以下に、本発明に好適な実施形態について図面に基づいて説明する。
[一実施形態]
最初に、一実施形態におけるパチンコ遊技機の機能について図1を用いて説明する。
まず、図1に示すように、パチンコゲームは、ユーザ(遊技者)の操作に応じて発射される遊技球が、特別図柄の可変表示を行うための始動入賞となった場合には(例えば、始動入賞する確率が約“5/100”〜“6/100”となるように障害釘設定)、その始動入賞に伴って、大当りに関する大当りカウンタから、大当りとなるか否かを判定するための大当り乱数、大当りの場合において停止表示させる特別図柄の種類を決定するための図柄乱数が抽出される。この場合において、通常時であるとき(例えば、約“1/300”)は、確変時であるとき(例えば、約“1/50”〜“1/100”)よりも低い確率で大当りとなると判定される。
そして、大当りとなると判定された場合には、リーチとなるが、大当りとならないと判定された場合には、リーチ(リーチ入賞)となるか否かが決定されることとなる(例えば、約“1/10”〜“1/20”の確率でリーチとなる)。
また、可変表示動作中において始動入賞した場合には、4個の保留球の分だけ、始動記憶領域に大当り乱数等が記憶されることとなる。
そして、上述した大当りとなるか否か、停止表示させる特別図柄の種類、リーチとなるか否か等を示す各種のコマンドが演出表示手段に出力されるとともに、可変表示制御手段が表示器における可変表示を行う。
一方、演出表示手段は、受信した各種コマンドに基づいて、可変表示映像、演出映像を選択し、選択結果に対応する演出データを読み出し、表示器に表示映像信号を出力するとともに、音発生器(スピーカ)に音声信号を出力する。これによって、表示器において、各種の映像が表示され、音発生器において、各種の音声が発生されることとなる。また、上述した始動記憶領域において記憶された大当りとなるかはずれとなるかが演出表示手段に出力されることによって、まだ可変表示されていない始動記憶領域における当落が認識可能となり、その当落に基づく演出が行われることもある。
また、大当りとなった場合には、通常時よりも高い確率で遊技球の払出制御が行われる。そして、大当りが終了した場合には、通常ゲームよりも遊技者に有利な時短状態や、確変状態(確率変動状態)となることもある。時短状態においては、始動入賞口チャッカーが開閉する等、通常時よりも始動入賞し易くなり、確変状態においては、大当り判定時において大当りとなる確率が通常時より高くなる。また、時短状態は、大当り終了後、50〜100回の可変表示中継続され、確変状態は、次に大当りとなるまで継続される。
また、本発明に好適な実施形態におけるパチンコ遊技機の機能について図2を用いて更に具体的に説明する。
まず、図2に示すように、パチンコゲームは、ユーザの操作に応じて遊技球が発射され、その遊技球が各種入賞することによって、遊技球の払出制御が行われるゲームである。
また、このパチンコゲームには、特別図柄を用いる特別図柄ゲーム、普通図柄を用いる普通図柄ゲームが含まれている。これら特別図柄ゲームにおいて大当りとなったときや、普通図柄ゲームにおいて当りとなったときには、相対的に、遊技球が入賞する可能性が増大し、遊技球の払出制御が行われ易くなる。
また、各種入賞には、特別図柄ゲームにおいて特別図柄の可変表示が行われる一つの条件である特別図柄始動入賞や、普通図柄ゲームにおいて普通図柄の可変表示が行われる一つの条件である普通図柄始動入賞も含まれている。
特別図柄始動入賞があった場合には、大当り判定用のカウンタ、図柄決定用のカウンタから乱数値が抽出され、各乱数値が記憶されることとなる。
一方、普通図柄始動入賞があった場合には、当り判定用のカウンタから乱数値が抽出され、乱数値が記憶されることとなる。
特別図柄ゲームにおいては、最初に、特別図柄の可変表示を開始する条件が成立したか否かが判定される。この場合において、上述した特別図柄始動入賞によって乱数値が記憶されているか否かが参照され、乱数値が記憶されていることを一つの条件として、特別図柄の可変表示を開始すると判定される。
そして、大当り判定用のカウンタから抽出された乱数値が参照され、大当りとするか否かの大当り判定が行われる。次に、図柄決定用のカウンタから抽出された乱数値と、上述した大当り判定結果と、が参照され、停止表示させる特別図柄を決定する停止図柄決定が行われる。
次に、変動パターン決定用のカウンタから乱数値が抽出され、その乱数値と、上述した大当り判定結果と、上述した停止図柄と、が参照され、特別図柄の変動パターンを決定する変動パターン決定が行われる。次に、演出パターン決定用のカウンタから乱数値が抽出され、その乱数値と、上述した大当り判定結果と、上述した停止図柄と、上述した変動パターンと、が参照され、特別図柄の可変表示に伴って実行する演出パターン決定が行われる。
そして、上述したように決定された大当り判定の結果、停止表示させる特別図柄、特別図柄の変動パターン、特別図柄に伴う演出パターンが参照され、特別図柄の可変表示の表示制御を行う可変表示制御、所定の演出を行う演出制御が実行される。
そして、大当り判定結果が大当りとなると判定された場合、可変表示制御、演出表示制御が終了した後に、大当り遊技を行う大当り遊技制御が実行される。この大当り遊技制御においては、上述した各種入賞の可能性が増大することとなる。一方、大当りとならないと判定された場合には、大当り遊技制御が実行されない。
そして、大当り遊技制御が終了した場合に、遊技状態を移行させるための遊技状態移行制御が行われる。この遊技状態移行制御においては、大当り遊技状態とは異なる通常時における遊技状態の管理が行われる。例えば、上述した大当り判定において、大当りと判定される確率が増大する確変状態であったり、特別図柄や普通図柄の可変表示において、その可変表示時間を短縮させる時短状態であったり、各種の遊技状態に移行させることがある。そして、再度、特別図柄の可変表示を開始させるか否かが繰り返し判定されることとなる。尚、遊技状態を判別困難とすべく、時短状態は転落如何に拘わらず、大当り遊技制御が終了した後、一律特別図柄が100回転するまで行われる。
一方、普通図柄ゲームにおいては、最初に、普通図柄の可変表示を開始する条件が成立したか否かが判定される。この場合において、上述した普通図柄始動入賞によって乱数値が記憶されているか否かが参照され、乱数値が記憶されていることを一つの条件として、普通図柄の可変表示を開始すると判定される。
そして、当り判定用のカウンタから抽出された乱数値が参照され、当りとするか否かの大当り判定が行われる。次に、上述した当り判定結果が参照され、普通図柄の変動パターンを決定する変動パターン決定が行われる。
そして、上述したように決定された当り判定の結果、普通図柄の変動パターンが参照され、普通図柄の可変表示の表示制御を行う可変表示制御、所定の演出を行う演出制御が実行される。
そして、可変表示制御、演出表示制御が終了した場合に、当りとなるか否かが判定され、当りとなったと判定された場合には、当り遊技を行う当り遊技制御が実行される。この当り遊技制御においては、上述した各種入賞の可能性、特に、特別図柄ゲームにおける特別図柄始動入賞の可能性が増大することとなる。一方、当りとならないと判定された場合には、当り遊技制御が実行されない。そして、再度、普通図柄の可変表示を開始させるか否かが繰り返し判定されることとなる。
このように、パチンコゲームは、ユーザの操作に応じて発射された遊技球が各種入賞すること以外に、特別図柄ゲームにおいて大当りとなるか否か、遊技状態の移行状況、普通図柄ゲームにおいて当りとなるか否かによって、遊技球の払出制御が行われ易くなるゲームである。
尚、本実施形態においては、各種の乱数値の抽出は、プログラムを実行することによって乱数値を生成するソフト乱数方式を用いているが、これに限らず、例えば、所定周期で乱数が更新される乱数発生器を備え、その乱数発生器におけるカウンタ(いわゆる、リングカウンタ)から乱数値を抽出するハード乱数方式を用いてもよい。この場合において、所定周期とは異なるタイミングで、乱数値の初期値を決定することによって、所定周期で同じ乱数値が抽出されることを防止することができる。
[遊技機の構成]
本実施形態における遊技機の概観について図3から図6を用いて説明する。尚、以下において説明する実施形態においては、本発明に係る遊技機に好適な実施形態として本発明を第1種パチンコ遊技機(「デジパチ」とも称される。)に適用した場合を示す。
パチンコ遊技機10は、図3から図6に示すように、ガラスドア11、木枠12、ベースドア13、遊技盤14、皿ユニット21、画像を表示する液晶表示装置32、遊技球を発射する発射装置130、各種の制御基板を含む基板ユニット400、遊技価値としての遊技球を付与する球払出ユニット500等から構成されている。
上述したガラスドア11は、ベースドア13に対して開閉自在に軸着されている。また、このガラスドア11の中央には、開口11aが形成されており、その開口11aには、透過性を有する保護ガラス19が配設されている。また、上述した木枠12は、その前方にベースドア13が軸着される。また、ガラスドア11の下部には、貸し出し用操作部80が設けられている。
