以下、本発明を実施するための最良の形態を、図面を参照しつつさらに具体的に説明する。ここで、添付図面において同一の部材には同一の符号を付しており、また、重複した説明は省略されている。なお、ここでの説明は本発明が実施される最良の形態であることから、本発明は当該形態に限定されるものではない。
図1は本実施の形態に係る遊技機を示す斜視図、図2は図1に示した遊技機の分解斜視図、図3は背面側にスペーサが配設された遊技盤を示す正面図、図4は図3に示す遊技盤の背面側を示す斜視図、図5は図3に示す遊技盤の分解斜視図、図6は背面側に球通路部材が取り付けられた遊技盤を示す斜視図、図7は本実施の形態に係る裏通路部材の斜視図、図8は電動役物構成部材が差し込まれた球通路部材を示す正面図、図9は本実施の形態に係る球通路部材を示す正面図、図10は図9に示す球通路部材の分解斜視図、図11は図9に示す球通路部材の斜視図、図12は図9に示す球通路部材を背面側から見た分解斜視図、図13は図8に示す球通路部材を背面側から見た斜視図、図14は図8に示す球通路部材を背面側上方から見た斜視図、図15は図8に示す球通路部材を上方から見た説明図、図16は図3に示す球通路部材を遊技球が流下する様子を示す説明図、図17は本実施の形態に係る球通路部材を上方から見た断面図、図18は図15に示すA−A線に沿った断面図である。
図1および図2に示すように、パチンコ遊技機(遊技機)1は、遊技盤2(図2)が装着されるとともに、前面に開口3aaが形成された本体枠3aと、その本体枠3aにおける開口3aaの内部に配設される各種の部品と、遊技盤2の前面側を視認可能に被うガラス板4aが嵌め込まれたガラス扉4と、本体枠3aの後方に配置され、島設備に固定される外枠3bとから構成されている。
なお、本体枠3aは、その一方端が、ヒンジ(図示せず)を介して外枠3bに回動可能に取り付けられるようになっており、これら本体枠3aおよび外枠3bで遊技機本体3が構成されている。そして、このような遊技機本体3の本体枠3aの前面には、スピーカ8a,8b、上述したガラス扉4、皿ユニット5、および発射ハンドル7が配設されている。
これらガラス扉4および皿ユニット5は、その一端が遊技機本体3に回動可能に軸支されており、他端が遊技機本体3に係合するようになっている。これにより、通常、ガラス扉4は遊技盤2の前面(主面)に対面閉鎖した状態で遊技が行われる。
本体枠3aの開口3aaの内部には、後述するように、演出画像(例えば、遊技状態に対応したアニメーションやその他の報知情報など)等を表示可能な表示領域21aを有する液晶表示装置21、スペーサ10、遊技盤2等が配設されている。なお、遊技盤2、スペーサ10、液晶表示装置21以外の各種の部品(図示せず)については、理解を容易にするために説明を省略する。
遊技盤2は、光を透過する透光性を有する板形状の樹脂(透光性を有する部材)によって形成されている。この透光性を有する部材としては、例えば、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、メタクリル樹脂など各種の材質が該当する。また、遊技盤2は、ガラス扉4におけるガラス板4aと対向する主面側に、発射された遊技球が転動流下が可能な遊技領域2aを有している。この遊技領域2aは、レール6に囲まれ、遊技球の転動流下が可能な領域である。
遊技領域2aは、図2乃至図3に示すように、レール6に包囲されており、多数の遊技くぎや風車などの障害物(図示せず)、始動ゲート15、一般入賞口11、大入賞装置13a(図4)の前面側に形成された大入賞口13、アウト口14、始動ゲート15、ワープ口16、ワープ出口16b、始動口(球流入口)12および普通電動役物17を有する電動役物構成部材(入賞装置)18、遊技盤2の装飾効果を高めるための部材である装飾部材19などの遊技部材が配置されている。ここで、始動口12は、後方へと延びた始動口通路12a(図5、図13〜図15)を有している。この始動口12に入賞(流入)する遊技球は、当該始動口通路12aを介して始動口12の後方へと流下する。また、本実施の形態における装飾部材19は、図3に示すように、遊技盤2の左側に位置する一般入賞口11と一体となっているが、本発明はこれに限られず、装飾部材19と遊技盤2の左側に位置する一般入賞装置11とが別体となっていてもよい。
ここで、各遊技部材は、遊技盤2に形成された孔に取り付けられて配置されるようになっている。具体的には、遊技盤2の各所には、図5乃至図6に示すように、取付孔2d〜2h,2j、普通電動役物構成部材差込孔2cおよび大入賞口差込孔2iが形成されており、始動ゲート15は遊技盤2における取付孔2eに、ワープ口16は取付孔2fに、ワープ出口16bは取付孔2dに、大入賞装置13aは大入賞口差込孔2iに、遊技盤2の右側における一般入賞口11は取付孔2hに、装飾部材19は取付孔2gに、アウト口14は2jに、それぞれ取り付けられることによりそれぞれ遊技盤2に配置される。
