JP5224703B2 - 採取組織片ガラス化凍結保存用具、組織片凍結保存用プレートおよび採取組織片ガラス化凍結保存方法 - Google Patents

採取組織片ガラス化凍結保存用具、組織片凍結保存用プレートおよび採取組織片ガラス化凍結保存方法 Download PDF

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Description

本発明は、哺乳動物の卵巣などの生体組織を凍結保存する際に使用する採取組織片ガラス化凍結保存用具、組織片凍結保存用プレートおよび採取組織片ガラス化凍結保存方法に関する。
現在において、哺乳動物の生体細胞(例えば、精子、卵子など)の凍結保存が行われている。このような凍結保存は、特定の系統や品種の遺伝資源の保存を可能とする。また、絶滅の危機に瀕している動物種の維持にも有効である。さらに、ヒトの不妊治療においても有用である。
また、特開2003−284546号公報(特許文献1)には、卵巣凍結法が開示されている。この卵巣凍結法は、非ヒト哺乳動物の雌個体から少なくとも卵巣を含む生殖組織を摘出し、これを15〜0℃で保持した後にガラス化法により凍結することを特徴とするものである。
また、哺乳動物胚の凍結保存方法としては、特開2000−189155公報(特許文献2)において、哺乳動物胚または卵子を滅菌処理した凍結ストロー、凍結バイアルまたは凍結チューブ等の凍結保存用容器の内面に、これらの胚または卵子を被包するに充分な最少量のガラス化液で貼り付け、この凍結保存用容器を密封し、そしてこの容器を液体窒素に接触させて急速に冷却することが提案されている。そして、融解方法では、前記の方法で保存した凍結保存用容器を前記液体窒素から取り出し、容器の一端部を開口し、この容器内に33〜39℃の希釈液を直接注入し、胚または卵子の凍結を融解希釈するものである。この方法によれば、哺乳動物胚または卵子をウイルスや細菌による感染のおそれがなく高い生存率で保存および融解希釈することのできるという優れた効果を備えている。
また、特開2002−315573号公報(特許文献3)に示す卵凍結保存用具を本件出願人は提案している。この卵凍結保存用具は、耐寒性材料により形成された本体部と、本体部の一端に取り付けられ、可撓性かつ透明性かつ液体窒素耐性材料により形成された卵付着保持用ストリップと、該卵付着保持用ストリップを被包可能に本体部に着脱自在に取り付けられる一端が封鎖され、かつ耐寒性材料により形成された筒状部材とからなるものである。
特開2003−284546号公報 特開2000−189155公報 特開2002−315573号公報
上記の特許文献1のものでは、卵巣凍結法を開示するにすぎず、組織採取および組織凍結保存のための簡便な採取用具についての開示はない。また、上記の特許文献2および特許文献3のものも組織採取および組織凍結保存に利用できるものではない。
そこで、本発明の目的は、組織片の採取が容易であり、かつ、採取した組織片を良好にガラス化凍結保存することが可能な採取組織片ガラス化凍結保存用具、組織片凍結保存用プレートおよび採取組織片ガラス化凍結保存方法を提供するものである。
上記目的を達成するものは、以下のものである。
(1) 採取組織切取位置特定具と、該採取組織切取位置特定具を用いて切り取られた組織片を凍結保存するための組織片凍結保存用プレートとを備える採取組織片ガラス化凍結保存用具であって、前記採取組織切取位置特定具は、平板状でありかつ所定幅の切取部特定用開口部と、裏面に設けられ組織切断具の進行を係止するための切断具用係止部とを有する組織切取部特定部材と、前記切取部特定用開口部を被包するように前記組織切取部特定部材の表面側に押圧可能な開口部押圧部材とを備え、前記組織片凍結保存用プレートは、前記切取部特定用開口部の所定幅と同じもしくは若干広い幅を有し、かつ所定長延び前記採取組織切取位置特定具を用いて切り取られた組織片を載置可能な金属性板状部材であるとともに、冷却媒体が侵入可能な多数の孔を備えており、かつ、前記採取組織片ガラス化凍結保存用具が、卵巣組織片ガラス化凍結保存用具である採取組織片ガラス化凍結保存用具。
また、上記目的を達成するものは、以下のものである。
(2) 採取組織切取位置特定具と、該採取組織切取位置特定具を用いて切り取られた組織片を凍結保存するための組織片凍結保存用プレートとを備える採取組織片ガラス化凍結保存用具であって、前記採取組織切取位置特定具は、平板状でありかつ所定幅の切取部特定用開口部と、裏面に設けられ組織切断具の進行を係止するための切断具用係止部とを有する組織切取部特定部材と、前記切取部特定用開口部を被包するように前記組織切取部特定部材の表面側に押圧可能な開口部押圧部材とを備え、前記組織片凍結保存用プレートは、前記切取部特定用開口部の所定幅と同じもしくは若干広い幅を有し、かつ所定長延び前記採取組織切取位置特定具を用いて切り取られた組織片を載置可能な金属性板状部材であるとともに、冷却媒体が侵入可能な多数の孔を備えており、さらに、前記採取組織切取位置特定具は、前記組織切取部特定部材を対象生体組織に押圧した状態にて、前記切取部特定用開口部の内縁に沿って切り込みを入れた後、前記組織切取部特定部材の表面側に前記開口部押圧部材を前記切取部特定用開口部を被包するように押し当て前記切り込まれた組織部位を押圧した状態にて、前記組織切取部特定部材の裏面に沿って切断具を移動させることにより前記開口部の形状に対応した形状の組織片を切り取り可能である採取組織片ガラス化凍結保存用具。
