以下、本発明の実施形態の例を、図面を参照して具体的に説明する。参照される各図において、同一の部分には同一の符号を付し、同一の部分に関する重複する説明を原則として省略する。尚、本明細書では、記述の簡略化上、情報、信号、物理量又は部材等を参照する記号又は符号を記すことによって、該記号又は符号に対する情報、信号、物理量又は部材等の名称を省略又は略記することがある。また、後述に任意のフローチャートがある場合、そのフローチャートにおいて、任意の複数のステップにおける複数の処理は、処理内容に矛盾が生じない範囲で、任意に実行順序を変更できる又は並列に実行できる。
後に、本発明の遊技機の第1実施形態を説明するが、まず、その第1実施形態の基礎となる基本実施形態を説明する。基本実施形態では、本発明の遊技機を、パチンコ遊技機PY1に適用している。なお、以下の説明において、パチンコ遊技機PY1の各部の左右上下方向は、そのパチンコ遊技機PY1に対面する遊技者にとっての(正面視の)左右上下方向のことである。また、「前方」は、パチンコ遊技機PY1から当該パチンコ遊技機PY1に対面する遊技者に近づく方向とし、「後方」は、パチンコ遊技機PY1に対面する遊技者から当該パチンコ遊技機PY1に近づく方向とする。
<<基本実施形態>>
1.遊技機の構造
最初に、パチンコ遊技機PY1の構造について図1を用いて説明する。図1は、パチンコ遊技機PY1の正面図である。
パチンコ遊技機PY1は、パチンコホールの島構造体に取り付けられる外枠22と、外枠22に対して開閉自在に取り付けられる前扉23と、を具備する。前扉23は、遊技盤1が取り付けられる遊技盤取付枠2Aと、遊技盤取付枠2Aに対して開閉自在に取り付けられる前枠23mと、を具備する。また、前枠23mは、透明性を有する透明板23tを具備し、透明板23tを介して、遊技盤1を前方(遊技者側)から視認することが可能である。
また、前扉23は、遊技球を貯留するための上皿34、および、遊技球を遊技盤1に発射するためのハンドル72k、を具備する。上皿34は、前扉23の下部に設置され、ハンドル72kに供給される遊技球を貯留する。ハンドル72kは、前扉23の右下部に設置され、遊技者がハンドル72kを操作することによって、上皿34に貯留された遊技球が遊技盤1に発射される。
また、前扉23は、所定の音声を出力可能なスピーカ52、所定の発光色で発光可能な枠ランプ53、および、所定の動作態様で動作可能な枠可動体58k、を具備する。スピーカ52は、前扉23の左上部および右上部に設置され、例えば、BGM(Back Ground Music)や効果音等を出力する。枠ランプ53は、前扉23の左部および右部であって透明板23tの周囲に設置され、例えば、複数のLED(Light Emitting Diode)で構成される。枠可動体58kは、前扉23の上部に設置される。また、枠可動体58kは、駆動モータ(不図示)を具備し、例えば、図1に示すように、駆動モータによって上下に移動可能に構成される。なお、枠可動体58kの動きは、上下の移動以外であっても良い。
また、前扉23は、遊技者が操作可能な通常ボタン40、および、遊技者が操作可能な特殊ボタン41、を具備する。通常ボタン40および特殊ボタン41は、例えば、押下面を有するボタン,把持部を有するレバー等で構成される。通常ボタン40は、所定の発光色で発光可能なランプ(不図示)、および、所定の振動態様で振動可能な振動モータ(不図示)、を具備し、ランプによって発光可能に構成されるとともに、振動モータによって振動可能に構成される。一方、特殊ボタン41は、所定の発光色で発光可能なランプ(不図示)、および、所定の振動態様で振動可能な振動モータ(不図示)、を具備し、ランプによって発光可能に構成されるとともに、振動モータによって振動可能に構成される。なお、通常ボタン40または特殊ボタン41は、所定の動作態様(例えば回転,突出等)で動作可能に構成されるようにしても良いし、十字キーやタッチパネル等で構成されるようにしても良い。
2.遊技盤の構造
次に、遊技盤取付枠2Aに取り付けられる遊技盤1の構造について図2を用いて説明する。図2は、遊技盤1の正面図である。
遊技盤1は、ハンドル72kの操作によって発射された遊技球が流下(落下)可能な遊技領域6を備える。遊技領域6には、遊技球の流下方向に変化を与える遊技釘(不図示)が設置されるとともに、遊技球が入賞(入球または通過)可能な入賞装置が設置される。入賞装置には、一般入賞口10、第1始動口11、第2始動口12、ゲート13、第1大入賞口14および第2大入賞口15が含まれる。各入賞装置のそれぞれは、遊技球の入球または通過を検出する検出センサを具備する。
第1始動口11は、遊技球が入球可能となるように、遊技領域6の下部に設置される。パチンコ遊技機PY1は、遊技球が第1始動口11に入球すると、上皿34に、賞球として、所定個数(例えば3個)の遊技球を払い出す。また、パチンコ遊技機PY1は、遊技球が第1始動口11に入球すると、後述する大当たり判定を受けるための権利を取得する。第1始動口11は、常に遊技球の入球のし易さが不変に構成される。
第2始動口12は、遊技球が入球可能となるように、遊技領域6の下部であって第1始動口11の下方に設置される。パチンコ遊技機PY1は、遊技球が第2始動口12に入球すると、上皿34に、賞球として、所定個数(例えば1個)の遊技球を払い出す。また、パチンコ遊技機PY1は、遊技球が第2始動口12に入球すると、遊技球が第1始動口11に入球したときと同様に、大当たり判定を受けるための権利を取得する。第2始動口12は、第1始動口11と異なり、開閉可能な開閉部材12kおよび開閉ソレノイド(不図示)を具備する。パチンコ遊技機PY1は、開閉ソレノイドを用いて開閉部材12kを開閉することによって、第2始動口12に遊技球が入球しないまたは入球し難い閉状態(閉口した状態)と、閉状態よりも第2始動口12に遊技球が入球し易い開状態(開放した状態)と、のどちらかの状態にする。
ゲート13は、遊技球が通過可能となるように、遊技領域6の右部に設置される。パチンコ遊技機PY1は、遊技球がゲート13を通過すると、後述する当たり判定を受けるための権利を取得する。なお、パチンコ遊技機PY1は、遊技球がゲート13を通過しても、上皿34に賞球を払い出さない。
第1大入賞口14は、遊技球が入球可能となるように、遊技領域6の右下部に設置される。パチンコ遊技機PY1は、遊技球が第1大入賞口14に入球すると、上皿34に、賞球として、所定個数(例えば15個)の遊技球を払い出す。第1大入賞口14は、開閉可能な第1開閉扉14kおよび開閉ソレノイド(不図示)を具備する。パチンコ遊技機PY1は、開閉ソレノイドを用いて第1開閉扉14kを開閉することによって、第1大入賞口14に遊技球が入球不可能な閉状態(閉口した状態)と、遊技球が入球可能な開状態(開放した状態)と、のどちらかの状態にする。
第2大入賞口15は、遊技球が入球可能となるように、遊技領域6の右下部であって第1大入賞口14の下方に設置される。パチンコ遊技機PY1は、遊技球が第2大入賞口15に入球すると、上皿34に、賞球として、所定個数(例えば15個)の遊技球を払い出す。第2大入賞口15は、開閉可能な第2開閉扉15kおよび開閉ソレノイド(不図示)を具備する。パチンコ遊技機PY1は、開閉ソレノイドを用いて第2開閉扉15kを開閉することによって、第2大入賞口15に遊技球が入球不可能な閉状態(閉口した状態)と、遊技球が入球可能な開状態(開放した状態)と、のどちらかの状態にする。
一般入賞口10は、遊技球が入球可能となるように、遊技領域6の左下部および右下部に設置される。パチンコ遊技機PY1は、遊技球が一般入賞口10に入球すると、上皿34に、賞球として、所定個数(例えば5個)の遊技球を払い出す。
また、遊技領域6の最下部には、アウト口19が設置され、一般入賞口10、第1始動口11、第2始動口12、第1大入賞口14および第2大入賞口15の何れにも入賞しなかった遊技球が、アウト口19を介してパチンコ遊技機PY1から排出される。
また、遊技盤1は、所定の演出表示を表示可能な画像表示装置50、所定の発光色で発光可能な盤ランプ54、および、所定の動作態様で動作可能な盤上可動体55k、を具備する。画像表示装置50は、遊技盤1の中央部に設置され、例えば、液晶ディスプレイ,ドット表示器,7セグ表示器等で構成される表示部50aを具備する。盤ランプ54は、表示部50aの上方に設置され、例えば、複数のLEDで構成される。盤上可動体55kは、表示部50aの前方且つ上方に設置される。盤上可動体55kは、駆動モータ(不図示)を具備し、例えば、図2に示すように、駆動モータによって上下に移動可能に構成される。なお、盤上可動体55kの動きは、上下の移動以外であっても良い。
また、遊技盤1は、パチンコ遊技機PY1の状態を報知するための表示器類8を具備する。表示器類8は、遊技盤1の左下部に設置され、例えば、複数のLEDで構成される。パチンコ遊技機PY1は、複数のLEDの点灯、点滅および消灯の組み合わせによって、パチンコ遊技機PY1の遊技の状態(後述する、特図の可変表示および停止表示,普図の可変表示および停止表示,特図1保留数,特図2保留数,普図保留数等)を遊技者に報知する。
3.基本遊技
次に、パチンコ遊技機PY1の基本遊技について説明する。パチンコ遊技機PY1は、ハンドル72kの操作によって発射された遊技球を用いて、特図遊技および普図遊技を実行可能である。
3-1.特図遊技
パチンコ遊技機PY1は、遊技球の第1始動口11への入賞または遊技球の第2始動口12への入賞が発生すると、大当たり判定を受けるための権利を取得し、取得した権利に基づいて大当たり判定を行う。そして、パチンコ遊技機PY1は、大当たり判定の結果に応じて特図の可変表示を行う。特図の可変表示の態様(「可変表示時間」ともいう)は、後述する変動パターンの種類によって異なる。
大当たり判定を受けるための権利は、例えば乱数値であり、パチンコ遊技機PY1は、取得した乱数値に基づいて大当たり判定を行う。大当たり判定は、大当たり遊技を行うか否かを判定するものであり、大当たり遊技を行う場合には大当たり当選とし、小当たり遊技を行う場合には小当たり当選とし、大当たり遊技および小当たり遊技の何れも行わない場合にはハズレとする。
パチンコ遊技機PY1は、遊技球の第1始動口11への入賞によって大当たり判定を行うと、第1特図の可変表示を行う。第1特図の可変表示は、例えば、表示器類8の左上部の2つのLEDが点滅する表示である。パチンコ遊技機PY1は、変動パターンの種類に応じた可変表示時間が経過すると、大当たり判定の結果を示す態様で第1特図の停止表示を行う。第1特図の停止表示の態様として、大当たり当選を示す態様(例えば、左上部の2つのLEDが点灯)と、小当たり当選を示す態様(例えば、左上部の一方のLEDだけが点灯)と、ハズレを示す態様(例えば、左上部の他方のLEDだけが点灯)と、がある。
一方、パチンコ遊技機PY1は、遊技球の第2始動口12への入賞によって大当たり判定を行うと、第2特図の可変表示を行う。第2特図の可変表示は、例えば、表示器類8の左下部の2つのLEDが点滅する表示である。パチンコ遊技機PY1は、変動パターンの種類に応じた可変表示時間が経過すると、大当たり判定の結果を示す態様で第2特図の停止表示を行う。第2特図の停止表示の態様として、大当たり当選を示す態様(例えば、左下部の2つのLEDが点灯)と、小当たり当選を示す態様(例えば、左下部の一方のLEDだけが点灯)と、ハズレを示す態様(例えば、左下部の他方のLEDだけが点灯)と、がある。
また、パチンコ遊技機PY1は、特図の可変表示中に遊技球が第1始動口11に入賞した場合、後述する先読み判定を行うとともに、取得した大当たり判定を受けるための権利を特図1保留として記憶する。一方、パチンコ遊技機PY1は、特図の可変表示中に遊技球が第2始動口12に入賞した場合、先読み判定を行うとともに、取得した大当たり判定を受けるための権利を特図2保留として記憶する。パチンコ遊技機PY1は、特図1保留および特図2保留を、所定数(例えば、特図1保留が4,特図2保留が4)まで記憶することが可能である。パチンコ遊技機PY1は、特図の停止表示後に、特図1保留および特図2保留に対する大当たり判定を行う。なお、特図1保留と特図2保留とが同時に記憶されている場合には、特図2保留に対する大当たり判定が優先的に行われるようにしても良いし、特図1保留に対する大当たり判定が優先的に行われるようにしても良いし、記憶された順に大当たり判定が行われるようにしても良い。
先読み判定は、大当たり判定が行われる前に、大当たり遊技が行われるか否か(大当たり判定にて大当たり当選となるか否か)を事前に判定するものであり、大当たり遊技が行われる場合には先読み当選とし、大当たり遊技が行われない場合には先読み非当選とする。なお、複数種類の変動パターンが決定可能になっている場合には、先読み判定において、決定される変動パターンを事前に判定する変動パターン事前判定を行うようにしても良い。
パチンコ遊技機PY1は、特図1保留または特図2保留を記憶しているときに、その数を遊技者に報知する。特図1保留数は、例えば、表示器類8の中上部の2つのLEDの点灯または点滅によって報知され、特図1保留数が「1」のときには、1つのLEDだけが点灯し、特図1保留数が「2」のときには、2つのLEDだけが点灯し、特図1保留数が「3」のときには、1つのLEDだけが点滅し、特図1保留数が「4」のときには、2つのLEDだけが点滅する。一方、特図2保留数は、例えば、表示器類8の中下部の2つのLEDの点灯または点滅によって報知され、特図2保留数が「1」のときには、1つのLEDだけが点灯し、特図2保留数が「2」のときには、2つのLEDだけが点灯し、特図2保留数が「3」のときには、1つのLEDだけが点滅し、特図2保留数が「4」のときには、2つのLEDだけが点滅する。
また、パチンコ遊技機PY1は、大当たり当選を示す態様で第1特図または第2特図を停止表示した後に、大当たり遊技を行う。大当たり遊技は、詳細については後述するが、第1大入賞口14または第2大入賞口15が開放するラウンド遊技が複数回(例えば10回)行われる遊技である。大当たり遊技は、第1大入賞口14または第2大入賞口15の開放によって、遊技球の入賞の機会(賞球の機会)が与えられるため、遊技者にとって有利な遊技である。なお、大当たり遊技は、複数回のラウンド遊技の全てが行われることによって終了する。
一方、パチンコ遊技機PY1は、小当たり当選を示す態様で第1特図または第2特図を停止表示した後に、小当たり遊技を行う。小当たり遊技は、詳細については後述するが、第1大入賞口14または第2大入賞口15が所定時間(例えば5秒)だけ開放する遊技である。小当たり遊技は、第1大入賞口14または第2大入賞口15の開放によって、遊技球の入賞の機会(賞球の機会)が与えられるため、遊技者にとって有利な遊技である。
3-2.普図遊技
パチンコ遊技機PY1は、遊技球のゲート13への通過が発生すると、当たり判定を受けるための権利を取得し、取得した権利に基づいて当たり判定を行う。そして、パチンコ遊技機PY1は、当たり判定の結果に応じて普図の可変表示を行う。
当たり判定は、補助遊技を行うか否かを判定するものであり、補助遊技を行う場合には当たり当選とし、補助遊技を行わない場合にはハズレとする。
パチンコ遊技機PY1は、遊技球のゲート13への入賞によって当たり判定を行うと、普図の可変表示を行う。普図の可変表示は、表示器類8の右上部の複数のLEDが点滅する表示である。パチンコ遊技機PY1は、普図の可変表示の開始から所定時間が経過すると、当たり判定の結果を示す態様で普図の停止表示を行う。普図の停止表示の態様として、当たり当選を示す態様(例えば、全てのLEDが点灯)と、ハズレを示す態様(例えば、一方のLEDだけが点灯)と、がある。
また、パチンコ遊技機PY1は、普図の可変表示中において遊技球がゲート13に入賞すると、取得した当たり判定の受けるための権利を普図保留として記憶する。パチンコ遊技機PY1は、普図保留を、所定数(例えば2)まで記憶可能である。パチンコ遊技機PY1は、普図の停止表示後に、普図保留に対する当たり判定を行う。
パチンコ遊技機PY1は、普図保留を記憶しているときに、その数を遊技者に報知する。普図保留数は、表示器類8の右下部の複数のLEDの点灯によって報知され、例えば、普図保留数が「1」のときには、1つのLEDだけが点灯し、普図保留数が「2」のときには、2つのLEDだけが点灯する。
パチンコ遊技機PY1は、当たり当選を示す態様で普図を停止表示した後に、補助遊技を行う。補助遊技は、詳細については後述するが、第2始動口12が所定時間(例えば3.5秒)だけ開放する遊技である。補助遊技は、第2始動口12の開放によって、第2始動口12への遊技球の入賞の機会(賞球の機会,大当たり判定を受けるための権利の取得の機会)が与えられるため、遊技者にとって有利な遊技である。
4.遊技状態
次に、パチンコ遊技機PY1の遊技状態について図3(A)を用いて説明する。図3(A)は、パチンコ遊技機PY1がとり得る遊技状態を示す図である。パチンコ遊技機PY1は、図3(A)に示すように、大当たり遊技が行われる大当たり遊技状態を除いて、「低確率低ベース遊技状態」(「通常遊技状態」ともいう)、「低確率高ベース遊技状態」(「時短遊技状態」ともいう)、「高確率低ベース遊技状態」(「潜確遊技状態」ともいう)、および、「高確率高ベース遊技状態」(「確変遊技状態」ともいう)、の4種類の遊技状態のうち、何れか1つまたは複数の遊技状態をとり得るようにすることが可能である。
「低確率低ベース遊技状態」は、パチンコ遊技機PY1の初期状態における遊技状態である。パチンコ遊技機PY1は、前扉23の背面に設けられる初期化スイッチ(「RAMクリアスイッチ」ともいう)(不図示)の操作によって、遊技状態を初期状態にすることが可能である。
「低確率高ベース遊技状態」は、大当たり遊技状態の後にとり得ることがある遊技状態であり、所定の時短終了条件が成立するまで継続する。所定の時短終了条件には、大当たり遊技が行われることと、特図の可変表示の回数が所定回数(例えば200回)に達することと、が含まれる。
また、「低確率高ベース遊技状態」は、「低確率低ベース遊技状態」における大当たり判定にて特定のハズレとなった場合にもとり得ることがある。特定のハズレには、予め定めた特定回数(例えば900回)の全ての大当たり判定でハズレとなった場合の特定回数目のハズレと、大当たり判定でのハズレのうちの特定割合(例えば1/200)のハズレと、が含まれる。パチンコ遊技機PY1は、特定のハズレとなった特図の可変表示の終了後(特図の停止表示後)に「低確率高ベース遊技状態」にする。この場合の「低確率高ベース遊技状態」も、大当たり遊技状態の後に「低確率高ベース遊技状態」になった場合と同様に、所定の時短終了条件が成立するまで継続する。
「高確率低ベース遊技状態」は、大当たり遊技状態の後にとり得ることがある遊技状態であり、所定の潜確終了条件が成立するまで継続する。所定の潜確終了条件には、大当たり遊技が行われることと、特図の可変表示の回数が所定回数(例えば200回)に達することと、が含まれる。なお、大当たり遊技中に、第1大入賞口14または第2大入賞口15の内部に設けられる特定領域を遊技球が通過することによって、「高確率低ベース遊技状態」になるようにしても良い。
「高確率高ベース遊技状態」は、大当たり遊技状態の後にとり得ることがある遊技状態であり、所定の確変終了条件が成立するまで継続する。所定の確変終了条件には、大当たり遊技が行われることと、特図の可変表示の回数が所定回数(例えば100回)に達することと、が含まれる。なお、大当たり遊技中に、第1大入賞口14または第2大入賞口15の内部に設けられる特定領域を遊技球が通過することによって、「高確率高ベース遊技状態」になるようにしても良い。
「低確率低ベース遊技状態」および「低確率高ベース遊技状態」は、大当たり判定にて大当たり当選となる確率が通常確率(例えば1/300)の通常確率状態に属し、「高確率低ベース遊技状態」および「高確率高ベース遊技状態」は、大当たり判定にて大当たり当選となる確率が通常確率よりも高い高確率(例えば1/30)の高確率状態に属する。従って、「高確率低ベース遊技状態」および「高確率高ベース遊技状態」は、大当たり当選確率に関し、「低確率低ベース遊技状態」および「低確率高ベース遊技状態」よりも遊技者に有利な遊技状態であると言える。
また、「低確率低ベース遊技状態」および「高確率低ベース遊技状態」は、第2始動口12に遊技球が入賞しない又は入賞し難い状態(例えば、当たり判定にて当たり当選とならない又はなり難い状態や、第2始動口12の開放時間が比較的短い状態)の非時短状態に属し、「低確率高ベース遊技状態」および「高確率高ベース遊技状態」は、第2始動口12に遊技球が入賞し易い状態(例えば、当たり判定にて当たり当選となり易い状態や、第2始動口12の開放時間が比較的長い状態)の時短状態に属する。従って、第2始動口12に関し(第2始動口12への遊技球の入賞し易さに関し)、「低確率高ベース遊技状態」および「高確率高ベース遊技状態」は、「低確率低ベース遊技状態」および「高確率低ベース遊技状態」よりも遊技者に有利な遊技状態であると言える。
なお、非時短状態は、第2始動口12に遊技球が入賞しない又は入賞し難い状態であるため、「低確率低ベース遊技状態」および「高確率低ベース遊技状態」は、第2始動口12よりも第1始動口11に遊技球が入賞し易い遊技状態であると言える一方、時短状態は、第2始動口12に遊技球が入賞し易い状態であるため、「低確率高ベース遊技状態」および「高確率高ベース遊技状態」は、第1始動口11よりも第2始動口12に遊技球が入賞し易い遊技状態であると言える。
また、パチンコ遊技機PY1は、前扉23の背面に設けられる設定変更スイッチ(不図示)の操作によって、通常確率状態および高確率状態における大当たり当選確率を変更することが可能である。設定変更スイッチは、例えば、上段、中段、下段の3段階に切り替え可能なディップスイッチである。設定変更スイッチが上段にあることを「設定1」といい、設定変更スイッチが中段にあることを「設定2」といい、設定変更スイッチが下段にあることを「設定3」という。「設定1」は、通常確率状態における大当たり当選確率が第1の確率(例えば1/300)であり、高確率状態における大当たり当選確率が第2の確率(例えば1/30)である。また、「設定2」は、通常確率状態における大当たり当選確率が第1の確率よりも高い第3の確率(例えば1/280)であり、高確率状態における大当たり当選確率が第2の確率よりも高い第4の確率(例えば1/28)である。また、「設定3」は、通常確率状態における大当たり当選確率が第3の確率よりも高い第5の確率(例えば1/260)であり、高確率状態における大当たり当選確率が第4の確率よりも高い第6の確率(例えば1/26)である。なお、大当たり当選確率については、「設定1」<「設定2」<「設定3」の順に高くなる範囲で、適宜に変更することが可能である。
5.大当たり遊技
次に、パチンコ遊技機PY1が行う大当たり遊技について図3(B),図4(A)を用いて説明する。パチンコ遊技機PY1は、図3(B)に示すように、「大当たり遊技Wα」、「大当たり遊技Xα」、「大当たり遊技Yα」および「大当たり遊技Zα」の4種類の大当たり遊技のうち、何れか1種類または複数種類の大当たり遊技を行うことが可能である。
「大当たり遊技Wα」は、その後に「高確率高ベース遊技状態」になる大当たり遊技であり、α回数のラウンド遊技が終了するまで継続する。αは、2~10の整数であり、パチンコ遊技機PY1は、1回のラウンド遊技において、第1大入賞口14および第2大入賞口15の何れか一方を開放する。つまり、「大当たり遊技Wα」では、αに応じて、2回~10回の何れかの回数のラウンド遊技が行われる。
「大当たり遊技Xα」は、その後に「低確率高ベース遊技状態」になる大当たり遊技であり、α回数のラウンド遊技が終了するまで継続する。αは、2~10の整数であり、パチンコ遊技機PY1は、1回のラウンド遊技において、第1大入賞口14および第2大入賞口15の何れか一方を開放する。つまり、「大当たり遊技Xα」では、αに応じて、2回~10回の何れかの回数のラウンド遊技が行われる。
「大当たり遊技Yα」は、その後に「高確率低ベース遊技状態」になる大当たり遊技であり、α回数のラウンド遊技が終了するまで継続する。αは、2~10の整数であり、パチンコ遊技機PY1は、1回のラウンド遊技において、第1大入賞口14および第2大入賞口15の何れか一方を開放する。つまり、「大当たり遊技Yα」では、αに応じて、2回~10回の何れかの回数のラウンド遊技が行われる。
「大当たり遊技Zα」は、その後に「低確率低ベース遊技状態」になる大当たり遊技であり、α回数のラウンド遊技が終了するまで継続する。αは、2~10の整数であり、パチンコ遊技機PY1は、1回のラウンド遊技において、第1大入賞口14および第2大入賞口15の何れか一方を開放する。つまり、「大当たり遊技Zα」では、αに応じて、2回~10回の何れかの回数のラウンド遊技が行われる。
なお、「大当たり遊技Wα」、「大当たり遊技Xα」、「大当たり遊技Yα」および「大当たり遊技Zα」において、全てのラウンド遊技に対して第1大入賞口14だけが開放されるようにしても良いし、全てのラウンド遊技に対して第2大入賞口15だけが開放されるようにしても良いし、一部のラウンド遊技に対しては第1大入賞口14が開放され、残りのラウンド遊技に対しては第2大入賞口15が開放されるようにしても良い。第1大入賞口14が開放されるラウンド遊技、および、第2大入賞口15が開放されるラウンド遊技、の何れのラウンド遊技も、遊技球の入賞の機会(賞球の機会)が与えられるため、遊技者にとって有利な遊技である。
「大当たり遊技Wα」および「大当たり遊技Yα」は、遊技状態が高確率状態になる所謂確変大当たり遊技に属し、「大当たり遊技Xα」および「大当たり遊技Zα」は、遊技状態が通常確率状態になる所謂通常大当たり遊技に属する。従って、「大当たり遊技Wα」および「大当たり遊技Yα」は、その後の大当たり当選確率に関し、「大当たり遊技Xα」および「大当たり遊技Zα」よりも遊技者に有利な大当たり遊技であると言え、「大当たり遊技Wα」および「大当たり遊技Yα」の何れかが行われる大当たり遊技状態は、「大当たり遊技Xα」および「大当たり遊技Zα」の何れかが行われる大当たり遊技状態よりも遊技者に有利な遊技状態であると言える。
また、「大当たり遊技Wα」および「大当たり遊技Xα」は、遊技状態が時短状態になる所謂電サポ付大当たり遊技に属し、「大当たり遊技Yα」および「大当たり遊技Zα」は、遊技状態が非時短状態になる所謂電サポ無大当たり遊技に属する。従って、「大当たり遊技Wα」および「大当たり遊技Xα」は、その後の第2始動口12に関し(その後の第2始動口12への遊技球の入賞し易さに関し)、「大当たり遊技Yα」および「大当たり遊技Zα」よりも遊技者に有利な大当たり遊技であると言え、「大当たり遊技Wα」および「大当たり遊技Xα」の何れかが行われる大当たり遊技状態は、「大当たり遊技Yα」および「大当たり遊技Zα」の何れかが行われる大当たり遊技状態よりも遊技者に有利な遊技状態であると言える。
ここで、大当たり遊技の流れについて説明する。図4(A)は、大当たり遊技の流れを示すタイムチャートである。ここでは、第1大入賞口14だけが開放する大当たり遊技を例示する。
図4(A)に示すように、特図の停止表示後、大当たり遊技が開始すると、最初に大当たりオープニング(「大当たりOP」ともいう)が設定される。大当たりOPは、所定時間(例えば10秒)が経過するまで継続し、大当たりOPが終了すると、1ラウンド目のラウンド遊技が開始される。ラウンド遊技は、所定時間(例えば30秒)が経過するまで、もしくは、所定個数(例えば10個)の遊技球が第1大入賞口14に入賞するまで継続する。1ラウンド目のラウンド遊技が終了すると、ラウンド間インターバル(「ラウンドIT」ともいう)が設定される。ラウンドITは、所定時間(例えば2秒)が経過するまで継続し、ラウンドITが終了すると、2ラウンド目のラウンド遊技が開始される。そして、最終ラウンド遊技(例えば10ラウンド目のラウンド遊技)が終了すると、大当たりエンディング(「大当たりED」ともいう)が設定される。大当たりEDは、所定時間(例えば10秒)が経過するまで継続し、大当たりEDの終了によって、1回の大当たり遊技が終了する。なお、大当たりOPおよび大当たりEDのうち、何れか一方または両方が設定されないようにしても良い。
6.小当たり遊技
次に、パチンコ遊技機PY1が行う小当たり遊技について図3(B),図4(B)を用いて説明する。パチンコ遊技機PY1は、図3(B)に示すように、大当たり遊技とは異なる遊技として、小当たり遊技を行うことが可能である。小当たり遊技は、大当たり遊技とは異なり、その後に遊技状態が変更されない遊技である。例えば、「低確率低ベース遊技状態」におい小当たり遊技が行われた場合には、小当たり遊技後も、「低確率低ベース遊技状態」が継続する。パチンコ遊技機PY1は、小当たり遊技において、第1大入賞口14および第2大入賞口15の何れか一方を開放する。
図4(B)は、小当たり遊技の流れを示すタイムチャートである。ここでは、第1大入賞口14だけが開放する小当たり遊技を例示する。図4(B)に示すように、特図の停止表示後、小当たり遊技が開始すると、最初に開放前インターバル(「開放前IT」ともいう)が設定される。開放前ITは、所定時間(例えば2秒)が経過するまで継続し、開放前ITが終了すると、第1大入賞口14が開放する。第1大入賞口14の開放は、所定時間(例えば5秒)が経過するまで、もしくは、所定個数(例えば10個)の遊技球が第1大入賞口14に入賞するまで継続する。第1大入賞口14の開放が終了すると、開放後インターバル(「開放後IT」ともいう)が設定される。開放後ITは、所定時間(例えば2秒)が経過するまで継続し、開放後ITの終了によって、1回の小当たり遊技が終了する。なお、開放前ITおよび開放後ITのうち、何れか一方または両方が設定されないようにしても良い。また、パチンコ遊技機PY1の遊技性を考慮して、小当たり遊技が行われないようにしても良い。
7.補助遊技
次に、パチンコ遊技機PY1が行う補助遊技について図3(B),図4(C)を用いて説明する。パチンコ遊技機PY1は、図3(B)に示すように、大当たり遊技および小当たり遊技とは異なる遊技として、補助遊技を行うことが可能である。補助遊技は、大当たり遊技および小当たり遊技とは異なり、第2始動口12が開放する遊技である。補助遊技は、遊技状態に応じて第2始動口12の開放時間が変化し、例えば、非時短状態におい補助遊技が行われる場合には、第1の開放時間(例えば0.1秒)だけ第2始動口12が開放する一方、時短状態において補助遊技が行われる場合には、第1の開放時間よりも長い第2の開放時間(例えば3.5秒)だけ第2始動口12が開放する。
図4(C)は、補助遊技の流れを示すタイムチャートである。図4(C)に示すように、普図の停止表示後、補助遊技が開始すると、第2始動口12が開放する。第2始動口12の開放は、所定時間(非時短状態であれば第1の開放時間,時短状態であれば第2の開放時間)が経過するまで、もしくは、所定個数(例えば4個)の遊技球が第2始動口12に入賞するまで継続する。第2始動口12の開放が終了すると、開放後インターバル(「開放後IT」ともいう)が設定される。開放後ITは、所定時間(例えば2秒)が経過するまで継続し、開放後ITの終了によって、1回の補助遊技が終了する。
8.演出
次に、パチンコ遊技機PY1が行う演出について図5~図12を用いて説明する。パチンコ遊技機PY1は、遊技状態に応じて、異なる演出モードを設定することが可能である。パチンコ遊技機PY1は、各演出モードにおいて、パチンコ遊技機PY1が具備する各種演出装置(通常ボタン40,特殊ボタン41,画像表示装置50,スピーカ52,枠ランプ53,盤ランプ54,盤上可動体55k,枠可動体58k等)を用いて、以下に示す演出を行うことが可能である。
8-1.演出モード
最初に、演出モードについて図5を用いて説明する。演出モードは、演出の区分(あるいは、上位概念的な属性)のことである。パチンコ遊技機PY1は、演出モードとして、客待ち演出モード、通常演出モード、確変演出モード、時短演出モードおよび大当たり演出モードを設定することが可能である。
客待ち演出モードは、「低確率低ベース遊技状態」、「低確率高ベース遊技状態」、「高確率低ベース遊技状態」および「高確率高ベース遊技状態」において、特図の停止表示が行われているとき(特図の可変表示が行われていないとき)に設定されることがある演出モードである。客待ち演出モードでは、特図の可変表示を待機している状態であることが遊技者に示唆される。パチンコ遊技機PY1は、客待ち演出モードの設定中に、客待ち演出を行うことが可能である。客待ち演出は、図5(A-1)に示すように、パチンコ遊技機PY1を紹介する客待ちデモ動画G100が表示部50aに表示される演出である。また、パチンコ遊技機PY1は、客待ちデモ動画G100の表示中に、例えば、通常ボタン40が操作されると、図5(A-2)に示すように、パチンコ遊技機PY1の演出に関する設定を行うための設定画面G101を表示部50aに表示することがある。パチンコ遊技機PY1は、設定画面G101の表示中に、パチンコ遊技機PY1の演出に関する設定を可能にする。演出に関する設定は、スピーカ52から出力される音の音量設定、表示部50aの輝度設定(「光量設定」ともいう)、実行される演出の頻度設定(「演出設定」ともいう)等である。
通常演出モードは、「低確率低ベース遊技状態」または「高確率低ベース遊技状態」において、1回または複数回の特図の可変表示にわたって設定されることがある演出モードである。通常演出モードでは、非時短状態であることが遊技者に示唆される。パチンコ遊技機PY1は、通常演出モードにおいて、図5(B-1)に示すように、例えば、山の景色を表す背景の通常背景画像G102を表示部50aに表示する。なお、通常演出モードにおいて表示される背景は、通常背景画像G102だけに限られず、複数種類の背景が順番もしくはランダムに表示されるようにしても良い。
確変演出モードは、「高確率高ベース遊技状態」において、1回または複数回の特図の可変表示にわたって設定されることがある演出モードである。確変演出モードでは、高確率状態且つ時短状態であることが遊技者に示唆される。パチンコ遊技機PY1は、確変演出モードにおいて、図5(B-2)に示すように、例えば、宇宙を表す背景の確変背景画像G103を表示部50aに表示する。なお、確変演出モードにおいて表示される背景は、確変背景画像G103だけに限られず、複数種類の背景が順番もしくはランダムに表示されるようにしても良い。
時短演出モードは、「低確率高ベース遊技状態」において、1回または複数回の特図の可変表示にわたって設定されることがある演出モードである。時短演出モードでは、通常確率状態且つ時短状態であることが遊技者に示唆される。パチンコ遊技機PY1は、時短演出モードにおいて、図5(B-3)に示すように、例えば、空を表す背景の時短背景画像G104を表示部50aに表示する。なお、時短演出モードにおいて表示される背景は、時短背景画像G104だけに限られず、複数種類の背景が順番もしくはランダムに表示されるようにしても良い。
大当たり演出モードは、大当たり遊技状態において設定される演出モードである。大当たり演出モードでは、大当たり遊技の実行中であることが遊技者に示唆される。パチンコ遊技機PY1は、大当たり演出モードにおいて、大当たり遊技の開始の際に、図5(C-1)に示すように、大当たり遊技の開始を示唆するオープニング画像G107,「右打ち」を促す右打ち画像G108等を表示部50aに表示する。なお、これらの画像の表示を「オープニング演出」という。
また、パチンコ遊技機PY1は、大当たり演出モードにおいて、ラウンド遊技中に、図5(C-2)に示すように、ラウンド数を示すラウンド画像G109等を表示部50aに表示するとともに、その後に高確率状態になる場合には、高確率状態になることを示唆する昇格画像G110Sを表示部50aに表示する。なお、これらの画像の表示を「ラウンド演出」という。
また、パチンコ遊技機PY1は、大当たり演出モードにおいて、大当たり遊技の終了の際に、図5(C-3)に示すように、大当たり演出モードの後に設定される演出モードを示唆するエンディング画像G111,払い出された総賞球数を示唆する総賞球数画像G112等を表示部50a表示する。なお、これらの画像の表示を「エンディング演出」という。
基本実施形態では、客待ち演出モード、通常演出モード、確変演出モード、時短演出モードおよび大当たり演出モードの5種類の演出モードが設定されるようにしているが、演出モードの種類については、適宜に変更または追加しても良い。
8-2.特図変動演出
次に、特図変動演出(「変動演出」ともいう)について図6~図8を用いて説明する。特図変動演出は、大当たり判定の結果を示唆するための演出である。パチンコ遊技機PY1は、特図の可変表示が開始されると、特図の可変表示と並行して、演出図柄を用いた特図変動演出を実行する。演出図柄は、図6(A)に示すように、左演出図柄EZ1、中演出図柄EZ2および右演出図柄EZ3で構成される。
パチンコ遊技機PY1は、特図変動演出において、背景(通常背景画像G102,確変背景画像G103,時短背景画像G104)上に、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3を変動表示する。なお、図中の「↓」は、演出図柄の変動表示中であることを示す。演出図柄EZ1,EZ2,EZ3は、例えば、それぞれ「1」~「9」の数字図柄で構成され、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3の変動表示では、特図の可変表示の開始に伴って演出図柄EZ1,EZ2,EZ3が変動し、特図の停止表示に伴って演出図柄EZ1,EZ2,EZ3が停止する。そして、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3の停止表示の態様によって大当たり判定の結果が示唆される。
8-2-1.通常変動
パチンコ遊技機PY1は、特図変動演出において、最初に、通常変動を行うことが可能である。通常変動は、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3が変動表示する演出であり、特図の可変表示が開始されたことを示唆する演出として機能する。
パチンコ遊技機PY1は、通常変動において、図6(B)に示すように、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3の変動表示を開始する。そして、パチンコ遊技機PY1は、通常変動後にリーチを発生させることなくハズレとする場合には、図6(C-1)に示すように、左演出図柄EZ1と右演出図柄EZ3とを異なる態様で停止ししてから、6(D)に示すように、ハズレを示唆する態様(所謂バラケ目)で演出図柄EZ1,EZ2,EZ3を停止表示する。ハズレを示唆する態様は、「1・1・2」や「2・4・6」等、左右の演出図柄が同一ではない態様である。一方、パチンコ遊技機PY1は、通常変動後にリーチを発生させる場合には、図6(C-2)に示すように、左演出図柄EZ1と右演出図柄EZ3とを同じ態様(所謂リーチ目)で停止表示してリーチを成立させる。なお、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3の停止順序は、適宜に変更することが可能である。
8-2-2.Nリーチ
