JP5971062B2 - ゴム組成物、ゴム架橋物、および導電性部材 - Google Patents

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Description

本発明は、ゴム組成物、および該ゴム組成物を架橋してなるゴム架橋物、ならびに該ゴム架橋物を有している導電性部材に関する。
プリンタ、電子写真複写機、およびファクシミリ装置などの画像形成装置において、半導電性が必要とされる機構には、導電性ロール、導電性ブレード、導電性ベルトなどの導電性部材が用いられている。
このような導電性部材は、その用途に応じて、所望の範囲の導電性(電気抵抗値とそのばらつき、環境依存性、電圧依存性)、非汚染性、低硬度、および寸法安定性などの種々の性能が要求されている。
このような導電性部材の一部を構成するゴムとしては、ゴム自体に半導電性を有する、ポリエーテルゴムなどが用いられてきた。しかしながら、近年、画像形成装置においては高速化が要求され、導電性部材、特に、導電性ロールには更なる低電気抵抗化が望まれている。
また、従来より、ポリエーテルゴムなどが用いられている導電性部材に電圧を印加すると、連続使用により導電性部材が通電劣化し、これにより、導電性部材の電気抵抗値が上昇してしまい、画像形成装置用途に用いた場合に、画像品質が低下してしまうという問題があった。このような問題に対し、たとえば、特許文献1では、ポリエーテルゴムに、1−メチルイミダゾールなどの窒素原子含有芳香族複素環式化合物をオニウム化剤として用いて導入されたオニウムイオンを有する単量体の単位を、0.1モル%以上30モル%未満含有させてなる技術が開示されている。
この特許文献1に記載のポリエーテルゴムは、ゴム架橋物とした場合に、得られるゴム架橋物を電気抵抗値が低く、連続使用した場合でも電気抵抗値の上昇が抑制されたものとすることができるものの、次のような課題があった。すなわち、特許文献1の技術では、ポリエーテルゴム自体に、オニウムイオンを有する単量体の単位を導入するものであるため、硬度などのゴムとしての特性を維持しながら、オニウムイオンを有する単量体の単位の含有量を増加させることが難しく、そのため、ゴムとしての特性と、電気特性とをバランスさせることが難しいという課題があった。
国際公開第2012/057299号
本発明は、このような実状に鑑みてなされたものであり、電気抵抗値が低く、かつ、連続使用した場合でも電気抵抗値の上昇を抑制可能なゴム架橋物および導電性部材を与えることのできるゴム組成物、ならびに、このようなゴム組成物を用いて得られるゴム架橋物および導電性部材を提供することを目的とする。
本発明者等は、上記目的を達成するために鋭意研究した結果、重量平均分子量が100,000〜2,000,000であるゴム成分に対して、重量平均分子量が1,000〜50,000であり、かつ、カチオン性の窒素原子を含有する基を含有する所定のポリエーテル化合物を配合してなるゴム組成物により、上記目的を達成できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明によれば、重量平均分子量が100,000〜2,000,000であるゴム成分100重量部に対し、ポリエーテル化合物1〜30重量部含有するゴム組成物であって、前記ポリエーテル化合物が、下記一般式(1)で表される繰り返し単位を1分子あたりの平均個数として5〜200個含んでなり、重量平均分子量が1,000〜50,000であり、下記一般式(1)で表される繰り返し単位の少なくとも一部が、下記一般式(2)で表される繰り返し単位であるゴム組成物が提供される。
Figure 0005971062
Figure 0005971062
(上記一般式(1)において、Aは一価の基である。上記一般式(2)において、Aはカチオン性の窒素原子を含有する基であり、Xは任意のアニオンである。)
好ましくは、前記一般式(1)で表される繰り返し単位のうち、前記一般式(2)で表される繰り返し単位が占める割合が30モル%以上であり、かつ、前記ポリエーテル化合物を構成する単量体単位中における、前記一般式(2)で表される繰り返し単位が占める割合が30モル%以上である。
好ましくは、前記一般式(2)で表される繰り返し単位が、下記一般式(3)で表される繰り返し単位である。
Figure 0005971062
(上記一般式(3)において、R〜Rはそれぞれ独立に水素原子または炭素数1〜3のアルキル基であり、RおよびRは互いに結合していてもよい。また、上記一般式(3)において、Xは任意のアニオンである。)
好ましくは、前記一般式(1)で表される繰り返し単位のうち、前記一般式(2)で表される繰り返し単位以外の単位として、前記一般式(1)中のAで表される一価の基が、水素原子、アルキル基、ハロアルキル基、およびエチレン性不飽和結合含有基から選択される少なくとも一つの基を含む単位を含有する。
好ましくは、前記一般式(2)において、Xがハロゲン化物イオンである。
好ましくは、前記ポリエーテル化合物の一方の末端基が水酸基であり、他方の末端基がカチオン性の窒素原子を含有する基である。
好ましくは、前記ゴム成分が、ポリエーテルゴム50〜100重量%を含む。
好ましくは、本発明のゴム組成物は、導電性部材用途に用いられる。
好ましくは、本発明のゴム組成物は、架橋剤をさらに含有する。
また、本発明によれば、上記ゴム組成物であって、架橋剤を含有するゴム組成物を架橋してなるゴム架橋物が提供される。
さらに、本発明によれば、上記ゴム架橋物を有してなる導電性部材が提供される。
本発明によれば、電気抵抗値が低く、かつ、連続使用した場合でも電気抵抗値の上昇を抑制可能なゴム架橋物および導電性部材を与えることのできるゴム組成物、ならびに、該ゴム組成物を用いて得られるゴム架橋物および導電性部材を提供することができる。
本発明のゴム組成物は、重量平均分子量が100,000〜2,000,000であるゴム成分100重量部に対し、後述する特定のポリエーテル化合物1〜30重量部含有することを特徴とする。
<ゴム成分>
本発明で用いるゴム成分としては、重量平均分子量が100,000〜2,000,000であるゴムであればよく、特に限定されず、たとえば、ブタジエンゴム、スチレンブタジエンゴム、クロロプレンゴム、イソプレンゴム、天然ゴム、アクリロニトリルブタジエンゴム(ニトリルゴム)、ブチルゴム、およびこれらゴムの部分水素添加物(例えば、水素化ニトリルゴム)などのジエン系ゴム;エチレンプロピレンゴム、アクリルゴム、ポリエーテルゴム、フッ素ゴム、シリコーンゴムなどのジエン系ゴム以外のゴム;などの種々のゴムを制限なく用いることができるが、後述するポリエーテル化合物に対する親和性が高く、しかも、得られるゴム架橋物の電気抵抗値をより低減できるという点より、少なくともポリエーテルゴムを含むのが好ましい。
ポリエーテルゴムとしては、オキシラン単量体を開環重合して得られるオキシアルキレン繰り返し単位を主構造単位とするゴムであれば特に限定されないが、本発明においては、オキシラン単量体の単位として、エチレンオキサイド単量体に基づく単位を含有していることが好ましい。本発明で用いるポリエーテルゴム中における、エチレンオキサイド単量体に基づく単位の含有割合は、好ましくは95〜25モル%、より好ましくは95〜30モル%、特に好ましくは93〜35モル%である。エチレンオキサイド単量体に基づく単位の含有割合が少なすぎると、画像形成装置の導電性ロール用途に用いた場合に、電気抵抗値が高くなり過ぎてしまうおそれがあり、一方、含有割合が多すぎると、硬度が高くなり過ぎてしまうおそれがある。
また、本発明で用いるポリエーテルゴムは、エチレンオキサイドと共重合可能な他のオキシラン単量体に基づく単位を含有していてもよい。エチレンオキサイドと共重合可能な他のオキシラン単量体としては、炭素数3〜20のアルキレンオキサイド、炭素数4〜10のグリシジルエーテル、ビニル基を有するオキシラン単量体、エピハロヒドリンなどが挙げられる。これらの中でも、架橋の観点より、ビニル基を有するオキシラン単量体を含有していることが好ましい。これらのエチレンオキサイドと共重合可能な他のオキシラン単量体は、1種単独で、または2種以上を併用してもよい。
炭素数3〜20のアルキレンオキサイドの具体例としては、プロピレンオキサイド、1,2−エポキシブタン、1,2−エポキシヘキサンなどの鎖状アルキレンオキサイド;1,2−エポキシシクロペンタン、1,2−エポキシシクロヘキサン、1,2−エポキシシクロドデカンなどの環状アルキレンオキサイド;などが挙げられる。これらのなかでも、プロピレンオキサイドが好ましい。
炭素数4〜10のグリシジルエーテルの具体例としては、メチルグリシジルエーテル、エチルグリシジルエーテル、ブチルグリシジルエーテルなどのアルキルグリシジルエーテル;フェニルグリシジルエーテルなどのアリールグリシジルエーテル;などが挙げられる。