) 前記切取部特定用開口部は、矩形状であり、前記組織片凍結保存用プレートは、前記矩形状の前記開口部の幅と同じもしくは若干広い幅を有し、かつ、前記矩形状の前記開口部の長さより十分に長い長さを有するものである上記(1)または(2)に記載の採取組織片ガラス化凍結保存用具。
) 前記切取部特定用開口部は、円もしくは楕円状であり、前記組織片凍結保存用プレートは、前記開口部の直径または短軸と同じもしくは若干広い幅を有し、かつ、前記開口部の直径および長軸の長さより十分に長い長さを有するものである上記(1)または(2)に記載の採取組織片ガラス化凍結保存用具。
) 前記切断具用係止部は、前記切取部特定用開口部より前記組織切取部特定部材の端部側に設けられている上記(1)ないし()のいずれかに記載の採取組織片ガラス化凍結保存用具。
) 前記切断具用係止部は、前記切取部特定用開口部付近に設けられている上記(1)ないし()のいずれかに記載の採取組織片ガラス化凍結保存用具。
) 前記開口部押圧部材は、透明平板状部材である上記(1)ないし()のいずれかに記載の採取組織片ガラス化凍結保存用具。
) 前記組織片凍結保存用プレートは、略矩形状の薄板プレートであり、全体にわたり冷却媒体が侵入可能な多数の孔を有している上記(1)ないし()のいずれかに記載の採取組織片ガラス化凍結保存用具。
) 前記組織片凍結保存用プレートは、銅、銅合金、アルミ、アルミ合金、金、金合金、銀、銀合金から選択された金属により形成されている上記(1)ないし()のいずれかに記載の採取組織片ガラス化凍結保存用具。
10) 前記組織切取部特定部材は、前記組織切取部特定部材の表面の両側部に一端側より他端側に延びるように設けられるとともに、前記開口部押圧部材の両側部をスライド可能に収納する開口部押圧部材誘導部を備えている上記(1)ないし()のいずれかに記載の採取組織片ガラス化凍結保存用具。
11) 前記組織切取部特定部材は、前記組織切取部特定部材の裏面の少なくとも一方の側部に一端側より他端側に延びるように設けられるとともに、前記切断具がスライド可能な切断具誘導部を備えている上記(1)ないし(10)のいずれかに記載の採取組織片ガラス化凍結保存用具。
12) 前記切断具誘導部の先端部は、前記組織切取部特定部材の一端より突出している上記(11)に記載の採取組織片ガラス化凍結保存用具。
また、上記目的を達成するものは、以下のものである。
13) 所定長を有する金属性板状部材であり、組織片載置部を有するとともに、少なくとも組織片載置部には、冷却媒体が侵入可能な多数の孔を有する組織片凍結保存用プレート。
14) 前記組織片凍結保存用プレートは、銅、銅合金、アルミ、アルミ合金、金、金合金、銀、銀合金から選択された金属により形成されている上記(13)に記載の組織片凍結保存用プレート。
15) 前記組織片凍結保存用プレートは、略矩形状の薄板プレートであり、全体にわたり冷却媒体が侵入可能な多数の孔を有している上記(13)または(14)に記載の組織片凍結保存用プレート。
また、上記目的を達成するものは、以下のものである。
16) 上記(1)ないし(12)のいずれかに記載の採取組織片ガラス化凍結保存用具を用いる採取組織片ガラス化凍結保存方法であって、
前記組織切取部特定部材を対象生体組織に押圧した状態にて、前記切取部特定用開口部の内縁に沿って切り込みを入れた後、前記組織切取部特定部材の表面側に前記開口部押圧部材を前記切取部特定用開口部を被包するように押し当て前記切り込まれた組織部位を押圧した状態にて、前記組織切取部特定部材の裏面に沿って切断具を移動させることにより前記開口部の形状に対応した形状の組織片を切り取る組織片採取工程と、採取した組織片をガラス化液に浸漬する組織片ガラス化液浸漬工程と、ガラス化液より前記組織片を取り出し、前記組織片凍結保存用プレート上に載置する組織片載置工程と、組織片が載置された組織片凍結保存用プレートを冷却媒体タンク内に投入する投入工程とを行う採取組織片ガラス化凍結保存方法。
17) 前記採取組織片ガラス化凍結保存方法は、卵巣組織片ガラス化凍結保存方法もしくは肝臓組織片ガラス化凍結保存方法である上記(16)に記載の採取組織片ガラス化凍結保存方法。
本発明の採取組織片ガラス化凍結保存用具は、採取組織切取位置特定具と、該採取組織切取位置特定具を用いて切り取られた組織片を凍結保存するための組織片凍結保存用プレートとを備える。そして、採取組織切取位置特定具は、平板状でありかつ所定幅の切取部特定用開口部と裏面に設けられた切断具用係止部とを有する組織切取部特定部材と、前記切取部特定用開口部を被包するように前記組織切取部特定部材の表面側に押圧可能な開口部押圧部材とを備えるので、的確な大きさおよび厚さの組織片を採取できる。さらに、組織片凍結保存用プレートは、切取部特定用開口部の所定幅と同じもしくは若干広い幅を有し、かつ所定長延び前記採取組織切取位置特定具を用いて切り取られた組織片を載置可能な金属性板状部材であるとともに、冷却媒体が侵入可能な多数の孔を備えているので、採取した組織片をガラス化液に浸漬した後、この組織片凍結保存用プレート上に載置し、冷却媒体タンク内に投入することにより、良好にガラス化状態にて凍結させることができる。
また、本発明の組織片凍結保存用プレートは、所定長延びる金属性板状部材であり、組織片載置部を有するとともに、少なくとも組織片載置部には、冷却媒体が侵入可能な多数の孔を有するものである。このため、採取した組織片をガラス化液に浸漬した後、この組織片凍結保存用プレート上に載置し、冷却媒体タンク内に投入することにより、良好にガラス化状態にて凍結させることができる。
