JP2009098645A - 光学補償フィルム、偏光板及び液晶表示装置 - Google Patents

光学補償フィルム、偏光板及び液晶表示装置 Download PDF

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Abstract

【課題】液晶表示装置の白表示時に斜め横方向に生じる黄色味の軽減に寄与し得る新規な光学補償フィルムを提供する。
【解決手段】少なくとも、波長550nmにおける面内レターデーションRe(550)が20〜40nmであり、波長550nmにおけるレターデーションが0nmになる方向が存在せず、且つ波長550nmにおけるレターデーションの絶対値が最小となる方向が、層の法線方向にも面内にもない第1の光学異方性層(11)、及び波長550nmにおける面内レターデーションRe(550)が20〜150nmであり、且つ波長550nmにおける厚さ方向のレターデーションRth(550)が40〜110nmである第2の光学異方性層(12)を有することを特徴とする光学補償フィルムである。
【選択図】図1

Description

本発明は、光学補償フィルム、偏光板及び液晶表示装置に関し、特に、TNモード液晶表示装置の光学補償に有用な光学補償フィルム及び偏光板、並びにそれを用いたTNモード液晶表示装置に関する。
従来、TNモード液晶表示装置用の光学補償フィルムとして、透明支持体上に、液晶組成物から形成された光学異方性層を有する光学補償フィルムが種々提案されている。この構成の光学補償フィルムでは、一般的には、液晶組成物から形成された光学異方性層にTNモード液晶セルの光学補償に必要なレターデーションを持たせ、液晶セルを補償して視野角を拡大している。一方、液晶組成物から形成された光学異方性層を支持するポリマーフィルム等からなる透明支持体の光学特性を所定の範囲とした光学補償シートとしては、例えば、特許文献1及び2に記載の光学補償シートが挙げられる。
特開2002−169023号公報 特開2003−21718号公報
しかし、従来の前記構成の光学補償フィルムを、実際にTNモードの液晶表示装置に用いると、白表示時に斜め横方向から観察した場合に、白画面が黄色味を帯びて見える場合がある。特に、テレビ(TV)やTV機能付きパーソナルコンピューター(PC)では、その表示画面を複数の観察者が様々な位置から観察する場合が多く、従来のPCの表示モニターが満足する視野角特性では、TV(又はTV機能付きPC用の表示モニター)では、充分ではない。
本発明は、液晶表示装置の視野角特性の改善、特に、白表示時に斜め横方向に生じる黄色味の軽減に寄与し得る新規な光学補償フィルムを提供することを課題とする。
また、本発明は、視野角特性が改善された、特に、白表示時に斜め横方向に生じる黄色味が軽減された液晶表示装置を提供することを課題とする。
前記課題を解決するための手段は、以下の通りである。
[1] 少なくとも第1及び第2の光学異方性層を有する光学補償フィルムであって、
第1の光学異方性層の波長550nmにおける面内レターデーションRe(550)が20〜40nmであり、波長550nmにおけるレターデーションが0nmになる方向が存在せず、且つ波長550nmにおけるレターデーションの絶対値が最小となる方向が、層の法線方向にも面内にもなく、及び
第2の光学異方性層の面内レターデーションRe(550)が20〜150nmであり、且つ波長550nmにおける厚さ方向のレターデーションRth(550)が40〜110nmであることを特徴とする光学補償フィルム。
[2] 前記第2の光学異方性層が、セルロースアシレートフィルムであることを特徴とする[1]の光学補償フィルム。
[3] 前記第2の光学異方性層が、ノルボルネン系ポリマーフィルム、シクロオレフィン系ポリマーフィルム、又はポリカーボネートフィルムであることを特徴とする[1]の光学補償フィルム。
[4] TNモード液晶表示装置用の光学補償フィルムであることを特徴とする[1]〜[3]のいずれかの液晶表示装置。
[5] [1]〜[4]のいずれかの光学補償フィルム及び偏光膜を有する偏光板であり、前記光学補償フィルムの面内の遅相軸と偏光膜の面内の透過軸とが平行であることを特徴とする偏光板。
[6] 少なくとも一方に電極を有する対向配置された一対の基板と、該一対の基板間に挟持され、ネマチック液晶材料を含み、黒表示時に該ネマチック液晶材料の液晶分子が前記一対の基板の表面に対して略垂直に配向する液晶層とを有する液晶セル、
該液晶セルを挟持して配置された第一及び第二の偏光膜、並びに
[1]〜[4]のいずれかの光学補償フィルムを前記液晶層と第一及び第二の偏光膜との間にそれぞれ有することを特徴とする液晶表示装置。
本発明によれば、液晶表示装置の視野角特性の改善、特に、白表示時に斜め横方向に生じる黄色味の軽減に寄与し得る新規な光学補償フィルムを提供することができる。
また、本発明によれば、視野角特性が改善された、特に、白表示時に斜め横方向に生じる黄色味が軽減された液晶表示装置を提供することができる。
以下、本発明について詳細に説明する。なお、本明細書において「〜」とはその前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む意味で使用される。
本明細書において、Re(λ)及びRth(λ)は各々、波長λにおける面内のレターデーション(nm)及び厚さ方向のレターデーション(nm)を表す。Re(λ)はKOBRA 21ADH又はWR(商品名、王子計測機器(株)製)において波長λnmの光をフィルム法線方向に入射させて測定される。
測定されるフィルムが1軸又は2軸の屈折率楕円体で表されるものである場合には、以下の方法により厚さ方向のレターデーションRth(λ)は算出される。
厚さ方向のレターデーションRth(λ)は、前記面内レターデーションRe(λ)を、面内の遅相軸(KOBRA 21ADH又はWRにより判断される)を傾斜軸(回転軸)として(遅相軸がない場合にはフィルム面内の任意の方向を回転軸とする)のフィルム法線方向に対して法線方向から片側50度まで10度ステップで各々その傾斜した方向から波長λnmの光を入射させて全部で6点測定し、その測定されたレターデーション値と平均屈折率の仮定値及び入力された膜厚値を基にKOBRA 21ADH又はWRにおいて算出される。
上記において、法線方向から面内の遅相軸を回転軸として、ある傾斜角度にレターデーションの値がゼロとなる方向をもつフィルムの場合には、その傾斜角度より大きい傾斜角度でのレターデーション値はその符号を負に変更した後、KOBRA 21ADH又はWRにおいて算出される。
尚、遅相軸を傾斜軸(回転軸)として(遅相軸がない場合にはフィルム面内の任意の方向を回転軸とする)、任意の傾斜した2方向からレターデーション値を測定し、その値と平均屈折率の仮定値及び入力された膜厚値を基に、以下の数式(1)及び数式(2)により厚さ方向のレターデーションRthを算出することもできる。
Figure 2009098645
Figure 2009098645
式中、Re(θ)は法線方向から角度θ傾斜した方向におけるレターデーション値を表す。nxは面内における遅相軸方向の屈折率を表し、nyは面内においてnxに直交する方向の屈折率を表し、nzはnx及びnyに直交する方向の屈折率を表す。dはフィルムの膜厚を表す。
測定されるフィルムが1軸や2軸の屈折率楕円体で表現できないもの、いわゆる光学軸(optic axis)がないフィルムの場合には、以下の方法により厚さ方向のレターデーションRth(λ)が算出される。
厚さ方向のレターデーションRth(λ)は、前記面内レターデーションRe(λ)を、面内の遅相軸(KOBRA 21ADH又はWRにより判断される)を傾斜軸(回転軸)としてフィルム法線方向に対して−50度から+50度まで10度ステップで各々その傾斜した方向から波長λnmの光を入射させて11点測定し、その測定されたレターデーション値と平均屈折率の仮定値及び入力された膜厚値を基にKOBRA 21ADH又はWRにより算出される。
上記の測定において、平均屈折率の仮定値は、ポリマーハンドブック(JOHN WILEY&SONS,INC)、各種光学フィルムのカタログの値を使用することができる。平均屈折率の値が既知でないものについてはアッベ屈折計で測定することができる。主な光学フィルムの平均屈折率の値を以下に例示する:
セルロースアシレート(1.48)、シクロオレフィンポリマー(1.52)、ポリカーボネート(1.59)、ポリメチルメタクリレート(1.49)、ポリスチレン(1.59)である。
これら平均屈折率の仮定値と膜厚を入力することで、KOBRA 21ADH又はWRにおいてnx、ny、nzが算出される。この算出されたnx、ny、nzによりNz=(nx−nz)/(nx−ny)が更に算出される。
また、本明細書において、測定波長を特に付記しない場合は、波長550nmにおける面内レターデーションRe及び厚さ方向のレターデーションRthであるとする。また、本明細書において、光学特性等を示す数値及び数値範囲については、液晶表示装置やそれに用いられる部材について一般的に許容される誤差を含む数値又は数値範囲であると解釈されるものとする。光学的な軸(偏光子の偏光軸や光学異方性層の遅相軸等の関係(「平行」及び「直交」等)やその軸間の角度についても同様である。
[光学補償フィルム]
本発明は、少なくとも第1及び第2の光学異方性層を有する光学補償フィルムであって、第1の光学異方性層の波長550nmにおける面内レターデーションRe(550)が20〜40nmであり、及び第2の光学異方性層の面内レターデーションRe(550)が20〜150nmであり、且つ波長550nmにおける厚さ方向のレターデーションRth(550)が40〜110nmであることを特徴とする。
本発明者が鋭意検討した結果、透明支持体上に液晶組成物からなる光学異方性層を有する構成の従来の光学補償フィルムを用いた場合に生じる白表示時の斜め横方向の黄色味付きは、光学異方性層のレターデーションを低下させることで解消されることを見出した。しかし、液晶セルの光学補償には所定の範囲のレターデーションが必要であり、光学異方性層のレターデーションを低下させると、視野角特性が低下する。本発明では、透明支持体に光学補償に必要なレターデーションの一部を分担させることで、従来の光学補償能を維持しつつ、白表示時の斜め横方向に生じる黄色味付きを軽減している。
通常、TN液晶表示装置では、セルを挟んで2枚の偏光板が、その透過軸を直交させて配置されている。液晶セルを正面方向から観察した場合と比較して、斜め横方向から観察した場合に、見掛け上の透過軸交差角が減少し、直交ではなくなる。一方、液晶セルの屈折率異方性は低波長域で大きいため、液晶セルを通過する光線は低波長域であるほど旋光することになる。このTN液晶セルの旋光性が、波長に依存して異なる(旋光分散)ことが、TN液晶表示装置を白表示させた際に、斜め横方向に生じる黄色味付きの原因であると考えられる。より具体的には、TN液晶セルに斜め横方向に入射された光線において、旋光角度の大きい低波長域の成分は、入射側偏光板との見かけ上の透過軸交差角の小さい出射側偏光板を通過できなくなり、相対的に高波長域の光線の通過量が多くなることから、本来の白表示が黄色付く現象が発生する。第1の光学異方性層(具体的には、液晶組成物をハイブリッド配向状態に固定して形成された光学異方性層)の屈折率異方性は低波長域で大きいので、TN液晶セルと偏光板の間に第1の光学異方性層を配置すると、低波長域の光線の旋光を更に増加させるため、斜め横方向の出射光線の黄色味付きは顕著となる。従って、第1の光学異方性層の屈折率異方性を減少させることで、上記斜め横方向の出射光線の黄色味付きを抑制することが可能だが、同時に、屈折率異方性の寄与で行われていた視野角補償能が減少し、表示性能が劣化する。そこで、高波長域における屈折率異方性の大きい、もしくは高波長域と低波長域の屈折率異方性の差が少ない、第2の光学異方性層(具体的にはポリマーフィルム)を併用し、第2の光学異方性層で不足した屈折率異方性を第2の光学異方性層に分担させることで、従来の光学補償能を維持して広視野角を実現し、同時に白表示時の斜め横方向出射光線の黄色味付きを軽減している。
本発明の光学補償フィルムの一態様の断面模式図を図1に示す。図1に示す光学補償フィルム10は、液晶組成物から形成された第1の光学異方性層11と、それを支持するポリマーフィルムである第2の光学異方性層12とを有する。光学異方性層11と12との間には、液晶組成物から光学異方性層11を形成する際に、液晶性分子の配向を制御する配向膜を配置してもよい。なお、図1は模式図であり、各層の相対的厚みは実際の光学補償フィルムにおける各層の相対的厚みを必ずしも反映していない。後述する図2及び図3においても同様である。
以下、本発明の光学補償フィルムの作製に使用可能な種々の材料、及び作製方法について説明する。
(第1の光学異方性層)
本発明の光学補償フィルムは、面内レターデーションRe(550)が20〜40nmであり、波長550nmにおけるレターデーションが0nmになる方向が存在せず、且つ波長550nmにおけるレターデーションの絶対値が最小となる方向が、層の法線方向にも面内にもないという特性を有する第1の光学異方性層を有する。かかる特性の光学異方性層の一例として、液晶組成物をハイブリッド配向状態に固定して形成される光学異方性層が挙げられる。第1の光学異方性層の面内レターデーションRe(550)は、20〜40nmであるのが好ましく、22〜38nmであるのがより好ましい。第1の光学異方性層の面内レターデーションRe(550)が20nm未満であると、従来同様の構成の光学補償フィルムで達成していた光学補償能が損なわれる。一方、面内レターデーションRe(550)が40nmを越えると、本発明の効果、即ち、白表示時の斜め横方向の黄色味付きの軽減効果、が得られない。液晶組成物から形成された第1の光学異方性層の面内レターデーションRe(550)が前記範囲であると、従来の同様の構成の光学補償フィルムが達成していた光学補償能を維持できるとともに、前記黄色味付きを軽減することができる。
前記第1の光学異方性層の形成に用いる液晶組成物は、ネマチック相及びスメクチック相を形成し得る液晶組成物であるのが好ましい。液晶化合物は、一般的に、その分子の形状に基づいて、棒状及び円盤状液晶化合物に分類されるが、本発明ではいずれの形状の液晶化合物を用いてもよい。前記第1の光学異方性層に要求される特性を満足するためには、用いる液晶化合物は、その分子の配向により複屈折性を発現した際に、複屈折性の波長分散性が低い、又は逆分散性(短波長ほど小さい)を示す化合物が好ましい。
