JP5233988B2 - ポリエーテル系多元共重合体、同共重合体を含む架橋用ゴム組成物およびその架橋物からなる自動車用ゴム部品 - Google Patents

ポリエーテル系多元共重合体、同共重合体を含む架橋用ゴム組成物およびその架橋物からなる自動車用ゴム部品 Download PDF

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Description

本発明は、側鎖にシアノ基を有する構成単位を主体とするポリエーテル多元共重合体、同共重合体を含む架橋用ゴム組成物およびこれを架橋してなる架橋物、さらに同架橋物からなる自動車用ゴム部品に関する。
ポリエーテル系の重合体は、原料であるオキシラン化合物の種類を選択することにより、様々な性質をもつものとすることができるため、自動車用ゴム部品、電気、電子機器用ゴム部材、土木、建築用ゴム資材、各種工業用ゴム部材、各種プラスチックブレンド用ポリマー、高分子固体電解質等の広範な分野で高分子材料として使用されている。
シアノ基を有するポリエーテル共重合体の架橋物は、優れたイオン導電性を有していることから高分子固体電解質用エポキシ樹脂組成物(特許文献1参照)、また優れた誘電性を有していることから高誘電性樹脂組成物(特許文献2参照)としての用途が知られている。
特開平11−121036号公報 特開2002−179767号公報 また、ゴム材料用途への応用については、特に、耐寒性の優れたゴム組成物(特許文献3および非特許文献1参照)として、プロピレンオキシド−シアノエチルグリシジルエーテル−アリルグリシジルエーテル三元共重合体の架橋物が提案されているが、これらは耐熱性、耐油性、燃料油性などが悪いことから、自動車用部品等には用いられていない。 米国特許第3,410,810号明細書 J. Macromol. Sci. Chem., A7, 1483(1973) 一般的にエピクロロヒドリン系ゴムと呼ばれるエピクロロヒドリン単独重合体、エピクロロヒドリン−エチレンオキシド共重合体、エピクロロヒドリン−エチレンオキシド−アリルグリシジルエーテル三元共重合体の架橋物は、優れた耐熱性、耐油性、耐燃料油性、耐オゾン性、低温特性、半導電特性などを有していることから、自動車用ゴム部品や電気、電子機器用ゴム部材として広く利用されている。
一方、近年における環境問題に対する対策の一環として、ハロゲンを多量に含む高分子材料を可能な限り使わないようにする動きが活発化しつつある。しかしながら、エピクロロヒドリン系ゴムに代替でき、しかもその架橋物が優れた耐熱性、耐油性、耐燃料油性、低温特性をいずれも具備するポリエーテル系重合体ゴムは、未だ見つかっていないのが現状である。
他方、エピクロロヒドリンのようなハロゲン含有化合物を殆ど或は全く用いないで製造したポリエーテル系重合体ゴムとしては様々なものが提案されており、例えばエチレンオキシドと、これと共重合可能なオキシラン単量体を共重合せしめ、得られた共重合体をOA機器のゴム部品に用いること(例えば特許文献4参照)、水膨潤性シール材に用いること(例えば特許文献5参照)、高分子固体電解質に用いること(例えば特許文献6参照)が提案されている。
特開2002−105246号公報 特開2002−194202号公報 特開2003−105080号公報 しかしながら、これらの文献に記載のポリエーテル系重合体は、上記特定分野においてのみ用い得る性能を有するものであって、特定のオキシラン単量体を組み入れたポリエーテル系共重合体が、優れた耐熱性、耐油性、耐燃料油性、低温特性などの諸性質をいずれも具備することについては、記載も示唆もなされていない。
本発明の目的は、近年における上記環境問題に鑑み、エピクロロヒドリンのようなハロゲン含有化合物を殆ど或は全く用いずに、優れた耐熱性、耐油性、耐燃料油性、低温特性などの諸性質をいずれも具備するゴムとして用い得るポリエーテル系共重合体の架橋物を提供しようとするところにある。
本発明者らは、上記課題を解決すべく種々検討を重ねたところ、側鎖にシアノ基を有するオキシラン単量体を用い、同単量体と、架橋可能な官能基を有する架橋性オキシラン単量体と、必要であればアルキレンオキシドとを実質上ランダムに共重合した特定組成の多元共重合体が、これを架橋せしめることによって、優れた耐熱性、耐油性、耐燃料油性、低温特性などをいずれも具備するゴムとしての性能を示すことを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明は、下記一般式(I)で表される構成単位60〜99.8モル%、下記一般式(II)で表される構成単位0〜39.8モル%、および架橋性オキシラン単量体由来の構成単位0.2〜10モル%を有するポリエーテル系多元共重合体と架橋剤を含む架橋用ゴム組成物、同共重合体を含む架橋用ゴム組成物およびその架橋物からなる自動車用ゴム部品を提供する。