ビニル基を有するオキシラン単量体の具体例としては、ビニルグリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテル、ブテニルグリシジルエーテル、o−アリルフェニルグリシジルエーテルなどのエチレン性不飽和グリシジルエーテル;グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレートなどのエチレン性不飽和カルボン酸のグリシジルエステル類;などが挙げられる。これらの中でもエチレン性不飽和グリシジルエーテルが好ましく、アリルグリシジルエーテルが特に好ましい。
エピハロヒドリンの具体例としては、エピクロロヒドリン、エピブロモヒドリン、エピヨードヒドリン、エピフルオロヒドリンなどが挙げられる。これらの中でも、エピクロロヒドリンが好ましい。
本発明で用いるポリエーテルゴム中における、ビニル基を有するオキシラン単量体に基づく単位の含有割合は、好ましくは1〜15モル%、より好ましくは2〜12モル%、特に好ましくは3〜10モル%である。ビニル基を有するオキシラン単量体に基づく単位の含有割合が少なすぎると、得られるゴム架橋物の圧縮永久歪み率が悪化するおそれがあり、逆に多すぎると、重合反応中にゲル化反応などを起こし易くなって、成形加工性が低下するおそれがある。
ビニル基を有するオキシラン単量体以外のエチレンオキサイドと共重合可能な他のオキシラン単量体に基づく単位の含有割合は、好ましくは74モル%以下、より好ましくは68モル%以下、特に好ましくは62モル%以下である。これらの単量体に基づく単位の含有割合が多すぎると、画像形成装置の導電性ロール用途に用いた場合に、電気抵抗値が高くなり過ぎてしまうおそれがある。
本発明で用いるポリエーテルゴムは、たとえば、溶液重合法または溶媒スラリー重合法などにより、上述した各単量体を開環重合することにより得ることができる。
また、本発明で用いるゴム成分中における、ポリエーテルゴムの含有割合は、好ましくは50〜100重量%であり、より好ましくは60〜100重量%である。ポリエーテルゴムの含有割合を上記範囲とすることにより、後述するポリエーテル化合物に対する親和性の向上効果、および、電気抵抗値の低減効果をより高めることができる。
さらに、本発明においては、ゴム成分として、ポリエーテルゴムを含有するものを用いる場合には、ポリエーテルゴムに加えて、他のゴムを併用してもよく、このような他のゴムとしては、たとえば、ニトリルゴム、ブタジエンゴム、スチレンブタジエンゴム、クロロプレンゴム、イソプレンゴム、天然ゴム、ブチルゴム、およびこれらゴムの部分水素添加物(例えば、水素化ニトリルゴム)などのジエン系ゴム;エチレンプロピレンゴム、アクリルゴム、フッ素ゴム、シリコーンゴムなどのジエン系ゴム以外のゴム;などが挙げられるが、電気抵抗値の低減効果という点より、ニトリルゴムが好ましい。
本発明で用いるゴム成分は、重量平均分子量(Mw)が、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーによって測定されるポリスチレン換算の値として、100,000〜2,000,000であり、好ましくは200,000〜2,000,000、より好ましくは400,000〜1,500,000である。また、ゴム成分として、2種類以上のゴムを併用する場合には、2種類以上のゴムのそれぞれとして、重量平均分子量が上記範囲にあるものを用いることが好ましい。ゴム成分の重量平均分子量が低すぎると、得られるゴム架橋物の圧縮永久歪み率が悪化するおそれがあり、一方、重量平均分子量が高すぎると、ムーニー粘度が高くなり、成形加工性が低下するおそれがある。
<ポリエーテル化合物>
次いで、本発明で用いるポリエーテル化合物について説明する。
本発明で用いるポリエーテル化合物は、下記一般式(1)で表される繰り返し単位を1分子あたりの平均個数として5〜200個含んでなり、重量平均分子量が1,000〜50,000であり、かつ、下記一般式(1)で表される繰り返し単位の少なくとも一部として、下記一般式(2)で表される繰り返し単位を含んでなるものである。
Figure 0005971062
Figure 0005971062
(上記一般式(1)において、Aは一価の基である。上記一般式(2)において、Aはカチオン性の窒素原子を含有する基であり、Xは任意のアニオンである。)
本発明においては、このようなポリエーテル化合物を、重量平均分子量が100,000〜2,000,000であるゴム成分に配合することにより、得られるゴム架橋物に導電性を付与することができ、これにより、得られるゴム架橋物を、電気抵抗値が低く、しかも、連続使用した場合でも電気抵抗値の上昇が抑制されたものとすることができる。
本発明で用いるポリエーテル化合物は、上記一般式(1)で表される繰り返し単位(オキシラン単位)を、1分子あたりの平均個数として5〜200個、好ましくは10〜150個、より好ましくは10〜100個含んでなるものである。この個数が少なすぎると、ゴム成分に配合した際における、電気抵抗値の低減効果が得難くなる。一方、この個数が多すぎると、ポリエーテル化合物の製造が困難になるおそれがある。
また、本発明で用いるポリエーテル化合物は、上記一般式(1)で表される繰り返し単位の少なくとも一部として、上記一般式(2)で表される、カチオン性の窒素原子を含有する基を有するオキシラン単位を含んでなるものである。
上記一般式(2)においてAで表されるカチオン性の窒素原子を含有する基の具体例としては、アンモニウム基、メチルアンモニウム基、ブチルアンモニウム基、シクロヘキシルアンモニウム基、アニリニウム基、ベンジルアンモニウム基、エタノールアンモニウム基、ジメチルアンモニウム基、ジエチルアンモニウム基、ジブチルアンモニウム基、ノニルフェニルアンモニウム基、ピペリジニウム基、トリメチルアンモニウム基、トリエチルアンモニウム基、n−ブチルジメチルアンモニウム基、n−オクチルジメチルアンモニウム基、n−ステアリルジメチルアンモニウム基、トリブチルアンモニウム基、トリビニルアンモニウム基、トリエタノールアンモニウム基、N,N’−ジメチルエタノールアンモニウム基、トリ(2−エトキシエチル)アンモニウム基などのアンモニウム基;1−ピロリジニウム基、イミダゾリウム基、1−メチルイミダソリウム基、1−エチルイミダソリウム基、ベンズイミダゾリウム基、ピロリウム基、1−メチルピロリウム基、オキサゾリウム基、ベンズオキサゾリウム基、ベンズイソオキサゾリウム基、ピラゾリウム基、イソオキサゾリウム基、ピリジニウム基、2,6−ジメチルピリジニウム基、ピラジウム基、ピリミジニウム基、ピリダジウム基、トリアジウム基、N,N’−ジメチルアニリニウム基、キノリニウム基、イソキノリニウム基、インドリウム基、イソインドリウム基、キノキサリウム基、チアゾリウム基などのカチオン性の窒素原子を含有する複素環を含んでなる基;などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
また、上記一般式(2)におけるXは、任意のアニオンを表すものであって、一般式(2)に含まれるカチオン性の窒素原子を含有するオニウム塩構造の対アニオンを意味するものである。このアニオンの具体例としては、たとえば、フッ化物イオン、塩化物イオン、臭化物イオン、ヨウ化物イオンなどのハロゲン化物イオン;硫酸イオン;亜硫酸イオン;水酸化物イオン;炭酸イオン;炭酸水素イオン;硝酸イオン;酢酸イオン;過塩素酸イオン;リン酸イオン;アルキルオキシイオン;トリフルオロメタンスルホン酸イオン;ビストリフルオロメタンスルホンイミドイオン;ヘキサフルオロリン酸イオン;テトラフルオロホウ酸イオン;などを挙げることができる。これらのなかでも、後述するポリエーテル化合物の製造方法において、アニオン交換反応を行うための工程を省略することができ、これにより生産コストを低減できるという観点より、ハロゲン化物イオンが好ましく、塩化物イオンが特に好ましい。なお、ポリエーテル化合物中の一般式(2)で表される繰り返し単位全体において、Xで表されるアニオンの全てが同一種のアニオンであってもよいし、異種のアニオンが混在していてもよい。
また、上記一般式(2)で表される繰り返し単位の好ましい一例として、下記一般式(3)で表される繰り返し単位を挙げることができる。
Figure 0005971062
(上記一般式(3)において、R〜Rはそれぞれ独立に水素原子または炭素数1〜3のアルキル基であり、RおよびRは互いに結合していてもよい。また、上記一般式(3)において、Xは任意のアニオンである。)
