JP2002239889A - ワイヤーソー用ローラ - Google Patents

ワイヤーソー用ローラ

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JP2002239889A
JP2002239889A JP2001033370A JP2001033370A JP2002239889A JP 2002239889 A JP2002239889 A JP 2002239889A JP 2001033370 A JP2001033370 A JP 2001033370A JP 2001033370 A JP2001033370 A JP 2001033370A JP 2002239889 A JP2002239889 A JP 2002239889A
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roller
wire saw
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gap
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Masako Kataoka
昌子 片岡
Masahito Iguchi
真仁 井口
Shinji Sakamoto
信治 坂本
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Taiheiyo Cement Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来のものよりも耐摩耗性に優れ、長寿
命化が図れるワイヤーソー用ローラを提供することであ
る。 【解決手段】 張設されるワイヤーWと共同でワイヤー
ソーを構成し、かつ、周面には、このワイヤーWをガイ
ドする環状溝1がローラ周方向に沿って形成されたワイ
ヤーソー用ローラを、少なくとも開口側の幅がワイヤー
Wの線径よりも小さな空隙2が、環状溝1から連続して
形成されてなるものとする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、シリコンウエハー
や水晶発振子、更には磁気ヘッド等になる各種材料を切
断するためのワイヤーソーにおいて、ワイヤーのガイド
に用いられるワイヤーソー用ローラに関するものであ
る。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】例えば、柱状のシリコ
ン塊を加工してシリコンウエハーを得る際、その切断に
は、他の手法に比して寸法精度や処理速度の点で優位で
あることから、主としてワイヤーソーが使用されてい
る。
【0003】このワイヤーソーについては既に公知であ
るが、概して言うと、所定の位置関係で、互いに平行に
配置された2〜4個のローラ(ワイヤーソー用ローラ)
群に、1本のワイヤーを等しい間隔で巻き付けた構造と
なっている。こうして平行張設されたワイヤー(ワイヤ
ー列)はローラ間を高速で往復動し、当接させられた物
体を切断する。なお、この時、ワイヤーと被切断物との
接点には砥粒スラリーが供給される。したがって正確に
言うと、被切断物は、それ自身とワイヤーとの間に入り
込む砥粒と、高速で往復動するワイヤーとの共同作用に
よって切断される。
【0004】ここで、図3を用い、従来型のワイヤーソ
ー用ローラの構造について簡単に説明する。なお、同図
は、従来型のワイヤーソー用ローラの要部を拡大して示
すものである。
【0005】従来型のワイヤーソー用ローラ(以下、単
に従来型ローラとも言う)は、その一部断面を示す図3
から判るように中空体であって、いいかえれば円筒状の
構造を有する。その表面すなわち外周面には、同図に拡
大して示すように周方向に沿って、環状溝(ワイヤー
溝)11が複数本、例えば数十〜数百本程度、等間隔で
形成されている。環状溝11は断面が三角形状のもので
あり、この従来型ローラがワイヤーソーを構成している
状態では、その内部に、図3中、一点鎖線で示すごとく
ワイヤーW’が納まる。これによって、高速で往復動す
るワイヤーW’は、ローラ軸方向に位置ずれしないよう
