダ202には、遊技パネル200の係合段部200cと対応する位置に、係合段部200cと係合する被係合部が備えられている。詳述すると、この被係合部は、図11及び図16(A)に示すように、パネルホルダ202下側の嵌合段部202aに配置された被係合部が、遊技パネル200における下側の係合段部200cと対応し、嵌合段部202aの前面との間に遊技パネルの係合段部200cが挿入可能な大きさの所定の隙間を形成した状態で、パネルホルダ202の前面に沿って上側(中心側)に向かって所定量延びる係合突部202cとされている。一方、パネルホルダ202上側の嵌合段部202aに配置された被係合部は、遊技パネル200における上側の係合段部200cと対応し、嵌合段部202aの前面から前方に向かって突出し係合段部200cと弾性係合する係合爪部202dとされている。この係合爪部202dは、その先端がパネルホルダ202の前面から突出しない大きさとされている。これら係合突部202c及び係合爪部202dに遊技パネル200の係合段部200cを係合させることで、パネルホルダ202は、遊技パネル200を着脱可能に保持することができるようになっている。
更に、パネルホルダ202には、嵌合段部202aに嵌合支持される遊技パネル200に形成された嵌合孔200a及び長孔200bと対応する位置に配置され、嵌合段部202aの前面から前方に向かって延び、遊技パネル200の嵌合孔200a及び長孔200bに嵌合及び挿通可能な複数の突出ピン202eを備えている。これらの突出ピン202eを遊技パネル200の嵌合孔200a及び長孔200bに嵌合及び挿通することで、パネルホルダ202と遊技パネル200とを互いに位置決めすることができるようになっている。
また、パネルホルダ202には、前構成部材79に備えられた位置決めボス79cを挿通可能な前後方向に貫通するボス挿通孔202fを備えており、このボス挿通孔202fに前構成部材79の位置決めボス79cを挿通することで、パネルホルダ202と前構成部材79とが互いに位置決めされるようになっている。
このパネルホルダ202には、図16(B)にも示すように、その後面側に、上下方向の中央やや下方より下側と外周縁を残すように前側に所定量窪んだ形態の取付支持部202gが備えられている。パネルホルダ202の後面は、取付支持部202gにより、下端より所定高さまでの所定範囲より上側で、後面側外周部が後方に突出したような状態で窪んだ形態となると共に、その窪み量(深さ)が、取付支持部202gに取付固定される裏箱210等の所定部材のフランジ状の固定部210bを収容できる深さ(本例では、約2.5mmとされており、1〜3mmの間とすることが望ましい)とされている(図11参照)。この取付支持部202gに所定の部材を取付固定することで、その固定部がパネルホルダ202よりも後側に突出するのを防止することができ、パネルホルダ202すなわち遊技盤5をパチンコ機1の遊技盤装着枠12に確実に装着できるようになっている。
また、パネルホルダ202の後面側には、下端より所定高さまでの所定範囲内で取付支持部202gが形成された位置より下側に形成され、前側に向かって窪みパネル裏体204を収容可能な収容凹部202hと、この収容凹部202h内に前後方向に貫通するように配置されパネル裏板204に形成された係止爪204cを係止可能な係止部202iとを更に備えている。この収容凹部202hは、パネル裏板204の係止爪204cを係止部202iに係止させることでパネル裏板204を着脱可能に収容すると共に、収容されたパネル裏板204の後面が、パネルホルダ202の後面と略同一面となるように形成されている。
更に、パネルホルダ202には、図示するように、後面側の取付支持部202g内及び収容凹部202hよりも上側に配置され所定のビスのとしての小径な第一ビス216(図11参照)を螺合可能な複数の第一取付孔202jと、第一取付孔202jに螺合される第一ビス216よりも大径の第二ビス(図示せず)が螺合可能とされ取付支持部202g内の上側に配置される複数の第二取付孔202kとが夫々所定配列で配置されている。なお、本例では、第一ビス216及び第二ビスのネジ部の径が、夫々約2.1mm及び約3mmとされており、第一取付孔202j及び第二取付孔202kの径が、これら第一ビス216及び第二ビスを螺合可能な径とされている。
また、パネルホルダ202には、第一取付孔202j及び第二取付孔202kと対応するように配置される複数の位置決め孔202lが備えられている。この位置決め孔202lは、第一取付孔202jや第二取付孔202kを用いて取付固定される部材に形成された位置決め突起(例えば、裏箱210の固定部210bに形成された位置決め突起210c)が挿入されるものである(図11参照)。なお、本例では、位置決め孔202lは、背面視略矩形状の止り孔とされている。
