JP6101992B2 - 哺乳動物胚保存用器具及び哺乳動物胚移植用ストロー、並びにそれらの使用 - Google Patents

哺乳動物胚保存用器具及び哺乳動物胚移植用ストロー、並びにそれらの使用 Download PDF

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本発明は、哺乳動物胚移植技術に関連し、より具体的には、超急速ガラス化保存法による哺乳動物胚の凍結保存に用いる哺乳動物胚保存用器具、哺乳動物胚を収納した哺乳動物胚移植用ストロー、哺乳動物胚凍結保存方法、哺乳動物胚融解希釈方法、哺乳動物胚移植方法などに関連する。
胚移植(又は受精卵移植、Embryo Transfer;ET)は、雌から回収した受精卵(胚)、又は、体外受精などにより作製された胚を別個体の雌に移植する繁殖技術である。胚移植は、優良雌の卵の効率的な利用、特定品種・系統の増産などに有用であるため、人工授精とともに、人為的繁殖手段として広く普及している。
一般的に、胚移植は以下の手順で行われる。まず、ホルモン投与により供卵雌を過排卵処理する。次に、その雌に人工授精し、数日後にその雌の生殖器から受精卵を回収し、凍結保存する。次に、凍結胚を融解した後、別個体の雌(受卵雌)に胚を移植し、妊娠・出産させる。
また、雌から卵を採取し、体外受精し、その受精卵を体外培養した後、別個体の雌に移植し、妊娠・出産させる技術、顕微操作によりクローン胚を作出し、雌に移植し、妊娠・出産させる技術などに関する研究も進展しており、実用技術となっているものもある。その他、性別判定された胚の移植により、雌雄産み分けを行う技術も、既に実用化されている。
胚移植を広く利用可能にするために、胚を凍結保存する技術が必要となる。胚を凍結保存することにより、胚の長期保存が可能になり、輸送・取引にも有利となり、移植時期を調整できる。主な胚の凍結保存法として、緩慢凍結法、ガラス化保存法、超急速ガラス化保存法が挙げられる。
緩慢凍結法は、-30℃前後まで0.3〜0.5℃/分の極めて緩慢な速度で冷却した後、液体窒素に入れて凍結保存する方法である。本法のうち、ダイレクト法は、ストロー管内で胚を凍結保存し、胚移植の際には、人工授精と同様、畜産農家の庭先など、野外でその保存胚を融解し、その融解胚が収納された胚移植ストローを、直接、胚移植器に装填して胚移植を行う方法であり、現在、最も広く普及している。この方法には、胚の融解・移植の際、ストローの移し替えなど、煩雑な操作手順を必要とせず、簡易な操作による胚の融解・移植が可能であり、畜産農家の庭先など、野外での利用も可能であるという利点がある。一方、胚の生存性が低い、高価な冷却装置が必要となる、凍結処理に長時間を要するなどの課題がある。
ガラス化保存法は、高濃度のガラス化液を含有するガラス化液に胚を浸漬し、急速に冷却して凍結保存する方法である。この方法には、凍結保存後の胚の生存性が高い、高価な冷却装置を必要としない、凍結処理を短時間で行うことができる、という利点がある一方、毒性を有するガラス化液を高濃度に用いるため、移植前にガラス化液を希釈又は除去する必要があるという課題がある。本法のうち、ストロー内ガラス化法は、予め、胚を含むガラス化液と希釈液を隔離してストロー管内に充填しておき、胚移植時に、その胚移植ストローを振って両者を混合し、ガラス化液を希釈してから、胚移植器に装填し、胚移植を行う方法である。この方法には、胚の融解・移植の際、ストロー管内でガラス化液を希釈できるため、ガラス化液の段階希釈やストローの移し替えなど、煩雑な操作手順を必要とせず、簡易な操作による胚の融解・移植が可能であり、畜産農家の庭先など、野外での利用も可能であるという利点がある。一方、ストロー管内へ胚を収納し、凍結保存する段階で、高度かつ複雑な操作を必要とするため、作業者の熟練の度合いに依存する部分も大きく、ストローに充填した胚の生存性が不安定になりやすいという課題がある。
超急速ガラス化保存法は、近年開発された方法であり、最小容量のガラス化液に胚を包被させ、極めて高速に冷却して凍結保存する方法である。この方法には、胚の生存性が高い、高価な冷却装置を必要としない、凍結処理を極めて短時間で行うことができる、という利点がある。一方、この方法では、最小容量のガラス化液に包被された胚を用いており、胚を載置可能な特殊な凍結保存器具を用いる必要がある。そのため、胚の凍結保存時に煩雑な操作手順が必要となり、また、凍結保存胚の融解時にも、移植用のストロー管への移し替えなどの煩雑な操作手順が必要となる。その他、この方法では、高濃度のガラス化液を用いるため、凍結保存胚の融解時に、ガラス化液の希釈などの手順も必要である。従って、この方法には、胚の凍結保存及び融解希釈時に煩雑な操作手順が必要であるという課題がある。特に、融解希釈時における操作手順の煩雑さより、この方法の実験室レベルでの利用は可能であるが、畜産農家の庭先など、野外での利用は実質的に難しい。
なお、先行文献として、例えば、特許文献1及び特許文献2には、ストロー内ガラス化法による哺乳動物胚移植用ストローが、特許文献3及び特許文献4には、超急速ガラス化法に用いる胚凍結保存用器具が、それぞれ開示されている。
特開平5−176946号公報 特開平10−248860号公報 特開2006−149231号公報 特開2002−315573号公報
上記の通り、超急速ガラス化保存法による胚の凍結保存には、凍結融解後の胚の生存性及び胚移植後の受胎率が高いという利点がある一方、胚の凍結保存及び融解希釈時に煩雑な操作手順が必要であるという課題があり、特に、融解希釈時における操作手順の煩雑さより、野外で胚の融解・移植を行うことが実質的に難しいという課題がある。
そこで、本発明は、超急速ガラス化保存法による胚移植技術において、凍結融解後の胚の高い生存性及び胚移植後の高い受胎率を実現しつつ、簡易な操作による胚の凍結・融解・移植が可能であり、畜産農家の庭先など、野外での利用も可能な新規手段を提供することなどを目的とする。
