JP5221911B2 - 研削装置 - Google Patents

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Description

本発明は、電解ドレッシング装置を備えた研削装置に関する。
高精度が要求される被削材の仕上げ加工に、従来から研削装置による研削が施されている。
一般に砥石は、酸化アルミニウム、炭化珪素、ダイヤモンド等の極めて硬く小さな砥粒が結合剤によって結合され、被削材を研削加工することで同時に砥石自体がドレッシングされる、即ち自生作用(摩耗した砥粒が脱落し新しい砥粒が突出する現象)に優れた砥石が選択される。
しかし、砥石のドレッシングを砥石自体の自生作用に依存することから、前工程における被削材の加工精度のバラツキや、砥石自体の製造に伴う形状等のバラツキ、研削加工に使用される研削液の汚れ等に影響されて、砥石の自生作用のサイクルにバラツキが生じる。
この砥石の自生作用のサイクルにバラツキがあると、研削加工中に、砥石の隙間に切り屑や脱落破砕した砥粒が詰まる目詰まり、砥粒が摩耗しても破砕しない目潰れ、わずかな研削抵抗や衝撃によっても砥粒が脱落する目こぼれ等を招き、加工面粗さの悪化、加工面の研削焼け、研削割れ等を誘発し、更に加工時間が過大になる等の不具合が懸念される。このため、砥石を頻繁にドレッシングする必要がある。
一方、近年、砥石に砥粒を青銅や鋳鉄の導電性結合部で結合したメタルボンド砥石が多く使用されるようになっている。この種の砥石のドレッシングとして電解ドレッシングが種々提案されている。
例えば、特許文献1に開示される砥石の電解ドレッシング装置は、図15に示すようにホーニングヘッド101の主軸に電解ドレッシング用の砥石ホルダ102を取り付け、この砥石ホルダ102に砥粒と導電性結合部からなる砥石105を配置する一方、砥石ホルダ102に位置決め固定された砥石105の加工面となる外周面に所定の間隔を隔てて対向する円弧状の対向面103aを有する電極103を配置し、流路103bを通して対向面103aに水性クーラント等の導電性液を供給すると共に、砥石105と電極103との間に所定の電圧を印加する電源装置等の電圧印加手段104を備えている。そして、砥石105と電極103との間に所定の電圧を印加し、同時に砥石105と電極103との間に水性クーラント等の導電性液を供給して砥石105の外表面の導電性結合部を電気分解(電解)し、砥粒を突出させる。
特開2001−62721号公報
上記特許文献1によると、砥石105の電解ドレッシングにあたり、ホーニングヘッド101の主軸に電解ドレッシング用の砥石ホルダ102を取り付け、砥石ホルダ102に砥石105を取り付けて電解ドレッシングすることから、ホーニングヘッド101の主軸に研削工具に代えて電解ドレッシング用の砥石ホルダ102を取り付けると共に研削工具から取り外した砥石105を砥石ホルダ102に取り付け、更にドレッシングが施された後に砥石105を再び研削工具に取り付けると共にホーニングヘッド101の主軸から砥石ホルダ102を取り外して研削工具を取り付ける厄介な作業を要し、砥石105の電解ドレッシングのために多くの工数が必要になり、研削加工サイクルに影響し、作業効率の低下を招くことが懸念される。
また、繰り返される電解ドレッシングにより砥石105が消耗すると、砥石105と電極103の対向面103aとの間隙にバラツキが生じ砥石105に均質なドレッシングが得られなくことが懸念される。各砥石105のドレッシングにバラツキがあると、研削抵抗が増大して加工面粗さの悪化、加工面の研削焼け、研削割れ等を誘発し、更に加工時間が過大になる等の不具合が懸念される。
また、研削装置の一種であって円筒内周面をホーニング加工するホーニング装置においては、砥石が放射状に配置された研削工具を、円筒状の電解ドレッシング用電極内に挿入し、導電性液の存在下で対向する砥石と電解ドレッシング用電極に電圧を印加して、砥石を電解ドレッシングする方法がある。しかし、円筒状の電解ドレッシング用電極内に導電性液が介在する間隔を保持して砥石が対向するように研削工具を挿入することから、各砥石と電解ドレッシング用電極との離間距離にバラツキが生じて各砥石相互間において均質なドレッシングが得られないことが懸念される。各砥石のドレッシングの不均質に起因して上記同様に研削抵抗が増大して加工面粗さの悪化、加工面の研削焼け、研削割れ等を誘発し、更に加工時間が過大になる等の不具合が懸念される。
従って、かかる点に鑑みなされた本発明の目的は、バラツキの無い砥石のドレッシングを確保し、面粗度のバラツキの無い安定した均質の研削加工が可能になると共に、加工時間の削減により優れた研削作業性が得られる研削装置を提供することにある。
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明は、砥粒を導電性結合部によって固定した砥石が配置された研削工具を回転し、被削材を研削する研削装置であって、上記砥石の加工面と導電性液を介在させる間隙を隔てて電極面が対向して配置される電解ドレッシング用電極を有し、導電性液の存在下で対向する砥石と上記電解ドレッシング用電極に電圧を印加して上記砥石を電解ドレッシングする電解ドレッシング装置を備えた研削装置において、上記研削工具は、上記研削工具の回転軸方向に延在する研削工具本体と、該研削工具本体の外周に突設されて上記回転軸から外周面までの距離が一定である研削ガイド部材と、上記研削工具本体の外周に配置されて上記回転軸から各外表の加工面までの距離が上記回転軸から研削ガイド部材の外周面までの距離より小さい一定距離である基準位置に保持可能である砥石とを備え、上記電解ドレッシング装置は、上記回転軸延在方向に連続する筒状の工具挿入ガイド本体と、該工具挿入ガイド本体の内周面に沿って配置され、且つ内周面に上記回転軸から研削ガイド部材の外周面までの距離と略同じ半径を有する円弧状で上記回転軸方向に延在する電極面が形成された電解ドレッシング用電極と、上記砥石の加工面と上記電解ドレッシング用電極の電極面とを対向した状態で、上記砥石と上記電解ドレッシング用電極との少なくとも一方を、上記砥石の加工面と上記電解ドレッシング用電極の電極面とが接離する方向に移動する移動手段と、上記移動手段により移動して互いに対向する上記砥石の加工面と電解ドレッシング用電極の電極面との間隙を、上記研削ガイド部材の外周面と上記電極面との当接によって一定に保持する位置決め手段と、を備えたことを特徴とする。
請求項1記載の発明によれば、研削工具に配置された砥石の加工面と電解ドレッシング用電極の電極面とを対向した状態で、移動手段により砥石と電解ドレッシング用電極との少なくとも一方を、砥石の加工面と電解ドレッシング用電極の電極面とが接離する方向に研削ガイド部材の外周面と電極面とが当接するまで移動することで、電解ドレッシングを行う際に、砥石の加工面と電解ドレッシング用電極の電極面との間隙を所定に維持することができる。これにより、砥石の加工面と電解ドレッシング用電極の電極面との間隙のバラツキに起因するドレッシングの不均質を抑制して、バラツキの無い砥石のドレッシングを確保することができ、面粗度のバラツキの無い安定した均質の研削加工が可能になって、加工時間の削減が図れ、優れた研削作業性が得られるという作用効果を有する。
請求項に記載の発明は、請求項に記載の研削装置において、上記研削装置は、上記研削工具を被削材の円筒内周面内に挿入して該円筒内周面を研削するものであり、上記移動手段は、上記電解ドレッシング用電極を回転軸方向に砥石の加工面に接離する方向に移動するものであることを特徴とする。
請求項記載の発明によれば、上記請求項1による作用効果に加え、砥石が配置された研削工具を被削材の円筒内周面内に挿入して研削加工する際に、電解ドレッシングを施すことから、研削加工サイクルに影響することなく電解ドレッシングが可能になって、優れた研削作業性が得られる。
