JP5223610B2 - 電力変換回路 - Google Patents

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Description

本発明は二次電池(充電池)から交流電力を生成する電力変換回路とその制御方法に関する。本発明は特にノーマリオン型のトランジスタをスイッチ素子として用いた電力変換回路に関する。
現在、直流電源から3相交流電力を出力するインバータとしては、直流電源に昇圧回路を接続して所望の電圧をキャパシタに蓄積し、パルス幅変調制御(PWMコントロール)により3相交流電力を出力するものが汎用されている。特に三角波キャリアと、振幅を制御した3つの正弦波による閾値を比較して各スイッチを切り替える方式は、制御用CPUが小型化でき、最も広く使用されている。
また、インバータの心臓部である3相交流を出力するためのスイッチング回路(以下、3相スイッチング部と呼ぶ)のスイッチング素子は、現時点ではシリコン基板に形成されている。特に現在広く開発が行われている、電気自動車及びハイブリッド自動車におけるスイッチング素子は実質的にシリコン半導体のみが用いられている(例えば非特許文献1)。
一方、炭化ケイ素(SiC)や窒化ガリウム(GaN)、及びそれらの系列の半導体素子の開発により、それらワイドバンドギャップ半導体を用いた素子の、有用な特性が注目を集めている。即ち、バンドギャップが広いこと、熱伝導性の高いこと、絶縁耐圧が高いこと等である。この特性を有効に活用すれば、シリコン半導体素子を圧倒するパワーデバイス特性が期待できる。更に、シリコン半導体素子を用いた場合よりも小型化が可能で、素子自体の重量を低減できるほか、放熱系の装置を小型化又は削減も可能となりうる。
一方、マルチレベルインバータと称されるインバータを用いると、出力電流の高周波成分を低減でき、巻き上げモーターにおいては巻き上げ終了時の過電圧によるストレスを低減でき、各半導体素子における電力損失も低減できることは広く知られている(例えば非特許文献2)。例えば3レベルインバータであれば、直流電源から昇圧回路を介して直列接続した2つのキャパシタの電位を保ち、2つのキャパシタの接続点である中性点と、両端の正極、負極に3相出力端子を接続することで次のような出力端子間の電位差を生成できる。中性点から見た正極の電位を+VC、中性点から見た負極の電位を−VCとおくと、
正極に接続した相を負極に接続した相から見ると電位は+2VC、逆にみれば−2Vc
正極に接続した相を中性点に接続した相から見ると電位は+VC、逆にみれば−Vc
中性点に接続した相を負極に接続した相から見ると電位は+VC、逆にみれば−Vc
同じ電位に接続した相同士は電位差は0。
このように、2レベルインバータの+VC、0、−Vcの切替え、即ち電位差の絶対値がVCと0の2段階であるに対し、3レベルインバータでは+2VC、+VC、0、−Vc、−2Vcの切替え、即ち電位差の絶対値が2VCとVCと0の3段階とできる。
更に、近年、Pengらにより、インピーダンスソースインバータと称される、新しい方式のインバータが報告されている(非特許文献3)。
インピーダンスソースインバータの特長は、スイッチング素子のデッドタイムがノイズにより消滅してショートスルー状態が生じても問題が無いので、インバータの高信頼性化を図れること、インバータの高スイッチング周波数化を図れること、更には定圧直流電源よりも高い電圧を3相交流出力とできることである。ここでデッドタイムとは、2レベルインバータの場合、各相の上下スイッチを同時にオンとできない場合に、上下スイッチのオンオフを逆転させる際に、その間に上下スイッチをいずれもオフとする状態を言う。
Shinichi Matsumoto,"Advancement of hybrid vehicle technology," European Conference of power electronics and applications(EPE2005),Sept.2005,pp.1−7 Relph Teichmann,"Compation of three−level converters versus two−level converters for low−voltage drivers, traction and utility applications," IEEE Tranas of Industorial applications,vol.41,no.3,May/June 2005,pp.855−865 IEEE Transactions on Industry Applications,vol.39,No.2,pp.504−510,March/April 2003
例えば窒化ガリウム(GaN)を用いて電界効果トランジスタが開発されているが、現時点ではノーマリオン型のスイッチである。実際、ワイドバンドギャップ半導体では、ノーマリオフ型のスイッチを形成することは、現時点では技術的に困難である。
このようなノーマリオフ型のスイッチを、例えば電気自動車及びハイブリッド自動車におけるインバータに用いると、各スイッチ素子のゲート駆動回路の故障が生じた場合にスイッチ素子に過電流が流れ、大量の熱の発生によりスイッチ素子の破壊が生じる。
