JP5228415B2 - 全固体電池および全固体電池の製造方法 - Google Patents

全固体電池および全固体電池の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、全固体電池および全固体電池の製造方法に関し、より具体的には、単位面積当たりの電池容量などの電池特性を高めることができる正極を用いた全固体電池および全固体電池の製造方法に関するものである。
携帯用の電子機器に多様な電池が搭載される時代にあって、電池には、常に軽量化、小型化または高エネルギー密度化が求められ、それに応えて電池容量などの電池特性の改善が図られている。たとえばリチウムイオン二次電池において、正極の小型化および信頼性の向上を目的に、金または金基合金の集電体上に、Li1+yMn2−x(Mはニッケルまたはコバルト)で表される組成の薄膜活物質を有してなる正極が提案されている(特許文献1)。上記の組成の薄膜活物質は、上記の化学式を構成する元素である、リチウムイオン、マンガンイオン等を所定組成比で含む塗工液を集電体上に塗布・焼成処理して作製される。この正極を用いれば、バインダの使用が抑制されるため電極の耐久性など信頼性向上と、正極の小型化とを進めることができる。
しかしながら、上記の薄膜電極ではその形成に時間がかかるため、厚みは、実際上、数μm程度しか得ることができず、電極の単位面積当たりの電池容量が不足する。これを解決するために、厚みを得易い粉末塗着法で作製した粉末正極を用い、かつ同じく粉末塗着法による粉末固体電解質を用いる方策が考えられる。しかし粉末正極と粉末固体電解質との間での界面抵抗が大きくなり、界面抵抗を下げるためには、ばね等による押圧機構などが必要になる。このような押圧機構を備えたのでは、薄い電池を得ることはできない。これを克服するため、粉末塗着法で形成した粉末正極を用い、その正極上に直接に薄膜の固体電解質を、蒸着法やレーザーアブレーション法等の薄膜法で形成する方法が開示されている(特許文献2)。この開示例では、正極活物質にコバルト酸リチウム(LiCoO)を用い、導電助剤のアセチレンブラックと、イオン伝導助剤のガラスセラミックス粉末と、結着剤のポリビニリデンフルオライド(PVDF(登録商標))とをNメチルピロリドン溶媒に混合し、集電体上に厚み約50μmになるように塗布・焼成して正極を形成している。
特開2003−288892号公報 特開2004−18586号公報
上記のように、粉末塗着法による粉末正極と薄膜法による固体電解質との組み合わせを用いた場合でも、しかしながら、下地の正極に凹凸があるので、界面抵抗は大きいものとなる。このため電極単位面積当たりの電池容量が十分大きく、かつ固体電解質と正極との界面抵抗が十分低い全固体電池の開発が要望されている。本発明は、電極の単位面積当たりの電池容量が大きく、かつ電極と固体電解質との界面抵抗を低くできる正極を用いた全固体電池および全固体電池の製造方法を提供することを目的とする。
本発明の全固体電池における正極は、集電体と、集電体上に位置する粉末塗着法による粉末正極部と、粉末正極部上に位置する薄膜の正極層とを備える。
上記の構成により、正極単位面積当たりの電池容量は粉末正極部で十分高く確保することができる。また、正極と固体電解質との界面抵抗は、正極側が薄膜の正極層であるため、確実に低くすることができる。なお、粉末正極部は、粉末塗着法で形成されたものであり、粉末が成形され焼成されてなる部分をいう。
さらに上記の粉末正極部の厚みを50μm以上とする。これによって、十分大きな単位正極面積当たりの電池容量を得ることができる。
さらに上記の正極層の厚みを2μm以下とする。これによって、界面抵抗を低くできる正極上層部分を短時間で形成することができる。正極層の厚みは、下地の粉末正極部の上に途切れることなく薄膜が形成できる厚みであればよく、たとえば1μm以下、より好ましくは0.5μm以下であってもよい。
本発明の全固体電池は、上記の構成要件をすべて有する正極を備え、該正極の正極層上に、硫化物固体電解質層を備えることを特徴とする。
上記の構成により、正極単位面積当たりの電池容量を十分高く確保することができ、正極と固体電解質との界面抵抗の小さい全固体電池を得ることができる。
