JP3490318B2 - 紙幣処理機 - Google Patents

紙幣処理機

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JP3490318B2
JP3490318B2 JP01498099A JP1498099A JP3490318B2 JP 3490318 B2 JP3490318 B2 JP 3490318B2 JP 01498099 A JP01498099 A JP 01498099A JP 1498099 A JP1498099 A JP 1498099A JP 3490318 B2 JP3490318 B2 JP 3490318B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、紙幣を収納させる
とともにこれを必要に応じて繰り出すことができる紙幣
収納繰出部を有する紙幣処理機に関する。
【0002】
【従来の技術】入金された紙幣を金種別に収納するとと
もに収納した紙幣を下方より一枚ずつ繰り出すことが可
能な入金スタッカ等に設けられ、繰り出しのための摩擦
力を確保するために、収納された紙幣の残量に応じてこ
れを上方から所定の力で押圧するビルプレス機構とし
て、例えば特開平6−4739号公報に開示されたもの
がある。このビルプレス機構は、紙幣を載置させた状態
で昇降移動するエレベータ部と、該エレベータ部上に載
置される紙幣を押圧するためのビルプレス部と、ビルプ
レス部を回動自在に支持する支持機構と、該支持機構を
上下方向に移動可能に支持する昇降駆動部とを有してお
り、ビルプレス部は、エレベータ部上に載置される紙幣
量の変化に応じて該紙幣を所定の力で上方から押えるよ
うに構成されている。具体的に、ビルプレス部は、軸に
一端側が支持された支持アームと該支持アームの他端側
に支持された紙幣を押圧するための押圧板とを有してお
り、紙幣が入金される入金時には、軸を中心に支持アー
ムが回動し押圧板が軸に対し上方向に旋回することによ
り、入金される紙幣の集積の妨げとならないように、紙
幣を集積させる収納空間の一部を画成するガイド壁より
外側に退避させられることになり、出金時には、必要に
応じてこの退避位置から軸を中心に支持アームが回動し
上側の押圧板が収納空間内に倒れ込むことにより、エレ
ベータ部上に載置された紙幣を上側から押えるようにな
っている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、エレベ
ータ部上に載置される集積紙幣の最上部は、紙幣自身の
膨らみや折れ癖等から、ビルプレス部によって押えられ
るまでは非常に不安定な状態にあってその姿勢も幾分乱
れた状態となっている場合がある。このような状態でビ
ルプレス部が倒れ込むと、その勢いで紙幣がビルプレス
部に押えられずにビルプレス部の押え範囲からはみ出し
該ビルプレス部の上側に載ってしまう状態を生じること
があった。そして、このような状態のまま、入金処理の
開始にあたって退避するべくビルプレス部が軸を中心に
支持アームを回動させ押圧板を軸に対し上方向に旋回さ
せると、ビルプレス部上に載ってしまっていた紙幣が該
ビルプレス部とガイド壁との間に挟まってしまうという
問題が生じた。その結果、紙幣が破損したり、あるい
は、ビルプレス部が収納空間から退避できずに入金紙幣
と接触し該入金紙幣の集積状態を不良としたり、さらに
は、このような状態のビルプレス部とエレベータ部等の
他の機構部との接触により破損を生じたりする等の障害
につながる可能性があった。本発明は、紙幣を押圧する
ビルプレス上に紙幣が載置されるような状態が生じた場
合においても、該紙幣に起因して障害が生じることを防
止し、継続して処理を行うことが可能となる紙幣処理機
の提供を目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明の請求項1記載の紙幣処理機は、紙幣を収納
空間内に収納するとともに該収納空間内に収納した紙幣
を下方より一枚ずつ繰り出すことが可能な紙幣収納繰出
部を有し、該紙幣収納繰出部には前記収納空間に対し一
の側方から進退し該収納空間内に収納した紙幣を進入時
に上方から押圧するビルプレス部材が設けられているも
のであって、前記ビルプレス部材は、前記収納空間に対
し、前記一の側方から挿入され該一の側方に引き抜かれ
ることにより進退することを特徴としている。このよう
に、ビルプレス部材が、収納空間に対し、一の側方から
挿入され該一の側方に引き抜かれることにより進退する
ため、ビルプレスの上側に紙幣が載ってしまうことがあ
っても、ビルプレス部材を引き抜くことにより退避させ
ることで、紙幣がビルプレス部材と他の部材との間に挟
まれることを防止する。
【0005】本発明の請求項2記載の紙幣処理機は、請
求項1記載のものに関して、前記ビルプレス部材は、一
端側が下側に他端側が上側に位置しかつこれら一端側と
他端側との高低差が大きい状態で前記収納空間から退避
しており、この状態から、これら一端側と他端側との高
低差が小さくなるように姿勢変更しつつ前記他端側より
も前記一端側から先に前記収納空間内に挿入される一
方、前記一端側と前記他端側との高低差が小さく前記収
納空間内に進入した状態から、前記一端側が下側に前記
他端側が上側に位置しかつこれら一端側と他端側との高
低差が大きくなるよう姿勢変更しつつ前記一端側よりも
前記他端側から先に前記収納空間内から引き抜かれるこ
とを特徴としている。これにより、ビルプレス部材は、
収納空間から退避すると、一端側が下側に他端側が上側
に位置しかつこれら一端側と他端側との高低差が大きい
状態となるため、退避のための側方への移動量が小さく
抑えられる。
【0006】本発明の請求項3記載の紙幣処理機は、請
求項2記載のものに関して、前記ビルプレス部材を回動
自在に支持しつつ昇降移動させる昇降駆動部と、前記ビ
ルプレス部材を一方向に回動付勢する回動バネ部材と、
該回動バネ部材で付勢された前記ビルプレス部材に当接
し前記回動バネ部材と協働して前記ビルプレス部材の姿
勢をその昇降高さに応じて変更するガイド部材と、を具
備することを特徴としている。これにより、昇降駆動部
がビルプレス部材を昇降させると、ガイド部材が、これ
に当接するビルプレス部材の姿勢を回動バネ部材と協働
して変更することになり、このようにして、収納空間に
対しビルプレス部材を進退させることになるため、進退
時の側方への移動量を小さく抑えた上で、ビルプレス部
材の収納空間に対する進退を一つの駆動源の駆動で行う
ことができる。
【0007】本発明の請求項4記載の紙幣処理機は、請
求項2記載のものに関して、昇降駆動モータを有し該昇
降駆動モータの駆動力で前記ビルプレス部材を昇降移動
させる昇降駆動部と、前記昇降駆動モータとは別の回動
駆動モータを有し該回動駆動モータの駆動力で前記ビル
プレス部材を回動させる回動駆動部と、を具備すること
を特徴としている。これにより、昇降駆動モータを有す
る昇降駆動部がビルプレス部材を昇降移動させるととも
に、昇降駆動モータとは別の回動駆動モータを有する回
動駆動部がビルプレス部材を回動させることにより、収
納空間に対しビルプレス部材を進退させることになるた
め、任意の昇降位置でビルプレス部材を収納空間に対し
進退させることができる。
【0008】本発明の請求項5記載の紙幣処理機は、請
求項1乃至4のいずれか一項記載のものに関して、前記
ビルプレス部材には、前記収納空間への進入時における
上面側に、紙幣との摩擦を軽減する摩擦軽減手段が設け
られていることを特徴としている。このように、ビルプ
レス部材の収納空間への進入時における上面側に、紙幣
