(1) 遊技領域(遊技領域41)に遊技球を打込むことにより遊技が行なわれ、前記遊技領域のうち第1領域(始動入賞球装置58b)を遊技球が通過したことを条件として各々が識別可能な複数種類の識別情報(0〜9の特別図柄)の変動表示を行なって表示結果を導出表示する第1変動表示部(第1特別図柄表示装置44a)と、前記第1領域と異なる第2領域(普通可変入賞球装置58、始動口58a)を遊技球が通過したことを条件として各々が識別可能な複数種類の識別情報の変動表示を行なって表示結果を導出表示する第2変動表示部(第2特別図柄表示装置44b)と、遊技球を受入れやすい遊技者にとって有利な第1の状態(開放状態)と該第1の状態に比べて遊技球を受入れにくいまたは受入れない遊技者にとって不利な第2の状態(閉鎖状態)とに変化するとともに特定進入領域(特定進入口89)と一般進入領域(第1通常入賞口94a、第2通常入賞口94b、第3通常入賞口94c)とが設けられた可変入賞球装置(第1特別可変入賞球装置66)とを備える遊技機(パチンコ遊技機1)であって、
前記可変入賞球装置の状態を変化させる変化態様を、前記可変入賞球装置を第1の状態に変化させる期間が異なる複数種類の変化態様(図13(c)の始動時動作開始タイミング、始動時動作内容参照)のうちから設定する変化態様設定手段(図28のSM09、SM10、SM12、SM13)と、
前記第1変動表示部または前記第2変動表示部における前記識別情報の変動表示の表示結果が所定の表示結果(小当りA図柄、小当りB図柄)となったときに、前記変化態様設定手段により設定された変化態様で前記可変入賞球装置の状態を変化させる制御を行なう可変入賞球装置制御手段(図29の第1小当り開放処理におけるSP04、SP06、第2小当り開放処理におけるSP04およびSP06に対応するステップ)と、
前記可変入賞球装置に進入した遊技球が前記特定進入領域に進入したこと(図31の第1大入賞口内玉進入時処理におけるSR09でYES、第2大入賞口内玉進入時処理におけるSR09と同様のステップにおいてYES)、または、前記第1変動表示部または前記第2変動表示部における前記識別情報の変動表示の表示結果が前記所定の表示結果とは異なる特定表示結果(大当り図柄)となったこと(図28の第1特別図柄停止処理におけるSM06でYES、第2特別図柄停止処理におけるSM06と同様のステップにおいてYES)を条件として、遊技者に有利な特定遊技状態(大当り、大当り遊技状態)に制御する特定遊技状態制御手段(図28の第1特別図柄停止処理におけるSM07、第2特別図柄停止処理におけるSM07と同様のステップ、図30の第1小当り開放処理におけるSP30、第2小当り開放処理におけるSP30と同様のステップ、第1特別図柄プロセス処理、第2特別図柄プロセス処理)とを備え、
前記変化態様設定手段は、前記第1変動表示部における前記識別情報の変動表示の表示結果が前記所定の表示結果となったときよりも、前記第2変動表示部における前記識別情報の変動表示の表示結果が前記所定の表示結果となったときの方が高い割合(100%、所定の割合)で第1の状態に変化させる期間が長い変化態様(第2始動時動作、3回開き動作)を設定する。
このような構成によれば、第1領域または第2領域を遊技球が通過することを条件として、可変入賞球装置の状態を第1の状態に変化させる制御が行なわれるため、第1領域または第2領域を遊技球が通過するか否かに遊技者を注目させることができる。また、第1領域を遊技球が通過したときに変動表示が行なわれる第1変動表示部において所定の表示結果となったときよりも、第2領域を遊技球が通過したときに変動表示が行なわれる第2変動表示部において所定の表示結果となったときの方が、可変入賞球装置を第1の状態に変化させる期間が長い。このため、第1変動表示部または第2変動表示部に表示結果が導出表示されるまでの間において、特に、第2領域に遊技球が通過するか否かに遊技者を注目させることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
(2) 前記第1領域を遊技球が通過したが前記第1変動表示部において未だ変動表示が行なわれていない第1未変動数(第1保留記憶数)を所定上限数(たとえば、4)まで記憶する第1未変動数記憶手段(図25の第1始動口スイッチ通過処理)と、
前記第2領域を遊技球が通過したが前記第2変動表示部において未だ変動表示が行なわれていない第2未変動数(第2保留記憶数)を所定上限数(たとえば、4)まで記憶する第2未変動数記憶手段(図20のSD02bの第2始動口スイッチ通過処理、第1始動口スイッチ通過処理参照)と、
前記第1未変動数記憶手段に記憶されている前記第1未変動数および前記第2未変動数記憶手段に記憶されている前記第2未変動数に基づき、前記第1変動表示部および前記第2変動表示部のうちいずれか一方で変動表示を行なって表示結果を導出表示する制御を行なう変動表示手段(図26の第1特別図柄通常処理、第2特別図柄通常処理、第1特別図柄プロセス処理、第2特別図柄プロセス処理、第1特別図柄表示制御処理、第2特別図柄表示制御処理)と、
遊技球を前記第2領域に通過させやすい遊技者にとって有利な有利状態(開放状態)と該有利状態に比べて遊技球を前記第2領域に通過させにくい遊技者にとって不利な不利状態(閉鎖状態)とに変化可能な可動装置(普通可変入賞球装置58)と、
前記可動装置の状態を変化させる制御を行なう可動装置制御手段(図21の普通図柄プロセス処理)とをさらに備え、
前記可動装置制御手段は、前記特定遊技状態とは異なる遊技者にとって有利な状態である特別遊技状態(時短状態)において、通常遊技状態よりも前記可動装置を前記有利状態に制御する期間を長くする(たとえば、通常開放時間:0.5秒、延長開放時間:2秒)特別遊技状態時可動装置制御手段(SE06)を含み、
前記変動表示手段は、前記第1未変動数が記憶されており前記第2未変動数が記憶されていないとき(図26のSK01cでYES)に前記第1変動表示部において前記識別情報の変動表示を開始し(SK06)、前記第1未変動数が記憶されているか否かに関わらず前記第2未変動数が記憶されているとき(図26のSK01cでNO)に前記第2変動表示部において前記識別情報の変動表示を行なう(第2特別図柄通常処理)。
このような構成によれば、特別遊技状態において可動装置が有利状態に制御される期間が長くなり、第2領域へ遊技球が通過しやすくするとともに、第1未変動数が記憶されているか否かに関わらず第2未変動数が記憶されているときに第2変動表示部において変動表示が行なわれる。このため、第2領域へ遊技球が通過した数が所定上限数より多くなりその結果第2領域に遊技球が通過したにも関わらず第2変動表示部において変動表示が行なわれないといった遊技者にとって不都合が生じる割合を低減させることができる。
(3) 前記可変入賞球装置に進入した遊技球を、前記特定進入領域まで誘導させやすい誘導有利状態(振分部材83a,83bが駆動されて上方向に移動した状態、第2の振分状態)と、該誘導有利状態に比べて前記特定進入領域まで誘導させにくいまたは誘導させない誘導不利状態(振分部材83a,83bが駆動されておらず下方向に移動している状態、第1の振分状態)とに変化する振分装置(振分部材83a,83b、振分用ソレノイド108a,108b)と、
前記振分装置の状態を変化させる制御を行なう振分装置制御手段(図28の第1特別図柄停止処理におけるSM14a,SM14b、第2特別図柄停止処理におけるSM14a,SM14bと同様のステップ、図29の第1小当り開放処理におけるSP11、第2小当り開放処理におけるSP11と同様のステップ)と、
前記変動表示装置の表示結果を、前記所定の表示結果として定められた複数種類の表示結果(小当りA図柄、小当りB図柄)を含む表示結果(大当り図柄、小当り図柄、はずれ図柄)のうちから決定する表示結果決定手段(図27の第1遊技状態判定処理、第2遊技状態判定処理)とを備え、
前記振分装置制御手段は、前記第1変動表示部または前記第2変動表示部における前記識別情報の変動表示の表示結果が前記所定の表示結果となったときに、当該所定の表示結果の種類によって前記振分装置が前記誘導有利状態に制御されているタイミングを変化させる(図13(c)の振分開始タイミング参照)。
このような構成によれば、所定の表示結果の種類によって誘導有利状態に制御されるタイミングを異ならせることができる。すなわち、所定の表示結果の種類によって特定進入領域まで誘導される割合を異ならせることができる。このため、第2領域に遊技球が通過するか否かに遊技者を注目させるだけでなく、表示結果が所定の表示結果になるかさらに所定の表示結果のうちどの種類の所定の表示結果になるかに遊技者を注目させることができるため、遊技の興趣を向上させることができる。
(4) 前記可変入賞球装置に進入した遊技球を、前記特定進入領域まで誘導させやすい誘導有利状態(振分部材83a,83bが駆動されて上方向に移動した状態)と、該誘導有利状態に比べて前記特定進入領域まで誘導させにくいまたは誘導させない誘導不利状態(振分部材83a,83bが駆動されておらず下方向に移動している状態)とに変化する振分装置(振分部材83a,83b、振分用ソレノイド108a,108b)と、
前記振分装置の状態を変化させる制御を行なう振分装置制御手段(図28の第1特別図柄停止処理におけるSM14a,SM14b、第2特別図柄停止処理におけるSM14a,SM14bと同様のステップ、図29の第1小当り開放処理におけるSP11、第2小当り開放処理におけるSP11と同様のステップ)とをさらに備え、
前記振分装置制御手段は、前記第1変動表示部において前記識別情報の変動表示の表示結果が前記所定の表示結果となったときと、前記第2変動表示部において前記識別情報の変動表示の表示結果が前記所定の表示結果となったときとで、前記振分装置が前記誘導有利状態に制御されているタイミングを変化させる(図13(c)の振分開始タイミング参照)。
このような構成によれば、所定の表示結果が第1変動表示部において導出表示されるか第2変動表示部において導出表示されるかによって誘導有利状態に制御されるタイミングを異ならせることができる。すなわち、遊技球が第1領域を通過するか第2領域を通過するかによって特定進入領域まで誘導される割合を異ならせることができる。このため、第1領域または第2領域のうちいずれに遊技球が通過するか否かに遊技者を注目させることができるため、遊技の興趣を向上させることができる。
(5) 前記可変入賞球装置と別に設けられ、遊技球を受入れやすい遊技者にとって有利な有利状態(開放状態)と遊技球を受入れない不利状態(閉鎖状態)とに変化する特別可変入賞球装置(第2特別可変入賞球装置48)と、
前記特定遊技状態に制御されているときに前記特別可変入賞球装置を前記不利状態から前記有利状態に制御する特別可変入賞球装置制御手段(図20の第1特別図柄プロセス処理におけるSD07〜SD10、第2特別図柄プロセス処理におけるSD07〜SD10と同様のステップ)と、
該特別可変入賞球装置内に進入した遊技球を検出する検出手段(第2用特定球検出器51、第2用カウントスイッチ52)と、
前記特定遊技状態に制御されていないときであって、前記検出手段により遊技球が検出されたとき(図35のSB21でYESと判断され、SB22でNOと判断されたとき)に、異常が発生している旨を報知する異常報知手段(図35のSB24、図18のSB04、図37のST10)とをさらに備える。
このような構成によれば、異常が発生している旨が報知される。このため、不正行為が行なわれたことにより異常が発生したことを遊技場係員等に認識させることができ、このような不正行為を抑止することができる。
以下に、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。以下の実施の形態においては、遊技者が遊技球を直接手にして遊技を行なう遊技機を示すが、本発明は、これに限らず、たとえば、遊技機内部に遊技球が封入された封入式の遊技機等であってもよい。また、本発明は、遊技領域に遊技球を打込むことにより遊技が行なわれ、前記遊技領域のうち第1領域を遊技球が通過したことを条件として各々が識別可能な複数種類の識別情報の変動表示を行なって表示結果を導出表示する第1変動表示部と、前記第1領域と異なる第2領域を遊技球が通過したことを条件として各々が識別可能な複数種類の識別情報の変動表示を行なって表示結果を導出表示する第2変動表示部と、遊技球を受入れやすい遊技者にとって有利な第1の状態と該第1の状態に比べて遊技球を受入れにくいまたは受入れない遊技者にとって不利な第2の状態とに変化する可変入賞球装置とを備える遊技機であれば、どのような遊技機にでも適用可能である。
まず、遊技機の一例であるパチンコ遊技機1の全体の構成について説明する。図1は、本実施の形態に係るパチンコ遊技機1を正面からみた正面図である。
パチンコ遊技機1は、図1に示すように、縦長な方形状に枠組み形成される外枠2と、該外枠2の一側に開閉自在に軸支されかつパチンコ遊技機1の主要構成部のほぼすべてが集約して設けられる前面枠3とから構成されている。前面枠3においては、前面上部に前面扉枠4が開閉自在に設けられており、前面下部に上皿開閉枠11が開閉自在に設けられている。また、前面枠3に設けられる主要構成部としては、前面扉枠4および上皿開閉枠11の他に、上記した遊技盤40、下皿27、灰皿ユニット29、操作ハンドル30、機構板(図示省略)、打球発射装置130(図1では図示を省略し、図12に示す)がある。なお、図示はしていないが、パチンコ遊技機1の側方に遊技者に遊技球(パチンコ玉)を貸し出す(球貸しする)ためのカードユニット装置128(図12参照)が付設されるものであってもよい。
前面扉枠4には、後述する遊技盤40の遊技領域41をほぼ透視し得る遊技開口としての円形透視窓5が開設され、該円形透視窓5の裏面から複層ガラス板が装着される。この円形透視窓5および複層ガラス板は、いずれも縦長な円形状に形成されるものである。前面扉枠4の周縁には、後方に向かって補強周枠リブ(図示しない)が立設され、さらに、補強周枠リブに沿って補強金具を取付ネジで取付けることにより、前面扉枠4の強度の向上を図っている。
また、前面扉枠4の前面側には、円形透視窓5の外周に沿って、上部に装飾部材としての上部装飾ユニット22が、左側方に被覆部材としての左装飾ユニット23が、右側方に被覆部材としての右装飾ユニット24が、下部に前面構成部材としての下部装飾ユニット25がそれぞれ設けられている。上部装飾ユニット22の内部に、発光部材としての遊技効果LED(Light Emitting Diode)13,14a,14cおよび遊技効果ランプ14b,14dが臨むように前面扉枠4の前面側に備えられ、左装飾ユニット23および右装飾ユニット24の内部に、それぞれ発光部材としての遊技効果ランプ16a,16bおよび遊技効果ランプ17a,17bが臨むように前面扉枠4の前面側に備えられている。この遊技効果LED13,14a,14c、遊技効果ランプ14b,14d,16a,16b,17a,17bは、遊技状態に応じて点灯または点滅されるものであり、特別の遊技状態の発生時や継続時を遊技者に報知するとともに遊技の雰囲気を盛り上げるものである。なお、本実施の形態における特別の遊技状態とは、後述する特定遊技状態、時短状態、変動表示状態、開放状態等の遊技状態をいう。
また、上部装飾ユニット22の左右に、遊技の進行に応じた効果音(音声なども含む)を発生するスピーカ12a,12bが前面扉枠4に設けられている。なお、スピーカ12a,12bは、遊技球の貸出異常が生じたとき、あるいは遊技球の貸出時(たとえば、100円相当の遊技球が払出される毎)に、その旨を報知する報知音も発生するようにしてもよい。また、左装飾ユニット23の上部右側方に、入賞球の発生に基づいて所定個数の賞球が払出されたことを報知する遊技関連情報発光部材としての賞球LED10(なお、賞球未払出分がある場合に報知するものでもよい。具体的には、賞球未払出があるときは点灯し、賞球未払出がないときは消灯するなど)が前面扉枠4の前面から視認可能に設けられ、右装飾ユニット24の上部左側方に、払出すべき賞球が不足したことを報知する遊技関連情報発光部材としての球切れLED9が前面扉枠4の前面から視認可能に設けられている。この賞球LED10および球切れLED9は、パチンコ遊技機1において行なわれる遊技演出とは別に遊技に関する情報に関連して発光する遊技関連情報発光部材であり、遊技効果LEDや遊技効果ランプとは別に設けられるものであり、前面枠3の前面側に設けられている。また、左装飾ユニット23および右装飾ユニット24のそれぞれ左側および右側には、装飾するための前面装飾部6が設けられている。さらに、下部装飾ユニット25の両側方には、遊技盤40に貼付される証紙を視認するための透視窓18が設けられている。
上記した遊技効果LED13,14a,14c、遊技効果ランプ14b,14d,16a,16b,17a,17bは、それぞれプリント配線基板(図示しない)に実装されて前面枠3の前面側に取付けられる。なお、遊技効果LED13,14a,14c、遊技効果ランプ16a,16b,17a,17bは、各プリント基板にそれぞれ複数個ずつ実装され、遊技効果ランプ14b,14dは、各プリント基板にそれぞれ1個ずつ実装されている。そして、各基板およびスピーカ12a,12bは、後述する音声枠ランプ基板92に接続されている。一方、球切れLED9、賞球LED10は、各プリント基板にそれぞれ複数個ずつ実装されており、後述する払出制御基板98に接続されている。
次に、前面扉枠4の透視窓5の下方に位置する上皿開閉枠11に形成された上皿19の構成について説明する。上皿19は、複数の合成樹脂製部材を組合せた皿部材を固着することにより構成されている。上皿19の開放側の上方には、玉抜き操作部21が設けられている。この玉抜き操作部21は、押圧操作可能に設けられ、スプリングの付勢力に抗して押圧することにより、上皿19に貯留されていた球を裏面側に形成される玉抜き路(図示しない)および玉抜き穴(図示しない)を流下させて下皿27に誘導するものである。
上記した上皿19について、さらに詳細に説明すると、上皿19は、その上流側に形成される賞球払出口20から払出された賞球を貯留し、かつ発射位置に球を供給するものである。また、上皿19には、パチンコ遊技機1に隣接して設けられるカードユニット装置128を介して遊技球を借り受ける際に操作する操作部(残高表示部)が設けられている。この操作部は、球貸スイッチと返却スイッチと各表示LED(いずれも図示しない)が実装される残高表示基板104からなり、該残高表示基板104が上皿19の上面に臨むように設けられている。また、上皿19の右側方には、前面扉枠4を前面枠3に対して施錠しかつ前面枠3を外枠2に対して施錠する施錠装置を操作するためのシリンダー錠26が臨んでいる。
また、前面枠3の下部に取付けられる下皿27は、前記上皿19から溢れた余剰球を貯留する余剰球貯留皿(余剰球受皿)であり、その下皿27の下方には、玉抜き操作レバー28がスライド可能に取付けられる。この玉抜き操作レバー28を操作することにより、下皿27に貯留されていた遊技球(賞球)を下方に玉抜きして持ち運び可能な球箱に移し替えることができる。また、下皿27の左側には、灰皿ユニット29が設けられ、右側には、操作ハンドル30が設けられている。操作ハンドル30は、後述する打球発射装置130の発射モータの駆動を停止させるための単発発射スイッチおよびタッチリング(タッチセンサ)に接続されるタッチ配線(図示しない)が組み付けられているとともに、弾発力を調節するものである。操作ハンドル30が操作されることに応じて、打球発射装置130から遊技球が弾発発射され、発射された遊技球(打球)が遊技領域41へ打込まれる。
パチンコ遊技機1の正面構造は、概ね上記した通りであるが、パチンコ遊技機1にカードユニット装置128が隣接されている場合について説明する。このカードユニット装置128は、前記上皿19の上面に設けられる前述した球貸スイッチや返却スイッチ等の操作部を操作することにより作動されるものである。しかして、カードユニット装置128の表面側には、使用可能状態であるか否かを表示する使用可能表示器(図示しない)と、当該カードユニット装置128がいずれの側のパチンコ遊技機1に対応しているかを表示する連結台方向表示器(図示しない)と、記録媒体としての磁気カードを挿入するカード挿入口(図示しない)とが設けられている。そして、このように構成されるカードユニット装置128は、独自の制御回路によって制御されるものであるが、カードユニット配線を介して、後述する払出制御基板98に接続されている。なお、パチンコ遊技機1は、カードユニット装置128を内蔵しても良いし、カードユニット装置128を付設せず、カードによる球貸し機能を有しないものであってもよい。また、本実施形態においては、遊技者に遊技球を貸し出す(球貸しする)ためのユニット装置としてカードユニット装置128を例示したが、たとえば、カードユニット装置128の代わりに、紙幣等を挿入し得るユニット装置を設けてもよい。
以上で、パチンコ遊技機1の正面の概略構成を説明したが、以下、パチンコ遊技機1を構成する要素のうち、図1および図2〜図10を参照して遊技盤40の詳細な構成について説明する。図2および図3は、遊技盤40に設けられている第1特別可変入賞球装置66の拡大図である。図4は、第1特別可変入賞球装置66内に遊技球が進入する進入口を説明するための図である。図5および図6は、第1特別可変入賞球装置66内に設けられている誘導通路の拡大斜視図である。図7、図8、および図10は、第1特別可変入賞球装置66内に設けられている誘導通路の上面図である。図9は、第1特別可変入賞球装置66内に設けられている回転体を示す図である。
まず、図1を参照して、遊技盤40は、前面枠3の裏面側に一体的に形成される遊技盤収納枠部に収容固定されるように、ほぼ正方形状の合板により形成されている。遊技盤40の表面には、ステンレス鋼板を円弧状に形成した誘導レール42a,42bが取付けられている。これにより、打球発射装置130から発射された遊技球は、該誘導レール42a,42b各々により形成される円形状の遊技領域41内に導かれる。このようにして、遊技領域41に遊技球が打込まれる。なお、誘導レール42aは、遊技領域41の左下部分から右上部分までを区画形成し、誘導レール42bは、遊技領域41の右上部分から左上部分までを区画形成する。
遊技領域41には、その中央に演出表示装置80aを含む第1特別可変入賞球装置66、右方に第1特別図柄表示装置44a、第2特別図柄表示装置44b、左方に普通図柄表示装置63、下方に第2特別可変入賞球装置48、普通可変入賞球装置58等が設けられるとともに、単に遊技球を入賞とする入賞口、遊技球の流下方向,速度を変化せしめる風車および多数の障害釘(図示しない)が設けられている。また、遊技領域41の最下方には、いずれの入賞領域にも入賞しない遊技球が取り込まれるアウト口69が設けられている。
遊技領域41の構成をより詳細に説明すると、第1特別可変入賞球装置66の左側方には、ゲートスイッチ62が内蔵された通過ゲート61が設けられている。このゲートスイッチ62は、該ゲートスイッチ62内を通過する遊技球を検出すると、その検出信号に基づいて遊技領域41の左側方に備えられた普通図柄表示装置63で普通図柄を変動表示(具体的には7セグメント表示器が採用されており、「−」を点灯・消灯)して表示結果を導出する(「7」「−」のいずれか一方を停止表示させる)。普通図柄表示装置63で「−」が表示された場合には、普通図柄表示装置63がはずれの表示結果を導出したことになる。一方、普通図柄表示装置63で「7」が表示された場合には、普通図柄表示装置63が当りの表示結果を導出したことになり、普通可変入賞球装置58が所定時間開放される。
なお、普通図柄表示装置63は、7セグメントLEDを備えた表示器に限らず、各々が識別可能な複数種類の識別情報の変動表示を行なって表示結果を導出表示するものであれば、どのようなものであってもよい。たとえば、2つのランプを備えた表示装置であってもよく、複数色で点灯可能なランプを備えた表示装置であってもよい。また、変動表示の態様については、2つのランプを備えた表示装置を採用した場合に、該2つのランプを交互に点灯させて変動表示を行ない一方のLEDを点灯表示させるか他方のLEDを点灯表示させるかにより表示結果を導出表示するものであってもよい。また、複数色で点灯可能なランプを備えた表示装置を採用した場合に、1つのLED等の点灯色を変化させて変動表示を行ないどの色で確定するかにより表示結果を導出表示するものであってもよい。
普通可変入賞球装置58は、遊技領域41のほぼ中央に配置される第1特別可変入賞球装置66と、アウト口69の上方に配置される第2特別可変入賞球装置48との間に配置され、普通電動役物用ソレノイド59によって開閉駆動される電動チューリップタイプの可動片を備えた可変入賞球装置である。普通可変入賞球装置58は、遊技者にとって有利な開放状態である有利状態と、遊技者にとって不利な閉鎖状態である不利状態とに動作させることが可能である。この普通可変入賞球装置58は、閉鎖状態であっても、普通可変入賞球装置58の上部に設けられている始動口58aから遊技球を受入れる構造になっている。なお、普通可変入賞球装置58は、閉鎖状態において遊技球を受入れない構造であってもよい。
普通図柄表示装置63における普通図柄の変動表示が行なわれる時間(以下、変動時間という)は、予め定められた通常遊技状態のときと、後述するように通常遊技状態よりも短縮された時短状態のときとで異なる。普通図柄の変動時間は、通常遊技状態のときにおいては相対的に長い通常変動時間(たとえば、30秒)に設定され、時短状態においては相対的に短い短縮変動時間(たとえば、3〜5秒)に設定される。また、普通可変入賞球装置58の開放時間は、通常遊技状態のときと時短状態のときとで異なる。普通可変入賞球装置58の開放時間は、通常遊技状態のときには相対的に短い通常開放時間(たとえば、0.5秒)に設定され、後述する時短状態のときに相対的に長い延長開放時間(たとえば、2秒)に設定される。
また、普通図柄表示装置63の上方には、普通図柄表示装置63の変動表示中または普通可変入賞球装置58の開成中にゲートスイッチ62を通過した遊技球数を記憶表示する普通図柄始動記憶LED64(最高4個まで記憶表示する)が設けられている。この普通図柄始動記憶LED64は、4個のLEDから構成されている。
第2特別可変入賞球装置48の左には、入賞球が検出されることにより遊技領域41の右側方に備えられた第1特別図柄表示装置44aにおいて特別図柄の変動を開始させる始動入賞球装置58bが設けられている。始動入賞球装置58bは、始動口スイッチ56が内蔵され、受入れた入賞球を検出する。始動口スイッチ56は、第1特別図柄表示装置44aにおいて変動表示させるための始動機能を有している。遊技球が始動口スイッチ56によって検出されると第1特別図柄表示装置44aにおいて特別図柄が変動表示を開始し、演出表示装置80aにおいて変動表示時用の演出画像の表示が開始される。
第2特別可変入賞球装置48の上方に設けられた普通可変入賞球装置58には、始動口スイッチ60が内蔵されている。始動口スイッチ60により、普通可変入賞球装置58の開放中または閉成中に受入れた入賞球が検出される。遊技球が始動口スイッチ60によって検出されると遊技領域41の右側方に備えられた第2特別図柄表示装置44bにおいて特別図柄が変動開始し、演出表示装置80aにおいて変動表示時用の演出画像の表示が開始される。このように、始動口スイッチ60は、第2特別図柄表示装置44bにおいて変動表示させるための始動機能を有している。
第1特別図柄表示装置44aおよび第2特別図柄表示装置44bは、それぞれ、各々が識別可能な複数種類の識別情報である「0」〜「9」の特別図柄の変動表示を行なって表示結果を導出表示する7セグメントLEDを備えた表示器である。なお、第1特別図柄表示装置44aおよび第2特別図柄表示装置44bは、7セグメントLEDを備えた表示器に限らず、各々が識別可能な複数種類の識別情報の変動表示を行なって表示結果を導出表示するものであれば、どのようなものであってもよい。たとえば、2つのランプを備えた表示装置であってもよく、複数色で点灯可能なランプを備えた表示装置であってもよい。
本実施の形態における「0」〜「9」の特別図柄の変動表示の態様としては、点灯状態(たとえば、7セグメントLEDのうち中段に配置されたLEDを点灯させた状態)と消灯状態(たとえば、7セグメントLEDに用いられる全てのLEDを無点灯にした状態)とに交互に繰返す表示を行なうことにより特別図柄が変動表示されていることを表わす例を示す。その後、後述する当り判定の結果に応じて、図13(b)に示す図柄を表示結果として表示する。しかし、これに限らず、特別図柄の変動表示の態様としては、「0」〜「9」の特別図柄をスクロール表示させることによる変動表示、および、「0」〜「9」の特別図柄をその場において所定時間間隔で切替える表示をさせることによる変動表示等のような特別図柄自体を用いて行なう変動表示の態様を採用してもよい。つまり、第1特別図柄表示装置44aおよび第2特別図柄表示装置44bで行なわれる特別図柄の変動表示としては、識別情報の変動表示が行なわれていることを示す表示状態となった後、表示結果が導出表示されるものであれば、どのような変動表示態様を採用してもよい。たとえば、2つのランプを備えた表示装置を採用した場合に、該2つのランプを交互に点灯させて変動表示を行ない一方のLEDを点灯表示させるか他方のLEDを点灯表示させるかにより表示結果を導出表示するものであってもよい。また、複数色で点灯可能なランプを備えた表示装置を採用した場合に、1つのLED等の点灯色を変化させて変動表示を行ないどの色で確定するかにより表示結果を導出表示するものであってもよい。
第1特別可変入賞球装置66内に設けられている演出表示装置80aは、演出画像を表示する表示領域80が形成された液晶表示器(Liquid Crystal Display)である。
第1特別図柄表示装置44aの上方に設けられた第1特別図柄始動記憶LED46aは、第1特別図柄表示装置44aにおいて特別図柄の変動動作中、大当り遊技状態中、または、小当り遊技状態中に、始動口スイッチ56によって検出された球数(第1保留記憶数ともいう)を記憶表示する(最高4個まで記憶表示する)。すなわち、第1特別図柄始動記憶LED46aは、第1特別図柄表示装置44aで特別図柄の変動表示を開始できない状態で始動口スイッチ56によって検出された球数を記憶表示する。第2特別図柄表示装置44bの上方に設けられた第2特別図柄始動記憶LED46bは、第2特別図柄表示装置44bにおいて特別図柄の変動動作中、大当り遊技状態中、または、小当り遊技状態中に、始動口スイッチ60によって検出された球数(第2保留記憶数ともいう)を記憶表示する(最高4個まで記憶表示する)。すなわち、第2特別図柄始動記憶LED46bは、第2特別図柄表示装置44bで特別図柄の変動表示を開始できない状態で始動口スイッチ60によって検出された球数を記憶表示する。
本実施の形態においては、第1保留記憶数および第2保留記憶数に基づき、第1特別図柄表示装置44aまたは第2特別図柄表示装置44bのいずれか一方において特別図柄の変動表示が行なわれるように制御される。具体的には、第1特別図柄表示装置44aおよび第2特別図柄表示装置44bのいずれにおいても変動表示が行なわれていないときであって、第1保留記憶数および第2保留記憶数の双方が記憶されているときには、第2特別図柄表示装置44bにおいて特別図柄の変動表示が開始される。第1特別図柄表示装置44aおよび第2特別図柄表示装置44bのいずれにおいても変動表示が行なわれていないときであって、第2保留記憶数のみが記憶されているときにも、第2特別図柄表示装置44bにおいて特別図柄の変動表示が開始される。第1特別図柄表示装置44aにおける特別図柄の変動表示は、第1特別図柄表示装置44aおよび第2特別図柄表示装置44bのいずれにおいても変動表示が行なわれていないときであって、第1保留記憶数のみが記憶されているときに開始される。すなわち、本実施の形態においては、第2保留記憶数が優先的に消化され、第2特別図柄表示装置44bにおける特別図柄の変動表示が優先して開始される。
なお、第1特別図柄始動記憶LED46aおよび第2特別図柄始動記憶LED46bは、各々、4個のLEDから構成されている。第1特別図柄始動記憶LED46aおよび第2特別図柄始動記憶LED46b各々においては、始動記憶数の上限値を一定の4個としているが、これに限らず、予め定めた所定条件の成立に伴って始動記憶数の上限値を変更可能に構成してもよい。
第1特別可変入賞球装置66は、大入賞口が開放されて遊技球を受入れやすい遊技者にとって有利な第1の状態(開放状態)と、大入賞口が閉鎖されて第1の状態に比べて遊技球を受入れない遊技者にとって不利な第2の状態(閉鎖状態)とに変化する可変入賞球装置である。第2特別可変入賞球装置48は、第1特別可変入賞球装置66とは別に設けられ、大当り遊技状態において、大入賞口が開放されて遊技球を受入れやすい遊技者にとって有利な有利状態(開放状態)と、大入賞口が閉鎖されて有利状態に比べて遊技球を受入れない遊技者にとって不利な不利状態(閉鎖状態)とに変化する可変入賞球装置である。このように、大当り遊技状態中に制御される特別可変入賞球装置としては、第1特別可変入賞球装置66と第2特別可変入賞球装置48とが設けられ、大当り遊技状態においては、これらのうちから選択された特別可変入賞球装置において大入賞口を開放する制御が行なわれる。
第1特別図柄表示装置44aおよび第2特別図柄表示装置44bは、各々、変動表示の表示結果として、いずれかの特別図柄を導出表示する。そして、第1特別図柄表示装置44aまたは第2特別図柄表示装置44bの変動停止時における特別図柄が予め定めた特定表示結果としての大当り図柄(たとえば、「1」,「3」,「5」,「7」)となったときには、所定の遊技価値の付与として特定遊技状態(以下、大当りまたは大当り遊技状態という)が発生する。なお、第1特別図柄表示装置44aおよび第2特別図柄表示装置44bにおいて変動表示の表示結果が大当り図柄になるときの変動時間は、後述する小当り図柄になるときの変動時間(たとえば、0.5秒から3秒等)よりも比較的長く設定される。表示結果が大当り図柄となるときには、変動表示中において、たとえば演出表示装置80aの表示領域80において後述する予告演出画像が表示される。なお、第1特別図柄表示装置44aおよび第2特別図柄表示装置44bにおいて変動表示の表示結果が大当り図柄にならないときであっても、大当り図柄となるときと同様に変動時間が比較的長く設定される場合も有り得るように構成してもよい。
この場合の大当り遊技状態においては、第1特別可変入賞球装置66および第2特別可変入賞球装置48のうちから選択した特別可変入賞球装置を特定態様(所定期間開放状態とする状態を予め定められた継続権の成立に基づいて所定の最大繰返し回数(15回)に達するまで繰返す態様)で開閉駆動する制御が行なわれる。これにより、大当り遊技状態においては、第1特別可変入賞球装置66および第2特別可変入賞球装置48のうちから選択した特別可変入賞球装置を開閉駆動する特定制御が少なくとも1回行なわれる。第1特別可変入賞球装置66は、開閉片用ソレノイド105を駆動することにより開閉駆動される。第2特別可変入賞球装置48は、開閉板用ソレノイド65を駆動することにより開閉駆動される。大当りとなった場合には、開放状態にされた方の特別可変入賞球装置において、一定時間(たとえば、5秒または30秒)が経過するまで、または、その一定時間内に所定個数(たとえば、10個)の入賞球が入賞するまでという特定の態様で開放状態(以下、この開放を開放サイクルまたはラウンドという)を継続させた後閉鎖状態にする制御(特定制御)が行なわれる。各ラウンドにおいて第2特別可変入賞球装置48が開放される時間は、最長時間が5秒または30秒となる。これにより、大当り遊技状態において第1特別可変入賞球装置66および第2特別可変入賞球装置48から選択された特別可変入賞球装置が開放状態になったときには、小当り遊技状態において第1特別可変入賞球装置66が開放状態になったときよりも遊技者にとって有利な状態に制御される。
大当り遊技状態では、選択された特別可変入賞球装置において、ラウンド中に受入れられた遊技球が、各特別可変入賞球装置に設けられた特定球検出器によって検出されると、そのときに継続権が成立して、次のラウンドに進み、そのラウンドで選択される特別可変入賞球装置が開放状態に制御される。そして、各ラウンドにおいて継続権が成立していることを条件に、大当りの種類毎に設定されているラウンド回数分、特別可変入賞球装置を選択してラウンドを繰返す制御が行なわれる。
大当り遊技状態において開閉する特別可変入賞球装置を選択するパターンとしては、全ラウンドのすべての回について第1特別可変入賞球装置66を選択する第1の選択パターンと、たとえば全ラウンドのうち一部の回について第1特別可変入賞球装置66を選択し、その他の回について第2特別可変入賞球装置48を選択する第2の選択パターンとが設けられており、大当り図柄の種類に応じていずれかのパターンが選択される。また、第2のパターンとしては、第1特別可変入賞球装置66および第2特別可変入賞球装置48を選択する態様(たとえば15回のうちのそれぞれの回についてどちらの特別可変入賞球装置を選択するかという態様)が異なるパターンが複数種類設けられており、大当り図柄の種類に応じていずれかのパターンが選択される。
