以下、本発明を実施するための形態(以下、実施の形態と称する)について説明する。説明は以下の順序により行う。
1.第1の実施の形態(着信モード切替制御:検出音の信号レベルによる判定例)
2.第2の実施の形態(着信モード切替制御:検出音信号における周波数成分のレベルによる判定例)
3.第3の実施の形態(着信モード切替制御:検出振動の信号レベルによる判定例)
4.第4の実施の形態(着信モード切替制御:検出振動信号における周波数成分のレベルによる判定例)
5.第5の実施の形態(基準信号出力制御:携帯電話機の動き検出による基準信号の出力例)
<1.第1の実施の形態>
[携帯電話機の外観例]
図1は、本発明の第1の実施の形態における携帯電話機の外観を示す外観図である。ここでは、携帯電話機100の前面の外観として、送話部141、受話部142、表示部170、操作受付部180が示されている。さらに、携帯電話機100の内部に備えられた振動発生部162、音検出部210およびスピーカ部222が点線により示されている。
携帯電話機100は、情報の伝送媒体として電波を用いた電話機であって、持ち運び可能な小型の情報端末である。この携帯電話機100の主な機能としては、音声や映像による通話機能、文字または画像による電子メールや、文字や画像または動画などを閲覧するデータ通信機能を備える。
送話部141は、通話状態において、携帯電話機100の使用者(以下ユーザと称す)から発せられた音声を送話音として集音するマイクロフォンである。受話部142は、通話状態において、相手方の音声信号である受話信号を音波に変換して、その音波をユーザに出力するためのスピーカである。
スピーカ部222は、通信相手から電話またはメールを受けたときの着信を音波によりユーザに通知するための通知音を出力するためのスピーカである。このスピーカ部222は、着信時において、複数の通知音のうち、ユーザにより事前に設定された通知音を出力する。
また、このスピーカ部222は、携帯電話機100の周辺の状況を判定するための基準信号を音波である音信号として出力する。また、スピーカ部222は、例えば、携帯電話機100の内部時計が予め設定された時刻に達した場合に、アラーム音を出力する。
振動発生部162は、携帯電話機100を振動させるために通知振動(バイブレーション)を発生させるためのモータである。この振動発生部162は、通知振動を発生させることによって、ユーザに着信を通知する。この振動発生部162は、例えば、着信時において、複数の通知振動のうち、ユーザにより事前に設定された通知振動を発生させる。
表示部170は、文字、画像、着信時における相手方の電話番号などの各種情報を表示するものである。この表示部170は、例えば、LCD(Liquid Crystal Display)により実現することができる。
操作受付部180は、ユーザによる携帯電話機100の各種設定のための操作を受け付けるものである。この操作受付部180は、例えば、電話番号や文字などを指定する番号ボタン、マナーモードに設定するためのマナーモード設定ボタン、その他の機能設定ボタンなどにより構成される。
この操作受付部180は、例えば、機能設定ボタンにより、着信時における着信モードを設定するための操作を受け付ける。すなわち、この操作受付部180は、スピーカ部222からの通知音によってユーザに着信を通知する通知音モードと、振動発生部162により発生された通知振動によってユーザに着信を通知する通知振動モードとのうちいずれかの着信モードの設定を受け付ける。
また、操作受付部180は、機能設定ボタンにより、環境判定機能の設定を行うための操作を受け付ける。ここにいう環境判定機能とは、携帯電話機100の周辺の状況に応じて着信モードを切り替える機能をいう。また、この操作受付部180は、例えば、番号ボタンにより、発信時において、通話相手の相手先の電話番号を受け付ける。
音検出部210は、環境判定機能が設定された場合において、携帯電話機100の周辺の状況を判定するために、スピーカ部222から出力された基準信号を検出するためのマイクロフォンである。
このように、携帯電話機100は、環境判定機能が設定された場合には、スピーカ部222から基準信号を出力させて、その基準信号を音検出部210により検出することによって、携帯電話機100の環境に応じて着信モードに切り替える。次に、この携帯電話機100の構成について以下に図面を参照して詳細に説明する。
[携帯電話機100の構成例]
図2は、本発明の第1の実施の形態における携帯電話機100の一構成例を示すブロック図である。
携帯電話機100は、アンテナ111と、無線部110と、制御部120と、音声信号処理部130と、送話部141と、受話部142と、通知音信号生成部151と、通知振動信号生成部161と、振動発生部162とを備える。これらに加えて、携帯電話機100は、表示部170と、操作受付部180と、着信モード切替部200と、音検出部210と、基準信号出力部220とを備える。また、基準信号出力部220は、基準信号生成部221およびスピーカ部222を備える。
アンテナ111は、通信を行うために、高周波信号である電波を送受信するためのものである。このアンテナ111は、無線通信基地局からの電波を受信して、その受信された信号を受信信号として無線部110に供給する。また、アンテナ111は、無線部110から供給された送信信号を無線通信基地局に電波として伝送する。
無線部110は、無線通信基地局との間で電波を介して情報の送受信を行うことによって、無線通信を行うものである。この無線部110は、例えば、周波数変換、信号増幅、送受信切り換え、変復調処理などを行う。この無線部110は、アンテナ111からの受信信号を復調して、その復調された信号に含まる音声信号である受話信号を音声信号処理部130に供給する。これとともに、無線部110は、その復調された信号に含まれる相手先に関する情報または画像信号を制御部120に供給する。
一方、この無線部110は、制御部120から供給される発信先に関する情報とともに、音声信号処理部130から供給される送話信号を変調して、その変調された送信信号を、アンテナ111を介して送信する。
制御部120は、携帯電話機100の制御を行うものである。すなわち、制御部120は、無線部110、音声信号処理部130、通知音信号生成部151、通知振動信号生成部161、表示部170および着信モード切替部200を制御する。この制御部120は、電話を掛ける、または、メールを送付するときの発信時において、操作受付部180により指定された発信先に関する情報を無線部110に供給する。
この制御部120は、例えば、操作受付部180により受け付けられた着信モードの設定に関する設定パラメータを、通知音信号生成部151および通知振動信号生成部161に設定する。すなわち、制御部120は、着信時における通知音の音量または種類を示す通知音設定パラメータを通知音信号生成部151に供給し、着信時における振動の大きさ、または、種類を示す通知振動設定パラメータを通知振動信号生成部161に供給する。
また、制御部120は、無線部110により受信信号が復調された場合には、制御線129を介して、着信信号を着信モード切替部200に供給する。これとともに、制御部120は、例えば、ユーザにより予め設定された着信画面または発信先の電話番号を表示部170に表示させる。
また、制御部120は、操作受付部180におけるユーザによる操作に従って、携帯電話機100における各種機能の設定を行う設定メニュー画面を表示部170に表示させる。この制御部120は、操作受付部180により環境判定機能が設定された場合には、着信モード切替部200に環境判定処理を実行させる。
また、制御部120は、操作受付部180におけるユーザによる操作に従って、例えば、無線部110から供給された画像信号または文字情報を表示部170に表示させる。なお、制御部120は、例えば、ディジタルシグナルプロセッサ(DSP:Digital Signal Processor)により実現される。
音声信号処理部130は、通話状態における受話信号および送話信号に対して所定の音声信号処理を施すものである。この音声信号処理部130は、無線部110から供給された受話信号に対して復号化などの処理を施して、その処理が施された受話信号を受話部142に供給する。
また、この音声信号処理部130が、送話部141により生成された送話信号に対して符号化などの処理を施して、その処理が施された送話信号を無線部110に供給する。なお、この音声信号処理部130は、例えば、ディジタルシグナルプロセッサ(DSP:Digital Signal Processor)により実現される。
送話部141は、図1で述べたとおり、ユーザから発せられた音声を集音するためのマイクロフォンである。すなわち、送話部141は、その集音された音声を電気信号に変換して、その変換された電気信号を送話信号として音声信号処理部130に供給する。
受話部142は、図1で述べたとおり、音声信号処理部130から供給された受話信号を出力するためのスピーカである。すなわち、受話部142は、その受話信号を音波に変換して、その変換された受話音をユーザに出力する。
通知音信号生成部151は、着信モード切替部200からの指示に従って、制御部120からの通知音設定パラメータに基づいて、通知音信号を通知信号として生成する通知信号生成部である。この通知音信号生成部151は、着信モード切替部200における着信モードが通知音モードに設定されている場合には、ユーザに対して音により着信を通知するために、通知音設定パラメータに基づいて通知音信号を生成する。この通知音信号生成部151は、その生成された通知音信号をスピーカ部222に供給する。なお、通知音信号生成部151は、特許請求の範囲に記載の通知信号生成部の一例である。
通知振動信号生成部161は、着信モード切替部200からの指示に従って、制御部120から供給された通知振動設定パラメータに基づいて、通知振動信号を通知信号として生成する通知信号生成部である。この通知振動信号生成部161は、着信モード切替部200における着信モードが通知振動モードに設定されている場合には、ユーザに対して振動により着信を通知するために、通知振動設定パラメータに基づいて通知振動信号を生成する。また、通知振動信号生成部161は、その生成された通知振動信号を振動発生部162に供給する。なお、通知振動信号生成部161は、特許請求の範囲に記載の通知信号生成部の一例である。
振動発生部162は、通知振動信号生成部161により生成された通知振動信号に基づいて、通知振動を発生させるものである。この振動発生部162は、例えば、着信モード切替部200において、着信モードが通知振動モードに設定されている場合に、着信を受け付けたときは、通知振動を発生させる。
表示部170は、制御部120から供給される信号に対し画像信号処理を施すことによって、各種情報を表示するものである。
着信モード切替部200は、環境判定機能が設定された場合において、音検出部210から供給される検出音信号に基づいて携帯電話機100の環境を判定して、その判定結果により着信モードを切り替えるものである。すなわち、この着信モード切替部200は、環境判定機能が設定された場合において、制御部120から着信信号が供給されたときは、検出音信号に基づいて切り替えられた着信モードに従って、ユーザに着信があった旨を通知する。
