JP5228579B2 - 楽音発生装置用の集積回路 - Google Patents

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Description

この発明は、楽音発生装置に用いる集積回路であって、該楽音発生装置の全体を制御するCPUと楽音を生成する音源部とを備える集積回路に関する。
波形メモリ音源を備える楽音発生装置においては、発生すべき楽音を指示する演奏情報が入力されたときに、CPUは、プログラムメモリから波形メモリ音源を制御するための音源制御プログラムをプログラムメモリから読み出して、該読み出した音源制御プログラムを実行することで、音源制御用の各種パラメータを生成する。波形メモリ音源は、該生成された音源制御用の各種パラメータに基づき楽音信号を生成する処理を実行する。すなわち、波形メモリ音源は、波形サンプルデータが記憶された波形メモリから波形サンプルデータを読み出し、該読み出した波形サンプルデータに対応する楽音信号を音源制御用の各種パラメータに基づき生成する。
楽音発生装置に備わる波形メモリ音源の構成として、楽音発生装置全体の動作を制御するCPUと、波形メモリ音源と、その周辺回路、つまり、メモリ(内部RAM)、メモリ入出力インターフェース(メモリI/O)、および通信入出力インターフェース(通信I/O)などを1チップ上に形成した大規模集積回路(音源LSI)があった。この種の音源LSIにおいて、CPUが実行する音源ドライバ処理プログラム等のプログラムと、波形サンプルデータ群とを記憶した外部ROMを用いる(プログラムメモリと波形メモリを1つの外部ROMにまとめる)ことにより、CPUと波形メモリ音源とで該外部ROMを共用することができた。このように、プログラムメモリと波形メモリを1つの外部ROMにまとめることは、楽音発生装置の回路小型化やコスト抑制などの点で有利である。
プログラムと波形サンプルデータとが記憶された外部ROMを接続した音源LSIを備える楽音発生装置においては、CPUは、プログラムを実行すべきときに外部ROMにアクセスし、外部ROMからプログラムを読み出して、該読み出したプログラムを実行する。また、波形メモリ音源は、楽音信号を生成すべきときに外部ROMにアクセスし、サンプリグ周期に従い該外部ROMから波形サンプルを読出して楽音信号を生成する。このような音源LSIにおいて、CPUのパフォーマンスを向上するために、音源LSIに接続されたRAMの容量に応じて部ROMに記憶されたプログラムの一部をRAMに転送し、CPUは、外部ROMにアクセスするバスとは別のバスを介してRAMにアクセスし、該RAMから該プログラムを読み出して実行する、という技術があった(例えば、下記特許文献1を参照)。
特開平11‐202866号公報
しかし、上記特許文献1に示された従来の技術においては、プログラムと波形サンプルデータとが記憶された外部ROMに、CPUと波形メモリ音源との両方がアクセスすることから、両者のアクセスを動的に調停するためのアクセス管理部を設けなければならず、音源LSIの回路構成が複雑になる、という不都合があった。
また、プログラムと波形サンプルデータとが記憶された外部ROMを接続した音源LSIにおいては、CPU及び波形メモリ音源が外部ROMを共用することから、CPU及び波形メモリ音源の何れかの動作に悪影響が生じ、結果として音源LSIの性能を低下させることになる、という不都合があった。例えば、サンプリング周期の時間内で波形メモリ音源が外部ROMにアクセスする回数が多いと、その影響でCPUによる外部ROM上のプログラムの実行速度が低下する。これに対して、CPUによる外部ROM上のプログラム実行速度の低下を抑制するためには、波形メモリ音源による外部ROMへのアクセスを減らさなければならず、その場合には、波形メモリ音源の発音数が減少してしまう。
この発明は、上記の点に鑑みてなされたもので、CPUが実行するプログラムと音源部が使用する音源用データを記憶した外部ROMを接続した集積回路において、簡単な構成でCPU及び音源部の何れの動作性能も低下させないようにした集積回路を提供することを目的とする。
この発明は、楽音発生装置に組み込まれ、第1外部メモリ、及び、第2外部メモリを接続可能な集積回路において、当該集積回路は、プログラムと音源用データとが記憶された第1外部メモリが接続された場合には、更に、プルアップ抵抗が接続される一方、音源用データが記憶された第1外部メモリ及びプログラムが記憶された第2外部メモリが接続された場合には、更にプルダウン抵抗が接続されるものであり、当該集積回路は、前記集積回路および該集積回路が組み込まれた楽音制御装置の動作を制御するためのCPUと、前記第1外部メモリに記憶された音源用データに基づき楽音信号を生成するための音源部と、前記CPUにより、バスを介して、プログラムを含む各種データの書き込み、および前記各種データの読み出しが行われるRAMと、前記CPUによる前記第1外部メモリに対するアクセスを可能にさせる第1選択情報、および前記音源部による前記第1外部メモリに対するアクセスを可能にさせる第2選択情報のいずれか一方を出力する選択情報発生部と、前記第1外部メモリが接続され、前記第1選択情報および前記第2選択情報のいずれか一方に基づき、前記CPUおよび前記音源部のいずれか一方を前記第1外部メモリに対してアクセス可能に接続する第1外部メモリ入出力部と、前記第2外部メモリが接続可能な第2外部メモリ入出力部であって、前記第2外部メモリが接続された場合には、前記CPUを該第2外部メモリに対してアクセス可能にする第2外部メモリ入出力部と、前記プルアップ抵抗が接続された場合は、楽音発生装置の起動時に、前記選択情報発生部から外部メモリ入出力部に第1選択情報を出力させることで、前記CPUによる前記第1外部メモリに対するアクセスを可能にする一方、前記プルダウン抵抗が接続された場合は、楽音発生装置の起動時に、前記選択情報発生部から第1外部メモリに第2選択情報を出力させることで、前記音源部による前記第1外部メモリに対する前記バスを介さない前記第1外部メモリ入出力部経由のアクセスを可能にする第1設定手段と、前記起動時に、前記第1設定手段により前記CPUによる前記第1外部メモリのアクセスが可能となった場合は、前記CPUに、前記第1外部メモリをアクセスさせて、該第1外部メモリに記憶された前記プログラムのうち第1プログラムを第1スタートアドレスから起動させる一方、前記第1設定手段により前記音源部による前記第1外部メモリのアクセスが可能となった場合は、前記CPUに、前記第2外部メモリをアクセスさせて、該第2外部メモリに記憶された前記プログラムのうち第3プログラムを所定のスタートアドレスから起動させる起動制御手段と、前記起動制御手段により前記第1プログラムが起動された場合に、該起動された第1プログラムに基づき、前記第1外部メモリに記憶された前記プログラムのうち第2プログラムを前記RAMに転送し、該RAMに転送された該第2プログラムの第2スタートアドレスから起動する制御を、前記バスを介して、CPUに行わせる転送制御手段と、前記転送制御手段によりRAMに転送され起動された前記第2プログラムに基づき、CPUが、前記選択情報発生部から前記第1外部メモリ入出力部に第2選択情報を出力させることで、音源部による第1外部メモリに対する前記バスを介さない前記第1外部メモリ入出力部経由のアクセスを可能にする第2設定手段と、前記転送制御手段によりRAMに転送され起動された前記第2プログラムに基づいて、楽音発生装置の動作を、前記バスを介して、CPUに制御させる、又は、前記第2外部メモリに記憶されており、前記起動制御手段により起動された前記第3プログラムに基づいて、楽音発生装置の動作をCPUに制御させる動作制御手段とを備える楽音発生装置用の集積回路である。
集積回路にプログラムと音源用データとが記憶された第1外部メモリが接続された場合には更にプルアップ抵抗が接続され、楽音発生装置の起動時には、選択情報発生部から外部メモリ入出力部に第1選択情報を出力させることで、CPUによる第1外部メモリに対するアクセスを可能にし、CPUに第1外部メモリに記憶された第1プログラムを第1スタートアドレスから起動させて、起動された第1プログラムに基づき、第1外部メモリに記憶された第2プログラムをRAMに転送し、該RAMに転送された該第2プログラムの第2スタートアドレスから起動する制御を、前記バスを介して、CPUに行わせて、RAMに転送され起動された第2プログラムに基づき、CPUが選択情報発生部から第1外部メモリ入出力部に第2選択情報を出力させることで音源部による第1外部メモリに対するバスを介さない第1外部メモリ入出力部経由のアクセスを可能にするとともに、RAMに転送され起動された第2プログラムに基づいて、楽音発生装置の動作を、前記バスを介して、CPUに制御させる。一方、集積回路に音源用データが記憶された第1外部メモリ及びプログラムが記憶された第2外部メモリが接続された場合には更にプルダウン抵抗が接続され、楽音発生装置の起動時に、選択情報発生部から第1外部メモリに第2選択情報を出力させることで、音源部による第1外部メモリに対するバスを介さない第1外部メモリ入出力部経由のアクセスを可能にするとともに、CPUに第2外部メモリに記憶された第3プログラムを所定のスタートアドレスから起動させて、起動された第3プログラムに基づいて、楽音発生装置の動作をCPUに制御させる。
この発明によればCPUと音源部のいずれにおいても、動作性能が低下することがなく、最大のパフォーマンスを発揮することができる。また、第1外部メモリ入出力部は、通常のメモリインタフェースに、選択情報に応じて接続先を切り替えるセレクタ機能を付加しただけの簡単な回路構成で実現することができる。従って、この発明によれば、簡単な回路構成で、CPUと音源部のいずれのデバイスも最大のパフォーマンスを発揮することができるようになるという優れた効果を奏する。
以下、添付図面を参照して、この発明の一実施形態について詳細に説明する。この発明に係る集積回路は、電子楽器や楽音発生装置など、該集積回路に含まれる音源部により楽音信号を発生する装置ならば、どのような装置にも適用することができる。以下の実施例では、一例として、この発明に係る集積回路を電子楽器に適用した構成例について述べる。
図1は、この発明に係る集積回路を組み込んだ電子楽器の電子的ハードウェア構成例を示すブロック図である。図1において、符号1は、CPU10と音源部11及びその周辺回路を1つのチップで形成した集積回路(音源LSI)である。符号2は、集積回路(音源LSI)1が組み込まれた電子楽器である。集積回路(音源LSI)1には、例えば音源部11を制御するための音源制御プログラムなど電子楽器2の動作を制御するためにCPU10が実行する複数のプログラムと、音源部11が楽音信号の生成に用いる複数の音源用データとが記憶された外部ROM(「PROGRAM & WAVE ROM」:プログラム及び波形ROM)3が外部接続される。ここで「外部」とは集積回路1に対する外部という意味である。プログラム及び波形ROM3は、読み出し専用の不揮発性メモリ、又は書き換え可能な不揮発性メモリ(フラッシュメモリ)によって構成される。
CPU10は、プログラム及び波形ROM3に記憶されたプログラムを適宜のRAM(後述する内部RAM15又は外部RAM23)に転送し、該転送されたプログラムに基づく処理を実行することで、当該音源LSI1が組み込まれた電子楽器2の動作を制御する。すなわち、CP10は、プログラムによって指示される命令に従い、メモリや入出力部(I/O)などの各種デバイスにアクセスし、該アクセスしたデバイスとの間でデータ信号及びアドレス信号の入出力を行うと共に、CPU10内部でデータ演算を行う。なお、図1においては、CPU10にデータを入力し、またCPU10からデータを出力するためのデータ信号線(両矢印)と、CPU10からアドレス信号を出力するためのアドレス信号線(片方向矢印)とを明確に区別して描いている。