本発明の全個体電池の製造方法は、集電体上に、粉末塗着法により粉末正極部を厚み50μm以上となるように形成する工程と、粉末正極部が形成された正極中間体を、雰囲気制御可能な薄膜形成槽内に搬入する工程と、薄膜形成槽内で、正極中間体の粉末正極部上に薄膜の正極層を厚み2μm以下になるように形成する工程とを備える。
上記の構成によって、正極単位面積当たりの電池容量を十分高くでき、かつ固体電解質層と正極との界面抵抗を十分低くすることができる。
さらに、引き続き、雰囲気制御可能な槽内において、正極層上に、順に、硫化物の固体電解質層および負極層を形成する工程を備える。これによって、正極単位面積当たりの電池容量および正極と固体電解質との界面抵抗の条件を満たしながら、内部抵抗の低い全固体電池を得ることができる。なお、正極層の形成に引き続いて、固体電解質層および負極層を形成する雰囲気制御可能な槽は、正極層を形成した層と同じ槽で行ってもよいし、または別の槽で行ってもよい。別の槽で形成する場合、(正極層/固体電解質層/負極層)の積層体をすべて形成する間は、大気にさらさないように、槽間の搬出および搬入には真空引き可能な容器等を利用したり、また別の槽は、ゲートバルブで隔絶可能な連続配置の構成などとするのがよい。酸化物の形成などによって内部抵抗が増大しないようにするためである。
本発明の全固体電池および全固体電池の製造方法によれば、電極の単位面積当たりの電池容量が大きく、かつ電極と固体電解質との界面抵抗を低くすることができる。
図1は、本発明の実施の形態における全固体電池の本体部10を示す断面図である。正極30は、アルミニウムの集電体1と、粉末正極部2と、薄膜の正極層3とを備える。なおアルミニウムなどの金属名称は、とくに断らない限り、アルミニウム合金を含むものとする。そして、粉末正極部2は、粉末正極2aと、粉末固体電解質2bと、導電助剤2cと、バインダ(結着剤)2dとを備える。粉末正極2aは、たとえばLiMnを用いるのがよい。また、粉末固体電解質2bには、たとえば硫化物固体電解質のP−LiSを、導電助剤2cにはアセチレンブラックを、そしてバインダ2dにはポリビニリデンフルオライド(PVDF(登録商標))を用いるのがよい。上記の粉末正極部2の上に、マンガン酸リチウムの薄膜の正極層3が配置される。上述のように、集電体1と、粉末正極部2と、正極層3とで、正極30が形成される。粉末正極部2の厚みは、正極単位面積当たりの電池容量を十分確保する上で、100μm程度とするのが望ましい。粉末正極部2の厚みを厚くするのは、正極30におけるリチウム収容量を高めるためである。また、正極層3の厚みは約1μm、またはそれ以下で下地の粉末正極部2の影響による凹凸を吸収することができる程度の厚み、たとえば0.5μm以下であってもよい。
正極30の正極層3の上に、薄膜の硫化物の固体電解質層4が位置し、その固体電解質層4の上に負極層5である薄膜のリチウムが位置している。上記の構成によれば、粉末正極部2の厚みを100μm程度と、十分厚くとっているので、正極単位面積当たりの電池容量を十分大きくすることができる。また正極層3の厚みを十分薄くするので、薄膜法により短い時間で形成することが可能となる。そして、薄膜の正極層3の上に、薄膜の固体電解質層4を配置するので、正極30と固体電解質4との界面抵抗を十分低くすることができる。
次に、上記の全固体電池10の製造方法について、図1および図2を用いて説明する。正極には、上述のように、LiMnを用いる。粉末正極2aの粒径は5〜50μmとするのがよい。また、粉末固体電解質2bには、硫化物固体電解質であるP−LiS粉末を用いる。この粉末正極2aと、粉末固体電解質2bと、導電助剤2cであるアセチレンブラックと、バインダ2dであるPVDFとを、Nメチルピロリドン溶媒に混合する。これらの混練物を、厚み10μmのアルミニウム集電体上にドクターブレード法にて塗着し乾燥し、プレスすることで厚み100μmの粉末正極部2を得ることができる(図2のステップS1)。この粉末正極部2上に、マンガン酸リチウムの薄膜正極層を形成する(ステップS2)。マンガン酸リチウムの蒸着源には、LiMnを用い、集電体1および粉末正極部2を含む正極中間体Mの基材の温度を450℃に保持しながら、電子ビーム蒸着により薄膜の正極層3を形成する(ステップS3)。
