本発明の一実施形態の棒金収納装置を図面を参照して以下に説明する。図1に示すように、本実施形態の棒金収納装置10は、硬貨入出金機11に付設されて用いられるものである。
まず、硬貨入出金機11について説明する。
硬貨入出金機11は、図2に概略的に示すように、バラ硬貨が投入される入金口15と、入金口15に投入されたバラ硬貨を一枚ずつに分離して繰り出す分離繰出部16と、分離繰出部16から繰り出されたバラ硬貨を搬送する入金搬送部17と、入金搬送部17で搬送中の硬貨を鑑別しつつ金種別に計数する入金鑑別部18と、入金鑑別部18の鑑別結果から真以外のバラ硬貨を入金搬送部17から排除するリジェクト部19と、リジェクト部19で入金搬送部17から排除されたバラ硬貨を案内するリジェクト搬送部20と、リジェクト搬送部20で案内されたバラ硬貨が機外に取り出し可能に放出されるリジェクト口21とを有している。
また、硬貨入出金機11は、入金鑑別部18で真と鑑別され入金搬送部17でさらに下流に搬送されるバラ硬貨を金種別に選別する金種別選別部22と、金種別選別部22で金種別に選別されたバラ硬貨を金種別に一時貯留させる金種別一時貯留部23と、金種別一時貯留部23に一時貯留されたバラ硬貨を返却のため案内する返却搬送部24と、返却搬送部24で案内されたバラ硬貨が機外に取り出し可能に放出される返却出金口25とを有している。
また、硬貨入出金機11は、金種別一時貯留部23に一時貯留されたバラ硬貨を金種別に収納するとともに収納しているバラ硬貨を計数しつつ出金可能な金種別収納出金部27と、金種別収納出金部27から出金されたバラ硬貨を返却出金口25に案内する出金搬送部28と、金種別収納出金部27から出金されたバラ硬貨を第1実施形態の棒金収納装置10に向けて搬送する棒金作成搬送部29とを有している。硬貨入出金機11は、棒金収納装置10と共用の操作部30、制御部31および表示部32を有している。
ここで、上記した硬貨入出金機11は、入金のためのバラ硬貨が入金口15に投入されて、操作部30にスタート操作が入力されると、制御部31が、入金口15内のバラ硬貨を分離繰出部16で一枚ずつ入金搬送部17に繰り出させて入金搬送部17で搬送する。制御部31は、入金搬送部17で搬送中に入金鑑別部18で真以外と鑑別された硬貨をリジェクト搬送部20でリジェクト口21に送り、真と鑑別された硬貨を計数しつつ金種別選別部22で選別して金種別一時貯留部23に一時貯留させる。そして、入金口15に投入されたバラ硬貨がすべてリジェクト口21あるいは金種別一時貯留部23に送られると、制御部31は、表示部32に鑑別結果を出力する。この鑑別結果を見て操作者が操作部30にキャンセル操作を入力すると、制御部31は、金種別一時貯留部23に一時貯留させていた硬貨を返却搬送部24を介して返却出金口25に返却する。他方、鑑別結果を見て操作者が操作部30に承認操作を入力すると、制御部31は、金種別一時貯留部23に一時貯留させていた硬貨を金種別収納出金部27に収納させる。
また、出金操作が操作部30に入力されると、制御部31が、金種別出金収納部27から入力に応じた金種および数のバラ硬貨を出金搬送路28に繰り出させて、出金搬送路28で返却出金口25に出金させる。
さらに、金種別出金収納部27に収納中の硬貨を包装するために、適宜のタイミングで、制御部31が、金種別出金収納部27からバラ硬貨を棒金作成搬送部29により棒金収納装置10に搬送する。
図1に示す本実施形態の棒金収納装置10は、金種別出金収納部27から棒金作成搬送部29によって搬送されてきたバラ硬貨を受け入れて一旦貯留させる貯留部35と、貯留部35から一枚ずつ分離して繰り出された硬貨を所定枚数ずつ集積して包装紙を巻き回し包装紙の両端部を加締めて棒金Bとする包装部36とを有している。
また、棒金収納装置10は、図3にも示すように、機体中間位置で左右に延在するように配置され、包装部36から送り出された棒金Bを振り分けのため機体左右方向に搬送する横型ベルトコンベア式の振分搬送部37と、振分搬送部37で一端側に向け搬送される棒金Bを中間位置で機体前面側に振り分ける中間振分部38と、この中間振分部38で機体前面側に振り分けられた棒金Bを収納するローカル時クリアボックス39と、中間振分部38では機体前面側に振り分けられずに振分搬送部37で一端側にさらに搬送される棒金Bを振分搬送部37の一端部で機体前面側および後面側に選択的に振り分ける端末振分部40と、この端末振分部40で機体前面側に振り分けられた棒金Bを収納する機内クリアボックス41と、端末振分部40で機体後面側に振り分けられた棒金Bを機体後面に向けて搬送する横型ベルトコンベア式の後方搬送部42と、振分搬送部37で他端側に向け搬送される棒金Bを機体前面側に案内する前方案内部43とを有している。