この着信モード切替部200は、環境判定機能が設定された場合において、例えば、検出音信号の大きさに基づいて、通知音信号生成部151または通知振動信号生成部161のうちいずれかに通知信号を生成させるように制御する。この場合において、着信モード切替部200は、例えば、検出音信号の周波数成分に基づいて、通知音信号生成部151または通知振動信号生成部161のうち、いずれか一方に通知音信号または通知振動信号を生成させるように制御する。
この着信モード切替部200は、環境判定機能が設定された場合において、制御部120から着信信号が供給されたときは、通知音信号生成部151または通知振動信号生成部161のいずれか一方に通知信号を生成するように指示する。また、着信モード切替部200は、環境判定機能が設定された場合において、例えば、検出音信号に基づいて着信モードを切り替えるとともに、その切り替えられた着信モードにおける設定パラメータを検出音信号に基づいて変更する。
また、着信モード切替部200は、環境判定機能が設定された場合には、基準信号生成部221に対し、スピーカ部222から基準信号を出力させるための信号を生成するように指示する。この場合において、着信モード切替部200は、例えば、一定時間間隔により、スピーカ部222から基準信号を出力させるための信号を生成するように基準信号生成部221に指示する。
音検出部210は、図1で述べたとおり、携帯電話機100の周辺の状況を判定するためにスピーカ部222から出力された基準信号である音信号を検出するためのマイクロフォンである。すなわち、この音検出部210は、基準信号出力部220から出力された基準信号を検出する。また、音検出部210は、その検出された音信号を電気信号に変換することによって、検出信号である検出音信号として生成する。また、音検出部210は、その生成された検出音信号を、検出信号線219を介して着信モード切替部200に供給する。なお、音検出部210は、特許請求の範囲に記載の基準信号検出部の一例である。
基準信号出力部220は、携帯電話機100の周辺の状況を判定するための基準信号である音信号を出力するためのものである。なお、基準信号出力部220は、特許請求の範囲に記載の基準信号出力部の一例である。
基準信号生成部221は、スピーカ部222から基準信号である音信号を出力させるための信号を生成するものである。この基準信号生成部221は、着信モード切替部200からの指示に従って、スピーカ部222から基準信号を出力させるための信号を生成する。この基準信号生成部221は、例えば、着信モード切替部200からの指示に従って、一定の時間間隔により、スピーカ部222から基準信号を出力させるための信号を生成する。
また、基準信号生成部221は、例えば、複数の周波数成分からなる基準信号をスピーカ部222から出力させるための信号を生成する。この基準信号生成部221は、人間が聞き取り難い周波数成分からなる基準信号として、例えば、音声帯域(350Hz乃至7kHz)以外の周波数成分からなる基準信号をスピーカ部222から出力させるための信号を生成する。
また、基準信号生成部221は、例えば、ユーザに対して基準信号が気にならないように、ユーザにより事前に設定された通知音の音量に基づいて基準信号の音量を調整する。すなわち、基準信号生成部221は、ユーザにより事前に設定された通知音の音量より小さい音量に基準信号を調整する。あるいは、この基準信号生成部221は、基準信号と通知音とをユーザが識別し易いように、通知音と異なる種類の音の基準信号を生成するようにしてもよい。また、基準信号生成部221は、スピーカ部222から基準信号を出力させるための信号をスピーカ部222に供給する。
スピーカ部222は、基準信号生成部221または通知音信号生成部151により生成された信号に基づいて音波を出力するスピーカである。このスピーカ部222は、基準信号生成部221からの信号に基づいて基準信号である音信号を出力する。また、スピーカ部222は、通知音信号生成部151から供給された通知音信号に基づいて通知音を出力する。
また、スピーカ部222は、環境判定機能が設定されている場合には、基準信号生成部221から一定期間間隔により供給される信号に基づいて基準信号を出力する。また、着信モード切替部200において、着信モードが通知音モードに設定されている場合に着信信号が供給されたときは、スピーカ部222は、通知音を出力する。
このように、音検出部210および基準信号出力部220を設けることによって、着信モード切替部200は、音検出部210からの検出音信号に基づいて携帯電話機100の環境を判定して、その判定結果に応じて着信モードを切り替えることができる。次に、着信モード切替部200の構成例について図面を参照して詳細に説明する。
[着信モード切替部200の構成例]
図3は、本発明の第1の実施の形態における着信モード切替部200の一構成例を示す図である。ここでは、ユーザにより環境判定機能が事前に設定されている場合を想定する。
着信モード切替部200は、検出信号測定部230と、閉塞閾値保持部260と、環境判定部270と、通知制御部280とを備える。
検出信号測定部230は、検出信号線219を介して音検出部210から供給された検出音信号の大きさを測定するものである。すなわち、この検出信号測定部230は、基準信号の音波の強さを一定の単位により測定する。また、検出信号測定部230は、その測定された検出音信号を測定信号として環境判定部270に供給する。この検出信号測定部230は、例えば、検出信号を電圧信号に変換して、その変換された電圧信号を環境判定部270に供給する。
閉塞閾値保持部260は、携帯電話機100の周囲が囲まれているか否を判定するための閉塞閾値を保持するものである。この閉塞閾値保持部260は、その保持された閉塞閾値を環境判定部270に出力する。
環境判定部270は、検出信号測定部230から供給される測定信号の信号レベルと、閉塞閾値保持部260に保持された閉塞閾値とに基づいて、携帯電話機100の周囲が遮蔽物により囲まれているか否かを判定するものである。この環境判定部270は、例えば、検出信号測定部230からの測定信号の信号レベルが閉塞閾値未満である場合には、携帯電話機100の周囲が囲まれている状態である閉塞状態と判定する。一方、この環境判定部270は、検出信号測定部230からの測定信号の信号レベルが閉塞閾値以上である場合には、携帯電話機100の周囲が囲まれていない状態である開放状態と判定する。
また、環境判定部270は、その判定された判定結果を通知制御部280に供給する。この環境判定部270は、例えば、判定結果として、閉塞状態と判定された場合には、閉塞状態を示す判定情報を生成し、開放状態と判定された場合には、開放状態を示す判定情報を生成する。そして、この環境判定部270は、その生成された判定情報を、判定結果として通知制御部280に供給する。
通知制御部280は、制御線129から着信信号が供給された場合には、環境判定部270による判定結果により定まる着信モードに従って、通知音信号生成部151または通知振動信号生成部161のうちいずれか一方に通知信号を生成させるものである。すなわち、この通知制御部280は、音検出部210により生成された検出音信号の大きさに基づいて、複数の通知信号生成部のうちいずれかの通知信号生成部に通知信号を生成させるように制御する。
この通知制御部280は、環境判定部270による判定結果に基づいて着信モードを更新する。そして、この通知制御部280は、制御部120から着信信号が供給された場合には、その更新された着信モードに従って、通知音信号生成部151または通知振動信号生成部161のうちいずれか一方に通知信号の生成を指示する。
この通知制御部280は、例えば、環境判定部270により閉塞状態と判定された場合には、着信モードを通知振動モードに切り替える。すなわち、通知制御部280は、着信モードが通知音モードに設定されている場合において、携帯電話機100の近傍が囲まれているときに、着信モードを通知振動モードに切り替える。なお、通知制御部280は、特許請求の範囲に記載の通知制御部の一例である。
このように通知振動モードに切り替えることによって、ユーザの衣服のポケットに携帯電話機100が収められており、携帯電話機100の周囲が囲まれている場合には、通知音がユーザに聞こえ難いことから、ユーザに着信を認知させ易くすることができる。また、通知振動モードに切り替えることによって、鞄の中に携帯電話機100が収められており、携帯電話機100の周囲が囲まれている場合には、携帯電話機100を直ぐに取り出せないため、大きな通知音が長時間鳴り続けることを抑制することができる。
また、通知制御部280は、環境判定機能の設定に伴い、基準信号生成部221に対して、スピーカ部222から基準信号を出力させるための出力指示を定期的に行う。この通知制御部280は、例えば、数十秒乃至数分の単位により基準信号の出力指示を基準信号生成部221に行う。
このように、環境判定部270を設けることによって、閉塞閾値保持部260に保持された閉塞閾値と、検出信号測定部230により測定された測定信号とを比較することによって、携帯電話機100が閉塞状態であるか開放状態であるかを判定することができる。すなわち、環境判定部270を設けることによって、携帯電話機100の環境を判定することができる。
また、通知制御部280を設けることによって、環境判定部270による判定結果に基づいて着信モードを切り替えることができる。すなわち、携帯電話機100の周囲が囲まれている場合には、着信モードを通知音モードから通知振動モードに切り替えることができる。これにより、ユーザに着信を認知させ易くすることができるとともに、長期間の大きな通知音によって他人に迷惑を掛けることを軽減することができる。次に、着信モード切替部200による環境判定手法の具体例について以下に図面を参照して説明する。
[携帯電話機100による基準信号の検出例]
図4は、本発明の第1の実施の形態における携帯電話機100による基準信号の検出例を模式的に示す観念図である。図4(a)は、携帯電話機100の周辺が開放状態である場合における基準信号の伝送経路を示す観念図である。図4(b)は、携帯電話機100の背面が遮蔽物により塞がれている閉塞状態である場合における基準信号の伝送経路を示す観念図である。図4(a)および(b)には、図1に示した携帯電話機100の上側面から見た携帯電話機100における音検出部210およびスピーカ部222のみが模式的に示されている。
図4(a)には、内部音波強度(Pa)と、外部音波強度(Pb)と、開放時における検出音波強度(P0)と、開放時における測定信号レベル(V0)とが示されている。内部音波強度(Pa)は、スピーカ部222から出力された基準信号である音波のうち、携帯電話機100の内部を伝播する成分の音波の強さを示す。外部音波強度(Pb)は、携帯電話機100のスピーカ部222から出力された基準信号である音波のうち、携帯電話機100の外部を伝播する成分の音波の強さを示す。
