JP5229427B2 - 距離測定装置および距離測定方法 - Google Patents

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Description

本発明は、周辺環境に存在する測定対象を、とりわけ交通環境に存在する測定対象を光学的に検出することに基づき、当該測定対象までの距離を測定する距離測定装置、及び該距離測定装置に用いるのが好適な距離測定方法に関する。
従来、測定対象までの距離を測定するために実用化されている距離測定装置は、可視光と不可視光の中から選択した光を光学的に検出することに基づき、測定対象までの距離を測定する。このような距離測定装置は、たとえば移動体としての車両に搭載されることによって、測定対象たる他車両等と、自車両(距離測定装置自身)との間の距離(相対的な距離)を測定する。距離測定装置は、このようにして測定した距離の情報を、たとえば他車両との衝突回避などを支援する運転支援情報の一つとして、運転支援装置などに提供する。
このように測定対象までの距離を光学的に測定する距離測定装置として、特許文献1や特許文献2記載のものが知られている。
特許文献1記載の距離測定装置は、互いに異なる波長を有する所定のパターンからなる光を測定対象に投影する光源を有し、測定対象に投影した光のパターンを、光源の光軸とは異なる方向から撮像する。距離測定装置は、投影した光のパターンと、撮像した光のパターンとの変化に基づき、測定対象までの距離を測定する。このように特許文献1記載の距離測定装置は、撮像を可能ならしめるに十分な強度の光を、測定対象に投影する光源を有する必要がある。このため、特許文献1記載の距離測定装置を車両に搭載すると、光源は、自車両から数十メートル〜数百メートルほど離れることもある測定対象に、撮像が可能な強度の光のパターンを投影しなければならない。つまり光源が消費するエネルギーは、軽視できない量になる。
一方、特許文献2は、光源を用いない距離測定装置を開示する。この距離測定装置は、可視スペクトル域に感応するカメラと、赤外線スペクトル域に感応するカメラとの計2台のカメラを、両カメラの間に所定間隔を空けて配置する。距離測定装置は、それぞれのカメラが撮像した同一の測定対象の像に、三角測量法を適用することによって、当該測定対象までの距離を測定する。このように特許文献2記載の距離測定装置は、特別な光源を必要としないためにエネルギー消費は確かに少ない。距離の測定精度を高く維持するためには、三角測量法の基準となる2つのカメラの間の所定間隔を、精度よく維持することが欠かせない。
特開2002−27501号公報 特表2007−506074号公報
しかし、車両に搭載した距離測定装置は、車体の振動や歪み等の影響を受けるため、車体に取り付けた2つのカメラの間の所定間隔を精度よく維持することは容易ではない。このように距離測定装置を特に車両に搭載する場合、構成の簡素化などの面で、実用上はなお改良の余地を残すものとなっている。
本発明は、このような実情に鑑みてなしたものであり、その目的は、たとえ車両等に搭載される場合であれ、測定対象までの距離の測定を簡単な構成で行なうことができる距離測定装置、及び該距離測定装置に用いるのが好適な距離測定方法を提供することにある。
上記課題を解決するため、本発明によれば、測定対象を光学的に検出することによって、前記測定対象までの距離としての対象距離を測定する距離測定装置が提供される。距離測定装置は、前記測定対象からの入射光の進行方向とは異なる向きの光軸を有するレンズを有し、前記レンズは、前記入射光を結像することによって前記測定対象の像を求めるように構成されている。距離測定装置は、前記レンズに対する前記像の位置を示す結像位置を、前記入射光が有する複数の波長のそれぞれに対して求めることによって、それら前記結像位置同士の相対的な関係を示す量としての結像相対量を算出する結像相対量算出手段と;前記結像相対量と前記対象距離との相関を示すように前記レンズの色収差特性と、前記光軸の向きとによって定まる情報としての相関情報を、記憶する記憶手段と;前記結像相対量を前記相関情報に照合することによって、前記対象距離を算出する距離算出手段とを備えることを要旨とする。
このような構成によれば、入射光の進行方向とは異なる向きの光軸を有するレンズを用いることによって、波長ごとの結像位置がそれぞれ相違する。このことから、複数の結像位置間における結像相対量は、互いに異なる量として検出される。すなわち距離測定装置は、互いに異なる結像相対量に基づき、測定対象までの距離を測定することができるようになる。通常のレンズは、光のそれぞれの波長ごとに異なる屈折率を有するため、つまり色収差を生じるため、複数の波長を有する光を結像させる際、それぞれの波長ごとに結像位置が異なる。よって入射光の進行方向に対して、レンズの光軸が傾いている場合は、レンズが入射光を、レンズの光軸の向きのほうに傾くように屈折させる。このようにそれぞれの波長ごとの屈折率で光が屈折することによって、光の結像位置は、それぞれの波長ごとに、入射光の進行方向に対して垂直な方向(レンズの水平方向や上下方向)に互いに異なる。一方、レンズの前後方向に関してレンズと測定対象の間の距離である対象距離が変化することによって、レンズへの光の入射角が相違する。このため、対象距離が変化することによって、単一波長光の結像位置も変化する。これらのことから距離測定装置は、それぞれの波長の結像位置同士の相対関係に基づき、測定対象までの距離を測定できるようになる。
またそれぞれの波長の結像位置が、入射光の進行方向に対して垂直な方向に互いに異なるため、レンズに対向して設けられることが一般的である共通の結像面上に、検出に支障なくそれぞれの波長の光が結像される。このことから結像面は、それぞれの波長の結像位置を検出できる。すなわち結像位置を検出するために結像面を移動させる必要がほとんどないため、たとえば結像面を移動させる装置が不要とされる。つまりそれぞれの波長の結像位置を、簡単な構成で検出できる。
また色収差に基づく波長ごとの結像位置の差は、それぞれの波長の結像位置を、共通のレンズ(光学系)が検出することによって、求めることができる。このことから、距離測定を、ひとつの光学系、すなわち一台のカメラで行なうことができる。よって、たとえば複数のカメラを用いるような場合と比較して、カメラの配置の自由度が高められる。またカメラの配置位置を精度高く維持する必要もなく、距離測定装置の構成を簡単にすることができる。
また通常のレンズは、色収差補正が施されており、取得したい波長の光に限り、たとえば画像用には赤色の波長、青色の波長、緑色の波長の光に限り、それぞれの波長の結像距離が一致するように構成されていることが多い。しかし上記構成であれば、色収差補正がなされていない波長の光を、距離測定に用いることができるため、距離測定装置に用いる波長の選択自由度と設計自由度が高くなる。更に、この距離測定装置に採用する光学系の選択自由度と設計自由度も高くなる。
また前記光は、前記結像位置が互いに相違する2つの波長を有し、前記相関情報は、それぞれ前記結像相対量を前記対象距離に対応付けたマップデータを構成することが好ましい。
この構成によるように、距離測定装置は、レンズによる結像位置が互いに異なる2つの波長の光に基づき、測定対象までの距離を測定することができる。このように、光が2つ以上の波長を有していれば、距離測定装置は測定対象までの距離を測定することができるため、距離測定の実施が容易である。
前記結像相対量は、前記2つの波長の結像位置同士の差としての結像位置差であってもよい。
このような構成によれば、結像相対量を2つの波長の光の結像位置の差として検出するため、検出にかかる演算が簡単である。