大当りとなったときには、その大当り遊技状態の終了後において特別図柄の変動表示が所定回数実行される期間に亘って、普通図柄表示装置63での普通図柄の変動時間を通常遊技状態のときの変動時間よりも短縮された短縮変動時間とする制御が行なわれるとともに、普通可変入賞球装置58の開放時間を通常遊技状態のときの開放時間よりも延長された延長開放時間とする制御が行なわれる。このような大当り遊技状態の終了後における普通図柄の変動時間の制御および普通可変入賞球装置58の開放時間の制御が行なわれる状態を時短状態と呼ぶ。
なお、時短状態においては、普通図柄の変動時間を短縮変動時間とする制御が行なわれることに加えて、前述したような普通可変入賞球装置58の開放時間を延長する制御、普通図柄表示装置63における停止図柄を当りの表示結果とする確率を高める制御、および、普通図柄表示装置63が当りの表示結果となったときの普通可変入賞球装置58の開放回数を増加させる制御の3つの制御のうちいずれか1つの制御を実行するようにしてもよい。また、時短状態においては、普通図柄の変動時間を短縮変動時間とする制御が行なわれることに加えて、このような3つの制御のうちいずれか2つの制御を組合せて実行するようにしてもよい。また、時短状態においては、普通図柄の変動時間を短縮変動時間とする制御が行なわれることに加えて、このような3つの制御のすべてを組合せて実行するようにしてもよい。
また、第1特別図柄表示装置44aまたは第2特別図柄表示装置44bの変動停止時における特別図柄が予め定められた所定の表示結果としての小当り図柄(たとえば、「2」,「4」,「6」,「8」)である場合には、後述する第1特別可変入賞球装置66の開閉片81a,81bをスライド移動させて開口部82a,82bを開放する態様で、閉鎖状態(遊技球を受入れない第2の状態)から所定期間、開放状態(遊技球を受入れやすい第1の状態)にする態様での動作を、小当り図柄が停止された特別図柄表示装置に応じた回数行なう。このような動作をさせる遊技状態を小当り遊技状態という。開口部82a,82bは、第1特別可変入賞球装置66の大入賞口として設けられており、以下の説明において、第1大入賞口と呼ぶ場合がある。
このように、変動表示結果として、小当り図柄(以下、小当り表示結果ともいう)が停止することにより、第1特別可変入賞球装置66を所定の態様で開放状態にする動作を始動時動作という。特に、第1特別図柄表示装置44aにおいて小当り図柄が停止されたことにより、第1特別可変入賞球装置66を2回開放状態にする動作を、第1始動時動作という。また、第2特別図柄表示装置44bにおいて小当り図柄が停止されたことにより、第1特別可変入賞球装置66を3回開放状態にする動作を、第2始動時動作という。
本実施の形態においては、第1始動時動作よりも、第2始動時動作の方が、開放状態に制御される回数が多く、開放状態に変化している時間が長いため、遊技者にとって有利な態様で第1特別可変入賞球装置66が制御される。なお、第1始動時動作または第2始動時動作により第1特別可変入賞球装置66が開放状態に制御される態様は、上述した態様に限らず、第1始動時動作よりも、第2始動時動作の方が、開放状態に変化している時間が長く遊技者にとって有利な態様で第1特別可変入賞球装置66が開放状態に制御されるものであれば、開口部82a,82bを開放状態にする回数および開放状態にする1回の時間の双方を異ならせるものであってもよい。たとえば、第1特別図柄表示装置44aにおいて小当り図柄が停止されたことにより第1特別可変入賞球装置66を開放状態に1秒間制御する動作を1回行ない、第2特別図柄表示装置44bにおいて小当り図柄が停止されたことにより第1特別可変入賞球装置66を開放状態に1.5秒間制御する動作を1回行なうように構成してもよい。また、第1特別図柄表示装置44aにおいて小当り図柄が停止されたことにより第1特別可変入賞球装置66を開放状態に1秒間制御する動作を1回行ない、第2特別図柄表示装置44bにおいて小当り図柄が停止されたことにより第1特別可変入賞球装置66を開放状態に1秒間制御する動作を2回行なうように構成してもよい。なお、第2始動時動作よりも、第1始動時動作の方が、遊技者にとって有利な態様で第1特別可変入賞球装置66が開放状態に制御される態様であってもよい。
小当りとしては、小当りAと小当りBとの複数種類(この実施の形態では2種類)の小当りが設けられている。小当りAは、変動停止時における特別図柄が予め定めた小当りA図柄(たとえば、「2」,「4」)である場合に発生する。小当りBは、変動停止時における特別図柄が予め定めた小当りB図柄(たとえば、「6」,「8」)である場合に発生する。小当りAと、小当りBとでは、始動時動作が開始するタイミングが異なる。これにより、小当りAと、小当りBとでは、第1特別可変入賞球装置66において、前述した態様で開放状態に制御されているタイミングが変化する。また、小当り図柄の種類に応じて、開放状態にする時間、開放状態にする回数等の態様を異ならせるようにしてもよい。以下の説明においては、小当りAとなったときに行なわれる小当り遊技状態を小当り遊技状態Aと呼び、小当りBとなったときに行なわれる小当り遊技状態を小当り遊技状態Bと呼ぶ。
また、第1特別図柄表示装置44aまたは第2特別図柄表示装置44bの変動停止時における特別図柄が予め定めたはずれ図柄(たとえば、「0」,「9」)である場合には、前述した特定遊技状態に制御されず第1の状態にも制御されないはずれ状態となる。
ここで、本実施の形態における第1特別可変入賞球装置66を、図2〜図10を用いて詳細に説明する。まず、図3に示すように、第1特別可変入賞球装置66の上方には、状態に応じて当該第1特別可変入賞球装置66の内部と外部とを連通させる開口部(第1入賞口)82a,82bが設けられるとともに、当該開口部82a,82bを開放状態(図3の状態参照)または閉鎖状態(図2の状態参照)にするための開閉片81a,81bが左右にスライド移動可能に設けられている。開閉片81a,81bは、開閉片用ソレノイド105により左右にスライド移動可能となるように連結されている。
開閉片81a,81bは、開閉片用ソレノイド105が駆動したときに、開口部82a,82bを開放する方向に移動し、開閉片用ソレノイド105の駆動が終了したときに、開口部82a,82bを閉鎖する方向に移動する。このように、開閉片81a,81bにより開口部82a,82bを開放させた状態が前述した第1特別可変入賞球装置66の開放状態であり、開閉片81a,81bにより開口部82a,82bを閉鎖させた状態が前述した第1特別可変入賞球装置66の閉鎖状態である。
第1特別可変入賞球装置66内の上方には、図3および図4に示すように、遊技球が進入可能な3つの進入口が設けられている。3つの進入口のうち左および右の進入口は、第1進入口91a,91bという。また、3つの進入口のうち真中の進入口は、第2進入口91cという。第1進入口91a,91bおよび第2進入口91cには、第1特別可変入賞球装置66が開放状態であるときに開口部82a,82bから進入した遊技球が進入可能である。第1進入口91a,91bおよび第2進入口91cには、それぞれの進入口に進入した遊技球を検出するためのカウントスイッチが設けられている。第1進入口91a,91bには、それぞれ、第1カウントスイッチ106a,106bが設けられ、第2進入口91cには、第2カウントスイッチ106cが設けられている。第1特別可変入賞球装置66内に進入した遊技球は、第1カウントスイッチ106a,106b、第2カウントスイッチ106cのうちいずれかを通過した後、図5および図6等に示す第1または第2進入球誘導通路110a,110bに誘導される。第1カウントスイッチ106a,106bを通過した遊技球は、図5に示す第1特別可変入賞球装置66の左側に配置されている第1進入球誘導通路110aに誘導される。また、第2カウントスイッチ106cを通過した遊技球は、図6に示す第1特別可変入賞球装置66の右側に配置されている第2進入球誘導通路110bに誘導される。
第1および第2進入球誘導通路110a,110b各々の下流側には、誘導されてきた遊技球の流路を振分ける振分部材83a,83bが設けられている。振分部材83aには、振分用ソレノイド108aが連結され、振分部材83bには、振分用ソレノイド108bが連結されている。振分部材83a,83bは、それぞれ、振分用ソレノイド108a,108bが駆動されることにより動作する。振分用ソレノイド108a,108bは、小当りが第1特別図柄表示装置44aで発生したか第2特別図柄表示装置44bで発生したか、および小当り図柄の種類に応じて、駆動開始タイミングを変化させて制御される。
図5を参照して、振分部材83aは、振分用ソレノイド108aが駆動したときに、上方向に移動し(図5(a)の状態参照)、振分用ソレノイド108aの駆動が終了したときに、下方向に移動する(図5(b)の状態参照)。振分用ソレノイド108aが駆動されていないときに、第1進入球誘導通路110aにより誘導されてきた遊技球は、図5(b)に示すように、第1誘導通路124に振分けられる。一方、振分用ソレノイド108aが駆動されているときに、第1進入球誘導通路110aにより誘導されてきた遊技球は、図5(a)に示すように、第2誘導通路117に振分けられる。このように、振分部材83aは、第1誘導通路124に遊技球を振分ける第1の振分状態と、第2誘導通路117に遊技球を振分ける第2の振分状態とに変化する。
振分部材83aにより第1誘導通路124に振分けられた遊技球は、第1誘導通路124を転動して、第1通常入賞口94aに進入する(図10参照)。一方、振分部材83aにより第2誘導通路117に振分けられた遊技球は、第2誘導通路117を転動してステージ185(図7等参照)に誘導される。
ステージ185に誘導された遊技球は、奥に配置されている回転体88側に誘導される。回転体88に誘導された遊技球は、回転体88の動作状態に応じて特定進入口89またはその奥に設けられた第2通常入賞口94b(図7、図10参照)に振分けられる。
ここで、図9を参照して、回転体88の構造について説明する。回転体88は、小当りが発生してから所定タイミング経過時にモータ127が駆動されることにより、反時計回りに回転する。モータ127は、小当りが第1特別図柄表示装置44aで発生したか第2特別図柄表示装置44bで発生したか、および小当り図柄の種類に応じて、駆動開始タイミングを変化させて制御される。振分装置は、振分部材83a,83b、振分用ソレノイド108a,108b、回転体88およびモータ127により構成されている。
回転体88は、円盤状の部材から構成されている。回転体88は、その回転軸中心部分から外周に向かって下り傾斜面となるように中央が盛り上がった山形状に形成されている。回転体88の外周には、複数の穴が形成されている。複数の穴には、回転体88の外周に沿って垂直上向きにリブが立設されており入った遊技球を第2通常入賞口94bに誘導可能な複数のはずれ穴88aと、特定進入口89側に排出する一の当り穴88bとを含む。はずれ穴88aに入った遊技球は、リブ回転体88の回転により右奥側に配置されている第2通常入賞口94bに誘導される。一方、当り穴88bの外側には、開口が形成されている。このため、当り穴88bに入った遊技球は、開口から手前側に排出され、ステージ185の下方に設けられた当り誘導面185aにより特定進入口89に誘導される。
複数形成されているはずれ穴88aのうち隣り合うはずれ穴88aの間、および当り穴88bと隣り合う一方のはずれ穴88aと当り穴88bとの間には、回転体88の外周方向に傾斜した傾斜部88cが形成されている。回転体88の回転軸側から傾斜部88c上を転動する遊技球は、回転体88の回転によりはずれ穴88aに誘導されて、はずれ穴88aの外縁に設けられたリブを乗り越えたときに当り誘導面185aにより特定進入口89に誘導される場合と、リブを乗り越えられずに第2通常入賞口94bに取り込まれる場合とがある。
図9に示すように回転体88には、はずれ穴88aが7箇所形成され、傾斜部88cが7箇所形成され、当り穴88bが1箇所形成されている。はずれ穴88a、傾斜部88c、および当り穴88bの円周方向の長さがほぼ同じである場合には、遊技球が回転体88の傾斜面に沿って手前側に誘導されるときに、はずれ穴88aに入る確率が7/15、傾斜部88cを通る確率が7/15、当り穴88bに入る確率が1/15になる。なお、はずれ穴88aまたは当り穴88bに入った遊技球が傾斜部88cに出てしまうことが発生し難く、前述したように傾斜部88c上を転動中の遊技球が回転体88の動作状態に応じて、回転体88の回転によりはずれ穴88aに誘導されて、はずれ穴88aの外縁に設けられたリブを乗り越えて当り誘導面185aにより特定進入口89に誘導される場合と、リブを乗り越えられずに第2通常入賞口94bに取り込まれる場合とがある。このため、実質的に、特定進入口89に誘導される確率は、回転体88の動作状態に応じて左右される。
ステージ185に誘導された遊技球は、回転体88の方向に転動し当り穴88bに入ったときに、当り誘導面185aに排出されて特定進入口89に進入する。一方、ステージ185に誘導された遊技球は、回転体88の方向に転動し当り穴88bに入らなかったとき、すなわちはずれ穴88aに入ったときに、第2通常入賞口94bに進入する。なお、ステージ185から回転体88の方向から傾斜部88c上に転動した遊技球は、回転体88の回転によりはずれ穴88aに誘導されて、勢いがなくリブを乗り越えることができず、第2通常入賞口94bに取り込まれる。
次に、図6を参照して、振分部材83bは、振分用ソレノイド108bが駆動したときに、上方向に移動し(図6(a)の状態参照)、振分用ソレノイド108bの駆動が終了したときに、下方向に移動する(図6(b)の状態参照)。振分用ソレノイド108bが駆動されていないときに、第2進入球誘導通路110bにより誘導されてきた遊技球は、図6(b)に示すように、第3誘導通路124aに振分けられる。一方、振分用ソレノイド108bが駆動されているときに、第2進入球誘導通路110bにより誘導されてきた遊技球は、図6(a)に示すように、第4誘導通路117aに振分けられる。このように、振分部材83bは、第3誘導通路124aに遊技球を振分ける第1の振分状態と、第4誘導通路117aに遊技球を振分ける第2の振分状態とに変化する。
振分部材83bにより第3誘導通路124aに振分けられた遊技球は、第3誘導通路124aを転動して、第3通常入賞口94cに進入する(図10参照)。一方、振分部材83bにより第4誘導通路117aに振分けられた遊技球は、第4誘導通路117aを転動して回転体88上に誘導される。
回転体88に誘導された遊技球は、傾斜面に沿って誘導され、当り穴88bに入ったときに、当り誘導面185aに排出されて特定進入口89に進入する。一方、回転体88に誘導された遊技球は、傾斜面に沿って誘導され、はずれ穴88aに入ったときに、第2通常入賞口94bに進入する。なお、第4誘導通路117aから回転体88上に誘導された遊技球は、第4誘導通路117aから落下しかつ傾斜面に沿って誘導されるため、ステージ185から回転体88の方向に転動する遊技球よりも勢いがついている。このため、回転体88に誘導され傾斜面に沿って誘導された遊技球のうち傾斜部88c上を転動しはずれ穴88aに誘導された遊技球は、リブを乗り越えて、当り誘導面185aに排出される場合がある。よって、回転体88に誘導され傾斜面に沿って誘導された遊技球のうち傾斜部88c上を転動しはずれ穴88aに誘導された遊技球は、はずれ穴88aの外縁に設けられたリブを乗り越えたときに当り誘導面185aに排出されて特定進入口89に進入する場合と、リブを乗り越えることができずに第2通常入賞口94bに進入する場合とが発生し得る。
特定進入口89には、特定進入口89に進入した遊技球を検出するための第1用特定球検出器121aが設けられている。第1用特定球検出器121aにより遊技球が検出されたときには、その検出に基づいて大当りが発生し、大当り遊技状態において、第1特別可変入賞球装置66および第2特別可変入賞球装置48のうちから開閉駆動する特別可変入賞球装置をラウンドごとに選択し、選択される特別可変入賞球装置を特定態様(所定期間開放状態とする状態を予め定められた継続権の成立に基づいて所定回数(15回、8回、4回のうち選択された回数)繰返す態様)で開閉駆動する制御が行なわれる。このように継続権の成立に基づいて特別可変入賞球装置を15回開閉駆動可能な大当りは、15R大当りと呼ばれる。また、継続権の成立に基づいて特別可変入賞球装置を8回開閉駆動可能な大当りは、8R(ラウンド)大当りと呼ばれる。また、継続権の成立に基づいて特別可変入賞球装置を4回開閉駆動可能な大当りは、4R(ラウンド)大当りと呼ばれる。特定態様で特定進入口89に進入した遊技球は、第1用特定球検出器121aを通過した後、排出誘導領域(図示省略)により第1特別可変入賞球装置66外に誘導される。一方、第1〜第3通常入賞口94a〜94cのうちいずれかに進入した遊技球は、排出誘導領域により第1特別可変入賞球装置66外に誘導される。なお、特定進入口89、第1通常入賞口94a、第2通常入賞口94b、第3通常入賞口94cに進入し排出誘導領域により誘導された遊技球は、すべて排出球検出器122により検出され、第1特別可変入賞球装置66外へ排出される。
このように、第1特別可変入賞球装置66内には、特定進入領域として、特定進入口89が設けられている。そして、特定進入口89に遊技球が進入したときには、大当り遊技状態となり、ラウンドごとに第1特別可変入賞球装置66および第2特別可変入賞球装置48から選択する特別可変入賞球装置が、前述した始動態様で第1特別可変入賞球装置66が開放されるときよりも遊技者にとって有利な特定態様で開放される。
ここで、第1進入球誘導通路110aに誘導されかつ第2誘導通路117に誘導された場合と、第2進入球誘導通路110bに誘導されかつ第4誘導通路117aに誘導された場合とで大当りが発生する割合を考えると、前述したように、第4誘導通路117aに誘導された場合には、第4誘導通路117aから落下しかつ回転体88の傾斜面に沿って誘導されることにより、ステージ185から回転体88の方向に転動する遊技球よりも勢いがついている。このため、第4誘導通路117aに誘導された遊技球のうち傾斜部88c上を転動しはずれ穴88aに誘導された遊技球は、はずれ穴88aの外縁に設けられたリブを乗り越えて、当り誘導面185aに排出される場合がある。一方、第2誘導通路117に誘導された場合には、第4誘導通路117aに誘導された遊技球よりも勢いがないため、傾斜部88c上を転動しはずれ穴88aに誘導されてリブを乗り越えられずに第2通常入賞口94bに取り込まれてしまい、第4誘導通路117aに誘導された場合と比較して当り誘導面185aに排出される可能性が低い。よって、第2誘導通路117に誘導されるより、第4誘導通路117aに誘導されたときの方が、当りが発生する割合が高い。よって、第4誘導通路117aは、第2誘導通路117よりも遊技者にとって有利な通路であるといえる。なお、第4誘導通路117aに遊技球が誘導されるためには、第2進入球誘導通路110bに誘導されることが前提条件となる。このため、第2進入球誘導通路110bは、第1進入球誘導通路110aよりも遊技者にとって有利な通路であるといえる。
図2に戻り、演出表示装置80aは、第1特別可変入賞球装置66内の第1進入球誘導通路110aと第2進入球誘導通路110bとの間に設けられている。第1特別図柄表示装置44aまたは第2特別図柄表示装置44bにおいて変動表示が開始されたときには、演出表示装置80aの表示領域80において、変動表示用の演出画像が表示される。第1特別図柄表示装置44aまたは第2特別図柄表示装置44bの表示結果が大当り図柄となった場合には、演出表示装置80aの表示領域80において、大当り発生時用の演出画像が表示される。大当り遊技状態中には、大当り遊技状態中の各ラウンドに対応した大当り中演出画像が表示される。大当り遊技状態終了時には、当該大当り遊技状態終了時用の演出画像が表示される。
また、第1特別図柄表示装置44aまたは第2特別図柄表示装置44bの表示結果が小当りA図柄となった場合には、小当りAにおける開閉片用ソレノイド105の駆動開始時に、演出表示装置80aの表示領域80において、小当りAに対応した小当り第1演出画像が表示される。また、第1特別図柄表示装置44aまたは第2特別図柄表示装置44bの表示結果が小当りB図柄となった場合には、小当りBにおける開閉片用ソレノイド105の駆動開始時に、演出表示装置80aの表示領域80において、小当りBに対応した小当り第1演出画像が表示される。また、小当り遊技状態Aおよび小当り遊技状態Bのそれぞれにおいて、第1特別可変入賞球装置66内に進入した遊技球が第2カウントスイッチ106cにより検出されたとき、すなわち遊技者にとって有利な第2進入球誘導通路110bに誘導された場合には、演出表示装置80aの表示領域80において、遊技球が第2進入球誘導通路110bに進入した旨を示す演出画像としての小当り第2演出画像が表示される。
また、演出表示装置80aの表示領域80において表示される変動表示用の演出画像には、たとえば、15ラウンドの大当り(以下、15R大当りと呼ぶ)となることを予告するための15R予告演出画像、小当りAとなることを予告するための小当りA予告演出画像、および小当りBとなることを予告するための小当りB予告演出画像を含む予告演出画像が含まれる。なお、前述したように、小当り図柄になるときの変動時間は、大当り図柄になるときよりも比較的短いため、小当りA予告演出画像や小当りB予告演出画像を表示しないように構成してもよい。
また、第1特別可変入賞球装置66の外周部には、演出表示装置80a側への遊技球の進入を防止する規制フランジ部75が延設されている。また、遊技領域41の右上部分には、緩衝部材70(たとえば、ゴム等)が設けられている。緩衝部材70は、緩衝部材70への遊技球の衝突によって通過する遊技球の勢いを弱める。
第1特別可変入賞球装置66は、大当り遊技状態の各ラウンドにおいて選択されたときに、所定時間(5秒間または30秒間)が経過するまで、または、その一定時間内に所定個数(たとえば、10個)の入賞球が入賞するまで、開閉片81a,81bにより開口部82a,82bが開放された開放状態に制御された後、閉鎖状態に制御される。各ラウンドにおいて第1特別可変入賞球装置66が開放される時間は、最長時間が5秒または30秒となる。大当り遊技状態においては、小当り遊技状態の場合と異なり、振分用ソレノイド108a,108bが駆動され、振分部材83a,83bが上方向に移動した状態に維持される。ラウンド中に受入れられた遊技球が特定進入口89に進入して第1用特定球検出器121aによって検出(V入賞検出)されたときには、そのときに継続権が成立して、次のラウンドに進む。
第2特別可変入賞球装置48は、開閉板用ソレノイド65によって駆動され、第2特別可変入賞球装置48に形成された大入賞口(図示省略)を開閉する開閉板49が設けられている。以下の説明において、可変入賞球装置48の大入賞口は、第2大入賞口と呼ぶ場合がある。第2特別可変入賞球装置48内(開閉板49の内側)には、第2用特定進入口および第2用通常入賞口(図示省略)が設けられている。また、第2特別可変入賞球装置48内には、大当り遊技状態のラウンドにおいて第2特別可変入賞球装置48が選択されたときに、第2用特定進入口へ進入した遊技球の検出(V入賞検出)に伴って大当りの継続権を成立させるための検出器である第2用特定球検出器51が設けられている。また、第2特別可変入賞球装置48内には、大入賞口から受入れられた遊技球を検出する第2用カウントスイッチ52が設けられている。第2特別可変入賞球装置48内に受入れられた遊技球のうち、第2用特定進入口に入った入賞球は第2用特定球検出器51で検出された後第2用カウントスイッチ52で検出され、第2用通常入賞口に入った遊技球はそのまま第2用カウントスイッチ52で検出される。第2用特定球検出器51の上方には、一旦V入賞検出があると次に開閉板49を開放するまでは遊技球が第2用特定球検出器51を通過しないようにするVシャッター(図示しない)が設けられている。このVシャッターは、Vシャッター用ソレノイド50によって開閉駆動が行なわれる。
第2特別可変入賞球装置48では、大当り遊技状態のラウンドにおいて選択されたときに、そのラウンド中に受入れられた遊技球が第2用特定進入口へ進入して第2用特定球検出器51によって検出されると、そのときに継続権が成立して、次のラウンドが実行される。
以上に説明したように、パチンコ遊技機1においては、第1特別可変入賞球装置66が、第1特別図柄表示装置44aおよび第2特別図柄表示装置44bのうちいずれで小当りが発生したかに応じて、異なる態様で第1特別可変入賞球装置66が制御される。また、第1特別可変入賞球装置66と、第2特別可変入賞球装置48との複数の可変入賞球装置が設けられており、これら可変入賞球装置が第1特別図柄表示装置44aおよび第2特別図柄表示装置44bでの変動表示結果に応じて、異なる態様で制御されることにより使い分けられる。なお、第1特別可変入賞球装置66と、第2特別可変入賞球装置48とは、1つの可変入賞球装置において2つの開口部を設けた態様で一体的に形成されてもよい。また、第2特別可変入賞球装置48を設けず、大当り遊技状態において第1特別可変入賞球装置66のみを開放状態に制御するようにしてもよい。また、大当り遊技状態において第2特別可変入賞球装置48のみを開放状態に制御するようにしてもよい。このように構成した場合、第2特別可変入賞球装置48には、第2用特定球検出器51を設けずに、大入賞口から受入れられた遊技球を検出する第2用カウントスイッチ52のみを設けて、大当り遊技状態に制御されると選択されたラウンド数を常に消化できるように構成してもよい。
なお、本発明の大当り遊技状態は、上記に限らず以下に示す(1)〜(5)の制御のうちいずれか1つの制御または組合せた制御を実行する状態であればよい。
(1) 遊技球の入賞を容易にする第1の状態と、遊技球が入賞できないまたは入賞し難い第2の状態と、に変化可能な第1特別可変入賞球装置66または第2特別可変入賞球装置48に対して所定時間連続的または間欠的に第1の状態にする制御
(2) 特定の入賞または通過領域での遊技球の検出を介在させ、遊技球の入賞を容易にする第1の状態と、遊技球が入賞できないまたは入賞し難い第2の状態と、に変化可能な第1特別可変入賞球装置66または第2特別可変入賞球装置48に対して所定時間連続的または間欠的に第1の状態にする制御
(3) 遊技球の入賞に関わらず所定数の景品球を直接排出する制御
(4) 有価価値を有する記憶媒体(カードやレシート等)に対して有価数を加算する制御
(5) 得点があることに基づいて遊技可能な弾球遊技機に対して得点を付与する制御
また、第2特別可変入賞球装置48の右方、および始動入賞球装置58bの左上方には、それぞれ入賞球検出器55a,55bを内蔵する通常入賞口53a,53bが設けられている。遊技盤40には、遊技領域41の左右周辺に、装飾効果を高めるための装飾LED・ランプ32が複数備えられている。
遊技盤40には、上記したようにスイッチやソレノイド、あるいは装飾ランプや装飾LED等が多数設けられる。これらは、後述する音声枠ランプ基板92および演出制御基板90、または、スイッチ中継基板95を介して主基板120に接続されている。すなわち、遊技盤40に設けられる各スイッチおよび各ソレノイドは、スイッチ中継基板95を介して主基板120に接続され、遊技盤40の左右側方に設けられる装飾LED・ランプ32は、音声枠ランプ基板92および演出制御基板90を介して主基板120に接続されている。
次にパチンコ遊技機1の背面の構成について説明する。図11は、パチンコ遊技機1の背面図である。パチンコ遊技機1の背面には、図11に示すように、入賞球の発生に基づいて所定個数の賞球を払出すための各種の機構を装備した機構板140が設けられるとともに、前記操作ハンドル30に対応する裏面には、打球発射装置130が固着される。
打球発射装置130には、発射制御基板107が付設されている。この発射制御基板107によって打球発射装置130が駆動制御される。発射制御基板107は、発射基板ボックス107a内に収容されている。
また、遊技盤40の裏面には、図11に示すように、遊技盤40の裏面側の中央部分には、裏パック43aが取付けられている。裏パック43aには、演出表示装置80aを含む第1特別可変入賞球装置66が臨む開口(図示しない)が形成されており、この裏パック43aに対して、第1特別可変入賞球装置66と、第1特別可変入賞球装置66に含まれる演出表示装置80aを収容するための液晶ボックス43bとが取付けられている。
また、液晶ボックス43bの後面には、演出制御基板ボックス125が直接取付けられる。この演出制御基板ボックス125内には、ランプドライバ基板93と、音声枠ランプ基板92と、演出制御基板90とが収容されて取付けられている。
音声枠ランプ基板92は、前面扉枠4に設けられる遊技効果LED13,14a,14c、遊技効果ランプ14b,14d、およびスピーカ12a,12b等を主基板120からの情報信号に応じて一括して駆動制御するものである。音声枠ランプ基板92は、遊技盤40に設けられる各種装飾LED・ランプ32を駆動するランプドライバ基板93に制御信号を出力することにより、ランプドライバ基板93に装飾LED・ランプ32の点灯状態を制御させる。
演出制御基板90は、演出表示装置80aの変動表示動作を主基板120からの情報信号の種類に応じて駆動制御する。さらに、演出制御基板90は、音声枠ランプ基板92との情報信号のやり取りを行なうものである。
演出制御基板ボックス125の後面には、左側でヒンジ結合され、開閉自在となるように主基板取付ベース135が設けられている。主基板取付ベース135には、主基板ボックス136が取付けられている。主基板ボックス136内には、主基板120が収容して取付けられている。本実施の形態においては、主基板120が、遊技盤40に取付けられているため、新しい遊技盤に取り替えるときに、遊技盤自体を取り替えることにより、併せて主基板120を取り替えることができる。
なお、主基板ボックス136は、主基板ボックスベースに主基板ボックスカバーを被せて、左右に設けられたカシメ部にカシメネジを差し込み螺着し、その上からカシメキャップで封止することにより、カシメ部を切断しない限り、開封できないように構成されている。これにより、カシメ部が切断されているか否かにより、主基板ボックス136が開封されたか否かを容易に判断することができる。
裏パック43aの右上方には、盤用外部端子板96が取付けられている。この盤用外部端子板96は、パチンコ遊技機1の営業管理上必要な遊技情報(たとえば、大当り中である旨を報知する大当り1情報、確率変動図柄で大当りとなり、その大当り中およびその大当りによる確率変動中である旨を報知する大当り2情報(大当り中と確率変動中に出力され続ける信号)、確率変動図柄による大当り終了後の確率変動中である旨を報知する確率変動情報、第1始動口スイッチ56をオン状態にした打球の数を報知する始動口1情報、第2始動口スイッチ60をオン状態にした打球の数を報知する始動口2情報、第1特別図柄表示装置44aの変動動作回数を報知する図柄確定回数1情報、第2特別図柄表示装置44bの変動動作回数を報知する図柄確定回数2情報、第1特別可変入賞球装置66の開閉回数を報知する役物回数情報、普通図柄表示装置63の変動動作回数を報知する図柄確定回数3情報、および普通可変入賞球装置58の開閉回数を報知する役物回数2情報等)を遊技場に設置される管理コンピュータに出力するための外部接続端子(図示しない)を有し、これらの情報が主基板120から与えられる。さらに、どの図柄で大当りしたか、どの図柄で停止したか等の情報を出力するようにしてもよい。
また、盤用外部端子板96の近傍には、演出用外部端子板126(図12に符号のみ記載)が取付けられている。この演出用外部端子板126は、パチンコ遊技機1の営業管理上必要な情報(たとえば、後述する異常状態の発生情報等)を遊技場に設置される管理コンピュータに出力するための外部接続端子(図示しない)を有し、これらの情報が演出制御基板90から与えられる。なお、異常状態の発生を演出制御基板90で監視せずに主基板120で監視する場合には、演出用外部端子板126を設けずに、盤用外部端子板96から異常状態の発生情報を管理コンピュータに出力するようにしてもよい。
次に、パチンコ遊技機1の背面に設けられる機構板140の構成について図11を参照して説明する。図11において、機構板140は、主として多量の賞球を貯留する賞球タンク147と、該賞球タンク147に貯留された賞球を仕切壁によって複数列(本実施形態の場合、2列)に整列して下流側に整列しながら誘導する玉整列レール部材148と、が設けられる上部構成部と、カーブレール部を有しカーブレール部からの球を誘導する玉通路カバー部材156と入賞に基づく賞球を払出す玉払出装置154(本実施形態では、貸球も払出すが、賞球のみ払出すものでもよい)とが設けられる中間構成部と、主として遊技盤40に打ち込まれた入賞球を含む打球を処理するための構成および、賞球を上皿19および下皿27に導くための構成が設けられる下部構成部と、が開口窓を構成する13ように機構板主体141上に一体的に形成されている。
なお、玉整列レール部材148の下流側上部には、球ならし部材149が揺動自在に垂下され、玉整列レール部材148上を上下2段となって流下する球を球ならし部材149に埋設される重錘(符号なし)の作用によって1段とする。
機構板主体141は、機構板主体141のそれぞれ上部および右側部(パチンコ遊技機1の背面側から見て),左側部(パチンコ遊技機1の背面側から見て),および下部をそれぞれ構成する上部板142,左側板143および下部板144を取付ネジによって連結することにより構成されている。本実施の形態における上部板142,左側板143および下部板144は、耐磨耗性を向上させるために、緑色の顔料がねり込まれた緑色透明のポリカーボネート樹脂で成形されている。透明色を緑色透明としているが、着色しない透明の場合、黄ばんだ透明色になってしまい美観が損なわれるため(タバコのヤニなどで汚れたような感じになってしまう)、緑色透明とすることでその点を解消している。
上部構成部における上記した玉整列レール部材148の下流側上部には、外部との信号線が接続される外部接続端子を有する枠用外部端子板102が取付けられる。枠用外部端子板102の取付部分は、凹んでおり、ハンダ面の突出部分が接触しないように形成されている。枠用外部端子板102に設けられる外部接続端子としては、外部(たとえば、ホール用管理コンピュータ)とパチンコ遊技機1との間の信号線を接続するコネクタとして、賞球数を出力するためのコネクタと、第1・第2ドア開放スイッチ133,134からの信号を出力するためのコネクタとが設けられている。
また、賞球タンク147の左上部および枠用外部端子板102の右上部の機構板140の裏面には、それぞれ、第1ドア開放スイッチ133と、第2ドア開放スイッチ134とが設けられている。本実施の形態における第1ドア開放スイッチ133は、前面扉枠4と前面枠3とが開放したこと、および、機構板140と前面枠3とが開放したことを検出する。第2ドア開放スイッチ134は、前面枠3と外枠2とが開放したことを検出する。第1ドア開放スイッチ133および第2ドア開放スイッチ134は、枠用外部端子板102に接続されている。このように、第1ドア開放スイッチ133および第2ドア開放スイッチ134が備えられているため、外枠2、前面枠3および前面扉枠4の開放状態を外部装置等によって確認することができる。なお、この第1ドア開放スイッチ133および第2ドア開放スイッチ134の配線は、後述する音声枠ランプ基板92に接続され、演出制御基板90を経由して主基板120に接続するようにし、そして、主基板120からの情報信号に基づいて音声枠ランプ基板92によって遊技効果LED13,14a,14c等を点灯制御することにより外枠2,前面枠3および前面扉枠4の開放状態を報知するようにしてもよい。
次に、上部板142に位置する中間構成部の構成について説明する。中間構成部の表面側には、球が通過する球抜き通路(図示しない)が形成されている。この球抜き通路は、後述する球抜き通路下流部と連通しており、玉整列レール部材148および賞球タンク147に待機する球を誘導してパチンコ遊技機1の外側(パチンコ遊技機1を設置する島の回収樋)に導くものである。この球抜き通路への球の誘導は、玉通路カバー部材156に設けられる球抜きストッパー(図示しない)を解除することにより行なわれる。
