JP2010283968A - 車両用制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】電池残量の状態を運転者に知らせることができる車両用制御装置を提供する。
【解決手段】走行用駆動源としてモータ4を備えた車両1の当該モータ4に電力を供給する電池9の電池残量情報に基づいて、この車両1が備えるアクセルペダル10の反力を設定する。したがって、車両用制御装置100は、電池9の電池残量情報に基づいてアクセルペダル反力を設定することで、電池9の電池残量の状態を運転者に知らせることができ、これにより、例えば、モータ4のみでの走行の継続が難しい状態であることを運転者に伝達することができ、エンジン2を用いた走行への移行を促すことができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、車両用制御装置に関し、特にモータを備える車両の車両用制御装置に関するものである。
従来の車両用制御装置として、内燃機関とモータとの双方を走行用駆動源として備えたハイブリッド車両(HV:Hybrid Vehicle)に搭載されるものがある。
このような従来の車両用制御装置として、例えば、特許文献1に記載されているハイブリット車両制御装置は、車両の走行状態によってエンジンとモータの駆動による走行を自動的に切り換えるハイブリット車両において、運転者の操作によってモータだけによる走行に切り換えるモータ走行選択スイッチを備えている。
特開2005−185055号公報
しかしながら、上述した特許文献1に記載されているハイブリット車両制御装置では、例えば、運転者の操作によって走行用駆動源のうちモータのみによる走行に切り換えるモータ走行選択スイッチがONにされた状態でモータに電力を供給する電池の電池残量が少なくなることで、モータのみでの走行が維持できなくなるおそれがあった。
そこで本発明は、電池残量の状態を運転者に知らせることができる車両用制御装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明による車両用制御装置は、走行用駆動源としてモータを備えた車両の当該モータに電力を供給する電池の電池残量情報に基づいて、当該車両が備えるアクセルペダルの反力を設定することを特徴とする。
本発明に係る車両用制御装置によれば、電池残量の状態を運転者に知らせることができる。
図1は、本発明の実施形態に係るアクセル反力制御装置の模式的な概略構成図である。 図2は、本発明の実施形態に係るアクセル反力制御装置のアクセルペダル反力マップの一例を示す図である。 図3は、本発明の実施形態に係るアクセル反力制御装置のアクセル反力制御の一例を説明するフローチャートである。
以下に、本発明に係る車両用制御装置の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施形態によりこの発明が限定されるものではない。また、下記実施形態における構成要素には、当業者が置換可能かつ容易なもの、或いは実質的に同一のものが含まれる。
(実施形態)
図1は、本発明の実施形態に係るアクセル反力制御装置の模式的な概略構成図、図2は、本発明の実施形態に係るアクセル反力制御装置のアクセルペダル反力マップの一例を示す図、図3は、本発明の実施形態に係るアクセル反力制御装置のアクセル反力制御の一例を説明するフローチャートである。
本実施形態の車両用制御装置としてのアクセル反力制御装置100は、図1に示すように、内燃機関としてのエンジン2とモータとしてのモータジェネレータ4とを組み合わせて、車輪7を回転駆動させるための走行用駆動源とする車両であるハイブリッド車両1に搭載されるものである。そして、このハイブリッド車両1は、走行用駆動源として1つのエンジン2と1つのモータジェネレータ4とを備えると共に、運転者が任意でEV走行を選択することができるマニュアル式のトランスミッションである変速機3を備えた、いわゆる、1モータマニュアルトランスミッションハイブリッド車両である。
すなわち、ハイブリッド車両1は、エンジン2に加えてモータジェネレータ4を走行用駆動源として備えた車両であって、エンジン2を可及的に効率の良い状態で運転する一方、動力やエンジンブレーキ力の過不足を回転電機であるモータジェネレータ4で補い、さらには減速時にエネルギの回生をおこなうことにより、エンジン2による排気ガスを低減し、同時に燃費の向上を図るように構成された車両である。
