JP5234869B1 - 乾燥装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】回転巻上羽根を上下に並ぶ複数段にした場合に、種々様々な被乾燥物に応じて各段の間隔(クリアランス)を定める際、常に最適な寸法を容易に導くことが可能とし、縦型の利点を生かした非常に高い乾燥効率を容易に実現できる乾燥装置を提供する。
【解決手段】乾燥装置10は、縦型円筒形状の乾燥槽11内に、複数枚の基羽根22,220で構成された回転巻上羽根21,210を回転軸20に沿って上下に並ぶ複数段に配設して成る。複数段の回転巻上羽根21,210の上下間のクリアランスFは、各基羽根22,220の平坦面23,230の最外周端を結ぶ円直径の0〜15%となる比率に設定する。
【選択図】図1

Description

本発明は、縦型円筒形状の乾燥槽内に投入した被乾燥物を巻き上げつつ、前記乾燥槽内壁の伝熱面に押し付け乾燥させる乾燥装置に関する。
従来、この種の乾燥装置としては、粒状、粉末状、液状、塊状等、種々様々な被乾燥物を乾燥させる装置が知られている。特に本出願人は、サイクロンフィンと呼ばれる独自の羽根の開発により、理想の乾燥条件を実現することができる乾燥装置を既に提案している(例えば、特許文献1,2参照)。
すなわち、縦型円筒形状の乾燥槽内に投入された被乾燥物が、回転軸に取り付けられた回転巻上羽根を構成する複数の基羽根の回転により巻き上げられると共に、遠心力により乾燥槽内壁の伝熱面に薄膜状に押し付けられ、後から巻き上げられる被乾燥物が先に巻き上げられた被乾燥物を上方へ押し上げる作用と相俟って、被乾燥物を効率良く乾燥させるものである。
この装置は、本出願人がさらに以前に提案している垂直螺旋回転羽根を有する乾燥装置(例えば、特許文献3参照)が有していた課題、すなわち、粘性の強い被乾燥物の羽根・伝熱面への付着と滞留や、基羽根と伝熱面間のクリアランスへの固形物の噛み込み防止、被乾燥物の巻き上げ効率の改善、伝熱面全面の有効活用による乾燥効率の向上等の課題を解決するために提案されたものであった。
また、回転巻上羽根は一段だけとは限らず、上下に複数段に並ぶように構成したものも開示されている。このように複数段に構成することにより、乾燥物を次々と各段の基羽根によって巻き上げつつ、伝熱面に押し付け乾燥させた被乾燥物を、最上段の基羽根によって巻き上げた後、乾燥物を得る。すなわち、被乾燥物は、乾燥槽の底部から上部まで乾燥されながら連続して上昇するように設計されていた。
特許第2840639号公報 特許第2958869号公報 実開平3−19501号公報
前述した特許文献1,2に記載された乾燥装置は、回転巻上羽根を多段に構成することで、よりいっそう乾燥効率を高めることができるものであったが、多段に構成することに起因して幾つかの解決すべき問題点が新たに生じていた。
すなわち、被乾燥物を、最下段の回転巻上羽根から最上段の回転巻上羽根まで連続して上昇させることで、初めて縦型の利点を生かした非常に高い乾燥効率を実現できるが、乾燥物を各段ごとに順次上昇させるためには、各段の間隔(クリアランス)が極めて重要となり、その具体的な寸法の設定が非常に煩雑で難しいという問題があった。
本発明は、前述したような従来の技術が有する問題点に着目してなされたものであり、回転巻上羽根を上下に並ぶ複数段にした場合に、種々様々な被乾燥物に応じて各段の間隔(クリアランス)を定める際、常に最適な寸法を容易に導くことを可能とし、縦型の利点を生かした非常に高い乾燥効率を容易に実現することができる乾燥装置を提供することを目的としている。
本件発明者らは、乾燥装置に関する鋭意検討の結果、縦型円筒形状の乾燥槽内部に回転巻上羽根を備えた乾燥装置において、回転巻上羽根を上下に並ぶ複数段にした場合に、各段の間隔(クリアランス(F))を適切な値に設定することによって、縦型の利点を生かした非常に高い乾燥効率を実現できることを明らかにした。
かかる結論に鑑みて、前述した目的を達成するための本発明の要旨とするところは、以下の各項に存する。
[1]被乾燥物が投入される縦型円筒形状の乾燥槽(11,11A,11B)と、前記乾燥槽(11,11A,11B)内壁の伝熱面(12)を加熱する加熱手段と、前記乾燥槽(11,11A,11B)内中心部に設けた縦方向に延びる回転軸(20)に取り付けた回転巻上羽根(21,210,31,310)と、を有する乾燥装置(10,10A,10B)において、
前記回転巻上羽根(21,210,31,310)は、前記回転軸(20)を中心に円周方向に並ぶように配された複数の基羽根(22,220,32,320)から成り、各基羽根(22,220,32,320)は、平面視でそれぞれが円周方向に延び、被乾燥物をそれぞれの一端部から載せて他端部に移動させつつ巻き上げ可能な平坦面(23,230,33,330)を有し、この平坦面(23,230,33,330)は、回転方向と逆方向に向かい一端部から他端部にかけて斜め上方に延びるように形成され、
前記回転巻上羽根(21,210,31,310)は、前記回転軸(20)に沿って上下に並ぶ複数段に配設され、前記回転軸(20)の回転により、複数段の回転巻上羽根(21,210,31,310)ごとに各基羽根(22,220,32,320)が回転することで、被乾燥物が、各基羽根(22,220,32,320)の平坦面(23,230,33,330)上を一端部から他端部へ移動しつつ巻き上げられ、かつ遠心力により前記伝熱面(12)に薄膜状に押し付けられる乾燥工程が実行され、
複数段の回転巻上羽根(21,210,31,310)の上下間のクリアランス(F)は、回転巻上羽根(21,210,31,310)の各基羽根(22,220,32,320)の他端部最上端からその一段上の回転巻上羽根(210,310)の各基羽根(220,320)の一端部最下端までの寸法が、各基羽根(22,220,32,320)の平坦面(23,230,33,330)の最外周端を結ぶ円直径の0〜15%となる比率として、最下段の回転巻上羽根(21,31)から最上段の回転巻上羽根(210,310)まで前記乾燥工程が連続して順次繰り返されるように設定し、
最上段の回転巻上羽根(210)の上方に、前記乾燥槽(11)内壁に設けられ、前記最上段の回転巻上羽根(210)より上方に向かう前記伝熱面(12)に薄膜状に押し付けられた被乾燥物を受け止めて、回転巻上羽根(210)の内側より下方へ落下させる受止板(30)を配設し、
前記受止板(30)は、上下に細幅状に延びる面が前記回転巻上羽根(210)の回転方向と対向するように配される板状の部材から成り、2以上が円周方向に等間隔に並ぶように配されたことを特徴とする乾燥装置(10)。
[2]前記複数段の回転巻上羽根(21,210,31,310)は、前記回転軸(20)に沿って並ぶ上下間において、それぞれの各基羽根(22,220,32,320)が平面視で所定角度ずつ位相がずれ、回転方向と逆方向に延びる多重螺旋階段状に並ぶように配設され、
前記回転巻上羽根(21,210,31,310)の各基羽根(22,220,32,320)の平坦面(23,230,33,330)は、平面視で360度の円周範囲内の長さで細幅形状に延び、かつ最下段を除く他の段の回転巻上羽根(210,310)における各基羽根(220,320)の平坦面(230,330)は、平面視で同一円周上に並ぶ隣り合う基羽根(220,320)同士の平坦面(230,330)が円周方向に互いに重ならない長さに設定され、
