JP7526492B2 - 遊技機 - Google Patents

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本発明は、パチンコ遊技機等の遊技機に関する。
従来より、遊技機の一例であるパチンコ遊技機として、例えば下記特許文献1に記載されているように、変動演出において演出図柄の再変動表示(いわゆる擬似連演出)を実行可能な遊技機が知られている。擬似連演出は、実行回数が多いほど大当たり期待度が高い演出であるため、擬似連演出が実行される場合には、何度も擬似連演出が行われることに遊技者は期待する。
特開2020-32212号公報
ところで、上記特許文献1に記載の遊技機のように、演出図柄の再変動表示を行う遊技機については、演出図柄の再変動表示が行われる場合のパターンに改良の余地があった。すなわち、演出図柄の再変動表示を行う遊技機については、遊技興趣の向上のため、未だ改良の余地がある。
本発明の遊技機は、
演出図柄を変動表示した後、遊技者に有利な有利状態にするかの判定の結果を示す停止態様で停止表示する変動演出を実行可能であり、
前記変動演出において特定画像を表示した場合には、一旦停止表示された演出図柄の再変動表示を行うものであり、
前記変動演出では、前記演出図柄をリーチ状態としないで、前記特定画像が表示されるかを煽る煽り演出を実行するときと、前記演出図柄をリーチ状態とした後で、前記特定画像が表示されるかを示す特定発展演出に発展させるときとがあり、
前記特定発展演出の結果には、前記特定画像が表示されることを示す結果と、前記特定画像が表示されず、前記有利状態にならないことを示す停止態様で前記演出図柄が停止表示されることを示す失敗の結果とが含まれるが、前記有利状態になることに期待させる所定のリーチ演出が実行されることを示す結果は含まれないことを特徴とする遊技機である。
本発明の遊技機によれば、演出を通じて遊技の興趣を向上可能である。
遊技機の正面図である。 遊技盤ユニットの正面図である。 第2大入賞装置等を詳細に示す正面図である。 表示器類の正面図である。 (A)は盤上可動装置と盤下可動装置とが待機状態のときの演出用ユニットの正面図、(B)は盤上可動装置と盤下可動装置とが作動したときの演出用ユニットの正面図である。 主制御基板側の電気的な構成を示すブロック図である。 サブ制御基板側の電気的な構成を示すブロック図である。 遊技機の裏側を示す斜視図である。 7セグ表示器を示す正面図である。 (A)は普図関係乱数を示す表であり、(B)は特図関係乱数を示す表である。 (A)は当たり判定テーブルの一例であり、(B)は普図変動パターン判定テーブルの一例であり、(C)は補助遊技制御テーブルの一例である。 (A)は大当たり判定テーブルの一例であり、(B)は大当たり図柄種別判定テーブルの一例であり、(C)はリーチ判定テーブルの一例である。 特図1変動パターン判定テーブルの一例である。 特図2変動パターン判定テーブルの一例である。 先読み判定テーブルの一例である。 大当たり遊技制御テーブルの一例である。 遊技状態の説明図である。 演出モードの具体例を示す説明図である。 特図変動演出の通常変動の具体例を示す説明図である。 特図変動演出のNリーチの具体例を示す説明図である。 特図変動演出のSPリーチの具体例を示す説明図である。 保留演出の具体例を示す説明図である。 可動体演出の具体例を示す説明図である。 操作演出の具体例を示す説明図である。 主制御メイン処理のフローチャートである。 メイン側タイマ割り込み処理のフローチャートである。 サブ制御メイン処理のフローチャートである。 1msタイマ割り込み処理のフローチャートである。 10msタイマ割り込み処理のフローチャートである。 パチンコ遊技機PY1の特徴部に係る大当たり遊技制御テーブルである。 擬似連の発生パターンを説明するための図である。 「擬似連煽り」の具体例を示す図である。 「図柄滑り」が発生する場面の具体例を示す図である。 「擬似連成否演出」が発生する場面の具体例を示す図である。 「擬似連成否演出」の具体例を示す図である。 「SPリーチ」において「発展」の態様と「継続」の態様に分岐する場面の具体例を示す図である。 パチンコ遊技機PY1の特徴部に係る変動パターン判定テーブルであって、非時短状態且つ大当たりの区分の特図1変動パターン判定テーブルである。 非時短状態且つリーチ有りハズレの区分の特図1変動パターン判定テーブルである。 非時短状態且つリーチ無しハズレの区分の特図1変動パターン判定テーブルである。 特図変動演出の演出時間の構成を説明するための図である。 擬似連パターンの抽選テーブルである。 第2実施形態に係る非時短状態の特図1変動パターン判定テーブルである。 第2実施形態における演出図柄の種類等を説明するための表である。 第2実施形態に係る非時短状態且つリーチ成立時の特図1演出図柄決定テーブルである。 第2実施形態におけるリーチを形成した演出図柄の種類と大当たり期待度の関係を示す図である。 第2実施形態に係るドライブチャンスの1回目の演出の具体例を示す図である。 ドライブチャンスの2回目の演出の具体例を示す図である。 第3実施形態の遊技機が備える過賞球防止機能を示す図である。 差玉数のリセットを示す図である。 (A)は過賞球異常である場合の演出態様を示す図であり、(B)は磁気検出異常の場合の演出態様を示す図である。 (A)は過賞球予告画像を示す図であり、(B)は遊技停止予告画像を示す図である。 (A)は高確高ベース状態であるときに紫縁画像が表示されている図であり、(B)は高確高ベース状態であるときに赤縁画像が表示されている図である。 (A)は特別リセットスイッチが押下操作されたときを示す図であり、(B)は客待ち状態が1時間経過したときを示す図である。 メイン側タイマ割り込み処理のフローチャートである。 入力処理のフローチャートである。 差玉数計測処理のフローチャートである。 特別動作処理のフローチャートである。 特別図柄待機処理のフローチャートである。 客待ち計測処理のフローチャートである。 特別図柄確定処理のフローチャートである。 遊技状態管理処理のフローチャートである。 出力処理のフローチャートである。 外端信号出力処理のフローチャートである。 第3実施形態の変形例において過賞球防止機能を示す図である。 第3実施形態の変形例において差玉数のリセットを示す図である。 第3実施形態の変形例において差玉数が7セグ表示器で表示される場合を示す図である。 第4実施形態に係る大当たり判定テーブル、大当たり図柄種別判定テーブル、小当たり図柄種別判定テーブル、ハズレ図柄種別判定テーブル、リーチ判定テーブルである。 第4実施形態に係る大当たり図柄種別及び小当たり図柄種別の判定テーブルであり、大当たり及び小当たりの種類を説明する表である。 第4実施形態に係るハズレ図柄種別の判定テーブルであり、ハズレの種類を説明する表である。 第4実施形態に係る当たり判定テーブル、普図変動パターン判定テーブル、電チューの開放パターンテーブルの種類を示す表である。 第4実施形態に係る特図変動パターン判定テーブルである。 第4実施形態に係る遊技状態管理処理のフローチャートである。 第4実施形態に係る遊技機の遊技フローの概略を説明する図である。 第4実施形態に係る各演出モードの表示画面を示す図等である。 第4実施形態に係るRUSH突入演出の具体例を示す図である。
以下、本発明の遊技機の実施形態を、図面を参照して具体的に説明する。参照される各図において、同一の部分には同一の符号を付し、同一の部分に関する重複する説明を原則として省略する。なお、本明細書では、記述の簡略化上、情報、信号、物理量又は部材等を参照する記号又は符号を記すことによって、該記号又は符号に対する情報、信号、物理量又は部材等の名称を省略又は略記することがある。また、後述の任意のフローチャートにおいて、任意の複数のステップにおける複数の処理は、処理内容に矛盾が生じない範囲で、任意に実行順序を変更できる又は並列に実行できる。
1.遊技機の構造
第1実施形態のパチンコ遊技機PY1について説明する。最初に、パチンコ遊技機PY1の構造について図1~図5を用いて説明する。なお、以下の説明において、パチンコ遊技機PY1の各部の左右上下方向は、そのパチンコ遊技機PY1に対面する遊技者にとっての(正面視の)左右上下方向のことである。また、「前方」は、パチンコ遊技機PY1から当該パチンコ遊技機PY1に対面する遊技者に近づく方向とし、「後方」は、パチンコ遊技機PY1に対面する遊技者から当該パチンコ遊技機PY1に近づく方向とする。
図1に示すように、パチンコ遊技機PY1は、遊技機枠2を備えている。遊技機枠2は、後述する遊技盤ユニットYUが取り付けられる遊技盤取付枠2Aと、遊技盤取付枠2Aにヒンジ2Bを介して回転自在に支持される前枠23mと、を備える。前枠23mは遊技盤取付枠2Aに対して開閉が可能である。前枠23mには、透明板23tが取り付けられている。前枠23mが閉じられているとき、遊技盤取付枠2Aに取り付けられた遊技盤1と透明板23tとは対面する。よって、パチンコ遊技機PY1が遊技店に設置されると、当該パチンコ遊技機PY1の前方にいる遊技者は、透明板23tを通して、遊技盤1に形成された遊技領域6を視認することができる。透明板23tは、透明なガラス板や透明な合成樹脂板等を用いることができる。透明板23tは、パチンコ遊技機PY1の前方から遊技領域6を視認可能であればよい。
前枠23mの前面の右下部には、遊技球を発射させるための回転操作が可能なハンドル72kが設けられている。ハンドル72kが操作された量(回転角度)が、遊技球を発射させるために遊技球に与えられる力(後述する発射装置72が発射ソレノイドに駆動させる量)の大きさ(発射強度)に対応付けられている。よって、遊技球は、ハンドル72kの回転操作に応じた発射強度で発射される。また、前枠23mの前面の下部中央には、前方に向けて大きく突出した下部装飾体36が設けられている。下部装飾体36の上面には、ハンドル72kに供給される遊技球を貯留するための上皿34が形成されている。また、下部装飾体36の正面の下部中央には、上皿34に収容しきれない余剰の遊技球を貯留するための下皿35が設けられている。
下部装飾体36の上面の上皿34より前方側には、下方に押下操作可能な第1入力装置(以下「通常ボタン」)40が設けられている。また、前枠23mの表面の右縁部から前方に突出して形成されている右部装飾体32において、下方に押下操作可能な第2入力装置(以下「特殊ボタン」)41が設けられている。通常ボタン40は、振動可能に構成されている。すなわち、通常ボタン40には、当該通常ボタン40を振動させるための振動機構が内蔵されており、この振動機構に含まれる振動用モータが駆動されると、遊技者が目視でもわかる程度に通常ボタン40がブルブルと振動するようになっている。なお、通常ボタン40を振動させるための振動機構については公知の構成を適宜採用することができる。通常ボタン40は、操作部の一例であり、振動体の一例でもある。
また、前枠23mの表面の上部から前方に突出して形成されている上部装飾体31の底面に、音を出力可能なスピーカ52が設けられている。スピーカ52は、左側に配置された左スピーカ52Lと、右側に配置された右スピーカ52Rと、からなる。また、前枠23mの右縁部と、下部装飾体36における正面の下皿35の左側および右側とに、発光可能な枠ランプ53が設けられている。さらに、前枠23mの左縁部および右縁部の上側には、遊技興趣を高めることを目的とする演出装置としての可動式の枠可動装置58が取り付けられている。枠可動装置58は、左側に配置された左枠可動装置58Lと、右側に配置された右枠可動装置58Rと、で構成される。
なお、遊技機枠2に設けられる部材や装置の位置や数は、遊技に支障をきたさない範囲で適宜に変更可能である。
次に、遊技盤ユニットYUについて、主に図2~図5を用いて説明する。遊技盤ユニットYUは、遊技盤1と、遊技盤1の背面側に取り付けられた演出用ユニット1Uと、を有する。最初に、遊技盤1について説明する。遊技盤1は透明な合成樹脂板で構成されている。遊技盤1の略中央には正面視略円形の開口部1Aが形成されている。開口部1Aに沿って、遊技球が流下可能な遊技領域6を区画するための略リング状の内側壁部1Bが前方に突出して形成されている。また、内側壁部1Bの外側にも、遊技領域6を区画するための略リング状の外側壁部1Cが前方に突出して形成されている。
遊技盤1の前面には、内側壁部1B、外側壁部1Cなどで囲まれた遊技領域6が形成されている。すなわち、遊技盤1の前面が、内側壁部1Bおよび外側壁部1Cによって、遊技領域6とそれ以外の領域とに仕切られている。
遊技領域6は、ハンドル72kの操作によって発射された遊技球が流下可能な領域であり、パチンコ遊技機PY1で遊技を行うために設けられている。なお、遊技領域6には、多数の遊技くぎ(図示なし)が突設されている。遊技くぎは、遊技領域6に進入して遊技領域6を流下する遊技球を、後述する第1始動口11、第2始動口12、一般入賞口10、ゲート13、第1大入賞口14、および、第2大入賞口15などに適度に誘導する経路を構成している。なお、第1始動口11や第2始動口12といった始動口を入球口と称し、第1大入賞口14や第2大入賞口15といった大入賞口を特別入賞口あるいは特定の入賞口と称し、ゲートを通過口あるいは通過領域と称することができるものとする。
遊技領域6の中央付近には、開口部1Aの周縁を装飾するセンター枠(センター装飾体)61が設けられている。センター枠61には、後述する第1始動口11へ遊技球を誘導可能なステージや、ステージへ遊技球を誘導可能なワープが設けられている。
また、遊技領域6には、遊技球が入球可能な第1始動口11が形成された第1始動入賞装置11Dと、第2始動口12への入球を可能または不可能にさせる第2始動入賞装置(所謂「電チュー」)12Dと、が設けられている。
第1始動入賞装置11Dは不動である。そのため、第1始動口11は、遊技球の入球し易さが変化せずに一定(不変)である。遊技球の第1始動口11への入賞は、第1特別図柄(以下、「特図1」という)の抽選(後述の特図1関係乱数の取得と判定:以下、「特図1抽選」ともいう)および特図1の可変表示の契機となっている。また、遊技球が第1始動口11へ入賞すると、所定個数(本形態では4個)の遊技球が賞球として払い出される。
電チュー12Dは、作動可能な電チュー開閉部材12kを備えている。電チュー開閉部材12kは、通常は(通常状態では)、第2始動口12への遊技球の入球が不可能な閉鎖位置にある。そして、特別状態になると、第2始動口12への遊技球の入球が可能な開放位置に移動する。このように、電チュー開閉部材12kが開放位置に移動することを第2始動口12または電チュー12Dの「開状態」ともいい、開状態であるときだけ遊技球の第2始動口12への入球が可能となる。一方、電チュー開閉部材12kが閉鎖位置にあることを第2始動口12または電チュー12Dの「閉状態」ともいう。また、第2始動口12または電チュー12Dが「開状態」になることを「電チュー12Dが開放する」ともいい、電チュー12Dが「閉状態」になることを「電チュー12Dが閉鎖する」ともいう。
遊技球の第2始動口12への入賞は、第2特別図柄(以下、「特図2」という)の抽選(後述の特図2関係乱数の取得と判定:以下、「特図2抽選」ともいう)および特図2の可変表示の契機となっている。また、遊技球が第2始動口12へ入賞すると、所定個数(本形態では4個)の遊技球が賞球として払い出される。なお、遊技領域6には、遊技球を第2始動口12へ誘導する誘導ステージ12gが設けられている。
また、遊技領域6には、遊技球が入球可能な一般入賞口(普通入賞口)10が設けられている。遊技球が一般入賞口10へ入賞すると、所定個数(本形態では3個)の遊技球が賞球として払い出される。
また、遊技領域6には、遊技球が通過可能なゲート13が設けられている。遊技球のゲート13の通過は、普通図柄(以下、「普図」という)の抽選(すなわち普通図柄乱数の取得と判定:以下、「普図抽選」という)および普図の可変表示の契機となっている。補助遊技が実行されることによって電チュー12Dを開放する。すなわち、補助遊技は、電チュー12Dの開放を伴う遊技である。
また、遊技領域6には、遊技球が入球可能な第1大入賞口14が形成された第1大入賞装置14D(以下、「通常AT14D」ともいう)が設けられている。第1大入賞装置14Dは、開状態と閉状態とに作動可能な通常AT開閉部材14kを備える。通常AT開閉部材14kの作動により第1大入賞口14が開閉する。通常AT開閉部材14kは、通常では第1大入賞口14を塞ぐ閉状態になっており、遊技球が第1大入賞口14の中に入球することは不可能である。通常AT開閉部材14kが開状態に作動すると、遊技球が第1大入賞口14の中に入球することが可能になる。このように、通常AT開閉部材14kが開状態であるときだけ遊技球の第1大入賞口14への入球が可能となる。遊技球が第1大入賞口14へ入賞すると、所定個数(本形態では15個)の遊技球が賞球として払い出される。
また、遊技領域6には、遊技球が入球可能な第2大入賞口15が形成された第2大入賞装置15D(以下、「VAT15D」ともいう)が設けられている。第2大入賞装置15Dは、作動可能なVAT開閉部材15kを備えている。VAT開閉部材15kは、通常では第2大入賞口15を塞いでいる。VAT開閉部材15kは開状態をとることができる。VAT開閉部材15kが開状態であるときだけ遊技球の第2大入賞口15への入球が可能となる。一方、VAT開閉部材15kが第2大入賞口15を塞いでいる状態を「閉状態」ともいう。このように、VAT開閉部材15kの作動によって第2大入賞口15が開閉する。遊技球が第2大入賞口15へ入賞すると、所定個数(本形態では15個)の遊技球が賞球として払い出される。
ここで、図3を用いて、第2大入賞装置15Dについて詳細に説明する。第2大入賞装置15Dの内部には、第2大入賞口15に入球した遊技球を検知し、遊技球を下方へ通過させることが可能なゲート状の第2大入賞口センサ15aが設けられている。
第2大入賞口センサ15aの下流域には、遊技球が通過(進入)可能な特定領域16と非特定領域17とが設けられている。第2大入賞口センサ15aを通過した遊技球は、振分装置16Dによって、特定領域16か非特定領域17かに振り分けられる。振分装置16Dは、略矩形状の平板からなる振分部材16kと、振分部材16kを駆動する振分ソレノイド16sとを備えている。振分部材16kは、振分ソレノイド16sの駆動により、左右にスライド可能に構成されている。
振分ソレノイド16sが通電されていないとき、振分部材16kは特定領域16への遊技球の通過を妨げる第1状態(通過阻止状態:図3(A)の正面視で振分部材16kの左端が特定領域16の左端よりやや右側に位置し、振分部材16kが特定領域16をその直上で覆う状態)にある。振分部材16kが第1状態にあるときは、第2大入賞口15に入賞した遊技球は、第2大入賞口センサ15aを通過した後、特定領域16を通過することは不可能であり、非特定領域17を通過する。この第2大入賞口15から非特定領域17まで流下する遊技球のルートを第1のルートという。
一方、振分ソレノイド16sが通電されているとき、振分部材16kは遊技球の特定領域16の通過(進入)を許容する第2状態(通過許容状態:図3(B)の正面視で振分部材16kの左端が特定領域16の右端よりやや左側に位置し、振分部材16kが特定領域16をその直上で覆わず、特定領域16の直上が開放している状態)にある。振分部材16kが第2状態にあるときは、第2大入賞口15に入賞した遊技球は、第2大入賞口センサ15aを通過したあと特定領域16を通過容易である。この第2大入賞口15から特定領域16まで流下する遊技球のルートを第2のルートという。
なお、基本的に、振分部材16kは第1状態で保持されている。すなわち、第1状態が、振分部材16kの通常の状態であるといえる。そして、所定のラウンド遊技(例えば16R)においてのみ、振分ソレノイド16sが通電され、第2状態に変化することができる。なお、振分部材16kの作動態様は適宜変更可能である。
特定領域16と非特定領域17には、各領域16,17を通過(進入)した遊技球を検知し、遊技球を下方へ通過させる特定領域センサ16a、非特定領域センサ17aが設けられている。
なお、第1大入賞装置14Dおよび第2大入賞装置15Dは、遊技に支障をきたさない範囲で、一方だけを設けるようにすることが可能である。また、遊技性に応じて、第1大入賞装置14Dのような、特定領域や振分装置のない大入賞装置を2つ設ける構成とすることが可能である。また、第1大入賞装置14Dと第2大入賞装置15Dとが設けられているものの、遊技性に応じて、第1大入賞装置14Dだけを利用することとしたり、第2大入賞装置15Dだけを利用することとしたりすることが可能である。なお、第1大入賞装置14Dだけを利用する構成とした場合には、第2大入賞装置15Dに関する処理は行われないものとし、第2大入賞装置15Dだけを利用する構成とした場合には、第1大入賞装置14Dに関する処理は行われないものとする。
また、図2に示すように、遊技領域6の略最下部には、遊技領域6へ打ち込まれたもののいずれの入賞口にも入賞しなかった遊技球を遊技領域6の外部へ排出する2つのアウト口19が設けられている。また、遊技盤1には、発光可能な盤ランプ54が設けられている。
ところで、遊技球が流下可能な遊技領域6は、左右方向の中央より左側の左遊技領域6A(第1遊技領域)と、右側の右遊技領域6B(第2遊技領域)と、に分けることができる。遊技球が左遊技領域6Aを流下するように遊技球を発射させるハンドル72kの操作態様を「左打ち」という。一方、遊技球が右遊技領域6Bを流下するように遊技球を発射させるハンドル72kの操作態様を「右打ち」という。パチンコ遊技機PY1において、左打ちにて遊技球を発射したときに遊技球が流下可能な流路を、第1流路R1といい、右打ちにて遊技球を発射したときに遊技球が流下可能な流路を、第2流路R2という。第1流路R1および第2流路R2は、多数の遊技くぎなどによっても構成されている。
第1流路R1上には、第1始動口11と、2つの一般入賞口10と、が設けられている。よって、遊技者は、左打ちにより第1流路R1を流下するように遊技球を発射させることで、第1始動口11、または、一般入賞口10への入賞を狙うことができる。一方、第2流路R2上には、第2始動口12と、一般入賞口10と、ゲート13と、第1大入賞口14と、第2大入賞口15と、が設けられている。よって、遊技者は、右打ちにより第2流路R2を流下するように遊技球を発射させることで、ゲート13の通過や、第2始動口12、一般入賞口10、第1大入賞口14、または、第2大入賞口15への入賞を狙うことができる。
なお、何れの入賞口(第1始動口11、第2始動口12、一般入賞口10、第1大入賞口14、および第2大入賞口15)にも入球しなかった遊技球は、アウト口19へ誘導されて排出される。また、各入賞口への入賞による賞球数は、適宜に設定することが可能である。
また、遊技盤1の前面に形成された遊技領域6の下方の左隣(遊技領域6以外の部分)には表示器類8が配置されている。図4に示すように、表示器類8には、特図1を可変表示する特図1表示器81a、特図2を可変表示する特図2表示器81b、及び、普図を可変表示する普図表示器82が含まれている。また、表示器類8には、後述する特図1保留数(U1:特図1表示器81aによる特図1の可変表示が保留されている数)を表示する特図1保留表示器83a、および後述する特図2保留数(U2:特図2表示器81bによる特図2の可変表示が保留されている数)を表示する特図2保留表示器83bが含まれている。
特図1の可変表示は、第1始動口11への遊技球の入賞を契機に特図1抽選が行われると実行される。また、特図2の可変表示は、第2始動口12への遊技球の入賞を契機に特図2抽選が行われると実行される。なお、以下の説明では、特図1および特図2を総称して特図あるいは特別図柄といい、特図1抽選および特図2抽選を総称して特図抽選という。また、特図1表示器81aおよび特図2表示器81bを総称して特図表示器81という。さらに、特図1保留表示器83aおよび特図2保留表示器83bを総称して特図保留表示器83という。
特図の可変表示は、特図抽選の結果を報知する。特図の可変表示では、特図が可変表示したあと停止表示する。停止表示される特図(停止特図、可変表示の表示結果として導出表示される特別図柄)は、特図抽選によって複数種類の特図の中から選択された一つの特図である。停止特図が予め定めた特定の特図(特定の停止態様の特図すなわち大当たり図柄)である場合には、大入賞口(第1大入賞口14及び第2大入賞口15)を開放させる大当たり遊技(特別遊技の一例)が行われる。なお、大当たり遊技が行われている遊技状態を大当たり遊技状態という。大当たり遊技状態は、遊技者に有利な特別遊技状態の一例である。
特図表示器81は、例えば横並びに配された8個のLED(Light Emitting Diode)から構成され、その点灯態様によって特図抽選の結果に応じた特図を表示する。例えば特図抽選の結果が大当たり(後述の複数種類の大当たりのうちの一つ)である場合には、特図表示器81は、「□□■■□□■■」(□:点灯、■:消灯)というように左から1,2,5,6番目にあるLEDの点灯で構成される大当たり図柄を表示する。また、特図抽選の結果がハズレである場合には、特図表示器81は、「■■■■■■■□」というように一番右にあるLEDのみの点灯で構成されるハズレ図柄を表示する。なお、特図抽選の結果に対応するLEDの点灯態様は限定されず、適宜に設定することができる。よって、例えば、ハズレ図柄として全てのLEDを消灯させてもよい。
また、特図の可変表示において、特図が停止表示される前には所定の変動時間にわたって特図の可変表示がなされる。特図の可変表示の態様は、例えば左から右へ光が繰り返し流れるように各LEDが点灯する態様である。なお、特図の可変表示の態様は、特に限定されず、各LEDが停止表示(特定の態様での点灯表示)されていなければ、全LEDが一斉に点滅するなど適宜に設定してよい。
ところで、パチンコ遊技機PY1では、第1始動口11または第2始動口12への遊技球の入賞(入球)があると、特図抽選などを行うための各種乱数(判定情報の一例)が取得されることがある。この各種乱数は、特図保留として後述の特図保留記憶部105に一旦記憶される。なお、以下において、第1始動口11への遊技球の入賞(入球)により取得された各種乱数のことを「特図1関係乱数」といい、第2始動口12への遊技球の入賞(入球)により取得された各種乱数のことを「特図2関係乱数」という。ここで、特図1関係乱数は、特図1保留として、特図保留記憶部105の中の特図1保留記憶部105aに記憶される。一方、特図2関係乱数は、特図2保留として、特図保留記憶部105の中の特図2保留記憶部105bに記憶される。特図1保留記憶部105aに記憶可能な特図1保留の数(特図1保留数)および特図2保留記憶部105bに記憶可能な特図2保留の数(特図2保留数)には上限(本形態では4個)が設定されている。特図1保留数や特図2保留数の上限は適宜変更可能であり、上限を「無し」としてもよい。なお、以下において、特図1保留と特図2保留を総称して「特図保留」といい、特図1保留数と特図2保留数を総称して「特図保留数」という。また、特図1関係乱数と特図2関係乱数とを総称して「特図関係乱数」という。
パチンコ遊技機PY1では、遊技球が第1始動口11または第2始動口12へ入賞した後すぐに特図の可変表示が行われない場合、具体的には、特図の可変表示の実行中や大当たり遊技の実行中に入賞があった場合、その入賞に対する特図の可変表示(あるいは、特図抽選の権利)を留保することができる。特図保留記憶部105に記憶された特図保留は、その特図保留に基づく特図の可変表示が可能となったときに消化される。すなわち、特図保留の消化とは、その特図保留に対応する特図関係乱数等を判定して、その判定結果を示すための特図の可変表示を実行することをいう。
そして、特図保留数は、特図保留表示器83に表示される。特図1保留表示器83aと特図2保留表示器83bのそれぞれは、例えば4個のLEDで構成されており、特図保留数の分だけLEDを点灯させることにより特図保留数を表示することが可能である。
また、普図の可変表示は、普図抽選の結果を報知する。普図の可変表示では、普図が可変表示したあと停止表示する。停止表示される普図(停止普図、可変表示の表示結果として導出表示される普図)は、普図抽選によって複数種類の普図の中から選択された一つの普図である。停止表示された普図が予め定めた特定の普図(所定の停止態様の普図すなわち当たり図柄)である場合には、第2始動口12(電チュー12D)を開放させる補助遊技が行われる。
普図表示器82は、例えば2個のLEDから構成されており、その点灯態様によって普図抽選の結果に応じた普図を表示する。普図抽選の結果が当たりである場合には、普図表示器82は、「□□」(□:点灯、■:消灯)というように両LEDの点灯で構成される当たり図柄を表示する。また普図抽選の結果がハズレである場合には、「■□」というように右のLEDのみの点灯で構成されるハズレ図柄を表示する。ハズレ図柄として全てのLEDを消灯させる態様を採用してもよい。なお、普図抽選の結果に対応するLEDの点灯態様は限定されず、適宜に設定することができる。
また、普図が停止表示される前には所定の変動時間にわたって普図の可変表示が行われる。普図の可変表示の態様は、例えば両LEDが交互に点灯するという態様である。なお、普図の可変表示の態様は、特に限定されず、各LEDが停止表示(特定の態様での点灯表示)されていなければ、全LEDが一斉に点滅するなど適宜に設定してもよい。
パチンコ遊技機PY1では、遊技球がゲート13を通過すると、普図抽選を行うための普通図柄乱数(判定情報の一例)が取得されることがある。この乱数は、普図の可変表示または補助遊技が実行されていないことを条件に、後述の普図保留記憶部106に記憶される。普図保留記憶部106に記憶可能な普図保留の数(普図保留数)には上限(本形態では4個)が設定されている。普図保留数の上限は適宜変更可能であり、上限を「無し」としてもよい。なお、以下において、遊技球がゲート13を通過することにより取得された普通図柄乱数のことを「普図関係乱数」ともいう。また、本形態では、普図保留数を表示する普図保留表示器を設けていないが、普図保留表示器を表示器類8に加えてもよい。普図保留表示器としては、例えば特図保留表示器83と同様の構成のものを採用することが可能である。
次に、図5を用いて、遊技盤1の背面に取り付けられた演出用ユニット1Uについて説明する。演出用ユニット1Uは、主に演出を行う複数の装置をユニット化したものである。演出用ユニット1Uには、画像表示装置50、第1盤可動装置(以下「盤上可動装置」)55、第2盤可動装置(以下「盤下可動装置」)56が搭載されている。
画像表示装置50は、例えば20インチの3D液晶ディスプレイで構成され、3D画像を表示可能な表示部(表示画面)50aを具備する。なお、画像表示装置50は、画像を表示することが可能であれば、複数枚の液晶ディスプレイで構成されるものや、EL(Electro Luminescence)ディスプレイで構成されるもの等、他の表示装置であってもよい。
盤上可動装置55は、表示部50aに沿って移動可能に構成され、装飾が施された盤上可動体55kを具備する。盤下可動装置56は、表示部50aに沿って移動可能に構成され、装飾が施された盤下可動体56kを具備する。
図5(A)は、盤上可動体55kおよび盤下可動体56kが作動していない通常の待機状態(初期位置)で保持されている様子を概略化して表している。盤上可動装置55の駆動源が駆動すると、盤上可動体55kは下向きに移動(下降)し、盤下可動装置56の駆動源が駆動すると、盤下可動体56kは上向きに移動(上昇)する。このとき、画像表示装置50は下降した盤上可動体55kまたは上昇した盤下可動体56kに覆われ、画像表示装置50は視認困難となる。
なお、遊技盤ユニットYUに設けられる部材や装置の位置や数は、遊技に支障をきたさない範囲で適宜に変更可能である。
2.遊技機の電気的構成
次に、図6~図7に基づいて、パチンコ遊技機PY1における電気的な構成を説明する。図6~図7に示すように、パチンコ遊技機PY1は、特図抽選、特図の可変表示、大当たり遊技、後述する遊技状態の設定、普図抽選、普図の可変表示、補助遊技などの遊技利益に関する制御(遊技の進行)を行う遊技制御基板(以下「主制御基板」)100、主制御基板100による遊技の進行に応じた遊技演出(特図変動演出、保留演出、操作演出、大当たり遊技演出など)や客待ち演出などの演出に関する制御を行う演出制御基板(以下「サブ制御基板」)120、および、遊技球の払い出しに関する制御などを行う払出制御基板170等を、遊技盤1の画像表示装置50よりさらに背面側に備えている。主制御基板100を、遊技の制御を行う遊技制御部(メイン制御部)と位置づけることができる。また、サブ制御基板120を、後述する画像制御基板140、ランプ制御回路151、および音声制御回路161とともに、演出の制御を行う演出制御部(サブ制御部)と位置づけることができる。なお、演出制御部は、少なくともサブ制御基板120を備え、演出手段(画像表示装置50、スピーカ52、枠ランプ53、盤ランプ54、および、可動装置55,56,58等)を用いた各種の演出を制御可能であればよい。
また、パチンコ遊技機PY1は、電源基板190を備えている。電源基板190は、主制御基板100、サブ制御基板120、及び払出制御基板170に対して電力を供給するとともに、これらの基板を介してその他の機器に対して必要な電力を供給する。電源基板190には、押下操作可能なRAMクリアスイッチ191が設けられている。RAMクリアスイッチ191(特定操作手段)は、電源投入時に、後述する遊技制御用マイコン101の遊技用RAM104に記憶されている遊技情報(例えば高確率状態などの遊技状態の情報、特図保留の数や大当たりの当否判定結果などの情報)を、遊技用CPU102にクリア(以下「RAMクリア」と呼ぶ)させるためのものである。図8に示すように、RAMクリアスイッチ191は、本パチンコ遊技機PY1の裏側に配置された電源基板190上に設けられている。そのため、前扉23を開閉可能な遊技場の従業員等でなければ、RAMクリアスイッチ191を操作することはできない。即ち、RAMクリアスイッチ191は、実質的に遊技者による操作が不可能な操作手段といえる。RAMクリアスイッチ191が押下操作されると、RAMクリアスイッチ191がONであることを示す検出信号が遊技制御用マイコン101に入力される。なお本形態では、RAMクリアスイッチ191が電源基板190上に設けられているが、RAMクリアスイッチ191の配置箇所は適宜変更可能であり、例えば主制御基板100上や専用の基板上に設けられていても良い。
電源基板190には、バックアップ電源回路192が設けられている。バックアップ電源回路192は、パチンコ遊技機PY1に対して電力が供給されていない場合に、後述する主制御基板100の遊技用RAM104やサブ制御基板120の演出用RAM124に対して電力を供給する。従って、主制御基板100の遊技用RAM104やサブ制御基板120の演出用RAM124に記憶されている情報は、パチンコ遊技機PY1の電断時であっても保持される。また、電源基板190には、電源スイッチ193が接続されている。電源スイッチ193のON/OFF操作により、電源の投入/遮断が切り換えられる。なお、主制御基板100の遊技用RAM104に対するバックアップ電源回路を主制御基板100に設けたり、サブ制御基板120の演出用RAM124に対するバックアップ電源回路をサブ制御基板120に設けたりしてもよい。
図6に示すように、主制御基板100には、プログラムに従ってパチンコ遊技機PY1の遊技の進行を制御する遊技制御用ワンチップマイコン(以下「遊技制御用マイコン」)101が実装されている。遊技制御用マイコン101には、遊技の進行を制御するためのプログラムやテーブル等を記憶した遊技用ROM(Read Only Memory)103、ワークメモリとして使用される遊技用RAM(Random Access Memory)104、および遊技用ROM103に記憶されたプログラムを実行する遊技用CPU(Central Processing Unit)102が含まれている。
遊技用ROM103には、後述する主制御メイン処理やメイン側タイマ割り込み処理などを行うためのプログラムが格納されている。また、遊技用ROM103には、後述する大当たり判定テーブル、大当たり図柄種別判定テーブル、リーチ判定テーブル、特図変動パターン判定テーブル、先読み判定テーブル、大当たり遊技制御テーブル、当たり判定テーブル、普図変動パターン判定テーブル、補助遊技制御テーブルなどが格納されている。なお、遊技用ROM103は外付けであってもよい。
また遊技用RAM104には、前述した特図保留記憶部105や普図保留記憶部106などが設けられている。また遊技用RAM104には、非消去記憶部107が設けられていて、非消去記憶部107には、総賞球数記憶部107a、総発射球数記憶部107b、差玉数記憶部107cが設けられている。非消去記憶部107では、RAMクリアが実行されても、遊技用CPU102が記憶内容を消去しないようになっている。非消去記憶部107(総賞球数記憶部107a、総発射球数記憶部107b、差玉数記憶部107c)については、後に詳述する。
また主制御基板100には、7セグ表示器300と、設定キーシリンダ180と、特別リセットスイッチ181(特別操作手段)と、が設けられている(図8参照)。7セグ表示器300は、図9に示すように、所謂4連7セグであり、合計で32個の点灯(発光)する部分を備えている。具体的に、7セグ表示器300は、左から右に向かって順番に、第1表示領域310と第2表示領域320と第3表示領域330と第4表示領域340とを備えている。そして4つの表示領域310、320、330、340は、それぞれ「0」~「9」までの数字を表すことができるように、8個の点灯部分(LED素子)LB1~LB8、LB9~LB16、LB17~LB24、LB25~LB32を有している。7セグ表示器300の表示制御は、遊技制御用マイコン101によりなされる。
設定キーシリンダ180は、大当たり判定確率に対応する設定値を設定する際に、操作手段として機能するものである。この設定キーシリンダ180の内部は、設定キー(図示省略)が挿入された状態で、初期位置と回転位置との間で回転操作される。よって、本パチンコ遊技機PY1では、設定キーシリンダ180を回転位置へ回転操作しておき、RAMクリアスイッチ191を押下操作しながら、電源を投入することで、設定値を設定可能な設定モードに移行することができる。そして、この設定モードにおいて、設定値を「1」に設定することができる。しかしながら、本パチンコ遊技機PY1では、設定値が1種類である「1」しか設けられていない。従って、設定値を「1」から変更できないようになっている。なお、設定モードに設定されてるときに、設定キーシリンダ180を回転位置から待機位置へ回転操作すると、設定モードが終了して、RAMクリアが実行される。
また主制御基板100には、押下操作可能な特別リセットスイッチ181が設けられている。図8に示すように、特別リセットスイッチ181は、本パチンコ遊技機PY1の裏側に配置された主制御基板100上に設けられている。そのため、前扉23を開閉可能な遊技場の従業員等でなければ、特別リセットスイッチ181を操作することはできない。即ち、特別リセットスイッチ181は、実質的に遊技者による操作が不可能な操作手段といえる。特別リセットスイッチ181の機能については、後に詳述する。また、主制御基板100には、データや信号の入出力を行うための遊技用I/O(Input/Output)ポート部118が実装されている。
また、主制御基板100には、所定の中継基板(図示なし)を介して各種センサ類MSやアクチュエータ類MAが接続されている。そのため、主制御基板100には、各種センサ類MSが出力した信号が入力する。また、主制御基板100は、各種アクチュエータ類MAに信号を出力する。
主制御基板100に接続されている各種センサ類MSには、第1始動口センサ11a、第2始動口センサ12a、一般入賞口センサ10a、ゲートセンサ13a、第1大入賞口センサ14a、第2大入賞口センサ15a、特定領域センサ16a、および、非特定領域センサ17aが含まれている。
第1始動口センサ11aは、第1始動口11に入賞した遊技球を検知する。第2始動口センサ12aは、第2始動口12に入賞した遊技球を検知する。一般入賞口センサ10aは、一般入賞口10に入賞した遊技球を検知する。一般入賞口センサ10aは、一般入賞口10毎に設けられている。ゲートセンサ13aは、ゲート13に設けられており、ゲート13を通過した遊技球を検知する。第1大入賞口センサ14aは、第1大入賞口14に入賞した遊技球を検知する。第2大入賞口センサ15aは、第2大入賞口15に入賞した遊技球を検知する。特定領域センサ16aは、特定領域16を通過(特定領域16に進入)した遊技球を検知する。非特定領域センサ17aは、非特定領域17を通過(非特定領域17に進入)した遊技球を検知する。各センサは、遊技球を検知すると、その検知内容に応じた信号を主制御基板100に出力する。
また図6では図示を省略しているが、各種センサ類MSには、遊技領域6を流下する全ての遊技球(総発射球数)を検知する排出口センサが含まれている。ここで、遊技領域6の外部へ流下した遊技球は、遊技盤取付枠2Aの下部に設けられている排出経路(図示省略)を通って、本パチンコ遊技機PY1の外部に排出される。そのため、排出口センサは、排出経路内に設けられている。また各種センサ類MSには、不正な磁気を検知する磁気センサが含まれている。磁気センサは、遊技者が磁石等を用いて遊技球を不正に各種入賞口10、11、12、14、15へ入賞させる際に生じる磁気を検知するものである。上記した各センサは、遊技球を検知すると、その検知内容に応じた信号を主制御基板100に出力する。
また各種センサ類MSには、前扉23の外枠22に対する開放を検知する前扉開放センサと、前枠23mの遊技盤取付枠2Aに対する開放を検知する前枠センサと、が含まれている。前扉開放センサは、前扉23の開放を検知すると、その検知内容に応じた信号を主制御基板100に出力する。前枠センサは、前枠23mの開放を検知すると、その検知内容に応じた信号を主制御基板100に出力する。なお、主制御基板100に接続されるセンサの種類や数は、遊技に支障をきたさない範囲で適宜に変更可能である。
また、主制御基板100に接続されている各種アクチュエータ類MAには、電チューソレノイド12s、第1大入賞口ソレノイド14s、第2大入賞口ソレノイド15sおよび振分ソレノイド16sが含まれている。電チューソレノイド12sは、電チュー12Dの電チュー開閉部材12kを駆動する。第1大入賞口ソレノイド14sは、第1大入賞装置14Dの通常AT開閉部材14kを駆動する。第2大入賞口ソレノイド15sは、第2大入賞装置15DのVAT開閉部材15kを駆動する。振分ソレノイド16sは、振分装置16Dの振分部材16kを駆動する。
なお、主制御基板100に接続されるアクチュエータの種類や数は、遊技に支障をきたさない範囲で適宜に変更可能である。
さらに主制御基板100には、表示器類8(特図表示器81、普図表示器82、および、特図保留表示器83)が接続されている。これらの表示器類8の表示制御は、遊技制御用マイコン101によりなされる。
また主制御基板100は、払出制御基板170に各種コマンドを送信するとともに、払い出し監視のために払出制御基板170から信号を受信する。払出制御基板170には、カードユニットCU(パチンコ遊技機PY1に隣接して設置され、挿入されているプリペイドカード等の情報に基づいて球貸しを可能にするもの)、および賞球払出装置73が接続されているとともに、発射制御回路175を介して発射装置72が接続されている。なお、発射装置72には、ハンドル72k(図1参照)が含まれる。
払出制御基板170は、遊技制御用マイコン101からの信号や、接続されたカードユニットCUからの信号に基づいて、賞球払出装置73の賞球モータ73mを駆動して賞球の払い出しを行ったり、貸球の払い出しを行ったりする。払い出される遊技球は、その計数のための賞球センサ73aにより検知されて、賞球センサ73aによる検知信号が払出制御基板170に出力される。
また、発射装置72には、遊技者などの人のハンドル72k(図1参照)への接触を検知可能なタッチスイッチ72aが設けられている。遊技者によるハンドル72kの操作があった場合には、タッチスイッチ72aが遊技者のハンドル72kへの接触を検知し、検知信号を払出制御基板170に出力する。また、発射装置72には、ハンドル72kの回転角度(操作量)を検出可能な発射ボリュームつまみ72bが接続されている。発射装置72は、発射ボリュームつまみ72bが検出したハンドル72kの回転角度に応じた強さで遊技球が発射されるよう発射ソレノイド72sを駆動させる。なお、パチンコ遊技機PY1においては、ハンドル72kへの回転操作が維持されている状態では、約0.6秒毎に1球の遊技球が発射されるようになっている。
また払出制御基板170は、外部端子板160に接続されている。つまり、外部端子板160は、払出制御基板170を介して、主制御基板100に接続されている。外部端子板160は、主制御基板100から送信される外端信号を、パチンコ遊技機PY1の外部に設けられている外部ユニットGU(データカウンタ、ホールコンピュータなど)に送信するものである。外端信号に含まれる情報には、例えば、大当たりに当選したかを示す情報、遊技状態の情報、エラーや不正(異常)を示す情報が含まれる。なお、外部端子板160は、外端信号をパラレル通信によって外部ユニットGUに送信しているが、外端信号を非同期シリアル通信(共通の非同期シリアル通信ポート)で送信するようにしても良い。また、主制御基板100を払出制御基板170を介して外部端子板160に接続したが、主制御基板100を払出制御基板170以外の基板(例えば中継基板)を介して外部端子板160に接続したり、主制御基板100と外部端子板160とを直接接続したりするようにしても良い。
また主制御基板100は、遊技の進行に応じて、サブ制御基板120に対し、遊技に関する情報を含んだ各種コマンドを送信する。サブ制御基板120は、主制御基板100から送られる各種コマンドに基づいて、主制御基板100による遊技の進行状況(遊技の制御内容)を把握することができる。なお、主制御基板100とサブ制御基板120との接続は、主制御基板100からサブ制御基板120への信号の送信のみが可能な単方向通信接続となっている。すなわち、主制御基板100とサブ制御基板120との間には、通信方向規制手段としての図示しない単方向性回路(例えばダイオードを用いた回路)が介在している。
図7に示すように、サブ制御基板120には、プログラムに従ってパチンコ遊技機PY1の演出を制御する演出制御用ワンチップマイコン(以下「演出制御用マイコン」)121が実装されている。演出制御用マイコン121には、主制御基板100による遊技の進行に伴って演出を制御するためのプログラム等を記憶した演出用ROM123、ワークメモリとして使用される演出用RAM124、および演出用ROM123に記憶されたプログラムを実行する演出用CPU122が含まれている。
また、演出用ROM123には、後述するサブ制御メイン処理、受信割り込み処理、1msタイマ割り込み処理、および、10msタイマ割り込み処理などを行うためのプログラムが格納されている。なお、演出用ROM123は外付けであってもよい。
また、サブ制御基板120には、データや信号の入出力を行うための演出用I/Oポート部138、およびRTC(Real Time Clock)139が実装されている。RTC139は、現時点の日時(日付及び時刻)を計測する。RTC139は、パチンコ遊技機PY1に、所定の島電源供給装置(図示なし)から電力が供給されているときにはその電力によって動作し、島電源供給装置から電力が供給されていないときには、電源基板190が備えるバックアップ電源回路192から供給される電力によって動作する。このため、RTC139は、パチンコ遊技機PY1の電源が投入されていないときにも現在の日時を計測することが可能である。なお、RTC139に対するバックアップ電源回路をサブ制御基板120に設けてもよい。バックアップ電源回路には、コンデンサや内蔵電池(ボタン電池等)を含む回路を採用することができる。
サブ制御基板120には、画像制御基板140が接続されている。サブ制御基板120の演出制御用マイコン121は、主制御基板100から受信したコマンドに基づいて、すなわち、主制御基板100による遊技の進行に応じて、画像制御基板140の画像用CPU141に画像表示装置50の表示制御を行わせる。なお、サブ制御基板120と画像制御基板140との接続は、サブ制御基板120から画像制御基板140への信号の送信と、画像制御基板140からサブ制御基板120への信号の送信の双方が可能な双方向通信接続となっている。
画像制御基板140は、画像制御のためのプログラム等を記憶した画像用ROM142、ワークメモリとして使用される画像用RAM143、及び、画像用ROM142に記憶されたプログラムを実行する画像用CPU141を備えている。また、画像制御基板140は、画像表示装置50に表示される画像のデータを記憶したCGROM145、CGROM145に記憶されている画像データの展開等に使用されるVRAM146、及び、VDP(Video Display Processor)144を備えている。勿論、これらの電子部品の全部又は一部がワンチップで構成されていてもよい。CGROM145には、例えば、画像表示装置50に表示される画像を表示するための画像データ(静止画データや動画データ、具体的にはキャラクタ、アイテム、図形、文字、数字および記号等(演出図柄を含む)や背景画像等の画像データ)が格納されている。
VDP144は、演出制御用マイコン121からの指令に基づき画像用CPU141によって作成されるディスプレイリストに従って、CGROM145から画像データを読み出してVRAM146内の展開領域に展開する。そして、展開した画像データを適宜合成してVRAM146内のフレームバッファに画像を描画する。そしてフレームバッファに描画した画像をRGB信号として画像表示装置50に出力する。これにより、種々の演出画像が表示部50aに表示される。
なお、ディスプレイリストは、フレーム単位で描画の実行を指示するためのコマンド群で構成されている。ディスプレイリストには、描画する画像の種類、画像を描画する位置、表示の優先順位、表示倍率、画像の透過率等の種々のパラメータの情報が含まれている。
演出制御用マイコン121は、主制御基板100から受信したコマンドに基づいて、すなわち、主制御基板100による遊技の進行に応じて、音声制御回路161を介してスピーカ52から音声、楽曲、効果音等を出力する。
スピーカ52から出力する音声等の音声データは、サブ制御基板120の演出用ROM123に格納されている。なお、音声制御回路161を、基板にしてCPUを実装してもよい。この場合、そのCPUに音声制御を実行させてもよい。さらにこの場合、基板にROMを実装し、そのROMに音声データを格納してもよい。また、スピーカ52を画像制御基板140に接続し、画像制御基板140の画像用CPU141に音声制御を実行させてもよい。さらにこの場合、画像制御基板140の画像用ROM142に音声データを格納してもよい。