更に、パネルホルダ202には、少なくとも下端から所定高さまでの所定範囲では後面側に開口する複数の肉抜き部202mが形成されており、肉抜き部202mによりパネルホルダ202の重量が軽減されるようになっている。図16(A)にも示すように、収容凹部202hの前側、つまり、パネルホルダ202の膳面側の下端から所定高さまでの所定範囲内には、これらの肉抜き部202mが形成されておらず、その範囲内では、パネルホルダ202の前面が略平らな面となるようになっているので、その前面に配置される前構成部材79の案内レール78の後面が略平らな面となり、遊技球発射装置から発射された遊技球が、案内レール78内を滑らかに案内されるようになっている。また、このパネルホルダ202は、図示するように、肉抜き部202mが形成されることで、第一取付孔202jや第二取付孔202k等がボス状に形成されると共に、それらを支持したりパネルホルダ202の強度を維持したりするために、格子状のリブが形成された状態となっている。
なお、このパネルホルダ202には、既存の障害釘植設装置(図示しない)や、組立治具等の位置決め手段に対応した位置決め部202nが形成されており、障害釘植設装置に遊技パネル200を保持した状態でセットできるようになっている。また、パネルホルダ202の下部には、前構成部材79の傾斜部79bと連通するアウト口214と、前構成部材79における案内レール78の凹部76aと連通する連通孔202oが更に備えられている。
また、本例の遊技パネル200及びパネルホルダ202が、本発明の遊技盤ベースに相当している。つまり、本例では、遊技盤ベースを、遊技パネル200とパネルホルダ202とに分割された構造のものを採用している。
次に、遊技盤5のパネル裏板204は、パネルホルダ202の後面側で下端から所定高さまでの所定範囲内の肉抜き部202mを覆うように配置されると共に、パネルホルダ202の収容凹部202hに後面同士が略同一面となるように収容可能とされ、図17にも示すように、平面状の後面に所定配列で配置され第一ビス216を螺合可能な複数のビス孔204aと、ビス孔204aと対応するように配置される複数の位置決め孔204bと、パネルホルダ202の係止部202iに係止可能な係止爪204cと、前面側から貫通しないように陥没する減量用の凹陥部204dとを備えている。
なお、このパネル裏板204におけるビス孔204a及び位置決め孔204bは、パネルホルダ202における第一取付孔202j及び位置決め孔202lと略同じ構成とされている。また、このパネル裏板204もパネルホルダ202と同様に、凹陥部204dにより、ビス孔204a及び位置決め孔204b等が形成された部分がボス状に形成されると共に、それらを支持したりパネル裏板204の強度を維持したりするために、格子状のリブが形成された状態となっている。更に、パネル裏板204には、パネルホルダ202のアウト口214、連通孔202o、及びボス挿通孔202fと対応した位置に前後方向に貫通する開口204eが備えられている。
このパネル裏板204は、図19に示すように、パネルホルダ202の収容凹部202hに収容させると共に、パネル裏板204の係止爪204cをパネルホルダ202の係止部202iに係止させることで、パネルホルダ202と一体となり、その状態では、同図(B)に示すように、パネル裏板204の後面が、パネルホルダ202の後面と略同一面となる。このようにパネルホルダ202とパネル裏板204とを一体化することで、パネルホルダ204の後面側には、貫通口202bの外周側で略全周に亘って所定配列で第一取付孔202j、第二取付孔202k、ビス孔204a等からなる取付孔と、位置決め孔202l及び204bが配置されることとなり、それら取付孔の存在により、所定の部材を任意の位置に取付固定できるようになっている。
遊技盤5における基板ホルダ91は、図18に拡大して示すように、パネル裏板204の後面側に配置されると共に前側及び上側が開放された箱状とされ、遊技球が通過可能な大きさで遊技媒体排出口としての遊技球排出口91aを有し上面が遊技球排出口91aに向かって低くなるように傾斜した底板91bと、パネル裏板204の後面側との間に所定量の隙間が形成される逃し部91cと、後側に配置され主制御基板94を有した主制御基板ボックス95等を支持可能な基板支持部91dとを備えている。
この基板ホルダ91は、遊技領域37内に打ち込まれた遊技球を収集して遊技球排出口91aから下方へ排出することができるようになっている。また、基板ホルダ91の逃し部91cは、パネルホルダ202の取付支持部202gと同様に、パネル裏板204に取付固定された部材(図示しない)におけるフランジ状の固定部を収容できる深さ(本例では、約1mmとされており、0.5〜3mmの間とすることが望ましい)とされている。