本発明では、超急速ガラス化保存法による哺乳動物胚の凍結保存に用いる哺乳動物胚保存用器具であって、ストロー管を挿嵌させる筒状蓋材と、末端側が前記筒状蓋材内で固定され、先端側が前記筒状蓋材の開口端より突出する平面部材と、を備え、前記平面部材が、先端側に位置し、ガラス化液に包被された哺乳動物胚を載置する胚載置部と、前記胚載置部よりも末端側に位置し、前記ストロー管の内径よりも幅小に形成された第一被挿嵌部と、前記第一被挿嵌部よりも末端側に位置し、前記ストロー管の内径以上の幅に形成された第二被挿嵌部と、を備えた哺乳動物胚保存用器具を提供する。
この哺乳動物胚保存用器具では、筒状蓋材内に平面部材が固定されており、その先端部に胚載置部が形成されている。従って、筒状蓋材を把持しながら胚載置部上における操作を行うことができ、操作性が高い。また、胚移植に用いるストロー管と簡易に連結できる構成である。加えて、平面部材が第一被挿嵌部と第二被挿嵌部の二段階の幅に形成されており、胚の凍結保存時と融解希釈時とで、ストロー管の挿嵌される長さを、二段階に調節できる構成である。
一般的に、胚移植の際には、哺乳動物胚が収納された移植用ストローを胚移植器に装填し、胚移植器を用いて受卵雌の生殖器内に胚を移植する。本発明に係る哺乳動物胚保存用器具は、ストロー管と連結することにより、哺乳動物胚をストロー管内に収納した状態のまま、胚の凍結保存、融解希釈を簡易な操作で行うことができる。また、胚の融解希釈後、別のストロー管への移し替えなどを行わずに、哺乳動物胚保存用器具を取り除くだけで、直接、哺乳動物胚を収納した移植用ストローを胚移植器に装填できる。
本発明に係る哺乳動物胚移植用ストローは、主に、この哺乳動物胚保存用器具と、その哺乳動物胚保存用器具の筒状蓋材内に挿嵌されたストロー管と、哺乳動物胚保存用器具の胚載置部に載置された哺乳動物胚とにより構成される。この哺乳動物胚移植用ストローでは、ガラス化液に包被された哺乳動物胚を哺乳動物胚保存用器具の胚載置部に載置した状態で、哺乳動物胚保存用器具の筒状蓋材内にストロー管を挿嵌することにより、哺乳動物胚がストロー管内に収納される。
この哺乳動物胚移植用ストローの作製、即ち、胚の凍結保存は、例えば、ストロー管内に所定量の希釈液を充填し、希釈液層を形成する手順と、哺乳動物胚保存用器具の胚載置部に、ガラス化液を包被させた哺乳動物胚を載置する手順と、哺乳動物胚保存用器具にストロー管を第一被挿嵌部まで挿嵌し、希釈液層と胚載置部とが隔離された状態で哺乳動物胚をストロー管内に収納する手順とにより、行うことができる。
この操作は、超急速ガラス化保存法による凍結保存であり、極めて短時間での胚凍結処理が可能である。これにより、凍結融解後の胚の高い生存性、及び、胚移植時の高い受胎率を実現できる。また、例えば、予め、ストロー管内に所定量の希釈液を充填後凍結させた上で、ガラス化液を包被させた哺乳動物胚を胚載置部に載置し、胚を凍結させ、すぐに、哺乳動物胚保存用器具をストロー管に差し込むことにより、簡易な操作で、胚の凍結を行うことができる。
胚の凍結保存時には、哺乳動物胚保存用器具の第一被挿嵌部までストロー管を挿嵌する。この哺乳動物胚保存用器具を用いる場合、例えば、液体窒素中に胚を直接接触させる代わりに、超低温状態にした熱伝導部材とこの器具の平面部材とを接触させ、熱伝導により胚を凍結させることも可能である。これにより、胚の凍結保存時の無菌的な操作が可能である。また、筒状蓋材の内径がストロー管の外径と略同一に形成されており、ストロー内の哺乳動物胚を略密閉状態で保管できる。従って、本発明では、哺乳動物胚移植用ストロー内における胚への微生物汚染を有効に防止できる。
一方、胚の融解希釈は、例えば、哺乳動物胚移植用ストロー内の哺乳動物胚及び希釈液を融解する手順と、哺乳動物胚保存用器具の筒状蓋材内にストロー管をさらに押し込み、第二被挿嵌部まで挿嵌させることにより、胚載置部に載置された哺乳動物胚を希釈液層内に浸漬させる手順と、により行うことができる。
本発明では、哺乳動物胚移植用ストロー内に哺乳動物胚が載置されているため、温湯中で融解するなど、簡易な操作による胚の融解が可能である。
この哺乳動物胚移植用ストローは、ストロー管が第一被挿嵌部まで挿嵌されている際には、胚載置部と希釈液とが隔離され、ストロー管が第二被挿嵌部まで挿嵌された際には、胚載置部に載置された哺乳動物胚が希釈液層内に浸漬される構成である。第二被挿嵌部がストロー管の内径以上の幅に形成されているため、哺乳動物胚保存用器具にストロー管を通常の力で挿し込んだ場合には、ストロー管は、第一被挿嵌部まで挿嵌されたところで引っ掛かりを生じ、第二被挿嵌部まで挿嵌されない状態で留めておくことができる。一方、その状態から力を加えてストロー管を押し込むと、ストロー管を第二被挿嵌部の方まで入り込ますことができ、場合によってはストロー管及び/又は筒状蓋材の若干の撓みも加わって、ストロー管を第二被挿嵌部まで挿嵌させることができる。従って、筒状蓋材内にストロー管をさらに押し込み、第二被挿嵌部まで挿嵌させ、胚載置部に載置された哺乳動物胚を希釈液層内に浸漬させることにより、胚を包被するガラス化液の希釈を簡易な操作で行うことができる。また、この構成により、希釈時に、哺乳動物胚を希釈液層の表層ではなく、層の中間部位に浸漬させるように設計することが可能であるため、融解希釈時に発生する気泡により胚が損傷される可能性を低減でき、凍結融解後の胚の高い生存性、及び、胚移植時の高い受胎率を実現できる。
このように、本発明では、簡易な操作で、かつ、胚をストロー内に収納したままの状態で胚の融解希釈を行うことができる。また、胚の融解希釈後も、移植用ストロー内に胚が保持されているため、他のストロー管への移し替えなどの煩雑な操作手順が不要であり、哺乳動物胚移植ストローを、直接、胚移植器に装填して胚移植を行うことができる。従って、本発明により、人工授精や緩慢凍結法のうちのダイレクト法などと同様、畜産農家の庭先など、野外でも、超急速ガラス化保存法による哺乳動物胚の融解希釈・移植を行うことが可能となる。
