JP5230233B2 - 液晶表示装置 - Google Patents

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Description

本発明は、ディスコティック液晶を光学補償に利用した液晶表示装置に関する。
従来、TN(ツイステッド・ネマティック)型の液晶表示装置が広く利用されている。しかし、このTN型液晶表示装置は、表示の視野角(表示を良好なコントラストで観察できる観察角度範囲)が狭いという問題がある。そのため、従来から、前記液晶素子と一対の偏光板との間にそれぞれ、ディスコティック液晶のハイブリッド配向を固定して形成された光学異方性層を有する光学補償フィルムを配置して、視野角を拡大することが提案されている(特許文献1参照)。
ところで、液晶表示装置の液晶層及び液晶を利用して作製された光学異方性層には、その光学特性に波長依存性があり、その光学的作用が視角(表示の観察方向)によって変化するため、視角の変化に応じて表示の色相が変化する。この色相の変化を解決する手段として、光学異方性層中のディスコティック液晶分子の平均チルト角と、黒表示時の液晶層中の液晶分子のチルト角とを所定の関係を満足するように設定することが提案されている(特許文献2参照)。
特開2000−338489号公報 特開2004−325795号公報
しかし、上記解決手段では、視野角に応じた色相の変化を完全に解消することはできず、視野角に応じた色相の変化をより完全に解消し得る技術が求められている。
本発明は、前記課題を解決するためになされたものであり、広視野角特性を示し、且つ斜め方向において生じるカラーシフトが低減された液晶表示装置、特にTN型液晶表示装置を提供することを課題とする。
前記課題を解決するための手段は、以下の通りである。
[1] 対向配置されその対向面にそれぞれ複数の画素を形成する電極が設けられた一対の基板であって、一方の基板の対向面に前記複数の画素にそれぞれ対応する赤、緑、及び青の3色のカラーフィルタが設けられた一対の基板と、前記一対の基板間に90°の捩れ角でツイスト配向する液晶層とを有する液晶素子;
互いの吸収軸を直交させて、前記液晶素子を挟んで配置される一対の偏光子;及び
前記液晶素子と前記一対の偏光子との間にそれぞれ配置され、ディスコティック液晶を硬化させて形成される光学異方性層を有する一対の視野角補償フィルム;
を備えた液晶表示装置であって、
前記液晶素子の電極間に黒を表示させる電圧を印加したときの前記液晶分子の平均チルト角θ°が60<θ<90を満足し、
前記視野角補償フィルムの法線方向から光(波長550nm)を入射して測定したレターデーションRe(0)、前記視野角補償フィルムの遅相軸を回転軸として、前記視野角補償フィルム法線方向に対して+40°回転させた方向から光(波長550nm)を入射して測定したレターデーションRe(40)及び−40°回転させた方向から光(波長550nm)を入射して測定したレターデーションRe(−40)が、25nm<Re(0)<45nm、且つ2<Re(−40)/Re(40)<7を満足することを特徴とする液晶表示装置。
[2] 前記液晶層が、波長450nmの光に対する屈折率異方性Δn(450nm)及び波長650nmの光に対する屈折率異方性Δn(650nm)が1<Δn(450nm)/Δn(650nm)≦1.07を満足する液晶材料から形成されていることを特徴とする[1]の液晶表示装置。
[3] 前記液晶層を形成する液晶材料の屈折率異方性Δnと液晶層厚みdとの積Δndが、340〜430nmであることを特徴とする[1]又は[2]の液晶表示装置。
[4] 前記液晶層を形成する液晶材料の波長450nmの光に対する屈折率異方性Δn(450nm)と液晶層厚みdとの積Δnd(450nm)、及び波長650nmの光に対する屈折率異方性Δn(650nm)と液晶層厚みdとの積Δnd(650nm)が、0.94≦Δnd(450nm)/Δnd(650nm)≦1.10を満足することを特徴とする[1]〜[3]のいずれかに液晶表示装置。
[5] 前記液晶層を形成する液晶材料の屈折率異方性Δnと液晶層厚みdとの積Δndの値が、赤及び緑のカラーフィルタに対応する画素においてそれぞれ340〜430nmであり、青のカラーフィルタに対応する画素において前記赤及び緑のカラーフィルタに対応する画素のΔndよりも1.10倍以下の比率で大きい値であることを特徴とする[1]〜[4]のいずれかに液晶表示装置。
[6] 前記一対の基板のうち一方の基板(第一の基板)の対向面に、観察側から見て表示面左右方向の水平線に対して45°である第一の方向に配向処理が施された第一の配向膜、及び他方の基板(第二の基板)の対向面に、前記第一の方向に対して90°で交差する第二の方向に配向処理が施された第二の配向膜をさらに有し;
前記第一及び第二の基板の電極間に電界が印加されないときに、前記液晶層中の液晶分子が前記第一の配向膜から前記第二の配向膜に向かって90°でツイスト配向し;
前記一対の偏光子のうち前記第一の基板により近い偏光子(第一の偏光子)の吸収軸が、前記第一の方向に対して45°の方向であり;
前記一対の視野角補償フィルムのうち、前記第一の基板と第一の偏光子との間に配置されている第一の視野角補償フィルムの光学異方性層(第一の光学異方性層)のディスコティック液晶分子の長軸の平均方向及び他方の視野角補償フィルム(第二の視野角補償フィルム)の光学異方性層(第二の光学異方性層)のディスコティック液晶分子の長軸の平均方向が、前記第一の方向に対して45°の方向であり、且つ第一及び第二の光学異方性層のディスコティック液晶分子の長軸の平均方向が互いに直交し;及び
前記第一の偏光子の吸収軸と他方の偏光子(第二の偏光子)の吸収軸とが、直交する方向であることを特徴とする[1]〜[5]のいずれかに液晶表示装置。
[7] 前記第一の基板のうち一方の基板(第一の基板)の対向面に、観察側から見て表示面左右方向の水平線に対して45°である第一の方向に配向処理が施された第一の配向膜、及び他方の基板(第二の基板)の対向面に、前記第一の方向に対して90°で交差する第二の方向に配向処理が施された第二の配向膜をさらに有し;
