JP5223402B2 - 車両用電動モータ駆動制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、車両用電動モータ駆動制御装置に関する。
この種の車両用電動モータ駆動制御装置に使用できる半導体集積回路として、特許文献1に示されているものが知られている。特許文献1の図3に示されているように、この半導体集積回路は、L負荷3に流れる電流を制御する出力トランジスタM0と、過電圧をクランプするダイナミッククランプ回路31と、ダイナミッククランプ回路31の動作を制御するクランプ制御回路32とを備えており、クランプ制御回路32は、L負荷3による逆起電圧を検出した場合には、通常時に非動作状態に制御されたダイナミッククランプ回路31を動作状態とするものである。
また、車両用電動モータ駆動制御装置に使用できる出力MOSトランジスタの過電圧保護回路として、特許文献2に示されているものが知られている。特許文献2の図1に示されているように、この過電圧保護回路は、ドレインを第1の電源1に接続して、ソースは負荷9に電力を供給するよう接続された出力トランジスタ7と、ソースが第1の電源1に、ドレインが出力トランジスタ7のゲートに接続された制御スイッチ用トランジスタ12と、第1の電源1と出力トランジスタ7のゲートとの間に接続されたダイナミッククランプ回路10と、第1の電源電位の変動を検知して制御スイッチ用トランジスタ12を制御する信号を制御スイッチ用トランジスタ12に供給するサージ検出回路11と、を備えている。
特開2005−223399号公報 特開2005−109162号公報
上述した特許文献1および特許文献2においては、例えば負荷である電動モータをPWM制御する際、出力トランジスタであるスイッチング素子に対する駆動信号がオフになるとき(ターンオフ)、逆起電圧の発生により過電圧(サージ)が発生する。このとき、クランプ回路に電圧が印加可能な状態であれば(制御スイッチ用トランジスタ12がオン状態のとき)、負荷にかかる電圧はクランプ回路によるクランプ電圧でスイッチング素子の破壊電圧以下にクランプされ、スイッチング素子は過電圧から保護される。このように、スイッチング素子にかかる消費電力(すなわちフライバックエネルギー)は、クランプ回路(ツェナーダイオード)によりスイッチング素子が破壊しないようにスイッチング素子で吸収されているが、フライバックエネルギーは非常に大きい。この大きなフライバックエネルギーによって、スイッチング素子が熱破壊するのを防止するために、スイッチング素子を複数並列に設けたり、スイッチング素子のエネルギー耐量を大きくしたりしているが、回路構成の複雑化、大型化や、コスト高となるという問題がある。
本発明は、上述した問題を解消するためになされたもので、車両用電動モータ駆動制御装置において、簡単な構造・小型・低コストでフライバックエネルギーを適切に分散および吸収して、電動モータの駆動を切り替えるスイッチング素子が破壊されるのを抑制することを目的とする。
上記問題を解決するため、請求項1に係る発明の構成上の特徴は、直流電源と、直流電源から駆動電流が供給される電動モータと、直流電源と電動モータに直列に接続され、電動モータへの給電・停止を切り替える電界効果型トランジスタと、該電界効果型トランジスタのドレイン−ゲート間に配置されクランプ電圧を第1電圧と該第1電圧より大きい値である第2電圧とに切替可能な切替回路とから構成される電動モータ駆動素子と、電動モータ駆動素子に並列に接続され、第1電圧と第2電圧との間の値である第3電圧に設定されたクランプ電圧にクランプするクランプ素子と、を備えたことである。
請求項2に係る発明の構成上の特徴は、請求項1において、切替回路は、電動モータ駆動素子の温度を検出する温度検出回路と、該温度検出回路による検出結果に基づいてオン・オフされるスイッチング素子と、を備え、温度検出回路により検出された温度が所定温度より高い場合、スイッチング素子はオフされ切替回路は電動モータ駆動素子のクランプ電圧を第2電圧に切り替え、一方、所定温度より低い場合、スイッチング素子はオンされ切替回路は第1電圧に切り替えることである。
請求項3に係る発明の構成上の特徴は、請求項1において、切替回路は、電界効果型トランジスタのドレイン−ソース間電流を検出する電流検出回路と、該電流検出回路による検出結果に基づいてオン・オフされるスイッチング素子と、を備え、電流検出回路により検出された電流が所定値より大きい場合、スイッチング素子はオフされ切替回路は電動モータ駆動素子のクランプ電圧を第2電圧に切り替え、一方、所定値より小さい場合、スイッチング素子はオンされ切替回路は第1電圧に切り替えることである。
請求項4に係る発明の構成上の特徴は、請求項1において、切替回路は、電動モータの駆動時間に基づいてオン・オフされるスイッチング素子を備え、駆動時間が所定時間より短い場合、スイッチング素子はオフされ切替回路は電動モータ駆動素子のクランプ電圧を第2電圧に切り替え、一方、所定時間より長い場合、スイッチング素子はオンされ切替回路は第1電圧に切り替えることである。
