JP5230331B2 - 映像信号切替装置 - Google Patents

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Description

本発明は、内視鏡映像信号と、超音波映像信号などの他の検査映像信号とを選択的に切り替えて出力する映像信号切替装置に関する。
可撓性を有する細い管状の挿入部を口などから挿入することにより、患者の体腔内の状態を観察する内視鏡検査が知られている。また、近年では、内視鏡の挿入部の先端から超音波を照射し、その反射波を受信して映像化することにより、食道や十二指腸などの体壁下の組織を非侵襲的に観察する超音波内視鏡検査も行われるようになってきている。こうした超音波内視鏡検査は、体壁下の組織の状態を詳細に観察することができるため、例えば、体壁にできた腫瘍や潰瘍が、どれくらいの深さまで及んでいるかを正確に診断したい場合などに重用されている。
超音波内視鏡検査を行う内視鏡システムは、例えば、超音波トランスデューサアレイとCCDなどの撮像素子とが挿入部の先端に設けられた超音波内視鏡、もしくは内視鏡の鉗子口に挿通して用いられる超音波プローブ、撮像素子から出力される撮像信号を基に内視鏡映像信号を生成する内視鏡用プロセッサ装置、超音波トランスデューサアレイから出力される検出信号を基に超音波映像信号を生成する超音波用プロセッサ装置、各映像信号を表示するモニタ、及び各映像信号を指示に応じてキャプチャすることにより、静止画像又は動画像の内視鏡画像や超音波画像として保管する画像サーバなどから構成される。
超音波内視鏡検査では、内視鏡用プロセッサ装置から出力される内視鏡映像信号と超音波用プロセッサ装置から出力される超音波映像信号とをキャプチャしなければならない。このため、画像サーバには、2チャンネル分の入力端子が必要となるが、画像サーバは、1チャンネル分の入力端子しか持っていない場合が多い。また、超音波内視鏡検査に合わせて2チャンネル分の入力端子を備えた画像サーバを用意しようとすると、医療現場における設備コストが嵩んでしまう。
このため、従来では、各プロセッサ装置と画像サーバとの間に各映像信号の切替スイッチを設け、ダイヤルやボタンなどの操作部を術者が手動操作して各映像信号の経路を切り替えることにより、各映像信号を選択的に画像サーバに入力するようにしていた。こうすれば、1チャンネル分の入力端子しか持たない画像サーバでも各映像信号をキャプチャすることが可能になり、かつ設備コストを抑えることもできる。
特開平10−211201号公報
しかしながら、上述のような手動式の切替スイッチでは、術者が切替スイッチの切り替え操作を忘れてしまうことがあった。例えば、内視鏡映像信号が画像サーバに出力された状態のまま超音波画像のキャプチャを行ったとしても、当然ながら超音波画像を取得することはできない。このように、切替スイッチの切り替え忘れは、各画像の記録ミスに繋がってしまう。そして、取得された各画像の確認は、検査終了後に行われるため、切り替え忘れによる各画像の記録ミスが生じていると、検査をやり直さなければならなくなってしまう。
本発明は、上記課題を鑑みてなされたものであって、映像信号の経路の切り替え忘れを確実に防止できるようにすることを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明は、内視鏡によって取得された内視鏡映像信号と、この内視鏡映像信号と同時に取得された他の検査映像信号とが入力され、これらの各映像信号を選択的に切り替えて出力する映像信号切替装置において、前記内視鏡映像信号を出力する第1経路と、前記検査映像信号を出力する第2経路とを選択的に切り替える経路切替手段と、前記各映像信号のキャプチャが指示された際に、その指示に応じた映像信号が出力されるように前記経路切替手段の前記各経路の切り替えを制御する切替制御手段とを備えたことを特徴とする。
前記切替制御手段は、通常は前記経路切替手段を前記第1経路にしておき、前記検査映像信号のキャプチャの指示に応じて、前記経路切替手段を前記第2経路に切り替えさせることが好ましい。