また、既存の研削装置を大きく変更することなく実現でき、且つ、ドレッシング用の砥石ホルダを必要とすることなく、砥石を研削工具に装着したまま電解ドレッシングを行うことができるため、装置及び作業の複雑化を招くことなく製造コストの削減が図れるという作用効果を有する。
請求項記載の発明は、請求項1に記載の研削装置において、上記移動手段は、上記電解ドレッシング用電極を工具挿入ガイド本体における内周面の中心軸方向に付勢して移動し、上記位置決め手段は、上記研削工具を回転軸に沿って上記工具挿入ガイド本体内に挿入するに伴い上記各研削ガイド部材の外周面が電極面に当接して電解ドレッシング用電極を上記移動手段による付勢力に抗して工具挿入ガイド本体の中心軸から離反する方向に押動するものであることを特徴とする
請求項記載の発明によれば、電解ドレッシング用電極がそれぞれ工具挿入ガイド本体の中心軸方向に移動手段により付勢されており、回転軸方向に延在する研削工具本体の外周に突設された研削ガイド部材及び外周に配置された砥石を備えた研削工具を、内周面に円弧状の電極面を有する電解ドレッシング用電極を備えた円筒状の工具挿入ガイド内に挿入すると、研削工具の研削ガイドの外周面が電解ドレッシング用電極の電極面に当接し、電解ドレッシング用電極が工具挿入ガイド本体の中心軸から離反する方向に押動されることにより、各砥石と電解ドレッシング用電極の電極面との間隔を一定に保持することができ、バラツキのない均質にドレッシングされた各砥石による研削加工が可能になる。また、移動手段及び位置決め手段を簡単な構成で実現できる。
本発明によれば、砥石の加工面と電解ドレッシング用電極の電極面とを対向した状態で、移動手段により砥石と電解ドレッシング用電極との少なくとも一方を、砥石の加工面と電解ドレッシング用電極の電極面とが接離する方向に移動するので、電解ドレッシングを行う際に、砥石の加工面と電解ドレッシング用電極の電極面との間隙を調整することができる。従って、砥石の加工面と電解ドレッシング用電極の電極面との間隙のバラツキに起因するドレッシングの不均質を抑制して、バラツキのない砥石のドレッシングを確保することができ、面粗度のバラツキの無い安定した均質の研削加工が可能になって、加工時間の削減が図れ、優れた研削作業性を得ることができる。
以下、本発明に係る研削装置の実施の形態を図を参照して説明する。
(第1実施の形態)
本発明に係る研削装置の第1実施の形態を図1乃至図8を参照して説明する。本実施の形態は、研削装置として円筒内周面を研削加工するホーニング装置1に適用した例である。
図1は、ホーニング装置の概要説明図、図2は研削工具の構成図、図3は図2のA矢視図である。
研削装置としてのホーニング装置1は、被削材Wを位置決め保持する図示しない被削材保持部、ヘッド、このヘッドの主軸5に揺動自在に支持された研削工具(ホーニング工具)10、被削材保持部に位置決め保持された被削材Wの上部に近接して被削材Wの外に配置されて研削工具10を被加工面となる円筒内周面Wa内に誘導案内すると共に電解ドレッシング装置本体を兼備する工具挿入ガイド30を備えている。また、工具挿入ガイド30は導電性液供給手段45及び電圧印加手段(図示せず)と共に電解ドレッシング装置2を構成する。なお、研削の対象となる被削材Wの円筒内周面Waとしては、例えば、エンジンのシリンダブロックのシリンダボアが例示される。
研削工具10は、主軸モータ等の駆動装置を備えるヘッドの主軸5に揺動可能に支持され、且つ、主軸5により回転軸Zを中心に回転駆動可能に構成されている。
研削工具10は、図2及び図3に示すように、主軸5に上端が支持された中空円筒状の研削工具本体11を有している。研削工具本体11の外周に回転軸Zの延在方向に沿って延在する複数、本実施の形態では12個のシューガイド穴12が等間隔で開口し、各シューガイド穴12に摺動案内されて回転軸Zに対して接離する半径方向に移動可能に第1シュー13Aと第2シュー13Bが交互に嵌合して装着されている。
第1シュー13A及び第2シュー13Bは、外端面に回転軸Z方向に沿って延在する砥石装着溝13aが形成され、両側面13bがシューガイド穴12の端面12aに摺動自在に当接するブロック状であって、外周面の両端にそれぞれ係合溝13c及び13dが形成されている。
第1シュー13Aの内端面の基端側範囲及び先端側範囲にそれぞれ基端側から先端側に移行するに従って回転軸Zに漸次接近する基端側テーパ面13Aa及び先端側テーパ面13Abが形成されている。第2シュー13Bの内端面の基端側範囲及び先端側範囲にそれぞれ基端側から先端側に移行するに従って回転軸Zに漸次接近する基端側テーパ面13Ba及び先端側テーパ面13Bbが形成されている。なお、第1シュー13A及び第2シュー13Bの各係合溝13c及び13dには、縮径付勢手段となる環状のスプリングバンド14a、14bが装着され、スプリングバンド14a及び14bによって各第1シュー13A及び第2シュー13Bを回転軸Z方向、即ち半径方向内向きの縮径方向に付勢している。
第1シュー13A及び第2シュー13Bの各砥石装着溝13aに回転軸Z方向に沿って延在する棒状の砥石20が取り付けられている。この砥石20は、例えば、ダイヤモンド、CBN(立方晶窒化硼素)、結晶質の酸化アルミニウム、炭化珪素等の砥粒を青銅や鋳鉄からなる導電性結合部で結合したメタルボンド砥石によって構成されている。
また、研削工具本体11の外周に等間隔で回転軸Z方向に沿って延在する複数のガイド部材取付溝11aが形成され、ガイド部材取付溝11aに取付部材15を介してセラミック等からなる矩形状で回転軸Z方向に延在する研削ガイド部材16が取り付けられている。研削ガイド部材16の外周面17は、回転軸Z方向に沿って先端から基端に亘って断面円弧状で連続し、回転軸Zから外周面17までの距離Lは一定に形成されている。
研削工具本体11内を貫通して第1シュー13Aの基端側テーパ面13Aa及び先端側テーパ面13Abに摺接可能に接し、先端側に移行するに従って回転軸Zに漸次接近する基端側テーパ面18Aa及び先端側テーパ面18Abが形成された第1拡縮バー18Aが研削工具本体11内に配置されている。また、第1拡縮バー18Aに結合されて第2シュー13Bの基端側テーパ面13Ba及び先端側テーパ面13Bbに摺接可能に接し、先端側に移行するに従って回転軸Zに漸次接近する基端側テーパ面18Ba及び先端側テーパ面18Bbが形成された第2拡縮バー18Bが研削工具本体11内に配置されている。
この第1拡縮バー18A及び第2拡縮バー18Bはヘッド内に配設された図示しない牽引動作機構によって牽引及びこの牽引が解除される。また、第1拡縮バー18A及び第2拡縮バー18Bは、研削工具本体11内に配設されたスプリング19によって先端側に常時付勢されている。
このヘッドの牽引動作機構による牽引解除によりスプリング19の付勢によって第1拡縮バー18Aの基端側テーパ面18Aa及び先端側テーパ面18Abがそれぞれ第1シュー13Aの基端側テーパ面13Aa及び先端側テーパ面13Abに圧接して各第1シュー13Aを回転軸Zから離れる半径方向外向きに押動する。同様に、第2拡縮バー18Bの基端側テーパ面18Ba及び先端側テーパ面18Bbがそれぞれ第2シュー13Bの基端側テーパ面13Ba及び先端側テーパ面13Bbに圧接して各第2シュー13Bを回転軸Zから離れる半径方向外向きに押動する。
