JP5222316B2 - 射出成形機の異常処理方法 - Google Patents

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Description

本発明は、射出成形機の自動運転中に発生した異常により自動運転が停止した際に行う射出成形機の異常処理方法に関する。
一般に、射出成形機の自動運転中に何らかの異常が発生した場合、二次的トラブルを回避するため、自動運転(成形サイクル)を速やかに停止させている。この場合、停止させた後は、射出装置の加熱筒内に樹脂が滞留したままとなり、そのまま放置した場合には樹脂焼け等の問題を生じるため、異常の発生により自動運転(成形サイクル)を停止させると同時に必要な異常処理を行っている。
従来、このような異常処理の手法としては、特許文献1で開示される樹脂成形装置の樹脂焼け防止方法が知られており、同文献1には、樹脂を加熱して溶融させ、溶融させられた樹脂によって成形を行うに際し、成形サイクルが停止したときに樹脂の温度を低下させ、成形サイクルが停止した後、設定時間が経過したときに樹脂を強制的に移動させるとともに、設定時間が、樹脂焼けを発生させない最大滞留時間より短く設定されるようにした樹脂成形装置の樹脂焼け防止方法が開示されている。
特開平7−266394号公報
しかし、上述した従来における射出成形機の異常処理方法(樹脂成形装置の樹脂焼け防止方法)は、次のような問題点があった。
第一に、成形サイクルが停止したときに樹脂の温度を低下させ、成形サイクルが停止した後、設定時間が経過したときに樹脂を強制的に移動させる処理が行われるため、樹脂焼けの発生は回避されるものの、加熱筒の温度低下により、運転を再開する際には、再昇温処理が必要になる。したがって、運転の再開、特に良品生産が可能になるまでに時間がかかり、生産効率の低下を招いてしまう。
第二に、射出成形機で発生する異常には、様々な種類の異常、特に、レベル(重要度)の異なる異常が存在するが、従来の方法は、異常レベルに関係なく画一的に行われるため、必ずしも適切な異常処理とは言えない場合がある。このため、金型に対するダメージが発生したり、成形不良が増加するなどの不具合も生じやすく、異常処理の最適化を図る観点から更なる改善の余地があった。
本発明は、このような背景技術に存在する課題を解決した射出成形機の異常処理方法の提供を目的とするものである。
本発明に係る射出成形機の異常処理方法は、上述した課題を解決するため、射出成形機Mの自動運転中に発生した異常により自動運転が停止した際に行う異常処理方法であって、予め選定した一又は二以上の所定の異常レベルに係わる異常が発生したなら、異常の発生時から予め設定した第一監視時間Tcを計時することにより、第一監視時間Tcがタイムアップする前に異常が解除されることを条件に、自動運転の再開操作を許容可能にし、かつ第一監視時間Tcのタイムアップ後に異常が解除され、かつ予め設定したパージ処理を行うことを条件に、自動運転の再開操作を許容可能にするとともに、少なくとも異常の発生時又は第一監視時間Tcのタイムアップから第二監視時間Trを計時し、当該第二監視時間Trがタイムアップする前に異常が解除されないときは、第二監視時間Trのタイムアップ後に、予め設定した保温モードHmに移行させることを特徴とする。
この場合、発明の好適な態様により、異常レベルには、電源を遮断することなく成形サイクルを停止する異常レベルを適用することが望ましい。また、第一監視時間Tcの計時と同時に、第三監視時間Tsを計時し、当該第三監視時間Tsのタイムアップ後に、パージ処理を行うことを条件に、自動運転の再開操作を許容可能にすることができる。さらに、第一監視時間Tcがタイムアップする前に異常が解除されたなら、当該解除から第二監視時間Trを計時し、当該第二監視時間Trがタイムアップする前に、自動運転の再開操作が行われないときは、第二監視時間Trのタイムアップ後に、パージ処理を行うことを条件に、自動運転の再開操作を許容可能にすることができる。なお、パージ処理を行うに際しては、成形機コントローラ2に付属するディスプレイ3に所定のパージ処理画面を表示することができる。また、パージ処理は、自動運転時における成形条件に対応する動作条件を設定し、当該動作条件により射出装置Miにおける加熱筒4内の樹脂を外部に排出する動作を予め設定した所定のショット回数Nだけ行うことができる。さらに、保温モードHmに切換えた後は、予め設定した所定の再開復帰処理を行うことを条件に、自動運転の再開操作を許容可能にすることができる。