また、基板ホルダ91には、その前面側の所定位置に、前構成部材79の位置決めボス79cと嵌合する筒状の固定ボス91eを備えており、この固定ボス91eを、前構成部材79との間にホルダパネル202を挟んだ状態で、前構成部材79の位置決めボス79cと嵌合させると共に、基板ホルダ91の後方から固定ボス91eを貫通する貫通孔91fを通して所定のビスを前構成部材79の位置決めボス79cにねじ込むことで、前構成部材79、パネルホルダ202、及び基板ホルダ91を固定できるようになっている。
更に、この基板ホルダ91には、図18(A)にも示すように、その前面下部に、前構成部材79の凹部76aと連通する開口受部91gを備えている。この開口受部91gは、遊技球排出口91aとは異なる位置で基板ホルダ91の下側に遊技球を誘導できるようになっており、基板ホルダ91内部に受けられた「死球」と、遊技球を遊技領域37内へ打ち込む際に、打ち損じた遊技球とを区別できるようになっている。
なお、本例では、前構成部材79の一部を除き、遊技パネル200、パネルホルダ202、パネル裏板204、及び基板ホルダ91が、熱可塑性合成樹脂により形成されており、それらの部材がリサイクルできるようになっている。なお、合成樹脂としては、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ABS樹脂、ポリプロピレン、ポリアリレート樹脂、メタクリル樹脂、等とすることができ、熱可塑性合成樹脂の他に、機能や用途に応じて適宜熱硬化性合成樹脂を用いても良い。また、遊技パネル200以外に、前構成部材79やパネルホルダ202、及びパネル裏板204等にも、透明な合成樹脂を用いても良い。
このように、本実施形態のパチンコ機1によると、パネルホルダ202(遊技盤ベース)の後面側に、予め複数の第一取付孔202j,第二取付孔202kが所定配列で備えられているので、ビスをねじ込む第一取付孔202j,第二取付孔202kを適宜選択することにより、各種役物や演出表示装置212等を所望の位置に取付固定することができる。つまり、各種役物や演出表示装置212等を第一取付孔202j,第二取付孔202kの配置に合せて略任意の位置に固定することができるので、同一のパネルホルダ202を用いても種々の機種に対応させることができ、機種を変更してもパネルホルダ202を流用することで遊技盤5(パチンコ機1)に係るコストを抑制することができる。
また、機種に応じてパネルホルダ202(遊技パネル200)に取付固定される入賞口や各種役物等の種々の所定の部材の取付固定位置が異なる位置となっていても、パネルホルダ202に予め複数の第一取付孔202j,第二取付孔202kが所定配列で備えられているので、各種部材の固定部を第一取付孔202j,第二取付孔202kの位置と対応させるように設計することで、パネルホルダ202を機種に依存しないパチンコ機1の共通パーツとすることができ、機種を変更してもパネルホルダ202の成形型を流用することができるので、パチンコ機1に係るコストを低減させることができる。
更に、パネルホルダ202の第一取付孔202j,第二取付孔202kを、遊技領域37よりも外側に配置するようにしているので、遊技領域37内に障害釘を植設したり、各種入賞口や各種役物等を配置したりする際に、第一取付孔202j,第二取付孔202kがそれらの妨げとなるのを防止することができ、遊技パネル200に障害釘、各種入賞口や役物等を良好に配置することができる。
また、遊技パネル200やパネルホルダ202を透明な部材とし複数の第一取付孔202j,第二取付孔202kが遊技領域37の外側に配置されているので、これにより、遊技領域37外では第一取付孔202j,第二取付孔202kが配置されることでパネルホルダ202の透明度が低下するものの遊技領域37内の遊技パネル200では良好な透明度を得ることが可能となり、遊技領域37内の後方に配置された演出表示装置212、各種役物、各種装飾体等を遊技者から良好に視認させることができ、それらにより遊技者を楽しませて、興趣が低下するのを防止することができる。
また、パネルホルダ202を共通パーツとすることができるので、パネルホルダ202等をリサイクルすることができ、廃棄処分にかかるコストを低減させることができると共に、省資源なものとすることができ、環境に優しいパチンコ機1とすることができる。なお、パチンコ機1の製造の際に、回収したパネルホルダ202をそのまま再利用するようにしても良く、更に、コストを低減させることができると共に、廃棄処分される廃棄物の量を低減させることができる。