前記第一及び第二の基板の電極間に電界が印加されないときに、前記液晶層中の液晶分子が前記第一の配向膜から前記第二の配向膜に向かって90°でツイスト配向し;
前記一対の偏光子のうち前記第一の基板により近い偏光子(第一の偏光子)の吸収軸が、前記第一の方向に対して45°の方向であり;
前記一対の視野角補償フィルムのうち、前記第一の基板と第一の偏光子との間に配置されている第一の視野角補償フィルムの光学異方性層(第一の光学異方性層)のディスコティック液晶分子の長軸の平均方向が、前記第一の方向に対して平行で、且つ他方の視野角補償フィルム(第二の視野角補償フィルム)の光学異方性層(第二の光学異方性層)のディスコティック液晶分子の長軸の平均方向が、前記第一の方向に対して直交し;及び
前記第一の偏光子の吸収軸と他方の偏光子(第二の偏光子)の吸収軸とが、直交する方向であることを特徴とする[1]〜[5]のいずれかに液晶表示装置。
本発明によれば、広視野角特性を示し、且つ斜め方向において生じるカラーシフトが低減された液晶表示装置、特にTN型液晶表示装置を提供することができる。
以下、本発明について詳細に説明する。なお、本明細書において「〜」を用いて表される数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む範囲を意味する。
なお、本明細書において、光学特性(例えば、レターデーション値及び軸角度)等を示す数値や数値範囲については、液晶表示装置やそれに用いられる部材について一般的に許容される誤差を含む数値又は数値範囲であると解釈されるものとする。角度については、「45゜」、「平行」あるいは「直交」とは、厳密な角度±5゜未満の範囲内であることを意味する。厳密な角度との誤差は、4゜未満であることが好ましく、3゜未満であることがより好ましい。また、角度について、「+」は時計周り方向を意味し、「−」は反時計周り方向を意味するものとする。また、「遅相軸」は、屈折率が最大となる方向を意味する。また、「可視光領域」とは、380〜780nmのことをいう。更に屈折率の測定波長は特別な記述がない限り、可視光域のλ=550nmでの値である。
また、本明細書では、「偏光子」及び「偏光板」を区別して用いるが、「偏光板」は「偏光子」の少なくとも片面に該偏光子を保護する透明保護膜を有する積層体を意味するものとする。
本明細書において、Re(λ)(但し、明細書中Re(0)、Re(−40)及びRe(40)については、0、40、−40は波長ではなく、別途定義した通りである)、及びRth(λ)は各々、波長λにおける面内のレターデーション(nm)、及び厚さ方向のレターデーション(nm)を表す。Re(λ)は、KOBRA 21ADH又はWR(王子計測機器(株)製)において、波長λnmの光をフィルム法線方向に入射させて測定される。
測定されるフィルムが1軸又は2軸の屈折率楕円体で表されるものである場合には、以下の方法によりRth(λ)は算出される。
Rth(λ)は前記Re(λ)を、面内の遅相軸(KOBRA 21ADH又はWRにより判断される)を傾斜軸(回転軸)として(遅相軸がない場合にはフィルム面内の任意の方向を回転軸とする)のフィルム法線方向に対して法線方向から片側50度まで10度ステップで各々その傾斜した方向から波長λnmの光を入射させて全部で6点測定し、その測定されたレターデーション値と、平均屈折率の仮定値及び入力された膜厚値とを基にKOBRA 21ADH又はWRが算出する。
上記において、法線方向から面内の遅相軸を回転軸として、ある傾斜角度にレターデーションの値がゼロとなる方向をもつフィルムの場合には、その傾斜角度より大きい傾斜角度でのレターデーション値は、その符号を負に変更した後、KOBRA 21ADH又はWRが算出する。
なお、遅相軸を傾斜軸(回転軸)として(遅相軸がない場合には、フィルム面内の任意の方向を回転軸とする)、任意の傾斜した2方向からレターデーション値を測定し、その値と平均屈折率の仮定値及び入力された膜厚値を基に、以下の数式(I)及び式(II)よりRthを算出することもできる。
Figure 0005230233
式中、Re(θ)は法線方向から角度θ傾斜した方向におけるレターデーション値をあらわす。
また、nxは、面内における遅相軸方向の屈折率を表し、nyは面内においてnxに直交する方向の屈折率を表し、nzはnx及びnyに直交する方向の屈折率を表し、dは膜厚を表す。
測定されるフィルムが1軸や2軸の屈折率楕円体で表現できないもの、いわゆる光学軸(optic axis)がないフィルムの場合には、以下の方法により、Rth(λ)は算出される。
Rth(λ)は、前記Re(λ)を、面内の遅相軸(KOBRA 21ADH又はWRにより判断される)を傾斜軸(回転軸)としてフィルム法線方向に対して−50度から+50度まで10度ステップで各々その傾斜した方向から波長λnmの光を入射させて11点測定し、その測定されたレターデーション値と、平均屈折率の仮定値、及び入力された膜厚値を基にKOBRA 21ADH又はWRが算出される。
上記の測定において、平均屈折率の仮定値は、ポリマーハンドブック(JOHN WILEY&SONS,INC)、各種光学補償フィルムのカタログの値を使用することができる。
また、平均屈折率の値が既知でないものについては、アッベ屈折計で測定することができる。主な光学補償フィルムの平均屈折率の値を以下に例示する:
セルロースアシレート(1.48)、シクロオレフィンポリマー(1.52)、ポリカーボネート(1.59)、ポリメチルメタクリレート(1.49)、ポリスチレン(1.59)である。
これら平均屈折率の仮定値と膜厚を入力することで、KOBRA 21ADH又はWRは、nx、ny、nzを算出する。この算出されたnx,ny,nzよりNz=(nx−nz)/(nx−ny)が更に算出される。
