本発明の第1実施形態の棒金収納装置を図1〜図14を参照して以下に説明する。図1に示すように、第1実施形態の棒金収納装置10は、硬貨入出金機11に付設されて用いられるものである。
まず、硬貨入出金機11について説明する。
硬貨入出金機11は、図2に概略的に示すように、バラ硬貨が投入される入金口15と、入金口15に投入されたバラ硬貨を一枚ずつに分離して繰り出す分離繰出部16と、分離繰出部16から繰り出されたバラ硬貨を搬送する入金搬送部17と、入金搬送部17で搬送中の硬貨を鑑別しつつ金種別に計数する入金鑑別部18と、入金鑑別部18の鑑別結果から真以外のバラ硬貨を入金搬送部17から排除するリジェクト部19と、リジェクト部19で入金搬送部17から排除されたバラ硬貨を案内するリジェクト搬送部20と、リジェクト搬送部20で案内されたバラ硬貨が機外に取り出し可能に放出されるリジェクト口21とを有している。
また、硬貨入出金機11は、入金鑑別部18で真と鑑別され入金搬送部17でさらに下流に搬送されるバラ硬貨を金種別に選別する金種別選別部22と、金種別選別部22で金種別に選別されたバラ硬貨を金種別に一時貯留させる金種別一時貯留部23と、金種別一時貯留部23に一時貯留されたバラ硬貨を返却のため案内する返却搬送部24と、返却搬送部24で案内されたバラ硬貨が機外に取り出し可能に放出される返却出金口25とを有している。
また、硬貨入出金機11は、金種別一時貯留部23に一時貯留されたバラ硬貨を金種別に収納するとともに収納しているバラ硬貨を計数しつつ出金可能な金種別収納出金部27と、金種別収納出金部27から出金されたバラ硬貨を返却出金口25に案内する出金搬送部28と、金種別収納出金部27から出金されたバラ硬貨を第1実施形態の棒金収納装置10に向けて搬送する棒金作成搬送部29とを有している。硬貨入出金機11は、棒金収納装置10と共用の操作部30、制御部31および表示部32を有している。
ここで、上記した硬貨入出金機11は、入金のためのバラ硬貨が入金口15に投入されて、操作部30にスタート操作が入力されると、制御部31が、入金口15内のバラ硬貨を分離繰出部16で一枚ずつ入金搬送部17に繰り出させて入金搬送部17で搬送する。制御部31は、入金搬送部17で搬送中に入金鑑別部18で真以外と鑑別された硬貨をリジェクト搬送部20でリジェクト口21に送り、真と鑑別された硬貨を計数しつつ金種別選別部22で選別して金種別一時貯留部23に一時貯留させる。そして、入金口15に投入されたバラ硬貨がすべてリジェクト口21あるいは金種別一時貯留部23に送られると、制御部31は、表示部32に鑑別結果を出力する。この鑑別結果を見て操作者が操作部30にキャンセル操作を入力すると、制御部31は、金種別一時貯留部23に一時貯留させていた硬貨を返却搬送部24を介して返却出金口25に返却する。他方、鑑別結果を見て操作者が操作部30に承認操作を入力すると、制御部31は、金種別一時貯留部23に一時貯留させていた硬貨を金種別収納出金部27に収納させる。
また、出金操作が操作部30に入力されると、制御部31が、金種別出金収納部27から入力に応じた金種および数のバラ硬貨を出金搬送路28に繰り出させて、出金搬送路28で返却出金口25に出金させる。
さらに、金種別出金収納部27に収納中の硬貨を包装するために、適宜のタイミングで、制御部31が、金種別出金収納部27からバラ硬貨を棒金作成搬送部29により棒金収納装置10に搬送する。
図1に示す第1実施形態の棒金収納装置10は、金種別出金収納部27から棒金作成搬送部29によって搬送されてきたバラ硬貨を受け入れて一旦貯留させる貯留部35と、貯留部35から一枚ずつ分離して繰り出された硬貨を所定枚数ずつ集積して包装紙を巻き回し包装紙の両端部を加締めて棒金Bとする包装部36とを有している。
また、棒金収納装置10は、図3にも示すように、機体中間位置で左右に延在するように配置され、包装部36から送り出された棒金Bを振り分けのため機体左右方向に搬送する横型ベルトコンベア式の振分搬送部37と、振分搬送部37で一端側に向け搬送される棒金Bを中間位置で機体前面側に振り分ける中間振分部38と、この中間振分部38で機体前面側に振り分けられた棒金Bを収納するローカル時クリアボックス39と、中間振分部38では機体前面側に振り分けられずに振分搬送部37で一端側にさらに搬送される棒金Bを振分搬送部37の一端部で機体前面側および後面側に選択的に振り分ける端末振分部40と、この端末振分部40で機体前面側に振り分けられた棒金Bを収納する機内クリアボックス41と、端末振分部40で機体後面側に振り分けられた棒金Bを機体後面に向けて搬送する横型ベルトコンベア式の後方搬送部42と、振分搬送部37で他端側に向け搬送される棒金Bを機体前面側に案内する前方案内部43とを有している。
加えて、棒金収納装置10は、後方搬送部42で機体後面側に搬送されてきた棒金Bを受け入れて機体左右方向逆側に向け搬送する横型ベルトコンベア式の横搬送部45と、横搬送部45の棒金Bを上流位置で機体後面側に振り分ける上流振分部46と、上流振分部46で振り分けられずに横搬送部45で搬送されてきた棒金Bを端末位置で機体後面側に案内する端末案内部47と、上流振分部46および端末案内部47で機体後面側に案内された棒金Bを上昇搬送する図4に示すエレベータ49を有する左右一対の上昇搬送部48とを有している。