本発明に係る哺乳動物胚保存用器具は、筒状蓋材の天井部に、通常圧の際は閉鎖され、内部圧が上昇した際に開放される構成の抜気手段を備えた構成にしてもよい。
本発明では、胚の融解希釈時に力を加えてストロー管を筒状蓋材内に押し込み、ストロー管を第二被挿嵌部まで挿嵌させる。その際に、内部圧が上昇すると、胚を損傷し、凍結融解後の胚の生存率、及び、胚移植時の受胎率を低下させる可能性がある。それに対し、この構成を採用することにより、特別な装置を使わず、又、本発明の操作性を損なうことなく内部圧の上昇を抑制できるため、超急速ガラス化保存法による凍結保存を行った場合の胚の高い生存性、胚移植時の高い受胎率、野外での利用可能性を維持できる。加えて、膨張ガスによるストロー管の破損や胚の損傷などの発生を抑制できるという有利性もある。
本発明は超急速ガラス化保存法による胚移植技術であり、本発明により、凍結融解後の胚の高い生存性、及び、胚移植後の高い受胎率を実現できる。また、本発明により、超急速ガラス化保存法による胚移植技術において、簡易な操作による胚の凍結・融解・移植が可能となり、野外での利用が可能になる。
<本発明に係る哺乳動物胚保存用器具について>
本発明は、超急速ガラス化保存法による哺乳動物胚の凍結保存に用いる哺乳動物胚保存用器具であって、ストロー管を挿嵌させる筒状蓋材と、末端側が前記筒状蓋材内で固定され、先端側が前記筒状蓋材の開口端より突出する平面部材と、を備え、前記平面部材が、先端側に位置し、ガラス化液に包被された哺乳動物胚を載置する胚載置部と、前記胚載置部よりも末端側に位置し、前記ストロー管の内径よりも幅小に形成された第一被挿嵌部と、前記第一被挿嵌部よりも末端側に位置し、前記ストロー管の内径以上の幅に形成された第二被挿嵌部と、を備えた哺乳動物胚保存用器具をすべて包含し、以下の実施形態のみに狭く限定されない。
図1は、本発明に係る哺乳動物胚保存用器具の例を示す断面模式図である。
図1の哺乳動物胚保存用器具Aでは、内径d1がストロー管Bの外径d2と略同一に形成され、ストロー管Bを挿嵌させる筒状蓋材1と、末端2a側が筒状蓋材1内で固定され、先端2b側が筒状蓋材1の開口端1aより突出する平面部材2と、を備え、平面部材2が、先端2b側に位置し、ガラス化液に包被された哺乳動物胚Eを載置する胚載置部21と、胚載置部21よりも末端2a側に位置し、ストロー管Bの内径d3よりも小さい幅d4に形成された第一被挿嵌部22と、第一被挿嵌部22よりも末端2a側に位置し、ストロー管の内径d3以上の幅d5に形成された第二被挿嵌部23と、を備え、筒状蓋材1の天井部1bに、通常圧の際は閉鎖され、内部圧が上昇した際に開放される構成の抜気手段3を備え、抜気手段3が、筒状蓋材1内の天面1cに形成された略円状の通気孔31と、該通気孔31を外側から閉塞する略球体32と、該球体32を前記通気孔31に押し付ける弾性体33とを備え、内部圧が上昇した際、前記弾性体33が圧縮され、前記通気孔31と前記略球体32の間に隙間が形成されることにより抜気される構成となっている。
哺乳動物胚保存用器具Aは、哺乳動物胚Eをストロー管B内に収納した状態で、胚の凍結保存、融解希釈を簡易な操作で行うための補助器具であり、ストロー管Bと連結することにより、哺乳動物胚Eを収納した移植用ストローとして用いることができる。哺乳動物胚保存用器具Aは、主に、筒状蓋材1と平面部材2とで形成される。
筒状蓋材1は、略円筒状の蓋材であり、ストロー管Bの一端に取り付けて蓋をする部材である。
筒状蓋材1の内径d1は、ストロー管Bを筒内に挿入可能な寸法に設定されていればよい。例えば、筒状蓋材1の内径d1をストロー管Bの外径d2と略同一に設定することにより、哺乳動物胚保存用器具Aにストロー管Bを挿嵌した際にしっかりと係止させることができるとともに、ストロー内の哺乳動物胚を略密閉状態で保管できるため、哺乳動物胚移植用ストロー内における胚への微生物汚染を有効に防止できる。
筒状部材1の材質については、液体窒素などによる超低温状態に耐えうるものであればよく、公知のものを広く採用でき、特に限定されない。例えば、ポリオレフィン(例えば、ポリエチレン、超高分子量ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン-プロピレン共重合体、エチレン-酢酸ビニル共重合体など)、ポリエステル(例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートなど)、スチレン系樹脂(例えば、ポリスチレン、メタクリレート-スチレン共重合体、メタクリレート-ブチレン-スチレン共重合体など)、ポリアミド(例えば、6ナイロン,66ナイロンなど)、ポリスルホン樹脂、フッ素樹脂、ポリイミドなどの耐寒性樹脂を適宜用いてもよい。
なお、筒状部材1は一体成型されている必要はなく、例えば、複数部品から組み立てられたり、各部品を接着されたりなどして目的の形状に形成されていてもよい。また、例えば、ストロー管Bを挿嵌した際に該ストロー管Bを係止させるための形状・構造などが、筒状蓋材1の内壁面などに形成されていてもよい。
平面部材2は、哺乳動物胚を載置し、かつ、ストロー管Bを二段階の深さで挿嵌するための構成である。平面部材2は、主に、胚載置部21と第一被挿嵌部22と第二被挿嵌部23とにより形成される。
胚載置部21は、ガラス化液に包被された哺乳動物胚Eを載置する部位である。
胚載置部21は、哺乳動物胚Eを載置する部位であり、必ずしも平面部材1の最先端に形成される必要はないが、少なくとも第一被挿嵌部22の最先端側又は第一被挿嵌部22よりも先端側に位置することが好ましい。胚載置部21を平面部材2の先端側2bの位置とすることにより、融解希釈時にストロー管Bをスライドさせた際に、載置された哺乳動物胚Eを希釈液に到達させることができるため、ガラス化液の希釈を簡易な操作で行うことが可能になる。
胚載置部21は、筒状部材1に被覆されず、筒状蓋材1の開口端1aより突出していることが好ましい。これにより、胚の凍結保存時に、哺乳動物胚Eを胚載置部21上に載置しやすくなり、操作性を向上できる。
