JP5227059B2 - 積層発泡シート - Google Patents

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本発明は、軽量性に優れ、且つ、常温にて1000Hz以下の低周波数帯において優れた制振性を有する積層発泡シートに関する。
近年、家電、建築物、自動車などの分野において、快適性の観点から制振性や防音性に多くの注意が払われるようになっている。このような分野の振動や騒音としては、例えば、家電分野ではモーターなどの駆動装置の振動、建築分野では折板屋根における雨音、自動車分野では走行中の振動により屋根や扉が微振動して発生する振動音やエンジンなどの駆動系の振動などが挙げられ、このような振動及び騒音を低減させる目的で制振材が使用されている。
吸音材や高分子材料からなる制振材は、振動波の周波数が高くなるほど振動減衰効果が高くなる特性を有するため、高周波数領域においては、容易に振動及び騒音の低減ができるものの、低周波数領域においては防音効果が不充分であった。
又、自動車走行時の振動が主に1000Hz以下の周波数帯(以下、「低周波数帯という」)の振動波によるものであることから、低周波数帯における制振性に優れたものが求められている。そのため、従来の高分子材料からなる制振防音材を自動車用制振材として用いた場合、自動車走行時における振動を十分に抑えることができず、又、振動によって騒音が発生するので、自動車走行時の快適性が損なわれるという問題が生じた。
低周波数帯において優れた制振性を有する制振防音材として、特許文献1に、通気量が異なる高密度と低密度の繊維集合体を含む、少なくとも二層以上の繊維集合体よりなる低周波数用吸音材が提案されている。この低周波数用吸音材は、高密度の繊維集合体層が重量付加部、低密度の繊維集合体層がバネ部の役割を担う、所謂、動吸振器を構成しているため、特に、低周波数帯の振動に対する制振性に優れている。
しかしながら、上記低周波数用吸音材は、充分な制振性を得るためには厚みが必要であり、厚みを厚くした場合、軽量性が損なわれること、設置スペースが大きくなること、製造コストが嵩んでしまうことなどの問題が生じるため、自動車用制振防音材としての使用に適していなかった。
特開平8−152890号公報
本発明は、軽量性に優れ、且つ、常温にて1000Hz以下の低周波数帯において優れた制振性を有する積層発泡シートを提供する。
本発明の耐熱性発泡シートは、芳香族ビニルブロックを含有する重合体A及び結晶成分を有する重合体Bを含有する発泡シートの一面に、合成樹脂シート又は金属シートが積層一体化されてなる積層発泡シートであって、上記芳香族ビニルブロックを含有する重合体Aは、その動的粘弾性測定によって得られる損失正接の最大値を示す温度が−30〜40℃であると共に、上記発泡シートは、該発泡シートの厚み方向に直交する方向に延伸された気泡を含み、上記発泡シートの気泡は、延伸方向の平均気泡径と厚み方向の平均気泡径との比(延伸方向の平均気泡径/厚み方向の平均気泡径)が1.2〜4.8であることを特徴とする。
上記芳香族ビニルブロックを含有する重合体Aとしては、芳香族ビニルブロックを含有しておれば、特に限定されず、例えば、芳香族ビニルモノマーを重合したブロックと、共役ジエンモノマーを重合したブロックとを有するブロック共重合体が好ましく、芳香族ビニルモノマーを重合したブロックと、イソプレンを重合したブロックとを有するブロック共重合体がより好ましい。なお、芳香族ビニルブロックを含有する重合体Aは、単独で用いられても二種以上が併用されてもよい。
上記芳香族ビニルモノマーとしては、例えば、スチレン、2−メチルスチレン、3−メチルスチレン、4−メチルスチレン、α−メチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、2,4−ジイソプロピルスチレン、4−tert−ブチルスチレン、tert−ブトキシスチレンなどが挙げられる。
又、共役ジエンモノマーとしては、特に限定されず、例えば、ブタジエン、イソプレン、ピペリレン、ジメチルブタジエンなどの炭素数が4〜12の共役ジエンが挙げられる。
芳香族ビニルモノマーを重合したブロックと、共役ジエンモノマーを重合したブロックとを有するブロック共重合体としては、スチレン−イソプレン−スチレントリブロック共重合体(SIS)及びその水素添加物、スチレン−エチレン−ブチレン−スチレン共重合体(SEBS)などの水素添加ジエン系ブロック共重合体、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体、スチレン−ブタジエン−スチレンラジアルテレブロック共重合体などが挙げられ、得られる耐熱性発泡シートの緩衝性や衝撃吸収性に優れていることから、スチレンブロックとビニルイソプレンブロックとからなるトリブロック共重合体が好ましい。なお、ビニルイソプレンブロックとは化1に示したブロックをいう。なお、化1に示したビニルイソプレンブロック中、nは、ビニルイソプレンブロックの重合度を示す。
