以下、図面を参照して実施形態を詳細に説明する。
[第1の実施形態]
まず、第1の実施形態を図面にもとづいて説明する。図1は、第1の実施形態の遊技機の一例を示す斜視図である。
第1の実施形態の遊技機10は、前面枠12を備え、該前面枠12は、外枠(支持枠)11に開閉回動可能に組み付けられている。遊技盤30(図2参照)は、前面枠12の表側に形成された収納部(図示省略)に収納されている。また、前面枠(本体枠)12には、遊技盤30の前面を覆うカバーガラス(透明部材)14を備えたガラス枠(透明部材保持枠)15が取り付けられている。
また、ガラス枠15の左右には、内部にランプやLED(Light Emitting Diode)等を内蔵し装飾や演出、および異常発生時の報知(たとえば、払出異常が発生した場合はランプやLED等を異常報知色(たとえば、赤色)で点灯(点滅)させる)のために発光する枠装飾装置18や、音響(たとえば、効果音)を発するスピーカ(上スピーカ)19aが設けられている。さらに、前面枠12の下部にもスピーカ(下スピーカ)19bが設けられている。また、異常発生時はスピーカ19a,19bから音声で異常内容が報知されるようになっている。なお、ガラス枠15の所定部位に払出異常報知用のランプを設けるようにしてもよい。
また、前面枠12の下部には、図示しない打球発射装置に遊技球を供給する上皿(貯留皿)21、遊技機10の裏面側に設けられている払出ユニットから払い出された遊技球が流出する上皿球出口22、上皿21が一杯になった状態で払い出された遊技球を貯留する下皿(受皿)23および打球発射装置の操作部24等が設けられている。
さらに、上皿21の上縁部には、遊技演出への介入操作等に用いられる演出ボタン25が設けられている。なお、演出ボタン25は、遊技演出への介入操作を受け付ける演出操作受付部として機能するとともに、所要の態様(たとえば、発光態様や振動や突出等の動作態様等)で演出可能な演出部としても機能する。また、上皿21の左縁部には、遊技者が各種オプションの設定をおこなうオプション設定部29が設けられている。オプション設定部29は、4方向の入力操作を受け付け可能な十字カーソルスイッチと、十字カーソルスイッチの中央部に決定操作等を受け付け可能な中央スイッチと、十字カーソルスイッチの周縁部にあって音量操作等に用いられる2つの付属スイッチとが設けられている。さらに、前面枠12下部右側には、前面枠12やガラス枠15を開放したり施錠したりする鍵を挿入するための鍵穴26が設けられている。
なお、遊技機10は、演出ボタン25(プッシュボタン)の操作(たとえば押下操作)を検出する演出ボタンスイッチ25a(図4参照)から受け付けた遊技者の操作にもとづいて、遊技者の操作を介入させた演出をおこなうことができる。たとえば、遊技者の操作を介入させた演出は、表示装置(変動表示装置)41(図2参照)における変動表示ゲーム(飾り特図変動表示ゲーム)における演出があり、遊技機10は、表示装置41に表示するキャラクタを動作させたり、表示装置41に表示される飾り特図変動表示ゲームにおける識別情報を停止させたりすることができる。なお、このような遊技者の操作介入には、演出ボタン25のみならずオプション設定部29のスイッチ(十字カーソルスイッチ、中央スイッチ、付属スイッチ)のうちの何れか一つまたは複数が使用される構成でもよい。後述する図4では、オプション設定部29の各スイッチをまとめて設定スイッチ29aと表している。
また、演出ボタン25の右方には、遊技者が隣接する球貸機から球貸しを受ける場合に操作する球貸ボタン27、球貸機のカードユニットからプリペイドカードを排出させるために操作する排出ボタン28、プリペイドカードの残高を表示する残高表示部(図示省略)等が設けられている。この第1の実施形態の遊技機10においては、遊技者が上記操作部24を回動操作することによって、打球発射装置が上皿21から供給される遊技球を遊技盤30前面の遊技領域32(図2参照)に向かって発射する。また、遊技者がオプション設定部29の前述した設定スイッチ29a(十字カーソルスイッチ、中央スイッチ、付属スイッチ)のうちの何れか一つまたは複数を操作することによって、たとえば、スピーカ19a,19bから放射される音量を設定したり、遊技盤30の明るさを設定したりすることができる。
次に、遊技盤30について図2を用いて説明する。図2は、第1の実施形態の遊技盤の一例を示す正面図である。
遊技盤30の表面には、ガイドレール31で囲われた略円形状の遊技領域32が形成されている。遊技領域32は、遊技盤30の四隅に各々設けられた樹脂製のサイドケース33およびガイドレール31に囲繞されて構成される。遊技領域32には、ほぼ中央に表示装置(変動表示装置)41を備えたセンターケース(遊技演出構成体)40が配置されている。表示装置41は、センターケース40に設けられた凹部に、センターケース40の前面より奥まった位置に取り付けられている。すなわち、センターケース40は表示装置41の表示領域の周囲を囲い、表示装置41の表示面よりも前方へ突出し、周囲の遊技領域32から遊技球が飛び込みにくくなるように形成されている。
表示装置41は、たとえば、LCD(液晶表示器)、CRT(Cathode Ray Tube:ブラウン管)等の表示画面を有する装置で構成されている。表示画面の画像を表示可能な領域(表示領域)には、複数の識別情報(特別図柄)や特図変動表示ゲームを演出するキャラクタや演出効果を高める背景画像等の遊技に関する情報が表示される。表示装置41の表示画面においては、識別情報として割り当てられた複数の特別図柄が変動表示(可変表示)されて、特図変動表示ゲームに対応した飾り特図変動表示ゲームがおこなわれる。また、表示画面には、遊技の進行にもとづく演出のための画像(たとえば、大当り表示画像、ファンファーレ表示画像、エンディング表示画像等)が表示される。
また、センターケース40の上部には、動作することによって遊技の演出をおこなう盤演出装置44が備えられている。この盤演出装置44は、図2に示す状態から表示装置41の中央へ向けて動作可能となっている。
遊技領域32におけるセンターケース40の側方右側には、普図変動表示ゲームの開始条件を与える普通図柄始動ゲート(普図始動ゲート)34が設けられている。普図始動ゲート34に入賞した遊技球(普図始動ゲート34を通過する遊技球)は、ゲートスイッチ34a(図3参照)により検出される。
また、遊技領域32におけるセンターケース40の下方左側には、二つの一般入賞口35が配置され、センターケース40の下方右側であって後述する特別変動入賞装置38の右部には、一つの一般入賞口35が配置されている。これら一般入賞口35に入賞した遊技球は、入賞口スイッチ35a(図3参照)により検出される。
また、遊技領域32におけるセンターケース40の下方には、第1特図変動表示ゲーム(特図1変動表示ゲーム)の開始条件を与える第1始動入賞口(始動入賞領域)をなす始動入賞口36(始動口1)が設けられている。始動入賞口36に入賞した遊技球は、始動口1スイッチ36a(図3参照)により検出される。
また、始動入賞口36の下方には、入賞口等に入賞しなかった遊技球を回収するアウト口30aが設けられている。
また、普図始動ゲート34よりも下方位置であって、センターケース40の右部には、第2特図変動表示ゲーム(特図2変動表示ゲーム)の開始条件を与える普通変動入賞装置37(第2始動入賞口、始動入賞領域)が設けられている。普通変動入賞装置37(始動口2)は、上端側が右方に倒れる方向に回動することで開放して遊技球が流入し易い状態に変換可能な可動部材37bを備えており、この可動部材37bは、常時はほぼ鉛直となって遊技球が流入できない閉じた閉状態(遊技者にとって不利な状態)を保持している。そして、普図変動表示ゲームの結果が所定の停止表示態様となった場合には、駆動装置としての普電ソレノイド37c(図3参照)によって上端側が右方に倒れるように回動して普通変動入賞装置37に遊技球が流入し易い開状態(遊技者にとって有利な状態)に変化させられるようになっている。普通変動入賞装置37に入賞した遊技球は、始動口2スイッチ37a(図3参照)により検出される。なお、普通変動入賞装置37が閉状態でも入賞できるようにし、閉状態では開状態よりは入賞しにくいものとしても良い。普通変動入賞装置37は普通電動役物(普電)に相当する。
普通変動入賞装置37の右方には、遊技球が流下可能な流下路91が形成され、普通変動入賞装置37に入賞しなかった遊技球は流下路91を通って下方へ流下する。この流下路91の下方には誘導部93が設けられている。誘導部93は上面94が左方へ下る傾斜面とされており、下方へ流下する遊技球を上面94で受け止め、後述する特別変動入賞装置38が存在する左方へ誘導するようになっている。
また、遊技領域32におけるセンターケース40の右下には、特図変動表示ゲームの結果によって遊技球を受け入れない状態と受け入れ易い状態とに変換可能な特別変動入賞装置(大入賞口)38が配設されている。特別変動入賞装置38は、開閉部材(開閉扉)38cを有しており、補助遊技としての特図変動表示ゲームの結果如何によって開閉部材38cが大入賞口を閉じた閉状態(遊技者にとって不利な閉塞状態)から開閉部材38cが退避して遊技領域32を流下する遊技球を受け入れ可能な開状態(遊技者にとって有利な状態)に変換する。すなわち特別変動入賞装置38は、駆動装置としての大入賞口ソレノイド38b(図3参照)により駆動される開閉部材38cによって開閉される大入賞口(大入賞口)を備え、特図1変動表示ゲーム及び特図2変動表示ゲームの結果による大当り遊技状態(第1特別遊技状態)中や、特図2変動表示ゲームの結果による小当り遊技状態(第2特別遊技状態)中は、大入賞口を閉じた状態から開いた状態に変換することにより大入賞口内への遊技球の流入を容易にさせ、遊技者に所定の遊技価値(賞球)を付与するようになっている。なお、大入賞口の内部(入賞領域)には、当該大入賞口に入った遊技球を検出する検出手段としての大入賞口スイッチ(カウントスイッチ)38a(図3参照)が配設されている。
また、特別変動入賞装置38は、入賞口内に入賞した遊技球を誘導する誘導流路と、誘導流路から分岐して形成されたV流路を備える。特別変動入賞装置38は、V流路の流入部分となる位置にV扉が設けられる。V扉は、特定領域ソレノイド38d(図3参照)によって前後方向にスライド移動してV流路への遊技球の流入を阻止する阻止状態と、後方へ退避してV流路への遊技球の流入を許容する許容状態とに変化させられるようになっている。また、特別変動入賞装置38は、V流路に流入した遊技球を検出する特定領域スイッチ38e(図3参照)が設けられている。
なお、第1の実施形態の遊技機10では、特別遊技状態の終了後の確率状態が大当り図柄で決定されるのではなく、特別遊技状態においてV流路に遊技球が流入して特定領域スイッチ38eで検出されることにもとづき高確率状態となるようにされている。
また、特別変動入賞装置38は、大入賞口スイッチ38aが複数個(たとえば2個)配設されてもよい。また、特別変動入賞装置38は、1個に限らず、2個設けられるものであってもよく、大入賞口スイッチ38aは、大入賞口が複数個あるときには、それぞれに1個又は2個程度、全体としてx個(図3参照)設けられるものであってもよい。
また、センターケース40の左側側部には、ワープ口(ワープ入口)39aが設けられている。ワープ口39aからワープ流路に流入した遊技球は、センターケース40内のステージ上を転動し、その一部がワープ出口39bに案内される。ワープ出口39bは、始動入賞口36の直上に位置し、ワープ出口39bに案内された遊技球は、始動入賞口36に入賞しやすくなる。
第1の実施形態の遊技機10においては、遊技球が流下する遊技領域32のうち、センターケース40の左方の領域が左側遊技領域とされ、センターケース40の右方の領域が右側遊技領域とされている。そして、遊技者が発射勢を調節して左側遊技領域へ遊技球を発射(いわゆる左打ち)することで始動入賞口36や一般入賞口35(特別変動入賞装置38の右部にある一般入賞口35を除く)への入賞を狙うことができ、右側遊技領域へ遊技球を発射(いわゆる右打ち)することで普図始動ゲート34や普通変動入賞装置37、特別変動入賞装置38などへの入賞を狙うことができるようになっている。
また、遊技領域32の外側(ここでは遊技盤30の右下部)には、特図変動表示ゲームをなす第1特図変動表示ゲームや第2特図変動表示ゲームおよび普図始動ゲート34への入賞をトリガとする普図変動表示ゲームの表示や、各種情報を表示する一括表示装置50が設けられている。
一括表示装置50は、LED等で構成されたラウンド表示部51と、特図1保留表示部52と、特図1図柄表示部53と、特図2図柄表示部54と、普図図柄表示部55と、普図保留表示部56と状態表示部57とを備える(図5参照)。一括表示装置50の詳細は、後述する。
次に、遊技機の制御システムについて図3を用いて説明する。図3は、第1の実施形態の遊技機の制御システムの一例を示すブロック図である。
遊技機10は、遊技制御装置100を備え、遊技制御装置100は、遊技を統括的に制御する主制御装置(主基板)であって、遊技用マイクロコンピュータ(以下、遊技用マイコンと称する)111を有するCPU(Central Processing Unit)部110と、入力ポートを有する入力部120と、出力ポートやドライバ等を有する出力部130と、CPU部110と入力部120と出力部130との間を接続するデータバス140等からなる。
CPU部110は、アミューズメントチップ(IC(Integrated Circuit))と呼ばれる遊技用マイコン111と、水晶振動子のような発振子を備え、遊技用マイコン111の動作クロックやタイマ割込み、乱数生成回路の基準となるクロックを生成する発振回路(水晶発振器)113等を有する。遊技制御装置100および該遊技制御装置100によって駆動されるソレノイドやモータ等の電子部品は、電源装置400で生成されたDC(Direct Current)32V、DC12V、DC5V等所定のレベルの直流電圧が供給されて動作可能にされる。
電源装置400は、24Vの交流電源から上記DC32Vの直流電圧を生成するAC(Alternating Current)−DCコンバータやDC32Vの電圧からDC12V、DC5V等のより低いレベルの直流電圧を生成するDC−DCコンバータ等を有する通常電源部410と、遊技用マイコン111の内部のRAM(Random Access Memory)に対して停電時に電源電圧を供給するバックアップ電源部420と、停電監視回路を有し、遊技制御装置100に停電の発生、回復を知らせる停電監視信号やリセット信号等の制御信号を生成して出力する制御信号生成部430等を備える。
第1の実施形態では、電源装置400は、遊技制御装置100と別個に構成されているが、バックアップ電源部420および制御信号生成部430は、別個の基板上または遊技制御装置100と一体、すなわち、主基板上に設けるように構成してもよい。遊技盤30および遊技制御装置100は、機種変更の際に交換の対象となるので、第1の実施形態のように、電源装置400または主基板とは別の基板にバックアップ電源部420および制御信号生成部430を設けることにより、交換の対象から外しコストダウンを図ることができる。
バックアップ電源部420は、電解コンデンサのような大容量のコンデンサ1つで構成することができる。バックアップ電源は、遊技制御装置100の遊技用マイコン111(特に内蔵RAM)に供給され、停電中または電源遮断後もRAMに記憶されたデータが保持されるようになっている。制御信号生成部430は、たとえば通常電源部410で生成された32Vの電圧を監視してそれがたとえば17V以下に下がると停電発生を検出して停電監視信号を変化させるとともに、所定時間後にリセット信号を出力する。また、電源投入時や停電回復時にもその時点から所定時間経過後にリセット信号を出力する。
また、遊技制御装置100にはRAM初期化スイッチ112が設けられている。このRAM初期化スイッチ112が操作されると初期化スイッチ信号が生成され、これにもとづき遊技用マイコン111内のRAM111Cおよび払出制御装置200内のRAMに記憶されている情報を強制的に初期化する処理がおこなわれる。特に限定されるわけではないが、初期化スイッチ信号は、電源投入時に読み込まれ、停電監視信号は遊技用マイコン111が実行するメインプログラムのメインループの中で繰り返し読み込まれる。リセット信号は強制割込み信号の一種であり、制御システム全体をリセットさせる。
また、遊技制御装置100には設定値変更スイッチ126と設定キースイッチ127が設けられている。設定値変更スイッチ126は、たとえばプッシュスイッチであって、押下操作を検出する。設定キースイッチ127は、設定キーを挿入してON状態とOFF状態とを切り替え可能にする。遊技制御装置100は、遊技性能に関する設定を変更可能であって、停電中または電源遮断後もRAMに記憶された設定が保持されるようになっている。たとえば、遊技制御装置100は、特図1変動表示ゲームおよび特図2変動表示ゲームの当り確率を6段階の設定に応じて変更可能にしている。
遊技制御装置100は、設定キースイッチ127がON状態かつRAM初期化スイッチ112がON状態での電源投入で、遊技機10の設定変更をおこなうことができる設定変更モードに制御状態を遷移する。たとえば、遊技制御装置100は、設定変更モードにおいて設定内容を確率設定値表示装置136に表示しながら設定値変更スイッチ126の押下操作検出により設定1から設定6までをサイクリックに変更可能にする。確率設定値表示装置136は、設定値を表示可能な表示装置であり、たとえば1桁の7セグメントLEDであって基板上に実装される。
また、遊技制御装置100は、設定キースイッチ127がON状態かつRAM初期化スイッチ112がOFF状態での電源投入で、遊技機10の設定確認をおこなうことができる設定確認モードに制御状態を遷移する。たとえば、遊技制御装置100は、設定確認モードにおいて設定内容を確率設定値表示装置136に表示する。
遊技用マイコン111は、CPU(中央処理ユニット:マイクロプロセッサ)111A、読出し専用のROM(Read Only Memory)111Bおよび随時読出し書込み可能なRAM111Cを備える。
ROM111Bは、遊技制御のための不変の情報(プログラム、固定データ、各種乱数の判定値等)を不揮発的に記憶し、RAM111Cは、遊技制御時にCPU111Aの作業領域あるいは各種信号や乱数値の記憶領域として利用される。ROM111BまたはRAM111Cとして、EEPROM(Electrically Erasable Programmable ROM)のような電気的に書換え可能な不揮発性メモリを用いてもよい。
また、ROM111Bは、たとえば、特図変動表示ゲームの実行時間、演出内容、リーチ状態の発生の有無等を規定する変動パターン(変動態様)を決定するための変動パターンテーブルを記憶している。変動パターンテーブルとは、始動記憶として記憶されている変動パターン乱数1、変動パターン乱数2、および変動パターン乱数3をCPU111Aが参照して変動パターンを決定するためのテーブルである。また、変動パターンテーブルには、結果がはずれとなる場合に選択されるはずれ変動パターンテーブル、結果が大当りとなる場合に選択される大当り変動パターンテーブル等が含まれる。さらに、これらのパターンテーブルには、リーチ状態となった後の変動パターンである後半変動パターンを決定するためのテーブル(後半変動グループテーブルや後半変動パターン選択テーブル等)、リーチ状態となる前の変動パターンである前半変動パターンを決定するためのテーブル(前半変動グループテーブルや前半変動パターン選択テーブル等)が含まれている。
ここで、リーチ(リーチ状態)とは、表示状態が変化可能な表示装置を有し、該表示装置が時期を異ならせて複数の表示結果を導出表示し、該複数の表示結果があらかじめ定められた特別結果態様となった場合に、遊技状態が遊技者にとって有利な遊技状態(特別遊技状態)となる遊技機10において、複数の表示結果の一部がまだ導出表示されていない段階で、既に導出表示されている表示結果が特別結果態様となる条件を満たしている表示状態をいう。また、別の表現をすれば、リーチ状態とは、表示装置の変動表示制御が進行して表示結果が導出表示される前段階にまで達した時点でも、特別結果態様となる表示条件からはずれていない表示態様をいう。そして、たとえば、特別結果態様が揃った状態を維持しながら複数の変動表示領域による変動表示をおこなう状態(いわゆる全回転リーチ)もリーチ状態に含まれる。また、リーチ状態とは、表示装置の表示制御が進行して表示結果が導出表示される前段階にまで達した時点での表示状態であって、表示結果が導出表示される以前に決定されている複数の変動表示領域の表示結果の少なくとも一部が特別結果態様となる条件を満たしている場合の表示状態をいう。
よって、たとえば、特図変動表示ゲームに対応して表示装置に表示される飾り特図変動表示ゲームが、表示装置における左、中、右の変動表示領域の各々で所定時間複数の識別情報を変動表示した後、左、右、中の順で変動表示を停止して結果態様を表示するものである場合、左、右の変動表示領域で、特別結果態様となる条件を満たした状態(たとえば、同一の識別情報)で変動表示が停止した状態がリーチ状態となる。またこの他に、すべての変動表示領域の変動表示を一旦停止した時点で、左、中、右のうちいずれか二つの変動表示領域で特別結果態様となる条件を満たした状態(たとえば、同一の識別情報となった状態、ただし特別結果態様は除く)をリーチ状態とし、このリーチ状態から残りの一つの変動表示領域を変動表示するようにしてもよい。
そして、このリーチ状態には複数のリーチ演出が含まれ、特別結果態様が導出される可能性が異なる(期待値が異なる)リーチ演出として、ノーマルリーチ(Nリーチ)、スペシャル1リーチ(SP1リーチ)、スペシャル2リーチ(SP2リーチ)、スペシャル3リーチ(SP3リーチ)、プレミアリーチが設定されている。なお、期待値は、「リーチなし」<「ノーマルリーチ」<「スペシャル1リーチ」<「スペシャル2リーチ」<「スペシャル3リーチ」<「プレミアリーチ」の順に高くなるようになっている。また、このリーチ状態は、少なくとも特図変動表示ゲームで特別結果態様が導出される場合(大当りとなる場合)における変動表示態様に含まれるようになっている。すなわち、特図変動表示ゲームで特別結果態様が導出されないと判定する場合(はずれとなる場合)における変動表示態様に含まれることもある。よって、リーチ状態が発生した状態は、リーチ状態が発生しない場合に比べて大当りとなる可能性の高い状態である。
CPU111Aは、ROM111B内の遊技制御用プログラムを実行して、払出制御装置200や演出制御装置300に対する制御信号(コマンド)を生成したり、ソレノイドや表示装置の駆動信号を生成し出力して遊技機10全体の制御をおこなう。また、図示しないが、遊技用マイコン111は、特図変動表示ゲームの当りを判定するための大当り乱数や大当りの図柄を決定するための大当り図柄乱数、特図変動表示ゲームでの変動パターン(各種リーチやリーチ無しの変動表示における変動表示ゲームの実行時間等を含む)を決定するための変動パターン乱数、普図変動表示ゲームの当りを判定するための当り乱数等を生成するための乱数生成回路と、発振回路113からの発振信号(原クロック信号)にもとづいてCPU111Aに対する所定周期(たとえば、4m秒(ms))のタイマ割込み信号や乱数生成回路の更新タイミングを与えるクロックを生成するクロックジェネレータを備えている。
また、CPU111Aは、特図変動表示ゲームに関する処理において、ROM111Bに記憶されている複数の変動パターンテーブルの中から、いずれか一の変動パターンテーブルを取得する。具体的には、CPU111Aは、特図変動表示ゲームの遊技結果(当り(大当りまたは小当り)またははずれ)や、現在の遊技状態としての特図変動表示ゲームの確率状態(通常確率状態または高確率状態)、現在の遊技状態としての普通変動入賞装置37の動作状態(時短動作状態)、始動記憶数等にもとづいて、複数の変動パターンテーブルの中から、いずれか一の変動パターンテーブルを選択して取得する。ここで、CPU111Aは、特図変動表示ゲームを実行する場合に、ROM111Bに記憶された複数の変動パターンテーブルのうち、いずれか一の変動パターンテーブルを取得する変動振り分け情報取得手段をなす。
払出制御装置200は、CPU、ROM、RAM、入力インタフェース、出力インタフェース等を備え、遊技制御装置100からの賞球払出し指令(コマンドやデータ)に従って、遊技機10に設けられた払出ユニットの払出モータを駆動させ、賞球を払い出させるための制御をおこなう。また、払出制御装置200は、遊技機10に付設される球貸機のカードユニットからの貸球要求信号にもとづいて払出ユニットの払出モータを駆動させ、貸球を払い出させるための制御をおこなう。
遊技用マイコン111の入力部120には、始動入賞口36内の始動口1スイッチ36a、普通変動入賞装置37内の始動口2スイッチ37a、普図始動ゲート34内のゲートスイッチ34a、入賞口スイッチ35a、特別変動入賞装置38の大入賞口スイッチ38a、特別変動入賞装置38の特定領域スイッチ38eに接続され、これらのスイッチから供給されるハイレベルが11Vでロウレベルが7Vのような負論理の信号が入力され、0V−5Vの正論理の信号に変換するインタフェースチップ(近接I/F)121が設けられている。この近接I/F121には、遊技機10に対する電波の発射を検出する盤電波センサ62の検出信号も入力される。また近接I/F121は、入力の範囲が7V−11Vとされることで、センサや近接スイッチのリード線が不正にショートされたり、センサやスイッチがコネクタから外されたり、リード線が切断されてフローティングになったような異常な状態を検出することができ、異常検知信号を出力するように構成されている。
なお、入賞口スイッチ35aについて説明すると、図3では入賞口スイッチ35aが1個のブロックで示されているが、実際には複数(n個)の入賞口スイッチ35a(本実施形態では3個)が遊技盤30に設けられており、それぞれの信号が異なる信号線で近接I/F121に入力されている。また、図3では大入賞口スイッチ38aが1個のブロックで示されているが、実際には複数(x個)の大入賞口スイッチ38a(本実施形態では3個)が遊技盤30に設けられている。そして、これら複数の大入賞口スイッチ38aが、それぞれ異なる信号線で接続されるか、あるいは、たとえばスイッチと遊技制御装置100(主基板)の間に存在する図示省略した中継基板上でワイヤードオア(wired OR)という方式で遊技制御装置100に接続されている。盤電波センサ62や後述する磁気センサ61も、異なる複数の信号線で接続されてもよいし、同様にワイヤードオアという方式で遊技制御装置100に接続されていてもよい。
近接I/F121の出力は、第2入力ポート123または第3入力ポート124へ供給されデータバス140を介して遊技用マイコン111に読み込まれる。なお、近接I/F121の出力のうち、始動口1スイッチ36a、始動口2スイッチ37a、ゲートスイッチ34a、入賞口スイッチ35a、大入賞口スイッチ38a、および特定領域スイッチ38eの検出信号は、第2入力ポート123へ入力される。なお、特図1の始動口スイッチである始動口1スイッチ36a,始動口2スイッチ37aの信号の出力(近接I/F121からの出力)については、図3では1本の信号線で示しているが、実際には2本ある。
また、近接I/F121の出力のうち、盤電波センサ62の検出信号およびセンサやスイッチの異常を検出した際に出力される異常検知信号は、第3入力ポート124に入力される。また、第3入力ポート124には、遊技機10の前面枠12等に設けられた不正検出用の磁気センサ61の検出信号、遊技機10のガラス枠15等に設けられたガラス枠開放検出スイッチ63の検出信号、遊技機10の前面枠(本体枠)12等に設けられた本体枠開放検出スイッチ64の検出信号、設定値変更スイッチ126の検出信号、設定キースイッチ127の検出信号、払出制御装置200からのタッチスイッチ信号(操作部24に設けられたタッチスイッチの入力にもとづく信号)が入力されるようになっている。
また、近接I/F121の出力のうち、第2入力ポート123への出力は、遊技制御装置100から中継基板70を介して図示しない試射試験装置へも供給されるようになっている。さらに、近接I/F121の出力のうち、始動口1スイッチ36aと始動口2スイッチ37aの検出信号は、第2入力ポート123の他、遊技用マイコン111へ入力されるように構成されている。
上記のように近接I/F121は、信号のレベル変換機能を有する。このようなレベル変換機能を可能にするため、近接I/F121には、電源装置400から通常のICの動作に必要なたとえば5Vのような電圧の他に、12Vの電圧が供給されるようになっている。
第2入力ポート123が保持しているデータは、遊技用マイコン111が第2入力ポート123に割り当てられているアドレスをデコードすることによって図示省略したチップイネーブル信号CE(Chip Enable)をアサート(有効レベルに変化)することによって、読み出すことができる。第3入力ポート124や後述の第1入力ポート122も同様である。
また、入力部120には、RAM初期化スイッチ112の検出信号、払出制御装置200からの枠電波不正信号(前面枠12に設けられた枠電波センサが電波を検出することにもとづき出力される信号)、払出ビジー信号(払出制御装置200がコマンドを受付可能な状態か否かを示す信号)、払出異常ステータス信号(払出異常を示すステータス信号)、シュート球切れスイッチ信号(払出し前の遊技球の不足を示す信号)、オーバーフロースイッチ信号(下皿23に遊技球が所定量以上貯留されていること(満杯になったこと)を検出したときに出力される信号)、アウト球検出スイッチ信号(アウト球を検出したときに出力される信号)を取り込んでデータバス140を介して遊技用マイコン111に供給する第1入力ポート122が設けられている。
なお、アウト球検出スイッチ信号は、アウトセンサ(図示せず)が遊技機10のアウト球を1個検出するごとにアウトセンサから出力される信号である。たとえば、アウト球検出スイッチ信号は、遊技機10から遊技球(アウト球)を排出する排出口(図示せず)とアウト口30aとの間に排出流路(図示せず)に設けられる。アウト球検出スイッチ信号は、所定の稼働(たとえば、アウト球が60,000個)当たりの遊技性能(たとえば、ベース)の算出に用いられ、算出した遊技性能は性能表示装置135に表示される。なお、アウト球検出スイッチ信号は、演出制御装置300に入力されるものであってもよい。その場合、アウト球検出スイッチ信号は、遊技演出や客待ち画面表示への切替トリガとなる稼働状態の判定等に用いられるものであってもよい。たとえば、性能表示装置135は、4桁の7セグメントLEDであって、10進数または16進数により遊技性能を表示することができる。
また、遊技機10は、振動を検出する振動センサスイッチを設け、この振動センサスイッチの検出信号が第1入力ポート122あるいは第3入力ポート124に入力されるようにしてもよい。
また、遊技制御装置100には、電源装置400からの停電監視信号やリセット信号等の信号を遊技用マイコン111等に入力するためのシュミットバッファ125が設けられており、シュミットバッファ125はこれらの入力信号からノイズを除去する機能を有する。電源装置400からの停電監視信号や、RAM初期化スイッチ112からの初期化スイッチ信号は、一旦、第1入力ポート122に入力され、データバス140を介して遊技用マイコン111に取り込まれる。つまり、前述の各種スイッチからの信号と同等の信号として扱われる。遊技用マイコン111に設けられている外部からの信号を受ける端子の数には制約があるためである。
一方、シュミットバッファ125によりノイズ除去されたリセット信号RESETは、遊技用マイコン111に設けられているリセット端子に直接入力されるとともに、出力部130の各ポートに供給される。また、リセット信号RESETは、出力部130を介さずに直接中継基板70に出力することで、試射試験装置へ出力するために中継基板70のポート(図示省略)に保持される試射試験信号をオフするように構成されている。また、リセット信号RESETは、中継基板70を介して試射試験装置へ出力可能に構成されるようにしてもよい。なお、リセット信号RESETは、入力部120の第1乃至第3入力ポート122,123,124には供給されない。リセット信号RESETが入る直前に遊技用マイコン111によって出力部130の各ポートに設定されたデータは、システムの誤動作を防止するためリセットする必要があるが、リセット信号RESETが入る直前に入力部120の各ポートから遊技用マイコン111が読み込んだデータは、遊技用マイコン111のリセットによって廃棄されるためである。
出力部130には、遊技用マイコン111から演出制御装置300への通信経路および遊技用マイコン111から払出制御装置200への通信経路に配されるシュミットバッファ132が設けられている。遊技制御装置100から演出制御装置300および払出制御装置200へは、シリアル通信でデータが送信される。なお、遊技制御装置100から演出制御装置300および払出制御装置200へのシリアル通信は、演出制御装置300側から遊技制御装置100へ信号を入力できないようにした片方向通信とされている。
さらに、出力部130には、データバス140に接続され図示しない認定機関の試射試験装置へ変動表示ゲームの特図図柄情報を知らせるデータや大当りの確率状態を示す信号等を中継基板70を介して出力するバッファ133が実装可能に構成されている。このバッファ133は、遊技店に設置される実機(量産販売品)としてのパチンコ遊技機の遊技制御装置(主基板)には実装されない部品である。なお、近接I/F121から出力される始動口スイッチ等加工の必要のないスイッチの検出信号は、バッファ133を通さずに中継基板70を介して試射試験装置へ供給される。
一方、磁気センサ61や盤電波センサ62のようにそのままでは試射試験装置へ供給できない検出信号は、一旦、遊技用マイコン111に取り込まれて他の信号または情報に加工されて、たとえば遊技機が遊技制御できない状態であることを示すエラー信号としてデータバス140からバッファ133、中継基板70を介して試射試験装置へ供給される。なお、中継基板70には、上記バッファ133から出力された信号を取り込んで試射試験装置へ供給するポートや、バッファを介さないスイッチの検出信号の信号線を中継して伝達するコネクタ等が設けられている。中継基板70上のポートには、遊技用マイコン111から出力されるチップイネーブル信号CE(図示省略)も供給され、このチップイネーブル信号CEにより選択制御されたポートの信号が試射試験装置へ供給されるようになっている。
また、出力部130には、データバス140に接続され、特別変動入賞装置38(大入賞口)の開閉部材38cを開閉させる大入賞口ソレノイド38bの開閉データ、特別変動入賞装置38のV扉を開閉させる特定領域ソレノイド38dの開閉データ、普通変動入賞装置37の可動部材37bを開閉させる普電ソレノイド37cの開閉データ、および性能表示装置135の表示データを出力するための第1出力ポート134aが設けられている。
また、出力部130には、確率設定値表示装置136の表示データを出力するための第2出力ポート134bが設けられている。また、出力部130には、一括表示装置50に表示する内容に応じてLEDのアノード端子が接続されているセグメント線のオン/オフデータを出力するための第3出力ポート134c、一括表示装置50のLEDのカソード端子が接続されているデジット線のオン/オフデータを出力するための第4出力ポート134dが設けられている。
また、出力部130には、大当り情報等遊技機10に関する情報を外部情報端子板71へ出力するための第5出力ポート134eが設けられている。外部情報端子板71には、フォトリレーが備えられ、たとえば遊技店に設置された外部装置(情報収集端末や遊技場内部管理装置(ホールコンピュータ)等)に接続可能であり、遊技機10に関する情報をフォトリレーを介して外部装置に供給することができるようになっている。なお、外部装置に供給する情報の一部は、第4出力ポート134dから出力される。また、第5出力ポート134eからは、シュミットバッファ132を介して払出制御装置200に発射許可信号も出力される。
さらに、出力部130には、第1出力ポート134aから出力される大入賞口ソレノイド38b、特定領域ソレノイド38d、普電ソレノイド37cの開閉データ信号を受けてソレノイド駆動信号を生成し出力する第1ドライバ(駆動回路)138a、第3出力ポート134cから出力される一括表示装置50の電流供給側のセグメント線のオン/オフ駆動信号を出力する第2ドライバ138b、第4出力ポート134dから出力される一括表示装置50の電流引き込み側のデジット線のオン/オフ駆動信号を出力する第3ドライバ138c、第5出力ポート134eや第4出力ポート134dから管理装置等の外部装置へ供給する外部情報信号を外部情報端子板71へ出力する第4ドライバ138d、第1出力ポート134aから出力される性能表示装置135の表示データ信号を受けて性能表示装置135の駆動信号を生成し出力する第5ドライバ138eが設けられている。
上記第1ドライバ138aには、32Vで動作するソレノイドを駆動できるようにするため、電源電圧としてDC32Vが電源装置400から供給される。また、一括表示装置50のセグメント線を駆動する第2ドライバ138bには、DC12Vが供給される。デジット線を駆動する第3ドライバ138cは、表示データに応じたデジット線を電流で引き抜くためのものであるため、電源電圧は12Vまたは5Vのいずれであってもよい。
12Vを出力する第2ドライバ138bによりセグメント線を介してLEDのアノード端子に電流を流し込み、接地電位を出力する第3ドライバ138cによりカソード端子よりセグメント線を介して電流を引き抜くことで、ダイナミック駆動方式で順次選択されたLEDに電源電圧が流れて点灯される。外部情報信号を外部情報端子板71へ出力する第4ドライバ138dは、外部情報信号に12Vのレベルを与えるため、DC12Vが供給される。なお、バッファ133や第1出力ポート134a、第1ドライバ138a等は、遊技制御装置100の出力部130、すなわち、主基板ではなく、中継基板70側に設けるようにしてもよい。また、性能表示装置135、あるいは第5ドライバ138eと性能表示装置135は、遊技制御装置100の出力部130、すなわち、主基板ではなく、外部基板(図示せず)側に設けるようにしてもよい。
さらに、出力部130には、外部の検査装置490へ各遊技機の識別コードやプログラム等の情報を送信するためのフォトカプラ139が設けられている。フォトカプラ139は、遊技用マイコン111が検査装置490との間でシリアル通信によってデータの送受信をおこなえるように双方通信可能に構成されている。なお、かかるデータの送受信は、通常の汎用マイクロプロセッサと同様に遊技用マイコン111が有するシリアル通信端子を利用しておこなわれるため、第1乃至第3入力ポート122,123,124のようなポートは設けられていない。
次に、演出制御装置300の構成について図4を用いて説明する。図4は、第1の実施形態の演出制御装置の構成の一例を示すブロック図である。
演出制御装置300は、遊技用マイコン111と同様にアミューズメントチップ(IC)からなる主制御用マイコン(CPU)311と、主制御用マイコン311からのコマンドやデータに従って表示装置41への映像表示のための画像処理をおこなうグラフィックプロセッサとしてのVDP(Video Display Processor)312と、各種のメロディや効果音等をスピーカ19a,19bから再生させるため音の出力を制御する音源LSI314を備えている。
主制御用マイコン311には、CPUが実行するプログラムや各種データを格納したPROM(プログラマブルリードオンリメモリ)からなるPROM321、作業領域を提供するRAM322、停電時に電力が供給されなくとも記憶内容を保持可能なFeRAM(Ferroelectric RAM)323、現在の日時(年月日や曜日、時刻等)を示す情報を生成する計時手段をなすRTC(リアルタイムクロック)338が接続されている。なお、主制御用マイコン311の内部にも作業領域を提供するRAM311aが設けられている。また、主制御用マイコン311には、WDT(ウォッチドッグ・タイマ)回路324が接続されている。主制御用マイコン311は、遊技用マイコン111からのコマンド(演出コマンド)を解析し、演出内容を決定してVDP312へ出力映像の内容を指示したり、音源LSI314への再生音の指示、装飾ランプの点灯、モータやソレノイドの駆動制御、演出時間の管理等の処理を実行したりする。
VDP312には、作業領域を提供するRAM312aや、画像を拡大、縮小処理するためのスケーラ312bが設けられている。また、VDP312には、キャラクタ画像や映像データが記憶された画像ROM325や、画像ROM325から読み出されたキャラクタ等の画像データを展開したり加工したりするのに使用される超高速なVRAM326が接続されている。
特に限定されるわけではないが、主制御用マイコン311とVDP312との間は、パラレル方式でデータの送受信がおこなわれるように構成されている。パラレル方式でデータを送受信することで、シリアルの場合よりも短時間にコマンドやデータを送信することができる。
VDP312から主制御用マイコン311へは、表示装置41の映像とガラス枠15や遊技盤30に設けられている装飾ランプの点灯を同期させるための垂直同期信号VSYNC、データの送信タイミングを与える同期信号STSが入力される。なお、VDP312から主制御用マイコン311へは、VRAMへの描画の終了等処理状況を知らせるため割込み信号INT0〜nおよび主制御用マイコン311からのコマンドやデータの受信待ちの状態にあることを知らせるためのウェイト信号WAIT等も入力される。
演出制御装置300には、LVDS(Low Voltage Differential Signaling:小振幅信号伝送)方式で表示装置41へ送信する映像信号を生成する信号変換回路313が設けられている。VDP312から信号変換回路313へは、映像データ、水平同期信号HSYNCおよび垂直同期信号VSYNCが入力されるようになっており、VDP312で生成された映像は、信号変換回路313を介して表示装置41に表示される。
音源LSI314には、音声データが記憶された音声ROM327が接続されている。主制御用マイコン311と音源LSI314は、アドレス/データバス340を介して接続されている。また、音源LSI314から主制御用マイコン311へは、割込み信号INTが入力されるようになっている。演出制御装置300には、ガラス枠15に設けられた上スピーカ19aおよび前面枠12に設けられた下スピーカ19bを駆動するオーディオパワーアンプ等からなるアンプ回路337が設けられており、音源LSI314で生成された音声はアンプ回路337を介して上スピーカ19aおよび下スピーカ19bから出力される。
また、演出制御装置300には、遊技制御装置100から送信されてくるコマンドを受信するインタフェースチップ(コマンドI/F)331が設けられている。このコマンドI/F331を介して、遊技制御装置100から演出制御装置300へ送信された飾り特図保留数コマンド、飾り特図コマンド、変動コマンド、停止情報コマンド等を、演出制御指令信号(演出コマンド)として受信する。遊技制御装置100の遊技用マイコン111はDC5Vで動作し、演出制御装置300の主制御用マイコン311はDC3.3Vで動作するため、コマンドI/F331には信号のレベル変換の機能が設けられている。
また、演出制御装置300には、遊技盤30(センターケース40を含む)に設けられているLED(発光ダイオード)などを有する盤装飾装置46を駆動制御する盤装飾LED制御回路332、ガラス枠15に設けられているLED(発光ダイオード)を有する枠装飾装置(たとえば枠装飾装置18等)を駆動制御する枠装飾LED制御回路333、遊技盤30(センターケース40を含む)に設けられている盤演出装置44(たとえば表示装置41における演出表示と協働して演出効果を高める可動役物等)を駆動制御する盤演出可動体制御回路334が設けられている。ランプやモータおよびソレノイド等を駆動制御するこれらの制御回路332〜334は、アドレス/データバス340を介して主制御用マイコン311と接続されている。なお、ガラス枠15にモータ(たとえば演出用の装置を動作させるモータ)等の駆動源を備えた枠演出装置を設け、この枠演出装置を駆動制御する枠演出可動体制御回路を備えていてもよい。
さらに、演出制御装置300には、演出ボタン25の演出ボタンスイッチ25aやオプション設定部29の設定スイッチ29aと、盤演出装置44内のモータの初期位置等を検出する演出役物スイッチ47(演出モータスイッチ)のオン/オフ状態を検出して主制御用マイコン311へ検出信号を入力する機能や、演出制御装置300に設けられた音量調節スイッチ335の状態を検出して主制御用マイコン311へ検出信号を入力する機能を有するスイッチ入力回路336が設けられている。なお図4では、オプション設定部29の各スイッチを便宜上まとめて設定スイッチ29aと表しているが、詳細には、前述した各スイッチ(十字カーソルスイッチ、中央スイッチ、付属スイッチ)の状態がスイッチ入力回路336によりそれぞれ個別に検出されるように接続されており、各スイッチの各状態を示す検出信号がそれぞれ主制御用マイコン311へ入力される。
電源装置400の通常電源部410は、上記のような構成を有する演出制御装置300やそれによって制御される電子部品に対して所望のレベルの直流電圧を供給するため、モータやソレノイドを駆動するためのDC32V、液晶パネルからなる表示装置41、モータやLEDを駆動するためのDC12V、コマンドI/F331の電源電圧となるDC5Vの他に、モータやLED、スピーカを駆動するためのDC15Vの電圧を生成するように構成されている。さらに、主制御用マイコン311として、3.3Vまたは1.2Vのような低電圧で動作するLSIを使用する場合には、DC5VにもとづいてDC3.3VやDC1.2Vを生成するためのDC−DCコンバータが演出制御装置300に設けられる。なお、DC−DCコンバータは通常電源部410に設けるようにしてもよい。
電源装置400の制御信号生成部430により生成されたリセット信号は、主制御用マイコン311に供給され、当該デバイスをリセット状態にする。また、主制御用マイコン311から出力される形で、VDP312(VDPRESET信号)、音源LSI314およびアンプ回路337(SNDRESET信号)、ランプやモータ等を駆動制御する制御回路332〜334(IORESET信号)に供給され、これらをリセット状態にする。また、演出制御装置300には遊技機10の各所を冷却する冷却FAN45が接続され、演出制御装置300の電源が投入された状態では冷却FAN45が駆動するようにされている。また、演出制御装置300を構成する回路基板は、サブ制御基板(サブ基板ともいう)に相当する。
次に、これらの制御回路においておこなわれる遊技制御について説明する。
遊技制御装置100の遊技用マイコン111のCPU111Aでは、普図始動ゲート34に備えられたゲートスイッチ34aからの遊技球の検出信号の入力にもとづき、普図の当り判定用乱数値を抽出してROM111Bに記憶されている判定値と比較し、普図変動表示ゲームの当りはずれを判定する処理をおこなう。そして、一括表示装置50の普図図柄表示部55に、識別図柄(識別情報)を所定時間変動表示した後、停止表示する普図変動表示ゲームを表示する処理をおこなう。この普図変動表示ゲームの結果が当りの場合は、普図図柄表示部55に第1当り停止図柄〜第3当り停止図柄の各々に対応した特別の結果態様を表示するとともに、普電ソレノイド37cを動作させ、普通変動入賞装置37の可動部材37bを所定時間(たとえば、0.5秒間または1.7秒間)上述のように開放する制御をおこなう。すなわち、遊技制御装置100が、変換部材(可動部材37b)の変換制御をおこなう変換制御実行手段をなす。なお、普図変動表示ゲームの結果がはずれの場合は、普図図柄表示部55にはずれの結果態様を表示する制御をおこなう。
また、始動入賞口36に備えられた始動口1スイッチ36aからの遊技球の検出信号の入力にもとづき始動入賞(始動記憶)を記憶し、この始動記憶にもとづき、第1特図変動表示ゲームの大当り判定用乱数値を抽出してROM111Bに記憶されている判定値と比較し、第1特図変動表示ゲームの当りはずれを判定する処理をおこなう。また、普通変動入賞装置37に備えられた始動口2スイッチ37aからの遊技球の検出信号の入力にもとづき始動記憶を記憶し、この始動記憶にもとづき、第2特図変動表示ゲームの大当り判定用乱数値を抽出してROM111Bに記憶されている判定値と比較し、第2特図変動表示ゲームの当りはずれを判定する処理をおこなう。
そして、遊技制御装置100のCPU111Aは、上記の第1特図変動表示ゲームや第2特図変動表示ゲームの判定結果を含む制御信号(演出制御コマンド、演出コマンド)を、演出制御装置300に出力する。そして、一括表示装置50の特図1図柄表示部53や特図2図柄表示部54に、識別図柄(識別情報)を所定時間変動表示した後、停止表示する特図変動表示ゲームを表示する処理をおこなう。すなわち、遊技制御装置100が、遊技領域32を流下する遊技球の始動入賞領域(始動入賞口36、普通変動入賞装置37)への入賞にもとづき変動表示ゲームの進行制御をおこなう遊技制御手段をなす。
また、演出制御装置300では、遊技制御装置100からの制御信号にもとづき、表示装置41で特図変動表示ゲームに対応した飾り特図変動表示ゲームを表示する処理をおこなう。さらに、演出制御装置300では、遊技制御装置100からの制御信号にもとづき、演出状態の設定や、スピーカ19a,19bからの音の出力、各種LEDの発光を制御する処理等をおこなう。すなわち、演出制御装置300が、遊技(変動表示ゲーム等)に関する演出を制御する演出制御手段をなす。
そして、遊技制御装置100のCPU111Aは、特図変動表示ゲームの結果が大当りや小当りの場合は、特図1図柄表示部53や特図2図柄表示部54に特別結果態様や小当り結果態様を表示するとともに、特別遊技状態や小当り遊技状態を発生させる処理(すなわち、特別遊技や小当り遊技を実行する処理)をおこなう。第1特図変動表示ゲームや第2特図変動表示ゲームの結果が大当りとなったことによる特別遊技状態を発生させる処理においては、CPU111Aは、たとえば、大入賞口ソレノイド38bにより特別変動入賞装置38の開閉部材38cを開放させ、大入賞口内への遊技球の流入を可能とする制御をおこなう。この特別遊技状態でCPU111Aは、たとえば大入賞口に所定個数(たとえば、9個)の遊技球が入賞するか、大入賞口の開放から所定の開放可能時間が経過するかのいずれかの条件が達成されるまで大入賞口を開放することを1ラウンドとし、これを所定ラウンド回数継続する(繰り返す)制御(サイクル遊技)をおこなう。また、第1特図変動表示ゲーム(特図1変動表示ゲーム)あるいは第2特図変動表示ゲーム(特図2変動表示ゲーム)の結果が小当りとなったことによる小当り遊技状態を発生させる処理においては、CPU111Aは、たとえば、大入賞口ソレノイド38bにより特別変動入賞装置38の開閉部材38cを開放させ、大入賞口内への遊技球の流入を可能とする制御をおこなう。
なお、これら小当り遊技状態でおこなわれる大入賞口の開閉動作パターン(開閉動作態様)は、たとえば200m秒だけ開閉部材を開状態に維持する動作を1500m秒間隔で4回おこなうといったものである。このように、遊技制御装置100は、停止結果態様が特別結果態様となった場合に、大入賞口を開閉する制御をおこなう大入賞口開閉制御手段をなす。またCPU111Aは、特図変動表示ゲームの結果がはずれの場合は、一括表示装置50の特図1図柄表示部53や特図2図柄表示部54にはずれの結果態様を表示する制御をおこなう。
また、遊技制御装置100は、特図変動表示ゲームの結果態様にもとづき、特別遊技状態の終了後に、遊技状態として高確率状態を発生可能となっている。この高確率状態は、特図変動表示ゲームにて当り結果となる確率が、通常確率状態に比べて高い状態である。また、第1特図変動表示ゲームおよび第2特図変動表示ゲームのどちらの特図変動表示ゲームの結果態様にもとづき高確率状態となっても、第1特図変動表示ゲームおよび第2特図変動表示ゲームの両方が高確率状態となる。
また、遊技制御装置100は、特図変動表示ゲームの結果態様にもとづき、特別遊技状態の終了後に、遊技状態として時短状態(特定遊技状態、普図高確率状態)を発生可能となっている。この時短状態においては、普図変動表示ゲームの当り結果となる確率(普図確率)を通常確率(普図低確率状態)である0よりも高い高確率(普図高確率状態)とすることが可能である。これにより、普通変動入賞装置37が普図低確率状態である場合よりも、単位時間当りの普通変動入賞装置37の開放時間が多くなるように制御するようになっている。ここで、本実施形態における普通変動入賞装置37は、通常遊技状態においては可動部材37bを開放しないように普図確率が「0」に設定されている。
また、時短状態において、普図変動表示ゲームの実行時間(普図変動時間)は、たとえば、500m秒となり、普図変動表示ゲームの結果を表示する普図停止時間は、たとえば、600m秒となり、普図変動表示ゲームが当り結果となって普通変動入賞装置37が開放される場合に、第1当り停止図柄の開放時間(普電開放時間)と開放回数(たとえば、500m秒×1回)、第2当り停止図柄の開放時間(普電開放時間)と開放回数(たとえば、1700m秒×2回)、第3当り停止図柄の開放時間(普電開放時間)と開放回数(たとえば、1700m秒×3回)となるように設定することが可能である。
なお、普図変動表示ゲームおよび普通変動入賞装置37を時短動作状態とする制御をおこなうよう適宜普図変動表示ゲームの実行時間、普図停止時間、普電開放回数、普電開放時間を設定してもよく、たとえば、時短状態においては、上述の普図変動表示ゲームの実行時間(普図変動時間)を第1変動表示時間よりも短い第2変動表示時間となるように制御することが可能である(たとえば、10000m秒が1000m秒)。また、時短状態においては、普図変動表示ゲームの結果を表示する普図停止時間を第1停止時間よりも短い第2停止時間となるように制御することが可能である(たとえば、1604m秒が704m秒)。また、時短状態においては、普図変動表示ゲームが当り結果となって普通変動入賞装置37が開放される場合に、開放時間(普電開放時間)を通常状態(普図低確率状態)の第1開放時間よりも長い第2開放時間となるように制御することが可能である(たとえば、100m秒が1352m秒)。また、時短状態においては、普図変動表示ゲームの1回の当り結果に対して、普通変動入賞装置37の開放回数(普電開放回数)を第1開放回数(たとえば、2回)よりも多い回数(たとえば、4回)の第2開放回数に設定することが可能である。また、時短状態においては、普図変動表示ゲームの当り結果となる確率(普図確率)を通常動作状態である場合の通常確率(普図低確率状態、たとえば、1/251)よりも高い高確率(普図高確率状態、たとえば、250/251)とすることが可能である。
時短状態においては、普図変動時間、普図停止時間、普電開放回数、普電開放時間、普図確率のいずれか一つまたは複数を変化させることで普通変動入賞装置37を開状態に状態変換する時間を通常よりも延長するようにする。また、変化させるものが異なる複数種類の時短状態を設定することも可能である。また、当りとなった場合に第1開放態様と第2開放態様のいずれかを選択するようにしてもよい。この場合、第1開放態様と第2開放態様の選択確率を異ならせてもよい。また、高確率状態と時短状態は、それぞれ独立して発生可能であり、両方を同時に発生することも可能であるし、一方のみを発生させることも可能である。また時短状態は、普電サポート状態(普電サポート中、或いは電サポ中)と称することもできる。
次に、一括表示装置の構成について図5を用いて説明する。図5は、第1の実施形態の一括表示装置の一例を示す図である。一括表示装置50は、7セグメントLED_d1と7セグメントLED_d2、およびLED_d3からLED_d18までの16個のLEDを備える。一括表示装置50は、7セグメントLED_d1と7セグメントLED_d2、およびLED_d3からLED_d18の点灯態様により各種状態表示をおこなう。
一括表示装置50は、7セグメントLED_d1と7セグメントLED_d2、およびLED_d3からLED_d18に各種状態表示機能を振り分けることで、ラウンド表示部51と、特図1保留表示部52と、特図1図柄表示部53と、特図2図柄表示部54と、普図図柄表示部55と、普図保留表示部56と、状態表示部57と、特図2保留表示部58とを備える。ラウンド表示部51は、LED_d3からLED_d6の4個のLEDの点灯態様により、特図ゲームにおけるラウンド数を表示する。特図1保留表示部52は、LED_d11とLED_d12の2個のLEDの点灯態様により、特図1ゲームにおける保留数を表示する。特図1図柄表示部53は、7セグメントLED_d1の8個のLED(7個のセグメントLEDと1個のドットLED)の点灯態様により、特図1ゲームにおける図柄を表示する。特図2図柄表示部54は、7セグメントLED_d2の8個のLED(7個のセグメントLEDと1個のドットLED)の点灯態様により、特図2ゲームにおける図柄を表示する。普図図柄表示部55は、LED_d8、LED_d10、およびLED_d18の3個のLEDの点灯態様により、普図ゲームにおける図柄を表示する。普図保留表示部56は、LED_d15とLED_d16の2個のLEDの点灯態様により、普図ゲームにおける保留数を表示する。状態表示部57は、LED_d7、LED_d9、およびLED_d17の3個のLEDの点灯態様により、特図ゲームにおける遊技状態を表示する。特図2保留表示部58は、LED_d13とLED_d14の2個のLEDの点灯態様により、特図2ゲームにおける保留数を表示する。
以下、このような遊技をおこなう遊技機の制御について説明する。まず、遊技制御装置100の遊技用マイコン111によって実行される制御について説明する。遊技用マイコン111による制御処理は、主にメイン処理と、所定時間周期(たとえば4m秒)でおこなわれるタイマ割込み処理とからなる。
〔メイン処理〕
まず、第1の実施形態の遊技制御装置のメイン処理について図6から図10を用いて説明する。図6は、第1の実施形態のメイン処理のフローチャートを示す図(その1)である。図7は、第1の実施形態のメイン処理のフローチャートを示す図(その2)である。図8は、第1の実施形態のメイン処理のフローチャートを示す図(その3)である。図9は、第1の実施形態のメイン処理のフローチャートを示す図(その4)である。図10は、第1の実施形態のメイン処理のフローチャートを示す図(その5)である。
メイン処理は、電源が投入されることで制御部(遊技用マイコン111)によって開始される。このメイン処理においては、まず、割込みを禁止する処理(ステップS1)をおこなってから、割込みが発生したときにレジスタ等の値を退避する領域の先頭アドレスであるスタックポインタを設定するスタックポインタ設定処理(ステップS2)をおこなう。次に、レジスタバンク0を指定し(ステップS3)、所定のレジスタ(たとえばDレジスタ)にRAM先頭アドレスの上位アドレスをセットする(ステップS4)。RAM111Cのアドレスの範囲は、0000h〜01FFhで、上位としては00hか01hをとる。ステップS4ではRAM111Cのアドレスの範囲のうち先頭側にある00hをセットする。
次に、発射停止の信号を出力して発射許可信号を禁止状態に設定する(ステップS5)。発射許可信号は、遊技制御装置100と払出制御装置200の少なくとも一方が発射停止の信号を出力している場合に禁止状態に設定され、遊技球の発射が禁止されるようになっている。
その後、入力ポート1(第1入力ポート122)の状態を第1レジスタ(たとえばBレジスタ)に読み込み(ステップS6)、続けて入力ポート3(第3入力ポート124)の状態を第2レジスタ(たとえばCレジスタ)に読み込む(ステップS7)。
ここで、第1レジスタの所定ビットをマスクし、その他のビットをクリアする(ステップS8)。たとえば、RAM初期化スイッチ112からの検出信号に対応するBレジスタの第2ビットだけを保持し、第0ビットと第1ビットと、第3ビットから第7ビットをクリアする。そして、第2レジスタの所定ビットをマスクし、その他のビットをクリアする(ステップS9)。たとえば、設定キースイッチ127からの検出信号に対応するCレジスタの第4ビットだけを保持し、第0ビットから第3ビットと第5ビットから第7ビットをクリアする。
