JP5229088B2 - ハイブリッド車両の駆動制御装置及び方法 - Google Patents

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Description

本発明は、ハイブリッド車両の駆動制御装置及び方法の技術分野に関する。
この種の装置として、動力源として内燃機関に加えて電動機を備えると共に、内燃機関の動力により発電する発電機とこの発電機によって発電される電力を蓄積可能なバッテリを備えるハイブリッド車両が知られている。このようなハイブリッド車両では、内燃機関の動力は、例えばプラネタリギアにより構成される動力分割機構によって、発電機の回転軸と、車軸に連結される駆動軸とに分割される。
このようなハイブリッド車両において、内燃機関から駆動軸へのエネルギーの伝達効率を高めるために、駆動軸に出力すべき目標駆動トルクが内燃機関の最大出力トルクより小さい場合には、発電機の回転軸を機械的にロックして、内燃機関の出力軸と駆動軸とを機械的に直結する技術が知られている。この技術によれば、内燃機関の動力を、発電機や電動機を介することなく、駆動軸に直接出力することができるので、発電機や電動機におけるエネルギー損失の発生を無くすことができ、伝達効率を高めることが可能である。例えば特許文献1等では、発電機の回転軸の機械的なロックが意図せずに開放された場合、それ以降、この発電機の機械的なロックを一律禁止する技術が開示されている。
特開2004−345527号公報 特開2002−51407号公報
しかしながら、上述した特許文献1等によれば、ハイブリッド車両において、発電機の機械的なロックによる伝達効率及び燃費効率の向上が妨げられる可能性があるという技術的な問題点が生じる。
そこで、本発明は、例えば上記の問題点に鑑みなされたものであり、伝達効率及び燃費効率を向上させることが可能なハイブリッド車両の駆動制御装置及び方法を提供することを課題とする。
上記課題を解決するために、本発明に係るハイブリッド車両の駆動制御装置は、内燃機関と、前記内燃機関の動力により発電可能であると共に該発電により得られた電力を蓄電池に充電可能な発電機と、前記内燃機関の動力を、駆動軸及び前記発電機の回転軸に分割する動力分割機構と、前記発電機及び前記蓄電池の少なくとも一方から供給される電力に応じた動力を前記駆動軸に出力可能な電動機と、前記発電機の回転軸が回転可能な第1状態(所謂、回転可能状態)及び前記発電機の回転軸が停止した状態で固定される第2状態(所謂、固定状態)のうちいずれか一方の状態からいずれか他方の状態へと前記発電機の動作状態を切り替え可能な切り替え手段と、意図しない時期に前記第2状態(固定状態)から前記第1状態(回転可能状態)へ切り替えられる誤作動(所謂、誤開放)が発生した場合、前記誤作動が発生した前記内燃機関のトルク値に応じて、前記第1状態(回転可能状態)から前記第2状態(固定状態)への切り替えを許可するための前記内燃機関のトルク値の許容範囲を決定する決定手段と、前記内燃機関の実際の実トルク値が前記決定された許容範囲内にある場合、前記第1状態(回転可能状態)から前記第2状態(固定状態)へ切り替えるように前記切り替え手段を制御する制御手段とを備える。
本発明に係るハイブリッド車両の制御装置によれば、その制御対象となるハイブリッド車両は、動力源としての内燃機関及び電動機の他に、発電機、動力分割機構及び蓄電池を備える。電動機は、例えば、モータ又はモータジェネレータを含んで構成される。発電機は、例えば、ジェネレータ又はモータジェネレータを含んで構成される。動力分割機構は、例えば、プラネタリギアを含んで構成され、内燃機関の動力を、発電機の回転軸と、例えば車軸に連結される駆動軸とに分割する。発電機によって発電された電力は、電動機に供給される或いは蓄電池に充電される。
このハイブリッド車両は、発電機の回転軸が回転可能な第1状態(所謂、回転可能状態)及び発電機の回転軸が停止した状態で固定される第2状態(所謂、固定状態)のうちいずれか一方の状態からいずれか他方の状態へと発電機の動作状態を切り替え可能な切り替え手段を備えている。この切り替え手段によって、第1状態、即ち、回転可能状態から第2状態、即ち、固定状態へと発電機の動作状態を切り替えることにより、内燃機関の動力が、発電機及び電動機を介することなく、動力分割機構のみを介して駆動軸に直接出力される。具体的には、発電機の回転軸を機械的にロックして(固定して)、内燃機関の出力軸(所謂、クランクシャフト)と駆動軸とを機械的に直結する所謂、機械直結運転が実施される。他方、この切り替え手段によって、第2状態、即ち、固定状態から第1状態、即ち、回転可能状態へと発電機の動作状態を切り替えることにより、内燃機関の動力が、発電機の回転軸と駆動軸とに分割されて出力される。
意図しない時期に第2状態、即ち、固定状態から第1状態、即ち、回転可能状態へ切り替えられる誤作動(所謂、誤開放)が発生した場合、決定手段によって、この誤作動が発生した内燃機関のトルク値に応じて、第1状態、即ち、回転可能状態から第2状態、即ち、固定状態への切り替えを許可するための内燃機関のトルク値の許容範囲が決定される。
制御手段の制御下で、切り替え手段によって、内燃機関の実際の実トルク値が決定された許容範囲内にある場合、第1状態、即ち、回転可能状態から第2状態、即ち、固定状態へ切り替えられる。尚、本発明に係る内燃機関の実際の実トルク値とは、内燃機関に実際に出力するように指示されたトルク値でよい、或いは、内燃機関が実際に出力したトルク値でよい。
これにより、誤作動が過去に発生した場合においても、第1状態、即ち、回転可能状態から第2状態、即ち、固定状態への切り替え、所謂、機械直結運転が許可される頻度を高めることが可能である。これにより、第1状態、即ち、回転可能状態から第2状態、即ち、固定状態への切り替えを常時禁止する場合と比較して、内燃機関の動力を、発電機及び電動機を介することなく、駆動軸に直接出力する頻度を高めることができるので、発電機や電動機におけるエネルギー損失の発生を無くすことができ、伝達効率を顕著に高め、ひいては、燃費効率を顕著に高めることが可能である。これにより、発電機及び電動機の各々における伝達損失の発生を低減したり、電動機を動作させるための蓄電池の電力の消費を低減したりすることが可能となり、内燃機関から駆動軸への伝達効率を顕著に向上させ、ひいては、燃費効率を顕著に向上させることができる。