棒状液晶化合物を用いる場合は、前記第1の光学異方性層に要求される特性を満足するためには、2種以上の棒状液晶化合物を用いるのが好ましい。好ましい組み合わせとしては、下記式(I)で表される棒状液晶の少なくとも一種と、下記式(II)で表される棒状液晶の少なくとも一種との組み合わせが挙げられる。
Figure 2009098645
式中、A及びBはそれぞれ、芳香族もしくは脂肪族炭化水素環、又はヘテロ環の基を表し;R1〜R4はそれぞれ、置換もしくは無置換の、C1〜12(好ましくはC3〜7)のアルキレン基、又はC1〜12(好ましくはC3〜7)のアルキレン鎖を含むアルコキシ基、アシルオキシ基、アルコキシカルボニル基もしくはアルコキシカルボニルオキシ基を表し;Ra、Rb及びRcはそれぞれ置換基を表し;x、y及びzはそれぞれ、1〜4の整
数を表す。
前記式中、R1〜R4に含まれるアルキル鎖は、直鎖状及び分岐状のいずれであってもよい。直鎖状であるのがより好ましい。また、組成物を硬化させるために、R1〜R4は末端に重合性基を有しているのが好ましく、該重合性基の例には、アクリロイル基、メタクリロイル基、及びエポキシ基等が含まれる。
前記式(I)中、x及びzは0で、且つyが1であるのが好ましく、1個のRbは、オキシカルボニル基又はアシルオキシ基に対してメタ位もしくはオルト位の置換基であるのが好ましい。RbはC1〜12のアルキル基(例えばメチル基)、ハロゲン原子(例えば
フッ素原子)等が好ましい。
前記式(II)中、A及びBはそれぞれ、フェニレン基又はシクロへキシレン基であるのが好ましく、A及びBの双方がフェニレン基であるか、又は一方がシクロへキシレン基で且つ他方がフェニレン基であるのが好ましい。
以下に前記一般式(I)で表される化合物の具体例、及び一般式(II)で表される化合物の具体例を挙げるが、以下の具体例に限定されるものではない。
Figure 2009098645
Figure 2009098645
前記一般式(I)及び(II)の化合物の割合については特に制限はない。前記特性を満足する光学異方性層を形成するために、等量使用しても、いずれか一方を主成分として、他方を副成分として使用してもよい。
前記第1の光学異方性層の作製に用いられる円盤状液晶化合物としては、特開2006−76992号公報明細書中の段落番号[0052]、特開2007−2220号公報明細書中の段落番号[0040]〜[0063]に記載の化合物が適しており、例えば下記一般式(DI)で表される化合物が好ましい。これらは、高い複屈折性を示すので好ましい。下記一般式(DI)表される化合物の中でも、ディスコティック液晶性を示す化合物が好ましく、特に、ディスコティックネマチック相を示す化合物が好ましい。
Figure 2009098645
一般式(DI)中、Y11、Y12、Y13は、それぞれ独立にメチン又は窒素原子を表す。L1、L2、L3は、それぞれ独立に単結合又は2価の連結基を表す。H1、H2、H3はそれぞれ独立に、下記一般式(DI−A)又は下記一般式(DI−B)を表す。R1、R2、R3は、それぞれ独立に下記一般式(DI−R)を表す。
一般式(DI)中、Y11、Y12及びY13はそれぞれ独立に、メチン又は窒素原子を表す。Y11、Y12及びY13がそれぞれメチンの場合、メチンが有する水素原子は置換基によって置換されていてもよい。メチンが有していてもよい置換基としては、例えば、アルキル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アシルオキシ基、アシルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ハロゲン原子及びシアノ基を挙げることができる。これらの中では、アルキル基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、アシルオキシ基、ハロゲン原子及びシアノ基がより好ましく、炭素原子数(置換基が有する炭素原子数をいう、以下、ディスコティック液晶化合物が有していてもよい置換基について同じ)1〜12のアルキル基、炭素原子数1〜12のアルコキシ基、炭素原子数2〜12アルコキシカルボニル基、炭素原子数2〜12アシルオキシ基、ハロゲン原子及びシアノ基がさらに好ましい。
11、Y12、Y13は、すべてメチンであることが好ましく、またメチンは無置換であることが好ましい。
一般式(DI)中、L1、L2及びL3はそれぞれ独立に、単結合又は2価の連結基である。前記2価の連結基は、−O−、−S−、−C(=O)−、−NR7−、−CH=CH−、−C≡C−、2価の環状基及びそれらの組み合わせからなる群より選ばれる2価の連結基であることが好ましい。上記R7は炭素原子数が1〜7のアルキル基又は水素原子であり、炭素原子数1〜4のアルキル基又は水素原子であることがより好ましく、メチル基、エチル基又は水素原子であることがさらに好ましく、水素原子であることが特に好ましい。
1、L2、L3で表される2価の環状基は、5員環、6員環又は7員環であることが好ましく、5員環又は6員環であることがより好ましく、6員環であることがさらに好ましい。環状基に含まれる環は、縮合環であってもよい。ただし、縮合環よりも単環であることがより好ましい。また、環状基に含まれる環は、芳香族環、脂肪族環、及び複素環のいずれでもよい。芳香族環の例には、ベンゼン環及びナフタレン環が含まれる。脂肪族環の例には、シクロヘキサン環が含まれる。複素環の例には、ピリジン環及びピリミジン環が含まれる。環状基は、芳香族環及び複素環を含んでいるのが好ましい。
前記2価の環状基のうち、ベンゼン環を有する環状基としては、1,4−フェニレン基が好ましい。ナフタレン環を有する環状基としては、ナフタレン−1,5−ジイル基及びナフタレン−2,6−ジイル基が好ましい。シクロヘキサン環を有する環状基としては1,4−シクロへキシレン基であることが好ましい。ピリジン環を有する環状基としてはピリジン−2,5−ジイル基が好ましい。ピリミジン環を有する環状基としては、ピリミジン−2,5−ジイル基が好ましい。
1、L2又はL3で表される前記2価の環状基は、置換基を有していてもよい。置換基の例には、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、炭素原子数1〜16のアルキル基、炭素原子数2〜16のアルケニル基、炭素原子数2〜16のアルキニル基、炭素原子数1〜16のハロゲン原子で置換されたアルキル基、炭素原子数が1〜16のアルコキシ基、炭素原子数が2〜16のアシル基、炭素原子数が1〜16のアルキルチオ基、炭素原子数が2〜16のアシルオキシ基、炭素原子数が2〜16のアルコキシカルボニル基、カルバモイル基、炭素原子数が2〜16のアルキル基で置換されたカルバモイル基及び炭素原子数が2〜16のアシルアミノ基が含まれる。
1、L2及びL3としては、単結合、*−O−CO−、*−CO−O−、*−CH=CH−、*−C≡C−、*−2価の環状基−、*−O−CO−2価の環状基−、*−CO−O−2価の環状基−、*−CH=CH−2価の環状基−、*−C≡C−2価の環状基−、*−2価の環状基−O−CO−、*−2価の環状基−CO−O−、*−2価の環状基−CH=CH−又は*−2価の環状基−C≡C−が好ましい。特に、単結合、*−CH=CH−、*−C≡C−、*−CH=CH−2価の環状基−又は*−C≡C−2価の環状基−がより好ましく、単結合がさらに好ましい。ここで、*は一般式(I)中のY11、Y12及びY13を含む6員環に結合する位置を表す。
一般式(DI)中、H1、H2及びH3はそれぞれ独立に、下記一般式(DI−A)もしくは下記一般式(DI−B)を表す。
Figure 2009098645
一般式(DI−A)中、YA1及びYA2はそれぞれ独立に、メチン又は窒素原子を表す。YA1及びYA2は、少なくとも一方が窒素原子であることが好ましく、双方が窒素原子であることがより好ましい。XAは酸素原子、硫黄原子、メチレン又はイミノを表す。XAは、酸素原子であることが好ましい。*はL1〜L3と結合する位置を表し、**はR1〜R3と結合する位置を表す。
Figure 2009098645
一般式(DI−B)中、YB1及びYB2は、それぞれ独立にメチン又は窒素原子を表す。YB1及びYB2は、少なくとも一方が窒素原子であることが好ましく、双方が窒素原子であることがより好ましい。XBは酸素原子、硫黄原子、メチレン又はイミノを表す。XBは、酸素原子であることが好ましい。*はL1〜L3と結合する位置を表し、**はR1〜R3と結合する位置を表す。
1、R2、R3は、それぞれ独立に下記一般式(DI−R)を表す。
一般式(DI−R)
*−(−L21−F1n1−L22−L23−Q1
一般式(DI−R)中、*は一般式(DI)中のH1、H2又はH3に結合する位置を表す。F1は少なくとも1種類の環状構造を有する2価の連結基を表す。L21は単結合又は2価の連結基を表す。L21が2価の連結基の場合、−O−、−S−、−C(=O)−、−NR7−、−CH=CH−、−C≡C−、及びそれらの組み合わせからなる群より選ばれる2価の連結基であることが好ましい。上記R7は炭素原子数が1〜7のアルキル基又は水素原子であり、炭素原子数1〜4のアルキル基又は水素原子であることがより好ましく、メチル基、エチル基又は水素原子であることがさらに好ましく、水素原子であることが特に好ましい。
21は単結合、**−O−CO−、**−CO−O−、**−CH=CH−又は**−C≡C−(ここで、**は一般式(DI−R)中のL21の左側を表す)が好ましい。特に、単結合が好ましい。
一般式(DI−R)中のF1は少なくとも1種類の環状構造を有する2価の環状連結基を表す。環状構造は、5員環、6員環又は7員環であることが好ましく、5員環又は6員環であることがより好ましく、6員環であることがさらに好ましい。環状構造は、縮合環であってもよい。ただし、縮合環よりも単環であることがより好ましい。また、環状基に含まれる環は、芳香族環、脂肪族環、及び複素環のいずれでもよい。芳香族環の例には、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、フェナントレン環が含まれる。脂肪族環の例には、シクロヘキサン環が含まれる。複素環の例には、ピリジン環及びピリミジン環が含まれる。
1のうち、ベンゼン環を有するものとしては、1,4−フェニレン基、1,3−フェニレン基が好ましい。ナフタレン環を有するものとしては、ナフタレン−1,4−ジイル基、ナフタレン−1,5−ジイル基、ナフタレン−1,6−ジイル基、ナフタレン−2,5−ジイル基、ナフタレン−2,6−ジイルナフタレン−2,7−ジイル基が好ましい。シクロヘキサン環を有するものとしては1,4−シクロへキシレン基であることが好ましい。ピリジン環を有するものとしてはピリジン−2,5−ジイル基が好ましい。ピリミジン環を有するものとしては、ピリミジン−2,5−ジイル基が好ましい。F1は、特に、1,4−フェニレン基、1,3−フェニレンナフタレン−2,6−ジイル基及び1,4−シクロへキシレン基が好ましい。
1は、置換基を有していてもよい。置換基の例には、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、シアノ基、ニトロ基、炭素原子数1〜16のアルキル基、炭素原子数1〜16のアルケニル基、炭素原子数2〜16のアルキニル基、炭素原子数1〜16のハロゲン原子で置換されたアルキル基、炭素原子数1〜16のアルコキシ基、炭素原子数2〜16のアシル基、炭素原子数1〜16のアルキルチオ基、炭素原子数2〜16のアシルオキシ基、炭素原子数2〜16のアルコキシカルボニル基、カルバモイル基、炭素原子数2〜16のアルキル基で置換されたカルバモイル基及び炭素原子数2〜16のアシルアミノ基が含まれる。該置換基は、ハロゲン原子、シアノ基、炭素原子数1〜6のアルキル基、炭素原子数1〜6のハロゲン原子で置換されたアルキル基が好ましく、ハロゲン原子、炭素原子数1〜4のアルキル基、炭素原子数1〜4のハロゲン原子で置換されたアルキル基がより好ましく、特に、ハロゲン原子、炭素原子数1〜3のアルキル基、トリフルオロメチル基が好ましい。
n1は0〜4整数を表す。n1としては、1〜3の整数が好ましく、1又は2が好ましい。なお、n1が0の場合は、式(DI−R)中のL22が直接、前記一般式(D1)中のH1〜H3と結合する。n1が2以上の場合、それぞれの−L21−F1は同一でも異なっていてもよい。
22は、−O−、−O−CO−、−CO−O−、−O−CO−O−、−S−、−NH−、−SO2−、−CH2−、−CH=CH−又は−C≡C−を表す。好ましくは、−O−、−O−CO−、−CO−O−、−O−CO−O−、−CH2−、−CH=CH−又は−C≡C−であり、より好ましくは、−O−、−O−CO−、−CO−O−、−O−CO−O−又は−CH2−である。
ここで、上記のうち水素原子を含む基であるときは、該水素原子は置換基で置き換わってもよい。他の置換基の例には、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、炭素原子数1〜6のアルキル基、炭素原子数1〜6のハロゲン原子で置換されたアルキル基、炭素原子数1〜6のアルコキシ基、炭素原子数2〜6のアシル基、炭素原子数1〜6のアルキルチオ基、炭素原子数2〜6のアシルオキシ基、炭素原子数2〜6のアルコキシカルボニル基、カルバモイル基、炭素原子数2〜6のアルキル基で置換されたカルバモイル基及び炭素原子数2〜6のアシルアミノ基が含まれる。特に、ハロゲン原子、炭素原子数1〜6のアルキル基が好ましい。
23は、−O−、−S−、−C(=O)−、−SO2−、−NH−、−CH2−、−CH=CH−及び−C≡C−並びにこれらの2個以上を連結して形成される基から選択される2価の連結基である。ここで、−NH−、−CH2−、−CH=CH−の水素原子は、他の置換基に置き換えられていてもよい。他の置換基の例には、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、炭素原子数1〜6のアルキル基、炭素原子数1〜6のハロゲン原子で置換されたアルキル基、炭素原子数1〜6のアルコキシ基、炭素原子数2〜6のアシル基、炭素原子数1〜6のアルキルチオ基、炭素原子数2〜6のアシルオキシ基、炭素原子数2〜6のアルコキシカルボニル基、カルバモイル基、炭素原子数2〜6のアルキル基で置換されたカルバモイル基及び炭素原子数2〜6のアシルアミノ基が含まれる。特に、ハロゲン原子、炭素原子数1〜6のアルキル基が好ましい。これらの置換基に置き換えられることにより、前記一般式(DI)で表される化合物の溶媒に対する溶解性を向上させることができ、容易に、塗布液として本発明の組成物を調製することができる。