そして、各上昇搬送部48の前側に、図4に示すように、上下方向に複数段並べられたカセット50がそれぞれ設けられている。各エレベータ49のカセット50とは反対側には、エレベータ49で搬送されてきた棒金Bを複数段のカセット50のいずれか選択された一つに向けてプッシャ51aで押し出す収納振分部51が設けられている。すべてのカセット50は、収納振分部51で上昇搬送部48から押し出された棒金Bを機体後面側の後端部から受け入れることになり、機体前面側の前端側が機体後面側の後端側に対して低く傾斜していて、収納した棒金Bを自重により先端側に移動させる。二列のカセット50の機体前面側には、図5に示すように、進退可能な持上部材52によって各列のカセット50の先端部から棒金Bを選択的に持ち上げて取り出す棒金取出部(棒金取出手段)53がそれぞれ設けられており、各棒金取出部53の機体前面側には、棒金取出部53によってカセット50から取り出された棒金Bを搬送する縦型ベルトコンベア式の棒金搬送部55が設けられている。ここで、各カセット50は金種別となっており、同一のカセット50には同一金種の棒金Bのみが収納される。
ここで、各棒金搬送部55は、移動方向に対して傾斜形成された載置片56を等間隔で外側に有する縦型ベルトコンベア57と、この縦型ベルトコンベア57の外側を覆うように設けられた搬送空間形成部58とを有している。そして、棒金取出部53のカセット50側に前進状態の持上部材52で持ち上げられることによって持上部材52の傾斜で転動しつつ移動する棒金Bを、搬送空間形成部58に形成された開口部58aを介して縦型ベルトコンベア57と搬送空間形成部58とで形成される搬送空間に受け入れて、搬送空間内の載置片56に載置させる。載置片56を移動させることで載置片56に載置された棒金Bを昇降させる。なお、棒金取出部53の持上部材52は、下降するときはカセット50から後退した状態で下降する。
ここで、棒金搬送部55の一方は、図6に示すように、その下部が、上記した振分搬送部37で搬送され前方案内部43で機体前面側に案内された棒金Bを受け入れて搬送し、シュート61を介して機体前面に設けられた放出口59に案内することになり、放出口59から放出された棒金Bは、その前に載置される別体の図1に示す受入ボックス60に収納される。つまり、前方案内部43で機体前面側に案内された棒金Bを、搬送空間形成部58に形成された開口部58bを介して縦型ベルトコンベア57と搬送空間形成部58とで形成される搬送空間に受け入れて、搬送空間内の載置片56に載置させる。載置片56を下方から前方、さらには上方に移動させることで棒金Bを収納空間内で同様に移動させ、搬送空間形成部58に形成された開口部58cおよびシュート61を介して放出口59に案内する。
各棒金搬送部55の機体前面側には、図5に示すように、搬送空間形成部58に形成された開口部58dを搬送空間形成部58に沿って開閉する開閉部材62と、この開口部58dを介して棒金Bを収納する棒金出金部63が設けられている。すなわち、開閉部材62が開口部58dを開放しているとき、棒金搬送部55の載置片56で下降搬送中の棒金Bが開口部58dに達すると、棒金Bは、載置片56の傾斜で、開口部58dから棒金出金部63に向けて移動することになる。なお、前記開閉部材62に加えて、棒金搬送部55側に進退可能に受取部材62’を設けて、前記開閉部材62の開放に合わせて、この受取部材62’を棒金搬送部55側に前進させることで搬送空間形成部58に形成された開口部58dから搬送空間内に入り込ませて、棒金搬送部55の載置片56で下降搬送中の棒金Bを受取部材62’で載置片56から受け取り、この受取部材62’の傾斜で移動させて前記棒金出金部63に確実に収納させるようにしても良い。また、各棒金出金部63の下側には、搬送空間形成部58に開口部58eを形成し、この開口部58eを介して棒金Bを収納する棒金一括収納部65が設けられている。すなわち、棒金搬送部55の載置片56で下降搬送中の棒金Bが開口部58eに達すると、棒金Bは、載置片56の傾斜で、開口部58eから棒金一括収納部65に向けて移動することになる。なお、前記開口部58eの形成に加えて、棒金搬送部55側に受取部材64を有し、この受取部材64を搬送空間形成部58に形成された開口部58eから搬送空間内に常時入り込ませていて、棒金搬送部55の載置片56で下降搬送中の棒金Bを受取部材64で載置片56から受け取り、この受取部材64の傾斜で移動させて棒金一括収納部65に確実に収納させるようにしても良い。棒金出金部63および棒金一括収納部65は機体から着脱可能な箱状をなしている。
以上の構成の棒金収納装置10は、適宜のタイミングで金種別収納出金部27のいずれか一つから棒金作成搬送部29によって搬送されてきた同一金種のバラ硬貨を貯留部35に一旦受け入れると、制御部31が貯留部35から一枚ずつバラ硬貨を繰り出させて包装部36に送り、包装部36で所定枚数集積して包装紙を巻き回し包装紙の両端部を加締めて棒金Bとする。棒金Bが作成されると、制御部31は、この棒金Bを振分搬送部37で搬送し振り分ける。