ガイドされる。
【0006】さて、こうした従来型ローラを用いて構成
されたワイヤーソーにて、何らかの物体を切断する際、
ワイヤーとこの被切断物との接点には、上述したように
砥粒スラリーが供給される。しかも、ワイヤーは高速で
往復動するので、スラリー中の砥粒は、ワイヤーと環状
溝溝底との間にも入り込む。ところで、ローラが反転す
る瞬間、ワイヤーと環状溝との間にはスリップが起きる
が、そこには、こうした理由で砥粒が堆積している。環
状溝11は、スリップ時にこの堆積した砥粒の作用で摩
耗していく。
【0007】環状溝がこうした現象で次第に摩耗してい
くのは避けられないが、それが進行して環状溝が深くな
っていくと、いいかえればワイヤーが環状溝に深く食い
込んでいくと、急にワイヤーが環状溝から離間し難くな
る。これを無視して、そのまま作業を続けた場合、やが
てワイヤーに掛かる負荷が限界を超え、断線に至る。こ
のため環状溝がある一定以上摩耗したローラを、それ以
上使い続けることはできない。環状溝が摩耗したローラ
に再度、溝形成加工を施して再利用するか、あるいは古
いローラを新品に交換することが不可避となる。
【0008】だが、こうした作業、すなわち寿命を迎え
たローラを取り外し、それを再生品や新品と交換する作
業は、言うまでもなく多大な労力を必要とする。その
上、これは、切断処理時に供給される切削油と砥粒で汚
染された劣悪な環境下での労働となる。更に言えば、ロ
ーラ交換作業は、かなりの時間を要するので、生産性を
低下させる要因ともなる。それゆえ、これまでよりも交
換頻度を少なくできる耐摩耗性に優れたワイヤーソー用
ローラの実現が待たれていた。
【0009】したがって、本発明が解決しようとする課
題は、従来のものよりも耐摩耗性に優れ、長寿命化が図
れるワイヤーソー用ローラを提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】この課題は、張設される
ワイヤーと共同でワイヤーソーを構成し、かつ、周面に
は、前記ワイヤーをガイドする環状溝がローラ周方向に
沿って形成されたワイヤーソー用ローラであって、少な
くとも開口側の幅が前記ワイヤーの線径よりも小さな空
隙が、前記環状溝から連続して形成されてなることを特
徴とするワイヤーソー用ローラによって解決される。
【0011】すなわち、ワイヤーソーによって何らかの
物体を切断しようとしたとき、ワイヤーとこの被切断物
との接点には、砥粒スラリーが供給される。しかも、ワ
イヤーは高速で往復動するので、スラリー中の砥粒は、
ワイヤーとローラ周面の環状溝の溝底との間に入り込
む。ところが、本発明のワイヤーソー用ローラを用いた
場合、砥粒は環状溝内に滞留せず、それに続いて設けら
れた空隙内に直ちに流入する。したがって、環状溝内に
は砥粒が堆積しなくなるので、ワイヤーによって溝底に
押し付けられ、そこに食い込む砥粒の量が大幅に減少す
る。つまり、溝底に生じるクラックの数が激減するか
ら、環状溝の摩耗の進行が効果的に抑えられる。それゆ
え、本発明のワイヤーソー用ローラは優れた耐摩耗性を
発揮し、その長寿命化が実現する。
【0012】なお、無用な砥粒を環状溝内から排除する
機能を更に強化するため、上記空隙は、環状溝全周に対
応して形成された、ローラ周方向に沿って連続する環状
のものであることが好ましい。すなわち、上記空隙はロ
ーラ周方向に沿って不連続であっても、つまり環状溝の
一部に対応して間欠的に形成されていてもよいが、やは
りローラ周方向に沿って完全に連続しているのが理想で
ある。
【0013】また、本発明のワイヤーソー用ローラにあ
っては、上記空隙が存在していてもワイヤーを安定して
確実にガイドできるようにするため、同空隙の開口側の
幅はワイヤーの線径の80%以下であることが好まし
い。その一方で、砥粒がスムーズに空隙内に流入できる
ようにするため、空隙の開口側の幅(特に空隙全体の
幅)は、ワイヤーと被切断物との接点に供給される砥粒
スラリーに含まれる砥粒の最大径の1.5倍以上である
ことが好ましい。まとめると、空隙の開口側の幅の望ま
しい上限値は、ワイヤーの線径の80%程度であり、ま
た、空隙の幅の望ましい下限値は、砥粒の最大径の1.