Figure 0005227059
共役ジエンモノマーとこの共役ジエンモノマーと共重合可能なモノマーとの共重合体としては、例えば、スチレン−イソプレン−スチレントリブロック共重合体(SIS)及びその水素添加物、スチレン−エチレン−ブチレン−スチレン共重合体(SEBS)などの水素添加ジエン系ブロック共重合体又はランダム共重合体、ブタジエン−スチレン共重合体、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体、スチレン−ブタジエン−スチレンラジアルテレブロック共重合体などが挙げられ、得られる耐熱性発泡シートの緩衝性や衝撃吸収性に優れていることから、スチレンブロックとビニルイソプレンブロックとからなるトリブロック共重合体が好ましい。
そして、芳香族ビニルブロックを有する重合体Aにおける動的粘弾性測定によって得られる損失正接の最大値を示す温度は、−30〜40℃に限定され、0〜35℃が好ましい。これは、動的粘弾性測定によって得られる損失正接の最大値を示す温度が−30〜40℃の範囲外にあると、積層発泡シートの制振性能が低下するからである。
なお、芳香族ビニルブロックを含有する重合体Aにおける動的粘弾性測定によって得られる損失正接の最大値を示す温度は下記の要領で測定されたものをいう。先ず、芳香族ビニルブロックを含有する重合体Aからなる試験シート(幅5mm×長さ24mm×厚み0.3mm)を作製し、この試験シートの動的粘弾性を、歪み量0.1%及び周波数10Hzの条件下において、昇温速度3℃/分で動的粘弾性の温度分散測定することにより得られた損失正接の最大値を示す温度をいう。なお、芳香族ビニルブロックを含有する重合体Aにおける動的粘弾性測定によって得られる損失正接の最大値を示す温度は、レオメトリックス社から商品名「RSA」で市販されている測定装置を用いて測定することができる。
又、芳香族ビニルブロックを含有する重合体Aにおける動的粘弾性測定によって得られる損失正接の最大値を示す温度は、芳香族ビニルブロックを含有する重合体Aに可塑剤を添加する方法や、芳香族ビニルブロックを含有する重合体Aの共重合成分の比率を調整する方法などによって調整することができる。
更に、発泡シートには芳香族ビニルブロックを含有する重合体Aの他に結晶成分を有する重合体Bが含有されている。このような結晶成分を有する重合体Bとしては、特に限定されず、例えば、高密度ポリエチレンなどのポリエチレン系樹脂、ランダムポリプロピレン、ホモポリプロピレン、ブロック状ポリプロピレンなどのポリプロピレン系樹脂などのオレフィン系樹脂、ポリ乳酸などのポリエステル系樹脂、ポリビニルアルコール、ポリアセタール、ポリアミド、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデンなど挙げられるが、得られる耐熱性発泡シートが耐熱性及び加工性に優れていることから、ポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂が好ましく、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリ乳酸がより好ましく、ポリプロピレン系樹脂が特に好ましい。なお、結晶性樹脂は単独で用いられても二種以上が併用されてもよい。
結晶成分を有する重合体Bにおける示差走査熱量分析により測定される融点は120〜200℃であることが好ましい。融点が120℃を下回ると、高温時(100℃以上)に結晶が融解してしまい、積層発泡シートの強度及び寸法安定性が低下して耐熱性に劣るものとなり、更に、発泡シートの腰がなく生産した発泡シートの巻き取り時や加工時の作業性が低下したり、発泡シートにブロッキングが生じるからである。
一方、融点が200℃を超えると、発泡シートの耐熱性の観点においては好ましいが、発泡シートの製造時の混練工程において、剪断発熱によって発泡剤の分解が生じやすくなり、安定的な気泡構造を持つ発泡シートを得ることが困難となるからである。
更に、結晶成分を有する重合体Bにおける結晶融解エネルギーは20mJ/mg以上であることが好ましい。結晶融解エネルギーが20mJ/mg未満となると、結晶成分を有する重合体B中の結晶ドメインが少なくなり、発泡成形による残留歪みに起因する収縮力に耐えることが難しくなり形状保持が困難となって積層発泡シートに収縮がしょうじることがあるからである。
