JP5221347B2 - β−グルコシダーゼ活性を有するポリペプチドおよびそれをコードするポリヌクレオチド - Google Patents

β−グルコシダーゼ活性を有するポリペプチドおよびそれをコードするポリヌクレオチド Download PDF

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Description

発明の分野
本発明は、単離されたβ-グルコシダーゼ活性を有するポリペプチドおよび前記ポリペプチドをコードする単離されたポリヌクレオチドに関する。また、本発明は、前記ポリヌクレオチドを含んでなる核酸構築物、ベクターおよび宿主細胞ならびに前記ポリペプチドを製造しかつ使用する方法に関する。
関係する技術の説明
セルロースはβ-1,4-結合により共有結合された簡単な糖グルコースのポリマーである。多数の微生物はβ-結合されたグルカンを加水分解する酵素を産生する。これらの酵素は、エンドグルカナーゼ、セルロビオヒドロラーゼおよびβ-グルコシダーゼを包含する。エンドグルカナーゼはセルロースポリマーをランダム位置において消化して、セルロビオヒドロラーゼによる攻撃に対してそれを開環する。セルロビオヒドロラーゼは引き続いてセルロースポリマーの末端からセロビオース分子を解放する。セロビオースはグルコースの水溶性β-1,4-結合した二量体である。β-グルコシダーゼはセロビオースをグルコースに加水分解する。
セルロースフィードストックのエタノールへの変換は、大量のフィードストックの容易な入手可能性、材料の燃焼または地中充填の回避の好ましさおよびエタノール燃料の清潔さという利点を有する。木材、農業残留物、草本性作物および都市の固体状廃棄物はエタノール製造用フィードストックとして考えられてきている。これらの材料は主としてセルロース、ヘミセルロースおよびリグニンから成る。いったんセルロースがグルコースに転化されると、グルコースは酵母によりエタノールに容易に発酵される。グルコースは種々の酵母によりエタノールに容易に発酵されるが、セロビオースはそうではなく、加水分解の終わりに残留するセロビオースはエタノール収量の低下を表す。より重要なことには、セロビオースはエンドグルカナーゼおよびセロビオヒドロラーゼの効力のあるインヒビターである。加水分解間のセロビオースの蓄積はエタノール製造のために望ましくない。
セルラーゼ産生微生物はβ-グルコシダーゼをほとんど産生することができないので、セロビオースの蓄積は酵素的加水分解において主要な問題である。少量のβ-グルコシダーゼはセロビオースのグルコースへの加水分解する能力を低くする。セルロースのグルコースへの転化においてβ-グルコシダーゼの量を増加させるために、いくつかのアプローチが使用されてきている。
1つのアプローチは、セルラーゼをほとんど産生しない微生物を使用してβ-グルコシダーゼを製造し、そしてβ-グルコシダーゼをエンドグルカナーゼおよびセロビオヒドロラーゼに外因的に添加して加水分解を増強することである。しかしながら、必要量はエタノール操作に対して商用バイオマスの費用を高くし過ぎる。
第2 のアプローチは、酵母によるグルコースの発酵と同時にセルロースの加水分解を実施することである。このプロセスは同時の糖化および発酵 (SSF) として知られている。SSF系において、グルコースの発酵はそれを溶液から除去する。しかしながら、28℃の酵母の操作温度は必要な50℃の条件のために低すぎるので、SSF系はまだ商業的に実行可能ではない。
β-グルコシダーゼの欠点を克服する第3のアプローチは宿主中でβ-グルコシダーゼを過剰発現させ、これによりβ-グルコシダーゼの収量を増加させることである。
この分野において、セルロース材料を単糖、二糖および多糖に転化する改良された性質を有する新規なβ-グルコシダーゼを提供することは有利であろう。
本発明の他の目的は、新規なβ-グルコシダーゼ活性を有するポリペプチドおよび前記ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを提供することである。
発明の要約
本発明は、下記から成る群から選択される、β-グルコシダーゼ活性を有する単離されたポリペプチドに関する:
(a) 配列番号2の成熟ポリペプチドと少なくとも70%の同一性を有するアミノ酸配列を含んでなるポリペプチド;
(b) 少なくとも中程度のストリンジェンシイ条件下に (i) 配列番号1の成熟ポリペプチドコード配列、 (ii) 配列番号1の成熟ポリペプチドコード配列中に含有されるcDNA配列または (iii) (i) または (ii) の相補的鎖とハイブリダイゼーションするポリヌクレオチドによりコードされるポリペプチド;
(c) A-E-[ST]-[IV]-[KR]-G-[IM]-Q-[DS]-[ST]-G-V-[IV]-Aを含んでなるポリペプチド; および
(d) 配列番号2の成熟ポリペプチドの1または2以上のアミノ酸の保存的置換、欠失および/または挿入を含んでなる変異型。
また、本発明は、下記から成る群から選択される、β-グルコシダーゼ活性を有するポリペプチドをコードする単離されたポリヌクレオチドに関する:
(a) 配列番号2の成熟ポリペプチドと少なくとも70%の同一性を有するアミノ酸配列を含んでなるポリペプチドをコードするポリヌクレオチド;
(b) 配列番号1の成熟ポリペプチドと少なくとも70%の同一性を有するポリヌクレオチド; および
(c) 少なくとも中程度のストリンジェンシイ条件下に (i) 配列番号1の成熟ポリペプチドコード配列、 (ii) 配列番号1の成熟ポリペプチドコード配列中に含有されるcDNA配列または (iii) (i) または (ii) の相補的鎖とハイブリダイゼーションするポリヌクレオチド; および
(d) β-グルコシダーゼ活性を有するポリペプチドをコードするポリヌクレオチド、ここで前記ポリペプチドはA-E-[ST]-[IV]-[KR]-G-[IM]-Q-[DS]-[ST]-G-V-[IV]-Aを含んでなる。
好ましい面において、成熟ポリペプチドは配列番号2のアミノ酸37〜878である。他の好ましい面において、成熟ポリペプチドコード配列は配列番号1のヌクレオチド171〜2753である。
また、本発明は、前記ポリヌクレオチドを含んでなる核酸構築物、組換え発現ベクター、組換え宿主細胞、およびβ-グルコシダーゼ活性を有するポリペプチドを製造する方法に関する。
また、本発明は、β-グルコシダーゼ活性を有するポリペプチドをコードする単離されたポリヌクレオチドを含んでなる植物に関する。
また、本発明は、セルロース材料をグルコースまたは他の物質へ転化するときβ-グルコシダーゼ活性を有するポリペプチドを使用する方法に関する。
また、本発明は、β-グルコシダーゼ活性を有するポリペプチドを含んでなる洗剤組成物に関する。
また、本発明は、配列番号2のアミノ酸1〜19を含んでなるか、あるいはから成るシグナルペプチドをコードする単離されたポリヌクレオチド、配列番号2のアミノ酸20〜36を含んでなるか、あるいはから成るプロペプチドをコードする単離されたポリヌクレオチド、および配列番号2のアミノ酸1〜36を含んでなるか、あるいはから成るプレプロペプチドをコードする単離されたポリヌクレオチドに関する。
本発明は、さらに、タンパク質をコードする遺伝子を含んでなる核酸構築物に関し、ここで前記遺伝子は配列番号2のアミノ酸1〜19を含んでなるか、あるいはから成るシグナルペプチドをコードする第1 ヌクレオチド配列および配列番号1のアミノ酸20〜36を含んでなるか、あるいはから成るプロペプチドをコードする第2 ヌクレオチド配列の一方または両方に作用可能に連鎖されており、ここで前記遺伝子は第1 および第2 のヌクレオチド配列に対して外来である。
定義
β-グルコシダーゼ活性: 用語 「β-グルコシダーゼ」 は、末端の非還元性β-D-グルコース残基を加水分解してβ-D-グルコース残基を解放する反応を触媒するβ-D-グルコシドグルコヒドロラーゼ (EC 3.2.1.21) としてここにおいて定義される。セロビアーゼはβ-グルコシダーゼと同義である。本発明の目的に対して、β-グルコシダーゼ活性は25℃において50 mMのクエン酸ナトリウムpH 4.8中で1 mMの4-ニトロフェニル-β-D-グルコピラノシドを基質として使用して決定される。1単位のβ-グルコシダーゼ活性は25℃、pH 4.8において1.0μmolの産生される4-ニトロフェノール/分として定義される。
本発明のポリペプチドは、配列番号2のアミノ酸37〜878として示すアミノ酸配列から成るポリペプチドのβ-グルコシダーゼ活性の少なくとも20%、好ましくは少なくとも40%、より好ましくは少なくとも50%、より好ましくは少なくとも60%、より好ましくは少なくとも70%、より好ましくは少なくとも80%、さらにより好ましくは少なくとも90%、最も好ましくは少なくとも95%、さらに最も好ましくは少なくとも100%を有する。
ファミリー3グリコシドヒドロラーゼまたはファミリーGH3: 用語 「ファミリー3グリコシドヒドロラーゼ」 または 「ファミリーGH3」 または 「Cel3」 は、下記の文献に従い、グリコシドヒドロラーゼファミリー3の範囲内に入るポリペプチドとして本明細書において定義される: Henrissat B. 、1991、A classification of glycosyl hydrolases based on amino-acid sequence similarities、Biochem. J. 280: 309-316、およびHenrissatおよびBairoch、1996、Updating the sequence-based classification of glycosyl hydrolases、Biochem. J. 316: 695-696。
単離されたポリペプチド: 用語 「単離されたポリペプチド」 は、本明細書において使用するとき、SDS-PAGEにより決定して、少なくとも20%の純度、好ましくは少なくとも40%の純度、より好ましくは少なくとも60%の純度、さらにより好ましくは少なくとも80%の純度、最も好ましくは少なくとも90%の純度、さらに最も好ましくは少なくとも95%の純度を有するポリペプチドを言及するためにここにおいて使用される。
実質的に純粋なポリペプチド: 用語 「実質的に純粋なポリペプチド」 は、ここにおいて最大10重量%、好ましくは最大8重量%、より好ましくは最大6重量%、より好ましくは最大5重量%、より好ましくは最大4重量%、より好ましくは最大3重量%、さらにより好ましくは最大2重量%、最も好ましくは最大1重量%、さらに最も好ましくは最大0.5重量%の天然または組換え的に関連する他のポリペプチド物質を含有するポリペプチド調製物をここにおいて意味する。したがって、実質的に純粋なポリペプチドは、調製物中に存在する全ポリペプチド物質の少なくとも92重量%の純度、好ましくは少なくとも94重量%の純度、より好ましくは少なくとも95重量%の純度、より好ましくは少なくとも96重量%の純度、より好ましくは少なくとも97重量%の純度、より好ましくは少なくとも98重量%の純度、さらにより好ましくは少なくとも99重量%の純度、最も好ましくは少なくとも99.5重量%の純度、さらに最も好ましくは100重量%の純度を有することが好ましい。
本発明のポリペプチドは、好ましくは実質的に純粋な形態である。特に、ポリペプチドは 「本質的に純粋な形態」 であること、すなわち、ポリペプチド調製物は天然または組換え的に関連する他のポリペプチド物質を本質的に含まないことが好ましい。これは、例えば、よく知られている組換え法または古典的精製法により、ポリペプチドを製造することによって、達成することができる。
本明細書において、用語 「実質的に純粋なポリペプチド」 は 「単離されたポリペプチド」 または「単離された形態のポリペプチド」 と同義である。
成熟ポリペプチド: 用語 「成熟ポリペプチド」 は、翻訳および翻訳後の修飾、例えば、N-末端のプロセシング、C-末端のトランケーション、グリコシル化、リン酸化およびその他の後のその最終形態における、β-グルコシダーゼ活性を有するポリペプチドとして本明細書において定義される。
成熟ポリペプチドコード配列: 用語 「成熟ポリペプチドコード配列」 は、β-グルコシダーゼ活性を有する成熟ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列として本明細書において定義される。
同一性: 2つのアミノ酸の間または2つのヌクレオチド配列の間の関係をパラメーター 「同一性」 で記載する。
本発明の目的に対して、2つのアミノ酸間の同一性の程度は、FASTAプログラムパッケージ、バージョン3.4 (PearsonおよびD. J. Lipman、1988、PNAS 85: 2444、およびPearson、1990、Methods in Enzymology 183: 63) に従いデフォルトパラメーターを使用して決定される。パッケージのSmith-Watermanのアルゴリズムからの対方法アラインメント (Waterman 他、1976、Adv. Math. 20: 367) を同一性%の決定に使用した。デフォルトパラメーターは、-12のギャップオープンペナルティー、-2のギャップエクステンションペナルティーおよびBLOSUM 50比較マトリックスを使用した。
本発明の目的に対して、2つのヌクレオチド配列間の同一性の程度は、ウィルブル-リプマン (Wilbur-Lipman) 法 (WilburおよびLipman、1983、Proceedings of the National Academy of Science USA 80: 726-730) により、LASERGENETM MEGALIGNTMソフトウェア (DNASTAR, Inc. 、ウィスコンシン州マディソン) を同一性の表および下記の多重アラインメントパラメーターとともに使用して決定される: 10のギャップペナルティーおよび10のギャップ長さペナルティー。対方法アラインメントパラメーターは次の通りである: Ktuple = 3、ギャップペナルティー= 3およびウィンドウズ(登録商標)= 20。
ポリペプチドフラグメント: 用語 「ポリペプチドフラグメント」 は、配列番号2の成熟ポリペプチドまたはその相同配列のアミノ末端および/またはカルボキシル末端から欠失された1または2以上のアミノ酸を有するポリペプチドとして本明細書において定義され、ここでフラグメントはβ-グルコシダーゼ活性を有する。好ましくは、フラグメントは少なくとも720アミノ酸残基、より好ましくは少なくとも760アミノ酸残基、最も好ましくは少なくとも800アミノ酸残基を有する。
サブ配列: 用語 「サブ配列」 は、それぞれ配列番号1またはその相同配列の5’末端および/または3’末端から1または2以上のヌクレオチドが欠失されたヌクレオチド配列として本明細書において定義され、ここでサブ配列はβ-グルコシダーゼ活性を有するポリペプチドフラグメントをコードする。好ましくは、サブ配列は少なくとも2160ヌクレオチド、より好ましくは少なくとも2280ヌクレオチド、最も好ましくは少なくとも2400ヌクレオチドを含有する。
対立遺伝子変異型: 用語 「対立遺伝子変異型」 は、本明細書において同一染色体位置を占有する遺伝子の2またはそれ以上の選択的形態のいずれかを意味する。対立遺伝子変異型は自然に突然変異を通して生じ、そして集団内で多形性を生ずることがある。遺伝子の突然変異はサイレントである (コード化されたポリペプチドにおける変化が存在しない) か、あるいは変更されたアミノ酸配列を有するポリペプチドをコードすることができる。ポリペプチドの対立遺伝子変異型は、遺伝子の対立遺伝子変異型によりコードされるポリペプチドである。
単離されたポリヌクレオチド: 用語 「単離されたポリヌクレオチド」 は、本明細書において使用するとき、アガロースゲル電気泳動により決定して、少なくとも20%の純度、好ましくは少なくとも40%の純度、より好ましくは少なくとも60%の純度、なおより好ましくは少なくとも80%の純度、最も好ましくは少なくとも90%の純度、なお最も好ましくは少なくとも95%の純度であるポリヌクレオチドを意味する。
実質的に純粋なポリヌクレオチド: 用語 「実質的に純粋なポリヌクレオチド」 は、本明細書において使用するとき、他の外来性または不必要なヌクレオチドを含まず、遺伝子操作されたタンパク質製造系内の使用に適した形態であるポリヌクレオチド調製物を意味する。こうして、実質的に純粋なポリヌクレオチドは最大10重量% 、好ましくは最大8重量%、より好ましくは最大6重量%、より好ましくは最大5重量%、より好ましくは最大4重量%、より好ましくは最大3重量%、さらにより好ましくは最大2重量%、最も好ましくは最大1重量%、さらに最も好ましくは最大0.5重量%の天然または組換え的に関連する他のポリヌクレオチド物質を含有する。
しかしながら、実質的に純粋なポリヌクレオチドは、天然に存在する5’および3’非翻訳領域、例えば、プロモーターおよびターミネーターを含むことができる。実質的に純粋なポリヌクレオチドは、少なくとも90重量%の純度、好ましくは少なくとも92重量%の純度、より好ましくは少なくとも94重量%の純度、より好ましくは少なくとも95重量%の純度、より好ましくは少なくとも96重量%の純度、より好ましくは少なくとも97重量%の純度、さらにより好ましくは少なくとも98重量%の純度、最も好ましくは少なくとも99重量%の純度、さらに最も好ましくは少なくとも99.5重量%の純度を有することが好ましい。
本発明のポリヌクレオチドは好ましくは実質的に純粋な形態である。特に、本明細書に開示するポリヌクレオチドは 「本質的に純粋な形態」 であること、すなわち、ポリヌクレオチド調製物は天然または組換え的に関連する他のポリヌクレオチド物質を本質的に含まないことが好ましい。本明細書において、用語 「実質的に純粋なポリヌクレオチド」 は 「単離されたポリヌクレオチド」 または 「単離された形態のポリヌクレオチド」 と同義である。ポリヌクレオチドはゲノム、cDNA、RNA、半合成、合成由来またはそれらの任意の組み合わせであることができる。
cDNA: 用語 「cDNA」 は、真核細胞から得られる成熟スプライスドmRNA分子から逆転写により調製することができるDNA分子として本明細書において定義される。cDNAは対応するゲノムDNA中に通常存在するイントロン配列を欠如する。初期の一次RNA転写物はmRNAに対する前駆体であり、これは1系列の段階に通してプロセスされた後、成熟スプライスドmRNAとして出現する。これらの段階は、スプライシングと呼ぶプロセスによるイントロン配列の除去を含む。したがって、mRNAに由来するcDNAはイントロン配列を欠如する。
核酸構築物: 用語 「核酸構築物」 は、本明細書において使用するとき、天然に存在する遺伝子から単離された一本鎖または二本鎖の核酸分子、またはそうでなければ天然に存在しない方法で核酸のセグメントを含有するように修飾された一本鎖または二本鎖の核酸分子を意味する。用語 「核酸構築物」 は、核酸構築物が本発明のコード配列の発現に必要な制御配列を含有するとき、用語 「発現カセット」 と同義である。
制御配列: 用語 「制御配列」 は、本発明のポリペプチドをコードするポリヌクレオチドの発現に必要なまたは有利であるすべての構成要素を含むとして、本明細書において定義される。各制御配列は、ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列に対して自然または外来であることができるか、あるいは互いに対して自然または外来であることができる。このような制御配列は下記のものを包含するが、これらに限定されない: リーダー、ポリアデニル化配列、プロペプチド配列、プロモーター、シグナルペプチド配列および転写ターミネーター。最小、制御配列はプロモーター、転写停止シグナルおよび翻訳停止シグナルを含む。制御配列は、ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列のコード領域との制御配列の連結を促進する、特異的制限部位を導入する目的で、リンカーを有することができる。
作用可能に連鎖された: 用語 「作用可能に連鎖された」 は、本明細書において、制御配列がポリペプチドのコード配列の発現を指令するように、ポリヌクレオチド配列のコード配列に関して適当な位置に制御配列が配置されている立体配置を意味する。
コード配列: 本発明において使用するとき、用語 「コード配列」 は、そのタンパク質産物のアミノ酸配列を直接特定する、ヌクレオチド配列を意味する。一般に、コード配列の境界はオープンリーディングフレームにより決定され、このオープンリーディングフレームはATG開始コドンまたは選択的開始コドン、例えば、GTGおよびTTGで通常開始し、そして終結コドン、例えば、TAA、TAGおよびTGAで終わる。コード配列は、DNA、cDNAまたは組換えヌクレオチド配列であることができる。
発現: 用語 「発現」 は、下記を包含するが、これらに限定されないポリペプチド産生に関係づけられる任意の段階を包含する: 転写、転写後修飾、翻訳、翻訳後修飾および分泌。
発現ベクター: 用語 「発現ベクター」 は、本発明のポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを含んでなり、そしてその発現を提供する追加のヌクレオチドに作用可能に連鎖された、線状または環状のDNA分子として本明細書において定義される。
宿主細胞: 用語 「宿主細胞」 は、本明細書において使用するとき、本発明のポリヌクレオチドを含んでなる核酸構築物または発現ベクターによる形質転換、トランスフェクション、トランスダクションおよびその他に対して感受性である、任意の細胞型を包含する。
修飾: 用語 「修飾」 は、本明細書において、配列番号2の成熟ポリペプチドから成るポリペプチドまたはその相同配列の任意の化学的修飾、ならびにこのようなポリペプチドをコードするDNAの遺伝子操作を意味する。修飾は、1または2以上のアミノ酸の置換、欠失および/または挿入、ならびに1または2以上のアミノ酸側鎖の置換であることができる。
人工変異型: 本発明において使用するとき、用語 「人工変異型」 は、配列番号1の成熟ポリペプチドコード配列により産生されるβ-グルコシダーゼ活性を有するポリペプチドまたはその相同配列を意味する。修飾されたヌクレオチド配列は、ヒトの関与に通して、配列番号1に開示するヌクレオチド配列またはその相同配列の修飾により得られる。
発明の詳細な説明
β-グルコシダーゼ活性を有するポリペプチド
第1の面において、本発明は、β-グルコシダーゼ活性を有する、少なくとも60%、好ましくは少なくとも65%、より好ましくは少なくとも70%、より好ましくは少なくとも75%、より好ましくは少なくとも80%、より好ましくは少なくとも85%、さらにより好ましくは少なくとも90%、最も好ましくは少なくとも95%、なお最も好ましくは少なくとも96%、97%、98%または99%の配列番号2の成熟ポリペプチドの同一性の程度を有するアミノ酸配列を含んでなる単離されたポリペプチド (以後 「相同ポリペプチド」 ) に関する。好ましい面において、相同ポリペプチドは、配列番号2の成熟ポリペプチドと10アミノ酸、好ましくは5アミノ酸、より好ましくは4アミノ酸、さらにより好ましくは3アミノ酸、最も好ましくは2アミノ酸、なお最も好ましくは1アミノ酸だけ異なるアミノ酸配列を有する。
好ましくは、本発明のポリペプチドは、配列番号2のアミノ酸配列またはその対立遺伝子変異型; またはβ-グルコシダーゼ活性を有するそのフラグメントを含んでなる。好ましい面において、ポリペプチドは配列番号2のアミノ酸配列を含んでなる。他の好ましい面において、ポリペプチドは配列番号2の成熟ポリペプチドを含んでなる。他の好ましい面において、ポリペプチドは配列番号2のアミノ酸37〜878またはその対立遺伝子変異型; またはβ-グルコシダーゼ活性を有するそのフラグメントを含んでなる。
他の好ましい面において、ポリペプチドは配列番号2のアミノ酸37〜878を含んでなる。他の好ましい面において、ポリペプチドは配列番号2のアミノ酸配列またはその対立遺伝子変異型; またはβ-グルコシダーゼ活性を有するそのフラグメントから成る。好ましい面において、ポリペプチドは配列番号2のアミノ酸配列から成る。他の好ましい面において、ポリペプチドは配列番号2の成熟ポリペプチドから成る。他の好ましい面において、ポリペプチドは配列番号2のアミノ酸37〜878またはその対立遺伝子変異型; またはβ-グルコシダーゼ活性を有するそのフラグメントから成る。他の好ましい面において、ポリペプチドは配列番号2のアミノ酸37〜878から成る。
第2の面において、本発明は、本発明は、少なくとも非常に低いストリンジェンシイの条件下に、好ましくは少なくとも低いストリンジェンシイの条件下に、より好ましくは少なくとも中程度のストリンジェンシイ条件下に、より好ましくは少なくとも中程度〜高いストリンジェンシイ条件下に、さらにより好ましくは少なくとも高いストリンジェンシイ条件下に、最も好ましくは少なくとも非常に高いストリンジェンシイ条件下に (i) 配列番号1の成熟ポリペプチドコード配列、 (ii) 配列番号1の成熟ポリペプチドコード配列中に含有されるcDNA配列または (iii) 上記(i) または (ii) の相補的鎖とハイブリダイゼーションするポリヌクレオチドによりコードされる単離されたβ-グルコシダーゼ活性を有するポリペプチドに関する (J. Sambrook、E. F. FritschおよびT. Maniatis、1989、Molecular Cloning: A Laboratory Manual、第2版、ニューヨーク州コールドスプリングハーバー)。
配列番号1の成熟ポリペプチドコード配列は、少なくとも100の隣接ヌクレオチドまたは好ましくは少なくとも200の隣接ヌクレオチドを含有する。その上、サブ配列はβ-グルコシダーゼ活性を有するポリペプチドフラグメントをコードすることができる。好ましい面において、成熟ポリペプチドコード配列は配列番号1のヌクレオチド171〜2753である。
配列番号1のヌクレオチド配列またはそのサブ配列、ならびに配列番号2のアミノ酸配列またはそのフラグメントは、β-グルコシダーゼ活性を有するポリペプチドをコードするDNAをこの分野においてよく知られている方法に従い異なる属または種の菌株から同定しかつクローニングする核酸プローブを設計するために使用することができる。特に、このようなプローブは、標準サザンブロッティング手順に従い、その中の対応する遺伝子を同定しかつ単離するために、問題の属または種のゲノムDNAまたはcDNAとハイブリダイゼーションさせるために使用できる。このようなプローブは全体の配列よりもかなり短いが、少なくとも14、好ましくは少なくとも25、より好ましくは少なくとも35、最も好ましくは少なくとも70ヌクレオチド長さであるべきである。
しかしながら、核酸プローブは少なくとも100ヌクレオチド長さであることが好ましい。例えば、核酸プローブは少なくとも200ヌクレオチド、好ましくは少なくとも300ヌクレオチド、より好ましくは少なくとも400ヌクレオチド、最も好ましくは少なくとも500ヌクレオチド長さである。なおより長いプローブ、例えば、少なくとも600ヌクレオチド、好ましくは少なくとも700ヌクレオチド、より好ましくは少なくとも800ヌクレオチドまたは最も好ましくは少なくとも900ヌクレオチド長さである。DNAプローブおよびRNAプローブの両方を使用することができる。典型的には、プローブは対応する遺伝子を検出するために標識化される (例えば、32P、3H、35S、ビオチンまたはアビジンで)。このようなプローブは本発明に包含される。
したがって、このような他の生物から調製されたゲノムDNAまたはcDNAライブラリーを、前述のプローブとハイブリダイゼーションするDNAおよびβ-グルコシダーゼ活性を有するポリペプチドをコードするDNAについてスクリーニングすることができる。このような他の生物からの他のDNAは、アガロースまたはポリアクリルアミドゲル電気泳動または他の分離技術による分離することができる。DNAはニトロセルロースまたは他の適当な担体物質上に移しそして固定化することができる。配列番号1またはそのサブ配列と相同であるクローンまたはDNAを同定するために、担体物質はサザンブロットにおいて使用することが好ましい。
本発明の目的に対して、ハイブリダイゼーションは、少なくとも非常に低い〜非常に高いストリンジェンシイ条件下に、ヌクレオチド配列が配列番号1の成熟ポリペプチドコード配列、配列番号1の成熟ポリペプチドコード配列中に含有されるcDNA配列、その相補鎖またはそのサブ配列に対応する標識化核酸プローブにハイブリダイゼーションすることを示す。核酸プローブがこれらの条件下にハイブリダイゼーションする分子は、例えば、X線フィルムを使用して検出することができる。
好ましい面において、核酸プローブは配列番号1の成熟ポリペプチドコード配列である。他の好ましい面において、核酸プローブは配列番号1のヌクレオチド171〜2753である。他の好ましい面において、核酸プローブは配列番号2のポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列またはそのサブ配列である。他の好ましい面において、核酸プローブは配列番号1である。好ましい面において、核酸プローブは配列番号1の成熟ポリペプチドコード配列である。他の好ましい面において、核酸プローブは大腸菌 (E. coli) NRRL B-30860中に含有されるプラスミドpKKAB中に含有される成熟ポリペプチドコード配列である。
少なくとも100ヌクレオチド長さの長いプローブについて、非常に低い〜非常に高いストリンジェント条件は42℃における5×SSPE、0.3%SDS、200μg/mlの細断し変性したサケ精子DNAおよび非常に低いおよび低いストリンジェンシイについて25%のホルムアミド、中程度〜高いストリンジェンシイについて35%のホルムアミドおよび非常に高いストリンジェンシイについて50%のホルムアミド中の、標準のサザンブロッティング手順に従う、最適には12〜24時間のプレハイブリダイゼーションおよびハイブリダイゼーションとして定義される。
少なくとも100ヌクレオチド長さの長いプローブについて、担体物質を最後に2×SSC、0.2% SDS中で好ましくは少なくとも45℃ (非常に低いストリンジェンシイ)、より好ましくは少なくとも50℃ (低いストリンジェンシイ)、より好ましくは少なくとも55℃ (中程度のストリンジェンシイ)、より好ましくは少なくとも60℃ (中程度〜高いストリンジェンシイ)、さらにより好ましくは少なくとも65℃ (高いストリンジェンシイ)、最も好ましくは少なくとも70℃ (非常に高いストリンジェンシイ) において各回15分間3回洗浄する。
約15ヌクレオチド〜約70ヌクレオチド長さである短いプローブについて、ストリンジェント条件は、BoltonおよびMcCarthy (1962、Proceedings of the National Academy of Sciences USA 48: 1390) を使用して計算したTmよりも約5℃〜約10℃低い温度において、0.9 M NaCl、0.09 M Tris-HCl pH 7.6、6 mM EDTA、0.5% NP-40、1×デンハルト溶液、1 mM ピロリン酸ナトリウム、1 mM 一塩基性リン酸ナトリウム、0.1 mM ATPおよび0.2 mgの酵母RNA/ml 中の、標準のサザンブロッティング手順に従う、最適には12〜24時間のプレハイブリダイゼーション、ハイブリダイゼーションおよび洗浄として定義される。
約15ヌクレオチド〜約70ヌクレオチド長さである短いプローブについて、担体物質を6×SSC + 0.1% SDS中で15分間1回洗浄し、そして6×SSC 中で計算したTmよりも約5℃〜約10℃低い温度において各回15分間2回洗浄する。
第3の面において、本発明は、A-E-[ST]-[IV]-[KR]-G-[IM]-Q-[DS]-[ST]-G-V-[IV]-Aを含んでなる単離されたβ-グルコシダーゼ活性を有するポリペプチドに関する。
第4の面において、本発明は、配列番号2の成熟ポリペプチドの1または2以上のアミノ酸の保存的置換、欠失および/または挿入を含んでなる人工的変異型に関する。好ましくは、小さい性質のアミノ酸の変化、すなわち、タンパク質のフォールディングおよび/または活性に有意に影響を与えない保存的アミノ酸の置換または挿入; 小さい欠失、典型的には1〜約30アミノ酸の欠失; 小さいアミノ末端またはカルボキシル末端のエクステンション、例えば、アミノ末端のメチオニン残基; 約20〜25までの小さいリンカーペプチド; または正味の電荷または他の機能を変化させることによって精製を促進する小さいエクステンション、例えば、ポリヒスチジントラクト、抗原性エピトープまたは結合性ドメインである。