23は、−O−、−C(=O)−、−CH2−、−CH=CH−及び−C≡C−並びにこれらの組み合わせからなる群から選ばれる連結基であることが好ましい。L23は、炭素原子を1〜20個含有することが好ましく、炭素原子を2〜14個を含有することがより好ましい。さらに、L23は−CH2−を1〜16個含有することが好ましく、−CH2−を2〜12個含有することがより好ましい。
1は重合性基又は水素原子である。一般式(DI)で表される化合物を、光学補償フィルムのような位相差の大きさが熱により変化しないことを必要とする光学フィルム等の作製に用いる場合には、Q1は重合性基であることが好ましい。重合反応は、付加重合(開環重合を含む)又は縮合重合であることが好ましい。言い換えると、重合性基は、付加重合反応又は縮合重合反応が可能な官能基であることが好ましい。以下に重合性基の例を示す。
Figure 2009098645
Figure 2009098645
さらに、重合性基は付加重合反応が可能な官能基であることが特に好ましい。そのような重合性基としては、重合性エチレン性不飽和基又は開環重合性基が好ましい。
重合性エチレン性不飽和基の例としては、下記の式(M−1)〜(M−6)が挙げられる。
Figure 2009098645
式(M−3)、式(M−4)中、Rは水素原子又はアルキル基を表す。Rとしては、水素原子又はメチル基が好ましい。上記(M−1)〜(M−6)の中でも、(M−1)又は(M−2)が好ましく、(M−1)がより好ましい。
開環重合性基として好ましいのは、環状エーテル基であり、中でもエポキシ基又はオキセタニル基がより好ましく、エポキシ基が最も好ましい。
また、本発明では、ディスコティック液晶化合物として下記一般式(DII)で表される化合物又は下記一般式(DIII)で表される化合物を用いることも好ましい。
Figure 2009098645
(一般式(DII)中、Y31、Y32、Y33はそれぞれ独立にメチン又は窒素原子を表す。R31、R32、R33はそれぞれ独立に下記一般式(DII−R)で表される。)
一般式(DII)中、Y31、Y32、Y33はそれぞれ独立にメチン又は窒素原子を表す。Y31、Y32及びY33は各々、一般式(DI)中のY11、Y12及びY13の定義とそれぞれ同一であり、好ましい範囲も同義である。
31、R32、R33はそれぞれ独立に一般式(DII−R)で表される。
Figure 2009098645
一般式(DII−R)中、A31、A32は、それぞれ独立にメチン又は窒素原子を表す。A31及びA32としては、少なくとも一方が窒素原子であることが好ましく、双方が窒素原子であることがより好ましい。
3は酸素原子、硫黄原子、メチレン、又はイミノを表す。X3としては、酸素原子であることが好ましい。
一般式(DII−R)中、F2は6員環状構造を有する2価の環状連結基を表す。F2に含まれる6員環は、縮合環であってもよい。ただし、縮合環よりも単環であることがより好ましい。F2に含まれる6員環は、芳香族環、脂肪族環及び複素環のいずれでもよい。
芳香族環の例には、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環及びフェナントレン環が含まれる。脂肪族環の例には、シクロヘキサン環が含まれる。複素環の例には、ピリジン環及びピリミジン環が含まれる。
2価の環状基のうち、ベンゼン環を有する環状基としては、1,4−フェニレン基及び1,3−フェニレン基が好ましい。ナフタレン環を有する環状基としては、ナフタレン−1,4−ジイル基、ナフタレン−1,5−ジイル基、ナフタレン−1,6−ジイル基、ナフタレン−2,5−ジイル基、ナフタレン−2,6−ジイル基及びナフタレン−2,7−ジイル基が好ましい。シクロヘキサン環を有する環状基としては1,4−シクロへキシレン基であることが好ましい。ピリジン環を有する環状基としてはピリジン−2,5−ジイル基が好ましい。ピリミジン環を有する環状基としては、ピリミジン−2,5−ジイル基が好ましい。2価の環状基としては、特に、1,4−フェニレン基、1,3−フェニレン基、ナフタレン−2,6−ジイル基及び1,4−シクロへキシレン基が好ましい。
2は、置換基を有していてもよい。置換基の例には、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、シアノ基、ニトロ基、炭素原子数1〜16のアルキル基、炭素原子数2〜16のアルケニル基、炭素原子数2〜16のアルキニル基、炭素原子数1〜16のハロゲン原子で置換されたアルキル基、炭素原子数1〜16のアルコキシ基、炭素原子数2〜16のアシル基、炭素原子数1〜16のアルキルチオ基、炭素原子数2〜16のアシルオキシ基、炭素原子数2〜16のアルコキシカルボニル基、カルバモイル基、炭素原子数2〜16のアルキル基で置換されたカルバモイル基及び炭素原子数2〜16のアシルアミノ基が含まれる。2価の環状基の置換基としては、ハロゲン原子、シアノ基、炭素原子数1〜6のアルキル基、炭素原子数1〜6のハロゲン原子で置換されたアルキル基が好ましく、さらに、ハロゲン原子、炭素原子数1〜4のアルキル基、炭素原子数1〜4のハロゲン原子で置換されたアルキル基が好ましく、ハロゲン原子、炭素原子数1〜3のアルキル基、トリフルオロメチル基がより好ましい。
n3は、1〜3整数を表す。n3としては、1又は2が好ましい。n3が2以上の場合、それぞれのF2は同一でも異なっていてもよい。
31は−O−、−O−CO−、−CO−O−、−O−CO−O−、−S−、−NH−、−SO2−、−CH2−、−CH=CH−、−C≡C−、を表し、上述の基が水素原子を含む基であるときは、該水素原子は置換基で置き換わってもよい。L31の好ましい範囲は、一般式(DI−R)中のL22と同一である。
32は−O−、−S−、−C(=O)−、−SO2−、−NH−、−CH2−、−CH=CH−、−C≡C−ならびにこれらの2個以上を連結して形成される基から選択される2価の連結基を表し、上述の基が水素原子を含む基であるときは、該水素原子は置換基で置き換わってもよい。L32の好ましい範囲は、一般式(DI−R)中のL23と同一である。
3は重合性基又は水素原子を表し、好ましい範囲は、一般式(DI−R)中のQ1と同一である。
次に、一般式(DIII)で表される化合物の詳細を記す。
Figure 2009098645
一般式(DIII)中、Y41、Y42及びY43は、それぞれ独立にメチン又は窒素原子を表し、Y41、Y42及びY43がそれぞれメチンの場合、メチンが有する水素原子は、置換基によって置換されていてもよい。メチンが有していてもよい置換基としては、アルキル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アシルオキシ基、アシルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ハロゲン原子及びシアノ基を好ましい例として挙げることができる。これらの置換基の中では、アルキル基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、アシルオキシ基、ハロゲン原子及びシアノ基がさらに好ましく、炭素原子数1〜12のアルキル基、炭素原子数1〜12のアルコキシ基、炭素原子数2〜12のアルコキシカルボニル基、炭素原子数2〜12のアシルオキシ基、ハロゲン原子及びシアノ基が特に好ましい。
41、Y42及びY43は、いずれもメチンであることがより好ましく、メチンは無置換であることがより好ましい。
41、R42及びR43は、それぞれ独立に下記一般式(DIII−A)、又は下記一般式(DIII−B)、又は下記一般式(DIII−C)を表す。
波長分散性の小さい位相差板等を作製する場合は、R41、R42及びR43は、それぞれ、一般式(DIII−A)又は一般式(DIII−C)で表されるものが好ましく、一般式(DIII−A)で表されるものがより好ましい。
Figure 2009098645
一般式(DIII−A)中、A41、A42、A43、A44、A45、A46は、それぞれ独立にメチン又は窒素原子を表す。A41及びA42は、少なくとも一方が窒素原子であることが好ましく、双方が窒素原子であることがより好ましい。A43、A44、A45及びA46は、少なくとも3つがメチンであることが好ましく、全てメチンであることがより好ましい。A43、A44、A45及びA46がそれぞれメチンの場合、メチンが有する水素原子は置換基によって置換されていてもよい。メチンが有する置換基の例には、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、シアノ基、ニトロ基、炭素原子数1〜16のアルキル基、炭素原子数2〜16のアルケニル基、炭素原子数2〜16のアルキニル基、炭素原子数1〜16のハロゲン原子で置換されたアルキル基、炭素原子数1〜16のアルコキシ基、炭素原子数2〜16のアシル基、炭素原子数1〜16のアルキルチオ基、炭素原子数2〜16のアシルオキシ基、炭素原子数2〜16のアルコキシカルボニル基、カルバモイル基、炭素原子数2〜16のアルキル基で置換されたカルバモイル基及び炭素原子数2〜16のアシルアミノ基が含まれる。これらの中でも、ハロゲン原子、シアノ基、炭素原子数1〜6のアルキル基、炭素原子数1〜6のハロゲンで置換されたアルキル基が好ましく、ハロゲン原子、炭素原子数1〜4のアルキル基、炭素原子数1〜4のハロゲンで置換されたアルキル基がより好ましく、ハロゲン原子、炭素原子数1〜3のアルキル基、トリフルオロメチル基がさらに好ましい。
41は、酸素原子、硫黄原子、メチレン又はイミノを表し、酸素原子が好ましい。
Figure 2009098645
一般式(DIII−B)中、A51、A52、A53、A54、A55及びA56はそれぞれ独立に、メチン又は窒素原子を表す。A51及びA52は、少なくとも一方が窒素原子であることが好ましく、双方が窒素原子であることがより好ましい。A53、A54、A55及びA56は、少なくとも3つがメチンであることが好ましく、全てメチンであることがより好ましい。A53、A54、A55及びA56がそれぞれメチンの場合、メチンが有する水素原子は置換基によって置換されていてもよい。メチンが有していてもよい置換基としては、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、シアノ基、ニトロ基、炭素原子数1〜16のアルキル基、炭素原子数2〜16のアルケニル基、炭素原子数2〜16のアルキニル基、炭素原子数1〜16のハロゲンで置換されたアルキル基、炭素原子数1〜16のアルコキシ基、炭素原子数2〜16のアシル基、炭素原子数1〜16のアルキルチオ基、炭素原子数2〜16のアシルオキシ基、炭素原子数2〜16のアルコキシカルボニル基、カルバモイル基、炭素原子数2〜16のアルキル基で置換されたカルバモイル基及び炭素原子数2〜16のアシルアミノ基が含まれる。これらの中でも、ハロゲン原子、シアノ基、炭素原子数1〜6のアルキル基、炭素原子数1〜6のハロゲン原子で置換されたアルキル基が好ましく、ハロゲン原子、炭素原子数1〜4のアルキル基、炭素原子数1〜4のハロゲン原子で置換されたアルキル基がより好ましく、ハロゲン原子、炭素原子数1〜3のアルキル基、トリフルオロメチル基がさらに好ましい。
52は、酸素原子、硫黄原子、メチレン又はイミノを表し、酸素原子が好ましい。
Figure 2009098645
一般式(DIII−C)中、A61、A62、A63、A64、A65及びA66はそれぞれ独立に、メチン又は窒素原子を表す。A61及びA62は、少なくとも一方が窒素原子であることが好ましく、双方が窒素原子であることがより好ましい。A63、A64、A65及びA66は、少なくとも3つがメチンであることが好ましく、全てメチンであることがより好ましい。A63、A64、A65及びA36がそれぞれメチンの場合、該メチンが有する水素原子は置換基によって置換されていてもよい。メチンが有していてもよい置換基の例には、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、シアノ基、ニトロ基、炭素原子数1〜16のアルキル基、炭素原子数2〜16のアルケニル基、炭素原子数2〜16のアルキニル基、炭素原子数1〜16のハロゲンで置換されたアルキル基、炭素原子数1〜16のアルコキシ基、炭素原子数2〜16のアシル基、炭素原子数1〜16のアルキルチオ基、炭素原子数2〜16のアシルオキシ基、炭素原子数2〜16のアルコキシカルボニル基、カルバモイル基、炭素原子数2〜16のアルキル基で置換されたカルバモイル基及び炭素原子数2〜16のアシルアミノ基が含まれる。これらの中でも、ハロゲン原子、シアノ基、炭素原子数1〜6のアルキル基、炭素原子数1〜6のハロゲンで置換されたアルキル基が好ましく、ハロゲン原子、炭素原子数1〜4のアルキル基、炭素原子数1〜4のハロゲンで置換されたアルキル基がより好ましく、ハロゲン原子、炭素原子数が1〜3のアルキル基、トリフルオロメチル基がさらに好ましい。
63は、酸素原子、硫黄原子、メチレン又はイミノを表し、酸素原子が好ましい。
一般式(DIII−A)中のL41、一般式(DIII−B)中のL51、一般式(DIII−C)中のL61はそれぞれ独立して、−O−、−O−CO−、−CO−O−、−O−CO−O−、−S−、−NH−、−SO2−、−CH2−、−CH=CH−又は−C≡C−を表す。好ましくは、−O−、−O−CO−、−CO−O−、−O−CO−O−、−CH2−、−CH=CH−、−C≡C−であり、より好ましくは、−O−、−O−CO−、−CO−O−、−O−CO−O−又は−CH2−である。上述の基が水素原子を含む基であるときは、該水素原子は置換基で置き換わってもよい。
このような置換基として、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、炭素原子数1〜6のアルキル基、炭素原子数1〜6のハロゲン原子で置換されたアルキル基、炭素原子数1〜6のアルコキシ基、炭素原子数2〜6のアシル基、炭素原子数1〜6のアルキルチオ基、炭素原子数2〜6のアシルオキシ基、炭素原子数2〜6のアルコキシカルボニル基、カルバモイル基、炭素原子数2〜6のアルキルで置換されたカルバモイル基及び炭素原子数2〜6のアシルアミノ基が好ましい例として挙げられ、ハロゲン原子、炭素原子数1〜6のアルキル基がより好ましい。
