JP5224827B2 - タングおよびこれを用いたシートベルト装置 - Google Patents

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Description

本発明は、自動車等の車両に装備され、シートベルトにより乗員を拘束するシートベルト装置であって、シートベルトに摺動可能に支持されかつ車体等に固定されたバックルに係合されるタングおよびこれを用いたシートベルト装置の技術分野に関するものである。
従来から自動車等の車両シートに付設されているシートベルト装置は、衝突時等の車両に大きな減速度が作用した場合のような緊急時に、シートベルトで乗員を拘束している。
この種のシートベルト装置として、一般に3点式シートベルト装置が広く知られ、多用されている。周知の一般的な3点式シートベルト装置は、シートベルトリトラクタから引き出されかつ先端が車体に固定されたシートベルトがベルトガイドで乗員の方へガイドされ、ガイドされたシートベルトに摺動可能に支持されたタングを車体に固定されたバックルに係合することで、シートベルトが乗員に装着されるようになっている。その場合、ベルトガイドとタングとの間のシートベルトが乗員の肩および胸に装着されるショルダーベルトとして機能し、また、車体に固定された一端とタングとの間のシートベルトが乗員のラップ(腰)に装着されるラップベルトとして機能する。
そして、車両衝突等の車両にきわめて大きな減速度が作用する緊急時には、シートベルトリトラクタの緊急ロック機構が作動してシートベルトの引き出しを阻止して乗員の慣性による前方移動を防止することにより、乗員を拘束する。特に、近年では、シートベルトリトラクタはプリテンショナーを備え、緊急事態発生時にこのプリテンショナーが作動してシートベルトをシートベルトリトラクタで巻き取ることによりシートベルトの緩みを迅速になくして乗員の前方移動をできるだけ少なくし、乗員の拘束効果を向上している。更に、シートベルトリトラクタはエネルギ吸収(EA)機構を備え、このエネルギ吸収機構により緊急ロック機構の作動時にシートベルトを若干の所定量引き出し可能にして、乗員のシートベルトに対する衝撃エネルギを吸収緩和している。
ところで、このようなシートベルト装置においては、一般に、緊急時にシートベルトリトラクタの緊急ロック機構が作動しても、乗員の慣性力でラップベルトが若干伸びて乗員が前方へ移動してしまい、乗員の拘束を効果的に行うことが難しくなる。その場合、前述のようにプリテンショナーで緊急事態発生時にベルトの緩みを除去してもプリテンショナーの作動終了後に同様にしてラップベルトが伸び出してしまう。
そこで、タング本体にロック部材を回動または移動可能に設けて、緊急時にシートベルトの引っ張り力でロック部材を回動または移動させて、シートベルトをタング本体との間に挟圧することで、シートベルトの伸び出しを防止したシートベルト装置が、種々提案されている(例えば、特許文献1、2、3参照)。
このように、緊急時にロック部材でシートベルトの伸び出しを防止することで、シートベルトによる乗員の拘束性が高められる。
特開平8−080803号公報。 特開2001−047967号公報。 特開2006−182103号公報。
しかしながら、特許文献1ないし3等に開示されているシートベルト装置においては、いずれも、緊急時にシートベルトをロック部材で挟圧するため、シートベルトに大きな挟圧力が加えられるという問題がある。
また、シートベルトの伸び出しをロックするため、シートベルトから乗員に大きな力が加えられるという問題もある。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、その目的は、緊急時にシートベルトを挟圧することなく、シートベルトによる乗員の拘束性を向上することのできるタングおよびこれを用いたシートベルト装置を提供することである。
また、本発明の目的はこれに加えて、シートベルトから乗員に加えられる力を抑制することのできるタングおよびこれを用いたシートベルト装置を提供することである。
前述の課題を解決するために、本発明のタングは、ベルト挿通孔を有するとともに前記ベルト挿通孔にシートベルトが挿通されることで前記シートベルトに摺動可能に支持されかつバックルに係合されるタングにおいて、前記ベルト挿通孔の一側縁を形成するとともに前記シートベルトが摺動する摺動部が設けられ、前記摺動部における前記シートベルトと前記タングとの間の摩擦が通常時では小さく、車両衝突時等の車両に大きな減速度が作用する緊急時に大きく設定変更する摩擦変更手段が設けられており、前記摩擦変更手段が、前記摺動部に設けられた凹凸面で形成されており、前記凹凸面が、通常時は前記シートベルトが前記凹凸面の凸部の頂点に摺動可能に当接されて前記凹凸面の凹面内にめり込まないとともに、緊急時は前記シートベルトの張力で前記シートベルトが前記凹面内にめり込むようになっている凹凸面であり、前記凹凸面が溝から形成されているとともに、前記溝が前記ベルト挿通孔の長手方向の軸方向溝と周方向溝とからなることを特徴としている。
また、発明のタングは、前記摩擦変更手段が、前記通常時は前記シートベルトと前記タングとの接触面積を小さく、前記緊急時は前記接触面積を大きく設定する接触面積変更手段であることを特徴としている。