また、中間構成部の上部には、上記した玉整列レール部材148の下流側に接続されるカーブレール部および玉通路部を有する玉通路カバー部材156が取付けられる。玉通路カバー部材156のカーブレール部は、玉整列レール部材148から流下する球を前記球抜き通路あるいは、玉払出装置154に遊技球を誘導する玉通路(図示しない)のいずれかに分岐するものである。カーブレール部の下流側には、玉払出装置154が配置されている。
玉通路カバー部材156の下流側には、球切れスイッチ157が、玉払出装置154までの間に27〜28個の遊技球が存在することを検出できるような位置に係止片によって着脱自在に装着されている。この球切れスイッチ157は、球を検出しなくなったときに、払出制御基板98および主基板120に信号を入力し、後に説明する玉払出装置154の後述する払出モータの作動を停止して賞球の払出しを不能動化させる。また、玉通路カバー部材156の下方には、賞球および貸球の払出しを行なう玉払出装置154が取付けられている。
次に、機構板140の下部構成部(下部板144)について説明する。下部構成部は、図11に示すように、背面から見てその右側部分に払出制御基板98を収容する払出制御基板ボックス131が取付けられ、背面から見てその左側部分に電源基板97を収容する電源基板ボックス129が取付けられている。なお、払出制御基板ボックス131も、前述した主基板ボックス136の構造と同様に構成されている。すなわち、払出制御基板ボックス131は、払出制御基板ボックスベースに払出制御基板ボックスカバーを被せて、左右に設けられたカシメ部にカシメネジを差し込み螺着し、その上からカシメキャップで封止することにより、カシメ部を切断しない限り、開封できないように構成されている(いずれも図示しない)。これにより、カシメ部が切断されているか否かにより、払出制御基板ボックス131が開封されたか否かを容易に判断することができる。
払出制御基板ボックス131が取付けられる下部構成部の前面側(機構板主体141の遊技盤40と対面する内側)には、入賞球を誘導する入賞球誘導通路(図示しない)とアウト球を誘導するアウト玉通路(図示しない)とが形成され、下部構成部の背面側(機構板主体141の外側)には、賞球通路、連絡通路、余剰玉通路が形成されるとともに球抜き通路下流部も形成されている。また、電源基板ボックス129の左側方には、前面扉枠4を前面枠3に対して施錠し且つ前面枠3を外枠2に対して施錠する施錠装置132が設けられている。
次に、機構板140の下部構成部の背面から見て右側部分(以下、右側下部構成部という)の構成について説明する。図示を省略するが、機構板140の右側下部構成部の一側上部に賞球通路が形成され、該賞球通路の下端に上皿連通口が形成されている。この上皿連通口は、パチンコ遊技機1の前面に設けられる上皿19に賞球を導くものである。上皿連通口の一側側方には、連絡通路が形成され、その連絡通路の下流に余剰玉通路が接続されている。
しかして、入賞に基づく賞球が多数払出されて上皿19が賞球で満杯となり、遂には上皿連通口に到達してさらに賞球が払出し続けられたときには、賞球は、連絡通路を介して余剰玉通路に導かれ、その後、接続樋を介して下皿27に排出される。そして、さらに賞球が払出し続けられたときには、下皿27も満杯になるが、余剰玉通路の一側側壁に設けられた満タン検知レバー部分にまで到達すると、満タン検知レバーが押圧されて満タンスイッチ158(図12参照)がONされ、玉払出装置154の払出モータの駆動を停止して賞球および貸球の払出動作を不能動化する。このとき、打球発射装置130の発射モータの駆動を停止しないが、停止するものであってもよい。
電源基板ボックス129は、内部に複数の電圧の異なる電源を生成する電源基板97を収容するものである。電源基板97には、パチンコ遊技機1全体の電源をON・OFFするための電源スイッチ97b、パチンコ遊技機1に設けられた各種基板(主基板120、払出制御基板98、および、演出制御基板90)に設けられたバッアップ用のRAMでバックアップ記憶されたデータをクリアするためのクリアスイッチ97a(図12も参照)および管ヒューズ等が実装されている。また、電源基板97は、電源コード101が接続される電源コネクタが実装されている。電源コード101によって供給される電圧は、AC24Vの電圧であり、電源基板97で生成される複数の電圧は、DC30V、DC24V、DC12V、DC5Vの4種類である。(但し、他の基板に対してAC24Vも供給する。)また、電源基板97は、主基板120、払出制御基板98、および、演出制御基板90の各CPUに駆動電源が供給されていない間、各基板120,98,90のRAMの記憶内容をバックアップ(保持)記憶するために各基板120,98,90にバックアップ電源を供給する。
なお、電源基板97において、遊技機に供給される電圧が所定の電圧未満となると主基板120に電源断信号を出力する(電源確認信号をオフにする)。主基板120は、電源断信号が入力されたときにバックアップをするための処理を行なう。また、主基板120に電源断信号が入力されたときには、払出制御基板98および演出制御基板90に電源断信号が入力された旨を示す制御コマンドを送信し、該制御コマンドを受信したことに基づいて各基板において主基板120と同様にバックアップする処理を行なう。また、電源基板97から主基板120に電源断信号が入力された後、遊技機に供給される電圧が所定の電圧以上となったことにより電源断信号の入力が停止した場合(電源確認信号がオンとなった場合)には、主基板120において、電源が投入された時と同様の処理が実行される。この処理において、前述した遊技状態復旧処理が実行され、バックアップされたデータに基づいて電源断信号が入力される以前の状態に復旧させる。
右側下部構成部の機構板主体141の前面側(遊技盤40に当接する側)には、入賞球を誘導する入賞球誘導通路(図示しない)とアウト球を誘導するアウト玉通路(図示しない)とが形成されている。各入賞口へ入った入賞球は、遊技盤40の背面を覆うように形成された入賞球誘導カバー体138により収集されて誘導される。入賞球誘導通路の上方は、入賞球落下入口(図示しない)であって、入賞球誘導カバー体138から放出される入賞球を受入れるように構成されており、その受入れた入賞球を入賞球誘導通路が一側側方に向かって誘導し、機構板主体141に形成された連通口(図示しない)から機構板主体141の背面側に導き、さらにその連通口から前記球抜き通路下流部(図示しない)に導く。前記球抜き通路下流部は、右側下部構成部の外周縁に沿って逆L字状に屈曲され、下部構成部のほぼ中央背面側に形成される前記余剰玉通路の右側方に形成される合流排出通路に最終的に合流する。したがって、入賞球落下入口から受入れられた入賞球は、入賞球誘導通路、連通口、球抜き通路下流部、および合流排出通路を介してパチンコ遊技機1の外部に誘導される。
遊技盤40のアウト口69から取込まれたアウト球は、遊技盤40の裏面に刻設されるアウト球排出通路(図示しない)に導かれ、さらにアウト球連通口(図示しない)を経由して上記したアウト玉通路に導かれ、連通口、合流排出通路を通ってパチンコ遊技機1の外部に導かれる。つまり、上記した合流排出通路は、球抜き通路下流部からの抜き球、アウト玉通路からのアウト球、入賞球誘導通路からの入賞球をすべて合流してパチンコ遊技機1の外部に誘導するものである。
また、本例では、パチンコ遊技機1の振動を検出する振動センサ119が機構板主体141に取付けられている。機構板主体141には、振動センサ119の取付部が設けられ、ビス等により振動センサ119を取付ける。振動センサ119は、遊技機の振動を監視し、所定の振動を検出したときに検出信号を出力するものである。また、図11に示すように、振動センサ119は、主基板120の内側(遊技盤40側)に位置し、直接触れられないように取付けられている。
このように、遊技機の背面に設けられた機構板主体141に振動センサ119を取付け、直接触れられないように取付けることにより、振動センサ119に直接衝撃が加わらないため、振動センサ119を保守できるとともに、比較的振動を検出しやすい。なお、振動センサ119は、パチンコ遊技機1を叩いたりすることにより発生する振動を検出可能な位置に設けるようにすればよく、たとえば、入賞球誘導カバー体138、上皿19、複層ガラス板、前面扉枠4、操作ハンドル30等に振動センサ119を設けるようにしてもよい。また、振動センサ119の振動感知する方向は水平方向、すなわち、遊技盤面に対して交差する方向とする。振動センサ119を入賞球誘導カバー体138に設けた場合には、入賞球誘導カバー体138が、各入賞口に設けられた役物への衝撃が比較的伝わりやすい構造となっているので、各入賞口に設けられた役物への衝撃を振動センサ119が比較的検出しやすく、振動センサ119の保守をしやすいという利点がある。
なお、振動センサ119は、各種の振動量を電圧、電流など電気量に変換する変換器である。この例では、測定対象物であるパチンコ遊技機1に固定して取付けることでパチンコ遊技機1の振動を検出する接触型のセンサを用いている。また、この実施の形態における振動センサ119は、加速度を検知する加速度検知スイッチを用いたセンサであり、衝突センサとも呼ばれる。衝突センサは、特開平9−33565号公報(以下、公開特許公報1と記載)および特開平1−262421号公報(以下、公開特許公報2と記載)等に開示されている。たとえば、公開特許公報1には、ケース内に収容された球体と、該球体の移動によって押圧されるとともに、前記球体側へ付勢する可動接点としての反転バネと、該反転バネの前記球体側とは反対側に設置されて前記反転バネと接離する固定接点とを備え、前記反転バネは、前記球体の移動による押圧力が、第1の押圧力に達したときに前記固定接点側へ反転し、前記第1の押圧力よりも小さい第2の押圧力に達したときに前記球体側へ反転復帰することを特徴とする加速度検知スイッチが記載されている。また、公開特許公報2には、ケース内に固定された固定片と、薄板状に形成され前記固定片との間の接点を断接させる可動片と、この可動片の先端部に取付けられた重りと、この重りに一端が係止され他端がケースに取付けられて前記重りを支持しこの重りの振動を許容するコイルスプリングとを備えたことを特徴とする振動検出器が記載されている。
また、振動センサ119は、上記した例に限らず、振動を検出可能なセンサであれば何でもよい。たとえば、振り子の変位量を検出して電気信号に変換するサイズモ式のセンサ、振り子の直接変位量からでなく振り子の変位量をサーボ機構の電気的バネで零位置になるようにし、その時のフィードバック電流から加速度を測定するサーボ式センサ、ピエゾ素子などの慣性力を受けると電荷を生じる圧電素子を用いた圧電式センサ、およびひずみ発生による抵抗の変化を測定するひずみゲージ式センサなどを用いてもよい。
以上、パチンコ遊技機1の構成、遊技盤40の構成について説明してきたが、次に、配線接続される回路構成について、図12を参照して説明する。図12は、主基板120と各種制御基板および電気部品との関係を示すブロック図である。
主基板120には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1を制御する遊技制御用マイクロコンピュータ99が搭載されている。遊技制御用マイクロコンピュータ99は、ゲーム制御用のプログラム等を記憶するROM100、ワークメモリとして使用される記憶手段としてのRAM111、プログラムに従って遊技の進行を制御するCPU(Central Processing Unit)112、および演出制御基板90等に制御信号(コマンド)を送信するI/Oポート部114を含む。この実施の形態では、ROM(Read Only Memory)100,RAM(Random Access Memory)111は遊技制御用マイクロコンピュータ99に内蔵されている。すなわち、遊技制御用マイクロコンピュータ99は、1チップマイクロコンピュータである。CPU112はROM100に格納されているプログラムに従って制御を実行するので、以下、CPU112が実行する(または、処理を行なう)ということは、具体的には、CPU112がプログラムに従って制御を実行することである。このことは、主基板120以外の他の基板に搭載されているCPUについても同様である。
主基板120には、遊技盤40に設けられる各スイッチである第2用特定球検出器51,第2用カウントスイッチ52,入賞球検出器55a,55b,ゲートスイッチ62,第1カウントスイッチ106a,106b、第2カウントスイッチ106c,第1用特定球検出器121a,排出球検出器122からの信号がスイッチ中継基板95を介して入力され、また満タンスイッチ158および球切れスイッチ157からの信号が払出制御基板98を介して入力される。なお、球切れスイッチ157からの信号は、主基板120に入力されないように構成してもよい。また、満タンスイッチ158からの信号についても同様に、主基板120に入力されないように構成してもよい。さらに、主基板120には、払出制御基板98を介して玉払出装置154に搭載されている払出個数カウントスイッチ(図示しない)からの信号が入力される。
また、主基板120には、第1始動口スイッチ56,第2始動口スイッチ60からの信号も入力される。さらに、主基板120には、図13(a)を用いて後述するR1を構成する乱数発生回路60aが接続されている。乱数発生回路60aは、第1始動口スイッチ56、第2始動口スイッチ60からの信号が入力されると、その時点におけるカウント値をラッチ(一時的に保持)する。主基板120は、乱数発生回路60aでラッチされたカウント値を、始動入賞があったと判断したときに、RAM111に設けられている記憶エリアに記憶するために、当該ラッチしているカウント値を読出す処理を行なう。なお、この処理内容については、後述する。
上記した入力信号のうち、遊技盤40に設けられる各スイッチである第2用特定球検出器51,第2用カウントスイッチ52,入賞球検出器55a,55b,ゲートスイッチ62,第1カウントスイッチ106a,106b、第2カウントスイッチ106c,第1用特定球検出器121a,排出球検出器122からの入力信号に基づいて、主基板120は、次のような処理を行なう。主基板120は、遊技盤40に設けられるソレノイド50,59,65,105,108a,108bおよびモータ127を駆動制御するとともに、遊技状態に応じた電飾信号および効果音信号等の情報信号を周辺コマンド中継基板57および演出制御基板90を介して音声枠ランプ基板92に出力する。さらに、主基板120は、演出表示装置80aの表示状態を制御するための演出制御コマンドを図柄中継基板84および演出制御基板90に出力し、盤用外部端子板96に各種の遊技情報を出力する。演出制御基板90は、演出表示装置80aの表示動作を主基板120からの演出制御コマンドに応じて制御するとともに、音声枠ランプ基板92との情報信号のやり取りを行なう。周辺コマンド中継基板57は、演出制御基板90へ出力する情報信号を中継するものである。
演出制御基板90には、振動センサ119からの検出信号が入力される。振動センサ119は、振動を検出すると演出制御基板90に検出信号を出力し、演出制御基板90は、振動センサ119からの検出信号を所定時間毎(たとえば、2msec毎)に監視し、所定の検出期間内(たとえば、200msec)に振動センサ119からの信号入力を所定回数以上確認すれば振動が発生したと判定して、異常状態が発生したことを報知するための処理(図39で後述するように演出表示装置80a、各種装飾LED・ランプ32を制御するための処理)を行なうとともに、演出用外部端子板126に異常状態に応じた異常情報(たとえば、後述する期間後振動検出信号および期間内振動検出信号)を出力する。このように、この例では、振動センサ119からの検出信号を所定時間毎に監視し、所定の検出期間内に振動センサ119からの信号入力を所定回数以上確認すれば振動が発生したと判定するため、静電気等によるノイズ発生などによって振動が発生したと判定し、異常状態が発生したことが報知されることを防止できる。
また、この例では、振動センサ119からの検出信号を演出制御基板90に入力するように構成しているが、これに限らず、振動センサ119からの検出信号を主基板120に入力することにより、主基板120に搭載されるCPU112により振動の発生を監視するようにしてもよい。
音声枠ランプ基板92は、主基板120から入力される電飾信号の種類に応じて、前面扉枠4に取付けられている前述した遊技効果LED13,14a,14cおよび遊技効果ランプ14b,14d,16a,16b,17a,17bの点灯制御を行なう。また、音声枠ランプ基板92は、主基板120から入力される効果音信号の種類に応じて、スピーカ12a,12bを制御する。さらに、音声枠ランプ基板92は、主基板120から入力される電飾信号の種類に応じて、ランプドライバ基板93を介して、遊技盤40に取付けられている各種装飾LED・ランプ32の点灯制御を行なう。音声枠ランプ基板92は、遊技状態(大当り遊技状態、小当り遊技状態、変動パターン、通常遊技状態または時短状態であるか、開放状態であるか、変動表示中であるか等)に応じて、各種遊技効果LED、遊技効果ランプ、および各種装飾LED・ランプの点灯制御を行なうとともに、スピーカからの遊技音を出力するスピーカ駆動制御を行なう。ランプドライバ基板93は、遊技盤40に設けられる装飾LEDの点灯状態を制御するための音声枠ランプ基板92との接続を中継するものである。
主基板120は、図柄中継基板84を介して表示制御信号(駆動信号)を、第1特別図柄表示装置44a、第1特別図柄始動記憶LED46a、第2特別図柄表示装置44b、および第2特別図柄始動記憶LED46bが搭載された特別図柄及び特別図柄記憶基板850に入力し、第1特別図柄表示装置44aおよび第2特別図柄表示装置44bにおける特別図柄の表示制御を行なうとともに、第1特別図柄始動記憶LED46aおよび第2特別図柄始動記憶LED46bの点灯制御を行なう。これにより、主基板120と第1特別図柄表示装置44aおよび第2特別図柄表示装置44bとの間にドライバ回路やマイクロコンピュータを搭載した特別図柄表示装置用の制御基板等を設け、主基板120からの表示制御信号(駆動信号)に基づき制御基板等により第1特別図柄表示装置44aおよび第2特別図柄表示装置44bの表示制御を行なう場合と比較して、大当り判定の結果を確実に間違いなく表示させることができる。
また、主基板120は、図柄中継基板84を介して表示制御信号(駆動信号)を、普通図柄表示装置63が搭載された普通図柄基板86に入力し、普通図柄表示装置63における普通図柄の表示制御を行なう。さらに、主基板120は、図柄中継基板84を介して表示制御信号(駆動信号)を、普通図柄始動記憶LED64が搭載された普通図柄記憶基板87に入力し、普通図柄始動記憶LED64の点灯制御を行なう。
演出制御基板90には、CPU(図示しない)、RAM(図示しない)、ROM(図示しない)、I/Oポート部(図示しない)等から構成される演出制御用マイクロコンピュータ900(図示しない)が搭載されており、主基板120から入力される演出制御コマンドの種類に応じて、演出表示装置80aにおける演出画像の表示制御を行なう。演出制御基板80には、演出制御用マイクロコンピュータ900の他に、図示を省略するが、VDP(Video Display Processor)、キャラクタROM、および、VRAM(Video Random Access Memory)(図示省略)が搭載されている。VDPは、画像表示を行なう表示制御機能および高速描画機能を有する処理装置であり、演出表示装置80aの表示制御を行なう。
演出制御用マイクロコンピュータ900は、ROMに格納されたプログラムに従って動作し、主基板120から演出制御コマンドを受信すると、受信した演出制御コマンドに従って受信したコマンドに応じた演出表示装置80aの表示制御を行なう。具体的には、CPUは、受信した演出制御コマンドに従って、VDPに、演出制御コマンドに応じた画像表示をするための制御データを送信する。そして、そのように送信された制御データに従った画像表示をするために、VDPがキャラクタROMから必要なデータを読出す。キャラクタROMは、演出表示装置80aに表示する画像データを予め格納しておくためのものである。
VDPは、CPUとは独立した二次元のアドレス空間を持ち、そこにVRAMをマッピングしている。VDPは、キャラクタROMの画像データに従って、演出表示装置80aに表示するための画像データを生成し、VDPはVRAMに画像データを展開する。VRAMはVDPによって生成された画像データを展開するためのフレームバッファメモリである。VRAMに展開された画像データは、演出表示装置80aに出力する。
次に、払出制御基板98は、満タンスイッチ158からの満タン信号に基づいて払出停止信号を玉払出装置154に出力し、払出モータの駆動を停止させる。また、満タンスイッチ158からの満タン信号は、払出制御基板98を介して主基板120に入力される。なお、満タンスイッチ158からの満タン信号が主基板120に入力されたときには、主基板120から音声枠ランプ基板92に満タン信号を出力して所定のランプまたはLEDを表示駆動してその旨を報知するようにしてもよい。また、満タンスイッチ158からの満タン信号を払出制御基板98に出力するので、たとえば、該払出制御基板98上のエラー表示器等でその旨を報知するようにしてもよい。
また、遊技盤40に設けられる各スイッチである第2用特定球検出器51,第2用カウントスイッチ52,入賞球検出器55a,55b,第1始動口スイッチ56、第2始動口スイッチ60、排出球検出器122からの入力信号に基づいて主基板120は、払出制御基板98に賞球個数信号を出力する。払出制御基板98は、その賞球個数信号の入力に基づいて、払出モータ(図示省略)を駆動して所定個数の賞球を払出す。また、払出制御基板98は、賞球個数信号の入力に基づいて、賞球LED10を表示駆動してその旨を報知する。
さらに、球切れスイッチ157からの球切れスイッチ信号に基づいて払出制御基板98は、払出停止信号を玉払出装置154に出力し、払出モータの駆動を停止させる。払出制御基板98は、球切れLED9を所定の態様で表示駆動する。
なお、満タンスイッチ158または球切れスイッチ157のいずれかがONすることで賞球停止信号(払出停止コマンド)を主基板120から払出制御基板98に出力して賞球しないようにし、いずれのスイッチ158,157ともOFFであれば賞球可能信号(払出停止解除コマンド)を出力するというものでもよい。また、賞球LED10に換えて未払出がある場合、点灯する未払出報知ランプなどを設けてもよい。
主基板120には、遊技動作を制御するためのスイッチ入力、賞球の払出動作を制御するためのスイッチ入力しか入力されず、主基板120と払出制御基板98を除く他の制御基板との関係においては、主基板120から他の制御基板に向かって一方向の通信関係となる。このため、他の制御基板に不法な処理プログラムを組み込んで主基板120で不正な処理を施そうとしても実行することができないという利点があり、また、主基板120の制御の一部を他の制御基板で担当しているので、主基板120の負担が軽減されるとともに、主基板120の検査の容易化を図ることも可能である。
また、払出制御基板98には、玉払出装置154に搭載されたモータ位置センサおよび払出個数カウントスイッチからの信号や、前述したように満タンスイッチ158からの満タン信号や、球切れスイッチ157からの球切れ信号が入力されている。さらに、払出制御基板98には、カードユニット装置128および残高表示基板104からの信号を中継する遊技球等貸出装置接続端子板103が接続されており、残高表示基板104に搭載されている球貸スイッチおよび返却スイッチからの信号およびカードユニット装置128から各種の情報が入力されている。さらに、前述したように、払出制御基板98には、主基板120から賞球個数信号が入力される。上記した入力信号のうち、モータ位置センサからの入力信号に基づいて払出制御基板98は、貸球および賞球の払出動作において払出モータの停止位置、すなわち玉払出装置154の玉払出部材の停止位置を正確に制御するとともに玉払出部材が動作しているか否かを検出できる。また、払出個数カウントスイッチからの入力信号に基づいて払出制御基板98は、貸球および賞球の正確な払出数を払出すように払出モータを駆動制御するとともに、枠用外部端子板に貸球数情報(100円分の球25個で1パルス)を出力する。なお、賞球数情報を主基板120から出力するようにしてもよい。
払出制御基板98は、遊技球等貸出装置接続端子板103を経由してカードユニット装置128から貸球要求信号が入力されると払出モータを駆動する制御を行なう。また、返却スイッチからの信号は、遊技球等貸出装置接続端子板103を経由してカードユニット装置128に伝達される。また、カードユニット装置128からの各種の情報信号も遊技球等貸出装置接続端子板103を経由して残高表示基板104の度数表示LED(図示しない)に伝達される。さらに、主基板120からの賞球個数信号や、スイッチから直接入力される球切れ信号および満タン信号等に基づいて払出制御基板98は、賞球の払出動作を実行せしめたり、発射制御基板107に発射モータの停止信号を出力したりする。なお、枠用外部端子板に接続される球切れスイッチ157および満タンスイッチ158からの入力信号は、球切れ情報または満タン情報として外部のホール用管理コンピュータ等に出力される。
電源基板97は、一次電源として電源コードを介して、AC24Vの交流電源を受ける。そして、電源基板97は、主基板120と、払出制御基板98とに、二次電源としての電力を供給する。主基板120は、電源基板97から供給された電力に基づき、各種制御処理を行なうとともに、各種遊技効果LED,遊技効果ランプ,装飾ランプ、およびスピーカ等を駆動させるための電力を、周辺電源中継基板47を介して、音声枠ランプ基板92に供給する。周辺電源中継基板47は、主基板120から音声枠ランプ基板92へ供給する電力を中継するものである。音声枠ランプ基板92は、主基板120から供給された電力に基づき、各種遊技効果LED,遊技効果ランプ,および、装飾ランプを点灯させるとともに、演出制御基板90に演出表示装置80aに画像を表示するための電力を供給する。払出制御基板98は、電源基板97から供給された電力に基づき、払出モータおよび発射モータを駆動させる処理を含む各種制御処理を行なう。電源基板97には、パチンコ遊技機1のすべての動作をクリアするためのクリアスイッチ97a等が実装されている。
次に、この実施の形態のパチンコ遊技機1での制御に用いられる乱数値(カウント値ともいう)を発生させるためのランダムカウンタについて説明する。図13(a)は、遊技制御用マイクロコンピュータ99が遊技制御に用いる各種ランダムカウンタを説明するための図である。図13(a)には、ランダムカウンタの一例として、ランダムカウンタR1〜R4の4種類のランダムカウンタが示されている。
R1は、第1特別図柄表示装置44aおよび第2特別図柄表示装置44bの変動表示について大当り、小当りA、小当りBを発生させるか否かを事前にランダムに判定するために用いられる乱数値を発生させるための遊技状態判定用のランダムカウンタであり、「0」からカウントアップしてその上限である「299」までカウントアップし、再度「0」からカウントアップし直すように構成されている。このR1は、遊技制御用マイクロコンピュータ99のクロック制御(たとえば、後述する割込み処理)と無関係に超高速(10MHz)で加算更新する乱数発生回路60a(図12参照)である。遊技制御用マイクロコンピュータ99は、第1始動口スイッチ56、第2始動口スイッチ60からの入力信号がオン状態となった時点のR1のカウント値をラッチし、ソフトウェアにより始動入賞があったと判断したとき(たとえば、2回割込み処理が行なわれる間入力信号がオン状態であったとき)に、ラッチされたカウント値を読み出して、始動入賞記憶のデータとしてRAM111の記憶エリアに記憶する。そして、第1特別図柄表示装置44aおよび第2特別図柄表示装置44b各々について、特別図柄の変動表示を開始する前の段階で、そのようにRAM111の記憶エリアに記憶されたカウント値が予め定められた大当り判定値、小当りA判定値、または、小当りB判定値と一致(合致)するか否かが判断される。
ここで、大当り判定値、小当りA判定値、および、小当りB判定値について説明する。図13(b)は、ランダムカウンタR1のカウント値のうち、大当り判定値と、小当りA判定値と、小当りB判定値とを説明するための図である。
図13(b)を参照して、本実施の形態における大当り判定値は、大当り遊技状態中に第2特別可変入賞球装置48を15回開閉駆動可能な15R大当りを発生させると判定するための15R大当り判定値であり、ランダムカウンタR1のカウント値のうち「3,7」の2の数値が予め設定されている。また、小当り判定値は、ランダムカウンタR1のカウント値のうち「1,2,4〜6,8〜299」の297の数値が予め定められている。小当りA判定値は、小当りAを発生させると判定するための判定値であり、ランダムカウンタR1のカウント値の「1,2,4〜6,8〜149」の147の数値が予め定められている。また、小当りB判定値は、小当りBを発生させると判定するための判定値であり、ランダムカウンタR1のカウント値の「150〜299」の150の数値が予め定められている。
本実施の形態においては、大当りが0.66パーセントの割合で、小当りAおよび小当りBを合せた小当りが99パーセントの割合で、それぞれ発生するように大当り判定値、小当りA判定値、および、小当りB判定値が設定されている。すなわち、本実施の形態においては、小当りAおよび小当りBを合せた小当りが発生する割合は、大当りが発生する割合よりも高くなるように設定されている。また、小当りとしては、小当りAが49パーセントの割合で発生し、小当りBが50パーセントの割合で発生するように、小当りA判定値と小当りB判定値とが設定されている。前述したように、大当り図柄として「1」,「3」,「5」,「7」が設定されており、小当りA図柄として「2」,「4」が設定されており、小当りB図柄として「6」,「8」が設定されており、はずれ図柄として「0」,「9」が設定されている。なお、小当りA図柄および小当りB図柄は、第1特別図柄表示装置44aおよび第2特別図柄表示装置44bとで異なる図柄が設定されたものであってもよい。たとえば、第1特別図柄表示装置44aの小当りA図柄として「2」が、第2特別図柄表示装置44bの小当りA図柄として「4」が設定されているものであってもよい。
なお、前述したR1は、「0」からカウントアップしてその上限である「65535」までカウントアップし、再度「0」からカウントアップし直すように構成されているものであってもよい。その場合には、15R大当り判定値は、「0」〜「436」等に、小当りA判定値は、「437」〜「32548」等に、小当りB判定値は、「32549」〜「65316」等に、はずれ判定値は「65317」〜「65535」等に設定するように構成してもよい。
ここで、第1特別図柄表示装置44aおよび第2特別図柄表示装置44bのそれぞれにおいて小当りが発生した場合の始動時動作を開始するタイミング、始動時動作の内容、および振分部材83a,83b、回転体88等を駆動させて振分を開始するタイミングについて説明する。図13(c)は、始動時動作開始タイミング、始動時動作内容、および振分開始タイミングを説明するための図である。図14は、始動時動作開始タイミング、始動時動作内容、および振分開始タイミングを説明するためのタイミングチャートである。図14における特別図柄表示装置の立上り部分は、特別図柄の変動表示中を示し、立下り部分は、変動停止中を示している。また、図14における開閉片用ソレノイド105の立上り部分は、第1特別可変入賞球装置66が開放状態になり遊技者にとって有利な有利状態(第1の状態)を示し、立下り部分は、第1特別可変入賞球装置66が閉鎖状態になり遊技者にとって不利な不利状態(第2の状態)を示している。また、図14における振分用ソレノイド108a,108bの立上り部分は、振分部材83a,83bが第2の振分状態になり遊技者にとって有利な有利状態を示し、立下り部分は、振分部材83a,83bが第1の振分状態になり遊技者にとって不利な不利状態を示している。なお、図14には、振分開始タイミングとして振分装置のうち振分用ソレノイド108a,108bのタイミングを示しているが、振分装置のうちモータ127については振分用ソレノイド108a,108bの駆動開始タイミングから所定時間経過するまで連続して駆動される。
第1特別図柄表示装置44aで小当りAが発生したときには、図14(a)に示すように、小当りAが発生してからT1(たとえば2秒)が経過したときに開閉片用ソレノイド105を駆動して第1始動時動作(2回開き動作)が開始され、有利状態と不利状態とに制御される。また、第1特別図柄表示装置44aで小当りAが発生してからT5(たとえば2秒)が経過したときに振分用ソレノイド108a,108を駆動して振分部材83a,83bによる振分が開始され有利状態と不利状態とに制御されるとともに、モータ127を駆動して回転体88による振分が開始される。
第1特別図柄表示装置44aで小当りBが発生したときには、図14(b)に示すように、小当りBが発生してからT2(たとえば3秒)が経過したときに開閉片用ソレノイド105を駆動して第1始動時動作(2回開き動作)が開始され、有利状態と不利状態とに制御される。また、第1特別図柄表示装置44aで小当りBが発生してからT6(たとえば3.2秒)が経過したときに振分用ソレノイド108a,108を駆動して振分部材83a,83bによる振分が開始され有利状態と不利状態とに制御されるとともに、モータ127を駆動して回転体88による振分が開始される。このように、第1特別図柄表示装置44aで小当りAが発生した場合と、小当りBが発生した場合とで、始動時動作開始タイミングおよび振分開始タイミングを異ならせることができる。なお、第1特別図柄表示装置44aで小当りBが発生したときには、小当りAが発生したときよりも遊技者にとって有利な態様(3回開き動作)で始動時動作を行なうように構成してもよい。
第2特別図柄表示装置44bで小当りAが発生したときには、図14(c)に示すように、小当りAが発生してからT3(たとえば2.5秒)が経過したときに開閉片用ソレノイド105を駆動して第2始動時動作(3回開き動作)が開始され、有利状態と不利状態とに制御される。また、第2特別図柄表示装置44bで小当りAが発生してからT7(たとえば2.5秒)が経過したときに振分用ソレノイド108a,108を駆動して振分部材83a,83bによる振分が開始され有利状態と不利状態とに制御されるとともに、モータ127を駆動して回転体88による振分が開始される。このように、第1特別図柄表示装置44aで小当りAが発生した場合と、第2特別図柄表示装置44bで小当りAが発生した場合とで、始動時動作開始タイミングおよび振分開始タイミングに加えて、始動時動作内容を異ならせることができる。
第2特別図柄表示装置44bで小当りBが発生したときには、図14(d)に示すように、小当りBが発生してからT4(たとえば4秒)が経過したときに開閉片用ソレノイド105を駆動して第2始動時動作(3回開き動作)が開始され、有利状態と不利状態とに制御される。また、第2特別図柄表示装置44bで小当りBが発生してからT8(たとえば4.2秒)が経過したときに振分用ソレノイド108a,108を駆動して振分部材83a,83bによる振分が開始され有利状態と不利状態とに制御されるとともに、モータ127を駆動して回転体88による振分が開始される。このように、第1特別図柄表示装置44aで小当りBが発生した場合と、第2特別図柄表示装置44bで小当りBが発生した場合とで、始動時動作開始タイミングおよび振分開始タイミングに加えて、始動時動作内容を異ならせることができる。また、第2特別図柄表示装置44bで小当りAが発生した場合と、小当りBが発生した場合とで、始動時動作開始タイミングおよび振分開始タイミングを異ならせることができる。なお、第2特別図柄表示装置44bで小当りBが発生したときには、小当りAが発生したときよりも遊技者にとって有利な態様(4回開き動作)で始動時動作を行なうように構成してもよい。
このように、小当りが発生した場合であっても、第1特別図柄表示装置44aにおいて発生したか、第2特別図柄表示装置44bにおいて発生したかに応じて、異なる内容(態様)の始動時動作が、異なるタイミングで開始される。前述したように、小当りが、第1特別図柄表示装置44aで発生するよりも、第2特別図柄表示装置44bで発生したときの方が、開放回数が多いことにより開放状態になる時間が長く遊技者にとって有利となる始動時動作が行なわれる。また、小当りが発生した場合であっても、第1特別図柄表示装置44aにおいて発生したか、第2特別図柄表示装置44bにおいて発生したか、および発生した小当りの種類に応じて、異なるタイミングで振分部材83a,83b、回転体88等による振分が開始される。