前記結像相対量は、前記2つの波長の結像位置同士の比としての結像位置比であってもよい。
このような構成でも、検出にかかる演算が簡単である。
前記レンズの光軸は、前記入射光の進行方向に対して傾けられてもよい。
この構成によるように、入射光に対してレンズの光軸が傾いていると、それぞれの波長ごとの結像位置に差が生じる。距離測定装置は、この結像位置の差に基づき、測定対象までの距離を測定することができる。たとえば一般的な凸レンズの場合、入射光の進行方向に対してレンズを傾けて配置されると、入射光の進行方向に対してレンズの光軸が傾く。このように距離測定装置におけるレンズの配置の態様や、レンズの特性を簡単なものとすることができる。
前記レンズの表面は、前記レンズの光軸に対して非回転対称であってもよい。
この構成によるように、レンズの表面を、レンズの光軸に対して非回転対称に構成することによって、レンズの光軸を傾けることができる。よってレンズの表面形状を調整することによって、出射光の波長と、測定対象までの距離とに応じるように、レンズの光軸を傾けることができる。よって、距離測定装置に用いるレンズの選択自由度や設計自由度が向上する。
前記レンズの屈折率は、前記レンズの光軸に対して非回転対称であってもよい。
この構成によるように、レンズの屈折率を、光軸に対して非回転対称とすることによって、レンズの光軸の傾きを調整できる。よって出射光の波長と、測定対象までの距離とに応じるように、レンズの光軸を傾けることができる。これによっても、距離測定装置に用いるレンズの選択自由度や設計自由度が向上する。
前記レンズは、前記測定対象からの光を検出するスペクトルセンサの一部であることが好ましい。
このような構成によれば、スペクトルセンサを用いることによって、任意の波長からなる複数の波長の光を、検出することができるようになる。よってそれら検出した波長の光による像の結像位置に基づき、多くの結像相対量を算出することができる。多くの結像相対量に基づき距離測定することによって、距離の測定精度を高くすることができる。またスペクトルセンサは、もともと波長の選択性自由度が高いことから、周辺環境や環境光などに応じて、距離測定に適した波長の光を適宜選択することも容易となる。更にスペクトルセンサは、そもそも複数の波長の光を検出することができるので、距離測定装置を簡単に構成することができる。すなわち既存のスペクトルセンサを、距離測定装置として活用することを可能にする。
また上記課題を解決するために本発明は、測定対象を光学的に検出することによって、前記測定対象までの距離としての対象距離を測定する距離測定方法を提供する。距離測定方法は、前記測定対象からの入射光の進行方向とは異なる向きの光軸を有するレンズによって前記測定対象の像を結像させ、前記レンズに対する前記像の位置を示す結像位置を、前記入射光が有する複数の波長それぞれに対して求める結像位置算出工程と;これら前記結像位置同士の相対的な関係を示す量としての結像相対量を算出する結像相対量算出工程と;前記結像相対量と前記対象距離の相関を示すように前記結像相対量と、前記レンズの色収差特性と、前記光軸の向きとによって定まる情報としての相関情報に、前記結像相対量を照合することによって前記対象距離を算出する距離算出工程とを備えることを要旨とする。
このような方法によれば、波長ごとの結像位置は、入射光の進行方向とは異なる向きの光軸を有するレンズによって、互いに相違する。これら波長ごとの結像位置に基づき、複数の結像位置同士の間の結像相対量は、それぞれ互いに異なる量として検出される。すなわち距離測定方法は、互いに異なる結像相対量に基づき、測定対象までの距離を測定することができる。通常のレンズは、光の波長ごとに異なる屈折率を有するため、つまり色収差を生じるため、複数の波長を有する光を結像させると、波長ごとに結像位置が異なる。よって、入射光の進行方向に対してレンズの光軸が傾いている場合、レンズは入射光を、光軸の向きのほうに傾くように屈折させる。このように波長ごとの屈折率によって光が屈折するため、波長ごとの光の結像位置は、入射光の進行方向に対して垂直な方向(レンズの水平方向や上下方向)に、互いに異なる。一方、レンズの前後方向に沿って、レンズと測定対象の間の距離である対象距離が変化することによって、レンズへの光の入射角が相違する。このため、対象距離が変化することによって、単一波長光の結像位置も変化する。これらのことから上記距離測定方法によれば、それぞれの波長の結像位置同士の相対関係に基づき、測定対象までの距離が測定される。
またそれぞれの波長の結像位置は、入射光の進行方向に対して垂直な方向に、互いに異なる。結像面は、レンズに対向して設けられることが一般的であり、それぞれの波長の光は共通の結像面上に、検出に支障なく結像される。このことから結像面は、それぞれの波長の結像位置を検出できる。すなわち結像位置を検出するために結像面をレンズの前後方向に移動させる必要がほとんどないため、結像面を移動させる装置は不要とされる。つまり上記距離測定方法は、それぞれの波長の結像位置を、簡単な構成で検出できる。
また上記距離測定方法は、共通のレンズつまり共通の光学系が検出したそれぞれの波長の結像位置に基づき、色収差に基づく波長ごとの結像位置差を求める。このことから、距離測定を、ひとつの光学系、すなわち一台のカメラで行なうことができる。よって、たとえば複数のカメラが必要とされる方法と比較して、上記距離測定方法を採用する装置のカメラの配置の自由度が高められる。
また通常のレンズは、色収差補正が施されていることが多い。つまり通常のレンズは、取得したい波長の光に限り、たとえば画像用には赤色の波長、青色の波長、緑色の波長の光に限り、それぞれの波長の結像距離を一致させるように構成されていることが多い。しかし上記距離測定方法であれば、色収差補正がなされていない波長の光を距離測定に用いることができるため、距離測定方法に用いる波長の選択自由度と設計自由度が高くなる。ひいては、上記距離測定方法が採用される装置における光学系の選択自由度と設計自由度も高くなる。
前記入射光は、2つの波長を有し、前記結像位置算出工程は、前記結像位置を、前記2つの波長それぞれに対して求めてもよい。前記距離算出工程は、前記結像相対量を前記対象距離に対応付けたマップデータから、前記前記相関情報を取得してもよい。
このような方法によれば、結像位置が互いに異なる2つの波長の光に基づき、測定対象までの距離を測定することができる。このように光が2つ以上の波長を有していれば、上記距離測定方法が測定対象までの距離を測定することができるため、距離測定の実施が容易になる。
本発明の距離測定装置を具体化した一実施形態に係るスペクトル測定装置を、移動体に搭載したシステム構成を示すブロック図。 図1のスペクトル測定装置に用いられる、光学系の概略構造を示す模式図。 図3(a)〜図3(c)は、図2の光学系が、測定対象を結像させた結像位置を示す模式図。図3(a)は、測定対象が遠い場合の結像位置を示す図。図3(b)は、測定対象が、図3(a)の場合よりもレンズに近い場合の結像位置を示す図。図3(c)は、測定対象が、図3(b)の場合よりもレンズに近い場合の結像位置を示す図。 図4(a)と図4(b)は、図2の光学系が、同一の測定対象を、互いに異なる波長の光で結像面に投影したときの態様を例示する模式図。 図1のスペクトル測定装置が検出するシフト量と、測定対象までの距離との関係を示すグラフ。 図1のスペクトル測定装置が、距離を測定する手順を示すフローチャート。 本発明の距離測定装置を具体化した、他の実施形態に係るスペクトル測定装置の光学系の概略構造を示す模式図。 本発明の距離測定装置を具体化した、更に他の実施形態に係るスペクトル測定装置の光学系の概略構造を示す模式図。