Figure 0005233988
[式中、Rは炭素数1〜5のアルキル鎖を意味する。]
Figure 0005233988
[式中、Rは水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、フェニル基または−CHO−Rを意味し、Rは炭素数1〜6のアルキル基またはフェニル基を意味する。]
以下、本発明の構成につき詳細に説明する。
上記一般式(I)で表される構成単位60〜99.8モル%、上記一般式(II)で表される構成単位0〜39.8モル%、および架橋性オキシラン単量体由来の構成単位0.2〜10モル%を有するポリエーテル系多元共重合体(以下、「ポリエーテル多元共重合体」と略称する)の分子量については、ゴム材料の加工性の観点から、JIS K 6300−1に記載の方法に従って100℃で測定したムーニー粘度(ML1+4)が5〜200、好ましくは10〜100の範囲内である。このような高分子量のポリエーテル多元共重合体は、触媒としてオキシラン化合物を開環重合させ得るものを使用し、温度−20〜100℃の範囲で溶液重合法、スラリー重合法などにより製造することができる。このような触媒としては、例えば有機アルミニウムを主体としこれに水やリンのオキソ酸化合物やアセチルアセトンなどを反応させて得られた触媒系、有機亜鉛を主体としこれに水を反応させて得られた触媒系、有機錫−リン酸エステル縮合物触媒系などが挙げられる。例えば本出願人による米国特許第3,773,694号明細書に記載の有機錫−リン酸エステル縮合物触媒系を使用してポリエーテル多元共重合体を製造することができる。
なお、このような製法で、上記構成単位(I)60〜99.8モル%、上記構成単位(II)0〜39.8モル%、および架橋性オキシラン単量体由来の構成単位0.2〜10モル%を有し、かつ、本発明が目的とするゴム様の性質を備えたポリエーテル多元共重合体を製造するには、これら構成単位に対応する単量体成分を実質上ランダムに共重合させることが好ましい。
上記構成単位(I)の割合が多くなるほど、得られる架橋物の耐熱性、耐燃料油性は向上するが、この割合が多過ぎるとゴム材料としての加硫物性が低くなる。したがって、上記構成単位(I)の割合は60〜99.8モル%が好ましく、70〜99.8モル%がより好ましく、90〜99.6モル%が特に好ましい範囲である。
上記構成単位(I)を構成する単量体の例としては、シアノメチルグリシジルエーテル、シアノエチルグリシジルエーテル、シアノプロピルグリシジルエーテル等のシアノアルキルグリシジルエーテルが挙げられる。これらは2種以上併用しても良い。しかしながら、炭素数の大きいシアノアルキルグリシジルエーテルを用いると、得られるポリエーテル多元共重合体の架橋物の耐油性、耐燃料油性が低下する傾向にあるので、単量体として好ましく用いられるシアノアルキルグリシジルエーテルはシアノメチルグリシジルエーテル、シアノエチルグリシジルエーテル、特に好ましくはシアノエチルグリシジルエーテルである。
上記構成単位(II)の割合の範囲は0〜39.8モル%であるが、割合が増加するほど、上記構成単位(I)の割合が減少するため、耐燃料油性、耐油性、耐熱性が低下する。構成単位(II)の割合は0〜29.8モル%が好ましく、0〜9.6モル%が特に好ましい範囲である。
上記構成単位(II)を構成する単量体の例としては、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、イソブチレンオキシド、n−ブチレンオキシド、メチルグリシジルエーテル、スチレンオキシド等のアルキレンオキシドが挙げられる。これらは2種以上併用しても良い。しかしながら、炭素数の大きいアルキレンオキシドを用いると、得られるポリエーテル多元共重合体の架橋物の耐油性、耐燃料油性が低下する傾向にあるので、単量体として好ましく用いられるアルキレンオキシドはエチレンオキシドおよびプロピレンオキシド、特に好ましくはエチレンオキシドである。
架橋性オキシラン単量体は、構成単位(I)の単独重合体、または構成単位(I)と構成単位(II)の共重合体を架橋するための架橋サイトをこれら(共)重合体に導入するオキシラン単量体であればいかなるものでも良く、例えばハロゲン含有オキシラン単量体、具体例として、エピブロモヒドリン、エピヨードヒドリンなどのエピハロヒドリン類、p−クロロスチレンオキシド、ジブロモシアノエチルグリシジルエーテル、m−クロロメチルスチレンオキシド、p−クロロメチルスチレンオキシド、クロロ酢酸グリシジル、グリシド酸クロロメチルなどのエピハロヒドリン類以外のハロゲン含有オキシラン類、2,3−エポキシプロピル−2’,3’−エポキシ−2’−メチルプロピルエーテル、メタグリシド酸グリシジルエステル、グリシド酸メタグリシジルエステル、1,2,3,4−ジエポキシ−2−メチルブタンなど反応性官能基を分子内に有するジエポキシ化合物類、アリルグリシジルエーテル、アクリル酸グリシジル、メタクリル酸グリシジル、クロトン酸グリシジル、3,4−エポキシ−1−ブテンなどのエチレン性不飽和基含有オキシラン類などが挙げられる。これら架橋性オキシラン単量体は2種以上併用しても良い。