音源部11は、各サンプリング周期毎に複数時分割チャンネル動作を行い、該プログラム及び波形ROM3に記憶された音源用データを用いて楽音信号を生成する処理を行う。この実施例では、プログラム及び波形ROM3は、音源用データとして、例えばPCM符号化形式など従来から知られる適宜の符号化形式で符号化された波形サンプルデータを複数記憶したものとする。従って、音源11の各チャンネルは、該プログラム及び波形ROM3に記憶された波形サンプルデータを読み出して、該読み出した波形サンプルデータに基づいて楽音信号を生成するようになっている。音源部11で生成された楽音信号は、各サンプリング周期毎に音源11の内部で全チャンネル分ミキシングされ、デジタル/アナログ変換部(DAC)7に供給され、該DAC7においてアナログ音響信号に変換される。DAC7により変換されたアナログ音響信号は、アンプ及びスピーカを含んで構成されるサウンドシステム8に供給され、該サウンドシステム8のアンプにおいて増幅され、該増幅後のアナログ音響信号がスピーカから発音される。
プログラム及び波形ROM3は、セレクタ12、ゲート回路13およびセレクト信号発生部(S信号発生部)14からなる外部メモリ入出力部を介して、音源LSI1に接続されており、CPU10及び音源部11のいずれか一方の直接アクセスを選択的に受け付ける。この発明に係る音源LSI1においては、基本的には、セレクト信号発生部14が発生するセレクト信号(選択情報)に基づきセレクタ12が、CPU10および音源部11のいずれか一方を、プログラム及び波形ROM3に対してアクセス可能に接続する点に1つの特徴がある。
セレクト信号発生部14は、セレクタ12に対するセレクト信号(選択情報)を発生する選択情報発生部である。セレクト信号は、CPU10をプログラム及び波形ROM3に対してアクセス可能に接続するセレクタ12の設定、および音源部11をプログラム及び波形ROM3に対してアクセス可能に接続するセレクタ12の設定のいずれか一方に切り替えるための2値の信号(2進数で表現すると「0」又は「1」)である。この実施例では、セレクタ12にCPU10を選択させるセレクト信号(第1選択情報)を「1」とし、セレクタ12に音源部11を選択させるセレクト信号(第2選択情報)を「0」とする。セレクト信号発生部14の出力信号はゲート回路13に入力される。セレクト信号発生部14には、電子楽器2の起動時の初期値として、セレクタ12にCPU10を選択させるセレクト信号「1」が設定されている。CPU10は、後述するセレクタ切り替え処理において、セレクト信号発生部14にアクセスし、セレクト信号発生部14が発生するセレクト信号を、セレクト信号「1」から、セレクタ12に音源部11を選択させるセレクト信号「0」に切り替える。
ゲート回路13において、一方の入力にはセレクト信号発生部14の出力が接続され、もう一方の入力にはプルアップ抵抗(Pull Up抵抗)25が接続される。ゲート回路13は、プルアップ抵抗25によりプルアップされることで、「ゲートが開いた」状態となる。「ゲートが開いた」状態では、セレクト信号発生部14から供給されたセレクト信号は、ゲート回路13を通って、セレクタ12に入力される。つまり、セレクト信号発生部14からセレクト信号「1」が出力されたときには、セレクト信号「1」がセレクタ12に入力され、セレクト信号「0」が出力されたときには、セレクト信号「0」がセレクタ12に入力される。
これに対して、ゲート回路13にプルダウン抵抗を接続した場合、ゲート回路13は「閉じた状態」となり、セレクト信号発生部14から供給されたセレクト信号はゲート回路13から出力されず、従ってセレクタ12に入力されない。この場合には、セレクト信号発生部14の出力信号が「1」又は「0」のいずれであっても、セレクタ12に入力されるゲート回路13の出力信号は、セレクタ12に音源部11を選択させるセレクト信号「0」となる。後述する通り、電子楽器2の機種グレードが上位機種の場合など、プログラム及び波形ROM3にCPU10がアクセスする必要のない構成では、ゲート回路13にプルダウン抵抗を接続して、ゲート回路13を「閉じる」。
セレクタ12は、ゲート回路13から供給されたセレクト信号が設定され、該設定されたセレクト信号に基づき、CPU10及び音源部11のいずれか一方を外部のプログラム及び波形ROM3に対するアクセス可能に接続するメモリインタフェースである。セレクタ12に設定されたセレクト信号が「1」のときは、CPU10がプログラム及び波形ROM3にアクセス可能に接続され、セレクタ12に設定されたセレクト信号が「0」のときは、音源部11がプログラム及び波形ROM3にアクセス可能に接続される。
セレクタ12は、CPU10及び音源部11のいずれか一方をプログラム及び波形ROM3の接続相手に選択する機構のほかは、従来から知られるメモリインタフェースと同様な動作、つまり、CPU10及び音源部11のいずれか一方から与えられたチップセレクト信号をデコード線(片方向矢印)を介してプログラム及び波形ROM3に出力し、また、CPU10及び音源部11のいずれか一方とプログラム及び波形ROM3との間でのデータ入出力を仲介する動作を行う。なお、プログラムやデータの入出力は、データ及びアドレス信号線(両矢印)を通じて行われる。
音源LSI1には、上述したCPU10と、音源部11と、セレクタ12、ゲート13およびセレクト信号発生部14からなる外部メモリ入出力部のほかに、内部RAM15と、外部バスライン22に接続された外部バス入出力インターフェース(外部バスI/O)16と、表示器4に接続された表示データ入出力インターフェース(表示I/O)17と、操作子5に接続された操作子操作データ入出力インターフェース(操作子I/O)18と、MIDI端子6に接続されたMIDIデータ入出力インターフェース(MIDI I/O)19と、アドレスデコーダ20が備わる。音源部11、セレクタ12、セレクト信号発生部14、内部RAM15、外部バスI/O16、表示I/O17、操作子I/O18、およびMIDI I/O19は、内部バスライン21を介して、CPU10に対して接続されており、CPU10と各デバイスの間でデータ信号を入出力することができ、また、CPU10から出力されたアドレス信号を各デバイスで受け取ることができる。