Pengらのインピーダンスソースインバータは、正極負極のショート状態(非特許文献3ではシュートスルー)をキャパシタの昇圧及び電荷補充のために積極的に用いるものであり、ノーマリオン型のスイッチを採用するに都合がよい。
更に、マルチレベルインバータに組み上げることで、素子ごとの負担を軽減することが考えられるが、各レベル毎にインピーダンスソース回路を設けること、即ち3レベルインバータであれば中性点から見た正極の電位レベルと中性点から見た負極の電位レベルを形成するために2組のインピーダンスソース回路を設けることは装置全体の構成が膨大となるために好ましくない。
本発明者らは、SiCやGaN系の半導体素子のような、ノーマリオン型のスイッチ素子を用いた、信頼性の高いインバータの構成を着想し、本発明を完成させた。
本発明の特徴は、中性点クランプ方式の3レベルインバータであって、3相スイッチング部のスイッチング素子としてノーマリオン型のスイッチ素子を用い、3相スイッチング部の直流側の正極(第1極)と負極(第2極)の電位差を形成するためのインピーダンスソース回路(インピーダンス部)を1組用い、中性点は直流電源部の中性点を用いることを特徴とするものである。
即ち、請求項1に係る発明は、中性点を挟んで、各々二次電池と第1の双方向スイッチの直列接続を2組有する直流電源部と、第1及び第2のインダクタと、第1及び第2のキャパシタとを有するインピーダンス部と、12個の第2の双方向スイッチと、6個のダイオードを有し、3相の入出力端子を有する3相スイッチング部とを少なくとも有する中性点クランプ方式の電力変換回路であって、第1及び第2の双方向スイッチは、各々、制御電位により一方向に導通を行うトランジスタと、それとは逆並列に接続されたダイオードとから成り、インピーダンス部は、第1のインダクタの第1端子と、第1のキャパシタの第1端子とが直流電源部の正極側に接続され、第1のインダクタの第2端子と、第2のキャパシタの第1端子とが3相スイッチング部の第1極側に接続され、第2のインダクタの第1端子と、第1のキャパシタの第2端子とが3相スイッチング部の第2極側に接続され、第2のインダクタの第2端子と、第2のキャパシタの第2端子とが直流電源部の負極側に接続されており、3相スイッチング部は、3つの並列接続されたスイッチ列を有し、当該各スイッチ列は、第2の双方向スイッチが4個ずつ同方向に直列接続され、且つ2個のダイオードの直列接続が第2の双方向スイッチの第2番目と第3番目との直列接続とは逆方向に並列接続され、且つ当該2個のダイオードの中間点が中性点に接続され、第2の双方向スイッチの第2番目と第3番目との中間点に3相の入出力端子のいずれかが接続されており、3相スイッチング部は、各双方向スイッチを制御することで、第1極から第2極への電流、第1極から中間点及び第2極への電流、第1極及び中間点から第2極への電流を切替可能としたものであり、3相スイッチング部のスイッチング状態が、第1極と第2極を短絡状態とした場合には2個の第1の双方向スイッチをいずれもオフとして2個の二次電池を放電可能とし、それ以外の場合には2個の第1の双方向スイッチをいずれもオンとして二次電池を充電するように電流を流す制御装置を有し、12個の第2の双方向スイッチは、ノーマリオン型のトランジスタであることを特徴とする電力変換回路である。
請求項2に係る発明は、ノーマリオン型のトランジスタは、窒化ガリウムを用いた電界効果トランジスタであることを特徴とする。
ノーマリオン型のスイッチ素子は、ゲート部又はチャネル部の劣化又はゲート駆動回路に故障があった場合に、他のスイッチ素子との関係で正極と負極のショート(シュートスルー)状態が引き起こされる可能性が高い。
ところが、インピーダンスソースインバータは、正極と負極のショート(シュートスルー)状態をキャパシタの昇圧及び電荷補充のために積極的に用いるものであり、少なくとも短時間のショート(シュートスルー)状態が装置の直接的な破壊をもたらすことはない。
更にマルチレベルとすることで、各スイッチ素子の負担が軽減されるので、ゲート部又はチャネル部の劣化が抑制される。
更に、直流電源部には、二次電池(充電池)を用い、順方向に接続されたダイオードとは逆方向に、導通可能なスイッチ素子を設けておく(第1の双方向スイッチ)ので、二次電池(充電池)を充電する方向の電流状態が許容される。これにより、以下で示す通り外部負荷電流が小さい場合にも、インピーダンス部の電流状態が不連続となることが無い。尚、キャパシタの昇圧及び電荷補充のための正極と負極のショート(シュートスルー)状態の場合は第1の双方向スイッチはオフとして、キャパシタ電位が直流電源部電位よりも高い場合にはダイオードにより二次電池(充電池)の充電を遮断できる。
また、インピーダンス部は1組であり、回路全体の構成を小さいままとすることができる。
本発明の本質は、中性点クランプ方式の3レベルインバータであって、3相スイッチング部のスイッチング素子としてノーマリオン型のスイッチ素子を用い、3相スイッチング部の直流側の正極(第1極)と負極(第2極)の電位差を形成するためのインピーダンスソース回路(インピーダンス部)を1組用い、中性点は直流電源部の中性点を用いることを特徴とするものである。スイッチ素子はノーマリオン型のGaN−HEMTを想定するが、ノーマリオン型のその他の任意の半導体スイッチング素子を用いて良い。