複数段の回転巻上羽根(21,210,31,310)において、上下に並ぶそれぞれの各基羽根(22,220,32,320)は、下方の基羽根(22,220,32,320)の他端部に対して、回転方向と逆方向の間近に位置する上方の基羽根(220,320)の一端部が、平面視で重ならずに前記逆方向に離隔し、前記下方の基羽根(22,220,32,320)の他端部における平坦面を延長した傾斜面より下方に位置しつつ前記多重螺旋階段状に並ぶことを特徴とする[1]に記載の乾燥装置(10,10A,10B)。
次に、前述した解決手段に基づく作用を説明する。
本発明に係る乾燥装置(10,10A,10B)において最も重要なことは、縦型円筒形状の乾燥槽(11,11A,11B)内壁の伝熱面(12)に対して、被乾燥物が円周水平方向へ薄膜状に押し付けられて接触し、この接触が縦方向へ上昇しつつ連続して繰り返されることである。ここで円周水平方向への接触は、回転巻上羽根(21,210,31,310)の回転により生じた遠心力によるものであり(押し付け作用)、縦方向への上昇は、前記遠心力と相俟って羽根の角度に起因するものである(巻き上げ作用)。
ところで、本乾燥装置(10,10A,10B)により水分を除去する被乾燥物の種類は様々であり、これらが一定の含水率や重量であるとは限らない。また、同じ被乾燥物であっても、最初は未だ含水率が多く重量があり、容易に遠心力が生じたり惰性である程度上昇しやすいが、乾燥により水分蒸発が進むと、重量が軽くなり遠心力も生じなくなり、縦方向への上昇力も乏しくなる。かかる事実に鑑み、種々様々な被乾燥物を最初から最後まで、如何に伝熱面(12)に薄膜状に押し付けるか、そして縦方向に上昇させるかが、重要な課題であった。
被乾燥物を縦方向に上昇させる巻き上げ作用に関しては、上下に並ぶ各段の回転巻上羽根(21,210,31,310)ごとの間隔を一定にした状態であれば、回転巻上羽根(21,210,31,310)の直径による回転数(周速度)と密接な関係があり、これらの相関関係が多少変動したとしても、回転巻上羽根(21,210,31,310)の直径の1/2〜2/3程度の高さまでは、特に前記押し付け作用を考慮しなければ容易に上昇させることができる。
しかし、この程度の上昇だけでは、伝熱面(12)の縦方向において被乾燥物が接触しない面積が比較的大きく、伝熱面(12)全面を有効に活用しないことになり、縦型の利点を生かした乾燥効率の向上が望めなかった。ここで、被乾燥物を縦方向にさらに上昇させるためには、回転巻上羽根(21,210,31,310)の回転による遠心力や羽根の角度の工夫だけでは限界があった。
そこで、発明者らは様々な実験を行った結果、被乾燥物を縦方向にさらに上昇させるため、すなわち巻き上げ力を高めるために重要となるのが、各段の回転巻上羽根(21,210,31,310)における上下間のクリアランス(F)であることを突き止めた。被乾燥物の当初の水分含量や、乾燥が進み水分含量が減少して当初の遠心力や惰力が次第に減少することを考慮し、前記上下間のクリアランス(F)を適宜設定すれば、回転巻上羽根(21,210,31,310)の直径の3〜4倍程度の高さまで被乾燥物を上昇させることができた。
しかしながら、乾燥物を縦方向に上昇させる巻き上げ作用だけを考慮して、伝熱面(12)に被乾燥物を薄膜状に押し付ける押し付け作用を考慮しなければ、次のような問題が生じることも判明した。すなわち、被乾燥物を縦方向に高く上昇させることができたとしても、被乾燥物が各段ごとに伝熱面(12)に対して均一に薄膜状にならなかったり、また被乾燥物が乾燥途中でダンゴ状になり薄膜状にならなくなったり、さらに被乾燥物の乾燥が進んで水分がなくなると、被乾燥物が伝熱面(12)に沿って下方に下がり、伝熱面(12)に有効に接触しなくなり、乾燥効率が1/2〜1/3まで低下するという事実が判明した。
以上のような実証を踏まえて発明者らは鋭意検討した結果、最適な押し付け作用と巻き上げ作用を両立させるためには、各段の回転巻上羽根(21,210,31,310)における上下間のクリアランス(F)を最適な値に設定することが重要であり、この最適な値は、回転巻上羽根(21,210,31,310)の直径の0〜15%となる比率であることを今回明らかにした。かかる比率の範囲内であれば、最下段の回転巻上羽根(21,31)から最上段の回転巻上羽根(210,310)に亘り、各段ごとに被乾燥物を均一な薄膜状に伝熱面(12)に押し付け、しかも、最適な時間を経て順次上昇させることが可能となる。
前述した鋭意検討により得られた前記[1]に記載の乾燥装置(10,10A,10B)によれば、複数段の回転巻上羽根(21,210,31,310)ごとに、各基羽根(22,220,32,320)が回転すると、それぞれの平坦面(23,230,33,330)によって、被乾燥物を巻き上げつつ、乾燥槽(11,11A,11B)内壁の伝熱面(12)に薄膜状に押し付けて乾燥させる。かかる乾燥工程によれば、粘性の強い被乾燥物であっても、各基羽根(22,220,32,320)や伝熱面(12)に付着しにくく、例え付着しても被乾燥物を各基羽根(22,220,32,320)によって伝熱面(12)全面に渡って巻き上げ上昇させるので、被乾燥物が停滞することがない。
しかも、被乾燥物に巻き上げ作用を与え、かつ伝熱面(12)に遠心力によって押し付け作用を与える各基羽根(22,220,32,320)の平坦面(23,230,33,330)は、伝熱面(12)に沿って細長形状であり、一端部から他端部に向かって斜め上方に延びているから、単に被乾燥物に衝撃を与えるのではなく、被乾燥物への巻き上げ作用と伝熱面(12)への押し付け作用を効果的に発揮させることができる。
さらに、回転巻上羽根(21,210,31,310)が上下に複数段あることにより、各段ごとに被乾燥物を巻き上げつつ、薄膜状に伝熱面(12)に押し付け、後から巻き上げる被乾燥物で先に巻き上げた被乾燥物を一段上まで押すように上昇させる。これにより、最下段の回転巻上羽根(21,31)から最上段の回転巻上羽根(210,310)まで、被乾燥物を連続して乾燥しつつ順次上昇させることができ、乾燥槽(11,11A,11B)内壁の縦方向における伝熱面(12)全面を有効に活用することになり、縦型の利点を生かした非常に高い乾燥効率を確実に実現することができる。
ここで重要となるのが、前述したように各段の回転巻上羽根(21,210,31,310)における上下間のクリアランス(F)であるが、回転巻上羽根(21,210,31,310)の直径の0〜15%となる比率とすることで、最下段の回転巻上羽根(21,31)から最上段の回転巻上羽根(210,310)に亘り、各段ごとに被乾燥物を均一な薄膜状に伝熱面(12)に押し付け、しかも、最適な時間を経て順次上昇させることが可能となる。このような比率の範囲内で被乾燥物の具体的な種類に応じて、各段の回転巻上羽根(21,210,31,310)における上下間のクリアランス(F)の寸法を適宜定めると良い。
仮に前記クリアランス(F)が、被乾燥物の種類に応じた最適値よりも小さいと、被乾燥物は上昇しやすくなり過ぎて、乾燥槽(11,11A,11B)内壁の伝熱面(12)に対して均一な薄膜状に押し付けられる間もなく、各段ごとに被乾燥物の大半が直ぐに巻き上げられてしまう。逆に前記クリアランス(F)が大き過ぎると、各段ごとに上方へと被乾燥物がうまく受け渡されず、上昇が途中で止まってしまう。また、前記クリアランス(F)が中途半端な値であると、やはり乾燥槽(11,11A,11B)全体を有効に活用することができない。
