JP5229445B2 - ポリカーボネート樹脂 - Google Patents
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(式(3)において、R1、R2、R3およびR4はそれぞれ、水素原子または炭素数1〜5のアルキル基である。)
(1)上記式(1)で表される構造単位と上記式(2)で表される構造単位とから構成され、式(1)で表される構造単位が全構造単位中5〜90mol%であり、かつ極限粘度が0.3〜2.0dl/gであるポリカーボネート樹脂。
(2)上記式(2)で表される構造単位が、トリシクロ〔5.2.1.02,6〕デカンジメタノール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、又は3,9-ビス(2-ヒドロキシ-1,1-ジメチルエチル)-2,4,8,10-テトラオキサスピロ(5.5)ウンデカンの残基である(1)記載のポリカーボネート樹脂。
(3)光弾性係数が50×10-12m2/N以下、ガラス転移温度が100℃以上180℃以下、及び屈折率nDが1.57以上である(1)または(2)記載のポリカーボネート樹脂。
(4)下記記式(4)で表されるジヒドロキシ化合物および下記式(5)で表されるジヒドロキシ化合物を、重合触媒の存在下、炭酸ジエステルと反応させることを特徴とする(1)に記載のポリカーボネート樹脂の製造方法。
(化5)
HOCH2−Y−CH2OH (5)
(式中、Yは炭素数0〜20のアルキレン基若しくはシクロアルキレン基又は下記式(6)で表される構造である。)
(式(6)において、R1、R2、R3およびR4はそれぞれ、水素原子または炭素数1〜5のアルキル基である。)
(5)上記(1)〜(3)何れかに記載のポリカーボネート樹脂からなる光学材料。
(6)上記(1)〜(3)何れかに記載のポリカーボネート樹脂からなる光学レンズ。
(7)上記(1)〜(3)何れかに記載のポリカーボネート樹脂からなる光学フィルム。
本発明のポリカーボネート樹脂は、下記式(1)で表される構造単位(以下、構造単位1ともいう)と下記式(2)で表される構造単位(以下、構造単位2ともいう)とから構成される共重合体である。
(式(3)において、R1、R2、R3およびR4はそれぞれ、水素原子または炭素数1〜5のアルキル基である。)
(式(3)において、R1、R2、R3およびR4はそれぞれ、水素原子または炭素数1〜5のアルキル基である。)
4,10−ジメチルトリシクロ[5.2.1.02,6]デカンジメタノール、4,4,10,10−テトラメチルトリシクロ[5.2.1.02,6]デカンジメタノール、1,2,3,4,5,6,7,8,9,10−デカメチルトリシクロ[5.2.1.02,6]デカンジメタノール、3,9−ビス(2−ヒドロキシエチル)−2,4,8,10−テトラオキソスピロ(5.5)ウンデカン、3,9−ビス(2−ヒドロキシ−1,1−ジエチルエチル)-2,4,8,10−テトラオキサスピロ(5.5)ウンデカン、3,9−ビス(2−ヒドロキシ−1,1−ジプロピルエチル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ(5.5)ウンデカン1,4−シクロヘキサンジオール(トランス体、シス体あるいはその混合物)のような環状ジオールの残基が挙げられる。これらジヒドロキシ化合物は1種類でもよいし、二種類以上組み合わせて使用してもよい。
この構造単位(1)の割合が10〜85mol%であるものが、光学物性と成形加工性のバランスが良好で、特に好ましい。
固有粘度とは高分子同士の接触による影響が無視できるような希薄溶液において求めた高分子の単位濃度あたりの粘度増加率をいう。
本発明のポリカーボネート樹脂は、ビスフェノールAと炭酸エステル形成化合物からポリカーボネートを製造する際に用いられている公知の方法、例えば、ビスフェノール類とホスゲンあるいはホスゲン誘導体との反応(ホスゲン法)、ビスフェノール類とビスアリールカーボネートとのエステル交換反応(エステル交換法)法により製造できる。
(化12)