また、本発明の採取組織片ガラス化凍結保存方法は、上記の本発明の採取組織片ガラス化凍結保存用具を用いるものであり、さらに、組織切取部特定部材を対象生体組織に押圧した状態にて、切取部特定用開口部の内縁に沿って切り込みを入れた後、組織切取部特定部材の表面側に開口部押圧部材を押圧して切り込まれた組織部位を押圧した状態にて、組織切取部特定部材の裏面に沿って切断具を移動させることにより開口部の形状に対応した形状の組織片を切り取る組織片採取工程と、採取した組織片をガラス化液に浸漬する組織片ガラス化液浸漬工程と、ガラス化液より前記組織片を取り出し、組織片凍結保存用プレート上に載置する組織片載置工程と、組織片が載置された組織片凍結保存用プレートを冷却媒体タンク内に投入する投入工程とを行うものであるので、的確な大きさおよび厚さの組織片を、良好にガラス化状態にて凍結させることができる。
本発明の採取組織片ガラス化凍結保存用具および採取組織片ガラス化凍結保存方法を図面に示した実施例を用いて説明する。
図1は、本発明の採取組織片ガラス化凍結保存用具の一実施例の正面図である。
図2は、図1に示した採取組織片ガラス化凍結保存用具の採取組織切取位置特定具の背面図である。図3は、図1のA−A線断面図である。図4は、図1のB−B線断面図である。図5は、図1のC−C線断面図である。
本発明の採取組織片ガラス化凍結保存用具1は、採取組織切取位置特定具10と、採取組織切取位置特定具10を用いて切り取られた組織片を凍結保存するための組織片凍結保存用プレート4とを備える。
そして、採取組織切取位置特定具10は、平板状でありかつ所定幅の切取部特定用開口部22と、裏面に設けられた切断具用係止部23とを有する組織切取部特定部材2と、切取部特定用開口部22を被包するように組織切取部特定部材2の表面側に押圧可能な開口部押圧部材3とを備える。そして、組織片凍結保存用プレート4は、切取部特定用開口部22の所定幅と同じもしくは若干広い幅を有し、かつ所定長延び採取組織切取位置特定具10を用いて切り取られた組織片を載置可能な金属性板状部材であるとともに、冷却媒体が侵入可能な多数の孔を備えている。
また、本発明の組織片凍結保存用プレート4は、所定長延びる金属性板状部材であり、組織片載置部を有するとともに、少なくとも組織片載置部には、冷却媒体が侵入可能な多数の孔を有するものである。
そして、本発明の採取組織片ガラス化凍結保存用具および組織片凍結保存用プレートは、牛、ヒトなどの各種の生体組織の採取組織片ガラス化凍結保存に使用できる。特に、卵巣組織片をガラス化凍結保存するのに好適である。
また、本発明の採取組織片ガラス化凍結保存用具1では、組織切取部特定部材2を対象生体組織に押圧した状態にて、切取部特定用開口部22の内縁に沿って切り込みを入れた後、組織切取部特定部材2の表面側に開口部押圧部材3を切取部特定用開口部22を被包するように押し当て切り込まれた組織部位を押圧した状態にて、組織切取部特定部材2の裏面に沿って切断具を移動させることにより開口部22の形状に対応した形状の組織片を切り取ることが可能なものとなっている。
本発明の採取組織片ガラス化凍結保存用具1は、図1に示すように、採取組織切取位置特定具10と、採取組織切取位置特定具10を用いて切り取られた組織片を凍結保存するための組織片凍結保存用プレート4とを備える。なお、この実施例では、採取組織片ガラス化凍結保存用具1は、採取組織切取位置特定具10と、組織片凍結保存用プレート4とのセットとなっているが、本発明の組織片凍結保存用プレート4は、採取組織切取位置特定具10を用いることなく採取された組織片にも使用できる。
採取組織切取位置特定具10は、組織切取部特定部材2と、開口部押圧部材3とを備える。
組織切取部特定部材2は、図1ないし図3に示すように、略矩形状に形成された平板状部材であり、表面および裏面は、平坦となっている。そして、組織切取部特定部材2の平面部21の中央部には、所定幅かつ所定長延びる矩形状の切取部特定用開口部22が設けられている。
この実施例では、切取部特定用開口部22は、矩形状のものとなっており、後述する組織片凍結保存用プレート4は、矩形状の開口部22の幅と同じもしくは若干広い幅を有し、かつ、矩形状の開口部22の長さより十分に長い長さを有している。
また、組織切取部特定部材2は、裏面側であり、切取部特定用開口部22付近でありかつ切取部特定用開口部22よりどちらかの端部側に設けられた切断具用係止部23を有している。このため、組織切取部特定部材2の裏面は、切断具用係止部23部分が突出した状態となっており、その他の部分は平坦面となっている。特に、この実施例では、切断具用係止部23は、組織切取部特定部材2の他端と切取部特定用開口部22間であり、かつ切取部特定用開口部22と近接する位置に設けられている。切断具用係止部23は、切取部特定用開口部22付近に設けられていることが好ましい。
組織切取部特定部材2の大きさとしては、矩形状の場合、長片が30〜50mm程度、短辺が、20〜40mm程度であることが好ましい。また、組織切取部特定部材2の厚さとしては、0.5〜2mm程度が好ましい。また、切断具用係止部23の厚さとしては、0.5〜2mm程度が好ましい。また、切取部特定用開口部22の大きさとしては、25〜250mm程度が好ましく、矩形状の場合、各辺の長さが、5〜15mm程度であることが好ましい。