一般式(DIII−A)中のL42、一般式(DIII−B)中のL52、一般式(DIII−C)中のL62はそれぞれ独立して、−O−、−S−、−C(=O)−、−SO2−、−NH−、−CH2−、−CH=CH−及び−C≡C−ならびにこれらの2個以上を連結して形成される基から選択される2価の連結基を表す。ここで、−NH−、−CH2−、−CH=CH−の水素原子は、置換基で置換されていてもよい。このような置換基として、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、炭素原子数1〜6のアルキル基、炭素原子数1〜6のハロゲン原子で置換されたアルキル基、炭素原子数1〜6のアルコキシ基、炭素原子数2〜6のアシル基、炭素原子数1〜6のアルキルチオ基、炭素原子数2〜6のアシルオキシ基、炭素原子数2〜6のアルコキシカルボニル基、カルバモイル基、炭素原子数2〜6のアルキルで置換されたカルバモイル基及び炭素原子数2〜6のアシルアミノ基が好ましい例として挙げられ、ハロゲン原子、炭素原子数1〜6のアルキル基がより好ましい。
42、L52及びL62はそれぞれ独立して、−O−、−C(=O)−、−CH2−、−CH=CH−及び−C≡C−ならびにこれらの2個以上を連結して形成される基から選択される2価の連結基であることが好ましい。L42、L52、L62はそれぞれ独立して、炭素原子を1〜20個含有することが好ましく、炭素原子を2〜14個含有することがより好ましい。さらに、L42、L52、L62はそれぞれ独立して、−CH2−を1〜16個含有することが好ましく、−CH2−を2〜12個含有することがさらに好ましい。
一般式(DIII−A)中のQ4、一般式(DIII−B)中のQ5及び一般式(DIII−C)中のQ6は、それぞれ独立して、重合性基又は水素原子を表す。これらの好ましい範囲は、一般式(DI−R)中のQ1と同一である。
以下に、一般式(DI)、一般式(DII)及び一般式(DIII)で表される化合物の具体例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
Figure 2009098645
Figure 2009098645
Figure 2009098645
Figure 2009098645
以下一般式(DIII)で表される化合物を示す。
Figure 2009098645
上記一般式(DI)、一般式(DII)及び一般式(DIII)で表される化合物の合成は、既知の方法を適用して合成することができる。
本発明では、円盤状液晶化合物として、上記一般式(DI)、一般式(DII)及び一般式(DIII)で表される化合物の1種のみを使用してよいし、2種以上を使用してもよい。
また、前記円盤状液晶化合物の好ましい例には、特開2005−301206号公報に記載の化合物も含まれる。
また、ディスコティック液晶性化合物については、様々な文献(C.Destrade etal.,Mol.Crysr.Liq.Cryst.,vol.71,page111(1981);日本化学会編、季刊化学総説、No.22、液晶の化学、第5章、第10章第2節(1994);B.Kohne et al.,Angew.Chem.Soc.Chem.Comm.,page1794(1985);J.Zhang et al.,J.Am.Chem.Soc.,vol.116,page2655(1994))に記載されている。ディスコティック液晶性化合物の重合については、特開平8−27284号公報に記載がある。
ディスコティック液晶性化合物を重合により固定するためには、ディスコティック液晶性化合物の円盤状コアに、置換基として重合性基を結合させる必要がある。ただし、円盤状コアに重合性基を直結させると、重合反応において配向状態を保つことが困難になる。そこで、円盤状コアと重合性基との間に、連結基を導入する。従って、重合性基を有するディスコティック液晶性化合物は、下記式(A)で表わされる化合物を用いることも好ましい。
(A) D(−L−P)n
式中、Dは円盤状コアであり;Lは二価の連結基であり;Pは重合性基であり;そして、nは4〜12の整数である。
円盤状コア(D)の例を以下に示す。以下の各例において、LP(又はPL)は、二価の連結基(L)と重合性基(P)との組み合わせを意味する。
Figure 2009098645
Figure 2009098645
Figure 2009098645
Figure 2009098645
Figure 2009098645
Figure 2009098645
Figure 2009098645
Figure 2009098645
Figure 2009098645
式(A)において、二価の連結基(L)は、アルキレン基、アルケニレン基、アリーレン基、−CO−、−NH−、−O−、−S−及びそれらの組み合わせからなる群より選ばれる二価の連結基であることが好ましい。二価の連結基(L)は、アルキレン基、アリーレン基、−CO−、−NH−、−O−及びS−からなる群より選ばれる二価の基を少なくとも二つ組み合わせた二価の連結基であることがさらに好ましい。二価の連結基(L)は、アルキレン基、アリーレン基、−CO−及びO−からなる群より選ばれる二価の基を少なくとも二つ組み合わせた二価の連結基であることが最も好ましい。アルキレン基の炭素原子数は、1〜12であることが好ましい。アルケニレン基の炭素原子数は、2〜12であることが好ましい。アリーレン基の炭素原子数は、6〜10であることが好ましい。
二価の連結基(L)の例を以下に示す。左側が円盤状コア(D)に結合し、右側が重合性基(P)に結合する。ALはアルキレン基又はアルケニレン基、ARはアリーレン基を意味する。なお、アルキレン基、アルケニレン基及びアリーレン基は、置換基(例、アルキル基)を有していてもよい。
L1:−AL−CO−O−AL−
L2:−AL−CO−O−AL−O−
L3:−AL−CO−O−AL−O−AL−
L4:−AL−CO−O−AL−O−CO−
L5:−CO−AR−O−AL−
L6:−CO−AR−O−AL−O−
L7:−CO−AR−O−AL−O−CO−
L8:−CO−NH−AL−
L9:−NH−AL−O−
L10:−NH−AL−O−CO−
L11:−O−AL−
L12:−O−AL−O−
L13:−O−AL−O−CO−
L14:−O−AL−O−CO−NH−AL−
L15:−O−AL−S−AL−
L16:−O−CO−AR−O−AL−CO−
L17:−O−CO−AR−O−AL−O−CO−
L18:−O−CO−AR−O−AL−O−AL−O−CO−
L19:−O−CO−AR−O−AL−O−AL−O−AL−O−CO−
L20:−S−AL−
L21:−S−AL−O−
L22:−S−AL−O−CO−
L23:−S−AL−S−AL−
L24:−S−AR−AL−
式(A)の重合性基(P)は、重合反応の種類に応じて決定する。重合性基(P)の例を以下に示す。
Figure 2009098645
Figure 2009098645
Figure 2009098645
Figure 2009098645
Figure 2009098645
Figure 2009098645
重合性基(P)は、不飽和重合性基(P1、P2、P3、P7、P8、P15、P16、P17)又はエポキシ基(P6、P18)であることが好ましく、不飽和重合性基であることがさらに好ましく、エチレン性不飽和重合性基(P1、P7、P8、P15、P16、P17)であることが最も好ましい。
式(A)において、nは4〜12の整数である。具体的な数字は、円盤状コア(D)の種類に応じて決定される。なお、複数のLとPの組み合わせは、異なっていてもよいが、同一であることが好ましい。
前記液晶組成物中、液晶性化合物は組成物の全量(溶媒を含む場合は固形分)に対し、50質量%〜99.9質量%であるのが好ましく、70質量%〜99.9質量%がより好ましく、80質量%〜99.5質量%がよりさらに好ましい。
上記の液晶性化合物と共に、液晶性組成物中には、可塑剤、界面活性剤、重合性モノマー等を併用して、塗工膜の均一性、膜の強度、液晶性化合物の配向性等を向上させることができる。これらの素材は液晶性化合物と相溶性を有し、配向を阻害しないことが好ましい。
重合性モノマーとしては、ラジカル重合性もしくはカチオン重合性の化合物が挙げられる。好ましくは、多官能性ラジカル重合性モノマーであり、上記の重合性基含有の液晶化合物と共重合性のものが好ましい。例えば、特開2002−296423号公報明細書中の段落番号[0018]〜[0020]記載のものが挙げられる。上記化合物の添加量は、円盤状液晶性分子に対して一般に1〜50質量%の範囲にあり、5〜30質量%の範囲にあることが好ましい。
液晶性化合物とともに使用するポリマーは、塗布液を増粘できることが好ましい。ポリマーの例としては、セルロースエステルを挙げることができる。セルロースエステルの好ましい例としては、特開2000−155216号公報明細書中の段落番号[0178]記載のものが挙げられる。液晶性化合物の配向を阻害しないように、上記ポリマーの添加量は、液晶性分子に対して0.1〜10質量%であることが好ましく、0.1〜8質量%であることがより好ましい。
界面活性剤としては、従来公知の化合物が挙げられるが、フッ素系化合物が好ましい。具体的には、例えば、特開2001−330725号公報明細書中の段落番号[0028]〜[0056]記載の化合物、特開2005−062673号公報明細書中の段落番号[0069]〜[0126]記載の化合物が挙げられる。特に好ましい例として、特開2005−292351号公報明細書中の段落番号[0054]〜[0109]に記載のフルオロ脂肪族基含有ポリマーが挙げられる。
前記第1の光学異方性層は、液晶化合物を少なくとも一種含有する組成物を、第2の光学異方性層として用いられるポリマーフィルムの表面(例えば、配向膜表面)に配置し、液晶化合物の分子を所望の配向状態とし、重合により硬化させ、その配向状態を固定して形成するのが好ましい。波長550nmにおけるレターデーションが0nmになる方向が存在せず、且つ波長550nmにおけるレターデーションの絶対値が最小となる方向が、層の法線方向にも面内にもないという、第1の光学異方性層に要求される特性を満足するためには、液晶化合物の分子(棒状及び円盤状分子の双方を含む)をハイブリッド配向状態に固定するのが好ましい。
なお、ハイブリッド配向とは、層の厚み方向で液晶分子のダイレクタの方向が連続的に変化する配向状態をいう。棒状分子の場合は、ダイレクタは長軸方向、円盤状分子の場合はダイレクタは円盤面の任意の径となる。
液晶性化合物の分子を所望の配向状態とするため、及び組成物の塗布性もしくは硬化性の良化のために、前記組成物は一種以上の添加剤を含んでいてもよい。
液晶化合物(特に棒状液晶化合物)の分子をハイブリッド配向させるために、層の空気界面側の配向を制御し得る添加剤(以下、「空気界面配向制御剤」という)を添加してもよい。該添加剤として、フッ化アルキル基及びスルホニル基等の親水性基を有する低分子量もしくは高分子量の化合物が挙げられる。使用可能な空気界面配向制御剤の具体例には、特開2006−267171号公報等に記載の化合物が含まれる。
また、前記組成物を塗布液として調製し、塗布により前記第1の光学異方性層を形成する場合は、塗布性の良化のために界面活性剤を添加してもよい。界面活性剤としては、フッ素系化合物が好ましく、具体的には、特開2001−330725号公報明細書中の段落番号[0028]〜[0056]記載の化合物が挙げられる。また市販の「メガファックF780」(大日本インキ製)などを用いてもよい。
また、前記組成物は、重合開始剤を含有しているのが好ましい。前記重合開始剤は、熱重合開始剤であっても光重合開始剤であってもよいが、制御が容易である等の観点から、光重合開始剤が好ましい。光の作用によりラジカルを発生させる光重合開始剤の例としては、α−カルボニル化合物(米国特許第2367661号、同2367670号の各明細書記載)、アシロインエーテル(米国特許第2448828号明細書記載)、α−炭化水素置換芳香族アシロイン化合物(米国特許第2722512号明細書記載)、多核キノン化合物(米国特許第3046127号、同2951758号の各明細書記載)、トリアリールイミダゾールダイマーとp−アミノフェニルケトンとの組み合わせ(米国特許第3549367号明細書記載)、アクリジン及びフェナジン化合物(特開昭60−105667号公報、米国特許第4239850号明細書記載)及びオキサジアゾール化合物(米国特許第4212970号明細書記載)、アセトフェノン系化合物、ベンゾインエーテル系化合物、ベンジル系化合物、ベンゾフェノン系化合物、チオキサントン系化合物等が好ましい。アセトフェノン系化合物としては、例えば、2,2−ジエトキシアセトフェノン、2−ヒドロキシメチル−1−フェニルプロパン−1−オン、4'−イソプロピル−2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオフェノン、p−ジメチルアミノアセトン、p−tert−ブチルジクロロアセトフェノン、p−tert−ブチルトリクロロアセトフェノン、p−アジドベンザルアセトフェノン等が挙げられる。ベンジル系化合物としては、例えば、ベンジル、ベンジルジメチルケタール、ベンジル−β−メトキシエチルアセタール、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン等が挙げられる。ベンゾインエーテル系化合物としては、例えば、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾイン−n−プロピルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾイン−n−ブチルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル等が挙げられる。ベンゾフェノン系化合物としては、例えば、ベンゾフェノン、o−ベンゾイル安息香酸メチル、ミヒラーズケトン、4,4'−ビスジエチルアミノベンゾフェノン、4,4'−ジクロロベンゾフェノン等が挙げられる。チオキサントン系化合物としては、例えば、チオキサントン、2−メチルチオキサントン、2−エチルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、4−イソプロピルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン等が挙げられる。このような芳香族ケトン類からなる感光性ラジカル重合開始剤の中でも、アセトフェノン系化合物及びベンジル系化合物が、硬化特性、保存安定性、臭気等の面で特に好ましい。これらの芳香族ケトン類からなる感光性ラジカル重合開始剤は、1種又は2種以上のものを所望の性能に応じて配合して使用することができる。
また、感度を高める目的で重合開始剤に加えて、増感剤を用いてもよい。増感剤の例には、n−ブチルアミン、トリエチルアミン、トリ−n−ブチルホスフィン、及びチオキサントン等が含まれる。
光重合開始剤は複数種を組み合わせてもよく、使用量は、塗布液の固形分の0.01〜20質量%であることが好ましく、0.5〜5質量%であることがより好ましい。液晶化合物の重合のための光照射は紫外線を用いることが好ましい。