上記一般式(3)におけるR〜Rは、それぞれ独立に水素原子または炭素数1〜3のアルキル基を表すものである。但し、RおよびRは互いに結合して、炭素数2〜6のアルキレン基となっていてもよい。炭素数1〜3のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基を挙げることができ、RおよびRが互いに結合した場合の炭素数2〜6のアルキレン基としては、1,2−エチレン基、1,3−プロピレン基、1,4−ブチレン基、1,5−ペンチレン基、1,6−ヘキシレン基、4−メチル−2,2−ペンチレン基、2,3−ジメチル−2,3−ブチレン基などを例示することができる。R〜Rで表される基は、同じ繰り返し単位中で、全てが同じ基であってもよいし、部分的にまたは全てが異なる基であってもよい。また、ポリエーテル化合物中に、R〜Rが異なる、複数種の一般式(3)で表される繰り返し単位が含まれていてもよい。
上記一般式(3)におけるXは、任意のアニオンを表すものであって、上記一般式(3)に含まれるイミダゾリウム構造の対アニオンを意味するものである。このアニオンの具体例としては、上述のカチオン性の窒素原子を含有する基の対アニオンとして挙げたものを挙げることができる。また、ポリエーテル化合物中の一般式(3)で表される繰り返し単位全体において、Xで表されるアニオンの全てが同一種のアニオンであってもよいし、異種のアニオンが混在していてもよい。
本発明で用いるポリエーテル化合物中において、上記一般式(1)で表される繰り返し単位のうち、上記一般式(2)で表される繰り返し単位が占める割合は、特に限定されないが、30モル%以上であることが好ましく、より好ましくは35モル%以上、さらに好ましくは40モル%以上である。
また、本発明で用いるポリエーテル化合物を構成する全単量体単位に対する、上記一般式(2)で表される繰り返し単位が占める割合も、特に限定されないが、30モル%以上であることが好ましく、より好ましくは35モル%以上、さらに好ましくは40モル%以上である。
ポリエーテル化合物中における、上記一般式(2)で表される繰り返し単位が占める割合が低すぎると、ポリエーテル化合物を配合することによる効果、すなわち、ゴム成分に配合した際における、電気抵抗値の低減効果や、連続使用時の電気抵抗値の上昇抑制効果が得難くなる。なお、本発明で用いるポリエーテル化合物中に、上記一般式(2)で表される繰り返し単位以外の、上記一般式(1)で表される繰り返し単位が存在する場合(すなわち、一般式(2)で表される繰り返し単位の割合が100モル%未満の場合)において、それら複数の繰り返し単位の分布様式は特に限定されないが、ランダムな分布を有していることが好ましい。
なお、上記一般式(1)で表される繰り返し単位のうち、上記一般式(2)で表される繰り返し単位以外の単位としては、特に限定されないが、上記一般式(1)中のAで表される一価の基が、水素原子、アルキル基、ハロアルキル基、およびエチレン性不飽和結合含有基から選択される少なくとも一つの基を含む単位であることが好ましい。
また、本発明で用いるポリエーテル化合物は、上記一般式(1)で表される繰り返し単位以外の繰り返し単位を含んでなるものであってもよい。そのような繰り返し単位の例としては、2,3−ブチレンオキサイド単位などの2置換以上のオキシラン単量体単位や、シクロヘキセンオキサイドなどの環構造を含有するオキシラン単量体単位を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。本発明で用いるポリエーテル化合物の全繰り返し単位に対して、上記一般式(1)で表される繰り返し単位以外の繰り返し単位が占める割合は、特に限定されるものではないが、10モル%以下であることが好ましく、5モル%以下であることがより好ましく、実質的に0モル%であることが特に好ましい。
さらに、本発明で用いるポリエーテル化合物の末端基は特に限定されず、任意の一価の基とすることができる。末端基となる基の具体例としては、水素原子、ハロゲン基、アルキル基、ハロアルキル基、水酸基、カチオン性の窒素原子を含有する基などを挙げることができるが、これらのなかでも、一方の末端基が水酸基で、他方の末端基がカチオン性の窒素原子を含有する基であることが好ましい。カチオン性の窒素原子を含有する基としては、たとえば、下記一般式(4)で表される基である。
Figure 0005971062
(上記一般式(4)において、A´はカチオン性の窒素原子を含有する基であり、X´は任意のアニオンである。)
上記一般式(4)においてA´で表されるカチオン性の窒素原子を含有する基の具体例としては、一般式(2)におけるAの具体例として挙げたものを挙げることができる。
上記一般式(4)におけるX´は、任意のアニオンを表すものであって、上記一般式(4)に含まれるカチオン性の窒素原子を含有するオニウム塩構造の対アニオンを意味するものである。このアニオンの具体例としては、上述のカチオン性の窒素原子を含有する基の対アニオンとして挙げたものを挙げることができる。
また、上記一般式(4)で表される基の特に好ましい一例として、下記の一般式(5)で表される基を挙げることができる。
Figure 0005971062
(上記一般式(5)において、R〜Rはそれぞれ独立に水素原子または置換基を有していてもよい炭素数1〜3のアルキル基であり、RおよびRは互いに結合していてもよい。また、X´は任意のアニオンである。)
上記一般式(5)におけるR〜Rは、それぞれ独立に水素原子または置換基を有していてもよい炭素数1〜3のアルキル基を表すものである。但し、RおよびRは互いに結合して、炭素数2〜6のアルキレン基となっていてもよい。これらの基の具体例としては、一般式(3)においてR〜Rで表される基の具体例として挙げたものを挙げることができる。
一般式(5)におけるX´は、任意のアニオンを表すものであって、一般式(5)に含まれるカチオン性の窒素原子を含有するオニウム塩構造の対アニオンを意味するものである。このアニオンの具体例としては、上述のカチオン性の窒素原子を含有する基の対アニオンとして挙げたものを挙げることができる。
本発明で用いるポリエーテル化合物の重量平均分子量(Mw)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーによって測定されるポリスチレン換算の値として、1,000〜50,000であり、好ましくは1,000〜40,000、より好ましくは1,000〜30,000である。重量平均分子量が小さすぎると、導電性部材とし、画像形成装置の導電性ロール用途に用いた場合に、ポリエーテル化合物が滲み出してしまい、感光体を汚染するという不具合が生じてしまう。一方、重量平均分子量が大きすぎると、得られるゴム架橋物および導電性部材の硬度が高くなり過ぎてしまい、画像形成装置の導電性ロール用途として適さなくなるという不具合がある。
また、本発明で用いるポリエーテル化合物の分子量分布は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーによってポリスチレン換算の値として測定される重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)として、1.0〜4.0であることが好ましく、1.0〜2.0であることがより好ましい。
本発明で用いるポリエーテル化合物の合成方法は、特に限定されず、目的のポリエーテル化合物を得られるものである限りにおいて、任意の合成方法を採用できる。但し、より容易に目的のポリエーテル化合物を得る観点からは、エピクロロヒドリン単位を含有するポリエーテル化合物に、含窒素化合物を反応させることにより、エピクロロヒドリン単位をカチオン性の窒素原子を含有するオニウム塩構造含有オキシラン単量体単位に変換して、目的のポリエーテル化合物を得る方法が好適である。
エピクロロヒドリン単位を含有するポリエーテル化合物の合成は、目的とする重合度が得られるものである限りにおいて、公知のエピクロロヒドリンの重合法にしたがって行えばよい。また、ポリエピクロロヒドリン単位を含有するポリエーテル化合物に、含窒素化合物を反応させて、ポリエピクロロヒドリン単位の少なくとも一部を、カチオン性の窒素原子を含有するオニウム塩構造含有オキシラン単量体単位に置換するためには、公知のオニウム化反応を応用すればよい。公知のオニウム化反応については、特開昭50−33271号公報、特開昭51−69434号公報、および特開昭52−42481号公報などに開示されている。
本発明で用いるポリエーテル化合物を得るために、特に好適な方法としては、次の製造方法を挙げることができる。すなわち、(1)エピクロロヒドリンを含む単量体組成物を、周期表第15族または第16族の原子を含有する化合物のオニウム塩と、含有されるアルキル基が全て直鎖状アルキル基であるトリアルキルアルミニウムとを含んでなる触媒の存在下で開環重合して、エピクロロヒドリン単位含有ポリエーテル化合物を得る工程、(2)得られたエピクロロヒドリン単位含有ポリエーテル化合物を、含窒素化合物と反応させて、オニウムクロライド構造単位含有ポリエーテル化合物を得る工程を含む製造方法を挙げることができる。