保存的置換の例は下記のアミノ酸のグループ内に存在する: 塩基性アミノ酸 (例えば、アルギニン、リシンまたはヒスチジン)、酸性アミノ酸 (グルタミン酸およびアスパラギン酸)、極性アミノ酸 (グルタミンおよびアスパラギン)、疎水性アミノ酸 (ロイシン、イソロイシンおよびバリン)、芳香族アミノ酸 (フェニルアラニン、トリプトファンおよびチロシン) および小さいアミノ酸 (グリシン、アラニン、セリン、トレオニンおよびメチオニン)。一般に比活性を変更しないアミノ酸置換はこの分野において知られており、そして、例えば、下記の文献に記載されている: H. NeurathおよびR. L. Hill、1979、The Proteins、Academic Press, New York。最も普通に発生する変化は次の通りである: Ala/Ser、Val/Ile、Asp/Glu、Thr/Ser、Ala/Gly、Ala/Thr、Ser/Asn、Ala/Val、Ser/Gly、Tyr/Phe、Ala/Pro、Lys/Arg、Asp/Asn、Leu/Ile、Leu/Val、Ala/GluおよびAsp/Gly。
20の標準的アミノ酸に加えて、非標準的アミノ酸 (例えば、4-ヒドロキシプロリン、6-N-メチルリシン、2-アミノイソ酪酸、イソバリンおよびα-メチルセリン) を野生型ペプチドのアミノ酸残基で置換することができる。限定された数の非保存的アミノ酸、遺伝暗号によりコードされないアミノ酸および非天然のアミノ酸をアミノ酸残基で置換することができる。 「非天然のアミノ酸」 はタンパク質合成後に修飾されておりおよび/または1または2以上の側鎖の化学的構造が標準的アミノ酸のそれと異なる。非天然のアミノ酸は化学的に合成することができ、好ましくは商業的に入手可能であり、そして下記を包含する: ピペコリン酸、チアゾリンカルボン酸、デヒドロプロリン、3-および4-メチルプロリンおよび3,3-ジメチルプロリン。
選択的に、アミノ酸の変化はポリペプチドの物理化学的性質が変更されるような特質を有する。例えば、アミノ酸の変化はポリペプチドの熱安定性を改良し、基質の特異性を変更しpH最適値およびその他を変化させる。
親ポリペプチド中の必須アミノ酸は、この分野において知られている方法、例えば、位置指定突然変異誘発またはアラニン走査突然変異誘発に従い同定することができる (CunninghamおよびWells、1989、Science 244: 1081-1085)。後者の技術において、単一のアラニンの突然変異を分子中のすべての残基に導入し、そして生ずる突然変異分子を生物学的活性 (すなわち、β-グルコシダーゼ活性) について試験して、その分子の活性に対して重大であるアミノ酸残基を同定する。
また、下記の文献を参照のこと: Hilton 他、1996、J. Biol. Chem. 271: 4699-4708。また、酵素の活性部位または他の生物学的相互作用は、アミノ酸の推定上の接触部位の突然変異と組合わせて、下記の技術により決定されるような、構造の物理的分析により決定することができる: 核磁気共鳴、結晶構造解析、電子回折またはフォトアフィニティー標識化。例えば、下記の文献を参照のこと: de Vos 他、1992、Science 255: 306-312; Smith 他、1992、J. Mol. Biol. 224: 899-904; Wlodaver 他、1992、FEBS Lett. 309: 59-64。また、必須アミノ酸の同一性は、本発明によるポリペプチドに関係するポリペプチドとの同一性の分析から推定することができる。
突然変異誘発、組換えおよび/またはシャフリングの既知の方法、次いで関係するスクリーニング手順、例えば、下記の文献に記載されている手順に従い、単一または複数のアミノ酸置換を実施し、試験することができる: Reidhaar-OlsonおよびSauer、1988、Science 241: 53-57; BowieおよびSauer、1989、Proc. Natl. Acad. Sci. USA 86: 2152-2156; WO 95/17413またはWO 95/22625。使用できる他の方法は下記を包含する: 誤りがちのPCR、ファージ展示 (例えば、Lowman 他、1991、Biochem. 30: 10832-10837; 米国特許第5,223,409号; WO 92/06204) および領域指定突然変異誘発 (Derbyshire 他、1986、Gene 46: 145; Ner 他、1988、DNA 7: 127)。
突然変異誘発/シャフリング法を高い処理量の自動化スクリーニング法と組合わせて、宿主細胞により発現され、クローニングされ、突然変異誘発されたポリペプチドを検出することができる (Ness 他、1999、Nature Biotechnology 17: 893-896)。活性ポリペプチドをコードする突然変異誘発されたDNA分子は、この分野における標準的方法に従い、宿主細胞から回収し、迅速に配列決定できる。これらの方法は、問題のポリペプチド中の個々のアミノ酸残基の重要性の急速な決定を可能とし、未知構造のポリペプチドに適用することができる。
配列番号2の成熟ポリペプチド、例えば、配列番号2のアミノ酸37〜878のアミノ酸の置換、欠失および/または挿入の総数は、10、好ましくは9、より好ましくは8、より好ましくは7、より好ましくは最大6、より好ましくは5、より好ましくは4、より好ましくは、さらにより好ましくは3、最も好ましくは2、さらに最も好ましくは1である。
β-グルコシダーゼ活性を有するポリペプチドの源
本発明のβ-グルコシダーゼ活性を有するポリペプチドは任意の属の微生物から得ることができる。本発明の目的に対して、用語 「から得る」 は、所定の遺伝子源と組合わせて本明細書において使用するとき、ヌクレオチド配列によりコードされるポリペプチドがその源により産生されるか、あるいは前記源からのヌクレオチド配列が挿入されている菌株により産生されることを意味する。好ましい面において、所定の源から得られるポリペプチは細胞外に分泌される。
本発明のポリペプチドは細菌のポリペプチドであることができる。例えば、ポリペプチドはグラム陽性バクテリアのポリペプチド、例えば、バシラス (Bacillus)、ストレプトコッカス (Streptococcus)、ストレプトマイセス (Streptomyces)、スタフィロコッカス (Staphylococcus)、エンテロコッカス (Enterococcus)、ラクトバシラス (Lactobacillus)、ラクトコッカス (Lactococcus)、クロストリジウム (Clostridium)、ゲオバシラス (Geobacillus) またはオセアノバシラス (Oceanobacillus) のβ-グルコシダーゼ活性を有するポリペプチド、またはグラム陰性バクテリア、例えば、大腸菌 (E. coli)、シュードモナス (Pseudomonas)、サルモネラ (Salmonella)、カンピロバクター (Campylobacter)、ヘリコバクター (Helicobacter)、フラボバクテリウム (Flavobacterium)、フソバクテリウム (Fusobacterium)、イリオバクター (Ilyobacter)、ナイセリア属 (Neisseria) またはウレアプラスマ (Ureaplasma) のβ-グルコシダーゼ活性を有するポリペプチドであることができる。
好ましい面において、ポリペプチドはバシラス・アルカロフィルス (Bacillus alkalophillus)、バシラス・アミロリクファシエンス (Bacillus amyloliquefaciens)、バシラス・ブレビス (Bacillus brevis)、バシラス・サーキュラン (Bacillus circulans)、バシラス・クラウシイ (Bacillus clausii)、バシラス・コアギュランス (Bacillus coagulans)、バシラス・フィルムス (Bacillus firmus)、バシラス・ラウツス (Bacillus lautus)、バシラス・リヘニフォルミス (Bacillus licheniformis)、バシラス・メガテリウム (Bacillus megaterium)、バシラス・ピュミルス (Bacillus pumilus)、バシラス・ステアロサーモフィラス (Bacillus stearothermophilus)、バシラス・サブチリス (Bacillus subtilis) またはバシラス・スリンジェンシス (Bacillus thuringiensis) のβ-グルコシダーゼ活性を有するポリペプチドである。
他の好ましい面において、ポリペプチドはストレプトコッカス・エクイシミリス (Streptococcus equisimilis)、ストレプトコッカス・ピオゲネス (Streptococcus pyogenes)、ストレプトコッカス・ウベリス (Streptococcus uberis) またはストレプトコッカス・エクイ亜種(Streptococcus equi) ズーエピデミカス (Zooepidemicus) のβ-グルコシダーゼ活性を有するポリペプチドである。
他の好ましい面において、ポリペプチドはストレプトマイセス・アキロモゲネス (Streptomyces achromogenes)、ストレプトマイセス・アベルミチリス (Streptomyces avermitilis)、ストレプトマイセス・ケリコロル (Streptomyces coelicolor)、ストレプトマイセス・グリセウス (Streptomyces griseus) またはストレプトマイセス・リビダンス (Streptomyces lividans) のβ-グルコシダーゼ活性を有するポリペプチドである。
また、本発明のポリペプチドは真菌のポリペプチド、より好ましくは酵母のポリペプチド、例えば、カンジダ (Candida)、クライベロマイセス (Kluyveromyces)、ピキア (Pichia)、サッカロマイセス (Saccharomyces)、シゾサッカロマイセス (Schizosaccharomyces) またはヤロウィア (Yarrowia) のβ-グルコシダーゼ活性を有するポリペプチド; またはより好ましくは糸状真菌のポリペプチド、例えば、アクレモニウム (Acremonium)、アスペルギルス (Aspergillus)、アウレオバシジウム (Aureobasidium)、クリプトコッカス (Cryptococcus)、フィリバシジウム (Filibasidium)、フザリウム (Fusarium)、フミコラ (Humicola)、マグナポルテ (Magnaporthe)、ケカビ (Mucor)、ミセリオフトラ (Myceliophthora)、ネオカイリマスチックス (Neocailimastix)、ニューロスポラ (Neurospora)、ペシロマイセス (Paecilomyces)、ペニシリウム (Penicillium)、ピロマイセス (Piromyces)、シゾフィルム (Schizophyllum)、タラロマイセス (Talaromyces)、テルモアスカス (Thermoascus)、チエラビア (Thielavia)、トリポクラジウム (Tolypocladium) またはトリコデルマ (Trichoderma) のβ-グルコシダーゼ活性を有するポリペプチドであることができる。
好ましい面において、ポリペプチドはサッカロマイセス・カールスバーゲンシス (Saccharomyces carlsbergensis)、サッカロマイセス・セレビシエ (Saccharomyces cerevisiae)、サッカロマイセス・ジアスタチカス (Saccharomyces diastaticus)、サッカロマイセス・ドウグレシイ (Saccharomyces douglasii)、サッカロマイセス・クルイベリ (Saccharomyces kluyveri)、サッカロマイセス・ノルベンシス (Saccharomyces norbensis) またはサッカロマイセス・オビフォルミス (Saccharomyces oviformis) のβ-グルコシダーゼ活性を有するポリペプチドである。
他の好ましい面において、ポリペプチドはアスペルギルス・アクレアツス (Aspergillus aculeatus)、アスペルギルス・アワモリ (Aspergillus awamori)、アスペルギルス・フミガツス (Aspergillus fumigatus)、アスペルギルス・フェチヅス (Aspergillus foetidus)、アスペルギルス・ジャポニカス (Aspergillus japonicus)、アスペルギルス・ニヅランス (Aspergillus nidulans)、アスペルギルス・ニガー (Aspergillus niger)、アスペルギルス・オリゼ (Aspergillus oryzae)、フザリウム・バクトリジオイデス (Fusarium bactridioides)、フザリウム・セレアリス (Fusarium cerealis)、フザリウム・クロックウェレンセ (Fusarium crookwellense)、フザリウム・クルモルム (Fusarium culmorum)、フザリウム・グラミネアラム (Fusarium graminearum)、フザリウム・グラミヌム (Fusarium graminum)、フザリウム・ヘテロスポルム (Fusarium heterosporum)、フザリウム・ネグンジ (Fusarium negundi)、フザリウム・オキシスポラム (Fusarium oxysporum)、フザリウム・レチクラツム (Fusarium reticulatum)、フザリウム・ロセウム (Fusarium roseum)、フザリウム・サムブシヌム (Fusarium sambucinum)、フザリウム・サルコクロウム (Fusarium sarcochroum)、フザリウム・スポロトリキオイデス (Fusarium sporotrichioides)、フザリウム・スルフリウム (Fusarium sulphurium)、フザリウム・トルロクム (Fusarium torulocum)、フザリウム・トリコテキオイデス (Fusarium trichothecioides)、フザリウム・ベネナツム (Fusarium venenatum)、フミコラ・インソレンス (Humicola insolens)、フミコラ・ラヌギノサ (Humicola lanuginosa)、ムコール・ミエヘイ (Mucor miehei)、
ミセリオフトラ・サーモフィラ (Myceliophthora thermophila)、ニューロスポラ・クラッサ (Neurospora crassa)、ペニシリウム・パープロゲナム (Penicillium purpurogenum)、トリコデルマ・ハルジアナム (Tricoderma harzianum)、トリコデルマ・コニンギイ (Trichoderma koningii)、トリコデルマ・ロンギバキアツム (Trichoderma longibachiatum)、トリコデルマ・リーセイ (Trichoderma reesei)、トリコデルマ・ビリデ (Trichoderma viride)、チエラビア・アクロマチカ (Thielavia achromatica)、チエラビア・アルボマイセス (Thielavia albomyces)、チエラビア・アルボピロサ (Thielavia albopilosa)、チエラビア・アウストラレインシス (Thielavia australeinsis)、チエラビア・フィメチ (Thielavia fimeti)、チエラビア・ミクロスポラ (Thielavia microspora)、チエラビア・オビスポラ (Thielavia ovispora)、チエラビア・ペルビアナ (Thielavia peruviana)、チエラビア・スペデドニウム (Thielavia spededonium)、チエラビア・セトサ (Thielavia setosa)、チエラビア・スブテルモフィラ (Thielavia subthermophila)、チエラビア・テレストリス (Thielavia terrestris)、チエラビア・テリコラ (Thielavia terricola)、チエラビア・サーモフィラ (Thielavia thermophila)、チエラビア・バリオスポラ (Thielavia variospora) またはチエラビア・ワレインギル (Thielavia wareinngil) のβ-グルコシダーゼ活性を有するポリペプチドである。
他の好ましい面において、ポリペプチドはペニシリウム・ブラシリアヌム (Penicillium brasilianum)、ペニシリウム・カメンベルチイ (Penicillium camembertii)、ペニシリウム・カプスラツム (Penicillium capsulatum)、ペニシリウム・クリソゲヌム (Penicillium chrysogenum)、ペニシリウム・シトレオニグルム (Penicillium citreonigrum)、ペニシリウム・シトリヌム (Penicillium citrinum)、ペニシリウム・クラビフォルメ (Penicillium claviforme)、ペニシリウム・コリロフィルム (Penicillium corylophilum)、ペニシリウム・クルストスム (Penicillium crustosum)、ペニシリウム・ジジタツム (Penicillium digitatum)、ペニシリウム・エキスパンスム (Penicillium expansum)、ペニシリウム・フニクロスム (Penicillium funiculosum)、ペニシリウム・グラブルム (Penicillium glabrum)、ペニシリウム・グラヌラツム (Penicillium granulatum)、ペニシリウム・グリセオフルブム (Penicillium griseofulvum)、ペニシリウム・イスランジカム (Penicillium islandicum)、ペニシリウム・イタリカム (Penicillium italicum)、ペニシリウム・ジャンチネルム (Penicillium janthinellum)、
ペニシリウム・リビヅム (Penicillium lividum)、ペニシリウム・メガスポルム (Penicillium megasporum)、ペニシリウム・メリニイ (Penicillium melinii)、ペニシリウム・ノタツム (Penicillium notatum)、ペニシリウム・オキサリカム (Penicillium oxalicum)、ペニシリウム・プベルルム (Penicillium puberulum)、ペニシリウム・パープレセンス (Penicillium purpurescens)、ペニシリウム・パープロゲナム (Penicillium purpurogenum)、ペニシリウム・ロケフォルチイ (Penicillium roquefortii)、ペニシリウム・ルグロスム (Penicillium rugulosum)、ペニシリウム・スピヌロスム (Penicillium spinulosum)、ペニシリウム・ワクスマニイ (Penicillium waksmanii) またはペニシリウム (Penicillium) 種のβ-グルコシダーゼ活性を有するポリペプチドである。
より好ましい面において、ポリペプチドはペニシリウム・ブラシリアヌム (Penicillium brasilianum) のβ-グルコシダーゼ活性を有するポリペプチドである。最も好ましい面において、ポリペプチドはペニシリウム・ブラシリアヌム (Penicillium brasilianum) 株IBT 20888のβ-グルコシダーゼ活性を有するポリペプチド、例えば、配列番号2のポリペプチドまたはその成熟ポリペプチドである。
前述の種について、本発明は完全な状態および不完全な状態の両方、およびそれらが知られている種名に無関係に、他の分類学上の同等のもの、例えば、アナモルフを包含することが理解されるであろう。当業者は適当な同等のものを容易に認識するであろう。
これらの種の株は多数の微生物株保存機関、例えば、ATCC (American Type Culture Collection)、DSM (Deutsche Sammlung von Mikroorganismen und Zeilkulturen GmbH)、CBS (Centraalbureau Voor Schimmelcultures) およびNRRL (Agricultural Research Service Patent Culture Collection、Northern Regional Research Center) において公衆に対して容易にアクセス可能である。
さらに、このようなポリペプチドは、前述のプローブを使用して、他の源、例えば、天然 (例えば、土壌、堆肥、水およびその他) から単離された微生物から同定しそして得ることができる。天然の生息環境から微生物を単離する技術はこの分野において知られている。次いで、ポリヌクレオチドはこのような微生物のゲノムDNAまたはcDNAライブラリーを同様にスクリーニングすることによって得ることができる。いったんポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列が1または2以上のプローブで検出されると、当業者に十分に知られている技術により、ポリヌクレオチドを単離またはクローニングすることができる (例えば、Sambrook 他、1989、前掲、参照)。
また、本発明のポリペプチドは、ポリペプチドまたはそのフラグメントのN-末端またはC-末端に他のポリペプチドが融合されている、融合ポリペプチドまたは切断可能な融合ポリペプチドを包含する。融合ポリペプチドは、他のポリペプチドをコードするヌクレオチド配列 (またはその一部分) を本発明のヌクレオチド配列 (またはその一部分) に融合することによって製造される。融合ポリペプチドを製造する技術はこの分野において知られており、そしてポリペプチドをコードするコード配列がインフレームでありかつ融合したポリペプチドの発現が1または2以上の同一プロモーターおよびターミネーターの制御下にあるように、コード配列を連結することを包含する。
切断部位の例はは以下を包含するが、これらに限定されない:ジペプチドLys-ArgをコードするKex2部位 (Martin 他、2003、J. Ind. Microbiol. Biotechnol. 3: 568-76; Svetina 他、2006、J. Biotechnol. 76: 245-251; Rasmussen-Wilson 他、1997、Appl. Environ. Microbiol. 63: 3488-3493; Ward 他、1995、Biotechnology 13: 498-503; およびContreras 他、1991、Biotechnology 9: 378-381)、Ile-(GluまたはAsp)-Gly-Arg部位、これはアルギニン残基後において因子Xaプロテアーゼにより切断される (Eaton 他、1986、Biochem. 25: 505-612); Asp-Asp-Asp-Asp-Lys、これはリシン後においてエンテロキナーゼにより切断される (Collins-Racie 他、1995、Biotechnology 13: 982-987); His-Tyr-Glu部位またはHis-Tyr-Asp部位、これはジーンナーゼ (Genenase) Iにより切断される (Carter 他、1989、Proteins : Structure, Function, and Genetics 6: 240-248); Leu-Val-Pro-Arg-Gly-Ser部位、これはArg後においてトロンビンにより切断される (Stevens、2003、Drug Discovery World 4: 35-48); Glu-Asn-Leu-Tyr-Phe-Gln-Gly部位、これはGln後においてTEVプロテアーゼにより切断される (Stevens、2003、前掲); およびLeu-Glu-Val-Leu-Phe-Gln-Gly-Pro部位、これはGln後においてヒトライノウイルス3Cプロテアーゼから遺伝子操作された形態により切断される (Stevens、2003、前掲)。
ポリヌクレオチド
また、本発明は、β-グルコシダーゼ活性を有するポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含んでなるか、あるいはから成る単離されたポリヌクレオチドに関する。
好ましい面において、ヌクレオチド配列は配列番号1を含んでなるか、あるいはから成る。他の好ましい面において、ヌクレオチド配列は大腸菌 (E. coli) NRRL B-30860中に含有されるプラスミドpKKAB中に含有される配列を含んでなるか、あるいはから成る。他の好ましい面において、ヌクレオチド配列は配列番号1の成熟ポリペプチドコード配列を含んでなるか、あるいはから成る。他の好ましい面において、ヌクレオチド配列は配列番号1のヌクレオチド171〜2753を含んでなるか、あるいはから成る。
他の好ましい面において、ヌクレオチド配列は大腸菌 (E. coli) NRRL B-30860中に含有されるプラスミドpKKAB中に含有される成熟ポリペプチドコード領域を含んでなるか、あるいはから成る。また、本発明は、配列番号2のアミノ酸配列またはその成熟ポリペプチドを含んでなるか、あるいはから成るポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を包含し、これらは遺伝暗号のデジェネラシーにより配列番号1またはその成熟ポリペプチドコード配列と異なる。また、本発明は、β-グルコシダーゼ活性を有する配列番号2のフラグメントをコードする配列番号1のサブ配列に関する。
また、本発明は、β-グルコシダーゼ活性を有するポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含んでなるか、あるいはから成る単離されたポリヌクレオチドに関し、ここでポリペプチドはA-E-[ST]-[IV]-[KR]-G-[IM]-Q-[DS]-[ST]-G-V-[IV]-Aを含んでなる。
また、本発明は、配列番号1の成熟ポリペプチドコード配列中に少なくとも1つの突然変異を含んでなる突然変異体ポリヌクレオチドに関し、ここでヌクレオチド配列は配列番号2の成熟ポリペプチドをコードする。好ましい面において、成熟ポリペプチドは配列番号2のアミノ酸37〜878である。
ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを単離またはクローニングするために使用する技術はこの分野において知られており、そしてゲノムDNAからの単離、cDNAからの製造またはそれらの組合わせを包含する。このようなゲノムDNAからの本発明のポリヌクレオチドのクローニングは、例えば、よく知られているポリメラーゼ連鎖反応 (PCR) または共有する構造的特徴をもつクローニングされたDNAフラグメントを検出する発現ライブラリーの抗体スクリーニングにより実施することができる。例えば、下記の文献を参照のこと: Innis 他、1990、PCR: A Guide to Methods and Application、Academic Press、New York。他の核酸増幅手順、例えば、リガーゼ連鎖反応 (LCR)、結合活性化転写 (LAT) およびヌクレオチド配列に基づく増幅 (NASBA) を使用することができる。ポリヌクレオチドはペニシリウム (Penicillium) の菌株または他の生物または関係する生物からクローニングすることができ、こうして、例えば、ヌクレオチド配列のポリペプチドエンコード領域の対立遺伝子または種の変異型であることができる。
また、本発明は、配列番号1の成熟ポリペプチドコード配列に対して少なくとも60%、好ましくは少なくとも65%、より好ましくは少なくとも70%、より好ましくは少なくとも75%、より好ましくは少なくとも80%、より好ましくは少なくとも85%、より好ましくは少なくとも90%、さらに好ましくは少なくとも95%、最も好ましくは少なくとも96%、97%、98%または99%の同一性の程度を有し、活性ポリペプチドをコードする、ヌクレオチド配列を含んでなるか、あるいはから成る単離されたポリヌクレオチドに関する。好ましい面において、成熟ポリペプチドコード配列は配列番号1のヌクレオチド171〜2753である。
本発明のポリペプチドをコードするヌクレオチド配列の修飾は、そのポリペプチドに実質的に類似するポリペプチドの合成に必要であることがある。そのポリペプチドに 「実質的に類似する」 という用語は、ポリペプチドの天然に存在しない形態を意味する。これらのポリペプチドは、天然源から単離されたポリペプチドといくつかの操作された方法において異なり、例えば、比活性、熱安定性、pH最適値またはその他が異なる人工変異型であることができる。変異型の配列は、配列番号1のポリペプチドエンコード領域、例えば、そのサブ配列として提示されるヌクレオチド配列に基づいて、および/またはヌクレオチド配列によりコードされるポリペプチドの他のアミノ酸配列を生じないが、酵素の産生に意図される宿主生物のコドン使用頻度に対応するヌクレオチド置換の導入により、または異なるアミノ酸配列を生ずることができるヌクレオチド置換の導入により、構築することができる。ヌクレオチド配列の一般的説明については、例えば、下記の文献を参照のこと: Ford 他、1991、Protein Expression and Purification 2: 95-107。
当業者にとって明らかなように、このような置換は分子の機能に対して重大である領域の外側でなすことができかつなお活性ポリペプチドを生ずることができる。本発明の単離されたポリヌクレオチドによりコードされるポリペプチドの活性に対して必須であり、したがって好ましくは置換にさらされないアミノ酸残基は、この分野において知られている手順、例えば、位置指定突然変異誘発またはアラニン走査突然変異誘発に従い同定することができる (例えば、CunninghamおよびWella、1989、前掲、参照)。後者の技術において、突然変異を分子中のすべての正に帯電した残基に導入し、そして生ずる突然変異分子をβ-グルコシダーゼ活性について試験して、その分子の活性に対して重大であるアミノ酸残基を同定する。また、核磁気共鳴分析、結晶構造解析またはフォトアフィニティー標識化のような技術により決定される、三次元構造の分析により、基質-酵素の相互作用の部位を決定することができる (例えば、下記の文献を参照のこと: de Vos 他、1992、前掲; Smith 他、1992、前掲; Wiodaver 他、1992、前掲)。
また、本発明は、少なくとも非常に低いストリンジェンシイの条件下に、好ましくは少なくとも低いストリンジェンシイの条件下に、より好ましくは少なくとも中程度のストリンジェンシイ条件下に、より好ましくは少なくとも中程度〜高いストリンジェンシイ条件下に、なおより好ましくは少なくとも高いストリンジェンシイ条件下に、最も好ましくは少なくとも非常に高いストリンジェンシイ条件下に (i) 配列番号1の成熟ポリペプチドコード配列、 (ii) 配列番号1の成熟ポリペプチドコード配列中に含有されるcDNA配列または (iii) (i) または (ii) の相補的鎖とハイブリダイゼーションする本発明のポリペプチドをコードする単離されたポリヌクレオチド; または、本明細書において規定する、その対立遺伝子変異型またはサブ配列に関する。好ましい面において、成熟ポリペプチドコード配列は配列番号1のヌクレオチド171〜2753である。
また、本発明は、 (a) 少なくとも非常に低い、低い、中程度、中程度〜高い、高いまたは非常に高いストリンジェンシイ条件下に (i) 配列番号1の成熟ポリペプチドコード配列、 (ii) 配列番号1の成熟ポリペプチドコード配列中に含有されるcDNA配列または (iii) (i) または (ii) の相補的鎖とDNAの集団をハイブリダイゼーションさせ、そして (b) β-グルコシダーゼ活性を有するポリペプチドをコードする、ハイブリダイゼーションするポリヌクレオチドを単離することによって得られた単離されたポリヌクレオチドに関する。好ましい面において、成熟ポリペプチドコード配列は配列番号1のヌクレオチド171〜2753である。
核酸構築物
また、本発明は、制御配列と適合性の条件下に適当な発現宿主中でコード配列の発現を指令する1種または2種以上の制御配列に作用可能に連鎖された、本発明の単離されたポリヌクレオチドを含んでなる核酸構築物に関する。
本発明のポリペプチドをコードする単離されたポリヌクレオチドは、ポリペプチドを発現するように種々の方法で操作することができる。ベクター中にポリヌクレオチド配列を挿入する前に、ポリヌクレオチド配列を操作することは発現ベクターに依存して望ましいか、あるいは必要であることがある。ヌクレオチド配列を修飾する技術はこの分野においてよく知られている。
制御配列は適当なプロモーター配列、すなわち、本発明のポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを発現する宿主細胞により認識されるヌクレオチド配列であることができる。プロモーター配列は、ポリペプチドの発現を仲介する転写制御配列を含有する。プロモーターは、選択した宿主細胞において転写活性を示す任意のヌクレオチド配列であることができ、突然変異体、トランケーテッドおよびハイブリッドプロモーターを包含し、そして宿主細胞に対して相同的または異種的である細胞外または細胞内のポリペプチドをコードする遺伝子から得ることができる。