開放時における検出音波強度(P0)は、携帯電話機100の背面に遮蔽物がない場合における音検出部210により集音される音波の強さを示す。この開放時における検出音波強度(P0)は、主に空気中を伝播することによって減衰された外部音波強度(Pb)および内部音波強度(Pa)の成分の合成により生成される検出音強度である。開放時における測定信号レベル(V0)は、音検出部210により開放時における検出音波強度(P0)が検出されて、その検出された検出音信号の大きさを示す測定信号のレベルである。
図4(b)には、内部音波強度(Pa)と、外部音波強度(Pb)と、閉塞時における検出音波強度(P1)と、閉塞時における測定信号レベル(V1)とが示されている。内部音波強度(Pa)および外部音波強度(Pb)は、図4(a)と同様のものであるため、ここでの説明を省略する。
閉塞時における検出音波強度(P1)は、携帯電話機100の背面全体に遮蔽物810により塞がれている場合における音検出部210により集音される音波の強さを示す。この閉塞時における検出音波強度(P1)は、主に、遮蔽物810を伝播する外部音波強度(Pb)の成分と、遮蔽物810の外部を経由する外部音波強度(Pb)の成分と、内部音波強度(Pa)との合成によって生成される。これにより、閉塞時における検出音波強度(P1)は、遮蔽物810を通過することによって、外部音波強度(Pb)の成分が反射および減衰することから、開放時における検出音波強度(P0)に比べて音波強度は小さくなる。
閉塞時における測定信号レベル(V1)は、音検出部210により閉塞時における検出音波強度(P1)が検出されて、その検出された検出音信号の大きさを示す測定信号のレベルである。すなわち、この閉塞時における測定信号レベル(V1)は、閉塞時における検出音波強度(P1)に対応する測定信号の信号レベルを示す。
このように、携帯電話機100の背面が遮蔽物810により塞がれることによって、音検出部210から供給される検出音信号の大きさが変動する。このため、検出音信号の変動に基づいて、携帯電話機100が閉塞状態であるか否かを判定することができる。次に、検出音信号の大きさを示す測定信号レベルに基づいて、携帯電話機100の環境を判定する例について以下に図面を参照して説明する。
[検出音信号の大きさに基づく環境判定の例]
図5は、本発明の第1の実施の形態における環境判定部270による検出音信号の大きさに基づく携帯電話機100の環境判定に関する一例を示す図である。ここでは、縦軸を電位として、図4(a)および(b)に示した測定信号レベル(V0およびV1)と、閉塞閾値保持部260に保持された閉塞閾値(Vth)とが示されている。
ケース1における測定信号レベル(V0)は、図4(a)に示した開放状態における測定信号レベルを示す。このケース1における測定信号レベル(V0)は、閉塞閾値(Vth)から開放レベル差(ΔV0)だけ大きい値を示す。このため、環境判定部270によって開放状態と判定される。
ケース2における測定信号レベル(V1)は、図4(b)に示した閉塞状態における測定信号レベルを示す。このケース2における測定信号レベル(V1)は、閉塞閾値(Vth)よりも閉塞レベル差(ΔV1)だけ小さい値を示す。このため、環境判定部270によって閉塞状態と判定される。
閉塞閾値(Vth)は、ケース1における測定信号レベル(V0)未満に設定される閾値である。この閉塞閾値(Vth)は、携帯電話機100の環境を考慮して設定される。例えば、携帯電話機100を遮蔽する遮蔽物による通知音の減衰量が小さい場合には、閉塞閾値(Vth)を小さい値に設定する。
このように、測定信号レベル(V0またはV1)および閉塞閾値(Vth)を比較することによって、環境判定部270において、携帯電話機100の周囲が囲まれているか否かを判定することができる。すなわち、環境判定部270により、検出信号測定部230において測定された検出音信号の大きさに基づいて、携帯電話機100の環境を判定することができる。これにより、通知制御部280は、検出音信号の大きさに基づいて、通知音信号生成部151または通知振動信号生成部161に通知音信号または通知振動信号を生成させるように制御することができる。
なお、ここでは、説明の便宜上、音検出部210およびスピーカ部222が同一平面状に配置される例について説明したが、これに限られるものではない。また、音検出部210およびスピーカ部222を1組ではなく、複数組配置することによって、特定の面だけが塞がれているか否かを判定して、その判定結果を踏まえて着信モードを切り替えるようにしてもよい。
[携帯電話機100の動作例]
次に本発明の第1の実施の形態における携帯電話機100の動作について図面を参照して説明する。
図6は、本発明の第1の実施の形態における携帯電話機100の環境判定機能による通知制御方法の処理手順例を示すフローチャートである。
まず、操作受付部180において、環境判定機能を設定するための操作が受け付けられる(ステップS911)。そして、着信モード切替部200からの指示により、基準信号出力部220から基準信号として音信号が出力される(ステップS912)。なお、ステップS912は、特許請求の範囲に記載の基準信号出力手順の一例である。
この後、音検出部210により、音信号が検出されることによって、検出音信号が生成される(ステップS913)。なお、ステップS913は、特許請求の範囲に記載の基準信号検出手順の一例である。
次に、環境判定部270により、音検出部210において生成された検出音信号に基づいて環境判定処理が実行される(ステップS920)。続いて、通知制御部280により、環境判定部270による判定結果である判定情報に示された内容が判断される(ステップS915)。
そして、環境判定部270により閉塞状態と判定された場合には、通知制御部280において着信モードが通知振動モードに切り替えられる(ステップS916)。すなわち、通知制御部280により、音検出部210により生成された検出信号に基づいて、複数の通知信号生成部のうちいずれかの通知信号生成部に通知信号を生成させるように制御がなされる。
一方、環境判定部270により開放状態と判定された場合には、ステップS917の処理に進む。なお、ステップS915、S916およびS920は、特許請求の範囲に記載の通知制御手順の一例である。
次に、通知制御部280により時間が計測されて(ステップS917)、一定期間経過後に、環境判定機能が解除されたか否かが判断される(ステップS918)。そして、環境判定機能が解除されていない場合には、ステップS912に戻り、環境判定機能が解除されるまで一連の処理手順が繰り返し行われる。一方、環境判定機能が解除された場合には、環境判定機能による通知制御処理が終了する。
[着信モード切替部200による環境判定処理の例]
図7は、本発明の第1の実施の形態における着信モード切替部200による環境判定処理(ステップS920)の処理手順例を示すフローチャートである。
まず、検出信号測定部230により、音検出部210により供給された検出音信号が測定されることによって、測定信号が生成される(ステップS921)。続いて、環境判定部270により、検出信号測定部230により供給された測定信号の信号レベルが、閉塞閾値保持部260により保持された閉塞閾値未満であるか否かが判断される(ステップS922)。
そして、測定信号レベルが閉塞閾値未満である場合には、環境判定部270により、判定結果として閉塞状態を示す判定情報が生成される(ステップS923)。一方、測定信号レベルが閉塞閾値以上である場合には、環境判定部270により、判定結果として開放状態を示す判定情報が生成される(ステップS924)。これらの判定情報の生成が終了した後に環境判定処理の動作を終了する。
このように、本発明の第1の実施の形態では、基準信号出力部220から出力された音信号を音検出部210により検出し、その検出された検出音信号の大きさによって、携帯電話機100の近傍が囲まれているか否かを判定することができる。これにより、通知制御部280は、環境判定部270において携帯電話機100の近傍が囲まれている状態である閉塞状態と判定された場合には、着信モードを通知振動モードに設定することができる。
なお、ここでは、環境判定部270により閉塞状態と判定された場合に、着信モードを通知振動モードに設定する例について説明したが、着信モードを通知振動モードではなく、通知音モードに設定するようにしてもよい。例えば、鞄の中に携帯電話機100を収めているときには、着信モードを通知振動モードから通知音モードに切り替えた方がユーザにとって携帯電話機100の着信を認識し易い場合がある。
このような場合には、携帯電話機100が閉塞状態であると判定されたときに、携帯電話機100の着信モードを通知音モードに切り替えることによって、その着信をユーザに認知させ易くすることができる。このとき、ユーザに着信を認識させ易くするために、通知音モードにおける音量を検出音信号の大きさに基づいて大きくするようにしてもよい。
このように、環境判定部270により閉塞状態と判定された場合において、携帯電話機100の着信モードを、通知音モードに設定するか、通知振動モードに設定するかは、携帯電話機100の環境またはユーザの要望によって変わる。このため、環境判定機能を設定する場合において、閉塞状態と判定された場合に設定される着信モードを、ユーザが事前に設定できるようにしてもよい。
また、本発明の第1の実施の形態では、検出音信号の大きさに基づいて、携帯電話機100の環境判定を行う例について説明したが、この例では、判定対象が検出音信号の大きさのみであるため、閉塞閾値の設定が困難である。
また、基準信号である音波を遮蔽する遮蔽物は音波の周波数に応じてその吸収率または反射率が異なることから、単一の周波数成分からなる基準信号では正確な環境判定ができない場合がある。例えば、非常に低い周波数(数十Hz)の音波を基準信号とすると、携帯電話機100に遮蔽物が接触している場合には、その遮蔽物自体が振動することによって、基準信号が効率よく音検出部210に伝播される場合がある。
一方、高い周波数(数KHz)の音波を基準信号とすると、音波の直進性が高いため、遮蔽物に音波が吸収され易く、携帯電話機100に遮蔽物が僅かに接触しているだけでも音検出部210に基準信号が殆ど伝播されない場合がある。これに対して、複数の周波数成分からなる基準信号を出力して、その基準信号に基づいて生成される検出音信号の周波数成分を解析することによって、携帯電話機100の環境を判定するように改良したものが、次に説明する第2の実施の形態である。
<2.第2の実施の形態>
[着信モード切替部の構成例]
図8は、本発明の第2の実施の形態における着信モード切替部の一構成例を示すブロック図である。
着信モード切替部300は、検出信号測定部330と、周波数解析部340と、第1乃至第3周波数比較部351乃至353と、閉塞閾値保持部360と、環境判定部370と、通知制御部380とを備える。この着信モード切替部300は、図2に示した着信モード切替部200に対応する。また、この着信モード切替部300における検出信号測定部330は、図3に示した検出信号測定部230と同様のものであるため、ここでの説明を省略する。