また、組織切取部特定部材2の形成材料としては、透明もしくは半透明であることが好ましく、さらに、生体組織付着性を持たないものが望ましい。組織切取部特定部材2の形成材料としては、ポリオレフィン(例えば、ポリエチレンポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体)、スチレン系樹脂(例えば、ポリスチレン、メタクリレート−スチレン共重合体、メタクリレート−ブチレン−スチレン共重合体)、ポリエステル(例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート)、ポリアミド(例えば、6ナイロン,66ナイロン)、ポリテトラフロロエチレン、エチレン−テトラフロロエチレン共重合体、テトラフロロエチレン−ヘキサフロロプロピレン共重合体、塩化三フッ化エチレン樹脂などのフッ素樹脂等が好適に使用される。
開口部押圧部材3は、透明平板状部材が用いられており、この実施例では、組織切取部特定部材2の形状に対応した矩形状のものとなっている。そして、開口部押圧部材3は、切取部特定用開口部22を被包するように組織切取部特定部材2の表面側に押圧可能である。この実施例のように、開口部押圧部材3は、組織切取部特定部材2の外形形状に対応した形状とすることが好ましい。なお、開口部押圧部材3は、組織切取部特定部材2より若干小さいものまた若干大きいものであってもよい。
開口部押圧部材3の大きさとしては、矩形状の場合、長片が30〜50mm程度、短辺が、20〜40mm程度であることが好ましい。また、開口部押圧部材3の厚さとしては、0.5〜2mm程度が好ましい。また、開口部押圧部材3の形成材料としては、上述した組織切取部特定部材2において説明したものが好適に使用できる。
そして、組織片凍結保存用プレート4は、切取部特定用開口部22の所定幅と同じもしくは若干広い幅を有し、かつ所定長延び採取組織切取位置特定具10を用いて切り取られた組織片を載置可能な平板状のものとなっている。
この実施例では、組織片凍結保存用プレート4は、切取部特定用開口部22の一辺の長さと実質的に同じ幅を有する細長い矩形状のものとなっている。組織片凍結保存用プレート4の大きさとしては、矩形状の場合、長片が50〜150mm程度、短辺が、5〜50mm程度であることが好ましい。
そして、組織片凍結保存用プレート4は、冷却媒体が侵入可能な多数の孔42を備えている。このように、組織片凍結保存用プレート4が、冷却媒体が侵入可能な多数の孔42を有することにより、プレート自体の冷却が早いとともに、組織片のプレート載置側にも冷却媒体が接触可能であるため、組織片のプレート載置側からの冷却も良好となる。この両者の効果により、組織片の冷却が極めて迅速に行われる。また、組織切取部特定部材2および開口部押圧部材3を用いることにより、組織片凍結保存用プレート4の形状に対応するとともに、的確な厚さの組織片を採取することができる。これらの作用が複合することにより、ガラス化凍結保存後の解凍時における細胞の高い生存率を得ることができ、自家移植に極めて有効である。
この実施例では、組織片凍結保存用プレート4は、図1に示すように、略矩形状の薄板プレートであり、全体にわたり冷却媒体が侵入可能な多数の孔を有している。孔の形状としては、図1に示すような円形のものが好ましい。孔の大きさとしては、2〜8mm程度が好ましく、特に、4〜7mm程度が好ましい。また、組織片凍結保存用プレート4の全体面積に対する孔の総面積は、30〜70%程度が好ましい。組織片凍結保存用プレート4は、金属性板状部材により形成されている。用いられる金属としては、特に制限されないが、銅、銅合金、アルミ、アルミ合金、金、金合金、銀、銀合金などが好適である。組織片凍結保存用プレート4は、液体窒素浸漬時における1分間換算冷却速度が−2万℃を越えるものであることが好ましい。このような冷却速度を有することにより、組織片を良好にガラス化状態にて凍結することができる。
なお、組織片凍結保存用プレートに形成される孔の形状は、図1に示すような円形タイプのものに限定されるものではなく、図22に示す組織片凍結保存用プレート4aのような、多角形形状(この実施例では、四角形)の孔42aであってもよい。
さらに、組織片凍結保存用プレートに形成される孔は、図23に示すように、組織片が載置される領域にのみ形成されていてもよい。この実施例の組織片凍結保存用プレート4bでは、一端側の所定領域にのみ孔42bが設けられている。孔42bが形成される領域のプレートの長手方向の長さとしては、切取部特定用開口部22の長さの2〜5倍程度であることが好ましい。孔42bの大きさとしては、上述したものと同様のものが好ましく、さらには、図22に示したような、多角形形状の孔であってもよい。
次に、本発明の他の実施例について説明する。
図6ないし図8は、本発明の他の実施例の採取組織片ガラス化凍結保存用具に使用される組織切取部特定部材の背面図である。
組織切取部特定部材2aの角部は、図6の実施例の組織切取部特定部材2aに示すように、面取りされた状態となっていてもよい。また、切断具用係止部の形態は、図1ないし図3に示したものに限定されるものではなく、図6に示す切断具用係止部23a、23bのように、組織切取部特定部材2aの他端と切取部特定用開口部22間であり、かつ、組織切取部特定部材2aの両側部に設けてもよい。また、切断具用係止部23の形状は、図6に示すように、円形状であってもよく、また、楕円形状、多角形状などであってもよい。