このような手法による本発明に係る射出成形機Mの異常処理方法によれば、次のような顕著な効果を奏する。
(1) 第一監視時間Tcがタイムアップする前に異常が解除されることを条件に、自動運転の再開操作を許容可能にし、かつ第一監視時間Tcのタイムアップ後に異常が解除され、かつパージ処理を行うことを条件に、自動運転の再開操作を許容可能にするとともに、第二監視時間Trがタイムアップする前に異常が解除されないときは、第二監視時間Trのタイムアップ後に保温モードHmに移行させるようにしたため、第二監視時間Trがタイムアップするまでは、自動運転を再開する際の再昇温処理が不要となる。したがって、良品生産可能な自動運転を速やかに再開することができ、異常の発生により生産効率が大きく低下してしまう不具合を回避できる。
(2) 予め選定した異常レベルに係わる異常が発生したなら、発生時から第一監視時間Tcを計時することにより、第一監視時間Tcがタイムアップする前に異常が解除されることを条件に、自動運転の再開操作を許容可能にし、かつ第一監視時間Tcのタイムアップ後に異常が解除され、かつパージ処理を行うことを条件に、自動運転の再開操作を許容可能にするため、選定した異常レベルに対する異常処理の最適化を図ることができる。したがって、金型に対するダメージの発生及び成形不良が増加するなどの不具合を回避できる。
(3) 好適な態様により、異常レベルに、電源を遮断することなく成形サイクルを停止する異常レベル(レベル2〜4)を適用すれば、最も望ましい態様での実施が可能になるため、異常処理の最適化を図る観点から、より大きなパフォーマンスを得ることができる。
(4) 好適な態様により、第一監視時間Tcの計時と同時に、第三監視時間Tsを計時し、当該第三監視時間Tsのタイムアップ後に、パージ処理を行うことを条件に、自動運転の再開操作を許容可能にすれば、異常の発生時からの樹脂の滞留時間に対する許容時間を直接設定できるため、異常が解除される時期により変動する第二監視時間Trが設定される場合であっても、無用な遅延を生じることなく自動運転の再開操作を許容可能にすることができる。
(5) 好適な態様により、第一監視時間Tcがタイムアップする前に異常が解除されたなら、当該解除から第二監視時間Trを計時し、当該第二監視時間Trがタイムアップする前に、自動運転の再開操作が行われないときは、第二監視時間Trのタイムアップ後に、パージ処理を行うことを条件に、自動運転の再開操作を許容可能にすれば、オペレータが複数台の射出成形機M…を管理している状態において、例えば、二台の射出成形機M…に、ほぼ同時に異常が発生し、オペレータが一方の射出成形機Mの異常を解除したにも拘わらず、自動運転の再開操作を行うことなく、急いで、次の射出成形機Mの異常を処理するような場合であっても、一方の射出成形機Mにおける樹脂の滞留時間が長くなり、自動運転の再開操作が遅延する不具合を回避できる。
(6) 好適な態様により、パージ処理を行うに際して、成形機コントローラ2に付属するディスプレイ3に所定のパージ処理画面を表示するようにすれば、パージ処理画面により強制的にパージ処理の実行を教示できるため、パージ処理を確実に実行できるとともに、異常レベルの大きさや必要なメッセージ等の関連情報を表示できるため、異常に対するより的確な処理を行うことができる。