第1レジスタの情報を第2レジスタに統合し、第2レジスタが保持する情報をRAM111Cに頼らない参照用の情報として保持する(ステップS10)。たとえば、BレジスタとCレジスタの論理和をCレジスタに格納し、Cレジスタを状態参照用レジスタとして保持する。
たとえば、状態参照用レジスタ(Cレジスタ)の値「00000000B」は、第0ビットと第1ビット、第3ビットと第5ビットから第7ビットがクリアされて「0」であり、第2ビットがRAM初期化スイッチ112からの検出信号オンに対応する「0」であり、第4ビットが設定キースイッチ127からの検出信号オンに対応する「0」であることを示す。すなわち、状態参照用レジスタの値「00000000B」は、RAM初期化スイッチ112がオン(ON)、かつ設定キースイッチ127がオン(ON)である設定変更状態を示す。
また、状態参照用レジスタの値「00010000B」は、第0ビットと第1ビット、第3ビットと第5ビットから第7ビットがクリアされて「0」であり、第2ビットがRAM初期化スイッチ112からの検出信号オンに対応する「0」であり、第4ビットが設定キースイッチ127からの検出信号オフに対応する「1」であることを示す。すなわち、状態参照用レジスタの値「00010000B」は、RAM初期化スイッチ112がオン(ON)、かつ設定キースイッチ127がオフ(OFF)であるRAM初期化状態を示す。
また、状態参照用レジスタの値「00000100B」は、第0ビットと第1ビット、第3ビットと第5ビットから第7ビットがクリアされて「0」であり、第2ビットがRAM初期化スイッチ112からの検出信号オフに対応する「1」であり、第4ビットが設定キースイッチ127からの検出信号オンに対応する「0」であることを示す。すなわち、状態参照用レジスタの値「00000100B」は、RAM初期化スイッチ112がオフ(OFF)、かつ設定キースイッチ127がオン(ON)である設定確認状態を示す。
また、状態参照用レジスタの値「00010100B」は、第0ビットと第1ビット、第3ビットと第5ビットから第7ビットがクリアされて「0」であり、第2ビットがRAM初期化スイッチ112からの検出信号オフに対応する「1」であり、第4ビットが設定キースイッチ127からの検出信号オフに対応する「1」であることを示す。すなわち、状態参照用レジスタの値「00010100B」は、RAM初期化スイッチ112がオフ(OFF)、かつ設定キースイッチ127がオフ(OFF)である復電(停電復旧)状態を示す。
これにより、RAM初期化スイッチ112からの検出信号と設定キースイッチ127からの検出信号とがCレジスタに保持される。なお、RAM初期化スイッチ112からの検出信号のBレジスタにおける格納位置(第2ビット)と設定キースイッチ127からの検出信号のCレジスタにおける格納位置(第4ビット)とが異なるためBレジスタとCレジスタの論理和によっても、RAM初期化スイッチ112からの検出信号と設定キースイッチ127からの検出信号は、失われずに保存される。
その後、電源投入ディレイタイマを設定する処理をおこなう(ステップS11)。この処理では、所定の初期値を設定することにより、主制御手段をなす遊技制御装置100からの指示にしたがい種々の制御をおこなう従制御手段(たとえば、払出制御装置200や演出制御装置300等の従制御装置)のプログラムが正常に起動するのを待つための待機時間(たとえば3秒)が設定される。これにより、電源投入の際に仮に遊技制御装置100が先に立ち上がって従制御手段が立ち上がる前にコマンドを従制御手段へ送ってしまい、従制御手段がコマンドを取りこぼすのを回避することができる。すなわち、遊技制御装置100が、電源投入時において、主制御手段の起動を遅らせて従制御手段の起動を待つための所定の待機時間を設定する待機手段をなす。
また、電源投入ディレイタイマの計時は、RAM領域が保持するデータの正当性判定(チェックサム算出)の対象とならない記憶領域(正当性判定対象外のRAM領域またはレジスタ等)を用いておこなわれる。これにより、RAM領域のチェックサム等のチェックデータを算出する際に、一部のRAM領域を除外して算出する必要がないため電源投入時の制御が複雑になることを防止することができる。
なお、第2レジスタ(Cレジスタ)には、RAM初期化スイッチ112の検出信号が保存されるようになっているが、待機時間の開始前までに保存されることで、RAM初期化スイッチ112の操作を確実に保存できる。すなわち、待機時間の経過後にRAM初期化スイッチ112の状態を読み込むようにすると、待機時間の経過を待ってからRAM初期化スイッチ112を操作したり、電源投入から待機時間の経過までRAM初期化スイッチ112を操作し続けたりする必要がある。しかし、待機時間の開始前に状態を読み込むことで、このような煩わしい操作をおこなわなくても電源投入後すぐに操作をおこなうことで検出されるようになり、電源投入時におこなった初期化の操作が受け付けられないような事態を防止できる。
また、第2レジスタ(Cレジスタ)には、設定キースイッチ127の検出信号が保存されるようになっているが、待機時間の開始前までに保存されることで、設定キースイッチ127の操作を確実に検出できる。すなわち、待機時間の経過後に設定キースイッチ127の状態を読み込むようにすると、待機時間の経過を待ってから設定キースイッチ127を操作したり、電源投入から待機時間の経過まで設定キースイッチ127を操作し続けたりする必要がある。しかし、待機時間の開始前に状態を読み込むことで、このような煩わしい操作をおこなわなくても電源投入後すぐに操作をおこなうことで検出されるようになり、電源投入時におこなった設定変更操作あるいは設定確認操作が受け付けられないような事態を防止できる。
次に、電源投入ディレイタイマ(たとえば、約3秒)を設定する処理(ステップS11)をおこなった後、待機時間の計時と、待機時間中における停電の発生を監視する処理(ステップS12からS16)をおこなう。まず、電源装置400から入力されている停電監視信号をポートおよびデータバスを介して読み込んでチェックする回数(たとえば2回)を設定し(ステップS12)、停電監視信号がオンであるか否かの判定をおこなう(ステップS13)。
停電監視信号がオンである場合(ステップS13;Y)は、ステップS12で設定したチェック回数分停電監視信号のオン状態が継続しているか否かを判定する(ステップS14)。そして、チェック回数分停電監視信号のオン状態が継続していない場合(ステップS14;N)は、停電監視信号がオンであるか否かの判定(ステップS13)に戻される。また、チェック回数分停電監視信号のオン状態が継続している場合(ステップS14;Y)、すなわち、停電が発生していると判定した場合は、遊技機10の電源が遮断されるのを待つ。このように、所定期間にわたり停電監視信号を受信し続けた場合に停電が発生したと判定することで、ノイズ等により停電を誤検知することを防止でき、電源投入時における不具合に適切に対処することができる。
すなわち、遊技制御装置100が、所定の待機時間において停電の発生を監視する停電監視手段をなす。これにより、主制御手段をなす遊技制御装置100の起動を遅らせている期間において発生した停電に対応することが可能となり、電源投入時における不具合に適切に対処することができる。なお、待機時間の終了まではRAM111Cへのアクセスが許可されておらず、前回の電源遮断時の記憶内容が保持されたままとなっているため、ここでの停電発生時にはバックアップの処理等はおこなう必要がない。このため、待機時間中に停電が発生してもRAM111Cのバックアップを取る必要がなく、制御の負担を軽減することができる。
一方、停電監視信号がオンでない場合(ステップS13;N)、すなわち、停電が発生していない場合には、電源投入ディレイタイマを「−1」更新し(ステップS15)、タイマの値が「0」であるか否かを判定する(ステップS16)。タイマの値が0でない場合(ステップS16;N)、すなわち、待機時間が終了していない場合は、停電監視信号のチェック回数を設定する処理(ステップS12)に戻される。また、タイマの値が「0」である場合(ステップS16;Y)、すなわち、待機時間が終了した場合、RAM111CやEEPROM等の読出し書込み可能なRWM(Read Write Memory)のアクセス許可をし(ステップS17)、全出力ポートにオフデータを出力(出力がない状態に設定)する(ステップS18)。
次に、シリアルポート(遊技用マイコン111にあらかじめ搭載されているポートで、演出制御装置300や払出制御装置200との通信に使用)を設定する(ステップS19)。
ステップS20では、遊技用マイコン111(クロックジェネレータ)内のタイマ割込み信号および乱数更新トリガ信号(CTC)を発生するCTC回路を起動する処理をおこなう。
ステップS21では、RAM異常フラグをセットする処理をおこなう。なお、RAM異常フラグのセットは、暫定的なものであって後で実行されるRAMの異常を検査する処理において更新され得る。
ステップS22では、RWM内の停電検査領域1の値が正常な停電検査領域チェックデータ1(たとえば5Ah)であるか否かを判定する。停電検査領域1の値が正常であれば(ステップS22;Y)、RWM内の停電検査領域2の値が正常な停電検査領域チェックデータ2(たとえばA5h)であるか否かを判定し(ステップS23)、停電検査領域2の値が正常であれば(ステップS23;Y)、RWM内の所定領域のチェックサムを算出するチェックサム算出処理(ステップS24)をおこなう。
なお、チェックサム算出処理では、遊技制御用ワーク領域のデータと状態表示用ワーク領域のデータを合算したものをチェックサムとして算出してもよいし、遊技制御用ワーク領域のデータと状態表示用ワーク領域のデータからそれぞれ別々にチェックサムを算出してもよいし、遊技制御用ワーク領域のデータだけからチェックサムを算出してもよい。遊技制御用ワーク領域とは、RWM内の記憶領域のうち遊技制御用に使用される作業領域である。状態表示用ワーク領域とは、RWM内の記憶領域のうち状態表示用に使用される作業領域である。
次に、ステップS24で算出したチェックサムと電源断時のチェックサムが一致するか否かを判定(ステップS25)し、チェックサムが一致する(正常である)と判定された場合(ステップS25;Y)は、ステップS21で暫定的にセットしたRAM異常フラグをクリアする(ステップS26)。
なお、チェックサムが一致しない(正常でない)と判定された場合(ステップS25;N)は、ステップS26をパスしてステップS27へ移行することで、ステップS21で暫定的にセットしたRAM異常フラグが確定的になる。停電検査領域のチェックデータが正常なデータでない(ステップS22;NまたはステップS23;N)と判定された場合も、ステップS26をパスしてステップS27へ移行することで、ステップS21で暫定的にセットしたRAM異常フラグが確定的になる。
ステップS27では、第2レジスタ(Cレジスタ)を参照して、設定キースイッチ127の検出信号がオンかつRAM初期化スイッチ112の検出信号がオンであるか否かを判定する。設定キースイッチ127の検出信号がオンかつRAM初期化スイッチ112の検出信号がオンである場合には、ステップS33に進み、設定キースイッチ127の検出信号がオンかつRAM初期化スイッチ112の検出信号がオンでない場合には、ステップS28に進む。
なお、遊技制御装置100は、設定キースイッチ127の検出信号とRAM初期化スイッチ112の検出信号とを第2レジスタ(Cレジスタ)に保持しているため、設定キースイッチ127の検出信号とRAM初期化スイッチ112の検出信号とを同時に判定することができる。また、遊技制御装置100は、設定キースイッチ127の検出信号とRAM初期化スイッチ112の検出信号とを第2レジスタ(Cレジスタ)に保持しているため、RAMの正当性判定をおこなう以前の設定キースイッチ127の検出信号とRAM初期化スイッチ112の検出信号とを判定対象にすることができる。
ステップS28では、制御部は、RAM異常フラグがオンか否かを判定する。制御部は、RAM異常フラグがオンである場合(すなわち、RAM異常フラグがセットされている場合)にステップS30に進み、RAM異常フラグがオンでない場合(すなわち、RAM異常フラグがクリアされている場合)にステップS29に進む。
ステップS29では、制御部は、設定変更モード中フラグがオンか否かを判定する。制御部は、設定変更モード中フラグがオンである場合にステップS48に進み、設定変更モード中フラグがオンでない場合にステップS30に進む。
ステップS30からステップS32は、RAM異常時、あるいは設定中に電源遮断があったときにRAMクリアされずに再起動された時に実行される処理である。ステップS30では、制御部は、メイン異常エラー報知のコマンドを演出制御装置300に送信する。これにより、演出制御装置300は、メイン異常エラー報知のコマンドに対応する演出制御をおこなう。たとえば、演出制御装置300は、メイン異常エラー報知のコマンドを受信して、RAMクリアを伴う再起動を案内するメッセージを表示装置41に表示させたり、スピーカ19a,19bから音出力させたりする。また、演出制御装置300は、メイン異常エラー報知のコマンドを受信して、枠装飾装置18や盤装飾装置46、盤演出装置44によりメイン異常エラーを報知する。
ステップS31では、制御部は、遊技停止時の7セグ表示データを性能表示装置135に出力する。このとき、制御部は、性能表示装置135にメイン異常エラーに対応するステータスを表示することができる。また、制御部は、遊技停止時の7セグ表示データを確率設定値表示装置136に出力する。このとき、制御部は、確率設定値表示装置136に確率設定値にない数値や文字を表示することができる。なお、制御部は、遊技停止時のLED表示データを含む7セグ表示データを一括表示装置50に出力するようにしてもよい。このとき、制御部は、一括表示装置50を全消灯あるいは全点灯としてもよい。
ステップS32では、制御部は、セキュリティ信号のオンデータを外部情報端子板71から出力する。このとき、制御部は、外部情報端子板71から出力するその他の信号の出力データをオフにする。制御部は、ステップS31とステップS32とを繰り返し実行して電源遮断を待つ。すなわち、遊技機10は、電源遮断を待つまでの間、外部情報端子板71からセキュリティ信号を出力する。また、遊技機10は、電源遮断を待つまでの間、外部情報端子板71からセキュリティ信号以外の信号を出力しない。
なお、制御部は、電源遮断を待つまでのステップS31とステップS32の繰り返し実行において、RAMアクセスを禁止していない。これにより、遊技機10は、NMI(Non-Maskable Interrupt)発生時に戻りアドレスをRAMに格納可能にして、プログラム暴走の危険を低減している。このように、制御部は、電源遮断を待つまでのステップS31とステップS32の繰り返し実行中のRAMの記憶内容をRAMアクセス禁止により保護しないが、再起動時のRAMクリアが遊技制御開始の条件となるため、RAMの記憶内容が保護されない危険を限定的にしている。すなわち、遊技機10は、RAMの記憶内容が保護されない危険を限定的にして引き受けながら、プログラム暴走の危険低減効果を得る。また、制御部は、電源遮断を待つまでのステップS31とステップS32の繰り返し実行において、RAMアクセスを禁止しないことにより、ステップS31やステップS32においてサブルーチンを呼出可能にしてプログラム効率の向上を図ることができる。
ステップS33からステップS36は、設定変更準備に関する処理であり、ステップS27において、設定キースイッチ127の検出信号がオンかつRAM初期化スイッチ112の検出信号がオンである場合に実行される処理である。
ステップS33では、制御部は、RAM異常フラグがオンか否かを判定する。制御部は、RAM異常フラグがオンである場合にステップS34に進み、RAM異常フラグがオンでない場合にステップS35に進む。
ステップS34では、制御部は、RAM異常フラグがオンであることから設定値をクリアする。なお、設定値のクリアは、設定値として無効な値をセットすることによってもよいし、不正対策の観点から遊技者にとって最も不利な値をセットすることによってもよい。
ステップS35では、制御部は、設定変更モード中フラグをセットする処理をおこなう。設定変更モード中フラグは、遊技機10が設定変更中か否かを示すフラグであって、設定変更中であるときに設定変更モード中フラグがセットされ、設定変更中でないときに設定変更モード中フラグがクリア(リセット)される。
ステップS36では、制御部は、設定変更中のコマンドを演出制御装置300に送信する。これにより、演出制御装置300は、設定変更中のコマンドに対応する演出制御をおこなう。たとえば、演出制御装置300は、設定変更中のコマンドを受信して、設定変更中であることを案内するメッセージを表示装置41に表示させたり、スピーカ19a,19bから音出力させたりする。また、演出制御装置300は、設定変更中のコマンドを受信して、設定変更中であることを枠装飾装置18や盤装飾装置46、盤演出装置44により報知する。
ステップS37は、設定変更準備(ステップS33からステップS36)の後、または設定確認準備(ステップS49、ステップS50)の後に実行される処理である。ステップS37では、制御部は、セキュリティ信号制御タイマに128msを設定する。これにより、遊技機10は、少なくともセキュリティ信号制御タイマがタイムアップされるまでの間、セキュリティ信号を出力する。
ステップS38からステップS40は、設定変更終了待ち、あるいは設定確認終了待ちに関する処理である。遊技機10は、ステップS37でセキュリティ信号を出力セットしていることにより設定変更終了待ち、あるいは設定確認終了待ちに関する処理の実行を外部から把握可能にしている。
制御部は、割込みを許可(ステップS38)した後、第2レジスタ(Cレジスタ)を参照して、設定キースイッチ127の検出信号がオフであるか否かを判定する(ステップS39)。制御部は、設定キースイッチ127の検出信号がオフである場合にステップS55に進み、設定キースイッチ127の検出信号がオフでない場合にステップS40に進む。
ステップS40では、制御部は、停電が発生したか否かを判定する。なお、制御部は、停電監視信号の所定時間の継続検出により、停電発生を判定することができる。制御部は、停電が発生した場合にステップS41に進み、停電が発生していない場合にステップS39に進む。すなわち、制御部は、ステップS38で割込みを許可した状態で、停電発生までの間、設定キーのオフを待ち受ける。
制御部は、停電が発生していると判定した場合、割込みを禁止する処理(ステップS41)、全出力ポートにオフデータを出力する処理(ステップS42)をおこなう。
その後、停電検査領域1に停電検査領域チェックデータ1をセーブし(ステップS43)、停電検査領域2に停電検査領域チェックデータ2をセーブする(ステップS44)。さらに、RWMの電源遮断時のチェックサムを算出するチェックサム算出処理(ステップS45)、算出したチェックサムをチェックサム領域にセーブする処理(ステップS46)をおこなった後、RAMへのアクセスを禁止する処理(ステップS47)をおこなってから、遊技機の電源が遮断されるのを待つ。このように、停電検査領域にチェックデータをセーブするとともに、電源遮断時のチェックサムを算出することで、電源の遮断の前にRWMに記憶されていた情報が正しくバックアップされているか否かを電源再投入時に判定することができる。
ステップS48は、ステップS29で設定変更モード中フラグがオンであると判定された場合に実行される。ステップS48では、制御部は、第2レジスタ(Cレジスタ)を参照して、設定キースイッチ127の検出信号がオンであるか否かを判定する。制御部は、設定キースイッチ127の検出信号がオンである場合にステップS49に進み、設定キースイッチ127の検出信号がオンでない場合にステップS51に進む。
ステップS49、ステップS50は、設定確認準備に関する処理である。ステップS49では、制御部は、設定確認モード中フラグをセットする処理をおこなう。設定確認モード中フラグは、遊技機10が設定確認中か否かを示すフラグであって、設定確認中であるときに設定確認モード中フラグがセットされ、設定確認中でないときに設定確認モード中フラグがクリア(リセット)される。ステップS50では、制御部は、設定確認中のコマンドを演出制御装置300に送信する。これにより、演出制御装置300は、設定確認中のコマンドに対応する演出制御をおこなう。たとえば、演出制御装置300は、設定確認中のコマンドを受信して、設定確認中であることを案内するメッセージを表示装置41に表示させたり、スピーカ19a,19bから音出力させたりする。また、演出制御装置300は、設定確認中のコマンドを受信して、枠装飾装置18や盤装飾装置46、盤演出装置44により設定確認中であることを報知する。この後、制御部は、ステップS37に進む。
一方、制御部は、ステップS48において設定キースイッチ127の検出信号がオンでないと判定した場合に、ステップS51を実行する。ステップS51では、制御部は、第2レジスタ(Cレジスタ)を参照して、RAM初期化スイッチ112の検出信号がオンであるか否かを判定する。制御部は、RAM初期化スイッチ112の検出信号がオンである場合にステップS52に進み、RAM初期化スイッチ112の検出信号がオンでない場合にステップS58に進む。すなわち、遊技機10は、RAM初期化スイッチ112の押下操作を伴う起動検出によりRAM初期化(RAMクリア)に関する処理の実行に進み、RAM初期化スイッチ112の押下操作を伴わない起動検出により停電復旧に関する処理の実行に進む。
次に、ステップS52以降でおこなうRAM初期化に関する処理について説明する。RAM初期化に関する処理では、制御部は、設定値以外のRAM領域を0クリア(ゼロクリア)し(ステップS52)、初期化すべき領域にRAM初期化時の初期値をセーブする(ステップS53)。たとえば、制御部は、RAMクリア時の先頭アドレスとしてRAMクリア先頭アドレス2を設定し、RWM(たとえばRAM111C)の記憶領域(アクセス禁止領域を含まない領域)のうちのクリア対象領域(遊技制御用ワーク領域)のデータをゼロクリアする。
なお、設定変更モード中フラグ、および設定確認モード中フラグは、クリア対象領域のデータに含まれることから、クリア対象領域のデータのゼロクリアによってクリアされる。
ステップS54では、制御部は、RAM初期化時のコマンドを演出制御装置300に送信する。これにより、演出制御装置300は、RAM初期化時のコマンドに対応する演出制御をおこなう。たとえば、演出制御装置300は、RAM初期化時のコマンドを受信して、RAMが初期化されたことを案内するメッセージを表示装置41に表示させたり、スピーカ19a,19bから音出力させたりする。また、演出制御装置300は、RAM初期化のコマンドを受信して、RAMが初期化されたことを枠装飾装置18や盤装飾装置46、盤演出装置44により報知する。
また、制御部は、設定変更終了待ち、あるいは設定確認終了待ちに関する処理(ステップS38からステップS40)の実行後に、設定キースイッチ127の検出信号がオフであることを検出した場合に、ステップS55を実行する。制御部は、割込みを禁止(ステップS55)した後、報知終了のコマンドを演出制御装置300に送信する(ステップS56)。
これにより、演出制御装置300は、設定変更中のコマンドの受信により開始した設定変更中であることの報知、あるいは設定確認中のコマンドの受信により開始した設定確認中であることの報知を終了する。
次に、制御部は、設定変更モード中フラグを参照して、設定変更モード中であるか否かを判定する(ステップS57)。制御部は、設定変更モード中である場合にステップS52に進み、RAM初期化に関する処理を実行する。一方、制御部は、設定変更モード中でない場合にステップS58に進み、停電復旧に関する処理を実行する。
ステップS58では、制御部は、停電復旧処理を実行する。停電復旧処理は、初期化すべき領域に停電復旧時の初期値をセーブし、特図ステータスを参照して特図ゲームが高確率中であるか否かを判定し、特図ゲームが高確率中である場合に高確率報知フラグ領域にオン情報をセーブし、高確率報知LEDのオンデータをセグメント領域にセーブする処理を含む。
なお、停電復旧処理における初期化すべき領域とは、停電検査領域、チェックサム領域、設定変更モード中フラグ、設定確認モード中フラグ、およびエラー不正監視に係る領域である。なお、停電復旧処理では、払出制御装置200がコマンドを受付可能な状態か否かを示す信号である払出ビジー信号の状態を記憶するビジー信号ステータス領域もクリアされ、払出ビジー信号の状態を確定していないことを示す不定状態とされる。同様にタッチスイッチ信号の状態を記憶するタッチスイッチ信号状態監視領域もクリアされ、タッチスイッチ信号の状態を確定していないことを示す不定状態とされる。
次に、制御部は、特図ゲーム処理番号に対応する停電復旧時のコマンドを演出制御基板(演出制御装置300)へ送信し(ステップS59)、ステップS60へ進む。なお、ステップS59では、機種指定コマンド、特図1保留数コマンド、特図2保留数コマンド、確率情報コマンド、確率設定値情報コマンド、画面指定のコマンド等の複数のコマンドを送信する。また、機種によっては、これらのコマンドに加えて、演出回数情報や高確率回数情報を送信する。なお、画面指定のコマンドとは、特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームの制御状態がいずれも普段処理中(変動中、大当り中(第1特別遊技状態)、小当り中(第2特別遊技状態)のうちの何れでもない状態)である場合には、客待ちデモ画面の表示を指令するコマンドであり、それ以外である場合には復旧画面の表示を指令するコマンドである。
ステップS60では、制御部は、乱数生成回路を起動設定する処理をおこなう。その後、電源投入時の乱数生成回路内の所定のレジスタ(ソフト乱数レジスタ1〜n)の値を抽出し、対応する各種初期値乱数(大当り図柄初期値乱数、小当り図柄初期値乱数、当り初期値乱数、当り図柄初期値乱数)の初期値(スタート値)としてRWMの所定領域にセーブしてから(ステップS61)、割込みを許可する(ステップS62)。
続いて、制御部は、各種初期値乱数の値を更新して乱数の規則性を崩すための初期値乱数更新処理(ステップS63)をおこなう。この初期値乱数更新処理は、各初期値乱数をたとえばそれぞれ「+1」更新(インクリメント)する処理である。このように、遊技機10は、メイン処理の中で時間が許す限り初期値乱数を更新し続けることによって、乱数のランダム性を高めることができるようにしている。
ここで、制御部は、一旦、割込みを禁止(ステップS64)して、性能表示編集処理を実行(ステップS65)し、性能表示編集処理の実行後に、割込みを許可する(ステップS66)。性能表示編集処理は、ベースの算出と表示に関する処理である。制御部は、性能表示編集処理の処理負荷が比較的高いため、割込みを禁止してより速やかな処理結果導出を図っている。これにより、遊技機10は、タイマ割込みにより遊技状態が更新されるまでに、性能表示編集処理の処理結果導出を担保する。
ステップS67では、制御部は、停電が発生したか否かを判定する。なお、制御部は、停電監視信号の所定時間の継続検出により、停電発生を判定することができる。制御部は、停電が発生した場合にステップS41に進み、停電が発生していない場合にステップS63に進む。
すなわち、制御部は、停電が発生しない限り、ステップS63からステップS67までの処理を繰り返し実行する。詳しくは、制御部は、停電が発生していない場合には、初期値乱数更新処理と性能表示編集処理と停電監視信号のチェック(ループ処理)を繰り返しおこなう。
そして、初期値乱数更新処理(ステップS63)の前に割込みを許可する(ステップS66)ことによって、初期値乱数更新処理中にタイマ割込みが発生すると割込み処理が優先して実行されるようになり、タイマ割込みが初期値乱数更新処理によって待たされることで割込み処理が圧迫されるのを回避することができる。
同様に、性能表示編集処理(ステップS65)の前に割込みを禁止する(ステップS64)ことによって、タイマ割込みに優先して性能表示編集処理が実行されるようになり、性能表示編集処理が圧迫されるのを回避することができる。
以上のことから、遊技を統括的に制御する主制御手段(遊技制御装置100)と、該主制御手段からの指示にしたがい種々の制御をおこなう従制御手段(払出制御装置200、演出制御装置300等)と、を備える遊技機において、主制御手段は、電源投入時において、当該主制御手段の起動を遅らせて従制御手段の起動を待つための所定の待機時間を設定する待機手段(遊技制御装置100)と、当該所定の待機時間において停電の発生を監視する停電監視手段(遊技制御装置100)と、を備えていることとなる。
また、各種装置に電力を供給する電源装置400を備え、当該電源装置400は、停電の発生を検出した際に停電監視信号を出力するように構成され、停電監視手段(遊技制御装置100)は、所定期間にわたり停電監視信号を受信し続けた場合に停電が発生したと判定するようにしていることとなる。
また、主制御手段(遊技制御装置100)は、データを記憶可能なRAM111Cと、外部からの操作が可能な初期化操作部(RAM初期化スイッチ112)と、初期化操作部が操作されたことにもとづきRAM111Cに記憶されたデータを初期化する初期化手段(遊技制御装置100)と、を備え、当該初期化操作部の操作状態を待機時間の開始前に読み込むようにしていることとなる。
なお、遊技制御装置100は、データ異常時の初期化の処理(第1初期化処理)と、初期化操作時の初期化の処理(第2初期化処理)とを区別して実行する機能(第1初期化手段、第2初期化手段)を有するため、状況に応じた最適かつ無駄のない初期化の処理が実現できる。
また、主制御手段(遊技制御装置100)は、データを記憶可能なRAM111Cと、外部からの操作が可能な設定操作部(設定値変更スイッチ126、設定キースイッチ127)と、設定操作部が操作されたことにもとづきRAM111Cに記憶された設定値を変更する設定変更手段(遊技制御装置100)とを備えることで設定変更を可能にするとともに、設定表示部(確率設定値表示装置136)を備えることで設定(設定値)を確認可能にしている。また、主制御手段(遊技制御装置100)は、待機時間の経過後にRAM111Cへのアクセスを許可するようにしていることとなる。
また、主制御手段(遊技制御装置100)は、RAM(RAM111C)へのアクセスを禁止(ステップS47)してすべての処理の実行停止を待機する停電発生時待機処理(ステップS47の後のループ)と、RAM(RAM111C)へのアクセスを許可(ステップS17)しながらすべての処理の実行停止を待機するRAM異常時待機処理(ステップS31、ステップS32のループ)と、を実行可能にしている。
ここで、停電発生時待機処理とRAM異常時待機処理について説明する。停電発生時待機処理は、メイン処理のステップS47でRAMへのアクセスを禁止された後に実行されて、すべての処理の実行停止を待機するループ処理である。また、停電発生時待機処理は、メイン処理のステップS41で割込みを禁止された後に実行されることから、NMI割込みでない割込み(タイマ割込み)が禁止される。なお、停電発生時待機処理は、NMI割込みについて割込みを禁止することができないことからNMI割込みが発生し得る。ただし、停電発生時待機処理は、停電発生時に実行される処理であることから、当該処理の実行中にNMI割込みが発生する危険が小さい。また、停電発生時待機処理は、異常報知を伴わない待機処理である。これにより、遊技機10は、電源遮断までの電力を停電処理に振り向けることができる。なお、遊技機10は、停電発生時待機処理にRAMへのアクセスを禁止することで、不安定な電圧によりRAMの記憶内容が変化する危険を低減している。
RAM異常時待機処理は、メイン処理のステップS17でRAM(RWM)へのアクセスを許可された後に実行されて、すべての処理の実行停止を待機するループ処理である。また、RAM異常時待機処理は、メイン処理のステップS1で割込みを禁止された後に実行されることから、NMI割込みでない割込み(タイマ割込み)が禁止される。なお、停電発生時待機処理は、NMI割込みについて割込みを禁止することができないことからNMI割込みが発生し得る。RAM異常時待機処理は、電源遮断を待つ処理であることから、当該処理の実行中にNMI割込みが発生する危険が停電発生時待機処理よりも大きい。しかしながら、RAM異常時待機処理は、NMI割込みが発生してもRAMへのアクセスが許可されていることから戻りアドレスをRAMに格納可能であって、NMI割込み発生によるプログラム暴走の危険が小さい。また、遊技機10は、ステップS30においてメイン異常エラー報知のコマンドを演出制御装置300に送信することから、RAM異常時待機処理の実行中に、演出制御装置300による異常報知を並行しておこなうことができる。これにより、遊技機10は、速やかな再起動が期待できる。
〔タイマ割込み処理〕
次に、遊技制御装置100のタイマ割込み処理について図11を用いて説明する。図11は、第1の実施形態のタイマ割込み処理のフローチャートを示す図である。このタイマ割込み処理は、上述のメイン処理において、割込み許可が出てから割込みが禁止されるまでの間(ステップS38からステップS41まで、ステップS38からステップS55まで、ステップS66からステップS64まで、ステップS66からステップS41まで)に生じる割込み処理である。タイマ割込み処理は、CPU111Aが実行する処理である。
タイマ割込み処理は、クロックジェネレータ内のCTC回路で生成される周期的なタイマ割込み信号がCPU111Aに入力されることで開始される。遊技用マイコン111において、タイマ割込みが発生すると、自動的に割込み禁止状態になって、タイマ割込み処理が開始される。
タイマ割込み処理が開始されると、まず、レジスタバンク1を指定する(ステップS71)。レジスタバンク1に切り替えたことで、所定のレジスタ(たとえば、メイン処理で使っているレジスタ)に保持されている値をRWMに移すレジスタ退避の処理をおこなったのと同等になる。次に、所定のレジスタ(たとえばDレジスタ)にRAM先頭アドレスの上位アドレスをセットする(ステップS72)。ステップS72では、メイン処理におけるステップS4と同じ処理をおこなっているが、レジスタバンクが異なる。
次に、各種センサやスイッチからの入力や、信号の取り込み、すなわち、各入力ポートの状態を読み込む入力処理(ステップS73)をおこなう。ステップS74では、制御部は、設定変更モード中フラグと設定確認モード中フラグとを参照し、設定変更モード中または設定確認モード中であるか否かを判定する。制御部は、設定変更モード中または設定確認モード中である場合にステップS75に進み、設定変更/確認処理を実行し、タイマ割込み処理を終了する。一方、制御部は、設定変更モード中または設定確認モード中のいずれでもない場合にステップS76に進む。
ステップS76では、制御部は、各種処理でセットされた出力データにもとづき、ソレノイド(大入賞口ソレノイド38b、普電ソレノイド37c)等のアクチュエータの駆動制御等をおこなうための出力処理を実行する。
なお、メイン処理におけるステップS5で発射停止の信号を出力すると、この出力処理がおこなわれることで発射許可の信号が出力され、発射許可信号を許可状態に設定可能な状態とされる。この発射許可信号は、払出制御装置を経由して発射制御装置に出力される。その際、信号の加工等はおこなわれない。また、当該発射許可信号は、遊技制御装置100から見た発射許可の状態を示す第1の信号であり、払出制御装置200から見た発射許可の状態を示す第2の信号(発射許可信号)も払出制御装置200内で生成され、発射制御装置に出力される。つまり、2つの発射許可信号が発射制御装置に出力されており、両者がともに発射許可となっている場合に、遊技球が発射可能な状態となるよう構成されている。
次に、制御部は、各種処理で送信バッファにセットされたコマンドを払出制御装置200に出力する払出コマンド送信処理(ステップS77)、乱数更新処理1(ステップS78)、乱数更新処理2(ステップS79)を実行する。ここで、乱数更新処理1は、初期値乱数更新処理の対象となっている大当り図柄乱数、小当り図柄乱数、当り乱数、当り図柄乱数の初期値(スタート値)を更新するための処理である。また、乱数更新処理2は、特図1,特図2の変動表示ゲームにおける変動パターンを決定するための変動パターン乱数を更新する処理である。なお、乱数更新処理1、あるいは乱数更新処理1に加えて乱数更新処理2は、設定変更中の乱数更新の停止や更新周期の変更をおこなうようにしてもよい。
次に、制御部は、始動口1スイッチ36a、始動口2スイッチ37a、普図のゲートスイッチ34a、入賞口スイッチ35a、大入賞口スイッチ38a、特定領域スイッチ38eから正常な信号の入力があるか否かの監視や、エラーの監視(前面枠やガラス枠が開放されていないか等)をおこなう入賞口スイッチ/状態監視処理(ステップS80)をおこなう。また、始動口1スイッチ36aおよび始動口2スイッチ37aの入賞を監視する始動口スイッチ監視処理(ステップS81)をおこなう。なお、始動口スイッチ監視処理では、第1始動入賞口をなす始動入賞口36、または第2始動入賞口をなす普通変動入賞装置37に遊技球の入賞があると、各種乱数(大当り乱数等)の抽出をおこない、特図変動表示ゲームの開始前の段階で当該入賞にもとづく遊技結果を事前に判定する遊技結果事前判定をおこなう。
次に、制御部は、特図1変動表示ゲームに関する処理をおこなう特図1ゲーム処理(ステップS82)、特図2変動表示ゲームに関する処理をおこなう特図2ゲーム処理(ステップS83)、普図変動表示ゲームに関する処理をおこなう普図ゲーム処理(ステップS84)を実行する。
次に、遊技機10に設けられ、特図変動表示ゲームの表示や遊技に関する各種情報を表示するセグメントLED(たとえば、一括表示装置50の特図1図柄表示部53等のLED)を所望の内容を表示するように駆動するセグメントLED編集処理(ステップS85)、磁気センサ61からの検出信号をチェックして異常がないか判定する処理をおこなう磁石不正監視処理(ステップS86)、盤電波センサ62からの検出信号をチェックして異常がないか判定する処理をおこなう盤電波不正監視処理(ステップS87)をおこなう。それから、外部の各種装置に出力する信号を出力バッファにセットする外部情報編集処理(ステップS88)、性能表示装置制御処理(ステップS89)をおこなって、タイマ割込み処理を終了する。
ここで、第1の実施形態では、割込み禁止状態を復元する処理(すなわち、割込みを許可する処理)や、レジスタバンクの指定を復元する処理(すなわち、レジスタバンク0を指定する処理)は、割込みリターンの際(タイマ割込み処理の終了時)に自動的におこなわれる。なお、使用するCPUによっては、割込み禁止状態を復元する処理やレジスタバンクの指定を復元する処理の実行を命令する必要がある遊技機もある。
〔メイン処理〕
次に、演出制御装置300のメイン処理を図12を用いて説明する。図12は、第1の実施形態の演出制御装置におけるメイン処理のフローチャートを示す図である。
メイン処理は、パチンコ機1の電源供給が開始された時点で演出制御装置300の制御部(CPU311)によって実行される処理である。
[ステップD11]制御部は、割込みを禁止する。
[ステップD12]制御部は、CPU311の初期設定をおこなう。
[ステップD13]制御部は、VDP312の初期設定をおこなう。
[ステップD14]制御部は、割込みを許可する。
[ステップD15]制御部は、表示用データ生成を許可する。すなわち、制御部は、VDP312内の表示回路(図示省略)がVDP312内のVRAM(図示省略)へアクセスをおこない、表示データを生成することを許可する。
[ステップD16]制御部は、乱数シードを設定する。これは、たとえばsrand関数を用いて擬似乱数の発生系列を設定する処理である。ここで、制御部は、srand関数に与える引数として0(ゼロ)等の固定値を使用してもよいし、遊技機ごとに異なるようにCPU等のID値等を基に作成した値を使用してもよい。
[ステップD17]制御部は、演出制御装置300のRWM(たとえばRAM322)における初期化すべき領域(たとえば、演出用フラグ領域(当該演出制御装置300の制御処理において後述する各種のフラグとして使う記憶領域))に電源投入時の初期値をセーブする。
[ステップD18]制御部は、WDT(ウォッチドッグ・タイマ)をクリアする。
[ステップD19]制御部は、演出ボタン入力処理を実行する。演出ボタン入力処理は、演出ボタン25(演出ボタンスイッチ25a)が有効時に操作された場合の編集をおこなう処理である。なお、演出ボタンは高速でオンオフしないので、制御部は、演出ボタンの入力を感知する処理を演出ボタン入力処理内でおこなってもよいし、図示していない短周期のタイマ割込み内でおこなってもよい。
[ステップD20]制御部は、ホール・遊技者設定モード処理を実行する。ホール・遊技者設定モード処理は、LEDや表示装置41の輝度、音量等の変更可能範囲の設定や、遊技者によるLEDや表示装置41の輝度、音量の変更等の操作を受け付ける処理である。
[ステップD21]制御部は、乱数更新処理を実行する。乱数更新処理は、たとえばrand関数を用いてメイン処理の制御周期ごとに少なくとも1回の擬似乱数の更新をおこなう処理である。rand関数は、再計算がおこなわれる度に指定の生成系列にもとづいて乱数を生成するので、制御部は、rand関数を実行するだけで乱数を得ることができる。なお、主基板(遊技制御装置100)のように「1」ずつインクリメントするカウンタを乱数として用いてもよい。
[ステップD22]制御部は、受信コマンドチェック処理を実行する。受信コマンドチェック処理は、遊技制御装置100から受信したコマンドを所定数単位で解析する処理である。
[ステップD23]制御部は、演出表示編集処理を実行する。演出表示編集処理は、VDP312に表示装置41での描画内容を指示するための各種コマンドとそのパラメータの設定をおこなう処理である。たとえば、制御部は、演出表示編集処理においてコマンドをテーブル状に設定する。
[ステップD24]制御部は、描画コマンド準備終了設定を実行する。描画コマンド準備終了設定は、演出表示編集処理で設定されるVDP312へのすべてのコマンドの準備が終了したことを設定する処理である。
[ステップD25]制御部は、フレーム切替タイミングであるか否かを判定し、フレーム切替タイミングであればステップD26に進み、フレーム切替タイミングでなければフレーム切替タイミングを待つ。ここで、フレーム切替タイミングは、Vブランク割込み(Vシンク割込みともいう)の周期(たとえば1/60秒)を基に作成された処理周期(たとえば1/30秒≒33.333ms)に相当する時間的間隔で到来するタイミングである。なお、Vブランク割込みは、VDP312によって描画のための画面全体の1回の走査が終了する度に発生する。このVブランク割込みの発生周期は、前述したように、たとえば1/60秒である。本実施例の場合、同じ描画が2回繰り返されてVブランク割込みが2回発生するとフレーム切替がおこなわれ、フレーム切替タイミングの周期は、Vブランク割込みの周期(たとえば1/60秒)の2倍(たとえば1/30秒≒33.33ms)になる。但し、この態様に限られず、フレーム切替タイミングは適宜任意に変更可能であり、たとえば、1/30秒以上の周期でフレーム切替(画像の更新)をおこなってもよいし、1/30秒未満の周期でフレーム切替をおこなってもよい。
フレーム切替タイミングの判定処理によって、これより後の処理(ステップD26乃至ステップD30、およびその後のステップD18乃至ステップD24)は、このフレーム切替タイミングで上記処理周期ごとに実行される。なお、演出内容と同期する必要のある時間管理は、このフレーム単位(即ち、上記処理周期単位)でおこなわれる。上記処理周期が、1/30秒の場合、たとえば3フレームでは100msになる。このことは、主基板(遊技制御装置)がタイマ割込み周期の4ms単位で時間値管理しているのと同様である。
[ステップD26]制御部は、ステップD23で設定したコマンドにしたがいVDP312に画面描画を指示する。たとえば、制御部は、テーブル状に設定したコマンドを順次送信して、VDP312に画面描画を指示する。
[ステップD27]制御部は、サウンド制御処理を実行する。サウンド制御処理は、スピーカ(上スピーカ19a、下スピーカ19b)からの音声の音量制御に関する処理である。
[ステップD28]制御部は、装飾制御処理を実行する。装飾制御処理は、盤装飾装置46や枠装飾装置18等の各種LED等を制御する処理である。
[ステップD29]制御部は、可動体制御処理を実行する。可動体制御処理は、各種モータやSOL(ソレノイド)を含む可動体(たとえば、盤演出装置44)を制御する処理である。
[ステップD30]制御部は、発射情報制御処理を実行する。発射情報制御処理は、発射状態フラグにもとづいて、発射関連情報を設定するとともに、特図回転状態(所定金額分(即ち所定貸球数分)の遊技あたりの特図変動回数)に応じた演出のモード補正をおこなう処理である。
[ステップD31]制御部は、情報開示処理を実行する。情報開示処理は、遊技者に対して遊技性能に関する性能情報を開示する処理である。
制御部は、ステップD31を実行した後にステップD18に戻り、以降、ステップD18乃至ステップD31の処理を繰り返し実行する。即ち、ステップD18乃至ステップD31は、演出制御装置300の起動後に上記処理周期で繰り返し実行されるループ処理(場合によりメインループ処理という)を構成している。
なお、制御部は、画面の演出に合わせるためメインループ処理内でステップD27乃至ステップD29の処理を実行しているが、これら制御処理で生成または設定された信号やデータ(特に各種LEDやモータを駆動制御する信号等)を実際にポートに出力する処理は、図示していない短周期のタイマ割込み内でおこなわれる。ただし、各種デバイスの制御に特化したICを使用している場合は、シリアル通信等で指示するだけで、タイマ割込みで信号等の出力をおこなわない場合もある。
次に、遊技機10の遊技中に演出制御装置300が実行する表示について図13を用いて説明する。図13は、第1の実施形態の遊技中の表示画面の一例を示す図(その1)である。ここで表示画面(単に「画面」という場合もある)とは、表示装置41の表示領域に表示される一つまたは複数の画像からなる画面であり、原則的に表示内容が異なるごとに異なる符号を付している。
図13(1)に示す表示画面500は、図柄停止中の表示画面であり、変動表示ゲームにおける変動表示終了後(次の変動表示ゲーム開始前)に変動表示ゲームの結果態様である図柄を所定期間停止表示するものである。表示画面500は、大図柄群501と、小図柄群502と、特図1保留数表示503と、特図2保留数表示504と、保留表示505と、保留消化表示506とを表示する。
大図柄群501は、興趣向上を目的として遊技演出を担当する。そのため、大図柄群501は、表示装置41の略中央部に変動表示領域を設定して大きく表示される。大図柄群501は、左図柄と中図柄と右図柄とを含む。
表示画面500では、左図柄は、図柄が「3」で停止していることを示し、中図柄は、図柄が「5」で停止していることを示し、右図柄は、図柄が「7」で停止していることを示す。すなわち、表示画面500では大図柄群501は、特図変動表示ゲームが停止状態(図柄停止中)であることを示す。
小図柄群502は、遊技者の遊技状態把握の容易性向上を目的として変動表示状態の報知を担当する。そのため、小図柄群502は、大図柄群501による表示演出を邪魔せず視認性を確保するように表示装置41の周縁部に小さく表示される。小図柄群502は、左図柄と中図柄と右図柄とを含む。表示画面500では、小図柄群502を構成する左図柄と中図柄と右図柄は、いずれも対応する特図変動表示ゲームが停止状態であることを示す。
一般に、大図柄群501は、小図柄群502と比較して大きく表示され、表示位置の自由度が高く、またその表示態様が大きく変化可能である。反対に、小図柄群502は、大図柄群501と比較して、小さく表示され、表示位置の自由度が低い(たとえば位置固定)。
特図1保留数表示503は、特図1ゲームの保留記憶数を表示する。表示画面500では、特図1保留数表示503は、特図1ゲームの保留記憶数が「3」であることを示す。特図2保留数表示504は、特図2ゲームの保留記憶数を表示する。表示画面500では、特図2保留数表示504は、特図2ゲームの保留記憶数が「0」であることを示す。
保留表示505は、現在の遊技状態(たとえば、通常遊技状態)に対応して特図1ゲームの保留数に対応する数の保留アイコン507が表示される様子を示す。保留アイコン507は、たとえば、球形状であり、保留アイコン507もまたアニメーション(たとえば、変形、色変化、上下動等)により動きを伴った表示を演出可能である。また、保留消化表示506は、特図ゲームの保留消化に対応する保留消化アイコン508が表示される様子を示す。保留消化アイコン508は、たとえば、球形状であり、保留消化アイコン508もまたアニメーション(たとえば、変形、色変化、上下動等)により動きを伴った表示を演出可能である。
たとえば、表示画面500に示すように特図1保留数表示503が「3」を表示し、特図2保留数表示504が「0」を表示するとき、保留表示505は、3つの保留記憶表示により保留記憶数が「3」であることを示す。なお、保留数または保留記憶数とは、特図の変動表示ゲームが未実行である始動記憶の数を意味する。
保留表示505は、その表示態様(保留表示505に表示した保留記憶表示)により、特図変動表示ゲームの保留記憶数を明示するとともに、保留記憶ごとのゲーム結果に対する期待度を報知できる。
保留消化表示506は、その表示態様により、特図変動表示ゲームが変動表示状態にあるか否かを示すとともにゲーム結果に対する期待度を報知できる。表示画面500では保留消化表示506は、枠内をブランク(空白)にして、特図変動表示ゲームが停止状態であることを示す。この後、遊技機10は、変動表示を開始する。
なお、保留表示505は、遊技状態に応じて特図1ゲームの保留数と特図2ゲームの保留数のうちいずれか一方の保留数を保留アイコン507により表示するとしたが、特図1ゲームの保留数と特図2ゲームの保留数の合計保留数を保留アイコン507により表示するものであってもよい。
図13(2)に示す表示画面510は、変動表示開始した後の表示画面である。表示画面510は、表示画面500の後の画面であって、変動表示中(三図柄変動中)の画面を示す。表示画面510では、大図柄群501の左図柄と中図柄と右図柄とが変動しており、特図変動表示ゲームが変動表示中であることを示す。また、表示画面510では、小図柄群502の左図柄と中図柄と右図柄とが変動しており、特図変動表示ゲームが変動表示中であることを示す。
表示画面510では、特図1保留数表示503は、特図1ゲームの保留記憶数が「2」であることを示し、特図2保留数表示504は、特図2ゲームの保留記憶数が「0」であることを示し、保留表示505は、特図1ゲームの保留数を案内する遊技状態であり、特図変動表示ゲーム(特図1ゲーム)の保留記憶数が「2」であることを示す。また、表示画面510では、保留消化表示506は、消化中の保留記憶表示を表示し、特図変動表示ゲームが変動表示中であることを示す。
なお、表示画面500や表示画面510は、図示しない背景表示やキャラクタ表示、文字表示等の演出表示要素を含むものであってもよく、演出表示要素もまたアニメーション等により動きを伴った表示を演出可能であってもよい。
ここで、装飾図柄(飾り図柄)について図14を用いて説明する。図14は、第1の実施形態の装飾図柄の一例を示す図である。
遊技機10は、後述する飾り図柄(大図柄群)を左図柄と右図柄と中図柄により構成し、図柄変動において左図柄、右図柄、中図柄の順に停止させる。遊技機10は、飾り図柄として装飾図柄Aと装飾図柄Bとを表示可能である。
たとえば、遊技機10は、リーチとなる図柄組み合わせを形成可能な左図柄と右図柄に装飾図柄Aを用い、リーチ形成後に大当りとなる図柄組み合わせを形成可能な中図柄に装飾図柄Bを用いることができる。あるいは、遊技機10は、通常遊技状態において装飾図柄Aを用い、高確率遊技状態や電サポ遊技状態において装飾図柄Bを用いることができる。
装飾図柄Aは、図柄521,522,523,524,525,526,527を含む。図柄521,522,523,524,525,526,527は、それぞれが異なる表示態様により、他の図柄と区別可能になっている。装飾図柄Aは、2つ以上の図柄構成要素を含み、そのうち少なくとも1つの図柄構成要素が他の図柄と区別可能な識別力を有する。装飾図柄Aは、1つの文字(数字)を含み、識別力を有する図柄構成要素として当該文字を表示する装飾図柄である。
図柄521は、数字「1」を表示する図柄である。図柄521は、背景部521dと数字部521nを含む。背景部521dは、矩形の外形であって図柄としての識別性を有する意匠(たとえば白色丸形状)を有する。数字部521nは、図柄としての識別性を有する。
図柄522は、数字「2」を表示する図柄である。図柄522は、背景部522dと数字部522nを含む。背景部522dは、矩形の外形であって図柄としての識別性を有する意匠(たとえば白色十字形状)を有する。数字部522nは、図柄としての識別性を有する。
図柄523は、数字「3」を表示する図柄である。図柄523は、背景部523dと数字部523nを含む。背景部523dは、矩形の外形であって図柄としての識別性を有する意匠(たとえば白色正方形状)を有する。数字部523nは、図柄としての識別性を有する。
図柄524は、数字「4」を表示する図柄である。図柄524は、背景部524dと数字部524nを含む。背景部524dは、矩形の外形であって図柄としての識別性を有する意匠(たとえば白色二重丸形状)を有する。数字部524nは、図柄としての識別性を有する。
図柄525は、数字「5」を表示する図柄である。図柄525は、背景部525dと数字部525nを含む。背景部525dは、矩形の外形であって図柄としての識別性を有する意匠(たとえば白色三角形状)を有する。数字部525nは、図柄としての識別性を有する。
図柄526は、数字「6」を表示する図柄である。図柄526は、背景部526dと数字部526nを含む。背景部526dは、矩形の外形であって図柄としての識別性を有する意匠(たとえば白色菱形状)を有する。数字部526nは、図柄としての識別性を有する。
図柄527は、数字「7」を表示する図柄である。図柄527は、背景部527dと数字部527nを含む。背景部527dは、矩形の外形であって図柄としての識別性を有する意匠(たとえば白色星形状)を有する。数字部527nは、図柄としての識別性を有する。
装飾図柄Bは、図柄531,532,533,534,535,536,537を含む。図柄531,532,533,534,535,536,537は、それぞれが異なる表示態様により、他の図柄と区別可能になっている。装飾図柄Bは、1つの図柄構成要素を含み、その1つの図柄構成要素が他の図柄と区別可能な識別力を有する。装飾図柄Bは、1つの文字(数字)を含み、識別力を有する図柄構成要素として当該文字を表示する装飾図柄である。
図柄531は、数字「1」を表示する図柄である。図柄532は、数字「2」を表示する図柄である。図柄533は、数字「3」を表示する図柄である。図柄534は、数字「4」を表示する図柄である。図柄535は、数字「5」を表示する図柄である。図柄536は、数字「6」を表示する図柄である。図柄537は、数字「7」を表示する図柄である。
次に、装飾図柄Aを用いた変動表示例と、装飾図柄Bを用いた変動表示例について、図15を用いて説明する。図15は、第1の実施形態の遊技中の表示画面の一例を示す図(その2)である。
図15(1)に示す表示画面512は、装飾図柄Aが仮停止表示する様子を示す。表示画面512において大図柄群501は、図柄523(左)、図柄525(中)、および図柄527(右)を揺動して、左図柄「3」、中図柄「5」、右図柄「7」の組合せで仮停止表示する。
なお、表示画面512は、小図柄群502の左図柄と中図柄と右図柄とが変動しており、特図変動表示ゲームが変動表示中であることを示す。また、表示画面512では、特図1保留数表示503は、特図1ゲームの保留記憶数が「2」であることを示し、特図2保留数表示504は、特図2ゲームの保留記憶数が「0」であることを示し、保留表示505は、特図1ゲームの保留数を案内する遊技状態であり、特図変動表示ゲーム(特図1ゲーム)の保留記憶数が「2」であることを示す。また、表示画面512では、保留消化表示506は、消化中の保留記憶表示を表示し、特図変動表示ゲームが変動表示中であることを示す。
図15(2)に示す表示画面514は、装飾図柄Bが仮停止表示する様子を示す。表示画面514において大図柄群501は、図柄533(左)、図柄535(中)、および図柄537(右)を揺動して、左図柄「3」、中図柄「5」、右図柄「7」の組合せで仮停止表示する。
なお、表示画面514は、小図柄群502の左図柄と中図柄と右図柄とが変動しており、特図変動表示ゲームが変動表示中であることを示す。また、表示画面514では、特図1保留数表示503は、特図1ゲームの保留記憶数が「0」であることを示し、特図2保留数表示504は、特図2ゲームの保留記憶数が「2」であることを示し、保留表示505は、特図2ゲームの保留数を案内する遊技状態であり、特図変動表示ゲーム(特図2ゲーム)の保留記憶数が「2」であることを示す。また、表示画面514では、保留消化表示506は、消化中の保留記憶表示を表示し、特図変動表示ゲームが変動表示中であることを示す。
このように、遊技機10は、装飾図柄Aを用いた仮停止表示や、装飾図柄Bを用いた仮停止表示をおこなうことができる。次に、仮停止表示中の装飾図柄A,Bのより詳細な表示態様について、図16を用いて説明する。図16は、第1の実施形態の装飾図柄を用いた仮停止表示の一例を示す図である。
図16(1)に仮停止表示中の装飾図柄Aの一例として、図柄527の仮停止表示態様を示す。図柄527の仮停止表示態様は、(a)、(b)、(c)、(d)を周期的に繰り返す。
仮停止表示中の図柄527は、背景部527dを固定して、図柄527としての識別性を有する数字部527nが左右方向に揺動する。なお、背景部527dは、静止画像に限らず、動きを伴うアニメーション表示をおこなうものであってもよい。
これにより、遊技機10は、背景部との対比により数字部の揺動を強調して、遊技者にとって把握容易な仮停止表示を実現する。なお、遊技機10は、背景部と数字部との対比を容易にするために、数字部の輪郭表示を強調する。
図16(2)に仮停止表示中の装飾図柄Bの一例として、図柄537の仮停止表示態様を示す。図柄537の仮停止表示態様は、(a)、(b)、(c)、(d)を周期的に繰り返す。
仮停止表示中の図柄537は、図柄537全体を左右方向に揺動(第1の仮停止動作)しながら、所定角度の範囲で縦軸回転(第2の仮停止動作)する。すなわち、図柄537の仮停止表示態様は、2種類の仮停止動作の組合せである。
これにより、遊技機10は、図柄全体の仮停止動作を強調して、遊技演出の障害となることを抑制しながら遊技者にとって仮停止状態を把握容易にできる。なお、遊技機10は、図柄全体の仮停止動作を強調するために、図柄の輪郭表示を曖昧(非強調)にする。
なお、図柄537の仮停止表示態様は、2種類の仮停止動作の組合せとしたが、変形動作等を加えた3種類の仮停止動作の組合せ、あるいは4種類以上の仮停止動作の組合せとしてもよい。
なお、図柄全体(たとえば、図柄537)あるいは図柄構成要素(たとえば、数字部527n)における揺動とは、狭義の揺れ動作に限らず、仮停止動作として感得可能な周期的動作を含む。たとえば、所定角度の範囲でおこなう縦軸回転や、所定パターンを反復する変形動作等は、仮停止動作における揺動に含まれる。
また、仮停止表示中の図柄527の仮停止動作は、数字部527nが左右方向に揺動する仮停止動作であるとしたが、仮停止表示中の図柄537の仮停止動作の2種類の仮停止動作のうちの1つである所定角度の範囲で縦軸回転する仮停止動作であってもよい。
また、仮停止表示中の装飾図柄B(たとえば、図柄537)は、図柄全体を左右方向に揺動(第1の仮停止動作)しながら、所定角度の範囲で縦軸回転(第2の仮停止動作)するとしたが、仮停止表示中の装飾図柄A(たとえば、図柄527)の図柄構成要素(たとえば、数字部527n)と異なる態様の仮停止動作を含むものであればこれに限らない。たとえば、仮停止表示中の図柄527の仮停止動作が数字部527nを左右方向に揺動する仮停止動作であるとき、仮停止表示中の図柄537の仮停止動作は、左右方向に揺動する仮停止動作と異なる、所定角度の範囲で縦軸回転する仮停止動作を含むものであればよい。このとき、仮停止表示中の図柄537の仮停止動作は、所定角度の範囲で縦軸回転する仮停止動作だけを含むものであってもよいし、加えて左右方向に揺動する仮停止動作を含むものであってもよいし、その他の仮停止動作を含むものであってもよい。このようにしても、遊技機10は、装飾図柄Aの仮停止動作と装飾図柄Bの仮停止動作とを明確に区別し、装飾図柄の態様が多様であっても遊技者にとって理解容易な仮停止動作を実現する。