また、採取組織切取位置特定具の切取部特定用開口部の形状は、図1ないし図3に示したものに限定されるものではなく、図7の実施例の組織切取部特定部材2bの開口部22aのように、円形状もしく楕円形状であってもよい。そして、この実施例においても、図7に示すように、組織切取部特定部材2bの他端と切取部特定用開口部22a間に切断具用係止部23cが設けられている。
そして、このようなタイプの組織切取部特定部材2bが用いられる場合、組織片凍結保存用プレートとしては、開口部22aの直径または短軸と同じもしくは若干広い幅を有し、かつ、開口部22aの直径または長軸の長さより十分に長い長さを有するものが用いられる。
さらに、図8の実施例の組織切取部特定部材2cに示すように、切取部特定用開口部22aの形状が、円形状もしくは楕円形状であるとともに、切断具用係止部23a、23bが、組織切取部特定部材2cの他端と切取部特定用開口部22a間であり、かつ、組織切取部特定部材2cの両側部に設けられたものであってもよい。そして、切断具用係止部23a,23bの形状は、円形状、楕円形状、多角形状などであってもよい。
また、上述した全ての実施例の採取組織切取位置特定具は、図9ないし図11に示すような開口部押圧部材誘導部24a,24bを備えていてもよい。
図9は、本発明の他の実施例の採取組織片ガラス化凍結保存用具に使用される組織切取部特定部材の正面図である。図10は、図9のD−D線断面図である。図11は、図9に示した実施例の採取組織片ガラス化凍結保存用具の作用を説明するための説明図である。
この実施例における組織切取部特定部材2dは、表面の両側部に一端側より他端側に延びるように設けられるとともに、開口部押圧部材3の両側部をスライド可能に収納する開口部押圧部材誘導部24a,24bを備えている。開口部押圧部材誘導部24a,24bは、組織切取部特定部材2dの一端側より他端側に延びている。特に、この実施例では、開口部押圧部材誘導部24a,24bは、組織切取部特定部材2dの一端より他端までの全長に渡り形成されている。開口部押圧部材誘導部24a,24bは、図10に示すように、開口部押圧部材3の両側部を収納する凹部25a,25bを備えており、この凹部25a,25b内に開口部押圧部材3の両側部が収納されるとともに、摺動可能となっている。また、開口部押圧部材誘導部24a,24bは、凹部25a,25bの上方を被包しており、組織切取部特定部材2dからの開口部押圧部材3の離脱を規制している。
この実施例の採取組織切取位置特定具では、図11に示すように、開口部押圧部材3の端部が、組織切取部特定部材2dの開口部押圧部材誘導部24a,24bに侵入し、かつ、切取部特定用開口部22を開口部押圧部材3が被包しない状態とする。そして、この状態にて、摘出された生体器官(例えば、卵巣、肝臓)に、採取組織切取位置特定具を押しつけ、切取部特定用開口部22の内縁に沿って、切断具にて切り込みを入れる。これにより、切り込みにより囲まれた生体器官部位が、開口部内に侵入する。続いて、開口部押圧部材3をスライドさせて、切取部特定用開口部22が開口部押圧部材3にて被包された状態とする。この実施例のように、開口部押圧部材誘導部24a,24bを設けることにより、開口部押圧部材3の切取部特定用開口部22上への配置作業が容易なものとなる。
そして、開口部押圧部材3を組織切取部特定部材2dに押圧し、その状態を維持したまま、組織切取部特定部材2dの下面に沿って、切断具を切断具用係止部23方向に移動させる。これにより、切取部特定用開口部22の形状に対応した組織片が切断される。
さらに、上述した全ての実施例の採取組織切取位置特定具は、図12ないし図17に示すような構成を有するものであってもよい。
図12は、本発明の他の実施例の採取組織片ガラス化凍結保存用具に使用される採取組織切取位置特定具の組織切取部特定部材の正面図である。図13は、図12に示した採取組織切取位置特定具に使用される開口部押圧部材の正面図である。図14は、図12のE−E線断面図である。図15は、図12のF−F線断面図である。図16および図17は、図12ないし図15に示した実施例の採取組織片ガラス化凍結保存用具の作用を説明するための説明図である。
この実施例における組織切取部特定部材2eは、上述した組織切取部特定部材2dと同様に、表面の両側部に一端側より他端側に延びるように設けられるとともに、開口部押圧部材3aの両側部をスライド可能に収納する開口部押圧部材誘導部24a,24bを備えている。開口部押圧部材誘導部24a,24bは、組織切取部特定部材2dの一端側より他端側に延びている。特に、この実施例では、開口部押圧部材誘導部24a,24bは、組織切取部特定部材2eの一端より他端までの全長に渡り形成されている。