さらに、最上段の回転巻上羽根(210)より上方に向かう前記伝熱面(12)に薄膜状に押し付けられた被乾燥物は、乾燥槽(11)内壁に設けられた受止板(30)によって受け止められるので、そのまま上昇することなく回転巻上羽根(210)の内側より下方へ落下する。これにより、被乾燥物は再び最下段の回転巻上羽根(21)より乾燥工程が繰り返されるため、よりいっそう乾燥効率を高めることができる。
また、重要となるのが、各段の回転巻上羽根(21,210,31,310)における上下間の基羽根(22,220,32,320)の相対的な配置であり、具体的には前記[2]に記載したように、複数段の回転巻上羽根(21,210,31,310)を、回転軸(20)に沿って並ぶ上下間において、それぞれの各基羽根(22,220,32,320)が平面視で所定角度ずつ位相がずれ、回転方向と逆方向に延びる多重螺旋階段状に並ぶように配設する。
このような特別な配置により、乾燥槽(11,11A,11B)内に投入された被乾燥物は、最下段の回転巻上羽根(21,31)から最上段の回転巻上羽根(210,310)に向かって、それぞれの基羽根(22,220,32,320)が断続的に連なる多重螺旋階段を昇るようにして順次移動しつつ乾燥される。また、2段目以降の回転巻上羽根(210,310)の回転により、被乾燥物に上昇力と遠心力を補充することができる。このように、乾燥槽(11,11A,11B)内壁の縦方向における伝熱面(12)全面を有効に活用することが可能となり、縦型の利点を生かした非常に高い乾燥効率を確実に実現することができる。
また、前記回転巻上羽根(21,210,31,310)の各基羽根(22,220,32,320)の平坦面(23,230,33,330)は、平面視で360度の円周範囲内の長さしか有さず、独立しているので、各基羽根(22,220,32,320)の平坦面(23,230,33,330)の外周端と伝熱面(12)との間のクリアランス(U)も一続きに連続していないから、被乾燥物中の異物がクリアランス(U)に噛み込んだとしても、直ちに逃げて噛み込みは継続しない。
また、前記特別な配置について詳しく言えば、複数段の回転巻上羽根(21,210,31,310)において、上下に並ぶそれぞれの各基羽根(22,220,32,320)を、下方の基羽根(22,220,32,320)の他端部に対して、回転方向と逆方向の間近に位置する上方の基羽根(220,320)の一端部が、平面視で重ならずに前記逆方向に離隔し、前記下方の基羽根(22,220,32,320)の他端部における平坦面(23,230,33,330)を延長した傾斜面より下方に位置するように配置して、前記多重螺旋階段状に並ぶようにする。これにより、下の段の基羽根(22,220,32,320)で巻き上げられて斜め上方に移動する被乾燥物を、上の段の基羽根(220,320)の一端部に確実に受け渡すことができる。
本発明に係る乾燥装置によれば、回転巻上羽根を上下に並ぶ複数段にした場合に、種々様々な被乾燥物に応じて各段の間隔(クリアランス)を定める際、常に最適な寸法を容易に導くことが可能となり、縦型の利点を生かした非常に高い乾燥効率を確実に実現することができる。
また、最上段の回転巻上羽根より上方に向かう伝熱面に薄膜状に押し付けられた被乾燥物は、乾燥槽内壁に設けられた受止板によって受け止められるので、そのまま上昇することなく回転巻上羽根の内側より下方へ落下し、被乾燥物は再び最下段の回転巻上羽根より乾燥工程が繰り返されるため、よりいっそう乾燥効率を高めることができる。
さらに、各段間における基羽根の相対的な配置を工夫することにより、各段間において被乾燥物を円滑に順次上昇させることができ、縦型の利点を生かした非常に高い乾燥効率を確実に実現することができる。
本発明の第1実施の形態に係る乾燥装置の内部構造を示す縦断面図である。 本発明の第1実施の形態に係る乾燥装置が備える最下段の回転巻上羽根を示す平面図である。 本発明の第1実施の形態に係る乾燥装置が備える最下段の回転巻上羽根を示す側面図である。 図2のIV−IV線断面図である。 本発明の第1実施の形態に係る乾燥装置が備える最下段以外の他の段の回転巻上羽根を構成する基羽根を示す平面図である。 本発明の第1実施の形態に係る乾燥装置が備える最下段以外の他の段の回転巻上羽根を構成する基羽根を示す側面図である。 本発明の第1実施の形態に係る乾燥装置を示す部分断面斜視図である。 本発明の第1実施の形態に係る乾燥装置が備える各段ごとの回転巻上羽根を構成する基羽根の配置の一部を示す展開図である。 本発明の第1実施の形態に係る乾燥装置の使用時の作用を示す説明図である。 本発明の第1実施の形態に係る乾燥装置の使用時の被乾燥物の様子を示す説明図である。 本発明の第2実施の形態に係る乾燥装置の内部構造を示す縦断面図である。 本発明の第3実施の形態に係る乾燥装置の内部構造を示す縦断面図である。 本発明の第3実施の形態に係る乾燥装置が備える最下段の回転巻上羽根を示す平面図である。 本発明の第3実施の形態に係る乾燥装置が備える最下段の回転巻上羽根を示す側面図である。 本発明の第3実施の形態に係る乾燥装置が備える最下段以外の他の段の回転巻上羽根を構成する基羽根を示す平面図である。 本発明の第3実施の形態に係る乾燥装置が備える最下段以外の他の段の回転巻上羽根を構成する基羽根を示す側面図である。 本発明の第3実施の形態に係る乾燥装置を示す部分断面斜視図である。 本発明の第3実施の形態に係る乾燥装置が備える各段ごとの回転巻上羽根を構成する基羽根の配置の一部を示す展開図である。
以下、図面に基づき、本発明を代表する各種実施の形態を説明する。
図1〜図10は、本発明の第1実施の形態を示している。
図1に示すように、乾燥装置10の主要部を成す乾燥槽11は、縦型の円筒形状に構成されている。この乾燥槽11の内部に投入する被乾燥物は、生ゴミ、残飯、食品残滓、汚泥、スラッジ、家畜糞尿等と多岐に渡り、その形態も、粒状、粉末状、液状、塊状等、種々様々で、水分含量も多様である。本乾燥装置10は、何れの種類の被乾燥物にも対応可能である。
乾燥槽11の円筒状の内壁が、伝熱手段からの熱を被乾燥物に伝える伝熱面12となっている。伝熱手段としては、例えば、乾燥槽11の外周を囲むように形成したジャケット13と、このジャケット13に連結され、ジャケット13内に蒸気を送り込むボイラー(図示省略)とを備えて成る。ジャケット13には、蒸気をジャケット13内に導く蒸気流入部13aと、蒸気をジャケット13外に排出する蒸気排出部13bが設けられている。
前記伝熱手段の他の例として、蒸気の代わりに熱風をジャケット13内に送り込むように構成したり、あるいは、ジャケット13内に収容した熱媒体と、ジャケット13の外周に配設した電気ヒーターとから構成しても良い。すなわち、電気ヒーターからの熱を熱媒体を介して伝熱面12に伝えるものである。さらに構成を簡略化して、ジャケット13の外周に配設した電気ヒーターの熱を伝熱面12に直接伝えるようにしても良い。このように前記伝熱手段には種々のものがある。
乾燥槽11の内部に被乾燥物を供給したり外部に排出する構成も様々であり、例えば、乾燥槽11の上蓋14の一部に開閉可能な供給口(図示省略)を設けて、この供給口より被乾燥物を内部に投入すると良い。一方、伝熱面12の底板15付近に開閉可能な排出口(図示省略)を設けて、この排出口より乾燥済みの被乾燥物を外部に排出すると良い。かかる構成によれば、全ての工程が終了するまで、途中で被乾燥物の供給ないし排出を行わないバッチ式の処理を行うものとなる。
