JP4389687B2 - 加硫用ゴム組成物、および同組成物を用いた加硫ゴム材料 - Google Patents

加硫用ゴム組成物、および同組成物を用いた加硫ゴム材料 Download PDF

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本発明はポリエーテル系ゴムをベースとする、加硫後の耐熱性、耐オゾン性に優れた加硫用ゴム組成物、および同組成物を加硫してなる加硫ゴム材料に関する。
ニトリルゴム、水素化ニトリルゴム、クロロプレンゴム、クロロスルホン化ポリエチレンゴム、エピハロヒドリン系ゴム、アクリルゴム、フッ素ゴムなどの合成ゴムは、ガス透過性が低く、耐油性に優れていることから、各種ゴム製品の材料として広く用いられており、特に自動車用ゴム部品の材料として好適に利用されている。
近年、自動車を取り巻く排ガス規制、燃料蒸散規制は厳しくなってきており、更に省燃費対策、エンジンの高性能化およびコンパクト化、部品のメンテナンスフリー化などに伴って、自動車用ゴム材料に対する耐熱性改良の要求は年々厳しくなってきている。
このような要求に答えるべく合成ゴムに配合するための老化防止剤は種々検討され、一定の成果が得られている。例えばクロロスルホン化ポリエチレンゴム、ニトリルゴム、エピクロルヒドリンゴムなどに対してジブチルジチオカルバミン酸ニッケルなどの有機ニッケル系老化防止剤を適用すれば優れた耐熱性、耐オゾン性を有する加硫ゴムが得られることは広く知られている。
一方、近年において有機ニッケル化合物はその毒性が懸念され始めており、合成ゴム、特にエピクロルヒドリンゴムにおける有機ニッケル化合物を使用しない耐熱、耐オゾン性に優れた老化防止剤が強く求められいるが、有機ニッケル化合物を代替し得る性能を有する老化防止剤は見つかっていないのが現状である。
有機ニッケル化合物を用いずにエピクロルヒドリンゴムの耐熱性を改良するための手段としては、例えば加硫剤としてトリチオシアヌル酸を用い、アミン系老化防止剤とベンズイミダゾール系老化防止剤を組み合わせる方法(非特許文献1参照)や、加硫剤として6−メチルキノキサリン−2,3−ジチオカーボネートを用い、アミン系老化防止剤、ベンズイミダゾール系老化防止剤などを組み合わる方法(非特許文献2参照)など、様々なものが提案されている。
しかしながら、これら先行例の方法では耐熱性の改善については一定の効果が見られるものの、耐オゾン性については記載も示唆もなされていない。
他方、特開平11−189679には、タイヤ使用期間中のゴムの酸化劣化とスチールコードへの接着力の低下を抑制するための手段として、天然ゴムや合成ゴムに各種過酸化物分解剤としてチオリン酸塩等を添加する方法が提案されている。しかしながら、本先行例は通常タイヤに用いられている非極性ゴムのスチールコードへの接着力について述べたものであって、特定の化合物をポリエーテル系ゴムに加えた場合においてのみ、耐熱性や、特に耐オゾン性の改良効果が期待できることについて、なんら示唆するものではない(特許文献1参照)。
「Rubber World」227巻、第5号(FEB 2003)、25〜43頁 「International Rubber Conference 2003」、2003年6月30日ドイツ、ニュルンベルクで開催の予稿集、379〜381頁 特開平11−189679号公報
本発明の目的は、近年における上記問題に鑑み、毒性が懸念される化合物を用いずに優れた耐熱性、耐オゾン性をいずれも具備する新規の加硫ゴム用組成物を提供しようとするところにある。
本発明者らは、上記課題を解決すべく種々検討を重ねたところ、一般的には潤滑油やグリースの磨耗防止剤、酸化防止剤、極圧添加剤として知られているアルキルジチオリン酸とモリブデンの塩からなる化合物が、これをポリエーテル系ゴムに加えてからゴムを加硫することにより、優れた耐熱性、耐オゾン性をいずれも具備する加硫ゴム材料が得られることを見出し本発明を完成するに至った。