本発明は、ディスコティック液晶を利用して作製された光学異方性層を有する視野角補償フィルムを備えた液晶表示装置に関する。本発明の一態様は、捩れ配向を利用したTN型液晶表示装置である。図1に本発明のTN型液晶表示装置の一例の断面模式図を示す。なお、図1中、各層の厚みの相対的関係は、実際の液晶表示装置における各部材の厚みの相対的関係と必ずしも一致していない。以下、いずれの図面についても同様である。
図1のTN型液晶表示装置は、液晶素子LCとそれを挟んで配置された一対の第一及び第二の偏光子20及び21、ならびにそれぞれの偏光子20及び21と液晶素子LCとの間に配置される一対の視野角補償フィルムF1及びF2を有する。
液晶素子LCは、一対の対向配置された基板12及び13と、その間に液晶材料からなる液晶層10を有する。一対の基板12及び13の対向面にはそれぞれ、互いに対向する領域により複数の画素を形成する透明電極14及び15が設けられ、一方の基板、例えば表示の観察側(図1において上側)である基板(以下、第1の基板という)12の対向面に前記複数の画素にそれぞれ対応する赤、緑、青の3色のカラーフィルタ16R、16G及び16Bが設けられていて、その上に対向電極14が形成されている。液晶素子LCの一例は、TFT(薄膜トランジスタ)をアクティブ素子とするアクティブマトリックス液晶表示素子である。この例では、後側の基板(以下、第二の基板という)13の内面に形成された電極15は、行方向および列方向にマトリックス状に配列する複数の画素電極であり、第一の基板12の内面に形成された電極14は、前記複数の画素電極に対向する一枚膜状の対向電極である。但し、この構成に限定されるものではない。
なお、図1中には省略しているが、第二の基板13の対向面には、複数の画素電極15にそれぞれ対応する複数のTFTと、各行のTFTにゲート信号を供給する複数のゲート配線と、各列のTFTにデータ信号を供給する複数のデータ配線とが設けられており、複数の画素電極15はそれぞれ、その画素電極15に対応するTFTに接続されている。
また、一対の基板12及び13の対向面にはそれぞれ、電極14及び15を覆って、実質的に互いに直交する方向に配向処理された水平配向膜18及び19が形成されている。液晶層10は、正の誘電異方性を有するネマティック液晶材料を充填してなる層であり、その液晶分子11は、水平配向膜18及び19により、第一及び第二の基板12及び13の近傍における配向方向が規定され、電極14及び15間に電界が印加されていないとき、図1中実線で示したように、前記基板12及び13間において実質的に90°の捩れ角で捩れ(ツイスト)配向する。一方、電極14及び15間に黒表示させる電圧が印加されると、図1中破線で示したように、液晶分子11は、基板12及び13の面に対して垂直に立ち上がり、平均チルト角θで配向する。θは、60°<θ<90°を満足する。黒表示時において液晶分子の平均チルト角θが90°未満であるために、黒表示時に斜め方向に複屈折が生じ、この複屈折の大きさには、可視光域において波長依存性があるため、黒表示時に斜め方向においてカラーシフトが生じる。本発明の液晶表示装置では、後述する視野角補償フィルムF1及びF2に、所定の光学特性を持たせることで、このカラーシフトを軽減している。
液晶層10は上記した通り正の誘電異方性を有するネマティック液晶材料からなる。該液晶材料は、波長450nmの光、つまり青の波長帯域の光に対する屈折率異方性Δn(450nm)、及び波長が650nmの光、つまり赤の波長帯域の光に対する屈折率異方性Δn(650nm)について、1<Δn(450nm)/Δn(650nm)≦1.07を満足しているのが好ましい。Δn(450nm)/Δn(650nm)が前記範囲の液晶材料を用いると、視野角に依存したカラーシフトを軽減できる。この作用については、特開2004−325795号公報に詳細な記載があり、参照することができる。
さらに、液晶層10の厚みdは、赤、緑、青のカラーフィルタ6R、6G、及び6Bに対応する画素の全てにわたって実質的に等しく形成されている。この態様では、液晶層10の屈折率異方性Δnと液晶層厚dの積Δndの値が340〜430nmであると、横コントラスト及び上コントラストが極大値を示すので好ましい。
一方、液晶層10の液晶層厚dは、赤、緑、青のカラーフィルタ6R、6G、及び6Bに対応する画素に応じて、異なるように構成してもよい。この態様では、液晶層10のΔndの値は、赤色フィルタに対応する画素と緑色フィルタに対応する画素のΔndをそれぞれ340〜430nmの範囲とし、青色フィルタに対応する画素のΔndを、前記赤色及び緑色フィルタに対応する画素のΔndよりも1.10倍以下の比率で大きく設定するのが好ましい。この態様では、黒表示をさらに黒に近くし、広い視野角にわたって、コントラスト及び色再現性の高いカラー画像を表示することができる。この作用についても、特開2004−325795号公報に詳細な記載があり、参照することができる。
図1に示す液晶表示装置は、ノーマリホワイトモードであり、一対の偏光子20及び21(以下、上側偏光板20を第一の偏光板20、及び下側の偏光板21を第二の偏光板21という)は、図2に示す通り、それぞれの吸収軸20a及び21aを実質的に互いに直交させて配置されている。
一方、液晶素子LCと一対の偏光板20及び21との間には、それぞれ一対の視野角補償フィルムF1及びF2が配置されている。この視野角補償フィルムF1及びF2(以下、上側視野角補償フィルムF1を第一の視野角補償フィルムF1、下側の視野角補償フィルムF2を第二の視野角補償フィルムF2という)はいずれも、透明なフィルム基板24及び25のそれぞれの一方の面に配向処理膜26及び27を形成し、その上で、ディスコティック液晶組成物を所定の配向状態とし、その配向状態を固定して形成した光学異方性層22及び23をそれぞれ有する。