このハイブリッド車両1に適用された駆動装置は、ハイブリッド形式のものであって、エンジン2からの動力を変速機3のクラッチ31を介して駆動輪である車輪7に向けて伝達可能であると共に、モータジェネレータ4からの動力を変速機3のクラッチ31を介さずに駆動輪である車輪7に向けて伝達可能なものである。すなわち、ハイブリッド車両1に適用された駆動装置は、エンジン2が変速機3のクラッチ31を介して駆動輪である車輪7に連結される一方、モータジェネレータ4が変速機3のクラッチ31を介さずに駆動輪である車輪7に連結される。
そして、このアクセル反力制御装置100は、1モータマニュアルトランスミッションハイブリッド車両であって運転者が任意にEV走行を選択することによりモータジェネレータ4のみを走行用駆動源として走行可能なハイブリッド車両1にて、EV走行モードが選択された状態でバッテリー9の電池残量が低下した際に、アクセルペダル10に所定の反力を発生させるものである。これにより、このアクセル反力制御装置100は、バッテリー9の電池残量が低下したことを運転者に伝えて、EV走行モードからエンジン2を用いた走行モードへ移行するように運転者を促すことができる。
具体的には、アクセル反力制御装置100が適用されるハイブリッド車両1は、内燃機関としてのエンジン2と、変速機3と、モータジェネレータ4と、最終減速装置5と、液圧ブレーキ装置6と、駆動輪としての車輪7とを備える。
エンジン2は、車輪7と連結され、駆動することで機関トルクとしてのエンジントルクを発生し、発生したエンジントルクを車輪7に作用させるものである。このエンジン2は、変速機3、最終減速装置5、液圧ブレーキ装置6などを介して車輪7に連結されている。ここで、エンジントルクとは、エンジン2の機関出力軸であるクランク軸に生じるトルクである。
エンジン2は、要は、燃料を燃焼して生じる熱エネルギをトルクなどの機械的エネルギの形で出力する熱機関であって、ガソリンエンジンやディーゼルエンジン、LPGエンジンなどがその一例である。
エンジン2は、発生した機械的動力を機関出力軸であるクランク軸から出力する。クランク軸は、後述する変速機3のクラッチ31の入力側に連結されている。エンジン2は、例えば、不図示の燃料噴射装置、点火装置、及びスロットル弁装置などを備えており、これらの装置は、不図示のエンジン電子制御ユニット(ECU:Electronic Control Unit)に電気的に接続されこのエンジンECUにより制御される。エンジンECUは、エンジン2のクランク軸から出力する機械的動力を調整することが可能となっている。すなわち、エンジンECUは、種々のセンサが検出した吸入空気量、吸気温度、吸気圧、スロットル開度、アクセル開度、エンジン回転数、エンジン冷却水温などのエンジン運転状態に基づいて、エンジン2における燃料噴射量(燃料噴射期間)、噴射時期、点火時期などを決定し、エンジン2の燃料噴射弁や点火プラグを駆動して燃料噴射及び点火を実行することで、エンジン2の作動を制御してクランク軸に生じるエンジントルクを制御することができる。
なお、エンジンECUは、不図示のコントロール・プロセッサ・ユニット(CPU)やリード・オンリ・メモリ(ROM)、ランダム・アクセス・メモリ(RAM)などから構成されている。エンジンECUは、ROMが制御対象、すなわち、エンジン2の各部を制御するためのプログラムを記憶しており、CPUがこのプログラムを実行し、RAMがCPUによる演算結果等を一時的に記憶する。なお、後述する他のECUもエンジンECUとほぼ同様の構成である。また、エンジンECUは、後述する他のECUと共に、ハイブリッド車両1の各部を制御する共通の1つのECUを構成するようにしてもよい。
変速機3は、エンジン2の回転出力を変速して出力可能である。変速機3は、いわゆる手動式の有段変速機(MT:Manual Transmission)であり、エンジン2から出力される出力を複数の変速段のうちいずれか1つにより変速して車輪7に向けて伝達可能なものである。変速機3は、クラッチ31と、変速機構32とを含んで構成される。
クラッチ31は、動力の伝達系において、エンジン2と車輪7との間に設けられる。クラッチ31は、エンジン2側の回転部材であるクランク軸と車輪7側の回転部材である変速機入力軸とを係合状態とすることでエンジントルクを車輪7へ伝達可能なものである。つまり、変速機3は、このクラッチ31を係合状態とすることで、クランク軸と変速機入力軸とが一体に回転して、クランク軸からの機械的動力を変速機構32の変速段のうちいずれか1つにより変速して車輪7に向けて伝達することができる。また、クラッチ31は、運転者によるクラッチペダルの踏み込み操作(クラッチ操作)に応じてクランク軸と変速機入力軸とを解放状態とすることでエンジントルクの車輪7への伝達を遮断可能なものである。クラッチ31は、運転者によるクラッチ操作に応じて、係合状態と解放状態とを適宜切り替えることができる。