開口部押圧部材誘導部24a,24bは、図12,図14および図15に示すように、開口部押圧部材3aの両側部を収納する凹部25a,25bと、組織切取部特定部材2eの表面側より凹部25a,25bに延びる段部26a、26bを備えている。さらに、各段部26a、26bの一方の端部には、所定長延びる段部欠損部27a,27bが形成されている。また、図13に示すように、開口部押圧部材3aの一方の端部には、両側部に突出部31a,31bを有することにより、組織切取部特定部材2eの段部26aと段部26b間の距離より広い幅を持ちかつ段部欠損部27aと段部欠損部27b間の距離より狭い幅を有し、所定長延びる幅広部31と、この幅広部31と連続するとともに、両側部に切欠部32a,32bを有することにより、幅が狭くなった幅狭部32を備えている。幅狭部32の幅は、組織切取部特定部材2eの段部26aと段部26b間の距離より短いものとなっている。そして、凹部25a,25b内に開口部押圧部材3の幅広部31の端部が収納されるとともに、凹部25a,25b内かつ段部26a、26b上を摺動可能となっている。また、開口部押圧部材誘導部24a,24bは、凹部25a,25bの上方を被包しており、組織切取部特定部材2eからの開口部押圧部材3aの離脱を規制している。
この実施例の採取組織切取位置特定具では、図16に示すように、開口部押圧部材3aの幅広部31が、組織切取部特定部材2eの開口部押圧部材誘導部24a,24bに侵入し、かつ、切取部特定用開口部22を開口部押圧部材3aが被包しない状態とする。そして、この状態にて、摘出された生体器官(例えば、卵巣、肝臓)に、採取組織切取位置特定具を押しつけ、切取部特定用開口部22の内縁に沿って、切断具にて切り込みを入れる。これにより、切り込みにより囲まれた生体器官部位が、開口部内に侵入する。続いて、開口部押圧部材3aをスライドさせて、切取部特定用開口部22が開口部押圧部材3aにて被包された状態とする。この実施例では、開口部押圧部材3aは、組織切取部特定部材2eの表面に実質的に接触することなく、段部26a、26b上をスライドする。このため、開口部押圧部材3aは、開口部22内に侵入した生体器官部位にも接触することなくスライドする。
そして、開口部押圧部材3aのスライドを進行させ、開口部押圧部材3aの幅広部31の全体が、組織切取部特定部材2eの段部欠損部27a,27bに到達すると、図17に示すように、幅広部31は、組織切取部特定部材2eの段部欠損部27a,27b内に侵入可能となり、開口部押圧部材3aを組織切取部特定部材2e側に押圧可能となる。そして、開口部押圧部材3aを組織切取部特定部材2eに押圧し、その状態を維持したまま、組織切取部特定部材2eの下面に沿って、切断具を切断具用係止部23方向に移動させる。これにより、切取部特定用開口部22の形状に対応した組織片が切断される。
さらに、上述した全ての実施例の採取組織切取位置特定具は、図18ないし図21に示すような構成を有するものであってもよい。
図18は、本発明の他の実施例の採取組織片ガラス化凍結保存用具に使用される採取組織切取位置特定具の組織切取部特定部材の背面図である。図19は、図18に示した組織切取部特定部材の拡大平面図である。図20は、図18のG−G線拡大断面図である。図21は、図18および図19に示した実施例の採取組織片ガラス化凍結保存用具の作用を説明するための説明図である。
この実施例の組織切取部特定部材2fは、裏面の少なくとも一方の側部に一端側より他端側に延びるように設けられるとともに、切断具がスライド可能な切断具誘導部を備えている。このような誘導部を備えることにより、摘出された生体器官より組織片の切断がより容易なものとなる。特に、この実施例では、裏面の両側部に一端側より他端側に延びるように設けられるとともに、切断具がスライド可能な切断具誘導部51a、51bを備えている。そして、この実施例では、切断具誘導部51a、51bの先端部は、組織切取部特定部材2fの一端より突出し、切断具の誘導を容易なものとしている。
この実施例の組織切取部特定部材2fでは、切断具誘導部51a、51bは、所定長延びる平板状のものとなっており、図18ないし図20に示すように、先端部が自由端となっており、基端部52a,52bが、組織切取部特定部材2fの切断具用係止部23の形成部位に対応する側部に固定されている。さらに、切断具誘導部51a、51bは、組織切取部特定部材2fの裏面に実質的に接触せず、両者間には、間隙53a,53bが形成されている。そして、切断具誘導部51a、51bの先端部は、組織切取部特定部材2fの一端より突出している。
この実施例の採取組織切取位置特定部材2fを摘出された生体器官(例えば、卵巣、肝臓)に、採取組織切取位置特定具を押しつけ、切取部特定用開口部22の内縁に沿って、切断具にて切り込みを入れる。これにより、切り込みにより囲まれた生体器官部位が、開口部内に侵入する。続いて、開口部押圧部材3を組織切取部特定部材2fに押圧し、その状態を維持したまま、組織切取部特定部材2fの一端より突出している切断具誘導部51a、51b上に切断具7を載置する。そして、切断具7を切断具誘導部51a、51bを切断具用係止部23方向に移動させると、図21(裏面側から見た図)に示すように、切断具7は、切断具誘導部51a、51bと組織切取部特定部材2fの裏面間に挟まれた状態にて、両者間を進行することにより、切取部特定用開口部22の形状に対応した組織片が切断される。
次に、本発明の採取組織片ガラス化凍結保存方法について説明する。
本発明の採取組織片ガラス化凍結保存方法は、上述した採取組織片ガラス化凍結保存用具を用いるものであり、使用する採取組織片ガラス化凍結保存用具としては、上述したいずれの実施例のものを用いてもよい。
