JP5232990B2 - Akt遺伝子に特異的なsiRNA - Google Patents
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Elbashir SMら、「Duplexes of 21−nucleotide RNAs mediate RNA interference in cultured mammalian cells.」 Nature 411 (6836): 494−498, 2001. Reynolds Aら、「Rational siRNA design for RNA interference.」 Nat Biotechnol 22 (3): 326−330, 2004. Jackson ALら、「Expression profiling reveals off−target gene regulation by RNAi.」 Nat Biotechnol 21 (6): 635−637, 2003. Vivanco Iら、「The phosphatidylinositol 3−kinase−Akt pathway in human cancer.」 Nat Rev Cancer 2 (7): 489−501, 2002.
。例えば、下記表1AのsiRNAは、Akt1遺伝子の発現に対してのみRNAi効果
を発揮し、Akt2及びAkt3遺伝子の発現には影響を及ぼさない。下記表1B及びCに記載のsiRNAも同様に、それぞれ、Akt2及びAkt3遺伝子の発現に対してのみRNAi効果を発揮する。
前記5種類の21塩基オーバーハング二本鎖siRNA(A6、A22、A33、A56及びA58)は、配列表の配列番号1〜5の19塩基の配列及びその相補配列それぞれの3’末端にTT配列からなる2塩基オーバーハング部分を加えたRNA鎖を、定法により化学合成し、それらを対合させて調製した。また、前記3種類の27塩基ブラントエンド二本鎖siRNAは、配列表の配列番号6〜8の配列及びその相補配列のRNA鎖を定法により化学合成し、それらを対合させて調製した。以下のRNAi効果及び細胞増殖抑制効果の確認に際しては、適宜、HPLC等で精製したものを使用した。
RNAi効果の確認には、ヒト口腔扁平上皮癌由来細胞株SASに、緑色蛍光タンパク質(GFP)遺伝子を導入して分離したGFP安定発現株GFP−SAS細胞を用いた。前記細胞の培養には、10%ウシ胎児血清(FBS;Biosource International社製)、100μg/mlストレプトマイシン、100U/mlペニシリン、0.25mg/mlアンホテリシンB(Invitrogen社製)を含むダルベッコ改変イーグル培地(DMEM;Sigma−Aldrich社製)を増殖培養液として用い、空気中に5%の割合で炭酸ガスを含む培養器内で、37℃で行った。
60mm径プラスチックペトリ皿(商標:Falcon、BD Biosciences社製)に、8×105個の前記GFP−SAS細胞を植え込み、24時間培養後opti−MEM(Invitrogen社製)にて2回洗浄し、1nMの合成二本鎖siRNAを含むLipofectamine2000(Invitrogen社製)溶液を加えた。5時間後10%FBSを含むDMEMに培地交換した。
上述のとおり、合成二本鎖siRNAを導入後48時間培養した後に、細胞をCelLytic M Cell Lysis Reagent(Sigma−Aldrich社製)を用いて可溶化した。前記可溶化試料を、SDS−PAGE(ドデシル硫酸ナトリウムポリアクリルアミド電気泳動)にて展開し、Mini−PROTEANII(Bio−Rad社製)を用いて、2時間PDVF(polyvinylidene difuoeide)膜(Millipore社製)に転写した。転写後は、5%スキムミルク(和光純薬社製)を含むT−TBS(25mM Tris−HCl、125mM NaCl、0.1% Tween20;Sigma−Aldrich社製)にて4℃、1晩ブロッキングした。さらに、一次抗体をブロッキング溶液にて希釈し、室温にて1時間反応させ、前記T−TBS溶液にて3回洗浄後、二次抗体を同様に1時間反応させた。ECLplusキット(Amersham Biosciences社製)にて発色させた後、LAS3000(富士フィルム社製)を用いてデジタル画像化した。
前記GFP−SAS細胞に前記合成二本鎖siRNAを導入した細胞を、6ウェルマイクロプレート(商標:Falcon、BD Biosciences社製)に5×104個植え込み、4日間培養した後、0.05%トリプシン−0.53mM EDTA(Invitrogen社製)にて細胞を回収し、Z1 Coulter Counter(Beckman Coulter社製)を用いて細胞数を計測した。
前記8種類の合成二本鎖siRNAを前記培養ヒト口腔扁平上皮癌細胞株GFP−SASに導入し、上述のとおり、RNAi効果をAkt1タンパク質の発現レベルで評価した。その結果、前記8種類の全ての合成二本鎖siRNAが、1nMの濃度で標的遺伝子Akt1の発現を有意に抑制することが確認された。その結果の一例を図1に示す。同図において、上段が、Akt1タンパク質に対するウエスタンブロッティングの結果を示し、下段が、内部対照マーカーであるβ−チューブリンに対するウエスタンブロッティングの結果を示す。また、同図において、一番左のレーンは、GFP遺伝子に対する合成二本鎖siRNA(21塩基オーバーハング)を導入した場合のコントロールである。同図に示すとおり、前記8種類の中でも、A58、A1392、及びA2239の3種類の合成二本鎖siRNAは、80%以上の顕著なRNAi効果を示した。