その後、薄膜の正極層3の上に薄膜の硫化物固体電解質層4を、レーザアブレーション法すなわちPLD法、もしくは真空蒸着法にて形成する(ステップS4)。硫化物固体電解質層の厚みは3〜10μmとするのが望ましい。硫化物固体電解質層の形成前に、マンガン酸リチウムの正極層3の表面をアルゴンイオンボンバードするのが接触面積を増し、界面抵抗を低くする上で望ましい。薄膜の固体電解質層の形成時に、基材は冷媒により50℃以下に冷却することが望ましい。固体電解質を構成する硫化物が禁水性物質であるため、冷媒は非水性フッ素系の有機液を用いるのがよい。
その後、負極のリチウムを真空蒸着する(ステップS5)。次いで、正極集電体1、および負極リチウム5に金属を接触させて集電タブを形成する。タブには部分的に絶縁性の樹脂がコートされ、樹脂部がアルミニウムでラミネートされる際に熱圧着され、電池を大気および水分から封止し、かつ電気を取り出すようにする(ステップS6)。
上記の方法により、電極単位面積当たり電池容量が、1〜3mAh/cmの全固体電池を作製することができる。また正極30と固体電解質4との界面抵抗を500Ωcm2程度と、十分低くすることができる。この結果、全固体電池10において、電極単位面積当たり電池容量が十分高く、かつ上記界面抵抗が十分低い、これまで類を見ない組み合わせを得ることができる。
(薄膜積層体の連続形成について−その1−)
次に、本発明の全固体電池10の薄膜積層体(正極層3/固体電解質層4/負極層5)の連続形成方法について説明する。図3(a)および(b)は、本発明の実施の形態における全固体電池10の製造装置およびその電池の製造方法を説明するための図である。図3(b)に示す装置は、全固体電池の本体部10を形成する3種類の層(正極層3、固体電解質層4、負極層5)を連続して蒸着することができる装置である。図3(a)に示すように、まず集電体1の上にドクターブレード法などの粉末塗着法によって、粉末正極部2を形成して正極の中間体Mを形成する。
図3(b)において、本連続蒸着装置は上記3種類の層を形成するために、少なくとも3つのチャンバ13,15,17を備えており、すべてのチャンバが各種真空ポンプにより排気することができる。コンベア9により、中間品が各チャンバ間を移動できるように構成されている。各チャンバ間は、隔離手段であるゲートバルブ12,14,16,18により、隣のチャンバの雰囲気と分離することができる。
正極層を正極中間体Mに形成するためのチャンバ13の前には、正極中間体Mを搬入するための搬入チャンバ11が配置されて、入口ゲートバルブ22を経由して、本装置に搬入される。これから後の中間体は、耐熱性のトレー31に固定されている。以後の説明では、トレーと中間品とを区別せずに中間品またはトレー31などと記す。ただし、中間品が最終段階の電池本体部(基材に両電極層と固体電解質層が形成されたもの)に至った段階では、中間品10または電池本体部10と記す。
最後の層(本実施の形態では負極層)を形成するチャンバ17には、封止チャンバ19が接続されており、上記の3種類の層を形成後に、その積層体である電池本体は、封止チャンバ19に搬入される。封止チャンバ19は、不活性ガスであるArガス雰囲気とされ、出口ゲートバルブ24を通って上記の電池本体を外に搬出できるように構成され、中で、電池本体をアルミニウムラミネートで封止できるようにグローブボックス構造とされている。封止チャンバ19には上述のArガスが導入され、循環精製できる機構が設けられている。
アルミニウムラミネートなどの封止部材によって封止された状態の電池本体部である中間品10は、次の積層構造を持つ。集電体1の上に、粉末正極部2と正極層3とからなる正極30が位置し(図1参照)、正極30の正極層3の上に固体電解質層4が位置し、その上に負極層5が位置する。図3(b)の連続蒸着装置を用いて製造された電池本体部10は、酸素富化層が界面になく、また内部抵抗は低い。