(7) 好適な態様により、パージ処理として、自動運転時における成形条件に対応する動作条件を設定し、当該動作条件により射出装置Miにおける加熱筒4内の樹脂を外部に排出する動作を予め設定した所定のショット回数Nだけ行うようにすれば、パージ処理後、良品生産可能な自動運転を速やかに再開させることができる。
本発明の好適実施形態に係る異常処理方法の処理手順を説明するためのフローチャート、 同異常処理方法を実施できる射出成形機の概略構成図、 同異常処理方法を含む異常発生時の全体の処理を説明するためのフローチャート、 同異常処理方法の処理手順を示すタイミングチャート、 同異常処理方法における一部の監視条件を変更した場合の処理手順を説明するためのフローチャート、 図5における異常処理方法の処理手順を示すタイミングチャート、
次に、本発明に係る好適実施形態を挙げ、図面に基づき詳細に説明する。
まず、本実施形態に係る異常処理方法を実施できる射出成形機Mの構成について、図2を参照して説明する。
図2は、射出成形機Mの全体構成を示す。例示の射出成形機Mは油圧式であり、機台Mbの上面に射出装置Miと型締装置Mcを備える。射出装置Miは油圧シリンダを用いた射出装置進退移動機構11を介して機台Mb上に支持される。射出装置Miは加熱筒4を備え、この加熱筒4の先端には射出ノズル12を有するとともに、加熱筒4の後部に取付けたホッパー13を有する。また、加熱筒4及び射出ノズル12の外周部には電熱式バンドヒータ等のヒータ14を装着するとともに、加熱筒4及び射出ノズル12の被加熱部位には、熱伝対等の温度センサが付設される。そして、この温度センサ及びヒータ14は温調部35に接続する。さらに、加熱筒4の内部にはスクリュ15を装填するとともに、加熱筒4の後端にはスクリュ15を駆動するスクリュ駆動部16を備える。スクリュ駆動部16は、スクリュ15を進退駆動する射出シリンダ17及び当該スクリュ15を回転駆動する計量モータ(オイルモータ)18を備える。
型締装置Mcは、金型21を支持する固定盤22及び可動盤23を備えるとともに、可動盤23を進退駆動することにより、金型21に対する型開閉及び型締を行う型締シリンダ24を含む可動盤駆動部25を備え、固定盤22と可動盤駆動部25は、機台Mbの上面に固定設置される。また、可動盤23には、型開した金型21から成形品の突き出し(エジェクタ)を行う突出しシリンダを内蔵する。そして、上述した射出装置進退移動機構11の油圧シリンダ,射出シリンダ17,計量モータ18,型締シリンダ24及び突出しシリンダは、油圧ポンプ及びバルブ回路を含む油圧駆動部26に接続する。
一方、射出成形機Mは、成形機コントローラ2を備える。成形機コントローラ2は、射出成形機Mの全体の制御を司るコンピュータ機能を有するコントローラ本体31を備え、各種演算処理及び制御処理を実行する。したがって、コントローラ本体31には、制御プログラムの格納機能及び各種データの記憶機能等を有するメモリ部32が付属する。また、成形機コントローラ2(コントローラ本体31)には、本実施形態に係る異常処理方法に使用する機能部分として、計時用のタイマ部33及び異常監視機能部34を備え、この異常監視機能部34には、異常検知部34d及び異常レベル判断部34cが含まれる。
この場合、タイマ部33には、異常解除監視タイマ,滞留監視タイマ及び停止監視タイマの三つのタイマが含まれる。異常解除監視タイマは、異常が発生した際に、予め設定する第一監視時間Tcを計時し、この第一監視時間Tc内に異常が解除されたか否かを監視するタイマであり、この第一監視時間Tcは、例えば、1〜99〔秒〕の範囲で任意に設定できる。また、滞留監視タイマは、予め設定する第二監視時間Trを計時し、この第二監視時間Trにより加熱筒4内に滞留する樹脂が樹脂焼けしない許容限界を監視するタイマであり、この第二監視時間Trは、例えば、1〜20〔分〕の範囲で任意に設定できる。さらに、停止監視タイマは、予め設定する第三監視時間Tsを計時し、この第三監視時間Tsにより、例えば、オペレータが不在等により異常解除が行われない場合の限界時間を監視するタイマであり、この第三監視時間Tsは、例えば、1〜999〔秒〕の範囲で任意に設定できる。