上記のポリエーテル化合物の製造方法における第一の工程は、エピクロロヒドリンを含む単量体組成物を、たとえば、特開2010−53217号公報に記載されている触媒である、周期表第15族または第16族の原子を含有する化合物のオニウム塩と、含有されるアルキル基が全て直鎖状アルキル基であるトリアルキルアルミニウムとを含んでなる触媒の存在下で開環重合して、エピクロロヒドリン単位含有ポリエーテル化合物を得る工程である。用いられる単量体組成物は、その少なくとも一部としてエピクロロヒドリンを含んでいればよく、たとえば、エピクロロヒドリンと共重合可能な単量体を含ませてもよい。
エピクロロヒドリンと共重合可能な単量体としては、上記一般式(1)で表される繰り返し単位のうち、上記一般式(2)で表される繰り返し単位以外の単位の種類に応じて適宜選択すればよい。
たとえば、上記一般式(1)中のAで表される一価の基が水素原子である単位を導入する場合には、共重合可能な単量体として、エチレンオキサイドを用いることができる。
上記一般式(1)中のAで表される一価の基がアルキル基である単位を導入する場合には、共重合可能な単量体として、たとえば、プロピレンオキサイド、1,2−ブチレンオキサイドなどを用いることができる。
上記一般式(1)中のAで表される一価の基がエチレン性不飽和結合含有基である単位を導入する場合には、共重合可能な単量体として、たとえば、ビニルグリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテル、ブテニルグリシジルエーテル、グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレートなどを用いることができる。
なお、上記一般式(1)中のAで表される一価の基がハロアルキル基である単位は、たとえば、エピクロロヒドリンに由来するものなどが挙げられ、この場合には、後述する第二の工程(エピクロロヒドリン単位のクロロ基をオニウムクロライド構造含有基に変換させる工程)において、エピクロロヒドリン単位のうち一部を、含窒素化合物と反応させずに、残存させることで導入することができる。
触媒の成分の1つとして用いられる周期表第15族または第16族の原子を含有する化合物のオニウム塩としては、アンモニウム塩、ピリジニウム塩、イミダゾリウム塩、ホスホニウム塩、アルソニウム塩、スチボニウム塩、オキソニウム塩、スルホニウム塩、セレノニウム塩が例示され、これらのなかでも、アンモニウム塩、ピリジニウム塩、イミダゾリウム塩、ホスホニウム塩、スルホニウム塩が好適に使用され、アンモニウム塩、ホスホニウム塩、スルホニウム塩が特に好適に使用され、アンモニウム塩が最も好適に使用される。また、アンモニウム塩のなかでも、テトラノルマルブチルアンモニウムブロミドまたはテトラノルマルブチルアンモニウムボロハイドライドが特に好適である。
周期表第15族または第16族の原子を含有する化合物のオニウム塩の使用量は、得るべきポリエーテル化合物の目的とする分子量などに応じて決定すればよく、特に限定されないが、特に好適な量としては、用いる全単量体に対して、0.0005〜10モル%である。
もう1つの触媒の成分として用いられる、含有されるアルキル基が全て直鎖状のアルキル基であるトリアルキルアルミニウムは、アルミニウムに3つのアルキル基が結合してなる化合物であって、アルミニウムに結合する3つのアルキル基が、全て直鎖状のアルキル基である化合物であり、たとえば、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリノルマルオクチルアルミニウムなどを挙げることができ、そのなかでも、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウムが特に好適に用いられる。
周期表第15族または第16族の原子を含有する化合物のオニウム塩と、含有されるアルキル基が全て直鎖状のアルキル基であるトリアルキルアルミニウムとの使用割合は、特に限定されないが、当該オニウム塩:当該トリアルキルアルミニウムのモル比が、1:1〜1:100の範囲であることが好ましく、1.0:1.1〜1.0:50.0の範囲であることがより好ましく、1.0:1.1〜1.0:10.0の範囲であることが特に好ましい。
周期表第15族または第16族の原子を含有する化合物のオニウム塩と、含有されるアルキル基が全て直鎖状のアルキル基であるトリアルキルアルミニウムとを混合する方法は特に限定されないが、それぞれを溶媒に溶解または懸濁して、それらを混合することが好ましい。用いる溶媒は特に限定されないが、不活性の溶媒が好適に用いられ、たとえば、ベンゼン、トルエンなどの芳香族炭化水素;n−ペンタン、n−へキサンなどの鎖状飽和炭化水素;シクロペンタン、シクロヘキサンなどの脂環式炭化水素;テトラヒドロフラン、アニソール、ジエチルエーテルなどのエーテル;あるいはこれらの混合溶媒;などが用いられる。触媒の成分を混合する際の温度や時間は特に限定されないが、−30〜50℃の条件下で10秒間〜30分間混合することが好ましい。
以上の2成分からなる触媒の存在下で、エピクロロヒドリンを含む単量体組成物を開環重合させるにあたり、触媒と単量体とを混合する方法も特に限定されず、たとえば、触媒を含む溶媒に単量体組成物を添加してもよいし、単量体組成物を含む溶媒に触媒を添加してもよい。重合様式も特に限定されないが、重合を良好に制御する観点からは、溶液重合法により重合を行なうことが好ましい。溶媒としては、不活性の溶媒が好適に用いられ、たとえば、ベンゼン、トルエンなどの芳香族炭化水素;n−ペンタン、n−へキサンなどの鎖状飽和炭化水素;シクロペンタン、シクロヘキサンなどの脂環式炭化水素;テトラヒドロフラン、アニソール、ジエチルエーテルなどのエーテル;あるいはこれらの混合溶媒;などが用いられる。これらの溶媒のなかでも、重合反応速度が速くなることから、非極性の溶媒が特に好適に用いられる。溶媒の使用量は特に限定されないが、単量体組成物の濃度が1〜50重量%となるように用いることが好ましく、3〜40重量%になるように用いることが特に好ましい。
重合時の条件は、特に限定されず、用いる単量体や触媒の種類、目的とする分子量などに応じて決定すればよい。重合時の圧力は、通常1〜500atmであり、好ましくは1〜100atmであり、特に好ましくは1〜50atmである。重合時の温度は、通常−70〜200℃であり、好ましくは−40〜150℃であり、特に好ましくは−20〜100℃である。重合時間は、通常10秒間〜100時間であり、好ましくは20秒間〜80時間であり、特に好ましくは30秒間〜50時間である。
上記のポリエーテル化合物の製造方法では、以上述べたような、周期表第15族または第16族の原子を含有する化合物のオニウム塩と、含有されるアルキル基が全て直鎖状アルキル基であるトリアルキルアルミニウムとを含んでなる触媒を用いることにより、重合反応がリビング性を伴って進行するので、重合の制御が容易となり、その結果、所望の重合度でエピクロロヒドリン単位含有ポリエーテル化合物を製造することが容易となる。
上記のポリエーテル化合物の製造方法における第二の工程は、以上のようにして得られるエピクロロヒドリン単位含有ポリエーテル化合物を、含窒素化合物と反応(4級化反応)させることにより、エピクロロヒドリン単位のクロロ基をオニウムクロライド構造含有基に変換させて、オニウムクロライド構造含有オキシラン単量体単位含有ポリエーテル化合物を得る工程である。
用いられる含窒素化合物は、特に限定されないが、その具体例としては、アンモニア、メチルアミン、ブチルアミン、シクロヘキシルアミン、アニリン、ベンジルアミン、エタノールアミン、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジブチルアミン、ノニルフェニルアミン、ピペリジン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、n−ブチルジメチルアミン、n−オクチルジメチルアミン、n−ステアリルジメチルアミン、トリブチルアミン、1−ピロリジンなどの脂肪族アミン化合物;トリビニルアミン、N,N’−ジメチルアニリンなどの不飽和結合を有するアミン化合物;トリエタノールアミン、N,N’−ジメチルエタノールアミン、トリ(2−エトキシエチル)アミンなどのヘテロ原子含有脂肪族アミン化合物;イミダゾール、1−メチルイミダゾール、1−エチルイミダゾール、ピロール、1−メチルピロール、チアゾール、オキサゾール、ピラゾール、イソオキサゾールなどの五員複素環式化合物;ピリジン、ピラジン、ピリミジン、ピリダジン、トリアジン、2,6−ジメチルピリジンなどの六員複素環式化合物;キノリン、イソキノリン、インドール、イソインドール、ベンズイミダゾール、ベンズオキサゾール、ベンゾイソオキサゾール、プリン、キノキサリン、キナゾリン、シンノリンなどの縮合複素環式化合物;などを挙げることができる。