次に、図3(b)に基づいて、製造条件について説明する。製造工程は、図3(b)に示すように、中間体Mの搬入→正極層形成工程→固体電解質形成工程→負極層形成工程→封止工程の順に進行する。正極層形成工程〜負極層形成工程の全工程では、排気しながら気相プロセスの処理が行われ、その間の非処理時間に、真空引き雰囲気、望ましくは圧力3×10−3Pa以下の雰囲気に保持される点に大きな特徴を有する。すなわち、(気相プロセス処理)→真空引き雰囲気(望ましくは圧力3×10−3Pa以下)で非処理時間を経過→(気相プロセス処理)→・・・のように進行させる。このため、中間品は外気に曝されることがなく清浄な界面を確保することができ、内部抵抗を大きく下げることができる。また、アルミニウムラミネートなどに封止した状態で、全固体薄膜電池の完成に至ることができるように、封止工程を、露点−45℃以下の不活性ガス雰囲気中で行う。次に、各工程を具体的に説明する。
(搬入工程):集電体1および粉末正極部からなる正極中間体Mを耐熱性のトレー31に固定する。トレー31には開口部が設けられており、蒸着により正極層3、固体電解質層4および負極層5が、正極中間体Mの粉末正極部2上に形成できる構造となっている。これを真空装置中に搬入する。搬入チャンバ11の入口にはガス圧により上下動する入口ゲートバルブ22が設けられており、搬入チャンバ11へ搬入する際に入口ゲートバルブ22は上昇する。搬入した後、入口ゲートバルブ22は下降し、搬入チャンバ11を密閉し、2×10−3Paまで真空排気することができる。
(正極層形成工程):排気完了後、次の正極層形成チャンバ13との間のゲートバルブ12が上昇し、コンベア9の駆動により正極層形成チャンバ13に搬入される。ここで、正極中間体Mはハロゲンランプにより、500℃に加熱され、酸素ガスが導入される。圧力を25Paに調整した後、エキシマレーザーをターゲットに照射してマンガン酸リチウム薄膜(正極層3)を形成する。マンガン酸リチウム層の形成後に、再び真空排気して2×10−3Paの圧力にする。上記の搬入チャンバ11を省略して、外から直接に正極層形成チャンバ13に正極中間体Mを搬入して、上記の正極層形成処理を施してもよく、むしろ装置の小型化という観点から搬入チャンバ11は省略するほうがよい。
(固体電解質層形成工程):排気完了後、次の固体電解質形成チャンバ15との間のゲートバルブ14を上昇させ、中間品31は、コンベア9の駆動により、2×10−3Pa以下とされている固体電解質層形成チャンバ15に搬入される。集電体1に冷却ジャケットを接触させることにより中間品31を150℃以下に冷却する。LiSを載せたカーボンボートおよびPを載せたカーボンボートに、電流を流すことによりLiSおよびPを蒸発させる。これら蒸発源の近くには水晶振動子が配置されており、周波数変化により蒸発レートをモニターし、電流をフィードバック制御することで、LiSとPとのモル濃度比(LiS/P)が3となるようにする。固体電解質層4を形成後、ハロゲンランプにて中間品を250℃まで加熱することで固体電解質層のイオン伝導度を向上させるのがよい。100℃まで冷却後、次の負極層形成チャンバ17との間のゲートバルブ16を上昇させ、コンベア9の駆動により負極層形成チャンバ17に搬入する。
(負極層形成工程):負極層形成チャンバ17の圧力は2×10−3Pa以下に保っておくのがよい。Liをボートに載せて通電することで、上記の固体電解質層4上に負極層5であるLiを蒸着する。この際、中間品31の集電体1は冷却ジャケットに接触させて基材温度を100℃以下に保っておくのがよい。蒸着完了後、Arガスを導入することにより大気圧レベルに圧力を高めて、次の封止チャンバ19へと、ゲートバルブ18を経由して搬入する。
(封止工程):負極層形成チャンバ17の次工程の封止チャンバ19は、グローブボックスとなっており、このグローブボックス内で正極側集電体1であるアルミニウムおよび負極が集電材を兼ねるリチウム5に、それぞれ正極端子および負極端子を接続し、アルミニウムのラミネートで封止する。正負極端子については接合部以外は絶縁されており、封止後に短絡することはない。
上記の製造工程にしたがって製造された全固体薄膜電池の本体部10は、正極層、固体電解質層および負極層を個別に成膜し、空気または不活性ガス雰囲気にさらす機会がある製造工程を経て製造された全固体電池に比べて、内部抵抗を大幅に減らすことができる。この結果、単位面積当たりの電池容量が高く、正極30と固体電解質層4との界面抵抗が低く、かつ全体の内部抵抗が低い全固体電池を得ることができる。