図13(a)に戻り、R2は、第1特別図柄表示装置44aおよび第2特別図柄表示装置44bに表示させる特別図柄をランダムに決定するために用いられる乱数値を発生させるためのランダムカウンタである。R2のカウント値は、遊技制御用マイクロコンピュータ99により2msec毎に更新され、0から更新されてその上限である11まで更新された後、再度、図17のSA15により更新されるランダムカウンタ(図示省略)を用いて作成される初期値決定用乱数の乱数値に基づいて決定される初期値から更新される。
R3は、第1特別図柄表示装置44aおよび第2特別図柄表示装置44b(演出表示装置80aも含む)において変動表示結果が小当りA図柄または小当りB図柄となり、その後第1用特定球検出器121aにより遊技球の進入が検出されたときに、当該遊技球の進入により発生した大当り遊技状態中に開放サイクルを繰返す回数(ラウンド数)を、前述の4回、8回、15回のうちからランダムに決定するために用いられる乱数値を発生するためのランダムカウンタである。R3のカウント値は、遊技制御用マイクロコンピュータ99により2msec毎に更新され、0から更新されてその上限である99まで更新された後、再度、図17のSA15により更新されるランダムカウンタ(図示省略)を用いて作成される初期値決定用乱数の乱数値に基づいて決定される初期値から更新される。
R4は、普通図柄表示装置63の変動表示について当りを発生させるか否かを事前にランダムに判定するために用いられる乱数値を発生させるためのランダムカウンタである。R4のカウント値は、遊技制御用マイクロコンピュータ99により2msec毎に更新され、0から更新されてその上限である250まで更新された後、再度、図17のSA15により更新されるランダムカウンタ(図示省略)を用いて作成される初期値決定用乱数の乱数値に基づいて決定される初期値から更新される。ゲートスイッチ62により有効な始動通過が検出されると、それに応じて、このR4のカウント値が抽出されて通過記憶データとしてRAM111に記憶される。そして、普通図柄の変動表示を開始する前の段階で、その抽出値が予め定められた当り判定値と一致するか否かが判断され、一致した場合には普通図柄の当りを発生させることが決定されて前述のような制御が行なわれ、不一致の場合にははずれとすることが決定されて前述のような制御が行なわれない。
以上に示したような特別図柄の当り判定機能、図柄決定機能、および、普通図柄の当り判定機能等の機能は、遊技制御用マイクロコンピュータ99の制御機能により実現される。
次に、大当り遊技状態において、ラウンド数、すなわち、開放回数に対応して、開放する大入賞口(特別可変入賞球装置)として第1大入賞口(第1特別可変入賞球装置66)および第2大入賞口(第2特別可変入賞球装置48)のどちらを選択するかを示す開放パターンのデータが設定されたデータテーブルである開放選択テーブルについて説明する。開放選択テーブルとしては、特別図柄の変動表示結果が大当り表示結果となったことにより小当り遊技状態を経ずに大当り遊技状態となったときに用いられる第1開放選択テーブルと、特別図柄の変動表示結果が小当り表示結果となったことにより小当り遊技状態を経て大当り遊技状態となったときに用いられる第2開放選択テーブルとが、ROM100に記憶されている。
第1開放選択テーブルは、大当り図柄ごとに設けられた複数のデータテーブルとしての第1開放選択テーブルA〜第1開放選択テーブルDにより構成されている。第2開放選択テーブルは、小当り図柄ごとに設けられた複数のデータテーブルとしての第2開放選択テーブルA〜第2開放選択テーブルDにより構成されている。
図15は、第1開放選択テーブルを表形式で示す図である。図15において、(a)には、大当り図柄が「1」のときに選択される第1開放選択テーブルAが示されている。図15において、(b)には、大当り図柄が「3」のときに選択される第1開放選択テーブルBが示されている。図15において、(c)には、大当り図柄が「5」のときに選択される第1開放選択テーブルCが示されている。図15において、(d)には、大当り図柄が「7」のときに選択される第1開放選択テーブルDが示されている。
(a)〜(d)に示す第1開放選択テーブルにおいては、15R大当りの大当り遊技状態でのラウンド数に相当する1回〜15回の開放回数のそれぞれについて、選択される大入賞口(特別可変入賞球装置)と、選択される特別可変入賞球装置の開放時間(特別可変入賞球装置を第1の状態とする第1状態期間)との関係が設定されている。たとえば、(a)の第1開放選択テーブルAでは、1回目、5回目、9回目、13回目のそれぞれの開放回のときに、第1大入賞口(第1特別可変入賞球装置66)と開放時間5秒とが選択され、その他の開放回のときに、第2大入賞口(第2特別可変入賞球装置48)と開放時間30秒とが選択されるデータが設定されている。このように、大当り図柄が「1」のときには、第1大入賞口と第2大入賞口とが選択的に開放され、1回目、5回目、9回目、13回目のそれぞれの開放回と、その他の開放回とで開放時間が異なる。第2大入賞口は長時間の開放時間(30秒)の開放回において選択され、第1大入賞口は短時間の開放時間(5秒)の開放回において選択される。
(b)の第1開放選択テーブルBでは、3回目、8回目、14回目のそれぞれの開放回のときに、第1大入賞口(第1特別可変入賞球装置66)と開放時間5秒とが選択され、その他の開放回のときに、第2大入賞口(第2特別可変入賞球装置48)と開放時間30秒とが選択されるデータが設定されている。このように、大当り図柄が「3」のときには、第1大入賞口と第2大入賞口とが選択的に開放され、3回目、8回目、14回目のそれぞれの開放回と、その他の開放回とで開放時間が異なる。第2大入賞口は長時間の開放時間(30秒)の開放回において選択され、第1大入賞口は短時間の開放時間(5秒)の開放回において選択される。
(c)の第1開放選択テーブルCでは、6回目、11回目のそれぞれの開放回のときに、第1大入賞口(第1特別可変入賞球装置66)と開放時間5秒とが選択され、その他の開放回のときに、第1大入賞口(第1特別可変入賞球装置)と開放時間30秒とが選択されるデータが設定されている。このように、大当り図柄が「5」のときには、第1大入賞口のみが開放され、6回目、11回目のそれぞれの開放回と、その他の開放回とで開放時間が異なる。
(d)の第1開放選択テーブルDでは、12回目の開放回のときに、第1大入賞口(第1特別可変入賞球装置66)と開放時間5秒とが選択され、その他の開放回のときに、第1大入賞口(第1特別可変入賞球装置)と開放時間30秒とが選択されるデータが設定されている。このように、大当り図柄が「7」のときには、第1大入賞口のみが開放され、12回目の開放回と、その他の開放回とで開放時間が異なる。
このような第1開放選択テーブルでは、大当りとなったときの大当り図柄の種類に応じて、少なくとも1回の開放回について、特別可変入賞球装置を開放状態とする時間が異なるようにデータが設定されている。また、第1開放選択テーブルA,Bでは、大当り遊技状態における各開放回について、開放時間の長さに応じて、第1特別可変入賞球装置66と第2特別可変入賞球装置48とのいずれかが選択され、選択された特別可変入賞球装置の大入賞口が開放されるようにデータが設定されている。具体的には、長時間の開放時間(30秒)と、短時間の開放時間(5秒)とのうち、長時間の開放時間の開放回については第2特別可変入賞球装置48が選択され、短時間の開放時間の開放回については第1特別可変入賞球装置66が選択される。なお、長時間の開放時間の開放回については第1特別可変入賞球装置66が選択され、短時間の開放時間の開放回については第2特別可変入賞球装置48が選択されるように設定してもよい。このように、一連の大当り遊技状態において、長時間の開放時間(30秒)の開放回と、短時間の開放時間(5秒)の開放回とを設けたことにより、長時間開放することにより継続権が成立しやすい開放回と、短時間開放することにより継続権が成立しにくい開放回とが存在するので、大当り遊技状態における遊技の興趣を向上させることができる。
図16は、第2開放選択テーブルを表形式で示す図である。図16において、(a)には、大当りのきっかけとなった小当りにおける小当り図柄が「2」のときに選択される第2開放選択テーブルAが示されている。図16において、(b)には、大当りのきっかけとなった小当りにおける小当り図柄が「4」のときに選択される第2開放選択テーブルBが示されている。図16において、(c)には、大当りのきっかけとなった小当りにおける小当り図柄が「6」のときに選択される第2開放選択テーブルCが示されている。図16において、(d)には、大当りのきっかけとなった小当りにおける小当り図柄が「8」のときに選択される第2開放選択テーブルDが示されている。
(a)〜(d)に示す第2開放選択テーブルにおいては、4R大当り、8R大当りおよび15R大当りのそれぞれを対象として、大当り遊技状態でのラウンド数に相当する開放回数(4R大当りの場合は1〜4回、8R大当りの場合は1〜8回、15R大当りの場合は1〜15回)のそれぞれについて、選択される大入賞口(特別可変入賞球装置)と、選択される特別可変入賞球装置の開放時間(特別可変入賞球装置を第1の状態とする第1状態期間)との関係が設定されている。たとえば、(a)の第2開放選択テーブルAでは、1回目、5回目、9回目、13回目のそれぞれの開放回のときに、第1大入賞口(第1特別可変入賞球装置66)と開放時間5秒とが選択され、その他の開放回のときに、第2大入賞口(第2特別可変入賞球装置48)と開放時間30秒とが選択されるデータが設定されている。このように、小当り図柄が「2」のときには、第1大入賞口と第2大入賞口とが選択的に開放され、1回目、5回目、9回目、13回目のそれぞれの開放回と、その他の開放回とで開放時間が異なる。第2大入賞口は長時間の開放時間(30秒)の開放回において選択され、第1大入賞口は短時間の開放時間(5秒)の開放回において選択される。
(b)の第2開放選択テーブルBでは、2回目、8回目、14回目のそれぞれの開放回のときに、第1大入賞口(第1特別可変入賞球装置66)と開放時間5秒とが選択され、その他の開放回のときに、第2大入賞口(第2特別可変入賞球装置48)と開放時間30秒とが選択されるデータが設定されている。このように、小当り図柄が「4」のときには、第1大入賞口と第2大入賞口とが選択的に開放され、2回目、8回目、14回目のそれぞれの開放回と、その他の開放回とで開放時間が異なる。第2大入賞口は長時間の開放時間(30秒)の開放回において選択され、第1大入賞口は短時間の開放時間(5秒)の開放回において選択される。
(c)の第2開放選択テーブルCでは、3回目、12回目のそれぞれの開放回のときに、第1大入賞口(第1特別可変入賞球装置66)と開放時間5秒とが選択され、その他の開放回のときに、第1大入賞口(第1特別可変入賞球装置66)と開放時間30秒とが選択されるデータが設定されている。このように、小当り図柄が「6」のときには、第1大入賞口のみが開放され、3回目、12回目のそれぞれの開放回と、その他の開放回とで開放時間が異なる。
(d)の第2開放選択テーブルDでは、4回目の開放回のときに、第1大入賞口(第1特別可変入賞球装置66)と開放時間5秒とが選択され、その他の開放回のときに、第1大入賞口(第1特別可変入賞球装置66)と開放時間30秒とが選択されるデータが設定されている。このように、小当り図柄が「8」のときには、第1大入賞口のみが開放され、4回目の開放回と、その他の開放回とで開放時間が異なる。
このような第2開放選択テーブルでは、大当りとなるきっかけとなった小当りにおける小当り図柄の種類に応じて、少なくとも1回の開放回について、特別可変入賞球装置を開放状態とする時間が異なるようにデータが設定されている。また、第2開放選択テーブルA,Bでは、大当り遊技状態における各開放回について、開放時間の長さに応じて、第1特別可変入賞球装置66と第2特別可変入賞球装置48とのいずれかが選択され、選択された特別可変入賞球装置の大入賞口が開放されるようにデータが設定されている。具体的には、長時間の開放時間(30秒)と、短時間の開放時間(5秒)とのうち、長時間の開放時間の開放回については第2特別可変入賞球装置48が選択され、短時間の開放時間の開放回については第1特別可変入賞球装置66が選択される。なお、長時間の開放時間の開放回については第1特別可変入賞球装置66が選択され、短時間の開放時間の開放回については第2特別可変入賞球装置48が選択されるように設定してもよい。このように、一連の大当り遊技状態において、長時間の開放時間(30秒)の開放回と、短時間の開放時間(5秒)の開放回とを設けたことにより、長時間開放することにより継続権が成立しやすい開放回と、短時間開放することにより継続権が成立しにくい開放回とが存在するので、大当り遊技状態における遊技の興趣を向上させることができる。
なお、第2開放選択テーブルは、大当りとなるきっかけとなった小当りにおける小当り図柄の種類が同じであっても、選択されたラウンド数に応じて、第1特別可変入賞球装置66が開放される開放回が異なるようにデータが設定されているものであってもよい。
図17は、遊技制御用マイクロコンピュータ99により実行されるメイン処理のプログラムを説明するためのフローチャートである。本実施の形態におけるメイン処理においては、パチンコ遊技機1に対する電源が投入されると、メイン処理において遊技制御用マイクロコンピュータ99は、必要な初期設定処理を行なう。
まず、ステップSA(以下、単にSAと記す)01においては、割込禁止に設定する処理が行なわれる。次に、SA02においては、割込モードを割込モード2に設定する処理が行なわれる。SA03においては、スタックポインタにスタックポインタ指定アドレスを設定する処理が行なわれる。SA04においては、内蔵デバイスレジスタの初期化処理が行なわれる。SA05においては、内蔵デバイス(内蔵周辺回路)であるCTC(カウンタ/タイマ)の初期化処理が行なわれる。SA06においては、RAMをアクセス可能状態に設定する処理が行なわれる。本実施の形態における割込モード2と、各内蔵デバイスからの割込要求とを容易に処理することが可能になり、プログラムにおける任意の位置に割込処理を設けることが可能になり、さらに、割込発生要因毎のそれぞれの割込処理を用意しておくことも容易になるモードである。
次に、SA07においては、パチンコ遊技機1に設けられているクリアスイッチ97aが押圧操作され、検出信号がオン状態にセットされているか否かを判別する処理が行なわれる。SA07においてクリアスイッチ97aがオン状態であると判断されたときには、後述するSA10に移行する一方、クリアスイッチ97aがオン状態でないと判断されたときには、SA08において電源断時にバックアップRAM領域のデータ保護処理(たとえば、パリティデータの付加等)が行なわれたか否かを判別する処理が行なわれる。
本実施の形態においては、不測の電源断が生じた場合には、バックアップRAM領域のデータを保護するための処理が行なわれている。そのような保護処理が行なわれていた場合をバックアップありとする。すなわち、バックアップなしと判断したときには、遊技制御用マイクロコンピュータ99はSA10以降の初期処理を実行する。SA08においてバックアップありと判断したときには、SA09において主基板120の内部状態を電源断が生じる前の状態に戻すための遊技状態復旧処理が行なわれる。そして、バックアップRAM領域に保存されていたPC(プログラムカウンタ)の対比値がPCに再設定され、後述するSA13に移行される。SA10においては、遊技制御用マイクロコンピュータ99に搭載されているRAMの記憶バッファをクリアする処理が行なわれる。また、所定の作業領域に初期値を設定する初期値設定処理も行なわれる。
SA11においては、サブ基板(演出制御基板90、払出制御基板98、音声枠ランプ基板92等)を初期化するための処理が行なわれる。たとえば、初期化コマンドが送信される。SA12においては、2msec毎に定期的にタイマ割込がかかるように、遊技制御用マイクロコンピュータ99のCPU112に設けられているCTCのレジスタの設定が行なわれる。すなわち、初期値として2msecに相当する値が所定のレジスタ(時間計数レジスタ)に設定される。
SA13〜SA16においては、メインループ処理が実行される。まず、SA13においては、割込禁止状態に設定する処理が行なわれる。SA15においては、初期値決定用乱数更新処理が行なわれる。なお、初期値決定用乱数とは、特別図柄決定用乱数、ラウンド数決定用乱数、および普通図柄判定用乱数の初期値を決定するための乱数である。SA16においては、割込許可状態に設定する処理が行なわれる。なお、割込禁止は、割込禁止命令を発行したり、割込禁止用のレジスタを禁止に設定したり、マスクレジスタをセットすることによって実現される。一方、割込許可は、割込許可命令を発行したり、割込禁止用のレジスタを許可に設定したり、マスクレジスタをリセットすることによって実現される。
本実施の形態におけるSA15の初期値決定用乱数更新処理におけるランダムカウンタのカウンタ更新処理は、割込禁止状態で実行される。したがって、カウンタ更新処理が実行されているときに、タイマ割込等のマスク可能割込がかかることはない。すなわち、カウンタ更新処理は、割込処理によって中断されることなく実行される。本実施の形態においては、CPU112の内蔵CTCが繰返しタイマ割込を発生するように設定される。さらに、繰返し周期は、2msecに設定される。そして、タイマ割込が発生すると図18に例示するようなタイマ割込処理が実行される。
図18は、タイマ割込処理のプログラムを説明するためのフローチャートである。本実施の形態におけるタイマ割込処理は、2msec毎に起動されることになる。
まず、ステップSB(以下、単にSBと記す)01においては、電源断処理が行なわれる。電源断処理では、電源確認信号の判定を行ない、電源断判定中以外ならばバックアップ監視タイマをクリアする処理が行なわれる。一方、電源断判定中ならばバックアップ監視タイマの更新および判定を行ない、電源断ならばチェックサムバッファの設定、RAM禁止状態の設定、CTCの設定、および、電源確認信号の監視等が行なわれる。
SB02においては、スイッチ処理が行なわれる。スイッチ処理では、ゲートスイッチ62、第1始動口スイッチ56、第2始動口スイッチ60、第1カウントスイッチ106a,106b、第2カウントスイッチ106c、第2用カウントスイッチ52、入賞球検出器55a,55b、第1用特定球検出器121a、第2用特定球検出器51、および排出球検出器122のようなスイッチ等の各種センサの状態を入力し、それらの検出状態を判定する処理が行なわれる。検出状態を判定した結果に基づき賞球個数を記憶することや、異常入賞を報知するための異常入賞フラグをセットする処理が行なわれる。
SB03においては、表示制御処理が行なわれる。表示制御処理では、第1特別図柄表示装置44a、第2特別図柄表示装置44bおよび普通図柄表示装置63の表示状態を制御するための駆動信号や、第1特別図柄始動記憶LED46a、第2特別図柄始動記憶LED46bおよび普通図柄始動記憶LED64の点灯状態を制御するための駆動信号を出力する処理が行なわれる。
SB04においては、異常入賞報知処理が行なわれる。異常入賞報知処理では、前述したスイッチ処理において異常入賞であると判定されたときに、異常入賞していることを報知するための処理が行なわれる。具体的には、異常入賞を報知するための異常入賞フラグがセットされているときに、異常入賞報知コマンドを演出制御基板90に送信する処理が行なわれる。
SB05においては、乱数更新処理が行なわれる。乱数更新処理においては、特別図柄決定用乱数、ラウンド数決定用乱数、および普通図柄判定用乱数を生成するためのランダムカウンタのカウント値を更新する処理が行なわれる。
SB06においては、特別図柄決定用乱数R2、ラウンド数決定用乱数R3、および普通図柄判定用乱数R4の初期値を決定するための乱数を更新する初期値決定乱数更新処理が行なわれる。
SB07において、第1特別図柄プロセス処理が行なわれる。第1特別図柄プロセス処理では、遊技状態に応じて第1特別図柄表示装置44a、第1特別可変入賞球装置66、および第2特別可変入賞球装置48を所定の順序で制御するための第1特別図柄プロセスフラグの値に従って、該当する処理を選び出して実行する処理が行なわれる。第1特別図柄プロセスフラグの値は、遊技状態に応じて各処理中において更新される。また、SB07においては、第1特別図柄表示装置44a、第1特別可変入賞球装置66、および第2特別可変入賞球装置48等の制御状態に応じて、演出表示装置80aに演出画像を表示させるための演出制御コマンドがセットされる。
SB08において、第2特別図柄プロセス処理が行なわれる。第2特別図柄プロセス処理では、遊技状態に応じて第2特別図柄表示装置44b、第1特別可変入賞球装置66、および第2特別可変入賞球装置48を所定の順序で制御するための第2特別図柄プロセスフラグの値に従って、該当する処理を選び出して実行する処理が行なわれる。第2特別図柄プロセスフラグの値は、遊技状態に応じて各処理中において更新される。また、SB08においては、第2特別図柄表示装置44b、第1特別可変入賞球装置66、および第2特別可変入賞球装置48等の制御状態に応じて、演出表示装置80aに演出画像を表示させるための演出制御コマンドがセットされる。
SB09においては、普通図柄プロセス処理が行なわれる。普通図柄プロセス処理では、普通図柄表示装置63の点灯を所定態様で制御するための普通図柄プロセスフラグの値に従って、該当する処理を選び出して実行する処理が行なわれる。普通図柄プロセスフラグの値は、遊技状態に応じて各処理中において更新される。
SB10においては、表示コマンド制御処理が行なわれる。表示コマンド制御処理では、SB07およびSB08等でセットされた演出制御コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ900に出力する処理が行なわれる。
SB11においては、情報出力処理が行なわれる。情報出力処理では、パチンコ遊技機1の営業管理上必要な遊技情報(たとえば、大当り遊技状態中である旨を報知する大当り情報、大当り状態終了後の時短変動中である旨を報知する時短変動情報、第1始動口スイッチ56をオン状態にした打球の数を報知する始動口1情報、第2始動口スイッチ60をオン状態にした打球の数を報知する始動口2情報、第1特別図柄表示装置44aの変動動作回数を報知する図柄確定回数1情報、第2特別図柄表示装置44bの変動動作回数を報知する図柄確定回数2情報、第1特別可変入賞球装置66の開閉回数を報知する役物回数情報、普通図柄表示装置63の変動動作回数を報知する図柄確定回数3情報、および普通可変入賞球装置58の開閉回数を報知する役物回数2情報等)を遊技場に設置されるホール用管理コンピュータに出力するための処理が行なわれる。
SB12においては、賞球処理が行なわれる。賞球処理では、各入賞口への入賞を検出するためのスイッチの検出信号に基づいて、賞球数の設定等が行なわれる。たとえば、入賞検出に応じて払出制御基板98に払出制御コマンドが出力される。払出制御基板98に搭載されている払出制御用マイクロコンピュータは、払出制御コマンドに応じて玉払出装置154を駆動する。
SB13においては、試験端子処理が行なわれる。試験端子処理では、特別図柄変動中の設定、特別図柄当り、第1特別可変入賞球装置66作動中の設定、第2特別可変入賞球装置48作動中の設定、普通可変入賞球装置58作動中の設定、普通図柄変動中の設定等の各信号を出力する処理が実行される。
SB14においては、出力処理が行なわれる。出力処理では、所定の条件が成立したときに対応するソレノイドおよびモータ127を駆動させるための駆動信号を出力する出力処理が行なわれる。出力処理において出力された駆動信号に基づき、ソレノイドおよびモータ127が駆動され、対応する装置が開状態または閉状態、回転状態等に制御される。以下の説明におけるソレノイドおよびモータを駆動、またはソレノイドおよびモータの駆動を停止する処理は、SB14の出力処理により行なわれる。
SB15においては、記憶処理が行なわれる。記憶処理では、第1特別図柄始動記憶LED46a、第2特別図柄始動記憶LED46bおよび普通図柄始動記憶LED64の点灯状態を制御するための駆動信号をセットする処理が行なわれる。
SB16aにおいては、第1特別図柄表示制御処理が行なわれる。第1特別図柄表示制御処理では、第1特別図柄表示装置44aの表示状態を制御するための駆動信号をセットする処理が行なわれる。SB16bにおいては、第2特別図柄表示制御処理が行なわれる。第2特別図柄表示制御処理では、第2特別図柄表示装置44bの表示状態を制御するための駆動信号をセットする処理が行なわれる。SB17においては、普通図柄表示制御処理が行なわれる。普通図柄表示制御処理では、普通図柄表示装置63の表示状態を制御するための駆動信号をセットする処理が行なわれる。
SB18においては、状態表示灯表示処理が行なわれる。状態表示灯表示処理では、状態表示灯を制御するための状態表示灯表示処理が行なわれる。本実施の形態における状態表示灯表示処理においては、遊技状態が時短状態であるときに、状態表示灯タイマの更新、状態表示灯の点滅設定、および、状態表示灯の点滅速度等を設定する処理が行なわれる。SB19においては、割込許可状態に設定する処理が行なわれる。これにより、タイマ割込処理のすべてが実行されるまでは、割込許可状態とはされないので、他の割込または次回のタイマ割込が発生することはなく、タイマ割込処理中のすべての各処理が確実に実行完了することができる。なお、タイマ割込が発生したときに自動的に割込禁止とならないマイクロコンピュータを採用している場合には、SB01の処理を行なう前に、割込禁止状態に設定する処理が行なわれる。
図19は、SB03の表示制御処理のサブルーチンプログラムを説明するためのフローチャートである。この表示制御処理においては、SB15〜SB17でセットされる指定値に基づき、第1特別図柄表示装置44aおよび第1特別図柄表示装置44bでの特別図柄の表示、普通図柄表示装置63での普通図柄の表示、第1特別図柄始動記憶LED46aおよび第2特別図柄始動記憶LED46bでの記憶表示、および、普通図柄始動記憶LED64での記憶表示をする処理が行なわれる。
ステップSC(以下、単にSCと記す)01においては、前回のタイマ割込処理の表示制御処理において出力されていた全駆動信号をクリアする処理が行なわれる。SC02aにおいては、第1特別図柄用出力バッファの設定内容に応じて駆動信号を出力する処理が行なわれる。SC02bにおいては、第2特別図柄用出力バッファの設定内容に応じて駆動信号を出力する処理が行なわれる。SC03においては、普通図柄用出力バッファの設定内容に応じて駆動信号を出力する処理が行なわれる。SC04aにおいては、第1特別図柄用始動入賞記憶数バッファの設定内容に応じて駆動信号を出力する処理が行なわれる。SC04bにおいては、第2特別図柄用始動入賞記憶数バッファの設定内容に応じて駆動信号を出力する処理が行なわれる。SC05においては、普通図柄用始動入賞記憶数バッファの設定内容に応じて駆動信号を出力する処理が行なわれる。SC06においては、その他の出力バッファの設定内容に応じて駆動信号を出力する処理が行なわれる。これにより、第1特別図柄表示装置44a、第2特別図柄表示装置44b、普通図柄表示装置63、第1特別図柄始動記憶LED46a、第2特別図柄始動記憶LED46b、および、普通図柄始動記憶LED64を正確に駆動させることができる。
図20は、SB07における第1特別図柄プロセス処理のサブルーチンプログラムを説明するためのフローチャートである。前述したように、第1特別図柄プロセス処理では、第1特別図柄プロセスフラグの値に対応する処理が実行される。なお、SB08における第2特別図柄プロセス処理も以降説明する第1特別図柄プロセス処理と同様に構成される。以下の説明において、特記事項を除き、処理内容に応じて適宜「第1」を「第2」と読み替え、「第2」を「第1」と読み替えれば、第2特別図柄プロセス処理が説明されることになる。たとえば、後述するように、第1特別図柄プロセス処理においては、SD01a〜SD02bが実行されるため、第2特別図柄プロセス処理においては、SD01a〜SD02bに対応する処理を重複して行なうことなく、SD03〜SD10に対応する処理のうち、第2特別図柄プロセスフラグの値に応じていずれかの処理が実行される。また、図26を用いて後述する第1特別図柄通常処理に対応する第2特別図柄通常処理においては、SK01aに対応する処理として第2保留記憶数が「0」であると判別されなかったときには、SK01bに対応する処理として第1特別図柄プロセスフラグが第1特別図柄通常処理を示す値か否かを判断し、第1特別図柄通常処理を示す値である場合にSK02に対応する処理に移行する一方、第1特別図柄通常処理を示す値でない場合に第2特別図柄通常処理を終了する。
まず、ステップSD(以下、単にSDと記す)01においては、遊技盤40に設けられている始動入賞球装置58bに遊技球が入賞(第1始動入賞という)したか否かを判別する処理が行なわれる。具体的には、図18のタイマ割込処理が2回行なわれる間、第1始動口スイッチ56からの入力信号がオン状態であったか否かを判別する処理が行なわれる。SD01aにおいて、第1始動入賞があったと判断したとき(タイマ割込処理が2回行なわれる間、第1始動口スイッチ56からの入力信号がオン状態であったとき)には、SD01bにおいて第1始動口スイッチ通過処理を行なう。
次に、普通可変入賞球装置58に遊技球が入賞(第2始動入賞という)したか否かを判別する処理が行なわれる。具体的には、図18のタイマ割込処理が2回行なわれる間、第2始動口スイッチ60からの入力信号がオン状態であったか否かを判別する処理が行なわれる。SD02aにおいて、第2始動入賞があったと判断したとき(タイマ割込処理が2回行なわれる間、第2始動口スイッチ60からの入力信号がオン状態であったとき)には、SD02bにおいて第2始動口スイッチ通過処理を行なう。その後、第1特別図柄プロセスフラグの値に応じて、SD03〜SD10のうちのいずれかの処理が実行される。
SD03においては、第1特別図柄通常処理が行なわれる。第1特別図柄通常処理においては、特別図柄判定用のランダムカウンタR1から抽出したカウント値に基づき、大当り判定および小当り判定が行なわれるとともに、大当り判定および小当り判定の結果に応じた第1特別図柄表示装置44aの停止図柄(大当り図柄、小当りA図柄、小当りB図柄、または、はずれ図柄)を決定する処理が行なわれる。そして、第1特別図柄プロセスフラグの値を、SD05の第1特別図柄変動処理に対応する値に更新する処理が行なわれる。
SD05においては、第1特別図柄変動処理が行なわれる。第1特別図柄変動処理において、予め定められた変動時間(たとえば、5秒)が経過すると、第1特別図柄プロセスフラグの値を、第1特別図柄停止処理に対応する値に更新する処理が行なわれる。第1特別図柄変動処理においては、特別図柄の変動開始時に変動表示用の演出画像を表示させることを指定する演出制御コマンドとしての変動表示演出開始コマンドを送信するための処理が行なわれる。これにより、演出制御用マイクロコンピュータ900によって演出表示装置80aにおいて、予告演出画像を含む変動表示用の演出画像を表示させる制御が行なわれる。
SD06においては、第1特別図柄停止処理が行なわれる。第1特別図柄停止処理において、第1特別図柄表示装置44aの変動表示で特別図柄が停止されるように制御する処理が行なわれる。また、第1特別図柄停止処理においては、演出制御基板90に図柄停止コマンドを送信する処理が行なわれる。これにより、演出制御基板90では、演出表示装置80aにおいて特別図柄が停止されたことに対応する演出(飾り図柄を変動させていた場合には飾り図柄を停止表示させる演出)を行なう。そして、小当りとする決定がされたことを示すフラグである小当りフラグ(後述する小当りAフラグまたは小当りBフラグ)がセットされているときには、第1特別図柄プロセスフラグの値を第1小当り開放処理に対応する値に更新し、大当り判定により15R大当りとする決定がされたことを示すフラグである15R大当りフラグがセットされているときには、第1特別図柄プロセスフラグの値を第1大当り開放前処理に対応する値に更新する処理が行なわれる。一方、小当りフラグまたは大当りフラグのいずれもセットされていないときには、第1特別図柄プロセスフラグの値を、第1特別図柄通常処理に対応する値に更新する処理が行なわれる。
SD06aにおいては、図29〜図31を用いて後述する第1小当り開放処理が行なわれる。第1小当り開放処理においては、小当りA発生時用の演出画像および小当りB発生時用の演出画像(小当り第1演出画像)を表示させることを指定する演出制御コマンド(小当り第1演出開始コマンド)と、遊技球が第2進入球誘導通路110bに進入した旨を示す演出画像(小当り第2演出画像)を表示させることを指定する演出制御コマンド(小当り第2演出開始コマンド)とを送信するための処理が行なわれる。これにより、演出制御用マイクロコンピュータ900によって演出表示装置80aにおいて、小当りの種類に応じた小当り発生時用の演出画像と小当り中演出画像とを表示させる制御が行なわれる。
SD07においては、図32を用いて後述する第1大当り開放前処理が行なわれる。第1大当り開放前処理においては、第1特別可変入賞球装置66および第2特別可変入賞球装置48から選択された特別可変入賞球装置により大入賞口を開放する制御を開始する処理が行なわれる。具体的には、カウンタやフラグを初期化するとともに、開閉片用ソレノイド105または開閉板用ソレノイド65を駆動して第1特別可変入賞球装置66または第2特別可変入賞球装置48を開放する処理が行なわれる。また、SD08の第1大当り開放中処理の実行時間、大入賞口の開放時間を設定し、第1特別図柄プロセスフラグの値を第1大当り開放中処理に対応する値に更新する処理が行なわれる。また、第1大当り開放前処理においては、大当り発生時用の演出画像を表示させることを指定する演出制御コマンドとして大当り演出コマンドを送信するための処理が行なわれる。これにより、演出制御用マイクロコンピュータ900によって演出表示装置80aにおいて、大当り発生時用の演出画像を表示させる制御が行なわれる。
SD08において、図33を用いて後述する第1大当り開放中処理が行なわれる。第1大当り開放中処理においては、大当り遊技状態中のラウンド表示の演出制御コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ900に送出する制御や開放中の第1特別可変入賞球装置66または第2特別可変入賞球装置48の閉成条件の成立を確認する処理等を行なう。閉成条件が成立しているときには、第1特別図柄プロセスフラグの値を第1大当り開放後処理に対応する値に更新する処理が行なわれる。第1大当り開放中処理においては、大当り中演出画像を表示させることを指定する演出制御コマンドを送信するための処理が行なわれる。これにより、演出制御用マイクロコンピュータ900によって演出表示装置80aにおいて、大当り中演出画像を表示させる制御が行なわれる。
SD09において、図34を用いて後述する第1大当り開放後処理が行なわれる。第1大当り開放後処理においては、第1特別可変入賞球装置66および第2特別可変入賞球装置48のうち、第1大当り開放前処理において選択されて第1大当り開放中処理中に開放されていた特別可変入賞球装置に設けられた特定球検出器(第1特別可変入賞球装置66の場合は第1用特定球検出器121a、第2特別可変入賞球装置48の場合は第2用特定球検出器51)による遊技球の検出の有無(通過の有無)を監視して、大当り遊技状態の継続条件の成立を確認する処理を行なう。大当り遊技状態の継続条件が成立し、かつ、まだ残りラウンドがある場合には、大当り遊技状態中のラウンド継続表示(ラウンドが継続することを示す表示)の演出制御コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ900に送出する制御を行ない、第1特別図柄プロセスフラグの値を第1大当り開放前処理に対応する値に更新する処理が行なわれる。また、所定の有効時間内に大当り遊技状態の継続条件が成立しなかった場合、または、全てのラウンドを終えた場合には、第1特別図柄プロセスフラグの値を第1大当り終了処理に対応する値に更新する処理が行なわれる。
SD10において、第1大当り終了処理が行なわれる。第1大当り終了処理においては、大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する大当り終了時用の演出画像が表示される表示制御を演出制御用マイクロコンピュータ900に行なわせるための制御が行なわれる。第1大当り終了処理においては、大当り終了時用の演出画像を表示させることを指定する演出制御コマンドである大当り終了時演出コマンドを送信するための処理が行なわれる。これにより、演出制御用マイクロコンピュータ900によって演出表示装置80aにおいて、大当り終了時用の演出画像を表示させる制御が行なわれる。また、SD10においては、大当り終了後に所定回数(たとえば、100回)の変動表示に亘って時短状態に制御するために、時短フラグをオン状態にセットするとともに、時短状態とするときの変動表示回数を計数するための変動回数カウンタをセット(たとえば、100回にセット)する処理が行なわれる。そして、第1特別図柄プロセスフラグの値を、第1特別図柄通常処理に対応する値に更新する処理が行なわれる。