例えば、棒金Bを振分搬送部37で前方案内部43側に搬送し前方案内部43で棒金搬送部55に案内して、棒金搬送部55の下部で搬送する。つまり、図6に示すように、棒金Bを縦型ベルトコンベア57の載置片56で下方に案内した後、機体前面側で上方に案内する。載置片56に載置された棒金Bが放出口59に対応した開口部58cの位置まで移動すると載置片56の傾斜で放出口59に案内され、放出口59から放出される。
また、例えば、端末振分部40で後方搬送部42に振り分けられた棒金Bが、後方搬送部42で搬送され横搬送部45を介して上昇搬送部48で搬送され収納振分部51で上昇搬送部48から押し出されて対応するカセット50に収納されることになる。
また、例えば、制御部31は、棒金Bの出金指令を受けると、棒金取出部53で対応する棒金Bをカセット50から取り出し棒金搬送部55の中間部および上部で搬送して棒金出金部63に出金する。つまり、図5に示すように、棒金Bを縦型ベルトコンベア57の載置片56で上方に案内した後、機体前面側で下方に案内すると、載置片56に載置された棒金Bが棒金出金部63に対応した開口部58dの位置に至ることになり、棒金Bは棒金出金部63に案内される。このとき、受取部材62’を突出させるようにしても良い。あるいは、制御部31は、カセット50が満杯となると、棒金取出部53で対応する棒金Bをカセット50から取り出し棒金搬送部55の中間部および上部で搬送して棒金一括収納部65に収納する。つまり、棒金Bを縦型ベルトコンベア57の載置片56で上方に案内した後、機体前面側で下方に案内すると、載置片56に載置された棒金Bが棒金出金部63に対応した開口部58dの位置に至ることになり、このとき開閉部材62によって開口部58dを閉じておくことで、さらには受取部材62’を突出させないことで、棒金Bは棒金出金部63に対応した開口部58dの位置をそのまま通過し、棒金一括収納部65に対応した開口部58eの位置に至ると、常時突出する受取部材64で棒金出金部63に案内される。
次に、第1実施形態の棒金収納装置10の要部について説明する。
図7および図8に示すカセット50は、長さ方向を機体前後方向に向けて配置されており、長さ方向の先端側(機体前面側)が後端側(機体後面側)より低く、且つ幅方向を横方向(機体左右方向)に沿わせて配置されている。
より具体的に、カセット50は、長さ方向の先端側が後端側より低く、且つ幅方向を水平方向に沿わせて配置された長方形状の底板部70と、底板部70の幅方向の両側縁部から垂直に立ち上がる一対の側板部71と、底板部70の先端縁部から垂直に立ち上がる先板部72と、両側板部71の上縁部から相互近接側に延出する上板部73とを有している。そして、底板部70には、長さ方向に沿って延在する通路溝74が、底板部70の幅方向に間隔をあけて二箇所形成されている。また、底板部70の先端側から先板部72にかけて、その幅方向の中間部に、図5に示す棒金取出部53の持上部材52を通過させるための切欠部75が形成されている。
なお、カセット50は、上昇搬送部48から収納振分部51で押し出された棒金Bを、その長さ方向(軸線方向)をカセット50の幅方向に沿わせた姿勢で、後端側から両側板部71の間、且つ底板部70の底面70a上に受け入れる。また、棒金取出部53は、持上部材52を前進状態とし切欠部75内において下から上に移動させることで、カセット50に収納された棒金Bのうち先板部72に当接する先端の棒金Bを持ち上げてその傾斜により棒金搬送部55に搬送し、持上部材52を後退状態としカセット50から離れた位置で上から下に移動させ、再び持上部材52を前進状態として下から上に移動させることを繰り返す結果、カセット50に収納されている棒金Bを先端側のものから一本ずつ順に取り出すことになる。
各カセット50の下側には、カセット50の底面70aからカセット50内に各通路溝74を介して突出可能、且つカセット50内から退避可能に設けられるとともに、カセット50内に突出した突出状態で各通路溝74に沿ってカセット50の長さ方向に移動可能に設けられた棒金係止機構80がそれぞれ設けられている。そして、これら棒金係止機構80をカセット50の長さ方向に沿って移動させる駆動機構(駆動手段)81が設けられている。
具体的には、各カセット50の下側に、幅方向に離間して、駆動機構81の一部を構成する一対のガイドレール83がカセット50の長さ方向に沿って延設されており、これらガイドレール83に棒金係止機構80がスライド可能に支持されている。