また、逆方向に並列接続されたダイオードは、ノーマリオン型のスイッチの寄生ダイオードを用いても良く、或いは別途追加して接続したものでも良い。この場合、ダイオードを構成する半導体はワイドバンドギャップ半導体に限定されない。
図1は、本発明の具体的な実施例に係る電力変換回路100の構成を示す回路図である。図1の電力変換回路100は、中性点クランプ方式であって、インピーダンス部を1個有する電力変換回路である。即ち図1の電力変換回路100は、充電可能な二次電池(充電池)V0p及びV0nと、スイッチ素子Q0p及びQ0nとダイオードD0n及びD0nとから成る直流電源部と、第1のインダクタL1及び第2のインダクタL2と第1のキャパシタC1と第2のキャパシタC2とから成るインピーダンス部と、直流側端子として第1極P、第2極N及び中性点O、3相交流側端子としてA、B及びCを有する3相スイッチング部S3phを有する。
直流電源部の各回路素子の接続順は次の通りである。
中性点Oに、二次電池(充電池)V0pの負極が接続され、二次電池(充電池)V0pの正極側にダイオードD0pの正極が接続されている。またスイッチ素子Q0pはダイオードD0pとは逆並列に接続されており、オン時(導通時)には二次電池(充電池)V0pを充電する方向に電流を流しうるものである。スイッチ素子Q0pとダイオードD0pが2個の第1の双方向スイッチの一方を形成している。
同様に、中性点Oに、二次電池(充電池)V0nの正極が接続され、二次電池(充電池)V0nの負極側にダイオードD0nの負極が接続されている。またスイッチ素子Q0nはダイオードD0nとは逆並列に接続されており、オン時(導通時)には二次電池(充電池)V0nを充電する方向に電流を流しうるものである。スイッチ素子Q0nとダイオードD0nが2個の第1の双方向スイッチの他方を形成している。
スイッチ素子Q0p及びQ0nは、信頼性の面でノーマリオフ型のパワー素子が望ましい。例えばIGBTを用いると良い。この場合、ダイオードD0pとD0nは、IGBTの寄生ダイオードを用いても、別途追加しても良い。
スイッチ素子Q0p及びQ0nがオフの状態では、二次電池(充電池)V0p及びV0nはダイオードD0p及びD0nを通じて放電することはあっても、充電はされない。
インピーダンス部の各回路素子の接続順は次の通りである。
直流電源部の正極側であるダイオードD0pの負極には、第1のインダクタL1の第1端子が接続され、第1のインダクタL1の他端である第2端子が3相スイッチング部S3phの第1極Pに接続されている。直流電源部の正極側であるダイオードD0pの負極には更に第1のキャパシタC1の正極である第1端子が接続されている。第1のキャパシタC1の負極である第2端子は3相スイッチング部S3phの第2極Nに接続されている。
また、第2のキャパシタC2の正極である第1端子が3相スイッチング部S3phの第1極Pに接続されている。第2のキャパシタC2の負極である第2端子が,直流電源部の負極側であるダイオードD0nの正極に接続されている。
また、第2のインダクタL2の第1端子が3相スイッチング部S3phの第2極Nに接続されている。第2のインダクタL2の第2端子が、直流電源部の負極側であるダイオードD0nの正極に接続されている。
3相スイッチング部S3phは、6個のダイオードDap、Dbp、Dcp、Dan、Dbn、Dcnと、12個の第2の双方向スイッチから成る。各第2の双方向スイッチは互いに逆並列に接続された1個のスイッチ素子と1個のダイオードから成る。これらは、Qap1、Qap2、Qan1、Qan2、Qbp1、Qbp2、Qbn1、Qbn2、Qcp1、Qcp2、Qcn1及びQcn2、並びにDap1、Dap2、Dan1、Dan2、Dbp1、Dbp2、Dbn1、Dbn2、Dcp1、Dcp2、Dcn1及びDcn2である。
スイッチ素子Qap1、Qap2、Qan1、Qan2、Qbp1、Qbp2、Qbn1、Qbn2、Qcp1、Qcp2、Qcn1及びQcn2としてはノーマリオン型のいわゆるGaN−HEMTを用いる。ソースS、ドレインD、ゲートGのバイアス電位回路は図1では省略した。図1に示す通り、当該12個のスイッチ素子を全てオンとすると、第1極P側から第2極N側に電流が流れる。この際、各素子の第1極P側にドレインD、第2極N側にソースSが配置される。
まず3相交流側端子Aと、直流側端子として第1極P、第2極N及び中性点Oの間の素子の接続順を説明する。
第1極Pと端子Aの間には、GaN−HEMTから成るスイッチ素子Qap1とQap2とが直列に接続されている。スイッチ素子Qap1とQap2とは、制御電圧により、電流の遮断と、第1極Pから端子Aへの電流の導通を切り替えることが可能なスイッチである。
また、スイッチ素子Qap1とQap2の接続点にはダイオードDapの負極が接続され、ダイオードDapの正極が中性点Oに接続されている。スイッチ素子Qap2は、制御電圧により、中性点Oから端子Aへの電流の導通とその遮断を切り替えることができる。
また、スイッチ素子Qap1とQap2には逆並列に、ダイオードDap1とDap2が接続されている。即ちダイオードDap1とDap2は、常時、端子Aから第1極Pへの電流の導通を可能とするものである。
端子Aと第2極Nとの間には、GaN−HEMTから成るスイッチ素子Qan1とQan2とが直列に接続されている。スイッチ素子Qan1とQan2とは、制御電圧により、電流の遮断と、端子Aから第2極Nへの電流の導通を切り替えることが可能なスイッチである。