特に細菌宿主細胞において、本発明の核酸構築物の転写を指令するために適当なプロモーターの例は、下記から得られるプロモーターである: 大腸菌 (E. coli) lacオペロン、ストレプトマイセス・ケリコロル (Streptomyces coelicolor) アガロース遺伝子 (dagA)、バシラス・サチリス (Bacillus subtilis) レバンスクラーゼ遺伝子 (sacB)、バシラス・リヘニフォルミス (Bacillus licheniformis) α-アミラーゼ遺伝子 (amyL)、バシラス・ステアロサーモフィルス (Bacillus stearothermophilus) マルトジェニックアミラーゼ遺伝子 (amyM)、バシラス・アミロリクファシエンス (Bacillus amyloliquefaciens) α-アミラーゼ遺伝子 (amyQ)、バシラス・リヘニフォルミス (Bacillus licheniformis) ペニシリナーゼ遺伝子 (penP)、バシラス・サチリス (Bacillus subtilis) xylAおよびxylB遺伝子および原核生物のβ-ラクタマーゼ遺伝子 (Villa-Kamroff 他、1978、Proceedings of the National Academy of Sciences USA 75: 3727-3731) ならびにtacプロモーター (DeBoer 他、1983、Proceedings of the National Academy of Sciences USA 80: 21-25)。それ以上のプロモーターは下記の文献に記載されている: “Useful proteins from recombinant bacteria”、Scientific American 1980、242: 74-94; およびSambrook 他、1989、前掲。
糸状真菌宿主細胞において本発明の核酸構築物の転写を指令するために適当なプロモーターの例は、下記の遺伝子から得られるプロモーターおよびそれらの突然変異体、トランケーテッドおよびハイブリッドプロモーターである: アスペルギルス・オリゼ (Aspergillus oryzae) TAKAアミラーゼ、リゾムコル・ミエヘイ (Rhizomucor miehei) アスパラギン酸プロテイナーゼ、アスペルギルス・ニガー (Aspergillus niger) 中性α-アミラーゼ、アスペルギルス・ニガー (Aspergillus niger) 酸安定性α-アミラーゼ、アスペルギルス・ニガー (Aspergillus niger) またはアスペルギルス・アワモリ (Aspergillus awamori) グルコアミラーゼ (glaA)、リゾムコル・ミエヘイ (Rhizomucor miehei) リパーゼ、アスペルギルス・オリゼ (Aspergillus oryzae) アルカリ性プロテアーゼ、アスペルギルス・オリゼ (Aspergillus oryzae) トリオースリン酸イソメラーゼ、アスペルギルス・ニヅランス (Aspergillus nidulans) アセトアミダーゼ、フザリウム・ベネナツム (Fusarium venenatum) アミログルコアミラーゼ (WO 00/56900)、フザリウム・ベネナツム (Fusarium venenatum) ダリア (Daria) (WO 00/56900)、フザリウム・ベネナツム (Fusarium venenatum) クイン (Quinn) (WO 00/56900)、フザリウム・オキシスポラム (Fusarium oxysporum) トリプシン様プロテアーゼ (WO 96/00787)、
トリコデルマ・リーセイ (Trichoderma reesei) β-グルカナーゼ、トリコデルマ・リーセイ (Trichoderma reesei) セルロビオヒドラーゼI、トリコデルマ・リーセイ (Trichoderma reesei) セルロビオヒドラーゼII、トリコデルマ・リーセイ (Trichoderma reesei) エンドグルカナーゼI、トリコデルマ・リーセイ (Trichoderma reesei) エンドグルカナーゼII、トリコデルマ・リーセイ (Trichoderma reesei) エンドグルカナーゼIII、トリコデルマ・リーセイ (Trichoderma reesei) エンドグルカナーゼIV、トリコデルマ・リーセイ (Trichoderma reesei) エンドグルカナーゼV、トリコデルマ・リーセイ (Trichoderma reesei) キシラナーゼI、トリコデルマ・リーセイ (Trichoderma reesei) キシラナーゼII、トリコデルマ・リーセイ (Trichoderma reesei) β-キシロシダーゼならびにNA2-tpiプロモーター (アスペルギルス・ニガー (Aspergillus niger) 中性α-アミラーゼおよびアスペルギルス・オリゼ (Aspergillus oryzae) トリオースリン酸イソメラーゼの遺伝子からのプロモーターのハイブリッド)。
酵母宿主において、有効なプロモーターは下記の遺伝子から得られるプロモーターである: サッカロマイセス・セレビシエ (Saccharomyces cerevisiae) エノラーゼ (ENO-1)、サッカロマイセス・セレビシエ (Saccharomyces cerevisiae) ガラクトキナーゼ (GAL1)、サッカロマイセス・セレビシエ (Saccharomyces cerevisiae) アルコールデヒドロゲナーゼ/グリセルアルデヒド-3-ホスフェートデヒドロゲナーゼ (ADH1、ADH2/GAP)、サッカロマイセス・セレビシエ (Saccharomyces cerevisiae) トリオースリン酸イソメラーゼ (TPI)、サッカロマイセス・セレビシエ (Saccharomyces cerevisiae) メタロチオネイン (CUP1) およびサッカロマイセス・セレビシエ (Saccharomyces cerevisiae) 3-ホスホグリセリン酸キナーゼ。酵母宿主細胞に有効な他のプロモーターは下記の文献に記載されている: Romanos 他、1992、Yeast 8: 423-488。
また、制御配列は適当な転写停止配列、すなわち、転写を停止するために宿主細胞により認識される配列であることができる。ターミネーター配列は、ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列の3’末端に作用可能に連鎖されている。選択した宿主細胞において機能的である任意のターミネーターを本発明において使用することができる。
糸状真菌宿主細胞のために好ましいターミネーターは下記の遺伝子から得られる: アスペルギルス・オリゼ (Aspergillus oryzae) TAKAアミラーゼ、アスペルギルス・ニガー (Aspergillus niger) グルコアミラーゼ、アスペルギルス・ニヅランス (Aspergillus nidulans) アントラニル酸シンターゼ、アスペルギルス・ニガー (Aspergillus niger) α-グルコシダーゼおよびフザリウム・オキシスポラム (Fusarium oxysporum) トリプシン様プロテアーゼ。
酵母宿主細胞のために好ましいターミネーターは下記の遺伝子から得られる: サッカロマイセス・セレビシエ (Saccharomyces cerevisiae) エノラーゼ、サッカロマイセス・セレビシエ (Saccharomyces cerevisiae) シトクロムC (CYC1) およびサッカロマイセス・セレビシエ (Saccharomyces cerevisiae) グリセルアルデヒド-3-リン酸デヒドロゲナーゼ。酵母宿主細胞に有効な他のターミネーターは下記の文献に記載されている: Romanos 他、1992、前掲。
また、制御配列は適当なリーダー配列、すなわち、宿主細胞による翻訳に重要であるmRNAの非翻訳領域であることができる。リーダー配列は、ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列の5'末端に作用可能に連鎖されている。選択した宿主細胞において機能的である任意のリーダー配列を本発明の方法において使用できる。
糸状真菌宿主細胞に好ましいリーダーは、アスペルギルス・オリゼ (Aspergillus oryzae) TAKAアミラーゼおよびアスペルギルス・ニヅランス (Aspergillus nidulans) トリオースリン酸イソメラーゼの遺伝子から得られる。
酵母宿主細胞に適当なリーダーは下記の遺伝子から得られる: サッカロマイセス・セレビシエ (Saccharomyces cerevisiae) エノラーゼ (ENO-1)、サッカロマイセス・セレビシエ (Saccharomyces cerevisiae) 3-ホスホグリセリン酸キナーゼ、サッカロマイセス・セレビシエ (Saccharomyces cerevisiae) α-因子およびサッカロマイセス・セレビシエ (Saccharomyces cerevisiae) アルコールデヒドロゲナーゼ/グリセルアルデヒド-3-リン酸デヒドロゲナーゼ (ADH2/GAP)。
また、制御配列はポリアデニル化配列、すなわち、ヌクレオチド配列の3’末端に作用可能に連鎖されており、そして転写されたとき、ポリアデノシン残基を転写されたmRNAに付加するシグナルとして宿主細胞により認識される配列である。選択した宿主細胞において機能的である任意のポリアデニル化配列を本発明において使用することができる。
糸状真菌宿主細胞に好ましいポリアデニル化配列は下記の遺伝子から得られる: アスペルギルス・オリゼ (Aspergillus oryzae) TAKAアミラーゼ、アスペルギルス・ニガー (Aspergillus niger) グルコアミラーゼ、アスペルギルス・ニヅランス (Aspergillus nidulans) アントラニル酸シンターゼ、フザリウム・オキシスポラム (Fusarium oxysporum) トリプシン様プロテアーゼおよびアスペルギルス・ニガー (Aspergillus niger) α-グルコシダーゼ。
酵母宿主細胞に有効なポリアデニル化配列は下記の文献に記載されている: GuoおよびSherman、1995、Molecular Cellular Biology 15: 5983-5990。
また、制御配列は、ポリペプチドのアミノ末端に結合したアミノ酸配列をコードしかつコードされたポリペプチドを細胞の分泌経路に向ける、シグナルペプチドコード領域であることができる。ヌクレオチド配列のコード配列の5’末端は、分泌されたポリペプチドをコードするコード領域のセグメントと翻訳リーデイングフレームで自然に結合した、シグナルペプチドコード領域を固有に含有することがある。選択的に、コード配列の5’末端は制御配列に対して外来性であるシグナルペプチドコード領域を含有することがある。
コード配列がシグナルペプチドコード領域を自然に含有しない場合、外来性のシグナルペプチドコード領域は必要とされることがある。選択的に、外来性のシグナルペプチドコード領域を自然のシグナルペプチドコード領域と単に置換して、ポリペプチドの分泌を増強することができる。しかしながら、発現されたポリペプチドを選択した宿主細胞の分泌経路に向ける、すなわち、培地中に分泌された、シグナルペプチドコード領域を本発明において使用することができる。
細菌宿主細胞に有効なシグナルペプチドコード領域は下記の遺伝子から得られるシグナルペプチドコード領域である: バシラス (Bacillus) NCIB 11837マルトジェニックアミラーゼ、バシラス・ステアロサーモフィルス (Bacillus stearothermophilus) α-アミラーゼ、バシラス・リヘニフォルミス (Bacillus licheniformis) スブチリシン、バシラス・リヘニフォルミス (Bacillus licheniformis) β-ラクタマーゼ、バシラス・ステアロサーモフィルス (Bacillus stearothermophilus) 中性プロテアーゼ (nprT、nprS、nprM) およびバシラス・サチリス (Bacillus subtilis) prsA。それ以上のシグナルペプチドは下記の文献に記載されている: SimonenおよびPalva、1993、Microbiological Reviews 57: 109-137。
糸状真菌宿主細胞に有効なシグナルペプチドコード領域は、下記の遺伝子から得られるシグナルペプチドコード領域である: アスペルギルス・オリゼ (Aspergillus oryzae) TAKAアミラーゼ、アスペルギルス・ニガー (Aspergillus niger) 中性アミラーゼ、アスペルギルス・ニガー (Aspergillus niger) グルコアミラーゼ、リゾムコル・ミエヘイ (Rhizomucor miehei) アスパラギン酸プロテアーゼ、フミコラ・インソレンス (Humicola insolens) セルラーゼ、フミコラ・インソレンス (Humicola insolens) エンドグルカナーゼVおよびフミコラ・ラヌギノサ (Humicola lanuginosa) リパーゼ。
好ましい面において、シグナルペプチドは配列番号2のアミノ酸1〜19である。他の好ましい面において、シグナルペプチドコード領域は配列番号2のアミノ酸1〜19をコードする配列番号1のヌクレオチド6〜62である。
酵母宿主細胞に有効なシグナルペプチドは、サッカロマイセス・セレビシエ (Saccharomyces cerevisiae) α-因子およびサッカロマイセス・セレビシエ (Saccharomyces cerevisiae) インベルターゼの遺伝子から得られる。他の有効なシグナルペプチドコード領域は下記の文献に記載されている: Romanos 他、1992、前掲。
また、制御配列は、ポリペプチドのアミノ末端に位置するアミノ酸配列をコードするプロペプチドコード領域であることができる。生ずるポリペプチドはプロ酵素またはプロポリペプチド (またはある場合においてチモーゲン) として知られている。プロポリペプチドは一般に不活性であり、そしてプロポリペプチドからのプロペプチドの触媒的または自己触媒的切断により、成熟活性ポリペプチドに転化することができる。プロペプチドコード領域は下記の遺伝子から得ることができる: バシラス・サチリス (Bacillus subtilis) アルカリ性プロテアーゼ (aprE)、バシラス・サチリス (Bacillus subtilis) 中性プロテアーゼ (nprT)、サッカロマイセス・セレビシエ (Saccharomyces cerevisiae) α-因子、リゾムコル・ミエヘイ (Rhizomucor miehei) アスパラギン酸プロテイナーゼおよびミセリオフトラ・サーモフィラ (Myceliophthora thermophila) ラッカーゼ (WO 95/33836)。
好ましい面において、プロペプチドは配列番号2のアミノ酸20〜36である。他の好ましい面において、プロペプチドコード領域は配列番号1のヌクレオチド63〜170であるか、あるいは配列番号2のアミノ酸20〜36をコードするそのcDNA配列である。
シグナルペプチドおよびプロペプチドの両方の領域がポリペプチドのアミノ末端に存在する場合、プロペプチド領域はポリペプチドのアミノ末端の次に位置し、そしてシグナルペプチド領域はプロペプチド領域のアミノ末端の次に位置する。
また、宿主細胞の生長に関してポリペプチドの発現の調節を可能とする調節配列を付加することが望ましいことがある。調節系の例は、化学的または物理的刺激、例えば、調節化合物の存在に応答して遺伝子の発現をオンまたはオフにする系である。原核生物の系における調節系はlac、tacおよびtrpオペレーター系を包含する。酵母において、ADH2系またはGAL1系を使用することができる。糸状真菌において、TAKAα-アミラーゼのプロモーター、アスペルギルス・ニガー (Aspergillus niger) グルコアミラーゼのプロモーターおよびアスペルギルス・オリゼ (Aspergillus oryzae) グルコアミラーゼのプロモーターを調節配列として使用することができる。調節配列の他の例は、遺伝子の増幅を可能とするものである。真核生物系において、これらはメトトレキセートの存在下に増幅されるジヒドロ葉酸レダクターゼ遺伝子および重金属で増幅されるメタロチオネイン遺伝子を包含する。これらの場合において、ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列は調節配列と作用可能に連鎖されるであろう。
発現ベクター
また、本発明は、本発明のポリヌクレオチド、プロモーター、転写停止シグナルおよび翻訳停止シグナルを含んでなる組換え発現ベクターに関する。前述の種々の核酸および制御配列を一緒に結合させて、1または2以上の好都合な制限部位を包含することができる組換え発現ベクターを製造し、このような部位におけるポリペプチドをコードするヌクレオチド配列の挿入または置換を可能とすることができる。選択的に、ヌクレオチド配列またはヌクレオチド配列を含んでなる核酸構築物を適当な発現用ベクター中に挿入することによって、本発明のヌクレオチド配列を発現させることができる。発現ベクターをつくるとき、コード配列が発現のために適当な制御配列に作用可能に連鎖されるように、コード配列はベクター中に位置する。
組換え発現ベクターは組換えDNA手順に好都合に付すことができ、そしてヌクレオチド配列を発現させることができる任意のベクター (例えば、プラスミドまたはウイルス) であることができる。典型的には、ベクターの選択はベクターを導入すべき宿主細胞とのベクターの適合性に依存するであろう。ベクターは線形または閉じた円形のプラスミドであることができる。
ベクターは自律的に複製するベクター、すなわち、染色体外の実在物として存在するベクターであることができ、その複製は染色体の複製に対して独立である。このようなベクターの例は、プラスミド、染色体外因子、ミニ染色体または人工的染色体である。ベクターは自己複製を保証する手段を含有することができる。選択的に、ベクターは、宿主細胞中に導入したとき、ゲノム中に組込まれ、そしてそれが組込まれている1または2以上の染色体と一緒に複製するものであることができる。さらに、単一のベクターまたはプラスミドであるか、あるいは宿主細胞のゲノムの中に導入すべき全DNAを一緒になって含有する2またはそれ以上のベクターまたはプラスミド、またはトランスポゾンを使用することができる。
本発明のベクターは、形質転換された、トランスフェクトされたトランスデュースされた細胞またはその他の細胞の容易な選択を可能とする1または2以上の選択可能なマーカーを含有することが好ましい。選択可能なマーカーは、その産物が生物致死剤またはウイルスに対する耐性、重金属に対する耐性、栄養要求性株に対するプロトトロフィーおよびその他を提供する遺伝子である。
細菌の選択可能なマーカーの例はバシラス・サチリス (Bacillus subtilis) またはバシラス・リヘニフォルミス (Bacillus licheniformis) からのdal遺伝子であるか、あるいは抗生物質耐性、例えば、アンピシリン、カナマイシン、クロラムフェニコールまたはテトラサイクリンの耐性を付与するマーカーである。酵母宿主細胞に適当なマーカーはADE2、HIS3、LEU2、LYS2、MET3、TRP1およびURA3である。糸状真菌宿主細胞において使用する選択可能なマーカーは下記のものを包含するが、これらに限定されない:amdS (アセトアミダーゼ)、argB (オルニチンカルバモイルトランスフェラーゼ)、bar (ホスフィノトリシンアセチルトランスフェラーゼ)、hph (ヒグロマイシンホスホトランスフェラーゼ)、niaD (硝酸レダクターゼ)、pyrG (オロチジン-5’-ホスフェートデカルボキシラーゼ)、sC (硫酸アデニルトランスフェラーゼ) およびtrpC (アントラニレートシンターゼ) ならびにそれらの同等物。アスペルギルス・ニヅランス (Aspergillus nidulans) またはアスペルギルス・オリゼ (Aspergillus oryzae) のamdSおよびpyrG遺伝子およびストレプトマイセス・ヒグロスコピカス (Streptomyces hygroscopicus) のbar遺伝子は、アスペルギルス (Aspergillus) 細胞において使用するために好ましい。
本発明のベクターは、宿主細胞ゲノム中への安定な組込みまたはゲノムに対して独立に細胞中のベクターの自律的複製を可能とする、1または2以上の因子を含有することが好ましい。
宿主細胞ゲノム中への組込みのために、ベクターはポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列に頼るか、あるいは相同的または非相同的組換えによりベクターをゲノム中に安定に組込むベクターの任意の他の因子に頼ることができる。選択的に、ベクターは相同的組換えにより組込みを宿主細胞ゲノムにおいて1または2以上の染色体中の1または2以上の正確な位置に向ける追加のヌクレオチド配列を含有することができる。正確な位置における組込みの確度を増加させるために、組込み因子は好ましくは十分な数の核酸、例えば、100〜10,000塩基対、より好ましくは400〜10,000塩基対、最も好ましくは800〜10,000塩基対を含有し、これらは対応するターゲット配列と高度に相同的であって相同的組換えの確率を増加させる。組込み因子は、宿主細胞ゲノム中のターゲット配列と相同的である任意の配列であることができる。さらに、組込み因子は非エンコーディングヌクレオチド配列またはエンコーディングヌクレオチド配列であることができる。他方において、ベクターは非相同的組換えにより宿主細胞ゲノム中に組込むことができる。
自律的複製のために、ベクターは問題の宿主細胞中でベクターを自律的に複製させる複製起点をさらに含んでなることができる。複製起点は、細胞中で機能する自律的複製を仲介する任意のプラスミドレプリケーターであることができる。用語 「複製起点」 または 「プラスミドレプリケーター」 は、本明細書において、プラスミドまたはベクターのin vivo複製を可能とするヌクレオチド配列であると定義される。
細菌の複製起点の例は、大腸菌 (E. coli) における複製を可能とするプラスミドpBR322、pUC19、pACYC177およびpACYC184の複製起点、およびバシラス (Bacillus) における複製を可能とすプラスミドpUB110、pE194、pTA1060およびpAMβ1の複製起点である。
酵母宿主細胞において使用する複製起点の例は、2ミクロンの複製起点、ARS1、ARS4、ARS1とCEN3との組合わせおよびARS4とCEN6との組合わせである。
糸状真菌細胞において有効な複製起点の例は、AMA1およびANS1である (Gems 他、1991、Gene 98: 61-67; Cullen 他、1987、Nucleic Acids Research 15: 9163-9175; WO 00/24883) 。AMA1の遺伝子の単離およびこの遺伝子を含んでなるプラスミドまたはベクターの構築は、WO 00/24883に記載されている方法に従い達成できる。
本発明のポリヌクレオチドの2以上のコピーを宿主細胞中に挿入して、遺伝子産物の産生を増加させることができる。ポリヌクレオチドのコピー数は宿主細胞ゲノムの中に少なくとも1つ追加の配列のコピーを組込むか、あるいは細胞が選択可能なマーカー遺伝子の増幅したコピーを含有する場合、ポリヌクレオチドをもつ増幅可能、選択可能なマーカーを含めることによって増加させることができ、これにより細胞を適当な選択可能な因子の存在下に培養することによって、ポリヌクレオチドの追加のコピーを選択することができる。
前述の因子を結合して本発明の組換え発現ベクターを構築するために使用する手順はこの分野においてよく知られている (例えば、下記の文献を参照のこと: Sambrook 他、1989、前掲) 。
宿主細胞
また、本発明は、ポリペプチドの組換え製造において好都合に使用される、本発明のポリヌクレオチドを含んでなる、組換え宿主細胞に関する。本発明のポリヌクレオチドを含んでなるベクターを宿主細胞中に導入して、ベクターを染色体組込み体としてまたは前述した自己複製染色体外ベクターとして維持する。用語 「宿主細胞」 は、複製間に起こる突然変異のために、親細胞と同一ではない親細胞の子孫を包含する。宿主細胞の選択は、大きい程度に、ポリペプチドをコードする遺伝子およびその源に依存する。
宿主細胞は単細胞微生物、例えば、原核生物、または非単細胞微生物、例えば、真核生物であることができる。
有効な単細胞微生物は細菌細胞、例えば、グラム陽性細菌およびグラム陰性細菌である。グラム陽性細菌は下記を包含するが、これらに限定されない: バシラス (Bacillus)、ストレプトコッカス (Streptococcus)、ストレプトマイセス (Streptomyces)、スタフィロコッカス (Staphylococcus)、エンテロコッカス (Enterococcus)、ラクトバシラス (Lactobacillus)、ラクトコッカス (Lactococcus)、クロストリジウム (Clostridium)、ゲオバシラス (Geobacillus) およびオセアノバシラス (Oceanobacillus)。グラム陰性細菌は下記を包含するが、これらに限定されない: 大腸菌 (E. coli)、シュードモナス (Pseudomonas)、サルモネラ (Salmonella)、カンピロバクター (Campylobacter)、ヘリコバクター (Helicobacter)、フラボバクテリウム (Flavobcterium)、フソバクテリウム (Fusobacterium)、イリオバクター (Ilyobacter)、ナイセリア (Neisseria) およびウレアプラスマ (Ureaplasma)。
細菌宿主細胞は任意のバシラス (Bacillus) 細胞であることができる。本発明の実施において有効なバシラス (Bacillus) 細胞は下記を包含するが、これらに限定されない: バシラス・アルカロフィルス (Bacillus alkalophillus)、バシラス・アミロリクファシエンス (Bacillus amyloliquefaciens)、バシラス・ブレビス (Bacillus brevis)、バシラス・サーキュラン (Bacillus circulans)、バシラス・クラウシイ (Bacillus clausii)、バシラス・コアギュランス (Bacillus coagulans)、バシラス・フィルムス (Bacillus firmus)、バシラス・ラウツス (Bacillus lautus)、バシラス・レンツス (Bacillus lentus)、バシラス・リヘニフォルミス (Bacillus licheniformis)、バシラス・メガテリウム (Bacillus megaterium)、バシラス・ピュミルス (Bacillus pumilus)、バシラス・ステアロサーモフィラス (Bacillus stearothermophilus)、バシラス・サチリス (Bacillus subtilis) およびバシラス・スリンジェンシス (Bacillus thuringiensis) の細胞。
好ましい面において、細菌宿主細胞はバシラス・アミロリクファシエンス (Bacillus amyloliquefaciens)、バシラス・レンツス (Bacillus lentus)、バシラス・リヘニフォルミス (Bacillus licheniformis)、バシラス・ステアロサーモフィラス (Bacillus stearothermophilus) またはバシラス・サチリス (Bacillus subtilis) の細胞である。より好ましい面において、細菌宿主細胞はバシラス・アミロリクファシエンス (Bacillus amyloliquefaciens) 細胞である。他のより好ましい面において、細菌宿主細胞はバシラス・クラウシイ (Bacillus clausii) 細胞である。他のより好ましい面において、細菌宿主細胞はバシラス・リヘニフォルミス (Bacillus licheniformis) 細胞である。他のより好ましい面において、細菌宿主細胞はバシラス・サチリス (Bacillus subtilis) 細胞である。
細菌宿主細胞は任意のストレプトコッカス (Streptococcus) 細胞であることができる。本発明の実施において有効なストレプトコッカス (Streptococcus) 細胞は下記を包含するが、これらに限定されない: ストレプトコッカス・エクイシミリス (Streptococcus equisimilis)、ストレプトコッカス・ピオゲネス (Streptococcus pyogenes)、ストレプトコッカス・ウベリス (Streptococcus uberis) およびストレプトコッカス・エクイ亜種(Streptococcus equi) 亜種ズーエピデミカス (Zooepidemicus) の細胞。
他の好ましい面において、細菌宿主細胞はストレプトコッカス・エクイシミリス (Streptococcus equisimilis) 細胞である。他の好ましい面において、細菌宿主細胞はストレプトコッカス・ピオゲネス (Streptococcus pyogenes) 細胞である。他の好ましい面において、細菌宿主細胞はストレプトコッカス・ウベリス (Streptococcus uberis) 細胞である。他の好ましい面において、細菌宿主細胞はストレプトコッカス・エクイ亜種(Streptococcus equi) 亜種ズーエピデミカス (Zooepidemicus) 細胞である。
細菌宿主細胞は任意のストレプトマイセス (Streptomyces) 細胞であることができる。本発明の実施において有効なストレプトマイセス (Streptomyces) 細胞は下記を包含するが、これらに限定されない: ストレプトマイセス・アキロモゲネス (Streptomyces achromogenes)、ストレプトマイセス・アベルミチリス (Streptomyces avermitilisi)、ストレプトマイセス・ケリコロル (Streptomyces coelicolor)、ストレプトマイセス・グリセウス (Streptomyces griseus) およびストレプトマイセス・リビダンス (Streptomyces lividans) の細胞である。
他の好ましい面において、細菌宿主細胞はストレプトマイセス・アキロモゲネス (Streptomyces achromogenes) 細胞である。他の好ましい面において、細菌宿主細胞はストレプトマイセス・アベルミチリス (Streptomyces avermitilisi) 細胞である。他の好ましい面において、細菌宿主細胞はストレプトマイセス・ケリコロル (Streptomyces coelicolor) 細胞である。他の好ましい面において、細菌宿主細胞はストレプトマイセス・グリセウス (Streptomyces griseus) 細胞である。他の好ましい面において、細菌宿主細胞はストレプトマイセス・リビダンス (Streptomyces lividans) 細胞である。
バシラス (Bacillus) 細胞の中へDNAの導入は、例えば、下記により実施することができる: プロトプラスト形質転換 (例えば、下記の文献を参照のこと: ChangおよびCohen、1979、Molecular General Genetics 168: 111-115)、コンピテント細胞の使用 (例えば、下記の文献を参照のこと: YoungおよびSpizizin、1961、Journal of Bacteriology 81: 823-829またはDubnauおよびDavidoff-Abelson、1971、Journal of Molecular Biology 56: 209-221)、エレクトロポレーション (例えば、下記の文献を参照のこと: SigekawaおよびDower、1988、Biotechniques 6: 742-751) または複合化 (例えば、下記の文献を参照のこと: KoehlerおよびThome、1987、Journal of Bacteriology 169: 5271-5278)。
大腸菌 (E. coli) 細胞の中へDNAの導入は、例えば、下記により実施することができる: プロトプラスト形質転換 (例えば、下記の文献を参照のこと: Hanahan、1983、J. Mol. Biol. 166: 557-580) またはエレクトロポレーション (例えば、下記の文献を参照のこと: Dower 他、1988、Nucleic Acids Res. 16: 6127-6145)。ストレプトマイセス (Streptomyces) 細胞の中へDNAの導入は、例えば、下記により実施することができる: プロトプラスト形質転換およびエレクトロポレーション (例えば、下記の文献を参照のこと: Gong 他、2004、Folia Microbiol. (Praha) 49: 399-405)、複合化 (例えば、下記の文献を参照のこと: Mazodier 他、1989、J. Bacteriol. 171: 3583-3585) またはトランスダクション (例えば、下記の文献を参照のこと: Burke 他、2001、Proc. Natl. Acad. Sci. USA 98: 6289-6294)。