また、遊技機10は、仮停止表示中の装飾図柄Aの数字部の輪郭表示を強調し、仮停止表示中の装飾図柄Bの図柄の輪郭表示を曖昧にするとしたが、仮停止表示中の装飾図柄Aの数字部の輪郭表示を仮停止表示中の装飾図柄Bの図柄の輪郭表示より太いものとすることで実現できる。また、輪郭表示の強調や非強調は、輪郭表示の太さに限らず、彩度や明度によって実現するものであってもよく、さらに輪郭表示の太さと彩度や明度との組合せによるものであってもよい。また、輪郭表示の太さは、絶対的な太さに限らず、図柄幅(あるいは数字部の幅)に占める割合によって定義されるものであってもよい。
なお、仮停止表示中の装飾図柄Aについて、背景部を固定して数字部が左右方向に揺動するとしたが、背景部を揺動するものであってもよい。次に、仮停止表示中の装飾図柄Aの背景部の揺動例について図17を用いて説明する。図17は、第1の実施形態の仮停止表示中の装飾図柄Aの背景部の揺動の一例を示す図である。なお、以下に示す揺動は、一方向の揺れ動作に限らず、軸回転や変形等であってもよい。
図17(1)に示す図柄527は、図柄527としての識別性を有しないベース部527bと、図柄527としての識別性を有するシンボル部527sとを含んで背景部527dを構成する。図17(1)に示す図柄527は、ベース部527b、シンボル部527s、および数字部527nが一体となって、すなわち、同周期、同位相、同変位で左右方向に揺動する。
図17(2)に示す図柄527は、ベース部527bを固定して、シンボル部527sと数字部527nが左右方向に揺動する。すなわち、図17(2)に示す図柄527は、シンボル部527sと数字部527nが同周期、同位相、同変位で左右方向に揺動する。なお、シンボル部527sと数字部527nは、ともに左右方向に揺動しながらも、同周期、同位相、同変位に限らないものであってもよい。たとえば、シンボル部527sと数字部527nは、ともに左右方向に揺動しながらも、異なる周期であってもよいし、異なる位相であってもよいし、異なる変位量であってもよい。また、シンボル部527sと数字部527nは、周期、位相、変位のうち2以上が異なるものであってもよい。また、ベース部527bは、静止画像に限らず、動きを伴うアニメーション表示をおこなうものであってもよい。また、ベース部527bは、シンボル部527sと数字部527nと独立して揺動するものであってもよい。
図17(3)に示す図柄527は、ベース部527bを固定して、シンボル部527sが上下方向に揺動し、数字部527nが左右方向に揺動する。すなわち、図17(3)に示す図柄527は、シンボル部527sと数字部527nが異なる態様で揺動する。なお、シンボル部527sと数字部527nは、態様を違えて揺動しながらも、同周期、同位相であってもよいし、異なる周期、異なる位相であってもよい。また、ベース部527bは、静止画像に限らず、動きを伴うアニメーション表示をおこなうものであってもよい。また、ベース部527bは、シンボル部527sと数字部527nと独立して揺動するものであってもよい。
ここで、装飾図柄Aの仮停止態様について図18を用いて例示する。図18は、第1の実施形態の装飾図柄Aの仮停止態様の一例を示す図である。図18(1)に示す装飾図柄A仮停止態様は、数字部について変異方向を左右方向とし、変位周期を500msとし、変位量を図柄幅に対して10%(たとえば、図柄幅が800ピクセルの場合に80ピクセル)とする。また、図18(1)に示す装飾図柄A仮停止態様は、ベース部とシンボル部を固定する。なお、数字部の変位量を図柄幅に対して10%としたが、数字部の変位量を数字部の幅に対して10%(たとえば、数字部の幅が200ピクセルの場合に20ピクセル)とするものであってもよい。
図18(2)に示す装飾図柄A仮停止態様の別例は、数字部とベース部とシンボル部について変異方向を左右方向とし、変位周期を500msとし、変位量を図柄幅に対して10%(たとえば、図柄幅が800ピクセルの場合に80ピクセル)とする。
図18(3)に示す装飾図柄A仮停止態様の別例は、数字部について変異方向を左右方向とし、変位周期を500msとし、変位量を図柄幅に対して10%(たとえば、図柄幅が800ピクセルの場合に80ピクセル)とする。また、図18(3)に示す装飾図柄A仮停止態様の別例は、ベース部とシンボル部について変異方向を数字部と同じ左右方向とし、変位周期を数字部と異なる(数字部より大きい)1000msとし、変位量を数字部と異なる(数字部より大きい)図柄幅に対して15%(たとえば、図柄幅が800ピクセルの場合に120ピクセル)とする。
図18(4)に示す装飾図柄A仮停止態様の別例は、数字部について変異方向を左右方向とし、変位周期を500msとし、変位量を図柄幅に対して10%(たとえば、図柄幅が800ピクセルの場合に80ピクセル)とする。また、図18(4)に示す装飾図柄A仮停止態様の別例は、ベース部について変異方向を数字部と同じ左右方向とし、変位周期を数字部と異なる(数字部より大きい)1000msとし、変位量を数字部と異なる(数字部より大きい)図柄幅に対して15%(たとえば、図柄幅が800ピクセルの場合に120ピクセル)とする。また、図18(4)に示す装飾図柄A仮停止態様の別例は、シンボル部について変異方向を数字部と異なる上下方向とし、変位周期を数字部と異なる(数字部より小さい)400msとし、変位量を数字部と同じ図柄幅に対して10%とする。
次に、図柄の輪郭の強調表示と曖昧(非強調)表示について図19を用いて説明する。図19は、第1の実施形態の図柄の輪郭の強調表示と曖昧(非強調)表示を示す図である。
装飾図柄Aと装飾図柄Bの図柄幅と輪郭線を図19(1)に示し、装飾図柄Aと装飾図柄Bの輪郭線の太さの比較を図19(2)に示す。装飾図柄Aは、図柄幅をw1とし、数字部の幅をw2(<w1)とし、数字部の輪郭線の幅(太さ)をw3(<w2)とする。装飾図柄Bは、図柄幅をw4とし、図柄の輪郭線の幅(太さ)をw5(<w4)とする。
遊技機10は、装飾図柄Aの数字部の輪郭線の幅w3を装飾図柄Bの図柄の輪郭線の幅w5よりも大きくすることで、装飾図柄Aの数字部の輪郭表示を強調し、装飾図柄Bの図柄の輪郭表示を曖昧にすることを遊技者に感得させることができる。
また、遊技機10は、輪郭表示の強調と非強調とを、図柄幅と輪郭線太さの比(輪郭線比率)によって実現するようにしてもよい。たとえば、遊技機10は、装飾図柄Aの輪郭線比率w3/w2を装飾図柄Bの輪郭線比率w5/w4よりも大きくすることによっても、装飾図柄Aの数字部の輪郭表示を強調し、装飾図柄Bの図柄の輪郭表示を曖昧にすることを遊技者に感得させることができる。
装飾図柄Aの数字部の輪郭表示の強調と、装飾図柄Bの図柄の輪郭表示の非強調とは、常に固定されるものであってもよいが、変動表示状態に応じて切替可能にするものであってもよい。次に、変動表示状態に応じた輪郭表示の強調状態の切替について図20を用いて説明する。図20は、第1の実施形態の図柄の輪郭の強調表示と曖昧(非強調)表示のタイミングの一例を示す図である。
図20(1)は、装飾図柄Aの数字部の輪郭表示の太さと、装飾図柄Bの図柄全体の輪郭表示の太さとの変動表示状態に応じた比較を示す。変動表示中(非仮停止状態)、変動表示中(仮停止状態)、および停止表示中において、装飾図柄Aの数字部は、装飾図柄Bの図柄全体と比較して輪郭表示が強調され、装飾図柄Bの図柄全体は、装飾図柄Aの数字部と比較して輪郭表示が曖昧(非強調)にされる。
図20(2)は、装飾図柄Aの数字部の輪郭表示の太さと、装飾図柄Bの図柄全体の輪郭表示の太さとの変動表示状態に応じた比較の別例を示す。変動表示中(非仮停止状態)と変動表示中(仮停止状態)において、装飾図柄Aの数字部は、装飾図柄Bの図柄全体と比較して輪郭表示が強調され、装飾図柄Bの図柄全体は、装飾図柄Aの数字部と比較して輪郭表示が曖昧(非強調)にされる。また、停止表示中において、装飾図柄Aの数字部は、装飾図柄Bの図柄全体と比較して輪郭表示が強調されず、装飾図柄Bの図柄全体は、装飾図柄Aの数字部と比較して輪郭表示が曖昧(非強調)にされない。このように、遊技機10は、変動表示状態に応じて輪郭表示の強調状態の切替をおこなうことで、変動表示状態に応じた適切な強調表示や非強調表示をおこなうことができる。また、遊技機10は、変動表示状態に応じて輪郭表示の強調状態の切替をおこなうことで、遊技者による輪郭表示の強調状態の変化の感得を容易にする。また、遊技機10は、遊技演出の障害となることを抑制しながら仮停止状態を把握容易にするとともに、停止表示中の視認性向上を図ることができる。
図20(3)は、装飾図柄Aの数字部の輪郭表示の太さと、装飾図柄Bの図柄全体の輪郭表示の太さとの変動表示状態に応じた比較の別例を示す。変動表示中(仮停止状態)において、装飾図柄Aの数字部は、装飾図柄Bの図柄全体と比較して輪郭表示が強調され、装飾図柄Bの図柄全体は、装飾図柄Aの数字部と比較して輪郭表示が曖昧(非強調)にされる。また、変動表示中(非仮停止状態)と停止表示中において、装飾図柄Aの数字部は、装飾図柄Bの図柄全体と比較して輪郭表示が強調されず、装飾図柄Bの図柄全体は、装飾図柄Aの数字部と比較して輪郭表示が曖昧(非強調)にされない。このように、遊技機10は、変動表示中(仮停止状態)に限定して輪郭表示の強調状態とすることで、遊技演出の障害となることを抑制しながら仮停止状態を把握容易にできる。
次に、第1の実施形態の変形例として、装飾図柄Aの数字部の輪郭表示を非強調とし、装飾図柄Bの図柄の輪郭表示を強調する遊技機10について説明する。このような遊技機10は、装飾図柄Bの仮停止アクションを遊技者により強くアピールすることができる。また、このような遊技機10は、装飾図柄Aの数字部がベース部やシンボル部より強調されてしまうことを抑止し、装飾図柄Aの数字部がベース部やシンボル部と一体感のある仮停止アクションを遊技者により強くアピールすることができる。
装飾図柄Aの数字部の輪郭表示の非強調と、装飾図柄Bの図柄の輪郭表示の強調とは、常に固定されるものであってもよいが、変動表示状態に応じて切替可能にするものであってもよい。次に、変動表示状態に応じた輪郭表示の強調状態の切替について図21を用いて説明する。図21は、第1の実施形態の変形例の図柄の輪郭の強調表示と曖昧(非強調)表示のタイミングの一例を示す図である。
図21(1)は、装飾図柄Aの数字部の輪郭表示の太さと、装飾図柄Bの図柄全体の輪郭表示の太さとの変動表示状態に応じた比較を示す。変動表示中(非仮停止状態)、変動表示中(仮停止状態)、および停止表示中において、装飾図柄Aの数字部は、装飾図柄Bの図柄全体と比較して輪郭表示が曖昧(非強調)にされ、装飾図柄Bの図柄全体は、装飾図柄Aの数字部と比較して輪郭表示が強調される。
図21(2)は、装飾図柄Aの数字部の輪郭表示の太さと、装飾図柄Bの図柄全体の輪郭表示の太さとの変動表示状態に応じた比較の別例を示す。変動表示中(非仮停止状態)と変動表示中(仮停止状態)において、装飾図柄Aの数字部は、装飾図柄Bの図柄全体と比較して輪郭表示が曖昧(非強調)にされ、装飾図柄Bの図柄全体は、装飾図柄Aの数字部と比較して輪郭表示が強調される。また、停止表示中において、装飾図柄Aの数字部は、装飾図柄Bの図柄全体と比較して輪郭表示が曖昧(非強調)にされず、装飾図柄Bの図柄全体は、装飾図柄Aの数字部と比較して輪郭表示が強調されない。このように、遊技機10は、変動表示状態に応じて輪郭表示の強調状態の切替をおこなうことで、変動表示状態に応じた適切な強調表示や非強調表示をおこなうことができる。また、遊技機10は、変動表示状態に応じて輪郭表示の強調状態の切替をおこなうことで、遊技者による輪郭表示の強調状態の変化の感得を容易にする。また、遊技機10は、遊技演出の障害となることを抑制しながら仮停止状態を把握容易にするとともに、停止表示中の視認性向上を図ることができる。
図21(3)は、装飾図柄Aの数字部の輪郭表示の太さと、装飾図柄Bの図柄全体の輪郭表示の太さとの変動表示状態に応じた比較の別例を示す。変動表示中(仮停止状態)において、装飾図柄Aの数字部は、装飾図柄Bの図柄全体と比較して輪郭表示が曖昧(非強調)にされ、装飾図柄Bの図柄全体は、装飾図柄Aの数字部と比較して輪郭表示が強調される。また、変動表示中(非仮停止状態)と停止表示中において、装飾図柄Aの数字部は、装飾図柄Bの図柄全体と比較して輪郭表示が曖昧(非強調)にされず、装飾図柄Bの図柄全体は、装飾図柄Aの数字部と比較して輪郭表示が強調されない。このように、遊技機10は、変動表示中(仮停止状態)に限定して輪郭表示の強調状態とすることで、遊技演出の障害となることを抑制しながら仮停止状態を把握容易にできる。
ここで、仮停止表示中の装飾図柄A,Bのより詳細な表示態様の変形例について図22を用いて説明する。図22は、第1の実施形態の変形例の装飾図柄を用いた仮停止表示の一例を示す図である。
図22(1)に仮停止表示中の装飾図柄Aの一例として、図柄527の仮停止表示態様を示す。図柄527の仮停止表示態様は、(a)、(b)、(c)、(d)を周期的に繰り返す。
仮停止表示中の図柄527は、背景部527dを固定して、図柄527としての識別性を有する数字部527nが左右方向に揺動(第1の仮停止動作)しながら、上下方向に伸縮(第2の仮停止動作)する。すなわち、図柄527の仮停止表示態様は、数字部における2種類の仮停止動作の組合せである。なお、背景部527dは、静止画像に限らず、動きを伴うアニメーション表示をおこなうものであってもよい。
これにより、遊技機10は、数字部の仮停止動作を強調して、遊技演出の障害となることを抑制しながら遊技者にとって仮停止状態を把握容易にできる。なお、遊技機10は、数字部の仮停止動作を強調するために、数字部の輪郭表示を曖昧(非強調)にする。
なお、図柄527の仮停止表示態様は、数字部における2種類の仮停止動作の組合せとしたが、変形動作等を加えた3種類の仮停止動作の組合せ、あるいは4種類以上の仮停止動作の組合せとしてもよい。
図22(2)に仮停止表示中の装飾図柄Bの一例として、図柄537の仮停止表示態様を示す。図柄537の仮停止表示態様は、(a)、(b)、(c)、(d)を周期的に繰り返す。仮停止表示中の図柄537は、図柄537全体を上下方向に揺動する。これにより、遊技機10は、図柄全体の輪郭表示を強調することにより図柄全体の揺動を強調して、遊技者にとって把握容易な仮停止表示を実現する。
また、遊技機10は、仮停止表示中の装飾図柄Aの数字部の輪郭表示を曖昧(非強調)にし、仮停止表示中の装飾図柄Bの図柄の輪郭表示を強調するとしたが、仮停止表示中の装飾図柄Aの数字部の輪郭表示より仮停止表示中の装飾図柄Bの図柄の輪郭表示を太いものとすることで実現できる。
また、輪郭表示の強調や非強調は、輪郭表示の太さに限らず、彩度や明度によって実現するものであってもよく、さらに輪郭表示の太さと彩度や明度との組合せによるものであってもよい。また、輪郭表示の太さは、絶対的な太さに限らず、図柄幅(あるいは数字部の幅)に占める割合によって定義されるものであってもよい。また、輪郭表示の強調と非強調は、比較対象となる装飾図柄の一方の輪郭表示を太くし、他方を細くすることによってもよいし、比較対象となる装飾図柄の一方の輪郭表示の太さを変えずに、他方だけを変更することによってもよい。また、輪郭表示の強調は、もともと輪郭表示がないものに輪郭表示を設定するものであってもよい。また、輪郭表示の非強調は、もともと輪郭表示が設定されているものをなしとするものであってもよい。
なお、仮停止表示中の装飾図柄Aについて、背景部を固定して数字部が左右方向に揺動するとしたが、背景部を揺動するものであってもよい。また、装飾図柄Aの数字部の輪郭表示の強調と、装飾図柄Bの図柄の輪郭表示の非強調とは、常に固定されるものであってもよいが、変動表示状態に応じて切替可能にするものであってもよく、変形例においても図20や図21を用いて説明した輪郭表示の強調状態の切替をおこなうことができる。
次に、変動表示ゲームにおけるメッセージ演出について図23を用いて説明する。図23は、第1の実施形態のメッセージ表示演出の一例を示す図である。遊技機10は、変動表示ゲームにおけるメッセージ演出においてメッセージ表示の輪郭表示部の太さを制御することで遊技者に対してメッセージの感得効果を高める。
図23(1)に示す表示画面600は、大図柄群501がリーチ態様となる様子を示す。表示画面590において大図柄群501は、大図柄(左)と大図柄(右)が図柄「3」を揺動して仮停止表示し、大図柄(中)が変動表示する様子を示す。なお、表示画面590は、小図柄群502の左図柄と中図柄と右図柄とが変動しており、特図変動表示ゲームが変動表示中であることを示す。
また、表示画面590は、大図柄群501がリーチ態様となったことに関連してメッセージ表示演出を実行中の様子を示す。表示画面590は、メッセージ表示演出593を表示する。メッセージ表示演出593は、背景部594とメッセージ部595を含む。背景部594は、メッセージ部595の背景となる表示であり、その他の表示部との区別を容易にする。背景部594は、たとえば吹き出し形状であり、その他の表示部と色彩等を違えて背景部594とその他の表示部との区別を容易にする。メッセージ部595は、所要のメッセージ(たとえば「チャンス!」)を表示し、遊技者に対して所定の期待感を感得させる。
図23(2)に示す表示画面592は、表示画面590に続く表示画面である。メッセージ表示演出593は、動的に変化する表示であり、表示画面590と比較して背景部594の位置、大きさを同じにしている。一方で、メッセージ表示演出593は、表示画面590と比較してメッセージ部595を拡大表示する。メッセージ表示演出593は、メッセージ部595の拡大表示に伴い、メッセージ部595の輪郭表示を太くする。すなわち、メッセージ表示演出593は、背景部594の位置、大きさを固定してメッセージ部595を拡大表示することで遊技者に対してメッセージの感得効果を高める。また、メッセージ表示演出593は、背景部594の輪郭表示の太さを固定しながら、メッセージ部595の輪郭表示の太さを拡大することから、遊技者に対してメッセージの感得効果を一層高める。なお、メッセージ部595の輪郭表示の太さの拡大は、メッセージ部595の拡大表示における拡大比率と同じであってもよいが、メッセージ部595の拡大表示における拡大比率より大きくすることで、遊技者に対してメッセージの感得効果をさらに一層高めることができる。なお、メッセージ部595の輪郭表示の太さの拡大は、メッセージ部595の拡大表示における拡大比率より大きくする場合について説明したが、これに限らず、メッセージ部595の拡大表示における拡大比率より小さくすることで、遊技者に対して注意喚起し、メッセージの感得効果を高める場合があってもよい。
遊技機10の輪郭表示の切替について、大図柄群501とメッセージ表示演出593とについて説明したが、遊技機10は、小図柄群502の輪郭表示の切替をおこなうものであってもよい。ここで、小図柄群502の輪郭表示の切替について図24を用いて説明する。図24は、第1の実施形態の小図柄群の輪郭表示の一例を示す図である。
まず、小図柄(小図柄群502のうちのいずれかの図柄)の正表示位置(停止表示中)を図24(1)に示す。なお、小図柄群502は、左図柄、中図柄、右図柄を含んで構成されるが、いずれも同様の変動表示である。小図柄の変動表示は、図柄配列にしたがい図柄を順次切り替える切替変動である。表示領域540から臨む小図柄は、オフセットの設定がないため、常に図柄全体を観察可能な正表示位置にて表示される。たとえば、図柄544は、正表示位置にある。停止表示中の図柄544は、変動表示中の図柄544と比較して図柄全体の輪郭が強調して表示される。
なお、小図柄の切替変動は、表示装置41におけるフレーム単位(表示切替時間単位)で小図柄が書き換えられることで表現されている。ここで、フレームごとの図柄表示を図24(2)に示す。
たとえば、小図柄は、あるフレームで図柄543(図柄「3」)を表示領域540に正表示位置で表示したとき、次のフレームで図柄544(図柄「4」)を表示領域540に正表示位置で表示する。小図柄は、同様にして、さらに次のフレームで図柄545(図柄「5」)を表示領域540に正表示位置で表示する。正表示位置にある図柄543,544,545は、いずれも表示領域511から図柄全体を観察可能であり十分な識別力を有する。変動表示中の図柄544は、停止表示中の図柄544と比較して図柄全体の輪郭が強調して表示される。図柄543、図柄545を含む、その他の小図柄についても同様である。
このように、小図柄群502の変動表示は、1フレーム時間(33.3ms)ごとに図柄を「3」、「4」、「5」、…とサイクリックに切り替える。したがって、小図柄群502の変動表示は、1図柄当りの表示時間が33.3msであって、1図柄当りの正表示位置における表示時間は、33.3msである。このように、小図柄群502の変動表示は、変動表示中であっても常に正表示位置に表示されることから、図柄全体の輪郭表示を曖昧(非強調)にして、遊技者が小図柄群502の変動表示中を感得しやすいように補助する。なお、小図柄群502の変動表示中の曖昧表示は、輪郭に限り、その他の部位については停止表示時の表示態様と同じとすることで図柄全体の一定の識別力を担保することができる。
上述した第1の実施形態の遊技機10(変形例を含む)は、一側面において以下のような特徴を有する。
(1)遊技機10は、図柄(たとえば、装飾図柄A、装飾図柄B)を変動表示する変動表示ゲーム(たとえば、特図1ゲーム、特図2ゲーム)を表示可能な表示手段(たとえば、表示装置41)と、図柄を文字属性により特定可能な識別力を有する第1識別構成要素(たとえば、数字(数字部527n))と、図柄を非文字属性により特定可能な識別力を有する第2識別構成要素(たとえば、シンボル部527s)とを含んで図柄を構成する第1種図柄(たとえば、装飾図柄A)と、第1識別構成要素(たとえば、数字(図柄537))を含み、第2識別構成要素を排して図柄を構成する第2種図柄(たとえば、装飾図柄B)と、を切替可能にして表示手段に表示させる制御手段(たとえば、遊技制御装置100、演出制御装置300)と、を含み、制御手段は、第1種図柄を仮停止表示させるとき、第1識別構成要素の輪郭表示を第1の態様(たとえば、非強調表示)にして、第1識別構成要素を第1の方向(たとえば、縦軸回転方向)と第1の方向と異なる第2の方向(たとえば、左右方向)のうちいずれか1方向(たとえば、左右方向)で揺動させ、第2種図柄を仮停止表示させるとき、第1識別構成要素の輪郭表示を第1の態様より太い第2の態様(たとえば、強調表示)にして、第1識別構成要素を第1の方向と第2の方向の両方向(たとえば、縦軸回転方向と左右方向)で揺動させる(図17、図19、図20参照)。
(2)遊技機10は、図柄(たとえば、装飾図柄A、装飾図柄B)を変動表示する変動表示ゲーム(たとえば、特図1ゲーム、特図2ゲーム)を表示可能な表示手段(たとえば、表示装置41)と、図柄を文字属性により特定可能な識別力を有する第1識別構成要素(たとえば、数字(数字部527n))と、図柄を非文字属性により特定可能な識別力を有する第2識別構成要素(たとえば、シンボル部527s)とを含んで図柄を構成する第1種図柄(たとえば、装飾図柄A)と、第1識別構成要素(たとえば、数字(図柄537))を含み、第2識別構成要素を排して図柄を構成する第2種図柄(たとえば、装飾図柄B)と、を切替可能にして表示手段に表示させる制御手段(たとえば、遊技制御装置100、演出制御装置300)と、を含み、制御手段は、第2種図柄を仮停止表示させるとき、第1識別構成要素の輪郭表示を第1の態様(たとえば、非強調表示)にして、第1識別構成要素を第1の方向(たとえば、縦軸回転方向)と第1の方向と異なる第2の方向(たとえば、左右方向)の両方向(たとえば、縦軸回転方向と左右方向)で揺動させ、第1種図柄を仮停止表示させるとき、第1識別構成要素の輪郭表示を第1の態様より太い第2の態様(たとえば、強調表示)にして、第1識別構成要素を第1の方向と第2の方向のうちいずれか1方向(たとえば、左右方向)で揺動させる(図17、図19、図21参照)。
(3)遊技機10は、図柄(たとえば、装飾図柄A、装飾図柄B)を変動表示する変動表示ゲーム(たとえば、特図1ゲーム、特図2ゲーム)を表示可能な表示手段(たとえば、表示装置41)と、図柄を文字属性により特定可能な識別力を有する第1識別構成要素(たとえば、数字(数字部527n))と、図柄を非文字属性により特定可能な識別力を有する第2識別構成要素(たとえば、シンボル部527s)とを含んで図柄を構成する第1種図柄(たとえば、装飾図柄A)と、第1識別構成要素(たとえば、数字(図柄537))を含み、第2識別構成要素を排して図柄を構成する第2種図柄(たとえば、装飾図柄B)と、を切替可能にして表示手段に表示させる制御手段(たとえば、遊技制御装置100、演出制御装置300)と、を含み、制御手段は、第1種図柄を仮停止表示させるとき、第1識別構成要素の輪郭表示を第1の態様(たとえば、非強調表示)にして、第1識別構成要素を第1の方向(たとえば、縦軸回転方向)と第1の方向と異なる第2の方向(たとえば、左右方向)の両方向(たとえば、縦軸回転方向と左右方向)で揺動させ、第2種図柄を仮停止表示させるとき、第1識別構成要素の輪郭表示を第1の態様より太い第2の態様(たとえば、強調表示)にして、第1識別構成要素を第1の方向と第2の方向のうちいずれか1方向(たとえば、左右方向)で揺動させる(図19、図20、図22参照)。
(4)遊技機10は、図柄(たとえば、装飾図柄A、装飾図柄B)を変動表示する変動表示ゲーム(たとえば、特図1ゲーム、特図2ゲーム)を表示可能な表示手段(たとえば、表示装置41)と、図柄を文字属性により特定可能な識別力を有する第1識別構成要素(たとえば、数字(数字部527n))と、図柄を非文字属性により特定可能な識別力を有する第2識別構成要素(たとえば、シンボル部527s)とを含んで図柄を構成する第1種図柄(たとえば、装飾図柄A)と、第1識別構成要素(たとえば、数字(図柄537))を含み、第2識別構成要素を排して図柄を構成する第2種図柄(たとえば、装飾図柄B)と、を切替可能にして表示手段に表示させる制御手段(たとえば、遊技制御装置100、演出制御装置300)と、を含み、制御手段は、第2種図柄を仮停止表示させるとき、第1識別構成要素の輪郭表示を第1の態様(たとえば、非強調表示)にして、第1識別構成要素を第1の方向(たとえば、縦軸回転方向)と第1の方向と異なる第2の方向(たとえば、左右方向)のうちいずれか1方向(たとえば、左右方向)で揺動させ、第1種図柄を仮停止表示させるとき、第1識別構成要素の輪郭表示を第1の態様より太い第2の態様(たとえば、強調表示)にして、第1識別構成要素を第1の方向と第2の方向の両方向(たとえば、縦軸回転方向と左右方向)で揺動させる(図19、図21、図22参照)。
(5)遊技機10は、変動表示ゲーム(たとえば、特図1ゲーム、特図2ゲーム)を表示可能な第1表示領域(たとえば、大図柄群501の表示領域)と第2表示領域(たとえば、小図柄群502の表示領域540)とを含む表示手段(たとえば、表示装置41)と、変動表示ゲームの結果態様を、第1表示領域と第2表示領域とで独立に導出可能な制御手段(たとえば、遊技制御装置100、演出制御装置300)と、を含み、制御手段は、第1表示領域において第1図柄群(たとえば、大図柄群501)を変動表示させ、第1表示領域において第1図柄群よりも小さな第2図柄群(たとえば、小図柄群502)を変動表示させるとき、第2図柄群における図柄ごとの変動表示中の輪郭表示の太さを変動停止中の輪郭表示の太さと比較して細くする(図24参照)。
(6)遊技機10は、変動表示ゲーム(たとえば、特図1ゲーム、特図2ゲーム)に関する演出を表示可能な表示手段(たとえば、表示装置41)と、演出としてメッセージ表示(メッセージ表示演出593)をおこなうとき、文字部(メッセージ部595)と文字部の背景となる背景部(背景部594)とを含んでメッセージ表示を構成し、背景部の大きさを固定した状態で文字部を拡大表示するとともに、文字部の輪郭表示を第1の太さから第1の太さと異なる第2の太さに変更する制御部(たとえば、遊技制御装置100、演出制御装置300)と、を含む(図23参照)。
(7)遊技機10は、図柄(たとえば、装飾図柄A、装飾図柄B)を変動表示する変動表示ゲーム(たとえば、特図1ゲーム、特図2ゲーム)を表示可能な表示手段(たとえば、表示装置41)と、図柄を文字属性により特定可能な識別力を有する第1識別構成要素(たとえば、数字(数字部527n))と、図柄を非文字属性により特定可能な識別力を有する第2識別構成要素(たとえば、シンボル部527s)とを含んで図柄を構成する第1種図柄(たとえば、装飾図柄A)と、第1識別構成要素(たとえば、数字(図柄537))を含み、第2識別構成要素を排して図柄を構成する第2種図柄(たとえば、装飾図柄B)と、を切替可能にして表示手段に表示させる制御手段(たとえば、遊技制御装置100、演出制御装置300)と、を含み、制御手段は、第1種図柄を仮停止表示させるとき、第1識別構成要素の輪郭表示を第1の態様(たとえば、非強調表示)にして、第1識別構成要素を第1の方向(たとえば、縦軸回転方向)と第1の方向と異なる第2の方向(たとえば、左右方向)のうちいずれか1方向(たとえば、左右方向)で揺動させ、第2種図柄を仮停止表示させるとき、第1識別構成要素の輪郭表示を第1の態様より細い第2の態様(たとえば、非強調表示)にして、第1識別構成要素を第1の方向と第2の方向の両方向(たとえば、縦軸回転方向と左右方向)で揺動させる(図17、図19、図21参照)。
(8) 遊技機10は、図柄(たとえば、装飾図柄A、装飾図柄B)を変動表示する変動表示ゲーム(たとえば、特図1ゲーム、特図2ゲーム)を表示可能な表示手段(たとえば、表示装置41)と、図柄を文字属性により特定可能な識別力を有する第1識別構成要素(たとえば、数字(数字部527n))と、図柄を非文字属性により特定可能な識別力を有する第2識別構成要素(たとえば、シンボル部527s)とを含んで図柄を構成する第1種図柄(たとえば、装飾図柄A)と、第1識別構成要素を含み、第2識別構成要素を排して図柄を構成する第2種図柄(たとえば、装飾図柄B)と、を切替可能にして表示手段に表示させる制御手段(たとえば、遊技制御装置100、演出制御装置300)と、を含み、制御手段は、第1種図柄を仮停止表示させるとき、第1識別構成要素の輪郭表示を第1の態様(たとえば、非強調表示)にして、第1識別構成要素を第1の方向(たとえば、縦軸回転方向)と第1の方向と異なる第2の方向(たとえば、左右方向)のうちいずれか一方の方向(たとえば、左右方向)で揺動させ、第2種図柄を仮停止表示させるとき、第1識別構成要素の輪郭表示を第1の態様より太い第2の態様(たとえば、強調表示)にして、第1識別構成要素を第1の方向と第2の方向のうち、少なくとも一方の方向と異なる他方の方向(たとえば、縦軸回転方向)を含んで揺動させる(図17、図19、図20参照)。
(9) 遊技機10は、図柄(たとえば、装飾図柄A、装飾図柄B)を変動表示する変動表示ゲーム(たとえば、特図1ゲーム、特図2ゲーム)を表示可能な表示手段(たとえば、表示装置41)と、図柄を文字属性により特定可能な識別力を有する第1識別構成要素(たとえば、数字(数字部527n))と、図柄を非文字属性により特定可能な識別力を有する第2識別構成要素(たとえば、シンボル部527s)とを含んで図柄を構成する第1種図柄(たとえば、装飾図柄A)と、第1識別構成要素を含み、第2識別構成要素を排して図柄を構成する第2種図柄(たとえば、装飾図柄B)と、を切替可能にして表示手段に表示させる制御手段(たとえば、遊技制御装置100、演出制御装置300)と、を含み、制御手段は、第1種図柄を仮停止表示させるとき、第1識別構成要素の輪郭表示を第1の態様(たとえば、強調表示)にして、第1識別構成要素を第1の方向(たとえば、縦軸回転方向)と第1の方向と異なる第2の方向(たとえば、左右方向)のうちいずれか一方の方向(たとえば、左右方向)で揺動させ、第2種図柄を仮停止表示させるとき、第1識別構成要素の輪郭表示を第1の態様より細い第2の態様(たとえば、非強調表示)にして、第1識別構成要素を第1の方向と第2の方向のうち、少なくとも一方の方向と異なる他方の方向(たとえば、縦軸回転方向)を含んで揺動させる(図17、図19、図21参照)。
[第2の実施形態]
次に、装飾図柄について部位ごとに輪郭表示の太さを違えることができる第2の実施形態の遊技機10について説明する。まず、縦軸回転をして仮停止表示中の装飾図柄の輪郭表示切替について図25を用いて説明する。図25は、第2の実施形態の装飾図柄の仮停止態様の一例を示す図である。
図25(1)に示す装飾図柄Bの「7」(図柄537)が縦軸回転をして仮停止表示している様子を示す。図柄550は、装飾図柄Bの「7」が所定角度だけ縦軸左回転した様子を示す。図柄551は、装飾図柄Bの「7」が正面視する様子を示す。図柄552は、装飾図柄Bの「7」が所定角度だけ縦軸右回転した様子を示す。たとえば、遊技機10は、図柄550から図柄551を経て図柄552へ、そして図柄552から図柄551を経て図柄550へと切り替えることで仮停止表示をおこなうことができる。
このとき、遊技機10は、図25(2)に示すように、輪郭表示の太さ(強調程度)を切替対象輪郭表示部分(図柄の左半分、図柄の右半分)ごとに切り替えることができる。遊技機10は、図柄550の左半分を左部550Lとし、図柄550の右半分を右部550Rとしたとき、遠ざかる方向に移動するように見える左部550Lの輪郭表示を細く(非強調表示、曖昧表示)表示し、近づく方向に移動するように見える右部550Rの輪郭表示を太く(強調表示)表示する。言い換えれば、遊技機10は、右部550Rより遠くに見える左部550Lの輪郭表示を右部550Rの輪郭表示よりも細く表示し、左部550Lより近くに見える右部550Rの輪郭表示を左部550Lの輪郭表示よりも太く表示する。
また、遊技機10は、図柄551の左半分を左部551Lとし、図柄551の右半分を右部551Rとしたとき、左部551Lの輪郭表示と右部551Rの輪郭表示を標準の太さとする(標準表示)。言い換えれば、遊技機10は、ほぼ同じ奥行き位置に見える左部551Lの輪郭表示と右部551Rの輪郭表示を同じ太さ(標準の太さ)にして表示する。
また、遊技機10は、図柄552の左半分を左部552Lとし、図柄552の右半分を右部552Rとしたとき、近づく方向に移動するように見える左部552Lの輪郭表示を太く(強調表示)表示し、遠ざかる方向に移動するように見える右部552Rの輪郭表示を細く(非強調表示、曖昧表示)表示する。言い換えれば、遊技機10は、左部552Lより遠くに見える右部552Rの輪郭表示を左部552Lの輪郭表示よりも細く表示し、右部552Rより近くに見える左部552Lの輪郭表示を右部552Rの輪郭表示よりも太く表示する。
これにより、遊技機10は、装飾図柄の仮停止表示状態の把握を容易にすることができる。なお、図柄の左部分または右部分について一様にして強調表示あるいは非強調表示とするものであってもよいが、縦軸(中心軸)からの距離に応じて強調度あるいは非強調度を違えるようにしてもよい。たとえば、遊技機10は、図柄550の右部550Rの輪郭表示を強調表示するとき、縦軸(中心軸)から遠い位置程に輪郭表示を太く(変化率あるいは変化量を大きく)することができ、図柄550の左部550Lの輪郭表示を非強調表示するとき、縦軸(中心軸)から遠い位置程に輪郭表示を細く(変化率あるいは変化量を大きく)することができる。
次に、第2の実施形態の遊技機10の別例として、左右方向に揺動して仮停止表示中の装飾図柄の輪郭表示切替について図26を用いて説明する。図26は、第2の実施形態の変形例の装飾図柄の仮停止態様の一例を示す図である。
図26(1)に示す装飾図柄Bの「7」(図柄537)が左右方向に揺動して仮停止表示している様子を示す。図柄560は、装飾図柄Bの「7」が正位置から左方向に所定量だけ移動した様子を示す。図柄561は、装飾図柄Bの「7」が正位置にある様子を示す。図柄562は、装飾図柄Bの「7」が正位置から右方向に所定量だけ移動した様子を示す。たとえば、遊技機10は、図柄560から図柄561を経て図柄562へ、そして図柄562から図柄561を経て図柄560へと切り替えることで仮停止表示をおこなうことができる。
このとき、遊技機10は、図26(2)に示すように、輪郭表示の太さ(強調程度)を切り替えることができる。遊技機10は、図柄560の左半分を左部560Lとし、図柄560の右半分を右部560Rとしたとき、表示位置中心(図示する破線)から遠ざかる方向に移動するように見える左部560Lの輪郭表示を細く(非強調表示、曖昧表示)表示し、表示位置中心に近づく方向に移動するように見える右部560Rの輪郭表示を太く(強調表示)表示する。言い換えれば、遊技機10は、右部560Rより表示位置中心から遠くに見える左部560Lの輪郭表示を右部560Rの輪郭表示よりも細く表示し、左部560Lより表示位置中心の近くに見える右部560Rの輪郭表示を左部560Lの輪郭表示よりも太く表示する。
また、遊技機10は、図柄561の左半分を左部561Lとし、図柄561の右半分を右部561Rとしたとき、左部561Lの輪郭表示と右部561Rの輪郭表示を標準の太さとする(標準表示)。言い換えれば、遊技機10は、表示位置中心からほぼ同じ位置に見える左部561Lの輪郭表示と右部561Rの輪郭表示を同じ太さ(標準の太さ)にして表示する。
また、遊技機10は、図柄562の左半分を左部562Lとし、図柄562の右半分を右部562Rとしたとき、表示位置中心に近づく方向に移動するように見える左部562Lの輪郭表示を太く(強調表示)表示し、表示位置中心から遠ざかる方向に移動するように見える右部562Rの輪郭表示を細く(非強調表示、曖昧表示)表示する。言い換えれば、遊技機10は、左部562Lより表示位置中心から遠くに見える右部562Rの輪郭表示を左部562Lの輪郭表示よりも細く表示し、右部562Rより表示位置中心の近くに見える左部562Lの輪郭表示を右部562Rの輪郭表示よりも太く表示する。
これにより、遊技機10は、装飾図柄の仮停止表示状態の把握を容易にすることができる。なお、図柄の左部分または右部分について一様にして強調表示あるいは非強調表示とするものであってもよいが、縦軸(中心軸)からの距離に応じて強調度あるいは非強調度を違えるようにしてもよい。たとえば、遊技機10は、図柄560の左部560Lの輪郭表示を強調表示するとき、縦軸(中心軸)から遠い位置程輪郭表示を太くすることができ、図柄560の右部560Rの輪郭表示を非強調表示するとき、縦軸(中心軸)から遠い位置程輪郭表示を細くすることができる。
次に、第2の実施形態の遊技機10の別例として、図柄の輪郭表示切替対象部分について図27を用いて説明する。図27は、第2の実施形態の装飾図柄の仮停止表示中の輪郭表示切替対象部分の一例を示す図である。
遊技機10は、図25および図26に示したように縦方向の中心線で図柄を左半分と右半分とに二分して、2つの部分を切替対象輪郭表示部分とすることができる。たとえば、図27(1)に示す図柄570は、左部分570aと右部分570bとに2分され、左部分570aと右部分570bのそれぞれを輪郭表示切替対象部分として輪郭表示を強調表示と非強調表示とに切り替え得る。
また、遊技機10は、図柄を一側にある一部分(一側部分)と他側にある一部分(他側部分)とを図柄の輪郭表示切替対象部分とし、その余の部分を図柄の輪郭表示切替対象部分としないものであってもよい。たとえば、図27(2)に示す図柄571は、一側部分571aと他側部分571bとが設定され、一側部分571aと他側部分571bのそれぞれを輪郭表示切替対象部分として輪郭表示を強調表示と非強調表示とに切り替え得る。また、図27(2)に示す図柄571は、一側部分571aと他側部分571bとして設定されないその余の部分を輪郭表示切替対象部分としない。
なお、図柄の一側部分と他側部分とは図柄中心から対称となる位置関係であることが望ましいが、これに限らない任意の位置関係であってもよい。また、図柄の一側部分と他側部分とは、図柄の仮停止時の揺動態様に関係して設定されることが望ましいが、これに限らない任意の位置関係で設定されるものであってもよい。
また、遊技機10は、図柄の一部分のみを図柄の輪郭表示切替対象部分とし、その余の部分を図柄の輪郭表示切替対象部分としないものであってもよい。たとえば、図27(3)に示す図柄572は、一部分572aが設定され、一部分572aを輪郭表示切替対象部分として輪郭表示を強調表示と非強調表示とに切り替え得る。また、図27(3)に示す図柄572は、一部分572aとして設定されないその余の部分を輪郭表示切替対象部分としない。
なお、図柄の輪郭表示切替対象部分は、1つに限らず、2つ、または3つ以上設定されるものであってもよく、仮停止表示の感得に寄与する任意の位置関係で設定されるものであってもよい。
上述した第2の実施形態の遊技機10(変形例を含む)は、一側面において以下のような特徴を有する。
(1)遊技機10は、図柄(たとえば、図柄570、571,572)を変動表示する変動表示ゲーム(たとえば、特図1ゲーム、特図2ゲーム)を表示可能な表示手段(たとえば、表示装置41)と、図柄を仮停止表示させるとき、図柄の輪郭表示を第1の太さとする第1状態(たとえば、標準太さ)と、図柄の第1部分(たとえば、左部分570a、一側部分571a、一部分572a)を第1の太さより太い第2の太さ(たとえば、強調表示)として表示手段に表示させる制御手段と、を含む(図25から図27参照)。
(2) (1)の制御手段は、図柄(たとえば、図柄570、571)のその余の第2部分(たとえば、右部分570b、他側部分571b)を第1の太さより細い第3の太さとする第2状態(たとえば、非強調表示)として表示手段に表示させる(図25から図27参照)。
[第3の実施形態]
第1の実施形態の遊技機の説明においては遊技盤30を備える遊技機として説明したが、第3の実施形態は遊技盤30と異なる遊技盤800(図28参照)を備える遊技機として説明する。図28は、第3の実施形態の遊技盤の一例を示す正面図である。なお、第1の実施形態と同様の構成については、符号を同じにして説明を省略する場合がある。
遊技盤800の表面には、ガイドレール31で囲われた略円形状の遊技領域32が形成されている。遊技領域32は、遊技盤800の四隅に各々設けられた樹脂製のサイドケース33およびガイドレール31に囲繞されて構成される。遊技領域32には、ほぼ中央に表示装置(変動表示装置)41を備えたセンターケース(遊技演出構成体)820が配置されている。表示装置830は、センターケース820に設けられた凹部に、センターケース820の前面より奥まった位置に取り付けられている。すなわち、センターケース820は表示装置830の表示領域の周囲を囲い、表示装置830の表示面よりも前方へ突出し、周囲の遊技領域32から遊技球が飛び込みにくくなるように形成されている。
表示装置830は、LEDによるドットマトリクス表示可能な表示画面を有する装置で構成されている。なお、表示装置830は、たとえば、LCD(液晶表示器)、CRT(ブラウン管)等の表示画面を有する装置で構成されるものであってもよい。表示画面の画像を表示可能な領域(表示領域)には、複数の識別情報(特別図柄)や特図変動表示ゲームを演出するキャラクタや演出効果を高める背景画像等の遊技に関する情報が表示される。表示装置830の表示画面においては、識別情報として割り当てられた複数の特別図柄が変動表示(可変表示)されて、特図変動表示ゲームに対応した飾り特図変動表示ゲームがおこなわれる。また、表示画面には、遊技の進行にもとづく演出のための画像(たとえば、大当り表示画像、ファンファーレ表示画像、エンディング表示画像等)が表示される。
また、センターケース820の上部には、動作することによって遊技の演出をおこなう盤演出装置44が備えられている。この盤演出装置44は、図28に示す状態から表示装置830の中央へ向けて動作可能となっている。
遊技領域32におけるセンターケース820の下方右側には、普図変動表示ゲームの開始条件を与える普通図柄始動ゲート(普図始動ゲート)34が設けられている。普図始動ゲート34に入賞した遊技球(普図始動ゲート34を通過する遊技球)は、ゲートスイッチ34a(図29参照)により検出される。
また、遊技領域32におけるセンターケース820の下方左側には、一般入賞口35が配置され、センターケース820の下方右側であって後述する特別変動入賞装置95の右部には、一般入賞口35が配置されている。これら一般入賞口35に入賞した遊技球は、入賞口スイッチ35a(図29参照)により検出される。
また、遊技領域32におけるセンターケース820の下方には、第1特図変動表示ゲーム(特図1変動表示ゲーム)の開始条件を与える第1始動入賞口(始動入賞領域)をなす始動入賞口36(始動口1)が設けられている。始動入賞口36に入賞した遊技球は、始動口1スイッチ36a(図29参照)により検出される。
また、始動入賞口36の下方には、入賞口等に入賞しなかった遊技球を回収するアウト口30aが設けられている。
また、センターケース820よりも下方位置であって、普図始動ゲート34の左部には、第2特図変動表示ゲーム(特図2変動表示ゲーム)の開始条件を与える普通変動入賞装置37(第2始動入賞口、始動入賞領域)が設けられている。普通変動入賞装置37(始動口2)は、流入部分となる位置に可動部材37bが設けられる。可動部材37bは、普電ソレノイド37c(図29参照)によって前後方向にスライド移動して流入部分への遊技球の流入を阻止する阻止状態と、後方へ退避して流入部分への遊技球の流入を許容する許容状態とに変化させられるようになっている。可動部材37bは、常時は閉状態(遊技者にとって不利な状態)を保持している。そして、普図変動表示ゲームの結果が所定の停止表示態様となった場合には、開状態(遊技者にとって有利な状態)に変化させられるようになっている。普通変動入賞装置37に入賞した遊技球は、始動口2スイッチ37a(図29参照)により検出される。なお、普通変動入賞装置37が閉状態でも入賞できるようにし、閉状態では開状態よりは入賞しにくいものとしても良い。普通変動入賞装置37は普通電動役物(普電)に相当する。
また、遊技領域32におけるセンターケース820の右側には、特図変動表示ゲーム(特図1変動表示ゲーム、および特図2変動表示ゲーム)の結果によって遊技球を受け入れない状態と受け入れ易い状態とに変換可能な特別変動入賞装置(大入賞口1)38が配設されている。特別変動入賞装置38は、開閉部材(可動片)38cを有しており、補助遊技としての特図変動表示ゲームの結果如何によって開閉部材38cが大入賞口を閉じた閉状態(遊技者にとって不利な閉塞状態)から開閉部材38cが退避して遊技領域32を流下する遊技球を受け入れ可能な開状態(遊技者にとって有利な状態)に変換する。すなわち特別変動入賞装置38は、駆動装置としての大入賞口1ソレノイド38b(図29参照)により駆動される開閉部材38cによって開閉される大入賞口(大入賞口1)を備え、特図1変動表示ゲーム及び特図2変動表示ゲームの結果による大当り遊技状態(特別遊技状態)中、および後述する特定領域96への入賞による大当り遊技状態(特別遊技状態)中は、大入賞口を閉じた状態から開いた状態に変換することにより大入賞口内への遊技球の流入を容易にさせ、遊技者に所定の遊技価値(賞球)を付与するようになっている。なお、大入賞口の内部(入賞領域)には、当該大入賞口に入った遊技球を検出する検出手段としての大入賞口スイッチ(カウントスイッチ)38a(図29参照)が配設されている。
また、遊技領域32におけるセンターケース820の右下側には、特図変動表示ゲーム(特図1変動表示ゲーム、および特図2変動表示ゲーム)の結果によって遊技球を受け入れない状態と受け入れ易い状態とに変換可能な特別変動入賞装置(大入賞口2)95が配設されている。特別変動入賞装置95は、開閉部材(開閉扉)95cを有しており、補助遊技としての特図変動表示ゲームの結果如何によって開閉部材95cが大入賞口を閉じた閉状態(遊技者にとって不利な閉塞状態)から開閉部材95cが退避して遊技領域32を流下する遊技球を受け入れ可能な開状態(遊技者にとって有利な状態)に変換する。すなわち特別変動入賞装置95は、駆動装置としての大入賞口2ソレノイド95b(図29参照)により駆動される開閉部材95cによって開閉される大入賞口(大入賞口2)を備え、特図1変動表示ゲーム及び特図2変動表示ゲームの結果による小当り遊技状態中は、大入賞口を閉じた状態から開いた状態に変換することにより大入賞口内への遊技球の流入を容易にさせ、遊技者に所定の遊技価値(賞球)を付与するようになっている。なお、大入賞口の内部(入賞領域)には、当該大入賞口に入った遊技球を検出する検出手段としての大入賞口スイッチ(カウントスイッチ)38a(図29参照)が配設されている。
また、特別変動入賞装置95は、入賞口内に入賞した遊技球を特定領域96に誘導するV流路を備える。特別変動入賞装置95は、特定領域96に流入した遊技球を検出する特定領域スイッチ95e(図29参照)が設けられている。なお、特定領域スイッチ95eにおける遊技球の検出(特定領域96への入賞)は、特別変動入賞装置(大入賞口1)38を閉じた状態から開いた状態に変換する大当り遊技状態(特別遊技状態)の発生条件の1つとなっている。
また、センターケース820は、ワープ流路を備えないが、ワープ流路を備えるようにしてもよい。たとえば、センターケース820の左側側部にワープ口(ワープ入口)を設け、ワープ口からワープ流路に流入した遊技球をセンターケース820内のステージ上を転動させ、その一部をワープ出口に案内するようにしてもよい。その場合、ワープ出口は、始動入賞口36の直上に位置するようにして、ワープ出口に案内された遊技球を始動入賞口36に入賞しやすくなるようにしてもよい。
第3の実施形態の遊技機10においては、遊技球が流下する遊技領域32のうち、センターケース820の左方の領域が左側遊技領域とされ、センターケース820の右方の領域が右側遊技領域とされている。そして、遊技者が発射勢を調節して左側遊技領域へ遊技球を発射(いわゆる左打ち)することで始動入賞口36や一般入賞口35(左側遊技領域に位置する)への入賞を狙うことができ、右側遊技領域へ遊技球を発射(いわゆる右打ち)することで普図始動ゲート34や普通変動入賞装置37、特別変動入賞装置38,95、一般入賞口35(右側遊技領域に位置する)などへの入賞を狙うことができるようになっている。
また、遊技領域32の外側(ここでは遊技盤800の右下部)には、特図変動表示ゲームをなす第1特図変動表示ゲームや第2特図変動表示ゲームおよび普図始動ゲート34への入賞をトリガとする普図変動表示ゲームの表示や、各種情報を表示する一括表示装置50が設けられている。
一括表示装置50は、LED等で構成されたラウンド表示部51と、特図1保留表示部52と、特図1図柄表示部53と、特図2図柄表示部54と、普図図柄表示部55と、普図保留表示部56と状態表示部57とを備える(図5参照)。一括表示装置50の詳細は、後述する。
遊技機10は、特別変動入賞装置(大入賞口1)38の近傍右側に右打ち案内表示装置91を備える。右打ち案内表示装置91は、遊技者に右打ちを案内するときに点灯し、その他の状態で消灯する。なお、右打ち案内表示装置91は、盤装飾装置46に含まれる。
遊技機10は、特別変動入賞装置(大入賞口2)95の近傍上側に当り機会案内表示装置92を備える。当り機会案内表示装置92は、点灯態様により遊技者に当り機会を案内する。たとえば、当り機会案内表示装置92は、2回の当り機会があるときにメッセージ「あと2チャンス」に対応するLEDを点灯し、その余を消灯する。また、当り機会案内表示装置92は、1回の当り機会があるときにメッセージ「あと1チャンス」に対応するLEDを点灯し、その余を消灯する。当り機会案内表示装置92は、次回以降の当りチャンスを有する当り中においてメッセージ「開花中」に対応するLEDを点灯し、その余を消灯する。なお、当り機会案内表示装置92は、盤装飾装置46に含まれる。
遊技機10は、遊技領域32におけるセンターケース50の右下に特図ゲーム変動表示状態表示装置98を備える。特図ゲーム変動表示状態表示装置98は、いわゆる第4図柄表示装置であって、2つのLEDで構成される。特図ゲーム変動表示状態表示装置98は、左側LEDにより特図1変動表示ゲームの変動表示状態を表示し、右側LEDにより特図2変動表示ゲームの変動表示状態を表示する。たとえば、特図ゲーム変動表示状態表示装置98は、点灯により特図変動表示ゲームの図柄停止状態を報知し、点滅により特図変動表示ゲームの図柄変動状態を報知する。なお、特図ゲーム変動表示状態表示装置98は、盤装飾装置46に含まれる。
遊技機10は、遊技領域32におけるセンターケース50の右側に普図変動表示装置93と普図保留表示装置94を備える。普図変動表示装置93は、2つのLEDで構成され、交互点滅により普図ゲームの変動表示状態を報知し、点灯または消灯の組合せ態様により普図ゲームの変動表示結果を報知する。また、普図保留表示装置94は、2つのLEDで構成され、消灯、点灯、点滅の組合せ態様により0個から4個までの普図保留数を報知する。なお、普図変動表示装置93と普図保留表示装置94は、盤装飾装置46に含まれる。
次に、遊技機の制御システムについて図29を用いて説明する。なお、第1の実施形態の遊技機の説明においては遊技制御装置100を備える遊技機として説明したが、第3の実施形態は遊技制御装置100と異なる遊技制御装置100a(図29参照)を備える遊技機として説明する。図29は、第3の実施形態の遊技機の制御システムの一例を示すブロック図である。なお、第1の実施形態と同様の構成については、符号を同じにして説明を省略する場合がある。
遊技機10は、遊技制御装置100aを備え、遊技制御装置100aは、遊技を統括的に制御する主制御装置(主基板)であって、遊技用マイクロコンピュータ(以下、遊技用マイコンと称する)111を有するCPU部110と、入力ポートを有する入力部120と、出力ポートやドライバ等を有する出力部130と、CPU部110と入力部120と出力部130との間を接続するデータバス140等からなる。
遊技用マイコン111の入力部120には、始動入賞口36内の始動口1スイッチ36a、普通変動入賞装置37内の始動口2スイッチ37a、普図始動ゲート34内のゲートスイッチ34a、入賞口スイッチ35a、特別変動入賞装置38、95の大入賞口スイッチ38a、特別変動入賞装置95の特定領域スイッチ38eに接続され、これらのスイッチから供給されるハイレベルが11Vでロウレベルが7Vのような負論理の信号が入力され、0V−5Vの正論理の信号に変換するインタフェースチップ(近接I/F)121が設けられている。
また、出力部130には、データバス140に接続され、特別変動入賞装置38(大入賞口1)の開閉部材38cを開閉させる大入賞口1ソレノイド38bの開閉データ、特別変動入賞装置95(大入賞口2)の開閉部材95cを開閉させる大入賞口2ソレノイド95bの開閉データ、普通変動入賞装置37の可動部材37bを開閉させる普電ソレノイド37cの開閉データ、および性能表示装置135の表示データを出力するための第1出力ポート134aが設けられている。
〔タイマ割込み処理〕
次に、遊技制御装置100aのタイマ割込み処理について図30を用いて説明する。図30は、第3の実施形態のタイマ割込み処理のフローチャートを示す図である。第3の実施形態のタイマ割込み処理は、ステップS83とステップS84の間でステップS830を実行する点で、第1の実施形態のタイマ割込み処理と相違する。
制御部は、特図1変動表示ゲームに関する処理をおこなう特図1ゲーム処理(ステップS82)、特図2変動表示ゲームに関する処理をおこなう特図2ゲーム処理(ステップS83)に続いて、いわゆる2種ゲームに関する処理をおこなう2種ゲーム処理(ステップS830)を実行し、その後に普図変動表示ゲームに関する処理をおこなう普図ゲーム処理(ステップS84)を実行する。
次に、第3の実施形態の遊技機10の遊技性能について図31を用いて説明する。図31は、第3の実施形態の遊技機の遊技性能の一例を示す図である。遊技機10は、いわゆる1種+2種と呼ばれるゲーム性を有する。1種と呼ばれるゲーム性は、特図ゲーム(変動表示ゲーム)における乱数抽選の結果として大当りを導出可能とするものであり、図柄の変動表示により乱数抽選の結果報知を演出する。2種と呼ばれるゲーム性は、所定タイミングにおける特定領域96への入賞検出によって大当りを導出可能とするものである。
なお、遊技機10は、特図ゲームとして特図1ゲームと特図2ゲームとを実行可能である。特図1ゲームは、始動入賞口36への1回の入賞を契機として1回の変動表示を実行可能であり、変動表示の実行権利を最大4つ(最大保留数)まで記憶可能である。特図1ゲームは、大当り確率を1/199とし、小当り確率を0/199とし、その余の198/199をはずれとする。特図1ゲームは、大当りのうちの1/3を普電サポートありとし、大当りのうちの2/3を普電サポートなしとする。
特図2ゲームは、普通変動入賞装置37への1回の入賞を契機として1回の変動表示を実行可能であり、変動表示の実行権利を最大1つ(最大保留数)まで記憶可能である。特図2ゲームは、大当り確率を1/199とし、小当り確率を198/199とし、はずれを0/199とする。特図2ゲームは、大当りのうちの1/3(大当り時サポあり確率)を普電サポートありとし、大当りのうちの2/3(大当り時サポなし確率)を普電サポートなしとする。なお、遊技機10は、特図1ゲームと特図2ゲームとで大当り確率を同じとしたが異なるものであってもよい。
2種ゲームは、ゲームの性質上、最大保留数や大当り確率、小当り確率の設定がない。2種ゲームは、大当りのうちの1/3を普電サポートありとし、大当りのうちの2/3を普電サポートなしとする。なお、遊技機10は、特図1ゲームと特図2ゲームと2種ゲームとで大当り時サポあり確率や大当り時サポなし確率を同じとしたが、すべてのゲームで異なるものであってもよいし、一部のゲームで異なるものであってもよい。
次に、このような遊技性能を有する遊技機10のゲーム性について図32を用いて説明する。図32は、第3の実施形態の遊技機の遊技状態遷移の一例を示す図である。
遊技機10は、普電サポートがあるサポあり状態と、普電サポートがないサポなし状態とを切り替えて制御可能である。また、遊技機10は、特図ゲームの抽選確率を低確率に固定して制御可能である。すなわち、遊技機10は、普電サポートがなく、特図ゲームの抽選確率が低確率である「サポなし/低確」状態と、普電サポートがあり、特図ゲームの抽選確率が低確率である「サポあり/低確」状態とを切り替えて制御可能である。
「サポなし/低確」状態は、「通常モード」と「チャンスモード」とを含む。「サポなし/低確」状態における「通常モード」は、特図1ゲームを実行する遊技状態である。「サポなし/低確」状態における「チャンスモード」は、特図2ゲームを実行する遊技状態である。「サポあり/低確」状態は、「通常モード」を含む。「サポあり/低確」状態における「通常モード」は、特図1ゲームまたは特図2ゲームを実行する遊技状態である。
遊技機10は、「サポなし/低確」状態における「通常モード」が、遊技者が遊技を開始する際の初期状態となる。遊技機10は、「サポなし/低確」状態における「通常モード」から遷移条件「状態遷移A」の成立により「サポあり/低確」状態に遷移する。遷移条件「状態遷移A」は、特図1ゲームにおいて導出したサポあり大当りの終了である。なお、遊技機10は、「サポなし/低確」状態における「通常モード」から遷移条件「状態遷移B」の成立においては「サポなし/低確」状態のままとなる。遷移条件「状態遷移B」は、特図1ゲームにおいて導出したサポなし大当りの終了である。
遊技機10は、「サポあり/低確」状態における「通常モード」から遷移条件「状態遷移C」の成立においては「サポあり/低確」状態のままとなる。遷移条件「状態遷移C」は、特図1ゲームまたは特図2ゲーム(特図2ゲームの結果に関連して実行される2種ゲームを含む)において導出したサポあり大当りの終了である。遊技機10は、「サポあり/低確」状態における「通常モード」から遷移条件「状態遷移D」の成立により「サポなし/低確」状態に遷移する。遷移条件「状態遷移D」は、普電サポートの終了である。
普電サポートは、特図2ゲームにおける変動表示1回の実行終了を終了条件(条件1)とする。また、普電サポートは、条件1に加えて、特図1ゲームにおける変動表示N回(たとえば、特図2ゲームにおける終了条件より大きい4回)の実行終了を終了条件(条件2)とする。さらに、普電サポートは、条件1および条件2に加えて、小当りの発生1回を終了条件(条件3)とする。
なお、特図2ゲーム(特図2ゲームの結果に関連して実行される2種ゲームを含む)においてサポなし大当りを導出した場合には、サポなし大当りの終了が遷移条件「状態遷移D」の成立となる。
