JP5005483B2 - 円筒内周面のホーニング装置及び円筒内周面のホーニング方法 - Google Patents

円筒内周面のホーニング装置及び円筒内周面のホーニング方法 Download PDF

Info

Publication number
JP5005483B2
JP5005483B2 JP2007255566A JP2007255566A JP5005483B2 JP 5005483 B2 JP5005483 B2 JP 5005483B2 JP 2007255566 A JP2007255566 A JP 2007255566A JP 2007255566 A JP2007255566 A JP 2007255566A JP 5005483 B2 JP5005483 B2 JP 5005483B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
honing
work material
electrode
grindstone
electrolytic dressing
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2007255566A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2009083034A (ja
Inventor
康立 山元
次郎 丸山
正興 島野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Subaru Corp
Original Assignee
Fuji Jukogyo KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fuji Jukogyo KK filed Critical Fuji Jukogyo KK
Priority to JP2007255566A priority Critical patent/JP5005483B2/ja
Publication of JP2009083034A publication Critical patent/JP2009083034A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5005483B2 publication Critical patent/JP5005483B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Description

本発明は、円筒内周面のホーニング装置及び円筒内周面のホーニング方法に関し、特に砥粒が導電性結合部によって固定された複数のホーニング砥石が放射状に配置されたホーニング工具により被削材の円筒内周面を研削する円筒内周面のホーニング装置及び円筒内周面のホーニング方法に関する。
高精度が要求される被削材の断面円形で軸方向に延在して貫通する内周面、いわゆる円筒内周面の仕上げ加工に、従来からホーニング装置によるホーニング加工が施されている。ホーニング加工は、精密中ぐり、研削等によって加工された円筒内周面の真円度、真直度、表面粗さ等の加工精度を効率よく向上させる加工方法である。
ホーニング装置は、例えば棒状のホーニング砥石を放射状に配置したホーニング工具を有し、ホーニング砥石に被削材の円筒内周面に接触する半径方向外向きの接触圧力を与え、ホーニング工具を回転しながら、回転軸方向の往復運動を与えて円筒内周面を研削仕上げするものである。
一般にホーニング砥石は、酸化アルミニウム、炭化珪素、ダイヤモンド等の極めて硬く小さな砥粒が結合剤によって結合された棒状であって、被削材を研削加工することで同時に砥石自体がドレッシングされる、即ち自生作用(摩耗した砥粒が脱落し新しい砥粒が突出する現象)に優れた砥石が選択される。
しかし、ホーニング砥石のドレッシングを砥石自体の自生作用に依存することから、精密中ぐり、研削等による前工程における被削材の加工精度のバラツキや、砥石自体の製造に伴う形状等のバラツキ、ホーニング加工に使用される研削液の汚れ等に影響されて、ホーニング砥石の自生作用のサイクルにバラツキが生じる。
このホーニング砥石の自生作用のサイクルにバラツキがあると、ホーニング加工中に、ホーニング砥石の隙間に切り屑や脱落破砕した砥粒が詰まる目詰まり、砥粒が摩耗しても破砕しない目潰れ、わずかな研削抵抗や衝撃によっても砥粒が脱落する目こぼれ等を招き、加工面粗さの悪化、加工面の研削焼け、研削割れ等を誘発し、更に加工時間が過大になる等の不具合が懸念される。このため、ホーニング砥石を頻繁にドレッシングする必要がある。
一方、近年、ホーニング砥石に砥粒を青銅や鋳鉄の導電性結合部で結合したメタルボンド砥石が多く使用されるようになっている。この種のホーニング砥石のドレッシング方法として電解ドレッシングが種々提案されている。
例えば、特許文献1に開示されるホーニング砥石のドレッシング方法は、図13に示すようにホーニングヘッド101の主軸に電解ドレス用の砥石ホルダ102を取り付け、この砥石ホルダ102に砥粒と導電性結合部からなるホーニング砥石105を配置する一方、砥石ホルダ102に位置決め固定されたホーニング砥石105の加工面となる外周面に所定の間隔を隔てて対向する円弧状の対向面103aを有する電極103を配置し、流路103bを通して対向面103aに水性クーラント等の導電性液を供給すると共に、ホーニング砥石105と電極103との間に所定の電圧を印加する電源装置等の電圧印加手段104を備えている。そして、ホーニング砥石105と電極103との間に所定の電圧を印加し、同時にホーニング砥石105と電極103との間に水性クーラント等の導電性液を供給してホーニング砥石105の外表面の導電性結合部を電気分解(電解)し、砥粒をドレッシングさせる。
特開2001−62721号公報
上記特許文献1によると、ホーニング砥石105のドレッシングにあたり、ホーニングヘッド101の主軸に電解ドレッシング用の砥石ホルダ102を取り付け、砥石ホルダ102にホーニング砥石105を取り付けて電解ドレッシングすることから、ホーニングヘッド101の主軸にホーニング工具に代えて電解ドレッシング用の砥石ホルダ102を取り付けると共にホーニング工具から取り外したホーニング砥石105を砥石ホルダ102に取り付け、更にドレッシングが施された後にホーニング砥石105を再びホーニング工具に取り付けると共にホーニングヘッド101の主軸から砥石ホルダ102を取り外してホーニング工具を取り付ける厄介な作業を要し、ホーニング砥石105のドレッシングのために多くの工数が必要になり、ホーニング加工サイクルに影響し、ホーニング作業効率の低下を招くことが懸念される。
従って、かかる点に鑑みなされた本発明の目的は、加工精度及び作業効率に優れる円筒内周面のホーニング装置及び円筒内周面のホーニング方法を提供することにある。
上記目的を達成する請求項1に記載の円筒内周面のホーニング装置の発明は、先端から基端に亘って砥粒が導電性結合部によって固定された複数のホーニング砥石が放射状に配置されたホーニング工具を回転軸方向に沿って被削材に貫通する円筒内周面内に挿入し、該ホーニング工具を回転しつつ上記被削材の一端から上記ホーニング砥石の先端側範囲が突出する下死点位置と上記被削材の他端から上記ホーニング砥石の基端側範囲が突出する上死点位置との間で回転軸方向に往復動して上記円筒内周面をホーニング加工する円筒内周面のホーニング装置において、上記被削材の一端側において上記被削材の一端から突出する上記ホーニング砥石の先端側範囲における外表面と導電性研削液を介在させる間隙を隔てて電極面が対向する第1の電解ドレッシング用電極及び上記ホーニング砥石と第1の電解ドレッシング用電極に電圧を印加する電圧印加手段を備えた第1の電解ドレッシング手段と、上記被削材の他端側において上記被削材の他端から突出する上記ホーニング砥石の基端側範囲における外表面と導電性研削液を介在させる間隙を隔てて電極面が対向する第2の電解ドレッシング用電極及び上記ホーニング砥石と第2の電解ドレッシング用電極に電圧を印加する電圧印加手段を備えた第2の電解ドレッシング手段とを備え、上記被削材の一端から突出する上記ホーニング砥石の先端側範囲における外表面と第1の電解ドレッシング用電極との間に導電性研削液が存在下で上記ホーニング砥石と第1の電解ドレッシング用電極に電圧を印加して上記ホーニング砥石の先端側範囲を電解ドレッシングし、上記被削材の他端から突出する上記ホーニング砥石の基端側範囲における外表面と第2の電解ドレッシング用電極との間に導電性研削液が存在下で上記ホーニング砥石と第2の電解ドレッシング用電極に電圧を印加して上記ホーニング砥石の基端側範囲を電解ドレッシングすることを特徴とする。