HOCH2−Y−CH2OH (5)
(式中、Yは炭素数0〜20のアルキレン基若しくはシクロアルキレン基又は下記式(6)で表される構造である。)
(式(6)において、R1、R2、R3およびR4はそれぞれ、水素原子または炭素数1〜5の1価のアルキル基である。)
上記光学材料としては、各種光学レンズ、プリズム、光ディスク基板、光ファイバー、光通信用デバイスなどのプラスチック光学製品や光学フィルムなどを例示することができる。本発明のポリカーボネート樹脂を上記の用途に供する場合、公知の酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、蛍光色素やフォトクロ色素等の色素、屈折率調整剤、無機微粒子などを添加したPC樹脂組成物として使用することができる。
1)極限粘度:ウベローデ粘度管使用。20℃、0.5%ジクロロメタン溶液、ハギンズ定数0.45で測定。
2)ガラス転移温度(Tg):示差熱走査熱量分析計(DSC)により測定した。
3)全光線透過率:日本電色工業(株)製MODEL1001DPにより測定した。
4)屈折率:ポリカーボネート3mm厚×8mm×8mmの直方体にプレス成形し、ATAGO株式会社製屈折率計により測定した。
5)複屈折:日本分光(株)製エリプソメーターにより測定した。
1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)アセナフテン(以下ANBPと略す。)9.313kg(25.275モル)、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカンジメタノール(以下TCDDMと略す)8.448kg(43.04モル)、ジフェニルカーボネート(以下DPCと略す)15.00kg(70.01モル)、及び炭酸水素ナトリウム0.000574g(6.8マイクロモル)を攪拌機及び留出装置付きの50L反応機にいれ、窒素雰囲気760mmHgの下1時間かけて215℃に加熱し攪拌した。
その後、15分かけて減圧度を150mmHgに調整し、215℃、150mmHgの条件下で20分間保持しエステル交換反応を行った。さらに37.5℃/hrの速度で240℃まで昇温し、240℃150mmHgで10分間保持した。その後、10分かけて120mmHgに調整し、240℃120mmHgで70分間保持した。その後、10分かけて100mmHgに調整し、240℃100mmHgで10分間保持した。更に40分かけて1mmHg以下とし、その条件下で10分間攪拌した。反応終了後、反応機内に窒素を吹き込み加圧にし、生成したポリカーボネート樹脂をペレタイズしながら抜き出した。得られたポリカーボネート樹脂の極限粘度0.66、Tg=128℃であった。このポリカーボネート10.0kgを100℃で24時間真空乾燥し、樹脂に対してアデカスタブPEP36(旭電化工業株式会社)製を500ppm
、HP136(チバスペシャリティケミカルズ株式会社製)200ppm、グリセリンモノステアレートを300ppm添加して押出し機により250℃で混練りしてペレタイズしてペレットを得た。このペレットの極限粘度0.64であった。該ペレットを100℃で24時間真空乾燥した後、シリンダー温度250℃、金型温度120℃で射出成形して直径が9.4mm両凸面の局率半径が5.0mmの両凸レンズを得た。また、得られた樹脂レンズの光学特性を測定したところ屈折率1.576、光弾性係数11×10-12m2/N、複屈折15nmであり、複屈折のきわめて小さい実質的な光学ひずみのないレンズであることが確認された。また、全光線透過率を測定したところ89%であった。
ANBPを8.269kg(22.44mol)、シクロヘキサンジメタノール(シストランス混合物)を7.552kg(52.36mol)、DPCを16.423kg(76.68モル)使用した以外は実施例1と同様に行った。得られた樹脂レンズの光学特性を測定したところ屈折率1.585、光弾性係数17×10-12m2/N、複屈折20nmであり、複屈折のきわめて小さい実質的な光学ひずみのないレンズであることが確認された。また、全光線透過率を測定したところ89%であった。
