JP5232626B2 - 出没式筆記具 - Google Patents

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Description

本発明は、押子を進退させる操作により、ボールペンチップやシャープペンシル先端部等の筆記先端部を軸筒の先端から出没させるようにした出没式筆記具に関するものである。
従来、この種の発明には、例えば特許文献1に記載された発明のように、付勢部材(スプリング71)により後方へ付勢されている押子(30)が前方へスライド操作されることで、筆記先端部(チップ22)を突出状態にし、同押子(30)を前記付勢部材(スプリング71)の付勢力によって後方へスライドさせることで、前記筆記先端部(チップ22)を没入状態にするようにした多色の出没式筆記具がある。
このような出没式筆記具によれば、後方へ付勢されている押子(30)を、所定量スライドさせる構造であるため、後方へスライドした押子(30)が、所定の被当接部に当接した際に、当接音を発生する。なお、前記被当接部は、特許文献1には説明が省略されているが、一般的な多色出没式筆記具の構造によれば、各押子(30)における操作突部(32)の前端側部分を当接させるように、軸筒の内面に形成されていた。
上記のような押子による当接音は、使用者自身が作動状態(筆記先端部の出没状態)を聴覚的に確認できるという有用性があり、必ずしも不快なものではない。しかしながら、従来の多色筆記具の作動音は、比較的周波数の高い高音である場合が多く、耳障りに感じられてしまうことが多々あるのが現状である。
特開2003−63186号公報
本発明は上記従来事情に鑑みてなされたものであり、その課題とする処は、押子が後退した際の作動音を、耳障りに感じることの少ない重厚な音質にすることができる出没式筆記具を提供することにある。
上記課題を解決するために本発明に係る技術的手段は、合成樹脂製の押子が前方へスライド操作されることで筆記部を軸筒前端から突出し、同押子を付勢部材の付勢力によって後方へスライドさせることで前記筆記部を軸筒内へ没入するようにした出没式筆記具において、軸筒の後端部には、後方へスライドした際の前記押子を当接させるように、開口部を前方へ向けるとともに底部を後方へ向けた有底筒状の被当接部材が設けられ、この被当接部材は、少なくとも前記押子により当接される部分が金属材料によって形成され、軸筒後端部に対し前後方向へ不動であって、且つ軸筒後端部を密閉するようにして固定されていることを特徴とする。
更なる技術的手段では、前記被当接部材は、その周壁部分の略全域が金属材料によって形成されていることを特徴とする。
更なる技術的手段では、前記被当接部材は、前記押子に当接されるように軸筒後端側に環状に装着された環状部材と、該環状部材を後方から押圧するようにして軸筒後端側に螺合された有底筒状部とを具備してなることを特徴とする。
更なる技術的手段では、前記金属材料が真鍮材であることを特徴とする。
更なる技術的手段では、前記押子の後端側に後方向きの突起を設け、この突起の突端を前記被当接部材に当接するようにしたことを特徴とする。
本発明は、以上説明したように構成されているので、以下に記載されるような作用効果を奏する。
押子が付勢部材の付勢力によって後方へスライドし被当接部材に当接した際、この当接音を、耳障りに感じることの少ない重厚な音質とすることができる。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
この出没式筆記具Aは、先端口11からボールペン用リフィール21の筆記部21aやシャープペンシル用リフィール22の筆記部22aを出没させる軸筒10と、この軸筒10の後端側に配設された複数の押子30及び開閉操作機能付クリップ40と、後方へスライドした際の押子30又は開閉操作機能付クリップ40のクリップ支持体41を当接させるための被当接部材60とを備え、選択された一つの押子30または開閉操作機能付クリップ40を、軸方向へのスライド操作により、前進位置と後退位置との間で移動させる。