周波数解析部340は、検出信号測定部330から供給された測定信号を解析するものである。この周波数解析部340は、検出信号測定部330から供給された測定信号を時間領域から周波数領域に変換することによって、その測定信号の周波数成分を生成する。この周波数解析部340は、例えば、高速フーリエ変換(FFT:Fast Fourier Transform)を用いることによって、測定信号の周波数成分の分布を算出する。
また、周波数解析部340は、その算出された周波数成分のうち、予め定められた第1乃至第3の周波数に対応するそれぞれの周波数成分のパワー値を、第1乃至第3周波数レベルとして、第1乃至第3周波数比較部351乃至353にそれぞれ供給する。すなわち、この周波数解析部340は、第1周波数レベルを第1周波数比較部351に、第2周波数レベルを第2周波数比較部352に、第3周波数レベルを第3周波数比較部353にそれぞれ供給する。
この周波数解析部340は、例えば、測定信号の周波数成分のうち、音声帯域以外の周波数に対応する成分のパワー値を、第1乃至第3周波数レベルとして、第1乃至第3周波数比較部351乃至353にそれぞれ供給する。
第1乃至第3周波数比較部351乃至353は、周波数解析部340から供給された第1乃至第3周波数レベルと、閉塞閾値保持部360に保持された第1乃至第3閉塞閾値とを比較するものである。
第1周波数比較部351は、第1周波数レベルおよび第1閉塞閾値を互いに比較して、その比較結果を、第1比較結果として環境判定部370に供給する。この第1周波数比較部351は、例えば、第1周波数レベルが第1閉塞閾値以上である場合にはH(High)レベルを、第1周波数レベルが第1閉塞閾値未満である場合にはL(Low)レベルを、第1比較結果として環境判定部370に出力する。
第2周波数比較部352は、第2周波数レベルおよび第2閉塞閾値を互いに比較して、その比較結果を、第2比較結果として環境判定部370に供給する。この第2周波数比較部352は、例えば、第2周波数レベルが第2閉塞閾値以上である場合にはHレベルを、第2周波数レベルが第2閉塞閾値未満である場合にはLレベルを、第2比較結果として環境判定部370に出力する。
第3周波数比較部353は、第3周波数レベルおよび第3閉塞閾値を互いに比較して、その比較結果を、第3比較結果として環境判定部370に供給する。この第3周波数比較部353は、例えば、第3周波数レベルが第3閉塞閾値以上である場合にはHレベルを、第3周波数レベルが第3閉塞閾値未満である場合にはLレベルを、第3比較結果として環境判定部370に出力する。
閉塞閾値保持部360は、測定信号における第1乃至第3の周波数成分に対応する第1乃至第3閉塞閾値を保持するものである。この閉塞閾値保持部360は、第1閉塞閾値を第1周波数比較部351に、第2閉塞閾値を第2周波数比較部352に、第3閉塞閾値を第3周波数比較部353に出力する。
環境判定部370は、第1乃至第3周波数比較部351乃至353から供給された第1乃至第3比較結果に基づいて、携帯電話機100の周囲が囲まれているか否かを判定するものである。この環境判定部370は、例えば、第1乃至第3比較結果が全てLレベルである場合には、携帯電話機100の周囲が囲まれている状態である閉塞状態と判定する。
一方、この環境判定部370は、第1乃至第3判定結果のうち、少なくとも1つの比較結果がHレベルである場合には、携帯電話機100の周囲が囲まれていない状態である開放状態と判定する。この他の例として、環境判定部370は、第1乃至第3比較結果のうち、少なくとも1つの判定結果がLレベルである場合には閉塞状態と判定し、これ以外の場合には開放状態と判定するようにしてもよい。
また、環境判定部370は、判定結果を通知制御部380に供給する。この環境判定部370は、例えば、判定結果として、閉塞状態と判定された場合には、閉塞状態を示す判定情報を生成し、開放状態と判定された場合には、開放状態を示す判定情報を生成する。また、この環境判定部370は、その生成された判定情報を通知制御部380に供給する。
通知制御部380は、制御線129から着信信号が供給された場合には、環境判定部370による判定結果により定まる着信モードに従って、通知音信号生成部151または通知振動信号生成部161のうちいずれか一方に通知信号を生成させるものである。すなわち、この通知制御部380は、音検出部210により生成された検出音信号の周波数成分に基づいて、複数の通知信号生成部のうちいずれかの通知信号生成部に通知信号を生成させるように制御する。なお、通知制御部380におけるその他の機能は、通知制御部280と同様のものであるため、ここでの説明を省略する。
このように、着信モード切替部300は、周波数解析部340により生成された周波数成分と、その周波数成分に対応する閉塞閾値とに基づいて、携帯電話機100の環境を判定することができる。なお、ここでは一例として、第1乃至第3周波数比較部351乃至353により、測定信号の周波数成分のうち、3つの周波数成分に基づいて携帯電話機100の環境を判定する例について説明したが、これに限られるものではない。次に、着信モード切替部300による環境判定手法の具体例について以下に図面を参照して説明する。
[測定信号の周波数成分に基づく環境判定の例]
図9は、本発明の第2の実施の形態における着信モード切替部300による測定信号の周波数成分に基づく環境判定の一例を示す図である。
図9(a)は、図4(a)に示した開放状態における測定信号の周波数成分のうち、第1乃至第3の周波数(F0乃至F2)に対応する周波数成分が示されている。図9(b)は、図4(b)に示した閉塞状態における測定信号の周波数成分のうち、第1乃至第3の周波数(F0乃至F2)に対応する周波数成分が示されている。
この例では、基準信号出力部220により、互いに同一レベルの第1乃至第3の周波数成分(F0乃至F2)からなる基準信号である音信号が出力されることを想定している。ここでは、縦軸をパワーとして、横軸を周波数としている。
図9(a)には、開放状態における第1乃至第3周波数レベル(Ps)と、閉塞閾値特性361と、第1乃至第3閉塞閾値(Pth0乃至Pth2)とが示されている。
開放状態における第1乃至第3周波数レベル(Ps)は、図4(a)に示した開放状態における測定信号の周波数成分のうち、第1乃至第3の周波数(F0乃至F2)に対応する周波数成分のパワー値を示す。この開放状態における第1乃至第3周波数レベル(Ps)は、遮蔽物による吸収がないため、全て同一のレベルを示す。
開放状態における第1周波数レベル(Ps)は、第1閉塞閾値(Pth0)に対して第1超過レベル差(P0)だけ大きい。また、開放状態における第2周波数レベル(Ps)は、第2閉塞閾値(Pth1)に対して第2超過レベル差(P1)だけ大きい。さらに、開放状態における第3周波数レベル(Ps)は、第3閉塞閾値(Pth2)に対して第3超過レベル差(P3)だけ大きい。
閉塞閾値特性361は、携帯電話機100が閉塞状態であるか否かを判定するための閉塞閾値の周波数特性である。この閉塞閾値特性361は、携帯電話機100の周囲を覆う遮蔽物における音信号の伝播特性などを考慮することによって定められる。この例では、音波の周波数が高くなるほど、遮蔽物により音波の吸収量が大きくなることから、このような音波の減衰特性を考慮して定めた閉塞閾値特性361が示されている。
第1乃至第3閉塞閾値(Pth0乃至Pth2)は、閉塞閾値特性361に基づいて設定される閾値である。すなわち、第1閉塞閾値(Pth0)は、第1の周波数(F0)に対応する閉塞閾値である。第2閉塞閾値(Pth1)は、第2の周波数(F1)に対応する閉塞閾値である。第3閉塞閾値(Pth2)は、第3の周波数(F2)に対応する閉塞閾値である。なお、閉塞閾値保持部360に保持させる閉塞閾値データとして、第1乃至第3閉塞閾値に代えて閉塞閾値特性361の傾きを保持させるようにしてもよい。
この場合、開放状態における第1乃至第3周波数レベル(Ps)の全てが、それぞれに対応する第1乃至第3閉塞閾値(Pth0乃至Pth2)以上であるため、環境判定部370により開放状態と判定される。すなわち、全ての第1乃至第3周波数比較部351乃至353からHレベルが出力されるため、環境判定部370により開放状態と判定される。
図9(b)には、閉塞状態における第1乃至第3周波数レベル(Ps0乃至Ps2)と、第1乃至第3閉塞閾値(Pth0乃至Pth2)とが示されている。なお、第1乃至第3閉塞閾値(Pth0乃至Pth2)は、図9(a)に示したものと同様である。
閉塞状態における第1乃至第3周波数レベル(Ps0乃至Ps2)は、図4(b)に示した閉塞状態における測定信号の周波数成分のうち、第1乃至第3の周波数(F0乃至F2)に対応する周波数成分のパワー値を示す。この閉塞状態における第1周波数レベル(Ps0)は、第1閉塞閾値(Pth0)に対して第1減衰レベル差(ΔPs0)だけ小さい。
また、閉塞状態における第2周波数レベル(Ps1)は、第2閉塞閾値(Pth1)に対して第2減衰レベル差(ΔPs1)だけ小さい。さらに、閉塞状態における第3周波数レベル(Ps2)は、第3閉塞閾値(Pth2)に対して第3減衰レベル差(ΔPs2)だけ小さい。
この場合、閉塞状態における第1乃至第3周波数レベル(Ps0乃至Ps2)が全て、それぞれに対応する第1乃至第3閉塞閾値(Pth0乃至Pth2)未満であるため、環境判定部370により閉塞状態と判定される。すなわち、第1乃至第3周波数比較部351乃至353から全てLレベルが出力されるため、環境判定部370により閉塞状態と判定される。
このように、測定信号の周波数成分(F0乃至F2)と、これらに対応する第1乃至第3閉塞閾値(Pth0乃至Pth2)とを比較することによって、環境判定部370において携帯電話機100の周囲が囲まれているか否かを判定することができる。すなわち、環境判定部370により、検出音信号の周波数成分に基づいて、携帯電話機100の環境を判定することができる。これにより、第1の実施の形態における環境判定部270とは異なり、複数の比較結果に基づいて環境判定を行うため、環境判定部370による誤判定を低減することができる。
また、通知制御部380は、基準信号出力部220により所定の周波数成分(F0乃至F2)からなる音信号が出力されて、その音信号により生成された検出音信号における所定の周波数成分(F0乃至F2)に基づいて着信モードを設定することができる。これにより、検出音信号に含まれる他の周波数成分である雑音成分が除去されるため、通知制御部380は、環境判定部270よりも正確な判定結果に基づいて通知信号の生成を、通知音信号生成部151または通知振動信号生成部161に指示することができる。
なお、スピーカ部222から出力される基準信号にける第1乃至第3の周波数成分(F0乃至F2)は人間が聞き難い音声帯域以外の周波数成分が望ましい。例えば、第1の周波数(F0)を100Hz以下に設定し、第2および第3の周波数(F1乃至F2)を15KHz乃至20KHzに設定するようにしてもよい。次に、着信モード切替部300の動作について図面を参照して説明する。
[着信モード切替部300による環境判定処理の例]
図10は、本発明の第2の実施の形態における着信モード切替部300による環境判定処理(ステップS930)の処理手順例を示すフローチャートである。この環境判定処理(ステップS930)は、図6に示した環境判定処理(ステップS920)に対応する。この例では、比較結果が全てLレベルのときに、環境判定部370により閉塞状態と判定される場合を想定する。