胚載置部21は、略平面に形成され、哺乳動物胚Eを載置することができればよく、例えば図1のような略だ円形のもののみ狭くに限定されず、また、特定形状に形成されたもののみに狭く限定されない。例えば、第一被挿嵌部22から略長方形などの延長部をさらに突出させ、その先端側を胚載置部21としてもよく、また、第一被挿嵌部22の先端側を胚載置部21としてもよい。但し、例えば、図1のように所定の形状に形成したり、所定位置に切欠きなどを形成したりすることで、胚載置部21を平面部材2上のどの位置に設定したかを明瞭にしておくことにより、胚の凍結保存・融解希釈などの各段階において、哺乳動物胚Eがどの位置に存在しているかを見失わずに正確に認識できるため、胚の紛失などの危険を軽減でき、作業の確実性や操作性を向上できる。
第一被挿嵌部22は、胚の凍結保存時などに、ストロー管Bを挿嵌させる部位であり、胚載置部21と第二被挿嵌部23の間の位置に形成される。
第一被挿嵌部22は、ストロー管Bの内径d3よりも小さい幅d4に形成される。これにより、哺乳動物胚保存用器具Aにストロー管Bを挿嵌させることができる。
第一被挿嵌部22は、筒状部材1と接触しないで略平行の位置を維持したまま、筒状部材1に少なくとも一部が被覆されている方が好ましい。これにより、哺乳動物胚保存用器具Aにストロー管Bを第一被挿嵌部22まで挿嵌した際に、筒状部材1の内壁面がストロー管Bを固定するための係止材としても機能を奏するため、ストロー管Bを挿嵌した状態を安定的に維持することが可能になり、また、ストロー管Bの脱落を防止できる。また、ストローB内の哺乳動物胚Eを略密閉状態で保管でき、哺乳動物胚を収納した移植用ストロー内における胚への微生物汚染を有効に防止できるという有利性もある。
第二被挿嵌部23は、胚の融解希釈時などにおいてストロー管Bを押し込んだ際に、ストロー管Bを挿嵌させる部位であり、第一被挿嵌部22よりも末端2a側の位置に形成される。
第二被挿嵌部23は、ストロー管Bの内径d3以上の幅d5に形成される。即ち、第二被挿嵌部23の幅d5は、ストロー管Bの内径d3と略同一又はストロー管Bの内径d3よりも幅広に形成される。また、第二被挿嵌部23は、第一被挿嵌部22よりも幅広に形成される。これにより、通常時、強い力を加えなければ、ストロー管Bは第二被挿嵌部23まで挿嵌されないが、力を加えて意図的に押し込んだ際には、ストロー管Bを第二被挿嵌部23まで挿嵌させることができる。筒状蓋材1内にストロー管Bを押し込み、ストロー管Bを第二被挿嵌部23まで挿嵌させ、胚載置部21に載置された哺乳動物胚Eを希釈液に浸漬させることにより、胚Eを包被するガラス化液の希釈を簡易な操作で行うことができる。
第二被挿嵌部23は、筒状部材1と接触しないで略平行の位置を維持したまま、筒状部材1に全部が被覆されている方が好ましい。これにより、第一被挿嵌部22と第二被挿嵌部23のいずれの位置にまでストロー管Bを挿嵌した場合も、筒状部材1の内壁面がストロー管Bを固定するための係止材としても機能を奏するため、ストロー管Bを挿嵌した状態を安定的に維持することが可能になり、また、ストロー管Bの脱落を防止できる。その他、ストローB内の哺乳動物胚Eを略密閉状態で保管でき、哺乳動物胚を収納した移植用ストロー内における胚への微生物汚染を有効に防止できるという有利性もある。
平面部材2の材質などは、特に限定されないが、熱伝導性の高い材質のものが好適である。平面部材2に熱伝導性の高い材質のものを用いることにより、例えば、哺乳動物胚の凍結保存の際、液体窒素中に胚Eを直接接触させずに、熱伝導部材を介してこの器具の平面部材2に熱を伝導させることができる。これにより、胚Eを液体窒素に直接接触させずに凍結させることが可能となるため、胚の凍結保存時の無菌的な操作が可能となり、移植用ストロー内に収納された胚への微生物汚染を有効に防止できる。
熱伝導性の高い材質のものとして、例えば、ステンレス鋼などの金属部材を平面部材2に用いてもよい。金属部材を用いることにより、平面部材2の厚さを2mm以下にすることができ、より熱伝導性を高めることができる。また、平面部材2をステンレス鋼で形成することには、耐凍性・耐腐食性が高い、安価で入手しやすい、などの利点もある。
平面部材2の筒状蓋材1への固定手段については、公知の手段を広く採用でき、特に限定されない。例えば、筒状蓋材1の内壁面に切込みを入れ、その切込みに平面部材2を嵌め込んで平面部材2を固定してもよいし、公知の接着剤などにより平面部材2を固定してもよい。
抜気手段3は、哺乳動物胚保存用器具Aとストロー管Bが連結されている際において、ストロー管Bの内部圧が上昇した場合に、ストロー管B内の気体を管外に脱出させるための部位であり、通常圧の際は閉鎖され、内部圧が上昇した際に開放される構成を備える。
上述の通り、本発明では、胚の融解希釈時に力を加えてストロー管Bを筒状蓋材1内に押し込み、ストロー管Bを第二被挿嵌部23まで挿嵌させる。その際に、内部圧が上昇すると、胚Eを損傷し、凍結融解後の胚の生存率、及び、胚移植時の受胎率を低下させる可能性がある。それに対し、この構成により、特別な装置を使わず、又、本発明の操作性を損なうことなく内部圧の上昇を抑制でき、野外での利用可能性、超急速ガラス化保存法による凍結保存を行った場合の胚の高い生存性、及び、胚移植時の高い受胎率を維持できる。加えて、膨張ガスによるストロー管Bの破損や胚の損傷などの発生を抑制できるという有利性もある。
抜気手段3は、通常圧の際は閉鎖され、内部圧が上昇した際に開放される構成を備えていればよく、具体的構成については特に限定されない。例えば、図1の哺乳動物胚保存用器具Aでは、抜気手段3は、筒状蓋材1内の天面1cに形成された略円状の通気孔31と、該通気孔31を外側から閉塞する略球体32と、該球体32を前記通気孔31に押し付ける弾性体33とを備えている。