なお、上記前進位置とは、押子30又は開閉操作機能付クリップ40が、軸方向への前進スライドにより筆記部21a(又は22a)を先端口11から突出させて、軸筒10内に係止された状態である。
また、上記後退位置とは、押子30又は開閉操作機能付クリップ40が、軸方向への後退スライドにより筆記部21a(又は22a)を先端口11内へ没入させるとともに、押子30の後端部または開閉操作機能付クリップ40におけるクリップ支持体41の後端部を、後述する被当接部材60に当接させて静止した状態である。
軸筒10は、当該出没式筆記具Aの略全長にわたる長尺筒状の部材であり、前端側を先細状に形成するとともにその最前端部に筆記部21a(又は22a)を出没させる先端口11を有する。また、この軸筒10の後端側周壁には、押子30及び開閉操作機能付クリップ40を軸方向へ案内する案内孔12,13を複数形成している。なお、この軸筒10は、一体の筒状部材から構成してもよいし、複数の筒状部材を連結した構成であってもよい。
図示例によれば、案内孔12は、ボールペン用リフィール21に対応する押子30を進退可能に係合させるための孔であり、案内孔13は開閉操作機能付クリップ40を進退可能に係合させるための孔である。これら案内孔12,13の各々は、軸方向へ延びる平面視略長尺矩形状に形成されている。
また、軸筒10の内周面には、案内孔12又は13の近傍に位置して、押子30、又は開閉操作機能付クリップ40のクリップ支持体41を係合させるための係止部14が形成されている。
各係止部14は、押子30又は開閉操作機能付クリップ40が前進位置にて軸筒軸心方向へ沈み込んだ際、この押子30又はクリップ支持体41の後端部を係止させるように、軸筒10の内周面に段部状に形成されている。この係止部14は、案内孔12又は13を間に挟むようにして一対に配設されている。
また、ボールペン用リフィール21は、インクを充填したインクタンク21bと、該インクタンク21bの前端部に接続された筆記部21a(ボールペンチップ)とを備え、筆記部21a内の転写ボールの転動によりインクタンク21b内のインクを吐出するように構成してある。
なお、図示を省略しているが、このボールペン用リフィール21は、例えば黒色や赤色、青色等、異なるインク色のものが複数用いられる。そして、これら複数のボールペン用リフィール21は、軸筒10後端側に断面放射状に配設される。
また、シャープペンシル用リフィール22は、その前端部に筆記部21aを備え、後端部を、開閉操作機能付クリップ40のクリップ支持体41に接続している。
このシャープペンシル用リフィール22は、開閉操作機能付クリップ40が前進位置にてノック操作された際に、筆記部21aから鉛芯を繰り出すように構成してある。
上記ボールペン用リフィール21とシャープペンシル用リフィール22は、それぞれ付勢部材51aと付勢部材51bによって後方へ付勢されている。
付勢部材51aは、ボールペン用リフィール21を後方へ弾発するコイルスプリングであり、図4(a)に示すように、その伸縮方向の両端側に端部座巻部51a1,51a1を有するとともに、これら端部座巻部51a1,51a1間の略中央に中間座巻部51a2を有する。
前記座巻部51a1,51a1,51a2の各々は、付勢部材51aを構成する巻き線部分を、数巻き(例えば2〜8巻き)程度、前後に略密着させた部分である。
また、付勢部材51bは、シャープペンシル用リフィール22を後方へ弾発するコイルスプリングであり、前記したボールペン用リフィール21用の付勢部材51aから中間座巻部51a2を省いた形状を呈し、その伸縮方向の両端側に端部座巻部51b1,51b1を有する(図4(b)参照)。この付勢部材51bは、ボールペン用リフィール21用の前記付勢部材51aよりも、弾発力(具体的にはセット荷重)が強く設定されている。
すなわち、押子30よりも開閉操作機能付クリップ40の重量が大きいため、前記のようにシャープペンシル用リフィール22の付勢部材51bの弾発力を強めに設定して、押子30と開閉操作機能付クリップ40との作動性のバランスを良好にしている。