仮に、誤作動が過去に発生したことにより、第1状態、即ち、回転可能状態から第2状態、即ち、固定状態への切り替えを一律的に禁止する場合、伝達効率及び燃費効率を高めることが可能な固定状態への切り替えが一律的に禁止されることによって、伝達効率及び燃費効率を高める機会が失われてしまう。
本発明のハイブリッド車両の駆動制御装置の一の態様は、前記決定手段は、前記許容範囲の上限値を決定し、前記制御手段は、前記内燃機関の実際のトルク値が、前記決定された上限値を超えない場合、前記第1状態(回転可能状態)から前記第2状態(固定状態)へ切り替えるように前記切り替え手段を制御し、前記内燃機関の実際のトルク値が、前記決定された上限値を超える場合、前記第1状態(回転可能状態)から前記第2状態(固定状態)へ切り替えないように前記切り替え手段を制御する。
この態様によれば、制御手段の制御下で、切り替え手段は、許容範囲の上限値を超えるか否かに基づいて、第1状態から第2状態へ、適切なタイミングでより高精度に切り替えることが可能である。
本発明のハイブリッド車両の駆動制御装置の他の態様は、前記決定手段は、前記誤作動が発生した前記内燃機関のトルク値に加えて、前記誤作動(即ち、誤開放)が発生する発生度合いに応じて、前記許容範囲を決定する。
ここに、本発明に係る発生度合いとは、誤作動が発生する時間的な程度を意味する。典型的には、単位時間当たりに誤作動が発生する頻度を意味してよい、或いは、誤作動が2回発生した際の時間間隔や誤作動が発生しない時間間隔を意味してよい。
この態様によれば、誤作動が発生した内燃機関のトルク値に加えて、発生度合いに応じて、許容範囲を適切且つ高精度に決定することが可能である。これにより、発生度合いに応じて、切り替え手段の物理的な寿命や耐用度などの各種の要因を、許容範囲の決定に対して定量的且つ定性的に反映することが可能である。
本発明のハイブリッド車両の駆動制御装置の他の態様は、前記決定手段は、前記誤作動(誤開放)が発生する発生頻度が少なくなるに従って、前記決定された許容範囲の上限値を増加側に変化させる。
この態様によれば、発生頻度に応じて、切り替え手段の物理的な寿命や耐用度などの各種の要因を、許容範囲の上限値に対して定量的且つ定性的に反映することが可能である。これにより、伝達効率及び燃費効率を高めることが可能な固定状態への切り替えの頻度をより高めることができる。
本発明のハイブリッド車両の駆動制御装置の他の態様は、前記制御手段は、前記誤作動(即ち、誤開放)が発生する発生度合いが所定閾値を超えた場合、前記第1状態(即ち、回転可能状態)から前記第2状態(即ち、固定状態)への切り替えを禁止するように前記切り替え手段を制御する。
ここに、本発明に係る所定閾値とは、典型的には、切り替え手段の物理的な寿命や耐用限界に相当する誤作動の発生頻度を意味してよい。
この態様によれば、切り替え手段の物理的な寿命や耐用度の把握と、ハイブリッド車両における伝達効率及び燃費効率の向上との両立を実現することができる。
本発明のハイブリッド車両の駆動制御装置の他の態様は、前記決定手段は、前記誤作動(誤開放)が発生した前記内燃機関のトルク値に加えて、前記発電機の温度に応じて、前記許容範囲を決定する。
この態様によれば、切り替え手段における誤作動に対して、多大な影響を及ぼす切り替え手段と発電機との間の潤滑油を介した潤滑状態や摩擦状態の影響を高精度に許容範囲に反映させることが可能である。これにより、第1状態から第2状態への切り替えの際の誤作動の再発をより効果的に防止することが可能である。
本発明のハイブリッド車両の駆動制御装置の他の態様は、前記誤作動(即ち、誤開放)が発生したか否かを特定する特定手段と、前記内燃機関のトルク値を検出する検出手段とを更に備え、前記決定手段は、前記誤作動(即ち、誤開放)が発生したと特定される場合、前記誤作動(即ち、誤開放)が発生したと特定される時点で検出された前記トルク値に応じて、前記許容範囲を決定することを特徴とする請求項1から6のうちいずれか一項に記載のハイブリッド車両の駆動制御装置。
この態様によれば、誤作動が発生したと特定される時点で検出されたトルク値に応じて、より高精度に、許容範囲を決定することができる。
上記課題を解決するために、本発明に係るハイブリッド車両の駆動制御方法は、内燃機関と、前記内燃機関の動力により発電可能であると共に該発電により得られた電力を蓄電池に充電可能な発電機と、前記内燃機関の動力を、駆動軸及び前記発電機の回転軸に分割する動力分割機構と、前記発電機及び前記蓄電池の少なくとも一方から供給される電力に応じた動力を前記駆動軸に出力可能な電動機と、前記発電機の回転軸が回転可能な第1状態(所謂、回転可能状態)及び前記発電機の回転軸が停止した状態で固定される第2状態(所謂、固定状態)のうちいずれか一方の状態からいずれか他方の状態へと前記発電機の動作状態を切り替え可能な切り替え手段とを備えるハイブリッド車両の駆動制御装置におけるハイブリッド車両の駆動制御方法であって、意図しない時期に前記第2状態(即ち、固定状態)から前記第1状態(即ち、回転可能状態)へ切り替えられる誤作動(所謂、誤開放)が発生した場合、前記誤作動が発生した前記内燃機関のトルク値に応じて、前記第1状態(即ち、回転可能状態)から前記第2状態(即ち、固定状態)への切り替えを許可するための前記内燃機関のトルク値の許容範囲を決定する決定工程と、前記内燃機関の実際の実トルク値が前記決定された許容範囲内にある場合、前記第1状態(即ち、回転可能状態)から前記第2状態(即ち、固定状態)へ切り替えるように前記切り替え手段を制御する制御工程とを備える。
本発明に係るハイブリッド車両の駆動制御方法によれば、上述した本発明に係るハイブリッド車両の駆動制御装置が有する各種利益を享受することが可能となる。尚、上述した本発明に係るハイブリッド車両の駆動制御装置が有する各種態様に対応して、本発明に係るハイブリッド車両の駆動制御方法も各種態様を採ることが可能である。