(薄膜積層体の連続形成について−その2−)
図4は、本発明の実施の形態における全固体電池の、別の製造装置および別の製造方法を説明するための図である。この装置は、図3(b)に示した全固体電池の製造装置とは、原理的に同じである。相違点は、正極層形成チャンバと固体電解質形成チャンバとを共通にして、固体電解質形成チャンバ15において、正極層3も形成できるようにした点に特徴がある。正極層3と、固体電解質層4とは材料的に混合しても問題となりにくいため、チャンバの共通使用が可能となる。この結果、処理工程が短縮され、また製造装置の簡略化をはかることが可能となる。電池本体部10の内部抵抗を低くすることができる等の利点は、図3におけるものと同様である。
上記において、本発明の実施の形態および実施例について説明を行ったが、上記に開示された本発明の実施の形態および実施例は、あくまで例示であって、本発明の範囲はこれら発明の実施の形態に限定されない。本発明の範囲は、特許請求の範囲の記載によって示され、さらに特許請求の範囲の記載と均等の意味および範囲内でのすべての変更を含むものである。
本発明の正極、全固体電池および全固体薄膜電池の製造方法によれば、電極単位面積当たりの電池容量を十分大きく、正極と固体電解質との界面抵抗を十分低くでき、両方を兼ね備える点でこれまでに類を見ないレベルの全固体電池を得ることができる。さらに、(正極層/固体電解質層/負極層)の積層体を、雰囲気制御できる装置内で連続成膜することにより内部抵抗を低くすることができる。
本発明の実施の形態における全固体電池を示す図である。 図1の全固体電池の製造方法を示す図である。 図1の全固体電池の積層体を連続形成する装置および方法について説明する図であり、(a)は正極中間体を形成した状態を、(b)はそれ以後の製造装置を示す図である。 図1の全固体電池の積層体を連続形成する、別の装置および別の方法について説明する図である。
1 集電体、2 粉末正極部、2a 粉末正極、2b 粉末固体電解質、2c 導電助剤、2d バインダ、3 正極層、4 固体電解質層、5 負極層、9 コンベア、10 全固体電池または電池本体部、11 搬入チャンバ、13 正極層形成チャンバ、15 固体電解質層形成チャンバ、17 負極層形成チャンバ、19 封止チャンバ、12,14,16,18,22,24 ゲートバルブ、31 トレー(中間品)。

Claims (5)

  1. 集電体と、
    前記集電体上に位置する粉末正極部と、
    前記粉末正極部上に位置する薄膜の正極層と
    該正極層上に位置する固体電解質層とを備え、
    前記粉末正極部の厚みが50μm以上あり、前記正極層の厚みが2μm以下であり、
    前記固体電解質層が硫化物固体電解質層であることを特徴とする、全固体電池
  2. 前記粉末正極部が、硫化物固体電解質であるP −Li Sと、粉末正極と、導電助剤とを含み、前記正極層がマンガン酸リチウムの薄膜であり、前記硫化物固体電解質層がP −Li Sを有することを特徴とする、請求項1に記載の全固体電池。
  3. 前記硫化物固体電解質層における、Li SとP とのモル濃度比が3であることを特徴とする、請求項2に記載の全固体電池。
  4. 集電体上に、粉末塗着法により粉末正極部を厚み50μm以上となるように形成する工程と、
    前記粉末正極部が形成された正極中間体を、雰囲気制御可能な薄膜形成槽内に搬入する工程と、
    前記薄膜形成槽内で、前記正極中間体の粉末正極部上に薄膜の正極層を厚み2μm以下になるように形成する工程とを備え
    引き続き、雰囲気制御可能な槽内において、
    前記正極層上に、順に、硫化物の固体電解質層および負極層を形成する工程とを備えることを特徴とする、全固体電池の製造方法。
  5. 前記硫化物固体電解質層の形成時に、前記集電体に冷却ジャケットを接触させて該硫化物固体電解質を形成する基材となる中間品を150℃以下にすることを特徴とする、請求項4に記載の全固体電池の製造方法。
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