また、各ボールペン用リフィール21の後端に接続された押子30は、軸筒10に対し進退可能に設けられる押子本体31と、筆記部21aの筆記色に対応する色を有する色識別部32とを具備してなる。
押子本体31は、案内孔12に係合して進退し、前進位置で軸筒求心方向へ沈み込んで、軸筒10内周面における案内孔12両側の係止部14,14に係止され、その係止状態が他の押子30(又はクリップ支持体41)との干渉により解除されるように形成される。
この押子本体31の材質は、合成樹脂材料であればよく、本実施の形態の好ましい一例によれば、ポリアセタール(POM)が用いられている。
この押子本体31の後端側には、軸筒10外へ露出するように隆起した操作部31aが設けられる。更に、この押子本体31の最後端部には、後述する被当接部材60に当接されるように、後方向きの突起31bが設けられる。
この突起31bは、押子30後端側の他の部分に比して著しく断面積が縮小された突起であり、被当接部材60に当接した際の当接面積が小さくなるようにしている。
なお、この突起31bの先端を角状に形成し、前記当接面積を更に小さくすることも可能であるが、本実施の形態の好ましい一例によれば、その突端面の比較的面積の小さな平坦面31b1(図2参照)とすることで、この突起31bが経たりや磨耗等により変形してしまうのを防いでいる。
また、開閉操作機能付クリップ40は、前述した押子30と同様にして進退する押子の一種である。
詳細に説明すれば、この開閉操作機能付クリップ40は、前記押子30と略同様に軸筒10に対し進退するように設けられたクリップ支持体41と、該クリップ支持体41に対し揺動可能に支持された中間支持部材42と、該中間支持部材42における揺動支点部よりも後方側を軸筒遠心方向へ付勢する付勢部材43(図示例によればコイルスプリング)と、中間支持部材42に対し一体的に嵌合された金属製のクリップ部44とを具備し、クリップ部44の後端部が軸筒求心方向へ押圧された際に、クリップ部44の前端側を軸筒10外周面から離間させ、その押圧力が解除された際には、前記付勢部材43の付勢力によって元の状態(図1に示す状態)に復帰するようになっている。
クリップ支持体41の材質は、押子本体31同様に合成樹脂材料であればよく、本実施の形態の一例によれば、ポリアセタール(POM)が用いられている。
クリップ支持体41の最後端部には、上記押子30における突起31bと略同様に、他の部分に比して著しく断面積が縮小された突起41aを有する。
なお、前述した押子本体31は、後退位置で後方向きに当接される箇所が前記突起31bのみとなるように形成されている。同様にクリップ支持体41も、後退位置で後方向きに当接される箇所が突起41aのみとなるように形成されている。
また、被当接部材60は、後方へスライドした際の前記押子30(又は開閉操作機能付クリップ40)を当接させるように、開口部を前方へ向けるとともに底部を後方へ向けた有底筒状に形成され、前記押子30(又は開閉操作機能付クリップ40)により当接される部分が金属材料によって形成され、軸筒10後端部に対し前後方向へ不動であって、且つ軸筒10後端部を密閉するように固定されている
詳細に説明すれば、この被当接部材60は、前記押子30(又はクリップ支持体41)に当接されるように軸筒10後端側に環状に装着された環状部材61と、該環状部材61を後方から押圧するようにして軸筒後端側に螺合された有底筒状部62とを具備してなり、更に前記有底筒状部62を、筒部62aと底部62bとから構成している(図2及び3参照)。
環状部材61は、金属材料を環状に加工してなり、本実施の形態の好ましい一例によれば、比重8.5の真鍮材料が用いられる。
この環状部材61は、軸筒10後端側の段状部分に環状に装着され、後述する有底筒状部62の筒部62aに押圧されることで、前後方向および周方向へ不動となるように固定される。