一方、スプリング19の付勢に抗して牽引動作機構により第1拡縮バー18A及び第2拡縮バー18Bを牽引することにより、第1拡縮バー18Aの基端側テーパ面18Aa及び先端側テーパ面18Abによる第1シュー13Aの基端側テーパ面13Aa及び先端側テーパ面13Abの押圧が解除されると共に、第2拡縮バー18Bの基端側テーパ面18Ba及び先端側テーパ面18Bbによる第2シュー13Bの基端側テーパ面13Ba及び先端側テーパ面13Bbの押圧が解除される。これら第1拡縮バー18A及び第2拡縮バー18Bによる押圧が解除された各第1シュー13A及び第2シュー13Bは、スプリングバンド14a及び14bによって回転軸Z方向、即ち縮径方向に移動する。
更に研削ガイド部材16の外周面17と被削材Wの被加工面となる円筒内周面Waとの隙間を空気圧で精密測定する図示しないエアーマイクロメータ用のエアー通路11bが研削工具本体11内に穿設されて研削ガイド部材16の外周面17に開口している。また、エアーマイクロメータによる研削ガイド部材16の外周面17と被加工面との隙間測定に基づいて被削材Wの円筒内周面Waの研削終了後に各砥石20は、その外表の加工面21が研削ガイド部材16の外周面17から予め設定された寸法、例えば1〜2mm程度だけ回転軸Z方向となる基準位置に移動して保持する。この砥石20の基準位置への移動及び保持は、予め設定されたNC制御等により制御される牽引動作機構による第1拡縮バー18A及び第2拡縮バー18Bの牽引によって実行する。なお、研削工具本体11に電圧印加手段(図示せず)の正極(+極)に接続する電極23を設ける。
また、工具挿入ガイド30は、図4及び図5に図4のI−I線断面を示すように、被削材Wの上部に近接して位置し、回転軸Z方向に延在する中心軸を有する中空円筒形状の電解ドレッシング装置本体となる工具挿入ガイド本体31を備え、固定部材6によって支持する。
工具挿入ガイド本体31の内周に、周方向に等間隔で底面32a及び平行に対向する一対のガイド面32bを有して中心軸方向に沿って延在する略コ字状断面の電極ガイド溝32が複数、本実施の形態では4個の電極ガイド溝32が形成される。電極ガイド溝32の底部32aに凹設され付勢部材収納凹部33と対向して工具挿入ガイド本体31の外周に外周凹部34が形成され、付勢部材収納凹部33の底部と外周凹部34の底部との間に中心軸と直交方向に延在するガイド軸挿通孔35が穿設される。
各電極ガイド溝32内に、内周面36a及び外周面36bが円弧状で両側面36cがそれぞれガイド面32bに摺接する断面円弧状で中心軸方向に沿って延在する絶縁部材36を装着する。
絶縁部材36の内周面36aに断面円弧状で回転軸Z方向に沿って延在する電極取付凹部36dが形成されている。絶縁部材36の外周面36bから突出してガイド軸挿入孔35を貫通するガイド軸37が設けてある。
ガイド軸37の外周に巻回された付勢部材となるスプリング38が絶縁部材36の外周面36bと付勢部材収納凹部33の底部との間に弾装し、スプリング38によって絶縁部材36を電極ガイド溝32から突出して中心軸に接近する方向に付勢する。一方、外周凹部34内に突出するガイド軸37の端部に、外周凹部34の底部に当接して電極ガイド溝32から突出する絶縁部材36の最大突出位置を規制するストッパ37bを設ける。
各絶縁部材36の内周面36aに凹接された電極取付凹部36dに、断面円弧状で回転軸Z方向に沿って延在する導電性材料、例えば鉄製の電解ドレッシング用電極(以下、ELID用電極)40を装着する。各ELID用電極40は、電極取付凹部36dに装着される外周面40a、両側面40b、内周面によって形成される電極面41を有して軸方向に延在する断面円弧状に形成される。電極面41の基端縁及び先端縁にテーパ状に面取りされた工具案内面42a、42bが形成される。
ELID用電極40の内周面によって形成された電極面41は、研削工具10における回転軸Zから各研削ガイド部材16の外周面17までの距離Lに略等しい半径を有する円孔状で中心軸方向に沿って延在する。本実施の形態においては、ガイド軸挿通孔35に挿通されたガイド軸37、ストッパ37b及びスプリング38により移動手段が構成され、研削工具10を工具挿入ガイド30に挿入した際に、研削工具10の砥石20の加工面21と、絶縁部材36に装着固定されたELID用電極40の電極面41とが対向した状態で、ELID用電極40を、砥石20の加工面21とELID用電極40の電極面41とが接離する方向に移動する。
また、各ELID用電極40の最大突出位置において、各隣接するELID用電極40の側面40b間に若干の間隙が形成されと共に、各ELID用電極40の電極面41によってほぼ連続する円筒状の内面が形成される。この最大突出位置における中心軸から各ELID用電極40の電極面41までの距離は、研削工具10における回転軸Zから各研削ガイド部材16の外周面17までの距離Lより若干、例えば1〜2mm小さく設定する。
この各ELID用電極40は、工具挿入ガイド本体31の外方に突出する図示しない電極端子に接続され、この電極端子が図示しない電圧印加手段の負極(−極)に接続される。
また、工具挿入ガイド本体31の上端に、環状で内周面43aの上縁に沿って上方に移行するに従って次第に拡径するテーパ状のガイド面43bが形成された第1工具挿入ガイド部材43を取り付ける。同様に工具挿入ガイド本体31の下端に、環状で内周面44aの上縁に沿って上方に移行するに従って次第に拡径するテーパ状のガイド面44bが形成され内周面44aの下縁に沿って下方に移行するに従って次第に拡径するテーパ状のガイド面44cが形成された第2工具挿入ガイド部材44を取り付ける。
更に、第1工具挿入ガイド部材43の上方に吐出口45aが形成された導電性液供給手段45が配設され、導電性液供給手段45から導電性液としての水性クーラントを工具挿入ガイド30内に供給可能としている。
次に、上記のように構成された研削装置としてのホーニング装置1の作動について説明する。
図1に示すように研削工具10を待機位置となる上昇位置に保持した状態で、被削材Wを搬入して被削材保持部に位置決め保持する。この待機位置における研削工具10の各砥石20は、その外表の加工面21が研削ガイド部材16の外周面17から予め設定された寸法だけ回転軸Z方向に縮径された基準位置に保持される。一方、工具挿入ガイド30に配設される各LEID用電極40は、ガイド軸37に配設されたストッパ37bが外周凹部34の底部に当接して電極ガイド溝32からの突出が規制された最大突出位置に保持される。
次に、導電性液供給手段45の吐出口45aから導電性液である水性クーラントを工具挿入ガイド30内に供給する。
一方、ヘッドの牽引動作機構によって各砥石20が基準位置に維持された状態の研削工具10を回転軸Zに沿って下降させる。下降する研削工具10は、工具挿入ガイド30の上端に設けられた第1工具挿入ガイド部材43のガイド面43bを備えた内周面43aに誘導されて図6に示すように工具挿入ガイド本体31内に挿入される。
第1工具挿入ガイド部材43側から工具挿入ガイド本体31内に研削工具10を挿入すると、研削工具本体11の外周に配設された各研削ガイド部材16の外周面17の先端が、それぞれ最大突出位置に保持された各ELID用電極40の電極面41に接触及び摺接する。これに伴い、各ELID用電極40がスプリング38の付勢力に抗して、各ELID用電極40を保持する絶縁部材36の側面36cを電極ガイド溝32のガイド面32bに沿って誘導させつつ中心軸(回転軸Z)から離れる方向に押し広げ、図6及び図7に示すように各研削ガイド部材16の外周面17がELID用電極40の電極面41に接触した状態で研削工具10が工具挿入ガイド本体31内に挿入される。
研削工具10を工具挿入ガイド本体31内に挿入した状態においては、各研削ガイド部材16の外周面17が各ELID用電極40の電極面41に接し、かつ各砥石20が縮径状態の基準位置に保持されているため、各ELID用電極40の電極面41と砥石20の加工面21との間隙が高精度で均一に設定され、ELID用電極40の電極面41と砥石20の加工面21とが水性クーラントを介在して対向する。