あるいは、図11に示した、後述する第2実施の形態に係る乾燥装置10Aのように、乾燥槽11の底板15付近に供給管16を接続して、被乾燥物を供給スクリュー16aにより乾燥槽11内の底部に供給しても良い。一方、伝熱面12の上蓋14付近に排出管17を接続して、乾燥済みの被乾燥物を排出スクリュー17aによって外部に排出する。かかる構成によれば、連続的に被乾燥物を供給しながら乾燥工程を実行し、乾燥済みの被乾燥物を連続的に排出する連続式の処理も可能となる。
また、乾燥槽11内の中心部には、縦方向(鉛直方向)に延びる回転軸20が配設されている。この回転軸20は、伝熱面12の上蓋14と底板15の中心を通るように軸支されている。回転軸20の途中には、回転巻上羽根21,210が上下に並んで複数段となるように取り付けられている。回転軸20の下端部は、乾燥槽11の底板15の外側に配設された電動モータ18に動力伝達可能に連結されており、電動モータ18の駆動により回転軸20は回転駆動し、複数段の回転巻上羽根21,210は同期して回転するように設定されている。
前記回転巻上羽根21,210は、それぞれ回転軸20を中心に円周方向に並ぶように配された複数の基羽根22,220から成り、本実施の形態では何れも3枚の基羽根22,220を備えて成る。複数段の回転巻上羽根21,210のうち、最下段の回転巻上羽根21と、他の段の回転巻上羽根210とでは、それぞれ基羽根22,220の長さが異なる。すなわち、最下段の回転巻上羽根21の基羽根22は、他の段の回転巻上羽根210の基羽根220よりも長く形成されている。以下、主に回転巻上羽根21を代表して、その構成を詳しく説明する。
図2〜図4に示すように、最下段の回転巻上羽根21を構成する各基羽根22は、それぞれ同一形状であり、平面視でそれぞれが円周方向に延び、被乾燥物を一端部22aから載せて他端部22bに移動させつつ巻き上げ可能な平坦面23を有している。この平坦面23は、回転方向Rと逆方向に向かって、一端部22aから他端部22bにかけて斜め上方に延びるように形成されている。すなわち、各基羽根22は、被乾燥物を平坦面23上に載せて巻き上げつつ、遠心力P(図10参照)によって前記伝熱面12に押し付けるように構成されている。
より詳しくは、各基羽根22の平坦面23は、平面視で360度の円周範囲内の長さまで一定幅に延び、前記平坦面23の外周端は、前記伝熱面12の円筒形状に沿った弧状に形成されている。この平坦面23の外周端と前記伝熱面12との間には、各基羽根22の回転を許容するクリアランスU(図10参照)が形成されている。なお、クリアランスUは、基羽根22の一端部22aから他端部22bにかけて一定である必要はなく、例えば、基羽根22の回転方向Rと逆方向に向かって次第に広くなるように設定しても良い。
また、最下段の回転巻上羽根21に限っては、それぞれ基羽根22の他端部22bが、回転方向Rと逆方向に隣り合う他の基羽根22の一端部22aよりも高く位置し平面視で重なるように構成されている。すなわち、各基羽根22の長さは、平面視で360度を略3等分した略120度の角度範囲に渡る長さとなる。一方、最下段以外の他の段の回転巻上羽根210における各基羽根220の構成は、基本的には前記各基羽根22と共通するが、基羽根220の長さは、前記基羽根22の長さよりも短く設定されている。
他の段の回転巻上羽根210に関して、各基羽根220の平坦面230は、平面視で360度の円周範囲内の長さで細幅形状に延び、かつ平面視で同一円周上に並ぶ隣り合う基羽根220同士の平坦面230が一端部220aから他端部220bにかけて円周方向に互いに重ならない長さに設定されている。本実施の形態では、何れの基羽根220も、平面視で略60度の角度範囲に渡る長さであり、前記基羽根22の長さの2/3程度である。なお、前記基羽根22,220の数は、前述したように3枚に限られるものではなく、2枚あるいは4枚以上で構成しても良い。各基羽根22,220の具体的な長さや横幅の寸法も、適宜定め得る設計事項である。
また、最下段の回転巻上羽根21の各基羽根22は、前記回転軸20に放射状に固定された取付アーム24の先端に一端部22aが連結されている。ここで取付アーム24は、各基羽根22の数に合わせて3本設けられており、それぞれ前記回転軸20の軸方向と直交する平面上に展開するように配され、それぞれが対応する前記基羽根22を支持している。
本実施の形態では、基羽根22と取付アーム24とは一体成形されたものであり、一枚の金属板を裁断して曲げ加工することにより構成されている。すなわち、取付アーム24は、基羽根22と同様に一定幅に延びた板状であり、前記回転軸20より半径方向に直線状に延びる部材である。この取付アーム24の先端側に、基羽根22の一端部22aが一体的に連続している。
より詳しくは、取付アーム24は、その幅方向において前記基羽根22の平坦面23の傾斜に合わせて斜めに傾くように曲げられており、図4に示すように、乾燥槽11の底板15に対して所定角度で傾斜している。これにより、取付アーム24は、底板15上に溜まる被乾燥物を積極的に掻き取る作用を果たす。また、取付アーム24において、回転方向Rに向いている側縁24aはテーパー縁として形成され、前記底板15に対向するように配されている。
また、図5、図6に示すように、最下段以外の他の段の回転巻上羽根210の各基羽根220は、小円板部240aの外周から放射状に延びた取付アーム240の先端に連結されている。小円板部240aには、前記回転軸20が通され、回転軸20に固定するための円形貫通孔が形成されている。取付アーム240は、前記取付アーム24の場合と同様に、各基羽根220の数に合わせて3本設けられており、それぞれ前記回転軸20の軸方向と直交する平面上に展開するように配され、それぞれの先端が前記基羽根220の一端部220aに一体に連結している。
ここで取付アーム240も、前記基羽根220と一体成形されたものであり、一枚の金属板を裁断して曲げ加工することにより構成されている。ただし、前記取付アーム24とは異なり、図6に示すように、特に幅方向における傾斜は設けられていない。すなわち、取付アーム240は、それぞれ前記回転軸20の軸方向と直交する平面上に全て平行に沿うように配されている。よって、最下段以外の他の段の回転巻上羽根210における取付アーム240は、特に被乾燥物を積極的に掻き取る作用を果たすものではない。
また、図示省略したが、前記各基羽根22,220の他端部22a,220aに関しても、前記回転軸20に放射状に固定された支持アームの先端に連結すると良い。ここで支持アームは、特に前記取付アーム24のような掻き取る作用を果たす必要はなく、単に支持して補強できる構造であれば何でも良いが、被乾燥物の巻き上げ作用に干渉しないように、細棒等のようになるべく小さく構成すると良い。
図1に示すように、複数段の回転巻上羽根21,210は、前述した最下段の回転巻上羽根21が回転軸20の下部に配設され、その上方に他の回転巻上羽根210が等間隔で4段に並ぶように配設され、多段構成とされている。本実施の形態では、回転巻上羽根210を4段に設けたが、この回転巻上羽根210は、乾燥槽11の高さや寸法に応じて、1段、2段、3段、もしくは5段以上として配設することもできる。
何れの段数の場合でも重要となるのは、各段の上下間におけるクリアランスFである。このクリアランスFは、前述した考察に基づいて、回転巻上羽根21,210の各基羽根22,220の他端部22b,220b最上端からその一段上の回転巻上羽根210の各基羽根220の一端部220a最下端までの寸法が、各基羽根22,220の平坦面23,230の最外周端を結ぶ円直径(以下、単に直径とする)の0〜15%となる比率に定められている。さらには、0〜9%となる比率に定めれば、よりいっそう優良な効果を期待することができることも確かめられている。