本発明の採取組織片ガラス化凍結保存方法は、組織切取部特定部材を対象生体組織(例えば、摘出された生体器官)に押圧した状態にて、切取部特定用開口部の内縁に沿って切り込みを入れた後、組織切取部特定部材の表面側に開口部押圧部材を押圧して前記切り込まれた組織部位を押圧した状態にて、組織切取部特定部材の裏面に沿って切断具を移動させることにより、開口部の形状に対応した形状の組織片を切り取る組織片採取工程と、採取した組織片をガラス化液に浸漬する組織片ガラス化液浸漬工程と、ガラス化液より組織片を取り出し、組織片凍結保存用プレート上に載置する組織片載置工程と、組織片が載置された組織片凍結保存用プレートを冷却媒体タンク内に投入する投入工程とを行うものである。
そして、本発明の採取組織片ガラス化凍結保存方法は、卵巣組織片ガラス化凍結保存方法もしくは肝臓組織片ガラス化凍結保存方法に用いることが有効である。
組織片採取工程については、上述した採取組織片ガラス化凍結保存用具において説明した通りである。
組織片ガラス化液浸漬工程は、採取した組織片をガラス化液に浸漬することにより行われる。
ガラス化液としては、従来より用いられているものを使用することができる。具体的には、グリセロール、プロピレングリコール、ジメチルスルホサイド(DMSO)、エチレングリコール、ブタンジオールなどから選択される1種または2種以上の細胞膜透過性凍結保護物質と、シュークロース、トレハロース、パーコール、ポリエチレングリコール、ポリヴィニルピロリドン、ウシ血清アルブミン、フィコールなどから選択される1種または2種以上の細胞膜非透過性凍結保護物質を含有するものが好適である。
また、ガラス化液に浸漬する前に、採取した組織片の平衡液浸漬処理を行うことが好ましい。平衡液としては、細胞膜透過性凍結保護物質の低濃度溶液が好ましい。細胞膜透過性凍結保護物質としては、上述したものが使用できる。
そして、組織片ガラス化液浸漬工程が終了した後、ガラス化液より組織片を取り出し、組織片凍結保存用プレート4上に載置する組織片載置工程が行われる。組織片は、凍結保存用プレート4の孔42が存在する部分に載置する。
そして、組織片が載置された組織片凍結保存用プレートを冷却媒体タンク内に投入する投入工程が行われる。冷却媒体としては、液体窒素が好適である。
図1は、本発明の採取組織片ガラス化凍結保存用具の一実施例の正面図である。 図2は、図1に示した採取組織片ガラス化凍結保存用具の組織切取部特定部材の背面図である。 図3は、図1のA−A線断面図である。 図4は、図1のB−B線断面図である。 図5は、図1のC−C線断面図である。 図6は、本発明の他の実施例の採取組織片ガラス化凍結保存用具に使用される組織切取部特定部材の背面図である。 図7は、本発明の他の実施例の採取組織片ガラス化凍結保存用具に使用される組織切取部特定部材の背面図である。 図8は、本発明の他の実施例の採取組織片ガラス化凍結保存用具に使用される組織切取部特定部材の背面図である。 図9は、本発明の他の実施例の採取組織片ガラス化凍結保存用具に使用される組織切取部特定部材の正面図である。 図10は、図9のD−D線断面図である。 図11は、図9に示した実施例の採取組織片ガラス化凍結保存用具の作用を説明するための説明図である。 図12は、本発明の他の実施例の採取組織片ガラス化凍結保存用具に使用される組織切取部特定部材の正面図である。 図13は、本発明の他の実施例の採取組織片ガラス化凍結保存用具に使用される開口部押圧部材の正面図である。 図14は、図12のE−E線断面図である。 図15は、図12のF−F線断面図である。 図16は、図12ないし図14に示した実施例の採取組織片ガラス化凍結保存用具の作用を説明するための説明図である。 図17は、図12ないし図14に示した実施例の採取組織片ガラス化凍結保存用具の作用を説明するための説明図である。 図18は、本発明の他の実施例の採取組織片ガラス化凍結保存用具に使用される採組織切取部特定部材の背面図である。 図19は、図18に示した採取組織切取位置特定具の拡大平面図である。 図20は、図18のG−G線拡大断面図である。 図21は、図18および図19に示した実施例の採取組織片ガラス化凍結保存用具の作用を説明するための説明図である。 図22は、本発明の他の実施例の採取組織片ガラス化凍結保存用具に使用される組織片凍結保存用プレートの正面図である。 図23は、本発明の他の実施例の採取組織片ガラス化凍結保存用具に使用される組織片凍結保存用プレートの正面図である。
符号の説明
1 採取組織片ガラス化凍結保存用具
2 組織切取部特定部材
3 開口部押圧部材
4 組織片凍結保存用プレート
10 採取組織切取位置特定具

Claims (17)

  1. 採取組織切取位置特定具と、該採取組織切取位置特定具を用いて切り取られた組織片を凍結保存するための組織片凍結保存用プレートとを備える採取組織片ガラス化凍結保存用具であって、
    前記採取組織切取位置特定具は、平板状でありかつ所定幅の切取部特定用開口部と、裏面に設けられ組織切断具の進行を係止するための切断具用係止部とを有する組織切取部特定部材と、前記切取部特定用開口部を被包するように前記組織切取部特定部材の表面側に押圧可能な開口部押圧部材とを備え、
    前記組織片凍結保存用プレートは、前記切取部特定用開口部の所定幅と同じもしくは若干広い幅を有し、かつ所定長延び前記採取組織切取位置特定具を用いて切り取られた組織片を載置可能な金属性板状部材であるとともに、冷却媒体が侵入可能な多数の孔を備えており、かつ、前記採取組織片ガラス化凍結保存用具が、卵巣組織片ガラス化凍結保存用具であることを特徴とする採取組織片ガラス化凍結保存用具。
  2. 採取組織切取位置特定具と、該採取組織切取位置特定具を用いて切り取られた組織片を凍結保存するための組織片凍結保存用プレートとを備える採取組織片ガラス化凍結保存用具であって、