この発明によると、複数のホーニング砥石が放射状に配置されたホーニング工具を下死点位置と上死点位置との間を往復動及び回転して被削材の円筒内周面をホーニング加工する際に、第1の電解ドレッシング用電極が配設された第1のドレッシング手段において導電性研削液の存在下でホーニング砥石の先端側範囲に電解ドレッシングを施し、第2の電解ドレッシング用電極が配設された第2のドレッシング手段において導電性研削液の存在下でホーニング砥石の基端側範囲に電解ドレッシングを施すことにより、常に良好にドレッシングされたホーニング砥石による面粗度のバラツキのない安定した品質のホーニング加工が可能になる。また、ホーニング加工と同時にホーニング砥石の電解ドレッシングを行うことができ、ホーニング加工サイクルに影響することなくホーニング砥石の電解ドレッシングが行われ、かつ従来の厄介なホーニング砥石のドレッシングのためのホーニング工具の取り外しが不要になることと相俟って作業効率が向上する。
請求項2に記載の発明は、請求項1の円筒内周面のホーニング装置において、上記被削材の一端から突出する上記ホーニング砥石の先端側範囲の回転軸方向の長さと上記被削材の他端から突出する上記ホーニング砥石の基端側範囲の回転軸方向の長さの合計長さが、上記ホーニング砥石の回転軸方向の長さより大であることを特徴とする。
この発明によると、被削材の一端側から突出するホーニング砥石の先端側範囲の回転軸方向の長さと被削材の他端側から突出するホーニング砥石の基端側範囲の回転軸方向の長さの合計長さを、ホーニング砥石の回転軸方向の長さよりも大きく設定することで、第1の電解ドレッシング手段により電解ドレッシングする先端側範囲と第2の電解ドレッシング手段により電解ドレッシングする基端側範囲との相互に第1の電解ドレッシング手段及び第2の電解ドレッシング手段によって共に電解ドレッシングされる重複範囲が形成され、ホーニング砥石の一端から基端の全長に亘り確実に電解ドレッシングが施される。
請求項3に記載の発明は、請求項1または2の円筒内周面のホーニング装置において、上記第1の電解ドレッシング用電極は、上記被削材の一端から突出する上記ホーニング砥石の先端側範囲における外表面と電極面が対向すると共にホーニング工具の回転軸方向に延在する円筒状であることを特徴とする。
この発明によると、導電性切削液の存在下で対向する円筒状の第1の電解ドレッシング用電極とホーニング工具に放射状に配置されたホーニング砥石に電圧を印加してホーニング砥石に電解ドレッシングを施すことから、各ホーニング砥石に均一な電解ドレッシングを施すことができる。
請求項4に記載の発明は、請求項1または2の円筒内周面のホーニング装置において、上記第1の電解ドレッシング用電極は、上記被削材の一端から突出する上記ホーニング砥石の先端側範囲における外表面と電極面が対向すると共にホーニング工具の回転軸方向に延在する断面円弧形状であることを特徴とする。
この発明によると、導電性切削液の存在下で対向する断面円弧状の第1の電解ドレッシング用電極とホーニング工具に放射状に配置されたホーニング砥石にホーニング工具を回転した状態で電圧を印加してホーニング砥石に電解ドレッシングを施すことから、各ホーニング砥石に均一な電解ドレッシングが施される。
上記目的を達成する請求項5に記載の円筒内周面のホーニング装置の発明は、先端から基端に亘って砥粒が導電性結合部によって固定された複数のホーニング砥石が放射状に配置されたホーニング工具を回転軸方向に沿って、一端が被削材保持部に保持された被削材に貫通する円筒内周面内に該被削材の他端側に配置された工具挿入ガイド内を挿通させて挿入し、該ホーニング工具を回転しつつ上記被削材の一端から上記ホーニング砥石の先端側範囲が突出する下死点位置と上記被削材の他端から上記ホーニング砥石の基端側範囲が突出する上死点位置との間で回転軸方向に往復動して上記円筒内周面をホーニング加工する円筒内周面のホーニング装置において、上記被削材保持部は、被削材保持部本体の内周面に配設され上記被削材の一端から突出する上記ホーニング砥石の先端側範囲における外表面と導電性研削液を介在させる間隙を隔てて電極面が対向する第1の電解ドレッシング用電極と、上記ホーニング砥石と第1の電解ドレッシング用電極に電圧を印加する電圧印加手段とを備え、上記工具挿入ガイドは、工具挿入ガイド本体の内周面に配設され上記被削材の他端から突出する上記ホーニング砥石の基端側範囲における外表面と導電性研削液を介在させる間隙を隔てて電極面が対向する第2の電極ドレッシング用電極と、上記ホーニング砥石と第2の電解ドレッシング用電極に電圧を印加する電圧印加手段とを備え、上記被削材の一端から突出する上記ホーニング砥石の先端側範囲における外表面と第1の電解ドレッシング用電極との間に導電性研削液が存在下で上記ホーニング砥石と第1の電解レッシング用電極に電圧を印加して上記ホーニング砥石の先端側範囲を電解ドレッシングし、上記被削材の他端から突出する上記ホーニング砥石の基端側範囲における外表面と第2の電解ドレッシング用電極との間に導電性研削液が存在下で上記ホーニング砥石と第2の電解ドレッシング用電極に電圧を印加して上記ホーニング砥石の基端側範囲を電解ドレッシングすることを特徴とする。
この発明によると、ホーニング砥石が放射状に配置されたホーニング工具を下死点位置と上死点位置との間を往復動及び回転して被削材の円筒内周面をホーニング加工する際に、導電性研削液の存在下で対向する被削材保持部の被削材保持部本体に配置された第1の電解ドレッシング用電極とホーニング砥石に電圧を印加してホーニング砥石の先端側範囲に電解ドレッシングを施し、導電性研削液の存在下で対向する工具挿入ガイドの工具挿入ガイド本体に配置された第2の電解ドレッシング用電極とホーニング砥石に電圧を印加してホーニング砥石の基端側範囲に電解ドレッシングを施すことにより、常に良好にドレッシングされたホーニング砥石による面粗度のバラツキのない安定した品質のホーニング加工が可能になる。また、また、ホーニング加工と同時にホーニング砥石の電解ドレッシングが行え、作業効率が向上する。
更に、被削材保持部及び工具挿入ガイドにそれぞれ第1の電解ドレッシング用電極及び第1の電解ドレッシング用電極を配設することから、新たに電解ドレッシング手段を備える必要がなく、既存のホーニング装置を大きく変更することなく実現でき、装置及び作業の複雑化を招くことなく、製造コストの削減が期待できる。
請求項6に記載の発明は、請求項5の円筒内周面のホーニング装置において、上記被削材の一端から突出する上記ホーニング砥石の先端側範囲の回転軸方向の長さと上記被削材の他端側から突出する上記ホーニング砥石の基端側範囲の回転軸方向の長さの合計長さが、上記ホーニング砥石の回転軸方向の長さより大であることを特徴とする。
この発明によると、被削材の一端から被削材保持部内に突出するホーニング砥石の先端側範囲の回転軸方向の長さと被削材の他端から工具挿入ガイド内に突出するホーニング砥石の基端側範囲の回転軸方向の長さの合計長さが、ホーニング砥石の回転軸方向の長さより大きく設定することで、第1の電解ドレッシング電極により電解ドレッシングする先端側範囲と第2の電解ドレッシング電極により電解ドレッシングする基端側範囲との相互に第1の電解ドレッシング電極及び第2の電解ドレッシング電極により共に電解ドレッシングされる重複範囲が形成され、ホーニング砥石の一端から基端の全長に亘り確実に電解ドレッシングが施される。
請求項7に記載の発明は、請求項5または6の円筒内周面のホーニング装置において、上記第1の電解ドレッシング用電極は、被削材保持部本体の内周面に配設され上記被削材の一端から突出する上記ホーニング砥石の先端側範囲における外表面と電極面が対向すると共にホーニング工具の回転軸方向に延在する円筒状であることを特徴とする。
この発明によると、導電性切削液の存在下で対向する円筒状の第1の電解ドレッシング用電極とホーニング工具に放射状に複数配置されたホーニング砥石に電圧を印加してホーニング砥石に電解ドレッシングを施すことから、各ホーニング砥石に均一な電解ドレッシングを施すことができる。
請求項8に記載の発明は、請求項5または6の円筒内周面のホーニング装置において、上記第1の電解ドレッシング用電極は、被削材保持部本体の内周面に周方向に間隔を隔てて複数配置され、それぞれ上記被削材の一端から突出する上記ホーニング砥石の先端側範囲における外表面と電極面が対向すると共に回転軸方向に延在する断面円弧状であることを特徴とする。
この発明によると、導電性切削液の存在下で対向する断面円弧状の第1の電解ドレッシング用電極とホーニング工具に放射状に複数配置されたホーニング砥石にホーニング工具を回転した状態で電圧を印加してホーニング砥石に電解ドレッシングを施すことから、各ホーニング砥石に均一な電解ドレッシングを施すことができる。
請求項9に記載の発明は、請求項5または6の円筒内周面のホーニング装置において、上記被削材保持部は、周方向に分割された複数の上記被削材保持部本体を備え、上記第1の電解ドレッシング電極が各被削材保持部本体の内周に配置され上記被削材の一端から突出する上記ホーニング砥石の先端側範囲における外表面と電極面が対向すると共に回転軸方向に延在する断面円弧状であることを特徴とする。
この発明によると、被削材保持部は、周方向に分割された複数の上記被削材保持部本体を備え、各被削材保持部本体の内周に断面円弧状の第1の電解ドレッシング用電極を配置することによって、被削材保持部と被削材との接触による被削材形状制限が緩和される。