5倍程度である。
【0014】更に上記空隙の深さは、ワイヤーの線径の
10倍以上であることが好ましい。つまり、空隙の深さ
の望ましい下限値は、ワイヤーの線径の10倍程度であ
る。空隙の深さがこれ以上であれば十分な砥粒収容能力
を確保でき、ワイヤーソー用ローラの摩耗が長時間にわ
たって効果的に抑止される。なお、空隙の深さの上限値
については特に規定されないが、空隙を深くすればする
ほど、それを形成するための加工は困難になる。それゆ
え、やはり限度は存在し、一応の目安としては、ワイヤ
ーの線径の50倍程度が空隙の深さの望ましい上限値と
なる。だが、もし必用とあれば空隙をこれ以上の深さと
してもよい。
【0015】加えて、本発明のワイヤーソー用ローラで
は、耐摩耗性を更に向上させるため、少なくとも、その
環状溝および空隙が形成された周面表層部分が、セラミ
ックスから構成されてなることが好ましい。とりわけ、
ローラ全体がセラミックスから構成されているのが理想
である。ちなみに、ここで用いるセラミックスとして
は、アルミナや窒化珪素、ジルコニア、炭化珪素などを
成分とするものを挙げることができる。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、図1および図2を用いて、
本発明の一実施形態を具体的に説明する。なお、図1は
本実施形態に係るワイヤーソー用ローラの外観図、図2
はその要部を拡大して示す断面図である。
【0017】本実施形態に係るワイヤーソー用ローラ
(以下、本ワイヤーソー用ローラと言う)は、シリコン
ウエハーなどの製造に用いられるワイヤーソーを、張設
されるワイヤーと共同で構成するものである。すなわ
ち、数個の本ワイヤーソー用ローラを所定の位置関係で
回転自在に配置し、このローラ群に1本のワイヤーを等
間隔で数十〜数百回程度巻き付けることで、上記ワイヤ
ーソーが形成されている。したがって本ワイヤーソー用
ローラは、平行に張設されたワイヤー(ワイヤー列)
を、それが高速で往復動している間に、ローラ軸方向に
位置ずれしないようガイドする役割を果たす。なお、こ
うしたワイヤーソー自体の構造は既に公知であるから、
ここではこれ以上詳しく説明しない。
【0018】本ワイヤーソー用ローラは、図1から判る
ように、概して大径部Aと小径部Bとからなる。このう
ち大径部Aは円筒状のものであって、その周面で上記ワ
イヤーを受ける役割を果たす。また、小径部Bも同じく
円筒状であって、大径部Aの一端側に、同大径部Aに対
して一体的に設けられている。更に言えば、これら大径
部Aおよび小径部Bの連続した中空部(ローラ中央貫通
孔)には、図示していない軸が位置させられる。本ワイ
ヤーソー用ローラは、この軸を用い、かつ、それを中心
として回転自在であるよう設置される。但し小径部Bに
ついては、通常、軸受け(図示せず)に直接セットされ
ることになる。
【0019】なお本実施形態では、ローラ全体を、例え
ばアルミナなどのセラミックスから構成している。すな
わち、上記大径部Aおよび小径部Bからなる本ワイヤー
ソー用ローラは、セラミックス製の一体成形品である。
【0020】さて、本ワイヤーソー用ローラの周面、正
確には大径部Aの周面には、上記ワイヤーをガイドする
ための環状溝1が、周方向に沿って複数本、例えば数十
〜数百本程度形成されている。この環状溝1は、全て同
一の断面形状を有する、連続した切れ目のないものであ
り、ここではその本数を、ローラ群へのワイヤー巻回数
と等しくなるよう設定している。更に言えば、環状溝1
は、図2に拡大して示すごとく断面が略三角形状のもの
であり、上述したように大径部Aの周方向に沿って、し
たがってローラ周方向に沿って等間隔で形成されてい
る。
【0021】先に説明したワイヤーソーを構成するワイ
ヤーW(図2中、一点鎖線で示す)は、上記環状溝1内
に、その内表面(テーパー面)に接触した状態で収納さ
れるようになっている。本ワイヤーソー用ローラにあっ
ては、このようにしてワイヤーWが環状溝1によってガ
イドされる。
【0022】また、本ワイヤーソー用ローラには、細長
い断面形状を有する空隙(断面にのみ着目すればスリッ
トとも見なせる)2が、上記環状溝1の溝底から、正確
には従来品においては溝底であった面から連続して形成
されている。つまり、環状溝1の溝底面は、空隙2の開
口面となっている。特に本実施形態では、この空隙2
を、上記環状溝1の全周に対応して形成された、ローラ
周方向に沿って連続する環状のものとしている。したが
って、実質上、環状溝1と空隙2とは共同で、断面が略
Y字形の溝を形成する。なお、空隙2の幅は底端部を除
いて均一であり、当然のことながら、それは上記ワイヤ
ーの線径よりも小さい。しかし、少なくとも空隙2の開
口側の幅が、ワイヤーの線径より小さくなっているだけ
でもよい。
【0023】続いて、上記空隙2の形状について更に具