また、前記切替制御手段は、前記経路切替手段を前記第2経路に切り替えさせた後、所定の時間が経過したことに応じて前記経路切替手段を前記第1経路に復帰させることが好ましい。この際、前記第2経路から前記第1経路に復帰させるまでの時間が可変できるように構成しておくと、より好適である。
前記経路切替手段に、前記経路切替手段から出力された前記各映像信号を指示に応じてキャプチャし、静止画像又は動画像として保管する画像保管装置を接続し、前記切替制御手段は、前記経路切替手段を前記第2経路に切り替えさせた後、前記画像保管装置からキャプチャの完了が指示されたことに応じて前記経路切替手段を前記第1経路に復帰させるようにしてもよい。
前記切替制御手段は、前記経路切替手段を前記第2経路に切り替えさせている間は、前記内視鏡映像信号のキャプチャの指示を受け付けないようにすることが好ましい。
前記各映像信号のキャプチャの指示が入力された際に、その指示を所定時間遅延させて出力するキャプチャ指示遅延手段を設けると、さらに好適である。また、前記検査映像信号は、超音波検査装置によって取得された超音波映像信号であることが好ましい。
本発明では、各映像信号のキャプチャが指示されたことに応じて、各映像信号の経路が自動的に切り替わるようにしたので、術者が経路の切り替え操作を行う必要がない。従って、本発明によれば、各映像信号の経路の切り替え忘れを確実に防止することができる。
図1に示すように、内視鏡システム2は、体腔内を撮影する超音波内視鏡10と、内視鏡映像信号を生成する内視鏡用プロセッサ装置12と、超音波映像信号を生成する超音波用プロセッサ装置(超音波検査装置)14と、各映像信号をキャプチャして静止画像として保管する画像サーバ(画像保管装置)16と、各プロセッサ装置12、14から入力される内視鏡映像信号と超音波映像信号とを選択的に切り替えて画像サーバ16に出力する映像信号切替装置18とで構成されている。
超音波内視鏡10は、体腔内に挿入される挿入部20と、この挿入部20の基端部に連設された操作部22とを有している。操作部22には、各プロセッサ装置12、14との電気的機械的接続を得るためのコネクタが設けられたユニバーサルコードが連設されている。超音波内視鏡10は、このユニバーサルコードに設けられた各コネクタを介して各プロセッサ装置12、14に着脱自在に接続される。また、超音波内視鏡10には、各プロセッサ装置12、14の他に、体腔内を照明するための照明光を供給する光源装置などが接続される。
挿入部20は、断面円形の管状に形成され、可撓性を有している。挿入部20の先端には、光学撮影を行なうためのCCDと、断層撮影を行なうための超音波トランスデューサアレイとが設けられている。また、挿入部20の先端には、水や空気などを内部に送り込むことによって伸縮するバルーンが取り付けられる。このバルーンは、例えば、超音波の減衰を防止する水を体腔内に溜める場合に用いられる。
操作部22には、内視鏡映像信号のキャプチャを画像サーバ16に指示するための内視鏡レリーズボタン24が設けられている。この内視鏡レリーズボタン24は、ユニバーサルコードなどを介して内視鏡用プロセッサ装置12と電気的に接続されている。
内視鏡用プロセッサ装置12は、駆動信号を超音波内視鏡10に送信し、超音波内視鏡10に設けられたCCDを駆動する。そして、この駆動に応じてCCDから出力されるアナログの撮像信号を受信し、その撮像信号にA/D変換や各種の画像処理を施すことにより、内視鏡映像信号を生成する。内視鏡用プロセッサ装置12は、内視鏡映像信号を生成すると、それを映像信号切替装置18に出力する。
内視鏡用プロセッサ装置12には、内視鏡用モニタ26が接続されている。内視鏡用プロセッサ装置12は、生成した内視鏡映像信号を映像信号切替装置18に出力するとともに、内視鏡用モニタ26の形式に対応したビデオ信号(コンポーネント信号、コンポジット信号など)に変換し、そのビデオ信号を内視鏡用モニタ26に出力する。これにより、観察中の内視鏡画像が内視鏡用モニタ26に表示される。