請求項10に記載の発明は、請求項5〜9のいずれか1項の円筒内周面のホーニング装置において、被削材保持部本体と第1の電解ドレッシング用電極との間に絶縁部材が介在することを特徴とする。
この発明によると、被削材保持部本体と第1の電解ドレッシング用電極との間に絶縁部材が介在することで、被削材保持部本体が鉄製等の導電性材料によって形成される場合においてもホーニング砥石に良好な電解ドレッシングを施すことができる。
請求項11に記載の発明は、請求項5〜10のいずれか1項の円筒内周面のホーニング装置において、工具挿入ガイド本体と第2の電解ドレッシング用電極との間に絶縁部材が介在することを特徴とする。
この発明によると、工具挿入ガイド本体と第2の電解ドレッシング用電極との間に絶縁部材が介在することで、工具挿入ガイド本体が鉄製等の導電性材料によって形成される場合においてもホーニング砥石に良好な電解ドレッシングを施すことができる。
上記目的を達成する請求項12に記載の円筒内周面のホーニング方法の発明は、先端から基端に亘って砥粒が導電性結合部によって固定された複数のホーニング砥石が放射状に配置されたホーニング工具を回転軸方向に沿って被削材に貫通する円筒内周面内に挿入し、該ホーニング工具を回転しつつ上記被削材の一端から上記ホーニング砥石の先端側範囲が突出する下死点位置と上記被削材の他端から上記ホーニング砥石の基端側範囲が突出する上死点位置との間で回転軸方向に往復動して上記円筒内周面をホーニング加工する円筒内周面のホーニング方法において、上記被削材の一端側において上記被削材の一端から突出する上記ホーニング砥石の先端側範囲における外表面と導電性研削液を介在させる間隙を隔てて電極面が対向する第1の電解ドレッシング用電極及び上記ホーニング砥石と該第1の電解ドレッシング用電極に電圧を印加する電圧印加手段を備えた第1の電解ドレッシング手段と、上記被削材の他端側において上記被削材の他端から突出する上記ホーニング砥石の基端側範囲における外表面と導電性研削液を介在させる間隙を隔てて電極面が対向する第2の電解ドレッシング用電極及び上記ホーニング砥石と該第2の電解ドレッシング用電極に電圧を印加する電圧印加手段を備えた第2の電解ドレッシング手段とを備え、上記ホーニング加工において被削材の一端から上記ホーニング砥石の先端側範囲が突出した際に対向する上記被削材の一端から突出する上記ホーニング砥石の先端側範囲における外表面と第1の電解ドレッシング用電極との間に導電性研削液が存在下で上記ホーニング砥石と第1の電解ドレッシング用電極に電圧を印加して上記ホーニング砥石の先端側範囲を電解ドレッシングし、被削材の他端から上記ホーニング砥石の基端側範囲が突出した際に上記被削材の他端から突出する上記ホーニング砥石の基端側範囲における外表面と第2の電解ドレッシング用電極との間に導電性研削液が存在下で上記ホーニング砥石と第2の電解ドレッシング用電極に電圧を印加して上記ホーニング砥石の基端側範囲を電解ドレッシングすることを特徴とする。
この発明によると、ホーニング砥石が放射状に配置されたホーニング工具を下死点位置と上死点位置との間を往復動及び回転して被削材の円筒内周面をホーニング加工する際に、第1の電解ドレッシング用電極が配設された第1のドレッシング手段において導電性研削液の存在下でホーニング砥石の先端側範囲に電解ドレッシングを施し、かつ第2の電解ドレッシング用電極が配設された第2のドレッシング手段において導電性研削液の存在下でホーニング砥石の基端側範囲に電解ドレッシングを施すことにより、常に良好にドレッシングされたホーニング砥石による面粗度のバラツキのない安定した品質のホーニングか加工可能になる。また、ホーニング加工と同時にホーニング砥石の電解ドレッシングが行え、作業効率が向上する。
上記目的を達成する請求項13に記載の円筒内周面のホーニング方法の発明は、先端から基端に亘って砥粒が導電性結合部によって固定された複数のホーニング砥石が放射状に配置されたホーニング工具を回転軸方向に沿って、一端が被削材保持部に保持された被削材に貫通する円筒内周面内に該被削材の他端側に配置された工具挿入ガイド内を挿通させて挿入し、該ホーニング工具を回転しつつ上記被削材の一端から上記ホーニング砥石の先端側範囲が突出する下死点位置と上記被削材の他端から上記ホーニング砥石の基端側範囲が突出する上死点位置との間で回転軸方向に往復動して上記円筒内周面をホーニング加工する円筒内周面のホーニング方法において、上記被削材保持部は、被削材保持部本体の内周に配設され上記被削材の一端から突出する上記ホーニング砥石の先端側範囲における外表面と導電性研削液を介在させる間隙を隔てて電極面が対向する第1の電解ドレッシング用電極と、上記ホーニング砥石と第1の電解ドレッシング用電極に電圧を印加する電圧印加手段とを備え、上記工具挿入ガイドは、工具挿入ガイド本体の内周に配設され上記被削材の他端から突出する上記ホーニング砥石の基端側範囲における外表面と導電性研削液を介在させる間隙を隔てて電極面が対向する第2の電極ドレッシング用電極と、上記ホーニング砥石と第2の電解ドレッシング用電極に電圧を印加する電圧印加手段とを備え、上記ホーニング加工において被削材の一端から上記ホーニング砥石の先端側範囲が突出した際に対向する上記被削材の一端から突出する上記ホーニング砥石の先端側範囲における外表面と第1の電解ドレッシング用電極との間に導電性研削液が存在下で上記ホーニング砥石と第1の電解レッシング用電極に電圧を印加して上記ホーニング砥石の先端側範囲を電解ドレッシングし、被削材の他端から上記ホーニング砥石の基端側範囲が突出した際に上記被削材の他端から突出する上記ホーニング砥石の先端側範囲における外表面と第2の電解ドレッシング用電極との間に導電性研削液が存在下で上記ホーニング砥石と第2の電解ドレッシング用電極に電圧を印加して上記ホーニング砥石の基端側範囲を電解ドレッシングすることを特徴とする。
この発明によると、ホーニング砥石が放射状に配置されたホーニング工具を下死点位置と上死点位置との間を往復動及び回転させて被削材の円筒内周面をホーニング加工する際に、導電性研削液の存在下で対向する被削材保持部の被削材保持部本体に配置された第1の電解ドレッシング用電極とホーニング砥石に電圧を印加してホーニング砥石の先端側範囲に電解ドレッシングを施し、かつ導電性研削液の存在下で対向する工具挿入ガイドの工具挿入ガイド本体に配置された第2の電解ドレッシング用電極とホーニング砥石に電圧を印加してホーニング砥石の基端側範囲に電解ドレッシングを施すことにより、常に良好にドレッシングされたホーニング砥石による面粗度のバラツキのない安定した品質のホーニング加工が可能になる。また、ホーニング加工と同時にホーニング砥石の電解ドレッシングが行え、作業効率が向上する。
請求項14に記載の発明は、請求項12または13に記載の円筒内周面のホーニング方法において、上記被削材の一端から突出する上記ホーニング砥石の先端側範囲の回転軸方向の長さと上記被削材の他端から突出する上記ホーニング砥石の基端側範囲の回転軸方向の長さの合計長さが、上記ホーニング砥石の回転軸方向の長さより大であることを特徴とする。
この発明によると、被削材の一端から突出するホーニング砥石の先端側範囲の回転軸方向の長さと被削材の他端から突出するホーニング砥石の基端側範囲の回転軸方向の長さの合計長さが、ホーニング砥石の回転軸方向の長さより大きく設定することで、第1の電解ドレッシング手段により電解ドレッシングする先端側範囲と第2の電解ドレッシング手段により電解ドレッシングする基端側範囲との相互に第1の電解ドレッシング手段及び第2の電解ドレッシング手段により共に電解ドレッシングされる重複範囲が形成され、ホーニング砥石の一端から基端に亘り電解ドレッシングが確実に施される。
本発明によると、ホーニング砥石が放射状に配置されたホーニング工具を下死点位置と上死点位置との間を往復動及び回転させて被削材の円筒内周面をホーニング加工する際に、導電性研削液の存在下で対向する第1の電解ドレッシング用電極でホーニング砥石の先端側範囲に電解ドレッシングを施し、導電性研削液の存在下で対向する第2の電解ドレッシング用電極でホーニング砥石の基端側範囲に電解ドレッシングを施すことから、常に良好に電解ドレッシングされたホーニング砥石による安定した品質のホーニング加工が可能になり、かつホーニング加工と同時にホーニング砥石の電解ドレッシングが行え、作業効率が向上する。
以下、本発明の円筒内周面のホーニング装置及び円筒内周面のホーニング方法の実施の形態を図1乃至図12を参照して説明する。
図1は、ホーニング装置1の概要説明図である。このホーニング装置1の説明にあたり、ホーニング装置1によって研削される被削材Wの概要を説明する。被削材Wは、図1に仮想線で断面を示すように、例えばエンジンに使用されるシリンダライナ等であって、一端となる下端Wbから他端となる上端Wcに亘って軸心に沿って延在する断面円形で貫通する内周面、いわゆる円筒内周面Wa及び外周面Wdをする円筒状であって、円筒内周面Waがホーニング装置1によって研削、即ちホーニング加工される研削部となる。