図1〜図6は、本発明の距離測定装置を具体化した一実施形態に係る、スペクトル測定装置11を説明する。特に図1〜図5は、スペクトル測定装置11のシステム構成を示し、図6はフローチャートを示す。図1は、移動体としての車両10に搭載したスペクトル測定装置11の、システム構成を示すブロック図である。
近年、実用化が検討されている技術は、スペクトルセンサによって測定した不可視光領域をも含むマルチスペクトルデータから、当該スペクトルセンサの周辺環境に存在する測定対象を認識し、その認識した測定対象もしくは測定対象の状態に応じて、各種の支援を運転者(ドライバー)に提供する。たとえば自動車等の車両において実用化が検討されている運転支援装置は、ドライバーの運転や意思決定を支援するために、車両に搭載したスペクトルセンサが測定したスペクトルデータに基づき、当該車両周囲の交通環境に存在する歩行者や、他車両などを認識する。
また車両のような移動体を操作するドライバーを支援するためには、たとえば移動体が他の物体に衝突することを回避したり防止したりすることを支援するためには、移動体に対する測定対象の相対的な位置を示す情報が欠かせない。そこで従来、車両には、車両自身に対する測定対象の相対的な位置を測定する距離測定装置が設けられており、そのような距離測定装置として上述した特許文献1や特許文献2に記載の装置が知られている。しかしながら、車両にスペクトル測定装置と距離測定装置とを個別に備えると、車両においてこれら装置が占有する面積が増加したり、車両全体の構成が複雑化したり、コストが上昇したりするなどの不都合を生じさせることとなる。そこで、このようなセンサ類によるシステム構成を、簡素化することが求められている。そのため本実施形態は、車両等に搭載される場合であっても距離測定装置自身と測定対象の間の距離を、簡単な構成のもとに測定できる距離測定装置として、スペクトル測定装置を用いることができるようにした。
図1に示すスペクトル測定装置11は、車両外部の可視光と不可視光を含む光情報を取得することによって、測定対象を認識することができるとともに、スペクトル測定装置11自身と測定対象の間の距離を測定することができるように構成されている。更に車両10は、このスペクトル測定装置11から出力された認識情報や距離情報などを、車両10の搭乗者に伝達するヒューマンマシンインタフェース12と、スペクトル測定装置11から出力された認識情報や距離情報などを車両制御に反映する車両制御装置13とを備えている。なおスペクトル測定装置11は、公知の方法によって測定対象を認識することから、本実施形態では、測定対象を認識するためのスペクトル測定装置11の部分の構成と、測定対象を認識するための認識処理の部分などの冗長な説明は、便宜上、割愛する。
ヒューマンマシンインタフェース12は、光や色、音などを通じて、搭乗者とりわけ操縦者に車両状態等を伝える。つまりヒューマンマシンインタフェース12は、搭乗者の意思がボタン等を通じて入力されるように、押しボタンやタッチパネルなどの操作装置が設けられている公知のインタフェース装置である。
車両10に搭載した種々の制御装置のうちの一つとしての車両制御装置13は、同じく車両に搭載されているエンジン制御装置などの他の各種制御装置に、必要な情報を相互伝達できるように直接的に、もしくは車載ネットワークなどによって間接的に相互接続されている。なお本実施形態では、車両制御装置13は、接続されているスペクトル測定装置11から、このスペクトル測定装置11が認識した測定対象の情報や測定対象までの距離などの情報が入力されると、その情報を他の各種制御装置に伝達する。更に車両制御装置13は、この認識した測定対象と、測定対象までの距離とに応じて、要求される運転支援をこの車両10において実行するように構成されている。
図1に示すようにスペクトル測定装置11は、測定対象を観測することによって得られる光である観測光のスペクトルデータR0を検出するスペクトルセンサ14と、スペクトルセンサ14からスペクトルデータR0を受信して処理するスペクトルデータ処理装置15とを備えている。
スペクトルセンサ14は、観測光のスペクトル画像を検出することによって、観測光のスペクトルデータR0を生成するように構成されている。スペクトル画像を構成する複数の画素は、それぞれ個別のスペクトルデータを有する。
スペクトルセンサ14は、可視光と不可視光からなる光としての観測光を、所定の波長帯域に分光する機能を有している。スペクトルセンサ14が出力するスペクトルデータR0は、分光後のそれぞれの波長帯域を構成する波長を示す情報としての波長情報と、これら波長帯域の波長ごとに観測光の光強度を示す情報としての光強度情報とを有する。本実施形態のスペクトルセンサ14は、距離測定に用いる第1波長(λ1)つまり短波長として予め400nm(ナノメートル)を選択しており、短波長よりも長い第2波長(λ2)つまり長波長として800nmを選択している。つまりスペクトルデータR0は、400nmの光からなるスペクトルデータと、800nmの光からなるスペクトルデータとを含む。またスペクトルセンサ14は、観測光を、所定の波長帯域に規制する機能も有している。
図2に示すように、スペクトルセンサ14は、入射光Lを結像させるレンズ20と、レンズ20によって結像した光を検出する検出装置21とを備えている。更にスペクトルセンサ14は、観測光から入射光Lを生成するためのフィルタ(図示略)を備えている。つまり本実施形態のフィルタは、入射光Lを構成する種々の光成分のうち主となる波長の光成分を、観測光から選択する。
検出装置21は、CCDなどの受光素子によって構成されている。それら受光素子の受光面が構成する撮像面としての結像面21aは、レンズ20に対向するように配置されている。つまり検出装置21は、レンズによって結像された状態の入射光Lの光強度情報を、結像面21aにおいて検出する。
レンズ20は凸レンズであるため、入射光Lがレンズ20に入射すると、集光するように屈折した透過光としての出射光が、レンズ20から出射する。レンズからの出射光は、結像点Fに結像する。本実施形態では、入射光Lの進行方向X1は、レンズ20の光軸に対して、傾角θaだけ傾斜している。すなわちレンズ20の光軸AXは、入射光Lの進行方向X1とは、異なる向きを有する。つまりレンズ20の主平面TXは、入射光Lの進行方向X1に対して垂直な面に対して、傾角θaだけ傾斜している。なおレンズ20の主平面TXは、レンズ20の主点PPを通り、且つレンズ20の光軸AXに対して垂直な面である。レンズ20の主平面TXは、レンズ20の厚み方向の中心を通る。このようなレンズ20は、公知のレンズの設計技術によって設計され得る。
レンズ20の表面においてそれぞれの位置に入射する入射光Lの各位置成分の入射角は、レンズ20の傾角θaの存在のため、レンズ20の光軸AXに対して回転対称にはならない。すなわち入射光Lの各位置成分は、レンズ20に、非回転対称な入射角で入射する。よって、入射光Lの各位置成分は、レンズ20の光軸AXに対して非回転対称な屈折角度で、それぞれのレンズ20の部分で屈折される。よって結像点Fは、レンズ20の主点PPからの進行方向X1の延長線LX上には存在しない。結像点Fは、延長線LXから離れて、存在する。
このため入射光Lは、進行方向X1に対して傾いたレンズ20に入射されると、レンズ20の部分ごとに非回転対称な屈折角で屈折される。つまりレンズ20の出射光L10は、遠入射光L1の進行方向X1とは異なる向きに進行し、そして結像点Fに結像される。