上述した皿ユニット21は、ガラスドア11の下方に位置するように、ベースドア13に配設されている。皿ユニット21には、その上方に上皿20が、その下方に下皿22が設けられている。上皿20及び下皿22には、遊技球の貸し出し、遊技球の払出し(賞球)を行うための払出口20a、22aが形成されており、所定の払出条件が成立した場合には、遊技球が排出され、特に、上皿20には、後述する遊技領域15に発射させるための遊技球が貯留される。
ることとなる。
上述した発射装置130は、皿ユニット21の側方に位置するように、ベースドア13に配設されている。この発射装置130には、遊技者によって操作可能な発射ハンドル26が配設されており、遊技者によって発射ハンドル26が操作されることによりパチンコ遊技を進めることができる。この発射ハンドル26が遊技者によって握持され、かつ、時計回り方向へ回動操作されたときには、その回動角度に応じて発射モータに電力が供給され、上皿20に貯留された遊技球が遊技盤14に順次発射される。
上述した遊技盤14は、保護ガラス19の後方に位置するように、ベースドア13の前方に配設されている。遊技盤14は、その前面に、発射された遊技球が転動可能な遊技領域15を有している。この遊技領域15は、ガイドレール30等に囲まれ、遊技球が転動可能な領域である。このように、発射装置130によって発射された遊技球は、遊技盤14上に設けられたガイドレール30に案内されて遊技盤14の上部に移動し、その後、遊技領域15に設けられた複数の障害釘との衝突によりその進行方向を変えながら遊技盤14の下方に向かって落下することとなる。
この遊技盤14の前面中央には、始動口25、シャッタ40等が設けられている。この始動口25に遊技球が入球したことを条件として、特別図柄の可変表示が実行されることとなる。また、詳しくは後述するが、この特別図柄の可変表示の結果に応じて、通常遊技状態よりも遊技者に相対的に有利な大当り遊技状態(いわゆる、「大当り」)となる。この大当り遊技状態となった場合には、シャッタ40が開放状態に制御され、大入賞口39に遊技球が受け入れ容易な開放状態となることがある。
この遊技盤14の後方には、液晶表示装置32の表示領域が視認可能に配設されている。また、ベースドア13の上方には、スピーカ46L、46Rが配設される。
また、遊技盤14の中央には、特別図柄表示装置35が配設されている。この特別図柄表示装置35は、特別図柄ゲームにおいて特別図柄の可変表示を行うものである。この特別図柄表示装置35における特別図柄は、一列の図柄列で構成されているが、これに限らず、例えば、複数の図柄列で構成されていてもよい。この特別図柄は、数字や記号等からなる図柄である。
「可変表示」とは、変動可能に表示される概念であり、例えば、実際に変動して表示される「変動表示」、実際に停止して表示される「停止表示」等を可能とするものである。また、「可変表示」は、特別図柄ゲームの結果として識別情報が表示される「導出表示」を行うことができる。また、変動表示が開始されてから導出表示されるまでを1回の可変表示と称する。
また、この特別図柄表示装置35において、特別図柄の導出表示が行われ、導出表示された特別図柄が特定の表示態様になったことに基づいて、遊技状態を遊技者に有利な大当り遊技状態に移行することとなる。また、導出表示された特別図柄が非特定の表示態様になった場合には、大当り遊技状態に移行しない。本実施形態においては、特別図柄が「0〜9」の数字図柄の場合には、大当り遊技状態に移行する。特別図柄は「2」と「9」が2ラウンド大当りを示す特別図柄であり、その他は15ラウンド大当りを示す特別図柄である。特別図柄が「−」の図柄の場合には、大当り遊技状態に移行しない。
また、本実施形態においては、大当り遊技状態終了後は、必ず確変状態に移行することとなる。また、大当り遊技状態終了後は、必ず時短状態に移行し、100回転まで継続する。尚、本発明にはそれに限るものではなく、導出表示された特別図柄が、特定の表示態様のうちの特別の表示態様になったことに基づいて、遊技状態を遊技者に有利な大当り遊技状態に移行し、その大当り遊技状態が終了した場合に、確変状態に移行することとなるようにしてもよい。上述したような確変状態(高確率状態)では、通常遊技状態(低確率状態)よりも相対的に大当り遊技状態に移行する確率が向上する。このように、特別図柄表示装置35は、大当り判定手段による判定結果を表示する表示手段の一例である。
上述した液晶表示装置32は、遊技に関する画像を表示するための表示領域32aを有している。この液晶表示装置32は、遊技盤14に形成された開口14aの後方(背面側)に配設されることとなる。この液晶表示装置32における表示領域には、特別図柄ゲームにおける特別図柄の可変表示に伴って可変表示を行う装飾図柄、遊技に係る背景画像、演出画像等、各種の遊技に関する画像が所定の態様で表示されることとなる。
また、この液晶表示装置32には、特別図柄表示装置35における特別図柄の可変表示に合わせて、装飾図柄が可変表示される。この装飾図柄の導出表示が行われ、特別図柄表示装置35における特別図柄の可変表示の結果が特定の表示態様となる場合には、導出表示された複数の装飾図柄の組合せが特定の組合せとなり、遊技状態を遊技者に有利な大当り遊技状態に移行することとなる。
尚、本実施形態において、画像を表示する部分として液晶ディスプレイパネルからなる液晶表示装置32を採用したが、これに限らず、他の態様であってもよく、例えば、CRT(Cathode Ray Tube)を含むブラウン管、ドットLED(Light Emitting Diode)、セグメントLED、EL(Electronic Luminescent)、プラズマ等からなるものであってもよい。
上述した遊技盤14の遊技領域15には、各種の役物が設けられている。各種の役物の一例として図5を用いて以下に説明するが、これに限定されるものではない。
例えば、遊技盤14の遊技領域15内の中央上方には、特別図柄表示装置35が設けられている。
また、特別図柄表示装置35の右側方には、普通図柄の可変表示を行う普通図柄表示装置33が設けられている。また、遊技盤14の上方には、特別図柄ゲームにおける保留個数を表示する特別図柄保留表示装置34、普通図柄ゲームにおける保留個数を表示する普通図柄保留表示装置50がそれぞれ設けられている。
また、遊技盤14の遊技領域15内の上方には、球通過検出器54が設けられている。この球通過検出器54の近傍を遊技球が通過したことを検出したときには、普通図柄表示装置33における普通図柄の変動表示が開始され、所定の時間が経過した後、普通図柄の変動表示が停止される。
この普通図柄が所定の図柄として停止表示されたときには、後述する始動口25の左右の両側に設けられている羽根部材48(いわゆる、普通電動役物、以降、普通電役と称することがある)が閉鎖状態から開放状態となり、始動口25に遊技球が入り易くなるようになる。また、羽根部材48を開放状態とした後、所定の時間が経過したときには、羽根部材48を閉鎖状態として、始動口25に遊技球が入り難くなるようにする。
また、遊技盤14の遊技領域15内の下方には、遊技球の一般入賞口56が設けられている。
また、遊技盤14の遊技領域15の下方には、大入賞口39に対して開閉自在なシャッタ40が設けられている。上述したように、大当り遊技状態に移行された場合には、このシャッタ40が遊技球を受け入れ易い開放状態(第一の状態)となるように駆動される。
また、この大入賞口39に遊技球が所定個数通過するか、又は、所定時間が経過するまでシャッタ40が開放状態に駆動される。つまり、開放状態において大入賞口39への所定数の遊技球の入賞又は所定時間の経過の何れかの条件が成立すると、大入賞口39を、遊技球を受け入れ難い閉鎖状態(第二の状態)にする。また、続いて、開放状態から閉鎖状態となったシャッタ40は、上限ラウンド数に至っていないことを条件に、再度開放状態に駆動される。
また、シャッタ40の上方には、始動口25が設けられている。この始動口25に遊技球が入賞した場合に、後述する特別図柄ゲームが開始され、特別図柄を変動表示する変動表示状態に移行する。所定の可変表示開始条件としては、本実施形態においては、始動口25に遊技球が入賞したこと(始動領域を遊技球が通過したこと)を主な条件とする。つまり、所定の可変表示開始条件が成立したときに(始動領域を遊技球が通過したことを条件に)特別図柄の可変表示を行うこととなる。尚、実施形態においては、始動口25に遊技球が入賞したこと等を所定の可変表示開始条件としたが、これに限らず、別の態様であってもよい。
また、特別図柄ゲームにおける特別図柄の可変表示中に遊技球が始動口25へ入賞した場合には、可変表示中の特別図柄が導出表示されるまで、その始動口25への遊技球の入賞に基づく特別図柄の可変表示の実行(開始)が保留される。つまり、所定の可変表示実行条件が成立したが、所定の可変表示開始条件が成立していない場合(所定の可変表示保留条件が成立した場合)には、所定の可変表示開始条件が成立するまで、特別図柄の可変表示の実行(開始)が保留されることとなる。特別図柄の可変表示の実行が保留されている状態で、特別図柄が導出表示された場合には、保留されている特別図柄の可変表示の実行が開始される。