変速機構32は、クラッチ31を介して入力されるエンジン2の出力を変速して出力可能である。変速機構32は、変速機入力軸と、変速機出力軸と、複数の変速段(ギヤ段)とを含んで構成される。変速機入力軸は、変速機3の変速機構32への動力の入力軸であり、クラッチ31を介してエンジン2に連結される。変速機出力軸は、変速機3の変速機構32からの動力の出力軸であり、最終減速装置5、液圧ブレーキ装置6などを介して駆動輪をなす車輪7に連結される。ここで、最終減速装置5は、変速機3で変速され出力された回転出力を最終的に減速するものである。液圧ブレーキ装置6は、運転者のブレーキペダルの踏み込み操作(ブレーキ操作)に応じて車輪7に制動力を発生させるものである。
そして、変速機構32は、クラッチ31を介して変速機入力軸で受けた機械的動力を複数の変速段(ギヤ段)のうちいずれか1つにより変速して、変速機出力軸から出力する。変速機構32の変速機出力軸から出力された機械的動力は、最終減速装置5、液圧ブレーキ装置6などを介して駆動輪をなす車輪7に伝達される。この結果、ハイブリッド車両1は、車輪7の路面との接地面に駆動力[N]が生じ、これにより走行することができる。
また、変速機構32は、複数の変速段として、例えば、前進用の複数の前進ギヤ段、後進用の後進ギヤ段、後述するEV走行用のEVギヤ段などを含んで構成される。そして、変速機構32は、運転者がシフトレバーなどの選択装置を操作することで、任意のギヤ段が1つ選択され、この選択されたギヤ段を介して動力の伝達が行われ、回転出力を選択されたギヤ段(変速段)により所望の変速比で変速可能になる。つまり、変速機構32は、運転者による不図示のシフトレバーの操作に応じて、所定のギヤ段を係合状態にすることで、変速機入力軸で受けた機械的動力を当該ギヤ段により変速し、エンジン2の出力の回転速度(エンジン回転数)やトルク(エンジントルク)等を変化させて変速機出力軸に伝達することができる。
モータジェネレータ4は、車輪7と連結され、駆動することでモータトルクを発生し、発生したモータトルクを車輪7に作用させるものである。このモータジェネレータ4は、最終減速装置5、液圧ブレーキ装置6などを介して車輪7に連結されている。さらに言えば、モータジェネレータ4は、ハイブリッド車両1の動力の伝達系において、クラッチ31を含む変速機3の出力側、すなわち、車輪7側でこの車輪7と連結され、車輪7に作用させるモータトルクを発生可能なものである。モータジェネレータ4は、変速機構32の変速機出力軸に例えばEVギヤ段などを介して連結されこの変速機出力軸に動力を伝達可能に設けられている。ここでモータトルクとは、モータジェネレータ4のモータ出力軸であるロータ軸に生じるトルクである。
具体的には、モータジェネレータ4は、固定子であるステータと回転子であるロータとを備えた、いわゆる回転電機である。モータジェネレータ4は、電力が供給されて回転することによりトルクなどの機械的エネルギを出力する以外に、外力によって強制的に回転させられて起電力を生じるように構成されたものであり、いわゆる永久磁石型交流同期電動機がその一例である。つまり、このモータジェネレータ4は、電気エネルギを機械的動力に変換して出力する電動機であると共に、機械的動力を電気エネルギに変換して回収する発電機でもある。すなわち、モータジェネレータ4は、電力の供給により駆動し電気エネルギを機械エネルギに変換して出力する電動機としての機能(力行機能)と、機械エネルギを電気エネルギに変換する発電機としての機能(回生機能)とを兼ね備えている。
モータジェネレータ4のステータは、バッテリー9からモータ制御装置であるコントローラ8のインバータを介して三相の交流電力の供給を受けて回転磁界を形成するものである。モータジェネレータ4のロータは、ステータが形成する回転磁界に引き付けられて回転するものである。このロータは、モータジェネレータ4の出力軸であるロータ軸と結合され、このロータ軸と一体で回転可能に構成される。モータジェネレータ4は、このロータ軸を介して機械的動力を入出力可能となっている。