更に、本発明のタングは、前記軸方向溝と前記周方向溝とは直交することを特徴としている。
更に、発明のタングは、前記軸方向溝が前記周方向溝より深いことを特徴としている。
更に、発明のタングは、前記タングより前記シートベルトの先端側であるラップベルト方向の前記シートベルトの引張り力が予め設定された設定荷重より大きいときに、前記摩擦変更手段より大きく設定変更された前記摩擦に抗して前記ラップベルトが伸び出し可能にされていることを特徴としている。
一方、発明のシートベルトは、シートベルトと、このシートベルトを巻き取るシートベルトリトラクタと、前記シートベルトに摺動可能に支持されたタングと、このタングが挿入係合されるバックルとを少なくとも備え、前記タングを前記バックルに挿入係合することで前記シートベルトが乗員に装着されるシートベルト装置において、前記タングが前述の本発明のタングのいずれか1のタングからなることを特徴としている。
このように構成された本発明に係るタングによれば、通常時には、シートベルトは摩擦変更手段の凹凸面の凸部の頂点に摺動可能に当接されて凹凸面の凹面内にほとんどめり込まない。これにより、シートベルトとタングとの間の摺動部における摩擦小さく設定されるので、タングをシートベルトに対して容易にかつ滑らかに摺動させることができる。したがって、通常時のタングの取り扱いを容易にすることができる。
また、緊急時には、シートベルトはこのシートベルトの張力で摩擦変更手段の、ベルト挿通孔の長手方向の軸方向溝と周方向溝とから形成される凹凸面の凹面内にめり込むようになる。これにより、シートベルトとタングとの間の摺動部における摩擦が大きく設定されるので、ラップベルトの伸び出し等のシートベルトの摺動を効果的に抑制することができる。これにより、緊急時のシートベルトによる乗員拘束性を向上することができ、シートベルトの乗員拘束機能をより一層十分に発揮させることができる。しかも、緊急時に、従来のようにシートベルトを挟圧することはないので、シートベルトに挟圧力を加えることはなく、シートベルトの耐久性をより一層向上させることができる。
特に、発明のタングによれば、ラップベルト方向のシートベルトの引張り力が予め設定された設定荷重より大きいときに、摩擦変更手段より大きく設定変更された摩擦に抗してラップベルトを伸び出し可能にしているので、緊急時にシートベルトによって乗員を拘束しても、シートベルトから乗員に加えられる力を抑制することができる。
更に、発明のシートベルト装置によれば、本発明のタングを用いていることで、通常時のタングのシートベルトに対する摺動を容易にかつ滑らかにできるとともに、緊急時のシートベルトのタングに対する摺動を効果的に抑制できるので、シートベルトの装着性をより一層向上することができる。
以下、図面を用いて本発明を実施するための最良の形態について説明する。
図1は本発明に係るタングを備えたシートベルト装置の実施の形態の一例を模式的に示す図である。
図1に示すように、この例のシートベルト装置は従来と同様の三点式のシートベルト装置1である。このシートベルト装置1は、車体に固定されたシートベルトリトラクタ2、シートベルトリトラクタ2から引き出されるとともに先端のベルトアンカー3aが車体の床あるいは車両シート4に固定されるシートベルト3、車体(図示例ではセンターピラー5)に設けられてシートベルトリトラクタ2から引き出されたシートベルト3を乗員(不図示)のショルダーの方へガイドするベルトガイドアンカー6、ベルトガイドアンカー6からガイドされてきたシートベルト3に摺動自在に支持されたタング7、車体の床あるいは車両シート4に固定されかつタング7が係脱可能に挿入係合されるバックル8から構成されている。
そして、シートベルト3の非装着時では、タング7がバックル8に係合されず、シートベルト3はシートベルトリトラクタ2の全量を巻き取られている。また、シートベルト3の乗員への装着時では、シートベルト3はシートベルトリトラクタ2から所定量引き出される。そして、タング7のバックル挿入部11がバックル8に挿入されるとともにバックル8のラッチ部材(不図示)がバックル挿入部11の係合孔12に進入することで、タング7がバックル8に係合される。
シートベルト3の乗員への装着状態において、車両に前述の大きな減速度が加えられない通常時は、シートベルト3は通常のベルト引出し速度で自由に引出し可能であるとともに、シートベルト3から手を放すと余分に引き出された分、シートベルトリトラクタ2に巻き取られる。その場合、ベルトガイドアンカー6とタング7との間のシートベルト3の部分が乗員の肩および胸を拘束するショルダーベルト3bであり、ベルトアンカー3aとタング7との間のシートベルト3の部分が乗員の脚を拘束するラップベルト3cである(図1に、ベルト非装着状態であるが、説明の便宜上、対応する個所に符号3b,3cを示す)。
シートベルト3の装着状態において、車両に前述の大きな減速度が加えられた緊急時は、シートベルトリトラクタ2がシートベルト3の引出しをロックし、シートベルト3は乗員を拘束して乗員の慣性移動を阻止する。なお、この例のシートベルトリトラクタ2は、一般のシートベルトリトラクタと同様に、シートベルト3が通常のベルト引出し速度よりかなり速いベルト引出し速度で引き出されたときも、シートベルト3の引出しをロックするようになっている。また、シートベルトリトラクタ2は、図示しないが前述のプリテンショナーおよびEA機構を備えている。なお、本発明では、これらのプリテンショナーおよびEA機構は省略することもできる。