前記組成物は、重合性液晶化合物とは別に、非液晶性の重合性モノマーを含有していてもよい。重合性モノマーとしては、ビニル基、ビニルオキシ基、アクリロイル基又はメタクリロイル基を有する化合物が好ましい。なお、重合性の反応性官能基数が2以上の多官能モノマー、例えば、エチレンオキサイド変性トリメチロールプロパンアクリレートを用いると、耐久性が改善されるので好ましい。
前記非液晶性の重合性モノマーは、非液晶性成分であるので、その添加量が、液晶化合物に対して15質量%を超えることはなく、0〜10質量%程度であるのが好ましい。
前記第1の光学異方性層は、前記組成物を塗布液として調製し、該塗布液を、例えば、支持体上に形成された配向膜の表面に塗布し、乾燥して溶媒を除去するとともに、液晶化合物の分子を配向させ、その後、重合により硬化させて、形成することができる。
塗布方法としてはカーテンコーティング法、ディップコーティング法、スピンコーティング法、印刷コーティング法、スプレーコーティング法、スロットコーティング法、ロールコーティング法、スライドコーテティング法、ブレードコーティング法、グラビアコーティング法、ワイヤーバー法等の公知の塗布方法が挙げられる。
塗膜を乾燥する際には、加熱してもよい。塗膜を乾燥して溶媒を除去すると同時に、塗膜中の液晶化合物の分子を配向させて、所望の配向状態を得る。
次に、紫外線照射等によって重合を進行させて、配向状態を固定化し、第1の光学異方性層を形成する。重合のための光照射は、紫外線を用いることが好ましい。照射エネルギーは、20mJ/cm2〜50J/cm2であることが好ましく、100mJ/cm2〜800mJ/cm2であることがさらに好ましい。光重合反応を促進するため、加熱条件下で光照射を実施してもよい。
第1の光学異方性層の厚さについては特に制限されないが、0.1〜10μmであるのが好ましく、0.5〜5μmであるのがより好ましい。
前記第1の光学異方性層は、配向膜を利用して形成するのが好ましい。利用可能な配向膜の例としては、ポリビニルアルコール膜やポリイミド膜等が挙げられる。
(第2の光学異方性層)
本発明の光学補償フィルムは、波長550nmにおける面内レターデーションRe(550)が20〜150nmであり、且つ波長550nmにおける厚さ方向のレターデーションRth(550)が40〜110nmである第2の光学異方性層を有する。本発明では、液晶組成物から形成される第1の光学異方性層のみならず、その支持体となるポリマーフィルム等からなる第2の光学異方性層にも光学補償に必要なレターデーションを分担させている。一方で、第1の光学異方性層の特性、即ち、波長550nmにおけるレターデーションが0nmになる方向が存在せず、且つ波長550nmにおけるレターデーション絶対値が最小となる方向が、層の法線方向にも面内にもない、という光学特性によってのみ得られる光学補償能があるため、第2の光学異方性層のレターデーション分担分が過度になると、従来達成できていた光学補償能を維持できなくなる。第2の光学異方性層が上記範囲の面内レターデーションRe(550)及び厚さ方向のレターデーションRth(550)であれば、従来の同様の構成の光学補償フィルムが達成していた光学補償能を維持できるとともに、白表示時に斜め横方向に生じる黄色味付きを軽減することができる。同観点から、第2の光学異方性層の面内レターデーションRe(550)は、25〜145nmであるのが好ましく、30〜140nmであるのがより好ましい。また、第2の光学異方性層の厚さ方向のレターデーションRth(550)は、45〜105nmであるのが好ましく、50〜100nmであるのがより好ましい。
本発明において、前記第2の光学異方性層は、光透過性、具体的には可視光域の光に対して透過率80%以上、のポリマーフィルムであるのが好ましい。第2の光学異方性層がポリマーフィルムであると、本発明の光学補償フィルムを偏光子と貼り合わせることができる。また、単独の部材として、例えば、光学補償フィルムとして液晶表示装置に組み込むことができる。前記ポリマーフィルムの材料としては、光学性能、透明性、機械的強度、熱安定性、水分遮蔽性、等方性などに優れるポリマーが好ましいが、第2の光学異方性層に要求される上述の光学特性を満たすフィルムを作製可能な材料であれば、いずれも用いてもよい。例えば、ノルボルネン系ポリマー、ポリカーボネート系ポリマー、シクロオレフィン系ポリマー、及び側鎖にアセチル基を有するセルロース系ポリマー(以下、セルロースアシレートという)等を溶液製膜法又は溶融製膜法でフィルムとし、所望により延伸処理を施し、第2の光学異方性層に要求される光学特性を満足させることができる。また、ポリマーフィルム中に、面内レターデーションRe及び/又は厚さ方向のレターデーションRthを発現し得る添加剤を添加して、上記光学特性を満足するポリマーフィルムを作製してもよい。
第2の光学異方性層用のセルロースアシレートフィルムの材料として用いられるセルロースアシレートのアシル置換基は、例えばアセチル基単独からなるセルロースアシレートであっても、複数のアシル置換基を有するセルロースアシレートを含む組成物を用いてもよい。セルロースアシレートの好ましい例は、全アシル化度が2.3〜3.0であり、2.4〜2.95がより好ましい。
また、アセチル基とともに、他の脂肪酸エステル残基を有する混合脂肪酸エステルも好ましい。脂肪酸エステル残基の脂肪族アシル基の炭素原子数は2〜20であることが好ましく、具体的にはアセチル、プロピオニル、ブチリル、イソブチリル、バレリル、ピバロイル、ヘキサノイル、オクタノイル、ラウロイル、ステアロイル等が挙げられる。中でも、アセチル基とともに、プロピオニル基、ブチリル基、ペンタノイル基、及びヘキサノイル基から選ばれるアシル基を有するセルロースアシレートを用いるのが好ましく、その置換度が、下記式(1)〜(3)を満足するセルロースアシレートを用いるのがより好ましい。
(1) 2.0 ≦X+Y ≦3.0
(2) 0 ≦X ≦2.0
(3) 1.2 ≦Y ≦2.9
式(1)〜(3)中、Xはセルロースアシレート中のアセチル基の置換度を示し、Yは、セルロースアシレート中のプロピオニル基、ブチリル基、ペンタノイル基、及びヘキサノイル基から選ばれるアシル基の置換度の総和を示す。
前記セルロースアシレートは、350〜800の質量平均重合度を有することが好ましく、370〜600の質量平均重合度を有することがさらに好ましい。また本発明で用いられるセルロースアシレートは、70000〜230000の数平均分子量を有することが好ましく、75000〜230000の数平均分子量を有することがさらに好ましく、78000〜120000の数平均分子量を有することがよりさらに好ましい。
前記セルロースアシレートフィルムは、溶液流延法、または溶融流延法により製造されるのが好ましい。溶液流延法を利用したセルロースアシレートフィルムの製造例については、 米国特許第2,336,310号、同2,367,603号、同2,492,078号、同2,492,977号、同2,492,978号、同2,607,704号、同2,739,069号及び同2,739,070号の各明細書、英国特許第640731号及び同736892号の各明細書、並びに特公昭45−4554号、同49−5614号、特開昭60−176834号、同60−203430号及び同62−115035号等の記載を参考にすることができる。また、前記セルロースアシレートフィルムは、延伸処理を施すことによって、面内レターデーションRe逆波長分散性を発現する。延伸処理の方法及び条件については、例えば、特開昭62−115035号、特開平4−152125号、同4−284211号、同4−298310号、同11−48271号等に記載の例を参考にすることができる。
第2の光学異方性層等のシクロオレフィン系ポリマーフィルムの材料として用いられるシクロオレフィン系ポリマーは、ホモポリマーであってもコポリマーであってもよい。
シクロオレフィン系ホモポリマー及びコポリマーの例には、たとえば多環式単量体の開環重合体等が挙げられる。多環式単量体の具体例としては、次のような化合物が挙げられるが、本発明はこれらの具体例に限定されるものではない。
ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
トリシクロ[4.3.0.12,5]−8−デセン、
トリシクロ[4.4.0.12,5]−3−ウンデセン、
テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
ペンタシクロ[6.5.1.13,6.02,7.09,13]−4−ペンタデセン、
5−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−エチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−メトキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−メチル−5−メトキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−シアノビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
8−メトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8−エトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8−n−プロポキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8−イソプロポキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8−n−ブトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8−メチル−8−メトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8−メチル−8−エトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8−メチル−8−n−プロポキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8−メチル−8−イソプロポキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8−メチル−8−n−ブトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
5−エチリデンビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
8−エチリデンテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
5−フェニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
8−フェニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
5−フルオロビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−フルオロメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−トリフルオロメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−ペンタフルオロエチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,5−ジフルオロビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,6−ジフルオロビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,5−ビス(トリフルオロメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,6−ビス(トリフルオロメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−メチル−5−トリフルオロメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,5,6−トリフルオロビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,5,6−トリス(フルオロメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,5,6,6−テトラフルオロビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,5,6,6−テトラキス(トリフルオロメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,5−ジフルオロ−6,6−ビス(トリフルオロメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,6−ジフルオロ−5,6−ビス(トリフルオロメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,5,6−トリフルオロ−5−トリフルオロメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−フルオロ−5−ペンタフルオロエチル−6,6−ビス(トリフルオロメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,6−ジフルオロ−5−ヘプタフルオロ−iso−プロピル−6−トリフルオロメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−クロロ−5,6,6−トリフルオロビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,6−ジクロロ−5,6−ビス(トリフルオロメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,5,6−トリフルオロ−6−トリフルオロメトキシビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,5,6−トリフルオロ−6−ヘプタフルオロプロポキシビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