ここで、結晶成分を有する重合体Bの融点及び結晶融解エネルギーは示差走査型熱量分析(DSC)によって測定したものである。具体的には、結晶成分を有する重合体Bのペレットを一度加熱溶融させた後、10℃/分で−50℃まで冷却させ、しかる後、10℃/分の速度で昇温させて、融点及び結晶融解エネルギーを測定することができる。なお、融点は吸収熱量が最大となる点とした。
発泡シート中において、芳香族ビニルブロックを含有する重合体Aと結晶成分を有する重合体Bとの含有重量比(重合体A/重合体B)は1.2〜9.0が好ましく、1.4〜5.0がより好ましい。上記含有比が1.2を下回ると、耐熱性の観点では好ましいが、結晶領域が増加してしまうため、相対的に振動吸収を担う領域が減少し、積層発泡シートの振動吸収性が著しく低下してしまい、一方、9.0を上回ると振動吸収性の観点では好ましいが、耐熱性を担う結晶ドメインの減少により積層発泡シートの耐熱性が低下するからである。
発泡シートの発泡倍率は、低いと、発泡シートの軽量性が低下し、或いは、発泡シートの弾性率がたかくなると共に軽量性を維持するために発泡シートの厚みを薄くする必要があり、積層発泡シートの低周波数帯における制振性能が低下することがあり、高いと、積層発泡シートの低周波数帯における制振性能が低下するので、2〜30倍が好ましく、4〜20倍がより好ましい。なお、発泡シートの発泡倍率は、JIS K7222に準拠して測定されたものをいう。
発泡シートの厚みは、薄いと、損失を担う樹脂量が低下してしまうと共に低周波数振動の損失層への分配が低下してしまうことにより、得られる積層発泡シートの低周波数帯における制振性能が低下し、厚いと、積層発泡シートの軽量性が低下し、或いは、積層発泡シートの設置スペースが大きくなってしまうので、0.1〜10mmが好ましい。なお、発泡シートの厚みはノギスを用いて測定すればよい。
更に、発泡シートは、その厚み方向に直交する方向、即ち、発泡シートの面内方向に延伸された気泡(以下「延伸気泡」という)を多数、含んでおり、これらの延伸気泡の延伸方向が同一方向に配向している。なお、延伸気泡の延伸方向とは、気泡が最も長い径をとる二点同士を結んだ直線方向をいい、延伸方向が同一とは、各延伸気泡の延伸方向に平行な直線をそれぞれ想定し、これらの直線同士がなす角度が0〜60°であることをいう。
又、発泡シートの気泡が厚み方向に直交する全方向に延伸されて碁石状である場合、即ち、発泡シートの厚み方向に直交する方向に気泡を任意の位置で切断した場合に何れの切断面も真円形状となり且つ発泡シートを厚み方向に切断した場合に何れの切断面も楕円形状となる場合、発泡シートの厚み方向に直交する任意の方向を延伸方向とすればよい。
このような気泡構造をとることによって、発泡シートの剛性を高めて、低周波数帯の振動エネルギーを発泡シートに円滑に伝達させて積層発泡シートの低周波数帯における制振性能を向上させている。
発泡シートの気泡中における延伸気泡の割合は、少ないと、発泡シートの剛性が不充分となり、低周波数帯の振動エネルギーを発泡シートに円滑に伝達させることができず、積層発泡シートの低周波数帯における制振性能が低下するので、20%以上が好ましく、50〜100%がより好ましい。
発泡シートの気泡中における延伸気泡の割合は下記の要領で測定される。発泡シートを延伸気泡の延伸方向に平行な面で厚み方向に全厚みに亘って切断する。そして、発泡シートの切断面の写真を走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて撮影し、この写真中において、延伸気泡数と全気泡数とを数え、全気泡数に対する延伸気泡数の百分率を算出し、この値を発泡シートの気泡中における延伸気泡の割合とする。
発泡シートの延伸気泡の延伸方向は、発泡シートの厚み方向に直交する方向、即ち、発泡シートの面内方向であれば、特に限定されないが、発泡シートが押出機を用いて製造された場合には、発泡シートの押出方向(MD)に平行な方向又は押出方向に直交する方向(TD)が好ましい。
発泡シートの気泡径、即ち、発泡シートにおける延伸気泡を含めた全ての気泡において、延伸方向の平均気泡径と厚み方向(VD)の平均気泡径との比(延伸方向の平均気泡径/厚み方向の平均気泡径)は、小さいと、気泡の延伸配向による発泡シートの剛性が上がらず、低周波数帯の振動を発泡シートに円滑に伝達することができず、積層発泡シートの低周波数帯の制振性能が低下し、大きいと、気泡構造が安定せず、良好な発泡シートを得ることができないので、1.2〜4.8に限定される。なお、発泡シートの厚み方向とは、発泡シートの表面に対して垂直な方向をいう。