上記のように構成した請求項1に係る発明においては、電動モータ駆動素子の切替回路によって、電動モータ駆動素子のクランプ電圧が第1電圧に切り替えられている場合、このクランプ電圧は、電動モータ駆動素子に並列に接続されたクランプ素子のクランプ電圧である第3電圧より低い。これにより、電動モータをPWM制御する際、電動モータをオン・オフする電界効果型トランジスタに対する駆動信号がオフになって(ターンオフ)、逆起電圧の発生により過電圧(サージ)が発生した場合、クランプ素子のクランプ電圧(第3電圧)より小さいクランプ電圧(第1電圧)である電動モータ駆動素子によってクランプされる。したがって、電動モータ駆動素子経由で電流を流し電動モータ駆動素子でターンオフ時のフライバックエネルギーを吸収させる。
一方、電動モータ駆動素子の切替回路によって、電動モータ駆動素子のクランプ電圧が第2電圧に切り替えられている場合、このクランプ電圧は、電動モータ駆動素子に並列に接続されたクランプ素子のクランプ電圧である第3電圧より高い。これにより、電動モータをPWM制御する際、電動モータをオン・オフする電界効果型トランジスタに対する駆動信号がオフになって(ターンオフ)、逆起電圧の発生により過電圧(サージ)が発生した場合、電動モータ駆動素子のクランプ電圧(第2電圧)より小さいクランプ電圧(第3電圧)であるクランプ素子によってクランプされる。したがって、クランプ素子経由で電流を流し、電動モータ駆動素子でなくクランプ素子でフライバックエネルギーを吸収させる。
このように、電動モータ駆動素子の切替回路のクランプ電圧を切り替えることにより、ターンオフ時のフライバックエネルギーを電動モータ駆動素子またはクランプ素子の何れで吸収するかを切り替えることができる。これにより、フライバックエネルギーが電動モータ駆動素子のエネルギー耐量を超えない場合には、電動モータ駆動素子でフライバックエネルギーを吸収し、超える場合には、クランプ素子で吸収することが可能となる。また、エネルギー耐量が比較的小さい電動モータ駆動素子を使用することができる。したがって、同じ電動モータ駆動素子を複数並列に設けたり該素子のエネルギー耐量を大きくしたりする場合と比較して、簡単な構造・小型・低コストでフライバックエネルギーを適切に吸収して、電動モータ駆動素子が破壊されるのを抑制することができる。
上記のように構成した請求項2に係る発明においては、温度検出回路により検出された温度が所定温度より高い場合、スイッチング素子はオフされ切替回路は電動モータ駆動素子のクランプ電圧を第2電圧に切り替え、一方、所定温度より低い場合、スイッチング素子はオンされ切替回路は第1電圧に切り替えるので、電動モータ駆動素子の温度が所定温度より低い場合には、ターンオフ時のフライバックエネルギーを電動モータ駆動素子で吸収し、所定温度より高い場合にはクランプ素子で吸収することができる。
上記のように構成した請求項3に係る発明においては、電流検出回路により検出された電流が所定値より大きい場合、スイッチング素子はオフされ切替回路は電動モータ駆動素子のクランプ電圧を第2電圧に切り替え、一方、所定値より小さい場合、スイッチング素子はオンされ切替回路は第1電圧に切り替えるので、電界効果型トランジスタのドレイン−ソース間を流れる電流が所定値より小さい場合には、ターンオフ時のフライバックエネルギーを電動モータ駆動素子で吸収し、所定値より大きい場合にはクランプ素子で吸収することができる。
上記のように構成した請求項4に係る発明においては、電動モータの駆動時間が所定時間より短い場合、スイッチング素子はオフされ切替回路は電動モータ駆動素子のクランプ電圧を第2電圧に切り替え、一方、所定時間より長い場合、スイッチング素子はオンされ切替回路は第1電圧に切り替えるので、電動モータの駆動時間が所定時間より短くて大きい電流が電界効果型トランジスタのドレイン−ソース間を流れる場合には、ターンオフ時のフライバックエネルギーをクランプ素子で吸収し、所定時間より長くて比較的小さい電流が流れる場合には電動モータ駆動素子で吸収することができる。
以下、本発明による車両用電動モータ駆動制御装置を適用した車両用ブレーキ制御装置Aの一実施の形態について図面を参照して説明する。
図1に示すブレーキ制御装置Aは、いわゆる液圧式の車両用ブレーキ制御装置において、液圧供給源からの液圧によってマスタシリンダ内のブレーキ油を昇圧させる液圧ブースタタイプのものである。ブレーキ制御装置Aは、ブレーキペダル11の踏み込み操作に応じて第1および第2出力ポート10a,10bからブレーキ油を圧送する液圧ブースタ付きのマスタシリンダ10を備えている。マスタシリンダ10の第1出力ポート10aは、電磁弁12,13が非通電状態(図示状態)にあるときは第1油路L1および電磁弁12,13を介し左前輪FL用のホイールシリンダWCflに連通しているとともに、電磁弁14,15が非通電状態(図示状態)にあるときは第1油路L1および電磁弁14,15を介して右前輪FR用のホイールシリンダWCfrに連通している。電磁弁12,14は、後述するECU(電子制御ユニット)70からの指令に基づく通電により状態を切り換え制御されて、ホイールシリンダWCfl,WCfrに連通する油路を第1油路L1と後述する高圧油路LHとの間で切り換えるものである。また電磁弁13,15は、同様の通電により状態を切り換え制御されて、ホイールシリンダWCfl,WCfrに対して第1油路L1又は高圧油路LHを連通および遮断するものである。