また、スイッチ素子Qan1とQan2の接続点にはダイオードDanの正極が接続され、ダイオードDanの負極が中性点Oに接続されている。スイッチ素子Qan2は、制御電圧により、端子Aから中性点Oへの電流の導通とその遮断を切り替えることができる。
また、スイッチ素子Qan1とQan2には逆並列に、ダイオードDan1とDan2が接続されている。即ちダイオードDan1とDan2は、常時、第2極Nから端子Aへの電流の導通を可能とするものである。
全く同様に、第1極Pと端子Bの間に、GaN−HEMTから成るスイッチ素子Qbp1とQbp2とが直列に接続され、各々に逆並列にDbp1とDbp2が接続されている。また、スイッチ素子Qbp1とQbp2の接続点にはダイオードDbpの負極が接続され、ダイオードDbpの正極が中性点Oに接続されている。端子Bと第2極Nとの間に、GaN−HEMTから成るスイッチ素子Qbn1とQbn2とが直列に接続され、各々に逆並列にDbn1とDbn2が接続されている。また、スイッチ素子Qbn1とQbn2の接続点にはダイオードDbnの正極が接続され、ダイオードDbnの負極が中性点Oに接続されている。
更に、第1極Pと端子Cの間に、GaN−HEMTから成るスイッチ素子Qcp1とQcp2とが直列に接続され、各々に逆並列にDcp1とDcp2が接続されている。また、スイッチ素子Qcp1とQcp2の接続点にはダイオードDcpの負極が接続され、ダイオードDcpの正極が中性点Oに接続されている。端子Cと第2極Nとの間に、GaN−HEMTから成るスイッチ素子Qcn1とQcn2とが直列に接続され、各々に逆並列にDcn1とDcn2が接続されている。また、スイッチ素子Qcn1とQcn2の接続点にはダイオードDcnの正極が接続され、ダイオードDcnの負極が中性点Oに接続されている。
次に、本実施例で用いる図1の電力変換回路100のスイッチ状態を説明する。これは一般的に知られた中性点クランプ方式(NPC)インバータの操作方法を基本とするものであるが、一部特徴的なものもある。
例えば次のように3相交流側端子Aに直流側端子P、O、Nが接続される場合をそれぞれ1、0、−1とする。尚、第1極である直流側端子Pは最も電位が高く、中性点である直流側端子Oは中間電位であり、第2極である直流側端子Nは最も電位が低い。
〔スイッチ状態の説明−1〕
図2は3相交流側端子Aに直流側端子P、O、Nが接続される4つの場合を模式的に示した回路図(部分図)である。
図2.Aは3相交流側端子Aに直流側端子Pが接続される場合を示しており、状態1である。スイッチ素子Qap1とQap2をオン(導通)状態とし、スイッチ素子Qan1とQan2をオフ(遮断)状態とする。図2.Aは直流側端子Pから3相交流側端子Aに電流が流れることを示すため、遮断状態の6個のダイオードを白抜きで示し、オフ(遮断)状態のスイッチ素子Qan1とQan2を破線で示した。
図2.Aのように、スイッチ状態1では直流側端子Pから3相交流側端子Aに電流が流れる場合に、3相交流側端子Aと中性点O及び直流側端子Nはいずれも遮断される。
図2.Bは3相交流側端子Aに中性点Oが接続され、且つ中性点Oから3相交流側端子Aに電流が流れる状態を示している。スイッチ状態は0である。スイッチ素子Qap2とQan1をオン(導通)状態とし、スイッチ素子Qap1とQan2をオフ(遮断)状態とする。図2.Bは中性点Oから3相交流側端子Aに電流が流れることを示すため、導通状態のダイオードDapを塗り潰しで、遮断状態の5個のダイオードを白抜きで示し、オフ(遮断)状態のスイッチ素子Qap1とQan2を破線で示した。
図2.Bのように、スイッチ状態0で中性点Oから3相交流側端子Aに電流が流れる場合に、3相交流側端子Aと直流側端子P及びNはいずれも遮断される。また、スイッチ素子Qan1はオン(導通)状態であるが、電流は流れない。
スイッチ状態0では、次の図2.Cの電流状態も生じうる。図2.Bの電流状態が生ずるのは、図2.Aの電流状態の後の場合や、その他、3相交流側端子BやCとの関係により3相交流側端子Aを介して外部負荷に電流が流れ出す場合である。
図2.Cは3相交流側端子Aに中性点Oが接続され、且つ3相交流側端子Aから中性点Oに電流が流れる状態を示している。スイッチ状態は図2.Bと同じく0であり、スイッチ素子Qap2とQan1をオン(導通)状態とし、スイッチ素子Qap1とQan2をオフ(遮断)状態とする。図2.Cは3相交流側端子Aから中性点Oに電流が流れることを示すため、導通状態のダイオードDanを塗り潰しで、遮断状態の5個のダイオードを白抜きで示し、オフ(遮断)状態のスイッチ素子Qap1とQan2を破線で示した。
図2.Cのように、スイッチ状態0で3相交流側端子Aから中性点Oに電流が流れる場合に、3相交流側端子Aと直流側端子P及びNはいずれも遮断される。また、スイッチ素子Qap2はオン(導通)状態であるが、電流は流れない。
スイッチ状態0では、前述の図2.Bの電流状態も生じうる。図2.Cの電流状態が生ずるのは、図2.Dの電流状態の後の場合や、その他、3相交流側端子BやCとの関係により3相交流側端子Aを介して外部負荷から電流が流れ込む場合である。