従って、本実施の形態においては、各研削ガイド部材16の外周面17が、各ELID用電極40の電極面41に摺接して、各ELID用電極40の電極面41をスプリング38の付勢力に抗して回転軸Zから離れる方向に押し広げることで、砥石20の加工面21とELID用電極40の電極面41との間隙を一定に保持されて、位置決め手段が構成される。
各砥石20の加工面21とELID用電極40の電極面41とが対向した状態で、電圧印加手段からELID用電極40に負電圧を印加すると共に、電圧印加手段により各砥石20に正電圧を印加し、電解作用により各砥石20の加工面21における導電性結合部を電気分解させて電解ドレッシングする。この電解ドレッシングにあたり、ELID用電極40の電極面41と砥石20の加工面21との間に介在する水性クーラントが導電性に優れ、かつ各砥石20の加工面21とELID用電極40の電極41との間の離間寸法が高精度で均一に保持されることから、各砥石20相互間においてバラツキの無い安定した均一な電解ドレッシングが得られる。この電解ドレッシング時間は電解電圧、砥粒突出量及び導電性結合部の材質等によって決定されるが実験やシミュレーション等によって適宜最適な任意の時間を求めて設定できる。また、電解電圧、電解ドレッシング時間により砥粒の突出量を最適化できる。
ドレッシング時間の経過後、砥石20、ELID用電極40に対する電圧印加を停止し、砥石20の電解ドレッシングが終了すると、ヘッドの牽引動作機構によって各砥石20を基準位置に維持した縮径状態のまま研削工具本体11を回転軸Zに沿って下降させて、研削工具10を工具挿入ガイド30から抜け出して被削材Wの円筒内周面Wa内に挿入する。一方、工具挿入ガイド30から被削材Wの円筒内周面Wa内への研削工具本体11の移動に伴い、各研削ガイド部材16の外周面17による各ELID用電極40への押圧付与が解除され、各ELID用電極40は、スプリング38の付勢力により中心方向に突出し、ガイド軸37に配設されたストッパ37bが外周凹部34の底部に当接して電極ガイド溝32からの突出が規制された最大突出位置に復帰し保持される。
研削工具本体11を被削材Wの円筒内周面Wa内に挿入した状態で、水性クーラントを供給しつつ研削工具10を回転しながら回転軸Z方向に往復動させ、且つ牽引動作機構による研削工具10の第1拡縮バー18A及び第2拡縮バー18Bの牽引を解除する。この牽引の解除によりスプリング19の付勢力によって第1拡縮バー18A及び第2拡縮バー18Bが先端側に移動して第1拡縮バー18Aの基端側テーパ面18Aa及び先端側テーパ面18Abがそれぞれ第1シュー13Aの基端側テーパ面13Aa及び先端側テーパ面13Abに圧接して各第1シュー13Aを回転軸Zから離れる半径方向外向きに押動する。同様に、第2拡縮バー18Bの基端側テーパ面18Ba及び先端側テーパ面18Bbがそれぞれ第2シュー13Bの基端側テーパ面13Ba及び先端側テーパ面13Bbに圧接して各第2シュー13Bを回転軸Zから離れる半径方向外向きに押動して各砥石20の加工面21が被削材Wの円筒内周面Waに接触する。そして、予め設定された接触圧力で砥石20によって被削材Wの円筒内周面Waを研削、即ちホーニング加工を開始する。
研削加工しつつエアーマイクロメータにより研削ガイド部材16の外周面17と被加工面となる円筒内周面Waまでの隙間を検出し、研削ガイド部材16の外周面17と被削材Wの円筒内周面Waとの隙間が所定値に達すると、牽引動作機構により第1拡縮バー18A及び第2拡縮バー18Bを上方に牽引し、第1拡縮バー18Aの基端側テーパ面18Aa及び先端側テーパ面18Abによる第1シュー13Aの基端側テーパ面13Aa及び先端側テーパ面13Abの押圧を解除すると共に、第2拡縮バー18Bの基端側テーパ面18Ba及び先端側テーパ面18Bbによる第2シュー13Bの基端側テーパ面13Ba及び先端側テーパ面13Bbの押圧を解除する。
これにより、各第1シュー13A及び第2シュー13Bは、スプリングバンド14a及び14bによって回転軸Z方向、即ち縮径方向に移動して各砥石20が被削材Wの円筒内周面Waから離れて研削加工が終了すると共に、各砥石20は、その加工面21が研削ガイド部材16の外周面17から予め設定された寸法だけ回転軸Z方向となる基準位置に移動して保持される。この研削加工開始から研削加工終了までが加工時間となる。
研削加工が終了すると、研削工具10の回転及び回転軸Z方向の往復動、導電性液供給手段45からの水性クーラントの供給を停止し、研削工具10を上昇して待機位置で停止する。そして、研削加工された被削材Wを被削材保持部から搬出する。この被削材Wの搬入から搬出までの各工程を繰り返すことにより、電解ドレッシングされた研削工具10の砥石20により順次被削材Wの円筒内周面Waに研削を施すことができる。
従って、本実施の形態によると、被削材Wの円筒内周面Waをヘッドの主軸5に取り付けられた研削工具10により研削を繰り返す際に、ELID用電極40が配設された工具挿入ガイド30において、各砥石20の加工面21とELID用電極40の電極面41との間の離間寸法が高精度で均一に保持された状態で、水性クーラント等の導電性液を使用して砥石20に電解ドレッシングを施すことから、常に良好にドレッシングされた砥石20による面粗度のバラツキの無い安定した品質の研削が可能になる。また、砥石20の過剰な摩耗が抑制されて加工時間の短縮に伴い作業効率が向上する。
また、工具挿入ガイド30における電解ドレッシングがヘッドの主軸5に研削工具10を取り付けた状態で且つ研削工具10が工具挿入ガイド30を通過する極めて短時間で行え、研削加工サイクルに影響することなく電解ドレッシングが可能になる。
更に、工具挿入ガイド30にELID用電極40を配設することから、新たに電解ドレッシング手段を備える必要がなく、既存の研削装置を大きく変更することなく実現でき、装置及び作業の複雑化を招くことなく、製造コストの削減が期待できる。
なお、上記実施の形態では各研削加工毎に砥石20に電解ドレッシングを施したが、加工時間を計測して予め設定された加工時間毎に砥石20に電解ドレッシングを施すようにすることも、或いは予め設定された研削加工回数毎に電解ドレッシングを施すこともできる。
すなわち、研削により砥粒が摩耗すると研削能力が次第に低下して加工時間が次第に長くなることに着目し、研削加工時間を計測する加工時間計測手段を設けて研削加工時間を計測して、予め設定された閾値に研削加工時間が達したとき、或いは、予め設定された研削加工回数毎に電解ドレッシングを行うことで、適切な時期、或いは的確なサイクル毎に効果的に電解ドレッシングを行うことができ、砥石の目立て状態の維持と砥石の過剰な摩耗の抑制が可能となって、砥石による研削能力の過剰な低下が抑制される。これにより、加工時間が短縮されて加工サイクルの効率化が図れる共に、工具寿命の延長が図れ、且つ、安定した品質の研削加工が可能になる。
また、上記実施の形態における工具挿入ガイド30は、工具挿入ガイド本体31の基端側及び先端側に第1工具挿入ガイド部材43及び第2工具挿入ガイド部材44を配設したが、図8に図4に対応する断面図を示し且つ対応する部分に同一符号を付して詳細な説明を省略するが、第1工具挿入ガイド43及び第2工具挿入ガイド44を省略して構成の簡素化及びコンパクト化を図ることもできる。また、上記実施の形態では4個のELID用電極40を工具挿入ガイド本体31に配置したが、4個に限定されることなく例えば3個、5個等の他の複数個のELID用電極40を配置することもできる。
また、上記実施の形態においては、被削材Wの外として、工具挿入ガイド30に電解ドレッシング用電極40を配置した例につき説明したが、工具挿入ガイド30は、研削装置側、或いは被削材Wの何れに付設される場合であっても適用し得る。