ホーニング装置1は、回転軸Zに沿って下降及び上昇するホーニングヘッド2に揺動自在に支持されたホーニング工具10、被削材Wを位置決め保持する第1の電解ドレッシング手段を兼備する被削材保持部21、この被削材保持部21に位置決め保持された被削材Wの上部に配置されて被削材Wをクランプ保持すると共にホーニング工具10を研削部となる円筒内周面Waに誘導案内する第2の電解ドレッシング手段を兼備する工具挿入ガイド31を備えている。
ホーニング工具10は、図2に構成図を示し、図3は図2のIII矢視図を示すように、主軸モータ等を供えた駆動装置となるホーニングヘッド2に上端が支持された中空円筒状のホーニング工具本体11を有している。ホーニング工具本体11の外周に回転軸Zの延在方向に沿って延在する複数、本実施の形態では12個のホーニングシューガイド穴12が等間隔で開口し、各ホーニングシューガイド穴12に摺動案内されて回転軸Zに対して接離する半径方向に移動可能に第1ホーニングシュー13Aと第2ホーシングシュー13Bが交互に嵌合して装着されている。
第1ホーニングシュー13A及び第2ホーニングシュー13Bは、外端面に回転軸Z方向に沿って延在する砥石装着溝13aが形成され、両側面13bがホーニングシューガイド穴12の端面12bに摺動自在に当接するブロック状であって、外周面の両端にそれぞれ係合溝13c及び13dが形成されている。
第1ホーニングシュー13Aの内端面の基端側範囲及び先端側範囲にそれぞれ基端側から先端側に移行するに従って回転軸Zに漸次接近する基端側テーパ面13Aa及び先端側テーパ面13Abが形成されている。第2ホーニングシュー13Bの内端面の基端側範囲及び先端側範囲にそれぞれ基端側から先端側に移行するに従って回転軸Zに漸次接近する基端側テーパ面13Ba及び先端側テーパ面13Bbが形成されている。なお、第1ホーニングシュー13A及び第2ホーニングシュー13Bの各係合溝13c及び13dには、縮径付勢手段となる環状のスプリングバンド14a、14bが装着され、スプリングバンド14a及び14bによって各第1ホーニングシュー13A及び第2ホーニングシュー13Bを回転軸Zに接近する方向、即ち半径方向内向きの縮径方向に付勢している。
第1ホーニングシュー13A及び第2ホーニングシュー13Bの各砥石装着溝13aに回転軸Z方向に沿って延在する棒状の砥石、即ちホーニング砥石20が取り付けられている。このホーニング砥石20は、例えば、ダイヤモンド、CBN(立方晶窒化硼素)、結晶質の酸化アルミニウム、炭化珪素等の砥粒を青銅や鋳鉄からなる導電性結合部で結合したメタルボンド砥石によって構成されている。
また、ホーニング工具本体11の外周に等間隔で回転軸Z方向に沿って延在する複数のホーニングガイド部材取付溝11aが形成され、ホーニングガイド部材取付溝11aに取付部材15を介してセラミック等からなる矩形状で回転軸Z方向に延在するホーニングガイド部材16が取り付けられている。回転軸Zから各ホーニングガイド部材16の外周面16aまでの距離は一定に形成されている。更にホーニングガイド部材16の外周面16aとホーニング加工面との隙間を空気圧で精密測定する図示しないエアーマイクロメータ用のエアー通路11bがホーニング工具本体11内に穿設されてホーニングガイド部材16の外周面16aに開口している。
ホーニング工具本体11内を貫通して第1ホーニングシュー13Aの基端側テーパ面13Aa及び先端側テーパ面13Abに摺接可能に接し、先端側に移行するに従って回転軸Zに漸次接近する基端側テーパ面17Aa及び先端側テーパ面17Abが形成された第1拡縮バー17Aがホーニング工具本体11内に配置されている。また、第1拡縮バー17Aに結合されて第2ホーニングシュー13Bの基端側テーパ面13Ba及び先端側テーパ面13Bbに摺接可能に接し、先端側に移行するに従って回転軸Zに漸次接近する基端側テーパ面17Ba及び先端側テーパ面17Bbが形成された第2拡縮バー17Bがホーニング工具本体11内に配置されている。
この第1拡縮バー17A及び第2拡縮バー17Bはホーニングヘッド1内に配設された図示しない牽引動作機構によって牽引及びこの牽引が解除される。また、第1拡縮バー17A及び第2拡縮バー17Bは、ホーニング工具本体11内に配設されたスプリング18によって先端側に常時付勢されている。
このホーニングヘッド1の牽引動作機構による牽引解除によりスプリング18の付勢によって第1拡縮バー17Aの基端側テーパ面17Aa及び先端側テーパ面17Abがそれぞれ第1ホーニングシュー13Aの基端側テーパ面13Aa及び先端側テーパ面13Abに圧接して各第1ホーニングシュー13Aを回転軸Zから離れる半径方向外向きに押動する。同様に、第2拡縮バー17Bの基端側テーパ面17Ba及び先端側テーパ面17Bbがそれぞれ第2ホーニングシュー13Bの基端側テーパ面13Ba及び先端側テーパ面13Bbに圧接して各第2ホーニングシュー13Bを回転軸Zから離れる半径方向外向き、即ち拡径方向に押動する。
一方、スプリング18の付勢に抗して牽引動作機構により第1拡縮バー17A及び第2拡縮バー17Bを牽引することにより、第1拡縮バー17Aの基端側テーパ面17Aa及び先端側テーパ面17Abによる第1ホーニングシュー13Aの基端側テーパ面13Aa及び先端側テーパ面13Abの押圧が解除されると共に、第2拡縮バー17Bの基端側テーパ面17Ba及び先端側テーパ面17Bbによる第2ホーニングシュー13Bの基端側テーパ面13Ba及び先端側テーパ面13Bbの押圧が解除される。これら第1拡縮バー17A及び第2拡縮バー17Bによる押圧が解除された各第1ホーニングシュー13A及び第2ホーニングシュー13Bは、スプリングバンド14a及び14bによって回転軸Zに接近する方向、即ち縮径方向に移動する。
なお、ホーニング工具10の第1拡縮バー17A、第2拡縮バー17Bとホーニングヘッド2との間は絶縁処理が施され、ホーニング工具本体11に図2に示すように電極19が設けられている。この電極19と各ホーニング砥石20はホーニング工具本体11及び第1ホーニングシュー13A、第2ホーニングシュー13Bを介して導電可能に接続される。
ここで、ホーニング工具本体11、第1拡縮バー17A、第2拡縮バー17Bが導電性の鉄材の場合、後述する電解ドレッシングの際の電気分解による発錆によって第1ホーニングシュー13A及び第2ホーニングシュー13Bが各ホーニングシューガイド穴12に対する摺動、即ち動きの低下を招くのを回避するために第1ホーニングシュー13A及び第2ホーニングシュー13Bを同じ導電性材でかつ耐酸化性に優れたステンレス材によって形成することが好ましい。同様にスプリングバンド14a、14bも耐酸化性に優れたステンレス材やゴム製のOリングにより構成することが好ましい。更に、ホーニング工具本体11の外表面に絶縁性塗料を塗布して防錆を図ることが好ましい。
第1の電解ドレッシング手段を兼備する被削材保持部21は、図1及び図1のIV部拡大図にあたる図4に示すように、基台3に支持された中空円筒形状の被削材保持部本体22を備え、被削材保持部本体22の内周22aに、例えばMCナイロン等からなり上端に外方に突出して被削材保持部本体22の上端22bに当接するフランジ23bが形成され絶縁部材23が嵌合し、絶縁部材23の内周23aに円筒状の第1の電解ドレッシング用電極となる電解ドレッシング用電極(以下、ELID用電極)24が設けられている。ELID用電極24は例えば鉄製であって内周に回転軸Zを中心にかつ回転軸Z方向に連続する円筒内周面状の電極面24aが形成される。電極面24aは後述する被削材Wの円筒状内周面Waをホーニング加工時に被削材Wの下端Wbから突出するホーニング工具11及びホーニング砥石20の挿入を許容し、かつホーニング砥石20の外表面20aと対向してホーニング砥石20の外表面20aとの間に導電性研削液としての水性クーラントの介在を許容する隙間、例えば1〜5mm程度が形成される。更にELID用電極24は被削材保持部本体22の外方に突出する電極端子25に接続され、この電極端子25が図示しない電圧印加手段の負極(−極)に接続される。
更に、被削材保持部本体22の上端22bに絶縁部材23のフランジ23bを介在して環状の被削材位置決め部材26が配設される。被削材位置決め部材26の上面に環状で被削材Wの下端Wbが当接可能な環状の載置面27a及び載置面27aの外周に沿って被削材Wの外周面Wdが嵌合可能な環状の係合部27bからなる被削材位置決め部27が形成されている。
第2の電解ドレッシング手段を兼備する工具挿入ガイド31は、図1及び図1のV部拡大図にあたる図5に示すように回転軸Z方向に沿って延在する中空円筒形状の工具挿入ガイド本体32を有し、可動部材6によって回転軸Zに沿って上昇したアンクランプ位置と下降したクランプ位置との間で昇降可能に支持されている。