まず、検出信号測定部330により検出音信号が測定されることによって、測定信号が生成される(ステップS931)。続いて、周波数解析部340により、検出信号測定部330から供給される測定信号の周波数成分が生成される(ステップS932)。すなわち、周波数解析部340により、各周波数成分のパワー値を示す周波数レベルが算出される。
そして、第1周波数比較部351において、周波数解析部340から第1周波数レベルが取得される(ステップS933)。これとともに、閉塞閾値保持部360に保持された閉塞閾値のうち、第1周波数レベルに対応する第1閉塞閾値が取得される(ステップS934)。この後、第1周波数比較部351により、第1周波数レベルが第1閉塞閾値未満であるか否かが判断される(ステップS935)。
そして、第1周波数レベルが第1閉塞値未満である場合には、第1周波数比較部351から第1比較結果としてLレベルが出力されるため、環境判定部370により開放状態を示す判定情報が生成される(ステップS936)。一方、第1周波数レベルが第1閉塞値以上である場合には、環境判定部370により、比較対象である全ての周波数成分の比較結果を第1乃至第3周波数比較部351乃至353から取得したか否かが判断される(ステップS936)。
そして、全ての比較結果が取得された場合には、環境判定部370により閉塞状態を示す判定情報が生成される(ステップS935)。一方、全ての比較結果が取得されていない場合には、ステップS932に戻り、第2周波数比較部352により、第2周波数レベルと、これに対応する第2閉塞閾値とが取得されて両者の比較が行われる。
このように、比較対象の周波数レベルがその周波数レベルに対応する閉塞閾値以上となるまで全ての第1乃至第3周波数比較部351乃至353により順次比較が行われる。そして、比較対象の全ての周波数成分における周波数レベルが、それぞれに対応する閉塞閾値未満である場合には、閉塞状態を示す判定情報が生成され、これ以外の場合には、開放状態を示す判定情報が生成されて、環境判定処理が終了する。
このように、本発明の第2の実施の形態では、音検出部210からの検出音信号により生成された測定信号の周波数成分に基づいて、携帯電話機100の近傍が囲まれている否かを判定することができる。すなわち、着信モード切替部300は、検出音信号の周波数成分に基づいて閉塞状態であるか否かを判定することができる。
なお、本発明の第1および第2の実施の形態では、スピーカ部222から基準信号を出力する例について説明したが、振動発生部162により携帯電話機100を振動させることによって基準信号を生成するようにしてもよい。ここで、携帯電話機を振動させることによって、基準信号を生成する例について以下に図面を参照して説明する。
<3.第3の実施の形態>
[携帯電話機の外観例]
図11は、本発明の第3の実施の形態における携帯電話機の外観を示す外観図である。ここでは、携帯電話機500の前面の外観として、図1に示した携帯電話機100における振動発生部162、音検出部210およびスピーカ部222に代えて、スピーカ部552、振動検出部610および振動発生部622が示されている。これら以外の構成は、図1に示したものと同様であるため、図1と同一の符号を付してここでの説明を省略する。
スピーカ部552は、通信相手から電話またはメールを受けたときの着信をユーザに通知するための通知音を出力するためのスピーカである。このスピーカ部552は、着信時において、複数の通知音信号のうち、ユーザにより事前に設定された通知音を出力する。
振動発生部622は、ユーザに対して着信を振動により通知するための通知振動を発生させるためのモータである。この振動発生部622は、例えば、着信時において、複数の通知振動のうち、ユーザにより事前に設定された通知振動を発生させる。
また、振動発生部622は、携帯電話機500の周囲の状況を判定するための基準信号を発生させることによって携帯電話機500を振動させる。また、振動発生部622は、例えば、携帯電話機500の内部時計が予め設定された時刻に達した場合に、アラーム振動を発生させる。
振動検出部610は、環境判定機能が設定された場合において、携帯電話機500の周辺の状況を判定するために、振動発生部622から生成された基準信号を検出するためのセンサである。
このように、携帯電話機500は、環境判定機能が設定された場合には、振動発生部622により生成された基準信号による携帯電話機500の振動を振動検出部610において検出することによって、携帯電話機500の着信モードを切り替える。次に、この携帯電話機500の構成について以下に図面を参照して詳細に説明する。
[携帯電話機500の構成例]
図12は、本発明の第3の実施の形態における携帯電話機500の一構成例を示すブロック図である。
携帯電話機500は、図2に示した携帯電話機100における通知音信号生成部151、通知振動信号生成部161、振動発生部162に代えて、通知音信号生成部551、スピーカ部552、通知振動信号生成部561を備えている。また、この携帯電話機500は、図2に示した携帯電話機100における着信モード切替部200、音検出部210および基準信号出力部220に代えて、着信モード切替部600、振動検出部610および基準信号出力部620を備えている。
ここでは、通知音信号生成部551、スピーカ部552、通知振動信号生成部561、着信モード切替部600、振動検出部610および基準信号出力部620以外の構成は図2と同様のものであるため、図2と同一符号を付してここでの説明を省略する。
通知音信号生成部551は、着信モード切替部600からの指示に従って、制御部120からの通知音設定パラメータに基づいて通知音信号を通知信号として生成する。すなわち、通知音信号生成部551は、着信モード切替部600における着信モードが通知音モードに設定されている場合には、ユーザに対して音波により着信を通知するために、通知音設定パラメータに基づいて通知音信号を生成する。この通知音信号生成部551は、その生成された通知音信号をスピーカ部552に供給する。なお、通知音信号生成部551は、特許請求の範囲に記載の通知信号生成部の一例である。
スピーカ部552は、通知音信号生成部551により生成された通知音信号に基づいて通知音を出力するスピーカである。すなわち、このスピーカ部552は、着信モード切替部600における着信モードが通知音モードに設定されている場合において、着信があったときは、通知音信号を音波として出力する。
通知振動信号生成部561は、着信モード切替部600からの指示に従って、制御部120から供給された通知振動設定パラメータに基づいて通知振動信号を通知信号として生成するものである。すなわち、この通知振動信号生成部561は、着信モード切替部600における着信モードが通知振動モードに設定されている場合には、ユーザに対して振動により着信を通知するために、通知振動設定パラメータに基づいて通知振動信号を生成する。また、通知振動信号生成部561は、その生成された通知振動信号を振動発生部622に供給する。なお、通知振動信号生成部561は、特許請求の範囲に記載の通知信号生成部の一例である。
着信モード切替部600は、環境判定機能が設定された場合において、振動検出部610から供給される検出振動信号に基づいて、携帯電話機500の周囲の環境を判定して、その判定結果により着信モードを切り替えるものである。すなわち、着信モード切替部600は、環境判定機能が設定された場合において、制御部120から着信信号が供給されたときは、検出振動信号に基づいて切り替えられた着信モードに従って、ユーザに着信があった旨を通知する。
また、着信モード切替部600は、環境判定機能が設定された場合において、例えば、検出振動信号の大きさに基づいて、通知音信号生成部551または通知振動信号生成部561のうちいずれかに通知信号を生成させるように制御する。この場合において、着信モード切替部600は、例えば、検出振動信号の周波数成分に基づいて、通知音信号生成部551または通知振動信号生成部561のうち、いずれか一方に通知音信号または通知振動信号を生成させるように制御する。
また、着信モード切替部600は、環境判定機能が設定された場合において、制御部120から着信信号が供給されたときは、通知音信号生成部551または通知振動信号生成部561のいずれか一方に通知信号を生成するように指示する。また、着信モード切替部600は、環境判定機能が設定された場合において、例えば、検出振動信号に基づいて着信モードを切り替えるとともに、その切り替えられた着信モードにおける設定パラメータを検出振動信号に基づいて変更する。
また、着信モード切替部600は、環境判定機能が設定された場合には、基準信号生成部621に対し振動発生部622から基準信号を発生させるための信号を生成するように指示する。この場合において、着信モード切替部600は、例えば、一定時間間隔により、基準信号生成部621に対し、振動発生部622から基準信号を発生させるための信号を生成するように指示する。
振動検出部610は、図11で述べたとおり、携帯電話機500の周辺の状況を判定するために、振動発生部622から発生された基準信号を検出するためのセンサである。すなわち、この振動検出部610は、基準信号出力部620から出力された基準信号を検出する。この振動検出部610は、その検出された振動を電気信号に変換することによって、検出信号である検出振動信号として生成する。
この振動検出部610は、例えば、変位センサ、速度センサ、加速度センサなどにより実現される。また、振動検出部610は、その生成された検出振動信号を、検出信号線219を介して着信モード切替部600に供給する。なお、振動検出部610として、例えば、1軸ではなく、2軸以上のセンサを用いるようにしてもよい。また、振動検出部610は、特許請求の範囲に記載の基準信号検出部の一例である。
基準信号出力部620は、携帯電話機500の周囲の状況を判定するための基準信号を出力するためのものである。すなわち、この基準信号出力部620は、携帯電話機500の周囲の状況を判定するための基準信号を発生させることによって、携帯電話機500を振動させる。この基準信号出力部620は、例えば、通知振動信号により生成される通知振動の大きさに比べて小さい振動の基準信号を出力する。これにより、ユーザに対して基準信号による振動を認知させ難くするとともに、ユーザが基準信号による振動を、着信による通知振動と誤解することを軽減させることができる。なお、基準信号出力部620は、特許請求の範囲に記載の基準信号出力部の一例である。
基準信号生成部621は、振動発生部622から基準信号を出力させるための信号を生成するものである。この基準信号生成部621は、着信モード切替部600からの指示に従って、振動発生部622から基準信号を発生させるための信号を生成する。この基準信号生成部621は、例えば、着信モード切替部600からの指示に従って、一定の時間間隔により振動発生部622から基準信号を発生させるための信号を生成する。また、基準信号生成部621は、振動発生部622から基準信号を出力させるための信号を振動発生部622に供給する。
