JP4082313B2 - 音源装置及びプログラム - Google Patents
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Description
ところで、これらの処理の中で、楽音信号生成の制御については、処理負荷が大きいものの、発音指示後遅滞無く行う必要があるため、制御部に楽音信号の生成を制御するための専用のCPUを設けることも行われている。
従って、共有メモリからのデータの読み出しに時間がかかり、主CPUが副CPUと共用するデータを使用する処理を迅速に行うことができないという問題があった。
この発明は、このような問題を解決し、音源装置において、装置の全体的な制御を行う処理手段が、音源部における楽音信号生成の制御を行う処理手段と共用するデータを使用する処理を、迅速に実行できるようにすることを目的とする。
まず、この発明の実施形態である音源装置の構成について説明する。図1は、その音源装置の構成を示すブロック図である。
この音源装置は、ユーザによる操作あるいは外部機器からのコマンドに応じて楽音を出力する装置であり、図1に示すように、主制御部10と音源部20とを備え、これらを内部通信回路30によって接続して構成している。
また、音源部20は、波形データメモリ21,副RAM22,副CPU23,音源回路24,サウンドシステム25,通信バス26を備え、主制御部10からの指示に従って楽音を出力する機能を有する。
内部通信回路30は、主制御部10と音源部20との間でデータ通信を行うためのユニットであり、これらの間でシリアル通信によるデータ通信を可能にしている。
まず、主制御部10の主ROM11は、不揮発性の記憶手段であり、主CPU13が実行する制御プログラム、副CPU23が実行する制御プログラムである副CPU用プログラム、各音色の音色データの初期設定値である音色データバンク等を記憶している。この主ROM11は、EPROM等の書き換え可能な記憶手段によって構成し、プログラムのアップデートや編集後の音色データのセーブを行うことができるようにするとよい。この場合には、音色データバンクには、ユーザが作成してセーブしたデータも含むことになる。
次に、主RAM12は、書き換え可能な第1の記憶手段であり、主CPU13が使用するデータを記憶すると共に、主CPU13のワークメモリとしても使用する。具体的な記憶内容については後に詳述する。
表示回路15は、LED(発光ダイオード)や液晶ディスプレイ等からなる表示器18に表示を行わせるための回路であり、主CPU13から転送されてくる表示データに従って表示器18を制御し、表示を行わせる。
副RAM22は、書き換え可能な第2の記憶手段であり、副CPU23が使用するデータを記憶すると共に、副CPU23のワークメモリとしても使用する。具体的な記憶内容については、後に詳述する。
サウンドシステム25は、スピーカ等からなり、音源回路24から出力される楽音信号に従って楽音を出力する。
まず、主RAM12については、図2(a)に示すように、各パートの音色データ等を記憶させる。
このうち、各パートの音色データは、音色番号やエンベロープの制御値、音量等のデータであり、各パートの音色を定めるためのデータである。ただし、主制御部10側では、音色データ編集画面において音色データに含まれる各パラメータの現在値を表示するために使用する。また、パートとは、音色を設定可能な最小単位の入力手段を指し、例えば、鍵盤の一部分や外部入力の1chがこれに該当する。もちろん、複数のパートに同じ音色データを設定してもよい。また、少なくともこの音色データを記憶させる領域に関しては、主RAM12を不揮発性RAMで構成するものとする。
このうち各パートの音色データは、主RAM12に記憶している対応する音色データと同じものであるが、音源部20側では、各パートの発音が指示された場合に音源回路24の発音chに設定して指定の音色で発音を行わせるために使用する。
音色データバンク及び副CPU23用プログラムは、主ROM11に記憶されているデータと同じデータであるが、副CPU23が使用するために電源投入時に主ROM11から副RAM22にコピーするものである。
副RAM22に記憶させるその他のデータは、副CPU23が副RAM22をワークエリアとして使用する際に記憶させるデータ等である。また、副RAM22には副CPU23が使用するデータのみを記憶させるようにするとよい。
このため、各パートに音色データを設定する場合、パートと音色番号を指定して行うようにしている。そして、この設定は、装置の動作開始時等に自動で行うこともできるし、装置の動作中にユーザがパートと音色番号とを選択して行うこともできる。いずれの場合も、主CPU13は、主ROM11の音色データバンクから、選択された音色番号と対応する音色データを読み出し、選択されたパートについての音色データとして主RAM12に記憶させると共に、副CPU23に同じ設定を行うよう指示する。副CPU23は、これに応じて、副RAM22の音色データバンクから、指示された音色番号と対応する音色データを読み出し、指示されたパートについての音色データとして副RAM22に記憶させる。
以上のような処理を行うことにより、主CPU13が直接副RAM22にアクセスしなくても、主CPU13からの指示に従って、主RAM12と副RAM22における各パートの音色データの内容を等しい状態に保つことができる。