工具挿入ガイド本体32の内周32aに、例えばMCナイロン等からなる円筒状の下端にフランジ状に拡径して本体32の下端32bに当接する取付部33bが形成され絶縁部材33が嵌合し、絶縁部材33の内周33aに円筒状の第2の電解ドレッシング用電極となるELID用電極34が設けられている。ELID用電極34は例えば鉄製であって内周に回転軸Zを中心にかつ回転軸Z方向に連続する円筒内周面状の電極面34aが形成される。電極面34aは後述する被削材Wの円筒状内周面Waをホーニング加工時に被削材Wの上端Wcから突出するホーニング工具11及びホーニング砥石20の挿入を許容し、かつホーニング砥石20の外表面20aと対向してホーニング砥石20の外表面20aとの間に水性クーラントの介在を許容する隙間、例えば1〜5mm程度が形成される。このELID用電極34は工具挿入ガイド本体32の外方に突出する電極端子35に接続され、この電極端子35が図示しない電圧印加手段の負極(−極)に接続される。
工具挿入ガイド本体32の下端32bに絶縁部材33の取付部33bを介在して環状の押圧面36aが形成されたクランプ部材36が配設され、工具挿入ガイド31を回転軸Zに沿ってクランプ位置に下降させることにより、被削材保持部21の被削材位置決め部材26にセットされた被削材Wの上端Wcに圧接して被削材Wを被削保持部21上に保持されたセット位置にクランプする。
更に、工具挿入ガイド本体32のELID用電極34より上部に吐出口37aが開口する液供給孔37が穿設され、液供給孔37は可動部材6に形成された供給通路6aを介して図示しない導電性液供給手段に接続される。
工具挿入ガイド本体32の上端部内に嵌合する円筒状の挿入ガイド部38が取り付けられている。挿入ガイド部38は、工具挿入ガイド本体32の上部内に外周面38Bbが嵌合する環状の誘導部38Bと誘導部38Bの上端にフランジ状に拡径する導入部38Aを有している。導入部38Aの内周面38Aaは上方に移行するに従って大径となるテーパ状に形成され、誘導部38Bの内周面38Baは導入部38Aの内周面38Aaに上端が連続すると共にELID用電極34の電極面34aと略同径に形成されている。また、誘導部38Bの外周面38Bbの下部38Bcには液供給孔37aに対向して切り欠きが形成され、導電性液供給手段から供給通路6a、液供給孔37を介して送給される水性クーラントを工具挿入ガイド31内に供給可能としている。
また、ホーニング工具10が図6に示す下死点位置に下降した状態では、図2に示す各ホーニング砥石20の先端側範囲20Aが被削材Wの下端Wcから突出して被削材保持部21内に進入し、図8に示すホーニング工具10が上死点位置では図2に示す各ホーニング砥石20の基端側範囲20Bが被削材Wの上端Wcから突出して工具挿入ガイド31内に進入し、かつ先端側範囲20Aと基端側範囲20Bは図6に示す下死点位置において各ホーニング砥石20は重複範囲20Cを除いた基端側範囲20Aが被削材Wの円筒内周面Wa内に位置し、図8に示す上死点位置において各ホーニング砥石20は重複範囲20Cを除いた先端側範囲20Aが被削材Wの円筒内周面Wa内に位置するように設定される。換言すると先端側範囲20Aの回転軸Z方向の長さと基端側範囲20Bの回転軸Z方向の長さの合計がホーニング砥石20の回転軸Z方向の長さより重複範囲20Cの回転軸Z方向の長さだけ大きく設定されている。
次に、上記のように構成されたホーニング装置1の作動について、図9に示すホーニング加工サイクルのタイムチャートを参照して説明する。
図1に示すホーニング工具10を待機位置となる上昇位置に保持すると共に、可動部材6に配設された工具挿入ガイド31をアンクランプ位置に上昇した状態で、被削材保持部21の被削位置決め部材26に形成された位置決め部27に被削材Wの下端Wbを嵌合してセットする。このセット状態では下端Wbが載置面27aに当接し外周面Wdが係合部27bに嵌合して被削材Wの軸心が回転軸Zと同軸上に位置決めされる。
次に、工具挿入ガイド31を回転軸Zに沿ってアンクランプ位置からクランプ位置に下降させて、クランプ部材36の押圧面36aを被削材Wの上端Wcに押接して被削材保持部21のセット位置にクランプ保持する。
続いて、導電性液供給手段から水性クーラントを可動部材6に形成された供給通路6及び工具挿入ガイド本体32に穿設された液供給孔37を経由して工具挿入ガイド31内に供給する。ここで、液供給孔37の吐出口37aから工具挿入ガイド31内に導入される水性クーラントは、ELID用電極34の電極面34aに供給され、更に被削材Wの円筒内周面Waに沿って流下して被削材保持部21内のELID用電極24の電極面24aに供給される。
一方、ホーニングヘッド2の牽引機構によりホーニング工具10の第1拡縮バー17A及び第2拡縮バー17Bを牽引して第1ホーニングシュー13A及び第2ホーニングシュー13Bを回転軸Zに接近する方向、即ち縮径方向に移動したホーニング工具10を回転軸Zに沿って下降させる。下降するホーニング工具10は、工具挿入ガイド31の上端に設けられた挿入ガイド部38の内周面38Aa及び38Baに誘導されて工具挿入ガイド31内に挿入され、更に被削材Wの円筒内周面Wa内を経て各ホーニング砥石20の先端側範囲20Aが被削材Wの下端Wbから突出して被削材保持部21内に進入した図6に示す下死点位置まで下降させる。
このホーニング工具10を下死点位置まで下降させた状態では、各ホーニング砥石20の重複範囲20Cを除いた基端側範囲20Bが被削材Wの円筒内面Wa内に保持され、被削材保持部21内に進入したホーニング砥石20の先端範囲20Aにおける外表面20aはELID用電極24の電極面24aと水性クーラントを介在して対向する。
続いてこの図6に示すホーシング工具10が下死点位位置の状態から、水性クーラントを供給しつつホーニング工具10を回転しながら回転軸Z方向に図6に示す下死点位置と図7に示すホーニング加工状態を経て図8に示す上死点位置との間を往復動させ、かつ牽引動作機構によるホーニング工具10の第1拡縮バー17A及び第2拡縮バー17Bの牽引を解除する。この牽引の解除によりスプリング18の付勢力によって第1拡縮バー17A及び第2拡縮バー17Bが先端側に移動して第1拡縮バー17Aの基端側テーパ面17Aa及び先端側テーパ面17Abがそれぞれ第1ホーニングシュー13Aの基端側テーパ面13Aa及び先端側テーパ面13Abに圧接して各第1ホーニングシュー13Aを回転軸Zから離れる半径方向外向きに押動する。同様に、第2拡縮バー17Bの基端側テーパ面17Ba及び先端側テーパ面17Bbがそれぞれ第2ホーニングシュー13Bの基端側テーパ面13Ba及び先端側テーパ面13Bbに圧接して各第2ホーニングシュー13Bを回転軸Zから離れる拡径方向に押動して各ホーニング砥石20の外表面21が被削材Wの円筒内周面Waに接触する。そして、予め設定された接触圧力でホーニング砥石20によって被削材Wの円筒内周面Waを研削、即ちホーニング加工を開始する。
ホーニング加工しつつエアーマイクロメータによりホーニングガイド部材16の外周面16aと加工面となる円筒内周面Waまでの隙間を検出し、ホーニングガイド部材16の外周面16aと被削材Wの円筒内周面Waとの隙間が所定値に達すると、牽引動作機構により第1拡縮バー17A及び第2拡縮バー17Bを上方に牽引し、第1拡縮バー17Aの基端側テーパ面17Aa及び先端側テーパ面17Abによる第1ホーニングシュー13Aの基端側テーパ面13Aa及び先端側テーパ面13Abの押圧を解除すると共に、第2拡縮バー17Bの基端側テーパ面17Ba及び先端側テーパ面17Bbによる第2ホーニングシュー13Bの基端側テーパ面13Ba及び先端側テーパ面13Bbの押圧を解除する。これにより、各第1ホーニングシュー13A及び第2ホーニングシュー13Bは、スプリングバンド14a及び14bによって回転軸Zに接近する方向、即ち縮径方向に移動して各ホーニング砥石20が被削材Wの円筒内周面Waから離れてホーニング加工が終了する。このホーニング加工開始からホーニング加工終了までが加工時間となる。
このホーニング加工における各ホーニング工具10の各ホーニング砥石20の先端側範囲20Aが被削材Wの下端Wbから突出して被削材保持部21の本体22内に進入する下死点位置にホーニング工具10が移動する毎に、その先端側範囲20Aが被削材保持部本体22内に進入してホーニング砥石20の先端範囲20Aにおける外表面20aとELID用電極24の電極面24aとが対向している状態で予め設定された時間に亘って電圧印加手段からELID電極24に負電圧を印加すると共に、電圧印加手段により各ホーニング砥石20に正電圧を印加し、電解作用により各ホーニング砥石20の先端側範囲20Aにおける外表面20aの導電性結合部を電気分解させて電解ドレッシングする。この電解ドレッシングにあたり、各ホーニング砥石20の基端側範囲20Bの外表面20aが被削材Wの円筒内周面Waに圧接付与された状態が維持されて回転軸Zに対する各ホーニング砥石20の外表面20a及び真円度が確保されて各ホーニング砥石20の外表面20aとELID用電極24の電極面24aとの間隙が均一に保持され、かつELID用電極24の電極面24aとホーニング砥石20の先端側範囲20Aにおける外表面21との間に介在する水性クーラントが導電性に優れることから安定した電解ドレッシングが得られる。また、電解電圧、電解ドレッシング時間により砥粒の突出量を最適化できる。特にELID電極24が円筒状であり、電解ドレッシングがホーニング加工中でホーニング工具10が回転及び回転軸Z方向に動く状態で行われることから、各ホーニング砥石20の先端側範囲20Aにおける外表面20aの全体に亘り均質の電解ドレッシングが行われる。