との摩擦を軽減する摩擦軽減手段が設けられているた
め、ビルプレス部材上に載った紙幣は、ビルプレス部材
が収納空間から退避のため移動しても摩擦軽減手段で滑
りを生じ、よって、ビルプレス部材につられて移動して
しまうことがなくなる。
【0009】本発明の請求項6記載の紙幣処理機は、請
求項5記載のものに関して、前記摩擦軽減手段は、回転
自在のローラであることを特徴としている。このよう
に、摩擦軽減手段が回転自在のローラであるため、経時
的な性能劣化がほとんどない。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明の第1の実施の形態の紙幣
処理機を図1〜図6を参照して以下に説明する。なお、
各図において矢印で示すX方向が、操作を行うオペレー
タ側すなわち機体10の前方(正面側)を示す。また、
以下における前後は機体10における前後であり、左右
は、機体10の前方から機体10を見たときの左右であ
る。
【0011】この実施の形態の紙幣処理機は、バラ紙幣
の入金、収納、回収および出金と、紙幣の結束、結束さ
れた束紙幣の収納および出金等、紙幣に関する各処理を
行うことが可能とされ、銀行等における出納機の一部と
して他の図示しない硬貨処理機等と組み合わされて用い
られるものであり、図1に示すように、その機体10の
上部には正面(前面)からやや上方に向いて、各処理の
操作がオペレータにより入力される操作部11と、処理
のガイドメニュー、処理状態および処理結果等を表示す
る表示部12とが設けられている。
【0012】また、これら操作部11および表示部12
の下側位置には、正面に向いて、結束された束紙幣を機
外に放出するための束紙幣放出口13と、結束枚数に満
たないバラの端数紙幣を機外に繰り出させる端数紙幣繰
出口14とが設けられている。さらに、これら束紙幣放
出口13および端数紙幣繰出口14の下側かつ前側位置
には、上方を向いて、入金するバラ紙幣がオペレータに
よりセットされ、また機内から出金されるバラ紙幣が送
り込まれる紙幣入出金・リジェクト口16と、所定枚数
で結束された各金種の束紙幣が送り込まれる束紙幣出金
口17とが設けられている。
【0013】紙幣入出金・リジェクト口16には、機体
10の内外を開放・遮断するスライド式のスライドシャ
ッタ18が設けられており、束紙幣出金口17にも、機
体10の内外を開放・遮断するスライド式のスライドシ
ャッタ19が設けられていて、端数紙幣繰出口14に
も、機体10の内外を開放・遮断するスライド式のスラ
イドシャッタ20が設けられている。また、束紙幣放出
口13にも、機体10の内外を開放・遮断する揺動式の
開閉シャッタ21が設けられている。
【0014】この紙幣処理機は、大きく分けると、紙幣
入出金・リジェクト口16にその長手方向を左右方向と
した状態でセットされるバラ紙幣を入金させて収納する
入金処理を行うとともに、収納したバラ紙幣を必要に応
じて紙幣入出金・リジェクト口16ヘ出金させる出金処
理等のバラ紙幣における各処理を行う紙幣入出金ユニッ
ト23と、該紙幣入出金ユニット23から送り込まれる
バラ紙幣を所定枚数集積させ、さらに集積させた集積紙
幣を結束させるとともに、この結束した束紙幣をその目
的に応じた場所に向け振分搬送する紙幣結束・搬送ユニ
ット24と、該紙幣結束・搬送ユニット24で結束され
て送り込まれる束紙幣を受け取り、金種別に収納すると
ともに、収納した束紙幣を必要に応じて束紙幣出金口1
7へ出金させる束紙幣収納・出金ユニット(束紙幣収納
ユニット)25とから構成されている。
【0015】ここで、束紙幣収納・出金ユニット25
は、紙幣入出金ユニット23の正面から見て横に並設さ
れていて、紙幣結束・搬送ユニット24は、これら紙幣
入出金ユニット23および束紙幣収納・出金ユニット2
5の上側かつ後部側に配置されている。
【0016】以下に、本発明の要部である紙幣収納繰出
部を有する紙幣入出金ユニット23について説明する。
図2に示すように、紙幣入出金ユニット23は、主に紙
幣入出金・リジェクト口16から取り込まれたバラ紙
幣、あるいは出金させるバラ紙幣を搬送するための上層
の紙幣搬送部27と、該紙幣搬送部27で搬送されたバ
ラ紙幣を金種別に一時貯留する中層の一時貯留部28
と、該一時貯留部28に一時貯留されたバラ紙幣を金種
別に収納する下層の紙幣収納部29とを有する三層構造
とされている。
【0017】〔紙幣搬送部〕紙幣搬送部27は、入金処
理時においてバラ紙幣がセットされ該セットされたバラ
紙幣を一枚ずつ機体10内に取り込むとともに、入金処
理時における鑑別不能なリジェクト紙幣(バラ紙幣)が
繰り出され、さらに、補充処理時における鑑別不能なリ
ジェクト紙幣(バラ紙幣)が繰り出され、加えて、出金
処理時においては機体10内から出金バラ紙幣が繰り出
される場所となる上記した紙幣入出金・リジェクト口1
6と、該紙幣入出金・リジェクト口16を必要に応じて
開閉する上記したスライド式のスライドシャッタ18
と、入金バラ紙幣を必要な場所に搬送するとともに出金
バラ紙幣を必要に応じた場所に搬送する搬送路31と、
該搬送路31の搬送途中に設けられ、入金処理時におい
て紙幣入出金・リジェクト口16から繰り出され搬送路
31で搬送される入金バラ紙幣および補充処理時におい
て搬送路31で搬送される補充バラ紙幣の真偽、金種お
よび正損の鑑別を行う入金鑑別部32と、出金処理時に
おいて搬送されるバラ紙幣のうち二重送り、斜行と判別
された出金バラ紙幣を収納するとともに該紙幣入出金ユ
ニット23から着脱自在に設けられた出金リジェクトボ
ックス33と、入金処理時等において真かつ汚損と判断
された汚損バラ紙幣を一時貯留する汚損紙幣一時貯留部
34と、該汚損紙幣一時貯留部34に一時貯留された汚
損バラ紙幣を入金処理の確定後に収納する汚損紙幣収納
部35とから構成される。
【0018】なお、搬送路31の途中には、入金鑑別部
32の鑑別結果からバラ紙幣の表裏を判断し、該バラ紙
幣の表裏を取り揃えるための表裏反転部36が設けられ
ている。また、汚損紙幣一時貯留部34および汚損紙幣
収納部35上には、開閉自在な扉37,38が設けられ
ている。ここで、汚損紙幣一時貯留部34上の扉37は
入金処理が取り消されたときに一時貯留される汚損バラ
紙幣を返却する場合に容易に取り出せるように開閉自在
であるのに対し、汚損紙幣集収納部35の扉38は、入
金確定後に収納される機械管理側のバラ紙幣であるた
め、容易に取り出されないようにキーロック(図示略)
が設けられている。以上の紙幣搬送部27は、機体10
から前方に引き出し可能とされている。
【0019】〔一時貯留部〕一時貯留部28には、図2
に示すように、入金バラ紙幣あるいは補充バラ紙幣を金
種別に振分・収納するために、その取り引きが確定する
まで、該バラ紙幣を金種別に一時貯留させる一時貯留庫
40,40,40が、互いに高さ方向の位置および左右
方向の位置を一致させた状態で前後方向に並設されてい
る。また、一時貯留部28には、主にこれら金種別の一
時貯留庫40,40,40に紙幣を搬送するための搬送
路41が設けられている。
【0020】これらの一時貯留庫40,40,40は、
それぞれ、搬送路41から、対応金種のバラ紙幣を取り
込むもので、バラ紙幣を内部に取り込む上下に開口する
形状の筐体43と、該筐体43内に取り込まれたバラ紙
幣を表裏方向を上下方向にして、上下方向に順次集積さ
せながら載置させる一時貯留板44,44とを有してい
る。この一時貯留板44,44は、載置させたバラ紙幣
の集積量に応じて昇降可能とされており、さらに、前後
方向に互いに離間するようにスライドすることによって
載置させていたバラの集積紙幣を筐体43から下方に放