遊技機10は、「サポなし/低確」状態における「チャンスモード」から遷移条件「状態遷移E」の成立により「サポあり/低確」状態に遷移する。遷移条件「状態遷移E」は、特図2ゲーム(特図2ゲームの結果に関連して実行される2種ゲームを含む)において導出したサポあり大当りの終了である。なお、遊技機10は、「サポなし/低確」状態における「チャンスモード」から遷移条件「状態遷移F」の成立においては「サポなし/低確」状態のままとなる。ただし、「チャンスモード」は、遷移条件「状態遷移F」の成立により「通常モード」となる。遷移条件「状態遷移F」は、特図2ゲーム(特図2ゲームの結果に関連して実行される2種ゲームを含む)において導出したサポなし大当りの終了である。
このような遊技機10における遊技進行について図33を用いて説明する。図33は、第3の実施形態の遊技機のゲームシーケンスの一例を示す図(その1)である。遊技機10は、「サポなし/低確」状態において始動入賞口36への入賞が期待でき、普通変動入賞装置37への入賞が期待できないことから、右打ち遊技ではなく左打ち遊技による遊技進行を案内する。そのため、遊技機10は、「サポなし/低確」状態において特図1保留の発生が期待できるが、特図2保留の発生が期待できない。したがって、遊技機10は、「サポなし/低確」状態において特図1ゲームの変動表示を実行する「通常モード」であることが普通である。
シーケンス1は、特図1ゲームにおける変動表示結果として導出された遊技状態「大当り(普電サポートあり)」であることを示す。遊技状態「大当り(普電サポートあり)」は、大当り動作中であり、普電サポート「なし」、確率変動「低確率」、特図1保留数「4」、特図2保留数「0」である。遊技状態「大当り(普電サポートあり)」は、大当り終了後に、普電サポート「あり」となる。遊技機10は、大当り中において特別変動入賞装置(大入賞口1)38への入賞が期待できることから、右打ち遊技による遊技進行を案内する。また、遊技機10は、大当り終了後の「サポあり/低確」状態において普通変動入賞装置37への入賞が期待できることから、右打ち遊技による遊技進行を案内する。
シーケンス2は、大当り終了後の遊技状態「特図1図柄変動」を示す。遊技機10は、特図1ゲームに優先して特図2ゲームを実行するが、未だ特図2保留数「0」であることから、特図1保留数「4」を「3」にして特図1ゲームを実行する。
シーケンス3は、遊技状態「特図1図柄変動」を示す。遊技機10は、特図1ゲームの変動表示中に普通変動入賞装置37への入賞が発生すると特図2保留数「0」を「1」にする。なお、遊技機10は、普通変動入賞装置37への2以上の入賞が発生しても特図2保留数の最大数にしたがい特図2保留数「1」を上限とする。
シーケンス4は、遊技状態「特図1図柄停止(はずれ)」を示す。シーケンス5は、遊技状態「特図2図柄変動」を示す。遊技機10は、特図2保留数「1」であることから、特図2保留数「1」を「0」にして特図1ゲームに優先して特図2ゲームを実行する。
シーケンス6は、遊技状態「特図2図柄変動」を示す。遊技機10は、特図2ゲームの変動表示中に普通変動入賞装置37への入賞が発生すると特図2保留数「0」を「1」にする。
シーケンス7は、遊技状態「特図2図柄停止(小当り/大当り)」を示す。遊技機10は、特図2ゲームにおける変動表示結果として大当りを導出した場合にはそのまま大当り動作(1種ゲーム大当り動作)に移行し、特図2ゲームにおける変動表示結果として小当りを導出した場合には特別変動入賞装置(大入賞口2)95を開放し、特定領域96への入賞を条件(2種ゲーム)として大当り動作(2種ゲーム大当り動作)に移行する。
シーケンス8は、特図2ゲーム(特図2ゲームの結果に関連して実行される2種ゲームを含む)の結果として導出された遊技状態「大当り(普電サポートなし)」であることを示す。遊技状態「大当り(普電サポートなし)」は、大当り動作中であり、普電サポート「なし」、確率変動「低確率」、特図1保留数「3」、特図2保留数「1」である。遊技状態「大当り(普電サポートなし)」は、大当り終了後に、継続して普電サポート「なし」となる。遊技機10は、「サポなし/低確」状態において普通変動入賞装置37への入賞が期待できないが、特図2ゲームの実行機会(特図2保留数「1」)があり、特図2ゲーム(特図2ゲームの結果に関連して実行される2種ゲームを含む)の結果として大当りの発生が期待できることから右打ち遊技による遊技進行を案内する。
シーケンス9は、遊技状態「特図2図柄変動」を示す。遊技機10は、特図2保留数「1」であることから、特図2保留数「1」を「0」にして特図1ゲームに優先して特図2ゲームを実行する。
シーケンス10は、遊技状態「特図2図柄停止(小当り/大当り)」を示す。遊技機10は、特図2ゲームにおける変動表示結果として大当りを導出した場合にはそのまま大当り動作(1種ゲーム大当り動作)に移行し、特図2ゲームにおける変動表示結果として小当りを導出した場合には特別変動入賞装置(大入賞口2)95を開放し、特定領域96への入賞を条件(2種ゲーム)として大当り動作(2種ゲーム大当り動作)に移行する。
シーケンス11は、特図2ゲーム(特図2ゲームの結果に関連して実行される2種ゲームを含む)の結果として導出された遊技状態「大当り(普電サポートなし)」であることを示す。遊技状態「大当り(普電サポートなし)」は、大当り動作中であり、普電サポート「なし」、確率変動「低確率」、特図1保留数「3」、特図2保留数「0」である。遊技状態「大当り(普電サポートなし)」は、大当り終了後に、継続して普電サポート「なし」となる。遊技機10は、「サポなし/低確」状態において普通変動入賞装置37への入賞が期待できず、特図2ゲームの実行機会(特図2保留数「0」)もなく、特図2ゲーム(特図2ゲームの結果に関連して実行される2種ゲームを含む)の結果として大当りの発生が期待できないことから左打ち遊技による遊技進行を案内する。
シーケンス12は、大当り終了後の遊技状態「特図1図柄変動」を示す。遊技機10は、特図1ゲームに優先して特図2ゲームを実行するが、特図2保留数「0」であることから、特図1保留数「3」を「2」にして特図1ゲームを実行する。この後、遊技機10は、特図1ゲームにおける変動表示結果として大当りを導出しない限り、特図1ゲームの実行による遊技進行をおこなう。
すなわち、遊技機10は、特図1ゲームにおける変動表示結果として大当り(普電サポートあり)を導出すると、後2回の大当り発生機会を得る遊技性を有する。なお、遊技機10は、後2回の大当り発生機会のうちで、さらに大当り(普電サポートあり)を導出すると、当該大当りからさらに後2回の大当り発生機会を得る。
ここで、後2回の大当り発生機会のうちで、さらに大当り(普電サポートあり)を導出する場合について、シーケンス11において普電サポートなしであった大当りが普電サポートありであったとする遊技進行について図34を用いて説明する。図34は、第3の実施形態の遊技機のゲームシーケンスの一例を示す図(その2)である。
シーケンス11aは、特図2ゲーム(特図2ゲームの結果に関連して実行される2種ゲームを含む)の結果として導出された遊技状態「小当り/大当り(普電サポートあり)」であることを示す。遊技状態「小当り/大当り(普電サポートあり)」は、大当り動作中であり、普電サポート「なし」、確率変動「低確率」、特図1保留数「3」、特図2保留数「0」である。遊技状態「大当り(普電サポートあり)」は、大当り終了後に、普電サポート「あり」となる。遊技機10は、大当り中において特別変動入賞装置(大入賞口1)38への入賞が期待できることから、右打ち遊技による遊技進行を案内する。また、遊技機10は、大当り終了後の「サポあり/低確」状態において普通変動入賞装置37への入賞が期待できることから、右打ち遊技による遊技進行を案内する。
シーケンス12aは、大当り終了後の遊技状態「特図1図柄変動」を示す。遊技機10は、特図1ゲームに優先して特図2ゲームを実行するが、未だ特図2保留数「0」であることから、特図1保留数「3」を「2」にして特図1ゲームを実行する。
シーケンス13aは、遊技状態「特図1図柄変動」を示す。遊技機10は、特図1ゲームの変動表示中に普通変動入賞装置37への入賞が発生すると特図2保留数「0」を「1」にする。
シーケンス14aは、遊技状態「特図1図柄停止(はずれ)」を示す。シーケンス15aは、遊技状態「特図2図柄変動」を示す。遊技機10は、特図2保留数「1」であることから、特図2保留数「1」を「0」にして特図1ゲームに優先して特図2ゲームを実行する。
シーケンス16aは、遊技状態「特図2図柄変動」を示す。遊技機10は、特図2ゲームの変動表示中に普通変動入賞装置37への入賞が発生すると特図2保留数「0」を「1」にする。
シーケンス17aは、遊技状態「特図2図柄停止(小当り/大当り)」を示す。遊技機10は、特図2ゲームにおける変動表示結果として大当りを導出した場合にはそのまま大当り動作(1種ゲーム大当り動作)に移行し、特図2ゲームにおける変動表示結果として小当りを導出した場合には特別変動入賞装置(大入賞口2)95を開放し、特定領域96への入賞を条件(2種ゲーム)として大当り動作(2種ゲーム大当り動作)に移行する。
シーケンス18aは、特図2ゲーム(特図2ゲームの結果に関連して実行される2種ゲームを含む)の結果として導出された遊技状態「小当り/大当り(普電サポートなし)」であることを示す。遊技状態「小当り/大当り(普電サポートなし)」は、大当り動作中であり、普電サポート「なし」、確率変動「低確率」、特図1保留数「2」、特図2保留数「1」である。遊技状態「大当り(普電サポートなし)」は、大当り終了後に、継続して普電サポート「なし」となる。遊技機10は、「サポなし/低確」状態において普通変動入賞装置37への入賞が期待できないが、特図2ゲームの実行機会(特図2保留数「1」)があり、特図2ゲーム(特図2ゲームの結果に関連して実行される2種ゲームを含む)の結果として大当りの発生が期待できることから右打ち遊技による遊技進行を案内する。
シーケンス19aは、遊技状態「特図2図柄変動」を示す。遊技機10は、特図2保留数「1」であることから、特図2保留数「1」を「0」にして特図1ゲームに優先して特図2ゲームを実行する。
シーケンス20aは、遊技状態「特図2図柄停止(小当り/大当り)」を示す。遊技機10は、特図2ゲームにおける変動表示結果として大当りを導出した場合にはそのまま大当り動作(1種ゲーム大当り動作)に移行し、特図2ゲームにおける変動表示結果として小当りを導出した場合には特別変動入賞装置(大入賞口2)95を開放し、特定領域96への入賞を条件(2種ゲーム)として大当り動作(2種ゲーム大当り動作)に移行する。
シーケンス21aは、特図2ゲーム(特図2ゲームの結果に関連して実行される2種ゲームを含む)の結果として導出された遊技状態「小当り/大当り(普電サポートあり)」であることを示す。遊技状態「小当り/大当り(普電サポートあり)」は、大当り動作中であり、普電サポート「なし」、確率変動「低確率」、特図1保留数「2」、特図2保留数「0」である。遊技状態「大当り(普電サポートあり)」は、大当り終了後に、普電サポート「あり」となる。遊技機10は、「サポあり/低確」状態において普通変動入賞装置37への入賞が期待できることから右打ち遊技による遊技進行を案内する。
シーケンス22aは、大当り終了後の遊技状態「特図1図柄変動」を示す。遊技機10は、特図1ゲームに優先して特図2ゲームを実行するが、特図2保留数「0」であることから、特図1保留数「2」を「1」にして特図1ゲームを実行する。この後、遊技機10は、特図1ゲームにおける変動表示結果として大当りを導出しない限り、特図1ゲームの実行による遊技進行をおこなう。
シーケンス23aは、遊技状態「特図1図柄変動」を示す。遊技機10は、特図1ゲームの変動表示中に普通変動入賞装置37への入賞が発生すると特図2保留数「0」を「1」にする。
このようにして、遊技機10は、後2回の大当り発生機会を繰り返し得ることで、多数回の大当り発生機会を得ることが可能な遊技性を有する。このとき、特図1保留数は、大当り発生機会を繰り返し得ることで漸減し得る。ただし、特図1保留数は、始動入賞口36への入賞があれば増加し得るが、大当り発生機会を繰り返し得る間、遊技機10が右打ち遊技による遊技進行を案内することから左打ちのように始動入賞口36への入賞機会を得ることを期待できない。
この結果、多数回の大当り発生機会を得た遊技機10は、シーケンスmに示すように、特図1保留数「0」に収束し得る。このような場合であっても、シーケンスm+1に示すように、特図2保留数の発生機会を得ながら多数回の大当り発生を継続することができる。
また、特図1保留数「0」以降においては、シーケンスnからn+1に示すように、特図1図柄変動を伴うことなく特図2保留数の発生機会を得ながら多数回の大当り発生を継続することができる。
なお、図33に示したシーケンスのうち、シーケンス12は、図32に示した「サポなし/低確」状態における「通常モード」に相当し、シーケンス2から7は、図32に示した「サポあり/低確」状態における「通常モード」に相当し、シーケンス9,10は、図32に示した「サポなし/低確」状態における「チャンスモード」に相当する。
また、図34に示したシーケンスのうち、シーケンス12aから17a、22a、23a、m、m+1、nからn+3は、図32に示した「サポあり/低確」状態における「通常モード」に相当し、シーケンス19a,20aは、図32に示した「サポなし/低確」状態における「チャンスモード」に相当する。
次に、特図2ゲームの変動表示パターン選択について図35を用いて説明する。図35は、第3の実施形態の特図2ゲームの変動表示パターン選択テーブルの一例を示す図である。
特図2ゲームは、時間値10000ms(変動時間)の変動表示パターンpt1、時間値20000msの変動表示パターンpt2、時間値30000msの変動表示パターンpt3、および時間値50000msの変動表示パターンpt4を用意する。すなわち、変動表示パターンpt1、pt2、pt3、pt4の順に、変動時間が大きくなっている。
遊技機10は、特図2ゲームの変動表示パターンの選択において、特図1保留数と特図2保留数の合計値を参照する。特図1保留数と特図2保留数の合計値が2以下の場合に、変動表示パターンpt1は確率pr1で選択され、変動表示パターンpt2は確率pr1より小さい確率pr2で選択され、変動表示パターンpt3は確率pr2より小さい確率pr3で選択され、変動表示パターンpt4は確率pr3より小さい確率pr4で選択される。また、特図1保留数と特図2保留数の合計値が3以上の場合に、変動表示パターンpt1は確率pr5で選択され、変動表示パターンpt2は確率pr5より大きい確率pr6で選択され、変動表示パターンpt3は確率pr6より大きい確率pr7で選択され、変動表示パターンpt4は確率pr7より大きい確率pr8で選択される。
遊技機10は、図33と図34を用いて説明したように、特図2保留数は「0」または「1」の値しかとり得ず、特図1保留数は多数回の大当り発生機会を得て漸減し「0」に収束する。すなわち、特図1保留数と特図2保留数の合計値は、値が大きいほどに大当り発生回数が小さい蓋然性が高く、値が小さいほどに大当り発生回数が大きい蓋然性が高い。
そこで、遊技機10は、遊技者が初回当りからの興奮冷めやらぬ時期において、より変動時間が大きい変動表示パターンが選択されやすいようにして、興趣高い演出を実行するための時間を確保する遊技性とする。一方で、遊技機10は、遊技者が初回当りから多数回の大当りが繰り返された時期において、より変動時間が小さい変動表示パターンが選択されやすいようにして、迅速な遊技進行を確保する遊技性とする。
このようにして、遊技機10は、興趣高い演出の実行と迅速な遊技進行とを時機に応じて適切に振り分けることができる。これにより、遊技機10は、多数回の大当り発生機会を得た際の遊技意欲低下抑制と、多様な演出による興趣向上とを両立することができる。
なお、遊技機10は、特図1保留数と特図2保留数の合計値が2以下の場合と3以上の場合とで変動表示パターンの選択確率を違えたが、特図1保留数と特図2保留数の合計値が大きいほどより変動時間が大きい変動表示パターンが選択されやすく、特図1保留数と特図2保留数の合計値が小さいほどより変動時間が小さい変動表示パターンが選択されやすいものであればこれに限らない。
なお、変動時間が小さい変動表示パターンの選択されやすさ、あるいは変動時間が大きい変動表示パターンの選択されやすさは、変動時間の期待値の大きさの比較によって定義できる。
なお、遊技機10は、特図1ゲームの変動表示パターン選択においては、特図1保留数だけを参照し、特図1保留数が大きいほどより変動時間が小さい変動表示パターンが選択されやすくする。
なお、遊技機10は、時間値10000msの変動表示パターンpt1において4回の疑似変動による4回の仮停止表示と1回の本停止表示とをおこない、時間値20000msの変動表示パターンpt2において14回の疑似変動による14回の仮停止表示と1回の本停止表示とをおこない、時間値30000msの変動表示パターンpt3において24回の疑似変動による24回の仮停止表示と1回の本停止表示とをおこない、時間値50000msの変動表示パターンpt4において34回の疑似変動による34回の仮停止表示と1回の本停止表示とをおこなう。遊技機10は、各変動表示パターンにおける仮停止表示において特定の図柄(たとえば、図柄「3」と図柄「7」)の出現回数で本停止表示における期待感を演出する。たとえば、遊技機10は、各変動表示パターンにおける仮停止表示において図柄「3」と図柄「7」の出現回数が多いほどに図柄「3」の組合せでの大当りや図柄「7」の組合せでの大当りを導出する期待感を演出する。また、遊技機10は、特定の図柄の出現位置や表示態様(たとえば、後述する欠損表示等)により期待感を変化させるものであってもよい。
なお、遊技機10は、図柄「3」の組合せでの大当りや図柄「7」の組合せでの大当りを大当り(普電サポートあり)とし、そのほかの図柄の組合せでの大当りを大当り(普電サポートなし)とすることで期待感を演出する。なお、遊技機10は、一括表示装置50の特図2図柄表示部54において大当りと小当りを区別可能にするものであれば、飾り図柄においては同じ図柄組み合わせで大当りと小当りを表現するものであってもよい。
次に、表示装置830の概観について図36を用いて説明する。図36は、第3の実施形態の表示装置の概観の一例を示す図である。表示装置830は、センターケース820が形成する凹室内に設けられ、図柄表示領域700と保留表示領域701と装飾表示領域702,703とを含む。
図柄表示領域700は、表示装置830の中央部に位置する。図柄表示領域700は、特図ゲームにおける図柄を表示可能である。なお、図柄表示領域700は、当りの発生等をメッセージにより報知可能であり、図柄表示領域という側面の他にメッセージ表示領域という側面を有する。また、図柄表示領域700は、桜吹雪等の装飾表示が可能であり、図柄表示領域という側面の他に装飾表示領域という側面を有する。図柄表示領域700の詳細は、図37を用いて後で説明する。
保留表示領域701は、図柄表示領域700に隣接して図柄表示領域700の下方に位置する。保留表示領域701は、特図ゲームにおける保留表示を表示可能である。なお、保留表示領域701は、桜吹雪等の装飾表示が可能であり、保留表示領域という側面の他に装飾表示領域という側面を有する。保留表示領域701の詳細は、図39を用いて後で説明する。
装飾表示領域702は、保留表示領域701に隣接して保留表示領域701の下方に位置する。装飾表示領域702は、桜吹雪等の装飾表示が可能である。装飾表示領域703は、図柄表示領域700に隣接して図柄表示領域700の上方に位置する。装飾表示領域703は、桜吹雪等の装飾表示が可能である。装飾表示領域702,703は、図柄表示領域700や保留表示領域701と連携して装飾表示をおこなうことができる。
次に、図柄表示領域700の概観について図37を用いて説明する。図37は、第3の実施形態の図柄表示領域の概観の一例を示す図である。図柄表示領域700は、左図柄領域704と中図柄表示領域705と右図柄表示領域706とを横方向に並べる。図柄表示領域700は、左図柄領域704に図柄「7」を表示し、中図柄表示領域705に図柄「7」を表示し、右図柄表示領域706に図柄「7」を表示する。
左図柄領域704と中図柄表示領域705と右図柄表示領域706は、それぞれ独立して発光制御可能なセグメント表示部707,708を10行7列にマトリクス状にして並べる。なお、セグメント表示部707,708は、それぞれ桜の花弁のような形状であり、LEDの発光制御により桜色に点灯可能である。セグメント表示部707は、端部を左下に向けた花弁形状であり、セグメント表示部708は、端部を右上に向けた花弁形状である。左図柄領域704と中図柄表示領域705と右図柄表示領域706とはそれぞれ、セグメント表示部707とセグメント表示部708とを行方向、列方向のそれぞれにおいて交互に配置する。
次に、遊技機10が図柄表示領域700において表示する特図ゲームの図柄について図38を用いて説明する。図38は、第3の実施形態の特図ゲームにおいて図柄表示領域に表示する図柄の一例を示す図である。
図柄711は、図柄表示領域700において表示する特図ゲームの図柄「1」を示す。図柄712は、図柄表示領域700において表示する特図ゲームの図柄「2」を示す。図柄713は、図柄表示領域700において表示する特図ゲームの図柄「3」を示す。図柄714は、図柄表示領域700において表示する特図ゲームの図柄「4」を示す。図柄715は、図柄表示領域700において表示する特図ゲームの図柄「5」を示す。図柄716は、図柄表示領域700において表示する特図ゲームの図柄「6」を示す。図柄717は、図柄表示領域700において表示する特図ゲームの図柄「7」を示す。図柄718は、図柄表示領域700において表示する特図ゲームの図柄「8」を示す。図柄719は、図柄表示領域700において表示する特図ゲームの図柄「9」を示す。図柄720は、図柄表示領域700において表示する特図ゲームの図柄「0」を示す。図柄721は、図柄表示領域700において表示する特図ゲームの図柄「桜」を示す。図柄722は、図柄表示領域700において表示する特図ゲームの図柄「花」を示す。図柄723は、図柄表示領域700において表示する特図ゲームの図柄「宝」を示す。図柄724は、図柄表示領域700において表示する特図ゲームの図柄「月」を示す。図柄725は、図柄表示領域700において表示する特図ゲームの図柄「光」を示す。
このように、遊技機10は、図柄表示領域700において特図ゲームの図柄を15種表示可能である。これら15種の図柄は、セグメント表示部707,708のうちいずれか1つの点灯態様が異なっても他の図柄と区別可能に表示態様が異なっている。
たとえば、aセグメントからgセグメントまでの7セグメントを有する7セグメント表示部で図柄を表示する場合、aセグメントからgセグメントまでの全点灯により図柄「8」を表すことができ、gセグメント(中央横)を除くaセグメントからfセグメントまでの点灯により図柄「0」を表すことができ、eセグメント(左下縦)を除くaセグメントからdセグメント、fセグメント、gセグメントの点灯により図柄「9」を表すことができる。一方で、eセグメントが装飾用途を兼ねて異なる点灯や消灯をおこなうと、図柄の識別性を喪失する事態となる。しかしながら、図柄表示領域700において表示する15種の図柄は、セグメント表示部707,708のうちいずれか1つが装飾用途を兼ねて異なる点灯態様となって識別力を喪失しない構成となっている。図柄表示領域700において表示する15種の図柄のうちでもっとも類似する図柄は、図柄「8」と図柄「0」であり、セグメント表示部707,708のうち特定の5つの点灯態様が図柄「8」と図柄「0」の差異となっている。したがって、図柄表示領域700において表示する15種の図柄は、7セグメント表示部のように一部のセグメント表示部が点灯態様を違えただけで図柄としての識別力を容易に喪失しない構成となっている。
なお、図柄表示領域700において表示する15種の図柄のうちで図柄「3」と図柄「7」は、同種の図柄の組合せで大当り(普電サポートあり)となる特定図柄である。また、図柄表示領域700において表示する15種の図柄のうちで図柄「3」と図柄「7」を除く図柄は、同種の図柄の組合せで大当り(普電サポートなし)となる非特定図柄である。
次に、保留表示領域701の概観について図39を用いて説明する。図39は、第3の実施形態の保留表示領域の概観の一例を示す図である。保留表示領域701は、1番目の保留表示を表示可能な1番保留表示部731と、2番目の保留表示を表示可能な2番保留表示部732と、3番目の保留表示を表示可能な3番保留表示部733と、4番目の保留表示を表示可能な4番保留表示部734と、装飾表示部735,736,737とを含む。
1番保留表示部731と2番保留表示部732と3番保留表示部733と4番保留表示部734はそれぞれ、1つの花芯形状のセグメント表示部731aと、セグメント表示部731aを中心にして配置される5つの花弁形状のセグメント表示部731bとを備える。セグメント表示部731aとセグメント表示部731bとは、LEDの発光制御により桜色に点灯可能であり、それぞれ独立に発光制御可能である。
保留表示領域701は、遊技状態に応じて特図1ゲームの保留表示または特図2ゲームの保留表示をおこなうことができる。なお、保留表示領域701は、特図1ゲームの最大保留数が「4」なので特図1ゲームの保留表示をおこなう場合に1番保留表示部731と2番保留表示部732と3番保留表示部733と4番保留表示部734とを用いて保留表示をおこなうが、特図2ゲームの最大保留数が「1」なので特図2ゲームの保留表示をおこなう場合に1番保留表示部731だけを用いて保留表示をおこなう。
装飾表示部735,736,737は、それぞれ桜の花弁のような形状であり、LEDの発光制御により桜色に点灯可能である。装飾表示部735,736,737は、それぞれ端部をランダムな方向に向けた花弁形状であり、保留表示領域701の装飾表示を担うとともに、図柄表示領域700や装飾表示領域702,703と連携した装飾表示をおこなうことができる。
次に、保留記憶発生時におこなう保留表示の発生アニメーションについて図40を用いて説明する。図40は、第3の実施形態の保留表示の発生アニメーションの一例を示す図である。
1番保留表示部731と2番保留表示部732と3番保留表示部733と4番保留表示部734は、保留記憶発生時に対応する保留表示部について所定時間を用いて順次表示状態を切り替えることで保留表示の発生アニメーションをおこなう。
保留記憶発生時に対応する保留表示部は、表示状態738を初期状態、表示状態739を表示状態738に続く中間状態、表示状態790を表示状態739に続く最終状態として順次表示状態を切り替える。
表示状態738は、セグメント表示部731aとセグメント表示部731bとを消灯した表示状態(初期表示状態)である。表示状態739は、セグメント表示部731aを点灯し、セグメント表示部731bを消灯した表示状態(中間表示状態)である。表示状態790は、セグメント表示部731aとセグメント表示部731bとを点灯した表示状態(最終表示状態)である。
このようにして、遊技機10は、保留記憶発生時に保留表示の発生演出をおこなうことができる。これにより、遊技機10は、保留記憶発生を遊技者に明示するとともに、保留記憶発生に対する興趣向上を図る。
次に、図柄表示領域700において表示する特図ゲームの図柄を用いた表示演出の1つとして、遊技機10が実行可能な図柄欠損演出について図41から図43を用いて説明する。図41は、第3の実施形態の図柄欠損演出の一例を示す図(その1)である。図42は、第3の実施形態の図柄欠損演出の一例を示す図(その2)である。図43は、第3の実施形態の図柄欠損演出の一例を示す図(その3)である。
図柄欠損演出は、特図ゲームの図柄の一部を欠損して表示する表示演出である。前述した通り、特図ゲームの15種の図柄は、セグメント表示部707,708のうちいずれか1つの点灯態様が異なっても他の図柄と区別可能に表示態様が異なっている。なお、特図ゲームの15種の図柄は、セグメント表示部707,708のうちいずれか2つの点灯態様が異なっても他の図柄と区別可能であるし、位置によっては3つ以上の点灯態様が異なっても他の図柄と容易に区別可能である。
図柄欠損演出は、遊技者に意外感を与えることができるとともに、図柄に対しての注意力を喚起することができる。また、図柄欠損演出は、別途キャラクタ等の装飾要素を表示させることと比較して、用意する表示データが過大になることがなく表示制御負担も軽い。
図41(1)に示す図柄713は、特図ゲームの図柄「3」において一部欠損がない表示状態である。図柄713は、点灯すべき位置にあるセグメント表示部707,708のすべてが点灯し、消灯すべき位置にあるセグメント表示部707,708のすべてが消灯することで、図柄「3」としての好適な識別力を持つ。
図41(2)に示す図柄713aは、特図ゲームの図柄「3」において1つの一部欠損がある表示状態である。図柄713aは、点灯すべき位置にあるセグメント表示部707,708のうちセグメント表示部741を除くすべてが点灯し、消灯すべき位置にあるセグメント表示部707,708のすべてが消灯する。セグメント表示部741は、図柄「3」として点灯すべきところが消灯することで、図柄「3」としての一部欠損表示を演出する。図柄713aは、図柄「3」としての一部欠損があるものの図柄「3」としての十分な識別力を持つ。
図41(3)に示す図柄713bは、特図ゲームの図柄「3」において1つの一部欠損がある表示状態である。図柄713bは、点灯すべき位置にあるセグメント表示部707,708のうちセグメント表示部743を除くすべてが点灯し、消灯すべき位置にあるセグメント表示部707,708のすべてが消灯する。セグメント表示部743は、図柄「3」として点灯すべきところが消灯することで、図柄「3」としての一部欠損表示を演出する。図柄713bは、図柄「3」としての一部欠損があるものの図柄「3」としての十分な識別力を持つ。
図柄713aや図柄713bに示したように、遊技機10は、一部欠損位置が異なる一部欠損表示を演出することができる。この場合、遊技機10は、一部欠損位置がいずれにあるかによって遊技の期待感を演出するようにしてもよい。たとえば、遊技機10は、10行7列のマトリクス状配置のうちで、左上に位置する欠損位置ほど高い期待感を演出し、右下に位置するほど低い期待感を演出するようにしてもよい。遊技の期待感は、遊技に関して多様な期待感を演出可能であり、たとえば、当りの期待感や、普電サポートの有無の振分の期待感、リーチ演出の期待感等を演出可能である。
図41(4)に示す図柄713cは、特図ゲームの図柄「3」において複数(たとえば、2つ)の一部欠損がある表示状態である。図柄713cは、点灯すべき位置にあるセグメント表示部707,708のうちセグメント表示部744,745を除くすべてが点灯し、消灯すべき位置にあるセグメント表示部707,708のすべてが消灯する。セグメント表示部744,745は、図柄「3」として点灯すべきところが消灯することで、図柄「3」としての一部欠損表示を演出する。図柄713cは、図柄「3」としての一部欠損があるものの図柄「3」としての十分な識別力を持つ。
図柄713cに示したように、遊技機10は、一部欠損数が異なる一部欠損表示を演出することができる。この場合、遊技機10は、一部欠損数がいくつあるかによって遊技の期待感を演出するようにしてもよい。たとえば、遊技機10は、10行7列のマトリクス状配置のうちで、欠損数が多いほど高い期待感を演出し、欠損数が少ないほど低い期待感を演出するようにしてもよい。
また、遊技機10は、一部欠損数がいくつあるかだけでなく、一部欠損位置がいずれにあるかとの組合せによって、遊技の期待感を演出するようにしてもよい。たとえば、遊技機10は、10行7列のマトリクス状配置のうちで、特定位置に集中して欠損するほど高い期待感を演出し、全体にばらけて欠損するほど低い期待感を演出するようにしてもよい。
図41(5)に示す図柄713dは、第3の実施形態の変形例となる表示態様であり、セグメント表示部744,745が透過状態と不透過状態(桜色)の2状態のうちいずれかとなることで表示される。図柄713dは、表示装置830に代えて半透過型LCD表示装置やLCD表示装置を用いることで実現可能な表示態様である。図柄713dは、背景表示746の前面に図柄713dを配置し、セグメント表示部744,745のうち透過状態となるものから背景表示746を視認可能にする。
図柄713dは、特図ゲームの図柄「3」において一部欠損がない表示状態である。図柄713dは、不透過状態(桜色)となるべき位置にあるセグメント表示部707,708のすべてが不透過状態(桜色)となり、透過状態となるべき位置にあるセグメント表示部707,708のすべてが透過状態となることで、背景表示746を透過表示しながら図柄「3」としての好適な識別力を持つ。
図41(6)に示す図柄713eは、特図ゲームの図柄「3」(図柄713d)において1つの一部欠損がある表示状態である。図柄713eは、不透過状態(桜色)となるべき位置にあるセグメント表示部707,708のうちセグメント表示部747を除くすべてが不透過状態(桜色)となり、透過状態となるべき位置にあるセグメント表示部707,708のすべてが透過状態となる。セグメント表示部747は、図柄「3」として不透過状態(桜色)となるべきところが透過状態となることで、図柄「3」としての一部欠損表示を演出する。図柄713eは、図柄「3」としての一部欠損があるものの図柄「3」としての十分な識別力を持つ。また、図柄713eは、図柄「3」の一部欠損を通じて背景表示746の視認範囲を拡大する。なお、図柄713eもまた、一部欠損の位置や数を違えて遊技の期待感を演出するようにしてもよい。また、図柄713eは、一部欠損位置から臨む背景表示746の表示態様により遊技の期待感を演出するようにしてもよい。このような場合、背景表示746は、表示態様が固定されるものであってもよいし、変化するものであってもよい。
なお、図41(5)に示す図柄713dは、セグメント表示部744,745が透過状態、不透過状態(白色)、不透過状態(桜色)の3状態のうちいずれかとなることで表示されるものであってもよい。図41(7)に示す図柄713fは、特図ゲームの図柄「3」(図柄713d)において1つの一部欠損がある表示状態である。図柄713fは、不透過状態(桜色)となるべき位置にあるセグメント表示部707,708のうちセグメント表示部748を除くすべてが不透過状態(桜色)となり、透過状態となるべき位置にあるセグメント表示部707,708のすべてが透過状態となる。セグメント表示部748は、図柄「3」として不透過状態(桜色)となるべきところが不透過状態(白色)となることで、図柄「3」としての一部欠損表示を演出する。図柄713fは、図柄「3」としての一部欠損があるものの図柄「3」としての十分な識別力を持つ。また、図柄713fは、図柄「3」の一部欠損と背景表示746との区別を容易にする。なお、図柄713fもまた、一部欠損の位置や数を違えて遊技の期待感を演出するようにしてもよい。また、図柄713fは、2以上の欠損がある場合に、不透過状態(白色)による欠損と、透過状態による欠損とを混在させるものであってもよい。このような場合、図柄713fは、不透過状態(白色)による欠損と、透過状態による欠損との混在状態を違えて遊技の期待感を演出するようにしてもよい。
図41(8)に示す図柄713gは、特図ゲームの図柄「3」において1つの一部欠損がある表示状態である。図柄713gは、桜色で点灯すべき位置にあるセグメント表示部707,708のうちセグメント表示部749を除くすべてが桜色で点灯し、消灯すべき位置にあるセグメント表示部707,708のすべてが消灯する。セグメント表示部749は、図柄「3」として桜色で点灯すべきところが桜色で点滅することで、図柄「3」としての一部欠損表示を演出する。図柄713gは、図柄「3」としての一部欠損があるものの図柄「3」としての十分な識別力を持つ。なお、セグメント表示部749は、図柄「3」として桜色で点灯すべきところが桜色で点滅するとしたが、桜色と異なる色で点滅や点灯することで図柄「3」としての一部欠損を演出するものであってもよい。このような場合、図柄713gは、点滅態様(点滅パターンや周期等)や点灯色によって遊技の期待感を演出するようにしてもよい。また、図柄713gは、点滅態様や点灯色に加えて、欠損位置や欠損数との組合せによって遊技の期待感を演出するようにしてもよい。
図42(1)に示す図柄713hは、特図ゲームの図柄「3」において1つの一部欠損がある表示状態である。図柄713hは、点灯すべき位置にあるセグメント表示部707,708のすべてが点灯し、消灯すべき位置にあるセグメント表示部707,708のうちセグメント表示部750を除くすべてが消灯する。セグメント表示部750は、図柄「3」として消灯すべきところが点灯することで、図柄「3」としての一部欠損表示(余白欠損表示、ベース欠損表示)を演出する。図柄713hは、図柄「3」としての一部欠損があるものの図柄「3」としての十分な識別力を持つ。別観点によれば、図柄713hは、図柄「3」としての一部余剰表示があるものの図柄「3」としての十分な識別力を持つ。
図42(2)に示す図柄713iは、特図ゲームの図柄「3」において1つの一部欠損がある表示状態である。図柄713iは、桜色で点灯すべき位置にあるセグメント表示部707,708のすべてが桜色で点灯し、消灯すべき位置にあるセグメント表示部707,708のうちセグメント表示部751を除くすべてが消灯する。セグメント表示部751は、図柄「3」として消灯すべきところが桜色で点滅することで、図柄「3」としての一部欠損表示(余白欠損表示、ベース欠損表示)を演出する。図柄713iは、図柄「3」としての一部欠損があるものの図柄「3」としての十分な識別力を持つ。別観点によれば、図柄713iは、図柄「3」としての一部余剰表示があるものの図柄「3」としての十分な識別力を持つ。なお、セグメント表示部749は、図柄「3」として桜色で点灯すべきところが桜色で点滅するとしたが、桜色と異なる色で点滅や点灯することで図柄「3」としての一部欠損を演出するものであってもよい。
図42(3)に示す図柄713jは、特図ゲームの図柄「3」において複数(たとえば、2つ)の一部欠損がある表示状態である。図柄713jは、点灯すべき位置にあるセグメント表示部707,708のうちセグメント表示部753を除くすべてが点灯し、消灯すべき位置にあるセグメント表示部707,708のうちセグメント表示部752を除くすべてが消灯する。セグメント表示部752,753は、図柄「3」として消灯すべきところが点灯し、点灯すべきところが消灯することで、図柄「3」としての一部欠損表示(点灯部欠損表示、消灯部欠損表示)を演出する。図柄713jは、図柄「3」としての一部欠損があるものの図柄「3」としての十分な識別力を持つ。別観点によれば、図柄713jは、図柄「3」としての点灯部欠損表示と消灯部欠損表示が混在するものの図柄「3」としての十分な識別力を持つ。
図42(4)に示す図柄713kは、特図ゲームの図柄「3」において複数(たとえば、2つ)の一部欠損がある表示状態である。図柄713kは、桜色で点灯すべき位置にあるセグメント表示部707,708のうちセグメント表示部755を除くすべてが桜色で点灯し、消灯すべき位置にあるセグメント表示部707,708のうちセグメント表示部754を除くすべてが消灯する。セグメント表示部754,755は、図柄「3」として消灯すべきところが点滅し、点灯すべきところが点滅することで、図柄「3」としての一部欠損表示(点灯部欠損表示、消灯部欠損表示)を演出する。図柄713kは、図柄「3」としての一部欠損があるものの図柄「3」としての十分な識別力を持つ。別観点によれば、図柄713kは、図柄「3」としての点灯部欠損表示と消灯部欠損表示が混在するものの図柄「3」としての十分な識別力を持つ。なお、セグメント表示部754,755は、桜色で点滅するとしたが、桜色と異なる色で点滅や点灯することで図柄「3」としての一部欠損を演出するものであってもよい。
図42(5)に示す図柄713mは、図42(3)に示した図柄713jの変形例である。図柄713mは、消灯すべき位置で点灯するセグメント表示部の位置を変更可能である。図柄713mは、消灯すべき位置で点灯するセグメント表示部の初期位置をセグメント表示部752としていたが、このような表示態様を隣接するセグメント表示部707,708に切り替える。これにより、図柄713mは、消灯すべき位置で点灯するセグメント表示部がパス756で移動表示するように演出する。図柄713mは、消灯すべき位置で点灯するセグメント表示部をセグメント表示部753まで移動することで、消灯すべき位置で点灯する一部欠損と、点灯すべき位置で消灯する一部欠損とを相殺して図柄713(第23図(1)参照)とすることができる。このように、図柄713mは、消灯すべき位置で点灯する消灯部欠損表示の位置、または点灯すべき位置で消灯する点灯部欠損表示の位置を、図柄表示領域内において移動表示する。このような場合、図柄713mは、点灯部欠損表示の移動経路や消灯部欠損表示の移動経路によって遊技の期待感を演出するようにしてもよい。
図42(6)に示す図柄713nは、図42(5)に示した図柄713mの変形例である。図柄713nは、消灯すべき位置で点灯する消灯部欠損表示の位置、または点灯すべき位置で消灯する点灯部欠損表示の位置を、図柄表示領域を超えて移動表示する。図柄713nは、消灯すべき位置で点灯するセグメント表示部752をパス757で移動表示し、図柄表示領域の外に移動するようにして、セグメント表示部752の点灯態様を消灯に正す演出をおこなう。また、図柄713nは、点灯すべき位置で消灯するセグメント表示部753を、図柄表示領域の外で点灯するセグメント表示部758をパス757で移動表示し、図柄表示領域の内に移動するようにして、セグメント表示部753の点灯態様を点灯に正す演出をおこなう。このように、図柄713nは、消灯すべき位置で点灯する消灯部欠損表示の位置、または点灯すべき位置で消灯する点灯部欠損表示の位置を、図柄表示領域を超えて移動表示する。このような場合、図柄713nは、点灯部欠損表示の移動経路や消灯部欠損表示の移動経路によって遊技の期待感を演出するようにしてもよい。
図42(7)に示す図柄713pと図42(8)に示す図柄713qは、図柄713(第23図(1)参照)の仮停止表示態様である。図柄713pは、10行7列のマトリクス状の図柄表示領域内で図柄713が一行上方に移動した様子を示し、図柄713qは、10行7列のマトリクス状の図柄表示領域内で図柄713が一行下方に移動した様子を示す。遊技機10は、図柄713p、図柄713、図柄713q、図柄713、…の順に切替表示することで、図柄「3」が上下方向に揺動する仮停止動作を演出することができる。
このとき、図柄713pは、最上位行760においてセグメント表示部762を一部欠損表示する。また、図柄713qは、最下位行761においてセグメント表示部763を一部欠損表示する。すなわち、遊技機10は、図柄「3」の仮停止動作において一部欠損のない図柄713と、一部欠損のある図柄713p,713qとを切替表示することで、図柄「3」としての識別力を図柄713によって担保する。これにより、遊技機10は、図柄713p,713qがある程度の識別力を喪失するまで一部欠損をおこなったとしても図柄「3」としての識別力を有する仮停止動作を実現する。また、遊技機10は、仮停止動作の一部タイミングにおいて一部欠損演出をおこなうことで、遊技者に仮停止中の図柄に対する注意喚起を図ることができる。なお、遊技機10は、仮停止動作の一部タイミングにおいて一部欠損演出をおこなうとしたが、これに限らず、移動表示や変形表示する図柄において一部タイミングで一部欠損演出をおこなうようにしてもよい。
図43(1)に示す左図柄領域704と中図柄表示領域705と右図柄表示領域706は、左図柄と右図柄が図柄「7」を仮停止表示して中図柄が変動表示中のリーチ表示状態を示す。左図柄領域704が表示する図柄「7」は、セグメント表示部765を一部欠損し、右図柄領域706が表示する図柄「7」は、セグメント表示部766を一部欠損する。セグメント表示部765とセグメント表示部766は、10行7列のマトリクス状の図柄表示領域において同じ位置関係にある。このように、遊技機10は、複数の図柄領域において図柄欠損演出をおこなうことができるし、その場合に対応する一部欠損表示の位置や数を同じにすることができる。このような遊技機10は、図柄欠損演出の制御処理負担を軽減する。
図43(2)に示す左図柄領域704と中図柄表示領域705と右図柄表示領域706は、左図柄と右図柄が図柄「7」を仮停止表示して中図柄が変動表示中のリーチ表示状態を示す。左図柄領域704が表示する図柄「7」は、セグメント表示部765を一部欠損し、右図柄領域706が表示する図柄「7」は、セグメント表示部766,767を一部欠損する。セグメント表示部765とセグメント表示部766は、10行7列のマトリクス状の図柄表示領域において同じ位置関係にあるが、セグメント表示部765とセグメント表示部767は、10行7列のマトリクス状の図柄表示領域において同じ位置関係にない。このように、遊技機10は、複数の図柄領域において図柄欠損演出をおこなう場合に、対応する一部欠損表示の位置や数を違えることができる。このような遊技機10は、異なる図柄表示領域に表示される図柄が相互の識別力を補うことができる。このような場合、遊技機10は、複数の図柄の欠損態様の組合せによって遊技の期待感を演出するようにしてもよい。
図43(3)に示す左図柄領域704と中図柄表示領域705と右図柄表示領域706は、左図柄と中図柄が図柄「7」を仮停止表示して右図柄が図柄「3」を仮停止表示する様子を示す。左図柄領域704が表示する図柄「7」は、セグメント表示部768を点灯部欠損表示し、欠損表示部をパス769で移動表示し、セグメント表示部770を消灯部欠損表示する。中図柄領域705が表示する図柄「7」は、セグメント表示部771を点灯部欠損表示し、欠損表示部をパス772で移動表示し、セグメント表示部773を消灯部欠損表示する。
なお、セグメント表示部770は、左図柄領域704の領域外にあるので、保留表示領域701における装飾表示部735,736,737や、装飾表示領域702,703に含まれるセグメント表示部とすることができる。
このように、左図柄領域704と中図柄表示領域705と右図柄表示領域706は、各表示領域内で欠損表示部を移動表示できるし、各表示領域を超えて欠損表示部を移動表示できる。
図43(4)に示す左図柄領域704と中図柄表示領域705と右図柄表示領域706は、左図柄と中図柄が図柄「7」を仮停止表示して右図柄が図柄「3」を仮停止表示する様子を示す。右図柄表示領域706が表示する図柄「3」は、セグメント表示部774を点灯部欠損表示し、欠損表示部をパス775で中図柄表示領域705のセグメント表示部771まで移動表示する。これにより、中図柄表示領域705のセグメント表示部771は、点灯部欠損表示が正常な表示態様に復旧する。
また、中図柄表示領域705が表示する図柄「7」は、消灯部欠損表示していたセグメント表示部773を正常な表示態様に復旧し、欠損表示部をパス778で左図柄領域704のセグメント表示部768まで移動表示する。これにより、中図柄表示領域705のセグメント表示部773は、消灯部欠損表示が正常な表示態様に復旧し、左図柄領域704のセグメント表示部768は、消灯部欠損表示が正常な表示態様に復旧する。
このように、左図柄領域704と中図柄表示領域705と右図柄表示領域706は、各表示領域間で欠損表示部を移動表示できる。また、左図柄領域704と中図柄表示領域705と右図柄表示領域706は、同種の図柄間(たとえば、左図柄「7」と中図柄「7」)で欠損表示部を移動表示できるし、異種の図柄間(たとえば、右図柄「3」と中図柄「7」)で欠損表示部を移動表示できる。
次に、第3の実施形態の変形例の図柄欠損演出は、図柄の一部となるセグメント表示を正規の形状表示に代えて異なる形状表示とすることによって正規の形状のセグメント表示を欠損する。変形例の図柄欠損演出について図44を用いて説明する。図44は、第3の実施形態の変形例の図柄欠損演出の一例を示す図である。
表示装置830aは、たとえば、LCD表示装置であり、LCDにより図柄をセグメント表示する。左図柄領域704aと中図柄表示領域705aと右図柄表示領域706aは、それぞれ花弁形状を正規の形状とするセグメント表示の集合によって図柄を表示する。
このような表示装置830aは、セグメント表示部780,781の形状を変更して図柄の一部を欠損する。たとえば、セグメント表示部780は、大きさを違えて、正規の大きさである花弁形状のセグメント表示を1つ欠損する。また、セグメント表示部781は、形状を一輪の花形状に違えて、正規の形状である花弁形状のセグメント表示を1つ欠損する。
表示装置830aは、左図柄領域704aと中図柄表示領域705aと右図柄表示領域706aと同様に、保留表示領域701aにおいて保留表示の欠損演出をおこなうことができる。
次に、保留表示の欠損演出について説明する。保留表示もまた図柄と同様に複数のセグメント表示の集合として表示されるので、その一部を欠損する欠損演出をおこなうことができる。まず、保留表示の発生時の欠損演出について図45を用いて説明する。図45は、第3の実施形態の保留表示発生時の欠損演出の一例を示す図(その1)である。
図40を用いて説明したように、遊技機10は、保留記憶発生時に保留表示の発生アニメーションをおこなう。欠損演出をおこなわない場合に、発生アニメーションは、保留記憶発生時に対応する保留表示部について、表示状態738を初期状態、表示状態739を表示状態738に続く中間状態、表示状態790を表示状態739に続く最終状態として順次表示状態を切り替える。
一方で、欠損演出をおこなう場合に、発生アニメーションは、保留記憶発生時に対応する保留表示部について、表示状態738を初期状態、表示状態739を表示状態738に続く中間状態、表示状態791を表示状態739に続く最終状態として順次表示状態を切り替える。あるいは、発生アニメーションは、保留記憶発生時に対応する保留表示部について、表示状態738を初期状態、表示状態739を表示状態738に続く中間状態、表示状態792を表示状態739に続く最終状態として順次表示状態を切り替える。
表示状態790は、セグメント表示部731aとセグメント表示部731bとを点灯した表示状態(最終表示状態)であり、欠損のない表示状態である。表示状態791は、セグメント表示部731aを点灯し、セグメント表示部731bを消灯した表示状態(最終表示状態)であり、一部欠損がある表示状態である。表示状態792は、セグメント表示部731aを消灯し、セグメント表示部731bを点灯した表示状態(最終表示状態)であり、一部欠損がある表示状態である。このように、遊技機10は、保留表示の発生時に欠損演出をおこなうことができる。また、遊技機10は、保留表示の発生時に異なる態様の欠損演出をおこなうことができるので、保留表示の欠損態様によって遊技の期待感を演出するようにしてもよい。
また、遊技機10は、表示状態739を中間状態として3つの最終状態(表示状態790,791,792)に分岐したが、表示状態790までを中間状態として3つの最終状態(表示状態790,791,792)に分岐するようにしてもよい。また、遊技機10は、初期状態である表示状態738から中間状態を省いて3つの最終状態(表示状態790,791,792)に分岐するようにしてもよい。
ここで、異なる発展形態の欠損演出について図28を用いて説明する。図46は、第3の実施形態の保留表示発生時の欠損演出の一例を示す図(その2)である。
たとえば、図46(1)に示す欠損パターン1は、表示状態738を初期状態とし、表示状態739を表示状態738に続く中間状態とし、表示状態791を表示状態739に続く最終状態とする。このような発展形態(欠損パターン1)は、欠損表示のない表示状態790を中間状態に含まないため意外感を強く演出することができる。
また、図46(2)に示す欠損パターン2は、表示状態738を初期状態とし、表示状態739を表示状態738に続く中間状態とし、表示状態790を表示状態739に続く中間状態とし、表示状態791を表示状態790に続く最終状態とする。このような発展形態(欠損パターン2)は、中間状態である表示状態790を所定時間保持し、タイムラグを設けて欠損表示演出をおこなうことができることから、時機に遅れた意外感を演出することができる。
たとえば、図46(3)に示す欠損パターン3は、表示状態738を初期状態とし、表示状態739を表示状態738に続く中間状態とし、表示状態792を表示状態739に続く最終状態とする。このような発展形態(欠損パターン3)は、欠損表示のない表示状態790を中間状態に含まないため意外感を強く演出することができる。
また、図46(4)に示す欠損パターン4は、表示状態738を初期状態とし、表示状態739を表示状態738に続く中間状態とし、表示状態790を表示状態739に続く中間状態とし、表示状態792を表示状態790に続く最終状態とする。このような発展形態(欠損パターン4)は、中間状態である表示状態790を所定時間保持し、タイムラグを設けて欠損表示演出をおこなうことができることから、時機に遅れた意外感を演出することができる。
このように、遊技機10は、保留表示の発生時に異なる発展形態で欠損演出をおこなうことができるので、保留表示の発生時の欠損態様までの発展形態によって遊技の期待感を演出するようにしてもよい。
次に、保留表示部の表示態様について図47を用いて説明する。図47は、第3の実施形態の保留表示部の表示態様の一例を示す図である。図47(1)は、保留表示領域701において特図1ゲームの保留表示をおこなっているときに特図1ゲームの保留記憶数が「0」である様子(特図1保留0)を示す。このとき、保留表示領域701は、1番保留表示部731と、2番保留表示部732と、3番保留表示部733と、4番保留表示部734と、装飾表示部735,736,737とを消灯状態で表示する。
図47(2)は、保留表示領域701において特図1ゲームの保留表示をおこなっているときに特図1ゲームの保留記憶数が「3」であり、3番目の保留表示が欠損表示している様子(特図1保留3(3番欠損))を示す。このとき、保留表示領域701は、1番保留表示部731と2番保留表示部732とを表示状態790で表示し、3番保留表示部733を表示状態791で表示し、4番保留表示部734と装飾表示部735,736,737とを消灯状態で表示する。
図47(3)の保留表示領域701は、図47(2)の状態から変動開始により保留シフトした様子を示す。したがって、図47(3)は、特図1ゲームの保留記憶数が「2」であり、2番目の保留表示が欠損表示している様子(特図1保留2(2番欠損))を示す。このとき、保留表示領域701は、1番保留表示部731を表示状態790で表示し、2番保留表示部732を表示状態791で表示し、3番保留表示部733と4番保留表示部734と装飾表示部736,737とを消灯状態で表示する。なお、装飾表示部735は、変動表示中を示す表示態様で点灯する。保留表示領域701は、保留消化中を示す保留消化表示を専用に設けることに代えて、装飾表示部735が保留消化表示を兼ねる。
図47(4)の保留表示領域701は、図47(3)の状態から保留発生した様子を示す。したがって、図47(4)は、特図1ゲームの保留記憶数が「3」であり、2番目の保留表示が欠損表示しているとともに、3番目の保留表示が発生アニメーションを表示中の様子(特図1保留3(2番欠損、3番発生アニメーション))を示す。このとき、保留表示領域701は、1番保留表示部731を表示状態790で表示し、2番保留表示部732と3番保留表示部733を表示状態791で表示し、4番保留表示部734と装飾表示部736を消灯状態で表示する。なお、装飾表示部735は、変動表示中を示す表示態様で点灯し、装飾表示部737は、保留発生を示す表示態様で点灯する。保留表示領域701は、装飾表示部737が保留発生を示すことで保留発生中の3番保留表示部733が欠損表示として確定していないことを案内する。
図47(5)の保留表示領域701は、図47(4)の状態でおこなっていた発生アニメーションが終了した様子を示す。したがって、図47(5)は、特図1ゲームの保留記憶数が「3」であり、2番目の保留表示が欠損表示している様子(特図1保留3(2番欠損))を示す。このとき、保留表示領域701は、1番保留表示部731と3番保留表示部733を表示状態790で表示し、2番保留表示部732を表示状態791で表示し、4番保留表示部734と装飾表示部736,737を消灯状態で表示する。なお、装飾表示部735は、変動表示中を示す表示態様で点灯する。保留表示領域701は、装飾表示部737が消灯したことで保留発生した3番保留表示部733が欠損表示しないことを案内する。なお、3番保留表示部733は、シフト時等、時機をずらして欠損表示をおこなうものであってもよい。
図47(6)は、保留表示領域701において特図2ゲームの保留表示をおこなっているときに特図2ゲームの保留記憶数が「1」である様子(特図2保留1)を示す。このとき、保留表示領域701は、1番保留表示部731を表示状態790で表示し、2番保留表示部732と3番保留表示部733と4番保留表示部734と装飾表示部735,737とを消灯状態で表示する。なお、装飾表示部736は、特図2ゲームの保留表示であることを示す表示態様で点灯する。保留表示領域701は、特図1ゲームの保留表示と特図2ゲームの保留表示とを区別する区別表示を専用に設けることに代えて、装飾表示部736が区別表示を兼ねる。
なお、遊技機10は、図柄や保留表示の欠損演出をおこなうときに、欠損演出と併せて他の演出(特別演出)を実行可能である。たとえば、特別演出は、図柄の欠損演出とともにおこなう欠損表示部の移動表示演出や、保留表示の欠損演出とともに装飾表示部735,736,737がおこなう装飾演出等がある。また、特別演出は、図柄の欠損演出中における保留表示に関する演出や、保留表示の欠損演出中における図柄に関する演出等がある。また、特別演出は、図柄表示領域700、保留表示領域701、装飾表示領域702,703における明暗の反転演出や、花弁を模したセグメント表示部による花弁の散り積もり演出や、その他のエフェクト演出等がある。また、特別演出は、表示装置830等でおこなうその他の表示演出の他に、音出力装置19a,19b等でおこなう音出力演出や、プッシュボタン25等を用いておこなう操作演出、盤装飾装置46や枠装飾装置18等を用いておこなう発光演出、盤演出装置44等を用いておこなう可動演出等がある。
次に、第3の実施形態の変形例として、第1の実施形態の輪郭の強調表示と曖昧(非強調)表示をおこなう図柄に対する欠損演出について図48を用いて説明する。図48は、第3の実施形態の変形例の欠損演出中の図柄の輪郭の強調表示と曖昧(非強調)表示を示す図である。
欠損演出中の装飾図柄Aと装飾図柄Bの図柄幅と輪郭線を図48(1)に示し、欠損演出中の装飾図柄Aと装飾図柄Bの輪郭線の太さと欠損部輪郭線太さの比較を図48(2)に示す。
装飾図柄Aと装飾図柄Bはそれぞれ、図柄の一部を欠損する欠損演出をおこなうことができる。装飾図柄Aと装飾図柄Bはそれぞれ、図柄の一部欠損が輪郭線を欠損させることとなる場合、図柄の一部欠損に対応して欠損部輪郭線を表示する。
装飾図柄Aは、図柄幅をw1とし、数字部の幅をw2(<w1)とし、数字部の輪郭線の幅(太さ)をw3(<w2)とし、欠損部輪郭線太さをw10する。装飾図柄Bは、図柄幅をw4とし、図柄の輪郭線の幅(太さ)をw5(<w4)とし、欠損部輪郭線太さをw11する。
遊技機10は、装飾図柄Aの数字部の輪郭線の幅w3を装飾図柄Bの図柄の輪郭線の幅w5よりも大きくすることで、装飾図柄Aの数字部の輪郭表示を強調し、装飾図柄Bの図柄の輪郭表示を曖昧にすることを遊技者に感得させることができる。
また、欠損部輪郭線太さw10は、装飾図柄Aの数字部の輪郭線の幅w3よりも細いことで、装飾図柄Aの数字部の輪郭線の幅w3の太さの感得を補助することができる。また、欠損部輪郭線太さw11は、装飾図柄Bの図柄の輪郭線の幅w5よりも細いことで、装飾図柄Bの図柄の輪郭線の幅w5の太さの感得を補助することができる。
また、欠損部輪郭線太さw10は、装飾図柄Aの数字部の輪郭線の幅w3よりも太いことで、装飾図柄Aの数字部の欠損の感得を補助することができる。また、欠損部輪郭線太さw11は、装飾図柄Bの図柄の輪郭線の幅w5よりも太いことで、装飾図柄Bの図柄の欠損の感得を補助することができる。
なお、遊技機10は、装飾図柄Aの欠損部輪郭線太さw10と装飾図柄Bの欠損部輪郭線太さw11とを同じ太さとすることで、装飾図柄Aの数字部の輪郭線の幅w3、または装飾図柄Bの図柄の輪郭線の幅w5を感得する際の基準とすることができる。
また、遊技機10は、装飾図柄Aの欠損部輪郭線太さw10と装飾図柄Bの欠損部輪郭線太さw11とを異なるものとしてもよい。この場合、遊技機10は、装飾図柄Aの欠損部輪郭線太さw10を、図柄幅w1、数字部の幅w2、あるいは数字部の輪郭線の幅w3との比率や差分に応じて決定するものであってもよい。また、遊技機10は、装飾図柄Bの欠損部輪郭線太さw11を、図柄幅w4、あるいは図柄の輪郭線の幅w5との比率や差分に応じて決定するものであってもよい。