レンズ20は、光の波長ごとに異なる屈折率を有する性質、いわゆる色収差を有している。このため、レンズ20からの出射光L10のうち、それぞれの波長の光成分は、それぞれ波長ごとに応じた屈折率で、互いに異なる向きにレンズ20から出射していく。すなわち出射光L10は、光の波長ごとに互いに異なる屈折率に基づく非回転対照な屈折角で出射して、それぞれの屈折角に応じた向きに進行することによって、互いに異なる位置の結像点Fに結像される。すなわち共通の結像面21a上において、それぞれの波長の光の結像点Fは、入射光Lの波長ごとに互いに異なる位置に形成される。
なお短波長に対する結像点Fと、長波長に対する結像点Fとは、必ずしも共通の結像面21a上において結像するとは限らず、多少、軸上色収差も発生するとは考えられる。しかし本実施形態は、1つの結像面21aでの短波長に対する結像点Fと、長波長に対する結像点Fとの位置の差つまりシフト量に比べれば、軸上色収差が焦点深度の範囲内に収まるように、傾角θa、測定対象まで距離としての対象距離sの範囲、レンズ20の材質、および屈折率を予め設定した。つまり軸上色収差は、レンズ20の水平方向や上下方向への結像位置のシフト量に比べると、無視できるものとする。
図3(a)〜図3(c)は、結像位置と、スペクトルセンサ14から測定対象Tまでの距離としての対象距離sとの関係を説明する。図3(a)は、測定対象が遠方に存在する遠測定対象T1の場合を示す。図3(b)は、測定対象が、図3(a)の場合よりもレンズ20の近くに存在する中測定対象T2の場合を示す。図3(c)は、測定対象が、図3(b)の場合よりもレンズ20の近くに存在する近測定対象T3の場合を示す。
図3(a)は、レンズ20から、無限遠方として評価できる遠対象距離s1に存在する遠測定対象T1を示す。この場合、遠測定対象T1からの入射光である遠入射光L1は、進行方向X1の略平行光として、レンズ20に入射される。遠入射光L1が、第1波長としての短波長たとえば波長400nmの光のみを有する単一波長光であるとすると、遠入射光L1は、400nmの波長に対応するレンズ20の屈折率と、レンズ20の傾角θaに対応する屈折率とに基づき、屈折され、レンズ20から遠短出射光L11として出射される。この遠短出射光L11は、結像面21aにおいて、遠短結像点F11に結像される。
一方、遠入射光L1が、短波長とは異なる第2波長としての長波長たとえば波長800nmの光のみを有する単一波長光であるとすると、遠入射光L1は、800nmの波長に対応するレンズ20の屈折率と、レンズ20の傾角θaに対応する屈折率とに基づき、屈折され、レンズ20から遠長出射光L12として出射される。この遠長出射光L12は、結像面21aにおいて、遠長結像点F12に結像される。なお色収差補正が施されていないレンズの場合、一般的に、波長が短いほど屈折率が大きくなる傾向にある。このことから図3(a)に示すように、長波長800nmの遠長出射光L12の屈折に比べて、短波長(波長400nm)の遠短出射光L11の屈折が、より大きい。よって、共通の結像面21a上において、遠長出射光L12の遠長結像点F12の位置は、遠短出射光L11の遠短結像点F11の位置とは異なる。レンズ20の主点PPを通る進行方向X1の延長線LXに対して、遠短結像点F11のほうが、遠長結像点F12よりも遠くに位置する。図3(a)では、遠短結像点F11のほうが、遠長結像点F12よりも下に位置する。そのため、遠短出射光L11の遠短結像点F11の位置と、遠長出射光L12の遠長結像点F12の位置との間には、波長の違いによる結像位置のズレによって、相対関係量つまり結像相対量としてのシフト量として、たとえば上下方向に遠シフト量D1(D1=遠短結像点F11の位置−遠長結像点F12の位置)が生じる。遠シフト量D1は、レンズ20の主点PPを通る進行方向X1の延長線LXに対して、垂直方向の距離である。
図3(b)は、レンズ20からの距離が上述の遠対象距離s1よりも近い、中対象距離s2に位置する中測定対象T2を示す。図3(b)に示す中拡角θ2は、この場合の入射光としての中入射光L2が、測定対象Tからレンズ20の周縁部に向かって拡がる拡がり度合いを示す拡角つまり取入角を示す。拡角が大きくなるほど、レンズ20への入射角は増大する。図3(a)の場合の拡角である遠拡角θ1は、ほぼゼロである。中測定対象T2からの中入射光L2が短波長400nmの単一波長光である場合、中入射光L2は、短波長に対応するレンズ20の屈折率と、レンズ20の傾角θaによる屈折角と、レンズ20への中拡角θ2による屈折角とに基づき、屈折される。この場合のレンズ20から出射した中短出射光L21は、図3(a)の場合と殆ど同じ結像面21aにおいて、中短結像点F21に結像される。
一方、中入射光L2が長波長800nmの単一波長光の場合、中入射光L2は、長波長に対応するレンズ20の屈折率と、レンズ20の傾角θaによる屈折角と、レンズ20への中拡角θ2によって規定される屈折角とに基づき、屈折される。レンズ20から出射した中長出射光L22は、ほとんど同じ結像面21aにおいて、中長結像点F22に結像される。レンズ20が色収差補正されていないことによって、図3(b)に示すように、長波長800nmの中長出射光L22の屈折よりも、短波長400nmの中短出射光L21の屈折が大きい。よって共通の結像面21aにおいて、中長出射光L22の中長結像点F22の位置は、中短出射光L21の中短結像点F21の位置とは異なる。そのため中短出射光L21の中短結像点F21の位置と、中長出射光L22の中長結像点F22との間には、波長の違いによる結像位置のズレによって、相対関係量として、たとえば上下方向に中シフト量D2(D2=中短結像点F21の位置−中長結像点F22の位置)が生じる。レンズ20の傾角θaによる屈折角と、レンズ20への中拡角θ2によって規定される屈折角とは、レンズ20の非回転対照な屈折角を示す。
図3(c)は、レンズ20からの距離が上述の中対象距離s2よりも近い、近対象距離s3に存在する近測定対象T3を示す。図3(c)に示す近拡角θ3は、図3(b)の中拡角θ2よりも大きい。近測定対象T3からの近入射光L3が、短波長400nmの単一波長光であるとすると、近入射光L3は、短波長に対応するレンズ20の屈折率と、レンズ20の傾角θaによる屈折角と、レンズ20への近拡角θ3によって規定される屈折角とに基づき、屈折される。レンズ20から出射した近短出射光L31は、ほとんど同じ結像面21aにおいて、近短結像点F31に結像される。
一方、近入射光L3が長波長800nmの単一波長光である場合、近入射光L3は、長波長に対応するレンズ20の屈折率と、レンズ20の傾角θaによる屈折角と、レンズ20への近拡角θ3によって規定される屈折角とに基づき、屈折される。たとえばレンズ20から出射した近長出射光L32は、ほとんど同じ結像面21aにおいて、近長結像点F32に結像される。レンズ20が色収差補正されていないことによって、図3(c)に示すように、長波長800nmの近長出射光L32の屈折よりも、短波長400nmの近短出射光L31の屈折のほうが大きい。よって、結像面21aにおける近長結像点F32の位置は、近短結像点F31の位置とは異なる。そのため近短結像点F31の位置と、近長結像点F32の位置との間には、波長の違いによる結像位置のズレである相対関係量として、上下方向に近シフト量D3(D3=近長結像点F32の位置−近短結像点F31の位置)が生じる。
一般に、短波長の入射光に対するレンズ20の屈折角は、入射角の違い、すなわち遠対象距離s1の遠入射光L1に対する屈折角と、中対象距離s2の中入射光L2に対する屈折角と、近対象距離s3の近入射光L3に対する屈折角とは、互いに異なる。同様に、長波長の入射光に対するレンズ20の屈折角も、入射角の違い、すなわち遠対象距離s1の遠入射光L1に対する屈折角と、中対象距離s2の中入射光L2に対する屈折角と、近対象距離s3の近入射光L3に対する屈折角とは、互いに異なる。