出可能とされている。以上の一時貯留部28も、機体1
0から前方に引き出し可能とされている。
【0021】〔紙幣収納部〕紙幣収納部29には、図2
に示すように、上記した金種別の一時貯留庫40,4
0,40のそれぞれ下側に設けられ、一時貯留庫40,
40,40から一時貯留板44,44のスライドにより
放出されたバラ紙幣を受け取って収納するとともに、収
納した紙幣を下方から出金用として一枚ずつ分離して繰
り出し可能な金種別の紙幣収納繰出部46,46,46
と、該紙幣収納繰出部46,46,46から繰り出され
たバラ紙幣等を搬送する搬送路47と、紙幣収納部29
の図示せぬフレームから着脱自在に設けられ、紙幣収納
繰出部46,46,46からの回収紙幣を受入可能であ
り、また紙幣収納繰出部46,46,46へ紙幣を補充
する補充処理の際に、装填された紙幣を一枚ずつ繰り出
し可能に構成されるスタッカ48と、搬送路47の途中
に設けられ、搬送するバラ紙幣の重送あるいは斜行等を
鑑別する出金鑑別部49とが設けられている。
【0022】各紙幣収納繰出部46,46,46は、同
一構成のもので、互いに高さ方向の位置および左右方向
の位置を一致させた状態で前後方向に並設されている。
また、スタッカ48は、これら紙幣収納繰出部46,4
6,46と左右方向の位置を合わせ、高さ方向の位置を
ほとんど重ね合わせた状態でこれらの前側に配置されて
いる。なお、スタッカ48は紙幣収納部29のフレーム
に対し着脱自在であるのに対し、紙幣収納繰出部46,
46,46は、着脱不可となるように紙幣収納部29の
フレームに固定されている。以上の紙幣収納部29も、
機体10から前方に引き出し可能とされており、このよ
うに引き出された状態でさらにスタッカ48は紙幣収納
部29のフレームから着脱可能となっている。
【0023】紙幣収納繰出部46について図3〜図6を
参照してさらに説明する。紙幣収納繰出部46は、直上
の一時貯留庫40から一時貯留板44,44の開作動で
落とし込まれたバラの一時貯留紙幣を受け入れる略上部
開口角筒状の筐体51と、該筐体51内に直上の一時貯
留庫40から落とし込まれた一時貯留紙幣を表裏方向を
上下方向に向けかつ上下方向に集積させた状態で載置さ
せる昇降可能かつ開閉可能な一対の扉式のフラッパ5
2,52と、筐体51内のフラッパ52,52より下側
に、表裏方向を上下方向に向けかつ上下方向に集積させ
た状態で収納されたバラの収納紙幣S1を、その収納量
に応じて略上方から所定の力で押圧するビルプレス53
と、収納紙幣S1を最下のものから一枚ずつ搬送路47
に繰り出す繰出機構部55とを有している。なお、筐体
51の内側の空間が、紙幣を収納する収納空間54であ
る。
【0024】筐体51は、図3に示すように、その前部
を構成するよう左右方向に沿って鉛直延在する前板部5
7と、図5に示すように、その両側部を構成するよう前
後方向に沿って鉛直延在する両側板部58,58と、そ
の後部の両側部58,58側の一部を構成するよう左右
方向に沿って鉛直延在する両後板部59,59と、下側
を閉塞させるよう水平延在する下板部60とを有するガ
イド体61と、筐体51の後部の他の一部を構成するよ
うに両後板部59,59間に所定の間隔で配置された鉛
直延在する複数具体的には四本のガイド棒62,62,
…とで構成されている。
【0025】ここで、ガイド棒62,62,…および両
後板部59,59の下端部は、下板部60より若干上側
に配置されており、これにより、ガイド棒62,62,
…および両後板部59,59の下端部と下板部60との
間には筐体51を後方に開口させる繰出口63が形成さ
れている。
【0026】図3に示すように、筐体51の下部には、
ビルプレス53の作動を制御するために、収納空間54
内の収納紙幣S1の収納量が予め設定された量より少な
いか否かを判定するビルプレスセンサ65が設けられて
いる。すなわち、ビルプレス53は、収納空間54の収
納紙幣S1の収納量が、繰出機構部55が収納紙幣S1
を良好に繰り出すために必要な摩擦力を確保できる重量
が得られる収納量より少ない場合に、前記摩擦力を確保
させるよう収納紙幣S1を上側から押圧するものである
ため、ビルプレスセンサ65は、前記摩擦力を確保でき
る収納量が収納されているか否かを判定できる高さ位置
に配置される。そして、図示せぬ制御部は、このビルプ
レスセンサ65で収納紙幣S1が検出された状態ではビ
ルプレス53による収納紙幣S1の押圧は行わず、この
ビルプレスセンサ65で収納紙幣S1が検出されない状
態ではビルプレス53による収納紙幣S1の押圧を行う
ことになる。
【0027】繰出機構部55は、一部が筐体51の下板
部60より収納空間54内に突出するよう設けられた蹴
出ローラ67と、繰出口63の下側に配置された繰出ロ
ーラ68と、繰出口63の上側に配置された分離ローラ
69とを有しており、収納空間54に収納された収納紙
幣S1の最下のものをこれに接触する蹴出ローラ67が
繰出ローラ68および分離ローラ69の方向に蹴り出
し、該蹴り出された紙幣のうち最下のものより上側のも
のを分離ローラ69で分離しつつ最下のものを繰出ロー
ラ68が搬送路47に繰り出すものである。
【0028】ビルプレス53は、筐体51すなわち収納
空間54に対し後方(一の側方)から進退し進入時に収
納空間54内の収納紙幣S1を上方から押圧するビルプ
レス部材71と、筐体51の後方に設けられ、ビルプレ
ス部材71を、収納空間54に対し後方から挿入させか
つ後方に引き抜くことにより進退させる進退機構72と
を有している。
【0029】・ビルプレス部材 ビルプレス部材71は、略一方向に長い板状をなすとと
もに一端側(ビルプレス部材71の一端側)に収納紙幣
S1を押圧するための押面部74がそれぞれ形成された
複数具体的には4つの同一形状の部材本体75,75,
…と、これら部材本体75,75,…がそれぞれの他端
側において所定の間隔で固定される支持軸76と、該支
持軸76の一端に固定された略一方向に長い板状の駆動
アーム77と、この駆動アーム77の支持軸76に対し
反対側(ビルプレス部材71の他端側)に回転自在に支
持された、支持軸76と平行をなすガイドローラ78と
を有している。
【0030】ここで、支持軸76は、進退機構72に左
右方向に水平延在するように支持されることになり、こ
の状態で、すべての部材本体75,75,…は、互いの
前後および上下方向の位置を合わせた状態で左右方向に
所定の間隔で配置されることになり、さらに、駆動アー
ム77は、部材本体75に対し略反対方向に延出する。
すべての部材本体75,75,…と駆動アーム77とは
支持軸76を中心に一体的に回転する。
【0031】・進退機構 進退機構72は、筐体51の後方に設けられ、上記した
支持軸76を回動自在に支持しつつ昇降させるビルプレ
ス支持機構(昇降駆動部)80と昇降駆動部81とを有
している。すなわち、ビルプレス支持機構80が上記し
た支持軸76を回動自在かつ昇降自在に支持することに
なり、昇降駆動部81がビルプレス支持機構80で支持
された支持軸76を昇降させる。
【0032】ビルプレス支持機構80は、支持軸76を
その両端位置において回転自在に支持するビルプレス支
持部材83と、該ビルプレス支持部材83の左右両側の
後面と図示せぬ機体フレームとの間に取り付けられ、該
ビルプレス支持部材83を昇降自在に支持する一対のス
ライドレール84,84と、ビルプレス支持部材83を
下方に付勢する図示せぬ下降バネ部材とを有している。
【0033】なお、このビルプレス支持部材83に支持
された状態で、ビルプレス部材71は、筐体51の左側
の後板部59と最も左側のガイド棒62との間、最も左