また、遊技機10は、装飾図柄Aの欠損部輪郭線太さw10の大きさを可変にして、装飾図柄Aの欠損部輪郭線太さw10の大きさに応じて遊技の期待感を案内するものであってもよい。また、遊技機10は、装飾図柄Bの欠損部輪郭線太さw11の大きさを可変にして、装飾図柄Bの欠損部輪郭線太さw11の大きさに応じて遊技の期待感を案内するものであってもよい。
また、装飾図柄Aの欠損部輪郭線太さw10と装飾図柄Bの欠損部輪郭線太さw11とは、常に固定されるものであってもよいが、変動表示状態に応じて切替可能にするものであってもよい。たとえば、
装飾図柄Aの数字部の輪郭表示の強調と、装飾図柄Bの図柄の輪郭表示の非強調とは、常に固定されるものであってもよいが、変動表示状態に応じて切替可能にするものであってもよく、その場合に装飾図柄Aの数字部の輪郭表示の強調と、装飾図柄Bの図柄の輪郭表示の非強調との感得を容易にする観点から、装飾図柄Aの欠損部輪郭線太さw10と装飾図柄Bの欠損部輪郭線太さw11とは、固定されることが望ましい。
装飾図柄Aの数字部の輪郭表示の非強調と、装飾図柄Bの図柄の輪郭表示の強調とは、常に固定されるものであってもよいが、変動表示状態に応じて切替可能にするものであってもよく、その場合に装飾図柄Aの数字部の輪郭表示の非強調と、装飾図柄Bの図柄の輪郭表示の強調との感得を容易にする観点から、装飾図柄Aの欠損部輪郭線太さw10と装飾図柄Bの欠損部輪郭線太さw11とは、固定されることが望ましい。
次に、仮停止表示中の装飾図柄A,Bのより詳細な表示態様の変形例について図49を用いて説明する。図49は、第3の実施形態の変形例の欠損演出中の装飾図柄を用いた仮停止表示の一例を示す図である。なお、第1の実施形態と同様の構成については、符号を同じにして説明を省略する場合がある。
図49(1)に欠損演出をおこないながら仮停止表示中の装飾図柄Aの一例として、図柄527の仮停止表示態様を示す。図柄527の仮停止表示態様は、(a)、(b)、(c)、(d)を周期的に繰り返す。
仮停止表示中の図柄527は、背景部527dを固定して、その一部を欠損しながらも図柄527としての識別性を有する数字部527nが左右方向に揺動(第1の仮停止動作)しながら、上下方向に伸縮(第2の仮停止動作)する。
なお、数字部527nは、欠損部の相対的位置、相対的大きさ、欠損部輪郭線の(相対的)太さw10を固定して左右方向に揺動しながら、上下方向に伸縮する。また、数字部527nは、欠損部の絶対的位置、絶対的大きさ、欠損部輪郭線の(絶対的)太さw10を固定して左右方向に揺動しながら、上下方向に伸縮する。なお、ここでいう相対的とは、数字部527nと欠損部との関係をいい、絶対的とは表示装置830の表示領域と欠損部の表示位置との関係をいう。
また、数字部527nは、欠損部の位置、大きさ、欠損部輪郭線太さw10のうち少なくとも1つを可変にして仮停止表示をおこなうようにしてもよい(第3の仮停止動作)。また、数字部527nは、左右方向に揺動しながら、上下方向に伸縮することに代えて、欠損部の位置、大きさ、欠損部輪郭線太さw10のうち少なくとも1つを可変にすることで仮停止動作をおこなうものであってもよい。
図49(2)および(3)に欠損演出をおこないながら仮停止表示中の装飾図柄Bの一例として、図柄537の仮停止表示態様を示す。図柄537の仮停止表示態様は、(a)、(b)、(c)、(d)を周期的に繰り返す。仮停止表示中の図柄537は、その一部を欠損しながら図柄537全体を上下方向に揺動する。
図柄537は、欠損部の位置、大きさ、欠損部輪郭線太さw11のうち少なくとも1つを可変にして仮停止表示をおこなうようにしてもよい。また、図柄537は、上下方向に揺動することに代えて、欠損部の位置、大きさ、欠損部輪郭線太さw11のうち少なくとも1つを可変にすることで仮停止動作をおこなうものであってもよい。
なお、図49(2)に示す、欠損演出をおこないながら仮停止表示中の装飾図柄Bは、図柄537に対して欠損部の相対的位置を固定した(可変にしない)表示態様であり、表示装置830の表示領域に対して絶対的位置を可変にした(固定しない)表示態様である。このような欠損表示は、図柄537と欠損部とを一体にして表示することができるとともに、図柄537が揺動することで欠損部から臨む背後側の表示範囲を大きくすることができる。
また、図49(3)に示す、欠損演出をおこないながら仮停止表示中の装飾図柄Bは、図柄537に対して欠損部の相対的位置を可変にした(固定しない)表示態様であり、表示装置830の表示領域に対して絶対的位置を固定した(可変にしない)表示態様である。このような欠損表示は、図柄537と欠損部との一体感を欠いて表示することができるとともに、図柄537が揺動しても欠損部から臨む背後側の表示範囲を固定することができる。
次に、第3の実施形態の変形例として、装飾図柄について部位ごとに輪郭表示の太さを違えることができる第2の実施形態の遊技機10への欠損演出の適用について図50を用いて説明する。図50は、第3の実施形態の変形例の欠損演出中の装飾図柄の仮停止態様の一例を示す図である。
図50(1)に示す装飾図柄Bの一部欠損した「7」(図柄537)が縦軸回転をして仮停止表示している様子を示す。図柄550は、装飾図柄Bの「7」が所定角度だけ縦軸左回転した様子を示す。図柄551は、装飾図柄Bの「7」が正面視する様子を示す。図柄552は、装飾図柄Bの「7」が所定角度だけ縦軸右回転した様子を示す。たとえば、遊技機10は、図柄550から図柄551を経て図柄552へ、そして図柄552から図柄551を経て図柄550へと切り替えることで仮停止表示をおこなうことができる。
このとき、遊技機10は、図50(2)に示すように、輪郭表示の太さ(強調程度)を切替対象輪郭表示部分(図柄の左半分、図柄の右半分)ごとに切り替えることができる。また、遊技機10は、図50(2)に示すように、欠損部輪郭表示の太さ(強調程度)を切り替えることができる。
遊技機10は、図柄550の左半分を左部550Lとし、図柄550の右半分を右部550Rとしたとき、遠ざかる方向に移動するように見える左部550Lの輪郭表示を細く(非強調表示、曖昧表示)表示し、近づく方向に移動するように見える右部550Rの輪郭表示と欠損部輪郭表示を太く(強調表示)表示する。言い換えれば、遊技機10は、右部550Rより遠くに見える左部550Lの輪郭表示を右部550Rの輪郭表示や欠損部輪郭表示よりも細く表示し、左部550Lより近くに見える右部550Rの輪郭表示や欠損部輪郭表示を左部550Lの輪郭表示よりも太く表示する。
また、遊技機10は、図柄551の左半分を左部551Lとし、図柄551の右半分を右部551Rとしたとき、左部551Lの輪郭表示と右部551Rの輪郭表示と欠損部輪郭表示とを標準の太さとする(標準表示)。言い換えれば、遊技機10は、ほぼ同じ奥行き位置に見える左部551Lの輪郭表示と右部551Rの輪郭表示と欠損部輪郭表示とを同じ太さ(標準の太さ)にして表示する。
また、遊技機10は、図柄552の左半分を左部552Lとし、図柄552の右半分を右部552Rとしたとき、近づく方向に移動するように見える左部552Lの輪郭表示を太く(強調表示)表示し、遠ざかる方向に移動するように見える右部552Rの輪郭表示と欠損部輪郭表示を細く(非強調表示、曖昧表示)表示する。言い換えれば、遊技機10は、左部552Lより遠くに見える右部552Rの輪郭表示と欠損部輪郭表示を左部552Lの輪郭表示よりも細く表示し、右部552Rと欠損部輪郭表示より近くに見える左部552Lの輪郭表示を右部552Rの輪郭表示よりも太く表示する。
これにより、遊技機10は、装飾図柄の仮停止表示状態と欠損演出の把握を容易にすることができる。なお、図柄の左部分または右部分について一様にして強調表示あるいは非強調表示とするものであってもよいが、縦軸(中心軸)からの距離に応じて強調度あるいは非強調度を違えるようにしてもよい。
また、遊技機10は、装飾図柄の仮停止表示状態において、1つの欠損表示を2つの領域に分割し、それぞれの領域で欠損部輪郭表示の太さを制御するようにしてもよいし、2つ以上の欠損表示をおこなうようにして、それぞれの欠損表示で欠損部輪郭表示の太さを制御するようにしてもよい。たとえば、遊技機10は、図柄550の左側欠損部(1つの欠損表示を2分割したときの左領域、または2つの欠損表示のうち左側欠損表示)について欠損部輪郭表示を細く(非強調表示、曖昧表示)表示し、右側欠損部(1つの欠損表示を2分割したときの右側領域、または2つの欠損表示のうち右側欠損表示)について欠損部輪郭表示を太く(強調表示)表示する。また、遊技機10は、図柄551の左側欠損部と右側欠損部について欠損部輪郭表示を標準の太さとする(標準表示)。また、遊技機10は、図柄552の左側欠損部について欠損部輪郭表示を太く(強調表示)表示し、右側欠損部について欠損部輪郭表示を細く(非強調表示、曖昧表示)する。
また、遊技機10は、装飾図柄の仮停止表示状態において、欠損部輪郭表示を輪郭表示なしとして表示するようにしてもよい。
また、遊技機10は、装飾図柄の仮停止表示状態において、欠損部輪郭表示を奥行き方向に厚みをもって表示するようにしてもよく、その場合に1つの欠損表示を手前位置と奥行き位置とでそれぞれ欠損部輪郭表示の太さを制御するようにしてもよい。たとえば、遊技機10は、図柄550の奥行きあり欠損部手前について欠損部輪郭表示を細く(非強調表示、曖昧表示)表示し、奥行きあり欠損部奥手について欠損部輪郭表示を太く(強調表示)表示する。また、遊技機10は、図柄551の奥行きあり欠損部手前と奥行きあり欠損部奥手について欠損部輪郭表示を標準の太さとする(標準表示)。また、遊技機10は、図柄552の奥行きあり欠損部手前について欠損部輪郭表示を太く(強調表示)表示し、奥行きあり欠損部奥手について欠損部輪郭表示を細く(非強調表示、曖昧表示)する。
なお、遊技機10は、図23を用いて説明した変動表示ゲームにおけるメッセージ演出について欠損演出をおこなうようにしてもよく、メッセージ表示の輪郭表示部の太さが制御されるメッセージ表示について欠損演出をおこなうことができる。このとき、遊技機10は、メッセージ表示に対して欠損部の位置、数、大きさ、輪郭線太さを制御することができる。
上述した第3の実施形態の遊技機10(変形例を含む)は、一側面において以下のような特徴を有する。
(1)遊技機10は、ゲーム(たとえば、特図1ゲーム、特図2ゲーム)に関する表示要素(たとえば、特別図柄、保留表示)を表示してゲームを演出可能な第1演出手段(たとえば、欠損演出をおこなう遊技制御装置100a、演出制御装置300、表示装置830)と、第1演出手段と同時に、第1演出手段と異なる演出態様でゲームを演出可能な第2演出手段(たとえば、特別演出をおこなう遊技制御装置100a、演出制御装置300、表示装置830)と、を備え、第1演出手段は、表示要素を表示するとき、表示要素のすべてを表示する第1状態(たとえば、図柄713、保留表示の表示状態790)と、表示要素の一部を欠損して表示する第2状態(たとえば、図柄713a、保留表示の表示状態791)とで表示可能である(図41、図47参照)。
(2)遊技機10は、ゲーム(たとえば、特図1ゲーム、特図2ゲーム)に関する表示要素(たとえば、特別図柄、保留表示)を表示してゲームを演出可能な第1演出手段(たとえば、欠損演出をおこなう遊技制御装置100a、演出制御装置300、表示装置830)と、第1演出手段と同時に、第1演出手段と異なる演出態様でゲームを演出可能な第2演出手段(たとえば、特別演出をおこなう遊技制御装置100a、演出制御装置300、表示装置830)と、を備え、第1演出手段は、表示要素を2以上の表示構成要素(たとえば、セグメント表示部707,708のうち点灯するもの)の集合体として表示するとき、表示構成要素のすべてによって表示要素を表示する第1状態(たとえば、図柄713、保留表示の表示状態790)と、表示構成要素の一部を欠損して表示要素を表示する第2状態(たとえば、図柄713a、保留表示の表示状態791)とで表示可能である(図41、図47参照)。
(3) (1)または(2)の表示要素は、ゲームにおいて変動表示する図柄である(図41から図43参照)。
(4) (1)または(2)の表示要素は、ゲームにおいてゲームの実行権利を表示する保留表示である(図45から図47参照)。
(5) 遊技機10は、第1のゲーム(たとえば、特図1ゲーム)と第2のゲーム(たとえば、特図2ゲーム)とを排他的にあらかじめ定める実行時間(たとえば、変動表示時間)で実行可能な制御部(たとえば、遊技制御装置100a、演出制御装置300)を備える。制御部は、第1のゲームの実行権利の記憶数と、第2のゲームの実行権利の記憶数との合計値にもとづいて、第1のゲームの実行時間を決定する(図35参照)。
(6) (5)の制御部は、第1のゲームの実行権利の記憶数と、第2のゲームの実行権利の記憶数との合計値が大きいほど、第1のゲームの実行時間が大きくなるように決定する(図35参照)。
(7) (5)の制御部は、第1のゲームの実行権利の記憶数と、第2のゲームの実行権利の記憶数との合計値が大きいほど、第1のゲームの実行時間の期待値が大きくなるように決定する(図35参照)。
(8) 遊技機10は、第1のゲーム(たとえば、特図1ゲーム)と第2のゲーム(たとえば、特図2ゲーム)とを排他的にあらかじめ定める実行時間(たとえば、変動表示時間)で実行可能な制御部(たとえば、遊技制御装置100a、演出制御装置300)を備える。制御部は、第1のゲームの実行時間を、第1のゲームの実行権利の記憶数と第2のゲームの実行権利の記憶数とにもとづいて決定し、第2のゲームの実行時間を、第1のゲームの実行権利の記憶数によらずに第2のゲームの実行権利の記憶数だけにもとづいて決定する(図35参照)。
(9) (5)から(8)の第2のゲームの実行権利の最大記憶数は、第1のゲームの実行権利の最大記憶数よりも小さい(図31参照)。
(10) (9)の第2のゲームの実行権利の最大記憶数は、1である(図31参照)。
[第4の実施形態]
第1の実施形態から第3の実施形態の遊技機の説明においては遊技盤30(図2参照)、あるいは遊技盤800(図28参照)を備える遊技機として説明したが、第4の実施形態の遊技機はいずれにも適用可能である。なお、第1の実施形態から第3の実施形態と同様の構成については、符号を同じにして説明を省略する場合がある。
第4の実施形態の遊技機10は、予告報知により先に変動表示ゲームの結果を知らしめることにより予告報知後の遊技演出が冗長なものとなることを抑止し興趣低下を低減可能にする。
まず、遊技機10が用意する変動表示コマンドのうち、予告報知可能であり、変動表示時間が異なる3つの変動表示コマンド(変動表示コマンドA,B,C)について説明する。まず、比較的短い時間で当りを導出可能な変動表示コマンドAについて図51を用いて説明する。図51は、第4の実施形態の変動表示コマンドAに対応する変動表示態様の一例を示す図である。
変動表示コマンドAは、遊技制御装置100が演出制御装置300に送信する変動表示コマンドの1つである。なお、遊技制御装置100は、変動表示コマンドとともに停止図柄コマンドや保留表示コマンド等を送信する場合がある。変動表示コマンドAは、変動時間T0の変動表示演出に対応するコマンドである。
演出制御装置300は、変動表示コマンドAを受信して変動時間T0の変動表示演出を生成し、所要の演出装置において変動表示演出を実行する。変動表示コマンドAは、変動時間が短いために多様な演出をおこなうのに時間が十分でないという側面を有するものの、結果を導出する時間が早いという側面も有する。
演出制御装置300は、変動時間T0のうちにおいて前半変動と後半変動とを実行する。前半変動は、複数の変動表示コマンドにおいて共通の演出態様であり、たとえば、停止表示した図柄が所定速度で変動表示するまでを担う。後半変動は、変動表示コマンドごとに異なる演出態様であり、たとえば、リーチ演出等を含めて図柄停止までを担う。変動表示コマンドAは、変動時間T0のうち時間T01を前半変動に割当て、時間T02を後半変動に割当てる。なお、時間T01は、時間T02よりも短い。
変動表示コマンドAの後半変動は、時間T021の予告演出と、時間T022のリーチ演出と、時間T023のショートSP(スペシャル)リーチ演出とを含む。予告演出は、変動表示ゲームの結果を所定の信頼度で予告する演出である。たとえば、予告演出は、大当り確定を予告報知する確定予告(当確予告)演出と、低信頼度予告演出と比較して高い信頼度で大当りを予告報知する高信頼度予告演出と、高信頼度予告演出と比較して低い信頼度で大当りを予告報知する低信頼度予告演出等がある。なお、予告演出は、当りの価値や、当りを導出する過程の演出態様を予告報知するものであってもよい。
リーチ演出は、変動表示ゲームの変動表示過程の演出であり、たとえばリーチ成立過程と、ノーマルリーチとされる期待度が低いリーチを演出する。ショートSPリーチ演出は、ノーマルリーチから発展する発展リーチの一形態であり、期待度が中程度のリーチを演出する。
なお、変動表示コマンドAは、ショートSPリーチ演出の結果として当りを導出するものであり、遊技機10は、結果としてはずれを導出するコマンドを変動表示コマンドAと別に用意する。
次に、変動表示コマンドAよりも長い時間で当りを導出可能な変動表示コマンドBについて図52を用いて説明する。図52は、第4の実施形態の変動表示コマンドBに対応する変動表示態様の一例を示す図である。
変動表示コマンドBは、遊技制御装置100が演出制御装置300に送信する変動表示コマンドの1つである。変動表示コマンドBは、変動時間T1(>T0)の変動表示演出に対応するコマンドである。
演出制御装置300は、変動表示コマンドBを受信して変動時間T1の変動表示演出を生成し、所要の演出装置において変動表示演出を実行する。変動表示コマンドBは、変動表示コマンドAよりも変動時間が長いために変動表示コマンドAよりも多様な演出をおこなうことができるという側面を有するものの、変動表示コマンドAよりも結果を導出する時間が遅いという側面も有する。
演出制御装置300は、変動時間T1のうちにおいて前半変動と後半変動とを実行する。変動表示コマンドBは、変動時間T1のうち時間T11(=T01)を前半変動に割当て、時間T12(>T02)を後半変動に割当てる。なお、時間T11は、時間T12よりも短い。
変動表示コマンドBの後半変動は、時間T121の予告演出と、時間T122のリーチ演出と、時間T123のロングSPリーチ演出とを含む場合(演出パターンB01)と、時間T121の予告演出と、時間T122のリーチ演出と、時間T124(=T023)のショートSPリーチ演出と、時間T125の変動中当確演出とを含む場合(演出パターンB02)とがある。
ロングSPリーチ演出は、ノーマルリーチから発展する発展リーチの一形態であり、期待度が高いリーチを演出する。変動中当確演出は、変動表示結果を導出する前に当りが確定していることを演出する。変動中当確演出は、たとえば、変動中からおこなうファンファーレ演出であったり、図柄や確率変動、普電サポート等の抽選演出であったりしてもよい。また、変動中当確演出は、フリーズ演出や賑やかし演出等であってもよく、また併せて変動残時間を表示するようにしてもよい。なお、変動中当確演出は、変動表示結果としての図柄を表示しておこなうものであってもよいし、変動表示結果としての図柄を伏せておこなうものであってもよい。変動中当確演出は、変動表示結果としての図柄を伏せておこなう場合であっても、変動中当確演出の終了までに変動表示結果としての図柄を表示する。
演出制御装置300は、変動表示コマンドBの受信時に演出パターンB01と演出パターンB02とを選択的に実行可能であって、予告演出において当確演出を実行した場合に、演出パターンB01よりも演出パターンB02を選択しやすくしている。
遊技機10は、確定予告演出の実行以降の演出において期待感を煽っても興趣向上に貢献するところが少ないことから、演出パターンB01よりも先に結果を報知可能な演出パターンB02を選択しやすくする。これにより、遊技機10は、予告報知後の遊技演出が冗長なものとなり興趣低下を惹起することを抑止し、変動表示中であっても結果確定後の遊技演出を可能にして興趣向上を図る。
このように、遊技機10は、ショートSPリーチ演出の時間T124がロングSPリーチ演出の時間T123より短い分だけ、予告報知後の遊技演出を非冗長なものとすることができる。また、遊技機10は、変動中当確演出の時間T125だけ当り確定後の演出に割り当てることができる。
また、遊技機10は、変動表示コマンドAよりも変動時間が長い変動表示コマンドBにおいて、変動表示コマンドAと同様のショートSPリーチ演出により遊技結果を案内し、余剰時間に変動中当確演出を割り当てることで非冗長な遊技進行を実現できる。
なお、変動表示コマンドBは、ショートSPリーチ演出の結果として、あるいはロングSPリーチ演出の結果として当りを導出するものであり、遊技機10は、結果としてはずれを導出するコマンドを変動表示コマンドBと別に用意する。
次に、変動表示コマンドBよりも長い時間で当りを導出可能な変動表示コマンドCについて図53を用いて説明する。図53は、第4の実施形態の変動表示コマンドCに対応する変動表示態様の一例を示す図である。
変動表示コマンドCは、遊技制御装置100が演出制御装置300に送信する変動表示コマンドの1つである。変動表示コマンドCは、変動時間T2(>T0,T1)の変動表示演出に対応するコマンドである。
演出制御装置300は、変動表示コマンドCを受信して変動時間T2の変動表示演出を生成し、所要の演出装置において変動表示演出を実行する。変動表示コマンドCは、変動表示コマンドA,Bよりも変動時間が長いために変動表示コマンドA,Bよりも多様な演出をおこなうことができるという側面を有するものの、変動表示コマンドA,Bよりも結果を導出する時間が遅いという側面も有する。
演出制御装置300は、変動時間T2のうちにおいて前半変動と後半変動とを実行する。変動表示コマンドCは、変動時間T2のうち時間T21(=T01,T11)を前半変動に割当て、時間T22(>T02,T12)を後半変動に割当てる。なお、時間T21は、時間T22よりも短い。
変動表示コマンドCの後半変動は、時間T221の予告演出と、時間T222のリーチ演出と、時間T223のショートSPリーチ経由ロングSPリーチ演出とを含む場合(演出パターンC01)と、時間T221の予告演出と、時間T222のリーチ演出と、時間T224(=T023)のショートSPリーチ演出と、時間T225(>T125)の変動中当確演出とを含む場合(演出パターンC02)とがある。
ショートSPリーチ経由ロングSPリーチ演出は、ノーマルリーチから発展する発展リーチの一形態であり、ショートSPリーチを経てロングSPリーチに至る期待度が高いリーチを演出する。
演出制御装置300は、変動表示コマンドCの受信時に演出パターンC01と演出パターンC02とを選択的に実行可能であって、予告演出において当確演出を実行した場合に、演出パターンC01よりも演出パターンC02を選択しやすくしている。
遊技機10は、確定予告演出の実行以降の演出において期待感を煽っても興趣向上に貢献するところが少ないことから、演出パターンC01よりも先に結果を報知可能な演出パターンC02を選択しやすくする。これにより、遊技機10は、予告報知後の遊技演出が冗長なものとなり興趣低下を惹起することを抑止し、変動表示中であっても結果確定後の遊技演出を可能にして興趣向上を図る。
このように、遊技機10は、ショートSPリーチ演出の時間T224がショートSPリーチ経由ロングSPリーチ演出の時間T223より短い分だけ、予告報知後の遊技演出を非冗長なものとすることができる。また、遊技機10は、変動中当確演出の時間T225だけ当り確定後の演出に割り当てることができる。
また、遊技機10は、変動表示コマンドAよりも変動時間が長い変動表示コマンドCにおいて、変動表示コマンドAと同様のショートSPリーチ演出により遊技結果を案内し、余剰時間に変動中当確演出を割り当てることで非冗長な遊技進行を実現できる。
なお、変動表示コマンドCは、ショートSPリーチ演出の結果として、あるいはショートSPリーチ経由ロングSPリーチ演出の結果として当りを導出するものであり、遊技機10は、結果としてはずれを導出するコマンドを変動表示コマンドCと別に用意する。
このようにして、遊技機10は、変動表示コマンドA,B,Cを用いて、変動表示コマンドAによるショートSPリーチ演出の結果としての当りと、変動表示コマンドBによるロングSPリーチ演出の結果としての当りと、変動表示コマンドCによるショートSPリーチ経由ロングSPリーチ演出の結果としての当りと、変動表示コマンドB,Cによる変動中当確演出を伴うショートSPリーチ演出の結果としての当りとを実現する。
なお、図2を用いて説明した変動パターンテーブルは、リーチ状態となった後の変動パターンである後半変動パターンを決定するためのテーブル(後半変動グループテーブルや後半変動パターン選択テーブル等)、リーチ状態となる前の変動パターンである前半変動パターンを決定するためのテーブル(前半変動グループテーブルや前半変動パターン選択テーブル等)が含まれている。変動表示コマンドA,B,Cにおける前半変動は、前半変動グループテーブルや前半変動パターン選択テーブル等で選択される演出内容に対応するものであってもよい。また、変動表示コマンドA,B,Cにおける後半変動は、後半変動グループテーブルや後半変動パターン選択テーブル等で選択される演出内容に対応するものであってもよい。
また、変動表示コマンドA,B,Cにおいて、前半変動は、複数の変動表示コマンドにおいて共通の演出態様であり、たとえば、停止表示した図柄が所定速度で変動表示するまでを担うとしたが、リーチになるまで等、その他、所定の演出区切りまでを担うものであってもよい。
次に、変動表示コマンドA,B,Cに対応した遊技中の表示画面について図54から図58を用いて説明する。図54は、第4の実施形態の遊技中の表示画面の一例を示す図(その1)である。図55は、第4の実施形態の遊技中の表示画面の一例を示す図(その2)である。図56は、第4の実施形態の遊技中の表示画面の一例を示す図(その3)である。図57は、第4の実施形態の遊技中の表示画面の一例を示す図(その4)である。図58は、第4の実施形態の遊技中の表示画面の一例を示す図(その5)である。
図54(1)に示す表示画面600は、図柄停止中の表示画面であり、変動表示ゲームにおける変動表示終了後(次の変動表示ゲーム開始前)に変動表示ゲームの結果態様である図柄を所定期間停止表示するものである。表示画面600は、大図柄群501と、小図柄群502と、特図1保留数表示503と、特図2保留数表示504と、保留表示(保留待機表示)505と、保留消化表示506とを表示する。
表示画面600では、左図柄は、図柄が「3」で停止していることを示し、中図柄は、図柄が「5」で停止していることを示し、右図柄は、図柄が「7」で停止していることを示す。すなわち、表示画面600では大図柄群501は、特図変動表示ゲームが停止状態(図柄停止中)であることを示す。表示画面600では、小図柄群502を構成する左図柄と中図柄と右図柄は、いずれも対応する特図変動表示ゲームが停止状態であることを示す。
特図1保留数表示503は、特図1ゲームの保留記憶数を表示する。表示画面600では、特図1保留数表示503は、特図1ゲームの保留記憶数が「3」であることを示す。特図2保留数表示504は、特図2ゲームの保留記憶数を表示する。表示画面600では、特図2保留数表示504は、特図2ゲームの保留記憶数が「0」であることを示す。保留表示505は、遊技状態に応じて特図1ゲームの保留記憶数または特図2ゲームの保留記憶数に対応する保留表示をおこなう。表示画面600では、保留表示505は、特図1ゲームの保留記憶数に対応して3つの保留アイコン507を表示する。
保留消化表示506は、その表示態様により、特図変動表示ゲームが変動表示状態にあるか否かを示すとともにゲーム結果に対する期待度を報知できる。表示画面600では保留消化表示506は、枠内をブランク(空白)にして、特図変動表示ゲームが停止状態であることを示す。この後、遊技機10は、たとえば、変動表示コマンドA、または変動表示コマンドB、変動表示コマンドCに対応する変動表示を開始する。
図54(2)に示す表示画面602は、変動表示開始した後の表示画面であり、変動表示コマンドA,B,Cで共通の前半変動に対応する表示画面である。表示画面602は、表示画面600の後の画面であって、変動表示中(三図柄変動中)の画面を示す。表示画面602では、大図柄群501の左図柄と中図柄と右図柄とは、変動しており、特図変動表示ゲームが変動表示中であることを示す。また、表示画面602では、小図柄群502の左図柄と中図柄と右図柄とは、変動しており、特図変動表示ゲームが変動表示中であることを示す。
表示画面602では、特図1保留数表示503は、特図1ゲームの保留記憶数が「2」であることを示し、特図2保留数表示504は、特図2ゲームの保留記憶数が「0」であることを示し、保留表示505は、特図1ゲームの保留記憶数が「2」であることを示す。また、表示画面602では、保留消化表示506は、保留消化アイコン508(消化中の保留記憶表示)を表示し、特図変動表示ゲームが変動表示中であることを示す。
図54(3)に示す表示画面604は、後半変動に対応する表示画面であり、変動表示コマンドA,B,Cで共通の後半変動のうち予告演出に対応する表示画面(その1)である。
表示画面604は、事前示唆演出表示520を表示内容に含む。表示画面604は、大図柄群501の左図柄が仮停止したところで、事前示唆演出がおこなわれている状態の表示画面である。事前示唆演出表示520は、プッシュボタン(演出ボタン25)を模した画像と、「Ready?」という文字を表示することで、プッシュボタンの操作演出が始まること(プッシュボタンが操作可能になること)を事前に示唆している(予告している)。
図55(1)に示す表示画面606は、表示画面604に続く予告演出に対応する表示画面(その2)である。表示画面606は、示唆演出受付表示523を表示内容に含む。示唆演出受付表示523は、プッシュボタンを模した画像と、「押せ!」という文字を表示することで、プッシュボタン操作を受付可能なタイミングであることを案内する。また、示唆演出受付表示523は、プッシュボタン操作の受付可能時間をゲージ表示する。
図55(2)に示す表示画面608、図55(3)に示す表示画面610、および図56(1)に示す表示画面612は、プッシュボタン操作を受け付けた場合に表示される、変動表示ゲームの結果を予告する表示画面である。なお、遊技機10は、プッシュボタン操作の受付可能時間内にプッシュボタン操作を受け付けなかった場合に変動表示ゲームの結果を予告しないようにしてもよいし、プッシュボタン操作の受付可能時間のタイムアップを待って変動表示ゲームの結果を予告するようにしてもよい。遊技機10は、プッシュボタン操作の受付可能時間のタイムアップを待って変動表示ゲームの結果を予告する場合には、プッシュボタン操作を受付て変動表示ゲームの結果を予告する場合と比較して、期待度が高い予告の出現率を低下させるようにしてもよい。
表示画面608は、表示画面606に続く予告演出に対応する表示画面(その3)である。表示画面608は、予告報知表示609を表示内容に含む。予告報知表示609は、大図柄群501にオーバーラップするカットイン表示に、トラのようなキャラクタとセリフ「チャンス!」を含む。予告報知表示609は、変動表示ゲームの結果として期待度が低いながらも当りの可能性があることを示唆する予告演出表示であり、当りの確定を報知しない非確定予告演出の一形態であり、そのうち低信頼度予告演出の一形態である。
表示画面610は、表示画面606に続く予告演出に対応する表示画面(その4)である。表示画面610は、予告報知表示611を表示内容に含む。予告報知表示611は、大図柄群501にオーバーラップするカットイン表示に、サングラスをかけたトラのようなキャラクタとセリフ「熱い!」を含む。予告報知表示611は、変動表示ゲームの結果として当りの期待度が高いことを示唆する予告演出表示であり、当りの確定を報知しない非確定予告演出の一形態であり、そのうち高信頼度予告演出の一形態である。なお、予告報知表示611のカットイン表示は、予告報知表示609のカットイン表示よりも大きく表示されることで高い信頼度を示唆している。
表示画面612は、表示画面606に続く予告演出に対応する表示画面(その5)である。表示画面612は、予告報知表示613を表示内容に含む。予告報知表示613は、大図柄群501にオーバーラップするカットイン表示に、ブタのようなキャラクタとメッセージテープ「おめでとう!」を含む。予告報知表示613は、変動表示ゲームの結果として当りが確定したことを示唆する予告演出表示であり、当りの確定を報知する確定予告演出の一形態である。なお、予告報知表示613のカットイン表示は、予告報知表示609,611のカットイン表示よりも大きく表示されることでより高い信頼度を示唆している。
図56(2)に示す表示画面614は、予告演出後の表示画面であり、変動表示コマンドA,B,Cで共通のリーチ演出に対応する表示画面である。表示画面614は、変動表示中(三図柄変動中)の画面を示す。表示画面614は、大図柄群501の左図柄と右図柄とが図柄「3」を表示して仮停止し、中図柄が変動するリーチ状態であることを示す。表示画面614は、いわゆるノーマルリーチを演出する。ノーマルリーチは、変動表示ゲームの結果として稀に当りを導出するものの多くの場合においてはずれを導出し、結果を導出しない場合には発展リーチの繋ぎ演出となる。変動表示コマンドA、または変動表示コマンドB、変動表示コマンドCに対応するリーチは、発展リーチの繋ぎ演出である。
図56(3)に示す表示画面616は、リーチ演出後の表示画面であり、リーチ演出から発展したショートSPリーチ演出の表示画面である。ショートSPリーチ演出は、いわゆる低信頼度の発展リーチに位置付けられ、比較的短い演出時間で低信頼度の発展リーチを演出する。たとえば、ショートSPリーチ演出は、ノーマルリーチと異なる態様で中図柄を変動させてノーマルリーチよりも高い期待感を演出する。なお、遊技機10は、リーチ演出(ノーマルリーチ、ショートSPリーチ、ロングSPリーチ等)、あるいはその他の演出において、変動表示中の図柄について第1の実施形態、あるいは第2の実施形態、第3の実施形態で説明したような輪郭の太さを変更する演出や、図柄の一部を欠損する演出をおこなうようにしてもよい。
図57(1)に示す表示画面618は、リーチ演出後の表示画面であり、リーチ演出から発展したロングSPリーチ演出の表示画面である。ロングSPリーチ演出は、いわゆる高信頼度の発展リーチに位置付けられ、比較的長い演出時間で高信頼度の発展リーチを演出する。たとえば、ロングSPリーチ演出は、大図柄群501を非表示にしておこなうバトル演出の成否でゲームの結果の当否を示唆することで、ノーマルリーチやショートSPリーチよりも高い期待感を演出する。
なお、遊技機10は、ノーマルリーチを経由してショートSPリーチやロングSPリーチを演出するとしたが、ノーマルリーチとショートSPリーチを経由したショートSPリーチ経由でロングSPリーチに発展する2段階発展リーチも演出できる。
図57(2)に示す表示画面620は、変動表示コマンドB,Cに対応したショートSPリーチ演出後の変動中当確演出の表示画面である。表示画面620は、大図柄群501で当り態様となる3つ揃いの図柄「3」を仮停止表示する。なお、3つ揃いの図柄「3」は、当り態様の一例である。また、表示画面620は、当確演出表示621を表示内容に含む。当確演出表示621は、表示画面620の略中央にて当確を示唆する花火の中に文字「祝!」を含む演出画像と、メッセージ「大当り!!」を表示する。表示画面620は、大図柄群501を隅部に移動表示して、当確演出表示621の表示領域を確保する。また、表示画面620は、大図柄群501を縮小表示して、当確演出表示621の表示領域を確保する。なお、表示画面620は、大図柄群501を非表示にして、当確演出表示621の表示領域を確保するようにしてもよい。
図58(1)に示す表示画面624は、変動表示コマンドA,B,Cのいずれにも対応した変動結果としての図柄組み合わせを表示する表示画面である。表示画面624は、変動表示コマンドAに対応した変動表示演出の場合、ショートSPリーチ演出の後の表示画面であり、変動表示コマンドBに対応した変動表示演出の場合、ロングSPリーチ演出のまたは変動中当確演出の後の表示画面であり、変動表示コマンドCに対応した変動表示演出の場合、ショートSPリーチ経由ロングSPリーチ演出のまたは変動中当確演出の後の表示画面である。
表示画面624は、大図柄群501と小図柄群502のそれぞれで当り態様となる3つ揃いの図柄「3」を停止表示する。表示画面624では、保留消化表示506は、枠内をブランク(空白)にして、特図変動表示ゲームが停止状態であることを示す。
図58(2)に示す表示画面626は、ファンファーレ表示画面である。表示画面626は、変動中当確演出の当確演出表示621と同様のファンファーレ演出表示627を表示内容に含む。ファンファーレ演出表示627は、表示画面626の略中央にて当りを案内する花火の中に文字「祝!」を含む演出画像と、メッセージ「大当り!!」を表示する。表示画面626は、大図柄群501および小図柄群502を非表示にする。また、表示画面626は、保留表示505および保留消化表示506を非表示にする。遊技機10は、ファンファーレ表示画面を表示した後、当り中のラウンド表示やインターバル表示を表示する。
次に、変動表示コマンドA,B,Cで共通の予告演出パターン選択テーブルについて図59を用いて説明する。図59は、第4の実施形態の予告演出パターン選択テーブルと予告演出パターン信頼度の一例を示す図である。
図59(1)に示す予告演出パターン選択テーブル(当り)は、演出制御装置300が変動表示コマンドA,B,Cに対応する表示演出として予告演出を選択するときに参照される。なお、変動表示コマンドA,B,Cは、いずれも当りを導出する際に選択される変動表示コマンドである。
演出制御装置300は、変動表示コマンドA,B,Cを受信して予告演出を決定するとき、確定予告演出に対応する予告演出パターンYP1を選択確率YR01で選択し、高信頼度予告演出に対応する予告演出パターンYP2を選択確率YR02で選択し、低信頼度予告演出に対応する予告演出パターンYP3を選択確率YR03で選択する。たとえば、選択確率YR01は、確定予告演出を出現頻度の低い演出と規定して10%の確率である。選択確率YR02は70%の確率であり、選択確率YR03は20%の確率であり、予告演出パターンYP3よりも予告演出パターンYP2の当り時の出現率を高く設定することで予告演出パターンYP2の高信頼度を演出する。
図59(2)に示す予告演出パターン選択テーブル(はずれ)は、演出制御装置300が変動表示コマンドA,B,Cと同様の演出を割り当てられながら「はずれ」を導出する変動表示コマンド(たとえば変動表示コマンドD,E,F)に対応する表示演出として予告演出を選択するときに参照される。
演出制御装置300は、変動表示コマンドD,E,Fを受信して予告演出を決定するとき、確定予告演出に対応する予告演出パターンYP1を選択確率YR11で選択し、高信頼度予告演出に対応する予告演出パターンYP2を選択確率YR12で選択し、低信頼度予告演出に対応する予告演出パターンYP3を選択確率YR13で選択する。たとえば、選択確率YR11は、確定予告演出を演出するため0%の確率である。選択確率YR12は10%の確率であり、選択確率YR13は90%の確率であり、予告演出パターンYP2よりも予告演出パターンYP3のはずれ時の出現率を高く設定することで予告演出パターンYP3の低信頼度を演出する。
図59(3)に示す予告演出パターン信頼度は、予告演出パターン選択テーブル(当り)と予告演出パターン選択テーブル(はずれ)の他に、当り確率、および変動表示コマンドA,B,C,D,E,Fの振分率によって決まる。予告演出パターン選択テーブル(当り)、予告演出パターン選択テーブル(はずれ)、およびその他の条件によれば、予告演出パターン信頼度は、確定予告演出に対応する予告演出パターンYP1が信頼度YE1であり、高信頼度予告演出に対応する予告演出パターンYP2が信頼度YE2であり、低信頼度予告演出に対応する予告演出パターンYP3が信頼度YE3である。たとえば信頼度YE1は、確定予告を演出する信頼度100%であり、信頼度YE2は、高信頼度予告を演出する信頼度50%であり、信頼度YE3は、低信頼度予告を演出する信頼度5%である。
なお、予告演出パターン選択テーブル(当り)および予告演出パターン選択テーブル(はずれ)は、変動表示コマンドA,B,Cで共通としたが、それぞれに設けるようにしてもよい。また、予告演出パターン選択テーブル(当り)および予告演出パターン選択テーブル(はずれ)は、遊技機10が複数の遊技モードや遊技状態を有するとき、すべての遊技モードや遊技状態で共通としてもよいし、異なるものとしてもよい。また、予告演出パターン信頼度は、予告演出パターン選択テーブル(当り)と予告演出パターン選択テーブル(はずれ)の他に、当り確率、および変動表示コマンドA,B,C,D,E,Fの振分率によって決まるとしたが、予告演出パターン信頼度は、あらかじめ予告演出パターンに設定されているものであってもよく、予告演出パターン選択テーブル(当り)と予告演出パターン選択テーブル(はずれ)とは、それぞれ予告演出パターン信頼度に対応した選択確率が設定される。
次に、変動表示コマンドA,B,Cを受信したときに実行される特定演出パターンの選択確率について図60を用いて説明する。図60は、第4の実施形態の特定演出パターン選択確率の一例を示す図である。
特定演出パターンは、後半変動におけるリーチ演出より後の演出の組合せパターンをいう。変動表示コマンドA,B,Cに関する特定演出パターンは、特定演出パターンTP1,TP2,TP3を含む。特定演出パターンTP1は、リーチ演出の後にショートSPリーチ演出を実行して当りを導出する特定演出パターンである。特定演出パターンTP2は、リーチ演出の後にロングSPリーチ演出を実行して当りを導出する特定演出パターンである。特定演出パターンTP3は、リーチ演出の後にショートSPリーチ経由ロングSPリーチ演出を実行して当りを導出する特定演出パターンである。
変動表示コマンドA,B,Cにおいて、特定演出パターンTP1は選択確率TR1で選択され、特定演出パターンTP2は選択確率TR2で選択され、特定演出パターンTP3は選択確率TR3で選択される。そして、変動表示コマンドD,E,Fにおいても、特定演出パターンTP1,TP2,TP3はそれぞれ所要の確率で選択される。
これにより、遊技機10は、特定演出パターンTP1に信頼度TE1を設定し、特定演出パターンTP2に信頼度TE2を設定し、特定演出パターンTP3に信頼度TE3を設定する。たとえば、信頼度TE1は5%であり、信頼度TE2は10%であり、信頼度TE3は20%である。これにより、遊技機10は、ショートSPリーチ演出、ロングSPリーチ演出、ショートSPリーチ経由ロングSPリーチ演出の順に信頼度が高くなるように設定できる。なお、遊技機10は、ショートSPリーチ演出、ショートSPリーチ経由ロングSPリーチ演出、ロングSPリーチ演出の順に信頼度が高くなるように設定するものであってもよい。
なお、信頼度TE1,TE2,TE3は、変動表示コマンドA,B,Cにおける選択確率の他に、変動表示コマンドD,E,Fにおける選択確率、および変動表示コマンドA,B,C,D,E,Fの振分率等、その他のパラメータにより変動し得る。
このような特定演出パターンの選択は、予告演出の態様に応じてより詳細に分類される。たとえば、予告演出において確定予告、低信頼度予告、高信頼度予告のいずれが実行されたかによって、特定演出パターンの選択確率を場合分けすることができる。なお、予告演出において予告演出パターンを抽選した後に、予告演出パターンの抽選結果に応じて特定演出パターンを抽選する2段階抽選に限らず、あらかじめ設定する予告演出パターンと特定演出パターンとの組合せを一度に抽選するものであってもよい。
ここで、当り時、すなわち変動表示コマンドA,B,Cにおける予告演出別の特定パターン選択割合について図61を用いて説明する。図61は、第4の実施形態の予告演出別の特定パターン選択割合(当り)の一例を示す図である。
演出制御装置300は、変動表示コマンドA,B,Cにもとづく変動表示演出において、予告演出で確定予告を実行したときショートSPリーチ演出を70%の割合で実行し、ロングSPリーチ演出を10%の割合で実行し、ショートSPリーチ経由ロングSPリーチ演出を20%の割合で実行する。また、演出制御装置300は、変動表示コマンドA,B,Cにもとづく変動表示演出において、予告演出で低信頼度予告を実行したときショートSPリーチ演出を20%の割合で実行し、ロングSPリーチ演出を60%の割合で実行し、ショートSPリーチ経由ロングSPリーチ演出を20%の割合で実行する。また、演出制御装置300は、変動表示コマンドA,B,Cにもとづく変動表示演出において、予告演出で高信頼度予告を実行したときショートSPリーチ演出を10%の割合で実行し、ロングSPリーチ演出を30%の割合で実行し、ショートSPリーチ経由ロングSPリーチ演出を60%の割合で実行する。
なお、演出制御装置300は、変動表示コマンドA,B,Cにもとづく変動表示演出において、予告演出で非確定予告を実行したとき、あるいは確定予告を実行しないとき、ショートSPリーチ演出を(20×a+10×b)%の割合で実行し、ロングSPリーチ演出を(60×a+30×b)%の割合で実行し、ショートSPリーチ経由ロングSPリーチ演出を(20×a+60×b)%の割合で実行する。このとき、aは、非確定予告における低信頼度予告の選択確率とし、bは、非確定予告における高信頼度予告の選択確率とする。ただし、a,b<1、かつa+b=1とする。
このように、遊技機10は、確定予告演出が実行されたとき、ロングSPリーチ演出やショートSPリーチ経由ロングSPリーチ演出よりもショートSPリーチ演出が実行されやすくなっている。これにより、遊技機10は、確定予告演出が実行されたとき、予告報知後の遊技演出が冗長なものとなることを抑止し興趣低下を低減可能にしている。また、遊技機10は、変動表示コマンドB,Cにもとづく変動表示演出において後半変動における余剰時間に変動中当確演出をおこなうことによっても予告報知後の遊技演出が冗長なものとなることを抑止し興趣低下を低減可能にしている。
具体的には、遊技機10は、確定予告演出が実行されたとき、ロングSPリーチ演出やショートSPリーチ経由ロングSPリーチ演出の出現機会を低減することで、予告報知後の遊技演出が冗長なものとなることを抑止する。
また、遊技機10は、予告演出で低信頼度予告を実行したときにショートSPリーチ演出が選択される確率を、予告演出で高信頼度予告を実行したときにショートSPリーチ演出が選択される確率よりも大きくしている。
これにより、遊技機10は、低信頼度予告により期待感を喪失した遊技者が、ロングSPリーチ演出やショートSPリーチ経由ロングSPリーチ演出により冗長と感じる機会を抑制する。また、遊技機10は、低信頼度予告により期待感を喪失した遊技者が、ショートSPリーチ演出により一層期待感を喪失することを抑止し、期待感が乏しい低信頼度予告とショートSPリーチ演出とが重複したにもかかわらず当りを導出する意外感を演出して興趣向上を図ることができる。一方で、遊技機10は、高信頼度予告により期待感を抱いた遊技者が、ロングSPリーチ演出やショートSPリーチ経由ロングSPリーチ演出により興趣を感じる機会を拡大できる。
なお、変動表示コマンドA,B,Cにおける予告演出別の特定パターン選択割合については、遊技モードや遊技状態に応じて変更可能にしてもよい。予告演出別の特定パターン選択割合を変更する変形例について図62と図63を用いて説明する。図62は、第4の実施形態の変形例の予告演出別の特定パターン選択割合(当り)の一例を示す図(その1)である。図63は、第4の実施形態の変形例の予告演出別の特定パターン選択割合(当り)の一例を示す図(その2)である。
遊技機10は、複数の演出モードとして、たとえばモードA,B,Cを有し、所定のイベントトリガ(タイマトリガであってもよい)でモード遷移する。遊技機10は、モードごとに、予告演出別の特定パターン選択割合を使い分けることで、モードごとの遊技性を演出する。
図62(1)に予告演出別の特定パターン選択割合(モードA)を示す。予告演出別の特定パターン選択割合(モードA)は、図61を用いて説明した予告演出別の特定パターン選択割合と同様である。遊技機10は、モードAにおいて、低信頼度予告により期待感を喪失した遊技者が、ロングSPリーチ演出やショートSPリーチ経由ロングSPリーチ演出により冗長と感じる機会を抑制する。また、遊技機10は、モードAにおいて、低信頼度予告により期待感を喪失した遊技者が、ショートSPリーチ演出により一層期待感を喪失することを抑止し、期待感が乏しい低信頼度予告とショートSPリーチ演出とが重複したにもかかわらず当りを導出する意外感を演出して興趣向上を図ることができる。一方で、遊技機10は、モードAにおいて、高信頼度予告により期待感を抱いた遊技者が、ロングSPリーチ演出やショートSPリーチ経由ロングSPリーチ演出により興趣を感じる機会を拡大できる。
図62(2)に予告演出別の特定パターン選択割合(モードB)を示す。演出制御装置300は、変動表示コマンドA,B,Cにもとづく変動表示演出において、予告演出で確定予告を実行したときショートSPリーチ演出を100%の割合で実行し、ロングSPリーチ演出を0%の割合で実行し、ショートSPリーチ経由ロングSPリーチ演出を0%の割合で実行する。また、演出制御装置300は、変動表示コマンドA,B,Cにもとづく変動表示演出において、予告演出で低信頼度予告を実行したときショートSPリーチ演出を0%の割合で実行し、ロングSPリーチ演出を70%の割合で実行し、ショートSPリーチ経由ロングSPリーチ演出を30%の割合で実行する。また、演出制御装置300は、変動表示コマンドA,B,Cにもとづく変動表示演出において、予告演出で高信頼度予告を実行したときショートSPリーチ演出を0%の割合で実行し、ロングSPリーチ演出を30%の割合で実行し、ショートSPリーチ経由ロングSPリーチ演出を70%の割合で実行する。
このように、遊技機10は、確定予告演出が実行されたとき、ロングSPリーチ演出やショートSPリーチ経由ロングSPリーチ演出を実行せず、ショートSPリーチ演出が実行される。これにより、遊技機10は、確定予告演出が実行されたとき、予告報知後の遊技演出が冗長なものとなることを抑止し興趣低下を低減可能にしている。また、遊技機10は、変動表示コマンドB,Cにもとづく変動表示演出において後半変動における余剰時間に変動中当確演出をおこなうことによっても予告報知後の遊技演出が冗長なものとなることを抑止し興趣低下を低減可能にしている。
具体的には、遊技機10は、確定予告演出が実行されたとき、ロングSPリーチ演出やショートSPリーチ経由ロングSPリーチ演出の出現機会を排除することで、予告報知後の遊技演出が冗長なものとなることを抑止する。
また、遊技機10は、予告演出で低信頼度予告や高信頼度予告を実行したときにショートSPリーチ演出が選択されないようにし、予告演出から期待感を抱いた遊技者が、ロングSPリーチ演出やショートSPリーチ経由ロングSPリーチ演出により興趣を感じる機会を拡大できる。
また、遊技機10は、予告演出で低信頼度予告を実行したときよりも高信頼度予告を実行したときのほうが予告演出から高い期待感を抱いた遊技者が、ショートSPリーチ経由ロングSPリーチ演出により興趣を感じる機会を拡大できる。
図62(3)に予告演出別の特定パターン選択割合(モードC)を示す。演出制御装置300は、変動表示コマンドA,B,Cにもとづく変動表示演出において、予告演出で確定予告を実行したときショートSPリーチ演出を70%の割合で実行し、ロングSPリーチ演出を10%の割合で実行し、ショートSPリーチ経由ロングSPリーチ演出を20%の割合で実行する。また、演出制御装置300は、変動表示コマンドA,B,Cにもとづく変動表示演出において、予告演出で低信頼度予告を実行したときショートSPリーチ演出を10%の割合で実行し、ロングSPリーチ演出を30%の割合で実行し、ショートSPリーチ経由ロングSPリーチ演出を60%の割合で実行する。また、演出制御装置300は、変動表示コマンドA,B,Cにもとづく変動表示演出において、予告演出で高信頼度予告を実行したときショートSPリーチ演出を20%の割合で実行し、ロングSPリーチ演出を60%の割合で実行し、ショートSPリーチ経由ロングSPリーチ演出を20%の割合で実行する。
遊技機10は、予告演出で低信頼度予告を実行したときにショートSPリーチ演出が選択される確率を、予告演出で高信頼度予告を実行したときにショートSPリーチ演出が選択される確率よりも小さくしている。
これにより、遊技機10は、低信頼度予告により期待感を喪失した遊技者が、ロングSPリーチ演出やショートSPリーチ経由ロングSPリーチ演出により冗長と感じる機会を増大する。また、遊技機10は、低信頼度予告により期待感を喪失した遊技者が、ショートSPリーチ演出により一層期待感を喪失することを増長する。
このような遊技機10は、漫然とした遊技演出に興趣を感じるような演出モードに好適である。また、このような遊技機10は、モードごとの対比において、各モードとの特徴を際立たせる効果を有する。
遊技機10は、複数の遊技状態として、たとえば通常遊技状態、および特定遊技状態A,Bを有し、所定のイベントトリガで遊技状態を遷移する。遊技機10は、遊技状態ごとに、予告演出別の特定パターン選択割合を使い分けることで、遊技状態ごとの遊技性を演出する。
なお、通常遊技状態、および特定遊技状態A,Bは、異なる遊技状態として区別可能であればよく、たとえば通常遊技状態は、低確率、主として特図1ゲーム遊技進行、普電サポートなしであり、特定遊技状態Aは、高確率、主として特図2ゲーム遊技進行、普電サポートあり、特定遊技状態Bは、低確率、主として特図2ゲーム遊技進行、普電サポートなしである。なお、特定遊技状態Bは、高確率、主として特図1ゲーム遊技進行、普電サポートなしなど、その他の遊技性を有するものであってもよい。
図63(1)に予告演出別の特定パターン選択割合(通常遊技状態)を示す。予告演出別の特定パターン選択割合(通常遊技状態)は、図61を用いて説明した予告演出別の特定パターン選択割合と同様である。遊技機10は、通常遊技状態において、低信頼度予告により期待感を喪失した遊技者が、ロングSPリーチ演出やショートSPリーチ経由ロングSPリーチ演出により冗長と感じる機会を抑制する。また、遊技機10は、通常遊技状態において、低信頼度予告により期待感を喪失した遊技者が、ショートSPリーチ演出により一層期待感を喪失することを抑止し、期待感が乏しい低信頼度予告とショートSPリーチ演出とが重複したにもかかわらず当りを導出する意外感を演出して興趣向上を図ることができる。一方で、遊技機10は、通常遊技状態において、高信頼度予告により期待感を抱いた遊技者が、ロングSPリーチ演出やショートSPリーチ経由ロングSPリーチ演出により興趣を感じる機会を拡大できる。
図63(2)に予告演出別の特定パターン選択割合(特定遊技状態A)を示す。予告演出別の特定パターン選択割合(特定遊技状態A)は、図62(2)を用いて説明した予告演出別の特定パターン選択割合と同様である。
このように、遊技機10は、確定予告演出が実行されたとき、ロングSPリーチ演出やショートSPリーチ経由ロングSPリーチ演出を実行せず、ショートSPリーチ演出が実行される。これにより、遊技機10は、確定予告演出が実行されたとき、予告報知後の遊技演出が冗長なものとなることを抑止し興趣低下を低減可能にしている。また、遊技機10は、変動表示コマンドB,Cにもとづく変動表示演出において後半変動における余剰時間に変動中当確演出をおこなうことによっても予告報知後の遊技演出が冗長なものとなることを抑止し興趣低下を低減可能にしている。
具体的には、遊技機10は、確定予告演出が実行されたとき、ロングSPリーチ演出やショートSPリーチ経由ロングSPリーチ演出の出現機会を排除することで、予告報知後の遊技演出が冗長なものとなることを抑止する。
また、遊技機10は、予告演出で低信頼度予告や高信頼度予告を実行したときにショートSPリーチ演出が選択されないようにし、予告演出から期待感を抱いた遊技者が、ロングSPリーチ演出やショートSPリーチ経由ロングSPリーチ演出により興趣を感じる機会を拡大できる。
また、遊技機10は、予告演出で低信頼度予告を実行したときよりも高信頼度予告を実行したときのほうが予告演出から高い期待感を抱いた遊技者が、ショートSPリーチ経由ロングSPリーチ演出により興趣を感じる機会を拡大できる。
図63(3)に予告演出別の特定パターン選択割合(特定遊技状態B)を示す。予告演出別の特定パターン選択割合(特定遊技状態B)は、図62(3)を用いて説明した予告演出別の特定パターン選択割合と同様である。
遊技機10は、予告演出で低信頼度予告を実行したときにショートSPリーチ演出が選択される確率を、予告演出で高信頼度予告を実行したときにショートSPリーチ演出が選択される確率よりも小さくしている。
これにより、遊技機10は、低信頼度予告により期待感を喪失した遊技者が、ロングSPリーチ演出やショートSPリーチ経由ロングSPリーチ演出により冗長と感じる機会を増大する。また、遊技機10は、低信頼度予告により期待感を喪失した遊技者が、ショートSPリーチ演出により一層期待感を喪失することを増長する。
このような遊技機10は、漫然とした遊技演出に興趣を感じるような遊技状態に好適である。また、このような遊技機10は、遊技状態ごとの対比において、各遊技状態の特徴を際立たせる効果を有する。また、このような遊技機10は、遊技状態を遊技者に対して明らかにしている場合に、遊技者による遊技状態の推定を補助する。
なお、図62を用いて説明した演出モードごとの予告演出別の特定パターン選択割合や、図63を用いて説明した遊技状態ごとの予告演出別の特定パターン選択割合は、一例であって、その他の選択割合であってもよい。また、図62を用いて説明した演出モードは、モードA,B,Cであるとしたが、演出モードの区分は、3つに限らず、2つであってもよいし、4つ以上であってもよい。また、図63を用いて説明した遊技状態は、通常遊技状態、および特定遊技状態A,Bであるとしたが、遊技状態の区分は、3つに限らず、2つであってもよいし、4つ以上であってもよい。
また、遊技状態の区分は、通常において1つとして扱われる遊技状態を所定条件にしたがい2以上に区分するものであってもよい。たとえば、通常遊技状態であっても普電サポート終了から変動表示回数20回までを通常遊技状態A、その他の通常遊技状態を通常遊技状態Bのように区分するものであってもよい。また、普電サポート遊技状態であっても、普電サポート変動表示回数100回のうち50回までの前半を普電サポート遊技状態A、51回以降を普電サポート遊技状態Bのように区分するものであってもよい。また、確率変動(高確)遊技状態であっても、確率変動後の所定トリガ検出までを確率変動遊技状態A、所定トリガ後を確率変動遊技状態Bのように区分するものであってもよい。
また、区分された遊技状態の遷移は、特定遊技状態Aから特定遊技状態Bのように一方方向であってもよいし、特定遊技状態Aから特定遊技状態B、特定遊技状態Bから特定遊技状態Aのように双方向であってもよい。
次に、変動表示コマンドBに対応する変動表示態様の変形例について図64を用いて説明する。図64は、第4の実施形態の変形例の変動表示コマンドB1に対応する変動表示態様の一例を示す図である。
変動表示コマンドB1は、遊技制御装置100が演出制御装置300に送信する変動表示コマンドの1つである。変動表示コマンドB1は、変動時間T1(>T0)の変動表示演出に対応するコマンドである。
演出制御装置300は、変動表示コマンドB1を受信して変動時間T1の変動表示演出を生成し、所要の演出装置において変動表示演出を実行する。変動表示コマンドB1は、変動表示コマンドAよりも変動時間が長いために変動表示コマンドAよりも多様な演出をおこなうことができるという側面を有するものの、変動表示コマンドAよりも結果を導出する時間が遅いという側面も有する。
演出制御装置300は、変動時間T1のうちにおいて前半変動と後半変動とを実行する。変動表示コマンドB1は、変動時間T1のうち時間T11(=T01)を前半変動に割当て、時間T12(>T02)を後半変動に割当てる。なお、時間T11は、時間T12よりも短い。
変動表示コマンドB1の後半変動は、時間T121の予告演出と、時間T122のリーチ演出と、時間T123のロングSPリーチ演出とを含む場合(演出パターンB01)と、時間T121の予告演出と、時間T122のリーチ演出と、時間T125の変動中当確演出と、時間T124(=T023)のショートSPリーチ演出とを含む場合(演出パターンB03)とがある。