この構成により、ストロー管B内が通常圧の際は弾性体33により略球体32が通気孔31に押し付けられることにより、ストロー管Bは略閉鎖され、管の内外間を気体がほとんど流通しない状態になっている。一方、内部圧が上昇した際には、弾性体が圧縮され、通気孔31と略球体32の間に隙間が形成されることにより、管の内から外へ気体が流通する状態となり、抜気される。即ち、この構成により、ストロー管B内への気体の流入は常に阻害されるとともに、内部圧が上昇した際にのみ、ストロー管B内から外へ、内部圧上昇分の気体を脱出させることができ、ストロー管B内の気圧を一定に保つことができる。
ストロー管Bは、通常使用される人工授精用又は胚移植用のものを広く用いることができる。例えば、通常規格である0.25mL又は0.5mLのストロー管は、汎用されている胚移植器に装填して使用できるため、好適である。
<本発明に係る哺乳動物胚移植用ストローについて>
本発明は、哺乳動物胚保存用器具の筒状蓋材内にストロー管が挿嵌されることにより、前記胚載置部上に載置された前記哺乳動物胚が、前記ストロー管内に収納された哺乳動物胚移植用ストローを全て包含する。
この哺乳動物胚移植用ストローは、希釈液が充填された希釈液層が前記ストロー管内に形成されており、前記ストロー管が前記第一被挿嵌部まで挿嵌されている際には、前記胚載置部と前記希釈液とが隔離され、前記ストロー管が前記第二被挿嵌部まで挿嵌された際には、前記胚載置部に載置された哺乳動物胚が前記希釈液層内に浸漬される構成を備える。
図2は、本発明に係る哺乳動物胚移植用ストローの胚凍結保存時における構成例を示す断面模式図である。
図2では、哺乳動物胚保存用器具Aとストロー管Bが連結されており、ストロー管Bが哺乳動物胚保存用器具Aの第一被挿嵌部22まで挿嵌されている。哺乳動物胚保存用器具Aは、ストロー管Bを挿嵌させる筒状蓋材1と、平面部材2とを備え、平面部材2は、ガラス化液に包被された哺乳動物胚Eを載置する胚載置部21と、第一被挿嵌部22と、第二被挿嵌部23とを備え、筒状蓋材1の天井部には、抜気手段3を備えている。ストロー管B内には、希釈液が充填された希釈液層4と、空気が充填された空気層5と、ストロー管Bの一端を閉塞する綿栓部6とが形成されている。
哺乳動物胚Eには、人工受精後採卵された体内受精卵(胚)、体外受精により得られた体外受精卵(胚)、雌雄判別胚、クローン胚などを広く用いることができる。特に、本発明は、いわゆる低ランク胚や雌雄判別胚など、緩慢凍結法で凍結保存した場合には、凍結融解後の胚の生存性、及び、胚移植後の受胎率が著しく低くなる胚についても、凍結融解後の胚の高い生存性及び胚移植後の高い受胎率を実現できるという有利性がある。
胚移植に用いる受精卵(胚)のステージについては、特に限定されないが、一般的には、胚盤胞期〜拡張胚盤胞期のものが胚移植に好適であるとされている。胚移植を行う動物種も特に限定されないが、非ヒト哺乳動物(ヒト以外の哺乳動物)が好適であり、産業動物(牛、豚、馬、羊、山羊など)がより好適であり、牛が最も好適である。胚載置部21に載置する胚の数は、原則としては1個であるが、目的・用途に応じ、複数個を載置してもよい。
本発明では、超急速ガラス化保存法による哺乳動物胚を用いるため、哺乳動物胚Eは、ガラス化液で被包されている必要がある。哺乳動物胚Eに被包させるガラス化液の量は、最小容量、例えば、1.0μL以下が好適であり、0.5μL以下がより好適である。
ガラス化液は、公知のものを広く採用できる。例えば、修正PBS液などに、グリセロール、エチレングリコール、ジメチルスルホサイド(DMSO)、プロピレングリコール、ブタンジオールなどを単独で、又は適宜組み合わせて溶解し、用いることができる。また、シュクロース、グルコース、牛血清アルブミン、トレハロース、パーコール、ポリエチレングリコール、ポリビニルピロリドン、フィコール血清、などを適宜添加してもよい。
ガラス化液に包被された哺乳動物胚Eを用いることにより、凍結融解後の胚の高い生存性、及び、胚移植時の高い受胎率を実現できる。
希釈液層は、希釈液が充填された部位である。本発明では、高濃度のガラス化液を用いるため、胚移植前にガラス化液を希釈する必要がある。そこで、胚凍結時にストロー管Bに希釈液を充填し、希釈液が充填された状態で胚を凍結保存する。そして、胚融解時に、胚Eをこの希釈液層に浸漬し、胚を収納したストローを胚移植器に装填し、胚移植を行う。
希釈液は、公知のものを広く採用できる。例えば、0.1〜0.5Mシュクロース添加修正PBS液などを用いることができる。また、10〜30%血清を適宜含有させてもよい。
希釈液層は、図2に示す通り、一又は複数の空気層5を介して形成されていることが好ましい。一又は複数の空気層5を設けることにより、胚の融解希釈時やその後静置させた際に、胚EがストローBの下部まで沈下することを回避でき、胚移植時に確実に胚を子宮角内に注入できる。また、ストローBの最下部に空気層5を設け、綿栓部6と希釈液層とを直接接しないようにすることにより、哺乳動物胚Eを希釈液に浸漬した際などでも、綿栓部6を通過して侵入してくる微生物・異物と哺乳動物胚Eとの接触を極力回避できる。
胚の凍結保存時には、ストロー管Bを第一被挿嵌部22まで挿嵌し、胚載置部21と希釈液層4を隔離した状態にする。ストロー管Bを第一被挿嵌部22まで挿嵌した際には、哺乳動物胚E(又は胚載置部21の先端)と希釈液層の距離が10mm以上離れるように、希釈液層の位置を設計することが好ましい。これにより、凍結保存時に希釈液が胚Eの方へ膨張した場合にも、胚載置部21と希釈液層4を隔離した状態を保持できる。
図3は、本発明に係る哺乳動物胚移植用ストローの胚融解希釈時における構成例を示す断面模式図である。
図3では、哺乳動物胚保存用器具Aとストロー管Bが連結されており、ストロー管Bが哺乳動物胚保存用器具Aの第二被挿嵌部23まで挿嵌されている。哺乳動物胚保存用器具Aは、図2と同様、ストロー管Bを挿嵌させる筒状蓋材1と、平面部材2とを備え、平面部材2は、ガラス化液に包被された哺乳動物胚Eを載置する胚載置部21と、第一被挿嵌部22と、第二被挿嵌部23とを備え、筒状蓋材1の天井部には、抜気手段3を備えている。ストロー管B内には、希釈液が充填された希釈液層4と、空気が充填された空気層5と、ストロー管Bの一端を閉塞する綿栓部6とが形成されている。