図2.Dは3相交流側端子Aに直流側端子Nが接続される場合を示しており、スイッチ状態−1である。スイッチ素子Qan1とQan2をオン(導通)状態とし、スイッチ素子Qap1とQap2をオフ(遮断)状態とする。図2.Dは直流側端子Nから3相交流側端子Aに電流が流れることを示すため、遮断状態の6個のダイオードを白抜きで示し、オフ(遮断)状態のスイッチ素子Qap1とQap2を破線で示した。
図2.Dのように、スイッチ状態−1では3相交流側端子Aから直流側端子Nに電流が流れる場合に、3相交流側端子Aと直流側端子P及び中性点Oはいずれも遮断される。
図2.A乃至図2.Dでは、3相交流側端子Aと直流側端子P、O、Nの接続状態を説明したが、3相交流側端子B及びCと直流側端子P、O、Nの接続状態も全く同様である。
このように、3相交流側端子A、B、Cがそれぞれ、直流側のP、O、Nのどの端子と接続しているかを、1、0、−1で示すことができる。例えば(1,−1,−1)であれば、3相交流側端子Aが直流側のPに、3相交流側端子B及びCが直流側のNに接続されていることを意味する。同様に(1,0,−1)であれば、3相交流側端子Aが直流側のPに、3相交流側端子Bが中性点Oに、3相交流側端子Cが直流側のNに接続されていることを意味する。この際、上記で述べた通り、中性点Oに接続された3相交流側端子Bの電流状態は2通り許容される。
〔スイッチ状態の説明−2、ショート〕
図3は本発明に特徴的な2つのスイッチ状態と、他の2つの電流状態に付いて説明する4つの模式的回路図(部分図)である。
図3.Aは直流側端子Pと中性点Oを短絡する場合(POショート状態)である。スイッチ素子Qap1とQap2とQan1をオン(導通)状態とし、スイッチ素子Qan2をオフ(遮断)状態とする。図3.Aは直流側端子Pから中性点Oに電流が流れることを示すため、導通状態のダイオードDanを塗り潰しで、遮断状態の他の5個のダイオードを白抜きで示し、オフ(遮断)状態のスイッチ素子Qan2を破線で示した。
図3.Aのように、POショート状態では直流側端子Pから中性点Oに電流が流れる。
3相交流端子Aに、直流側端子Pから電流が流れることは許容され、また、3相交流端子Aから、中性点Oに電流が流れることは許容される。
図3.Bは中性点Oと直流側端子Nとを短絡する場合(ONショート状態)である。スイッチ素子Qap2とQan1とQan2をオン(導通)状態とし、スイッチ素子Qap1をオフ(遮断)状態とする。図3.Bは中性点Oから直流側端子Nに電流が流れることを示すため、導通状態のダイオードDapを塗り潰しで、遮断状態の他の5個のダイオードを白抜きで示し、オフ(遮断)状態のスイッチ素子Qap1を破線で示した。
図3.Bのように、ONショート状態では中性点Oから直流側端子Nに電流が流れる。
3相交流端子Aに、中性点Oから電流が流れることは許容され、また、3相交流端子Aから、直流側端子Nに電流が流れることは許容される。
3相交流側のABCの異なる相でPOショート状態とONショート状態が同時に生ずれば、直流側の3つの端子は全てショート状態となる。この際、3相交流の残りの1相は、いずれのスイッチ状態でも良いが、中性点Oに接続されるスイッチ状態0が好ましい。
〔スイッチ状態の説明−3、電圧と電流の位相の符号が異なる場合とゼロベクトル〕
図3.C及び図3.Dは他のスイッチ状態について説明する模式的回路図(部分図)である。
スイッチ回路の故障の場合、或いはスイッチングタイミング(電圧負荷タイミング)と電流の状態がずれた場合、スイッチ状態、即ち直流電圧印加状態と、電流の向きが必ずしも一致しないことはあり得る。
図3.Cは、3相交流端子Aから外部負荷に電流が流れ出しうるその他の場合を示すものである。スイッチ素子Qap1とQap2がオフであっても、直流側端子NからダイオードDan2及びDan1を介しての電流経路は許容される。この場合、例えば図1でキャパシタC1及びC2が充電される状態となる。この場合、スイッチ素子Qan1とQan2は同時にオンであっても良い。また、3相交流側のABC各相のスイッチ状態が、ゼロベクトル状態である(−1,−1,−1)の場合に、インピーダンス部を介さないで外部負荷への電流流出及び電流流入経路が確保される。
図3.Dは、外部負荷から3相交流端子Aに電流が流れ込みうるその他の場合を示すものである。スイッチ素子Qan1とQan2がオフであっても、ダイオードDap2及びDap1を介して直流側端子Pへの電流経路は許容される。この場合、例えば図1でキャパシタC1及びC2が充電される状態となる。この場合、スイッチ素子Qap1とQap2は同時にオンであっても良い。また、3相交流側のABC各相のスイッチ状態が、ゼロベクトル状態である(1,1,1)の場合に、インピーダンス部を介さないで外部負荷への電流流出及び電流流入経路が確保される。
尚、3相交流側のABC各相のスイッチ状態が(0,0,0)のゼロベクトル状態では、図3.Cや図3.Dの状態でなく、図2.B及び図2.Cが3相のいずれかで、且つ同時に生ずることにより、インピーダンス部を介さないで外部負荷への電流流出及び電流流入経路が確保される。
〔電力変換回路100の駆動方法〕
本発明に係る図1の電力変換回路100は、図3.A及び図3.Bのスイッチ状態を用いることが、広く知られたNPC方式の3レベルインバータと大きく異なるところである。ショート状態は、インピーダンス部のキャパシタの昇圧及び電荷補充のために必要不可欠のものであり、1スイッチングサイクルごとに必ず1回設けることが好ましい。