また遠対象距離s1に対する、短波長の入射光に対するレンズ20の非回転対照な屈折角と、長波長の入射光に対するレンズ20の非回転対照な屈折角との「比」などの相対関係は、中対象距離s2に対する、短波長の入射光に対するレンズ20の非回転対照な屈折角と、長波長の入射光に対するレンズ20の非回転対照な屈折角との「比」などの相対関係とは、通常は一致しない。また中対象距離s2に対する、短波長の入射光に対するレンズ20の非回転対照な屈折角と、長波長の入射光に対するレンズ20の非回転対照な屈折角との「比」などの相対関係は、近対象距離s3に対する、短波長の入射光に対するレンズ20の非回転対照な屈折角と、長波長の入射光に対するレンズ20の非回転対照な屈折角との「比」などの相対関係とは、通常は一致しない。更に遠対象距離s1に対する、短波長の入射光に対するレンズ20の非回転対照な屈折角と、長波長の入射光に対するレンズ20の非回転対照な屈折角との「比」などの相対関係は、近対象距離s3に対する、短波長の入射光に対するレンズ20の非回転対照な屈折角と、長波長の入射光に対するレンズ20の非回転対照な屈折角との「比」などの相対関係とも、通常は一致しない。
従って、遠測定対象T1まで遠対象距離s1の場合の遠シフト量D1と、中測定対象T2まで中対象距離s2の場合の中シフト量D2と、近測定対象T3まで近対象距離s3の場合の近シフト量D3とは、互いに相違する。このことからスペクトル測定装置11は、遠シフト量D1は遠対象距離s1に対応し、中シフト量D2は中対象距離s2に対応し、近シフト量D3は近対象距離s3に対応すると結論できる。つまりスペクトル測定装置11は、対象距離sとシフト量Dの一義的な対応関係を結論できる。よってスペクトル測定装置11は、倍率色収差を用いて、測定対象Tまでの距離としての対象距離sを測定することができる。
図4に示すように、スペクトルセンサ14の撮像領域には、測定対象として、近距離には歩行者T3、中距離に他車両T2、遠距離に樹木T1が存在しているとする。図4(a)に示すように、この場合の短波長400nmの遠入射光L1が、結像面21aに投影する短波画像P1は、歩行者T3の像である短波歩行者像T31と、他車両T2の像である短波他車両像T21と、樹木T1の像である短波樹木像T11とを含む。
一方、図4(b)に示すように、長波長800nmの遠入射光L1が、結像面21aに投影する長波画像P2は、歩行者T3の像である長波歩行者像T32と、他車両T2の像である長波他車両像T22と、樹木T1の像である長波樹木像T12とを含む。
つまり短波画像P1の短波歩行者像T31の実体物は、長波画像P2の長波歩行者像T32の実体物と同じ、歩行者T3である。短波画像P1の短波他車両像T21の実体物は、長波画像P2の長波他車両像T22の実体物と同じ、他車両T2である。短波画像P1の短波樹木像T11の実体物は、長波画像P2の長波樹木像T12の実体物と同じ、樹木T1である。
短波画像P1と長波画像P2には、歩行者T3の結像位置を波長ごとに比較するための第3検出領域W3が設定され、他車両T2の結像位置を波長ごとに比較するための第2検出領域W2が設定され、樹木T1の結像位置を波長ごとに比較するための第1検出領域W1が設定されている。結像面21aに対する、短波画像P1の第3検出領域W3の位置は、長波画像P2の第3検出領域W3の位置と同一に設定されている。同様に、結像面21aに対する、短波画像P1の第2検出領域W2の位置は、長波画像P2の第2検出領域W2の位置と同一に設定されている。結像面21aに対する、短波画像P1の第1検出領域W1の位置は、長波画像P2の第1検出領域W1の位置と同一に設定されている。
上述のように、本実施形態のスペクトルセンサ14は、短波長400nmと長波長800nmとで、測定対象の結像位置を変化させる。このことから、たとえば歩行者T3までの距離が近対象距離s3である場合、結像面21aにおける、短波歩行者像T31の位置と、長波歩行者像T32の位置との間には、上下方向に近シフト量D3が生じる。またたとえば他車両T2までの距離が中対象距離s2である場合、結像面21aにおける、短波他車両像T21の位置と、長波他車両像T22の位置との間には、上下方向に中シフト量D2が生じる。更にたとえば樹木T1までの距離が遠対象距離s1である場合、結像面21aにおける、短波樹木像T11の位置と、長波樹木像T12の位置との間には、上下方向に遠シフト量D1が生じる。
換言するとスペクトルセンサ14は、短波歩行者像T31の位置と、長波歩行者像T32の位置との間のズレが近シフト量D3であることに基づき、歩行者T3までの距離が近対象距離s3であると求めることができる。またスペクトルセンサ14は、短波他車両像T21の位置と、長波他車両像T22の位置との間のズレが、中シフト量D2であることに基づき、他車両T2までの距離が中対象距離s2であると求めることができる。またスペクトルセンサ14は、短波樹木像T11の位置と、長波樹木像T12の位置との間のズレが遠シフト量D1であることに基づき、樹木T1までの距離が遠対象距離s1であると求めることができる。すなわちスペクトルセンサ14は、結像面21aにおける、測定対象の短波長における像の結像位置と、測定対象の長波長における像の結像位置とのズレ量つまり差から、対象距離sを把握することが可能となる。
図1に示すように、このようにスペクトルセンサ14は、測定対象Tについて短波長に基づくスペクトル画像である短波画像P1と、長波長に基づくスペクトル画像である長波画像P2とからなるスペクトルデータR0を検出する。そしてスペクトルセンサ14は、スペクトルデータR0を、スペクトルデータ処理装置15に出力する。
スペクトルデータ処理装置15は、たとえば演算装置や記憶装置などを有するマイクロコンピュータを中心に構成されている。スペクトルデータ処理装置15は、スペクトルセンサ14に接続されているとともに、スペクトルセンサ14が検出した観測光のスペクトルデータR0が入力される。スペクトルデータ処理装置15は、入力された観測光のスペクトルデータR0に基づき、対象距離sを算出つまり測定する。
スペクトルデータ処理装置15は、演算装置16と、記憶手段としての記憶部17とを備えている。記憶部17は、公知の記憶装置に設けられている記憶領域の全部もしくは一部からなる。
図5は、記憶領域に記憶されているマップデータ18の一例を示す。マップデータ18は、測定対象Tまでの距離としての対象距離s(s1,s2,s3など)に関連付けた態様で、短波長の光の結像位置と、長波長の光の結像位置との差からなるシフト量(D1,D2,D3など)を示す。すなわちマップデータ18は、遠短結像点F11の位置と、遠長結像点F12の位置との差である遠シフト量D1を、遠測定対象T1までの遠対象距離s1に関連付けて記憶している。更にマップデータ18は、中短結像点F21の位置と、中長結像点F22の位置との差である中シフト量D2を、中測定対象T2までの中対象距離s2に関連付けて記憶している。更にマップデータ18は、近短結像点F31の位置と、近長結像点F32の位置との差である近シフト量D3を、近測定対象T3までの近対象距離s3に関連付けて記憶している。よって演算装置16は、マップデータ18から、遠シフト量D1に基づき遠対象距離s1を、または中シフト量D2に基づき中対象距離s2を、もしくは近シフト量D3に基づき近対象距離s3を取得できる。つまりマップデータ18は、結像相対量としてのシフト量Dと、対象距離sとの相関を示すように、レンズ20の色収差特性と、光軸AXの向きとによって定まる情報としての相関情報を構成する。