特に自動車用ゴム部品としては、耐熱性が要求されるので、架橋性オキシラン単量体としては、ハロゲン含有オキシラン類、および反応性官能基を分子内に有するジエポキシ化合物が、エチレン性不飽和基含有オキシラン類に比べ、耐熱性が高い点で好ましい。
架橋性オキシラン単量体はハロゲンを含むものであってもよい。ただし、ハロゲン含有オキシラン単量体を架橋性オキシラン単量体として用いる場合は、この使用量が多すぎると、ポリエーテル多元共重合体中のハロゲン含有量を可能な限り低減するという本発明の主旨に反することとなるため、ハロゲン含有オキシラン単量体の割合はできるだけ低い方が良い。ポリエーテル多元共重合体中のハロゲン含有量は好ましくは7重量%以下である。
架橋性オキシラン単量体由来の構成単位の割合は0.2〜10モル%、好ましくは1〜6モル%の範囲にある。この割合が0.2モル%未満であると、ポリエーテル多元共重合体を架橋する際に十分な架橋密度が得られず、そのため十分な物理的性質を有する架橋物を得ることができない。逆に、この割合が10モル%を超えると、いわゆるスコーチの問題や耐熱性の低下を招く恐れがあり、好ましくない。
架橋性オキシラン単量体としては塩素含有架橋性オキシラン単量体が使用でき、塩素含有架橋性オキシラン単量体としては、o−クロロメチルスチレンオキシド、p−クロロスチレンオキシド、m−クロロメチルスチレンオキシド、p−クロロメチルスチレンオキシド、クロロ酢酸グリシジル、グリシド酸クロロメチルなどの高活性塩素を有するオキシラン類が挙げられる。これら架橋性オキシラン単量体は2種以上併用しても良い。特に好ましくは、o−クロロメチルスチレンオキシド、m−クロロメチルスチレンオキシド、p−クロロメチルスチレンオキシド、クロロ酢酸グリシジル、グリシド酸クロロメチルである。
塩素含有架橋性オキシラン単量体由来の構成単位は、その割合が比較的低くても反応性を示す。塩素含有架橋性オキシラン単量体由来の構成単位の割合は、0.2〜10モル%、好ましくは0.4〜5モル%の範囲にある。この割合が0.2モル%未満であると、ポリエーテル多元共重合体を架橋する際に十分な架橋密度が得られず、そのため十分な物理的性質を有する架橋物を得ることができない。逆に、この割合が10モル%を超えると、いわゆるスコーチの問題や耐熱性の低下を招く恐れがあり、好ましくない。
塩素含有架橋性オキシラン単量体由来の構成単位の割合は、ポリエーテル多元共重合体中のハロゲン含有量を可能な限り低減するために低い方が好ましく、ポリエーテル多元共重合体中のハロゲン含有量は1重量%以下であることが好ましい。また本発明の塩素含有架橋性オキシラン単量体は特にポリエーテル共重合体中のハロゲン含有量を低下させることができる点で非常に優れている。
架橋性オキシラン単量体のうち、エピブロモヒドリン、エピヨードヒドリンなどのエピハロヒドリン類を用いる場合は、および、架橋性オキシラン単量体として塩素含有架橋性オキシラン単量体、好ましくはクロロメチルスチレンオキシド、クロロ酢酸グリシジル、グリシド酸クロロメチルなどの高活性塩素を有するオキシラン類を用いる場合は、架橋剤として通常ハロゲン含有ゴムに用いられているものを配合することができる。このような架橋剤として、例えばエチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、p−フェニレンジアミン、ヘキサメチレンジアミンカーボネートなどのアミン系架橋剤、エチレンチオウレア、1,3−ジエチルチオウレア、トリメチルチオウレアなどのチオウレア系架橋剤、2,5−ジメルカプト−1,3,4−チアジアゾール 、2,5−メルカプト−1,3,4−チアジアゾール−5−チオベンゾエートなどのチアジアゾール系架橋剤、2,4,6−トリメルカプト−1,3,5−トリアジン、1−ヘキシルアミノ−3,5−ジメルカプトトリアジン、1−ジブチルアミノ−3,5−ジメルカプトトリアジン、1−フェニルアミノ−3,5−ジメルカプトトリアジンなどのトリアジン系架橋剤、キノキサリン−2,3−ジチオカーボネート、6−メチルキノキサリン−2,3−ジチオカーボネート、5,6−ジメチルキノキサリン−2,3−ジチオカーボネートなどの2,3−ジメルカプトキノキサリン誘導体系架橋剤、ピラジン−2,3−ジチオカーボネート、5−メチル−2,3−ジメルカプトピラジン、5,6−ジメチル−2,3−ジメルカプトピラジン、5−メチルピラジン−2,3−ジチオカーボネートなどの2,3−ジメルカプトピラジン誘導体系架橋剤、ビスフェノールA、ビスフェノールAF、ビスフェノールSなどのビスフェノール系架橋剤、それ以外に、硫黄、活性硫黄放出型有機加硫剤、安息香酸アンモニウムなどが挙げられる。