また、特別図柄が導出表示された場合に実行される特別図柄の可変表示の実行は一回分である。また、特別図柄の可変表示の実行が保留される回数には上限が設定されており、例えば、4回を上限として特別図柄の可変表示が保留される。このように特別図柄ゲームにおける特別図柄の可変表示が保留された場合には、特別図柄保留表示装置34は、その保留個数を表示することとなる。
また、普通図柄ゲームにおいても同じように、普通図柄の可変表示の実行(開始)が保留されることがあり、その普通図柄の可変表示が保留された場合には、普通図柄保留表示装置50は、その保留個数を表示することとなる。
尚、本実施形態においては、4回を上限として特別図柄の可変表示、普通図柄の可変表示を保留するように構成したが、これに限らず、別の態様であってもよく、例えば、一回又は複数回を上限として、特別図柄の可変表示を保留するように構成してもよく、更には、上限を設定することなく保留するように構成してもよい。もちろん、特別図柄の可変表示を保留しないように構成してもよい。
また、図6に示すように、上述した球通過検出器54、一般入賞口56、大入賞口39、始動口25の後方には、それぞれ、通過球センサ114、115、一般入賞球センサ106、108、110、112、カウントセンサ104、始動入賞球センサ116が配設され、それぞれの通過又は入球が検知される。また、羽根部材48、シャッタ40の後方には、それぞれ、普通電動役物ソレノイド118、大入賞口ソレノイド120が配設され、それぞれの駆動が行われる。
[遊技機の電気的構成]
本実施形態におけるパチンコ遊技機10の制御回路を示すブロック図を図7に示す。
図7に示すように、パチンコ遊技機10は、主に、遊技の制御を行う主制御回路60と、遊技の進行に応じた演出の制御を行う副制御回路200とから構成される。
主制御回路60は、メインCPU66、メインROM68(読み出し専用メモリ)、メインRAM70(読み書き可能メモリ)を備えている。
メインCPU66には、メインROM68、メインRAM70等が接続されており、このメインROM68に記憶されたプログラムに従って、各種の処理を実行する機能を有する。
メインROM68には、メインCPU66によりパチンコ遊技機10の動作を制御するためのプログラムや、各種のテーブル等が記憶されている。
メインRAM70は、メインCPU66の一時記憶領域として種々のフラグや変数の値を記憶する機能を有する。尚、本実施形態においては、メインCPU66の一時記憶領域としてメインRAM70を用いているが、これに限らず、読み書き可能な記憶媒体であればよい。
また、この主制御回路60は、後述するシステムタイマ割込処理を実行するために、所定の周期(例えば2ミリ秒)毎にクロックパルスを発生するリセット用クロックパルス発生回路62、電源投入時においてリセット信号を生成する初期リセット回路64、後述する副制御回路200に対してコマンドを供給するためのシリアル通信用IC72を備えている。
また、主制御回路60には、各種の装置が接続されている。
例えば、主制御回路60からの信号に応じる各種の装置としては、特別図柄ゲームにおける特別図柄の可変表示を行う特別図柄表示装置35、特別図柄ゲームにおける特別図柄の可変表示の保留個数を表示する特別図柄保留表示装置34、普通図柄ゲームにおける識別情報としての普通図柄の可変表示を行う普通図柄表示装置33、普通図柄ゲームにおける普通図柄の可変表示の保留個数を表示する普通図柄保留表示装置50、羽根部材48を開放状態又は閉鎖状態とする普通電動役物ソレノイド118、シャッタ40を駆動させ、大入賞口39を開放状態又は閉鎖状態とする大入賞口ソレノイド120等が接続されている。
また、例えば、大入賞口39における領域を遊技球が通過した場合に、所定の検知信号を主制御回路60に供給するカウントセンサ104、各一般入賞口56を遊技球が通過した場合に、所定の検知信号を主制御回路60に供給する一般入賞球センサ106、108、110、112、球通過検出器54を遊技球が通過した場合に、所定の検知信号を主制御回路60に供給する通過球センサ114、115、始動口25を遊技球が入賞した場合に、所定の検知信号を主制御回路60に供給する始動入賞球センサ116、電断時等におけるバックアップデータを遊技場の管理者の操作に応じてクリアするバックアップクリアスイッチ124等が接続されている。
また、主制御回路60には、払出・発射制御回路126が接続されている。この払出・発射制御回路126には、遊技球の払出を行う払出装置128、遊技球の発射を行う発射装置130、カードユニット300が接続されている。また、カードユニット300には、貸し出し用操作部80が接続されており、その操作に応じて、カードユニット300に操作信号が供給される。なお、カードユニット300は、パチンコ遊技機10の向かって左側に隣設されている。
この払出・発射制御回路126は、主制御回路60から供給される賞球制御コマンド、カードユニット300から供給される貸し球制御信号を受け取り、払出装置128に対して所定の信号を送信することにより、払出装置128に遊技球を払い出させる。また、払出・発射制御回路126は、発射ハンドル26が遊技者によって握持され、かつ、時計回り方向へ回動操作されたときには、その回動角度に応じて発射モータに電力を供給し、遊技球を発射させる制御を行う。
更には、シリアル通信用IC72には、副制御回路200が接続されている。この副制御回路200は、主制御回路60から供給される各種のコマンドに応じて、液晶表示装置32における表示制御、スピーカ46L、46Rから発生させる音声に関する制御、装飾ランプ等を含むランプの制御等を行う。
尚、本実施形態においては、主制御回路60から副制御回路200に対してコマンドを供給するとともに、副制御回路200から主制御回路60に対して信号を供給できないように構成したが、これに限らず、副制御回路200から主制御回路60に対して信号を送信できるように構成しても問題ない。
副制御回路200は、サブCPU206、プログラムROM208、ワークRAM210、液晶表示装置32における表示制御を行うための表示制御回路250、スピーカ46L、46Rから発生させる音声に関する制御を行う音声制御回路230、装飾ランプ等を含むランプの制御を行うランプ制御回路240から構成されている。副制御回路200は、主制御回路60からの指令に応じて遊技の進行に応じた演出を実行する。
サブCPU206は、このプログラムROM208に記憶されたプログラムに従って、各種の処理を実行する機能を有する。特に、サブCPU206は、主制御回路60から供給される各種のコマンドに従って、副制御回路200の制御を行う。
プログラムROM208には、サブCPU206によりパチンコ遊技機10の遊技演出を制御するためのプログラムや各種のテーブルが記憶されている。
尚、本実施形態においては、プログラム、テーブル等を記憶する記憶手段として、メインROM68、プログラムROM208を用いるように構成したが、これに限らず、制御手段を備えたコンピュータにより読み取り可能な記憶媒体であれば別態様であってもよく、例えば、ハードディスク装置、CD−ROM及びDVD−ROM、ROMカートリッジ等の記憶媒体に記録されていてもよい。また、これらのプログラムは、予め記録されているものでなくとも、電源投入後にこれらのプログラムをダウンロードし、ワークRAM210等に記録されるものでもよい。更にまた、プログラムの各々が別々の記憶媒体に記録されていてもよい。
ワークRAM210は、サブCPU206の一時記憶領域として種々のフラグや変数の値を記憶する。尚、本実施形態においては、サブCPU206の一時記憶領域としてワークRAM210を用いているが、これに限らず、読み書き可能な記憶媒体であればよい。
表示制御回路250は、液晶表示装置32の表示制御を行う回路であり、画像データプロセッサ(以下、VDPと称する。)、各種の画像データを生成するためのデータが記憶されている画像データROM、画像データをバッファするフレームバッファ、画像データを画像信号として変換するD/Aコンバータ等から構成されている。
表示制御回路250は、サブCPU206から供給されるデータに応じて、液晶表示装置32に画像を表示させるための種々の処理を行うことができる装置である。表示制御回路250は、サブCPU206から供給される画像表示命令に応じて、装飾図柄を示す装飾図柄画像データ、背景画像データ、演出用画像データ等、各種の画像データ等、液晶表示装置32に表示させるための画像データを一時的にフレームバッファに格納する。
そして、表示制御回路250は、所定のタイミングで、フレームバッファに格納された画像データをD/Aコンバータに供給する。このD/Aコンバータは、画像データを画像信号として変換し、所定のタイミングでこの画像信号を液晶表示装置32に供給することにより、液晶表示装置32に画像が表示される。つまり、表示制御回路250は、液晶表示装置32に遊技に関する画像を表示させる制御を行うこととなる。
また、音声制御回路230は、音声に関する制御を行う音源IC、各種の音声データを記憶する音声データROM、音声信号を増幅するための増幅器(以下、AMPと称する。)等から構成されている。