エピクロロヒドリン単位含有ポリエーテル化合物と含窒素化合物との混合方法は、特に限定されず、たとえば、ポリエーテル化合物を含む溶液に含窒素化合物を添加し混合する方法、含窒素化合物を含む溶液にポリエーテル化合物を添加し混合する方法、含窒素化合物とポリエーテル化合物のそれぞれを別個の溶液として調製しておき、両溶液を混合する方法などが挙げられる。
溶媒としては、不活性の溶媒が好適に用いられ、非極性であっても極性であってもよい。非極性溶媒としては、たとえば、ベンゼン、トルエンなどの芳香族炭化水素;n−ペンタン、n−へキサンなどの鎖状飽和炭化水素;シクロペンタン、シクロヘキサンなどの脂環式飽和炭化水素;などが挙げられる。極性溶媒としては、テトラヒドロフラン、アニソール、ジエチルエーテルなどのエーテル;酢酸エチル、安息香酸エチルなどのエステル;アセトン、2−ブタノン、アセトフェノンなどのケトン;アセトニトリル、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシドなどの非プロトン性極性溶媒;エタノール、メタノール、水などのプロトン性極性溶媒;などが挙げられる。溶媒としては、これらの混合溶媒も好適に用いられる。溶媒の使用量は、特に限定されないが、ポリエーテル化合物の濃度が1〜50重量%となるように用いることが好ましく、3〜40重量%になるように用いることがより好ましい。
含窒素化合物の使用量は、特に限定されず、目的とするポリエーテル化合物のオニウムクロライド構造含有オキシラン単量体単位の含有割合などに応じて決定すればよい。具体的には、含窒素化合物の使用量は、用いるエピクロロヒドリン単位含有ポリエーテル化合物のエピクロロヒドリン単位1モルに対し、好ましくは0.01〜100モル、より好ましくは0.02〜50モル、さらに好ましくは0.03〜10モルの範囲である。
ポリエーテル化合物と含窒素化合物とを反応させる際の圧力は、特に限定されないが、通常1〜500atmであり、好ましくは1〜100atmであり、特に好ましくは1〜50atmである。反応時の温度も特に限定されず、通常0〜200℃、好ましくは20〜170℃、より好ましくは40〜150℃である。反応時間は、通常1分〜1,000時間であり、好ましくは3分〜800時間であり、より好ましくは5分〜500時間であり、さらに好ましくは30分〜200時間である。
以上のようにして得られる、カチオン性の窒素原子を含有するオニウムクロライド構造含有オキシラン単量体単位を有するオキシラン単量体単位含有ポリエーテル化合物は、そのまま本発明で用いるポリエーテル化合物として用いることができるものであるが、必要に応じて、このポリエーテル化合物をアニオン交換反応に供して、オニウムクロライド構造の塩化物アニオンを他のアニオンに交換してもよい。アニオン交換反応を行うことにより、得られるポリエーテル化合物の導電性を改良することができる。アニオン交換反応は、常法に従って行えばよいが、オニウムクロライド構造含有オキシラン単量体単位を有するオキシラン単量体単位含有ポリエーテル化合物に、電離性を有するイオン性化合物を接触させて、反応させる方法が好適である。
対アニオンのアニオン種は、特に限定されないが、たとえば、フッ化物イオン、塩化物イオン、臭化物イオン、ヨウ化物イオンなどのハロゲン化物イオン;硫酸イオン;亜硫酸イオン;水酸化物イオン;炭酸イオン;炭酸水素イオン;硝酸イオン;酢酸イオン;過塩素酸イオン;リン酸イオン;アルキルオキシイオン;トリフルオロメタンスルホン酸イオン;ビストリフルオロメタンスルホンイミドイオン;ヘキサフルオロリン酸イオン;テトラフルオロホウ酸イオン;などが挙げられる。
アニオン交換反応を行う際の条件は、特に限定されず、ポリエーテル化合物および電離性を有するイオン性化合物のみを混合する方法でもよいし、あるいは、有機溶媒などのその他の化合物が存在する条件下で行ってもよい。また、イオン性化合物の使用量は、特に限定されないが、用いるポリエーテル化合物が含有するオニウムクロライド構造1モルに対し、通常0.01〜100モル、好ましくは0.02〜50モル、より好ましくは0.03〜10モルの範囲である。
アニオン交換反応時の圧力は、通常1〜500atmであり、好ましくは1〜100atmであり、特に好ましくは1〜50atmである。反応時の温度は、通常、−30〜200℃、好ましくは−15〜180℃、より好ましくは0〜150℃である。反応時間は、通常、1分〜1000時間であり、好ましくは3分〜100時間であり、より好ましくは5分〜10時間であり、さらに好ましくは5分〜3時間である。
アニオン交換反応が完了した後は、たとえば減圧乾燥などの常法に従い、目的とするポリエーテル化合物を回収すればよい。
以上のようにして、本発明で用いるポリエーテル化合物は製造される。
本発明のゴム組成物中における、ポリエーテル化合物の含有割合は、ゴム成分100重量部に対して、1〜30重量部であり、好ましくは1〜25重量部、より好ましくは1.5〜20重量部である。ポリエーテル化合物の含有割合が少なすぎると、ポリエーテル化合物を配合することによる効果、すなわち、ゴム成分に配合した際における、電気抵抗値の低減効果や、連続使用時の電気抵抗値の上昇抑制効果が得難くなる。一方、ポリエーテル化合物の含有割合が多すぎると、得られるゴム架橋物の圧縮永久歪み率が悪化するおそれがある。
<架橋剤、架橋促進助剤、架橋促進剤>
また、本発明のゴム組成物は、上述したゴム成分、およびポリエーテル化合物に加えて、架橋剤を含有していることが好ましい。
本発明で用いる架橋剤としては、上述したゴム成分やポリエーテル化合物中における架橋性の官能基の有無や、架橋性の官能基の種類などにより適宜選択すればよいが、特に限定されない。架橋剤の具体例としては、粉末硫黄、沈降硫黄、コロイド硫黄、不溶性硫黄、高分散性硫黄などの硫黄;一塩化硫黄、二塩化硫黄、モルホリンジスルフィド、アルキルフェノールジスルフィド、ジベンゾチアジルジスルフィド、N,N’−ジチオ−ビス(ヘキサヒドロ−2H−アゼノピン−2)、含リンポリスルフィド、高分子多硫化物などの含硫黄化合物;ジクミルペルオキサイド、ジターシャリブチルペルオキサイドなどの有機過酸化物;p−キノンジオキシム、p,p’−ジベンゾイルキノンジオキシムなどのキノンジオキシム;トリエチレンテトラミン、ヘキサメチレンジアミンカルバメート、4,4’−メチレンビス−o−クロロアニリンなどの有機多価アミン化合物;s−トリアジン−2,4,6−トリチオールなどのトリアジン系化合物;メチロール基を持つアルキルフェノール樹脂;などが挙げられる。これらのなかでも、硫黄、含硫黄化合物が好ましい。架橋剤として、硫黄または含硫黄化合物を用い、上述したゴム成分とポリエーテル化合物とのそれぞれがエチレン性不飽和結合を含有している場合には、上述したゴム成分とポリエーテル化合物とを共架橋することができる。これらの架橋剤は、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いられる。架橋剤の配合割合は、特に限定されないが、ゴム成分100重量部に対して、0.1〜10重量部が好ましく、0.2〜7重量部がより好ましく、0.3〜5重量部がさらに好ましい。架橋剤の配合量が少なすぎると、架橋速度が遅くなり、得られるゴム架橋物の生産性が低下したり、ゴム架橋物を研磨して使用する場合に研磨性が低下したりするおそれがある。一方、架橋剤の配合量が多すぎると、得られるゴム架橋物の硬度が高くなったり、架橋剤がブルームしたりする可能性がある。
架橋剤として、硫黄または含硫黄化合物を用いる場合には、架橋促進助剤、および架橋促進剤を併用することが好ましい。架橋促進助剤としては、特に限定されないが、例えば、酸化亜鉛、ステアリン酸などが挙げられる。架橋促進剤としては、特に限定されないが、例えば、グアニジン系化合物;アルデヒド−アミン系化合物;アルデヒド−アンモニア系化合物;チアゾール系化合物;スルフェンアミド系化合物;チオ尿素系化合物;チウラム系化合物;ジチオカルバミン酸塩系化合物;などを用いることができる。架橋助剤および架橋促進剤は、それぞれ1種を単独で使用してもよく、2種以上併用して用いてもよい。
架橋促進助剤および架橋促進剤の各使用量は、特に限定されないが、ゴム成分100重量部に対して、0.01〜15重量部が好ましく、0.1〜10重量部がより好ましい。架橋促進助剤および架橋促進剤の使用量が多すぎると、架橋速度が早くなりすぎたり、得られるゴム架橋物の表面にブルームしたりするおそれがある。一方、少なすぎる場合は、架橋速度が遅くて生産性に劣ったり、架橋が十分に進行せず得られるゴム架橋物の機械的特性が劣るおそれがある。