パチンコ遊技機PY1は、リーチの成立後に、Nリーチを行うことが可能である。Nリーチは、例えば、中演出図柄EZ2の変動速度が徐々に減速するリーチ演出であり、大当たり遊技が行われる可能性があることを示唆する演出として機能する。
パチンコ遊技機PY1は、Nリーチにおいて、図7(A)に示すように、中演出図柄EZ2の変動速度を徐々に減速させる。そして、パチンコ遊技機PY1は、Nリーチでハズレとする場合には、図7(B)に示すように、中演出図柄EZ2を停止し、リーチハズレを示唆する態様(所謂リーチハズレ目)で演出図柄EZ1,EZ2,EZ3を停止表示する。リーチハズレを示唆する態様は、「7・6・7」や「5・3・5」等、左右の演出図柄が同一且つ中の図柄が左右の演出図柄と異なる態様である。一方、パチンコ遊技機PY1は、Nリーチ後にSPリーチに発展させる場合には、中演出図柄EZ2を停止しない。なお、Nリーチの演出内容については、適宜に変更することが可能である。
8-2-3.SPリーチ
パチンコ遊技機PY1は、Nリーチの後に、SPリーチを行うことが可能である。SPリーチは、例えば、主人公キャラクタと敵キャラクタとがバトルする様子が表示されるリーチ演出であり、大当たり遊技が行われる可能性が高いことを示唆する演出として機能する。
パチンコ遊技機PY1は、SPリーチにおいて、図8(A)に示すように、SPリーチの開始を表すSPタイトル画像G1を表示部50aに表示する。SPタイトル画像G1は、例えば、「敵Aを撃破せよ!」も文字画像である。その後、パチンコ遊技機PY1は、図8(B)に示すように、主人公キャラクタを表す主人公キャラクタ画像G200と、敵キャラクタを表す敵キャラクタ画像G201と、を表示部50aに表示し、主人公キャラクタと敵キャラクタとがバトルする動画を表示部50aに表示する。そして、バトルの最終局面を迎えると、パチンコ遊技機PY1は、SPリーチで大当たりとする場合には、図8(C-1)に示すように、大当たりを示唆するように、主人公キャラクタがバトルに勝利して喜んでいる様子を表示するとともに、大当たりを示唆する態様(所謂ゾロ目)で演出図柄EZ1,EZ2,EZ3を停止表示する。また、パチンコ遊技機PY1は、SPリーチでハズレとする場合には、図8(C-2)に示すように、ハズレを示唆するように、敵キャラクタがバトルに勝利して喜んでいる様子を表示するとともに、リーチハズレを示唆する態様で演出図柄EZ1,EZ2,EZ3を停止表示する。一方、パチンコ遊技機PY1は、このSPリーチ後にSPSPリーチに発展させる場合には、中演出図柄EZ2を停止しない。なお、SPリーチの演出内容については、適宜に変更することが可能である。
8-2-4.SPSPリーチ
パチンコ遊技機PY1は、SPリーチの後に、SPSPリーチを行うことが可能である。SPSPリーチは、例えば、主人公キャラクタと強敵キャラクタとがバトルする様子が表示されるリーチ演出であり、大当たり遊技が行われる可能性が高いことを示唆する演出として機能する。
パチンコ遊技機PY1は、SPSPリーチにおいて、図9(A)に示すように、SPSPリーチの開始を表すSPSPタイトル画像G2を表示部50aに表示する。SPSPタイトル画像G2は、例えば、「敵Bを撃破せよ!」の文字画像である。その後、パチンコ遊技機PY1は、図9(B)に示すように、主人公キャラクタを表す主人公キャラクタ画像G200と、強敵キャラクタを表す強敵キャラクタ画像G202と、を表示部50aに表示し、主人公キャラクタと強敵キャラクタとがバトルする動画を表示部50aに表示する。そして、バトルの最終局面を迎えると、パチンコ遊技機PY1は、SPSPリーチで大当たりとする場合には、図9(C-1)に示すように、大当たりを示唆するように、主人公キャラクタがバトルに勝利して喜んでいる様子を表示するとともに、大当たりを示唆する態様(所謂ゾロ目)で演出図柄EZ1,EZ2,EZ3を停止表示する。一方、パチンコ遊技機PY1は、SPSPリーチでハズレとする場合には、図9(C-2)に示すように、ハズレを示唆するように、強敵キャラクタがバトルに勝利して喜んでいる様子を表示するとともに、リーチハズレを示唆する態様で演出図柄EZ1,EZ2,EZ3を停止表示する。なお、SPSPリーチの演出内容については、適宜に変更することが可能である。
ここで、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3が大当たりを示す態様で停止する可能性(「大当たり期待度」ともいう)について説明する。大当たり期待度は、大当たり判定の結果に基づく実行確率によって定められる。例えば、Nリーチの実行確率が、大当たり判定の結果がハズレの場合には10%に設定され、大当たり判定の結果が大当たり当選の場合には100%に設定されている場合、SPリーチの実行確率を、大当たり判定の結果がハズレの場合には4%に設定する一方、大当たり判定の結果が大当たり当選の場合には100%に設定すると、SPリーチに対する大当たり期待度を、Nリーチに対する大当たり期待度よりも高くすることができる。
また、例えば、SPリーチの実行確率が、大当たり判定の結果がハズレの場合には4%に設定され、大当たり判定の結果が大当たり当選の場合には100%に設定されている場合、SPSPリーチの実行確率を、大当たり判定の結果がハズレの場合には2%に設定する一方、大当たり判定の結果が大当たり当選の場合には100%に設定すると、SPSPリーチに対する大当たり期待度を、SPリーチに対する大当たり期待度よりも高くすることができる。このように、実行可能な演出に対して、大当たり判定の結果に応じた実行確率を予め設定することで、その演出に対する大当たり期待度を定めることができる。
8-3.保留アイコンおよび当該アイコン
パチンコ遊技機PY1は、特図1保留または特図2保留の記憶中に、保留アイコンHAを表示部50aに表示することが可能である。保留アイコンHAは、例えば、「〇」のアイコン画像である。また、パチンコ遊技機PY1は、特図の可変表示中に、当該アイコンTAを表示部50aに表示することが可能である。当該アイコンTAは、例えば、保留アイコンHAと同じ「〇」のアイコン画像である。
表示部50aの下部には、保留アイコン表示領域50dが設置される。保留アイコン表示領域50dは、図10(A)に示すように、第1表示領域50d1、第2表示領域50d2、第3表示領域50d3および第4表示領域50d4で構成される。パチンコ遊技機PY1は、特図1保留数または特図2保留数に応じて、各表示領域50d1,50d2,50d3,50d4に、保留アイコンHAを表示する。例えば、特図1保留数が「1」の場合には、第1表示領域50d1に保留アイコンHAが表示され、特図1保留数が「2」の場合には、第1表示領域50d1と第2表示領域50d2とに保留アイコンHAが表示される。なお、保留アイコン表示領域50dには、特図1保留数および特図2保留数の両方が表示されるようにしても良いし、特図1保留数および特図2保留数の一方だけが表示されるようにしても良い。また、保留アイコン表示領域50dを構成する表示領域の数については、適宜に変更することが可能である。
また、表示部50aの下部であって保留アイコン表示領域50dの近傍には、当該アイコン表示領域50eが設置される。当該アイコン表示領域50eは、図10(A)に示すように、1つの表示領域からなる当該アイコン表示領域50eで構成される。パチンコ遊技機PY1は、特図の可変表示を開始すると、当該アイコン表示領域50eに、保留アイコンHAと同じまたは異なる当該アイコンTAを表示する。なお、パチンコ遊技機PY1の遊技性を考慮して、当該アイコンTAが表示されないようにしても良い。
8-3-1.保留演出
パチンコ遊技機PY1は、遊技球が第1始動口11または第2始動口12に入賞することに応じて、保留演出を行うことが可能である。保留演出は、例えば、保留アイコンHAが保留アイコン表示領域50dに表示される演出であり、特図1保留または特図2保留の数を遊技者に報知するための演出として機能する。
パチンコ遊技機PY1は、特図の可変表示が行われておらず、特図1保留数が「0」のときに遊技球が第1始動口11に入賞すると、図10(B)に示すように、当該アイコン表示領域50eに当該アイコンTAを表示する。また、パチンコ遊技機PY1は、例えば、特図の可変表示中に2個の遊技球が第1始動口11に入賞すると、図10(C)に示すように、保留アイコン表示領域50dの第1表示領域50d1と第2表示領域50d2とに保留アイコンHAを表示し、特図1保留数が「2」であることを遊技者に報知する。また、パチンコ遊技機PY1は、保留アイコン表示領域50dの第1表示領域50d1と第2表示領域50d2とに保留アイコンHAを表示しているときに、新たな特図の可変表示を開始すると、図10(D)に示すように、保留アイコン表示領域50dの第1表示領域50d1の保留アイコンHAを、当該アイコン表示領域50eに移動して当該アイコンTAとして表示するとともに、保留アイコン表示領域50dの第2表示領域50d2の保留アイコンHAを、第1表示領域50d1に移動して表示し、特図1保留数が「1」であることを遊技者に報知する。
8-4.予告演出
パチンコ遊技機PY1は、特図変動演出における任意のタイミングで予告演出を行うことが可能である。予告演出は、画像表示装置50、スピーカ52、枠ランプ53、盤ランプ54、盤上可動体55k、枠可動体58k、通常ボタン40、特殊ボタン41等が用いられる演出であり、大当たり遊技が行われる可能性を示唆する演出として機能する。
8-4-1.可動体演出
パチンコ遊技機PY1は、予告演出として、盤上可動体55kまたは枠可動体58kを用いた可動体演出を行うことが可能である。可動体演出は、例えば、盤上可動体55kや枠可動体58kが動作する演出である。
パチンコ遊技機PY1は、特図変動演出における任意のタイミング(例えば、NリーチからSPリーチに発展するタイミング)で、可動体演出を行う。ここでは、盤上可動体55kを用いた可動体演出を例示する。可動体演出は、図11(A)に示すように、盤上可動体55kが表示部50a上に移動する演出である。パチンコ遊技機PY1は、可動体演出において、表示部50aの盤上可動体55kと重なっていないスペースに、エフェクト画像G4を表示する。可動体演出の後には、図11(B)に示すように、盤上可動体55kが通常の待機状態(初期位置)に戻り、演出が発展する。図11(B)は、SPSPリーチに発展した場合を示している。なお、可動体演出における盤上可動体55kの動きについては、適宜に変更することが可能である。
8-4-2.操作演出
パチンコ遊技機PY1は、予告演出として、通常ボタン40または特殊ボタン41を用いた操作演出を行うことが可能である。操作演出は、例えば、遊技者が通常ボタン40や特殊ボタン41を操作する演出である。
パチンコ遊技機PY1は、特図変動演出における任意のタイミング(例えば、SPリーチ中)で、操作演出を行う。ここでは、通常ボタン40を用いた操作演出を例示する。パチンコ遊技機PY1は、操作演出において、通常ボタン40の押下操作が有効な期間(「ボタン操作有効期間」という)を発生させ、このボタン操作有効期間の発生に伴って、図12(A)に示すように、通常ボタン40の操作を促す演出(「ボタン操作促進演出」という)を行う。ボタン操作促進演出では、ボタン操作促進画像G3が表示され、ボタン操作促進画像G3は、通常ボタン40を模した通常ボタン画像G31と、通常ボタン40の操作態様(すなわち、押下操作)を表す押下操作画像G32(ここでは、「押せ」の文字画像)と、ボタン操作有効期間の残り時間を表す操作有効期間残り時間画像G33と、で構成される。パチンコ遊技機PY1は、ボタン操作有効期間において通常ボタン40が押下操作されることに応じて、または、ボタン操作有効期間において通常ボタン40が操作されることなくボタン操作有効期間が経過した後、図12(B)に示すように、ボタン操作促進演出を終了して、操作結果演出を行う。図12(B)は、操作結果演出として、盤上可動体55kが動作する可動体演出が行われた場合を示している。なお、操作演出の演出内容については、適宜に変更することが可能である。
8-4-3.先読み演出
パチンコ遊技機PY1は、予告演出として、先読み判定に基づいた先読み演出を行うことが可能である。先読み演出は、例えば、保留アイコンHAが変化する演出であり、大当たり判定の結果を事前に示唆するための演出として機能する。
パチンコ遊技機PY1は、特図1保留または特図2保留を記憶することに応じて、先読み演出を行う。ここでは、特図1保留に対する先読み演出を例示する。パチンコ遊技機PY1は、遊技球が第1始動口11に入球すると、特図1保留を記憶する際に、特図1保留に対する先読み判定の結果に基づいて、図10(C)に示すように、保留アイコン表示領域50dに、保留アイコンHAとして、通常は「〇」のアイコン画像を表示するところを、「☆」のアイコン画像を表示する。なお、先読み演出内容については適宜に変更することが可能である。
9.内部構成
次に、パチンコ遊技機PY1の内部構成について図13~図16を用いて説明する。図13は、パチンコ遊技機PY1の制御に関わる部分のブロック図である。図13に示すように、パチンコ遊技機PY1は、遊技を制御する主制御部100と、演出を実行する演出制御部120と、を具備する。主制御部100と演出制御部120とは、電気的に接続され、演出制御部120は、主に、主制御部100の指示に従って演出を実行する。
9-1.主制御部
主制御部100は、遊技制御用マイコン101を具備する。遊技制御用マイコン101は、例えば、CPU(Central Processing Unit)を含んで構成され、主に、各種遊技(特図遊技,普図遊技,遊技状態,賞球払出等)を制御する。また、遊技制御用マイコン101は、遊技入力部101a、遊技出力部101bおよび遊技記憶部101cを具備する。遊技入力部101aは、遊技盤1に設けられる入賞装置(第1始動口11,第2始動口12,ゲート13,第1大入賞口14,第2大入賞口15,一般入賞口10等)からの遊技球の入賞情報,初期化スイッチの操作情報,設定変更スイッチの操作情報等を入力する。遊技出力部101bは、遊技の制御に応じて生成される演出用データや演出用コマンドを、演出制御部120やパチンコ遊技機PY1の外部に出力する。遊技記憶部101cは、例えば、ROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)で構成され、遊技内容を選択するためのテーブル,遊技の制御に応じて生成される遊技データ(特図1保留,特図2保留,普図保留等)等を記憶する。
各種遊技は、主に、遊技入力部101aが入力した入賞情報および操作情報に基づいて制御される。遊技制御用マイコン101は、遊技記憶部101cに記憶されたテーブルや遊技データを用いて、各種遊技を制御する。
9-2.テーブル
遊技制御用マイコン101は、遊技を制御するにあたって様々な選択を行うことが可能である。選択に際しては、遊技記憶部101cに記憶されているテーブルが参照される。遊技記憶部101cには、以下に示すテーブルが記憶される。
9-2-1.変動パターン判定テーブル
遊技記憶部101cには、図14に示す変動パターン判定テーブル103a1が記憶される。変動パターン判定テーブル103a1は、変動パターンの種類を選択する際に参照されるテーブルである。遊技制御用マイコン101は、大当たり判定の結果に基づく第1特図または第2特図の可変表示を行う際に、変動パターン判定テーブル103a1を参照して、変動パターンの種類を選択する。
遊技制御用マイコン101は、図14に示すように、遊技状態,始動口の種類,大当たり判定の結果,リーチ判定の結果,特図保留数等に基づいて、変動パターンの種類を選択する。リーチ判定は、特図の可変表示中に、前述のリーチ演出(Nリーチ,SPリーチ,SPSPリーチ)を行わせるか否かを判定するものであり、リーチ演出を行わせる場合にはリーチ有りとし、リーチ演出を行わせない場合にはリーチ無しとする。遊技制御用マイコン101は、変動パターンとして、「THP001」~「THP002」、「THP011」~「THP013」および「THP021」~「THP022」の7種類の変動パターンの何れか1つを選択することが可能である。遊技制御用マイコン101は、選択した変動パターンに応じた可変表示の態様(可変表示の時間)で第1特図または第2特図の可変表示を行う。なお、変動パターンの種類については、適宜に変更することが可能である。
ここで、各変動パターンの役割について説明する。前述したように、特図の可変表示中には、特図変動演出が行われる。特図変動演出では、単数または複数の演出で構成される演出フローが実行されるが、各変動パターンは、特図の可変表示時間および特図変動演出で実行される演出フローに対応付けられる。例えば、図14に示すように、「THP001」および「THP011」は、特図の可変表示の時間が120000msであって「通常変動」→「リーチ」→「Nリーチ」→「SPリーチ」→「SPSPリーチ」で構成される演出フローに対応付けられ、「THP002」および「THP012」は、特図の可変表示の時間が100000msであって「通常変動」→「リーチ」→「Nリーチ」→「SPリーチ」で構成される演出フローに対応付けられ、「THP013」は、特図の可変表示の時間が20000msであって「通常変動」→「リーチ」→「Nリーチ」で構成される演出フローに対応付けられ、「THP021」および「THP022」は、特図の可変表示の時間が13000msまたは2000msであって「通常変動」のみで構成される演出フローに対応付けられる。このように、遊技制御用マイコン101が選択した変動パターンの種類に応じて、特図変動演出の時間および特図変動演出で実行される演出を異ならせている。
「THP001」は、大当たり判定の結果が大当たり当選の場合に選択され、演出フローの最後が「SPSPリーチ」であるため、「THP001」を「SPSP大当たり変動」という。また、「THP002」は、大当たり判定の結果が大当たり当選の場合に選択され、演出フローの最後が「SPリーチ」であるため、「THP002」を、「SP大当たり変動」という。また、「THP011」は、大当たり判定の結果がハズレの場合に選択され、演出フローの最後が「SPSPリーチ」であるため、「THP011」を「SPSPハズレ変動」という。また、「THP012」は、大当たり判定の結果がハズレの場合に選択され、演出フローの最後が「SPリーチ」であるため、「THP012」を「SPハズレ変動」という。また、「THP013」は、大当たり判定の結果がハズレの場合に選択され、演出フローの最後が「Nリーチ」であるため、「THP013」を「Nハズレ変動」という。また、「THP021」および「THP022」は、大当たり判定の結果がハズレの場合に選択され、演出フローの最後が「通常変動」であるため、「THP021」および「THP022」を「通常ハズレ変動」という。なお、変動パターンの選択割合については、パチンコ遊技機PY1の遊技性を考慮して、適宜に設定することが可能である。
9-2-2.先読み判定テーブル
遊技記憶部101cには、図15に示す先読み判定テーブル103b1が記憶される。先読み判定テーブル103b1は、先読みパターンの種類を選択する際に参照されるテーブルである。遊技制御用マイコン101は、大当たり判定を受けるための権利が取得された場合に、先読み判定テーブル103b1を参照して、先読みパターンの種類を選択する。図15に示す図は、先読み判定テーブル103b1である。
遊技制御用マイコン101は、図15に示すように、遊技状態,始動口の種類,先読み判定の結果等に基づいて、先読みパターンの種類を選択する。遊技制御用マイコン101は、先読みパターンとして、「SHP001」~「SHP003」の3種類の先読みパターンの何れか1つを選択することが可能である。なお、先読みパターンの種類については、適宜に変更することが可能である。
「SHP001」は、先読み判定の結果が先読み当選の場合に選択されるため、「SHP001」を「大当たり先読みパターン」という。また、「SHP002」は、先読み判定の結果が先読み非当選の場合に選択され、変動パターン事前判定の結果がリーチ有りの変動パターン(「THP011」~「THP013」)であるため、「SHP002」を「リーチハズレ先読みパターン」という。また、「SHP003」は、先読み判定の結果が先読み非当選の場合に選択され、変動パターン事前判定の結果がリーチ無しの変動パターン(「THP021」~「THP022」)であるため、「SHP003」を「通常ハズレ先読みパターン」という。
9-2-3.図柄判定テーブル
遊技記憶部101cには、図16に示す図柄判定テーブル103c1が記憶される。図柄判定テーブル103c1は、第1特図および第2特図の停止図柄の種類を選択する際に参照されるテーブルである。遊技制御用マイコン101は、大当たり判定が行われた場合に、図柄判定テーブル103c1を参照して、第1特図および第2特図の停止図柄の種類を選択する。図16に示す図は、図柄判定テーブル103c1である。
遊技制御用マイコン101は、図16に示すように、始動口の種類,大当たり判定の結果等に基づいて、第1特図および第2特図の停止図柄の種類を選択する。遊技制御用マイコン101は、停止図柄の種類として、「大当たりWα図柄」,「大当たりXα図柄」,「大当たりYα図柄」,「大当たりZα図柄」,「小当たり図柄」,「ハズレA図柄」,「ハズレB図柄」の7種類の停止図柄の何れか1つを選択することが可能である。遊技制御用マイコン101は、選択した停止図柄に応じた態様で第1特図または第2特図の停止表示を行う。なお、停止図柄の種類については、適宜に変更することが可能である。
ここで、各停止図柄の役割について説明する。前述したように、特図の停止表示後には、大当たり遊技が行われるときと、小当たり遊技が行われるときと、時短状態になるときと、何も行われずにハズレとなるときと、がある。大当たり遊技の種類は4種類(「大当たり遊技Wα」,「大当たり遊技Xα」,「大当たり遊技Yα」,「大当たり遊技Zα」)あり、小当たり遊技の種類は1種類あり、ハズレの種類は2種類(前述の特定のハズレ,単なるハズレ)あるが、各停止図柄は、大当たり遊技の種類、小当たり遊技の種類およびハズレの種類に対応付けられる。例えば、図16に示すように、「大当たりWα図柄」は「大当たり遊技Wα」に対応付けられ、「大当たりXα図柄」は「大当たり遊技Xα」に対応付けられ、「大当たりYα図柄」は「大当たり遊技Yα」に対応付けられ、「大当たりZα図柄」は「大当たり遊技Zα」に対応付けられ、「小当たり図柄」は小当たり遊技に対応付けられ、「ハズレA図柄」は何も行われない単なるハズレに対応付けられ、「ハズレB図柄」は時短状態に対応付けられる。このように、遊技制御用マイコン101が選択した停止図柄の種類に応じて、実行する大当たり遊技の種類、小当たり遊技の種類およびハズレの種類(時短状態にするか否か)を異ならせている。
「大当たりWα図柄」および「大当たりYα図柄」は、その後に高確率状態になる大当たり遊技が行われる場合に選択されるため、「大当たりWα図柄」および「大当たりYα図柄」を「確変図柄」ということがある。また、「大当たりXα図柄」および「大当たりZα図柄」は、その後に通常確率状態になる大当たり遊技が行われる場合に決定されるため、「大当たりXα図柄」および「大当たりZα図柄」を「通常図柄」ということがある。また、「ハズレA図柄」は、その後に何も行われない単なるハズレの場合に決定されるため、「ハズレA図柄」を「通常ハズレ図柄」ということがある。また、「ハズレB図柄」は、その後に時短状態になる特定のハズレの場合に決定されるため、「ハズレB図柄」を「ハズレ時短図柄」ということがある。なお、停止図柄の選択割合については、パチンコ遊技機PY1の遊技性を考慮して、適宜に設定することが可能である。
9-3.コマンド
遊技制御用マイコン101は、遊技の制御に応じて生成された演出用コマンドを、遊技出力部101bを介して、演出制御部120に出力することが可能である。遊技制御用マイコン101は、以下に示すコマンドを生成することが可能である。
9-3-1.入賞コマンド
入賞コマンドは、遊技球の各種入賞装置(第1始動口11,第2始動口12,ゲート13,第1大入賞口14,第2大入賞口15,一般入賞口10等)への入賞に関連して生成される。入賞コマンドとして、遊技球が第1始動口11に入賞することによって生成される第1始動口コマンド,遊技球が第2始動口12に入賞することによって生成される第2始動口コマンド,遊技球がゲート13を通過することによって生成されるゲートコマンド,遊技球が第1大入賞口14に入賞することによって生成される第1大入賞口コマンド,遊技球が第2大入賞口15に入賞することによって生成される第1大入賞口コマンド,遊技球が一般入賞口10に入賞することによって生成される一般入賞口コマンド等がある。
9-3-2.特図コマンド
特図コマンドは、第1特図および第2特図の動作に関連して生成される。特図コマンドとして、特図の変動パターンが決定されることによって生成される特図変動パターンコマンド,特図の停止図柄が決定されることによって生成される特図停止図柄コマンド,特図の可変表示の開始によって生成される特図開始コマンド,特図の停止表示によって生成される特図確定コマンド等がある。
9-3-3.普図コマンド
普図コマンドは、普図の動作に関連して生成される。普図コマンドとして、普図の可変表示の開始によって生成される普図開始コマンド,普図の停止表示によって生成される普図確定コマンド等がある。
9-3-4.保留コマンド
保留コマンドは、特図1保留、特図2保留および普図保留の保留数の増減に関連して生成される、保留コマンドとして、特図1保留数の増加によって生成される特図1保留増加コマンド,特図1保留数の減少によって生成される特図1保留減少コマンド,特図2保留数の増加によって生成される特図2保留増加コマンド,特図2保留数の減少によって生成される特図2保留減少コマンド,普図保留数の増加によって生成される普図保留増加コマンド,普図保留数の減少によって生成される普図保留減少コマンド等がある。
9-3-5.大当たり遊技コマンド
大当たり遊技コマンドは、大当たり遊技の動作に関連して生成される。大当たり遊技コマンドとして、OPの開始によって生成されるOPコマンド,各ラウンド遊技の開始によって生成されるラウンドコマンド,EDの開始によって生成されるEDコマンド等がある。
9-3-6.小当たり遊技コマンド
小当たり遊技コマンドは、小当たり遊技の動作に関連して生成される。小当たり遊技コマンドとして、開放前ITの開始によって生成される開放前ITコマンド,開放後ITの開始によって生成される開放後ITコマンド等がある。
9-3-7.補助遊技コマンド
補助遊技コマンドは、補助遊技の動作に関連して生成される。補助遊技コマンドとして、補助遊技の開始によって生成される補助遊技開始コマンド等がある。
9-3-8.遊技状態コマンド
遊技状態コマンドは、現在の遊技状態に関連して生成される。遊技状態コマンドとして、遊技状態が通常確率状態であることによって生成される通常確率コマンド,遊技状態が高確率状態であることによって生成される高確率コマンド,遊技状態が非時短状態であることによって生成される非時短コマンド,遊技状態が時短状態であることによって生成される時短コマンド,遊技状態が大当たり遊技状態であることによって生成される大当たりコマンド等がある。
9-4.演出制御部
演出制御部120は、演出制御用マイコン121を具備する。演出制御用マイコン121は、例えば、CPUを含んで構成され、主に、各種演出(演出モード,特図変動演出,保留演出,予告演出等)を実行する。また、演出制御用マイコン121は、演出入力部121aおよび演出記憶部121bを具備する。演出入力部121aは、主制御部100から出力された演出用コマンド,通常ボタン40の操作情報,特殊ボタン41の操作情報等を入力する。演出記憶部121bは、例えば、ROMやRAMで構成され、各種演出においてCPUが行う処理の処理プログラム,予告演出等を選択するためのテーブル,演出の実行に応じて生成される演出データ等を記憶する。
各種演出は、主に、演出入力部121aが入力した演出用コマンドおよび操作情報に基づいて実行される。演出制御用マイコン121は、演出記憶部121bに記憶された処理プログラム,テーブル,演出データ等を用いて、各種演出を実行する。
<<第1実施形態>>
以下、図17~図21を用いて、第1実施形態を説明する。特に述べない限り、上述の基本実施形態のパチンコ遊技機PY1が第1実施形態にも適用される。
最初に、図17を用いて、遊技領域6に設置される第2大入賞口15について説明する。図17に示すように、第2大入賞口15は、遊技球を振り分け可能な振分部材16kを具備する。振分部材16kは、振分ソレノイド(不図示)によって進退可能に構成される。振分ソレノイドは、遊技制御用マイコン101と電気的に接続され、遊技制御用マイコン101は、遊技の進行に応じて、振分ソレノイドを制御することが可能である。
また、第2大入賞口15の内部には、図17に示すように、第2大入賞口15に入球した遊技球が通過可能な特定領域16および非特定領域17が設けられ、遊技制御用マイコン101は、振分ソレノイドを用いて振分部材16kを進退させることによって、第2大入賞口15に入球した遊技球が特定領域16を通過可能な第1通過状態と、第2大入賞口15に入球した遊技球が非特定領域17を通過可能な第2通過状態と、のどちらかの状態にすることが可能である。特定領域16および非特定領域17の前面には、合成樹脂製の透明な窓が設けられ、第2大入賞口15に入球した遊技球が、特定領域16および非特定領域17の何れを通過したのかを、遊技者が視認可能になっている。
また、振分部材16kは、通常では第2通過状態となるように進出位置に保持され、小当たり遊技の実行に際し、所定時間(例えば1.5秒)だけ退避位置に退避して第1通過状態に変化する。小当たり遊技における振分部材16kの動作の詳細については後述する。
次に、遊技制御用マイコン101が選択可能な停止図柄について説明する。遊技制御用マイコン101の遊技記憶部101cには、図18に示すように、図柄A判定テーブル103c2が記憶されている。遊技制御用マイコン101は、図柄A判定テーブル103c2を用いて第1特図および第2特図の停止図柄を選択可能である。
図19は、図柄A判定テーブル103c2の内容を示す図である。遊技制御用マイコン101は、始動口の種類および大当たり判定結果に基づいて、停止図柄の種類を選択する。停止図柄の種類として、図19に示すように、「大当たりX4図柄」,「大当たりZ4図柄」,「大当たりX10図柄」,「小当たりA図柄」,「ハズレA図柄」の5種類の停止図柄がある。遊技制御用マイコン101は、図19に示す選択割合で停止図柄を選択する。
具体的には、対象となる始動口(遊技球が入球した始動口)が第1始動口11の場合は、大当たり判定の結果が「大当たり当選」であれば、「大当たりX4図柄」が50%、「大当たりZ4図柄」が50%の割合で選択され、大当たり判定の結果が「ハズレ」であれば、「ハズレA図柄」が100%の割合で選択される。
また、対象となる始動口(遊技球が入球した始動口)が第2始動口12の場合は、大当たり判定の結果が「大当たり当選」であれば、「大当たりX10図柄」が100%の割合で選択され、大当たり判定の結果が「小当たり当選」であれば、「小当たりA図柄」が100%の割合で選択され、大当たり判定の結果が「ハズレ」であれば、「ハズレA図柄」が100%の割合で選択される。なお、図柄A判定テーブル103c2によって示される選択割合については、適宜に変更することが可能である。
第1実施形態では、大当たり判定の結果が「大当たり当選」となる確率が、第1始動口11でも第2始動口12でも「1/300」に設定され、大当たり判定の結果が「小当たり当選」となる確率が、第1始動口11では「0」、第2始動口12では「1/8」に設定されるが、「大当たり当選」の確率および「小当たり当選」の確率については適宜に変更することが可能である。
また、第1実施形態では、特図1保留数の上限数が「4」に設定され、特図2保留数の上限数が「4」に設定されるが、各上限数については適宜に変更することが可能である。
次に、遊技制御用マイコン101が実行可能な大当たり遊技について説明する。遊技制御用マイコン101は、図柄A判定テーブル103c2によって選択された停止図柄の種類に応じて、異なる種類の大当たり遊技を実行可能である。大当たり遊技の種類として、「大当たり遊技X4」,「大当たり遊技Z4」,「大当たり遊技X10」,「大当たり遊技X9」の4種類の大当たり遊技がある(図19参照)。
具体的には、図柄A判定テーブル103c2によって「大当たりX4図柄」が選択された場合は、「大当たり遊技X4」が実行される。「大当たり遊技X4」は、第1大入賞口14が開放するラウンド遊技が4回行われる大当たり遊技であり、各ラウンド遊技は、30秒の規定開放時間が経過するまで、もしくは、10個の規定個数の遊技球が第1大入賞口14に入賞するまで継続する。
また、図柄A判定テーブル103c2によって「大当たりZ4図柄」が選択された場合は、「大当たり遊技Z4」が実行される。「大当たり遊技Z4」は、第1大入賞口14が開放するラウンド遊技が4回行われる大当たり遊技であり、各ラウンド遊技は、30秒の規定開放時間が経過するまで、もしくは、10個の規定個数の遊技球が第1大入賞口14に入賞するまで継続する。
また、図柄A判定テーブル103c2によって「大当たりX10図柄」が選択された場合は、「大当たり遊技X10」が実行される。「大当たり遊技X10」は、第1大入賞口14が開放するラウンド遊技が10回行われる大当たり遊技であり、各ラウンド遊技は、30秒の規定開放時間が経過するまで、もしくは、10個の規定個数の遊技球が第1大入賞口14に入賞するまで継続する。
また、図柄A判定テーブル103c2によって「小当たりA図柄」が選択された場合は、第2大入賞口15が開放する小当たり遊技が実行され、小当たり遊技において第2大入賞口15の特定領域16を遊技球が通過した場合に限り、「大当たり遊技X9」が実行される。「大当たり遊技X9」は、第1大入賞口14が開放するラウンド遊技が9回行われる大当たり遊技であり、各ラウンド遊技は、30秒の規定開放時間が経過するまで、もしくは、10個の規定個数の遊技球が第1大入賞口14に入賞するまで継続する。
従って、比較的にラウンド遊技の回数が多い「大当たり遊技X10」または「大当たり遊技X9」は、比較的にラウンド遊技の回数が少ない「大当たり遊技X4」または「大当たり遊技Z4」よりも遊技者に有利な大当たり遊技であると言える。なお、大当たり遊技において用いられる大入賞口の種類、ラウンド遊技の回数、大入賞口の規定開放時間および大入賞口の規定個数は、適宜に変更することが可能である。
ここで、図20を用いて、小当たり遊技の詳細を説明する。図20は、小当たり遊技の流れを示すタイムチャートである。図20に示すように、特図の停止図柄として「小当たりA図柄」が停止表示すると、小当たり遊技が行われる。そして、小当たり遊技の開始に応じて、最初に開放前ITが設定される。開放前ITは、8000msが経過するまで継続し、開放前ITが終了すると、第2大入賞口15が開放するとともに、振分部材16kが退避して第1通過状態になる。第2大入賞口15の開放は、2000msが経過するまで、もしくは、10個の遊技球が第2大入賞口15に入賞するまで継続する一方、振分部材16kの退避は、1500msが経過するまで継続する。そして、第2大入賞口15の開放が終了すると、開放後ITが設定される。開放後ITは、2000msが経過するまで継続し、開放後ITの終了によって、小当たり遊技が終了する。
小当たり遊技中に第2大入賞口15に入賞した遊技球は、第1通過状態では、振分部材16kが退避位置にあるため、非特定領域17まで流下することなく、特定領域16を通過する一方、第2通過状態では、振分部材16kが進出位置にあるため、振分部材16k上を流下して、非特定領域17を通過する。そして、遊技球が特定領域16を通過すると、「大当たり遊技X9」が行われる一方、遊技球が特定領域16を通過しなかった場合には「大当たり遊技X9」が行われない。
第1実施形態では、第2大入賞口15の開放中の大半を第1通過状態にして、第2大入賞口15に遊技球が入賞すれば、その遊技球が高確率で特定領域16を通過するようにしているが、第1通常状態の時間を短くして、第2大入賞口15の入賞した遊技球が特定領域16を通過し難くなるようにしても良い。
次に、遊技制御用マイコン101が設定可能な遊技状態について説明する。遊技制御用マイコン101は、図柄A判定テーブル103c2によって選択された停止図柄の種類に応じて、異なる種類の遊技状態を設定することが可能である。遊技状態の種類として、「低確率低ベース遊技状態」,「低確率高ベース遊技状態」の2種類の遊技状態がある(図19参照)。
具体的には、図柄A判定テーブル103c2によって「大当たりX4図柄」が選択された場合は、「大当たり遊技X4」が実行される大当たり遊技状態の後に「低確率高ベース遊技状態」が設定される。この「低確率高ベース遊技状態」は、第2特図の可変表示の回数が10回の上限回数に達するまで継続可能であり、上限回数に達した後は、「低確率低ベース遊技状態」が設定される。
また、図柄A判定テーブル103c2によって「大当たりZ4図柄」が選択された場合は、「大当たり遊技Z4」が実行される大当たり遊技状態の後に「低確率低ベース遊技状態」が設定される。
また、図柄A判定テーブル103c2によって「大当たりX10図柄」が選択された場合は、「大当たり遊技X10」が実行される大当たり遊技状態の後に「低確率高ベース遊技状態」が設定される。この「低確率高ベース遊技状態」は、第2特図の可変表示の回数が10回の上限回数に達するまで継続可能であり、上限回数に達した後は、「低確率低ベースa遊技状態」が設定される。
また、図柄A判定テーブル103c2によって「小当たりA図柄」が選択された場合であって小当たり遊技において遊技球が特定領域16を通過した場合は、「大当たり遊技X9」が実行される大当たり遊技状態の後に「低確率高ベース遊技状態」が設定される。この「低確率高ベース遊技状態」は、第2特図の可変表示の回数が10回の上限回数に達するまで継続可能であり、上限回数に達した後は、「低確率低ベースa遊技状態」が設定される。
また、図柄A判定テーブル103c2によって「小当たりA図柄」が選択された場合であって小当たり遊技において遊技球が特定領域16を通過しなかった場合は、現在の遊技状態が「低確率低ベース遊技状態」であれば、「低確率低ベース遊技状態」が継続する一方、現在の遊技状態が「低確率高ベース遊技状態」であって、第2特図の可変表示の回数が上限回数に達する前であれば、「低確率高ベース遊技状態」が継続し、第2特図の可変表示の回数が上限回数に達していれば、「低確率低ベース遊技状態」が設定される。
第1実施形態では、「低確率高ベース遊技状態」の上限回数が「10」に設定されるが、上限回数については適宜に変更することが可能である。
次に、遊技制御用マイコン101が選択可能な第1特図の可変表示の変動パターンについて説明する。遊技制御用マイコン101の遊技記憶部101cには、図18に示すように、変動パターンA判定テーブル103a2が記憶されている。
遊技制御用マイコン101は、変動パターンA判定テーブル103a2を用いて、第1特図の可変表示の変動パターンを選択可能である。変動パターンA判定テーブル103a2は、「低確率低ベース遊技状態」のときに用いられるテーブルである。