8−フルオロテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8−フルオロメチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8−ジフルオロメチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8−トリフルオロメチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8−ペンタフルオロエチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8,8−ジフルオロテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8,9−ジフルオロテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8,8−ビス(トリフルオロメチル)テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8,9−ビス(トリフルオロメチル)テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8−メチル−8−トリフルオロメチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8,8,9−トリフルオロテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8,8,9−トリス(トリフルオロメチル)テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8,8,9,9−テトラフルオロテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8,8,9,9−テトラキス(トリフルオロメチル)テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8,8−ジフルオロ−9,9−ビス(トリフルオロメチル)テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8,9−ジフルオロ−8,9−ビス(トリフルオロメチル)テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8,8,9−トリフルオロ−9−トリフルオロメチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8,8,9−トリフルオロ−9−トリフルオロメトキシテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8,8,9−トリフルオロ−9−ペンタフルオロプロポキシテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8−フルオロ−8−ペンタフルオロエチル−9,9−ビス(トリフルオロメチル)テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8,9−ジフルオロ−8−ヘプタフルオロiso−プロピル−9−トリフルオロメチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8−クロロ−8,9,9−トリフルオロテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8,9−ジクロロ−8,9−ビス(トリフルオロメチル)テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8−(2,2,2−トリフルオロエトキシカルボニル)テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8−メチル−8−(2,2,2−トリフルオロエトキシカルボニル)テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン
などを挙げることができる。
これらは、1種単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
これらの分子量については特に制限はないが、一般的には、5000〜500000であるのが好ましく、10000〜100000であるのがより好ましい。また、上市されているシクロオレフィン系ポリマーとしては、ARTONシリーズ(JSR(株)製)、ZEONORシリーズ(日本ゼオン(株)製)、ZEONEXシリーズ(日本ゼオン(株)製)、エスシーナ(積水化学工業(株)製)を使用することができる。市販のポリマーフィルムを用いる場合は、延伸処理を施して、上記数式を満足するように、光学特性を調整してもよい。例えば、ZEONORシリーズのポリマーフィルムを用いる場合は、縦延伸(フィルム長手方向に対する延伸)及び/又は横延伸(フィルム幅方向に対する延伸)を施すことによって、第2の光学異方性層に要求される光学特性を満足するポリマーフィルムとすることができる。縦延伸倍率は1〜150%であるのが好ましく、横延伸倍率は2〜200%であるのが好ましい。
前記第2の光学異方性層に要求される前記特性を満足する光学特性とするためには、溶液流延法にて製膜した後、シクロオレフィン系ポリマーフィルムの縦方向、及び幅方向に延伸処理を施すのが好ましい。延伸率は1〜200%であるのが好ましい。縦方向の延伸処理は、フィルムを保持するロールの回転数差により行なうことができ、幅方向の延伸処理はテンターを用いて行なうことができる。
第2の光学異方性層用のノルボルネン系ポリマーフィルムの材料として用いられるノルボルネン系ポリマーとしては、市販されているもの、例えば、アートン(JSR社製)及びゼオネックス(日本ゼオン社製)の商品名で市販されているものを使用してもよい。但し、第2の光学異方性層に要求される特性を満足しない場合は、延伸等の処理を施したフィルムを使用するのが好ましい。
第2の光学異方性層用のポリカーボネート系ポリマーフィルムの材料として用いられるポリカーボネート系ポリマーとしては、例えば、ピュアエース(帝人化成(株)製)、エルメック(カネカ製)及びイルミネックス(日本GEプラスチックス製)の商品名で市販されているものを使用してもよい。
第2の光学異方性層に要求される光学特性を満足するために、前記ポリマーフィルム中に、厚さ方向のレターデーションRth発現剤及び低減剤、並びに面内レターデーションRe発現剤及び低減剤のいずれか一種を添加してもよい。ここで、「Rth発現剤」とはフィルムの厚み方向に複屈折を発現する性質を有する化合物である。前記Rth発現剤としては、250nm〜380nmの波長範囲に吸収極大を有する分極率異方性の大きい化合物が好ましい。厚さ方向のレターデーションRth発現剤のセルロースアシレート100質量部に対する含有量は0.1〜30質量%が好ましく、1〜25質量%がさらに好ましく、3〜15質量%がよりさらに好ましい。
使用可能な厚さ方向のレターデーションRth発現剤としては、延伸により発現する面内レターデーションReに影響しないことが好ましく、円盤状の化合物を用いることが好ましい。
使用可能な面内レターデーションRe発現剤の例には、特開2004−50516号公報の11〜14頁に記載の棒状芳香族化合物が含まれる。
使用可能な厚さ方向のレターデーションRth低減剤の例には、特開2005−301227号に記載の化合物が含まれる。
これら添加剤の使用量は、ポリマー成分100質量部に対して0.01〜30質量部とするのが好ましい。
また、前記第2の光学異方性層に用いられる前記ポリマーフィルムは、マット剤として微粒子を含有していてもよい。マット剤として使用可能な微粒子としては、二酸化珪素、二酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、炭酸カルシウム、炭酸カルシウム、タルク、クレイ、焼成カオリン、焼成珪酸カルシウム、水和珪酸カルシウム、珪酸アルミニウム、珪酸マグネシウム及びリン酸カルシウムを挙げることができる。微粒子は、珪素を含むものが濁度が低くなる点で好ましく、特に二酸化珪素が好ましい。二酸化珪素の微粒子は、例えば、「アエロジル」R972、R972V、R974、R812、200、200V、300、R202、OX50、TT600{以上、日本アエロジル(株)製}などの市販品を使用することができる。酸化ジルコニウムの微粒子は、例えば、「アエロジル」R976及びR811{以上、日本アエロジル(株)製}の商品名で市販されており、いずれもマット剤として使用することができる。
マット剤の使用量は、ポリマー成分100質量部に対して0.01〜0.3質量部とするのが好ましい。
前記第2の光学異方性層として用いられるポリマーフィルムには、前記第1の光学異方性層又は偏光膜との密着性を良化するために、表面処理を施すのが好ましい。具体的方法としては、コロナ放電処理、グロー放電処理、火炎処理、酸処理、アルカリ処理又は紫外線照射処理が挙げられる。また、下塗り層を設けることも好ましい。
[偏光板]
本発明は、本発明の光学補償フィルムと、偏光膜とを少なくとも有する偏光板にも関する。本発明の偏光板を液晶表示装置に組み込む際は、本発明の光学補償フィルムを液晶セル側にして配置するのが好ましい。また、前記第2の光学異方性層の表面と偏光膜の表面とを貼り合わせるのが好ましく、第2の光学異方性層の面内遅相軸と、偏光膜の透過軸との交差角は、0度として貼り合せるのが好ましい。厳密に0度である必要はなく、製造上許容される±5度程度の誤差は、本発明の効果に影響するものではなく、許容される。また、偏光膜の他方の面にも、セルロースアシレートフィルム等の保護フィルムが貼り合せられているのが好ましい。
図2に本発明の偏光板の一態様の断面模式図を示す。図2に示す偏光板15は、偏光膜13と、その表面に、偏光膜13を保護する、本発明の光学補償フィルム10と保護フィルム14とを有する。光学補償フィルム10の第2の光学異方性層12はポリマーフィルムからなり、その裏面と、即ち、第1の光学異方性層11が形成されていない側の表面と、偏光膜13の表面とが貼り合わされている。偏光板15を液晶表示装置に組み込む際は、光学補償フィルム10を液晶セル側にして配置する。なお、図中示さないが、図2の偏光板15は、他の機能層を有していてもよく、例えば、保護フィルム14の外側に、拡散層、防眩層等を配置してもよい。
以下、本発明の偏光板の作製に使用可能な種々の材料について説明する。
(偏光膜)
偏光膜には、ヨウ素系偏光膜、二色性染料を用いる染料系偏光膜やポリエン系偏光膜があり、本発明にはいずれを使用してもよい。ヨウ素系偏光膜及び染料系偏光膜は、一般にポリビニルアルコール系フィルムを用いて製造する。
(保護フィルム)
偏光膜の他方の表面に貼合される保護フィルムは、透明なポリマーフィルムが用いることが好ましい。透明であるとは、光透過率が80%以上であることを意味する。保護フィルムとしては、セルロースアシレートフィルム、及びポリオレフィンを含むポリオレフィンフィルムが好ましい。セルロースアシレートフィルムの中でも、セルローストリアセテートフィルムが好ましい。また、ポリオレフィンフィルムの中でも、環状ポリオレフィンを含むポリノルボルネンフィルムが好ましい。
保護フィルムの厚さは、20〜500μmであることが好ましく、50〜200μmであることがさらに好ましい。
本発明の偏光板は、長尺状の偏光板として製造してもよい。例えば、第2の光学異方性層としてポリマーフィルムを用い、その表面に、所望により配向膜形成用塗布液を塗布して配向膜を形成し、引き続き、第1の光学異方性層形成用塗布液を連続的に塗布して、乾燥により所望の配向状態とした後、光照射して配向状態を固定して第1の光学異方性層を形成して、長尺状の本発明の光学フィルムを作製し、ロール状に巻き上げる。別途、長尺状の偏光膜、及び保護フィルム用の長尺状のポリマーフィルムをロール状に巻き上げたものと、ロール・トゥー・ロールで貼り合せ、長尺状の偏光板として作製することができる。長尺状の偏光板は、例えば、ロール状に巻き上げられた状態で搬送及び保管等され、液晶表示装置に組み込まれる際に、所定の大きさに裁断される。
[液晶表示装置]
本発明の光学補償フィルム及び偏光板は、種々のモードの液晶表示装置に用いることができる。また、透過型、反射型、及び半透過型のいずれの液晶表示装置にも用いることができる。中でも、少なくとも一方に電極を有する対向配置された一対の基板と、該一対の基板間に挟持され、ネマチック液晶材料を含み、黒表示時に該ネマチック液晶材料の液晶分子が前記一対の基板の表面に対して略垂直に配向する液晶表示装置、特に、ツイストネマチック(TN)モードの液晶表示装置に有効である。特に、本発明は、透過型ツイストネマチックモードモードの液晶表示装置の態様において特に有効である。
TNモードの液晶表示に用いる場合は、本発明の光学補償フィルムを2枚、液晶セルを中心に対称的な位置に配置するのが好ましく、また本発明の偏光板を、上下(視認側とバックライト側)の偏光板として液晶セルを中心として対称的な関係で配置するのが好ましい。TNモードの液晶セルの液晶層は、通常、厚さd(ミクロン)と屈折率異方性Δnとの積Δn・dが0.1〜1.5μm程度である。
図3に、本発明の液晶表示装置の一実施形態であるTNモード液晶表示装置の断面模式図を示す。図3に示す液晶表示装置は、TNモード液晶セル16と、それを挟んで上下に、互いに対称的に配置された2枚の本発明の偏光板15とを有する。液晶セル16はネマチック液晶材料からなる液晶層を有し、液晶層は駆動電圧無印加時にはねじれ配向状態に、及び駆動電圧印加時には基板面に対して垂直配向状態になるように構成されている。上下の偏光板15はその偏光膜13の透過軸を互いに直交にして配置されているので、駆動電圧無印加時に、下偏光板15の背後に配置されたバックライト(不図示)から液晶セル16に入射した直線偏光は、液晶層のねじれ配向に沿って90°回転し、上偏光板15の透過軸を通過して、白表示となる。一方、駆動電圧印加時には、液晶セル16に入射した直線偏光は、偏光状態を維持したまま通過するので、上偏光板15によって遮光され、黒表示となる。液晶セル16の上下に配置された、本発明の光学補償フィルム10は、黒表示時に斜め方向に生じる複屈折性を補償するとともに、白表示時における斜め横方向に生じる黄色味付きの軽減にも寄与する。