図2(a)はこの例のシートベルト装置に用いられている本発明のタングの実施の形態の第1例を模式的に示す斜視図、図2(b)はこのタングの通常時の作用を説明する部分拡大断面図、図2(c)はこのタングの緊急時の作用を説明する部分拡大断面図である。
図2(a)ないし(c)に示すように、この第1例のタング7は、金属製のT字状のタングプレート9およびこのタングプレート9の把持部に対応する部分を樹脂で被覆した樹脂モールド部10からなっている。タングプレート9の金属には、従来タングに普通に用いられている金属を用いることができる。このタングプレート9の樹脂モールド部10に直交する部分はバックル8に挿入可能なバックル挿入部11であり、このバックル挿入部11にはバックル8のラッチ(不図示)に係合可能な矩形状の係合孔12が形成されている。
また、タングプレート9の樹脂モールド部10に平行する部分には、シートベルト3が挿通されるベルト挿通孔13が形成されている。このベルト挿通孔13の樹脂モールド部10側の縁はこの樹脂モールド部10で覆われている。
樹脂モールド部10の樹脂には、従来タングのモールドに普通に使用されている樹脂を用いることができる。この樹脂モールド部10は、タングプレート9に関してショルダーベルト3b側の部分およびベルト挿通孔13に対応する部分が円弧状に形成されているとともに、タングプレート9に関してラップベルト3c側の部分が楕円弧状に形成されている。そして、樹脂モールド部10は全体として軸状に延設されている。
ショルダーベルト3b側の樹脂モールド部10の部分およびベルト挿通孔13に対応する部分には、樹脂モールド部10の軸方向(長手方向)に延びる多数の軸方向溝14が円周方向に所定の間隔を置いて設けられているとともに、樹脂モールド部10の円周方向に延びる多数の周方向溝15が軸方向に所定の間隔を置いて設けられている。多数の軸方向溝14と多数の周方向溝15は互いに直交して設けられるとともに、各軸方向溝14の方が各周方向溝15より深く形成されている。したがって、ショルダーベルト3b側の樹脂モールド部10の部分およびベルト挿通孔13に対応する部分は、凹凸面とされている。なお、これらの溝14,15は、ラップベルト3c側の樹脂モールド部10の部分にも、設けることができる。
そして、図2(b)に示すように、シートベルト3の非装着状態およびシートベルト3の装着状態の通常時は、ショルダーベルト3bおよびベルト挿通孔13に位置するシートベルト3は、軸方向溝14および周方向溝15間のいくつかの凸部の頂点に摺動可能に当接されている。この状態では、シートベルト3とタング7の樹脂モールド部10との間の摩擦は小さい。したがって、シートベルト3のこの状態では、シートベルト3は、タングに7に対してショルダーベルト3bの方向αおよびラップベルト3cの方向βのいずれの方向にも容易にかつ滑らかに摺動するようになる。
また、前述の緊急時には、図示しないプリテンショナーの作動によりシートベルトリトラクタ2がシートベルト3を所定量巻き取って乗員を比較的強く拘束した後、シートベルト3の引出しをロックする。次いで、図(c)に示すように乗員が慣性移動しようとしてシートベルト3がラップベルト3cの方向βに引っ張られようとする。しかし、このとき、シートベルト3はその張力により軸方向溝14および周方向溝15にめり込むようになる。このため、シートベルト3とタング7の樹脂モールド部10との間の摩擦が大きくなり、シートベルト3はラップベルト3cの方向βに容易に伸び出さない。これにより、乗員の腰がラップベルト3cによって堅固に拘束される。このように、軸方向溝14および周方向溝15は、本発明の摩擦変更手段を構成している。
そして、シートベルト3のラップベルト3cの方向βの引っ張り力が、予め設定された設定荷重より大きいと、シートベルト3がタング7の樹脂モールド部10に対して、シートベルト3とタング7の樹脂モールド部10との間の摩擦に抗して滑るようになる。これにより、シートベルト3のベルト張力の増大が停止して一定(またはほぼ一定)となり、シートベルト3から乗員へ加えられる力が抑制される。この設定荷重時の一定のベルト張力Fcは、図3に点線で示す従来のワンウェイベルト方式(緊急時に、シートベル3がラップベルト3c側からショルダーベルト3b側にのみ伸び出す方式)のタングにおいて生じるような最大のピーク値Fmaxより小さく設定されている。
このような緊急時におけるシートベルト3に対するタング7の作用について、より具体的に説明する。
図3に一点鎖線で示すように、ラップベルト3cのベルト張力は、前述の緊急時にプリテンショナーの作動で、通常時の装着状態からシートベルト3がシートベルトリトラクタ2に巻き取られるため増大開始する。このとき、シートベルト3とタング7の樹脂モールド部10との間の摩擦も大きく増大する。一方、図3に実線で示すように、ラップベルト3cは、シートベルト3の巻取りにより、ショルダーベルト3b側に引き込まれる。シートベルト3の弛みがなくなると、シートベルト3の巻取りが実質的に終了し、ラップベルト3cの引き込み量(−の伸び出し量)は一定となる。しかし、プリテンショナーによるベルト巻取力および乗員の慣性力がまだシートベルト3に加えられるため、ラップベルト3cのベルト張力は増大し続ける。