図21は、変動パターンA判定テーブル103a2の内容を示す図である。遊技制御用マイコン101は、変動パターンA判定テーブル103a2を用いる場合、大当たり判定の結果、リーチ判定の結果および特図保留数に基づいて、変動パターンの種類を選択する。変動パターンの種類として、図21に示すように、「THP001A」,「THP002A」,「THP004A」,「THP011A」,「THP012A」,「THP013A」,「THP014A」,「THP021A」,「THP022A」の9種類の変動パターンがある。遊技制御用マイコン101は、図21に示す選択割合で変動パターンを選択する。
具体的には、大当たり判定の結果が「大当たり当選」の場合は、リーチ判定の結果および特図保留数に関わらず、「THP001A」,「THP002A」,「THP004A」の3種類の変動パターンのうちの何れかが選択され、「THP001A」が45%、「THP002A」が30%、「THP004A」が25%の割合で選択される。なお、「THP001A」が選択された場合の特図の可変表示時間は120000msであり、「THP001A」を「SPSP大当たり変動」という。また、「THP002A」が選択された場合の特図の可変表示時間は100000msであり、「THP002A」を「SP大当たり変動」という。また、「THP004A」が選択された場合の特図の可変表示時間は40000msであり、「THP004A」を「N/救済大当たり変動」という。
また、大当たり判定の結果が「ハズレ」の場合であって、リーチ判定の結果が「リーチ有り」の場合は、特図保留数に関わらず、「THP011A」,「THP012A」,「THP013A」,「THP014A」の4種類の変動パターンのうちの何れかが選択され、「THP011A」が5%、「THP012A」が10%、「THP013A」が60%、「THP014A」が25%の割合で選択される。なお、「THP011A」が選択された場合の特図の可変表示時間は120000msであり、「THP011A」を「SPSPハズレ変動」という。また、「THP012A」が選択された場合の特図の可変表示時間は100000msであり、「THP012A」を「SPハズレ変動」という。また、「THP013A」が選択された場合の特図の可変表示時間は20000msであり、「THP013A」を「Nハズレ変動」という。また、「THP014A」が選択された場合の特図の可変表示時間は40000msであり、「THP013A」を「N/救済ハズレ変動」という。
また、大当たり判定の結果が「ハズレ」の場合であって、リーチ判定の結果が「リーチ無し」の場合は、特図1保留数が「0」~「2」であれば、「THP021A」の1種類の変動パターンが100%の割合で選択され、特図1保留数が「3」~「4」であれば、「THP022A」の1種類の変動パターンが100%の割合で選択される。なお、「THP021A」が選択された場合の特図の可変表示時間は13000msであり、「THP022A」が選択された場合の特図の可変表示時間は2000msであり「THP021A」,「THP022A」を「通常ハズレ変動」という。
第1実施形態では、図21に示す変動パターンA判定テーブル103a2が用いられるが、変動パターンA判定テーブル103a2と、図14に示す変動パターン判定テーブル103a1と、が併用して用いられるようにしても良い。
<<第2実施形態>>
以下、図22~図28を用いて、第2実施形態を説明する。特に述べない限り、上述の基本実施形態および第1実施形態のパチンコ遊技機PY1が第2実施形態にも適用される。
最初に、遊技制御用マイコン101が選択した変動パターンに応じて、演出制御用マイコン121が実行可能な特図変動演出について説明する。演出制御用マイコン121は、「低確率低ベース遊技状態」において実行される特図変動演出において以下の演出を実行可能である。
A.通常変動
「通常変動」は、特図の可変表示の開始に応じて行われることがある演出であり、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3が変動表示する演出である。「通常変動」は、特図変動演出において最初に行われるため、特図変動演出が開始されたことを示唆する演出として機能する。
B.リーチ
「リーチ」は、「通常変動」の後に行われることがある演出であり、左演出図柄EZ1と右演出図柄EZ3とが同じ種類の演出図柄で停止表示する演出である。「リーチ」は、大当たり判定の結果が「大当たり当選」であった場合に行われることがあるため、大当たり遊技が行われる可能性があることを示唆する演出として機能する。また、「リーチ」は、その後に「Nリーチ」,「SPリーチ」,「SPSPリーチ」,「救済リーチ」などのリーチ演出に発展することがあるため、リーチ演出が行われる可能性があることを示唆する演出としても機能する。
C.Nリーチ
「Nリーチ」は、「リーチ」が成立した後に行われることがある演出であり、中演出図柄EZ2の変動速度が徐々に減速していくリーチ演出である。「Nリーチ」は、大当たり判定の結果が「大当たり当選」であった場合に行われることがあるため、大当たり遊技が行われる可能性があることを示唆する演出として機能する。また、「Nリーチ」は、その後に「SPリーチ」に発展するときと発展しないときとがあるため、「SPリーチ」に発展するか否かを示唆する演出としても機能する。
D.救済リーチ
「救済リーチ」は、「Nリーチ」でハズレが示唆された後に行われることがある演出であり、主人公キャラクタがお祈りをするリーチ演出である。「救済リーチ」は、大当たり判定の結果が「ハズレ」であった場合よりも「大当たり当選」であった場合の方が行われ易いため、大当たり遊技が行われる可能性が高いことを示唆する演出として機能する。
E.SPリーチ
「SPリーチ」は、「Nリーチ」でハズレが示唆されなかった後に行われることがある演出であり、主人公キャラクタと敵キャラクタとがバトルするリーチ演出である。「SPリーチ」は、大当たり判定の結果が「ハズレ」であった場合よりも「大当たり当選」であった場合の方が行われ易いため、大当たり遊技が行われる可能性が高いことを示唆する演出として機能する。また、「Nリーチ」から「救済リーチ」に発展したときよりも、「Nリーチ」から「SPリーチ」に発展したときの方が、大当たり遊技が行われ易いため、「SPリーチ」は、「救済リーチ」よりも大当たり遊技が行われる可能性が高いことを示唆する演出としても機能する。
F.SPSPリーチ
「SPSPリーチ」は、「SPリーチ」の後に行われることがある演出であり、主人公キャラクタと強敵キャラクタとがバトルするリーチ演出である。「SPSPリーチ」は、大当たり判定の結果が「ハズレ」であった場合よりも「大当たり当選」であった場合の方が行われ易いため、大当たり遊技が行われる可能性が高いことを示唆する演出として機能する。また、「SPリーチ」から「SPSPリーチ」に発展しなかったときよりも、「SPリーチ」から「SPSPリーチ」に発展したときの方が、大当たり遊技が行われ易いため、「SPSPリーチ」は、「SPリーチ」よりも大当たり遊技が行われる可能性が高いことを示唆する演出としても機能する。
G.リーチ図柄昇格予告
「リーチ図柄昇格予告」は、「救済リーチ」,「SPリーチ」において行われることがある演出であり、「リーチ」の成立時に停止表示した左演出図柄EZ1および右演出図柄EZ3の態様(リーチ目)が変化する予告演出である。「リーチ図柄昇格予告」は、特図の停止図柄が「大当たりZ4図柄」であった場合よりも「大当たりX4図柄」であった場合の方が行われ易いため、大当たり遊技の後に「低確率高ベース遊技状態」になり易いことを示唆する演出として機能する。
次に、図22を用いて、変動パターンA判定テーブル103a2によって選択された変動パターンに応じて実行される特図変動演出の演出フローを説明する。演出制御用マイコン121は、演出フローを構成する各演出において、表示部50aに演出画像を表示するとともに、演出画像の表示に応じて、枠ランプ53や盤ランプ54を用いた発光演出と、スピーカ52を用いた音演出と、を実行可能である。
図22(A)に示すように、変動パターンが「SPSP大当たり変動」,「SPSPハズレ変動」の特図変動演出では、「通常変動」→「リーチ」→「Nリーチ」→「SPリーチ」→「SPSPリーチ」で構成される演出フローが実行される。なお、これらの特図変動演出における「SPリーチ」で、「リーチ図柄昇格予告」が行われることがある。
また、図22(B)に示すように、変動パターンが「SP大当たり変動」,「SPハズレ変動」の特図変動演出では、「通常変動」→「リーチ」→「Nリーチ」→「SPリーチ」で構成される演出フローが実行される。なお、これらの特図変動演出における「SPリーチ」で、「リーチ図柄昇格予告」が行われることがある。
また、図22(C)に示すように、変動パターンが「N/救済大当たり変動」,「N/救済ハズレ変動」の特図変動演出では、「通常変動」→「リーチ」→「Nリーチ」→「救済リーチ」で構成される演出フローが実行される。なお、これらの特図変動演出における「救済リーチ」で、「リーチ図柄昇格予告」が行われることがある。
また、図22(D)に示すように、変動パターンが「Nハズレ変動」の特図変動演出では、「通常変動」→「リーチ」→「Nリーチ」で構成される演出フローが実行される。
また、図22(E)に示すように、変動パターンが「通常ハズレ変動」の特図変動演出では、「通常変動」のみで構成される演出フローが実行される。
次に、特図変動演出において実行される主要な演出について具体的に説明する。なお、以下に説明する特図変動演出において、保留アイコンHAの表示も並行して行われるが、保留アイコンHAの図示を省略することがある。
最初に、「リーチ図柄昇格予告」が行われることがある「SPリーチ」,「救済リーチ」について説明する。演出制御用マイコン121は、変動パターンが「SPSP大当たり変動」,「SPSPハズレ変動」,「SP大当たり変動」,「SPハズレ変動」の特図変動演出において、「SPリーチ」を実行可能であり、変動パターンが「N/救済大当たり変動」,「N/救済ハズレ変動」の特図変動演出において、「救済リーチ」を実行可能である。
図23(A)~図23(E)は、「Nリーチ」を経て「SPリーチ」が行われる様子を示す図である。特図変動演出における「Nリーチ」において、変動速度が減速した中演出図柄EZ2が、図23(A)に示すように、再び高速度で変動表示すると、「SPリーチ」に発展する。
「SPリーチ」では、図23(B)に示すように、SPリーチの開始を表すSPタイトル画像G1が表示部50aに表示され、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3が表示部50aの左上部に縮小しながら移動する。このとき、「リーチ図柄昇格予告」が行われることがあるが、「リーチ図柄昇格予告」の詳細については後述する。
その後、図23(C)に示すように、主人公キャラクタを表す主人公キャラクタ画像G200と、敵キャラクタを表す敵キャラクタ画像G201と、が表示部50aに表示され、主人公キャラクタと敵キャラクタとがバトルする動画が表示部50aに表示される。
そして、バトルの最終局面を迎えると、変動パターンが「SP大当たり変動」の場合には、図23(D)に示すように、主人公キャラクタがバトルに勝利して、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3が大当たりを示唆する態様(ゾロ目)で停止表示し、変動パターンが「SPハズレ変動」の場合には、図23(E)に示すように、敵キャラクタがバトルに勝利して、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3がハズレを示唆する態様(リーチハズレ目)で停止表示する。なお、変動パターンが「SPSP大当たり変動」,「SPSPハズレ変動」の場合には、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3が停止表示することなく、「SPSPリーチ」に発展する(図9参照)。
図24(A)~図24(E)は、「Nリーチ」を経て「救済リーチ」が行われる様子を示す図である。特図変動演出における「Nリーチ」において、変動速度が減速した中演出図柄EZ2が、図24(A)に示すように、左演出図柄EZ1および右演出図柄EZ3と異なる種類の演出図柄(ここでは「6」)で停止表示すると、「SPリーチ」に発展せずに、「救済リーチ」に発展する。
「救済リーチ」では、図24(B)に示すように、救済リーチの開始を表す救済タイトル画像G300(ここでは、「お祈りチャレンジ」の文字画像)が表示部50aに表示され、左演出図柄EZ1が表示部50aの左上部に縮小しながら移動するとともに、右演出図柄EZ3が表示部50aの右上部に縮小しながら移動する。このとき、「リーチ図柄昇格予告」が行われることがあるが、「リーチ図柄昇格予告」の詳細については後述する。
その後、図24(C)に示すように、主人公キャラクタを表す主人公キャラクタ画像G200が表示部50aに表示され、主人公キャラクタが手を合わせてお祈りする動画が表示部50aに表示される。
そして、変動パターンが「N/救済大当たり変動」の場合には、図24(D)に示すように、主人公キャラクタが喜んでいる様子が表示部50aに表示され、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3が大当たりを示唆する態様(ゾロ目)で停止表示し、変動パターンが「N/救済ハズレ変動」の場合には、図24(E)に示すように、主人公キャラクタが消去され、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3がハズレを示唆する態様(リーチハズレ目)で停止表示する。
次に、「リーチ図柄昇格予告」について説明する。演出制御用マイコン121は、変動パターンが「SPSP大当たり変動」,「SPSPハズレ変動」,「SP大当たり変動」,「SPハズレ変動」の特図変動演出では、「SPリーチ」において「リーチ図柄昇格予告」を実行可能であり、変動パターンが「N/救済大当たり変動」,「N/救済ハズレ変動」の特図変動演出では、「救済リーチ」において「リーチ図柄昇格予告」を実行可能である。
演出制御用マイコン121の演出記憶部121bには、図25に示すように、リーチ図柄昇格予告選択テーブル123a1が記憶されている。演出制御用マイコン121は、リーチ図柄昇格予告選択テーブル123a1を用いて、「リーチ図柄昇格予告」を実行するか否かと、「リーチ図柄昇格予告」を実行する場合の昇格パターンの種類と、を選択可能である。昇格パターンの種類には、昇格パターンA、昇格パターンBおよび昇格パターンCの3種類がある。
昇格パターンAは、左演出図柄EZ1および右演出図柄EZ3の背後に「青色の炎」が付加される昇格パターンであり、昇格パターンBは、左演出図柄EZ1および右演出図柄EZ3の背後に「緑色の炎」が付加される昇格パターンであり、左演出図柄EZ1および右演出図柄EZ3の背後に「赤色の炎」が付加される昇格パターンである。
図26は、リーチ図柄昇格予告選択テーブル123a1の内容を示す図である。演出制御用マイコン121は、変動パターンの種類および停止図柄の種類を参照して、「リーチ図柄昇格予告」を実行するか否かと、「リーチ図柄昇格予告」を実行する場合の昇格パターンの種類と、を選択する。
具体的には、変動パターンが「SPSP大当たり変動」(THP001A),「SP大当たり変動」(THP002A)の場合は、特図の停止図柄が「大当たりX4図柄」であれば、昇格パターンAの「リーチ図柄昇格予告」の実行が5%、昇格パターンBの「リーチ図柄昇格予告」の実行が20%、昇格パターンCの「リーチ図柄昇格予告」の実行が30%、「リーチ図柄昇格予告」の非実行が45%の割合で選択される一方、特図の停止図柄が「大当たりZ4図柄」であれば、昇格パターンAの「リーチ図柄昇格予告」の実行が15%、昇格パターンBの「リーチ図柄昇格予告」の実行が10%、「リーチ図柄昇格予告」の非実行が45%の割合で選択され、昇格パターンCの「リーチ図柄昇格予告」の実行は選択されない。
また、変動パターンが「SPSPハズレ変動」(THP011A),「SPハズレ変動」(THP012A)の場合は、特図の停止図柄に関わらず(必ず「ハズレA図柄」)、昇格パターンAの「リーチ図柄昇格予告」の実行が10%、昇格パターンBの「リーチ図柄昇格予告」の実行が5%、昇格パターンCの「リーチ図柄昇格予告」の実行が5%、「リーチ図柄昇格予告」の非実行が80%の割合で選択される。
また、変動パターンが「N/救済大当たり変動」(THP004A)の場合は、特図の停止図柄が「大当たりX4図柄」であれば、昇格パターンAの「リーチ図柄昇格予告」の実行が20%、昇格パターンBの「リーチ図柄昇格予告」の実行が25%、昇格パターンCの「リーチ図柄昇格予告」の実行が40%、「リーチ図柄昇格予告」の非実行が15%の割合で選択される一方、特図の停止図柄が「大当たりZ4図柄」であれば、昇格パターンAの「リーチ図柄昇格予告」の実行が15%、昇格パターンBの「リーチ図柄昇格予告」の実行が10%、「リーチ図柄昇格予告」の非実行が75%の割合で選択され、昇格パターンCの「リーチ図柄昇格予告」の実行は選択されない。
また、変動パターンが「N/救済ハズレ変動」(THP014A)の場合は、特図の停止図柄に関わらず(必ず「ハズレA図柄」)、昇格パターンAの「リーチ図柄昇格予告」の実行が10%、昇格パターンBの「リーチ図柄昇格予告」の実行が5%、昇格パターンCの「リーチ図柄昇格予告」の実行が5%、「リーチ図柄昇格予告」の非実行が80%の割合で選択される。
つまり、昇格パターンA<昇格パターンB<昇格パターンCの順に、大当たり期待度が高くなるように設定されており、左演出図柄EZ1および右演出図柄EZ3の背後に「緑色の炎」が付加される「リーチ図柄昇格予告」は、左演出図柄EZ1および右演出図柄EZ3の背後に「青色の炎」が付加される「リーチ図柄昇格予告」よりも大当たり遊技が行われる可能性が高いことを示唆する演出として機能し、左演出図柄EZ1および右演出図柄EZ3の背後に「赤色の炎」が付加される「リーチ図柄昇格予告」は、左演出図柄EZ1および右演出図柄EZ3の背後に「緑色の炎」が付加される「リーチ図柄昇格予告」よりも大当たり遊技が行われる可能性が高いことを示唆する演出として機能する。
また、特図の停止図柄が「大当たりX4図柄」の場合よりも、特図の停止図柄が「大当たりZ4図柄」の方が、「リーチ図柄昇格予告」が行われ易くなるように設定されており、「リーチ図柄昇格予告」は、大当たり遊技が行われた場合、その後に「低確率高ベース遊技状態」になる可能性が高いことを示唆する演出として機能する。
演出制御用マイコン121は、「リーチ図柄昇格予告」を実行する場合、リーチ図柄昇格予告選択テーブル123a1による選択結果に応じて、昇格パターンが異なる「リーチ図柄昇格予告」を実行する。なお、リーチ図柄昇格予告選択テーブル123a1によって示される選択割合については適宜に変更することが可能である。
図27(A)~図27(E)は、「SPリーチ」において「リーチ図柄昇格予告」が行われる様子を示す図である。特図変動演出における「Nリーチ」において、中演出図柄EZ2の変動速度が高速度になり、「SPリーチ」に発展すると、図27(A)に示すように、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3が表示部50aの左上部に縮小しながら移動する。そして、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3が左上部まで移動すると、「リーチ図柄昇格予告」が行われる。
「SPリーチ」での「リーチ図柄昇格予告」では、図27(B)に示すように、左演出図柄EZ1および右演出図柄EZ3が上下左右に揺れる動きをし、リーチ目として停止表示している左演出図柄EZ1および右演出図柄EZ3の態様が変化する可能性があることが示唆される。
そして、リーチ図柄昇格予告選択テーブル123a1によって昇格パターンAが選択されている場合には、図27(C)に示すように、左演出図柄EZ1および右演出図柄EZ3の動きが止まるとともに、左演出図柄EZ1および右演出図柄EZ3の背後に、「青色の炎」を表す炎画像G400aが表示され、昇格パターンAの「リーチ図柄昇格予告」が終了する。
また、リーチ図柄昇格予告選択テーブル123a1によって昇格パターンBが選択されている場合には、図27(D)に示すように、左演出図柄EZ1および右演出図柄EZ3の動きが止まるとともに、左演出図柄EZ1および右演出図柄EZ3の背後に、「緑色の炎」を表す炎画像G400bが表示され、昇格パターンBの「リーチ図柄昇格予告」が終了する。
また、リーチ図柄昇格予告選択テーブル123a1によって昇格パターンCが選択されている場合には、図27(E)に示すように、左演出図柄EZ1および右演出図柄EZ3の動きが止まるとともに、左演出図柄EZ1および右演出図柄EZ3の背後に、「赤色の炎」を表す炎画像G400cがそれぞれ表示され、昇格パターンCの「リーチ図柄昇格予告」が終了する。
なお、リーチ図柄昇格予告選択テーブル123a1によって、「リーチ図柄昇格予告」の非実行が選択されている場合には、左演出図柄EZ1および右演出図柄EZ3が上下左右に揺れる動きをした後、左演出図柄EZ1および右演出図柄EZ3の背後に炎画像G400a,G400b,G400cが表示されることなく、左演出図柄EZ1および右演出図柄EZ3の動きが止まる。
図28(A)~図28(E)は、「救済リーチ」において「リーチ図柄昇格予告」が行われる様子を示す図である。特図変動演出における「Nリーチ」において、中演出図柄EZ2が停止表示し、「救済リーチ」に発展すると、図28(A)に示すように、左演出図柄EZ1が表示部50aの左上部に縮小しながら移動するとともに、右演出図柄EZ3が表示部50aの右上部に縮小しながら移動する。そして、左演出図柄EZ1が左上部まで移動し、右演出図柄EZ3が、右上部まで移動すると、「リーチ図柄昇格予告」が行われる。
「救済リーチ」での「リーチ図柄昇格予告」では、図28(B)に示すように、左演出図柄EZ1および右演出図柄EZ3が上下左右に揺れる動きをし、リーチ目として停止表示している左演出図柄EZ1および右演出図柄EZ3の態様が変化する可能性があることが示唆される。
そして、リーチ図柄昇格予告選択テーブル123a1によって昇格パターンAが選択されている場合には、図28(C)に示すように、左演出図柄EZ1および右演出図柄EZ3の動きが止まるとともに、左演出図柄EZ1および右演出図柄EZ3の背後に、「青色の炎」を表す炎画像G400aが表示され、昇格パターンAの「リーチ図柄昇格予告」が終了する。
また、リーチ図柄昇格予告選択テーブル123a1によって昇格パターンBが選択されている場合には、図28(D)に示すように、左演出図柄EZ1および右演出図柄EZ3の動きが止まるとともに、左演出図柄EZ1および右演出図柄EZ3の背後に、「緑色の炎」を表す炎画像G400bが表示され、昇格パターンBの「リーチ図柄昇格予告」が終了する。
また、リーチ図柄昇格予告選択テーブル123a1によって昇格パターンCが選択されている場合には、図28(E)に示すように、左演出図柄EZ1および右演出図柄EZ3の動きが止まるとともに、左演出図柄EZ1および右演出図柄EZ3の背後に、「赤色の炎」を表す炎画像G400cがそれぞれ表示され、昇格パターンCの「リーチ図柄昇格予告」が終了する。
なお、リーチ図柄昇格予告選択テーブル123a1によって、「リーチ図柄昇格予告」の非実行が選択されている場合には、左演出図柄EZ1および右演出図柄EZ3が上下左右に揺れる動きをした後、左演出図柄EZ1および右演出図柄EZ3の背後に炎画像G400a,G400b,G400cが表示されることなく、左演出図柄EZ1および右演出図柄EZ3の動きが止まる。
第2実施形態では、「リーチ図柄昇格予告」において、左演出図柄EZ1および右演出図柄EZ3の背後に炎画像G400a,G400b,G400cが表示されるようにしているが、炎画像G400a,G400b,G400cの表示に替えて又は加えて、左演出図柄EZ1および右演出図柄EZ3の種類が変化するようにしても良い。例えば、リーチ目として左演出図柄EZ1および右演出図柄EZ3が「6」で停止表示した場合、左演出図柄EZ1および右演出図柄EZ3が「6」から「7」に変化するようにしても良い。
<第2実施形態の考察>
以下、第2実施形態で説明したパチンコ遊技機PY1について考察する。最初に、「Nリーチ」における中演出図柄EZ2の挙動について考察する。
「Nリーチ」では、中演出図柄EZ2の変動速度が減速するが、その後、中演出図柄EZ2の変動速度が高速度に変化するときと、中演出図柄EZ2の変動速度が高速度に変化することなく停止表示するときと、がある。
そして、中演出図柄EZ2の変動速度が高速度に変化した場合には、「Nリーチ」から「SPリーチ」に発展する一方、中演出図柄EZ2の変動速度が高速度に変化することなく停止表示した場合には、「Nリーチ」から「SPリーチ」に発展しない(「Nリーチ」で特図変動演出が終了する、または、「救済リーチ」に発展する)。
つまり、「Nリーチ」では、中演出図柄EZ2の挙動によって、「SPリーチ」に発展するか否かを示唆していると言える。
次に、「SPリーチ」における「リーチ図柄昇格予告」の実行確率と、「救済リーチ」における「リーチ図柄昇格予告」の実行確率と、の関係について考察する。
「Nリーチ」から「SPリーチ」に発展した場合、および、「リーチ」から「救済リーチ」に発展した場合、の何れの場合でも、「リーチ図柄昇格予告」が行われることがある。
そして、「リーチ図柄昇格予告」の実行/非実行は、リーチ図柄昇格予告選択テーブル123a1によって選択されるが、「Nリーチ」から「SPリーチ」に発展する演出フローを含む特図変動演出に対応する変動パターン(THP001A,THP002A,THP011A,THP012A)の場合よりも、「Nリーチ」から「救済リーチ」に発展する演出フローを含む特図変動演出に対応する変動パターン(THP004A,THP014A)の場合の方が、「リーチ図柄昇格予告」の実行が選択され易くなっている(図26参照)。
つまり、「Nリーチ」から「SPリーチ」に発展した場合と、「リーチ」から「救済リーチ」に発展した場合とで、「リーチ図柄昇格予告」が実行される確率が互いに異なると言える。
<第2実施形態の効果>
以下、第2実施形態で説明したパチンコ遊技機PY1の効果について説明する。
(1)「Nリーチ」から「救済リーチ」に発展した場合、「救済リーチ」において、「リーチ図柄昇格予告」が行われることがあるので、「救済リーチ」の演出効果を高めることができ、遊技の興趣を高めることが可能である。
(2)「Nリーチ」から「SPリーチ」に発展した場合、「SPリーチ」において、「リーチ図柄昇格予告」が行われることがあるので、「SPリーチ」の演出効果を高めることができ、遊技の興趣を高めることが可能である。
(3)「Nリーチ」から「救済リーチ」に発展した場合と、「Nリーチ」から「SPリーチ」に発展した場合とで、「リーチ図柄昇格予告」が行われる確率が異なるので、「Nリーチ」からの発展先によって、「リーチ図柄昇格予告」が行われる可能性を示唆することができ、遊技の興趣を高めることが可能である。
(4)「リーチ図柄昇格予告」が行われた場合には、「リーチ図柄昇格予告」が行われなかった場合よりも、大当たり遊技が行われ易いので、「リーチ図柄昇格予告」によって、大当たり遊技が行われる可能性を示唆することができ、遊技の興趣を高めることが可能である。
(5)「リーチ図柄昇格予告」が行われた場合には、「リーチ図柄昇格予告」が行われなかった場合よりも、大当たり遊技の後に「低確率高ベース遊技状態」になり易いので、「リーチ図柄昇格予告」によって、「低確率高ベース遊技状態」になる可能性を示唆することができ、遊技の興趣を高めることが可能である。
<<第3実施形態>>
以下、図29~図33を用いて、第3実施形態を説明する。特に述べない限り、上述の基本実施形態および第1実施形態のパチンコ遊技機PY1が第3実施形態にも適用される。
最初に、遊技制御用マイコン101が選択した変動パターンに応じて、演出制御用マイコン121が実行可能な特図変動演出について説明する。演出制御用マイコン121は、「低確率低ベース遊技状態」において実行される特図変動演出において以下の演出を実行可能である。
A.通常変動
「通常変動」は、特図の可変表示の開始に応じて行われることがある演出であり、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3が変動表示する演出である。「通常変動」は、特図変動演出において最初に行われるため、特図変動演出が開始されたことを示唆する演出として機能する。
B.リーチ
「リーチ」は、「通常変動」の後に行われることがある演出であり、左演出図柄EZ1と右演出図柄EZ3とが同じ種類の演出図柄で停止表示する演出である。「リーチ」は、大当たり判定の結果が「大当たり当選」であった場合に行われることがあるため、大当たり遊技が行われる可能性があることを示唆する演出として機能する。また、「リーチ」は、その後に「Nリーチ」,「SPリーチ」,「SPSPリーチ」などのリーチ演出に発展することがあるため、リーチ演出が行われる可能性があることを示唆する演出としても機能する。
C.Nリーチ
「Nリーチ」は、「リーチ」が成立した後に行われることがある演出であり、中演出図柄EZ2の変動速度が徐々に減速していくリーチ演出である。「Nリーチ」は、大当たり判定の結果が「大当たり当選」であった場合に行われることがあるため、大当たり遊技が行われる可能性があることを示唆する演出として機能する。また、「Nリーチ」は、その後に「SPリーチ」に発展するときと発展しないときとがあるため、「SPリーチ」に発展するか否かを示唆する演出としても機能する。
D.救済リーチ
「救済リーチ」は、「Nリーチ」でハズレが示唆された後に行われることがある演出であり、主人公キャラクタがお祈りをするリーチ演出である。「救済リーチ」は、大当たり判定の結果が「ハズレ」であった場合よりも「大当たり当選」であった場合の方が行われ易いため、大当たり遊技が行われる可能性が高いことを示唆する演出として機能する。
E.SPリーチ
「SPリーチ」は、「Nリーチ」でハズレが示唆されなかった後に行われることがある演出であり、主人公キャラクタと敵キャラクタとがバトルするリーチ演出である。「SPリーチ」は、大当たり判定の結果が「ハズレ」であった場合よりも「大当たり当選」であった場合の方が行われ易いため、大当たり遊技が行われる可能性が高いことを示唆する演出として機能する。また、「Nリーチ」から「救済リーチ」に発展したときよりも、「Nリーチ」から「SPリーチ」に発展したときの方が、大当たり遊技が行われ易いため、「SPリーチ」は、「救済リーチ」よりも大当たり遊技が行われる可能性が高いことを示唆する演出としても機能する。
F.SPSPリーチ
「SPSPリーチ」は、「SPリーチ」の後に行われることがある演出であり、主人公キャラクタと強敵キャラクタとがバトルするリーチ演出である。「SPSPリーチ」は、大当たり判定の結果が「ハズレ」であった場合よりも「大当たり当選」であった場合の方が行われ易いため、大当たり遊技が行われる可能性が高いことを示唆する演出として機能する。また、「SPリーチ」から「SPSPリーチ」に発展しなかったときよりも、「SPリーチ」から「SPSPリーチ」に発展したときの方が、大当たり遊技が行われ易いため、「SPSPリーチ」は、「SPリーチ」よりも大当たり遊技が行われる可能性が高いことを示唆する演出としても機能する。
G.キャラSU予告
「キャラSU予告」は、「通常変動」において行われることがある演出であり、複数のキャラクタが順に登場する予告演出である。「キャラSU予告」は、その後に「リーチ」が成立することがあるため、「リーチ」が成立する可能性があることを示唆する演出として機能する。
G-A.選択キャラ予告
「選択キャラ予告」は、「キャラSU予告」の1種であり、登場した複数のキャラクタのうちの何れか1人のキャラクタがセリフを発する予告演出である。
G-B.最終キャラ予告
「最終キャラ予告」は、「キャラSU予告」の1種であり、最後に登場した1人のキャラクタがセリフを発する予告演出である。
次に、図29を用いて、変動パターンA判定テーブル103a2によって選択された変動パターンに応じて実行される特図変動演出の演出フローを説明する。演出制御用マイコン121は、演出フローを構成する各演出において、表示部50aに演出画像を表示するとともに、演出画像の表示に応じて、枠ランプ53や盤ランプ54を用いた発光演出と、スピーカ52を用いた音演出と、を実行可能である。
図29(A)に示すように、変動パターンが「SPSP大当たり変動」,「SPSPハズレ変動」の特図変動演出では、「通常変動」→「リーチ」→「Nリーチ」→「SPリーチ」→「SPSPリーチ」で構成される演出フローが実行される。なお、これらの特図変動演出における「通常変動」で、「キャラSU予告」が行われることがある。
また、図29(B)に示すように、変動パターンが「SP大当たり変動」,「SPハズレ変動」の特図変動演出では、「通常変動」→「リーチ」→「Nリーチ」→「SPリーチ」で構成される演出フローが実行される。なお、これらの特図変動演出における「通常変動」で、「キャラSU予告」が行われることがある。
また、図29(C)に示すように、変動パターンが「N/救済大当たり変動」,「N/救済ハズレ変動」の特図変動演出では、「通常変動」→「リーチ」→「Nリーチ」→「救済リーチ」で構成される演出フローが実行される。なお、これらの特図変動演出における「通常変動」で、「キャラSU予告」が行われることがある。
また、図29(D)に示すように、変動パターンが「Nハズレ変動」の特図変動演出では、「通常変動」→「リーチ」→「Nリーチ」で構成される演出フローが実行される。なお、この特図変動演出における「通常変動」で、「キャラSU予告」が行われることがある。
また、図29(E)に示すように、変動パターンが「通常ハズレ変動」の特図変動演出では、「通常変動」のみで構成される演出フローが実行される。なお、この特図変動演出における「通常変動」で、「キャラSU予告」が行われることがある。
次に、特図変動演出において実行される主要な演出について具体的に説明する。なお、以下に説明する特図変動演出において、保留アイコンHAの表示も並行して行われるが、保留アイコンHAの図示を省略することがある。
最初に、「キャラSU予告」としての「選択キャラ予告」,「最終キャラ予告」について説明する。演出制御用マイコン121は、変動パターンが「SPSP大当たり変動」,「SPSPハズレ変動」,「SP大当たり変動」,「SPハズレ変動」,「N/救済大当たり変動」,「N/救済ハズレ変動」,「Nハズレ変動」,「通常ハズレ変動」の特図変動演出における「通常変動」において、「選択キャラ予告」または「最終キャラ予告」を実行可能である。
演出制御用マイコン121の演出記憶部121bには、図30に示すように、キャラSU予告選択テーブル123a2が記憶されている。演出制御用マイコン121は、キャラSU予告選択テーブル123a2を用いて、「キャラSU予告」を実行するか否かと、「キャラSU予告」を実行する場合に「選択キャラ予告」および「最終キャラ予告」の何れを実行するのかと、「選択キャラ予告」を実行する場合の演出パターンの種類と、「最終キャラ予告」を実行する場合の演出パターンの種類と、を選択可能である。
「選択キャラ予告」の演出パターンの種類には、図31(A)に示すように、演出パターンA~演出パターンFの6種類があり、「最終キャラ予告」の演出パターンの種類には、演出パターンG~演出パターンJの4種類がある。
演出パターンAは、ステップ1~ステップ2で構成され、ステップ1でキャラクタAが登場し、ステップ2でキャラクタBが登場し、キャラクタAおよびキャラクタBの何れもセリフを発しない演出パターンである。
演出パターンBは、ステップ1~ステップ4で構成され、ステップ1でキャラクタAが登場し、ステップ2でキャラクタBが登場し、ステップ3でキャラクタCが登場し、ステップ4でキャラクタAがセリフを発する演出パターンである。
演出パターンCは、ステップ1~ステップ4で構成され、ステップ1でキャラクタAが登場し、ステップ2でキャラクタBが登場し、ステップ3でキャラクタCが登場し、ステップ4でキャラクタBがセリフを発する演出パターンである。
演出パターンDは、ステップ1~ステップ4で構成され、ステップ1でキャラクタAが登場し、ステップ2でキャラクタBが登場し、ステップ3でキャラクタCが登場し、ステップ4でキャラクタCがセリフを発する演出パターンである。
演出パターンE~演出パターンFは、それぞれステップ1~ステップ4で構成され、ステップ1でキャラクタAが登場し、ステップ2でキャラクタBが登場し、ステップ3でキャラクタCが登場し、ステップ4でキャラクタA、キャラクタBおよびキャラクタCの全てがセリフを発する演出パターンである。
演出パターンGは、ステップ1~ステップ3で構成され、ステップ1でキャラクタDが登場し、ステップ2でキャラクタEが登場し、ステップ3でキャラクタEがセリフを発する演出パターンである。
演出パターンH~演出パターンJは、それぞれステップ1~ステップ4で構成され、ステップ1でキャラクタDが登場し、ステップ2でキャラクタEが登場し、ステップ3でキャラクタFが登場し、ステップ4でキャラクタFがセリフを発する演出パターンである。
なお、詳細については後述するが、「選択キャラ予告」では、キャラクタA、キャラクタBおよびキャラクタCの全てが発するセリフの文字は、演出パターンの種類によって、異なる文字色で表示されるようになっており、「最終キャラ予告」では、キャラクタEまたはキャラクタFが発するセリフの文字は、演出パターンの種類によって、異なる文字色で表示されるようになっている。
図31(B)は、キャラSU予告選択テーブル123a2の内容を示す図である。演出制御用マイコン121は、変動パターンの種類を参照して、「キャラSU予告」を実行するか否かと、「キャラSU予告」を実行する場合に「選択キャラ予告」および「最終キャラ予告」の何れを実行するのかと、「選択キャラ予告」を実行する場合の演出パターンの種類と、「最終キャラ予告」を実行する場合の演出パターンの種類と、を選択する。
具体的には、変動パターンが「SPSP大当たり変動」(THP001A),「SP大当たり変動」(THP002A)の場合は、演出パターンBの「選択キャラ予告」の実行が5%、演出パターンCの「選択キャラ予告」の実行が10%、演出パターンDの「選択キャラ予告」の実行が15%、演出パターンEの「選択キャラ予告」の実行が2%、演出パターンFの「選択キャラ予告」の実行が3%、演出パターンHの「最終キャラ予告」の実行が5%、演出パターンIの「最終キャラ予告」の実行が10%、演出パターンJの「最終キャラ予告」の実行が20%、「キャラSU予告」の非実行が30%の割合で選択され、演出パターンAの「選択キャラ予告」の実行、および、演出パターンGの「最終キャラ予告」の実行、は選択されない。
また、変動パターンが「N/救済大当たり変動」(THP004A)の場合は、演出パターンBの「選択キャラ予告」の実行が10%、演出パターンCの「選択キャラ予告」の実行が15%、演出パターンHの「最終キャラ予告」の実行が10%、演出パターンIの「最終キャラ予告」の実行が15%、「キャラSU予告」の非実行が40%の割合で選択され、演出パターンAの「選択キャラ予告」の実行、演出パターンDの「選択キャラ予告」の実行、演出パターンEの「選択キャラ予告」の実行、演出パターンFの「選択キャラ予告」の実行、演出パターンGの「最終キャラ予告」の実行、および、演出パターンJの「最終キャラ予告」の実行、は選択されない。