第一及び第二の視野角補償フィルムF1及びF2の法線方向から光(波長550nm)を入射して測定したレターデーションRe(0)、前記視野角補償フィルムの遅相軸を回転軸として、前記視野角補償フィルム法線方向に対して+40°回転させた方向から光(波長550nm)を入射して測定したレターデーションRe(40)及び−40°回転させた方向から光(波長550nm)を入射して測定したレターデーションRe(−40)が、25nm<Re(0)<45nm、且つ2<Re(−40)/Re(40)<7を満足している。かかる光学特性を示す一対の視野角補償フィルムF1及びF2を用いることにより、上記した通り、黒表示時に液晶層10中の液晶分子11が90°未満の平均チルト角で配向することに起因する斜め方向に生じるカラーシフトを軽減している。この観点から、30nm<Re(0)<40nm、且つ2.5<Re(−40)/Re(40)<6.5を満足しているのがより好ましく、30nm<Re(0)<40nm、且つ3<Re(−40)/Re(40)<6を満足しているのがさらに好ましい。
視野角補償フィルムF1及びF2の光学異方性層22及び23は、ディスコティック液晶を所望の配向状態に固定して形成された層である。例えば、重合性ディスコティック液晶を配向膜の配向処理面に塗布し、その配向処理の方向(一般的にはラビング軸)に沿って配向させて、その配向状態に固定することで作製できる。一例として、ディスコティック液晶分子を、いわゆるハイブリッド配向状態、で固定して形成される光学異方性層が挙げられる。ハイブリッド配向では、円盤状液晶性分子の長軸(円盤面)と層面との角度が、層の深さ方向で、かつ配向膜面からの距離の増加と共に増加または減少している。角度は、距離の増加と共に減少することが好ましい。さらに、角度の変化としては、連続的増加、連続的減少、間欠的増加、間欠的減少、連続的増加と連続的減少を含む変化、あるいは、増加及び減少を含む間欠的変化が可能である。間欠的変化は、厚さ方向の途中で当該角度が変化しない領域を含んでいる。本明細書では、「ハイブリッド配向」には、当該角度が変化しない領域を含んでいても、全体として増加または減少している配向状態も含むものとする。当該角度が連続的に変化しているハイブリッド配向が好ましい。
光学異方性層の作製に利用可能な材料等については、後述する。
視野角補償フィルムF1及びF2の透明な支持体用フィルム24及び25には、ポリマーフィルムが用いられる。種々の材料からなるポリマーフィルムを利用することができるが、偏光子20及び21に接触させて貼り合せ、その保護フィルムとしても利用する場合は、支持体用フィルム24及び25は、偏光子20及び21の素材と親和性のある材料からなるのが好ましい。この観点では、偏光子が一般的にはポリビニルアルコール膜であることを考慮すると、トリアセチルセルロース等のセルロースアシレート系フィルムが好ましい。但し、これに限定されるものではなく、ノルボルネン系樹脂フィルム、ポリカーボネートフィルム等も好ましく用いることができる。なお、支持体用フィルム24及び25の光学特性については特に制限はないが、一般的にはRe(550)が0〜200nm程度で、且つRth(550)が0〜400nm程度であるのが好ましい。
図1に示す液晶表示装置は、各部材の光学的軸の相対関係によって、広視野角特性・狭視野角特性の液晶表示装置になるので、用途に応じて、その光学的軸の相対関係を決定するのがよい。例えば、広視野角特性の液晶表示装置は、複数の観察者に様々な方向から観察されるTV用の液晶表示装置等として、また狭視野角特性の液晶表示装置は、1人又は2人等の少人数の人が、画面法線方向近傍から観察される、例えば航空機のコックピットに装備される航空機用液晶表示装置等として利用可能である。図2〜図4にいくつかの例を示す。図2〜図4は、液晶素子LCの一対の基板12及び13の内面に形成された配向膜18及び19の配向処理方向18a及び19aと、一対の第一及び第二の偏光子20及び21の吸収軸20a及び21aの方向と、一対の第一及び第二の視野角補償フィルムF1及びF2の光学異方性層22及び23それぞれのディスコティック液晶分子の長軸の平均方向22a及び23aの向きを示している。
図2は、一般的なTN型液晶表示装置の一例における、各部材の光学的軸の相対関係を示す概念図である。この実施例の液晶表示装置は、広視野角特性を示し、パーソナルコンピュータ用液晶ディスプレイ、及び液晶TV等として利用可能である。
図2では、第一の基板12の対向面に形成された配向膜18の配向処理方向(通常はラビング軸)18aは、液晶表示装置の画面の左右方向(横軸x)に対し、表示面側(図面上側)から見て左回りに45°回転した方向にあり、第二の基板13の対向面に形成された配向膜19の配向処理方向19aは、液晶表示装置の画面の左右方向(横軸x)に対し、観察者側(図面上側)から見て右回りに45°回転した方向にある。電圧無印加時には、配向膜18及び19界面近傍の液晶分子11は、その配向処理方向に長軸方向を一致させて配向するので、表示面側から見て右回りに実質的に90°の捩れ角でツイスト配向している。
また、第一の偏光子20は、その吸収軸20aを、配向膜18の配向処理方向18aと平行にして配置され、及び第二の偏光子21は、その吸収軸21aを第一の偏光子20の吸収軸20aに対し、実質的に直交にして配置されている。即ち、吸収軸20aは、横軸xに対し、表示面側から見て左回りに45°回転した方向にあり、吸収軸21aは、横軸xに対し、表示面側から見て右回りに45°回転した方向にあり、互いに直交している。なお、吸収軸20aが、横軸xに対し、表示面側から見て右回りに45°回転した方向にあり、吸収軸21aが、横軸xに対し、表示面側から見て左回りに45°回転した方向にあり、互いに直交していても、同様の表示特性になる。
さらに、一対の視野角補償フィルムF1及びF2のうち、表示面側の第一の視野角補償フィルムF1の光学異方性層22のディスコティック液晶分子の長軸の平均方向22aは、第一の基板の配向膜18の配向処理方向18aと実質的に平行であり、及びバックライト側の第二の視野角補償フィルムF2の光学異方性層23のディスコティック液晶分子の長軸の平均方向23aは、第二の基板の配向膜19の配向処理方向19aと実質的に平行である。
