JP4898235B2 - 遊技機 - Google Patents

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Description

本発明は、ぱちんこ遊技機(一般的に「パチンコ機」とも称する)や回胴式遊技機(一般的に「パチスロ機」とも称する)等の遊技機に関するものである。
従来より、パチンコ機等の遊技機において、遊技球等の遊技媒体が打ち込まれる遊技領域の略中央に所定の演出画像を表示する演出表示装置を配置したものが知られている。この種の遊技機では、近年、演出表示装置が大型化する傾向があり、演出表示装置の大型化に伴って遊技媒体が流下する遊技領域が狭くなり、遊技媒体による面白味が低下する問題があった。そこで、遊技盤の一部又は全部を透明部材で構成し、その透明部材に障害釘や入賞口等を設けて遊技領域とすると共に、遊技盤の後側に配置された演出表示装置の演出画像が透明部材を介して遊技者から見えるようにしたものが提案されている(例えば、特許文献1、及び特許文献2)。
特開平7−250954号公報 特開2005−28119号公報
しかしながら、従来の遊技機では、ベニア合板からなる遊技盤ベースに設けられた開口部に、樹脂からなる透明部材が嵌合固定されているので、遊技盤ベースと透明部材の物性の違いによって、気温等による温度変化や経時変化等により相対的に透明部材が伸縮し、それらの間に隙間ができたり、互いに押圧しあって歪みが発生したりして、透明部材にガタ付が発生したり、透明部材が脱落したり、或いは、透明部材や遊技盤ベースが歪により変形したりするような異常が発生する恐れがある。そして、その異常の発生によって、遊技媒体が意図しない動きをしたり、遊技機が破損したり、遊技を中断しなければならない状態となったりして、遊技に支障が出て遊技者の興趣を低下させてしまう恐れがある。
そこで、本発明は、上記の実状に鑑み、温度変化や経時変化等に対応可能とすることで、遊技に支障が出るのを防止して遊技者の興趣が低下するのを抑制することができる遊技機の提供を課題とするものである。
請求項1に係る遊技機は、
遊技盤と、前記遊技盤を装着する装着枠とを備えたものであって、

前記遊技盤は、
透明樹脂からなり、遊技者の操作によって遊技媒体が打ち込まれる遊技領域が形成される板状のベース本体と、
前記ベース本体の外周を囲むベース枠体と、
前記遊技領域の外周を区画形成する前構成部材と、を有し、
前記前構成部材と前記ベース枠体との間で前記ベース本体が支持されてなり
記ベース本体の外周と前記ベース枠体との間に、前記ベース本体の伸縮を許容し、かつ、接着に依らない伸縮許容手段を設け、
前記ベース枠体を介して前記ベース本体が前記装着枠に装着される、
ことを特徴とする。
ここで、「ベース枠体」としては、「肉抜きされた形態の樹脂材からなるもの」、「無垢(中実)の樹脂材からなるもの」、「適宜の木材からなるベニヤ合板からなるもの」、「適宜の木材を用いた集成材からなるもの」、等が挙げられる。
また、「透明樹脂」としては、「ポリカーボネート樹脂」、「ポリアリレート樹脂」、「アクリル樹脂」、「メタクリル樹脂」、等が挙げられる。
更に、「伸縮許容手段」としては、「ベース枠体における貫通口の内周と、ベース本体の外周との間に所定量のクリアランスを形成することで伸縮を許容するもの」、「ベース枠体における貫通口の内周と、ベース本体の外周との間にゴムや発泡樹脂等の弾性部材を配置することで伸縮を許容するもの」、「ベース枠体とベース本体とが相対的にスライドできるようにすることで伸縮を許容するもの」、等が挙げられる。なお、伸縮許容手段として、ベース枠体における貫通口の内周とベース本体の外周との間に隙間が形成されるようなものとした場合、その隙間を閉鎖する隙間閉鎖手段を更に備えるようにすることが望ましく、これにより、隙間を閉鎖して段差等が形成されるのを防止することができる。
ところで、透明樹脂からなるベース本体をベース枠体(例えば、遊技盤ベース)の貫通口に嵌合固定するのではなく、貫通口に接着固定することが考えられるが、この場合、ベース枠体とベース本体とを組付ける工程が増加すると共に、遊技機を分別廃棄する際に、接着固定されているとベース枠体とベース本体とを分解する手間が増加する問題がある。
また、ベース枠体とベース本体とを接着固定したり、ビスやボルト等によるネジ固定したりすることが考えられる。しかしながら、この場合、ベース枠体とベース本体とが異なる材料で形成されているので、夫々の温度変化や経年変化の仕方が異なり、特に伸縮率が異なると、その伸縮差により接着固定部分やネジ固定部分に力が作用し、固定部分での固定が外れたり、ベース枠体やベース本体が歪みで歪んだりして、不具合が発生する恐れがある。
手段1の構成によると、遊技媒体の打ち込まれる遊技領域の一部又は全部に対応するような貫通口、及び貫通口内に形成された複数の突出片を有した枠状のベース枠体と、遊技領域を区画し遊技媒体を遊技領域へ案内する案内レールを有した前構成部材と、ベース枠体の貫通口に挿入されると共に突出片と前構成部材とで挟持されベース枠体よりも厚さの薄い透明樹脂からなる板状のベース本体と、ベース本体とベース枠体との間でベース枠体の伸縮を許容する伸縮許容手段とを有した遊技盤を具備するものである。
これにより、ベース本体がベース枠体と前構成部材とで挟持されると共に、伸縮許容手段によりベース本体の伸縮が許容されるようになっているので、温度変化や経時変化によりベース本体が伸縮しても、ベース本体がベース枠体の貫通口から脱落したりガタ付いたり、或いはベース本体とベース枠体とが互いに押圧しあって歪みが発生したりするような異常が発生するのを防止することができ、異常の発生により遊技媒体が意図しない動きをしたり、ベース本体やベース枠体等が破損したり、遊技を中断しなければならない状態となったりするのを防止して、遊技者の興趣が低下するのを抑制することができる。
また、ベース本体の厚さを、ベース枠体の厚さよりも薄いものとしているので、これにより、ベース本体の厚さをベース枠体の厚さと略同じ厚さとしたものと比較して、ベース本体の重量を軽減させることができると共に、ベース本体に用いる樹脂の量が相対的に少なくなり、これに伴って温度変化や経時変化等によるベース本体の伸縮量も少なくすることができる。また、ベース本体の厚さがベース枠体の厚さよりも薄いものとされており、ベース本体等を有した遊技盤全体の厚さが増加するのを抑制することができるので、従来の遊技機における遊技盤と同じ大きさとすることが可能となり、遊技盤以外の部分を従来のもと流用することができ、透明な遊技盤としても遊技機にかかるコストが増加するのを抑制することができる。
また、ベース枠体の厚さを従来の遊技機における遊技盤ベースの厚さと略同じ厚さとしても良く、これにより、遊技機における遊技盤以外の部分を従来のものと共通化することができると共に、従来と同じ製造ラインに載せることができ、製造にかかるコストが増加するのを抑制することができる。
更に、ベース本体の厚さがベース枠体の厚さよりも薄厚とされているので、ベース本体の薄い分だけその後面側に空間を形成することができるので、これにより、その空間内に遊技媒体を流通させたり、可動する装飾部材等を配置したりすることが可能となり、より遊技者の興趣を高められるものとすることができる。また、ベース本体の後面側に空間を形成する場合に、遊技盤全体の厚さが増加するのを抑制することができる。なお、例えば、ベース本体の後面側に形成された空間内に遊技媒体を流通させるものとした場合、ベース本体の前面側だけでなく後面側も遊技媒体が流通する遊技領域とすることができ、遊技盤の厚さを増加させることなく、遊技領域を広くすることができると共に、広い遊技領域によって遊技者をより楽しませられる遊技機とすることができる。
なお、ベース枠体は従来のベニア合板からなる遊技盤ベースの厚さと対応した厚さ(約19mm)とすると共に、ベース本体の厚さはベース枠体の厚さの約半分の厚さである8〜10mmの厚さとすることが望ましい。詳述すると、ベース本体には多数の障害釘を打設する関係上、その厚さが8mmよりも薄いと障害釘を良好に保持することができなく恐れがあり、また、厚さが10mmよりも厚くても障害釘の保持が向上しないと共にベース本体の重量が必要以上に重くなる問題があるからである。これにより、透明樹脂板からなるベース本体の厚さを最適なものとすることができる。
また、本手段によると、ベース本体がベース枠体の突出片と前構成部材とで挟持されているので、遊技機の廃棄等により分解する際に、遊技盤からベース本体とベース枠体とを容易に分解することができ、廃棄等にかかる手間を簡略化することができる。また、接着剤やビス等を用いて直接ベース本体をベース枠体に固定していないので、伸縮率の異なる材料でベース本体やベース枠体を構成しても、温度変化や経時変化等によりベース本体等が歪んだりするのを防止することができる。つまり、ベース本体を透明樹脂としても遊技盤に不具合が発生するのを防止することができるので、透明なベース本体により遊技媒体の流下する遊技領域を狭めることなく、より大型の演出表示手段(演出表示装置)を備えた遊技機を実現させることができ、遊技者の興趣を高められるものとすることができる。
ところで、ベース本体を押出し成形した透明樹脂板により構成した場合、その透明樹脂板には、肉眼では視認できないほどの無数の微小な凸条や凹条が押出し方向に沿って形成されており、ベース本体に歪み等の応力が作用すると、これら無数の凸条等が歪んで光の屈折や反射が場所により異なって、その表面に光の干渉縞が発生し、ベース本体の後方側が見辛くなる問題が発生する。
しかしながら、本手段によると、ベース本体の伸縮を許容する伸縮許容手段が備えられており、温度変化や経時変化等により透明樹脂板からなるベース本体が伸縮しても、貫通口の内周とベース本体の外周とが直接当接して互いに押圧しあうのを防止して、ベース本体に歪み等の応力がかかるのを防止することができるので、その応力によりベース本体に干渉縞が発生するのを防止することができ、干渉縞によりベース本体の後方側が見辛くなるのを防止することができる。
なお、ベース枠体の突出片を配置する位置としては、遊技者から視認され難い位置に配置することが望ましく、これにより、突出片によってベース本体の後方に配置される演出表示手段や装飾部材等が遮られるのを防止することができ、演出表示手段等を良好に視認させることができる。なお、突出片を遊技領域内にかかるように配置する場合、突出片の前側に、役物や装飾部材等を配置しても良く、突出片を見え難くすることができる。