同様に、このホーニング加工における各ホーニング工具10の各ホーニング砥石20の基端側範囲20Bが被削材Wの上端Wcから突出して工具挿入ガイド31の工具挿入ガイド本体32内に進入する上死点位置にホーニング工具10が移動する毎に、その基端側範囲20Bが工具挿入ガイド本体32内に進入してホーニング砥石20の基端側範囲20Bにおける外表面20aとELID用電極34の電極面34aとが対向している状態で予め設定された時間に亘って電圧印加手段からELID電極34に負電圧を印加すると共に、電圧印加手段により各ホーニング砥石20に正電圧を印加し、電解作用により各ホーニング砥石20の基端側範囲20Bにおける外表面20aの導電性結合部を電気分解させて電解ドレッシングする。この電解ドレッシングにあたり、各ホーニング砥石20の先端側範囲20Aの外表面20aが被削材Wの円筒内周面Waに圧接付与された状態が維持され回転軸Zに対する各ホーニング砥石20の外表面20a及び真円度が確保されて各ホーニング砥石20の外表面20aとELID用電極34の電極面34aとの間隙が均一に保持され、かつELID用電極34の電極面34aとホーニング砥石20の基端側範囲20Bにおける外表面20aとの間に介在する水性クーラントが導電性に優れることから安定した電解ドレッシングが得られる。また、電解電圧、電解ドレッシング時間により砥粒の突出量を最適化できる。特にELID電極24が円筒状であり、電解ドレッシングがホーニング加工中でホーニング工具10が回転及び回転軸Z方向に動く状態で行われることから、各ホーニング砥石20の基端側範囲20Bにおける外表面20aの全体に亘り均質の電解ドレッシングが行われる。
これらの電解ドレッシング時間及び印加電圧は、砥粒突出量及び導電性結合部の材質等によって決定されるが、実験やシミュレーション等によって適宜任意の時間及び印加電圧が設定できる。
ホーニング加工が終了すると、ホーニング工具10の回転及び回転軸Z方向の往復動を停止し、導電性液供給手段からの水性クーラントの供給を停止し、ホーニング工具10を上昇して待機位置で停止する。そして、工具挿入ガイド31を回転軸Zに沿ってクランプ位置からアンクランプ位置に上昇させて、クランプ部材36の押圧面36aを被削材Wの上端Wcから離して被削材保持部21をアンクランプし、被削材保持部21の被削位置決め部材26から加工済みの被削材Wを搬出する。この被削材Wの搬入から搬出までの各工程を繰り返すことにより、順次被削材Wの円筒内周面Waにホーニング加工を施すことができる。
従って、本実施の形態によるとELID用電極24が配設された被削材保持部21とELID用電極34が配設された工具挿入ガイド31の間に切削部となる円筒内周面Waを備えた被削材Wを保持し、ホーニング砥石20を有するホーニング工具10を被削材保持部21の下死点位置と工具挿入ガイド31側の上死点位置との間を往復動して被削材Wの円筒内周面Waをホーニング加工する際に、ELID用電極24が配設された被削材保持部21において水性クーラントを使用してホーニング砥石20に電解ドレッシングを施し、かつとELID用電極34が配設された工具挿入ガイド31において水性クーラントを使用してホーニング砥石20に電解ドレッシングを施すことから、常に良好にドレッシングされたホーニング砥石20による面粗度のバラツキのない安定した品質のホーニング加工が可能になる。
また、ホーニング砥石20を有するホーニング工具10を被削材保持部21の下死点位置と工具挿入ガイド31側の上死点位置との間を往復動して被削材Wの円筒内周面Waをホーニング加工する際に、ELID用電極24が配設された被削材保持部21及びELID用電極34が配設された工具挿入ガイド31においてホーニング砥石20に電解ドレッシングを施すことから、ホーニング加工時間に影響することなく電解ドレッシングが可能になり作業効率が向上する。また、かつ従来の厄介なホーニング砥石のドレッシングのためのホーニング工具の取り外しが不要になる。
更に、被削材保持部21及び工具挿入ガイド31にELID用電極24及34を配設することから、新たに電解ドレッシング手段を備える必要がなく、既存のホーニング装置を大きく変更することなく実現でき、装置及び作業の複雑化を招くことなく、製造コストの削減が期待できる。
なお、本発明は上記実施の形態に限定されることなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変更することが可能である。例えば、上記実施の形態ではホーニング加工におけるホーニング工具10のホーニング砥石20の先端側範囲20A或いは基端側範囲が被削材Wの下端Wb或いは上端Wcから突出する下死点位置或いは上死点位置に移動する毎にホーニング砥石20に電解ドレッシングを施す例について説明したが、予め設定された下死点位置或いは上死点位置に移動する回数毎に電解ドレッシングを施すこともできる。
上記実施に形態では、被削材保持部21の絶縁部材23の内周23aに円筒状のELID用電極24を配設したが、図10に図4のX−X線断面に相当する被削材保持部21の断面図を示すように、絶縁部材23の内周23aに回転軸Z方向に連続する断面円弧状の電極保持溝23cを等間隔で複数形成し、各電極保持溝23cに断面円弧状に形成されたELID用電極24Aの電極面24Aaを内周23aから露出させて回転軸Zを中心とする放射状に配設することも可能である。同様に図示は省略するが工具挿入ガイド31の絶縁部材33の内周33aに断面円弧状の電極保持溝を等間隔で複数形成し、各電極保持溝に断面円弧状に形成されたELID用電極を回転軸Zを中心とする放射状に配設することも可能である。
また、例えば被削材Wの形状に応じて被削材と被削材保持部の被削材保持部本体との当接を回避するために被削材保持部本体等の形状を変更することも可能である、例えば、図11に図4のX−X線断面に相当する被削材保持部21の断面図を示すように、被削材保持部本体22を複数、例えば対向する断面円弧状の被削材保持部本体22A、22Aに分割し、各被削材保持部本体22A、22Aの内周22Aa、22Aaに絶縁部材23A、23Aを介在して断面円弧状に形成されたELID用電極24Bを回転軸Zを中心として放射状に配設することも可能である。同様に図示は省略するが工具挿入ガイド31の工具挿入ガイド本体32を断面円弧状の工具挿入ガイド本体に分割し、分割された各工具挿入ガイド本体の内周に絶縁部材を介在して断面円弧状に形成されたELID用電極を配設することも可能である。
また、図12に図4のX−X線断面に相当する被削材保持部21の断面図を示すように、被削材保持部21の被削材保持部本体22を断面円弧状の被削材保持部本体22Bに形成し、被削材保持部本体22Bの内周22Baに絶縁部材23Bを介在して断面円弧状に形成されたELID用電極24Cを配設することも可能である。同様に図示は省略するが工具挿入ガイド31の工具挿入ガイド本体32を断面円弧状の工具挿入ガイド本体に形成し、工具挿入ガイド本体の内周に絶縁部材を介在して断面円弧状に形成されたELID用電極を配設することも可能である。
また、上記実施形態では工具挿入ガイドに導電性液供給手段からの水性クーラントを供給したが、更に被削材保持部21内に導電性液供給手段からの水性クーラントを供給することもできる。
また、上記説明では回転軸Zが上下に延在する場合について説明したが、要求により回転軸Zを傾斜させることも、また水平に延在させることもできる。
本発明の実施の形態に係るホーニング装置の説明図である。 図2はホーニング工具の構成図である。 図2のIII矢視図である。 図1のIV部拡大図であり、電解ドレッシング用電極が配設された被削材保持部の断面図である。 図1のV部拡大図であり、電解ドレッシング用電極が配設された工具挿入ガイドの断面図である。 電解ドレッシング状態の概要を示す図である。 ホーニング加工状態の概要を示す図である。 電解ドレッシング状態の概要を示す図である。 ホーニング加工サイクルのタイムチャートである。 断面円弧状の電解ドレッシング用電極が複数配設された被削材保持部の断面図である。 2分割された被削材保持部の断面図である。 円弧状の被削材保持部の断面図である。 従来のホーニング砥石の電解ドレッシング手段の模式図である。
符号の説明
1 ホーニング装置
2 ホーニングヘッド
10 ホーニング工具
20 ホーニング砥石
20a 外表面
20A 先端側領域
20B 基端側領域
20C 重複領域
21 被削材保持部(第1の電解ドレッシング手段)
22 被削材保持部本体
23 絶縁部材
24 電解ドレッシング用電極(第1の電解ドレッシング用電極、ELID用電極)
24a 電極面
31 工具挿入ガイド(第2の電解ドレッシング手段)
32 工具挿入ガイド本体
33 絶縁部材
34 電解ドレッシング用電極(第2の電解ドレッシング用電極、ELID用電極)
34a 電極面
Z 回転軸
W 被削材
Wa 円筒内周面(切削部)
Wb 下端(一端)
Wc 上端(他端)