架橋剤の配合量は、ポリエーテル多元共重合体100重量部に対して0.1〜10重量部、好ましくは0.3〜5重量部である。この範囲未満の配合量では架橋が不十分となることがあり、逆にこの範囲を超えると経済的でない。
また、架橋性オキシラン単量体としてクロロメチルスチレンオキシド、クロロ酢酸グリシジル、グリシド酸クロロメチルなどのエピハロヒドリン類以外のハロゲン置換オキシラン類を用いる場合は、上記エピハロヒドリン類を適用した場合に例示した架橋剤の他に、硫黄、活性硫黄放出型有機加硫剤、安息香酸アンモニウムなども架橋剤として例示することができる。また、これらの架橋剤を用いた場合においても、上記促進剤、遅延剤、受酸剤を適宜用いることができる。
一方、架橋性オキシラン単量体として、上記ジエポキシ化合物類を用いる場合は、架橋剤の例として、ジメチルジチオカルバミン酸亜鉛、ジメチルジチオカルバミン酸鉄などのアルキルジチオカルバミン酸塩系架橋剤、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、p−フェニレンジアミン、ヘキサメチレンジアミンカーバメートなどのアミン系架橋剤、ジペンタメチレンチウラムテトラスルフィドなどの活性硫黄放出型有機加硫剤、アンモニウムベンゾエート、イソシアヌル酸、有機酸のアンモニウム塩類などが挙げられる。また、この場合においても架橋促進剤、遅延剤を適宜用いることができる。促進剤の例としては、イミダゾール類、オニウム塩類が挙げられ、遅延剤の例としては無水フタル酸などが挙げられる。
更に、架橋性オキシラン単量体としてアリルグリシジルエーテル、メタクリル酸グリシジルなどのエチレン性不飽和基含有オキシラン類を用いる場合は、架橋剤として、通常ジエン系ゴムに用いられているものを配合することができる。このような架橋剤としては、例えば硫黄、テトラメチルチウラムジスルフィド、ジペンタメチレンチウラムテトラスルフィド、モルフォリンジスルフィドなどの硫黄系架橋(加硫)剤、パラベンゾキノンジオキシム、ベンゾイルキノンジオキシムなどのキノンジオキシム系架橋剤、ポリメチロールフェノール、アルキルフェノールホルムアルデヒド樹脂、臭化アルキルフェノールホルムアルデヒド樹脂などの樹脂系架橋剤、ジクミルパーオキシド、1,3−ビス(ter−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン、n−ブチル−4,4−ビス(ter−ブチルパーオキシ)バレレート、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ter−ブチルパーオキシ)ヘキサンなどの有機過酸化物系架橋剤などが挙げられる。これら架橋剤と、ジエン系ゴム用として公知の加硫促進剤、加硫促進助剤、架橋助剤、遅延剤を適宜併用することもできる。
また、通常これらの架橋剤と共に用いられる公知の促進剤(すなわち加硫促進剤)、遅延剤等もポリエーテル多元共重合体の製造に用いることができる。促進剤の例としては、硫黄、チウラムスフィド類、モルホリンスルフィド類、アミン類、アミンの弱酸塩類、塩基性シリカ、四級アンモニウム塩類、四級ホスホニウム塩類、多官能ビニル化合物、メルカプトベンゾチアゾール類、スルフェンアミド類、ジメチオカーボネート類等が挙げられる。
遅延剤の例としてはN−(シクロヘキシルチオ)フタルイミド、有機亜鉛化合物、酸性シリカ、スルホンアミド化合物等が挙げられる。促進剤または遅延剤の配合量は、ポリエーテル多元共重合体の100重量部に対して0〜10重量部、好ましくは0.1〜5重量部である。
なお、上記架橋剤と受酸剤を組み合わせることも好ましい。この場合用いられる受酸剤としては、例えば酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、水酸化バリウム、炭酸ナトリウム、炭酸マグネシウム、炭酸バリウム、生石灰、消石灰、炭酸カルシウム、ケイ酸カルシウム、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸カリウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、フタル酸カルシウム、亜リン酸カルシウム、亜鉛華、酸化錫、リサージ、鉛丹、鉛白、二塩基性フタル酸鉛、二塩基性炭酸鉛、ステアリン酸錫、塩基性亜リン酸鉛、塩基性亜リン酸錫、塩基性亜硫酸鉛、三塩基性硫酸鉛、ゼオライト類、アルミノホスフェート型モレキュラーシーブ、層状ケイ酸塩、合成ハイドロタルサイト、Li−Al系包接化合物などが挙げられる。受酸剤の配合量は、ポリエーテル多元共重合体の100重量部に対して0〜30重量部、好ましくは0.1〜10重量部である。