さらに、本発明のゴム組成物には、上述した各成分以外に、公知のゴムに通常配合されるその他の添加剤を含有していてもよい。このような添加剤としては、特に限定されないが、例えば、カーボンブラックなどの充填剤;受酸剤;補強剤;老化防止剤;紫外線吸収剤;耐光安定剤;粘着付与剤;界面活性剤;電解質物質;着色剤(染料・顔料);難燃剤;帯電防止剤;などが挙げられる。
<ゴム組成物の調製方法>
本発明のゴム組成物は、上述したゴム成分に、ポリエーテル化合物、および必要に応じて添加される、架橋剤および充填剤などの各添加剤を、所望の方法により調合、混練することにより調製することができる。たとえば、架橋剤および架橋促進剤を除く添加剤と、ゴム成分とを混練後、その混合物に架橋剤および架橋促進剤を混合して、ゴム組成物を得ることができる。調合、混練に際しては、たとえば、ニーダー、バンバリー、オープンロール、カレンダーロール、押出機など任意の混練成形機を一つあるいは複数組み合わせて用いて混練成形してもよい。架橋剤および架橋促進剤を除く添加剤と、ゴム成分およびポリエーテル化合物との混練温度は、20〜200℃が好ましく、20〜150℃がより好ましく、その混練時間は、30秒〜30分が好ましく、混練物と、架橋剤および架橋促進剤との混合温度は、100℃以下が好ましく、0〜80℃がより好ましい。
<ゴム架橋物>
本発明のゴム架橋物は、架橋剤を含有する本発明のゴム組成物を架橋してなるものである。
本発明のゴム組成物を架橋する方法は、特に限定されないが、成形と架橋を同時に行っても、成形後に架橋してもよい。成形時の温度は、20〜200℃が好ましく、40〜180℃がより好ましい。架橋時の加熱温度は、130〜200℃が好ましく、140〜200℃がより好ましい。架橋時の温度が低すぎると、架橋時間が長時間必要となったり、得られるゴム架橋物の架橋密度が低くなったりするおそれがある。一方、架橋時の温度が高すぎると、成形不良となるおそれがある。架橋時間は、架橋方法、架橋温度、形状などにより異なるが、1分以上、5時間以下の範囲が架橋密度と生産効率の面から好ましい。加熱方法としては、プレス加熱、オーブン加熱、蒸気加熱、熱風加熱、およびマイクロ波加熱などの方法を適宜選択すればよい。
また、ゴム架橋物の形状、大きさなどによっては、表面が架橋していても内部まで十分に架橋していない場合があるので、さらに加熱して二次架橋を行ってもよい。二次架橋を行う際における、加熱温度は、100〜220℃が好ましく、130〜210℃がより好ましい。加熱時間は、30分〜5時間が好ましい。
本発明のゴム架橋物の体積固有抵抗値は、温度23℃、湿度50%とした測定環境にて、印加電圧を1000Vとし、電圧印加開始から30秒後の値において、通常、1×105.0〜1×109.5Ω・cmであり、好ましくは1×105.2〜1×108.0Ω・cmであり、より好ましくは1×105.5〜1×107.5Ω・cmである。ゴム架橋物の体積固有抵抗値が前記範囲内にあると、低電気抵抗性に優れた導電性部材が得られる。一方、ゴム架橋物の体積固有抵抗値が高すぎると、同じ電流を流すためにより高い電圧を印加しなければならず、消費電力量が多くなることから導電性部材には不向きである。また、ゴム架橋物の体積固有抵抗値が低すぎると、電圧印加方向以外の意図しない方向に電流が流れてしまい、導電性部材としての機能を損ねるおそれがある。
また、本発明のゴム架橋物の体積固有抵抗値の通電上昇値は、前記体積固有抵抗値の測定条件において、電圧印加開始から10分後のlog10(体積固有抵抗値)から、電圧印加開始から30秒後のlog10(体積固有抵抗値)を減じたものにおいて、0〜0.5の範囲にあることが好ましい。
このようにして得られる本発明のゴム架橋物は、上述した本発明のゴム組成物を用いて得られるものであるため、電気抵抗値が低く、かつ、連続使用した場合でも電気抵抗値の上昇を抑制するものである。特に、本発明においては、ゴム架橋物を構成するためのゴム組成物として、ゴム成分に、上述したカチオン性の窒素原子を含有する基を含有する所定のポリエーテル化合物を配合してなるものを用いるものである。そのため、本発明によれば、ゴム組成物中における、ポリエーテル化合物の配合量を調整することで、カチオン性の窒素原子を含有する基の含有割合を調整することが可能であり、そのため、カチオン性の窒素原子を含有する基の含有割合を比較的多くした場合でも、硬度などのゴム成分の機械特性に与える影響を抑制しながら、カチオン性の窒素原子を含有する基を導入することによる電気特性の向上効果を適切に付与することができる。
<導電性部材>
本発明の導電性部材は、本発明のゴム架橋物を有しているものである。
本発明のゴム架橋物は、その特性を活かして、各種工業ゴム製品用材料として有用であり、例えば、複写機や印刷機などに使用される、導電性ロール、導電性ブレード、導電性ベルトなどの導電性部材;靴底やホース用材料;コンベアーベルトやエスカレータのハンドレールなどのベルト用材料;シール、パッキン用材料;などとして用いることができる。特に、本発明のゴム架橋物は、電気抵抗値が低く、かつ、連続使用した場合でも電気抵抗値の上昇を抑制するものであるため、複写機や印刷機などに使用される導電性部材、特に、導電性ロールに好適に用いることができる。
以下に、実施例および比較例を挙げて、本発明についてより具体的に説明する。なお、各例中の「部」は、特に断りのない限り、重量基準である。
各種の物性については、以下の方法に従って評価した。
[ムーニー粘度]
ムーニー粘度(ML1+4, 100℃)は、JIS K6300に従って、100℃で測定した。
〔重量平均分子量(Mw)および分子量分布(Mw/Mn)〕
ジメチルホルムアミドを溶媒とするゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により、ポリスチレン換算値として測定した。なお、測定器としてはHLC−8320(東ソー社製)を用い、カラムはTSKgelα−M(東ソー社製)二本を直列に連結して用い、検出器は示差屈折計RI−8320(東ソー社製)を用いた。
[体積固有抵抗値(23℃、50%RH)]
得られたシート状のゴム架橋物(縦15cm、横10cm、厚さ2mm)を用いて、体積固有抵抗値を測定した。なお、体積固有抵抗値の測定は、JIS K6271の2重リング電極法に準拠して行い、測定条件は、温度23℃、湿度50%とし、印加電圧は1000Vとし、電圧の印加を開始してから30秒後の値を測定した。体積固有抵抗値は、数値が小さいほど、導電性に優れている。
[体積固有抵抗値の通電上昇値(23℃、50%RH)]
体積固有抵抗値の通電上昇値は、上記の体積固有抵抗値の測定条件にて、電圧の印加を開始してから10分後のlog10(体積固有抵抗値)から、電圧の印加を開始してから30秒後のlog10(体積固有抵抗値)を減じたものとした。体積固有抵抗値の通電上昇値は、数値が小さいほど、連続使用した場合でも電気抵抗値の上昇が抑制されることを示す。
(製造例1、ポリエーテルゴムAの製造)
密閉した耐圧ガラス容器を窒素置換して、トルエン200部およびトリイソブチルアルミニウム60部を供給した。このガラス容器を氷水に浸漬して冷却後、ジエチルエーテル230部を添加し、攪拌した。次に、氷水で冷却しながら、リン酸13.6部を添加し、さらに攪拌した。この時、トリイソブチルアルミニウムとリン酸との反応により、容器内圧が上昇するので適時脱圧を実施した。次いで、得られた反応混合物を60℃の温水浴内で1時間熟成反応させて触媒溶液を得た。
次いで、オートクレーブにエピクロロヒドリン223.5部、アリルグリシジルエーテル27.5部、エチレンオキサイド19.7部、トルエン2585部を入れ、窒素雰囲気下で攪拌しながら内溶液を50℃に昇温し、上記で得た触媒溶液11.6部を添加して反応を開始した。次に、反応開始からエチレンオキサイド129.3部をトルエン302部に溶解した溶液を5時間かけて等速度で連続添加した。また、反応開始後30分毎に触媒溶液6.2部ずつを5時間にわたり添加した。次いで、水15部を添加して攪拌し、反応を終了させた。ここに更に、老化防止剤として4,4’−チオビス−(6−tert−ブチル−3−メチルフェノール)の5重量%トルエン溶液45部を添加し、攪拌した。スチームストリッピングを実施してトルエンを除去し、上澄み水を除去後、60℃にて真空乾燥し、ポリエーテルゴムAを得た。このポリエーテルゴムAの単量体組成比は、H−NMRにより測定した結果、エピクロロヒドリン単量体単位40モル%、エチレンオキサイド単量体単位56モル%、アリルグリシジルエーテル単量体単位4モル%であった。また、重量平均分子量(Mw)は1,030,000、分子量分布(Mw/Mn)は5.91、ムーニー粘度は60であった。
(製造例2、ポリエーテルゴムBの製造)