また、変動パターンが「SPSPハズレ変動」(THP011A),「SPハズレ変動」(THP012A)の場合は、演出パターンBの「選択キャラ予告」の実行が5%、演出パターンCの「選択キャラ予告」の実行が10%、演出パターンDの「選択キャラ予告」の実行が13%、演出パターンEの「選択キャラ予告」の実行が1%、演出パターンFの「選択キャラ予告」の実行が1%、演出パターンHの「最終キャラ予告」の実行が5%、演出パターンIの「最終キャラ予告」の実行が10%、演出パターンJの「最終キャラ予告」の実行が15%、「キャラSU予告」の非実行が40%の割合で選択され、演出パターンAの「選択キャラ予告」の実行、および、演出パターンGの「最終キャラ予告」の実行、は選択されない。
また、変動パターンが「Nハズレ変動」(THP013A),「N/救済ハズレ変動」(THP014A)の場合は、演出パターンBの「選択キャラ予告」の実行が15%、演出パターンCの「選択キャラ予告」の実行が10%、演出パターンHの「最終キャラ予告」の実行が15%、演出パターンIの「最終キャラ予告」の実行が10%、「キャラSU予告」の非実行が50%の割合で選択され、演出パターンAの「選択キャラ予告」の実行、演出パターンDの「選択キャラ予告」の実行、演出パターンEの「選択キャラ予告」の実行、演出パターンFの「選択キャラ予告」の実行、演出パターンGの「最終キャラ予告」の実行、および、演出パターンJの「最終キャラ予告」の実行、は選択されない。
また、変動パターンが「通常ハズレ変動」(THP021A)の場合は、演出パターンAの「選択キャラ予告」の実行が15%、演出パターンGの「最終キャラ予告」の実行が15%、「キャラSU予告」の非実行が70%の割合で選択され、演出パターンBの「選択キャラ予告」の実行、演出パターンCの「選択キャラ予告」の実行、演出パターンDの「選択キャラ予告」の実行、演出パターンEの「選択キャラ予告」の実行、演出パターンFの「選択キャラ予告」の実行、演出パターンHの「最終キャラ予告」の実行、演出パターンIの「最終キャラ予告」の実行、および、演出パターンJの「最終キャラ予告」の実行、は選択されない。
つまり、「選択キャラ予告」では、演出パターンA<演出パターンB<演出パターンC<演出パターンD<演出パターンE<演出パターンFの順に、大当たり期待度が高くなるように設定されており、演出パターンDの「選択キャラ予告」は、演出パターンA~演出パターンCの「選択キャラ予告」よりも大当たり遊技が行われる可能性が高いことを示唆する機能し、演出パターンE~演出パターンFの「選択キャラ予告」は、他の演出パターンの「選択キャラ予告」よりも大当たり遊技が行われる可能性が高いことを示唆する機能する。
また、「選択キャラ予告」では、演出フローに「SPリーチ」を含む特図変動演出に対応する変動パターン(THP001A,THP002A,THP011A,THP012A)の場合にだけ、演出パターンD~演出パターンFが選択されるように設定されており、演出パターンD~演出パターンFの「選択キャラ予告」は、「SPリーチ」が行われることを示唆する演出として機能する。
また、「選択キャラ予告」では、演出フローに「リーチ」の成立を含まない特図変動演出に対応する変動パターン(THP021A)の場合にだけ、演出パターンAが選択されるように設定されており、演出パターンAの「選択キャラ予告」は、「リーチ」が成立しないことを示唆する所謂ガセ演出として機能する。
一方、「最終キャラ予告」では、演出パターンG<演出パターンH<演出パターンI<演出パターンJの順に、大当たり期待度が高くなるように設定されており、演出パターンJの「最終キャラ予告」は、他の演出パターンの「最終キャラ予告」よりも大当たり遊技が行われる可能性が高いことを示唆する機能する。
また、「最終キャラ予告」では、演出フローに「SPリーチ」を含む特図変動演出に対応する変動パターン(THP001A,THP002A,THP011A,THP012A)の場合にだけ、演出パターンJが選択されるように設定されており、演出パターンJの「最終キャラ予告」は、「SPリーチ」が行われることを示唆する演出として機能する。
また、「最終キャラ予告」では、演出フローに「リーチ」の成立を含まない特図変動演出に対応する変動パターン(THP021A)の場合にだけ、演出パターンGが選択されるように設定されており、演出パターンGの「最終キャラ予告」は、「リーチ」が成立しないことを示唆する所謂ガセ演出として機能する。
演出制御用マイコン121は、「キャラSU予告」を実行する場合、キャラSU予告選択テーブル123a2による選択結果に応じて、演出パターンの異なる「キャラSU予告」を実行する。なお、キャラSU予告選択テーブル123a2によって示される選択割合については適宜に変更することが可能である。
図32(A)~図32(H)は、「キャラSU予告」としての「選択キャラ予告」が行われる様子を示す図である。特図変動演出の開始に応じて「通常変動」が開始すると、図32(A)に示すように、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3が表示部50a上を変動表示する。そして、所定の待機時間(例えば1秒)が経過すると、「選択キャラ予告」が行われる。
「選択キャラ予告」では、図32(B)に示すように、ステップ1として、キャラクタAを表すキャラA画像G600が表示部50aの左下部に表示される。そして、所定時間(例えば2秒)が経過すると、ステップ2に移行する。
ステップ2では、図32(C)に示すように、キャラクタBを表すキャラB画像G601が表示部50aの右下部に表示される。そして、キャラSU予告選択テーブル123a2によって、演出パターンAが選択されている場合には、キャラA画像G600とキャラB画像G601とが消去され、演出パターンAの「選択キャラ予告」が終了する。一方、キャラSU予告選択テーブル123a2によって、演出パターンB~演出パターンFが選択されている場合には、ステップ3に移行する。
ステップ3では、図32(D)に示すように、キャラクタCを表すキャラC画像G602が表示部50aの中央部に表示され、所定時間(例えば2秒)の経過後に、ステップ4に移行する。
ステップ4では、キャラSU予告選択テーブル123a2によって、演出パターンBが選択されている場合には、図32(E)に示すように、キャラクタAによるセリフ(ここでは、「好機」という音声)がスピーカ52から出力されるとともに、キャラA画像G600上に、「好機!」の文字画像G500aが緑色で表示される。その後、キャラA画像G600、キャラB画像G601、キャラC画像G602および文字画像G500aが消去され、演出パターンBの「選択キャラ予告」が終了する。
また、キャラSU予告選択テーブル123a2によって、演出パターンCが選択されている場合には、図32(F)に示すように、キャラクタBによるセリフ(ここでは、「好機よ」という音声)がスピーカ52から出力されるとともに、キャラB画像G601上に、「好機よ!」の文字画像G500bが緑色で表示される。その後、キャラA画像G600、キャラB画像G601、キャラC画像G602および文字画像G500bが消去され、演出パターンCの「選択キャラ予告」が終了する。
また、キャラSU予告選択テーブル123a2によって、演出パターンDが選択されている場合には、図32(G)に示すように、キャラクタCによるセリフ(ここでは、「好機だ」という音声)がスピーカ52から出力されるとともに、キャラC画像G602上に、「好機だ!」の文字画像G500cが緑色で表示される。その後、キャラA画像G600、キャラB画像G601、キャラC画像G602および文字画像G500cが消去され、演出パターンDの「選択キャラ予告」が終了する。
また、キャラSU予告選択テーブル123a2によって、演出パターンEが選択されている場合には、図32(H)に示すように、キャラクタA、キャラクタBおよびキャラクタCの全てによるセリフ(ここでは、「激熱」という音声)がスピーカ52から出力されるとともに、キャラA画像G600、キャラB画像G601およびキャラC画像G602上にわたって、「激熱」の文字画像G503aが赤色で表示される。その後、キャラA画像G600、キャラB画像G601、キャラC画像G602および文字画像G503aが消去され、演出パターンEの「選択キャラ予告」が終了する。
また、キャラSU予告選択テーブル123a2によって、演出パターンFが選択されている場合には、演出パターンEと同様に、キャラクタA、キャラクタBおよびキャラクタCの全てによるセリフ(ここでは、「激熱」という音声)がスピーカ52から出力されるとともに、キャラA画像G600、キャラB画像G601およびキャラC画像G602上にわたって、「激熱」の文字画像G503bが金色で表示される(図32(H)参照)。その後、キャラA画像G600、キャラB画像G601、キャラC画像G602および文字画像G503bが消去され、演出パターンFの「選択キャラ予告」が終了する。
第3実施形態では、演出パターンA~演出パターンDの「選択キャラ予告」においては、演出パターンの種類によって、キャラクタが発するセリフが異なるようにしているが、演出パターンの種類によって、キャラクタが発するセリフが同じになるようにしても良い。また、第3実施形態では、演出パターンA~演出パターンDの「選択キャラ予告」においては、演出パターンの種類に関わらず、文字画像G500a,G500b,G500cの表示色が同じになるようにしているが、演出パターンの種類によって、文字画像G500a,G500b,G500cの表示色が異なるようにしても良い。
図33(A)~図33(F)は、「キャラSU予告」としての「最終キャラ予告」が行われる様子を示す図である。特図変動演出の開始に応じて「通常変動」が開始すると、図33(A)に示すように、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3が表示部50a上を変動表示する。そして、所定の待機時間(例えば1秒)が経過すると、「最終キャラ予告」が行われる。
「最終キャラ予告」では、図33(B)に示すように、ステップ1として、キャラクタDを表すキャラD画像G603が表示部50aの左下部に表示される。そして、所定時間(例えば2秒)が経過すると、ステップ2に移行する。
ステップ2では、図33(C)に示すように、キャラクタEを表すキャラE画像G604が表示部50aの右下部に表示され、所定時間(例えば2秒)の経過後に、ステップ3に移行する。
ステップ3では、キャラSU予告選択テーブル123a2によって、演出パターンGが選択されている場合には、図33(D)に示すように、キャラクタEによるセリフはスピーカ52から出力されず、キャラE画像G604上に、「・・・」の文字画像G501が白色で表示される。その後、キャラD画像G603、キャラE画像G604および文字画像G501が消去され、演出パターンGの「最終キャラ予告」が終了する。一方、キャラSU予告選択テーブル123a2によって、演出パターンH~演出パターンJが選択されている場合には、図33(E)に示すように、キャラクタFを表すキャラF画像G605が表示部50aの中央部に表示され、所定時間(例えば2秒)の経過後に、ステップ4に移行する。
ステップ4では、キャラSU予告選択テーブル123a2によって、演出パターンHが選択されている場合には、図33(F)に示すように、キャラクタFによるセリフ(ここでは、「チャンス」という音声)がスピーカ52から出力されるとともに、キャラF画像G605上に、「チャンス!」の文字画像G502aが緑色で表示される。その後、キャラD画像G603、キャラE画像G604、キャラF画像G605および文字画像G502aが消去され、演出パターンHの「最終キャラ予告」が終了する。
また、キャラSU予告選択テーブル123a2によって、演出パターンIが選択されている場合には、演出パターンHと同様に、キャラクタFによるセリフ(ここでは、「チャンス」という音声)がスピーカ52から出力されるとともに、キャラF画像G605上に、「チャンス!」の文字画像G502bが赤色で表示される(図33(F)参照)。その後、キャラD画像G603、キャラE画像G604、キャラF画像G605および文字画像G502bが消去され、演出パターンIの「最終キャラ予告」が終了する。
また、キャラSU予告選択テーブル123a2によって、演出パターンJが選択されている場合には、演出パターンHと同様に、キャラクタFによるセリフ(ここでは、「チャンス」という音声)がスピーカ52から出力されるとともに、キャラF画像G605上に、「チャンス!」の文字画像G502cが金色で表示される(図33(F)参照)。その後、キャラD画像G603、キャラE画像G604、キャラF画像G605および文字画像G502cが消去され、演出パターンJの「最終キャラ予告」が終了する。
第3実施形態では、演出パターンH~演出パターンJの「最終キャラ予告」においては、演出パターンの種類によって、キャラクタFが発するセリフが同じになるようにしているが、演出パターンの種類によって、キャラクタFが発するセリフが異なるようにしても良い。
<第3実施形態の考察>
以下、第3実施形態で説明したパチンコ遊技機PY1について考察する。最初に、「選択キャラ予告」において、キャラクタAまたはキャラクタBがセリフを発したときに大当たり遊技が行われる確率と、キャラクタCがセリフを発したときに大当たり遊技が行われる確率と、の関係について考察する。
「選択キャラ予告」では、キャラクタA→キャラクタB→キャラクタCの順に、キャラクタが登場するが、キャラクタA、キャラクタBおよびキャラクタCの全てが登場した場合、キャラクタAまたはキャラクタBがセリフを発するとき(演出パターンB,演出パターンC)と、キャラクタCがセリフを発するとき(演出パターンD)と、がある(図31(A)参照)。
そして、キャラクタAまたはキャラクタBがセリフを発する演出パターン(演出パターンB,演出パターンC)は、大当たり判定の結果が「ハズレ」の場合(THP011A,THP012A,THP013A,THP014A)と、大当たり判定の結果が「大当たり当選」の場合(THP001A,THP002A,THP004A)とで、同じ確率で選択される一方、キャラクタCがセリフを発する演出パターン(演出パターンD)は、大当たり判定の結果が「ハズレ」の場合(THP011A,THP012A,THP013A,THP014A)よりも、大当たり判定の結果が「大当たり当選」の場合(THP001A,THP002A,THP004A)の方が、高確率で選択される(図31(B)参照)。
つまり、「選択キャラ予告」において、比較的に早く登場するキャラクタAまたはキャラクタBがセリフを発したときと、比較的に遅く登場するキャラクタCがセリフを発したときとで、大当たり遊技が行われる確率が互いに異なると言える。
次に、「選択キャラ予告」において、キャラクタAまたはキャラクタBがセリフを発したときに「SPリーチ」に発展する確率と、キャラクタCがセリフを発したときに「SPリーチ」に発展する確率と、の関係について考察する。
「選択キャラ予告」では、キャラクタA→キャラクタB→キャラクタCの順に、キャラクタが登場するが、キャラクタA、キャラクタBおよびキャラクタCの全てが登場した場合、キャラクタAまたはキャラクタBがセリフを発するとき(演出パターンB,演出パターンC)と、キャラクタCがセリフを発するとき(演出パターンD)と、がある(図31(A)参照)。
そして、キャラクタAまたはキャラクタBがセリフを発する演出パターン(演出パターンB,演出パターンC)は、演出フローに「SPリーチ」が含まれない特図変動演出(THP004A,THP013A,THP014A)の場合、および、演出フローに「SPリーチ」が含まれる特図変動演出(THP001A,THP002A,THP011A,THP012A)の場合、の何れでも選択される一方、キャラクタCがセリフを発する演出パターン(演出パターンD)は、演出フローに「SPリーチ」が含まれる特図変動演出(THP001A,THP002A,THP011A,THP012A)の場合にだけ選択される(図31(B)参照)。
つまり、「選択キャラ予告」において、比較的に早く登場するキャラクタAまたはキャラクタBがセリフを発したときと、比較的に遅く登場するキャラクタCがセリフを発したときとで、「SPリーチ」に発展する確率が互いに異なると言える。
<第3実施形態の効果>
以下、第3実施形態で説明したパチンコ遊技機PY1の効果について説明する。
(6)「選択キャラ予告」では、キャラクタA、キャラクタBおよびキャラクタCの全てが登場した場合、キャラクタA、キャラクタBおよびキャラクタCの何れもがセリフを発することがあるので、セリフのバリエーションを多様化することができ、遊技の興趣を高めることが可能である。
(7)「選択キャラ予告」では、先に登場するキャラクタAまたはキャラクタBがセリフを発したときと、後に登場するキャラクタCがセリフを発したときとで、大当たり遊技が行われる確率が異なるので、セリフを発するキャラクタの種類によって、大当たり遊技が行われる可能性を示唆することができ、遊技の興趣を高めることが可能である。
(8)「選択キャラ予告」では、キャラクタCが登場しなかった場合、既に登場したキャラクタAおよびキャラクタBの何れもセリフを発することがないので、「選択キャラ予告」を速やかに終了させることができ、遊技の興趣を高めることが可能である。
(9)「キャラSU予告」として、最後に登場したキャラクタがセリフを発する「最終キャラ予告」が行われるときと、登場した全てのキャラクタのうちの何れかのキャラクタがセリフを発する「選択キャラ予告」が行われるときと、があるので、「キャラSU予告」のバリエーションを多様化することができ、遊技の興趣を高めることが可能である。
(10)「最終キャラ予告」では、大当たり判定の結果(変動パターン)に応じて、セリフの文字画像G501,G502a,G502b,G502cの表示色が異なる一方、「選択キャラ予告」では、大当たり判定の結果(変動パターン)に応じて、セリフを発するキャラクタの種類が異なるので、それぞれの演出内容に適した方法で大当たり期待度を示唆することができ、遊技の興趣を高めることが可能である。
(11)「選択キャラ予告」では、登場したキャラクタのうちの何れかのキャラクタがセリフを発するときと、登場したキャラクタの全てがセリフを発するときと、があるので、「選択キャラ予告」のバリエーションを多様化することができ、遊技の興趣を高めることが可能である。
<<第4実施形態>>
以下、第4実施形態のパチンコ遊技機を図38~図54に基づいて説明する。特に述べない限り、上述の基本実施形態、第1実施形態、第2実施形態および第3実施形態のパチンコ遊技機PY1が第4実施形態にも適用される。第4実施形態は、基本実施形態、第1実施形態、第2実施形態および第3実施形態のパチンコ遊技機PY1において、7セグ表示器300にて所謂通常ベースを表示可能としつつ、過賞球防止機能を搭載したものである。
なお、第4実施形態のパチンコ遊技機PY1は、いわゆるV確ST機であり、第4実施形態のパチンコ遊技機PY1では、大当たり遊技中にV通過(特定領域16への通過)が有れば大当たり遊技の終了に際して確変フラグおよび時短フラグをONにする(高確高ベース状態(高確率高ベース遊技状態)にする)とともに、確変カウンタおよび時短カウンタを共に所定値(160)にセットする一方、大当たり遊技中にV通過が無ければ大当たり遊技の終了に際して時短フラグだけをONにし(低確高ベース状態(低確率高ベース遊技状態)にする)とともに、時短カウンタを所定値(例えば160)にセットする。
<第4実施形態における電気的構成>
まず、図34~図35に基づいて、第4実施形態のパチンコ遊技機PY1における電気的な構成を説明する。図34~図35に示すように、本形態のパチンコ遊技機PY1は、特図抽選、特図の可変表示、大当たり遊技、後述する遊技状態の設定、普図抽選、普図の可変表示、補助遊技などの遊技利益に関する制御(遊技の進行)を行う遊技制御基板(主制御部、以下「主制御基板」)100、主制御基板100による遊技の進行に応じた遊技演出(特図変動演出、保留演出、操作演出、大当たり遊技演出など)や客待ち演出などの演出に関する制御を行う演出制御基板(演出制御部、以下「サブ制御基板」)120、および、遊技球の払い出しに関する制御などを行う払出制御基板170等を、遊技盤1の画像表示装置50よりさらに背面側に備えている。主制御基板100を、遊技の制御を行う遊技制御部(メイン制御部)と位置づけることができる。また、サブ制御基板120を、画像制御基板140、ランプ制御回路151、および音声制御回路161とともに、演出の制御を行う演出制御部(サブ制御部)と位置づけることができる。なお、演出制御部は、少なくともサブ制御基板120を備え、演出手段(画像表示装置50、スピーカ52、枠ランプ53、盤ランプ54、および、可動装置55,56,58等)を用いた各種の演出を制御可能であればよい。
また、本形態のパチンコ遊技機PY1は、電源基板190を備えている。電源基板190は、主制御基板100、サブ制御基板120、及び払出制御基板170に対して電力を供給するとともに、これらの基板を介してその他の機器に対して必要な電力を供給する。電源基板190には、押下操作可能なRAMクリアスイッチ191が設けられている。RAMクリアスイッチ191(特定操作手段)は、電源投入時に、後述する遊技制御用マイコン101の遊技用RAM104に記憶されている遊技情報(例えば高確率状態などの遊技状態の情報、特図保留の数や大当たりの当否判定結果などの情報)を、遊技用CPU102にクリア(以下「RAMクリア」と呼ぶ)させるためのものである。図36に示すように、RAMクリアスイッチ191は、本本形態のパチンコ遊技機PY1の裏側に配置された電源基板190上に設けられている。そのため、前扉23を開閉可能な遊技場の従業員等でなければ、RAMクリアスイッチ191を操作することはできない。即ち、RAMクリアスイッチ191は、実質的に遊技者による操作が不可能な操作手段といえる。RAMクリアスイッチ191が押下操作されると、RAMクリアスイッチ191がONであることを示す検出信号が遊技制御用マイコン101に入力される。なお本形態では、RAMクリアスイッチ191が電源基板190上に設けられているが、RAMクリアスイッチ191の配置箇所は適宜変更可能であり、例えば主制御基板100上や専用の基板上に設けられていても良い。
電源基板190には、バックアップ電源回路192が設けられている。バックアップ電源回路192は、本形態のパチンコ遊技機PY1に対して電力が供給されていない場合に、後述する主制御基板100の遊技用RAM104やサブ制御基板120の演出用RAM124に対して電力を供給する。従って、主制御基板100の遊技用RAM104やサブ制御基板120の演出用RAM124に記憶されている情報は、本形態のパチンコ遊技機PY1の電断時であっても保持される。また、電源基板190には、電源スイッチ193が接続されている。電源スイッチ193のON/OFF操作により、電源の投入/遮断が切り換えられる。なお、主制御基板100の遊技用RAM104に対するバックアップ電源回路を主制御基板100に設けたり、サブ制御基板120の演出用RAM124に対するバックアップ電源回路をサブ制御基板120に設けたりしてもよい。
図34に示すように、主制御基板100には、プログラムに従って本形態のパチンコ遊技機PY1の遊技の進行を制御する遊技制御用ワンチップマイコン(以下「遊技制御用マイコン」)101が実装されている。遊技制御用マイコン101には、遊技の進行を制御するためのプログラムやテーブル等を記憶した遊技用ROM(Read Only Memory)103、ワークメモリとして使用される遊技用RAM(Random Access Memory)104、および遊技用ROM103に記憶されたプログラムを実行する遊技用CPU(Central Processing Unit)102が含まれている。
遊技用ROM103には、後述する主制御メイン処理やメイン側タイマ割り込み処理などを行うためのプログラムが格納されている。また、遊技用ROM103には、後述する大当たり判定テーブル、大当たり図柄種別判定テーブル、リーチ判定テーブル、特図変動パターン判定テーブル、先読み判定テーブル、大当たり遊技制御テーブル、当たり判定テーブル、普図変動パターン判定テーブル、補助遊技制御テーブルなどが格納されている。なお、遊技用ROM103は外付けであってもよい。
また遊技用RAM104には、前述した特図保留記憶部105や普図保留記憶部106などが設けられている。また遊技用RAM104には、非消去記憶部107が設けられていて、非消去記憶部107には、総賞球数記憶部107a、総発射球数記憶部107b、差玉数記憶部107cが設けられている。非消去記憶部107では、RAMクリアが実行されても、遊技用CPU102が記憶内容を消去しないようになっている。非消去記憶部107(総賞球数記憶部107a、総発射球数記憶部107b、差玉数記憶部107c)については、後に詳述する。
また主制御基板100には、7セグ表示器300と、設定キーシリンダ180と、特別リセットスイッチ181(特別操作手段)と、が設けられている(図36参照)。7セグ表示器300は、図37に示すように、所謂4連7セグであり、合計で32個の点灯(発光)する部分を備えている。具体的に、7セグ表示器300は、左から右に向かって順番に、第1表示領域310と第2表示領域320と第3表示領域330と第4表示領域340とを備えている。そして4つの表示領域310、320、330、340は、それぞれ「0」~「9」までの数字を表すことができるように、8個の点灯部分(LED素子)LB1~LB8、LB9~LB16、LB17~LB24、LB25~LB32を有している。7セグ表示器300の表示制御は、遊技制御用マイコン101によりなされる。
設定キーシリンダ180は、大当たり判定確率に対応する設定値を設定する際に、操作手段として機能するものである。この設定キーシリンダ180の内部は、設定キー(図示省略)が挿入された状態で、初期位置と回転位置との間で回転操作される。よって、本本形態のパチンコ遊技機PY1では、設定キーシリンダ180を回転位置へ回転操作しておき、RAMクリアスイッチ191を押下操作しながら、電源を投入することで、設定値を設定可能な設定モードに移行することができる。そして、この設定モードにおいて、設定値を「1」に設定することができる。しかしながら、本本形態のパチンコ遊技機PY1では、設定値が1種類である「1」しか設けられていない。従って、設定値を「1」から変更できないようになっている。なお、設定モードに設定されてるときに、設定キーシリンダ180を回転位置から待機位置へ回転操作すると、設定モードが終了して、RAMクリアが実行される。
また主制御基板100には、押下操作可能な特別リセットスイッチ181が設けられている。図36に示すように、特別リセットスイッチ181は、本本形態のパチンコ遊技機PY1の裏側に配置された主制御基板100上に設けられている。そのため、前扉23を開閉可能な遊技場の従業員等でなければ、特別リセットスイッチ181を操作することはできない。即ち、特別リセットスイッチ181は、実質的に遊技者による操作が不可能な操作手段といえる。特別リセットスイッチ181の機能については、後に詳述する。また、主制御基板100には、データや信号の入出力を行うための遊技用I/O(Input/Output)ポート部118が実装されている。
また、主制御基板100には、所定の中継基板(図示なし)を介して各種センサ類MSやアクチュエータ類MAが接続されている。そのため、主制御基板100には、各種センサ類MSが出力した信号が入力する。また、主制御基板100は、各種アクチュエータ類MAに信号を出力する。
主制御基板100に接続されている各種センサ類MSには、第1始動口センサ11a、第2始動口センサ12a、一般入賞口センサ10a、ゲートセンサ13a、第1大入賞口センサ14a、第2大入賞口センサ15a、特定領域センサ16a、および、非特定領域センサ17aが含まれている。
第1始動口センサ11aは、第1始動口11に入賞した遊技球を検知する。第2始動口センサ12aは、第2始動口12に入賞した遊技球を検知する。一般入賞口センサ10aは、一般入賞口10に入賞した遊技球を検知する。一般入賞口センサ10aは、一般入賞口10毎に設けられている。ゲートセンサ13aは、ゲート13に設けられており、ゲート13を通過した遊技球を検知する。第1大入賞口センサ14aは、第1大入賞口14に入賞した遊技球を検知する。第2大入賞口センサ15aは、第2大入賞口15に入賞した遊技球を検知する。特定領域センサ16aは、特定領域16を通過(特定領域16に進入)した遊技球を検知する。非特定領域センサ17aは、非特定領域17を通過(非特定領域17に進入)した遊技球を検知する。各センサは、遊技球を検知すると、その検知内容に応じた信号を主制御基板100に出力する。
また図34では図示を省略しているが、各種センサ類MSには、遊技領域6を流下する全ての遊技球(総発射球数)を検知する排出口センサが含まれている。ここで、遊技領域6の外部へ流下した遊技球は、遊技盤取付枠2Aの下部に設けられている排出経路(図示省略)を通って、本本形態のパチンコ遊技機PY1の外部に排出される。そのため、排出口センサは、排出経路内に設けられている。また各種センサ類MSには、不正な磁気を検知する磁気センサが含まれている。磁気センサは、遊技者が磁石等を用いて遊技球を不正に各種入賞口10、11、12、14へ入賞させる際に生じる磁気を検知するものである。上記した各センサは、遊技球を検知すると、その検知内容に応じた信号を主制御基板100に出力する。
また各種センサ類MSには、前扉23の外枠22に対する開放を検知する前扉開放センサと、前枠23mの遊技盤取付枠2Aに対する開放を検知する前枠センサと、が含まれている。前扉開放センサは、前扉23の開放を検知すると、その検知内容に応じた信号を主制御基板100に出力する。前枠センサは、前枠23mの開放を検知すると、その検知内容に応じた信号を主制御基板100に出力する。なお、主制御基板100に接続されるセンサの種類や数は、遊技に支障をきたさない範囲で適宜に変更可能である。
また、主制御基板100に接続されている各種アクチュエータ類MAには、電チューソレノイド12s、第1大入賞口ソレノイド14s、第2大入賞口ソレノイド15sおよび振分ソレノイド16sが含まれている。電チューソレノイド12sは、電チュー(第2始動口)12Dの電チュー開閉部材12kを駆動する。第1大入賞口ソレノイド14sは、第1大入賞口14の通常AT開閉部材(第1開閉扉)14kを駆動する。第2大入賞口ソレノイド15sは、第2大入賞口15のVAT開閉部材(第2開閉扉)15kを駆動する。振分ソレノイド16sは、振分装置16Dの振分部材16kを駆動する。
なお、主制御基板100に接続されるアクチュエータの種類や数は、遊技に支障をきたさない範囲で適宜に変更可能である。
さらに主制御基板100には、表示器類8(特図表示器81、普図表示器82、および、特図保留表示器83)が接続されている。これらの表示器類8の表示制御は、遊技制御用マイコン101によりなされる。
また主制御基板100は、払出制御基板170に各種コマンドを送信するとともに、払い出し監視のために払出制御基板170から信号を受信する。払出制御基板170には、カードユニットCU(本形態のパチンコ遊技機PY1に隣接して設置され、挿入されているプリペイドカード等の情報に基づいて球貸しを可能にするもの)、および賞球払出装置73が接続されているとともに、発射制御回路175を介して発射装置72が接続されている。なお、発射装置72には、ハンドル72k(図1参照)が含まれる。
払出制御基板170は、遊技制御用マイコン101からの信号や、接続されたカードユニットCUからの信号に基づいて、賞球払出装置73の賞球モータ73mを駆動して賞球の払い出しを行ったり、貸球の払い出しを行ったりする。払い出される遊技球は、その計数のための賞球センサ73aにより検知されて、賞球センサ73aによる検知信号が払出制御基板170に出力される。
また、発射装置72には、遊技者などの人のハンドル72k(図1参照)への接触を検知可能なタッチスイッチ72aが設けられている。遊技者によるハンドル72kの操作があった場合には、タッチスイッチ72aが遊技者のハンドル72kへの接触を検知し、検知信号を払出制御基板170に出力する。また、発射装置72には、ハンドル72kの回転角度(操作量)を検出可能な発射ボリュームつまみ72bが接続されている。発射装置72は、発射ボリュームつまみ72bが検出したハンドル72kの回転角度に応じた強さで遊技球が発射されるよう発射ソレノイド72sを駆動させる。なお、本形態のパチンコ遊技機PY1においては、ハンドル72kへの回転操作が維持されている状態では、約0.6秒毎に1球の遊技球が発射されるようになっている。
また払出制御基板170は、外部端子板160に接続されている。つまり、外部端子板160は、払出制御基板170を介して、主制御基板100に接続されている。外部端子板160は、主制御基板100から送信される外端信号を、本形態のパチンコ遊技機PY1の外部に設けられている外部ユニットGU(データカウンタ、ホールコンピュータなど)に送信するものである。外端信号に含まれる情報には、例えば、大当たりに当選したかを示す情報、遊技状態の情報、エラーや不正(異常)を示す情報が含まれる。なお、外部端子板160は、外端信号をパラレル通信によって外部ユニットGUに送信しているが、外端信号を非同期シリアル通信(共通の非同期シリアル通信ポート)で送信するようにしても良い。また、主制御基板100を払出制御基板170を介して外部端子板160に接続したが、主制御基板100を払出制御基板170以外の基板(例えば中継基板)を介して外部端子板160に接続したり、主制御基板100と外部端子板160とを直接接続したりするようにしても良い。
また主制御基板100は、遊技の進行に応じて、サブ制御基板120に対し、遊技に関する情報を含んだ各種コマンドを送信する。サブ制御基板120は、主制御基板100から送られる各種コマンドに基づいて、主制御基板100による遊技の進行状況(遊技の制御内容)を把握することができる。なお、主制御基板100とサブ制御基板120との接続は、主制御基板100からサブ制御基板120への信号の送信のみが可能な単方向通信接続となっている。すなわち、主制御基板100とサブ制御基板120との間には、通信方向規制手段としての図示しない単方向性回路(例えばダイオードを用いた回路)が介在している。
図35に示すように、サブ制御基板120には、プログラムに従ってパチンコ遊技機PY1の演出を制御する演出制御用ワンチップマイコン(以下「演出制御用マイコン」)121が実装されている。演出制御用マイコン121には、主制御基板100による遊技の進行に伴って演出を制御するためのプログラム等を記憶した演出用ROM123、ワークメモリとして使用される演出用RAM124、および演出用ROM123に記憶されたプログラムを実行する演出用CPU122が含まれている。
また、演出用ROM123には、後述するサブ制御メイン処理、受信割り込み処理、1msタイマ割り込み処理、および、10msタイマ割り込み処理などを行うためのプログラムが格納されている。なお、演出用ROM123は外付けであってもよい。
また、サブ制御基板120には、データや信号の入出力を行うための演出用I/Oポート部138、およびRTC(Real Time Clock)139が実装されている。RTC139は、現時点の日時(日付及び時刻)を計測する。RTC139は、パチンコ遊技機PY1に、所定の島電源供給装置(図示なし)から電力が供給されているときにはその電力によって動作し、島電源供給装置から電力が供給されていないときには、電源基板190が備えるバックアップ電源回路192から供給される電力によって動作する。このため、RTC139は、パチンコ遊技機PY1の電源が投入されていないときにも現在の日時を計測することが可能である。なお、RTC139に対するバックアップ電源回路をサブ制御基板120に設けてもよい。バックアップ電源回路には、コンデンサや内蔵電池(ボタン電池等)を含む回路を採用することができる。
サブ制御基板120には、画像制御基板140が接続されている。サブ制御基板120の演出制御用マイコン121は、主制御基板100から受信したコマンドに基づいて、すなわち、主制御基板100による遊技の進行に応じて、画像制御基板140の画像用CPU141に画像表示装置50の表示制御を行わせる。なお、サブ制御基板120と画像制御基板140との接続は、サブ制御基板120から画像制御基板140への信号の送信と、画像制御基板140からサブ制御基板120への信号の送信の双方が可能な双方向通信接続となっている。
画像制御基板140は、画像制御のためのプログラム等を記憶した画像用ROM142、ワークメモリとして使用される画像用RAM143、及び、画像用ROM142に記憶されたプログラムを実行する画像用CPU141を備えている。また、画像制御基板140は、画像表示装置50に表示される画像のデータを記憶したCGROM145、CGROM145に記憶されている画像データの展開等に使用されるVRAM146、及び、VDP(Video Display Processor)144を備えている。勿論、これらの電子部品の全部又は一部がワンチップで構成されていてもよい。CGROM145には、例えば、画像表示装置50に表示される画像を表示するための画像データ(静止画データや動画データ、具体的にはキャラクタ、アイテム、図形、文字、数字および記号等(演出図柄を含む)や背景画像等の画像データ)が格納されている。
VDP144は、演出制御用マイコン121からの指令に基づき画像用CPU141によって作成されるディスプレイリストに従って、CGROM145から画像データを読み出してVRAM146内の展開領域に展開する。そして、展開した画像データを適宜合成してVRAM146内のフレームバッファに画像を描画する。そしてフレームバッファに描画した画像をRGB信号として画像表示装置50に出力する。これにより、種々の演出画像が表示部50aに表示される。
なお、ディスプレイリストは、フレーム単位で描画の実行を指示するためのコマンド群で構成されている。ディスプレイリストには、描画する画像の種類、画像を描画する位置、表示の優先順位、表示倍率、画像の透過率等の種々のパラメータの情報が含まれている。
演出制御用マイコン121は、主制御基板100から受信したコマンドに基づいて、すなわち、主制御基板100による遊技の進行に応じて、音声制御回路161を介してスピーカ52から音声、楽曲、効果音等を出力する。
スピーカ52から出力する音声等の音声データは、サブ制御基板120の演出用ROM123に格納されている。なお、音声制御回路161を、基板にしてCPUを実装してもよい。この場合、そのCPUに音声制御を実行させてもよい。さらにこの場合、基板にROMを実装し、そのROMに音声データを格納してもよい。また、スピーカ52を画像制御基板140に接続し、画像制御基板140の画像用CPU141に音声制御を実行させてもよい。さらにこの場合、画像制御基板140の画像用ROM142に音声データを格納してもよい。
また、サブ制御基板120には、所定の中継基板(図示なし)を介して、入力部となる各種スイッチ類、駆動源となる各種アクチュエータ類SA、各種ランプ類SLが接続されている。サブ制御基板120には、各種スイッチ類が出力した信号が入力する。また、サブ制御基板120は、各種アクチュエータ類SAに信号を出力する。また、サブ制御基板120は、主制御基板100から受信したコマンドなどに基づいて、ランプ制御回路151を介して各種ランプ類SLの点灯制御を行う。