振動発生部622は、基準信号生成部621から供給された信号に基づいて基準信号として振動を発生させるモータである。この振動発生部622は、一定期間間隔により基準信号を発生させることによって、携帯電話機500を振動させる。また、振動発生部622は、通知振動信号生成部561により生成された通知振動信号に基づいて通知振動を発生させる。
このように、振動検出部610および基準信号出力部620を設けることによって、着信モード切替部600により、振動検出部610から供給される検出振動信号に基づいて携帯電話機500の環境を判定することができる。これにより、着信モード切替部600は、その判定結果に応じて着信モードを切り替えることができる。次に、着信モード切替部600の構成例について図面を参照して詳細に説明する。
[着信モード切替部600の構成例]
図13は、本発明の第3の実施の形態における着信モード切替部600の一構成例を示す図である。ここでは、ユーザにより環境判定機能が設定されている場合を想定する。
着信モード切替部600は、検出信号測定部630と、硬度判定閾値保持部660と、環境判定部670と、通知制御部680とを備える。
検出信号測定部630は、検出信号線619を介して振動検出部610から供給された検出振動信号の大きさを測定するものである。すなわち、この検出信号測定部630は、基準信号の振動の大きさを一定の単位により測定する。また、検出信号測定部630は、その測定された検出振動信号を測定信号として環境判定部670に供給する。この検出信号測定部630は、例えば、電圧信号を環境判定部670に供給する。
硬度判定閾値保持部660は、携帯電話機500に接触する接触物が硬いか否かを判定するための硬度判定閾値を保持するものである。この硬度判定閾値保持部660は、その保持された硬度判定閾値を環境判定部670に出力する。
環境判定部670は、検出信号測定部630から供給される測定信号の信号レベルと、硬度判定閾値保持部660に保持された硬度判定閾値とに基づいて、携帯電話機500の接触物が硬いか柔らかいかを判定するものである。この環境判定部670は、例えば、検出信号測定部630からの測定信号の信号レベルが、硬度判定閾値以上である場合には、携帯電話機500と接触している接触物が硬いと判定する。一方、この環境判定部670は、検出信号測定部630からの測定信号の信号レベルが、硬度判定閾値未満である場合には、携帯電話機500に接触している接触物が柔らかいと判定する。
また、環境判定部670は、その判定された判定結果を通知制御部680に供給する。この環境判定部670は、例えば、判定結果として、接触物が硬いと判定された場合には、接触物が硬い旨を示す判定情報を生成し、接触物が硬くないと判定された場合には、接触物が柔らかい旨を示す判定情報を生成する。そして、この環境判定部670は、その生成された判定情報を、判定結果として通知制御部680に供給する。
通知制御部680は、制御線129から着信信号が供給された場合には、環境判定部670による判定結果に基づいて、通知音信号生成部551または通知振動信号生成部561のうちいずれか一方に通知信号を生成させるものである。すなわち、この通知制御部680は、振動検出部610により生成された検出振動信号の大きさに基づいて複数の通知信号生成部のうちいずれかの通知信号生成部に通知信号を生成させるように制御する。
この通知制御部680は、環境判定部670による判定結果に基づいて着信モードを更新する。そして、通知制御部680は、制御部120から着信信号が供給された場合には、その更新された着信モードに従って、通知音信号生成部551または通知振動信号生成部561のうち、いずれか一方に通知信号の生成を指示する。
通知制御部680は、例えば、環境判定部670により接触物が硬いと判定された場合には、着信モードを通知音モードに切り替える。すなわち、通知制御部680は、着信モードが通知振動モードに設定されている場合において、携帯電話機500の接触物が硬いときは、通知音モードに切り替える。
このように着信モードを通知音モードに切り替えることによって、携帯電話機500が硬いものの上に置かれているような場合には、通知振動による携帯電話機500と接触物との間で大きな音が発生することを防止することができる。すなわち、環境判定部670により携帯電話機500の接触物が硬いと判定されたときは、通知振動モードから通知音モードに切り替えることによって、不快な音の発生を抑制することができる。
また、通知制御部680は、環境判定機能の設定に伴い、基準信号生成部621に対して、振動発生部622から基準信号を発生させるための出力指示を定期的に行う。この通知制御部680は、例えば、数十秒乃至数分の単位により基準信号の出力指示を基準信号生成部621に行う。なお、通知制御部680は、特許請求の範囲に記載の通知制御部の一例である。
このように、環境判定部670を設けることによって、硬度判定閾値保持部660に保持された硬度判定閾値と、検出信号測定部630により測定された測定信号のレベルとを比較することによって、携帯電話機500の接触物が硬いか否かを判定することができる。すなわち、環境判定部670を設けることによって、検出振動信号の大きさに基づいて携帯電話機500の環境を判定することができる。
なお、ここでは、1組の振動検出部610および振動発生部622を設ける例について説明したが、複数組の振動検出部610および振動発生部622を設けることによって、携帯電話機500の環境判定を行うようにしてもよい。次に、着信モード切替部600による環境判定手法の具体例について以下に図面を参照して説明する。
[基準信号による携帯電話機500の振動を検出する例]
図14は、本発明の第3の実施の形態における携帯電話機500により基準信号に基づく携帯電話機500の振動を検出する例を模式的に示す観念図である。図14(a)は、携帯電話機500の接触物が柔らかい場合における携帯電話機500の振動状態を示す観念図である。図4(b)は、携帯電話機500の接触物が硬い場合における携帯電話機500の振動状態を示す観念図である。図14(a)および(b)には、図11に示した携帯電話機500の上側面から見た携帯電話機500の内部における振動検出部610および振動発生部622のみが概念的に示されている。
図14(a)には、柔らかい接触物における振動強度(P2)と、柔らかい接触物における測定信号レベル(V2)とが観念的に示されている。
柔らかい接触物における振動強度(P2)は、振動発生部622による振動が携帯電話機500を経由して伝播される振動検出部610における振動の強さを示す。ここでは、振動発生部622による振動が、柔らかい接触物820によって減衰されるため、柔らかい接触物における振動強度(P2)は、振動発生部622により発生される振動に比べて小さくなる。
柔らかい接触物における測定信号レベル(V2)は、振動検出部610において検出された振動強度(P2)により生成された検出振動信号の大きさを示す。
図14(b)には、硬い接触物における検出振動強度(P3)と、硬い接触物における測定信号レベル(V3)とが示されている。
硬い接触物における振動強度(P2)は、振動発生部622による振動が携帯電話機500を経由して伝播される振動検出部610における振動の強さを示す。ここでは、振動発生部622によって振動する携帯電話機500が、硬い接触物830との間の接触による共振などによって携帯電話機500の振動が増幅する。このため、硬い接触物おける振動強度(P2)は、振動発生部622により発生される振動に比べて大きくなる。
硬い接触物における測定信号レベル(V3)は、振動検出部610において検出された振動強度(P3)によって生成される検出振動信号の大きさを示す。
このように、振動発生部622により生成される基準信号によって振動する携帯電話機500は、その接触物の硬さに応じてその振動強度が変動する。そのため、振動検出部610において生成される検出振動信号の大きさが変動することから、検出振動信号の変動に基づいて、携帯電話機500の接触物が硬いか、柔らかいかを判定することができる。
ここで、検出振動信号の大きさを示す測定信号レベルに基づいて、携帯電話機500の環境を判定する例について以下に図面を参照して説明する。
[検出振動信号の大きさに基づく環境判定の例]
図15は、本発明の第3の実施の形態における環境判定部670による検出振動信号の大きさに基づく携帯電話機500の環境判定に関する一例を示す図である。ここでは、縦軸を電位として、硬度判定閾値(Vthb)と測定信号レベル(V2およびV3)とが示されている。この例では、硬度判定閾値(Vthb)は、携帯電話機500が物に接触していない場合における検出信号測定部630により測定された測定信号レベルに設定された場合を想定する。
ケース1における測定信号レベル(V2)は、図14(a)に示した状態において、検出信号測定部630により測定された検出音信号の大きさを示す。このケース1における測定信号レベル(V2)は、硬度判定閾値(Vthb)から減少レベル差(ΔV2)だけ小さい値を示す。このため、環境判定部670により、携帯電話機500の接触物が柔らかいと判定される。
ケース2における測定信号レベル(V3)は、図14(b)に示した状態において、検出信号測定部630により測定された検出音信号の大きさを示す。このケース2における測定信号レベル(V3)は、閉塞閾値(Vthb)よりも増大レベル差(ΔV3)だけ大きい値を示す。このため、環境判定部670により、携帯電話機500の接触物が硬いと判定される。
このように、測定信号レベル(V2またはV3)および硬度判定閾値(Vthb)を比較することによって、環境判定部670において携帯電話機500の接触物が硬いか否かを判定することができる。すなわち、環境判定部670により、検出振動信号の大きさに基づいて、携帯電話機500の環境を判定することができる。これにより、通知制御部680は、検出振動信号の大きさに基づいて、通知音信号生成部551または通知振動信号生成部561に通知音信号または通知振動信号を生成させるように制御することができる。
[携帯電話機500の動作例]
次に本発明の第3の実施の形態における携帯電話機500の動作について図面を参照して説明する。
図16は、本発明の第3の実施の形態における携帯電話機500の環境判定機能による通知制御方法の処理手順例を示すフローチャートである。
まず、操作受付部180において、環境判定機能を設定するための操作が受け付けられる(ステップS941)。そして、着信モード切替部600からの指示により、基準信号出力部620によって生成された振動が基準信号として出力される(ステップS942)。なお、ステップS942は、特許請求の範囲に記載の基準信号出力手順の一例である。
この後、振動検出部610により、基準信号に基づいて生成された携帯電話機500の振動が検出されることによって、検出振動信号が生成される(ステップS943)。なお、ステップS943は、特許請求の範囲に記載の基準信号検出手順の一例である。
次に、環境判定部670により、振動検出部610において生成された検出振動信号に基づいて環境判定処理が実行される(ステップS950)。続いて、通知制御部680により、環境判定部670による判定結果である判定情報に示された内容が判断される(ステップS945)。