マスタシリンダ10の第2出力ポート10bは、電磁弁16,17が非通電状態(図示状態)にあるときは第2油路L2および電磁弁16,17を介して左後輪RL用のホイールシリンダWCrlに連通しているとともに、電磁弁16,18が非通電状態(図示状態)にあるときは第2油路L2および電磁弁16,18を介して右後輪RR用のホイールシリンダWCrrに連通している。電磁弁16は、ECU70からの指令に基づく通電により状態を切り換え制御されて、ホイールシリンダWCrl,WCrrに対して第2油路L2を連通および遮断するためのものである。また電磁弁17,18は、同様の通電により状態を切り換え制御されて、ホイールシリンダWCrl,WCrrに対して第2油路L2又は高圧油路LHを連通および遮断するものである。
また、ブレーキ制御装置Aは、電動モータ30により駆動されるポンプ19を備えている。ポンプ19は、リザーバタンク20内のブレーキ油を吸入してアキュムレータ21に圧送し、液圧供給源としてのアキュムレータ21内は常に一定の油圧に保たれている。アキュムレータ21は、高圧油路LHを介して電磁弁22に接続されている。電磁弁22は、非通電状態(図示状態)にあるときは高圧油路LHを閉止するとともに通電状態にあるときは高圧油路LHを電磁弁12,14,17,18に連通させるものである。アキュムレータ21は、電磁弁22,12が通電状態となりかつ電磁弁13が非通電状態にあるときは高圧油路LHおよび電磁弁22,12,13を介して左前輪FL用のホイールシリンダWCflに連通し、電磁弁22,14が通電状態となりかつ電磁弁15が非通電状態にあるときは高圧油路LHおよび電磁弁22,14,15を介して右前輪FR用のホイールシリンダWCfrに連通し、電磁弁22が通電状態となりかつ電磁弁17が非通電状態にあるときは高圧油路LHおよび電磁弁22,17を介して左後輪RL用のホイールシリンダWCrlに連通し、電磁弁22が通電状態となりかつ電磁弁18が非通電状態にあるときは高圧油路LHおよび電磁弁22,18を介して右後輪RR用のホイールシリンダWCrrに連通する。
また、アキュムレータ21は、高圧油路LHを介して、マスタシリンダ10の入力ポート10cに連通している。入力ポート10cから導入された高圧ブレーキ油はマスタシリンダ10に内蔵のレギュレータ10dおよびブースタ室10eを通って第2出力ポート10bから導出される。ブースタ室10eに圧力が導入されるとブレーキペダル11の踏力が助勢される。
各電磁弁13,15,17,18とホイールシリンダWCfl〜WCrrの間からは、電磁弁23〜26を介して、リザーバタンク20に接続された低圧油路LLが分流している。電磁弁23〜26は、ECU70からの指令に基づく通電により状態を切り換え制御されて、ホイールシリンダWCfl〜WCrrに対して低圧油路LLを連通および遮断するものである。
また、ブレーキ制御装置Aは、第1油路L1、第2油路L2および高圧油路LHの油圧をそれぞれ検出する液圧計27,28,29を備えている。なお、電磁弁13,15,17,18は各ホイールシリンダWCfl〜WCrrに対する増圧手段であり、電磁弁23〜26は同じく減圧手段であり、電磁弁12,14は切換手段であり、電磁弁22は高圧開閉弁手段であり、電磁弁16は後輪切換手段である。また、切換手段、後輪切換手段、高圧開閉手段は、増圧手段および減圧手段とマスタシリンダ10との間に設けられて、ホイールシリンダWCfl〜WCrrとマスタシリンダ10とを連通しホイールシリンダWCfl〜WCrrとアキュムレータ21とを遮断する状態と、ホイールシリンダWCfl〜WCrrとマスタシリンダ10とを遮断しホイールシリンダWCfl〜WCrrとアキュムレータ21とを連通する状態とに切り換えるものである。また、本実施の形態においては減圧手段である電磁弁23〜24が排出手段である。
さらに、ブレーキ制御装置Aは車輪速度センサSfl,Sfr,Srl,Srrを備えている。車輪速度センサSfl,Sfr,Srl,Srrは、車輪FL,FR,RL,RRに付設されており、各車輪FL,FR,RL,RRの回転速度を検出して制御装置70に送信している。
さらに、ブレーキ制御装置Aは、例えば車両のダウンヒルアシスト制御をオン・オフするためのスイッチであるダウンヒルアシスト制御スイッチ81を備えている。ダウンヒルアシスト制御スイッチ81のオン・オフ信号は制御装置70に送信されるようになっている。ダウンヒルアシスト制御は、ダウンヒルアシスト制御スイッチ81がオン状態にある時、ブレーキ制御を実施して降坂時の車速を一定速度(例えば5km/h)にコントロールする制御である。
そして、ブレーキ制御装置Aは、上述した電動モータ30、各電磁弁12〜18,22〜26、油圧計28〜29、および車輪速度センサSfl,Sfr,Srl,Srrに接続された制御装置70を備えている。制御装置70には、車両の操舵角を検出するステアリングセンサ、アクセルペダルに組み付けられて車両のアクセル開度を検出するアクセルセンサ、および車両の実際のヨーレートYを検出するヨーレートセンサも接続されている(いずれも図示省略)。制御装置70は、これら各センサからの検出信号に基づき、電動モータ30、ブレーキ制御装置Aの各電磁弁12〜18,22〜26を制御し、ホイールシリンダWCfl〜WCrrに付与する油圧ひいては各車輪FL,FR,RL,RRに付与する制動力を制御する。なお、本実施の形態においては液圧計27がブレーキペダル11の踏込状態としてのマスタシリンダ圧を検出するもの(踏込状態検出手段)である。