プリテンショナーによるベルト巻取力は一定時間経過後に消滅するが、乗員の慣性力が依然としてシートベルト3に加えられることから、ラップベルト3cは伸び出し側に引っ張られる。このとき、ラップベルト3cのベルト張力がまだ予め設定された設定荷重より小さいので、ラップベルト3cはタング7との間の摩擦で伸び出すことはない。したがって、ラップベルト3cの引き込み量(−の伸び出し量)は一定のままである。
ラップベルト3cのベルト張力が設定荷重より大きくなると、ラップベルト3cの伸び出し側の引っ張り力がラップベルト3cとタング7との間の摩擦に打ち勝ち、シートベルト3がタング7に対して滑り、図3に実線で示すようにラップベルト3cはシートベルトリトラクタ2のEA作動により伸び出しを開始する。このとき、ラップベルト3cのベルト張力は、シートベルト3がタング7に対して滑べることで、設定荷重の大きさの一定荷重となる。そして、ラップベルト3cの伸び出し量は、通常装着時の量(0)より大きくなる。
その後、乗員の慣性力が小さくなっていくと、乗員の慣性力によるラップベルト3cのベルト張力が小さくなって設定荷重以下に低下する。すると、ラップベルト3cの伸び出しも終了し、その時の伸び出し量で一定となる。最終的に、乗員の慣性力が消滅し、ラップベルト3cのベルト張力も消滅する。
このように、この第1例のタング7においては、緊急時に、ラップベルト3cのベルト張力の最大値が抑制されるので従来のワンウェイベルト方式のタングにおけるようなベルト張力の大きなピーク値は発生しない。また、シートベルト3のラップベルト3cの方向βの引張り力が設定荷重を超えると、ラップベルト3cが伸び出し、最終的にその伸び出し量はほぼ一定伸び出し量L1になる。これに対して、図3に点線で示す従来のワンウェイベルト方式のラップベルト3cの伸び出し量L2は、プリテンショナーでショルダーベルト3b側に伸び出し(ラップベルト3cからみて−の伸び出し、つまり引き込み)量L2にほぼなる。
この第1例のタング7によれば、通常時には、軸方向溝14および周方向溝15間の凸部をシートベルト3が摺動することでシートベルト3とタング7との間の摺動部における摩擦を小さく設定しているので、タング7をシートベルト3に対して容易にかつ滑らかに摺動させることができる。したがって、通常時のタング7の取り扱いを容易にすることができる。
また、緊急時にはシートベルト3がタングの樹脂モールド部10の軸方向溝14および周方向溝15にめり込むことで、シートベルト3とタング7との間の摩擦を、シートベルト3の通常装着時でのシートベルト3とタング7との間の摩擦より大きくなるようにしているので、ラップベルト3cのベルト張力が設定荷重以下であるときにはラップベルト3cの伸び出しを防止することができる。したがって、ラップベルト3cによる乗員の腰等の下半身を効果的に拘束することができ、ラップベルト3cの機能を従来に比べて十分に発揮させることができる。しかも、緊急時に、従来のようにシートベルト3を挟圧することはないので、シートベルト3に挟圧力を加えることはなく、シートベルト3の耐久性をより一層向上させることができる。
特に、ラップベルト3cの伸び出し方向と直交する軸方向溝14の深さを周方向溝15の深さより大きく設定しているので、ラップベルト3cの伸び出しをより一層効果的に防止することができる。なお、軸方向溝14の深さと周方向溝15は、いずれの方の深さが大きく形成することもできるし、互いに同じに形成することもできる。
また、ラップベルト3cの方向βのシートベルト3の引張り力が予め設定された設定荷重より大きいときに、軸方向溝14および周方向溝15により大きく設定変更された摩擦に抗してラップベルト3cを伸び出し可能にしているので、ラップベルト3cの最大のベルト張力を設定荷重以下に抑えることができ、従来のタングにおけるような大きなピーク値のベルト張力の発生を防止できる。これにより、従来ワンウェイベルト方式のタングと異なり、緊急時にラップベルト3cによって乗員を拘束しても、ラップベルト3cから乗員の腰や腹に加えられる力を抑制することができる。
このようにして、この第1例のタング7により、緊急時にラップベルト3cのベルト張力の最大値を抑制しつつ、乗員の腰等の下半身を効果的に拘束することができるようになる。
なお、周方向溝15は、必ずしも必要ではなく省略することもできる。
図4は、この例のシートベルト装置に用いられている本発明のタングの実施の形態の第2例を模式的に示す斜視図である。
前述の第1例では、タング7の樹脂モールド部10の横断面が円弧状と楕円弧状の組合せで形成されているが、図4に示すように、この第2例のタング7では、樹脂モールド部10の横断面が円形状に形成されている。なお、樹脂モールド部10の横断面は楕円形状長円形状、角部を丸くされた矩形状に形成することもできる。