本発明の作用及び他の利得は次に説明する実施するための最良の形態から明らかにされる。
以下、図面を参照して、本発明の好適な各種実施形態について説明する。
(第1実施形態)
(基本構成)
第1実施形態に係るハイブリッド車両の駆動制御装置の構成について、図1を参照して説明する。ここに、図1は、第1実施形態に係るハイブリッド車両の駆動制御装置の構成を概念的に示すブロック図である。
図1において、本実施形態に係るハイブリッド車両10は、エンジン200、第1のモータジェネレータMG1(以下、適宜「MG1」と略称する)、第2のモータジェネレータMG2(以下、適宜「MG2」と略称する)、駆動軸50、動力分割機構300、ロック機構400、PCU(Power Control Unit)500、バッテリ600、減速機11、車軸12、車輪13、アクセル開度センサ14及びECU100を備えている。
エンジン200は、本発明に係る「内燃機関」の一例たるガソリンエンジンであり、ハイブリッド車両10の主たる動力源として機能するように構成されている。エンジン200の出力軸であるクランクシャフト210は、後述する動力分割機構300のキャリア304に連結されている。尚、本発明における「内燃機関」とは、例えば2サイクル又は4サイクルレシプロエンジン等を含み、少なくとも一の気筒を有し、当該気筒内部の燃焼室において、例えばガソリン、軽油或いはアルコール等の各種燃料を含む混合気が燃焼した際に発生する力を、例えばピストン、コネクティングロッド及びクランクシャフト等の物理的又は機械的な伝達手段を適宜介して動力として取り出すことが可能に構成された機関を包括する概念である。
第1のモータジェネレータMG1は、本発明に係る「発電機」の一例たる電動発電機であり、エンジン200からトルクの供給を受けてその回転軸が回転することにより、バッテリ600を充電するための、或いは第2のモータジェネレータMG2に電力を供給するための発電を主として行うことが可能に構成されている。
第2のモータジェネレータMG2は、本発明に係る「電動機」の一例たる電動発電機であり、エンジン200の動力を補助(即ち、アシスト)する電動機として、或いはバッテリ600を充電するための発電機として機能するように構成されている。より具体的には、第2のモータジェネレータMG2は、駆動力或いは制動力をアシストする装置であり、駆動力をアシストする場合には、第1のモータジェネレータMG1及びバッテリ600の少なくとも一方から電力が供給されて電動機として機能し、制動力をアシストする場合には、ハイブリッド車両10の車輪13側から伝達されるトルクによって回転させられて電力を発電する発電機として機能するように構成されている。第2のモータジェネレータMG2は、駆動軸50に対し動力を供給することが可能となるように、その回転軸が駆動軸50に連結されている。
駆動軸50は、ハイブリッド車両10の車輪である車輪13に連結される車軸12に、デファレンシャル等の各種減速ギア装置を含む減速機構11を介して連結されている。
動力分割機構300は、プラネタリギア(遊星歯車機構)を含んでおり、エンジン200の動力を第1のモータジェネレータMG1の回転軸及び駆動軸50に分割或いは分配することが可能に構成されている。より具体的には、動力分割機構300は、外歯歯車のサンギア301と、サンギア301と同心円上に配置された内歯歯車のリングギア302と、サンギア301及びリングギア302に噛合するピニオンギア303と、ピニオンギア303を自転且つ公転自在に保持するキャリア304とを備えており、サンギア301、リングギア302及びキャリア304が3つの回転要素として相互に差動作用を生じるように構成されている。キャリア304には、エンジン200の出力軸であるクランクシャフト210が連結されている。サンギア301には、第1のモータジェネレータMG1の回転軸が連結されている。リングギア302には、駆動軸50が連結されている。動力分割機構300は、キャリア304から入力されるエンジン200からの動力を、サンギア301側(即ち、第1のモータジェネレータMG1側)とリングギア302側(即ち、駆動軸50側)とにそのギア比に応じて分配する。
ロック機構400は、本発明に係る「切り替え手段」の一例であり、第1のモータジェネレータMG1の回転軸を停止した状態で機械的に固定すること(即ち、第1のモータジェネレータMG1をロックすること)が可能に構成されている。と共に、ロック機構400は、第1のモータジェネレータMG1の回転軸を回転可能な状態で開放すること(即ち、第1のモータジェネレータMG1のロックを開放すること)が可能に構成されている。
詳細には、ロック機構400によって第1のモータジェネレータMG1がロックされた場合、エンジン200からの動力は、動力分割機構300によって第1のモータジェネレータMG1には分配されず、駆動軸50に出力されることになる。この際、典型的には、第2のモータジェネレータMG2は停止され、駆動軸50にはエンジン200からの駆動力のみが伝達される(即ち、ハイブリッド車両10は、エンジン200から出力される駆動力のみで走行することになる)。より詳細には、例えば、要求駆動力あるいはエンジンの負荷が小さい場合には、ロック機構400によって第1のモータジェネレータMG1の回転が阻止されて、動力分配機構300の実質的な変速比に設定されてよい。即ち、エンジンの回転数が可及的に低回転数に抑制される。その場合、動力分配機構300では、第1モータジェネレータMG1による発電は行われず、また第1モータジェネレータMG1が電動機として機能することもない。従って、第2モータジェネレータMG2で発電して第1モータジェネレータMG1に給電したり、或いはバッテリーから第1モータジェネレータMG1に給電する必要がないので、電力の消費が生じない。即ち、このようにして設定されるロック状態では動力の循環が生じず、動力損失やそれに伴う燃費の悪化を防止若しくは抑制することができる。