なお、本実施の形態では、工具挿入ガイド30、工具挿入ガイド本体31を、それぞれ電解ドレッシング装置、電解ドレッシング装置本体として兼用しているが、工具挿入ガイド30、工具挿入ガイド本体31に対し、電解ドレッシング装置、電解ドレッシング装置本体を別途設けるようにしてもよい。
また、例えば、被削材としてシリンダブロックのアッパデッキ部上に取り付けられた筒状のダミーヘッド内を挿通し、砥粒を導電性結合部によって固定した砥石を装着した工具によりシリンダブロックのシリンダボアの内周面を研削加工するに際し、ダミーヘッド内に挿入される研削工具に装着された砥石と導電性液を介在させる間隙を隔てて対向する電解ドレッシング用電極をダミーヘッドに設けて電解ドレッシングする場合においても適用することもできる。なお、ダミーヘッドは、特開2005−199378号公報等に開示されており周知であるため、説明は省略する。
さらに、研削加工を行う加工部の他に、別途、電解ドレッシングを行う電界ドレッシング部を設け、非加工時間において電解ドレッシング部において砥石と電解ドレッシング用電極とを導電性液を存在させる間隔を隔てて対向させ、該砥石と電解ドレッシング用電極との間に導電性液を供給しつつ砥石と電解ドレッシング用電極に電圧を印加して砥石を電解ドレッシングする場合においても適用することもできる。
また、被削材はシリンダブロックに限定されず、円筒内周面を研削するものであれば適用し得る。
第1参考例
本発明に係る研削装置の第1参考例を図9乃至図12を参照して説明する。本参考例は、回転軸方向に延在する円柱状の砥石を有するマンドレルを備えた通常の研削装置に適用した例である。
図9は、研削装置の概要説明図、図10は図9のB部拡大図、図11は図9のIII−III線断面図、図12は図11のC部拡大図である。
研削装置51は、被削材Wを位置決め保持する被削材保持部、ヘッド、このヘッドの主軸52に支持された研削工具55、被削材保持部に位置決め保持された被削材Wの上部に近接して配置された研削工具55を研削部となる円筒内周面Wa内に誘導案内する工具挿入ガイド53、及び工具挿入ガイド53の上部に近接して配置された電解ドレッシング装置本体60を備えている。また、電解ドレッシング装置本体60は導電性液供給手段78及び電圧印加手段(図示せず)と共に電解ドレッシング装置を構成する。
研削工具55は、主軸モータ等の駆動装置を備えるヘッドの主軸52に支持され、且つ、主軸52により回転軸Zを中心に回転駆動可能に構成されている。研削工具55は主軸52に上端が支持された軸部56及び軸部56の先端に一体的に形成された柱状のマンドレル57を備え、マンドレル57の基端範囲にメタルボンド砥石によって形成された砥石58が配設されて構成され、マンドレル57の先端範囲によってガイド部57aが形成される。なお、研削工具55の軸部56に電圧印加手段に接続する電極(図示せず)を設ける。
電解ドレッシング装置本体60は、回転軸Zを隔てて配置される一対の第1移動手段61A及び第2移動手段61Bによって回転軸Zとそれぞれ直交方向に移動して回転軸Z方向に接離する導電性材料、例えば鉄製の第1電解ドレッシング用電極(以下、第1ELID用電極)75A及び第2電解ドレッシング用電極(以下、第2ELID用電75Bを備える。なお、第1移動手段61A及び第1ELID用電極75Aは、それぞれ第2移動手段61B及び第2ELID用電極75Bと同様の構成であり、対応する部分に同一符号を付することで第2移動手段61B及び第2ELID用電極75Bの詳細な説明を省略する。
第1移動手段61Aは、回転軸Zと対向するベース部62を備え、ベース部62に一対のガイドブッシュ63a、63bを貫通して回転軸Zと直交する方向に往復動自在に支持された上側軸64a及び下側軸64bを平行配置する。上側軸64aと下側軸64bの回転軸Z側の先端に回転軸Z方向に延在する板状の取付部材65を架設し、上側軸64aと下側軸64bの基端に連結部材66が架設する。
ベース部62にベアリング67によって回転自在に貫通してネジ軸68が支持され、ネジ軸68の先端部69aにネジ部を形成する。互いに螺合するネジ軸68の先端部69aと連結部材66に配設されたナット69bによってネジ送り機構69を形成する。
一方、ベース部62に電動モータ70が配置され、電動モータ70の出力軸70aに設けられた予め設定された回転トルクによって空転するプーリ71とネジ軸68の基端に設けられたプーリ72と間にベルト73が巻回する。これにより電動モータ70の正回転駆動に伴って、プーリ71、72及びベルト73からなる動力伝達機構を介してネジ軸68が正回転し、ネジ送り機構69を介在して連結部材66によって連結された上側軸64a及び下側軸64bがガイドブッシュ63a、63bに案内されて移動し、上側軸64aと下側軸64bに架設された取付部材65が後退位置側から回転軸Zに接近する前進位置側に移動する。
また、電動モータ70の逆回転駆動に伴って、プーリ71、72及びベルト73を介してネジ軸68が逆回転してネジ送り機構69を介在して連結部材66によって連結された上側軸64a及び下側軸64bがガイドブッシュ63a、63bに案内されて移動し、上側軸64aと下側軸64bに架設された取付部材65が前進位置側から回転軸Zから離れた後退位置側に移動する。なお、プーリ71、72、ベルト73に換えて歯車列によって電動モータ70の出力軸70aからネジ軸68に動力伝達する動力伝達機構を形成することもできる。
取付部材65の回転軸Z側に形成された取付面65aに絶縁部材74を介在して第1ELID用電極75Aを取り付ける。第1ELID用電極75Aは、略半円筒状であって上端に絶縁部材74にボルト結合されるフランジ75aを有し、回転軸Zと対向する断面円孔状で回転軸Z方向に沿って延在する電極面76を形成する。電極面76に、先端が研削工具55のマンドレル57に当接してマンドレル57に配置された砥石58と電極面76の相対位置決めする位置決め手段となる位置決め突起77を複数設ける。突起77は絶縁材から構成され、この突起77の先端がマンドレル57に当接した状態で回転軸Zから電極面76までの寸法、いわゆる電極面76の半径が一定になる円弧状に形成する。また、突起77が砥石58の外表の加工面に接触した状態で、砥石58の外表の加工面から電極面76までの距離は、例えば1〜2mm程度となる。また、第1ELID用電極75Aは、電圧印加手段の負極(−極)に接続される。なお、回転軸Zから第1ELID用電極75Aが離れた後退位置にあっては、回転軸Zに沿って下降する研削工具55のマンドレル57が第1ELID用電極75Aから突出した位置決め突起77に接触することはない。
更に、第1ELID用電極75A及び第2ELID用電極75Bの上方に吐出口78aが形成された導電性液供給手段78が配設され、導電性液供給手段78から導電性液としての水性クーラントを対向する第1ELID用電極75Aの電極面76と第2ELID用電極75Bの電極面76によって形成されるほぼ円筒状の空間部内に供給可能としている。
次に、上記のように構成された研削装置51の作動について説明する。
研削工具55を待機位置となる上昇位置に保持した状態で、被削材Wを搬入して被削材保持部に位置決め保持する。一方、電解ドレッシング装置本体60の第1ELID用電極75A及び第2ELID用電極75Bは、回転軸Zから離れた後退位置に保持される。
次に、導電性液供給手段78の吐出口78aから導電性液である水性クーラントを電解ドレッシング装置本体60の対向する第1ELID用電極75Aの電極面76と第2ELID用電極75Bの電極面76によって形成される空間部内に供給する。