ここで各段の上下間におけるクリアランスFは、前記各基羽根22,220の直径の0〜15%となる比率の範囲内であれば、一律に同じ値である必要はない。例えば、図1に示したように、最下段の回転巻上羽根21とその直ぐ上の2段目の回転巻上羽根210との間のクリアランスFを、2段目よりも上方の各回転巻上羽根210間のクリアランスFより小さく設定しても良い。なお、最下段の基羽根22の直径と,それ以外の基羽根220の直径とは、前記伝熱面12との間のクリアランスU(図10参照)を考慮して同一である。
前記上下間のクリアランスFの具体的な値としては、例えば、前記直径が2000mmである場合には、0〜300mmの範囲内で設定することになる。ここで前記直径は、乾燥槽11の具体的な内径寸法に応じて様々であり、この乾燥槽11の内径寸法に応じて、前記直径、そして上下間のクリアランスFが具体的に設定される。また、前記0〜300mmの範囲内にて何れのクリアランスに設定するかは、被乾燥物の種類に応じて適宜定めることになる。
例えば、被乾燥物が下水処理場の脱水汚泥の場合、含水率は80〜85%であり、被乾燥物の水分蒸発が進み65〜70%の含水率になると、粘性が著しく大きくなり一部が塊状になる。このような特性に応じて、前記上下間のクリアランスFは、前記0〜300mmの範囲内のうち特に100〜180mmの範囲内で定めれば、安定した高い乾燥効率を実現することができる。かかる数値は、乾燥槽11の内径寸法に応じて変動するものであり、例えば、前記直径が1000mmである場合には、上下間のクリアランスFは50〜90mmの範囲で適宜定めることになる。
あるいは、被乾燥物が下水汚泥で未脱水汚泥の場合、含水率が95〜98%であり、液状の状態であるため、前述のように水分蒸発が進んで65〜70%になっても、固形物の容量は極端に少ない。このような特性に応じて、上下間のクリアランスFを、前記0〜300mmの範囲内のうちさらに狭い30〜120mmの範囲内で定めれば、粘性が高くてもジャケット13への接触効率を高めることができる。また、前記直径が1000mmである場合には、上下間のクリアランスFは15〜60mmの範囲で適宜定めることになる。その他の被乾燥物に応じた上下間のクリアランスFは後述するが、何れも前記直径の0〜15%となる比率の範囲内で具体的に定めることになる。
上下間のクリアランスFを直径の0〜15%となる比率とする数値限定の臨界的意義は、既に述べた通りである(段落0021〜0023参照)。すなわち、このような比率の範囲内に上下間のクリアランスFを定めることで、最下段の回転巻上羽根21から最上段の回転巻上羽根210に亘り、各段ごとに被乾燥物をジャケット13に均一な薄膜状に伝熱面12に押し付け、しかも、最適な時間を経て順次上昇させることが可能となる。
上下間のクリアランスFが直径の0%未満、すなわち上下の各基羽根22,220が一部でも上下方向に重なり合う場合には、余計な乱気流が生じて干渉し合い、巻き上げ作用が減殺される。一方、上下間のクリアランスFが直径の15%より大きくなると、被乾燥物の種類を問わず、各段ごとに上方へと被乾燥物がうまく受け渡されず、上昇が途中で止まってしまうことが、発明者らの数多の実験により確かめられている。なお、上下間のクリアランスFの下限は、前述したが前記直径の0%以上の数値にて、実際の被乾燥物の種類に応じた最適値があることも確かめられている。
さらにまた、前記上下間のクリアランスFと並んで重要となるのが、各段間における基羽根22,220の相対的な配置である。かかる配置についても、発明者らの鋭意検討の結果、次のような特別な配置に設定することによって、非常に高い乾燥効率を実現することができる。すなわち、図7に示すように、複数段の回転巻上羽根21,210は、前記回転軸20に沿って並ぶ上下間において、それぞれの各基羽根22,220が平面視で所定角度ずつ位相がずれ、回転方向Rと逆方向に延びる多重螺旋階段状に並ぶように配設されている。
より詳しくは、図8に示すように、最下段の回転巻上羽根21の基羽根22と、その一段上、すなわち下から2段目の回転巻上羽根210の基羽根220との位相は、下方の基羽根22の他端部22bに対して、回転方向と逆方向の間近に位置する上方の基羽根220の一端部220aが、平面視で重ならずに前記逆方向に離隔し、下方の基羽根22の他端部22bにおける平坦面23を延長した傾斜面より下方に位置するように設定されている。
さらに、2段目以降の回転巻上羽根210は、それぞれ基羽根220が同一形状であり、上下に並ぶ各基羽根220は前記同様に、下方の基羽根220の他端部220bに対して、回転方向Rと逆方向の間近に位置する上方の基羽根220の一端部220aが、平面視で重ならずに前記逆方向に所定角度(図9中の距離B)分だけ離隔し、下方の基羽根220の他端部220bにおける平坦面230を延長した傾斜面より下方に位置するように設定されている。
このような配置により、図9に示すように、前述した上下間のクリアランスFにおいて、下の段の基羽根220で巻き上げられて斜め上方に移動する被乾燥物が、上の段の回転している基羽根220の下面で押さえられることがなく、上の段の基羽根220の一端部220aにタイミング良くすくい上げられるようにして、被乾燥物は各基羽根22,220の多重螺旋階段を昇るように順次移動する。また、2段目以降の回転巻上羽根210の回転により、被乾燥物に上昇力と遠心力を補充することができるようになっている。
また、本実施の形態では、最上段の回転巻上羽根210の上方に、前記乾燥槽11内壁に設けられ、前記最上段の回転巻上羽根210より上方に向かう被乾燥物を受け止めて、回転巻上羽根210の内側より下方へ落下させる受止板30が配されている。受止板30は、上下に細幅状に延びる面が、回転巻上羽根210の回転方向と対向するように配される板状の部材から成り、円周方向に等間隔に配されている。なお、本実施の形態では、受止板30は3枚設けられているが、この受止板30の具体的な形状や配置は適宜定め得る設計事項であり、少なくとも2以上設けると良く、乾燥槽11の内径寸法に応じて、例えば、内径が大きくなるに従い数を増やすことになる。
次に、第1実施の形態に係る乾燥装置10の作用について説明する。
乾燥槽11の上蓋14にある供給口より乾燥槽11内に被乾燥物を投入する。そして、電動モータ18を駆動し、回転軸20をR方向へ回転させる。同時に、ボイラーからジャケット13内に蒸気を導入して、伝熱面12を加熱する。回転軸20の回転に伴い回転巻上羽根21,210が回転し、それぞれの基羽根22,220ごとに、被乾燥物が一端部22a,220aから平坦面23,230上に載り、他端部22b,220b側へ移動していく。
このとき、被乾燥物には上方へ向かわせる力が働き、被乾燥物は巻き上げられると共に、遠心力Pによって伝熱面12に押し付けられる(図9,10参照)。かかる巻き上げ作用と押し付け作用を与える各基羽根22,220の平坦面23,230は、伝熱面12に沿って細長形状に延び、かつ外周端が伝熱面12との間にクリアランスUを保つ弧状である。従って、被乾燥物に単に衝撃を与えるのではなく、被乾燥物への巻き上げ作用と、伝熱面12への押し付け作用が効果的に行われる。