Claims (14)

  1. 先端から基端に亘って砥粒が導電性結合部によって固定された複数のホーニング砥石が放射状に配置されたホーニング工具を回転軸方向に沿って被削材に貫通する円筒内周面内に挿入し、該ホーニング工具を回転しつつ上記被削材の一端から上記ホーニング砥石の先端側範囲が突出する下死点位置と上記被削材の他端から上記ホーニング砥石の基端側範囲が突出する上死点位置との間で回転軸方向に往復動して上記円筒内周面をホーニング加工する円筒内周面のホーニング装置において、
    上記被削材の一端側において上記被削材の一端から突出する上記ホーニング砥石の先端側範囲における外表面と導電性研削液を介在させる間隙を隔てて電極面が対向する第1の電解ドレッシング用電極及び上記ホーニング砥石と第1の電解ドレッシング用電極に電圧を印加する電圧印加手段を備えた第1の電解ドレッシング手段と、
    上記被削材の他端側において上記被削材の他端から突出する上記ホーニング砥石の基端側範囲における外表面と導電性研削液を介在させる間隙を隔てて電極面が対向する第2の電解ドレッシング用電極及び上記ホーニング砥石と第2の電解ドレッシング用電極に電圧を印加する電圧印加手段を備えた第2の電解ドレッシング手段とを備え、
    上記被削材の一端から突出する上記ホーニング砥石の先端側範囲における外表面と第1の電解ドレッシング用電極との間における導電性研削液の存在下で上記ホーニング砥石と第1の電解ドレッシング用電極に電圧を印加して上記ホーニング砥石の先端側範囲を電解ドレッシングし、
    上記被削材の他端から突出する上記ホーニング砥石の基端側範囲における外表面と第2の電解ドレッシング用電極との間における導電性研削液の存在下で上記ホーニング砥石と第2の電解ドレッシング用電極に電圧を印加して上記ホーニング砥石の基端側範囲を電解ドレッシングすることを特徴とする円筒内周面のホーニング装置。
  2. 上記被削材の一端から突出する上記ホーニング砥石の先端側範囲の回転軸方向の長さと上記被削材の他端から突出する上記ホーニング砥石の基端側範囲の回転軸方向の長さの合計長さが、上記ホーニング砥石の回転軸方向の長さより大であることを特徴とする請求項1に記載の円筒内周面のホーニング装置。
  3. 上記第1の電解ドレッシング用電極は、上記被削材の一端から突出する上記ホーニング砥石の先端側範囲における外表面と電極面が対向すると共にホーニング工具の回転軸方向に延在する円筒状であることを特徴とする請求項1または2に記載の円筒内周面のホーニング装置。
  4. 上記第1の電解ドレッシング用電極は、上記被削材の一端から突出する上記ホーニング砥石の先端側範囲における外表面と電極面が対向すると共にホーニング工具の回転軸方向に延在する断面円弧形状であることを特徴とする請求項1または2に記載の円筒内周面のホーニング装置。
  5. 先端から基端に亘って砥粒が導電性結合部によって固定された複数のホーニング砥石が放射状に配置されたホーニング工具を回転軸方向に沿って、一端が被削材保持部に保持された被削材に貫通する円筒内周面内に該被削材の他端側に配置された工具挿入ガイド内を挿通させて挿入し、該ホーニング工具を回転しつつ上記被削材の一端から上記ホーニング砥石の先端側範囲が突出する下死点位置と上記被削材の他端から上記ホーニング砥石の基端側範囲が突出する上死点位置との間で回転軸方向に往復動して上記円筒内周面をホーニング加工する円筒内周面のホーニング装置において、
    上記被削材保持部は、
    被削材保持部本体の内周面に配設され上記被削材の一端から突出する上記ホーニング砥石の先端側範囲における外表面と導電性研削液を介在させる間隙を隔てて電極面が対向する第1の電解ドレッシング用電極と、
    上記ホーニング砥石と第1の電解ドレッシング用電極に電圧を印加する電圧印加手段とを備え、
    上記工具挿入ガイドは、
    工具挿入ガイド本体の内周面に配設され上記被削材の他端から突出する上記ホーニング砥石の基端側範囲における外表面と導電性研削液を介在させる間隙を隔てて電極面が対向する第2の電極ドレッシング用電極と、
    上記ホーニング砥石と第2の電解ドレッシング用電極に電圧を印加する電圧印加手段とを備え、
    上記被削材の一端から突出する上記ホーニング砥石の先端側範囲における外表面と第1の電解ドレッシング用電極との間における導電性研削液の存在下で上記ホーニング砥石と第1の電解レッシング用電極に電圧を印加して上記ホーニング砥石の先端側範囲を電解ドレッシングし、
    上記被削材の他端から突出する上記ホーニング砥石の基端側範囲における外表面と第2の電解ドレッシング用電極との間における導電性研削液の存在下で上記ホーニング砥石と第2の電解ドレッシング用電極に電圧を印加して上記ホーニング砥石の基端側範囲を電解ドレッシングすることを特徴とする円筒内周面のホーニング装置。
  6. 上記被削材の一端から突出する上記ホーニング砥石の先端側範囲の回転軸方向の長さと上記被削材の他端側から突出する上記ホーニング砥石の基端側範囲の回転軸方向の長さの合計長さが、上記ホーニング砥石の回転軸方向の長さより大であることを特徴とする請求項5に記載の円筒内周面のホーニング装置。
  7. 上記第1の電解ドレッシング用電極は、
    被削材保持部本体の内周面に配設され上記被削材の一端から突出する上記ホーニング砥石の先端側範囲における外表面と電極面が対向すると共にホーニング工具の回転軸方向に延在する円筒状であることを特徴とする請求項5または6に記載の円筒内周面のホーニング装置。
  8. 上記第1の電解ドレッシング用電極は、
    被削材保持部本体の内周面に周方向に間隔を隔てて複数配置され、それぞれ上記被削材の一端から突出する上記ホーニング砥石の先端側範囲における外表面と電極面が対向すると共に回転軸方向に延在する断面円弧状であることを特徴とする請求項5または6に記載の円筒内周面のホーニング装置。
  9. 上記被削材保持部は、
    周方向に分割された複数の上記被削材保持部本体を備え、
    上記第1の電解ドレッシング電極が各被削材保持部本体の内周に配置され上記被削材の一端から突出する上記ホーニング砥石の先端側範囲における外表面と電極面が対向すると共に回転軸方向に延在する断面円弧状であることを特徴とする請求項5または6に記載の円筒内周面のホーニング装置。
  10. 被削材保持部本体と第1の電解ドレッシング用電極との間に絶縁部材が介在することを特徴とする請求項5〜9のいずれか1項に記載の円筒内周面のホーニング装置。
  11. 工具挿入ガイド本体と第2の電解ドレッシング用電極との間に絶縁部材が介在することを特徴とする請求項5〜10のいずれか1項に記載の円筒内周面のホーニング装置。
  12. 先端から基端に亘って砥粒が導電性結合部によって固定された複数のホーニング砥石が放射状に配置されたホーニング工具を回転軸方向に沿って被削材に貫通する円筒内周面内に挿入し、該ホーニング工具を回転しつつ上記被削材の一端から上記ホーニング砥石の先端側範囲が突出する下死点位置と上記被削材の他端から上記ホーニング砥石の基端側範囲が突出する上死点位置との間で回転軸方向に往復動して上記円筒内周面をホーニング加工する円筒内周面のホーニング方法において、
    上記被削材の一端側において上記被削材の一端から突出する上記ホーニング砥石の先端側範囲における外表面と導電性研削液を介在させる間隙を隔てて電極面が対向する第1の電解ドレッシング用電極及び上記ホーニング砥石と該第1の電解ドレッシング用電極に電圧を印加する電圧印加手段を備えた第1の電解ドレッシング手段と、
    上記被削材の他端側において上記被削材の他端から突出する上記ホーニング砥石の基端側範囲における外表面と導電性研削液を介在させる間隙を隔てて電極面が対向する第2の電解ドレッシング用電極及び上記ホーニング砥石と該第2の電解ドレッシング用電極に電圧を印加する電圧印加手段を備えた第2の電解ドレッシング手段とを備え、
    上記ホーニング加工において被削材の一端から上記ホーニング砥石の先端側範囲が突出した際に対向する上記被削材の一端から突出する上記ホーニング砥石の先端側範囲における外表面と第1の電解ドレッシング用電極との間における導電性研削液の存在下で上記ホーニング砥石と第1の電解ドレッシング用電極に電圧を印加して上記ホーニング砥石の先端側範囲を電解ドレッシングし、
    被削材の他端から上記ホーニング砥石の基端側範囲が突出した際に上記被削材の他端から突出する上記ホーニング砥石の基端側範囲における外表面と第2の電解ドレッシング用電極との間における導電性研削液の存在下で上記ホーニング砥石と第2の電解ドレッシング用電極に電圧を印加して上記ホーニング砥石の基端側範囲を電解ドレッシングすることを特徴とする円筒内周面のホーニング方法。
  13. 先端から基端に亘って砥粒が導電性結合部によって固定された複数のホーニング砥石が放射状に配置されたホーニング工具を回転軸方向に沿って、一端が被削材保持部に保持された被削材に貫通する円筒内周面内に該被削材の他端側に配置された工具挿入ガイド内を挿通させて挿入し、該ホーニング工具を回転しつつ上記被削材の一端から上記ホーニング砥石の先端側範囲が突出する下死点位置と上記被削材の他端から上記ホーニング砥石の基端側範囲が突出する上死点位置との間で回転軸方向に往復動して上記円筒内周面をホーニング加工する円筒内周面のホーニング方法において、
    上記被削材保持部は、
    被削材保持部本体の内周に配設され上記被削材の一端から突出する上記ホーニング砥石の先端側範囲における外表面と導電性研削液を介在させる間隙を隔てて電極面が対向する第1の電解ドレッシング用電極と、
    上記ホーニング砥石と第1の電解ドレッシング用電極に電圧を印加する電圧印加手段とを備え、
    上記工具挿入ガイドは、
    工具挿入ガイド本体の内周に配設され上記被削材の他端から突出する上記ホーニング砥石の基端側範囲における外表面と導電性研削液を介在させる間隙を隔てて電極面が対向する第2の電極ドレッシング用電極と、
    上記ホーニング砥石と第2の電解ドレッシング用電極に電圧を印加する電圧印加手段とを備え、
    上記ホーニング加工において被削材の一端から上記ホーニング砥石の先端側範囲が突出した際に対向する上記被削材の一端から突出する上記ホーニング砥石の先端側範囲における外表面と第1の電解ドレッシング用電極との間における導電性研削液の存在下で上記ホーニング砥石と第1の電解レッシング用電極に電圧を印加して上記ホーニング砥石の先端側範囲を電解ドレッシングし、
    被削材の他端から上記ホーニング砥石の基端側範囲が突出した際に上記被削材の他端から突出する上記ホーニング砥石の先端側範囲における外表面と第2の電解ドレッシング用電極との間における導電性研削液の存在下で上記ホーニング砥石と第2の電解ドレッシング用電極に電圧を印加して上記ホーニング砥石の基端側範囲を電解ドレッシングすることを特徴とする円筒内周面のホーニング方法。
  14. 上記被削材の一端から突出する上記ホーニング砥石の先端側範囲の回転軸方向の長さと上記被削材の他端から突出する上記ホーニング砥石の基端側範囲の回転軸方向の長さの合計長さが、上記ホーニング砥石の回転軸方向の長さより大であることを特徴とする請求項12または13に記載の円筒内周面のホーニング方法。
JP2007255566A 2007-09-28 2007-09-28 円筒内周面のホーニング装置及び円筒内周面のホーニング方法 Expired - Fee Related JP5005483B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007255566A JP5005483B2 (ja) 2007-09-28 2007-09-28 円筒内周面のホーニング装置及び円筒内周面のホーニング方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007255566A JP5005483B2 (ja) 2007-09-28 2007-09-28 円筒内周面のホーニング装置及び円筒内周面のホーニング方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2009083034A JP2009083034A (ja) 2009-04-23
JP5005483B2 true JP5005483B2 (ja) 2012-08-22