そして、判定情報が硬い接触物である旨を示す場合には、通知制御部680において着信モードが通知音モードに切り替えられる(ステップS946)。すなわち、通知制御部680により、振動検出部610により生成された検出信号に基づいて、複数の通知信号生成部のうちいずれかの通知信号生成部に通知信号を生成させるように制御がなされる。一方、判定情報が柔らかい接触物である旨を示す場合には、ステップS947の処理に進む。なお、ステップS945、S946およびS950は、特許請求の範囲に記載の通知制御手順の一例である。
次に、通知制御部680によって時間が計測されて(ステップS947)、一定期間経過後に、環境判定機能が解除されたか否かが判断される(ステップS948)。そして、環境判定機能が解除されていない場合には、ステップS942に戻り、環境判定機能が解除されるまで一連の処理手順が繰り返し行われる。一方、環境判定機能が解除された場合には、環境判定機能による通知制御処理が終了する。
[着信モード切替部600による環境判定処理の例]
図17は、本発明の第3の実施の形態における着信モード切替部600による環境判定処理(ステップS950)の処理手順例を示すフローチャートである。
まず、検出信号測定部630により、振動検出部610から供給された検出振動信号が測定されることによって、測定信号が生成される(ステップS951)。そして、環境判定部670により、硬度判定閾値保持部660に保持された硬度判定閾値が取得される(ステップS952)。続いて、環境判定部670により、検出振動信号測定部において生成された測定信号の信号レベルが、その取得された硬度判定閾値未満であるか否かが判断される(ステップS953)。
そして、測定信号の信号レベルが硬度判定閾値未満である場合には、環境判定部670により、判定結果として接触物が柔らかい旨を示す判定情報が生成される(ステップS954)。一方、測定信号レベルが硬度判定閾値以上である場合には、環境判定部670により、判定結果として接触物が硬い旨を示す判定情報が生成される(ステップS955)。これらの判定情報の生成が終了した後に環境判定処理の動作を終了する。
このように、本発明の第3の実施の形態では、基準信号出力部620による基準信号に基づく携帯電話機500の振動が振動検出部610により検出されて、その検出された検出振動信号の大きさに基づいて、接触物が硬いか否かを判定することができる。これにより、環境判定部670において携帯電話機500の接触物が硬いと判定された場合には、着信モードを通知音モードに設定することができる。
なお、ここでは、環境判定部670により接触物が硬いと判定された場合に、着信モードを通知振動モードから通知音モードに設定する例について説明したが、接触物が柔らかいと判定された場合に、通知振動モードに設定するようにしてもよい。例えば、鞄の中に衣服と一緒に携帯電話機500が収められているときには、通知振動が衣服に吸収されてしまい、ユーザが通知振動を認識できない場合がある。このような場合には、環境判定部670により携帯電話機500の接触物が硬いと判定されたときに、携帯電話機500の着信モードを通知振動モードから通知音モードに切り替えることによって、着信をユーザに認知させ易くすることができる。
このように、環境判定機能によって携帯電話機500の着信モードを通知音モードに設定するための切替え条件を、接触物が硬いときとするか、または、接触物が柔らかいときとするかは、携帯電話機500の環境またはユーザの要望によって異なる。このため、環境判定機能を設定する場合において、ユーザが事前に切替え条件を設定することができるようにしてもよい。
また、本発明の第3の実施の形態では、検出振動信号の大きさに基づいて携帯電話機500の環境を判定する例について説明したが、この例では、判定対象が検出振動信号の大きさのみであるため、硬度判定閾値を設定することが困難である。これは、携帯電話機500の接触物の種類によって、携帯電話機500の振動に対する吸収率または反射率が異なるからである。これに対し、検出振動信号の各周波数成分に基づいて携帯電話機500の環境を判定するように改良したものが、次に説明する第4の実施の形態である。
<4.第4の実施の形態>
[着信モード切替部の構成例]
図18は、本発明の第4の実施の形態における着信モード切替部の一構成例を示すブロック図である。
着信モード切替部700は、検出信号測定部730と、周波数解析部740と、第1乃至第3周波数比較部751乃至753と、硬度判定閾値保持部760と、環境判定部770と、通知制御部780とを備える。この着信モード切替部700は、図12に示した着信モード切替部600に対応する。また、この着信モード切替部700における検出信号測定部730は、図13に示した検出信号測定部630と同様のものであるため、ここでの説明を省略する。
周波数解析部740は、検出信号測定部730から供給された測定信号を解析するものである。すなわち、周波数解析部740は、検出信号測定部730から供給された測定信号を時間領域から周波数領域に変換することによって、その測定信号の周波数成分を生成する。この周波数解析部740は、例えば、高速フーリエ変換(FFT:Fast Fourier Transform)を用いることによって、測定信号の周波数成分の分布を算出する。
また、周波数解析部740は、その算出された周波数成分のうち、予め定められた第1乃至第3の周波数に対応するそれぞれの周波数成分のパワー値を、第1乃至第3周波数レベルとして、第1乃至第3周波数比較部751乃至753にそれぞれ供給する。すなわち、周波数解析部740は、第1周波数レベルを第1周波数比較部751に、第2周波数レベルを第2周波数比較部752に、第3周波数レベルを第3周波数比較部753にそれぞれ供給する。
第1乃至第3周波数比較部751乃至753は、周波数解析部740から供給された第1乃至第3周波数レベルと、硬度判定閾値保持部760に保持された第1乃至第3硬度判定閾値とをそれぞれ比較するものである。
第1周波数比較部751は、第1周波数レベルおよび第1硬度判定閾値を互いに比較して、その比較結果を、第1比較結果として環境判定部770に供給する。この第1周波数比較部751は、例えば、第1周波数レベルが第1硬度判定閾値以上である場合にはHレベルを、第1周波数レベルが第1硬度判定閾値未満である場合にはLレベルを、第1比較結果として環境判定部770に出力する。
第2周波数比較部752は、第2周波数レベルおよび第2硬度判定閾値を互いに比較して、その比較結果を、第2比較結果として環境判定部770に供給する。この第2周波数比較部752は、例えば、第2周波数レベルが第2硬度判定閾値以上である場合にはHレベルを、第2周波数レベルが第2硬度判定閾値未満である場合にはLレベルを、第2比較結果として環境判定部770に出力する。
第3周波数比較部753は、第3周波数レベルおよび第3硬度判定閾値を互いに比較して、その比較結果を、第3比較結果として環境判定部770に供給する。この第3周波数比較部751は、例えば、第3周波数レベルが第3硬度判定閾値以上である場合にはHレベルを、第3周波数レベルが第3硬度判定閾値未満である場合にはLレベルを、第3比較結果として環境判定部770に出力する。
硬度判定閾値保持部760は、測定信号における第1乃至第3の周波数成分に対応する第1乃至第3硬度判定閾値を保持するものである。この硬度判定閾値保持部760は、第1硬度判定閾値を第1周波数比較部751に、第2硬度判定閾値を第2周波数比較部752に、第3硬度判定閾値を第3周波数比較部753に出力する。
環境判定部770は、第1乃至第3周波数比較部751乃至753から供給された第1乃至第3比較結果に基づいて、携帯電話機500の接触物が硬いか否かを判定するものである。この環境判定部770は、例えば、第1乃至第3比較結果が全てHレベルである場合には、携帯電話機500の接触物が硬いと判定する。
一方、この環境判定部770は、第1乃至第3判定結果のうち少なくとも1つの比較結果がLレベルである場合には、携帯電話機500の接触物が柔らかいと判定する。この他の例として、環境判定部770は、第1乃至第3比較結果のうち、少なくとも1つの比較結果がHレベルである場合には接触物が硬いと判定し、これ以外の場合には接触物が柔らかいと判定するようにしてもよい。
また、環境判定部770は、その判定された判定結果を通知制御部780に供給する。この環境判定部770は、例えば、判定結果として、接触物が硬いと判定された場合には、接触物が硬い旨を示す判定情報を生成し、接触物が硬くないと判定された場合には、接触物が柔らかい旨を示す判定情報を生成する。そして、この環境判定部770は、その生成された判定情報を通知制御部780に供給する。
通知制御部780は、制御線129から着信信号が供給された場合には、環境判定部770による判定結果により定まる着信モードに従って、通知音信号生成部551または通知振動信号生成部561のうちいずれか一方に通知信号を生成させるものである。すなわち、この通知制御部780は、振動検出部610により生成された検出振動信号の周波数成分に基づいて、複数の通知信号生成部のうちいずれかの通知信号生成部に通知信号を生成させるように制御する。なお、通知制御部780におけるその他の機能は、通知制御部680と同様のものであるため、ここでの説明を省略する。
このように、着信モード切替部700は、周波数解析部740により生成された測定信号の周波数成分と、その周波数成分に対応する硬度判定閾値とに基づいて、携帯電話機500の環境を判定することができる。なお、ここでは一例として、第1乃至第3周波数比較部751乃至753により、測定信号における周波数成分のうち、3つの周波数成分に基づいて携帯電話機500の環境を判定する例について説明したが、これに限られるものではない。次に、着信モード切替部700による環境判定手法の具体例について以下に図面を参照して説明する。
[測定信号の周波数成分に基づく環境判定の例]
図19は、本発明の第4の実施の形態における着信モード切替部700による測定信号の周波数成分に基づく環境判定の一例を示す図である。
図19(a)は、図14(a)に示した状態における測定信号の周波数成分のうち、第1乃至第5の周波数成分(F0乃至F4)が示されている。図19(b)は、図14(b)に示した状態における測定信号の周波数成分のうち、第1乃至第5の周波数成分(F0乃至F4)が示されている。ここでは、基準信号出力部620により、第1の周波数成分(F0)からなる基準信号が出力されることを想定している。また、ここでは、縦軸をパワーとして、横軸を周波数としている。
図19(a)には、柔らかい接触物における第1乃至第5の周波数成分(F0乃至F4)と、第1および第2硬度判定閾値(Pthb0乃至Pthb1)とが示されている。
第1および第2硬度判定閾値(Pthb0およびPthb1)は、携帯電話機500が物に接触していない場合において、検出信号測定部630により測定された測定信号の周波数成分に基づいて設定される。この例では、第1硬度判定閾値(Pthb0)は、第1の周波数(F0)に対応する硬度判定閾値である。第2硬度判定閾値(Pth1)は、第2乃至第5の周波数(F1乃至F4)に対応する硬度判定閾値である。