本発明による加硫用ゴム組成物は、すなわち、(a)ポリエーテル系ゴム、(b)下記一般式(1)で表されるアルキルジチオリン酸とモリブデンの塩からなる化合物、(c)加硫剤を含有することを特徴とする加硫用ゴム組成物に関する。
Figure 0004389687
(R1、R2、R3、R4は同一または異なって、アルキル基またはアラルキル基を表す)
また本発明は、前記加硫用ゴム組成物を加硫してなる加硫ゴム材料、更にその加硫ゴム材料を用いた自動車用部品に関する。
このようにして得られた本発明による加硫用ゴム組成物は、耐油性の合成ゴムが使用されている分野に広く応用することができる。例えば、自動車用などの各種燃料系積層ホース、エアー系積層ホース、チューブ、ベルト、ダイヤフラム、シール類等ゴム材料や、一般産業用機器・装置等のゴム材料として有用である。なかでも本発明による加硫用ゴム組成物を加硫した加硫ゴムの優れた耐熱性、耐オゾン性などを活かして、特に自動車用ゴム部品への応用が期待される。
また、本発明の加硫用ゴム組成物は、人体への影響が懸念される有機ニッケル化合物を用いていないので、ゴム製品製造者、およびゴム製品使用者の健康被害を抑止できるという利点もある。
以下、本発明の構成につき詳細に説明する。本発明に用いられるポリエーテル系ゴムとは、オキシラン化合物を開環重合することにより得られる合成ゴムである。オキシラン化合物の例としては、例えばエチレンオキシド、プロピレンオキシド、スチレンオキシド、メチルグリシジルエーテル、ブチルグリシジルエーテル、フェニルグリシジルエーテル、エピクロルヒドリン、エピブロムヒドリン、グリシジルアセテート、アリルグリシジルエーテル、グリシジルメタクリレート、ブタジエンモノオキシドなどを挙げることができろ。また本発明においては、2種以上のポリエーテル系ゴムを混合して用いても良い。
本発明においては、これらポリエーテル系ゴムのうち、エピクロルヒドリン単独重合体、エピクロルヒドリン−アリルグリシジルエーテル共重合体、エピクロルヒドリン−エチレンオキシド共重合体、エピクロルヒドリン−エチレンオキシド−アリルグリシジルエーテル三元共重合体に代表されるエピハロヒドリン系ゴム、特にエピクロルヒドリン系ゴムが好ましく用いられる。
一方、本発明で用いられるアルキルジチオリン酸とモリブデンの塩からなる化合物とは、下記一般式(1)で表されるものである。例としてはジメチルジチオリン酸モリブデン、ジエチルジチオリン酸モリブデン、ジイソプロピルジチオリン酸モリブデン、ジ−n−ブチルジチオリン酸モリブデン、ジ−t−ブチルジチオリン酸モリブデン、ジ−n−オクチルジチオリン酸モリブデン、ジ−2−エチルヘキシルジチオリン酸モリブデン、ジベンジルジチオリン酸モリブデンなどを挙げることができ、これらが単独、または2種以上の併用で用いられる。これらアルキルジチオリン酸とモリブデンの塩からなる化合物の使用量は通常ポリエーテル系ゴムの100重量部に対して0.1〜5重量部、好ましくは0.2〜3重量部である。
Figure 0004389687
(R1、R2、R3、R4は同一または異なって、アルキル基またはアラルキル基を表す)
1、R2、R3、R4は、好ましくは炭素数1〜10のアルキル基である。
他方、加硫剤(架橋剤)としては、本発明で使用されるポリエーテル系ゴムを加硫(架橋)せしめ得るものであればいかなるものでも用いることができる。アリルグリシジルエーテル、グリシジルメタクリレート、ブタジエンモノオキシドなどの不飽和基を有するオキシラン化合物を共重合せしめたポリエーテル系ゴムを本発明に適用した場合の加硫剤としては、例えば硫黄、テトラメチルチウラムジスルフィド、ジペンタメチレンチウラムテトラスルフィド、モルフォリンジスルフィドなどの硫黄系加硫剤、パラベンゾキノンジオキシム、ベンゾイルキノンジオキシムなどのオキシム系架橋剤、ポリメチロールフェノール、アルキルフェノールホルムアルデヒド樹脂などの樹脂系架橋剤、トリクロルメラミン、ヘキサクロルペンタジエン、ベンゾトリクロリドなどの塩素含有化合物系架橋剤、ジクミルパーオキシド、1,3−ビス(ter−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン、n−ブチル−4,4−ビス(ter−ブチルパーオキシ)バレレート、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ter−ブチルパーオキシ)ヘキサンなどの有機過酸化物系架橋剤などを挙げることができ、これらは使用されるポリエーテル系ゴムに応じて適宜選択され、これらが単独で、または2種以上の組み合わせで使用される。