アドレスデコーダ20の入力には、CPU10のアドレス信号線が接続されている。アドレス信号は、アドレス空間をコード化した信号であって、その上位ビットによりCPU10のアクセス対象のデバイスを特定する。アドレスデコーダ19の出力は、音源部11、セレクタ12、セレクト信号発生部14、内部RAM15、外部バスI/O16、表示I/O17、操作子I/O18、およびMIDI I/O19の各デバイスに対して、デコード線により接続されている。アドレスデコーダ20は、CPU10より出力されたアドレス信号をデコードして、該該アドレス信号の上位ビットによって指定された何れか1つのデバイスにチップセレクト信号を出力することで、CPU10による該指定されたデバイスに対するアクセスを有効にする。アドレスデコーダ20とデコード線で接続された各デバイスは、アドレスデコーダ20から出力されたチップセレクト信号が与えられると、CPU10の命令に基づくプログラムやデータの読み出しや書き込みなど、CPU10の制御による動作を行える状態になる。
内部RAM15は内部バスライン21に接続されたRAMであり、読み書き可能な半導体メモリによって構成される。CPU10は、内部RAM15にアクセスし、プログラム及び波形ROM3から当該内部RAM15に転送されたプログラムを実行し、また、該プログラムに関連する各種データを内部RAM15に書き込んだり、あるいは内部RAM15に格納された各種データを読み出したりする。また、内部RAM15は、CPU10によりワークエリアとして利用される。
また、音源LSI1には、外部バスI/O16を介して外部バスライン22に接続された外部RAM23が接続される。音源LSI1に外部RAM23を接続することで、CPU10は、外部RAM23を内部RAM15と同様に利用することができ、音源LSI1のメモリ容量を拡張することができる。CPU10が外部RAM23にアクセスするときには、CPU10から出力された外部RAM23に対するアドレス信号がアドレスデコーダ20でデコードされ、アドレスデコーダ20から外部バスI/O16にチップセレクト信号が出力され、該外部バスI/O16から外部バスライン22上の外部RAM23に該チップセレクト信号が入力される。CP10と外部RAM23との間でのデータ信号及びアドレス信号の入出力は、外部バスI/O16を通じて行うので、CPU10による外部RAM23へのアクセス速度は内部RAM15へのアクセス速度よりも遅い。
更に、図1において点線で示す通り、音源LSI1には、外部バスライン22を介して、電子楽器2の動作を制御するための各種プログラムを記憶したプログラムROM(Program ROM)24を接続することができる。プログラムROM24を接続することで、CPU10は、プログラムROM24のプログラムを読み出し、該読み出したプログラムを実行することができる。プログラム及び波形ROM3とは別に、プログラムや音色データ等のCPU10がアクセスし、音源部11がアクセスしないデータを記憶したプログラムROM24を設けることで、CPU10は、音源部11の動作状況に係りなく常時プログラムROM24にアクセスできるようになるので、CPU10の処理パフォーマンスの向上を図ることができる。なお、プログラムROM24を接続すると、ROM登載数が増える分だけコストが高くなる。プログラムROM24は、例えば電子楽器2の機種グレートが上位機種のときの性能を高めるためのオプションである。
また、表示I/O17は、CPU10の命令に基づき、電子楽器2に備わる表示器4の表示制御に関するデータを入出力するためのパラレル通信インターフェースである。表示器4は、例えば電子楽器2のパネルに配置された液晶ディスプレイによって構成され、表示I/O17から供給された制御データに基づき各種情報を画面に表示する。
操作子I/O18に接続された操作子5は、電子楽器2のパネルに配置された各種パラメータの値を設定するためのスイッチ等を含むパネル操作子や、演奏者が演奏情報を入力するため演奏操作子(鍵盤など)である。操作子I/O18は、CPU10の命令に基づき、操作子5の操作状態をスキャンして、パラメータの設定値データや、ノートオンイベント等の演奏情報など、操作子5の操作に応じた各種データを音源LSI1に入力するためのパラレル通信インターフェースである。
また、MIDI端子6は、電子楽器2とMIDI(Musical Instrument Digital Interface)規格に準拠した外部MIDI機器(図示しない)を接続するための端子である。MIDI I/O19は、CPU10の命令に基づき、MIDI端子6に接続された外部MIDI機器(図示しない)から入力されるMIDIデータを音源LSI1に入力し、また、音源LSI1内で生成されたMIDIデータをMIDI端子6に接続された外部MIDI機器(図示しない)へ出力するためのシリアル通信インターフェースである。
図2は、図1に示す電子楽器2の機種グレードに応じた装置構成の違いを説明する図である。(a)は下位機種、(b)は中位機種、(c)は上位機種をそれぞれ示す。下位機種、中位機種、及び上位機種という機種グレードに応じた装置構成の違いは、音源LSI1に対して外部バスライン22を介して接続される外部メモリの構成(数)の違いにある。
図2(a)に示す通り、電子楽器2が下位機種の場合には、音源LSI(集積回路)1には、プログラム及び波形ROM3のみが、外部メモリとして接続される。この場合、音源LSI1内のゲート回路13にはプルアップ抵抗25が接続される(図1参照)。CPU10が処理の実行に使用するメモリは、音源LSI1内の内部RAM15のみである。