体的に説明する。まず、その幅、特に開口側部分、いい
かえれば環状溝1につながる部分の幅(図2中、cで示
す)についてであるが、本実施形態ではそれを、環状溝
1に納まるワイヤーWの線径(図2中、rで示す)の8
0%以下としている。すなわち本実施形態では、空隙2
の幅の上限値をワイヤーWの線径rの80%に設定し
た。なお、念のために言うと、図2は仮想的にワイヤー
Wを環状溝1内に位置させた状態、つまり本ワイヤーソ
ー用ローラがワイヤーソーを構成している時の状態を示
すものである。
【0024】また、上記空隙2の幅(特に開口側の幅)
cは、切断処理時に、ワイヤーWと被切断物との接点に
供給される砥粒スラリーに含まれる砥粒(図示せず)の
最大径の1.5倍以上である。換言すれば、本実施形態
では、空隙2の幅の下限値を砥粒最大径の1.5倍に設
定した。総じて言うと、空隙2の幅cは、砥粒最大径の
1.5倍よりも大きく、かつ、ワイヤー線径rの80%
よりも小さな値となっている。
【0025】一方、空隙2の深さ(図2中、dで示す)
は、ワイヤーWの線径rの10倍以上である。すなわち
本実施形態では、空隙2の深さdの下限値をワイヤー線
径rの10倍とした。
【0026】なお、上述したように本ワイヤーソー用ロ
ーラは、その全体がセラミックスからなる。したがっ
て、言うまでもなく、環状溝1および空隙2が形成され
た周面表層部分もセラミックスから構成されている。だ
が、この摩耗しやすい周面表層部分(例えば表面から深
さ数mm程度までの部分)のみをセラミックス製として
もよい。
【0027】ここで参考までに言うと、上記環状溝1
は、加工用工具であるダイヤモンド砥石を用いて形成し
ている。更に具体的には、まずセラミックス製の筒状体
(ローラの原材)を高速回転させる。そして、この状態
で筒状体に対して砥石の先端を圧接させ、その周面を環
状に所定の深さまで切削する。続いては、砥石をいった
ん後退させ、更に軸方向に環状溝1のピッチ分だけ移動
させる。以後は、この操作を繰り返し実施すればよく、
これによって周面に無数の環状溝1が形成されたワイヤ
ーソー用ローラが得られる(この時点では従来品と同じ
様態)。
【0028】これに対して空隙2は、上記環状溝1の完
成後に、例えばダイヤモンド電着ワイヤーを用いて形成
した。更に詳しくは、環状溝1が形成されたローラと、
このダイヤモンド電着ワイヤーとでワイヤーソーを構成
し、これを一定時間作動させる。つまり、ローラの環状
溝溝底に、ローラ軸方向と直交するよう張設した上記ダ
イヤモンド電着ワイヤーの一部を圧接させ、高速で往復
動させる。するとダイヤモンド電着ワイヤーは、徐々に
溝底からローラの内部に食い込んでいく。よって所定の
時間が経過した後に、ダイヤモンド電着ワイヤーを取り
外すことで、一つの環状溝1に対応して一つの空隙(環
状空隙)2が形成された、図2に示す本ワイヤーソー用
ローラが得られる。
【0029】さて、上記構成の本ワイヤーソー用ローラ
を用いてワイヤーソーを構成した場合、切断作業時、ワ
イヤーWとローラ周面の環状溝1の溝底との間に入り込
む砥粒は、環状溝1内に滞留せず、それに続いて設けら
れた空隙2内に流入する。したがって、環状溝1内には
砥粒がほとんど堆積しなくなるので、ワイヤーWによっ
て溝底に押し付けられ、そこに食い込む砥粒の量が大幅
に減少する。このため環状溝1の摩耗の進行が効果的に
抑止される。ゆえに本ワイヤーソー用ローラは、従来の
ものに比して格段に優れた耐摩耗性を発揮し、その長寿
命化が実現する。そしてこの結果、多大な時間と労力を
必要とするローラ交換作業の頻度を少なくすることがで
き、生産性の更なる向上が図れる。
【0030】
【実施例】以下のようにして上記実施形態に係るワイヤ
ーソー用ローラを製作した(これを実施例と言う)。ま
ず、公知慣用の手法により、直径(最大外径)100m
m、長さ200mmのアルミナ製円筒体(ローラの原
材)を形成した。次に、こうして得たローラ原材に、回
転軸となる金属芯を取り付けた。外周面の平滑化処理に
続いては、ダイヤモンド砥石を用いて、ワイヤーをガイ
ドする複数の環状溝を形成する作業を行った。但し、環
状溝の深さは0.4mmとした。
【0031】続いては、この未完成のローラと線径が
0.08mmのワイヤーとからワイヤーソーを構成す
る。そして、砥粒スラリー(#1200)を供給しなが
ら、これを所定時間、無負荷運転させることで、環状溝
の溝底から続く、深さ2.0mmの環状の空隙を複数形
成し、最終製品(上記実施形態に係るワイヤーソー用ロ
ーラ)を得た。なお、ここでは上記環状溝の内表面同士
のなす角度を50°としている。
【0032】一方、比較のため、環状溝から連続する空
隙を持たない他は、上記実施例と同寸法・同形状のワイ
ヤーソー用ローラを準備した(これを比較例と言う)。
但し、環状溝の内表面同士のなす角度は50°とし、ま