次に、発泡シートの延伸気泡の平均気泡径は下記の要領で測定されたものをいう。先ず、発泡シートをその延伸気泡の延伸方向に平行な面で厚み方向に全厚みに亘って切断する。延伸気泡の延伸方向に平行な面とは、各延伸気泡の延伸方向を示すベクトルを発泡シートの面内方向と発泡シートの厚み方向とに分けた時に得られる面内方向のベクトルの示す方向のうち、最も多く占める方向に平行な面をいう。
しかる後、発泡シートの切断面を走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて60倍に拡大し、発泡シートの厚み方向の全長が収まるように写真撮影する。
得られた写真における、発泡シートの厚み方向の中央部に対応する部分に、写真上での長さが15cm(拡大前の実際の長さ2500μm)の直線を、発泡シート表面と平行になるように描く。
次に、上記直線上に位置する気泡数を目視により数え、下記式に基づいて気泡の延伸方向の平均気泡径を算出する。
延伸方向の平均気泡径(μm )=2500(μm)/気泡数(個)
又、発泡シートの厚み方向の平均気泡径は下記の要領で測定されたものをいう。先ず、上述と同様の要領で写真撮影を行なう。
得られた写真において、写真撮影された発泡シートの切断面を延伸方向に四分割する三本の直線を、発泡シートの厚み方向に全長に亘って描く。
しかる後、各直線の長さを測定すると共に各直線上に位置する気泡数を目視により数え、下記式に基づいて各直線毎に気泡の厚み方向の平均気泡径を算出し、これらの相加平均を厚み方向の平均気泡径とする。
厚み方向の平均気泡径(μm )=写真上における直線の長さ(μm)
/(60×気泡数(個))
なお、上述の平均気泡径を測定する要領において、直線上に位置する気泡数を数えるにあたっては、写真上に表れた気泡断面のみに基づいて気泡径を判断する。
即ち、気泡同士は、発泡シートの切断面においては気泡壁によって互いに完全に分離しているように見えても、発泡シートの切断面以外の部分において互いに連通しているような場合もあるが、本発明においては、発泡シートの切断面以外の部分において互いに連通しているか否かについて考慮せず、写真上に表れた気泡膜断面のみに基づいて気泡形態を判断し、写真上に表れた気泡膜断面により完全に囲まれた一個の空隙部分を一個の気泡として判断する。
そして、直線上に位置するとは、直線が気泡を該気泡の任意の部分において完全に貫通している場合をいい、又、直線の両端部においては、直線が気泡を完全に貫通することなく直線の端部が気泡内に位置した状態となっているような場合には、この気泡を0.5個として数えた。
なお、発泡シートの切断面を写真撮影する際、発泡シートの切断面を着色すると気泡の判別が容易になると共に、2500μmの目盛りを一緒に拡大して写真撮影しておくと、写真上における直線長さを特定し易くなる。
なお、発泡シートには、本発明の効果を損なわない範囲内であれば、必要に応じて、酸化防止剤、充填剤、安定剤、紫外線吸収剤、顔料、難燃剤、帯電防止剤、可塑剤などの従来公知の添加剤が添加されていてもよい。
発泡シートの一面には、合成樹脂シート又は金属シートが積層一体化されている。合成樹脂シート又は金属シートは、振動吸収を担う発泡シートを拘束することによって外部から与えられた振動を効率良く発泡シートに伝達させる役割を果たしており、合成樹脂シート又は金属シートが発泡シートに積層されていない場合、低周波数領域における振動が発泡シートに伝達されにくく、積層発泡シートの制振性能が低下する虞れがある。
合成樹脂シートとしては、低密度ポリエチレン系樹脂、中密度ポリエチレン系樹脂、高密度ポリエチレン系樹脂、直鎖状低密度ポリエチレン系樹脂、直鎖状中密度ポリエチレン系樹脂、直鎖状高密度ポリエチレン系樹脂などのポリエチレン系樹脂、プロピレン単独重合体、プロピレンと他のオレフィンとの共重合体などのポリプロピレン系樹脂、ポリカーボネート樹脂、エンジニアリング樹脂などが挙げられる。
なお、プロピレンと共重合されるオレフィンとしては、例えば、エチレン、1−ブテン、1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセン等のα−オレフィン等が挙げられる。
金属シートとしては、特に限定されず、例えば、銅シート、鉄シート、ステンレスシート、アルミシートなどが挙げられ、軽量性及び曲面追従性に優れていることから、アルミニウムシートが好ましい。