尚、インピーダンスソースインバータにおいては、デッドタイムを設ける必要がない。
NPC方式の3レベルインバータのフェーザー図(ベクトル図)で、例えば(0,0,0)、(1,0,−1)、(1,−1,−1)、(1,0,−1)、(0,0,0)(以下繰り返し)の状態(電気角0乃至30度)の場合を例にして図4で説明する。
図4.A乃至図4.Dは、3相スイッチング部S3phの3つの端子A、B、Cに外部負荷、例えば3相誘導モータが接続されたものとし、3相誘導モータに有効な電力を供給している状態においては、1スイッチングサイクル中(3相交流端子の各相の電流の周期の1/100以下程度)の外部負荷電流がほぼ一定と見なせることに基づき、電力変換回路100と外部負荷(定電流源として記載)の接続状態を示した4つの回路図である。
図4.Aはスイッチ状態(0,0,0)(ゼロベクトル)、図4.Bはショート(POショートとONショートを同時に起こしたもの、シュートスルー)、図4.Cはスイッチ状態(1,0,−1)、図4.Dはスイッチ状態(1,−1,−1)の回路状態を簡略化した回路図である。
良く知られた2つの三角波キャリアと3つの正弦波による閾値との比較により、スイッチング素子を操作して、スイッチング状態(1,−1,−1)、(1,0,−1)、ショート、(0,0,0)、ショート、(1,0,−1)、(1,−1,−1)(以下繰り返し)を実現できる。ショートの位置は(0,0,0)、ショート、(0,0,0)でも良い。
このスイッチングサイクル区間では、スイッチング状態(1,−1,−1)は勿論、スイッチング状態(1,0,−1)でも、相AB間では3相交流端子Aから外部負荷に電流が流れて3相交流端子Bから電力変換回路100に電流が流れ込む状態が続く。同様に、相AC間では3相交流端子Aから外部負荷に電流が流れて3相交流端子Cから電力変換回路100に電流が流れ込む状態が続く。相BC間では電位差が無い場合(スイッチング状態(1,−1,−1))と電位差が生ずる場合(スイッチング状態(1,0,−1))があるが、3相交流端子Bは、あくまで、外部負荷から電力変換回路100に電流が流れ込む端子であるものとする。これはスイッチング状態(0,0,0)やショートの状態でも同じとする。
また、キャパシタC1及びC2は各々、充電池V0pとV0nの合計電圧の2乃至3倍程度の電位差を保つものとする(通常の設計)。
インピーダンスソースインバータでは、ショート状態において2つのキャパシタC1及びC2は各々インダクタL1及びL2にエネルギーを移動させ、その後ゼロベクトル状態において当該インダクタL1及びL2のエネルギーと直流電源部の充電池V0pとV0nからキャパシタC1及びC2に電荷を移動させてキャパシタC1及びC2の電位を保つものである。
実際、ショートである図4.Bにおいて、スイッチ素子Q0p及びQ0nをオフ(遮断状態)とすると、キャパシタC1よりも電位が低い充電池V0pは、ダイオードD0pで遮断状態となる。このため、キャパシタC1によりインダクタL1に電流が急激に流れ込む。同様に、キャパシタC2によりインダクタL2に電流が急激に流れ込む。
図4.Bのショート状態から図4.Aのゼロベクトル状態に切り替わる際に、スイッチ素子Q0p及びQ0nをオン(導通状態)とする。するとインダクタ電流が減少して起電力が発生し、キャパシタを充電する。即ち、直流電源部の充電池V0p及びV0nとインダクタL1の起電力によりキャパシタC2を充電し、直流電源部の充電池V0p及びV0nとインダクタL2の起電力によりキャパシタC1を充電する。
例えば図4.Dの外部負荷への電力供給状態(アクティブ)になると、外部負荷の電流変化が小さいため、インダクタL1及びL2の電流は次第に小さくなり、場合によっては逆方向に成る。この際、スイッチ素子Q0p及びQ0nがオン(導通)状態なので、充電池を充電する方向の電流も許容される。こうしてインダクタL1及びL2の電流の減少はインダクタL1及びL2の電流の符号が逆転しても許容されるので、外部負荷への供給電力が不連続となることは無い。
外部負荷への電流の経路は、インダクタL2、充電池V0n及びV0p並びにインダクタL1の経路、キャパシタC1とインダクタL1の経路、インダクタL2とキャパシタC2の経路と考えて良い。
図4.Cのスイッチ状態(1,0,−1)でも同様である。尚、図4.Cにおいては、端子Pに相Aが、端子Oに相Bが、端子Nに相Cが接続され、相Aを介して外部負荷に流れ出す電流のうち、外部負荷から相Cを介して端子Nに流れ込む電流部分と、外部負荷から相Bを介して端子Oに流れ込む電流部分とを分けて模擬的に回路図として示した。外部負荷から相Bを介して端子Oに流れ込む電流部分の経路は、充電池V0pとインダクタL1の経路、キャパシタC2と逆直列の充電池V0nの経路と考えて良い。