ポリエーテル多元共重合体には、当該技術分野で通常用いられている上記以外の配合剤、例えば、滑剤、充填剤、補強剤、可塑剤、老化防止剤、加工助剤、難燃剤、発泡剤、発泡助剤、導電剤、帯電防止剤、顔料、粘着付与剤などを必要に応じて配合することができる。さらに、当該技術分野で通常行われている、ゴム、樹脂等とのブレンドを行うことも可能である。
ポリエーテル多元共重合体を架橋してゴム製品を製造するには、従来ポリマー加工の分野において用いられている混合手段、例えばミキシングロール、バンバリーミキサー、各種ニーダー類等を適宜用いて、ポリエーテル多元共重合体に架橋剤その他の配合剤を配合し、ポリエーテル多元共重合体を架橋する。架橋に要する温度および時間はポリエーテル多元共重合体の製造に用いられた架橋性オキシラン化合物、架橋剤などにより適宜設定されるが、通常は温度100〜250℃、時間0.5〜300分の範囲内にある。架橋成型の方法としては、金型による圧縮成型、射出成型、スチーム缶、エアーバス、赤外線或いはマイクロウェーブによる加熱等の方法を適宜用いることができる。
このようにして得られたポリエーテル多元共重合体の架橋物は、エピクロロヒドリン系ゴムに代表されるポリエーテル系ゴムが用いられる分野全般において用いることができる。例えば、自動車用などの各種燃料系積層ホース、エアー系積層ホース、チューブ、ベルト、ダイヤフラム、シール類等のゴム材料や一般産業用機器・装置等のゴム材料として有用である。なかでもポリエーテル多元共重合体の優れた耐熱性、耐油性などを活かして、特に自動車用ゴム部品に好適に応用することができる。
さらに、本発明のポリエーテル多元共重合体はその化学構造上、ハロゲン原子をほとんど含んでいないので、例えば燃焼によるハロゲン含有ガスの発生といった環境汚染を低減することが可能である。
以下、本発明を実施例および比較例により具体的に説明する。但し、本発明はその要旨を逸脱しない限り以下の実施例に限定されるものではない。
重合用触媒の製造
攪拌機、温度計およびコンデンサーを備えた三つ口フラスコにトリブチル錫クロライド10g、およびトリブチルフォスフェート35gを投入し、これらを窒素気流下に攪拌しながら250℃で20分間加熱し、留出物を留去し、残留物として室温で固体状の縮合物を得た。以降、これを実施例および比較例に重合用触媒として供した。
重合体の分析
実施例で得られたポリエーテル多元共重合体の共重合組成はH−NMRスペクトルにより求めた。また、ポリエーテル多元共重合体のムーニー粘度(ML1+4)は、JIS K 6300に記載の方法に従い、Lローターを用いて100℃で測定した。
ポリエーテル多元共重合体の製造
実施例1
内容量5Lのジャケット付きステンレス製反応器の内部を窒素置換し、上記重合用触媒18g、シアノエチルグリシジルエーテル255g、エピブロモヒドリン8g、および溶媒としてトルエン2700gを仕込み、エチレンオキシド37gを、シアノエチルグリシジルエーテルの重合率をガスクロマトグラフィーで追跡しながら、逐次添加した。反応温度を20℃に維持したまま4時間後にメタノール1gを加えて重合反応を停止した。
デカンテーションにより反応器から重合体を取り出した後、これを減圧下、80℃で8時間乾燥して、ポリエーテル多元共重合体197gを得た。このポリエーテル多元共重合体の共重合組成は、シアノエチルグリシジルエーテル単位65モル%、エチレンオキシド単位33モル%、エピブロモヒドリン単位2モル%であった。また、100℃で測定したムーニー粘度は53、ハロゲン含有量1.6wt%であった。
実施例2
重合時の仕込み物およびその量、重合用触媒18g、シアノエチルグリシジルエーテル267g、2,3−エポキシプロピル−2’,3’−エポキシ−2’−メチルプロピルエーテル18g、エチレンオキシド15g、トルエン2700gに変えた以外は実施例1と同様の手順でポリエーテル多元共重合体224gを得た。
このポリエーテル多元共重合体の共重合組成は、シアノエチルグリシジルエーテル単位80モル%、エチレンオキシド単位モル16%、2,3−エポキシプロピル−2’,3’−エポキシ−2’−メチルプロピルエーテル単位4モル%であった。また、100℃で測定したムーニー粘度は46であった。
実施例3
重合時の仕込み物およびその量、重合用触媒18g、シアノエチルグリシジルエーテル278g、エピブロモヒドリン16g、プロピレンオキシド6g、トルエン2700gに変えた以外は実施例1と同様の手順でポリエーテル多元共重合体182gを得た。
このポリエーテル多元共重合体の共重合組成は、シアノエチルグリシジルエーテル単位90モル%、プロピレンオキシド単位モル5%、エピブロモヒドリン単位5モル%であった。また、100℃で測定したムーニー粘度は43、ハロゲン含有量1.6wt%であった。