制御装置であるECU(電子制御ユニット)70は、図2に示すように、マイクロプロセッサ71、モータ制御部72および電動モータ駆動素子73を備えている。モータ制御部72は、マイクロプロセッサ71からの制御指令信号(駆動要求)を入力し、その制御指令信号に応じて制御対象の電動モータ30に供給する駆動電流(駆動電圧)をオン・オフ制御するものである。モータ制御部72は、マイクロプロセッサ71からの駆動要求に応じたオン・オフ信号(所定のデューティ比のPWM信号でもよい。)を第1スイッチング素子(以下、第1SW素子という。)74に送信して電動モータ30への通電・非通電を制御する。
電動モータ駆動素子73は、電動モータ30を回転・停止させるものである。この実施の形態の電動モータ30は直流モータであり、電動モータ駆動素子73は、直流電源BATと電動モータ30に直列に接続されている。本実施の形態では、電動モータ駆動素子73は電動モータ30の正極端子30aと直流電源(例えば+12Vのバッテリ)BATの正極の間に設けられている。
電動モータ駆動素子73は、モータ制御部72から供給されるオン・オフ信号に応じて導通および遮断される第1SW素子74と、この第1SW素子74のドレインとゲート間に接続された切替回路75とを備えている。
第1SW素子74はMOS型電界効果トランジスタよりなる第1スイッチング部74aと、これと並列接続された第1寄生ダイオード74bにより構成されている。第1MOS型電界効果トランジスタ74aのドレインは端子73aを介してバッテリBATの正極に接続され、ソースは電動モータ30の正極端子30aに接続され、ゲートにはモータ制御部72からのオン・オフ信号がチャージポンプ部79で昇圧されて入力される。第1寄生ダイオード74bのカソードおよびアノードは、それぞれ第1電界効果トランジスタ74aのドレインおよびソースに接続となるように形成されている。
切替回路75は、クランプ回路76、第2スイッチング素子(スイッチング素子であり、以下第2SW素子という。)77および温度検出回路78から構成されている。クランプ回路76は、第1スイッチング部74aのゲートとドレイン間電圧をクランプするものである。クランプ回路76は、アノードが第1スイッチング部74aのドレインに接続されたダイオード76aと、カソードがダイオード76aのカソードに接続された第1ツェナーダイオード76bと、カソードが第1ツェナーダイオード76bのアノードに接続されアノードが第1スイッチング部74aのゲートに接続された第2ツェナーダイオード76cと、から構成されている。
第2SW素子77は、例えばNPNトランジスタよりなり、第2ツェナーダイオード76cに並列に接続されている。すなわち、第2SW素子77のコレクタおよびエミッタは、第2ツェナーダイオード76cのカソードおよびアノードにそれぞれ接続され、ベースは温度検出回路78の出力端に接続されている。
温度検出回路78は、第1SW素子74の温度を検出しその検出結果を第2SW素子77のベースに出力するものである。温度検出回路78は、電動モータ駆動素子73の温度が所定温度(例えば、150℃)より小さい場合に、オン信号をベースに出力して第2SW素子77をオンとし、大きい場合に、オフ信号を出力して第2SW素子77をオフとする。オン・オフを切り替える閾値である、この所定温度の決定方法については後述する。
このように、電動モータ駆動素子73の温度が所定温度より小さい場合、電動モータ駆動素子73のクランプ電圧は、ダイオード76aの順方向降下電圧Vfと第1ツェナーダイオード76bの降伏電圧VBD1と第1スイッチング部74aのしきい値電圧(ゲート−ソース間電圧)VGSとで決定される第1クランプ電圧(第1電圧)VCL1(例えば、24V)となる。また、所定温度より大きい場合、電動モータ駆動素子73のクランプ電圧は、ダイオード76aの順方向降下電圧Vfと第1ツェナーダイオード76bの降伏電圧VBD1と第2ツェナーダイオード76cの降伏電圧VBD2と第1スイッチング部74aのしきい値電圧VGSとで決定される第2クランプ電圧(第2電圧)VCL2(例えば、50V)となる。第2クランプ電圧VCL2は第1クランプ電圧VCL1より大きい値に設定されている。
すなわち、温度検出回路78により検出された温度が所定温度より高い場合、第2SW素子77はオフされ切替回路75は電動モータ駆動素子73のクランプ電圧を第2クランプ電圧VCL2に切り替え、一方、所定温度より低い場合、第2SW素子77はオンされ切替回路75はクランプ電圧を第1クランプ電圧VCL1に切り替えている。このように、切替回路75は、電動モータ駆動素子73のクランプ電圧を第1クランプ電圧VCL1と第2クランプ電圧VCL2に切替可能である。
さらに、ECU70は、電動モータ駆動素子73に並列に接続され、第1クランプ電圧VCL1と第2クランプ電圧VCL2との間の値に設定された第3クランプ電圧(第3電圧)VCL3にクランプするクランプ素子80を備えている。クランプ素子80は、例えばパワーツェナーダイオードで構成されており、カソードが電動モータ駆動素子73の端子73a(直流電源BATの正極)に接続され、アノードが電動モータ駆動素子73の端子73b(電動モータ30の端子30a)に接続されている。クランプ素子80のクランプ電圧は、ツェナーダイオードの降伏電圧VBD3で決定されるものであり、本実施の形態では27Vである。なお、クランプ素子80としては、ツェナーダイオード以外に、サージアブソーバ、バリスタなどのサージが発生した場合に所定電圧にクランプするものを使用してもよい。