前記8種類の合成二本鎖siRNAを前記培養ヒト口腔扁平上皮癌細胞株GFP−SASに導入し、上述のとおり、細胞増殖抑制効果を評価した。その結果、前記8種類の全ての合成二本鎖siRNAが、1nMの濃度で前記口腔癌細胞の増殖を有意に抑制することが確認された。その結果の一例を図2に示す。同図において、左3レーンは、左から、それぞれ、siRNAを導入しなかった場合、GFPを標的とした21塩基オーバーハングsiRNAを導入した場合、及び、GFPを標的とした27塩基ブラントエンドsiRNAを導入した場合のコントロールである。また、同図において、縦軸は、前記siRNAを導入しなかった場合の細胞数を1とした場合の相対的な細胞数を示す。同図に示すとおり、前記8種類の中でも、A56、A58、及びA1392の3種類の合成二本鎖siRNAは、70%以上の顕著な口腔癌細胞の増殖抑制効果を示した。
10種類の口腔癌細胞株におけるAkt1タンパク質を、ウェスタンブロットにより検出した。その結果の一例を図3に示す。前記ウェスタンブロットは、定法により行った。同図において、第1レーンは、不死化ヒト角化上皮細胞を使用した非口腔癌細胞のコントロールであり、第2〜11レーンは、培養ヒト口腔扁平上皮癌細胞株由来の試料である。同図に示すとおり、Akt1タンパク質は、口腔癌細胞にのみ共通して発現していた。
抗Akt1タンパク質抗体を用いて、63症例の口腔扁平上皮癌組織について定法により免疫組織化学染色し、前記口腔癌組織におけるAkt1の陽性率を確認した。前記免疫化学染色の一例を図4に示す。同図において左図は、正常口腔粘膜を使用したコントロールである。前記口腔癌組織におけるAkt1陽性率の結果を下記表2に示す。同表のとおり、免疫組織化学染色によるAkt1の陽性率は90%を超えており、本発明の口腔癌の腫瘍マーカーは、極めて有用であることが確認された。
れた。
とが示された。
した。
本発明のAkt1、Akt2、及び、Akt3を標的としたsiRNAのうち少なくとも2種類を併用すると、それぞれ単独で使用する場合よりも効率的に前立腺癌の細胞増殖を抑制できることを確認した。Akt1を標的としたsiRNAとして上記表1AのA2239のsiRNAを使用し、Akt2を標的としたsiRNAとして上記表1BのB477のsiRNAを使用し、Akt3を標的としたsiRNAとして上記表1CのC1321のsiRNAを使用した場合の結果の一例を図16に示す。同図の結果ではAkt2を標的としたsiRNAが著しい細胞増殖抑制効果を示すが、例えば、これとともにAkt1及び/又はAkt3を標的としたsiRNAを用いれば、単独で得られる効果よりも一層優れた細胞増殖抑制効果が得られることが確認された。
配列番号2 オーバーハングsiRNA A22
配列番号3 オーバーハングsiRNA A33
配列番号4 オーバーハングsiRNA A56
配列番号5 オーバーハングsiRNA A58
配列番号6 ブラントエンドsiRNA A1392
配列番号7 ブラントエンドsiRNA A2224
配列番号8 ブラントエンドsiRNA A2239
配列番号10 オーバーハングsiRNA B36
配列番号11 オーバーハングsiRNA B172
配列番号12 オーバーハングsiRNA B395
配列番号13 オーバーハングsiRNA B431
配列番号14 オーバーハングsiRNA B477
配列番号15 ブラントエンドsiRNA B33
配列番号16 ブラントエンドsiRNA B390
配列番号17 ブラントエンドsiRNA B475
配列番号19 オーバーハングsiRNA C169
配列番号20 オーバーハングsiRNA C498
配列番号21 オーバーハングsiRNA C941
配列番号22 オーバーハングsiRNA C1229
配列番号23 オーバーハングsiRNA C1321
配列番号24 ブラントエンドsiRNA C166
配列番号25 ブラントエンドsiRNA C496
配列番号26 ブラントエンドsiRNA C1224
Claims (6)
- Akt1、Akt2及びAkt3遺伝子のいずれかを特異的に標的とする二本鎖siRNAであって、
19塩基対と2塩基の3’末端オーバーハングとからなる21塩基の二本鎖siRNA、又は、27塩基対からなるブラントエンドの二本鎖siRNAであり、
前記19塩基対の配列が、配列表の配列番号1から5、10から14、19から23のいずれかであり、
前記27塩基対の配列が、配列表の配列番号6から8、15から17、24から26のいずれかであり、
Akt1遺伝子を特異的に標的とする二本鎖siRNAは、
前記19塩基対の配列が、配列表の配列番号1から5のいずれかであり、
前記27塩基対の配列が、配列表の配列番号6から8のいずれかであり、
Akt2遺伝子を特異的に標的とする二本鎖siRNAは、
前記19塩基対の配列が、配列表の配列番号10から14のいずれかであり、
前記27塩基対の配列が、配列表の配列番号15から17のいずれかであり、
Akt3遺伝子を特異的に標的とする二本鎖siRNAは、
前記19塩基対の配列が、配列表の配列番号19から23のいずれかであり、
前記27塩基対の配列が、配列表の配列番号24から26のいずれかである、
二本鎖siRNA。 - 前記3’末端オーバーハング部分の2塩基の配列が、TTである請求項1記載の二本鎖siRNA。
- Akt遺伝子特異的阻害剤であって、請求項1又は2に記載の二本鎖siRNAを含み、RNA干渉によりAkt1、Akt2及びAkt3遺伝子のいずれかの発現を特異的に阻害するAkt遺伝子特異的阻害剤。
- 癌治療用の医薬組成物であって、請求項1又は2に記載の二本鎖siRNAの少なくとも1つを含む医薬組成物。
- さらに、アテロコラーゲンを含む請求項4記載の医薬組成物。
- 前記癌が、口腔癌又は前立腺癌である請求項4又は5に記載の医薬組成物。
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