筒部62aは、前記環状部材61と同材質の金属材料を、後方へ向かって若干外径が縮径した略筒状に加工され、その内周面には、前後方向の略全長へわたるように雌螺子部62a1が形成される。そして、この雌螺子部62a1の前端側は軸筒10の後端部に螺合され、同雌螺子部62a1の後端部に対し後述する底部62bが螺合されるようになっている。
底部62bは、筒部62aの後端部を密閉する円形蓋状に形成され、前部側外周面に形成された雄螺子部62b1を、筒部62a後端側内周面に螺合させることで、筒部62aの後端部を密閉する。
この底部62bは、本実施の形態の好ましい一例によれば、合成樹脂材料(詳細にはメタクリル酸メチル樹脂(略称PMMA))としているが、上記環状部材61や筒部62a同様の真鍮材とすることも可能である。
また、底部62bの他例としては、圧入や嵌合によって筒部62aの後端部に接続される構成であってもよい。
また、軸筒10の後端側であって、且つ被当接部材60の内部側に位置する箇所には、略円柱状の消しゴム53が装着されている。この消しゴム53は、金属製の筒状スペーサ54を介して、軸筒10の後端開口部に嵌め合わせられている。
また、図中符号52はボールペン用リフィール21及びシャープペンシル用リフィール22を貫挿させて支持する貫挿支持部材である。
次に、上記構成の出没式筆記具Aについて、その特徴的な作用効果を詳細に説明する。
押子30(又は開閉操作機能付クリップ40)は、前方へスライド操作されると上記前進位置で係止部14に係止され、軸筒10前端から筆記部21a(又は22a)を突出した状態を維持する。
この係止状態は、前記押子30(又は開閉操作機能付クリップ40)が、前方へスライド操作された他の押子30(又は開閉操作機能付クリップ40)に干渉されることで、解除される。
係止状態が解除された押子30(又は開閉操作機能付クリップ40)は、付勢部材51の付勢力によって後方へスライドし、その最後端部の突起31b(又は41a)を、被当接部材60における環状部材61の前端面に当接させる。
この際の当接音は、耳障りに感じることの少ない重厚な低音、詳細には比較的周波数の低い音質となる。
この音質は、その当接する部材が合成樹脂材料で且つ比較的断面積の小さい突起31b(41a)と真鍮材である環状部材61であることに起因している。
更に、本実施の形態の好ましい一例では、被当接部材60が後方へ底部を向けた筒状であって且つ軸筒10の後端部を密閉していることにより、その密閉空間に前記当接音が閉じ込めるようにして、その音質をより重厚感のあるものにしている。
更に、本実施の形態の好ましい一例によれば、弾性体である消しゴム53が、前記当接音及び当接時の振動を緩和する作用効果も奏している。
更に、本実施の形態の好ましい一例によれば、ボールペン用リフィール21の付勢部材51aに中間座巻部51a2を有するため、中間座巻部51a2の振幅により、押子30が被当接部材60に当接した際の音を、比較的低音で若干余韻の残る重厚な音とすることができる。
なお、図示例によれば、シャープペンシル用リフィール22側の付勢部材51bは、中間座巻部のないスプリングとしているが、このシャープペンシル用リフィール22側においても、前記付勢部材51aと同様の作用を得るために中間座巻部を設けてもよい。
また、図示例によれば、環状部材61と筒部62aと底部62bを別体に構成しているが、他例としては、環状部材61と筒部62a、あるいは筒部62aと底部62bとを同一の真鍮材料により一体に構成することも可能である。更に、環状部材61、筒部62a、底部62bの三つの部材を、同一の真鍮材料により一体に構成することも可能である。
また、上記実施の形態によれば、環状部材61及び筒部62aは、その全面に上記当接音に影響しない程度の厚みの塗装を施しているが、他例としては、押子30との当接面のみ前記塗装を省いて金属材料面を露出させたり、あるいは全面の塗装を省いて金属材料面を露出させるようにしてもよい。更に他例としては、前記塗装に適度な制振作用のある塗料を用いることで、上記当接音を一層好ましい音質にすることも可能である。