なお、電動モータ30の端子30bは直流電源BATの負極に接続されている。
次に、上記のように構成した車両用電動モータ駆動制御装置の作動について図3を参照して説明する。時刻t1にて、マイクロプロセッサ71によって第1SW素子74がオンされると、電動モータ30への給電が開始されて電動モータ30の駆動制御が開始される。第1SW素子74へは所定デューティ比(本実施の形態では、オン時間:オフ時間=1:4)のPWM信号が供給される。具体的には、モータ制御部72は、電動モータ30の駆動制御中(時刻t1から時刻t3までの間)において、10msのオン時間と40msのオフ時間を繰り返すオン・オフ信号を第1SW素子74に出力している。
電動モータ30はコイルを有しているので、駆動開始からある程度回転数が大きくなるまでの間は大きなトルクが必要となるため、図3の上段で破線で示すように、大きな突入電流が流れて徐々に小さくなり、やがて一定電流値に落ち着くようになる。そして、時刻t3にて、マイクロプロセッサ71からの指令によって第1SW素子74がオフされると電動モータ30の駆動制御が停止される。
さらに、時刻t1から時刻t2における車両用電動モータ駆動回路の作動について図4および図5も参照して詳述する。時刻t1から時刻t2においては、電動モータ駆動素子73の温度が所定温度(例えば150℃)より低く、第2SW素子77がオンされている。
時刻t1から時刻t2における、第1SW素子74のオン・オフの1サイクル分について図5を参照して説明する。時刻t11にオンされ、その後時刻t12にオフされている。図5に示すように、時刻t11に第1SW素子74がオンされると、電動モータ30の端子30aの電圧VM+はバッテリBATの電圧VBATに上昇し、電流は第1SW素子74および電動モータ30を流れる。このとき、第1SW素子74を流れる電流Iは突入電流のため瞬間的に大きい電流が流れる。このとき、クランプ回路76およびクランプ素子80には電流は流れていない。
第1SW素子74の温度は、オン時の発熱とフライバック時の発熱により、図3のような時間−温度特性のように推移する。オンからオフに変わった瞬間での発熱時間は極めて短いので、この図のようにパルス的(フライバック時の急峻な発熱に相当している)に温度上昇を示す。オン・オフ切替え閾値の所定温度は、このパルス的に増加した最高温度が保証温度(例えば175℃)を下回るように設定する必要がある。
時刻t12(時刻t11の10ms後)に第1SW素子74がオフ(ターンオフ)されると、すなわち電動モータ30への給電が停止された場合、電動モータ駆動素子73のクランプ電圧は、上述したように第1クランプ電圧VCL1(例えば、24V)となる。第1クランプ電圧VCL1はクランプ素子80の第3クランプ電圧VCL3より小さいため、電動モータ30の端子30aの電圧VM+は、電動モータ駆動素子73の第1クランプ電圧VCL1だけ低下し、VBAT−VCL1(V)である。したがって、電動モータ30の両端には約VBAT−VCL1(V)の電圧が印加される。
電動モータ30の両端にはVBAT−VCL1(V)の電圧が逆電圧として発生すると、第1スイッチング部74aのゲートに電圧(ドレイン−ソース電流が流れる所定電圧以上の電圧である)がかかり、第1スイッチング部74aがオンするので、図4に示すように、電動モータ30からのフライバック電流はバッテリBATから第1SW素子74に流れる。第1SW素子74を流れる電流をIとする。
このようにターンオフされると、電動モータ30にはフライバック電流によるフライバックエネルギーE1が発生する。このフライバックエネルギーE1は下記数1で表される。
(数1)
E1=1/2×L×I
ここで、Lは電動モータ30のコイルの自己インダクタンスである。また、この電流Iは、第1SW素子74をオフした直前の第1SW素子74(電動モータ30)を流れている電流Iである。ここでは、バッテリBATに流れる電流によるエネルギーは無視している。
フライバック電流はIであり、第1SW素子74および電動モータ30で消費されて、時刻t13には0となる。フライバックエネルギーの多くは、第1SW素子74ひいては電動モータ駆動素子73で消費される。
さらに、時刻t2から時刻t3における車両用電動モータ駆動回路の作動について詳述する。時刻t2から時刻t3においては、電動モータ駆動素子73の温度が所定温度(例えば150℃)より高く、第2SW素子77がオフされている。この場合にも、時刻t1から時刻t2における場合と同様に、時刻t11(オン時間)に第1SW素子74がオンされると、電動モータ30の端子30aの電圧VM+はバッテリBATの電圧VBATに上昇し、電流は第1SW素子74および電動モータ30を流れる(図5参照)。
時刻t12(オフ時間)に第1SW素子74がオフ(ターンオフ)されると、すなわち電動モータ30への給電が停止された場合、電動モータ駆動素子73のクランプ電圧は、上述したように第3クランプ電圧VCL3(例えば、27V)となる。クランプ素子80の第3クランプ電圧VCL3は電動モータ駆動素子73の第2クランプ電圧VCL2より小さいため、電動モータ30の端子30aの電圧VM+は、クランプ素子80の第3クランプ電圧VCL3だけ低下し、VBAT−VCL3(V)である。したがって、電動モータ30の両端には約VBAT−VCL3(V)の電圧が印加される。