また、電動役物構成部材18は、遊技盤2における取付孔2dの下方(換言すれば、ワープ出口16bの下方)に設けられている電動役物構成部材差込孔2cに差し込むとともに、電動役物構成部材18の両側に形成されたビス孔18a,18b(図5、図8)をそれぞれ介して、電動役物構成部材差込孔2cの側方に形成されたビス孔2ca,2cbにビス等を固定することにより、遊技盤2に配置される。
スペーサ10は、遊技盤2の後方(背面側)に配設されるとともに、液晶表示装置(表示装置)21の前方(前面側)に配設される(図2参照)。つまり、スペーサ10は、遊技盤2と液晶表示装置21によって扶持される。このスペーサ10は、透光性を有した部材で形成されており、中央に大きな貫通孔10aが設けられている。そして、スペーサ10は、貫通孔10aに、始動口12に流入した遊技球を流下させる上面(球通路)65bbが形成された球通路部材65(図2乃至図6)、遊技に関する所定の情報を報知する電飾ユニット26等が納められるような厚みを提供する。
貫通孔10aの下方には、大入賞装置13aのうち大入賞口差込孔2iから後方に突出した部分を嵌め込み可能な貫通孔10b(図5)が形成されている。そして、貫通孔10aと貫通孔10bとの間には、上記球通路部材65をビス止めするためのビス孔10d,10e(図4、図5)が形成されている。
また、スペーサ10の背面には、内部に遊技球が流下する流路(例えば、裏通路30b,30c)が形成された裏通路部材30が設けられている(図2乃至図7参照)。
また、スペーサ10および裏通路部材30の背面には、上述した液晶表示装置21が配置されている。なお、液晶表示装置21の表示領域21aは、所定の演出画像(例えば、装飾図柄が変動表示する演出画像等)を表示する領域である。
また、遊技盤2、スペーサ10が透光性を有した部材で形成された本実施の形態では、液晶表示装置21の表示領域21aが遊技盤2およびスペーサ10を通して視認可能に配置されている。ここで、液晶表示装置21にかえて、例えばCRT(陰極線管)あるいはプラズマディスプレイ等を用いることもできる。なお、本実施の形態においては、液晶表示装置21の視認性を更に高めるために、裏通路部材30を、透光性を有する部材で構成させてもよい。
さらに、本実施の形態では、遊技盤2およびスペーサ10が透光性を有しているため、遊技盤2の前面からは、スペーサ10に配置された部材(例えば、電飾ユニット26、球通路部材65等)を視認可能であるとともに(図3および図16参照)、スペーサ10の背面からは、遊技盤2の遊技領域2aに配置された部材(例えば、始動ゲート15、ワープ口16等)を視認可能である(図7参照)。
ここで、一般入賞口11は、遊技球が入賞すると所定の数の遊技球が払い戻される装置、始動ゲート15は、遊技球が通過したことを契機として、電飾ユニット26における普通図柄を変動および停止させるための装置、大入賞口13は、電飾ユニット26における特別図柄や液晶表示装置21における装飾図柄が、それぞれ予め設定された態様で停止し、そして、これに伴い特別遊技状態に移行した場合に開放状態となる装置である。
ワープ口16は、流入した遊技球を、遊技盤2の背面側に配置されているワープ球通路16aへと導く装置である。
ワープ球通路16aに導かれた遊技球は、ワープ球通路16aを転動流下し、始動口12の上方に位置するワープ出口16bから排出される。つまり、ワープ口16に流入した遊技球は、ワープ球通路16aによって始動口12へと案内される。また、本実施の形態のワープ出口16bの位置は、遊技領域2aのほぼ中央である。
ここで、ワープ球通路16aは、遊技盤2aの背面側において、透光性を有する遊技盤2の前方から視認可能に配置されている(図2乃至図4参照)。また、当該ワープ球通路16aは、少なくとも一部が透光性を有している。
普通電動役物17は、可変翼17a,17bおよび遊技球を受け入れる受け入れ口17cを有しており、遊技球を受け入れ易い状態と、遊技球を受け入れ難い状態との間で切換可能な開閉機構を備えた装置である。この普通電動役物17は、通常の状態では遊技球を受け入れ難い閉状態となっており、所定の条件が成立した場合(例えば、電飾ユニット26における普通図柄が、「当り」を意味する態様で停止した場合)に、所定時間(例えば、0.3秒間)だけ開いて遊技球を受け入れ易い開状態に切り換えられる。なお、当該受け入れ口17cに遊技球が入賞すると所定の数の遊技球が払い戻される。