このように、遊技機10は、ショートSPリーチ演出に先立って、変動中当確演出をおこなうものであってもよい。また、遊技機10は、変動中当確演出を二分して二分された変動中当確演出でショートSPリーチ演出を挟むようにしてもよい。また、遊技機10は、リーチ演出に先立って、変動中当確演出をおこなうものであってもよい。また、遊技機10は、予告演出に先立って、変動中当確演出をおこなうものであってもよい。ただし、予告演出に先立って変動中当確演出をおこなう場合、遊技機10は、当確を案内しないフリーズ演出等で変動中当確演出を差し替えてもよい。また、遊技機10は、たとえばリーチ演出の前後等、細分化された変動中当確演出を後半変動の随所に挿入するようにしてもよい。
演出制御装置300は、変動表示コマンドB1の受信時に演出パターンB01と演出パターンB03とを選択的に実行可能であって、予告演出において当確演出を実行した場合に、演出パターンB01よりも演出パターンB03を選択しやすくしている。
遊技機10は、確定予告演出の実行以降の演出において期待感を煽っても興趣向上に貢献するところが少ないことから、演出パターンB01よりも先に結果を報知可能な演出パターンB03を選択しやすくする。これにより、遊技機10は、予告報知後の遊技演出が冗長なものとなり興趣低下を惹起することを抑止し、変動表示中であっても結果確定後の遊技演出を可能にして興趣向上を図る。
このように、遊技機10は、ショートSPリーチ演出の時間T124がロングSPリーチ演出の時間T123より短い分だけ、予告報知後の遊技演出を非冗長なものとすることができる。また、遊技機10は、変動中当確演出の時間T125だけ当り確定後の演出に割り当てることができる。
また、遊技機10は、変動表示コマンドAよりも変動時間が長い変動表示コマンドB1において、変動表示コマンドAと同様のショートSPリーチ演出により遊技結果を案内し、余剰時間に変動中当確演出を割り当てることで非冗長な遊技進行を実現できる。
なお、変動表示コマンドB1は、ショートSPリーチ演出の結果として、あるいはロングSPリーチ演出の結果として当りを導出するものであり、遊技機10は、結果としてはずれを導出するコマンドを変動表示コマンドB1と別に用意する。
次に、変動表示コマンドBに対応する変動表示態様の変形例についてもう一例、図65を用いて説明する。図65は、第4の実施形態の変形例の変動表示コマンドB2に対応する変動表示態様の一例を示す図である。
変動表示コマンドB2は、遊技制御装置100が演出制御装置300に送信する変動表示コマンドの1つである。変動表示コマンドB2は、変動時間T1(>T0)の変動表示演出に対応するコマンドである。
演出制御装置300は、変動表示コマンドB2を受信して変動時間T1の変動表示演出を生成し、所要の演出装置において変動表示演出を実行する。変動表示コマンドB2は、変動表示コマンドAよりも変動時間が長いために変動表示コマンドAよりも多様な演出をおこなうことができるという側面を有するものの、変動表示コマンドAよりも結果を導出する時間が遅いという側面も有する。
演出制御装置300は、変動時間T1のうちにおいて前半変動と後半変動とを実行する。変動表示コマンドB2は、変動時間T1のうち時間T11(=T01)を前半変動に割当て、時間T12(>T02)を後半変動に割当てる。なお、時間T11は、時間T12よりも短い。
変動表示コマンドB2の後半変動は、時間T121の予告演出と、時間T122のリーチ演出と、時間T123のロングSPリーチ演出とを含む場合(演出パターンB01)と、時間T121の予告演出と、時間T122のリーチ演出と、時間T123の変動中当確演出とを含む場合(演出パターンB04)と、時間T121の予告演出と、時間T126(=T122+T123)の変動中当確演出とを含む場合(演出パターンB05)とがある。
このように、遊技機10は、ショートSPリーチ演出をおこなわずに変動中当確演出をおこなうものであってもよい。また、遊技機10は、ショートSPリーチ演出だけでなくリーチ演出もおこなわずに変動中当確演出をおこなうものであってもよい。
演出制御装置300は、変動表示コマンドB2の受信時に演出パターンB01と演出パターンB04と演出パターンB05とを選択的に実行可能であって、予告演出において当確演出を実行した場合に、演出パターンB01よりも演出パターンB04,B05を選択しやすくしている。
遊技機10は、確定予告演出の実行以降の演出において期待感を煽っても興趣向上に貢献するところが少ないことから、演出パターンB01よりも先に結果を報知可能な演出パターンB04,B05を選択しやすくする。これにより、遊技機10は、予告報知後の遊技演出が冗長なものとなり興趣低下を惹起することを抑止し、変動表示中であっても結果確定後の遊技演出を可能にして興趣向上を図る。
このように、遊技機10は、ロングSPリーチ演出の時間T123の分だけ、あるいは予告報知後の遊技演出を非冗長なものとすることができる。また、遊技機10は、ロングSPリーチ演出の時間T123にリーチ演出の時間T122を加えた分だけ当り確定後の演出に割り当てることができる。
また、遊技機10は、変動表示コマンドAよりも変動時間が長い変動表示コマンドB2において、確定予告演出により遊技結果を案内することで非冗長な遊技進行を実現できる。なお、変動表示コマンドB2は、結果として当りを導出するものであり、遊技機10は、結果としてはずれを導出するコマンドを変動表示コマンドB2と別に用意する。
次に、確定予告演出の出現タイミングの変形例について図66を用いて説明する。図66は、第4の実施形態の変形例の確定予告演出の出現タイミングの一例を示す図である。確定予告演出として、当り確定を予告する確定キャラを出現させるとき、遊技機10は、確定キャラ出現パターン1から5のようにすることができる。なお、確定キャラは、メッセージとして当確を案内する等、その表示態様によって当り確定を案内するものであってもよいし、レインボー表示等で通常の遊技者が当然に当り確定を感得できる表示態様によって当り確定を案内するものであってもよいし、他の演出と共用されないことで遊技経験を重ねた遊技者が当り確定を感得できる表示態様によって当り確定を案内するものであってもよい。また、確定キャラは、必ずしもキャラクタであることを要せず、カットインやメッセージ自体等であってもよい。
確定キャラ出現パターン1は、確定予告演出の演出期間で1度だけ確定キャラを出現させる演出態様である。このとき、確定キャラの出現期間は、確定予告演出期間の範囲で任意に設定可能である。
確定キャラ出現パターン2、3は、確定予告演出の演出期間を超えて確定キャラを継続して出現させる演出態様である。確定キャラ出現パターン2における確定キャラの出現期間は、リーチ演出期間およびショートSPリーチ演出期間の範囲で任意に設定可能である。確定キャラ出現パターン3における確定キャラの出現期間は、ショートSPリーチ演出期間を超えて変動中当確演出期間を含む変動表示期間の範囲で任意に設定可能である。なお、確定キャラは、その出現中において表示態様を変化させるものであってもよく、たとえば芋虫から蝶に変化することによって遊技者が得られる見込み価値の大きさ(たとえば、確変や普電サポートの有無、獲得可能な遊技価値の大きさ等)を案内するようにしてもよい。
確定キャラ出現パターン4は、確定予告演出の演出期間で2度以上確定キャラを出現させる演出態様である。このとき、確定キャラの出現期間は、確定予告演出期間から始まって変動表示期間の範囲で任意に設定可能である。なお、確定キャラは、その出現回数や出現タイミングの他、その表示態様を変化させるものであってもよく、出現回数や出現タイミング、表示態様から遊技者が得られる見込み価値の大きさを案内するようにしてもよい。
確定キャラ出現パターン5は、確定予告演出の演出期間で2つ以上確定キャラを出現させる演出態様である。たとえば、確定キャラ出現パターン5は、確定予告演出期間からリーチ演出期間にかけて確定キャラAを出現させ、確定キャラAの出現と重複するリーチ演出期間からリーチ演出期間を超えて確定キャラBを出現させる。
なお、確定キャラAは、確定キャラBと同様にリーチ演出期間を超えて出現するものであってもよく、出現終了タイミングを揃えるものであってもよい。また、確定キャラAが確定予告演出のキャラクタであるとき、リーチ演出やショートSPリーチ演出、あるいはロングSPリーチ演出でキャラクタを出現させるとき、当該キャラクタを当確態様に変更するようにしてもよい。なお、重複タイミングを設けて確定キャラAと確定キャラBとを出現させるとしたが、重複タイミングを設けて3以上の確定キャラを出現させるものであってもよい。
なお、2以上の確定キャラの組合せや重複態様を変化させるものであってもよく、確定キャラの組合せや重複態様から遊技者が得られる見込み価値の大きさを案内するようにしてもよい。
次に、変動表示コマンドA,B,Cに対応した遊技中の表示画面の変形例について図67を用いて説明する。図67は、第4の実施形態の変形例の遊技中の表示画面の一例を示す図である。
図67(1)に示す表示画面628は、フリーズ演出中の表示画面であり、変動表示コマンドA,B,Cで共通の後半変動に対応する表示画面である。フリーズ演出は、確定予告演出として実行される他、変動中当確演出としても実行可能である。表示画面628は、大図柄群501、小図柄群502、特図1保留数表示503、特図2保留数表示504、保留表示505、保留消化表示506、保留アイコン507、保留消化アイコン508を表示内容に含む。
表示画面628は、大図柄群501に重ねてフリーズ表示629を表示する。フリーズ表示629は、黄色と黒の縞模様の警戒テープによって仕切られた領域にメッセージ「フリーズ警報」とメッセージ「WARNING」を表示する。また、表示画面628は、大図柄群501に代えて変動表示中であることを明示するため小図柄群502をフリーズ表示629に重ねて表示する。
図67(2)に示す表示画面630は、表示画面628に続く表示画面である。表示画面630は、表示領域左端側から登場したキャラクタ631がフリーズ表示629を右端側に押し出すようにしてフリーズ演出の解除演出をおこなう。キャラクタ631は、たとえばブタのようなキャラクタとメッセージテープ「おめでとう!」を含む。
図67(3)に示す表示画面632は、表示画面630に続く表示画面である。表示画面632は、フリーズ表示629を右端側に押し出したキャラクタ631がメッセージテープ「おめでとう!」により当り確定を案内しながら右端側に退場する演出をおこなう。表示画面632は、フリーズ表示629を右端側に押し出した表示領域に大図柄群501を視認良好にして表示する。また、大図柄群501は、フリーズ表示629と重なる前後で図柄表示態様を変更することができる。表示画面632は、当り態様となる図柄組合せで大図柄群501を表示する。
このようにして、遊技機10は、フリーズ演出をおこなうことができる。遊技機10は、フリーズ演出を変動中当確演出として実行することができる。このようなフリーズ演出は、ショートSPリーチ演出の後に変動中当確演出が実行される場合に表示画面632のように当り態様となる図柄組合せで大図柄群501を表示する。一方で、図64に示したようにショートSPリーチ演出の前に変動中当確演出が実行される場合にリーチ態様となる図柄組合せで大図柄群501を表示するようにしてもよい。
このような遊技機10は、予告報知後の遊技演出が冗長なものとなり興趣低下を惹起することを抑止し、変動表示中であっても結果確定後の遊技演出を可能にして興趣向上を図る。
なお、遊技機10は、ゲームの結果が当りであることを予告演出可能であるとしたが、当りに限らず、ゲームの結果が特別結果であることを予告演出するものであってもよい。特別結果は、たとえば、当りや特定図柄の停止、特殊図柄の停止(ゾーン突入図柄等)等)を含む。特定図柄の停止は、当りに限らない図柄の停止であり、たとえば、あらかじめ定めるチャンス図柄等の停止を含む。チャンス図柄は、あらかじめ定める図柄組合せであり、たとえば、左図柄「1」、中図柄「2」、右図柄「3」等の順列組合せがある。また、特殊図柄の停止は、特別の意味が付された図柄の停止を含む。なお、特殊図柄は、通常時において表示されないものであってもよい。たとえば、特殊図柄は、モード変更を案内する図柄であったり、所定のゾーン(遊技状態や演出状態等)への突入を案内する図柄であったり、リーチの発生や発展、当りの予告や発生を案内する図柄であったりする。
上述した第4の実施形態の遊技機10(変形例を含む)は、一側面において以下のような特徴を有する。
(1)遊技機10は、ゲーム(たとえば、特図1ゲーム、特図2ゲーム)の結果を予告する予告演出(たとえば、確定予告演出、低信頼度予告演出、高信頼度予告演出)を実行可能な予告演出手段(たとえば、遊技制御装置100、演出制御装置300、表示装置41)と、予告演出の実行後にゲームの結果の導出過程を演出する特定演出(たとえば、ショートSPリーチ演出、ロングSPリーチ演出)を実行可能な特定演出手段(たとえば、遊技制御装置100、演出制御装置300、表示装置41)と、を含む。予告演出手段は、ゲームの結果が当りであることを確定予告する確定予告演出(たとえば、確定予告演出、図56(1))と、ゲームの結果が当りであることを所定の信頼度で予告する非確定予告演出(たとえば、低信頼度予告演出、高信頼度予告演出、図55(2)、(3))とを選択的に実行可能である。特定演出手段は、導出過程を第1の時間(たとえば、時間T124)で演出する第1の特定演出(たとえば、ショートSPリーチ演出)と、導出過程を第1の時間よりも長い第2の時間(たとえば、時間T123)で演出する第2の特定演出(たとえば、ロングSPリーチ演出)とを選択的に実行可能であり、予告演出手段が確定予告演出を実行した場合に、第2の特定演出が選択される割合(たとえば、10%、図61)よりも第1の特定演出が選択される割合(たとえば、70%、図61)を大きくする。
(2) (1)の予告演出手段は、非確定予告演出(たとえば、低信頼度予告演出、高信頼度予告演出)を実行する場合、ゲームの結果が当りであることを第1の信頼度(たとえば、5%、図59(3))で予告する第1の非確定予告演出(たとえば、低信頼度予告演出)と、ゲームの結果が当りであることを第1の信頼度より高い第2の信頼度(たとえば、50%、図59(3))で予告する第2の非確定予告演出(たとえば、高信頼度予告演出)を選択的に実行可能であり、特定演出手段は、ゲームの結果として当りを導出するとき、予告演出手段が第2の非確定予告演出を実行した場合に第1の特定演出を選択する割合(たとえば、10%、図61)よりも予告演出手段が第1の非確定予告演出を実行した場合に第1の特定演出を選択する割合(たとえば、20%、図61)を大きくする。
(3)遊技機10は、ゲーム(たとえば、特図1ゲーム、特図2ゲーム)の結果を予告する予告演出(たとえば、確定予告演出、低信頼度予告演出、高信頼度予告演出)を実行可能な予告演出手段(たとえば、遊技制御装置100、演出制御装置300、表示装置41)と、予告演出の実行後にゲームの結果の導出過程を演出する特定演出(たとえば、ショートSPリーチ演出、ロングSPリーチ演出)を実行可能な特定演出手段(たとえば、遊技制御装置100、演出制御装置300、表示装置41)と、を含む。予告演出手段は、ゲームの結果が特別結果(たとえば、当りや特定図柄の停止(チャンス目等)、特殊図柄の停止(ゾーン突入図柄等)等)であることを確定予告する確定予告演出(たとえば、確定予告演出、図56(1))と、ゲームの結果が特別結果であることを所定の信頼度で予告する非確定予告演出(たとえば、低信頼度予告演出、高信頼度予告演出、図55(2)、(3))とを選択的に実行可能である。特定演出手段は、導出過程を第1の期間(たとえば、時間T124)で演出する第1の特定演出(たとえば、ショートSPリーチ演出)と、導出過程を第1の期間と異なる第2の期間(たとえば、時間T123)で演出する第2の特定演出(たとえば、ロングSPリーチ演出)とを選択的に実行可能であり、予告演出手段が確定予告演出を実行した場合に、第2の特定演出が選択される割合(たとえば、10%、図61)よりも第1の特定演出が選択される割合(たとえば、70%、図61)を大きくする。
(4) (3)の予告演出手段は、非確定予告演出(たとえば、低信頼度予告演出、高信頼度予告演出)を実行する場合、ゲームの結果が特別結果であることを第1の信頼度(たとえば、5%、図59(3))で予告する第1の非確定予告演出(たとえば、低信頼度予告演出)と、ゲームの結果が特別結果であることを第1の信頼度と異なる第2の信頼度(たとえば、50%、図59(3))で予告する第2の非確定予告演出(たとえば、高信頼度予告演出)を選択的に実行可能であり、特定演出手段は、ゲームの結果として特別結果を導出するとき、予告演出手段が第2の非確定予告演出を実行した場合に第1の特定演出を選択する割合(たとえば、10%、図61)よりも予告演出手段が第1の非確定予告演出を実行した場合に第1の特定演出を選択する割合(たとえば、20%、図61)を大きくする。
[第5の実施形態]
第1の実施形態から第4の実施形態の遊技機の説明においては遊技盤30(図2参照)、あるいは遊技盤800(図28参照)を備える遊技機として説明したが、第5の実施形態の遊技機はいずれにも適用可能である。なお、第1の実施形態から第4の実施形態と同様の構成については、符号を同じにして説明を省略する場合がある。
第5の実施形態の遊技機10は、期待感に乏しい始動記憶の表示態様により予告報知演出があっても、さらなる変化に対する期待感を演出し、ゲームの結果に対する一層の期待感を維持する。まず、遊技機10の遊技中の表示画面について図68を用いて説明する。図68は、第5の実施形態の遊技中の表示画面の一例を示す図である。
表示画面650は、変動表示開始後の表示画面である。表示画面650は、大図柄群501と、小図柄群502と、特図1保留数表示503と、特図2保留数表示504と、保留表示(保留待機表示)505と、保留消化表示506とを表示内容に含む。
保留表示(保留待機表示)505は、特図1保留数表示503に対応した数の保留アイコン(保留待機アイコン)660を表示する。保留アイコン660は、透明の球の中に有色の球を有するような2重構造の表示態様である。保留消化表示506は、保留消化アイコン655を表示する。保留消化アイコン655もまた、保留アイコン660と同様に、透明の球の中に有色の球を有する2重構造の表示態様であるが、保留アイコン660と比べて大きいことで保留アイコン660と区別可能な表示態様である。
ここで、保留アイコン660の2重構造の表示態様について図69を用いて説明する。図69は、第5の実施形態の保留アイコンの2重構造の表示態様の一例を示す図である。
保留アイコン660は、外殻アイコン661と内核アイコン662とをそれぞれ表示要素として含む。保留アイコン660は、透明かつ球状の外殻アイコン661が有色かつ球状の内核アイコン662を内包する2重構造の表示態様を有する。内核アイコン662は、その表示態様により変動表示ゲームの結果に対する期待度を報知する機能(期待度報知機能)を有する。外殻アイコン661は、内核アイコン662が報知する期待度が変化する可能性を示唆する機能(期待度変化示唆機能)を有する。なお、保留消化アイコン655も保留アイコン660と同様の構成を有する。
次に、内核アイコン662の期待度を明確に案内する表示態様について図70を用いて説明する。図70は、第5の実施形態の内核アイコンの表示態様と期待度との関係の一例を示す図である。内核アイコン662は、期待度を明確に案内する表示態様として内核アイコン表示態様pt01,pt02,pt03,pt04,pt05,pt06を有する。
内核アイコン表示態様pt01は、標準(デフォルト)の表示態様で何ら期待度を案内しない表示態様である。内核アイコン表示態様pt01は、たとえば、白色の球形状である。内核アイコン表示態様pt02は、低期待度(たとえば、5%程度の低い期待度)を案内する表示態様である。内核アイコン表示態様pt02は、たとえば、緑色の球形状である。内核アイコン表示態様pt03は、中期待度(たとえば、20%程度の中程度の期待度)を案内する表示態様である。内核アイコン表示態様pt03は、たとえば、青色の球形状である。内核アイコン表示態様pt04は、高期待度(たとえば、30%程度の高い期待度)を案内する表示態様である。内核アイコン表示態様pt04は、たとえば、黄色の球形状である。内核アイコン表示態様pt05は、極高期待度(たとえば、80%程度の極めて高い期待度)を案内する表示態様である。内核アイコン表示態様pt05は、たとえば、赤色の球形状である。内核アイコン表示態様pt06は、当り確定(たとえば、当り確定)を案内する表示態様である。内核アイコン表示態様pt06は、たとえば、虹色や「当」の文字を付した模様の球形状である。
次に、内核アイコン662の期待度を不明確に案内する表示態様について図71を用いて説明する。図71は、第5の実施形態の内核アイコンの期待度を不明確に案内する表示態様の一例を示す図である。内核アイコン662は、期待度を明確に案内する表示態様として内核アイコン表示態様pt01,pt02,pt03,pt04,pt05,pt06を有することを先に説明した。内核アイコン662は、内核アイコン表示態様pt01,pt02,pt03,pt04,pt05,pt06のうちの2つの色彩要素を同時に表示し、2つの色彩要素が示す期待度のいずれかを案内することを示すことができる。
図71(1)に示す内核アイコン662は、内核アイコン表示態様pt02であり、緑色の球形状で低期待度を明確にして案内している。図71(2)に示す内核アイコン662aは、内核アイコン表示態様pt02を75%、内核アイコン表示態様pt03を25%含む表示態様である。内核アイコン662aは、緑色75%と青色25%のグラデーションの球形状により低期待度と中期待度のいずれであるかを低期待度よりにして不明確に案内している。図71(3)に示す内核アイコン662bは、内核アイコン表示態様pt02を50%、内核アイコン表示態様pt03を50%含む表示態様である。内核アイコン662bは、緑色50%と青色50%のグラデーションの球形状により低期待度と中期待度のいずれであるかを同程度にして不明確に案内している。図71(4)に示す内核アイコン662cは、内核アイコン表示態様pt02を25%、内核アイコン表示態様pt03を75%含む表示態様である。内核アイコン662cは、緑色25%と青色75%のグラデーションの球形状により低期待度と中期待度のいずれであるかを中期待度よりにして不明確に案内している。
このように、内核アイコン662は、内核アイコン表示態様pt01,pt02,pt03,pt04,pt05,pt06により期待度を明確にして案内するだけでなく、いずれの期待度であるかをその可能性を示しながら不明確に案内することができる。
なお、内核アイコン662a,662b,662cは、2色の混在をグラデーションによって示したが、モザイク様やストライプ様に2色を混在させて示すものであってもよいし、混色により元の色彩をも不明確にして示すものであってもよいし、いずれの色彩であるかを一意に示さず変化先となり得る色彩をアニメーションにより示すものであってもよい。また、内核アイコン662a,662b,662cは、2色の混在を示したが、3色以上の混在を示すものであってもよい。
遊技機10は、このような内核アイコン662を用いて保留予告をおこなうことで、明確な期待度報知をおこなうことに加えて、不明確な期待度報知をおこなうことができる。また、遊技機10は、不明確な期待度報知をおこなう場合にあっても、変化先となる表示態様の候補を案内することができる。また、遊技機10は、変化先となる表示態様の候補を案内する際にその可能性を示唆することができる。
次に、外殻アイコン661の表示態様について図72を用いて説明する。図72は、第5の実施形態の外殻アイコンの表示態様と変化可能性との関係の一例を示す図である。外殻アイコン661は、直接に期待度を案内する表示態様を有しないが、内核アイコン662の変化可能性を案内する表示態様を有する。外殻アイコン661は、内核アイコン662を内包して内核アイコン662の外観を演出するとともに、外殻アイコン661の消失により内核アイコン662の表示態様の変化トリガを与える。
図72(1)に示す外殻アイコン661は、標準態様であり、透明表示により、内包する内核アイコン662(図示省略)を観察容易にする表示態様である。図72(2)に示す外殻アイコン661aは、外殻変化予告態様aである。外殻アイコン661aは、外殻に僅かなひびが入った様子を示す表示態様である。外殻アイコン661aは、外殻にひびが入った様子から外殻アイコン661の消失可能性、すなわち内核アイコン662の表示態様の変化可能性を案内している。なお、外殻アイコン661aは、外殻に入ったひびが僅かであることから内核アイコン662の表示態様の変化可能性が大きくないことも案内する。
図72(3)に示す外殻アイコン661bは、外殻変化予告態様bである。外殻アイコン661bは、外殻に多くのひびが入った様子を示す表示態様である。外殻アイコン661bは、外殻に多くのひびが入った様子から外殻アイコン661の消失可能性、すなわち内核アイコン662の表示態様の変化可能性を案内している。なお、外殻アイコン661bは、外殻に入ったひびが多いことから内核アイコン662の表示態様の変化可能性が大きいことも案内する。
図72(4)に示す外殻アイコン661cは、外殻変化予告態様cである。外殻アイコン661cは、外殻が崩壊、消失する様子を示す表示態様である。外殻アイコン661cは、外殻が崩壊、消失する様子から外殻アイコン661の消失、すなわち内核アイコン662の表示態様の変化を案内している。保留アイコン660は、外殻アイコン661の消失をトリガにして、内核アイコン662の表示態様を変化させる。
なお、外殻アイコン661a,661b,661cは、ひびによって外殻アイコン661の消失可能性を示したが、その他の態様によって外殻アイコン661の消失可能性、すなわち内核アイコン662の表示態様の変化可能性を示すものであってもよい。
遊技機10は、このような外殻アイコン661を用いて内核アイコン662の変化可能性を示唆することで、内核アイコン662の表示態様に変化がなくても内核アイコン662の表示態様変化に期待感を与えることができる。なお、遊技機10は、外殻アイコン661のひびの数や大きさ、形等によって、内核アイコン662の表示態様の変化の大きさを示唆するようにしてもよい。たとえば、遊技機10は、外殻アイコン661が多くのひびを生じて消失した場合に内核アイコン662の表示態様を1ランクアップ(たとえば、内核アイコン表示態様pt01から内核アイコン表示態様pt02に変化)し、外殻アイコン661が僅かなひびを生じただけで消失した場合に内核アイコン662の表示態様を2ランクアップ(たとえば、内核アイコン表示態様pt01から内核アイコン表示態様pt03に変化)するようにしてもよい。
次に、保留アイコン660の変化パターンについて図73と図74を用いて説明する。図73は、第5の実施形態の保留アイコンの変化パターンの一例を示す図(その1)である。図74は、第5の実施形態の保留アイコンの変化パターンの一例を示す図(その2)である。
図73(1)に示す保留アイコン変化パターンは、外殻アイコン661が表示態様を変えない状態において内核アイコン662が表示態様を変化させて、保留アイコン660の表示態様が変化する様子を示す。内核アイコン662は、初期態様となる標準表示態様(たとえば、内核アイコン表示態様pt01)から、内核変化予告態様a,b,cを経て初期態様より1段階期待度が高い標準表示態様(たとえば、内核アイコン表示態様pt02)へと変化する(内核アイコン662による保留変化成功演出)。このとき、内核変化予告態様a,b,cは、内核アイコン表示態様pt01と内核アイコン表示態様pt02とが混在した表示態様となる。
遊技機10は、このような保留アイコン変化パターンによって、外殻アイコン661が表示態様を変えない状態でも内核アイコン662が表示態様を変化させることで、保留表示態様の変化可能性と、変化先とを演出することができる。
図73(2)に示す保留アイコン変化パターンは、外殻アイコン661と内核アイコン662とが表示態様を変化させて、保留アイコン660の表示態様が変化する様子を示す。内核アイコン662は、初期態様となる標準表示態様(たとえば、内核アイコン表示態様pt01)から、内核変化予告態様a,b,cを経て初期態様より1段階期待度が高い標準表示態様(たとえば、内核アイコン表示態様pt02)へと変化する。このとき、内核変化予告態様a,b,cは、内核アイコン表示態様pt01と内核アイコン表示態様pt02とが混在した表示態様となる。また、外殻アイコン661は、初期態様となる標準態様から外殻変化予告態様a,b,cを経て消失する。遊技機10は、内核アイコン662が初期態様より1段階期待度が高い標準表示態様(たとえば、内核アイコン表示態様pt02)へと変化するタイミングで外殻アイコン661を消失させることで、内核アイコン662と表示態様変化と外殻アイコン661の表示態様変化の両面から保留表示態様の変化可能性と、変化先とを演出することができる(外殻アイコン661による保留変化成功演出)。なお、このような保留アイコン変化パターンは、外殻アイコン661の消失を伴うことから、内核アイコン662の変化先を2段階以上期待度が高い標準表示態様(たとえば、内核アイコン表示態様pt04)としてもよい。
図73(3)に示す保留アイコン変化パターンは、外殻アイコン661が表示態様を変えない状態において内核アイコン662が表示態様を変化させて、保留アイコン660の表示態様が変化する様子を示す。内核アイコン662は、初期態様となる標準表示態様(たとえば、内核アイコン表示態様pt01)から、内核変化予告態様a,b,cを経て初期態様より1段階期待度が高い標準表示態様(たとえば、内核アイコン表示態様pt02)へと変化せず、初期態様となる標準表示態様(たとえば、内核アイコン表示態様pt01)に戻る(保留変化失敗演出)。遊技機10は、このような期待度の発展(たとえば、内核アイコン表示態様pt01から内核アイコン表示態様pt02への昇格)を伴わない保留アイコン変化パターンによって、頻回な保留演出の実行機会確保をおこなうことができる。
図73(4)に示す保留アイコン変化パターンは、外殻アイコン661と内核アイコン662とが表示態様を変化させて、保留アイコン660の表示態様が変化する様子を示す。内核アイコン662は、初期態様となる標準表示態様(たとえば、内核アイコン表示態様pt01)から、内核変化予告態様a,b,cを経て初期態様より1段階期待度が高い標準表示態様(たとえば、内核アイコン表示態様pt02)へと変化せず、初期態様となる標準表示態様(たとえば、内核アイコン表示態様pt01)に戻るものの、外殻アイコン661が初期態様となる標準態様から外殻変化予告態様a,b,cを経て消失することで、時機をずらして表示態様(たとえば、内核アイコン表示態様pt02)へと変化する(保留変化救済演出)。遊技機10は、内核アイコン662の変化失敗を外殻アイコン661の変化によって救済できる。同様に、遊技機10は、外殻アイコン661の変化失敗を内核アイコン662の変化によって救済できる。このような遊技機10は、保留変化演出に失敗があっても保留変化救済演出の存在により高い期待感を演出することができる。
図74(1)に示す保留アイコン変化パターンは、内核アイコン662が表示態様を変えない状態において外殻アイコン661が表示態様を変化させているが、保留アイコン660の表示態様が変化しない様子を示す。内核アイコン662は、初期態様となる標準表示態様(たとえば、内核アイコン表示態様pt01)のまま変化しない。外殻アイコン661は、初期態様となる標準態様から外殻変化予告態様a,bと変化するも消失に至らずに標準態様に戻る。遊技機10は、このような期待度の発展(たとえば、内核アイコン表示態様pt01から内核アイコン表示態様pt02への昇格)を伴わない保留アイコン変化パターンによって、頻回な保留演出の実行機会確保をおこなうことができる。また、遊技機10は、内核アイコン662の表示態様変化をも伴わない保留アイコン変化パターンによって、頻回な保留演出の実行機会確保をおこなうことができる。
図74(2)に示す保留アイコン変化パターンは、内核アイコン662が表示態様を変えない状態において外殻アイコン661が表示態様を変化させて、保留アイコン660の表示態様が変化する様子を示す。内核アイコン662が初期態様となる標準表示態様(たとえば、内核アイコン表示態様pt01)のまま変化しない状態で、外殻アイコン661が初期態様となる標準態様から外殻変化予告態様a,b,cを経て消失する。これにより、内核アイコン表示態様pt01は、内核変化予告態様a,b,cを経ることなく初期態様より1段階期待度が高い標準表示態様(たとえば、内核アイコン表示態様pt02)へと変化する。遊技機10は、内核アイコン662に変化がなくても外殻アイコン661の変化によって意外感のある保留予告演出をおこなうことができる。
なお、内核アイコン662の中間表示態様(たとえば、内核変化予告態様a,b,c)や、外殻アイコン661の中間表示態様(たとえば、外殻変化予告態様a,b,c)は、任意のタイミングで初期化することができる。また、内核アイコン662の中間表示態様に対する初期化と、外殻アイコン661の中間表示態様に対する初期化とは、同時であってもよいし、異なるタイミングであってもよい。たとえば、内核アイコン662の中間表示態様や、外殻アイコン661の中間表示態様は、1回の変動表示ごとに初期化されるものであってもよいし、2回以上の変動表示で中間表示態様を保持し、所定の初期化トリガで初期化されるものであってもよい。
なお、保留アイコン660について保留アイコン変化パターンを説明したが、保留消化アイコン655についても同様とすることができる。保留アイコン660の中間表示態様は、保留消化アイコン655への移行時に初期化されるものであってもよいし、保持されるものであってもよい。
このような、遊技機10は、期待感に欠ける保留表示の表示態様があっても、ゲームの結果に対する一層の期待感を演出できる。また、遊技機10は、多様なタイミングでの保留演出の実行機会確保をおこなうことができる。
ここで、保留アイコン660の2重構造の表示態様の変形例について図75を用いて説明する。図75は、第5の実施形態の変形例の保留アイコンの2重構造の表示態様の一例を示す図である。
図75(1)に、保留アイコン660の変形例1を示す。変形例1の保留アイコン664は、保留アイコン660と同様の外殻アイコン661を有するが、保留アイコン660の内核アイコン662と比較して大きさが異なる内核アイコン665を有する点で相違する。保留アイコン664は、報知する期待度の大きさや報知可能性に関連して内核アイコン665の大きさを違えることができる。遊技機10は、これにより多様な保留予告演出をおこなうことができる。
図75(2)に、保留アイコン660の変形例2を示す。変形例2の保留アイコン666は、保留アイコン660と同様の外殻アイコン661を有するが、保留アイコン660の内核アイコン662と比較して形状が異なる内核アイコン667を有する点で相違する。保留アイコン666は、報知する期待度の大きさや報知可能性に関連して内核アイコン667の形状を違えることができる。遊技機10は、これにより多様な保留予告演出をおこなうことができる。
なお、保留アイコン660の変形例として内核アイコン662の大きさや形状変化について説明したが、外殻アイコン661の大きさや形状変化をおこなうものであってもよい。また、保留アイコン660の変形例について説明したが、保留消化アイコン655についても同様とすることができる。
次に、2重構造を初期状態とする保留アイコン660の変形例として、2重構造を初期状態としない保留アイコンについて図76を用いて説明する。図76は、第5の実施形態の変形例の保留待機表示と保留消化表示と内核アイコン列の一例を示す図である。
図76(1)に保留表示505と保留消化表示506を示す。保留表示505は、保留数に対応する保留アイコン669を表示する。保留消化表示506は、変動表示中において保留消化アイコン668を表示する。保留消化アイコン668と保留アイコン669は、外殻アイコンだけを有し、内核アイコンを有しない状態を初期状態とする。保留消化アイコン668と保留アイコン669は、同形状で同じ大きさの表示態様であるが、区別可能に表示態様が異なるものであってもよい。保留消化アイコン668と保留アイコン669は、等間隔になって一列に整列する。保留消化アイコン668と保留アイコン669は、保留消化アイコン668が台座表示(図中の破線により示す楕円表示)を有することにより区別可能にされる。
図76(2)に内核アイコン列を示す。内核アイコン列は、始動記憶の実行権利を示すものではなく、保留表示505または保留消化表示506と重なることで、保留表示505または保留消化表示506に対応する期待度を示すものである。内核アイコン列は、左端から順に、8つの内核アイコン670a,670b,670c,670d,670e,670f,670g,670hが並ぶ。なお、内核アイコンの数は、8つに限らず、保留消化アイコン668と保留アイコン669とに対応して5つでもいいし、無数に並ぶものであってもよいし、1つであってもよい。内核アイコン列は、保留消化アイコン668と保留アイコン669の整列間隔に対応して整列する。内核アイコン列を構成する各内核アイコンに設定される期待度は、保留演出の都度に決定され、演出する期待感に応じて、内核アイコン表示態様pt01,pt02,pt03,pt04,pt05,pt06の数や組合せが異なる。たとえば、内核アイコン670a,670c,670d,670e,670f,670hは、内核アイコン表示態様pt01であり、内核アイコン670bは、内核アイコン表示態様pt02であり、内核アイコン670gは、内核アイコン表示態様pt03である。
図76(3)に内核アイコン列の別例を示す。たとえば、内核アイコン670aは、内核アイコン表示態様pt01であり、内核アイコン670b,670fは、内核アイコン表示態様pt02であり、内核アイコン670c,670gは、内核アイコン表示態様pt03であり、内核アイコン670d,670hは、内核アイコン表示態様pt04であり、内核アイコン670eは、内核アイコン表示態様pt05である。このように、遊技機10は、内核アイコン列を構成する内核アイコンの表示態様を違えることで、多様な期待感を演出することができる。
次に、保留消化アイコン668と保留アイコン669における保留変化について図77を用いて説明する。図77は、第5の実施形態の変形例の保留消化アイコンと保留アイコンにおける保留変化の一例を示す図である。
保留消化アイコン668と保留アイコン669は、保留消化アイコン668と保留アイコン669の背面側を内核アイコン列がスクロールし、その後に停止することで保留変化する(保留アイコンルーレット演出)。
図77(1)に示す保留アイコンルーレット(保留アイコンルーレット演出)は、1つの保留消化アイコン668と4つの保留アイコン669を表示し、その背面を内核アイコン列が左スクロールする様子を示す。図77(1)では、保留消化アイコン668に内核アイコン670bが重なり、内核アイコン表示態様pt02に設定されている期待度(低期待度)に対応する表示態様であることが案内される。また、1つ目の保留アイコン669に内核アイコン670cが重なり、内核アイコン表示態様pt01に設定されている期待度(標準)に対応する表示態様であることが案内される。また、2つ目の保留アイコン669に内核アイコン670dが重なり、内核アイコン表示態様pt01に設定されている期待度(標準)に対応する表示態様であることが案内される。また、3つ目の保留アイコン669に内核アイコン670eが重なり、内核アイコン表示態様pt01に設定されている期待度(標準)に対応する表示態様であることが案内される。また、4つ目の保留アイコン669に内核アイコン670fが重なり、内核アイコン表示態様pt01に設定されている期待度(標準)に対応する表示態様であることが案内される。
図77(2)に示す保留アイコンルーレットは、1つの保留消化アイコン668と4つの保留アイコン669を表示し、その背面を内核アイコン列が左スクロールする様子を示す。8つの内核アイコン670a,670b,670c,670d,670e,670f,670g,670hは、保留消化アイコン668および保留アイコン669とずれた位置にある。遊技機10は、内核アイコン列の表示位置をずらしながら、保留消化アイコン668および保留アイコン669に対して、8つの内核アイコン670a,670b,670c,670d,670e,670f,670g,670hのいずれが対応するかを演出する。なお、内核アイコン列は、8つの内核アイコン670a,670b,670c,670d,670e,670f,670g,670hをループ状に並べ、左端から表示領域外に達した内核アイコンを右端から表示領域内に登場させる。
図77(3)に示す保留アイコンルーレットは、保留消化アイコン668および保留アイコン669に対して、8つの内核アイコン670a,670b,670c,670d,670e,670f,670g,670hのいずれが対応するかが決定された様子を示す。保留消化アイコン668および保留アイコン669と対応する内核アイコンの決定により、対応関係のある内核アイコンだけを表示し、対応関係のない内核アイコンが非表示になる。
これにより、保留消化アイコン668、および1つ目から3つ目までの保留アイコン669は、内核アイコン表示態様pt01に設定されている期待度(標準)に対応する表示態様であることが案内される。また、4つ目の保留アイコン669は、内核アイコン表示態様pt03に設定されている期待度(中期待度)に対応する表示態様であることが案内される。
次に、保留アイコンルーレット演出後の保留アイコンの表示態様について図78を用いて説明する。図78は、第5の実施形態の変形例の保留アイコンルーレット演出後の保留アイコンの表示態様の一例を示す図である。
図78(1)に示す保留アイコン(保留アイコン669と保留消化アイコン668を含む)は、図77(3)に示した保留アイコン669と保留消化アイコン668と同様に、内核アイコンを外殻アイコンに重ねて表示する。このようにして、遊技機10は、保留アイコン669と保留消化アイコン668の表示態様について、保留アイコンルーレット演出の前後で区別可能にする。
図78(2)に示す保留アイコン(保留アイコン669と保留消化アイコン668を含む)は、図77(3)に示した保留アイコン669と保留消化アイコン668の表示状態から、内核アイコンに付された色彩を外殻アイコンに付して内核アイコンを非表示にする。このようにして、遊技機10は、保留アイコン669と保留消化アイコン668の表示態様について、保留アイコンルーレット演出の前後で区別可能にする。
次に、第5の実施形態の変形例として、保留台座における表示演出について図79から図81を用いて説明する。図79は、第5の実施形態の変形例の保留台座表示の一例を示す図(その1)である。図80は、第5の実施形態の変形例の保留台座表示の一例を示す図(その2)である。図81は、第5の実施形態の変形例の保留台座表示の一例を示す図(その3)である。保留アイコン(保留アイコン669と保留消化アイコン668を含む)における保留演出は、当該保留を演出するものばかりであり、期待度の高い保留演出があっても当該保留限りで次回以降の保留演出と関係しないことが従来において普通である。第5の実施形態の変形例の遊技機10は、所定の保留演出の結果が次回以降の保留演出に関係することで、期待感の持続性を演出可能にする。
図79(1)に示す保留台座670は、丸窓からなる4つの保留累積表示671と作動トリガ表示672とを含む。4つの保留累積表示671は、所定期間に消化した保留消化アイコン668の表示態様を記憶表示する。たとえば、保留累積表示671は、新しい履歴を左側にして古い履歴を右側にして時系列順に並べて表示する。なお、保留累積表示671は、時系列順に限らず、期待度順等、所定順序に並べ替えて表示するものであってもよい。たとえば、左から1番目の保留累積表示671は、保留台座670に乗っている保留消化アイコン673に対応する期待度(たとえば、緑色)を表示し、2番目、3番目の保留累積表示671は、過去の保留消化アイコン668に対応する期待度(たとえば、緑色と青色)を表示し、4番目の保留累積表示671は、表示対象がなくブランク表示する。作動トリガ表示672は、保留台座における表示演出(保留台座演出)の作動トリガにないことを表示する。作動トリガ表示672は、たとえば、メッセージ表示「POWER ON」を非反転表示する。
図79(2)に示す保留台座670は、新しい保留消化アイコン673の表示態様を左から1番目の保留累積表示671に記憶表示することで、それ以前の保留累積表示671にある記憶表示を右シフトする。保留台座670は、4つの保留累積表示671がすべて埋まったことを保留台座における保留台座演出の作動トリガとする。遊技機10は、保留台座演出の作動トリガを得て保留台座演出を実行する。たとえば、遊技機10は、作動トリガ表示672の表示態様を反転表示(メッセージ表示「POWER ON」を反転表示)し、作動トリガを得たことを案内し、保留台座670に乗っている保留消化アイコン673をエフェクト表示する。
図79(3)に示す保留台座670は、保留台座670に乗っている保留消化アイコン673の表示態様を、たとえば変化前の緑色からより期待度が高い黄色へと4つの保留累積表示671にもとづいて更新する。また、保留台座670は、4つの保留累積表示671の表示態様をリセットし、ブランク表示にする。
このように、遊技機10は、保留台座670において保留消化アイコン668の表示態様を履歴表示し、履歴表示にもとづく保留消化アイコン668の表示態様の変更をおこなう。これにより、遊技機10は、所定の保留演出の結果を次回以降の保留演出に関係させて期待感の持続性を演出可能にする。
なお、遊技機10は、作動トリガを得て保留台座670に乗っている保留消化アイコン673の表示態様を変化させるとしたが、作動状態を所定期間保持し、保留台座670に乗っている保留消化アイコン673に遅れて保留消化される別の保留消化アイコン668の表示態様を変化させるようにしてもよい。
また、保留累積表示671は、異なる保留消化アイコン668の表示態様について記憶表示するとしたが、保留台座670に乗っている保留消化アイコン673が保留アイコン669とし保留発生し、保留シフトを経て保留消化アイコン673に至る過程の表示態様を表示するものであってもよい。
図80(1)に示す保留台座680は、ガスコンロ状の保留台座である。保留台座680は、炎形状からなる4つの保留累積表示681と作動トリガ表示682とを含む。4つの保留累積表示681は、所定期間に消化した保留消化アイコン668の表示態様を記憶表示する。炎形状からなる4つの保留累積表示681は、所定期間に消化した保留消化アイコン668の期待度に表示態様であり、例えば期待度が高いほど明るい色となったり、大きな炎となったりしてもよい。保留台座680は、保留台座680が所定期間に消化した保留消化アイコン668の期待度をそのままの表示態様で記憶表示していたことと比較して、表示態様を変換して記憶表示する点で相違する。たとえば、左から1番目の保留累積表示681は、保留台座680に乗っている保留消化アイコン683に対応する期待度(たとえば、小さな赤い炎)を表示し、2番目、3番目の保留累積表示681は、過去の保留消化アイコン668に対応する期待度(たとえば、小さな赤い炎と黄色い炎)を表示し、4番目の保留累積表示681は、表示対象がなくブランク表示する。作動トリガ表示682は、保留台座における表示演出(保留台座演出)の作動トリガにないことを表示する。作動トリガ表示682は、たとえば、メッセージ表示「TURN ON」を非反転表示する。
図80(2)に示す保留台座680は、新しい保留消化アイコン683の表示態様を左から1番目の保留累積表示681に記憶表示することで、それ以前の保留累積表示681にある記憶表示を右シフトする。保留台座680は、4つの保留累積表示681がすべて埋まったことを保留台座における保留台座演出の作動トリガとする。遊技機10は、保留台座演出の作動トリガを得て保留台座演出を実行する。たとえば、遊技機10は、作動トリガ表示682の表示態様を反転表示(メッセージ表示「TURN ON」を反転表示)し、作動トリガを得たことを案内し、保留台座680に乗っている保留消化アイコン683をエフェクト表示する。たとえば、保留台座680の上面の表示態様を変えて、炎から生じた熱が保留消化アイコン683に作用するさまを演出する。
図80(3)に示す保留台座680は、保留台座680に乗っている保留消化アイコン683の表示態様を、たとえば変化前の緑色からより期待度が高い黄色へと4つの保留累積表示681にもとづいて更新する。また、保留台座680は、4つの保留累積表示681の表示態様をリセットし、ブランク表示にする。
このように、遊技機10は、保留台座680において保留消化アイコン683の表示態様を履歴表示し、履歴表示にもとづく保留消化アイコン683の表示態様の変更をおこなう。これにより、遊技機10は、所定の保留演出の結果が次回以降の保留演出に関係させて期待感の持続性を演出可能にする。また、遊技機10は、保留台座680が所定期間に消化した保留消化アイコン683の期待度を、表示態様を変換して記憶表示することから多様な演出形態に対応可能にする。
図81(1)に示す保留台座680は、ガスコンロ状の保留台座の上にある保留消化アイコン684を生卵状にして表示する。たとえば、遊技機10は、保留アイコン669を卵状にして表示し、保留消化時に殻から中身を取り出してガスコンロ状の保留台座の上の保留消化アイコン684とする。すなわち、遊技機10は、保留アイコン669から保留消化アイコン684に至る過程でその表示態様を保留台座680に併せて変更することができる。このような遊技機10は、ガスコンロの炎が保留消化アイコン684に作用する様子を好適に演出することができる。
また、保留消化アイコン684が生卵状から目玉焼き状に変化することで、遊技機10は、保留累積表示681が保留消化アイコン684に作用する作用量を好適に案内することができる。このとき、遊技機10は、保留消化アイコン684が示す期待度を目玉焼きの焼き加減や焼き色に対応させることができる。
図81(2)に示す保留台座680は、図81(1)に示した保留台座680が載せる保留消化アイコン684よりも小さな保留消化アイコン685を載せる。このような保留消化アイコン685の大きさは、火の通りやすさを演出し、保留台座680が載せる保留消化アイコン684よりも小さな熱量で生卵状から目玉焼き状に変化する。すなわち、遊技機10は、保留台座680における保留累積表示681の表示態様だけでなく、保留消化アイコン685との組合せにおいて期待度演出をおこなうことができる。
上述した第5の実施形態の遊技機10(変形例を含む)は、一側面において以下のような特徴を有する。
(1)遊技機10は、ゲーム(たとえば、特図1ゲーム、特図2ゲーム)の実行権利として始動記憶を記憶し、該始動記憶に対応するゲームの結果に関連して始動記憶の保留表示態様を変更して保留予告演出を実行可能であって、表示手段(たとえば、表示装置41)と、制御手段(たとえば、遊技制御装置100、演出制御装置300)と、を含む。表示手段は、始動記憶を表示可能である。制御手段は、ゲームの結果に対する期待度を示す第1表示要素(たとえば、内核アイコン662)と、第1表示要素の変化可能性を示す第2表示要素(外殻アイコン661)とを含む保留表示態様で始動記憶を表示手段に表示させる(図69、図70、図72、図73)。
[第6の実施形態]
第1の実施形態から第5の実施形態の遊技機の説明においては遊技盤30(図2参照)、あるいは遊技盤800(図28参照)を備える遊技機として説明したが、第5の実施形態の遊技機はいずれにも適用可能である。なお、第1の実施形態から第5の実施形態と同様の構成については、符号を同じにして説明を省略する場合がある。
第6の実施形態の遊技機10は、成否演出によりゲームに関する所定の演出(予告演出)の実行を予告(予告演出を実行(予告演出に発展)する可能性があることを予告)し、成否演出の成功により予告演出の実行(予告演出への発展)を示唆する示唆演出をおこなう。予告演出は、たとえば、ゲームに関する信頼度や期待度等を予告する演出である。
まず、遊技機10が実行する示唆演出について図82を用いて説明する。図82は、第6の実施形態の示唆演出の一例を示す図である。
図82は、予告内容が疑似連演出(予告演出)である示唆演出(疑似連演出の実行を予告する示唆演出)の演出内容と示唆内容の一例を示す。疑似連演出は、仮停止している図柄を、再変動させることで一変動(1回の変動表示ゲーム)を複数回の変動表示ゲームのように遊技者に感得させる演出である。予告内容が疑似連演出である示唆演出としては、示唆演出1と、示唆演出2がある。
示唆演出1の演出内容は、疑似連煽り演出である。疑似連煽り演出は、疑似連の実行の示唆に用いる疑似連図柄(特殊図柄)が仮停止するか否か(疑似連図柄の仮停止の成否)を表示することで疑似連演出の実行を予告し、疑似連図柄を仮停止させること(疑似連図柄の仮停止の成功)で疑似連演出を実行することを示唆する。
示唆演出1の示唆内容としては、成功、失敗1(SPリーチ(期待度が高いリーチ演出))、失敗2(発展なし)の3つがある。示唆内容(成功)は、成否演出の成功(疑似連図柄の仮停止の成功)によって示唆される示唆内容である。示唆内容(失敗1,失敗2)は、成否演出の失敗(疑似連図柄の仮停止の失敗)によって示唆される示唆内容である。
示唆演出1は、50%の割合(確率)で成功を示唆(疑似連演出に発展することを示唆)する結果態様を導出し、50%の割合で失敗(失敗1,失敗2)を示唆(疑似連演出に発展しないことを示唆)する結果態様を導出する。
より具体的には、示唆演出1は、50%の割合で疑似連演出に発展することを示唆する結果態様(成功)を導出し、25%の割合でSPリーチに発展することを示唆する結果態様(失敗1)を導出し、25%の割合で演出が発展しないこと(示唆演出の開始前の状態に戻ること)を示唆する結果態様(失敗2)を導出する。
このように示唆演出1では、遊技機10は、導出割合に従って3つの示唆内容(成功,失敗1,失敗2)のうちのいずれかを示唆する結果態様を導出する。
なお、SPリーチは、示唆演出1および示唆演出2の両方の失敗時において示唆され得る演出(特定演出)の一例であり、ゲームの結果の導出過程を演出する演出である。
示唆演出2の演出内容は、ルーレット演出である。ルーレット演出は、複数の選択肢の中から疑似連を示唆する選択肢(疑似連選択肢)が選択されるか否か(疑似連選択肢の選択の成否)を表示することで疑似連演出の実行を予告し、疑似連選択肢を選択すること(疑似連選択肢の選択の成功)で疑似連演出を実行することを示唆する。
示唆演出2の示唆内容としては、成功、失敗1(SPリーチ)、失敗2(発展なし),失敗3(全回転(図柄を当りの組み合わせにした状態で回転する演出))の4つがある。示唆内容(成功)は、成否演出の成功(疑似連選択肢の選択の成功)によって示唆される示唆内容である。示唆内容(失敗1,失敗2,失敗3)は、成否演出の失敗(疑似連選択肢の選択の失敗)によって示唆される示唆内容である。
示唆演出2は、30%の割合で成功の示唆を導出し、70%の割合で失敗(失敗1,失敗2,失敗3)の示唆を導出する。
より具体的には、示唆演出2は、30%の割合で疑似連演出に発展することの示唆を導出し、30%の割合でSPリーチに発展することの示唆を導出し、30%の割合で演出が発展しないことの示唆を導出し、10%の割合で全回転に発展することの示唆を導出する。
このように示唆演出2では、遊技機10は、導出割合に従って4つの示唆内容(成功,失敗1,失敗2,失敗3)のうちのいずれかを示唆する。
なお、全回転は、示唆演出2の失敗時においてだけ示唆され得る演出の一例である。このように、遊技機10は、一方の示唆演出でのみ移行(発展)し得る演出(全回転)を設けることで各々の示唆演出をより差別化することができる。これにより、遊技機10は、各々の示唆演出の演出効果を高め、効果的に興趣を向上させることができる。
なお、上述した演出内容、示唆内容および導出割合は、一例であってこれに限らない。たとえば、遊技機10は、示唆演出1の失敗時における示唆内容に、示唆演出2においては示唆しない演出への発展を含めることもできる。
次に各示唆内容の導出割合についてより具体的に図83を用いて説明する。図83は、第6の実施形態の各示唆内容の導出割合を説明するための図である。
示唆演出1では、遊技機10は、50%の割合で成功(予告演出への発展)の示唆を導出し、50%の割合で失敗の示唆を導出する。また、示唆演出1では、遊技機10は、失敗を導出する場合のうち(失敗を導出する条件下では)50%の割合でSPリーチへ発展することの示唆(失敗1)を導出し、50%の割合で発展しないことの示唆(失敗2)を導出する。
一方、示唆演出2では、遊技機10は、30%の割合で成功(予告演出への発展)の示唆を導出し、70%の割合で失敗の示唆を導出する。また、示唆演出2では、遊技機10は、失敗を導出する場合のうち30×100/70%(約42.857%)の割合でSPリーチへ発展することの示唆(失敗1)を導出し、30×100/70%(約42.857%)の割合で発展しないことの示唆(失敗2)を導出し、10×100/70%(約14.286%)の割合で全回転へ発展することの示唆(失敗3)を導出する。
すなわち、示唆演出1,2では、失敗時の救済割合(失敗2以外となる割合)が示唆演出2の方が高くなっている。
また、示唆演出1,2では、成功の示唆を導出する導出割合が示唆演出1では50%となり、示唆演出2では30%となっている(異なる割合となるように構成されている)。このように成否演出の成功により疑似連演出(予告演出)の実行を示唆する複数の示唆演出における成功の示唆の導出割合を異ならせることにより、遊技機10は、各々の示唆演出をより差別化することができ(演出内容だけでなく期待感をも差別化させることができ)、効果的に興趣を向上させることができる。
また、示唆演出1,2では、特定演出へ発展することの示唆(失敗1)を導出する導出割合が示唆演出1では25%となり、示唆演出2では30%となっている(異なる割合となるように構成されている)。また、示唆演出1,2では、失敗を導出する条件下で特定演出へ発展することの示唆を導出する導出割合が示唆演出1では50%となり、示唆演出2では約42.857%となっている(異なる割合となるように構成されている)。
すなわち、示唆演出の開始時(成否不明時)においては特定演出へ発展することの期待感が示唆演出2の方が高くなっており、示唆演出の失敗後(成否判明後)においては特定演出へ発展することの期待感が特定演出1の方が高くなっている。このように遊技機10は、特定演出へ発展する期待感が高い示唆演出を演出の進行に伴い変化させることで、各々の示唆演出の演出効果を高め、効果的に興趣を向上させることができる。
次に各示唆演出(示唆演出1,2)の具体的な演出内容(表示画面例)について図84〜図88を用いて説明する。図84は、第6の実施形態の遊技中の表示画面の一例を示す図(その1)である。図85は、第6の実施形態の遊技中の表示画面の一例を示す図(その2)である。図86は、第6の実施形態の遊技中の表示画面の一例を示す図(その3)である。図87は、第6の実施形態の遊技中の表示画面の一例を示す図(その4)である。図88は、第6の実施形態の遊技中の表示画面の一例を示す図(その5)である。
ここで表示画面(単に「画面」という場合もある)とは、表示装置41の表示領域に表示される一つまたは複数の画像からなる画面であり、原則的に表示内容が異なるごとに異なる符号を付している。まず始めに、示唆演出1(疑似連煽り演出)の演出の流れについて説明する。
図84(1)に示す表示画面840は、図柄停止中の表示画面であり、変動表示ゲームにおける変動表示終了後(次の変動表示ゲーム開始前)に変動表示ゲームの結果態様である図柄を所定期間停止表示するものである。表示画面840は、大図柄群841と、小図柄群842と、特図1保留数表示843と、特図2保留数表示844と、保留表示845と、保留消化表示846とを表示する。
大図柄群841は、興趣向上を目的として遊技演出を担当する。そのため、大図柄群841は、表示装置41の略中央部に変動表示領域を設定して大きく表示される。大図柄群841は、左図柄と中図柄と右図柄とを含む。
表示画面840では、左図柄は、図柄が「3」で停止していることを示し、中図柄は、図柄が「5」で停止していることを示し、右図柄は、図柄が「7」で停止していることを示す。すなわち、表示画面840では大図柄群841は、特図変動表示ゲームが停止状態(図柄停止中)であることを示す。