本発明の光学補償フィルムを有するTNモードの液晶表示装置は、広視野角であるとともに、白表示時の斜め横方向の黄色味付きが低いという特徴を有する。具体的には、本発明のTNモード液晶表示装置は、コントラスト10以上を実現する視野角(画面上下左右方向の視野角の合計)が320°以上を達成することが可能である。及び図4に示す通り、画面表示面(xy面)の法線方向(z軸)を極角0°とし、y=0を軸として極角0°から60°まで表示面側に傾けた際の黄色味の変化(Δv’)が、0.03以下を達成することが可能である。
以下に実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明する。以下の実施例に示す材料、使用量、割合、処理内容、処理手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない限り、適宜、変更することができる。従って、本発明の範囲は以下に示す具体例に限定されるものではない。
[実施例1]
(第2の光学異方性層(セルロースアシレートフィルム1)の作製)
下表に記載の各成分を混合して、セルロースアシレート溶液を調製した。このセルロースアシレート溶液を、金属支持体上に流延し、得られたウェブを支持体から剥離し、その後、TD方向に185℃で20%延伸し、セルロースアシレートフィルム1を作製した。なお、TD方向とは、フィルムの搬送方向と直交する方向を意味する。延伸後のフィルムの厚さは80μmであった。
Figure 2009098645
Figure 2009098645
Figure 2009098645
上記で得られたセルロースアシレートフィルム1の波長550nmにおける面内レターデーションRe(550)が80nm、厚さ方向のレターデーションRth(550)が60nmであった。
(配向膜の形成)
セルロースアシレートフィルム1上に、下記の組成の塗布液を#14のワイヤーバーコーターで24mL/m2塗布した。100℃の温風で120秒乾燥した。次に、セルロースアシレートフィルム1の長手方向(搬送方向)を0°とし、0°方向に、形成した膜にラビング処理を実施した。
(配向膜塗布液の組成)
下記の変性ポリビニルアルコール 40質量部
水 728質量部
メタノール 228質量部
グルタルアルデヒド(架橋剤) 2質量部
クエン酸エステル(AS3、三共化学(株)) 0.69質量部
Figure 2009098645
(第1の光学異方性層の作製)
配向膜上のラビング処理面に、下記表に示した組成の第1の光学異方性層塗布液を#1.6のワイヤーバーで塗布した。その後、120℃の恒温槽中で90秒間加熱し、ディスコティック液晶化合物を配向させた。次に、80℃で160W/cm高圧水銀灯を用いて、1分間紫外線照射し架橋反応を進行させて、ディスコティック液晶化合物を重合させた。その後、室温まで放冷した。このようにして第1の光学異方性層を形成し、光学補償フィルム1を作製した。
Figure 2009098645
なお、ディスコティック液晶化合物1及び2は、下記表3中に示すNо.1に示す組み合わせである。表3中のNo.2〜No.8は、後述する実施例で用いたディスコティック液晶性化合物の組合せであり、当該実施例で調製する光学異方性層用塗布液の組成は、上記表2中の組成と同様である。
Figure 2009098645
Figure 2009098645
Figure 2009098645
(光学特性の測定)
形成した第1の光学異方性層をKOBRA 21ADHを用いて、波長550nmの面内レターデーションンRe(550)を測定したところ、面内レターデーションRe(550)は26nmであった。また、第1の光学異方性層中、ディスコティック化合物の分子は、ハイブリッド配向状態に固定されていて、波長550nmにおけるレターデーションが0nmになる方向が存在せず、且つ波長550nmにおけるレターデーションの絶対値が最小となる方向が、層の法線方向にも面内にもないことを、フィルム法線方向に対して法線方向から片側50度まで10度ステップで各々その傾斜した方向から波長550nmの光を入射させて全部で6点測定し、その測定されたレターデーション値と平均屈折率の仮定値及び入力された膜厚値を基にKOBRA 21ADHから確認した。
(偏光板の作製)
厚さ80μmのポリビニルアルコール(PVA)フィルムを、ヨウ素濃度0.05質量%のヨウ素水溶液中に30℃で60秒浸漬して染色し、次いでホウ酸濃度4質量%濃度のホウ酸水溶液中に60秒浸漬している間に元の長さの5倍に縦延伸した後、50℃で4分間乾燥させて、厚さ20μmの偏光膜を得た。
作製した光学補償フィルム1のセルロースアシレートフィルムの裏面(第1の光学異方性層が形成されていない側の表面)を1.5モル/Lで55℃の水酸化ナトリウム水溶液中に浸漬した後、水で十分に水酸化ナトリウムを洗い流した。その後、0.005モル/Lで35℃の希硫酸水溶液に1分間浸漬した後、水に浸漬し希硫酸水溶液を十分に洗い流した。最後に試料を120℃で十分に乾燥させた。
前記のように鹸化処理を行った光学補償フィルム1を、同じく鹸化処理を行った市販のセルロースアセテートフィルムと組合せて前記の偏光膜を挟むようにポリビニルアルコール系接着剤を用いて、鹸化処理面を貼り合せ偏光板1を得た。ここで市販のセルロースアセテートフィルムとしてはフジタックTF80UL(富士フイルム(株)製)を用いた。このとき、偏光膜及び偏光膜両側の保護膜はロール形態で作製されているため各ロールフィルムの長手方向が平行となっており連続的に貼り合わされる。従って光学補償フィルム1のロール長手方向(フィルムの流延方向)と偏光子吸収軸とは平行な方向となった。
(TN型液晶表示装置の作製)
図3と同様の構成のTNモード液晶表示装置を作製した。具体的には、TN型液晶セルを使用した液晶表示装置(AL2216W、日本エイサー(株)製)に設けられている一対の偏光板を剥がし、代わりに上記作製した偏光板1を、光学補償フィルム1が液晶セル側となるように粘着剤を介して、観察者側及びバックライト側に一枚ずつ貼り付けた。このとき、観察者側の偏光板1の透過軸と、バックライト側の偏光板1の透過軸とが直交するように配置した。この様にして、TN型液晶表示装置1を作製した。
[実施例2]
(第2の光学異方性層(セルロースアシレートフィルム2)の作製)
セルロースアシレートフィルム(TAC−TD80U 富士フイルム(株)製)を20%TD方向に240℃で延伸することでセルロースアシレートフィルム2を作製した。延伸後のフィルムの厚さは80μmであった。
セルロースアシレートフィルム2の面内レターデーションRe(550)は60nm、厚さ方向のレターデーションRth(550)は60nmであった。
さらに実施例1と同様にして、セルロースアシレートフィルム2上に第1の光学異方性層を形成して、光学補償フィルム2、及び偏光板2を作製し、該偏光板2を観察者側及びバックライト側に一枚ずつ用いて、実施例1と同様にしてTN型液晶表示装置2を作製した。
[比較例1]
(第2の光学異方性層の作製(セルロースアシレートフィルムC1の作製)
下記の組成物をミキシングタンクに投入し、加熱しながら撹拌して、各成分を溶解し、セルロースアセテート溶液を調製した。
(セルロースアセテート溶液組成)
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――
酢化度60.7〜61.1%のセルロースアセテート 100質量部
トリフェニルホスフェート(可塑剤) 7.8質量部
ビフェニルジフェニルホスフェート(可塑剤) 3.9質量部
メチレンクロライド(第1溶媒) 336質量部
メタノール(第2溶媒) 29質量部
1−ブタノール(第3溶媒) 11質量部
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――
別のミキシングタンクに、下記のレターデーション上昇剤16質量部、メチレンクロライド92質量部およびメタノール8質量部を投入し、加熱しながら撹拌して、レターデーション上昇剤溶液を調製した。セルロースアセテート溶液474質量部にレターデーション上昇剤溶液31質量部を混合し、充分に撹拌してドープを調製した。
Figure 2009098645
得られたドープを、バンド延伸機を用いて流延した。バンド上での膜面温度が40℃となってから、70℃の温風で1分乾燥し、残留溶剤が30質量%の状態でバンドからフィルムを剥離した。その後テンタークリップで保持し、左右均等に延伸を行った後に、140℃の乾燥風で10分乾燥し残留溶剤量が0.3質量%のセルロースアセテートフィルムC1(厚さ:82μm)を作製した。作製したセルロースアシレートフィルムC1の面内レターデーションRe(550)は−7nm、厚さ方向のレターデーションRth(550)は90nmであった。
(第1の光学異方性層の作製)
前記表2中に記載のメチルエチルケトンの量を300質量部から114.0質量部にかえた以外は、実施例1で調製した第1の光学異方性層用塗布液と同一の組成の塗布液C1を調製した。この塗布液C1を用い、及び上記で作製したセルロースアシレートフィルムC1を支持体として用いた以外は、実施例1と同様にして第1の光学異方性層を形成し、光学補償フィルムC1を作製した。作製した第1の光学異方性層の面内レターデーションRe(550)は48nmであった。
さらにこの光学補償フィルムC1を用いて、実施例1と同様に偏光板C1を作製し、該偏光板C1を観察者側及びバックライト側に一枚ずつ用いて、実施例1と同様にしてTN型液晶表示装置C1を作製した。
[液晶表示装置の評価]
・斜め横方向の黄色味付きの評価
実施例1及び2、ならびに比較例1で作製した液晶表示装置について、白表示時に、表示面の法線方向を0°とし、測定位置を0°から表示面の水平方向(表示面の左右方向)を回転軸として表示面方向に60°まで回転させて、黄色味変化Δv’(以下、「Δv’(0°→60°)」という場合がある)を測定し、以下の基準で評価した。結果を下記表に示す。
Δv’(0°→60°)が0.03以下で黄色味が目視では認識できなかった。
Δv’(0°→60°)が0.03を超えていて、黄色味が目視で認識できた。
・左右上下の視野角
実施例1及び2、ならびに比較例1で作製した液晶表示装置について、測定機“EZ−Contrast160D”(ELDIM社製)を用いて、黒表示(L1)から白表示(L8)までで視野角を測定した。上下左右で、コントラスト比(白透過率/黒透過率)が10以上の領域を視野角として求めた。以下の基準で評価した。結果を下記表に示す。
コントラスト10以上を達成する上下左右視野角の合計が320°以上であると、実用上、表示特性に優れている。
Figure 2009098645
上記表に示す結果から、本発明の実施例である実施例1及び2の液晶表示装置1及び2は、従来のTNモード液晶表示装置である比較例1の液晶表示装置C1と比較して、同等以上の広視野角特性を示すとともに、斜め横方向の黄色味付きが小さいという、優れた表示特性を示すことが理解できる。
ディスコティック液晶化合物1及び2の組合せを、前記表3中に記載のNо.2〜8の組合せに代えた以外は、実施例1で調製した塗布液と同一の組成の塗布液をそれぞれ調製した。実施例1で使用した塗布液に代えて、調製したこれら7種の塗布液をそれぞれ使用した以外は、実施例1と同様にして、7種の光学補償フィルムを作製した。さらにこれら7種の光学補償フィルムを用いて、実施例1と同様にして偏光板をそれぞれ作製し、さらに該偏光板をそれぞれ用いて、7種のTNモード液晶表示装置をそれぞれ作製した。これらのTNモード液晶表示装置について、上記と同様に、斜め横方向の黄色味付きの評価及び左右上下の視野角の評価を行ったところ、いずれについても、実施例1で作製した液晶表示装置1と同様の結果が得られた。即ち、これらの7種のTNモード液晶表示装置も、比較例1の液晶表示装置C1と比較して、同等以上の広視野角特性を示すとともに、斜め横方向の黄色味付きが小さいという、優れた表示特性を示した。
[実施例3]
第2の光学異方性層として、下記方法で作製した環状ポリオレフィンフィルム(面内レターデーションRe(550)=80nm、厚さ方向のレターデーションRth(550)=60nm)を用いた以外は、実施例1と同様にして光学補償フィルム、偏光板及びTNモード液晶表示装置を作製した。評価結果は、実施例1のTNモード液晶表示装置と同様に、優れていた。
(開環重合環状ポリオレフィンの作製)
下記組成物をミキシングタンクに投入し、攪拌して各成分を溶解した後、平均孔径34μmのろ紙及び平均孔径10μmの焼結金属フィルターでろ過した。
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環状ポリオレフィン溶液A
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アートンG(JSR株式会社製) 150質量部
メチレンクロライド 550質量部
エタノール 50質量部
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次に上記方法で調製した開環重合環状ポリオレフィン溶液を含む下記組成物を、分散機に投入し、マット剤分散液を調製した。
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マット剤分散液
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平均粒径16nmのシリカ粒子
(aerosil R972 日本アエロジル(株)製) 2質量部
メチレンクロライド 75質量部
エタノール 5質量部
環状ポリオレフィン溶液A 10質量部
――――――――――――――――――――――――――――――――――
上記環状ポリオレフィン溶液を100質量部と、マット剤分散液を1.1質量とを混合し、製膜用ドープを調製した。
上述のドープをバンド流延機を用いて流延した。残留溶剤量が約22質量%でバンドから剥ぎ取ったフィルムを、テンターを用いて50%の延伸率で幅方向に延伸した。その後テンター搬送からロール搬送に移行し、更に120℃から140℃で乾燥し巻き取った。作製した環状ポリオレフィンフィルムの面内レターデーションRe(550)が80nm、厚さ方向のレターデーションRth(550)は60nmであった。このフィルムを真鍮製の上下電極間(アルゴンガス雰囲気)で、グロー放電処理(周波数3000Hz、4200Vの高周波数電圧を上下電極間に引加、20秒処理)して開環重合環状ポリオレフィンフィルムを作製した。
[実施例4]
第2の光学異方性層として、下記方法で作製したフィルム(面内レターデーションRe(550)=60nm、厚さ方向のレターデーションRth(550)=60nm)を用いた以外は、実施例1と同様にして光学補償フィルム、偏光板及びTNモード液晶表示装置を作製した。評価結果は、実施例1のTNモード液晶表示装置と同様に、優れていた。