また、サブ制御基板120には、所定の中継基板(図示なし)を介して、入力部となる各種スイッチ類、駆動源となる各種アクチュエータ類SA、各種ランプ類SLが接続されている。サブ制御基板120には、各種スイッチ類が出力した信号が入力する。また、サブ制御基板120は、各種アクチュエータ類SAに信号を出力する。また、サブ制御基板120は、主制御基板100から受信したコマンドなどに基づいて、ランプ制御回路151を介して各種ランプ類SLの点灯制御を行う。
サブ制御基板120に接続されている各種スイッチ類には、通常ボタン検出スイッチ40aおよび特殊ボタン検出スイッチ41aが含まれている。通常ボタン検出スイッチ40aは、通常ボタン40が押下操作されたことを検出する。特殊ボタン検出スイッチ41aは、特殊ボタン41が押下操作されたことを検出する。各検出スイッチ40a,41aは、検出内容に応じた信号をサブ制御基板120に出力する。なお、サブ制御基板120に接続されるスイッチの種類や数は、遊技に支障をきたさない範囲で適宜に変更可能である。
サブ制御基板120に接続された各種アクチュエータ類SAには、盤上可動装置55を駆動する盤上駆動モータ55m、盤下可動装置56を駆動する盤下駆動モータ56m、枠可動装置58を駆動する枠駆動モータ58m等が含まれている。演出制御用マイコン121は、これらのモータを駆動して、各可動装置に所定の動作を行わせることが可能である。詳細には演出制御用マイコン121は、各可動装置の動作態様を決める動作パターンデータを作成し、ランプ制御回路151を介して、各可動装置の動作を制御する。またサブ制御基板120には、通常ボタン40を振動させるための振動用モータ(不図示)も接続されているものとする。なお、サブ制御基板120に接続されるアクチュエータの種類や数は、遊技に支障をきたさない範囲で適宜に変更可能である。
サブ制御基板120に接続された各種ランプ類SLには、枠ランプ53、盤ランプ54等が含まれている。演出制御用マイコン121は、各ランプを発光させることが可能である。詳細には演出制御用マイコン121は、各ランプの発光態様を決める発光パターンデータ(点灯/消灯や発光色等を決めるデータ、ランプデータともいう)を作成し、発光パターンデータに従って各ランプの発光を制御する。なお、発光パターンデータの作成にはサブ制御基板120の演出用ROM123に格納されているデータを用いる。
なお、ランプ制御回路151を基板にしてCPUを実装してもよい。この場合、そのCPUに、各ランプの点灯制御、および、各可動装置の動作制御を実行させてもよい。さらにこの場合、基板にROMを実装して、そのROMに発光パターンや動作パターンに関するデータを格納してもよい。また、サブ制御基板120に接続されるランプの種類や数は、遊技に支障をきたさない範囲で適宜に変更可能である。
3.遊技機による主な遊技
次に、パチンコ遊技機PY1により行われる主な遊技について、図10~図17を用いて説明する。なお、図10~図17に示す各テーブルは、本項目の説明のための一般的なものであり、後述する「パチンコ遊技機PY1の特徴部」の説明においてこれらとは別のテーブルを示した場合、パチンコ遊技機PY1ではそのテーブルが用いられているものとする。但し、後述する「パチンコ遊技機PY1の特徴部」の説明において別のテーブルを示さない構成については、この項目で示したテーブルが用いられているものとし、また、後述する「パチンコ遊技機PY1の特徴部」の説明において別のテーブルを示した構成についても、この項目で示したテーブルに変更することが可能であるとする。
3-1.普図に関わる遊技
最初に、普図に関わる遊技について説明する。パチンコ遊技機PY1は、発射された遊技球がゲート13を通過すると、普図抽選を行う。普図抽選を行うと、普図表示器82において、普図の可変表示(変動表示を行った後に停止表示)を行う。ここで、停止表示される普図には、当たり図柄とハズレ図柄とがある。なお、普図のハズレ図柄については、後述する特図のハズレ図柄と区別をするために「ハズレ普図」ともいう。当たり図柄が停止表示されると補助遊技が実行されて、当該ゲート13の通過に係る遊技が終了する。一方、ハズレ普図が停止表示されると、補助遊技は行われず、当該ゲート13の通過に係る遊技が終了する。また、以下において、遊技球がゲート13を通過することを「普図始動条件の成立」という。
パチンコ遊技機PY1は、このような一連の遊技(普図抽選、普図の可変表示、補助遊技)を行うにあたり、普図始動条件の成立により、普図関係乱数を取得する。取得する普図関係乱数には、図10(A)に示すように、普通図柄乱数がある。普通図柄乱数は当たり判定を行うための乱数である。乱数を判定情報とも言う。乱数には、適宜に範囲が設けられている。
3-1-1.当たり判定
当たり判定は、図11(A)に示すような当たり判定テーブルに従って、当たりか否か(補助遊技を実行するか否か)を決定するための判定である。当たり判定テーブルは、後述する遊技状態に関連付けられている。すなわち、当たり判定テーブルには、非時短状態で用いる当たり判定テーブル(非時短用当たり判定テーブル)と、時短状態で用いる当たり判定テーブル(時短用当たり判定テーブル)と、がある。各当たり判定テーブルでは、当たり判定の結果である当たりとハズレに、普通図柄乱数の判定値(普通図柄乱数値)が振り分けられている。よって、パチンコ遊技機PY1は、取得した普通図柄乱数を当たり判定テーブルに従って判定することにより、当たりかハズレかの当たり判定を行う。そして、当たり判定の結果に基づいて、普図の可変表示を行うための普図変動パターン判定を行う。当たり判定の結果が当たりであると、基本的には、普図の可変表示で当たり図柄が停止表示される。一方、当たり判定の結果がハズレであると、基本的には、普図の可変表示でハズレ普図が停止表示される。なお、当たりの当選確率については、適宜に変更することが可能である。また、当たり判定テーブルを、遊技状態毎に分けなくてもよい。
3-1-2.普図変動
普図変動パターン判定は、図11(B)に示すような普図変動パターン判定テーブルに従って、普図変動パターンを決定するための判定である。普図変動パターンとは、普図変動時間などの普図の可変表示に関する所定事項に関する識別情報である。
普図変動パターン判定テーブルは、遊技状態(非時短状態/時短状態)に関連付けられている。すなわち、普図変動パターン判定テーブルには、非時短状態のときに用いられる普図変動パターン判定テーブル(非時短普図変動パターン判定テーブル)と時短状態のときに用いられる普図変動パターン判定テーブル(時短普図変動パターン判定テーブル)とがある。なお、普図変動パターン判定テーブルを遊技状態毎に分けなくてもよい。
各普図変動パターン判定テーブルには、普図変動パターン判定の結果である普図変動パターンが、停止される普図毎に1つ格納されている。すなわち、パチンコ遊技機PY1は、非時短状態においてと時短状態においてとで、普図変動時間を異ならせることが可能である。例えば、非時短状態においては、ハズレの普図(ハズレ普図)を停止表示する場合の普図の可変表示については普図変動時間が例えば30秒となる普図変動パターンに決定し、当たり図柄を停止表示する場合の普図の可変表示については普図変動時間が例えば30秒となる普図変動パターンに決定する。また、時短状態においては、ハズレ普図を停止表示する場合の普図の可変表示については普図変動時間が例えば5秒となる普図変動パターンに決定し、当たり図柄を停止表示する場合の普図の可変表示については普図変動時間が例えば5秒となる普図変動パターンに決定する。この判定で決定された普図変動パターンに対応付けられた普図変動時間の普図の可変表示が、普図表示器82で行われる。また、これら普図変動時間については、適宜に変更することが可能である。このように、当たり判定、および、普図変動パターン判定が行われることによって、普図表示器82において普図の可変表示が行われる。
3-1-3.補助遊技
補助遊技は、普図の可変表示で、表示結果(普図抽選の結果)として、当たり図柄が停止表示(導出)されると実行される。
補助遊技を構成する要素(補助遊技構成要素)には、電チュー12Dが開放する回数、および各開放についての開放時間などの様々な要素が含まれている。そして、これらの各要素は、遊技状態(非時短状態/時短状態)に対応付けられている。パチンコ遊技機PY1は、遊技状態(非時短状態/時短状態)に基づいて、図11(C)に示すような補助遊技制御テーブルに従って補助遊技を制御する。補助遊技制御テーブルは、遊技状態(非時短状態/時短状態)に対応付けられている。各補助遊技制御テーブルには、補助遊技構成要素が格納されている。なお、これらの各要素における開放回数や開放時間については、適宜に変更することが可能である。
パチンコ遊技機PY1は、非時短状態における補助遊技と時短状態における補助遊技とで、電チュー12Dの開放時間を異ならせている。例えば、非時短状態における補助遊技では、第1の開放時間(遊技球を電チュー12Dに入賞させるのが困難な時間(例えば0.08秒))だけ電チュー12Dを開放する。以下において、非時短状態における補助遊技のことを「ショート開放補助遊技」ともいう。また、時短状態における補助遊技では、第1の開放時間よりも長い第2の開放時間(遊技球を電チュー12Dに入賞させるのが容易な時間(例えば3.0秒))だけ電チュー12Dを開放する。以下において、時短状態における補助遊技のことを「ロング開放補助遊技」ともいう。なお、非時短状態における補助遊技と時短状態における補助遊技とで、電チュー12Dの開放時間が同じであってもよい。
3-2.特図に関わる遊技
次に、特図に関わる遊技について説明する。パチンコ遊技機PY1は、発射された遊技球が第1始動口11に入賞すると、特図1抽選を行う。特図1抽選が行われると、特図1表示器81aにおいて、特図1の可変表示(変動表示を行った後に停止表示)を行って、特図1抽選の結果を報知する。ここで、停止表示される特図1には、大当たり図柄およびハズレ図柄がある。すなわち、特図1抽選の結果には大当たり、およびハズレがある。大当たり図柄が停止表示されると大当たり遊技が実行され、新たな遊技状態が設定されて、当該入賞に基づく遊技が終了する。一方、ハズレ図柄が停止表示されると、大当たり遊技が行われず、当該入賞に基づく遊技が終了する。
同様に、パチンコ遊技機PY1は、発射された遊技球が第2始動口12に入賞すると、特図2抽選を行う。特図2抽選が行われると、特図2表示器81bにおいて、特図2の可変表示(変動表示を行った後に停止表示)を行って、特図2抽選の結果を報知する。ここで、停止表示される特図2には、大当たり図柄、およびハズレ図柄がある。すなわち、特図2抽選の結果には、大当たり、およびハズレがある。大当たり図柄が停止表示されると大当たり遊技が実行され、新たな遊技状態が設定されて、当該入賞に基づく遊技が終了する。一方、ハズレ図柄が停止表示されると大当たり遊技が行われず、当該入賞に基づく遊技が終了する。
なお、以下において、第1始動口11に遊技球が入賞することを「第1始動条件の成立」といい、第2始動口12に遊技球が入賞することを「第2始動条件の成立」という。また、「第1始動条件の成立」と「第2始動条件の成立」をまとめて「始動条件の成立」と総称する。また、特別図柄のハズレ図柄については、前述の普図のハズレ図柄と区別するために「ハズレ特図」ともいう。
パチンコ遊技機PY1は、このような一連の遊技(特図抽選、特図の可変表示、大当たり遊技、遊技状態の設定)を行うにあたり、始動条件の成立により、特図関係乱数を取得し、当該乱数について種々の判定を行う。取得する特図関係乱数には、図10(B)に示すように、特別図柄乱数(大当たり乱数)、大当たり図柄種別乱数、リーチ乱数および特図変動パターン乱数がある。特別図柄乱数は大当たり判定を行うための乱数である。大当たり図柄種別乱数は大当たり図柄種別判定を行うための乱数である。リーチ乱数はリーチ判定を行うための乱数である。特図変動パターン乱数は特別図柄の変動パターン判定を行うための乱数である。乱数を判定情報とも言う。各乱数には、適宜に範囲が設けられている。
3-2-1.大当たり判定
大当たり判定は、図12(A)に示すような大当たり判定テーブルに従って、大当たりか否か(大当たり遊技を実行するか否か)を決定するための判定である。大当たり判定テーブルは、遊技状態、詳細には、通常確率状態であるか高確率状態であるかに関連付けられている。すなわち、大当たり判定テーブルには、通常確率状態において用いられる大当たり判定テーブル(通常確率用大当たり判定テーブル)と高確率状態において用いられる大当たり判定テーブル(高確率用大当たり判定テーブル)とがある。
各大当たり判定テーブルでは、大当たり判定の結果である大当たり、およびハズレに、特別図柄乱数の判定値(特別図柄乱数値)が振り分けられている。パチンコ遊技機PY1は、取得した特別図柄乱数を大当たり判定テーブルに従って判定することにより、大当たり、またはハズレの何れであるかを判定する。図12(A)に示すように、高確率用大当たり判定テーブルの方が、通常確率用大当たり判定テーブルよりも、大当たりと判定される特別図柄乱数判定値が多く設定されている。また、大当たりの当選確率については、適宜に変更することが可能である。
3-2-2.大当たり図柄種別判定
大当たり図柄種別判定は、大当たり判定の結果が大当たりである場合に、図12(B)に示すような大当たり図柄種別判定テーブルに従って大当たり図柄の種別(大当たり図柄種別)を決定するための判定である。大当たり図柄の種別毎に、大当たりの内容、換言すれば、遊技者に付与される遊技特典などで構成される大当たりの構成要素が対応付けられている。
大当たり図柄種別判定テーブルは、可変表示される特別図柄の種別(特図1/特図2)、言い換えれば、当該大当たり図柄種別判定の起因となる入賞(当該大当たり図柄種別判定を発生させた入賞)が行われた始動口の種別(第1始動口11/第2始動口12)に関連付けられている。すなわち、大当たり図柄種別判定テーブルには、特図1の可変表示を行うときに用いられる大当たり図柄種別判定テーブル(第1大当たり図柄種別判定テーブル)と特図2の可変表示を行うときに用いられる大当たり図柄種別判定テーブル(第2大当たり図柄種別判定テーブル)とがある。
大当たり図柄には複数種類の種別があり、各大当たり図柄種別判定テーブルでは、大当たり図柄種別判定の結果である大当たり図柄種別に、大当たり図柄種別乱数の判定値(大当たり図柄種別乱数値)が振り分けられている。よって、パチンコ遊技機PY1は、取得した大当たり図柄種別乱数を大当たり図柄種別判定テーブルに従って判定することにより、大当たり図柄の種別を判定する。そして、第1大当たり図柄種別判定テーブルおよび第2大当たり図柄種別判定テーブルでは、大当たり図柄種別乱数値が各種大当たり図柄に適宜に振り分けられている。なお、大当たり図柄種別の振分率については、適宜に変更することが可能である。また、大当たり図柄の種別については、適宜に増加したり減少したりすることが可能である。
例えば、図12(B)に示すように、特図1についての大当たり図柄種別判定による大当たり図柄種別の振分率を、大当たり図柄Aが50%、大当たり図柄Bが50%にし、特図2についての大当たり図柄種別判定による大当たり図柄種別の振分率を、大当たり図柄Cが100%にすることが可能である。このように、第1始動口11に遊技球が入賞して行われる特図1抽選と、第2始動口12に遊技球が入賞して行われる特図2抽選とで、大当たり図柄種別の振分率を異ならせることが可能である。
3-2-3.リーチ判定
リーチ判定は、大当たり判定の結果がハズレである場合に、図12(C)に示すようなリーチ判定テーブルに従って、後述する特図変動演出でリーチを発生させるか否かを決定するための判定である。
リーチ判定テーブルは、遊技状態(非時短状態/時短状態)に関連付けられている。すなわち、リーチ判定テーブルには、非時短状態のときに用いられるリーチ判定テーブル(非時短用リーチ判定テーブル)と時短状態のときに用いられるリーチ判定テーブル(時短用リーチ判定テーブル)とがある。なお、リーチ判定テーブルを遊技状態毎に分けなくてもよい。
各リーチ判定テーブルでは、リーチ判定の結果である「リーチ有り(リーチを発生させる)」と「リーチ無し(リーチを発生させない)」に、リーチ乱数の判定値(リーチ乱数値)が振り分けられている。よって、パチンコ遊技機PY1は、取得したリーチ乱数をリーチ判定テーブルに従って判定することにより、リーチ有りかリーチ無しか(リーチを発生させるか否か)を判定する。図12(C)に示すように、非時短用リーチ判定テーブルと時短用リーチ判定テーブルとで、「リーチ有り(リーチを発生させる)」と判定されるリーチ乱数値の数が異なっている。なお、リーチ有りと判定される確率については、適宜に変更することが可能である。以下において、大当たり判定の結果が「ハズレ」であることを前提に行われる「リーチ有り(リーチを発生させる)」のことを「リーチ有りハズレ」といい、「リーチ無し(リーチを発生させない)」のことを「リーチ無しハズレ」ということもある。
3-2-4.特図変動パターン判定
特図変動パターン判定は、図13~図14に示すような特別図柄の変動パターン判定テーブル(特図変動パターン判定テーブル)を用いて、特図の可変表示の変動パターン(特図変動パターン)を決定するための判定であり、大当たり判定の結果が大当たり、およびハズレの何れの場合にも行われる。特図変動パターンとは、特図変動時間や後述する特図変動演出の演出フロー(演出内容)などに関する所定事項を識別するための識別情報である。なお、特図変動パターンには、特図変動時間や特図変動演出の演出フロー(演出内容)の他、大当たり判定の結果とリーチ判定の結果に関する識別情報が含まれている。特図変動パターンに含ませる識別情報は、適宜に変更することが可能である。また、特図変動パターンとして、それぞれ識別情報が異なる複数種類の特図変動パターンを用いることが可能であり、その数は適宜に変更することが可能である。
特図変動パターン判定テーブルは、判定対象となる可変表示を行う特別図柄の種別(特図1/特図2)、言い換えれば、当該特図変動パターン判定の起因となる入賞が行われた始動口の種別(第1始動口11/第2始動口12)に関連付けられている。すなわち、特図変動パターン判定テーブルには、特図1の可変表示を行うときに用いられる特図変動パターン判定テーブル(特図1変動パターン判定テーブル:図13)と、特図2の可変表示を行うときに用いられる特図変動パターン判定テーブル(特図2変動パターン判定テーブル:図14)とがある。なお、特図変動パターン判定テーブルを、特別図柄の種別(特図1/特図2)に応じて分けなくてもよい。
そして、各特図変動パターン判定テーブルは、遊技状態(非時短状態/時短状態)にも関連付けられている。すなわち、特図1変動パターン判定テーブルには、非時短状態のときに用いられる特図1変動パターン判定テーブル(非時短用特図1変動パターン判定テーブル)と、時短状態のときに用いられる特図1変動パターン判定テーブル(時短用特図1変動パターン判定テーブル)とがある。一方、特図2変動パターン判定テーブルについても同様に、非時短状態のときに用いられる特図2変動パターン判定テーブル(非時短用特図2変動パターン判定テーブル)と、時短状態のときに用いられる特図2変動パターン判定テーブル(時短用特図2変動パターン判定テーブル)とがある。なお、特図変動パターン判定テーブルを、遊技状態毎に分けなくてもよい。
また、遊技状態(非時短状態/時短状態)に関連付けられた各特図変動パターン判定テーブルは、さらに、大当たり判定結果およびリーチ判定結果にも関連付けられている。すなわち、非時短用特図1変動パターン判定テーブルおよび非時短用特図2変動パターン判定テーブルにはそれぞれ、大当たり用、リーチ有りハズレ用、およびリーチ無しハズレ用がある。同様に、時短用特図1変動パターン判定テーブルおよび時短用特図2変動パターン判定テーブルにもそれぞれ、大当たり用、リーチ有りハズレ用、およびリーチ無しハズレ用がある。なお、特図変動パターン判定テーブルを、大当たり判定結果やリーチ判定結果に応じて分けなくてもよい。
さらに、各リーチ無しハズレ用の特図1変動パターン判定テーブルは、特図保留数にも関連付けられている。例えば、特図1保留数(U1)が0~2のときに用いられるリーチ無しハズレ用の特図1変動パターン判定テーブルと、特図1保留数(U1)が3~4のときに用いられるリーチ無しハズレ用の特図1変動パターン判定テーブルと、がある。また、各リーチ無しハズレ用の特図2変動パターン判定テーブルは、特図保留数にも関連付けられている。具体的には、特図2保留数(U2)が0~2のときに用いられるリーチ無しハズレ用の特図2変動パターン判定テーブルと、特図2保留数(U2)が3~4のときに用いられるリーチ無しハズレ用の特図2変動パターン判定テーブルと、がある。なお、特図変動パターン判定テーブルを、特図保留数に応じて分けなくてもよい。
そして、各特図変動パターン判定で決定された特図変動パターンに応じた特図変動時間の特図の可変表示が、特図表示器81で行われる。そして、特図の可変表示で、表示結果(特図抽選の結果)として、大当たり図柄が停止表示されると、即座に次の特図の可変表示が行われず、引き続いて、大当たり遊技が実行される。
また、各特図変動パターンには、図13~図14の表の右から2番目の欄に示すような特図変動演出の演出フローが関連付けられている。なお、特図変動パターンに特図変動演出の演出フローを関連付けなくてもよい。
また、図13~図14の表の一番右の欄に示すように、特図変動パターンを、特図(大当たり判定結果)および特図変動演出の演出内容などに関連付けた名称で呼ぶことがある。例えば、大当たりに係る特図変動パターンのことを「大当たり変動」と言い、ハズレに係る特図変動パターンのことを「ハズレ変動」と言う。そして、大当たり変動の中で、リーチの一種であるSPリーチが行われる特図変動パターンのことを「SP大当たり変動」と言い、Lリーチが行われる特図変動パターンのことを「L大当たり変動」と言い、Nリーチで特図変動演出が終わる特図変動パターンのことを「N大当たり変動」と言い、リーチが成立するとすぐにゾロ目が揃う特図変動パターンのことを「即大当たり変動」と言う。一方、リーチ有りハズレの中で、リーチの一種であるSPリーチが行われる特図変動パターンのことを「SPハズレ変動」と言い、リーチの一種であるLリーチが行われる特図変動パターンのことを「Lハズレ変動」と言い、リーチの一種であるNリーチで特図変動演出が終わる特図変動パターンのことを「Nハズレ変動」と言い、リーチ無しハズレに係る特図変動パターンのことを「通常ハズレ変動」と言う。通常ハズレ変動には、変動時間が互いに異なる3種類の変動(通常Aハズレ変動、通常Bハズレ変動、通常Cハズレ変動)がある。また、リーチ無しハズレに係る特図変動パターンであって「通常ハズレ変動」に比べて変動時間が短い特図変動パターンを「短縮ハズレ変動」と言う。短縮ハズレ変動には、変動時間が異なる2種類の変動(短縮Aハズレ変動、短縮Bハズレ変動)がある。なお、SP大当たりとSPハズレ変動とを総称する場合、SP変動あるいはSPリーチ変動と言う。
3-2-5.先読み判定
パチンコ遊技機PY1は、取得した特図関係乱数に基づいて、図15に示すような先読み判定テーブルに従って先読み判定を行う。先読み判定は、大当たり判定よりも前に(具体的には例えば始動口への入賞時に)行われる。先読み判定には、例えば、特別図柄乱数が大当たり判定で大当たりと判定されるか否かの判定、大当たり図柄種別乱数が大当たり図柄種別判定で何れの大当たり図柄の種別に決定されるかの判定、特図変動パターン乱数が特図変動パターン判定で何れの特図変動パターンに決定されるかの判定、などがある。先読み判定テーブルは、その始動入賞に係る始動口の種別(第1始動口11/第2始動口12)に関連付けられている。すなわち、先読み判定テーブルには、第1始動口11に入賞した場合の先読み判定テーブル(第1先読み判定テーブル)と、第2始動口12に入賞した場合の先読み判定テーブル(第2先読み判定テーブル)と、がある。第1始動口11は特図1の抽選の契機となる始動口であるため、第1先読み判定テーブルを特図1先読み判定テーブルと言うこともできる。また、第2始動口12は特図2の抽選の契機となる始動口であるため、第2先読み判定テーブルを特図2先読み判定テーブルと言うこともできる。なお、先読み判定テーブルを、始動口の種別(第1始動口11/第2始動口12)に応じて分けなくてもよい。
また、先読み判定テーブルは、遊技状態(非時短状態/時短状態)にも関連付けられている。すなわち、先読み判定テーブルには、非時短状態のときに用いられる先読み判定テーブル(非時短用先読み判定テーブル)と、時短状態のときに用いられる先読み判定テーブル(時短用先読み判定テーブル)と、がある。
つまり、先読み判定テーブルには、非時短状態のときに用いられる第1先読み判定テーブルと、時短状態のときに用いられる第1先読み判定テーブルと、非時短状態のときに用いられる第2先読み判定テーブルと、時短状態のときに用いられる第2先読み判定テーブルと、がある。なお、先読み判定テーブルを、遊技状態毎に分けなくてもよい。また、先読み判定にどのような判定を含ませるかは適宜に変更可能である。
3-3.大当たり遊技
次に、大当たり遊技について説明する。大当たり遊技は、大入賞口(第1大入賞口14あるいは第2大入賞口15)の開閉を伴う複数回のラウンド遊技と、大当たり遊技が開始してから初回のラウンド遊技が開始されるまでのオープニング(OPとも表記する)と、最終回のラウンド遊技が終了してから大当たり遊技が終了するまでのエンディング(EDとも表記する)とを含んでいる。各ラウンド遊技は、オープニングの終了又は前のラウンド遊技の終了によって開始し、次のラウンド遊技の開始又はエンディングの開始によって終了する。また、OPやEDを設けないようすることが可能である。なお、以下において、所定回数目(所定の順番)のラウンド遊技を、単に「ラウンド」という。例えば、初回(1回目)のラウンド遊技のことを「1ラウンド(1R)」といい、10回目のラウンド遊技のことを「10ラウンド(10R)」という。
このような大当たり遊技を構成する要素(大当たり遊技構成要素)には、ラウンド遊技の回数、各回のラウンド遊技における大入賞口(第1大入賞口14、第2大入賞口15)の開放回数、各開放が行われる大入賞口の種別および開放時間、次回の開放まで閉鎖させる時間(閉鎖時間あるいはインターバル時間)、オープニングの時間(オープニング時間)、およびエンディングの時間(エンディング時間)などが含まれている。パチンコ遊技機PY1は、特図の停止表示後、図16に示すような大当たり遊技制御テーブルに従って大当たり遊技を制御する。
図16に示すように、大当たり遊技制御テーブルには、大当たり遊技毎(例えば大当たり遊技A~C毎)に大当たり遊技構成要素が格納されている。各大当たり遊技では、1Rから15Rまでは、最大で29.5秒にわたって第1大入賞口14が開放するラウンド遊技、または、最大で0.1秒にわたって第1大入賞口14が開放するラウンド遊技、が行われる。そして、16R(最終ラウンド)では、最大で29.5秒にわたって第2大入賞口15が開放するラウンド遊技、または、最大で0.1秒にわたって第2大入賞口15が開放するラウンド遊技、が行われる。また、各ラウンド遊技では、予め定めた所定個数(例えば10個)の遊技球が大入賞口センサ14a,15aによって検出されると、大入賞口14,15の最大開放時間が経過する前であっても、ラウンド遊技を終了させる。
なお、図16に示す大当たり遊技Aは、当選した大当たり図柄の種別が大当たり図柄A(図12(B)参照)である場合に実行され、大当たり遊技Bは、当選した大当たり図柄の種別が大当たり図柄Bである場合に実行され、大当たり遊技Cは、当選した大当たり図柄の種別が大当たり図柄Cである場合に実行される構成とすることが可能である。
また、各大当たり遊技構成要素における回数や時間については、適宜に変更することが可能である。また、大当たり遊技を、第1大入賞口14および第2大入賞口15の両方を用いて行うことも一方だけを用いて行うことも可能である。第1大入賞口14だけを用いる大当たり遊技しか行わない構成、あるいは、第2大入賞口15だけを用いる大当たり遊技しか行わない構成とする場合には、用いない方の大入賞口を備えない構成としてもよい。また、実行可能な大当たり遊技の種類は、複数種類であってもよいし、1種類であってもよい。
ここで、特定領域16について詳細に説明する。特定領域16は、振分部材16kによって、入賞不可能な閉状態と、入賞可能な開状態とをとるので、振分部材16kの作動態様は、特定領域16の開閉態様ということができる。以下において、振分部材16kの作動態様のことを「特定領域16の開閉態様」ともいう。また、特定領域16が開状態にあることを「V開放」ともいい、特定領域16が閉状態にあることを「V閉鎖」ともいう。
振分部材16kは一定の作動態様で制御される(つまり、特定領域16は一定の開閉態様で制御される)。例えば、第2大入賞口15の開放が開始してから15秒間、振分ソレノイド16sが通電され、振分部材16kが第2状態(図3(B))に制御される。よって、最大で29.5秒にわたって第2大入賞口15が開放するラウンド遊技では、第2大入賞口15の開放時間およびタイミングと、振分部材16kの第2状態に制御されている時間およびタイミングとの関係から、遊技球が特定領域16を通過する(遊技球を特定領域16に進入させる)ことが容易である。一方、最大で0.1秒にわたって第2大入賞口15が開放するラウンド遊技では、第2大入賞口15の開放時間およびタイミングと、振分部材16kの第2状態に制御されている時間およびタイミングとの関係から、遊技球が特定領域16を通過する(遊技球を特定領域16に進入させる)ことはほぼ不可能(困難)である。このように、振分部材16kの一定の作動態様(特定領域16の一定の開閉態様)と、大当たり遊技における第2大入賞口15の開閉態様との組み合わせで、大当たり遊技において遊技球を特定領域16に進入させることの困難性(容易性)を設定することが可能である。なお、振分部材16kの作動態様は適宜に変更可能である。後述する「パチンコ遊技機PY1の特徴部」の説明において別の作動態様を示した場合、パチンコ遊技機PY1ではその作動態様が採用されているものとする。
なお、大当たり遊技中に、遊技球の特定領域16への通過(以下、「V通過」ともいう)が容易な第1開放パターン(Vロング開放パターン)でVAT開閉部材15k及び振分部材16kが作動する大当たりを、「Vロング大当たり」といい、遊技球の特定領域16の通過が不可能又は困難な第2開放パターン(Vショート開放パターン)でVAT開閉部材15k及び振分部材16kが作動する大当たりを、「Vショート大当たり」という。
3-4.遊技状態
次に、遊技状態について説明する。パチンコ遊技機PY1は、図17に示すように、「低確率低ベース遊技状態」、「低確率高ベース遊技状態」、「高確率低ベース遊技状態」、「高確率高ベース遊技状態」および「大当たり遊技状態」の何れかの遊技状態にすることが可能である。なお、「低確率低ベース遊技状態」を「低確低ベース状態」と、「低確率高ベース遊技状態」を「低確高ベース状態」と、「高確率低ベース遊技状態」を「高確低ベース状態」と、「高確率高ベース遊技状態」を「高確高ベース状態」と、それぞれ略称することがある。遊技状態を構成する状態として、大当たり判定において「大当たり」と判定される確率に係る状態と、電チュー12Dの開放の容易性に係る状態とがある。前者としては、通常確率状態と高確率状態とがある。一方、後者としては、非時短状態と時短状態とがある。
通常確率状態は、「低確率低ベース遊技状態」または「低確率高ベース遊技状態」において設定され、大当たり判定で大当たりと判定される確率が通常の確率である状態である。高確率状態は、「高確率低ベース遊技状態」または「高確率高ベース遊技状態」において設定され、大当たり判定で大当たりと判定される確率が通常確率より高い高確率である状態である。従って、高確率状態は通常確率状態よりも遊技者に有利な遊技状態であると言える。パチンコ遊技機PY1で初めて電源投入されたときには通常確率状態が設定される。そして、大当たりに当選することによって通常確率状態から高確率状態に切り替えることが可能になる。例えば、大当たり遊技において遊技球が特定領域16を通過することによって高確率状態に切り替えることが可能である。また、大当たり図柄の種別によって高確率状態に切り替えることも可能である。高確率状態に切り替える契機をV通過とするか、大当たり図柄の種別とするかは、実現したい遊技性に応じて予め定められているものとする。高確率状態では、大当たりに当選することなく所定回数の大当たり判定が行われることや、次回の大当たりに当選することで、高確率状態から通常確率状態に切り替えることが可能である。
非時短状態は、「低確率低ベース遊技状態」、「高確率低ベース遊技状態」または「大当たり遊技状態」において設定される。時短状態は、「低確率高ベース遊技状態」または「高確率高ベース遊技状態」において設定され、非時短状態に比べて、1回の補助遊技における電チュー12Dの開放時間が長くなり易い遊技状態である。例えば、時短状態においては、非時短状態における電チュー12Dの開放時間(例えば0.08秒)よりも長い開放時間(例えば3.0秒)となる。また、時短状態では、特図変動時間の短い特図変動パターンが選択されることが非時短状態よりも多くなるように定められた特図変動パターン判定テーブルに従って、特図変動パターン判定が行われる(図13~図14参照)。その結果、時短状態では、特図保留の消化のペースが速くなり、始動口への有効な入賞(特図保留として記憶され得る入賞)が発生しやすくなる。そのため、スムーズな遊技の進行のもとで大当たりを狙うことができる。
また、時短状態は、非時短状態に比べて、普図変動時間が短くなり易くなっている。例えば、時短状態においては、非時短状態において決定される普図変動時間(30秒)よりも短い普図変動時間(5秒)が決定される(図11(B))。よって、時短状態の方が、単位時間当たりにおける普図抽選の実行回数が多い。
また、時短状態は、非時短状態に比べて、当たり判定で当たりと判定され易くなっている。例えば、時短状態では、非時短状態で当たりと判定される確率(例えば6600/65536)よりも高い確率(例えば59936/65536)で当たりと判定される(図11(A))。よって、時短状態の方が、単位時間当たりにおいて当たり判定で当たりと判定される回数が多い。
このように時短状態では、非時短状態に比して、単位時間当たりの電チュー12Dの開放時間が長くなり、第2始動口12へ遊技球が頻繁に入賞し易くなる。その結果、発射球数に対する賞球数の割合であるベースが高くなる。そのため、ベースの高い時短状態では、所持する遊技球を大きく減らすことなく大当たり当選を狙うことができる。従って、時短状態は非時短状態よりも遊技者に有利な遊技状態であると言える。
パチンコ遊技機PY1で初めて電源投入されたときには非時短状態が設定される。そして、例えば、大当たりに当選することによって時短状態が設定可能になる。時短状態では、大当たりに当選することなく所定回数の大当たり判定が行われることや、次回の大当たりに当選することで、時短状態から非時短状態に変更することが可能である。
なお、時短状態では、非時短状態に比して、当たりに当選し易く、普図変動時間が短くなり易く、且つ、1回の補助遊技における電チュー12Dの開放時間が長くなり易い。つまり、普図に係る遊技について3つの点で、遊技者に有利に設定されている。しかし、この遊技者に有利に設定されている点はこれらの中の一部であってもよい。また、時短状態における特図変動パターン判定テーブルが、非時短状態におけるものよりも、特図変動時間の短い特図変動パターンが選択され易いものでなくてもよい。
なお、パチンコ遊技機PY1で初めて電源投入された後の遊技状態は、通常確率状態且つ非時短状態が設定される「低確率低ベース遊技状態」である。この遊技状態を「通常遊技状態」ともいう。なお、「大当たり遊技状態」では、普図抽選(普図に関する当たり判定)は行われるが特図抽選(大当たり判定)は行われないため、大当たり遊技の開始に伴って、非時短状態が設定される。また、遊技状態については、前述した遊技状態の全てを用いることも一部だけを用いることも可能である。また、本明細書で説明している各種の遊技状態については、「第n遊技状態」(nは1以上の整数)の形式で任意に表現できるものとする。また、低確率低ベース遊技状態(低確低ベース状態)を低確非時短状態、低確率高ベース遊技状態(低確高ベース状態)を低確時短状態、高確率低ベース遊技状態(高確低ベース状態)を高確非時短状態、高確率高ベース遊技状態(高確高ベース状態)を高確時短状態と呼ぶことができるものとする。
4.遊技機による主な演出
次に、パチンコ遊技機PY1により行われる主な演出について、図18~図24を用いて説明する。
4-1.演出モード
最初に、演出モードについて説明する。演出モードは、演出の区分(あるいは、上位概念的な属性)のことである。パチンコ遊技機PY1は、演出モードとして、客待ち演出モード、通常演出モードと、確変演出モード、時短演出モードおよび大当たり演出モードを設定することが可能である。
客待ち演出モードは、「低確率低ベース遊技状態」、「低確率高ベース遊技状態」、「高確率低ベース遊技状態」および「高確率高ベース遊技状態」において特図変動演出が行われていないときに設定可能であり、特図変動演出が行われていない待機状態であることを示す演出モードである。客待ち演出モードが設定されているときに客待ち演出が行われる。客待ち演出では、例えば、図18(A―1)に示すように、表示部50aにおいてパチンコ遊技機PY1を紹介する客待ちデモ動画G100が表示される。また、客待ちデモ動画G100が表示されているときに通常ボタン40が操作されると、図18(A―2)に示すように、パチンコ遊技機PY1の演出に関する設定を行うための設定画面G101が表示される。演出に関する設定には、スピーカ52から出力される音の音量設定、表示部50aの輝度設定、実行される演出の頻度設定などがある。
通常演出モードは、「低確率低ベース遊技状態」または「高確率低ベース遊技状態」において特図変動演出が行われているときに設定可能であり、非時短状態であることを示す演出モードである。通常演出モードには、例えば、図18(B―1)に示すように、表示部50aにおいて昼間の山の景色を表す背景画像(昼間通常用背景画像G102)が表示される第1通常演出モードと、図18(B―2)に示すように、表示部50aにおいて夕方の山の景色を表す背景画像(夕方通常用背景画像G103)が表示される第2通常演出モードと、図18(B―3)に示すように、表示部50aにおいて夜間の山の景色を表す背景画像(夜間通常用背景画像G104)が表示される第3通常演出モードと、があり、大当たりに当選することなく1回または複数回の特図変動演出が行われることを1つの条件として切り替えられる。さらに、第1~第3通常演出モードのそれぞれには、特図変動演出において、リーチが成立する前の通常前段演出モードと、リーチが成立した後の通常後段演出モードと、がある。通常前段演出モードでは、表示部50aにおいて、昼間通常用背景画像G102、夕方通常用背景画像G103および夜間通常用背景画像G104の何れかが表示されるが、通常後段演出モードでは、リーチの種類に応じた専用の背景画像が表示される。また、「高確率低ベース遊技状態」においてのみ設定される特殊演出モードを設けても良い。
確変演出モードは、「高確率高ベース遊技状態」において特図変動演出が行われているときに設定可能な演出モードであり、高確率状態且つ時短状態であることを示す演出モードである。確変演出モードでは、例えば、図18(B―4)に示すように、表示部50aにおいて宇宙を表す背景画像(確変用背景画像G105)が表示される。さらに、確変演出モードには、特図変動演出において、リーチが成立する前の確変前段演出モードと、リーチが成立した後の確変後段演出モードと、がある。確変前段演出モードでは、表示部50aにおいて、確変用背景画像G105が表示されるが、確変後段演出モードでは、リーチの種類に応じた専用の背景画像が表示される。
時短演出モードは、「低確率高ベース遊技状態」において特図変動演出が行われているときに設定可能な演出モードであり、通常確率状態且つ時短状態であることを示す演出モードである。時短演出モードでは、例えば、図18(B―5)に示すように、表示部50aにおいて空を表す背景画像(時短用背景画像G106)が表示される。さらに、時短演出モードには、特図変動演出において、リーチが成立する前の時短前段演出モードと、リーチが成立した後の時短後段演出モードと、がある。時短前段演出モードでは、表示部50aにおいて、時短用背景画像G106が表示されるが、時短後段演出モードでは、リーチの種類に応じた専用の背景画像が表示される。
大当たり演出モードは、「大当たり遊技状態」において大当たり遊技が行われているときに設定可能な演出モードであり、大当たり遊技が行われていることを示す演出モードである。大当たり演出モードでは、例えば、大当たり遊技におけるオープニング中には、図18(C―1)に示すように、表示部50aにおいて、大当たり遊技の開始を示唆するオープニング画像G107や「右打ち」を促す右打ち画像G108が表示される大当たりオープニング演出が行われる。大当たり遊技におけるラウンド中には、図18(C―2)に示すように、表示部50aにおいて、ラウンド数を示すラウンド画像G109や払い出された賞球数を示唆する賞球数画像G110が表示されるラウンド演出が行われる。大当たり遊技におけるエンディング中には、図18(C―3)に示すように、表示部50aにおいて、大当たり遊技後に設定される演出モードを示唆するエンディング画像G111や払い出された総賞球数を示唆する総賞球数画像G112が表示される大当たりエンディング演出が行われる。
なお、演出モードの種類については、適宜に変更または追加することが可能である。
4-2.特図変動演出
次に、特図変動演出(単に「変動演出」とも言う)について説明する。パチンコ遊技機PY1は、特図の可変表示が開始されると、特図の可変表示に係る特図変動パターンおよび特図抽選結果(大当たり判定結果、大当たり図柄種別判定結果、リーチ判定結果、および、特図変動パターン判定結果)などに基づいて、特図変動演出を実行する。特図変動演出では、表示部50aにおいて、所定の背景画像に重畳的に、演出図柄の変動表示が行われる。演出図柄の変動表示では、演出図柄が変動した後に停止する。すなわち、特図変動時間、演出図柄の変動表示が行われた後に、当該変動が停止して、演出図柄の停止表示が行われる。そして、演出図柄の停止表示によって特図抽選の結果が報知される。
なお、特図変動演出では、演出図柄の変動表示以外に、画像表示装置50、スピーカ52、枠ランプ53、盤ランプ54、可動装置55,56,58、通常ボタン40、特殊ボタン41などの様々な演出装置を用いた他の演出を行うことが可能である。この場合、演出図柄の停止表示後も、他の演出を継続して行うことが可能である。
4-2-1.演出図柄表示領域
画像表示装置50の表示部50aには、図19(A)に示すように、表示部50aを水平方向に3つに略均等に分けた左側、中央および右側それぞれに、左演出図柄領域50b1、中演出図柄領域50b2、および右演出図柄領域50b3を設けることが可能である。左演出図柄領域50b1は、特図変動演出における演出図柄の停止表示のときに、左演出図柄EZ1を表示する領域である。同様に、中演出図柄領域50b2および右演出図柄領域50b3は、中演出図柄EZ2および右演出図柄EZ3を表示する領域である。
また、図19(A)に示すように、表示部50aの上端部の左端(左上隅)の一区画に、小図柄領域50cを設けることが可能である。小図柄領域50cは、特図の可変表示が行われているときに小図柄KZ1,KZ2,KZ3を変動表示する領域である。
なお、図19(A)において、左演出図柄領域50b1、中演出図柄領域50b2、右演出図柄領域50b3、および小図柄領域50cは二点鎖線で明示されているが、これは左演出図柄領域50b1、中演出図柄領域50b2、右演出図柄領域50b3、および小図柄領域50cの範囲を表すために記載したものであり、実際には表示されていない。また、各領域の範囲は適宜に変更可能である。
4-2-2.通常変動
パチンコ遊技機PY1は、特図変動演出において、先ず通常変動を行うことが可能である。通常変動は、特図の可変表示が開始されたことを示唆する演出として機能する。
特図の可変表示が開始されると、例えば、図19(A)に示すように、表示部50aにおいて、左演出図柄EZ1、中演出図柄EZ2および右演出図柄EZ3が停止表示されていると共に、左小図柄KZ1、中小図柄KZ2および右小図柄KZ3が停止表示されており、特図の可変表示が行われておらず、特図の可変表示を待機している状態から、図19(B)に示すように、その開始に伴って演出図柄EZ1,EZ2,EZ3の変動表示が開始されると共に、小図柄KZ1,KZ2,KZ3の変動表示が開始される。そして、この特図の可変表示の特図変動パターンが、例えば「通常ハズレ変動」の場合には、図19(C―1)に示すように、左演出図柄EZ1と右演出図柄EZ3とが異なる停止態様で仮停止してから、図19(D)に示すように、ハズレを示唆する停止態様(所謂バラケ目)で演出図柄EZ1,EZ2,EZ3が停止表示する。このとき、小図柄KZ1,KZ2,KZ3もハズレを示唆する停止態様で一斉に停止表示する。一方、特図の可変表示の特図変動パターンが、例えば「Nハズレ変動」などのリーチ有りの特図変動パターンの場合には、図19(C―2)に示すように、左演出図柄EZ1と右演出図柄EZ3とが同じ停止態様で仮停止して、リーチが成立する。このとき、小図柄KZ1,KZ2,KZ3の変動表示は継続して行われ、特図変動パターンに応じたリーチ演出が行われる。なお、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3の停止順序や停止態様は、適宜に変更することが可能である。
4-2-3.Nリーチ
パチンコ遊技機PY1は、通常変動においてリーチが成立するとNリーチを行うことが可能である。Nリーチは、大当たり判定の結果が「大当たり」であった可能性があることを示唆する演出であり、遊技者に大当たりを期待させるための演出として機能する。
Nリーチでは、図20(A)に示すように、リーチが成立した状態が所定時間(例えば、10秒)維持され、図20(B)に示すように、中演出図柄EZ2の変動速度が徐々に減速していく。そして、特図の可変表示の特図変動パターンが、例えば「Nハズレ変動」の場合には、図20(C―1)に示すように、ハズレを示唆する停止態様(所謂バラケ目)で演出図柄EZ1,EZ2,EZ3が停止表示する。このとき、小図柄KZ1,KZ2,KZ3もハズレを示唆する停止態様で一斉に停止表示する。一方、特図の可変表示の特図変動パターンが、例えば「N大当たり変動」の場合には、図20(C-2)に示すように、大当たりを示唆する停止態様(所謂ゾロ目)で停止表示する。このとき、小図柄KZ1,KZ2,KZ3も大当たりを示唆する停止態様で一斉に停止表示する。なお、Nリーチの演出内容は、中演出図柄EZ2が徐々に減速することに限られず、適宜に変更または追加することが可能である。
また、ハズレを示唆する演出図柄EZ1,EZ2,EZ3の停止態様に関して、リーチが成立しない場合のバラケ目を「非リーチバラケ目」や「非リーチハズレ目」と称し、リーチが成立する場合のバラケ目を「リーチバラケ目」や「リーチハズレ目」と称する。非リーチバラケ目を構成する各演出図柄EZ1,EZ2,EZ3の組み合わせをどのようにするか(例えば「2・3・1」や「5・8・6」等)、および、リーチバラケ目を構成する各演出図柄EZ1,EZ2,EZ3の組み合わせをどのようにするか(例えば「2・1・2」や「5・4・5」等)は、演出制御用マイコン121によって選択される。また、大当たりを示唆する停止態様(ゾロ目)を構成する各演出図柄EZ1,EZ2,EZ3の組み合わせをどのようにするか(例えば「2・2・2」や「7・7・7」等)は、当選した大当たり図柄の種別に基づいて、演出制御用マイコン121によって選択される。
4-2-4.SPリーチ
パチンコ遊技機PY1は、Nリーチの後にSPリーチを行うことが可能である。SPリーチは、大当たり判定の結果が「大当たり」であった可能性が、Nリーチよりも高いことを示唆する演出であり、遊技者に大当たりを期待させるための演出として機能する。
SPリーチでは、Nリーチの後に、例えば、図21(A)に示すように、表示部50aにSPリーチ専用の背景画像(SPリーチ用背景画像G113)が表示され、表示部50aの中央にSPリーチが開始されたことを表す画像(SPリーチ開始タイトル画像)G1が表示される。その後、図21(B)に示すように、SPリーチ専用演出(例えばバトル演出)が行われる。そして、SPリーチ専用演出の最終局面を迎えると、特図の可変表示の特図変動パターンが、例えば「SP大当たり変動」の場合には、図21(C―1)に示すように、表示部50aに、大当たりを示唆する演出(例えば、主人公キャラクタ(味方キャラクタの一人)がバトルに勝利して仁王立ちしている表示)が行われるとともに、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3が大当たりを示唆する停止態様(所謂ゾロ目)で停止表示する。このとき、小図柄KZ1,KZ2,KZ3も大当たりを示唆する停止態様で一斉に停止表示する。一方、特図の可変表示の特図変動パターンが、例えば「SPハズレ変動」の場合には、図21(C―2)に示すように、ハズレを示唆する演出(例えば、敵キャラクタがバトルに勝利して仁王立ちしている表示)が行われるとともに、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3がハズレを示唆する停止態様(所謂バラケ目)で停止表示する。このとき、小図柄KZ1,KZ2,KZ3もハズレを示唆する停止態様で一斉に停止表示する。なお、SPリーチの演出内容は、適宜に変更または追加することが可能である。
ここで、各リーチに対する演出図柄EZ1,EZ2,EZ3が大当たりを示す態様で停止される可能性(大当たり期待度)について詳細に説明する。各リーチに対する大当たり期待度は、大当たり判定の結果に基づく実行確率によって定められる。例えば、Nリーチの実行確率を、大当たり判定の結果が「ハズレ」の場合には10%とし、大当たり判定の結果が「大当たり」の場合には100%として、SPリーチの実行確率を、大当たり判定の結果が「ハズレ」の場合には4%とし、大当たり判定の結果が「大当たり」の場合には100%とすれば、SPリーチの大当たり期待度を、Nリーチの大当たり期待度よりも高く設定することが可能である。また、SPリーチとしてSPリーチAとSPリーチBとを実行可能にし、SPリーチAの実行確率を、大当たり判定の結果が「ハズレ」の場合には2%とし、大当たり判定の結果が「大当たり」の場合には30%として、SPリーチBの実行確率を、大当たり判定の結果が「ハズレ」の場合には2%とし、大当たり判定の結果が「大当たり」の場合には20%とすれば、SPリーチAの大当たり期待度を、SPリーチBの大当たり期待度よりも高く設定することが可能である。このように、大当たり判定の結果に応じた実行確率を適宜に設定することで、大当たり期待度を設定することが可能である。