図8および図9に示す棒金係止機構80は、ガイドレール83にスライド可能に支持されるキャリア85を備えている。このキャリア85は、長方形状の基板部86と、この基板部86の長さ方向の両端からこの長さ方向に垂直をなして同方向に延出する一対の側板部87と、基板部86の中間位置から側板部87と同側に延出する中間板部88と、側板部87の先端部から相互近接側に延出する規制板部89とからなるキャリア本体90と、このキャリア本体90の各側板部87の両外側に、側板部87の延出方向に離間して二箇所ずつ回転自在に設けられたローラ91と、基板部86から遠い側の一対のローラ91をキャリア本体90に支持する一対の支持軸92と、基板部86に近い側の一対のローラ91をキャリア本体90に支持する一本の支持軸93と、両側板部87の内側に固定されて後述するスプリング(付勢部材)94の一端を係止するピン95とを有している。このキャリア85は、両側二箇所ずつのローラ91が、一対のガイドレール83内を走行することでカセット50の長さ方向に沿って往復移動する。
また、棒金係止機構80は、キャリア85の両側板部87間に配置された状態で、キャリア85に対して支持軸93を介して揺動可能に支持される揺動部材98を備えている。この揺動部材98は、支持軸93における一対の側板部87の内側近傍から側板部87に沿って延出することで、カセット50の幅方向に離間して設けられる一対の係止アーム(係止部)99と、支持軸93から係止アーム99と同側に延出してこれら一対の係止アーム99を一体に連結する連結板部100とを有する一体部材である。
連結板部100には、揺動部材98の移動を規制するため中間板部88を内側に収容する規制凹部101が形成されている。また、一対の係止アーム99は、連結板部100の両側縁部から連結板部100とは垂直に突出しつつ連結板部100よりも支持軸93とは反対側に延出する形状をなしている。一対の係止アーム99は、連結板部100とは反対側の中間部に円弧状をなして凹む載置凹部102が形成されており、支持軸93とは反対の延出先端側には、前下がりに傾斜する接触辺103が形成されている。加えて、一対の係止アーム99には、延出部分の接触辺103とは反対側に、キャリア85の規制板部89を入り込ませることで揺動部材98の揺動限界を決める規制凹部104が形成されており、また、支持軸93側に載置凹部102とは反対側に突出する揺動制御突起部105が形成されている。さらに、一対の係止アーム99には、相互反対側に後述するスプリング94の他端を係止するピン106が固定されている。この揺動部材98の一対の係止アーム99は、カセット50の通路溝74内に配置され、通路溝74を介してカセット50の底面70aからカセット50の長さ方向の同位置で突出可能となっており、突出状態で棒金Bを載置凹部102に係止可能且つ載置可能となっている。
また、棒金係止機構80は、キャリア85と、揺動部材98の一対の係止アーム99との間にそれぞれ介装される一対のスプリング94を有している。これらのスプリング94は、揺動部材98が、一対の係止アーム99をカセット50内に突出させる突出側に、揺動範囲の中間所定位置よりも揺動すると、揺動部材98を突出側に付勢して一対の係止アーム99をカセット50内に最も突出させる突出状態に揺動させ、この突出状態を維持する。一方、これらのスプリング94は、揺動部材98が、一対の係止アーム99をカセット50内から退避させる退避側に、揺動範囲の中間所定位置よりも揺動すると、揺動部材98を退避側に付勢して一対の係止アーム99をカセット50内から退避させる退避状態に揺動させ、この退避状態を維持する。つまり、スプリング94は、揺動の中間所定位置を境界としたスナップアクションを係止アーム99を含む揺動部材98に行わせる。
ここで、一対の係止アーム99は、図10に示すように、カセット50内に突出した突出状態で、前下がりのカセット50の底面70aに対して、載置凹部102が前上がりに傾斜することになり、この載置凹部102上に棒金Bを載置状態で係止可能となっている。
そして、各カセット50の後端側の下方には、図10に示す棒金係止機構80のカセット後端側への移動時に、棒金係止機構80が後端位置に位置する直前で、退避状態にあった一対の係止アーム99の揺動制御突起部105に後方から当接して、一対の係止アーム99を含む揺動部材98を中間所定位置よりも突出側に揺動させる突出変換部材109が位置固定で設けられている。また、各カセット50の先端側の下側には、図11に示す棒金係止機構80のカセット先端側への移動時に、棒金係止機構80が先端位置に位置する直前で、突出状態にあった一対の係止アーム99の揺動制御突起部105に先方から当接して、一対の係止アーム99を含む揺動部材98を中間所定位置よりも退避側に揺動させる退避変換部材110が位置固定で設けられている。
上記したガイドレール83を含む駆動機構81は、図8に示すように、各カセット50のそれぞれに設けられた棒金係止機構80のキャリア85をそれぞれブラケット111を介して各カセット50の側方で連結させる連結部材112と、図7に示すように、この連結部材112の下部に固定されるスライドブロック113と、このスライドブロック113のスライドを案内する、カセット50と平行なスライド軸114とを有している。また、駆動機構81は、スライド軸114の両端側の下方に配置された一対のプーリ115と、これらプーリ115に掛けられることでスライド軸114と平行に配設されるとともにスライドブロック113に一部固定される駆動ベルト116と、一方のプーリ115を駆動することで駆動ベルト116を介してスライドブロック113をスライド軸114に沿って移動させるモータ117とを有している。これにより、モータ117の正逆回転で、各カセット50のそれぞれに設けられた棒金係止機構80のすべてのキャリア85が一体的に往復移動する。