異常監視機能部34は、自動運転中に、何らかの異常が発生した場合、異常検知部34dにより異常を検知するとともに、異常レベル判断部34cにより検知した異常のレベルを判定、即ち、異常の内容(重要度)により六段階の異常レベル(レベル0〜5)に判定(ランク分け)する機能を有する。なお、検知とは能動的であるか受動的であるかは問わない。異常レベルにおいて、レベル0又は1は、異常が自動運転による成形動作とは直接関係しないスイッチの切り忘れ等の軽微な異常レベルであり、レベル2は、センサや成形機本体によるエラー検知或いは製品良否判別モニタ等に基づいて発生する異常レベルであり、レベル3は、自動運転中のサイクル時間内に目標位置に到達しないなどのサイクルエラーを含む異常レベルであり、レベル4は、型締異常(金型保護異常,設定された型締位置や型締圧力への未到達異常)等を含む異常レベルであり、レベル5は、自動運転による成形動作に直接関係し、かつ緊急を要する重大な異常、例えば、反操作側の安全ドアを開く等の安全に関係する異常或いはコントローラ本体31や温度ボード等のシステムエラーにより操作不能に陥った場合等の異常を含む重大な異常レベルである。
また、コントローラ本体31の制御出力部には、温調部35及び油圧駆動部26を接続する。さらに、成形機コントローラ2には、各種設定を行うことができる設定部36及びディスプレイ(表示部)3が付属する。この場合、ディスプレイ3には、本実施形態に係る異常処理方法の実施に用いるパージ処理画面が表示されるとともに、このディスプレイ3にはタッチ入力可能なタッチパネルが付設され、ディスプレイ3はタッチパネルと共に設定部36を兼用する。したがって、この設定部36により、前述した各監視時間Tc,Tr及びTsを設定することができる。
次に、このように構成される射出成形機Mを用いた本実施形態に係る異常処理方法について、図1,図3及び図4を参照して説明する。
まず、射出成形機Mにおける全体の異常処理の概要について、図3に示すフローチャートを参照して説明する。
今、正常に自動運転が行われている状態において、何らかの異常が発生した場合を想定する(ステップS21,S22)。これにより、発生した異常は、異常検知部34dにより検知されるとともに、検知された異常は、異常レベル判断部34cにより、異常レベルのランクが判定される。この際、異常レベルが、前述したレベル0又は1と判定された場合には、軽微な異常であるため、ワーニング/状態表示などのエラーメッセージのみがディスプレイ3に表示される(ステップS23,S24,S25)。一方、異常レベルが、前述したレベル5と判定された場合には、重大な異常であるため、強制的に電源を遮断する制御が行われる(ステップS23,S24,S26,S27)。したがって、この場合、ヒータ14に対する給電を含む電源が遮断されるため、異常が解除された後は、少なくとも昇温処理及びパージ処理を含む必要な復帰処理を行うことにより自動運転の再開が可能となる(ステップS28,S29)。
これに対して、異常レベルが、前述したレベル2〜4と判定された場合には、本実施形態(本発明)に係る異常処理方法により異常処理が行われる(ステップS23,S30)。レベル2〜4の異常が発生した場合、レベル5とは異なり電源の遮断は行われないが、成形サイクルが停止する。このように、異常レベルに、電源を遮断することなく成形サイクルを停止する異常レベル(レベル2〜4)を適用すれば、最も望ましい態様での実施が可能になるため、異常処理の最適化を図る観点から、より大きなパフォーマンスを得ることができる。
次に、本実施形態に係る異常処理方法について、図1に示すフローチャート及び図4に示すタイミングチャートを参照して説明する。
自動運転中に発生した異常が、レベル2〜4と判定された場合、成形機コントローラ2では、タイマ部33における異常解除監視タイマが、予め設定した第一監視時間Tcの計時を開始する(ステップS1)。また、同時に、タイマ部33における停止監視タイマが予め設定した第三監視時間Tsの計時を開始する(ステップS2)。