Family

ID=40657170

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007255566A Expired - Fee Related JP5005483B2 (ja) 2007-09-28 2007-09-28 円筒内周面のホーニング装置及び円筒内周面のホーニング方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5005483B2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012183614A (ja) * 2011-03-07 2012-09-27 Fuji Heavy Ind Ltd ホーニング装置
CN104526532A (zh) * 2013-12-27 2015-04-22 邵阳维克液压股份有限公司 轴向柱塞泵变量壳体同心孔加工方法及夹具
KR102622025B1 (ko) * 2023-10-19 2024-01-10 주식회사 영테크 호닝머신의 절삭유 공급장치

Family Cites Families (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH02269563A (ja) * 1989-04-12 1990-11-02 Nissan Motor Co Ltd ホーニング砥石のドレッシング装置
JP2838314B2 (ja) * 1990-09-04 1998-12-16 理化学研究所 電解インターバルドレッシング研削方法
JP2789176B2 (ja) * 1995-05-11 1998-08-20 セイコー精機株式会社 ドレッシング装置
JPH0985623A (ja) * 1995-09-26 1997-03-31 Toyo A Tec Kk ホーニング加工におけるドレス方法およびドレス部材
JP3405057B2 (ja) * 1996-04-17 2003-05-12 日産自動車株式会社 ホーニングヘッドの砥石成形方法および砥石成形装置
JP2001062721A (ja) * 1999-08-30 2001-03-13 Inst Of Physical & Chemical Res ホーニング砥石の電解ドレッシング方法及び装置
JP4868577B2 (ja) * 2006-03-28 2012-02-01 独立行政法人理化学研究所 Elidホーニング装置及び方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2009083034A (ja) 2009-04-23

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5095159B2 (ja) 電解ドレッシング研削装置
JP4868577B2 (ja) Elidホーニング装置及び方法
US8410390B2 (en) Grinding machine with a device for conditioning a grinding wheel and a method of conditioning a grinding wheel
EP1877216B1 (en) Method of electrolytically microfinishing a metallic workpiece
JP5005483B2 (ja) 円筒内周面のホーニング装置及び円筒内周面のホーニング方法
CN102886712B (zh) 一种elid超声珩磨装置
JP2838314B2 (ja) 電解インターバルドレッシング研削方法
JP5827031B2 (ja) 高周波数振動・電解ハイブリッド内面研削盤及びその研削方法
JP4996299B2 (ja) 円筒内周面のホーニング装置
JP4980759B2 (ja) 電解ドレッシング研削方法及び電解ドレッシング研削装置
JP4980758B2 (ja) シリンダボア内周面のホーニング加工方法及びホーニング加工装置
JP5221911B2 (ja) 研削装置
CN205414632U (zh) 一种碳化硼材料工件的套切加工装置
CN105269089A (zh) 一种碳化硼材料工件的套切加工装置
JPH07266227A (ja) 研削用砥石の整形・目立て方法及びその装置
Liu PRECISION REVOLUTION: INNOVATIONS IN ELECTRIC SPARK DRESSING OF METAL BOND DIAMOND GRINDING WHEELS FOR ADVANCED PRECISION GRINDING
Yaxin et al. RESEARCH ON IN-POSITION ELECTRIC SPARK DRESSING TECHNOLOGY OF METAL BOND DIAMOND GRINDING WHEEL
Wang et al. Research on in-position electric spark dressing technology of metal bond diamond grinding wheel
Rodriguez et al. ENHANCING SELF-SHARPENING MECHANISMS IN METAL-BONDED DIAMOND GRINDING WHEELS FOR PRECISION GRINDING APPLICATIONS
RU135571U1 (ru) Инструмент для финишной обработки отверстий
Lin et al. 5 ELID Honing
JPH0531627A (ja) 円筒工作物の電解複合研磨方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20100310

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20120229

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20120501

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20120523

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150601

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5005483

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees