JP5230473B2 - 中空糸膜モジュールの製造方法 - Google Patents
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[1]中空糸膜が開口部を通して集水管に樹脂で固定された中空糸膜モジュールの製造方法であって、前記中空糸膜の先端が入るように凹部を設けた発泡樹脂製の溝部形成治具を前記集水管内に設置する工程と、前記開口部を通して前記凹部に前記中空糸膜の先端を配置し、前記凹部に発泡性樹脂を充填し硬化させる工程と、前記凹部であって前記発泡性樹脂の上部に非発泡性ポッティング樹脂を充填し硬化させる工程と、前記発泡性樹脂の部分で前記中空糸膜を前記溝部形成治具及び前記発泡性樹脂ごと切断する工程と、前記中空糸膜を切断した後、残存した前記溝部形成治具を前記集水管から除去する工程と、を有することを特徴とする中空糸膜モジュールの製造方法。
[2]前記溝部形成治具は、発泡性のフッ素樹脂製の容器であることを特徴とする[1]に記載の中空糸膜モジュールの製造方法。
[3]前記発泡性樹脂は、起泡・硬化後体積(Vb)と、硬化前の体積(V)との比(Vb/V)が、1.1〜10である[1]又は[2]に記載の中空糸膜モジュールの製造方法。
[4]前記溝部形成治具の気泡性状が独立気泡型であることを特徴とする[1]乃至[3]のいずれかに記載の中空糸膜モジュールの製造方法。
[5]前記発泡性樹脂は、発泡剤を含むウレタン樹脂又はエポキシ樹脂であることを特徴とする[1]乃至[4]のいずれかに記載の中空糸膜モジュールの製造方法。
[6]前記非発泡性ポッティング樹脂はウレタン樹脂又はエポキシ樹脂であることを特徴とする[1]乃至[5]のいずれかに記載の中空糸膜モジュールの製造方法。
[7]前記中空糸膜は編織物であることを特徴とする[1]乃至[6]のいずれかに記載の中空糸膜モジュールの製造方法。
[8]前記切断は、前記集水管の側面から切り刃を挿入して、前記発泡性樹脂と共に前記中空糸膜を切断することを特徴とする[1]乃至[7]のいずれかに記載の中空糸膜モジュールの製造方法。
本発明において、集水管に設置する溝部形成治具は発泡樹脂からなる。発泡樹脂製の溝部形成治具を用いることにより、切断工程を容易に行うことができる。この発泡樹脂材料については、発泡性を有する樹脂であれば、特に限定されない。また、溝部形成治具を発泡樹脂で作製することにより、その弾力性のため、集水管内に溝部形成治具を挿入することが容易で、隙間からの樹脂漏れを抑制することができる。
発泡性樹脂は、発泡性を有する熱硬化型樹脂であり、例えば、発泡剤を含有するエポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂等の液状樹脂等を上げることができる。
非発泡性ポッテイング樹脂としては、発泡性を有しないポッティング樹脂のことであり、通常使用されているポッティング樹脂を用いることができる。例えば、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂等を用いることができる。さらに必要に応じて、ポッティング樹脂に、酸化防止剤、帯電防止剤、滑剤、可塑剤又は顔料等の添加剤を配合することができる。
中空糸膜モジュールの製造において、液状のポッティング樹脂を中空糸膜間に隙間なく充填する方法としては、一般に遠心力を利用する方法が採用されている。ただし、中空糸膜編織物を用いる場合は、樹脂固定部分の中空糸膜の密度が編織組織によって規定されていて偏りがないので、振動を利用した方法や、更に重力のみによる方法も可能である。振動法による中空糸膜の樹脂固定方法(ポッティング方法)の詳細は、例えば特開平3−114515号公報に開示されている。ここで、樹脂の粘度は、1000〜2500センチポイズ程度の粘度であることが好ましい。
集水管2の側面に設けた穴から切断手段を用いて中空糸膜を溝部形成治具及び発泡性樹脂ごと切断することができる。切断手段としは、例えばカッター刃を用いることができる。残った溝部形成治具を除去することにより、中空糸膜モジュールを得ることができる。切断する位置は、中空糸膜に接着して残る部分がモジュールケース5の一部を成す底板部(又は、天板部)として十分な強度を有するだけの厚みを有し、且つ、切断により更新された分離膜束3の端部が切断面に開口している箇所であることが好ましい。