そして、一つの連続した羽根によって被乾燥物が乾燥槽11内を上昇移動するわけではなく、各基羽根22,220ごとに順次、被乾燥物は巻き上げられ、かつ伝熱面12へ押し付けられる。このため、粘性の強い被乾燥物等であっても、伝熱面12に付着することがなく、伝熱面12上の特定箇所に被乾燥物が滞留することもない。また、各基羽根22,220は、平面視で360度の円周範囲内の長さしか有さず独立しているので、各基羽根22,220の平坦面23,230の外周端と伝熱面12との間の前記クリアランスUも一続きに連続していないから、被乾燥物中の異物がクリアランスUに噛み込んだとしても、直ちに逃げて噛み込みは継続しない。
特に、最下段の回転巻上羽根21における各基羽根22は、他の段における各基羽根220に比べて長い寸法であるため、最初は乾燥槽11の底部に多く溜まる被乾燥物に対して、いっそう大きな巻き上げ力を付与することができる。よって、乾燥槽11の底部から上方の各段に向けて被乾燥物を円滑に移動させることが可能となる。しかも、最下段の各基羽根22を支える取付アーム24は、図4に示すように底板15に対して傾斜しているから、底板15上に溜まる被乾燥物は、基羽根22のみならず取付アーム24によっても積極的にすくい上げることができる。これにより、より早期に被乾燥物を伝熱面12に接触させることができる。
さらに、回転巻上羽根21,210が上下に複数段あることにより、各段ごとに被乾燥物を巻き上げつつ、薄膜状に伝熱面12に押し付け、後から巻き上げる被乾燥物で先に巻き上げた被乾燥物を一段上まで押すように上昇させる。これにより、最下段の回転巻上羽根21から最上段の回転巻上羽根210まで、被乾燥物を連続して乾燥しつつ順次上昇させることができ、乾燥槽11内壁の縦方向における伝熱面12全面を有効に活用することになり、縦型の利点を生かした非常に高い乾燥効率を確実に実現することができる。
図10に示すように、各段ごとに伝熱面12に薄膜状に押し付けられた被乾燥物は、一側で伝熱面12に接触する面を有すると共に、他側で乾燥槽11内の空間の空気と接触する蒸発面を有する。そして、伝熱面12に接触した被乾燥物は、伝熱面12からの熱により、その場である程度の水分蒸発が起こる。伝熱面12への接触時の水分蒸発によって含水率が低くなった被乾燥物は、含水率の高い被乾燥物と入れ換わるようにして前記蒸発面に移動する。
前記蒸発面に移動した被乾燥物は、空気に晒されることでさらに水分蒸発が進むことになる。また、被乾燥物は、伝熱面12側から蒸発面へ移動すると同時に、各基羽根22,220による巻き上げ作用により、後から巻き上げる被乾燥物が先に巻き上げた被乾燥物を断続的に押し、被乾燥物は伝熱面12に沿って上昇していく。つまり、被乾燥物は、伝熱面12から蒸発面へ移動しつつ、伝熱面12に沿って巻き上がり、上昇しつつ乾燥する。このような乾燥工程が各段ごとに順次繰り返されることになる。
ここで重要となるのが、前述したように各段の回転巻上羽根21,210における上下間のクリアランスFである。このクリアランスFの値を、回転巻上羽根21,210の直径の0〜15%となる比率とすることで、最下段の回転巻上羽根21から最上段の回転巻上羽根210に亘り、各段ごとに被乾燥物を均一な薄膜状に伝熱面12に押し付け、しかも、最適な時間を経て順次上昇させることが可能となる。このような比率の範囲内で被乾燥物の具体的な種類に応じて、各段の回転巻上羽根21,210における上下間のクリアランスFの寸法を適宜定めると良い。
具体的には例えば、生ごみに関しては、調理残漆、期限切れ品の食品等は野菜屑が非常に多く、全体的に繊維質が多いため、粘着性に乏しい。このような特性の被乾燥物を主に扱う乾燥装置10では、各段の回転巻上羽根21,210における上下間のクリアランスFの値を、乾燥槽11の内径寸法に応じて変動するが、この内径寸法に合わせた各基羽根22,220の直径の0〜15%として、大体20〜120mmに設定する。これにより、乾燥槽11内壁の縦方向における伝熱面12全面に対して、被乾燥物である生ごみの乾燥に良好な接触状態を維持することができる。
また、魚介類のような生物の場合は、乾燥が進むと粘性がなくなり、パサパサした状態となるため、伝熱面12に対して非常に薄膜になりやすい。このような特性の被乾燥物を主に扱う乾燥装置10では、各段の回転巻上羽根21,210における上下間のクリアランスFの値は、乾燥槽11の内径寸法に応じて変動するが大体50〜200mmに設定する。これにより、乾燥槽11内壁の縦方向における伝熱面12全面に対して、被乾燥物である生物の乾燥に良好な接触状態を維持することができる。
また、廃液の場合は、水分量が多く、固形物が非常に少ない。このような特性の被乾燥物を主に扱う乾燥装置10では、各段の回転巻上羽根21,210における上下間のクリアランスFの値は、乾燥槽11の内径寸法に応じて変動するが大体100〜250mmに設定する。これにより、乾燥槽11の伝熱面12に沿って被乾燥物を効率良く上昇させることができ、また伝熱面12全面に対して確実に接触させることができる。
また、果物の場合は、水分が比較的多く糖分も多いため、水分が蒸発し固形分の比率が多くなるに従い、粘着率が高くなる。このような特性により、縦方向の上部に上昇しやすく下部や中間部に空間ができ、接触が悪く均一に薄膜になり難いが、前記クリアランスFの値を80〜150mmに設定することにより、乾燥槽11内壁の縦方向における伝熱面12全面に対して、被乾燥物を確実に薄膜状に押し付けることができる。
また、米飯・うどん・そば等のような炭水化物の場合は、含水率が少ないが、加熱することによりモチ状になり粘りが非常に高くなる。このような炭水化物は、従来の乾燥装置での乾燥は不可能とされていたが、本乾燥装置10によれば、前記クリアランスFの値を0〜80mmに設定することにより、乾燥槽11内壁の縦方向における伝熱面12全面に対して、被乾燥物である炭水化物の乾燥に良好な接触状態を維持することができる。
また、イカの内臓は非常に水分が多く、同時に脂分が多く固形分が少なく、蒸発が進んで水分がなくなると、油によりドロドロのスラリーになる。このような特性の被乾燥物を主に扱う乾燥装置10では、前記クリアランスFの値を30〜150mmに設定することにより、乾燥槽11内壁の縦方向における伝熱面12全面に対して、被乾燥物を確実に薄膜状に押し付けることができ、品質の良い乾燥物を生成することができる。
また、動物の残澄および弊死獣等のミンチを乾燥する場合、これらは非常に油が多いため、水分を蒸発させると固形分と多くの油の混合物になる。このような特性の被乾燥物を主に扱う乾燥装置10では、前記クリアランスFの値を80〜180mmに設定することにより、乾燥槽11内壁の縦方向における伝熱面12全面に対して、被乾燥物を乾燥に良好な接触状態に維持することができる。
さらにまた、茶粕等の場合は、脱水されているため、水分が少なく粘性が全くないため、前記クリアランスFの値を0〜60mmに設定することで、被乾燥物を縦方向に効率良く上昇させることができ、伝熱面12全面に対して確実に接触させることができる。その他、粉体のように含水率が30〜50%と少ない被乾燥物の場合は、粘性が少ないため、前記クリアランスFの値を0〜30mmに設定することで、被乾燥物を縦方向に効率良く上昇させることができ、伝熱面12全面に対して確実に接触させることができる。
以上のように、種々様々な被乾燥物は、前記クリアランスFの値がそれぞれ各基羽根22,220の直径の0〜15%の範囲内に入っていない場合は、縦方向への上昇効率が悪く、伝熱面12への接触効率も悪くなり、乾燥装置10の重要な性能の一つである乾燥時間が極端に多くなる。特に、上昇効率が悪いということは、乾燥槽11内壁の縦方向における伝熱面12全面を活用するという縦型の利点を生かすことができなくなる。よって、各段の回転巻上羽根21,210における上下間のクリアランスFの寸法は重要となる。