また、(b)に示す通り、電子楽器2が中位機種の場合には、音源LSI1には、プログラム及び波形ROM3と外部RAM23が外部メモリとして接続される。外部RAM23は、図2(b)では省略した外部バスライン22に接続されている(図1参照)。この場合、音源LSI1内のゲート回路13にはプルアップ抵抗25が接続される(図1参照)。CPU10は処理の実行に使用するメモリとして、音源LSI1内の内部RAM15に加えて、外部RAM23を使用することができる。CPU10は、実行する各種プログラムや音色データなどの各種データを内部RAM15ないし外部RAM23に格納する。前述の通り、CPU10による外部RAM23へのアクセス速度は、内部RAM15へのアクセス速度よりも遅いので、使用頻度の高いプログラム及びデータは内部RAM15に格納するとよい。
また、(c)に示す通り、電子楽器2が上位機種の場合には、音源LSI1には、プログラム及び波形ROM3、外部バスライン22に接続された外部RAM23、およびプログラムROM24が外部メモリとして接続される。プログラムROM24は、プログラム専用のROMであり、図2(a)ないし(b)においてプログラム及び波形ROM3に記憶されている複数のプログラムと同様な、電子楽器2の動作を制御するためにCPU10が実行する複数のプログラムが記憶されている。この場合、プログラム及び波形ROM3は、CPU10が実行するプログラムを記憶する必要はなく、音源部11が使用する音源用データのみを記憶すれば良い。また、図1における音源LSI1内のゲート回路13には、プルアップ抵抗25ではなく、プルダウン抵抗が接続される。ゲート回路13にプルダウン抵抗が接続されることでゲート回路13が閉じるので、信号発生部14の出力信号が「1」又は「0」のいずれであっても、セレクタ12に入力されるゲート回路13の出力信号は、「0」である。よって、この場合には、セレクタ12は、常に音源部11をプログラム及び波形ROM3に対するアクセス可能に接続する。
なお、ゲート回路13にプルアップ抵抗25又はプルダウン抵抗のいずれが接続されるかは、電子楽器2の設計時に、上記図2(a)〜(c)のいずれの構成(機種グレード)を採用するか、言い換えれば、CPU10がプログラム及び波形ROM3にアクセスする必要があるかどうかにより固定的に決まるものであり、ユーザが設定するものではないことに留意されたい。また、ゲート回路13に接続されたプルアップ抵抗25又はプルダウン抵抗は、ゲート回路の開閉状態を開又は閉のいずれかに固定的に決定する手段でありさえすればよいので、プルアップ抵抗25又はプルダウン抵抗に限らず、その他適宜のゲート制御手段によって構成されてもよい。
図3は、図2(a)の下位機種又は(b)の中位機種において、電子楽器2の起動時(電源投入時)にCPU10が実行する電子楽器2の動作を制御するための処理の手順の一例を示すフローチャートである。
セレクト信号発生部14は、電子楽器2の起動時に、セレクタ12にCPU10を選択させるセレクト信号「1」を出力するよう設計されている。下位機種又は中位機種ではゲート回路13にプルアップ抵抗25が接続されているので、ゲート回路13は「ゲートが開いた状態」である。従って、セレクト信号発生部14からセレクト信号「1」が出力されると、該出力されたセレクト信号「1」がゲート回路13を介してセレクタ12に供給される。セレクタ12では、セレクト信号発生部14からのセレクト信号「1」に応じて、プログラム及び波形ROM3に対してCPU10がアクセス可能に接続された状態で動作を開始する。動作を開始したCPU10がプログラム及び波形ROM3に対するアドレス信号を出力すると、アドレスデコーダ20からセレクタ12を経由してプログラム及び波形ROM3へ、プログラム及び波形ROM3に対するチップセレクト信号が出力され、CPU10によるプログラム及び波形ROM3に対するアクセスが有効になる。よって、CPU10は、該セレクタ12を介してプログラム及び波形ROM3にアクセスし、該プログラム及び波形ROM3に記憶されたブートローダプログラムの所定のスタートアドレスから該ブートローダプログラムを起動する。
ここで、図1において、アドレスデコータ20とセレクタ12を結ぶデコード線は、接続点26から外部バスI/O16に分岐するデコード線が出ていることに留意されたい。この分岐線(デコード線)は、後述する上位機種の構成(プログラム専用のプログラムROM24を外部バスI/O16に接続した構成)の場合に、外部バスI/O16経由でプログラムROM24に対するチップセレクト信号を供給するラインである。この分岐線上にはゲート回路27が設けられている。ゲート回路27には、セレクタ12の前段に設けられたゲート回路13の出力信号がゲート制御信号として供給される。ゲート回路27は、セレクト信号「1」が供給されたときに「ゲートが閉じた状態」となり、デコード線から入力されたチップセレクト信号を後段に出力しない。よって、セレクタ12でCPU10が選択されているときには、セレクト信号「1」がゲート回路27に供給されるので、アドレスデコータ20から出力されたチップセレクト信号が外部バスI/O16に供給されないようになっている。
起動時の処理(ブートローダプログラム)のステップS2において、CPU10は、該プログラム及び波形ROM3に記憶された各種プログラムを内部RAM15又は外部RAM23に転送するための設定を行う。そして、ステップS3において、CPU10は、前記ステップS2における各種プログラムの転送設定に基づき、該各種プログラムをプログラム及び波形ROM3から、それぞれの転送先に設定された内部RAM15又は外部RAM23に転送する。
ここで転送される各種プログラムは、電子楽器2の動作を制御するためのプログラム(プログラム本体部)である。これらプログラム本体部の転送先は、ブートローダプログラムによって指定される。外部RAM23を持たない下位機種では、プログラム及び波形ROM3に記憶されたプログラム本体部は全て内部RAM15に転送される。内部RAM15と外部RAM23を備える中位機種では、内部RAM15と外部RAM23のいずれか一方にプログラム本体部が転送されてもよいし、プログラム本体部を内部RAM15と外部RAM23に分散して転送してもよい。例えば、使用頻度の高いプログラムを内部RAM15に転送し、使用頻度の相対的に低いプログラムを外部RAM23に転送するとよい。