また、前述の第1例では、樹脂モールド部10に形成される軸方向溝14が軸方向に延びるように形成されているが、この第2例のタング7では、樹脂モールド部10に形成される軸方向溝14が軸方向に対して傾斜して延びるように形成されている。その場合、軸方向溝14の傾斜方向は図4に示すように右下がりの傾斜に設定することもできるし、逆に左下がりの傾斜に設定することもできる。また、軸方向溝14および周方向溝15は、樹脂モールド部10の全周に設けることもできるし、第1例と同様に樹脂モールド部10のショルダーベルト3b側の部分およびベルト挿通孔13に対応する部分にのみ設けることもできる。
この第2例のタング7の他の構成は、第1例と同じである。また、第2例のタング7の作用効果も、実質的に第1例と同じである。
図5(a)および(b)は、この例のシートベルト装置に用いられている本発明のタングの実施の形態の第3例を模式的に示す部分横断面図である。
前述の第1例では、タング7の樹脂モールド部10に多数の軸方向溝14および多数の周方向溝15が設けられているが、図5(a)に示すように、この第3例のタング7では、樹脂モールド部10のショルダーベルト3b側の部分およびベルト挿通孔13に対応する部分に、軸方向に延びる突条16が周方向に所定間隔を置いて立設されている。これらの突条16は樹脂モールド部10の軸方向全体に、軸方向に連続的に設けることもできるし、軸方向に断続的に設けることもできる。また、これらの突条16は軸方向に断続的に設けられる場合には、千鳥状に設けることもできる。
これらの突条16はそれらの頂部が丸くされており、図5(a)に示すシートベルト3の非装着時およびシートベルト3の通常装着時には、シートベルト3が突条16の頂部との接触面積が小さくかつシートベルト3が突条16に圧接されず、シートベルト3と突条16との間の摩擦が小さく設定されている。また、このときにはシートベルト3が樹脂モールド部10の他の個所には接触しないか、あるいは接触しても圧接されないようになっている。したがって、このときにはシートベルト3が突条16の頂部をショルダーベルト3bの方向αおよびラップベルト3cの方向βのいずれの方向にも容易にかつ滑らかに摺動可能にされている。
また、図5(b)に示すように、前述の緊急時には、シートベルト3がラップベルト3cの方向βに引っ張られたとき、シートベルト3のこの引張り力により各突条16がラップベルト3c側に倒れて、シートベルト3と突条16との接触面積が大きくなりかつシートベルト3が突条16に圧接されて、シートベルト3と突条16との間の摩擦が増大なるようにされている。このときの摩擦は、前述の第1例の場合と同様に、シートベルト3のラップベルト3c側への引張り力が設定荷重以下のときにはラップベルト3cの伸び出しが阻止されるとともに、この引張り力が設定荷重より大きいときにはラップベルト3cの伸び出しを許容する大きさに設定されている。このように、これらの突条16は、本発明の摩擦変更手段を構成している。なお、突条16は樹脂モールド部10のラップベルト3c側の部分にも設けることができる。
この第3例のタング7の他の構成および他の作用効果は、実質的に第1例と同じである。
図6(a)および(b)は、この例のシートベルト装置に用いられている本発明のタングの実施の形態の第4例を模式的に示す部分横断面図である。
前述の第3例では、タング7の樹脂モールド部10に設けられた多数の突条16が、緊急時に倒れることでシートベルト3と樹脂モールド部10との接触面積を大きくしているが、図6(a)に示すように、この第4例のタング7では、タング7の樹脂モールド部10に、軸方向に延びる所定幅の突条17が樹脂モールド部10の周方向に1本設けられている。
図6(a)に示すシートベルト3の非装着時およびシートベルト3の通常装着時には、シートベルト3が所定幅の突条17の頂部と面接触するがその接触面積が比較的小さくかつシートベルト3が突条17に圧接されず、シートベルト3と突条17との間の摩擦が小さく設定されている。また、このときにはシートベルト3が樹脂モールド部10の他の個所には接触しないか、あるいは接触しても圧接されないようになっている。したがって、このときにはシートベルト3が突条17の頂部をショルダーベルト3bの方向αおよびラップベルト3cの方向βのいずれの方向にも容易にかつ滑らかに摺動可能にされている。
また、図6(b)に示すように、前述の緊急時には、シートベルト3が樹脂モールド部10に圧接されたとき、シートベルト3が樹脂モールド部10の他の個所10aにも所定接触面積で圧接されて、シートベルト3と突条17との間の摩擦が増大なるようにされている。このときの摩擦は、前述の第1例の場合と同様に、シートベルト3のラップベルト3c側への引張り力が設定荷重以下のときにはラップベルト3cの伸び出しが阻止されるとともに、この引張り力が設定荷重より大きいときにはラップベルト3cの伸び出しを許容する大きさに設定されている。このように、突条17は、本発明の摩擦変更手段を構成している。
この第4例のタング7の他の構成および他の作用効果は、実質的に第1例と同じである。
図7(a)および(b)は、この例のシートベルト装置に用いられている本発明のタングの実施の形態の第5例を模式的に示す部分横断面図である。