また、内視鏡用プロセッサ装置12は、内視鏡レリーズボタン24の押圧を検知して、内視鏡映像信号のキャプチャを指示する信号(以下、内視鏡キャプチャ指示信号と称す)を映像信号切替装置18に出力する。
超音波用プロセッサ装置14は、超音波トランスデューサアレイに超音波を発生させるための励振パルス(パルス電圧)を超音波内視鏡10に送信する。そして、この励振パルスの送信に応じて超音波トランスデューサアレイから出力される検出信号を受信し、その検出信号にA/D変換や各種の画像処理を施すことにより、超音波映像信号を生成する。超音波用プロセッサ装置14は、超音波映像信号を生成すると、それを映像信号切替装置18に出力する。
超音波用プロセッサ装置14には、超音波用モニタ28が接続されている。超音波用プロセッサ装置14は、生成した超音波映像信号を映像信号切替装置18に出力するとともに、超音波用モニタ28の形式に対応したビデオ信号(コンポーネント信号、コンポジット信号など)に変換し、そのビデオ信号を超音波用モニタ28に出力する。これにより、観察中の超音波画像が超音波用モニタ28に表示される。
また、超音波用プロセッサ装置14には、種々の操作指示を超音波用プロセッサ装置14に入力するためのキーボード30が接続されている。このキーボード30には、超音波映像信号のキャプチャを画像サーバ16に指示するための超音波レリーズボタン32が設けられている。超音波用プロセッサ装置14は、超音波レリーズボタン32の押圧を検知すると、超音波映像信号のキャプチャを指示する信号(以下、超音波キャプチャ指示信号と称す)を映像信号切替装置18に出力する。
図2に示すように、画像サーバ16には、制御回路40と、キャプチャ回路42と、画像保管部44とが設けられている。制御回路40は、画像サーバ16の各部を統括的に制御する。キャプチャ回路42は、映像信号切替装置18から入力される内視鏡映像信号もしくは超音波映像信号を、制御回路40からの指示に応答してキャプチャする。これにより、キャプチャ回路42は、内視鏡映像信号に応じた静止画像である内視鏡静止画像ファイル46、及び超音波映像信号に応じた静止画像である超音波静止画像ファイル48を生成する。
画像保管部44には、検査毎に作成された複数のフォルダ50が設けられている。フォルダ50は、検査開始と同時に画像保管部44に作成される。キャプチャ回路42は、各静止画像ファイル46、48を生成すると、それらを当該検査のフォルダ50内に順次記録していく。これにより、1検査分の各静止画像ファイル46、48は、フォルダ50内に時系列的に並べられた状態で画像保管部44に保管される。
映像信号切替装置18には、経路の切り替えを行う切替回路(経路切替手段)60と、この切替回路60の経路切り替えを制御する制御回路(切替制御手段、キャプチャ指示遅延手段)62と、所定の時間を計時する第1及び第2の2つのタイマ64、66と、第2タイマ66が計時する時間を調節するためのタイマ調節ボリューム68とが設けられている。
切替回路60には、内視鏡用プロセッサ装置12からの映像信号線70と、超音波用プロセッサ装置14からの映像信号線72とが接続されている。切替回路60には、これらの各映像信号線70、72を介して内視鏡映像信号と超音波映像信号とが入力される。また、切替回路60は、映像信号線74を介してキャプチャ回路42と接続されている。切替回路60は、制御回路62からの指示に応じて、各映像信号線70、74を接続して内視鏡映像信号をキャプチャ回路42に入力する第1経路と、各映像信号線72、74を接続して超音波映像信号をキャプチャ回路42に入力する第2経路とを選択的に切り替える。なお、この切替回路60には、例えば、リレーやマルチプレクサなどといった周知のスイッチングデバイスが用いられる。
制御回路62には、内視鏡用プロセッサ装置12からの制御信号線76と、超音波用プロセッサ装置14からの制御信号線78とが接続されている。制御回路62には、これらの各制御信号線76、78を介して内視鏡キャプチャ指示信号と超音波キャプチャ指示信号とが入力される。制御回路62は、これらの各キャプチャ指示信号の入力に応じて切替回路60の経路切り替えを制御する。