実施例4
内容量5Lのジャケット付きステンレス製反応器の内部を窒素置換し、上記重合用触媒18g、シアノエチルグリシジルエーテル285g、エピブロモヒドリン15g、および溶媒としてトルエン2700gを仕込み、重合率をガスクロマトグラフィーで追跡した。反応温度を20℃に維持したまま4時間後にメタノール1gを加えて重合反応を停止した。
デカンテーションにより反応器から重合体を取り出した後、これを減圧下、80℃で8時間乾燥して、ポリエーテル多元共重合体182gを得た。このポリエーテル多元共重合体の共重合組成は、シアノエチルグリシジルエーテル単位95モル%、エピブロモヒドリン単位5モル%であった。また、100℃で測定したムーニー粘度は47、ハロゲン含有量3.1wt%であった。
実施例5
重合時の仕込み物およびその量、重合用触媒18g、シアノエチルグリシジルエーテル285g、アリルグリシジルエーテル15g、トルエン2700gに変えた以外は実施例4と同様の手順でポリエーテル多元共重合体237gを得た。
このポリエーテル多元共重合体の共重合組成は、シアノエチルグリシジルエーテル単位95モル%、アリルグリシジルエーテル単位5モル%であった。また、100℃で測定したムーニー粘度は55であった。
実施例6
重合時の仕込み物およびその量、重合用触媒18g、シアノエチルグリシジルエーテル280g、2,3−エポキシプロピル−2’,3’−エポキシ−2’−メチルプロピルエーテル20g、トルエン2700gに変えた以外は実施例4と同様の手順でポリエーテル多元共重合体213gを得た。
このポリエーテル多元共重合体の共重合組成は、シアノエチルグリシジルエーテル単位95モル%、2,3−エポキシプロピル−2’,3’−エポキシ−2’−メチルプロピルエーテル単位5モル%であった。また、100℃で測定したムーニー粘度は45であった。
実施例7
内容量10Lのジャケット付きステンレス製反応器の内部を窒素置換し、上記縮合物触媒14g、シアノエチルグリシジルエーテル1,000g、クロロ酢酸グリシジル50g、および溶媒としてトルエン2,500gを仕込み、重合率をガスクロマトグラフィーで追跡した。反応温度を60℃に維持したまま8時間後にメタノール1gを加えて重合反応を停止した。
デカンテーションにより反応器から重合体を取り出した後、これを減圧下、80℃で8時間乾燥して、ポリエーテル多元共重合体920gを得た。このポリエーテル多元共重合体の共重合組成は、シアノエチルグリシジルエーテル単位96モル%、クロロ酢酸グリシジル単位4モル%であった。また、100℃で測定したムーニー粘度は38、塩素含量は1.1%であった。
実施例8
重合時の仕込み物及びその量を、縮合物触媒14g、シアノエチルグリシジルエーテル1,000g、クロロ酢酸グリシジル19gに変えた以外は実施例7と同様の手順でポリエーテル多元共重合体940gを得た。
このポリエーテル多元共重合体の共重合組成は、シアノエチルグリシジルエーテル単位98.5モル%、クロロ酢酸グリシジル単位1.5モル%であった。また、100℃で測定したムーニー粘度は39、塩素含量は0.41%であった。
実施例9
重合時の仕込み物及びその量を、縮合物触媒14g、シアノエチルグリシジルエーテル1,000g、クロロ酢酸グリシジル 9gに変えた以外は実施例7と同様の手順でポリエーテル多元共重合体870gを得た。
このポリエーテル多元共重合体の共重合組成は、シアノエチルグリシジルエーテル単位99.3モル%、クロロ酢酸グリシジル単位0.7モル%であった。また、100℃で測定したムーニー粘度は47、塩素含量は0.21%であった。
実施例10
内容量10Lのジャケット付きステンレス製反応器の内部を窒素置換し、上記縮合物触媒18g、シアノエチルグリシジルエーテル1,000g、p−クロロメチルスチレンオキシド38g、および溶媒としてトルエン2,500gを仕込み、重合率をガスクロマトグラフィーで追跡した。反応温度を60℃に維持したまま6時間後にメタノール1gを加えて重合反応を停止した。
デカンテーションにより反応器から重合体を取り出した後、これを減圧下、80℃で8時間乾燥して、ポリエーテル多元共重合体782gを得た。このポリエーテル多元共重合体の共重合組成は、シアノエチルグリシジルエーテル単位97モル%、p−クロロメチルスチレンオキシド単位3モル%であった。また、100℃で測定したムーニー粘度は47、塩素含量は0.82%であった。
比較例1
重合時の仕込み物およびその量、重合用触媒18g、シアノエチルグリシジルエーテル215g、アリルグリシジルエーテル20g、プロピレンオキシド65g、トルエン2700gに変えた以外は実施例1と同様の手順でポリエーテル多元共重合体168gを得た。