光学異方性層22のディスコティック液晶分子の長軸の平均方向22a及び光学異方性層23のディスコティック液晶分子の長軸の平均方向23aは、それぞれの支持体用フィルム24及び25の上に形成された配向膜26及び27それぞれの配向処理方向(一般的にはラビング軸)によって、所望の方向に調整することができる。
次に、図3は、TN型液晶表示装置の他の例における、各部材の光学的軸の相対関係を示す概念図である。この実施例の液晶表示装置は、狭視野角特性を示し、航空機コックピット用液晶ディスプレイ等として利用可能である。
図3では、液晶素子LC内の光学的軸関係は、図2と同様であるが、第一の偏光子20は、その吸収軸20aを、配向膜18の配向処理方向18aに対して右回り45°の方向にして配置され、及び第二の偏光子21は、その吸収軸21aを第一の偏光子20の吸収軸20aに対し、実質的に直交にして配置されている。即ち、吸収軸20aは、横軸xに対し平行な方向であり、吸収軸21aは、横軸xに対し垂直方向であり、互いに直交している。なお、吸収軸20aが、横軸xに対し垂直で、吸収軸21aが、横軸xに対し平行であっても、同様の表示特性になる。この態様では、液晶層10は、電界が印加されないときに、液晶分子11が実質的に90°でツイスト配向させるのが好ましい。
さらに、一対の視野角補償フィルムF1及びF2のうち、表示面側の第一の視野角補償フィルムF1の光学異方性層22は、そのディスコティック液晶分子の長軸の平均方向22aを、第一の基板の配向膜18の配向処理方向18aに対して右回り45°の方向にして配置され、及びバックライト側の第二の視野角補償フィルムF2の光学異方性層23は、そのディスコティック液晶分子の長軸の平均方向23aを、第一の基板の配向膜18の配向処理方向18aに対して左回り45°の方向にして配置されている。即ち、ディスコティック液晶分子の長軸の平均方向22aは、横軸xに対し平行な方向であり、ディスコティック液晶分子の長軸の平均方向23aは、横軸xに対し垂直方向である。なお、ディスコティック液晶分子の長軸の平均方向22aが、横軸xに対し垂直で、ディスコティック液晶分子の長軸の平均方向23aが、横軸xに対し平行であっても、同様の表示特性になる。
次に、図4は、TN型液晶表示装置の他の例における、各部材の光学的軸の相対関係を示す概念図である。この実施例の液晶表示装置は、広視野角特性を示し、図2に示した例と同様の用途の液晶表示装置として利用可能である。特に、図4に示す光学的軸関係を利用することにより、中間階調における階調反転のない高品位なノーマリーホワイト表示特性を得ることができる。
図4では、液晶素子LC内の光学的軸関係は、図2と同様であり、液晶素子LCと、第一及び第二の偏光子20及び21との光学的軸関係は、図3と同様である。即ち、第一の偏光子20の吸収軸20aは、横軸xに対し平行な方向であり、第二の偏光子21の吸収軸21aは、横軸xに対し垂直方向であり、即ち互いに直交している。なお、吸収軸20aが、横軸xに対し垂直で、吸収軸21aが、横軸xに対し平行であっても、同様の表示特性になる。この態様では、液晶層10は、電界が印加されないときに、液晶分子11が実質的に90°でツイスト配向させるのが好ましい。
図4では、一対の視野角補償フィルムF1及びF2のうち、表示面側の第一の視野角補償フィルムF1の光学異方性層22は、そのディスコティック液晶分子の長軸の平均方向22aを、第一の基板の配向膜18の配向処理方向18aに対して平行にして配置され、及びバックライト側の第二の視野角補償フィルムF2の光学異方性層23は、そのディスコティック液晶分子の長軸の平均方向23aを、第一の基板の配向膜18の配向処理方向18aに対して平行にして配置される。即ち、ディスコティック液晶分子の長軸の平均方向22aは、横軸xに対し、表示面側から見て左回りに45°回転した方向にあり、ディスコティック液晶分子の長軸の平均方向23aは、横軸xに対し、表示面側から見て右回りに45°回転した方向にある。なお、ディスコティック液晶分子の長軸の平均方向22aが、横軸xに対し、表示面側から見て右回りに45°回転した方向にあり、ディスコティック液晶分子の長軸の平均方向23aが、横軸xに対し、表示面側から見て左回りに45°回転した方向にあっても、同様の表示特性になる。
本発明の実施形態の中でも、図3及び図4の配置を利用した実施形態は、図2の配置を利用した実施形態よりも、中間調表示時の階調反転がなく、好ましい。
次に、本発明に利用可能な光学異方性層について、形成方法及び形成に利用される材料等について説明する。
本発明の液晶表示装置の光学補償に利用する光学異方性層は、円盤状液晶化合物の少なくとも一種を含有する液晶組成物から形成するのが好ましい。
使用可能な円盤状(ディスコティック)液晶化合物の例には、C.Destradeらの研究報告、Mol.Cryst.71巻、111頁(1981年)に記載されているベンゼン誘導体、C.Destradeらの研究報告、Mol.Cryst.122巻、141頁(1985年)、Physics lett,A,78巻、82頁(1990)に記載されているトルキセン誘導体、B.Kohneらの研究報告、Angew.Chem.96巻、70頁(1984年)に記載されたシクロヘキサン誘導体及びJ.M.Lehnらの研究報告、J.Chem.Commun.,1794頁(1985年)、J.Zhangらの研究報告、J.Am.Chem.Soc.116巻、2655頁(1994年)に記載されているアザクラウン系やフェニルアセチレン系マクロサイクルが含まれる。
円盤状液晶化合物の分子としては、分子中心の母核に対して、直鎖のアルキル基、アルコキシ基、置換ベンゾイルオキシ基が母核の側鎖として放射線状に置換した構造である液晶性を示す化合物も含まれる。分子または分子の集合体が、回転対称性を有し、一定の配向を付与できる化合物であることが好ましい。円盤状液晶化合物を含有する組成物から形成する光学異方性層は、最終的に光学異方性層に含まれる状態で液晶性を示す必要はない。例えば、熱や光で反応する基を有する低分子の円盤状液晶性分子を、加熱又は光照射により重合反応等させて、高分子量化すると、液晶性を失うが、かかる高分子量化された化合物を含む光学異方性層も、もちろん本発明に利用することができる。円盤状液晶化合物の好ましい例には、特開平8−50206号公報に記載されている化合物が含まれる。また、円盤状液晶性分子の重合については、特開平8−27284公報に記載がある。