PCU500は、バッテリ600から取り出した直流電力を交流電流に変換して第1のモータジェネレータMG1及び第2のモータジェネレータMG2に供給すると共に、第1のモータジェネレータMG1及び第2のモータジェネレータMG2によって発電された交流電力を直流電力に変換してバッテリ600に供給することが可能に構成されたインバータ等を含み、バッテリ600と各モータジェネレータとの間の電力の入出力を個別に制御することが可能に構成された制御ユニットである。PCU500は、ECU100と電気的に接続されており、ECU100によってその動作が制御される構成となっている。
バッテリ600は、第1のモータジェネレータMG1及び第2のモータジェネレータMG2に電力を供給する電力供給源として機能することが可能に構成された充電可能な蓄電池である。
アクセル開度センサ14は、ハイブリッド車両10のアクセルペダル(不図示)の操作量たるアクセル開度を検出することが可能に構成されたセンサである。アクセル開度センサ14は、ECU100と電気的に接続されており、検出されたアクセル開度は、ECU100によって一定又は不定の周期で把握される構成となっている。
ECU100は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)及びRAM(Random Access Memory)等を備え、ハイブリッド車両10の動作全体を制御することが可能に構成された電子制御ユニットであり、本発明に係る「決定手段」及び「制御手段」の一例である。
ECU100は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)及びRAM(Random Access Memory)等を備え、エンジン200の動作全体を制御することが可能に構成された電子制御ユニットである。
ECU100は、アクセル開度センサ14によって検出されたアクセル開度に応じて定められる目標駆動トルク及び駆動軸50の回転数である駆動軸回転数(即ち、駆動軸回転速度)に応じて、ロック機構400を制御することが可能に構成されている。
詳細には、ECU100は、この目標駆動トルク及びこの駆動軸回転速度に応じて、ロック機構400を制御することが可能に構成されている。このことに加えて又は代えて、ECU100は、エンジンの出力トルク(即ち、実トルク)及び駆動軸回転速度に応じて、ロック機構400を制御することが可能に構成されている。尚、ECU100によるロック機構400の制御については、後に図3及び図4を参照して詳細に説明する。
本実施形態では特に、ECU100は、実トルク検出部110及び誤開放特定部120を備えている。実トルク検出部110は、本発明に係る「検出手段」の一例であり、エンジン200から出力されている実際の出力トルク(即ち、実トルク)を検出することが可能に構成されている。誤開放特定部120は、本発明に係る「特定手段」の一例であり、第1のモータジェネレータMG1の回転数の変化を監視し、ECU100から指示されたMG1の回転数と実際のMG1の回転数との偏差が所定閾値を超えるか否かに基づいて、MG1ロックの誤開放が発生したか否かを特定することが可能に構成されている。
(運転領域)
次に、図2を参照して、本実施形態に係るハイブリッド車両の運転領域について説明する。ここに、図2は、本実施形態に係るハイブリッド車両における、目標駆動トルク及び駆動軸回転数によって規定される運転領域を示すマップである。図2では、横軸に駆動軸回転数(即ち、駆動軸回転速度)を示し、縦軸に目標駆動トルク(即ち、駆動軸の目標駆動トルク)を示している。また、EV(Electric Vehicle)走行が行われる運転領域を「EV走行」として示し、電気CVT(Continuously Variable Transmission)走行が行われる運転領域を「電気CVT走行」として示し、第1のモータジェネレータMG1がロックされる運転領域を「MG1ロック走行」として示している。また、図2に示すマップは、エンジン200が定常燃焼状態にある場合に出力すると予め推定された出力トルクに基づいて予め作成されている。
ECU100は、図2に示すマップ上において、目標駆動トルク及び駆動軸回転数によって定まる点(以下、「運転動作点」と称する)が、どの位置にくるかによって、運転モードを「EV走行モード」、「電気CVT走行モード」及び「MG1ロック走行」のいずれにするかを決定する。尚、本実施形態では、目標駆動トルク及び駆動軸回転数によって定まる運転動作点に加えて又は代えて、エンジンの出力トルク及び駆動軸回転数によって定まる動作点の座標上の位置に基づいて、運転モードを「EV走行モード」、「電気CVT走行モード」及び「MG1ロック走行」のいずれにするかを決定してよい。
具体的には、ECU100は、運転動作点が、図2に示すマップ上において、「EV走行」にあると判定した場合には、運転モードを「EV走行モード」に設定し、「電気CVT走行」にあると判定した場合には、運転モードを「電気CVTモード」に設定し、「MG1ロック走行」にあると判定した場合には、運転モードを「MG1ロックモード」に設定する。
ECU100は、運転モードを「EV走行モード」に設定した場合には、ハイブリッド車両10が、第2のモータジェネレータMG2からの駆動力のみで走行するEV走行を行うように、エンジン200、ロック機構400及びPCU500を制御する。
ECU100は、運転モードを「電気CVT走行モード」に設定した場合には、ハイブリッド車両10が、エンジン200から動力分割機構300を介して駆動軸50に出力される駆動力と第2のモータジェネレータMG2から駆動軸50に出力される駆動力とで走行する電気CVT走行を行うように、エンジン200、ロック機構400及びPCU500を制御する。具体的には、ECU100は、運転モードを「電気CVT走行モード」に設定した場合には、エンジン200からの動力が第1のモータジェネレータMG1及び駆動軸50に分配されて、第1のモータジェネレータMG1で発電が行われると共に第2のモータジェネレータMG2からの駆動力が駆動軸50に出力されるように、エンジン200、ロック機構400及びPCU500を制御する。