これら加硫剤(架橋剤)は、ジエン系ゴム用として公知の加硫促進剤、加硫促進助剤(亜鉛華、ステアリン酸、ステアリン酸亜鉛など)、架橋助剤、遅延剤を併用しても良い。
また、エピクロルヒドリン、エピブロムヒドリンなどのハロゲンを含有するオキシラン化合物を(共)重合せしめたポリエーテル系ゴムを本発明に適用した場合の加硫剤としては、例えばエチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、p−フェニレンジアミン、ヘキサメチレンジアミンカーバメートなどのアミン系架橋剤、エチレンチオウレア、1,3−ジエチルチオウレア、トリメチルチオウレアなどのチオウレア系加硫剤、2,5−ジメルカプト−1,3,4−チアジアゾール、2,5−ジメルカプト−1,3,4−チアジアゾール−5−チオベンゾエートなどのチアジアゾール系加硫剤、2,4,6−トリメルカプト−1,3,5−トリアジン、1−ヘキシルアミノ−3,5−ジメルカプトトリアジン、1−ジブチルアミノ−3,5−ジメルカプトトリアジン、1−フェニルアミノ−3,5−ジメルカプトトリアジンなどのトリアジン系加硫剤、キノキサリン−2,3−ジチオカーボネート、6−メチルキノキサリン−2,3−ジチオカーボネート、5,6−ジメチルキノキサリン−2,3−ジチオカーボネートなどの2,3−ジメルカプトキノキサリン誘導体系加硫剤、ピラジン−2,3−ジチオカーボネート、5−メチル−2,3−ジメルカプトピラジン、5,6−ジメチル−2,3−ジメルカプトピラジン、5−メチルピラジン−2,3−ジチオカーボネートなどの2,3−ジメルカプトピラジン誘導体系加硫剤、ビスフェノールA、ビスフェノールAF、ビスフェノールSなどのビスフェノール系架橋剤などを挙げることができる。加硫剤(架橋剤)の配合量は、ポリエーテル系ゴムの100重量部に対して0.1〜10重量部、好ましくは0.3〜5重量部である。この範囲未満の配合量では加硫(架橋)が不十分となり、一方この範囲を超えると経済的でない。
通常これらの加硫剤(架橋剤)と共に用いられる公知の促進剤(即ち、加硫促進剤)、遅延剤等を本発明の組成物にもそのまま用いることができる。これらの加硫促進剤の例としては、硫黄、チウラムスフィド類、モルホリンスルフィド類、アミン類、アミンの弱酸塩類、塩基性シリカ、四級アンモニウム塩類、四級ホスホニウム塩類、多官能ビニル化合物、メルカプトベンゾチアゾール類、スルフェンアミド類、ジメチオカーバメート類等を挙げることができる。
遅延剤としてはN−(シクロヘキシルチオ)フタルイミド、有機亜鉛化合物、酸性シリカ、スルホンアミド化合物等を挙げることができる。促進剤または遅延剤の配合量は、ポリエーテル系ゴムの100重量部に対して0〜10重量部、例えば0.1〜5重量部である。
なお、ハロゲンを含有するポリエーテル系ゴムにおいては、上記加硫剤(架橋剤)と受酸剤を組み合わせることは好ましく、この場合用いられる受酸剤としては、例えば酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、水酸化バリウム、炭酸ナトリウム、炭酸マグネシウム、炭酸バリウム、生石灰、消石灰、炭酸カルシウム、ケイ酸カルシウム、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸カリウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、フタル酸カルシウム、亜リン酸カルシウム、亜鉛華、酸化錫、ステアリン酸錫、塩基性亜リン酸錫、塩基性シリカ、ゼオライト類、アルミノホスフェート型モレキュラーシーブ、層状ケイ酸塩、合成ハイドロタルサイト、Li−Al系包接化合物などを挙げることができる。受酸剤の配合量は、ポリエーテル系ゴムの100重量部に対して0〜30重量部、例えば0.1〜10重量部である。