加えて、棒金収納装置10は、後方搬送部42で機体後面側に搬送されてきた棒金Bを受け入れて機体左右方向逆側に向け搬送する横型ベルトコンベア式の横搬送部45と、横搬送部45の棒金Bを上流位置で機体後面側に振り分ける上流振分部46と、上流振分部46で振り分けられずに横搬送部45で搬送されてきた棒金Bを端末位置で機体後面側に案内する端末案内部47と、上流振分部46および端末案内部47で機体後面側に案内された棒金Bを機体左右方向に沿う姿勢で受け入れて上昇搬送する図4に示すエレベータ49を有する左右一対の上昇搬送部48とを有している。
そして、各上昇搬送部48の前側に、複数段の金種別の棒金カセット50が上下方向に所定の間隔で並設された棒金収納部52がそれぞれ設けられている。各エレベータ49の棒金収納部52とは反対側には、エレベータ49で搬送されてきた棒金Bを棒金収納部52のいずれか選択された一つの棒金カセット50に向けてプッシャ51aで押し出す収納振分部51が設けられている。同列の棒金収納部52を構成するすべての棒金カセット50は、同じ形状のものが水平方向の位置を合わせて上下に等間隔で配置されており、収納振分部51で上昇搬送部48から押し出された棒金Bを機体後面側の後端部から受け入れる。
棒金カセット50は、長さ方向を機体前後方向に向けて配置されており、長さ方向の先端側(機体前面側)が後端側(機体後面側)よりも低く、且つ幅方向を横方向(機体左右方向)に沿わせて配置されており、収納した棒金Bを自重により先端側に移動させる。各棒金カセット50は上記のように金種別となっているため、一の棒金カセット50には同一金種の棒金Bのみが収納されることになる。
より具体的に、棒金カセット50は、長さ方向の先端側が後端側より低く、且つ幅方向を水平方向に沿わせて配置された長方形状の底板部70と、底板部70の幅方向の両側縁部から垂直に立ち上がる一対の側板部71と、底板部70の先端縁部から垂直に立ち上がる図5に示す先板部72と、両側板部71の上縁部から相互近接側に延出する上板部73とを有している。そして、底板部70の先端側から先板部72にかけて、切欠部75が二カ所、幅方向に離間して形成されている。そして、棒金カセット50は、図4に示す上昇搬送部48から収納振分部51で押し出された棒金Bを、その長さ方向(軸線方向)を棒金カセット50の幅方向に沿わせた姿勢で、後端側から両側板部71の間、且つ底板部70上、さらには上板部73の下側に受け入れる。
上記した二列の棒金収納部52の機体前面側には、棒金収納部52の棒金カセット50の先端部から切欠部75を介して棒金Bを選択的に持ち上げて取り出す棒金取出部77が設けられている(詳細は後述)。
棒金取出部77の機体前面側には、棒金取出部77によって棒金収納部52の一の棒金カセット50から取り出された棒金Bを受け取って搬送する縦型ベルトコンベア式の棒金搬送部55が設けられている。
ここで、各棒金搬送部55は、移動方向に対して傾斜形成された載置片56を等間隔で外側に有する左右一対(一方のみ図示)の縦型ベルトコンベア57と、これら縦型ベルトコンベア57の上側、下側および機体前側を外側から覆うように設けられた搬送空間形成部58とを有している。そして、棒金取出部77で棒金カセット50から取り出された棒金Bを、搬送空間形成部58が形成されていない機体後側の開口部58aを介して、棒金取出部77から縦型ベルトコンベア57の載置片56に載置させる。載置片56を移動させることで載置片56に載置された棒金Bを昇降させる。
ここで、棒金搬送部55の一方は、図6に示すように、その下部が、上記した振分搬送部37で搬送され前方案内部43で機体前面側に案内された棒金Bを受け入れて搬送し、シュート61を介して機体前面に設けられた放出口59に案内することになり、放出口59から放出された棒金Bは、その前に載置される別体の図1に示す受入ボックス60に収納される。つまり、前方案内部43で機体前面側に案内された棒金Bを、搬送空間形成部58に形成された開口部58bを介して縦型ベルトコンベア57と搬送空間形成部58とで形成される搬送空間に受け入れて、搬送空間内の載置片56に載置させる。載置片56を下方から前方、さらには上方に移動させることで棒金Bを収納空間内で同様に移動させ、搬送空間形成部58に形成された開口部58cおよびシュート61を介して放出口59に案内する。