電動モータ30の両端にはVBAT−VCL3(V)の電圧が逆電圧として発生するので、図6に示すように、電動モータ30からのフライバック電流はバッテリBATおよびクランプ素子80を通って流れる。クランプ素子80を流れる電流をIとする。
このようにターンオフされると、電動モータ30にはフライバック電流によるフライバックエネルギーE2が発生する。このフライバックエネルギーE2は下記数2で表される。
(数2)
E2=1/2×L×I
ここで、Lは電動モータ30のコイルの自己インダクタンスである。また、この電流Iは、第1SW素子74をオフした直前の第1SW素子74(電動モータ30)を流れている電流Iである。ここでは、バッテリBATに流れる電流によるエネルギーは無視している。
なお、クランプ素子80の温度は、モータ駆動制御が開始されるとモータ駆動素子73の発熱による受熱でモータ駆動制御開始時点(時刻t1)から切替え時点(時刻t2)まで徐々に上昇する。時刻t2以降では、クランプ素子80でクランプするため、その際フライバック時の発熱により、図3のような時間−温度特性のように推移する。第1SW素子74がオンからオフに変わった瞬間での発熱時間は極めて短いので、この図のようにパルス的(フライバック時の急峻な発熱に相当している)に温度上昇を示す。
また、電動モータ30のフライバック電流は、バッテリBATおよびクランプ素子80を通って流れる。フライバック電流はIであり、クランプ素子80および電動モータ30で消費されて、時刻t13には0となる。フライバックエネルギーの多くは、クランプ素子80で消費される。
上述した説明から明らかなように、本実施の形態によれば、電動モータ駆動素子73の切替回路75によって、電動モータ駆動素子73のクランプ電圧が第1クランプ電圧VCL1に切り替えられている場合、このクランプ電圧は、電動モータ駆動素子73に並列に接続されたクランプ素子80のクランプ電圧である第3クランプ電圧VCL3より低い。これにより、電動モータ30をPWM制御する際、電動モータ30をオン・オフする電界効果型トランジスタ74に対する駆動信号がオフになって(ターンオフ)、逆起電圧の発生により過電圧(サージ)が発生した場合、電動モータ30にかかる電圧は、クランプ素子80のクランプ電圧(第3クランプ電圧VCL3)より小さいクランプ電圧(第1クランプ電圧VCL1)である電動モータ駆動素子73によってクランプされる。したがって、電動モータ駆動素子73経由で電流を流し電動モータ駆動素子73でターンオフ時のフライバックエネルギーを吸収させる。
一方、電動モータ駆動素子73の切替回路75によって、電動モータ駆動素子73のクランプ電圧が第2クランプ電圧VCL2に切り替えられている場合、このクランプ電圧は、電動モータ駆動素子73に並列に接続されたクランプ素子80のクランプ電圧である第3クランプ電圧VCL3より高い。これにより、電動モータ30をPWM制御する際、電動モータ30をオン・オフする電界効果型トランジスタ74に対する駆動信号がオフになって(ターンオフ)、逆起電圧の発生により過電圧(サージ)が発生した場合、電動モータ30にかかる電圧は、電動モータ駆動素子73のクランプ電圧(第2クランプ電圧VCL2)より小さいクランプ電圧(第3クランプ電圧VCL3)であるクランプ素子80によってクランプされる。したがって、クランプ素子80経由で電流を流し、電動モータ駆動素子73でなくクランプ素子80でフライバックエネルギーを吸収させる。
このように、電動モータ駆動素子73の切替回路75のクランプ電圧を切り替えることにより、ターンオフ時のフライバックエネルギーを電動モータ駆動素子73またはクランプ素子80の何れで吸収するかを切り替えることができる。これにより、フライバックエネルギーが電動モータ駆動素子73のエネルギー耐量を超えない場合には、電動モータ駆動素子73でフライバックエネルギーを吸収し、超える場合には、クランプ素子80で吸収することが可能となる。また、エネルギー耐量が比較的小さい電動モータ駆動素子73を使用することができる。したがって、同じ電動モータ駆動素子73を複数並列に設けたり該素子73のエネルギー耐量を大きくしたりする場合と比較して、簡単な構造・小型・低コストでフライバックエネルギーを適切に分散させて、電動モータ駆動素子73、クランプ素子80それぞれで吸収して、電動モータ駆動素子73がエネルギー(熱)破壊されるのを抑制することができる。さらに、電動モータ駆動素子73の温度がその保証温度を越える事を防止することができ、ひいては電動モータ駆動素子73の駆動可能な時間を延ばすことができる。
また、温度検出回路78により検出された温度が所定温度より高い場合、第2SW素子(スイッチング素子)77はオフされ切替回路75は電動モータ駆動素子73のクランプ電圧を第2クランプ電圧VCL2に切り替え、一方、所定温度より低い場合、第2SW素子77はオンされ切替回路75は第1クランプ電圧VCL1に切り替えるので、電動モータ駆動素子73の温度が所定温度より低い場合には、ターンオフ時のフライバックエネルギーを電動モータ駆動素子73で吸収し、所定温度より高い場合にはクランプ素子80で吸収することができる。