この音源ICは、スピーカ46L、46Rから発生させる音声の制御を行う。音源ICは、サブCPU206から供給される音声発生命令に応じて、音声データROMに記憶されている複数の音声データから一つの音声データを選択する。また、音源ICは、選択された音声データを音声データROMから読み出し、音声データを所定の音声信号に変換し、その音声信号をAMPに供給する。AMPは、音声信号を増幅させ、スピーカ46L、46Rから音声を発生させる。
ランプ制御回路240は、ランプ制御信号を供給するためのドライブ回路、複数種類のランプ装飾パターンが記憶されている装飾データROM等から構成されている。
[遊技機の動作]
以下に、パチンコ遊技機10で実行される処理を図8〜図10、図12〜図17に示す。また、パチンコ遊技機10で実行される特別図柄制御処理の状態遷移について図11を用いて説明する。
[メイン処理]
最初に、図8に示すように、ステップS9において、メインCPU66は、RAMアクセス許可、バックアップ復帰処理、作業領域を初期化等の初期設定処理を実行する。この処理が終了した場合には、ステップS14に処理を移す。
ステップS14において、詳しくは図10を用いて後述するが、メインCPU66は、特別図柄ゲームの進行、液晶表示装置32、特別図柄表示装置35に表示される特別図柄、装飾図柄に関する特別図柄制御処理を実行する。この処理が終了した場合には、ステップS15に処理を移す。
ステップS15において、メインCPU66は、普通図柄ゲームの進行、普通図柄表示装置33に表示される普通図柄に関する普通図柄制御処理を実行する。この処理が終了した場合には、ステップS16に処理を移す。
ステップS16において、メインCPU66は、特別図柄制御処理、普通図柄制御処理の実行の結果に従って、特別図柄、普通図柄等の可変表示の表示制御を行う図柄表示装置制御処理を実行する。この処理が終了した場合には、ステップS14に処理を移す。
このように、メイン処理においては、初期設定処理が終了した後、特別図柄制御処理、普通図柄制御処理、図柄表示装置制御処理を繰り返し実行することとなる。
[システムタイマ割込処理]
また、メインCPU66は、メイン処理を実行している状態であっても、メイン処理を中断させ、システムタイマ割込処理を実行する場合がある。リセット用クロックパルス発生回路62から所定の周期(例えば2ミリ秒)毎に発生されるクロックパルスに応じて、以下のシステムタイマ割込処理を実行する。このシステムタイマ割込処理について図9を用いて説明する。
最初に、図9に示すように、ステップS43において、メインCPU66は、大当り判定用乱数カウンタ、大当り図柄決定用乱数カウンタ等の各カウント値を“1”増加するように乱数更新処理を実行する。この処理が終了した場合には、ステップS44に処理を移す。
ステップS44において、メインCPU66は、始動口25等への遊技球の入賞又は通過を検知する入力検出処理を実行する。この処理が終了した場合には、ステップS45に処理を移す。
ステップS45において、メインCPU66は、主制御回路60と副制御回路200との同期をとるための待ち時間タイマ、大入賞口39の開放時間を計測するための大入賞口開放時間タイマ等、各種のタイマの更新処理を実行する。この処理が終了した場合には、ステップS46に処理を移す。
ステップS46において、メインCPU66は、各種の変数に基づいて駆動制御するための信号をソレノイド、モータ等に供給する出力処理を実行する。この処理が終了した場合には、ステップS47に処理を移す。
ステップS47において、メインCPU66は、各種のコマンドを副制御回路200に供給するコマンド出力処理を実行する。この処理が終了した場合には、ステップS48に処理を移す。
ステップS48において、メインCPU66は、払出装置128に賞球を行わせるための賞球制御コマンドを払出・発射制御回路126へ送信する等の払出処理を実行する。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了し、割込発生前のアドレスへ復帰し、メイン処理を実行させる。
[特別図柄制御処理]
図8の特別図柄制御処理について図10を用いて説明する。尚、図10において、各処理の側方に描いた数値は、それら各処理に対応する制御状態フラグを示し、その制御状態フラグの数値に応じて、その数値に対応する一つのステップが実行され、特別図柄ゲームが進行することとなる。
最初に、図10に示すように、ステップS71において、メインCPU66は、制御状態フラグをロードする処理を実行する。この処理が終了した場合には、ステップS72に処理を移す。
尚、後述する各処理において、メインCPU66は、制御状態フラグの値に基づいて、各ステップにおける各種の処理を実行するか否かを判断することとなる。この制御状態フラグは、特別図柄ゲームの遊技の状態を示すものであり、各処理の何れかを実行可能にするものである。また、それに加えて、メインCPU66は、各ステップに対して設定された待ち時間タイマ等に応じて決定される所定のタイミングで各ステップにおける処理を実行する。
尚、この所定のタイミングに至る前においては、各ステップにおける処理を実行することなく終了することとなり、他のサブルーチンを実行することとなる。もちろん、所定の周期でシステムタイマ割込処理も実行する。
そして、ステップS72において、メインCPU66は、特別図柄記憶チェック処理を実行する。詳しくは図12を用いて後述するが、メインCPU66は、制御状態フラグが特別図柄記憶チェックを示す値(00)である場合に、保留個数のチェックを行い、保留個数がある場合に、大当り判定、導出特別図柄、特別図柄の変動パターン等の決定を行う。また、メインCPU66は、特別図柄変動時間管理を示す値(01)を制御状態フラグにセットし、今回の処理で決定された変動パターンに対応する変動時間を待ち時間タイマにセットする。つまり、今回決定された変動パターンに対応する変動時間を経過した後、後述する特別図柄変動時間管理処理、すなわちステップS73の処理を実行するように設定することとなる。
ステップS73において、メインCPU66は、特別図柄変動時間管理処理を実行する。この処理において、メインCPU66は、制御状態フラグが特別図柄変動時間管理を示す値(01)であり、変動時間が経過した場合に、特別図柄表示時間管理を示す値(02)を制御状態フラグにセットし、確定後待ち時間を待ち時間タイマにセットする。つまり、確定後待ち時間が経過した後、後述する特別図柄表示時間管理処理すなわちステップS74の処理を実行するように設定することとなる。
ステップS74において、メインCPU66は、特別図柄表示時間管理処理を実行する。この処理において、メインCPU66は、制御状態フラグが特別図柄表示時間管理を示す値(02)であり、確定後待ち時間が経過した場合に、大当りか否かを判断する。メインCPU66は、大当りである場合に、大当り開始インターバル管理を示す値(03)を制御状態フラグにセットし、大当り開始インターバルに対応する時間を待ち時間タイマにセットする。つまり、大当り開始インターバルに対応する時間が経過した後、後述する大当り開始インターバル管理処理、すなわちステップS75の処理を実行するように設定することとなる。このように、メインCPU66は、表示手段による表示結果が複数種類の特定表示結果のうちの何れかの特定表示結果となったときに、通常遊技状態から大当り遊技状態へ移行させる大当り遊技実行手段の一例である。
一方、メインCPU66は、大当りではない場合に、特別図柄ゲーム終了を示す値(08)をセットする。つまり、後述する特別図柄ゲーム終了処理、すなわちステップS81の処理を実行するように設定することとなる。この処理が終了した場合には、ステップS75に処理を移す。
ステップS75において、メインCPU66は、大当りであると判別した場合には、大当り開始インターバル管理処理を実行する。この処理において、メインCPU66は、制御状態フラグが大当り開始インターバル管理を示す値(03)であり、その大当り開始インターバルに対応する時間が経過した場合に、大入賞口39を開放させるために、メインROM68から読み出されたデータに基づいて、メインRAM70に位置付けられた変数を更新する。メインCPU66は、大入賞口開放中を示す値(04)を制御状態フラグにセットするとともに、開放上限時間(例えば30秒)を大入賞口開放時間タイマにセットする。つまり、後述する大入賞口開放中処理、すなわちステップS76の処理を実行するように設定することとなる。
ステップS76において、メインCPU66は、大入賞口開放中処理を実行する。この処理において、メインCPU66は、制御状態フラグが大入賞口開放中を示す値(04)である場合に、大入賞口入賞カウンタが所定数以上であるという条件、開放上限時間を経過した(大入賞口開放時間タイマが“0”である)という条件の何れかを満たす(所定の閉鎖条件が成立した)か否かを判断する。
メインCPU66は、何れかの条件を満たした場合に、大入賞口39を閉鎖させるために、メインRAM70に位置付けられた変数を更新する。そして、メインCPU66は、大入賞口内残留球監視を示す値(05)を制御状態フラグにセットする。メインCPU66は、大入賞口内残留球監視時間を待ち時間タイマにセットする。つまり、大入賞口内残留球監視時間が経過した後、後述する大入賞口内残留球監視処理、すなわちステップS77の処理を実行するように設定することとなる。