次に、積層発泡シートの製造方法について説明する。発泡シートの製造方法としては、特に限定されず、例えば、(1)芳香族ビニルブロックを含有する重合体A、結晶成分を有する重合体B及び熱分解型発泡剤を押出機に供給して溶融混練し、押出機からシート状に押出すことによって発泡性樹脂シートを製造する工程と、この発泡性樹脂シートに電離性放射線を照射して架橋させる工程と、架橋させた発泡性樹脂シートを加熱、発泡させ、得られた発泡シートを発泡時の溶融状態を維持したまま押出方向或いは押出方向に直交する方向(幅方向)の何れか一方又は双方の方向に向かって延伸させて発泡シートの気泡を延伸し、気泡を延伸させる発泡シートの製造方法、(2) 芳香族ビニルブロックを含有する重合体A、結晶成分を有する重合体B、熱分解型発泡剤及び有機過酸化物を押出機に供給して溶融混練し、押出機からシート状に押出すことによって発泡性樹脂シートを製造する工程と、この発泡性樹脂シートを加熱して有機過酸化物を分解させ、発泡性樹脂シートを架橋させつつ発泡させる工程と、得られた発泡シートを発泡時の溶融状態を維持したまま押出方向或いは押出方向に直交する方向(幅方向)の何れか一方又は双方の方向に向かって延伸させて発泡シートの気泡を延伸し、気泡を延伸させる発泡シートの製造方法、(3)芳香族ビニルブロックを含有する重合体A、結晶成分を有する重合体B及び熱分解型発泡剤を押出機に供給して溶融混練し、押出機からシート状に押出すことによって発泡性樹脂シートを製造する工程と、この発泡性樹脂シートに電離性放射線を照射して、発泡性樹脂シートを架橋させる工程と、架橋させた発泡性樹脂シートを加熱、発泡させた後に冷却して発泡シートを製造する工程と、この発泡シートを再度、加熱して溶融又は軟化状態とする工程と、上記発泡シートを押出方向或いは押出方向に直交する方向(幅方向)の何れか一方又は双方の方向に向かって延伸させて発泡シートの気泡を延伸し、気泡を延伸させる発泡シートの製造方法、(4) 芳香族ビニルブロックを含有する重合体A、結晶成分を有する重合体B、熱分解型発泡剤及び有機過酸化物を押出機に供給して溶融混練し、押出機からシート状に押出すことによって発泡性樹脂シートを製造する工程と、この発泡性樹脂シートを加熱して有機過酸化物を分解させ、発泡性樹脂シートを架橋させつつ発泡させた後に冷却して発泡シートを製造する工程と、この発泡シートを再度、加熱して溶融又は軟化状態とする工程と、上記発泡シートを押出方向或いは押出方向に直交する方向(幅方向)の何れか一方又は双方の方向に向かって延伸させて発泡シートの気泡を延伸し、気泡を延伸させる発泡シートの製造方法などが挙げられる。
上記熱分解型発泡剤としては、従来から発泡体の製造に用いられているものであれば、特に限定されず、例えば、アゾジカルボンアミド、N,N’−ジニトロソペンタメチレンテトラミン、p−トルエンスルホニルセミカルバジドなどが挙げられ、アゾジカルボンアミドが好ましい。なお、熱分解型発泡剤は単独で用いられても二種以上が併用されてもよい。
そして、熱分解型発泡剤の添加量は、少ないと、発泡シートが十分に発泡しないことがある一方、多いと、発泡により形成される気泡が安定せず、発泡体の気泡構造が不均一になることがあるので、芳香族ビニルブロックを含有する重合体A及び結晶成分を有する重合体Bの合計100重量部に対して1〜30重量部が好ましい。
そして、発泡性樹脂シートを架橋する方法としては、例えば、発泡性樹脂シートに電子線、α線、β線、γ線などの電離性放射線を照射する方法、発泡性ポリオレフィン系樹脂組成物に予め有機過酸化物を配合しておき、得られた発泡性樹脂シートを加熱して有機過酸化物を分解させる方法などが挙げられ、これらの方法は併用されてもよい。
上記有機過酸化物としては、例えば、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、2,2−ビス(t−ブチルパーオキシ)オクタン、n−ブチル−4,4−ビス(t−ブチルパーオキシ)バレレート、ジ−t−ブチルパーオキサイド、t−ブチルクミルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、α,α’−ビス(t−ブチルパーオキシ−m−イソプロピル)ベンゼン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3、ベンゾイルパーオキサイド、クミルパーオキシネオデカネート、t−ブチルパーオキシベンゾエート、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、t−ブチルパーオキシアリルカーボネートなどが挙げられ、これらは単独で用いられても二種以上が併用されてもよい。
そして、有機過酸化物の添加量は、少ないと、発泡性樹脂シートの架橋が不充分となることがあり、多いと、発泡性樹脂シートが硬くなり過ぎて発泡が困難となることがあるので、芳香族ビニルブロックを含有する重合体A及び結晶成分を有する重合体Bの合計100重量部に対し、0.01〜5重量部が好ましく、0.1〜3重量部がより好ましい。
又、発泡性樹脂シートを発泡させる方法としては、特には限定されず、例えば、熱風により加熱する方法、赤外線により加熱する方法、塩浴による方法、オイルバスによる方法などが挙げられ、これらは併用してもよい。