図21は、SB09における普通図柄プロセス処理のサブルーチンプログラムを説明するためのフローチャートである。前述したように、普通図柄プロセス処理では、普通図柄プロセスフラグの値に対応する処理が実行される。
まず、ステップSE(以下、単にSEと記す)01においては、ゲートスイッチ62が遊技球を検出してオン状態にセットされているか否かを判別する処理が行なわれる。SE01においてゲートスイッチ62がオン状態にセットされていると判断したときには、SE02においてゲートスイッチ通過処理を行なった後に、普通図柄プロセスフラグの値に応じて、SE03〜SE06のうちのいずれかの処理が実行される。
なお、ゲートスイッチ通過処理においては、ゲートスイッチ62を通過した始動通過玉のうち未だに普通図柄表示装置63による変動表示に用いられていないものを保留記憶するゲート通過記憶カウンタの値がその上限である「4」以上になっているか否か判断する。そして、「4」未満の場合に、ゲート通過記憶カウンタを「1」加算更新し、普通図柄判定用ランダムカウンタR4からカウント値を抽出し、加算したゲート通過記憶カウンタに対応する乱数記憶エリアに記憶する処理が行なわれる。
SE03においては、普通図柄通常処理が行なわれる。普通図柄通常処理においては、普通図柄判定用のランダムカウンタR4から抽出したカウント値に基づき、普通図柄の当り判定処理が行なわれる。普通図柄の当り判定処理により、当りと判定されたときには当りフラグがオン状態にセットされる。そして、普通図柄プロセスフラグの値を、SE04の普通図柄変動処理に対応する値に更新する処理が行なわれる。
SE04においては、普通図柄変動処理が行なわれる。普通図柄変動処理において、予め定められた変動時間が経過すると、普通図柄プロセスフラグの値を、普通図柄停止処理に対応する値に更新する処理が行なわれる。普通図柄の変動時間は、前述の時短フラグがオン状態にセットされていないときには、前述の通常変動時間に設定され、時短フラグがオン状態にセットされているときには、前述の短縮変動時間に設定される。
SE05においては、普通図柄停止処理が行なわれる。普通図柄停止処理において、普通図柄表示装置63において普通図柄が停止されるように制御する処理が行なわれる。そして、当りフラグがオン状態にセットされているときには、普通図柄プロセスフラグの値を普通電動役物作動処理に対応する値に更新する処理が行なわれる。一方、当りフラグがオン状態にセットされていないときには、普通図柄プロセスフラグの値を、普通図柄通常処理に対応する値に更新する処理が行なわれる。
SE06においては、普通電動役物作動処理が行なわれる。普通電動役物作動処理においては、普通可変入賞球装置58を開成させるとともに、普通可変入賞球装置58の閉成条件の成立(設定された開放時間が経過したこと)を確認する処理等を行なう。普通可変入賞球装置58の閉成条件は、前述の時短フラグがオン状態にセットされていないときには、前述の通常開放時間が経過したときに成立し、時短フラグがオン状態にセットされているときには、前述の延長開放時間が経過したときに成立する。閉成条件が成立しているときには、普通可変入賞球装置58の閉成状態に制御するとともに、普通図柄プロセスフラグの値を普通図柄通常処理に対応する値に更新する処理が行なわれる。
図22は、SB15の記憶処理のサブルーチンプログラムを説明するためのフローチャートである。記憶処理では、第1特別図柄保留記憶数データ、第2特別図柄保留記憶数データ、および普通図柄保留記憶数データの設定が行なわれる。
まず、ステップSF(以下、単にSFと記す)01においては、普通図柄保留記憶数出力バッファに、ゲート通過記憶カウンタに対応した普通図柄保留記憶数データをセットする処理が行なわれる。SF02においては、第1特別図柄保留記憶数出力バッファに、第1始動入賞記憶カウンタに対応した第1特別図柄保留記憶数データをセットする処理が行なわれる。SF03においては、第2特別図柄保留記憶数出力バッファに、第2始動入賞記憶カウンタに対応した第2特別図柄保留記憶数データをセットする処理が行なわれる。なお、SF01〜SF03でセットされたデータは、前述した図19のSC04a,SC04b、およびSC05において出力される。
図23は、SB16aの第1特別図柄表示制御処理のサブルーチンプログラムを説明するためのフローチャートである。この第1特別図柄表示制御処理では、図20の第1特別図柄プロセス処理において説明した第1特別図柄プロセスフラグの値に基づき、特別図柄の状態を表示するためのデータをセットする処理が行なわれる。なお、SB16bにおける第2特別図柄表示制御処理も以降説明する第1特別図柄表示制御処理と同様に構成される。以下の説明において、特記事項を除き、処理内容に応じて適宜「第1」を「第2」と読み替え、「第2」を「第1」と読み替えれば、第2特別図柄表示制御処理が説明されることになる。
まず、ステップSG(以下、単にSGと記す)01においては、現在セットされている第1特別図柄プロセスフラグの値を読出す処理が行なわれる。SG02において、読出した第1特別図柄プロセスフラグの値が第1特別図柄変動処理に対応する値であるか否かを判別する処理が行なわれる。すなわち、第1特別図柄表示装置44aの表示状態が変動表示中であるか否かを判別する処理が行なわれる。
SG02において第1特別図柄変動処理に対応する値でないと判断されたときには、SG03において、図20のSD03の第1特別図柄通常処理で設定された予定停止図柄を図柄確定時に表示するためのデータである第1特別図柄停止表示データを選択する処理が行なわれる。なお、第1特別図柄表示装置44aにおいて変動表示が行なわれていないとき(たとえば、第1保留記憶数が0のとき、または第2特別図柄表示装置44bにおいて変動表示が行なわれているとき等)には、前回の変動表示において確定した状態での表示が維持される。SG04においては、SG03で選択された第1特別図柄停止表示データを第1特別図柄用出力バッファにセットする処理を行ない、第1特別図柄表示制御処理を終了する。ここでSG03およびSG04を具体的に説明すると、たとえば、図20のSD03の第1特別図柄通常処理で予定停止図柄として「7」が設定されているときには、SG03において特別図柄「7」を図柄確定時に表示するための第1特別図柄停止表示データを選択し、SG04において特別図柄「7」を図柄確定時に表示するために選択された第1特別図柄停止表示データを第1特別図柄用出力バッファにセットする処理が行なわれる。なお、第1特別図柄用出力バッファにセットされた第1特別図柄停止表示データは、図19のSC02aにおいて出力される。これにより、図20のSD03の第1特別図柄通常処理で設定された予定停止図柄を、特別の変動表示の表示結果として、第1特別図柄表示装置44aに表示することができる。
一方、SG02において第1特別図柄変動処理に対応する値であると判断されたときには、SG05において第1特別図柄表示装置44aの変動表示状態を点灯状態または消灯状態に切替えるタイミングを特定するための第1特別図柄表示更新タイマが「0」であるか否かを判別する処理が行なわれる。
SG05において第1特別図柄表示更新タイマが「0」であると判断されたときには、SG06において第1特別図柄表示装置44aの変動表示状態を特定するための第1特別図柄変動状態指定値を変更する処理が行なわれる。すなわち、現在セットされている第1特別図柄変動状態指定値が消灯状態に対応する値(たとえば、「0」)のときには、点灯状態に対応する値(たとえば、「1」)に変更する処理が行なわれる。また、現在セットされている第1特別図柄変動状態指定値が点灯状態に対応する値(たとえば、「1」)のときには、消灯状態に対応する値(たとえば、「0」)に変更する処理が行なわれる。SG07においては、第1特別図柄表示更新タイマとして「100」をセットする処理が行なわれ、SG08に移行される。なお、第2特別図柄表示制御処理のうちSG07に対応する処理においては、第1特別図柄表示更新タイマとしてセットされる値と異なる値をセットするように構成してもよい。これにより、第1特別図柄表示装置44aにおける変動表示中の点灯・消灯の周期と、第2特別図柄表示装置44bにおける変動表示中の点灯・消灯の周期とを異ならせることができる。
一方、SG05において第1特別図柄表示更新タイマが「0」でないと判断されたときには、SG08において第1特別図柄表示更新タイマを「1」減算する処理が行なわれる。SG09においては、第1特別図柄変動状態指定値に応じた変動表示状態に第1特別図柄表示装置44aを制御するための第1特別図柄変動状態データを選択する処理が行なわれる。SG10においては、SG09で選択された第1特別図柄変動状態データを第1特別図柄用出力バッファにセットする処理を行ない、第1特別図柄表示制御処理を終了する。
ここでSG05〜SG10を具体的に説明すると、次のとおりである。SG07において第1特別図柄表示更新タイマとして「100」がセットされ、第1特別図柄表示制御処理が行なわれる毎、すなわち2msec毎に、SG08において「1」減算される。そして、SG08で減算された結果、第1特別図柄表示更新タイマが「0」になったときに、第1特別図柄変動状態指定値を変更して、第1特別図柄表示装置44aの変動表示状態を点灯状態(たとえば、7セグメントLEDのうち中段に配置されたLEDを点灯させた状態)または消灯状態(たとえば、7セグメントLEDに用いられる全てのLEDを無点灯にした状態)に切替えられる。また、SG09において第1特別図柄変動状態指定値に応じた変動表示状態にするための第1特別図柄変動状態データを選択し、SG10において第1特別図柄変動状態指定値に応じた変動表示状態にするために選択された第1特別図柄変動状態データを第1特別図柄用出力バッファにセットする処理が行なわれる。なお、第1特別図柄用出力バッファにセットされた第1特別図柄変動状態データは、図19のSC02aにおいて出力される。これにより、第1特別図柄表示装置44aの変動表示状態を、2×100=200msec毎に、点灯状態から消灯状態に、消灯状態から点灯状態に切替えることができる。
図24は、SB17の普通図柄表示制御処理のサブルーチンプログラムを説明するためのフローチャートである。なお、この普通図柄表示制御処理においても、第1特別図柄表示制御処理や第2特別図柄表示制御処理と同様に、普通図柄プロセスフラグの値に基づき、普通図柄の状態を表示するためのデータをセットする処理が行なわれる。
まず、ステップSH(以下、単にSHと記す)01においては、現在セットされている普通図柄プロセスフラグの値を読出す処理が行なわれる。SH02において、読出した普通図柄プロセスフラグの値が普通図柄変動処理に対応する値であるか否かを判別する処理が行なわれる。すなわち、普通図柄表示装置63の表示状態が変動表示中であるか否かを判別する処理が行なわれる。
SH02において普通図柄変動処理に対応する値でないと判断されたときには、SH03において図21のSE03の普通図柄通常処理で設定される当りフラグの状態に対応する図柄を確定表示する普通図柄停止表示データを選択する処理が行なわれる。なお、普通図柄表示装置63において変動表示が行なわれていないとき(たとえば、ゲート通過記憶カウンタの値が0のとき等)には、前回の変動表示において確定した状態での表示が維持される。SH04においては、SH03で選択された普通図柄停止表示データを普通図柄用出力バッファにセットする処理を行ない、普通図柄表示制御処理を終了する。ここでSH03およびSH04を具体的に説明すると、たとえば、図21のSE03の普通図柄通常処理で当りフラグがオン状態に設定されているときには、SH03において普通図柄「7」を図柄確定時に表示するための普通図柄停止表示データを選択し、SH04において普通図柄「7」を図柄確定時に表示するために選択された普通図柄停止表示データを普通図柄用出力バッファにセットする処理が行なわれる。なお、普通図柄用出力バッファにセットされた普通図柄停止表示データは、図19のSC03において出力される。これにより、図21のSE03の普通図柄通常処理で設定された当りフラグの状態に対応する図柄を普通図柄表示装置63に表示することができる。
一方、SH02において普通図柄変動処理に対応する値であると判断されたときには、SH05において普通図柄表示装置63の普通図柄「7」または普通図柄「−」を点灯状態に切替えるタイミングを特定するための普通図柄表示更新タイマが「0」であるか否かを判別する処理が行なわれる。
SH05において普通図柄表示更新タイマが「0」であると判断されたときには、SH06において普通図柄表示装置63の変動表示状態を特定するための普通図柄変動状態指定値を変更する処理が行なわれる。すなわち、現在セットされている普通図柄変動状態指定値が消灯状態にする値(たとえば、「0」)のときには、点灯状態にする値(たとえば、「1」)に変更する処理が行なわれる。また、現在セットされている普通図柄変動状態指定値が点灯状態にする値(たとえば、「1」)のときには、消灯状態にする値(たとえば、「0」)に変更する処理が行なわれる。SH07においては、普通図柄更新タイマとして「100」をセットする処理が行なわれ、SH08に移行される。なお、SH07においては、普通図柄表示更新タイマとして、前述した第1または第2特別図柄表示更新タイマとしてセットされる値と異なる値をセットするように構成してもよい。これにより、普通図柄表示装置63における変動表示中の点灯・消灯の周期と、第1または第2特別図柄表示装置44a,44bにおける変動表示中の点灯・消灯の周期とを異ならせることができる。
一方、SH05において普通図柄表示更新タイマが「0」でないと判断されたときには、SH08において普通図柄表示更新タイマを「1」減算する処理が行なわれる。SH09においては、普通図柄変動状態指定値に応じた変動表示状態に普通図柄表示装置63を制御するための普通図柄変動状態データを選択する処理が行なわれる。SH10においては、SH09で選択された普通図柄変動状態データを普通図柄用出力バッファにセットする処理を行ない、普通図柄表示制御処理を終了する。
ここでSH05〜SH10を具体的に説明すると、次のとおりである。SH07において普通図柄表示更新タイマとして「100」がセットされ、普通図柄表示制御処理が行なわれる毎、すなわち2msec毎に、SH08において「1」減算される。そして、SH08で減算された結果、普通図柄表示更新タイマが「0」になったときに、普通図柄変動状態指定値を変更して、普通図柄表示装置63の変動表示状態を点灯状態(たとえば、7セグメントLEDのうち中段に配置されたLEDを点灯させた状態)または消灯状態(たとえば、7セグメントLEDに用いられる全てのLEDを無点灯にした状態)に切替えられる。また、SH09において普通図柄変動状態指定値に応じた変動表示状態にするための普通図柄変動状態データを選択し、SH10において普通図柄変動状態指定値に応じた変動表示状態にするために選択された普通図柄変動状態データを普通図柄用出力バッファにセットする処理が行なわれる。なお、普通図柄用出力バッファにセットされた普通図柄変動状態データは、図19のSC03において出力される。これにより、普通図柄表示装置63の変動表示状態を、2×100=200msec毎に、点灯状態から消灯状態に、消灯状態から点灯状態に切替えることができる。
図25は、SD01bの第1始動口スイッチ通過処理のサブルーチンプログラムを説明するためのフローチャートである。ステップSJ(以下、単にSJと記す)01により、保留記憶バッファの第1始動入賞記憶カウンタの値が上限個数である「4」以上になっているか否かの判断がなされる。第1始動入賞記憶カウンタは、遊技球が始動入賞したが未だに第1特別図柄表示装置44aによる変動表示に用いられていないものを保留記憶するカウンタであり、上限個数がたとえば「4」と定められている。この第1始動入賞記憶カウンタの値(第1保留記憶数)が「4」に既に達している場合にはそれ以上保留記憶できないために、このサブルーチンが終了するが、「4」に達していない場合には制御がSJ02へ移行し、第1始動入賞記憶カウンタを「1」加算更新する処理がなされる。
次に、SJ03へ移行し、第1始動口スイッチ56からの入力信号がオン状態となった時点で記憶バッファにラッチされているR1のカウント値(ハード乱数)を読出す処理が行なわれる。また、SJ04においては、特別図柄決定用ランダムカウンタR2からカウント値を読出す処理が行なわれる。SJ05では、加算した第1始動入賞記憶カウンタの値に対応する記憶エリアに、SJ03およびSJ04で読出されたカウント値を記憶する制御が行なわれる。このように第1始動入賞記憶カウンタの値が上限個数に達していないときに、既にランダムカウンタR1から抽出したカウント値であって記憶バッファにラッチされているカウント値と、ランダムカウンタR2から抽出したカウント値とを、保留記憶バッファに記憶する処理を行ない、第1始動口スイッチ通過処理を終了する。
図26は、SD03の第1特別図柄通常処理のサブルーチンプログラムを説明するためのフローチャートである。
まず、ステップSK(以下、単にSKと記す)01aにおいては、第1始動入賞記憶カウンタの値である第1保留記憶数が「0」であるか否かを判別する処理が行なわれる。保留記憶バッファの第1保留記憶数が「0」であれば、リターンする。一方、保留記憶バッファの第1保留記憶数が「0」でなければ、SK01bにおいて、第2特別図柄プロセス処理において更新される第2特別図柄プロセスフラグが第2特別図柄通常処理を示す値か否かを判断する。すなわち、第2特別図柄表示装置44bにおいて大当りまたは小当り遊技状態でなくかつ変動表示中でないか否かを判断する。SK01bにおいて第2特別図柄通常処理を示す値であると判断されたときには、第2始動口スイッチ通過処理において更新される第2始動入賞記憶カウンタの値である第2保留記憶数が「0」であるか否かを判別する。すなわち、第2特別図柄表示装置44bにおいて新たな変動表示を実行可能であるか否かを判断する。SK01bにおいて第2特別図柄プロセスフラグが第2特別図柄通常処理を示す値でないと判断されたとき、またはSK01cにおいて第2保留記憶数が「0」でないと判断されたときには、SK02以降の処理を行なうことなく第1特別図柄通常処理を終了する。これにより、第2特別図柄表示装置44bにおいて大当りまたは小当り遊技状態であるか、変動表示中であるか、変動表示中でなくても新たな変動表示を実行可能な状態(第2保留記憶数が1以上)であるときには、第1特別図柄表示装置44aにおいて新たな変動表示を開始させないように制御することができる。
なお、第1特別図柄通常処理に対応する第2特別図柄通常処理においては、SK01aに対応する処理として第2保留記憶数が「0」であると判別されなかったときには、SK01bに対応する処理として第1特別図柄プロセスフラグが第1特別図柄通常処理を示す値か否かを判断し、第1特別図柄通常処理を示す値である場合にSK02に対応する処理に移行する一方、第1特別図柄通常処理を示す値でない場合に第2特別図柄通常処理を終了する。これにより、第1特別図柄表示装置44aにおいて大当りまたは小当り遊技状態であるか、変動表示中であるときには、第2特別図柄表示装置44bにおいて新たな変動表示を開始させないように制御することができるとともに、第1特別図柄表示装置44aにおいて大当りまたは小当り遊技状態でなく変動表示中でもないときであって第2保留記憶数が「0」でない場合に、第1保留記憶数が「0」であるか否かに関わらず、優先的に第2特別図柄表示装置44bにおいて新たな変動表示を開始させる制御を行なうことができる。
図26に戻り、SK01bにおいて「0」であると判別されたときには、第1特別図柄表示装置44aにおいて新たな変動表示を開始させる制御が実行される。まず、SK02において、保留記憶バッファに最も先に記憶されている第1始動入賞記憶カウンタの値「1」に対応するランダムカウンタR1,R2の乱数値を読出す処理が行なわれる。
次に、SK03では、SK02で読出した乱数値が記憶されていた記憶エリアをクリアする処理が行なわれる。次に、SK04に移行し、第1始動入賞記憶カウンタの値を1減算し、かつ、保留記憶バッファに記憶されている乱数値を一つ小さい第1始動入賞記憶カウンタに対応する領域にシフトする処理が行なわれる。
次に、SK05においては、SK02において読出したカウント値に基づき、第1遊技状態判定処理を実行する。この第1遊技状態判定処理では、大当りとするか否かの判定、小当りAとするか否かの判定、小当りBとするか否かの判定、および、停止図柄の決定をする処理が行なわれる。そして、SK06においては、第1特別図柄プロセスフラグの値を第1特別図柄変動処理に対応した値に更新する。
図27は、SK05の第1遊技状態判定処理のサブルーチンプログラムを説明するためのフローチャートである。まず、ステップSL(以下、単にSLと記す)01においては、図26のSK02において読出したランダムカウンタR1の値が大当り判定値と一致するか否かを判別する処理が行なわれる。SL01において、一致すると判断されたときには、SL02において15R大当りに制御することを示す15R大当りフラグをオン状態にセットする処理が行なわれる。そして、SL03において、15R大当り図柄である「1」,「3」,「5」,「7」から、図26のSK02において読出したランダムカウンタR2の値に基づき第1特別図柄表示装置44aの変動表示の表示結果として表示する大当り図柄を決定し、今回の変動表示の表示結果として記憶する処理が行なわれる。その後、SL04において、演出制御コマンドとしての15R大当り時コマンドをセットする処理が行なわれる。
一方、SL01において、一致しないと判断されたときには、SL05において、図26のSK02において読出したランダムカウンタR1の値が小当りA判定値であるか否かを判別する処理が行なわれる。
SL05においてランダムカウンタR1の値が小当りA判定値と一致すると判断されたときには、SL06において小当りAに制御することを示す小当りAフラグをオン状態にセットする処理が行なわれる。そして、SL07において、小当りA図柄である「2」,「4」から、図26のSK02において読出したランダムカウンタR2の値に基づき第1特別図柄表示装置44aの変動表示の表示結果として表示する小当りA図柄を決定し、今回の変動表示の表示結果として記憶する処理が行なわれる。その後、SL08において、演出制御コマンドとしての小当りA時コマンドをセットする処理が行なわれる。
一方、SL05において一致しないと判断されたときには、SL09において、図26のSK02において読出したランダムカウンタR1の値が小当りB判定値であるか否かを判別する処理が行なわれる。
SL09においてランダムカウンタR1の値が小当りB判定値と一致すると判断されたときには、SL10において小当りBに制御することを示す小当りBフラグをオン状態にセットする処理が行なわれる。そして、SL11において、小当りB図柄である「6」,「8」から、図26のSK02において読出したランダムカウンタR2の値に基づき第1特別図柄表示装置44aの変動表示の表示結果として表示する小当りB図柄を決定し、今回の変動表示の表示結果として記憶する処理が行なわれる。その後、SL08において、演出制御コマンドとしての小当りB時コマンドをセットする処理が行なわれる。
一方、SL09において一致しないと判断されたときには、SL13においてはずれ図柄である「0」,「9」から、図26のSK02において読出したランダムカウンタR2の値に基づき第1特別図柄表示装置44aの変動表示の表示結果として表示するはずれ図柄を決定し、今回の変動表示の表示結果として記憶する処理が行なわれる。その後、SL14において、演出制御コマンドとしてのはずれ時コマンドをセットする処理が行なわれる。
SL04,SL08,SL12,あるいはSL14の後、SL15において、SL03,SL07,SL11,あるいはSL13のいずれかにおいて決定された図柄を第1予定停止図柄としてセットする処理を行ない、第1遊技状態判定処理を終了する。
本実施の形態においては、SL01、SL05、およびSL09で説明した大当り判定値、小当りA判定値、または、小当りB判定値と一致するか否かを判別する判別処理により、第1特別図柄表示装置44aの表示結果決定手段が構成されている。同様に、第2遊技状態判定処理に対応する第1遊技状態判定処理における、SL01、SL05、およびSL09に対応する判別処理により、第2特別図柄表示装置44bの表示結果決定手段が構成されている。第1遊技状態判定処理および第2遊技状態判定処理では、遊技状態の判定結果を示す演出制御コマンド(15R大当り時コマンド、小当りA時コマンド、小当りB時コマンド、はずれ時コマンド)がセットされ、その後送信されることとなる。これにより、演出制御用マイクロコンピュータ900では、特別図柄の変動表示結果を把握することができる。なお、本実施の形態における表示結果決定手段として、特別図柄の変動表示を開始するときに、第1遊技状態判定処理または第2遊技状態判定処理を実行する例について説明したが、これに限らず、遊技球が始動入賞したとき、たとえば、図20のSD01aでYESと判定され図25のSJ01でNOと判定されたときに第1遊技状態判定処理を実行するようにしてもよく、また、図20のSD02aでYESと判定され第2始動口スイッチ通過処理における図25のSJ01に対応するステップにおいてNOと判定されたときに第2遊技状態判定処理に構成してもよい。
なお、本実施の形態においては、大当りおよび小当り以外のはずれが発生し得る場合について説明したが、これに限らず、はずれが発生せずに常に大当りまたは小当りのいずれかになるように構成してもよい。すなわち、図27のSL01においてNOと判定されたときには、常に小当りとなるように構成してもよい。具体的には、図27のSL01においてNOと判定されたときに、SL05の判定を行ないSL05においてYESのときにSL06に移行し、SL05においてNOのときにSL10に移行するように構成してもよい。この場合、SL05の判定処理においては、小当りの種類を決定するために更新される小当り種類決定用乱数から抽出した値を用いてもよい。また、小当りの種類を1種類(たとえば小当りAのみ)にした場合には、図27のSL01においてNOと判定されたときにSL06に移行するように構成してもよい。このように構成することにより、はずれ判定や小当り種類判定を行う必要がなく、第1遊技状態判定処理および第2遊技状態判定処理を簡素化させることができる。
図28は、SD06の第1特別図柄停止処理のサブルーチンプログラムを説明するためのフローチャートである。まず、ステップSM(以下、単にSMと記す)01においては、時短フラグがオン状態にセットされているか否かを判別する処理が行なわれる。SM01において時短フラグがオン状態にセットされていないと判断されたときにはSM06に移行する。一方、SM01において時短フラグがオン状態にセットされていると判断されたときには、SM02において、大当り遊技状態が終了したときに前述のようにセットされる変動回数カウンタから1減算する処理を行ない、SM03に移行する。SM03においては、SM02において減算された変動回数カウンタの値が「0」であるか否かを判別する処理が行なわれる。すなわち、大当り遊技状態が終了してから所定回数(たとえば、100回)変動表示が行なわれたか否かを判別する処理が行なわれる。
SM03において、変動回数カウンタの値が「0」でないと判断されたときには、SM06に移行する。一方、変動回数カウンタの値が「0」であると判断されたときには、所定回数変動表示が行なわれているため、SM04において時短フラグをリセットする処理を行ない、SM05において変動回数カウンタをリセットする処理を行ないSM06に移行する。
SM06においては、図27のSL02においてセットされる15R大当りフラグがオン状態にセットされているか否かを判別する処理が行なわれる。SM06において15R大当りフラグがオン状態にセットされていると判断されたときには、SM07において第1特別図柄プロセスフラグの値を第1大当り開放前処理に対応する値に更新する処理が行なわれ、第1特別図柄停止処理を終了する。これにより、大当り遊技状態に移行させることができる。
一方、SM06において15R大当りフラグがオン状態にセットされていないと判断されたときには、SM08において、図27のSL06においてオン状態にセットされる小当りAフラグがオン状態にあるか否かを判別する処理が行なわれる。SM08において小当りAフラグがオン状態であると判断されたときには、SM09において、第1特別図柄表示装置44aで小当りAが発生したときの開閉片用ソレノイド105の作動開始タイミングを管理するための計時を行なうT1(たとえば、2秒)をセットする処理を行なう(図13(c)参照)。そして、SM10において、第1特別図柄表示装置44aで小当りAが発生したときの開閉片用ソレノイド105の第1作動時動作の内容(たとえば、2秒開放状態にし1秒閉鎖状態にするサイクルを2回繰返す)をセットする処理を行ない、後述するSM14aに移行する。これにより、第1特別図柄表示装置44aで小当りAが発生してからT1が経過したときに第1作動時動作を開始して第1特別可変入賞球装置66を開放状態に制御することができる。
SM14aでは、第1特別図柄表示装置44aで小当りAが発生したときにおける振分部材83a,83bおよびモータ127の駆動開始タイミング(たとえば、特別図柄の変動表示の停止時から2.0秒後)を管理するための計時をするT5(たとえば、2.0秒)をセットする処理を行なう(図13(c)参照)。これにより、第1特別図柄表示装置44aで小当りAが発生してからT5が経過したときに振分部材83a,83bおよびモータ127を所定時間経過するまで駆動することができる。その後、SM15に移行する。
なお、図28のSM09〜SM14aに対応する第2特別図柄停止処理におけるステップにおいては、まず、SM09に対応するステップにおいて第2特別図柄表示装置44bで小当りAが発生したときの開閉片用ソレノイド105の作動開始タイミングを管理するための計時を行なうT3(たとえば、2.5秒)をセットする処理を行なう(図13(c)参照)。そして、SM10に対応するステップにおいて、第2特別図柄表示装置44bで小当りAが発生したときの開閉片用ソレノイド105の第2作動時動作の内容(たとえば、2秒開放状態にし1秒閉鎖状態にするサイクルを3回繰返す)をセットする処理を行なう。これにより、第2特別図柄表示装置44bで小当りAが発生してからT3が経過したときに第2作動時動作を開始して第1特別可変入賞球装置66を開放状態に制御することができる。また、SM14aに対応するステップにおいて、第2特別図柄表示装置44bで小当りAが発生したときにおける振分部材83a,83bおよびモータ127の駆動開始タイミング(たとえば、特別図柄の変動表示の停止時から2.5秒後)を管理するための計時をするT7(たとえば、2.5秒)をセットする処理を行なう(図13(c)参照)。これにより、第2特別図柄表示装置44bで小当りAが発生してからT7が経過したときに振分部材83a,83bおよびモータ127の駆動を開始することができる。
なお、第1作動時動作および第2作動時動作として、各サイクルにおいて開放状態にする時間が2秒である例について説明したが、各サイクルにおいて開放状態にする時間はこれに限られるものではない。たとえば、各サイクルにおいて開放状態にする時間は、0.5秒であってもよい。
一方、SM08において小当りAフラグがオン状態ではないと判断されたときには、SM11において、図27のSL10でオン状態にセットされる小当りBフラグがオン状態にあるか否かを判別する処理が行なわれる。SM11において小当りBフラグがオン状態であると判断されたときには、SM12において、第1特別図柄表示装置44aで小当りBが発生したときの開閉片用ソレノイド105の作動開始タイミングを管理するための計時を行なうT2(たとえば、3秒)をセットする処理を行なう(図13(c)参照)。そして、SM13において、第1特別図柄表示装置44aで小当りBが発生したときの開閉片用ソレノイド105の第1作動時動作の内容(たとえば、2秒開放状態にし1秒閉鎖状態にするサイクルを2回繰返す)をセットする処理を行ない、SM14bに移行する。これにより、第1特別図柄表示装置44aで小当りBが発生してからT2が経過したときに第1作動時動作を開始して第1特別可変入賞球装置66を開放状態に制御することができる。
SM14bでは、第1特別図柄表示装置44aで小当りBが発生したときにおける振分部材83a,83bおよびモータ127の駆動開始タイミング(たとえば、特別図柄の変動表示の停止時から3.2秒後)を管理するための計時をするT6(たとえば、3.2秒)をセットする処理を行なう(図13(c)参照)。これにより、第1特別図柄表示装置44aで小当りBが発生してからT6が経過したときに振分部材83a,83bおよびモータ127を所定時間経過するまで駆動することができる。その後、SM15に移行する。
なお、図28のSM12〜SM14bに対応する第2特別図柄停止処理におけるステップにおいては、まず、SM12に対応するステップにおいて第2特別図柄表示装置44bで小当りBが発生したときの開閉片用ソレノイド105の作動開始タイミングを管理するための計時を行なうT4(たとえば、4.0秒)をセットする処理を行なう(図13(c)参照)。そして、SM13に対応するステップにおいて、第2特別図柄表示装置44bで小当りBが発生したときの開閉片用ソレノイド105の第2作動時動作の内容(たとえば、2秒開放状態にし1秒閉鎖状態にするサイクルを3回繰返す)をセットする処理を行なう。これにより、第2特別図柄表示装置44bで小当りBが発生してからT4が経過したときに第2作動時動作を開始して第1特別可変入賞球装置66を開放状態に制御することができる。また、SM14bに対応するステップにおいて、第2特別図柄表示装置44bで小当りBが発生したときにおける振分部材83a,83bおよびモータ127の駆動開始タイミング(たとえば、特別図柄の変動表示の停止時から4.2秒後)を管理するための計時をするT8(たとえば、4.2秒)をセットする処理を行なう(図13(c)参照)。これにより、第2特別図柄表示装置44bで小当りBが発生してからT8が経過したときに振分部材83a,83bおよびモータ127の駆動を開始することができる。
なお、小当りAが発生したときには、T1=T5、T3=T7がセットされるため、第1特別可変入賞球装置66が開放状態になると同時に振分部材83a,83bおよびモータ127の駆動が開始される。一方、小当りBが発生したときには、T2またはT4と、これよりも0.2秒長いT6またはT8がセットされるため、第1特別可変入賞球装置66が開放状態になってから0.2秒経過した後に振分部材83a,83bおよびモータ127の駆動が開始される。これは、本実施の形態における第1特別可変入賞球装置66が、0.2秒の間に、第1特別可変入賞球装置66内に入った遊技球が振分部材83a,83bの位置まで到達しないような内部構造を有していることに起因している。すなわち、第1特別可変入賞球装置66が開放状態になってすぐに遊技球が入った場合であっても、0.2秒経過しなければ、当該遊技球が振分部材83a,83bの位置まで到達しない。よって、小当りAが発生した場合には、第1特別可変入賞球装置66が開放状態になると同時に振分部材83a,83bおよびモータ127の駆動が開始されるため、少なくとも振分部材83a,83bが駆動される所定時間のうち少なくとも駆動開始から0.2秒が無駄になる。一方、小当りBが発生した場合には、第1特別可変入賞球装置66が開放状態になってから0.2秒経過した後に、振分部材83a,83bおよびモータ127の駆動が開始されるため、少なくとも振分部材83a,83bが駆動される所定時間のうち駆動開始から0.2秒が無駄になるという不都合が生じない。前述したように、振分部材83a,83bが駆動されていれば、遊技者にとって有利な第2誘導通路117や第4誘導通路117aに誘導される。よって、振分部材83a,83bが駆動される所定時間のうち駆動開始からの0.2秒が無駄になるということがない点において、小当りAが発生したときよりも小当りBが発生したときの方が、遊技者にとって有利な態様で振分部材83a,83bが駆動されるといえる。
図28のSM15においては、第1特別図柄プロセスフラグの値を第1小当り開放処理に対応する値に更新する処理が行なわれ、第1特別図柄停止処理を終了する。これにより、小当りA制御状態または小当りB制御状態に移行させることができる。