演算装置16は、測定対象Tの像から、距離測定に用いる画像を選定する注目画像選定部30と;選定した画像から、2つの波長の結像位置を検出する結像位置算出部31と;2つの波長の結像位置の差であるシフト量Dを算出するシフト量算出部32とを備える。更に演算装置16は、シフト量Dから、対象距離sを算出する距離算出手段としての距離算出部33を備える。結像位置算出部31とシフト量算出部32は、相対関係量算出手段としての結像相対量算出手段を構成する。
注目画像選定部30は、測定対象Tの像から、距離測定に用いる画像を画素単位で選定する。注目画像選定部30は、スペクトルセンサ14からスペクトルデータR0が入力されると、注目画像情報W0と2つの波長のスペクトル画像を含むスペクトルデータR1を、結像位置算出部31に出力する。注目画像選定部30は、画像を選定する際、別途行なわれた対象認識処理などに基づき、認識した測定対象の中から優先度の高い測定対象に対応する画像を選定するようにしてもよいし、多くの領域を占有するものに対応する画像を選定するようにしてもよい。また注目画像選定部30が選択する画像は、互いに異なる2つの波長の画像の位置をそれぞれ識別可能なように、背景等との境界部分であると好ましい。
図4(a)は、短波長の画像としての短波画像P1を示し、図4(b)は、長波長の画像としての長波画像P2を示す。遠測定対象T1は「樹木」であり、中測定対象T2は「他車両」であり、近測定対象T3は「歩行者」であるとする。図4(a)の短波画像P1は、樹木の像である短波樹木像T11と、他車両の像である短波他車両像T21と、歩行者の像である短波歩行者像T31とを示す。図4(b)の長波画像P2は、樹木の像である長波樹木像T12と、他車両の像である長波他車両像T22と、歩行者の像である長波歩行者像T32とを示す。
注目画像選定部30は、樹木T1が測定対象の場合、短波樹木像T11と長波樹木像T12から、第1注目画像PX1を選定する。注目画像選定部30は、短波画像P1と長波画像P2の何れもが第1注目画像PX1を含む第1検出領域W1を、設定する。第1注目画像PX1は、樹木T1の根元と、根元の下の地面との境界線を示す。
また注目画像選定部30は、他車両T2が測定対象である場合、短波他車両像T21と長波他車両像T22から、第2注目画像PX2を選定する。注目画像選定部30は、短波画像P1と長波画像P2の何れもが第2注目画像PX2を含む第2検出領域W2を、設定する。第2注目画像PX2は、他車両T2のタイヤと、タイヤの下の路面との境界線を含む。
更に注目画像選定部30は、たとえば歩行者T3が測定対象である場合、短波歩行者像T31と長波歩行者像T32から、第3注目画像PX3を選定する。更に注目画像選定部30は、短波画像P1と長波画像P2の何れもが第3注目画像PX3を含む第3検出領域W3を、設定する。第3注目画像PX3は、歩行者T3の靴と、靴の下の路面との境界線を含む。
すなわち注目画像選定部30は、第1注目画像PX1と第1検出領域W1、第2注目画像PX2と第2検出領域W2、および第3注目画像PX3と第3検出領域W3を含む注目画像情報W0を生成し、且つ結像位置算出部31に出力する。
結像位置算出部31は、注目画像選定部30が選定した注目画像に基づき、2つの波長の像のそれぞれ結像位置を検出する。結像位置算出部31は、注目画像選定部30から注目画像情報W0とスペクトルデータR1が入力されるとともに、当該入力された注目画像情報W0とスペクトルデータR1に基づき、注目画像の2つの波長の結像位置を算出する。そして結像位置算出部31は、算出した2つの波長の結像位置を含む結像位置データR2を、シフト量算出部32に出力する。
シフト量算出部32は、2つの波長の結像位置から、シフト量Dを算出する。シフト量算出部32は、結像位置算出部31から入力された結像位置データR2に基づき、2つの波長の結像位置(たとえば遠短結像点F11の位置と遠長結像点F12の位置)の差を、シフト量Dとして算出する。シフト量算出部32は、算出したシフト量Dを、2つの波長に関連付けたデータであるシフト量データR3として、距離算出部33に出力する。
距離算出部33は、シフト量データR3に基づき、対象距離sを算出する。すなわち距離算出部33は、シフト量データR3から取得される2つの波長(たとえば400nmと800nm)に基づき、記憶部17から当該2つの波長に対応するマップデータ18を選択する。そして距離算出部33は、シフト量データR3から取得したシフト量(たとえば遠シフト量D1)に対応する対象距離s(たとえば遠対象距離s1)を、選択したマップデータ18から取得する。距離算出部33は、取得した対象距離sを、たとえば測定対象Tに関連付けるなどすることによって距離データR4を生成し、この距離データR4を、ヒューマンマシンインタフェース12や車両制御装置13などに出力する。
図6は、対象距離sを測定する手順を説明する。図6は、本実施形態のスペクトル測定装置11が対象距離sを測定する手順を示すフローチャートである。なお本実施形態では、対象距離sを測定するための手順は、所定周期で逐次実行される。
図6に示すように、距離測定のための処理が開始されると、ステップS10において演算装置16は、スペクトルセンサ14が検出したスペクトルデータR0を取得する。スペクトルデータR0を取得すると、ステップS11において演算装置16は、距離を測定する測定対象Tの像から、注目画像を選定する。なお測定対象Tは、スペクトル測定装置11が別途認識した測定対象や、測定対象の優先度などを条件として、選択される。注目画像が選定されると、ステップS12において演算装置16は、距離測定に用いる短波長と長波長のそれぞれの波長ごとに注目画像の結像位置をそれぞれ算出する(結像位置算出工程)。結像位置は、注目画像を検出する結像面21aの画素の位置に基づき、求められる。結像位置が算出されると、ステップS13において演算装置16は、2つの波長の注目画像の位置を互いに比較することによって、結像相対量であるシフト量Dを算出する(結像相対量算出工程)。シフト量D(D1,D2,D3)は、2つの波長それぞれの注目画像の結像位置の差として算出される。シフト量Dを算出すると、ステップS14において演算装置16は、対象距離sを算出する(距離算出工程)。演算装置16は、2つの波長に対応するマップデータ18から、シフト量Dに対応する距離を取得することによって、対象距離sを算出する。
以上説明したように、本実施形態のスペクトル測定装置11によれば、以下に列記するような効果が得られるようになる。
(1)スペクトル測定装置11は、入射光Lの進行方向X1とは異なる向きの光軸AXを有するレンズ20を用いることによって、波長ごとの結像位置がそれぞれ相違する。このことから、複数の結像位置間の結像相対量は、対象距離sごとに異なる量として検出される。すなわちそれぞれ異なる結像相対量に基づき、スペクトル測定装置11は対象距離sを測定することができるようになる。通常のレンズは、それぞれの波長の光ごとに異なる屈折率を有する、つまり色収差を生じる。このため、レンズ20が複数の波長を有する光を結像させる際、それぞれの波長の光ごとに結像位置が異なる。このことから、遠入射光L1の進行方向X1に対して、レンズ20の光軸AXが傾いている場合、すなわちレンズ20が、遠入射光L1をレンズの光軸AXの向きに屈折させる場合、それぞれの波長の光が、それぞれの屈折率によって屈折する。よって、レンズ20によって結像される像の結像位置(結像点の位置)は、それぞれの波長の光ごとに、レンズ20の水平方向や上下方向に、互いに異なる量で変位する。一方、レンズ20と測定対象Tの間の対象距離sの変化によってレンズ20への光の入射角が相違すると、ひとつの波長の光の結像位置も変化する。これらのことからスペクトル測定装置11は、それぞれの波長の結像位置同士の相対関係に基づき、対象距離sを測定できるようになる。