4-2-5.Lリーチ
パチンコ遊技機PY1は、Nリーチの後にLリーチを行うことが可能である。Lリーチは、特図抽選の抽選結果が「大当たり」であった可能性が、SPリーチよりは低いがNリーチよりも高いことを示唆する演出であり、遊技者に大当たりを期待させるための演出として機能する。なお、Lリーチのリーチ演出の実行時間は、SPリーチのリーチ演出の演出時間よりも短い(図13および図14)。よって、Lリーチのリーチ演出では、例えば、SPリーチのリーチ演出よりも短い動画が表示部50aに表示される。なお、Lリーチのリーチ演出の内容は適宜変更可能である。また、Lリーチのリーチ演出の後にSPリーチのリーチ演出が発展的に実行される特図変動パターンを設けてもよい。
4-3.保留アイコン表示領域
画像表示装置50の表示部50aには、図22(A)に示すように、4つの表示領域からなる保留アイコン表示領域50dを設けることが可能である。保留アイコン表示領域50dは、第1表示領域50d1、第2表示領域50d2、第3表示領域50d3および第4表示領域50d4で構成され、特図1保留数または特図2保留数に応じて、各表示領域50d1,50d2,50d3,50d4に、保留アイコンHAを表示することが可能である。例えば、特図1保留数が『1』の場合には、第1表示領域50d1に保留アイコンHAが表示され、特図1保留数が『2』の場合には、第1表示領域50d1と第2表示領域50d2とに保留アイコンHAが表示される。
また、保留アイコン表示領域50dの近傍に、図22(A)に示すように、1つの表示領域からなる当該アイコン表示領域50eを設けることが可能である。当該アイコン表示領域50eは、特図変動演出が開始されることに応じて、保留アイコンHAと同じ当該アイコンTA(当該保留アイコンTAとも言う)を表示することが可能である。なお、当該アイコンTAとして、保留アイコンHAと異なるアイコンを表示することがあってもよい。
なお、保留アイコン表示領域50dを構成する表示領域の数については、適宜に変更することが可能である。また、保留アイコン表示領域50dを、特図1保留数および特図2保留数の両方を表示する表示領域とすることも一方だけを表示する表示領域とすることも可能である。また、保留アイコン表示領域50dを設けるが当該アイコン表示領域50eを設けない構成としたり、両者を設けない構成としたりすることも可能である。
4-3-1.保留演出
パチンコ遊技機PY1は、遊技球が第1始動口11または第2始動口12に入賞することに応じて、保留演出を行うことが可能である。保留演出は、特図1保留または特図2保留の数を遊技者に報知することが可能である。
保留演出では、特図1保留数が『0』のときに遊技球が第1始動口11に入賞すると、特図変動演出が開始され、例えば、図22(B)に示すように、当該アイコン表示領域50eに当該アイコンTAが表示される。そして、特図変動演出中に更に2個の遊技球が第1始動口11に入賞すると、図22(C)に示すように、保留アイコン表示領域50dの第1表示領域50d1と第2表示領域50d2とに保留アイコンHAが表示され、特図1保留数が『2』であることが遊技者に報知される。その後、特図変動演出が終了し、新たな特図変動演出が開始されると、図22(D)に示すように、保留アイコン表示領域50dの第1表示領域50d1に表示されていた保留アイコンHAが、当該アイコン表示領域50eに移動して当該アイコンTAとして表示され、保留アイコン表示領域50dの第2表示領域50d2に表示されていた保留アイコンHAが、第1表示領域50d1に移動して表示され、特図1保留数が『1』であることが遊技者に報知される。
4-4.予告演出
パチンコ遊技機PY1は、特図変動演出中の任意のタイミングで予告演出を行うことが可能である。予告演出は、画像表示装置50、スピーカ52、枠ランプ53、盤ランプ54、可動装置55,56,58、入力装置(通常ボタン40、特殊ボタン41)等を用いた演出であり、大当たり判定の結果や特図変動パターン判定の結果を示唆することが可能である。
4-4-1.可動体演出
パチンコ遊技機PY1は、予告演出として、可動装置55,56,58を用いた可動体演出を行うことが可能である。可動体演出は、可動装置55,56,58を作動させる演出であり、遊技者に大当たりを期待させるための演出として機能する。
可動体演出では、例えば、NリーチからSPリーチに発展する際に、図23(A)に示すように、盤上可動装置55および盤下可動装置56が作動し、盤上可動体55kと盤下可動体56kとが、表示部50a上に重なるように移動して、SPリーチに発展することが示唆される。このとき、表示部50aの盤上可動体55kおよび盤下可動体56kと重なっていないスペースにはエフェクト画像が表示される。その後、図23(B)に示すように、盤上可動体55kと盤下可動体56kとが、通常の待機状態(初期位置)に戻ってSPリーチに発展する。この可動体演出は、発展演出の一例である。なお、可動体演出については、SPリーチへの発展示唆に限られず、適宜に変更または追加することが可能である。また、可動体演出における可動装置の作動内容は、適宜に変更または追加することが可能である。また、可動体演出において作動させる可動装置は、適宜変更可能である。また、演出が発展しない場合(例えばNハズレ変動の場合)に、所謂ガセ演出として、可動体演出を行うようにすることも可能である。可動体演出を、可動体駆動演出とも言う。
4-4-2.操作演出
パチンコ遊技機PY1は、予告演出として、通常ボタン40や特殊ボタン41を用いた操作演出を行うことが可能である。操作演出は、遊技者に通常ボタン40や特殊ボタン41を操作させる演出であり、遊技者に大当たりを期待させるための演出として機能する。
操作演出では、例えば、SPリーチにおいて、入力装置(特殊ボタン41)の押下操作が有効な期間(操作有効期間)が発生し、この操作有効期間の発生に伴って、図24(A)に示すように、特殊ボタン41の操作を促す演出(操作促進演出)が行われる。操作促進演出において、表示部50aに、操作促進画像G30が表示される。操作促進画像G30は、特殊ボタン41を模した画像(特殊ボタン画像G31)と、特殊ボタン41の操作方法(すなわち、押下操作)を表す画像(操作方法指示画像G32)と、操作有効期間の残り時間を表す画像(有効期間画像G33)と、を含む。なお、有効期間画像G33は、おおむね曲線状のプログレスバーからなり、時間の経過に伴って、遊技者が操作有効期間の残り時間を容易に理解できるように変化する。その後、操作有効期間において特殊ボタン41が押下操作されることに応じて、または、操作有効期間において特殊ボタン41が操作されることなく操作有効期間が経過した後、図24(B)に示すように、盤上可動装置55が作動し、盤上可動体55kが表示部50a上に重なるように移動して、大当たり期待度が示唆される。なお、操作演出については、盤上可動装置55の作動に限られず、適宜に変更または追加することが可能である。また、特殊ボタン41や通常ボタン40といった操作手段(操作部)の操作を促す操作促進演出を、操作指示演出とも言う。
4-4-3.先読み演出
パチンコ遊技機PY1は、予告演出として、特図抽選が行われていない特図1保留または特図2保留に対する先読み演出を行うことが可能である。先読み演出は、特図1保留または特図2保留に対する特図抽選の抽選結果を事前に示唆するための演出として機能する。
先読み演出では、例えば、特図1保留に対する先読み判定の結果が「大当たり」の場合、図22(C)に示すように、保留アイコン表示領域50dに通常は「〇」で表示される保留アイコンHAを「☆」で表示することがある。また、先読み判定の結果が「ハズレ」の場合に、所謂ガセ演出として、保留アイコンHAを「☆」で表示することがある。このように、保留アイコンHAや当該アイコンTAを通常態様(本形態では「〇」、通常表示態様ともいう)ではなく特殊態様(本形態では例えば「☆」、特殊表示態様ともいう)で表示する先読み演出を、保留変化演出と言う。また、保留アイコンHAや当該アイコンTAを総称して、保留表示と言う。本形態では、保留表示として、保留アイコンHAと当該アイコンTAとを表示するが、保留アイコンHAだけを表示し当該アイコンTAを表示しない構成としてもよい。また、保留変化演出において特殊態様の保留表示を行うタイミングは、その保留表示の契機となる始動入賞の発生時であってもよいし、その保留表示のシフト表示時(保留アイコンHAの表示領域を変更したとき)であってもよいし、その保留表示に対応する特図変動(いわゆる当該変動)の実行中(当該アイコンTAとして表示しているとき)であってもよい。また、保留表示の特殊態様には複数の種類があってもよい。
なお、先読み演出は、特図1保留および特図2保留の両方または一方に対して行うことが可能である。また、先読み演出は、保留アイコンHAの表示態様の変化に限られず、適宜に変更または追加することが可能である。保留変化演出以外の先読み演出としては、例えば、所謂連続予告などが挙げられる。
5.遊技制御用マイコン101による遊技の制御
次に図25~図26に基づいて遊技制御用マイコン101による遊技の制御について説明する。なお、以下において説明する遊技制御用マイコン101による遊技の制御において登場するカウンタ、タイマ、バッファ等は、遊技用RAM104に設けられている。
[1.主制御メイン処理]
主制御基板100に備えられた遊技制御用マイコン101は、パチンコ遊技機PY1が電源投入されると、遊技用ROM103から図25に示した主制御メイン処理のプログラムを読み出して実行する。同図に示すように、主制御メイン処理では、まず、電源投入時処理(S001)を行う。電源投入時処理では、遊技用RAM104へのアクセスの許可設定、遊技用CPU102の設定、SIO、PIO、CTC(割り込み時間の管理のための回路)の設定等が行われる。
また電源投入時処理(S001)では、遊技制御用マイコン101は、RAMクリアスイッチ191への押下操作に基づく信号を入力すると、RAMクリアを実行する。RAMクリアが実行されると、遊技用RAM104に記憶されている遊技情報(例えば高確率状態などの遊技状態の情報、特図保留の数や大当たりの当否判定結果などの情報)が消去される。これにより、遊技状態は通常遊技状態(低確低ベース状態、低確非時短状態)に設定される。但し、RAMクリアが実行されても、総賞球数記憶部107aに記憶されている総賞球数の情報、総発射球数記憶部107bに記憶されている総発射球数の情報、差玉数記憶部107cに記憶されている差玉数の情報は、クリアされない。
電源投入時処理に次いで、割り込みを禁止し(S002)、普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)を実行する。この普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)では、図10(A)および図10(B)に示した種々の乱数のカウンタ値を1加算して更新する。各乱数のカウンタ値は上限値に達すると「0」に戻って再び加算される。なお各乱数のカウンタの初期値は「0」以外の値であってもよく、ランダムに変更されるものであってもよい。また各乱数のうちの少なくとも一部は、カウンタIC等からなる公知の乱数生成回路を利用して生成される所謂ハードウェア乱数であってもよい。
普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)が終了すると、割り込みを許可する(S004)。割り込み許可中は、メイン側タイマ割り込み処理(S005)の実行が可能となる。メイン側タイマ割り込み処理(S005)は、例えば4msec周期で遊技用CPU102に繰り返し入力される割り込みパルスに基づいて実行される。すなわち、メイン側タイマ割り込み処理(S005)は4msec周期で実行される。そして、メイン側タイマ割り込み処理(S005)が終了してから、次にメイン側タイマ割り込み処理(S005)が開始されるまでの間に、普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)による種々の乱数のカウンタ値の更新処理が繰り返し実行される。なお、割り込み禁止状態のときに遊技用CPU102に割り込みパルスが入力された場合は、メイン側タイマ割り込み処理(S005)はすぐには開始されず、割り込み許可(S004)がされてから開始される。
[2.メイン側タイマ割り込み処理]
次に、メイン側タイマ割り込み処理(S005)について説明する。図26に示すように、メイン側タイマ割り込み処理(S005)では、まず入力処理(S102)を実行する。入力処理(S102)では、遊技制御用マイコン101は、例えば、下皿35の満杯を検出する下皿満杯スイッチからの検出信号を取り込み、下皿満杯データとして遊技用RAM104の出力バッファに記憶する。
次に行われる普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S103)は、図25の主制御メイン処理で行う普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)と同じである。即ち、図10(A)および図10(B)に示した各種乱数のカウンタ値の更新処理は、メイン側タイマ割り込み処理(S005)の実行期間と、それ以外の期間(メイン側タイマ割り込み処理(S005)の終了後、次のメイン側タイマ割り込み処理(S005)が開始されるまでの期間)との両方で行われている。
普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S103)に次いで、遊技制御用マイコン101は、センサ検出処理(S104)を行い、続いて普通動作処理(S105)を行い、さらに特別動作処理(S107)を行う。センサ検出処理、普通動作処理および特別動作処理については後述する。
特別動作処理(S107)に次いで、振分装置16Dを制御するための振分装置制御処理(S108)を行う。なお、振分装置16Dを作動させるのは、第2大入賞装置15Dを用いた特別遊技を行う場合である。但し、振分装置16Dを、電源投入から常に一定動作で作動させてもよい。
次に、遊技制御用マイコン101は、出力処理(S112)を実行する。出力処理(S112)では、上記の各処理において主制御基板100の遊技用RAM104に設けられた出力バッファにセットされたコマンド等を、サブ制御基板120や払出制御基板170等に出力する。
その後、遊技制御用マイコン101は、その他の処理(S113)を実行して、メイン側タイマ割り込み処理(S005)を終了する。その他の処理(S113)としては、電源が断たれる際の電源断監視処理、遊技用RAM104に設けられているタイマの更新などが行われる。また、その他の処理(S113)として、遊技者に賞球を払い出す払出制御処理が行われる。払出制御処理では、各入賞口への遊技球の入賞に応じて、賞球要求信号を払出制御基板170に送信する。つまり、払出制御基板170は、賞球要求信号に基づいて、賞球を払い出す。
そして、遊技制御用マイコン101は、次に遊技用CPU102に割り込みパルスが入力されるまでは主制御メイン処理のステップS002~S004の処理を繰り返し実行し(図25参照)、割り込みパルスが入力されると(約4msec後)、再びメイン側タイマ割り込み処理(S005)を実行する。
[2-1.センサ検出処理]
センサ検出処理(S104)では、一般入賞口センサ処理、ゲートセンサ処理、第2始動口センサ処理、第1始動口センサ処理、第1大入賞口センサ処理、第2大入賞口センサ処理、特定領域センサ処理、排出口センサ処理を順次行う。そして、各処理において生成されたコマンドを遊技用RAM104の出力バッファにセットする。
一般入賞口センサ処理では、一般入賞口センサ10aによって遊技球が検出されたか否かを判定する。また、当該処理の結果に応じて、一般入賞口センサ用コマンドを生成する。
ゲートセンサ処理では、ゲートセンサ13aによって遊技球が検出されたか否かを判定する。遊技球が検出されたと判定されると、普通図柄乱数カウンタのカウンタ値が示す普通図柄乱数を取得し、取得した普通図柄乱数を、遊技用RAM104に設けられた普図保留記憶部106に記憶する。なお、普図保留記憶部106に普通図柄乱数が所定数(例えば4個)記憶されている場合には、新たに取得された普通図柄乱数は記憶されない。また、当該処理の結果に応じて、ゲートセンサ用コマンドを生成する。
第2始動口センサ処理では、第2始動口センサ12aによって遊技球が検出されたか否かを判定する。遊技球が検出されたと判定されると、特別図柄乱数カウンタ、大当たり図柄種別乱数カウンタ、リーチ乱数カウンタ及び特図変動パターン乱数カウンタからなる特図2関係乱数を取得し、取得した特図2関係乱数を、遊技用RAM104に設けられた特図2保留記憶部105bに記憶する。特図2保留記憶部105bは、第1領域から第n領域まで(nは2以上の整数、例えば「4」)の複数の記憶領域があり、取得された特図2関係乱数は、第1領域から順に記憶される。なお、第n領域まで特図2関係乱数が記憶されている場合には、新たに取得された特図2関係乱数は記憶されない。また、取得した特図2関係乱数と第2先読み判定テーブルとを用いて第2先読み判定を行う。また、当該処理の結果に応じて、特図2保留記憶部105bに記憶されている特図2関係乱数の数(特図2保留数)を表す特図2保留数コマンドおよび第2先読み判定の結果を表す第2始動入賞コマンドを含む第2始動口センサ用コマンドを生成する。
第1始動口センサ処理では、第1始動口センサ11aによって遊技球が検出されたか否かを判定する。遊技球が検出されたと判定されると、特別図柄乱数カウンタ、大当たり図柄種別乱数カウンタ、リーチ乱数カウンタ及び特図変動パターン乱数カウンタからなる特図1関係乱数を取得し、取得した特図1関係乱数を、遊技用RAM104に設けられた特図1保留記憶部105aに記憶する。特図1保留記憶部105aは、第1領域から第n領域まで(nは2以上の整数、例えば「4」)の複数の記憶領域があり、取得された特図1関係乱数は、第1領域から順に記憶される。なお、第n領域まで特図1関係乱数が記憶されている場合には、新たに取得した特図1関係乱数は記憶されない。また、取得した特図1関係乱数と第1先読み判定テーブルとを用いて第1先読み判定を行う。また、当該処理の結果に応じて、特図1保留記憶部105aに記憶されている特図1関係乱数の数(特図1保留数)を表す特図1保留数コマンドおよび第1先読み判定の結果を表す第1始動入賞コマンドを含む第1始動口センサ用コマンドを生成する。
第1大入賞口センサ処理では、第1大入賞口センサ14aによって遊技球が検出されたか否かを判定する。また、当該処理の結果に応じた第1大入賞口センサ用コマンドを生成する。
第2大入賞口センサ処理では、第2大入賞口センサ15aによって遊技球が検出されたか否かを判定する。また、当該処理の結果に応じた第2大入賞口センサ用コマンドを生成する。
特定領域センサ処理では、特定領域センサ16aによって遊技球が検出されたか否か判定する。また、当該処理の結果に応じて、特定領域センサ用コマンドを生成する。
排出口センサ処理では、排出口センサによって遊技球が検出されたか否か判定する。
[2-2.普通動作処理]
普通動作処理(S105)では、普通図柄待機処理、普通図柄変動処理、普通図柄確定処理、補助遊技制御処理を順次行う。そして、各処理において生成されたコマンドを遊技用RAM104の出力バッファにセットする。
普通図柄待機処理は、普図の可変表示および補助遊技が行われていない待機中に行われる処理である。普通図柄待機処理では、普図保留記憶部106に記憶された普通図柄乱数に基づいて当たり判定を行う。また、現在の遊技状態に基づいて普図変動パターン判定を行って普図変動パターンを決定する。そして、当たり判定および普図変動パターンの結果に関する情報を含む普図変動開始コマンドを生成する。それから、決定した普図変動パターンに対応付けられた普図変動時間に基づいて、普図の可変表示を普図表示器82に開始させる。
普通図柄変動処理は、普図の可変表示中に行われる処理である。普通図柄変動処理では、実行中の普図の可変表示が開始してから普図変動時間が経過することに応じて、当たり判定結果に基づいて普図の停止表示を行う。そして、普図の可変表示の終了を示す普図変動停止コマンドを生成する。
普通図柄確定処理は、普図が停止表示しているときに行われる処理である。普通図柄確定処理では、実行中の普図の停止表示が開始してから所定の停止時間(例えば、0.8秒)が経過することに応じて、停止表示している普図が当たり図柄であるか否かを判定する。当たり図柄が停止表示していれば、現在の遊技状態および補助遊技制御テーブルに基づいて補助遊技を開始させ、補助遊技の開始を示す補助遊技開始コマンドを生成する。
補助遊技制御処理は、補助遊技が行われているときに行われる処理である。補助遊技制御処理では、現在の遊技状態および補助遊技制御テーブルに基づいて補助遊技を制御する。また、当該処理の結果に応じて、補助遊技制御用コマンドを生成する。
[2-3.特別動作処理]
特別動作処理(S107)では、特別図柄待機処理、特別図柄変動処理、特別図柄確定処理、大当たり遊技制御処理、遊技状態設定処理を順次行う。そして、各処理において生成されたコマンドを遊技用RAM104の出力バッファにセットする。
[2-3-1.特別図柄待機処理]
特別図柄待機処理は、大当たり遊技状態ではなく、特図の可変表示が行われていない待機中に行われる処理である。特別図柄待機処理では、特図2保留記憶部105bに記憶されている特図2関係乱数に基づいて、特図2判定処理及び特図2変動パターン判定処理を行うとともに、特図2保留記憶部シフト処理を行う。また、特図1保留記憶部105aに記憶されている特図1関係乱数に基づいて、特図1判定処理及び特図1変動パターン判定処理を行うとともに、特図1保留記憶部シフト処理を行う。
特図2判定処理では、特図2保留記憶部105bの第1領域に記憶されていた特図2関係乱数のうちの特別図柄乱数と、現在の遊技状態に応じた大当たり判定テーブルとを用いて、大当たり、または、ハズレの何れであるかを判定する大当たり判定を行う。大当たり判定の結果が大当たりであれば、特図2関係乱数のうちの大当たり図柄種別乱数と、特図2大当たり図柄種別判定テーブルとを用いて、大当たり図柄の種別を判定する大当たり図柄種別判定を行う。そして、判定された大当たり図柄種別を表す図柄指定コマンドを生成する。また、大当たり判定の結果がハズレであれば、ハズレを表す図柄指定コマンドを生成する。なお、ハズレの種別を複数設け、大当たり判定の結果がハズレであれば、ハズレ図柄の種別を判定するようにしてもよい。この場合、図柄指定コマンドにはハズレ図柄の種別を示す情報を含ませるとよい。
特図2変動パターン判定処理は、特図2判定処理の後に行われる処理である。特図2変動パターン判定処理では、特図2保留記憶部105bの第1領域に記憶されていた特図2関係乱数のうちの特図変動パターン乱数と、現在の遊技状態に応じた特図2変動パターン判定テーブルとを用いて、特図2変動パターンを判定する。大当たり判定の結果がハズレであった場合の特図2変動パターン判定処理では、リーチ判定がなされ、そのリーチ判定の結果に応じて、特図2変動パターンが判定される。なお、特図2変動パターンの判定は、特図2保留記憶部105bに記憶されている特図2関係乱数の数(特図2保留数)にも関連付けられている。そして、判定された特図2変動パターンを表す特図2変動開始コマンドを生成する。特図2変動開始コマンドには、特図2であることに関する情報、大当たり判定の結果に関する情報、大当たり図柄種別判定の結果に関する情報、リーチ判定の結果に関する情報、特図2変動パターンに対応付けられた特図変動時間の情報などが含まれる。そして、判定された特図2変動パターンに対応付けられた特図変動時間に基づいて特図2表示器81bに特図2の可変表示を開始させる。
特図2保留記憶部シフト処理は、特図2判定処理及び特図2変動パターン判定処理が行われる際に行われる処理である。特図2保留記憶部シフト処理では、特図2保留記憶部105bに記憶されていた特図2関係乱数を第1領域側に一つシフトするとともに、第1領域の特図2関係乱数を特図2保留記憶部105bからクリアする。このようにして、特図2関係乱数は取得された順に消化される。そして、当該処理後の特図2保留数を表す特図2保留数コマンドを生成する。
特図1判定処理では、特図1保留記憶部105aの第1領域に記憶されていた特図1関係乱数のうちの特別図柄乱数と、現在の遊技状態に応じた大当たり判定テーブルとを用いて、大当たり、または、ハズレの何れであるかを判定する大当たり判定を行う。大当たり判定の結果が大当たりであれば、特図1関係乱数のうちの大当たり図柄種別乱数と、特図1大当たり図柄種別判定テーブルとを用いて、大当たり図柄の種別を判定する大当たり図柄種別判定を行う。そして、判定された大当たり図柄種別を表す図柄指定コマンドを生成する。また、大当たり判定の結果がハズレであれば、ハズレを表す図柄指定コマンドを生成する。なお、ハズレの種別を複数設け、大当たり判定の結果がハズレであれば、ハズレ図柄の種別を判定するようにしてもよい。この場合、図柄指定コマンドにはハズレ図柄の種別を示す情報を含ませるとよい。
特図1変動パターン判定処理は、特図1判定処理の後に行われる処理である。特図1変動パターン判定処理では、特図1保留記憶部105aの第1領域に記憶されていた特図1関係乱数のうちの特図変動パターン乱数と、現在の遊技状態に応じた特図1変動パターン判定テーブルとを用いて、特図1変動パターンを判定する。大当たり判定の結果がハズレであった場合の特図1変動パターン判定処理では、リーチ判定がなされ、そのリーチ判定の結果に応じて、特図1変動パターンが判定される。なお、特図1変動パターンの判定は、特図1保留記憶部105aに記憶されている特図1関係乱数の数(特図1保留数)にも関連付けられている。そして、判定された特図1変動パターンを表す特図1変動開始コマンドを生成する。特図1変動開始コマンドには、特図1であることに関する情報、大当たり判定の結果に関する情報、大当たり図柄種別判定の結果に関する情報、リーチ判定の結果に関する情報、特図1変動パターンに対応付けられた特図変動時間の情報などが含まれる。そして、判定された特図1変動パターンに対応付けられた特図変動時間に基づいて特図1表示器81aに特図1の可変表示を開始させる。
特図1保留記憶部シフト処理は、特図1判定処理及び特図1変動パターン判定処理が行われる際に行われる処理である。特図1保留記憶部シフト処理では、特図1保留記憶部105aに記憶されていた特図1関係乱数を第1領域側に一つシフトするとともに、第1領域の特図1関係乱数を特図1保留記憶部105aからクリアする。このようにして、特図1関係乱数は取得された順に消化される。そして、当該処理後の特図1保留数を表す特図1保留数コマンドを生成する。
なお、特図2保留数および特図1保留数の何れも存在する場合、特図2判定処理が優先して行われ、特図2の可変表示と特図1の可変表示とが並行して行われないようになっている。つまり、遊技制御用マイコン101は、特図2保留がある場合には、特図1保留があっても特図1判定処理を行うことはない。なお、特図2の可変表示と特図1の可変表示とが入賞順に行われるように構成したり、同時に行われるように構成したりしてもよい。
[2-3-2.特別図柄変動処理]
特別図柄変動処理は、特図の可変表示中に行われる処理である。特別図柄変動処理では、特図変動時間が経過することに応じて、特図表示器81に、特図の可変表示を終了させるとともに、大当たり判定の結果に応じた特図を停止表示させる。大当たり判定の結果が大当たりであれば、大当たりを示す大当たり図柄を停止表示させ、大当たり判定の結果がハズレであれば、ハズレを示すハズレ図柄を停止表示させる。そして、特図の可変表示の終了を示す特図変動停止コマンドを生成する。
[2-3-3.特別図柄確定処理]
特別図柄確定処理は、特図が停止表示しているときに行われる処理である。特別図柄確定処理では、現在停止表示している特図が大当たり図柄である場合には、大当たり遊技状態に移行させる。そして、大当たり遊技の開始を示すオープニングコマンドを生成する。オープニングコマンドには、大当たり図柄種別判定の結果に関する情報が含まれる。また、現在停止表示している特図がハズレ図柄であり且つ高確率状態を終了させる場合には、通常確率状態を設定する。そして、通常確率状態への移行を示す高確率終了コマンドを生成する。また、現在停止表示している特図がハズレ図柄であり且つ時短状態を終了させる場合には、非時短状態を設定する。そして、非時短状態への移行を示す時短終了コマンドを生成する。なお、現在停止表示している特図がハズレ図柄であり且つ特図2保留数および特図1保留数が「0」の場合には、パチンコ遊技機PY1が待機状態であることを示す客待ちコマンドを生成する。
[2-3-4.大当たり遊技制御処理]
大当たり遊技制御処理は、大当たり遊技状態において行われる処理である。大当たり遊技制御処理では、大当たり遊技制御テーブルに従って、大当たり遊技を行う。大当たり遊技状態への移行後、オープニング時間または閉鎖時間の経過に応じて、各ラウンド遊技を開始する。そして、ラウンド遊技の開始を示すラウンド遊技コマンドを生成する。また、最終のラウンド遊技を終了させることに応じて、エンディングを開始する。そして、大当たり遊技の終了を示すエンディングコマンドを生成する。エンディングコマンドには、大当たり図柄種別判定の結果に関する情報が含まれる。
[2-3-5.遊技状態設定処理]
遊技状態設定処理は、大当たり遊技状態が終了する際に行われる処理である。遊技状態設定処理では、通常確率状態から高確率状態に変更する場合は、大当たり遊技状態の終了の際に高確率状態を設定する。高確率状態の継続期間を制限する場合には、高確率状態の継続期間(例えば、大当たりに当選することなく高確率状態が継続できる特図の可変表示の回数)も併せて設定する。そして、高確率状態の設定を示す高確率設定コマンドを生成する。また、非時短状態から時短状態に変更する場合は、大当たり遊技状態の終了の際に時短状態を設定する。時短状態の継続期間を制限する場合には、時短状態の継続期間(例えば、大当たりに当選することなく時短状態が継続できる特図の可変表示の回数)も併せて設定する。そして、時短状態の設定を示す時短設定コマンドを生成する。
なお、遊技制御用マイコン101が各処理において生成するコマンドは、適宜に追加または変更することが可能である。
6.演出制御用マイコン121による演出の制御
次に、図27~図29に基づいて演出制御用マイコン121による演出の制御について説明する。なお、以下の演出制御用マイコン121による演出の制御の説明において登場するカウンタ、タイマ、フラグ、バッファ等は、演出用RAM124に設けられている。
[1.サブ制御メイン処理]
サブ制御基板120に備えられた演出制御用マイコン121は、パチンコ遊技機PY1が電源投入されると、図27に示したサブ制御メイン処理のプログラムを演出用ROM123から読み出して実行する。同図に示すように、サブ制御メイン処理では、最初に、電源投入に応じた電源投入時処理を行う(S4001)。電源投入時処理では、例えば、演出用CPU122の設定、SIO、PIO、CTC(割り込み時間の管理のための回路)等の設定等を行う。
次に、割り込みを禁止し(S4002)、乱数更新処理を実行する(S4003)。乱数更新処理(S4003)では、種々の演出に関する判定を行うための種々の演出判定用乱数カウンタの値を更新する。種々の演出についての演出判定用乱数カウンタの更新方法は、一例として、前述の主制御基板100が行う乱数更新処理と同様の方法をとることができる。更新に際して乱数値を1ずつ加算するのではなく、2ずつ加算するなどしてもよい。これは、前述の主制御基板100が行う乱数更新処理においても同様である。
乱数更新処理が終了すると、コマンド送信処理を実行する(S4004)。コマンド送信処理では、サブ制御基板120の演出用RAM124内の出力バッファに格納されている各種のコマンドを、画像制御基板140に送信する。コマンドを受信した画像制御基板140は、受信したコマンドに従って、表示部50aに画像を表示する(画像による種々の演出を実行する)。なお、サブ制御基板120は、画像制御基板140によって行われる種々の演出とともに、音声制御回路161を介してスピーカ52から音声を出力させたり(音声による種々の音演出を実行したり)、ランプ制御回路151を介して枠ランプ53、および盤ランプ54を発光させたり(発光による種々の発光演出を実行したり)、可動装置55,56,58を作動させたり(動作による種々の可動体演出を実行したり)する。このようにして、各種の演出(特図変動演出、保留演出、操作演出、先読み演出、その他の予告演出、大当たり遊技演出、客待ち演出、演出モードの制御など)が実現される。
演出制御用マイコン121は続いて、割り込みを許可する(S4005)。以降、ステップS4002~ステップS4005をループさせる。割り込み許可中においては、受信割り込み処理(S4010)、1msタイマ割り込み処理(S4011)、および10msタイマ割り込み処理(S4012)の実行が可能となる。
受信割り込み処理(S4010)は、主制御基板100から送られた各種のコマンドが演出制御用マイコン121に入力される度に実行される。受信割り込み処理(S4010)では、演出制御用マイコン121は主制御基板100の出力処理(S112)により送信されてきて受信した各種のコマンドを演出用RAM124の受信バッファに格納する。この受信割り込み処理は、他の割り込み処理(S4011、S4012)に優先して実行される。
[2.1msタイマ割り込み処理]
1msタイマ割り込み処理(S4011)は、サブ制御基板120に1msec周期の割り込みパルスが入力される度に実行される。1msタイマ割り込み処理(S4011)では、図28に示すように、入力処理(S4101)、発光データ出力処理(S4102)、可動装置制御処理(S4103)、ウォッチドッグタイマ処理(S4104)を順次行う。
入力処理では、通常ボタン検出スイッチ40aや特殊ボタン検出スイッチ41aなどの遊技者が操作可能な操作部に対する操作を検出し、検出結果に応じてコマンドをセットしたり演出用データを作成したりする。発光データ出力処理では、入力処理や後述する演出データ作成処理等で作成された演出用データに基づいて、画像による演出等に合うタイミングなどで枠ランプ53、および盤ランプ54などのランプを発光させるべく、発光データをランプ制御回路151に出力する。つまり、演出制御用マイコン121は、発光データに従って枠ランプ53、および盤ランプ54などを所定の発光態様で発光させる。可動装置制御処理では、入力処理や後述する演出データ作成処理等で作成された演出用データに基づいて、所定のタイミングで可動装置55,56,58などの可動装置を動作させる可動体演出を行うべく、駆動データを出力する。つまり、演出制御用マイコン121は、駆動データに従って、可動装置55,56,58などを所定の動作態様で動作させる可動体演出を行う。ウォッチドッグタイマ処理では、ウォッチドッグタイマのリセット設定を行う。
[3.10msタイマ割り込み処理]
10msタイマ割り込み処理(S4012)は、サブ制御基板120に10msec周期の割り込みパルスが入力される度に実行される。10msタイマ割り込み処理(S4012)では、図29に示すように、受信コマンド解析処理(S4201)、演出タイマ更新処理(S4202)、音声制御処理(S4203)、演出用データ作成処理(S4204)を順次行う。
受信コマンド解析処理では、受信割り込み処理(S4010)によって演出用RAM124の受信バッファに格納されたコマンドを解析し、そのコマンドに応じた処理(例えば演出の選択や演出モードの設定、コマンドのセット等)を行う。演出タイマ更新処理では、各演出に関する時間を計測するためのタイマを更新する。例えば、演出タイマ更新処理では、通常ボタン40や特殊ボタン41といった操作部の操作有効期間の開始タイミングや終了タイミングを計測する。音声制御処理では、入力処理や受信コマンド解析処理の処理結果に基づいて、音声データ(スピーカ52からの音声の出力を制御するデータ)の作成と音声制御回路161への出力が行われる。演出用データ作成処理では、受信コマンド解析処理の処理結果に基づいて、演出用データの作成が行われる。
ここで、演出制御用マイコン121が遊技制御用マイコン101からコマンドを受信した場合の処理の一例を説明する。演出制御用マイコン121が受信するコマンドは、特図変動開始コマンド(特図1変動開始コマンド又は特図2変動開始コマンド)とする。演出制御用マイコン121は、受信コマンド解析処理(S4201)において、特図変動開始コマンドを受信していると判定した場合、変動開始コマンド受信時処理として、そのコマンドが示す特図変動パターンに基づいて、特図変動演出の演出パターン(サブ変動パターン)を選択し、そのサブ変動パターンの情報をセットするとともに、そのサブ変動パターンの情報を含む変動演出開始コマンドを出力バッファにセットする。例えば、特図変動開始コマンドが示す特図変動パターンがSP変動(SP大当たり変動やSPハズレ変動)である場合、SPリーチを行うサブ変動パターンを選択し、そのサブ変動パターンに対応する変動演出開始コマンドを出力バッファにセットする。その後、各処理(コマンド送信処理(S4004)、発光データ出力処理(S4102)、可動装置制御処理(S4103)、音声制御処理(S4203)など)が実行されることで、選択したサブ変動パターンに対応する特図変動演出が実現される。なお、このような演出の実現に関する処理の流れは、大当たり遊技演出や客待ち演出、先読み演出、所謂当該変動に伴う予告演出などの他の演出についても基本的には同じである。
7.パチンコ遊技機PY1の特徴部
以下、パチンコ遊技機PY1の特徴部を詳細に説明する。なお、パチンコ遊技機PY1の特徴の1つは、擬似連演出にある。
まず、パチンコ遊技機PY1の遊技制御用マイコン101が実行可能な大当たり遊技について説明する。遊技制御用マイコン101は、図30の大当たり遊技制御テーブルに示す各種の大当たり遊技(大当たり遊技1~4)を実行可能である。
図30に示すように、遊技制御用マイコン101は、特図1判定処理(第1始動口11への入賞に基づく特図判定処理)における大当たり図柄種別判定では、「大当たり図柄1」又は「大当たり図柄2」の何れかを決定可能である。より詳細には、遊技制御用マイコン101は、「大当たり図柄1」を60%の割合で決定し、「大当たり図柄2」を40%の割合で決定する。また、遊技制御用マイコン101は、特図2判定処理(第2始動口12への入賞に基づく特図判定処理)における大当たり図柄種別判定では、「大当たり図柄3」又は「大当たり図柄4」の何れかを決定可能である。より詳細には、遊技制御用マイコン101は、「大当たり図柄3」を60%の割合で決定し、「大当たり図柄4」を40%の割合で決定する。
そして、遊技制御用マイコン101は、決定した大当たり図柄の種別に応じた大当たり遊技を実行する。具体的には、「大当たり図柄1」が決定された場合に実行される「大当たり遊技1」、および、「大当たり図柄2」が決定された場合に実行される「大当たり遊技2」では、ラウンド遊技が10回行われる。そして、1Rから4Rまでは1回のラウンド遊技当たり最大で29.5秒にわたって第1大入賞口14を開放し、5Rから10Rまでは1回のラウンド遊技当たり最大で0.1秒にわたって第1大入賞口14を開放する。この大当たり遊技の5Rから10Rまでは、第1大入賞口14の開放時間が極めて短く、現実的には第1大入賞口14への入賞が見込めないラウンドとなっている。つまり、この大当たり遊技におけるラウンド遊技の総数は10回であるものの、実質的なラウンド遊技の回数は4回である。
また、「大当たり図柄3」が決定された場合に実行される「大当たり遊技3」、および、「大当たり図柄4」が決定された場合に実行される「大当たり遊技4」では、ラウンド遊技が10回行われる。そして、1Rから10Rまでの全てにおいて、1回のラウンド遊技当たり最大で29.5秒にわたって第1大入賞口14を開放する。つまり、この大当たり遊技は、ラウンド遊技の総数も実質的なラウンド遊技の回数も10回である。
従って、実質的なラウンド遊技の回数が10回である「大当たり遊技3」や「大当たり遊技4」は、実質的なラウンド遊技の回数が4回である「大当たり遊技1」または「大当たり遊技2」よりも遊技者に有利な大当たり遊技であると言え、「大当たり遊技3」や「大当たり遊技4」が実行される大当たり遊技状態は、「大当たり遊技1」または「大当たり遊技2」が実行される大当たり遊技状態よりも遊技者に有利な遊技状態と言える。
次に、遊技制御用マイコン101が制御可能な遊技状態について説明する。遊技制御用マイコン101は、「大当たり遊技1」、「大当たり遊技2」、「大当たり遊技3」、および「大当たり遊技4」の何れの大当たり遊技を実行した場合でも、大当たり遊技後の遊技状態を、時短状態(高ベース状態)に設定する。また、「大当たり遊技1」又は「大当たり遊技3」の何れかの大当たり遊技を実行した場合には、大当たり遊技後の遊技状態を、高確率状態に設定する一方、「大当たり遊技2」又は「大当たり遊技4」の何れかの大当たり遊技を実行した場合には、大当たり遊技後の遊技状態を、通常確率状態に設定する。つまり、「大当たり遊技1」又は「大当たり遊技3」の後は、高確率高ベース遊技状態(高確率状態且つ時短状態)に制御し、「大当たり遊技2」又は「大当たり遊技4」の後は、低確率高ベース遊技状態(通常確率状態且つ時短状態)に制御する。
本形態では、大当たり遊技の終了に応じて高確率高ベース遊技状態に制御される大当たり(確変大当たりと称する)に当選した場合には、変動演出における演出図柄EZ1,EZ2,EZ3の最終的な停止態様として、奇数図柄(1図柄、3図柄、5図柄、7図柄、又は9図柄)のゾロ目、又は、偶数図柄(2図柄、4図柄、6図柄、又は8図柄)のゾロ目が表示される。一方、大当たり遊技の終了に応じて低確率高ベース遊技状態に制御される大当たり(通常大当たりや時短大当たりと称する)に当選した場合には、変動演出における演出図柄EZ1,EZ2,EZ3の最終的な停止態様として、偶数図柄のゾロ目が表示され、奇数図柄のゾロ目が表示されることはない。つまり、奇数図柄のゾロ目は確変大当たりが確定する。よって奇数図柄を確変図柄とも言う。また、偶数図柄のゾロ目は通常大当たりの可能性がある。よって偶数図柄を通常図柄とも言う。
本形態では、「高確率高ベース遊技状態」は、次回の大当たり遊技が実行されるまで継続可能とする。一方、「低確率高ベース遊技状態」は、特図の可変表示の回数が100回(所定の上限実行回数)となるまで継続可能とする。
従って、その後に高確率状態が設定される「大当たり遊技1」又は「大当たり遊技3」は、その後に高確率状態が設定されない「大当たり遊技2」又は「大当たり遊技4」よりも遊技者に有利な大当たり遊技であると言える。また、「大当たり遊技1」又は「大当たり遊技3」が実行される大当たり遊技状態は、「大当たり遊技2」又は「大当たり遊技4」が実行される大当たり遊技状態よりも遊技者に有利な遊技状態と言える。
なお、大当たり遊技状態は、大当たり図柄の種類を問わず、通常遊技状態よりも有利な遊技状態と言える。また、高確率状態の1つである「高確率高ベース遊技状態」は、通常確率状態の1つである「低確率高ベース遊技状態」よりも遊技者に有利な遊技状態と言える。本明細書では、遊技者に有利な遊技状態を有利遊技状態あるいは有利状態と言うことがある。
次に、パチンコ遊技機PY1が実行可能な擬似連演出について説明する。擬似連演出とは、1回の特別図柄の変動表示(特図変動)において複数回の変動が行われているように見せる演出であり、擬似連演出を伴う変動演出は、全ての演出図柄EZ1,EZ2,EZ3を一旦仮停止表示させたあと再び変動表示させる再変動表示を1回以上含む。本形態では、仮停止表示に係る演出図柄EZ1,EZ2,EZ3の出目は、所定の擬似連出目である。具体的には、中演出図柄EZ2を、擬似連演出の実行を示唆する擬似連図柄GZ(特定画像に相当)とする出目である(図32(E)参照)。擬似連図柄GZは、擬似連演出を意味する「擬似」の文字を含む演出図柄(アイコン)である。擬似連図柄GZの表示(擬似連表示)は、実行中の演出が擬似連演出であることを示す表示とも言えるし、擬似連演出の実行を示唆する表示とも言える。擬似連演出を、単に「擬似連」とも言う。また後述するように、擬似連演出は、実行される回数が多いほど大当たり期待度が高くなるように実行される。
なお、仮停止表示とは、演出図柄の変動速度は「0」であるが、演出図柄が表示されている位置で揺れたり拡大や縮小を繰り返したりといった変化をしており、完全に停止していない状態を言う。これに対して、確定停止表示(確定的な停止表示)や最終停止表示(最終的な停止表示)と言った場合には、演出図柄が完全に停止している状態を言う。単に「停止表示」という場合は、仮停止表示を指すこともあるし、確定停止表示を指すこともある。
本形態のパチンコ遊技機PY1は、擬似連を様々なパターンで実行することが可能である。すなわち本形態では、変動演出における種々のタイミングで擬似連が発生し得るようになっている。図31は、擬似連の発生パターンを説明するための図である。図31に示すように、擬似連の発生パターンには、「擬似連煽り」で成功するパターン(「所定の基準パターン」に相当)、「図柄滑り」が行われるパターン(「第1の非基準パターン」に相当)、「擬似連成否演出」で成功するパターン、SPリーチにおいて「継続」の文字表示がなされるパターン(「第2の非基準パターン」に相当)、の4つが含まれる。なお本形態では、各演出図柄EZ1,EZ2,EZ3はそれぞれ、1~9までの数字図柄(1図柄~9図柄)を含み、何れかの図柄で停止され得るものとする。
まず、「擬似連煽り」について説明する。擬似連煽り(「煽り演出」に相当)は、左演出図柄EZ1および右演出図柄EZ3が停止表示された後に行われる演出であって、中演出図柄EZ2として擬似連図柄GZが停止表示されるか否かを煽る演出である。擬似連煽りは、擬似連が実行されることに期待させる演出として機能する。図31に示すように、演出図柄の変動表示において左演出図柄EZ1と右演出図柄EZ3が非リーチの状態(非リーチ状態)で停止表示された場合、中演出図柄EZ2がそのまま数字図柄で停止してハズレ目が形成される場合と、擬似連煽りが行われる場合とがある。擬似連煽りには、中演出図柄EZ2として擬似連図柄GZが停止表示されない失敗の態様と、擬似連図柄GZが停止表示される成功の態様とがある。失敗の擬似連煽りが行われた場合には、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3はハズレ目で停止表示される。一方、成功の擬似連煽りが行われた場合には、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3は再び変動表示される。
図32は、擬似連煽りが行われる場合の表示部50aの図である。図32(A)(B)に示すように、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3の変動表示において左演出図柄EZ1及び右演出図柄EZ3が非リーチの状態で停止表示された後、擬似連煽りが行われることがある。擬似連煽りでは、中演出図柄EZ2である擬似連図柄GZが停止位置に向けて比較的ゆっくりと移動表示される(図32(B))。これにより、中演出図柄EZ2として擬似連図柄GZが停止表示されるか否かが煽られる。
失敗の擬似連煽りでは、図32(C)に示すように、擬似連図柄GZが所定の停止位置(中演出図柄EZ2の停止位置)で止まることなく表示部50aからフレームアウトするまで移動表示され、中演出図柄EZ2として、ハズレ目(バラケ目)を構成する数字図柄(例えば2図柄)が停止表示される。そしてこの出目で、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3が確定的に停止表示される(図32(D))。
一方、成功の擬似連煽りでは、図32(E)に示すように、中演出図柄EZ2として擬似連図柄GZが停止表示される。擬似連図柄GZの停止表示は、「特定画像の表示」に相当する。その後、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3の再変動表示が行われる(図32(F))。このようにして、成功の擬似連煽りを経て擬似連演出が行われる。
次に、「図柄滑り」について説明する。図柄滑り(「図柄変化演出」に相当)は、リーチの状態(リーチ状態)を形成している演出図柄EZ1,EZ2,EZ3のうち右演出図柄EZ3を滑らせて別の数字図柄で停止表示することにより非リーチの状態にする演出である。図31に示すように、演出図柄の変動表示において左演出図柄EZ1及び右演出図柄EZ3がリーチの状態で停止表示された場合、図柄滑りが行われる場合と、Nリーチのリーチ演出が行われる場合とがある。図柄滑りが行われた場合には、成功の擬似連煽りが行われた場合と同様、中演出図柄EZ2として擬似連図柄GZが停止表示されて、全ての演出図柄EZ1,EZ2,EZ3が再変動表示される。
図33は、図柄滑りに分岐する場合の表示部50aの図である。図33(A)(B)に示すように、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3の変動表示において左演出図柄EZ1および右演出図柄EZ3がリーチの状態で停止表示された場合、図33(C)に示すようにNリーチのリーチ演出が行われる場合と、図33(E)(F)に示すように図柄滑りが行われる場合とがある。図柄滑りが行われる場合、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3がリーチの状態で停止表示された後であって図柄滑りが行われる前に、所定のキャラクタ(リンゴをモチーフとしたミニキャラA)を表現したミニキャラ画像G40(「第1の示唆画像」に相当)が表示部50aに表示される(図33(D))。このミニキャラ画像G40が表示部50aに表示される演出をミニキャラ表示演出という。このミニキャラ表示演出では、ミニキャラAが表示部50aにフレームインして右演出図柄EZ3にとまる様子が表現される。
図柄滑りは、このミニキャラ表示演出の後で実行される。図柄滑りでは、まず、右演出図柄EZ3の前方に重なるように、所定のエフェクトを表現したエフェクト画像G41が表示される(図33(E))。そして、右演出図柄EZ3として停止表示されていた数字図柄(例えば3図柄)がエフェクト画像G41とともに下方に滑ってフレームアウトし(右演出図柄EZ3として停止表示されていた数字図柄が下方に移動してフレームアウトし)、別の数字図柄(例えば4図柄)が上からスクロールしてきて停止表示される(図33(F)(G))。これにより、左演出図柄EZ1および右演出図柄EZ3は非リーチの状態に変化する。その後は、成功の擬似連煽りと同様に、擬似連図柄GZが停止位置に向けてゆっくりと移動してきて(図33(G))、中演出図柄EZ2として停止表示される。そして、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3の再変動表示が行われることとなる。