この音源装置において、電源投入後、主ROM11から副RAM22への音色データバンクと副CPU用プログラムの転送及び主RAM12と副RAM22への各パートの音色データの初期値設定等の所要の初期化処理が完了すると、主CPU13は、主ROM11に記憶している制御プログラムを実行することにより、図3のフローチャートに示す処理を開始する。
また、受け付けた動作指示が音源部20の動作に関連する指示でなければ、すなわち主CPU13の実行する動作であれば、ステップS2からS7に進む。そして、音色データの編集画面を表示する指示であれば、ステップS8及びS9で、主RAM12から編集対象として指定されたパートの音色データを読み出し、そのデータを用いて表示データを作成し、表示器18に編集画面を表示させ、ステップS6に進む。
そして、ステップS6においては、電源OFFの指示があれば処理を終了するが、なければステップS1に戻って処理を繰り返す。
なお、以上の処理において、1つの動作指示についてステップS3とS5の処理を両方行う場合、これらの処理順を逆にしてもよい。
副CPU23は、上述した初期化処理が完了すると、副RAM22に記憶させた副CPU用プログラムを実行することにより、図4のフローチャートに示す処理を開始する。
この処理においては、主CPU13から指示を受け付けた場合、ステップS11からS12に進み、必要であれば、受け付けた指示に従って副RAM22の記憶内容を変更する。例えば音色データの編集や指定の指示を受け付けた場合、その内容に応じて各パートの音色データを変更する。
図5には、パートの音色データの変更指示があった場合の処理を示しているが、この場合には、発音chにアサインされているパートの音色データが変更された場合にその変更を発音chに反映させる処理を行う。
図6には、発音指示があった場合の処理を示しているが、この場合には、発音に割り当てる発音chを決め、副RAM22に記憶している発音を指示されたパートの音色データをその発音chに設定して、指示された楽音の発音を開始する処理を行う。
図7には、消音指示があった場合の処理を示しているが、この場合には、消音を指示された楽音の発音chを探し、その発音chの楽音を消音する処理を行う。
そして、次のステップS15においては、電源OFFの指示があれば処理を終了するが、なければステップS11に戻って処理を繰り返す。
そして、副CPU23は、主CPU13から上記の指示を受けた場合に、その指示に従って副RAM22の記憶内容を変更することができる。この場合において、図4のステップS11及びS12の処理で、副CPU23が変更手段として機能する。
また、音源装置についても、電子楽器に搭載したものに限られず、ラックマウント型のものでもよい。サウンドシステムも、この発明の音源装置に必須のものではなく、デジタルの楽音信号を出力する音源装置にもこの発明を適用することができる。
Claims (2)
- 音源部と、当該音源装置の全般的な制御を行う第1の演算処理手段と、前記音源部における楽音信号生成の制御を行う第2の演算処理手段とを有する音源装置において、
前記第1の演算処理手段が使用する音色データを記憶する第1の記憶手段と、
前記第2の演算処理手段が使用し、第1の記憶手段に記憶されている音色データと同じ音色データを記憶する、前記第1の記憶手段とは異なる第2の記憶手段とを設け、
前記第1の演算処理手段に、
当該音源装置の動作指示を受け付ける受付手段と、
前記受付手段が受け付けた動作指示が前記第2の演算処理手段が実行する動作に関連する指示であるか否かを判別する判別手段と、
前記判別手段において関連する指示であると判別された場合、前記第1の記憶手段の記憶内容を前記受け付けた動作指示に従って変更すると共に、前記第2の演算処理手段に前記第2の記憶手段の記憶内容を前記受け付けた動作指示に従って変更するよう指示する変更指示手段とを設け、
前記第2の演算処理手段に、
前記変更指示手段からの指示があった場合にその指示に従って前記第2の記憶手段の記憶内容を変更する変更手段を設けたことを特徴とする音源装置。 - 音源部と、
第1の演算処理手段と、該第1の演算処理手段が使用する音色データを記憶する第1の記憶手段とを備えた第1のコンピュータと、
第2の演算処理手段と、該第2の演算処理手段が使用し、第1の記憶手段に記憶されている音色データと同じ音色データを記憶する、前記第1の記憶手段とは異なる第2の記憶手段とを備えた第2のコンピュータとを有する音源装置を、前記第1及び第2のコンピュータによって制御させるためのプログラムであって、
前記第1のコンピュータを、
当該音源装置の全般的な制御を行う手段と、
当該音源装置の動作指示を受け付ける受付手段と、
前記受付手段が受け付けた動作指示が前記第2の演算処理手段が実行する動作に関連する指示であるか否かを判別する判別手段と、
前記判別手段において関連する指示であると判別された場合、前記第1の記憶手段の記憶内容を前記受け付けた動作指示に従って変更すると共に、前記第2の演算処理手段に前記第2の記憶手段の記憶内容を前記受け付けた動作指示に従って変更するよう指示する変更指示手段として機能させるためのプログラムと、
前記第2のコンピュータを、
前記音源部における楽音信号生成の制御を行う手段と、
前記変更指示手段からの指示があった場合にその指示に従って前記第2の記憶手段の記憶内容を変更する変更手段として機能させるためのプログラムとを含むことを特徴とするプログラム。
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