側のガイド棒62とその右隣りのガイド棒62との間、
右側の後板部59と最も右側のガイド棒62との間、最
も右側のガイド棒62とその左隣りのガイド棒62との
間、の合計四カ所の隙間に対し、四つの部材本体75,
75,…の左右方向の位置を合わせる。
【0034】昇降駆動部81は、互いに上下に離間して
配置された一対のプーリ86,86と、これらプーリ8
6,86に掛け渡されることによりビルプレス支持部材
83の後方に略鉛直に延在する駆動ベルト87と、プー
リ86,86の一方を駆動する図示せぬ昇降駆動モータ
と、駆動ベルト87の側方において上下に延在するよう
図示せぬ機体フレームに取り付けられたスライドレール
88と、該スライドレール88に昇降自在に支持される
とともにその一部が駆動ベルト87の一部に固定された
昇降駆動部材89と、昇降駆動部材89の昇降移動の上
限位置および下限位置をそれぞれ検出する図示せぬセン
サとを有している。
【0035】ここで、昇降駆動部材89は、前方に突出
する持上片90を下端に有する略L字状をなしており、
この持上片90は、支持軸76の下側かつ該支持軸76
の昇降範囲内に位置する。よって、昇降駆動部81は、
図示せぬ昇降駆動モータの駆動で駆動ベルト87が回転
することにより昇降駆動部材89がスライドレール88
に沿って昇降すると、持上片90が下側からビルプレス
部材71の支持軸76を支持しつつこれをビルプレス支
持機構80で案内させながら昇降させることになる。
【0036】進退機構72は、さらに、ビルプレス部材
71のガイドローラ78の後側に設けられ、該ガイドロ
ーラ78を当接させ支持軸76の昇降により該ガイドロ
ーラ78を倣い走行させつつ昇降させることにより、ビ
ルプレス部材71の支持軸76を中心とする回動角度を
高さに応じて変更して該ビルプレス部材71の姿勢を制
御するガイド部材92と、ビルプレス部材71を図3に
おける時計回り方向に付勢する(言い換えれば、ビルプ
レス部材71の部材本体75,75,…の支持軸76に
対し反対側(一端側)が駆動アーム77のガイドローラ
78側(他端側)よりも収納空間54側に位置する一方
向に回動付勢する)回動バネ部材93とをさらに有して
いる。この結果、ガイド部材92は、回動バネ部材93
で付勢されたビルプレス部材71に当接し回動バネ部材
93と協働してビルプレス部材71の姿勢をその昇降高
さに応じて変更することになる。
【0037】具体的には、ガイド部材92の上部にある
退避面94は、ガイド部材92中最も筐体51側にあっ
て、左右方向に沿って鉛直延在しており、この退避面9
4にガイドローラ78が当接した状態においては、ビル
プレス部材71は、図3および図4に示すように、ガイ
ドローラ78が最も筐体51側に位置し、部材本体7
5,75,…が最もガイド部材92側に位置した状態と
なる。
【0038】この状態においてビルプレス部材71は、
一端の押面部74側が下側に他端のガイドローラ78側
が上側に位置しかつ押面部74側とガイドローラ78側
との高低差が大きい状態で全体として筐体51の収納空
間54から完全に外側に退避した退避姿勢となる。な
お、支持軸76を持ち上げる昇降駆動部材89が昇降移
動の上限位置に位置し支持軸76が上限位置に位置した
状態では、ガイドローラ78は退避面94に当接した状
態となる。
【0039】また、ガイド部材92の下部にある押圧面
95は、ガイド部材92中最も筐体51に対し離間側に
あって、左右方向に沿って鉛直延在しており、この押圧
面95にガイドローラ78が当接した状態においては、
ビルプレス部材71は、ガイドローラ78が最も筐体5
1から離間する側に位置し、図6に示すように、部材本
体75,75,…が最も筐体51側に位置した状態とな
る。
【0040】この状態においてビルプレス部材71は、
押面部74側とガイドローラ78側との高低差が小さく
部材本体75,75,…が筐体51内の収納空間54内
に最も入り込み、押面部74をビルプレス部材71中の
最下位置で水平延在させる押圧姿勢となる。またこの状
態においてビルプレス部材71の部材本体75,75,
…の上面となる上面部96は、支持軸76に対し反対と
なる先端側が下方に位置するよう傾斜した状態となる。
なお、ガイドローラ78が押圧面95に当接した状態で
昇降する場合、ビルプレス部材71は押圧姿勢のまま昇
降することになる。
【0041】さらに、ガイド部材92の上下方向におけ
る中間部にある旋回面97は、上記退避面94と押圧面
95とを直線的に結んでおり、その結果、傾斜形状をな
している。そして、ガイドローラ78がこの旋回面97
を退避面94側から押圧面95側に移動するとビルプレ
ス部材71を退避姿勢から押圧姿勢に、逆にガイドロー
ラ78がこの旋回面97を押圧面95側から退避面94
側に移動するとビルプレス部材71を押圧姿勢から退避
姿勢に、それぞれ徐々に姿勢変更させる。
【0042】以上の結果、ガイドローラ78が退避面9
4から旋回面97さらには押圧面95に移動(すなわち
下降)すると、ガイドローラ78が退避面94に当接し
押面部74側が下側にガイドローラ78側が上側に位置
しかつ押面部74側とガイドローラ78側との高低差が
大きい状態で収納空間54から退避した上記退避姿勢に
あったビルプレス部材71を、この状態から、押面部7
4側とガイドローラ78側との高低差が小さくなるよう
に連続的に姿勢変更しつつガイドローラ78側よりも押
面部74側から先に収納空間54内に挿入させ、最終的
に押面部74側とガイドローラ78側との高低差が最小
の押圧姿勢とする。
【0043】逆に、ガイドローラ78が押圧面95から
旋回面97さらには退避面94に移動(すなわち上昇)
すると、ガイドローラ78が押圧面95に当接し押面部
74側とガイドローラ78側との高低差が小さく収納空
間54内に進入した上記押圧姿勢にあったビルプレス部
材71は、押面部74側が下側にガイドローラ78側が
上側に位置しかつ押面部74側とガイドローラ78側と
の高低差が大きくなるよう姿勢変更しつつ押面部74側
よりもガイドローラ78側から先に収納空間54内から
引き抜かれる。
【0044】ここで、ガイドローラ78が上記のように
下降するのは、支持軸76が下降するときであるため、
ビルプレス部材71は、全体として下降しつつ押面部7
4側が上昇する方向に回動して収納空間54に挿入され
ることになり、その結果、図6に一点鎖線で軌跡を示す
ように、収納空間54の下部のほぼ一定位置から収納空
間54内に略側方から挿入されるように動作する。勿
論、この挿入位置は、ビルプレス部材71が、ビルプレ
スセンサ65の検出位置より低い位置にある収納紙幣S
1についてはいずれをも捲れ上がらせることがないよう
に(言い換えれば、必ず収納紙幣S1の上側に入り込む
ように)設定されている。
【0045】逆に、ガイドローラ78が上記のように上
昇するのは、支持軸76が上昇するときであるため、ビ
ルプレス部材71は、全体として上昇しつつ押面部74
側が下降する方向に回動して収納空間54から引き抜か
れることになり、その結果、図6に一点鎖線で軌跡を示
すように、収納空間54の下部のほぼ一定位置から収納
空間54より略側方に引き抜かれるように動作する。
【0046】以上のような構成の第1の実施の形態の紙
幣収納繰出部46によれば、出金処理時等、紙幣を繰り
出す際に、ビルプレスセンサ65で収納紙幣S1が検出
されていると、図示せぬ制御部は、昇降駆動部81の昇
降駆動部材89を図3に示す上限位置で停止させた状態
にあり、支持軸76を上限位置まで上昇させ、ビルプレ
ス部材71を退避姿勢とさせている。この状態では、繰
出機構部55は、収納紙幣S1の自重により生じる摩擦