攪拌機付きオートクレーブを乾燥して窒素置換し、トルエン1170部、トリイソブチルアルミニウム158.7部およびジエチルエーテル296.4部を供給した。次いで、オートクレーブの内温を30℃に設定し、攪拌しながらリン酸23.5部を10分間かけて一定速度で添加した。そして、これにトリエチルアミン12.1部を添加し、60℃の温水浴内で2時間熟成反応させて触媒溶液を得た。
次いで、上記とは別の攪拌機付きオートクレーブを乾燥して窒素置換し、n−ヘキサン2100部と、上記にて得られた触媒溶液73.1部とを仕込に、内温を30℃に設定して、攪拌しながら、エチレンオキサイドを4部加えて反応させ、次いで、エチレンオキサイドとプロピレンオキサイドの等重量混合単量体を8.5部加えて反応させることで、シードを形成した。
次いで、オートクレーブの内温を60℃に設定して、シードを形成した重合反応液に、エチレンオキサイド340部、プロピレンオキサイド14.9部、アリルグリシジルエーテル68.4部、n−ヘキサン300部からなる混合溶液を5時間かけて連続的に等速度で添加した。添加終了後、2時間反応を行った。重合反応率は98%であった。ここに更に、老化防止剤として4,4’−チオビス(6−tert−ブチル−3−メチルフェノール)の5重量%トルエン溶液42.4部を添加攪拌し、攪拌した。スチームストリッピングを実施してトルエンを除去し、上澄み水を除去後、60℃にて真空乾燥し、ポリエーテルゴムBを得た。このポリエーテルゴムBの単量体組成比は、H−NMRにより測定した結果、エチレンオキサイド単量体単位90モル%、プロピレンオキサイド単量体単位3モル%、アリルグリシジルエーテル単量体単位7モル%であった。また、重量平均分子量(Mw)は750,000、分子量分布(Mw/Mn)は17.1、ムーニー粘度は105であった。
(製造例3、イミダゾリウム構造含有ポリエーテル化合物Aの製造)
(エピクロロヒドリンのリビングアニオン重合)
アルゴンで置換した攪拌機付きガラス反応器に、テトラノルマルブチルアンモニウムブロミド0.322gとトルエン50mlを添加し、これを0℃に冷却した。次いで、トリエチルアルミニウム0.137g(テトラノルマルブチルアンモニウムブロミドに対して1.2等量)をノルマルヘキサン10mlに溶解したものを添加して、15分間反応させた。得られた触媒組成物に、エピクロロヒドリン10.0gを添加し、0℃において重合反応を行った。重合反応開始後、徐々に溶液の粘度が上昇した。12時間反応後、重合反応液に少量の水を注いで反応を停止した。得られた重合反応液を0.1Nの塩酸水溶液で洗浄することにより触媒残渣の脱灰処理を行い、さらにイオン交換水で洗浄した後に、有機相を50℃で12時間減圧乾燥した。これにより得られた無色透明のオイル状物質の収量は10.0gであった。また、得られた物質のGPCによる重量平均分子量(Mw)は1,400、分子量分布(Mw/Mn)は1.26であった。以上より、得られたオイル状の物質は、重合開始末端にブロモメチル基を持ち、重合停止末端に水酸基を持つ、エピクロロヒドリン単位により構成されたオリゴマー(平均12量体)であるといえる。
(エピクロロヒドリンオリゴマーの1−メチルイミダゾールによる4級化)
上記にて得られたエピクロロヒドリンオリゴマー10.0gと、1−メチルイミダゾール19.2gと、アセトニトリル10.0gとを、アルゴンで置換した攪拌機付きガラス反応器に添加し、80℃に加熱した。80℃で48時間反応させた後、室温に冷却し反応を停止した。得られた反応物をトルエン/メタノール/水の等重量混合溶液にて洗浄した後、1−メチルイミダゾールおよびトルエンを含む有機相を除去して、水相を50℃で12時間減圧乾燥したところ、薄赤色の固体18.8gが得られた。この固体について、H−NMR測定および元素分析を行った。その結果、得られた化合物は、出発原料のオリゴマー中の91.7モル%のエピクロロヒドリン単位(すなわち、平均で11個のエピクロロヒドリン単位)におけるクロロ基が対アニオンとして塩化物イオンを有する1−メチルイミダゾリウム基に、重合開始末端のブロモメチル基が対アニオンとして臭化物イオンを有する1−メチルイミダゾリウム基にそれぞれ置換され、重合停止末端が水酸基である、イミダゾリウム構造含有ポリエーテル化合物Aであると同定された。なお、1−メチルイミダゾールにより置換した後のイミダゾリウム構造含有ポリエーテル化合物Aの重量平均分子量(Mw)は、その置換率より、2,600であるといえる。また、イミダゾリウム構造含有ポリエーテル化合物A中の全単量体単位に対する、イミダゾリウム構造含有単位(上記一般式(2)で表される単位)の含有割合は、91.7モル%であった。
(製造例4、イミダゾリウム構造含有ポリエーテル化合物Bの製造)
(エピクロロヒドリンとアリルグリシジルエーテルとのリビングアニオン共重合)
アルゴンで置換した攪拌機付きガラス反応器に、テトラノルマルブチルアンモニウムブロミド3.22gとトルエン50mlを添加し、これを0℃に冷却した。次いで、トリエチルアルミニウム1.37g(テトラノルマルブチルアンモニウムブロミドに対して1.2等量)をノルマルヘキサン10mlに溶解したものを添加して、15分間反応させて、触媒組成物を得た。得られた触媒組成物に、エピクロロヒドリン9.0gおよびアリルグリシジルエーテル1.0gを添加し、0℃において重合反応を行った。重合反応開始後、徐々に溶液の粘度が上昇した。12時間反応後、重合反応液に少量の水を注いで反応を停止した。得られた重合反応液を0.1Nの塩酸水溶液で洗浄することにより触媒残渣の脱灰処理を行い、さらにイオン交換水で洗浄した後に、有機相を50℃で12時間減圧乾燥した。これにより得られた無色透明のオイル状物質の収量は10.0gであった。また、得られた物質のGPCによる重量平均分子量(Mw)は10,400、分子量分布(Mw/Mn)は1.22であった。さらに、得られたオイル状の物質について、H−NMR測定を行ったところ、このオイル状の物質は、エピクロロヒドリン単位93.4モル%およびアリルグリシジルエーテル単位6.6モル%を含むものであることが確認できた。以上より、得られたオイル状の物質は、重合開始末端にブロモメチル基を持ち、重合停止末端に水酸基を持つ、エピクロロヒドリン単位およびアリルグリシジルエーテル単位により構成されたオリゴマー(平均でエピクロロヒドリン単位85個とアリルグリシジルエーテル単位6個からなる91量体)であるといえる。
(エピクロロヒドリンとアリルグリシジルエーテルとの共重合オリゴマー中のエピクロロヒドリン単位の1−メチルイミダゾールによる4級化)
上記にて得られた共重合オリゴマー6.4gと、1−メチルイミダゾール10.3gと、アセトニトリル6.4gとを、アルゴンで置換した攪拌機付きガラス反応器に添加し、80℃に加熱した。80℃で48時間反応させた後、室温に冷却し反応を停止した。得られた反応物をトルエン/メタノール/水の等重量混合溶液にて洗浄した後、1−メチルイミダゾールおよびトルエンを含む有機相を除去して、水相を50℃で12時間減圧乾燥したところ、薄紫色のオイル状物質10.5gが得られた。このオイル状物質について、H−NMR測定および元素分析を行ったところ、出発原料のオリゴマー中の80.0モル%のエピクロロヒドリン単位(すなわち、平均で68個のエピクロロヒドリン単位)におけるクロロ基が、1−メチルイミダゾリウムクロリド基に、重合開始末端のブロモメチル基が、1−メチルイミダゾリウムブロミド基に、それぞれ置換され、重合停止末端が水酸基である、イミダゾリウム構造含有ポリエーテル化合物Bであると同定された。なお、1−メチルイミダゾールにより置換した後のイミダゾリウム構造含有ポリエーテル化合物Bの重量平均分子量(Mw)は、その置換率より、17,300であるといえる。また、イミダゾリウム構造含有ポリエーテル化合物B中の全単量体単位に対する、イミダゾリウム構造含有単位(上記一般式(2)で表される単位)の含有割合は、74.7モル%であった。
(製造例5、イミダゾリウム構造含有ポリエーテル化合物Cの製造)
(エピクロロヒドリンとグリシジルメタクリレートとのリビングアニオン共重合)
アルゴンで置換した攪拌機付きガラス反応器に、テトラノルマルブチルアンモニウムブロミド3.22gとトルエン50mlを添加し、これを0℃に冷却した。次いで、トリエチルアルミニウム1.37g(テトラノルマルブチルアンモニウムブロミドに対して1.2等量)をノルマルヘキサン10mlに溶解したものを添加して、15分間反応させて、触媒組成物を得た。得られた触媒組成物に、エピクロロヒドリン9.0gおよびメタクリル酸グリシジル1.0gを添加し、0℃において重合反応を行った。重合反応開始後、徐々に溶液の粘度が上昇した。12時間反応後、重合反応液に少量の水を注いで反応を停止した。得られた重合反応液を0.1Nの塩酸水溶液で洗浄することにより触媒残渣の脱灰処理を行い、さらにイオン交換水で洗浄した後に、有機相を50℃で12時間減圧乾燥した。これにより得られた無色透明のオイル状物質の収量は10.0gであった。また、得られた物質のGPCによる重量平均分子量(Mw)は1,600、分子量分布(Mw/Mn)は1.26であった。さらに、得られたオイル状の物質について、H−NMR測定を行ったところ、このオイル状の物質は、エピクロロヒドリン単位92.9モル%およびグリシジルメタクリレート単位7.1モル%を含むものであることが確認できた。以上より、得られたオイル状の物質は、重合開始末端にブロモメチル基を持ち、重合停止末端に水酸基を持つ、エピクロロヒドリン単位およびグリシジルメタクリレート単位により構成されたオリゴマー(平均でエピクロロヒドリン単位13個とアリルグリシジルエーテル単位1個からなる14量体)であるといえる。