各棒金搬送部55の機体前面側には、図5に示すように、搬送空間形成部58に形成された開口部58dを搬送空間形成部58に沿って開閉する開閉部材62と、この開口部58dを介して棒金Bを収納する棒金出金部63が設けられている。すなわち、開閉部材62が開口部58dを開放しているとき、棒金搬送部55の載置片56で下降搬送中の棒金Bが開口部58dに達すると、棒金Bは、載置片56の傾斜で、開口部58dから棒金出金部63に向けて移動することになる。また、各棒金出金部63の下側には、搬送空間形成部58に開口部58eを形成し、この開口部58eを介して棒金Bを収納する棒金一括収納部65が設けられている。すなわち、開閉部材62が開口部58dを閉塞しているとき、棒金搬送部55の載置片56で下降搬送中の棒金Bが開口部58dを越えて開口部58eに達すると、棒金Bは、載置片56の傾斜で、開口部58eから棒金一括収納部65に向けて移動することになる。棒金出金部63および棒金一括収納部65は機体から着脱可能な箱状をなしている。
以上の構成の棒金収納装置10は、適宜のタイミングで金種別収納出金部27のいずれか一つから棒金作成搬送部29によって搬送されてきた同一金種のバラ硬貨を貯留部35に一旦受け入れると、制御部31が貯留部35から一枚ずつバラ硬貨を繰り出させて包装部36に送り、包装部36で所定枚数集積して包装紙を巻き回し包装紙の両端部を加締めて棒金Bとする。棒金Bが作成されると、制御部31は、この棒金Bを振分搬送部37で搬送し振り分ける。
例えば、棒金Bを振分搬送部37で前方案内部43側に搬送し前方案内部43で棒金搬送部55に案内して、棒金搬送部55の下部で搬送する。つまり、図6に示すように、棒金Bを縦型ベルトコンベア57の載置片56で下方に案内した後、機体前面側で上方に案内する。載置片56に載置された棒金Bが放出口59に対応した開口部58cの位置まで移動すると載置片56の傾斜で放出口59に案内され、放出口59から放出される。
また、例えば、端末振分部40で後方搬送部42に振り分けられた棒金Bが、後方搬送部42で搬送され横搬送部45を介して上昇搬送部48で搬送され収納振分部51で上昇搬送部48から押し出されて対応する棒金カセット50に収納されることになる。
また、例えば、制御部31は、棒金Bの出金指令を受けると、棒金取出部77で対応する棒金Bを棒金カセット50から取り出し棒金搬送部55の中間部および上部で搬送して棒金出金部63に出金する。つまり、図5に示すように、棒金Bを縦型ベルトコンベア57の載置片56で上方に案内した後、機体前面側で下方に案内すると、載置片56に載置された棒金Bが棒金出金部63に対応した開口部58dの位置に至ることになり、棒金Bは棒金出金部63に案内される。あるいは、制御部31は、棒金カセット50が満杯となると、棒金取出部77で対応する棒金Bを棒金カセット50から取り出し棒金搬送部55の中間部および上部で搬送して棒金一括収納部65に収納する。つまり、棒金Bを縦型ベルトコンベア57の載置片56で上方に案内した後、機体前面側で下方に案内すると、載置片56に載置された棒金Bが棒金出金部63に対応した開口部58dの位置に至ることになり、このとき開閉部材62によって開口部58dを閉じておくことで、棒金Bは棒金出金部63に対応した開口部58dの位置をそのまま通過し、棒金一括収納部65に対応した開口部58eの位置に至ると、棒金一括収納部65に案内される。
次に、第1実施形態の棒金収納装置10の棒金取出部77について説明する。なお、以下の説明における前後は、棒金Bの受け渡し方向における前後で、機体の前後と一致している。
図7に示すように、棒金取出部77は、各棒金収納部52の前側に一の棒金収納部52に対して左右両側に鉛直立設された昇降ガイド81と、左右の昇降ガイド81によって各棒金収納部52の前方を上下に昇降可能に支持される一対の棒金取出ユニット78とを有している。また、各昇降ガイド81の近傍にはラックギア82が鉛直配置されており、各棒金取出ユニット78は、昇降のためラックギア82に噛み合うピニオンギア83を有している。
図8〜図10に示すように、棒金取出ユニット78は、下部の中間部が前後方向に貫通する略四角形状の枠体85を有している。この枠体85の棒金収納部52側である後部の左右両側には、外向きに開口するコ字状の複数の連結部86が固定されており、棒金取出ユニット78は、これらの連結部86で図7に示す両側の昇降ガイド81に摺動可能に支持されている。