プログラムの転送が実行された後、CPU10は、ブートローダプログラムに記述されたジャンプ先アドレスの指定を含むジャンプ命令及に基づき、内部RAM15又は外部RAM23に転送されたプログラム本体部の所定のスタートアドレスにジャンプする(ステップS4)。これにより、CPU10は、ジャンプ先の内部RAM15又は外部RAM23の所定のスタートアドレスから転送されたプログラム(プログラム本体部)を実行することができる。
図4は、前記図3のステップS4に示す「ジャンプ」後に、CPU10が実行する処理の手順一例を示すフローチャートである。この処理は、CPU10が前記図3のステップS3により内部RAM15又は外部RAM23に転送されたプログラム(プログラム本体部)に基づいて実行する処理であって、電子楽器2の動作を制御するためのメイン処理である。ステップS5において、CPU10は、セレクト信号発生部14にアクセスし、該セレクト信号発生部14の発生するセレクト信号を、セレクタ12に音源部11を選択させるためのセレクト信号「0」に切り替える制御を行う。図1においてアドレスデコーダ20とセレクト信号発生部14を接続するデコーダ線は、該ステップS5においてCPU10がセレクト信号発生部14にアクセスするためのものである。CPU10の制御によりセレクト信号発生部14から出力されたセレクト信号「0」は、ゲート回路13を介してセレクタ12に供給され、セレクタ12に書き込まれる。これにより、セレクタ12は、音源部11をプログラム及び波形ROM3に対してアクセス可能に接続する。これ以降、音源部11からセレクタ12経由でプログラム及び波形ROM3にチップセレクト信号が出力されると、プログラム及び波形ROM3に対する音源部11のアクセスが有効になる。従って、音源部11は、CPU10の動作状況に係りなく、プログラム及び波形ROM3にアクセスして、該プログラム及び波形ROM3に記憶された波形サンプルデータを読み出すことができる。
一方、CPU10は、該ステップS5の「セレクタ切り替え処理」以後、プログラム及び波形ROM3にアクセスできなくなる。電子楽器2の動作に必要なプログラム本体部は、既に、内部RAM15又は外部RAM23に転送されているので、CPU10はプログラム及び波形ROM3にアクセスする必要がない。
ステップS6において、CPU10は電子楽器2の初期設定を行う。ここで行う初期設定は、電子楽器において一般的に行われる初期設定であって、内部RAM15乃至外部RAM23に電子楽器2の制御に用いるワークエリアを確保するとともに、音源部11、表示I/O17、表示器4、操作子I/O18、MIDI I/O19、外部バスI/O16等の動作の初期設定を行い、電子楽器4の通常の動作を開始するための準備を行う。例えば、音源部11の初期設定では、全ての発音チャンネルをノートオフするなどの動作を行う。ここで行う初期設定の一部ないし全部を、図3のステップS1で行うようにしてもよい。その後、CPU10は、ステップS7〜S9の処理を繰り返すことで、鍵盤における押鍵又は離鍵(ノートオン又はノートオフ)操作やパネルスイッチの操作など操作子5から入力された操作イベントを操作子I/Oで検出するか、又は、MIDI端子6から入力されるMIDIイベントデータをMIDI I/Oで検出するイベント検出処理を行い(ステップS7)、前記ステップS7においてイベントが検出された場合(ステップS8のYES)には、該検出されたイベントに応じた処理を、内部RAM15又は外部RAM23に格納されたプログラムに基づいて実行する(ステップS9)。ここでイベントに応じて実行される処理には、例えば、パネルスイッチの操作に応じて複数の音色データの中から発音に用いる音色を選択する処理、パネルスイッチの操作に応じて音色データを編集保存する処理、鍵盤の操作イベントや外部から入力するMIDIイベントに応じて音源11の発音チャンネルを制御する処理などが含まれる。これにより、CPU10は、内部RAM15又は外部RAM23に転送されたプログラムに基づき、当該音源LSI(集積回路)1が組み込まれた電子楽器2の動作を制御する。
図2(c)の上位機種の電子楽器2の起動時(電源投入時)にCPU10が実行する処理の手順の一例を、図5のフローチャートに示す。図5のステップ10〜S13は、前記図4のステップS6〜S9と同様の処理である。図2(c)の上位機種の構成によれば、電子楽器2の制御に必要な各種プログラムを記憶したプログラムROM24が、外部バスライン22を介して音源LSI1に外部接続されているので、CPU10は、このプログラムROM24に常時アクセスすることができる。このような構成の上位機種において電子楽器2の起動時には、セレクト信号発生部14からセレクト信号「1」が出力されるが、上述の通り、ゲート回路13にプルダウン抵抗が接続されて、ゲートが「閉じた状態」であるため、ゲート回路13は、セレクト信号「1」を出力せずに、セレクト信号「0」をセレクタ12に出力する。ここで、ゲート回路13からセレクト信号「0」が出力されるので、アドレスデコータ20と外部バスI/O16を結ぶデコード線上のゲート回路27には、ゲート制御信号として、セレクト信号「0」が供給され、ゲート回路27が「開いた状態」となる。よって、CPU10によるブートプログラムへのアクセス命令がアドレスデコータ20から外部バスI/O16へ出力され、CPU10は、プログラムROM24にアクセスし、該プログラムROM24に記憶されたブートローダプログラムの所定のスタートアドレスから起動される。このとき、セレクタ12にはセレクト信号「0」が設定されているので、CPU10は、プログラム及び波形ROM3にアクセスすることはできない。