そして、上記発泡シートの延伸は、発泡性樹脂シートを発泡させて発泡シートを得た後に行ってもよいし、或いは、発泡性樹脂シートを発泡させつつ行ってもよい。なお、発泡性樹脂シートを発泡させて発泡シートを得た後、発泡シートを延伸する場合には、発泡シートを冷却することなく発泡時の溶融状態を維持したまま続けて発泡シートを延伸しても、或いは、発泡シートを冷却した後、再度、発泡シートを加熱して溶融又は軟化状態とした上で発泡シートを延伸してもよい。更に、延伸された発泡シートを上述の要領で再度、延伸してもよい。
上記発泡シートを延伸することによって、発泡シートの気泡を所定方向に延伸し変形させて、無数の延伸気泡がその延伸方向を発泡シートの延伸方向に向けた状態で配向させてなる発泡シートを製造することができる。
更に、発泡シートの延伸方向にあたっては、長尺状の発泡性樹脂シートの押出方向若しくは幅方向に向かって、又は、押出方向及び幅方向に向かって延伸させる。なお、発泡シートを押出方向及び幅方向に向かって延伸させる場合、発泡シートを押出方向及び幅方向に向かって同時に延伸してもよいし、一方向づつ別々に延伸してもよい。
上記発泡シートを押出方向に延伸する方法としては、例えば、長尺状の発泡性樹脂シートを発泡工程に供給する速度(供給速度)よりも、発泡後に長尺状の発泡シートを冷却しながら巻き取る速度(巻取速度)を速くすることによって発泡シートを押出方向に延伸する方法、得られた発泡シートを延伸工程に供給する速度(供給速度)よりも、発泡シートを巻き取る速度(巻取速度)を速くすることによって発泡シートを押出方向に延伸する方法などが挙げられる。
なお、前者の方法において、発泡性樹脂シートは、それ自身の発泡によって押出方向に膨張するので、発泡シートを押出方向に延伸する場合には、発泡性樹脂シートの発泡による押出方向への膨張分を考慮した上で、その膨張分以上に発泡シートが押出方向に延伸されるように、シートの供給速度と巻取り速度とを調整する必要がある。
又、上記発泡シートを幅方向に延伸する方法としては、発泡シートの幅方向の両端部を一対の把持部材によって把持し、この一対の把持部材を互いに離間する方向に徐々に移動させることによって発泡シートを幅方向に延伸する方法が好ましい。なお、発泡性樹脂シートは、それ自身の発泡によって幅方向に膨張するので、発泡シートを幅方向に延伸する場合には、発泡性樹脂シートの発泡による幅方向への膨張分を考慮した上で、その膨張分以上に発泡シートが幅方向に延伸されるように調整する必要がある。
ここで、発泡シートの押出方向における延伸倍率は、小さいと、積層発泡シートの制振性能が低下し、大きいと、発泡シートの気泡が破れてしまうことがあるので、1.2〜4.8倍が好ましい。
なお、発泡シートの押出方向における延伸倍率は下記要領で算出される。即ち、発泡シートの発泡倍率の三乗根Fを求める一方、巻取速度と供給速度の比(巻取速度/供給速度)Vを求め、下記式に基づいて発泡シートの押出方向における延伸倍率を算出することができる。但し、発泡シートの発泡倍率は、発泡性樹脂シートの比重を発泡シートの比重で除したものをいう。
発泡シートの押出方向における延伸倍率(倍)=V/F
又、発泡シートの幅方向における延伸倍率は、小さいと、積層発泡シートの制振性能が低下し、大きいと、発泡シートの気泡が破れてしまうことがあるので、1.2〜4.8倍が好ましい。
なお、発泡シートにおける幅の延伸倍率は、発泡性樹脂シートをその押出方向及び幅方向に延伸させずに加熱、発泡させて得られた発泡シートの幅の長さをW1とする一方、幅に延伸させた発泡シートの幅の長さをW2とし、下記式に基づいて算出することができる。
発泡シートの幅における延伸倍率(倍)=W2/W1
発泡シートの一面に、合成樹脂シート又は金属シートを積層一体化させる方法としては、例えば、発泡シートの一面に接着剤や粘着剤を介して合成樹脂シート又は金属シートを積層一体化させる方法、発泡シートの一面に両面粘着テープを介して合成樹脂シート又は金属シートを積層一体化する方法などが挙げられる。
上述のようにして得られた積層発泡シートは、その発泡シートの他面に粘着剤層を汎用の要領で積層一体化させて用いることができ、この積層発泡シートは優れた制振性能を発揮する。なお、粘着剤層を構成する粘着剤としては、特に限定されず、アクリル系粘着剤、ウレタン系粘着剤が好ましい。
積層発泡シートは、その粘着剤層によって振動体の表面に貼着することによって優れた制振性能を発揮し、振動体の振動を抑制し振動音の低減化を図ることができる。