以上に述べた第1実施形態の棒金収納装置10においては、駆動機構81のスライドブロック113を後端位置で停止させた状態が待機状態となっており、この待機状態では、各カセット50の下側にあって連結部材112に連結されたすべての棒金係止機構80のキャリア85が、図10に示すように後端位置にある。このようにキャリア85が後端位置にあるとき、各棒金係止機構80は係止アーム99が揺動制御突起部105において突出変換部材109に当接し、カセット50内に突出する突出状態となっている。
棒金Bをカセット50に補充する際には、棒金係止機構80を上記した待機状態で待機させているカセット50に対して、図4に示す上昇搬送部48から収納振分部51で棒金Bを押し出す。すると、棒金Bは、カセット50の幅方向に沿う姿勢で、後端側から両側板部71間且つ底板部70の底面70a上に投入され、カセット50の傾斜で転動しつつ若干移動して、図10に示すように、カセット50の幅方向に沿う姿勢で、突出状態にある一対の係止アーム99の載置凹部102に軸方向両側が係止される。このとき、カセット50の上板部73によって、棒金Bが載置凹部102を乗り越えることはない。
このようにして一対の係止アーム99のカセット底面70aから突出する載置凹部102上に棒金Bが載置されると、制御部31は、駆動機構81のモータ117を駆動して、スライドブロック113を先端位置まで移動させる。すると、各カセット50の下側にあって連結部材112に連結されたすべての棒金係止機構80のキャリア85がガイドレール83内でローラ91を走行させながらカセット50の先端側に移動する。よって、各カセット50において一対の係止アーム99が、突出状態を維持し棒金Bを載置させた状態のまま、つまり棒金Bのカセット50の幅方向に沿う姿勢を維持したまま、通路溝74内で先端側に移動する。
この先端側への移動時に、カセット50にその先端側に寄せられた状態で既に収納されている棒金Bが所定数以上(具体的には2本以上)ある場合には、移動途中で、図12に示すように一対の係止アーム99の先端側の接触辺103が、既に収納されている棒金Bの後端のものに接触しながら、図13に示すように、この棒金Bの重量でその下側に入り込むように揺動し、係止アーム99を含む揺動部材98が中間所定位置よりも退避側に揺動させられる。すると、スプリング94の付勢力によるスナップアクションで、一対の係止アーム99はカセット50内から退避する退避状態となり、載置させていた棒金Bをカセット50の底面70aに受け渡す。すると、棒金Bは底面70aの傾斜等によって既に収納されている棒金Bの後端のものに当接して停止する。このようにして、補充された棒金Bがカセット50に収納される。つまり、係止アーム99の接触辺103は、カセット50に既に収納されている棒金Bに接触して突出状態にあった係止アーム99を含む揺動部材98を中間所定位置よりも退避側に揺動させる。なお、駆動機構81は、スライドブロック113が先端位置に位置し、各棒金係止機構80のキャリア85を先端位置に位置させると、モータ117を停止させる。
他方、上記した先端側への移動時に、カセット50に既に収納されている棒金Bがない場合には、キャリア85が先端位置に位置する直前に係止アーム99が揺動制御突起部105において退避変換部材110に当接して、図11に示すように、中間所定位置よりも退避側に揺動させられる。すると、スプリング94の付勢力によるスナップアクションで、一対の係止アーム99はカセット50内から退避する退避状態となり、載置させていた棒金Bをカセット50の底面70aに受け渡す。すると、棒金Bは底面70aの傾斜等によってカセット50の先板部72に当接して停止する。
駆動機構81は、上記のようにしてスライドブロック113を先端位置に位置させた後、即座にモータ117を逆回転させ、スライドブロック113を後端位置まで移動させる。すると、各カセット50の下側にあって連結部材112に連結されたすべての棒金係止機構80のキャリア85がガイドレール83内でローラ91を走行させながら、図14に示すように退避状態のままカセット50の後端側に向けて移動し、後端位置で停止する。この後端位置に位置する直前に、係止アーム99が揺動制御突起部105において突出変換部材109に当接して、係止アーム99を含む揺動部材98が中間所定位置よりも突出側に揺動させられる。すると、図10に示すように、スプリング94の付勢力によるスナップアクションで、一対の係止アーム99はカセット50内に突出する突出状態、つまり上記した待機状態となる。
以上を必要により繰り返して、棒金Bを各カセット50に収納する。
また、棒金取出部53で棒金Bを取り出す際には、棒金取出部53は、持上部材52が突出状態で下から上に移動することで、カセット50に収納されていた棒金Bを先端側のものから一本ずつ順に取り出すことになり、棒金Bが一本取り出される度に、残りの棒金Bは、底面70aの傾斜で棒金一本分の距離ずつ前側に移動する。