サブ制御基板120に接続されている各種スイッチ類には、通常ボタン検出スイッチ40aおよび特殊ボタン検出スイッチ41aが含まれている。通常ボタン検出スイッチ40aは、通常ボタン40が押下操作されたことを検出する。特殊ボタン検出スイッチ41aは、特殊ボタン41が押下操作されたことを検出する。各検出スイッチ40a,41aは、検出内容に応じた信号をサブ制御基板120に出力する。なお、サブ制御基板120に接続されるスイッチの種類や数は、遊技に支障をきたさない範囲で適宜に変更可能である。
サブ制御基板120に接続された各種アクチュエータ類SAには、盤上可動装置55を駆動する盤上駆動モータ55m、盤下可動装置56を駆動する盤下駆動モータ56m、枠可動装置58を駆動する枠駆動モータ58m等が含まれている。演出制御用マイコン121は、これらのモータを駆動して、各可動装置に所定の動作を行わせることが可能である。詳細には演出制御用マイコン121は、各可動装置の動作態様を決める動作パターンデータを作成し、ランプ制御回路151を介して、各可動装置の動作を制御する。またサブ制御基板120には、通常ボタン40を振動させるための振動用モータ(不図示)も接続されているものとする。なお、サブ制御基板120に接続されるアクチュエータの種類や数は、遊技に支障をきたさない範囲で適宜に変更可能である。
サブ制御基板120に接続された各種ランプ類SLには、枠ランプ53、盤ランプ54等が含まれている。演出制御用マイコン121は、各ランプを発光させることが可能である。詳細には演出制御用マイコン121は、各ランプの発光態様を決める発光パターンデータ(点灯/消灯や発光色等を決めるデータ、ランプデータともいう)を作成し、発光パターンデータに従って各ランプの発光を制御する。なお、発光パターンデータの作成にはサブ制御基板120の演出用ROM123に格納されているデータを用いる。
なお、ランプ制御回路151を基板にしてCPUを実装してもよい。この場合、そのCPUに、各ランプの点灯制御、および、各可動装置の動作制御を実行させてもよい。さらにこの場合、基板にROMを実装して、そのROMに発光パターンや動作パターンに関するデータを格納してもよい。また、サブ制御基板120に接続されるランプの種類や数は、遊技に支障をきたさない範囲で適宜に変更可能である。
<7セグ表示器での表示>
次に、第4実施形態のパチンコ遊技機PY1における7セグ表示器300(図37参照)での表示について説明する。7セグ表示器300では、通常遊技状態で遊技者が獲得した通常総賞球数と通常遊技状態で遊技者が発射した通常発射球数との割合である通常ベースが百分率(%)の値として表示される。なお7セグ表示器300では、通常ベース以外のベース(時短状態で遊技者が獲得した時短総賞球数と時短状態で遊技者が発射した時短発射球数との割合である時短ベース、大当たり遊技状態で遊技者が獲得した大当たり総賞球数と大当たり遊技状態で遊技者が発射した大当たり発射球数との割合である大当たりベース)が表示されることはない。
ここで、遊技制御用マイコン101は、通常発射球数と、通常総賞球数と、総発射球数と、を常にカウントするようになっている。総発射球数とは、全ての遊技状態(通常遊技状態、大当たり遊技状態、高確高ベース状態、低確高ベース状態など)において、遊技者が発射した発射球数のことである。総発射球数は、遊技制御用マイコン101が排出口センサの検知をカウントすることで算出される。通常発射球数は、遊技制御用マイコン101が通常遊技状態に限って排出口センサの検知をカウントすることで算出される。通常総賞球数は、遊技制御用マイコン101が通常遊技状態で払い出す賞球数をカウントすることで算出される。
7セグ表示器300での表示のためにカウントされた通常発射球数の情報と通常総賞球数の情報と総発射球数の情報とは、遊技用RAM104の非消去記憶部107(図34参照)の特定記憶領域(図示省略)に記憶されている。従って、RAMクリアが実行されても、通常発射球数の情報と通常総賞球数の情報と総発射球数の情報は維持される(消去されない)。こうして、遊技制御用マイコン101は、RAMクリアが実行されても、電源遮断時の通常発射球数と電源遮断時の通常総賞球数とを用いて、通常ベースを演算することができる。そして、遊技制御用マイコン101は、遊技状態に拘わらず(通常遊技状態、大当たり遊技状態、高確高ベース状態、低確高ベース状態などにおいて)、通常ベースの値を、7セグ表示器300の右2桁(第3表示領域330と第4表示領域340(図37参照))で表示する。
ここで、通常ベースは、総発射球数が60000発毎に区切って演算される。つまり、工場出荷後に電源が初めて投入されてから総発射球数が60000発になるまでに演算された通常ベースは、最初の通常ベースとなる。その後、総発射球数が60001発を超えると、最初の通常ベースだった値は、1回前の通常ベースとして記憶される。そして、総発射球数が60001発から120000発になるまでに演算された通常ベースは、現在の通常ベースとなる。その後、総発射球数が120001発を超えると、1回前の通常ベースだった値は2回前の通常ベースとして記憶され、現在の通常ベースだった値が1回前の通常ベースとして記憶される。そして、総発射球数が120001発から180000発になるまでに演算された通常ベースは、現在の通常ベースとなる。
その後、総発射球数が180001発を超えると、2回前の通常ベースだった値が3回前の通常ベースとして記憶され、1回前の通常ベースだった値が2回前の通常ベースとして記憶され、現在の通常ベースだった値が1回前の通常ベースとして記憶される。そして、総発射球数が180001発から240000発になるまでに演算された通常ベースは、現在の通常ベースとなる。その後、総発射球数が240001発を超えると、3回前の通常ベースだった値は消去され、2回前の通常ベースだった値が3回前の通常ベースとして記憶され、1回前の通常ベースだった値が2回前の通常ベースとして記憶され、現在の通常ベースだった値が1回前の通常ベースとして記憶される。そして、総発射球数が240001発から300000発になるまでに演算された通常ベースは、現在の通常ベースとなる。以後同様に、総発射球数が60000発毎に通常ベースが演算されて、3回前の通常ベースの値までが記憶される。
こうして、遊技制御用マイコン101は、遊技用RAM104の非消去記憶部107にて、現在の通常ベース、1回前の通常ベース、2回前の通常ベース、3回前の通常ベースを最大で記憶させておくことができる。この場合、遊技制御用マイコン101は、7セグ表示器300において、現在の通常ベース⇒1回前の通常ベース⇒2回前の通常ベース、⇒3回前の通常ベース⇒現在の通常ベースを5秒間毎に切替えて表示するようになっている。
具体的に、7セグ表示器300では、左2桁(第1表示領域310と第2表示領域320(図37参照))で「bL」が示されるときに、右2桁(第3表示領域330と第4表示領域340)で現在の通常ベースが表示される。そのため、左2桁で「bL」を見た人は、右2桁で示されている値(通常ベース)が、現在の通常ベースであることを把握することができる。
そして、現在の通常ベースの表示が開始されてから5秒間が経過すると、7セグ表示器300では、左2桁で「b1」が示されると共に、右2桁で1回前の通常ベースが表示される。そのため、左2桁で「b1」を見た人は、右2桁で示されている値(通常ベース)が、1回前の通常ベースであることを把握することができる。
そして、1回前の通常ベースの表示が開始されてから5秒間が経過すると、7セグ表示器300では、左2桁で「b2」が示されると共に、右2桁で2回前の通常ベースが表示される。そのため、左2桁で「b2」を見た人は、右2桁で示されている値(通常ベース)が、2回前の通常ベースであることを把握することができる。
そして、2回前の通常ベースの表示が開始されてから5秒間が経過すると、7セグ表示器300では、左2桁で「b3」が示されると共に、右2桁で3回前の通常ベースが表示される。そのため、左2桁で「b3」を見た人は、右2桁で示されている値(通常ベース)が、3回前の通常ベースであることを把握することができる。
そして、3回前の通常ベースの表示が開始されてから5秒間が経過すると、7セグ表示器300では、上述したように、左2桁で「bL」が示されると共に、右2桁で現在の通常ベースが表示されて、以後同様に繰返される。
また7セグ表示器300では、工場出荷後に電源が初めて投入されてから総発射球数が300球以下であると、右2桁に「--」が表示される。つまり、総発射球数が300球以下では、通常ベースの値が表示されず、総発射球数が300球を超えてから、通常ベースの値が表示される。こうして、総発射球数が300球以下である場合には、通常ベースの分母の値(通常発射球数)が小さ過ぎることで、信頼性の低い通常ベースの値を表示することを回避している。なお、総発射球数が300球以下であっても、7セグ表示器300の左2桁では、「bL」⇒「b1」⇒「b2」⇒「b3」の表示が5秒間毎に繰り返される。
また7セグ表示器300では、工場出荷後に電源が初めて投入されてから通常発射球数が6000球以下であると、左2桁で示される「bL」、「b1」、「b2」、「b3」が点滅態様になる。その後、工場出荷後に電源が初めて投入されてから通常発射球数が6000球を超えると、左2桁で示される「bL」、「b1」、「b2」、「b3」が点灯態様になる。こうして、7セグ表示器300で通常ベースを確認する人に対して、左2桁で点滅態様を見せた場合には、右2桁で示されている通常ベースの値が未だ十分に収束していない値であることを把握させることが可能である。言い換えると、通常ベースを確認する人に対して、左2桁で点灯態様を見せた場合には、右2桁で示されている通常ベースの値がある程度収束している値であることを把握させることが可能である。
また7セグ表示器300では、電源投入後に設定モードに移行すると、第4表示領域340にて、設定値(「1」)が表示される。その後、設定キーシリンダ180が回転位置から待機位置へ回転操作されると、設定モードが終了して、第4表示領域340にて、設定値(「1」)が表示されなくなる。こうして、設定モードに設定されている間に限り、7セグ表示器300の第4表示領域340で、設定値が示される。
また7セグ表示器300では、電源が投入されてから通常ベースの表示が開始されるまでの間に、初期表示が行われる。なお上述したように、電源投入後に設定モードに移行する場合には、設定モードが終了した後に、初期表示が実行される。7セグ表示器300での初期表示は、第1表示領域310から第4表示領域340までに含まれている全ての点灯部分LB1~LB32(図37参照)が点灯する。つまり、7セグ表示器300において「8.8.8.8.」が示される。こうして、電源投入直後に、7セグ表示器300で初期表示が実行されることで、7セグ表示器300が正常に動作することが示される。
<過賞球防止機能>
次に、第4実施形態のパチンコ遊技機PY1における過賞球防止機能について説明する。第4実施形態のパチンコ遊技機PY1では、遊技者に過剰な賞球を付与しないように、遊技制御用マイコン101が、過賞球防止機能を作動できるようになっている。具体的に、過賞球防止機能は、差玉数が80000(基準数)以上であることを条件に、遊技を実行不能にする機能である。ここで、差玉数(特定計測数)とは、総賞球数と総発射球数との差のことである。総賞球数は、全ての遊技状態(通常遊技状態、大当たり遊技状態、高確高ベース状態、低確高ベース状態など)において遊技者が獲得する(遊技者に払い出される)賞球数のことである。なお総賞球数は、遊技制御用マイコン101が遊技者に払い出す予定の賞球数の合計を意味しているが、遊技者に実際に払い出された賞球数の合計を意味していても良い。総発射球数は、上述したように、全ての遊技状態において、遊技者が発射した発射球数のことである。
遊技制御用マイコン101は、電源が投入されてから随時、総賞球数をカウントしていて、カウントされた総賞球数の情報は、遊技用RAM104の非消去記憶部107に設けられている総賞球数記憶部107a(図34参照)に記憶される。また遊技制御用マイコン101は、電源が投入されてから随時、総発射球数をカウントしていて、カウントされた総発射球数の情報は、遊技用RAM104の非消去記憶部107に設けられている総発射球数記憶部107b(図34参照)に記憶される。そして遊技制御用マイコン101は、電源が投入されてから随時、総賞球数から総発射球数を減算して、差玉数を演算していて、演算された差玉数の情報は、遊技用RAM104の非消去記憶部107に設けられている差玉数記憶部107c(図34参照)に記憶される。
よって、遊技制御用マイコン101は、RAMクリアが実行されても、非消去記憶部107に記憶されている総賞球数の情報と総発射球数の情報と差玉数の情報とを消去しない。こうして、遊技制御用マイコン101は、電源遮断時の総賞球数と電源遮断時の総発射球数とを用いて、日付を跨いで差玉数を演算することができる。なお遊技制御用マイコン101は、総発射球数の値が総賞球数の値よりも大きい場合には、差玉数をマイナスの値として扱うようになっている。
本形態では、過賞球防止機能が作動すると、遊技制御用マイコン101が、遊技に関する遊技制御処理(後述するステップS102~S108の処理、図45参照)を停止させるだけでなく、遊技球を発射させるための発射制御処理(後述するステップ109の処理、図45参照)も停止させる。従って、遊技者は、ハンドル72kを回転操作しても、遊技球が発射されないことで、遊技ができない状況にすぐに気づくことができる。なお、過賞球防止機能が作動すると、遊技制御用マイコン101は、遊技制御処理を停止することで、各種センサ類MSから検知内容に応じた信号を受信しなくなり、表示器類8及び7セグ表示器300の表示制御を実行しなくなり、各種アクチュエータ類MAを作動させなくなり、払出制御基板170を介して外部端子板160に外端信号を出力しなくなる。
過賞球防止機能が作動した後、遊技が実行不能な状況は、電源が遮断されるまで継続する。本形態では、過賞球防止機能は、RAMクリアが実行されること条件に解除される。つまり、過賞球防止機能が作動した後、遊技場の従業員は電源スイッチ193のOFF操作により電源を遮断する。そして、遊技場の従業員は、電源スイッチ193のON操作により電源を投入するときに、RAMクリアスイッチ191を押下操作する。これにより、RAMクリアが実行されることで、遊技制御用マイコン101は、遊技に関する遊技制御処理及び発射制御処理を実行することができる。こうして、本形態では、過賞球防止機能が作動した後、電源のOFF及びON(再投入)だけでは遊技を再開することができず、RAMクリアが実行されることで遊技を再開することができる。
次に、過賞球防止機能が作動するタイミングについて、図38に基づいて説明する。過賞球防止機能は、差玉数が80000以上であることを条件に、遊技者にとって有利な有利遊技状態から通常遊技状態に移行すると作動する。つまり、差玉数が80000に達したタイミングで、必ず過賞球防止機能が作動するわけではない。本形態では、有利遊技状態とは、大当たり遊技後の高確高ベース状態、又は大当たり遊技後の低確高ベース状態のことである。
例えば図38(A)に示す大当たり遊技状態の途中で、差玉数が70000に達したこととする。勿論このときには、過賞球防止機能が作動しない。次に、図38(B)に示す大当たり遊技状態の途中で、差玉数が80000に達したこととする。このとき、過賞球防止機能が作動しない。続いて、この大当たり遊技状態から高確高ベース状態に移行するタイミングでも、過賞球防止機能が作動しない。その後、図38(C)に示すように、高確高ベース状態から通常遊技状態に移行するタイミングになると、過賞球防止機能が作動する。こうして本形態では、大当たり遊技状態の途中や、高確高ベース状態の途中で、遊技が停止することがなく、遊技者にとって有利遊技状態が終了した区切りの良いタイミングで、遊技を終了させることが可能である。
本形態では、差玉数の情報は、非消去記憶部107の差玉数記憶部107cに記憶されていて、電源のOFF及びONによって、差玉数がリセット(クリア)されることはない。そして上述したように、電源投入時にRAMクリアが実行されても、差玉数がリセットされることはない。これは、以下の理由に基づく。
第4実施形態のパチンコ遊技機PY1では、営業時間内であっても、バグや故障、重度の不正等によって、電源のOFF及びON(再投入)、又はRAMクリアを実行する状況がある。このような状況の場合、仮に、電源の再投入、又はRAMクリアの実行によって、差玉数がリセットされてしまうと、過賞球防止機能を設けた意味が損なわれてしまう。つまり、バグや故障、重度の不正が生じた方が、その後に遊技を再開する遊技者にとって、過賞球防止機能が作動し難くなるという不当な利益を与えるおそれがある。そこで本形態では、遊技者に上記した不当な利益を与えないようにするため、電源の再投入、又はRAMクリアの実行によって、差玉数がリセットされないようにしている。
次に、差玉数がリセットされる条件について、図39に基づいて説明する。本形態では、差玉数がリセットされるリセット条件は、2つある。第1のリセット条件は、図39(A)に示すように、特別リセットスイッチ181が押下操作されることである。つまり、遊技制御用マイコン101は、特別リセットスイッチ181が押下操作されたことに基づく信号を受信すると、非消去記憶部107の差玉数記憶部107cに記憶されている差玉数の情報をクリアする。なお、差玉数記憶部107cに記憶されている差玉数の情報がリセット(クリア)されるときには、併せて、総賞球数記憶部107aに記憶されている総賞球数の情報及び総発射球数記憶部107bに記憶されている総発射球数の情報もリセットされるが、以下では、単に「差玉数がリセット(クリア)される」と呼ぶことにする。なお、図39(A)では、客待ち状態において、特別リセットスイッチ181が押下操作されると差玉数がリセットされる場合が示されているが、どの遊技状態(例えば通常遊技状態)であっても、特別リセットスイッチ181が押下操作されると差玉数がリセットされる。
第2のリセット条件は、図39(A)に示すように、客待ち状態が1時間(所定時間)継続することである。つまり、客待ち状態に移行してから遊技がそのまま1時間行われないと、遊技制御用マイコン101が、非消去記憶部107の差玉数記憶部107cに記憶されている差玉数の情報をクリアする。なお客待ち状態は、遊技が実行されずに特別図柄が停止表示されたままの遊技状態のことである。
上記2つのリセット条件が設けられているのは、以下の理由に基づく。例えば、図39(A)(B)に示すように、或る遊技者の遊技によって、大当たり遊技状態にて差玉数が70000に達したこととする。その後、或る遊技者は、大当たり遊技状態から高確高ベース状態を経て通常遊技状態に移行すると、遊技を終了したこととする。この場合、次に遊技を開始する遊技者にとっては、差玉数が残り僅か(10000以内)増加すると、過賞球防止機能が作動し得る状況であり、非常に不利になっている。
そこで本形態では、図39(A)に示すように、特別リセットスイッチ181が押下操作されることで、差玉数がリセットされる。これにより、遊技場の従業員は、或る遊技者の遊技を終了した後、任意のタイミングで、特別リセットスイッチ181を押下操作して、差玉数をリセットすることができる。また図39(B)に示すように、客待ち状態が1時間継続すれば、遊技者が遊技を終了させた状況と判断して、差玉数が自動的にリセットされる。これにより、遊技場の従業員にリセットのための操作負担をかけることなく、差玉数をリセットすることができる。こうして、上記2つのリセット条件を設けることで、次に遊技を開始する遊技者が、遊技を開始してすぐに過賞球防止機能が作動してしまい、非常に不利になるのを防ぐことが可能である。
次に、過賞球防止機能が作動するときの演出態様について、図40(A)に基づいて説明する。過賞球防止機能が作動すると、図40(A)に示すように、表示部50aには、赤色の赤背景画像REが表示されると共に、「エラーX 過賞球異常 RAMクリアしてください」を示すエラー解除方法画像ERXが表示される。また、スピーカ52から遊技停止音が出力される。更に、枠ランプ53は全て白色で点灯すると共に、盤ランプ54は全て消灯する。こうして、図40(A)に示す演出態様により、遊技者には、遊技が実行できない状況をすぐに認識させることが可能である。なお、図40(A)に示す演出態様は、電源が遮断されるまで継続される。そして、図40(A)に示す演出態様は、RAMクリアが実行されると解除されるが、電源の再投入だけでは、そのまま継続される。
ここで、第4実施形態のパチンコ遊技機PY1において、不正な磁気が検知されたときについて説明する。磁気センサにより不正な磁気が検知されると、磁気センサは、磁気検知に応じた信号を主制御基板100に出力する。これにより、遊技制御用マイコン101は、過賞球防止機能を作動させるときと同様に、遊技に関する遊技制御処理及び発射制御処理を停止させる。こうして、磁気検知によって遊技が実行不能な状況は、電源が遮断されるまで継続する。但し、この場合には、過賞球防止機能が作動した場合と異なり、電源のOFF及びON(電源の再投入)によって、遊技制御用マイコン101は、遊技に関する遊技制御処理及び発射制御処理を実行することができる。
続いて、不正な磁気が検知されたときの演出態様について、図40(B)に基づいて説明する。磁気センサにより不正な磁気が検知されると、図40(B)に示すように、表示部50aには、赤色の赤背景画像REが表示されると共に、「エラー1 磁気検出異常 電源を再投入してください」を示すエラー解除方法画像ER1が表示される。また、スピーカ52から遊技停止音が出力される。更に、枠ランプ53は全て白色で点灯すると共に、盤ランプ54は全て消灯する。こうして、過賞球防止機能が作動するときの演出態様(図40(A)参照)と、不正な磁気が検知されたときの演出態様(図40(B)参照)とを比較すると、解除方法画像以外は、同じである。よって、遊技場の従業員又は遊技者に対して、不正な磁気が検知されたときと、過賞球防止機能が作動したときとで、共に遊技が実行不能な状況であるということを認識させ易くすることが可能である。
次に、差玉数が70000に達した場合の演出態様について、図41(A)に基づいて説明する。前提条件として、図38(A)に示すタイミングで、差玉数が70000に達したこととする。先ず、図41(A)に示すように、表示部50aでは、ラウンド画像G109や賞球数画像G110が表示されている。そして、差玉数が70000に達すると、表示部50aの縁部では、紫色の紫縁画像EFaが表示され、表示部50aの下部では、「残り10000発で過賞球異常」を示す過賞球予告画像KYが表示される。これら紫縁画像EFa及び過賞球予告画像KYの表示により、遊技者に過賞球防止機能の作動が近づいている状況を把握させることが可能である。紫縁画像EFaの表示は、大当たり遊技状態が終了した後も継続されるが、過賞球予告画像KYの表示は、大当たり遊技状態が終了することによって終了するようになっている。なお、過賞球予告画像KYは、大当たり遊技状態が終了した後も、表示し続けるようにしても良い。
続いて、差玉数が80000に達した場合の演出態様について、図41(B)に基づいて説明する。前提条件として、図38(B)に示すタイミングで、差玉数が80000に達したこととする。図41(B)に示すように、表示部50aでは、ラウンド画像G109や賞球数画像G110が表示されている。そして、差玉数が80000に達すると、表示部50aの縁部では、赤色の赤縁画像EFbが表示され、表示部50aの下部では、「ラッシュ終了で遊技中止」を示す遊技停止予告画像KHが表示される。これら赤縁画像EFb及び遊技停止予告画像KHの表示により、遊技者に遊技停止が近づいていると共に、いつ遊技が停止されるのかを把握させることが可能である。赤縁画像EFbの表示は、大当たり遊技状態が終了した後も継続されるが、遊技停止予告画像KHの表示は、大当たり遊技状態が終了することによって終了するようになっている。なお、遊技停止予告画像KHは、大当たり遊技状態が終了した後も、表示し続けるようにしても良い。
ここで、図38(A)に示すタイミングで差玉数が70000に達した後、高確高ベース状態での演出態様は、図42(A)に示す通りである。即ち、図42(A)に示すように、表示部50aでは、確変用背景画像(確変背景画像)G105が表示されていて、演出図柄EZが変動表示している。そして、表示部50aの縁部では、紫縁画像EFaが表示されている。この紫縁画像EFaにより、遊技者には、差玉数が70000に達していることを把握させつつ、遊技させることが可能である。
また、図38(B)に示すタイミングで差玉数が80000に達した後、高確高ベース状態での演出態様は、図42(B)に示す通りである。即ち、図42(B)に示すように、表示部50aでは、確変用背景画像G105が表示されていて、演出図柄EZが変動表示している。そして、表示部50aの縁部では、赤縁画像EFbが表示されている。この赤縁画像EFbにより、遊技者には、差玉数が80000に達していることを把握させつつ、遊技させることが可能である。
次に、図39(A)に示すように、特別リセットスイッチ181が押下操作されることで、差玉数がリセットされた場合の演出態様について説明する。この場合には、遊技場の従業員が、前扉23を外枠22に対して開放していて、特別リセットスイッチ181を押下操作した状況になる。そのため、前扉開放センサが前扉23の開放を検知していて、表示部50aでは、図43(A)に示すように、「エラー2 前扉を閉めて下さい」を示すエラー解除方法画像ER2が表示される。そして、このときには、表示部50aの下部にて、「差玉数をリセットしました」を示す差玉数リセット報知画像CLSが表示される。これにより、遊技場の従業員に、差玉数がリセットされたことを把握させることが可能である。
続いて、図39(B)に示すように、客待ち状態が1時間継続した場合の演出態様について説明する。この場合には、表示部50aでは、客待ちデモ動画G100が表示されている。そして、このときには、表示部50aの下部にて、「差玉数をリセットしました」を示す差玉数リセット報知画像CLSが表示される。これにより、遊技場の従業員に、差玉数がリセットされたことを把握させることが可能である。
<第4実施形態における遊技制御用マイコンの動作>
次に、第4実施形態における遊技制御用マイコン101の動作について説明する。なお、以下において説明する遊技制御用マイコン101による遊技の制御において登場するカウンタ、タイマ、バッファ等は、遊技用RAM104に設けられている。
[主制御メイン処理]遊技制御用マイコン101は、本形態のパチンコ遊技機PY1が電源投入されると、遊技用ROM103から図44に示した主制御メイン処理のプログラムを読み出して実行する。同図に示すように、主制御メイン処理では、まず、電源投入時処理(S001)を行う。電源投入時処理では、遊技用RAM104へのアクセスの許可設定、遊技用CPU102の設定、SIO、PIO、CTC(割り込み時間の管理のための回路)の設定等が行われる。
また電源投入時処理(S001)では、遊技制御用マイコン101は、RAMクリアスイッチ191への押下操作に基づく信号を入力すると、RAMクリアを実行する。RAMクリアが実行されると、遊技用RAM104に記憶されている遊技情報(例えば高確率状態などの遊技状態の情報、特図保留の数や大当たりの当否判定結果などの情報)が消去される。これにより、遊技状態は通常遊技状態(低確低ベース状態、低確非時短状態)に設定される。但し、RAMクリアが実行されても、総賞球数記憶部107aに記憶されている総賞球数の情報、総発射球数記憶部107bに記憶されている総発射球数の情報、差玉数記憶部107cに記憶されている差玉数の情報は、クリアされない。
電源投入時処理に次いで、割り込みを禁止し(S002)、普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)を実行する。この普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)では、種々の乱数のカウンタ値を1加算して更新する。各乱数のカウンタ値は上限値に達すると「0」に戻って再び加算される。なお各乱数のカウンタの初期値は「0」以外の値であってもよく、ランダムに変更されるものであってもよい。また各乱数のうちの少なくとも一部は、カウンタIC等からなる公知の乱数生成回路を利用して生成される所謂ハードウェア乱数であってもよい。
普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)が終了すると、割り込みを許可する(S004)。割り込み許可中は、メイン側タイマ割り込み処理(S005)の実行が可能となる。メイン側タイマ割り込み処理(S005)は、例えば4msec周期で遊技用CPU102に繰り返し入力される割り込みパルスに基づいて実行される。すなわち、メイン側タイマ割り込み処理(S005)は4msec周期で実行される。そして、メイン側タイマ割り込み処理(S005)が終了してから、次にメイン側タイマ割り込み処理(S005)が開始されるまでの間に、普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)による種々の乱数のカウンタ値の更新処理が繰り返し実行される。なお、割り込み禁止状態のときに遊技用CPU102に割り込みパルスが入力された場合は、メイン側タイマ割り込み処理(S005)はすぐには開始されず、割り込み許可(S004)がされてから開始される。
[メイン側タイマ割り込み処理]第4実施形態におけるメイン側タイマ割り込み処理(S005)について説明する。図45に示すように、メイン側タイマ割り込み処理(S005)では、まず遊技停止フラグがONであるか否かを判定する(S101)。遊技停止フラグは、過賞球防止機能が作動することよりONされるものである。遊技停止フラグがONであれば(S101でYES)、ステップS102~S113の処理がパスされる。これにより、遊技が実行不能になる。一方、遊技停止フラグがOFFであれば(S101でNO)、ステップS102~S113の処理が実行される。つまり、遊技可能な状態である。
なお、主制御メイン処理(図44)の電源投入時処理(S001)において、遊技停止フラグは、ONである状態でRAMクリアが実行されると、OFFに切替わる。一方、遊技停止フラグは、ONである状態でRAMクリアが実行されなければ、ONのままとなる。つまり、電源の再投入だけでは、遊技停止フラグの状態は変わらない。こうして、過賞球防止機能の作動によって、遊技停止フラグがONになった後、RAMクリアが実行されるか否かによって、遊技が再開されるか否かが決まる。
ステップS101で遊技停止フラグがOFFである場合、後述する入力処理(S102)を実行する。そして、各種乱数を更新する普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S103)、センサ検出処理(S104)、電チュー12Dの作動に係る普通動作処理(S105)を行った後、後述する差玉数計測処理(S106)、後述する特別動作処理(S107)を実行する。続いて遊技制御用マイコン101は、振分装置16Dを制御するための振分装置制御処理(S108)を実行し、遊技球の発射を制御するための発射制御処理(S109)を実行する。なお、振分装置16Dを作動させるのは、第2大入賞口15を用いた特別遊技を行う場合である。また、発射制御処理(S109)が実行されることで、遊技者はハンドル72kへの回転操作により、遊技球を発射させることができる。一方、発射制御処理(S109)が実行されなければ、遊技者はハンドル72kを回転操作しても、遊技球を発射させることができない。
続いて遊技制御用マイコン101は、7セグ表示器300の表示を制御するための7セグ表示制御処理(S110)を実行する。次に、磁気検知によるエラー(不正)や前扉23又は前枠23mの開放によるエラーなどを判断するためのエラー処理(S111)を実行する。エラー処理(S111)では、磁気センサによって不正な磁気が検出されたか否か判定する。そして、当該処理の結果に応じて、磁気センサ用コマンドを生成する。またエラー処理(S111)では、前扉開放センサ又は前枠センサによって、前扉23又は前枠23mが開放しているか否かを判定する。そして、当該処理の結果に応じて、枠開放用コマンドを生成する。
次に、遊技制御用マイコン101は、後述する出力処理(S112)し、その他の処理を実行する(S113)。その他の処理(S113)としては、電源が断たれる際の電源断監視処理、遊技用RAM104に設けられているタイマの更新などが行われる。また、その他の処理(S113)として、遊技者に賞球を払い出す払出制御処理が行われる。払出制御処理では、各入賞口への遊技球の入賞に応じて、賞球要求信号を払出制御基板170に送信する。つまり、払出制御基板170は、賞球要求信号に基づいて、賞球を払い出す。そして、遊技制御用マイコン101は、電源が断たれる際の電源断監視処理(S114)を実行して、本処理を終える。電断監視処理(S114)では、遊技制御用マイコン101は、監視電圧の低下により電源が遮断されると判断すると、遊技情報、総賞球数の情報、総発射球数の情報、差玉数の情報、遊技停止フラグの情報等が、遊技用RAM104の所定の記憶領域に格納する。その後、遊技用RAM104へのアクセスの禁止設定を行う。
[入力処理]図46に示すように、入力処理(S102)ではまず、特別リセットスイッチ181がONか否か、即ち、特別リセットスイッチ181への押下操作に基づく信号を受信したか否かを判断する(S201)。ONでなければ(S201でNO)、ステップS204に進む。一方、ONであれば(S201でYES)、非消去クリア処理を実行する(S202)。非消去クリア処理(S202)では、総賞球数記憶部107aに記憶されている総賞球数の情報、総発射球数記憶部107bに記憶されている総発射球数の情報、差玉数記憶部107cに記憶されている差玉数の情報がクリアされる。なお、非消去クリア処理(S202)が実行されても、非消去記憶部107の特定記憶領域(図示省略)に記憶されている総発射球数の情報はクリアされない。この総発射球数の情報は、上述したように、7セグ表示器300での表示のために用いられるためである。
ステップS202に続いて、非消去クリアコマンドを遊技用RAM104の出力バッファにセットして(S203)、ステップS204に進む。こうして、非消去クリアコマンドが、サブ制御基板120に送信されると、図43(A)に示すように、表示部50aの下部にて、差玉数リセット報知画像CLSが表示される。ステップS204では、その他の処理を実行して、本処理を終える。その他の処理(S204)では、遊技制御用マイコン101は、例えば、下皿35の満杯を検出する下皿満杯スイッチからの検出信号を取り込み、下皿満杯データとして遊技用RAM104の出力バッファに記憶する。
[センサ検出処理]センサ検出処理(S104)では、一般入賞口センサ処理、ゲートセンサ処理、第2始動口センサ処理、第1始動口センサ処理、第1大入賞口センサ処理、第2大入賞口センサ処理、特定領域センサ処理、排出口センサ処理を順次行う。そして、各処理において生成されたコマンドを遊技用RAM104の出力バッファにセットする。
一般入賞口センサ処理では、一般入賞口センサ10aによって遊技球が検出されたか否かを判定する。また、当該処理の結果に応じて、一般入賞口センサ用コマンドを生成する。
ゲートセンサ処理では、ゲートセンサ13aによって遊技球が検出されたか否かを判定する。遊技球が検出されたと判定されると、普通図柄乱数カウンタのカウンタ値が示す普通図柄乱数を取得し、取得した普通図柄乱数を、遊技用RAM104に設けられた普図保留記憶部106に記憶する。なお、普図保留記憶部106に普通図柄乱数が所定数(例えば4個)記憶されている場合には、新たに取得された普通図柄乱数は記憶されない。また、当該処理の結果に応じて、ゲートセンサ用コマンドを生成する。
第2始動口センサ処理では、第2始動口センサ12aによって遊技球が検出されたか否かを判定する。遊技球が検出されたと判定されると、特別図柄乱数カウンタ、大当たり図柄種別乱数カウンタ、リーチ乱数カウンタ及び特図変動パターン乱数カウンタからなる特図2関係乱数を取得し、取得した特図2関係乱数を、遊技用RAM104に設けられた特図2保留記憶部105bに記憶する。特図2保留記憶部105bは、第1領域から第n領域まで(nは2以上の整数、例えば「4」)の複数の記憶領域があり、取得された特図2関係乱数は、第1領域から順に記憶される。なお、第n領域まで特図2関係乱数が記憶されている場合には、新たに取得された特図2関係乱数は記憶されない。また、取得した特図2関係乱数と第2先読み判定テーブルとを用いて第2先読み判定を行う。また、当該処理の結果に応じて、特図2保留記憶部105bに記憶されている特図2関係乱数の数(特図2保留数)を表す特図2保留数コマンドおよび第2先読み判定の結果を表す第2始動入賞コマンドを含む第2始動口センサ用コマンドを生成する。
第1始動口センサ処理では、第1始動口センサ11aによって遊技球が検出されたか否かを判定する。遊技球が検出されたと判定されると、特別図柄乱数カウンタ、大当たり図柄種別乱数カウンタ、リーチ乱数カウンタ及び特図変動パターン乱数カウンタからなる特図1関係乱数を取得し、取得した特図1関係乱数を、遊技用RAM104に設けられた特図1保留記憶部105aに記憶する。特図1保留記憶部105aは、第1領域から第n領域まで(nは2以上の整数、例えば「4」)の複数の記憶領域があり、取得された特図1関係乱数は、第1領域から順に記憶される。なお、第n領域まで特図1関係乱数が記憶されている場合には、新たに取得した特図1関係乱数は記憶されない。また、取得した特図1関係乱数と第1先読み判定テーブルとを用いて第1先読み判定を行う。また、当該処理の結果に応じて、特図1保留記憶部105aに記憶されている特図1関係乱数の数(特図1保留数)を表す特図1保留数コマンドおよび第1先読み判定の結果を表す第1始動入賞コマンドを含む第1始動口センサ用コマンドを生成する。
第1大入賞口センサ処理では、第1大入賞口センサ14aによって遊技球が検出されたか否かを判定する。また、当該処理の結果に応じた第1大入賞口センサ用コマンドを生成する。
第2大入賞口センサ処理では、第2大入賞口センサ15aによって遊技球が検出されたか否かを判定する。また、当該処理の結果に応じた第2大入賞口センサ用コマンドを生成する。
特定領域センサ処理では、特定領域センサ16aによって遊技球が検出されたか否か判定する。また、当該処理の結果に応じて、特定領域センサ用コマンドを生成する。
排出口センサ処理では、排出口センサによって遊技球が検出されたか否か判定する。
[差玉数計測処理]図47に示すように、差玉数計測処理(S106)ではまず、遊技者に払い出す総賞球数をカウントする総賞球数カウント処理を実行する(S301)。カウントされた総賞球数の情報は、総賞球数記憶部107a(図34参照)に記憶される。次に、排出口センサによる検知に基づいて、総発射球数をカウントする総発射球数カウント処理を実行する(S302)。カウントされた総発射球数の情報は、総発射球数記憶部107b(図34参照)に記憶される。そして、総賞球数に対して総発射球数を減算して、差玉数を演算する差玉数演算処理を実行する(S303)。演算された差玉数の情報は、差玉数記憶部107c(図34参照)に記憶される。