(エピクロロヒドリンとグリシジルメタクリレートとの共重合オリゴマーのエピクロロヒドリン単位の1−メチルイミダゾールによる4級化)
上記にて得られた共重合オリゴマー9.0gと、1−メチルイミダゾール15.5gと、アセトニトリル9.0gとを、アルゴンで置換した攪拌機付きガラス反応器に添加し、80℃に加熱した。80℃で48時間反応させた後、室温に冷却し反応を停止した。得られた反応物をトルエン/メタノール/水の等重量混合溶液にて洗浄した後、1−メチルイミダゾールおよびトルエンを含む有機相を除去して、水相を50℃で12時間減圧乾燥したところ、薄紫色のオイル状物質13.0gが得られた。このオイル状物質について、H−NMR測定および元素分析を行ったところ、出発原料のオリゴマー中の53.8モル%のエピクロロヒドリン単位(すなわち、平均で7個のエピクロロヒドリン単位)におけるクロロ基が、1−メチルイミダゾリウムクロリド基に、重合開始末端のブロモメチル基が、1−メチルイミダゾリウムブロミド基に、それぞれ置換され、重合停止末端が水酸基である、イミダゾリウム構造含有ポリエーテル化合物Cであると同定された。なお、1−メチルイミダゾールにより置換した後のイミダゾリウム構造含有ポリエーテル化合物Cの重量平均分子量(Mw)は、その置換率より、2,400であるといえる。また、イミダゾリウム構造含有ポリエーテル化合物C中の全単量体単位に対する、イミダゾリウム構造含有単位(上記一般式(2)で表される単位)の含有割合は、50.0モル%であった。
〔実施例1〕
40℃のオープンロールに、製造例1で得られたポリエーテルゴムA 100部、製造例3で得られたイミダゾリウム構造含有ポリエーテル化合物A 7部、充填剤としてカーボンブラック(シーストSO、東海カーボン社製)10部、架橋促進助剤としての酸化亜鉛(ZnO#1、正同化学社製)5部、架橋促進助剤としてのステアリン酸1部、架橋促進剤としてのテトラエチルチウラムジスルフィド(ノクセラーTET、大内新興化学工業社製)1部および架橋剤としての硫黄(サルファックスPMC、鶴見化学工業社製)0.5部を投入し、10分間混練することで、ゴム組成物を得た。
そして、このようにして得られたゴム組成物を、170℃で20分間プレス架橋してゴム架橋物とし、得られたゴム架橋物を用いて、上記した方法にしたがって、体積固有抵抗値、および体積固有抵抗値の通電上昇値を測定した。結果を表1に示す。
〔実施例2〕
イミダゾリウム構造含有ポリエーテル化合物A 7部に代えて、製造例4で得られたイミダゾリウム構造含有ポリエーテル化合物B 8部を用いた以外は、実施例1と同様にして、ゴム組成物およびゴム架橋物を得て、同様に評価を行った。結果を表1に示す。
〔実施例3〕
イミダゾリウム構造含有ポリエーテル化合物A 7部に代えて、製造例5で得られたイミダゾリウム構造含有ポリエーテル化合物C 3部を用いた以外は、実施例1と同様にして、ゴム組成物およびゴム架橋物を得て、同様に評価を行った。結果を表1に示す。
〔実施例4〕
イミダゾリウム構造含有ポリエーテル化合物A 7部に代えて、製造例5で得られたイミダゾリウム構造含有ポリエーテル化合物C 14部を用いた以外は、実施例1と同様にして、ゴム組成物およびゴム架橋物を得て、同様に評価を行った。結果を表1に示す。
〔実施例5〕
ポリエーテルゴムA 100部に代えて、製造例2で得られたポリエーテルゴムB 100部を用いた以外は、実施例1と同様にして、ゴム組成物およびゴム架橋物を得て、同様に評価を行った。結果を表1に示す。
〔実施例6〕
ポリエーテルゴムAの配合量を100部から70部に変更するとともに、アクリロニトリル−ブタジエンゴム(Nipol DN401L、日本ゼオン社製)30部をさらに配合し、イミダゾリウム構造含有ポリエーテル化合物A 7部に代えて、製造例5で得られたイミダゾリウム構造含有ポリエーテル化合物C 7部を用いた以外は、実施例1と同様にして、ゴム組成物およびゴム架橋物を得て、同様に評価を行った。結果を表1に示す。
〔比較例1〕
イミダゾリウム構造含有ポリエーテル化合物Aを配合しなかった以外は、実施例1と同様にして、ゴム組成物およびゴム架橋物を得て、同様に評価を行った。結果を表1に示す。
〔比較例2〕
イミダゾリウム構造含有ポリエーテル化合物Aを配合しなかった以外は、実施例5と同様にして、ゴム組成物およびゴム架橋物を得て、同様に評価を行った。結果を表1に示す。
〔比較例3〕
イミダゾリウム構造含有ポリエーテル化合物Cを配合しなかった以外は、実施例6と同様にして、ゴム組成物およびゴム架橋物を得て、同様に評価を行った。結果を表1に示す。
Figure 0005971062
表1より、重量平均分子量が100,000〜2,000,000であるゴム成分と、本発明所定のポリエーテル化合物とを含有するゴム組成物を架橋してなるゴム架橋物は、いずれも、体積固有抵抗値が低く、体積固有抵抗値の通電上昇値も抑制されており良好な結果であった(実施例1〜6)。また、これら実施例1〜6で得られたゴム架橋物は、硬度の上昇が有効に抑制されたものであり、たとえば、いずれも同じゴム成分を用いた実施例1〜4において得られたゴム架橋物の硬度(JIS K6253の硬さ試験に従って測定された硬度)は、いずれも45未満と低減されたものであった。
一方、本発明所定のポリエーテル化合物を含有しないゴム組成物を架橋してなるゴム架橋物は、いずれも、体積固有抵抗値が高く、体積固有抵抗値の通電上昇値も高くなる結果となった(比較例1〜3)。

Claims (10)

  1. 重量平均分子量が100,000〜2,000,000であるゴム成分100重量部に対し、ポリエーテル化合物1〜30重量部含有するゴム組成物であって、
    前記ゴム成分が、ポリエーテルゴム50〜100重量%を含み、
    前記ポリエーテル化合物が、下記一般式(1)で表される繰り返し単位を1分子あたりの平均個数として5〜200個含んでなり、重量平均分子量が1,000〜50,000であり、下記一般式(1)で表される繰り返し単位の少なくとも一部が、下記一般式(2)で表される繰り返し単位であるゴム組成物。
    Figure 0005971062
    Figure 0005971062
    (上記一般式(1)において、Aは一価の基である。上記一般式(2)において、Aはカチオン性の窒素原子を含有する基であり、Xは任意のアニオンである。)
  2. 前記一般式(1)で表される繰り返し単位のうち、前記一般式(2)で表される繰り返し単位が占める割合が30モル%以上であり、かつ、前記ポリエーテル化合物を構成する単量体単位中における、前記一般式(2)で表される繰り返し単位が占める割合が30モル%以上である請求項1に記載のゴム組成物。
  3. 前記一般式(2)で表される繰り返し単位が、下記一般式(3)で表される繰り返し単位である請求項1または2に記載のゴム組成物。
    Figure 0005971062
    (上記一般式(3)において、R〜Rはそれぞれ独立に水素原子または炭素数1〜3のアルキル基であり、RおよびRは互いに結合していてもよい。また、上記一般式(3)において、Xは任意のアニオンである。)
  4. 前記一般式(1)で表される繰り返し単位のうち、前記一般式(2)で表される繰り返し単位以外の単位として、前記一般式(1)中のAで表される一価の基が、水素原子、アルキル基、ハロアルキル基、およびエチレン性不飽和結合含有基から選択される少なくとも一つの基を含む単位を含有する請求項1〜3のいずれかに記載のゴム組成物。
  5. 前記一般式(2)において、Xがハロゲン化物イオンである請求項1〜4のいずれかに記載のゴム組成物。
  6. 前記ポリエーテル化合物の一方の末端基が水酸基であり、他方の末端基がカチオン性の窒素原子を含有する基である請求項1〜5のいずれかに記載のゴム組成物。
  7. 導電性部材用途である請求項1〜のいずれかに記載のゴム組成物。
  8. 架橋剤をさらに含有する請求項1〜のいずれかに記載のゴム組成物。
  9. 請求項に記載のゴム組成物を架橋してなるゴム架橋物。
  10. 請求項に記載のゴム架橋物を有してなる導電性部材。
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