また、電動モータ30のフライバックエネルギーは、上記数1および数2で表したように、電動モータ30のインダクタンスLに比例する。加えて、フライバックエネルギーとモータ体格(軸長)とは、図7に示す関係がある。すなわち、軸長が短くなるほど発生するフライバックエネルギーが大きくなっている。これは、次の理由による。インダクタンスLは下記数3で表される。
(数3)
L=n×S×μ/l
ここで、nはコイルの巻き数であり、Sは鉄心の断面積であり、μは囲った材料の透磁率であり、lは巻腕部の長さである。
上記数1および数3からわかるように、モータ特性を維持しつつフライバックエネルギーを低減するためには、巻き数nを低減してインダクタンスLを低減すればよいが、これに伴って電動モータ30の抵抗が小さくなり、起動電流が増大し、無負荷回転数が増大して、起動トルクが低減する。これを補うため、磁束量を増大させるためにコア長やコア径を増大させる必要があるが、これにより電動モータ30の体格例えば軸長が長くなっていた。
したがって、従来のように1の電動モータ駆動素子を設けた場合、または複数の電動モータ駆動素子を並列に設けた場合においては、ターンオフ時に発生するフライバックエネルギーをできるだけ抑制するように電動モータ30の軸長を所定の長さ以上に確保する必要があった。図7に示すように、例えば電動モータ駆動素子からの設計要求が「フライバックエネルギーはEaJ以下」である場合、電動モータ30の軸長はlamm以上必要である。
これに対して、本実施の形態によれば、ターンオフ時に発生するフライバックエネルギーが小さい時には、電動モータ駆動素子73でクランプし、大きい場合には電動モータ駆動素子73よりエネルギー耐量の大きいクランプ素子80でクランプするので、電動モータ駆動素子のエネルギー耐量が小さくても、クランプ素子80によって大きいフライバックエネルギーを吸収することができる。したがって、電動モータ30によって発生するフライバックエネルギーを従来のように小さくしなくて済み、電動モータ駆動素子に起因する設計要求が緩和されるので、フライバックエネルギーはEaより大きい値であるEb以下となるように、電動モータ30の軸長をlaより小さい値であるlb以上とすることができる。この結果、電動モータ駆動素子を小型化・低コスト化した上で、電動モータ30を小型化・低コスト化することができる。
また、電動モータ駆動素子73のエネルギー耐量が小さくて済むので、エネルギー耐量を大きくするために電動モータ駆動素子を大型化しなくてよく、電動モータ駆動素子の小型化・低コスト化を達成することができる。
また、電動モータ駆動素子73は半導体素子であり、そのエネルギー耐量は温度に反比例する。すなわち、電動モータ駆動素子73の温度が高いと吸収可能なフライバックエネルギーは小さくなる。本実施の形態によれば、クランプする素子を電動モータ駆動素子73からクランプ素子80に切り替えることによって、電動モータ駆動素子73のエネルギー耐量はより小さくて済む。
さらに、上述した実施の形態における電動モータ駆動素子73の切替回路75を、図8に示すように、電流検出回路178からの検出結果に基づいて第2SW素子77がオン・オフされるものに代えてもよい。電流検出回路178は、第1SW素子74のドレイン−ソース間電流を検出するものであり、その検出結果は第2SW素子77のベースに出力されている。他の構成は上述した実施の形態と同一のものには同一符号を付してその説明を省略する。
この場合、電流検出回路178により検出されたドレイン−ソース間電流が所定値より大きい場合、第2SW素子77(スイッチング素子)はオフされ切替回路75は電動モータ駆動素子73のクランプ電圧を第2クランプ電圧VCL2に切り替え、一方、所定値より小さい場合、第2SW素子77はオンされ切替回路は第1クランプ電圧VCL1に切り替えるので、第1スイッチング部74aのドレイン−ソース間を流れる電流が所定値より小さい場合には、ターンオフ時のフライバックエネルギーを電動モータ駆動素子73で吸収し、所定値より大きい場合にはクランプ素子80で吸収することができる。したがって、図3に示すように、モータ電流(ドレイン−ソース間電流)が所定値より大きい場合(時刻t1から時刻t2)には、その大きいフライバックエネルギー(上記数1で表される)をクランプ素子80で吸収し、モータ電流が所定値より小さい場合(時刻t2から時刻t3)には、その小さいフライバックエネルギーを電動モータ駆動素子73で吸収する。
さらに、上述した実施の形態における電動モータ駆動素子73の切替回路75を、図9に示すように、電動モータ30の駆動時間をモータ駆動素子73に内蔵された時間検出回路82で検出し、その検出結果に基づいて第2SW素子77がオン・オフされるものに代えてもよい。この場合、電動モータ30の駆動時間が所定時間より短い場合、第2SW素子77(スイッチング素子)はオフされ切替回路75は電動モータ駆動素子73のクランプ電圧を第2クランプ電圧VCL2に切り替え、一方、所定時間より長い場合、第2SW素子77はオンされ切替回路75は第1クランプ電圧VCL1に切り替えるので、電動モータ30の駆動時間が所定時間より短くて大きい電流が第1スイッチング部74aのドレイン−ソース間を流れる場合には、ターンオフ時のフライバックエネルギーをクランプ素子80で吸収し、所定時間より長くて小さい電流が流れる場合には電動モータ駆動素子73で吸収することができる。