一方、SM011において小当りBフラグがオン状態でないと判断されたときには、SM16において第1特別図柄プロセスフラグの値を第1特別図柄通常処理に対応する値に更新する処理が行なわれ、第1特別図柄停止処理を終了する。これにより、第1特別図柄表示装置44aまたは第2特別図柄表示装置44bにおいて新たな変動表示を開始可能な状態に制御することができる。
図29および図30は、SD06aの第1小当り開放処理のサブルーチンプログラムを説明するためのフローチャートである。
まず、ステップSP(以下、単にSPと記す)01において、その時点でセットされている各種タイマを(タイマ割り込み分)減算する処理が行なわれる。これにより、各種タイマの計時データが更新される。そして、SP02において、開放開始フラグがオン状態にセットされているか否かを判別する処理が行なわれる。開放開始フラグは、開閉片用ソレノイド105による開放が開始されたときにオン状態にセットされるフラグであり、後述するSP07によりセットされる。SP02により開放開始フラグがセットされていると判断したときは、後述するSP09に移行する。
一方、SP02により開放開始フラグがセットされていないと判断したときは、SP04においてセットされているT1またはT2の値が「0」となっているか否かを判別する処理が行なわれる。なお、第2小当り開放処理における対応するステップにおいては、セットされているT3またはT4の値が「0」となっているか否かを判別する処理が行なわれる。
SP04においてセットされているT1またはT2の値が「0」となっていないと判断されたときは、まだ小当りAまたは小当りBにおける開閉片用ソレノイド105の作動開始タイミングになっていないので、後述するSP09に移行する。一方、SP04においてセットされているT1またはT2の値が「0」となっていると判断されたときは、小当りAまたは小当りBにおける開閉片用ソレノイド105の作動開始タイミングになったので、SP06において、開閉片用ソレノイド105をセットされている第1始動時動作で駆動させることにより、開口部82a,82bを開放する方向にスライド移動させることを2回繰返す開放動作を開始させる処理を行ない、SP07により開放開始フラグをオン状態にセットする。これにより、第1特別図柄表示装置44aにおいて小当りになったときには、小当りの種類に対応するタイミングで第1特別可変入賞球装置66を第1始動時動作させることができる。
なお、第2小当り開放処理におけるSP06に対応するステップにおいては、開閉片用ソレノイド105をセットされている第2始動時動作で駆動させることにより、開口部82a,82bを開放する方向にスライド移動させることを3回繰返す開放動作を開始させる処理を行ない、SP07に対応するステップにより開放開始フラグをオン状態にセットする処理が行なわれる。これにより、第2特別図柄表示装置44bにおいて小当りになったときには、小当りの種類に対応するタイミングで第1特別可変入賞球装置66を第2始動時動作させることができる。
そして、SP08において、演出表示装置80aにおいて第1特別可変入賞球装置66が小当りとなって開放状態となっている旨を示す小当り第1演出画像を表示するための演出制御コマンドとしての小当り第1演出開始コマンドをセットする処理が行なわれた後、後述するSP09に移行する。小当り第1演出開始コマンドがセットされると、その後、小当り第1演出開始コマンドが送信されることとなる。小当り第1演出開始コマンドが送信されると、演出制御用マイクロコンピュータ900は、前述の小当りA時コマンドと小当りB時コマンドとのどちらのコマンドを受信しているかに基づいて、小当りAであるか小当りBであるかを判断する。そして、演出制御用マイクロコンピュータ900は、小当りAであると判断したときは小当りAにおける開閉片用ソレノイド105の駆動開始時に応じて小当りA用の小当り第1演出画像を表示させ、小当りBであると判断したときは小当りBにおける開閉片用ソレノイド105の駆動開始時に応じて小当りB用の小当り第1演出画像を表示させる制御を行なう。このような演出画像が表示されることにより、遊技者に小当りAと小当りBとのどちらの小当りが発生したかを明確に認識させることができる。なお、SP08における小当り第1演出開始コマンドをセットするタイミングは、図28のSM15の処理を行なう前、または後のタイミングであってもよい。
SP09においては、振分・回転開始フラグがオン状態にセットされているか否かを判別する処理が行なわれる。振分・回転開始フラグは、振分部材83およびモータ127の動作が開始されたときにオン状態にセットされるフラグであり、後述するSP13によりセットされる。SP09により振分・回転開始フラグがセットされていると判断したときは、後述するSP16に移行する。一方、SP09により振分・回転開始フラグがセットされていないと判断したときは、SP10に移行する。
SP10においては、前述のSM14aによりセットされたT5またはSM14bによりセットされたT6の値が「0」になっているか否かを判別する処理が行なわれる。なお、第2小当り開放処理における対応するステップにおいては、セットされているT7またはT8の値が「0」となっているか否かを判別する処理が行なわれる。SP10においてT5またはT6の値が「0」となっていないと判断されたときは、まだ小当りAまたは小当りBにおける振分部材83a,83bおよびモータ127の駆動開始タイミングになっていないので、後述するSP16に移行する。一方、SP10においてT5またはT6の値が「0」となっていると判断されたときは、小当りAまたは小当りBにおける振分部材83a,83bおよびモータ127の駆動開始タイミングに到達しているときであり、SP11に移行する。
次に、SP11においては、振分用ソレノイド108a,108bの駆動を開始する処理が行なわれる。これにより、振分部材83a,83bを上方向へ移動させる動作が行なわれ、振分部材83a,83bの状態が第1の振分状態から第2の振分状態に変化する。変化させる態様としては、振分部材83a,83bを上方向に移動させた後下方向に移動させるサイクルを所定時間(第1始動時動作を行なうのに要する時間)経過するまで繰返すものであってもよい。振分用ソレノイド108a,108bの駆動は、所定時間経過するまで行なわれる。
なお、振分用ソレノイド108a,108bを駆動していないときに、振分部材83a,83bを上方向へ移動させた第2の振分状態にし、振分用ソレノイド108a,108bを駆動することにより、振分部材83a,83bを下方向へ移動させた第1の振分状態にするものであってもよい。また、変化させる態様としては、振分部材83a,83bを上下方向に移動させる動作を所定回数実行するサイクルを複数回繰返すものであってもよい。
さらに、小当りが発生した特別図柄表示装置の種類および発生した小当りの種類に応じて異なる駆動パターンで振分用ソレノイド108aと振分用ソレノイド108bとを動作させるように構成してもよい。具体的には、振分用ソレノイド108aと振分用ソレノイド108bとを複数回変化させるときには、小当りが発生した特別図柄表示装置の種類および発生した小当りの種類に応じて、第1進入球誘導通路110a上に配置された振分部材83aを動作させる振分用ソレノイド108aよりも、第2進入球誘導通路110b上に配置された振分部材83bを動作させる振分用ソレノイド108bの方が、たとえば第2の振分状態に制御される総時間を長くする(たとえば、振分用ソレノイド108aを駆動する総時間:1秒、振分用ソレノイド108bを駆動する総時間:2秒、駆動時間は任意)等により遊技者にとって有利な駆動パターンで動作させるように構成してもよい。また、振分用ソレノイド108aと振分用ソレノイド108bとを1回変化させるときには、小当りが発生した特別図柄表示装置の種類および発生した小当りの種類に応じて、第1進入球誘導通路110a上に配置された振分部材83aを動作させる振分用ソレノイド108aよりも、第2進入球誘導通路110b上に配置された振分部材83bを動作させる振分用ソレノイド108bの方が、たとえば第2の振分状態に制御される時間を長くする(たとえば、振分用ソレノイド108aを駆動する時間:1秒、振分用ソレノイド108bを駆動する時間:2秒、駆動時間は任意)等により遊技者にとって有利な駆動パターンで動作させるように構成してもよい。この場合、小当りとなったときの始動時動作タイミングは、小当りが発生した特別図柄表示装置および小当りの種類に関わらず、一定(たとえばT1:2秒)にしてもよい。
なお、第2小当り開放処理におけるSP11に対応するステップにおいては、振分部材83a,83bを上方向に移動させた後下方向に移動させるサイクルを所定時間(第2始動時動作を行なうのに要する時間)経過するまで繰返すものであってもよい。
そして、SP12においては、モータ127を駆動し、回転体88を回転状態に制御する処理が行なわれる。モータ127の駆動は、所定時間経過するまで行われる。次に、SP13においては、振分部材83a,83bおよびモータ127の動作が開始されたことに応じて、前述の振分・回転開始フラグをオン状態にセットする処理が行なわれる。
次に、SP16においては、後述する第1大入賞口内玉進入時処理を実行する。そして、図30のSP23においては、第1始動時動作が終了したか否かを判別する処理が行なわれる。すなわち、2回開き動作が行なわれたか否かが判断される。なお、第2小当り開放処理におけるSP23に対応するステップにおいては、第2始動時動作が終了したか否かを判別する処理が行なわれる。すなわち、3回開き動作が行なわれたか否かが判断される。
SP23において第1始動時動作が終了していないと判断されたときは、まだ小当りAまたは小当りBにおける開閉片用ソレノイド105の作動終了タイミングになっていないので、後述するSP26に移行する。一方、SP23において第1始動時動作が終了していると判断されたときは、小当りAまたは小当りBにおける開閉片用ソレノイド105の作動が終了しているため、SP25により、開口部82a,82bの開放動作が終了したことを示す開放終了フラグをオン状態にセットする処理が行なわれ、SP26に移行する。
次に、SP26では、前述の開放終了フラグがオン状態にセットされているか否かを判別する処理が行なわれる。開放終了フラグがオン状態にセットされていないと判断したときは、リターンする。一方、開放終了フラグがオン状態にセットされていると判断したときは、SP27において、残存玉数カウンタの値が「0」であるか否かを判別する処理が行なわれる。SP27において残存玉数カウンタの値が「0」ではないと判断されたときには、後述するSP33に移行する。一方、SP27において残存玉数カウンタの値が「0」であると判断されたときには、SP28において、第1大入賞口内玉進入時処理においてオン状態にセットされるいずれかの種類の大当りフラグがオン状態にセットされているか否かを判別する処理が行なわれる。
SP28においていずれかの種類の大当りフラグがオン状態にセットされていると判断されたときには、SP29において、第1大入賞口内玉進入時処理で、カウントされる残存玉数カウンタの値およびセットされている各種タイマをリセットし、かつ、オン状態にセットされる開放開始フラグ、振分・回転開始フラグ、および、開放終了フラグをそれぞれオフ状態にセットする処理、および演出表示装置80aにおいてセットされている大当りフラグに対応するラウンド数(すなわち、後述する第1大入賞口内玉進入時処理におけるSR11により決定された大当り遊技状態でのラウンド数である最大繰返し回数)を特定可能な大当り演出画像の表示を開始させるための演出制御コマンドとしての大当り開始コマンドをセットする処理が行なわれる。そして、SP30においては、第1特別図柄プロセスフラグの値を第1大当り開放前処理に対応する値に更新する処理が行なわれ、リターンする。これにより、大当りフラグの種類に対応したラウンド数の大当り遊技制御に移行させることができる。
一方、SP28において大当りフラグがオン状態にセットされていないと判断されたときには、SP31において、カウントされる残存玉数カウンタの値およびセットされている各種タイマをリセットし、かつ、オン状態にセットされる開放開始フラグ、振分・回転開始フラグ、および、開放終了フラグをそれぞれオフ状態にセットする処理、および演出表示装置80aにおいて行なわれていた演出を終了させるための演出終了コマンドをセットする処理が行なわれる。そして、SP32においては、第1特別図柄プロセスフラグの値を第1特別図柄通常処理に対応する値に更新する処理が行なわれ、リターンする。
また、前述のSP27において残存玉数の値が「0」でないと判断されたときには、第1特別可変入賞球装置内に遊技球が残存していると判断し、SP33において、遊技を停止させるまでの期間を示す遊技停止タイマの値が「0」であるか否かを判別する処理が行なわれる。この遊技停止タイマは、後述するSR03において所定値にセットされ、SP01により減算更新される。SP33において「0」でないと判断されたときにはリターンする。このように、SP27により残存玉数が0であると判断されるまで、SP27からSP33を経てリターンし、SP30,SP32による第1特別図柄プロセスフラグの更新が行なわれない。これにより、SP27により残存玉数が0であると判断されるまで遊技が停止することとなる。
一方、SP33において遊技停止タイマの値が「0」であると判断されたときには、SP34において異常状態である旨を報知する異常報知処理が繰返し行なわれる。これにより、遊技を停止することができ、異常状態を発生させて行なわれる不正行為を防止することができる。SP34の異常報知処理においては、上部装飾ユニット22を全点灯させることにより異常を報知するものでもよく、演出表示装置80aにおいて異常を表示するものであってもよい。
なお、異常報知処理は、電源基板97からの電力供給停止時、すなわち電源断されるまで、繰返し行なわれる。電源断されたときには、前述したバックアップRAM領域のデータ保護処理が行なわれる。そして、クリアスイッチ97aを押圧操作しながら、電源基板97からの電力供給を再開させるために電源を入れると、前述したように図17のSA07でYESと判断されて、SA10でRAMの記憶バッファをクリアする処理が行なわれ、異常状態がクリア(解除)される。
なお、異常報知処理から復帰させる際に、初期状態に戻らないように制御してもよい。たとえば、異常報知処理を一定時間行なった後に復帰させるように制御してもよい。この場合、遊技制御用マイクロコンピュータ99では、異常入賞報知コマンドを演出制御基板90に送信した後、SP34に示すように無限ループさせずに通常と同様の処理を行なうように構成してもよい。また、遊技制御用マイクロコンピュータ99では、異常入賞報知コマンドを演出制御基板90に送信した後、SP34に示すように無限ループさせてタイマカウントを開始し、タイマカウントが所定値に達したときに無限ループから復帰させて通常と同様の処理を行なうように構成してもよい。演出制御用マイクロコンピュータ900では、異常報知を一定時間行なった後に、当該異常報知を終了するように構成してもよい。
図31は、SP16の第1大入賞口内玉進入時処理のサブルーチンプログラムを説明するためのフローチャートである。
まず、ステップSR(以下、単にSRと記す)01により、第1カウントスイッチ106a,106bまたは第2カウントスイッチ106cからの検出信号が入力されてオン状態となったか否かを判別する処理が行なわれる。SR01において第1カウントスイッチ106a,106bまたは第2カウントスイッチ106cからの検出信号が入力されていないと判断されたときには、SR04に移行する。一方、SR01において第1カウントスイッチ106a,106bまたは第2カウントスイッチ106cからの検出信号が入力されてオン状態となっていると判断されたときには、SR02において、第1特別可変入賞球装置66内に残存する玉数を示す残存玉数カウンタの値を1加算する処理が行なわれる。そして、SR02aにおいて、第2カウントスイッチ106cからの検出信号が入力されてオン状態となったか否かを判断する。すなわち、第2進入球誘導通路110bに遊技球が進入したか否かを判断する。第2カウントスイッチ106cからの検出信号が入力されてオン状態となっていると判断されたときには、SR02bにおいて、第1特別可変入賞球装置66に遊技球が進入しかつ第2進入球誘導通路110bに遊技球が進入したことを示す有利進入コマンドをセットする処理が行なわれる。有利進入コマンドが送信されることにより、演出表示装置80aにおいて遊技球が第2進入球誘導通路110bに進入した旨を示す演出画像が表示される。一方、第2カウントスイッチ106cからの検出信号が入力されてオン状態となっていないと判断されたときには、SR02cにおいて、第1カウントスイッチ106a,106bのいずれかにより遊技球が検出されたことにより第1特別可変入賞球装置66に遊技球が進入したことを示す進入コマンドをセットする処理が行なわれる。進入コマンドが送信されることにより、演出表示装置80aにおいて遊技球が第1進入球誘導通路110aに進入した旨を示す演出画像が表示される。そして、SR03において、遊技を停止させるまでの期間を示す遊技停止タイマをセット(更新)する処理が行なわれ、その後、SR09に移行する。
SR09においては、第1用特定球検出器121aからの検出信号が入力されてオン状態となったか否かを判別する処理が行なわれる。SR09において、第1用特定球検出器121aからの検出信号が入力されていないと判断されたときには、後述するSR13に移行する。一方、SR09において第1用特定球検出器121aからの検出信号が入力されてオン状態となっていると判断されたときには、SR10において図13(a)を用いて説明したラウンド数決定用のランダムカウンタR3からカウント値を読出す処理が行なわれる。そして、SR11においては、SR10において読出されたカウント値に基づきラウンド数を決定する処理が行なわれる。本実施の形態においては、4ラウンド(以下、4Rという)、8ラウンド(以下、8Rという)、および15Rからラウンド数が決定される。
次に、SR12においては、SR11において決定されたラウンド数に対応する大当りフラグをセットする処理を行ない、SR13に移行する。たとえば、SR11において4Rがラウンド数として決定されたときには、SR12において4R大当りフラグをセットし、SR11において8Rがラウンド数として決定されたときには、SR12において8R大当りフラグをセットし、SR11において15Rがラウンド数として決定されたときには、SR12において15R大当りフラグをセットする。4Rの大当りは4R大当りと呼ばれ、8Rの大当りは8R大当りと呼ばれる。なお、前述したSR10およびSR11の処理は、小当りにすると決定されたとき(たとえば、SL05またはSL09においてYESのとき)に実行し、決定したラウンド数を所定の記憶エリアに記憶するように構成してもよい。この場合、SR12では、記憶エリアに記憶されたラウンド数を読出して、該ラウンド数に対応する大当りフラグをセットするように構成してもよい。
SR13においては、排出球検出器122からの検出信号が入力されてオン状態となったか否かを判別する処理が行なわれる。SR13において検出信号が入力されてオン状態となっていると判断されたときには、SR14において残存玉数カウンタの値から1減算する処理が行なわれる。そして、SR14aにより遊技球が検出されたことにより第1特別可変入賞球装置66から遊技球が排出されたことを示す排出コマンドをセットする処理が行なわれ、リターンする。一方、SR13において排出球検出器122からの検出信号が入力されていないと判断されたときには、第1大入賞口内玉進入時処理を終了する。
なお、前述したように、残存玉数カウンタの値は、SR02で加算され、SR14で減算される。また、SP27において残存玉数カウンタの値が「0」であると判断されたときに、第1特別可変入賞球装置66内に残存する遊技球がないと判断する例について説明した。しかし、残存玉数カウンタの値に「0」以上の値(たとえば「10」)を初期値として設定し、SR02で加算されSR14で減算されるように構成し、加減算した残存玉数カウンタの値が初期値と一致するか否かを判断するように構成してもよい。これにより、残存玉数カウンタの値が初期値より多ければ未排出であることを特定でき、初期値より少なければ第1または第2カウントスイッチで検出されずに排出球検出器122でのみ検出された異常状態であることを特定できる。このように構成した場合、さらに、SR14の処理を行なった後に、残存玉数カウンタの値が所定値(たとえば「10」)未満であるか否かを判断し、所定値未満でないと判断されたときにSR14aに移行し、所定値未満であると判断されたときにSP34で示す異常報知処理を行なうように構成してもよい。これにより、たとえば、不正行為により特定進入口89に遊技球が入れられた場合等に、SR14で減算され、残存玉数カウンタの値が所定値(たとえば「10」)未満であると判断されて、異常報知処理が行なわれる。このため、前述したような不正行為を抑止することができる。
なお、このように構成した場合には、図30のSP27において残存玉数カウンタの値が「0」でないと判断されたときに異常報知処理を行ない第1小当り開放処理を終了するように制御してもよい。さらに、この場合に復帰させる方法としては、第1カウントスイッチ106a,106bまたは第2カウントスイッチ106cのいずれかのみに遊技球を検出させることにより、SP27において残存玉数カウンタの値が所定値であると判断されたことによりSP28に移行されるものであってもよい。
図32は、SD07の第1大当り開放前処理のサブルーチンプログラムを説明するためのフローチャートである。
まず、ステップSV(以下、単にSVと記す)01により、大入賞口開放前時間タイマの値が「1」減算更新される。ここで、大入賞口開放前時間タイマは、大当り遊技状態における各ラウンドが開始される前において、大入賞口を閉状態から開放状態とするまでの時間を計測するためのタイマである。この大入賞口開放前時間タイマにより計測される時間は、1R目においては、大当り遊技状態となってラウンドが開始するまでの待ち時間となり、2R目以降においては、ラウンド間のインターバル時間となる。大入賞口開放前時間タイマのタイマ値は、初期値として所定時間(所定秒間)に相当する値に設定されており、第1大当り開放前処理が実行されるごとに減算更新されていく。
次に、SV2においては、大入賞口開放前時間タイマの値が0になっているか否かが判断される。SV02で大入賞口開放前時間タイマの値が0になっていないと判断されたときは、大入賞口開放前時間が経過していないので、リターンする。一方、SV02で大入賞口開放前時間タイマの値が0になっていると判断された場合は、SV03により、大入賞口開放前時間が経過したので、次回の大入賞口開放前時間の計測に備えるために、大入賞口開放前時間タイマのタイマ値が、前述した初期値に初期化される。次のラウンド間または次の大当り遊技状態の開始時において、SV02で初期化された大入賞口開放前時間タイマが用いられることとなる。
次に、SV04により、大当り遊技状態におけるラウンド数、すなわち、大入賞口の開放回数値を計数する開放回数カウンタの値が「1」加算更新される。これにより、大当り遊技状態においてラウンドが進行していくと、このSV04により、開放回数値が加算更新されていく。
次に、SV05により、図15の第1開放選択テーブルおよび図16の第2開放選択テーブルのうちのいずれかを用い、SV04により計数された開放回数値に対応して、開放する大入賞口として、第1大入賞口および第2大入賞口のいずれかが選択される。開放する大入賞口が選択されることに基づいて、開放動作をさせる可変入賞球装置として、第1特別可変入賞球装置66および第2特別可変入賞球装置48のどちらかが選択される。
具体的に、SV05では、図27のSL03,SL07,SL11において記憶された図柄の種類に基づいて、大当り表示結果に基づいて直接大当り遊技状態となったケースと、小当り表示結果に基づいて小当り遊技状態となった後に大当り遊技状態となったケースとのどちらに該当するかが判別される。そして、大当り表示結果に基づいて直接大当り遊技状態となったケースであるときには、図15に示す第1開放選択テーブルにおける第1開放選択テーブルA〜Dのうち、図27のSL03において記憶された大当り図柄の種類に応じたテーブルが選択される。そして、その選択されたテーブルにおいて、現在の開放回数値に対応して定められた大入賞口(特別可変入賞球装置)が選択される。一方、小当り表示結果に基づいて小当り遊技状態となった後に大当り遊技状態となったときには、図16に示す第2開放選択テーブルにおける第2開放選択テーブルA〜Dのうち、図27のSL07またはSL11において記憶された小当り表示結果の図柄の種類に応じたテーブルが選択される。そして、その選択されたテーブルにおいて、現在の開放回数値に対応して定められた大入賞口(特別可変入賞球装置)が選択される。
次に、SV06により、SV05で選択された大入賞口を特定する開放口選択フラグがオン状態にセットされる。開放口選択フラグとしては、第1大入賞口を選択するときにオン状態にセットされる第1開放口選択フラグと、第2大入賞口を選択するときにオン状態にセットされる第2開放口選択フラグとが設けられている。SV06では、SV05で第1大入賞口が選択されたときに、第1開放口選択フラグをオン状態にセットし、かつ、第2開放口選択フラグをオフ状態にリセットする。また、SV06では、SV05で第2大入賞口が選択されたときに、第2開放口選択フラグをオン状態にセットし、かつ、第1開放口選択フラグをオフ状態にリセットする。
次に、SV07により、SV05で選択された大入賞口を開放口選択フラグの状態に基づいて確認し、第1特別可変入賞球装置66および第2特別可変入賞球装置48のうち、選択されている大入賞口が設けられている方の可変入賞球装置を開放動作させることにより、選択されている大入賞口を開放させる処理が行なわれる。そして、SV08により、SV05で選択された開放選択テーブルを用いて、大入賞口の開放時間を計測するタイマである大入賞口開放時間タイマのタイマ値を、SV04により計数された開放回数値に対応する開放時間に相当する値にセットし、大入賞口開放時タイマを計時動作状態とする。そして、SV09において第1特別図柄プロセスフラグの値を第1大当り開放中処理に対応する値に更新する処理が行なわれ、リターンする。
このような第1大当り開放前処理においては、大当り遊技状態における各ラウンドで開放する可変入賞球装置と、その開放時間とが選択されて設定される。
図33は、SD08の第1大当り開放中処理のサブルーチンプログラムを説明するためのフローチャートである。
まず、ステップSW(以下、単にSWと記す)01により、開放された大入賞口内に設けられた特定領域(第1大入賞口が開放されたときは特定進入口89、第2大入賞口が開放されたときは第2用特定進入口)を遊技球が通過したことが検出されたか否かが判断される。具体的に、SW01では、第1開放口選択フラグと第2開放口選択フラグとのどちらがオン状態にあるかを確認することに基づいて、どちらの特別可変入賞球装置が開放されたかを確認し、第1用特定球検出器121aおよび第2用特定球検出器51のうち、開放されている特別可変入賞球装置に設けられている特定球検出器により遊技球が通過したことが検出されたかどうかが判断される。ここでは、図示を省略するが、第1大当り開放中処理では、第1大当り開放前処理から第1大当り開放中処理に移行したときの初回の実行時(第1ループ時)において、SW01を実行する前に、大当り遊技状態中のラウンド表示(実行中のラウンド数を示す表示)を行なうことを指定する演出制御コマンドであるラウンド表示コマンドと、大当り中演出画像を表示することを指定する演出制御コマンドである大当り中演出コマンドとを送信するための処理(コマンドをセットする処理)が行なわれる。これにより、これらの演出制御コマンドがSB10により出力される。SW01により特定領域を通過していないと判断された場合は、後述するSW05に進む。一方、SW01により特定領域を通過したことが検出されたと判断された場合は、SW02により特定領域通過フラグがオン状態にセットされる。
次に、SW03により、第1開放口選択フラグと第2開放口選択フラグとのどちらがオン状態にあるかを確認することに基づいて、第2大入賞口が選択されているか否かが判断される。第2大入賞口が選択されていると判断されたときには、SW04によりVシャッター用ソレノイド50によりVシャッターを閉動作させ、遊技球が第2用特定進入口を通過しないようにされ、SW05に進む。一方、第2大入賞口が選択されていないと判断されたときには、そのままSW05に進む。
SW05では、選択されている大入賞口である開放中の大入賞口に遊技球が入賞したか否かが判断される。SW05により入賞していないと判断されたときは、後述するSW07に進む。一方、SW05により入賞したと判断されたときは、SW06により、現在のラウンドで大入賞口に遊技球が入賞した数としての大入賞口入賞個数値を計数する大入賞口入賞個数カウンタの値が「1」加算更新される。これにより、開放されている大入賞口に遊技球が入賞するごとに、SW06により大入賞口入賞個数値が加算更新されていく。SW06の後、SW07に進む。
SW07では、前述の大入賞口入賞個数値が所定値(10個)となっているか否かが判断される。SW07により所定値となっていないと判断されたときは、SW08により、SV08でセットされた大入賞口開放時間タイマの値が「1」減算更新され、後述するSW10に進む。一方、SW07により所定値となっていると判断されたときは、SW09により、SV08によりセットされた大入賞口開放時間タイマの値が「0」にリセットされ、後述するSW10に進む。これにより、大入賞口入賞個数値が所定値(10個)となったときには、大入賞口開放時間タイマが強制的にタイムアップ状態(タイマの値が「0」で計時が終了した状態)に制御される。
SW10では、SV08によりセットされた大入賞口開放時間タイマの値が「0」になってタイムアップしたか否かが判断される。大入賞口入賞個数値が所定値(10個)となっているか否かが判断される。SW10により「0」になっていないと判断されたときは、リターンする。一方、SW10により「0」になっていると判断されたときは、SW11において、SV05で選択された大入賞口を開放口選択フラグの状態に基づいて確認し、第1特別可変入賞球装置66および第2特別可変入賞球装置48のうち、開放中の大入賞口が設けられている方の可変入賞球装置において大入賞口を閉鎖させる処理が行なわれる。
次に、SW12により、第1開放口選択フラグと第2開放口選択フラグとのどちらがオン状態にあるかを確認することに基づいて、第2大入賞口が選択されているか否かが判断される。第2大入賞口が選択されていると判断されたときには、SW13によりVシャッター用ソレノイド50によりVシャッターを開動作させ、遊技球が第2用特定進入口を通過可能なようにしてSW14に進む。一方、第2大入賞口が選択されていないと判断されたときには、そのままSW14に進む。SW14においては、第1特別図柄プロセスフラグの値を第1大当り開放後処理に対応する値に更新する処理が行なわれ、リターンする。
図34は、SD09の第1大当り開放後処理のサブルーチンプログラムを説明するためのフローチャートである。
まず、ステップSX(以下、単にSXと記す)01により、開放されていた大入賞口内に設けられた特定領域(特定進入口)を遊技球が通過したか否かが、前述したSW01と同様の処理により判断される。SX01により特定領域(特定進入口)を通過していないと判断された場合は、後述するSW05に進む。一方、SW01により特定領域(特定進入口)を通過したことが検出されたと判断された場合は、SW02により特定領域通過フラグがオン状態にセットされる。これにより、開放されていた大入賞口が閉鎖された後であっても、後述する有効時間タイマ値が0になるまでは、特定球検出器により遊技球が通過したことが検出されたことに応じて、特定領域通過フラグがオン状態となる。
次に、SX03により、大入賞口が閉鎖された後にラウンドを継続させるか否かを決定するまでの時間(大入賞口閉鎖後も特定領域での遊技球の通過検出が有効である時間であり、以下、有効時間という)を計測するためのタイマである有効時間タイマの値が1減算される。これにより、第1特別図柄プロセスが第1大当り開放後処理である間は、所定周期(たとえば、2ms)ごとに、有効時間タイマが所定の初期値からダウンカウントされることとなるので、このような有効時間を計測することができる。有効時間は、第1特別可変入賞球装置66および第2特別可変入賞球装置48のうち、遊技球が大入賞口から内部に入ったときから特定領域を通過するときまでの経過時間の設計値が長い方の特別可変入賞球装置において、その経過時間に所定時間の余裕時間を加えた時間に設定されている。これにより、大当り遊技状態でのラウンドにおいて、大入賞口が閉鎖された時点でも遊技球がまだ特定領域を通過していない状況において、大入賞口の閉鎖直前に内部に入った遊技球が特定領域を通過したときにおいて、その遊技球による特定領域の通過が検出されたことに基づいて、大当り遊技状態の継続条件が成立することとなる。なお、有効時間タイマのタイマ値は、初当りの有効時間の計測に備えるために、たとえば電源投入時に、所定の初期値に初期化される。
次に、SX04により、特定領域有効時間タイマの値が0になっている否かが判断される。SX04により0になっていないと判断された場合は、リターンする。一方、SX04により0になっていると判断された場合は、SX05により、前述の大入賞口開放回数値が最大値(15回、8回、または4回という最大繰返し回数)となっているか否かが判断される。具体的に、SX05では、セットされている大当りフラグに基づいて、大入賞口開放回数値の最大値が定められ(15大当りフラグがセットされているときは15回、8R大当りフラグがセットされているときは8回、4R大当りフラグがセットされているときは4回)、その大入賞口開放回数値の最大値と、大入賞口開放回数値とが比較される。SX05により最大値となっていないと判断されたときは、SX06により、前述の特定領域通過フラグがオン状態にセットされているか否かが判断される。つまり、SX06では、大入賞口が選択されている可変入賞球装置において、遊技球が特定進入口を通過したか否かが判断される。
SX06により特定領域通過フラグがオン状態にセットされていると判断された場合は、SX07により、第1特別図柄プロセスフラグの値を第1大当り開放前処理に対応する値に更新する処理が行なわれ、後述するSX10に進む。これにより、大入賞口開放回数値が最大値となっておらず、特定領域通過フラグがオン状態にセットされているときには、第1大当り開放後処理の終了後、第1大当り開放前処理に戻って次のラウンドでの大入賞口の開放が行なわれる。このように、大当り遊技状態の最終ラウンドよりも前のラウンドにおいては、そのラウンドで選択されている可変入賞球装置における特定進入口を遊技球が通過したことが大当り遊技状態の継続条件となる。ここでは、図示を省略したが、SX07により第1特別図柄プロセスフラグの値を第1大当り開放前処理に対応する値に更新する処理が行なわれる前には、大当り遊技状態中のラウンドが継続することを示す表示であるラウンド継続表示を指定する演出制御コマンドであるラウンド継続表示コマンドを送信するための処理(コマンドをセットする処理)が行なわれる。これにより、このような演出制御コマンドがSB10により出力される。
一方、SX05により最大値となっていると判断されたときと、SX06により特定領域通過フラグがオン状態にセットされていないと判断されたときとにおいては、SX08により、第1特別図柄プロセスフラグの値を第1特別図柄通常処理に対応する値に更新する処理が行なわれる。これにより、大入賞口開放回数値が最大値となっているときと、特定領域通過フラグがオン状態にセットされていないときとにおいては、第1大当り開放後処理の終了後、第1特別図柄通常処理に進むので、大当り遊技状態が終了する。SX08の後、SX09により、大入賞口開放回数値が0にリセットされ、SX10に進む。なお、図示を省略するが、SX9においては、大当りフラグもリセットされる。
SX10では、有効時間が経過したので、次回の有効時間の計測に備えるために、有効時間タイマのタイマ値が、前述した初期値に初期化される。そして、SX11により、前述の大入賞口入賞個数値が0にリセットされる。次に、SX12により、前述の特定領域通過フラグがオフ状態にリセットされる。そして、SX13により、開放口選択フラグがオフ状態にリセットされ、リターンする。