また、モータジェネレータ4は、コントローラ8のインバータを介し、充放電可能な二次電池であるバッテリー9と接続されている。モータジェネレータ4は、例えばロータ軸が機械的動力を受けて回転することで回生による発電が可能であり、この発電によって生じた電力は、バッテリー9に蓄えられる。このとき、モータジェネレータ4は、ロータに生じる回転抵抗により、ロータの回転を制動(回生制動)することができる。
コントローラ8は、モータ制御装置であり、インバータなどを含んで構成される。コントローラ8は、モータジェネレータ4に電気的に接続されると共に蓄電装置であるバッテリー9にも電気的に接続されている。つまり、モータジェネレータ4は、このコントローラ8を介してバッテリー9に接続されており、コントローラ8によって制御されて電動機あるいは発電機として動作するように構成されている。また、コントローラ8は、例えば、モータジェネレータ4の正のモータトルクであるモータ出力トルクや発電量、すなわち負のモータトルクであるモータ回生トルクの制御をおこなうための不図示のモータECU(モータ電子制御ユニット)に電気的に接続されている。このモータECUは、マイクロコンピュータを主体にして構成されたものであって、車速や要求駆動力、バッテリー9の充電量、言い換えれば電池残量(残存容量)などの情報を含む蓄電状態SOC(State of Charge)などの入力データおよび予め記憶しているデータを利用して演算を行い、モータジェネレータ4を制御するための指令信号として演算の結果をコントローラ8に出力するように構成されている。
上記のように構成されるモータジェネレータ4は、変速機構32においてEVギヤ段が選択されている状態で、電動機として機能し、すなわち、インバータを含むコントローラ8を介してバッテリー9から電力の供給を受けて駆動することでモータトルク(機械的動力)を発生しロータ軸から出力する(力行機能)。モータジェネレータ4は、ロータ軸から出力されるこの正のモータトルクであるモータ出力トルクを最終減速装置5、液圧ブレーキ装置6などを介して単独あるいはエンジン2のエンジントルクと共に車輪7に作用させることができる。この結果、ハイブリッド車両1は、車輪7の路面との接地面に駆動力[N]が生じ、これにより走行することができる。
これに対して、モータジェネレータ4は、変速機構32においてEVギヤ段が選択されている状態で、発電機として機能し、すなわち、車輪7から最終減速装置5、EVギヤ段などを介してロータ軸が機械的動力を受けて回転することで回生により発電し、ロータ軸に伝達された機械的動力を電力に変換する(回生機能)。そして、モータジェネレータ4は、変換した電力をコントローラ8を介してバッテリー9に蓄える。
このとき、モータジェネレータ4は、ロータ軸に生じる回転抵抗により、ロータ軸にこの回転を制動するモータ回生トルクが生じる(回生制動)。つまり、モータジェネレータ4は、ロータ軸に生じる負のモータトルクであるモータ回生トルクにより、ロータ軸、変速機出力軸、車輪7などの回転部材の回転を制動するができる。この結果、ハイブリッド車両1は、車輪7の路面との接地面に制動力(負の駆動力)が生じ、これにより制動することができる。すなわち、モータジェネレータ4は、回生制動時には、電力の回生により負のモータトルクであるモータ回生トルクを車輪7に作用させ、負の駆動力である制動力をハイブリッド車両1に付与する。
モータECUは、モータジェネレータ4の電動機としての機能(力行機能)と発電機としての機能(回生機能)との切り替え制御やモータジェネレータ4においてロータ軸に発生させるモータトルク(モータ出力トルク、モータ回生トルク)のトルク制御を実行する。モータECUは、例えば、モータジェネレータ4の力行時にバッテリー9からこのモータジェネレータ4に供給される電力量(電力供給量)を制御し、モータジェネレータ4が発生する正のモータトルクであるモータ出力トルクを制御する。また、モータECUは、例えば、モータジェネレータ4の回生時にモータジェネレータ4が発生する負のモータトルクであるモータ回生トルク、言い換えれば、発電量を制御し、モータジェネレータ4からバッテリー9に供給される電力量(充電量)を制御する。
なお、このハイブリッド車両1に適用されるシフトレバー(不図示)のシフトポジションとしては、例えば、ニュートラル、リバース、第1速から第5速及びEV段などがある。