続いて、ステップS304では、過賞球予告フラグがOFFか否かを判断する。過賞球予告フラグは、差玉数が70000以上であることを示すものである。ONであれば(S304でNO)、ステップS308に進む。一方、OFFであれば(S304でYES)、差玉数が70000以上であるか否かを判定する(S305)。70000未満であれば(S305でNO)、ステップS308に進む。これに対して、70000以上であれば(S305でYES)、過賞球予告フラグをONにして(S306)、過賞球予告コマンドを遊技用RAM104の出力バッファにセットする。これにより、過賞球予告コマンドがサブ制御基板120に送信されると、図41(A)に示すように、表示部50aにて、紫縁画像EFa及び過賞球予告画像KYが表示される。
続いて、ステップS308では、過賞球フラグがOFFか否かを判断する。過賞球フラグは、差玉数が80000以上であることを示すものである。ONであれば(S308でNO)、本処理を終える。一方、OFFであれば(S308でYES)、差玉数が80000以上であるか否かを判定する(S309)。80000未満であれば(S309でNO)、本処理を終える。これに対して、80000以上であれば(S309でYES)、過賞球フラグをONにして(S310)、過賞球予告フラグをOFFにする(S311)。そして、過賞球報知コマンドを遊技用RAM104の出力バッファにセットして、本処理を終える。これにより、過賞球報知コマンドがサブ制御基板120に送信されると、図41(B)に示すように、表示部50aにて、赤縁画像EFb及び遊技停止予告画像KHが表示される。
[特別動作処理]図48に示すように特別動作処理(S107)では、特図表示器81及び大入賞装置(第1大入賞口14、第2大入賞口15)に関する処理を4つの段階に分け、それらの各段階に「特別動作ステータス1,2,3,4」を割り当てている。そして、遊技制御用マイコン101は、「特別動作ステータス」が「1」である場合には(S1301でYES)、大当たり判定を行って特別図柄の変動表示を開始させる等の処理を含む特別図柄待機処理(S1302)を行い、「特別動作ステータス」が「2」である場合には(S1301でNO、S1303でYES)、特別図柄を停止表示させる等の処理を含む特別図柄変動中処理(S1304)を行い、「特別動作ステータス」が「3」である場合には(S1301,S1303で共にNO、S1305でYES)、遊技状態を移行させる等の処理を含む特別図柄確定処理(S1306)を行い、「特別動作ステータス」が「4」である場合には(S1301,S1303,S1305の全てがNO)、大入賞口を開放する等の処理を含む特別電動役物処理(S1307)を行う。なお特別動作ステータスは、初期設定では「1」である。
[特別図柄待機処理]図49に示すように、特別図柄待機処理(S1302)ではまず、第2始動口12の保留球数(即ち特図2保留球数)が「0」であるか否かを判定する(S1401)。特図2保留球数が「0」である場合(S1401でYES)、即ち、第2始動口12への入賞に起因して取得した乱数カウンタ値群の記憶がない場合には、第1始動口11の保留球数(即ち特図1保留球数)が「0」であるか否かを判定する(S1407)。そして、特図1保留球数も「0」である場合(S1407でYES)、即ち、第1始動口11への入賞に起因して取得した乱数カウンタ値群の記憶もない場合には、客待ちフラグがONか否かを判定する(S1416)。客待ちフラグは、客待ち状態であることを示すものである。ONであれば(S1416でYES)、後述する客待ち計測処理を実行して(S1419)、本処理を終える。一方、OFFであれば(S1416でNO)、客待ちコマンドを遊技用RAM104の出力バッファにセットするとともに(S1417)、客待ちフラグをONにして(S1418)、本処理を終える。
ステップS1401において特図2保留球数が「0」でない場合(S1401でNO)、即ち、第2始動口12への入賞に起因して取得した乱数カウンタ値群の記憶(特図2の保留情報)が1つ以上ある場合には、特図2大当たり判定処理(S1402)及び特図2変動パターン選択処理(S1403)を行う。その後、遊技制御用マイコン101は、特図2保留球数を1ディクリメントする(S1404)。そして、特図2保留記憶部105bにおける各種カウンタ値の格納場所(記憶領域)を、現在の位置から読み出される側に一つシフトするとともに、特図2保留記憶部105bにおける保留1個目に対応する記憶領域をクリアする(S1405)。続いて遊技制御用マイコン101は、特図2変動開始処理(S1406)を実行して、ステップS1413に進む。特図2変動開始処理(S1406)では、特別動作ステータスを「2」にセットするとともに変動開始コマンドを遊技用RAM104の出力バッファにセットして、第2特別図柄の変動表示を開始する。なお、特図2変動開始処理(S1406)でセットされる変動開始コマンド(特図2変動開始コマンドともいう)には、特図2大当たり判定処理(S1402)でセットされた特図停止図柄データの情報や特図2変動パターン選択処理(S1403)でセットされた変動パターンの情報(変動時間の情報を含む情報)が含まれている。
また、特図2保留球数が「0」であるが特図1保留球数が「0」でない場合(S1401でYES且つS1407でNO)、即ち、特図2の保留情報はないが、第1始動口11への入賞に起因して取得した乱数カウンタ値群の記憶(特図1の保留情報)が1つ以上ある場合には、特図1大当たり判定処理(S1408)及び特図1変動パターン選択処理(S1409)を行う。その後、遊技制御用マイコン101は、特図1保留球数を1ディクリメントする(S1410)。そして、特図1保留記憶部105aにおける各種カウンタ値の格納場所(記憶領域)を、現在の位置から読み出される側に一つシフトするとともに、特図1保留記憶部105aにおける保留4個目に対応する記憶領域(読み出される側から最も遠い記憶領域)をクリアする(S1411)。このようにして、第1特図保留が保留された順に消化されるようにしている。続いて遊技制御用マイコン101は、特図1変動開始処理(S1412)を実行して、ステップS1413に進む。特図1変動開始処理(S1412)では、特別動作ステータスを「2」にセットするとともに変動開始コマンドを遊技用RAM104の出力バッファにセットして、第1特別図柄の変動表示を開始する。なお、特図1変動開始処理(S1412)でセットされる変動開始コマンド(特図1変動開始コマンドともいう)には、特図1大当たり判定処理(S1408)でセットされた特図停止図柄データの情報や特図1変動パターン選択処理(S1409)でセットされた変動パターンの情報(変動時間の情報を含む情報)が含まれている。
ステップS1413に進むと客待ちフラグがONか否かを判定し、ONであれば客待ちフラグをOFFにする(S1414)。そして、客待ちカウンタの値を「0」にクリア(リセット)する客待ちカウンタクリア処理を実行して(S1415)、本処理を終える。客待ちカウンタは、遊技用RAM104に設けられていて、客待ち状態が継続している時間を計測するためのものである。なお、客待ちカウンタの値は、RAMクリアの実行の有無に拘わらず、電源の再投入によってクリアされる。
[客待ち計測処理]図50に示すように、客待ち計測処理(S1419)ではまず、客待ちカウンタの値を増加させる客待ちカウンタ増加処理を実行する(S1420)。これにより、遊技制御用マイコン101は、客待ちカウンタの値に基づいて、客待ち状態が継続している時間を把握することができる。続いて、客待ち状態が1時間以上継続しているか否かを判定する。継続していないと判定すれば(S1421でNO)、本処理を終える。一方、継続していると判定すれば(S1421でYES)、上述したステップS202の処理(図46参照)と同様、非消去クリア処理を実行する(S1422)。これにより、総賞球数記憶部107aに記憶されている総賞球数の情報、総発射球数記憶部107bに記憶されている総発射球数の情報、差玉数記憶部107cに記憶されている差玉数の情報がクリアされる。
続いて、非消去クリアコマンドを遊技用RAM104の出力バッファにセットして(S1423)、本処理を終える。こうして、非消去クリアコマンドが、サブ制御基板120に送信されると、図43(B)に示すように、表示部50aの下部にて、差玉数リセット報知画像CLSが表示される。
[特別図柄確定処理]図51に示すように、特別図柄確定処理(S1306)ではまず、特別図柄の停止時間(ステップS1403又はS1409で選択された特図変動パターンに応じて決まる停止時間)が経過したか否かを判定する(S1901)。経過していなければ(S1901でNO)、直ちにこの処理を終える。これにより特別図柄の停止表示が継続される。一方、停止時間が経過していれば(S1901でYES)、後述の遊技状態管理処理を行う(S1902)。
次に、大当たりフラグがONであるか否かを判定する(S1903)。大当たりフラグがONであれば(S1903でYES)、当選した大当たりの種別に応じた開放パターンをセットする(S1904)。なおこのときに、大当たり遊技中に実行した単位開放遊技(ラウンド遊技)の回数をカウントするラウンドカウンタの値を、当選した大当たりの種類に応じたラウンド数にセットする。なお、開放パターンのセット(開放パターンに応じたデータのセット)は、ラウンド毎に行うようにしてもよい。
遊技制御用マイコン101は、ステップS1904に続いて、遊技状態リセット処理を行う(S1905)。遊技状態リセット処理(S1905)では、確変フラグがONであれば確変フラグをOFFにして、時短フラグがONであればOFFにする。つまり、大当たり遊技の実行中は、通常確率状態且つ非時短状態に制御される。その後、大当たり遊技を開始するべく、大当たりのオープニングコマンドをセットするとともに(S1906)、大当たり遊技のオープニングを開始する(S1907)。そして特別動作ステータスを「4」にセットして(S1908)、本処理を終える。
また、ステップS1903において大当たりフラグがONでなければ(S1903でNO)、大当たり遊技を開始しないため、特別動作ステータスを「1」にセットして(S1909)、本処理を終える。
[遊技状態管理処理]図52に示すように、遊技状態管理処理(S1902)ではまず、確変フラグがONか否か判定する(S2001)。ONであれば(S2001でYES)、高確率状態中に実行した特別図柄の変動回数をカウントする確変カウンタの値を1だけ減少させて(S2002)、確変カウンタの値が「0」か否か判定する(S2003)。「0」であれば(S2003でYES)、確変フラグをOFFにして(S2004)、ステップS2005に進む。ステップS2001又はS2003の判定結果がNOであれば、直ちにステップS2005に進む。
ステップS2005では、時短フラグがONか否か判定する。ONであれば(S2005でYES)、時短状態中に実行した特別図柄の変動回数をカウントする時短カウンタの値を1だけ減少させて(S2006)、時短カウンタの値が「0」か否か判定する(S2007)。「0」であれば(S2007でYES)、時短フラグをOFFにして(S2008)、ステップS2009に進む。ステップS2005又はS2007の判定結果がNOであれば、ステップS2012に進む。
ステップS2009では、過賞球フラグがONか否かを判定する。つまり、差玉数が80000以上になっているか否かを判定する。過賞球フラグがONでなければ(S2009でNO)、ステップS2012に進む。一方、過賞球フラグがONであれば(S2009でYES)、遊技停止フラグをONにして(S2010)、ステップS2011に進む。こうして、差玉数が80000以上になっていて、高確高ベース状態又は低確低ベース状態が終了すると、遊技が実行不能になる。
ステップS2011では、遊技停止報知コマンドを遊技用RAM104の出力バッファにセットして、ステップS2012に進む。これにより、遊技停止報知コマンドがサブ制御基板120に送信されると、図40(A)に示すように、表示部50aにて、赤背景画像RE及びエラー解除方法画像ERXが表示される。また、スピーカ52から遊技停止音が出力される。更に、枠ランプ53が全て白色で点灯すると共に、盤ランプ54が全て消灯する。
ステップS2012では、現在の遊技状態の情報(確変フラグ及び時短フラグがON又はOFFの何れであるかの情報)、確変カウンタの値及び時短カウンタの値の情報等を含む遊技状態指定コマンドを遊技用RAM104の出力バッファにセットして、本処理を終える。
[出力処理]図53に示すように、出力処理(S112)では、後述する外端信号出力処理を実行する(S3001)。続いて、その他の出力処理(S3002)として、上述した各処理において遊技用RAM104の出力バッファにセットされたコマンド等を、サブ制御基板120や払出制御基板170に出力して、本処理を終える。
[外端信号出力処理]図54に示すように、外端信号出力処理(S3001)では、過賞球予告フラグがONであるか否かを判定する(S3101)。つまり、差玉数が70000に達した状況か否かを判定する。過賞球予告フラグがONでなければ(S3101でNO)、ステップS3103に進む。一方、過賞球予告フラグがONであれば(S3101でYES)、過賞球予告用外端信号出力処理を実行して(S3102)、ステップS3102に進む。過賞球予告用外端信号出力処理(S3102)では、差玉数が70000に達したことを示す外端信号(以下「過賞球予告用外端信号」と呼ぶ)が、主制御基板100から払出制御基板170を介して外部端子板160に送信される。これにより、外部端子板160は、過賞球予告用外端信号をパラレル通信によって、外部ユニットGU(データカウンタ、ホールコンピュータなど)に送信する。その結果、ホールコンピュータを監視している遊技場の従業員に、第4実施形態のパチンコ遊技機PY1において差玉数が残り僅か(10000以内)増加すると、過賞球防止機能が作動し得る状況を把握させることが可能である。
ステップS3103では、過賞球フラグがONであるか否かを判定する。つまり、差玉数が80000に達した状況か否かを判定する。過賞球フラグがONでなければ(S3103でNO)、ステップS3105に進む。一方、過賞球フラグがONであれば(S3103でYES)、過賞球用外端信号出力処理を実行して(S3104)、ステップS3105に進む。過賞球用外端信号出力処理(S3104)では、差玉数が80000に達したことを示す外端信号(以下「過賞球用外端信号」と呼ぶ)が、主制御基板100から払出制御基板170を介して外部端子板160に送信される。これにより、外部端子板160は、過賞球予告用外端信号をパラレル通信によって、外部ユニットGUに送信する。その結果、ホールコンピュータを監視している遊技場の従業員に、第4実施形態のパチンコ遊技機PY1において差玉数が80000に達していて、高確高ベース状態又は低確低ベース状態が終了すると遊技が実行不能になる状況を把握させることが可能である。
ステップS3105では、遊技停止フラグがONであるか否かを判定する。つまり、遊技が実行不能になった状況か否かを判定する。遊技停止フラグがONでなければ(S3107でNO)、ステップS3107に進む。一方、遊技停止フラグがONであれば(S3105でYES)、遊技停止用外端信号出力処理を実行して(S3106)、ステップS3107に進む。遊技停止用外端信号出力処理(S3106)では、過賞球防止機能の作動によって遊技が実行不能になったことを示す外端信号(以下「遊技停止用外端信号」と呼ぶ)が、主制御基板100から払出制御基板170を介して外部端子板160に送信される。これにより、外部端子板160は、遊技停止用外端信号をパラレル通信によって、外部ユニットGUに送信する。その結果、ホールコンピュータを監視している遊技場の従業員に、第4実施形態のパチンコ遊技機PY1において過賞球防止機能の作動によって遊技が実行不能になった状況を把握させることが可能である。
ステップS3107では、ステップS203に示す非消去クリア処理、又はステップS1422に示す非消去クリア処理が実行されたか否かを判定する。即ち、総賞球数記憶部107aに記憶されている総賞球数の情報、総発射球数記憶部107bに記憶されている総発射球数の情報、差玉数記憶部107cに記憶されている差玉数の情報がクリアされたか否かを判定する。非消去クリア処理が実行されていなければ(S3107でNO)、ステップS3109に進む。一方、非消去クリア処理が実行されていれば(S3107でYES)、リセット用外端信号出力処理を実行して(S3108)、ステップS3109に進む。リセット用外端信号出力処理(S3108)では、差玉数がリセットされたことを示す外端信号(以下「リセット用外端信号」と呼ぶ)が、主制御基板100から払出制御基板170を介して外部端子板160に送信される。これにより、外部端子板160は、リセット用外端信号をパラレル通信によって、外部ユニットGUに送信する。その結果、ホールコンピュータを監視している遊技場の従業員に、第4実施形態のパチンコ遊技機PY1において差玉数がリセットされた状況を把握させることが可能である。なお主制御基板100には、専用の信号線が接続されていて、この専用の信号線を介して、過賞球予告用外端信号、過賞球用外端信号、遊技停止用外端信号、リセット用外端信号が、主制御基板100から払出制御基板170を介して外部端子板160に送信される。
<第4実施形態の作用効果>
以上説明したように、第4実施形態のパチンコ遊技機PY1によれば、差玉数が80000以上であって、高確高ベース状態又は低確低ベース状態が終了すると、遊技が実行不能になる。従って、遊技者にとっては、大当たり遊技状態の途中や、高確高ベース状態又は低確高ベース状態の途中で、突然遊技が停止されるわけではなく、特段大きな不利益になるわけではない。こうして、遊技者に対して遊技を止めやすいタイミングで遊技を中止させつつ、過剰な賞球を付与しない第4実施形態のパチンコ遊技機PY1を提供することが可能である。
また第4実施形態のパチンコ遊技機PY1によれば、差玉数が80000以上であって、高ベース状態(高確高ベース状態、低確高ベース状態)が終了すると、遊技が実行不能になる。従って、遊技者にとって、高ベース状態が終了した後で持ち球が減っていくような状況になる前に、遊技を中止させることが可能である。つまり、高ベース状態から通常遊技状態に移行した後では、総発射球数が増加していき、差玉数が80000未満になる状況も想定され得る。よって、上記した状況が生じないように、高ベース状態が終了したタイミングで、遊技を中止させることが可能である。
ところで、差玉数が80000になる前に、或る遊技者が遊技を止めて、後で遊技を行う遊技者が遊技を開始してからすぐに、差玉数が80000以上になると、酷な事態となる。そこで、第4実施形態のパチンコ遊技機PY1によれば、電源投入を契機としないリセット条件の成立に基づいて、計測された差玉数がリセットされる。具体的には、特別リセットスイッチ181が押下操作されること、又は客待ち状態が1時間継続することで、差玉数がリセットされる。これにより、後で遊技を行った遊技者に対して、遊技を開始してからすぐに遊技が中止されないようにすることができて、酷な事態となるのを防ぐことが可能である。
また第4実施形態のパチンコ遊技機PY1によれば、遊技場の従業員が、電源投入時にRAMクリアスイッチ191を押下操作すると、遊技情報(例えば高確率状態などの遊技状態の情報、特図保留の数や大当たりの当否判定結果などの情報)が消去される一方、差玉数記憶部107cに記憶されている差玉数の情報が消去されない。従って、営業時間中に、不具合等によって遊技情報を消去しなければならない状況でも、計測された差玉数を消去しないようにすることが可能である。
また第4実施形態のパチンコ遊技機PY1によれば、上述したように、RAMクリアが実行されても、計測された差玉数が消去されない。しかしながら、遊技場の従業員が特別リセットスイッチ181を押下操作することで、計測された差玉数を消去できる。こうして、遊技場の従業員は、任意のタイミングで、計測された差玉数を消去することが可能である。
<第4実施形態の変更例>
以下、第4実施形態の変更例について説明する。なお、第4実施形態の変更例の説明において、第4実施形態のパチンコ遊技機PY1と同様の構成については、同じ符号を付して説明を省略する。勿論、第4実施形態の変更例に係る構成同士を適宜組み合わせて構成してもよい。また、第4実施形態およびその変更例中の技術的特徴は、本明細書において必須なものとして説明されていなければ、適宜、削除することが可能である。また、上述した基本実施形態、第1実施形態、第2実施形態および第3実施形態のパチンコ遊技機PY1に含まれる構成は、遊技に支障をきたさない範囲で、第4実施形態およびその変更例から把握される遊技機に採用することができる。
第4実施形態では、いわゆるV確機(特定領域16(V領域)への遊技球の通過に基づいて高確率状態に制御される遊技機)として構成したが、当選した大当たり図柄の種類に基づいて高確率状態への移行が決定される遊技機として構成してもよい。また第4実施形態では、いわゆるST機(特別図柄の変動回数に応じて高確率状態が終了する遊技機)として構成したが、一旦高確率状態に制御されると次の大当たり遊技の開始まで高確率状態への制御が継続する遊技機(いわゆる確変ループタイプ機)や、転落機(抽選結果によって高確率状態が終了する遊技機)として構成してもよい。また、特別図柄の抽選で小当たりに当選すると、大入賞口が最大で1.8秒開放する小当たり遊技が実行される遊技機として構成してもよい。この場合、小当たり遊技の実行により大入賞口に入球した遊技球が、大入賞口内の特定領域を通過すると、大当たり遊技(2種大当たり遊技)が実行される遊技機として構成してもよい。そして、特別図柄の抽選で大当たりに当選すると大当たり遊技(1種大当たり遊技)が実行されて、遊技球が大入賞口内の特定領域を通過すると大当たり遊技(2種大当たり遊技)が実行される1種2種大当たり遊技として構成してもよい。
第4実施形態では、差玉数が80000以上であって、高確高ベース状態(有利遊技状態)から通常遊技状態に移行するとき(図38参照)、又は低確高ベース状態(有利遊技状態)から通常遊技状態に移行するときに、過賞球防止機能が作動するようにした。しかしながら、有利遊技状態から通常遊技状態に移行するときでなくても良く、単に有利遊技状態が終了するときに、過賞球防止機能が作動するようにしても良い。例えば、高確高ベース状態(有利遊技状態)から低確高ベース状態に移行するときや、高確高ベース状態から高確低ベース状態に移行するときに、過賞球防止機能が作動するようにしても良い。
また例えば、図55に示すように、高確高ベース状態から通常遊技状態に移行するときに、特図2保留数が最大である4個(所定数)あったこととする。そして、特図2の抽選は、特図1の抽選よりも優先して実行されて、且つ特図1の抽選よりも遊技者にとって有利に設定されていることとする。この場合、高確高ベース状態から通常遊技状態に移行すると、特図2の抽選が4回分実行されることになり、遊技者にとっては未だ有利な状態が続いているということができる。従ってこの場合には、通常遊技状態に移行したときに残っている特図2保留(特図2残保留)が全て消化されるまでは、有利遊技状態であるとみなすこととする。そして、特図2残保留が全て消化されるときに(特図2残保留に基づく第2特別図柄の変動表示及び停止表示が全て終了するときに)、過賞球防止機能が作動する(遊技を実行不能にする)ようにしても良い(図55参照)。なお、特図1の抽選が、特図2の抽選よりも優先して実行されるようにしたり、第1始動口11又は第2始動口12に遊技球が入賞した順番に、特図1の抽選又は特図2の抽選が実行されるようにしても良い。
特に、1種2種混合機であって、特図2の抽選で小当たりに当選した場合には、実質的に必ず2種大当たり遊技が実行される(遊技球が特定領域を通過できる)ように構成されている場合には、図55に示すように、通常遊技状態にて特図2残保留が全て消化されたときに過賞球防止機能が作動することが好適である。高ベース状態(時短状態)から通常遊技状態に移行しても、特図2残保留が全て消化されるまでは、2種大当たり遊技が非常に実行され易いためである。即ち、仮に高ベース状態が終了するタイミングで、過賞球防止機能の作動により遊技が実行不能になると、2種大当たり遊技を獲得できるチャンスが失われて、遊技者にとって酷になるからである。なお特図2保留の上限数は、4個に限られるものではなく、例えば1個であっても良く、適宜変更可能である。
第4実施形態では、過賞球防止機能が作動するタイミングは、高確高ベース状態が終了するとき、又は低確高ベース状態が終了するときであった。しかしながら、高確高ベース状態が終了するときにだけ、過賞球防止機能が作動するようにしても良い。この場合には、所謂「ラッシュ状態(連荘期間)」が終了したときにだけ、遊技を中止させることが可能である。また例えば、差玉数が80000以上であって、客待ち状態に移行したタイミングや、客待ち状態が或る一定時間継続したタイミングで、過賞球防止機能が作動するようにしても良い。また例えば、差玉数が80000以上であって、大当たり遊技状態が終了したタイミングで過賞球防止機能が作動するようにしても良い。また例えば、差玉数が80000以上になったタイミングで、過賞球防止機能が作動するようにしても良い。
第4実施形態では、特別リセットスイッチ181(特別操作手段)が押下操作されるという第1のリセット条件(図39(A)参照)、又は客待ち状態が1時間(所定時間)継続するという第2のリセット条件(図39(B)参照)が成立すると、差玉数がリセット(消去)されるようにした。しかしながら、リセット条件は、上記したものに限られるものではなく、適宜変更可能である。例えば、上述したように、大当たり遊技状態が終了したタイミングや、差玉数が80000以上になったタイミングで、過賞球防止機能が作動する場合において、図56(A)に示すように、高確高ベース状態(有利遊技状態)から通常遊技状態に移行すると、差玉数がリセットされるようにしても良い。この場合には、所謂「ラッシュ状態(連荘期間)」が終了すると差玉数がリセットされるため、1回でのラッシュ状態中に差玉数が80000(基準数)に達した場合に限り、過賞球防止機能を作動させることが可能である。なお、高確高ベース状態や低確高ベース状態以外に、大当たり遊技状態や高確低ベース状態などの有利遊技状態から通常遊技状態に移行すると、差玉数がリセットされるようにしても良い。また、RAMクリアスイッチ191が押下操作されたり、設定キーシリンダ180が回転操作されることで、差玉数がリセットされるようにしても良い。
また例えば、図56(B)に示すように、通常遊技状態が特定時間(例えば1時間)継続すると、差玉数がリセットされるようにしても良い。この場合には、通常遊技状態にて特定時間(例えば1時間)が継続すると、遊技者にとって有利な状況がしばらく続いていないことになる。従って、この場合には、差玉数をリセットすることで、しばらく差玉数が80000以上にならないようにすることが可能である。なお上記した特定時間は1時間に限られるものではなく、適宜変更可能である。また例えば、通常遊技状態にて特別図柄の変動回数が特定回数に達すると、差玉数をリセットするようにしても良い。また例えば、電源のOFF及びON(電源の再投入)によって、差玉数がリセットされるようにしても良い。
また例えば、遊技制御用マイコン101が、予め定められた基準時間(例えば午前9時)であると判断すると、差玉数をリセットするようにしても良い。この場合には、遊技場の従業員に何ら操作を強いることなく、差玉数を自動的に消去させることが可能である。なお上記した基準時間は午前9時に限られるものではなく、適宜変更可能である。
第4実施形態では、差玉数をリセットするための特別リセットスイッチ181(特別操作手段)が、主制御基板100上に配置されていた(図36参照)。しかしながら、特別操作手段が操作されたことに基づく信号が遊技制御用マイコン101に入力されるのであれば、差玉数をリセットするための特別操作手段の配置箇所は、適宜変更可能である。従って、特別操作手段は、例えば、払出制御基板170上に配置されていたり、専用の基板に配置されていても良い。
第4実施形態では、計測された差玉数が表示手段で表示されることがなかった。しかしながら、計測された差玉数が表示手段で表示されるようにしても良い。例えば、遊技制御用マイコン101は、表示器類8(図2参照)や7セグ表示器300(図37参照)にて、計測した差玉数を表示するようにしても良い。この場合、例えば、差玉数が0~50000(第1範囲)である場合には、表示器類8又は7セグ表示器300にて第1態様を表示して、差玉数が50001~70000(第2範囲)である場合には、表示器類8又は7セグ表示器300にて第2態様を表示して、差玉数が70001~80000(第3範囲)である場合には、表示器類8又は7セグ表示器300にて第3態様を表示するようにしても良い。また例えば、遊技制御用マイコン101は、差玉数の情報(又は総賞球数の情報、総発射球数の情報)をサブ制御基板120に送信して、演出制御用マイコン121が、画像表示装置50等の表示手段にて、差玉数を表示するようにしても良い。また例えば、遊技制御用マイコン101は、払い出した賞球数(又は払い出す予定の賞球数)の情報と排出口センサの検知の情報とを、サブ制御基板120に送信する。そして、演出制御用マイコン121が、これらの情報に基づいて、差玉数を演算することで、画像表示装置50等の表示手段にて、差玉数を表示するようにしても良い。
また遊技制御用マイコン101は、図57に示す変形例のように、7セグ表示器300にて差玉数を表示しても良い。即ち、この変形例では、差玉数の情報は、4つの区間(所定区間)に区分けされていて、非消去記憶部107の差玉数記憶部107cの4つの記憶領域にそれぞれ記憶されている。1番目の記憶領域には、今回電源が投入されてから現時点までの差玉数が記憶されている。2番目の記憶領域には、前回(1回前)に電源が投入されてから前回に電源が遮断されるまでの差玉数が記憶されている。3番目の記憶領域には、前々回(2回前)に電源が投入されてから前々回に電源が遮断されるまでの差玉数が記憶されている。4(N)番目の記憶領域には、前々前回(3回前)に電源が投入されてから前々前回に電源が遮断されるまでの差玉数が記憶されている。こうして、電源がOFF及びONされる度に、計測された差玉数がシフトされて記憶されて、4番目の記憶領域に記憶されていた差玉数は消去される。なお、1番目から4番目の記憶領域に記憶されている差玉数の情報は、RAMクリアが実行されても消去されない。
そして、この変形例では、1番目の記憶領域に記憶されている差玉数、2番目の記憶領域に記憶されている差玉数、3番目の記憶領域に記憶されている差玉数、4番目の記憶領域に記憶されている差玉数が、7セグ表示器300の右2桁(第3表示領域330及び第4表示領域340)にて、千球単位で順番に切替わって表示される。具体的に、7セグ表示器300では、図57(A)に示すように、例えば「bL36」が5秒間表示される。これにより、現在の通常ベースが36%であることが示される。次に、図57(B)に示すように、例えば「b134」が5秒間表示される。これにより、1回前の通常ベースが36%であることが示される。次に、図57(C)に示すように、例えば「b238」が5秒間表示される。これにより、2回前の通常ベースが38%であることが示される。次に、図57(D)に示すように、例えば「b235」が5秒間表示される。これにより、3回前の通常ベースが38%であることが示される。
続いて、7セグ表示器300では、図57(E)に示すように、例えば「cL20」が5秒間表示される。これにより、今回電源が投入されてから現時点までの差玉数が20000であることが示される。次に、図57(F)に示すように、例えば「c100」が5秒間表示される。これにより、前回(1回前)に電源が投入されてから前回に電源が遮断されるまでの差玉数が「0」であることが示される。なお総発射球数が総賞球数よりも多いことで、差玉数が「0」よりも小さい場合には、「0」が表示される。次に、図57(G)に示すように、例えば「c265」が5秒間表示される。これにより、前々回(2回前)に電源が投入されてから前々回に電源が遮断されるまでの差玉数が65000であることが示される。次に、図57(H)に示すように、例えば「c348」が5秒間表示される。これにより、前々前回(3回前)に電源が投入されてから前々前回に電源が遮断されるまでの差玉数が48000であることが示される。その後、図57(A)~(H)が5秒間毎に繰返して表示される。
上述した変形例では、電源がOFF及びON(再投入)される度に、計測された差玉数がシフトされて記憶されて、4(N)番目の記憶領域に記憶されていた差玉数が消去されるようにした。しかしながら、RAMクリアが実行される度に、計測された差玉数がシフトされて記憶されて、4(N)番目の記憶領域に記憶されていた差玉数が消去されるようにしても良い。又は、遊技制御用マイコンが予め定められた規定時間(例えば午前9時)であると判断すると、計測された差玉数がシフトされて記憶されて、4(N)番目の記憶領域に記憶されていた差玉数が消去されるようにしても良い。なお、上記したNは、2以上の自然数であれば、適宜変更可能である。
上述した変形例では、図57に示すように、7セグ表示器300において、5秒間毎に、差玉数の表示が自動的に切替わった。しかしながら、RAMクリアスイッチ191への押下操作や、設定キーシリンダ180への回転操作など、所定の操作手段の操作によって、差玉数の表示が切替わるようにしても良い。また、所定の操作手段の操作によって、通常ベースの表示と、差玉数の表示とを切替えるようにしても良い。
第4実施形態では、差玉数が70000(所定数)に達すると、図41(A)に示す演出態様によって、過賞球防止機能の作動に近づいていることを示した。しかしながら、過賞球防止機能の作動に近づいていることを示す演出態様は、図41(A)に示す演出態様に限られるものではなく、適宜変更可能である。例えば、スピーカ52からの特殊音声(例えば「差玉数が70000です」)や、盤ランプ54や枠ランプ53等の発光手段の特殊発光態様によって、過賞球防止機能の作動に近づいていることを示すようにしても良い。また差玉数が多くになるにつれて、多段階に変化する演出態様によって、過賞球防止機能の作動に近づいていることを示すようにしても良い。
第4実施形態では、差玉数が80000(基準数)に達すると、図41(B)に示す演出態様によって、遊技が停止し得る状況を示した。しかしながら、遊技が停止し得る状況を示す演出態様は、図41(B)に示す演出態様に限られるものではなく、適宜変更可能である。例えば、スピーカ52からの特殊音声(例えば「差玉数が80000です」)や、盤ランプ54や枠ランプ53等の発光手段の特殊発光態様によって、遊技が停止し得る状況を示すようにしても良い。
第4実施形態では、過賞球防止機能が作動すると、図40(A)に示す演出態様によって、遊技が実行不能な状況を示した。しかしながら、遊技技が実行不能な状況を示す演出態様は、図40(A)に示す演出態様に限られるものではなく、適宜変更可能である。例えば、表示部50aに「遊技が実行できません」を示す画像を表示したり、スピーカ52からの特殊音声(例えば「遊技が実行できません」)を出力するようにしても良い。
第4実施形態では、RAMクリアが実行されても、差玉数記憶部107cに記憶されている差玉数の情報が消去されないようにした。しかしながら、差玉数の情報を、遊技用RAM104の所定の記憶領域(消去記憶部)に記憶させるようにして、RAMクリアが実行されると、差玉数の情報がクリアされるようにしても良い。即ち、差玉数がリセットされる条件には、RAMクリアが実行されることが含まれているようにしたり、差玉数がリセットされるリセット条件を、RAMクリアが実行されることだけにしても良い。
第4実施形態では、過賞球防止機能が作動すると、遊技制御用マイコン101が、遊技に関する遊技制御処理(ステップS102~S108の処理、図45参照)を停止させるだけでなく、遊技球を発射させるための発射制御処理(ステップ109の処理、図45参照)も停止させた。しかしながら、過賞球防止機能が作動すると、遊技制御用マイコン101が、遊技制御処理を停止させる一方、発射制御処理を停止しないようにしても良い。但し、この場合には、過賞球防止機能が作動しても、遊技者は、ハンドル72kへの回転操作によって、遊技球が遊技領域6を流下する。そのため、遊技が実行不能である状況をすぐに把握し難いという問題点がある。よって、遊技制御処理及び発射制御処理の両方を停止させた方が、遊技者に、遊技が実行不能である状況をすぐに把握させることが可能である。また例えば、過賞球防止機能が作動すると、遊技制御用マイコン101が、発射制御処理を停止させる一方、遊技制御処理を停止させないようにしても良い。但し、この場合には、過賞球防止機能が作動したタイミングで、未だ遊技球が遊技領域6を流下していることがあり、遊技球が各種入賞口に入球して、遊技者に賞球が付与され得るという問題点がある。よって、遊技制御処理及び発射制御処理の両方を停止させた方が、過賞球防止機能が作動した後、遊技者には確実に賞球を付与しないことが可能である。
第4実施形態では、遊技制御用マイコン101は、排出口センサの検知に基づいて、総発射球数をカウントした。しかしながら、各種入賞口への入賞を検知するセンサ(第1始動口センサ、第2始動口センサ、一般入賞口センサ、第1大入賞口センサ、第2大入賞口センサ15a)の検知に基づいて、総発射球数をカウントするようにしても良い。又は、内側壁部1Bの上端部に戻り玉防止部が設けられていて、この戻り玉防止部に遊技球を検知可能なセンサが設けられている場合に、このセンサの検知に基づいて、総発射球数をカウントするようにしても良い。
第4実施形態では、差玉数が70000に達すると、図41(A)に示すように、過賞球予告画像KYが表示された。しかしながら、差玉数に拘わらず、客待ち演出、大当たり遊技中の演出(例えばエンディング演出)、変動演出に伴う予告演出などにおいて、差玉数が80000以上になることを条件に遊技が実行不能になることを説明する演出を実行しても良い。このような演出によって、過賞球防止機能があるパチンコ遊技機PY1であることを、遊技者や遊技場の従業員に事前に知らせることができるからである。
第4実施形態では、総賞球数の情報、総発射球数の情報、差玉数の情報を、遊技用RAM104の非消去記憶部107に記憶させることで、RAMクリアが実行されても、総賞球数の情報、総発射球数の情報、差玉数の情報が消去されないようにした。しかしながら、遊技用RAM104とは別に設けた不揮発性の記憶手段(例えばFRAM(登録商標))に、総賞球数の情報、総発射球数の情報、差玉数の情報を記憶させることで、RAMクリアが実行されても、総賞球数の情報、総発射球数の情報、差玉数の情報が消去されないようにしても良い。
第4実施形態では、電源が投入されてから随時、差玉数がカウントされるようにした。しかしながら、差玉数のカウントの始期を、所謂初当たり(通常遊技状態における大当たりへの当選)からとしてもよい。この場合には、電源が投入されてから初当たりに至るまでの差玉数のマイナス分(つまり総発射球数)がカウントされないことになる。従って、過賞球防止機能が作動する契機となる差玉数を、初当たり以降の持ち球数と同じにすることが可能である。