このポリエーテル多元共重合体の共重合組成は、シアノエチルグリシジルエーテル単位55モル%、プロピレンオキシド単位モル40%、アリルグリシジルエーテル単位5モル%であった。また、100℃で測定したムーニー粘度は31であった。
比較例2
重合時の仕込み物およびその量、重合用触媒18g、シアノエチルグリシジルエーテル197g、アリルグリシジルエーテル25g、エチレンオキシド78g、トルエン2700gに変えた以外は実施例1と同様の手順でポリエーテル多元共重合体232gを得た。
このポリエーテル多元共重合体の共重合組成は、シアノエチルグリシジルエーテル単位40モル%、エチレンオキシド単位モル55%、アリルグリシジルエーテル単位5モル%であった。また、100℃で測定したムーニー粘度は58であった。
比較例3
重合時の仕込み物およびその量、重合用触媒18g、シアノエチルグリシジルエーテル127g、アリルグリシジルエーテル25g、プロピレンオキシド148g、トルエン2700gに変えた以外は実施例1と同様の手順でポリエーテル多元共重合体151gを得た。
このポリエーテル多元共重合体の共重合組成は、シアノエチルグリシジルエーテル単位25モル%、プロピレンオキシド単位モル70%、アリルグリシジルエーテル単位5モル%であった。また、100℃で測定したムーニー粘度は32であった。
比較例4
重合時の仕込み物およびその量、重合用触媒18g、エピクロルヒドリン207g、エチレンオキシド93g、ヘキサン2700gに変えた以外は実施例1と同様の手順でポリエーテル多元共重合体286gを得た。
このポリエーテル多元共重合体の共重合組成は、エピクロルヒドリン単位52モル%、エチレンオキシド単位モル48%であった。また、100℃で測定したムーニー粘度は52、ハロゲン含有量26wt%であった。
比較例5
重合時の仕込み物及びその量を、縮合物触媒14g、シアノエチルグリシジルエーテル1,000g、トルエン2,500gに変えた以外は実施例7と同様の手順でポリエーテル重合体875gを得た。
このポリエーテル重合体の共重合組成は、シアノエチルグリシジルエーテル単位100モル%、塩素含量は0%であった。また、100℃で測定したムーニー粘度は46であった。
実施例11〜20、比較例6〜10
ポリエーテル多元共重合体架橋物試験片の作製
下記の配合剤を表1および2に示す割合で用いてポリエーテル多元共重合体架橋物を作製した。
カーボンブラック:「シーストSO」、東海カーボン株式会社製
可塑剤:「アデカサイザーRS−107」、旭電化工業株式会社製
滑剤:「スプレンダーR−300」、花王株式会社製
老化防止剤:「ナウガード445」、クロンプトン社製
受酸剤1:合成ハイドロタルサイト「DHT−4A」、協和化学工業株式会社製
受酸剤2:酸化マグネシウム、「キョーワマグ150」、協和化学工業株式会社製
亜鉛華:加硫促進助剤、
硫黄:加硫剤、加硫促進剤
ETU:加硫剤、エチレンチオウレア
DM:加硫促進剤、「ノクセラーDM」、大内新興化学株式会社製
TS:加硫促進剤、「ノクセラーTS」、大内新興化学株式会社製
SS:加硫遅延剤、「ノクタイザーSS」、大内新興化学株式会社製
TRA:加硫剤、「ノクセラーTRA」、大内新興化学株式会社製
加硫剤1:6−メチルキノキサリン-2,3-ジチオカーボネート「ダイソネットXL−21S」ダイソー株式会社製
その他配合剤:ステアリン酸、ステアリン酸ナトリウム
120℃に設定した容量1リットルのニーダー中で、実施例1〜6、実施例7〜10、比較例1〜4および比較例5で得られたポリエーテル多元共重合体100重量部をそれぞれ1分間素練りした後、これに表1〜表4に示すA練り配合剤を表1〜表4に示す配合量で配合した。これらを5分間混練した後、得られた混練物をニーダーより取り出し、70℃に設定した7インチロールでシート化してA練りゴムシートを作製した。
次いで、70℃に温度設定した7インチロールを用い、上記A練りゴムシートへ表1〜表4に示すB練り配合剤を表1〜表4に示す配合量で加え、全体を約5分間混練することにより、B練りロールゴムシートを作製した。
このB練りロールゴムシートを170℃に温度設定したプレスで15分間加熱、加圧することにより、2mm厚の架橋ゴムシートを成形した。これを打ち抜き型により所用形状に打ち抜いて、JIS K 6251に示されるダンベル状3号形試験片を得た。実施例11〜14、16〜20、比較例9については、2mm厚の架橋ゴムシートを150℃に温度設定したオーブン中で2時間熱処理(いわゆる二次加硫)してから試験片を得た。
Figure 0005233988
Figure 0005233988
Figure 0005233988
Figure 0005233988
性能試験
実施例および比較例で得られた各試験片に対し、JIS K 6251に記載の方法に従って引張試験を行った。