ステップS77において、メインCPU66は、大入賞口内残留球監視処理を実行する。この処理において、メインCPU66は、制御状態フラグが大入賞口内残留球監視を示す値(05)であり、大入賞口内残留球監視時間が経過した場合に、大入賞口開放回数カウンタが大入賞口開放回数最大値以上である(最終ラウンドである)という条件を満たすか否かを判断する。尚、本実施形態においては、大当り時の特別図柄が、0、1、3から8の場合は、大当りラウンド数が15であり、大当り時の特別図柄が2、9の場合は、大当りラウンド数が2である。
メインCPU66は、この条件を満たした場合に、大当り終了インターバルを示す値(07)を制御状態フラグにセットし、大当り終了インターバルに対応する時間を待ち時間タイマにセットする。つまり、大当り終了インターバルに対応する時間が経過した後、後述する大当り終了インターバル処理、すなわちステップS80の処理を実行するように設定することとなる。
一方、メインCPU66は、この条件を満たさない場合に、大入賞口再開放待ち時間管理を示す値(06)を制御状態フラグにセットする。また、メインCPU66は、ラウンド間インターバルに対応する時間を待ち時間タイマにセットする。つまり、ラウンド間インターバルに対応する時間が経過した後、後述する大入賞口再開放前待ち時間管理処理、すなわちステップS78の処理を実行するように設定することとなる。このように、メインCPU66は、表示手段における表示結果が複数種類の特定表示結果のうちの特別表示結果となったときは、複数種類の特定表示結果のうちの特別表示結果でない非特別表示結果になったときと比べて、大当り遊技状態における利益の付与を小さくする大当り遊技実行手段の一例である。
ステップS78において、メインCPU66は、大入賞口開放回数カウンタが大入賞口開放回数最大値以上ではないと判別した場合に、大入賞口再開放前待ち時間管理処理を実行する。この処理において、メインCPU66は、制御状態フラグが大入賞口再開放待ち時間管理を示す値(06)であり、ラウンド間インターバルに対応する時間が経過した場合に、大入賞口開放回数カウンタを“1”増加するように記憶更新する。メインCPU66は、大入賞口開放中を示す値(04)を制御状態フラグにセットする。メインCPU66は、開放上限時間(例えば30秒)を大入賞口開放時間タイマにセットする。つまり、上述した大入賞口開放中処理、すなわちステップS76の処理を再度実行するように設定することとなる。
そして、メインCPU66は、大入賞口開放回数カウンタが大入賞口開放回数最大値以上であると判別した場合に、ステップS80に示す大当り終了インターバル処理、すなわちステップS80の処理を実行する。この処理において、メインCPU66は、制御状態フラグが大当り終了インターバルを示す値(07)であり、大当り終了インターバルに対応する時間が経過した場合に、特別図柄ゲーム終了を示す値(08)を制御状態フラグにセットする。つまり、後述する特別図柄ゲーム終了処理、すなわちステップS81の処理を実行するように設定することとなる。
そして、メインCPU66は、メインRAM70の所定領域に時短・確変開始コマンドを記憶し、さらに、確変状態に移行させる制御を行うこととなる。このように、メインCPU66は、所定の確率変動条件が成立すると、通常遊技状態の確率状態を、大当り判定手段が大当り遊技状態へ移行させると判定する確率を第1の確率とする低確率状態から、第1の確率よりも高い第2の確率とする高確率状態へ移行させる確率変動制御手段の一例である。また、このように、メインCPU66は、所定の確率変動条件として、大当り遊技状態が終了したときに、高確率状態へ移行させる制御を行う確率変動制御手段の一例である。
そして、メインCPU66は、大当り遊技状態が終了した場合、又は、はずれとなった場合には、ステップS81の特別図柄ゲーム終了処理を実行する。この処理において、メインCPU66は、制御状態フラグが特別図柄ゲーム終了を示す値(08)である場合に、保留個数を示すデータ(始動記憶情報)を“1”減少するように記憶更新する。そして、メインCPU66は、次回の変動表示を行うために、特別図柄記憶領域の更新を行う。メインCPU66は、特別図柄記憶チェックを示す値(00)をセットする。つまり、上述した特別図柄記憶チェック処理、すなわちステップS72の処理を実行するように設定することとなる。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
上述したように、制御状態フラグをセットすることにより、特別図柄ゲームが実行されることとなる。具体的には、メインCPU66は、図11に示すように、大当り遊技状態ではない場合において、大当り判定の結果がはずれであるときには、制御状態フラグを“00”、“01”、“02”、“08”と順にセットすることにより、図10に示す特別図柄記憶チェック処理、特別図柄変動時間管理処理、特別図柄表示時間管理処理、特別図柄ゲーム終了処理を所定のタイミングで実行することとなる。
また、メインCPU66は、大当り遊技状態ではない場合において、大当り判定の結果が大当りであるときには、制御状態フラグを“00”、“01”、“02”、“03”と順にセットすることにより、図10に示す特別図柄記憶チェック処理、特別図柄変動時間管理処理、特別図柄表示時間管理処理、大当り開始インターバル管理処理の処理を所定のタイミングで実行し、大当り遊技状態への制御を実行することとなる。
更に、メインCPU66は、大当り遊技状態への制御が実行された場合には、制御状態フラグを“04”、“05”、“06”と順にセットすることにより、図10に示す大入賞口開放中処理、大入賞口内残留球監視処理、大入賞口再開放前待ち時間管理処理の処理を所定のタイミングで実行し、大当り遊技を実行することとなる。
尚、大当り遊技が実行されている場合において、大当り遊技状態の終了条件が成立した場合には、“04”、“05”、“07”、“08”と順にセットすることにより、図10に示す大入賞口開放中処理、大入賞口内残留球監視処理、大当り終了インターバル処理、特別図柄ゲーム終了処理の処理を所定のタイミングで実行し、大当り遊技状態を終了することとなる。
[特別図柄記憶チェック処理]
図10の特別図柄記憶チェック処理について図12を用いて説明する。
最初に、図12に示すように、ステップS101において、メインCPU66は、制御状態フラグが特別図柄記憶チェックを示す値(00)であるか否かの判断を行う。メインCPU66は、制御状態フラグが特別図柄記憶チェックを示す値であると判別した場合には、ステップS102に処理を移して、保留個数が“0”であるか否かの判断を行う。一方、メインCPU66は、制御状態フラグが特別図柄記憶チェックを示す値であるとは判別しなかった場合には、本サブルーチンを終了する。
ステップS102において、メインCPU66は、保留個数を示すデータが“0”であると判別した場合には、ステップS103に処理を移して、デモ表示処理を実行する。ステップS103の処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。一方、メインCPU66は、保留個数を示すデータが“0”であるとは判別しなかった場合には、ステップS104に処理を移して、制御状態フラグとして特別図柄変動時間管理を示す値(01)をセットする処理を実行する。この処理が終了した場合には、ステップS105に処理を移す。
ステップS105において、詳細については後述するが、メインCPU66は、大当り判定処理を実行する。この処理において、メインCPU66は、高確率フラグを読み出し、読み出した高確率フラグに基づいて、大当りの判定値(大当り判定値)の数が異なる複数の大当り判定テーブルから1つの大当り判定テーブルを選択する。
このように、高確率フラグが所定の値である場合、つまり遊技状態が確変状態である場合には、大当り遊技状態に移行する確率は、通常時よりも向上することとなる。そして、メインCPU66は、始動入賞時に抽出された大当り判定用乱数値と、選択された大当り判定テーブルとを参照する。つまり、メインCPU66は、遊技者に有利な大当り遊技状態とするか否かの判定を行うこととなる。この処理が終了した場合には、ステップS106に処理を移す。このように、メインCPU66は、遊技盤における始動入賞領域を遊技球が通過したことを条件に、遊技者に有利な大当り遊技状態に移行するか否かを判定する大当り判定手段の一例である。
ステップS106において、メインCPU66は、特別図柄決定処理を実行する。この処理において、メインCPU66は、始動入賞時に抽出された大当り図柄用乱数値を読み出し、その大当り図柄用乱数値と、上述した大当り判定の結果と、に基づいて、特別図柄を決定し、その特別図柄を示すデータをメインRAM70の所定領域に記憶する。また、メインCPU66は、特別図柄を特別の表示態様(大当り図柄が確変図柄となる表示態様、本実施形態において全ての大当り図柄)として決定する場合には、確変状態に移行させる制御を行うこととなる。