図3では、ストロー管Bを哺乳動物胚保存用器具Aの筒状蓋材1内に押し込んでスライドさせ、ストロー管Bが第二被挿嵌部23まで挿嵌されている(図3中符号X1)。これにより、胚載置部21に載置された哺乳動物胚Eが希釈液層内に浸漬されている。
哺乳動物胚Eが希釈液層内に浸漬されることにより、哺乳動物胚Eに被包されたガラス化液が希釈液と混合して希釈される。本構成により、哺乳動物胚Eをストロー管内に収納した状態で、胚の融解希釈を簡易な操作で行うことができる。また、本構成により、胚の融解希釈後は、別のストロー管への移し替えなどを行わずに、哺乳動物胚保存用器具を取り除くだけで、直接、哺乳動物胚を収納した移植用ストローを胚移植器に装填できる。
ストロー管Bを哺乳動物胚保存用器具Aの筒状蓋材1内に押し込んでスライドさせる際、ストローB内の内部圧が一時的かつ急激に上昇する可能性がある。その内部圧の上昇に対し、抜気手段3により、ストロー管B内の空気のうちの内部圧上昇分の空気をストロー外へ脱出させることができる(図3中、符号X2〜X3参照)。これにより、特別な装置を使わず、又、本発明の操作性を損なうことなく内部圧の上昇を抑制でき、野外での利用可能性、超急速ガラス化保存法による凍結保存を行った場合の胚の高い生存性、及び、胚移植時の高い受胎率を維持できる。
ストロー管Bを哺乳動物胚保存用器具Aの筒状蓋材1内に押し込んでスライドさせる際、押し込む前と比較して、ストロー管Bは、第二被挿嵌部23の長さ2cだけ移動する。この移動した長さの分、希釈液層も移動し、哺乳動物胚Eが希釈液層内に浸漬される。従って、胚の融解希釈時に、ストロー管Bを第二被挿嵌部23まで挿嵌した際には、哺乳動物胚E(又は胚載置部21の先端)が希釈液層内に浸漬されるように、希釈液層の位置を設計することが好ましい。即ち、希釈液層を、ストロー管Bが第一被挿嵌部22まで挿嵌されている状態において、哺乳動物胚E(又は胚載置部21の先端)と希釈液層の距離が10mmよりも大きく、第二被挿嵌部23の長さ2cよりも小さくなる位置に設定することが好ましい。
<本発明に係る哺乳動物胚凍結保存方法について>
本発明は、ストロー管内に所定量の希釈液を充填し、希釈液層を形成する手順と、哺乳動物胚保存用器具の前記胚載置部に、ガラス化液を包被させた哺乳動物胚を載置する手順と、前記哺乳動物胚保存用器具にストロー管を前記第一被挿嵌部まで挿嵌し、前記希釈液層と前記胚載置部とが隔離された状態で前記哺乳動物胚を前記ストロー管内に収納する手順と、を少なくとも含む哺乳動物胚凍結保存方法、即ち、本発明に係る哺乳動物胚を収納した哺乳動物胚移植用ストローの作製方法をすべて包含する。即ち、例えば、一部の手順の順序が異なったり、他の手順をさらに含んだりする場合なども本発明に広く包含され、狭く限定されない。
本発明に係る哺乳動物胚凍結保存(即ち、上記の哺乳動物胚を収納した哺乳動物胚移植用ストローの作製)では、例えば、まず、ストロー管に所定量の希釈液を充填する。希釈液は、ストロー管が第一被挿嵌部まで挿嵌されている際には、胚載置部と希釈液とが隔離され、ストロー管が第二被挿嵌部まで挿嵌された際には、胚載置部に載置された哺乳動物胚が希釈液層内に浸漬される位置に充填する。また、希釈液を充填する際、希釈液層中に一又は複数の空気層を形成するようにしてもよい。
哺乳動物胚をガラス化液に包被させる操作については、公知の方法により行うことができる。例えば、2〜3段階に分けて徐々にガラス化液の濃度を高くしていきながら、哺乳動物胚をガラス化液に浸漬する。例えば、低い濃度のガラス化液に2〜5分ずつ浸漬した後、次の濃度のガラス化液に浸漬する。
ガラス化液を包被させた哺乳動物胚を哺乳動物胚保存用器具の胚載置部に載置し、超急速冷凍処理を行う。超急速冷凍処理は、例えば、液体窒素など、-190〜-200℃条件で行う。
例えば、胚載置部を液体窒素に直接接触させるのではなく、金属製の円筒試験管などの熱伝導部材を傾けながらその胴体部分まで液体窒素に浸し、その内壁面に、哺乳動物胚保存用器具の平面部材を接触させ、熱を伝導させることにより、胚載置部上で胚を超急速に凍結させることが可能である。これにより、胚の凍結保存時の無菌的な操作が可能であり、哺乳動物胚移植用ストロー内における胚への微生物汚染を有効に防止できる。本操作により、ガラス化液を包被させた哺乳動物胚は、超急速にガラス化される。
例えば、予め、ストロー管内に所定量の希釈液を充填して凍結させておき、胚載置部上で胚を超急速に凍結させた後、素早く、哺乳動物胚保存用器具にそのストロー管を第一被挿嵌部まで挿嵌し、液体窒素中に沈め、保存する。これにより、希釈液層と胚載置部とが隔離された状態で哺乳動物胚をストロー管内に収納するとともに、超急速ガラス化保存された哺乳動物胚を凍結保存することができる。
<本発明に係る哺乳動物胚融解希釈方法について>
本発明は、上記の哺乳動物胚凍結保存方法により作製され、凍結保存された哺乳動物胚移植用ストローについて、前記哺乳動物胚移植用ストロー内の哺乳動物胚及び希釈液を融解する手順と、前記哺乳動物胚保存用器具の前記筒状蓋材内に前記ストロー管をさらに押し込み、前記第二被挿嵌部まで挿嵌させることにより、前記胚載置部に載置された哺乳動物胚を前記希釈液層内に浸漬させる手順と、を少なくとも含む哺乳動物胚融解希釈方法をすべて包含する。即ち、例えば、他の手順をさらに含んだりする場合なども本発明に広く包含され、狭く限定されない。
ガラス化液に被包された哺乳動物胚及び希釈液を融解する操作は、例えば、哺乳動物胚の収納されたストローを20〜40℃の温湯などに縦向きに、5〜30秒間浸すことにより、又は、常温中に10〜120秒間静置することにより、行うことができる。