(2)それぞれの波長の結像位置が、レンズ20の水平方向や上下方向に異なる。つまりそれぞれの波長の結像位置は、入射光Lの進行方向X1とは垂直な方向に、互いに異なる量で変位する。このことから、レンズ20に対向して設けられることが一般的である結像面21a上に、それぞれの波長の像がそれぞれ結像される。よって結像面21aは、それぞれの波長の光の像のそれぞれの結像位置を、検出できる。すなわちスペクトル測定装置11は、結像位置を検出するために結像面21aを移動させる必要がないため、結像面21aを移動させる装置が不要とされ、それぞれの波長の結像位置を簡単な構成にて検出できるようになる。
(3)それぞれの波長の結像位置を、同じレンズ20(光学系)が検出することによって、色収差に基づく波長ごとの結像位置の差が求められる。つまり距離測定を、ひとつの光学系、すなわち一台のカメラ(スペクトルセンサ14)で行うことができる。よって、たとえば複数のカメラを用いる場合と比較すると、本実施形態はカメラの配置の自由度が高められる。つまりカメラの配置位置を精度高く維持する必要もなく、距離測定装置の構成を簡単にすることができる。
(4)通常のレンズは、色収差補正が施されている。つまり取得したい波長の光に限り、たとえば画像用には、赤色の波長、青色の波長、緑色の波長の光に限り、それぞれの波長の光の結像距離が一致するように通常のレンズは構成されていることが多い。しかし本実施形態は、色収差補正がなされていないレンズ20を、距離測定に用いることができる。よって距離測定装置に用いる波長の選択自由度と設計自由度が高くなるとともに、この距離測定装置に採用する光学系の選択自由度と設計自由度も高くなる。
(5)スペクトル測定装置11は、レンズ20による結像位置(結像点の位置)が互いに異なる2つの波長の光に基づき、対象距離sを測定する。すなわち測定対象Tからの光が、2つ以上の波長を有していれば、測定対象Tの距離を測定することができるので、距離測定の実施が容易である。
(6)スペクトル測定装置11は、結像相対量を、2つの波長の結像位置の差つまりシフト量D(D1,D2,D3)として検出する。よって検出にかかる演算などが簡単である。
(7)スペクトル測定装置11は、レンズ20の光軸AXを、遠入射光L1に対して傾けることによって、それぞれの波長の光ごとの結像位置に差を生じさせる。スペクトル測定装置11は、この結像位置差に基づき、対象距離sを測定する。たとえば一般的な凸レンズの場合、遠入射光L1の進行方向X1に対してレンズ20を傾けて配置することによって、遠入射光L1の進行方向X1に対して、レンズ20の光軸AXを傾けることができる。このように本実施形態は、距離測定装置におけるレンズ20の配置の態様や、レンズ20の特性を、簡単なものとすることができる。
(8)レンズ20が結像した測定対象Tの波長ごとの像を、スペクトルセンサ14が検出することによって、任意の波長からなる複数の波長の光を検出することができる。よって波長の選択性自由度が高いことから、周辺環境や環境光などに応じて、距離測定に適した波長の光を適宜選択することも容易となる。またスペクトルセンサ14は、もともと複数の波長の光を検出することができるので、距離測定装置を簡単に構成することができる。すなわち既存のスペクトルセンサを、距離測定装置として活用することも可能になる。
なお上記実施形態は、たとえば以下のような態様にて実施することもできる。
・上記実施形態では、レンズ20に入射される入射光の波長を、フィルタが短波長や長波長の光にする場合を例示した。しかしこれに限らずフィルタは、レンズ20から出射した出射光から、所定の光だけを有する出射光を取得するようにしてもよい。よって、所定の波長の光を取得する構成の自由度が高められる。
・上記実施形態では、マップデータ18が記憶する結像位置の差(シフト量)の波長の組み合わせは、短波長と長波長であった。しかしこれに限らず、マップデータ18が記憶する波長の組み合わせは、その他の組み合わせであってもよい。マップデータ18は、互いに異なる波長の組み合わせに基づく複数のマップデータであってもよい。よって距離測定に用いる波長の選択自由度が高められる。
・上記実施形態では、シフト量Dから対象距離sを算出するために、マップデータ18を参照した。しかしこれに限らず、演算式を用いて、シフト量Dから対象距離sを算出してもよい。よって、記憶領域の削減を図ることができるようになる。
・上記実施形態では、結像面21aが、入射光Lの進行方向X1に対して垂直に拡がるように配置されていた。しかしこれに限らず、結像面21aは、入射光Lの進行方向X1に対して、傾斜してもよい。たとえばレンズ20から結像点までの結像距離fが、光の波長や対象距離sに基づき変化する場合、結像点を撮像する結像面21aの部分と、レンズ20との間の距離が変化するように、結像面21aを傾けてもよい。よって、距離測定装置による距離測定精度を向上させることができるようになる。
・上記実施形態では、結像相対量を、2つの波長の結像位置同士の差(シフト量)とした。しかしこれに限らず、結像相対量は、2つの波長の光の結像位置同士の比としてもよい。よって、2つの波長の結像位置の結像相対量の算出方法の自由度が高められ、好適な測定結果を得られる。
・上記実施形態では、ひとつのシフト量に基づき、対象距離sを算出した。しかしこれに限らず、他の波長の組み合わせから検出される他のシフト量を含めた複数のシフト量に基づき、対象距離sを算出してもよい。複数のシフト量に基づけば、対象距離sを高い精度で求められるようにもなる。特に、多数の波長の光を検出することができるスペクトルセンサは、多くの波長に対して像の結像位置を検出することができる。つまり結像位置の差に基づき、多くのシフト量を算出することができるようになる。このことから、多くのシフト量に基づく距離測定を容易に行なうことができるとともに、測定される距離の精度を高くすることができるようになる。
・上記実施形態は、レンズ20がひとつの凸レンズである場合を例示した。しかしこれに限らず、レンズ20は、入射光を結像させる光学系であればよいため、複数のレンズから構成されるものであってもよい。またレンズ20は、凹レンズを含むように構成してもよい。レンズの設計自由度が高められることによって、このような距離測定装置の採用自由度が高められる。
・上記実施形態では、レンズ20の主平面TXは、つまりレンズ20の厚さ方向の中心を通る面としての中心面は、入射光Lの進行方向X1に対して垂直な面に対して、傾角θaを有していた。しかしこれに限らず、レンズ20の光軸AXが、入射光Lの進行方向X1とは異なる向きを有するのであれば、レンズ20の厚さ方向の中心を通る中心面を、入射光Lの進行方向X1に対して垂直にしてもよい。すなわち入射光Lの進行方向X1に対して、レンズ20の光軸AXが傾きを有する場合、対象距離sに基づき、入射光の角度が変化する。よって結像位置、いわゆる結像点の位置が、入射光Lの進行方向X1に対して垂直な面において、水平方向や上下方向に変位する。このため結像相対量が生じ、対象距離sを測定することができる。