「ゼオノアZF−14」(日本ゼオン(株)製、厚み100μm)を、縦一軸延伸機において、給気温度140℃、フィルム膜面温度130℃で、延伸倍率15%で縦延伸した。その後、テンター延伸機において、給気温度140℃、フィルム膜面温度130℃で延伸倍率35%で横延伸し、ロールフィルムとして巻き取ることで、第2の光学異方性層用の二軸延伸フィルムを作製した。
〔実施例5〜9〕
実施例3で調製した環状ポリオレフィン溶液Aの100質量部と、マット剤分散液の1.1質量部とを混合し、製膜用ドープを調製した。このドープをバンド流延機を用いて流延し、温度120℃〜140℃で乾燥し、巻き取り原反フィルムを作製した。作製した原反フィルムを、延伸機を用いて、下記表に示す延伸方法、延伸倍率、及び延伸時の給気温度で延伸し、第2の光学異方性層用の環状ポリオレフィンフィルムをそれぞれ作製した。下記表に示す環状ポリオレフィンフィルムを、第2の光学異方性層として用いた以外は、実施例1と同様にして光学補償フィルム、偏光板及びTNモード液晶表示装置を作製した。白表示時のΔv’(0°→60°)及びコントラスト10以上を達成する上下左右視野角の合計を求めた。結果を下記表に示す。
Figure 2009098645
Figure 2009098645
上記表に示す結果から、本発明の実施例である実施例5〜9は、従来のTNモード液晶表示装置である比較例1と比較して、同等以上の広視野角特性を示すとともに、斜め横方向の黄色味付きが小さいという、優れた表示特性を示すことが理解できる。
〔実施例10〜13〕
第1の光学異方性層用塗布液の成分メチルエチルケトンの量を、下記表の通りにそれぞれ変更して、第1の光学異方性層用塗布液を調製し、面内レターデーションRe(550)の値が下記表に示す通りの第1の光学異方性層をそれぞれ作製した以外は、実施例1と同様にして光学補償フィルム、偏光板及びTNモード液晶表示装置を作製し、同様に評価した。結果を下記表に示す。
〔比較例2〕
第1の光学異方性層用塗布液の成分メチルエチルケトンの量を、下記表の通りにそれぞれ変更して、第1の光学異方性層用塗布液を調製し、面内レターデーションRe(550)の値が下記表に示す通りの光学異方性層を作製した以外は、実施例1と同様にして光学補償フィルム、偏光板及びTNモード液晶表示装置を作製し、同様に評価した。結果を下記表に示す。
Figure 2009098645
Figure 2009098645
上記表に示す結果から、本発明の実施例である実施例10〜13は、従来のTNモード液晶表示装置である比較例1と比較して、同等以上の広視野角特性を示すとともに、斜め横方向の黄色味付きが小さいという、優れた表示特性を示すことが理解できる。
また、上記表に示す結果から、比較例2は、本発明の実施例のTNモード液晶表示装置である実施例1〜13と比較して、視野角特性及び斜め横方向の黄色味付きが劣る表示特性を示すことが理解できる。
上記実施例と同様の結果が、面内レターデーションRe(550)が20〜40nmの第1の光学異方性層と、面内レターデーションRe(550)が20〜150nmであり、且つ厚さ方向のレターデーションRth(550)が40〜110nmである第2の光学異方性層とのいずれの組み合わせにおいても得られることを、以下のシミュレーションによって確認した。
具体的には、光学計算には、シンテック社製のLCD Master Ver6.08を用いた。液晶セルや電極、基板、偏光板等は、液晶ディスプレイ用に従来から用いられているものがそのまま使用できる。液晶材料にはLCD Masterに付属のZLI−4792を用いた。液晶セルの液晶層中の基板近傍に位置する液晶性分子のプレチルト角5°で、上下基板間の厚み方向において液晶分子が90°回転するねじれ配向とし(TNモード液晶)、一対の基板のセルギャップを5.2ミクロンとし、正の誘電率異方性を有する液晶材料で液晶のレターデーション(即ち、記液晶層の厚さd(ミクロン)と屈折率異方性Δnとの積Δn・d)を400nmとした。偏光膜にはLCD Masterに付属のHLC2−5618を用いた。液晶層に印加する電圧は白表示時における電圧を1.8V、黒表示時における電圧を5.6Vとしたところ、黒表示状態における液晶層中の基板近傍に位置する液晶化合物分子の傾斜角は10°、液晶層中の厚さ方向中央部に位置する液晶化合物分子の傾斜角は70°となった。第1の光学異方性層中の液晶化合物分子の傾斜角については、該光学異方性層中の液晶セル側に位置する液晶化合物分子の傾斜角θ1が、該液晶層の厚さ方向中央部の液晶化合物分子の傾斜角とほぼ等しく、該光学異方性層中の偏光膜側に位置する液晶化合物分子の傾斜角θ2が、該液晶層中の基板近傍に位置する液晶化合物分子の傾斜角とほぼ等しくなる設定を中心として、種々に設定変更し、所望のReを得た。この時、偏光膜に隣接する第2の光学異方性層は、セルロースアシレートフィルムと仮定し、そのパラメータとして、トリアセチルセルロースフィルム(厚さ80μm、「TD80UF」、富士フイルム製)の実測値、及び種々の面内レターデーションRe及び厚さ方向のレターデーションRthを有する支持体の光学特性値を使用した。光源にはLCD Masterに付属のC光源を用いた。
上記実施例1、2及び比較例1のそれぞれと同一のTNモード液晶表示装置について、このシミュレーション計算によって、白表示時のΔv’(0°→60°)及びコントラスト10以上を達成する上下左右視野角の合計を算出した。結果を、下記表2に示す。
Figure 2009098645
表2に示したシミュレーション計算結果は、表1に示した実測の結果とほぼ同様の傾向であることが理解できる。
以下に、第1の光学異方性層の面内レターデーションRe(550)、第2の光学異方性層の面内レターデーションRe(550)及び厚さ方向のレターデーションRth(550)をそれぞれ変動させて得られた計算結果を、下記表に示す。
Figure 2009098645
また、第2の光学異方性層の厚さ方向のレターデーションRth(550)が40〜120nmの範囲の種々のサンプルについて上記通りに計算し、コントラストが10以上を達成する左右上下視野角の合計が320°以上のサンプルについて、縦軸を第1の光学異方性層の面内レターデーションRe(550)及び横軸を第2の光学異方性層の面内レターデーションRe(550)としてプロットしたグラフを図5に示す。図5中、各サンプルの白表示時の方位角0°・極角60°におけるv’(黄色味付きの程度が大きいほど値が大きい)の値に応じて、プロットのマークをかえて、グラフ中に示している。図5に示す結果より、第1の光学異方性層の面内レターデーションRe(550)が20〜40nm、及び第2の光学異方性層の面内レターデーションRe(550)が20〜150nmであり、且つ厚さ方向のレターデーションRth(550)が40〜110nmであるいずれのサンプルも、v‘が小さい値を示すことが、確認された。
表4のシミュレーションの追試実験を行った。
(サンプル1)
下記に示す方法で第1の光学異方性層及び第2の光学異方性層を作製した以外は実施例1と同様にして光学補償フィルム、偏光板及びTNモード液晶表示装置を作製した。
(第2の光学異方性層(セルロースアセテートフィルムA)の作製)
下記の組成のセルロースアセテート溶液Aを、バンド流延機を用いて流延し、残留溶媒量約60%でフィルムをバンドから剥離しテンターによって搬送し、110℃で5分、さらに140℃で10分乾燥して、膜厚160μmの原反セルロースアセテートフィルムを得た。このフィルムのTgは140℃であった。
(セルロースアセテート溶液A)
・平均酢化度2.94のセルロースアセテート 100.0質量部
・メチレンクロライド(第1溶媒) 517.6質量部
・メタノール(第2溶媒) 77.3質量部
・平均粒子サイズ16nmのシリカ粒子 0.13質量部
(AEROSIL R972、日本アエロジル(株)製)
・光学異方性を調整する化合物(下記構造式AA−1) 11.7質量部
・クエン酸エステル 0.01質量部
Figure 2009098645
《延伸工程》
この原反セルロースアセテートフィルムに対して、ロール延伸機を用いて、縦一軸延伸処理を実施した。延伸条件は、以下の通りである。ロール延伸機のロールとして、表面を鏡面処理した誘導発熱ジャケットロールを用い、各ロールの温度は個別に調整できるようにした。延伸倍率は、ニップロールの周速を調整することで制御した。縦横比(ニップロール間の距離/ベース入口幅)は0.5となるように調整し、延伸速度は延伸間距離に対して10%/分とした。延伸倍率は5%、温度は150℃設定とした。
なお、フィルムの延伸倍率は、フィルムの搬送方向と直交する方向に一定間隔の標線を入れ、その間隔を熱処理前後で計測し、下記式から求めた。
フィルムの延伸倍率(%)=100×(熱処理後の標線の間隔−熱処理前の標線の間隔)/熱処理前の標線の間隔
《熱処理工程》
テンタークリップで把持することで、一方の端部を把持したテンタークリップと他方の端部を把持したテンタークリップとの間の距離を制御しながら幅方向の寸法変化が起こらないようにセルロースアシレートフィルムを熱処理した。加熱ゾーンは200℃とし、10分間でフィルムを通過させ第2の光学異方性層用セルロースアセテートフィルムAを作製した。
作製したセルロースアセテートフィルムAの面内レターデーションRe(550)は80nm、厚さ方向のレターデーションRth(550)は80nmであった。
実施例1と同様にして、セルロースアセテートフィルムAの表面に、ラビング処理面を有する配向膜を形成した。
(第1の光学異方性層の作製)
メチルエチルケトンの量を179.0質量部に変更した以外は、実施例1で調製した第1の光学異方性層用塗布液と同一の組成の塗布液を調製した。この塗布液を、配向膜のラビング処理面に、#1.6のワイヤーバーで塗布した。その後、120℃の恒温槽中で90秒間加熱し、ディスコティック液晶化合物を配向させた。次に、80℃で160W/cm高圧水銀灯を用いて、1分間紫外線照射し架橋反応を進行させて、ディスコティック液晶化合物を重合させた。その後、室温まで放冷した。このようにして第1の光学異方性層を作製した。使用したディスコティック液晶化合物は、実施例1と同様、表3中、Nо.1として示した化合物である。
形成した第1の光学異方性層の面内レターデーションRe(550)は37nmであった。
Figure 2009098645
この様にして、光学補償フィルムを作製した。この光学補償フィルムを用いた以外は、実施例1と同様にして、偏光板及びTNモード液晶表示装置を作製し、同様に評価した。結果を下記表に示す。
(サンプル2〜12)
下記に示す方法で、第1の光学異方性層及び第2の光学異方性層をそれぞれ形成した以外は、サンプル1と同様にして光学補償フィルム、偏光板及びTNモード液晶表示装置を作製した。
具体的には、第2の光学異方性層用のセルロースアセテートフィルムとして、下記表に示す膜厚の原反フィルムをそれぞれ作製し、下記表に示す延伸倍率で延伸処理を施し、下記表に示す面内レターデーションRe(550)及び厚さ方向のレターデーションRth(550)を示すセルロースアセテートフィルムをそれぞれ作製して、第2の光学異方性層として利用した。
Figure 2009098645
Figure 2009098645
第1の光学異方性層用塗布液の成分メチルエチルケトンの量を、下記表に示す通りに変更した以外は、サンプル1で調製した第1の光学異方性層用塗布液と同一の組成の塗布液を調製して、下記表に示す通りの面内レターデーションRe(550)を示す第1の光学異方性層をそれぞれ形成し、サンプル2〜12の光学補償フィルムをそれぞれ作製した。
Figure 2009098645
Figure 2009098645
上記通りに製造した光学補償フィルム1〜12をそれぞれ用いた以外は、実施例1と同様にして、偏光板及びTN型液晶表示装置をそれぞれ製造し、同様に評価した。
サンプル1〜12について白表示時のΔv’(0°→60°)及びコントラスト10以上を達成する上下左右視野角の合計を求めた結果、シミュレーションと同様の結果が得られた。
本発明の光学補償フィルムの一態様の断面模式図である。 本発明の偏光板の一態様の断面模式図である。 本発明の液晶表示装置の一態様の断面模式図である。 液晶表示装置の白表示時の斜め横方向の黄色味付きを測定する方法を説明するのに用いた図面である。 実施例の結果を示すグラフである。
符号の説明
10 光学補償フィルム
11 第1の光学異方性層
12 第2の光学異方性層
13 偏光膜
14 保護フィルム
15 偏光板
16 液晶セル
17 TNモード液晶表示装置

Claims (6)

  1. 少なくとも第1及び第2の光学異方性層を有する光学補償フィルムであって、
    第1の光学異方性層の波長550nmにおける面内レターデーションRe(550)が20〜40nmであり、波長550nmにおけるレターデーションが0nmになる方向が存在せず、且つ波長550nmにおけるレターデーションの絶対値が最小となる方向が、層の法線方向にも面内にもなく、及び
    第2の光学異方性層の面内レターデーションRe(550)が20〜150nmであり、且つ波長550nmにおける厚さ方向のレターデーションRth(550)が40〜110nmであることを特徴とする光学補償フィルム。
  2. 前記第2の光学異方性層が、セルロースアシレートフィルムであることを特徴とする請求項1に記載の光学補償フィルム。
  3. 前記第2の光学異方性層が、ノルボルネン系ポリマーフィルム、シクロオレフィン系ポリマーフィルム、又はポリカーボネートフィルムであることを特徴とする請求項1に記載の光学補償フィルム。
  4. TNモード液晶表示装置用の光学補償フィルムであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の光学補償フィルム。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の光学補償フィルム及び偏光膜を有する偏光板であり、前記光学補償フィルムの面内の遅相軸と偏光膜の面内の透過軸とが平行であることを特徴とする偏光板。
  6. 少なくとも一方に電極を有する対向配置された一対の基板と、該一対の基板間に挟持され、ネマチック液晶材料を含み、黒表示時に該ネマチック液晶材料の液晶分子が前記一対の基板の表面に対して略垂直に配向する液晶層とを有する液晶セル、
    該液晶セルを挟持して配置された第一及び第二の偏光膜、並びに
    請求項1〜4のいずれか1項に記載の光学補償フィルムを前記液晶層と第一及び第二の偏光膜との間にそれぞれ有することを特徴とする液晶表示装置。
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