手段2:手段1の構成において、
「前記ベース本体の厚さが前記ベース枠体の厚さの略半分とされている」ものであることを特徴とする。
ところで、ベース本体の厚さとしては、種々の厚さとすることができるが、一般的な遊技機の遊技盤における遊技領域を構成する遊技盤ベースの厚さ(ベース枠体の厚さ)が、約20mm前後の厚さとされており、この厚さ以内の厚さとすることで従来の遊技機との互換性を高めることができる。しかしながら、ベース本体の厚さをベース枠体の厚さに近いものとすると、透明樹脂からなるベース本体の重量が重くなり、ベース本体を支持したりすることができなくなる恐れがある。一方、ベース本体の厚さを薄くすると、重量が軽くなるもののベース本体に打設される障害釘等を充分に保持することができなくなる恐れがある。
手段2の構成によると、透明樹脂からなるベース本体の厚さを、ベース枠体の厚さの略半分としたものである。これにより、ベース本体の重量が増加するのを抑制することができると共に、障害釘等を確実に保持することができる。
手段3:手段1又は手段2の構成において、
「前記伸縮許容手段は、
前記ベース枠体の外周と前記ベース枠体における前記貫通口の内周との間に形成される所定量のクリアランスとされている」ものであることを特徴とする。
手段3の構成によると、伸縮許容手段を、ベース本体とベース枠体との間に形成される所定量のクリアランスとしたものである。これにより、温度変化や経時変化等によりベース本体が伸縮しても、クリアランスによりその伸縮が吸収(許容)されて、ベース本体の伸縮によりベース枠体に力が作用することが無く、ベース本体やベース枠体等の遊技盤が歪むのを効果的に防止することができる。また、貫通口の内周寸法、或いは、ベース本体の外周寸法を適宜変更するだけで、所定量のクリアランスを形成して容易に伸縮許容手段とすることができるので、伸縮許容手段の形成にかかる手間を簡略化することができ、コストが増加するのを抑制することができる。
なお、「所定量のクリアランス」としては、0〜10mmの間とすることが望ましく、更には、1〜3mmの間とすることが望ましい。これよりも小さいと、ベース本体が伸びた時にベース本体とベース枠体とが強く接触して力が作用し遊技盤が歪む恐れがあるためであり、これよりも大きいと、ベース本体が縮んだ時にベース本体とベース枠体との間の隙間が大きくなりすぎてガタ付等が発生する恐れがあるからである。
手段4:手段1から手段3までの何れか一つの構成において、
「前記伸縮許容手段は、
前記ベース本体の外周と前記ベース枠体における前記貫通口の内周との間に配置され、前記ベース本体と前記ベース枠体との間に隙間が形成されるのを防止する隙間閉鎖手段を備えている」ものであることを特徴とする。
ここで、「隙間閉鎖手段」としては、ベース本体とベース枠体との間の隙間を閉鎖することができるものであれば良く、「前面側のみを覆うように隙間を閉鎖するもの」、「隙間を埋設することで閉鎖するもの」、等が挙げられ、「弾性部材」とすることが望ましく、例えば、「ゴム」、「発泡ゴム」、「樹脂」、「発泡樹脂」、「シリコンゴム」、「不織布」、「海綿体」、等が挙げられる。
ところで、ベース枠体における貫通口の内周と、ベース本体の外周との間に所定量の隙間(クリアランス)を形成するようにし、その隙間の範囲内でベース本体の伸縮を許容させるようにすることが考えられる。しかしながら、この場合、ベース本体とベース枠体との間に隙間が形成されるため、この隙間(換言すると、ベース本体とベース枠体との境界)が遊技領域の範囲内にあると、隙間により遊技媒体の動きが変化して、本来意図しない動きとなり、遊技者の興趣を低下させてしまう恐れがある。また、ベース本体が縮んだ場合、隙間が更に大きくなり、遊技媒体の動きを阻害して遊技ができなくなる恐れがある。なお、ベース本体に用いられる透明樹脂として、温度変化や経時変化等により収縮する特性のものを用いた場合でも上述と同様の問題が生ずる。
手段4の構成によると、伸縮許容手段に、ベース本体とベース枠体との間に隙間が形成されるのを防止する隙間閉鎖手段を備えるようにしたものである。これにより、ベース本体等が伸縮してもベース本体とベース枠体との間に隙間が形成されないので、ベース本体とベース枠体との境界が遊技領域内や案内レール内にあっても、遊技媒体の動きに影響を与えるのを可及的に低減させることができ、遊技媒体が本来意図しない動きをすることで遊技者の興趣を低下させてしまうのを防止することができる。
なお、隙間閉鎖手段を、ベース本体又はベース枠体の何れかと一体に形成するようにしても良く、これにより、組立てに係る手間を低減させることができる。しかしながら、隙間閉鎖手段の材質が、一体に形成されるベース本体又はベース枠体と異なる場合は、ベース本体及びベース枠体とは別体とすることが望ましく、これにより、容易に分解することができ、廃棄処分にかかる手間を低減させることができる。
また、ベース本体、ベース枠体、及び隙間閉鎖手段の前面を夫々略面一としても良く、これにより、透明樹脂からなるベース本体を遊技領域の一部とした場合でも、遊技領域内におけるベース本体、ベース枠体、及び隙間閉鎖手段の間に前後方向の段差が生じるのを防止して、遊技媒体の動きを阻害するのを更に防止することができ、遊技者の興趣が低下するのを防止することができる。
更に、隙間閉鎖手段を備えており、ベース本体とベース枠体との間に隙間が形成されるのを防止することができ、その隙間を介してベース本体の裏面側から表面側の遊技領域内に、埃やゴミが進入するのを防止することができるので、埃などに遊技に支障が出るのを防止して、興趣が低下するのを抑制することができる。
手段5:手段4の構成において、
「前記伸縮許容手段における前記隙間閉鎖手段は、
前記ベース本体と前記ベース枠体との間に、膨張可能となるように配置された弾性部材からなる」ものであることを特徴とする。
ここで、「弾性部材」としては、「ゴム」、「発泡ゴム」、「樹脂」、「発泡樹脂」、「シリコンゴム」、「不織布」、「海綿体」、等が挙げられる。
ところで、ベース本体とベース枠体との間に弾性部材を配置する場合、弾性部材を単に自由な状態で配置すると、ベース本体が伸長した時は弾性部材が圧縮されて隙間が形成されるのを防止することができるが、ベース本体が収縮した時は弾性部材が膨張しないので弾性部材とベース本体との間に隙間が形成されてしまう問題がある。
手段5の構成によると、伸縮許容手段における隙間閉鎖手段を弾性部材とすると共に、ベース本体とベース枠体との間に膨張可能となるように配置したものである。これにより、ベース本体が伸長したり収縮したりしても弾性部材が圧縮変形や膨張変形することができると共に、ベース本体の伸縮が一様でなくバラ付があっても各部分に応じて追従変形することができるので、隙間が形成されるのを確実に防止することができ、上記と同様の作用効果を奏することができる。
また、隙間閉鎖手段を弾性部材としているので、ベース本体が伸長しても弾性部材が圧縮変形することで、ベース本体の伸長による応力がベース枠体に伝達されるのを防止することができるので、ベースの伸長によりベース本体やベース枠体が歪んだり、破損したりするのを防止することができ、遊技に支障がでるのを防止して遊技者の興趣が低下するのを抑制することができる。
手段6:手段1から手段5までの何れか一つの構成において、
「前記ベース本体は、
前記ベース枠体又は前記前構成部材によって、移動不能に固定される一つの不動固定部と、板状の面が延びる方向に移動可能に固定される少なくとも一つの可動固定部とを備えている」ものであることを特徴とする。
ここで、「不動固定部」としては、「ベース枠体又は前構成部材に形成された突出ピンと嵌合する嵌合孔からなるもの」、「ベース枠体又は前構成部材に形成された係止部に係止される被係止部からなるもの」、等が挙げられる。また、「可動固定部」としては、「ベース枠体又は前構成部材に形成された突出ピンを挿入可能な長孔からなるもの」、「ベース枠体又は前構成部材に形成された係止部がスライド可能に係止される被係止部からなるもの」、等が挙げられる。なお、可動固定部における可動方向としては、ベース本体の伸縮方向に対応した方向とすることが望ましく、例えば、上下方向、左右方向、等の他、不動固定部を中心とした放射方向、等が挙げられる。
手段6の構成によると、ベース本体に、ベース枠体又は前構成部材に固定するための一つの不動固定部と、少なくとも一つの可動固定部とを備えるようにしたものである。
これにより、ベース本体がベース枠体と前構成部材とに挟持されるだけでなく、不動固定部や可動固定部によっても固定することができるので、ベース本体をより確実に固定することができ、ベース本体が脱落したりガタついたりするのを防止することができる。
また、不動固定部を一つとし可動固定部を一つ以上としており、ベース本体等が温度変化や経時変化等によって伸縮しても、可動固定部において固定位置が可動(スライド)して伸縮が許容されるので、ベース本体が伸縮しても、不動固定部や可動固定部に伸縮による応力が作用するのを防止して、応力がかかることでベース本体が歪むのを防止することができる。
更に、例えば、ベース本体の後面側も遊技媒体が流通する遊技領域として両側からベース本体に遊技媒体の流通による負荷がかかっても、ベース本体を確実に固定することができるので、ベース本体にガタ付などが発生するのを防止でき、ベース本体の両側が遊技領域とされた遊技機を実現させて、遊技者の興趣を高められるものとすることができる。
手段7:手段6の構成において、
「前記ベース本体は、
前記不動固定部が前記ベース枠体の前記突出片に形成された突出ピンと嵌合する嵌合孔とされ、且つ、前記可動固定部が前記突出ピンを挿入可能な長孔とされている」ものであることを特徴とする。
手段7の構成によると、ベース本体の不動固定部をベース枠体の突出片に形成された突出ピンと嵌合する嵌合孔とし、可動固定部を突出ピンを挿入可能な長孔としたものである。これにより、ベース枠体の貫通口内にベース本体を挿入する際に、ベース枠体の突出ピンにベース本体の嵌合孔や長孔を挿入させるだけでベース本体をベース枠体に容易に固定させることができ、ベース本体を確実に固定すると共にベース本体の脱着を容易なものとすることができる。
また、ベース枠体の突出片に突出ピンを形成すると共に、ベース本体に嵌合孔と長孔を穿設するだけで、簡単に不動固定部と可動固定部とを備えることができ、ベース本体の固定に係る構成を簡略化することができる。