哺乳動物胚及び希釈液を融解し、ストロー内の希釈液の氷晶喪失を確認した後、素早く、哺乳動物胚保存用器具の筒状蓋材内にストロー管をさらに押し込み、第二被挿嵌部まで挿嵌させ、胚載置部に載置された哺乳動物胚を希釈液層内に浸漬させる。これにより、哺乳動物胚を被包するガラス化液を希釈できるため、凍結融解後の胚の高い生存性及び胚移植後の高い受胎率を実現できる。また、胚の融解希釈を簡易な操作で行うことができ、かつ、ストロー管内に胚を収納したままの状態で行うことができるという利点がある。融解後、ストローを、縦向きにしたまま、常温中又は20〜40℃の温湯などに浸し、1〜5分間、静置してもよい。
<本発明に係る哺乳動物胚移植方法について>
本発明は、上記の哺乳動物胚融解希釈方法により哺乳動物胚を融解希釈した後、前記哺乳動物胚保存用器具を取り除く手順と、哺乳動物胚を浸漬する前記希釈液が充填された哺乳動物胚移植用ストローを胚移植器に装填し、胚移植を行う手順と、を少なくとも含む哺乳動物胚移植方法をすべて包含する。即ち、例えば、他の手順をさらに含んだりする場合なども本発明に広く包含され、狭く限定されない。
本発明では、胚の融解希釈後も、移植用ストロー内に胚が保持されているため、他のストロー管への移し替えなどの煩雑な操作手順が不要であり、哺乳動物胚保存用器具を取り除くだけで、哺乳動物胚を収納した移植ストローを、直接、胚移植器に装填することができる。
従って、本発明により、人工授精や緩慢凍結法のうちのダイレクト法などと同様、畜産農家の庭先など、野外でも、超急速ガラス化保存法による哺乳動物胚の移植を行うことが可能となる。
胚移植の手順は公知の方法と同様に行うことができる。例えば、牛などの場合、受卵雌の発情の確認を行い、場合によっては発情期の同期化を行った上で、発情日の7日後(5〜10日後)に、本発明により胚の融解希釈を行い、その胚を収納したストローを胚移植器に装填し、胚を子宮角に注入し、移植する。
胚移植を行う動物種は特に限定されないが、非ヒト哺乳動物(ヒト以外の哺乳動物)が好適であり、産業動物(牛、豚、馬、羊、山羊など)がより好適であり、牛が最も好適である。受卵雌に胚移植する際の胚の数は、原則としては1個であるが、目的・用途に応じ、複数個を移植してもよい。
移植胚としては、人工受精後採卵された体内受精卵(胚)、体外受精により得られた体外受精卵(胚)、雌雄判別胚、クローン胚などを広く用いることができる。特に、本発明は、いわゆる低ランク胚や雌雄判別胚など、緩慢凍結法で凍結保存した場合には、凍結融解後の胚の生存性、及び、胚移植後の受胎率が著しく低くなる胚についても、凍結融解後の胚の高い生存性及び胚移植後の高い受胎率を実現できるという有利性がある。胚移植に用いる受精卵(胚)のステージについては、特に限定されないが、一般的には、胚盤胞期〜拡張胚盤胞期のものが胚移植に好適であるとされている。
実施例1では、本発明に係る哺乳動物胚保存用器具を用いて、哺乳動物胚の凍結融解を行い、凍結融解後の胚の生存率を検証した。
哺乳動物胚保存用器具として、図1に示すものと同様のものを試作した。また、0.25mLの市販の胚移植用ストロー管を準備した。ガラス化液には、20%エチレングリコール、20%DMSO、20%血清を添加した修正PBSを、希釈液には、0.3Mシュクロース、20%血清を添加した修正PBSをそれぞれ用いた。
ストロー管の所定位置まで希釈液を充填し、3つの希釈液層とその間の2つの空気層が形成されるようにした。液体窒素にストロー管の2/3を沈め、すぐに取り出せる状態にしつつ、希釈液を凍結させた。
受精後7〜9日目の胚盤胞期又は拡張胚盤胞期の牛の体外受精胚(n=33)を、20%血清を添加した修正PBSからガラス化平衡液(10%エチレングリコール、10%DMSO、20%血清を添加した修正PBS)へ移し、2〜5分間平衡化した後、ガラス化液に移し、さらに30秒程度浸漬した。金属製の円筒試験管を傾けながらその胴体部分まで液体窒素に浸し、試作の哺乳動物胚保存用器具の胚載置部にその哺乳動物胚を載置し、円筒試験管の内壁面に、哺乳動物胚保存用器具の平面部材を接触させ、胚載置部上で胚を超急速に凍結させた後、素早く、哺乳動物胚保存用器具にそのストロー管を第一被挿嵌部まで挿嵌させ、液体窒素中に沈め、凍結保存した。
液体窒素から、哺乳動物胚を収納した移植用ストローを30℃前後に調節した温湯中に縦向きに約10秒間浸し、ストロー内の希釈液の氷晶喪失を確認した後、温湯中で、素早く、哺乳動物胚保存用器具の筒状蓋材内にストロー管をさらに押し込み、第二被挿嵌部まで挿嵌させ、胚載置部に載置された哺乳動物胚を希釈液層内に浸漬させた。哺乳動物胚と希釈液が混合されたことを確認し、約2分間縦向きの状態のまま静置した後、哺乳動物胚保存用器具を取り除き、胚をシャーレに取り出し、48時間、希釈液内で培養した。48時間後、胚を顕微鏡で観察し、生存率を求めた。
その結果、融解希釈の48時間後における胚の生存率は72.8%であった。この結果は、超急速ガラス化保存法による従来の手順で凍結融解した場合の胚の生存率とほぼ同等である。従って、本実施例の結果は、本発明に係る哺乳動物胚保存用器具を用いることにより、従来よりも簡易な操作で超急速ガラス化保存法による胚の凍結融解を行うことができることを示す。
実施例2では、本発明に係る哺乳動物胚保存用器具を用いて、野外で胚の融解希釈と胚移植を行った。
体内由来胚及び体外由来胚について、実施例1と同様の手順で、本発明に係る哺乳動物胚保存用器具を用いて胚を液体窒素中で凍結保存した。体内由来胚には、過排卵処理した供卵牛に人工授精し、その7日後に非手術的に採取した受精卵(胚)を用いた。体外由来胚には、と体の卵巣から採取した未受精卵子を成熟培養した後、授精させ、7〜9日間培養して、胚盤胞にまで発生したものを用いた。
実施例1と同様、液体窒素から、哺乳動物胚を収納した移植用ストローを30℃前後に調節した温湯中に縦向きに約10秒間浸し、ストロー内の希釈液の氷晶喪失を確認した後、温湯中で、素早く、哺乳動物胚保存用器具の筒状蓋材内にストロー管をさらに押し込み、第二被挿嵌部まで挿嵌させ、胚載置部に載置された哺乳動物胚を希釈液層内に浸漬させた。哺乳動物胚と希釈液が混合されたことを確認し、約2分間縦向きの状態のまま静置した後、哺乳動物胚保存用器具を取り除き、哺乳動物胚が収納された移植用ストローを胚移植器に装填した。発情日の7日後の各受卵雌牛の子宮角まで胚移植器を挿入し、子宮角に胚を移植した。