ここで、普通電動役物17における閉状態とは、可変翼17a,17bが閉じて遊技球が普通電動役物17の受け入れ口17cに入りにくくなる状態のことである。一方、普通電動役物17における開状態とは、可変翼17a,17bが逆八字状に開口して遊技球が普通電動役物17の受け入れ口17cに入りやすくなる状態のことである。
また、通常時において普通電動役物17は、閉状態となっている。
始動口12および上記普通電動役物17の受け入れ口17cは、遊技球が入賞(流入)すると電飾ユニット26における特別図柄や、液晶表示装置21における装飾図柄が、それぞれ変動および停止する契機となる装置である。具体的には、上記始動口12や普通電動役物17に流入した遊技球が後述する遊技球通過検知部材80や他の検知手段に検知されたことを契機として、電飾ユニット26における特別図柄や、液晶表示装置21における装飾図柄が、それぞれ変動および停止する。
アウト口14は、遊技領域2aの最下位置付近に設けられ、当該最下位置付近に流下してきた遊技球が入球するようになっている。
すなわち、アウト口14は、一般入賞口11、大入賞口13、始動口12、普通電動役物17の受け入れ口17cの何れにも入賞しなかった遊技球が流入して回収される装置である。
次に、スペーサ10の背面に設けられる裏通路部材30について説明する。当該裏通路部材30は、スペーサ10の下側の少なくとも一部を裏面側から覆える程度の大きさを呈しており(図2〜図5)、その略中央に、大入賞装置13aのうちスペーサ10の貫通孔10bから後方に突出した部分を嵌め込み可能な貫通孔30h(図4、図5、図7)が形成されている。また、貫通孔30hの左右には、遊技球の流下が可能な裏通路30b,30cが形成されている。裏通路30bは、後述する球通路部材65を流下した遊技球が流入する通路となっている。なお、裏通路30bは、遊技領域外へと延びており、裏通路30bに流入した遊技球は、当該遊技領域外に排出される。
また、本実施の形態では、裏通路30cには遊技球が流入しない構造となっているが、これに限られず、球通路部材65を流下する遊技球が、当該裏通路30cに流入するようになっていてもよい。
また、裏通路30b,30cには、図7に示すように、それぞれダミーセンサ30ba,30caが取り付けられている。このダミーセンサ30ba,30caは、通過する遊技球を検知しないセンサ、所謂ダミーのセンサである。但し、本実施の形態はこれに限られず、このダミーセンサ30ba,30caに、通過する遊技球を検知可能な遊技球通過検知部材80(後述)の機能を備えてもよい。
また、裏通路部材30の左側上部および右側上部は、スペーサ10にビス止めされる球通路部材65の転倒を防ぐための支持板31,32として構成されている。この支持板31と32との間には、球通路部材65に差し込まれた電動役物構成部材18(詳しくは後述)を、遊技盤2の後方から視認可能に露出させる切り欠き30i(図4、図5、図7)が形成されている。この切り欠き30iによれば、裏通路部材30をスペーサ10から取りはずさなくとも、当該電動役物構成部材18のメンテナンス等を行うことが可能となる(すなわち、切り欠き30iが形成されることによって、電動役物構成部材18のメンテナンス等が容易となる)。
また、支持板31の右側および支持板32の左側には、発光体である装飾LED40aが搭載されたLED基板40(図4、図17)が嵌め込まれる孔である取付孔30f,30gが、それぞれ形成されている(この場合、取付孔30f,30gは、図4、図17に示すように、切り欠き30iの両側に位置することとなる)。ここで、取付孔30f,30gには、上記装飾LED基板40が、装飾LED40aの搭載面を遊技盤2の裏面方向に向けた状態で嵌め込まれる。
さらに、取付孔30f,30gの下方には、スペーサ10におけるビス孔10d,10eをそれぞれ露出させる貫通孔30d,30eが形成されている(図4、図5、図7参照)。
ガラス扉4の下方には、図1に示すように皿ユニット5が配置されている。皿ユニット5の上部に、払い出された遊技球および遊技領域2aに打ち込まれる遊技球が貯留される上皿5aが配置されているとともに、皿ユニット5の下部に、払い出しにより上皿5aからオーバーフローした遊技球が貯留される下皿5bが配置されている。また、上皿5aの所定の位置に、遊技終了時などにおいて上皿5aに貯留された遊技球を下皿5bに移動させて取り出す場合に操作されるシャッタレバー8が設けられている。
下皿5bの右側には、レール6を介して遊技領域2aへ遊技球を発射する際に回動操作される発射ハンドル7が設けられている。発射ハンドル7には遊技球の発射を停止するストップボタン(図示せず)が設けられている。
そして、遊技者が上記発射ハンドル7を回動して打ち出し操作をすることにより、上皿5a中の遊技球が、発射球供給装置(図示せず)により本体枠3aの背面に配設された発射装置(図示せず)に供給されて、当該発射装置によりレール6に沿って遊技領域2aに発射される。