このように本形態では、図柄滑りの前にはミニキャラ表示演出が行われ、図柄滑りが行われると擬似連図柄GZの停止表示および演出図柄EZ1,EZ2,EZ3の再変動表示が行われる。よって、ミニキャラ表示演出(ミニキャラ画像G40の表示)は、図柄滑りの実行を示唆する演出として機能するとともに、擬似連の実行を示唆する演出としても機能する。また本形態では、ミニキャラ表示演出(ミニキャラ画像G40の表示)は、変動演出におけるNリーチ(図33(C))の開始タイミングよりも前のタイミングで開始される(図33(B)(D)参照)。よって、リーチが形成されたので擬似連は行われずNリーチのリーチ演出が行われるだろうと思っている遊技者に対して、嬉しい驚きを与えることが可能である。
次に、「擬似連成否演出」について説明する。擬似連成否演出(「特定発展演出」に相当)は、Nリーチからの発展先の1つであり、擬似連が実行されることを示唆する成功の態様と、擬似連は実行されずハズレであることを示唆する失敗の態様とに分岐する演出である。すなわち、擬似連成否演出は、成功することにより擬似連の実行を示唆する演出である。擬似連成否演出は、擬似連の実行に期待させる演出として機能する。図31に示すように、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3の変動表示においてNリーチのリーチ演出が行われた場合、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3が大当たり当選を示す出目(ゾロ目)で停止表示されるときと、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3がハズレを示す出目(リーチハズレ目)で停止表示されるときと、演出を発展させるときとがある。Nリーチからの発展先には、SPリーチと、擬似連成否演出とがある。そして、擬似連成否演出には成功の態様と失敗の態様とがある。成功の擬似連成否演出が行われた場合には、中演出図柄EZ2として擬似連図柄GZが停止表示され、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3が再び変動表示される。つまり、成功の擬似連成否演出が行われた場合には擬似連が行われる。一方、失敗の擬似連成否演出が行われた場合には、中演出図柄EZ2として左演出図柄EZ1および右演出図柄EZ3とは異なる数字図柄が停止表示される。すなわち、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3がリーチハズレ目で停止表示される。
図34は、擬似連成否演出に分岐する場合を示す表示部50aの図であり、図35は、擬似連成否演出を示す表示部50aの図である。図34(A)に示すようにNリーチが行われた場合、図34(B)(C)に示すようにSPリーチに発展する場合と、図34(D)に示すように擬似連成否演出に発展する場合とがある。擬似連成否演出では、まず、「救出ミッション 成功で「擬似連図柄」get!」という説明画像G45が表示部50aに表示される(図34(D)、図35(A))。説明画像G45の表示により、これから行われる擬似連成否演出の意味が遊技者に伝えられる。続いて、本形態のパチンコ遊技機PY1のモチーフとなっている作品に登場する味方キャラクタがヒロインの救出に向かうシーンが表示される(図35(B))。そして成否分岐を迎え、成功の態様の擬似連成否演出であれば、ヒロインが救出されて喜んでいるシーンとともに「成功」の文字画像G46が表示部50aに表示される(図35(C))。図35(C)に示す画像が所定時間(例えば3秒)表示された後に非表示とされると、昼間通常用背景画像G102を表示している画面に戻って、中演出図柄EZ2が擬似連図柄GZで停止表示され(図35(D))、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3が再変動表示される。このようにして、成功の態様の擬似連成否演出を経て擬似連演出が行われる。
これに対して、失敗の態様の擬似連成否演出であれば、ヒロインが救出されず悲しんでいるシーンとともに「失敗」の文字画像G47が表示部50aに表示される(図35(E))。図35(E)に示す画像が所定時間(例えば3秒)表示された後に非表示とされると、昼間通常用背景画像G102を表示している画面に戻って、中演出図柄EZ2が左演出図柄EZ1および右演出図柄EZ3とは異なる数字図柄で停止表示され、そしてその出目で、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3が確定的に停止表示される(図35(F))。
次に、「SPリーチにおける「継続」の文字表示」について説明する。図31に示すように、NリーチからSPリーチ(「所定のリーチ演出」に相当)に発展した場合、SPリーチにおいて大当たり当選が示される場合と、ハズレが示される場合と、SPSPリーチにさらに演出が発展することを示唆する「発展」の文字画像G48が表示される場合と、擬似連演出(擬似連図柄GZの停止表示および演出図柄EZ1,EZ2,EZ3の再変動表示)がなされることを示唆する「継続」の文字画像G49が表示される場合とがある。「発展」の文字画像G48が表示された場合には、SPリーチよりも大当たり期待度が高いSPSPリーチが実行され、SPSPリーチにおいて大当たり当選又はハズレが示される。SPリーチにおいて「継続」の文字画像G49が表示された場合には、中演出図柄EZ2が擬似連図柄で停止表示され、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3が再変動表示される。
図36は、SPリーチからSPSPリーチに発展する場合と擬似連に繋がる場合との分岐を示す図である。本形態では、SPリーチとして、味方キャラクタと敵キャラクタとがバトルを行うバトルリーチを実行することが可能である。また、SPSPリーチとして、変身した味方キャラクタがボスの敵キャラクタとバトルを行う最終バトルリーチを実行することが可能である。SPリーチからSPSPリーチに発展する場合、図36(A)(B)に示すように、味方キャラクタと敵キャラクタとのバトルをある程度進行させた後、鎧をまとっている強い形態へと変身した味方キャラクタの画像を表示部50aに表示するとともに、「発展」の文字画像G48を表示部50aに表示する。これにより遊技者には、SPリーチからSPSPリーチに発展することが示唆される。その後、パチンコ遊技機PY1は、変身した味方キャラクタとボスの敵キャラクタとがバトルを行うことを表すSPSPリーチの画像を表示部50aに表示する(図36(C))。なお図示を省略するが、SPSPリーチでは、変身した味方キャラクタとボスの敵キャラクタとのバトルシーンが表示された後、大当たり当選であれば、変身した味方キャラクタが勝利する画像とともに、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3がゾロ目で停止表示され、ハズレであれば、変身した味方キャラクタが敗北する画像とともに、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3がリーチハズレ目で停止表示される。
また、SPリーチから擬似連に繋がる場合、図36(A)(D)(E)に示すように、味方キャラクタと敵キャラクタとのバトルをある程度進行させた後(図36(A)(D))、味方キャラクタの上半身のアップの画像を表示部50aに表示するとともに、「継続」の文字画像G49を表示部50aに表示する(図36(E))。これにより遊技者には、擬似連が行われることが示唆される。その後、パチンコ遊技機PY1は、昼間通常用背景画像G102を表示している画面に戻して、中演出図柄EZ2を擬似連図柄GZとする擬似連出目を表示して(図36(F))、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3の再変動表示を行う。このようにして、SPリーチにおける「継続」の文字表示を経て擬似連演出が行われる。
ここで、SPリーチにおいて「発展」の文字画像G48が表示される場合(図36(B))も、SPリーチにおいて「継続」の文字画像G49が表示される場合(図36(E))も、これらへの分岐前の演出画像(味方キャラクタと敵キャラクタとのバトルのシーンの画像)は、図36(A)に示す通り共通している。そして本形態では、SPリーチにおいて「継続」の文字画像G48が表示される場合、共通の演出画像の表示中に、所定のキャラクタ(リンゴをモチーフとしたミニキャラA)を表現したミニキャラ画像G50(「第2の示唆画像」に相当)が表示部50aに表示される(図36(D))。つまり、上述の図柄滑りのときと同様、ミニキャラ表示演出が行われる。SPリーチ中のミニキャラ表示演出では、ミニキャラAが表示部50aにフレームインして味方キャラクタにとまる様子が表現される。なお本形態では、図柄滑りの実行前に行われるミニキャラ表示演出で表示されるミニキャラ画像G40と、「継続」の文字画像G49の表示前に行われるミニキャラ表示演出で表示されるミニキャラ画像G50とは同じ画像である。なお、両画像は、同じ対象(本形態ではミニキャラA)を表す画像であれば、姿勢や表情や動き等が異なるなど、全く同じ画像でなくてもよい。
このように本形態では、SPリーチにおいて「継続」の文字画像G49等が表示される前には(つまり図36(E)に示す演出画像の表示の前には)、ミニキャラ画像G50を表示するミニキャラ表示演出が行われ(図36(D))、「継続」の文字画像G49等が表示されると擬似連図柄GZの停止表示および演出図柄EZ1,EZ2,EZ3の再変動表示が行われる(図36(F))。よって、このミニキャラ表示演出(ミニキャラ画像G50の表示)は、「継続」の文字画像G49が表示されることを示唆する演出として機能するとともに、擬似連の実行を示唆する演出としても機能する。また本形態では、ミニキャラ画像G50を表示するミニキャラ表示演出は、SPリーチにおける「発展」の文字画像G48の表示(図36(B))のタイミングよりも前のタイミングで開始される(図36(A)(D)参照)。よって、SPリーチに発展したので擬似連はもう行われないだろうと思っている遊技者に対して、嬉しい驚きを与えることが可能である。なお、最終的に「発展」の文字画像G48を表示するSPリーチを、「発展の態様のSPリーチ」と称し、最終的に「継続」の文字画像G49を表示するSPリーチを、「継続の態様のSPリーチ」と称するものとする。「発展の態様のSPリーチ」は、「所定のリーチ演出における非特定態様の演出」に相当し、「継続の態様のSPリーチ」は、「所定のリーチ演出における特定態様の演出」に相当する。
また本形態では、図柄滑りの実行前に行われるミニキャラ表示演出で表示されるミニキャラ画像G40と、「継続」の文字画像G49の表示前に行われるミニキャラ表示演出で表示されるミニキャラ画像G50とは、同じ対象(本形態ではミニキャラA)を表す画像である。よって、本形態においてミニキャラAは擬似連の実行を示唆する役割を持っていることを、遊技者に容易に認識させることが可能である。なお本形態では、「図柄滑り」及び「継続の態様のSPリーチ」を除いて、ミニキャラAが表示されることはない。
次に、非時短状態における特図1の変動パターン判定について説明する。遊技制御用マイコン101は、非時短状態では、図37~図39に示す特図1変動パターン判定テーブルを用いて特図1変動パターンを判定する。なお、特図変動パターンには演出が関連付けられており、図37~図39に示す判定テーブルを用いた特図変動パターン判定の結果に基づいて演出制御用マイコン121が演出を実行することで、上記した各パターンの擬似連演出が実行されるようになっている。
遊技制御用マイコン101は、非時短状態に設定しているときの特図1変動パターン判定処理において、特図1判定処理で行った大当たり判定の結果、リーチ判定の結果、および特図変動パターン乱数に基づいて、特図1変動パターンを決定する。図37は、大当たり判定において大当たり当選と判定した場合の特図1変動パターン判定テーブルである。図37に示すように、遊技制御用マイコン101は、大当たり判定において大当たり当選と判定した場合には、特図1変動パターンとして、「THP001」~「THP017」の何れかを決定することが可能である。何れの特図1変動パターンに決定するかは、特図変動パターン乱数によって振り分けられる。振分率は、図37に示す通りである。なお、特図変動パターンの振分率(選択割合)については、演出の役割が維持できる範囲で適宜に変更することが可能である。このことは、「THP001」~「THP017」以外の特図変動パターンについても同様である。
図38は、大当たり判定においてハズレと判定した場合であって、リーチ判定において「リーチ有り」と判定した場合の特図1変動パターン判定テーブルである。図38に示すように、遊技制御用マイコン101は、大当たり判定においてハズレと判定した場合であって、リーチ判定において「リーチ有り」と判定した場合には、特図1変動パターンとして、「THP021」~「THP037」の何れかを決定することが可能である。
図39は、大当たり判定においてハズレと判定した場合であって、リーチ判定において「リーチ無し」と判定した場合の特図1変動パターン判定テーブルである。図39に示すように、遊技制御用マイコン101は、大当たり判定においてハズレと判定した場合であって、リーチ判定において「リーチ無し」と判定した場合には、特図1変動パターンとして、「THP031」~「THP034」の何れかを決定することが可能である。この4種類の特図1変動パターンのうち何れに決定するかは、特図1保留数に応じて振分率が異なっている。具体的には、特図1保留数が3~4個の場合(特図1保留数が比較的大きい場合)には、特図変動時間が比較的短い特図変動パターン(具体的には変動時間が5秒の特図変動パターンTHP043)が決定され易く、特図1保留数が0~2個の場合(特図1保留数が比較的小さい場合)には、特図変動時間が比較的長い特図変動パターン(具体的には変動時間が10秒以上の特図変動パターンTHP040、THP041、又は、THP042)が決定され易くなっている。
ここで、図37に示すように、特図変動パターン「THP001」~「THP004」は、2回の擬似連演出を経てSPSPリーチ(最終バトルリーチ)に発展して成功演出(勝利演出)が行われる変動(擬似3SPSP大当たり変動)である。「擬似3SPSP大当たり変動」には、擬似連の発生パターンが異なる4つの種類がある。擬似3SPSP大当たり変動1(THP001)は、1回目の擬似連として「成功の擬似連成否演出(図35(A)~(D))」又は「継続の態様のSPリーチ(図36(A)(D)(E)(F))」が行われ、2回目の擬似連としても「成功の擬似連成否演出」又は「継続の態様のSPリーチ」が行われる変動である。また、擬似3SPSP大当たり変動2(THP002)は、1回目の擬似連として「成功の擬似連成否演出」又は「継続の態様のSPリーチ」が行われ、2回目の擬似連として「成功の擬似連煽り(図32(B)(E))」又は「図柄滑り(図33(D)~(G))」が行われる変動である。また、擬似3SPSP大当たり変動3(THP003)は、1回目の擬似連として「成功の擬似連煽り」又は「図柄滑り」が行われ、2回目の擬似連として「成功の擬似連成否演出」又は「継続の態様のSPリーチ」が行われる変動である。また、擬似3SPSP大当たり変動4(THP004)は、1回目の擬似連として「成功の擬似連煽り」又は「図柄滑り」が行われ、2回目の擬似連としても「成功の擬似連煽り」又は「図柄滑り」が行われる変動である。擬似3SPSP大当たり変動1~4の各振分率はそれぞれ8%であり、合算では32%である。
なお、「擬似連」が行われる変動を「擬似連変動」と言う。また、擬似連が1回実行される変動を「擬似2変動」と言い、擬似連が2回実行される変動を「擬似3変動」と言う。つまり、擬似連は1回実行されると「擬似2」と数え、2回実行されると「擬似3」と数える。「擬似連煽り」や「擬似連成否演出」は、擬似連が実行されることに期待させる演出として機能する。また、成功の擬似連煽り、図柄滑り、成功の擬似連成否演出、継続の態様のSPリーチは、擬似連が実行されることを示唆する演出として機能する。また、失敗の擬似連煽り、失敗の擬似連成否演出は、擬似連が実行されないことを示唆する演出や、ハズレであることを示す演出として機能する。
また、図37に示すように、特図変動パターン「THP005」~「THP008」は、2回の擬似連演出を経てSPリーチ(バトルリーチ)に発展して成功演出(勝利演出)が行われる変動(擬似3SP大当たり変動)である。「擬似3SP大当たり変動」には、擬似連の発生パターンが異なる4つの種類がある。擬似3SP大当たり変動1(THP005)は、1回目の擬似連として「成功の擬似連成否演出(図35(A)~(D))」又は「継続の態様のSPリーチ(図36(A)(D)(E)(F))」が行われ、2回目の擬似連としても「成功の擬似連成否演出」又は「継続の態様のSPリーチ」が行われる変動である。また、擬似3SP大当たり変動2(THP006)は、1回目の擬似連として「成功の擬似連成否演出」又は「継続の態様のSPリーチ」が行われ、2回目の擬似連として「成功の擬似連煽り(図32(B)(E))」又は「図柄滑り(図33(D)~(G))」が行われる変動である。また、擬似3SP大当たり変動3(THP007)は、1回目の擬似連として「成功の擬似連煽り」又は「図柄滑り」が行われ、2回目の擬似連として「成功の擬似連成否演出」又は「継続の態様のSPリーチ」が行われる変動である。また、擬似3SP大当たり変動4(THP008)は、1回目の擬似連として「成功の擬似連煽り」又は「図柄滑り」が行われ、2回目の擬似連としても「成功の擬似連煽り」又は「図柄滑り」が行われる変動である。擬似3SP大当たり変動1~4の各振分率はそれぞれ3%であり、合算では12%である。
また、図37に示すように、特図変動パターン「THP009」~「THP010」は、1回の擬似連演出を経てSPSPリーチ(最終バトルリーチ)に発展して成功演出(勝利演出)が行われる変動(擬似2SPSP大当たり変動)である。「擬似2SPSP大当たり変動」には、擬似連の発生パターンが異なる2つの種類がある。擬似2SPSP大当たり変動1(THP009)は、擬似連として「成功の擬似連成否演出(図35(A)~(D))」又は「継続の態様のSPリーチ(図36(A)(D)(E)(F))」が行われる変動である。また、擬似2SPSP大当たり変動2(THP010)は、擬似連として「成功の擬似連煽り(図32(B)(E))」又は「図柄滑り(図33(D)~(G))」が行われる変動である。擬似2SPSP大当たり変動1~2の各振分率はそれぞれ10%であり、合算では20%である。
また、図37に示すように、特図変動パターン「THP011」~「THP012」は、1回の擬似連演出を経てSPリーチ(バトルリーチ)に発展して成功演出(勝利演出)が行われる変動(擬似2SP大当たり変動)である。「擬似2SP大当たり変動」には、擬似連の発生パターンが異なる2つの種類がある。擬似2SP大当たり変動1(THP011)は、擬似連として「成功の擬似連成否演出(図35(A)~(D))」又は「継続の態様のSPリーチ(図36(A)(D)(E)(F))」が行われる変動である。また、擬似2SP大当たり変動2(THP012)は、擬似連として「成功の擬似連煽り(図32(B)(E))」又は「図柄滑り(図33(D)~(G))」が行われる変動である。擬似2SP大当たり変動1~2の各振分率はそれぞれ5%であり、合算では10%である。
また、図37に示すように、特図変動パターン「THP013」~「THP014」は、1回の擬似連演出を経て大当たり当選を示すNリーチが行われる擬似2N大当たり変動である。「擬似2N大当たり変動」には、擬似連の発生パターンが異なる2つの種類がある。擬似2N大当たり変動1(THP013)は、擬似連として「成功の擬似連成否演出(図35(A)~(D))」又は「継続の態様のSPリーチ(図36(A)(D)(E)(F))」が行われる変動である。また、擬似2N大当たり変動2(THP014)は、擬似連として「成功の擬似連煽り(図32(B)(E))」又は「図柄滑り(図33(D)~(G))」が行われる変動である。擬似2N大当たり変動1~2の各振分率はそれぞれ3%であり、合算では6%である。
また、図37に示すように、特図変動パターン「THP015」は、1回も擬似連演出が行われることなくSPSPリーチ(最終バトルリーチ)に発展して成功演出(勝利演出)が行われる変動(SPSP大当たり変動)である。また、特図変動パターン「THP016」は、1回も擬似連演出が行われることなくSPリーチ(バトルリーチ)に発展して成功演出(勝利演出)が行われる変動(SP大当たり変動)である。また、特図変動パターン「THP017」は、1回も擬似連演出が行われることなく大当たり当選を示すNリーチが行われるN大当たり変動である。SPSP大当たり変動の振分率は12%であり、SP大当たり変動の振分率は7%であり、N大当たり変動の振分率は1%である。
また、図38に示すように、特図変動パターン「THP021」~「THP024」は、2回の擬似連演出を経てSPSPリーチ(最終バトルリーチ)に発展して失敗演出(敗北演出)が行われる変動(擬似3SPSPハズレ変動)である。「擬似3SPSPハズレ変動」には、「擬似3SPSP大当たり変動」と同様、擬似連の発生パターンが異なる4つの種類がある。擬似3SPSPハズレ変動1(THP021)は、1回目の擬似連として「成功の擬似連成否演出(図35(A)~(D))」又は「継続の態様のSPリーチ(図36(A)(D)(E)(F))」が行われ、2回目の擬似連としても「成功の擬似連成否演出」又は「継続の態様のSPリーチ」が行われる変動である。また、擬似3SPSPハズレ変動2(THP022)は、1回目の擬似連として「成功の擬似連成否演出」又は「継続の態様のSPリーチ」が行われ、2回目の擬似連として「成功の擬似連煽り(図32(B)(E))」又は「図柄滑り(図33(D)~(G))」が行われる変動である。また、擬似3SPSPハズレ変動3(THP023)は、1回目の擬似連として「成功の擬似連煽り」又は「図柄滑り」が行われ、2回目の擬似連として「成功の擬似連成否演出」又は「継続の態様のSPリーチ」が行われる変動である。また、擬似3SPSPハズレ変動4(THP024)は、1回目の擬似連として「成功の擬似連煽り」又は「図柄滑り」が行われ、2回目の擬似連としても「成功の擬似連煽り」又は「図柄滑り」が行われる変動である。擬似3SPSPハズレ変動1~4の各振分率はそれぞれ1%であり、合算では4%である。
また、特図変動パターン「THP025」~「THP028」は、2回の擬似連演出を経てSPリーチ(バトルリーチ)に発展して失敗演出(敗北演出)が行われる変動(擬似3SPハズレ変動)である。「擬似3SPハズレ変動」には、「擬似3SP大当たり変動」と同様、擬似連の発生パターンが異なる4つの種類がある。擬似3SPハズレ変動1(THP025)は、1回目の擬似連として「成功の擬似連成否演出(図35(A)~(D))」又は「継続の態様のSPリーチ(図36(A)(D)(E)(F))」が行われ、2回目の擬似連としても「成功の擬似連成否演出」又は「継続の態様のSPリーチ」が行われる変動である。また、擬似3SPハズレ変動2(THP026)は、1回目の擬似連として「成功の擬似連成否演出」又は「継続の態様のSPリーチ」が行われ、2回目の擬似連として「成功の擬似連煽り(図32(B)(E))」又は「図柄滑り(図33(D)~(G))」が行われる変動である。また、擬似3SPハズレ変動3(THP027)は、1回目の擬似連として「成功の擬似連煽り」又は「図柄滑り」が行われ、2回目の擬似連として「成功の擬似連成否演出」又は「継続の態様のSPリーチ」が行われる変動である。また、擬似3SPハズレ変動4(THP028)は、1回目の擬似連として「成功の擬似連煽り」又は「図柄滑り」が行われ、2回目の擬似連としても「成功の擬似連煽り」又は「図柄滑り」が行われる変動である。擬似3SPハズレ変動1~4の各振分率はそれぞれ2%であり、合算では8%である。
また、特図変動パターン「THP029」~「THP030」は、1回の擬似連演出を経てSPSPリーチ(最終バトルリーチ)に発展して失敗演出(敗北演出)が行われる変動(擬似2SPSPハズレ変動)である。「擬似2SPSPハズレ変動」には、擬似連の発生パターンが異なる2つの種類がある。擬似2SPSPハズレ変動1(THP029)は、擬似連として「成功の擬似連成否演出(図35(A)~(D))」又は「継続の態様のSPリーチ(図36(A)(D)(E)(F))」が行われる変動である。また、擬似2SPSPハズレ変動2(THP030)は、擬似連として「成功の擬似連煽り(図32(B)(E))」又は「図柄滑り(図33(D)~(G))」が行われる変動である。擬似2SPSPハズレ変動1~2の各振分率はそれぞれ3%であり、合算では6%である。
また、特図変動パターン「THP031」~「THP032」は、1回の擬似連演出を経てSPリーチ(バトルリーチ)に発展して失敗演出(敗北演出)が行われる変動(擬似2SPハズレ変動)である。「擬似2SPハズレ変動」には、擬似連の発生パターンが異なる2つの種類がある。擬似2SPハズレ変動1(THP031)は、擬似連として「成功の擬似連成否演出(図35(A)~(D))」又は「継続の態様のSPリーチ(図36(A)(D)(E)(F))」が行われる変動である。また、擬似2SPハズレ変動2(THP032)は、擬似連として「成功の擬似連煽り(図32(B)(E))」又は「図柄滑り(図33(D)~(G))」が行われる変動である。擬似2SPハズレ変動1~2の各振分率はそれぞれ5%であり、合算では10%である。
また、特図変動パターン「THP033」~「THP034」は、1回の擬似連演出を経てハズレを示すNリーチが行われる擬似2Nハズレ変動である。「擬似2Nハズレ変動」には、擬似連の発生パターンが異なる2つの種類がある。擬似2Nハズレ変動1(THP033)は、擬似連として「成功の擬似連成否演出(図35(A)~(D))」又は「継続の態様のSPリーチ(図36(A)(D)(E)(F))」が行われる変動である。また、擬似2Nハズレ変動2(THP034)は、擬似連として「成功の擬似連煽り(図32(B)(E))」又は「図柄滑り(図33(D)~(G))」が行われる変動である。擬似2Nハズレ変動1~2の各振分率はそれぞれ10%であり、合算では20%である。
また、特図変動パターン「THP035」は、1回も擬似連演出が行われることなくSPSPリーチ(最終バトルリーチ)に発展して失敗演出(敗北演出)が行われる変動(SPSPハズレ変動)である。また、特図変動パターン「THP036」は、1回も擬似連演出が行われることなくSPリーチ(バトルリーチ)に発展して失敗演出(敗北演出)が行われる変動(SPハズレ変動)である。また、特図変動パターン「THP037」は、1回も擬似連演出が行われることなくハズレを示すNリーチが行われるNハズレ変動である。SPSPハズレ変動の振分率は8%であり、SPハズレ変動の振分率は12%であり、Nハズレ変動の振分率は32%である。
ここで図40に示すように、擬似3SPSP変動1(擬似3SPSP大当たり変動1(THP001)、擬似3SPSPハズレ変動1(THP021))は、特図変動時間が90秒の変動であり、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3の変動表示の開始から1回目の再変動表示までの区間(第1変動区間という、なお、再変動表示を行わない場合は変動終了までの区間)の演出時間が25秒とされ、1回目の再変動表示から2回目の再変動表示までの区間(第2変動区間という、なお、再変動表示を行わない場合は変動終了までの区間)の演出時間が25秒とされ、2回目の再変動表示から変動演出の終了までの区間(第3変動区間という)の演出時間が40秒とされている。また、擬似3SPSP変動2(擬似3SPSP大当たり変動2(THP002)、擬似3SPSPハズレ変動2(THP022))は、特図変動時間が80秒の変動であり、第1変動区間の演出時間が25秒とされ、第2変動区間の演出時間が15秒とされ、第3変動区間の演出時間が40秒とされている。また、擬似3SPSP変動3(擬似3SPSP大当たり変動3(THP003)、擬似3SPSPハズレ変動3(THP023))は、特図変動時間が80秒の変動であり、第1変動区間の演出時間が15秒とされ、第2変動区間の演出時間が25秒とされ、第3変動区間の演出時間が40秒とされている。また、擬似3SPSP変動4(擬似3SPSP大当たり変動4(THP004)、擬似3SPSPハズレ変動4(THP024))は、特図変動時間が70秒の変動であり、第1変動区間の演出時間が15秒とされ、第2変動区間の演出時間が15秒とされ、第3変動区間の演出時間が40秒とされている。
そして本形態のパチンコ遊技機PY1は、25秒の変動時間を利用して、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3の変動表示又は再変動表示から「成功の擬似連成否演出」又は「継続の態様のSPリーチ」を経て演出図柄EZ1,EZ2,EZ3が再変動表示されるまでの演出を実行可能である。また、15秒の変動時間を利用して、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3の変動表示又は再変動表示から「成功の擬似連煽り」又は「図柄滑り」を経て演出図柄EZ1,EZ2,EZ3が再変動表示されるまでの演出を実行可能である。また本形態のパチンコ遊技機PY1は、40秒の変動時間を利用して、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3の変動表示又は再変動表示からSPSPリーチが終了するまでの演出を実行可能である。これは、他の特図変動パターンを選択した場合においても同様である。なお、「成功の擬似連成否演出」や「継続の態様のSPリーチ」を行う擬似連のパターンは、「成功の擬似連煽り」や「図柄滑り」を行う擬似連のパターンと比べて、擬似連図柄GZが停止表示されるタイミングが遅いパターン(演出図柄EZ1,EZ2,EZ3の変動表示(再変動表示を含む)から擬似連図柄GZの停止表示までが長いパターン)であると言える。
また図40に示すように、擬似3SP変動1(擬似3SP大当たり変動1(THP005)、擬似3SPハズレ変動1(THP025))は、特図変動時間が75秒の変動であり、第1変動区間の演出時間が25秒とされ、第2変動区間の演出時間が25秒とされ、第3変動区間の演出時間が25秒とされている。また、擬似3SP変動2(擬似3SP大当たり変動2(THP006)、擬似3SPハズレ変動2(THP026))は、特図変動時間が65秒の変動であり、第1変動区間の演出時間が25秒とされ、第2変動区間の演出時間が15秒とされ、第3変動区間の演出時間が25秒とされている。また、擬似3SP変動3(擬似3SP大当たり変動3(THP007)、擬似3SPハズレ変動3(THP027))は、特図変動時間が65秒の変動であり、第1変動区間の演出時間が15秒とされ、第2変動区間の演出時間が25秒とされ、第3変動区間の演出時間が25秒とされている。また、擬似3SP変動4(擬似3SP大当たり変動4(THP008)、擬似3SPハズレ変動4(THP028))は、特図変動時間が55秒の変動であり、第1変動区間の演出時間が15秒とされ、第2変動区間の演出時間が15秒とされ、第3変動区間の演出時間が25秒とされている。
なお本形態のパチンコ遊技機PY1は、25秒の変動時間を利用して、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3の変動表示又は再変動表示からSPリーチが終了するまでの演出を実行可能である。これは、他の特図変動パターンを選択した場合においても同様である。
また図40に示すように、擬似2SPSP変動1(擬似2SPSP大当たり変動1(THP009)、擬似2SPSPハズレ変動1(THP029))は、特図変動時間が65秒の変動であり、第1変動区間の演出時間が25秒とされ、第2変動区間の演出時間が40秒とされている。また、擬似2SPSP変動2(擬似2SPSP大当たり変動2(THP010)、擬似2SPSPハズレ変動2(THP030))は、特図変動時間が55秒の変動であり、第1変動区間の演出時間が15秒とされ、第2変動区間の演出時間が40秒とされている。
また、擬似2SP変動1(擬似2SP大当たり変動1(THP011)、擬似2SPハズレ変動1(THP031))は、特図変動時間が50秒の変動であり、第1変動区間の演出時間が25秒とされ、第2変動区間の演出時間が25秒とされている。また、擬似2SP変動2(擬似2SP大当たり変動2(THP012)、擬似2SPハズレ変動2(THP032))は、特図変動時間が40秒の変動であり、第1変動区間の演出時間が15秒とされ、第2変動区間の演出時間が25秒とされている。
また、擬似2N変動1(擬似2N大当たり変動1(THP013)、擬似2Nハズレ変動1(THP033))は、特図変動時間が40秒の変動であり、第1変動区間の演出時間が25秒とされ、第2変動区間の演出時間が15秒とされている。また、擬似2N変動2(擬似2N大当たり変動2(THP014)、擬似2Nハズレ変動2(THP034))は、特図変動時間が30秒の変動であり、第1変動区間の演出時間が15秒とされ、第2変動区間の演出時間が15秒とされている。
なお本形態のパチンコ遊技機PY1は、15秒の変動時間を利用して、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3の変動表示又は再変動表示からNリーチが終了するまでの演出を実行可能である。これは、他の特図変動パターンを選択した場合においても同様である。
また図40に示すように、SPSP変動(SPSP大当たり変動(THP015)、SPSPハズレ変動(THP035))は、特図変動時間が40秒の変動であり、第1変動区間の演出時間が40秒とされている。また、SP変動(SP大当たり変動(THP016)、SPハズレ変動(THP036))は、特図変動時間が25秒の変動であり、第1変動区間の演出時間が25秒とされている。また、N変動(N大当たり変動(THP017)、Nハズレ変動(THP037))は、特図変動時間が15秒の変動であり、第1変動区間の演出時間が15秒とされている。
このように本形態では、大当たりに当選している場合(図37参照)、擬似3SPSP大当たり変動を32%の割合で選択し、擬似3SP大当たり変動を12%の割合で選択し、擬似2SPSP大当たり変動を20%の割合で選択し、擬似2SP大当たり変動を10%の割合で選択し、擬似2N大当たり変動を6%の割合で選択し、SPSP大当たり変動を12%の割合で選択し、SP大当たり変動を7%の割合で選択し、N大当たり変動を1%の割合で選択する。すなわち、大当たりに当選している場合、最終的にSPSPリーチまで発展する変動は、SPリーチまでしか発展しない変動やNリーチで終わる変動よりも選択され易く、SPリーチまでしか発展しない変動は、Nリーチで終わる変動よりも選択され易い。また大当たりに当選している場合、変動演出における最終的なリーチ演出の種類が同じであれば、擬似3変動は、擬似2変動および擬似連無し変動(擬似連が1回も実行されない変動)よりも選択され易く、擬似2変動は擬似連無し変動よりも選択され易い。これに対して、リーチ有りハズレの区分である場合(図38参照)、擬似3SPSPハズレ変動を4%の割合で選択し、擬似3SPハズレ変動を8%の割合で選択し、擬似2SPSPハズレ変動を6%の割合で選択し、擬似2SPハズレ変動を10%の割合で選択し、擬似2Nハズレ変動を20%の割合で選択し、SPSPハズレ変動を8%の割合で選択し、SPハズレ変動を12%の割合で選択し、Nハズレ変動を32%の割合で選択する。すなわち、ハズレの場合、最終的にSPSPリーチまで発展する変動は、SPリーチまでしか発展しない変動やNリーチで終わる変動よりも選択され難く、SPリーチまでしか発展しない変動は、Nリーチで終わる変動よりも選択され難い。またハズレの場合、変動演出における最終的なリーチ演出の種類が同じであれば、擬似3変動は、擬似2変動および擬似連無し変動(擬似連が1回も実行されない変動)よりも選択され難く、擬似2変動は擬似連無し変動よりも選択され難い。よって本形態では、SPSPリーチは、SPリーチおよびNリーチよりも大当たり期待度が高い演出と言え、SPリーチはNリーチよりも大当たり期待度が高い演出と言える。また変動演出における最終的なリーチ演出の種類が同じであれば、擬似3変動は、擬似2変動および擬似連無し変動(擬似連が1回も実行されない変動)よりも大当たり期待度が高い変動と言え、擬似2変動は擬似連無し変動よりも大当たり期待度が高い変動と言える。すなわち本形態では、擬似連演出の実行回数が多いほど、大当たり期待度(有利状態に制御される期待度)が高くなっていると言える。
また、図39に示すように、特図変動パターン「THP040」は、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3の変動表示においてNリーチを経て擬似連成否演出に発展するが失敗で終わる変動(擬似ガセ変動1)である。また、特図変動パターン「THP041」は、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3がリーチになることなく擬似連煽りが行われるが失敗で終わる変動(擬似ガセ変動2)である。また、特図変動パターン「THP042」は、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3がリーチになることなく擬似連煽りも行われずに変動演出が10秒で終了する変動(通常Aハズレ変動)である。また、特図変動パターン「THP043」は、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3がリーチになることなく擬似連煽りも行われずに変動演出が5秒で終了する変動(通常Bハズレ変動)である。特図1保留数が0~2である場合(言い換えれば特図1保留数が比較的少ない場合)、擬似ガセ変動1(THP040)が25%の割合で選択され、擬似ガセ変動2(THP041)が15%の割合で選択され、通常Aハズレ変動(THP042)が55%の割合で選択され、通常Bハズレ変動(THP043)が5%の割合で選択される。これに対して、特図1保留数が3~4である場合(言い換えれば特図1保留数が比較的多い場合)、擬似ガセ変動1(THP040)が1%の割合で選択され、擬似ガセ変動2(THP041)が4%の割合で選択され、通常Aハズレ変動(THP042)が20%の割合で選択され、通常Bハズレ変動(THP043)が75%の割合で選択される。なお、擬似ガセ変動1は、Nリーチが行われる変動であるが失敗の擬似連成否演出で終了する変動であるため、本形態では便宜的にリーチ無しハズレの区分に属するものとする。
ここで図40に示すように、擬似ガセ変動1(THP040)は、特図変動時間が25秒の変動であり、第1変動区間の演出時間が25秒とされている。また、擬似ガセ変動2(THP041)は、特図変動時間が15秒の変動であり、第1変動区間の演出時間が15秒とされている。また、通常Aハズレ変動(THP042)は、特図変動時間が10秒の変動であり、第1変動区間の演出時間が10秒とされている。また、通常Bハズレ変動(THP043)は、特図変動時間が5秒の変動であり、第1変動区間の演出時間が5秒とされている。なお本形態のパチンコ遊技機PY1は、10秒の変動時間又は5秒の変動時間を利用して、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3がリーチになることも擬似連煽りが行われることもなくハズレ目が停止表示されるドハズレの演出を実行可能である。なお、通常Bハズレ変動は、通常Aハズレ変動の半分の時間の変動であるため、短縮変動とも称される。
このように本形態では、特図1保留数が0~2である場合(言い換えれば特図1保留数が比較的少ない場合)には、特図1保留数が3~4である場合(言い換えれば特図1保留数が比較的多い場合)よりも、変動時間の長い特図変動パターン(THP040、041、042)が選択され易く、変動時間の短い特図変動パターン(THP043)が選択され難い。また、特図1保留数が0~2である場合には、変動時間が10秒のドハズレ変動(THP042)が最も選択され易い基準の変動パターンとなっているものの、変動時間が15秒の擬似ガセ変動2(THP041)や、変動時間が25秒の擬似ガセ変動1(THP040)もある程度選択されるようになっている。これは、15秒の擬似ガセ変動2や25秒の擬似ガセ変動1の変動期間中に、遊技者が特図1保留を貯めることができるようにするためである。つまり、遊技中に特図1保留が0となって変動演出が生じない事態を、なるべく防止するためである。そして特に本形態では、特図1保留数が0~2である場合には、変動時間が25秒の擬似ガセ変動1(THP040)の方が、変動時間が15秒の擬似ガセ変動2(THP041)よりも選択され易くなっている。よって本形態では、擬似連成否演出が終了するまでの長い変動時間を利用して、遊技者に特図1保留を貯めさせることが可能となっている。
なお本形態において、リーチとは、複数の演出図柄のうち変動表示されている演出図柄が残り一つとなっている状態であって、変動表示されている演出図柄がどの図柄で停止表示されるか次第で、遊技者に有利な遊技状態になること(例えば大当たり遊技状態になること)を示す演出図柄の組み合わせとなる状態(例えば「7↓7」の状態)のことである。
また、SPSPリーチ(最終バトルリーチ)やSPリーチ(バトルリーチ)における成功演出(味方キャラクタが敵キャラクタに勝利する勝利演出)は、遊技者に大当たりに当選していることを示唆する演出として機能する。また、SPSPリーチ(最終バトルリーチ)やSPリーチ(バトルリーチ)における失敗演出(味方キャラクタが敵キャラクタに敗北する敗北演出)は、遊技者に大当たりに当選していないことを示唆する演出として機能する。
また、演出制御用マイコン121は、特図変動演出を構成する各演出(通常変動、Nリーチ、SPリーチ、SPSPリーチ、擬似連煽り、図柄滑り、擬似連成否演出、継続の態様のSPリーチなど)において、表示部50aに演出画像を表示するとともに、演出画像の表示に応じて、各種ランプ類SLを用いた発光演出や、スピーカ52を用いた音演出、可動装置55,56,58を用いた可動体演出、入力装置(通常ボタン40、特殊ボタン41)を用いた操作演出等を実行可能である。
次に、擬似連パターンの抽選について説明する。本形態のパチンコ遊技機PY1は、上述した特図変動パターンの選択において、擬似3変動や擬似2変動を選択した場合には、1回目あるいは2回目の擬似連演出を何れの擬似連パターンで行うかを、図41に示すテーブルに基づいて決定する。具体的には、図41に示すように、遊技制御用マイコン101から受信した特図1変動開始コマンドが示す特図変動パターンが「擬似3SPSP大当たり変動1(THP001)」、「擬似3SPSPハズレ変動1(THP021)」、「擬似3SP大当たり変動1(THP005)」、「擬似3SPハズレ変動1(THP025)」の何れかであれば、演出制御用マイコン121は、1回目の擬似連として、擬似連成否演出を70%の割合で選択し、継続の態様のSPリーチを30%の割合で選択し、2回目の擬似連として、擬似連成否演出を30%の割合で選択し、継続の態様のSPリーチを70%の割合で選択する。
また演出制御用マイコン121は、遊技制御用マイコン101から受信した特図1変動開始コマンドが示す特図変動パターンが「擬似3SPSP大当たり変動2(THP002)」、「擬似3SPSPハズレ変動2(THP022)」、「擬似3SP大当たり変動2(THP006)」、「擬似3SPハズレ変動2(THP026)」の何れかであれば、1回目の擬似連として、擬似連成否演出を70%の割合で選択し、継続の態様のSPリーチを30%の割合で選択し、2回目の擬似連として、擬似連煽りを30%の割合で選択し、図柄滑りを70%の割合で選択する。
また演出制御用マイコン121は、遊技制御用マイコン101から受信した特図1変動開始コマンドが示す特図変動パターンが「擬似3SPSP大当たり変動3(THP003)」、「擬似3SPSPハズレ変動3(THP023)」、「擬似3SP大当たり変動3(THP007)」、「擬似3SPハズレ変動3(THP027)」の何れかであれば、1回目の擬似連として、擬似連煽りを70%の割合で選択し、図柄滑りを30%の割合で選択し、2回目の擬似連として、擬似連成否演出を30%の割合で選択し、継続の態様のSPリーチを70%の割合で選択する。
また演出制御用マイコン121は、遊技制御用マイコン101から受信した特図1変動開始コマンドが示す特図変動パターンが「擬似3SPSP大当たり変動4(THP004)」、「擬似3SPSPハズレ変動4(THP024)」、「擬似3SP大当たり変動4(THP008)」、「擬似3SPハズレ変動4(THP028)」の何れかであれば、1回目の擬似連として、擬似連煽りを70%の割合で選択し、図柄滑りを30%の割合で選択し、2回目の擬似連として、擬似連煽りを30%の割合で選択し、図柄滑りを70%の割合で選択する。
また演出制御用マイコン121は、遊技制御用マイコン101から受信した特図1変動開始コマンドが示す特図変動パターンが「擬似2SPSP大当たり変動1(THP009)」、「擬似2SPSPハズレ変動1(THP029)」、「擬似2SP大当たり変動1(THP011)」、「擬似2SPハズレ変動1(THP031)」、「擬似2N大当たり変動1(THP013)」、「擬似2Nハズレ変動1(THP033)」の何れかであれば、擬似連として、擬似連成否演出を70%の割合で選択し、継続の態様のSPリーチを30%の割合で選択する。
また演出制御用マイコン121は、遊技制御用マイコン101から受信した特図1変動開始コマンドが示す特図変動パターンが「擬似2SPSP大当たり変動2(THP010)」、「擬似2SPSPハズレ変動2(THP030)」、「擬似2SP大当たり変動2(THP012)」、「擬似2SPハズレ変動2(THP032)」、「擬似2N大当たり変動2(THP014)」、「擬似2Nハズレ変動2(THP034)」の何れかであれば、擬似連として、擬似連煽りを70%の割合で選択し、図柄滑りを30%の割合で選択する。
このように本形態では、1回目の擬似連として擬似連成否演出または継続の態様のSPリーチの何れかが行われる場合は、擬似連成否演出の方が、継続の態様のSPリーチよりも実行され易くなっている。これにより、擬似連成否演出(擬似連が行われるか否かを示すための専用の発展演出)が遊技者の目に触れる機会が増えるため、遊技興趣の向上が見込める。また、成功するか失敗するかわからない中で成功の結果に期待しながら擬似連成否演出を見る機会が増えるため、擬似連成否演出の面白さが発揮され易い。また本形態では、2回目の擬似連として擬似連成否演出または継続の態様のSPリーチの何れかが行われる場合は、擬似連成否演出よりも、継続の態様のSPリーチの方が実行され易くなっている。これにより、2回目の擬似連が行われた際の意外性が高められている。すなわち、1回の擬似連を経てSPリーチが行われた場合にはもう擬似連はなされないだろうと思って遊技をしていることが考えられるところ、このような遊技者に対して「継続」の文字画像G49等の表示により嬉しい驚きを与えることができ(図36(A)(D)(E)(F)参照)、遊技興趣の向上が見込める。
また本形態では、1回目の擬似連として擬似連煽り又は図柄滑りの何れかが行われる場合は、擬似連煽りの方が、図柄滑りよりも実行され易くなっている。これにより、ドハズレか擬似連かが煽られる場面がたびたび実行されることとなり、遊技興趣の向上が見込める。また本形態では、2回目の擬似連として擬似連煽り又は図柄滑りの何れかが行われる場合は、擬似連煽りよりも、図柄滑りの方が実行され易くなっている。これにより、2回目の擬似連が行われた際の意外性が高められている。すなわち、1回の擬似連を経てリーチが形成された場合にはもう擬似連はなされないだろうと思って遊技をしていることが考えられるところ、このような遊技者に対して図柄滑りの発生により嬉しい驚きを与えることができ(図33(B)(D)(E)(F)(G)参照)、遊技興趣の向上が見込める。
8.実施形態の効果
以上詳細に説明したように、本形態のパチンコ遊技機PY1によれば、擬似連煽りが行われることなくリーチ状態になってしまっても、擬似連図柄GZが表示されるか(擬似連が行われるか)を示す擬似連成否演出に発展することがあるため(図34(A)(D)参照)、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3の再変動表示に期待できる機会が増え、遊技興趣の向上が見込める。
また本形態のパチンコ遊技機PY1によれば、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3の変動表示の開始から擬似連煽りの失敗までの時間(すなわち擬似ガセ変動2の変動時間である15秒)よりも、擬似連成否演出の失敗までの時間(すなわち擬似ガセ変動1の変動時間である25秒)の方が長い(図39、図40参照)。そのため、擬似連成否演出が適宜行われることで、遊技中の演出実行期間が長くなることに期待でき、演出実行期間が短い傾向の遊技機と比べて、遊技興趣を向上可能である。
また本形態のパチンコ遊技機PY1によれば、特図保留の数が比較的少ない場合(実施形態では特図1保留数が0~2の場合)に、擬似連成否演出が行われ易くなっている(図39参照)。よって、擬似連成否演出の実行期間を利用して、遊技者に十分保留を貯めさせることが可能となっている。
特に本形態のパチンコ遊技機PY1によれば、特図保留の数が比較的少ない場合(実施形態では特図1保留数が0~2の場合)には、リーチ状態を経ないで行われる失敗の擬似連煽りよりも、リーチ状態を経て行われる失敗の擬似連成否演出の方が実行され易くなっている(図39参照)。よって、擬似連成否演出の比較的長い演出実行期間を利用して、遊技者に十分に特図保留を貯めさせ易い遊技機とすることが可能となっている。
また本形態のパチンコ遊技機PY1によれば、擬似連図柄GZが停止表示されるパターンとして、擬似連煽りを経て擬似連図柄GZが停止表示される基準パターン(図32(B)(E))以外に、互いに実行タイミングが異なる第1の非基準パターン(図柄滑りを経て擬似連図柄GZが停止表示されるパターン、図33(B)(D)(E)(F)(G)参照)と第2の非基準パターン(継続の態様のSPリーチを経て擬似連図柄GZが停止表示されるパターン、図36(A)(D)(E)(F)参照)とがあるが、どちらの非基準パターンがなされる場合でも、同一対象(具体的にはミニキャラA)を表現する示唆画像(ミニキャラ画像G40、ミニキャラ画像G50)の表示によって、擬似連が行われることが示唆され得る(図33(D)、図36(D)参照)。従って、どちらの非基準パターンで擬似連図柄GZが停止表示される場合でも、擬似連がなされることを、示唆画像(ミニキャラ画像G40、ミニキャラ画像G50)の表示により遊技者にわかり易く伝えることが可能である。なお、擬似連煽りを経て擬似連図柄GZが停止表示される基準パターンが実行される場合には、ミニキャラAを表現した示唆画像の表示は行われない。