CPU10は、プログラムROM24に記憶されたブートローダプログラムの所定のスタートアドレスから起動し、該ブートローダプログラムに基づき、ステップS10の初期設定を行った後、S11〜S13により電子楽器2の動作の制御を行う。前記ステップS10の初期設定には、電子楽器2の動作を制御するためのプログラム(プログラム本体部)を、内部RAM15、および外部RAM23の少なくともいずれか一方に転送する処理が含まれてよく、CPU10は内部RAM15、又は外部RAM23からプログラム本体部に基づく処理(S11〜S13の動作)を実行してよい。
このように、上位機種の電子楽器2においては、CPU10は、プログラムROM24からプログラムを実行するので、前記図3のステップS1、および、前記図4のステップS5の処理によって実現されるセレクタ12の設定の切り替え(プログラム及び波形ROM3に対するアクセス主の切り替え)制御を、ステップS10の初期設定に先行して実行する必要はない。また、セレクタ12には、セレクト信号「0」が設定されているので、音源部11は、CPU10の動作状況に係りなく、セレクタ12を介してプログラム及び波形ROM3にアクセスすることができる。
最後に、鍵盤(操作子5)の押鍵操作によるノートオンイベント、又は、外部から入力されたMIDIのノートオンイベントにより楽音の発音が指示されたときの動作の一例について簡単に説明する。ノートナンバが示す音高でベロシティが示す強度の楽音の発音開始を指示する演奏情報(ノートオンイベント)が入力されたときに、CPU10は、音源部11を制御するための音源制御プログラムを実行する(前記図4のステップS9又は図5のステップS13)ことにより、音源部11に備わる複数の発音チャンネルの1ないし複数にその楽音の発音を割り当て、当該ノートオンに係るノートナンバとベロシティ、および、現在選択されている音色データに基づいて、割り当てた発音チャンネルに対し、楽音信号の生成に用いる波形サンプルデータを示すアドレス情報、ピッチを制御するFナンバ(アドレス進行速度)、音色制御エンベロープの波形形状を示すパラメータ、音量制御エンベロープの波形形状を示すパラメータ等の各種パラメータを設定し、割り当てた発音チャンネルに発音開始を指示して楽音を生成する動作を開始させる処理を行う。
音源部11内の各ブロックは、各サンプリング周期の各発音チャンネルのチャンネルタイミングで、発音チャンネル毎に設定された音源制御用の各種パラメータに基づき、当該発音チャンネルの楽音信号生成処理を実行する。すなわち、音源部11は、各発音チャンネル毎の波形サンプルデータの読み出しアドレスを生成し、該生成した読み出しアドレス信号に従ってプログラム及び波形ROM3にアクセスし、該アドレス信号により指定されたアドレス値の波形サンプルデータをプログラム及び波形ROM3から読み出し、該読み出した波形サンプルデータを適宜サンプル補間する。ピッチ非同期方式の読み出しアドレス信号の発生方式によれば、発音指示された音高に対応するFナンバを一定のクロックの周期で累算し、その累積値の整数部を波形メモリの読み出しアドレス信号として利用し、その小数部を読み出した波形サンプルデータのサンプル補間演算に利用する。音源部11は、各発音チャンネルの前記補間処理後の波形サンプルデータに対して、音色制御エンベロープによる音色の時間変化や音量制御エンベロープによる音量の時間変化を付与して当該発音チャンネルの楽音信号を生成し、生成された楽音信号を複数発音チャンネル分ミキシングし、さらに、エフェクト付与処理等を施すことにより、音源部11はサンプリング周期ごとの出力楽音信号を形成する。音源部11で形成された出力楽音信号は、デジタル/アナログ変換部(DAC)7に供給され、該DAC7においてアナログ音響信号に変換される。DAC7により変換されたアナログ音響信号は、アンプ及びスピーカを含んで構成されるサウンドシステム8に供給され、該サウンドシステム8のアンプにおいて増幅され、該増幅後のアナログ音響信号がスピーカから発音される。
上記音源部11が楽音信号を生成するためにプログラム及び波形ROM3にアクセスするときには、音源部11だけがプログラム及び波形ROM3にアクセスするようになっており、CPU10は内部RAM15又は外部RAM23からプログラムを実行する(前記図4のステップS9又は図5のステップS13)。したがって、本発明によれば、CPU10と音源部11とでプログラム及び波形ROM3を共用する構成(プログラムと音源用データを共通のROMに記憶させる構成)であっても、CPU10及び音源部11のいずれのデバイスにおいても、パフォーマンスの低下等の動作への悪影響が生じることない。
以上説明した通り、この発明によれば、CPU10が実行するプログラムと、音源部11が楽音信号の生成に用いる音源用データ(波形サンプルデータ)とを記憶したプログラム及び波形ROM3を接続した構成の音源LSI1において、CPU10及び音源部11のいずれにおいても、パフォーマンスの低下等の動作への悪影響が生じることなく、最小の資源で最大の効果を上げることができる。また、プログラム及び波形ROM3と、CPU10及び音源部11を接続するインターフェースが、セレクタ12、ゲート回路13およびセレクト信号発生部14からなる外部メモリ入出力部によって構成される。これは、通常のメモリI/Oにセレクタ機能を加えただけの簡単な構成により実現することができる。また、プログラム及び波形ROM3に対するCPU10及び音源部11のアクセス制御は、セレクタ12に設定されたセレクト信号の値を切り替えるだけのシンプルな制御により実現でき、アクセスの動的調停など複雑なアクセス管理は一切不要である。
このように、この発明の音源LSI1によれば、プログラムと音源用データを共通のプログラム及び波形ROM3に記憶させるという資源を節約した構成において、CPU10と音源部11のいずれのデバイスも最大のパフォーマンスを発揮することができる音源LSI(集積回路)1を簡単な構成で提供することができるという優れた効果を奏する。