また、制御回路62は、制御信号線80を介して画像サーバ16の制御回路40と接続されている。制御回路62は、各キャプチャ指示信号が入力されると、切替回路60の経路切り替え制御を行うとともに、これらの各キャプチャ指示信号を制御回路40に出力する制御を行う。制御回路40は、制御回路62から各キャプチャ指示信号が入力されたことに応じて、キャプチャ回路42にキャプチャの実行を指示する。
制御回路62は、通常は切替回路60を第1経路にしておき、超音波キャプチャ指示信号が入力されたときにだけ切替回路60を第2経路に切り替えさせるように経路切り替え制御を行う。制御回路62は、超音波レリーズボタン32の押圧に応じて超音波用プロセッサ装置14から超音波キャプチャ指示信号が入力されると、切替回路60に経路の切り替えを指示する。切替回路60は、制御回路62からの指示に応じて各映像信号の経路を第1経路から第2経路に切り替える。これにより、超音波キャプチャ指示信号に応じた超音波映像信号がキャプチャ回路42に出力される。
制御回路62は、切替回路60に経路の切り替えを指示した後、第1タイマ64を起動させ、第1タイマ64に計時を開始させる。そして、制御回路62は、第1タイマ64の計時が終了したことに応じて、超音波キャプチャ指示信号を制御回路40に出力する。制御回路40は、超音波キャプチャ指示信号の入力に応じてキャプチャ回路42にキャプチャの実行を指示する。キャプチャ回路42は、切替回路60から出力された超音波映像信号を制御回路40からの指示に応じてキャプチャし、超音波映像信号に応じた超音波静止画像ファイル48を生成する。そして、キャプチャ回路42は、生成した超音波静止画像ファイル48を画像保管部44の所定のフォルダ50内に記録する。
上述のように、制御回路62は、入力された超音波キャプチャ指示信号を所定時間遅延させて制御回路40に出力する。切替回路60に経路を切り替えさせた場合、安定した映像信号が出力されるようになるまでに少し時間が掛かる。このため、切替回路60に経路を切り替えさせた直後に超音波キャプチャ指示信号を出力してしまうと、不安定な状態の映像信号をキャプチャ回路42がキャプチャして、異常な超音波静止画像ファイル48が記録されてしまう恐れがある。
制御回路62は、こうした異常な超音波静止画像ファイル48の記録を防止するために、超音波キャプチャ指示信号の出力を遅延させる。なお、第1タイマ64が計時する時間(切替回路60が安定するまでの時間)は、例えば、0.3秒であり、切替回路60の性能に応じて適宜設定すればよい。
また、制御回路62は、超音波キャプチャ指示信号を制御回路40に出力した後、第2タイマ66を起動させる。第2タイマ66は、起動すると、タイマ調節ボリューム68で設定された時間を計時する。そして、制御回路62は、第2タイマ66の計時が終了したことに応じて、切替回路60に経路の切り替えを指示する。切替回路60は、制御回路62からの指示に応じて各映像信号の経路を第2経路から第1経路に復帰させる。
第2タイマ66が計時する時間は、キャプチャ回路42が超音波静止画像ファイル48を正常に画像保管部44に記録し終えるまでの時間に合わせられている。そして、この時間は、接続される画像サーバ16の性能によって異なる。このため、第2タイマ66が計時する時間(第2経路から第1経路に復帰させるまでの時間)は、タイマ調節ボリューム68で調節することによって任意に可変できるように構成されている。これにより、キャプチャ回路42が超音波静止画像ファイル48を記録している途中で経路が切り替えられ、異常な超音波静止画像ファイル48が記録されてしまうことを防止することができる。
ここで、タイマ調節ボリューム68とは、スライド式やダイヤル式などの周知の操作部材であり、術者や設置業者などといったユーザが容易に調節を行えるように、映像信号切替装置18の筐体の外面に設けられている。ユーザは、例えば、異なる機種の画像サーバ16を映像信号切替装置18に接続した際などに、タイマ調節ボリューム68を調節し、その画像サーバ16に対応した時間に設定する。なお、タイマ調節ボリューム68によって調節される時間は、例えば、0.1秒〜1.0秒である。