図7(a)に示すように、この第5例のタング7では、樹脂モールド部10が比較的大きな摩擦係数(高μ)の樹脂から形成されている。そして、この樹脂モールド部10のショルダーベルト3b側の部分およびベルト挿通孔13に対応する部分に、多数の低摩擦係数(低μ)の樹脂18が設けられている。これらの低摩擦係数(低μ)の樹脂18は、粒状に形成することもできるし、樹脂モールド部10の軸方向に延びる細長い棒状に形成することもできる。
これらの低摩擦係数(低μ)の樹脂18は少なくともそれらの頂部が丸くされており、図7(a)に示すシートベルト3の非装着時およびシートベルト3の通常装着時には、シートベルト3が樹脂18の頂部との接触面積が小さくかつシートベルト3が低摩擦係数(低μ)の樹脂18に圧接されず、シートベルト3と樹脂18との間の摩擦が小さく設定されている。また、このときにはシートベルト3が樹脂モールド部10の他の個所には接触しないか、あるいは接触しても圧接されないようになっている。したがって、このときにはシートベルト3が樹脂18の頂部をショルダーベルト3bの方向αおよびラップベルト3cの方向βのいずれの方向にも容易にかつ滑らかに摺動可能にされている。
また、図7(b)に示すように、前述の緊急時には、シートベルト3が樹脂モールド部10に圧接されたとき、樹脂18がつぶれるかあるいは樹脂モールド部10から離脱して、シートベルト3が摩擦係数(μ)の大きな樹脂モールド部10に、この樹脂モールド部10の樹脂18設置以外の個所も含めて直接圧接されて、シートベルト3と樹脂モールド部10との間の摩擦が増大するようにされている。このときの摩擦は、前述の第1例の場合と同様に、シートベルト3のラップベルト3c側への引張り力が設定荷重以下のときにはラップベルト3cの伸び出しが阻止されるとともに、この引張り力が設定荷重より大きいときにはラップベルト3cの伸び出しを許容する大きさに設定されている。このように、これらの低摩擦係数(低μ)の樹脂18は、本発明の摩擦変更手段を構成している。
この第5例のタング7の他の構成および他の作用効果は、実質的に第1例と同じである。
図8(a)および(b)は、この例のシートベルト装置に用いられている本発明のタングの実施の形態の第6例を模式的に示す部分横断面図である。
前述の第5例では、摩擦係数(μ)の大きな樹脂モールド部10に摩擦係数(μ)の小さな樹脂18が設けられているが、図8(a)に示すように、この第6例のタング7では、摩擦係数(μ)の大きな樹脂モールド部10のショルダーベルト3b側の部分およびベルト挿通孔13に対応する部分に、低摩擦係数(μ)の樹脂板19が比較的接着力の小さい接着剤20で接着されている。
この低摩擦係数(低μ)の樹脂板19は、図7(a)に示すシートベルト3の非装着時およびシートベルト3の通常装着時には、シートベルト3がこの樹脂板19に圧接されず、シートベルト3と樹脂板19との間の摩擦が小さく設定されている。また、このときにはシートベルト3が樹脂モールド部10の他の個所には接触しないか、あるいは接触しても圧接されないようになっている。したがって、このときにはシートベルト3が樹脂板19をショルダーベルト3bの方向αおよびラップベルト3cの方向βのいずれの方向にも容易にかつ滑らかに摺動可能にされている。
また、図8(b)に示すように、前述の緊急時には、シートベルト3が方向αおよびβのいずれかに引っ張られたとき、樹脂板19が樹脂モールド部10から離脱して、シートベルト3が摩擦係数(μ)の大きな樹脂モールド部10に、この樹脂モールド部10の樹脂板19の設置以外の個所も含めて直接圧接されて、シートベルト3と樹脂モールド部10との間の摩擦が増大するようにされている。このときの摩擦は、前述の第1例の場合と同様に、シートベルト3のラップベルト3c側への引張り力が設定荷重以下のときにはラップベルト3cの伸び出しが阻止されるとともに、この引張り力が設定荷重より大きいときにはラップベルト3cの伸び出しを許容する大きさに設定されている。このように、この樹脂板19は、本発明の摩擦変更手段を構成している。
この第6例のタング7の他の構成および他の作用効果は、実質的に第1例と同じである。
図9はこの例のシートベルト装置に用いられている本発明のタングの実施の形態の第7例を模式的に示し、(a)はラップベルト側の正面図、(b)は(a)におけるIXB−IXB線に沿う断面図、(c)は(a)におけるIXC−IXC線に沿う断面図である。
図9(a)ないし(c)に示すように、この第7例のタング7では、ベルト挿通孔13内にシートベルト3との接触面積を通常装着時と緊急時とで変更することで、シートベルト3とタング7との間の摩擦を通常装着時と緊急時とで変更する摩擦変更部材20が設けられている。
この摩擦変更部材20は、本体20aと、この本体20aの両端に設けられた回転軸20b,20cとから構成されている。本体20aは、横断面5角形状で樹脂モールド部10の軸方向に延びる棒状に形成されている。また、両回転軸20b,20cは円弧状に形成され、それらの円弧状の外周面が樹脂モールド部10の軸受部10bに回転可能に支持されている。すなわち、摩擦変更部材20は回転軸20b,20cを中心に回転可能とされている。