力で蹴出ローラ67が紙幣を蹴り出し、該紙幣を繰出ロ
ーラ68および分離ローラ69が一枚ずつ搬送路47に
繰り出すことになる。
【0047】このような紙幣の繰り出しにより収納空間
54の収納紙幣S1の量が減り、ビルプレスセンサ65
で収納紙幣S1が検出されなくなると、図示せぬ制御部
は、昇降駆動部81の図示せぬ昇降駆動モータを駆動
し、昇降駆動部材89を図3に示す上限位置から図6に
示す下限位置まで下降させる。すると、ビルプレス部材
71が自重と図示せぬ下降バネ部材の付勢力と等で支持
軸76を昇降駆動部材89の下降にともなって下降させ
ることになり、この下降中に、ガイドローラ78がガイ
ド部材92の退避面94から旋回面97に移動しさらに
該旋回面97に沿って下降してビルプレス部材71の部
材本体75,75,…を収納空間54内に挿入させる。
そして、ガイドローラ78がガイド部材92の旋回面9
7から押圧面95に移動するとビルプレス部材71は最
も収納空間54内に挿入された押圧姿勢となる。
【0048】さらに、ガイドローラ78が押圧面95に
沿って下降すると、この押圧姿勢のまま、ビルプレス部
材71が下降し、収納空間54内の収納紙幣S1の最上
のものに上側から押面部74において接触する。する
と、ビルプレス部材71は、その自重とビルプレス支持
部材83および回動バネ部材93の自重と図示せぬ下降
バネ部材の付勢力と等で、収納紙幣S1を上方から押圧
する。
【0049】そして、このようにビルプレス部材71が
収納紙幣S1を押圧した状態となった後も、昇降駆動部
材89は支持軸76から離間して下降し最終的に図6に
示す下限位置で停止する。この状態では、繰出機構部5
5は、収納紙幣S1の自重とビルプレス部材71の押圧
力とで生じる摩擦力で蹴出ローラ67が収納紙幣S1の
最下のものを蹴り出し、該紙幣を繰出ローラ68および
分離ローラ69が一枚ずつ搬送路47に繰り出すことに
なる。そして、このような紙幣の繰り出しで収納紙幣S
1が減ると、それに伴ってビルプレス部材71も下降
し、収納紙幣S1に押圧力を付与し続ける。
【0050】他方、この状態から、入金処理等、紙幣を
収納空間54に取り込む際には、図示せぬ制御部は、昇
降駆動部81の図示せぬ昇降駆動モータを駆動し、昇降
駆動部材89を図6に示す下限位置から図3に示す上限
位置まで上昇させる。すると、昇降駆動部材89が支持
軸76に当接し、これを上昇させる。この上昇中に、ガ
イドローラ78が押圧面95に沿って上昇すると、この
押圧姿勢のまま、ビルプレス部材71は上昇し、押圧面
95から旋回面97に移動しさらに該旋回面97に沿っ
て上昇してビルプレス部材71の部材本体75,75,
…を収納空間54内から抜き出させる。そして、ガイド
ローラ78がガイド部材92の旋回面97から退避面9
4に移動するとビルプレス部材71は部材本体75,7
5,…を収納空間54内から完全に抜け出させた退避姿
勢となる。
【0051】以上に述べた第1の実施の形態の紙幣処理
機によれば、ビルプレス部材71が、収納空間54に対
し、一の側方から挿入され該一の側方に引き抜かれるこ
とにより進退するため、ビルプレス部材71の上側に紙
幣が載ってしまうことがあっても、ビルプレス部材71
を引き抜くことにより退避させることで、従来のビルプ
レス部材が起き上がるように旋回して収納空間から退避
する場合のように紙幣がビルプレス部材と他の部材との
間に挟まれてしまうことを防止する。したがって、収納
紙幣S1を押圧するビルプレス部材71上に紙幣が載置
されるような状態が生じた場合においても、ビルプレス
部材71を良好に収納空間54から退避させることがで
き、該紙幣に起因して障害が生じることを防止し、継続
して処理を行うことが可能となる。
【0052】しかも、ビルプレス部材71は、収納空間
54から退避すると、長さ方向における一端の押面部7
4側が下側に他端のガイドローラ78側が上側に位置し
かつ押面部74側とガイドローラ78側との高低差が大
きい状態(すなわち立位姿勢)となるため、進退時の側
方への移動量が小さく抑えられる。したがって、紙幣収
納繰出部46を全体的にコンパクトにできる。
【0053】さらに、昇降駆動部81が昇降駆動モータ
によりビルプレス部材71を昇降させると、ガイド部材
92が、これに当接するビルプレス部材71の姿勢を回
動バネ部材93と協働して変更することになり、このよ
うにして、収納空間54に対しビルプレス部材71を進
退させることになるため、ビルプレス部材71の収納空
間54に対する上記のような進退を一つの駆動源である
昇降駆動モータの駆動で行うことができる。したがっ
て、コストを低減することができる。
【0054】本発明の第2の実施の形態の紙幣処理機を
図7〜図9を主に参照して以下に第1の実施の形態との
相違部分を中心に説明する。なお、第1の実施の形態と
同様の部分には、同一の符号を付しその説明は略す。
【0055】第2の実施の形態におけるビルプレス53
は、筐体51すなわち収納空間54に対し後方(一の側
方)から進退し進入時に収納空間54内の収納紙幣S1
を上方から押圧するビルプレス部材101と、ビルプレ
ス部材101を、収納空間54に対し後方から挿入させ
かつ後方に引き抜くことにより進退させる進退機構10
2とを有している。
【0056】・ビルプレス部材 ビルプレス部材101は、略一方向に長い板状をなすと
ともに一端側に収納紙幣S1を押圧するための押面部7
4が形成された複数の同一形状の第1の実施の形態と同
様の部材本体75,75,…と、これら部材本体75,
75,…がそれぞれの他端側において、所定の間隔で固
定される第1の実施の形態と同様の支持軸76と、支持
軸76に固定された規制ピン104とを有している。
【0057】ここで、第1の実施の形態と同様、支持軸
76は、進退機構102に左右方向に水平延在するよう
に支持されることになり、この状態で、すべての部材本
体75,75,…は、互いの前後および上下方向の位置
を合わせた状態で左右方向に所定の間隔をなして配置さ
れる。
【0058】・進退機構 進退機構102は、回動駆動モータ105を有し該回動
駆動モータ105の駆動力でビルプレス部材101を回
動させる回動駆動部106と、回動駆動モータ106と
は別の図示せぬ昇降駆動モータを有し該昇降駆動モータ
の駆動力でビルプレス部材101の支持軸76を昇降移
動させる第1の実施の形態と同様の昇降駆動部81とを
有している。
【0059】回動駆動部106は、ビルプレス部材10
1の支持軸76を回転自在に支持する第1の実施の形態
と同様のビルプレス支持機構80を有しており、該ビル
プレス支持機構80に支持された状態で、ビルプレス部
材101は、筐体51に対し四つの部材本体75,7
5,…を第1の実施の形態と同様の位置に配置させる。
【0060】第2の実施の形態において、回動駆動部1
06は、さらに、ビルプレス部材101の支持軸76の
一端側に固定されたギア108と、該ギア108に噛み
合うギア109がその回転軸に固定されるとともにビル
プレス支持部材83に取り付けられた回動駆動モータ1
05とを有しており、該回動駆動モータ105の正逆回
転がギア109,108を介して支持軸76に伝達さ
れ、ビルプレス部材101を支持軸76を中心に回動さ
せる。
【0061】ここで、回動駆動モータ105の回転軸に
は、該回転軸が、ビルプレス部材101を退避姿勢とす
る回転位置にあることと、ビルプレス部材101を押圧
姿勢とする回転位置にあることとを検出するための図示
せぬインタラプタが設けられている。そして、図示せぬ
制御部は、このインタラプタの検出結果にしたがって回
動駆動モータ105を駆動制御する。