本発明の積層発泡シートは、芳香族ビニルブロックを含有する重合体A及び結晶成分を有する重合体Bを含有する発泡シートの一面に、合成樹脂シート又は金属シートが積層一体化されてなる積層発泡シートであって、上記芳香族ビニルブロックを含有する重合体Aは、その動的粘弾性測定によって得られる損失正接の最大値を示す温度が−30〜40℃であると共に、上記発泡シートは、該発泡シートの厚み方向に直交する方向に延伸された気泡を含み、この延伸された気泡は、その厚み方向の平均気泡径と、延伸方向の平均気泡径(延伸方向の平均気泡径/厚み方向の平均気泡径)が1.2〜4.8であることを特徴とするので、常温にて1000Hz以下の低周波数帯において優れた制振性を有する。
(実施例1)
スチレンブロックとビニルイソプレンブロックとを含有するスチレン−ビニルイソプレン−スチレントリブロック共重合体(クラレ社製 商品名「ハイブラー5127」、動的粘弾性測定によって得られる損失正接の最大値を示す温度:28℃)60重量部、スチレンブロックとビニルイソプレンブロックとを含有するスチレン−ビニルイソプレン−スチレントリブロック共重合体(クラレ社製 商品名「ハイブラー5125」、動的粘弾性測定によって得られる損失正接の最大値を示す温度:2.95℃)10重量部、ランダムポリプロピレン(日本ポリプロ社製 商品名「EG8」、融点:145℃、結晶融解エネルギー:64.6mJ/mg)30重量部、アゾジカルボンアミド(大塚化学社製 商品名「SO−20」)4.5重量部及び、フェノール系酸化防止剤(チバ・スペシャリティーケミカルズ社製「イルガノックス1010」)2.0重量部を押出機にて供給して溶融混練して発泡性樹脂シートを得た。
発泡性樹脂シートに加速電圧500keVにて電子線を3.0Mrad照射することによって発泡性樹脂シートを架橋した。続いて、発泡性樹脂シートを発泡炉中に供給して、230℃で加熱することにより、厚みが3.0mm、発泡倍率が10倍の発泡シートを得た。
得られた発泡シートをその溶融状態を維持したまま連続的に幅方向の端部を吸引式ガイダーで吸引して幅方向に1.0倍に延伸すると共に、発泡性樹脂シートを発泡炉に供給する速度よりも、発泡後に発泡シートを冷却しながら巻き取る速度を速くすることによって発泡シートを押出方向に1.6倍に延伸することによって、気泡を押出方向及び押出方向に直交する方向に延伸して、延伸気泡を有する発泡シートを得た。
なお、発泡シートにおいて、押出方向の平均気泡径の比(押出方向の平均気泡径/厚み方向の平均気泡径)は2.73であり、押出方向に直交する方向の平均気泡径の比(押出方向に直交する方向の平均気泡径/厚み方向の平均気泡径)は1.53であり、延伸気泡の延伸方向は押出方向であり、全気泡のうちの74%を占める延伸気泡は押出方向に全て配向していた。
そして、得られた発泡シートの一面に両面粘着テープ(積水化学工業社製 商品名「セキスイテープ#5761」)を介して厚みが80μmのアルミニウムシート(ヤング率:69.09GPa)を積層一体化して目付が430g/m2である積層発泡シートを得た。
(実施例2)
幅方向の延伸倍率を1.0倍とし、押出方向の延伸倍率を1.4倍として延伸気泡を含有する発泡シートを製造したこと以外は実施例1と同様にして積層発泡シートを得た。
なお、発泡シートにおいて、押出方向の平均気泡径の比(押出方向の平均気泡径/厚み方向の平均気泡径)は2.14であり、押出方向に直交する方向の平均気泡径の比(押出方向に直交する方向の平均気泡径/厚み方向の平均気泡径)は1.40であり、延伸気泡の延伸方向は押出方向であり、全気泡のうちの69%を占める延伸気泡は押出方向に全て配向していた。
(実施例3)
幅方向の延伸倍率を1.2倍とし、押出方向の延伸倍率を1.6倍として延伸気泡を含有する発泡シートを製造したこと以外は実施例1と同様にして積層発泡シートを得た。
なお、発泡シートにおいて、押出方向の平均気泡径の比(押出方向の平均気泡径/厚み方向の平均気泡径)は3.17であり、押出方向に直交する方向の平均気泡径の比(押出方向に直交する方向の平均気泡径/厚み方向の平均気泡径)は1.61であり、延伸気泡の延伸方向は押出方向であり、全気泡のうちの55%を占める延伸気泡は押出方向に全て配向していた。
(実施例4)
ランダムポリプロピレンの代わりにポリ乳酸(ユニチカ社製 商品名「テラマックTE7300」、融点:167℃、結晶融解エネルギー:29.7mJ/mg)を用いたこと、幅方向の延伸倍率を1.0倍とし、押出方向の延伸倍率を1.5倍として延伸気泡を含有する発泡シートを製造したこと以外は実施例1と同様にして積層発泡シートを得た。
なお、発泡シートにおいて、押出方向の平均気泡径の比(押出方向の平均気泡径/厚み方向の平均気泡径)は2.21であり、押出方向に直交する方向の平均気泡径の比(押出方向に直交する方向の平均気泡径/厚み方向の平均気泡径)は1.72であり、延伸気泡の延伸方向は押出方向であり、全気泡のうちの64%を占める延伸気泡は押出方向に全て配向していた。