また、図9(c)に示すように樹脂モールド部10には、両回転軸20b,20cに対応してそれらの回転中心に延びる突条からなる軸支持部10c,10dがそれぞれ設けられている。これらの軸支持部10c,10dの先端は、それぞれ回転軸20b,20cの回転中心を中心とする円の円弧に形成されている。そして、これらの軸支持部10c,10dの先端が両回転軸20b,20cの円弧状の内周面に当接されており、これらの両回転軸20b,20cは軸支持部10c,10dの先端の円弧面に沿ってガイドされるようになっている。更に、両軸支持部10c,10dのラップベルト3c側の側面はストッパ10c1,10d1として構成されている。後述するように、これらのストッパ10c1,10d1は、緊急時に両回転軸20b,20cが回転したとき、両回転軸20b,20cの円弧状の内周面が当接することにより、それ以上の回転が阻止されるようになっている。
5角形状の本体20aのバックル挿入部11側の2つの角部20a1,20a2は丸くされており、図9(b)および図10(a)に示すようにベルト非装着時およびベルト装着の通常時はシートベルト3がこれらの角部20a1,20a2に接触するようになっている。このとき、シートベルト3はこれらの角部20a1,20a2に圧接することはなく、容易にかつ滑らかに摺動可能となっている。
両回転軸20b,20cには、それぞれ、シェアピン21,22が立設されている。これらのシェアピン21,22は、通常時は樹脂モールド部10の保持部に保持されている。したがって、摩擦変更部材20は、通常時はショルダーベルト3bの方向αおよびラップベルト3cの方向βのいずれの方向にも回転不能とされている。このとき、図9(c)に示すようにシェアピン21はタングプレート9にラップベルト3cの方向βに当接されている。なお、図示しないがもう一方のシェアピン22もタングプレート9にラップベルト3cの方向βに当接されている。
このシェアピン21は、緊急時にシートベルト3に加えられる乗員の慣性力でせん断されるようになっている。このシェアピン21のせん断により、図11(a)ないし(c)に示すように両回転軸20b,20cつまり摩擦変更部材20が方向βに回転するようになる。そして、図11に示すように両回転軸20b,20cの内周面がストッパ10c1,10d1(図11にはストッパ10c1側のみ図示)に当接することで、摩擦変更部材20のそれ以上の回転が阻止される。
このように摩擦変更部材20のそれ以上の回転が阻止された状態では、図11(b)に示すように、シートベルト3は本体20aの2つの角部20a1,20a2間の面20a3および角部20a2に隣接する角部20a4にも当接し、シートベルト3の本体20aへの接触面積が増大する。また、シートベルト3は3つの角部20a1,20a2,20a4および面20a3に圧接される。したがって、シートベルト3と摩擦変更部材20との間の摩擦が増大し、シートベルト3が方向βに引っ張られても、前述の第1例と同様に、このシートベルト3の引張り力が設定荷重以下のときにはシートベルト3はラップベルト3c側に移動しない。すなわち、シートベルト3の引張り力が設定荷重以下のときにはラップベルト3cは伸び出さない。
シートベルト3の引張り力が設定荷重より大きいときには、前述の第1例と同様にシートベルト3はラップベルト3c側に移動する。すなわち、シートベルト3の引張り力が設定荷重より大きいときにはラップベルト3cは伸び出すようになる。このように、摩擦変更部材20は、本発明の摩擦変更手段を構成している。
この第7例のタング7の他の構成および他の作用効果は、実質的に第1例と同じである。
図12(a)および(b)は、この例のシートベルト装置に用いられている本発明のタングの実施の形態の第8例を模式的に示す部分横断面図である。
前述の第7例では、樹脂モールド部10に回転可能に支持された摩擦変更部材20が回転することで、シートベルト3と摩擦変更部材20との接触面積を変えることで、シートベルト3と摩擦変更部材20との間の摩擦を変更するようにしているが、図12(a)および(b)に示すように、この第8例のタング7では、緊急時に摩擦変更部材20が回転したとき、シートベルト3と圧接する面に高摩擦係数(高μ)の樹脂層23を設けている。
そして、図12(a)に示すようにシートベルト3の非装着時およびベルト装着の通常時には、シートベルト3は摩擦変更部材20の角部にのみ単に接触するだけで、両方向α,βのいずれにも容易にかつ滑らかに摺動可能とされている。また、緊急時にはシートベルト3は摩擦変更部材2の高摩擦係数(高μ)の樹脂層23にも圧接されて接触面積が増大し、シートベルト3と摩擦変更部材2との間の摩擦が増大する。
この第8例のタング7の他の構成および他の作用効果は、実質的に第7例と同じである。
なお、前述の摩擦変更部材20を用いた各例において、摩擦変更部材20を回転することに代えてタング本体に対して相対的に直線移動する等の相対移動可能にすることもできるとともに、シェアピン21,22は樹脂モールド部10側に設けて、摩擦変更部材20との相対回転(相対移動)でせん断するようにすることもできる。
また、前述の各例では、樹脂モールド部10を設けるものとしているが、本発明のタングでは、樹脂モールド部10を省略することもできる。要するに、本発明のタングは、特許請求の範囲に記載された範囲で、種々の設計変更が可能である。