【0062】なお、ビルプレス部材101の退避姿勢
は、部材本体75,75,…の押面部74が最も筐体5
1に対し反対側に位置した姿勢となり、この姿勢におい
てビルプレス部材101は、一端の押面部74側が下側
に他端の支持軸76側が上側に位置しかつ押面部74側
と支持軸76側との高低差が大きい状態で全体として筐
体51の収納空間54から完全に外側に退避する。
【0063】また、ビルプレス部材101の押圧姿勢
は、部材本体75,75,…の押面部74が最も筐体5
1側に位置した姿勢となり、この状態においてビルプレ
ス部材101は、図8に示すように、押面部74側と支
持軸76側との高低差が小さく部材本体75,75,…
が筐体51内の収納空間54内に最も入り込み、押面部
74をビルプレス部材101中の最下位置で水平延在さ
せる姿勢となる。また押圧姿勢にあるときビルプレス部
材101の部材本体75,75,…の上面となる上面部
96は、支持軸76に対し反対となる先端側が下方に位
置するよう傾斜した状態となる。この上面部96には、
上面部96上に紙幣が入り込んだ場合に該紙幣との摩擦
を軽減する回転自在のローラ(摩擦軽減手段)112が
支持軸76と平行に設けられている。
【0064】ここで、ビルプレス部材101には、該ビ
ルプレス部材101が押圧姿勢となると、ビルプレス支
持機構80のビルプレス支持部材83に当接してそれ以
上のビルプレス部材101の押面部74を上昇させる方
向の回動を規制する上記した規制ピン104が設けられ
ている。この規制ピン104は、ビルプレス部材101
の押面部74に上向きの力が加わった場合に回動駆動モ
ータ105がこの力で回転してしまうのを防止し、該ビ
ルプレス部材101を押圧姿勢に維持するためのもので
ある。
【0065】なお、第2の実施の形態においては、上記
のように回動駆動部106が回動駆動モータ105でビ
ルプレス部材101を回動させることになるため、第1
の実施の形態のようにビルプレス部材を回動付勢する回
動バネ部材、ビルプレス部材の回動を制御するための支
持アーム、ガイドローラおよびガイド部材が不要とな
る。
【0066】第2の実施の形態の昇降駆動部81は、昇
降駆動部材89に側方に突出するよう形成された検知片
114と、ビルプレス支持部材83に取り付けられ、検
知片114の検出状態により昇降駆動部材89がビルプ
レス部材101の支持軸76に当接する状態にあるか否
かを検出するビルプレス旋回タイミングセンサ115と
を有する点が第1の実施の形態に対し相違している。
【0067】以上のような構成の第2の実施の形態の紙
幣収納繰出部46においては、出金処理時等、紙幣を繰
り出す際に、ビルプレスセンサ65で収納紙幣S1が検
出されていると、制御部は、図示は略すが、昇降駆動部
81の昇降駆動部材89を上限位置で停止させた状態に
あり、支持軸76を上限位置まで上昇させる一方、回動
駆動部106がビルプレス部材101を退避姿勢として
いる。この状態では、繰出機構部55は、収納紙幣S1
の自重により生じる摩擦力で蹴出ローラ67が収納紙幣
S1の最下のものを蹴り出し、該紙幣を繰出ローラ68
および分離ローラ69が一枚ずつ搬送路47に繰り出す
ことになる。
【0068】このような紙幣の繰り出しにより収納空間
54の収納紙幣S1の量が減り、ビルプレスセンサ65
(図1参照)で収納紙幣S1が検出されなくなると、制
御部は、昇降駆動部81の図示せぬ昇降駆動モータを駆
動し、昇降駆動部材89を上限位置から下限位置まで下
降させる。すると、ビルプレス部材101が自重と図示
せぬ下降バネ部材の付勢力と等で支持軸76を昇降駆動
部材89の下降にともなって下降させることになる。一
方、制御部は、昇降駆動部材89の下降の開始直後に、
回動駆動モータ105の駆動を開始させ、ビルプレス部
材101を最も収納空間54内に挿入させた押圧姿勢ま
で回動させる。これは、ビルプレス部材101を下降し
過ぎた後に回動させると集積状態の収納紙幣S1を捲り
上げてしまうことからこれを防止するためである。
【0069】以上の結果、押面部74側が下側に支持軸
76側が上側に位置しかつ押面部76側と支持軸76側
との高低差が大きい状態で収納空間54から退避した退
避姿勢にあったビルプレス部材101を、この状態か
ら、押面部74側と支持軸76側との高低差が小さくな
るように連続的に姿勢変更しつつ支持軸76側よりも押
面部74側から先に収納空間54内に挿入させ、最終的
に押面部74側と支持軸76側との高低差が最小の押圧
姿勢とする。ここで、ビルプレス部材101は、支持軸
76が下降するのと同時に支持軸76を中心に回動する
ため、全体として下降しつつ押面部74側が上昇する方
向に回動して収納空間54に挿入されることになり、回
動速度および下降速度の設定により収納空間54のほぼ
一定位置から収納空間54内に略側方から挿入されるよ
うに動作する。
【0070】ビルプレス部材101が、押圧姿勢のまま
さらに下降し、収納空間54内の収納紙幣S1の最上の
ものに上側から押面部74において接触すると、ビルプ
レス部材101は、規制ピン104のビルプレス支持部
材83への当接で、上方向への回動が規制された状態
で、その自重とビルプレス支持部材83、ギア108,
109および回動駆動モータ105の自重と図示せぬ下
降バネ部材の付勢力と等で、収納紙幣S1を上方から押
圧する。
【0071】そして、このようにビルプレス部材101
が収納紙幣S1を押圧した状態となった後も、昇降駆動
部材89は支持軸76から離間して下降し最終的に下限
位置で停止する。この状態では、繰出機構部55は、収
納紙幣S1の自重とビルプレス部材101の押圧力とで
生じる摩擦力で蹴出ローラ67が収納紙幣S1の最下の
ものを蹴り出し、該紙幣を繰出ローラ68および分離ロ
ーラ69が一枚ずつ搬送路47に繰り出すことになる。
そして、このような紙幣の繰り出しで収納紙幣S1が減
ると、それに伴ってビルプレス部材101も下降し、収
納紙幣S1に押圧力を付与し続ける。
【0072】他方、この紙幣の収納空間54から繰り出
し終了後に、入金処理等、紙幣を収納空間54に取り込
む際には、制御部は、昇降駆動部81の図示せぬ昇降駆
動モータを駆動し、昇降駆動部材89を下限位置から上
限位置まで上昇させる。すると、昇降駆動部材89が支
持軸76に当接し、これを上昇させる。
【0073】この上昇中、昇降駆動部材89が支持軸7
6に当接したことを、昇降駆動部材89に形成された検
知片114をビルプレス旋回タイミングセンサ115が
検知することにより確認すると、図示せぬ制御部は、回
動駆動モータ105の駆動を開始させる。すると、押面
部74側と支持軸76側との高低差が小さく収納空間5
4内に進入した押圧姿勢にあったビルプレス部材101
は、押面部74側が下側に支持軸76側が上側に位置し
かつ押面部74側と支持軸76側との高低差が大きくな
るよう姿勢変更しつつ押面部74側よりも支持軸76側
から先に収納空間54内から引き抜かれて退避姿勢まで
回動させられる。
【0074】ここで、ビルプレス部材101は、支持軸
76が上昇するのと同時に支持軸76を中心に回動する
ため、全体として上昇しつつ押面部74側が下降する方
向に回動して収納空間54から引き抜かれることにな
り、回動速度および上昇速度の設定により収納空間54
のほぼ一定位置から収納空間54より側方に引き抜かれ
るように動作する。
【0075】ここで、収納空間54内の収納紙幣S1が
多くなるとこれを収納空間54から繰り出して、紙幣結
束・搬送ユニット24に送り、該紙幣結束・搬送ユニッ
ト24で結束させて、束紙幣収納・出金ユニット25に
収納させる機械管理結束処理を行うことになるが、紙幣