図7に示すように、凸レンズであるレンズ25の表面を、非回転対称に形成してもよい。たとえばレンズ25の最も厚い部分を、レンズ25の中心から偏らせる。図7では、レンズ25の最大厚みは、レンズ25の上方に偏っているため、光軸AXも上方に傾いている。この場合、レンズ25の表面は、レンズ25の光軸AXに対して非回転対称である。すなわちレンズ25の表面を、光軸AXに対して非回転対称にすることによって、レンズ25の光軸AXを、入射光Lの進行方向X1に対して傾斜させてもよい。この場合も、結像面21aにおいて、入射光Lの波長と対象距離sとに応じて、結像位置が変化する。よって距離測定装置の設計や、構成の自由度が向上する。なお具体的なレンズ25の構成は、図7の場合から変更し得る。
・図8に示すように、凸レンズであるレンズ26を、互いに異なる屈折率(収差)を有する第1部材26aと第2部材26bによって構成することによって、入射光Lの進行方向X1に対して、レンズ26の光軸AXを傾斜させてもよい。図8では、測定対象T寄りの第1部材26aは、入射光Lの進行方向X1に対して、図の上方では凹であり、図の下方では凸である。第2部材26bは、第1部材26aの凹凸を埋め合わせるように、図の上方では凸であり、図の下方では凹である。この場合も、レンズ26の光軸AXは、上方に傾く。すなわちレンズ26の屈折率を、光軸AXに対して非回転対称にすることによって、レンズ26の光軸AXを、入射光Lの進行方向X1に対して傾斜させてもよい。この場合も、結像面21aにおいて、入射光Lの波長と対象距離sとに応じて、結像位置が変化する。これによっても、距離測定装置の設計や構成の自由度が向上する。なお具体的なレンズ26の構成は、図8の場合から変更しうる。また3つ以上の部材で、1つの凸レンズを構成してもよい。
・図7のレンズ25や、図8のレンズ26を、厚み方向の中心を通る中心面(TX)が、入射光Lの進行方向X1に対して傾斜するように配置してもよい。これによっても、距離測定装置の設計や構成の自由度が向上する。
・上記実施形態では、レンズ20に色収差補正が施されていない場合を例示した。しかしこれに限らず、距離測定に用いる波長について色収差補正が施されていないか、もしくは補正の度合いが小さい場合、レンズに色収差補正が施されていてもよい。よって、色収差補正が施されたレンズが用いられる装置においても、このような距離測定装置を採用できる可能性が高められる。
・上記実施形態では、シフト量D(相対関係量としての結像相対量)を求める2つの波長のうちの短波長が400nmであり、長波長が800nmである場合を例示した。しかしこれに限らず、シフト量を求める2つの波長は、レンズ20によって色収差が生じる関係にあれば、可視光と不可視光の中から選択可能である。すなわち短波長は400nmよりも短い波長でも長い波長でもよく、また長波長は800nmよりも短い波長でも長い波長でもよい。よって距離測定装置としての波長選択自由度が高められ、距離測定に好適な波長の組み合わせを選択して距離測定が好適になされるようにすることができるようにもなる。なお不可視光には、紫外線(近紫外線)と赤外線(遠赤外線、中赤外線、近赤外線を含む)が含まれてもよい。
・上記実施形態では、対象距離sが遠くなるとシフト量Dが小さくなる場合を例示した。しかしこれに限らず、シフト量Dは、対象距離sの変化に応じて変化するものであればよく、距離が遠くなるとき大きくなるようなことがあってもよい。すなわち結像位置の差(シフト量)は、レンズ20の特性と、選択した波長との関係によって様々に変化するので、結像位置差(シフト量)と対象距離sがマップデータ18として設定できる関係にあるのであれよい。この条件下では、対象距離sに対する結像位置差は、どのように変化してもよい。よって、距離測定装置に採用できる光学系の選択自由度が高められる。
10…車両、11…スペクトル測定装置、12…ヒューマンマシンインタフェース、13…車両制御装置、14…スペクトルセンサ、15…スペクトルデータ処理装置、16…演算装置、17…記憶部、18…マップデータ、20,25,26…レンズ、21…検出装置、21a…結像面、26a,26b…部材、30…注目画像選定部、31…結像位置算出部、32…シフト量算出部、33…距離算出部、AX…光軸、F,F11,F12,F21,F22,F31,F32…結像点、P1…スペクトル画像としての短波画像、P2…スペクトル画像としての長波画像、PX1,PX2,PX3…注目画像、T,T1,T2,T3…測定対象、TX…主平面、T31,T32…歩行者の像、T21,T22…他車両の像、T11,T12…樹木の像。

Claims (10)

  1. 測定対象を光学的に検出することによって、前記測定対象までの距離としての対象距離を測定する距離測定装置であって、
    前記測定対象からの入射光の進行方向とは異なる向きの光軸を有するレンズであって、前記レンズは、前記入射光を結像することによって前記測定対象の像を求めるように構成されていることと;
    前記レンズに対する前記像の位置を示す結像位置を、前記入射光が有する複数の波長のそれぞれに対して求めることによって、それら前記結像位置同士の相対的な関係を示す量としての結像相対量を算出する結像相対量算出手段と;
    前記結像相対量と前記対象距離との相関を示すように前記レンズの色収差特性と、前記光軸の向きとによって定まる情報としての相関情報を、記憶する記憶手段と;
    前記結像相対量を前記相関情報に照合することによって、前記対象距離を算出する距離算出手段と
    を備えることを特徴とする、距離測定装置。
  2. 前記光は、前記結像位置が互いに相違する2つの波長を有し、
    前記相関情報は、それぞれ前記結像相対量を前記対象距離に対応付けたマップデータを構成する、
    請求項1記載の距離測定装置。
  3. 前記結像相対量は、前記2つの波長の結像位置同士の差としての結像位置差である、
    請求項2記載の距離測定装置。
  4. 前記結像相対量は、前記2つの波長の結像位置同士の比としての結像位置比である、
    請求項2記載の距離測定装置。
  5. 前記レンズの光軸は、前記入射光の進行方向に対して傾けられている、
    請求項1〜4何れか一項記載の距離測定装置。
  6. 前記レンズの表面は、前記レンズの光軸に対して非回転対称である、
    請求項1〜4何れか一項記載の距離測定装置。
  7. 前記レンズの屈折率は、前記レンズの光軸に対して非回転対称である、
    請求項1〜4何れか一項記載の距離測定装置。
  8. 前記レンズは、前記測定対象からの光を検出するスペクトルセンサの一部である、
    請求項1〜7何れか一項記載の距離測定装置。
  9. 測定対象を光学的に検出することによって、前記測定対象までの距離としての対象距離を測定する距離測定方法であって、
    前記測定対象からの入射光の進行方向とは異なる向きの光軸を有するレンズによって前記測定対象の像を結像させ、前記レンズに対する前記像の位置を示す結像位置を、前記入射光が有する複数の波長それぞれに対して求める結像位置算出工程と;
    これら前記結像位置同士の相対的な関係を示す量としての結像相対量を算出する結像相対量算出工程と;
    前記結像相対量と前記対象距離の相関を示すように前記結像相対量と、前記レンズの色収差特性と、前記光軸の向きとによって定まる情報としての相関情報に、前記結像相対量を照合することによって前記対象距離を算出する距離算出工程と
    を備えることを特徴とする、距離測定方法。
  10. 前記入射光は、2つの波長を有し、
    前記結像位置算出工程は、前記結像位置を、前記2つの波長それぞれに対して求め、
    前記距離算出工程は、前記結像相対量を前記対象距離に対応付けたマップデータから、前記前記相関情報を取得する、
    請求項9記載の距離測定方法。
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