この状態で、研削工具55を回転軸Zに沿って下降させる。下降する研削工具55は、そのマンドレル57の先端に形成されたガイド部57aが対向する第1ELID電極75Aの電極面76と第2ELID用電極75Bの電極面76の間を貫通して工具挿入ガイド53の内周面に誘導されて被削材Wの円筒内周面Wa内に挿入するドレッシング位置まで下降する。このドレッシング位置においてマンドレル57に配設された砥石58が第1ELID用電極75Aの電極面76及び第2ELID用電極75Bの電極面76と対向する。
次に電解ドレッシング装置本体60の第1移動手段61Aの電動モータ70の正回転駆動により、それぞれのプーリ71、72及びベルト73を介してネジ軸68が正回転してネジ送り機構69を介在して連結部材66によって連結された上側軸64a及び下側軸64bがガイドブッシュ63a、63bに案内されて移動し、上側軸64aと下側軸64bに架設された取付部材65に配設された第1ELID用電極75Aが後退位置から回転軸Zに接近する前進位置側に移動して、第1ELID用電極75Aに突設した各位置決め突起77がマンドレル57に当接し、しかる後、電動モータ70を停止する。
同様に、第2移動手段61Bの電動モータ70の正回転駆動により、第2ELID用電極75Bが後退位置から回転軸Zに接近する前進位置側に移動に移動して、第2ELID用電極75Bに突設した各位置決め突起77がマンドレル57に当接して、しかる後、電動モータ70が停止する。
この第1ELID用電極75A及び第2ELID用電極75Bの各位置決め突起77がマンドレル57に当接した状態では、第1ELID用電極75A及び第2ELID用電極75Bの各電極面76と砥石58の外周の加工面との間隙が高精度で均一に設定され、第1ELID用電極75A及び第2ELID用電極75Bの各電極面76と砥石58の外表の加工面とが水性クーラントを介在して対向する。
この砥石58の外表の加工面と第1ELID用電極75A及び第2ELID用電極75Bの各電極面76とが対向した状態で電圧印加手段から第1ELID用電極75A及び第2ELID用電極75Bに負電圧を印加すると共に、電圧印加手段により砥石58に正電圧を印加し、電解作用により砥石58の外表の加工面における導電性結合部を電気分解させて電解ドレッシングする。この電解ドレッシングにあたり、第1ELID用電極75A及び第2ELID75Bの各電極面76と砥石58の加工面との間に介在する水性クーラントが導電性に優れ、かつ砥石58の加工面と第1ELID用電極75A及び第2ELID用電極75Bの各電極面76との間の離間寸法が高精度で均一に保持されることから、砥石58の全周に亘る外表の加工面においてバラツキの無い安定した均質な電解ドレッシングが得られる。この電解ドレッシング時間は電解電圧、砥粒突出量及び導電性結合部の材質等によって決定されるが実験やシミュレーション等によって適宜最適な任意の時間を求めて設定できる。また、電解電圧、電解ドレッシング時間により砥粒の突出量を最適化できる。
ドレッシング時間の経過後、砥石58、第1ELID用電極75A、第2ELID用電極75Bに対する電圧印加を停止し、砥石58の電解ドレッシングが終了すると、電解ドレッシング装置本体60の第1移動手段61Aの電動モータ70の逆回転駆動により、プーリ71、72及びベルト73を介してネジ軸68が逆回転してネジ送り機構69を介在して連結部材66によって連結された上側軸64a及び下側軸64bがガイドブッシュ63a、63bに案内されて移動し、上側軸64aと下側軸64bに架設された取付部材65に配設された第1ELID用電極75Aが砥石58から離れる後退位置側に移動に移動して、第1ELID用電極75Aが後退位置に移動すると電動モータ70を停止する。
同様に、第2移動手段61Bの電動モータ70の逆回転駆動により、第2ELID用電極75Bが砥石58から離れる後退位置側に移動して電動モータ70が停止する。
次に、水性クーラントを供給しつつ研削工具55を回転しながら回転軸Z方向に沿って下降させてマンドレル57に配置された砥石58によって被削材Wの円筒内周面Waを研削する。
研削加工が終了すると、研削工具55の回転及び導電性液供給手段78からの水性クーラントの供給を停止し、研削工具55を上昇して待機位置で停止する。そして、研削された被削材Wを被削材保持部から搬出する。この被削材Wの搬入から搬出までの各工程を繰り返すことにより、電解ドレッシングされた研削工具55の砥石58により順次被削材Wの円筒内周面Waに研削を施すことができる。
従って、本参考例によると、被削材Wの円筒内周面Waをヘッドの主軸52に取り付けられた研削工具55により研削を繰り返す際に、第1ELID用電極75A及び第2ELID用電極75Bが配設された電解ドレッシング装置本体60において、研削工具55の砥石58の加工面と第1ELID用電極75A及び第2ELID用電極75Bの各電極面76との間の離間寸法が高精度で均一に保持された状態で水性クーラント等の導電性液を使用して砥石58に電解ドレッシングを施すことから、常に良好にドレッシングされた砥石58による面粗度のバラツキの無い安定した品質の研削加工が可能になる。また、砥石58の過剰な摩耗が抑制されて加工時間の短縮に伴い作業効率が向上する。
また、電解ドレッシングがヘッドの主軸52に研削工具55を取り付けた状態で且つ研削工具55が電解ドレッシング装置本体60の第1ELID用電極75Aと第2ELID用電極75Bにおいて極めて短時間で行え、研削加工サイクルに影響することなく電解ドレッシングが可能になる。
なお、上記参考例では各研削加工毎に研削工具55の砥石58に電解ドレッシングを施したが、加工時間を計測して予め設定された加工時間毎に砥石58に電解ドレッシングを施すようにすることも、或いは予め設定された研削加工回数毎に電解ドレッシングを施すこともできる。
すなわち、研削により砥粒が摩耗すると研削能力が次第に低下して加工時間が次第に長くなることに着目し、研削加工時間を計測する加工時間計測手段を設けて研削加工時間を計測して、予め設定された閾値に研削加工時間が達したとき、或いは、予め設定された研削加工回数毎に電解ドレッシングを行うことで、適切な時期、或いは的確なサイクル毎に効果的に電解ドレッシングを行うことができ、砥石の目立て状態の維持と砥石の過剰な摩耗の抑制が可能となって、砥石による研削能力の過剰な低下が抑制される。これにより、加工時間が短縮されて加工サイクルの効率化が図れる共に、工具寿命の延長が図れ、且つ、安定した品質の研削加工が可能になる。
また、上記参考例においては、被削材Wの上方に電解ドレッシング装置を配置した例につき説明したが、電解ドレッシング装置は、研削加工を行う加工部の他に、別途、電解ドレッシングを行う電界ドレッシング部を設け、非加工時間において電解ドレッシング部において砥石と第1ELID用電極75Aと第2ELID用電極75Bとを導電性液を存在させる間隔を隔てて対向させ、該砥石と第1ELID用電極75Aと第2ELID用電極75Bとの間に導電性液を供給しつつ砥石と電解ドレッシング用電極に電圧を印加して砥石を電解ドレッシングする場合の電解ドレッシング用電極に適用することもできる。
また、上記参考例では、研削工具55と第1ELID用電極75A及び第2ELID用電極75Bとの相対位置決めを果たす位置決め手段を第1ELID用電極75A及び第2ELID用電極75Bに突設した突起77によって構成したが、取付部材65や上側軸64a、下側軸64b等の第1ELID用電極75A及び第2ELID用電極75Bと同期して一体的に移動する部材に配設されて工具挿入ガイド53等の固定部材に当接可能な当接部材等によって位置決め手段を構成することもできる。
また、上記参考例では電解ドレッシング装置として第1ELID用電極75Aを有する第1移動手段61A及び第2ELID用電極75Bを有する第2移動手段61Bを備えたが、他の複数のELID用電極を有する移動手段を回転軸Zを中心に放射状に配置して構成することもできる。