以上に述べた第1実施形態の棒金収納装置10によれば、長さ方向の先端側が後端側より低く且つ幅方向を横方向に沿わせて配置されたカセット50の後端側に、幅方向に沿う姿勢で棒金Bを受け入れると、後端側で待機する棒金係止機構80がカセット50内に突出した状態で棒金Bを係止する。この状態で、駆動機構81が棒金係止機構80をカセット50の長さ方向に沿って先端側に移動させることで、棒金Bが先端側に移動する。そして、棒金係止機構80をカセット50内から退避させて棒金Bから離間させる。さらに、この状態から、駆動機構81が棒金係止機構80をカセット50の長さ方向に沿って後端側に移動させる。そして、次の棒金の受け入れ準備に際して棒金係止機構80をカセット50内に突出させる。このように棒金係止機構80で係止し姿勢を維持した状態で棒金Bをカセット50の長さ方向に移動させるため、長さ方向の先端側が後端側より低く且つ幅方向を横方向に沿わせて配置されたカセット50に対して、高さの高い後端側から幅方向に沿う姿勢で棒金Bを受け入れ、高さの低い先端側に寄せて収納してこの先端側から取り出し可能とする場合に、棒金Bをカセット50の幅方向に沿う姿勢のまま搬送でき、確実に整列状態で収納することができる。
また、棒金係止機構80は、カセット50の長さ方向に沿って移動可能に設けられるキャリア85に対して揺動可能に支持された係止アーム99を含む揺動部材98が、突出側に中間所定位置よりも揺動すると、スプリング94の付勢力で突出側に付勢され、いわゆるスナップアクションによって突出状態まで揺動して突出状態に維持される。また、係止アーム99を含む揺動部材98は、退避側に中間所定位置よりも揺動すると、スプリング94の付勢力で退避側に付勢され、スナップアクションによって退避状態まで揺動して退避状態に維持される。よって、係止アーム99に対する突出状態および退避状態の維持と揺動付勢とを簡素な構成で行うことができる。
加えて、棒金係止機構80の後端側への移動時に、スプリング94の付勢力で退避状態に維持されていた係止アーム99を含む揺動部材98が、突出変換部材109によって中間所定位置よりも突出側に揺動させられることになり、これにより、スプリング94の付勢力で係止アーム99が突出状態に揺動しこの状態に維持される。よって、次の棒金Bの受け入れ準備に際して係止アーム99をカセット50内に突出させることができる。
また、棒金係止機構80の先端側への移動時に、棒金係止機構80に設けられた接触辺103が、カセット50に既に収納されている棒金Bに接触して、スプリング94の付勢力で突出状態に維持されていた係止アーム99を含む作動部材98を中間所定位置よりも退避側に揺動させるため、スプリング94の付勢力で係止アーム99が退避状態に揺動しこの状態に維持される。このように、カセット50に既に収納されている棒金Bによって、係止アーム99による棒金Bの係止を解除して係止アーム99を棒金Bから離間させることになるため、既に収納されている棒金Bの数に対応した位置で棒金Bの係止を解除できる。
さらに、棒金係止機構80の先端側への移動時に、スプリング94の付勢力で突出状態に維持されていた係止アーム99を含む作動部材98が、退避変換部材110によって中間所定位置よりも退避側に揺動させられることになり、これにより、スプリング94の付勢力で係止アーム99が退避状態に揺動しこの状態に維持される。よって、係止アーム99による棒金Bの係止を解除して係止アーム99を棒金Bから離間させることになるため、既に収納されている棒金Bがない場合でも、対応した位置で棒金Bの係止を解除できる。
加えて、係止アーム99が、カセット50の幅方向に離間して一対設けられているため、カセット50の幅方向に沿う姿勢で棒金Bの軸方向両側を確実に係止することができ、棒金Bのこの姿勢を確実に維持することができる。
また、係止アーム99が、突出状態で棒金Bを載置可能であるため、搬送中にカセット50と棒金Bとが擦れることがなく、棒金Bの包装状態を良好に保つことができる。
なお、第1実施形態において、すべての棒金係止機構80を駆動機構81で一体に移動させるのではなく、各棒金係止機構80に個別の駆動機構を設けて個別に移動させるようにしても良い。また、一つの棒金係止機構80の係止アーム99に棒金Bを複数本同時に載置可能とし、棒金係止機構80の一度の移動で、棒金Bを複数本補充するようにしても良い。
次に、本発明の第2実施形態の棒金収納装置を主に図15〜図18を参照して第1実施形態との相違部分を中心に説明する。第2実施形態の硬貨収納装置10は、第1実施形態に対して、異なる棒金係止機構120を備えている。
図15および図16に示す第2実施形態における棒金係止機構120も、各カセット50の下側に設けられており、カセット50の底面70aからカセット50内に各通路溝74を介して突出可能、且つカセット50内から退避可能に設けられるとともに、カセット50内に突出した突出状態で各通路溝74に沿ってカセット50の長さ方向に移動可能に設けられている。そして、第2実施形態においても、各棒金係止機構120をカセット50の長さ方向に沿って移動させる第1実施形態と同様の駆動機構81が設けられている。