その結果、体内由来胚を移植したものでは5頭中4頭が受胎し、受胎率は80%であった。また、体外由来胚を移植したものでは18頭中10頭が受胎し、受胎率は55.6%であった。この結果は、体内由来胚、体外由来胚のいずれを移植した場合も、超急速ガラス化保存法による従来の手順で凍結融解した胚を移植した場合の受胎率とほぼ同等である。本実施例より、本発明に係る哺乳動物胚保存用器具を用いることで、高い受胎率を実現できること、及び、野外での利用が可能であることが示された。
実施例3では、いわゆる低ランク胚及び雌雄判別分割胚を用いて、胚移植を試みた。
実施例1などと同様の手順により、本発明に係る哺乳動物胚保存用器具を用いて低ランク胚又は雌雄判別分割胚を液体窒素中で凍結保存した。低ランク胚には、過排卵処理した供卵牛に人工授精し、その7日後に非手術的に採取した受精卵(胚)のうち、顕微鏡検査でB又はCランクと判定されたものを用いた。雌雄判別分割胚には、上記と同様、受精卵を非手術的に採取し、顕微鏡操作により受精卵を分割し、一方を雌雄判別に供するとともに、残りの一方を4時間培養した後、用いた。顕微鏡検査ではBランクであった。
実施例2と同様の手順で、胚を融解希釈後、哺乳動物胚が収納された移植用ストローを胚移植器に装填した。発情日の7日後の受卵雌牛の子宮角まで胚移植器を挿入し、子宮角に胚を移植した。
その結果、低ランク胚を移植したものでは6頭中3頭が受胎し、受胎率は50%であった。また、雌雄判別分割胚を移植したものでは2頭中1頭が受胎し、受胎率は50%であった。この結果は、低ランク胚や雌雄判別胚など、従来の緩慢凍結法では受胎率が低く、胚移植を行うことが難しかったものについても、本発明に係る哺乳動物胚保存用器具を用いて超急速ガラス化凍結法による胚の凍結を行うことにより、胚移植が可能であることを示唆する。
本発明に係る哺乳動物胚保存用器具の例を示す断面模式図。 本発明に係る哺乳動物胚移植用ストローの胚凍結保存時における構成例を示す断面模式図。 本発明に係る哺乳動物胚移植用ストローの胚融解希釈時における構成例を示す断面模式図。
1 筒状蓋材
2 平面部材
21 胚載置部
22 第一被挿嵌部
23 第二被挿嵌部
3 抜気手段
31 通気孔
32 略球体
33 弾性体
4 希釈液層
5 空気層
6 綿栓部
A 哺乳動物胚保存用器具
B ストロー管

Claims (8)

  1. 超急速ガラス化保存法による哺乳動物胚の凍結保存に用いる哺乳動物胚保存用器具であって、
    ストロー管を挿嵌させる筒状蓋材と、
    末端側が前記筒状蓋材内で固定され、先端側が前記筒状蓋材の開口端より突出する平面部材と、を備え、
    前記平面部材が、
    先端側に位置し、ガラス化液に包被された哺乳動物胚を載置する胚載置部と、
    前記胚載置部よりも末端側に位置し、前記ストロー管の内径よりも幅小に形成された第一被挿嵌部と、
    前記第一被挿嵌部よりも末端側に位置し、前記ストロー管の内径以上の幅に形成された第二被挿嵌部と、を備えた哺乳動物胚保存用器具。
  2. 前記筒状蓋材の天井部に、
    通常圧の際は閉鎖され、内部圧が上昇した際に開放される構成の抜気手段を備えた請求項1記載の哺乳動物胚保存用器具。
  3. 前記抜気手段が、前記筒状蓋材内の天面に形成された略円状の通気孔と、該通気孔を外側から閉塞する略球体と、該球体を前記通気孔に押し付ける弾性体とを備え、
    内部圧が上昇した際、前記弾性体が圧縮され、前記通気孔と前記略球体の間に隙間が形成されることにより抜気される請求項2記載の哺乳動物胚保存用器具。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項記載の哺乳動物胚保存用器具の筒状蓋材内にストロー管が挿嵌されることにより、前記胚載置部上に載置された前記哺乳動物胚が、前記ストロー管内に収納された哺乳動物胚移植用ストロー。
  5. 希釈液が充填された希釈液層が前記ストロー管内に形成されており、
    前記ストロー管が前記第一被挿嵌部まで挿嵌されている際には、前記胚載置部と前記希釈液とが隔離され、
    前記ストロー管が前記第二被挿嵌部まで挿嵌された際には、前記胚載置部に載置された哺乳動物胚が前記希釈液層内に浸漬される構成である請求項4記載の哺乳動物胚移植用ストロー。
  6. 前記ストロー管内に所定量の希釈液を充填し、希釈液層を形成する手順と、
    請求項1〜3のいずれか一項記載の哺乳動物胚保存用器具の前記胚載置部に、ガラス化液を包被させた哺乳動物胚を載置する手順と、
    前記哺乳動物胚保存用器具にストロー管を前記第一被挿嵌部まで挿嵌し、前記希釈液層と前記胚載置部とが隔離された状態で前記哺乳動物胚を前記ストロー管内に収納する手順と、
    を含む哺乳動物胚凍結保存方法。
  7. 請求項6記載の哺乳動物胚凍結保存方法により作製され、凍結保存された哺乳動物胚移植用ストローについて、
    前記哺乳動物胚移植用ストロー内の哺乳動物胚及び希釈液を融解する手順と、
    前記哺乳動物胚保存用器具の前記筒状蓋材内に前記ストロー管をさらに押し込み、前記第二被挿嵌部まで挿嵌させることにより、前記胚載置部に載置された哺乳動物胚を前記希釈液層内に浸漬させる手順と、を含む哺乳動物胚融解希釈方法。
  8. 請求項7記載の哺乳動物胚融解希釈方法により非ヒト哺乳動物胚を融解希釈した後、
    前記哺乳動物胚保存用器具を取り除く手順と、
    非ヒト哺乳動物胚を浸漬する前記希釈液が充填された哺乳動物胚移植用ストローを胚移植器に装填し、胚移植を行う手順と、を含む非ヒト哺乳動物胚移植方法。
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