ここで、スイッチング状態(1,−1,−1)、(1,0,−1)、ショート、(0,0,0)、ショート、(1,0,−1)、(1,−1,−1)(以下繰り返し)を実現する際、ショート区間では、3相交流端子Aのスイッチ列である4つのスイッチ素子を図3.AのPOショート状態、3相交流端子Cのスイッチ列である4つのスイッチ素子を図3.BのONショート状態とすると良い。この際、3相交流端子Bのスイッチ列はスイッチ状態0とする。これは、スイッチ素子の切替を最小限に抑えられるからである。実際12個のスイッチ素子について、スイッチング状態(1,−1,−1)、(1,0,−1)、ショート、(0,0,0)、ショート、(1,0,−1)、(1,−1,−1)(以下繰り返し)において、4つのスイッチ素子Qap1、Qap2、Qan1、Qan2の切替が表1のように少ないからである。尚、表1では、スイッチオンを記号「○」で、スイッチオフを記号「×」で示し、スイッチ切替タイミングの罫線を二重線で記載した。また、POショートを「POs」と、ONショートを「ONs」と記載した。
Figure 0005223610
図5に、3レベルインバータのフェーザ図上の他の状態を説明する。
まず、図4.Aの状態は、3つのスイッチ状態であり、(1,1,1)、(0,0,0)及び(−1,−1,−1)である。3相はそれぞれ、全て端子P、全て端子O、全て端子Nに接続される。
また、図4.Dの状態は、6つのスイッチ状態であり、(1,−1,−1)、(1,1,−1)、(−1,1,−1)、(−1,1,1)、(−1,−1,1)及び(1,−1,1)である。即ち、中性点Oに接続される相が無く、且つゼロベクトルでない場合である。
図5.Aは図4.Cの再掲である。一方図5.Bも図5.Aと同じスイッチ状態で生じうる。即ち、図4.C(図5.Aと同じ)の説明では、(1,−1,−1)の状態と前後して(1,0,−1)のスイッチ状態となったとし、且つB相の電流は外部負荷から流れ込む場合のみを想定した。しかし、(1,1,−1)の状態と前後して(1,0,−1)のスイッチ状態となった場合はB相の電流は外部負荷へ流れ出す場合が考えられる。即ち、中性点Oから、電流が外部負荷へ流れ出す場合が図5.Bである。外部負荷へ端子Oから流れ出す電流部分の経路は、充電池V0nとインダクタL2の経路、キャパシタC1と逆直列の充電池V0pの経路と考えて良い。
図5.A及び図5.Bとなりうる場合は、6つのスイッチ状態であり、(1,0,−1)、(0,1,−1)、(−1,1,0)、(−1,0,1)、(0,−1,1)及び(1,−1,0)である。即ち、中性点Oに接続される相と端子Pに接続される相と、端子Nに接続される相が1つずつ存在する場合である。
図5.Cは端子Nに接続される相が無く、且つゼロベクトルでない場合である。
図5.Cとなりうる場合は、6つのスイッチ状態であり、(1,0,0)、(1,1,0)、(0,1,0)、(0,1,1)、(0,0,1)及び(1,0,1)である。
外部負荷から端子Oに流れ込む電流部分の経路は、充電池V0pとインダクタL1の経路、キャパシタC2と逆直列の充電池V0nの経路と考えて良い。キャパシタC1とインダクタL2は、直流電源部を構成する充電池V0p及びV0nとの関係で、図4.Aのゼロベクトル状態に等しい状態となっている。
図5.Dは端子Pに接続される相が無く、且つゼロベクトルでない場合である。
図5.Dとなりうる場合は、6つのスイッチ状態であり、(−1,0,0)、(−1,−1,0)、(0,−1,0)、(0,−1,−1)、(0,0,−1)及び(−1,0,−1)である。
端子Oから外部負荷へ流れ出す電流部分の経路は、充電池V0nとインダクタL2の経路、キャパシタC1と逆直列の充電池V0pの経路と考えて良い。キャパシタC2とインダクタL1は、直流電源部を構成する充電池V0p及びV0nとの関係で、図4.Aのゼロベクトル状態に等しい状態となっている。
これら図5.C及び図5.Dに本願発明の特徴が示される。本願発明は、充電池V0p及びV0nを用い、それらを充電する方向の電流を許容するためにスイッチ素子Q0p及びQ0nを用いている。図5.Cからスイッチ素子Q0nを除くと、キャパシタC2と逆直列の充電池V0nの電流経路は、ダイオードD0nにより生じない。図5.Dからスイッチ素子Q0pを除くと、キャパシタC1と逆直列の充電池V0pの電流経路は、ダイオードD0pにより生じない。即ち、スイッチ素子Q0p及びQ0nを用い、充電池V0p及びV0nを充電する方向の電流を許容することで、キャパシタC1及びC2に蓄積されたエネルギーを有効に活用することができる。これは、図5.A及び図5.Bにおいても同様である。
図6に、NPC方式のインバータのフェーザー図を示す。図6.Aは実施例1の説明で用いた、12点とゼロベクトルの1点、合計13個のスイッチング状態の配置を示している。ショート状態は、外部負荷への電力供給の点ではゼロベクトル状態(0,0,0)と等しい。図6.Aの12個に区分された領域毎に、フェーザーの長さ及び電気角から3つのスイッチ状態の時間割合が算出され、且つゼロベクトル状態(0,0,0)の時間区間内(区間先頭や区間末尾でも良い)にショート状態が設定される。
図6.Bは2レベルインバータにおけるフェーザー図を示すものである。尚、3レベルインバータを用いても、2レベルインバータの機能を発揮させうることは自明である。図6.Bと図6.Aの比較から、2レベルインバータよりも3レベルインバータの方が、フェーザーのベクトルに近いベクトルを用いて、外部負荷への電力供給するための、3相交流の印加電圧をパルス幅変調(PWM)により精度良く制御できることが分かる。