シュードモナス (Pseudomonas) 細胞の中へDNAの導入は、例えば、下記により実施することができる: エレクトロポレーション (例えば、下記の文献を参照のこと: Choi 他、2006、J. Microbiol. Methods 64: 391-397) または複合化 (例えば、下記の文献を参照のこと: PinedoおよびSmets、2005、Appl. Environ. Microbiol. 71: 51-57)。ストレプトコッカス (Streptococcus) 細胞の中へDNAの導入は、例えば、下記により実施することができる: 自然の受容能 (例えば、下記の文献を参照のこと: PerryおよびKuramitsu、1981、Infect. Immun. 32: 1295-1297)、プロトプラスト形質転換 (例えば、下記の文献を参照のこと: CattおよびJollick、1991、Microbios. 68: 189-2070)、エレクトロポレーション (例えば、下記の文献を参照のこと: Buckley 他、1999、Appl. Environ. Microbiol. 65: 3800-3804) または複合化 (例えば、下記の文献を参照のこと: Clewell、1981、Microbiol. Rev. 45: 409-436)。しかしながら、この分野において知られている任意の方法を宿主細胞の中へのDNAの導入に使用できる。
宿主細胞は、また、真核生物、例えば、哺乳動物細胞、昆虫細胞、植物細胞または真菌細胞であることができる。
好ましい面において、宿主細胞は真菌細胞である。「真菌」は、本明細書において使用するとき、下記を包含する: 子嚢菌門 (Ascomycota)、担子菌門 (Basidiomycota)、ツボカビ菌門 (Chytridiomycota) および接合菌門 (Zygomycota) (下記において定義されている: Hawksworth 他、Ainsworth and Bisby’s Dictionary of The Fungi、第8版、1995、CAB International、University Press、英国ケンブリッジ) ならびに卵菌門 (Oomycota) (下記の文献に記載されている: Hawksworth 他、前掲、p. 171) およびすべての栄養胞子真菌 (Hawksworth 他、1995、前掲) 。
より好ましい面において、真菌宿主細胞は酵母細胞である。「酵母」は、本明細書において使用するとき、下記を包含する: 有子嚢胞子酵母 (エンドミセス目 (Endomycetales))、担子胞子酵母および不完全菌類 (Fungi Imperfecti) に属する酵母 (ブラストミセテス (Blastomycetes)) 。酵母の分類は、この出願の目的に対して、将来において変化することがあるので、酵母はBiology and Activities of Yeast に記載されているように定義されるであろう (Skinner F. A. およびDavenport R. R. 編者、Soc. App. Bacteriol. Symposium Series No. 9、1980)。
なおより好ましい面において、酵母宿主細胞は、カンジダ (Candida)、ハンセヌラ (Hansenula)、クルイベロマイセス (Kluyveromyces)、ピキア (Pichia)、サッカロマイセス (Saccharomyces)、シゾサッカロマイセス (Scizosaccharomyces)、またはヤロウィア (Yarrowia) の細胞である。
最も好ましい面において、酵母宿主細胞はサッカロマイセス・カリスベルゲンシス (Saccharomyces carisbergensis)、サッカロマイセス・セレビシエ (Saccharomyces cerevisiae)、サッカロマイセス・ジアスタチカス (Saccharomyces diastaticus)、サッカロマイセス・ドウグラシイ (Saccharomyces douglasii)、サッカロマイセス・クルイベリ (Saccharomyces kluyveri)、サッカロマイセス・ノルベンシス (Saccharomyces norbensis) またはサッカロマイセス・オビフォルミス (Saccharomyces oviformis) の細胞である。他の最も好ましい面において、酵母宿主細胞はクルイベロマイセス・ラクチス (Kluyveromyces lactis) 細胞である。他の最も好ましい面において、酵母宿主細胞はヤロウィア・リポリチカ (Yarrowia lipolytica) 細胞である。
他のより好ましい面において、真菌宿主細胞は糸状真菌の細胞であることができる。「糸状真菌」は、亜門の真菌門 (Eumycota) および卵菌門 (Oomycota) のすべての糸の形態を包含する (Hawksworth 他、1995、前掲において定義されている) 。糸状真菌は、キチン、セルロース、グルカン、キトサン、マンナンおよび他の複合多糖から構成されている菌糸体壁により特徴づけられる。栄養成長は菌糸の伸長により、そして炭素異化作用は無条件的に好気性である。対照的に、酵母、例えば、サッカロマイセス・セレビシエ (Saccharomyces cerevisiae) による栄養成長は単細胞葉状体の発芽により、そして炭素異化作用は発酵的であることがある。
なおより好ましい面において、糸状真菌宿主細胞は次の通りである: アクレモニウム (Acremonium)、アスペルギルス (Aspergillus)、アウレオバシジウム (Aureobasidium)、ブジェルカンデラ (Bjerkandera)、セリポリオプシス (Ceriporiopsis)、コプリヌス (Coprinus)、コリオルス (Coriolus)、クリプトコッカス (Cryptococcus)、フィリバシジウム (Filibasidium)、フザリウム (Fusarium)、フミコラ (Humicola)、マグナポルテ (Magnaporthe)、ケカビ (Mucor)、ミセリオフトラ (Myceliophthora)、ネオカリマスチックス (Neocallimastix)、ニューロスポラ (Neurospora)、ペシロマイセス (Paecilomyces)、ペニシリウム (Penicillium)、ファネロカエテ (Phanerochaete)、フレビア (Phlebia)、ピロマイセス (Piromyces)、プレウロツス (Pleurotus)、シゾフィルム (Schizophyllum)、タラロマイセス (Talaromyces)、テルモアスカス (Thermoascus)、チエラビア (Thielavia)、トリポクラジウム (Tolypocladium)、トラメテス (Trametes) またはトリコデルマ (Trichoderma) の細胞。
最も好ましい面において、糸状真菌宿主細胞は次の通りである: アスペルギルス・アワモリ (Aspergillus awamori)、アスペルギルス・フミガツス (Aspergillus fumigatus)、アスペルギルス・フェチヅス (Aspergillus foetidus)、アスペルギルス・ジャポニカス (Aspergillus japonicus)、アスペルギルス・ニヅランス (Aspergillus nidulans)、アスペルギルス・ニガー (Aspergillus niger) またはアスペルギルス・オリゼ (Aspergillus oryzae) の細胞。他の最も好ましい面において、糸状真菌宿主細胞は次の通りである: フザリウム・バクトリディオイデス (Fusarium bactridioides)、フザリウム・セレアリス (Fusarium cerealis)、フザリウム・クルックウェレンセ (Fusarium crookwellense)、フザリウム・クルモルム (Fusarium culmorum)、フザリウム・グラミネアラム (Fusarium graminearum)、フザリウム・グラミナム (Fusarium graminum)、フザリウム・ヘテロスポルム (Fusarium heterosporum)、フザリウム・ネグンジ (Fusarium negundi)、フザリウム・オキシスポラム (Fusarium oxysporum)、フザリウム・レチクラツム (Fusarium reticulatum)、フザリウム・ロセウム (Fusarium roseum)、フザリウム・サムブシヌム (Fusarium sambucinum)、フザリウム・サルコクロウム (Fusarium sarcochroum)、フザリウム・スポロトリキオイデス (Fusarium sporotrichioides)、フザリウム・スルフレウム (Fusarium sulphureum)、フザリウム・トルロクム (Fusarium torulocum)、フザリウム・トリコテキオイデス (Fusarium trichothecioides) またはフザリウム・ベネナツム (Fusarium venenatum) の細胞。
他の最も好ましい面において、糸状真菌宿主細胞は次の通りである: ブジェルカンデラ・アヅスタ (Bjerkandera adusta)、セリポリオプシス・アネイリナ (Ceriporiopsis aneirina)、セリポリオプシス・カレギエア (Ceriporiopsis caregiea)、セリポリオプシス・ギルヴェセンス (Ceriporiopsis gilvescens)、セリポリオプシス・パンノシンタ (Ceriporiopsis pannocinta)、セリポリオプシス・リブロサ (Ceriporiopsis rivulosa)、セリポリオプシス・スブルファ (Ceriporiopsis subrufa)、セリポリオプシス・スブベルミスポラ (Ceriporiopsis subvermispora)、コプリヌス・シネレウス (Coprinus cinereus)、コリオルス・ヒルスツス (Coriolusu hirsutus)、コリオルス・ヒルスツス (Coriolusu hirsutus)、フミコラ・インソレンス (Humicola insolens)、フミコラ・ラヌギノサ (Humicola lanuginosa)、ムコール・ミエヘイ (Mucor miehei)、ミセリオフトラ・サーモフィラ (Myceliophthora themophila)、ニューロスポラ・クラッサ (Neurospora crassa)、ペニシリウム・パープロゲナム (Penicillium purpurogenum)、ファネロカエテ・クリソスポリウム (Phanerochaete chrysosporium)、フレビア・ラジアタ (Phlebia radiata)、プレウロツス・エリンギル (Pleurotus eryngil)、チエラビア・テレストリス (Thielavia terrestris)、トラメテス・ビロサ (Trametes villosa)、トラメテス・ベルシコロル (Trametes versicolor)、トリコデルマ・ハルジアナム (Trichoderma harzianum)、トリコデルマ・コニンギイ (Trichoderma koningii)、トリコデルマ・ロンギブラキアツム (Trichoderma longibrachiatum)、トリコデルマ・リーセイ (Trichoderma reesei) またはトリコデルマ・ビリデ (Trichoderma viride) の細胞。
真菌細胞は、それ自体知られている方法におけるプロトプラストの形成、プロトプラストの形質転換および細胞壁の再生を包含する方法により形質転換することができる。アスペルギルス (Aspergillus) およびトリコデルマ (Trichoderma) 宿主細胞の形質転換に適当な手順は下記の文献に記載されている: EP 238 023およびYelton 他、1984、Proceedings of the National Academy of Sciences USA 81: 1470-1474。フザリウム (Fusarium) 種の形質転換に適当な方法は下記の文献に記載されている: Malardier 他、1989、Gene 78: 147-156およびWO 96/00787。酵母は下記の文献に記載されている手順を使用して形質転換することができる: BeckerおよびGuarente、編者Abelson J. N. およびSimon M. I. 、Guide to Yeast Genetics and Molecular Biology、Methods in Enzymology Vol. 194、pp. 182-187、Academic Press, Inc. 、New York; Ito 他、1983、Journal of Bacteriology 153: 163; およびHinnen 他、1978、Proceedings of the National Academy of Sciences USA 75: 1920。
製造方法
また、本発明は、下記の工程を含んでなる本発明のポリペプチドを製造する方法に関する: (a) ポリペプチドの製造を促進する条件下に野生型の形態でポリペプチドを製造できる細胞を培養し、そして (b) ポリペプチドを回収する。好ましくは、細胞はペニシリウム (Penicillium) 属、より好ましくはペニシリウム・ブラシリアヌム (Penicillium brasilianum)、最も好ましくはペニシリウム・ブラシリアヌム (Penicillium brasilianum) IBT 20888である。
また、本発明は、(a) ポリペプチドの製造を促進する条件下に宿主細胞を培養し、そして (b) ポリペプチドを回収することを含んでなる、ポリペプチドを製造する方法に関する。
また、本発明は、下記の工程を含んでなる本発明のポリペプチドを製造する方法に関する: (a) ポリペプチドの製造を促進する条件下に宿主細胞を培養し、ここで宿主細胞は配列番号1の成熟ポリペプチドコード配列中に少なくとも1つの突然変異を有する突然変異体ヌクレオチド配列を含んでなり、ここで突然変異体ヌクレオチド配列は配列番号2の成熟ポリペプチドから成るポリペプチドをコードし、そして (b) ポリペプチドを回収する。好ましい面において、成熟ポリペプチドは配列番号2のアミノ酸37〜878である。
本発明の製造方法において、この分野において知られている方法に従いポリペプチドの製造に適当な栄養培地中で細胞を培養する。例えば、震蘯フラスコ培養、小規模または大規模の発酵 (連続的、バッチ式、供給バッチ式または固体状態の発酵を包含する) により、ポリペプチドの発現および/または単離を可能とする適当な培地中でかつ条件下に実施される実験室または工業的発酵槽において、細胞を培養することができる。炭素源および窒素源および無機塩を含んでなる適当な栄養培地中で、この分野において知られている手順を使用して、培養を実施する。適当な培地は商業的供給会社から入手可能であるか、あるいは発表された組成に従い調製することができる (例えば、American Type Culture Collectionのカタログ)。ポリペプチドが栄養培地中に分泌される場合、それを培地から直接回収することができる。ポリペプチドが分泌されない場合、それは細胞ライゼイトから回収することができる。
ポリペプチドに対して特異的である、この分野において知られている方法を使用して、ポリペプチドを検出することができる。これらの検出方法は特異的抗体の使用、酵素産物の生成または酵素基質の消失を包含することができる。例えば、酵素アッセイを使用して、本明細書に記載するポリペプチドの活性を決定することができる。
生ずるポリペプチドはこの分野において知られている方法により回収することができる。例えば、ポリペプチドは下記を包含するが、これらに限定されない手順により回収することができる: 遠心、濾過、抽出、噴霧乾燥、蒸発または沈殿。
本発明のポリペプチドはこの分野において知られている種々の手順により精製して実質的に純粋なポリペプチド得ることができ、このような手順は下記を包含するが、これらに限定されない: クロマトグラフィー (例えば、イオン交換、アフィニティー、疎水性、クロマトフォーカシングおよびサイズ排除)、電気泳動手順 (例えば、調製用等電点電気泳動)、溶解度の差 (例えば、硫酸アンモニウム沈降法)、SDS-PAGEまたは抽出 (例えば、下記の文献を参照のこと: Protein Purification、J. -C. JansonおよびLars Ryden、編者、VCH Publishers、New York、1989)。
植物
また、本発明は、回収可能な量でポリペプチドを発現し、産生するように、本発明のβ-グルコシダーゼ活性を有するポリペプチドをコードするポリヌクレオチドで形質転換されたトランスジェニック植物、植物部分または植物細胞に関する。ポリペプチドは植物または植物部分から回収できる。選択的に、組換えポリペプチドを含有する植物または植物部分は、例えば、食物または飼料の品質を改良するために、例えば、栄養価、味の良さおよび流動学的性質を改良するために、または抗栄養因子を破壊するために使用できる。
トランスジェニック植物は、双子葉植物源または単子葉植物であることができる。単子葉植物の例は、イネ科植物、例えば、ナカハグサ (イチゴツナギ、イネ科、イチゴツナギ科)、飼料の草、例えば、フェスツカ (Festuca)、ロリウム (Lolium)、温帯イネ科植物、例えば、アグロスチス (Agrostis) および穀物、例えば、コムギ、カラスムギ、ライムギ、オオムギ、イネ、モロコシおよびトウモロコシ (コーン) である。
双子葉植物の例は、タバコ、マメ科植物、例えば、ハウチワマメ、ジャガイモ、テンサイ、エンドウマメ、ソラマメ・インゲン・ササゲの類およびダイズおよびアブラナ科植物 (アブラナ科 (Brassicaceae))、例えば、カリフラワー、ナタネおよび密接に関係するモデル生物アラビドプシス・タリアナ (Arabidopsis thaliana) である。
植物部分の例は、幹、カルス、葉、根、果実、種子および塊茎ならびにこれらの部分を含んでなる個々の組織、例えば、表皮、葉肉、柔組織、脈管組織および分裂組織である。また、特定の植物細胞隔室、例えば、葉緑体、アポプラスト、ミトコンドリア、液胞、ペルオキシソームおよび細胞質は植物部分であると考えられる。さらに、任意の植物細胞は、組織由来が何であっても、植物部分であると考えられる。同様に、植物部分、例えば、本発明の利用を促進するように単離された特定の組織および細胞は、また、考えられる植物部分、例えば、胚、内乳、アリューロンおよび種子外皮である。
また、このような植物、植物部分および植物細胞の子孫は本発明の範囲内に含まれる。
この分野において知られている方法に従い、本発明のポリペプチドを発現するトランスジェニック植物または植物細胞を構築することができる。簡単に述べると、本発明のポリペプチドをコードする1または2以上の発現構築物を植物宿主ゲノム中に組込み、そして生ずる修飾された植物または植物細胞をトランスジェニック植物または植物細胞に増殖させることによって、植物または植物細胞を構築する。
好都合には、発現構築物は核酸構築物であり、これは本発明のポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを含んでなり、このポリヌクレオチドは選択した植物または植物部分中のヌクレオチド配列の発現に必要な適当な調節配列に作用可能に連鎖されている。さらに、発現構築物はそれが組込まれている宿主細胞を同定するために有効な選択可能なマーカーと、問題の植物中に構築物を導入するために必要なDNA配列とを含んでなる (後者は使用すべきDNA導入法に依存する) 。
調節配列、例えば、プロモーターおよびターミネーター配列および必要に応じてシグナルまたはトラシット配列の選択は、例えば、ポリペプチドを発現しようとする時間、場所および方法に依存して決定される。例えば、本発明のポリペプチドをコードする遺伝子の発現は構成的または誘導可能であるか、あるいは発育、段階または組織に対して特異的であり、そして遺伝子産物は特定の組織または植物部分、例えば、種子または葉にターゲッティングすることができる。調節配列は、例えば、下記の文献に記載されている: Tague 他、1988、Plant Physiology 86: 506。
構成的発現のために、35S-CaMV、トウモロコシユビクイチン1およびイネアクチン1プロモーターを使用することができる (Franck 他、1980、Cell 21: 285-294; Christensen 他、1992、Plant Mol. Biol. 18: 675-689; Zhang 他、1991、Plant Cell 3: 1155-1165) 。器官特異的プロモーターは、例えば、次の通りである: 貯蔵シンク組織、例えば、種子、ジャガイモ塊茎および果実からのプロモーター (EdwardsおよびCoruzzi、1990、Ann. Rev. Genet. 24: 275-303) または代謝シンク組織、例えば、分裂組織からのプロモーター (Ito 他、1994、1994、Plant Mol. Biol. 24: 863-878)、種子特異的プロモーター、例えば、イネからのグルテリン、プロラミン、グロブリンまたはアルブミンのプロモーター (Wu 他、1998、Plant and Cell Physiology 39: 885-889)、ソラマメ・ナンテンハギ (Vicia faba) からのレグミンB4および未知の種子タンパク質遺伝子からのソラマメ・ナンテンハギ (Vicia faba) プロモーター (Conrad 他、1998、Journal of Plant Physiology 152: 708-711)、種子油ボディタンパク質からのプロモーター (Chen 他、1998、Plant and Cell Physiology 39: 935-941)、ブラシカ・ナプス (Brassica napus) からの貯蔵タンパク質napAプロモーターまたはこの分野において知られている、例えば、WO 91/14772に記載されている、任意の他の種子特異的プロモーター。
さらに、プロモーターは次のものであることができる: 葉特異的プロモーター、例えば、イネまたはトマトからのrbcsプロモーター (Kyozuka 他、1993、Plant Physiology 102: 991-1000)、クロレラウイルスアデニンメチルトランスフェラーゼ遺伝子プロモーター (MitraおよびHiggins、1994、Plant Molecular Biology 26: 85-93) またはイネからのaldP遺伝子プロモーター(Kagaya 他、1995、Molecular and General Genetics 248: 668-674) または傷誘導性プロモーター、例えば、ジャガイモpin2プロモーター (Xu 他、1993、Plant Molecular Biology 22: 573-588) 。同様に、プロモーターは非生物的処理、例えば、温度、乾燥または塩分変更により誘導可能であるであるか、あるいはプロモーターを活性化する外因的に適用された物質、例えば、エタノール、エストロゲン、植物ホルモン、例えば、エチレン、アブシジン酸およびジベレリン酸、および重金属により誘導することができる。
また、プロモーターエンハンサー因子を使用して、植物中の本発明のポリペプチドのより高い発現を達成することができる。例えば、プロモーターエンハンサー因子はプロモーターと、本発明のポリペプチドをコードするヌクレオチド配列との間に配置されたイントロンであることができる。例えば、Xu 他、1993、前掲には、発現を増強するためにイネアクチン1遺伝子の第1イントロンを使用することが開示されている。
選択可能なマーカーおよび発現構築物の他の部分は、この分野において入手可能なものから選択することができる。
核酸構築物をこの分野において知られている慣用技術、例えば、下記の技術に従い植物ゲノム中に組込む: アグロバクテリウム (Agrobacterium) 仲介形質転換、ウイルス仲介形質転換、マイクロインジェクション、粒子衝撃およびエレクトロポレーション (Gasser 他、1990、Science 244: 1293; Potrykus、1990、Bio/Technology 8: 535; Shimamoto 他、1989、Nature 338: 274) 。
現在、アグロバクテリウム・ツメファシエンス (Agrobacterium tumefaciens) 仲介遺伝子転移は、トランスジェニック双子葉植物を発生させるために選択される方法である (概観については下記の文献を参照のこと:HooykasおよびSchilpercort、1992、Plant Molecular Biology 19: 15-38) 。また、それは単子葉植物の形質転換に使用することもできるが、他の形質転換法はしばしばこれらの植物のために好ましい。現在、トランスジェニック単子葉植物を発生させるために選択される方法は、胚カルスまたは発育する胚の粒子衝撃 (形質転換性DNAで被覆した微視的金またはタングステン粒子) である (Christou、1992、Plant Journal 2: 275-281; Shimamoto、1994、Current Opinion Biotechnology 5: 158-162; Vasil 他、1992、Bio/Technology 10: 667-674) 。単子葉植物の別の形質転換法は、下記の文献に記載されているようにプロトプラスト形質転換に基づく: Omirulleh 他、1993、Plant Molecular Biology 21: 415-428。
形質転換後、当業者によく知られている方法に従い、その中に発現構築物を組込んで有する形質転換細胞を選択し、全植物に再生させる。しばしば形質転換手順は、再生間にまたは発生後に、例えば、下記の手順により選択遺伝子を選択的に排除するために設計される: 2つの別のT-DNA構築物との共形質転換または特異的リコンビナーゼによる選択遺伝子の部位特異的切除。
また、本発明は、下記工程を含んでなる本発明のポリペプチドを製造する方法に関する:(a) 本発明のβ-グルコシダーゼ活性を有するポリペプチドの産生を促す条件下に、本発明のポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを含んでなるトランスジェニック植物または植物細胞を培養し、そして (b) ポリペプチドを回収する。
β-グルコシダーゼ活性の除去および減少
また、本発明は、本発明のポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列または一部分を崩壊または欠失させ、これにより同一条件下に培養したとき親細胞よりも少ないポリペプチドを産生する突然変異体細胞を生じさることを含んでなる、親細胞の突然変異体を産生する方法に関する。
突然変異体細胞は、この分野においてよく知られている方法、例えば、挿入、崩壊、置換または欠失を使用して、本発明のポリペプチドをコードするヌクレオチド配列の発現を減少または排除することによって、構築することができる。修飾または不活性化すべきヌクレオチド配列は、例えば、コード領域または活性に必須であるその一部分であるか、あるいはコード領域の発現に必要な調節因子であることができる。このような調節配列または制御配列の例はプロモーター配列またはその機能的部分、すなわち、ヌクレオチド配列の発現に影響を与えるために十分である部分である。考えられる修飾のための他の制御配列は下記を包含するが、これらに限定されない: リーダー、ポリアデニル化配列、プロペプチド配列、シグナルペプチド配列、転写ターミネーターおよび転写アクチベーター。
ヌクレオチド配列の修飾または不活性化は、親細胞を突然変異誘発に付し、そしてヌクレオチド配列の発現が減少または排除された突然変異体細胞を選択することによって実施することができる。特異的またはランダムであることができる突然変異誘発は、例えば、適当な物理的または化学的突然変異誘発因子の使用、適当なオリゴヌクレオチドの使用またはDNA配列のPCR発生突然変異誘発により実施することができる。さらに、突然変異誘発はこれらの突然変異誘発因子の組合わせの使用により実施することができる。
本発明の目的に適当な物理的または化学的突然変異誘発因子の例は、紫外線 (UV) 照射、ヒドロキシルアミン、N-メチル-N’-ニトロ-N-ニトロソグアニジン (MNNG)、O-メチルヒドロキシルアミン、亜硝酸、エチルメタンスルホネート、重亜硫酸ナトリウム、ギ酸およびヌクレオチドアナローグである。
このような因子を使用するとき、突然変異誘発は典型的には突然変異誘発すべき親細胞を選択した突然変異誘発因子の存在下に適当な条件下にインキュベートし、そして遺伝子の発現を減少させるか、あるいは遺伝子を発現しない突然変異体細胞をスクリーニングおよび/または選択することによって実施される。
ヌクレオチド配列の修飾または不活性化は、遺伝子中の1または2以上のヌクレオチドまたは遺伝子の転写または翻訳に必要な調節因子の導入、置換または除去により達成することができる。例えば、ヌクレオチドを挿入または除去して、停止コドンを導入し、開始コドンを除去し、またはオープンリーディングフレームを変化させることができる。このような修飾または不活性化は、この分野において知られている方法に従い位置指定突然変異誘発またはPCR発生突然変異誘発により達成することができる。原理的には、修飾はin vivoで実施することができ、すなわち、修飾すべきヌクレオチド配列を発現する細胞に対して直接実施することができるが、修飾は以後例示するようにin vitroで実施することが好ましい。
細胞によるヌクレオチド配列の発現を排除または減少する好都合な方法の1例は、遺伝子の置換、遺伝子の欠失または遺伝子の崩壊の技術に基づく。例えば、遺伝子の崩壊法において、内因的ヌクレオチド配列に対応する核酸配列をin vitroで操作して欠陥のある核酸配列を生成し、次いでこれを親細胞中に形質転換して欠陥にある遺伝子を生成することである。相同的組換えにより、欠陥のある核酸配列は内因的ヌクレオチド配列を置換する。欠陥のあるヌクレオチド配列もまたヌクレオチド配列が修飾または破壊された形質転換体の選択に使用できるマーカーをコードすることが望ましいことがある。特に好ましい面において、ヌクレオチド配列は選択可能なマーカー、例えば、本明細書に記載するマーカーで崩壊される。
選択的に、ヌクレオチド配列の、修飾または不活性化は確立されたアンチセンスまたはRNAI技術によりヌクレオチド配列に対して相補的な配列を使用して実行することができる。さらに詳しくは、細胞によるヌクレオチド配列の発現は、細胞において転写されることができ、かつ細胞において産生されたmRNAに対してハイブリダイゼーションすることができる遺伝子のヌクレオチド配列に対して相補的な配列を導入することによって、減少または排除することができる。相補的アンチセンスヌクレオチド配列がmRNAに対してハイブリダイゼーションできるようにする条件下に、翻訳されるタンパク質の量はこうして減少または排除される。
さらに、本発明は、ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列またはその制御配列を崩壊または欠失し、親細胞と比較して少ないポリペプチドを産生するか、あるいはポリペプチドを産生しない突然変異体細胞を生ずる、親細胞の突然変異体に関する。
そのようにつくられたポリペプチド欠乏突然変異体細胞は、相同/異種ポリペプチドを発現させる宿主細胞として特に有効である。したがって、本発明は、さらに、下記の工程を含んでなる、相同または異種ポリペプチドを製造する方法に関する: (a) ポリペプチドの産生を促す条件下に突然変異体細胞を培養し、そして (b) ポリペプチドを回収する。用語 「異種ポリペプチド」 は宿主細胞に対して自然ではないポリペプチド、自然配列を変更するように修飾がなされている自然タンパク質、または組換えDNA技術による宿主細胞の操作の結果として発現が定量的に変更されている自然タンパク質として本明細書において定義される。
それ以上の面において、本発明は、発酵が完結する前、間または後に発酵ブロスにβ-グルコシダーゼ活性を阻害することができる有効量の因子を添加して、本発明のポリペプチドならびに問題のタンパク質生成物の両方を生成する細胞を発酵させ、問題の生成物を発酵ブロスから回収し、そして必要に応じて回収した生成物をさらに精製することによって、β-グルコシダーゼ活性を本質的に含まないタンパク質生成物を製造する方法に関する。
それ以上の面において、本発明は、生成物の発現を可能とする条件下に細胞を培養し、生ずる培養ブロスをpHおよび温度の組合わせた処理に付してβ-グルコシダーゼ活性を実質的に減少させ、そして培養ブロスから生成物を回収することによって、β-グルコシダーゼ活性を本質的に含まないタンパク質生成物を製造する方法に関する。選択的に、pHおよび温度の組合わせた処理は培養ブロスから回収した酵素調製物に対して実施することができる。必要に応じて、pHおよび温度の組合わせた処理はβ-グルコシダーゼインヒビターを使用する処置と組合わせて使用できる。