また、キャプチャ回路42が超音波静止画像ファイル48を記録している途中で不意に内視鏡レリーズボタン24が押圧され、これに応じて切替回路60の経路が第2経路から第1経路に切り替わってしまうと、上記と同様に、異常な超音波静止画像ファイル48が記録されてしまう恐れがある。このため、制御回路62は、第2タイマ66が起動している間(第2経路に切り替えさせている間)は、内視鏡用プロセッサ装置12からの内視鏡キャプチャ指示信号を受け付けないようにする。
前述のように、制御回路62は、通常は切替回路60を第1経路にし、内視鏡映像信号がキャプチャ回路42に出力された状態にしている。このため、制御回路62は、内視鏡レリーズボタン24の押圧に応じて内視鏡用プロセッサ装置12から内視鏡キャプチャ指示信号が入力された場合には、切替回路60の経路切り替えや第1タイマ64の起動を行うことなく、すぐに内視鏡キャプチャ指示信号を制御回路40に出力する。
制御回路40は、内視鏡キャプチャ指示信号が入力されると、キャプチャ回路42にキャプチャの実行を指示する。キャプチャ回路42は、切替回路60から出力された内視鏡映像信号を制御回路40からの指示に応じてキャプチャし、内視鏡映像信号に応じた内視鏡静止画像ファイル46を生成する。そして、キャプチャ回路42は、生成した内視鏡静止画像ファイル46を画像保管部44の所定のフォルダ50内に記録する。
次に、食道に形成された患部を観察する場合を例に、上記構成による内視鏡システム2の作用について説明する。術者は、内視鏡システム2で検査を実施する際、先ず図1に示すように各部をセットした後、各部に電源を投入する。電源を投入して各部が起動すると、各モニタ26、28に観察中の内視鏡画像、及び超音波画像がそれぞれ表示される(但し、この状態では体腔外の画像)。また、映像信号切替装置18の制御回路62は、電源が投入されて起動すると、切替回路60の経路を第1経路にさせ、内視鏡映像信号をキャプチャ回路42に出力する。
術者は、各モニタ26、28に画像が表示された後、各部の動作チェックを行う。この際、術者は、必要に応じてタイマ調節ボリューム68を操作し、第2経路から第1経路に復帰させるまでの時間を画像サーバ16に合わせて調節する。そして、術者は、各部の動作チェックを行った後、内視鏡用プロセッサ装置12に設けられた検査開始ボタンを押圧する。これにより、内視鏡システム2の各部に検査の開始が指示され、検査が開始される。また、検査が開始されると、当該検査用のフォルダ50が画像保管部44に新たに作成される。
術者は、検査を開始させた後、内視鏡用モニタ26に表示された内視鏡画像を見ながら患者の体腔内に超音波内視鏡10の挿入部20を挿入し、体腔内の観察を始める。術者は、内視鏡画像によって食道に患部を発見した場合、先ず挿入部20の先端に取り付けられたバルーンをシリンジポンプなどによって拡張させ、発見された患部よりも僅かに奥側の部分で食道を塞ぐ。
この後、術者は、内視鏡用モニタ26に患部が表示されるように超音波内視鏡10を操作し、内視鏡レリーズボタン24を押圧する。内視鏡レリーズボタン24が押圧されると、内視鏡用プロセッサ装置12から内視鏡キャプチャ指示信号が出力される。内視鏡キャプチャ指示信号は、制御回路62を経由して制御回路40に入力される。制御回路40に内視鏡キャプチャ指示信号が入力されると、キャプチャ回路42にキャプチャの実行が指示され、切替回路60から出力された内視鏡映像信号がキャプチャ回路42によってキャプチャされる。これにより、食道に形成された患部の表面の状態を撮影した内視鏡静止画像ファイル46が生成され、当該検査のフォルダ50内に記録される。