また本形態のパチンコ遊技機PY1によれば、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3がリーチ状態となった後でも図柄滑りによって非リーチ状態に変化して擬似連図柄GZが表示されることがあるが、この場合に、ミニキャラ画像G40(第1の示唆画像)によって擬似連の実行が示唆され得る(図33(B)(D)(E)(F)(G)参照)。そのため、リーチ状態となってしまったからもう擬似連はなされないだろうと思っている遊技者に対して、擬似連が行われることをわかり易く伝えることが可能である。
特に本形態のパチンコ遊技機PY1によれば、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3がリーチ状態になっていて図柄滑りが開始される前から、ミニキャラ画像G40(第1の示唆画像)が表示され始める(図33(B)(D)参照)。そのため、ミニキャラ画像G40の表示は、擬似連はなされないだろうと思っている遊技者にとっては、意外性のある擬似連の示唆となる。よって、遊技者に嬉しい驚きを与えることができ、遊技興趣の向上が見込める。
また本形態のパチンコ遊技機PY1によれば、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3がリーチ状態となってSPリーチ(バトルリーチ)に発展した場合でも、SPリーチにおいて「継続」の文字画像G49等が表示されて擬似連図柄GZが表示されることがあるが、この場合にミニキャラ画像G50(第2の示唆画像)によって擬似連の実行が示唆され得る(図36(A)(D)(E)(F)参照)。そのため、SPリーチに発展してしまったからもう擬似連はなされないだろうと思っている遊技者に対して、擬似連が行われることをわかり易く伝えることが可能である。
特に本形態のパチンコ遊技機PY1によれば、SPリーチに発展した場合に、そのSPリーチからさらにSPSPリーチに発展するのか(図36(A)~(C)参照)、擬似連が行われるのか(図36(A)(D)(E)(F)参照)がまだわからないときから、ミニキャラ画像G50(第2の示唆画像)が表示され始める(図36(A)(D)参照)。そのため、ミニキャラ画像G50の表示は、擬似連はなされないだろうと思っている遊技者にとっては、意外性のある擬似連の示唆となる。よって、遊技者に嬉しい驚きを与えることができ、遊技興趣の向上が見込める。
9.第1実施形態の変更例
以下、第1実施形態のパチンコ遊技機PY1の変更例について説明する。勿論、変更例に係る構成同士を適宜組み合わせて構成しても良い。また、上記形態および下記変更例中の技術的特徴は、本明細書において必須なものとして説明されていなければ、適宜、削除することが可能である。
上記形態では、特図保留数が3以上であるか否かによって、特図変動パターンの判定に用いるテーブルを異ならせる構成としたが(図39参照)、4以上であるか否かによって異ならせたり、2以上であるか否かによって異ならせたりするなど、擬似ガセ変動1や擬似ガセ変動2が選択され易くなる特図保留数の閾値は適宜変更可能である。すなわち上記形態では、特図保留数が所定の閾値に満たない場合は、特図保留を貯めさせるために、擬似ガセ変動1や擬似ガセ変動2といった比較的長い変動時間の特図変動パターンが選択され易くなっているが、このように構成されていれば、擬似ガセ変動が選択され易くなる特図保留数の閾値は適宜変更可能である。
また上記形態では、図柄滑りの実行前に表示されるミニキャラ画像G40(第1の示唆画像)と、SPリーチにおいて「継続」の文字画像G49等が表示される前に表示されるミニキャラ画像G50(第2の示唆画像)とは同じ画像としたが(図33(D)、図36(D)参照)、両画像は、同一の対象(実施形態ではミニキャラA)を表現する画像であれば、異なる画像であってもよい。なお、第1の示唆画像および第2の示唆画像によって表現される対象は、適宜変更可能である。また、ミニキャラ画像G40(第1の示唆画像)の表示を開始するタイミングは、図柄滑りの開始と同時、あるいは、図柄滑りの実行中であってもよい。また、ミニキャラ画像G50(第2の示唆画像)の表示を開始するタイミングは、SPリーチにおいて「継続」の文字画像G49等を表示し始めるのと同時、あるいは、「継続」の文字画像G49等の表示中であってもよい。
また上記形態では、特図1保留数が比較的少ない場合(特図1保留数が0~2の場合)には、煽り演出が失敗する擬似ガセ変動2よりも、擬似連成否演出が失敗する擬似ガセ変動1の方が実行され易い構成としたが、擬似ガセ変動2の方が擬似ガセ変動1よりも実行され易い構成としてもよい。また。擬似ガセ変動2と擬似ガセ変動1とが同じ確率で実行される構成としてもよい。
また上記形態では、煽り演出が失敗する擬似ガセ変動2も、擬似連成否演出が失敗する擬似ガセ変動1と同様、特図1保留数が比較的少ない場合(特図1保留数が0~2の場合)の方が、多い場合(特図1保留数が3~4の場合)よりも実行され易い構成としたが、煽り演出が失敗する擬似ガセ変動2は、特図1保留数に依らず一定の確率で実行される構成としてもよい。
また上記形態では、図柄滑りは、右演出図柄EZ3を縦にスクロールすることで、停止表示されている数字図柄を別の数字図柄に変化させる演出とした。これに対して、図柄滑りは、右演出図柄EZ3として停止表示した演出図柄を、左にスクロールする(左方に移動する)ことで別の演出図柄に変化させる演出としてもよい。この場合、右演出図柄EZ3として、擬似連の実行を示唆する演出図柄(特定図柄)を停止表示し、これを左方に移動させて中演出図柄EZ2として停止表示させて、擬似連出目が形成されるようにしてもよい。もちろん、擬似連出目が形成されれば、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3の再変動表示を行う。このような擬似連の実行を示唆する特定図柄を左方へ移動させる図柄滑りを、特定図柄移動演出と称する。特定図柄移動演出は、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3のうち最後に停止表示される演出図柄(実施形態では中演出図柄EZ2、最後図柄と称する)の変動中に行われてもよいし、最後図柄の停止表示後に行われてもよい。このような構成とすれば、想定とは異なる方向に演出図柄が移動する(滑る)演出によって、遊技者に驚きを与えることに期待でき、遊技興趣の向上が見込める。なお、特定図柄移動演出は、第1実施形態における図柄滑りの代わりに実行することとしてもよいし、第1実施形態における図柄滑りに加えて実行することとしてもよい。特定図柄移動演出と、第1実施形態における図柄滑りとの両方を実行可能に構成した場合には、特定図柄移動演出の実行確率を、第1実施形態における図柄滑りの実行確率よりも低くするとよい。特定図柄移動演出の実行に希少性が出て、遊技興趣の向上を見込めるからである。
また上記形態では、擬似連の実行を示唆する演出図柄として、数字図柄とは異なる擬似連図柄GZを採用したが、擬似連の実行を示唆する演出図柄は、適宜変更可能である。具体的には例えば、擬似連の実行を示唆する演出図柄として、1図柄~9図柄のうちの何れかの図柄(例えば7図柄)を用いてもよい。すなわち、擬似連の実行を示唆する演出図柄として設定した一の数字図柄が中演出図柄EZ2として停止表示された場合に、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3の再変動表示(擬似連)が行われる構成としてもよい。
また上記形態では、擬似連成否演出(特定発展演出)は、ハズレか(擬似連が行われないか)擬似連が行われるかの2択の演出としたが(図35参照)、SPリーチやSPSPリーチといった他の演出に発展するという演出結果や、大当たり当選を報知する(ゾロ目を停止表示する)という演出結果など、別の結果を含む3以上の選択肢の中から1つの結果が選択される演出としてもよい。
また上記形態において、各種演出の内容や実行確率、演出時間等は、各種演出の機能が阻害されることがなく、遊技に支障をきたさない範囲で適宜変更可能である。また、特図保留の上限記憶数は、遊技に支障をきたさない範囲で適宜変更可能である。
また上記形態では、擬似連煽りを経て擬似連図柄GZを停止表示するパターンを「所定の基準パターン」とし、図柄滑りを経て擬似連図柄GZを停止表示するパターンを「第1の非基準パターン」とし、継続の態様のSPリーチを経て擬似連図柄GZを停止表示するパターンを「第2の非基準パターン」としたが、所定の基準パターンの演出内容は適宜変更可能であり、第1の非基準パターンは所定の基準パターンと異なっていればその演出内容は適宜変更可能であり、第2の非基準パターンは第1の非基準パターンよりも擬似連図柄GZが停止表示されるタイミングが遅ければその演出内容は適宜変更可能である。
10.第1実施形態及びその変更例に示されている発明
上記した第1実施形態及びその変更例には、以下の各手段の発明が示されている。以下に記す手段の説明では、上記した実施形態等における対応する構成名や表現、図面に使用した符号を参考のためにかっこ書きで付記している。但し、各発明の構成要素はこの付記に限定されるものではない。なお、手段Aは、以下の手段A1~A4の総称である。また手段Bは、以下の手段B1~B5の総称である。
手段A1:
演出図柄(演出図柄EZ1,EZ2,EZ3)を変動表示した後、遊技者に有利な有利状態(例えば大当たり遊技状態)にするかの判定(大当たり判定)の結果を示す停止態様で停止表示する変動演出を実行可能であり、
前記変動演出において特定画像(擬似連図柄GZ)を表示した場合には、一旦停止表示された演出図柄の再変動表示を行うものであり(図32(E)(F)参照)、
前記変動演出では、前記演出図柄をリーチ状態としないで、前記特定画像が表示されるかを煽る煽り演出(擬似連煽り、図32(B)参照)を実行するときと、前記演出図柄をリーチ状態とした後で、前記特定画像が表示されるかを示す特定発展演出(擬似連成否演出、図34(A)(D)、図35参照)に発展させるときとがあることを特徴とする遊技機。
この構成の遊技機によれば、煽り演出が行われることなくリーチ状態になってしまっても、演出図柄の再変動表示がなされることを示す特定画像が表示されるかを示す特定発展演出に発展することがあるため、演出図柄の再変動表示に期待できる機会が増え、遊技興趣の向上が見込める。
手段A2:
手段A1に記載の遊技機であって、
前記演出図柄の変動表示が開始されてから前記煽り演出(擬似連煽り)が失敗するまでの時間(15秒、図39に示す擬似ガセ変動2の欄参照)よりも、前記演出図柄の変動表示が開始されてから前記特定発展演出(擬似連成否演出)が失敗するまでの時間(25秒、図39に示す擬似ガセ変動1の欄参照)の方が長いことを特徴とする遊技機。
この構成の遊技機によれば、演出図柄の変動表示の開始から煽り演出の失敗までの時間よりも特定発展演出の失敗までの時間の方が長いため、特定発展演出が適宜行われることで、演出を実行している期間が長くなることに期待でき、演出の実行時間が短い傾向の遊技機と比べて、遊技興趣を向上可能である。
手段A3:
手段A1又は手段A2に記載の遊技機であって、
前記判定の実行を所定の上限数(例えば「4」)まで保留することが可能な保留手段(遊技制御用マイコン101による特図保留を貯めることに関する処理)を備え、
前記特定発展演出が失敗する演出パターンは、前記保留手段による保留の数が少ない場合(例えば特図保留数が「0」~「2」の場合)の方が多い場合(例えば特図保留数が「3」~「4」の場合)よりも実行され易い(図39参照)ことを特徴とする遊技機。
この構成の遊技機によれば、保留の数が少ない場合に、特定発展演出が行われ易いため、この演出の実行期間を利用して、遊技者に十分保留を貯めさせることが可能となる。
手段A4:
手段A3に記載の遊技機であって、
前記保留手段による保留の数が少ない場合(例えば特図保留数が「0」~「2」の場合)、前記煽り演出が失敗する演出パターンよりも、前記特定発展演出が失敗する演出パターンの方が実行され易い(前者の振分率が15%、後者の振分率が25%、図39参照)ことを特徴とする遊技機。
この構成の遊技機によれば、保留の数が少ない場合には、リーチ状態を経ないで行われる煽り演出よりも、リーチ状態を経て行われる特定発展演出の方が実行され易くなっているため、比較的長い演出実行期間を利用して、遊技者に十分な保留を貯めさせ易い遊技機とすることが可能である。
手段B1:
演出図柄(演出図柄EZ1,EZ2,EZ3)を変動表示した後、遊技者に有利な有利状態(例えば大当たり遊技状態)にするかの判定(大当たり判定)の結果を示す停止態様で停止表示する変動演出を実行可能であり、
前記変動演出において特定画像(擬似連図柄GZ)を表示した場合には、一旦停止表示された演出図柄の再変動表示を行うものであり(図32(E)(F)参照)、
前記変動演出において前記特定画像を表示するパターンには、所定の基準パターン(演出図柄EZ1,EZ2,EZ3をリーチ状態としないで擬似連煽りを経て擬似連図柄GZを表示するパターン、図32(B)(E)参照)と、前記基準パターンとは異なる第1の非基準パターン(演出図柄EZ1,EZ2,EZ3をリーチ状態とした後で当該リーチ状態を非リーチ状態に変化させる図柄滑りを経て擬似連図柄GZを表示するパターン、図33(B)(D)(E)(F)(G)参照)と、前記第1の非基準パターンよりも前記特定画像が表示されるタイミングが遅い第2の非基準パターン(Nリーチから発展するSPリーチにおいて「継続」の文字画像G49等を表示した後に擬似連図柄GZを表示するパターン、図33(B)(C)、図34(A)~(C)、図36(A)(D)~(F)参照)とがあり、
前記第1の非基準パターンで前記特定画像を表示する場合、再変動表示がなされることを示唆する第1の示唆画像(ミニキャラ画像G40、図33(D)参照)を表示可能であり、
前記第2の非基準パターンで前記特定画像を表示する場合、前記第1の示唆画像と同じ対象(リンゴをモチーフとしたミニキャラA)を表現した第2の示唆画像(ミニキャラ画像G50、図36(D)参照)を表示可能であることを特徴とする遊技機。
この構成の遊技機によれば、演出図柄の再変動表示が行われることを示す特定画像が表示されるパターンとして、所定の基準パターン以外にも、互いに実行タイミングが異なる第1の非基準パターンと第2の非基準パターンとがあるが、どちらの非基準パターンがなされる場合でも、同一対象を表現する示唆画像の表示によって、再変動表示が行われることが示唆され得る。従って、どちらの非基準パターンで特定画像が表示される場合でも、演出図柄の再変動表示がなされることを、示唆画像の表示により遊技者にわかり易く伝えることが可能である。
手段B2:
手段B1に記載の遊技機であって、
前記所定の基準パターンは、前記演出図柄をリーチ状態としないで前記特定画像(擬似連図柄GZ)を表示するパターンであり(図32(B)(E)参照)、
前記第1の非基準パターンは、前記演出図柄をリーチ状態とした後で当該リーチ状態を非リーチ状態に変化させる図柄変化演出(図柄滑り)を行って前記特定画像を表示するパターンである(図33(B)(D)(E)(F)(G)参照)ことを特徴とする遊技機。
この構成の遊技機によれば、演出図柄がリーチ状態となった後でも非リーチ状態に変化して特定画像が表示されることがあるが、この場合に第1の示唆画像によって再変動表示が示唆され得るため、リーチ状態となってしまったからもう再変動表示はなされないだろうと思っている遊技者に対して、再変動表示が行われることをわかり易く伝えることが可能である。
手段B3:
手段B2に記載の遊技機であって、
前記第1の示唆画像は、演出図柄がリーチ状態であるときに表示され始める(図33(B)(D)参照)ことを特徴とする遊技機。
この構成の遊技機によれば、演出図柄がリーチ状態であるときに第1の示唆画像が表示され始めるため、再変動表示はなされないだろうと思っている遊技者にとっては、意外性のある再変動表示の示唆となる。よって、遊技者に嬉しい驚きを与えることができ、遊技興趣の向上が見込める。
手段B4:
手段B2又は手段B3に記載の遊技機であって、
前記第2の非基準パターンは、前記演出図柄をリーチ状態とした後で前記特定画像(擬似連図柄GZ)を表示することなく所定のリーチ演出(SPリーチであるバトルリーチ)に発展させ(図33(B)(C)、図34(A)~(C)参照)、当該所定のリーチ演出として、前記特定画像が表示されることを示す特定態様の演出(「継続」の文字画像G49等を表示する態様の演出、図36(E)参照)を実行するパターンであることを特徴とする遊技機。
この構成の遊技機によれば、演出図柄がリーチ状態となって所定のリーチ演出が行われた場合でも、そのリーチ演出において特定画像が表示されることがあるが、この場合に第2の示唆画像によって再変動表示が示唆され得るため、リーチ演出に発展してしまったからもう再変動表示はなされないだろうと思っている遊技者に対して、再変動表示が行われることをわかり易く伝えることが可能である。
手段B5:
手段B4に記載の遊技機であって、
前記所定のリーチ演出として、さらに演出が発展することを示す非特定態様の演出(「発展」の文字画像G48等を表示する態様の演出、図36(B)参照)を実行するときがあり、
前記第2の示唆画像は、前記非特定態様の演出と前記特定態様の演出とに共通する演出(図36(A)に示す演出)の実行中に表示され始める(図36(A)(D)参照)ことを特徴とする遊技機。
この構成の遊技機によれば、所定のリーチ演出が非特定態様の演出か特定態様の演出かまだわからないときに第2の示唆画像が表示され始めるため、再変動表示はなされないだろうと思っている遊技者にとっては、意外性のある再変動表示の示唆となる。よって、遊技者に嬉しい驚きを与えることができ、遊技興趣の向上が見込める。
ところで従来より、遊技機の一例であるパチンコ遊技機として、例えば特開2020-32212号公報に記載されているように、変動演出において演出図柄の再変動表示(いわゆる擬似連演出)を実行可能な遊技機が知られている。擬似連演出は、実行回数が多いほど大当たり期待度が高い演出であるため、擬似連演出が実行される場合には、何度も擬似連演出が行われることに遊技者は期待する。ところで、特開2020-32212号公報に記載の遊技機のように、演出図柄の再変動表示を行う遊技機については、演出図柄の再変動表示が行われる場合のパターンに改良の余地があった。すなわち、演出図柄の再変動表示を行う遊技機については、遊技興趣の向上のため、未だ改良の余地がある。
上記した手段Aは、特開2020-32212号公報に記載の遊技機に対して、「変動演出において特定画像を表示した場合には、一旦停止表示された演出図柄の再変動表示を行うものであり、変動演出では、演出図柄をリーチ状態としないで、特定画像が表示されるかを煽る煽り演出を実行するときと、演出図柄をリーチ状態とした後で、特定画像が表示されるかを示す特定発展演出に発展させるときとがある」という点で相違している。また、上記した手段Bは、特開2020-32212号公報に記載の遊技機に対して、「変動演出において特定画像を表示した場合には、一旦停止表示された演出図柄の再変動表示を行うものであり、変動演出において特定画像を表示するパターンには、所定の基準パターンと、基準パターンとは異なる第1の非基準パターンと、第1の非基準パターンよりも特定画像が表示されるタイミングが遅い第2の非基準パターンとがあり、第1の非基準パターンで特定画像を表示する場合、再変動表示がなされることを示唆する第1の示唆画像を表示可能であり、第2の非基準パターンで特定画像を表示する場合、第1の示唆画像と同じ対象を表現した第2の示唆画像を表示可能である」という点で相違している。これにより、手段A~Bの発明は、「遊技の興趣を向上させる」という課題を解決する(作用効果を奏する)ことが可能である。
11.第2実施形態
以下、第2実施形態のパチンコ遊技機を図42~図47に基づいて説明する。第2実施形態のパチンコ遊技機の説明において第1実施形態のパチンコ遊技機と同一の構成については、同一の符号を付して説明を省略する。第2実施形態のパチンコ遊技機は、第1実施形態のパチンコ遊技機とは、非時短状態における特図1変動パターン判定テーブルが異なっている。このため、遊技制御用マイコン101から受信した特図1変動開始コマンドが示す特図変動パターンに基づいて演出制御用マイコン121が実行する演出が異なってくる。具体的には、第2実施形態のパチンコ遊技機は、ドライブチャンス(特定演出に相当)という特徴的な演出を実行可能に構成されている。ドライブチャンスについては後に詳述するが、ドライブチャンスは、1図柄~9図柄までの数字図柄のうち何れの図柄でリーチが成立するかを見せる演出である(図46、図47参照)。
<特図変動パターンの判定>
まず、第2実施形態のパチンコ遊技機における特図変動パターンの判定について説明する。第2実施形態のパチンコ遊技機では、遊技制御用マイコン101は、非時短状態において図42に示す特図1変動パターン判定テーブルを用いて特図1変動パターンを判定する。図42に示すように、遊技制御用マイコン101は、特図1判定処理において大当たり図柄1(確変大当たり)に当選と判定した場合には、特図1変動パターンとして、「THP101」~「THP104」の何れかを決定することが可能である。また遊技制御用マイコン101は、特図1判定処理において大当たり図柄2(通常大当たり)に当選と判定した場合には、特図1変動パターンとして、「THP111」~「THP114」の何れかを決定することが可能である。また遊技制御用マイコン101は、特図1判定処理においてハズレと判定した場合であって、リーチ判定において「リーチ有り」と判定した場合には、特図1変動パターンとして、「THP121」~「THP124」の何れかを決定することが可能である。また遊技制御用マイコン101は、特図1判定処理においてハズレと判定した場合であって、リーチ判定において「リーチ無し」と判定した場合には、特図1変動パターンとして、「THP141」~「THP142」の何れかを決定することが可能である。この2種類の特図1変動パターンのうち何れに決定するかは、特図1保留数に応じて振分率が異なっている。具体的には、特図1保留数が3~4個の場合(特図1保留数が比較的大きい場合)には、特図変動時間が比較的短い特図変動パターン(具体的には変動時間が5秒の特図変動パターンTHP142)が決定され易く、特図1保留数が0~2個の場合(特図1保留数が比較的小さい場合)には、特図変動時間が比較的長い特図変動パターン(具体的には変動時間が10秒の特図変動パターンTHP141)が決定され易くなっている。
ここで、特図変動パターン「THP101」および「THP111」は、ドライブチャンスが2回繰り返された後にリーチとなりSPリーチ(バトルリーチ)まで発展して成功演出(勝利演出)が行われる変動(ドライブ2回SP大当たり変動)である。また、特図変動パターン「THP102」および「THP112」は、ドライブチャンスが1回だけ行われた後にリーチとなりSPリーチまで発展して成功演出が行われる変動(ドライブ1回SP大当たり変動)である。「ドライブ2回SP大当たり変動」と「ドライブ1回SP大当たり変動」とを総称する場合、「ドライブSP大当たり変動」という。また、特図変動パターン「THP103」および「THP113」は、ドライブチャンスが1回も行われることなくリーチとなりSPリーチまで発展して成功演出が行われる変動(SP大当たり変動)である。また、特図変動パターン「THP104」および「THP114」は、ドライブチャンスが1回も行われることなくリーチとなりNリーチで大当たり当選が示されて終了する変動(N大当たり変動)である。
また、特図変動パターン「THP121」は、ドライブチャンスが2回繰り返された後にリーチとなりSPリーチ(バトルリーチ)まで発展して失敗演出(敗北演出)が行われる変動(ドライブ2回SPハズレ変動)である。また、特図変動パターン「THP122」は、ドライブチャンスが1回だけ行われた後にリーチとなりSPリーチまで発展して失敗演出が行われる変動(ドライブ1回SPハズレ変動)である。「ドライブ2回SPハズレ変動」と「ドライブ1回SPハズレ変動」とを総称する場合、「ドライブSPハズレ変動」といい、「ドライブSPハズレ変動」と「ドライブSP大当たり変動」とを総省する場合、「ドライブSP変動」という。また、特図変動パターン「THP123」は、ドライブチャンスが1回も行われることなくリーチとなりSPリーチまで発展して失敗演出が行われる変動(SPハズレ変動)である。また、特図変動パターン「THP124」は、ドライブチャンスが1回も行われることなくリーチとなりNリーチでハズレが示されて終了する変動(Nハズレ変動)である。なお、SPリーチは、「所定のリーチ演出」の一例である。
また、特図変動パターン「THP141」は、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3がリーチになることなく変動演出が10秒で終了する変動(通常Aハズレ変動)である。また、特図変動パターン「THP142」は、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3がリーチになることなく変動演出が5秒で終了する変動(通常Bハズレ変動)である。
このように本形態では、大当たり判定の結果が大当たり当選である場合(すなわち、大当たり図柄1又は大当たり図柄2に当選している場合)には、遊技制御用マイコン101は、ドライブSP大当たり変動(ドライブ2回SP大当たり変動、ドライブ1回SP大当たり変動)を60%の割合で選択し、SP大当たり変動を25%の割合で選択し、N大当たり変動を15%の割合で選択する。すなわち、大当たり判定の結果が大当たり当選である場合には、ドライブSP大当たり変動が、SP大当たり変動およびN大当たり変動よりも選択され易く、SP大当たり変動はN大当たり変動よりも選択され易い。なお、ドライブ2回SP大当たり変動の選択割合とドライブ1回SP大当たり変動の選択割合とは、共に30%で同じになっている。
また本形態では、大当たり判定の結果がハズレである場合、リーチ判定の結果が「リーチ有り」であれば、遊技制御用マイコン101は、ドライブSPハズレ変動(ドライブ2回SPハズレ変動、ドライブ1回SPハズレ変動)を10%の割合で選択し、SPハズレ変動を20%の割合で選択し、Nハズレ変動を70%の割合で選択する。すなわち、大当たり判定の結果がハズレである場合には、ドライブSPハズレ変動が、SPハズレ変動およびNハズレ変動よりも選択され難く、SPハズレ変動はNハズレ変動よりも選択され難い。なお、ドライブ2回SPハズレ変動の選択割合とドライブ1回SPハズレ変動の選択割合とは、共に5%で同じになっている。
従って本形態では、ドライブSP変動は、SP変動(ドライブチャンスが1回も行われることなくSPリーチまで発展する変動)およびN変動(ドライブチャンスが1回も行われることなくNリーチで終了する変動)よりも大当たり期待度が高い変動であり、SP変動はN変動よりも大当たり期待度が高い変動である。また、ドライブチャンスは、大当たり期待度が高いことを示唆する演出として機能する。
<演出図柄の種類>
次に、第2実施形態のパチンコ遊技機における演出図柄EZ1,EZ2,EZ3について説明する。演出制御用マイコン121は、特図変動開始コマンド(特図1変動開始コマンド又は特図2変動開始コマンド)を遊技制御用マイコン101から受信すると、変動演出を開始する。変動演出では、3つの演出図柄EZ1,EZ2,EZ3を変動表示する。詳細には、左演出図柄領域50b1にて左演出図柄EZ1を変動表示し、中演出図柄領域50b2にて中演出図柄EZ2を変動表示し、右演出図柄領域50b3にて右演出図柄EZ3を変動表示する(図19参照)。そして、特別図柄の停止表示に応じて、各演出図柄EZ1,EZ2,EZ3を、特図判定処理の結果を示す停止態様にて確定的に停止表示させる。なお、変動演出における仮停止表示の順序は、原則的には、左演出図柄EZ1→右演出図柄EZ3→中演出図柄EZ2の順である。
左演出図柄EZ1、中演出図柄EZ2、右演出図柄EZ3にはそれぞれ、「1」~「9」までの9つの数字図柄が含まれている。各演出図柄EZ1,EZ2,EZ3が全て同じ数字図柄で構成される停止態様(出目)が、大当たり当選を示す大当たり停止態様(ゾロ目)であり、各演出図柄EZ1,EZ2,EZ3が全て同じ数字図柄で構成されていない停止態様が、ハズレを示すハズレ停止態様(ハズレ目)である。ハズレ停止態様には、中演出図柄EZ2だけが左演出図柄EZ1および右演出図柄EZ3と異なる数字図柄で構成されるリーチハズレ目と、左演出図柄EZ1と右演出図柄EZ3とが異なる数字図柄で構成される非リーチハズレ目とがある。なお、特図判定処理の結果を示すための演出図柄EZ1,EZ2,EZ3の停止態様は、適宜変更可能である。
図43に示すように、「1」~「9」までの数字図柄のうち「1」、「3」、「5」、「7」、「9」の5つの奇数図柄は、第1の演出図柄群(「第1の種類の演出図柄」に相当)に属し、「2」、「4」、「6」、「8」の4つの偶数図柄は、第2の演出図柄群(「第2の種類の演出図柄」に相当)に属する。第1の演出図柄群に属する演出図柄(奇数図柄)を用いたゾロ目(「1・1・1」「3・3・3」「5・5・5」「7・7・7」「9・9・9」)は、確変大当たり(大当たり図柄1又は大当たり図柄3、図30参照)に当選している場合にだけ停止表示されることがある。すなわち、第1の演出図柄群に属する演出図柄のゾロ目の表示は、確変大当たりに当選していることの示唆として機能する。これに対して、第2の演出図柄群に属する演出図柄(偶数図柄)を用いたゾロ目(「2・2・2」「4・4・4」「6・6・6」「8・8・8」)は、通常大当たり(大当たり図柄2又は大当たり図柄4、図30参照)に当選している場合でも、確変大当たり(大当たり図柄1又は大当たり図柄3)に当選している場合でも停止表示されることがある。すなわち、第2の演出図柄群に属する演出図柄のゾロ目の表示は、通常大当たりに当選している可能性があることの示唆として機能する。
なお、各数字図柄毎のリーチの態様を、「左演出図柄EZ1・中演出図柄EZ2・右演出図柄EZ3」の形で示せば、「1」を用いたリーチの態様は「1・↓・1」(「↓」は変動中を示す)であり、「3」を用いたリーチの態様は「3・↓・3」であり、「5」を用いたリーチの態様は「5・↓・5」であり、「7」を用いたリーチの態様は「7・↓・7」であり、「9」を用いたリーチの態様は「9・↓・9」であり、「2」を用いたリーチの態様は「2・↓・2」であり、「4」を用いたリーチの態様は「4・↓・4」であり、「6」を用いたリーチの態様は「6・↓・6」であり、「8」を用いたリーチの態様は「8・↓・8」である。
<演出図柄の決定抽選>
次に、変動演出においてリーチを成立させる場合の演出図柄の決定抽選について、図44に基づいて説明する。図44は、非時短状態であって変動演出においてリーチが成立する場合の特図1に係る演出図柄決定テーブルである。図44に示すように、非時短状態では、演出制御用マイコン121は、遊技制御用マイコン101から受信した特図1変動開始コマンドが示す特図変動パターンがTHP101~THP104の何れかである場合、すなわち、確変大当たり当選に基づく大当たり変動である場合、「7」を60%の割合で選択し、「7」を除く奇数図柄(「1」「3」「5」「9」)を各8%の割合で選択し、偶数図柄(「2」「4」「6」「8」)を各2%の割合で選択する。なお、この演出図柄の決定抽選で選択された演出図柄を用いてリーチが形成されるものとする。
また非時短状態では、演出制御用マイコン121は、遊技制御用マイコン101から受信した特図1変動開始コマンドが示す特図変動パターンがTHP111~THP114の何れかである場合、すなわち、通常大当たり当選に基づく大当たり変動である場合、偶数図柄(「2」「4」「6」「8」)を各25%の割合で選択する。
また、非時短状態では、演出制御用マイコン121は、遊技制御用マイコン101から受信した特図変動開始コマンドが示す特図変動パターンがTHP121~THP124の何れかである場合、すなわち、リーチ有りのハズレ変動である場合、「7」を0.8%の割合で選択し、「7」を除く奇数図柄(「1」「3」「5」「9」)を各4.8%の割合で選択し、偶数図柄(「2」「4」「6」「8」)を各20%の割合で選択する。
このように本形態では、非時短状態における「確変大当たり」の場合の各演出図柄の選択割合は、「7」>「1」・「3」・「5」・「9」>「2」・「4」・「6」・「8」の関係にある。また、非時短状態における「通常大当たり」の場合の各演出図柄の選択割合は、「2」=「4」=「6」=「8」の関係にある。また、非時短状態における「リーチ有りハズレ」の場合の各演出図柄の選択割合は、「2」・「4」・「6」・「8」>「1」・「3」・「5」・「9」>「7」の関係にある。すなわち本形態では、図45に示すように、非時短状態における各演出図柄の大当たり期待度は、「7」>「1」・「3」・「5」・「9」>「2」・「4」・「6」・「8」の関係にある。つまり本形態では、リーチになった演出図柄が奇数図柄(7・1・3・5・9)であれば、どの演出図柄であっても、偶数図柄(2・4・6・8)でリーチになった場合よりも、大当たり期待度が高い。また、奇数図柄で大当たり当選が報知されれば、確変大当たりが確定する。よって本形態では、奇数図柄でリーチになった場合には、遊技者に大当たり当選への期待感を強く抱かせることが可能である。
また本形態では、奇数図柄の中でも7図柄のリーチはハズレ変動に基づいて表示されることが極めて少なく、確変大当たりに基づく変動では最も表示され易い(図44参照)。よって、7図柄のリーチは、他の奇数図柄(1・3・5・9)でのリーチに比べて、極めて大当たり期待度が高い演出として機能する。7図柄は、高期待度図柄の一例である。なお、リーチになった演出図柄(リーチ図柄)の種類に応じた大当たり期待度は、遊技に支障をきたさない範囲で適宜変更可能である。
また本形態では、確変大当たりに当選した場合でも、僅かな確率で、偶数図柄が選択されるようになっている(図44参照)。このことにより、偶数図柄でリーチになったり、偶数図柄のゾロ目が停止表示されたりした場合でも、高確率状態に制御されることに期待が持てるようになっている。なお、この場合の確変大当たりであることの報知(確変昇格演出)は、特図の変動時間中に実行してもよいし、停止時間中に実行してもよいし、大当たり遊技中に実行してもよいし、大当たり遊技の終了後の高確率状態中に実行してもよい。
<ドライブチャンス>
次に、第2実施形態のパチンコ遊技機が実行可能なドライブチャンスについて図46及び図47に基づいて具体的に説明する。演出制御用マイコン121は、遊技制御用マイコン101から受信した特図1変動開始コマンドが示す特図変動パターンが「ドライブSP変動(THP101、THP102、THP111、THP112、THP121、又は、THP122)」である場合、通常変動を開始した後,ドライブチャンスを行って、リーチ演出(Nリーチ、SPリーチ)を行う(図42参照)。ドライブチャンスは、「1」~「9」の何れの数字図柄でリーチが成立するかを見せる演出である。
具体的には演出制御用マイコン121は、ドライブチャンスを行う場合、図46(A)(B)に示すように、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3の変動表示を開始するとまず、「ドライブチャンス」の文字画像G60を表示部50aに表示する。これにより、ドライブチャンスの開始を遊技者に認識させることが可能である。
続いて演出制御用マイコン121は、図46(C)に示す演出画像を表示部50aに表示する。図46(C)に示す演出画像には、車を表す画像(移動体画像G61)と、車が走行可能な道を表す画像(道画像G62)と、道に沿って車の進行方向左側に数順に並べられた各種の数字図柄(左数字図柄LS)と、道に沿って車の進行方向右側に数順に並べられた各種の数字図柄(右数字図柄RS)とが含まれている。左数字図柄LSと右数字図柄RSとは、同じ数字が道を挟んで対向するように並べられている。すなわち、左数字図柄LSの「1」と右数字図柄RSの「1」とが道を隔てて対向して配置され、左数字図柄LSの「2」と右数字図柄RSの「2」とが道を隔てて対向して配置され、以下同様に続くといった具合に、各種の左数字図柄LSと各種の右数字図柄RSとが道を隔てて対向して配置されている。
言い換えれば、ドライブチャンスでは、車の進行方向左側(道の一端側)に沿う第1のラインL1上に各種の数字図柄が並べて配置されており、第1のラインL1と並行なラインであって車の進行方向右側(道の他端側)に沿う第2のラインL2上にも各種の数字図柄が並べて配置されており、第1のラインL1上に並べられた各種の数字図柄と第2のラインL2上に並べられた各種の数字図柄とは道を隔てて同じ数字図柄同士になるように配置されている。そしてドライブチャンスでは、このように左右を数字図柄に挟まれた道を車が走行する動画を表示部50aに表示する(図46(C))。言い換えれば、この演出は、2列に数順に整列された複数の数字図柄によって形成された道を移動体画像G61が移動していく演出(第1のラインL1上の図柄列と第2のラインL2上の図柄列との間を移動体画像G61が移動していく演出)であると言える。なお本形態では、ドライブチャンスにおいて表示部50aに表示される左数字図柄LSおよび右数字図柄RSの範囲は、1図柄から9図柄までの全範囲ではないが(図46(C)参照)、1図柄から9図柄までの全範囲が表示されるようにしてもよい。
図46(C)に示す画像の表示後、演出制御用マイコン121は、ある数字図柄(この例では4図柄)に挟まれた位置で移動体画像G61の移動を停止させる(図46(D))。なお、移動体画像G61は、移動していなければ、その場で小さく振動するなど完全に止まっていない態様(車のエンジンがかかっていることを表現した態様)で表示されていてもよい。そして演出制御用マイコン121は、図46(E)に示すように、移動体画像G61の進行方向左側に位置していた数字図柄(4図柄)が表示部50aの左上部に移動して左演出図柄EZ1として大きく揺れている様子を表示するとともに、移動体画像G61の進行方向右側に位置していた数字図柄(4図柄)が表示部50aの右上部に移動して右演出図柄EZ3として大きく揺れている様子を表示する。また演出制御用マイコン121は、これに伴って、停止した車の窓からドライバーが顔を出すシーンをアップで表示する。すなわち、図46(E)に示す画像には、窓から顔を出したドライバーを含む車の画像が含まれる。本形態では、窓から顔を出したドライバーを含む車の画像も、移動体画像G61の一態様とする。つまり、移動体画像G61には搭乗者も含まれるものとする。なお、移動体画像G61は、「所定の指標画像」の一例である。
実行中のドライブチャンスが「ドライブ1回SP大当たり変動(THP102、THP112)」あるいは「ドライブ1回SPハズレ変動(THP122)」に基づくものである場合、図46(E)に示すシーンに続いて、図46(F)に示すシーンを表示する。図46(F)に示すシーンでは、演出制御用マイコン121は、ドライバーの表情をやる気に満ちた表情に変化させるとともに、「勝負のときだ」というドライバーのセリフ(第1のセリフ)を表すセリフ画像G64を表示する。また演出制御用マイコン121は、これに伴って、表示部50aの左上部で大きく揺れている左演出図柄EZ1、及び、表示部50aの右上部で大きく揺れている右演出図柄EZ3の揺れ幅を小さくし、両演出図柄EZ1,EZ3を仮停止表示する。そして演出制御用マイコン121は、図46(G)に示すように、昼間通常用背景画像G102を表示する画面に戻して、それまで表示部50aの左上部および右上部に表示していた数字図柄(この例では4図柄)をリーチ図柄とするリーチ状態で演出図柄EZ1,EZ2,EZ3を表示する。その後、演出制御用マイコン121は、Nリーチを経てSPリーチを行う。なお、図46(F)に示すやる気に満ちた表情のドライバーを含む車の画像は、移動体画像G61(所定の指標画像)の第1態様の一例である。また、図46(F)に示すように「移動体画像G61」、「左演出図柄EZ1」(ここでは4図柄)、及び、「右演出図柄EZ3」(ここでは4図柄)を組み合わせて表示する表示態様は、特定態様の一例である。
このようにドライブチャンスは、各種の数字図柄(1図柄~9図柄)を同じ数字図柄同士が対応するように第1のラインL1上および第2のラインL2上に配置してその間で移動体画像G61を移動させ(図46(C)参照)、移動体画像G61の移動を停止させたときに移動体画像G61の進行方向左側にある数字図柄(例えば4図柄)と進行方向右側にある数字図柄(例えば4図柄)とを用いて、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3をリーチ状態とする斬新な見せ方の演出である(図46(D)~(G)参照)。
上述した演出例は、ドライブチャンスを1回だけ行う場合の演出例である。ドライブチャンスを2回行う場合には、次のように演出を進行する。すなわち、実行中のドライブチャンスが「ドライブ2回SP大当たり変動(THP101、THP111)」あるいは「ドライブ2回SPハズレ変動(THP121)」に基づくものである場合、図46(E)に示すシーンに続いて、図47(A)に示すシーンを表示する。図47(A)に示すシーンでは、演出制御用マイコン121は、ドライバーの表情を笑顔に変化させるとともに、「もう1周してくるよ」というドライバーのセリフ(第2のセリフ)を表すセリフ画像G66を表示する。また演出制御用マイコン121は、これに伴って、表示部50aの左上部で大きく揺れている左演出図柄EZ1、及び、表示部50aの右上部で大きく揺れている右演出図柄EZ3を再び変動表示させる。なお、図47(A)に示す笑顔のドライバーを含む車の画像は、移動体画像G61(所定の指標画像)の第2態様の一例である。
図47(A)の演出に続いて演出制御用マイコン121は、図47(B)に示すように、「ドライブチャンス」の文字画像G60と「2周目」の文字画像G68とを含む演出画像を表示部50aに表示する。これにより遊技者に、2回目のドライブチャンスが行われること(ドライブチャンスが繰り返されること)を認識させる。
その後は、1回目のドライブチャンスのときと同様、図47(C)~(G)に示す流れで演出を行う。すなわち演出制御用マイコン121は、移動体画像G61、道画像G62、左数字図柄LS、右数字図柄RSを表示して、移動体画像G61を移動表示させる(図47(C))。ここで、2回目のドライブチャンスでは、1回目のドライブチャンスとは異なる範囲で数字図柄が表示されることがある(図46(C)、図47(C)参照)。そして演出制御用マイコン121は、ある図柄(この例では7図柄)に挟まれた位置で移動体画像G61の移動を停止させる(図47(D))。なお、移動体画像G61は、移動していなければ、その場で小さく振動するなど完全に止まっていない態様(車のエンジンがかかっていることを表現した態様)で表示されていてもよい。図47(C)(D)に示すように、2回目のドライブチャンスでは、1回目のドライブチャンスとは異なる数字図柄(リーチ成立時の大当たり期待度がより高い演出図柄)に挟まれた位置で、移動体画像G61が停止することがある。
その後、演出制御用マイコン121は、図47(D)に示す場面で移動体画像G61の一方側にある数字図柄(左数字図柄LSに含まれる7図柄)が表示部50aの左上部に移動して左演出図柄EZ1として大きく揺れている様子を表示するとともに、図47(D)に示す場面で移動体画像G61の他方側にある数字図柄(右数字図柄RSに含まれる7図柄)が表示部50aの右上部に移動して右演出図柄EZ3として大きく揺れている様子を表示する(図47(E))。またこれに伴い、車の窓からドライバーが顔を出すシーンを表示する。
続いて演出制御用マイコン121は、ドライバーの表情をやる気に満ちた表情に変化させるとともに、「勝負のときだ」というドライバーのセリフ(第1のセリフ)を表すセリフ画像G64を表示する(図47(F))。またこれに伴って、表示部50aの左上部で大きく揺れていた左演出図柄EZ1、及び、表示部50aの右上部で大きく揺れていた右演出図柄EZ3の揺れ幅を小さくし、両演出図柄EZ1,EZ3を仮停止表示する。そして演出制御用マイコン121は、図47(G)に示すように、昼間通常用背景画像G102を表示する画面に戻して、それまで表示部50aの左上部および右上部に表示していた数字図柄(この例では7図柄)をリーチ図柄とするリーチ状態で演出図柄EZ1,EZ2,EZ3を表示する。その後、演出制御用マイコン121は、Nリーチを経てSPリーチを行う。なお、図47(F)に示すように「移動体画像G61」、「左演出図柄EZ1」(ここでは7図柄)、及び、「右演出図柄EZ3」(ここでは7図柄)を組み合わせた表示態様は、特定態様の一例である。
このように2回目のドライブチャンスでは、1回目のドライブチャンスでリーチ図柄の候補として示された図柄(例えば4図柄、図46(D)(E)参照)よりも大当たり期待度が高い図柄(例えば7図柄)がリーチ図柄の候補として示され(図47(D)(E)参照)、その図柄で演出図柄EZ1,EZ2,EZ3がリーチ状態に至ることがある(図47(F)(G)参照)。よって、2回目のドライブチャンスが実行された場合には、遊技者は1回目のドライブチャンスで示された図柄よりも大当たり期待度が高い図柄(高期待度図柄)でリーチが形成されることに期待でき、遊技興趣の向上が見込める。なお、ドライブチャンスにおける図46(D)(E)に示す演出や図47(D)(E)に示す演出は、リーチ図柄の候補を示す演出と言えるし、この候補の図柄でリーチが形成されるかを煽る演出とも言える。また、ドライブチャンスにおける図46(F)に示す演出や図47(F)に示す演出、並びに、ドライブチャンス後の図46(G)に示す演出や図47(G)に示す演出は、リーチ図柄が確定している状態と言えるし、リーチが形成されている状態とも言える。
ここで本形態では、図44の備考欄に示すように、確変大当たりに当選した場合のドライブ2回SP大当たり変動(THP101)あるいはドライブ2回SPハズレ変動(THP121)に基づいて、リーチ図柄として7図柄を選択したときには、1回目のドライブチャンスでは7図柄以外の図柄に挟まれた位置で移動体画像G61を停止させ、2回目のドライブチャンスにおいて7図柄に挟まれた位置で移動体画像G61を停止させるように構成されている。よってこのような場合に、演出制御用マイコン121は、図46(A)~(E)および図47(A)~(G)に示す流れで演出を実行することになる。
一方、確変大当たりに当選した場合のドライブ2回SP大当たり変動(THP101)あるいはドライブ2回SPハズレ変動(THP121)に基づいて、リーチ図柄として7図柄以外の図柄を選択したときには、1回目のドライブチャンスも2回目のドライブチャンスも、演出制御用マイコン121は、選択した図柄に挟まれた位置で移動体画像G61を停止させる。また、通常大当たりに当選した場合のドライブ2回SP大当たり変動(THP111)に基づいてドライブチャンスが行われる場合には、1回目のドライブチャンスも2回目のドライブチャンスも、演出制御用マイコン121は、選択した図柄に挟まれた位置で移動体画像G61を停止させる。よってこれらの場合には、2回目のドライブチャンスが行われても、1回目のドライブチャンスでリーチ図柄の候補として示された図柄よりも大当たり期待度が高い図柄でリーチが形成されることはない。
また、ドライブ1回SP大当たり変動(THP102、THP112)あるいはドライブ1回SPハズレ変動(THP122)に基づいてドライブチャンスが行われる場合には、1回目のドライブチャンスにおいて、演出制御用マイコン121は、選択した図柄に挟まれた位置で移動体画像G61を停止させる。
なお、ドライブチャンスを2回行う場合、1回目のドライブチャンスでは偶数図柄がリーチ図柄の候補として示され、2回目のドライブチャンスでは7図柄以外の奇数図柄がリーチ図柄の候補として示されるパターンを設けてもよい。
<第2実施形態の作用効果>
以上説明したように、第2実施形態のパチンコ遊技機によれば、第1のラインL1に並べられた複数種類の演出図柄と、これに対応して第2のラインL2に並べられた複数種類の演出図柄との間を、移動体画像G61が移動していき、停止したところの一方側(車の進行方向左側)と他方側(車の進行方向右側)とにある両演出図柄を用いてリーチになることを見せる、という斬新な演出(図46、図47参照)により遊技興趣を向上させることが可能である。
また第2実施形態のパチンコ遊技機によれば、移動体画像G61の移動が停止した場合、移動体画像G61が図46(F)に示す第1態様(やる気に満ちた表情のドライバーが窓から顔を出している車を表現した態様)となってリーチになるのか、図47(A)に示す第2態様(笑顔のドライバーが窓から顔を出している車を表現した態様)となってリーチにならないのか(もう1回ドライブチャンスが行われるのか)に分岐するようになっている。そのため、移動体画像G61の移動が停止したときの演出に対する注目度を高めることができ、遊技興趣の向上が見込める。
また第2実施形態のパチンコ遊技機によれば、リーチになる場合には、移動体画像G61とその両側にある各演出図柄(例えば4図柄、図46(D)参照)とが組み合わされた演出(図46(D)~(F)参照)が行われるため、演出の盛り上がりが増すことに期待でき、遊技興趣の向上が見込める。
また第2実施形態のパチンコ遊技機によれば、奇数図柄でリーチ状態が形成されるか、偶数図柄でリーチ状態が形成されるかによって、大当たり期待度が変わってくるため(図45参照)、ドライブチャンスにおいて移動体画像G61がどこで停止するかに対する関心が高められ、遊技興趣が向上される。
また第2実施形態のパチンコ遊技機によれば、1回目のドライブチャンスにおいて移動体画像G61が停止して所定の演出図柄(例えば4図柄)でリーチ状態が形成されると思わせた後で(図46(D)(E)参照)、2回目のドライブチャンスが行われ、その2回目のドライブチャンスにおいて、所定の演出図柄(4図柄)よりも期待度が高い高期待度図柄(例えば7図柄)の位置で移動体画像G61が停止して高期待度図柄(7図柄)でリーチ状態が形成されることがある(図47参照)。よって、遊技興趣が向上される。
<第2実施形態の変更例>
以下、第2実施形態の変更例について説明する。なお、第2実施形態の変更例の説明において、第2実施形態のパチンコ遊技機と同様の構成については、同じ符号を付して説明を省略する。勿論、第2実施形態の変更例に係る構成同士を適宜組み合わせて構成してもよい。また、第2実施形態およびその変更例中の技術的特徴は、本明細書において必須なものとして説明されていなければ、適宜、削除することが可能である。また、上述した第1実施形態のパチンコ遊技機PY1およびその変更例に含まれる構成は、遊技に支障をきたさない範囲で、第2実施形態およびその変更例から把握される遊技機に採用することができる。
第2実施形態では、ドライブチャンスが2回繰り返される変動演出が行われた場合、リーチ図柄(テンパイ図柄)の種類が、より大当たり期待度の高いものへと変わることがある構成としたが(図44の備考欄参照)、ドライブチャンスが複数回繰り返されてもリーチ図柄の種類が変わることがない構成としてもよい。