ANBPを14.348kg(38.94mol)、2,4,8,10−テトラオキサスピロ(5.5)ウンデカンを8.941g(29.37mol)ジフェニルカーボネート(以下DPCと略す)15.00kg(70.01モル)使用した以外は実施例1と同様に行った。得られた樹脂レンズの光学特性を測定したところ屈折率1.575、光弾性係数25×10-12m2/N、複屈折23nmであり、複屈折のきわめて小さい実質的な光学ひずみのないレンズであることが確認された。また、全光線透過率を測定したところ89%であった。
ビスフェノールAからなるポリカーボネート樹脂として、ユーピロンH−4000(三菱エンジニアリングプラスチックス株式会社製)を用いた。該ペレットを100℃で24時間真空乾燥した後、シリンダー温度255℃、金型温度120℃で射出成形し、直径が9.4mm両凸面の曲率半径が5.0mmの両凸レンズを得た。得られた樹脂レンズの光学特性を測定したところ屈折率1.584、光弾性係数78×10-12m2/N、複屈折230nmであり、複屈折の大きい光学ひずみも大きいレンズであることが確認された。また、全光線透過率を測定したところ89%であった。
ゼオネックス330R(日本ゼオン株式会社製)を用いた。該ペレットを100℃で24時間真空乾燥した後、シリンダー温度260℃、金型温度100℃で射出成形し、直径が9.4mm両凸面の曲率半径が5.0mmの両凸レンズを得た。得られた樹脂レンズの光学特性を測定したところ屈折率1.530、光弾性係数3.2×10-12m2/N、複屈折45nmであり、複屈折のきわめて小さい光学ひずみのないレンズであるが屈折率が1.53と低かった。また、全光線透過率を測定したところ90%であった。
Claims (7)
- 下記式(1)で表される構造単位と下記式(2)で表される構造単位とから構成され、式(1)で表される構造単位が全構造単位中5〜90mol%であり、かつ極限粘度が0.3〜2.0dl/gであるポリカーボネート樹脂。
(式(1)中、Rは炭素数1〜9のアルキル基、炭素数6〜12のアリール基、炭素数2〜5のアルケニル基、炭素数1〜5のアルコキシ基、炭素数7〜17のアラルキル基及びハロゲンから選ばれる1種を示し、nはRがベンゼン環上に置換している数を示し、0〜4の整数である。Xは炭素数1〜4のアルキレン基を示し、pは0〜4の整数である。)
(式(3)において、R1、R2、R3およびR4はそれぞれ、水素原子または炭素数1〜5のアルキル基である。)
- 式(2)で表される構造単位が、トリシクロ〔5.2.1.02,6〕デカンジメタノール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、又は3,9-ビス(2-ヒドロキシ-1,1-ジメチルエチル)-2,4,8,10-テトラオキサスピロ(5.5)ウンデカンの残基である請求項1記載のポリカーボネート樹脂。
- 光弾性係数が50×10-12m2/N以下、ガラス転移温度が100℃以上180℃以下、及び屈折率nDが1.57以上である請求項1または2記載のポリカーボネート樹脂。
- 下記式(4)で表されるジヒドロキシ化合物および下記式(5)で表されるジヒドロキシ化合物を、重合触媒の存在下、炭酸ジエステルと反応させることを特徴とする請求項1に記載のポリカーボネート樹脂の製造方法。
(化4)
HOCH2−Y−CH2OH (5)
(式(5)中、Yは炭素数0〜20のアルキレン基若しくはシクロアルキレン基又は下記式(6)で表される構造である。)
(式(6)において、R1、R2、R3およびR4はそれぞれ、水素原子または炭素数1〜5のアルキル基である。) - 請求項1〜3何れか1項記載のポリカーボネート樹脂からなる光学材料。
- 請求項1〜3何れか1項記載のポリカーボネート樹脂からなる光学レンズ。
- 請求項1〜3何れか1項記載のポリカーボネート樹脂からなる光学フィルム。
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