本発明の加硫用ゴム組成物は、これに合成ゴム用として公知の老化防止剤を併用することにより、加硫後の耐熱性をさらに向上させることができる。公知の老化防止剤の例としては、例えば、2,2,4−トリメチル−1,2−ジヒドロキノリン重合体、6−エトキシ−1,2−ジヒドロ−2,2,4−トリメチルキノリン、フェニル−1−ナフチルアミン、アルキル化ジフェニルアミン、4−4’−ビス(α,α−ジメチルベンジル)ジフェニルアミン、N,N’−ジ−2−ナフチル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジフェニル−p−フェニレンジアミン、N−フェニル−N’−(1,3−ジメチルブチル)−p−フェニレンジアミン、スチレン化ジフェニルアミンなどのアミン系老化防止剤、ヒドロキノン、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、スチレン化フェノール、4,4’−チオビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、ペンタエリスリトール−テトラキス{3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート}、n−オクタデシル−3−(4’−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルフェニル)プロピオネート、4,4’−ブチリデンビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2−ヒドロキシナフタレン−3−カーボイル−2’−メチルアニリド、2−t−ブチル−6−(3’−t−ブチル−5’−メチル−2’−ヒドロキシベンジル)−4−メチルフェニルアクリレートなどのフェノール系老化防止剤、2−メルカプトベンズイミダゾール、2−メルカプトメチルベンズイミダゾール、2−メルカプトベンズイミダゾールの亜鉛塩などのベンズイミダゾール系老化防止剤、トリブチルチオ尿素、1,3−ビス(ジメチルアミノプロピル)−2−チオ尿素などのチオウレア系老化防止剤、トリス(ノニルフェニル)ホスファイト、トリフェニルホスファイトなどの亜リン酸エステル系老化防止剤、ジラウリルチオジプロピオネート、ジステアリルチオジプロピオネートなどの有機チオ酸系老化防止剤、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケートなどのヒンダードアミン系安定剤、などを挙げることができ、これら老化防止剤2種以上の併用も可能である。
本発明の加硫用ゴム組成物には、当該技術分野で通常用いられている上記以外の配合剤、例えば、滑剤、充填剤、補強剤、可塑剤、加工助剤、難燃剤、発泡剤、発泡助剤、導電剤、帯電防止剤、顔料、粘着付与剤などを必要に応じて任意に配合できる。さらに、当該技術分野で通常行われている、樹脂等のブレンドを行うことも可能である。
本発明による加硫用ゴム組成物を用いてゴム製品を製造するには、従来ポリマー加工の分野において用いられている任意の混合手段、例えばミキシングロール、バンバリーミキサー、各種ニーダー類等を用いてポリエーテル系ゴムに老化防止剤、加硫剤他の配合剤を混合して加硫用ゴム組成物を作成し、これを加硫することにより得ることができる。加硫に要する温度、および時間はポリエーテル系ゴムの種類、加硫剤の種類などにより適宜設定されるが、通常は温度100〜250℃、時間0.5〜300分の範囲内にある。加硫成型の方法としては、金型による圧縮成型、射出成型、スチーム缶、エアーバス、赤外線或いはマイクロウェーブによる加熱等任意の方法を用いることができる。