第4実施形態では、遊技制御用マイコン101は、総賞球数と総発射球とを別個でカウントして、総賞球数から総発射球数を減算することで、差玉数を演算した。しかしながら、差玉数をカウントするための差玉カウンタだけを用いて、差玉数を計測(カウント)するようにしても良い。つまり、賞球がある度に、差玉カウンタに対して、賞球の値を加算する。また、遊技球が発射される度に(排出口センサの検知がある度)に、差玉カウンタの値を減算する。こうして、総賞球数と総発射球とを別個でカウントしないで、差玉数を計測するようにしても良い。この場合において、差玉カウンタの値が、マイナスにならないようにして、常に「0」以上になるようにしても良い。そうすれば、上述したように、過賞球防止機能が作動する契機となる差玉数を、実質的に初当たり以降の持ち球数と同じにすることが可能である。
第4実施形態では、差玉数(特定計測数)が80000(基準数)以上であることを条件に、過賞球防止機能が作動するようにした。しかしながら、過賞球防止機能が作動するための基準となる差玉数(基準数)は、80000に限られるものではなく、50000、100000、120000であっても良く、適宜変更可能である。
第4実施形態では、過賞球防止機能が作動するための契機となる特定計測数は、総賞球数と総発射球数との差である差玉数であった。しかしながら、特定計測数は、過剰な賞球を付与しないという観点により、遊技者に付与される賞球数に基づくものであれば、適宜変更可能である。例えば、特定計測数は、大当たり遊技状態など或る遊技状態や、連荘期間など或る期間に限った差玉数であっても良い。また例えば、特定計測数は、全ての遊技状態での総賞球数、大当たり遊技状態など或る遊技状態に限った総賞球数、連荘期間など或る期間に限った総賞球数であっても良い。また例えば、特定計測数は、全ての遊技状態でのベース、大当たり遊技状態など或る遊技状態に限ったベース、連荘期間など或る期間に限ったベースであっても良い。
第4実施形態では、パチンコ遊技機PY1が、内部に収容している遊技球が遊技領域6を流下した後に、当該パチンコ遊技機PY1の外部に排出される非封入式パチンコとして構成されていた。しかしながら、パチンコ遊技機PY1が、内部に収容している遊技球が遊技領域を流下した後に、循環して再び遊技領域に進入可能な封入式パチンコとして構成されていても良い。この場合には、払出制御基板170に相当する枠制御基板に、7セグ表示器が配置されている。よって、この7セグ表示器に、差玉数(特定計測数)を表示し得るようにしても良い。また前扉の下部に、持ち球数を表示する6桁の7セグ表示器が配置されている。よって、この6桁の7セグ表示器に、差玉数(特定計測数)を表示し得るようにしても良い。なお、本形態の「計測」とは、カウント又は計数と同じ意味である。
<第4実施形態に示されている発明>
上記した第4実施形態及びその変更例には、以下の各手段の発明が示されている。以下に記す手段の説明では、上記した実施形態等における対応する構成名や表現、図面に使用した符号を参考のためにかっこ書きで付記している。但し、各発明の構成要素はこの付記に限定されるものではない。
<手段X>
手段X1に係る発明は、
遊技を制御可能な遊技制御手段(遊技制御用マイコン101)を備える遊技機(第4実施形態のパチンコ遊技機PY1)において、
前記遊技制御手段は、
遊技者に付与される賞球数に基づく特定計測数(差玉数)を計測可能であり、
前記特定計測数が予め定められた基準数(80000)以上であって、遊技者にとって有利な有利遊技状態(高確高ベース状態、低確高ベース状態)が終了すると(図38参照)、遊技を実行不能に制御する(遊技制御処理及び発射制御処理を停止する)ことを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、賞球数に基づく特定計測数が基準数以上であって、有利遊技状態が終了すると、遊技が実行不能になる。従って、遊技者にとっては有利遊技状態の途中で突然遊技が停止されるわけではなく、特段大きな不利益になるわけではない。こうして、過剰な賞球を付与しない遊技機を提供することが可能である。
手段X2に係る発明は、
手段X1に記載の遊技機において、
前記遊技制御手段は、
前記特定計測数が前記基準数以上であって、前記有利遊技状態(高確高ベース状態、低確高ベース状態)から通常遊技状態に移行すると、遊技を実行不能に制御することを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、賞球数に基づく特定計測数が基準数以上であって、有利遊技状態から通常遊技状態に移行すると、遊技が実行不能になる。従って、遊技者にとって遊技を止めやすいタイミングにて、遊技を中止させることが可能である。
手段X3に係る発明は、
手段X1に記載の遊技機において、
前記遊技制御手段は、
当たり判定処理により当たりと判定すると、当たり遊技(大当たり遊技)を実行可能であり、
前記特定計測数が前記基準数以上であって、前記有利遊技状態から通常遊技状態に移行したときに所定数(例えば4個)だけ保留されていた前記当たり判定処理が当該通常遊技状態にて消化されると、遊技を実行不能に制御する(図55参照)ことを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、特定計測数が基準数以上であって、有利遊技状態から通常遊技状態に移行したときに当たり判定処理が所定数だけ保留されていることがある。この場合には、所定数だけ保留されていた当たり判定処理が通常遊技状態にて消化されるまで実質的な有利遊技状態とみなして、その実質的な有利遊技状態が終了すると、遊技を中止させることが可能である。
手段X4に係る発明は、
手段X1に記載の遊技機において、
入球口(第2始動口12)を備え、
前記遊技制御手段は、通常遊技状態よりも前記入球口に遊技球が入球し易い入球容易状態(高ベース状態)に制御可能であり、
前記有利遊技状態は、前記入球容易状態であることを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、特定計測数が基準数以上であって、通常遊技状態よりも入球口に遊技球が入球し易い入球容易状態が終了すると、遊技が実行不能になる。従って、遊技者にとって、入球容易状態が終了した後で持ち球が減っていくような状況になる前に、遊技を中止させることが可能である。
ところで、特開2017-209170号公報に記載の遊技機では、遊技者が継続した遊技によって、過剰な賞球を獲得することがあり得る。この場合、遊技機が遊技者に対して過剰な賞球を付与しないようにすることはなかった。そこで手段X1~X4に係る発明は、特開2017-209170号公報に記載の遊技機に対して、遊技制御手段は、遊技者に付与される賞球数に基づく特定計測数を計測可能であり、特定計測数が予め定められた基準数以上であって、遊技者にとって有利な有利遊技状態が終了すると、遊技を実行不能に制御する点で相違している。これにより、遊技者に過剰な賞球を付与しない遊技機を提供するという課題を解決する(作用効果を奏する)ことが可能である。
<手段Y>
手段Y1に係る発明は、
遊技を制御可能な遊技制御手段(遊技制御用マイコン101)を備える遊技機(第4実施形態のパチンコ遊技機PY1)において、
前記遊技制御手段は、
遊技者に付与される賞球数に基づく特定計測数(差玉数)を計測可能であり、
前記特定計測数が予め定められた基準数(80000)以上になることに基づいて、遊技を実行不能に制御(遊技制御処理及び発射制御処理を停止)することがあり(図38参照)、
電源投入を契機としないリセット条件(特別リセットスイッチ181が押下操作された第1リセット条件、客待ち状態が1時間継続する第2リセット条件)の成立に基づいて、計測された前記特定計測数を消去する(図39(A)(B)参照)ことを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、賞球数に基づく特定計測数が基準数以上になることに基づいて、遊技が実行不能になる。これにより、過剰な賞球を付与しない遊技機を提供することが可能である。但し、特定計測数が基準数になる前に、或る遊技者が遊技を止めて、後で遊技を行う遊技者が遊技を開始してからすぐに、特定計測数が基準数以上になると、酷な事態となる。そのため、電源投入を契機としないリセット条件が成立することに基づいて、計測された特定計測数が消去される。これにより、後で遊技を行った遊技者に対して、遊技を開始してからすぐに遊技が中止されないようにすることができて、酷な事態となるのを防ぐことが可能である。
手段Y2に係る発明は、
操作可能な特別操作手段(特別リセットスイッチ181)を備え、
前記リセット条件は、前記特別操作手段が操作されることである(図39(A)参照)ことを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、例えば、或る遊技者が遊技を終えた後、遊技場の従業員が特別操作手段を操作することで、計測された特定計測数が消去される。これにより、後で遊技を行う遊技者にとって、遊技を開始してからすぐに遊技が中止されないようにすることが可能である。
手段Y3に係る発明は、
手段Y1に記載の遊技機において、
前記遊技制御手段は、当たり判定処理の結果を示す識別図柄(特別図柄)を停止表示した後、客待ち状態に制御可能であり、
前記リセット条件は、前記客待ち状態が所定時間(例えば1時間)継続すること(図39(B)参照)であることを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、客待ち状態が所定時間継続すると、遊技者が変わった場合と想定して、計測された特定計測数が消去される。これにより、後で遊技を行う遊技者にとって、遊技を開始してからすぐに遊技が中止されないようにすることが可能である。
手段Y4に係る発明は、
手段Y1に記載の遊技機において、
前記リセット条件は、遊技者にとって有利な有利遊技状態(高確高ベース状態)から通常遊技状態に移行すること(図56(A)参照)であることを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、遊技者にとって有利な有利遊技状態から通常遊技状態に移行すると、計測された特定計測数が消去される。こうして、有利遊技状態が継続する状況が一旦終了すれば、しばらく特定計測数が基準数以上にならないようにすることが可能である。
手段Y5に係る発明は、
手段Y1に記載の遊技機において、
前記リセット条件は、通常遊技状態にて特定時間(例えば1時間)が継続すること(図56(B)参照)であることを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、通常遊技状態にて特定時間が継続すると、遊技者にとって有利な状況がしばらく続いていないことになる。従って、この場合には、計測された特定計測数を消去することで、しばらく特定計測数が基準数以上にならないようにすることが可能である。
ところで、特開2017-209170号公報に記載の遊技機では、遊技者が継続した遊技によって、過剰な賞球を獲得することがあり得る。この場合、遊技機が遊技者に対して過剰な賞球を付与しないようにすることはなかった。そこで手段Y1~Y5に係る発明は、特開2017-209170号公報に記載の遊技機に対して、遊技制御手段は、遊技者に付与される賞球数に基づく特定計測数を計測可能であり、特定計測数が予め定められた基準数以上になることに基づいて、遊技を実行不能に制御することがあり、電源投入を契機としないリセット条件の成立に基づいて、計測された前記特定計測数を消去する点で相違している。これにより、遊技者に過剰な賞球を付与しない遊技機を提供するという課題を解決する(作用効果を奏する)ことが可能である。
<手段Z>
手段Z1に係る発明は、
遊技を制御可能な遊技制御手段(遊技制御用マイコン101)と、
操作可能な特定操作手段(RAMクリアスイッチ191)と、を備える遊技機(第4実施形態のパチンコ遊技機PY1)において、
前記遊技制御手段は、
遊技者に付与される賞球数に基づく特定計測数(差玉数)を計測可能であり、
前記特定計測数が予め定められた基準数(80000)以上になることに基づいて、遊技を実行不能に制御(遊技制御処理及び発射制御処理を停止)することがあり、
電源投入時に前記特定操作手段が操作されることに基づいて、遊技に係る遊技情報を消去する(RAMクリアが実行される)一方、計測された前記特定計測数を消去しないことを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、賞球数に基づく特定計測数が基準数以上になることに基づいて、遊技が実行不能になる。これにより、過剰な賞球数を付与しない遊技機を提供することが可能である。ここで、遊技場の従業員が、電源投入時に特定操作手段を操作すると、遊技に係る遊技情報は消去されるものの、計測された特定計測数は消去されない。従って、営業時間中に、不具合等によって遊技に係る遊技状態を消去しなければならない状況でも、計測された特定計測数を消去しないようにすることが可能である。
手段Z2に係る発明は、
手段Z1に記載の遊技機において、
操作可能な特別操作手段(特別リセットスイッチ181)を備え、
前記遊技制御手段は、
前記特別操作手段が操作されることに基づいて、計測された前記特定計測数を消去可能である(図39(A)参照)ことを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、遊技場の従業員が特別操作手段を操作することで、計測された特定計測数が消去される。これにより、遊技に係る遊技状態を消去しないでも、遊技場の従業員は任意のタイミングで、計測された特定計測数を消去することが可能である。
手段Z3に係る発明は、
手段Z1又は手段Z2に記載の遊技機において、
前記遊技制御手段は、
予め定められた基準時間(例えば午前9時)であると判断すると、計測された前記特定計測数を消去可能であることを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、予め定められた基準時間になると、計測された特定計測数が消去される。従って、遊技場の従業員に操作させることなく、計測された特定計測数を自動的に消去させることが可能である。
手段Z4に係る発明は、
手段Z1乃至手段Z4に記載の遊技機において、
前記遊技制御手段は、
1番目からN(4)番目までの所定期間(電源が投入されてから電源が遮断されるまでの期間)毎に区分けして前記特定計測数を順番に記憶していて、
N番目の所定期間の前記特定計測数を消去することに伴って、1番目から(N-1)番目の所定期間の前記特定計測数を、2番目からN番目の所定期間の前記特定計測数としてシフトして、1番目の所定期間の前記特定計測数の計測を開始することを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、1番目からN番目までの所定期間毎の特定計測数を記憶しておくことが可能である。その上で、N番目の所定期間の特定計測数が消去されることに伴って、1番目から(N-1)番目の所定期間の特定計測数が、2番目からN番目の所定期間の特定計測数としてシフトされる。そして、1番目の所定期間の特定計測数の計測が開始される。こうして、遊技場の従業員に操作させることなく、1番目からN番目までの所定期間毎の特定計測数を、自動的に更新することが可能である。
ところで、特開2017-209170号公報に記載の遊技機では、遊技者が継続した遊技によって、過剰な賞球を獲得することがあり得る。この場合、遊技機が遊技者に対して過剰な賞球を付与しないようにすることはなかった。そこで手段Z1~Z4に係る発明は、特開2017-209170号公報に記載の遊技機に対して、遊技制御手段は、遊技者に付与される賞球数に基づく特定計測数を計測可能であり、特定計測数が予め定められた基準数以上になることに基づいて、遊技を実行不能に制御することがあり、電源投入時に特定操作手段が操作されることに基づいて、遊技に係る遊技情報を消去する一方、計測された特定計測数を消去しない点で相違している。これにより、遊技者に過剰な賞球を付与しない遊技機を提供するという課題を解決する(作用効果を奏する)ことが可能である。
<<第5実施形態>>
以下、第5実施形態のパチンコ遊技機を図58~図66に基づいて説明する。特に述べない限り、上述の基本実施形態、第1実施形態、第2実施形態、第3実施形態および第4実施形態のパチンコ遊技機PY1が第5実施形態にも適用される。第5実施形態は、基本実施形態、第1実施形態、第2実施形態、第3実施形態および第4実施形態のパチンコ遊技機PY1において、遊技店(ホール)側が意図的に遊技者にとって有利な遊技状態に設定できる機能(有利設定機能と言う)を搭載したものである。
なお、第5実施形態のパチンコ遊技機PY1は、いわゆる1種2種混合機であり、第5実施形態のパチンコ遊技機PY1では、特図2の抽選(第2始動口12に係る抽選)において小当たりに当選すると、第2大入賞口15を開放する小当たり遊技が実行され、小当たり遊技中に第2大入賞口15内の特定領域16に遊技球が通過すると(いわゆるV通過があると)、第1大入賞口14を開放するラウンド遊技を複数回含む大当たり遊技が実行される。
<停止図柄の種類>
まず、第5実施形態における停止図柄の種類について説明する。第5実施形態のパチンコ遊技機PY1は、第1始動口11又は第2始動口12への入賞に基づいて取得した特別図柄乱数を、図58(A)に示す大当たり判定テーブルに従って判定することにより、大当たりか否か、及び、小当たりか否かを決定する。図58(A)に示すように、第1始動口11への入賞に基づく第1特別図柄(特図1)の抽選では、所定の確率で大当たり(所謂1種大当たり)に当選するが、小当たりに当選することはない。一方、第2始動口12への入賞に基づく第2特別図柄(特図2)の抽選では、必ず小当たりに当選する。すなわち、特図2の抽選では、大当たり(所謂1種大当たり)に当選することはなく、またハズレとなることもない。
第5実施形態のパチンコ遊技機PY1は、大当たり当選と判定した場合、図柄種別乱数(大当たり図柄種別乱数)を、図58(B)に示す大当たり図柄種別判定テーブルに従って判定することにより、大当たり図柄の種別を決定する。特図1の抽選では、50%の割合で、「特図1_大当たり図柄S」に決定し、50%の割合で、「特図1_大当たり図柄T」に決定する。なお、特図2の抽選の結果に大当たり(1種大当たり)は含まれない。当選した大当たり図柄の種別が異なると、1種大当たり遊技における大入賞口の開放パターンや、大当たり遊技後の遊技状態に関する設定が異なる(図59参照)。この点については後述する。
また第5実施形態のパチンコ遊技機PY1は、小当たり当選と判定した場合、図柄種別乱数を、図58(C)に示す小当たり図柄種別判定テーブルに従って判定することにより、小当たり図柄の種別を決定する。具体的には特図2の抽選では、80%の割合で、「特図2_小当たり図柄s」に決定し、20%の割合で、「特図2_小当たり図柄t」に決定する。当選した小当たり図柄の種別が異なると、小当たり遊技や2種大当たり遊技における大入賞口の開放パターンや、大当たり遊技後の遊技状態に関する設定が異なる(図59参照)。この点については後述する。
また第5実施形態のパチンコ遊技機PY1は、大当たりにも小当たりにも当選していないと判定した場合(つまりハズレと判定した場合)、図柄種別乱数を、図58(D)に示すハズレ図柄種別判定テーブルに従って判定することにより、ハズレ図柄の種別を決定する。特図1の抽選では、80%の割合で、「特図1_ハズレ図柄S」に決定し、10%の割合で、「特図1_ハズレ図柄T」に決定し、10%の割合で、「特図1_ハズレ図柄U」に決定する。なお、特図2の抽選の結果にハズレは含まれない。ハズレ図柄の種別の違いは、ハズレ図柄が停止表示された後の遊技状態に関する設定に影響を与える(図60参照)。この点については後述する。
また第5実施形態のパチンコ遊技機PY1は、ハズレと判定した場合、リーチ乱数を、図58(E)に示すリーチ判定テーブルに従って判定することにより、変動演出において演出図柄EZ1,EZ2,EZ3をリーチにするか否かを決定することが可能である。リーチ有りと判定される確率は、遊技状態が後述の通常時短状態であるか否かによって異なっている。通常時短状態でないときの方が、通常時短状態であるときよりも、リーチ有りと判定される確率が高い。
次に、大当たりの種類、小当たりの種類、ハズレの種類について、図59及び図60に基づいて詳細に説明する。上述したように、特別図柄抽選(特図1の抽選や特図2の抽選)の結果には、「大当たり」、「小当たり」、「はずれ」がある。「大当たり」のときには、特図表示器81に「大当たり図柄」が停止表示される。大当たり図柄には、「特図1_大当たり図柄S」、「特図1_大当たり図柄T」がある。また、「小当たり」のときには、特図表示器81に「小当たり図柄」が停止表示される。小当たり図柄には、「特図2_小当たり図柄s」、「特図2_小当たり図柄t」がある。「はずれ」のときには、特図表示器81に「ハズレ図柄」が停止表示される。ハズレ図柄には、「特図1_ハズレ図柄S」、「特図1_ハズレ図柄T」、「特図1_ハズレ図柄U」がある。
特別図柄抽選にて大当たりに当選すると、停止表示された大当たり図柄の種別に応じた開放パターンにて第1大入賞口14を開放させる「大当たり遊技」が実行される。小当たりに当選すると、停止表示された小当たり図柄の種別に応じた開放パターンにて第2大入賞口15を開放させる「小当たり遊技」が実行される。そして、小当たり遊技の実行中に第2大入賞口15内の特定領域16に遊技球が進入すると、当選している小当たり図柄の種別に応じた開放パターンにて第1大入賞口14を開放させる「大当たり遊技」が実行される。特別図柄抽選の結果が大当たり当選であることに基づいて実行される大当たり遊技を1種大当たり遊技と称し、特定領域16への通過に基づいて実行される大当たり遊技を2種大当たり遊技と称する。
大当たり遊技は、本形態では、複数回のラウンド遊技(単位開放遊技)と、初回のラウンド遊技が開始される前のオープニング(OPとも表記する)と、最終回のラウンド遊技が終了した後のエンディング(EDとも表記する)とを含んでいる。各ラウンド遊技は、OPの終了又は前のラウンド遊技の終了によって開始し、次のラウンド遊技の開始又はEDの開始によって終了する。ラウンド遊技間の大入賞口の閉鎖の時間(インターバル時間)は、その閉鎖前の開放のラウンド遊技に含まれる。
また小当たり遊技は、本形態では、第2大入賞口15を開放する小当たり開放遊技と、小当たり開放遊技が開始される前のオープニング(開放前インターバル)と、小当たり開放遊技が終了した後のエンディング(閉鎖後インターバル)とを含んでいる。
特別図柄抽選の結果、大当たりに当選すると(つまり1種大当たりに当選すると)、第1大入賞口14を開放させる大当たり遊技(1種大当たり遊技)が実行される。本形態では図59に示すように、第1特別図柄(特図1)の抽選で当選可能な大当たり図柄(特図1表示器81aに停止表示される大当たり図柄)の種別には2種類ある。具体的には特図1の抽選では、「特図1_大当たり図柄S」、「特図1_大当たり図柄T」に当選する可能性がある。
図59に示すように、「特図1_大当たり図柄S」及び「特図1_大当たり図柄T」は、4R(ラウンド)大当たりであり、1Rあたりの第1大入賞口14の開放回数は1回であり、その最大開放時間は29.5秒である。大当たり遊技の終了後の遊技状態は、当選時の遊技状態に応じて異なる。
ここで、本形態の遊技状態について簡単に説明する。第5実施形態のパチンコ遊技機PY1は、遊技状態として、非時短状態と、非時短状態とは第2始動口12への入球し易さに関する設定が異なる時短状態とに制御可能である。時短状態には、第2始動口12に遊技球が入球し易い設定の通常時短状態と、通常時短状態よりも第2始動口12に遊技球が入球し難い設定の微時短状態(非通常時短状態)とがある。微時短状態における第2始動口12への入球し易さは、非時短状態とそれほど変わらない。すなわち本形態では、通常時短状態は、第2始動口12への入球が多数見込める高ベース状態であり、微時短状態および非時短状態は、第2始動口12への入球があまり見込めない低ベース状態である。なお、遊技状態の詳細については後述する。
「大当たり図柄S」に当選した場合の大当たり遊技後の遊技状態は、当選時の遊技状態が非時短状態あるいは通常時短状態であれば非時短状態であるが、当選時の遊技状態が微時短状態であれば微時短状態である。微時短状態の時短回数は、800回に設定される。時短回数とは、時短状態における特図変動の上限実行回数である。微時短状態における特図変動の実行回数が800回に至ると微時短状態は終了する。この場合、非時短状態に設定される。
これに対して、「大当たり図柄T」に当選した場合の大当たり遊技後の時短状態は、当選時の遊技状態が非時短状態、微時短状態、及び通常時短状態の何れであっても、非時短状態である。
また特別図柄抽選の結果、小当たりに当選すると、第2大入賞口15を1回開放させる小当たり遊技が実行される。小当たり遊技によって開放された第2大入賞口15へ遊技球が入賞し、その遊技球が第2大入賞口15内の特定領域16を通過した場合には、大当たり当選となり、続けて第1大入賞口14を開放させる大当たり遊技(2種大当たり遊技)が実行される。この大当たり遊技(特定領域16への通過を契機とする大当たり遊技)が実行された場合には、小当たり遊技としての第2大入賞口15の開放が1R目に相当することになる。なお、小当たり遊技において特定領域16への遊技球の通過がなければ、大当たり遊技は実行されない。大当たり遊技や小当たり遊技を特別遊技と言うこともある。なお、特別遊技においては1ラウンド中に複数回大入賞口を開放させるラウンドがあってもよい。
本形態では図59に示すように、特図2の抽選で当選可能な小当たり図柄(特図2表示器81bに停止表示される小当たり図柄)の種別は2種類である。具体的には特図2の抽選では、「特図2_小当たり図柄s」及び「特図2_小当たり図柄t」に当選する可能性がある。
「小当たり図柄s」及び「小当たり図柄t」は、正しく遊技する限り、特定領域16への通過(V通過ともいう)が必ず可能な小当たりである。つまり本形態では、特図2の抽選に基づく小当たり当選は、実質的には大当たり当選と同じ意味をもつ。
各種別の小当たり図柄に基づく小当たり遊技では、第2大入賞口15の1.8秒開放が1回行われる。そして、正しく遊技する限り、この第2大入賞口15の開放中に複数の入賞が可能であり、この入賞球のうち少なくとも1球は、特定領域16を通過するように、振分部材16kが通過許容状態に制御される。
特定領域16への遊技球の通過に基づいて実行される大当たり遊技(2種大当たり遊技)では、「小当たり図柄s」に基づく2種大当たり遊技でも、「小当たり図柄t」に基づく2種大当たり遊技でも、2R目から10R目まで1Rあたり1回、最大開放時間を29.5秒として第1大入賞口14を開放させる。
「小当たり図柄s」に基づく2種大当たり遊技の終了後の遊技状態は、当選時の遊技状態が非時短状態あるいは微時短状態であれば非時短状態であり、通常時短状態であれば通常時短状態である。通常時短状態における時短回数は100回に設定される。
これに対して、「小当たり図柄t」に基づく2種大当たり遊技の終了後の遊技状態は、当選時の遊技状態が非時短状態、微時短状態、及び通常時短状態の何れであっても、非時短状態である。なお本形態において特図2の抽選がなされるのは、主に通常時短状態であり、非時短状態や微時短状態において特図2の抽選がなされることはほぼない。
また特別図柄抽選の結果、ハズレと判定されると、ハズレ図柄の種別が決定される。図60に示すように、特図1の抽選で決定されるハズレ図柄(特図1表示器81aに停止表示されるハズレ図柄)の種別は3種類ある。具体的には特図1の抽選では、「特図1_ハズレ図柄S」、「特図1_ハズレ図柄T」、「特図1_ハズレ図柄U」の何れかに決定される。なお、特図2の抽選でハズレと判定されることはない。
「特図1_ハズレ図柄S」は、遊技状態の遷移に影響のない通常ハズレであるが、「特図1_ハズレ図柄T」および「特図1_ハズレ図柄U」は、時短状態の制御契機となる特殊ハズレ(特定結果の一例)である。つまり特別図柄抽選の結果が特殊ハズレ(時短ハズレとも言う)である場合、遊技制御用マイコン101は、ハズレ図柄の停止表示後の遊技状態を、時短状態に制御する。但し、特殊ハズレに基づく時短状態への制御タイミングにおいて既に時短状態(通常時短状態又は微時短状態)である場合(すなわち時短フラグがONである場合)には、遊技状態の設定を変更しない。すなわち特殊ハズレは、通常ハズレと同様に扱われる。
より具体的には、非時短状態における「ハズレ図柄T」の停止表示後の遊技状態は、通常時短状態であり、時短回数は100回に設定される。また、非時短状態における「ハズレ図柄U」の停止表示後の遊技状態は、微時短状態であり、時短回数は800回に設定される。
<遊技状態>
ここで、第5実施形態のパチンコ遊技機PY1の遊技状態について詳細に説明する。図61(A)に示すように、時短状態(通常時短状態、微時短状態)における普通図柄抽選の当選確率は、非時短状態における普通図柄の当選確率と同じである。具体的には本形態では、非時短状態、通常時短状態、微時短状態のいずれの遊技状態においても、普通図柄抽選で当たりと判定される確率は、65535/65536に設定されている。つまり、いずれの遊技状態においても普通図柄抽選では、ほぼ当たりと判定される。なお、時短状態では普通図柄抽選の当選確率が非時短状態よりも高くなる構成としてもよい。
また時短状態(通常時短状態、微時短状態)では、図61(B)に示すように、普通図柄の変動時間が、非時短状態よりも短くなる。具体的には本形態では、普通図柄の変動時間は、非時短状態では60秒であるが、通常時短状態では1秒であり、微時短状態では30秒である。なお、普通図柄の停止時間は、いずれの遊技状態であっても0.5秒である。
また時短状態(通常時短状態、微時短状態)では、図61(C)に示すように、補助遊技における電チュー12Dの開放時間が、非時短状態よりも長くなる。具体的には本形態では、電チュー12Dの開放時間は、非時短状態では1回あたり0.05秒であるが、通常時短状態では2.5秒であり、微時短状態では0.1秒である。
また時短状態では、図61(C)に示すように、補助遊技における電チュー12Dの開放回数が、非時短状態よりも多くなることがある。具体的には本形態では、電チュー12Dの開放回数は、非時短状態および微時短状態では1回であるが、通常時短状態では2回である。
ここで非時短状態では、普通図柄抽選が実行されればほぼ当たりとなるものの、普通図柄の変動時間が60秒と長く、補助遊技における電チュー12Dの開放は0.05秒の開放が1回と極短時間である。よって非時短状態では、右打ち(遊技球がゲート13を通過し得る打ち方)にて遊技を行っても、電チュー12Dへの入賞はほとんど見込めない。
これに対して通常時短状態では、普通図柄抽選が実行されればほぼ当たりとなり、普通図柄の変動時間も1秒と短く、また、補助遊技における電チュー12Dの開放は2.5秒の開放が2回と十分に長い。よって通常時短状態では、右打ちにて遊技を行うことで、電チュー12Dへの入賞が頻繁に生じ得る。すなわち通常時短状態は、非時短状態と比べて、電チュー12Dへの入賞が容易な設定の遊技状態であると言える。
一方、微時短状態では、普通図柄抽選が実行されればほぼ当たりとなるものの、普通図柄の変動時間は30秒と長く、また、補助遊技における電チュー12Dの開放は0.1秒の開放が1回と短い。よって微時短状態では、電チュー12Dへの入賞し易さに関係する各種のパラメータ(普通図柄抽選の当選確率、普通図柄の変動時間や停止時間、電チュー12Dの開放パターン)が非時短状態に比べれば、電チュー12Dへ入賞し易い設定となっているものの、右打ちにて遊技を行っても電チュー12Dへの入賞はほとんど見込めない。
このように非時短状態および微時短状態では、右打ちを行っても電チュー12Dへの入賞が見込めないため、遊技者は左打ちにて遊技を進行させる。一方、通常時短状態では、右打ちを行うことで電チュー12Dへの入賞が頻繁に生じるため、遊技者が右打ちにて遊技を進行する。なお本第5実施形態のパチンコ遊技機PY1では、大当たり遊技中も右打ちにて遊技を行う。
微時短状態は、通常時短状態と同様、非時短状態と比べて、電チュー12Dへの入賞が容易な設定の遊技状態であると言えるが、通常時短状態よりも電チュー12Dへの入賞困難な設定の遊技状態である。また微時短状態は、電チュー12Dへの入賞が見込めないことから、通常時短状態よりも、非時短状態に近い性質の遊技状態である。なお、通常時短状態は特定遊技状態の一例であり、非時短状態および微時短状態は非特定遊技状態の一例である。
ちなみに、通常時短状態では、非時短状態と比べて、発射球数に対する賞球数の割合であるベースが高くなる。よって、通常時短状態を「高ベース状態」ともいい、非時短状態を「低ベース状態」ともいう。微時短状態も「低ベース状態」の一例である。高ベース状態では、手持ちの遊技球を大きく減らすことなく大当たりを狙うことができる。なお、高ベース状態とは、いわゆる電サポ制御(電チュー12Dにより第2始動口12への入賞をサポートする制御)が実行されている状態である。そのため、高ベース状態を電サポ制御状態ともいう。また低ベース状態を非電サポ制御状態ともいう。
なお、普通図柄抽選における当選確率、普通図柄の変動時間や停止時間、電チュー12Dの開放時間や開放回数等は、遊技性に支障をきたさない範囲で適宜変更可能である。
<特図変動パターン>
次に、特図変動パターン(特別図柄の変動パターン)の決定について説明する。第5実施形態のパチンコ遊技機PY1は、非時短状態と微時短状態と通常時短状態とで異なる特図変動パターン判定テーブルに従って、特図変動パターンを決定する(図62参照)。
まず、図62(A)に基づいて非時短状態における特図変動パターン判定テーブルについて説明する。非時短状態では、左打ちにて遊技が進行され、特図1の抽選が行われる。特図1の抽選結果には大当たりとハズレとがある。大当たりの場合、SPリーチを行う特図変動パターンP80、又は、SPリーチに発展せずノーマルリーチを行う特図変動パターンP81の何れかを選択する。これに対して、ハズレの場合、通常ハズレであるハズレ図柄S又は微時短状態の制御契機となるハズレ図柄Uであれば、リーチ有りと判定しているときは、SPリーチを行う特図変動パターンP82、又は、SPリーチに発展せずにノーマルリーチを行う特図変動パターンP83の何れかを選択し、リーチ無しと判定しているときは、保留球数に応じて、リーチが形成されない特図変動パターンP84又はP85を選択する。なお、非時短状態においてハズレ図柄Uが停止表示されると微時短状態に移行するが、本形態では微時短状態が遊技者にとって最も有利でない遊技状態であるため、非時短状態においてハズレ図柄Uを引いた場合には、ハズレ図柄Sを引いた場合と同じ特図変動パターンを選択するようにしている。
一方ハズレの場合であって、停止図柄が、通常時短状態の制御契機となるハズレ図柄Tであれば、RUSH突入演出を行う特図変動パターンP86を選択する。非時短状態においてハズレ図柄Tが停止表示されると、通常時短状態に移行する。RUSH突入演出は、通常時短状態に移行することを示唆する演出である。RUSH突入演出については後述する。
次に、図62(B)に基づいて微時短状態における特図変動パターン判定テーブルについて説明する。微時短状態は、本形態では遊技者にとって最も有利でない遊技状態である。つまり本形態では、微時短状態が、通常の遊技状態(通常遊技状態)として機能している。微時短状態では、左打ちにて遊技が進行され、特図1の抽選が行われる。特図1の抽選結果が大当たりの場合、SPリーチを行う特図変動パターンP90、又は、SPリーチに発展せずノーマルリーチを行う特図変動パターンP91の何れかを選択する。これに対して、特図1の抽選結果がハズレの場合、ハズレ図柄が何れであっても、リーチ有りと判定しているときは、SPリーチを行う特図変動パターンP92、又は、SPリーチに発展せずにノーマルリーチを行う特図変動パターンP93の何れかを選択し、リーチ無しと判定しているときは、保留球数に応じて、リーチが形成されない特図変動パターンP94又はP95を選択する。微時短状態において特殊ハズレ(ハズレ図柄T、ハズレ図柄U)を引いても遊技状態を新たに設定しないため、微時短状態において特殊ハズレを引いた場合には、通常ハズレ(ハズレ図柄S)を引いた場合と同じ特図変動パターンを選択するようにしている。
次に、図63(C)に基づいて通常時短状態における特図変動パターン判定テーブルについて説明する。通常時短状態は、本形態では遊技者にとって最も有利な遊技状態である。通常時短状態の時短回数は100回に設定され、特図2の抽選では必ず小当たりに当選し、小当たり遊技が実行されれば必ずV通過が生じるように構成されている。よって、通常時短状態に制御されることは、次の大当たり遊技の獲得を意味する(所謂連荘の確定)。
通常時短状態では、右打ちにて遊技が進行され、特図2の抽選が行われる。図63(C)に示すように、通常時短状態において特図2の抽選がなされると、特図2の変動パターンとして、13秒の変動時間の特図変動パターンP100が選択される。この特図変動パターンが選択された場合には、即当たり演出が実行される。即当たり演出では、13秒の変動時間の中で、リーチが形成されるとすぐに当選を示す停止態様(ゾロ目)で演出図柄EZ1,EZ2,EZ3が停止表示される。
<遊技制御用マイコンの処理>
次に、第5実施形態において遊技制御用マイコン101が行う処理について説明する。第5実施形態では、第4実施形態で説明した遊技状態管理処理(図52)に代えて、図63に示す遊技状態管理処理が行われる。なお、第5実施形態のパチンコ遊技機PY1は、高確率状態に設定することがないため、高確率状態であることを示す確変フラグに係る処理を行わない。
図63に示すように、第5実施形態における遊技状態管理処理(S1602)ではまず、時短状態であることを示す時短フラグがONか否か判定し(S2101)、ONでなければステップS2110に進み、ONであれば、時短状態中に実行した特図変動(特別図柄の変動表示)の回数をカウントする時短カウンタの値を1ディクリメントするとともに(S2102)、時短カウンタの値が「0」であるか否かを判定する(S2103)。そして、「0」でなければステップS2110に進み、「0」であれば、時短フラグをOFFするとともに(S2104)、遊技状態フラグ更新処理(S2105)を行って、ステップS2110に進む。
遊技状態フラグ更新処理(S2105)では、遊技状態フラグの値を、現在の遊技状態に応じた値にセットする。図63中の表に示すように、遊技状態フラグの値は、非時短状態であれば「0」にセットされ、通常時短状態であれば「1」にセットされ、微時短状態であれば「2」にセットされる。この遊技状態フラグ更新処理(S2105)では、時短フラグをOFFしたところであるため、遊技状態フラグの値を、非時短状態に対応する値「0」にセットする。
ステップS2110では、時短フラグがOFFであるか否かを判定する。時短フラグがOFFでなければ、ステップS2130に進むが、時短フラグがOFFであれば、続いて、停止表示されている特別図柄が、特殊ハズレであるか否かを判定する(S2111)。そして、特殊ハズレ(ハズレ図柄T又はハズレ図柄U)でなければステップS2130に進むが、特殊ハズレであれば、時短フラグをONするとともに(S2112)、ハズレ図柄の種別に応じた時短回数(図60参照)を時短カウンタにセットし(S2113)、遊技状態フラグ更新処理(S2114)を行って、ステップS2130に進む。