第2参考例
本発明に係る研削装置の第2参考例を図13及び図14を参照して説明する。図13は、研削装置の概要説明図、図14は図13のIV−IV線断面図である。本参考例は、第1参考例と同様に回転軸方向に延在する円柱状の砥石を有するマンドレルを備えた通常の研削装置に適用した例であるが、第1参考例に対し、一つの電解ドレッシング用電極および移動手段により対応した例である。中心に放射状に配置して構成することもできる。
研削装置81は、第1参考例と同様の被削材保持部、ヘッド、このヘッドの主軸52に支持された研削工具55及び工具挿入ガイド53を備えると共に、工具挿入ガイド53の上部に近接して配置された電解ドレッシング装置82を備えている。また、電解ドレッシング装置本体82は導電性液供給手段88及び電圧印加手段(図示せず)と共に電解ドレッシング装置を構成する。
なお、説明の便宜上、第1参考例と対応する部分には同一符号を付し、該部の詳細な説明は省略する。
電解ドレッシング装置本体82は、回転軸Zと対向して配置される移動手段83によって回転軸Zとそれぞれ直交方向に移動して回転軸Zに接離する導電性材料、例えば鉄製の電解ドレッシング用電極(以下、ELID用電極)85を備える。
この移動手段83は、第1参考例における第1移動手段61Aと同一構成であり、ELID用電極85は第1ELID用電極75Aと同一構成であり、移動手段83及びELID用電極85における第1移動手段61A及び第1ELID用電極75Aと対応する部分に同一符号を付することで詳細な説明を省略する。
次に、研削装置81の作動について説明する。
研削工具55を待機位置となる上昇位置に保持した状態で、被削材Wを搬入して被削材保持部に位置決め保持する。一方、電解ドレッシング装置本体82のELID用電極85は、回転軸Zから離れた後退位置に保持される。
次に、導電性液供給手段88の吐出口88aから導電性液である水性クーラントを電解ドレッシング装置本体82のELID用電極85の電極面76に向けて供給する。
この状態で、研削工具55を回転軸Zに沿って下降させる。下降する研削工具55は、そのマンドレル57の先端に形成されたガイド部57aが工具挿入ガイド55の内周面55aに誘導されて被削材Wの円筒内周面Wa内に挿入するドレッシング位置まで下降する。このドレッシング位置においてマンドレル57に配設された砥石58がELID用電極85の電極面76と対向する。
次に移動手段83の電動モータ70の正回転駆動により、それぞれのプーリ71、72及びベルト73を介してネジ軸68が正回転してネジ送り機構69を介在して連結部材66によって連結された上側軸64a及び下側軸64bがガイドブッシュ63a、63bに案内されて移動し、取付部材65に配設されたELID用電極85が後退位置から回転軸Zに接近する前進位置側に移動に移動して、ELID用電極85に突設した各位置決め突起77がマンドレル57に当接し、しかる後、電動モータ70を停止する。
このELID用電極85の各位置決め突起77がマンドレル57に当接した状態では、ELID用電極85の電極面76と砥石58の加工面との間隙が高精度で均質に設定され、電極面76と砥石58の加工面とが水性クーラントを介在して対向する。
この砥石58の加工面とELID用電極85の電極面76とが対向した状態で主軸52により研削工具55を低速で回転すると共に、電圧印加手段からELID用電極85に負電圧を印加し、且つ電圧印加手段により砥石58に正電圧を印加し、電解作用により砥石58の外周の加工面における導電性結合部を電気分解させて電解ドレッシングする。この電解ドレッシングにあたり、ELID用電極85の電極面76と砥石58の加工面との間に介在する水性クーラントが導電性に優れ、かつ砥石58の加工面とELID電極85の電極面76との間の離間寸法が高精度で均一に保持された状態で研削工具55を低速で回転させることから、砥石58の全周に亘る加工面においてバラツキの無い安定した均質な電解ドレッシングが得られる。この電解ドレッシング時間は電解電圧、砥粒突出量及び導電性結合部の材質等によって決定されるが実験やシミュレーション等によって適宜最適な任意の時間を求めて設定できる。また、電解電圧、電解ドレッシング時間により砥粒の突出量を最適化できる。
ドレッシング時間の経過後、砥石58及びELID用電極85に対する電圧印加を停止し、砥石58の電解ドレッシングが終了すると、移動手段83の電動モータ70の逆回転駆動により、プーリ71、72及びベルト73を介してネジ軸68が逆回転してネジ送り機構69を介在して連結部材66によって連結された上側軸64a及び下側軸64bがガイドブッシュ63a、63bに案内されて移動し、取付部材65に配設されたELID用電極85が砥石58から離れ、ELID用電極85が後退位置に移動して電動モータ70を停止する。
次に、導電性液供給手段88から水性クーラントを供給しつつ研削工具55を回転しながら回転軸Z方向に沿って下降させてマンドレル57に配置された砥石58によって被削材Wの円筒内周面Waを研削する。
研削加工が終了すると、研削工具55の回転及び導電性液供給手段88からの水性クーラントの供給を停止し、研削工具55を上昇して待機位置で停止する。そして、研削された被削材Wを被削材保持部から搬出する。この被削材Wの搬入から搬出までの各工程を繰り返すことにより、電解ドレッシングされた研削工具55の砥石58により順次被削材Wの円筒内周面Waに研削を施すことができる。
従って、本参考例によると、被削材Wの円筒内周面Waをヘッドの主軸52に取り付けられた研削工具55により研削を繰り返す際に、ELID用電極85が配設された電解ドレッシング装置において、研削工具55の砥石58の加工面とELID用電極85の電極面76との間の離間寸法が高精度で均一に保持された状態で水性クーラント等の導電性液を使用して砥石58に電解ドレッシングを施すことから、常に良好にドレッシングされた砥石58による面粗度のバラツキの無い安定した品質の研削加工が可能になる。また、砥石58の過剰な摩耗が抑制されて加工時間の短縮に伴い作業効率が向上する。また、電解ドレッシングがヘッドの主軸52に研削工具55を取り付けた状態で且つ極めて短時間で行え、研削加工サイクルに影響することなく電解ドレッシングが可能になる。
なお、上記参考例では、各研削加工毎に研削工具55の砥石58に電解ドレッシングを施したが、加工時間を計測して予め設定された加工時間毎に砥石58に電解ドレッシングを施すようにすることも、或いは予め設定された研削加工回数毎に電解ドレッシングを施すこともできる。
すなわち、研削により砥粒が摩耗すると研削能力が次第に低下して加工時間が次第に長くなることに着目し、研削加工時間を計測する加工時間計測手段を設けて研削加工時間を計測して、予め設定された閾値に研削加工時間が達したとき、或いは、予め設定された研削加工回数毎に電解ドレッシングを行うことで、適切な時期、或いは的確なサイクル毎に効果的に電解ドレッシングを行うことができ、砥石の目立て状態の維持と砥石の過剰な摩耗の抑制が可能となって、砥石による研削能力の過剰な低下が抑制される。これにより、加工時間が短縮されて加工サイクルの効率化が図れる共に、工具寿命の延長が図れ、且つ、安定した品質の研削加工が可能になる。
また、上記参考例においては、被削材Wの上方に電解ドレッシング装置を配置した例につき説明したが、電解ドレッシング装置は、研削加工を行う加工部の他に、別途、電解ドレッシングを行う電界ドレッシング部を設け、非加工時間において電解ドレッシング部において砥石58とELID用電極85とを導電性液を存在させる間隔を隔てて対向させ、該砥石58とELID用電極85との間に導電性液を供給しつつ砥石と電解ドレッシング用電極に電圧を印加して砥石を電解ドレッシングする場合の電解ドレッシング用電極に適用することもできる。