図8に示すように、枠体85の上部には、回転可能な駆動軸88が左右方向に沿って設けられており、この駆動軸88には、両端に上記したピニオンギヤ83が、中間部にギア89が固定されている。また、枠体85の上部の駆動軸88よりも下側には、昇降モータ90が駆動軸88と平行に設けられており、昇降モータ90が正逆回転すると、その駆動力がギア89等を介して駆動軸88に伝達されて駆動軸88およびピニオンギア83が回転し、その結果、棒金取出ユニット78が図7に示すラックギア82に沿って昇降する。
図8に示すように、枠体85の下部には、棒金支持部92が、枠体85に対し上下左右の位置は一定のまま水平前後にスライド自在に設けられている。この棒金支持部92は、水平に配置された状態で枠体85に前後方向にスライド自在に支持されるベース板93と、ベース板93の後端部に固定された左右一対の支持ブロック94と、ベース板93の左右方向両端部から左右方向に沿う姿勢で上方に延出する作動板部95とを有している。ここで、左右の支持ブロック94は、それぞれの上面94aが前下がりに傾斜する形状をなしており、これら上面94aの前後上下の位置および傾斜角度を合わせている。
図12に示すように、棒金取出ユニット78が一の棒金カセット50の前方所定高さにある状態で、棒金取出ユニット78の棒金支持部92が枠体85に対して後側つまり棒金収納部52側に突出して所定の突出位置に位置すると、棒金支持部92の左右の支持ブロック94のそれぞれが、一の棒金カセット50の最前位置にある棒金Bの軸線方向両側の直下に移動可能となっており、この状態で棒金取出ユニット78全体が上昇すると、図13に示すように、左右の支持ブロック94が棒金カセット50の切欠部75を介して棒金カセット50内に入り込み、最前位置にある棒金Bをそれぞれの上面94aで持ち上げることになる。そして、左右の支持ブロック94は、棒金カセット50の先板部72を越える高さまで棒金Bを上昇させて先板部72による規制を解除することで、その上面94aの傾斜によって棒金Bを枠体85側に移動させることになる。なお、この棒金支持部92は、図示略の退避バネによって、枠体85内に引っ込んで図示略のストッパで停止させられる所定の退避位置で停止するように付勢されている。
図8に示すように、棒金支持部92のベース板93の直上位置には、棒金支持部92で支持されて前側に移動する棒金Bを受け入れ、受け入れた棒金Bをさらに前側つまり棒金収納部52とは反対側に移動させる受入移動部98が設けられている。この受入移動部98は、図10に示す枠体85内の前部位置で左右方向に沿って配置された回動軸99によって、枠体85に回転自在に支持されており、回動軸99を中心に、図8〜図10に示す所定の直立位置から、図14に示すように、前側つまり棒金収納部52とは反対側に、所定の傾動位置まで90度回転する。なお、受入移動部98は、図示略の直立バネによって、直立位置で図示略のストッパに当接して停止するように付勢されている。
図8〜図10に示すように、受入移動部98を、直立位置にある状態をもって説明すると、受入移動部98は、棒金支持部92のベース板93の直上位置で水平に配置される受入側ベース板部101と、この受入側ベース板部101の前側の端縁部から鉛直上方に立ち上がる移動側ベース板部102とを有しており、これら受入側ベース板部101および移動側ベース板部102の境界近傍に図10に示す上記した回動軸99が設けられている。
図9に示すように、移動側ベース板部102には、左右方向の両端部に受入側ベース板部101とは反対方向つまり上方に延出する端側延出部103が形成され、左右方向の中央部にも受入側ベース板部101とは反対方向つまり上方に延出する幅広の中央側延出部104が形成されている。受入移動部98には、中央側延出部104の受入側ベース板部101とは反対側に、受入側ベース板部101と平行つまり上下方向に直交する姿勢で後方に延出する幅広の停止板部105が設けられている。なお、図8に示すように、受入側ベース板部101には、棒金支持部92が枠体85の方向の退避位置に移動したときに、棒金支持部92の支持ブロック94との干渉を避けるための切欠部106が後端縁部に二カ所形成されている。
また、受入移動部98は、受入側ベース板部101の左右両端から上方に立設されるとともに上端部が前方に延出し且つ延出先端側が互いに近接するように若干傾斜する一対のガイド板107と、これらガイド板107同士の間で、両側の端側延出部103の位置と中央側延出部104の左右両端の位置とに配置された複数具体的には4カ所のガイド部材108とを有している。