本発明において、中空糸膜は特に限定されるものではなく、公知の中空糸膜を用いることができる。中空糸膜の分画レベルは、精密ろ過膜(MF)、限外濾過膜(UF)、又はナノろ過膜(NF)等のいずれのレベルであってもよい。また、濾過膜として使用可能のものであれば、孔径、空孔率、膜厚、外径等には特に制限はないが、濾過の対象となるものによって適宜選択される。更に、有機物やウイルスの除去を目的とする場合には分画分子量数万から数十万の限外濾過膜を用いる場合もある。
中空糸膜モジュールは集水管に中空糸膜がポッティングされている形状を呈する。その形状としては、集水管は中空糸膜の両端に設けられていてもよく(直線状両端口型)、また、中空糸膜の一端に集水管が設けられていてもよい(直線状片側開口型)。
中空糸膜は編織物であってもよく、中空糸膜を例えば緯糸として編地としたものを数枚積層したものであれば、集水管2の側面のほぼ矩形の開口部に収納するのに好適である。編地の製造方法は、例えば特開昭62−57965号、特開平1−266258号各公報に開示されている。
PET(ポリエステル)繊維を組紐状に加工し、その表面にPVDF多孔質部を形成した多孔質中空糸膜(三菱レイヨン(株)製、内径1000μm、外径2800μm)を3本合糸し緯糸とした。その緯糸を用いて、幅1000mmで編み長さ2000mmで編地5枚を編成し、中空糸膜編地積層体を得た。
2 集水管
3 溝部形成治具
3’ 中空を有する溝部形成治具
4 発泡性樹脂
4’中空糸膜+発泡性樹脂
5 非発泡性ポッティング樹脂
5’中空糸膜+非発泡性ポッティング樹脂
6 キャップ
11 型枠治具
12 樹脂
Claims (8)
- 中空糸膜が開口部を通して集水管に樹脂で固定された中空糸膜モジュールの製造方法であって、
前記中空糸膜の先端が入るように凹部を設けた発泡樹脂製の溝部形成治具を前記集水管内に設置する工程と、
前記開口部を通して前記凹部に前記中空糸膜の先端を配置し、前記凹部に発泡性樹脂を充填した後、硬化させる工程と、
前記凹部であって前記発泡性樹脂の上部に非発泡性ポッティング樹脂を充填し硬化させる工程と、
前記発泡性樹脂の部分で前記中空糸膜を前記溝部形成治具及び前記発泡性樹脂ごと切断する工程と、
前記中空糸膜を切断した後、残存した前記溝部形成治具を前記集水管から除去する工程と、
を有することを特徴とする中空糸膜モジュールの製造方法。 - 前記溝部形成治具は、発泡性のフッ素樹脂製の容器であることを特徴とする請求項1に記載の中空糸膜モジュールの製造方法。
- 前記発泡性樹脂は、起泡・硬化後体積(Vb)と、硬化前の体積(V)との比(Vb/V)が、1.1〜10である請求項1又は2に記載の中空糸膜モジュールの製造方法。
- 前記溝部形成治具の気泡性状が独立気泡型であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の中空糸膜モジュールの製造方法。
- 前記発泡性樹脂は、発泡剤を含むウレタン樹脂又はエポキシ樹脂であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の中空糸膜モジュールの製造方法。
- 前記非発泡性ポッティング樹脂はウレタン樹脂又はエポキシ樹脂であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の中空糸膜モジュールの製造方法。
- 前記中空糸膜は編織物であることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の中空糸膜モジュールの製造方法。
- 前記切断は、前記集水管の側面から切り刃を挿入して、前記発泡性樹脂と共に前記中空糸膜を切断することを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の中空糸膜モジュールの製造方法。
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