術者は、患部の表面の状態を撮影したら、挿入部20の先端から水を吐出させ、バルーンで塞がれた食道内に超音波の減衰を防止するための水を充填する。そして、超音波用モニタ28に表示される超音波画像を観察し、所望の超音波画像が表示された際に、超音波レリーズボタン32を押圧する。なお、超音波画像の是非を確認する際には、動画像で超音波用モニタ28に表示される超音波画像をフリーズさせるようにしてもよい。
超音波レリーズボタン32が押圧されると、超音波用プロセッサ装置14から超音波キャプチャ指示信号が出力され、制御回路62に入力される。制御回路62に超音波キャプチャ指示信号が入力されると、切替回路60に経路の切り替えが指示され、各映像信号の経路が第1経路から第2経路に切り替えられる。このように、超音波レリーズボタン32の押圧に応じて各映像信号の経路が自動的に切り替わるようにしたので、経路の切り替え忘れを確実に防止することができる。また、経路の切り替えを術者に意識させることがないので、術者を検査に集中させることもできる。
制御回路62は、超音波キャプチャ指示信号が入力されると、切替回路60に経路の切り替えを指示するとともに、第1タイマ64を起動させる。そして、超音波用プロセッサ装置14から入力された超音波キャプチャ指示信号を、所定時間遅延させて制御回路40に出力する。制御回路40に超音波キャプチャ指示信号が入力されると、キャプチャ回路42にキャプチャの実行が指示され、切替回路60から出力された超音波映像信号がキャプチャ回路42によってキャプチャされる。これにより、食道に形成された患部の体壁下の組織の状態を撮影した超音波静止画像ファイル48が生成され、当該検査のフォルダ50内に記録される。このように、超音波キャプチャ指示信号を遅延させて制御回路40に出力することで、切替回路60の経路が安定しない状態のまま出力された超音波映像信号をキャプチャ回路42がキャプチャしてしまうことを防止することができる。
制御回路62は、制御回路40に超音波キャプチャ指示信号を出力した後、第2タイマ66を起動させる。第2タイマ66は、タイマ調節ボリューム68で設定された時間を計時する。第2タイマ66による計時が終了すると、制御回路62から切替回路60に経路の切り替えが指示され、各映像信号の経路が第2経路から第1経路に復帰する。
術者は、超音波静止画像ファイル48の記録を行った後、食道内に充填された水を吸引除去する。そして、再び内視鏡レリーズボタン24を押圧し、患部の表面の状態を撮影した内視鏡静止画像ファイル46を記録する。この際、制御回路62は、切替回路60の経路が第1経路に復帰する前に入力された内視鏡キャプチャ指示信号を受け付けないようにする。これにより、キャプチャ回路42が超音波静止画像ファイル48を記録している途中で切替回路60の経路が第1経路に復帰してしまうことが防止される。
術者は、2度目の内視鏡静止画像ファイル46の記録を行った後、バルーンを収縮させる。以上により、1箇所の患部に対する処理が終了する。術者は、胃や十二指腸に至る経路に沿って体腔内の観察を行い、患部を発見するごとに上記の処理を繰り返す。そして、検査が終了したら、超音波内視鏡10の挿入部20を患者の体腔から引き抜き、内視鏡用プロセッサ装置12に設けられた検査終了ボタンを押圧して内視鏡システム2の各部に検査の終了を指示する。
上記実施形態では、第2タイマ66とタイマ調節ボリューム68とを設け、キャプチャ回路42が超音波静止画像ファイル48を正常に画像保管部44に記録し終えるまでの時間をタイマ調節ボリューム68で設定し、この時間の計時が終了したことに応じて切替回路60の経路を第2経路から第1経路に復帰させるようにした。
しかしながら、切替回路60の経路を復帰させる方法は、これに限ることなく、例えば、図3に示すように、キャプチャ回路42が超音波静止画像ファイル48を正常に画像保管部44に記録したこと(キャプチャが完了したこと)を示すキャプチャ完了信号を、画像サーバ16の制御回路40から映像信号切替装置18の制御回路62に入力し、このキャプチャ完了信号の入力に応じて切替回路60の経路を第2経路から第1経路に復帰させるようにしてもよい。