手段8:手段4から手段7までの何れか一つの構成において、
「前記ベース枠体の前面と、前記ベース本体の前面と、前記伸縮許容手段における前記隙間閉鎖手段の前面とが略面一とされている」ものであることを特徴とする。
手段8の構成によると、ベース本体、ベース枠体、及び伸縮許容手段における隙間閉鎖手段の前面を夫々略面一としたものである。これにより、透明樹脂からなるベース本体を遊技領域の一部とした場合でも、遊技領域内におけるベース本体、ベース枠体、及び隙間閉鎖手段の間に前後方向の段差が生じるのを防止して、遊技媒体の動きを阻害するのをより一層防止することができ、遊技者の興趣が低下するのを防止することができる。
手段9:手段1から手段8までの何れか一つの構成において、
「前記ベース本体は、
押出し成形された透明樹脂板の押出し方向が、上下方向に対して交わる方向に配置されている」ものであることを特徴とする。
ところで、ベース本体に用いる透明樹脂を、押出し成形された透明樹脂板を用いた場合、その透明樹脂板には、肉眼では視認できないほどの無数の微小な凸条や凹条が押出し方向に沿って形成されており、この無数の凸条等の存在により、ベース本体の後方に配置される演出表示手段や装飾部材(装飾体)の装飾印刷等の微小なドットマトリックスと干渉してモアレが発生し、ベース本体の後方に配置された演出表示手段に表示された演出画像等が見辛くなる問題がある。特に、透明樹脂板の押出し方向と、微小なドットの配列方向とが互いに略一致する方向となるほど、モアレが発生し易くなる。
手段9の構成によると、透明樹脂板の押出し方向が上下方向に対して交わる方向となるようにベース本体が形成されているものである。これにより、ベース本体を構成する透明樹脂板の押出し方向が上下方向に対して交わる方向、つまり、押出し方向が上下方向以外の方向となるように形成されているので、例えば、ベース本体の後方に演出表示手段や装飾部材等を配置した場合、透明樹脂板と演出表示手段や装飾部材等のドットマトリックスとが干渉して、モアレが発生するのを可及的に抑制することができ、モアレにより演出表示手段や装飾部材等が見辛くなるのを防止することができる。
また、ベース本体を構成する透明樹脂板の押出し方向を上下方向に対して交わる方向としているので、ベース本体の後方に演出表示手段や装飾部材等を配置しても、モアレが発生するのを抑制することができるので、ベース本体の後方に配置された演出表示手段による演出画像を良好に視認させることができ、演出画像を楽しませることができると共に、ベース本体の後方に演出表示手段等を配置することで遊技領域を可及的に広くすることができ、遊技者の興趣が低下するのを防止することができる。
なお、透明樹脂板の押出し方向を配置する方向としては、上下方向に対して略45度の方向となるようにすることが望ましく、演出表示手段や装飾部材等のドットマトリックスに、水平方向の成分を多く含んだものにも対応させることができ、モアレの発生を効果的に抑制することができる。
手段10:手段1から手段9までの何れか一つの構成において、
「前記ベース枠体は、
所定の樹脂材からなり、後面側から肉抜きされた形態に形成されている」ものであることを特徴とする。
手段10の構成によると、ベース枠体を、後面側から肉抜きされた形態に形成された樹脂材とするものである。これにより、ベース枠体を軽量化することができ、従来のベニア合板からなるものと比較して、遊技盤の重量が増加するのを抑制することができる。また、ベース枠体に樹脂材を用いているので、射出成形等により肉抜きされた形態に容易に形成することができる。
手段11:手段1から手段10までの何れか一つの構成において、
「前記ベース本体を通して遊技者から視認可能となるように前記遊技盤の後方に配置され、少なくとも、所定の演出画像が表示可能な演出表示手段、前記遊技領域に打ち込まれた遊技媒体と接触して遊技媒体の動きを変化させる可動役物、及び遊技媒体とは接触せず所定の装飾演出動作をする可動装飾体の何れか一つを更に備えている」ものであることを特徴とする。
ここで、「所定の演出画像」とは、キャラクタ、背景及び図柄等を静止画や動画として、或る動きをさせたり、ストーリー性のある表示をさせたりした表示画像(表示態様)のことである。なお、「キャラクタ」とは、図柄列及び背景以外の画像を意味しており、小説・漫画・映画・演劇などの登場人物、動物、植物、又は小道具類、もしくはこの遊技機のために作成された仮想上の人物、動物、植物、又は小道具類等を挙げられる。また、「図柄」とは、数字や記号、あるいはそれらと絵柄との組合わせ等からなる演出用の図柄である。
また、「演出表示手段」としては、「液晶ディスプレイ(LCD)」、「CRT」、「ドットマトリックス」、「発光ダイオード(LED)」、「7セグメントLED」、「エレクトロルミネセンス(EL)」、「蛍光表示管」、「白熱ランプ」、「プラズマディスプレイ(PDP)」、「レーザーディスプレイ」、等が挙げられる。
更に、「後役物」としては、「遊技媒体の当接により回転するもの(例えば、風車など)」、「電動により一つ又は複数の開閉片が開閉するもの(例えば、電動チューリップ、可変入賞口など)」、「遊技媒体を複数の方向に振り分ける振分装置からなるもの」、等が挙げられる。
手段11の構成によると、遊技盤の後方に、透明樹脂からなるベース本体を通して視認可能となるように、演出表示手段、後役物、及び可動装飾体の少なくとも一つが配置されているものである。
これにより、ベース本体の後方に演出表示手段等を備えるようにしても、上記したように、ベース本体を透明樹脂で構成することによって起因するガタ付や歪み等の異常が発生するの効果的に防止することができるので、ベース本体の後方に備えられた演出表示手段等を用いて遊技者をより楽しませることができ、遊技者の興趣が低下するのを抑制することができる。
また、遊技盤つまりベース本体の後方に後役物を配置した場合、ベース本体の前面側だけでなく、後面側も遊技媒体が流通する遊技領域とすることが可能となり、ベース本体の前面側と後面側とで略同時に流下する遊技媒体の動きを視認させることができ、遊技者の関心を強く引き付けることができると共に、従来の遊技機よりも広い遊技領域を有した遊技機とすることができ、より遊技者を楽しませて興趣の高められるものとすることができる。
手段12:手段1から手段11までの何れか一つの構成において、
「前記遊技盤は、
前記ベース本体の後面側に沿って遊技媒体が流下可能となるような流通空間を形成する空間形成部材を更に有している」ものであることを特徴とする。
ここで、「空間形成部材」としては、所定の厚さを有し枠状に形成された部材であり、遊技媒体が流下可能な流通空間だけでなく、遊技盤の後方に配置された可動装飾体を収容可能な収容空間をも形成するものであっても良い。また、演出表示手段や可動装飾体等を支持可能とされているものであっても良い。
手段12の構成によると、ベース本体の後面側に遊技媒体が流通可能な流通空間を形成する空間形成部材を更に備えているものである。これにより、ベース本体の後面側にも遊技媒体が流通可能な遊技領域を備えることができるので、透明樹脂からなるベース本体の前面側と後面側の両方に遊技領域を有した遊技機とすることができ、遊技者の興趣をより高められるものとすることができる。
手段13:手段12の構成において、
「前記空間形成部材は、
少なくとも前記演出表示手段を支持可能とされている」ものであることを特徴とする。
手段13の構成によると、空間形成部材により少なくとも演出表示手段を支持するようにしたものである。これにより、空間形成部材を介して遊技盤に演出表示手段を支持させることができ、演出表示手段を遊技盤に一体として、取り付け等にかかる手間を簡略化することができる。また、空間形成部材が枠状とされたものである場合、空間形成部材の後側開口を演出表示手段により閉鎖することができ、空間形成部材により形成される流通空間内に埃やゴミ等が進入するのを防止することができ、流通空間内で埃やゴミ等による不具合が発生するのを防止することができる。
手段14:遊技機において、
「遊技者の操作によって遊技媒体が打ち込まれる遊技領域の一部又は全部に対応する位置に配置され前後方向に貫通する貫通口、及び該貫通口内に向かって突出する複数の突出片、少なくとも二つの該突出片に形成された突出ピンを有し、後面側から肉抜きされた形態で所定の樹脂材からなる枠状のベース枠体と、
該ベース枠体の前面に配置され、前記遊技領域を区画形成すると共に該遊技領域内に遊技媒体を案内する案内レールを有した前構成部材と、
該前構成部材と前記ベース枠体の前記突出片とで前後方向に挟持されると共に前面が前記ベース枠体の前面と略面一となるように前記貫通口内に挿入され、押出し成形された透明樹脂板の押出し方向が上下方向に対して交わる方向に配置された板状で、前記ベース枠体によって移動不能に固定され前記突出ピンと嵌合する嵌合孔からなる一つの不動固定部、及び前記ベース枠体によって板状の面が延びる方向に移動可能に固定され前記突出ピンを挿入可能な長孔からなる少なくとも一つの可動固定部を有し、前記ベース枠体の厚さの略半分の厚さに形成されたベース本体と、
該ベース本体の外周と前記ベース枠体における前記貫通口の内周との間に形成される所定量のクリアランス、該クリアランス内で膨張可能且つ前面が前記ベース本体及び前記ベース枠体の前面と略面一となるように配置され前記ベース本体と前記ベース枠体との間に隙間が形成されるのを防止する弾性部材からなる隙間埋設手段を有し前記ベース本体の伸縮を許容する伸縮許容手段と、
前記ベース本体の後面側に沿って遊技媒体が流下可能となるような流通空間を形成し、所定の演出画像を表示可能な演出表示手段を少なくとも支持可能とされた空間形成枠と
を備えた遊技盤、
及び、該前記遊技盤の後方に前記ベース本体を通して遊技者から視認可能となるように配置され、少なくとも、前記演出表示手段、前記遊技領域に打ち込まれた遊技媒体と接触して遊技媒体の動きを変化させる可動役物、及び遊技媒体とは接触せず所定の装飾演出動作をする可動装飾体の何れか一つ
を具備する」ものであることを特徴とする。