円盤状液晶性分子を重合により固定するためには、円盤状液晶性分子の円盤状コアに、置換基として重合性基を結合させる必要がある。円盤状コアと重合性基は、連結基を介して結合する化合物が好ましく、これにより重合反応においても配向状態を保つことができる。例えば、特開2000−155216号公報明細書中の段落番号[0151]〜「0168」記載の化合物等が挙げられる。
前記光学異方性層の形成には、液晶化合物と共に、可塑剤、界面活性剤、重合性モノマー等の添加剤を併用してもよい。これらの添加剤は、塗工膜の均一性、膜の強度、液晶分子の配向性等を向上すること等、種々の目的で添加されるであろう。
重合性モノマーとしては、ラジカル重合性若しくはカチオン重合性の化合物が挙げられる。好ましくは、多官能性ラジカル重合性モノマーであり、上記の重合性基含有の液晶化合物と共重合性のものが好ましい。例えば、特開2002−296423号公報明細書中の段落番号[0018]〜[0020]記載のものが挙げられる。上記化合物の添加量は、円盤状液晶性分子に対して一般に1〜50質量%の範囲にあり、5〜30質量%の範囲にあることが好ましい。
界面活性剤としては、従来公知の化合物が挙げられるが、特にフッ素系化合物が好ましい。具体的には、例えば特開2001−330725号公報明細書中の段落番号[0028]〜[0056]記載の化合物が挙げられる。
使用可能なポリマーの例としては、セルロースエステルを挙げることができる。セルロースエステルの好ましい例としては、特開2000−155216号公報明細書中の段落番号[0178]記載のものが挙げられる。液晶性分子の配向を阻害しないように、上記ポリマーの添加量は、液晶性分子に対して0.1〜10質量%の範囲にあることが好ましく、0.1〜8質量%の範囲にあることがより好ましい。
円盤状液晶性分子のディスコティックネマティック液晶相−固相転移温度は、70〜300℃が好ましく、70〜170℃がさらに好ましい。
光学異方性層は、液晶性分子および必要に応じて後述の重合性開始剤や任意の成分を含む塗布液を、表面、好ましくは配向膜の表面、に塗布することで形成できる。
塗布液の調製に使用する溶媒としては、有機溶媒が好ましく用いられる。有機溶媒の例には、アミド(例、N,N−ジメチルホルムアミド)、スルホキシド(例、ジメチルスルホキシド)、ヘテロ環化合物(例、ピリジン)、炭化水素(例、ベンゼン、ヘキサン)、アルキルハライド(例、クロロホルム、ジクロロメタン、テトラクロロエタン)、エステル(例、酢酸メチル、酢酸ブチル)、ケトン(例、アセトン、メチルエチルケトン)、エーテル(例、テトラヒドロフラン、1,2−ジメトキシエタン)が含まれる。アルキルハライドおよびケトンが好ましい。二種類以上の有機溶媒を併用してもよい。
塗布液の塗布は、従来公知の方法により実施でき、前記の配向膜で記載の内容のものが挙げられる。
光学異方性層の厚さは、0.1〜20μmであることが好ましく、0.5〜15μmであることがさらに好ましく、1〜10μmであることがよりさらに好ましい。
配向させた液晶性分子を、配向状態を維持して固定することができる。固定化は、重合反応により実施することが好ましい。重合反応には、熱重合開始剤を用いる熱重合反応と光重合開始剤を用いる光重合反応とが含まれる。光重合反応が好ましい。
光重合開始剤の例には、α−カルボニル化合物(米国特許2367661号、同2367670号の各明細書記載)、アシロインエーテル(米国特許2448828号明細書記載)、α−炭化水素置換芳香族アシロイン化合物(米国特許2722512号明細書記載)、多核キノン化合物(米国特許3046127号、同2951758号の各明細書記載)、トリアリールイミダゾールダイマーとp−アミノフェニルケトンとの組み合わせ(米国特許3549367号明細書記載)、アクリジンおよびフェナジン化合物(特開昭60−105667号公報、米国特許4239850号明細書記載)およびオキサジアゾール化合物(米国特許4212970号明細書記載)が含まれる。
光重合開始剤の使用量は、塗布液の固形分の0.01〜20質量%の範囲にあることが好ましく、0.5〜5質量%の範囲にあることがさらに好ましい。
液晶性分子の重合のための光照射は、紫外線を用いることが好ましい。
照射エネルギーは、20mJ/cm2〜50J/cm2の範囲にあることが好ましく、20〜5000mJ/cm2の範囲にあることがより好ましく、100〜800mJ/cm2の範囲にあることがさらに好ましい。また、光重合反応を促進するため、加熱条件下で光照射を実施してもよい。
光学異方性層中の円盤状液晶性分子の長軸の平均方向は、一般に、光学異方性層の形成に利用する円盤状液晶又は配向膜の材料を選択することにより、またはラビング処理方法の条件を選択することにより、調整することができる。また、光学異方性層中の表面側(空気側)の円盤状液晶性分子の長軸(円盤面)方向は、一般に、光学異方性層の形成に用いる円盤状液晶性分子あるいは円盤状液晶性分子と共に使用する添加剤(例えば、可塑剤、界面活性剤、重合性モノマー及びポリマーなど)の種類を選択することにより調整することができる。長軸の配向方向の変化の程度も、上記と同様に、液晶性分子と添加剤との選択により調整できる。
以下に実施例に基づき本発明をさらに詳細に説明する。以下の実施例に示す材料、使用量、割合、処理内容、処理手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない限り、適宜、変更することができる。従って、本発明の範囲は以下に示す具体例に限定されるものではない。
<TN型液晶表示装置の作製>
図1と同一の構成のTN型液晶表示装置を作製した。但し、各部材の光学的軸関係を、図2、図3及び図4にそれぞれ示す関係にして、3種のTN型液晶表示装置1〜3を作製した。