駆動機構81は、図7に示す連結部材112と、スライドブロック113と、スライド軸114と、一対のプーリ115と、駆動ベルト116と、モータ117とを有している。
そして、連結部材112には、カセット50の下側にそれぞれ延出するようにキャリア124がブラケット123を介して固定されており、その結果、すべてのキャリア124が各カセット50の長さ方向に沿って一体に往復移動可能となっている。
キャリア124には、カセット50の幅方向に沿って延在する支持軸125が両端部において回転可能に支持されており、この支持軸125には半径方向同側に突出する一対の係止部材(係止部)126が中間所定位置に固定されている。これら一対の係止部材126はカセット50の通路溝74を介してカセット50の底面70aからカセット50内に突出可能となっており、突出状態で棒金Bをカセット50の傾斜下側で係止する一方、揺動することでカセット50から退避可能となっている。ここで、一対の係止部材126は先細形状をなしており、突出状態でカセット後端側が、棒金Bを係止する係止辺127となり、カセット先端側がカセット先端側の棒金Bに接触する接触辺128となっている。
また、支持軸125には、一対の係止部材126とは異なる角度で半径方向に突出する作動部材130が一端側に固定されている。作動部材130は、支持軸125の軸線方向における係止部材126側に、支持軸125から長く突出する係合片部131が設けられ、係止部材126とは反対側に、係合片部131と同側にこの係合片部131よりも短く突出する作動突起部132が設けられている。なお、一体的に設けられた支持軸125、一対の係止部材126および作動部材130が、キャリア124に揺動可能に設けられた揺動部材133を構成している。
連結部材112には、図17に示すように、連結部材112から突設された複数のスライドピン144にスライド溝145においてスライド可能に支持されることでカセット50の長さ方向に沿ってスライド可能なスライド部材135が、図16に示すように、作動部材130の係止部材126とは反対側に設けられており、スライド部材135には、作動部材130の作動突起部132を収容する作動溝136が形成されている。
作動部材130の係止片部131と連結部材112との間にはスプリング(付勢部材)138が介装されている。このスプリング138は、揺動部材133が、一対の係止部材126をカセット50内に突出させる突出側に、揺動範囲の中間所定位置よりも揺動すると、図18に示すように、揺動部材133を突出側に付勢して一対の係止部材126をカセット50内に最も突出させる突出状態まで揺動させ、この突出状態に維持する。一方、このスプリング138は、揺動部材133が、一対の係止部材126をカセット50内から退避させる退避側に、揺動範囲の中間所定位置よりも揺動すると、揺動部材133を退避側に付勢して、図17に示すように一対の係止部材126をカセット50内から退避させる退避状態まで揺動させ、この退避状態に維持する。つまり、スプリング138は、揺動の中間所定位置を境界としたスナップアクションを係止部材126を含む揺動部材133に行わせる。
ここで、スライド部材135の作動溝136内に作動突起部132が配置された作動部材130は、図18に示すように、スライド部材135がキャリア124に対してカセット50の先端側にスライドすると、作動溝136の後端面で作動突起部132が押圧されて回動し、一体に設けられた係止部材126を中間所定位置よりも突出側に揺動させる。また、作動部材130は、図17に示すように、スライド部材135がキャリア124に対してカセット50の後端側にスライドすると、作動溝136の先端面で作動突起部132が押圧されて回動し、一体に設けられた係止部材126を中間所定位置よりも退避側に揺動させる。
そして、各カセット50の後端側には、棒金係止機構120のカセット後端側への移動時に、棒金係止機構120が後端位置に位置すると、図18に示すようにスライド部材135に当接してこれをキャリア124に対しカセット先端側にスライドさせて、退避状態にあった一対の係止部材126を含む揺動部材133を中間所定位置よりも突出側に揺動させる突出変換部材140が位置固定で設けられている。また、各カセット50の先端側には、棒金係止機構120のカセット先端側への移動時に、棒金係止機構120が先端位置に位置すると、図17に示すように、スライド部材135に当接してこれをキャリア124に対しカセット後端側にスライドさせて、突出状態にあった一対の係止部材126を含む揺動部材133を中間所定位置よりも退避側に揺動させる退避変換部材141が位置固定で設けられている。
以上に述べた第2実施形態の棒金収納装置10においても、駆動機構81のスライドブロック113を後端位置で停止させた状態が待機状態となっており、この待機状態では、各カセット50の下側にあって連結部材112に連結されたすべての棒金係止機構120のキャリア124が後端位置にある。このようにキャリア124が後端位置にあるとき、図15に示すように、各スライド部材135が、突出変換部材140に当接してキャリア124に対してカセット先端側にスライドしており、各棒金係止機構120は、係止部材126がカセット50内に突出する突出状態となっている。