また第2実施形態では、ドライブチャンスが2回繰り返される変動の大当たり期待度と、ドライブチャンスが1回だけ行われる変動の大当たり期待度とを同じにしたが(図42参照)、ドライブチャンスが2回繰り返される変動の方が、ドライブチャンスが1回だけ行われる変動よりも大当たり期待度が高い構成としてもよい。このような構成とした場合、1回目のドライブチャンスで7図柄のリーチが成立した場合よりも、2回目のドライブチャンスで7図柄のリーチが成立した場合の方が、大当たり期待度が高くなる。これにより、遊技興趣の向上が見込める。また、確変大当たりに当選している場合の方が、通常大当たりに当選している場合よりも、ドライブチャンスが実行され易い構成としてもよい。また、確変大当たりに当選している場合には、ドライブチャンスが2回繰り返される変動の方が、ドライブチャンスが1回だけ行われる変動よりも実行され易く、通常大当たりに当選している場合には、ドライブチャンスが2回繰り返される変動よりも、ドライブチャンスが1回だけ行われる変動の方が実行され易い構成としてもよい。このような構成とすれば、ドライブチャンスが2回繰り返される変動は、確変大当たりに当選している可能性が高いことを示唆する演出として機能する。
また第2実施形態では、ドライブチャンス(特定演出)の結果、ある図柄(例えば4図柄)でリーチ(例えば「4↓4」)が形成されることが示されるように構成したが、特定演出の結果、チャンス目(例えば「135」)が形成されることが示される構成としてもよい。この場合、所定の指標画像を、チャンス目において中演出図柄EZ2が担う図柄(例えば3図柄)としてもよい。
また第2実施形態では、ドライブチャンス(特定演出)によって示唆される所定の有利展開は、リーチ演出(SPリーチ)に発展することであり、特定演出では、いずれの演出図柄でリーチになるかが示される構成とした。これに対して、特定演出によって示唆される所定の有利展開を、大当たり遊技状態になることとし、特定演出では、大当たり当選が示される構成としてもよい。この場合、特定演出において移動する所定の指標画像は、演出図柄であってもよい。具体的には例えば、中演出図柄EZ2を所定の指標画像としてもよい。なお、特定演出において表示中の何れかの演出図柄と同種の演出図柄が中演出図柄EZ2として停止されれば大当たり当選の報知となり、表示中の何れの演出図柄とも異なる演出図柄が中演出図柄EZ2として停止されればハズレの報知となる構成とした場合、大当たり当選の報知に応じて、ゾロ目を構成する演出図柄EZ1,EZ2,EZ3を拡大表示する表示態様(中演出図柄EZ2も拡大表示する)が、所定の指標画像の第1態様に相当し、ハズレの報知に応じて、リーチハズレ目を構成する演出図柄EZ1,EZ2,EZ3を通常のサイズで表示する表示態様(中演出図柄EZ2も通常のサイズで表示する)が、所定の指標画像の第2態様に相当する。また、ゾロ目は特定態様に相当する。
また第2実施形態において、ドライブチャンス(特定演出)における移動体画像G61(所定の指標画像)の動きは適宜変更可能である。例えば、移動体画像G61(所定の指標画像)の動きに、その場で激しく振動する態様(大きな振動)と、その場で微かに振動する態様(小さな振動)が含まれていてもよい。この場合、所定の指標画像の移動に大きな振動が含まれ、所定の指標画像の停止に小さな振動が含まれることとしてもよい。
また第2実施形態では、移動体画像G61が第1のラインL1に並べられた左数字図柄LSや第2のラインL2に並べられた右数字図柄RSに重なることがない構成としたが、移動体画像G61(所定の指標画像)が第1のラインL1に並べられた演出図柄(左数字図柄LS)や第2のラインL2に並べられた演出図柄(右数字図柄RS)に重なって移動表示されることがあってよい。このような構成であっても、「所定の指標画像を前記第1のラインと前記第2のラインとの間で移動させ、」に含まれるものとする。
また第2実施形態では、ドライブチャンス(特定演出)において複数の演出図柄(数字図柄)を数順(車の進行方向に向かって大きくなる順)に並べたが、道を隔てて対向する演出図柄同士が同じ種類であれば(例えば7図柄と7図柄など)、第1のラインL1上および第2のラインL2上に並べられる演出図柄の順序は、例えば3,5,2,8、7等、数順ではなくバラバラな順序であってもよい。
また第2実施形態では、ドライブチャンスにおいて、左数字図柄LSおよび右数字図柄RSはその場に止まっていて移動体画像G61が移動する画像を表示する構成としたが、移動体画像G61はその場に止まっていて左数字図柄LSおよび右数字図柄RSが移動する画像を表示する構成としてもよい。すなわち、移動体画像G61(所定の指標画像)の移動は相対的な移動であってもよい。
また第2実施形態において、特定演出(ドライブチャンス)において表示する指標画像(移動体画像G61)などの各種画像の内容は、演出の機能を阻害することなく遊技に支障をきたさない範囲で適宜変更可能である。なお、特定演出において表示する指標画像の内容に応じて、指標画像の第1態様や第2態様は適宜変更可能である。
また第2実施形態では、ドライブチャンス(特定演出)が連続して複数回繰り返される場合がある構成としたが、連続して複数回繰り返されることがない構成としてもよい。また第2実施形態では、ドライブチャンス(特定演出)が行われた場合は必ずリーチが成立するように構成したが、ドライブチャンスの結果リーチが成立する場合と、リーチが成立せずにハズレが示される場合とがある構成としてもよい。この場合、例えば図46(E)に示す演出に続いて、右演出図柄EZ3が左演出図柄EZ1とは別の種類の図柄(例えば5図柄)に変わるとともに、車の窓から顔を出しているドライバーが残念な表情に変わる演出を行って、リーチが成立しないことを示してもよい。このような演出は第2態様の一例である。また第2実施形態では、ドライブチャンス(特定演出)は、図46(B)~(F)の演出内容を含む演出としたが、図46(C)(D)の演出内容を含んでいればよく、図46(E)(F)の演出内容を含んでいなくてもよい。
また第2実施形態では、ドライブチャンス(特定演出)において移動体画像G61の移動を停止させた場合、その移動体画像G61の進行方向左側および進行方向右側に位置する各演出図柄(例えば左数字図柄LSおよび右数字図柄RSとして表示していた4図柄、図46(C)参照)と、移動体画像G61とを、図46(F)に示すような特定態様で表示することで、移動体画像G61の進行方向左側および進行方向右側に位置していた各演出図柄(4図柄)をリーチ図柄とするリーチ演出が行われることを示唆する構成とした。しかしながら、移動体画像G61の進行方向左側および進行方向右側に位置する各演出図柄と、移動体画像G61とを用いた特定態様は、適宜変更可能である。具体的には例えば、移動体画像G61として車の正面を表す画像を表示し、車の左右のヘッドライトの位置に各演出図柄を重ねて表示する態様を、特定態様としてもよい。
<第2実施形態に示されている発明>
上記した第2実施形態及びその変更例には、以下の各手段の発明が示されている。以下に記す手段の説明では、上記した実施形態等における対応する構成名や表現、図面に使用した符号を参考のためにかっこ書きで付記している。但し、各発明の構成要素はこの付記に限定されるものではない。なお、手段Cは、以下の手段C1~C5の総称である。
手段C1:
第1のライン(L1)に複数種類の演出図柄(左数字図柄LS)が並べられ(図46(C)参照)、
前記複数種類の演出図柄と同種の演出図柄(右数字図柄RS)が、前記第1のラインに並べられている各演出図柄に対応して第2のライン(L2)に並べられており、
所定の指標画像(移動体画像G61)を前記第1のラインと前記第2のラインとの間で移動させ、
前記所定の指標画像の移動を停止させたときに、当該所定の指標画像の一方側(車の進行方向左側)にある演出図柄(図46(D)では4図柄)と他方側(車の進行方向右側)にある演出図柄(図46(D)では4図柄)とを用いて、遊技者に有利な所定の有利展開になること(リーチ演出が実行されること)を示唆する特定演出(ドライブチャンス)を実行可能であることを特徴とする遊技機。
この構成の遊技機によれば、第1のラインに並べられた複数種類の演出図柄と、これに対応して第2のラインに並べられた複数種類の演出図柄との間を、所定の指標画像が移動していき、停止したところの一方側と他方側とにある両演出図柄を用いて有利な展開になることを見せる、という斬新な演出により遊技興趣を向上させることが可能である。
手段C2:
手段C1に記載の遊技機であって、
前記所定の指標画像(移動体画像G61)の移動を停止させた後、当該所定の指標画像を、前記所定の有利展開になることを示唆する第1態様(図46(F)に示す態様)とするときと、前記所定の有利展開にならないことを示唆する第2態様(図47(A)に示す態様)とするときとがあることを特徴とする遊技機。
この構成の遊技機によれば、所定の指標画像の移動が停止したときに、所定の指標画像が第1態様となって有利な展開になるのか、第2態様となって有利な展開にならないのかを見せるようになっているため、所定の指標画像の移動が停止したときの演出に対する注目度を高めることができ、遊技興趣の向上が見込める。
手段C3:
手段C1又は手段C2に記載の遊技機であって、
前記特定演出において前記所定の有利展開になることを示唆する場合、前記所定の指標画像(移動体画像G61)と、当該所定の指標画像の一方側(車の進行方向左側)にある演出図柄(図46(D)では4図柄)と他方側(車の進行方向右側)にある演出図柄(図46(D)では図柄)とを、特定態様(図46(F)に示す態様)で表示することを特徴とする遊技機。
この構成の遊技機によれば、有利な展開になる場合には、所定の指標画像とその両側にある各演出図柄とが組み合わされた演出が行われるため、演出の盛り上がりが増すことに期待でき、遊技興趣の向上が見込める。
手段C4:
手段C1から手段C3までの何れかに記載の遊技機であって、
前記所定の有利展開は、所定のリーチ演出(SPリーチ)に発展することであり、
前記特定演出において、前記複数種類の演出図柄のうち第1の種類の演出図柄(奇数図柄)でリーチ状態が形成されたときと、前記第1の種類とは異なる第2の種類の演出図柄(偶数図柄)でリーチ状態が形成されたときとで、遊技者に有利な有利状態(大当たり遊技状態)になる期待度が異なる(図45参照)ことを特徴とする遊技機。
この構成の遊技機によれば、第1の種類の演出図柄でリーチ状態が形成されるか、第2の種類の演出図柄でリーチ状態が形成されるかによって、遊技者に有利な有利状態になる期待度が変わってくるため、所定の指標画像がどこで停止するかに対する関心が高められ、遊技興趣が向上される。
手段C5:
手段C4に記載の遊技機であって、
前記特定演出(1回目のドライブチャンス)において所定の演出図柄(例えば4図柄)でリーチ状態が形成されるか煽られた後(図46(E)参照)、再び前記特定演出(2回目のドライブチャンス)が行われて、前記所定の演出図柄よりも前記期待度が高い高期待度図柄(例えば7図柄)でリーチ状態が形成されることがある(図46(A)~(E)、図47(A)~(G)参照)ことを特徴とする遊技機。
この構成の遊技機によれば、先の特定演出において所定の指標画像が停止して所定の演出図柄でリーチ状態が形成されると思わせた後で、再び特定演出が行われ、その特定演出において、所定の演出図柄よりも期待度が高い高期待度図柄の位置で所定の指標画像が停止して高期待度図柄でリーチ状態が形成されることがあるため、遊技興趣が向上される。
ところで従来より、遊技機の一例であるパチンコ遊技機として、例えば特開2019-205704号公報に記載されているように、変動演出において左演出図柄をある数字図柄で停止表示した後に、右演出図柄が左演出図柄と同じ数字図柄で停止表示されるか(すなわちリーチになるか)を煽り、リーチが成立した場合にはバトルリーチを行って抽選の結果を示す遊技機が知られている。ところで、特開2019-205704号公報に記載の遊技機のように、変動演出において演出図柄をリーチにするなど、演出図柄を用いて演出展開を示唆する遊技機については、演出図柄の用い方に改良の余地があった。すなわち、演出図柄を用いて演出展開を示唆する遊技機については、遊技興趣の向上のため、未だ改良の余地がある。
上記した手段Cは、特開2019-205704号公報に記載の遊技機に対して、「第1のラインに並べられた複数種類の演出図柄と同種の演出図柄が、第1のラインに並べられている各演出図柄に対応して第2のラインに並べられ、所定の指標画像を第1のラインと第2のラインとの間で移動させ、所定の指標画像の移動を停止させたときに、当該所定の指標画像の一方側にある演出図柄と他方側にある演出図柄とを用いて、遊技者に有利な所定の有利展開になることを示唆する」」という点で相違している。これにより、手段Cの発明は、「遊技の興趣を向上させる」という課題を解決する(作用効果を奏する)ことが可能である。
12.第3実施形態
以下、第3実施形態のパチンコ遊技機を図48~図63に基づいて説明する。第3実施形態のパチンコ遊技機の説明において第1実施形態のパチンコ遊技機と同一の構成については、同一の符号を付して説明を省略する。第3実施形態のパチンコ遊技機は、第1実施形態のパチンコ遊技機において7セグ表示器300にて所謂通常ベースを表示可能としつつ、過賞球防止機能を搭載したものである。
なお第3実施形態のパチンコ遊技機は、いわゆるV確ST機である。第3実施形態のパチンコ遊技機では、第2大入賞口15を開放するラウンド遊技を含む大当たり遊技を実行可能であり、第2大入賞口15を開放するラウンド遊技においてV通過(特定領域16への通過)が有れば、大当たり遊技の終了に際して確変フラグ(高確率状態であることを示すフラグ)および時短フラグ(時短状態であることを示すフラグ)をONにする(高確高ベース状態にする)とともに、確変カウンタ(高確率状態における特図変動の上限回数をカウントするカウンタ)および時短カウンタ(時短状態における特図変動の上限回数をカウントするカウンタ)を共に「160」にセットする一方、大当たり遊技中にV通過が無ければ大当たり遊技の終了に際して時短フラグだけをONにし(低確高ベース状態にする)とともに、時短カウンタを「160」にセットする。
<7セグ表示器での表示>
まず、第3実施形態のパチンコ遊技機における7セグ表示器300(図9参照)での表示について説明する。7セグ表示器300では、通常遊技状態で遊技者が獲得した通常総賞球数と通常遊技状態で遊技者が発射した通常発射球数との割合である通常ベースが百分率(%)の値として表示される。なお7セグ表示器300では、通常ベース以外のベース(時短状態で遊技者が獲得した時短総賞球数と時短状態で遊技者が発射した時短発射球数との割合である時短ベース、大当たり遊技状態で遊技者が獲得した大当たり総賞球数と大当たり遊技状態で遊技者が発射した大当たり発射球数との割合である大当たりベース)が表示されることはない。
ここで、遊技制御用マイコン101は、通常発射球数と、通常総賞球数と、総発射球数と、を常にカウントするようになっている。総発射球数とは、全ての遊技状態(通常遊技状態、大当たり遊技状態、高確高ベース状態、低確高ベース状態など)において、遊技者が発射した発射球数のことである。総発射球数は、遊技制御用マイコン101が排出口センサの検知をカウントすることで算出される。通常発射球数は、遊技制御用マイコン101が通常遊技状態に限って排出口センサの検知をカウントすることで算出される。通常総賞球数は、遊技制御用マイコン101が通常遊技状態で払い出す賞球数をカウントすることで算出される。
7セグ表示器300での表示のためにカウントされた通常発射球数の情報と通常総賞球数の情報と総発射球数の情報とは、遊技用RAM104の非消去記憶部107(図6参照)の特定記憶領域(図示省略)に記憶されている。従って、RAMクリアが実行されても、通常発射球数の情報と通常総賞球数の情報と総発射球数の情報は維持される(消去されない)。こうして、遊技制御用マイコン101は、RAMクリアが実行されても、電源遮断時の通常発射球数と電源遮断時の通常総賞球数とを用いて、通常ベースを演算することができる。そして、遊技制御用マイコン101は、遊技状態に拘わらず(通常遊技状態、大当たり遊技状態、高確高ベース状態、低確高ベース状態などにおいて)、通常ベースの値を、7セグ表示器300の右2桁(第3表示領域330と第4表示領域340(図9参照))で表示する。
ここで、通常ベースは、総発射球数が60000発毎に区切って演算される。つまり、工場出荷後に電源が初めて投入されてから総発射球数が60000発になるまでに演算された通常ベースは、最初の通常ベースとなる。その後、総発射球数が60001発を超えると、最初の通常ベースだった値は、1回前の通常ベースとして記憶される。そして、総発射球数が60001発から120000発になるまでに演算された通常ベースは、現在の通常ベースとなる。その後、総発射球数が120001発を超えると、1回前の通常ベースだった値は2回前の通常ベースとして記憶され、現在の通常ベースだった値が1回前の通常ベースとして記憶される。そして、総発射球数が120001発から180000発になるまでに演算された通常ベースは、現在の通常ベースとなる。
その後、総発射球数が180001発を超えると、2回前の通常ベースだった値が3回前の通常ベースとして記憶され、1回前の通常ベースだった値が2回前の通常ベースとして記憶され、現在の通常ベースだった値が1回前の通常ベースとして記憶される。そして、総発射球数が180001発から240000発になるまでに演算された通常ベースは、現在の通常ベースとなる。その後、総発射球数が240001発を超えると、3回前の通常ベースだった値は消去され、2回前の通常ベースだった値が3回前の通常ベースとして記憶され、1回前の通常ベースだった値が2回前の通常ベースとして記憶され、現在の通常ベースだった値が1回前の通常ベースとして記憶される。そして、総発射球数が240001発から300000発になるまでに演算された通常ベースは、現在の通常ベースとなる。以後同様に、総発射球数が60000発毎に通常ベースが演算されて、3回前の通常ベースの値までが記憶される。
こうして、遊技制御用マイコン101は、遊技用RAM104の非消去記憶部107にて、現在の通常ベース、1回前の通常ベース、2回前の通常ベース、3回前の通常ベースを最大で記憶させておくことができる。この場合、遊技制御用マイコン101は、7セグ表示器300において、現在の通常ベース⇒1回前の通常ベース⇒2回前の通常ベース、⇒3回前の通常ベース⇒現在の通常ベースを5秒間毎に切替えて表示するようになっている。
具体的に、7セグ表示器300では、左2桁(第1表示領域310と第2表示領域320(図9参照))で「bL」が示されるときに、右2桁(第3表示領域330と第4表示領域340)で現在の通常ベースが表示される。そのため、左2桁で「bL」を見た人は、右2桁で示されている値(通常ベース)が、現在の通常ベースであることを把握することができる。
そして、現在の通常ベースの表示が開始されてから5秒間が経過すると、7セグ表示器300では、左2桁で「b1」が示されると共に、右2桁で1回前の通常ベースが表示される。そのため、左2桁で「b1」を見た人は、右2桁で示されている値(通常ベース)が、1回前の通常ベースであることを把握することができる。
そして、1回前の通常ベースの表示が開始されてから5秒間が経過すると、7セグ表示器300では、左2桁で「b2」が示されると共に、右2桁で2回前の通常ベースが表示される。そのため、左2桁で「b2」を見た人は、右2桁で示されている値(通常ベース)が、2回前の通常ベースであることを把握することができる。
そして、2回前の通常ベースの表示が開始されてから5秒間が経過すると、7セグ表示器300では、左2桁で「b3」が示されると共に、右2桁で3回前の通常ベースが表示される。そのため、左2桁で「b3」を見た人は、右2桁で示されている値(通常ベース)が、3回前の通常ベースであることを把握することができる。
そして、3回前の通常ベースの表示が開始されてから5秒間が経過すると、7セグ表示器300では、上述したように、左2桁で「bL」が示されると共に、右2桁で現在の通常ベースが表示されて、以後同様に繰返される。
また7セグ表示器300では、工場出荷後に電源が初めて投入されてから総発射球数が300球以下であると、右2桁に「--」が表示される。つまり、総発射球数が300球以下では、通常ベースの値が表示されず、総発射球数が300球を超えてから、通常ベースの値が表示される。こうして、総発射球数が300球以下である場合には、通常ベースの分母の値(通常発射球数)が小さ過ぎることで、信頼性の低い通常ベースの値を表示することを回避している。なお、総発射球数が300球以下であっても、7セグ表示器300の左2桁では、「bL」⇒「b1」⇒「b2」⇒「b3」の表示が5秒間毎に繰り返される。
また7セグ表示器300では、工場出荷後に電源が初めて投入されてから通常発射球数が6000球以下であると、左2桁で示される「bL」、「b1」、「b2」、「b3」が点滅態様になる。その後、工場出荷後に電源が初めて投入されてから通常発射球数が6000球を超えると、左2桁で示される「bL」、「b1」、「b2」、「b3」が点灯態様になる。こうして、7セグ表示器300で通常ベースを確認する人に対して、左2桁で点滅態様を見せた場合には、右2桁で示されている通常ベースの値が未だ十分に収束していない値であることを把握させることが可能である。言い換えると、通常ベースを確認する人に対して、左2桁で点灯態様を見せた場合には、右2桁で示されている通常ベースの値がある程度収束している値であることを把握させることが可能である。
また7セグ表示器300では、電源投入後に設定モードに移行すると、第4表示領域340にて、設定値(「1」)が表示される。その後、設定キーシリンダ180が回転位置から待機位置へ回転操作されると、設定モードが終了して、第4表示領域340にて、設定値(「1」)が表示されなくなる。こうして、設定モードに設定されている間に限り、7セグ表示器300の第4表示領域340で、設定値が示される。
また7セグ表示器300では、電源が投入されてから通常ベースの表示が開始されるまでの間に、初期表示が行われる。なお上述したように、電源投入後に設定モードに移行する場合には、設定モードが終了した後に、初期表示が実行される。7セグ表示器300での初期表示は、第1表示領域310から第4表示領域340までに含まれている全ての点灯部分LB1~LB32(図9参照)が点灯する。つまり、7セグ表示器300において「8.8.8.8.」が示される。こうして、電源投入直後に、7セグ表示器300で初期表示が実行されることで、7セグ表示器300が正常に動作することが示される。
<過賞球防止機能>
次に、第3実施形態のパチンコ遊技機における過賞球防止機能について説明する。第3実施形態のパチンコ遊技機では、遊技者に過剰な賞球を付与しないように、遊技制御用マイコン101が、過賞球防止機能を作動できるようになっている。具体的に、過賞球防止機能は、差玉数が80000(基準数)以上であることを条件に、遊技を実行不能にする機能である。ここで、差玉数(特定計測数)とは、総賞球数と総発射球数との差のことである。総賞球数は、全ての遊技状態(通常遊技状態、大当たり遊技状態、高確高ベース状態、低確高ベース状態など)において遊技者が獲得する(遊技者に払い出される)賞球数のことである。なお総賞球数は、遊技制御用マイコン101が遊技者に払い出す予定の賞球数の合計を意味しているが、遊技者に実際に払い出された賞球数の合計を意味していても良い。総発射球数は、上述したように、全ての遊技状態において、遊技者が発射した発射球数のことである。
遊技制御用マイコン101は、電源が投入されてから随時、総賞球数をカウントしていて、カウントされた総賞球数の情報は、遊技用RAM104の非消去記憶部107に設けられている総賞球数記憶部107a(図6参照)に記憶される。また遊技制御用マイコン101は、電源が投入されてから随時、総発射球数をカウントしていて、カウントされた総発射球数の情報は、遊技用RAM104の非消去記憶部107に設けられている総発射球数記憶部107b(図6参照)に記憶される。そして遊技制御用マイコン101は、電源が投入されてから随時、総賞球数から総発射球数を減算して、差玉数を演算していて、演算された差玉数の情報は、遊技用RAM104の非消去記憶部107に設けられている差玉数記憶部107c(図6参照)に記憶される。
よって、遊技制御用マイコン101は、RAMクリアが実行されても、非消去記憶部107に記憶されている総賞球数の情報と総発射球数の情報と差玉数の情報とを消去しない。こうして、遊技制御用マイコン101は、電源遮断時の総賞球数と電源遮断時の総発射球数とを用いて、日付を跨いで差玉数を演算することができる。なお遊技制御用マイコン101は、総発射球数の値が総賞球数の値よりも大きい場合には、差玉数をマイナスの値として扱うようになっている。
本形態では、過賞球防止機能が作動すると、遊技制御用マイコン101が、遊技に関する遊技制御処理(後述するステップS102~S108の処理、図54参照)を停止させるだけでなく、遊技球を発射させるための発射制御処理(後述するステップS109の処理、図54参照)も停止させる。従って、遊技者は、ハンドル72kを回転操作しても、遊技球が発射されないことで、遊技ができない状況にすぐに気づくことができる。なお、過賞球防止機能が作動すると、遊技制御用マイコン101は、遊技制御処理を停止することで、各種センサ類MSから検知内容に応じた信号を受信しなくなり、表示器類8及び7セグ表示器300の表示制御を実行しなくなり、各種アクチュエータ類MAを作動させなくなり、払出制御基板170を介して外部端子板160に外端信号を出力しなくなる。
過賞球防止機能が作動した後、遊技が実行不能な状況は、電源が遮断されるまで継続する。本形態では、過賞球防止機能は、RAMクリアが実行されること条件に解除される。つまり、過賞球防止機能が作動した後、遊技場の従業員は電源スイッチ193のOFF操作により電源を遮断する。そして、遊技場の従業員は、電源スイッチ193のON操作により電源を投入するときに、RAMクリアスイッチ191を押下操作する。これにより、RAMクリアが実行されることで、遊技制御用マイコン101は、遊技に関する遊技制御処理及び発射制御処理を実行することができる。こうして、本形態では、過賞球防止機能が作動した後、電源のOFF及びON(再投入)だけでは遊技を再開することができず、RAMクリアが実行されることで遊技を再開することができる。
次に、過賞球防止機能が作動するタイミングについて、図48に基づいて説明する。過賞球防止機能は、差玉数が80000以上であることを条件に、遊技者にとって有利な有利遊技状態から通常遊技状態に移行すると作動する。つまり、差玉数が80000に達したタイミングで、必ず過賞球防止機能が作動するわけではない。本形態では、有利遊技状態とは、大当たり遊技後の高確高ベース状態、又は大当たり遊技後の低確高ベース状態のことである。
例えば図48(A)に示す大当たり遊技状態の途中で、差玉数が70000に達したこととする。勿論このときには、過賞球防止機能が作動しない。次に、図48(B)に示す大当たり遊技状態の途中で、差玉数が80000に達したこととする。このとき、過賞球防止機能が作動しない。続いて、この大当たり遊技状態から高確高ベース状態に移行するタイミングでも、過賞球防止機能が作動しない。その後、図48(C)に示すように、高確高ベース状態から通常遊技状態に移行するタイミングになると、過賞球防止機能が作動する。こうして本形態では、大当たり遊技状態の途中や、高確高ベース状態の途中で、遊技が停止することがなく、遊技者にとって有利遊技状態が終了した区切りの良いタイミングで、遊技を終了させることが可能である。
本形態では、差玉数の情報は、非消去記憶部107の差玉数記憶部107cに記憶されていて、電源のOFF及びONによって、差玉数がリセット(クリア)されることはない。そして上述したように、電源投入時にRAMクリアが実行されても、差玉数がリセットされることはない。これは、以下の理由に基づく。
第3実施形態のパチンコ遊技機では、営業時間内であっても、バグや故障、重度の不正等によって、電源のOFF及びON(再投入)、又はRAMクリアを実行する状況がある。このような状況の場合、仮に、電源の再投入、又はRAMクリアの実行によって、差玉数がリセットされてしまうと、過賞球防止機能を設けた意味が損なわれてしまう。つまり、バグや故障、重度の不正が生じた方が、その後に遊技を再開する遊技者にとって、過賞球防止機能が作動し難くなるという不当な利益を与えるおそれがある。そこで本形態では、遊技者に上記した不当な利益を与えないようにするため、電源の再投入、又はRAMクリアの実行によって、差玉数がリセットされないようにしている。
次に、差玉数がリセットされる条件について、図49に基づいて説明する。本形態では、差玉数がリセットされるリセット条件は、2つある。第1のリセット条件は、図49(A)に示すように、特別リセットスイッチ181が押下操作されることである。つまり、遊技制御用マイコン101は、特別リセットスイッチ181が押下操作されたことに基づく信号を受信すると、非消去記憶部107の差玉数記憶部107cに記憶されている差玉数の情報をクリアする。なお、差玉数記憶部107cに記憶されている差玉数の情報がリセット(クリア)されるときには、併せて、総賞球数記憶部107aに記憶されている総賞球数の情報及び総発射球数記憶部107bに記憶されている総発射球数の情報もリセットされるが、以下では、単に「差玉数がリセット(クリア)される」と呼ぶことにする。なお、図49(A)では、客待ち状態において、特別リセットスイッチ181が押下操作されると差玉数がリセットされる場合が示されているが、どの遊技状態(例えば通常遊技状態)であっても、特別リセットスイッチ181が押下操作されると差玉数がリセットされる。
第2のリセット条件は、図49(A)に示すように、客待ち状態が1時間(所定時間)継続することである。つまり、客待ち状態に移行してから遊技がそのまま1時間行われないと、遊技制御用マイコン101が、非消去記憶部107の差玉数記憶部107cに記憶されている差玉数の情報をクリアする。なお客待ち状態は、遊技が実行されずに特別図柄が停止表示されたままの遊技状態のことである。
上記2つのリセット条件が設けられているのは、以下の理由に基づく。例えば、図49(A)(B)に示すように、或る遊技者の遊技によって、大当たり遊技状態にて差玉数が70000に達したこととする。その後、或る遊技者は、大当たり遊技状態から高確高ベース状態を経て通常遊技状態に移行すると、遊技を終了したこととする。この場合、次に遊技を開始する遊技者にとっては、差玉数が残り僅か(10000以内)増加すると、過賞球防止機能が作動し得る状況であり、非常に不利になっている。
そこで本形態では、図49(A)に示すように、特別リセットスイッチ181が押下操作されることで、差玉数がリセットされる。これにより、遊技場の従業員は、或る遊技者の遊技を終了した後、任意のタイミングで、特別リセットスイッチ181を押下操作して、差玉数をリセットすることができる。また図49(B)に示すように、客待ち状態が1時間継続すれば、遊技者が遊技を終了させた状況と判断して、差玉数が自動的にリセットされる。これにより、遊技場の従業員にリセットのための操作負担をかけることなく、差玉数をリセットすることができる。こうして、上記2つのリセット条件を設けることで、次に遊技を開始する遊技者が、遊技を開始してすぐに過賞球防止機能が作動してしまい、非常に不利になるのを防ぐことが可能である。
次に、過賞球防止機能が作動するときの演出態様について、図50(A)に基づいて説明する。過賞球防止機能が作動すると、図50(A)に示すように、表示部50aには、赤色の赤背景画像REが表示されると共に、「エラーX 過賞球異常 RAMクリアしてください」を示すエラー解除方法画像ERXが表示される。また、スピーカ52から遊技停止音が出力される。更に、枠ランプ53は全て白色で点灯すると共に、盤ランプ54は全て消灯する。こうして、図50(A)に示す演出態様により、遊技者には、遊技が実行できない状況をすぐに認識させることが可能である。なお、図50(A)に示す演出態様は、電源が遮断されるまで継続される。そして、図50(A)に示す演出態様は、RAMクリアが実行されると解除されるが、電源の再投入だけでは、そのまま継続される。
ここで、第3実施形態のパチンコ遊技機において、不正な磁気が検知されたときについて説明する。磁気センサにより不正な磁気が検知されると、磁気センサは、磁気検知に応じた信号を主制御基板100に出力する。これにより、遊技制御用マイコン101は、過賞球防止機能を作動させるときと同様に、遊技に関する遊技制御処理及び発射制御処理を停止させる。こうして、磁気検知によって遊技が実行不能な状況は、電源が遮断されるまで継続する。但し、この場合には、過賞球防止機能が作動した場合と異なり、電源のOFF及びON(電源の再投入)によって、遊技制御用マイコン101は、遊技に関する遊技制御処理及び発射制御処理を実行することができる。
続いて、不正な磁気が検知されたときの演出態様について、図50(B)に基づいて説明する。磁気センサにより不正な磁気が検知されると、図50(B)に示すように、表示部50aには、赤色の赤背景画像REが表示されると共に、「エラー1 磁気検出異常 電源を再投入してください」を示すエラー解除方法画像ER1が表示される。また、スピーカ52から遊技停止音が出力される。更に、枠ランプ53は全て白色で点灯すると共に、盤ランプ54は全て消灯する。こうして、過賞球防止機能が作動するときの演出態様(図50(A)参照)と、不正な磁気が検知されたときの演出態様(図50(B)参照)とを比較すると、解除方法画像以外は、同じである。よって、遊技場の従業員又は遊技者に対して、不正な磁気が検知されたときと、過賞球防止機能が作動したときとで、共に遊技が実行不能な状況であるということを認識させ易くすることが可能である。
次に、差玉数が70000に達した場合の演出態様について、図51(A)に基づいて説明する。前提条件として、図48(A)に示すタイミングで、差玉数が70000に達したこととする。先ず、図51(A)に示すように、表示部50aでは、ラウンド画像G109や賞球数画像G110が表示されている。そして、差玉数が70000に達すると、表示部50aの縁部では、紫色の紫縁画像EFaが表示され、表示部50aの下部では、「残り10000発で過賞球異常」を示す過賞球予告画像KYが表示される。これら紫縁画像EFa及び過賞球予告画像KYの表示により、遊技者に過賞球防止機能の作動が近づいている状況を把握させることが可能である。紫縁画像EFaの表示は、大当たり遊技状態が終了した後も継続されるが、過賞球予告画像KYの表示は、大当たり遊技状態が終了することによって終了するようになっている。なお、過賞球予告画像KYは、大当たり遊技状態が終了した後も、表示し続けるようにしても良い。
続いて、差玉数が80000に達した場合の演出態様について、図51(B)に基づいて説明する。前提条件として、図48(B)に示すタイミングで、差玉数が80000に達したこととする。図51(B)に示すように、表示部50aでは、ラウンド画像G109や賞球数画像G110が表示されている。そして、差玉数が80000に達すると、表示部50aの縁部では、赤色の赤縁画像EFbが表示され、表示部50aの下部では、「ラッシュ終了で遊技中止」を示す遊技停止予告画像KHが表示される。これら赤縁画像EFb及び遊技停止予告画像KHの表示により、遊技者に遊技停止が近づいていると共に、いつ遊技が停止されるのかを把握させることが可能である。赤縁画像EFbの表示は、大当たり遊技状態が終了した後も継続されるが、遊技停止予告画像KHの表示は、大当たり遊技状態が終了することによって終了するようになっている。なお、遊技停止予告画像KHは、大当たり遊技状態が終了した後も、表示し続けるようにしても良い。
ここで、図48(A)に示すタイミングで差玉数が70000に達した後、高確高ベース状態での演出態様は、図52(A)に示す通りである。即ち、図52(A)に示すように、表示部50aでは、確変用背景画像G105が表示されていて、演出図柄EZが変動表示している。そして、表示部50aの縁部では、紫縁画像EFaが表示されている。この紫縁画像EFaにより、遊技者には、差玉数が70000に達していることを把握させつつ、遊技させることが可能である。
また、図48(B)に示すタイミングで差玉数が80000に達した後、高確高ベース状態での演出態様は、図52(B)に示す通りである。即ち、図52(B)に示すように、表示部50aでは、確変用背景画像G105が表示されていて、演出図柄EZが変動表示している。そして、表示部50aの縁部では、赤縁画像EFbが表示されている。この赤縁画像EFbにより、遊技者には、差玉数が80000に達していることを把握させつつ、遊技させることが可能である。
次に、図49(A)に示すように、特別リセットスイッチ181が押下操作されることで、差玉数がリセットされた場合の演出態様について説明する。この場合には、遊技場の従業員が、前扉23を外枠22に対して開放していて、特別リセットスイッチ181を押下操作した状況になる。そのため、前扉開放センサが前扉23の開放を検知していて、表示部50aでは、図53(A)に示すように、「エラー2 前扉を閉めて下さい」を示すエラー解除方法画像ER2が表示される。そして、このときには、表示部50aの下部にて、「差玉数をリセットしました」を示す差玉数リセット報知画像CLSが表示される。これにより、遊技場の従業員に、差玉数がリセットされたことを把握させることが可能である。
続いて、図49(B)に示すように、客待ち状態が1時間継続した場合の演出態様について説明する。この場合には、表示部50aでは、客待ちデモ動画G100が表示されている。そして、このときには、表示部50aの下部にて、「差玉数をリセットしました」を示す差玉数リセット報知画像CLSが表示される。これにより、遊技場の従業員に、差玉数がリセットされたことを把握させることが可能である。
<第3実施形態における遊技制御用マイコンの動作>
次に、第3実施形態における遊技制御用マイコン101の動作について説明する。第3実施形態では遊技制御用マイコン101は、メイン側タイマ割り込み処理(S005)として図54に示すものを実行する。
[メイン側タイマ割り込み処理]第3実施形態におけるメイン側タイマ割り込み処理(S005)について説明する。図54に示すように、メイン側タイマ割り込み処理(S005)では、まず遊技停止フラグがONであるか否かを判定する(S101)。遊技停止フラグは、過賞球防止機能が作動することよりONされるものである。遊技停止フラグがONであれば(S101でYES)、ステップS102~S113の処理がパスされる。これにより、遊技が実行不能になる。一方、遊技停止フラグがOFFであれば(S101でNO)、ステップS102~S113の処理が実行される。つまり、遊技可能な状態である。
なお、主制御メイン処理(図25)の電源投入時処理(S001)において、遊技停止フラグは、ONである状態でRAMクリアが実行されると、OFFに切替わる。一方、遊技停止フラグは、ONである状態でRAMクリアが実行されなければ、ONのままとなる。つまり、電源の再投入だけでは、遊技停止フラグの状態は変わらない。こうして、過賞球防止機能の作動によって、遊技停止フラグがONになった後、RAMクリアが実行されるか否かによって、遊技が再開されるか否かが決まる。
ステップS101で遊技停止フラグがOFFである場合、後述する入力処理(S102)を実行する。そして、普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S103)、センサ検出処理(S104)、普通動作処理(S105)を行った後、後述する差玉数計測処理(S106)、後述する特別動作処理(S107)を実行する。続いて遊技制御用マイコン101は、振分装置制御処理(S108)を実行し、遊技球の発射を制御するための発射制御処理(S109)を実行する。発射制御処理(S109)が実行されることで、遊技者はハンドル72kへの回転操作により、遊技球を発射させることができる。一方、発射制御処理(S109)が実行されなければ、遊技者はハンドル72kを回転操作しても、遊技球を発射させることができない。
続いて遊技制御用マイコン101は、7セグ表示器300の表示を制御するための7セグ表示制御処理(S110)を実行する。次に、磁気検知によるエラー(不正)や前扉23又は前枠23mの開放によるエラーなどを判断するためのエラー処理(S111)を実行する。エラー処理(S111)では、磁気センサによって不正な磁気が検出されたか否か判定する。そして、当該処理の結果に応じて、磁気センサ用コマンドを生成する。またエラー処理(S111)では、前扉開放センサ又は前枠センサによって、前扉23又は前枠23mが開放しているか否かを判定する。そして、当該処理の結果に応じて、枠開放用コマンドを生成する。
次に、遊技制御用マイコン101は、後述する出力処理(S112)し、その他の処理を実行する(S113)。そして、遊技制御用マイコン101は、電源が断たれる際の電源断監視処理(S114)を実行して、本処理を終える。電断監視処理(S114)では、遊技制御用マイコン101は、監視電圧の低下により電源が遮断されると判断すると、遊技情報、総賞球数の情報、総発射球数の情報、差玉数の情報、遊技停止フラグの情報等が、遊技用RAM104の所定の記憶領域に格納する。その後、遊技用RAM104へのアクセスの禁止設定を行う。
[入力処理]図55に示すように、入力処理(S102)ではまず、特別リセットスイッチ181がONか否か、即ち、特別リセットスイッチ181への押下操作に基づく信号を受信したか否かを判断する(S201)。ONでなければ(S201でNO)、ステップS204に進む。一方、ONであれば(S201でYES)、非消去クリア処理を実行する(S202)。非消去クリア処理(S202)では、総賞球数記憶部107aに記憶されている総賞球数の情報、総発射球数記憶部107bに記憶されている総発射球数の情報、差玉数記憶部107cに記憶されている差玉数の情報がクリアされる。なお、非消去クリア処理(S202)が実行されても、非消去記憶部107の特定記憶領域(図示省略)に記憶されている総発射球数の情報はクリアされない。この総発射球数の情報は、上述したように、7セグ表示器300での表示のために用いられるためである。
ステップS202に続いて、非消去クリアコマンドを遊技用RAM104の出力バッファにセットして(S203)、ステップS204に進む。こうして、非消去クリアコマンドが、サブ制御基板120に送信されると、図53(A)に示すように、表示部50aの下部にて、差玉数リセット報知画像CLSが表示される。ステップS204では、その他の処理を実行して、本処理を終える。その他の処理(S204)では、遊技制御用マイコン101は、例えば、下皿35の満杯を検出する下皿満杯スイッチからの検出信号を取り込み、下皿満杯データとして遊技用RAM104の出力バッファに記憶する。
[差玉数計測処理]図56に示すように、差玉数計測処理(S106)ではまず、遊技者に払い出す総賞球数をカウントする総賞球数カウント処理を実行する(S301)。カウントされた総賞球数の情報は、総賞球数記憶部107a(図6参照)に記憶される。次に、排出口センサによる検知に基づいて、総発射球数をカウントする総発射球数カウント処理を実行する(S302)。カウントされた総発射球数の情報は、総発射球数記憶部107b(図6参照)に記憶される。そして、総賞球数に対して総発射球数を減算して、差玉数を演算する差玉数演算処理を実行する(S303)。演算された差玉数の情報は、差玉数記憶部107c(図6参照)に記憶される。
続いて、ステップS304では、過賞球予告フラグがOFFか否かを判断する。過賞球予告フラグは、差玉数が70000以上であることを示すものである。ONであれば(S304でNO)、ステップS308に進む。一方、OFFであれば(S304でYES)、差玉数が70000以上であるか否かを判定する(S305)。70000未満であれば(S305でNO)、ステップS308に進む。これに対して、70000以上であれば(S305でYES)、過賞球予告フラグをONにして(S306)、過賞球予告コマンドを遊技用RAM104の出力バッファにセットする。これにより、過賞球予告コマンドがサブ制御基板120に送信されると、図51(A)に示すように、表示部50aにて、紫縁画像EFa及び過賞球予告画像KYが表示される。
続いて、ステップS308では、過賞球フラグがOFFか否かを判断する。過賞球フラグは、差玉数が80000以上であることを示すものである。ONであれば(S308でNO)、本処理を終える。一方、OFFであれば(S308でYES)、差玉数が80000以上であるか否かを判定する(S309)。80000未満であれば(S309でNO)、本処理を終える。これに対して、80000以上であれば(S309でYES)、過賞球フラグをONにする(S310)。そして、過賞球報知コマンドを遊技用RAM104の出力バッファにセットして(S312)、本処理を終える。これにより、過賞球報知コマンドがサブ制御基板120に送信されると、図51(B)に示すように、表示部50aにて、赤縁画像EFb及び遊技停止予告画像KHが表示される。
[特別動作処理]図57に示すように特別動作処理(S107)では、特図表示器81及び大入賞装置(第1大入賞装置14D、第2大入賞装置15D)に関する処理を4つの段階に分け、それらの各段階に「特別動作ステータス1,2,3,4」を割り当てている。そして、遊技制御用マイコン101は、「特別動作ステータス」が「1」である場合には(S1301でYES)、大当たり判定を行って特別図柄の変動表示を開始させる等の処理を含む特別図柄待機処理(S1302)を行い、「特別動作ステータス」が「2」である場合には(S1301でNO、S1303でYES)、特別図柄を停止表示させる等の処理を含む特別図柄変動中処理(S1304)を行い、「特別動作ステータス」が「3」である場合には(S1301,S1303で共にNO、S1305でYES)、遊技状態を移行させる等の処理を含む特別図柄確定処理(S1306)を行い、「特別動作ステータス」が「4」である場合には(S1301,S1303,S1305の全てがNO)、大入賞口を開放する等の処理を含む特別電動役物処理(S1307)を行う。なお特別動作ステータスは、初期設定では「1」である。
[特別図柄待機処理]図58に示すように、特別図柄待機処理(S1302)ではまず、第2始動口12の保留球数(即ち特図2保留球数)が「0」であるか否かを判定する(S1401)。特図2保留球数が「0」である場合(S1401でYES)、即ち、第2始動口12への入賞に起因して取得した乱数カウンタ値群の記憶がない場合には、第1始動口11の保留球数(即ち特図1保留球数)が「0」であるか否かを判定する(S1407)。そして、特図1保留球数も「0」である場合(S1407でYES)、即ち、第1始動口11への入賞に起因して取得した乱数カウンタ値群の記憶もない場合には、客待ちフラグがONか否かを判定する(S1416)。客待ちフラグは、客待ち状態であることを示すものである。ONであれば(S1416でYES)、後述する客待ち計測処理を実行して(S1419)、本処理を終える。一方、OFFであれば(S1416でNO)、客待ちコマンドを遊技用RAM104の出力バッファにセットするとともに(S1417)、客待ちフラグをONにして(S1418)、本処理を終える。
ステップS1401において特図2保留球数が「0」でない場合(S1401でNO)、即ち、第2始動口12への入賞に起因して取得した乱数カウンタ値群の記憶(特図2の保留情報)が1つ以上ある場合には、特図2大当たり判定処理(S1402)及び特図2変動パターン選択処理(S1403)を行う。その後、遊技制御用マイコン101は、特図2保留球数を1ディクリメントする(S1404)。そして、特図2保留記憶部105bにおける各種カウンタ値の格納場所(記憶領域)を、現在の位置から読み出される側に一つシフトするとともに、特図2保留記憶部105bにおける保留1個目に対応する記憶領域をクリアする(S1405)。続いて遊技制御用マイコン101は、特図2変動開始処理(S1406)を実行して、ステップS1413に進む。特図2変動開始処理(S1406)では、特別動作ステータスを「2」にセットするとともに変動開始コマンドを遊技用RAM104の出力バッファにセットして、第2特別図柄の変動表示を開始する。なお、特図2変動開始処理(S1406)でセットされる変動開始コマンド(特図2変動開始コマンドともいう)には、特図2大当たり判定処理(S1402)でセットされた特図停止図柄データの情報や特図2変動パターン選択処理(S1403)でセットされた変動パターンの情報(変動時間の情報を含む情報)が含まれている。
また、特図2保留球数が「0」であるが特図1保留球数が「0」でない場合(S1401でYES且つS1407でNO)、即ち、特図2の保留情報はないが、第1始動口11への入賞に起因して取得した乱数カウンタ値群の記憶(特図1の保留情報)が1つ以上ある場合には、特図1大当たり判定処理(S1408)及び特図1変動パターン選択処理(S1409)を行う。その後、遊技制御用マイコン101は、特図1保留球数を1ディクリメントする(S1410)。そして、特図1保留記憶部105aにおける各種カウンタ値の格納場所(記憶領域)を、現在の位置から読み出される側に一つシフトするとともに、特図1保留記憶部105aにおける保留4個目に対応する記憶領域(読み出される側から最も遠い記憶領域)をクリアする(S1411)。このようにして、第1特図保留が保留された順に消化されるようにしている。続いて遊技制御用マイコン101は、特図1変動開始処理(S1412)を実行して、ステップS1413に進む。特図1変動開始処理(S1412)では、特別動作ステータスを「2」にセットするとともに変動開始コマンドを遊技用RAM104の出力バッファにセットして、第1特別図柄の変動表示を開始する。なお、特図1変動開始処理(S1412)でセットされる変動開始コマンド(特図1変動開始コマンドともいう)には、特図1大当たり判定処理(S1408)でセットされた特図停止図柄データの情報や特図1変動パターン選択処理(S1409)でセットされた変動パターンの情報(変動時間の情報を含む情報)が含まれている。
ステップS1413に進むと客待ちフラグがONか否かを判定し、ONであれば客待ちフラグをOFFにする(S1414)。そして、客待ちカウンタの値を「0」にクリア(リセット)する客待ちカウンタクリア処理を実行して(S1415)、本処理を終える。客待ちカウンタは、遊技用RAM104に設けられていて、客待ち状態が継続している時間を計測するためのものである。なお、客待ちカウンタの値は、RAMクリアの実行の有無に拘わらず、電源の再投入によってクリアされる。