これらのガイド部材108は、受入側ベース板部101から移動側ベース板部102にかけて延在する側面視略L字状をなしている。これらのガイド部材108は、受入側ベース板部101上に配置される部分が、受入移動部98が直立位置にあるときに、棒金支持部92の支持ブロック94の上面の傾斜で棒金取出ユニット78側に移動させられた棒金Bを受け入れる受入部110となっている。受入移動部98が直立位置にあるとき、この受入部110には、後部に平坦な導入面110aが形成され、前部に導入面110aよりも下方に側面視円弧状をなして凹む受入凹面110bが形成されている。ここで、複数のガイド部材108は、導入面110aの前後上下の位置を合わせており、受入凹面110bについても前後上下の位置および湾曲形状を合わせている。これらの受入凹面110bは、突出位置にある棒金支持部92の支持ブロック94で枠体85の方向に移動させられた棒金Bを受け入れる。このとき、棒金Bは、複数の受入凹面110bで軸線方向の複数の位置が支持されるため、移動中に姿勢が多少乱れても、左右方向に沿うように姿勢が矯正される。
また、ガイド部材108は、移動側ベース板部102上に配置される部分が、受入移動部98が傾動位置にあるとき、受入部110で受け入れた棒金Bを、図14に示すように棒金収納部52とは反対側に移動させる移動案内部113となっている。この移動案内部113には、受入移動部98が傾動位置にあるとき、受入凹面110bと連続して前下がりつまり棒金収納部52とは反対側ほど下側に位置するように傾斜する傾斜面113aが上部に形成されている。複数のガイド部材108は、傾斜面113aについても前後上下の位置および傾斜角度を合わせている。
よって、受入移動部98が直立位置から傾動位置に向け傾動すると、複数の受入凹面110bの棒金Bを、傾斜する複数の傾斜面113aが、前方つまり棒金収納部52とは反対側に自重で移動させる。このとき、棒金Bは、複数の傾斜面113aで軸線方向の複数の位置が案内されるため、左右方向に沿う姿勢が維持されながら移動する。そして、棒金Bは、受入移動部98の前端側で左右方向に沿って鉛直に立ち上がる停止板部105に当接して停止する。このときも、停止板部105が、棒金Bの軸線方向に延在しているため、移動中に棒金Bの姿勢が多少乱れても、左右方向に沿うように棒金Bの姿勢を矯正する。
なお、図13に示すように、受入移動部98が直立位置にあるとき、移動案内部113の傾斜面113aは、下方に円弧状に凹む受入凹面110bの前端に連続して上方に延出することになる。よって、移動案内部113の傾斜面113aは、棒金収納部52から移動する際に受入凹面110bを越えようとする棒金Bの移動を規制することになり、受入部110において受け入れた棒金Bを停止させる棒金ストッパを兼用する。
ここで、移動案内部113および停止板部105が、図14に示すように、受入部110で受け入れた棒金Bを前側つまり棒金収納部52とは反対側の所定位置まで移動させて停止させる移動部114を構成している。そして、回動軸99が、枠体85内の前部位置にあり、しかも、受入移動部98が図13に示す直立位置にあるときに受入移動部98の前部且つ下部側を回転自在に支持していることから、受入移動部98が回動軸99を中心に傾動位置に傾動すると、図14に示すように、この移動部114は、枠体85よりも前側つまり棒金収納部52とは反対側に突出することになり、移動案内部113の傾斜面113aで移動する棒金Bを停止板部105によって枠体85よりも前側の所定位置で停止させる。
以上により、受入移動部98には、受入部110と移動部114とが一体的に設けられており、受入部110と移動部114との間に回動軸99が設けられている。そして、図13に示すように、受入移動部98が直立位置にあるとき移動部114の下部から棒金収納部52側に受入部110が略枠体85の範囲内で延出することになり、図14に示すように、受入移動部98が傾動位置にあるとき移動部114が受入部110の下部から棒金収納部52とは反対側に枠体85の範囲外まで延出することになる。