この遊技状態フラグ更新処理(S2114)では、ハズレ図柄Tに基づいて時短フラグをONにしたところであれば、遊技状態フラグの値を通常時短状態に対応する値「1」にセットし、ハズレ図柄Uに基づいて時短フラグをONにしたところであれば、遊技状態フラグの値を微時短状態に対応する値「2」にセットする。遊技状態フラグの値が「1」にセットされることにより遊技状態は通常時短状態に制御され、遊技状態フラグの値が「2」にセットされることにより遊技状態は微時短状態に制御される。なお、本形態における各時短状態は、所定の上限実行回数(時短回数)の特図変動が行われること、又は、次の大当たり遊技が実行されることのいずれかの終了条件の成立により終了する。
なお本形態では、特殊ハズレに基づいて時短状態に制御されるのは、非時短状態であるとき(ステップS2110でYESのとき)に限られる。すなわち、微時短状態において特殊ハズレを引いても、新たな時短状態の設定はなされない。ここで本形態では、遊技状態管理処理(S1602)において、まず時短状態を終了させるかに関する処理(ステップS2101~S2105)を行って、その後で、特殊ハズレに基づいて時短状態に制御するかに関する処理(ステップS2110~S2114)を行う。そのため、例えば、微時短状態の最終変動となる特図1の変動で、特殊ハズレが停止表示されると、ステップS2101~S2105の処理で微時短状態から非時短状態に移行され、ステップS2110~S2114の処理で非時短状態から時短状態に移行されることとなる。なお、ステップS2110~S2114の処理を、ステップS2101~S2105の処理よりも先に行う構成とすることで、時短状態の最終変動で特殊ハズレを引いても新たな時短状態に制御されない構成としてもよい。
ステップS2130では、遊技制御用マイコン101は、遊技状態フラグの情報(すなわち現在の遊技状態の情報)を含む遊技状態指定コマンドを、遊技用RAM104の出力バッファにセットする。このコマンドが出力されることにより、サブ制御基板120に現在の遊技状態の情報が通知される。
<第5実施形態における遊技の流れ>
次に、第5実施形態のパチンコ遊技機PY1における遊技の進行の流れについて、図64に基づいて説明する。第5実施形態のパチンコ遊技機PY1では、非時短状態、微時短状態、通常時短状態のうち、遊技者にとって最も有利でない遊技状態は、ハズレ図柄Uを引いても通常時短状態に移行させることができない微時短状態である。非時短状態は、ハズレ図柄Uを引くことによって通常時短状態に移行させることができる点で微時短状態よりも有利な遊技状態である。また、通常時短状態は、特図2の抽選に基づく大当たり遊技の獲得が実質的に確定している遊技状態であるため、非時短状態、微時短状態、通常時短状態のうちで遊技者にとって最も有利な遊技状態である。
本形態では、微時短状態が通常の遊技状態として機能する。図64に示すように、微時短状態である場合、演出モードは通常演出モード(後に詳述)に設定される。微時短状態では、左打ちによって遊技が進行され、特図1の抽選が行われる。本形態のパチンコ遊技機PY1は、微時短状態から直接、通常時短状態に移行することがないように構成されている。よって遊技者は、微時短状態である場合には、まず非時短状態に移行させることを目指して遊技を進行する。微時短状態において「大当たり図柄S」に当選した場合には、大当たり遊技後の遊技状態は再び微時短状態に設定される。一方、「大当たり図柄T」に当選した場合には、大当たり遊技後の遊技状態は非時短状態に設定される。また、微時短状態において大当たりに当選することなく特図変動の実行回数が800回(微時短状態の時短回数)となった場合にも非時短状態に設定される。
非時短状態は、特殊ハズレを引くことで通常時短状態に移行させることが可能な遊技状態であり、遊技者にとって有利な遊技状態の1つである。非時短状態である場合、演出モードはチャンス演出モード(後に詳述)に設定される。非時短状態では、左打ちによって遊技が進行され、特図1の抽選が行われる。本形態では特図1の抽選において1/5の確率で特殊ハズレに当選する。このとき、1/2の確率でハズレ図柄T(通常時短状態の契機となる図柄)に振り分けられ、1/2の確率でハズレ図柄U(微時短状態の契機となる図柄)に振り分けられる。非時短状態において当選した特殊ハズレがハズレ図柄Uであった場合には、微時短状態に移行するため、再び非時短状態への移行を目指した遊技を行う。
一方、非時短状態において当選した特殊ハズレがハズレ図柄Tであった場合には、通常時短状態に移行する。通常時短状態は、特図2の抽選に基づく大当たり遊技の獲得が実質的に確定している遊技状態である。通常時短状態である場合、演出モードはRUSH演出モード(後に詳述)に設定される。通常時短状態では、右打ちによって遊技が進行され、特図2の抽選が行われる。特図2の抽選では必ず小当たりに当選する。このとき、4/5の確率で小当たり図柄s(通常時短状態の契機となる図柄)に振り分けられ、1/5の確率で小当たり図柄t(非時短状態の契機となる図柄)に振分られる。通常時短状態において当選した小当たりが小当り図柄sであった場合には、V通過に基づく2種大当たり遊技後に再び通常時短状態に設定されるため、いわゆる大当たりの連荘が確定する。
一方、通常時短状態において当選した小当たりが小当り図柄tであった場合には、V通過に基づく2種大当たり遊技後に非時短状態に設定される。この非時短状態において、ハズレ図柄Tを引くことができれば、通常時短状態に復帰させることができる。これに対して、ハズレ図柄Uを引いてしまった場合には、微時短状態に移行することとなる。このように本形態では、通常時短状態が終了する場合には、直接微時短状態まで移行することはなく、一旦非時短状態に設定されるようになっている。よって、再び通常時短状態に設定されることに期待が持てるようになっており、遊技興趣が向上されている。
なお、非時短状態において特図1の抽選に基づいて大当たりに当選した場合には、大当たり図柄Sを引いたときでも大当たり図柄Tを引いたときでも、大当たり遊技の終了後の遊技状態が非時短状態に設定されるようになっている。これにより、せっかく大当たりを引いたのに大当たり前の非時短状態よりも不利な微時短状態に設定されてしまって遊技者が落胆することが防止されている。
ここで、電源投入時の遊技状態について説明する。RAMクリアスイッチ191の操作を伴わない電源投入がなされた場合、電源投入時の遊技状態は、電源断時の遊技状態を引き継ぐ。よって、前日の閉店後に微時短状態で電源断となった場合は、開店時の電源投入時の遊技状態は微時短状態のままである。これに対して、RAMクリアスイッチ191の操作を伴う電源投入がなされると、フラグ等が初期設定の状態で起動する。つまり、図64に示すように、電源投入に応じてRAMクリアがなされた場合には、遊技状態は非時短状態となる。上述した通り、非時短状態は、ハズレ図柄Tに基づく通常時短状態への移行が見込める点で、微時短状態よりも遊技者にとって有利な遊技状態である。よって、本形態のパチンコ遊技機PY1は、遊技場(ホール)の従業員等の操作によって、遊技者にとって有利な状態に設定することが可能な遊技機であると言える。すなわち、本形態のパチンコ遊技機PY1は、有利設定機能を搭載していると言える。これにより本形態では、遊技場の従業員等がRAMクリアを行ってからまだ誰も遊技していない状態の本形態のパチンコ遊技機PY1を狙った遊技者が、遊技場の開店に際して本形態のパチンコ遊技機PY1を遊技することに期待できる。すなわち、遊技場の開店直後(いわゆる朝一)の本形態のパチンコ遊技機PY1の稼働向上に期待できる。
<第5実施形態における演出例>
次に、第5実施形態のパチンコ遊技機PY1における演出例について、図65及び図66に基づいて説明する。まず、演出モードについて説明する。
本形態の演出モードには、図65(A)に示すように、昼の背景画像が表示部50aに表示される「通常演出モード」、図65(B)に示すように、昼の背景画像の表示とともに、「チャンス」の文字を含む帯画像OGが表示部50aの上部および下部に表示される「チャンス演出モード」、図65(C)に示すように、宇宙の背景画像が表示部50aに表示される「RUSH演出モード」が含まれている。
通常演出モード(図65(A))は、微時短状態である場合に設定される演出モードである。上述したように本形態における非時短状態は遊技者にとって有利な遊技状態であるため、この微時短状態が、実質的には通常の遊技状態として機能する。通常演出モードの設定(言い換えれば、昼の背景画像の表示)は、微時短状態であることの示唆として機能する。
チャンス演出モード(図65(B))は、非時短状態である場合に設定される演出モードである。本形態における非時短状態は、ハズレ図柄Tに基づく通常時短状態への移行が可能であるため、遊技者にとっては通常時短状態へ移行させるチャンスである。チャンス演出モードの設定(言い換えれば、チャンスの文字を含む帯画像OGの表示)は、非時短状態であることの示唆として機能する。また、RAMクリアがなされた場合には非時短状態に設定されるため、チャンス演出モードの設定は、RAMクリアがなされたことの示唆としても機能する。
RUSH演出モード(図65(C))は、通常時短状態である場合に設定される演出モードである。通常時短状態に制御されると、特図2の抽選に基づく2種大当たり遊技の実行が確定するため、RUSH演出モードの設定(言い換えれば、宇宙の背景画像の表示)は、通常時短状態であることの示唆として機能するとともに、大当たり遊技の実行確定の示唆としても機能する。なお、通常時短状態では、右打ちにて第2始動口12への入賞を狙って遊技を進行させるため、RUSH演出モードに制御されると、演出制御用マイコン121は、右打ちにて遊技を行うべき旨を報知する右打ち画像G108を表示部50aの右上部に表示する。
次に、通常演出モードである場合の予告演出について説明する。第5実施形態のパチンコ遊技機PY1では、演出制御用マイコン121は、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3の変動表示に際して、所定のキャラクタをセリフと共に表示するセリフ予告演出を実行可能である。セリフ予告演出におけるセリフの種類には、大当たり期待度が高いことを示唆するセリフ(例えば「チャンス」)や、大当たり期待度がより高いことを示唆するセリフ(例えば「激熱」)などがある他、本形態のパチンコ遊技機PY1には有利設定機能が搭載されていることを示唆するセリフ(特定セリフ)がある。本形態のパチンコ遊技機PY1は、特定セリフのセリフ予告演出として、図65(D)に示す演出を実行可能である。図65(D)に示す演出は、リンゴをモチーフとしたミニキャラが「朝一はRUSHに突入し易いかも」というセリフを言うセリフ予告演出であり、これにより遊技者は、本形態のパチンコ遊技機PY1に有利設定機能が搭載されていること、言い換えれば、朝一はRAMクリアによって非時短状態に設定されていて通常時短状態に移行させ易い可能性があることを把握可能である。なお、このような特定セリフのセリフ予告演出は、有利設定機能が搭載されていること遊技者に説明する説明演出として機能する。有利設定機能が搭載されていることの説明は、必ずしもセリフ予告演出として行われる必要はなく、大当たり遊技のエンディングに伴うエンディング演出として行う構成としたり、客待ち演出として行う構成としたりしてもよい。
次に、非時短状態から通常時短状態に移行する際に行われるRUSH突入演出について説明する。非時短状態における特図1の抽選に基づいてハズレ図柄Tに当選した場合には、遊技制御用マイコン101は、特図変動パターンP86を選択する(図62(A)参照)。そして演出制御用マイコン121は、遊技制御用マイコン101から受信した特図1変動開始コマンドが示す特図変動パターンがP86である場合には、RUSH突入演出を伴う変動演出を行う。具体的には演出制御用マイコン121は、RUSH突入演出として、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3をリーチ状態にした後(図66(A)(B))、中演出図柄EZ2を特殊図柄TZとする特殊目で停止表示する。本形態では、特殊図柄TZは、移行先の遊技状態(通常時短状態)に対応する演出モード(すなわちRUSH演出モード)の名称の文字(RUSH)を含む画像である。なおこの場合、小図柄KZ1,KZ2,KZ3は、「1・3・5」の特定目で停止表示される。このように演出図柄EZ1,EZ2,EZ3が特殊目で停止表示されることによって通常時短状態(RUSH演出モード)に移行することが示唆される。すなわち、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3が特殊目で停止表示されることは、通常時短状態に移行すること(ハズレ図柄Tを引いたこと)を遊技者に示唆する演出や、RUSH演出モードに移行することを示唆する演出として機能する。なお、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3の特殊目や、小図柄KZ1,KZ2,KZ3の特定目は、適宜変更可能である。
<第5実施形態の効果>
以上詳細に説明したように第5実施形態のパチンコ遊技機PY1によれば、遊技場の従業員等がRAMクリア操作(RAMクリアスイッチ191を押しながらの電源スイッチ193のON操作)を行うことで非時短状態に設定することが可能であり、非時短状態はハズレ図柄Tを引くことで通常時短状態に移行可能な点で遊技者に有利である。すなわち本形態によれば、遊技場の従業員等が遊技者に有利な遊技状態に設定することが可能となっており、遊技客へのサービス向上が見込める。
また第5実施形態のパチンコ遊技機PY1によれば、非時短状態に設定するためのRAMクリア操作は、電源投入時にのみ可能な操作である。つまり本形態では、遊技場の開店のための電源投入に際して、本形態のパチンコ遊技機PY1の遊技状態を非時短状態に設定することが可能である。よって、遊技場が開店してからまだ誰も遊技していない遊技機に、非時短状態での遊技を期待する遊技者を誘導することが可能となる。
また第5実施形態のパチンコ遊技機PY1によれば、非時短状態に設定されている場合はチャンス演出モードに設定されるため(図65(B))、遊技場の従業員等がRAMクリア操作をした遊技台であるか否かを遊技者が判断することが可能となり、遊技の興趣を高めることが可能である。
また第5実施形態のパチンコ遊技機PY1によれば、遊技場の従業員等の操作によって遊技者に有利な遊技状態に設定される可能性があることを、セリフ予告演出によって示唆することが可能である(図65(D)参照)。よって、遊技者に対して有利設定機能を搭載している遊技台であることを知らせることが可能である。
<第5実施形態の変更例>
以下、第5実施形態の変更例について説明する。なお、第5実施形態の変更例の説明において、第5実施形態のパチンコ遊技機PY1と同様の構成については、同じ符号を付して説明を省略する。勿論、第5実施形態の変更例に係る構成同士を適宜組み合わせて構成してもよい。また、第5実施形態およびその変更例中の技術的特徴は、本明細書において必須なものとして説明されていなければ、適宜、削除することが可能である。また、上述した第1実施形態のパチンコ遊技機PY1に含まれる構成、及び/又は、上述した第4実施形態に含まれる構成は、遊技に支障をきたさない範囲で、第5実施形態およびその変更例から把握される遊技機に採用することができる。
第5実施形態では、微時短状態で大当たりに当選した場合に大当たり遊技後の遊技状態が通常時短状態に設定されることがない構成としたが、微時短状態における当選が通常時短状態への制御契機となる大当たり図柄を設けてもよい。
また第5実施形態では、微時短状態への移行契機となるハズレ図柄を1種類(ハズレ図柄U)とし、微時短状態の時短回数を800回としたが、微時短状態への移行契機となるハズレ図柄を複数種類設けて、ハズレ図柄の種類に応じて微時短状態の時短回数を異ならせてもよい。例えば、あるハズレ図柄に基づいて微時短状態に設定された場合の時短回数は30回等の少ない回数にし、別のハズレ図柄に基づいて微時短状態に設定された場合の時短回数は900回等の多い回数とすれば、微時短状態の中に、非時短状態に移行し易いものと移行し難いものとを設けることができ、遊技興趣の向上が見込める。
また第5実施形態では、通常時短状態が終了する場合には、直接微時短状態まで移行することはなく、一旦非時短状態に設定されるように構成したが、直接微時短状態まで移行することがある構成(通常時短状態における当選に基づく大当たり遊技後の遊技状態が微時短状態に設定される構成や、時短回数の消化による通常時短状態の終了時に微時短状態に設定される構成)としてもよい。
また第5実施形態では、チャンス演出モードに設定する(チャンスの文字を含む帯画像OGを表示する)ことにより非時短状態であることを示唆しているが、非時短状態であることの示唆(RAMクリアがなされた遊技台であることの示唆)は、非時短状態以外の遊技状態では表示されないキャラクタ画像が表示されるなど、他の演出によって行われてもよい。この場合、非時短状態であることを示唆する演出(示唆演出)は、非時短状態である場合は常に行われているものでなくてもよく、演出の実行抽選に当選した場合に限って実行されるものでもよい。なお、第5実施形態では、非時短状態でも微時短状態でも同じ昼の背景画像を表示する構成であるため、非時短状態であることを示唆する演出を実行抽選に当選した場合に限って実行する構成とした場合には、非時短状態からハズレ図柄Uに基づいて微時短状態に制御されたことをわかりにくくすることができ、遊技の興趣を高めることが可能である。チャンス演出モードにおいてチャンスの文字を含む帯画像OGの表示を表示しない状態は、通常演出モードと同じ状態であるため、両者は同じ演出モードに設定されていると言える。
また第5実施形態では、RAMクリアを伴う電源投入によって非時短状態に制御された場合も、大当たり遊技状態(大当たり遊技を実行している状態)の終了に応じて非時短状態に制御された場合も、微時短状態において時短回数が消化されたことに応じて非時短状態に制御された場合も、同じ演出モード(チャンス演出モード)に設定する構成としたが、RAMクリアを伴う電源投入によって非時短状態に制御された場合にのみチャンス演出モードに設定され、大当たり遊技状態の終了に応じて非時短状態に制御された場合や、微時短状態において時短回数が消化されたことに応じて非時短状態に制御された場合には、チャンス演出モードとは異なる演出モードに設定される構成としてもよい。具体的には例えば、大当たり遊技状態の終了に応じて非時短状態に制御された場合や、微時短状態において時短回数が消化されたことに応じて非時短状態に制御された場合には、微時短状態と同じ演出モードに設定される構成としてもよい。このような構成とすれば、RAMクリア後の状態に特別感を持たせることができ、遊技の興趣を高めることが可能である。
また第5実施形態では、RAMクリアスイッチ191を用いたRAMクリア操作を、非時短状態に設定するための状態設定操作としたが、状態設定操作は、RAMクリアスイッチ191を用いない操作(RAMクリアを伴わない操作)であってもよい。たとえば、非時短状態に設定するための専用スイッチを設け、当該専用スイッチを押すことによって、非時短状態に設定される構成としてもよい。この場合、専用スイッチを有効に操作できる期間が、電源投入時以外の期間であってもよい。具体的には例えば、客待ち状態(客待ち演出を行っている状態)中に、専用スイッチが押されたことによって、非時短状態に設定される構成としてもよい。なお、専用スイッチは、主制御基板100上に実装するなど、遊技者が任意に操作できない位置に設けることが好ましい。つまり専用スイッチは、RAMクリアスイッチ191と同様、遊技機枠2を開放しなければ操作できない位置に設けることが好ましい。
また第5実施形態では、第2大入賞口15内の特定領域16への遊技球の通過に基づいて大当たり遊技を実行可能な所謂1種2種混合機として構成したが、所謂「ST機」や「確変ループ機」など、1種2種混合機以外のタイプの遊技機としてもよい。ST機や確変ループ機とする場合、当選した特別図柄の種類に基づいて大当たり当選確率が高い高確率状態への移行が決定される所謂「図柄確変機」としてもよいし、Vアタッカー(特定領域を有する大入賞装置)内の特定領域への通過に基づいて高確率状態への移行が決定される所謂「V確変機」としてもよい。なお、「ST機」や「確変ループ機」として構成する場合には、特図1の抽選でも特図2の抽選でも大当たりに当選するよう構成し、特図1の抽選よりも特図2の抽選の方が、獲得可能な賞球数の多い大当たり遊技が実行され易かったり、大当たり遊技の終了後の遊技状態が高確率状態に制御され易かったりする点において有利となっているとよい。また、高確率状態において特殊ハズレを引いても、遊技状態の設定を変更しないものとする。
また第5実施形態において、各種の時短状態における時短回数は、遊技に支障をきたさない範囲で適宜変更可能である。また上記形態において、各種の時短状態におけるパラメータ(普通図柄の変動時間や停止時間、電チューの開放パターンなど)は、遊技に支障をきたさない範囲で適宜変更可能である。また上記形態において、各大当たり図柄、各小当たり図柄、各ハズレ図柄の種類や振分率は、遊技に支障をきたさない範囲で適宜変更可能である。
また第5実施形態では、所謂1種2種混合機として構成したが、実現したい遊技性によっては、1種大当たりのない所謂ハネモノ(2種機)としてもよい。すなわち、特図1の抽選でも特図2の抽選でも所謂「直撃大当たり」に当選し得ない構成としてもよい。
また第5実施形態では、時短状態における特別図柄の変動表示の上限実行回数(時短回数)は、特図1の変動表示が実行されても特図2の変動表示が実行されてもカウントされる合算上限実行回数としたが、この合算上限実行回数とは別に、特図1の変動表示だけをカウント対象とした特図1上限実行回数や、特図2の変動表示だけをカウント対象とした特図2上限実行回数を設け、いずれかの回数が満たされると時短状態が終了するように構成してもよい。なお、特図1上限実行回数や特図2上限実行回数は、合算上限実行回数とは異なる値に設定することができる。また、合算上限実行回数を設けることなく、特図1上限実行回数と特図2上限実行回数とを設け、いずれかの回数が満たされると時短状態が終了するように構成したり、特図2上限実行回数だけを設け、この回数が満たされると時短状態が終了するように構成したりしてもよい。
<第5実施形態に示されている発明>
上記した第5実施形態及びその変更例には、以下の各手段の発明が示されている。以下に記す手段の説明では、上記した実施形態等における対応する構成名や表現、図面に使用した符号を参考のためにかっこ書きで付記している。但し、各発明の構成要素はこの付記に限定されるものではない。
<手段S>
手段S1に係る発明は、
遊技球が入球可能な入賞口(第1始動口11、第2始動口12)と、
前記入賞口に遊技球が入球することに基づいて遊技状態を設定する遊技制御手段(遊技制御用マイコン101)と、
演出を行うための演出モードを設定する演出制御手段(演出制御用マイコン121)と、を備え、
前記遊技状態には、遊技球が前記入賞口に入球し易い第1状態(通常時短状態)と、前記第1状態よりも遊技球が前記入賞口に入球し難い第2状態(非時短状態)と、があり、
前記遊技制御手段は、初期状態として前記第2状態を設定するときがあり、
前記演出制御手段は、初期状態として前記第2状態が設定されたときには、前記演出モードとして所定の示唆演出(例えば図65(B)に示す帯画像OGの表示)を含む特定モード(チャンス演出モード)を設定することを特徴とする遊技機である。
手段S2に係る発明は、
手段S1に係る遊技機であって、
前記遊技状態には、前記第2状態とは異なる状態であって、前記第1状態よりも遊技球が前記入賞口に入球し難い第3状態(微時短状態)があり、
前記遊技制御手段は、前記第1状態を設定するか否かの特殊判定(ハズレ図柄Tに基づいて通常時短状態に移行させるか否かの判定)を行うことが可能であり、
前記第3状態よりも前記第2状態の方が、前記特殊判定において前記第1状態を設定すると判定され易いことを特徴とする遊技機である。
手段S3に係る発明は、
手段S2に係る遊技機であって、
前記遊技制御手段は、前記第2状態において所定条件(微時短状態の移行契機となるハズレ図柄Uの停止表示)が成立した場合、前記遊技状態を前記第2状態から前記第3状態に変化させることがあり、
前記演出制御手段は、前記特定モードにおいて前記遊技状態が前記第2状態から前記第3状態に変化しても当該特定モードを継続することを特徴とする遊技機である。
ところで、特開2018-47326号公報に記載の遊技機では、大当たり遊技の後に、遊技球が始動口に入賞し易い時短状態に制御されることがある。しかしながら、時短状態に制御可能な遊技機における演出に関しては改善の余地がある。改善した演出を搭載することにより、遊技の興趣向上を見込める。そこで手段Sに係る発明は、特開2018-47326号公報に記載の遊技機に対して、「遊技球が入賞口に入球し易い第1状態よりも、遊技球が入賞口に入球し難い第2状態を、初期状態として設定するときがあり、初期状態として第2状態が設定されたときには、演出モードとして所定の示唆演出を含む特定モードを設定する」点で相違している。これにより、演出を通じて遊技の興趣向上に寄与することが可能である。
<基本実施形態、第1実施形態、第2実施形態および第3実施形態の変更例>
以下、基本実施形態、第1実施形態、第2実施形態および第3実施形態で説明したパチンコ遊技機PY1の変更例について説明する。勿論、変更例に係る構成同士を適宜組み合わせて構成してもよい。また、上記形態および下記変更例中の技術的特徴は、本明細書において必須なものとして説明されていなければ、適宜、削除することが可能である。
第2実施形態では、「Nリーチ」,「救済リーチ」,「SPリーチ」が、大当たり判定の結果(変動パターン)に基づいて行われるようにしているが、特図の停止図柄の種類に基づいて行われるようにしても良い。例えば、特図の停止図柄が「大当たりX4図柄」の場合に「Nリーチ」,「救済リーチ」,「SPリーチ」が行われるようにしても良い。この場合、「Nリーチ」,「救済リーチ」,「SPリーチ」によって、「低確率高ベース遊技状態」になることを示唆することができ、遊技の興趣を高めることが可能である。
また、第2実施形態では、「リーチ図柄変化煽り演出」が、大当たり判定の結果(変動パターン)に基づいて行われるようにしているが、特図の停止図柄の種類に基づいて行われるようにしても良い。例えば、特図の停止図柄が「大当たりX4図柄」の場合に「リーチ図柄昇格予告」が行われるようにしても良い。この場合、「リーチ図柄昇格予告」によって、「低確率高ベース遊技状態」になることを示唆することができ、遊技の興趣を高めることが可能である。
また、第2実施形態では、「Nリーチ」において、中演出図柄EZ2の挙動によって、「SPリーチ」に発展するか否かが示唆されるようにしているが、他の演出によって、「SPリーチ」に発展するか否かが示唆されるようにしても良い。例えば、「SPリーチ」に発展するか否かを示唆するためのキャラクタを登場させ、キャラクタが特定のアクションを行った場合に、「SPリーチ」に発展することが示唆されるようにしても良い。
また、第2実施形態では、「リーチ図柄昇格予告」が、「救済リーチ」および「SPリーチ」の何れにおいても行われるようにしているが、少なくとも「救済リーチ」において行われるようにすればよく、「SPリーチ」においては行われないようにしても良い。
また、第2実施形態では、「Nリーチ」から「SPリーチ」に発展した場合よりも、「リーチ」から「救済リーチ」に発展した場合の方が、「リーチ図柄昇格予告」が実行され易くなるようにしているが、「Nリーチ」から「SPリーチ」に発展した場合よりも、「リーチ」から「救済リーチ」に発展した場合の方が、「リーチ図柄昇格予告」が実行され難くなるようにしても良い。
また、第3実施形態では、「キャラSU予告」としての「選択キャラ予告」が、大当たり判定の結果(変動パターン)に基づいて行われるようにしているが、特図の停止図柄の種類に基づいて行われるようにしても良い。例えば、特図の停止図柄が「大当たりX4図柄」の場合に「選択キャラ予告」が行われるようにしても良い。この場合、「選択キャラ予告」によって、「低確率高ベース遊技状態」になることを示唆することができ、遊技の興趣を高めることが可能である。
また、第3実施形態では、「キャラSU予告」としての「最終キャラ予告」が、大当たり判定の結果(変動パターン)に基づいて行われるようにしているが、特図の停止図柄の種類に基づいて行われるようにしても良い。例えば、特図の停止図柄が「大当たりX4図柄」の場合に「最終キャラ予告」が行われるようにしても良い。この場合、「最終キャラ予告」によって、「低確率高ベース遊技状態」になることを示唆することができ、遊技の興趣を高めることが可能である。
また、第3実施形態では、「選択キャラ予告」においては、キャラクタA、キャラクタBおよびキャラクタCの3人のキャラクタが登場するようにし、「最終キャラ予告」においては、キャラクタD、キャラクタEおよびキャラクタFの3人のキャラクタが登場するようにしているが、登場するキャラクタの人数はこれに限られない。
また、第3実施形態では、「選択キャラ予告」において、1人のキャラクタがセリフを発するときと、3人のキャラクタがセリフを発するときと、があるようにしているが、2人のキャラクタがセリフを発するときがあるようにしても良い。
また、第3実施形態では、「選択キャラ予告」における1人または3人のキャラクタが発するセリフが、スピーカ52から出力される音声と、表示部50aに表示される文字画像G500a,G500b,G500cと、によって構成されるようにしているが、音声の出力のみとしても良いし、文字画像G500a,G500b,G500cの表示のみとしても良い。
また、第3実施形態では、「最終キャラ予告」において、文字画像G501,G502a,G502b,G502cの表示色によって大当たり期待度が示唆されるようにしているが、他の表示によって大当たり期待度が表示されるようにしても良い。例えば、最後に登場することがあるキャラクタEおよびキャラクタFの表情を変化可能に構成し、このキャラクタの表情によって大当たり期待度が示唆されるようにしても良い。
また、第3実施形態では、「選択キャラ予告」において、文字画像G503a,G503bの表示色によって大当たり期待度が示唆されるようにしているが、他の表示によって大当たり期待度が表示されるようにしても良い。例えば、キャラクタA、キャラクタBおよびキャラクタCの少なくとも1人のキャラクタの表情を変化可能に構成し、このキャラクタの表情によって大当たり期待度が示唆されるようにしても良い。
また、第3実施形態では、「選択キャラ予告」において、比較的に早く登場するキャラクタAまたはキャラクタBがセリフを発したときよりも、比較的に遅く登場するキャラクタCがセリフを発したときの方が、大当たり遊技が行われ易くなるようにしているが、比較的に早く登場するキャラクタAまたはキャラクタBがセリフを発したときよりも、比較的に遅く登場するキャラクタCがセリフを発したときの方が、大当たり遊技が行われ難くなるようにしても良い。
また、第3実施形態では、「選択キャラ予告」において、比較的に早く登場するキャラクタAまたはキャラクタBがセリフを発したときよりも、比較的に遅く登場するキャラクタCがセリフを発したときの方が、「SPリーチ」に発展し易くなるようにしているが、比較的に早く登場するキャラクタAまたはキャラクタBがセリフを発したときよりも、比較的に遅く登場するキャラクタCがセリフを発したときの方が、「SPリーチ」に発展し難くなるようにしても良い。
また、基本実施形態では、「低確率低ベース遊技状態」および「高確率低ベース遊技状態」の何れにおいても、通常背景画像G102が表示されるようにしているが、「低確率低ベース遊技状態」と「高確率低ベース遊技状態」とで、異なる背景が表示されるようにしても良い。例えば、「高確率低ベース遊技状態」においては、高確率状態であることを示唆する画像を含んだ背景が表示されるようにしても良い。
また、基本実施形態では、特図の可変表示と並行して演出図柄EZ1,EZ2,EZ3だけが表示部50aに変動表示されるようにしているが、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3と並行して他の図柄が表示部50aに変動表示されるようにしても良い。この場合、他の図柄の大きさを演出図柄EZ1,EZ2,EZ3の大きさよりも小さくするのが好ましい。
また、基本実施形態では、特図の可変表示と並行して演出図柄EZ1,EZ2,EZ3だけが画像表示装置50の表示部50aに変動表示されるようにしているが、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3と並行して、画像表示装置50以外の表示装置において、他の図柄が変動表示されるようにしても良い。例えば、他の図柄を変動表示させるための専用のLEDを遊技盤1に設置し、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3の変動表示中に、専用のLEDが点滅するようにしても良い。
また、基本実施形態では、第1特図と第2特図とが、同時に可変表示しないで、何れか一方だけが可変表示するようにしているが、第1特図と第2特図とが同時に可変表示するようにしても良い。
また、基本実施形態では、遊技の進行と演出とが、別々の制御部によって制御されるようにしているが、遊技の進行と演出とが、1つの制御部によって制御されるようにしても良い。例えば、遊技の進行および演出の両方が、主制御部100だけによって制御されるようにしても良い。
また、本発明の遊技機を、アレンジボール機、雀球遊技機等の他の弾球遊技機などに適用することも可能である。
<第1実施形態、第2実施形態および第3実施形態に開示されている発明>
この[発明を実施するための形態]における前段落までには、以下の発明A~発明Cが開示されている。発明A~発明Cの説明では、前述した発明を実施する形態における対応する構成の名称や表現、図面に使用した符号を参考のためにかっこ書きで付記している。但し、各発明を構成する手段などの要素はこの付記に限定されるものではない。なお、発明Aは、以下の発明A1~発明A3の総称であり、発明Bは、以下の発明B1~発明B3の総称であり、発明Cは、以下の発明C1~発明C3の総称である。
発明A1に係る遊技機は、
遊技者に有利な特別遊技状態(大当たり遊技状態、時短状態)にすることが可能な遊技制御手段(遊技制御用マイコン101)と、
演出を実行可能な演出実行手段(演出制御用マイコン121)と、を備え、
前記演出実行手段は、
所定の演出図柄(演出図柄EZ1,EZ2,EZ3)を変動表示してから所定のリーチ態様(リーチ目)で停止表示することが可能であるとともに、前記演出図柄を前記リーチ態様で停止表示した後、前記特別遊技状態になる可能性が高いことを示唆する第1特別演出(SPリーチ)を実行可能であり、
前記第1特別演出が行われるか否かを示唆する第2特別演出(Nリーチ)を実行することがあり、
前記第2特別演出において前記第1特別演出が行われないことが示唆された場合、前記特別遊技状態になることを示唆することがある第3特別演出(救済リーチ)を実行可能にし、
前記第3特別演出が実行される場合、前記リーチ態様で停止表示した前記演出図柄の態様を特定態様(炎画像G400a,G400b,G400cの表示)に変化させる変化演出(リーチ図柄昇格予告)を実行することがある、
ことを特徴とする。
発明A2に係る遊技機は、
発明A1に係る遊技機であって、
前記演出実行手段は、
前記第1特別演出が実行される場合および前記第3特別演出が実行される場合の何れの場合でも、前記変化演出を実行することがあり、
前記第1特別演出が実行される場合と前記第3特別演出が実行される場合とで、前記変化演出が実行される確率が互いに異なる、
ことを特徴とする。
発明A3に係る遊技機は、
発明A1または発明A2に係る遊技機であって、
前記特定態様は、前記特別遊技状態になる可能性が高いことを示唆する態様である、
ことを特徴とする。
発明B1に係る遊技機は、
遊技者に有利な特別遊技状態(大当たり遊技状態、時短状態)にするか否かの判定を行う判定手段と、
演出を実行可能な演出実行手段(演出制御用マイコン121)と、を備え、
前記演出実行手段は、
前記判定の結果に基づいて、複数のキャラクタ(キャラクタA、キャラクタB、キャラクタC)が順に登場することがあるキャラクタ予告(選択キャラ予告)を実行可能であり、
前記キャラクタ予告において前記複数のキャラクタの全てが登場した場合、前記複数のキャラクタのうちの何れかがセリフを発することがある、
ことを特徴とする。
発明B2に係る遊技機は、
発明B1に係る遊技機であって、
前記キャラクタ予告において、前記複数のキャラクタのうち、先に登場するキャラクタ(キャラクタA、キャラクタB)がセリフを発したときと、後に登場するキャラクタ(キャラクタC)がセリフを発したときとで、前記特別遊技状態になる確率が互いに異なる、
ことを特徴とする。
発明B3に係る遊技機は、
発明B1または発明B2に係る遊技機であって、
前記演出実行手段は、
前記キャラクタ予告において前記複数のキャラクタのうちの最後に登場するキャラクタ(キャラクタC)が登場しなかった場合、何れのキャラクタもセリフを発しない、
ことを特徴とする。
発明C1に係る遊技機は、
演出を実行可能な演出実行手段(演出制御用マイコン121)を備え、
前記演出実行手段は、
複数のキャラクタが順に登場するキャラクタ予告(キャラSU予告)を実行可能であり、
前記キャラクタ予告には、前記複数のキャラクタの全てが登場することに応じて、最後に登場したキャラクタ(キャラクタE、キャラクタF)を用いた第1演出(ステップ3、ステップ4)を含む第1のキャラクタ予告(演出パターンG~演出パターンJの「最終キャラ予告」)と、前記複数のキャラクタの全てが登場することに応じて、何れか1のキャラクタを用いた第2演出(ステップ4)を含む第2のキャラクタ予告(演出パターンA~演出パターンDの「選択キャラ予告」)と、がある、
ことを特徴とする。
発明C2に係る遊技機は、
発明C1に係る遊技機であって、
遊技者に有利な特別遊技状態(大当たり遊技状態、時短状態)にすることが可能な遊技状態制御手段(遊技制御用マイコン101)を更に備え、
前記演出実行手段は、
前記第1のキャラクタ予告においては、前記第1演出の演出態様の種類(文字画像G501,G502a,G502b,G502c)によって前記特別遊技状態になる可能性を示唆する一方、前記第2のキャラクタ予告においては、前記第2演出に用いられたキャラクタの種類(キャラA画像G600、キャラB画像G601、キャラC画像G602)によって前記特別遊技状態になる可能性を示唆する、
ことを特徴とする。
発明C3に係る遊技機は、
発明C2に係る遊技機であって、
前記キャラクタ予告には、前記複数のキャラクタの全てが登場することに応じて、登場した全てのキャラクタを用いた第3演出(ステップ4)を含む第3のキャラクタ予告(演出パターンE~演出パターンFの「選択キャラ予告」)があり、
前記演出実行手段は、
前記第3のキャラクタ予告においては、前記第3演出の演出態様の種類(文字画像G503a,G503b)によって前記特別遊技状態になる可能性を示唆する、
ことを特徴とする。