一方、本発明のタング7を用いた本発明のシートベルト装置1によれば、通常時のタング7のシートベルト3に対する摺動を容易にかつ滑らかにできるとともに、緊急時のシートベルト3のタング7に対する摺動を効果的に抑制できるので、乗員によるシートベルト3の装着性をより一層向上することができる。
本発明のタングおよびシートベルト装置は、自動車等の車両に装備され、シートベルトにより乗員を拘束するシートベルト装置において、シートベルトに摺動可能に支持されかつバックルに係合されるタングおよびこれを備えたシートベルト装置に好適に利用することができる。
本発明に係るタングを備えたシートベルト装置の実施の形態の一例を模式的に示す図である。 (a)はこの例のシートベルト装置に用いられている本発明のタングの実施の形態の第1例を模式的に示す斜視図、(b)はこのタングの通常時の作用を説明する部分拡大断面図、(c)はこのタングの緊急時の作用を説明する部分拡大断面図である。 シートベルトに対するタングの作用を、本発明と従来例とで比較して説明する図である。 本発明のタングの実施の形態の第2例を模式的に示す斜視図である。 (a)および(b)は、本発明のタングの実施の形態の第3例を模式的に示す部分横断面図である。 (a)および(b)は、本発明のタングの実施の形態の第4例を模式的に示す部分横断面図である。 (a)および(b)は、本発明のタングの実施の形態の第5例を模式的に示す部分横断面図である。 (a)および(b)は、本発明のタングの実施の形態の第6例を模式的に示す部分横断面図である。 本発明のタングの実施の形態の第7例の通常状態を模式的に示し、(a)はラップベルト側の正面図、(b)は(a)におけるIXB−IXB線に沿う断面図、(c)は(a)におけるIXC−IXC線に沿う断面図である。 (a)は第7例のタングとシートベルトとの通常状態を示す部分斜視図、(b)は第7例のタングとシートベルトとの緊急時の状態を示す部分斜視図である。 本発明のタングの実施の形態の第7例の緊急時の状態を模式的に示し、(a)はラップベルト側の正面図、(b)は(a)におけるXIB−XIB線に沿う断面図、(c)は(a)におけるXIC−XIC線に沿う断面図である。 (a)および(b)は、本発明のタングの実施の形態の第8例を模式的に示す部分横断面図である。
符号の説明
1…シートベルト装置、2…シートベルトリトラクタ、3…シートベルト、3a…ベルトアンカー、3b…ショルダーベルト、3c…ラップベルト、7…タング、8…バックル、9…タングプレート、10…樹脂モールド部、10c1,10d1…ストッパ、11…バックル挿入部、12…係合孔、13…ベルト挿通孔、14…軸方向溝、15…周方向溝、16,17…突条、18…低摩擦係数(低μ)の樹脂、19…低摩擦係数(μ)の樹脂板、20…摩擦変更部材、20a…本体、20b,20c…回転軸、21,22…シェアピン、

Claims (6)

  1. ベルト挿通孔を有するとともに前記ベルト挿通孔にシートベルトが挿通されることで前記シートベルトに摺動可能に支持されかつバックルに係合されるタングにおいて、
    前記ベルト挿通孔の一側縁を形成するとともに前記シートベルトが摺動する摺動部が設けられ、
    前記摺動部における前記シートベルトと前記タングとの間の摩擦が通常時では小さく、車両衝突時等の車両に大きな減速度が作用する緊急時に大きく設定変更する摩擦変更手段が設けられており、
    前記摩擦変更手段は、前記摺動部に設けられた凹凸面で形成されており、
    前記凹凸面は、通常時は前記シートベルトが前記凹凸面の凸部の頂点に摺動可能に当接されて前記凹凸面の凹面内にめり込まないとともに、緊急時は前記シートベルトの張力で前記シートベルトが前記凹面内にめり込むようになっている凹凸面であり、
    前記凹凸面は溝から形成されているとともに、前記溝は前記ベルト挿通孔の長手方向の軸方向溝と周方向溝とからなることを特徴とするタング。
  2. 前記摩擦変更手段は、前記通常時は前記シートベルトと前記タングとの接触面積を小さく、前記緊急時は前記接触面積を大きく設定する接触面積変更手段であることを特徴とする請求項1に記載のタング。
  3. 前記軸方向溝と前記周方向溝とは直交することを特徴とする請求項1または2に記載のタング。
  4. 前記軸方向溝が前記周方向溝より深いことを特徴とする請求項3に記載のタング。
  5. 前記タングより前記シートベルトの先端側であるラップベルト方向の前記シートベルトの引張り力が予め設定された設定荷重より大きいときに、前記摩擦変更手段より大きく設定変更された前記摩擦に抗して前記ラップベルトが伸び出し可能にされていることを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1に記載のタング。
  6. シートベルトと、このシートベルトを巻き取るシートベルトリトラクタと、前記シートベルトに摺動可能に支持されたタングと、このタングが挿入係合されるバックルとを少なくとも備え、前記タングを前記バックルに挿入係合することで前記シートベルトが乗員に装着されるシートベルト装置において、
    前記タングが請求項1ないし5のいずれか1に記載のタングからなることを特徴とするシートベルト装置。
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