図9に示すように、受入移動部98には、直立位置にある状態で、移動側ベース板部102の端側延出部103の前側に接合されたカム板115が設けられている。このカム板115は、前後方向に直交する姿勢で端側延出部103の前側に接合されるとともに端側延出部103よりも上方に延出する下板部130と、下板部130の上端縁から鉛直方向に直交する姿勢となるように後方に向けて屈曲し延出する中間板部131と、この中間板部131の左右方向外側の端縁部から左右方向に直交する姿勢で立設され、中間板部131よりも後方まで延出する上板部132とを有している。上板部132の後端部には、後下がりに傾斜する第1カム部116が形成されており、下板部130の後面、中間板部の下面および上板部132の下面には、L字状をなす第2カム部117が形成されている。
棒金取出ユニット78は、枠体85の受入移動部98よりも上側に、左右方向に沿って切替モータ118が配置されており、この切替モータ118の斜め上側位置にはこれと平行に回転軸119が回転可能に設けられている。切替モータ118には図示略の駆動軸にギヤ120が固定されており、回転軸119にはこのギヤ120に噛み合うギヤ121が固定されていて、切替モータ118の正逆回転で回転軸119が正逆回転する。
図10に示すように、回転軸119の両端には、下方に延出するように一対のアーム部材124が固定されており、このアーム部材124には、延出方向の中間部に回転自在の中間部ローラ123が回転軸119と平行に設けられ、揺動中心である回転軸119から最も離れた下端部にも回転自在の端部ローラ125が回転軸119と平行に設けられている。ここで、回転軸119は、図11に示すように、枠体85内の前側に偏って配置されている。
一対のアーム部材124は、前後上下の位置を合わせており、回転軸119から半径方向に沿って延出する基端板部126と、この基端板部126が若干後下がりに傾斜する状態(図11に示す状態)でその先端から前下がりに傾斜延出する先端板部127とを有する、略くの字状をなしている。回転軸119と端部ローラ125との間であって基端板部126と先端板部127との境界位置近傍に中間部ローラ123が支持されており、先端板部127の延出先端に上記した端部ローラ125が支持されている。なお、図10および図11に示す位置が、アーム部材124および切替モータ118の待機時の中立位置となっている。
左右方向一側の中間部ローラ123は、受入移動部98の左右方向一側にある第1カム部116と当接可能となるように左右方向の位置を合わせており、左右方向逆側の中間部ローラ123も、受入移動部98の左右方向逆側にある第1カム部116と当接可能となるように左右方向の位置を合わせている。また、左右方向一側の端部ローラ125は、左右方向一側にある、棒金支持部92の作動板部95および受入移動部98の第2カム部117と当接可能となるように左右方向の位置を合わせており、左右方向逆側の端部ローラ125も、左右方向逆側にある、棒金支持部92の作動板部95および受入移動部98の第2カム部117と当接可能となるように左右方向の位置を合わせている。
アーム部材124および切替モータ118が、図10および図11に示す上記した中立位置にあるとき、中間部ローラ123は受入移動部98の第1カム部116と当接する一方、端部ローラ125は、棒金支持部92の作動板部95には当接せず、また、受入移動部98の第2カム部117にも当接しない。この中立位置では、棒金支持部92は退避位置で停止しており、受入移動部98は直立位置で停止している。
そして、切替モータ118が上記した中立位置から所定角度正方向に回転すると、図12に示すように、アーム部材124が回転軸119を中心に棒金収納部52側に揺動して中間部ローラ123および端部ローラ125を後方つまり棒金収納部52側に移動させることになり、端部ローラ125が作動板部95を押圧して棒金支持部92を図示略の退避バネの付勢力に抗して後方の所定の突出位置まで突出させる。
この状態から切替モータ118が所定角度逆方向に回転して図11に示す中立位置に戻ると、アーム部材124が回転軸119を中心に棒金収納部52とは反対側に揺動して中間部ローラ123および端部ローラ125を前側に移動させることになり、棒金支持部92が図示略の退避バネの付勢力で図示略のストッパに当接して棒金収納部52とは反対の退避位置に位置する。