上記実施形態では、通常は切替回路60を第1経路にしておき、超音波キャプチャ指示信号が入力されたときにだけ切替回路60を第2経路に切り替えさせるように経路切り替え制御を行うようにしたが、これに限ることなく、内視鏡キャプチャ指示信号の入力に応じて切替回路60を第1経路にし、超音波キャプチャ指示信号の入力に応じて切替回路60を第2経路にするように経路切り替え制御を行ってもよい。
上記各実施形態では、超音波内視鏡10によって超音波映像信号を取得するようにしたが、これに限ることなく、電子内視鏡などの鉗子チャンネルに挿通して用いられる超音波プローブによって超音波映像信号を取得するようにしてもよい。
上記実施形態では、内視鏡映像信号と同時に取得される他の検査映像信号として超音波映像信号を示したが、検査映像信号は、これに限ることなく、例えば、電子内視鏡の鉗子チャンネルに挿通され、胆道内などの観察に用いられる極小径の内視鏡(いわゆる、ベビースコープ)によって取得される映像信号としてもよい。
上記実施形態では、映像信号をキャプチャして静止画像を生成する場合を例に説明したが、本発明は、これに限ることなく、映像信号をキャプチャして動画像を生成する場合に適用してもよい。
内視鏡システムの構成を概略的に示すブロック図である。 画像サーバと映像信号切替装置との構成を概略的に示す説明図である。 画像サーバからの指示によって経路を復帰させる例を示す説明図である。
符号の説明
2 内視鏡システム
10 超音波内視鏡
12 内視鏡用プロセッサ装置
14 超音波用プロセッサ装置(超音波検査装置)
16 画像サーバ(画像保管装置)
18 映像信号切替装置
60 切替回路(経路切替手段)
62 制御回路(切替制御手段、キャプチャ指示遅延手段)
64 第1タイマ
66 第2タイマ
68 タイマ調節ボリューム

Claims (6)

  1. 内視鏡によって取得された内視鏡映像信号と、この内視鏡映像信号と同時に取得された他の検査映像信号とが入力され、これらの各映像信号を選択的に切り替えて出力する映像信号切替装置において、
    前記内視鏡映像信号を出力する第1経路と、前記検査映像信号を出力する第2経路とを選択的に切り替える経路切替手段と、
    前記各映像信号のキャプチャが指示された際に、その指示に応じた映像信号が出力されるように前記経路切替手段の前記各経路の切り替えを制御する切替制御手段と
    前記各映像信号のキャプチャの指示が入力された際に、その指示を所定時間遅延させて出力するキャプチャ指示遅延手段とを備え
    前記切替制御手段は、通常は前記経路切替手段を前記第1経路にしておき、前記検査映像信号のキャプチャの指示に応じて、前記経路切替手段を前記第2経路に切り替えさせることを特徴とする映像信号切替装置。
  2. 前記切替制御手段は、前記経路切替手段を前記第2経路に切り替えさせた後、所定の時間が経過したことに応じて前記経路切替手段を前記第1経路に復帰させることを特徴とする請求項記載の映像信号切替装置。
  3. 前記第2経路から前記第1経路に復帰させるまでの時間が可変できるように構成されていることを特徴とする請求項記載の映像信号切替装置。
  4. 前記経路切替手段には、前記経路切替手段から出力された前記各映像信号を指示に応じてキャプチャし、静止画像又は動画像として保管する画像保管装置が接続されており、
    前記切替制御手段は、前記経路切替手段を前記第2経路に切り替えさせた後、前記画像保管装置からキャプチャの完了が指示されたことに応じて前記経路切替手段を前記第1経路に復帰させることを特徴とする請求項記載の映像信号切替装置。
  5. 前記切替制御手段は、前記経路切替手段を前記第2経路に切り替えさせている間は、前記内視鏡映像信号のキャプチャの指示を受け付けないようにすることを特徴とする請求項からのいずれか1項に記載の映像信号切替装置。
  6. 前記検査映像信号が、超音波検査装置によって取得された超音波映像信号であることを特徴とする請求項1からのいずれか1項に記載の映像信号切替装置。
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