小図柄群842は、遊技者の遊技状態把握の容易性向上を目的として変動表示状態の報知を担当する。そのため、小図柄群842は、大図柄群841による表示演出を邪魔せず視認性を確保するように表示装置41の周縁部に小さく表示される。小図柄群842は、左図柄と中図柄と右図柄とを含む。表示画面840では、小図柄群842を構成する左図柄と中図柄と右図柄は、いずれも対応する特図変動表示ゲームが停止状態であることを示す。
一般に、大図柄群841は、小図柄群842と比較して大きく表示され、表示位置の自由度が高く、またその表示態様が大きく変化可能である。反対に、小図柄群842は、大図柄群841と比較して、小さく表示され、表示位置の自由度が低い(たとえば位置固定)。
特図1保留数表示843は、特図1ゲームの保留記憶数を表示する。表示画面840では、特図1保留数表示843は、特図1ゲームの保留記憶数が「4」であることを示す。特図2保留数表示844は、特図2ゲームの保留記憶数を表示する。表示画面840では、特図2保留数表示844は、特図2ゲームの保留記憶数が「0」であることを示す。
保留表示845は、現在の遊技状態(たとえば、通常遊技状態)に対応して特図1ゲームの保留数に対応する数の保留アイコン847(保留記憶表示)が表示される様子を示す。保留アイコン847は、たとえば、球形状であり、保留アイコン847もまたアニメーション(たとえば、変形、色変化、上下動等)により動きを伴った表示を演出可能である。また、保留消化表示846は、特図ゲームの保留消化に対応する保留消化アイコン848(表示画面850参照)が表示される様子を示す。保留消化アイコン848は、たとえば、球形状であり、保留消化アイコン848もまたアニメーション(たとえば、変形、色変化、上下動等)により動きを伴った表示を演出可能である。
たとえば、表示画面840に示すように特図1保留数表示843が「4」を表示し、特図2保留数表示844が「0」を表示するとき、保留表示845は、4つの保留アイコン847により保留記憶数が「4」であることを示す。なお、保留数または保留記憶数とは、特図の変動表示ゲームが未実行である始動記憶の数を意味する。
保留表示845は、その表示態様(保留表示845に表示した保留アイコン847)により、特図変動表示ゲームの保留記憶数を明示するとともに、保留記憶ごとのゲーム結果に対する期待度を報知できる。
保留消化表示846は、その表示態様により、特図変動表示ゲームが変動表示状態にあるか否かを示すとともにゲーム結果に対する期待度を報知できる。表示画面840では保留消化表示846は、枠内をブランク(空白)にして(保留消化アイコン848を非表示にして)、特図変動表示ゲームが停止状態であることを示す。この後、遊技機10は、変動表示を開始する。
なお、保留表示845は、遊技状態に応じて特図1ゲームの保留数と特図2ゲームの保留数の合計保留数を保留アイコン847により表示するとしたが、特図1ゲームの保留数と特図2ゲームの保留数のうちいずれか一方の保留数を保留アイコン847により表示するものであってもよい。
なお、図示しない背景表示やキャラクタ表示、文字表示等の演出表示要素を含むものであってもよく、演出表示要素もまたアニメーション等により動きを伴った表示を演出可能であってもよい。
図84(2)に示す表示画面850は、変動表示開始した後の表示画面である。表示画面850は、表示画面840の後の画面であって、変動表示中(三図柄変動中)の画面を示す。表示画面850では、大図柄群841の左図柄と中図柄と右図柄とが変動しており、特図変動表示ゲームが変動表示中であることを示す。また、表示画面850では、小図柄群842の左図柄と中図柄と右図柄とが変動しており、特図変動表示ゲームが変動表示中であることを示す。
表示画面850では、特図1保留数表示843は、特図1ゲームの保留記憶数が「3」であることを示し、特図2保留数表示844は、特図2ゲームの保留記憶数が「0」であることを示し、保留表示845は、特図1ゲームの保留数を案内する遊技状態であり、特図変動表示ゲーム(特図1ゲーム)の保留記憶数が「3」であることを保留アイコン847の数によって示す。また、表示画面850では、保留消化表示846は、消化中の保留消化アイコン848(保留記憶表示)を表示し、特図変動表示ゲームが変動表示中であることを示す。
図85(1)に示す表示画面851は、表示画面850の後の表示画面であって、示唆演出1(疑似連煽り演出)を実行中の状態を示す。
表示画面851は、疑似連煽り演出表示852を表示内容に含む。疑似連煽り演出表示852は、疑似連煽り演出に関する表示をおこなう。表示画面851では、疑似連煽り演出表示852は、虎のようなキャラクタと、「止まれ〜!」という文字を表示し、特殊図柄(疑似連図柄)が仮停止するか否かを遊技者に対して煽っている状態、すなわち、疑似連演出が実行される可能性があることを予告している状態を示している。
表示画面851では、大図柄群841は、左図柄で図柄「3」を仮停止し、右図柄で図柄「5」を仮停止している状態であることを示す。また表示画面851では、大図柄群841は、中図柄で疑似連図柄を変動中(表示画面850の態様)とも仮停止状態とも異なる態様で動作(たとえば、低速変動)させ、疑似連図柄が仮停止するか否かを遊技者に対して煽っている状態を示している。
図85(2)に示す表示画面853は、表示画面851の後の表示画面であって、示唆演出1(疑似連煽り演出)の成功を示唆している状態(疑似連演出を実行することを示唆している状態)を示す。
表示画面853では、疑似連煽り演出表示852は、虎のようなキャラクタと、「成功!!」という文字を表示し、疑似連煽り演出(疑似連図柄の仮停止の成否演出)が成功を導出したこと(疑似連演出に発展すること)を示唆している。
また、表示画面853では、大図柄群841は、左図柄で図柄「3」を仮停止し、右図柄で図柄「5」を仮停止し、中図柄で疑似連図柄を仮停止し、疑似連煽り演出が成功を導出したことを示唆している。この後、遊技機10は、示唆演出1を終了する。
図85(3)に示す表示画面854は、表示画面851の後の表示画面であって、示唆演出1(疑似連煽り演出)の失敗を示唆している状態(疑似連演出を実行しないことを示唆している状態)を示す。
表示画面854では、疑似連煽り演出表示852は、虎のようなキャラクタと、「失敗…」という文字を表示し、疑似連煽り演出(疑似連図柄の仮停止の成否演出)が失敗(失敗1,失敗2)を導出したことを示唆している。
また、表示画面854では、大図柄群841は、左図柄で図柄「3」を仮停止し、右図柄で図柄「5」を仮停止し、中図柄で図柄を変動状態で表示し、疑似連煽り演出が失敗(失敗1,失敗2)を導出したことを示唆している。この後、遊技機10は、SPリーチに発展することの示唆または演出が発展しないことの示唆をおこない(失敗1であるか失敗2であるかの示唆をおこない)、示唆演出1を終了する。
以上が示唆演出1(疑似連煽り演出)の表示画面例である。次に示唆演出2(ルーレット演出)の表示画面例について説明する。
図86(1)に示す表示画面855は、表示画面850の後の表示画面であって、示唆演出2(ルーレット演出)を実行中の状態を示す。
表示画面855は、ルーレット演出表示856を表示内容に含む。ルーレット演出表示856は、ルーレット演出に関する表示をおこなう。表示画面855では、ルーレット演出表示856は、各示唆内容に対応する選択肢表示856a〜856dと、操作表示856eとを含んで構成される。
選択肢表示856a〜856dは、ルーレット演出において選択され得る選択肢を表示する。表示画面855では、選択肢表示856aは、ルーレット演出の成功(成否演出の成功)の示唆に用いる選択肢であり、選択肢表示856b〜856dは、ルーレット演出の失敗(成否演出の失敗)の示唆に用いる選択肢である。選択肢表示856aは、「疑似」という文字を表示し、選択された場合に疑似連演出に発展することを示唆(ルーレット演出の成功を示唆)する。
選択肢表示856b〜856dは、「はずれ」という文字を表示し、選択された場合に疑似連演出に発展しないことを示唆(ルーレット演出の失敗を示唆)する。具体的には、たとえば、選択肢表示856bは、失敗2(発展なし)に対応する選択肢であり、選択肢表示856cは、失敗1(SPリーチ)に対応する選択肢であり、選択肢表示856dは、失敗3(全回転)に対応する選択肢である。
操作表示856eは、ルーレット演出における操作を案内する。操作表示856eは、プッシュボタンが手で押されている様子を表示する画像と、「ボタンPushで行先を決めろ!!」という文字を表示し、ルーレット演出がプッシュボタン操作を伴う演出であることを遊技者に対して案内している。
表示画面855では、大図柄群841は、左図柄で図柄「3」を仮停止し、右図柄で図柄「3」を仮停止し、中図柄で図柄を変動状態で表示し、リーチが発生している状態であることを示している。また、表示画面855では、大図柄群841が表示画面850の状態よりも縮小表示(左下に縮小表示)されており、これにより遊技機10は、ルーレット演出の表示範囲を確保している。
図86(2)に示す表示画面857は、表示画面855の後の表示画面であって、示唆演出2(ルーレット演出)を実行中の状態を示す。
表示画面857では、ルーレット演出表示856は、複数の選択肢の中から疑似連選択肢が選択されるか否か(疑似連選択肢の選択の成否)を表示している状態、すなわち、疑似連演出が実行される可能性があることを予告している状態を示している。具体的には、ルーレット演出表示856は、選択カーソルを選択肢表示間で順々に移動させるとともに、選択カーソルが位置する選択肢表示を他の選択肢表示と区別可能な態様(一時的に選択されていることを示唆する態様)で表示している。
表示画面857においては、ルーレット演出表示856は、選択カーソルを選択肢表示856cに対応する位置に表示するとともに、選択肢表示856cを他の選択肢表示と区別可能な態様で表示し、選択肢表示856cが一時的に選択されている状態であることを示している。
図86(3)に示す表示画面858は、表示画面857の後の表示画面であって、示唆演出2(ルーレット演出)の成功を示唆している状態(疑似連演出を実行することを示唆している状態)を示す。
表示画面858では、ルーレット演出表示856は、選択肢表示856aに対応する位置に選択カーソルを停止表示するとともに、選択肢表示856aを他の選択肢表示と区別可能な態様(選択されたことを示唆する態様)で表示し、選択肢表示856aが選択されたこと、すなわち、ルーレット演出が成功(疑似連選択肢の選択の成功)を導出したこと(疑似連演出に発展すること)を示唆している。
また、表示画面858では、大図柄群841は、左図柄で図柄「3」を仮停止し、右図柄で図柄「3」を仮停止し、中図柄で疑似連図柄を仮停止し、ルーレット演出が成功を導出したことを示唆している。この後、遊技機10は、示唆演出2を終了する。
図87(1)に示す表示画面859は、表示画面857の後の表示画面であって、示唆演出2(ルーレット演出)の失敗を示唆している状態(疑似連演出を実行しないことを示唆している状態)を示す。
表示画面859では、ルーレット演出表示856は、選択肢表示856bに対応する位置に選択カーソルを停止表示するとともに、選択肢表示856bを他の選択肢表示と区別可能な態様で表示し、選択肢表示856bが選択されたこと、すなわち、ルーレット演出が失敗(疑似連選択肢の選択の失敗)を導出したこと(疑似連演出に発展しないこと)を示唆している。
また、表示画面859では、大図柄群841は、左図柄で図柄「3」を仮停止し、右図柄で図柄「3」を仮停止し、中図柄で図柄を変動状態で表示し、ルーレット演出が失敗を導出したことを示唆している。
図87(2)に示す表示画面860は、表示画面859の後の表示画面であって、表示画面859で示唆した失敗が失敗2(「発展なし」)であることを示唆している状態を示す。
表示画面860では、ルーレット演出表示856は、ルーレット演出により選択された選択肢表示856bの表示内容を表示画面859で表示していた「はずれ」から「残念」に変化させ、ルーレット演出が導出した失敗が失敗2(「発展なし」)であること(演出が発展しないこと)を示唆している。この後、遊技機10は、示唆演出2を終了する。
図87(3)に示す表示画面861は、表示画面857の後の表示画面であって、示唆演出2(ルーレット演出)の失敗を示唆している状態(疑似連演出を実行しないことを示唆している状態)を示す。
表示画面861では、ルーレット演出表示856は、選択肢表示856cに対応する位置に選択カーソルを停止表示するとともに、選択肢表示856cを他の選択肢表示と区別可能な態様で表示し、選択肢表示856cが選択されたこと、すなわち、ルーレット演出が失敗(疑似連選択肢の選択の失敗)を導出したこと(疑似連演出に発展しないこと)を示唆している。
また、表示画面861では、大図柄群841は、左図柄で図柄「3」を仮停止し、右図柄で図柄「3」を仮停止し、中図柄で図柄を変動状態で表示し、ルーレット演出が失敗を導出したことを示唆している。
図88(1)に示す表示画面862は、表示画面861の後の表示画面であって、表示画面861で示唆した失敗が失敗1(「SPリーチ」)であることを示唆している状態を示す。
表示画面862では、ルーレット演出表示856は、ルーレット演出により選択された選択肢表示856cの表示内容を表示画面861で表示していた「はずれ」から「バトル」(SPリーチを示す表示)に変化させ、ルーレット演出が導出した失敗が失敗1(「SPリーチ」)であること(SPリーチに発展すること)を示唆している。この後、遊技機10は、示唆演出2を終了する。
図88(2)に示す表示画面863は、表示画面857の後の表示画面であって、示唆演出2(ルーレット演出)の失敗を示唆している状態(疑似連演出を実行しないことを示唆している状態)を示す。
表示画面863では、ルーレット演出表示856は、選択肢表示856dに対応する位置に選択カーソルを停止表示するとともに、選択肢表示856dを他の選択肢表示と区別可能な態様で表示し、選択肢表示856dが選択されたこと、すなわち、ルーレット演出が失敗(疑似連選択肢の選択の失敗)を導出したこと(疑似連演出に発展しないこと)を示唆している。
また、表示画面863では、大図柄群841は、左図柄で図柄「3」を仮停止し、右図柄で図柄「3」を仮停止し、中図柄で図柄を変動状態で表示し、ルーレット演出が失敗を導出したことを示唆している。
図88(3)に示す表示画面864は、表示画面863の後の表示画面であって、表示画面863で示唆した失敗が失敗3(「全回転」)であることを示唆している状態を示す。
表示画面864では、ルーレット演出表示856は、ルーレット演出により選択された選択肢表示856dの表示内容を表示画面863で表示していた「はずれ」から「全回転」に変化させ、ルーレット演出が導出した失敗が失敗3(「全回転」)であること(全回転に発展すること)を示唆している。この後、遊技機10は、示唆演出2を終了する。
以上が示唆演出2(ルーレット演出)の表示画面例である。なお、上記表示画面例においては、各示唆内容に応じた選択肢表示を1つずつ設けた態様でルーレット演出をおこなったがこれに限らない。たとえば、遊技機10は、1つの成功を示唆する選択肢表示(成功に対応する選択肢)と1つのはずれを示唆する選択肢表示(失敗1,2,3に対応する選択肢)を設けた態様でルーレット演出をおこなってもよいし、2つの成功を示唆する選択肢表示(成功に対応する選択肢)と、1つのはずれを示唆する選択肢表示(失敗1,2,3に対応する選択肢)を設けた態様でルーレット演出をおこなってもよい。
なお、失敗を示唆する選択肢表示については共通して「はずれ」を表示し、選択後に「残念」、「バトル」、「全回転」を表示(示唆内容の多段階表示)するように構成したがこれに限らず、始めから「残念」の選択肢表示や、「バトル」の選択肢表示や、「全回転」の選択肢表示を表示するように構成してもよい。また、成功を示唆する選択肢表示について「当り」を表示し、選択後に「疑似」を表示(示唆内容の多段階表示)するように構成することもできる。
ところで遊技機10は、示唆演出において疑似連演出(予告演出)の実行を示唆した場合であっても、必ずしも疑似連演出を実行することに限らない。たとえば、遊技機10は、一定の割合で疑似連演出を実行しなくてもよい。すなわち、遊技機10は、示唆演出の成功にガセを含めることができる。
ここで、遊技機10における各示唆演出の成功後における疑似連演出の実行割合の一例について図89を用いて説明する。図89は、第6の実施形態の予告演出の実行割合の一例を示した図である。
示唆演出1は、成功に5%のガセを含む(実行期待度を95%とする)。すなわち、遊技機10は、示唆演出1の成功後に、95%の割合で予告演出(疑似連演出)を実際に実行し、5%の割合で予告演出を実際には実行しない。つまり、示唆演出1は、成否演出の成功により疑似連演出の実行期待度95%を示唆する演出である。
示唆演出2は、成功に20%のガセを含む(実行期待度を80%とする)。すなわち、遊技機10は、示唆演出2の成功後に、80%の割合で予告演出を実際に実行し、20%の割合で予告演出を実際には実行しない。つまり、示唆演出2は、成否演出の成功により疑似連演出の実行期待度80%を示唆する演出である。
このように遊技機10は、示唆演出毎に成功に含めるガセ(矛盾パターン)の割合を異ならせることにより、遊技機10は、各々の示唆演出をより差別化することができ、効果的に興趣を向上させることができる。
なお、遊技機10は、一方の示唆演出の成功にのみガセを含めても良いし、いずれの示唆演出の成功に含めるガセの割合を同じ割合にしてもよい。
たとえば、遊技機10は、示唆演出1と示唆演出2とで実際の予告演出の実行割合を同じ割合とする場合であっても、成功に含むガセの実行割合を異ならせることで、予告演出の成功の導出割合を示唆演出1と示唆演出2とで異ならせることができる。これによれば遊技機10は、示唆演出1と示唆演出2とで実際の予告演出の実行割合を同じ割合としつつも、各々の示唆演出において遊技者が抱く期待感を差別化させることができ、効果的に興趣を向上させることができる。
ところで遊技機10は、一変動内(1回の変動表示ゲーム)において示唆演出を1回のみおこなうことに限らず、複数回の示唆演出をおこなうこともできる。ここで一変動内において複数回の示唆演出をおこなう場合の演出構成例について図90を用いて説明する。
なお、遊技機10は、失敗1、失敗2、失敗3の示唆についても一定の割合で矛盾パターンを含めることができる。
また、遊技機10は、矛盾パターンとして、非実行だけでなく、示唆内容とは異なる予期せぬ演出に発展する矛盾パターン(たとえば、SPリーチ(失敗1)を示唆時に実際には疑似連(成功)に発展する矛盾パターン)を含めてもよい。
図90は、第6の実施形態の遊技機における一変動内において複数回の示唆演出をおこなう場合の演出構成例を示す図である。
図90(1)に示すように、遊技機10は、一変動内の演出構成を、示唆演出1(成功)の演出をおこない、示唆演出1(成功)で示唆した予告演出をおこない、示唆演出1(成功)の演出をおこない、示唆演出1(成功)で示唆した予告演出をおこなった後に特定演出をおこなう演出構成とする。このように遊技機10は、一変動内で複数の示唆演出1(同じ演出内容の示唆演出)をおこなうようにしてもよい。
また、図90(2)に示すように、遊技機10は、一変動内の演出構成を、示唆演出1(成功)の演出をおこない、示唆演出1(成功)で示唆した予告演出をおこない、示唆演出2(成功)の演出をおこない、示唆演出2(成功)で示唆した予告演出をおこなった後に特定演出をおこなう演出構成とする。このように遊技機10は、一変動内で示唆演出1および示唆演出2(異なる演出内容の示唆演出)をおこなうようにしてもよい。
また、図90(3)に示すように、遊技機10は、一変動内の演出構成を、示唆演出1(失敗2)の演出をおこない、示唆演出2(成功)の演出をおこない、示唆演出2(成功)で示唆した予告演出をおこなった後に特定演出をおこなう演出構成とする。このように遊技機10は、一変動内で示唆演出1および示唆演出2(異なる演出内容の示唆演出)をおこなうようにしてもよい。
また、図90(4)に示すように、遊技機10は、一変動内の演出構成を、示唆演出1(失敗2)の演出をおこない、示唆演出2(成功)の演出をおこない、示唆演出2(成功)で示唆した予告演出をおこない、示唆演出1(成功)の演出をおこない、示唆演出1(成功)で示唆した予告演出をおこなった後に特定演出をおこなう演出構成とする。このように遊技機10は、一変動内で複数の示唆演出1と、示唆演出2をおこなうようにしてもよい。
また、図90(5)に示すように、遊技機10は、一変動内の演出構成を、示唆演出1(失敗2)の演出をおこない、示唆演出2(成功)の演出をおこない、示唆演出2(成功)で示唆した予告演出をおこない、特定演出をおこない、予告演出をおこなった後に特定演出をおこなう演出構成とする。このように遊技機10は、一変動内で示唆演出1および示唆演出2(異なる演出内容の示唆演出)をおこなうようにしてもよい。また、このように遊技機10は、示唆演出1,2を経ずに予告演出をおこなうようにしてもよい。なお、特定演出をおこない、予告演出をおこなった後に特定演出をおこなう演出構成に替えて、遊技機10は、特定演出中に(特定演出の一環として)予告演出をおこなうようにすることもできる。また、遊技機10は、特定演出中に示唆演出1や示唆演出2をおこなうように構成してもよい。
また、図90(6)に示すように、遊技機10は、一変動内の演出構成を、示唆演出1(成功)の演出をおこない、示唆演出1(成功)で示唆した予告演出をおこない、示唆演出2(失敗1)の演出をおこない、示唆演出2(失敗1)で示唆した特定演出をおこなう演出構成とする。このように遊技機10は、一変動内で示唆演出1および示唆演出2(異なる演出内容の示唆演出)をおこなうようにしてもよい。
また、図90(7)に示すように、遊技機10は、一変動内の演出構成を、示唆演出2(失敗1)の演出をおこない、示唆演出2(失敗1)で示唆した特定演出をおこない、予告演出をおこない、示唆演出1(成功)の演出をおこない、示唆演出1(成功)で示唆した予告演出をおこなった後に特定演出をおこなう演出構成とする。このように遊技機10は、一変動内で示唆演出1および示唆演出2(異なる演出内容の示唆演出)をおこなうようにしてもよい。また、このように遊技機10は、示唆演出1,2を経ずに予告演出をおこなうようにしてもよい。
なお、上記実施例においては遊技機10が2つの演出内容の示唆演出を実行可能な例を用いて説明したが、遊技機10が実行可能な示唆演出は2つに限らず、3以上の示唆演出を実行可能に構成することができる。
なお、遊技機10は、一の示唆演出を、他の示唆演出と並行して実行可能に構成してもよい。たとえば、遊技機10は、複数の示唆演出を同時におこなうことにより、予告演出の示唆をより明瞭にし、遊技者にとって理解容易な遊技とすることができる。
なお、一側面においては上記の示唆演出は、疑似連(予告演出)の実行期待度の変更を示唆する示唆演出と捉えることもできる。すなわち、示唆演出は、成否演出の成功により疑似連発生の実行期待度が上昇したこと(たとえば、実行期待度0%から実行期待度90%(ガセを除く成功割合)へ上昇したこと)を示唆し、成否演出の失敗により疑似連発生の実行期待度が上昇しないこと(たとえば、実行期待度が0%のまま変更されないこと)を示唆する演出として捉えることができる。なお、この場合に、初期の実行期待度を0%以外(たとえば、20%)としてもよい。
[第6の実施形態の変形例1]
次に第6の実施形態の変形例1について説明する。第6の実施形態の変形例1では、遊技機10は、各示唆演出の示唆内容に複数の成功パターンを含めて構成する。図91は、第6の実施形態の変形例1の示唆演出の一例を示す図である。
図91は、予告内容が疑似連演出(予告演出)である示唆演出の演出内容と示唆内容の一例を示す。予告内容が疑似連演出である示唆演出としては、示唆演出1と、示唆演出2がある。
示唆演出1の演出内容は、疑似連煽り演出である。示唆演出1の示唆内容としては、成功1(通常)、成功2(復活)、失敗1(SPリーチ)、失敗2(発展なし)の4つがある。示唆内容(成功1,成功2)は、成否演出の成功(疑似連図柄の仮停止の成功)によって示唆される示唆内容である。示唆内容(失敗1,失敗2)は、成否演出の失敗(疑似連図柄の仮停止の失敗)によって示唆される示唆内容である。なお、成功1(通常)は、第6の実施形態に示した態様により疑似連演出に発展することを示唆する態様であり、成功2(復活)は、一旦失敗の態様を表示した後に成功(失敗と共通の演出をした後に成功)を示唆する態様(復活態様)である。
示唆演出1は、50%の割合で成功(成功1,成功2)の示唆を導出し、50%の割合で失敗(失敗1,失敗2)の示唆を導出する。より具体的には、示唆演出1は、45%の割合で成功1の示唆を導出し、5%の割合で成功2の示唆を導出し、25%の割合で失敗1の示唆を導出し、25%の割合で失敗2の示唆を導出する。
このように示唆演出1では、遊技機10は、導出割合に従って4つの示唆内容(成功1,成功2,失敗1,失敗2)のうちのいずれかを示唆(導出)する。
示唆演出2の演出内容は、ルーレット演出である。示唆演出2の示唆内容としては、成功1(通常)、成功2(復活)、失敗1(SPリーチ)、失敗2(発展なし)、失敗3(全回転)の5つがある。示唆内容(成功1,成功2)は、成否演出の成功(疑似連選択肢の選択の成功)によって示唆される示唆内容である。示唆内容(失敗1、失敗2、失敗3)は、成否演出の失敗(疑似連選択肢の選択の失敗)によって示唆される示唆内容である。なお、成功1(通常)は、第6の実施形態に示した態様により疑似連演出に発展することを示唆する態様であり、成功2(復活)は、一旦失敗の態様を表示した後に成功を示唆する態様(復活態様)である。
示唆演出2は、30%の割合で成功(成功1,成功2)の示唆を導出し、70%の割合で失敗(失敗1,失敗2,失敗3)の示唆を導出する。より具体的には、示唆演出2は、25%の割合で成功1の示唆を導出し、5%の割合で成功2の示唆を導出し、30%の割合で失敗1の示唆を導出し、30%の割合で失敗2の示唆を導出し、10%の割合で失敗3の示唆を導出する。
このように示唆演出2では、遊技機10は、導出割合に従って5つの示唆内容(成功1,成功2,失敗1,失敗2,失敗3)のうちのいずれかを示唆する。
このように示唆演出の示唆内容に複数の成功パターンを含めることで遊技機10は、演出のバリエーションを増加させ、遊技の興趣を向上できる。なお、遊技機10は、一旦成功を表示した後に失敗を示唆する態様の失敗パターンを示唆内容に含めることもできる。また、遊技機10は、示唆演出1または示唆演出2のいずれか一方のみが成功(復活)の示唆内容を含むように構成してもよい。
[第6の実施形態の変形例2]
次に第6の実施形態の変形例2について説明する。第6の実施形態の変形例2では、遊技機10は、各演出内容の示唆演出に2以上の演出態様(複数のパターン)を含めて構成する。なお、以下では示唆演出1を代表して用いて説明するが、示唆演出2についても同様に適用できる。図92は、第6の実施形態の変形例2の示唆演出の一例を示す図である。
図92は、予告内容が疑似連演出であり、演出内容が疑似連煽り演出である示唆演出1の演出態様毎の各示唆内容の導出割合の一例を示す。
示唆演出1の態様(演出態様)は、パターン1とパターン2の2つの異なる演出態様がある。たとえば、パターン1は、キャラクタとして弱キャラ(豚のようなキャラクタ)が出現するパターンであり、パターン2は、強キャラ(虎のようなキャラクタ)が出現するパターンである。
パターン1の態様の示唆演出1は、50%の割合で成功の示唆を導出し、50%の割合で失敗(失敗1,失敗2)の示唆を導出する。より具体的には、態様がパターン1の示唆演出1は、50%の割合で成功の示唆を導出し、25%の割合で失敗1の示唆を導出し、25%の割合で失敗2の示唆を導出する。
パターン2の態様の示唆演出1は、70%の割合で成功の示唆を導出し、30%の割合で失敗(失敗1,失敗2)の示唆を導出する。より具体的には、態様がパターン2の示唆演出1は、70%の割合で成功の示唆を導出し、20%の割合で失敗1の示唆を導出し、10%の割合で失敗2の示唆を導出する。
このように一の演出内容の示唆演出を複数の態様で実行可能にし、各態様における示唆内容の導出割合を異ならせることで、遊技機10は、演出のバリエーションを増加させ、遊技の興趣を向上できる。なお、遊技機10は、各態様の示唆演出において導出可能な示唆内容についても異ならせてもよい。なお、2つの異なる態様は一例であってこれに限らない。3以上の異なる態様であってもよい。
次に、各態様の成功に含めるガセの割合の一例について図93を用いて説明する。図93は、第6の実施形態の変形例2の予告演出の実行割合の一例を示した図である。
パターン1の態様の示唆演出1は、成功に5%のガセを含む(実行期待度を95%とする)。すなわち、遊技機10は、パターン1の態様の示唆演出1の成功後に、95%の割合で予告演出(疑似連演出)を実際に実行し、5%の割合で予告演出を実際には実行しない。つまり、パターン1の態様の示唆演出1は、成否演出の成功により疑似連演出の実行期待度95%を示唆する演出である。
パターン2の態様の示唆演出1は、成功に10%のガセを含む(実行期待度を90%とする)。すなわち、遊技機10は、パターン2の態様の示唆演出1の成功後に、90%の割合で予告演出(疑似連演出)を実際に実行し、10%の割合で予告演出を実際には実行しない。つまり、パターン2の態様の示唆演出1は、成否演出の成功により疑似連演出の実行期待度90%を示唆する演出である。
このように遊技機10は、態様に応じて成功に含めるガセ(矛盾パターン)の割合を異ならせることができる。これにより、遊技機10は、演出のバリエーションを増加させ、遊技の興趣を向上できる。
[第6の実施形態の変形例3]
次に第6の実施形態の変形例3について説明する。第6の実施形態の変形例3では、遊技機10は、一変動内における実行回数に応じて各示唆内容の導出割合を異ならせる。図94は、第6の実施形態の変形例3の示唆演出の一例を示す図である。なお、以下では示唆演出1を代表して用いて説明するが、示唆演出2についても同様に適用できる。
図94は、予告内容が疑似連演出である示唆演出1の実行回数毎の各示唆内容の導出割合の一例を示す。
示唆演出1は、一変動内における実行回数に応じて各示唆内容の導出割合が異なるように構成される。1回目の示唆演出1は、50%の割合で成功の示唆を導出し、50%の割合で失敗(失敗1,失敗2)の示唆を導出する。より具体的には、1回目の示唆演出1は、50%の割合で成功の示唆を導出し、25%の割合で失敗1の示唆を導出し、25%の割合で失敗2の示唆を導出する。
2回目の示唆演出1は、40%の割合で成功の示唆を導出し、60%の割合で失敗(失敗1,失敗2)の示唆を導出する。より具体的には、2回目の示唆演出1は、40%の割合で成功の示唆を導出し、30%の割合で失敗1の示唆を導出し、30%の割合で失敗2の示唆を導出する。
このように一変動内における実行回数に応じて導出割合を異ならせることで、遊技機10は、演出のバリエーションを増加させ、遊技の興趣を向上できる。なお、遊技機10は、各実行回数の示唆演出において導出可能な示唆内容についても異ならせてもよい。なお、1回目の示唆演出1の成功割合を2回目の示唆演出1の成功割合よりも高くするのに限らず、1回目の示唆演出1の成功割合を2回目の示唆演出1の成功割合よりも低くしてもよい。
次に、各実行回数の示唆演出の成功に含めるガセの割合の一例について図95を用いて説明する。図95は、第6の実施形態の変形例3の予告演出の実行割合の一例を示した図である。
1回目の示唆演出1は、成功に5%のガセを含む(実行期待度を95%とする)。すなわち、遊技機10は、1回目の示唆演出1の成功後に、95%の割合で予告演出(疑似連演出)を実際に実行し、5%の割合で予告演出を実際には実行しない。つまり、1回目の示唆演出1は、成否演出の成功により疑似連演出の実行期待度95%を示唆する演出である。
2回目の示唆演出1は、成功に10%のガセを含む(実行期待度を90%とする)。すなわち、遊技機10は、2回目の示唆演出1の成功後に、90%の割合で予告演出(疑似連演出)を実際に実行し、10%の割合で予告演出を実際には実行しない。つまり、2回目の示唆演出1は、成否演出の成功により疑似連演出の実行期待度90%を示唆する演出である。
このように遊技機10は、実行回数に応じて成功に含めるガセ(矛盾パターン)の割合を異ならせることができる。これにより、遊技機10は、演出のバリエーションを増加させ、遊技の興趣を向上できる。
なお、1回目の示唆演出1のガセの割合を2回目の示唆演出1のガセの割合よりも低くするのに限らず、1回目の示唆演出1のガセの割合を2回目の示唆演出1のガセの割合よりも高くしてもよい。また、いずれか一方にのみガセが含まれるようにしてもよい。
なお、遊技機10は、1回目の示唆演出が成功した場合と、失敗した場合とで2回目の示唆演出1の各示唆内容の導出割合や、成功に含めるガセの割合を異ならせてもよい。また、遊技機10は、1回目の示唆演出が成功した場合のみ、または1回目の示唆演出が失敗した場合のみ2回目の示唆演出1の各示唆内容の導出割合や、成功に含めるガセの割合を1回目の示唆演出1の各示唆内容の導出割合や、成功に含めるガセの割合とは異ならせてもよい。
[第6の実施形態の変形例4]
次に第6の実施形態の変形例4について説明する。第6の実施形態の変形例4では、遊技機10は、予告内容が先読予告演出(予告演出)である示唆演出(先読予告演出の実行を予告する示唆演出)を実行可能とする。図96は、第6の実施形態の変形例4の示唆演出の一例を示す図である。
図96は、予告内容が先読予告演出(予告演出)である示唆演出(先読予告演出の実行を予告する示唆演出)の示唆内容の一例を示す。先読予告演出は、保留アイコンまたは保留消化アイコンの表示態様を、当該アイコン(保留アイコンまたは保留消化アイコン)に対応する変動表示ゲームが導出する結果に応じて変化させる演出である。予告内容が先読予告演出である示唆演出としては、演出内容の異なる示唆演出1と、示唆演出2がある。
示唆演出1の示唆内容としては、成否演出の成功によって示唆される成功、成否演出の失敗によって示唆される失敗の2つがある。示唆演出1は、50%の割合(確率)で成功の示唆(先読予告演出に発展することを示唆)を導出し、50%の割合(確率)で失敗の示唆(先読予告演出に発展しないことを示唆)を導出する。
示唆演出2の示唆内容としては、成功、失敗の2つがある。示唆演出2は、60%の割合(確率)で成功の示唆(先読予告演出に発展することを示唆)を導出し、40%の割合(確率)で失敗の示唆(先読予告演出に発展しないことを示唆)を導出する。
このように、遊技機10は、疑似連演出に限らず先読予告演出においても複数の演出内容の示唆演出をおこなうことができる。なお、上記の示唆内容および導出割合等は一例であってこれに限らない。たとえば、遊技機10は、先読予告演出においても各演出内容の示唆演出を複数の演出態様で実行可能とすることもできるし、複数の成功パターンや複数の失敗パターンを示唆内容に含めることもできる。
また、示唆演出の予告内容は、先読予告演出や疑似連演出に限らず、他の演出を予告内容とする示唆演出であってもよい。
また、遊技機10は、示唆演出(たとえば、疑似連演出、先読予告演出など)や予告演出(たとえば、疑似連煽り演出、ルーレット演出など)とともに、その他の実施形態(たとえば、第4の実施形態)において説明した特定演出(たとえば、ショートSPリーチ演出、ロングSPリーチ演出)を実行可能であってもよい。遊技機10は、所定の信頼度(たとえば、基準信頼度90%より高い信頼度)でゲームの結果を示唆する演出態様と、所定の信頼度と異なる信頼度(たとえば、基準信頼度90%より低い信頼度)でゲームの結果を示唆する演出態様とのうちいずれか一方を示唆演出として実行可能である。たとえば、所定の信頼度でゲームの結果を示唆する演出態様は、100%の信頼度でゲームの結果を示唆する確定演出があり、所定の信頼度と異なる信頼度でゲームの結果を示唆する演出態様は、100%未満の信頼度でゲームの結果を示唆する非確定演出がある。なお、「所定の信頼度」と「所定の信頼度と異なる信頼度」は、たとえば一方の信頼度が他方の信頼度より高い信頼度であればよい。たとえば、「所定の信頼度」は、「所定の信頼度と異なる信頼度」よりも高い信頼度であればよく、その場合に「所定の信頼度」は、100%であってもよいし、100%未満であってもよい。また、「所定の信頼度と異なる信頼度」は、「所定の信頼度」よりも低い信頼度であればよく、その場合に「所定の信頼度と異なる信頼度」は、0%であってもよいし、0%より大きくてもよい。
また、遊技機10は、2以上の演出態様で示唆演出を実行可能である。2以上の演出態様は、異なる演出態様であればよく、たとえば、「疑似連煽り演出における疑似連図柄の仮停止の成否演出」と、「ルーレット演出における疑似連選択肢の選択の成否演出」がある。遊技機10は、示唆演出がいずれの演出態様で実行されたかにより示唆演出が特別示唆演出となる確率を違えることができる。たとえば、遊技機10は、示唆演出として「疑似連煽り演出における疑似連図柄の仮停止の成否演出」を実行するとき、特別示唆演出として30%の確率で成功演出を実行し、非特別示唆演出として70%の確率で失敗演出を実行する。また、遊技機10は、示唆演出として「ルーレット演出における疑似連選択肢の選択の成否演出」を実行するとき、特別示唆演出として70%の確率で成功演出を実行し、非特別示唆演出として30%の確率で失敗演出を実行する。
このように、遊技機10は、示唆演出が成否演出であるときに特別示唆演出を成功演出とすることができる。特別示唆演出は、示唆演出のうちにおいても特別な示唆をおこなう演出である。また、示唆演出は、成否演出に限らず、遊技者が相対的に特別な演出であると感得できる演出であってもよい。たとえば、示唆演出が期間、領域、大きさ、数等の比較可能な演出パラメータを有する演出であるときに、小規模演出(たとえば、短期間、小領域、小さい演出要素、少ない演出要素等を含む演出)を非特別示唆演出として、大規模演出(たとえば、長期間、大領域、大きい演出要素、多い演出要素等を含む演出)を特別示唆演出とすることができる。これにより、遊技機10は、多様な形態での示唆演出を実行可能にして、示唆演出に対する期待感を向上させ、遊技の興趣を向上できる。
上述した第6の実施形態の遊技機10(変形例を含む)は、一側面において以下のような特徴を有する。
(1)遊技機10は、予告演出(たとえば、疑似連演出、先読予告演出など)を実行可能な予告演出手段(演出制御装置300)と、成否演出の成功により予告演出の実行を示唆する示唆演出(たとえば、疑似連煽り演出、ルーレット演出など)を実行可能な示唆演出手段(演出制御装置300)と、ゲームの結果の導出過程を演出する特定演出(たとえば、SPリーチ)を実行可能な特定演出手段(演出制御装置300)と、を含む。示唆演出手段は、第1の成否演出(たとえば、疑似連煽り演出における疑似連図柄の仮停止の成否演出)または第2の成否演出(たとえば、ルーレット演出における疑似連選択肢の選択の成否演出)を実行可能であり、第1の成否演出の成功確率(導出割合)である第1の確率と、第2の成否演出の成功確率(導出割合)である第2の確率とを違える。
(2)(1)の特定演出手段は、第1の成否演出の失敗時に特定演出を実行する実行確率である第3の確率よりも、第2の成否演出の失敗時に特定演出を実行する実行確率である第4の確率を大きくする。
(3)遊技機10は、ゲームの結果を予告する予告演出(たとえば、疑似連演出、先読予告演出など)を実行可能な予告演出手段(演出制御装置300)と、成否演出の成否により予告演出の実行期待度(たとえば、成功した場合には実行期待度90%(ガセを除いた割合)、失敗した場合には実行期待度0%)を示唆する示唆演出を実行可能な示唆演出手段(たとえば、疑似連煽り演出、ルーレット演出など)と、ゲームの結果の導出過程を演出する特定演出(たとえば、SPリーチ)を実行可能な特定演出手段(演出制御装置300)と、を含む。示唆演出手段は、第1の成否演出(たとえば、疑似連煽り演出における疑似連図柄の仮停止の成否演出)または第2の成否演出(たとえば、ルーレット演出における疑似連選択肢の選択の成否演出)を実行可能であり、第1の成否演出の成功確率(導出割合)である第1の確率と、第2の成否演出の成功確率(導出割合)である第2の確率とを違える。
(4)(3)の特定演出手段は、第1の成否演出の失敗時に特定演出を実行する実行確率である第3の確率よりも、第2の成否演出の失敗時に特定演出を実行する実行確率である第4の確率を大きくする。
(5)(3)の示唆演出手段は、成否演出の成功により成否演出前後の予告演出の実行期待度を変更し、成否演出の失敗により成否演出前後の予告演出の実行期待度を変更しない。
(6)遊技機10は、予告演出(たとえば、疑似連演出、先読予告演出など)を実行可能な予告演出手段(演出制御装置300)と、予告演出の実行を示唆する示唆演出(たとえば、疑似連煽り演出、ルーレット演出など)を実行可能な示唆演出手段(演出制御装置300)と、を含む。示唆演出手段は、示唆演出の成否に応じて予告演出の実行を示唆可能であるとともに、示唆演出として第1示唆演出(たとえば、疑似連煽り演出における疑似連図柄の仮停止の成否演出)または第2示唆演出(たとえば、ルーレット演出における疑似連選択肢の選択の成否演出)を実行可能であり、第1示唆演出の成功確率(導出割合)である第1の確率と、第2示唆演出の成功確率(導出割合)である第2の確率とを違える。
(7)(6)の遊技機10は、ゲームの結果の導出過程を演出する特定演出(たとえば、SPリーチ)を実行可能な特定演出手段(演出制御装置300)を備え、特定演出手段は、第1示唆演出の失敗時に特定演出を実行する実行確率である第3の確率よりも、第2示唆演出の失敗時に特定演出を実行する実行確率である第4の確率を大きくする。
(8) 遊技機10は、第1演出手段は、所定の信頼度である第1演出態様と、所定の信頼度と異なる信頼度である第2演出態様とのうちいずれか一方を第1演出として実行可能である。第2演出手段は、第3演出態様または第4演出態様を第2演出として実行可能であり、第3演出態様で第2演出を実行する第1確率と、第4演出態様で第2演出を実行する第2確率とを違える。ゲーム(たとえば、特図1ゲーム、特図2ゲーム)の結果を示唆する第1演出(たとえば、疑似連演出、先読予告演出など)を実行可能な第1演出手段(演出制御装置300)と、第1演出の実行を示唆する第2演出(たとえば、疑似連煽り演出、ルーレット演出など)を実行可能な第2演出手段(演出制御装置300)と、ゲームの結果の導出過程を演出する第3演出(たとえば、ショートSPリーチ演出、ロングSPリーチ演出)を実行可能な第3演出手段(演出制御装置300)と、を含む。第1演出手段は、所定の信頼度(たとえば、100%)である第1演出態様(たとえば、確定演出)と、所定の信頼度と異なる信頼度(たとえば、10%)である第2演出態様(非確定演出)とのうちいずれか一方を第1演出として実行可能である。第2演出手段は、第3演出態様(たとえば、疑似連煽り演出における疑似連図柄の仮停止の成否演出)または第4演出態様(たとえば、ルーレット演出における疑似連選択肢の選択の成否演出)を第2演出として実行可能であり、第3演出態様(たとえば、疑似連煽り演出における疑似連図柄の仮停止の成功演出)で第2演出を実行する第1確率(たとえば、100%)と、第4演出態様(たとえば、ルーレット演出における疑似連選択肢の選択の成功演出)で第2演出を実行する第2確率(たとえば、10%)とを違える。
[第7の実施形態]
第1の実施形態から第6の実施形態の遊技機の説明においては遊技盤30(図2参照)、あるいは遊技盤800(図28参照)を備える遊技機として説明したが、第7の実施形態の遊技機はいずれにも適用可能である。なお、第1の実施形態から第6の実施形態と同様の構成については、符号を同じにして説明を省略する場合がある。
第7の実施形態の遊技機10は、疑似連演出や保留変化演出のような予告演出の実行を示唆する示唆演出の一層の興趣向上を図る。第7の実施形態の遊技機10は、遊技経験を積んだ遊技者が感得する示唆演出に対する期待感の多様化を実現し、遊技の興趣向上を図る。
遊技機10は、変動表示ゲームにおいて予告演出を実行可能である。予告演出は、変動表示ゲームが導出する結果や、結果の導出過程を予告する演出態様であり、たとえば、予告演出は、疑似連演出や保留変化演出があり、その他、キャラクタ演出、背景演出等、多様な演出態様をとり得る。
変動表示ゲームが導出する結果は、当り、はずれや、当り時の価値の大きさがある。当りは、大当り、小当りを含む。当り時の価値の大きさは、一側面において遊技者が獲得可能な遊技価値の大きさであり、獲得可能な賞球数や、当りのラウンド数、開放する大入賞口(大入賞口1または大入賞口2)、確率変動の有無、普電サポートの有無、確率変動や普電サポートの獲得機会の有無等を含む。変動表示ゲームが導出する結果の導出過程は、変動時間の大きさ、リーチの有無や種別、リーチの発展の有無や発展リーチの種別等がある。
また、遊技機10は、予告演出に先行して示唆演出を実行可能である。示唆演出は、予告演出の有無を示唆する演出であり、予告演出の有無を示唆するものであってもよいし、予告演出の実行可能性を示唆するものであってもよい。示唆演出は、所定の成否演出を含み、成否演出が導出する成功結果または失敗結果により予告演出の実行可能性を示唆する。たとえば、示唆演出は、成否演出が成功結果を導出することにより予告演出の実行を示唆し、成否演出が失敗結果を導出することにより予告演出の不実行を示唆する。なお、示唆演出は、成否演出または失敗演出の態様を複数用意することで、予告演出の実行可能性を示唆するものであってもよい。たとえば、示唆演出は、成否演出が大成功となる成功結果を導出することにより予告演出の確実な実行を示唆し、成否演出が単なる成功となる成功結果を導出することにより予告演出のほぼ確実な実行を示唆するものであってもよい。また、示唆演出は、成否演出が大失敗となる失敗結果を導出することにより予告演出の確実な不実行を示唆し、成否演出が惜しい失敗となる失敗結果を導出することにより予告演出の不実行を示唆しながらもわずかながらの予告演出の実行を示唆するものであってもよい。なお、示唆演出は、成否演出または失敗演出の態様を複数用意することで、予告演出の実行可能性だけでなく、予告演出の結果についてまでをも示唆するものであってもよい。たとえば、示唆演出は、成否演出が大成功となる成功結果を導出することにより予告演出の確実な実行を示唆するとともに、予告演出が予告する変動表示ゲームの導出結果や導出過程を予告演出に先行して示唆するようにしてもよい。また、示唆演出の成功パターン(成否演出の成功を導出する成功演出)と失敗パターン(成否演出の失敗を導出する失敗演出)は、結果を導出するまでの演出(導出過程)を同じ演出(共通演出)としてもよいし、異なる演出としてもよい。また、示唆演出の成功パターン(失敗パターンについても同様)を複数用意し、一の成功パターンと他の成功パターンを同じ演出としてもよいし、異なる演出としてもよい。また、一の成功パターンと他の成功パターンを途中まで同じ演出として結果導出部分の演出を異ならせてもよい。
また、遊技機10は、示唆演出と並行して特定演出を実行可能である。示唆演出と特定演出とを並行して実行するとは、示唆演出の実行期間と特定演出の実行期間とが重複することをいう。
特定演出は、示唆演出と並行して実行可能な演出である。また、特定演出は、予告演出の実行の有無と関係なしに実行可能である。たとえば、特定演出は、タイマ演出やSPリーチ演出等がある。
まず、変動表示コマンドに対応する変動表示態様について図97から図100を用いて説明する。図97は、第7の実施形態の変動表示コマンドに対応する変動表示態様の一例を示す図である(その1)。図98は、第7の実施形態の変動表示コマンドに対応する変動表示態様の一例を示す図である(その2)。図99は、第7の実施形態の変動表示コマンドに対応する変動表示態様の一例を示す図である(その3)。図100は、第7の実施形態の変動表示コマンドに対応する変動表示態様の一例を示す図である(その4)。
遊技機10は、演出パターンとして示唆演出と予告演出と特定演出とを組み合わせて実行可能である。まず、代表的な演出パターンについて説明する。図97に示す演出パターンA1は、所定の変動表示コマンドにもとづいて実行されるものであり、たとえば、n回目変動という1回の変動表示ゲームのうちで実行される。演出パターンA1は、並行して特定演出を実行することなしに示唆演出を実行し、示唆演出における成否演出において成功結果を導出して予告演出を実行する。遊技機10は、示唆演出成功を経て予告演出をおこなうことで示唆演出と予告演出とが協調した遊技演出をおこなうことができる。これにより、遊技機10は、予告演出の単独実行よりも興趣向上を図ることができる。
図97に示す演出パターンA2は、所定の変動表示コマンドにもとづいて実行されるものであり、たとえば、n回目変動という1回の変動表示ゲームのうちで実行される。演出パターンA2は、並行して特定演出を実行することなしに示唆演出を実行し、示唆演出における成否演出において失敗結果を導出したにもかかわらず予告演出を実行する。演出パターンA2は、遊技者に大きな意外感を与えることができるが、遊技演出の整合性の観点から頻回な出現が望ましくない。そのため、演出パターンA2は、ほぼ選択されないレア演出であってもよいし、あらかじめ用意されないことを含めてそもそも選択されない演出であってもよい。遊技機10は、示唆演出失敗を経て予告演出をおこなうことで示唆演出と予告演出とが協調した遊技演出をおこなうことができる。これにより、遊技機10は、予告演出の単独実行よりも興趣向上を図ることができる。
図97に示す演出パターンA3は、所定の変動表示コマンドにもとづいて実行されるものであり、たとえば、n回目変動という1回の変動表示ゲームのうちで実行される。演出パターンA3は、並行して特定演出を実行することなしに示唆演出を実行し、示唆演出における成否演出において失敗結果を導出して予告演出を実行しない。演出パターンA3は、遊技者に失望感を与えるが、遊技演出の整合性の観点から用意される。遊技機10は、示唆演出失敗により予告演出をおこなわないが、示唆演出成功を経た予告演出の実行に対する期待感を演出することができる。
図97に示す演出パターンB1は、所定の変動表示コマンドにもとづいて実行されるものであり、たとえば、n回目変動という1回の変動表示ゲームのうちで実行される。演出パターンB1は、並行して特定演出を実行しながら示唆演出を実行し、示唆演出における成否演出において成功結果を導出して予告演出を実行する。遊技機10は、示唆演出成功を経て予告演出をおこなうことで示唆演出と予告演出とが協調した遊技演出をおこなうことができる。また、遊技機10は、示唆演出と特定演出とを並行して実行することで、示唆演出による示唆に変化を与え、遊技者が感得する示唆内容を多様化することができる。これにより、遊技機10は、特定演出との並行実行の有無に応じて示唆演出による興趣向上を図ることができる。
図97に示す演出パターンB2は、所定の変動表示コマンドにもとづいて実行されるものであり、たとえば、n回目変動という1回の変動表示ゲームのうちで実行される。演出パターンB2は、並行して特定演出を実行しながら示唆演出を実行し、示唆演出における成否演出において失敗結果を導出したにもかかわらず予告演出を実行する。演出パターンB2は、遊技者に大きな意外感を与えることができるが、遊技演出の整合性の観点から頻回な出現が望ましくない。そのため、演出パターンB2は、ほぼ選択されないレア演出であってもよいし、あらかじめ用意されないことを含めてそもそも選択されない演出であってもよい。遊技機10は、示唆演出失敗を経て予告演出をおこなうことで示唆演出と予告演出とが協調した遊技演出をおこなうことができる。また、遊技機10は、示唆演出と特定演出とを並行して実行することで、示唆演出による示唆に変化を与え、遊技者が感得する示唆内容を多様化することができる。これにより、遊技機10は、特定演出との並行実行の有無に応じて示唆演出による興趣向上を図ることができる。
図97に示す演出パターンB3は、所定の変動表示コマンドにもとづいて実行されるものであり、たとえば、n回目変動という1回の変動表示ゲームのうちで実行される。演出パターンB3は、並行して特定演出を実行しながら示唆演出を実行し、示唆演出における成否演出において失敗結果を導出して予告演出を実行しない。演出パターンB3は、遊技者に失望感を与えるが、遊技演出の整合性の観点から用意される。遊技機10は、示唆演出失敗により予告演出をおこなわないが、示唆演出成功を経た予告演出の実行に対する期待感を演出することができる。また、遊技機10は、示唆演出と特定演出とを並行して実行することで、示唆演出による示唆に変化を与え、遊技者が感得する示唆内容を多様化することができる。これにより、遊技機10は、特定演出との並行実行の有無に応じて示唆演出による興趣向上を図ることができる。
また、遊技機10は、特定演出をただ1つの態様に限定せず、2以上の態様のうちから1の態様を選択して実行可能である。たとえば、遊技機10は、特定演出Aと特定演出Bとを選択して実行可能である。より具体的には、遊技機10は、特定演出Aとしてタイマ値が大きなタイマ演出(ロング)と、特定演出Bとしてタイマ値が小さなタイマ演出(ショート)とを実行可能である。
図98に示す演出パターンB10,B11,B20,B21,B30,B31は、所定の変動表示コマンドにもとづいて実行されるものであり、たとえば、n回目変動という1回の変動表示ゲームのうちで実行される。演出パターンB10は、並行して特定演出Aを実行しながら示唆演出を実行し、示唆演出における成否演出において成功結果を導出して予告演出を実行する。演出パターンB11は、並行して特定演出Bを実行しながら示唆演出を実行し、示唆演出における成否演出において成功結果を導出して予告演出を実行する。演出パターンB20は、並行して特定演出Aを実行しながら示唆演出を実行し、示唆演出における成否演出において失敗結果を導出したにもかかわらず予告演出を実行する。演出パターンB21は、並行して特定演出Bを実行しながら示唆演出を実行し、示唆演出における成否演出において失敗結果を導出したにもかかわらず予告演出を実行する。演出パターンB30は、並行して特定演出Aを実行しながら示唆演出を実行し、示唆演出における成否演出において失敗結果を導出して予告演出を実行しない。演出パターンB31は、並行して特定演出Bを実行しながら示唆演出を実行し、示唆演出における成否演出において失敗結果を導出して予告演出を実行しない。
このとき、遊技機10は、示唆演出と並行する特定演出の有無だけでなく、示唆演出と並行する特定演出が特定演出Aであるか特定演出Bであるかにより、示唆演出における成否演出の成否、成否演出の結果にもとづく予告演出の実行の有無を演出する。これにより、遊技機10は、特定演出との並行実行の有無だけでなく、特定演出の種別に応じて示唆演出による興趣向上を図ることができる。
また、遊技機10は、図99に示す演出パターンCのように、特定演出も示唆演出もなしに予告演出をおこなう演出パターンを用意するものであってもよい。なお、演出パターンCは、所定の変動表示コマンドにもとづいて実行されるものであり、たとえば、n回目変動という1回の変動表示ゲームのうちで実行される。遊技機10は、特定演出も示唆演出もなしに予告演出をおこなう演出パターンを用意することで、予告演出の期待感や信頼度に変化を与え、遊技者が感得する予告内容を多様化することができる。
また、遊技機10は、図99に示す演出パターンDのように、示唆演出なしに特定演出と並行して予告演出をおこなう演出パターンを用意するものであってもよい。なお、演出パターンDは、所定の変動表示コマンドにもとづいて実行されるものであり、たとえば、n回目変動という1回の変動表示ゲームのうちで実行される。遊技機10は、示唆演出なしに特定演出と並行して予告演出をおこなう演出パターンを用意することで、予告演出の期待感や信頼度に変化を与え、遊技者が感得する予告内容を多様化することができる。
また、遊技機10は、図99に示す演出パターンE,Fのように、特定演出を実行しながら示唆演出を並行して実行し、示唆演出が導出する結果に対応して予告演出を実行するものであってもよい。なお、示唆演出と予告演出が、たとえばn回目変動という1回の変動表示ゲームのうちで実行されるものであるとき、特定演出は、n回目変動より前からn回目変動に跨って実行されるものであってもよい。また、特定演出は、演出パターンEのように、n回目変動における示唆演出と並行して実行されても予告演出とまで並行して実行されるものでなくてもよい。また、特定演出は、演出パターンFのように、n回目変動における示唆演出と並行して実行されて予告演出の少なくとも一部とまで並行して実行されるものであってもよい。なお、演出パターンE,Fは、所定の変動表示コマンドにもとづいて実行されるものであるが、特定演出の始期に関係しないものであってよい。また、演出パターンE,Fの実行に関係する変動表示コマンドは、特定演出の終期に関係するものであってよい。遊技機10は、示唆演出の実行に関する変動表示コマンドの受信以前から特定演出を実行可能にすることで、特定演出の実行自体に予告演出の期待感を演出でき、遊技者が感得する予告内容を多様化することができる。
また、遊技機10は、図99に示す演出パターンGのように、特定演出を実行しながら示唆演出を並行して実行し、示唆演出が導出する結果に対応して予告演出を実行するものであってもよい。なお、示唆演出と予告演出が、たとえばn回目変動という1回の変動表示ゲームのうちで実行されるものであるとき、特定演出は、n回目変動より後の(n+1)回目変動に跨って実行され、(n+1)回目変動以降に続くものであってもよい。なお、演出パターンGは、所定の変動表示コマンドにもとづいて実行されるものであるが、特定演出の始期に関係するものであってよいし、特定演出の始期に関係しないものであってもよい。演出パターンGが特定演出の始期に関係しない場合、遊技機10は、RTCやその他のイベントリガによって特定演出の始期を決定することができる。遊技機10は、示唆演出の実行に関する変動表示コマンドの受信以降にまで特定演出を実行可能にすることで、特定演出の実行にさらなる予告演出の期待感を演出でき、遊技者が感得する予告内容を多様化することができる。
また、遊技機10は、図100に示す演出パターンB4,B5,B6,B7のように、示唆演出や予告演出との関係で多様な始期と終期を設定するものであってもよい。たとえば、演出パターンB4における特定演出は、示唆演出と予告演出がn回目変動という1回の変動表示ゲームのうちで実行されるものであるとき、同じ変動表示ゲーム内に始期と終期を設定する。また、演出パターンB5における特定演出は、示唆演出と予告演出がn回目変動という1回の変動表示ゲームのうちで実行されるものであるとき、(n−1)回目変動以前に始期を設定し、n回目変動に終期を設定する。また、演出パターンB6における特定演出は、示唆演出と予告演出がn回目変動という1回の変動表示ゲームのうちで実行されるものであるとき、n回目変動に始期を設定し、(n+1)回目変動以降に終期を設定する。また、演出パターンB7における特定演出は、示唆演出と予告演出がn回目変動という1回の変動表示ゲームのうちで実行されるものであるとき、(n−1)回目変動以前に始期を設定し、(n+1)回目変動以降に終期を設定する。
このように、遊技機10は、示唆演出の実行に関する変動表示コマンドの受信と関係しないタイミングに始期や終期を設定して特定演出を実行可能にすることで、特定演出の実行にさらなる予告演出の期待感を演出でき、遊技者が感得する予告内容を多様化することができる。
次に、特定演出の有無、示唆演出の成否に応じた予告演出の実行割合の一例について図101を用いて説明する。図101は、第7の実施形態の特定演出の有無に対応した予告演出パターンの実行割合の一例を示す図である。
まず、図101(1)に示す予告実行割合(全体)について説明する。遊技機10は、特定演出との並行実行なしにおける示唆演出における成功演出を経た疑似連演出(予告演出)を25%の割合(確率)で実行する。また、遊技機10は、特定演出との並行実行なしにおける示唆演出における失敗演出を経た疑似連演出を0%の割合で実行する。また、遊技機10は、特定演出との並行実行なしにおける示唆演出における失敗演出を経た疑似連演出なしを25%の割合で実行する。また、遊技機10は、特定演出との並行実行ありにおける示唆演出における成功演出を経た疑似連演出を45%の割合で実行する。また、遊技機10は、特定演出との並行実行ありにおける示唆演出における失敗演出を経た疑似連演出を0%の割合で実行する。また、遊技機10は、特定演出との並行実行ありにおける示唆演出における失敗演出を経た疑似連演出なしを5%の割合で実行する。
このように、遊技機10は、図101(2)に示す予告実行割合(特定演出なし)のような特定演出との並行実行なしの場合、50%の実行割合で示唆演出における成功演出を経た疑似連演出を実行し、0%の割合で示唆演出における失敗演出を経た疑似連演出を実行し、50%の実行割合で示唆演出における失敗演出を経た疑似連演出なしを実行する。