この際、オペレータが異常に気づき、直ぐに、異常を解除すれば、自動運転の再開操作が許容されるため、オペレータは、自動運転の再開操作を行うことにより、そのまま自動運転を再開させることができる(ステップS3,S5,S6)。なお、異常が解除されることにより、タイマ部33における滞留監視タイマは、第二監視時間Trの計時を開始する(ステップS3,S4)。このような単純再開操作は、第一監視時間Tcがタイムアップするまで有効である。このように、異常の発生からあまり時間が経過しない第一監視時間Tc(1〜99〔秒〕)の範囲であれば、そのまま自動運転を再開させることが可能となる。
一方、異常が発生した際に、オペレータが不在の場合には、異常の解除がされないまま、比較的短い時間として設定される第一監視時間Tcはタイムアップする。第一監視時間Tcがタイムアップした場合には、タイマ部33における滞留監視タイマが第二監視時間Trの計時を開始する(ステップS7,S8)。なお、この第二監視時間Trは、上述した異常を解除した際に計時を開始する第二監視時間Trと同一であってもよいし、異なる長さの時間を設定してもよい。実施形態の第二監視時間Trは同一である。そして、この第二監視時間Trがタイムアップする前に、オペレータが異常を解除すれば、成形機コントローラ2に付属するディスプレイ3にはパージ処理画面が表示される(ステップS9,S10)。このパージ処理画面が表示されることにより、パージ処理の実行が教示されるとともに、パージ処理が実行されない限り、自動運転の再開操作が許容されない。このようなパージ処理画面が強制的に表示されることにより、パージ処理の実行が促されることに加え、異常レベルのランクや必要なメッセージ等の関連情報を表示させることができる。したがって、オペレータは、確実にパージ処理を実行できるとともに、異常に対するより的確な処理を行うことができる。
これにより、オペレータがパージ処理画面からパージ処理の実行をONにすれば、予め設定したシーケンスプログラムに従ってパージ処理が行われる(ステップS11)。この場合、パージ処理は、自動運転時における成形条件に対応する動作条件を設定し、当該動作条件により射出装置Miにおける加熱筒4内の樹脂を外部に排出する動作を、予め設定した所定のショット回数N(Nは任意の数)だけ行う。このようなパージ処理を行うことにより、パージ処理後、良品生産可能な自動運転を速やかに再開させることができる。
他方、第二監視時間Trがタイムアップするまでに、異常が解除されない場合には、第二監視時間Trがタイムアップすることにより、予め設定した保温温度まで低下させる保温モードHmに移行させる(ステップS12,S13)。保温モードHmに移行した後は、予め設定した所定の再開復帰処理を行うことを条件に、自動運転の再開操作が許容可能となる。したがって、オペレータは、自動運転を再開させる場合には、例えば、再昇温処理及びパージ処理を含む所定の再開復帰処理を行い、この後、自動運転を再開させることができる(ステップS14)。
一方、停止監視タイマにより第三監視時間Tsが計時されているため、例えば、オペレータが不在で、保温モードHmに移行する場合であっても、第三監視時間Tsがタイムアップすることによりパージ処理画面が強制的に表示され、パージ処理の実行が教示される(ステップS15)。したがって、第三監視時間Tsのタイムアップ後にパージ処理を行うことを条件に、自動運転の再開操作が許容可能となる。このような第三監視時間Tsを用いれば、異常の発生時からの樹脂の滞留時間に対する許容時間を直接設定できるため、異常が解除される時期により変動する第二監視時間Trが設定される場合であっても、無用な遅延を生じることなく自動運転の再開操作を許容可能にすることができる。