なお、液晶層10の厚み等については以下の通りとした。
赤色フィルタに対応する画素の液晶層厚=4.0μm
緑色フィルタに対応する画素の液晶層厚=4.0μm
青色フィルタに対応する画素の液晶層厚=3.8μm
液晶の650nmの波長光に対するΔn=0.099
液晶の550nmの波長光に対するΔn=0.102
液晶の475nmの波長光に対するΔn=0.107
液晶のΔεの値=4.6
Δnd(650nm)=0.396
Δnd(550nm)=0.408
Δnd(450nm)=0.407
Δnd(450nm)/Δnd(650nm)=1.028
また、液晶層10は、電界が印加されていない状態では、ツイスト角おおよそ90°で配向させた。
一方、液晶層10は、黒表示時の電圧を印加された状態では、液晶分子11が平均チルト角72°で配向した。
また、使用した視野角補償フィルムF1及びF2については、セルローストリアセテートフィルム(TD−80U、富士フイルム製、フィルム厚さ方向のRth≒40nm、Re≒1.6nm)の表面に、配向膜を形成した後、該配向膜表面に、ディスコティック液晶を含有する重合性組成物を適用して、ディスコティック液晶分子を配向させた後、重合によりその状態に固定して光学異方性層22及び23を形成して作製した。光学異方性層22及び23のディスコティック液晶分子の長軸の平均方向22a及び23aは、支持体用の前記フィルム上に形成した配向膜26及び27に施したラビング処理の方向によって、所望の方向に調整した。この視野角補償フィルムF1及びF2の波長550nmの光に対するRe(0)は33nmであり、同波長に対するRe(−40)/Re(40)は、5.4であった。
<液晶表示装置の評価>
液晶表示装置3は、左右上下視野角80°の範囲でコントラスト比15以上を達成する広視野角特性の液晶表示装置であった。
一方、液晶表示装置2は、左右視野角10°の範囲でコントラスト比100以上を達成したが、その範囲を超えると、コントラスト比が急激に低下し、狭視野角特性の液晶表示装置として機能した。
さらに、作製した液晶表示装置1〜3を黒表示させ、斜め方向の色味付を評価した。広視野角特性の液晶表示装置1及び3については、画面法線方向に対して極角60°、及び方位角0〜360°(但し、画面左右方向が方位角0°)の方向から観察し、ならびに狭視野角特性の液晶表示装置2については、画面法線方向に対して極角60°、及び方位角0〜360°の方向から観察して評価した。結果を下記表に示す。黒表示時のカラーシフトは液晶表示装置1の上記条件での正面色味と色差を1とした時の相対値で表した。
また、液晶表示装置1〜3を中間調表示させて、階調反転の有無を評価した。広視野角特性の液晶表示装置3については、画面法線方向に対して極角45°、及び方位角270°の方向から観察し、ならびに狭視野角特性の液晶表示装置2については、画面法線方向に対して極角45°、及び方位角270°の方向から観察して評価した。結果を下記表に示す。
Figure 0005230233
上記結果から、本発明の実施例のTN型液晶表示装置はいずれも、極角60°方向における黒表示時のカラーシフトが軽減されていることが理解できる。
特に、液晶表示装置3及び4は、中間調表示における階調反転も生じず、優れた表示特性を示した。
液晶層10及び10’の層厚及び使用した液晶材料を代えて、以下の条件を満足する液晶層10及び10’を作製した以外は、上記と同様にして液晶表示装置11〜13を作製した。
赤色フィルタに対応する画素の液晶層厚=4.8μm
緑色フィルタに対応する画素の液晶層厚=4.8μm
青色フィルタに対応する画素の液晶層厚=4.6μm
液晶の650nmの波長光に対するΔn=0.081
液晶の550nmの波長光に対するΔn=0.083
液晶の450nmの波長光に対するΔn=0.086
液晶のΔεの値=5.3
Δnd(650nm)=0.389
Δnd(550nm)=0.398
Δnd(450nm)=0.395
Δnd(450nm)/Δnd(650nm)=1.017
TN型液晶表示装置11〜13の液晶層10は、電界が印加されていない状態では、ツイスト角おおよそ90°で配向させた。
一方、TN型液晶表示装置11〜13の液晶層10は、黒表示時の電圧を印加された状態では、液晶分子11が平均チルト角72°で配向した。
また、液晶表示装置11〜13には、上記と同様にして作製した視野角補償フィルムF1及びF2を使用した。但し、光学異方性層の層厚及びディスコティック液晶の使用量等を代えて、波長550nmの光に対するRe(0)が40nm、及び同波長に対するRe(−40)/Re(40)が
3.1の視野角補償フィルムF1及びF2を使用した。
上記と同様にして評価したところ、液晶表示装置12及び13は液晶表示装置11に対して、それぞれ、液晶表示装置2及び3と同様に良好な表示特性を示した。
なお、シミュレーションにより、TN型液晶表示装置のいずれも、視野角補償フィルムの光学特性が、25nm<Re(0)<45nm、且つ2<Re(−40)/Re(40)<7の範囲であると、黒表示時に液晶分子の平均チルト角θ°が60<θ<90を満足する液晶素子に対して、黒表示時の極角60°方向のカラーシフトを軽減できることを確認した。このシミュレーション結果は、上記の実験結果とよく相関していた。
本発明の一実施例であるTN型液晶表示装置の一部分の断面模式図である。 本発明の一実施例であるTN型液晶表示装置の各部材の光学的軸関係の一例を示す模式図である。 本発明の一実施例であるTN型液晶表示装置の各部材の光学的軸関係の他の例を示す模式図である。 本発明の一実施例であるTN型液晶表示装置の各部材の光学的軸関係の他の例を示す模式図である。
符号の説明
10、10’ 液晶層
11 液晶分子
12 第一の基板
13 第二の基板
12a、13a 配向処理方向
14、15 電極
16R、16G、16B カラーフィルタ
18、19 配向膜
20 第一の偏光子
21 第二の偏光子
20a、21a 吸収軸
22 第一の光学異方性層
23 第二の光学異方性層
22a、23a ディスコティック液晶分子の長軸の平均方向
24、25 支持体用フィルム
26、27 配向膜
LC 液晶素子
F1、F2 視野角補償フィルム

Claims (7)

  1. 対向配置されその対向面にそれぞれ複数の画素を形成する電極が設けられた一対の基板であって、一方の基板の対向面に前記複数の画素にそれぞれ対応する赤、緑、及び青の3色のカラーフィルタが設けられた一対の基板と、前記一対の基板間に90°の捩れ角でツイスト配向する液晶層とを有する液晶素子;
    互いの吸収軸を直交させて、前記液晶素子を挟んで配置される一対の偏光子;及び
    前記液晶素子と前記一対の偏光子との間にそれぞれ配置され、ディスコティック液晶を硬化させて形成される光学異方性層を有する一対の視野角補償フィルム;
    を備えた液晶表示装置であって、
    前記液晶素子の電極間に黒を表示させる電圧を印加したときの前記液晶分子の平均チルト角θ°が60<θ<90を満足し、
    前記視野角補償フィルムの法線方向から光(波長550nm)を入射して測定したレターデーションRe(0)、前記視野角補償フィルムの遅相軸を回転軸として、前記視野角補償フィルム法線方向に対して+40°回転させた方向から光(波長550nm)を入射して測定したレターデーションRe(40)及び−40°回転させた方向から光(波長550nm)を入射して測定したレターデーションRe(−40)が、25nm<Re(0)<45nm、且つ2<Re(−40)/Re(40)<7を満足することを特徴とする液晶表示装置。
  2. 前記液晶層が、波長450nmの光に対する屈折率異方性Δn(450nm)及び波長650nmの光に対する屈折率異方性Δn(650nm)が1<Δn(450nm)/Δn(650nm)≦1.07を満足する液晶材料から形成されていることを特徴とする請求項1に記載の液晶表示装置。
  3. 前記液晶層を形成する液晶材料の屈折率異方性Δnと液晶層厚みdとの積Δndが、340〜430nmであることを特徴とする請求項1又は2に記載の液晶表示装置。
  4. 前記液晶層を形成する液晶材料の波長450nmの光に対する屈折率異方性Δn(450nm)と液晶層厚みdとの積Δnd(450nm)、及び波長650nmの光に対する屈折率異方性Δn(650nm)と液晶層厚みdとの積Δnd(650nm)が、0.94≦Δnd(450nm)/Δnd(650nm)≦1.10を満足することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の液晶表示装置。
  5. 前記液晶層を形成する液晶材料の屈折率異方性Δnと液晶層厚みdとの積Δndの値が、赤及び緑のカラーフィルタに対応する画素においてそれぞれ340〜430nmであり、青のカラーフィルタに対応する画素において前記赤及び緑のカラーフィルタに対応する画素のΔndよりも1.10倍以下の比率で大きい値であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の液晶表示装置。
  6. 前記一対の基板のうち一方の基板(第一の基板)の対向面に、観察側から見て表示面左右方向の水平線に対して45°である第一の方向に配向処理が施された第一の配向膜、及び他方の基板(第二の基板)の対向面に、前記第一の方向に対して90°で交差する第二の方向に配向処理が施された第二の配向膜をさらに有し;
    前記第一及び第二の基板の電極間に電界が印加されないときに、前記液晶層中の液晶分子が前記第一の配向膜から前記第二の配向膜に向かって90°でツイスト配向し;
    前記一対の偏光子のうち前記第一の基板により近い偏光子(第一の偏光子)の吸収軸が、前記第一の方向に対して45°の方向であり;
    前記一対の視野角補償フィルムのうち、前記第一の基板と第一の偏光子との間に配置されている第一の視野角補償フィルムの光学異方性層(第一の光学異方性層)のディスコティック液晶分子の長軸の平均方向及び他方の視野角補償フィルム(第二の視野角補償フィルム)の光学異方性層(第二の光学異方性層)のディスコティック液晶分子の長軸の平均方向が、前記第一の方向に対して45°の方向であり、且つ第一及び第二の光学異方性層のディスコティック液晶分子の長軸の平均方向が互いに直交し;及び
    前記第一の偏光子の吸収軸と他方の偏光子(第二の偏光子)の吸収軸とが、直交する方向である;ことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の液晶表示装置。
  7. 前記第一の基板のうち一方の基板(第一の基板)の対向面に、観察側から見て表示面左右方向の水平線に対して45°である第一の方向に配向処理が施された第一の配向膜、及び他方の基板(第二の基板)の対向面に、前記第一の方向に対して90°で交差する第二の方向に配向処理が施された第二の配向膜をさらに有し;
    前記第一及び第二の基板の電極間に電界が印加されないときに、前記液晶層中の液晶分子が前記第一の配向膜から前記第二の配向膜に向かって90°でツイスト配向し;
    前記一対の偏光子のうち前記第一の基板により近い偏光子(第一の偏光子)の吸収軸が、前記第一の方向に対して45°の方向であり;
    前記一対の視野角補償フィルムのうち、前記第一の基板と第一の偏光子との間に配置されている第一の視野角補償フィルムの光学異方性層(第一の光学異方性層)のディスコティック液晶分子の長軸の平均方向が、前記第一の方向に対して平行で、且つ他方の視野角補償フィルム(第二の視野角補償フィルム)の光学異方性層(第二の光学異方性層)のディスコティック液晶分子の長軸の平均方向が、前記第一の方向に対して直交し;及び
    前記第一の偏光子の吸収軸と他方の偏光子(第二の偏光子)の吸収軸とが、直交する方向であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の液晶表示装置。
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