また、上記実施の形態によれば、特に好ましい一例として被当接部材60の周壁部分の略全域を金属材料によって形成したが、他例としては、環状部材61のみを金属材料によって形成した態様や、環状部材61における当接面側の部分のみを金属材料によって形成した態様等とすることも可能である。
また、上記実施の形態によれば、押子30後端の突起31bを被当接部材60に対し当接可能にするとともに、クリップ支持体41後端の突起41aも被当接部材60に対し当接可能な構成としたが、他例としては、図5に示す出没式筆記具Bのように、押子30後端の突起31bのみを被当接部材60に対し当接させるようにしてもよい。
より詳細に説明すれば、出没式筆記具Bにおける開閉操作機能付クリップ40’のクリップ支持体41’は、上述したクリップ支持体41から突起41aを省くとともに、後端側の凹部41bを軸筒10内後端側の凸部15(合成樹脂部分)に当接させるようにしている。
すなわち、開閉操作機能付クリップ40’の場合は、押子30よりも重量が大きく且つ金属製のクリップ部44を具備した構成であるため、金属製の被当接部材60に当接させる構造としなくても比較的重厚感のある当接音を得ることができる。
次に、上記構成の出没式筆記具について、押子30の後退音を測定した実験の結果について説明する。
(実施例)
この実験に用いた実施例は、上記構成の出没式筆記具Bである。
この出没式筆記具Bにおいて、押子30を後方へ付勢する付勢部材51aは、例えば図4(a)に示すもののように、中間座巻部51a2を有するコイルスプリングである。筆記部21aが没入状態にある際に、前記コイルスプリング(付勢部材51a)のセット荷重は、約8.9gである。
(比較例)
この実験に用いた比較例は、図9に示すように、合成樹脂製の押子130の前端側部分を、合成樹脂製の軸筒110の周壁に当接するように構成してある。図9中の符号xで示す箇所が、押子130と軸筒110の当接箇所である。なお、押子130の後端側には当接箇所がない。
この比較例において押子130を後方へ付勢する付勢部材151aは、例えば図4(a)に示すもののように、中間座巻部を有するコイルスプリングである。筆記部21aが没入状態にある際に、前記コイルスプリング(付勢部材151a)のセット荷重は、約24gである。
(実験方法)
前進位置にある押子30(又は130)の係止状態を、開閉操作機能付クリップ40のノック操作(シャープペンシルを突出させる操作)により解除し、その解除操作の直前から押子30(又は130)が後退した直後までの間、音圧レベルの変化波形を記録する。被試験品(実施例又は比較例)とマイクの距離は30cmとした(図6参照)。
マイク、測定器、及び実験場所等は、以下の通りである。
マイク:ブリュエル・ケアー社製Type4190
プリアンプ:ブリュエル・ケアー社製Type2669
音響分析装置:ブリュエル・ケアー社製Type3560B
実験場所:無響室内
(実験結果)
実施例(本願発明品)については、図7に示す音圧レベルの波形が得られた。この波形において、比較的大きな最初の山p1は、開閉操作機能付クリップ40の前方へのスライドにより生じた音と考えられる。
比較的大きな2番目の山p2は、押子30の後端が被当接部材60に当接した際の音と考えられる。
比較的大きな3番目以降の山p2〜p7は、被当接部材60に当接した押子30が跳ね返って再度当接した際の音と考えられ、複数回繰り返されたものと考えられる。
最初の当接による山p2から最後の当接による山p7までの時間は、20msec以上であった。
聴覚的には、当接音全体が比較的長く余韻のある音として聞こえた。
比較例については、図8に示す音圧レベルの波形が得られた。この波形において、比較的大きな最初の山p1’は、開閉操作機能付クリップ(図示せず)の前方へのスライドにより生じた音と考えられる。
比較的大きな2番目の山p2’は、押子130の前端側が軸筒110の周壁の当接箇所xに当接した際の音と考えられる。
比較的大きな3番目以降の山p3’〜p4’は、当接箇所xにおいて押子30が跳ね返って再度当接した際の音と考えられ、複数回繰り返されたものと考えられる。