収納繰出部46において、このような機械管理結束処理
で収納空間54から紙幣を繰り出す処理と入金処理で収
納空間54に直上の一時貯留庫40から紙幣を取り込む
処理とが重なった場合、従来のものでは、ビルプレス部
材を一旦退避姿勢としてからでないと紙幣を収納空間内
に取り込むことができないため処理効率が悪く、またこ
の一旦退避姿勢とする間はビルプレス部材の押圧が無い
状態で紙幣を繰り出すため繰り出し不良が生じる可能性
があったが、この第2の実施の形態では、ビルプレス部
材101を一旦退避姿勢とせずに、これらの処理を同時
進行で良好に行うことができる。
【0076】すなわち、ビルプレス部材101が押圧姿
勢で収納紙幣S1を押圧した状態で繰出機構部55で紙
幣の収納空間54からの繰り出しが行われているとき
に、直上の一時貯留庫40から一時貯留紙幣S2の収納
空間54への収納を行う場合に、制御部は、そのまま一
時貯留板44,44を開放させて一時貯留紙幣S2を上
限位置で閉状態のフラッパ52,52上に載置させ、そ
の載置を確認すると、フラッパ52,52を閉状態のま
ま下降させる(図8に実線で示す状態)。
【0077】ここで、フラッパ52,52には、その開
閉に干渉しない上限位置に収納紙幣S1の最上部が位置
することを検出するフラッパ開閉センサ117が一体昇
降可能に設けられており、このフラッパ開閉センサ11
7がビルプレス部材101を検出すると、その時点でフ
ラッパ52,52の下降を停止させるとともに、フラッ
パ52,52を開作動させる。これにより、フラッパ5
2,52上に載置されていた一時貯留紙幣S2が落下す
る。すると、図9に示すように、この落下した一時貯留
紙幣S2は、繰り出しのため押圧姿勢で下側の収納紙幣
S1を押圧しているビルプレス部材101の傾斜した上
面部96のローラ112と既に収納されている収納紙幣
S1とにわたって載置される。
【0078】なお、このとき、ビルプレス部材101の
上面部96は、傾斜状態にあるものの、上側から落下さ
れた紙幣が立ち上がることがないようにその傾斜角度が
緩やかとなるよう設定されている。以上の状態では、繰
出機構部55は、収納紙幣S1の自重とビルプレス部材
101の押圧力(一時貯留紙幣S2の自重を含む)とで
生じる摩擦力で紙幣を一枚ずつ搬送路47に繰り出し続
けることになる。
【0079】フラッパ52,52が一時貯留紙幣S2を
放出して、図9に示す待機位置に戻ると、制御部は、図
示せぬ昇降駆動モータを駆動して、昇降駆動部材89を
下限位置から上限位置に移動させる。すると、昇降駆動
部材89が支持軸76に当接し、これを上昇させる。
【0080】この上昇中、昇降駆動部材89が支持軸7
6に当接したことを、昇降駆動部材89に形成された検
知片114をビルプレス旋回タイミングセンサ115が
検知することにより確認すると、図示せぬ制御部は、回
動駆動モータ105の駆動を開始させる。すると、押面
部74側と支持軸76側との高低差が小さく収納空間5
4内に進入した押圧姿勢にあったビルプレス部材101
は、押面部74側が下側に支持軸76側が上側に位置し
かつ押面部74側と支持軸76側との高低差が大きくな
るよう姿勢変更しつつ押面部74側よりも支持軸76側
から先に収納空間54内から引き抜かれて退避姿勢まで
回動させられる。
【0081】ここで、ビルプレス部材101は、上述し
たように、全体として上昇しつつ押面部74側が下降す
る方向に回動することになるが、回動速度および上昇速
度の設定から図9に一点鎖線で示すような軌跡でほぼ一
定位置から収納空間54より側方に引き抜かれることに
なり、この動作により、ビルプレス部材101のローラ
112上に一部載置されビルプレス部材101より下側
の収納紙幣S1に一部載置されていた一時貯留紙幣S2
は、すべて、すでに収納されていた収納紙幣S1上に載
置される。ここで、ビルプレス部材101が移動して
も、その上にあった一時貯留紙幣S2は、ローラ112
が回転することで摩擦が軽減されることになり、ビルプ
レス部材101と共に移動してしまうことがなく、良好
にその位置に留まって収納紙幣S1上に載置される。
【0082】そして、ビルプレス部材101が退避する
代りに一時貯留紙幣S2が収納紙幣S1上に載置されて
最終的に収納紙幣S1の量が増えるため、繰出機構部5
5は、増大した収納紙幣S1の自重で生じる摩擦力で紙
幣を良好に一枚ずつ搬送路47に繰り出すことになる。
なお、このような紙幣の追加があっても収納紙幣S1が
ビルプレスセンサ65で検出されない場合、制御部は、
昇降駆動部81および回動駆動部106の駆動でビルプ
レス部材101により再度収納紙幣S1を上方から押圧
させることになる。
【0083】以上に述べた第2の実施の形態の紙幣処理
機によれば、第1の実施の形態と同様、収納紙幣S1を
押圧するビルプレス部材101上に紙幣が載置されるよ
うな状態が生じた場合においても、ビルプレス部材10
1を良好に収納空間54から退避させることができ、該
紙幣に起因して障害が生じることを防止し、継続して処
理を行うことが可能となる効果および紙幣収納繰出部4
6を全体的にコンパクトにできる効果を奏するが、これ
らに加えて、以下の効果をさらに奏することができる。
【0084】昇降駆動モータを有する昇降駆動部81が
ビルプレス部材101を昇降移動させるとともに、昇降
駆動モータとは別の回動駆動モータ105を有する回動
駆動部106がビルプレス部材101を回動させること
により、収納空間54に対しビルプレス部材101を進
退させることになるため、ビルプレス部材101上に載
った紙幣を挟み込むことを防止するだけでなく、押圧姿
勢にあるビルプレス部材101がどの高さ位置にあって
も、これを収納空間54から退避させることができる。
したがって、必要に応じてビルプレス部材101の上に
一時的に紙幣を集積させる等の処理が可能となり、しか
も、その集積状態を乱すことがないため、上述したよう
に収納空間54への紙幣の取り込み処理および収納空間
54からの紙幣の繰り出し処理を並行して行うことがで
きる等、処理の自由度を向上させることができる。
【0085】また、ビルプレス部材101の収納空間5
4への進入時における上面側に、紙幣との摩擦を軽減す
る回転自在のローラ112が設けられているため、ビル
プレス部材101上に載った紙幣は、ビルプレス部材1
01が収納空間54から退避のため移動してもローラ1
12で滑りを生じ、よって、ビルプレス部材101につ
られて移動してしまうことがなくなる。したがって、ビ
ルプレス部材101の退避につられて紙幣が移動してそ
の姿勢が不良となることを確実に防止できる。
【0086】なお、第2の実施の形態では、摩擦軽減手
段として回転自在のローラ112を用いる場合を例にと
り説明したが、該ローラ112に代えて低摩擦シート部
材等をビルプレス部材101の部材本体75,75,…
の上面部96に貼付してもよい。しかしながら、回転自
在のローラ112とした方が、経時的な性能劣化がほと
んどないため、メンテナンスが不要となり維持コストを
低減できる。
【0087】また、第2の実施の形態においては、下降
するフラッパ52,52のビルプレス部材101に対す
る停止位置を決める手段として、収納紙幣S1の最上部
を検出するフラッパ開閉センサ117を利用してビルプ
レス部材101を検出する場合を例にとり説明したが、
ビルプレス部材101を専用に検出するセンサを設ける
ようにしてもよい。
【0088】さらに、第2の実施の形態においては、ビ
ルプレス部材101を収納空間54から引き抜くタイミ
ングをフラッパ52,52が待機位置に戻った時点とし
ているが、このタイミングは特に限定されるものではな