なお、第1クランプ電圧VCL1と第2クランプ電圧VCL2の設定は、上述した実施の形態の場合に限られないで、第1クランプ電圧VCL1を第3クランプ電圧VCL3より小さく設定し、第2クランプ電圧VCL2を無限大(第3クランプ電圧VCL3より大きい値であることが前提であり、この第3クランプ電圧VCL3より十分大きい値も含んでいる)に設定してもよい。例えば、上記実施の形態において第2ツェナーダイオード76cを削除すればよい。このとき、第1クランプ電圧VCL1は、第2SW素子77がオンしたときのクランプ電圧であるので、ダイオード76aの順方向降下電圧Vfと第1ツェナーダイオード76bの降伏電圧VBD1と第1スイッチング部74aのゲート−ソース間電圧VGSの和であり、この和が第3クランプ電圧VCL3より小さければよい。第2クランプ電圧VCL2は、第2SW素子77がオフしたときのクランプ電圧であるが、そもそも第2SW素子77がオフであり第2SW素子77ではクランプされないので、無限大である。すなわち、必然的にクランプ素子80によりクランプされる。
本発明による車両用電動モータ駆動制御装置を使用した車両用ブレーキ制御装置の一実施の形態の概要を示す流体回路図である。 図1に示す実施の形態の要部を示す電気回路図である。 図2に示す制御装置の作動を示すタイムチャートであり、上から順番に、第1段はモータ電流を示し、第2段は第1SW素子のオン・オフ状態を示し、第3段は第1SW素子の温度を示し、第4段は第2SW素子のオン・オフ状態を示し、第5段はクランプ素子の温度を示している。 第2SW素子がオン状態である場合であって第1SW素子がオフされたときの電流の流れを示す図である。 第2SW素子がオン状態である場合であって第1SW素子がオン・オフされたときの電圧VM+および電流を示すタイムチャートである。 第2SW素子がオフ状態である場合であって第1SW素子がオフされたときの電流の流れを示す図である。 フライバックエネルギーとモータ体格との関係を示す図である。 図1に示す実施の形態において切替回路の変形例を採用した場合の要部を示す電気回路図である。 図1に示す実施の形態において切替回路の他の変形例を採用した場合の要部を示す電気回路図である。
符号の説明
19…ポンプ、30…電動モータ、70…電子制御ユニット(ECU)、73…電動モータ駆動素子、74…第1SW素子(電界効果型トランジスタ)、75…切替回路、76…クランプ回路、77…第2SW素子(スイッチング素子)、78…温度検出回路、80…クランプ素子、178…電流検出回路、BAT…直流電源(バッテリ)、A…車両用ブレーキ制御装置。

Claims (4)

  1. 直流電源(BAT)と、
    前記直流電源から駆動電流が供給される電動モータ(30)と、
    前記直流電源と電動モータに直列に接続され、前記電動モータへの給電・停止を切り替える電界効果型トランジスタ(74a)と、該電界効果型トランジスタのドレイン−ゲート間に配置されクランプ電圧を第1電圧と該第1電圧より大きい値である第2電圧とに切替可能な切替回路(75)とから構成される電動モータ駆動素子(73)と、
    前記電動モータ駆動素子に並列に接続され、前記第1電圧と前記第2電圧との間の値である第3電圧に設定されたクランプ電圧にクランプするクランプ素子(80)と、を備えたことを特徴とする車両用電動モータ駆動制御装置。
  2. 請求項1において、前記切替回路は、前記電動モータ駆動素子の温度を検出する温度検出回路(78)と、該温度検出回路による検出結果に基づいてオン・オフされるスイッチング素子(77)と、を備え、
    前記温度検出回路により検出された温度が所定温度より高い場合、前記スイッチング素子はオフされ前記切替回路は前記電動モータ駆動素子のクランプ電圧を前記第2電圧に切り替え、一方、前記所定温度より低い場合、前記スイッチング素子はオンされ前記切替回路は前記第1電圧に切り替えることを特徴とする車両用電動モータ駆動制御装置。
  3. 請求項1において、前記切替回路は、前記電界効果型トランジスタのドレイン−ソース間電流を検出する電流検出回路(178)と、該電流検出回路による検出結果に基づいてオン・オフされるスイッチング素子(77)と、を備え、
    前記電流検出回路により検出された電流が所定値より大きい場合、前記スイッチング素子はオフされ前記切替回路は前記電動モータ駆動素子のクランプ電圧を前記第2電圧に切り替え、一方、前記所定値より小さい場合、前記スイッチング素子はオンされ前記切替回路は前記第1電圧に切り替えることを特徴とする車両用電動モータ駆動制御装置。
  4. 請求項1において、前記切替回路は、前記電動モータの駆動時間に基づいてオン・オフされるスイッチング素子(77)を備え、
    前記駆動時間が所定時間より短い場合、前記スイッチング素子はオフされ前記切替回路は前記電動モータ駆動素子のクランプ電圧を前記第2電圧に切り替え、一方、前記所定時間より長い場合、前記スイッチング素子はオンされ前記切替回路は前記第1電圧に切り替えることを特徴とする車両用電動モータ駆動制御装置。

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