本発明のこの面によれば、β-グルコシダーゼ活性の少なくとも60%、好ましくは少なくとも75%、より好ましくは少なくとも85%、なおより好ましくは少なくとも95%、最も好ましくは少なくとも99%を除去することが可能である。この方法を使用して、β-グルコシダーゼ活性を完全に除去することができる。
好ましくは、pHおよび温度の組合わせた処理は9〜10の範囲のpHおよび少なくとも65℃の範囲の温度において必要な効果を達成するために十分な時間の間実施し、典型的には10〜30分が十分である。
問題の生成物の培養および精製に使用する方法は、この分野において知られている方法により実施することができる。
β-グルコシダーゼ活性を本質的に含まない生成物を製造する本発明の方法は、真核生物のポリペプチド、特に真菌タンパク質、例えば、酵素の製造において特に重要である。酵素は、例えば、デンプン分解酵素、脂肪分解酵素、セルロース分解酵素、オキシドレダクターゼまたは植物細胞壁分解酵素から選択することができる。このような酵素の例は下記を包含する: アミノペプチダーゼ、アミラーゼ、アミログルコシダーゼ、カルボヒドラーゼ、カルボキシペプチダーゼ、カタラーゼ、セルラーゼ、キチナーゼ、クチナーゼ、シクロデキストリングリコシルトランスフェラーゼ、デオキシリボヌクレアーゼ、エステラーゼ、ガラクトシダーゼ、β-ガラクトシダーゼ、グルコアミラーゼ、グルコースオキシダーゼ、グルコシダーゼ、ハロペルオキシダーゼ、ヘミセルラーゼ、インベルターゼ、イソメラーゼ、ラッカーゼ、リガーゼ、リパーゼ、リアーゼ、マンノシダーゼ、オキシダーゼ、ペクチン分解酵素、ペルオキシダーゼ、フィターゼ、フェノールオキシダーゼ、ポリフェノールオキシダーゼ、タンパク質分解酵素、リボヌクレアーゼ、トランスフェラーゼ、トランスグルタミナーゼまたはキシラナーゼ。また、β-グルコシダーゼ欠乏細胞を使用して、薬学上重要な異種タンパク質、例えば、ホルモン、増殖因子、レセプターおよびその他を発現させることができる。
用語 「真核生物のポリペプチド」 は天然のポリペプチドばかりでなく、かつまたアミノ酸の置換、欠失または付加により、あるいは活性、熱安定性、pH耐性およびその他を増強させるこのような修飾により修飾されたポリペプチド、例えば、酵素を包含することが理解されるであろう。
それ以上の面において、本発明は、本発明の方法により製造されたβ-グルコシダーゼ活性を本質的に含まないタンパク質生成物に関する。
組成物
また、本発明は、本発明のポリペプチドを含んでなる組成物に関する。好ましくは、組成物はこのようなポリペプチドに富んでいる。用語 「富んでいる」 は、組成物のβ-グルコシダーゼ活性が、例えば、1.1の増分係数で増加されていることを示す。
組成物は、主要な酵素成分として本発明のポリペプチドを含んでなり、例えば、1成分組成物である。選択的に、組成物は、多数の酵素添加物、例えば、アミノペプチダーゼ、アミラーゼ、カルボヒドラーゼ、カルボキシペプチダーゼ、カタラーゼ、セルラーゼ、キチナーゼ、クチナーゼ、シクロデキストリングリコシルトランスフェラーゼ、デオキシリボヌクレアーゼ、エステラーゼ、α-ガラクトシダーゼ、β-ガラクトシダーゼ、グルコアミラーゼ、α-グルコシダーゼ、β-グルコシダーゼ、ハロペルオキシダーゼ、インベルターゼ、ラッカーゼ、リパーゼ、マンノシダーゼ、オキシダーゼ、ペクチン分解酵素、ペプチドグルタミナーゼ、ペルオキシダーゼ、フィターゼ、ポリフェノールオキシダーゼ、タンパク質分解酵素、リボヌクレアーゼ、トランスグルタミナーゼまたはキシラナーゼを含んでなることができる。
1種または2種以上の追加の酵素を、例えば、下記に属する微生物により製造することができる: アスペルギルス (Aspergillus) 属、好ましくはアスペルギルス・アクレアツス (Aspergillus aculeatus)、アスペルギルス・アワモリ (Aspergillus awamori)、アスペルギルス・フミガツス (Aspergillus fumigatus)、アスペルギルス・フェチヅス (Aspergillus foetidus)、アスペルギルス・ジャポニカス (Aspergillus japonicus)、アスペルギルス・ニヅランス (Aspergillus nidulans)、アスペルギルス・ニガー (Aspergillus niger) またはアスペルギルス・オリゼ (Aspergillus oryzae) ; フザリウム (Fusarium)、好ましくはフザリウム・バクトリジオイデス (Fusarium bactridioides)、フザリウム・セレアリス (Fusarium cerealis)、フザリウム・クロックウェレンセ (Fusarium crookwellense)、フザリウム・クルモルム (Fusarium culmorum)、フザリウム・グラミネアラム (Fusarium graminearum)、フザリウム・グラミヌム (Fusarium graminum)、フザリウム・ヘテロスポルム (Fusarium heterosporum)、フザリウム・ネグンジ (Fusarium negundi)、フザリウム・オキシスポラム (Fusarium oxysporum)、フザリウム・レチクラツム (Fusarium reticulatum)、フザリウム・ロゼウム (Fusarium roseum)、フザリウム・サムブシヌム (Fusarium sambucinum)、フザリウム・サルコクロウム (Fusarium sarcochroum)、フザリウム・スルフリウム (Fusarium sulphurium)、フザリウム・トルロクム (Fusarium torulocum)、フザリウム・トリコテキオイデス (Fusarium trichothecioides) またはフザリウム・ベネナツム (Fusarium venenatum) ; フミコラ (Humicola)、好ましくはフミコラ・インソレンス (Humicola insolens) またはフミコラ・ラヌギノサ (Humicola lanuginosa) ; またはトリコデルマ (Trichoderma)、好ましくはトリコデルマ・ハルジアナム (Tricoderma harzianum)、トリコデルマ・コニンギイ (Trichoderma koningii)、トリコデルマ・ロンギバキアツム (Trichoderma longibachiatum)、トリコデルマ・リーセイ (Trichoderma reesei) またはトリコデルマ・ビリデ (Trichoderma viride) 。
ポリペプチド組成物はこの分野において知られている方法に従い製造することができ、そして液状または乾燥組成物の形態であることができる。例えば、ポリペプチド組成物は粒体または微小粒体の形態であることができる。組成物に添加すべきポリペプチドは、この分野において知られている方法に従い安定化することができる。
本発明のポリペプチド組成物の好ましい使用の例を後述する。本発明のポリペプチド組成物の投与量およびこの組成物を使用する他の条件はこの分野において知られている方法に基づいて決定ことができる。
使用
また、本発明は、後述するように、β-グルコシダーゼ活性を有するポリペプチドを使用する方法、またはその組成物に関する。
バイオマスの単糖類、二糖類および多糖類への分解
また、本発明は、有効量のβ-グルコシダーゼ活性を有するポリペプチドの存在下に有効量の1種または2種以上のセルロース分解タンパク質でセルロース材料を処理することを含んでなる、セルロース材料を分解または変換する方法に関する。
本発明のポリペプチドおよび宿主細胞は、本明細書に記載するように、エタノール、プラスチック、他の他の生成物または中間体を製造するために、バイオマスから化学的または発酵フィードストックとして単糖類、二糖類および多糖類を製造するとき使用することができる。β-グルコシダーゼ活性を有するポリペプチドは、細胞を除去したまたは除去しない粗製発酵ブロスの形態であるか、あるいは半精製または精製した酵素調製物の形態であることができる。また、β-グルコシダーゼタンパク質は1成分調製物、多成分タンパク質調製物または1成分調製物と多成分タンパク質調製物との組合わせであることができる。
あるいは、本発明の宿主細胞は、バイオマスを使用する発酵プロセスにおいてβ-グルコシダーゼ活性を有するポリペプチド源として使用することができる。また、宿主細胞はセルロース分解タンパク質ならびにバイオマスのプロセシングにおいて有効な他の酵素をコードする天然遺伝子または異種遺伝子を含有することができる。特に、本発明のポリペプチドおよび宿主細胞は、セルロースまたはヘミセルロースの部分的または完全な分解により、プロセシング残留物 (乾燥した蒸留穀粒、醸造からの使用済み穀粒、サトウキビバガスおよびその他) の価値を増加させるために使用できる。
バイオマスは下記を包含するが、これらに限定されない: 木材資源、都市の固体状廃棄物、作物および作物残留物 (例えば、下記の文献を参照のこと: Wiselogel 他、1995、Handbook on Bioethanol (Charles E. Wyman、編者)、pp. 105-118、Taylor & Francis、Washinton D. C. ; Wyman、1994、Bioresource Technology 50: 3-16; Lynd、1990、Applied Biochemistry and Biotechnology 24/25: 695-719; Mosier 他、1999、Recent Progress in Bioconversin of Lignocellulosics、Advances in Biochemical Engineering/Biotechnology、T. Schper、編集長、Vol. 65、pp. 23-40、Springer-Verlag、New York)。
バイオマスの一次細胞壁中の主な多糖はセルロースであり、第2 の最も豊富なものはヘミセルロースであり、そして第3はペクチンである。二次細胞壁は、細胞が増殖を停止した後生成され、また、多糖を含有し、そしてヘミセルロースに共有架橋したポリマーのリグニンにより強化されている。セルロースはアンヒドロセルビオースのホモポリマーであり、こうして線状β-(1-4)-D-グルカンであるが、ヘミセルロースは置換基のスペクトルをもつ複雑な分岐鎖状構造で種々の化合物、例えば、キシラン、キシログルカン、アラビノキシランおよびマンナンを含む。セルロースは一般に多形性であるが、主として平行のグルカン鎖の不溶性結晶質マトリックスとして植物組織中に見出される。ヘミセルロースは通常セルロースならびに他のヘミセルロースに水素結合しており、これは細胞壁のマトリックスの安定化を促進する。
本発明の方法において、セルロース分解タンパク質はセルロース材料をグルコースにプロセシングするとき、あるいはヘミセルロース材料をキシロース、マンノース、ガラクトースおよびアラビノースにプロセシングするとき関係する任意のタンパク質であることができ、それらのポリマーまたはそれらに由来する生成物は後述される。前述したように、本発明の宿主細胞はβ-グルコシダーゼ活性を有するポリペプチドの源として、そして天然または異種のセルロース分解タンパク質ならびにバイオマスのプロセシングにおいて有効な他の酵素の源として使用することができる。また、セルロース分解タンパク質は1成分調製物、例えば、セルラーゼ、多成分調製物、例えば、エンドグルカナーゼ、または多成分および1成分のタンパク質調製物の組合わせであることができる。セルロース分解タンパク質は酸性、中性またはアルカリ性pH範囲において、活性を有する、すなわち、セルロースを加水分解することができる。
セルロース分解タンパク質は真菌または細菌由来であることができ、セルロース分解酵素を産生することができることが知られている微生物、例えば、下記の種から得るか、あるいは単離し、精製することができる: バシラス (Bacillus)、シュードモナス (Pseudomonas)、フミコラ (Humicola)、コプリヌス (Coprinus)、チエラビア (Thielavia)、フザリウム (Fusarium)、ミセリオフトラ (Myceliophthora)、アクレモニウム (Acremonium)、セファロスポリウム (Cephalosporium)、シタリジウム (Scytalidium)、ペニシリウム (Penicillium) またはアスペルギルス (Aspergillus) (例えば、下記の文献を参照のこと: EP 458162)、ことに下記の種から産生されたもの: フミコラ・インソレンス (Humicola insolens) (シタリジウム・サーモフィルム (Scytalidium thermophilum) として再分類された、例えば、米国特許第4,435,307号参照)、コプリヌス・シネレウス (Coprinus cinereus)、フザリウム・オキシスポラム (Fusarium oxysporum)、ミセリオフトラ・サーモフィラ (Myceliophthora thermophila)、メリピルス・ギアンテウス (Meripilus giganteus)、チエラビア・テレストリス (Thielavia terrestris)、アクレモニウム (Acremonium) 種、
アクレモニウム・ペルシシヌム (Acremonium persicinum)、アクレモニウム・アクレモニウム (Acremonium acremonium)、アクレモニウム・ブラキペニウム (Acremonium brachypenium)、アクレモニウム・ジキロモスポルム (Acremonium dichromosporum)、アクレモニウム・オブクラバツム (Acremonium obclavatum)、アクレモニウム・ピンケルトニエ (Acremonium pinkertoniae)、アクレモニウム・ロセオグリセウム (Acremonium roseogriseum)、アクレモニウム・インコロラツム (Acremonium incoloratum) およびアクレモニウム・フラツム (Acremonium furatum)、好ましくは下記の種から産生されたもの: フミコラ・インソレンス (Humicola insolens) DSM 1800、フザリウム・オキシスポラム (Fusarium oxysporum) DSM 2672、ミセリオフトラ・サーモフィラ (Myceliophthora thermophila) CBS 117.65、セファロスポリウム (Cephalosporium) 種RYM-202、アクレモニウム (Acremonium) 種CBS 478.94、アクレモニウム (Acremonium) 種CBS 265.95、アクレモニウム・ペルシシヌム (Acremonium persicinum) CBS 169.65、アクレモニウム・アクレモニウム (Acremonium acremonium) AHU 9519、セファロスポリウム (Cephalosporium) 種CBS 535.71、
アクレモニウム・ブラキペニウム (Acremonium brachypenium) CBS 866.73、アクレモニウム・ジキロモスポルム (Acremonium dichromosporum) CBS 683.73、アクレモニウム・オブクラバツム (Acremonium obclavatum) CBS 311.74、アクレモニウム・ピンケルトニエ (Acremonium pinkertoniae) CBS 157.70、アクレモニウム・ロセオグリセウム (Acremonium roseogriseum) CBS 134.56、アクレモニウム・インコロラツム (Acremonium incoloratum) CBS 146.62およびアクレモニウム・フラツム (Acremonium furatum) CBS 299.70H。また、セルロース分解タンパク質は下記から得ることができる: トリコデルマ (Trichoderma) (特にトリコデルマ・ビリデ (Trichoderma viride)、トリコデルマ・リーセイ (Trichoderma reesei) およびトリコデルマ・コニンギイ (Trichoderma koningii)、好アルカリ性バシラス (Bacillus) (例えば、下記の文献を参照のこと: 米国特許第3,844,890号およびEP 458162) およびストレプトマイセス (Streptomyces) (例えば、下記の文献を参照のこと: EP 458162)。化学的に修飾されたまたはタンパク質操作された突然変異体が包含される。
ことに適当なセルロース分解タンパク質はアルカリ性または中性のセルラーゼである。このようなセルラーゼの例は下記の文献に記載されているセルラーゼである: EP 495,257、EP 531,372、WO 96/11262、WO 96/29397、WO 98/08940。他の例はセルラーゼ変異型、例えば下記の文献に記載されている変異型である: WO 94/07998、EP 531,315、米国特許第4,435,307号、米国特許第5,457,046号、米国特許第5,648,263号、米国特許第5,686,593号、米国特許第5,691,178号、米国特許第5,763,254号、米国特許第5,776,757号、WO 99/09259、WO 95/24471、WO 98/12307およびPCT/DK 98/00299。
本発明の方法において使用するセルロース分解タンパク質は、この分野において知られている手順を使用して、適当な炭素源および窒素源および無機塩を含有する栄養培地上で前述の微生物株を発酵させることによって製造することができる (例えば、下記の文献を参照のこと: Bennet J. W. およびLaSure L. (編者)、More Gene Manipulations in Fungi、Academic Press、CA、1991)。適当な培地は商業的供給会社から入手可能であるか、あるいは発表された組成に従い調製することができる (例えば、American Type Culture Collectionのカタログ)。増殖およびセルロース分解タンパク質の産生に適当な温度範囲および他の条件はこの分野において知られている (例えば、下記の文献を参照のこと: Bailey J. E. およびOllis D. F. 、Biochemical Engineering Fundamentals、McGraw-Hill Book Company、NY、1986)。
発酵はセルロース分解タンパク質を発現させるか、あるいは単離する細胞の任意の培養法であることができる。したがって、発酵はセルロース分解タンパク質の発現または単離を可能とする適当な培地中および条件下において実施される実験室および工業的発酵における、震蘯フラスコの培養および小規模または大規模の発酵 (連続的、バッチ式、供給バッチ式または固体状態の発酵を包含する) を含んでなるとして理解することができる。
前述の方法により生産された生ずるセルロース分解タンパク質は、下記のものを包含するが、これらに限定されない慣用手順により、発酵培地から回収することができる: 遠心、濾過、噴霧乾燥、蒸発または沈殿。次いで回収されたタンパク質は種々のクロマトグラフィー手順、例えば、イオン交換クロマトグラフィー、ゲル濾過クロマトグラフィー、アフィニティークロマトグラフィーまたはその他によりさらに精製することができる。
セルロース分解タンパク質はカルボキシメチルセルロース (CMC) を加水分解することができるか、あるいは加水分解し、これによりインキュベーション混合物の粘度を減少させることができる。生ずる粘度の減少は振動粘度計 (例えば、MIVI、Sofraser、France) により決定することができる。セルラーゼ粘度単位 (Cellulase Viscsity Unit) (CEVU) を用いて測定した、セルラーゼ活性の決定は、カルボキシメチルセルロース (CMC) の溶液の粘度を減少させる試料の能力を測定することによって、試料中に存在する触媒活性を定量する。
このアッセイはセルロース分解タンパク質および基質に適当な温度およびpHにおいて実施される。CelluclastTM (Novozymes A/S、デンマーク国バグスバード) について、このアッセイは40℃において0.1 Mリン酸塩pH 9.0緩衝液中で30分間基質としてCMC (33.3 g/lのカルボキシメチルセルロース、Hercules 7 LFD) およびほぼ3.3〜4.2 CEVU/mlの酵素を使用して実施される。公表された酵素標準、例えば、CELLUZYMETM Standard 17-1194 (入手先: Novozymes A/S、デンマーク国バグスバード) に関して、CEVU活性を計算する。
本発明において使用するために適当なセルロース分解調製物の例は、例えば、CELLUCLASTTM (入手先: Novozymes A/S) およびNOVOZYMTM 188 (入手先: Novozymes A/S) である。使用できるセルラーゼを含んでなる他の商業的に入手可能な調製物は、CELLUZYMETM、CEREFLOTMおよびULTRAFLOTM (Novozymes A/S)、LAMINEXTMおよびSPEZYMETM CP (Genencor Int.) およびROHAMENTTM 7069 W (Roehm GmbH) を包含する。セルラーゼ酵素は約0.001〜約5.0重量%の固体、より好ましくは約0.025〜約4.0重量%の固体、最も好ましくは約0.005〜約2.0重量%の固体の量で添加される。
前述したように、本発明の方法において使用するセルロース分解タンパク質は1成分調製物、すなわち、他のセルロース分解成分を本質的に含まない成分であることができる。単一成分は組換え成分、すなわち、単一成分をコードするDNA配列をクローニングし、次いでこのDNA配列で細胞を形質転換し、宿主中で発現させることによって産生された成分であることができる (例えば、下記の文献を参照のこと: WO 91/17243およびWO 91/17244)。1成分セルロース分解タンパク質の他の例はJP-07203960-AおよびWO-9206209に開示されているものを包含するが、これらに限定されない。宿主は好ましくは異種宿主 (酵素は宿主に対して外来である) であるが、 宿主はある種の条件下に相同宿主 (酵素は宿主に対して自然である) であることができる。また、1成分セルロース分解タンパク質は発酵ブロスからこのようなタンパク質を精製することによって調製することができる。
本発明の実施において有効な1成分セルロース分解タンパク質の例は、エンドグルカナーゼ、セロビオヒドロラーゼ、およびセルロースバイオマスの分解において有効な他の酵素を包含するが、これらに限定されない。
用語 「エンドグルカナーゼ」 は、セルロース、セルロース誘導体 (例えば、カルボキシメチルセルロースおよびヒドロキシエチルセルロース)、リケニン、混合β-1,3グルカン、例えば、穀粒β-D-グルカンまたはキシログルカン中のβ-1,4結合、およびセルロース成分を含有する他の植物材料中の中の1,4-β-D-グリコシド結合のエンドハイドロシスを触媒するエンド-1,4-β-D-グルカン4-グルカノヒドロラーゼ (EC No. 3.2.1.4) として本明細書において定義される。本発明の目的に対して、エンドグルカナーゼ活性は下記の文献に記載されている手順に従いカルボキシメチルセルロース (CMC) の加水分解を使用して決定される: Ghose、1987、Pure and Appl. Chem. 59: 257-268。エンドグルカナーゼ活性の1単位は、50℃、pH 4.8において1分当たりに産生される還元性糖の1.0μmolとして定義される。
用語 「セロビオヒドロラーゼ」 は、セルロース、セロオリゴ糖またはβ-1,4-結合グルコース含有ポリマー中の1,4-β-グリコシド結合を加水分解して、鎖の還元性または非還元性末端からセロビオースを解放する反応を触媒する、1,4-β-D-グルカンセロビオヒドラーゼ (EC 3.2.1.91) として本明細書において定義される。本発明の目的に対して、セルロビオヒドラーゼ活性は下記の文献に記載されている手順に従い決定される: Lever 他、1972、Anal. Biochem. 47: 273-279; van Tilbeurgh 他、1982、FEBS Letters 149: 152-156; およびvan TilbeurghおよびClaeyssens、FEBS Letters 187: 283-288。
本発明のポリペプチドは、前述したように、セルロース分解タンパク質と組合わせて使用してバイオマス基質のセルロース成分および/またはヘミセルロース成分を糖に分解する (例えば、下記の文献を参照のこと: Brigham 他、1995、Handbook on Bioethanol (Charies E. Wyman、編者)、pp. 119-141、Taylor & Francis、Washinton D. C. ; Lee、1997、Journal of Bacteriology 56: 1-24)。本発明の方法は、この分野において慣用の方法を使用して、分解されたセルロース材料を回収することをさらに含んでなる。
β-グルコシダーゼ活性を有するポリペプチドおよびセルロース分解タンパク質の最適な量は下記のものを包含するが、これらに限定されないいくつかの因子に依存する: 成分のセルロース分解タンパク質の混合物、セルロース基質、セルロース基質の濃度、セルロース基質の1または2以上の前処理、温度、時間、pHおよび発酵生物の含有 (例えば、同時の糖化および発酵のための酵母)。用語 「セルロース分解タンパク質」 は、試験した条件下にセルロースを加水分解または転化または分解することができるとして示されたタンパク質またはタンパク質混合物として本明細書において定義される。それらの量は通常普通のアッセイ、例えば、BCA (ビシンコニン酸、P. K. Smith 他、1985、Anal. Biochem. 150: 76) および加水分解するバイオマスの量に比例して添加する好ましい量により測定される。
好ましい面において、セルロース材料の1g当たりのβ-グルコシダーゼ活性を有するポリペプチドの量は、セルロース材料の1g当たり約0.01〜約2.0 mg、好ましくは約0.025〜約1.5 mg、より好ましくは約0.05〜約1.25 mg、より好ましくは約0.075〜約1.25 mg、より好ましくは約0.1〜約1.25 mg、なおより好ましくは約0.15〜約1.25 mg、最も好ましくは約0.25〜約1.0 mgである。
好ましい面において、セルロース材料の1g当たりのセルロース分解タンパク質の量は、セルロース材料の1g当たり約0.5〜約50 mg、好ましくは約0.5〜約40 mg、より好ましくは約0.5〜約25 mg、より好ましくは約0.75〜約20 mg、より好ましくは約0.75〜約15 mg、なおより好ましくは約0.5〜約10 mg、最も好ましくは約2.5〜約10 mgである。
本発明の方法を使用してセルロース材料をプロセシングして多数の有効な物質、例えば、有機生成物、化学物質および燃料にすることができる。エタノールに加えて、セルロースから製造できる、いくつかの商品および特製品の化学物質は下記を包含する: キシロース、アセトン、アセテート、グリシン、リシン、有機酸 (例えば、乳酸)、1,3-プロパンジオール、ブタンジオール、グリセロール、エチレングリコール、フルフラール、ポリヒドロキシアルカノエート、シス,シス-ムコン酸および動物飼料 (Lynd L. R.、Wyman C. E. およびGemgross T. U. 、1999、Biocommodity Engineering, Biotechnol. Prog. 15: 777-793; Philippidis G. P. 、1996、Cellulose bioconversion technology、Handbook on Bioethanol: Production and Utilization、Wyman C. E. 編者、Taylor & Francis、Washington D. C. 、179-212; およびRyu D. D. Y. およびMandels M. 、1980、Cellulases: biosynthesis and applications、Enz. Microb. Technol. 2: 91-102)。
共同製造の潜在的有益性は、発酵可能な炭水化物からの多数の生成物の合成を超える。生物学的プロセシング後に残るリグニンに富んだ残留物は、リグニン由来化学物質に転化するか、あるいは電力製造に使用することができる。
本発明の方法に従うセルロース材料をプロセシングするために使用する慣用法は、当業者に十分に理解されている。本発明の方法は、本発明の方法に従い操作するように構成された、任意の慣用のバイオマスプロセシング装置を使用して実行することができる。
このような装置は下記を包含することができる: バッチ型攪拌反応器、限外濾過を使用する連続流攪拌反応器、連続プラグ流カラム反応器 (Gusakov A. V. およびSinitsyn A. P. 、1985、Kinetics of the enzymatic hydrolysis of cellulose: 1. A mathematical model for a batch reactor process、Enz. Microb. Technol. 7: 346-352)、磨砕反応器 (Ryu S. K. およびLee J. M. 、1983、Bioconversion of waste cellulose by using an attrition bioreactor, Biotechnol. Bioeng. 25: 53-65) または電磁場により誘導される集中的攪拌を使用する反応器 (Gusakov A. V. 、Sintsyn A. P. 、Davydkin I. Y. 、Davydkin V. Y. 、Protas O. V. 、1996、Enhancement of enzymatic cellulose hydrolysis using a novel type of bioreactor with intensive stirring induced by electromagnetic field, Appl. Biochem. Biophys. 56: 141-153)。
慣用法は下記を包含するが、これらに限定されない: 糖化、発酵、別々の加水分解および発酵 (SHF)、同時の糖化および発酵 (SSF)、同時の糖化および共発酵 (SSCF)、ハイブリッド加水分解および発酵 (HHF) および直接的微生物転化 (DMC)。
SHFは別々のプロセスを使用して、まずセルロースをグルコースに酵素的に加水分解し、次いでグルコースを発酵させてエタノールにする。SSFにおいて、セルロースの酵素的加水分解およびグルコースのエタノールへの発酵を1工程で組合わせる (Philippidis G. P. 、1996、Cellulose bioconversion technology、Handbook on Bioethanol: Production and Utilization、Wyman C. E. 編者、Taylor & Francis、Washington D. C. 、179-212)。SSCFは多数の糖の共発酵を包含する (Sheehan J. およびHimmel M. 、1999、Enzymes, energy and the environment: A strategic perspective on the U. S. Department of Energy’s research and development activities for Bioethanol, Biotechnol. Prog. 15: 817-827)。
HHFは同一反応器中でであるが、異なる温度において実施される2つの別々の工程、すなわち、高温の酵素的糖化および引き続く発酵株が許容できるより低い温度におけるSSFを含む。DMCは1工程においてすべての3つのプロセスを組合わせる (セルロースの製造、セルロースの加水分解および発酵) (Lynd L. R. 、Weimer P. J. 、van Zyl W. H. およびPretorius I. S. 、2002、Microbial cellulose utilization: Fandamentals and biotechnology, Microbiol. Mol. Biol. Reviews 66: 506-577)。
「発酵」 または 「発酵プロセス」 は、任意の発酵プロセスまたは発酵工程を含んでなる任意のプロセスを意味する。発酵プロセスは、限定されずに、下記を包含する発酵生成物を製造するために使用する発酵プロセスを包含する: アルコール (例えば、アラビニトール、ブタノール、エタノール、グリセロール、メタノール、1,3-プロパンジオール、ソルビトールおよびキシリトール); 有機酸 (例えば、酢酸、アセトン酸、アジピン酸、アスコルビン酸、クエン酸、2,5-ジケト-D-グルコン酸、ギ酸、フマル酸、グルカル酸、グルコン酸、グルクロン酸、グルタル酸、3-ヒドロキシプロピオン酸、イタコン酸、乳酸、リンゴ酸、マロン酸、シュウ酸、プロピオン酸、コハク酸およびキシロン酸); ケトン (例えば、アセトン); アミノ酸 (例えば、アスパラギン酸、グルタミン酸、グリシン、リシン、セリンおよびトレオニン); 気体 (例えば、メタン、水素 (H2)、二酸化炭素 (CO2) および一酸化炭素 (CO))。また、発酵プロセスは消費可能なアルコール産業 (例えば、ビールおよびワイン)、乳製品産業 (例えば、発酵乳製品)、革産業およびタバコ産業において使用される発酵プロセスを包含する。
さらに、本発明は、下記の工程を含んでなる、物質を製造する方法に関する: (a) 有効量のβ-グルコシダーゼ活性を有するポリペプチドの存在下に有効量の1種または2種以上のセルロース分解タンパク質でセルロース材料を糖化し; (b) 工程 (a) のセルロース材料糖化物を1種または2種以上の発酵微生物で発酵させ; そして (c) 発酵から物質を回収する。β-グルコシダーゼ活性を有するポリペプチドは細胞を含むか、あるいは含まない粗製発酵ブロスの形態であるか、あるいは半精製または精製した形態であることができる。β-グルコシダーゼタンパク質は1成分調製物、多成分調製物、または1成分調製物と多成分調製物との組合わせであることができる。
物質は発酵から誘導される任意の物質であることができる。理解されるように、用語 「アルコール」 は1または2以上のヒドロキシル部分を含有する物質を包含する。より好ましい面において、アルコールはアラビニトールである。他のより好ましい面において、アルコールはブタノールである。他のより好ましい面において、アルコールはエタノールである。他のより好ましい面において、アルコールはグリセロールである。他のより好ましい面において、アルコールはメタノールである。他のより好ましい面において、アルコールは1,3-プロパンジオールである。他のより好ましい面において、アルコールはキシリトールである。
例えば、下記の文献を参照のこと: Gong C. S. 、Cao N. J. 、Du J. およびTsao G. T. 、1999、Etanol production from renewable resocurces, Advances in Biochemical Engineering/Biotechnology、Scheper T. 編者、Springer-Verlag Berlin Heidelberg、Germany、65: 207-242; Silveira M. M. およびJonas R. 、2002、The biotechnological production of sorbitol、Appl. Microbiol. Biotechnol. 59: 400-408; Nigam P. およびSingh D. 、1995、Processes for fermentative production of xylitol - a sugar substitute、Process Biochemistry 30 (2): 117-124; Ezeji T. C. 、Qureshl N. およびBlaschek H. P. 、2003、Production of acetone, butanol and ethanol by Clostridium beijerinckii BA101 and in situ recovery by gass stripping、World Journal of Microbiology and Biotechnology 19 (6): 595-603。
他の好ましい面において、物質は有機酸である。他のより好ましい面において、有機酸は酢酸である。他のより好ましい面において、有機酸はアセトン酸である。他のより好ましい面において、有機酸はアジピン酸である。他のより好ましい面において、有機酸はアスコルビン酸である。他のより好ましい面において、有機酸はクエン酸である。他のより好ましい面において、有機酸は2,5-ジケト-D-グルコン酸である。他のより好ましい面において、有機酸はギ酸である。他のより好ましい面において、有機酸はフマル酸である。
他のより好ましい面において、有機酸はグルカル酸である。他のより好ましい面において、有機酸はグルコン酸である。他のより好ましい面において、有機酸はグルクロン酸である。
他のより好ましい面において、有機酸はグルタル酸である。他のより好ましい面において、有機酸は3-ヒドロキシプロピオン酸である。他のより好ましい面において、有機酸はイタコン酸である。他のより好ましい面において、有機酸は乳酸である。他のより好ましい面において、有機酸はリンゴ酸である。他のより好ましい面において、有機酸はマロン酸である。他のより好ましい面において、有機酸はシュウ酸である。他のより好ましい面において、有機酸はプロピオン酸である。他のより好ましい面において、有機酸はコハク酸である。他のより好ましい面において、有機酸はキシロン酸である。例えば、下記の文献を参照のこと: Chen R. およびLee Y. Y. 、1997、Membrane-mediated extractive fermentation for lactic acd production from cellulosic biomass、Appl. Biochem. Biotechnol. 63-65: 435-448。
好ましい面において、物質はケトンである。理解されるように、用語 「ケトン」 は1または2以上のケトン部分を含有する物質を包含する。例えば、下記の文献を参照のこと: QureshiおよびBlaschek、2003、前掲。
好ましい面において、物質はアミノ酸である。他のより好ましい面において、アミノ酸はアスパラギン酸である。他のより好ましい面において、アミノ酸はグルタミン酸である。他のより好ましい面において、アミノ酸はグリシンである。他のより好ましい面において、アミノ酸はリシンである。他のより好ましい面において、アミノ酸はセリンである。他のより好ましい面において、アミノ酸はトレオニンである。例えば、下記の文献を参照のこと: Richard A. およびMargaritis A. 、2004、Empirical modeling of batch fermentation kinetics for poly(glutamic acid) production and other microbial biopolymers、Biotechnology and Bioengineering 87 (4): 501-515。
好ましい面において、物質は気体である。他のより好ましい面において、気体はH2である。他のより好ましい面において、気体はCO2である。他のより好ましい面において、気体はCOである。例えば、下記の文献を参照のこと: Kataoka N. 、A. Miya およびK. Kiriyama、1997、Studies on hydrogen production by continuous culture system of hydrogen-porducing anaerobic bacteria、Water Science and Technology 36 (6-7): 41-47; およびGimaseeian V. N. 、Biomass and Bioenergy、Vol. 13 (1-2)、pp. 83-114、1997、Anaerobic digestion of biomass for methane production: A review。
典型的には、セルロース材料から物質の製造は4つの主要な工程を要求する。これらの4つの工程は前処理、酵素的加水分解、発酵および回収である。エタノールを製造するプロセスを下に例示するが、理解されるように、同様なプロセスを使用して他の物質、例えば、前述の物質を製造することができる。
前処理 前処理または前加水分解工程において、セルロース材料を加熱してリグニンおよび炭水化物の構造を破壊し、ヘミセルロースの大部分を可溶化し、そしてセルロース分解酵素に対してアクセス可能なセルロース画分をつくる。加熱は水蒸気を使用して直接実施するか、あるいは触媒をまた材料に添加して反応を加速してあるスラリー中で実施する。触媒は強酸、例えば、硫酸およびSO2、またはアルカリ、例えば、水酸化ナトリウムを包含する。前処理の目的は酵素および微生物の浸透を促進することである。また、セルロースバイオマスは水熱水蒸気膨張前処理に付すことができる (米国特許出願No. 20020164730参照)。
糖化 糖化としても知られている、酵素的加水分解工程において、本明細書に記載する酵素を前処理された材料に添加して、セルロース画分をグルコースおよび/または他の糖に転化する。一般に、糖化は攪拌槽反応器または発酵槽中で制御されたpH、温度および混合条件下に実施される。糖化工程は200時間まで連続する。糖化は約3℃〜約65℃、特に50℃付近の温度および約4〜約5の範囲のpH、ことにpH 4.5付近において実施することができる。典型的には、酵母により代謝することができるグルコースの製造はβ-グルコシダーゼ活性を有するポリペプチドの存在下に実施される。
発酵 発酵工程において、前処理および酵素的加水分解の結果としてセルロース材料から解放された糖は、発酵生物、例えば、酵母によりエタノールに発酵される。また、発酵は同一容器中で、再び制御されたpH、温度および混合条件下に、酵素的加水分解と同時に実施することができる。糖化および発酵を同一容器中で同時に実施するとき、このプロセスは一般に同時の糖化および発酵またはSSFと命名される。
任意の適当なセルロース基質または原料を本発明の発酵プロセスにおいて使用できる。一般に、基質は、この分野においてよく知られているように、必要な発酵生成物、すなわち、発酵から得るべき物質、および使用するプロセスに基づいて選択される。本発明の方法において使用するために適当な物質の例は下記を包含する: セルロース含有材料、例えば、木材または植物残留物またはプロセシングしたセルロース材料から得られる低分子量糖DP1-3、これは発酵微生物に代謝することができ、そして発酵培地への直接的添加により供給することができる。
用語 「発酵培地」 は、1種または2種以上の発酵生物を添加する前の培地、例えば、糖化プロセスから生ずる培地、ならびに同時の糖化および発酵 (SSF) プロセスにおいて使用する培地を意味するとして理解されるであろう。
「発酵微生物」 は、必要な発酵プロセスにおいて使用するために適当な任意の微生物を意味する。本発明に従い適当な発酵微生物は、糖、例えば、グルコース、キシロース、アラビノース、マンノース、ガラクトースまたはオリゴ糖を必要な発酵生成物に直接的または間接的に発酵、すなわち、転化することができる。発酵微生物の例は真菌生物、例えば、酵母を包含する。好ましい酵母はサッカロマイセス (Saccharomyces) 種、特にサッカロマイセス・セレビシエ (Saccharomyces cerevisiae) を包含する。商業的に入手可能な酵母は下記を包含する: 例えば、Red Star(商標)/TM/Lesaffre Ethanol Red (入手先: Red Star/Lesaffre、USA) FALI (入手先: Fleischmann’s Yeast、Bums Philp Food Inc.の部、USA)、SUPERSTART (入手先: Alitech)、CERT STRAND (入手先: Gert Strand AB、Sweden) およびFERMIOL (入手先: DSM Specialties)。
好ましい面において、酵母はサッカロマイセス (Saccharomyces) 種である。他のより好ましい面において、酵母はサッカロマイセス・セレビシエ (Saccharomyces cerevisiae) である。他のより好ましい面において、酵母はサッカロマイセス・ジアスタチカス (Saccharomyces diastaticus) である。他のより好ましい面において、酵母はサッカロミセス・ウバラム (Saccharomyces uvarum) である。他のより好ましい面において、酵母はクライベロマイセス (Kluyveromayces) 種である。他のより好ましい面において、酵母はクライベロマイセス・マルキシアヌス (Kluyveromayces marxianus) である。他のより好ましい面において、酵母はクライベロマイセス・フラギリス (Kluyveromyces fragilis) である。他の好ましい面において、酵母はカンジダ (Candida) 種である。他のより好ましい面において、酵母はカンジダ・シュードトロピカリス (Candida pseudotropicalis) である。
他のより好ましい面において、酵母はカンジダ・ブラシキカエ (Candida brassicae) である。他の好ましい面において、酵母はクラビスポラ (Clavispora) 種である。他のより好ましい面において、酵母はクラビスポラ・ルシタニアエ (Clavispora lusitaniae) である。他のより好ましい面において、酵母はクラビスポラ・オプンチアエ (Clavispora opuntiae) である。他の好ましい面において、酵母はパキソレン (Pachysolen) である。他のより好ましい面において、酵母はパキソレン・タンノフィルス (Pachysolen tannophilus) である。他の好ましい面において、酵母はブレタンノマイセス (Bretannomyces) 種である。他のより好ましい面において、酵母はブレタンノマイセス・クラウセニイ (Bretannomyces clausenii) である (Philippidis G. P. 、1996、Cellulose bioconversion technology、Handbook on Bioethanol: Production and Utilization、Wyman C. E. 編者、Taylor & Francis、Washington D. C. 、179-212)。
グルコースを効率よくエタノール発酵させる細菌は下記を包含する: 例えば、ジモモナス・モビリス (Zymomonas mobilis) およびクロストリジウム・テルモセルム (Closridium thermocellum) (Philippidis、1996、前掲)。
この分野においてよく知られているように、前述の生物は、本明細書に記載するように、他の物質を製造するためにまた使用できる。
下記における異種遺伝子のクローニングはヘキソースおよびペントースをエタノールに転化 (共発酵) することができる生物の構築に導いた: サッカロマイセス・セレビシエ (Saccharomyces cerevisiae) (Chen Z. 、Ho N. W. Y. 、1993、Cloning and improving the expression of Pichia stipitis xylose reductase gene in Saccharomyces cerevisiae、Appl. Biochem. Biotechnol. 39-40: 135-147; Ho N. W. Y. 、Chen Z. 、Brainard A. P. 、1998、Genetically engineered Saccharomyces yeast capable of effectively cofermenting glucose and xylose、Appl. Environ. Microbiol. 64: 1852-1859) または細菌、例えば、大腸菌 (Escherichia coli) (Beall D. S. 、Ohta K. 、Ingtsm L. O. 、1991、Parametric studies of ethanol production from xylose and other sugars by recombinant Escherichia coli、Biotechnol. Bioeng. 38: 296-303)、クレブシエラ・オキシトカ (Klebsiella oxytoca) (Ingram L. O. 、Gomes P. F.、Lai X. 、Morinuzzaman M. 、Wood B. E. 、Yamamoto L. P. 、York S. W. 、1998、Metabolic engineering of bacteria for ethanol production, Biotechnol. Bioeng. 58: 204-214) およびジモモナス・モビリス (Zymomonas mobilis) (Zhang M. 、Eddy C. 、Deanda K. 、Finkelstein M. およびPicatagglo S. 、1995、Metabolic engineering of a pentose metabolism pathway in ethanologenic Zymomonas mobilis、Science 267: 240-243; Deanda K. 、Zhang M. 、Eddy C. およびPicatagglo S. 、1996、Development of an arvinose-fermenting Zymomonas mobilis strain by metabolic pathway engineering、Appl. Environ. Microbiol. 62: 4465-4470)。
典型的には、酵母または他の微生物をセルロース分解物および加水分解物に添加し、そして発酵を約24〜約96時間、例えば、約35〜約60時間進行させる。典型的には、発酵は約26℃〜約40℃、特に約32℃およびpH 3〜約pH 6、特にpH 4〜5付近において実施する。
好ましい面において、酵母または他の微生物をセルロース分解物および加水分解物に添加し、そして発酵を約24〜約96時間、例えば、約35〜約60時間進行させる。好ましい面において、温度は約26℃〜約40℃、特に約32℃であり、そしてpHはpH 3〜約pH 6、好ましくはpH 4〜5付近である。好ましくは、酵母または他の微生物は発酵ブロスの1 ml当たりほぼ105〜1012、好ましくはほぼ107〜1010、ことにほぼ5×107の変動計数の量で適用される。エタノール製造期間に、酵母菌細胞の計数は好ましくはほぼ107〜1010、ことにほぼ2×105の範囲である。発酵に酵母を使用するそれ以上の手引きは、例えば、下記の文献に記載されている: “The Textbook” (編者K. Jacques、T. P. LyonsおよびD. R. Keisall、Nottingham Univeresity Press、United Kingdam 1999)、これは引用することによって本明細書の一部とされる。
この分野において最も広く使用されているプロセスは同時の糖化および発酵 (SSF) プロセスであり、ここで糖化のための保持段階は存在せず、酵母および酵素を一緒に添加することを意味する。
エタノール製造のために、発酵後に、マッシュを蒸留してエタノールを抽出する。本発明のプロセスに従い得られたエタノールは、例えば、燃料エタノール; 飲用エタノール、すなわち、飲用中性スピリットまたは工業用エタノールとして使用することができる。
発酵刺激因子を本明細書に記載する酵素プロセスと組合わせて使用して、発酵プロセス、特に発酵微生物の性能をさらに改良することができ、例えば、速度およびエタノールの収量を増大することができる。 「発酵刺激因子」 は発酵微生物、特に酵母の増殖の刺激因子である。増殖のために好ましい発酵刺激因子はビタミンおよびミネラルである。ビタミンの例は多価ビタミン、ビオチン、パントテン酸塩、ニコチン酸、メソイノシトール、チアミン、ピリドキシン、p-アミノ安息香酸、葉酸、リボフラビンおよびビタミンA、B、C、DおよびEである。例えば、下記の文献を参照のこと: Alfenore 他、Improving ethanol production and viability of Saccharomyces cerevisiae by a vitamin feeding strategy during fed-batch proces、Springer-Verlag (2002)、これは引用することによって本明細書の一部とされる。ミネラルの例は栄養を供給できるミネラルおよびミネラル塩、例えば、P、K、Mg、S、Ca、Fe、Zn、MnおよびCuである。
回収 アルコールをセルロース材料発酵物から分離し、慣用の蒸留法により精製する。約96容量%までの純度のエタノールを得ることができ、これは、例えば、燃料エタノール、飲用エタノール、すなわち、飲用中性スピリットまたは工業用エタノールとして使用することができる。
他の物質のために、この分野において知られている任意の方法を使用することができ、このような方法は下記を包含するが、これらに限定されない: クロマトグラフィー (例えば、イオン交換クロマトグラフィー、アフィニティークロマトグラフィー、疎水性クロマトグラフィー、クロマトフォーカシングおよびサイズ排除クロマトグラフィー)、電気泳動手順 (例えば、調製用等電点電気泳動)、分別溶解度 (例えば、硫酸アンモニウム沈殿法)、SDS-PAGE、蒸留または抽出。
本発明の方法において、1種または2種以上のセルロース分解タンパク質および1種または2種以上のβ-グルコシダーゼポリペプチドに1種または2種以上の追加の酵素活性を補充して、セルロース材料の分解を改良することができる。好ましい追加の酵素はヘミセルロース、エステラーゼ (例えば、リパーゼ、ホスホリパーゼおよび/またはクチナーゼ)、プロテアーゼ、ラッカーゼ、ペルオキシダーゼまたはそれらの混合物である。
本発明の方法において、1種または2種以上の追加の酵素は1種または2種以上の発酵微生物の増殖の間または後を含む、発酵の前または間に添加することができる。
本明細書において言及する酵素は、細菌、真菌、酵母または哺乳動物由来を包含する、任意の適当な起源に由来しまたは得ることができる。用語 「得る」 は、本明細書において、酵素が天然の酵素として酵素を産生する生物から単離されていることができることを意味する。また、用語 「得る」 は、本明細書において、酵素が宿主生物において組換え的に産生されてきていることができることを意味し、ここで組換え的に産生された酵素は宿主生物に対して自然または外来であるか、あるいは修飾されたアミノ酸配列を有する、例えば、欠失、挿入および/または置換された1または2以上のアミノ酸を有する、すなわち、組換え的に産生された酵素は天然のアミノ酸配列の突然変異体および/またはフラグメント、またはこの分野において知られている核酸シャフリングプロセスにより産生された酵素である。天然の変異型は天然の酵素の意味の範囲内に入り、そして組換え的に、例えば、位置指定突然変異誘発またはシャフリングにより得られた変異型は外来酵素の意味の範囲内に入る。
また、酵素を精製することができる。用語 「精製された」 は、本明細書において使用するとき、それが由来する生物からの他の成分を含まない酵素を包含する。また、用語 「精製された」 は、それが得られた天然の生物からの他の成分を含まない酵素を包含する。酵素は精製することができ、わずかに少量の他のタンパク質が存在する。表現 「他のタンパク質」 は特に他の酵素に関係する。また、用語 「精製された」 は、本明細書において使用するとき、他の成分、特に他のタンパク質、より特に本発明の酵素の起源の細胞中に存在する他の酵素の除去を意味する。
酵素は 「実質的に純粋」 であることができる、すなわち、それが製造された生物、すなわち、例えば、組換え的に産生された酵素の宿主生物からの他の成分を含まない。好ましい面において、酵素は少なくとも75% (w/w)、より好ましくは少なくとも80%、より好ましくは少なくとも85%、より好ましくは少なくとも90%、より好ましくは少なくとも95%、より好ましくは少なくとも96%、より好ましくは少なくとも97%、さらにより好ましくは少なくとも98%またはより好ましくは少なくとも99%の純度である。
本発明において使用する酵素は本明細書に記載するプロセスにおいて使用するために適当な任意の形態、例えば、細胞を含むか、あるいは含まない粗製発酵ブロス、または乾燥粉末または粒体、非ダスチング粒体、液体、安定化液体または保護された酵素であることができる。粒体は、例えば、米国特許第4,106,991号および米国特許第4,661,452号に開示されているように製造することができ、そして必要に応じてこの分野において知られているプロセスにより被覆することができる。液状酵素調製物は、例えば、安定剤、例えば、糖、糖アルコールまたは他のポリオールおよび/または乳酸または他の有機酸の添加により確立されたプロセスに従い安定化することができる。保護された酵素はEP 238,216に開示されているプロセスに従い製造することができる。
洗剤組成物
本発明の単離されたβ-グルコシダーゼ活性を有するポリペプチドを洗剤組成物に添加し、こうして洗剤組成物の1構成成分とすることができる。
本発明の洗剤組成物は、例えば、汚れた布帛の前処理に適当な洗濯添加剤組成物およびリンス添加布帛柔軟剤組成物を包含する手によるまたは機械的洗濯洗剤組成物として配合することができるか、あるいは一般的家庭用硬質表面クリーニング作業において使用する洗剤組成物として配合することができるか、あるいは手による皿洗浄作業または機械的皿洗浄作業のために配合することができる。
特定の面において、本発明は本発明のβ-グルコシダーゼ活性を有するポリペプチドを含んでなる洗剤添加剤を提供する。洗剤添加剤ならびに洗剤組成物は、1種または2種以上の他の酵素、例えば、プロテアーゼ、リパーゼ、クチナーゼ、アミラーゼ、カルボヒドラーゼ、セルラーゼ、ペクチナーゼ、マンナナーゼ、アラビナーゼ、ガラクタナーゼ、キシラナーゼ、オキシダーゼ、例えば、ラッカーゼおよび/またはペルオキシダーゼを含んでなることができる。
一般に、1種または2種以上の選択した酵素は、選択した洗剤と適合性 (すなわち、pH最適値、他の素および非酵素成分、およびその他と適合性) であるべきであり、そして1種または2種以上の酵素は有効量で存在すべきである。
プロテアーゼ: 適当なプロテアーゼは、動物、植物または微生物由来のプロテアーゼを包含する。微生物由来は好ましい。化学的修飾されたまたはタンパク質操作された突然変異体が包含される。プロテアーゼはセリンプロテアーゼまたはメタロプロテアーゼ、好ましくはアルカリ性微生物プロテアーゼまたはトリプシン様プロテアーゼであることができる。アルカリ性プロテアーゼの例は、スブチリシン、特にバシラス (Bacillus) に由来するもの、例えば、スブチリシンNovo、スブチリシンCarlsberg、スブチリシン309、スブチリシン147およびスブチリシン168 (WO 89/06279に記載されている) である。トリプシン様プロテアーゼの例はトリプシン (例えば、ブタまたはウシ由来) およびWO 89/06270およびWO 94/25583に記載されているフザリウム (Fusarium) プロテアーゼである。
有効なプロテアーゼの例はWO 92/19729、WO 98/20115、WO 98/20116およびWO 98/34946に記載されている変異型、特に下記の位置の1または2以上において置換を有する変異型である: 27、36、57、76、87、97、101、104、120、123、167、170、194、206、218、222、224、235および274。
好ましい商業的に入手可能なプロテアーゼ酵素は下記を包含する: AlcalaseTM、SavinaseTM、PrimaseTM、DuralaseTM、EsperaseTMおよびKannaseTM (Novozymes A/S)、MaxataseTM、MaxacalTM、MaxapemTM、ProperaseTM、PurafectTM、Purafect OxPTM、FN2TMおよびFN3TM (Genencor International Inc.) 。
リパーゼ: 適当なリパーゼは細菌または真菌由来である。化学的に修飾されたまたはタンパク質操作された突然変異体が包含される。有効なリパーゼの例は下記由来のリパーゼを包含する: フミコラ (Humicola) (同義語Thermomyces)、例えば、EP 258 068およびEP 305 216に記載されているフミコラ・ラヌギノサ (H. lanuginosa) (T. lanuginosa) またはWO 96/13580に記載されているフミコラ・インソレンス (H. insolens)、シュードモナス (Pseudomonas) リパーゼ、例えば、シュードモナス・アルカリゲネス (P. alcaligenes) またはシュードモナス・シュードアルカリゲネス (P. pseudoalcaligenes) (EP 218 272)、シュードモナス・セパシア (P. cepacia) (EP 331 376)、シュードモナス・スツゼリ (P. stutzeri) (GB 1,372,034)、シュードモナス・フルオレセンス (P. fluorescens)、シュードモナス (Pseudomonas) 種株SD 705 (WO 95/06720およびWO 96/207002)、シュードモナス・ウィスコンシネンシス (P. wisconsinensis) (WO 96/12012)、バシラス (Bacillus) リパーゼ、例えば、バシラス・サチリス (B. subtilis) (Dartois 他、1993、Biochimica et Biophysica Acta 1131、253-360)、バシラス・ステアロサーモフィラス (B. stearothermophilus) (JP 64/744992) またはバシラス・ピュミルス (B. pumilus) (WO 92/16422)。
他の例はリパーゼ変異型、例えば、下記の文献に記載されている変異型である: WO 92/05249、WO 94/01541、EP 407 225、EP 260 105、WO 95/35381、WO 96/00292、WO 95/30744、WO 94/25578、WO 95/14783、WO 95/22615、WO 97/04079およびWO 97/07202。
好ましい商業的に入手可能なリパーゼ酵素はLipolaseTM、LipexTM およびLipolase UltraTM (Novozymes A/S) である。
アミラーゼ: 適当なアミラーゼ (αおよび/またはβ) は細菌または真菌由来のものを包含する。化学的に修飾されたまたはタンパク質操作された突然変異体が包含される。アミラーゼは、例えば、バシラス (Bacillus)、例えば、バシラス・リヘニフォルミス (Bacillus licheniformis) の特別の株から得られるα-アミラーゼを包含する (GB 1,296,839にいっそう詳細に記載されている)。
有効なアミラーゼの例は次の通りである: WO 94/02597、WO 94/18314、WO 96/23873およびWO 97/43424に記載されている変異型、特に下記の位置の1または2以上に置換をもつ変異型: 15、23、105、106、124、128、133、154、156、181、188、190、197、202、208、209、243、264、304、305、391、408および444。
商業的に入手可能なα-アミラーゼは下記のものを包含する: DuramlyTM、TermamylTM、FungamylTMおよびBANTM (Novozymes A/S)、RapidaseTMおよびPurastarTM (Genencor International Inc.)。
セルラーゼ: 適当なセルラーゼは細菌または真菌由来のものを包含する。化学的に修飾されたまたはタンパク質操作された突然変異体が包含される。適当なセルラーゼは下記由来のセルラーゼを包含する: 属バシラス (Bacillus)、シュードモナス (Pseudomonas)、フミコラ (Humicola)、フザリウム (Fusarium)、チエラビア (Thielavia)、アクレモニウム (Acremonium) またはトリコデルマ (Trichoderma)、例えば、米国特許第4,435,307号、米国特許第5,648,263号、米国特許第5,691,178号、米国特許第5,776,757号およびWO 89/09259に開示されているフミコラ・インソレンス (Humicola insolens)、ミセリオフトラ・サーモフィラ (Myceliophthora thermophila) およびフザリウム・オキシスポラム (Fusarium oxysporum) から産生された真菌セルラーゼ。
特に適当なセルラーゼは色ケアー利益を有するアルカリ性または中性のセルラーゼである。このようなセルラーゼの例は、EP 0 495 257、EP 0 531 372、WO 96/11262、WO 96/29397、WO 98/08940に記載されているセルラーゼである。他の例はセルラーゼ変異型、例えば、WO 94/07998、EP 0 531 315、米国特許第5,457,046号、米国特許第5,686,593号、米国特許第5,763,254号、WO 95/24471、WO 98/12307およびPCT/DK 98/00299に記載されている変異型である。