以下、本発明を実施例、比較例により具体的に説明する。但し、本発明はその要旨を逸脱しない限り以下の実施例に限定されるものではない。
(実施例1、比較例1、2)
下記表1に示す配合で各材料をニーダーおよびオープンロールで混練し、未加硫ゴムシートを作製した。得られた未加硫ゴムシートを170℃で15分プレス加硫し、2mm厚の一次加硫物を得た。さらにこれをエア・オーブンで150℃で2時間加熱し、二次加硫物を得た。得られた二次加硫物を用い、引張試験(常態物性)、耐熱性および耐オゾン性の評価を行った。各評価試験はそれぞれJIS K 6251、JIS K 6257、JIS K 6259に記載の方法に準じて行った。
各試験方法より得られた実施例および比較例の試験結果を表2に示す。各表中、M100はJIS K6251の引張試験試験に定める100%伸び時の引張応力、M300はJIS K6251の引張試験に定める300%伸び時の引張応力、TbはJIS K6251の引張試験に定める引張強さ、EbはJIS K6251の引張試験に定める伸び、HsはJIS K6253の硬さ試験に定める硬さをそれぞれ意味する。対オゾン性試験における記号はJIS K 6259の亀裂の状態を意味する。
N-C:亀裂なし
A-1:肉眼では見えないが10倍の拡大鏡で確認できる亀裂が少数ある
B-1:肉眼では見えないが10倍の拡大鏡で確認できる亀裂が多数ある
C-2:肉眼で確認できる亀裂が無数にある
Figure 0004389687
Figure 0004389687
本発明において、耐熱性が良好であるとは、耐熱試験後の引張強さTbが大きいことを言う。 表1、2より、エピハロヒドリン系ゴムにおいて、(b)下記一般式(1)で表されるアルキルジチオリン酸とモリブデンの塩からなる化合物を含有する実施例1は老化防止剤を何も含有しない比較例1、及び一般的な老化防止剤であるジフェニルアミン/α-メチル-スチレン混合物を含有する比較例2に比べて耐熱性、耐オゾン性が良好で特に耐オゾン性が改良されていることが判る。
Figure 0004389687
(R1、R2、R3、R4は同一または異なって、アルキル基またはアラルキル基を表す)
本発明の加硫用ゴム組成物は以上のように構成されており、その加硫物は優れた耐熱性、耐オゾン性を併せ持っている。従って、通常合成ゴムが使用されている分野に広く応用することができる。例えば、自動車用などの各種燃料系積層ホース、エアー系積層ホース、チューブ、ベルト、ダイヤフラム、シール類等ゴム材料や、一般産業用機器・装置等のゴム材料として有用である。なかでも本発明による加硫用ゴム組成物を加硫した加硫ゴムの優れた耐熱性、耐オゾン性などを活かして、特に自動車用ゴム部品への応用が期待される。
また、本発明の加硫用ゴム組成物は、人体への影響が懸念される有機ニッケル化合物を用いていないので、ゴム製品製造者、およびゴム製品使用者の健康被害を抑止できるという利点もある。

Claims (5)

  1. (a)ポリエーテル系ゴム、(b)下記一般式(1)で表されるアルキルジチオリン酸とモリブデンの塩からなる化合物、(c)加硫剤を含有することを特徴とする加硫用ゴム組成物。
    Figure 0004389687
    (R1、R2、R3、R4は同一または異なって、アルキル基またはアラルキル基を表す)
  2. (a)ポリエーテル系ゴムがエピハロヒドリン系ゴムである請求項1に記載の加硫用ゴム組成物。
  3. (c)加硫剤が2,3−ジメルカプトキノキサリン誘導体系加硫剤である請求項1または2に記載の加硫用ゴム組成物。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の加硫用ゴム組成物を加硫してなる加硫ゴム材料。
  5. 請求項4に記載の加硫ゴム材料を用いた自動車用部品。
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