このように記憶された特別図柄を示すデータは、特別図柄表示装置35に供給される。これによって、特別図柄表示装置35に、特別図柄が導出表示されることとなる。また、このように記憶された特別図柄を示すデータは、主制御回路60のメインCPU66から副制御回路200のサブCPU206に導出図柄指定コマンドとして供給される。これによって、副制御回路200において、特別図柄に対応する装飾図柄が液晶表示装置32に導出表示されることとなる。この処理が終了した場合には、ステップS109に処理を移す。
ステップS109において、メインCPU66は、変動パターン決定処理を実行する。この処理において、メインCPU66は、演出条件選択用乱数値を抽出する。メインCPU66は、上述したように決定された特別図柄に基づいて、変動パターンを決定するための変動パターン振分テーブルを選択する。そして、メインCPU66は、演出条件選択用乱数カウンタから抽出した演出条件選択用乱数値と選択した変動パターン振分テーブルとに基づいて、変動パターンを決定し、メインRAM70の所定領域に記憶する。メインCPU66は、このような変動パターンを示すデータに基づいて、特別図柄の変動表示態様(特に、変動表示時間)を決定することとなる。
このように記憶された変動パターンを示すデータは、特別図柄表示装置35に供給される。これによって、特別図柄表示装置35に、特別図柄が決定した変動パターンで変動表示することとなる。また、このように記憶された変動パターンを示すデータは、主制御回路60のメインCPU66から副制御回路200のサブCPU206に変動パターン指定コマンドとして供給される。副制御回路200のサブCPU206は、受信した変動パターン指定コマンドに応じた演出表示を実行することとなる。この処理が終了した場合には、ステップS110に処理を移す。
そして、ステップS110において、メインCPU66は、決定した変動パターンに対応する変動時間を待ち時間タイマにセットし、更にステップS111において、今回の変動表示に用いられた記憶領域をクリアする処理を実行する。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
[大当り判定処理]
図12の大当り判定処理について図13を用いて説明する。
最初に、図13に示すように、ステップS120において、メインCPU66は、メインRAM70の所定領域に記憶されている高確率中フラグに基づいて高確率中であるか否かを判定する処理を行う。高確率中であると判定した場合には、ステップS122に処理を移す。高確率中であると判定しない場合には、ステップS124に処理を移す。
ステップS122において、メインCPU66は、高確率時用大当り判定テーブルを、大当り判定に参照するテーブルとしてセットする処理を行う。この処理が終了した場合には、ステップS126に処理を移す。
ステップS124において、メインCPU66は、低確率時用大当り判定テーブルを、大当り判定に参照するテーブルとしてセットする処理を行う。この処理が終了した場合には、ステップS126に処理を移す。
ステップS126において、メインCPU66は、セットされた大当り判定テーブルを参照し、始動入賞時に抽出した大当り判定用乱数値と、セットされた大当り判定テーブルの大当り判定値と比較して大当り判定を行う。具体的には、大当り判定用乱数値と大当り判定値とが一致した場合には大当りと判定し、一致しない場合にははずれ判定する処理を行う。この処理が終了した場合には、ステップS128に処理を移す。
ステップS128において、メインCPU66は、大当り判定の結果が大当りの場合にはステップS130に処理を移す。大当り判定の結果が大当りではない場合にはステップS132に処理を移す。
ステップS130において、メインCPU66は、メインRAM70の所定領域に大当りフラグをオンにする値をセットする処理を行う。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
ステップS132において、メインCPU66は、メインRAM70の所定領域に記憶されている高確率中フラグに基づいて高確率中であるか否かを判定する処理を行う。高確率中であると判定した場合には、ステップS134に処理を移す。高確率中であると判定しない場合には、本サブルーチンを終了する。
ステップS134において、メインCPU66は、セットされた転落判定テーブルを参照し、始動入賞時に抽出した大当り判定用乱数値と転落判定値とに基づいて転落判定を行う。具体的には、大当り判定用乱数値と転落判定値とが一致した場合には転落当選と判定し、一致しない場合には落選と判定する処理を行う。この処理が終了した場合には、ステップS136に処理を移す。このように、メインCPU66は、高確率状態において、所定の転落条件に基づいて低確率状態に移行させるか否かの転落判定を行う転落判定手段の一例である。
ステップS136において、メインCPU66は、転落判定の結果が転落当選の場合にはステップS138に処理を移す。転落判定の結果が転落当選ではない場合には、本サブルーチンを終了する。
ステップS138において、メインCPU66は、メインRAM70の所定領域に転落判定フラグをオンにする値をセットする処理を行う。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
[特別図柄表示時間管理処理]
以下に、上述したメイン処理のステップS74(図10参照)において実行される特別図柄表示時間管理処理について説明する。
特別図柄表示時間管理処理は、図14に示すように、ステップS150おいて、メインCPU66は、制御状態フラグが特別図柄表示時間管理処理を示す値(02)であるか否かを判断する処理を行う。制御状態フラグが特別図柄表示時間管理処理を示す値(02)であると判定した場合には、ステップS152に処理を移す。制御状態フラグが特別図柄表示時間管理処理を示す値(02)であると判定しない場合には、本サブルーチンを終了する。
ステップS152において、メインCPU66は、制御状態フラグが特別図柄表示時間管理処理を示す値(02)である場合に、特別図柄表示管理処理に対応する待ち時間タイマ(t)の値が“0”であるか否か判定する。また、メインCPU66は、待ち時間タイマの値が“0”である場合には、ステップS153の処理に移り、待ち時間タイマの値が“0”でない場合には、本サブルーチンを終了する。
ステップS153において、メインCPU66は、大当りであるか否かを判断する処理を行う。大当りでない場合には、ステップS159に処理を移す。大当りである場合には、ステップS154に処理を移す。
ステップS154において、メインCPU66は、大当り開始インターバル管理処理を示す値(03)をメインRAM70の制御状態フラグにセットする処理を行う。この処理が終了した場合には、ステップS155に処理を移す。
ステップS155において、メインCPU66は、メインRAM70の所定領域に記憶されている大当りフラグ、高確率中フラグ及び時短フラグをクリアする(オフにする値をセットする)処理を行う。この処理が終了した場合には、ステップS156に処理を移す。
ステップS156において、メインCPU66は、大当り開始インターバル表示時間をメインRAM70の待ち時間タイマ(例えば、5000ミリ秒)にセットする処理を行う。この処理が終了した場合には、ステップS157に処理を移す。
ステップS157において、メインCPU66は、大入賞口開放回数の上限値データをセットする処理を行う。この処理が終了した場合には、ステップS158に処理を移す。
ステップS158において、メインCPU66は、大当り開始コマンドをメインRAM70にセットする処理を行う。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
ステップS159において、メインCPU66は、詳細は後述するが、時短終了判定処理を行う。この処理が終了した場合には、ステップS160に処理を移す。
ステップS160において、メインCPU66は、詳細は後述するが、転落判定処理を行う。この処理が終了した場合には、ステップS161に処理を移す。
ステップS161において、メインCPU66は、遊技状態コマンド送信判定フラグ(時短終了)がセットされているか否かを判定する処理を行う。遊技状態コマンド送信判定フラグ(時短終了)がセットされている場合には、ステップS162に処理を移す。遊技状態コマンド送信判定フラグ(時短終了)がセットされていない場合には、ステップS165に処理を移す。
ステップS162において、メインCPU66は、遊技状態コマンド送信判定フラグ(確変終了)がセットされているか否かを判定する処理を行う。遊技状態コマンド送信判定フラグ(確変終了)がセットされている場合には、ステップS163に処理を移す。遊技状態コマンド送信判定フラグ(確変終了)がセットされていない場合には、ステップS164に処理を移す。
ステップS163において、メインCPU66は、遊技状態コマンド(確変・時短終了)をメインRAM70にセットする処理を行う。この処理が終了した場合には、ステップS167に処理を移す。