(比較例1)
幅方向及び押出方向に発泡シートの延伸を行わなかったこと以外は実施例1と同様にして積層発泡シートを得た。
(比較例2)
積水化学工業社から商品名「ビブレスルーフシート」にて市販されているシートを積層発泡シートの代わりに用いた。
(比較例3)
スチレンブロックとビニルイソプレンブロックとを有するスチレンブロックとビニルイソプレンブロックとを有するスチレン−ビニルイソプレン−スチレントリブロック共重合体(クラレ社製 商品名「ハイブラー5127」、動的粘弾性測定によって得られる損失正接の最大値を示す温度:28℃)100重量部、フタル酸−2−エチルヘキシル(Wako Chemical社製)13重量部及びアゾジカルボンアミド(大塚化学社製 商品名「SO−20」)13重量部からなる樹脂組成物を、プラストミルにて120℃で溶融混練した後、120℃で5分間プレス処理することによって厚みが1.4mmの発泡性樹脂シートを得た。
得られた発泡性樹脂シートに加速電圧500KeVにて照射線量3.0Mradの電子線を照射し、発泡性樹脂シートに架橋処理を施した。続いて、発泡性樹脂シートを発泡炉中に供給して、230℃で加熱することにより、厚みが3.0mm、発泡倍率が8倍の発泡シートを得た。
そして、得られた発泡シートの一面に両面粘着テープ(積水化学工業社製 商品名「セキスイテープ#5761」)を介して厚みが80μmのアルミニウムシートを積層一体化して目付が430g/m2である積層発泡シートを得た。
得られた積層発泡シートの損失係数及び寸法安定性を下記の要領で測定してその結果を表1、2に示した。
(損失係数)
厚さ1.0mm、幅15.0mm、長さ250mmのSPCC鋼板上に両面テープを用いて自動車用制振材をその発泡シートがSPCC鋼板側となるように貼着した。しかる後、リオン社から商品名「SA−01」にて市販されている測定装置を用いて、積層発泡シートの損失係数を25℃にて中央加振法により測定した。なお、表1、2において、括弧内の値は、記載した損失係数を示した周波数である。
(寸法安定性)
発泡シートから一辺が10cmの試験片を切り出し、この試験片の押出方向及び幅方向の寸法を測定した後、発泡シートを120℃で22時間に亘って養生した後の押出方向(MD)及び幅方向(TD)の寸法を測定して下記式に基づいて寸法変化率を算出した。
押出方向の寸法変化率(%)=100×(L2−L1)/L1
(L1:養生前の試験片の押出方向の寸法、L2:養生後の試験片の押出方向の寸法)
幅方向の寸法変化率(%)=100×(L3−L4)/L3
(L3:養生前の試験片の幅方向の寸法、L4:養生後の試験片の幅方向の寸法)
Figure 0005227059
Figure 0005227059

Claims (8)

  1. 芳香族ビニルブロックを含有する重合体A及び結晶成分を有する重合体Bを含有する発泡シートの一面に、合成樹脂シート又は金属シートが積層一体化されてなる積層発泡シートであって、上記芳香族ビニルブロックを含有する重合体Aは、その動的粘弾性測定によって得られる損失正接の最大値を示す温度が−30〜40℃であると共に、上記発泡シートは、該発泡シートの厚み方向に直交する方向に延伸された気泡を含み、上記発泡シートの気泡は、延伸方向の平均気泡径と厚み方向の平均気泡径との比(延伸方向の平均気泡径/厚み方向の平均気泡径)が1.2〜4.8であることを特徴とする積層発泡シート。
  2. 芳香族ビニルブロックを含有する重合体Aと、結晶成分を有する重合体Bとの重量比(重合体A/重合体B)が1.2〜9.0であることを特徴とする請求項1に記載の積層発泡シート。
  3. 発泡シートの厚みが0.1〜10mmであることを特徴とする請求項1に記載の積層発泡シート。
  4. 発泡シートの発泡倍率が2〜30倍であることを特徴とする請求項1に記載の積層発泡シート。
  5. 結晶成分を有する重合体Bにおいて、示差走査熱量分析により測定される融点が120〜200℃であり、且つ、結晶融解エネルギーが20mJ/mg以上であることを特徴とする請求項1に記載の積層発泡シート。
  6. 結晶成分を有する重合体Bがポリプロピレン系樹脂であることを特徴とする請求項1に記載の積層発泡シート。
  7. 芳香族ビニルブロックを含有する重合体Aが、スチレンブロックとビニルイソプレンブロックとを有するブロック共重合体であることを特徴とする請求項1に記載の積層発泡シート。
  8. 金属シートがアルミニウムシートであることを特徴とする請求項1に記載の積層発泡シート。
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