また、上記参考例では、研削工具55とELID用電極85との相対位置決めを果たす位置決め手段をELID用電極85に突設した突起77によって構成したが、取付部材65や上側軸64a、下側軸64b等のELID用電極85と同期して一体的に移動する部材に配設されて工具挿入ガイド53等の固定部材に当接可能な当接部材等によって位置決め手段を構成することもできる。
また、第1参考例及び第2参考例では、移動手段を電動モータ及びネジ機構により構成し、ELID用電極の電極面を回転軸方向に接近及び離反するように構成したが、油圧シリンダ機構やギヤ機構を用いた他の機構により移動手段を構成することもできる。
なお、実施の形態及び各参考例では導電性液として水性クーラント等の導電性研削液を用いたが、これに限らず、適宜の導電性液を用い得る。
また、実施の形態及び各参考例では、砥石の加工面と電解ドレッシング用電極の電極面とを対向した状態で、移動手段により電解ドレッシング用電極を、砥石の加工面と電解ドレッシング用電極の電極面とが接離する方向に移動するようにしているが、これに限定されず、移動手段により砥石を移動するようにしても、或いは、砥石と電解ドレッシング用電極との双方を移動可能としてもよい。すなわち、砥石の加工面と電解ドレッシング用電極の電極面とを対向した状態で、移動手段により砥石と電解ドレッシング用電極との少なくとも一方を、砥石の加工面と電解ドレッシング用電極の電極面とが接離する方向に移動すればよい。
また、移動手段として油圧アクチュエータや電動アクチュエータ等を用い、数値制御(NC制御)により移動手段を制御して、砥石の加工面と電解ドレッシング用電極の電極面とを対向した状態で、砥石と上記電解ドレッシング用電極との少なくとも一方を、砥石の加工面と電解ドレッシング用電極の電極面とが接離する方向に移動させ、電解ドレッシングの際に、砥石の加工面と電解ドレッシング用電極の電極面との間隙を一定に保持するように制御するようにしてもよい。
以上説明したように、砥石の加工面と電解ドレッシング用電極の電極面とを対向した状態で、移動手段により砥石と電解ドレッシング用電極との少なくとも一方を、砥石の加工面と電解ドレッシング用電極の電極面とが接離する方向に移動することで、電解ドレッシングを行う際に、砥石の加工面と電解ドレッシング用電極の電極面との間隙を所定に維持することができる。これにより、砥石の加工面と電解ドレッシング用電極の電極面との間隙のバラツキに起因するドレッシングの不均質を抑制して、バラツキの無い砥石のドレッシングを確保することができ、面粗度のバラツキの無い安定した均質の研削加工が可能になって、加工時間の削減が図れ、優れた研削作業性が得られる。
また、移動手段により移動して対向する砥石の加工面と電解ドレッシング用電極の電極面との間隙を一定に保持する位置決め手段を備えることで、砥石の加工面と移動手段により移動して対向する電解ドレッシング用電極の電極面との間隙を、位置決め手段により一定に保持することが可能となり、より均質のバラツキのない砥石のドレッシングを確保することができる。これにより、面粗度のバラツキの無い更なる安定した均質の研削加工が可能になって、加工時間の短縮が実現でき、更なる研削作業性の向上を図ることができる。
本発明の第1実施の形態に係り、研削装置の概要説明図である。 同上、研削工具の説明図である。 同上、図2のA矢視図である。 同上、工具挿入ガイドの断面図である。 同上、図4のI−I線断面図である。 同上、電解ドレッシング状態の概要を示す図である。 同上、図6のII−II線断面図である。 第1実施の形態における変形例であり、工具挿入ガイドの断面図である。 本発明の第1参考例に係り、研削装置の概要説明図である。 同上、図9のB部拡大図である。 同上、図9のIII−III線断面図である。 同上、図11のC部拡大図である。 本発明の第2参考例に係り、研削装置の概要説明図である。 同上、図13のIV−IV線断面図である 従来の砥石の電解ドレッシング手段の模式図である。
符号の説明
1 ホーニング装置(研削装置)
2 電解ドレッシング装置
5 主軸
10 研削工具(ホーニング工具)
11 研削工具本体
16 研削ガイド部材
17 外周面
20 砥石
21 加工面
30 工具挿入ガイド(電解ドレッシング装置本体)
31 工具挿入ガイド本体
36 絶縁部材
40 電解ドレッシング用電極(ELID用電極)
41 電極面
45 導電性液供給手段
51 研削装置
52 主軸
55 研削工具
56 軸部
57 マンドレル
58 砥石
60 電解ドレッシング装置本体
61A 第1移動手段
61B 第2移動手段
74 絶縁部材
75A 第1電解ドレッシング用電極(第1ELID用電極)
75B 第2電解ドレッシング用電極(第2ELID用電極)
76 電極面
77 位置決め突起(位置決め手段)
78 導電性液供給手段
81 研削装置
82 電解ドレッシング装置本体
85 電解ドレッシング用電極(ELID用電極)
88 導電性液供給手段

Claims (3)

  1. 砥粒を導電性結合部によって固定した砥石が配置された研削工具を回転し、被削材を研削する研削装置であって、上記砥石の加工面と導電性液を介在させる間隙を隔てて電極面が対向して配置される電解ドレッシング用電極を有し、導電性液の存在下で対向する砥石と上記電解ドレッシング用電極に電圧を印加して上記砥石を電解ドレッシングする電解ドレッシング装置を備えた研削装置において、
    上記研削工具は、
    上記研削工具の回転軸方向に延在する研削工具本体と、
    該研削工具本体の外周に突設されて上記回転軸から外周面までの距離が一定である研削ガイド部材と、
    上記研削工具本体の外周に配置されて上記回転軸から各外表の加工面までの距離が上記回転軸から研削ガイド部材の外周面までの距離より小さい一定距離である基準位置に保持可能である砥石とを備え、
    上記電解ドレッシング装置は、
    上記回転軸延在方向に連続する筒状の工具挿入ガイド本体と、
    該工具挿入ガイド本体の内周面に沿って配置され、且つ内周面に上記回転軸から研削ガイド部材の外周面までの距離と略同じ半径を有する円弧状で上記回転軸方向に延在する電極面が形成された電解ドレッシング用電極と、
    上記砥石の加工面と上記電解ドレッシング用電極の電極面とを対向した状態で、上記砥石と上記電解ドレッシング用電極との少なくとも一方を、上記砥石の加工面と上記電解ドレッシング用電極の電極面とが接離する方向に移動する移動手段と、
    上記移動手段により移動して互いに対向する上記砥石の加工面と電解ドレッシング用電極の電極面との間隙を、上記研削ガイド部材の外周面と上記電極面との当接によって一定に保持する位置決め手段と、を備えたことを特徴とする研削装置。
  2. 上記研削装置は、上記研削工具を被削材の円筒内周面内に挿入して該円筒内周面を研削するものであり、
    上記移動手段は、上記電解ドレッシング用電極を回転軸方向に砥石の加工面に接離する方向に移動するものであることを特徴とする請求項に記載の研削装置。
  3. 上記移動手段は、
    上記電解ドレッシング用電極を工具挿入ガイド本体における内周面の中心軸方向に付勢して移動し、
    上記位置決め手段は、
    上記研削工具を回転軸に沿って上記工具挿入ガイド本体内に挿入するに伴い上記各研削ガイド部材の外周面が電極面に当接して電解ドレッシング用電極を上記移動手段による付勢力に抗して工具挿入ガイド本体の中心軸から離反する方向に押動するものであることを特徴とする請求項に記載の研削装置。
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