更に、詳細を記載しなかったが、図1の電力変換回路100は、図6.Cに示した通常のNPC方式の3レベルインバータの制御において、ショートスルー(シュートスルー)区間を設けることで全く同様に制御可能である。図6.Cのフェーザー図は、フェーザーベクトルに対し、それを囲む最も近い3つのベクトルを用いて、各ベクトルの時間占有割合を算出することを模式的に示しているものである。図6.Cのフェーザー図においては、3相交流端子ABC、それぞれ3つの直流側端子との接続の組み合わせである27通りのスイッチ状態が示されている。
〔その他〕
図1の電力変換回路100はスイッチ素子Q0p及びQ0nにより、充電池V0p及びV0nを充電する方向の電流を許容できるので、外部負荷から回生電流を回収する回生回路として利用できる。
また、上記実施例では二次電池(充電池)のみを有する実施例を示したが、容易な回路構成により、燃料電池その他の充電不可の電池を併用する回路に用い得ることは明らかである。
本発明は、回生電流を有効利用できるので、ハイブリッドタイプを含む電動機を有する車両、電動車、その他に利用可能である。
本発明の具体的な一実施例に係る電力変換回路100の構成を示す回路図。 電力変換回路100のA相のスイッチング状態を4例示す模式的回路図(部分図)。 電力変換回路100のA相のスイッチング状態を更に4例示す模式的回路図(部分図)。 電力変換回路100の動作時の、スイッチ状態により電流経路が異なることを示す4つの簡略化した回路図。 電力変換回路100の動作時の、スイッチ状態により電流経路が異なることを示す他の4つの簡略化した回路図。 電力変換回路100に適用可能な3つのフェーザー図(ベクトル図)。
符号の説明
0p、V0n:二次電池(充電池)
0p、Q0n:第1の双方向スイッチを形成するスイッチ素子(IGBT等)
0p、D0n:第1の双方向スイッチを形成するダイオード
1:第1のインダクタ
2:第2のインダクタ
1:第1のキャパシタ
2:第2のキャパシタ
3ph:3相スイッチング回路
P:3相スイッチング回路S3phの第1極(高電位である直流側端子)
O:3相スイッチング回路S3phの中性点(直流側端子)
N:3相スイッチング回路S3phの第2極(低電位である直流側端子)
A、B、C:3相スイッチング回路S3phの3相交流側端子
ap1、Qap2、Qan1、Qan2、Qbp1、Qbp2、Qbn1、Qbn2、Qcp1、Qcp2、Qcn1、Qcn2:3相スイッチング回路S3phの第2の双方向スイッチを形成するスイッチ素子(GaN−HEMT)
ap1、Dap2、Dan1、Dan2、Dbp1、Dbp2、Dbn1、Dbn2、Dcp1、Dcp2、Dcn1、Dcn2:3相スイッチング回路S3phの第2の双方向スイッチを形成するダイオード

Claims (2)

  1. 中性点を挟んで、各々二次電池と第1の双方向スイッチの直列接続を2組有する直流電源部と、
    第1及び第2のインダクタと、第1及び第2のキャパシタとを有するインピーダンス部と、
    12個の第2の双方向スイッチと、6個のダイオードを有し、3相の入出力端子を有する3相スイッチング部とを少なくとも有する中性点クランプ方式の電力変換回路であって、
    前記第1及び第2の双方向スイッチは、各々、制御電位により一方向に導通を行うトランジスタと、それとは逆並列に接続されたダイオードとから成り、
    前記インピーダンス部は、
    前記第1のインダクタの第1端子と、前記第1のキャパシタの第1端子とが前記直流電源部の正極側に接続され、
    前記第1のインダクタの第2端子と、前記第2のキャパシタの第1端子とが前記3相スイッチング部の第1極側に接続され、
    前記第2のインダクタの第1端子と、前記第1のキャパシタの第2端子とが前記3相スイッチング部の第2極側に接続され、
    前記第2のインダクタの第2端子と、前記第2のキャパシタの第2端子とが前記直流電源部の負極側に接続されており、
    前記3相スイッチング部は、3つの並列接続されたスイッチ列を有し、
    当該各スイッチ列は、前記第2の双方向スイッチが4個ずつ同方向に直列接続され、且つ2個のダイオードの直列接続が前記第2の双方向スイッチの第2番目と第3番目との直列接続とは逆方向に並列接続され、且つ当該2個のダイオードの中間点が中性点に接続され、前記第2の双方向スイッチの第2番目と第3番目との中間点に前記3相の入出力端子のいずれかが接続されており、
    前記3相スイッチング部は、前記各双方向スイッチを制御することで、前記第1極から前記第2極への電流、前記第1極から前記中間点及び前記第2極への電流、前記第1極及び前記中間点から前記第2極への電流を切替可能としたものであり、
    前記3相スイッチング部のスイッチング状態が、前記第1極と前記第2極を短絡状態とした場合には前記2個の第1の双方向スイッチをいずれもオフとして前記2個の二次電池を放電可能とし、
    それ以外の場合には前記2個の第1の双方向スイッチをいずれもオンとして前記二次電池を充電するように電流を流す制御装置を有し、
    前記12個の第2の双方向スイッチは、ノーマリオン型のトランジスタであることを特徴とする電力変換回路。
  2. 前記ノーマリオン型のトランジスタは、窒化ガリウムを用いた電界効果トランジスタであることを特徴とする請求項1に記載の電力変換回路。
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