ニュートラルは、変速機3における変速機構32の変速機入力軸と変速機出力軸との間のギヤ段の係合がない状態のシフトポジションであり、変速機入力軸と変速機出力軸との連結を遮断する際に選択されるシフトポジションである。リバースは、後進ギヤ段を係合状態とするシフトポジションであり、少なくともエンジン2によりハイブリッド車両1を後進させる際に選択されるシフトポジションである。
第1速から第5速は、それぞれ第1速ギヤ段から第5速ギヤ段のいずれかを係合状態とするシフトポジションであり、少なくともエンジン2によりハイブリッド車両1を前進させる際に選択されるシフトポジションである。
EV段は、EVギヤ段を係合状態とするシフトポジションであり、モータジェネレータ4によりハイブリッド車両1を走行(前進又は後進)させる際に選択されるシフトポジションである。
また、ハイブリッド車両1は、走行用駆動源としてエンジン2とモータジェネレータ4とを併用又は選択使用することで、様々な車両走行(走行モード)を実現することができる。
ハイブリッド車両1は、例えば、シフトレバー(不図示)のシフトポジションとして、リバース、第1速から第5速のいずれかが選択され、走行用駆動源であるエンジン2とモータジェネレータ4とのうちエンジン2のクランク軸から出力される機械的動力(エンジントルク)のみを車輪7に伝達することで車輪7に駆動力を生じさせるハイブリッド車両1の走行である「エンジン走行」を実現することができる。
この場合、ハイブリッド車両1は、エンジン2を作動させた状態(燃料を燃焼して生じる熱エネルギをトルクなどの機械的エネルギの形で出力する状態)とした上で、シフトレバー(不図示)により選択されたシフトポジションに応じて複数の変速段(ギヤ段)のいずれかを係合状態とする。そして、ハイブリッド車両1は、変速機3のクラッチ31が係合状態となることで、エンジン2のクランク軸から出力される機械的動力(エンジントルク)が車輪7に伝達され、クラッチペダルの踏み込み操作(クラッチ操作)に応じてクラッチ31が解放状態となることで、エンジン2のクランク軸から出力される機械的動力(エンジントルク)の車輪7への伝達が遮断される。
また、ハイブリッド車両1は、この状態、すなわちエンジン2を作動させた状態とし複数の変速段(ギヤ段)のいずれかを係合状態とした上で、EVギヤ段を係合状態とし、例えば、運転者により車輪7に生じることが要求される要求駆動力や、モータジェネレータ4に供給する電力を貯蔵するバッテリー9の蓄電状態SOCに応じてモータジェネレータ4を力行させるようにしてもよい。これにより、ハイブリッド車両1は、エンジン2のクランク軸から出力される機械的動力(エンジントルク)と、モータジェネレータ4のロータ軸から出力される機械的動力(モータトルク)とを統合して車輪7に伝達することで車輪7に駆動力を生じさせるハイブリッド車両1の走行である「HV走行モード」を実現することができる。すなわち、ハイブリッド車両1は、走行用駆動源としてエンジン2とモータジェネレータ4とを併用する「HV走行」を実現することができる。
さらに、ハイブリッド車両1は、シフトレバー(不図示)のシフトポジションとして、EV段が選択され、走行用駆動源であるエンジン2とモータジェネレータ4とのうちモータジェネレータ4から出力される機械的動力(モータトルク)のみを車輪7に伝達することで車輪7に駆動力を生じさせるハイブリッド車両1の走行である「EV走行」を実現することができる。すなわち、運転者は、シフトレバー(不図示)によってシフトポジションとしてEV段を選択することで、任意にハイブリッド車両1のEV走行モードを選択することができる。さらに言えば、このハイブリッド車両1では、マニュアル式のトランスミッションを構成する変速機3にEV走行モードを選択するシフトポジションとしてEV段を有しており、EV走行モードは、運転者のシフト操作によりシフトポジションとしてこのEV段が選択されることで選択され、実現される。
この場合、ハイブリッド車両1は、エンジン2を停止させた状態(燃料を燃焼させずトルクなどの機械的エネルギを出力しない状態)とした上で、変速機3における変速機構32の変速機入力軸と変速機出力軸との間のギヤ段の係合がない状態とし、EVギヤ段を係合状態とする。そして、ハイブリッド車両1は、例えば、運転者により車輪7に生じることが要求される要求駆動力や、モータジェネレータ4に供給する電力を貯蔵するバッテリー9の蓄電状態SOCに応じてモータジェネレータ4を力行させ、モータジェネレータ4のロータ軸から出力される機械的動力(モータトルク)を車輪7に伝達する。