また、オペレータが前述した第一監視時間Tcがタイムアップする前に、異常を解除したにも拘わらず、運転の再開操作が行われない場合も考えられる。例えば、オペレータが複数台の射出成形機M…を管理している状態において、二台の射出成形機M…に、ほぼ同時に異常が発生し、オペレータが一方の射出成形機Mの異常を解除したにも拘わらず、自動運転の再開操作を行うことなく、急いで、次の射出成形機Mの異常を処理する場合を想定できる。この場合も、異常を解除した際に計時が開始する第二監視時間Trがタイムアップした時点でパージ処理画面が強制的に表示され、パージ処理の実行が教示される。したがって、一方の射出成形機Mにおける樹脂の滞留時間が長くなり、自動運転の再開操作が遅延する不具合を回避できる。
なお、図4に示すように、第三監視時間Tsがタイムアップした時点,異常が解除されたことにより計時が開始する第二監視時間Trがタイムアップした時点,及び第一監視時間Tcがタイムアップした後に異常が解除された時点で、それぞれパージ処理画面が表示される条件を満たすため、これらのうち最も早く条件を満たした時点でパージ処理画面が表示される。
このように、異常が発生し、成形サイクルが停止した場合であっても、画一的な異常処理が行われるのではなく、図4に示すように、そのまま再開操作が可能となる単純再開可能区間Z1、パージ処理の実行により再開可能となるパージ後再開可能区間Z2、保温モードHmに移行した後、所定の再開復帰処理を行った後に再開可能となる保温モード区間Z3に基づいて自動運転が再開可能となる。
よって、このような本実施形態に係る異常処理方法によれば、第一監視時間Tcがタイムアップする前に異常が解除されることを条件に、自動運転の再開操作を許容可能にし、かつ第一監視時間Tcのタイムアップ後に異常が解除され、かつパージ処理を行うことを条件に、自動運転の再開操作を許容可能にするとともに、第二監視時間Trがタイムアップする前に異常が解除されないときは、第二監視時間Trのタイムアップ後に保温モードHmに移行させるようにしたため、第二監視時間Trがタイムアップするまでは、自動運転を再開する際の再昇温処理が不要となる。したがって、良品生産可能な自動運転を速やかに再開することができ、異常の発生により生産効率が大きく低下してしまう不具合を回避できる。また、選定した異常レベルに係わる異常が発生したなら、発生時から第一監視時間Tcを計時することにより、第一監視時間Tcがタイムアップする前に異常が解除されることを条件に、自動運転の再開操作を許容可能にし、かつ第一監視時間Tcのタイムアップ後に異常が解除され、かつパージ処理を行うことを条件に、自動運転の再開操作を許容可能にするため、選定した異常レベルに対する異常処理の最適化を図ることができる。したがって、金型に対するダメージの発生や成形不良が増加するなどの不具合を回避できる。
他方、図5及び図6には、本実施形態に係る異常処理方法における一部の監視条件を変更した場合の処理手順をフローチャートで示す。図5は、図1に対して、滞留監視タイマを計時するタイミングを異ならせた例であり、異常が発生した時点から滞留監視タイマを計時するようにした。したがって、滞留監視タイマにおいて設定される第二監視時間Trは、図6に示すように、異常が発生した時点から計時され、第二監視時間Trの経過によりタイムアップするため、図1の場合とは異なり、第一監視時間Tc及び異常が解除されたか否かには影響されない。この場合も、第一監視時間Tc,第二監視時間Tr及び第三監視時間Tsが利用され、基本的には図1の場合と同様の効果を得ることができる。このため、図5において、図1と同一ステップ(同一処理)には同一符号を付し、その構成を明確にすることによりその詳細な説明は省略する。また、図6において、図4と同一の機能部分には、同一符号及び文字を表示し、その構成を明確にすることによりその詳細な説明は省略する。