なお、ここでは、大当り遊技状態の継続条件が、選択されている可変入賞球装置における特定進入口を遊技球が通過したことが検出されたことにより成立する例を説明した。しかし、これに限らず、たとえば、大当り遊技状態の継続条件は、選択されている大入賞口へ所定数の遊技球が入賞したことが検出されたときに成立するようにしてもよく、また、各ラウンドが開始してから所定時間が経過したことが検出されたときに自動的に成立するようにしてもよい。また、大当り遊技状態の継続条件は、選択された可変入賞球装置により異なるように設定してもよい。たとえば、一方の可変入賞球装置が選択されたときは、その可変入賞球装置における特定進入口を遊技球が通過したことが検出されたことにより成立し、他方の可変入賞球装置が選択されたときは、その可変入賞球装置における大入賞口へ所定数の遊技球が入賞したことが検出されたときに成立する(または各ラウンドが開始してから所定時間が経過したときに自動的に成立する)ようにしてもよい。また、たとえば、一方の可変入賞球装置が選択されたときは、その可変入賞球装置における大入賞口へ所定数の遊技球が入賞したことが検出されたときに成立し、他方の可変入賞球装置が選択されたときは、各ラウンドが開始してから所定時間が経過したことが検出されたときに自動的に成立するようにしてもよい。
図35は、SB02におけるスイッチ処理のサブルーチンプログラムを説明するためのフローチャートである。スイッチ処理では、まず、SB21において、第2用カウントスイッチ52からの検出信号がオン状態であるか否かを判断する。SB21において、第2用カウントスイッチ52からの検出信号がオン状態でないと判断されたときには、SB25に移行する。
一方、SB21において、第2用カウントスイッチ52からの検出信号がオン状態であると判断されたときには、SB22において、第1特別図柄プロセスフラグがSD07〜SD10のいずれかの処理を示すか否か、または第2特別図柄プロセスフラグがSD07〜SD10に対応する処理のいずれかを示すか否かを判断する。SB22において、第1特別図柄プロセスフラグがSD07〜SD10のいずれかの処理を示すと判断したとき、または第2特別図柄プロセスフラグがSD07〜SD10に対応する処理のいずれかを示すと判断したときには、正常であるため、SB23において賞球個数を記憶する処理を行なう。なお、主基板120は、記憶された賞球個数を特定するための賞球個数信号を払出制御基板98に出力し、所定個数の賞球を払出す。
一方、SB22において、第1特別図柄プロセスフラグが示す処理がSD07〜SD10のいずれでもなく、かつ第2特別図柄プロセスフラグが示す処理がSD07〜SD10に対応する処理のいずれでもないと判断したときには、異常入賞であるため、SB24において異常入賞フラグをセットする処理を行なう。なお、前述したように、主基板120は、異常入賞フラグがセットされているときに、異常入賞していることを報知するための処理を行なう。この場合、賞球個数が記憶されないため、主基板120は、賞球個数信号を払出制御基板98に出力せず、賞球が払出されることがない。これにより、異常入賞させるような不正行為が行なわれたときにまで賞球を払出して利益を与えてしまうような不都合の発生を未然に防止することができる。
なお、SB22においては、第1特別図柄プロセスフラグがSD07〜SD10のいずれかの処理を示すと判断したとき、または第2特別図柄プロセスフラグがSD07〜SD10に対応する処理のいずれかを示すと判断したときに、さらに、選択されている大入賞口が第2特別可変入賞球装置48であるか否かを判断し、第2特別可変入賞球装置48であるときにSB23に移行し、第2特別可変入賞球装置48でないときにSB24に移行するように構成してもよい。これにより、より厳密に異常入賞させるような不正行為を特定することができる。
また、SB22で一度でもNOと判断されたときにSB24において異常入賞フラグをセットする例について説明したが、これに限らず、SB22において所定回数(たとえば5回)NOと判断されたとき、すなわち所定回数異常入賞が確認されたときに、SB24に移行するように構成してもよい。
SB25においては、排出球検出器122からの検出信号がオン状態であるか否かを判断する。なお、前述したように排出球検出器122により検出された遊技球は、第1カウントスイッチ106a,106bおよび第2カウントスイッチ106cのうちいずれかにより検出されているはずであるため、SB25においては第1カウントスイッチ106a,106bおよび第2カウントスイッチ106cのうちいずれかからの検出信号がオン状態であるか否かを判断するように構成してもよい。SB25において、排出球検出器122からの検出信号がオン状態でないと判断されたときには、SB29に移行する。
一方、SB25において、排出球検出器122からの検出信号がオン状態であると判断されたときには、SB26において、第1特別図柄プロセスフラグがSD06a〜SD10のいずれかの処理を示すか否か、または第2特別図柄プロセスフラグがSD06a〜SD10に対応する処理のいずれかを示すか否かを判断する。SB26において、第1特別図柄プロセスフラグがSD06a〜SD10のいずれかの処理を示すと判断したとき、または第2特別図柄プロセスフラグがSD06a〜SD10に対応する処理のいずれかを示すと判断したときには、正常であるため、SB27において賞球個数を記憶する処理を行なう。
一方、SB26において、第1特別図柄プロセスフラグが示す処理がSD06a〜SD10のいずれでもなく、かつ第2特別図柄プロセスフラグが示す処理がSD06a〜SD10に対応する処理のいずれでもないと判断したときには、異常入賞であるため、SB28において異常入賞フラグをセットする処理を行なう。
なお、SB26においては、第1特別図柄プロセスフラグがSD06a〜SD10のいずれかの処理を示すと判断したとき、または第2特別図柄プロセスフラグがSD06a〜SD10に対応する処理のいずれかを示すと判断したときに、さらに、選択されている大入賞口が第1特別可変入賞球装置66であるか否かを判断し、第1特別可変入賞球装置66であるときにSB27に移行し、第1特別可変入賞球装置66でないときにSB28に移行するように構成してもよい。これにより、より厳密に異常入賞させるような不正行為を特定することができる。
また、SB26で一度でもNOと判断されたときにSB28において異常入賞フラグをセットする例について説明したが、これに限らず、SB26において所定回数(たとえば5回)NOと判断されたとき、すなわち所定回数異常入賞が確認されたときに、SB28に移行するように構成してもよい。
SB29においては、その他の検出手段(たとえば、ゲートスイッチ62、第1始動口スイッチ56、第2始動口スイッチ60、第1カウントスイッチ106a,106b、第2カウントスイッチ106c、入賞球検出器55a,55b、および第1用特定球検出器121a等)の状態を入力し、それぞれの検出状態を判定する処理を行ない、スイッチ処理を終了する。
図36は、(a)が演出制御メイン処理のプログラムを説明するためのフローチャートであり、(b)がタイマ割込処理のプログラムを説明するためのフローチャートである。まず、ステップSN(以下、単にSNと記す)01においては、初期化処理が行なわれる。この初期化処理では、SA11における初期化処理が実行されたときに、演出制御基板90に搭載されているRAMに記憶されている記憶内容すべてが消去され、新たに各パラメータの初期値(たとえば、「0」)が設定される。次に、SN02においては、演出制御に用いる各種ランダムカウンタのカウント値を更新する乱数更新処理が行なわれる。
次に、SN03においては、タイマ割込フラグがオン状態にセットされているか否かが判別される。タイマ割込フラグがセットされていないと判断されたときにはSN02に戻り、タイマ割込フラグがセットされていると判断されたときにはSN04においてタイマ割込フラグをオフ状態にリセットしてから、SN05においてコマンド解析処理が行なわれる。
SN05のコマンド解析処理においては、遊技制御用マイクロコンピュータから送信されてきた各種コマンドを受信して、受信したコマンドがどのようなコマンドであるかを解析する処理が行なわれる。
具体的には、SL04においてセットされSB10において送信される15R大当り時コマンドを受信したときには、15R大当りフラグをオン状態にセットする処理が行なわれる。SL08においてセットされSB10において送信される小当りA時コマンドを受信したときには、小当りAフラグをオン状態にセットする処理が行なわれる。SL12においてセットされSB10において送信される小当りB時コマンドを受信したときには、小当りBフラグをオン状態にセットする処理が行なわれる。SL14においてセットされSB10において送信されるはずれ時コマンドを受信したときには、はずれフラグをオン状態にセットする処理が行なわれる。また、第1特別図柄変動処理または第2特別図柄変動処理において送信される変動表示演出開始コマンドを受信したときには、変動表示演出開始フラグをオン状態にセットする処理が行なわれる。
また、SP29においてセットされSB10において送信される大当り開始コマンドを受信したときには、大当り開始コマンドにより特定されたラウンド数(大当り遊技状態での最大繰返し回数)に対応する大当りフラグをオン状態にセットする処理が行なわれる。SP31においてセットされSB10において送信される演出終了コマンドを受信したときには、演出終了フラグをオン状態にセットする処理が行なわれる。SD07においてセットされSB10において送信される大当り演出コマンドを受信したときには、大当り演出フラグをオン状態にセットする処理が行なわれる。SD08においてセットされSB10において送信されるラウンド表示コマンドを受信したときには、ラウンド数に対応するラウンド表示フラグをオン状態にセットする処理が行なわれる。SD08においてセットされSB10において送信される大当り中演出コマンドを受信したときには、大当り中演出フラグをオン状態にセットする処理が行なわれる。SD09においてセットされSB10において送信されるラウンド継続表示コマンドを受信したときには、ラウンド継続表示フラグをオン状態にセットする処理が行なわれる。SD08においてセットされSB10において送信される大当り終了時演出コマンドラウンドを受信したときには、大当り終了時演出フラグをオン状態にセットする処理が行なわれる。SP08においてセットされSB10において送信される小当り第1演出開始コマンドを受信したときには、小当り第1演出開始フラグをオン状態にセットする処理が行なわれる。SR02bにおいてセットされSB10において送信される有利進入コマンドを受信したときには、有利進入フラグをオン状態にセットする処理が行なわれる。また、進入数カウンタの値を1加算する処理が行なわれる。
SR02cにおいてセットされSB10において送信される進入コマンドを受信したときには、進入コマンドを受信したことを示す進入フラグをオン状態にセットする。また、進入数カウンタの値を1加算する処理が行なわれる。そして、SR14aにおいてセットされSB10において送信される排出コマンドを受信したときには、進入数カウンタの値を1減算する処理が行なわれる。
なお、SN03においてYESと判定されて実行されるSN05のコマンド解析処理において、遊技制御用マイクロコンピュータから送信されてきた各種コマンドを受信する例について説明した。しかし、これに限らず、SN03においてNOと判定された場合であっても、遊技制御用マイクロコンピュータからのコマンドを受信した場合に、割込処理で当該コマンドを受信して所定のコマンド受信バッファに格納するように構成してもよい。また、このようなに構成する場合、SN05では割込処理で受信したコマンドがどのようなコマンドであるかを解析する処理を行なうように構成すればよい。
次に、SN05aの報知処理においては、振動センサ119の検出信号に基づいてパチンコ遊技機1の振動を検出したことを報知する処理が行なわれる。SN05aの報知処理の内容については、図37を用いて後述する。次に、SN06においては、演出制御コマンドに応じてセットされる前述の各種フラグを含む内部フラグに基づいて、以下に示すように演出内容を決定し、決定した演出内容を演出表示装置80aに表示するための表示制御プロセス処理が行なわれる。以下に示す各種演出を選択決定するためのデータ、および、これら各種演出を実行するためのデータは、演出制御基板90に搭載されているROM等に記憶されている。
SN05において変動表示演出開始フラグがセットされたときには、変動表示用の演出画像を表示することが決定され、その変動表示用の演出画像を演出表示装置80aに表示するための処理が行なわれる。変動表示用の演出画像には、予告演出画像と、予告演出画像以外の予め定められた演出画像である通常演出画像とが含まれる。予告演出画像としては、15R大当りとなることを予告するための15R予告演出画像、および、小当りAとなることを予告するための小当りA予告演出画像が含まれる。変動表示演出開始フラグがセットされたときには、所定のランダムカウンタを用いて、15R予告演出画像および小当りA予告演出画像のそれぞれについて表示するか否かをランダムに決定する。たとえば、SN05において15R大当りフラグがセットされていれば、15R大当りフラグがセットされていないときよりも高い割合で15R予告演出画像を表示することが決定される。また、SN05において小当りAフラグがセットされていれば、小当りAフラグがセットされていないときよりも高い割合で小当りA予告演出画像を表示することが決定される。ただし、15R予告演出画像と小当りA予告演出画像とについては、いずれか一方を表示することが決定されたときに、他方を表示する決定がされない。
どちらの予告演出画像をも表示しないことが決定されたときには、通常演出画像を表示することが決定される。なお、小当り予告演出としては、小当りA予告演出に限らず、小当りBとなることを予告するための小当りB予告演出を行なうようにしてもよい。
また、SN05において大当り演出フラグがセットされたときには、前述したような大当り開始時の大当り演出画像を表示することが決定され、その大当り演出の画像を演出表示装置80aに表示するための処理が行なわれる。このように大当り演出フラグがセットされたときにおいては、大当り開始コマンドに基づいてラウンド数に対応してセットされた大当りフラグにより特定される大当りのラウンド数(15R、8R、または4Rという最大繰返し回数)を大当り遊技状態の開始時に表示するための処理が行なわれる。また、SN05においてラウンド継続表示フラグがセットされたときにおいては、ラウンド間において、ラウンド継続表示の画像を表示することが決定され、その画像を演出表示装置80aに表示するための処理が行なわれる。また、SN05においてラウンド表示フラグがセットされたときには、ラウンド表示フラグにより特定されるラウンド数を示すラウンド表示の画像を表示することが決定され、その画像を演出表示装置80aに表示するための処理が行なわれる。また、SN05において大当り中演出フラグがセットされたときにおいては、ラウンド中において大当り中演出画像を表示することが決定され、その画像を演出表示装置80aに表示するための処理が行なわれる。また、SN05において大当り終了時演出フラグがセットされたときにおいては、大当り終了時において大当り終了時用の演出画像を表示することが決定され、その画像を演出表示装置80aに表示するための処理が行なわれる。SN05において小当り第1演出開始フラグがセットされ、かつ、小当りAフラグがセットされたときには、小当りAに対応した小当り第1演出画像を表示することが決定され、その小当り第1演出画像を演出表示装置80aに表示するための処理が行なわれる。小当りAに対応した小当り第1演出画像が表示されると、たとえば、キャラクタA(図示省略)が出現し、「小当りA発生!」といったメッセージが表示される。SN05において小当り第1演出開始フラグがセットされ、かつ、小当りBフラグがセットされたときには、小当りBに対応した小当り第1演出画像を表示することが決定され、その小当り第1演出画像を演出表示装置80aに表示するための処理が行なわれる。小当りBに対応した小当り第1演出画像が表示されると、たとえば、キャラクタB(図示省略)が出現し、「小当りB発生!」といったメッセージが表示される。SN05において有利進入フラグがセットされたときには、小当り第2演出画像を表示することが決定され、その小当り第2演出画像(第2進入球誘導通路110bに進入した旨の画像)を演出表示装置80aに表示するための処理が行なわれる。小当り第2演出画像が表示されると、たとえば、キャラクタC(図示省略)が出現し、「激アツだ!!」といったメッセージが表示される。SN05において進入フラグがセットされたときには、小当り第3演出画像(第1進入球誘導通路110aに進入した旨の画像)を表示することが決定され、その小当り第3演出画像を演出表示装置80aに表示するための処理が行なわれる。小当り第3演出画像が表示されると、たとえば、キャラクタD(図示省略)が出現し、「祈れ!!」といったメッセージが表示される。SN05において演出終了フラグがセットされたときには、演出表示装置80aにおいて表示されている小当り第1〜3演出画像を終了する処理が行なわれる。
SN07においては、音、ランプ制御コマンド処理が行なわれる。この音、ランプ制御コマンド処理は、遊技制御用マイクロコンピュータ99から演出制御用マイクロコンピュータ900に入力される各種コマンドに基づき、スピーカ12a,12bから発生させる遊技音や、各種装飾LED・ランプ32、各種遊技効果LED・ランプ等の点灯パターンなどについてのコマンドの設定がなされ、それぞれ対応した音、ランプ駆動信号が制御対象機器に出力される。これにより演出表示装置80aにおける表示状態と同期のとれた音およびランプによる演出を行なうことができる。
また、図36(b)においては、タイマ割込処理が行なわれ、SN08においては、タイマ割込フラグがセットされる。このタイマ割込フラグは、本実施形態においては2msec毎に行なわれる。そして、SN09においては、割込許可がなされてタイマ割込処理を終了する。
図37は、SN05aの報知処理のサブルーチンプログラムを説明するためのフローチャートである。また、図39は、パチンコ遊技機1の異常状態および情報報知の態様の一例を示す説明図である。
まず、ST01においては、報知フラグがセットされているか否かを判別する処理が行なわれる。報知フラグは、後述するST08、ST10、ST12およびST14でセットされ、異常状態を報知する演出が実行中であることを示すフラグである。ST01において報知フラグがセットされていないと判断されたときには、すなわち、異常状態を報知する演出が実行中でないと判断されたときには、ST07において電源断が発生したか否か、換言すると、パチンコ遊技機1に供給される電圧が所定値未満になったことにより異常状態(具体的には、12V短絡エラー)となったか否かを判定する。前述したように、パチンコ遊技機1に供給される電圧が所定の電圧未満となると主基板120から電源断信号が入力された旨を示す制御コマンドが送信される。ST07では、主基板120から電源断信号が入力されたことを示す制御コマンドを受信したか否か判定する。
ST07において、電源断が発生していると判定されたとき、すなわち、主基板120から電源断信号が入力されたことを示す制御コマンドを受信していれば、ST08において、電源断が発生したことにより異常状態になったことを報知する電源断発生時処理を実行する。この例では、図39に示すように、電源断発生時処理を実行する場合、すなわち、12V短絡エラーが発生した場合には、スピーカ12a,12bにより30秒間に亘って所定のエラー警告音(たとえば、「ピーピー」)を出力するとともに、各種遊技効果LED・ランプ13,14a〜14d,16a,16b,17a,17b、および各種装飾LED・ランプ32を30秒間に亘って点滅表示する。
ST07において電源断が発生していないと判断されたときには、ST09において不正入賞が発生したか否か、換言すると、第1特別可変入賞球装置66および第2特別可変入賞球装置48の一方に不正に遊技球を進入させた(具体的には、第1特別可変入賞球装置66が開放するタイミングでないにもかかわらず、第1特別可変入賞球装置66内に設けられている第1カウントスイッチ106a,106b、第2カウントスイッチ106cのいずれかがオン状態にセットされた、および第2特別可変入賞球装置48が開放するタイミングでないにもかかわらず、第2特別可変入賞球装置48内に設けられている第2用カウントスイッチ52または第2用特定球検出器51がオン状態にセットされた)ことにより異常状態(具体的には、不正入賞エラー)となったか否かを判定する。前述したように、第1特別可変入賞球装置66および第2特別可変入賞球装置48に不正に遊技球を進入させた場合には、主基板120から当該異常状態の報知を指示する異常入賞報知コマンドが送信される。ST09では、主基板120から異常入賞報知コマンドを受信したか否か判定する。
ST09において、第1特別可変入賞球装置66および第2特別可変入賞球装置48の一方に不正に遊技球を進入させたと判定されたとき、すなわち、主基板120から異常入賞報知コマンドを受信していれば、ST10において、第1特別可変入賞球装置66および第2特別可変入賞球装置48の一方に不正に遊技球を進入させたことにより異常状態になったことを報知する不正入賞時処理を実行する。この例では、図39に示すように、不正入賞時処理を実行する場合、すなわち、不正入賞エラーが発生した場合には、スピーカ12a,12bにより30秒間に亘って所定のエラー警告音(たとえば、「ピーピー」)を出力するとともに、各種遊技効果LED・ランプ13,14a〜14d,16a,16b,17a,17b、および各種装飾LED・ランプ32を30秒間に亘って点灯表示する。
ST09において不正入賞が発生していないと判断されたときには、ST11において振動センサ119からの検出信号に基づいてパチンコ遊技機1の振動が検出されたか否かを判別する処理が行なわれる。この実施の形態では、振動センサ119は、パチンコ遊技機1の振動を検出したときに検出信号を出力する。そして、演出制御基板90において、タイマ割込が発生する毎、すなわち、2msec毎に振動センサ119の検出信号がオンであるか否か判別し、振動センサ119の検出信号がオンであるか否かを100回判別する200msec間に30回以上振動センサ119の検出信号がオンであれば、振動が発生したと判定する。このように、この実施の形態では、振動センサ119からの検出信号の単位時間あたりにおける検出回数が所定回数以上であるときに振動が発生したと判定する。
なお、振動センサ119の検出信号がオンであると判別したときに振動センサ119の検出信号がオンであるか否かを判別する単位時間(この例では、200msec)の計測を開始するようにしてもよいし、パチンコ遊技機1の電源を投入したとき(具体的には、演出制御基板90が起動してタイマ割込が発生したとき)に振動センサ119の検出信号がオンであるか否かを判別する単位時間の計測を開始するようにしてもよい。具体的には、ST11において、振動センサ119の検出信号がオンであると判別したときに単位時間の計測を開始して振動センサ119からの検出信号の検出回数を計数するようにしてもよいし、パチンコ遊技機1の電源を投入した後、ST11を実行するときに単位時間の計測を開始して振動センサ119からの検出信号の検出回数を計数するようにしてもよく、単位時間あたりにおける振動センサ119からの検出信号の検出回数が所定回数以上であればパチンコ遊技機1の振動が発生したと判定するようにしてもよい。なお、振動センサ119からの検出信号の検出回数は、単位時間が経過したときにリセットされ、単位時間あたりの検出回数に応じて振動が発生したか否かの判定が行なわれる。
ST11において、振動が発生していると判定されたとき、すなわち、単位時間あたりの検出回数が所定回数以上であったときには、ST12において、パチンコ遊技機1の振動が発生したことにより異常状態になったことを報知する振動発生時処理を実行する。この例では、図39に示すように、振動発生時処理を実行する場合、すなわち、振動エラーが発生した場合に、遊技球が第1特別可変入賞球装置66内に遊技球が残存していなければ(振動エラー(通常時))、各種遊技効果LED・ランプ13,14a〜14d,16a,16b,17a,17b、および各種装飾LED・ランプ32を10秒間に亘って点灯表示し、遊技球が第1特別可変入賞球装置66内に遊技球が残存していれば(振動エラー(入賞時))、スピーカ12a,12bにより15秒間に亘って所定のエラー警告音(たとえば、「ピーピー」)を出力し、各種遊技効果LED・ランプ13,14a〜14d,16a,16b,17a,17b、および各種装飾LED・ランプ32を5分間に亘って点灯表示し、さらに、演出表示装置80aにおいて15秒間に亘って所定の報知表示(たとえば、「台を叩かないで下さい」)を行なう。
ST11において、振動が発生していないと判定されたとき、すなわち、単位時間あたりの検出回数が所定回数未満であったときには、ST13において第1特別可変入賞球装置66に進入した遊技球が所定期間経過しても排出されなかったことにより異常状態(具体的には、残留球エラー)となったか否かを判定する。第1特別可変入賞球装置66に進入した遊技球が所定期間経過しても排出されなかったとき、具体的には、前述したSP34において異常報知処理が実行されたときには、主基板120から当該異常報知を指示する演出制御コマンドが送信される。ST13では、主基板120から当該異常報知を指示する演出制御コマンドを受信したか否か判定する。
ST13において、第1特別可変入賞球装置66に進入した遊技球が所定期間経過しても排出されなかったとき、すなわち、主基板120から当該異常報知を指示する演出制御コマンドを受信していれば、ST14において、第1特別可変入賞球装置66に進入した遊技球が所定期間経過しても排出されなかったことにより異常状態になったことを報知する球残留時処理を実行する。この例では、図39に示すように、球残留時処理を実行する場合、すなわち、球残留エラーが発生した場合には、スピーカ12a,12bにより所定のエラー警告音(たとえば、「ピーピー」)を出力し、各種遊技効果LED・ランプ13,14a〜14d,16a,16b,17a,17b、および各種装飾LED・ランプ32を点灯表示し、さらに、演出表示装置80aにおいて所定の報知表示(たとえば、「役物内を点検して下さい」)を行なう。また、前述したように、初期化されたときに主基板120から初期化コマンドが送信され、演出制御基板90において初期化コマンドを受信したときに当該報知を終了する。
一方、ST01において報知フラグがセットされているとき、すなわち、異常状態が発生したことを報知する演出が行なわれているときには、ST02において報知タイマを1減算し、ST03において、報知タイマがタイムアウトしていなければ報知を継続して行ない、処理を終了する。一方、ST03において、報知タイマがタイムアウトしていればST04に移行して報知を終了するための処理を行なう。ST04においては、報知フラグをオフ状態にリセットし、ST05において、ランプ、LED、スピーカ12a,12b等によって実行される異常報知の終了を指示する報知終了コマンドをセットする。報知終了コマンドは、SN07において音声枠ランプ基板92に送信される。次いで、ST06において、演出表示装置80aにおいて実行している報知を終了し、処理を終了する。
この例では、ST07〜ST14において、先のステップにおいて異常状態が発生していると判定した場合には、他の異常状態が発生しているか否かを判定することなく、当該異常状態を報知する処理を実行した後、報知処理を終了する。換言すると、異常状態が発生しているか否かを判定する順序によって異常状態を報知する優先順位が設定されている。これにより、複数の異常状態が同時に発生した場合であっても、優先順位の高い異常状態が報知されることとなる。この例では、まず12V短絡エラーが発生しているか否か、次いで不正入賞エラーが発生しているか否か、その後に振動エラー(通常時)および振動エラー(入賞時)が発生しているか否か、最後に残留球エラーが発生しているか否か、の順序で判定する。つまり、12V短絡エラーの優先順位を最も高く設定し、次いで、不正入賞エラー、その後に振動エラー(通常時)および振動エラー(入賞時)、最後に残留球エラーの順序で優先順位を設定している。このように、異常状態の度合い(たとえば、遊技店の被害額の大小)に応じて実行する異常報知の優先順位を設定したため、重大な被害の発生を防止できる。
なお、図39に示す異常報知の態様は一例であり、これに限られるものではない。また、図37に示す報知処理により異常報知を優先させる順序は、一例でありこれに限られるものではない。たとえば、異常報知を優先させる順序は、遊技者若しくは遊技店に与える被害が大きい異常状態を優先して報知するようにしてもよい。
図38は、ST12の振動発生時処理のサブルーチンプログラムを説明するためのフローチャートである。
まず、SU01においては、報知フラグをセットする処理が行なわれる。次いで、SU02において、進入数カウンタの値が1以上であるか否か、すなわち、第1特別可変入賞球装置66内に遊技球が残存しているか否かを判別する。なお、進入数カウンタは、前述したように進入コマンドまたは有利進入コマンドを受信したとき、すなわち、第1特別可変入賞球装置66内に遊技球が進入したときに1加算され、排出コマンドを受信したとき、すなわち、第1特別可変入賞球装置66内に進入した遊技球が第1特別可変入賞球装置66外に排出されたときに1減算される。これにより、進入数カウンタの値が1以上である状態とは、第1特別可変入賞球装置66内に進入した遊技球が未だ第1特別可変入賞球装置66外に排出されず、第1特別可変入賞球装置66内に留まっている状態である。
第1特別可変入賞球装置66内部に遊技球が留まっている状態でパチンコ遊技機1を叩いて振動を発生させることにより、遊技球の挙動を変化させて不正行為がなされる虞がある。たとえば、特定進入口89に遊技球が進入することにより大当りが発生するため、このような不正行為が行なわれることにより遊技店に被害が生じる。そのため、従来よりパチンコ遊技機1を叩いて振動を発生させた場合に報知して遊技店員が当該不正行為をやめさせることにより、不正行為による重大な被害の発生を防止していた。
ところが、特定進入口89に進入させるつもりのない遊技者が興奮などからパチンコ遊技機1を叩いた場合にも前述した不正行為が行なわれたとして報知してしまうと、本来防止すべき不正行為への対応が遅れ、重大な被害が生じる虞がある。そのため、この例では、振動が発生したときに、第1特別可変入賞球装置66内部に遊技球が留まっている場合と第1特別可変入賞球装置66内部に遊技球が残存しない場合とで異常状態が発生したことを報知する態様を異ならせることにより、異常状態において対処するパチンコ遊技機1の優先順位を明確にし、重大な被害の発生を防止している。
具体的には、SU02において進入数カウンタの値が1以上でないと判断された場合(第1特別可変入賞球装置66内に遊技球が残存しない場合)には、SU03において、異常状態が発生したことを報知する期間を示す報知タイマに期間後報知時間(この例では、10秒)を設定し、SU04において、スピーカ12a,12b、各種遊技効果LED・ランプ13,14a〜14d,16a,16b,17a,17b、および各種装飾LED・ランプ32のうち1つまたは任意の複数の組み合わせによって所定の態様で実行される異常報知の開始を指示する期間後報知コマンドをセットする。期間後報知コマンドは、SN07において音声枠ランプ基板92に送信される。次いで、SU06において、ホール用管理コンピュータに第1特別可変入賞球装置66内に遊技球が留まっていない状態で振動が発生したことにより異常状態となったことを示す期間後振動検出信号を出力する。
一方、SU02において、進入数カウンタの値が1以上であると判断された場合(第1特別可変入賞球装置66内に遊技球が残存する場合)には、SU07において、報知タイマに期間内報知時間(この例では、音および表示:15秒、ランプ・LED:5分)を設定し、SU08において、スピーカ12a,12b、各種遊技効果LED・ランプ13,14a〜14d,16a,16b,17a,17b、および各種装飾LED・ランプ32のうち1つまたは任意の複数の組み合わせによって所定の態様で実行される異常報知の開始を指示する期間内報知コマンドをセットする。期間内報知コマンドは、SN07において音声枠ランプ基板92に送信される。次いで、SU09において、演出表示装置80aにおいて期間内報知態様で異常状態の報知表示を行ない、SU10において、ホール用管理コンピュータに第1特別可変入賞球装置66内に遊技球が留まっている状態で振動が発生したことにより異常状態となったことを示す期間内振動検出信号を出力する。
なお、期間内報知時間は、期間後報知時間よりも長く設定され、期間内報知コマンドによって実行される異常報知の態様は、期間後報知コマンドによって実行される異常報知の態様とは異なる。このように、異常報知の態様は、第1特別可変入賞球装置66内に遊技球が留まっている期間か否かに応じて異なる。また、ホール用管理コンピュータでは、期間後振動検出信号および期間内振動検出信号に基づいて異常状態の発生を監視するとともに、異常状態の発生履歴を作成する。これにより、異常状態の発生を直ぐに把握でき、迅速な対応が可能になるとともに、異常状態の発生履歴に基づいて不正行為を行なう可能性がある遊技者や、不正行為がなされる頻度が高いパチンコ遊技機を特定することが可能になる。
このように、異常状態の種類に応じて異常報知の態様が異なる。そのため、異常報知の態様によって対処するパチンコ遊技機1の優先順位が明確に把握でき、重大な被害の発生を防止できる。なお、異常報知の態様は、前述した例に限らず、音出力期間の長短および音出力の強弱、ランプおよびLEDの点灯期間の長短および点灯の強弱、表示装置(演出表示装置80a)の表示期間の長短および表示の強弱、等の任意の組み合わせ(1つでもよい)とすればよい。また、前述した異常報知をパチンコ遊技機1において行なわず、パチンコ遊技機1が設置される遊技島に設けられているランプおよびスピーカ等に駆動信号を出力することにより異常報知を行なうようにしてもよい。この場合には、遊技島に設置されているランプおよびスピーカ等に出力する駆動信号を異ならせることにより異常報知の態様を異ならせるようにすればよい。
また、振動エラー(入賞時)においては、振動エラー(通常時)に比べて強い報知がなされる。すなわち、振動エラー(通常時)が発生したときには、ランプおよびLEDを点灯させることにより異常状態が発生したことを報知するのに対し、振動エラー(入賞時)が発生したときには、ランプおよびLEDによる報知に加えてスピーカ12a,12bによるエラー警告音および演出表示装置80aによる報知表示を行なうことにより強い報知、換言すると、警告を行なう。さらに、振動エラー(入賞時)においては、振動エラー(通常時)よりも長い期間に亘って異常報知を実行するため、より強い報知を行なうことができる。このように、異常状態の度合い(たとえば、遊技店の被害額の大小)に応じた異常報知を行なうため、異常状態の度合いに応じて対処するパチンコ遊技機の優先順位を把握でき、重大な被害の発生を防止できる。
なお、前述した例では、図37に示す報知処理のST11で振動が発生したと判別したときに、ST12において振動発生時処理を実行し、図38に示す振動発生時処理のSU02において、進入数カウンタの値が1以上であるか否かを判別する構成としているが、進入数カウンタの値が1以上であるか否かを判別した後に、振動が発生したか否かを判別するようにしてもよい。すなわち、第1特別可変入賞球装置66内に遊技球が残存している状態で振動が発生したか、第1特別可変入賞球装置66内に遊技球が残存していない状態で振動が発生したかを判別可能であれば、判別の順序は問わない。
次に、前述した実施の形態により得られる主な効果を説明する。
(1) 第1始動口スイッチ56または第2始動口スイッチ60により遊技球が検出されることを条件として、第1特別図柄表示装置44aまたは第2特別図柄表示装置44bにおいて変動表示が行なわれ、その結果小当りが発生したときに、第1特別可変入賞球装置66の状態を開放状態に変化させる制御が行なわれるため、始動入賞球装置58bまたは普通可変入賞球装置58に入賞するか否かに遊技者を注目させることができる。
また、図13(c)で示すように、始動入賞球装置58bに遊技球が入賞して第1特別図柄表示装置44aにおいて小当りが発生したときよりも、普通可変入賞球装置58に遊技球が入賞して第2特別図柄表示装置44bにおいて小当りが発生したときの方が、第1特別可変入賞球装置66を開放状態に変化させる回数が多く、その結果開放状態に変化させる期間が長い。このため、第1特別図柄表示装置44aまたは第2特別図柄表示装置44bに小当り図柄が停止表示されるか否かの他に、特に、普通可変入賞球装置58に遊技球が入賞するか否かに遊技者を注目させることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