また、ハイブリッド車両1は、EVギヤ段の係合状態において、車輪7から最終減速装置5などを介してモータジェネレータ4のロータ軸に機械的動力が入力され、これにより、モータジェネレータ4が回生により発電し、これに伴ってモータジェネレータ4のロータ軸に生じる機械的動力(負のモータトルク)を車輪7に伝達することで車輪7に制動力(負の駆動力)を生じさせるハイブリッド車両1の走行である「回生走行」を実現することができる。
ところで、このようなハイブリッド車両1では、運転者によりEV段が選択されEV走行モードが選択された状態で、モータジェネレータ4に電力を供給するバッテリー9の電池残量が少なくなることで、モータジェネレータ4のみでのEV走行が維持できなくなるおそれがある。
そこで、本実施形態のハイブリッド車両1が備える車両用制御装置としてのアクセル反力制御装置100は、モータジェネレータ4に電力を供給するバッテリー9の電池残量情報に基づいて、このハイブリッド車両1が備えるアクセルペダル10の反力を設定することで、バッテリー9の電池残量の状態を運転者に知らせて、これにより、例えば、モータジェネレータ4のみでのEV走行の継続が難しい状態であることを運転者に伝達し、エンジン2を用いた走行への移行を促している。
具体的には、本実施形態のアクセル反力制御装置100は、EV走行モード検出装置101と、電池残量検出装置102と、反力発生アクチュエータ103と、反力ECU(反力電子制御ユニット)104とを備える。
ここで、アクセルペダル10は、運転者によるハイブリッド車両1への加速要求操作、言い換えれば駆動要求操作が入力される操作部材である。アクセルペダル10は、運転者からのペダル踏力が入力される踏面部10aを有している。アクセルペダル10は、この踏面部10aがアクセルアーム10bに支持されており、アクセルアーム10bは、軸部10cを中心として回動可能である。なお、このアクセルペダル10は、軸部10cにアクセル開度を検出するアクセル開度センサ(不図示)が設けられている。
EV走行モード検出装置101は、ハイブリッド車両1のEV走行モードを検出するものである。EV走行モード検出装置101は、変速機3、シフトレバー(不図示)のシフトポジションを検出するシフトポジションセンサ(不図示)、モータジェネレータ4などに電気的に接続されている。EV走行モード検出装置101は、例えば、変速機3の変速段(ギヤ段)の係合状態、シフトポジション、モータジェネレータ4の状態などに基づいて、現在のハイブリッド車両1の走行モードがEV走行モードであるか否かを判定し、ハイブリッド車両1のEV走行モードを検出することができる。
電池残量検出装置102は、バッテリー9の電池残量を検出するものである。電池残量検出装置102は、バッテリー9などに電気的に接続されている。電池残量検出装置102は、例えば、バッテリー9からバッテリー9の充電量、言い換えれば電池残量(残存容量)などの情報を含む蓄電状態SOCを取得し、これに基づいて、バッテリー9の電池残量を検出することができる。なお、この電池残量検出装置102は、上述したモータECU(不図示)が兼用されてもよい。
反力発生アクチュエータ103は、アクセルペダル10のアクセルアーム10bに接続され、アクセルペダル10の反力(アクセルペダル反力)を変更できる種々の公知の構造を有するものである。反力発生アクチュエータ103は、例えば、摩擦力を利用してアクセルペダル10に反力を付与することでアクセルペダル10の踏み込み反力を可変設定するものであってもよいし、例えばモータなどを用いてアクセルペダル10に反力を付与することでアクセルペダル10の踏み込み反力を可変設定するものであってもよい。要するに、反力発生アクチュエータ103は、運転者によってアクセルペダル10が踏み込まれた際に、その踏力の方向とは反対方向の力、すなわちアクセルペダル反力をアクセルペダル10に発生させると共に、このアクセルペダル反力を調節可能な構成であればよい。
反力ECU104は、コントローラ8、EV走行モード検出装置101、電池残量検出装置102、反力発生アクチュエータ103などに電気的に接続されており、種々の検出結果に基づいて反力発生アクチュエータ103の駆動を制御するものである。EV走行モード検出装置101、電池残量検出装置102は、上記検出結果をこの反力ECU104に出力している。