手段14の構成によると、遊技媒体の打ち込まれる遊技領域の一部又は全部に対応するような貫通口、貫通口内に形成された複数の突出片、突出片に形成された突出ピンを有し、樹脂材からなり後面側から肉抜きされた枠状のベース枠体と、遊技領域を区画し遊技媒体を遊技領域へ案内する案内レールを有した前構成部材と、ベース枠体の貫通口に挿入された状態で突出片と前構成部材とで挟持されると共に、押出し方向が上下方向に対して交わる方向に配置され突出ピンと嵌合する嵌合孔及び長孔を備えた透明樹脂板からなるベース本体と、ベース本体とベース枠体との間に形成される所定量のクリアランス、及びクリアランス内に膨張可能且つ前面がベース本体及びベース枠体の前面と略面一となるように配置されベース本体とベース枠体との間に隙間が形成されるのを防止する弾性部材からなる隙間閉鎖手段を有しベース本体の伸縮を許容する伸縮許容手段と、ベース本体の後面側に遊技媒体の流通空間を形成し少なくとも演出表示手段を支持可能とされた空間形成部材とを有した遊技盤、及び、ベース本体を通して遊技盤の後方に配置され、少なくとも演出表示手段、後役物、可動装飾体の何れか一つを具備するものである。
これにより、ベース本体がベース枠体と前構成部材とで挟持されると共に、伸縮許容手段によりベース本体の伸縮が許容されるようになっているので、温度変化や経時変化によりベース本体が伸縮しても、ベース本体がベース枠体の貫通口から脱落したりガタ付いたり、或いはベース本体とベース枠体とが互いに押圧しあって歪みが発生したりするような異常が発生するのを防止することができ、異常の発生により遊技媒体が意図しない動きをしたり、ベース本体やベース枠体等が破損したり、遊技を中断しなければならない状態となったりするのを防止して、遊技者の興趣が低下するのを抑制することができる。
また、ベース本体の厚さを、ベース枠体の厚さの略半分としているので、これにより、ベース本体の厚さをベース枠体の厚さと略同じ厚さとしたものと比較して、ベース本体の重量を軽減させることができると共に、ベース本体に用いる樹脂の量が相対的に少なくなり、これに伴って温度変化や経時変化等によるベース本体の伸縮量も少なくすることができる。また、ベース本体等を有した遊技盤全体の厚さが増加するのを抑制することができるので、従来の遊技機における遊技盤と同じ大きさとすることが可能となり、遊技盤以外の部分を従来のもと流用することができ、透明な遊技盤としても遊技機にかかるコストが増加するのを抑制することができる。
更に、ベース本体の厚さをベース枠体の厚さの略半分とすると共に空間形成部材を備えているので、ベース本体の後面側に充分な広さの流通空間を確保することができ、その空間内に遊技媒体を流通させることで、ベース本体の前面側だけでなく後面側も遊技媒体が流通する遊技領域とすることができ、遊技盤の厚さを増加させることなく、遊技領域を広くすることができると共に、広い遊技領域によって遊技者をより楽しませられる遊技機とすることができる。なお、その流通空間内に可動する装飾部材等を配置しても良く、より遊技者の興趣を高められるものとすることができる。
また、空間形成部材により少なくとも演出表示手段を支持するようにしているので、これにより、空間形成部材を介して遊技盤に演出表示手段を支持させることができ、演出表示手段を遊技盤に一体として、取り付け等にかかる手間を簡略化することができる。また、空間形成部材の後側開口を演出表示手段により閉鎖することができ、空間形成部材により形成される流通空間内に埃やゴミ等が進入するのを防止することができ、流通空間内で埃やゴミ等による不具合が発生するのを防止することができる。
また、伸縮許容手段には、ベース本体とベース枠体との間に形成されるクリアランスを閉鎖する隙間閉鎖手段を備えており、ベース枠体の伸縮を許容すると共にベース本体等が伸縮してもベース本体とベース枠体との間に隙間が形成されないので、ベース本体とベース枠体との境界が遊技領域内や案内レール内にあっても、遊技媒体の動きに影響を与えるのを可及的に低減させることができ、遊技媒体が本来意図しない動きをすることで遊技者の興趣を低下させてしまうのを防止することができる。
更に、ベース本体がベース枠体の突出片と前構成部材とで挟持されているので、遊技機の廃棄等により分解する際に、遊技盤からベース本体を容易に分解することができ、廃棄等にかかる手間を簡略化することができる。また、接着剤やビス等を用いて直接ベース本体をベース枠体に固定していないので、伸縮率の異なる材料でベース本体やベース枠体を構成しても、温度変化や経時変化等によりベース本体等が歪んだりするのを防止することができる。つまり、ベース本体を透明樹脂としても遊技盤に不具合が発生するのを防止することができるので、透明なベース本体により、遊技媒体の流下する遊技領域を狭めることなく、より大型の演出表示手段(演出表示装置)を備えた遊技機を実現させることができ、遊技者の興趣を高められるものとすることができる。
また、伸縮許容手段における隙間閉鎖手段を弾性部材とすると共に、ベース本体とベース枠体との間に膨張可能となるように配置しているので、これにより、ベース本体が伸長したり収縮したりしても弾性部材が圧縮変形や膨張変形することができると共に、ベース本体の伸縮が一様でなくバラ付があっても各部分に応じて追従変形することができるので、隙間が形成されるのを確実に防止することができる。また、ベース本体が伸長しても弾性部材が圧縮変形することで、ベース本体の伸長による応力がベース枠体に伝達されるのを防止することができるので、ベースの伸長によりベース本体やベース枠体が歪んだり、破損したりするのを防止することができ、遊技に支障がでるのを防止して遊技者の興趣が低下するのを抑制することができる。
また、貫通口とベース本体との間に弾性部材からなる隙間閉鎖手段が配置されており、温度変化や経時変化等により透明樹脂板からなるベース本体が伸縮しても、貫通口の内周とベース本体の外周とが直接当接して互いに押圧しあうのを防止して、ベース本体に歪み等の応力がかかるのを防止することができるので、その応力によりベース本体に干渉縞が発生するのを防止することができ、干渉縞によりベース本体の後方側が見辛くなるのを防止することができる。
更に、ベース本体がベース枠体と前構成部材とに挟持されるだけでなく、ベース枠体の突出ピンを嵌合や挿入する嵌合孔からなる不動固定部や長孔からなる可動固定部によっても固定することができるので、ベース本体をより確実に固定することができ、ベース本体が脱落したりガタついたりするのを防止することができる。また、不動固定部を一つとし可動固定部を一つ以上としており、ベース本体等が温度変化や経時変化等によって伸縮しても、可動固定部において固定位置が可動(スライド)して伸縮が許容されるので、ベース本体が伸縮しても、不動固定部や可動固定部に応力などがかかるのを防止して、応力によりベース本体やベース枠体等が歪むのを防止することができる。
また、ベース本体、ベース枠体、及び伸縮許容手段における隙間閉鎖手段の前面を夫々略面一としているので、これにより、透明樹脂からなるベース本体を遊技領域の一部とした場合でも、遊技領域内におけるベース本体、ベース枠体、及び隙間閉鎖手段の間に前後方向の段差が生じるのを防止して、遊技媒体の動きを阻害するのをより一層防止することができ、遊技者の興趣が低下するのを防止することができる。
更に、透明樹脂板の押出し方向が上下方向に対して交わる方向となるようにベース本体が形成されているので、これにより、ベース本体の後方に演出表示手段を配置しても、透明樹脂板と演出表示手段のドットマトリックスとが干渉して、モアレが発生するのを可及的に抑制することができ、モアレにより演出表示手段に表示される演出画像が見辛くなるのを防止することができる。
また、ベース枠体を、後面側から肉抜きされた形態に形成された樹脂材としているので、これにより、ベース枠体を軽量化することができ、従来のベニア合板からなるものと比較して、遊技盤の重量が増加するのを抑制することができる。更に、ベース本体の厚さを、ベース枠体の厚さよりも薄くしているので、これにより、ベース本体の厚さをベース枠体の厚さと略同じ厚さとしたものと比較して、その重量を軽減させることができる。
更に、上記のようにベース本体を透明樹脂で構成することによって起因するガタ付や歪み等の異常が発生するの効果的に防止することができるので、ベース本体の後方に備えられた演出表示手段、後役物、可動装飾体等を用いて遊技者をより楽しませることができ、遊技者の興趣が低下するのを抑制することができる。
手段15:手段1から手段14までの何れか一つの遊技機において、
パチンコ機であることを特徴とする。
ここで、パチンコ機とは、遊技者が遊技機に投入する媒体である投入媒体と、遊技者が行う実質的な遊技に用いられる媒体である遊技媒体とを同一のものとした遊技機であり、投入された例えば遊技球等の媒体を用いて遊技が行われるタイプの遊技機の一種である。具体的には、「操作ハンドルの操作に対応して遊技球を発射する発射装置と、多数の障害釘、役物、表示手段等の適宜の機器が組み込まれたり、始動入賞口、大入賞口、通過口、到達口等の遊技球が入球する適宜の入球口が設けられた遊技領域と、発射装置から遊技領域に遊技球を導くレールと、遊技領域に導かれた遊技球の入球口への入球に応じたり、複数の入球口への遊技球の入球態様に応じて、所定数の遊技球を賞球として払い出す払出手段とを具備するもの」である。
なお、パチンコ機としては、種々のタイプのものがあり、一般に「デジパチ機」と称されるものに代表される「入球口への入球状態を検出する入球状態検出手段(遊技状態検出手段として捉えることもできる)と、入球状態検出手段によって入球が検出されると所定の抽選を行う抽選手段と、抽選手段の抽選結果に応じて特別図柄を変動させると共に変動を停止させる特別図柄表示手段とを備えたもの」や「加えて、特別図柄の変動中に、複数の図柄からなる図柄列を変動表示し、図柄列にて図柄を停止表示させたり、キャラクタや種々の物品等の表示物を描写し、表示物を動作させたりする等によって適宜の演出表示を行う演出表示手段を更に具備するもの」、一般に「ハネモノ機」と称されるものに代表される「役物内での遊技球の振分けによって抽選を行う抽選手段を備えたもの」、一般に「アレパチ機」と称されるものに代表される「例えば16個等の所定個数の遊技球により1ゲームが行われ、1ゲームにおける複数の入球口への遊技球の入球態様に応じて所定個数の遊技球の払出しを行うもの」等を例示することができる。
手段15の構成によると、パチンコ機において、上述した手段のいずれかの作用効果を奏することができる。
手段16:手段1から手段14までの何れか一つの遊技機において、
パチスロ機であることを特徴とする。