く、例えばフラッパ52,52から複数回紙幣の放出が
あった後に、ビルプレス部材101を収納空間54から
引き抜いたり、あるいは収納空間54からの紙幣の繰り
出しが停止するまで引き抜かず繰り出し停止後に引き抜
いたりすることも可能である。
【0089】加えて、ローラ112あるいは低摩擦シー
ト部材等の摩擦軽減手段は、第1の実施の形態のビルプ
レス部材101の部材本体75,75,…の上面部96
に設けることも勿論可能である。
【0090】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明の請求項1
記載の紙幣処理機によれば、ビルプレス部材が、収納空
間に対し、一の側方から挿入され該一の側方に引き抜か
れることにより進退するため、ビルプレスの上側に紙幣
が載ってしまうことがあっても、ビルプレス部材を引き
抜くことにより退避させることで、紙幣がビルプレス部
材と他の部材との間に挟まれることを防止する。したが
って、紙幣を押圧するビルプレス部材上に紙幣が載置さ
れるような状態が生じた場合においても、該紙幣に起因
して障害が生じることを防止し、継続して処理を行うこ
とが可能となる。
【0091】本発明の請求項2記載の紙幣処理機によれ
ば、ビルプレス部材は、収納空間から退避すると、一端
側が下側に他端側が上側に位置しかつこれら一端側と他
端側との高低差が大きい状態となるため、進退時の側方
への移動量が小さく抑えられる。したがって、紙幣収納
繰出部を全体的にコンパクトにできる。
【0092】本発明の請求項3記載の紙幣処理機によれ
ば、昇降駆動部がビルプレス部材を昇降させると、ガイ
ド部材が、これに当接するビルプレス部材の姿勢を回動
バネ部材と協働して変更することになり、このようにし
て、収納空間に対しビルプレス部材を進退させることに
なるため、進退時の側方への移動量を小さく抑えた上
で、ビルプレス部材の収納空間に対する進退を一つの駆
動源の駆動で行うことができる。したがって、コストを
低減することができる。
【0093】本発明の請求項4記載の紙幣処理機によれ
ば、昇降駆動モータを有する昇降駆動部がビルプレス部
材を昇降移動させるとともに、昇降駆動モータとは別の
回動駆動モータを有する回動駆動部がビルプレス部材を
回動させることにより、収納空間に対しビルプレス部材
を進退させることになるため、任意の昇降位置でビルプ
レス部材を収納空間に対し進退させることができる。し
たがって、必要に応じてビルプレス部材の上に一時的に
紙幣を集積させる等の処理が可能となり、処理の自由度
を向上させることができる。
【0094】本発明の請求項5記載の紙幣処理機によれ
ば、ビルプレス部材の収納空間への進入時における上面
側に、紙幣との摩擦を軽減する摩擦軽減手段が設けられ
ているため、ビルプレス部材上に載った紙幣は、ビルプ
レス部材が収納空間から退避のため移動しても摩擦軽減
手段で滑りを生じ、よって、ビルプレス部材につられて
移動してしまうことがなくなる。したがって、ビルプレ
ス部材の退避につられて紙幣が移動してその姿勢が不良
となることを確実に防止できる。
【0095】本発明の請求項6記載の紙幣処理機によれ
ば、摩擦軽減手段が回転自在のローラであるため、経時
的な性能劣化がほとんどない。したがって、メンテナン
スが不要となり維持コストを低減できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の紙幣処理機の第1の実施の形態の斜
視図。
【図2】 本発明の紙幣処理機の第1の実施の形態の紙
幣入出金ユニットの概略構成を示す側断面図。
【図3】 本発明の紙幣処理機の第1の実施の形態のビ
ルプレス部材が退避姿勢にある状態の紙幣収納繰出部を
示す側断面図。
【図4】 本発明の紙幣処理機の第1の実施の形態の退
避姿勢にあるビルプレス部材、ビルプレス支持機構およ
び昇降駆動部を示す正面図。
【図5】 本発明の紙幣処理機の第1の実施の形態の紙
幣収納繰出部を示す平面図。
【図6】 本発明の紙幣処理機の第1の実施の形態の紙
幣収納繰出部のビルプレス部材の進退時の軌跡を示す側
断面図。
【図7】 本発明の紙幣処理機の第2の実施の形態の退
避姿勢のあるビルプレス部材、回動駆動部および昇降駆
動部を示す正面図。
【図8】 本発明の紙幣処理機の第2の実施の形態のビ
ルプレス部材が押圧姿勢にある状態の紙幣収納繰出部を
示す側断面図。
【図9】 本発明の紙幣処理機の第2の実施の形態の紙
幣収納繰出部のビルプレス部材が退避姿勢に至る軌跡を
示す側断面図。
【符号の説明】
46 紙幣収納繰出部 54 収納空間 71,101 ビルプレス部材 80 ビルプレス支持機構(昇降駆動部) 81 昇降駆動部 92 ガイド部材 93 回動バネ部材 105 回動駆動モータ 106 回動駆動部 112 ローラ

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 紙幣を取り込んで収納空間内に収納する
    とともに該収納空間内に収納した紙幣を下方より一枚ず
    つ繰り出すことが可能な紙幣収納繰出部を有し、該紙幣
    収納繰出部には前記収納空間に対し一の側方から進退し
    該収納空間内に収納した紙幣を進入時に上方から押圧す
    るビルプレス部材が設けられている紙幣処理機におい
    て、 前記ビルプレス部材は、前記収納空間に対し、前記一の
    側方から挿入され該一の側方に引き抜かれることにより
    進退することを特徴とする紙幣処理機。
  2. 【請求項2】 前記ビルプレス部材は、一端側が下側に
    他端側が上側に位置しかつこれら一端側と他端側との高
    低差が大きい状態で前記収納空間から退避しており、こ
    の状態から、これら一端側と他端側との高低差が小さく
    なるように姿勢変更しつつ前記他端側よりも前記一端側
    から先に前記収納空間内に挿入される一方、前記一端側
    と前記他端側との高低差が小さく前記収納空間内に進入
    した状態から、前記一端側が下側に前記他端側が上側に
    位置しかつこれら一端側と他端側との高低差が大きくな
    るよう姿勢変更しつつ前記一端側よりも前記他端側から
    先に前記収納空間内から引き抜かれることを特徴とする
    請求項1記載の紙幣処理機。
  3. 【請求項3】 前記ビルプレス部材を回動自在に支持し
    つつ昇降移動させる昇降駆動部と、 前記ビルプレス部材を一方向に回動付勢する回動バネ部
    材と、 該回動バネ部材で付勢された前記ビルプレス部材に当接
    し前記回動バネ部材と協働して前記ビルプレス部材の姿
    勢をその昇降高さに応じて変更するガイド部材と、を具
    備することを特徴とする請求項2記載の紙幣処理機。
  4. 【請求項4】 昇降駆動モータを有し該昇降駆動モータ
    の駆動力で前記ビルプレス部材を昇降移動させる昇降駆
    動部と、 前記昇降駆動モータとは別の回動駆動モータを有し該回
    動駆動モータの駆動力で前記ビルプレス部材を回動させ
    る回動駆動部と、を具備することを特徴とする請求項2
    記載の紙幣処理機。
  5. 【請求項5】 前記ビルプレス部材には、前記収納空間
    への進入時における上面側に、紙幣との摩擦を軽減する
    摩擦軽減手段が設けられていることを特徴とする請求項
    1乃至4のいずれか一項記載の紙幣処理機。
  6. 【請求項6】 前記摩擦軽減手段は、回転自在のローラ
    であることを特徴とする請求項5記載の紙幣処理機。
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