[客待ち計測処理]図59に示すように、客待ち計測処理(S1419)ではまず、客待ちカウンタの値を増加させる客待ちカウンタ増加処理を実行する(S1420)。これにより、遊技制御用マイコン101は、客待ちカウンタの値に基づいて、客待ち状態が継続している時間を把握することができる。続いて、客待ち状態が1時間以上継続しているか否かを判定する。継続していないと判定すれば(S1421でNO)、本処理を終える。一方、継続していると判定すれば(S1421でYES)、上述したステップS202の処理(図55参照)と同様、非消去クリア処理を実行する(S1422)。これにより、総賞球数記憶部107aに記憶されている総賞球数の情報、総発射球数記憶部107bに記憶されている総発射球数の情報、差玉数記憶部107cに記憶されている差玉数の情報がクリアされる。
続いて、非消去クリアコマンドを遊技用RAM104の出力バッファにセットして(S1423)、本処理を終える。こうして、非消去クリアコマンドが、サブ制御基板120に送信されると、図53(B)に示すように、表示部50aの下部にて、差玉数リセット報知画像CLSが表示される。
[特別図柄確定処理]図60に示すように、特別図柄確定処理(S1306)ではまず、特別図柄の停止時間(ステップS1403又はS1409で選択された特図変動パターンに応じて決まる停止時間)が経過したか否かを判定する(S1901)。経過していなければ(S1901でNO)、直ちにこの処理を終える。これにより特別図柄の停止表示が継続される。一方、停止時間が経過していれば(S1901でYES)、後述の遊技状態管理処理を行う(S1902)。
次に、大当たりフラグがONであるか否かを判定する(S1903)。大当たりフラグがONであれば(S1903でYES)、当選した大当たりの種別に応じた開放パターンをセットする(S1904)。なおこのときに、大当たり遊技中に実行した単位開放遊技(ラウンド遊技)の回数をカウントするラウンドカウンタの値を、当選した大当たりの種類に応じたラウンド数にセットする。なお、開放パターンのセット(開放パターンに応じたデータのセット)は、ラウンド毎に行うようにしてもよい。
遊技制御用マイコン101は、ステップS1904に続いて、遊技状態リセット処理を行う(S1905)。遊技状態リセット処理(S1905)では、確変フラグがONであれば確変フラグをOFFにして、時短フラグがONであればOFFにする。つまり、大当たり遊技の実行中は、通常確率状態且つ非時短状態に制御される。その後、大当たり遊技を開始するべく、大当たりのオープニングコマンドをセットするとともに(S1906)、大当たり遊技のオープニングを開始する(S1907)。そして特別動作ステータスを「4」にセットして(S1908)、本処理を終える。
また、ステップS1903において大当たりフラグがONでなければ(S1903でNO)、大当たり遊技を開始しないため、特別動作ステータスを「1」にセットして(S1909)、本処理を終える。
[遊技状態管理処理]図61に示すように、遊技状態管理処理(S1902)ではまず、確変フラグがONか否か判定する(S2001)。ONであれば(S2001でYES)、高確率状態中に実行した特別図柄の変動回数をカウントする確変カウンタの値を1だけ減少させて(S2002)、確変カウンタの値が「0」か否か判定する(S2003)。「0」であれば(S2003でYES)、確変フラグをOFFにして(S2004)、ステップS2005に進む。ステップS2001又はS2003の判定結果がNOであれば、直ちにステップS2005に進む。
ステップS2005では、時短フラグがONか否か判定する。ONであれば(S2005でYES)、時短状態中に実行した特別図柄の変動回数をカウントする時短カウンタの値を1だけ減少させて(S2006)、時短カウンタの値が「0」か否か判定する(S2007)。「0」であれば(S2007でYES)、時短フラグをOFFにして(S2008)、ステップS2009に進む。ステップS2005又はS2007の判定結果がNOであれば、ステップS2012に進む。
ステップS2009では、過賞球フラグがONか否かを判定する。つまり、差玉数が80000以上になっているか否かを判定する。過賞球フラグがONでなければ(S2009でNO)、ステップS2012に進む。一方、過賞球フラグがONであれば(S2009でYES)、遊技停止フラグをONにして(S2010)、ステップS2011に進む。こうして、差玉数が80000以上になっていて、高確高ベース状態又は低確低ベース状態が終了すると、遊技が実行不能になる。
ステップS2011では、遊技停止報知コマンドを遊技用RAM104の出力バッファにセットして、ステップS2012に進む。これにより、遊技停止報知コマンドがサブ制御基板120に送信されると、図50(A)に示すように、表示部50aにて、赤背景画像RE及びエラー解除方法画像ERXが表示される。また、スピーカ52から遊技停止音が出力される。更に、枠ランプ53が全て白色で点灯すると共に、盤ランプ54が全て消灯する。
ステップS2012では、現在の遊技状態の情報(確変フラグ及び時短フラグがON又はOFFの何れであるかの情報)、確変カウンタの値及び時短カウンタの値の情報等を含む遊技状態指定コマンドを遊技用RAM104の出力バッファにセットして、本処理を終える。
[出力処理]図62に示すように、出力処理(S112)では、後述する外端信号出力処理を実行する(S3001)。続いて、その他の出力処理(S3002)として、上述した各処理において遊技用RAM104の出力バッファにセットされたコマンド等を、サブ制御基板120や払出制御基板170に出力して、本処理を終える。
[外端信号出力処理]図63に示すように、外端信号出力処理(S3001)では、過賞球予告フラグがONであるか否かを判定する(S3101)。つまり、差玉数が70000に達した状況か否かを判定する。過賞球予告フラグがONでなければ(S3101でNO)、ステップS3103に進む。一方、過賞球予告フラグがONであれば(S3101でYES)、過賞球予告用外端信号出力処理を実行して(S3102)、ステップS3102に進む。過賞球予告用外端信号出力処理(S3102)では、差玉数が70000に達したことを示す外端信号(以下「過賞球予告用外端信号」と呼ぶ)が、主制御基板100から払出制御基板170を介して外部端子板160に送信される。これにより、外部端子板160は、過賞球予告用外端信号をパラレル通信によって、外部ユニットGU(データカウンタ、ホールコンピュータなど)に送信する。その結果、ホールコンピュータを監視している遊技場の従業員に、第3実施形態のパチンコ遊技機において差玉数が残り僅か(10000以内)増加すると、過賞球防止機能が作動し得る状況を把握させることが可能である。
ステップS3103では、過賞球フラグがONであるか否かを判定する。つまり、差玉数が80000に達した状況か否かを判定する。過賞球フラグがONでなければ(S3103でNO)、ステップS3105に進む。一方、過賞球フラグがONであれば(S3103でYES)、過賞球用外端信号出力処理を実行して(S3104)、ステップS3105に進む。過賞球用外端信号出力処理(S3104)では、差玉数が80000に達したことを示す外端信号(以下「過賞球用外端信号」と呼ぶ)が、主制御基板100から払出制御基板170を介して外部端子板160に送信される。これにより、外部端子板160は、過賞球予告用外端信号をパラレル通信によって、外部ユニットGUに送信する。その結果、ホールコンピュータを監視している遊技場の従業員に、第3実施形態のパチンコ遊技機において差玉数が80000に達していて、高確高ベース状態又は低確低ベース状態が終了すると遊技が実行不能になる状況を把握させることが可能である。
ステップS3105では、遊技停止フラグがONであるか否かを判定する。つまり、遊技が実行不能になった状況か否かを判定する。遊技停止フラグがONでなければ(S3107でNO)、ステップS3107に進む。一方、遊技停止フラグがONであれば(S3105でYES)、遊技停止用外端信号出力処理を実行して(S3106)、ステップS3107に進む。遊技停止用外端信号出力処理(S3106)では、過賞球防止機能の作動によって遊技が実行不能になったことを示す外端信号(以下「遊技停止用外端信号」と呼ぶ)が、主制御基板100から払出制御基板170を介して外部端子板160に送信される。これにより、外部端子板160は、遊技停止用外端信号をパラレル通信によって、外部ユニットGUに送信する。その結果、ホールコンピュータを監視している遊技場の従業員に、第3実施形態のパチンコ遊技機において過賞球防止機能の作動によって遊技が実行不能になった状況を把握させることが可能である。
ステップS3107では、ステップS203に示す非消去クリア処理、又はステップS1422に示す非消去クリア処理が実行されたか否かを判定する。即ち、総賞球数記憶部107aに記憶されている総賞球数の情報、総発射球数記憶部107bに記憶されている総発射球数の情報、差玉数記憶部107cに記憶されている差玉数の情報がクリアされたか否かを判定する。非消去クリア処理が実行されていなければ(S3107でNO)、ステップS3109に進む。一方、非消去クリア処理が実行されていれば(S3107でYES)、リセット用外端信号出力処理を実行して(S3108)、ステップS3109に進む。リセット用外端信号出力処理(S3108)では、差玉数がリセットされたことを示す外端信号(以下「リセット用外端信号」と呼ぶ)が、主制御基板100から払出制御基板170を介して外部端子板160に送信される。これにより、外部端子板160は、リセット用外端信号をパラレル通信によって、外部ユニットGUに送信する。その結果、ホールコンピュータを監視している遊技場の従業員に、第3実施形態のパチンコ遊技機において差玉数がリセットされた状況を把握させることが可能である。なお主制御基板100には、専用の信号線が接続されていて、この専用の信号線を介して、過賞球予告用外端信号、過賞球用外端信号、遊技停止用外端信号、リセット用外端信号が、主制御基板100から払出制御基板170を介して外部端子板160に送信される。
<第3実施形態の作用効果>
以上説明したように、第3実施形態のパチンコ遊技機によれば、差玉数が80000以上であって、高確高ベース状態又は低確低ベース状態が終了すると、遊技が実行不能になる。従って、遊技者にとっては、大当たり遊技状態の途中や、高確高ベース状態又は低確高ベース状態の途中で、突然遊技が停止されるわけではなく、特段大きな不利益になるわけではない。こうして、遊技者に対して遊技を止めやすいタイミングで遊技を中止させつつ、過剰な賞球を付与しない第3実施形態のパチンコ遊技機を提供することが可能である。
また第3実施形態のパチンコ遊技機によれば、差玉数が80000以上であって、高ベース状態(高確高ベース状態、低確高ベース状態)が終了すると、遊技が実行不能になる。従って、遊技者にとって、高ベース状態が終了した後で持ち球が減っていくような状況になる前に、遊技を中止させることが可能である。つまり、高ベース状態から通常遊技状態に移行した後では、総発射球数が増加していき、差玉数が80000未満になる状況も想定され得る。よって、上記した状況が生じないように、高ベース状態が終了したタイミングで、遊技を中止させることが可能である。
ところで、差玉数が80000になる前に、或る遊技者が遊技を止めて、後で遊技を行う遊技者が遊技を開始してからすぐに、差玉数が80000以上になると、酷な事態となる。そこで、第3実施形態のパチンコ遊技機によれば、電源投入を契機としないリセット条件の成立に基づいて、計測された差玉数がリセットされる。具体的には、特別リセットスイッチ181が押下操作されること、又は客待ち状態が1時間継続することで、差玉数がリセットされる。これにより、後で遊技を行った遊技者に対して、遊技を開始してからすぐに遊技が中止されないようにすることができて、酷な事態となるのを防ぐことが可能である。
また第3実施形態のパチンコ遊技機によれば、遊技場の従業員が、電源投入時にRAMクリアスイッチ191を押下操作すると、遊技情報(例えば高確率状態などの遊技状態の情報、特図保留の数や大当たりの当否判定結果などの情報)が消去される一方、差玉数記憶部107cに記憶されている差玉数の情報が消去されない。従って、営業時間中に、不具合等によって遊技情報を消去しなければならない状況でも、計測された差玉数を消去しないようにすることが可能である。
また第3実施形態のパチンコ遊技機によれば、上述したように、RAMクリアが実行されても、計測された差玉数が消去されない。しかしながら、遊技場の従業員が特別リセットスイッチ181を押下操作することで、計測された差玉数を消去できる。こうして、遊技場の従業員は、任意のタイミングで、計測された差玉数を消去することが可能である。
<第3実施形態の変更例>
以下、第3実施形態の変更例について説明する。なお、第3実施形態の変更例の説明において、第3実施形態のパチンコ遊技機と同様の構成については、同じ符号を付して説明を省略する。勿論、第3実施形態の変更例に係る構成同士を適宜組み合わせて構成してもよい。また、第3実施形態およびその変更例中の技術的特徴は、本明細書において必須なものとして説明されていなければ、適宜、削除することが可能である。また、上述した第1実施形態のパチンコ遊技機PY1およびその変更例、並びに、第2実施形態およびその変更例に含まれる構成は、遊技に支障をきたさない範囲で、第3実施形態およびその変更例から把握される遊技機に採用することができる。
第3実施形態では、いわゆるV確機(特定領域16(V領域)への遊技球の通過に基づいて高確率状態に制御される遊技機)として構成したが、当選した大当たり図柄の種類に基づいて高確率状態への移行が決定される遊技機として構成してもよい。また第3実施形態では、いわゆるST機(特別図柄の変動回数に応じて高確率状態が終了する遊技機)として構成したが、一旦高確率状態に制御されると次の大当たり遊技の開始まで高確率状態への制御が継続する遊技機(いわゆる確変ループタイプ機)や、転落機(抽選結果によって高確率状態が終了する遊技機)として構成してもよい。また、特別図柄の抽選で小当たりに当選すると、大入賞口が最大で1.8秒開放する小当たり遊技が実行される遊技機として構成してもよい。この場合、小当たり遊技の実行により大入賞口に入球した遊技球が、大入賞口内の特定領域を通過すると、大当たり遊技(2種大当たり遊技)が実行される遊技機として構成してもよい。そして、特別図柄の抽選で大当たりに当選すると大当たり遊技(1種大当たり遊技)が実行されて、遊技球が大入賞口内の特定領域を通過すると大当たり遊技(2種大当たり遊技)が実行される1種2種大当たり遊技として構成してもよい。
第3実施形態では、差玉数が80000以上であって、高確高ベース状態(有利遊技状態)から通常遊技状態に移行するとき(図48参照)、又は低確高ベース状態(有利遊技状態)から通常遊技状態に移行するときに、過賞球防止機能が作動するようにした。しかしながら、有利遊技状態から通常遊技状態に移行するときでなくても良く、単に有利遊技状態が終了するときに、過賞球防止機能が作動するようにしても良い。例えば、高確高ベース状態(有利遊技状態)から低確高ベース状態に移行するときや、高確高ベース状態から高確低ベース状態に移行するときに、過賞球防止機能が作動するようにしても良い。
また例えば、図64に示すように、高確高ベース状態から通常遊技状態に移行するときに、特図2保留数が最大である4個(所定数)あったこととする。そして、特図2の抽選は、特図1の抽選よりも優先して実行されて、且つ特図1の抽選よりも遊技者にとって有利に設定されていることとする。この場合、高確高ベース状態から通常遊技状態に移行すると、特図2の抽選が4回分実行されることになり、遊技者にとっては未だ有利な状態が続いているということができる。従ってこの場合には、通常遊技状態に移行したときに残っている特図2保留(特図2残保留)が全て消化されるまでは、有利遊技状態であるとみなすこととする。そして、特図2残保留が全て消化されるときに(特図2残保留に基づく第2特別図柄の変動表示及び停止表示が全て終了するときに)、過賞球防止機能が作動する(遊技を実行不能にする)ようにしても良い(図64参照)。なお、特図1の抽選が、特図2の抽選よりも優先して実行されるようにしたり、第1始動口11又は第2始動口12に遊技球が入賞した順番に、特図1の抽選又は特図2の抽選が実行されるようにしても良い。
特に、1種2種混合機であって、特図2の抽選で小当たりに当選した場合には、実質的に必ず2種大当たり遊技が実行される(遊技球が特定領域を通過できる)ように構成されている場合には、図64に示すように、通常遊技状態にて特図2残保留が全て消化されたときに過賞球防止機能が作動することが好適である。高ベース状態(時短状態)から通常遊技状態に移行しても、特図2残保留が全て消化されるまでは、2種大当たり遊技が非常に実行され易いためである。即ち、仮に高ベース状態が終了するタイミングで、過賞球防止機能の作動により遊技が実行不能になると、2種大当たり遊技を獲得できるチャンスが失われて、遊技者にとって酷になるからである。なお特図2保留の上限数は、4個に限られるものではなく、例えば1個であっても良く、適宜変更可能である。
第3実施形態では、過賞球防止機能が作動するタイミングは、高確高ベース状態が終了するとき、又は低確高ベース状態が終了するときであった。しかしながら、高確高ベース状態が終了するときにだけ、過賞球防止機能が作動するようにしても良い。この場合には、所謂「ラッシュ状態(連荘期間)」が終了したときにだけ、遊技を中止させることが可能である。また例えば、差玉数が80000以上であって、客待ち状態に移行したタイミングや、客待ち状態が或る一定時間継続したタイミングで、過賞球防止機能が作動するようにしても良い。また例えば、差玉数が80000以上であって、大当たり遊技状態が終了したタイミングで過賞球防止機能が作動するようにしても良い。また例えば、差玉数が80000以上になったタイミングで、過賞球防止機能が作動するようにしても良い。
第3実施形態では、特別リセットスイッチ181(特別操作手段)が押下操作されるという第1のリセット条件(図49(A)参照)、又は客待ち状態が1時間(所定時間)継続するという第2のリセット条件(図49(B)参照)が成立すると、差玉数がリセット(消去)されるようにした。しかしながら、リセット条件は、上記したものに限られるものではなく、適宜変更可能である。例えば、上述したように、大当たり遊技状態が終了したタイミングや、差玉数が80000以上になったタイミングで、過賞球防止機能が作動する場合において、図65(A)に示すように、高確高ベース状態(有利遊技状態)から通常遊技状態に移行すると、差玉数がリセットされるようにしても良い。この場合には、所謂「ラッシュ状態(連荘期間)」が終了すると差玉数がリセットされるため、1回でのラッシュ状態中に差玉数が80000(基準数)に達した場合に限り、過賞球防止機能を作動させることが可能である。なお、高確高ベース状態や低確高ベース状態以外に、大当たり遊技状態や高確低ベース状態などの有利遊技状態から通常遊技状態に移行すると、差玉数がリセットされるようにしても良い。また、RAMクリアスイッチ191が押下操作されたり、設定キーシリンダ180が回転操作されることで、差玉数がリセットされるようにしても良い。
また例えば、図65(B)に示すように、通常遊技状態が特定時間(例えば1時間)継続すると、差玉数がリセットされるようにしても良い。この場合には、通常遊技状態にて特定時間(例えば1時間)が継続すると、遊技者にとって有利な状況がしばらく続いていないことになる。従って、この場合には、差玉数をリセットすることで、しばらく差玉数が80000以上にならないようにすることが可能である。なお上記した特定時間は1時間に限られるものではなく、適宜変更可能である。また例えば、通常遊技状態にて特別図柄の変動回数が特定回数に達すると、差玉数をリセットするようにしても良い。また例えば、電源のOFF及びON(電源の再投入)によって、差玉数がリセットされるようにしても良い。
また例えば、遊技制御用マイコン101が、予め定められた基準時間(例えば午前9時)であると判断すると、差玉数をリセットするようにしても良い。この場合には、遊技場の従業員に何ら操作を強いることなく、差玉数を自動的に消去させることが可能である。なお上記した基準時間は午前9時に限られるものではなく、適宜変更可能である。
第3実施形態では、差玉数をリセットするための特別リセットスイッチ181(特別操作手段)が、主制御基板100上に配置されていた(図8参照)。しかしながら、特別操作手段が操作されたことに基づく信号が遊技制御用マイコン101に入力されるのであれば、差玉数をリセットするための特別操作手段の配置箇所は、適宜変更可能である。従って、特別操作手段は、例えば、払出制御基板170上に配置されていたり、専用の基板に配置されていても良い。
第3実施形態では、計測された差玉数が表示手段で表示されることがなかった。しかしながら、計測された差玉数が表示手段で表示されるようにしても良い。例えば、遊技制御用マイコン101は、表示器類8(図4参照)や7セグ表示器300(図9参照)にて、計測した差玉数を表示するようにしても良い。この場合、例えば、差玉数が0~50000(第1範囲)である場合には、表示器類8又は7セグ表示器300にて第1態様を表示して、差玉数が50001~70000(第2範囲)である場合には、表示器類8又は7セグ表示器300にて第2態様を表示して、差玉数が70001~80000(第3範囲)である場合には、表示器類8又は7セグ表示器300にて第3態様を表示するようにしても良い。また例えば、遊技制御用マイコン101は、差玉数の情報(又は総賞球数の情報、総発射球数の情報)をサブ制御基板120に送信して、演出制御用マイコン121が、画像表示装置50等の表示手段にて、差玉数を表示するようにしても良い。また例えば、遊技制御用マイコン101は、払い出した賞球数(又は払い出す予定の賞球数)の情報と排出口センサの検知の情報とを、サブ制御基板120に送信する。そして、演出制御用マイコン121が、これらの情報に基づいて、差玉数を演算することで、画像表示装置50等の表示手段にて、差玉数を表示するようにしても良い。
また遊技制御用マイコン101は、図66に示す変形例のように、7セグ表示器300にて差玉数を表示しても良い。即ち、この変形例では、差玉数の情報は、4つの区間(所定区間)に区分けされていて、非消去記憶部107の差玉数記憶部107cの4つの記憶領域にそれぞれ記憶されている。1番目の記憶領域には、今回電源が投入されてから現時点までの差玉数が記憶されている。2番目の記憶領域には、前回(1回前)に電源が投入されてから前回に電源が遮断されるまでの差玉数が記憶されている。3番目の記憶領域には、前々回(2回前)に電源が投入されてから前々回に電源が遮断されるまでの差玉数が記憶されている。4(N)番目の記憶領域には、前々前回(3回前)に電源が投入されてから前々前回に電源が遮断されるまでの差玉数が記憶されている。こうして、電源がOFF及びONされる度に、計測された差玉数がシフトされて記憶されて、4番目の記憶領域に記憶されていた差玉数は消去される。なお、1番目から4番目の記憶領域に記憶されている差玉数の情報は、RAMクリアが実行されても消去されない。
そして、この変形例では、1番目の記憶領域に記憶されている差玉数、2番目の記憶領域に記憶されている差玉数、3番目の記憶領域に記憶されている差玉数、4番目の記憶領域に記憶されている差玉数が、7セグ表示器300の右2桁(第3表示領域330及び第4表示領域340)にて、千球単位で順番に切替わって表示される。具体的に、7セグ表示器300では、図66(A)に示すように、例えば「bL36」が5秒間表示される。これにより、現在の通常ベースが36%であることが示される。次に、図66(B)に示すように、例えば「b134」が5秒間表示される。これにより、1回前の通常ベースが36%であることが示される。次に、図66(C)に示すように、例えば「b238」が5秒間表示される。これにより、2回前の通常ベースが38%であることが示される。次に、図66(D)に示すように、例えば「b235」が5秒間表示される。これにより、3回前の通常ベースが38%であることが示される。
続いて、7セグ表示器300では、図66(E)に示すように、例えば「cL20」が5秒間表示される。これにより、今回電源が投入されてから現時点までの差玉数が20000であることが示される。次に、図66(F)に示すように、例えば「c100」が5秒間表示される。これにより、前回(1回前)に電源が投入されてから前回に電源が遮断されるまでの差玉数が「0」であることが示される。なお総発射球数が総賞球数よりも多いことで、差玉数が「0」よりも小さい場合には、「0」が表示される。次に、図66(G)に示すように、例えば「c265」が5秒間表示される。これにより、前々回(2回前)に電源が投入されてから前々回に電源が遮断されるまでの差玉数が65000であることが示される。次に、図66(H)に示すように、例えば「c348」が5秒間表示される。これにより、前々前回(3回前)に電源が投入されてから前々前回に電源が遮断されるまでの差玉数が48000であることが示される。その後、図66(A)~(H)が5秒間毎に繰返して表示される。
上述した変形例では、電源がOFF及びON(再投入)される度に、計測された差玉数がシフトされて記憶されて、4(N)番目の記憶領域に記憶されていた差玉数が消去されるようにした。しかしながら、RAMクリアが実行される度に、計測された差玉数がシフトされて記憶されて、4(N)番目の記憶領域に記憶されていた差玉数が消去されるようにしても良い。又は、遊技制御用マイコンが予め定められた規定時間(例えば午前9時)であると判断すると、計測された差玉数がシフトされて記憶されて、4(N)番目の記憶領域に記憶されていた差玉数が消去されるようにしても良い。なお、上記したNは、2以上の自然数であれば、適宜変更可能である。
上述した変形例では、図66に示すように、7セグ表示器300において、5秒間毎に、差玉数の表示が自動的に切替わった。しかしながら、RAMクリアスイッチ191への押下操作や、設定キーシリンダ180への回転操作など、所定の操作手段の操作によって、差玉数の表示が切替わるようにしても良い。また、所定の操作手段の操作によって、通常ベースの表示と、差玉数の表示とを切替えるようにしても良い。
第3実施形態では、差玉数が70000(所定数)に達すると、図51(A)に示す演出態様によって、過賞球防止機能の作動に近づいていることを示した。しかしながら、過賞球防止機能の作動に近づいていることを示す演出態様は、図51(A)に示す演出態様に限られるものではなく、適宜変更可能である。例えば、スピーカ52からの特殊音声(例えば「差玉数が70000です」)や、盤ランプ54や枠ランプ53等の発光手段の特殊発光態様によって、過賞球防止機能の作動に近づいていることを示すようにしても良い。また差玉数が多くになるにつれて、多段階に変化する演出態様によって、過賞球防止機能の作動に近づいていることを示すようにしても良い。
第3実施形態では、差玉数が80000(基準数)に達すると、図51(B)に示す演出態様によって、遊技が停止し得る状況を示した。しかしながら、遊技が停止し得る状況を示す演出態様は、図51(B)に示す演出態様に限られるものではなく、適宜変更可能である。例えば、スピーカ52からの特殊音声(例えば「差玉数が80000です」)や、盤ランプ54や枠ランプ53等の発光手段の特殊発光態様によって、遊技が停止し得る状況を示すようにしても良い。
第3実施形態では、過賞球防止機能が作動すると、図50(A)に示す演出態様によって、遊技が実行不能な状況を示した。しかしながら、遊技技が実行不能な状況を示す演出態様は、図50(A)に示す演出態様に限られるものではなく、適宜変更可能である。例えば、表示部50aに「遊技が実行できません」を示す画像を表示したり、スピーカ52からの特殊音声(例えば「遊技が実行できません」)を出力するようにしても良い。
第3実施形態では、RAMクリアが実行されても、差玉数記憶部107cに記憶されている差玉数の情報が消去されないようにした。しかしながら、差玉数の情報を、遊技用RAM104の所定の記憶領域(消去記憶部)に記憶させるようにして、RAMクリアが実行されると、差玉数の情報がクリアされるようにしても良い。即ち、差玉数がリセットされる条件には、RAMクリアが実行されることが含まれているようにしたり、差玉数がリセットされるリセット条件を、RAMクリアが実行されることだけにしても良い。
第3実施形態では、過賞球防止機能が作動すると、遊技制御用マイコン101が、遊技に関する遊技制御処理(ステップS102~S108の処理、図54参照)を停止させるだけでなく、遊技球を発射させるための発射制御処理(ステップS109の処理、図54参照)も停止させた。しかしながら、過賞球防止機能が作動すると、遊技制御用マイコン101が、遊技制御処理を停止させる一方、発射制御処理を停止しないようにしても良い。但し、この場合には、過賞球防止機能が作動しても、遊技者は、ハンドル72kへの回転操作によって、遊技球が遊技領域6を流下する。そのため、遊技が実行不能である状況をすぐに把握し難いという問題点がある。よって、遊技制御処理及び発射制御処理の両方を停止させた方が、遊技者に、遊技が実行不能である状況をすぐに把握させることが可能である。また例えば、過賞球防止機能が作動すると、遊技制御用マイコン101が、発射制御処理を停止させる一方、遊技制御処理を停止させないようにしても良い。但し、この場合には、過賞球防止機能が作動したタイミングで、未だ遊技球が遊技領域6を流下していることがあり、遊技球が各種入賞口に入球して、遊技者に賞球が付与され得るという問題点がある。よって、遊技制御処理及び発射制御処理の両方を停止させた方が、過賞球防止機能が作動した後、遊技者には確実に賞球を付与しないことが可能である。
第3実施形態では、遊技制御用マイコン101は、排出口センサの検知に基づいて、総発射球数をカウントした。しかしながら、各種入賞口への入賞を検知するセンサ(第1始動口センサ、第2始動口センサ、一般入賞口センサ、第1大入賞口センサ、第2大入賞口センサ15a)の検知に基づいて、総発射球数をカウントするようにしても良い。又は、内側壁部1Bの上端部に戻り玉防止部が設けられていて、この戻り玉防止部に遊技球を検知可能なセンサが設けられている場合に、このセンサの検知に基づいて、総発射球数をカウントするようにしても良い。
第3実施形態では、差玉数が70000に達すると、図51(A)に示すように、過賞球予告画像KYが表示された。しかしながら、差玉数に拘わらず、客待ち演出、大当たり遊技中の演出(例えばエンディング演出)、変動演出に伴う予告演出などにおいて、差玉数が80000以上になることを条件に遊技が実行不能になることを説明する演出を実行しても良い。このような演出によって、過賞球防止機能があるパチンコ遊技機であることを、遊技者や遊技場の従業員に事前に知らせることができるからである。
第3実施形態では、総賞球数の情報、総発射球数の情報、差玉数の情報を、遊技用RAM104の非消去記憶部107に記憶させることで、RAMクリアが実行されても、総賞球数の情報、総発射球数の情報、差玉数の情報が消去されないようにした。しかしながら、遊技用RAM104とは別に設けた不揮発性の記憶手段(例えばFRAM(登録商標))に、総賞球数の情報、総発射球数の情報、差玉数の情報を記憶させることで、RAMクリアが実行されても、総賞球数の情報、総発射球数の情報、差玉数の情報が消去されないようにしても良い。
第3実施形態では、電源が投入されてから随時、差玉数がカウントされるようにした。しかしながら、差玉数のカウントの始期を、所謂初当たり(通常遊技状態における大当たりへの当選)からとしてもよい。この場合には、電源が投入されてから初当たりに至るまでの差玉数のマイナス分(つまり総発射球数)がカウントされないことになる。従って、過賞球防止機能が作動する契機となる差玉数を、初当たり以降の持ち球数と同じにすることが可能である。
第3実施形態では、遊技制御用マイコン101は、総賞球数と総発射球とを別個でカウントして、総賞球数から総発射球数を減算することで、差玉数を演算した。しかしながら、差玉数をカウントするための差玉カウンタだけを用いて、差玉数を計測(カウント)するようにしても良い。つまり、賞球がある度に、差玉カウンタに対して、賞球の値を加算する。また、遊技球が発射される度に(排出口センサの検知がある度)に、差玉カウンタの値を減算する。こうして、総賞球数と総発射球とを別個でカウントしないで、差玉数を計測するようにしても良い。この場合において、差玉カウンタの値が、マイナスにならないようにして、常に「0」以上になるようにしても良い。そうすれば、上述したように、過賞球防止機能が作動する契機となる差玉数を、実質的に初当たり以降の持ち球数と同じにすることが可能である。
第3実施形態では、差玉数(特定計測数)が80000(基準数)以上であることを条件に、過賞球防止機能が作動するようにした。しかしながら、過賞球防止機能が作動するための基準となる差玉数(基準数)は、80000に限られるものではなく、50000、100000、120000であっても良く、適宜変更可能である。
第3実施形態では、過賞球防止機能が作動するための契機となる特定計測数は、総賞球数と総発射球数との差である差玉数であった。しかしながら、特定計測数は、過剰な賞球を付与しないという観点により、遊技者に付与される賞球数に基づくものであれば、適宜変更可能である。例えば、特定計測数は、大当たり遊技状態など或る遊技状態や、連荘期間など或る期間に限った差玉数であっても良い。また例えば、特定計測数は、全ての遊技状態での総賞球数、大当たり遊技状態など或る遊技状態に限った総賞球数、連荘期間など或る期間に限った総賞球数であっても良い。また例えば、特定計測数は、全ての遊技状態でのベース、大当たり遊技状態など或る遊技状態に限ったベース、連荘期間など或る期間に限ったベースであっても良い。
第3実施形態では、パチンコ遊技機が、内部に収容している遊技球が遊技領域6を流下した後に、当該パチンコ遊技機の外部に排出される非封入式パチンコとして構成されていた。しかしながら、パチンコ遊技機が、内部に収容している遊技球が遊技領域を流下した後に、循環して再び遊技領域に進入可能な封入式パチンコとして構成されていても良い。この場合には、払出制御基板170に相当する枠制御基板に、7セグ表示器が配置されている。よって、この7セグ表示器に、差玉数(特定計測数)を表示し得るようにしても良い。また前扉の下部に、持ち球数を表示する6桁の7セグ表示器が配置されている。よって、この6桁の7セグ表示器に、差玉数(特定計測数)を表示し得るようにしても良い。なお、本形態の「計測」とは、カウント又は計数と同じ意味である。
<第3実施形態に示されている発明>
上記した第3実施形態及びその変更例には、以下の各手段の発明が示されている。以下に記す手段の説明では、上記した実施形態等における対応する構成名や表現、図面に使用した符号を参考のためにかっこ書きで付記している。但し、各発明の構成要素はこの付記に限定されるものではない。
<手段X>
手段X1に係る発明は、
遊技を制御可能な遊技制御手段(遊技制御用マイコン101)を備える遊技機(第3実施形態のパチンコ遊技機)において、
前記遊技制御手段は、
遊技者に付与される賞球数に基づく特定計測数(差玉数)を計測可能であり、
前記特定計測数が予め定められた基準数(80000)以上であって、遊技者にとって有利な有利遊技状態(高確高ベース状態、低確高ベース状態)が終了すると(図48参照)、遊技を実行不能に制御する(遊技制御処理及び発射制御処理を停止する)ことを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、賞球数に基づく特定計測数が基準数以上であって、有利遊技状態が終了すると、遊技が実行不能になる。従って、遊技者にとっては有利遊技状態の途中で突然遊技が停止されるわけではなく、特段大きな不利益になるわけではない。こうして、過剰な賞球を付与しない遊技機を提供することが可能である。
手段X2に係る発明は、
手段X1に記載の遊技機において、
前記遊技制御手段は、
前記特定計測数が前記基準数以上であって、前記有利遊技状態(高確高ベース状態、低確高ベース状態)から通常遊技状態に移行すると、遊技を実行不能に制御することを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、賞球数に基づく特定計測数が基準数以上であって、有利遊技状態から通常遊技状態に移行すると、遊技が実行不能になる。従って、遊技者にとって遊技を止めやすいタイミングにて、遊技を中止させることが可能である。
手段X3に係る発明は、
手段X1に記載の遊技機において、
前記遊技制御手段は、
当たり判定処理により当たりと判定すると、当たり遊技(大当たり遊技)を実行可能であり、
前記特定計測数が前記基準数以上であって、前記有利遊技状態から通常遊技状態に移行したときに所定数(例えば4個)だけ保留されていた前記当たり判定処理が当該通常遊技状態にて消化されると、遊技を実行不能に制御する(図64参照)ことを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、特定計測数が基準数以上であって、有利遊技状態から通常遊技状態に移行したときに当たり判定処理が所定数だけ保留されていることがある。この場合には、所定数だけ保留されていた当たり判定処理が通常遊技状態にて消化されるまで実質的な有利遊技状態とみなして、その実質的な有利遊技状態が終了すると、遊技を中止させることが可能である。
手段X4に係る発明は、
手段X1に記載の遊技機において、
入球口(第2始動口12)を備え、
前記遊技制御手段は、通常遊技状態よりも前記入球口に遊技球が入球し易い入球容易状態(高ベース状態)に制御可能であり、
前記有利遊技状態は、前記入球容易状態であることを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、特定計測数が基準数以上であって、通常遊技状態よりも入球口に遊技球が入球し易い入球容易状態が終了すると、遊技が実行不能になる。従って、遊技者にとって、入球容易状態が終了した後で持ち球が減っていくような状況になる前に、遊技を中止させることが可能である。
ところで、特開2017-209170号公報に記載の遊技機では、遊技者が継続した遊技によって、過剰な賞球を獲得することがあり得る。この場合、遊技機が遊技者に対して過剰な賞球を付与しないようにすることはなかった。そこで手段X1~X4に係る発明は、特開2017-209170号公報に記載の遊技機に対して、遊技制御手段は、遊技者に付与される賞球数に基づく特定計測数を計測可能であり、特定計測数が予め定められた基準数以上であって、遊技者にとって有利な有利遊技状態が終了すると、遊技を実行不能に制御する点で相違している。これにより、遊技者に過剰な賞球を付与しない遊技機を提供するという課題を解決する(作用効果を奏する)ことが可能である。
<手段Y>
手段Y1に係る発明は、
遊技を制御可能な遊技制御手段(遊技制御用マイコン101)を備える遊技機(第3実施形態のパチンコ遊技機)において、
前記遊技制御手段は、
遊技者に付与される賞球数に基づく特定計測数(差玉数)を計測可能であり、
前記特定計測数が予め定められた基準数(80000)以上になることに基づいて、遊技を実行不能に制御(遊技制御処理及び発射制御処理を停止)することがあり(図48参照)、
電源投入を契機としないリセット条件(特別リセットスイッチ181が押下操作された第1リセット条件、客待ち状態が1時間継続する第2リセット条件)の成立に基づいて、計測された前記特定計測数を消去する(図49(A)(B)参照)ことを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、賞球数に基づく特定計測数が基準数以上になることに基づいて、遊技が実行不能になる。これにより、過剰な賞球を付与しない遊技機を提供することが可能である。但し、特定計測数が基準数になる前に、或る遊技者が遊技を止めて、後で遊技を行う遊技者が遊技を開始してからすぐに、特定計測数が基準数以上になると、酷な事態となる。そのため、電源投入を契機としないリセット条件が成立することに基づいて、計測された特定計測数が消去される。これにより、後で遊技を行った遊技者に対して、遊技を開始してからすぐに遊技が中止されないようにすることができて、酷な事態となるのを防ぐことが可能である。
手段Y2に係る発明は、
操作可能な特別操作手段(特別リセットスイッチ181)を備え、
前記リセット条件は、前記特別操作手段が操作されることである(図49(A)参照)ことを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、例えば、或る遊技者が遊技を終えた後、遊技場の従業員が特別操作手段を操作することで、計測された特定計測数が消去される。これにより、後で遊技を行う遊技者にとって、遊技を開始してからすぐに遊技が中止されないようにすることが可能である。
手段Y3に係る発明は、
手段Y1に記載の遊技機において、
前記遊技制御手段は、当たり判定処理の結果を示す識別図柄(特別図柄)を停止表示した後、客待ち状態に制御可能であり、
前記リセット条件は、前記客待ち状態が所定時間(例えば1時間)継続すること(図49(B)参照)であることを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、客待ち状態が所定時間継続すると、遊技者が変わった場合と想定して、計測された特定計測数が消去される。これにより、後で遊技を行う遊技者にとって、遊技を開始してからすぐに遊技が中止されないようにすることが可能である。
手段Y4に係る発明は、
手段Y1に記載の遊技機において、
前記リセット条件は、遊技者にとって有利な有利遊技状態(高確高ベース状態)から通常遊技状態に移行すること(図65(A)参照)であることを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、遊技者にとって有利な有利遊技状態から通常遊技状態に移行すると、計測された特定計測数が消去される。こうして、有利遊技状態が継続する状況が一旦終了すれば、しばらく特定計測数が基準数以上にならないようにすることが可能である。
手段Y5に係る発明は、
手段Y1に記載の遊技機において、
前記リセット条件は、通常遊技状態にて特定時間(例えば1時間)が継続すること(図65(B)参照)であることを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、通常遊技状態にて特定時間が継続すると、遊技者にとって有利な状況がしばらく続いていないことになる。従って、この場合には、計測された特定計測数を消去することで、しばらく特定計測数が基準数以上にならないようにすることが可能である。
ところで、特開2017-209170号公報に記載の遊技機では、遊技者が継続した遊技によって、過剰な賞球を獲得することがあり得る。この場合、遊技機が遊技者に対して過剰な賞球を付与しないようにすることはなかった。そこで手段Y1~Y5に係る発明は、特開2017-209170号公報に記載の遊技機に対して、遊技制御手段は、遊技者に付与される賞球数に基づく特定計測数を計測可能であり、特定計測数が予め定められた基準数以上になることに基づいて、遊技を実行不能に制御することがあり、電源投入を契機としないリセット条件の成立に基づいて、計測された前記特定計測数を消去する点で相違している。これにより、遊技者に過剰な賞球を付与しない遊技機を提供するという課題を解決する(作用効果を奏する)ことが可能である。
<手段Z>
手段Z1に係る発明は、
遊技を制御可能な遊技制御手段(遊技制御用マイコン101)と、
操作可能な特定操作手段(RAMクリアスイッチ191)と、を備える遊技機(第3実施形態のパチンコ遊技機)において、
前記遊技制御手段は、
遊技者に付与される賞球数に基づく特定計測数(差玉数)を計測可能であり、
前記特定計測数が予め定められた基準数(80000)以上になることに基づいて、遊技を実行不能に制御(遊技制御処理及び発射制御処理を停止)することがあり、
電源投入時に前記特定操作手段が操作されることに基づいて、遊技に係る遊技情報を消去する(RAMクリアが実行される)一方、計測された前記特定計測数を消去しないことを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、賞球数に基づく特定計測数が基準数以上になることに基づいて、遊技が実行不能になる。これにより、過剰な賞球数を付与しない遊技機を提供することが可能である。ここで、遊技場の従業員が、電源投入時に特定操作手段を操作すると、遊技に係る遊技情報は消去されるものの、計測された特定計測数は消去されない。従って、営業時間中に、不具合等によって遊技に係る遊技状態を消去しなければならない状況でも、計測された特定計測数を消去しないようにすることが可能である。
手段Z2に係る発明は、
手段Z1に記載の遊技機において、
操作可能な特別操作手段(特別リセットスイッチ181)を備え、
前記遊技制御手段は、
前記特別操作手段が操作されることに基づいて、計測された前記特定計測数を消去可能である(図49(A)参照)ことを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、遊技場の従業員が特別操作手段を操作することで、計測された特定計測数が消去される。これにより、遊技に係る遊技状態を消去しないでも、遊技場の従業員は任意のタイミングで、計測された特定計測数を消去することが可能である。
手段Z3に係る発明は、
手段Z1又は手段Z2に記載の遊技機において、
前記遊技制御手段は、
予め定められた基準時間(例えば午前9時)であると判断すると、計測された前記特定計測数を消去可能であることを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、予め定められた基準時間になると、計測された特定計測数が消去される。従って、遊技場の従業員に操作させることなく、計測された特定計測数を自動的に消去させることが可能である。
手段Z4に係る発明は、
手段Z1乃至手段Z4に記載の遊技機において、
前記遊技制御手段は、
1番目からN(4)番目までの所定期間(電源が投入されてから電源が遮断されるまでの期間)毎に区分けして前記特定計測数を順番に記憶していて、
N番目の所定期間の前記特定計測数を消去することに伴って、1番目から(N-1)番目の所定期間の前記特定計測数を、2番目からN番目の所定期間の前記特定計測数としてシフトして、1番目の所定期間の前記特定計測数の計測を開始することを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、1番目からN番目までの所定期間毎の特定計測数を記憶しておくことが可能である。その上で、N番目の所定期間の特定計測数が消去されることに伴って、1番目から(N-1)番目の所定期間の特定計測数が、2番目からN番目の所定期間の特定計測数としてシフトされる。そして、1番目の所定期間の特定計測数の計測が開始される。こうして、遊技場の従業員に操作させることなく、1番目からN番目までの所定期間毎の特定計測数を、自動的に更新することが可能である。
ところで、特開2017-209170号公報に記載の遊技機では、遊技者が継続した遊技によって、過剰な賞球を獲得することがあり得る。この場合、遊技機が遊技者に対して過剰な賞球を付与しないようにすることはなかった。そこで手段Z1~Z4に係る発明は、特開2017-209170号公報に記載の遊技機に対して、遊技制御手段は、遊技者に付与される賞球数に基づく特定計測数を計測可能であり、特定計測数が予め定められた基準数以上になることに基づいて、遊技を実行不能に制御することがあり、電源投入時に特定操作手段が操作されることに基づいて、遊技に係る遊技情報を消去する一方、計測された特定計測数を消去しない点で相違している。これにより、遊技者に過剰な賞球を付与しない遊技機を提供するという課題を解決する(作用効果を奏する)ことが可能である。
13.第4実施形態
以下、第4実施形態のパチンコ遊技機を図67~図75に基づいて説明する。第4実施形態のパチンコ遊技機の説明において第1実施形態のパチンコ遊技機PY1および第3実施形態のパチンコ遊技機と同一の構成については、同一の符号を付して説明を省略する。第4実施形態のパチンコ遊技機は、遊技店(ホール)側が意図的に遊技者にとって有利な遊技状態に設定できる機能(有利設定機能と言う)を搭載したものである。
なお第4実施形態のパチンコ遊技機は、いわゆる1種2種混合機である。第4実施形態のパチンコ遊技機では、特図2の抽選(第2始動口12に係る抽選)において小当たりに当選すると、第2大入賞口15を開放する小当たり遊技が実行され、小当たり遊技中に第2大入賞口15内の特定領域16に遊技球が通過すると(いわゆるV通過があると)、第1大入賞口14を開放するラウンド遊技を複数回含む大当たり遊技が実行される。
<停止図柄の種類>
まず、第4実施形態における停止図柄の種類について説明する。第4実施形態のパチンコ遊技機は、第1始動口11又は第2始動口12への入賞に基づいて取得した特別図柄乱数を、図67(A)に示す大当たり判定テーブルに従って判定することにより、大当たりか否か、及び、小当たりか否かを決定する。図67(A)に示すように、第1始動口11への入賞に基づく第1特別図柄(特図1)の抽選では、所定の確率で大当たり(所謂1種大当たり)に当選するが、小当たりに当選することはない。一方、第2始動口12への入賞に基づく第2特別図柄(特図2)の抽選では、必ず小当たりに当選する。すなわち、特図2の抽選では、大当たり(所謂1種大当たり)に当選することはなく、またハズレとなることもない。
第4実施形態のパチンコ遊技機は、大当たり当選と判定した場合、図柄種別乱数(大当たり図柄種別乱数)を、図67(B)に示す大当たり図柄種別判定テーブルに従って判定することにより、大当たり図柄の種別を決定する。特図1の抽選では、50%の割合で、「特図1_大当たり図柄S」に決定し、50%の割合で、「特図1_大当たり図柄T」に決定する。なお、特図2の抽選の結果に大当たり(1種大当たり)は含まれない。当選した大当たり図柄の種別が異なると、1種大当たり遊技における大入賞口の開放パターンや、大当たり遊技後の遊技状態に関する設定が異なる(図68参照)。この点については後述する。
また第4実施形態のパチンコ遊技機は、小当たり当選と判定した場合、図柄種別乱数を、図67(C)に示す小当たり図柄種別判定テーブルに従って判定することにより、小当たり図柄の種別を決定する。具体的には特図2の抽選では、80%の割合で、「特図2_小当たり図柄s」に決定し、20%の割合で、「特図2_小当たり図柄t」に決定する。当選した小当たり図柄の種別が異なると、小当たり遊技や2種大当たり遊技における大入賞口の開放パターンや、大当たり遊技後の遊技状態に関する設定が異なる(図68参照)。この点については後述する。
また第4実施形態のパチンコ遊技機は、大当たりにも小当たりにも当選していないと判定した場合(つまりハズレと判定した場合)、図柄種別乱数を、図67(D)に示すハズレ図柄種別判定テーブルに従って判定することにより、ハズレ図柄の種別を決定する。特図1の抽選では、80%の割合で、「特図1_ハズレ図柄S」に決定し、10%の割合で、「特図1_ハズレ図柄T」に決定し、10%の割合で、「特図1_ハズレ図柄U」に決定する。なお、特図2の抽選の結果にハズレは含まれない。ハズレ図柄の種別の違いは、ハズレ図柄が停止表示された後の遊技状態に関する設定に影響を与える(図69参照)。この点については後述する。