棒金Bをカセット50に補充する際には、棒金係止機構120を上記した待機状態で待機させているカセット50に対して、図4に示す上昇搬送部48から収納振分部51で棒金Bを押し出す。すると、棒金Bは、カセット50の幅方向に沿う姿勢で、後端側から両側板部71間且つ底板部70の底面70a上に投入され、カセット50の傾斜で転動しつつ若干移動して、カセット50の幅方向に沿う姿勢で、突出状態にある一対の係止部材126に軸方向両側が係止される。
このようにして一対の係止部材126で棒金Bが係止されると、制御部31は、駆動機構81のモータ117を駆動して、スライドブロック113を先端位置まで移動させる。すると、各カセット50の下側にあって連結部材112に連結されたすべての棒金係止機構120のキャリア124がカセット50の先端側に移動する。よって、各カセット50において一対の係止部材126が、突出状態を維持し棒金Bを係止した状態のまま、つまり棒金Bのカセット50の幅方向に沿う姿勢を維持したまま、通路溝74内で先端側に移動する。
この先端側への移動時に、カセット50にその先端側に寄せられた状態で既に収納されている棒金Bがある場合には、移動途中で、一対の係止部材126が、先端側の接触辺128において、既に収納されている棒金Bの後端のものに接触し、移動が規制されることで、係止部材126を含む揺動部材133が中間所定位置よりも退避側に揺動させられる。すると、スプリング138の付勢力によるスナップアクションで、一対の係止部材126はカセット50内から退避する退避状態となり、係止していた棒金Bの係止を解除する。すると、棒金Bは底面70aの傾斜等によって既に収納されている棒金Bの後端のものに当接して停止する。このようにして、補充された棒金Bがカセット50に収納される。つまり、係止部材126の接触辺128は、カセット50に既に収納されている棒金Bに接触して突出状態にあった係止部材126を含む揺動部材133を中間所定位置よりも退避側に揺動させる。なお、駆動機構81は、スライドブロック113が先端位置に位置し、各棒金係止機構120のキャリア124を先端位置に位置させると、モータ117を停止させる。
他方、上記した先端側への移動時に、カセット50に既に収納されている棒金Bがない場合には、キャリア124が先端位置に位置すると、その直前に、図17に示すようにスライド部材135が退避変換部材141に当接してキャリア124に対してカセット後端側にスライドし、作動溝136で作動部材130をカセット後端側に押圧して、作動部材130および係止部材126を含む揺動部材133を中間所定位置よりも退避側に揺動させる。すると、スプリング138の付勢力によるスナップアクションで、一対の係止部材126を含む揺動部材133はカセット50内から退避する退避状態となり、係止していた棒金Bの係止を解除する。すると、棒金Bは底面70aの傾斜等によってカセット50の先板部72に当接して停止する。
駆動機構81は、上記のようにして、スライドブロック113を先端位置に位置させた後、即座にモータ117を逆回転させ、スライドブロック113を後端位置まで移動させる。すると、各カセット50の下側にあって連結部材112に連結されたすべての棒金係止機構120のキャリア124がカセット50の後端側に移動し、後端位置で停止する。この後端位置に位置する直前に、図18に示すようにスライド部材135が突出変換部材140に当接してキャリア124に対してカセット先端側にスライドし、作動溝136で作動部材130をカセット先端側に押圧して、作動部材130および係止部材126を含む揺動部材133を中間所定位置よりも突出側に揺動させる。すると、スプリング138の付勢力によるスナップアクションで、一対の係止部材126を含む揺動部材133はカセット50内に突出する突出状態、つまり上記した待機状態となる。
以上を必要により繰り返して、棒金Bを各カセット50に収納する。
また、棒金取出部53で棒金Bを取り出す際には、棒金取出部53は、持上部材52が突出状態で下から上に移動することで、カセット50に収納されていた棒金Bを先端側のものから一本ずつ順に取り出すことになり、棒金Bが一本取り出される度に、残りの棒金Bは、底面70aの傾斜で棒金一本分の距離ずつ前側に移動する。
以上に述べた第2実施形態の棒金収納装置10においては、棒金係止機構120が、係止部材126で棒金Bをカセットの傾斜下側から係止するため、搬送中にカセット50と棒金Bとが擦れてしまうものの、軽量化および簡素化が図れる。また、これ以外については、第1実施形態と同様に効果を奏することができる。
なお、第2実施形態においても、すべての棒金係止機構120を駆動機構81で一体に移動させるのではなく、各棒金係止機構120に個別の駆動機構を設けて個別に移動させるようにしても良い。また、一つの棒金係止機構120の一度の移動で、棒金Bを複数本一緒に補充するようにしても良い。