また、切替モータ118が中立位置から所定角度逆方向に回転すると、アーム部材124が回転軸119を中心に棒金収納部52とは反対側に揺動して中間部ローラ123および端部ローラ125を前側つまり棒金収納部52とは反対側に移動させることになり、その前期では中間部ローラ123が第1カム部116を押圧して受入移動部98を図示略の直立バネの付勢力に抗して回動軸99を中心に傾動させ、その途中で中間部ローラ123が第1カム部116に当接した状態で端部ローラ125が第2カム部117に当接し、その後の後期では、中間部ローラ123を第1カム部116から離間させながら端部ローラ125が、図14に示すように、第2カム部117を押圧して受入移動部98を所定の傾動位置まで傾動させる。このように、受入移動部98の直立位置から傾動位置へ傾動期間のうち、前期は、回転軸119に近い中間部ローラ123が受入移動部98の第1カム部116を押圧し、後期は、回転軸119から遠い端部ローラ125が受入移動部98の第2カム部117を押圧することになるため、回転軸119の回転速度が一定でも、受入移動部98を、傾動の前期は遅く、傾動の後期は速く傾動させることになる。
そして、この状態から切替モータ118が所定角度正方向に回転して中立位置に戻ると、アーム部材124が後側に揺動して中間部ローラ123および端部ローラ125を棒金収納部52側に移動させることになり、上記と逆にして、受入移動部98が図示略の直立バネの付勢力で図示略のストッパに当接して棒金収納部52側の直立位置に位置する。
以上の棒金収納装置10において、棒金収納部52のうちの取出対象となる一の対象金種の棒金カセット50から棒金Bを取り出す場合について説明する。
制御部31は、まず、昇降モータ90を駆動しピニオンギヤ83を回転させることによってラックギア82に対して棒金取出ユニット78を移動させることになり、棒金取出ユニット78を取出対象となる一の棒金カセット50の前方の所定位置まで移動させて停止させることになる。
次に、制御部31は、切替モータ118を所定角度正方向に回転させることになり、これにより、図11の状態から図12の状態に示すように、アーム部材124が棒金収納部52側に揺動して、端部ローラ125が作動板部95を押圧し棒金支持部92を退避バネの付勢力に抗して棒金収納部52側の突出位置に突出させる。すると、棒金支持部92の支持ブロック94が、取出対象の棒金カセット50の最前位置にある棒金Bの直下に位置することになる。
この状態で、制御部31は、昇降モータ90を所定角度回転させてピニオンギヤ83を所定角度回転させることになり、これにより、図12から図13に示すように、棒金取出ユニット78が所定量上昇する。すると、取出対象の棒金カセット50の最前位置にある棒金Bが、上昇する支持ブロック94によって棒金カセット50の先板部72よりも持ち上げられることになる。その結果、棒金Bは、先板部72による規制が解除されることになって、支持ブロック94の上面94aの傾斜で、棒金取出ユニット78側に移動する。すると、この棒金Bは、一対のガイド板107で左右方向の位置が所定範囲内に収まるように適宜調整されながら、直立位置にある受入移動部98の複数のガイド部材108の受入部110の導入面110aを通って受入凹面110bに入り込み、停止する。棒金Bは、この移動途中で姿勢が多少乱れることがあっても、複数のガイド部材108の円弧状に凹む受入凹面110bによって、姿勢が左右方向に沿うように矯正される。なお、最前位置の棒金Bが棒金カセット50から取り出されると、棒金カセット50に残った棒金Bが、底板部70の傾斜によって、その先頭にある棒金Bが先板部72に当接するまで移動する。
次に、制御部31は、切替モータ118を所定角度逆方向に回転させることになり、これにより、図14に示すように、アーム部材124が棒金収納部52と反対側に中立位置を越えて揺動する。これにより、移動する端部ローラ125が、図11に示すように、棒金支持部92を図示略の退避バネの付勢力で図示略のストッパに当接する退避位置に戻すことになり、その後、中間部ローラ123が第1カム部116を押圧し、続けて端部ローラ125が第2カム部117を押圧して、直立位置にあった受入移動部98を、図示略の直立バネの付勢力に抗して傾動位置に向け傾動させる。図14に示すように、受入移動部98が傾動位置に位置すると、それまで下方に凹む姿勢であった受入凹面110bが、前に向いて略鉛直方向に沿う姿勢になるとともに、それまで受入凹面110bの棒金収納部52とは反対側で立設していた移動案内部113の傾斜面113aが前下がりの状態つまり棒金収納部52とは反対側ほど下側に位置する状態になる。これにより、受入凹面110bにあった棒金Bが、傾斜面113aを棒金収納部52とは反対側に移動し、移動部114の幅広の停止板部105に当接する。これにより、棒金Bは、この移動途中で姿勢が多少乱れることがあっても、左右方向に沿うように矯正されて停止する。