ここで、パチスロ機とは、投入媒体であるメダルを投入し、メダルの投入後、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作によって、夫々複数の図柄が描かれた複数のリールを回転させる等して、各リール等によって構成された図柄列を変動表示させるとともに、その後、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に応じて各図柄列の変動表示を停止させる、といった遊技が遊技者によって行われるものである。換言すれば、停止操作機能付きのスロットマシーンとして捉えることができるものである。なお、所定時間が経過しても停止用操作手段が操作されない場合には、所定時間経過したことに応じて図柄列の変動表示を停止させるものであってもよい。そして、各図柄列の変動表示の停止時において、表示された単体の図柄が特定の図柄であったり、各図柄列にて表示された図柄の組合わせが特定の組合せであったりする等、特定の条件を満たす場合に、満たされた条件に応じて所定個数のメダルを払出したり、遊技者が多量のメダルを獲得することができる遊技者に有利な特別有利状態を発生させたりするものである。
手段16の構成によると、パチスロ機において、上述した手段のいずれかの作用効果を奏することができる。
手段17:手段1から手段14までの何れか一つの遊技機において、
パチンコ機とパチスロ機とを融合させてなることを特徴とする。
ここで、「パチンコ機とパチスロ機とを融合させてなる遊技機」とは、複数個(例えば5個)の遊技球を1単位の投入媒体とし、投入媒体を投入した後、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に応じて複数の図柄からなる図柄列を変動表示させるとともに、その後、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に応じて図柄列の変動を停止させるものである。なお、所定時間が経過しても停止用操作手段が操作されない場合には、所定時間経過したことに応じて図柄列の変動表示を停止させるものであってもよい。そして、各図柄列の変動表示の停止時において、表示された単体の図柄が特定の図柄であったり、各図柄列にて表示された図柄の組合わせが特定の組合せであったりする等、特定の条件を満たす場合に、満たされた条件に応じて所定個数のメダルを払出したり、遊技者が多量のメダルを獲得することができる遊技者に有利な特別有利状態を発生させたりするものである。
手段17の構成によると、パチンコ機とパチスロ機とを融合させてなる遊技機において、上述した手段のいずれかの作用効果を奏することができる。
このように、本発明によれば、温度変化や経時変化等に対応可能とすることで、遊技に支障が出るのを防止して遊技者の興趣が低下するのを抑制することができる遊技機を提供することができる。
以下、本発明の一実施形態であるパチンコ遊技機(以下、単に「パチンコ機」という)を、図面に基づいて詳細に説明する。
[パチンコ機の全体構成について] 図1及び図2に基づき説明する。
図1はパチンコ機の前側全体を示す正面図であり、図2はパチンコ機の外枠の一側に本体枠が開かれ、その本体枠の一側に更に前面枠が開かれた状態を示す斜視図である。なお、図1及び図2においては遊技領域における装飾部材を省略して示している。
パチンコ機1は、外枠2、本体枠3、前面枠4、及び遊技盤5等を備えて構成されている。外枠2は、上下左右の木製の枠材によって縦長四角形の枠状に形成され、同外枠2の前側下部には、本体枠3の下面を受ける下受板6を有している。外枠2の前面の片側には、ヒンジ機構7によって本体枠3が前方に開閉可能に装着されている。なお、外枠2は、樹脂やアルミニウム等の軽金属によって形成されていてもよい。
[本体枠の構成について] 図1及び図3に基づき説明する。
図3はパチンコ機の本体枠と遊技盤とを分離して斜め右上前方から示す斜視図である。
本体枠3は、前枠体11、遊技盤装着枠12及び機構装着体13を合成樹脂材によって一体成形することで構成されている。本体枠3の前枠体11は、外枠2(図2参照)の前側の下受板6を除く外郭形状に対応する大きさの矩形枠状に形成されている。そして、前枠体11の片側の上下部には、本体枠側ヒンジ具15が固定されており、外枠2の片側の上下部に固定された外枠側ヒンジ具14に対してヒンジピン及びヒンジ孔によって開閉回動可能に装着されている。すなわち、外枠側ヒンジ具14、本体枠側ヒンジ具15、ヒンジピン及びヒンジ孔によってヒンジ機構7が構成されている。
前枠体11の前側において、遊技盤装着枠12よりも下方に位置する前枠体11の前下部左側領域にはスピーカボックス部16が一体に形成され、そのスピーカボックス部16の前側開口部には、同開口部を塞ぐようにしてスピーカ装着板17が装着されている。そして、スピーカ装着板17にはスピーカ18が装着されている。また、前枠体11前面の下部領域内において、その上半部分には発射レール19が傾斜状に装着されている。また、前枠体11前面の下部領域内の下半部分には下部前面板30が装着されている。そして、下部前面板30の前面の略中央部には、遊技球を貯留可能な下皿31が設けられ、右側寄りには操作ハンドル32が設けられ、左側寄りには灰皿33が設けられている。なお、下皿31には、遊技球を下方に排出するための球排出レバー34が配設されている。
[前面枠の構成について] 図1及び図2に基づき説明する。
前枠体11の前面の片側には、その前枠体11の上端から下部前面板30の上縁にわたる部分を覆うようにして、前面枠4がヒンジ機構36によって前方に開閉可能に装着されている。また、前面枠4の略中央部には、遊技盤5の遊技領域37を前方から透視可能な略円形の開口窓38が形成されている。また、前面枠4の後側には開口窓38よりも大きな矩形枠状をなす窓枠39が設けられ、その窓枠39にはガラス板、透明樹脂板等の透明板50が装着されている。また、前面枠4の前面の略全体は、ランプ等が内設された前面装飾部材によって装飾され、同前面枠4の前面の下部には上皿51が形成されている。詳しくは、開口窓38の周囲において、左右両側部にサイド装飾装置52が、下部に上皿51が、上部に音響電飾装置53が装着されている。サイド装飾装置52は、ランプ基板が内部に配置され且つ合成樹脂材によって形成されたサイド装飾体54を主体として構成されている。サイド装飾体54には、横方向に長いスリット状の開口孔が上下方向に複数配列されており、該開口孔には、ランプ基板に配置された光源に対応するレンズ55が組み込まれている。音響電飾装置53は、透明カバー体56、スピーカ57、スピーカカバー58、及びリフレクタ体(図示しない)等を備え、これらの構成部材が相互に組み付けられてユニット化されている。また、上皿51の左側には、遊技者が操作可能なボタン59が設けられている。
[施錠装置の構成について] 図2及び図3に基づき説明する。
前枠体11のヒンジ機構36に対して反対側となる自由端側の後側には、外枠2に対し本体枠3を施錠する機能と、本体枠3に対し前面枠4を施錠する機能とを兼ね備えた施錠装置70が装着されている。すなわち、この実施形態において、施錠装置70は、外枠2に設けられた閉止具71に係脱可能に係合して本体枠3を閉じ状態に施錠する上下複数の本体枠施錠フック72と、前面枠4の自由端側の後側に設けられた閉止具73に係脱可能に係合して前面枠4を閉じ状態に施錠する上下複数の扉施錠フック74と、パチンコ機1の前方から鍵が挿入されて解錠操作可能に、前枠体11及び下部前面板30を貫通して露出されたシリンダー錠75とを備えている。そして、シリンダー錠75の鍵穴に鍵が挿入されて一方向に回動操作されることで本体枠施錠フック72と外枠2の閉止具71との係合が外れて本体枠3が解錠され、これとは逆方向に回動操作されることで、扉施錠フック74と前面枠4の閉止具73との係合が外れて前面枠4が解錠されるようになっている。
[遊技盤装着枠の構成について] 図2乃至図4に基づき説明する。
図4はパチンコ機の後側全体を示す背面図である。
図2及び図3に示すように、本体枠3の遊技盤装着枠12は、前枠体11の後側に設けられかつ遊技盤5が前方から着脱交換可能に装着されるようになっている。遊技盤5は、遊技盤装着枠12の前方から嵌込まれる大きさの略四角板状に形成されている(図9参照)。遊技盤5の盤面(前面)には、外レール76と内レール77とを備えた案内レール78が設けられ、その案内レール78の内側に遊技領域37が区画形成されている。なお、発射レール19と案内レール78との間には、所定の隙間が設けられており、発射された遊技球が案内レール78を逆戻りした場合には、その遊技球は、その隙間から排出され下皿31に案内されるように構成されている。また、遊技盤5の前面には、その案内レール78の外側領域において、合成樹脂製の前構成部材79が装着されている。
一方、図4に示すように、遊技盤5の後側下部には、その中央部から下部にわたる部分において、各種入賞装置に流入した遊技球を受けかつその遊技球を所定位置まで導く集合樋としての機能とボックス装着部としての機能を兼ね備えたボックス装着台91が設けられている。このボックス装着台91には、音声制御基板、ランプ制御基板等の副制御基板92が収納された副制御基板ボックス93が装着され、その副制御基板ボックス93の後側に重ね合わされた状態で、主制御基板94が収納された主制御基板ボックス95が装着されている。さらに、遊技盤5の後側に対しボックス装着台91、副制御基板ボックス93及び主制御基板ボックス95がそれぞれ装着された状態において、本体枠3の遊技盤装着枠12の前方から遊技盤5を嵌込んで装着できるように、遊技盤5の外郭より外側にはみ出すことなくボックス装着台91、副制御基板ボックス93及び主制御基板ボックス95が配置されている。
[本体枠の機構装着体、球タンク及びタンクレールの構成について] 図7及び図8に基づき説明する。
図7はパチンコ機の本体枠に各種部材が組み付けられた状態を斜め右上後方から示す斜視図であり、図8は本体枠単体を斜め右上後方から示す斜視図である。
本体枠3の機構装着体13には、タンク装着部111、レール装着部112、及び払出装置装着部113等がそれぞれ形成され、タンク装着部111には球タンク114が装着されている。球タンク114は、透明な合成樹脂材よりなり、島設備から供給される多数の遊技球が貯留可能な上方に開口する箱形状に形成されている。そして、球タンク114の遊技球の貯留状態が球タンク114の後側壁を透して視認可能となっている。また、球タンク114の底板部115の後側隅部には遊技球を放出する放出口116が形成されるとともに、底板部115は放出口116に向けて下傾する傾斜面に形成されている。
本体枠3の機構装着体13には、そのタンク装着部111に下方に接近してレール装着部112が一体に形成され、そのレール装着部112にレール構成部材117が装着されることでタンクレール118が構成されるようになっている。すなわち、この実施形態において、レール装着部111は、本体枠3の上部横方向部分が所定深さ凹まされた状態で形成されており、その凹部の奥側壁をタンクレール118の前壁部119とし、その凹部の下縁部に沿って一端(図8に向かって左端)から他端(図8に向かって右端)に向けて下傾する傾斜状のレール棚120が形成されている。そして、レール棚120の横方向に延びる上向き面をレール受け部121としている。
レール装着部112に装着されてタンクレール118を構成するレール構成部材117は、レール装着部112の前壁部119との間にレール通路を構成する後壁部122と、傾斜状をなす下板部と、その下板部の上面の前後方向中央部に沿って突設されレール通路を前後複数列(この実施形態では前後2列)に区画する仕切り壁(いずれも図示しない)とを一体に備えて形成されている。このレール構成部材117は、レール装着部112に対し適宜の取付手段によって装着され、これによって、前後複数列のレール通路を備えたタンクレール118が構成されている。そして、球タンク114の放出口116から放出(自重によって落下)された遊技球がタンクレール118の前後複数列のレール通路の一端部においてそれぞれ受けられた後、遊技球が自重によってレール通路に沿って転動することでレール通路の他端部に向けて流れるようになっている。また、この実施形態において、レール構成部材117は、透明な合成樹脂材より形成され、これによって、レール通路内の遊技球の流れ状態が、レール構成部材117の後壁部122を透して視認可能となっている。
タンクレール118(レール装着部112)の前壁部119は、遊技盤5の後側に突出する装備品(例えば役物)における後部の上端部との干渉を避けるため第1空間部を隔てた状態で設けられている。また、この実施形態において、本体枠3の後端部となるレール棚120の後端と、タンクレール118の後壁部は、球タンク114の後側壁と略同一面をなしている。言い換えると、球タンク114の後壁部に対しタンクレール118の後壁部が略同一面となる位置までタンクレール118が遊技盤5の後面より後方に離隔して配置されている。これによって、遊技盤5の後側とタンクレール118の前壁部119との間に装備品(例えば役物)の後部との干渉を避けるための第1空間部が設けられるようになっている。
また、タンクレール118の上方には、レール通路を流れる遊技球を上下に重なることなく整列させる整流体123がその上部において軸124を中心として揺動可能に装着されている。この整流体123には、その中央部から下部において錘が設けられている。
[払出装置装着部及び球払出装置の構成について] 図7及び図8に基づき説明する。
本体枠3の機構装着体13の片側寄りの上下方向には、次に述べる球払出装置(球払出ユニット)125に対応する縦長の払出装置装着部113が形成されている。払出装置装着部113は、後方に開口部をもつ凹状に形成されている。また、払出装置装着部113の段差状をなす奥壁部(図示しない)の所定位置には、球払出装置125の払出用モータ126(図3参照)が突出可能な開口部127が形成されている。
払出装置装着部113の凹部に球払出装置125が装着された状態において、遊技盤5との間には、第1空間部と前後方向に略同一レベルとなる第2空間部が設けられている。これによって、レール通路と球通路とが前後方向に略同一レベルで配置されている。また、本体枠3の後端、すなわち払出装置装着部113の周壁部後端、レール棚120の後端、球タンク114、タンクレール118及び球払出装置125のそれぞれの後面は略同一面をなしている。
球払出装置125は、払出装置装着部113の凹部と略同じ大きさの縦長のボックス形状をなし、払い出しに関する各種部品が装着されることでユニット化されている。なお、球払出装置125は、払出装置装着部113の凹部の後方開口部から嵌込まれて適宜の取付手段(例えば、弾性クリップ、係止爪、ビス等の取付手段)によって装着されるようになっている。
また、図示しないが、球払出装置125は、タンクレール118におけるレール通路の出口にそれぞれ連通する流入口を有する球通路が前後複数列(例えば前後2列)に区画されて形成されている。また、その内部に形成された前後複数列の球通路の下流部が二股状に分岐されて前後複数列の賞球及び貸球用球通路と球抜き用球通路とがそれぞれ形成されている。そして賞球及び貸球用球通路と球抜き用球通路との分岐部には、遊技球をいずれかの通路に振り分けて払い出すための回転体よりなる払出部材(図示しない)が正逆回転可能に配設されている。
[本体枠の後側下部の装備について] 図3及び図4に基づき説明する。
本体枠3の前枠体11の後側において、遊技盤装着枠12よりも下方に位置する前枠体11の後下部領域の片側(図4に向かって左側)には、発射レール19の下傾端部の発射位置に送られた遊技球を発射するための発射ハンマー(図示しない)、その発射ハンマーを作動する発射モータ128等が取付基板129に組み付けられてユニット化された発射装置ユニット130が装着されている。また、前枠体11の後下部領域の略中央部には、電源基板131を収容する電源基板ボックス132が装着され、その電源基板ボックス132の後側に重ね合わされた状態で払出制御基板133を収容する払出制御基板ボックス134が装着されている。払出制御基板133は、遊技球を払い出す数を記憶するRAMを備え、主制御基板94から送信される払出用信号に従って遊技球を払い出す制御信号を中継用回路基板(図示しない)に伝達して払出用モータ126を作動制御するようになっている。
[後カバー体の構成について] 図4及び図5に基づき説明する。
図5はパチンコ機の後側全体を右上後方から示す斜視図である。
遊技盤5後面に配置された表示装置制御基板ボックス135(図6参照)及び主制御基板ボックス95の後端部は機構装着体13の中央部に開口された窓開口部に向けて突出している。そして、機構装着体13の窓開口部の一側壁を構成する側壁部と他側壁を構成する払出装置装着部113の片側壁との間には、不透明な合成樹脂材によって略方形の箱形状に形成された後カバー体136がカバーヒンジ機構137によって開閉並びに着脱可能に装着されている。
後カバー体136は、略四角形状の後壁部138と、その後壁部138の外周縁から前方に向けて突出された周壁部139とから一体に構成されている。後カバー体136の周壁部139のうち、一側の壁部139aには、機構装着体13の側壁部の上下及び中間の計3箇所に形成されたヒンジ体140のヒンジ孔の上方からそれぞれ着脱可能に嵌込まれるヒンジピン141を下向きに有するヒンジ体142が一体に形成されている。また、後カバー体136の周壁部139のうち、他側の壁部139bには、払出装置装着部113の片側壁に形成された係止孔に弾性的に係合可能な係止爪を有する弾性閉止体143が一体に形成されている。
すなわち、後カバー体136は、その上下及び中間のヒンジ体142の各ヒンジピン141が機構装着体13の側壁部のヒンジ体140のヒンジ孔の上方からそれぞれ嵌込まれる。この状態で、ヒンジピン141を中心として後カバー体136が機構装着体13の他側に向けて回動されながら、その弾性閉止体143を払出装置装着部113の片側壁の係止孔に差し込んで弾性的に係合させることで、機構装着体13の後側に後カバー体136が閉じ状態で保持される。そして、後カバー体136によって、遊技盤5後面の表示装置制御基板ボックス135(図6参照)全体及び主制御基板ボックス95の略中間部から上端にわたる部分が後カバー体136によって覆われるようになっている。これによって、主制御基板ボックス95の上部に露出された主制御基板94の基板コネクタ(主として表示装置制御基板と接続するための基板コネクタ)が後方から視認不能に隠蔽されている。
また、主制御基板ボックス95の略中間部から下端にわたる部分は後カバー体136によって覆われることなく露出されている。そして、主制御基板ボックス95の下部には、その主制御基板94上に配置された検査用コネクタ144が露出されており、後カバー体136が閉じられた状態で主制御基板94上の検査用コネクタ144に基板検査装置(図示しない)を接続して検査可能となっている。
後カバー体136には、多数の放熱孔145、146、147、148が貫設されており、これら多数の放熱孔145、146、147、148から内部の熱が放出されるようになっている。この実施形態において、後カバー体136には、その周壁部139から後壁部138に延びる多数のスリット状の放熱孔145が貫設され、後壁部138の略中間高さ位置から上部においては多数の長円形、楕円形等の放熱孔146が貫設され、後壁部138の下部には多数の長円形、楕円形等の放熱孔147と所定数の横長四角形状の放熱孔148が貫設されている。
また、横長四角形状の放熱孔148は、主制御基板ボックス95の封印ねじ(封印部材)によって封印される複数の並列状の封印部149の列の大きさ及び配設位置に対応する大きさ及び位置に貫設されている。これによって、不透明な後カバー体136が閉じられた状態であっても、主制御基板ボックス95の複数の並列状の封印部149が放熱孔148の部分において視認可能に露出される。このため、後カバー体136が閉じられた状態であっても、主制御基板ボックス95の封印部149の封印状態を容易に視認することができる。また、不透明な合成樹脂材は、透明な合成樹脂材と比べ、リサイクル使用される合成樹脂材を材料として用いることが容易であるため、後カバー体136を安価に製作することができる。
後カバー体136の周壁部139のうち、上側壁部139cの所定位置(この実施形態では左右2箇所)には、電源コード(図示しない)を適宜に折り畳んだ状態で保持する略C字状でかつ弾性変形可能なコード保持体150が上方のタンクレール118の後壁面(レール構成部材117の後壁面)に向けて延出されている。このコード保持体150の先端部には、同コード保持体150を弾性変形させて電源コードを取り外すためのつまみが形成されている。
電源コードは、その一端が分電基板151の基板コネクタ152に取り外し可能に接続され、他端の電源プラグが電源コンセントに差し込まれる。前記したように、後カバー体136にコード保持体150を一体に形成して電源コードを保持することで、パチンコ機1を運搬、保管する際に電源コードがぶらついて邪魔になったり、異物に引っ掛かる不具合を防止することができる。
[本体枠の後側下部の下皿用球誘導体等の構成について] 図1及び図6に基づき説明する。
図6は、図5に示すパチンコ機の斜視図から後カバー体及び各種制御基板等を取り外した状態を示す斜視図である。
本体枠3の後下部領域の他側寄り部分(ヒンジ寄り部分)には、そのスピーカボックス部16の後段差部の凹み部分において下皿用球誘導体153が装着されている。この下皿用球誘導体153は、球払出装置125の賞球及び貸球用球通路から上皿連絡路(図示しない)を経て上皿51に払い出された遊技球が満杯になったときに、上皿連絡路の遊技球を下皿31に導くためのものである。
なお、この実施形態において、下皿用球誘導体153の後壁外面には、インタフェース基板154を収納している基板ボックス155が装着されている。なお、インタフェース基板154は、パチンコ機1に隣接して設置される球貸機と払出制御基板133との間に介在され、球貸に関する信号を球貸機と払出制御基板133との間で送受信可能に電気的に接続するようになっている。
[遊技盤の構成について] 図9乃至図13に基づき説明する。
図9は遊技領域を有した遊技盤の拡大正面図である。図10は遊技盤を斜め前方から一部を省略して示す斜視図であり、図11は遊技盤の断面側面図である。図12は前構成部材を取外した状態の遊技盤を示す拡大正面図であり、図13は一部を省略して示す遊技盤の分解斜視図である。
遊技盤5は、図示するように、枠状に形成されたベース枠体210と、ベース枠体210の枠内に挿入され透明樹脂板からなるベース本体211と、ベース枠体210及びベース本体211の前面に配置され、遊技者の操作によって遊技球が打ち込まれる遊技領域37を区画形成すると共に遊技領域37内に遊技球を案内する案内する外レール76及び内レール77からなる案内レール78を備えた前構成部材79とを主に備えている。
なお、図示は省略するが、ベース本体211には、多数の障害釘が所定のゲージ配列をなして打設されているほか、適宜位置に風車や、一般入賞口、特別入賞口、始動口、等が備えられている。
ベース枠体210は、遊技領域37に対応する位置に配置されると共に正面視において遊技領域37を略包含する大きさとされ前後方向に貫通する貫通口212と、貫通口212内に向かって突出し平面視で遊技領域37内にかからないように形成された複数の突出片213と、及び複数の突出片213のうち本例では三つの突出片213に夫々形成された突出ピン214とを備えている。この突出ピン214は、上側の突出片213と、左右下側の突出片213に夫々前方側に突出するように形成されている(図13参照)。
また、ベース枠体210は、後面側に開口する凹部215が複数形成されており、この凹部215により後面側から肉抜きされた形態とされ、所定の樹脂材(例えば、ポリプロピレン、ABS樹脂など)にて成形されている(図11参照)。なお、ベース枠体210の厚さW1は、従来のパチンコ機における遊技盤ベースの厚さと略同じ厚さの約20mmとされている。
ベース本体211は、ベース枠体210の貫通口212の内周形状と略対応した外周形状とされ、ベース枠体210における上側の突出ピン214と嵌合する嵌合孔216と、ベース枠体210における左右の突出ピン214が挿入され上下方向に延びる長孔217とを備えている。このベース本体211は、ポリカーボネイト樹脂、ポリアリレート樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂等の透明な樹脂を、押出し成形した透明樹脂板により形成されていると共に、その押出し方向が上下方向に対して交わる方向となるように形成されている。なお、押出し方向を上下方向に対して約45度の方向となるように形成することが望ましい。また、ベース本体211の厚さW2は、打設される障害釘などを充分に保持することのできる必要最低限の厚さ(8〜10mm)とされており、ベース枠体210の厚さW1の略半分の厚さとされている。
この遊技盤5では、枠状のベース枠体210の枠内、つまり、ベース枠体210の貫通口212内にベース本体211を挿入した状態で、前方からベース枠体210に前構成部材79を固定することで、ベース本体211をベース枠体210の各突出片213と前構成部材79とで挟持するようになっている。つまり、ベース本体211の後面側が突出片213と当接し、ベース本体211の前面側が前構成部材79と当接することで、突出片213と前構成部材79とで挟持されるようになっている。
図11に示すように、本例では、ベース本体211の前面と、ベース枠体210の前面とは、略面一となるように配置されている。つまり、ベース枠体210の突出片213の前面位置が、ベース本体211の厚さW2に対応して、ベース本体211とベース枠体210の前面が略面一となる位置に配置されている。これにより、ベース枠体210とベース本体211との間で前後方向の段差が生じないようになっている。
本例のベース本体211とベース枠体210とは、ベース本体211を貫通口212内に挿入する際に、ベース枠体210の上側の突出ピン214がベース本体の嵌合孔216と嵌合すると共に、ベース枠体210の左右の突出ピン214がベース本体211の左右の長孔217に夫々挿入され、嵌合孔216においては移動不能に固定され、長孔217においては移動可能に固定されるようになっている。つまり、嵌合孔216が本発明の不動固定部に、長孔217が本発明の可動固定部に夫々相当している。
図11及び図12に示すように、ベース枠体210における貫通口212の内周と、ベース本体211の外周との間には、所定量のクリアランス(隙間)が形成されるようになっており、気温やパチンコ機1の環境温度などの温度変化や、経時変化などによるベース本体211やベース枠体210の相対伸縮が許容されて、ベース本体211等が歪んだりするのを防止できるようになっている。
本例では、図11に拡大して示すように、このベース枠体210とベース本体211との間のクリアランス内に、弾性部材218が備えられており、この弾性部材218は、ゴムや発泡樹脂等からなるもので、膨張可能となるように貫通口212の内周とベース本体211の外周との間に配置されている。この弾性部材218によって、ベース枠体210とベース本体211との間に隙間が形成されるのを防止できるようになっている。また、弾性部材218の前面は、ベース本体211及びベース枠体210の前面と略面一となるように配置されており、前後方向に段差が生じないようになっている。
なお、本例の弾性部材218が本発明の隙間閉鎖手段に相当すると共に、本例のクリアランス及び弾性部材218が本発明の伸縮許容手段に相当している。
遊技盤5には、その他に、ベース枠体210の後面側に固定されベース本体211の後面側との間で遊技球が流通可能な流通空間を形成する枠状の空間形成部材221と、空間形成部材221に支持され、空間形成部材221の後側開口222を閉鎖し所定の演出画像を表示可能なLCDからなる演出表示装置223(本発明の演出表示手段に相当)とを更に備えている。なお、この演出表示装置223の後側には、演出表示装置223等を制御する表示装置制御基板ボックス135が取付けられている。
また、遊技盤5には、遊技領域37の下部に設けられ遊技領域37内から遊技球を外部へ排出するアウト口224に受入れられた遊技球や、入賞口等に入賞して遊技領域37外へ排出する遊技球をパチンコ機1外部へ誘導するための球誘導路225を有した排出誘導部材226が、ベース枠体210の後面側の下部に取付けられている。この排出誘導部材226の後側には、副制御基板ボックス93と主制御基板ボックス95とが前から順番に取付けられている。
本例の遊技盤5は、透明なベース本体211によって遊技領域37の略全域において、遊技領域37の後方が視認可能となっており、ベース本体211の後方に配置された演出表示装置223に表示される演出画像が、ベース本体211を通して遊技者から視認できるようになっている。また、演出表示装置223は、従来のパチンコ機に用いられている演出表示装置と比較して、より大型のもの(例えば、5〜21インチ)が備えられている。更に、図示は省略するが、遊技領域37内におけるベース本体211の所定位置には、遊技球が通過可能な通過口が複数設けられており、ベース本体211の前面側と後面側との間を遊技球が行き来でき、ベース本体211の後面側も遊技球が流下する遊技領域37となっている。
このように、本実施形態のパチンコ機1によると、ベース本体211がベース枠体210と前構成部材79とで挟持されると共に、ベース本体211とベース枠体210との間にクリアランスが形成されているので、温度変化や経時変化によりベース本体211が伸縮しても、ベース本体211がベース枠体210の貫通口212から脱落したりガタ付いたり、或いはベース本体211とベース枠体210とが互いに押圧しあって歪みが発生したりするような異常が発生するのを防止することができ、異常の発生により遊技球が意図しない動きをしたり、ベース本体211やベース枠体210等が破損したり、遊技を中断しなければならない状態となったりするのを防止して、遊技者の興趣が低下するのを抑制することができる。
また、ベース本体211の厚さW2を、ベース枠体210の厚さW1の略半分としているので、これにより、ベース本体211の厚さをベース枠体210の厚さと略同じ厚さとしたものと比較して、ベース本体211の重量を軽減させることができると共に、ベース本体211に用いる樹脂の量が相対的に少なくなり、これに伴って温度変化や経時変化等によるベース本体211の伸縮量も少なくすることができる。また、ベース本体211等を有した遊技盤5全体の厚さが増加するのを抑制することができるので、従来のパチンコ機における遊技盤と同じ大きさとすることが可能となり、遊技盤5以外の部分を従来のもと流用することができ、透明な遊技盤5としてもパチンコ機1にかかるコストが増加するのを抑制することができる。更に、ベース本体211の厚さW2が必要最低限の厚さとされているので、透明度が低下するのを抑制することができ、後方に配置された演出表示装置223に表示される演出画像を鮮明に視認させることができる。
また、ベース枠体210の厚さW1を従来のパチンコ機における遊技盤ベースの厚さと略同じ厚さ(約20mm)としているので、これにより、パチンコ機1における遊技盤5以外の部分を従来のものと共通化することができると共に、従来と同じ製造ラインに載せることができ、製造にかかるコストが増加するのを抑制することができる。
更に、ベース本体211の厚さW2をベース枠体210の厚さW1の略半分とすると共に空間形成部材221を備えているので、ベース本体211の後面側に充分な広さの流通空間を確保することができ、その空間内に遊技球を流通させることで、ベース本体211の前面側だけでなく後面側も遊技球が流通する遊技領域37とすることができ、遊技盤5の厚さを増加させることなく、遊技領域37を広くすることができると共に、広い遊技領域37によって遊技者をより楽しませられるパチンコ機1とすることができる。なお、その流通空間内に可動する装飾部材等を配置しても良く、より遊技者の興趣を高められるものとすることができる。
また、空間形成部材221により少なくとも演出表示装置223を支持するようにしているので、これにより、空間形成部材221を介して遊技盤5に演出表示装置223を支持させることができ、演出表示装置223を遊技盤5に一体として、取り付け等にかかる手間を簡略化することができる。また、空間形成部材221の後側開口222を演出表示装置223により閉鎖することができ、空間形成部材221により形成される流通空間内に埃やゴミ等が進入するのを防止することができ、流通空間内で埃やゴミ等による不具合が発生するのを防止することができる。
また、ベース本体211とベース枠体210との間に形成されるクリアランスを閉鎖する弾性部材218を備えており、ベース本体211の伸縮を許容すると共にベース本体211等が伸縮してもベース本体211とベース枠体210との間に隙間が形成されないので、ベース本体211とベース枠体210との境界が遊技領域37内や案内レール78内にあっても、遊技球の動きに影響を与えるのを可及的に低減させることができ、遊技球が本来意図しない動きをすることで遊技者の興趣を低下させてしまうのを防止することができる。
また、弾性部材218を備えており、ベース本体211とベース枠体210との間に隙間が形成されるのを防止することができ、その隙間を介してベース本体211の裏面側から表面側へ、或いは、表面側から裏面側へ、埃やゴミが進入したり移動したりするのを防止することができるので、遊技領域37内や後面側の流通空間内に埃などが進入して遊技に支障が出るのを防止し、興趣が低下するのを抑制することができる。
更に、ベース本体211がベース枠体210の突出片213と前構成部材79とで挟持されているので、パチンコ機1の廃棄等により分解する際に、遊技盤5からベース本体211を容易に分解することができ、廃棄等にかかる手間を簡略化することができる。また、接着剤やビス等を用いて直接ベース本体211をベース枠体210等に固定していないので、伸縮率の異なる材料でベース本体211やベース枠体210を構成しても、温度変化や経時変化等によりベース本体211等が歪んだりするのを防止することができる。つまり、ベース本体211を透明樹脂としても遊技盤5に不具合が発生するのを防止することができるので、透明なベース本体211により、遊技球の流下する遊技領域37を狭めることなく、より大型の演出表示装置223を備えたパチンコ機1を実現させることができ、遊技者の興趣を高められるものとすることができる。
また、弾性部材218をベース本体211とベース枠体210との間に膨張可能となるように配置しているので、これにより、ベース本体211が伸長したり収縮したりしても弾性部材218が圧縮変形や膨張変形することができると共に、ベース本体211の伸縮が一様でなくバラ付があっても各部分に応じて追従変形することができるので、隙間が形成されるのを確実に防止することができる。また、ベース本体211が伸長しても弾性部材218が圧縮変形することで、ベース本体211の伸長による応力がベース枠体210に伝達されるのを防止することができるので、ベース本体211の伸長によりベース本体211やベース枠体210が歪んだり、破損したりするのを防止することができ、遊技に支障がでるのを防止して遊技者の興趣が低下するのを抑制することができる。
また、貫通口212とベース本体211との間に弾性部材218が配置されており、温度変化や経時変化等により透明樹脂板からなるベース本体211が伸縮しても、貫通口212の内周とベース本体211の外周とが直接当接して互いに押圧しあうのを防止して、ベース本体211に歪み等の応力がかかるのを防止することができるので、その応力によりベース本体211に干渉縞が発生するのを防止することができ、干渉縞によりベース本体211の後方側が見辛くなるのを防止することができる。
更に、ベース本体211がベース枠体210と前構成部材79とに挟持されるだけでなく、ベース枠体210の突出ピン214を嵌合や挿入する嵌合孔216や長孔217によっても固定することができるので、ベース本体211をより確実に固定することができ、ベース本体211が脱落したりガタついたりするのを防止することができる。また、嵌合孔216を一つとし長孔217を二つとしており、ベース本体211等が温度変化や経時変化等によって伸縮しても、長孔217において固定位置が可動(スライド)して伸縮が許容されるので、嵌合孔216や長孔217に応力などがかかるのを防止して、応力によりベース本体211やベース枠体210等が歪むのを防止することができる。
また、ベース本体211、ベース枠体210、及び弾性部材218の前面を夫々略面一としているので、これにより、透明樹脂からなるベース本体211を遊技領域37の一部とした場合でも、遊技領域37内で前後方向に段差が生じるのを防止して、遊技球の動きを阻害するのをより一層防止することができ、遊技者の興趣が低下するのを防止することができる。
更に、ベース本体211を形成する透明樹脂板の押出し方向が上下方向に対して交わる方向となるよう配置されているので、これにより、ベース本体211の後方に配置された演出表示装置223のドットマトリックスがベース本体211と干渉して、モアレが発生するのを可及的に抑制することができ、モアレにより演出表示装置223に表示される演出画像が見辛くなるのを防止することができる。
また、ベース枠体210を、凹部215の形成により後面側から肉抜きされた形態に形成された樹脂材としているので、これにより、ベース枠体210を軽量化することができ、従来のベニア合板からなるものと比較して、遊技盤5の重量が増加するのを抑制することができる。
更に、上記のようにベース本体211を透明樹脂で構成することによって起因するガタ付や歪み等の異常が発生するの効果的に防止することができるので、ベース本体211の後方に備えられた演出表示装置223等を用いて遊技者をより楽しませることができ、遊技者の興趣が低下するのを抑制することができる。
なお、本例では、ベース本体211とベース枠体210との間に形成されたクリアランスに弾性部材218を備えたものを示したが、弾性部材218を備えていない遊技盤5としても良く、上記と同様にベース本体211が伸縮しても、遊技に支障がでるのを防止することができる。
以上、本発明について好適な実施形態を挙げて説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではなく、以下に示すように、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々の改良及び設計の変更が可能である。
すなわち、上記実施形態では、遊技機としてパチンコ機1に適用したものを示したが、これに限定するものではなく、パチスロ機や、パチンコ機とパチスロ機とを融合させてなる遊技機に、適用しても良く、この場合でも、上記と同様の作用効果を奏することができる。
また、本実施形態では、ベース本体211の後面側に形成される空間(流通空間)を遊技領域としたものを示したが、例えば、この空間内に可動役物や、可動する可動装飾体等を配置するようにしても良く、遊技者の興趣を更に高められるパチンコ機1とすることができる。
パチンコ機の前側全体を示す正面図である。 パチンコ機の外枠の一側に本体枠が開かれ、その本体枠の一側に更に前面枠が開かれた状態を示す斜視図である。 パチンコ機の本体枠と遊技盤とを分離して斜め右上前方から示す斜視図である。 パチンコ機の後側全体を示す背面図である。 パチンコ機の後側全体を右上後方から示す斜視図である。 図5に示すパチンコ機の斜視図から後カバー体及び各種制御基板等を取り外した状態を示す斜視図である。 パチンコ機の本体枠に各種部材が組み付けられた状態を斜め右上後方から示す斜視図である。 本体枠単体を斜め右上後方から示す斜視図である。 遊技領域を有した遊技盤の拡大正面図である。 遊技盤を斜め前方から一部を省略して示す斜視図である。 遊技盤の断面側面図である。 前構成部材を取外した状態の遊技盤を示す拡大正面図である。 一部を省略して示す遊技盤の分解斜視図である。
符号の説明
1 パチンコ機
5 遊技盤
19 発射レール
37 遊技領域
76 外レール
77 内レール
78 案内レール
79 前構成部材
210 ベース枠体
211 ベース本体
212 貫通口
213 突出片
214 突出ピン
215 凹部
216 嵌合孔(不動固定部)
217 長孔(可動固定部)
218 弾性部材(伸縮許容手段、隙間閉鎖手段)
221 空間形成部材
222 開口
223 演出表示装置(演出表示手段)

Claims (1)

  1. 遊技盤と、前記遊技盤を装着する装着枠とを備えた遊技機であって、

    前記遊技盤は、
    透明樹脂からなり、遊技者の操作によって遊技媒体が打ち込まれる遊技領域が形成される板状のベース本体と、
    前記ベース本体の外周を囲むベース枠体と、
    前記遊技領域の外周を区画形成する前構成部材と、を有し、
    前記前構成部材と前記ベース枠体との間で前記ベース本体が支持されてなり
    記ベース本体の外周と前記ベース枠体との間に、前記ベース本体の伸縮を許容し、かつ、接着に依らない伸縮許容手段を設け、
    前記ベース枠体を介して前記ベース本体が前記装着枠に装着される、
    ことを特徴とする遊技機。
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