以上、好適実施形態について詳細に説明したが、本発明は、このような実施形態に限定されるものではなく、細部の構成,手法,数量,数値等において、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、任意に変更,追加,削除することができる。例えば、予め選定した異常レベルとして、六段階におけるレベル2〜4に適用した場合を示したが、十段階におけるレベル3〜7など、任意に設定(選定)することができる。また、パージ処理を行うに際して、ディスプレイ3にパージ処理画面を表示する場合を例示したが、この場合、必ずしもパージ処理画面を表示することを要せず、単なるメッセージ或いはアラーム音等であってもよい。したがって、オペレータは、メッセージ或いはアラーム音に基づいてパージ処理画面を表示させ、パージ処理を実行すればよい。さらに、異常の解除とは、オペレータが異常を解除した行為に基づいてもよいし、異常を解除した後、他の異常解除終了キー等の操作に基づいてもよい。
本発明に係る異常処理方法は、各種射出成形機の自動運転中に発生した異常により自動運転が停止した際に利用することができる。
2:成形機コントローラ,3:ディスプレイ,4:加熱筒,M:射出成形機,Mi:射出装置,Tc:第一監視時間,Tr:第二監視時間,Ts:第三監視時間,Hm:保温モード

Claims (7)

  1. 射出成形機の自動運転中に発生した異常により自動運転が停止した際に行う射出成形機の異常処理方法において、予め選定した一又は二以上の所定の異常レベルに係わる異常が発生したなら、異常の発生時から予め設定した第一監視時間を計時することにより、前記第一監視時間がタイムアップする前に異常が解除されることを条件に、前記自動運転の再開操作を許容可能にし、かつ前記第一監視時間のタイムアップ後に異常が解除され、かつ予め設定したパージ処理を行うことを条件に、前記自動運転の再開操作を許容可能にするとともに、少なくとも異常の発生時又は前記第一監視時間のタイムアップから第二監視時間を計時し、前記第二監視時間がタイムアップする前に異常が解除されないときは、前記第二監視時間のタイムアップ後に、予め設定した保温モードに移行させることを特徴とする射出成形機の異常処理方法。
  2. 前記異常レベルには、電源を遮断することなく成形サイクルを停止する異常レベルを適用することを特徴とする請求項1記載の射出成形機の異常処理方法。
  3. 前記第一監視時間の計時と同時に、第三監視時間を計時し、当該第三監視時間のタイムアップ後に、前記パージ処理を行うことを条件に、前記自動運転の再開操作を許容可能にすることを特徴とする請求項1又は2記載の射出成形機の異常処理方法。
  4. 前記第一監視時間がタイムアップする前に異常が解除されたなら、当該解除から第二監視時間を計時し、当該第二監視時間がタイムアップする前に、自動運転の再開操作が行われないときは、前記第二監視時間のタイムアップ後に、前記パージ処理を行うことを条件に、自動運転の再開操作を許容可能にすることを特徴とする請求項1,2又は3記載の射出成形機の異常処理方法。
  5. 前記パージ処理を行うに際しては、成形機コントローラに付属するディスプレイに所定のパージ処理画面を表示することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の射出成形機の異常処理方法。
  6. 前記パージ処理は、前記自動運転時における成形条件に対応する動作条件を設定し、当該動作条件により射出装置における加熱筒内の樹脂を外部に排出する動作を予め設定した所定のショット回数だけ行うことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の射出成形機の異常処理方法。
  7. 前記保温モードに切換えた後は、予め設定した所定の再開復帰処理を行うことを条件に、前記自動運転の再開操作を許容可能にすることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の射出成形機の異常処理方法。
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