この状態で、制御部31が、棒金搬送部55の縦型ベルトコンベア57をその棒金取出ユニット78側が上昇するように回転させると、縦型ベルトコンベア57の上昇する載置片56が、受入移動部98の中央側延出部104の左右両側にある端側延出部103との間の空間(図9参照)を通って、停止板部105で停止する棒金Bを下側から持ち上げて受け取る。縦型ベルトコンベア57に棒金Bを受け渡すと、制御部31は、切替モータ118の駆動により、アーム部材124を棒金収納部52側に揺動させて中立位置で停止させる。すると、図11に示すように、端部ローラ125および中間部ローラ123が、受入移動部98を図示略の直立バネの付勢力で図示略のストッパに当接する直立位置に戻すことになる。
なお、棒金収納部52からの棒金Bの出金時には、図5に示すように、棒金Bを棒金出金部63あるいは棒金一括収納部65に搬送する棒金搬送部55の縦型ベルトコンベア57を、棒金取出部77からの棒金Bの受け取りと同じ方向(棒金収納部52側を上方向)に回転させることになる。このため、棒金収納部52から複数の棒金Bを出金させる際には、制御部31が、縦型ベルトコンベア57を連続的に回転させながら、上記のように、棒金取出ユニット78の取出対象となる棒金カセット50の直前位置への配置、棒金支持部92の突出、棒金取出ユニット78の上昇、棒金支持部92の戻し、受入移動部98の傾動位置への傾動、縦型ベルトコンベア57への棒金Bの受け渡し、および受入移動部98の直立位置への戻しという作動サイクルを、適宜繰り返すことになる。
以上に述べた本実施形態の棒金収納装置10によれば、棒金取出ユニット78の棒金支持部92が、棒金収納部52側に突出することで一の棒金カセット50の最前位置にある棒金Bの直下に移動するとともに上昇することでこの最前位置にある棒金Bを持ち上げて棒金取出ユニット78側に移動させると、この棒金Bを受入部110が受け入れることになり、その後、移動部114が、受入部110で受け入れた棒金Bを棒金収納部52とは反対側に移動させることになる。よって、受入部110で移動を一旦中断することができるため、棒金Bの一度の移動距離を比較的短くすることができ、棒金Bの姿勢が乱れ難くなる。したがって、棒金収納部52から棒金搬送部55への棒金Bのより確実な受け渡しが可能となる。
また、前後方向に移動自在に設けられた棒金支持部92が、アーム部材124の棒金収納部52側への揺動によってこの棒金収納部52側へ突出することになる。したがって、棒金支持部52をコンパクトな構成で比較的大きく移動させることができる。
また、直立位置と棒金収納部52とは反対側へ傾動した傾動位置との間で回転自在に設けられた受入移動部98が、アーム部材124の棒金収納部52とは反対側への揺動によって直立位置から傾動位置へ傾動して、受入部110で受け入れた棒金を移動部114によって棒金収納部52とは反対側に移動させることになる。したがって、受入移動部98をコンパクトな構成で傾動させることができ、その上で、棒金支持部92の移動用のアーム部材124を受入移動部98の傾動用として共用できる。
また、受入移動部98の直立位置から傾動位置へ傾動の前期は、アーム部材124の中間部に設けられた中間部ローラ123が受入移動部98のカム板115を押圧することになり、受入移動部98の傾動の後期は、アーム部材124の端部に設けられた端部ローラ125が移動部114を押圧するため、アーム部材124の揺動速度を一定としても、受入移動部98を傾動の前期は遅く、傾動の後期は速く傾動させることができる。したがって、棒金Bの移動時の姿勢を一層乱れ難くすることができる。
また、受入移動部98が直立位置にあるとき、移動部114の下部から棒金収納部52側に延出する受入部110に、棒金支持部92によって移動させられた棒金Bを受け入れることになり、その後、受入移動部98が傾動し傾動位置に位置すると、移動部114が受入部110の下部から棒金収納部52とは反対側に延出して棒金Bを棒金収納部52とは反対側に移動させることになる。このように、受入部110と移動部114とを一体的に構成することで、受入部110で棒金Bを受け入れたり、移動部114で棒金Bを移動させることが簡素な構成で実現できることになる。
また、受入移動部98は傾動位置にあるとき移動部114の移動案内部113が棒金収納部52とは反対側が下側に位置するように傾斜することになり、この傾斜によって、棒金Bを棒金収納部52とは反対側に移動させることができる。