さらに、前記クリアランスFの値と同様に重要となるのが、各段の回転巻上羽根21,210における上下間の基羽根22,220の相対的な配置である。かかる配置は前述した図7および図8に示すように、上下間における各基羽根22,220が平面視で所定角度ずつ位相がずれて、回転方向Rと逆方向に延びる多重(本実施の形態では3重)の螺旋階段状に並ぶように配設されている。
このような特別な配置によって、先ずは最下段の基羽根22と取付アーム24により乾燥槽11の底部よりすくい上げられた被乾燥物は、遠心力で伝熱面12に薄膜状に押し付けられつつ、直ぐ上の2段目の基羽根220の一端部220aにすくい上げられる。さらに、2段目の基羽根220により巻き上げられた被乾燥物は、同様に伝熱面12に薄膜状に押し付けられつつ、直ぐ上の3段目の基羽根220の一端部220aにすくい上げられる。
すなわち、乾燥槽11内に投入された被乾燥物は、最下段の回転巻上羽根21から最上段の回転巻上羽根210に向かって、それぞれの基羽根22,220が断続的に連なる多重螺旋階段を昇るようにして順次移動しつつ乾燥される。また、2段目以降の回転巻上羽根210の回転により、被乾燥物に上昇力と遠心力を補充することができる。このように、乾燥槽11内壁の縦方向における伝熱面12全面を有効に活用することが可能となり、縦型の利点を生かした非常に高い乾燥効率を確実に実現することができる。
特に、最下段の回転巻上羽根21の各基羽根22は、他の段の回転巻上羽根210の各基羽根220に比べて長く形成され、この最下段の各基羽根22は、それぞれの他端部22bが、回転方向と逆方向に隣り合う他の基羽根22の一端部22aよりも高い位置で平面視で重なるように配置されている。これにより、最初は乾燥槽11の底部に多く溜まる被乾燥物に対して、より大きな巻き上げ力を付与することができ、乾燥槽11の底部から上方への各段に向けて被乾燥物を円滑に移動させることが可能となる。また、本実施の形態では、取付アーム24が、底板15上に溜まる被乾燥物を積極的に掻き取る作用も果たしている。
さらに、図9に示すように、上下に並ぶ各基羽根220は、下方の基羽根220の他端部220bに対して、回転方向と逆方向の間近に位置する上方の基羽根220の一端部220aが、平面視で重ならずに前記逆方向に離隔し、前記下方の基羽根220の他端部220bにおける平坦面230を延長した傾斜面より下方に位置するように配置されている。これにより、下の段の基羽根220で巻き上げられて伝熱面12に沿って斜め上方に移動する被乾燥物を、上の段の基羽根220の一端部220aに確実に受け渡すことができる。
また、2段目以降の各基羽根220は、回転軸20を中心とする所定角度の範囲で円弧状に延びる長さであり、平面視で360度の円周範囲内で隣り合う基羽根220同士の平坦面230は円周方向に互いに重なることはなく、上下間で所定角度ずつ位相がずれるように容易に配設することができる。なお、各基羽根22,220は、回転軸20に放射状に固定した取付アーム24,240の先端に一端部22a,220aが連結されているが、他端部22b,220bも、同じく回転軸20に放射状に固定した支持アームの先端に連結するように構成すれば、十分な支持強度も得ることができる。
図1において、最上段の回転巻上羽根210より上方に向かう被乾燥物は、乾燥槽11内壁に設けられた受止板30によって受け止められて、そのまま上昇することなく各回転巻上羽根210の内側より下方へ落下する。これにより、被乾燥物は再び最下段の回転巻上羽根21より乾燥工程が繰り返されるため、よりいっそう乾燥効率を高めることができる。なお、乾燥が完了した被乾燥物は、電動モータ18の駆動を停止した後、乾燥槽11の底板15付近にある排出口から外部に取り出すことができる。
次に、図11を参照して第2実施の形態を説明する。本実施の形態に係る乾燥装置10Aでは、回転軸20の下部に、前記第1実施の形態と同様の構成の最下段の回転巻上羽根21が設けられていると共に、その上部に、前記第1実施の形態と同様の構成の他の回転巻上羽根210が計4段に設けられている。この上下の段数は、乾燥槽11の高さや寸法に応じて計6段以上としても良く、適宜変更し得る設計事項である。
各段の回転巻上羽根21,210における上下間のクリアランスFと、上下間の基羽根22,220の相対的な配置については、前記第1実施の形態と同様であり、重複した説明は省略する。本実施の形態では、乾燥槽11の底板15付近の壁面に供給管16を接続して、被乾燥物を供給スクリュー16aにより乾燥槽11内の底部に供給する一方、伝熱面12の上蓋14付近の壁面に排出管17を接続して、乾燥済みの被乾燥物を排出スクリュー17aによって外部に排出するように構成している。
このような乾燥装置10Aにおいては、被乾燥物の供給を区切って、間欠的に乾燥物を得るバッチ式の処理を行うようにしても良いし、被乾燥物を連続的に供給すると共に、乾燥物を連続的に排出する連続式の処理も可能となる。なお、本実施の形態では、連続式の処理を行うことも前提としており、前記受止板30は省かれている。
次に、図12〜図18を参照して第3実施の形態を説明する。本実施の形態に係る乾燥装置10Bは、図12に示すように、回転軸20の下部に、前記第1実施の形態とは異なる構成の最下段の回転巻上羽根31が設けられ、その上方に、さらに異なる構成の回転巻上羽根310が4段に設けられて多段構成とされている。なお、乾燥槽11、伝熱面12、ジャケット13等の他の構成は、前記第1実施の形態と同様であり、第1実施の形態と同種の部位については、同一符号を付して重複した説明を省略する。
前記回転巻上羽根31,310は、それぞれ回転軸20を中心に円周方向に並ぶように配された複数の基羽根32,320から成り、本実施の形態では何れも6枚の基羽根32,320を備えて成る。最下段の回転巻上羽根31と、他の段の回転巻上羽根310とでは、それぞれ基羽根32,320の長さが異なる。すなわち、最下段の回転巻上羽根31の基羽根32は、他の段の回転巻上羽根310の基羽根320よりも長く形成されている。
図13および図14に示すように、最下段の回転巻上羽根31の各基羽根32は、それぞれ回転軸20に放射状に固定された計6本の取付アーム34の先端に、それぞれ基羽根32は等間隔に並ぶように設けられている。各基羽根32は、それぞれ同一形状であり、平面視でそれぞれが円周方向に短く延び、被乾燥物を一端部32aから載せて他端部32bに移動させつつ巻き上げ可能な平坦面33を有している。
各基羽根32の平坦面33は、回転方向Rと逆方向に向かって、一端部32aから他端部32bにかけて斜め上方に延びるように形成され、被乾燥物を各基羽根32上に載せて巻き上げつつ、遠心力によって前記伝熱面12に押し付け、被乾燥物を乾燥させるように構成されている。
各基羽根32の長さは、平面視で360度の円周範囲内であり、それぞれの他端部32bが、回転方向Rと逆方向に隣り合う他の基羽根32の一端部32aよりも高く位置し平面視で重なるように設定されている。なお、基羽根32と取付アーム34も一体成形されたものであり、前記回転巻上羽根21と同様に、一枚の金属板を裁断して曲げ加工して構成されている。
図15および図16に示すように、最下段以外の他の段の回転巻上羽根310の各基羽根320は、小円板部340aの外周から放射状に延びた取付アーム340の先端に連結されている。小円板部340aには、前記回転軸20が通され、回転軸20に固定するための円形貫通孔が形成されている。取付アーム340は、各基羽根320の数に合わせて6本設けられており、それぞれ前記回転軸20の軸方向と直交する平面上に展開するように配され、それぞれの先端が前記基羽根320の一端部320aに一体に連結している。