ステップS164において、メインCPU66は、遊技状態コマンド(時短終了)をメインRAM70にセットする処理を行う。この処理が終了した場合には、ステップS167に処理を移す。
ステップS165において、メインCPU66は、遊技状態コマンド送信判定フラグ(確変終了)がセットされているか否かを判定する処理を行う。遊技状態コマンド送信判定フラグ(確変終了)がセットされている場合には、ステップS166に処理を移す。遊技状態コマンド送信判定フラグ(確変終了)がセットされていない場合には、本サブルーチンを終了する。
ステップS166において、メインCPU66は、遊技状態コマンド(確変終了)をメインRAM70にセットする処理を行う。この処理が終了した場合には、ステップS167に処理を移す。
ステップS167において、メインCPU66は、大当り開始インターバル管理処理を示す値(08)をメインRAM70の制御状態フラグにセットする処理を行う。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
[時短終了判定処理]
以下に、上述した特別図柄表示時間管理処理のステップS159(図14参照)において実行される時短終了判定処理について説明する。
最初に、図15に示すように、ステップS171において、メインCPU66は、メインRAM70の所定領域に記憶されている時短回数が0か否かを判定する処理を行う。時短回数が0であると判定しない場合には、ステップS172に処理を移す。時短回数が0であると判定した場合には、本サブルーチンを終了する。
ステップS172において、メインCPU66は、メインRAM70の所定領域に記憶されている時短回数を1減算する処理を行う。この処理が終了した場合には、ステップS173に処理を移す。
ステップS173において、メインCPU66は、メインRAM70の所定領域に記憶されている時短回数が0か否かを判定する処理を行う。時短回数が0であると判定しない場合には、ステップS174に処理を移す。時短回数が0であると判定しない場合には、本サブルーチンを終了する。
ステップS174において、メインCPU66は、メインRAM70の所定領域に記憶されている時短フラグをクリアする処理を行う。この処理が終了した場合には、ステップS175に処理を移す。
ステップS175において、メインCPU66は、メインRAM70の所定領域に遊技状態コマンド送信判定フラグ(時短終了)をセットする処理を行う。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
[転落判定処理]
以下に、上述した特別図柄表示時間管理処理のステップS166(図14参照)において実行される転落判定処理について説明する。
最初に、図16に示すように、ステップS180において、メインCPU66は、メインRAM70の所定領域に記憶されている高確率中フラグに基づいて高確率中であるか否かを判定する処理を行う。高確率中であると判定した場合には、ステップS182に処理を移す。高確率中であると判定しない場合には、本サブルーチンを終了する。
ステップS182において、メインCPU66は、メインRAM70の所定領域に転落判定フラグがあるか(オンか)否かを判定する処理を行う。転落判定フラグがあると判定した場合には、ステップS184に処理を移す。転落判定フラグがあると判定しない場合には、本サブルーチンを終了する。
ステップS184において、メインCPU66は、メインRAM70の所定領域に記憶されている高確率中フラグ及び転落判定フラグをクリアする(オフにする値をセットする)処理を行う。この処理が終了した場合には、ステップS186に処理を移す。このように、メインCPU66は、転落判定手段によって低確率状態へ移行させると判定したときに、通常遊技状態の確率状態を、高確率状態から低確率状態へ移行させる転落制御手段の一例である。
ステップS186において、メインCPU66は、メインRAM70の遊技状態フラグに確変終了を示す値をセットする。これにより、大当り遊技後の特別図柄ゲームにおける当選確率が低確率状態となる。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
[副制御回路メイン処理]
一方、副制御回路200は、副制御回路メイン処理を実行することとなる。この副制御回路メイン処理について図17を用いて説明する。尚、この副制御回路メイン処理は、電源が投入されたときに開始される処理である。
最初に、図17に示すように、ステップS1510において、サブCPU206は、RAMアクセス許可、作業領域を初期化等の初期設定処理を実行する。この処理が終了した場合には、ステップS1520に処理を移す。
ステップS1520において、サブCPU206は、ワークRAM210の所定領域に位置付けられた各種の乱数カウンタの乱数値を更新する乱数更新処理を実行する。この処理が終了した場合には、ステップS1530に処理を移す。
ステップS1530において、詳しくは後述するが、サブCPU206は、受信したコマンドを解析し、その解析したコマンドに応じたコマンド解析処理を実行する。この処理が終了した場合には、ステップS1540に処理を移す。
ステップS1540において、サブCPU206は、液晶表示装置32における画像の表示制御を行う表示制御処理を実行する。具体的には、コマンド解析処理において主制御回路60から変動パターン指定コマンドを受信したと判定した場合に、変動パターン指定コマンドに対応する演出パターンに基づいて各種演出表示が行われる。また、コマンド解析処理において主制御回路60から導出図柄指定コマンドを受信したと判定した場合に、導出図柄指定コマンドに対応する導出図柄を表示する処理が行われる。本実施形態においては、大当りの場合には、特別図柄表示装置35に「0〜9」の何れかの数字図柄が表示され、液晶表示装置32には、特別図柄表示装置35に表示する数字図柄が3つ揃えて表示される。つまり、特別図柄表示装置35に停止表示する数字図柄が「3」であれば、液晶表示装置32には、「333」が表示される。なお、はずれの場合には、特別図柄表示装置35に「−」の図柄が表示され、液晶表示装置32には、数字図柄が3つ揃っていない態様で表示される。また、確変状態を報知する場合には、液晶表示装置32には、確変状態であることを示す文字画像96が表示される。この処理が終了した場合には、ステップS1550に処理を移す。このように、サブCPU206は、報知決定手段が報知すると決定した場合に、高確率状態中において高確率状態中であることを継続して報知する遊技状態報知手段の一例である。
ステップS1550において、サブCPU206は、スピーカ46L、46Rから発生させる音の制御を行う音声制御処理を実行する。この処理が終了した場合には、ステップS1560に処理を移す。
ステップS1560において、サブCPU206は、各種のランプの発光制御を行うランプ制御処理を実行する。この処理が終了した場合には、再度、ステップS1520、すなわち乱数更新処理に処理を移す。
このように、副制御回路メイン処理においては、初期設定処理が終了した後、乱数更新処理からランプ制御処理を繰り返し実行することとなる。
[コマンド解析処理]
以下に、上述した特別図柄表示時間管理処理のステップS1530(図17参照)において実行される転落判定処理について説明する。
ステップS1601において、サブCPU206は、主制御回路60からコマンドを受信したか否かを判定する処理を行う。サブCPU206は、コマンドを受信していると判定した場合には、ステップS1602に処理を移し、コマンドを受信していると判定しない場合には、本サブルーチンを終了する。
ステップS1602において、サブCPU206は、ワークRAM210の所定領域に記憶される受信コマンドを読み出す処理を行う。この処理が終了した場合、ステップS1603に処理を移す。
ステップS1603において、サブCPU206は、ワークRAM210の所定領域から読み出したコマンドが図柄指定コマンドか否か判定する処理を行う。サブCPU206は、図柄指定コマンドを受信していると判定した場合には、ステップS1604に処理を移し、図柄指定コマンドを受信していると判定しない場合には、ステップS1606に処理を移す。
ステップS1604において、サブCPU206は、受信コマンドに対応する図柄データをプログラムROM208から読み出し、ワークRAM210にセットする処理を行う。例えば、この処理において、サブCPU206は、中当り(2ラウンド大当たり)に対応する図柄コマンドを受信した場合には、中当り(2ラウンド大当たり)に対応する図柄データをワークRAM210にセットする処理を行う。この処理が終了した場合には、ステップS1605に処理を移す。
ステップS1605において、サブCPU206は、装飾図柄を決定する処理を行う。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
ステップS1606において、サブCPU206は、ワークRAM210の所定領域から読み出したコマンドが遊技状態コマンドか否か判定する処理を行う。サブCPU206は、遊技状態コマンドを受信していると判定した場合には、ステップS1607に処理を移し、遊技状態コマンドを受信していると判定しない場合には、ステップS1613に処理を移す。