そして、遊技機10は、図101(3)に示す予告実行割合(特定演出あり)のような特定演出との並行実行ありの場合、90%の実行割合で示唆演出における成功演出を経た疑似連演出を実行し、0%の割合で示唆演出における失敗演出を経た疑似連演出を実行し、10%の実行割合で示唆演出における失敗演出を経た疑似連演出なしを実行する。
すなわち、遊技機10は、示唆演出における成功演出を経た疑似連演出について、示唆演出と特定演出とが並行実行されない場合に50%の実行割合とし、示唆演出と特定演出とが並行実行される場合に90%の実行割合とする。このように、遊技機10は、特定演出と重複する期間を有する示唆演出の成功割合を、特定演出と重複する期間を有しない示唆演出の成功割合よりも大きくする。言い換えれば、遊技機10は、特定演出と重複する期間を有する示唆演出を経た場合の予告演出の実行割合を、特定演出と重複する期間を有しない示唆演出を経た場合の予告演出の実行割合よりも大きくする。
これにより、遊技機10は、示唆演出と特定演出とが並行実行されるか否かに応じた予告演出の期待感や信頼度に変化を与え、遊技者が感得する予告内容を多様化することができる。
次に、特定演出の有無、示唆演出の成否に応じた予告演出の実行割合の別例について図102を用いて説明する。図102は、第7の実施形態の特定演出の有無に対応した予告演出パターンの実行割合の別例(その1)を示す図である。
まず、図102(1)に示す予告実行割合(全体)について説明する。遊技機10は、特定演出との並行実行なしにおける示唆演出における成功演出を経た疑似連演出(予告演出)を25%の割合(確率)で実行する。また、遊技機10は、特定演出との並行実行なしにおける示唆演出における失敗演出を経た疑似連演出を0%の割合で実行する。また、遊技機10は、特定演出との並行実行なしにおける示唆演出における失敗演出を経た疑似連演出なしを25%の割合で実行する。また、遊技機10は、特定演出との並行実行ありにおける示唆演出における成功演出を経た疑似連演出を50%の割合で実行する。また、遊技機10は、特定演出との並行実行ありにおける示唆演出における失敗演出を経た疑似連演出を0%の割合で実行する。また、遊技機10は、特定演出との並行実行ありにおける示唆演出における失敗演出を経た疑似連演出なしを0%の割合で実行する。
このように、遊技機10は、図102(2)に示す予告実行割合(特定演出なし)のような特定演出との並行実行なしの場合、50%の実行割合で示唆演出における成功演出を経た疑似連演出を実行し、0%の割合で示唆演出における失敗演出を経た疑似連演出を実行し、50%の実行割合で示唆演出における失敗演出を経た疑似連演出なしを実行する。
そして、遊技機10は、図102(3)に示す予告実行割合(特定演出あり)のように、特定演出との並行実行ありの場合、100%の実行割合で示唆演出における成功演出を経た疑似連演出を実行し、0%の割合で示唆演出における失敗演出を経た疑似連演出を実行し、0%の実行割合で示唆演出における失敗演出を経た疑似連演出なしを実行する。
すなわち、遊技機10は、示唆演出における成功演出を経た疑似連演出について、示唆演出と特定演出とが並行実行されない場合に50%の実行割合とし、示唆演出と特定演出とが並行実行される場合に100%の実行割合とする。このように、遊技機10は、特定演出と重複する期間を有する示唆演出の成功割合を、特定演出と重複する期間を有しない示唆演出の成功割合よりも大きくする。言い換えれば、遊技機10は、特定演出と重複する期間を有する示唆演出を経た場合の予告演出の実行割合を、特定演出と重複する期間を有しない示唆演出を経た場合の予告演出の実行割合よりも大きくする。特に、遊技機10は、特定演出と重複する期間を有する示唆演出について予告演出の実行を確定的にする。
これにより、遊技機10は、示唆演出と特定演出とが並行実行されるか否かに応じた予告演出の期待感や信頼度に変化を与え、遊技者が感得する予告内容を多様化することができる。
次に、特定演出の有無、示唆演出の成否に応じた予告演出の実行割合のさらなる別例について図103を用いて説明する。図103は、第7の実施形態の特定演出の有無に対応した予告演出パターンの実行割合の別例(その2)を示す図である。
まず、図103(1)に示す予告実行割合(全体)について説明する。遊技機10は、特定演出との並行実行なしにおける示唆演出における成功演出を経た疑似連演出(予告演出)を29%の割合(確率)で実行する。また、遊技機10は、特定演出との並行実行なしにおける示唆演出における失敗演出を経た疑似連演出を1%の割合で実行する。また、遊技機10は、特定演出との並行実行なしにおける示唆演出における失敗演出を経た疑似連演出なしを35%の割合で実行する。また、遊技機10は、特定演出との並行実行ありにおける示唆演出における成功演出を経た疑似連演出を20%の割合で実行する。また、遊技機10は、特定演出との並行実行ありにおける示唆演出における失敗演出を経た疑似連演出を5%の割合で実行する。また、遊技機10は、特定演出との並行実行ありにおける示唆演出における失敗演出を経た疑似連演出なしを10%の割合で実行する。
このように、遊技機10は、図103(2)に示す予告実行割合(特定演出なし)のような特定演出との並行実行なしの場合、約45%の実行割合で示唆演出における成功演出を経た疑似連演出を実行し、約1%の割合で示唆演出における失敗演出を経た疑似連演出を実行し、約54%の実行割合で示唆演出における失敗演出を経た疑似連演出なしを実行する。
そして、遊技機10は、図103(3)に示す予告実行割合(特定演出あり)のように、特定演出との並行実行ありの場合、約57%の実行割合で示唆演出における成功演出を経た疑似連演出を実行し、約14%の割合で示唆演出における失敗演出を経た疑似連演出を実行し、約29%の実行割合で示唆演出における失敗演出を経た疑似連演出なしを実行する。
すなわち、遊技機10は、示唆演出における成功演出を経た疑似連演出について、示唆演出と特定演出とが並行実行されない場合に約45%の実行割合とし、示唆演出と特定演出とが並行実行される場合に約57%の実行割合とする。このように、遊技機10は、特定演出と重複する期間を有する示唆演出の成功割合を、特定演出と重複する期間を有しない示唆演出の成功割合よりも大きくする。言い換えれば、遊技機10は、特定演出と重複する期間を有する示唆演出を経た場合の予告演出の実行割合を、特定演出と重複する期間を有しない示唆演出を経た場合の予告演出の実行割合よりも大きくする。特に、遊技機10は、示唆演出において失敗演出を実行した場合にも予告演出を低頻度ながら実行可能にする。
これにより、遊技機10は、示唆演出と特定演出とが並行実行されるか否かに応じた予告演出の期待感や信頼度に変化を与え、遊技者が感得する予告内容を多様化することができる。
次に、特定演出の有無や種別、示唆演出の成否に応じた予告演出の実行割合の一例について図104を用いて説明する。図104は、第7の実施形態の特定演出の有無に対応した予告演出パターンの実行割合の別例(その3)を示す図である。
まず、図104(1)に示す予告実行割合(全体)について説明する。遊技機10は、特定演出との並行実行なしにおける示唆演出における成功演出を経た疑似連演出(予告演出)を20%の割合(確率)で実行する。また、遊技機10は、特定演出との並行実行なしにおける示唆演出における失敗演出を経た疑似連演出を0%の割合で実行する。また、遊技機10は、特定演出との並行実行なしにおける示唆演出における失敗演出を経た疑似連演出なしを30%の割合で実行する。また、遊技機10は、特定演出の一形態であるタイマ演出(ショート)との並行実行ありにおける示唆演出における成功演出を経た疑似連演出を15%の割合で実行する。また、遊技機10は、タイマ演出(ショート)との並行実行ありにおける示唆演出における失敗演出を経た疑似連演出を0%の割合で実行する。また、遊技機10は、タイマ演出(ショート)との並行実行ありにおける示唆演出における失敗演出を経た疑似連演出なしを15%の割合で実行する。また、遊技機10は、特定演出の一形態であるタイマ演出(ロング)との並行実行ありにおける示唆演出における成功演出を経た疑似連演出を15%の割合で実行する。また、遊技機10は、タイマ演出(ロング)との並行実行ありにおける示唆演出における失敗演出を経た疑似連演出を0%の割合で実行する。また、遊技機10は、タイマ演出(ロング)との並行実行ありにおける示唆演出における失敗演出を経た疑似連演出なしを5%の割合で実行する。なお、タイマ演出(ショート)とタイマ演出(ロング)については、後で詳しく説明する。
このように、遊技機10は、図104(2)に示す予告実行割合(特定演出なし)のような特定演出との並行実行なしの場合、40%の実行割合で示唆演出における成功演出を経た疑似連演出を実行し、60%の実行割合で示唆演出における失敗演出を経た疑似連演出なしを実行する。なお、示唆演出における失敗演出を経た疑似連演出の0%の割合での実行については、図示省略する。
そして、遊技機10は、図104(3)に示す予告実行割合(タイマ演出(ショート)あり)のように、特定演出との並行実行ありの場合、50%の実行割合で示唆演出における成功演出を経た疑似連演出を実行し、50%の実行割合で示唆演出における失敗演出を経た疑似連演出なしを実行する。なお、示唆演出における失敗演出を経た疑似連演出の0%の割合での実行については、図示省略する。
そして、遊技機10は、図104(4)に示す予告実行割合(タイマ演出(ロング)あり)のように、特定演出との並行実行ありの場合、75%の実行割合で示唆演出における成功演出を経た疑似連演出を実行し、25%の実行割合で示唆演出における失敗演出を経た疑似連演出なしを実行する。なお、示唆演出における失敗演出を経た疑似連演出の0%の割合での実行については、図示省略する。
すなわち、遊技機10は、示唆演出における成功演出を経た疑似連演出について、示唆演出と特定演出とが並行実行されない場合に40%の実行割合とし、示唆演出とタイマ演出(ショート)とが並行実行される場合に50%の実行割合とし、示唆演出とタイマ演出(ロング)とが並行実行される場合に75%の実行割合とする。このように、遊技機10は、特定演出と重複する期間を有する示唆演出の成功割合を、特定演出と重複する期間を有しない示唆演出の成功割合よりも大きくする。さらに、遊技機10は、タイマ演出(ロング)と重複する期間を有する示唆演出の成功割合を、タイマ演出(ショート)と重複する期間を有する示唆演出の成功割合よりも大きくする。言い換えれば、遊技機10は、特定演出と重複する期間を有する示唆演出を経た場合の予告演出の実行割合を、特定演出と重複する期間を有しない示唆演出を経た場合の予告演出の実行割合よりも大きくする。さらに、遊技機10は、タイマ演出(ロング)と重複する期間を有する示唆演出を経た場合の予告演出の実行割合を、タイマ演出(ショート)と重複する期間を有する示唆演出を経た場合の予告演出の実行割合よりも大きくする。
これにより、遊技機10は、示唆演出と特定演出とが並行実行されるか否かだけでなく、特定演出の形態に応じた予告演出の期待感や信頼度に変化を与え、遊技者が感得する予告内容を多様化することができる。
次に、特定演出の種別、示唆演出の成否に応じた予告演出の実行割合の別例について図105と図106を用いて説明する。図105は、第7の実施形態の特定演出の有無に対応した予告演出パターンの実行割合の別例(その4)を示す図である。図106は、第7の実施形態の特定演出の有無に対応した予告演出パターンの実行割合の別例(その5)を示す図である。
まず、図105(1)に示す予告実行割合(全体)について説明する。なお、特定演出との並行実行なしにおける示唆演出については、選択肢から省略して図示を簡略するが選択肢に含まれるものであってもよい。
遊技機10は、特定演出の一形態であるタイマ演出(白色)との並行実行ありにおける示唆演出における成功演出を経た疑似連演出を35%の割合で実行する。また、遊技機10は、タイマ演出(白色)との並行実行ありにおける示唆演出における失敗演出を経た疑似連演出なしを35%の割合で実行する。また、遊技機10は、特定演出の一形態であるタイマ演出(赤色)との並行実行ありにおける示唆演出における成功演出を経た疑似連演出を20%の割合で実行する。また、遊技機10は、タイマ演出(赤色)との並行実行ありにおける示唆演出における失敗演出を経た疑似連演出なしを5%の割合で実行する。また、遊技機10は、特定演出の一形態であるタイマ演出(金色)との並行実行ありにおける示唆演出における成功演出を経た疑似連演出を5%の割合で実行する。また、遊技機10は、タイマ演出(金色)との並行実行ありにおける示唆演出における失敗演出を経た疑似連演出なしを0%の割合で実行する。なお、タイマ演出(白色)とタイマ演出(赤色)とタイマ演出(金色)については、後で詳しく説明する。
すなわち、遊技機10は、タイマ演出(金色)と重複する期間を有する示唆演出を経た場合の予告演出の実行割合を、タイマ演出(白色)やタイマ演出(赤色)と重複する期間を有する示唆演出を経た場合の予告演出の実行割合よりも大きくする。また、遊技機10は、タイマ演出(赤色)と重複する期間を有する示唆演出を経た場合の予告演出の実行割合を、タイマ演出(金色)と重複する期間を有する示唆演出を経た場合の予告演出の実行割合よりも小さくし、タイマ演出(白色)と重複する期間を有する示唆演出を経た場合の予告演出の実行割合よりも大きくする。
これにより、遊技機10は、示唆演出と特定演出とが並行実行されるか否かだけでなく、特定演出の形態に応じた予告演出の期待感や信頼度に変化を与え、遊技者が感得する予告内容を多様化することができる。
次に、図105(2)に示す予告実行割合(全体)について説明する。なお、特定演出との並行実行なしにおける示唆演出については、選択肢から省略して図示を簡略するが選択肢に含まれるものであってもよい。
遊技機10は、特定演出の一形態(リーチ構成図柄演出)である偶数リーチとの並行実行ありにおける示唆演出における成功演出を経た疑似連演出を30%の割合で実行する。また、遊技機10は、偶数リーチとの並行実行ありにおける示唆演出における失敗演出を経た疑似連演出なしを30%の割合で実行する。また、遊技機10は、特定演出の一形態(リーチ構成図柄演出)である奇数リーチ(7リーチを除く)との並行実行ありにおける示唆演出における成功演出を経た疑似連演出を20%の割合で実行する。また、遊技機10は、奇数リーチ(7リーチを除く)との並行実行ありにおける示唆演出における失敗演出を経た疑似連演出なしを10%の割合で実行する。また、遊技機10は、特定演出の一形態(リーチ構成図柄演出)である7リーチとの並行実行ありにおける示唆演出における成功演出を経た疑似連演出を9%の割合で実行する。また、遊技機10は、7リーチとの並行実行ありにおける示唆演出における失敗演出を経た疑似連演出なしを1%の割合で実行する。なお、偶数リーチと奇数リーチ(7リーチを除く)と7リーチについては、後で説明する。
すなわち、遊技機10は、7リーチと重複する期間を有する示唆演出を経た場合の予告演出の実行割合を、偶数リーチや奇数リーチ(7リーチを除く)と重複する期間を有する示唆演出を経た場合の予告演出の実行割合よりも大きくする。また、遊技機10は、奇数リーチ(7リーチを除く)と重複する期間を有する示唆演出を経た場合の予告演出の実行割合を、7リーチと重複する期間を有する示唆演出を経た場合の予告演出の実行割合よりも小さくし、偶数リーチと重複する期間を有する示唆演出を経た場合の予告演出の実行割合よりも大きくする。
これにより、遊技機10は、示唆演出と特定演出とが並行実行されるか否かだけでなく、特定演出の形態に応じた予告演出の期待感や信頼度に変化を与え、遊技者が感得する予告内容を多様化することができる。
次に、図106(1)に示す予告実行割合(全体)について説明する。なお、特定演出との並行実行なしにおける示唆演出については、選択肢から省略して図示を簡略するが選択肢に含まれるものであってもよい。
遊技機10は、特定演出の一形態であるショートSPリーチとの並行実行ありにおける示唆演出における成功演出を経た疑似連演出を10%の割合で実行する。また、遊技機10は、ショートSPリーチとの並行実行ありにおける示唆演出における失敗演出を経た疑似連演出なしを60%の割合で実行する。また、遊技機10は、特定演出の一形態であるロングSPリーチとの並行実行ありにおける示唆演出における成功演出を経た疑似連演出を10%の割合で実行する。また、遊技機10は、ロングSPリーチとの並行実行ありにおける示唆演出における失敗演出を経た疑似連演出なしを20%の割合で実行する。なお、ショートSPリーチとロングSPリーチについては、演出時間の大きさの比較で区別されるものであってもよいし、ロングSPリーチがショートSPリーチを経て実行される発展リーチであってもよい。また、ショートSPリーチとロングSPリーチについては、期待度が異なる2つのリーチの一形態であって、必ずしも演出時間が異なることを要しない。ショートSPリーチとロングSPリーチに代わって、演出時間が同じで演出態様、期待度が異なるSPリーチAとSPリーチBであってもよい。なお、期待度は、当りを導出する期待度であってもよいし、当り時に獲得可能な価値の大きさに対する期待度であってもよい。
すなわち、遊技機10は、ロングSPリーチと重複する期間を有する示唆演出を経た場合の予告演出の実行割合を、ショートSPリーチと重複する期間を有する示唆演出を経た場合の予告演出の実行割合よりも大きくする。
これにより、遊技機10は、示唆演出と特定演出とが並行実行されるか否かだけでなく、特定演出の形態に応じた予告演出の期待感や信頼度に変化を与え、遊技者が感得する予告内容を多様化することができる。
まず、図106(2)に示す予告実行割合(全体)について説明する。なお、特定演出との並行実行なしにおける示唆演出については、選択肢から省略して図示を簡略するが選択肢に含まれるものであってもよい。
遊技機10は、特定演出の一形態である演出ストック表示「0」との並行実行ありにおける示唆演出における成功演出を経た疑似連演出を2%の割合で実行する。また、遊技機10は、演出ストック表示「0」との並行実行ありにおける示唆演出における失敗演出を経た疑似連演出なしを18%の割合で実行する。また、遊技機10は、特定演出の一形態である演出ストック表示「1」との並行実行ありにおける示唆演出における成功演出を経た疑似連演出を10%の割合で実行する。また、遊技機10は、演出ストック表示「1」との並行実行ありにおける示唆演出における失敗演出を経た疑似連演出なしを10%の割合で実行する。また、遊技機10は、特定演出の一形態である演出ストック表示「2」との並行実行ありにおける示唆演出における成功演出を経た疑似連演出を14%の割合で実行する。また、遊技機10は、演出ストック表示「2」との並行実行ありにおける示唆演出における失敗演出を経た疑似連演出なしを6%の割合で実行する。また、遊技機10は、特定演出の一形態である演出ストック表示「3」との並行実行ありにおける示唆演出における成功演出を経た疑似連演出を18%の割合で実行する。また、遊技機10は、演出ストック表示「3」との並行実行ありにおける示唆演出における失敗演出を経た疑似連演出なしを2%の割合で実行する。また、遊技機10は、特定演出の一形態である演出ストック表示「4」との並行実行ありにおける示唆演出における成功演出を経た疑似連演出を20%の割合で実行する。また、遊技機10は、演出ストック表示「4」との並行実行ありにおける示唆演出における失敗演出を経た疑似連演出なしを0%の割合で実行する。なお、演出ストック表示「0」,「1」,[2],「3」,「4」については、後で詳しく説明する。
すなわち、遊技機10は、演出ストック表示「4」と重複する期間を有する示唆演出を経た場合の予告演出の実行割合を、演出ストック表示「0」,「1」,[2],「3」と重複する期間を有する示唆演出を経た場合の予告演出の実行割合よりも大きくする。また、遊技機10は、演出ストック表示「3」と重複する期間を有する示唆演出を経た場合の予告演出の実行割合を、演出ストック表示「4」と重複する期間を有する示唆演出を経た場合の予告演出の実行割合よりも小さくし、演出ストック表示「0」,「1」,[2]と重複する期間を有する示唆演出を経た場合の予告演出の実行割合よりも大きくする。また、遊技機10は、演出ストック表示「2」と重複する期間を有する示唆演出を経た場合の予告演出の実行割合を、演出ストック表示「4」,「3」と重複する期間を有する示唆演出を経た場合の予告演出の実行割合よりも小さくし、演出ストック表示「0」,「1」と重複する期間を有する示唆演出を経た場合の予告演出の実行割合よりも大きくする。また、遊技機10は、演出ストック表示「1」と重複する期間を有する示唆演出を経た場合の予告演出の実行割合を、演出ストック表示「4」,「3」,[2]と重複する期間を有する示唆演出を経た場合の予告演出の実行割合よりも小さくし、演出ストック表示「0」と重複する期間を有する示唆演出を経た場合の予告演出の実行割合よりも大きくする。
これにより、遊技機10は、示唆演出と特定演出とが並行実行されるか否かだけでなく、特定演出の形態に応じた予告演出の期待感や信頼度に変化を与え、遊技者が感得する予告内容を多様化することができる。
次に、予告演出の一形態である疑似連演出について、図84を用いて説明した変動表示例に続く表示例として図107を用いて説明する。図107は、第7の実施形態の疑似連演出の表示例を示す図である。
図107(1)に示す表示画面870は、表示画面850に続く表示画面であり、大図柄群841を仮停止表示(たとえば、左図柄「1」、中図柄「3」、右図柄「1」)する。このとき、表示画面870は、疑似連回数表示872を表示することにより疑似連継続を案内する。たとえば、表示画面870は、1回目の仮停止表示であるが、疑似連回数表示872に「2」を表示することで2回目の疑似連変動を予告する。
図107(2)に示す表示画面871は、表示画面870に続く表示画面であり、大図柄群841を再変動表示する。このとき、表示画面871は、疑似連回数表示872を表示することにより継続中の疑似連回数を案内する。たとえば、表示画面871は、2回目の疑似連変動であるが、疑似連回数表示872に「2」を表示することで2回目の疑似連変動の継続回数を案内する。
図107(3)に示す表示画面873は、表示画面871に続く表示画面であり、大図柄群841を仮停止表示(たとえば、左図柄「2」、中図柄「3」、右図柄「2」)する。このとき、表示画面873は、疑似連回数表示872に「3」を表示することにより3回目の疑似連変動を予告する。
以降同様にして、遊技機10は、疑似連回数を予告、案内しながら、疑似連演出を継続することができる。なお、疑似連演出の疑似連継続回数は、演出パターンに応じて任意の回数を設定できる。
また、予告演出の一形態として疑似連演出について説明したが、予告演出は、予告演出機能を有するものであればよく、疑似連演出に限らず、第5の実施形態で説明したような保留変化演出や、第4の実施形態で説明したようなフリーズ演出、その他背景変化や、カットイン、キャラクタを用いた演出等であってもよい。
ここで、疑似連演出(予告演出)に至る前の、タイマ演出(特定演出)と並行する示唆演出について図108を用いて説明する。図108は、第7の実施形態のタイマ演出の表示例(その1)を示す図である。
図108(1)に示す表示画面874は、表示画面850(図84参照)の後の表示画面であって、示唆演出として疑似連煽り演出を実行中の状態を示す。表示画面874は、大図柄群841と、疑似連煽り演出表示852と、タイマ演出表示875を表示内容に含む。疑似連煽り演出表示852は、疑似連煽り演出に関する表示をおこなう。タイマ演出表示875は、所定の演出の始期または終期をタイマ表示により案内する表示である。たとえば、タイマ演出表示875は、当該変動表示ゲームにおける結果導出までの時間が80秒であることをデクリメント表示しながら案内する。表示画面874は、疑似連煽り演出表示852として、虎のようなキャラクタと、「止まれ〜!」という文字を表示する。疑似連煽り演出表示852は、特殊図柄(疑似連図柄)が仮停止するか否かを遊技者に対して煽っている状態、すなわち、疑似連演出が実行される可能性があることを予告している状態を示している。大図柄群841は、左図柄で図柄「3」を仮停止し、右図柄で図柄「5」を仮停止している状態であることを示す。また大図柄群841は、中図柄で疑似連図柄を変動中(表示画面850の態様)とも仮停止状態とも異なる態様で動作(たとえば、低速変動)させ、疑似連図柄が仮停止するか否かを遊技者に対して煽っている状態を示している。
図108(2)に示す表示画面876は、表示画面874の後の表示画面であって、示唆演出(疑似連煽り演出)の成功を示唆している状態(疑似連演出を実行することを示唆している状態)を示す。
表示画面876における疑似連煽り演出表示852は、虎のようなキャラクタと、「成功!!」という文字を表示し、疑似連煽り演出(疑似連図柄の仮停止の成否演出)が成功を導出したこと(疑似連演出に発展すること)を示唆している。表示画面876におけるタイマ演出表示875は、当該変動表示ゲームにおける結果導出までの時間が75.5秒まで進行したことを案内する。なお、タイマ演出表示875が表示する値は、必ずしも正確な時間値に対応することを要せず、単なるカウンタであってもよい。また、タイマ演出表示875は、値を一定速度で更新するものであることを要せず、不定速度で更新するものであってもよい。また、タイマ演出表示875は、値を1ずつ更新することを要せず、可変値で更新するものであってもよい。また、タイマ演出表示875は、値を減算方向に更新することに限らず、加算方向に更新するものであってもよいし、減算と加算を織り交ぜながら更新するものであってもよい。
また、表示画面876における大図柄群841は、左図柄で図柄「3」を仮停止し、右図柄で図柄「5」を仮停止し、中図柄で疑似連図柄を仮停止し、疑似連煽り演出が成功を導出したことを示唆している。この後、遊技機10は、示唆演出を終了し、たとえば、図107に示したような予告演出としての疑似連演出を実行する。
図108(3)に示す表示画面877は、表示画面874の後の表示画面であって、示唆演出(疑似連煽り演出)の失敗を示唆している状態(疑似連演出を実行しないことを示唆している状態)を示す。
表示画面877において疑似連煽り演出表示852は、虎のようなキャラクタと、「失敗…」という文字を表示し、疑似連煽り演出(疑似連図柄の仮停止の成否演出)が失敗(失敗1,失敗2)を導出したことを示唆している。表示画面877におけるタイマ演出表示875は、当該変動表示ゲームにおける結果導出までの時間が75.5秒まで進行したことを案内する。
また、表示画面877において大図柄群841は、左図柄で図柄「3」で仮停止し、右図柄で図柄「5」で仮停止し、中図柄で図柄を変動状態で表示し、疑似連煽り演出が失敗を導出し、疑似連演出に発展しないことを示唆している。なお、疑似連煽り演出の失敗は、併せてその他の展開の示唆、たとえばSPリーチに発展することの示唆または演出が発展しないことの示唆をおこなうものであってもよい。
次に、タイマ演出(特定演出)の表示態様の別例について図109を用いて説明する。図109は、第7の実施形態のタイマ演出の表示例(その2)を示す図である。タイマ演出の表示態様は、その初期表示態様としてのタイマ値や常時表示態様としての背景を変更可能にする。
図109(1)に示すタイマ演出表示875は、初期表示態様としてのタイマ値を「60:00」とし、常時表示態様としての背景を白色とする。タイマ演出表示875は、特定演出の一形態としてタイマ演出を演出する。また、タイマ演出表示875は、常時表示態様としての背景を白色とすることで特定演出の一形態としてタイマ演出(白色)を演出する。
また、図109(2)に示すタイマ演出表示875aは、初期表示態様としてのタイマ値を「30:00」、すなわちタイマ演出(ショート)とし、常時表示態様としての背景を白色とする。タイマ演出表示875aは、初期表示態様としてのタイマ値として小さな値を表示することで特定演出の一形態としてタイマ演出(ショート)を演出する。
また、図109(3)に示すタイマ演出表示875bは、初期表示態様としてのタイマ値を「90:00」、すなわちタイマ演出(ロング)とし、常時表示態様としての背景を白色とする。タイマ演出表示875bは、初期表示態様としてのタイマ値として大きな値を表示することで特定演出の一形態としてタイマ演出(ロング)を演出する。
また、図109(4)に示すタイマ演出表示875cは、初期表示態様としてのタイマ値を「60:00」とし、常時表示態様としての背景を赤色とする。タイマ演出表示875cは、常時表示態様としての背景を赤色とすることで特定演出の一形態としてタイマ演出(赤色)を演出する。
また、図109(5)に示すタイマ演出表示875dは、初期表示態様としてのタイマ値を「60:00」とし、常時表示態様としての背景を金色とする。タイマ演出表示875dは、常時表示態様としての背景を金色とすることで特定演出の一形態としてタイマ演出(金色)を演出する。
なお、タイマ演出(ショート)とタイマ演出(ロング)や、タイマ演出(赤色)とタイマ演出(金色)により予告演出の実行割合を異ならせるとしたがこれに限らない。たとえば、タイマをセットしてからカウントダウン開始までの待機時間(たとえば、待機中と秒数部分に表示されている状態が継続する期間)の長短(タイマ演出(待機時間短)とタイマ演出(待機時間長))によって予告演出の実行割合を異ならせてもよい。また、タイマがセットされる過程(たとえば、00:00から00:01ずつタイマとしてセットされる秒数(たとえば、60秒)までカウントアップするカウントアップ速度が高速か低速か)の長短(タイマ演出(カウントアップ速度低速)とタイマ演出(カウントアップ速度高速))によって予告演出の実行割合を異ならせてもよい。また、タイマの個数が多いか少ないか(タイマ演出(タイマ数少)とタイマ演出(タイマ数多))によって予告演出の実行割合を異ならせてもよい。また、タイマの大きさの大小(タイマ演出(タイマ大)とタイマ演出(タイマ小))によって予告演出の実行割合を異ならせてもよい。また、タイマのカウントダウン中に発生する追加時間(補充秒数)が多いか少ないか(タイマ演出(追加時間多)とタイマ演出(追加時間少))によって予告演出の実行割合を異ならせてもよい。
次に、リーチ構成図柄演出(特定演出)の表示態様について図110を用いて説明する。図110は、第7の実施形態のリーチ時仮停止の表示例を示す図である。リーチ構成図柄演出は、大図柄群841のうちリーチを構成する図柄、たとえば左図柄と右図柄の図柄組合せによる演出である。なお、大図柄群841のうちリーチ構成に関係しないその他の図柄、たとえば中図柄は、仮停止していてもよいし、図柄切替を伴う変動中であってもよい。
図110(1)に示す表示画面878は、たとえば表示画面850(図84参照)の後の表示画面であって、特定演出の一形態としてリーチ構成図柄演出をおこなう表示画面である。表示画面878は、大図柄群841のうちリーチを構成する左図柄と右図柄がそれぞれ「2」を表示し、リーチ構成に関係しない中図柄が「3」を表示する。表示画面878は、左図柄と右図柄がそれぞれ偶数を表示する偶数リーチの一例である。
図110(2)に示す表示画面879は、たとえば表示画面850(図84参照)の後の表示画面であって、特定演出の一形態としてリーチ構成図柄演出をおこなう表示画面である。表示画面879は、大図柄群841のうちリーチを構成する左図柄と右図柄がそれぞれ「5」を表示し、リーチ構成に関係しない中図柄が「3」を表示する。表示画面879は、左図柄と右図柄がそれぞれ奇数を表示する奇数リーチ(7リーチを除く)の一例である。
図110(3)に示す表示画面880は、たとえば表示画面850(図84参照)の後の表示画面であって、特定演出の一形態としてリーチ構成図柄演出をおこなう表示画面である。表示画面880は、大図柄群841のうちリーチを構成する左図柄と右図柄がそれぞれ「7」を表示し、リーチ構成に関係しない中図柄が「3」を表示する。表示画面880は、左図柄と右図柄がそれぞれ奇数を表示する7リーチの一例である。
なお、リーチ構成図柄演出における偶数リーチ、奇数リーチ(7リーチを除く)、7リーチの区分は、リーチ構成図柄演出における区分の一例である。リーチ構成図柄演出における区分は、任意の区分とすることができる。当然、大図柄群841を構成する図柄が数字によらないものであれば、あるいは文字を含むものであっても、キャラクタや背景、色彩等を基準にして区分することができる。
次に、保留変化演出(予告演出)に至る前の、SPリーチ演出(特定演出)と並行する保留変化煽り演出(示唆演出)について図111を用いて説明する。図111は、第7の実施形態のSPリーチ演出の表示例を示す図である。
図111(1)に示す表示画面881は、表示画面850(図84参照)の後の表示画面であって、示唆演出として保留変化煽り演出を実行中の状態を示す。表示画面881は、大図柄群882と、リーチ演出表示883と、保留変化煽り演出表示884を表示内容に含む。大図柄群882は、表示画面850において中央部に表示していた大図柄群841のサイズを縮小して左上隅に退避表示した図柄群表示である。大図柄群882は、リーチを構成する左図柄と右図柄がそれぞれ「7」を仮停止表示し、図柄切替を伴いながらリーチ構成に関係しない中図柄を変動表示する。
リーチ演出表示883は、特定演出の一形態である。大図柄群882がリーチを構成して表示している一方、リーチ演出表示883は、キャラクタ等を伴う表示によりリーチを演出する。たとえば、リーチ演出表示883は、ライオンのようなキャラクタとトラのようなキャラクタとの勝負を介して当りを導出する過程を演出する。
保留変化煽り演出表示884は、示唆演出の一形態である。保留変化煽り演出表示884は、ブタのようなキャラクタが保留消化表示846に働きかける作用表示をおこなう。たとえば、ブタのようなキャラクタは、保留消化表示846が表示する保留消化アイコンを叩くような仕草で保留消化アイコンの変化を促す。
図111(2)に示す表示画面885は、表示画面881の後の表示画面であって、示唆演出として保留変化煽り演出が実行結果を表示する状態を示す。表示画面885における保留変化煽り演出表示884は、ブタのようなキャラクタによる保留消化表示846への働きかけが成功し、保留消化アイコンが変化した様子を示す。たとえば、保留消化アイコンは、白色から赤色に変化することで当り導出の期待度が変化(アップ)したことを示す。表示画面885における保留変化煽り演出表示884は、保留消化アイコンが変化したことを受けてブタのようなキャラクタが喜ぶ様子を示す。
図111(3)に示す表示画面886は、表示画面881の後の表示画面であって、示唆演出として保留変化煽り演出が実行結果を表示する状態を示す。表示画面886における保留変化煽り演出表示884は、ブタのようなキャラクタによる保留消化表示846への働きかけが失敗し、保留消化アイコンが変化しなかった様子を示す。たとえば、保留消化アイコンは、白色のままであり当り導出の期待度に変化がないことを示す。表示画面886における保留変化煽り演出表示884は、保留消化アイコンが変化しなかったことを受けてブタのようなキャラクタが退出する様子を示す。
なお、保留変化煽り演出は、保留消化表示846に代えて、あるいは保留消化表示846に加えて保留表示845について保留変化を煽る演出をおこなうものであってもよい。また、保留消化表示846が表示する保留消化アイコンや保留表示845が表示する保留待機アイコンは、白色と赤色に限らず、青色や黄色、虹色等の期待度や信頼度に応じた表示態様とすることができる。また、保留消化アイコンや保留待機アイコンの表示態様の変化は、色彩に限らず、期待度や信頼度に応じて形状、動作、大きさ、あるいはこれらの組合せからなる表示態様とすることができる。
なお、保留変化煽り演出は、保留消化アイコンや保留待機アイコンの表示態様の変化から期待度や信頼度を演出するだけでなく、保留消化アイコンや保留待機アイコンに働きかける作用表示(たとえば、ブタのようなキャラクタの動作表示)によって期待度や信頼度を演出するものであってもよい。たとえば、保留変化煽り演出は、保留消化アイコンや保留待機アイコンの表示態様の変化とともに表示されるブタのようなキャラクタの動作表示により期待度や信頼度を演出することができる。より具体的には、ブタのようなキャラクタの喜ぶ仕草の大きさにより期待度や信頼度を演出してもよい。また、保留変化煽り演出は、保留消化アイコンや保留待機アイコンの表示態様の変化なしに表示されるブタのようなキャラクタの動作表示により期待度や信頼度を演出するものであってもよい。
次に、特定演出の一形態である演出ストック(演出ストック表示演出)について図112から図114を用いて説明する。図112は、第7の実施形態の演出ストックの表示例を示す図(その1)である。図113は、第7の実施形態の演出ストックの表示例を示す図(その2)である。図114は、第7の実施形態の演出ストックの表示例を示す図(その3)である。
図112(1)に示す表示画面891は、図柄変動中(変動表示ゲーム実行中)の表示画面を示す。表示画面891は、2組の飾り図柄(大図柄群841,小図柄群842)と、保留表示845と、保留消化表示846とを表示内容に含む。
表示画面891において大図柄群841における左図柄と中図柄と右図柄は、高速変動しており、対応する特図変動表示ゲームが変動表示状態であることを示す。表示画面891において小図柄群842における左図柄と中図柄と右図柄は、高速変動しており、対応する特図変動表示ゲームが変動表示状態であることを示す。
表示画面891において保留表示845は、4つの保留記憶表示(アイコン表示)により保留記憶数が「4」であることを示す。
表示画面891において保留消化表示846は、枠内に保留記憶表示(アイコン表示)を表示しており、特図変動表示ゲームが変動表示状態であることを示す。
図112(2)に示す表示画面893は、表示画面891の後の表示画面である。表示画面893における大図柄群841は、左図柄および右図柄が仮停止し、リーチが発生した状態を示す。表示画面893における大図柄群841は、中図柄が高速変動し、左図柄および右図柄が図柄「7」が揺動した状態で仮停止している。すなわち、表示画面893における大図柄群841は、当り目が図柄「7」であるリーチが発生した状態を示す。また、表示画面893は、示唆演出の一形態としての保留変化煽り演出表示884を含む。保留変化煽り演出表示884は、ブタのようなキャラクタが保留消化表示846に働きかける作用表示をおこなう。たとえば、ブタのようなキャラクタは、保留消化表示846が表示する保留消化アイコンを叩くような仕草で保留消化アイコンの変化を促す。
図112(3)に示す表示画面894は、表示画面893の後の表示画面であって、特定演出の一形態であるストック開放演出がおこなわれている状態(開始直後の状態)を示す。
表示画面894は、演出機会ストック表示896と、ストック開放演出表示895と、演出態様ストック表示897と、を表示内容に含む。演出機会ストック表示896は、消火器の態様のアイテムを示す消火器画像(演出機会ストックを示す画像)を4つ表示しており、これにより所定の演出(炎を消火する演出)の機会が4回あることを示している。4つの消火器画像表示は、演出ストック表示「4」に対応する。なお、消火器画像表示が3つであれば演出ストック表示「3」に対応し、2つであれば演出ストック表示「2」に対応し、1つであれば演出ストック表示「1」に対応し、演出ストック表示がなければ「0」に対応する。
表示画面894は、示唆演出の一形態としての保留変化煽り演出表示884と、特定演出の一形態であるストック開放演出(演出ストック表示「0」から「4」)とが並行して実行される様子を示す。表示画面894における保留変化煽り演出表示884は、ブタのようなキャラクタによる保留消化表示846への働きかけが成功し、保留消化アイコンが変化した様子を示す。なお、保留変化煽り演出表示884は、演出機会ストック表示896や、ストック開放演出表示895、演出態様ストック表示897の表示態様に応じて示唆演出における成否演出の成否確率を違えることができる。また、保留変化煽り演出表示884は、演出機会ストック表示896や、ストック開放演出表示895、演出態様ストック表示897の表示態様に応じて示唆演出成功後の予告演出の報知内容を違えることができる。
ここまでで、示唆演出と予告演出が終了するが、示唆演出と予告演出が終了した後の演出ストック表示演出について継続して説明する。演出機会ストック表示896は、ストック開放演出の開始とともに、所定の演出(炎を消火する演出)がおこなわれる機会(回数)を示唆(明示)する演出機会ストックを、演出回数に応じた数だけ保持(表示)した状態で表示され始める。表示画面894におけるストック開放演出表示895は、「炎を消火しろ!!」という文字を表示し、ストック開放演出の概要を遊技者に対して案内する。表示画面894における演出態様ストック表示897は、炎の態様のアイテムを示す炎画像(演出態様ストックを示す画像)を3つと、プッシュボタン25の態様のアイテムを示すプッシュボタン画像(演出態様ストック)を表示する。
たとえば、プッシュボタン25の態様のアイテムは、プッシュボタン操作演出がおこなわれることを示唆し、炎の態様のアイテムは、プッシュボタン操作演出がおこなわれない(プッシュボタン操作演出をキャンセルする)ことを示唆する。言い換えれば、炎の態様のアイテムは、プッシュボタン操作演出が実行されなくなってしまうこと(後にプッシュボタン操作演出が実行される場面があるものの、その場面においてプッシュボタン操作演出が実行されない可能性があること)を示唆する。すなわち、炎の態様のアイテムは、ネガティブな内容を示唆する演出態様ストックである。
すなわち、表示画面894における演出態様ストック表示897は、現状のままストック開放演出が終了した場合、ストック消費演出としてプッシュボタン操作演出がおこなわれないこと(プッシュボタン操作演出に発展しないこと)を示している。
演出態様ストック表示897は、ストック開放演出の開始とともに、ストック消費演出の演出態様を示唆する演出態様ストックを保持(表示)した状態で表示され始める。
図113(1)に示す表示画面898は、表示画面894の後の表示画面であって、ストック開放演出がおこなわれている状態を示す。
表示画面898は、ストック開放演出表示895は、プッシュボタンが手で押されている様子を表示する画像と、「押せ!」という文字と、タイマとを表示し、遊技者に対してプッシュボタン25の操作をおこなうタイミングであることを案内し、プッシュボタン25の操作を促している。また、表示画面898においてストック開放演出表示895は、「チャンスは後4回!!」という文字を表示し、ストック開放演出における残りのストック開放回数を案内している。
また、表示画面898において演出機会ストック表示896は、4つの消火器画像(演出機会ストックを示す画像)のうち1つを半透明表示しており、現在、当該消火器画像(演出機会ストック)に対応する所定の演出が進行中であることを示している。
図113(2)に示す表示画面899は、表示画面898の後の表示画面であって、ストック開放演出がおこなわれている状態を示す。
表示画面899では、ストック開放演出表示895は、「チャンスは後3回!」という文字を表示し、ストック開放演出における残りのストック開放回数を案内している。また、表示画面899では、演出機会ストック表示896は、3つの消火器画像を表示しており(半透明表示されていた消火器画像がなくなっており)、1つ目の演出機会ストックに対応するストック開放(所定の演出)が終了したことを示している。
なお、表示画面899では、演出機会ストック表示896は、半透明表示されていた消火器画像を表示していた部分を空欄表示とした状態とし、表示領域(大きさ)を変更していない。このように、表示領域を維持することで、遊技機10は、ストック開放演出中において追加の演出機会ストックが付与される期待感を遊技者に与えることができる。
また、表示画面899では、演出態様ストック表示897は、2つの炎画像(演出態様ストックを示す画像)と、1つのプッシュボタン画像(演出態様ストックを示す画像)を表示しており、1つの炎画像(ネガティブな内容を示唆する演出態様ストック)の除去(炎の消火)に成功したこと、すなわち、残り3つのストック開放により2つの炎画像の除去に成功すれば、ストック消費演出としてプッシュボタン操作演出がおこなわれることを示している。
図113(3)に示す表示画面900は、表示画面899の後の表示画面であって、ストック開放演出がおこなわれている状態を示す。より具体的には、表示画面900は、ストック開放演出における最後のストック開放がおこなわれている状態を示す。
表示画面900では、ストック開放演出表示895は、プッシュボタンが手で押されている様子を表示する画像と、「押せ!」という文字と、タイマとを表示し、遊技者に対してプッシュボタン25の操作をおこなうタイミングであることを案内し、プッシュボタン25の操作を促している。また、表示画面900では、ストック開放演出表示895は、「ラストチャンスだ!!」という文字を表示し、ストック開放演出における残りのストック開放回数を案内している。また、表示画面900では、演出機会ストック表示896は、半透明表示の1つの消火器画像だけを表示しており、現在、当該消火器画像に対応する所定の演出が進行中であることを示している。
図114(1)に示す表示画面901は、表示画面900の後の表示画面であって、ストック開放演出によって炎画像(ネガティブな内容を示唆する演出態様ストック)が全て除去できなかった場合の状態を示す。
表示画面901では、ストック開放演出表示895は、「消火失敗!!」という文字を表示し、ストック開放演出によって炎画像(ネガティブな内容を示唆する演出態様ストック)が除去できなかったことを案内している。また、表示画面901では、演出態様ストック表示897は、半透明表示のプッシュボタン画像と、炎画像を表示しており、炎によってプッシュボタンが消滅している様子を示している。すなわち、演出態様ストック表示897は、ストック消費演出として、プッシュボタン操作演出がおこなわれないこと(プッシュボタン操作演出に発展しないこと)を示している。
その後、遊技機10は、ストック消費演出を開始し、演出態様ストック表示897の表示態様にもとづく演出をおこなう(たとえば、通常の図柄変動を表示する(表示画面893に移行した後、中図柄を変動停止させる))。
図114(2)に示す表示画面902は、表示画面900の後の表示画面であって、ストック開放演出によって炎画像(ネガティブな内容を示唆する演出態様ストック)が全て除去できた場合の状態を示す。
表示画面902では、ストック開放演出表示895は、「消火成功!!」という文字を表示し、ストック開放演出によって炎画像(ネガティブな内容を示唆する演出態様ストック)が除去できたことを案内している。また、表示画面902では、演出態様ストック表示897は、プッシュボタン画像だけを表示しており、炎画像が除去された様子を示している。すなわち、演出態様ストック表示897は、ストック消費演出として、プッシュボタン操作演出がおこなわれること(プッシュボタン操作演出に発展すること)を示している。
その後、遊技機10は、ストック消費演出を開始し、演出態様ストック表示897の表示態様にもとづくストック消費演出としてプッシュボタン操作演出をおこなう。
以上が第7の実施形態の遊技機10におけるストック演出である。このように遊技機10は、ストック開放演出において演出態様ストックを追加していくのに替えて、演出態様ストックを減らしていくストック演出(予告報知)をおこなうことができる。
また、上記演出においては、ストック付与演出により演出機会ストックをおこなわなかったが(演出を伴わずに演出機会ストックを付与したが)これに限らず、遊技機10は、ストック付与演出をおこない演出機会ストックを付与してもよい。
なお、この場合に、たとえば、遊技機10は、演出に伴って演出機会ストックを付与していくストック付与演出に替えて演出に伴って演出機会ストックを剥奪していくストック剥奪演出をおこなってもよい。
たとえば、遊技機10は、所定数(たとえば、5つ)の演出機会ストックを付与した状態からストック剥奪演出を開始し、ストック剥奪演出の進行に伴って演出機会ストックを剥奪していき、ストック剥奪演出終了時に残った演出機会ストックの回数だけ、ストック開放演出をおこなうようにすればよい。
また、遊技機10は、ストック付与演出とストック剥奪演出とを両方ともにおこなってもよいし、たとえば、リール演出の結果としてプッシュボタン画像を形成した場合には付与し、ドクロ画像を形成した場合には剥奪する演出をおこなってもよい。これによれば、遊技機10は、演出の多様性を向上させることができ、マンネリ化を防止し、遊技の興趣を向上できる。
また、遊技機10は、第1特定演出(たとえば、ショートタイマ演出)と、第1特定演出と異なる第2特定演出(たとえば、ロングタイマ演出)とを実行可能であり、第1示唆演出(たとえば、疑似連煽り失敗演出)と、第1示唆演出より強く予告演出の実行を示唆する第2示唆演出(たとえば、疑似連煽り成功演出)とを実行可能であるとき、第1特定演出と第2示唆演出とを重複して実行する第1確率(たとえば、90%)と、第2特定演出と第2示唆演出とを重複して実行する第2確率(たとえば、50%)とを違えるようにしてもよい。たとえば、遊技機10は、示唆演出が成否演出であるときに第1示唆演出を失敗演出とし、第2示唆演出を成功演出とすることができる。また、示唆演出が、期間、領域、大きさ、数等の比較可能な演出パラメータを有する演出であるときに、第1示唆演出を小規模演出(たとえば、短期間、小領域、小さい演出要素、少ない演出要素等を含む演出)とし、第2示唆演出を大規模演出(たとえば、長期間、大領域、大きい演出要素、多い演出要素等を含む演出)とすることができる。
上述した第7の実施形態の遊技機10(変形例を含む)は、一側面において以下のような特徴を有する。
(1) 遊技機10は、予告演出(たとえば、疑似連演出)を実行可能な予告演出手段(遊技制御装置100、演出制御装置300)と、成否演出の成否に関連して予告演出の実行を示唆する示唆演出(たとえば、疑似連煽り演出)を実行可能な示唆演出手段(遊技制御装置100、演出制御装置300)と、示唆演出と重複する期間で、ゲームの結果の導出過程を演出する特定演出(たとえば、タイマ演出)を実行可能な特定演出手段(遊技制御装置100、演出制御装置300)と、を含む。示唆演出手段は、特定演出と重複する期間を有する第1の成否演出(たとえば、タイマ演出と並行して実行される疑似連煽り演出)、または特定演出と重複する期間を有しない第2の成否演出(たとえば、タイマ演出と並行して実行されない疑似連煽り演出)を実行可能であり、第1の成否演出の成功を経て示唆演出を実行する第1の確率(たとえば、90%)を、第2の成否演出の成功を経て示唆演出を実行する第2の確率(たとえば、50%)よりも大きくする(図101参照)。
(2) 遊技機10は、予告演出(たとえば、疑似連演出)を実行可能な予告演出手段(遊技制御装置100、演出制御装置300)と、成否演出の成否に関連して予告演出の実行を示唆する示唆演出(たとえば、疑似連煽り演出)を実行可能な示唆演出手段(遊技制御装置100、演出制御装置300)と、示唆演出と重複する期間で、ゲームの結果の導出過程を演出する特定演出(たとえば、タイマ演出)を実行可能な特定演出手段(遊技制御装置100、演出制御装置300)と、を含む。特定演出手段は、第1の演出態様の第1特定演出(たとえば、タイマ演出(ロング))、または第1の演出態様と異なる第2の演出態様の第2特定演出(たとえば、タイマ演出(ショート))を実行可能である。示唆演出手段は、第1特定演出と重複する期間を有する第1の成否演出(たとえば、タイマ演出(ロング)と並行して実行される疑似連煽り演出)、または第2特定演出と重複する期間を有する第2の成否演出(たとえば、タイマ演出(ショート)と並行して実行される疑似連煽り演出)を実行可能であり、第1の成否演出の成功を経て示唆演出を実行する第1の確率(たとえば、75%)と、第2の成否演出の成功を経て示唆演出を実行する第2の確率(たとえば、50%)とを違える(図104参照)。
(3) 遊技機10は、予告演出(たとえば、疑似連演出)を実行可能な予告演出手段(遊技制御装置100、演出制御装置300)と、成否演出の成否に関連して予告演出の実行を示唆する示唆演出(たとえば、疑似連煽り演出)を実行可能な示唆演出手段(遊技制御装置100、演出制御装置300)と、示唆演出と重複する期間で、ゲームの結果の導出過程を演出する特定演出(たとえば、タイマ演出)を実行可能な特定演出手段(遊技制御装置100、演出制御装置300)と、を含む。特定演出手段は、第1の演出態様の第1特定演出(たとえば、タイマ演出(ロング))、または第1の演出態様と異なる第2の演出態様の第2特定演出(たとえば、タイマ演出(ショート))を実行可能である。示唆演出手段は、特定演出と重複する期間を有する第1の成否演出(たとえば、タイマ演出と並行して実行される疑似連煽り演出)、または特定演出と重複する期間を有しない第2の成否演出(たとえば、タイマ演出と並行して実行されない疑似連煽り演出)を実行可能であり、第1の成否演出の成功を経て示唆演出を実行する第1の確率(たとえば、60%(=(15+15)/(15+15+15+5)))を、第2の成否演出の成功を経て示唆演出を実行する第2の確率(たとえば、40%)よりも大きくするとともに、第1の成否演出のうち第1特定演出と重複する期間を有する第3の成否演出(たとえば、タイマ演出(ロング)と並行して実行される疑似連煽り演出)、または第2特定演出と重複する期間を有する第4の成否演出(たとえば、タイマ演出(ショート))を実行可能であり、第3の成否演出の成功を経て示唆演出を実行する第3の確率(たとえば、75%)と、第4の成否演出の成功を経て示唆演出を実行する第4の確率(たとえば、50%)とを違える(図104参照)。
(4) 遊技機10は、予告演出(たとえば、疑似連演出)を実行可能な予告演出手段(遊技制御装置100、演出制御装置300)と、予告演出の実行を示唆する示唆演出(たとえば、疑似連煽り演出)を実行可能な示唆演出手段(遊技制御装置100、演出制御装置300)と、示唆演出と重複する期間で特定演出(たとえば、タイマ演出)を実行可能な特定演出手段(遊技制御装置100、演出制御装置300)と、を含む。示唆演出手段は、示唆演出が特定演出態様となることで予告演出の実行を示唆可能であり、特定演出と重複して実行する示唆演出(たとえば、タイマ演出と並行して実行される疑似連煽り演出)が特定演出態様である第1の確率(たとえば、90%)を、特定演出と重複せずに実行する示唆演出(たとえば、タイマ演出と並行して実行されない疑似連煽り演出)が特定演出態様である第2の確率(たとえば、50%)よりも大きくする(図101参照)。
(5) 遊技機10は、予告演出(たとえば、疑似連演出)を実行可能な予告演出手段(遊技制御装置100、演出制御装置300)と、予告演出の実行を示唆する示唆演出(たとえば、疑似連煽り演出)を実行可能な示唆演出手段(遊技制御装置100、演出制御装置300)と、示唆演出と重複する期間で、特定演出(たとえば、タイマ演出)を実行可能な特定演出手段(遊技制御装置100、演出制御装置300)と、を含む。特定演出手段は、第1の演出態様の第1特定演出(たとえば、タイマ演出(ロング))、または第1の演出態様と異なる第2の演出態様の第2特定演出(たとえば、タイマ演出(ショート))を実行可能である。示唆演出手段は、示唆演出が特定演出態様となることで予告演出の実行を示唆可能であるとともに、第1特定演出または第2特定演出と重複して示唆演出を実行可能であり、第1特定演出と重複して実行する示唆演出が特定演出態様である第1の確率(たとえば、75%)と、第2特定演出と重複して実行する示唆演出が特定演出態様である第2の確率(たとえば、50%)とを違える(図104参照)。
(6) 遊技機10は、予告演出(たとえば、疑似連演出)を実行可能な予告演出手段(遊技制御装置100、演出制御装置300)と、予告演出の実行を示唆する示唆演出(たとえば、疑似連煽り演出)を実行可能な示唆演出手段(遊技制御装置100、演出制御装置300)と、示唆演出と重複する期間で特定演出(たとえば、タイマ演出)を実行可能な特定演出手段(遊技制御装置100、演出制御装置300)と、を含む。示唆演出手段は、示唆演出が特定演出態様となることで予告演出の実行を示唆可能であり、特定演出と重複して実行する示唆演出(たとえば、タイマ演出と並行して実行される疑似連煽り演出)が特定演出態様である第1の確率(たとえば、90%)と、特定演出と重複せずに実行する示唆演出(たとえば、タイマ演出と並行して実行されない疑似連煽り演出)が特定演出態様である第2の確率(たとえば、50%)とを違える(図101参照)。
(7) 遊技機10は、予告演出(たとえば、疑似連演出)を実行可能な予告演出手段(遊技制御装置100、演出制御装置300)と、予告演出の実行を示唆する示唆演出(たとえば、疑似連煽り演出)を実行可能な示唆演出手段(遊技制御装置100、演出制御装置300)と、示唆演出と重複する期間で特定演出(たとえば、タイマ演出)を実行可能な特定演出手段(遊技制御装置100、演出制御装置300)と、を含む。特定演出手段は、第1特定演出(たとえば、ショートタイマ演出)と、第1特定演出と異なる第2特定演出(たとえば、ロングタイマ演出)とを実行可能である。示唆演出手段は、第1示唆演出(たとえば、疑似連煽り失敗演出)と、第2示唆演出(たとえば、疑似連煽り成功演出)とを実行可能であり、第1特定演出と第2示唆演出とを重複して実行する第1確率(たとえば、90%)と、第2特定演出と第2示唆演出とを重複して実行する第2確率(たとえば、50%)とを違える(図101参照)。
(8) (7)の第2示唆演出は、第1示唆演出(たとえば、10%の信頼度で予告演出の実行を示唆)よりも高い信頼度で予告演出の実行を示唆する演出(たとえば、90%の信頼度で予告演出の実行を示唆)である。
なお、上記の処理機能は、コンピュータによって実現することができる。その場合、実施形態の遊技機が有すべき機能の処理内容を記述したプログラムが提供される。そのプログラムをコンピュータで実行することにより、上記処理機能がコンピュータ上で実現される。処理内容を記述したプログラムは、コンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録しておくことができる。コンピュータで読み取り可能な記録媒体としては、磁気記憶装置、光ディスク、光磁気記録媒体、半導体メモリ等がある。磁気記憶装置には、ハードディスク装置(HDD)、フレキシブルディスク(FD)、磁気テープ等がある。光ディスクには、DVD(Digital Versatile Disk)、DVD−RAM、CD(Compact Disk)−ROM/RW(ReWritable)等がある。光磁気記録媒体には、MO(Magneto-Optical disk)等がある。
プログラムを流通させる場合には、たとえば、そのプログラムが記録されたDVD、CD−ROM等の可搬型記録媒体が販売される。また、プログラムをサーバコンピュータの記憶装置に格納しておき、ネットワークを介して、サーバコンピュータから他のコンピュータにそのプログラムを転送することもできる。
プログラムを実行するコンピュータは、たとえば、可搬型記録媒体に記録されたプログラムもしくはサーバコンピュータから転送されたプログラムを、自己の記憶装置に格納する。そして、コンピュータは、自己の記憶装置からプログラムを読み取り、プログラムにしたがった処理を実行する。なお、コンピュータは、可搬型記録媒体から直接プログラムを読み取り、そのプログラムにしたがった処理を実行することもできる。また、コンピュータは、ネットワークを介して接続されたサーバコンピュータからプログラムが転送されるごとに、逐次、受け取ったプログラムにしたがった処理を実行することもできる。
また、上記の処理機能の少なくとも一部を、DSP(Digital Signal Processor)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、PLD(Programmable Logic Device)等の電子回路で実現することもできる。
なお、本発明の遊技機は、遊技機として、開示した実施形態に示されるようなパチンコ遊技機に限られるものではなく、たとえば、その他のパチンコ遊技機、アレンジボール遊技機、雀球遊技機等の遊技球を使用するすべての遊技機、およびメダルを使用する遊技機であるスロットマシンに適用可能である。
また、開示した実施形態はすべての点で例示されるものであって制限的なものではないと考えられるべきである。また、上述の実施形態および変形例の各構成を組み合わせて適用してもよい。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。