    前記採取組織切取位置特定具は、平板状でありかつ所定幅の切取部特定用開口部と、裏面に設けられ組織切断具の進行を係止するための切断具用係止部とを有する組織切取部特定部材と、前記切取部特定用開口部を被包するように前記組織切取部特定部材の表面側に押圧可能な開口部押圧部材とを備え、
    前記組織片凍結保存用プレートは、前記切取部特定用開口部の所定幅と同じもしくは若干広い幅を有し、かつ所定長延び前記採取組織切取位置特定具を用いて切り取られた組織片を載置可能な金属性板状部材であるとともに、冷却媒体が侵入可能な多数の孔を備えており、
    さらに、前記採取組織切取位置特定具は、前記組織切取部特定部材を対象生体組織に押圧した状態にて、前記切取部特定用開口部の内縁に沿って切り込みを入れた後、前記組織切取部特定部材の表面側に前記開口部押圧部材を前記切取部特定用開口部を被包するように押し当て前記切り込まれた組織部位を押圧した状態にて、前記組織切取部特定部材の裏面に沿って切断具を移動させることにより前記開口部の形状に対応した形状の組織片を切り取り可能であることを特徴とする採取組織片ガラス化凍結保存用具。
  3. 前記切取部特定用開口部は、矩形状であり、前記組織片凍結保存用プレートは、前記矩形状の前記開口部の幅と同じもしくは若干広い幅を有し、かつ、前記矩形状の前記開口部の長さより十分に長い長さを有するものである請求項1または2に記載の採取組織片ガラス化凍結保存用具。
  4. 前記切取部特定用開口部は、円もしくは楕円状であり、前記組織片凍結保存用プレートは、前記開口部の直径または短軸と同じもしくは若干広い幅を有し、かつ、前記開口部の直径および長軸の長さより十分に長い長さを有するものである請求項1または2に記載の採取組織片ガラス化凍結保存用具。
  5. 前記切断具用係止部は、前記切取部特定用開口部より前記組織切取部特定部材の端部側に設けられている請求項1ないしのいずれかに記載の採取組織片ガラス化凍結保存用具。
  6. 前記切断具用係止部は、前記切取部特定用開口部付近に設けられている請求項1ないしのいずれかに記載の採取組織片ガラス化凍結保存用具。
  7. 前記開口部押圧部材は、透明平板状部材である請求項1ないしのいずれかに記載の採取組織片ガラス化凍結保存用具。
  8. 前記組織片凍結保存用プレートは、略矩形状の薄板プレートであり、全体にわたり冷却媒体が侵入可能な多数の孔を有している請求項1ないしのいずれかに記載の採取組織片ガラス化凍結保存用具。
  9. 前記組織片凍結保存用プレートは、銅、銅合金、アルミ、アルミ合金、金、金合金、銀、銀合金から選択された金属により形成されている請求項1ないしのいずれかに記載の採取組織片ガラス化凍結保存用具。
  10. 前記組織切取部特定部材は、前記組織切取部特定部材の表面の両側部に一端側より他端側に延びるように設けられるとともに、前記開口部押圧部材の両側部をスライド可能に収納する開口部押圧部材誘導部を備えている請求項1ないしのいずれかに記載の採取組織片ガラス化凍結保存用具。
  11. 前記組織切取部特定部材は、前記組織切取部特定部材の裏面の少なくとも一方の側部に一端側より他端側に延びるように設けられるとともに、前記切断具がスライド可能な切断具誘導部を備えている請求項1ないし10のいずれかに記載の採取組織片ガラス化凍結保存用具。
  12. 前記切断具誘導部の先端部は、前記組織切取部特定部材の一端より突出している請求項11に記載の採取組織片ガラス化凍結保存用具。
  13. 所定長を有する金属性板状部材であり、組織片載置部を有するとともに、少なくとも組織片載置部には、冷却媒体が侵入可能な多数の孔を有することを特徴とする組織片凍結保存用プレート。
  14. 前記組織片凍結保存用プレートは、銅、銅合金、アルミ、アルミ合金、金、金合金、銀、銀合金から選択された金属により形成されている請求項13に記載の組織片凍結保存用プレート。
  15. 前記組織片凍結保存用プレートは、略矩形状の薄板プレートであり、全体にわたり冷却媒体が侵入可能な多数の孔を有している請求項13または14に記載の組織片凍結保存用プレート。
  16. 請求項1ないし12のいずれかに記載の採取組織片ガラス化凍結保存用具を用いる採取組織片ガラス化凍結保存方法であって、
    前記組織切取部特定部材を対象生体組織に押圧した状態にて、前記切取部特定用開口部の内縁に沿って切り込みを入れた後、前記組織切取部特定部材の表面側に前記開口部押圧部材を前記切取部特定用開口部を被包するように押し当て前記切り込まれた組織部位を押圧した状態にて、前記組織切取部特定部材の裏面に沿って切断具を移動させることにより前記開口部の形状に対応した形状の組織片を切り取る組織片採取工程と、採取した組織片をガラス化液に浸漬する組織片ガラス化液浸漬工程と、ガラス化液より前記組織片を取り出し、前記組織片凍結保存用プレート上に載置する組織片載置工程と、組織片が載置された組織片凍結保存用プレートを冷却媒体タンク内に投入する投入工程とを行うことを特徴とする採取組織片ガラス化凍結保存方法。
  17. 前記採取組織片ガラス化凍結保存方法は、卵巣組織片ガラス化凍結保存方法もしくは肝臓組織片ガラス化凍結保存方法である請求項16に記載の採取組織片ガラス化凍結保存方法。
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