なお、上記図1又は図2において外部バスライン22に接続される外部RAM23を1つしか描いていないが、外部RAM23は複数個接続されてよい。
なお、上記実施例では、この発明に係る集積回路(音源LSI)1が電子楽器2に組み込まれる構成例について説明したが、集積回路(音源LSI)1が組み込まれる装置は、演奏者が操作する演奏操作子(鍵盤等)を備えた電子楽器に限らず、集積回路(音源LSI)1に登載された音源部11を用いて楽音信号を生成するする装置であれば、例えば音源モジュールなど、従来から知られる適宜の楽音発生装置であってよい。
この発明の一実施形態に係る集積回路を組み込んだ電子楽器の電気的構成の一例を示すブロック図。 図1の電子楽器の機種グレードに応じた外部メモリの構成の違いを説明する図であって、(a)は下位機種、(b)は中位機種、(c)は上位機種。 下位機種、または中位機種の電子楽器の起動時にCPU10が実行する処理の手順の一例を示すフローチャート。 前記図3の処理の後に、下位機種、または中位機種の電子楽器のCPU10が実行するメイン処理の手順の一例を示すフローチャート。 上位機種の電子楽器においてCPU10が実行する処理の手順の一例を示すフローチャート。
符号の説明
1 集積回路、2 電子楽器、3 プログラム及び波形ROM(外部メモリ)、4 表示器、5 操作子、6 MIDI端子、7 DCA、8 サウンドシステム、10 CPU、11 音源部、12 セレクタ、13 ゲート回路、14 セレクト信号発生部、15 内部RAM、16 外部バスI/O、17 表示I/O、18 操作子I/O、19MIDI I/O、20 アドレスデコーダ、21 内部バスライン、22 外部バスライン、23 外部RAM、24 プログラムROM

Claims (2)

  1. 楽音発生装置に組み込まれ、第1外部メモリ、及び、第2外部メモリを接続可能な集積回路において、
    当該集積回路は、プログラムと音源用データとが記憶された第1外部メモリが接続された場合には、更に、プルアップ抵抗が接続される一方、音源用データが記憶された第1外部メモリ及びプログラムが記憶された第2外部メモリが接続された場合には、更にプルダウン抵抗が接続されるものであり、
    当該集積回路は、
    前記集積回路および該集積回路が組み込まれた楽音制御装置の動作を制御するためのCPUと、
    前記第1外部メモリに記憶された音源用データに基づき楽音信号を生成するための音源部と、
    前記CPUにより、バスを介して、プログラムを含む各種データの書き込み、および前記各種データの読み出しが行われるRAMと、
    前記CPUによる前記第1外部メモリに対するアクセスを可能にさせる第1選択情報、および前記音源部による前記第1外部メモリに対するアクセスを可能にさせる第2選択情報のいずれか一方を出力する選択情報発生部と、
    前記第1外部メモリが接続され、前記第1選択情報および前記第2選択情報のいずれか一方に基づき、前記CPUおよび前記音源部のいずれか一方を前記第1外部メモリに対してアクセス可能に接続する第1外部メモリ入出力部と、
    前記第2外部メモリが接続可能な第2外部メモリ入出力部であって、前記第2外部メモリが接続された場合には、前記CPUを該第2外部メモリに対してアクセス可能にする第2外部メモリ入出力部と、
    前記プルアップ抵抗が接続された場合は、楽音発生装置の起動時に、前記選択情報発生部から外部メモリ入出力部に第1選択情報を出力させることで、前記CPUによる前記第1外部メモリに対するアクセスを可能にする一方、前記プルダウン抵抗が接続された場合は、楽音発生装置の起動時に、前記選択情報発生部から第1外部メモリに第2選択情報を出力させることで、前記音源部による前記第1外部メモリに対する前記バスを介さない前記第1外部メモリ入出力部経由のアクセスを可能にする第1設定手段と、
    前記起動時に、前記第1設定手段により前記CPUによる前記第1外部メモリのアクセスが可能となった場合は、前記CPUに、前記第1外部メモリをアクセスさせて、該第1外部メモリに記憶された前記プログラムのうち第1プログラムを第1スタートアドレスから起動させる一方、前記第1設定手段により前記音源部による前記第1外部メモリのアクセスが可能となった場合は、前記CPUに、前記第2外部メモリをアクセスさせて、該第2外部メモリに記憶された前記プログラムのうち第3プログラムを所定のスタートアドレスから起動させる起動制御手段と、
    前記起動制御手段により前記第1プログラムが起動された場合に、該起動された第1プログラムに基づき、前記第1外部メモリに記憶された前記プログラムのうち第2プログラムを前記RAMに転送し、該RAMに転送された該第2プログラムの第2スタートアドレスから起動する制御を、前記バスを介して、CPUに行わせる転送制御手段と、
    前記転送制御手段によりRAMに転送され起動された前記第2プログラムに基づき、CPUが、前記選択情報発生部から前記第1外部メモリ入出力部に第2選択情報を出力させることで、音源部による第1外部メモリに対する前記バスを介さない前記第1外部メモリ入出力部経由のアクセスを可能にする第2設定手段と、
    前記転送制御手段によりRAMに転送され起動された前記第2プログラムに基づいて、楽音発生装置の動作を、前記バスを介して、CPUに制御させる、又は、前記第2外部メモリに記憶されており、前記起動制御手段により起動された前記第3プログラムに基づいて、楽音発生装置の動作をCPUに制御させる動作制御手段と
    を備える楽音発生装置用の集積回路。
  2. 前記RAMは、集積回路の内部に備わる内部RAM、および該集積回路に対して外部接続された外部RAMの少なくともいずれか一方であることを特徴とする請求項1に記載の楽音発生装置用の集積回路。
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