ECU100は、運転モードを「MG1ロックモード」に設定した場合には、ハイブリッド車両10が、エンジン200からの駆動力のみで走行するように、エンジン200、ロック機構400及びPCU500を制御する。具体的には、ECU100は、運転モードを「MG1ロックモード」に設定した場合には、第1のモータジェネレータMG1がロックされるように、ロック機構400を制御する。運転モードが「MG1ロックモード」である場合、後述されるように、伝達効率及び燃費効率を向上させることが可能である。
尚、ECU100は、運転モードを「EV走行モード」又は「電気CVT走行モード」に設定した場合には、第1のモータジェネレータMG1がロックされないように、ロック機構400を制御する。
(動作原理)
次に、図3を参照して、本発明の本実施形態に係るハイブリッド車両の駆動制御装置における動作原理について説明する。ここに、図3は、本実施形態に係るハイブリッド車両の駆動制御装置を統括制御するECUにおける制御処理の流れを示したフローチャートである。尚、図3で示された制御処理は、ECU100によって、所定周期で繰り返し実行される。
図3に示されるように、先ず、ECU100の制御下で、上述した運転動作点又は動作点に基づいて、ハイブリッド車両の運転モードを上述した「MG1ロックモード」に設定するか否かが判定される(ステップS101)。ここで、ハイブリッド車両の運転モードを上述した「MG1ロックモード」に設定すると判定される場合(ステップS101:Yes)、ECU100の制御下で、MG1ロックが誤って開放された時点、即ち、MG1ロックの誤開放が発生した時点でのエンジンの出力トルクの値を時間経過に伴って示した出力トルクの値に関する情報を含む履歴情報が、メモリ等の記憶手段から取得される。と共に、この取得された出力トルクの履歴情報に基づいて、MG1ロックの誤開放が発生した時点でのエンジンの出力トルクの値群のうち最新の値が、MG1ロック領域の境界値の上限を示す上限値Texとして設定される(ステップS102)。ここに、本実施形態に係るMG1ロック領域とは、エンジンの出力トルク及び駆動軸の回転速度によって、座標上、規定される動作点のうち、MG1ロックを実施すべき動作点の領域を意味する。特に、本実施形態では、後述するように、「MG1ロック領域」の上限を規定する、エンジンの出力トルクの上限値Texは、MG1ロックの誤開放が発生した時点でのエンジンの出力トルクの値に基づいて、ECU100によって変更される。
次に、ECU100の制御下で、エンジンの出力トルクがMG1ロック領域の上限値Tex未満であるか否かが判定される(ステップS103)。ここで、ECU100の制御下で、エンジンの出力トルクがMG1ロック領域の上限値Tex未満である場合(ステップS103:Yes)、MG1ロックの実施が許可されつつ、ハイブリッド車両の走行が行われる(ステップS104)。
このように、MG1ロックの誤開放が過去に発生した場合においても、MG1ロックを実施すべき運転動作点のMG1ロック領域、即ち、MG1ロックを実施すべきエンジンの出力トルクの上限値Texを制限しながらMG1ロックを許可する。これにより、MG1ロックの誤開放が過去に発生した場合においても、MG1の回転軸を機械的にロックして(固定して)、エンジンの出力軸(クランクシャフト)と駆動軸とを機械的に直結するMG1ロック(所謂、機械直結運転)が実施される頻度を高めることが可能である。これにより、MG1ロックを常時禁止する場合と比較して、エンジンの動力を、MG1やMG2を介することなく、駆動軸に直接出力する頻度を高めることができるので、MG1やMG2におけるエネルギー損失の発生を無くすことができ、伝達効率を顕著に高め、ひいては、燃費効率を顕著に高めることが可能である。
加えて、MG1ロックが誤って開放された時点、即ち、MG1ロックの誤開放が発生した時点でのエンジンの出力トルクの値を上限値とするようにMG1ロック領域が制限されることにより、MG1ロックの誤開放の再発を効果的に防止しつつ、MG1ロックを実施することが可能である。
他方、上述したステップS101の判定の結果、ハイブリッド車両の運転モードを上述した「MG1ロックモード」に設定すると判定されない場合(ステップS101:No)、ECU100の制御下で、運転モードが「EV走行モード」又は「電気CVT走行モード」に設定され、第1のモータジェネレータMG1がロックされないように、ロック機構400が制御される(ステップS105)。これにより、第1のモータジェネレータMG1は、その回転軸が回転可能となる。
(上限値の設定処理及び補正処理)
次に、図4乃至図8を参照して、本実施形態に係るMG1ロック領域の上限値の設定処理及び補正処理について、その作用と効果を併せて説明する。ここに、図4は、本実施形態に係るMG1ロック領域の上限値の設定処理及び補正処理の流れを示したフローチャートである。尚、図4で示された設定処理及び補正処理は、ECU100によって、所定周期で繰り返し実行される。
図4に示されるように、ECU100の制御下で、MG1ロックの誤開放が発生したか否かが判定される(ステップS201)。
(ロック機構の動作)
ここで、図5及び図6を参照して、MG1ロックの誤開放が発生した場合を含むMG1のロック機構の動作について説明する。ここに、図5は、本実施形態に係るMG1ロック機構における、外観を図式的に示した外観平面図(図5(a))、及び、一の断面を図式的に示した断面図(図5(b))である。図6は、本実施形態に係るMG1ロック機構における、MG1ロックの実施時一の断面を図式的に示した断面図(図6(a))、及び、MG1ロックの誤開放時の一の断面を図式的に示した断面図(図6(b))である。尚、図5(b)、図6(a)及び図6(b)の断面図は、図5(a)中の線分A−A’を断面として、矢印Xから見た断面図である。
図5(a)及び図5(b)に示されるように、MG1のロック機構400は、部材401と、部材402と、ボール420と、ケース450とを備えて構成されている。