各基羽根320は、それぞれ同一形状であり、平面視でそれぞれが円周方向に短く延び、被乾燥物を一端部320aから載せて他端部320bに移動させつつ巻き上げ可能な平坦面330を有している。各基羽根320の平坦面330も、回転方向Rと逆方向に向かって、一端部320aから他端部320bにかけて斜め上方に延びるように形成され、被乾燥物を各基羽根320上に載せて巻き上げつつ、遠心力によって前記伝熱面12に押し付け、被乾燥物を乾燥させるように構成されている。
各基羽根320の長さは、平面視で360度の円周範囲内であり、かつ隣り合う基羽根320同士の平坦面330が一端部320aから他端部320bにかけて円周方向に互いに重ならないように設定されている。なお、各基羽根320と取付アーム340や小円板部340aも、一体成形されたものであり、前記回転巻上羽根210と同様に、一枚の金属板を裁断して曲げ加工して構成されている。
本実施の形態では、何れの基羽根32,320も、前記基羽根22,220よりも短く形成されている。このように基羽根32,320は長さが短い分、高さも抑えられており、前記基羽根32,320に比べて上下方向に嵩張らず、段数を多くしても、乾燥槽11の全高をなるべく抑えることができる。なお、基羽根22,220は、前述した6枚に限られるものではなく、その数や具体的な長さや横幅の寸法も、適宜定め得る設計事項である。
本実施の形態においても、図12に示すように、各段の回転巻上羽根31,310における上下間のクリアランスFが重要となる。このクリアランスFの値は、前記各実施の形態と同様に、回転巻上羽根31,310の直径の0〜15%となる比率とすることで、最下段の回転巻上羽根31から最上段の回転巻上羽根310に亘り、各段ごとに被乾燥物を均一な薄膜状に伝熱面12に押し付ける乾燥工程が連続して順次繰り返されることになる。
また、図17および図18に示すように、各段の回転巻上羽根31,310における上下間の基羽根32,320の相対的な配置も、前記各実施の形態と同様に、平面視で所定角度ずつ位相がずれて、回転方向Rと逆方向に延びる多重(本実施の形態では6重)の螺旋階段状に並ぶように配設されている。このような特別な配置により、乾燥槽11内壁の縦方向における伝熱面12全面を有効に活用することが可能となり、縦型の利点を生かした非常に高い乾燥効率を確実に実現することができる。
以上、本発明の実施の形態を図面によって説明してきたが、具体的な構成はこれらの実施の形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。例えば、前記各実施の形態では、最下段の回転巻上羽根21,31を除く他の段の回転巻上羽根210,310では、何れも同一形状、同一傾斜度の複数の基羽根220,320により構成されているが、必要に応じ、これらを異なるものにしても良い。
例えば、回転巻上羽根21,31と回転巻上羽根210,310とを、最下段から順に交互に並ぶように配設しても良い。要するに、複数段の回転巻上羽根21,210,31,310の各基羽根22,220,32,320のうち、少なくとも何れか一段の回転巻上羽根21,210,31,310の各基羽根22,220,32,320の長さが、最下段に限らず他の段の回転巻上羽根21,210,31,310の各基羽根22,220,32,320の長さと異なる寸法に形成すると良い。このように、各基羽根22,220,32,320の構成は、乾燥槽11,11A,11Bに投入する被乾燥物の性状、分量等により、適宜のものを選択して組み合わせることができる。
本発明の乾燥装置においては、液状のものを含む種々様々な被乾燥物に対応可能であり、特に、固形物や半固形物を含む被乾燥物や粘性の強い被乾燥物であっても、効率良く乾燥させることが可能な乾燥装置として幅広く利用することができる。
10…乾燥装置
10A…乾燥装置
10B…乾燥装置
11…乾燥槽
11A…乾燥槽
11B…乾燥槽
12…伝熱面
13…ジャケット
13a…蒸気流入部
13b…蒸気排出部
14…上蓋
15…底板
16…供給管
16a…供給スクリュー
17…排出管
17a…排出スクリュー
18…電動モータ
20…回転軸
21…回転巻上羽根
22…基羽根
23…平坦面
24…取付アーム
30…受止板
31…回転巻上羽根
32…基羽根
33…平坦面
34…取付アーム
210…回転巻上羽根
220…基羽根
230…平坦面
240…取付アーム
310…回転巻上羽根
320…基羽根
330…平坦面
340…取付アーム

Claims (2)

  1. 被乾燥物が投入される縦型円筒形状の乾燥槽と、前記乾燥槽内壁の伝熱面を加熱する加熱手段と、前記乾燥槽内中心部に設けた縦方向に延びる回転軸に取り付けた回転巻上羽根と、を有する乾燥装置において、
    前記回転巻上羽根は、前記回転軸を中心に円周方向に並ぶように配された複数の基羽根から成り、各基羽根は、平面視でそれぞれが円周方向に延び、被乾燥物をそれぞれの一端部から載せて他端部に移動させつつ巻き上げ可能な平坦面を有し、この平坦面は、回転方向と逆方向に向かい一端部から他端部にかけて斜め上方に延びるように形成され、
    前記回転巻上羽根は、前記回転軸に沿って上下に並ぶ複数段に配設され、前記回転軸の回転により、複数段の回転巻上羽根ごとに各基羽根が回転することで、被乾燥物が、各基羽根の平坦面上を一端部から他端部へ移動しつつ巻き上げられ、かつ遠心力により前記伝熱面に薄膜状に押し付けられる乾燥工程が実行され、
    複数段の回転巻上羽根の上下間のクリアランスは、回転巻上羽根の各基羽根の他端部最上端からその一段上の回転巻上羽根の各基羽根の一端部最下端までの寸法が、各基羽根の平坦面の最外周端を結ぶ円直径の0〜15%となる比率として、最下段の回転巻上羽根から最上段の回転巻上羽根まで前記乾燥工程が連続して順次繰り返されるように設定し、
    最上段の回転巻上羽根の上方に、前記乾燥槽内壁に設けられ、前記最上段の回転巻上羽根より上方に向かう前記伝熱面に薄膜状に押し付けられた被乾燥物を受け止めて、回転巻上羽根の内側より下方へ落下させる受止板を配設し、
    前記受止板は、上下に細幅状に延びる面が前記回転巻上羽根の回転方向と対向するように配される板状の部材から成り、2以上が円周方向に等間隔に並ぶように配されたことを特徴とする乾燥装置。
  2. 前記複数段の回転巻上羽根は、前記回転軸に沿って並ぶ上下間において、それぞれの各基羽根が平面視で所定角度ずつ位相がずれ、回転方向と逆方向に延びる多重螺旋階段状に並ぶように配設され、
    前記回転巻上羽根の各基羽根の平坦面は、平面視で360度の円周範囲内の長さで細幅形状に延び、かつ最下段を除く他の段の回転巻上羽根における各基羽根の平坦面は、平面視で同一円周上に並ぶ隣り合う基羽根同士の平坦面が円周方向に互いに重ならない長さに設定され、
    複数段の回転巻上羽根において、上下に並ぶそれぞれの各基羽根は、下方の基羽根の他端部に対して、回転方向と逆方向の間近に位置する上方の基羽根の一端部が、平面視で重ならずに前記逆方向に離隔し、前記下方の基羽根の他端部における平坦面を延長した傾斜面より下方に位置しつつ前記多重螺旋階段状に並ぶことを特徴とする請求項1に記載の乾燥装置。
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