更に、パネルホルダ202に、第一取付孔202j,第二取付孔202kが配置され外周部が残るように前側に窪んだ取付支持部202gを備えているので、これにより、取付支持部202gに所定の部材の固定部を取付固定することで、固定部がパネルホルダ202の後面から後側に突出するのを防止することができ、パネルホルダ202すなわち遊技盤5を、パチンコ機1における遊技盤装着枠12に確実に装着固定することができる。つまり、パチンコ機1における遊技盤装着枠12を加工(変更)しなくても遊技盤5を装着することができるので、遊技盤装着枠12を機種に依存しない共通パーツとすることができ、パチンコ機1にかかるコストが増加するのを防止することができる。
また、取付支持部202gをパネルホルダ202の外周付近に配置した場合、取付固定される所定の部材の固定部を可及的にパネルホルダ202の外周縁に近づけることができるので、よりパネルホルダ202の外周近くまで所定の部材(例えば、裏箱210など)を固定配置することが可能となり、より大きな所定の部材を取付固定したり、遊技盤5の略全体に亘って所定の部材を配置したりすることができると共に、所定の部材によって広がりのある演出や装飾を行うことができ、遊技者の興趣を高められるものとすることができる。
また、一般的な重量の部材をパネルホルダ202に取付固定する場合は、全周に配置された第一取付孔202jを用いて取付固定し、重量の重い部材をパネルホルダ202に取付固定する場合には、上側に配置された大径のビスが螺合される第二取付孔202kを用いて取付固定するようにすることができるので、重量の重い部材を大径のビスにより固定して、その部材を確実に取付固定することができる。
更に、パネルホルダ202に、第一取付孔202j,第二取付孔202kと対応する位置に位置決め孔202lを備えるようにしているので、これにより、パネルホルダ202に所定の部材を取付固定する際に、所定の部材(例えば、裏箱210など)に備えられた位置決め突起210cを位置決め孔202lに挿入させることで、パネルホルダ202と所定の部材との位置関係を正しい位置にすることができ、組付け性を向上させることができる。
また、パネルホルダ202に、少なくとも後面側に開口する複数の肉抜き部202mを備えるようにしているので、これにより、パネルホルダ202を軽量化することができ、従来の木製合板からなるものと比較して、遊技盤5の重量が増加するのを抑制することができる。また、パネルホルダ202に合成樹脂を用いているので、射出成形等により複数の肉抜き部202mを容易に形成することができると共に、パネルホルダ202の樹脂厚を均一化することができるので、樹脂厚の違いによりパネルホルダ202が歪むのを防止することができる。
更に、遊技パネル200を透明部材により構成するようにしているので、これにより、従来のパチンコ機のように遊技盤5に開口部を備えなくても、遊技パネル200を通して遊技盤5の後方に配置された演出表示装置212等を視認することが可能となり、遊技領域37における実際に遊技球が流下可能な領域を可及的に広くすることができ、遊技球に種々の動きをさせて遊技者の興趣が低下するのを防止することができる。
また、遊技領域37が形成される遊技パネル200やパネルホルダ202を透明部材により構成するようにしているので、遊技パネル200などの後方に配置したものを遊技者に視認させることができ、例えば、遊技パネル200の後方に、遊技領域37全体に広がる大型の演出表示装置212を配置してこれまでにない大型の演出画像を表示したり、種々の演出用や装飾用の役物を奥行き方向に配置してこれまでに無い奥行感のある遊技盤5の構成としたりすることができ、遊技者の関心を引き付けられる訴求力の高いパチンコ機1とすることができる。
以上、本発明について好適な実施形態を挙げて説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではなく、以下に示すように、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々の改良及び設計の変更が可能である。
すなわち、上記実施形態では、遊技機としてパチンコ機1に適用したものを示したが、これに限定するものではなく、パチスロ機や、パチンコ機とパチスロ機とを融合させてなる遊技機に、適用しても良く、この場合でも、上記と同様の作用効果を奏することができる。
また、本実施形態では、遊技盤ベースとして、遊技パネル200とパネルホルダ202とに分離可能としたものを示したが、遊技パネルとパネルホルダとが一体成形された遊技盤ベースとしても良く、上記と略同様の作用効果を奏することができる。
更に、本実施形態では、透明な遊技パネル200を通して後方に配置した演出表示装置212が遊技者から視認可能となるものを示したが、例えば、遊技パネル200に枠状の中央役物を固定する開口を形成し、その開口を通して後方に配置された演出表示装置が視認できるようにしても良い。また、演出表示装置212を支持する裏箱210内に、可動役物や、可動する可動装飾体等を配置するようにしても良く、遊技者の興趣を更に高められるパチンコ機1とすることができる。