(2) 普通可変入賞球装置58は、普通電動役物用ソレノイド59によって開閉駆動される電動チューリップタイプの可動片を備えた可変入賞球装置であり、開放状態に変化したときに普通可変入賞球装置58に遊技球が入賞しやすくなる。また、時短状態に制御されているときには、開放状態に変化する時間が長く、かつ開放状態になりやすい。このため、第2保留記憶数が上限の4以上になり、普通可変入賞球装置58への入賞が無駄になる割合が高くなる虞がある。
しかし、図26を用いて第1特別図柄通常処理および第2特別図柄通常処理について説明したように、第1特別図柄表示装置44aおよび第2特別図柄表示装置44bにおいて変動表示が行なわれておらずかつ大当りまたは小当り遊技状態でもないときであって、第2保留記憶数が1以上であるときには、第1保留記憶数が1以上であるか否かに関わらず、第2特別図柄表示装置44bにおいて変動表示が行なわれる。すなわち、第2保留記憶数が優先的に消化され、第2特別図柄表示装置44bにおける特別図柄の変動表示が優先して開始される。このため、普通可変入賞球装置58への入賞が無駄になる割合を極力低減させることができる。
(3) 図13(c)等で説明したように、小当りAになるか小当りBになるかによって、振分部材83a,83bが駆動されて上方向に移動した第2の振分状態に制御されるタイミングを異ならせることができる。前述した実施の形態においては、振分部材83a,83bが駆動される所定時間のうち駆動開始からの0.2秒が無駄になるということがない点において、小当りAが発生したときよりも小当りBが発生したときの方が、遊技者にとって有利な態様で振分部材83a,83bが駆動される例について説明した。これにより、小当りAになるよりも小当りBになる方が、第1特別可変入賞球装置66内に進入した遊技球が特定進入口89まで誘導される割合を高めることができる。このため、普通可変入賞球装置58に遊技球が入賞するか否かに遊技者を注目させるだけでなく、小当りAになるか小当りBになるかに遊技者を注目させることができるため、遊技の興趣を向上させることができる。
(4) 図13(c)等で説明したように、小当りが第1特別図柄表示装置44aで発生するか第2特別図柄表示装置44bで発生するかによって、振分部材83a,83bが駆動されて上方向に移動した第2の振分状態に制御されるタイミングを異ならせることができる。これにより、遊技球が普通可変入賞球装置58に入賞するか始動入賞球装置58bに入賞するかによって第1特別可変入賞球装置66内に進入した遊技球が特定進入口89まで誘導される割合を異ならせることができる。
(5) 図35のSB24またはSB28等により異常入賞フラグがセットされたときには、図18のSB04の異常入賞報知処理において異常入賞報知コマンドが演出制御基板90に送信され、図37のST10において不正に遊技球を進入させたことにより異常状態になったことが報知される。このため、不正行為が行なわれたことにより異常が発生したことを遊技場係員等に認識させることができ、このような不正行為を抑止することができる。
(6) 図27のSL02,SL03に示すように、第1特別図柄表示装置44aまたは第2特別図柄表示装置44bにおける変動表示の表示結果が複数種類の大当り表示結果のうちいずれかの大当り表示結果となったときに特定進入領域(特定進入口89)への遊技球の進入に関わりなく15R大当りの大当り遊技状態に制御される。その大当り遊技状態においては、図15に示すように、第1特別可変入賞球装置66を開閉する制御が少なくとも1回行なわれ、その制御中のラウンドにおいて遊技球が特定進入口89または第2用特定進入口に進入したことを条件として、ラウンドが繰返して継続させられる。そして、図15に示すように、このような制御が行なわれるラウンドのうち少なくとも1回のラウンドについて、大当り表示結果の種類に応じて、第1特別可変入賞球装置66の開放時間の長さを異ならせる制御が行なわれる。このように、遊技者が自力でラウンドを繰返し継続させられること、および、少なくとも1回のラウンドについて第1特別可変入賞球装置66の開放時間の長さが大当り表示結果の種類に応じて異ならされることに基づいて、遊技状態が変化に富むようになり、大当り遊技状態における遊技者の興趣を向上させることができる。
(7) 図27のSL06,SL07,SL10,SL11に示すように、第1特別図柄表示装置44aまたは第2特別図柄表示装置44bにおける変動表示の表示結果が複数種類の小当り表示結果のうちいずれかの小当り表示結果となったときに、小当り遊技状態となって第1特別可変入賞球装置66が開閉され、第1特別可変入賞球装置66に進入した遊技球が特定進入口89に進入したことに基づいて、4R,8Rまたは15Rの大当り遊技状態に制御される。その大当り遊技状態においては、図16に示すように、第1特別可変入賞球装置66を開閉する制御が少なくとも1回行なわれ、その制御中のラウンドにおいて遊技球が特定進入口89に進入したことを条件として、ラウンドが繰返して継続させられる。そして、図16に示すように、このような制御が行なわれるラウンドのうち少なくとも1回のラウンドについて、小当り表示結果の種類に応じて、第1特別可変入賞球装置66の開放時間の長さを異ならせる制御が行なわれる。このように、遊技者が自力でラウンドを繰返し継続させられること、および、少なくとも1回のラウンドについて第1特別可変入賞球装置66の開放時間の長さが小当り表示結果の種類に応じて異ならされることに基づいて、遊技状態が変化に富むようになり、大当り遊技状態における遊技者の興趣を向上させることができる。
(8) 図1等に示すように、大当り遊技状態中に制御される特別可変入賞球装置として、第1特別可変入賞球装置66と第2特別可変入賞球装置48とが設けられ、図15の(a),(b)、および、図16の(a),(b)に示すように、大当り遊技状態において繰返し継続されるラウンドのそれぞれの回について、開放時間の長さに応じて、第1特別可変入賞球装置66と第2特別可変入賞球装置48とのいずれかが選択され、選択された装置を用いて大入賞口を開放する制御が行なわれる。これにより、大当り遊技状態における大入賞口の開放制御をより一層変化に富んだものにすることができる。
(9) 図2〜図10等に示すように、第1特別可変入賞球装置66には、遊技球が進入すると大当りが発生する特定進入領域としての特定進入口89が設けられている。第1特別可変入賞球装置66内に進入した遊技球を特定進入口89に誘導する経路としては、第1進入球誘導通路110aと、該第1進入球誘導通路110aよりも特定進入口89に誘導しやすく遊技者にとって有利な第2進入球誘導通路110bとが設けられている。第1特別可変入賞球装置66は、変動表示装置としての第1特別図柄表示装置44aでの変動表示結果として小当りA図柄または小当りB図柄が導出表示されると開放状態に制御されることにより、第1特別図柄表示装置44aの表示結果に基づいて遊技球の受入れやすさが変化する。また、第1特別可変入賞球装置66においては、第1誘導通路124または第3誘導通路124aに振り分ける第1の振分状態と、第1の振分状態よりも遊技球が特定進入口89に誘導される可能性がある第2誘導通路117または第4誘導通路117aに振り分ける第2の振分状態とに変化する振分部材83a,83bが設けられている。このような構成において、第1特別可変入賞球装置66内に受入れられた遊技球が、振分部材83a,83bにより振分けられた後、特定進入口89に進入したことに基づいて、大当りが発生し、大当り遊技状態に制御される。これにより、変動表示装置を用いた遊技を行ないながらも、可変入賞球装置内での遊技球の挙動に基づいた遊技の面白みを実現させることができる。さらに、図13(c)等に示すように、第1特別図柄表示装置44aまたは第2特別図柄表示装置44bでの変動表示結果が小当りA図柄の表示結果となったときと、小当りB図柄の表示結果となったときとで、第1特別可変入賞球装置66を開放状態にしてから振分部材83a,83bを第1の振分状態から第2の振分状態に制御するタイミングを同じとし、第1特別可変入賞球装置66を開放状態に制御するタイミングが異なるように制御することにより、変動表示の表示結果が小当りA図柄の表示結果となったときと、小当りB図柄の表示結果となったときとで、第1特別可変入賞球装置66が第1の状態に制御されているタイミングが変化させられることにより、第1特別可変入賞球装置66の開放制御タイミングと振分部材83a,83bの第2の振分状態への制御タイミングとの相関関係が異なる。これにより、変動表示の表示結果が小当りA図柄の表示結果となったときと、小当りB図柄の表示結果となったときとで、表示結果が表示された後に遊技者が第1特別可変入賞球装置66の動作態様に対して同様のタイミングで遊技球を打込んでも、第1特別可変入賞球装置66内への遊技球の進入割合と、特定進入口89への遊技球の進入割合とがそれぞれ異なるようになるので、遊技が単調とならないようにすることができる。
(10) 図36のSN06について説明したように、小当りAとなるときに、変動表示の表示結果が小当りAの表示結果となることを予告する報知が行なわれるので、第1特別可変入賞球装置66が開放される前の段階から遊技者の興趣を向上させることができる。
(11) 第1特別可変入賞球装置66へ遊技球が進入したが、図31のSR03でセットされ、図29のSP01により更新される遊技停止タイマが経過しても未だ残存玉数カウンタの値が「0」にならない場合、図30のSP34の異常報知処理が繰返し行なわれることにより、第1特別可変入賞球装置66へ進入したが予め定められた時間が経過しても未だ排出されていない遊技球が存在する異常な状態を発生させて行なわれる不正行為を防止することができる。
(12) 第1特別可変入賞球装置66へ遊技球が進入したが、図31のSR03でセットされ、図29のSP01により更新される遊技停止タイマが経過しても未だ残存玉数カウンタの値が「0」にならない場合、図30のSP27により残存玉数が0であると判断されるまでSP33へ進むことにより、図30のSP30,SP32による第1特別図柄プロセスフラグの更新をしないことで遊技を停止させる処理が行なわれる。これにより、異常な状態を発生させて行なわれる不正行為を防止することができる。
(13) 図38のSU02〜SU10に示すように、第1特別可変入賞球装置66に遊技球が残存する期間内に振動が検出された場合と、第1特別可変入賞球装置66に遊技球が残存する期間内でないときに振動が検出された場合とで報知する態様を異ならせたため、不正行為の度合いに応じた警告を行なうことができる。
(14) 前述のように小当りAまたは小当りBとなったときに、遊技球の挙動に応じて大当りとなる制御が行なわれることに加えて、図20のSD03、SD06〜SD09、SL01〜SL04に示すように、第1特別図柄表示装置44aまたは第2特別図柄表示装置44bでの変動表示の表示結果が大当り図柄の表示結果となったときに、大当りとなる制御が行なわれるので、可変入賞球装置としての第1特別可変入賞球装置66内での遊技球の動作に基づいて成立する大当りと、第1特別図柄表示装置44aでの変動表示の表示結果に基づいて成立する大当りとを1台のパチンコ遊技機において実現させることができる。
(15) 図13に示したように、小当り(小当りAおよび小当りB)を発生させる割合よりも低い割合で15R大当りを発生させることができるため、遊技者に意外性を与えることができ遊技の興趣を向上させることができる。
(16) 図29のSP08において小当り第1演出開始コマンドがセットされ、演出表示装置80aにおいて小当り第1演出表示を開始する。そして、遊技球が第1特別可変入賞球装置66から全て排出され残存玉数カウンタの値が「0」であると図30のSP27で判断されたときに、SP31において演出終了コマンドがセットされ、演出表示装置80aにおいて行なわれている演出を終了する。これにより、第1特別可変入賞球装置66に遊技球が存在することに対し遊技者の抱く期待感をより一層向上させることができる。
次に、以上に説明した実施の形態の変形例や特徴点を以下に列挙する。
(1) 前述した実施の形態においては、図13(c)で説明したように、第1特別図柄表示装置44aにおいて小当りが発生した場合には第1特別可変入賞球装置66を制御して2回開き動作させる第1始動時動作が行なわれ、第2特別図柄表示装置44bにおいて小当りが発生した場合には第1特別可変入賞球装置66を制御して第1始動時動作よりも開放状態に変化する時間が長く遊技者にとって有利な3回開き動作させる第2始動時動作が行なわれる例について説明した。すなわち、小当りが発生した特別図柄表示装置の種類に応じて始動時動作が固定のものを例にして説明した。しかし、これに限らず、小当りが発生した場合に、発生した特別図柄表示装置の種類に応じた割合に基づき、開放状態に変化する時間が異なる(開放回数が異なるもの、1回の開放時間が異なるもの、またはこれらの組合せを含む)ことにより遊技者にとって有利度合いが異なる複数の始動時動作から一の始動時動作を決定し、該決定した始動時動作を設定して第1特別可変入賞球装置66を制御するように構成してもよい。この場合、小当りが第1特別図柄表示装置44aで発生するか第2特別図柄表示装置44bで発生するかに応じて、遊技者にとって有利な始動時動作が決定される割合が異なるように構成してもよい。たとえば、第1特別図柄表示装置44aにおいて小当りが発生した場合には第2始動時動作よりも第1始動時動作を高い割合で決定し(一例として、第1始動時動作に決定する割合:80パーセント、第2始動時動作に決定する割合:20パーセント)、第2特別図柄表示装置44bにおいて小当りが発生した場合には第1始動時動作よりも第2始動時動作を高い割合で決定する(一例として、第1始動時動作に決定する割合:20パーセント、第2始動時動作に決定する割合:80パーセント)ように構成してもよい。このように構成した場合であっても、第1特別図柄表示装置44aまたは第2特別図柄表示装置44bに小当り図柄が停止表示されるか否かの他に、特に、普通可変入賞球装置58に遊技球が入賞するか否かに遊技者を注目させることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
(2) 前述した実施の形態においては、第2保留記憶数を第1保留記憶数よりも優先して消化させるために、図20で説明したように、第1特別図柄プロセス処理においてSD02aおよびSD02bの処理を行なって第2保留記憶数を更新した上で、図26で説明した第1特別図柄通常処理を行なうように構成したため、仮に第1保留記憶数が1以上であるときであって第1特別図柄通常処理を行なうときに第2保留記憶数が1以上になっていれば第1特別図柄表示装置44aよりも第2特別図柄表示装置44bにおいて変動表示を開始する処理を行なうように構成した。しかし、第2保留記憶数を第1保留記憶数よりも優先して消化させるための処理としては、このようなものに限らず、どのように構成してもよい。たとえば、図18のタイマ割込処理において、第2特別図柄プロセス処理を第1特別図柄プロセス処理よりも先に行なうように構成してもよい。この場合、第1特別図柄プロセス処理では、SD01aおよびSD01bを行なった後に、第1特別図柄プロセスフラグの値に基づきSD03〜SD10の処理を行なうように構成し、第2特別図柄プロセス処理では、第1特別図柄プロセス処理と同様に、SD02aおよびSD02bを行なった後に、第2特別図柄プロセスフラグの値に基づきSD03〜SD10に対応する処理を行なうように構成してもよい。
(3) 前述した実施の形態においては、第2保留記憶数を第1保留記憶数よりも優先して消化させ、第1特別図柄表示装置44aにおける変動表示よりも第2特別図柄表示装置44bにおける変動表示を優先的に行なう例について説明した。しかし、第2保留記憶数を第1保留記憶数よりも優先して消化させるものに限らず、保留記憶された順番で消化させるものであってもよい。すなわち、始動入賞が発生した順番で、該始動入賞に対応する特別図柄表示装置において変動表示を行なうように構成してもよい。具体的には、始動入賞が発生するごとに、始動入賞記憶カウンタに第1始動入賞か第2始動入賞かを特定できる情報とSK02等で読み出した乱数値とを順番に記憶する。そして、第1特別図柄表示装置44aまたは第2特別図柄表示装置44bにおいて新たな変動表示を開始可能なタイミングで、始動入賞記憶カウンタに最先に記憶されている情報を読み出して対応する特別図柄表示装置において変動表示を開始する処理を行なうように構成してもよい。
また、第1保留記憶数と、第2保留記憶数とを比較して、記憶数が多い方を優先して消化させるものであってもよい。すなわち、保留記憶数が多い方の特別図柄表示装置において変動表示を行なうように構成してもよい。具体的には、第1特別図柄表示装置44aまたは第2特別図柄表示装置44bにおいて新たな変動表示を開始可能なタイミングで、第1保留記憶数と第2保留記憶数とを比較して、多い方の特別図柄表示装置において変動表示を開始する処理を行なうように構成してもよい。
なお、前述した実施の形態においては、第1特別図柄表示装置44aまたは第2特別図柄表示装置44bのいずれか一方において変動表示を行なう例について説明したが、これに限らず、第1保留記憶数および第2保留記憶数に応じて、第1特別図柄表示装置44aおよび第2特別図柄表示装置44bにおいて並行して変動表示を行なうように構成してもよい。この場合、いずれか一方の特別図柄表示装置において大当り図柄や小当り図柄が表示されたとき、またはこれらの図柄が表示されることにより大当りが発生したとき等には、他方の特別図柄表示装置における変動表示を中断させるように構成してもよい。変動表示を中断させるとは、たとえば、変動時間タイマの更新を一時的に中断することにより行なうように構成してもよい。これにより、同時に大当り遊技状態に制御されることを防止することができる。
(4) 前述した実施の形態においては、図13(c)等で説明したように、小当りが発生してから、小当りが発生した特別図柄表示装置の種類および小当りの種類に応じた時間が経過したときに、振分部材83a,83bおよび回転体88の駆動を開始して予め定められた時間が経過したときに駆動を停止する例について説明した。これにより、常に駆動させている場合と比較して、駆動時間が短くなるため、消費電力を低減させることができる。しかし、振分部材83a,83bおよび回転体88の駆動を開始するタイミングについては、小当りが発生した特別図柄表示装置の種類および小当りの種類に応じて異なるタイミングであればよく、振分部材83a、振分部材83bおよび回転体88各々が異なるタイミングで駆動を開始するものであってもよい。
また、小当りが発生した特別図柄表示装置の種類および小当りの種類に応じて、振分装置としての振分部材83a,83bおよび回転体88の駆動を開始するタイミングを異ならせるものに限らず、これに変えてまたはこれに加えて、駆動態様(たとえば、ソレノイドを実際に励磁する間隔、ソレノイドを実際に励磁する回数等、モータの回転速度、モータの回転方向等)を異ならせるものであってもよい。なお、モータの回転方向について、小当りが発生した特別図柄表示装置の種類および小当りの種類に応じて、遊技者にとって有利な有利状態として時計回りに駆動させ、遊技者にとって不利な不利状態として反時計回りに駆動させてもよい。時計回りに駆動させた場合には、図9に示すように、当り穴88bの左の傾斜部88c上を転動する遊技球が当り穴88bに誘導されて特定進入口89に誘導される可能性がある点において、反時計回りに駆動された場合より遊技者にとって有利な有利状態であるといえる。
なお、回転体88は、パチンコ遊技機1の電源が投入されている間、常時回転するように構成したものであってもよい。すなわち、モータ127を常時駆動させるものであってもよい。この場合、小当りが発生した特別図柄表示装置の種類および小当りの種類に応じて、モータの回転速度を変化させるように構成してもよい。
また、前述した実施の形態のように、小当り発生により回転体88の回転を開始させ、所定時間経過したときに回転を停止させるものについて、回転体88を初期位置(たとえば、当り穴88cが手前にある状態等)に戻して回転を停止させるように構成してもよい。これにより、小当りが発生したときに、回転体88を常に一定の状態から回転開始させることができるので、開発段階での設計値(たとえば、第1進入球誘導通路110aに遊技球が進入したときに特定進入口89へ誘導される設計確率、第2進入球誘導通路110bに遊技球が進入したときに特定進入口89へ誘導される設計確率等)に近い値で、大当りを発生させることができる。
(5) 前述した実施の形態においては、図13(c)で説明したように、小当りの種類に関らず、小当りが第1特別図柄表示装置44aにおいて発生したか第2特別図柄表示装置44bにおいて発生したかに応じて、第1特別可変入賞球装置66の始動時動作を異ならせる例について説明した。しかし、第1特別可変入賞球装置66は、小当りが第1特別図柄表示装置44aにおいて発生したか第2特別図柄表示装置44bにおいて発生したかだけでなく、小当りの種類に応じて、異なる始動時動作で制御するように構成してもよい。
(6) 前述した実施の形態においては、小当りの種類として、小当りAと小当りBとが設けられている例について説明した。しかし、小当りの種類としては、これに限らず、2種類以上(小当りA、小当りB、小当りC…)であってもよく、1種類(小当りAのみ、小当りBのみ)であってもよい。
(7) 前述した実施の形態においては、図15および図16で説明したように、大当り遊技状態において、ラウンド数に応じて第1特別可変入賞球装置66および第2特別可変入賞球装置48のうちから選択した特別可変入賞球装置を開放状態に制御する例について説明した。しかし、これに限らず、大当り遊技状態においては、ラウンド数に関らず、第1特別可変入賞球装置66または第2特別可変入賞球装置48のうち予め定めた一方の特別可変入賞球装置(たとえば、第2特別可変入賞球装置48)を開放状態に制御するように構成してもよい。
また、図15および図16で説明したように、大当り遊技状態において、ラウンド数に応じて開放時間を異ならせる例について説明した。しかし、これに限らず、大当り遊技状態においては、ラウンド数に関らず、開放時間を一定にしてもよい。
(8) 前述した実施の形態における普通可変入賞球装置58は、閉鎖状態であっても上部から遊技球を受入れる構造になっているものを例に説明するとともに、閉鎖状態において遊技球を受入れない構造であってもよい旨を説明した。普通可変入賞球装置58を閉鎖状態において遊技球を受入れない構造に構成した場合には、第2始動口スイッチ60により遊技球が検出されたときであって、開放状態であるときに保留記憶するとともに賞球個数を記憶し賞球を払い出し、閉鎖状態であるときに図35のSB24およびSB28と同様に異常入賞フラグをセットするとともに保留記憶せずかつ賞球を払い出さないように構成してもよい。開放状態であるか否かについては、図21で説明した普通図柄プロセスフラグがSE06の処理を示す値であるか否かに基づき判断するように構成すればよい。
(9) 前述した実施の形態においては、第1特別図柄表示装置44aおよび第2特別図柄表示装置44bにおいて変動表示が開始してから、予め定められた変動時間(たとえば、5秒)が経過すると、表示結果を導出表示するように制御する例について説明した。しかし、これに限らず、第1特別図柄表示装置44aおよび第2特別図柄表示装置44bにおいて変動表示が開始されるときに、変動時間を決定するものであってもよい。
(10) 前述した実施の形態においては、第1特別図柄表示装置44aおよび第2特別図柄表示装置44bを7セグメントLED表示器で構成しているが、特にこれに限定するものではなく、LCD(Liquid Crystal Display)、CRT(Cathode Ray Tube)、VFD(Vacuum Fluorescent Display)、EL(Electro Luminescence)、あるいはPDP(Plasma Display Panel)による表示器や、ドラム式またはリール式で構成することも可能である。
(11) 前述した実施の形態においては、図柄を表示する表示装置として第1特別図柄表示装置44aおよび第2特別図柄表示装置44bのみを備えたパチンコ遊技機1について説明したが、これに限らず、演出表示装置80aにおいて、特別図柄と所定の関係(たとえば、大当りフラグがセットされているときには大当り飾り図柄(たとえば、奇数図柄の3つ揃い)を導出し、小当りフラグがセットされているときには小当り飾り図柄(たとえば、偶数図柄の3つ揃い)を導出し、はずれフラグがセットされているときにははずれ飾り図柄(ばらけ目)を導出する関係)を有する飾り図柄を変動表示するものであってもよい。
(12) 図30のSP34による異常報知状態を解除するときには、次のような解除方法を用いてもよい。遊技場の店員が鍵を開けないと操作できない位置にボタン等の操作部を設け、その操作部を店員が操作することにより異常報知状態を解除する処理を行なうようにしてもよい。また、第1特別可変入賞球装置66内のどこかに遊技球が引っ掛って残存玉数が「0」にならない場合もあると考えられるので、異常報知状態となっているときに、SP27のような残存玉数カウンタの値が「0」であるか否かを判別することを繰返し、たとえば、引っ掛っていた遊技球が自然に動いて残存玉数カウンタの値が「0」となったときに、異常報知状態を解除する処理を行なうようにしてもよい。その場合には、遊技場の店員が遊技球を、特定進入口89、第1〜第3通常入賞口94a〜94cのいずれかに入れることにより人為的に異常報知状態を解除することもできるようになる。
(13) 前述の実施の形態では、複数種類の大当り遊技状態のうち、遊技者にとって有利度合いの高い特定遊技状態として、特別可変入賞球装置が開放状態に制御されるラウンド数が多い程、有利度合いの高い特定遊技状態とした例を示した。しかし、これに限らず、複数種類の大当り遊技状態のうち、遊技者にとって有利度合いの高い特定遊技状態として、特別可変入賞球装置が所定ラウンドに亘り開放状態に制御される第1の大当り遊技状態を選択し、遊技者にとって有利度合いの低い特定遊技状態として、特別可変入賞球装置が所定期間に亘り開放状態に制御される第2大当り遊技状態を選択するようにしてもよい。その場合には、第1の大当り遊技状態の方が第2大当り遊技状態よりも合計の開放期間が長くなるように制御する。
(14) 前述した実施の形態に示すパチンコ遊技機1は、次のような技術思想により特定されてもよい。前記特定遊技状態において、特定の態様(図16の(c),(d)の開放パターンに示す開閉の態様)で前記可変入賞球装置を前記第2の状態から所定の期間前記第1の状態とした後前記第2の状態とする特定制御を少なくとも1回行ない、該特定制御中において遊技球が前記特定進入領域に進入したことを条件として、当該特定制御を所定の最大繰返し回数(たとえば15回)に達するまで繰返し継続させる第1繰返し継続制御手段(遊技制御用マイクロコンピュータ99、図32の第1大当り開放前処理、図33の第1大当り開放中処理、図34の第1大当り開放後処理、第2大当り開放前処理、第2大当り開放中処理、第2大当り開放後処理)と、前記特定遊技状態において、特定の態様(図15の(c),(d)の開放パターンに示す開閉の態様)で前記可変入賞球装置を前記第2の状態から所定の期間前記第1の状態とした後前記第2の状態とする特定制御を少なくとも1回行ない、該特定制御中において遊技球が前記特定進入領域に進入したことを条件として、当該特定制御を所定の最大繰返し回数(たとえば15回)に達するまで繰返して継続させる第2繰返し継続制御手段(遊技制御用マイクロコンピュータ99、図32の第1大当り開放前処理、図33の第1大当り開放中処理、図34の第1大当り開放後処理、第2大当り開放前処理、第2大当り開放中処理、第2大当り開放後処理)と、を含み、前記第1繰返し継続制御手段は、前記所定の表示結果の種類に応じて、前記最大繰返し回数に達するまでの少なくとも1回の前記特定制御について、前記可変入賞球装置を前記第1の状態とする第1状態期間の長さを異ならせる制御を行ない(図16の(c),(d))、前記第2繰返し継続制御手段は、前記特定表示結果の種類に応じて、前記最大繰返し回数に達するまでの少なくとも1回の前記特定制御について、前記可変入賞球装置を前記第1の状態とする第1状態期間の長さを異ならせる制御(図15の(c),(d))を行なうことを特徴とする。このような構成によれば、特定遊技状態に制御されるときには、最大繰返し回数に達するまでの少なくとも1回の特定制御について、所定の表示結果の種類に応じて、可変入賞球装置を第1の状態とする第1状態期間の長さが異ならされるか、または、最大繰返し回数に達するまでの少なくとも1回の特定制御について、特定表示結果の種類に応じて、可変入賞球装置を第1の状態とする第1状態期間の長さが異ならされるので、遊技状態がより一層変化に富むようになり、特定遊技状態における遊技者の興趣を向上させることができる。
(15) 前述した実施の形態に示すパチンコ遊技機1における技術思想としては、次のようなものもある。前記可変入賞球装置内に進入した遊技球を検出する進入検出手段(図31のSR01)と、前記可変入賞球装置外へ排出される遊技球を検出する排出検出手段(図31のSR13)と、前記進入検出手段による検出と前記排出検出手段による検出とに基づき、前記可変入賞球装置内に進入した遊技球が前記可変入賞球装置内に存在するか否かを判定する判定手段(遊技制御用マイクロコンピュータ99、図30のSP27)と、前記進入検出手段により遊技球が検出されると計時を開始する進入計時手段(遊技制御用マイクロコンピュータ99、図31のSR03、図29のSP01)と、該進入計時手段により予め定められた時間が計時されたとき(図30のSP33においてYES)に、前記判定手段により前記可変入賞球装置内に遊技球が存在すると判定されたこと(図30のSP27においてNO)を条件として、異常を報知する存在異常報知手段(遊技制御用マイクロコンピュータ99、演出制御用マイクロコンピュータ900、図30のSP34、図37のST13、ST14)と、前記遊技機の振動を検出する振動検出手段(振動センサ119、演出制御用マイクロコンピュータ900、図37のST11)と、前記振動検出手段により振動が検出されたときに、異常を報知する振動異常報知手段(演出制御用マイクロコンピュータ900、図38のSU02〜SU10)とを含み、振動異常報知手段は、存在異常報知手段よりも優先的に異常を報知する。このような構成によれば、不正行為対策に関して重要な異常を優先的に報知することができる。
(16) 前述した実施の形態では、大当り遊技状態として、小当り表示結果となったことにより小当り遊技状態を経て大当り遊技状態に制御される第1の場合と、大当り表示結果となったことにより小当り遊技状態を経ずに大当り遊技状態に制御される第2の場合とを示した。このような大当り遊技状態としては、第1の場合と第2の場合とでラウンド数およびラウンドの開放時間等の制御内容が同一の大当り遊技状態を用いてもよい。また、このような大当り遊技状態としては、第1の場合と第2の場合とでラウンド数およびラウンドの開放時間等の制御内容が異なる大当り遊技状態を用いてもよい。
(17) 前述した実施の形態では、図15および図16に示すように、大当り図柄の種類または小当り図柄の種類に応じて、予め定められた少なくとも1回の開放回について、特別可変入賞球装置を開放状態とする時間が異なる例を示した。しかし、これに限らず、大当り遊技状態となるときに、特別可変入賞球装置を開放状態とする時間を異ならせる開放回をどの開放回にするかについて、ランダムカウンタ等を用いた抽選によりランダムに選択決定するようにしてもよい。
(18) 前述したように、大当り遊技状態の各ラウンドにおいて、第1特別可変入賞球装置66および第2特別可変入賞球装置48のうちから選択した特別可変入賞球装置を開放する制御を行なうときには、各ラウンドにおいて、選択される特別可変入賞球装置(または、選択された特別可変入賞球装置)を特定する報知を行なう選択報知手段を設けてもよい。このような選択報知手段としては、たとえば、表示領域80において選択される特別可変入賞球装置(または、選択された特別可変入賞球装置)を特定する報知(特定する画像を表示領域80に表示することによる報知)を行なう処理を演出制御用マイクロコンピュータ900により実行することにより、当該処理と表示領域80とで実現するようにしてもよい。
(19) 前述した実施の形態においては、第2特別可変入賞球装置48にVシャッターを設けた例を示した。しかし、これに限らず、第2特別可変入賞球装置48については、Vシャッターを設けなくてもよい。
(20) 前述した実施の形態においては、図35のSB22またはSB26においてNOと判断されると、賞球個数を記憶することなく、異常入賞フラグをセットする例について説明した。しかし、これに限らず、SB22またはSB26においてNOと判断された場合においても、賞球個数を記憶するとともに、異常入賞フラグをセットするように構成してもよい。すなわち、異常入賞が発生した場合に、報知のみを実行するように構成してもよい。
(21) 前述した実施の形態における大当り遊技状態では、選択された大入賞口への入賞個数が所定値に達することにより(SW07でYES)または所定時間が経過することにより(SW10でYES)大入賞口開放時間タイマ値が0になると、開放を終了して、特定進入口89または第2用特定進入口に遊技球が進入することによりオン状態にセットされる特定領域通過フラグの状態に応じて大当り遊技状態を終了するか(SX08)または継続する(SX07)例について説明した。
しかし、大当り遊技状態において大入賞口の開放を終了するタイミングは、これに限らず、選択された大入賞口への入賞個数が所定値に達することなく、かつ所定時間が経過していなくても、特定進入口89または第2用特定進入口に遊技球が進入することによりオン状態にセットされたタイミングであってもよい。この場合、特定進入口89および第2用特定進入口各々の上流側において、遊技球を貯留するシャッター部材(貯留手段)を設けてもよい。そして、シャッター部材による貯留が解除された遊技球が、対応する特定進入口89または第2用特定進入口に高確率(たとえば100パーセントの確率)で進入させるように構成してもよい。この場合、選択された大入賞口の開放を終了するまで、すなわち選択された大入賞口への入賞個数が所定値に達するか、または所定時間が経過するまで、シャッター部材により遊技球を貯留するように構成してもよい。そして、選択された大入賞口の開放が終了したときに、シャッター部材による貯留を解除して、貯留されている遊技球を開放するように構成してもよい。
(22) 前述した実施の形態においては、図37のST07〜ST14において説明したように、異常状態が発生しているか否かを判定する順序によって異常状態を報知する優先順位を設定することにより、複数の異常状態が同時に発生した場合であっても、優先順位の高い異常状態が報知される例について説明した。しかし、優先順位を設定せずに、複数の異常状態が同時に発生した場合には、複数の異常状態を同時に報知するように構成してもよい。
(23) 前述した実施の形態における第1特別図柄表示装置44aおよび第2特別図柄表示装置44bは、7セグメントLEDを備えた表示器に限らず、2つのランプを備えた表示装置であってもよく、複数色で点灯可能なランプを備えた表示装置であってもよい例について説明した。第1特別図柄表示装置44aおよび第2特別図柄表示装置44bは、各々、異なる表示装置であってもよい。また、第1特別図柄表示装置44aおよび第2特別図柄表示装置44bで変動表示する識別情報は、「0」〜「9」の数字図柄等に限らず、複数種類のアラビア数字や、複数種類のキャラクタ等であってもよい。
(24) 小当りが発生した特別図柄表示装置の種類および発生した小当りの種類に応じて、異なる駆動パターンで振分用ソレノイド108a,108bを動作させるように構成してもよい。駆動パターンとしては、同じ種類の小当りが第1特別図柄表示装置44aで発生したときに第2の振分状態に制御する時間(たとえば、振分用ソレノイド108a,108bを駆動する総時間:1秒、駆動する総時間は任意)よりも、第2特別図柄表示装置44bで発生したときに第2の振分状態に制御する時間(たとえば、振分用ソレノイド108a,108bを駆動する総時間:2秒、駆動する総時間は任意)の方が長くなるように制御するパターンであってもよい。また、駆動パターンとしては、小当りAが発生したときに第2の振分状態に制御する時間(たとえば、振分用ソレノイド108a,108bを駆動する総時間:1秒、駆動する総時間は任意)よりも、小当りBが発生したときに第2の振分状態に制御する時間(たとえば、振分用ソレノイド108a,108bを駆動する総時間:2秒、駆動する総時間は任意)の方が長くなるように制御するパターンであってもよい。
(25) なお、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 パチンコ遊技機、41 遊技領域、44a 第1特別図柄表示装置、44b 第2特別図柄表示装置、48 第2特別可変入賞球装置、66 第1特別可変入賞球装置、99 遊技制御用マイクロコンピュータ、900 演出制御用マイクロコンピュータ。