ステップS1607において、サブCPU206は、ワークRAM210の所定領域から読み出した遊技状態コマンドが時短・確変開始コマンドか否か判定する処理を行う。サブCPU206は、時短・確変開始コマンドを受信していると判定した場合には、ステップS1608に処理を移し、時短・確変開始コマンドを受信していると判定しない場合には、ステップS1610に処理を移す。
ステップS1608において、サブCPU206は、ステップS1604において記憶された図柄のデータをワークRAM210の所定領域から読み出し、この図柄のデータが2ラウンド大当りを示す図柄(例えば、2、9)か否かを判定する処理を行う。サブCPU206は、2ラウンド大当りを示す図柄であると判定した場合には、ステップS1609に処理を移し、2ラウンド大当りを示す図柄であると判定しない場合には、ステップS1611に処理を移す。このように、ワークRAM210は、大当り遊技状態へ移行したときの特定表示結果の種類を特定可能に記憶する表示結果記憶手段の一例である。また、このように、サブCPU206は、表示結果記憶手段に記憶された特定表示結果の種類に基づいて、高確率状態中であることを報知するか否かを決定する報知決定手段の一例である。また、このように、サブCPU206は、表示結果記憶手段に記憶された特定表示結果の種類が特別表示結果であるときに、高確率状態中であることを報知するように決定する報知決定手段の一例である。
ステップS1609において、サブCPU206は、ワークRAM210の所定領域において、確変中報知データをセットする処理を行う。この確変中報知データがセットされることによって、液晶表示装置32の表示領域32aにおいて、確変中であることを示す表示が行われる。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
ステップS1610において、サブCPU206は、ワークRAM210の所定領域から読み出した遊技状態コマンドが確変終了コマンドか否か判定する処理を行う。サブCPU206は、確変終了コマンドを受信していると判定した場合には、ステップS1611に処理を移し、確変終了コマンドを受信していると判定しない場合には、ステップS1612に処理を移す。
ステップS1611において、サブCPU206は、ワークRAM210の所定領域において、非確変中報知データをセットする処理を行う。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
ステップS1612において、サブCPU206は、ワークRAM210の所定領域において、受信した遊技状態コマンドに対応する演出データをセットする処理を行う。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
ステップS1613において、サブCPU206は、ワークRAM210の所定領域において、受信したコマンドに対応する演出データをセットする処理を行う。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
[表示画面の説明]
図19と図20を用いて、表示画面の説明をする。図19は、高確率状態が非表示の場合の表示画面を示す説明図である。図20は、高確率状態が表示された場合の表示画面を示す説明図である。
図19は、高確率状態が非表示の場合の表示画面を示す説明図である。通常遊技状態においては、始動入賞に基づいて識別図柄の変動停止を繰り返す。大当り判定用乱数値が大当り判定値に一致している始動記憶に対応する特別図柄ゲームにおいて、液晶表示装置32は、図19(a)に示すようにはずれ停止表示態様(例えば、123)の識別図柄94を表示している状態から、図19(b)に示すように識別図柄94の変動表示を開始し、図19(c)に示すように大当り停止表示態様の識別図柄94、例えば「777」を表示するとともに、「大当り!!」という文字画像92を表示して、大当りに当選したことを遊技者に報知する。つまり、15ラウンド大当りとなった場合には、大当り後の遊技状態の報知は行わない。大当り遊技終了後、図19(d)に示すように識別図柄94の変動表示や、停止表示を繰り返し、遊技を継続して行く。図19(e)に示すように、大当り後の確変状態であるか否かの遊技状態が表示されないため、例えば、図19(e)で転落抽選に当選したとしても、遊技者は転落抽選に当選したか否かを認識することができない。また、図19(f)に示すように、確変状態から転落したとしても何ら報知は行われない。
図20は、高確率状態が表示された場合の表示画面を示す説明図である。液晶表示装置32は、図20(a)に示すようにはずれ停止表示態様(例えば、123)の識別図柄94を表示している状態から、図20(b)に示すように識別図柄94の変動表示を開始し、図20(c)に示すように2ラウンド大当りを示す大当り停止表示態様の識別図柄94、例えば「999」を表示するとともに、「中当り!!」という文字画像92を表示して、大当りに当選したことを遊技者に報知する。このように、2ラウンド大当り(中当り)となった場合は、大当り後の遊技状態の報知を行う。
大当り遊技終了後は、図20(d)に示すように、液晶表示装置32に「確変中」という文字情報96が表示され、この文字情報96は転落抽選に当選しない限り、液晶表示装置32に表示され続ける。このように、確変中では確変中である旨の報知が行われるため、遊技者は、この「確変中」という文字情報96を見ることにより、大当り当選確率が高い高確率状態であるとともに転落抽選の当選確率が低い状態であることを把握するようになる。図20(e)に示すように転落抽選に当選した場合には、文字情報96が液晶表示装置32から消去され、それ以降は、図20(f)に示すように大当りに当選するまで、文字情報96が液晶表示装置32に表示されない状態が続くことになる。これによって、遊技者は、転落抽選に当選したことを認識することが可能になる。なお、本実施形態によれば、大当り当選を報知する大当り停止表示態様が、2ラウンド大当りを示す「222」、「999」の場合には、「確変中」という文字情報96が液晶表示装置32に表示されるようになる。
以上、説明してきたように本実施形態によれば、表示手段によって表示された表示結果が特定表示結果となって大当り遊技状態となり、その後高確率状態へ移行された場合、この特定表示結果の種類(例えば、2や9等)に基づいて実行中の遊技状態が高確率状態(いわゆる確変状態)であることを継続して報知するか決定する。つまり、例えば、大当り時の図柄によって、高確率状態が継続している間、高確率状態であることを報知し続けるため、高確率状態から転落する時期が容易に認識できるようになる。このため、転落抽選を行う遊技機の遊技性のよさを維持しつつ、特定表示結果に対する興味を向上させて、遊技性の更なる向上が図れるようになる遊技機を提供することができる。
また、本実施形態によれば、非特別表示結果(例えば、7)となった場合は、高い利益の付与(例えば、15ラウンド大当り)により、これに基づいて余裕のある遊技が可能であることから、報知しないようにしても、継続して遊技を楽しむことが可能となる。一方、特別表示結果となった場合には、少ない利益の付与(例えば、2ラウンド大当り)ではあるが、高確率状態が継続している間、高確率状態であることを報知し続けるため、高確率状態から転落したことを契機として遊技を終了することができるので、追加投資を抑制することができ、遊技者にとって健全なものとすることができる。このため、転落抽選を行う遊技機の遊技性のよさを維持しつつ、特定表示結果に対する興味を向上させて、遊技性の更なる向上が図れるようになる遊技機を提供することができる。
尚、本実施形態においては、主制御回路と副制御回路との複数の制御回路を備えるように構成したが、これに限らず、別の構成としてもよく、例えば、副制御回路と主制御回路とをワンボードに構成してもよい。
また、本実施形態においては、確変突入契機を大当り後としたが、これに限らず、別の構成としてもよく、その他の条件により確変へ移行するようにしてもよい。また、本実施形態においては、2ラウンド大当りに当選した場合に確変報知を行ったが、これに限らず、別の構成としてもよく、例えば、大当りの利益の度合いに関係なく確変報知を行うか否かの決定を行ってもよい。また、また、本実施形態においては、大当り後に時短が付与されていたが、これに限らず、時短を付与しないようにしてもよい。また、大当り図柄によって時短を付与するようにしてもよい。
尚、上述した実施形態においては、液晶表示装置付きのパチンコ遊技機を例に挙げたが、これに限らず、羽根モノ、ヒコーキモノと称されるパチンコ遊技機、権利モノと称されるパチンコ遊技機、その他別の態様であってもよい。
尚、本実施形態においては、パチンコ遊技機に本発明を採用したが、これに限らず、例えば、パチスロ遊技機やゲーム機等、各種の遊技機に本発明を採用してもよい。もちろん、このようなスロットゲームが実行されるゲーム機でなくとも、ビンゴゲームやクジが実行されるゲーム機に本発明を適用してもよい。