また第4実施形態のパチンコ遊技機は、ハズレと判定した場合、リーチ乱数を、図67(E)に示すリーチ判定テーブルに従って判定することにより、変動演出において演出図柄EZ1,EZ2,EZ3をリーチにするか否かを決定することが可能である。リーチ有りと判定される確率は、遊技状態が後述の通常時短状態であるか否かによって異なっている。通常時短状態でないときの方が、通常時短状態であるときよりも、リーチ有りと判定される確率が高い。
次に、大当たりの種類、小当たりの種類、ハズレの種類について、図68及び図69に基づいて詳細に説明する。上述したように、特別図柄抽選(特図1の抽選や特図2の抽選)の結果には、「大当たり」、「小当たり」、「はずれ」がある。「大当たり」のときには、特図表示器81に「大当たり図柄」が停止表示される。大当たり図柄には、「特図1_大当たり図柄S」、「特図1_大当たり図柄T」がある。また、「小当たり」のときには、特図表示器81に「小当たり図柄」が停止表示される。小当たり図柄には、「特図2_小当たり図柄s」、「特図2_小当たり図柄t」がある。「はずれ」のときには、特図表示器81に「ハズレ図柄」が停止表示される。ハズレ図柄には、「特図1_ハズレ図柄S」、「特図1_ハズレ図柄T」、「特図1_ハズレ図柄U」がある。
特別図柄抽選にて大当たりに当選すると、停止表示された大当たり図柄の種別に応じた開放パターンにて第1大入賞口14を開放させる「大当たり遊技」が実行される。小当たりに当選すると、停止表示された小当たり図柄の種別に応じた開放パターンにて第2大入賞口15を開放させる「小当たり遊技」が実行される。そして、小当たり遊技の実行中に第2大入賞口15内の特定領域16に遊技球が進入すると、当選している小当たり図柄の種別に応じた開放パターンにて第1大入賞口14を開放させる「大当たり遊技」が実行される。特別図柄抽選の結果が大当たり当選であることに基づいて実行される大当たり遊技を1種大当たり遊技と称し、特定領域16への通過に基づいて実行される大当たり遊技を2種大当たり遊技と称する。
大当たり遊技は、本形態では、複数回のラウンド遊技(単位開放遊技)と、初回のラウンド遊技が開始される前のオープニング(OPとも表記する)と、最終回のラウンド遊技が終了した後のエンディング(EDとも表記する)とを含んでいる。各ラウンド遊技は、OPの終了又は前のラウンド遊技の終了によって開始し、次のラウンド遊技の開始又はEDの開始によって終了する。ラウンド遊技間の大入賞口の閉鎖の時間(インターバル時間)は、その閉鎖前の開放のラウンド遊技に含まれる。
また小当たり遊技は、本形態では、第2大入賞口15を開放する小当たり開放遊技と、小当たり開放遊技が開始される前のオープニング(開放前インターバル)と、小当たり開放遊技が終了した後のエンディング(閉鎖後インターバル)とを含んでいる。
特別図柄抽選の結果、大当たりに当選すると(つまり1種大当たりに当選すると)、第1大入賞口14を開放させる大当たり遊技(1種大当たり遊技)が実行される。本形態では図68に示すように、第1特別図柄(特図1)の抽選で当選可能な大当たり図柄(特図1表示器81aに停止表示される大当たり図柄)の種別には2種類ある。具体的には特図1の抽選では、「特図1_大当たり図柄S」、「特図1_大当たり図柄T」に当選する可能性がある。
図68に示すように、「特図1_大当たり図柄S」及び「特図1_大当たり図柄T」は、4R(ラウンド)大当たりであり、1Rあたりの第1大入賞口14の開放回数は1回であり、その最大開放時間は29.5秒である。大当たり遊技の終了後の遊技状態は、当選時の遊技状態に応じて異なる。
ここで、本形態の遊技状態について簡単に説明する。第4実施形態のパチンコ遊技機は、遊技状態として、非時短状態と、非時短状態とは第2始動口12への入球し易さに関する設定が異なる時短状態とに制御可能である。時短状態には、第2始動口12に遊技球が入球し易い設定の通常時短状態と、通常時短状態よりも第2始動口12に遊技球が入球し難い設定の微時短状態(非通常時短状態)とがある。微時短状態における第2始動口12への入球し易さは、非時短状態とそれほど変わらない。すなわち本形態では、通常時短状態は、第2始動口12への入球が多数見込める高ベース状態であり、微時短状態および非時短状態は、第2始動口12への入球があまり見込めない低ベース状態である。なお、遊技状態の詳細については後述する。
「大当たり図柄S」に当選した場合の大当たり遊技後の遊技状態は、当選時の遊技状態が非時短状態あるいは通常時短状態であれば非時短状態であるが、当選時の遊技状態が微時短状態であれば微時短状態である。微時短状態の時短回数は、800回に設定される。時短回数とは、時短状態における特図変動の上限実行回数である。微時短状態における特図変動の実行回数が800回に至ると微時短状態は終了する。この場合、非時短状態に設定される。
これに対して、「大当たり図柄T」に当選した場合の大当たり遊技後の時短状態は、当選時の遊技状態が非時短状態、微時短状態、及び通常時短状態の何れであっても、非時短状態である。
また特別図柄抽選の結果、小当たりに当選すると、第2大入賞口15を1回開放させる小当たり遊技が実行される。小当たり遊技によって開放された第2大入賞口15へ遊技球が入賞し、その遊技球が第2大入賞装置15D内の特定領域16を通過した場合には、大当たり当選となり、続けて第1大入賞口14を開放させる大当たり遊技(2種大当たり遊技)が実行される。この大当たり遊技(特定領域16への通過を契機とする大当たり遊技)が実行された場合には、小当たり遊技としての第2大入賞口15の開放が1R目に相当することになる。なお、小当たり遊技において特定領域16への遊技球の通過がなければ、大当たり遊技は実行されない。大当たり遊技や小当たり遊技を特別遊技と言うこともある。なお、特別遊技においては1ラウンド中に複数回大入賞口を開放させるラウンドがあってもよい。
本形態では図68に示すように、特図2の抽選で当選可能な小当たり図柄(特図2表示器81bに停止表示される小当たり図柄)の種別は2種類である。具体的には特図2の抽選では、「特図2_小当たり図柄s」及び「特図2_小当たり図柄t」に当選する可能性がある。
「小当たり図柄s」及び「小当たり図柄t」は、正しく遊技する限り、特定領域16への通過(V通過ともいう)が必ず可能な小当たりである。つまり本形態では、特図2の抽選に基づく小当たり当選は、実質的には大当たり当選と同じ意味をもつ。
各種別の小当たり図柄に基づく小当たり遊技では、第2大入賞口15の1.8秒開放が1回行われる。そして、正しく遊技する限り、この第2大入賞口15の開放中に複数の入賞が可能であり、この入賞球のうち少なくとも1球は、特定領域16を通過するように、振分部材16kが通過許容状態(図3(B)に示す状態)に制御される。
特定領域16への遊技球の通過に基づいて実行される大当たり遊技(2種大当たり遊技)では、「小当たり図柄s」に基づく2種大当たり遊技でも、「小当たり図柄t」に基づく2種大当たり遊技でも、2R目から10R目まで1Rあたり1回、最大開放時間を29.5秒として第1大入賞口14を開放させる。
「小当たり図柄s」に基づく2種大当たり遊技の終了後の遊技状態は、当選時の遊技状態が非時短状態あるいは微時短状態であれば非時短状態であり、通常時短状態であれば通常時短状態である。通常時短状態における時短回数は100回に設定される。
これに対して、「小当たり図柄t」に基づく2種大当たり遊技の終了後の遊技状態は、当選時の遊技状態が非時短状態、微時短状態、及び通常時短状態の何れであっても、非時短状態である。なお本形態において特図2の抽選がなされるのは、主に通常時短状態であり、非時短状態や微時短状態において特図2の抽選がなされることはほぼない。
また特別図柄抽選の結果、ハズレと判定されると、ハズレ図柄の種別が決定される。図69に示すように、特図1の抽選で決定されるハズレ図柄(特図1表示器81aに停止表示されるハズレ図柄)の種別は3種類ある。具体的には特図1の抽選では、「特図1_ハズレ図柄S」、「特図1_ハズレ図柄T」、「特図1_ハズレ図柄U」の何れかに決定される。なお、特図2の抽選でハズレと判定されることはない。
「特図1_ハズレ図柄S」は、遊技状態の遷移に影響のない通常ハズレであるが、「特図1_ハズレ図柄T」および「特図1_ハズレ図柄U」は、時短状態の制御契機となる特殊ハズレ(特定結果の一例)である。つまり特別図柄抽選の結果が特殊ハズレ(時短ハズレとも言う)である場合、遊技制御用マイコン101は、ハズレ図柄の停止表示後の遊技状態を、時短状態に制御する。但し、特殊ハズレに基づく時短状態への制御タイミングにおいて既に時短状態(通常時短状態又は微時短状態)である場合(すなわち時短フラグがONである場合)には、遊技状態の設定を変更しない。すなわち特殊ハズレは、通常ハズレと同様に扱われる。
より具体的には、非時短状態における「ハズレ図柄T」の停止表示後の遊技状態は、通常時短状態であり、時短回数は100回に設定される。また、非時短状態における「ハズレ図柄U」の停止表示後の遊技状態は、微時短状態であり、時短回数は800回に設定される。
<遊技状態>
ここで、第4実施形態のパチンコ遊技機の遊技状態について詳細に説明する。図70(A)に示すように、時短状態(通常時短状態、微時短状態)における普通図柄抽選の当選確率は、非時短状態における普通図柄の当選確率と同じである。具体的には本形態では、非時短状態、通常時短状態、微時短状態のいずれの遊技状態においても、普通図柄抽選で当たりと判定される確率は、65535/65536に設定されている。つまり、いずれの遊技状態においても普通図柄抽選では、ほぼ当たりと判定される。なお、時短状態では普通図柄抽選の当選確率が非時短状態よりも高くなる構成としてもよい。
また時短状態(通常時短状態、微時短状態)では、図70(B)に示すように、普通図柄の変動時間が、非時短状態よりも短くなる。具体的には本形態では、普通図柄の変動時間は、非時短状態では60秒であるが、通常時短状態では1秒であり、微時短状態では30秒である。なお、普通図柄の停止時間は、いずれの遊技状態であっても0.5秒である。
また時短状態(通常時短状態、微時短状態)では、図70(C)に示すように、補助遊技における電チュー12Dの開放時間が、非時短状態よりも長くなる。具体的には本形態では、電チュー12Dの開放時間は、非時短状態では1回あたり0.05秒であるが、通常時短状態では2.5秒であり、微時短状態では0.1秒である。
また時短状態では、図70(C)に示すように、補助遊技における電チュー12Dの開放回数が、非時短状態よりも多くなることがある。具体的には本形態では、電チュー12Dの開放回数は、非時短状態および微時短状態では1回であるが、通常時短状態では2回である。
ここで非時短状態では、普通図柄抽選が実行されればほぼ当たりとなるものの、普通図柄の変動時間が60秒と長く、補助遊技における電チュー12Dの開放は0.05秒の開放が1回と極短時間である。よって非時短状態では、右打ち(遊技球がゲート13を通過し得る打ち方)にて遊技を行っても、電チュー12Dへの入賞はほとんど見込めない。
これに対して通常時短状態では、普通図柄抽選が実行されればほぼ当たりとなり、普通図柄の変動時間も1秒と短く、また、補助遊技における電チュー12Dの開放は2.5秒の開放が2回と十分に長い。よって通常時短状態では、右打ちにて遊技を行うことで、電チュー12Dへの入賞が頻繁に生じ得る。すなわち通常時短状態は、非時短状態と比べて、電チュー12Dへの入賞が容易な設定の遊技状態であると言える。
一方、微時短状態では、普通図柄抽選が実行されればほぼ当たりとなるものの、普通図柄の変動時間は30秒と長く、また、補助遊技における電チュー12Dの開放は0.1秒の開放が1回と短い。よって微時短状態では、電チュー12Dへの入賞し易さに関係する各種のパラメータ(普通図柄抽選の当選確率、普通図柄の変動時間や停止時間、電チュー12Dの開放パターン)が非時短状態に比べれば、電チュー12Dへ入賞し易い設定となっているものの、右打ちにて遊技を行っても電チュー12Dへの入賞はほとんど見込めない。
このように非時短状態および微時短状態では、右打ちを行っても電チュー12Dへの入賞が見込めないため、遊技者は左打ちにて遊技を進行させる。一方、通常時短状態では、右打ちを行うことで電チュー12Dへの入賞が頻繁に生じるため、遊技者が右打ちにて遊技を進行する。なお本第4実施形態のパチンコ遊技機では、大当たり遊技中も右打ちにて遊技を行う。
微時短状態は、通常時短状態と同様、非時短状態と比べて、電チュー12Dへの入賞が容易な設定の遊技状態であると言えるが、通常時短状態よりも電チュー12Dへの入賞困難な設定の遊技状態である。また微時短状態は、電チュー12Dへの入賞が見込めないことから、通常時短状態よりも、非時短状態に近い性質の遊技状態である。なお、通常時短状態は特定遊技状態の一例であり、非時短状態および微時短状態は非特定遊技状態の一例である。
ちなみに、通常時短状態では、非時短状態と比べて、発射球数に対する賞球数の割合であるベースが高くなる。よって、通常時短状態を「高ベース状態」ともいい、非時短状態を「低ベース状態」ともいう。微時短状態も「低ベース状態」の一例である。高ベース状態では、手持ちの遊技球を大きく減らすことなく大当たりを狙うことができる。なお、高ベース状態とは、いわゆる電サポ制御(電チュー12Dにより第2始動口12への入賞をサポートする制御)が実行されている状態である。そのため、高ベース状態を電サポ制御状態ともいう。また低ベース状態を非電サポ制御状態ともいう。
なお、普通図柄抽選における当選確率、普通図柄の変動時間や停止時間、電チュー12Dの開放時間や開放回数等は、遊技性に支障をきたさない範囲で適宜変更可能である。
<特図変動パターン>
次に、特図変動パターン(特別図柄の変動パターン)の決定について説明する。第4実施形態のパチンコ遊技機は、非時短状態と微時短状態と通常時短状態とで異なる特図変動パターン判定テーブルに従って、特図変動パターンを決定する(図71参照)。
まず、図71(A)に基づいて非時短状態における特図変動パターン判定テーブルについて説明する。非時短状態では、左打ちにて遊技が進行され、特図1の抽選が行われる。特図1の抽選結果には大当たりとハズレとがある。大当たりの場合、SPリーチを行う特図変動パターンP80、又は、SPリーチに発展せずノーマルリーチを行う特図変動パターンP81の何れかを選択する。これに対して、ハズレの場合、通常ハズレであるハズレ図柄S又は微時短状態の制御契機となるハズレ図柄Uであれば、リーチ有りと判定しているときは、SPリーチを行う特図変動パターンP82、又は、SPリーチに発展せずにノーマルリーチを行う特図変動パターンP83の何れかを選択し、リーチ無しと判定しているときは、保留球数に応じて、リーチが形成されない特図変動パターンP84又はP85を選択する。なお、非時短状態においてハズレ図柄Uが停止表示されると微時短状態に移行するが、本形態では微時短状態が遊技者にとって最も有利でない遊技状態であるため、非時短状態においてハズレ図柄Uを引いた場合には、ハズレ図柄Sを引いた場合と同じ特図変動パターンを選択するようにしている。
一方ハズレの場合であって、停止図柄が、通常時短状態の制御契機となるハズレ図柄Tであれば、RUSH突入演出を行う特図変動パターンP86を選択する。非時短状態においてハズレ図柄Tが停止表示されると、通常時短状態に移行する。RUSH突入演出は、通常時短状態に移行することを示唆する演出である。RUSH突入演出については後述する。
次に、図71(B)に基づいて微時短状態における特図変動パターン判定テーブルについて説明する。微時短状態は、本形態では遊技者にとって最も有利でない遊技状態である。つまり本形態では、微時短状態が、通常の遊技状態(通常遊技状態)として機能している。微時短状態では、左打ちにて遊技が進行され、特図1の抽選が行われる。特図1の抽選結果が大当たりの場合、SPリーチを行う特図変動パターンP90、又は、SPリーチに発展せずノーマルリーチを行う特図変動パターンP91の何れかを選択する。これに対して、特図1の抽選結果がハズレの場合、ハズレ図柄が何れであっても、リーチ有りと判定しているときは、SPリーチを行う特図変動パターンP92、又は、SPリーチに発展せずにノーマルリーチを行う特図変動パターンP93の何れかを選択し、リーチ無しと判定しているときは、保留球数に応じて、リーチが形成されない特図変動パターンP94又はP95を選択する。微時短状態において特殊ハズレ(ハズレ図柄T、ハズレ図柄U)を引いても遊技状態を新たに設定しないため、微時短状態において特殊ハズレを引いた場合には、通常ハズレ(ハズレ図柄S)を引いた場合と同じ特図変動パターンを選択するようにしている。
次に、図72(C)に基づいて通常時短状態における特図変動パターン判定テーブルについて説明する。通常時短状態は、本形態では遊技者にとって最も有利な遊技状態である。通常時短状態の時短回数は100回に設定され、特図2の抽選では必ず小当たりに当選し、小当たり遊技が実行されれば必ずV通過が生じるように構成されている。よって、通常時短状態に制御されることは、次の大当たり遊技の獲得を意味する(所謂連荘の確定)。
通常時短状態では、右打ちにて遊技が進行され、特図2の抽選が行われる。図72(C)に示すように、通常時短状態において特図2の抽選がなされると、特図2の変動パターンとして、13秒の変動時間の特図変動パターンP100が選択される。この特図変動パターンが選択された場合には、即当たり演出が実行される。即当たり演出では、13秒の変動時間の中で、リーチが形成されるとすぐに当選を示す停止態様(ゾロ目)で演出図柄EZ1,EZ2,EZ3が停止表示される。
<遊技制御用マイコンの処理>
次に、第4実施形態において遊技制御用マイコン101が行う処理について説明する。第4実施形態では、第3実施形態で説明した遊技状態管理処理(図61)に代えて、図72に示す遊技状態管理処理が行われる。なお、第4実施形態のパチンコ遊技機は、高確率状態に設定することがないため、高確率状態であることを示す確変フラグに係る処理を行わない。
図72に示すように、第4実施形態における遊技状態管理処理(S1602)ではまず、時短状態であることを示す時短フラグがONか否か判定し(S2101)、ONでなければステップS2110に進み、ONであれば、時短状態中に実行した特図変動(特別図柄の変動表示)の回数をカウントする時短カウンタの値を1ディクリメントするとともに(S2102)、時短カウンタの値が「0」であるか否かを判定する(S2103)。そして、「0」でなければステップS2110に進み、「0」であれば、時短フラグをOFFするとともに(S2104)、遊技状態フラグ更新処理(S2105)を行って、ステップS2110に進む。
遊技状態フラグ更新処理(S2105)では、遊技状態フラグの値を、現在の遊技状態に応じた値にセットする。図72中の表に示すように、遊技状態フラグの値は、非時短状態であれば「0」にセットされ、通常時短状態であれば「1」にセットされ、微時短状態であれば「2」にセットされる。この遊技状態フラグ更新処理(S2105)では、時短フラグをOFFしたところであるため、遊技状態フラグの値を、非時短状態に対応する値「0」にセットする。
ステップS2110では、時短フラグがOFFであるか否かを判定する。時短フラグがOFFでなければ、ステップS2130に進むが、時短フラグがOFFであれば、続いて、停止表示されている特別図柄が、特殊ハズレであるか否かを判定する(S2111)。そして、特殊ハズレ(ハズレ図柄T又はハズレ図柄U)でなければステップS2130に進むが、特殊ハズレであれば、時短フラグをONするとともに(S2112)、ハズレ図柄の種別に応じた時短回数(図69参照)を時短カウンタにセットし(S2113)、遊技状態フラグ更新処理(S2114)を行って、ステップS2130に進む。
この遊技状態フラグ更新処理(S2114)では、ハズレ図柄Tに基づいて時短フラグをONにしたところであれば、遊技状態フラグの値を通常時短状態に対応する値「1」にセットし、ハズレ図柄Uに基づいて時短フラグをONにしたところであれば、遊技状態フラグの値を微時短状態に対応する値「2」にセットする。遊技状態フラグの値が「1」にセットされることにより遊技状態は通常時短状態に制御され、遊技状態フラグの値が「2」にセットされることにより遊技状態は微時短状態に制御される。なお、本形態における各時短状態は、所定の上限実行回数(時短回数)の特図変動が行われること、又は、次の大当たり遊技が実行されることのいずれかの終了条件の成立により終了する。
なお本形態では、特殊ハズレに基づいて時短状態に制御されるのは、非時短状態であるとき(ステップS2110でYESのとき)に限られる。すなわち、微時短状態において特殊ハズレを引いても、新たな時短状態の設定はなされない。ここで本形態では、遊技状態管理処理(S1602)において、まず時短状態を終了させるかに関する処理(ステップS2101~S2105)を行って、その後で、特殊ハズレに基づいて時短状態に制御するかに関する処理(ステップS2110~S2114)を行う。そのため、例えば、微時短状態の最終変動となる特図1の変動で、特殊ハズレが停止表示されると、ステップS2101~S2105の処理で微時短状態から非時短状態に移行され、ステップS2110~S2114の処理で非時短状態から時短状態に移行されることとなる。なお、ステップS2110~S2114の処理を、ステップS2101~S2105の処理よりも先に行う構成とすることで、時短状態の最終変動で特殊ハズレを引いても新たな時短状態に制御されない構成としてもよい。
ステップS2130では、遊技制御用マイコン101は、遊技状態フラグの情報(すなわち現在の遊技状態の情報)を含む遊技状態指定コマンドを、遊技用RAM104の出力バッファにセットする。このコマンドが出力されることにより、サブ制御基板120に現在の遊技状態の情報が通知される。
<第4実施形態における遊技の流れ>
次に、第4実施形態のパチンコ遊技機における遊技の進行の流れについて、図73に基づいて説明する。第4実施形態のパチンコ遊技機では、非時短状態、微時短状態、通常時短状態のうち、遊技者にとって最も有利でない遊技状態は、ハズレ図柄Uを引いても通常時短状態に移行させることができない微時短状態である。非時短状態は、ハズレ図柄Uを引くことによって通常時短状態に移行させることができる点で微時短状態よりも有利な遊技状態である。また、通常時短状態は、特図2の抽選に基づく大当たり遊技の獲得が実質的に確定している遊技状態であるため、非時短状態、微時短状態、通常時短状態のうちで遊技者にとって最も有利な遊技状態である。
本形態では、微時短状態が通常の遊技状態として機能する。図73に示すように、微時短状態である場合、演出モードは通常演出モード(後に詳述)に設定される。微時短状態では、左打ちによって遊技が進行され、特図1の抽選が行われる。本形態のパチンコ遊技機は、微時短状態から直接、通常時短状態に移行することがないように構成されている。よって遊技者は、微時短状態である場合には、まず非時短状態に移行させることを目指して遊技を進行する。微時短状態において「大当たり図柄S」に当選した場合には、大当たり遊技後の遊技状態は再び微時短状態に設定される。一方、「大当たり図柄T」に当選した場合には、大当たり遊技後の遊技状態は非時短状態に設定される。また、微時短状態において大当たりに当選することなく特図変動の実行回数が800回(微時短状態の時短回数)となった場合にも非時短状態に設定される。
非時短状態は、特殊ハズレを引くことで通常時短状態に移行させることが可能な遊技状態であり、遊技者にとって有利な遊技状態の1つである。非時短状態である場合、演出モードはチャンス演出モード(後に詳述)に設定される。非時短状態では、左打ちによって遊技が進行され、特図1の抽選が行われる。本形態では特図1の抽選において1/5の確率で特殊ハズレに当選する。このとき、1/2の確率でハズレ図柄T(通常時短状態の契機となる図柄)に振り分けられ、1/2の確率でハズレ図柄U(微時短状態の契機となる図柄)に振り分けられる。非時短状態において当選した特殊ハズレがハズレ図柄Uであった場合には、微時短状態に移行するため、再び非時短状態への移行を目指した遊技を行う。
一方、非時短状態において当選した特殊ハズレがハズレ図柄Tであった場合には、通常時短状態に移行する。通常時短状態は、特図2の抽選に基づく大当たり遊技の獲得が実質的に確定している遊技状態である。通常時短状態である場合、演出モードはRUSH演出モード(後に詳述)に設定される。通常時短状態では、右打ちによって遊技が進行され、特図2の抽選が行われる。特図2の抽選では必ず小当たりに当選する。このとき、4/5の確率で小当たり図柄s(通常時短状態の契機となる図柄)に振り分けられ、1/5の確率で小当たり図柄t(非時短状態の契機となる図柄)に振分られる。通常時短状態において当選した小当たりが小当り図柄sであった場合には、V通過に基づく2種大当たり遊技後に再び通常時短状態に設定されるため、いわゆる大当たりの連荘が確定する。
一方、通常時短状態において当選した小当たりが小当り図柄tであった場合には、V通過に基づく2種大当たり遊技後に非時短状態に設定される。この非時短状態において、ハズレ図柄Tを引くことができれば、通常時短状態に復帰させることができる。これに対して、ハズレ図柄Uを引いてしまった場合には、微時短状態に移行することとなる。このように本形態では、通常時短状態が終了する場合には、直接微時短状態まで移行することはなく、一旦非時短状態に設定されるようになっている。よって、再び通常時短状態に設定されることに期待が持てるようになっており、遊技興趣が向上されている。
なお、非時短状態において特図1の抽選に基づいて大当たりに当選した場合には、大当たり図柄Sを引いたときでも大当たり図柄Tを引いたときでも、大当たり遊技の終了後の遊技状態が非時短状態に設定されるようになっている。これにより、せっかく大当たりを引いたのに大当たり前の非時短状態よりも不利な微時短状態に設定されてしまって遊技者が落胆することが防止されている。
ここで、電源投入時の遊技状態について説明する。RAMクリアスイッチ191の操作を伴わない電源投入がなされた場合、電源投入時の遊技状態は、電源断時の遊技状態を引き継ぐ。よって、前日の閉店後に微時短状態で電源断となった場合は、開店時の電源投入時の遊技状態は微時短状態のままである。これに対して、RAMクリアスイッチ191の操作を伴う電源投入がなされると、フラグ等が初期設定の状態で起動する。つまり、図73に示すように、電源投入に応じてRAMクリアがなされた場合には、遊技状態は非時短状態となる。上述した通り、非時短状態は、ハズレ図柄Tに基づく通常時短状態への移行が見込める点で、微時短状態よりも遊技者にとって有利な遊技状態である。よって、本形態のパチンコ遊技機は、遊技場(ホール)の従業員等の操作によって、遊技者にとって有利な状態に設定することが可能な遊技機であると言える。すなわち、本形態のパチンコ遊技機は、有利設定機能を搭載していると言える。これにより本形態では、遊技場の従業員等がRAMクリアを行ってからまだ誰も遊技していない状態の本形態のパチンコ遊技機を狙った遊技者が、遊技場の開店に際して本形態のパチンコ遊技機を遊技することに期待できる。すなわち、遊技場の開店直後(いわゆる朝一)の本形態のパチンコ遊技機の稼働向上に期待できる。
<第4実施形態における演出例>
次に、第4実施形態のパチンコ遊技機における演出例について、図74及び図75に基づいて説明する。まず、演出モードについて説明する。
本形態の演出モードには、図74(A)に示すように、昼の背景画像が表示部50aに表示される「通常演出モード」、図74(B)に示すように、昼の背景画像の表示とともに、「チャンス」の文字を含む帯画像OGが表示部50aの上部および下部に表示される「チャンス演出モード」、図74(C)に示すように、宇宙の背景画像が表示部50aに表示される「RUSH演出モード」が含まれている。
通常演出モード(図74(A))は、微時短状態である場合に設定される演出モードである。上述したように本形態における非時短状態は遊技者にとって有利な遊技状態であるため、この微時短状態が、実質的には通常の遊技状態として機能する。通常演出モードの設定(言い換えれば、昼の背景画像の表示)は、微時短状態であることの示唆として機能する。
チャンス演出モード(図74(B))は、非時短状態である場合に設定される演出モードである。本形態における非時短状態は、ハズレ図柄Tに基づく通常時短状態への移行が可能であるため、遊技者にとっては通常時短状態へ移行させるチャンスである。チャンス演出モードの設定(言い換えれば、チャンスの文字を含む帯画像OGの表示)は、非時短状態であることの示唆として機能する。また、RAMクリアがなされた場合には非時短状態に設定されるため、チャンス演出モードの設定は、RAMクリアがなされたことの示唆としても機能する。
RUSH演出モード(図74(C))は、通常時短状態である場合に設定される演出モードである。通常時短状態に制御されると、特図2の抽選に基づく2種大当たり遊技の実行が確定するため、RUSH演出モードの設定(言い換えれば、宇宙の背景画像の表示)は、通常時短状態であることの示唆として機能するとともに、大当たり遊技の実行確定の示唆としても機能する。なお、通常時短状態では、右打ちにて第2始動口12への入賞を狙って遊技を進行させるため、RUSH演出モードに制御されると、演出制御用マイコン121は、右打ちにて遊技を行うべき旨を報知する右打ち画像G108を表示部50aの右上部に表示する。
次に、通常演出モードである場合の予告演出について説明する。第4実施形態のパチンコ遊技機では、演出制御用マイコン121は、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3の変動表示に際して、所定のキャラクタをセリフと共に表示するセリフ予告演出を実行可能である。セリフ予告演出におけるセリフの種類には、大当たり期待度が高いことを示唆するセリフ(例えば「チャンス」)や、大当たり期待度がより高いことを示唆するセリフ(例えば「激熱」)などがある他、本形態のパチンコ遊技機には有利設定機能が搭載されていることを示唆するセリフ(特定セリフ)がある。本形態のパチンコ遊技機は、特定セリフのセリフ予告演出として、図74(D)に示す演出を実行可能である。図74(D)に示す演出は、天使をモチーフとしたミニキャラが「朝一はRUSHに突入し易いかも」というセリフを言うセリフ予告演出であり、これにより遊技者は、本形態のパチンコ遊技機に有利設定機能が搭載されていること、言い換えれば、朝一はRAMクリアによって非時短状態に設定されていて通常時短状態に移行させ易い可能性があることを把握可能である。なお、このような特定セリフのセリフ予告演出は、有利設定機能が搭載されていること遊技者に説明する説明演出として機能する。有利設定機能が搭載されていることの説明は、必ずしもセリフ予告演出として行われる必要はなく、大当たり遊技のエンディングに伴うエンディング演出として行う構成としたり、客待ち演出として行う構成としたりしてもよい。
次に、非時短状態から通常時短状態に移行する際に行われるRUSH突入演出について説明する。非時短状態における特図1の抽選に基づいてハズレ図柄Tに当選した場合には、遊技制御用マイコン101は、特図変動パターンP86を選択する(図71(A)参照)。そして演出制御用マイコン121は、遊技制御用マイコン101から受信した特図1変動開始コマンドが示す特図変動パターンがP86である場合には、RUSH突入演出を伴う変動演出を行う。具体的には演出制御用マイコン121は、RUSH突入演出として、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3をリーチ状態にした後(図75(A)(B))、中演出図柄EZ2を特殊図柄TZとする特殊目で停止表示する。本形態では、特殊図柄TZは、移行先の遊技状態(通常時短状態)に対応する演出モード(すなわちRUSH演出モード)の名称の文字(RUSH)を含む画像である。なおこの場合、小図柄KZ1,KZ2,KZ3は、「1・3・5」の特定目で停止表示される。このように演出図柄EZ1,EZ2,EZ3が特殊目で停止表示されることによって通常時短状態(RUSH演出モード)に移行することが示唆される。すなわち、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3が特殊目で停止表示されることは、通常時短状態に移行すること(ハズレ図柄Tを引いたこと)を遊技者に示唆する演出や、RUSH演出モードに移行することを示唆する演出として機能する。なお、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3の特殊目や、小図柄KZ1,KZ2,KZ3の特定目は、適宜変更可能である。
<第4実施形態の効果>
以上詳細に説明したように第4実施形態のパチンコ遊技機によれば、遊技場の従業員等がRAMクリア操作(RAMクリアスイッチ191を押しながらの電源スイッチ193のON操作)を行うことで非時短状態に設定することが可能であり、非時短状態はハズレ図柄Tを引くことで通常時短状態に移行可能な点で遊技者に有利である。すなわち本形態によれば、遊技場の従業員等が遊技者に有利な遊技状態に設定することが可能となっており、遊技客へのサービス向上が見込める。
また第4実施形態のパチンコ遊技機によれば、非時短状態に設定するためのRAMクリア操作は、電源投入時にのみ可能な操作である。つまり本形態では、遊技場の開店のための電源投入に際して、本形態のパチンコ遊技機の遊技状態を非時短状態に設定することが可能である。よって、遊技場が開店してからまだ誰も遊技していない遊技機に、非時短状態での遊技を期待する遊技者を誘導することが可能となる。
また第4実施形態のパチンコ遊技機によれば、非時短状態に設定されている場合はチャンス演出モードに設定されるため(図74(B))、遊技場の従業員等がRAMクリア操作をした遊技台であるか否かを遊技者が判断することが可能となり、遊技の興趣を高めることが可能である。
また第4実施形態のパチンコ遊技機によれば、遊技場の従業員等の操作によって遊技者に有利な遊技状態に設定される可能性があることを、セリフ予告演出によって示唆することが可能である(図74(D)参照)。よって、遊技者に対して有利設定機能を搭載している遊技台であることを知らせることが可能である。
<第4実施形態の変更例>
以下、第4実施形態の変更例について説明する。なお、第4実施形態の変更例の説明において、第4実施形態のパチンコ遊技機と同様の構成については、同じ符号を付して説明を省略する。勿論、第4実施形態の変更例に係る構成同士を適宜組み合わせて構成してもよい。また、第4実施形態およびその変更例中の技術的特徴は、本明細書において必須なものとして説明されていなければ、適宜、削除することが可能である。また、上述した第1実施形態のパチンコ遊技機PY1およびその変更例、第2実施形態およびその変更例、並びに、第3実施形態のパチンコ遊技機およびその変更例に含まれる構成は、遊技に支障をきたさない範囲で、第4実施形態およびその変更例から把握される遊技機に採用することができる。
第4実施形態では、微時短状態で大当たりに当選した場合に大当たり遊技後の遊技状態が通常時短状態に設定されることがない構成としたが、微時短状態における当選が通常時短状態への制御契機となる大当たり図柄を設けてもよい。
また第4実施形態では、微時短状態への移行契機となるハズレ図柄を1種類(ハズレ図柄U)とし、微時短状態の時短回数を800回としたが、微時短状態への移行契機となるハズレ図柄を複数種類設けて、ハズレ図柄の種類に応じて微時短状態の時短回数を異ならせてもよい。例えば、あるハズレ図柄に基づいて微時短状態に設定された場合の時短回数は30回等の少ない回数にし、別のハズレ図柄に基づいて微時短状態に設定された場合の時短回数は900回等の多い回数とすれば、微時短状態の中に、非時短状態に移行し易いものと移行し難いものとを設けることができ、遊技興趣の向上が見込める。
また第4実施形態では、通常時短状態が終了する場合には、直接微時短状態まで移行することはなく、一旦非時短状態に設定されるように構成したが、直接微時短状態まで移行することがある構成(通常時短状態における当選に基づく大当たり遊技後の遊技状態が微時短状態に設定される構成や、時短回数の消化による通常時短状態の終了時に微時短状態に設定される構成)としてもよい。
また第4実施形態では、チャンス演出モードに設定する(チャンスの文字を含む帯画像OGを表示する)ことにより非時短状態であることを示唆しているが、非時短状態であることの示唆(RAMクリアがなされた遊技台であることの示唆)は、非時短状態以外の遊技状態では表示されないキャラクタ画像が表示されるなど、他の演出によって行われてもよい。この場合、非時短状態であることを示唆する演出(示唆演出)は、非時短状態である場合は常に行われているものでなくてもよく、演出の実行抽選に当選した場合に限って実行されるものでもよい。なお、第4実施形態では、非時短状態でも微時短状態でも同じ昼の背景画像を表示する構成であるため、非時短状態であることを示唆する演出を実行抽選に当選した場合に限って実行する構成とした場合には、非時短状態からハズレ図柄Uに基づいて微時短状態に制御されたことをわかりにくくすることができ、遊技の興趣を高めることが可能である。チャンス演出モードにおいてチャンスの文字を含む帯画像OGの表示を表示しない状態は、通常演出モードと同じ状態であるため、両者は同じ演出モードに設定されていると言える。
また第4実施形態では、RAMクリアを伴う電源投入によって非時短状態に制御された場合も、大当たり遊技状態(大当たり遊技を実行している状態)の終了に応じて非時短状態に制御された場合も、微時短状態において時短回数が消化されたことに応じて非時短状態に制御された場合も、同じ演出モード(チャンス演出モード)に設定する構成としたが、RAMクリアを伴う電源投入によって非時短状態に制御された場合にのみチャンス演出モードに設定され、大当たり遊技状態の終了に応じて非時短状態に制御された場合や、微時短状態において時短回数が消化されたことに応じて非時短状態に制御された場合には、チャンス演出モードとは異なる演出モードに設定される構成としてもよい。具体的には例えば、大当たり遊技状態の終了に応じて非時短状態に制御された場合や、微時短状態において時短回数が消化されたことに応じて非時短状態に制御された場合には、微時短状態と同じ演出モードに設定される構成としてもよい。このような構成とすれば、RAMクリア後の状態に特別感を持たせることができ、遊技の興趣を高めることが可能である。
また第4実施形態では、RAMクリアスイッチ191を用いたRAMクリア操作を、非時短状態に設定するための状態設定操作としたが、状態設定操作は、RAMクリアスイッチ191を用いない操作(RAMクリアを伴わない操作)であってもよい。たとえば、非時短状態に設定するための専用スイッチを設け、当該専用スイッチを押すことによって、非時短状態に設定される構成としてもよい。この場合、専用スイッチを有効に操作できる期間が、電源投入時以外の期間であってもよい。具体的には例えば、客待ち状態(客待ち演出を行っている状態)中に、専用スイッチが押されたことによって、非時短状態に設定される構成としてもよい。なお、専用スイッチは、主制御基板100上に実装するなど、遊技者が任意に操作できない位置に設けることが好ましい。つまり専用スイッチは、RAMクリアスイッチ191と同様、遊技機枠2を開放しなければ操作できない位置に設けることが好ましい。
また第4実施形態では、第2大入賞口15内の特定領域16への遊技球の通過に基づいて大当たり遊技を実行可能な所謂1種2種混合機として構成したが、所謂「ST機」や「確変ループ機」など、1種2種混合機以外のタイプの遊技機としてもよい。ST機や確変ループ機とする場合、当選した特別図柄の種類に基づいて大当たり当選確率が高い高確率状態への移行が決定される所謂「図柄確変機」としてもよいし、Vアタッカー(特定領域を有する大入賞装置)内の特定領域への通過に基づいて高確率状態への移行が決定される所謂「V確変機」としてもよい。なお、「ST機」や「確変ループ機」として構成する場合には、特図1の抽選でも特図2の抽選でも大当たりに当選するよう構成し、特図1の抽選よりも特図2の抽選の方が、獲得可能な賞球数の多い大当たり遊技が実行され易かったり、大当たり遊技の終了後の遊技状態が高確率状態に制御され易かったりする点において有利となっているとよい。また、高確率状態において特殊ハズレを引いても、遊技状態の設定を変更しないものとする。
また第4実施形態において、各種の時短状態における時短回数は、遊技に支障をきたさない範囲で適宜変更可能である。また上記形態において、各種の時短状態におけるパラメータ(普通図柄の変動時間や停止時間、電チューの開放パターンなど)は、遊技に支障をきたさない範囲で適宜変更可能である。また上記形態において、各大当たり図柄、各小当たり図柄、各ハズレ図柄の種類や振分率は、遊技に支障をきたさない範囲で適宜変更可能である。
また第4実施形態では、所謂1種2種混合機として構成したが、実現したい遊技性によっては、1種大当たりのない所謂ハネモノ(2種機)としてもよい。すなわち、特図1の抽選でも特図2の抽選でも所謂「直撃大当たり」に当選し得ない構成としてもよい。
また第4実施形態では、時短状態における特別図柄の変動表示の上限実行回数(時短回数)は、特図1の変動表示が実行されても特図2の変動表示が実行されてもカウントされる合算上限実行回数としたが、この合算上限実行回数とは別に、特図1の変動表示だけをカウント対象とした特図1上限実行回数や、特図2の変動表示だけをカウント対象とした特図2上限実行回数を設け、いずれかの回数が満たされると時短状態が終了するように構成してもよい。なお、特図1上限実行回数や特図2上限実行回数は、合算上限実行回数とは異なる値に設定することができる。また、合算上限実行回数を設けることなく、特図1上限実行回数と特図2上限実行回数とを設け、いずれかの回数が満たされると時短状態が終了するように構成したり、特図2上限実行回数だけを設け、この回数が満たされると時短状態が終了するように構成したりしてもよい。
<第4実施形態に示されている発明>
上記した第4実施形態及びその変更例には、以下の各手段の発明が示されている。以下に記す手段の説明では、上記した実施形態等における対応する構成名や表現、図面に使用した符号を参考のためにかっこ書きで付記している。但し、各発明の構成要素はこの付記に限定されるものではない。
<手段S>
手段S1に係る発明は、
遊技球が入球可能な入賞口(第1始動口11、第2始動口12)と、
前記入賞口に遊技球が入球することに基づいて遊技状態を設定する遊技制御手段(遊技制御用マイコン101)と、
演出を行うための演出モードを設定する演出制御手段(演出制御用マイコン121)と、を備え、
前記遊技状態には、遊技球が前記入賞口に入球し易い第1状態(通常時短状態)と、前記第1状態よりも遊技球が前記入賞口に入球し難い第2状態(非時短状態)と、があり、
前記遊技制御手段は、初期状態として前記第2状態を設定するときがあり、
前記演出制御手段は、初期状態として前記第2状態が設定されたときには、前記演出モードとして所定の示唆演出(例えば図74(B)に示す帯画像OGの表示)を含む特定モード(チャンス演出モード)を設定することを特徴とする遊技機である。
手段S2に係る発明は、
手段S1に係る遊技機であって、
前記遊技状態には、前記第2状態とは異なる状態であって、前記第1状態よりも遊技球が前記入賞口に入球し難い第3状態(微時短状態)があり、
前記遊技制御手段は、前記第1状態を設定するか否かの特殊判定(ハズレ図柄Tに基づいて通常時短状態に移行させるか否かの判定)を行うことが可能であり、
前記第3状態よりも前記第2状態の方が、前記特殊判定において前記第1状態を設定すると判定され易いことを特徴とする遊技機である。
手段S3に係る発明は、
手段S2に係る遊技機であって、
前記遊技制御手段は、前記第2状態において所定条件(微時短状態の移行契機となるハズレ図柄Uの停止表示)が成立した場合、前記遊技状態を前記第2状態から前記第3状態に変化させることがあり、
前記演出制御手段は、前記特定モードにおいて前記遊技状態が前記第2状態から前記第3状態に変化しても当該特定モードを継続することを特徴とする遊技機である。
ところで、特開2018-47326号公報に記載の遊技機では、大当たり遊技の後に、遊技球が始動口に入賞し易い時短状態に制御されることがある。しかしながら、時短状態に制御可能な遊技機における演出に関しては改善の余地がある。改善した演出を搭載することにより、遊技の興趣向上を見込める。そこで手段Sに係る発明は、特開2018-47326号公報に記載の遊技機に対して、「遊技球が入賞口に入球し易い第1状態よりも、遊技球が入賞口に入球し難い第2状態を、初期状態として設定するときがあり、初期状態として第2状態が設定されたときには、演出モードとして所定の示唆演出を含む特定モードを設定する」点で相違している。これにより、演出を通じて遊技の興趣向上に寄与することが可能である。
14.その他変更例
以下、上記各実施形態に共通するその他変更例を説明する。上記形態では、遊技球の入球し易さが変化しない第1始動口11(固定始動口)と、遊技球の入球し易さが変化可能な第2始動口12(可変始動口、電チュー12Dに係る始動口)とを設けたが、いずれか一方のみを設けてもよい。
また上記形態では、特図2判定処理が特図1判定処理よりも優先的に行われる(特図2の変動表示が特図1の変動表示よりも優先的に行われる)構成としたが、特図1判定処理が特図2判定処理よりも優先的に行われる(特図1の変動表示が特図2の変動表示よりも優先的に行われる)構成としてもよい。この場合、特図1抽選を特図2抽選よりも有利な大当たりに当選し易い抽選にするとよい。
また上記形態では、本発明をパチンコ遊技機に適用したが、アレンジボール機、雀球遊技機等の他の弾球遊技機などに適用することも可能である。また、本発明をパチンコ遊技機に適用する場合、遊技機のゲーム性は遊技に支障をきたさない範囲で適宜変更可能である。すなわち本発明は、遊技に支障をきたさなければ、いわゆる図柄確変機(当選した図柄の種類に基づいて高確率状態への移行が決定される遊技機)、いわゆるV確機(大入賞口内の特定領域(V領域)の通過に基づいて高確率状態に制御する遊技機)、いわゆる確変ループタイプの遊技機(一旦高確率状態に制御されると次の大当たり遊技の開始まで高確率状態への制御が続く遊技機)、いわゆるST機(確変の回数切りの遊技機)、いわゆる1種2種混合機やハネモノタイプの遊技機などに、適宜採用することが可能である。
また上記形態では、特図可変表示に略同調して小図柄KZ1,KZ2,KZ3の可変表示が行われるが、小図柄KZ1,KZ2,KZ3のように3つの図柄で構成させるのではなく、2つなど3つ以外の図柄で構成させてもよい。例えば、特図1と特図2とで分けた2つの図柄を設けても良い。また、特図1と特図2とで共通の1つの図柄を設けても良い。そして、これらの場合、画像表示装置50の表示部50aで表示し、サブ制御基板120にその制御を行わせても良い。また、遊技盤1の遊技領域6以外の領域において、図柄を表示するLED装置を設けても良い。この場合、そのLED装置の制御を主制御基板100またはサブ制御基板120に行わせても良い。
また上記形態では、遊技の進行に係る基本的な制御を主制御基板100が行い、遊技の進行(遊技の制御)に応じた演出の進行に係る基本的な制御をサブ制御基板120が行うというように、遊技の制御と演出の制御とを異なる基板で行っているが、一つの基板で行うよう構成しても良い。この場合、画像制御基板140を、その一つの基板に含めても良く、また、その一つの基板とは別に設けても良い。
なお、「遊技者に有利な状態(有利遊技状態、有利状態、又は、特別遊技状態)」と言う場合、全ての大当たり遊技状態がこれに該当する構成でなくてもよい。例えば、その後に高確率状態に制御される予定の大当たり遊技状態が「遊技者に有利な状態」に該当する構成としたり、実質10R等の相対的に多くの賞球を獲得可能な大当たり遊技状態が「遊技者に有利な状態」に該当する構成としたりしてもよい。また、「遊技者に有利な状態」は、大当たり遊技状態のことではなく、高確率状態のことであってもよく、また、高ベース状態(時短状態)のことであってもよい。「遊技者に有利な状態」を高確率状態や高ベース状態(時短状態)のこととする場合には、「遊技者に有利な状態」になることに期待させる種々の演出は、特別図柄の変動表示中の演出に限らず、大当たり遊技中の演出など、他のタイミングで行われる演出であってもよい。
PY1…パチンコ遊技機
50a…表示部
50…画像表示装置
101…遊技制御用マイコン
121…演出制御用マイコン
EZ1…左演出図柄
EZ2…中演出図柄
EZ3…右演出図柄
GZ…擬似連図柄(特定画像)
G40…ミニキャラ画像(第1の示唆画像)
G50…ミニキャラ画像(第2の示唆画像)
G61…移動体画像(所定の指標画像)
L1…第1のライン
L2…第2のライン

Claims (4)

  1. 演出図柄を変動表示した後、遊技者に有利な有利状態にするかの判定の結果を示す停止態様で停止表示する変動演出を実行可能であり、
    前記変動演出において特定画像を表示した場合には、一旦停止表示された演出図柄の再変動表示を行うものであり、
    前記変動演出では、前記演出図柄をリーチ状態としないで、前記特定画像が表示されるかを煽る煽り演出を実行するときと、前記演出図柄をリーチ状態とした後で、前記特定画像が表示されるかを示す特定発展演出に発展させるときとがあり、
    前記特定発展演出の結果には、前記特定画像が表示されることを示す結果と、前記特定画像が表示されず、前記有利状態にならないことを示す停止態様で前記演出図柄が停止表示されることを示す失敗の結果とが含まれるが、前記有利状態になることに期待させる所定のリーチ演出が実行されることを示す結果は含まれないことを特徴とする遊技機。
  2. 請求項1に記載の遊技機であって、
    前記演出図柄の変動表示が開始されてから前記煽り演出が失敗するまでの時間よりも、前記演出図柄の変動表示が開始されてから前記特定発展演出が失敗するまでの時間の方が長いことを特徴とする遊技機。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の遊技機であって、
    前記判定の実行を所定の上限数まで保留することが可能な保留手段を備え、
    前記特定発展演出が失敗する演出パターンは、前記保留手段による保留の数が少ない場合の方が多い場合よりも実行され易いことを特徴とする遊技機。
  4. 請求項3に記載の遊技機であって、
    前記保留手段による保留の数が少ない場合、前記煽り演出が失敗する演出パターンよりも、前記特定発展演出が失敗する演出パターンの方が実行され易いことを特徴とする遊技機。
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