部材401は、MG1と平面401aを介して固定されており、MG1と共に回転可能である。部材402は、ハイブリッド車両に静止状態で固定されているケース450に摩擦により吸着状態となることにより固定可能である。ボール420は、球状の剛体であり部材401と部材402との間に配置され、部材401及び部材402に付勢力を与えることが可能である。
図5(b)に示されるように、MG1ロックが正常に開放されている場合、ロック機構400において、部材402と、ハイブリッド車両に静止状態で固定されているケース450との間には隙間があり、ボール420及び部材402は、部材401と同様にして、MG1と共に回転している。
他方、図6(a)に示されるように、MG1ロックが正常に実施されている場合、部材402は、MG1側からケース450に向かう方向へ第1の付勢力を受け、ケース450に接した摩擦力により吸着状態となって固定されている。尚、第1の付勢力は、典型的には、電磁力等により発生してよい。
部材402は、この第1の付勢力に加えて、部材401からボール420を介して、部材402をケース450側に押し付ける第2の付勢力を受け、ケース450に接した摩擦力により吸着状態となって固定されている。これにより、ボール420及び部材402は、部材401の回転を停止させると共に、MG1の回転を停止させることによって、MG1ロックが正常に実施されている。
このような部材401、部材402及びボール420を備え、第2の付勢力を発生させる構成により、第1の付勢力によってのみMG1をロックする場合と比較して、より大きな付勢力を簡便に発生させることが可能である。
ここで、図6(b)に示されるように、ロック機構400において、機構的な原因又は物理的な原因により、部材402と、ケース450との間に隙間が生じて、MG1ロックの誤開放が発生してしまうことがある。この機構的な原因としての、例えば路面からの反力が、駆動軸を介して、MG1の回転軸に伝達された、予想外の外部入力トルクにより、部材402と、ケース450との間に隙間が生じて、MG1ロックの誤開放が発生してしまうことが考えられる。或いは、この物理的な原因としての、部材402をケース450に向かって押し付けるように移動させる際に異物や凹凸部等の障害物に引っ掛かることにより、部材402と、ケース450との間に隙間が生じて、MG1ロックの誤開放が発生してしまうことが考えられる。
再び、図4に戻って、上述したステップS201の判定の結果、MG1ロックの誤開放が発生したと判定される場合(ステップS201:Yes)、ECU100の制御下で、MG1ロックが誤って開放された時点、即ち、MG1ロックの誤開放が発生した時点でのエンジンの出力トルクの値が測定される(ステップS202)。尚、このMG1ロックの誤開放が発生した時点でのエンジンの出力トルクの値は、MG1ロックの誤開放が発生する度に、ハイブリッド車両の電源オフの状態下で、消去されない不揮発性メモリに記憶されてよい。
他方、上述したステップS201の判定の結果、MG1ロックの誤開放が発生したと判定されない場合(ステップS201:No)、MG1ロック領域の上限値の設定処理及び補正処理を実施する本ルーチンを一旦終了し、次の本ルーチンの開始を待機する。
次に、ECU100の制御下で、MG1ロックを実施すべき運転動作点の領域を示したMG1ロック領域の境界値の上限を示す上限値Texとして、測定されたエンジンの出力トルクの値が設定される(ステップS203)。図7を参照して、MG1ロック領域の境界値の上限を示す上限値について、具体的に説明する。ここに、図7は、本実施形態に係るハイブリッド車両における、エンジンの出力トルク及び駆動軸回転数によって規定されるMG1ロック領域を中心とした運転領域を示すマップである。
図7の動作点P1に示されるように、MG1ロックの誤開放が発生した時点でのエンジンの出力トルクの値が、出力トルクの値Tex1である場合、MG1ロック領域の境界値の上限を示す上限値として値Tex1が設定される。これにより、ECU100の制御下で、制限されたMG1ロック領域として、上限値をTex1とする動作点A0、B0、B1、A1で囲まれた領域が適用される。
次に、ECU100の制御下で、ハイブリッド車両の走行時間がMG1ロックの誤開放の発生無しで所定時間を超えたか否かが判定される(ステップS204)。ここに、本実施形態に係る所定時間とは、典型的には、ロック機構400の物理的な寿命や耐用度に基づいて決定された、MG1ロックの誤開放が発生しない標準的な時間間隔を意味してよい。これにより、ロック機構の物理的な寿命や耐用度に基づかない、確率的、偶発的若しくは突発的に発生した誤開放の影響を低減することが可能である。
このステップS204の判定の結果、ハイブリッド車両の走行時間がMG1ロックの誤開放の発生無しで所定時間を超えた場合(ステップS204:Yes)、ECU100の制御下で、MG1ロック領域の上限値Texを所定量だけ増加させる上限値の補正処理が行われる(ステップS205)。この上限値Texの補正処理について、典型的には、MG1ロックの誤開放の発生無しで所定時間だけ経過する毎に、例えば10(Nm)等の所定量だけ上限値Texを増加させてよい。具体的には、上述の図7に示されるように、ハイブリッド車両の走行時間が、MG1ロックの誤開放の発生無しで所定時間を超えた場合、ECU100の制御下で、MG1ロック領域の上限値が値Tex1から、値Tex1よりも所定量だけ増加した値Tex2を上限値とする補正処理が行われてよい。これにより、ECU100の制御下で、制限されたMG1ロック領域として、上限値をTex2とする動作点A0、B0、B2、A2で囲まれた領域が適用される。
或いは、この上限値Texの補正処理について、典型的には、上述した所定量の増加に加えて又は代えて、MG1の温度又はMG1周辺の潤滑油の温度を入力パラメータとする係数K(即ち、倍率K)を上限値Texに対して乗算することによって、上限値Texを補正してよい。これにより、MG1ロックの誤開放に対して、多大な影響を及ぼすMG1とロック機構400との間の摩擦の影響を高精度に反映させた、MG1ロック領域の上限値Texを適切に設定することが可能である。これにより、MG1ロックの誤開放の再発をより効果的に防止しつつ、MG1ロックを実施することが可能である。
再び、図4に戻って、再び、ECU100の制御下で、MG1ロックの誤開放が発生したか否かが判定される(ステップS206)。このステップS206の判定の結果、MG1ロックの誤開放が発生しないと判定される場合(ステップS206:No)、上述したように、ハイブリッド車両の走行時間がMG1ロックの誤開放の発生無しで所定時間を超えたか否かが判定される(ステップS204)。このステップS204の判定の結果、ハイブリッド車両の走行時間がMG1ロックの誤開放の発生無しで所定時間を再度、超えた場合(ステップS204:Yes)、ECU100の制御下で、MG1ロック領域の上限値Texを所定量だけ増加させる上限値の補正処理が行われる(ステップS205)。具体的には、上述の図7に示されるように、ハイブリッド車両の走行時間が、MG1ロックの誤開放の発生無しで所定時間の2倍の時間を超えたことになるので、ECU100の制御下で、MG1ロック領域の上限値が値Tex2から、値Tex2よりも所定量だけ増加した値Tex3を上限値とする補正処理が行われてよい。これにより、ECU100の制御下で、制限されたMG1ロック領域として、上限値をTex3とする動作点A0、B0、B3、A3で囲まれた領域が適用される。尚、このように増加された上限値の最大値は、MG1ロックの誤開放の発生を考慮することなく、伝達効率及び燃費効率を最大とさせる従来の上限値Te2でよい。
このように、MG1ロックの誤開放が過去に発生した場合においても、MG1ロックを実施すべき運転動作点のMG1ロック領域、即ち、MG1ロックを実施すべきエンジンの出力トルクの上限値Texを制限しながらMG1ロックを許可する。これにより、MG1ロックの誤開放が過去に発生した場合においても、MG1の回転軸を機械的にロックして(固定して)、エンジンの出力軸(クランクシャフト)と駆動軸とを機械的に直結するMG1ロック(所謂、機械直結運転)が実施される頻度を高めることが可能である。これにより、MG1ロックを常時禁止する場合と比較して、エンジンの動力を、MG1やMG2を介することなく、駆動軸に直接出力する頻度を高めることができるので、MG1やMG2におけるエネルギー損失の発生を無くすことができ、伝達効率を顕著に高め、ひいては、燃費効率を顕著に高めることが可能である。これにより、第1のモータジェネレータMG1及び第2のモータジェネレータMG2の各々における伝達損失の発生を低減したり、第2のモータジェネレータMG2を動作させるためのバッテリ600の電力の消費を低減したりすることが可能となり、エンジン200から駆動軸50への伝達効率を顕著に向上させ、ひいては、燃費効率を顕著に向上させることができる。
仮に、MG1ロックの誤開放が過去に発生したことにより、MG1ロックを一律的に禁止する場合、伝達効率及び燃費効率を高めることが可能なMG1ロックが一律的に禁止されることによって、伝達効率及び燃費効率を高める機会が失われてしまうという技術的な問題点が生じる。詳細には、図8を参照して、この技術的な問題点について説明する。ここに、図8は、本実施形態に係るMG1ロックの誤開放が発生した際の共線図である。図8の縦軸は各回転軸の回転数を示し、図8の横軸は、各ギヤのギヤ比を距離的な関係で示している。図8に示されるように、ハイブリッド車両の走行中、MG1ロックの実施の最中に、MG1ロックの誤開放(又は、誤開放故障)が発生する場合、駆動軸での駆動力が抜けたように低下してしまうと共にMG1の回転数が急上昇してしまう。このMG1ロックの誤開放が検出される時点で、ECUの制御下で、MG1の回転数制御が行われる。この際、瞬間的にはエンジンの回転数が上昇してしまうため、運転者に違和感を与えてしまう。このような運転者へ違和感を与えることを防止するために、MG1ロックの誤開放が発生した以降におけるMG1ロックを一律的に禁止する。このため、ハイブリッド車両において、MG1ロックによる伝達効率及び燃費効率の向上が妨げられる可能性があるという技術的な問題点が生じる。
再び、図4に戻って、上述したステップS206の判定の結果、MG1ロックの誤開放が発生したと判定される場合(ステップS206:Yes)、MG1ロック領域の上限値の設定処理及び補正処理を実施する本ルーチンを一旦終了し、次の本ルーチンの開始を待機する。
(第2実施形態)
次に、図9を参照して、第2実施形態に係るMG1ロック領域の上限値の設定処理及び補正処理について説明する。ここに、図9は、第2実施形態に係るMG1ロック領域の上限値の設定処理及び補正処理の流れを示したフローチャートである。尚、図9で示された設定処理及び補正処理は、ECU100によって、所定周期で繰り返し実行される。
第2実施形態によれば、上述したステップS201乃至S206を経て、ECU100の制御下で、誤開放の発生する度合いが所定レベルを超えたか否かが判定される(ステップS301)。ここに、第2実施形態に係る所定レベルとは、誤開放の発生する度合いが、誤開放の発生回数(或いは発生頻度)を意味する場合、ロック機構が物理的に故障したと推定可能な、例えば5回等の所定回数を意味してよい。
このステップS301の判定の結果、誤開放の発生する度合いが所定レベルを超えたと判定される場合(ステップS301:Yes)、それ以降、MG1ロックを一律的に禁止して、EV走行又は電気CVT走行のみ許可して走行してよい(ステップS302)。これにより、ロック機構の物理的な寿命や耐用度合いの把握と、ハイブリッド車両における伝達効率及び燃費効率の向上との両立を実現することができる。
尚、上述した実施形態では、例えばカム等によるロック機構について説明したが、本発明は、例えばくし形状の噛み合いドッキング装置に適用してよい。或いは、本発明は、例えば摩擦力を利用した摩擦式クラッチ装置に適用してよい。
本発明は、上述した実施形態に限られるものではなく、請求の範囲及び明細書全体から読み取れる発明の要旨或いは思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴うハイブリッド車両の駆動制御装置及び方法もまた本発明の技術的範囲に含まれるものである。
本実施形態に係るハイブリッド車両の駆動制御装置の構成を概念的に示すブロック図である。 本実施形態に係るハイブリッド車両における、目標駆動トルク及び駆動軸回転数によって規定される運転領域を示すマップである。 本実施形態に係るハイブリッド車両の駆動制御装置を統括制御するECUにおける制御処理の流れを示したフローチャートである。 本実施形態に係るMG1ロック領域の上限値の設定処理及び補正処理の流れを示したフローチャートである。 本実施形態に係るMG1ロック機構における、外観を図式的に示した外観斜視図(図5(a))、及び、一の断面を図式的に示した断面図(図5(b))である。 本実施形態に係るMG1ロック機構における、MG1ロックの実施時一の断面を図式的に示した断面図(図6(a))、及び、MG1ロックの誤開放時の一の断面を図式的に示した断面図(図6(b))である。 本実施形態に係るハイブリッド車両における、エンジンの出力トルク及び駆動軸回転数によって規定されるMG1ロック領域を中心とした運転領域を示すマップである。 本実施形態に係るMG1ロックの誤開放が発生した際の共線図である。 第2実施形態に係るMG1ロック領域の上限値の設定処理及び補正処理の流れを示したフローチャートである。
10…ハイブリッド車両、50…駆動軸、100…ECU、110…実トルク検出部、120…誤開放特定部、200…エンジン、300…動力分割機構、400…ロック機構、600…バッテリ、MG1…第1のモータジェネレータ、MG2…第2のモータジェネレタ。

Claims (8)

  1. 内燃機関と、
    前記内燃機関の動力により発電可能であると共に該発電により得られた電力を蓄電池に充電可能な発電機と、
    前記内燃機関の動力を、駆動軸及び前記発電機の回転軸に分割する動力分割機構と、
    前記発電機及び前記蓄電池の少なくとも一方から供給される電力に応じた動力を前記駆動軸に出力可能な電動機と、
    前記発電機の回転軸が回転可能な第1状態及び前記発電機の回転軸が停止した状態で固定される第2状態のうちいずれか一方の状態からいずれか他方の状態へと前記発電機の動作状態を切り替え可能な切り替え手段と、
    意図しない時期に前記第2状態から前記第1状態へ切り替えられる誤作動が発生した場合、前記誤作動が発生した前記内燃機関のトルク値に応じて、前記第1状態から前記第2状態への切り替えを許可するための前記内燃機関のトルク値の許容範囲を決定する決定手段と、
    前記内燃機関の実際の実トルク値が前記決定された許容範囲内にある場合、前記第1状態から前記第2状態へ切り替えるように前記切り替え手段を制御する制御手段と
    を備えることを特徴とするハイブリッド車両の駆動制御装置。
  2. 前記決定手段は、前記許容範囲の上限値を決定し、
    前記制御手段は、前記内燃機関の実際のトルク値が、前記決定された上限値を超えない場合、前記第1状態から前記第2状態へ切り替えるように前記切り替え手段を制御し、前記内燃機関の実際のトルク値が、前記決定された上限値を超える場合、前記第1状態から前記第2状態へ切り替えないように前記切り替え手段を制御することを特徴とする請求項1に記載のハイブリッド車両の駆動制御装置。
  3. 前記決定手段は、前記誤作動が発生した前記内燃機関のトルク値に加えて、前記誤作動が発生する発生度合いに応じて、前記許容範囲を決定することを特徴とする請求項1又は2に記載のハイブリッド車両の駆動制御装置。
  4. 前記決定手段は、前記誤作動が発生する発生頻度が少なくなるに従って、前記決定された許容範囲の上限値を増加側に変化させることを特徴とする請求項1から3のうちいずれか一項に記載のハイブリッド車両の駆動制御装置。
  5. 前記制御手段は、前記誤作動が発生する発生度合いが所定閾値を超えた場合、前記第1状態から前記第2状態への切り替えを禁止するように前記切り替え手段を制御することを特徴とする請求項1から4のうちいずれか一項に記載のハイブリッド車両の駆動制御装置。
  6. 前記決定手段は、前記誤作動が発生した前記内燃機関のトルク値に加えて、前記発電機の温度に応じて、前記許容範囲を決定することを特徴とする請求項1から5のうちいずれか一項に記載のハイブリッド車両の駆動制御装置。
  7. 前記誤作動が発生したか否かを特定する特定手段と、
    前記内燃機関のトルク値を検出する検出手段とを更に備え、
    前記決定手段は、前記誤作動が発生したと特定される場合、前記誤作動が発生したと特定される時点で検出された前記トルク値に応じて、前記許容範囲を決定することを特徴とする請求項1から6のうちいずれか一項に記載のハイブリッド車両の駆動制御装置。
  8. 内燃機関と、
    前記内燃機関の動力により発電可能であると共に該発電により得られた電力を蓄電池に充電可能な発電機と、
    前記内燃機関の動力を、駆動軸及び前記発電機の回転軸に分割する動力分割機構と、
    前記発電機及び前記蓄電池の少なくとも一方から供給される電力に応じた動力を前記駆動軸に出力可能な電動機と、
    前記発電機の回転軸が回転可能な第1状態及び前記発電機の回転軸が停止した状態で固定される第2状態のうちいずれか一方の状態からいずれか他方の状態へと前記発電機の動作状態を切り替え可能な切り替え手段とを備えるハイブリッド車両の駆動制御装置におけるハイブリッド車両の駆動制御方法であって、
    意図しない時期に前記第2状態から前記第1状態へ切り替えられる誤作動が発生した場合、前記誤作動が発生した前記内燃機関のトルク値に応じて、前記第1状態から前記第2状態への切り替えを許可するための前記内燃機関のトルク値の許容範囲を決定する決定工程と、
    前記内燃機関の実際の実トルク値が前記決定された許容範囲内にある場合、前記第1状態から前記第2状態へ切り替えるように前記切り替え手段を制御する制御工程と
    を備えることを特徴とするハイブリッド車両の駆動制御方法。
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