最初の当接による山p2’から最後の当接による山p4’までの時間は、20msec以下であり、当接回数が実施例の場合よりも少なかった。
聴覚的には、当接音全体が比較的短かく鋭い音として聞こえた。
実施例の場合、最初の当接による山p2から最後の当接による山p7までの時間が20msec以上と長いため、最初の当接音によりその後の当接音がマスキングされる作用が小さくなる。よって、当接音全体が比較的長く余韻のある音として聞こえたものと考えられる。(前記マスキングについては、例えば「E.ツヴィッカー著,山田由紀子訳,「心理音響学」,西村書店,1992年発行」に説明されている。)
比較例の場合、最初の当接による山p2’から最後の当接による山p4’までの時間が20msec以下と短いため、最初の当接音によりその後の当接音がマスキングされる作用が強くなる。よって、当接音全体が比較的短かく鋭い音として聞こえたものと考えられる。
実施例において、跳ね返り回数が多く、最初の当接による山p2から最後の当接による山p7までの時間が20msec以上と長くなったのは、被当接部材60の環状部材61が比較的硬度の高い金属材料であることに起因するものと考えられる。
なお、上記実験では、実施例と比較例の双方で中間座巻部を有するコイルスプリング(図4(a)参照)を用いたが、仮に、実施例として中間座巻部を有するコイルスプリング(図4(a)参照)を用いるとともに比較例として中間座巻部を有さないコイルスプリング(図4(b)参照)を用いた場合には、前述した最初の当接による山から最後の当接による山までの時間は、中間座巻部を有するコイルスプリングを用いた実施例の方が、一層顕著に長くなるものと予想できる。
本発明に係わる出没式筆記具の一例を示す断面図であり、中間部を省略して示している。 同出没式筆記具の要部拡大断面図である。 被当接部材60の分解斜視図である。 (a)及び(b)にそれぞれ付勢部材の一例を示す正面図である。 本発明に係わる出没式筆記具の他例を示す要部拡大断面図である。 作動音測定試験の状況を示す概略図である。 実施例について、押子が後退した際の作動音の音圧レベルの時間的変化を示すグラフである。 比較例について、押子が後退した際の作動音の音圧レベルの時間的変化を示すグラフである。 比較例の要部正面図である。
符号の説明
10:軸筒 21a,22a:筆記部
30:押子 31b:突起
40:開閉操作機能付クリップ(押子) 41:クリップ支持体
41a:突起 51:付勢部材
60:被当接部材 61:環状部材
62:有底筒状部 A:出没式筆記具

Claims (5)

  1. 合成樹脂製の押子が前方へスライド操作されることで筆記部を軸筒前端から突出し、同押子を付勢部材の付勢力によって後方へスライドさせることで前記筆記部を軸筒内へ没入するようにした出没式筆記具において、
    軸筒の後端部には、後方へスライドした際の前記押子を当接させるように、開口部を前方へ向けるとともに底部を後方へ向けた有底筒状の被当接部材が設けられ、
    この被当接部材は、少なくとも前記押子により当接される部分が金属材料によって形成され、軸筒後端部に対し前後方向へ不動であって、且つ軸筒後端部を密閉するようにして固定されていることを特徴とする出没式筆記具。
  2. 前記被当接部材は、その周壁部分の略全域が金属材料によって形成されていることを特徴とする請求項1記載の出没式筆記具。
  3. 前記被当接部材は、前記押子に当接されるように軸筒後端側に環状に装着された環状部材と、該環状部材を後方から押圧するようにして軸筒後端側に螺合された有底筒状部とを具備してなることを特徴とする請求項1又は2記載の出没式筆記具。
  4. 前記金属材料が真鍮材であることを特徴とする請求項1乃至3何れか1項記載の出没式筆記具。
  5. 前記押子の後端側に後方向きの突起を設け、この突起の突端を前記被当接部材に当接するようにしたことを特徴とする請求項1乃至4何れか1項記載の出没式筆記具。
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