加硫ゴムの老化試験は、JIS K 6257に記載の従い、表5〜8中に記載の条件でセル形オーブン法で行った。
耐燃料油性は、試験用燃料油Cを用い、表5〜8中に記載の条件でJIS K 6258の方法に従って評価した。
低温特性の評価は、JIS K 6261に記載の衝撃ぜい化温度を測定することにより行った。
これらの試験結果を表5〜表8に示す。
Figure 0005233988
Figure 0005233988
Figure 0005233988
Figure 0005233988
実施例および比較例で得られた各ポリエーテル多元共重合体架橋物の評価は次の通りである。
表1中、実施例11〜16の架橋物はエピブロモヒドリンのようなハロゲン含有化合物を少量しか用いないか、あるいは全く用いることなく製造され(実施例1〜6)、したがってハロゲン含有量の低いないしはゼロのものである。そして、実施例11〜16の架橋物は、表5および表7の性能試験結果から分かるように、エピクロロヒドリン系ゴムを用いて製造された比較例4の架橋物(比較例9)と比較して、耐熱性、耐燃料油性がより優れた性能を有している。
側鎖にシアノ基を有する構成単位(I)の割合が本発明の範囲から逸脱したポリエーテル多元共重合体を用いた比較例1〜3の架橋物(比較例6〜8)は、低温特性に優れているものの、耐熱性、耐油性に劣る。
表2中の実施例17〜20の架橋物は、エピクロロヒドリン系ゴムを用いた架橋物である比較定9と比較して、極めて少量のハロゲン含有化合物において製造されたものである。そして、実施例17〜20の架橋物は、表6、表8の性能試験結果から分かるように、比較例9と比較して、耐熱性、耐燃料油性がより優れた性能を有している。尚、比較例10の架橋物は塩素含有架橋性オキシラン単量体由来の構成単位を有しないため、加硫しなかった。
ポリエーテル系多元共重合体は以上のように構成されており、その架橋物は優れた耐熱性、耐油性、耐燃料油性、低温特性を併せ持っている。したがって、同共重合体はエピクロロヒドリン系ゴムに代表されるポリエーテル系ゴムが使用されている分野に広く応用することができ、例えば、自動車用などの各種燃料系積層ホース、エアー系積層ホース、チューブ、ベルト、ダイヤフラム、シール類等ゴム材料や、電気・電子機器用ゴム部品、OA機器に用いられる帯電ロール、転写ロールなどの半導電性ゴム部品、一般産業用機器・装置等のゴム材料として有用である。なかでもポリエーテル多元共重合体の優れた耐熱性、耐油性などを活かして、特に自動車用ゴム部品への応用が期待される。

Claims (11)

  1. 下記一般式(I)で表される構成単位60〜99.8モル%、下記一般式(II)で表される構成単位0〜39.8モル%、および架橋性オキシラン単量体由来の構成単位0.2〜10モル%を有するポリエーテル系多元共重合体。
    Figure 0005233988
    [式中、Rは炭素数1〜5のアルキル鎖を意味する。]
    Figure 0005233988
    [式中、Rは水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、フェニル基または−CHO−Rを意味し、Rは炭素数1〜6のアルキル基またはフェニル基を意味する。]
  2. 架橋性オキシラン単量体がハロゲン含有架橋性オキシラン単量体、または、反応性官能基を分子内に有するジエポキシ化合物である請求項1に記載のポリエーテル系多元共重合体。
  3. ハロゲン含有架橋性オキシラン単量体が塩素含有架橋性オキシラン単量体である請求項2に記載のポリエーテル系多元共重合体。
  4. 塩素含有架橋性オキシラン単量体がクロロメチルスチレンオキシド、クロロ酢酸グリシジルまたはグリシド酸クロロメチルである請求項3に記載のポリエーテル系多元共重合体。
  5. ポリエーテル多元共重合体中のハロゲン含有量が7重量%以下である請求項1から4のいずれかに記載のポリエーテル系多元共重合体。
  6. 一般式(I)で表される構成単位が90〜99.6モル%の範囲内にある請求項1から5のいずれかに記載のポリエーテル系多元共重合体。
  7. 一般式(II)で表される構成単位がエチレンオキシド単位である請求項1から6のいずれかに記載のポリエーテル系多元共重合体。
  8. 100℃で測定したムーニー粘度(ML1+4)が5〜200の範囲内にある請求項1から7のいずれかに記載のポリエーテル系多元共重合体。
  9. 請求項1から8のいずれかに記載のポリエーテル系多元共重合体と架橋剤を含む架橋用ゴム組成物。
  10. 請求項9に記載の架橋用ゴム組成物を架橋してなる架橋物。
  11. 請求項10に記載の架橋物からなる自動車用ゴム部品。
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