具体的には、反力ECU104は、EV走行モード検出装置101、電池残量検出装置102の検出結果に基づいて、反力発生アクチュエータ103の駆動を制御しアクセルペダル10の反力を設定する。反力ECU104は、EV走行モード検出装置101がハイブリッド車両1のEV走行モードを検出している際に、電池残量検出装置102が検出するバッテリー9の電池残量に基づいて、反力発生アクチュエータ103の駆動を制御しアクセルペダル10の反力を設定する。これにより、アクセル反力制御装置100は、バッテリー9の電池残量の状態を運転者に知らせることができる。
反力ECU104は、例えば、電池残量検出装置102が検出するバッテリー9の電池残量が少ない場合には、バッテリー9の電池残量が多い場合と比較して、アクセルペダル反力を相対的に大きく設定するように構成するとよい。例えば、反力ECU104は、電池残量検出装置102が検出するバッテリー9の電池残量が予め設定される所定残量より少ない場合、バッテリー9の電池残量が所定残量以上である場合よりもアクセルペダル反力を相対的に大きく設定するように構成するとよい。これにより、アクセル反力制御装置100は、バッテリー9の電池残量の低下を運転者に知らせることができ、モータジェネレータ4のみでのEV走行の継続が難しい状態であることを運転者に伝達することができ、エンジン2を用いた走行への移行を促すことができる。
また、反力ECU104は、例えば、電池残量検出装置102が検出するバッテリー9の電池残量の変化に応じてアクセルペダル反力を変化させて設定するようにしてもよい。この場合、反力ECU104は、電池残量検出装置102が検出するバッテリー9の電池残量が低下するにしたがってアクセルペダル反力を徐々に大きく設定するよう構成するとよい。これにより、アクセル反力制御装置100は、反力ECU104による電池残量に応じたアクセルペダル反力の設定制御に起因した運転者への違和感を軽減することができ、余裕をもった制御を実行することができるので、安全性を向上することができる。なおこの場合、反力ECU104は、電池残量検出装置102が検出するバッテリー9の電池残量の変化に対してアクセルペダル反力を線形に変化させて設定してもよいし、非線形に変化させて設定してもよい。
また、反力ECU104は、例えば、電池残量検出装置102が検出するバッテリー9の電池残量が所定残量より少ない場合にアクセルペダル10に反力発生アクチュエータ103によるアクセルペダル反力を作用させるようにしてもよい。この場合、バッテリー9の電池残量に対して設定される所定残量は、ハイブリッド車両1のEV走行が可能である下限の電池残量とするとよい。そして、反力ECU104は、電池残量検出装置102が検出するバッテリー9の電池残量が所定残量まで低下した際、すなわち、EV走行が不可能な所定残量の近傍まで低下した際に、反力発生アクチュエータ103の駆動を制御し、運転者によるアクセルペダル10の踏み込み踏力以上のアクセルペダル反力をアクセルペダル10に作用させるとよい。これにより、アクセル反力制御装置100は、モータジェネレータ4のみでのEV走行の継続がほぼ不可能な状態であることを確実に運転者に伝達することができ、エンジン2を用いた走行への移行を促すことができる。
図2は、アクセルペダル反力マップの一例を示す図である。反力ECU104は、例えば、図2のアクセルペダル反力マップに基づいてアクセルペダル反力発生量を求める。このアクセルペダル反力マップは、横軸が電池残量、縦軸がアクセルペダル反力発生量を示す。アクセルペダル反力マップは、電池残量とアクセルペダル反力発生量との関係を記述したものである。アクセルペダル反力マップは、電池残量とアクセルペダル反力発生量との関係が予め設定され、反力ECU104の記憶部に格納されている。この図2に例示するアクセルペダル反力マップでは、アクセルペダル反力発生量は、ハイブリッド車両1のEV走行が可能である下限の電池残量である電池残量S1以下において、運転者によるアクセルペダル10の踏み込み踏力以上のアクセルペダル反力として、反力発生アクチュエータ103が発生可能なアクセルペダル反力の上限値Pmaxに設定されている。また、この図2に例示するアクセルペダル反力マップでは、アクセルペダル反力発生量は、電池残量S1から電池残量S2(S2>S1)までの領域において、電池残量が低下するにしたがって徐々に線形に大きくなるように設定されている。反力ECU104は、EV走行モード検出装置101がハイブリッド車両1のEV走行モードを検出している際には、この図2のアクセルペダル反力マップに基づいて、電池残量検出装置102が検出した電池残量からアクセルペダル反力発生量を求め、算出したアクセルペダル反力発生量に基づいて、反力発生アクチュエータ103の駆動を制御し、電池残量に応じたアクセルペダル反力を設定する。