柔らかい接触物における第1乃至第5の周波数成分(F0乃至F4)は、それぞれに対応する第1および第2硬度判定閾値(Pthb0乃至Pthb1)よりも、そのパワー値を示す第1乃至第5周波数レベルが小さい。これは、携帯電話機500の振動成分である第1乃至第5の周波数成分(F0乃至F4)が、柔らかい接触物820により吸収されるからである。例えば、柔らかい接触物における第1の周波数(F0)に対応する第1周波数レベル(Pb0)は、第1硬度判定閾値(Pthb0)よりも減衰レベル差(ΔPb0)だけ小さい。
また、第2乃至第5周波数レベルも、柔らかい接触物820により振動が吸収されるため、柔らかい接触物における第1周波数レベル(Pb0)と同様に、第2硬度判定閾値(Pthb0)よりも小さい。なお、第2乃至第5の周波数成分(F1乃至F4)は、振動発生部622の振動精度、または、携帯電話機500を振動させることにより生じる周波数成分である。
この場合、柔らかい接触物における第1乃至第5周波数レベルの全てが、それぞれに対応する第1および第2硬度判定閾値(Pth0およびPth1)未満であるため、環境判定部770により接触物が柔らかいと判定される。
図19(b)には、硬い接触物における第1乃至第5の周波数成分(F0乃至F4)と、第1および第2硬度判定閾値(Pthb0乃至Pthb1)とが示されている。ここでは、第1および第2硬度判定閾値(Pthb0およびPthb1)は、図19(a)と同様のものであるため、ここでの説明を省略する。
硬い接触物における第1乃至第5の周波数成分(F0乃至F4)は、硬い接触物830によって振動が増幅されるため、それぞれに対応する第1および第2硬度判定閾値(Pthb0乃至Pthb1)よりも、第1乃至第5周波数レベルが大きい。例えば、硬い接触物における第1の周波数(F0)に対応する第1周波数レベル(Pb1)は、第1硬度判定閾値(Pthb0)よりも増幅レベル差(ΔPb1)だけ大きい。
また、第2乃至第5周波数レベルも、硬い接触物830によって振動が増幅されるため、硬い接触物における第1周波数レベル(Pb1)と同様に、第2硬度判定閾値(Pthb1)よりも大きい。この第2乃至第5の周波数成分(F1乃至F4)は、例えば、基準信号の振動による携帯電話機500と硬い接触物830との接触により生じる共振周波数および共振周波数以外の高調波成分である。
この場合、硬い接触物における第1乃至第5周波数レベルの全てが、それぞれに対応する第1および第2硬度判定閾値(Pth0およびPth1)以上であるため、環境判定部770により接触物が硬いと判定される。
このように、測定信号の周波数成分と、第1および第2硬度判定閾値(Pthb0およびPthb1)とをそれぞれ比較することによって、環境判定部770において携帯電話機500の接触物が硬いか否かを判定することができる。すなわち、環境判定部770により、検出振動信号の周波数成分に基づいて、携帯電話機500の環境を判定することができる。
これにより、第3の実施の形態における環境判定部670とは異なり、複数の周波数成分に基づいて環境判定を行うため、環境判定部770による誤判定を低減することができる。すなわち、基準信号の周波数成分(F0)以外の周波数成分の変動も検出することによって、より正確な携帯電話機500の環境判定を行うことができる。なお、ここでは、事前に設定された周波数成分の周波数レベルおよび硬度判定閾値を比較する例について説明したが、第2硬度判定閾値(Pth1)を超える周波数成分の数に基づいて携帯電話機500の環境を判定するようにしてもよい。次に、着信モード切替部700の動作について図面を参照して説明する。
[着信モード切替部700による環境判定処理の例]
図20は、本発明の第4の実施の形態における着信モード切替部700による環境判定処理(ステップS960)の処理手順例を示すフローチャートである。この環境判定処理(ステップS960)は、図16に示した環境判定処理(ステップS960)に対応する。
まず、検出信号測定部730により検出振動信号が測定されることによって、測定信号が生成される(ステップS961)。続いて、周波数解析部740により、検出信号測定部730から供給される測定信号の周波数成分が生成される(ステップS962)。すなわち、周波数解析部740により、各周波数成分のパワー値を示す周波数レベルが算出される。
そして、第1周波数比較部751により、周波数解析部740から第1周波数レベルが取得される(ステップS963)。これとともに、第1周波数比較部751により、硬度判定閾値保持部760に保持された第1乃至第3硬度判定閾値のうち、第1周波数レベルに対応する第1硬度判定閾値が取得される(ステップS964)。この後、第1周波数比較部751により、第1周波数レベルが、第1硬度判定閾値未満であるか否かが判断される(ステップS965)。
そして、第1周波数レベルが第1閉塞値未満である場合には、第1周波数比較部751から第1比較結果としてLレベルが出力されるため、接触物が柔らかい旨を示す判定情報が環境判定部770により生成される(ステップS968)。一方、第1周波数レベルが第1閉塞値以上である場合には、環境判定部770により、比較対象である全ての周波数成分の比較結果が第1乃至第3周波数比較部751乃至753から取得されたか否かが判断される(ステップS966)。
そして、全ての比較結果が取得された場合には、環境判定部770により接触物が硬い旨を示す判定情報が生成される(ステップS967)。一方、全ての比較結果が取得されていない場合には、ステップS932に戻り、第2周波数比較部752により、第2周波数レベルと、その周波数成分に対応する第2硬度判定閾値とが取得され、両者の比較が行われる。
このように、比較対象の周波数レベルがその周波数レベルに対応する硬度判定閾値未満となるまで全ての第1乃至第3周波数比較部751乃至753により順次比較が行われる。そして、比較対象の全ての周波数成分における周波数レベルがそれぞれに対応する硬度判定閾値以上である場合には、接触物が硬い旨を示す判定情報が生成され、これ以外の場合には、接触物が柔らかい旨を示す判定情報が生成されて環境判定処理が終了する。
このように、本発明の第4の実施の形態では、振動検出部610からの検出振動信号により生成された測定信号の周波数成分に基づいて、携帯電話機500の接触物が硬いか否かを判定することができる。すなわち、検出振動信号の周波数成分に基づいて携帯電話機500の環境を判定して、その判定結果により携帯電話機500の着信モードを通知振動モードに設定することができる。
なお、本発明の第3および第4の実施の形態では、基準信号出力部620から一定期間間隔により基準信号を出力する例について説明したが、携帯電話機500の動きに基づいて基準信号を出力するようにしてもよい。この例においては、振動検出部610により携帯電話機500の動きとして変位量、速度または加速度を検出して、その検出された動きが一定の動き閾値を超えたときに、基準信号出力部620から基準信号を出力させる。ここで、第5の実施の形態として振動検出部610により検出される携帯電話機500の動きに基づいて基準信号を出力する例について以下にフローチャートを参照して説明する。
<5.第5の実施の形態>
[動き検出による基準信号の出力する携帯電話機500の動作例]
図21は、本発明の第5の実施の形態における携帯電話機500の環境判定機能による通知制御方法の処理手順の例を示すフローチャートである。ここでは、図16におけるステップS947に代えて、ステップS971およびS972が示されている。また、ステップS971およびS972以外の処理は、図16における処理と同様であるため、ここでの説明を省略する。
ステップS945またはS956における処理の後、振動検出部610により、携帯電話機500の動きが検出される(ステップS971)。例えば、振動検出部610により、携帯電話機500の動きの大きさとして変位量、速度または加速度が検出される。続いて、振動検出部610により携帯電話機500の動きが検出されたか否かが判断される(ステップS972)。すなわち、振動検出部610により検出された動きの大きさが一定の動き閾値を超えたか否かが判断される。例えば、振動検出部610により検出された変位量、速度または加速度が動き閾値を超えたか否かが判断される。
そして、振動検出部610により検出された動きの大きさが動き閾値を超えた場合にはステップS948に進み、環境判定機能が解除されていなければ、ステップS942において基準信号が出力される。一方、振動検出部610により検出された動きの大きさが動き閾値を超えていない場合には、動き閾値を超えるまでステップS948の処理が行われない。
このように、振動検出部610により、携帯電話機500の動きの大きさに基づいて、基準信号出力部620から基準信号を出力させることによって、携帯電話機500の環境に変化がない状態において基準信号を出力させることを低減することができる。これにより、無駄な基準信号の出力を抑制することができるため、携帯電話機500の消費電力を軽減することができる。また、ユーザが基準信号による振動を着信と誤解するおそれを軽減することができる。
なお、ここでは、携帯電話機500を例にして説明したが、動きを検出するための振動検出部610を携帯電話機100に設けるようにしてもよい。これにより、携帯電話機100は、その振動検出部610により検出された動きの大きさに基づいて、携帯電話機100における基準信号出力部220から基準信号を出力させることができる。
このように、本発明の実施の形態によれば、基準信号出力部220または620により基準信号を出力して、音検出部210または振動検出部610によりその基準信号に基づく検出信号を用いることによって、最適な着信モードに切り替えることができる。
なお、本発明の実施の形態では、携帯電話機100または500を例にして説明したが、使用される環境が変る通知装置にも適用することができる。例えば、携帯情報端末(PDA:Personal Digital Assistants)、携帯音再生装置や計測装置のように、振動または音などにより複数の手法によりアラームを通知する通知装置に適用することができる。
なお、本発明の実施の形態は本発明を具現化するための一例を示したものであり、本発明の実施の形態において明示したように、本発明の実施の形態における事項と、特許請求の範囲における発明特定事項とはそれぞれ対応関係を有する。同様に、特許請求の範囲における発明特定事項と、これと同一名称を付した本発明の実施の形態における事項とはそれぞれ対応関係を有する。ただし、本発明は実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において実施の形態に種々の変形を施すことにより具現化することができる。
また、本発明の実施の形態において説明した処理手順は、これら一連の手順を有する方法として捉えてもよく、また、これら一連の手順をコンピュータに実行させるためのプログラム乃至そのプログラムを記憶する記録媒体として捉えてもよい。この記録媒体として、例えば、CD(Compact Disc)、MD(MiniDisc)、DVD(Digital Versatile Disk)、メモリカード、ブルーレイディスク(Blu-ray Disc(登録商標))等を用いることができる。