た、溝底部分(溝の先端部分)の曲率半径は65μmと
した。これは、ワイヤーが溝底に接触しないようにする
ためである。
【0033】上記のごとくして得た実施例のワイヤーソ
ー用ローラと線径が0.15mmのワイヤーとを用いて
ワイヤーソーを構成した。そして、炭化珪素を主成分と
する砥粒スラリー(#1500)を、ワイヤーと被切断
物との接点に供給しながら実際に水晶の切断を実施し
た。すると、ワイヤーがローラの環状溝の溝底に食い込
んでワイヤーソーが動作不能となるまでに、つまりワイ
ヤーソー用ローラが使用不可能となるまでに約4.5か
月を要した。
【0034】これに対して、比較例のワイヤーソー用ロ
ーラについても、やはり線径が0.15mmのワイヤー
を用いてワイヤーソーを構成した。そして、炭化珪素を
主成分とする砥粒スラリー(#1500)を供給しなが
ら水晶の切断を行った。すると、ワイヤーの食い込みに
より、約3か月程度でワイヤーソーが動作不能となって
しまった。つまり、わずか3か月間の使用で、ワイヤー
ソー用ローラを新しいものと交換しなければならなくな
った。この結果から、実施例のワイヤーソー用ローラの
有用性が実証された。
【0035】
【発明の効果】本発明のワイヤーソー用ローラは、従来
のものよりも耐摩耗性に優れ、その長寿命化が実現す
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係るワイヤーソー用ローラ
の外観図
【図2】本発明の実施形態に係るワイヤーソー用ローラ
の要部を拡大して示す断面図
【図3】従来型のワイヤーソー用ローラの要部を拡大し
て示す断面図
【符号の説明】
A ワイヤーソー用ローラの大径部 B ワイヤーソー用ローラの小径部 1 環状溝 2 空隙 W ワイヤー
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 坂本 信治 山口県小野田市大字小野田6276 大村耐火 株式会社内 Fターム(参考) 3C058 AA07 AA09 AA14 AA15 AC04 CA01 CB03 CB10 DA03 DA16 DA17

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 張設されるワイヤーと共同でワイヤーソ
    ーを構成し、かつ、周面には、前記ワイヤーをガイドす
    る環状溝がローラ周方向に沿って形成されたワイヤーソ
    ー用ローラであって、 少なくとも開口側の幅が前記ワイヤーの線径よりも小さ
    な空隙が、前記環状溝から連続して形成されてなること
    を特徴とするワイヤーソー用ローラ。
  2. 【請求項2】 空隙は、環状溝全周に対応して形成され
    た、ローラ周方向に沿って連続する環状のものであるこ
    とを特徴とする請求項1に記載のワイヤーソー用ロー
    ラ。
  3. 【請求項3】 空隙の開口側の幅が、ワイヤーの線径の
    80%以下であることを特徴とする請求項1または請求
    項2に記載のワイヤーソー用ローラ。
  4. 【請求項4】 空隙の開口側の幅が、ワイヤーと被切断
    物との接点に供給される砥粒スラリーに含まれる砥粒の
    最大径の1.5倍以上であることを特徴とする請求項1
    〜請求項3のいずれかに記載のワイヤーソー用ローラ。
  5. 【請求項5】 空隙の深さが、ワイヤーの線径の10倍
    以上であることを特徴とする請求項1〜請求項4のいず
    れかに記載のワイヤーソー用ローラ。
  6. 【請求項6】 少なくとも、環状溝および空隙が形成さ
    れた周面表層部分が、セラミックスから構成されてなる
    ことを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれかに記載
    のワイヤーソー用ローラ。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006075969A (ja) * 2004-09-13 2006-03-23 Sharp Corp ワイヤソー装置
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JP2009233779A (ja) * 2008-03-26 2009-10-15 Kyocera Corp ローラ部材およびワイヤソー装置
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JP2014087902A (ja) * 2012-10-31 2014-05-15 Komatsu Ntc Ltd ワイヤソー用多溝付きローラの溝加工方法

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