なお、本実施形態では、反力ECU104は、アクセルペダル反力マップを用いてアクセルペダル反力発生量を求めたが、本実施形態はこれに限定されない。反力ECU104は、例えば、アクセルペダル反力マップに相当する数式に基づいてアクセルペダル反力発生量を求めてもよい。
次に、図3のフローチャートを参照して、本実施形態に係るアクセル反力制御装置100のアクセル反力制御の一例を説明する。なお、これらの制御ルーチンは、数msないし数十ms毎の制御周期で繰り返し実行される。
図3に例示するアクセル反力制御では、まず、アクセル反力制御装置100の反力ECU104は、EV走行モード検出装置101の検出結果に基づいて、現在のハイブリッド車両1の走行モードがEV走行モードであるか否かを判定する(S100)。
反力ECU104は、現在のハイブリッド車両1の走行モードがEV走行モードであると判定した場合(S100:Yes)、電池残量検出装置102の検出結果に基づいて、現在のバッテリー9の電池残量が予め設定された一定閾値(上述の所定残量に相当)以上であるか否かを判定する(S102)。
反力ECU104は、現在のバッテリー9の電池残量が一定閾値未満であると判定した場合(S102:No)、反力発生アクチュエータ103の駆動を制御し、アクセルペダル10に現在のバッテリー9の電池残量に応じたアクセルペダル反力を発生させ(S104)、現在の制御周期を終了し、次の制御周期に移行する。
不図示のECUは、S100にて、反力ECU104により現在のハイブリッド車両1の走行モードがEV走行モードでないと判定された場合(S100:No)、例えば、エンジン2とモータジェネレータ4とを用いた協調制御を実行し、すなわち、HV走行制御を実行し(S106)、現在の制御周期を終了し、次の制御周期に移行する。
不図示のECUは、S102にて、反力ECU104により現在のバッテリー9の電池残量が一定閾値以上であると判定された場合(S102:Yes)、EV走行可能であることからEV走行制御を継続して実行し(S108)、現在の制御周期を終了し、次の制御周期に移行する。
以上で説明した本発明の実施形態に係るアクセル反力制御装置100によれば、走行用駆動源としてモータジェネレータ4を備えたハイブリッド車両1の当該モータジェネレータ4に電力を供給するバッテリー9の電池残量情報に基づいて、このハイブリッド車両1が備えるアクセルペダル10の反力を設定する。したがって、アクセル反力制御装置100は、バッテリー9の電池残量情報に基づいてアクセルペダル反力を設定することで、バッテリー9の電池残量の状態を運転者に知らせることができ、これにより、例えば、モータジェネレータ4のみでのEV走行の継続が難しい状態であることを運転者に伝達することができ、エンジン2を用いた走行への移行を促すことができる。また、アクセル反力制御装置100は、バッテリー9の電池残量情報に基づいてアクセルペダル反力を設定することから、例えば、インジケータを用いた場合のように電池残量の低下に運転者が気づかないことを防止でき、また、例えば、アラームなどを用いた場合のように運転者に煩わしさを与えることを防止できる。
なお、上述した本発明の実施形態に係る車両用制御装置は、上述した実施形態に限定されず、特許請求の範囲に記載された範囲で種々の変更が可能である。例えば、車両用制御装置は、EV走行時以外の走行時に電池残量情報に基づいて、アクセルペダルの反力を設定するようにしてもよい。
また、以上の説明では、車両用制御装置が搭載される車両は、1モータマニュアルトランスミッションハイブリッド車両であるものとして説明したがこれに限らない。
以上のように、本発明に係る車両用制御装置は、電池残量の状態を運転者に知らせることができるものであり、モータを備える車両の車両用制御装置に適用して好適である。
1 ハイブリッド車両(車両)
4 モータジェネレータ(モータ)
9 バッテリー(電池)
10 アクセルペダル
100 アクセル反力制御装置(車両用制御装置)

Claims (1)

  1. 走行用駆動源としてモータを備えた車両の当該モータに電力を供給する電池の電池残量情報に基づいて、当該車両が備えるアクセルペダルの反力を設定することを特徴とする、
    車両用制御装置。
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