次に、本発明の要部である球通路部材65について説明する。
球通路部材65は、図2〜図5、および図8〜図16に示すように、ほぼ中央位置に上方に向かって隆起した本体部65aが形成され、当該本体部65aの両側には、外方に向うほど低く形成された腕部65b,65cが設けられている。さらに、本体部65aの上部中央には、遊技球の通過が可能な程度の大きさの貫通孔である通過孔65aaが形成されている一方、当該本体部65aの下側であり、且つ腕部65bと腕部65cとの間には、電動役物構成部材18の背面側が差し込まれる貫通孔65dが形成されている。
貫通孔65dの上方には、遊技盤2における嵌合孔2cc,2cd(図5)にそれぞれ当該遊技盤2の背面側から嵌合する凸部65ac,65adが設けられている。この凸部65ac,65adを、それぞれ、上記嵌合孔2cc,2cdに嵌合させることによって、球通路部材65を、遊技盤2の背面側に固定させることができる。
ここで、電動役物構成部材18は、上述したように、遊技盤2の前面側から、遊技盤2におけるワープ出口16bの下方に設けられている電動役物構成部材差込孔2c(図5〜図7、および図17参照)に部材の一部が差し込まれるようになっており、そして、電動役物構成部材差込孔2cに差し込まれた部材は、球通路部材65に形成された上記貫通孔65dに嵌め込まれるようになっている(図2〜図6、図8および図13〜図17参照。なお、図8、図13〜図15においては、遊技盤2の記載を省略している)。この場合、球通路部材65は、遊技盤2における透明性を有する部材の背面側に位置するようになる。
また、本実施の形態において、電動役物構成部材18が上記貫通孔65dに嵌め込まれた場合には、当該通過孔65aaと始動口12における始動口通路12aとが接続される(図13乃至図15参照)。つまり、電動役物構成部材18が貫通孔65dに嵌め込まれた場合には、始動口12に流入して始動口通路12aを流下する遊技球が、上記通過孔65aaを通過可能となる(図13乃至図15参照)。
また、通過孔65aaの背面側には、遊技球が通過する球通過孔80aが形成された遊技球通過検知部材80が配置される(図12〜図14参照)。具体的には、遊技球通過検知部材80は、図12〜図14に示すように、通過孔65aaの背面に球通過孔80aが位置するようにして本体部65aの裏面に取り付けられる。また、上記球通過孔80aの内壁には、当該球通過孔80aを通過する遊技球を検知するセンサ部80bが設けられている。この場合、通過孔65aaを通過した遊技球400は、上記球通過孔80aを通過して、上記センサ部80bにより検知されることとなる。
ここで、球通路部材65における腕部65bの上面65bb(図6、図10〜図15)は、球通過孔80aを通過した遊技球を矢印Y(図13〜図15)方向へ流下させる球通路を形成しており、上記球通過孔80aを通過した遊技球は、当該上面65bbを矢印Y方向に流下した後に、上述した裏通路30bに流入する。
また、腕部65bのうち上面65bbの一端側(具体的には、球通路部材65の前面側)は、上方に突出した側壁65baとして構成されている(この場合、上面(球通路)65bbは、球通路部材65の外周面において、上方に向って開口して形成されることとなる)。この側壁65baは、図8〜図16に示すように、上面65bbに沿って構成されており、上面65bbを流下する遊技球400が、球通路部材65の前方へと飛び出ることを防ぐ役割を有している。
また、球通路部材65における側壁65baとして構成される部位は、遊技球400の直径よりも短く形成されている(本実施の形態における側壁65baは、遊技球400の直径よりも短く、且つ遊技球400の半径よりも長い程度の高さを有している)。これによれば、当該側壁65baの高さが遊技球400の直径以上である場合に比べて、球通路部材65を、よりコンパクトにすることが可能となるとともに、当該上面(球通路)65bbを通過する遊技球400の一部を、遊技盤2における透明性を有する部分を介して視認可能に露出させることが可能となる(図9および図16参照)。これによれば、始動口(球流入口)12に流入後の遊技球400を利用して演出効果を高めることが可能となる。
次に、上記球通路部材65の裏面側に取り付けられる案内部材70について説明する。
案内部材70は、図10〜図15に示すように、上記上面(球通路)65bbに沿って形成され、側壁65baと対向配置される側壁72と、側壁72の上端部72a(側壁72のうち遊技球通過検知部材80と対向する部分)に形成され、遊技球通過検知部材80を通過した遊技球を上面(球通路)65bbにおける遊技球の流下方向(矢印Y方向)に案内する段差部71と、側壁72とは反対方向に突出して設けられた板状の部材である位置決め板73とから構成されている。
また、図12乃至図14に示すように、案内部材70における左側上部、左側下部、右側下部には、それぞれ、ビス孔70a,70b,70cが形成されている。そして、案内部材70が球通路部材65の裏面側に取り付けられる際には、当該ビス孔70a,70b,70cをそれぞれ介して、球通路部材65の本体部65aの裏面側頂部に形成されたビス孔66a、本体部65aと貫通孔65dとの間に形成されたビス孔66b、腕部65bの裏面右側に形成されたビス孔66cに、それぞれビス等が固定される(図11、図13乃至図15は、球通路部材65の裏面側に案内部材70が取り付けられた状態を示している)。すなわち、案内部材70は、球通路部材65の裏面側にビス止めされる。但し本発明はこれに限られず、案内部材70は、球通路部材65の裏面側に接着されるようになっていてもよいし、係止されるようになっていてもよい。
また、上述した案内部材70が球通路部材65の裏面側に取り付けられる場合、当該案内部材70における位置決め板73は、図13乃至図15に示すように遊技球通過検知部材80の背面側のうち球通過孔80aの左方に位置するようになる(すなわち、案内部材70が球通路部材65の裏面側に取り付けられる場合、位置決め板73は、当該遊技球通過検知部材80のうち球通過孔80aの左方を背面側から覆う位置に配置されることとなる)。この場合、遊技球通過検知部材80を、その背面側から、案内部材70にて支持することが可能となる。これによれば、当該案内部材70を、遊技球通過検知部材80の位置決めとして機能させることができる。
さらに、案内部材70が球通路部材65の裏面側に取り付けられる場合、側壁72は、図11、図13〜図15に示すように、上面65bbの他端側(具体的には、球通路部材65の裏面側)に位置するようになる。この場合、当該側壁72は、遊技球通過検知部材80を通過した遊技球400を、上面(球通路)65bbにおける遊技球の流下方向(矢印Y方向)に案内する機能を有することとなる。
この場合、上面(球通路)65bbを流下(通過)する遊技球400が上面(球通路)65bb外に飛び出る虞をより低減させることができ、遊技球400の上面(球通路)65bbの通過をより円滑に行わせることが可能となる。
さらに、本発明によれば、上述したように、案内部材70に上面(球通路)65bbの側壁としての機能を持たせることができるので、当該案内部材70に、より汎用性を持たせることができる。
段差部71は、図11乃至図15に示すように、側壁72の上端部72aにおいて、上面(球通路)65bbにおける遊技球の流下方向(矢印Y方向)に向けて下り傾斜して形成されている。そして、案内部材70が球通路部材65の裏面側に取り付けられる場合、当該段差部71は、遊技球通過検知部材80の背面側に位置するようになる(図11、図13〜図15および図18参照。なお、図18は、図15に示すA−A線に沿った断面図である。)。具体的には、段差部71は、図13、図14および図18に示すように、遊技球通過検知部材80の背面側のうち球通過孔80aの外周よりも下方、に位置するようになる。
このように、段差部71は、遊技球通過検知部材80の背面側に位置するようになるので、遊技球通過検知部材80の球通過孔80aを通過した遊技球400は、図13〜図15および図18に示すように、直ちに当該段差部71へと到達するようになる。これによれば、遊技球通過検知部材80の球通過孔80aを通過した遊技球400を、直ちに上面(球通路)65bbにおける遊技球の流下方向に案内することができるので、遊技球通過検知部材80を通過した遊技球が逆流するリスクをより低減させることが可能となる。
また、段差部71は、球通過孔80aの外周よりも下方に位置するようになるので、遊技球通過検知部材80の球通過孔80aを通過した遊技球が仮に逆流してしまった場合であっても、逆流した遊技球400は、球通過孔80aの外周よりも下方位置に当接して止まることとなる。これによれば、逆流した遊技球が、遊技球通過検知部材80により2度検知される虞を防ぐことができる。
また、案内部材70は、段差部71が設けられた部位(上端部72a)が幅広に形成される一方、上面(球通路)65bbの流下方向(矢印Y方向)に向けて幅狭に形成される(図10、図11および図15参照。同図に示すように、側壁72は、段差部71が設けられた上端部72aから遊技球の流下方向に向うにつれて、側壁65baに接近する形状になっている)。例えば、図15に示すように、側壁72における上端部72aの内壁72bから側壁65baまでの距離(距離C)と比べて、側壁72のうち遊技球の流下方向に位置する内壁72cから側壁65baまでの距離(距離D)の方が短くなっている。
この場合、たとえ段差部71にて遊技球400の逆流が生じた場合であっても、当該逆流を、上端部72aにおける幅広の部分にて吸収することが可能となる。これによれば、逆流した遊技球400が、遊技球通過検知部材80まで戻るリスクを低減させることが可能となる。
さらに、案内部材70は、上面(球通路)65bbの流下方向に向けて幅狭に形成されているため、たとえ上面(球通路)65bbを流下する遊技球400に横方向へのブレが生じた場合であっても、当該ブレは、遊技球が上面(球通路)65bbを流下するにつれて次第に矯正されるようになる。
さらに、遊技球通過検知部材80と対向する部位である上端部72aの内壁72bは、図10〜図15に示すように、上面(球通路)65bbにおける遊技球400の流下方向に向って湾曲して形成されている。
この場合、遊技球通過検知部材80から上面(球通路)65bbへと流入した遊技球400は、湾曲して形成された上端部72aの内壁72bによって、上面65bbにおける遊技球の流下方向へと案内されるようになる(図13〜図15参照)。これによれば、遊技球400の上面(球通路)65bbの通過をより円滑に行わせることが可能となるとともに、遊技球400が逆流するリスクをより低減させることが可能となる。
また、案内部材70における側壁72の高さは、球通路部材65における側壁65baと同程度の高さ、すなわち、遊技球400の直径よりも短い程度の高さとなっている。これによれば、案内部材70を有する球通路部材65を、よりコンパクトにすることが可能となる。但し、本発明はこれに限られず、側壁72の高さは、上記側壁65baとは異なる高さであってもよい。
また、本実施の形態における球通路部材65および案内部材70は、透明性を有する部材で構成されている。この場合、上面(球通路)65bbを通過する遊技球400を、遊技盤2における透明性を有する部分および球通路の側壁65baにおける透明性を有する部分を介して視認可能に露出させることが可能となる(例えば、図9および図16に示す遊技球400のうち、側壁65baに隠れた部分(点線部分)を、視認可能に露出させることが可能となる)。これによれば、始動口12に流入後の遊技球を利用した演出効果をより高めることが可能となる。
このように構成された球通路部材65は、電動役物構成部材差込孔2cに差し込まれた電動役物構成部材18の一部が貫通孔65dに嵌め込まれることによって、遊技盤2に取り付けられる(図6参照)。そして、この球通路部材65における腕部65b,65cの裏面下部にそれぞれ形成されたビス孔66d,66eに、スペーサ10に形成されたビス孔10d,10e(図4、図5)をそれぞれ介して、ビス等を固定することにより、当該球通路部材65をスペーサ10に配設することができる(図4参照)。但し、球通路部材65をスペーサ10に配設する技術はこれに限定されず、例えば、ピン等により配設してもよいし、球通路部材65をスペーサ10に係止させることによって配設してもよい。また、接着により配設してもよい。
ここで、裏通路部材30が設けられたスペーサ10に、球通路部材65を配設した場合、裏通路部材30の貫通孔30d,30eにそれぞれ嵌め込まれたLED基板40と、球通路部材65の腕部65b,65cの裏面側とが、それぞれ対向するようになる(図4および図17参照)。
具体的には、腕部65bの裏面側には貫通孔30dに嵌め込まれたLED基板40における装飾LED40aの搭載面が対向し、腕部65cの裏面側には貫通孔30eに嵌め込まれたLED基板40における装飾LED40aの搭載面が対向する。
この場合、装飾LED40aの発する光は、球通路部材65における腕部65b,65cの透明性を有する部分を介して、遊技盤2へ到達するようになる。
なお、球通路部材65における腕部65b,65cの裏面には、凹凸が生じるように面取りされた拡散部65eが形成されている(図12乃至図14参照)。
この拡散部65eは、上記凹凸によって光を屈折させる作用を有している。そのため、装飾LED40aの発する光は、当該拡散部65eを透過する際、上記凹凸により複雑に屈折し、図17に示すように拡散する。
具体的には、装飾LED40aの発する光は、図17に示すとおり、まず拡散部65eを透過する際に拡散され、そして、拡散された光が、球通路部材65、遊技盤2などの透光性を有する部分を透過して、遊技盤2の前面側に到達する。
このように、拡散部65eによって、装飾LED40aの発する光を拡散させることができるので、当該光を視認できる範囲を拡大させることができ、光による装飾効果をより高めることができる(図17参照。なお、図中において、符号100は遊技者の目を示す。)。
さらに本実施の形態において、球通路部材65における腕部65b,65cの裏面のうち、上部および左右に位置する面には、湾曲形状の突起65fが連続して形成されている(図12乃至図14参照)。この突起65fによっても光を屈折させる凹凸が生じるため、球通路部材65の裏面のうち上部および左右に位置する面を透過する光をも拡散させることができる。
また、本実施の形態によれば、上記装飾LED40aの発する光を上面(球通路)65bbにも到達させることができ、当該上面(球通路)65bbを流下する遊技球に光の装飾を施すことができる。
以上、本発明の実施の形態を説明したが、これは本発明を具体的に例示したに過ぎず、特に本発明を限定するものではない。
また、本実施の形態においては、球通路部材65が、電動役物構成部材18の裏面側に配置される例を示したが、これに限られず、球通路部材65は、他の装置(例えば、遊技くぎ、風車、ガイドレール6、始動ゲート15、一般入賞口11、大入賞口13、アウト口14、始動ゲート15、ワープ口16等)の背面側に位置するように配設されていてもよいし、前方に遊技部材が配置されていない位置に配設されていてもよい。
また、本実施の形態では、球通路部材65が、始動口12に流入した遊技球を流下させる例を示したが、これに限られず、当該球通路部材65は、他の装置(例えば、始動ゲート15、一般入賞口11、大入賞口13、アウト口14、始動ゲート15、ワープ口16等)に流入した遊技球を流下させる構成になっていてもよい。
また、本実施の形態における球通路部材65は、遊技盤2における透明性を有する部材の背面側に配置されるようになっていたが、これに限られず、透明性を有しない部分の背面側に配置されるようになっていてもよい。また、当該球通路部材65の一部のみが、遊技盤2における透明性を有する部分の背面側に配置されるようになっていてもよい。
以上、本発明の実施の形態を説明したが、これは本発明を具体的に例示したに過ぎず、特に本発明を限定するものではない。
例えば、本実施の形態の球通路部材65および案内部材70は、透明性を有する部材で構成されていたが、本発明においては、球通路部材65および案内部材70のうち少なくとも一部が透明もしくは半透明な投光性を有する部材で構成されていればよい。例えば、側壁65baのみが透明もしくは半透明な部材で構成されるようになっていてもよい。
また、本実施の形態における段差部71は、側壁72における上端部72aに形成されていたが、段差部71が形成される位置は、これに限られない。例えば、段差部71は、側壁72の上端部72aから下端にかけて、連続して形成されるようになっていてもよい。
さらに、本実施の形態において、始動口12に流入した遊技球400が流下(通過)する上面(球通路)65bbは、腕部65bに形成されていたが、これに限られず、腕部65cに形成されるようになっていてもよい。この場合、始動口12に流入した遊技球400は、腕部65cに形成された上面(球通路)を流下するようになる。
また、本実施の形態においては、LED基板40には、LED(発光ダイオード)である装飾LED40aが発光体として搭載されるようになっていたが、当該LED基板40に搭載される発光体は、LEDであることに限定されるものではない。例えば、LED基板40に搭載する発光体としてランプを採用してもよい。
このように、本実施の形態によれば、始動口(球流入口)12に流入した遊技球400が通過(流下)する上面(球通路)65bbは、球通路部材65の外周面に、上方に向って開口して形成される(つまり、球通路部材の外周に形成される)。これによれば、球通路を球通路部材65の内部に形成する場合に比べて、当該球通路部材65のコンパクト化を図ることが可能となる。
この場合、当該球通路部材65によって透明性を有する遊技盤2の背面側に配置される液晶表示装置(表示装置)21等の視認を妨げられることを、極力防止することが可能となる。これによれば、遊技盤2の背面側に配置される液晶表示装置21に対する視認性の低下を防ぐことができるので、遊技興趣の低下を防ぐことができる。
また、本実施の形態によれば、始動口12に流入し、且つ遊技球通過検知部材(遊技球通過検知手段)80を通過した遊技球400は、案内部材70によって、上面(球通路)65bbにおける遊技球400の流下方向へと案内されるようになる。この場合、当該遊技球通過検知部材80を通過した遊技球400が逆流して再び該遊技球通過検知部材80により検知される事態(所謂、2度検知)を防ぐことが可能となる。
さらに、上記案内部材70における位置決め板73が、遊技球通過検知部材80の背面側から当該遊技球通過検知部材80の少なくとも一部を覆う位置に配置されている本発明によれば、当該案内部材70が、遊技球通過検知部材80の位置決めとして機能するようになる。
このような本発明によれば、一の案内部材70に、遊技球通過検知部材80を通過した遊技球を、上面(球通路)65bbの流下方向へと案内する機能、および遊技球通過検知部材80の位置決め機能の二つの機能を持たせることができるので、当該案内部材70に汎用性を持たせることができるとともに、部品点数の削減およびコスト削減を実現することが可能となる。
また、本実施の形態によれば、始動口12に流入し、且つ遊技球通過検知部材80を通過した遊技球400は、上面(球通路)65bbにおける遊技球400の流下方向に向けて下り傾斜した段差部71によって、当該流下方向へと案内されるようになる。この場合、当該遊技球通過検知部材80を通過した遊技球400が逆流するリスクをより低減させることが可能となる。
また、本実施の形態の段差部71は、遊技球通過検知部材80の背面側に位置しているので、当該遊技球通過検知部材80を通過した遊技球400は、直ちに当該段差部71へと到達するようになる。この場合、遊技球通過検知部材80を通過した遊技球400を、直ちに上面(球通路)65bbにおける遊技球400の流下方向に案内することができるので、遊技球通過検知部材80を通過した遊技球400が逆流するリスクをより低減させることが可能となる。
さらに、本実施の形態の段差部71は、遊技球通過検知部材80における球通過孔80aの外周よりも下方に位置しているので、遊技球通過検知部材80を通過した遊技球が逆流するリスクをより低減させることが可能となる。また、本発明によれば、仮に遊技球の逆流が生じてしまった場合であっても、逆流した遊技球は、球通過孔80aの外周よりも下方位置に当接して止まるため、当該逆流した遊技球が、遊技球通過検知部材80により2度検知される虞を防ぐことができる。
また、本実施の形態によれば、案内部材70は、段差部71が設けられた部位(上端部72a)が幅広に形成されているので、段差部71にて遊技球の逆流が生じた場合であっても、当該逆流を、上端部72aにおける幅広の部分にて吸収することが可能となる。これによれば、逆流した遊技球が、遊技球通過検知部材80まで戻るリスクを低減させることが可能となる。
さらに、本発明によれば、案内部材70は、上面(球通路)65bbの流下方向に向けて幅狭に形成されているため、たとえ上面(球通路)65bbを流下する遊技球に横方向へのブレが生じた場合であっても、当該ブレは、遊技球が上面(球通路)65bbを流下するにつれて次第に矯正されるようになる。これによれば、遊技球の上面(球通路)65bbの通過をより円滑に行わせることが可能となる。
また、本実施の形態によれば、球通路部材65および案内部材70の一部が上面(球通路)65bbの側壁65ba,72として構成される本構成によれば、当該上面(球通路)65bbを通過する遊技球が上面(球通路)65bb外に飛び出る虞を低減させることができ、遊技球の上面(球通路)65bbの通過をより円滑に行わせることが可能となる。
さらに、本発明によれば、上述したように、案内部材70に上面(球通路)65bbの側壁としての機能を持たせることができるので、当該案内部材70に、より汎用性を持たせることができるとともに、部品点数の削減およびコスト削減を実現することが可能となる。
また、上面(球通路)65bbの側壁65ba,72が遊技球400の直径よりも短く形成される本実施の形態によれば、案内部材70を有する球通路部材65を、よりコンパクトにすることが可能となる。
さらに、上面(球通路)65bbの側壁65ba,72が遊技球400の直径よりも短い本発明によれば、当該上面(球通路)65bbを通過する遊技球400の一部を、遊技盤2における透明性を有する部分を介して視認可能に露出させることが可能となる。これによれば、始動口12に流入後の遊技球400を利用して演出効果を高めることが可能となる。
また、上面(球通路)65bbの側壁65ba,72のうち少なくとも一部が透明性を有する部材で構成された本実施の形態によれば、当該上面(球通路)65bbを通過する遊技球を、遊技盤2における透明性を有する部分および上面(球通路)65bbの側壁65baにおける透明性を有する部分を介して視認可能に露出させることが可能となる。これによれば、始動口12に流入後の遊技球を利用して演出効果を高めることが可能となる。
さらに、本実施の形態によれば、遊技球通過検知部材80から上面(球通路)65bbへと流入した遊技球400は、湾曲して形成された側壁72(具体的には、上面72aの内壁72b)によって、上面(球通路)65bbにおける遊技球400の流下方向へと案内されるようになる。これによれば、遊技球400の上面(球通路)65bbの通過をより円滑に行わせることが可能となるとともに、遊技球400が逆流するリスクをより低減させることが可能となる。