商業的に入手可能なセルラーゼは下記のものを包含する: Celluclast(商標) 、CelluzymeTMおよびCarezymeTM (Novozymes A/S)、ClazinaseTMおよびPuradax HATM (Genencor International Inc.) およびKAC-500(B)TM (Kao Corporation)。
ペルオキシダーゼ/オキシダーゼ: 適当なペルオキシダーゼ/オキシダーゼは細菌または真菌由来のものを包含する。化学的に修飾されたまたはタンパク質操作された突然変異体が包含される。有効なペルオキシダーゼの例はコプリヌス (Coprinus)、例えば、コプリヌス・シネレウス (C. cinereus) からのペルオキシダーゼおよびそれらの変異型、例えば、WO 93/24618、WO 95/10602およびWO 98/15257に記載されているものを包含する。
商業的に入手可能なペルオキシダーゼはGuardzymeTM (Novozymes A/S) を包含する。
1種または2種以上の洗剤酵素は、洗剤組成物の中に、1種または2種以上の酵素を含有する別々の添加剤を添加するか、あるいはこれらの酵素のすべてを含んでなる添加剤の組合わせを添加することによって添加することができる。本発明の洗剤添加剤、すなわち、別々の添加剤または添加剤の組合わせは、例えば、粒体、液体、スラリーおよびその他として配合することができる。好ましい洗剤添加剤配合物は、粒体、特に非ダスチング粒体、特に安定化された液体またはスラリーである。
非ダスチング粒体は、例えば、米国特許第4,106,991号および米国特許第4,661,452号に記載されているようにして製造することができ、そして必要に応じてこの分野において知られている方法により被覆することができる。蝋状被覆物質の例は次の通りである: 平均分子量1000〜20000のポリ(エチレンオキシド) 生成物 (ポリエチレングリコール、PEG); 16〜50エチレンオキシド単位を有するエトキシル化ノニルフェノール; 12〜20個の炭素原子を含有しかつ18〜80エチレンオキシド単位が存在するエトキシル化脂肪族アルコール; 脂肪族アルコール; 脂肪酸; および脂肪酸のモノ-およびジ-およびトリグリセリド。流動床技術による適用に適当な皮膜形成被覆物質の例はGB 1483591に記載されている。液状酵素調製物は、例えば、確立された方法に従い、ポリオール、例えば、ポリエチレングリコール、糖または糖アルコール、乳酸またはホウ酸の添加により安定化することができる。保護された酵素は、EP 238,216に開示されている方法に従い製造することができる。
本発明の洗剤組成物は、任意の便利な形態、例えば、棒、タブレット、粉末、粒体、ペーストまたは液体であることができる。液状洗剤は、典型的には70%までの水および0〜30%の有機溶媒を含有する水性であるか、あるいは非水性であることができる。
洗剤組成物は1種または2種以上の界面活性剤を含んでなることができ、これらの界面活性剤は非イオン性であることができ、半極性および/またはアニオン性および/または双生イオン性の界面活性剤を包含する。典型的には、界面活性剤は0.1〜60重量%のレベルで存在する。
その中に含めるとき、洗剤は通常約1%〜約40%のアニオン界面活性剤、例えば、線状アルキルベンゼンスルホネート、α-オレフィンスルホネート、アルキルサルフェート (脂肪族アルコールサルフェート)、アルコールエトキシサルフェート、第二級アルカンスルホネート、α-スルホ脂肪酸メチルエステル、アルキル-またはアルケニルコハク酸または石鹸を含有するであろう。
その中に含めるとき、洗剤は通常約0.2%〜約40%の非イオン界面活性剤、例えば、アルコールエトキシレート、ノニルフェノールエトキシレート、アルキルポリグリコシド、アルキルジメチルアミンオキシド、エトキシル化脂肪酸モノエタノールアミド、脂肪酸モノエタノールアミド、ポリヒドロキシアルキル脂肪酸アミドまたはグルコサミンのN-アシルN-アルキル誘導体 (「グルコサミド」) を含有するであろう。
洗剤は0〜65%の洗剤ビルダーまたは錯化剤、例えば、ゼオライト、二リン酸塩、三リン酸塩、ホスホン酸塩、炭酸塩、クエン酸塩、ニトリロ三酢酸、エチレンジアミン四酢酸、ジエチレントリアミン五酢酸、アルキル-またはアルケニルコハク酸、可溶性ケイ酸塩または層状化ケイ酸塩 (例えば、SKS-6、Hoechst) を含有することができる。
洗剤は1種または2種以上のポリマーを含んでなることができる。それらの例は次の通りである: カルボキシメチルセルロース、ポリ (ビニルピロリドン)、ポリ (エチレングリコール)、ポリ (ビニルアルコール)、ポリ (ビニルピリジン-N-オキシド)、ポリ (ビニルイミダゾール)、ポリカルボキシレート、例えば、ポリアクリレート、マレイン酸/アクリル酸コポリマーおよびラウリルメトアクリレート/アクリル酸コポリマー。
洗剤は漂白系を含有することができる。漂白系はH2O2源、例えば、過ホウ素酸塩または過炭酸塩を含んでなり、これらは過酸生成漂白アクチベーター、例えば、テトラアセチルエチレンジアミンまたはノナノイルオキシベンゼンスルホン酸塩と組合わせることができる。選択的に、漂白系は、例えば、アミド、イミドまたはスルホン型のペルオキシ酸を含んでなることができる。
本発明の洗剤組成物の1種または2種以上の酵素は、慣用の安定剤、例えば、ポリオール、例えば、プロピレングリコールまたはグリセロール、糖または糖アルコール、乳酸、ホウ酸またはホウ酸誘導体、例えば、芳香族ホウ酸エステルまたはフェニルホウ酸誘導体、例えば、4-ホルミルフェニルホウ酸を使用して安定化することができ、そして組成物はWO 92/19709およびWO 92/19708に記載されているようにして配合することができる。
また、洗剤は他の慣用の洗剤成分、例えば、布帛コンディショナー、例えば、粘土、発泡ブースター、泡抑制剤、腐蝕防止剤、汚れ懸濁剤、汚れ再付着防止剤、染料、殺菌剤、蛍光増白剤、ハイドロトープ、曇り抑制剤または香料を含有することができる。
洗剤組成物において、酵素、特に本発明の酵素は0.01〜100 mgの酵素タンパク質/リットルの洗浄液、好ましくは0.05〜5 mgの酵素タンパク質/リットルの洗浄液、特に0.1〜1 mgの酵素タンパク質/リットルの洗浄液に相当する量で添加することができることが考えられる。
さらに、本発明の酵素はWO 97/07202 (これは引用することによって本明細書の一部とされる) に開示されている洗剤配合物中に添加できる。
他の使用
また、本発明のβ-グルコシダーゼ活性を有するポリペプチドは、本明細書に記載するように、他のグルコヒドロラーゼおよび関係する酵素と組合わせて、繊維材料の処理において生物艶出剤として、そして毛羽、ピリング、テキスチャー変更およびストーンウォッシングを減少するために (N. K. Lange、編者: P. Suominen、T. Reinnikainen、Trichoderma reesei Cellulases and Other Hydrolases、Foundation for Biotechnical and Industrial Fermentation Research、Heisinki、1993、pp. 263-272) 使用することができる。
さらに、記載したポリペプチドは、また、本明細書に記載するように、他のグリコヒドロラーゼおよび関係する酵素と組合わせて、木材プロセシングにおいてバイオパルピングまたはデバーキングのために、製紙において繊維変性、漂白および精製コストの減少のために、廃水再循環に重要である白水処理において、リグノセルロース繊維再循環、例えば、脱インクおよび二次的繊維プロセシングおよび木材残留物の利用において使用することができる (S. D. MansfieldおよびA. R. Esteghlalian、編者: S. D. MansfieldおよびJ. N. Saddler、Applications of Enzymes to Lignocellulosics、ACS Symposium Series 855、Washington D. C. 2003、pp. 2-29)。
シグナルペプチドおよびプロペプチド
また、本発明は、配列番号2のアミノ酸1〜19を含んでなるか、あるいはから成るシグナルペプチドをコードする単離されたポリヌクレオチドに関する。また、本発明は、配列番号2のアミノ酸20〜36を含んでなるか、あるいはから成るプロペプチドをコードする単離されたポリヌクレオチドに関する。また、本発明は、配列番号2のアミノ酸1〜36を含んでなるか、あるいはから成るプレプロペプチドをコードする単離されたポリヌクレオチドに関する。好ましい面において、シグナルペプチドは配列番号1のヌクレオチド6〜62を含んでなるか、あるいはから成るポリヌクレオチドによりコードされる。好ましい面において、プロペプチドは配列番号1のヌクレオチド63〜170またはそのcDNA配列を含んでなるか、あるいはから成るポリヌクレオチドによりコードされる。好ましい面において、プレプロペプチドは配列番号1のヌクレオチド1〜108を含んでなるか、あるいはから成るポリヌクレオチドによりコードされる。
また、本発明は、培地中へのタンパク質の分泌を可能とする、配列番号2のアミノ酸1〜19を含んでなるか、あるいはから成るシグナルペプチドをコードする第1 ヌクレオチド配列、および配列番号2のアミノ酸20〜36を含んでなるか、あるいはから成るプロペプチドをコードする第2 ヌクレオチド配列の一方または両方に作用可能に連鎖されているタンパク質をコードする遺伝子を含んでなる核酸構築物に関し、ここで遺伝子は第1 および第2 のヌクレオチド配列に対して外来である。
好ましい面において、第1 ヌクレオチド配列は配列番号1のヌクレオチド6〜62を含んでなるか、あるいはから成る。好ましい面において、第2 ヌクレオチド配列は配列番号1のヌクレオチド63〜170またはそのcDNA配列を含んでなるか、あるいはから成る。
また、本発明は、このような核酸構築物を含んでなる組換え発現ベクターおよび組換え宿主細胞に関する。
また、本発明は、下記の工程を含んでなる、タンパク質を製造する方法に関する: (a) タンパク質の産生に適当な条件下に組換え宿主細胞を培養し、そして (b) タンパク質を回収する。
第1 および第2 のヌクレオチド配列は、個々に他の制御配列とともにまたは他の制御配列と組合わせて外来遺伝子に作用可能に連鎖されることができる。前述したように、シグナルペプチドおよびプロペプチドの両方の領域がタンパク質のアミノ末端に存在する場合、プロペプチド領域はタンパク質のアミノ末端の次に位置し、そしてシグナルペプチド領域はプロペプチドのアミノ末端の次に位置する。
タンパク質は宿主細胞に対して自然または異種であることができる。用語 「タンパク質」 はコード化された産物の特定の長さを意味し、したがって、ペプチド、オリゴペプチドおよびタンパク質を包含する。また、用語 「タンパク質」 は組合わせてコード化された産物を形成する2またはそれ以上のポリペプチドを包含する。また、タンパク質は少なくとも2つの異なるタンパク質から得られた部分的または完全なポリペプチド配列の組合わせを含んでなるハイブリッドポリペプチドを包含し、ここで1または2以上は宿主細胞に対して異種または自然であることができる。さらに、タンパク質は前述のタンパク質およびハイブリッドタンパク質の天然に存在する対立遺伝子変種および操作された変種を包含する。
好ましくは、タンパク質はホルモンまたはその変異型、酵素、レセプターまたはその一部分、抗体またはその一部分、またはリポーターである。他のより好ましい面において、タンパク質はオキシドレダクターゼ、トランスフェラーゼ、ヒドロラーゼ、リアーゼ、イソメラーゼまたはリガーゼである。なおより好ましい面において、タンパク質はアミノペプチダーゼ、アミラーゼ、カルボヒドラーゼ、カルボキシペプチダーゼ、カタラーゼ、セルラーゼ、キチナーゼ、クチナーゼ、シクロデキストリングリコシルトランスフェラーゼ、デオキシリボヌクレアーゼ、エステラーゼ、α-ガラクトシダーゼ、β-ガラクトシダーゼ、グルコアミラーゼ、α-グルコシダーゼ、β-グルコシダーゼ、インベルターゼ、ラッカーゼ、リパーゼ、マンノシダーゼ、ムタナーゼ、オキシダーゼ、ペクチン分解酵素、ペルオキシダーゼ、フィターゼ、ポリフェノールオキシダーゼ、タンパク質分解酵素、リボヌクレアーゼ、トランスグルタミナーゼまたはキシラナーゼである。
遺伝子は任意の原核生物、真核生物または他の源から得ることができる。
下記の実施例により本発明をさらに説明するが、これらの実施例は本発明の範囲を限定すると解釈すべきでない。
材料
緩衝剤として使用する化学物質および物質は少なくとも試薬等級の商品である。
DNA配列決定
DNA配列決定は、アプライド・バイオシステムス (Applied Biosystems) 3130X型遺伝分析装置 (Applied Biosystems、米国カリフォルニア州フォスターシティー) により色素ターミネーター化学 (Giesecke 他、1992、Journal of Virol. Methods 38: 47-60) を使用して実施した。配列はフレッド/フラップ/コンセド (phred/phrap/consed) (University of Washington、米国ワシントン州シアトル) を配列特異的プライマーとともに使用して組立てた。

ペニシリウム・ブラシリアヌム (Penicillium brasilianum) 株IBT 20888 (IBT Culture Collection of Fungi、Technical University of Denmark、デンマーク、コペンハーゲン) をβ-グルコシダーゼ源として使用した。アスペルギルス・オリゼ (Aspergillus oryzae) BECH2 (WO 00/30322) をペニシリウム・ブラシリアヌム (Penicillium brasilianum) 株IBT 20888β-グルコシダーゼの発現のために使用した。
培地および溶液
TEは10 mM Tris-1 mM EDTAから構成した。
LB培地は1リットル当たり10 gのトリプトン、5 gの酵母エキスおよび5 gの塩化ナトリウムから構成した。
LBプレートは1リットル当たり10 gのトリプトン、5 gの酵母エキス、5 gの塩化ナトリウムおよび15 gのバクト寒天から構成した。
STCは1.2 Mのソルビトール、10 mMのTris-HClおよび10 mMのCaCl2、pH 7.5から構成した。
PEG溶液は60% PEG 4000、10 mMのTris-HClおよび10 mMのCaCl2、pH 7.5から構成した。
YPM培地は1リットル当たり10 gの酵母エキス、20 gのペプトンおよび2%のマルトースから構成した。
実施例1ペニシリウム・ブラシリアヌム (Penicillium brasilianum) からのゲノムDNAの単離
ペニシリウム・ブラシリアヌム (Penicillium brasilianum) 株IBT 20888を下記に従いイネ上で増殖させた: Carisen、1994、Ph. D. thesis、Department of Biotechnology、Technical University of Denmark。胞子を20 mlの0.1% Tween 20で回収し、500 mlのバッフルド震蘯フラスコ中の0.25 gの酵母エキスおよび0.75 gのバクトペプトンを補充した1%/lのグルコースを含有する100 mlのMandelsおよびWeberの培地 (MandelsおよびWeber、1969、Adv. Chem. Ser. 95: 394-414) に1×106胞子濃度で接種した。真菌菌糸体を30℃、150 rpmにおいて24時間好気性増殖後に収獲した。
菌糸体をナルジーン (Nalgene) DS0281-5000フィルター (Nage Nunc International Corporation、米国ニューヨーク州ロチェスター) に通す濾過により乾燥するまで収集し、液体窒素中で凍結させた。凍結した菌糸体をドライアイスで冷却した乳鉢中で粉砕して粉末にし、ねじぶた付き管に分配した。0.5%のドデシル硫酸リチウムおよび0.5 mMのEDTAを含有する全体積40 mlの50 mMの3-(シクロヘキシルアミノ)-1-プロパンスルホン酸 (CAPS)-NaOH pH 11緩衝液中に、粉末を懸濁させた。この懸濁液を60℃に2時間配置し、周期的に逆位により再懸濁させた。この懸濁液に、0.1 MのTris塩基で中和した等しい体積のフェノール:クロロホルム (1:1 v/v) を添加し、管を37℃において回転ホイール上で2時間混合した。ソーバル (Sorvall) H10000Bローター中で2500 rpmにおいて遠心した後、水性相 (上部相) を再びフェノール:クロロホルム (1:1 v/v) で再抽出し、15,000×gにおいて5分間遠心した。
第2 抽出からの水性相を2.5 Mの酢酸アンモニウム (貯蔵液 10 M) にし、凍結するまで-20℃に配置した。融解後、抽出液を冷却したローター中で15,000×gにおいて20分間遠心した。ペレット (主としてrRNA) を廃棄し、上清中の核酸を0.7体積のイソプロパノールの添加により沈殿させた。15,000×gにおいて15分間遠心した後、ペレットを5 mlの70%のエタノールで3回すすぎ (再懸濁なし)、ほとんど完全に空気乾燥し、1.0 mlの0.1×TE中に溶解した。溶解したペレットを2本の1.5 mlのマイクロセントリフーグ管に移した。酢酸アンモニウム (0.125 ml) を2.0 Mに添加しそしてエタノール63% (1.07 ml) に添加することによって、ペレット溶液を沈殿させ、ソーバル (Sorvall) MC 12Vマイクロセントリフーグ (Kendro Laboratory Products、米国ノースカロライナ州アシェビレ) 中において最大速度で10分間遠心した。ペレットを70%のエタノールで2回すすぎ、完全に空気乾燥し、500μlの0.1×TE中に溶解した。
実施例2ゲノムDNAライブラリーの製造
TOPOショットガンサブクローニングキット (Invitrogen、米国カリフォルニア州カリスバッド) を使用して、ゲノムライブラリーを構築した。簡単に述べると、完全な細胞性DNAを10 psiの窒素下に15秒間噴霧により細断し、40 mMのTris塩基 - 20 mMの酢酸ナトリウム - 1 mMの二ナトリウムEDTA (TAE) 緩衝液を使用して1%のアガロースゲル上でサイズ分画した。3〜6 kbのサイズ範囲で移動するDNAフラグメントを切除し、MiniEluteTMゲル抽出キット (QUAGEN Inc、米国カリフォルニア州バレンシア) で抽出した。溶離したフラグメントを再び前述の1%のアガロースゲルによりサイズ分画し、3〜6 kbのサイズ範囲で移動するDNAフラグメントを切除し、MiniEluteTMゲル抽出キットで抽出した。
溶離したDNAフラグメントを平滑末端修復し、シュリンプアルカリ性プロテアーゼ (Roche Applied Science、ドイツ国マンヘイム) を使用して脱リン酸化した。平滑末端のDNAフラグメントをpCR4Blunt-TOPOベクター (Invitrogen、米国カリフォルニア州カリスバッド) 中に製造業者の使用説明書に従いクローニングし、エレクトロポレーションによりエレクトロコンピテント大腸菌 (E. coli) TOP10細胞中に形質転換し、100μg/mlのアンピシリンを補充したLBプレート上に配置した。エレクトロポレーションは15,300クローンを生じた。
実施例3ペニシリウム・ブラシリアヌム (Penicillium brasilianum) β-グルコシダーゼの精製
1リットル当たり1 gの酵母エキス、3 gのバクトペプトン、30 gのセルロースおよび10 gのキシランを補充した5リットルのバイオリアクター中の4リットルのMandelsおよびWeberの培地 (MandelsおよびWeber、1969、前掲) 中で、ペニシリウム・ブラシリアヌム (Penicillium brasilianum) 株IBT 20888を増殖させた。胞子をCarisen、1994、前掲に従い増殖させた。バイオリアクターに1×106/mlの濃度で胞子を接種した。2 M NH4OHまたは2M HClの添加によりpH 5.0を維持した。温度を30℃に維持した。エアレーションは4リットル/分および300〜500 rpmであった。111時間後、培養を停止し、ブロスをガラス繊維フィルター (GD 120、Advantec、日本国) に通して濾過した。
β-グルコシダーゼ活性を室温において50 mMのクエン酸ナトリウムpH 4.8中で測定した。基質は50 mMのクエン酸ナトリウムpH 4.8中の1 mMの4-ニトロフェニル-β-D-グルコピラノシドであった。β-グルコシダーゼは4-ニトロフェノールとグルコースとの間のアグルコン結合を加水分解する。遊離した4-ニトロフェノールはアルカリ性溶液中で黄色であり、そして405 nmにおいて分光光度測定的に決定できる。活性の1国際単位 (U) は、pH 4.8、25℃において1μmol/分の4-ニトロフェノールを遊離する酵素の量として定義される。
タンパク質濃度はSDS-PAGEにより決定した。15μlの試料をエッペンドルフ管中の15μlのSDS-PAGE試料緩衝液 (1.17 Mのスクロース、1 MのTris-HCl、pH 8.5、278 mMのSDS、2.05 mMのEDTA、0.88 mMのブリリアントブルーGおよび0.2 Mのジチオスレイトール) に添加し、70℃に10分間加熱した。加熱後、希釈した試料を前注型した4〜12%ビス-トリス前注型ゲル (Invitrogen、オランダ国グロニンゲン) に適用した。さらに、マーク (Mark) 12タンパク質標準混合物 (Invitrogen、米国カリフォルニア州カリスバッド) をゲルに適用した。
ゲルはXcell SureLockTMゲル装置 (Invitrogen、米国カリフォルニア州カリスバッド) 中で200 Vにおいて50分間展開した。流れる緩衝液は標準緩衝液 (1 MのMOPS、1 MのTRISおよび1%のSDS) を20倍希釈して調製した。0.5 mlの体積のNuPAGE(商標) 酸化防止剤 (Invitrogen、米国カリフォルニア州カリスバッド) を上部 (陰極) の緩衝液チャンバー添加した。電気泳動後、10%の酢酸、40%のメタノールおよび50 %のH2O中に溶解した0.1%(w/v) のクーマッシーブリリアントブルーR-250から成る染色溶液中で60分間インキュベートした。10%の酢酸、30%のメタノールおよび60 %のH2O中でゲルの脱染色を実施した。
精製前に、濾液を濃縮し、10 kDaのカットオフのPM10膜を有するアミコン (Amicon) 限外濾過ユニット (Millipore、米国マサチューセッツ州ベッドフォード) を使用して、緩衝液を20 mMのトリエタノールアミン (TEA)-HCl pH 7.5に交換した。FPLC系 (Amersham Biosciences、スェーデン国ウップサラ) を使用して、酵素の精製を室温において実施した。各精製工程間に、アミコン (Amicon) 限外濾過ユニットまたは10 kDaのカットオフの3.5 mlのマイクロセップ (Microsep) 限外濾過ユニット (Pall Life Science、米国ミシガン州アンアーバー) を使用して、プールした分画中で緩衝液を試料緩衝液と交換した。β-グルコシダーゼの溶離を280 nmにおいて監視した。
75 mlのQ セファローズHP (Amersham Biosciences、スェーデン国ウップサラ) を詰めたXK 26カラム上に、保持物質 (38.5 ml) を負荷した。このカラムを180 mlの試料緩衝液で洗浄した。試料緩衝液は20 mMのTEA-HCl pH 7.5であった。酵素を50% (800 mlを超える) までの勾配の20 mMのTEA-HCl pH 7.5および1 MのNaClで溶離した。10 mlの画分を収集し、β-グルコシダーゼ活性についてアッセイし、画分81〜85をプールした。
試料緩衝液として100 mMのNaCH3CO2 pH 4.8および200 mMのNaClを使用して、前の工程からの保持物質 (2.0 ml) をスーパーデックス (Superdex) 75 10/300 GLカラム (Amersham Biosciences、スェーデン国ウップサラ) 上に負荷した。酵素を60 mlの同一緩衝液で溶離した。2 mlの画分を収集し、β-グルコシダーゼ活性についてアッセイし、画分6〜9を活性および純度 (SDS-PAGE) に基づいてプールした。
試料緩衝液として10 mMのNaCH3CO2 pH 4.8を使用して、スーパーデックス (Superdex) 75工程からの保持物質 (14 ml) を6 mlのリソース (RESOURCE) Qカラム (Amersham Biosciences、スェーデン国ウップサラ) 上に負荷した。カラムを30 mlの試料緩衝液で洗浄した。酵素を50% (180 mlを超える) までの勾配の500 mMのNaCH3CO2 pH 4.8で溶離した。2 mlの画分を収集し、β-グルコシダーゼ活性についてアッセイし、画分49〜61を活性および純度 (SDS-PAGE) に基づいてプールした。
試料緩衝液として10 mMのNaCH3CO2 pH 4.8を使用して、リソース (RESOURCE) Q工程からの保持物質 (12 ml) を他の6 mlのリソース (RESOURCE) Qカラム (Amersham Biosciences、スェーデン国ウップサラ) 上に負荷した。カラムを30 mlの試料緩衝液で洗浄した。酵素を50% (300 mlを超える) までの勾配の500 mMのNaCH3CO2 pH 4.8で溶離した。2 mlの画分を収集し、β-グルコシダーゼ活性についてアッセイし、画分63〜67を比活性および純度 (SDS-PAGE) に基づいてプールした。
試料緩衝液として10 mMのNaCH3CO2 pH 4.0を使用して、リソース (RESOURCE) Q工程からの保持物質 (10.5 ml) を10 mlのソース (Source) Sカラム (Amersham Biosciences、スェーデン国ウップサラ) 上に負荷した。カラムを31.5 mlの試料緩衝液で洗浄した。酵素を15% (120 mlを超える) までの勾配の1 MのNaCH3CO2 pH 4.0で溶離し、次いで15%から100% (90 mlを超える) までの勾配の1 MのNaCH3CO2 pH 4.0で溶離した。2 mlの画分を収集し、β-グルコシダーゼ活性についてアッセイし、画分93〜107を比活性および純度 (SDS-PAGE) に基づいてプールした。
試料緩衝液として100 mMのNaCH3CO2 pH 4.8および200 mMのNaClを使用して、ソース (Source) S工程からの保持物質 (2 ml) をスーパーデックス (Superdex) 200 H10/300 GLカラム (Amersham Biosciences、スェーデン国ウップサラ) 上に負荷した。酵素を50 mlの同一緩衝液で溶離した。0.5 mlの画分を収集し、β-グルコシダーゼ活性についてアッセイし、画分28〜31を比活性および純度 (SDS-PAGE) に基づいてプールした。
試料緩衝液として1 Mの (NH4)2SO4、50 mMのNaCH3CO2 pH 4.8を使用して、スーパーデックス (Superdex) 200工程からの保持物質 (8.0 ml) を1 mlのフェニル・セファローズ (Phenyl Sepharose) HPカラム (Amersham Biosciences、スェーデン国ウップサラ) 上に負荷した。カラムを17.0 mlの試料緩衝液で洗浄した。酵素を100% (70 mlを超える) までの勾配の50 mMのNaCH3CO2 pH 4.8で溶離した。0.5 mlの画分を収集し、β-グルコシダーゼ活性についてアッセイし、画分73〜78を比活性および純度 (SDS-PAGE) に基づいてプールした。
精製したβ-グルコシダーゼのSDS-PAGEはほぼ115 kDaにおけるただ1つのバンドを示した。IEFゲルpH 3〜9および標準混合物pIs 3.5〜9.3を使用してファーマシア・ファストシステム (Pharmacia PhastSystem) により、等電点電気泳動を実施した。ファストゲル(PhastGel) IEF培地について銀法により、ゲルを染色した。等電点はほぼ3.9であると決定された。
実施例4N-末端の配列決定
エッペンドルフ管中の100μlのSDS-PAGE試料緩衝液 (4 mlの0.5 MのTRIS-HCl、pH 6.8、20 mlの10% SDS、20 mlのグリセロール (87%)、56 mlのミリ (Milli) Q濾過したH2Oおよび15グレンのブロモフェノールブルー) に、100μlのアリコートの精製したペニシリウム・ブラシリアヌム (Penicillium brasilianum) β-グルコシダーゼ (実施例3) を添加し、95℃に4分間加熱した。加熱後、4つの20μlのアリコートの希釈した試料を別々に前注型4〜10% SDSポリアクリルアミドゲル (Invitrogen、米国カリフォルニア州カリスバッド) に適用した。4つに加えて、レーンは試料、マーク (Mark) 12タンパク質標準混合物を含有した。
Xcell SureLockTMゲル装置中で90分間最大135Vにおいて40 mAの初期電力設定で、ゲルを展開した。電気泳動後、ゲルを6%のメタノールを含有する10 mMのCAPS pH 11から成るブロッティング溶液中で5分間インキュベートした。プロブロット (ProBlott) 膜 (Applied Biosystems、米国カリフォルニア州フォスターシティー) を純粋なメタノール中で1分間湿潤させた後、ブロッティング溶液中に5分間入れて、6%のメタノールを含有する10 mMのCAPS pH 11で膜を飽和させた。
次のようにして、セミ・ドライ・ブロッター (Semi Dry Blotter) II装置 (KemEnTec、デンマーク国コペンハーゲン) 中で、エレクトロブロッティングを実施した。ブロッティング溶液中で湿潤させた6枚のワットマン (Whatman) no. 1紙をブロッティング装置のプラスの電極上に配置し、次いでプロブロット (ProBlott) 膜、ポリアクリルアミドゲルおよびブロッティング溶液中で湿潤させた6枚のワットマン (Whatman) no. 1紙を配置した。ブロッティング装置を集合させ、これにより負の電極をワットマン (Whatman) no. 1紙の上の積重ねと接触させた。11.3 kgの重りをブロッティング装置の上部に配置した。エレクトロブロッティングを175 mAの電流で180分間実施した。
エレクトロブロッティング後、60%のメタノール、1%の酢酸および39 %のH2O中に溶解した0.1%(w/v) のクーマッシーブリリアントブルーR-250中で、プロブロット (ProBlott) 膜を1分間染色した。40%の水性メタノール中でプロブロット (ProBlott) 膜を5分間脱染色した後、膜を脱イオン水中ですすいだ。最後に、プロブロット (ProBlott) 膜を空気乾燥した。
N-末端のアミノ酸配列決定のために、2枚の115 kDaのバンドから成るプロブロット (ProBlott) 膜を切出し、アプライド・バイオシステムス・プロサイズ・タンパク質配列決定装置 (Applied Biosystems Procise Protein Sequencer) (Applied Biosystems、米国カリフォルニア州フォスターシティー) のブロッティングカートリッジ中に入れた。PVDF膜試料 (パルスド液状PVDF) の方法ランファイルを製造業者の使用説明書に従い使用して、N-末端のアミノ酸配列決定を実施した。
クロマトグラム中のピークの保持時間を標準クロマトグラム中でPTHアミノ酸の保持時間と比較することによって、生ずるクロマトグラムからN-末端のアミノ酸配列を推定した。
プロサイズ (Procise) 494 HT配列決定システム (Applied Biosystems、米国カリフォルニア州フォスターシティー) を使用して、精製されたペニシリウム・ブラシリアヌム (Penicillium brasilianum) β-グルコシダーゼのN-末端のアミノ酸配列を直接決定した。N-末端の配列はAla-Ile-Glu-Ser-Phe-Ser-Glu-Pro-Phe-Tyr-Pro-Ser-X-X-Met-Asn (配列番号2のアミノ酸37〜52) であると決定された。
実施例5PCR増幅
精製されたペニシリウム・ブラシリアヌム (Penicillium brasilianum) β-グルコシダーゼのN-末端のアミノ酸配列 (実施例4) に基づいて、CODEHOP戦略 (Rose 他、1998、Nucleic Acids Res. 26: 1628-35) を使用して、下に示すように、前方向プライマーを設計した。他のβ-グルコシダーゼ関するデータベースの情報から、CODEHOP戦略を使用して、下に示すように、逆方向プライマーを設計した。
前方向プライマー:
5’-GCGCTATCGAGTCTTTCTCTGARCCNTTYTA-3’ (配列番号3)
逆方向プライマー:
5’-GTCGGTCATGACGAAGCCNKGRAANCC-3’ (配列番号4)
ここでR = AまたはG、Y = CまたはT、K = GまたはTそしてN = A、C、GまたはT
テンプレートとしてほぼ1μgのペニシリウム・ブラシリアヌム (Penicillium brasilianum) ゲノムDNAを使用して、増幅反応物 (30μl) を調製した。さらに、各反応物は下記の成分を含有した: 30 pmolの前方向プライマー、30 pmolの逆方向プライマー、200 μMのdATP、dCTP、dGTPおよびdTTPの各々、1×AmpliTaqポリメラーゼ緩衝液 (Applied Biosystems、米国カリフォルニア州フォスターシティー) および0.5単位のAmpliTaqポリメラーゼ (5.0 U/μl、Applied Biosystems、米国カリフォルニア州フォスターシティー)。反応物を下記のプログラムに従いロボサイクラー (Robcycler) (Stratagene、米国カリフォルニア州ラジョラ) 中でインキュベートした: 1サイクルの96℃において3分間および72℃において3分間; 34サイクルの各95℃において0.5分間、56℃において0.5分間および72℃において1.5分間; 1サイクルの72℃において7分間; および5℃におけるソークサイクル。Tapポリメラーゼを第1 サイクルにおいて72℃で添加した。
2%のアガロースゲル (Amresco、米国オハイオ州ソロン) 上でTAE緩衝液を使用して、PCR反応生成物を分離した。ほぼ840 bpのバンドをゲルから切除し、MiniEluteTMゲル抽出キット (QUAGEN Inc、米国カリフォルニア州バレンシア) を製造業者の使用説明書に従い使用して精製した。精製したPCR生成物を引き続いてpCR2.1 TOPOベクター (Invitrogen、米国カリフォルニア州カリスバッド) 中に製造業者の使用説明書に従いクローニングして、pCR2.1GH3Aと表示するベクター (図2) を生成し、DNA配列決定により分析してファミリー3グリコシドヒドロラーゼとしてその同一性を確認した。
実施例6ゲノムライブラリーのスクリーニング
コロニーのリフトを実施し (Maniatis 他、1982、Molecular Cloning: A Laboratory Manual、Cold Spring Harbor Press、ニューヨーク州コールドスプリングハーバー) そしてDNAをHybond N+膜 (Amersham、イリノイ州アーリントンハイツ) 上に80℃において2時間架橋させた。コロニーのリフトからの膜を0.2×SSC (0.03 M NaCl、0.003 Mのクエン酸ナトリウム)、0.2% SDSで前洗浄した。前洗浄したフィルターを68℃の震蘯水浴内のビーカー中に1リットル当たり7.5 mlのハイブリダイゼーション溶液 (6×SSPE [0.9 M NaCl、0.06 M NaH2PO4および6 mM EDTA]、7% SDS) とともに0.5時間入れた。下に示すベクターに対して相同的であるプライマーを使用するPCR増幅により、pCR2.1GH3Aから実施例5に記載するPCR増幅のサブクローニングした生成物を増幅した。
5’-CTTGGTACCGAGCTCGGATCCACTA-3’ (配列番号5)
5’-ATAGGGCGAATTGGGCCCTCTAGAT-3’ (配列番号6)
テンプレートとしてほぼ50 ngのpCR2.1GH3Aを使用して、増幅反応物 (30μl) を調製した。さらに、各反応物は下記の成分を含有した: 1×Taq緩衝液 (New England Biolabs、マサチューセッツ州べバーリイ)、15 pmolのdATP、dTTP、dGTPおよびdCTPの各々および0.5単位のTaq DNAポリメラーゼ (New England Biolabs、米国マサチューセッツ州べバーリイ)。反応物を下記のプログラムに従いロボサイクラー中でインキュベートした: 1サイクルの94℃において1分間; および20サイクルの各94℃において30秒間、55℃において60秒間および72℃において1分間。次いで熱ブロックを4℃のソークサイクルに進行させた。TAE緩衝液を使用して2.0%のアガロースゲル上で反応生成物を単離し、1 kbの生成物のバンドをゲルから切除し、QIAquickゲル抽出キット (QUAGEN Inc、米国カリフォルニア州バレンシア) を製造業者の使用説明書に従い使用して精製した。
製造業者の使用説明書に従いキット (Stratagene Prime-it II Kit) (Stratagene、米国カリフォルニア州ラジョラ) を使用して、ほぼ40 ngをランダムプライマー標識化した。ミニ溶離PCR精製キット (MiniElute PCR Purification Kit) (QUAGEN Inc、米国カリフォルニア州バレンシア) を使用して、組込まれなかったヌクレオチドから放射線標識化遺伝子フラグメントを分離した。
5.0 M NaOHを0.5 Mの最終濃度に添加することによって、放射性プローブを変性し、ハイブリダイゼーション溶液の1 ml当たりほぼ0.5×106 cpmの活性においてハイブリダイゼーション溶液に添加した。この混合物を震蘯水浴中で68℃において10時間インキュベートした。インキュベーション後、膜を0.2×SSC、0.2% SDS中で68℃において3回洗浄した。次いで膜をブロッティング紙上で15分間乾燥させ、サランラップ (SaranWrapTM) 中に包み、増強スクリーン (Kodak、米国ニューヨーク州ロチェスター) を使用して-80℃において1夜X線フィルムに露出した。
ハイブリダイゼーションシグナルを産生するコロニーをプローブとともに1 ml当たり100μgのアンピシリンを補充した1 mlのLB培地中に接種し、37℃における1夜培養した。各溶液の希釈物をつくり、100μlを1 ml当たり100μgのアンピシリンを補充したLB寒天平板上に配置した。約40コロニー/平板を産生する各陽性物についての希釈物を二次的リフトのために選択した。前述したようにリフトを調製し、ハイブリダイゼーションし、プロービングした。1 ml当たり100μgのアンピシリンを補充した3 mlのLB培地中に各陽性平板からの2つのコロニーを接種し、37℃において1夜培養した。
製造業者のプロトコルに従いバイオ・ロボット (Bio Robot) 9600 (QUAGEN Inc、米国カリフォルニア州バレンシア) を使用して、各コロニーからミニプレプ (Miniprep) DNAを調製した。Eco RI消化およびアガロースゲル電気泳動により、各インサートのサイズを決定した。AB1およびAB2と表示する2つのコロニーの各々はほぼ4.5 kbのインサートを含有した。配列決定により、クローンが同定されたことが明らかにされ、それらを以後pKKABと呼んだ (図3)。
実施例7β-グルコシダーゼをコードするペニシリウム・ブラシリアヌム (Penicillium brasilianum) ゲノム配列の特性決定
色素ターミネーター化学を使用するプライマーウォーキング技術 (Glesecke 他、1992、J. Virol. Methods 38: 47-60) に従いアプライド・バイオシステムス (Applied Biosystems) 3700型自動化DNA配列決定装置 (Applied Biosystems、米国カリフォルニア州フォスターシティー) により、pKKABからのペニシリウム・ブラシリアヌム (Penicillium brasilianum) β-グルコシダーゼ遺伝子のDNA配列決定を実施した。
ゲノムコード配列 (配列番号1) および推定されたアミノ酸配列 (配列番号2) を図1Aおよび図1Bに示す。2751 bpのゲノムコード配列 (停止コドンを含む) は、57 bp (85〜141 bp) および57 bp (312〜368 bp) の2つのコドンで中断された、96,725 Daの計算した分子質量をもつ878アミノ酸のポリペプチドをコードする。この遺伝子のG+C含有率%は51.9%であり、そして成熟タンパク質コード領域 (配列番号1のヌクレオチド171〜2753) のそれは52%である。SignalPソフトウェアプログラム (Nielsen 他、1997、Protein Engineering 10: 1-6) を使用して、19残基のシグナルペプチドが予測された。β-グルコシダーゼのN-末端の配列に基づいて、残基20〜36は成熟間にタンパク質分解的に切断されるプロペプチド領域を構築するように思われる。予測された成熟タンパク質は842アミノ酸を含有する。
デフォルトパラメーターを使用してFASTプログラムパッケージ、バージョン3.4 (PearsonおよびD. J. Lipman、1988、PNAS 85: 2444、およびPearson、1990、Methods in Enzymology 183: 63) により、公開データベース中の同様な配列の検索を実施した。パッケージのSmith-Watermanのアルゴリズム (Waterman 他、1976、Adv. Math. 20: 367) からの対方法アラインメントを同一性%の決定に使用した。デフォルトパラメーターは、-12のギャップオープニングペナルティー、-2のギャップエクステンションペナルティーおよびBLOSUM 50比較マトリックスを含んだ。
アラインメントにより示されるように、β-グルコシダーゼ活性を有するGH3Aポリペプチドをコードするペニシリウム・ブラシリアヌム (Penicillium brasilianum) 遺伝子の推定されたアミノ酸配列は、ニューロスポラ・クラッサ (Neurospora crassa) (受け入れ番号Q7RWP2) からの仮説のタンパク質の推定されたアミノ酸配列に対して63.8%の同一性 (ギャップを含む) を共有し、そしてアスペルギルス・セルロリチカス (Aspergillus cellulolyticus) (受け入れ番号ABB07868) からの特性決定されたヒドロラーゼファミリー3β-グルコシダーゼに対して61.8%の同一性を共有した。
プラスミドpKKABを含有する大腸菌 (E. coli) TOP10細胞 (Invitrogen、米国カリフォルニア州カリスバッド) は、2005年7月8日に微生物株保存機関 (Agricultural Research Seivice Patent Culture Collection, Northern Regional Center、1815 Univeristy Street, Peoria, Illinois, 61604) にNRRL B-30860として寄託された。
実施例8アスペルギルス・オリゼ (Aspergillus oryzae) β-グルコシダーゼ発現プラスミドの構築
アスペルギルス (Aspergillus) 発現プラスミドpJaL721 (WO 03/008575) は、アスペルギルス・ニヅランス (Aspergillus nidulans) トリオースホスフェートイソメラーゼ非翻訳リーダー配列 (NA2/tpi) およびアスペルギルス・ニガー (Aspergillus niger) アミログルコシダーゼターミネーター (Tamg) に対して融合したアスペルギルス・ニガー (Aspergillus niger) 中性アミラーゼIIプロモーターに基づく発現カセットから成る。また、このプラスミド上に、唯一の窒素源としてアセトアミド上の増殖を可能とするアスペルギルス・ニヅランス (Aspergillus nidulanns) からの選択マーカーamdSが存在し、そしてpyeF欠乏大腸菌 (Escherichia coli) 株DB6507 (ATCC 35673) の増殖を可能とするサッカロマイセス・セレビシエ (Saccharomyces cerevisiae) からのURA3マーカーが存在する。後述するように選択マーカーとしてサッカロマイセス・セレビシエ (Saccharomyces cerevisiae) URA3遺伝子を使用して、大腸菌 (E. coli) DB6507中への形質転換を実施した。
MandelおよびHiga、1970、J. Mol. Biol. 45: 154に記載されている方法により、大腸菌 (E. coli) DB6507をコンピテントとした。1リットル当たり1 gのカザミノ酸、500μgのチアミンおよび10 mgのカナマイシンを補充した固体状M9培地 (J. Sambrook、E. F. FritschおよびT. Maniatis、1989、Molecular Cloning: A Laboratory Manual、第2版、ニューヨーク州コールドスプリングハーバー) 上で、形質転換体を選択した。
β-グルコシダーゼ遺伝子を後述するようにpJaL721中にクローニングした。下記の2つのオリゴヌクレオチドプライマーを使用するPCRにより、ペニシリウム・ブラシリアヌム (Penicillium brasilianum) からのβ-グルコシダーゼ遺伝子を増幅した:
前方向PCR:
5’-AATTTGATCACACCATGCAGGGTTCTACAATCTTTCTGCC-3’ (配列番号7)
逆方向PCR:
5’-TTAACTCGAGTTACTCCAATTGTGAGCTCAGCGG-3’ (配列番号8)
クローニングを促進するために、制限酵素部位を各プライマーの5’末端に挿入し、ここで前方向プライマーはBcl I部位を含有し、そして逆方向プライマーはXho I部位を含有した。
ABクローン (実施例6) をPCR反応においてテンプレートとして使用した。1.0単位のフュージョン (Phusion) (Finnzymes Oy、フィンランド国エスポー)、1×フュージョン (Phusion) 緩衝液HF (Finnzymes Oy、フィンランド国エスポー)、25 ngのクローンAB、250μMの各dNTPおよび50 pmolの前述の2つのプライマーの各々を含有する50μlの体積で反応を実施した。下記のプログラムに従いPTC-220 DNAエンジン・ディアド・ペルティール・サーマル・サイクラー (DNA Engine Dyad Peltier Thermal Cycler) (MJ Research, Inc.、米国マサチューセッツ州ワスサム) 中の増幅を実施した: 1サイクルの95℃において5分間; 24サイクルの各94℃において0.5分間、58℃において0.5分間および68℃において4.0分間; および1サイクルの68℃において15分間。ホットスタートPCR技術 (Chou 他、1992、Nucleic Acids Res. 20: 1717) を使用し、そしてフュージョン (Phusion) ポリメラーゼを第1 サイクル後1分に添加した。
PCR反応はほぼ2700 bp長さの単一のDNAフラグメントを生成した。フラグメントをBcl IおよびXho Iで消化し、アガロースゲル電気泳動により単離し、精製し、Bcl IおよびXho Iで消化したpJaL721中にクローニングして、pKBK01と表示するプラスミド (図4) を生じさせた。pKBK01中のβ-グルコシダーゼ遺伝子の配列をDNA配列決定により確認した。
実施例9アスペルギルス・オリゼ (Aspergillus oryzae) 中のペニシリウム・ブラシリアヌム (Penicillium brasilianum) β-グルコシダーゼの発現
下記の文献に記載されているように、アスペルギルス・オリゼ (Aspergillus oryzae) BECh2 (WO 00/30322) を5μgのpKBK01で形質転換した: Christensen 他、1988、Biotechnology 6: 1419-1422。
形質転換体を50 mlの管中の10 mlのYPM培地中で30℃において4日間培養した。全ブロスを12,100×gにおいて遠心し、上清を取出した。XT MES緩衝液中のCriterion XT Precast Gel、10% Bis-Trisゲル (BioRad Laboratories、米国カリフォルニア州ハーキュレス) を製造業者の使用説明書に従い使用して、上清をSDS-PAGEにより分析した。10μlの体積の上清を9μlの試料緩衝液 (0.125 M Tris-HCl、pH 6.8、20%のグリセロールおよび4.6%のSDS) および1μlの1 Mジチオスレイトールと混合し、96℃に5分間加熱した。28の上清のうちの8において、標準35 kDaから150 kDaの範囲においてSDS-PAGEによりほぼ115 kDaの1つのバンドが可視であった。また、ほぼ115 kDaにバンドを生ずる上清は、実施例3に記載されているようにアッセイして、β-グルコシダーゼ活性を含有した。このバンドの強度がより高いほど、同一上清中で測定されるβ-グルコシダーゼ活性はより高かった。
1つの形質転換体をアスペルギルス・オリゼ (Aspergillus oryzae) KBK01と表示した。
実施例10組換えペニシリウム・ブラシリアヌム (Penicillium brasilianum) β-グルコシダーゼの製造および精製
バイオリアクター内において1リットル当たり60 gのスクロース、10 gのMgSO4・H2O、10 gのKH2PO4、15 gのK2SO4、20 gのクエン酸、50 gの酵母エキス、0.5 mlの微量金属および1 mlのプルロン酸から構成された培地中で24時間アスペルギルス・オリゼ (Aspergillus oryzae) 形質転換体KBK01を増殖させた。微量金属は1リットル当たり14.28 gのZnSO4・7H2O、2.50 gのCuSO4・5H2O、2.5 gのNiCl2・6H2O、13.8 gのFeSO4・7H2O、8.5 gのMnSO4・H2Oおよび3.0 gのクエン酸から構成した。1日後、1リットル当たり350 gの75%のマルトース溶液、5 gのクエン酸、10 gの酵母エキス、0.5 mlの微量金属および5 mlのプルロン酸から構成されたマルトース溶液をバイオリアクターに供給した。5日後、培養を停止させた。
2.5リットルの発酵ブロスから遠心および濾過によりバイオマスを取出した。生ずる上清を脱イオン水で5リットルとし、OS10C72 10 kDAの膜のフィルトロン (Filtron) (Filtron、米国) で限外濾過した。1.2リットルの生ずる体積をpH 8.5に調節した。
実施例3に記載するように、β-グルコシダーゼ活性を測定した。実施例3に記載するように、タンパク質濃度を決定した。実施例3に記載するように、SDS-PAGE分析を実施した。β-グルコシダーゼの溶離を280 nmにおいて監視した。
25 mM Tris pH 8.5と前平衡化したQ-セファローズ・ファスト・フロー (Q-Sepharose Fast Flow) カラム (Amersham Biosciences、スウェーデン国ウップサラ) 上に、β-グルコシダーゼ溶液を負荷した。25 mM Tris pH 8.5中の0〜1 M NaCl勾配 (5カラム体積) で、β-グルコシダーゼを溶離した。β-グルコシダーゼを含有する画分を105 mlの体積でプールした。
0.1 M 酢酸ナトリウムpH 6.0中の前平衡化したセファクリル (Sephacryl) S-200カラム上で、Q-セファローズ (Q-Sepharose) 工程からのプールの一部分 (40 ml) をさらに精製した。β-グルコシダーゼを68 mlの体積の同一緩衝液で溶離した。
タンパク質含有率を280 nmにおける吸収から決定し、β-グルコシダーゼの主要な構造から吸光係数を計算した。
精製をSDS-PAGEで追跡した。試料を等しい体積の2×試料緩衝液および1/5体積の1% PMSFとともに2分間沸騰させ、4〜20%のTris-グリシンゲル (Novex) 上に負荷した。このゲルをゲルコード・ブルー染色試薬 (GelCode Blue Stain Reagent) で染色し、水で脱染色した。SDS-PAGEにより、ほぼ115 kDaのバンドが明らかにされた。
実施例11精製した組換えペニシリウム・ブラシリアヌム (Penicillium brasilianum) β-グルコシダーゼの特性決定
実施例10に記載されている精製した組換えペニシリウム・ブラシリアヌム (Penicillium brasilianum) β-グルコシダーゼを、pH最適値、温度最適値、温度安定性および基質特異性に関して特性決定した。
pH最適値および温度最適値 20℃〜90℃の温度および3.0〜8.0のpH値において、β-グルコシダーゼ活性を測定した。精製したβ-グルコシダーゼをMilliQ水中で蒸留して、このアッセイで発生した4-ニトロフェノールが標準曲線内に入るようにした。基質はpH 3.18、4.16、4.86および6.17に調節した50 mMのクエン酸ナトリウム中の、およびpH 7.07および8.13に調節した50 mMの炭酸ナトリウム中の、1 mMの4-ニトロフェニル-β-D-グルコピラノシドであった。活性を10分間測定し、そして2 mMのEDTAを含有する0.5 M グリシン/NaOH pH 10で反応を停止させた。
温度の関数として異なるpH値におけるポリペプチドペニシリウム・ブラシリアヌム (Penicillium brasilianum) 株IBT 20888β-グルコシダーゼの相対活性を図5に示す。
pHの関数として異なる温度におけるポリペプチドペニシリウム・ブラシリアヌム (Penicillium brasilianum) 株IBT 20888β-グルコシダーゼの相対活性を図6に示す。
Novozym 188およびペニシリウム・ブラシリアヌム (Penicillium brasilianum) 株IBT 20888β-グルコシダーゼについての温度安定性 20℃〜67.5℃の温度および3〜8のpH値において24時間の期間の間、ペニシリウム・ブラシリアヌム (Penicillium brasilianum) β-グルコシダーゼおよびNovozym 18 (Novozymes A/S、デンマーク国バグスバード) の安定性を試験した。酵素調製物をインキュベーション緩衝液中で2000倍に希釈した。pH 3〜pH 6のインキュベーション緩衝液は必要なpHに調節した10 mMのクエン酸ナトリウムを含有し、そしてpH 7およびpH 8のインキュベーション緩衝液は必要なpHに調節した10 mMの炭酸ナトリウムを含有した。残留活性を室温において10分間の期間の間測定した。基質はpH 4.80に調節した50 mMのクエン酸ナトリウム中の1 mMの4-ニトロフェニル-β-D-グルコピラノシドであり、そして2 mMのEDTAを含有する0.5 M グリシン/NaOH pH 10で反応を停止させた。
異なる温度およびpH (n=2) において24時間のインキュベーション後のNovozym 18の残留活性を図7に示す。
異なる温度およびpH (n=3) において24時間のインキュベーション後のペニシリウム・ブラシリアヌム (Penicillium brasilianum) 株IBT 20888β-グルコシダーゼの残留活性を図8に示す。
ペニシリウム・ブラシリアヌム (Penicillium brasilianum) 株IBT 20888からのβ-グルコシダーゼはpH 4〜pH 6において60℃まで24時間の期間の間安定であった。Novozym 18はpH 4およびpH 5において50℃まで24時間の期間の間およびpH 6において40℃まで24時間の期間の間安定であった。
ペニシリウム・ブラシリアヌム (Penicillium brasilianum) 株IBT 20888β-グルコシダーゼについての反応速度論的パラメーター
基質4-ニトロフェニル-β-D-グルコピラノシド。 50 mMのクエン酸ナトリウムpH 4.80中で0.07〜2 mMの濃度において4-ニトロフェニル-β-D-グルコピラノシドを使用して、反応速度論的パラメーターを測定した。室温において2分間活性を測定し、そして2 mMのEDTAを含有する0.5 M グリシン/NaOH pH 10で反応を停止させ、そして実施例3に記載するように測定した。
ミハエリス-メンテン (Michaelis-Menten) 定数kmおよび最大反応速度を酵素の4つの独立希釈物から決定した。基質阻害を示す測定値は、反応速度論的パラメーターの決定において省略した。パラメーターは下記の通りであるラインウィーバー-バーク (Linewearver-Burk) プロットから決定した: km = 0.077 ± 0.021 mMおよびVmax = 78.2 ± 7.2 U/mg酵素。ヘーンズ (Hanes) プロットを使用してパラメーターを決定すると、1%より小さいパラメーターに偏差を生じた。
異なる4-ニトロフェニル-β-D-グルコピラノシド濃度におけるペニシリウム・ブラシリアヌム (Penicillium brasilianum) 株IBT 20888β-グルコシダーゼについての初期反応速度を図9に示す。
基質セロビオース。 50 mMの酢酸ナトリウムpH 4.80中の0.08〜10 mMの濃度においてセロビオースを使用して、反応速度論的パラメーターを測定した。室温において5分間活性を測定し、そして2 mMのEDTAを含有する0.5 M グリシン/NaOH pH 10で反応を停止させ、次いで65℃に10分間宿加熱した。次いでpHを1 M HClでpH 7.1にし、エコリン (Ecoline) S+グルコース (DiaSys Diagnositics Systems GmbH、ドイツ国ホルゼイム) を使用して測定した。マルクアート-レベンバーグ (Marquardt-Levenbarg) アルゴリズム (SigmPloto 9.01、Systat Software, Inc.) を使用して非線形曲線のあてはめにより、ミハエリス-メンテン (Michaelis-Menten) パラメーターを決定した。
ミハエリス-メンテン (Michaelis-Menten) 定数kmおよび最大反応速度はセロビオースの加水分解について、それぞれ、1.58 mMおよび28 U/mgであると決定された。1単位は1μmol/分のセロビオースを加水分解する酵素の量として定義される。
異なるセロビオース濃度におけるペニシリウム・ブラシリアヌム (Penicillium brasilianum) 株IBT 20888β-グルコシダーゼについての初期反応速度を第10図に示す。
生物学的物質の寄託
下記の生物学的物質は、ブダペスト条約に関してNRRL (Agricultural Research Service Patent Culture Collection, Northern Regional Research Center、1815 University Street, Peoria, Illinois, 61604) に寄託され、そして下記の受け入れ番号が与えられた。
Figure 0005221347
菌株は、この出願の係属中に米国特許法施行規則第1.14条および米国特許法第122条下に権利を与えられた米国特許商標庁長官により決定される者に対して、培養物へのアクセスが可能であることが保証される条件下に寄託された。寄託物は寄託された菌株の実質的に純粋な培養物を表す。寄託物は、主題の出願の対応出願またはその継続出願が提出されている国における外国の法律により要求に応じて入手可能である。しかしながら、寄託物の入手可能性は、政府の行為により許可された特許権の適用制約において主題の発明を実施するためのライセンスを構成しないことを理解すべきである。
本明細書において記載しそして特許請求される本発明は本明細書に開示する特定の面により範囲を限定されるべきでない。なぜなら、これらの面は本発明のいくつかの面の例示を意図しているからである。いかなる同等の面も本発明の範囲内に含まれることを意図する。事実、本明細書において示しそして記載したものに加えて本発明の種々の変更は、前の説明から当業者にとって明らかとなるであろう。また、このような変更は添付された特許請求の範囲内に入ることを意図する。矛盾する場合、定義を含む本発明の開示は調節するであろう。
種々の参考文献が本明細書において引用されているとおり、それらの開示は引用することによって本明細書の一部分とされる。
図1Aは、ペニシリウム・ブラシリアヌム (Penicillium brasilianum) 株IBT 20888β-グルコシダーゼのゲノムDNA配列および推定されたアミノ酸配列 (それぞれ配列番号1および2) を示す。 図1Bは、ペニシリウム・ブラシリアヌム (Penicillium brasilianum) 株IBT 20888β-グルコシダーゼのゲノムDNA配列および推定されたアミノ酸配列 (それぞれ配列番号1および2) を示す。 図2は、pCR2.1GH3Aの制限地図を示す。 図3は、pKKABの制限地図を示す。 図4は、pKBK01の制限地図を示す。 図5は、異なるpH値におけるペニシリウム・ブラシリアヌム (Penicillium brasilianum) 株IBT 20888β-グルコシダーゼの相対活性を温度の関数として示す。 図6は、異なる温度におけるペニシリウム・ブラシリアヌム (Penicillium brasilianum) 株IBT 20888β-グルコシダーゼの相対活性をpHの関数として示す。 図7は、異なる温度およびpHにおいて24時間インキュベートした後のノボザイム (Novozym) 188の残留活性を示す。 図8は、異なる温度およびpHにおいて24時間インキュベートした後のペニシリウム・ブラシリアヌム (Penicillium brasilianum) 株IBT 20888β-グルコシダーゼの残留活性を示す。 図9は、ペニシリウム・ブラシリアヌム (Penicillium brasilianum) 株IBT 20888β-グルコシダーゼについての異なる4-ニトロフェニル-β-D-グルコピラノース濃度における初期反応速度を示す。 図10は、ペニシリウム・ブラシリアヌム (Penicillium brasilianum) 株IBT 20888β-グルコシダーゼについての異なるセロビオース濃度における初期反応速度を示す。

Claims (13)

  1. 下記から成る群から選択される、β-グルコシダーゼ活性を有するポリペプチド:
    (a)配列番号2中のアミノ酸37−878の成熟ポリペプチドと少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%又は少なくとも99%の同一性を有するアミノ酸配列を含んでなるポリペプチド;及び
    (b)配列番号2中のアミノ酸37−878の成熟ポリペプチドの1〜10個のアミノ酸の置換、欠失および/または挿入を含んでなる変異型。
  2. 配列番号2のアミノ酸配列を含んでなるか、あるいはから成る、請求項1に記載のポリペプチド。
  3. 成熟ポリペプチドコード配列が配列番号1中のヌクレオチド171〜2753である、請求項1に記載のポリペプチド。
  4. 大腸菌(E. coli)NRRL B-30860中に含有されるプラスミドpKKAB中に含有されるポリヌクレオチドによりコードされる、請求項1に記載のポリペプチド。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載のポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含んでなるポリヌクレオチド。
  6. 請求項5に記載のポリヌクレオチドを含んでなる組換え発現ベクターまたは組換え宿主細胞。
  7. 請求項1〜4のいずれかに記載のポリペプチドを製造する方法において、
    (a)前記ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを含んでなる組換え宿主細胞を当該ポリペプチドの産生を促す条件下に培養し;そして
    (b)当該ポリペプチドを回収する;
    工程を含んで成る方法。
  8. 請求項1〜4のいずれかに記載のβ-グルコシダーゼ活性を有するポリペプチドを製造する方法において、
    (a)前記のポリペプチドの産生を促す条件下にβ-グルコシダーゼ活性を有するポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを含んでなるトランスジェニック植物または植物細胞を培養し;そして
    (b)前記のポリペプチドを回収する;
    工程を含んで成る方法。
  9. 請求項1〜4のいずれかに記載のβ-グルコシダーゼ活性を有するポリペプチドをコードするポリヌクレオチドで形質転換されたトランスジェニック植物、植物部分または植物細胞。
  10. 請求項1〜4のいずれかに記載のβ-グルコシダーゼ活性を有するポリペプチドと界面活性剤とを含んでなる洗剤組成物。
  11. 有効量の請求項1〜4のいずれかに記載のβ-グルコシダーゼ活性を有するポリペプチドの存在下に有効量の1種または2種以上のセルロース分解タンパク質でセルロース材料を処理することを含んでなる、セルロース材料を分解または変換する方法。
  12. 前記セルロース材料分解物を回収することをさらに含んでなる、請求項11に記載の方法。
  13. 物質を製造する方法において、
    (a)有効量の請求項1〜4のいずれかに記載のβ-グルコシダーゼ活性を有するポリペプチドの存在下に有効量の1種または2種以上のセルロース分解タンパク質でセルロース材料を糖化し;
    (b)工程(a)のセルロース材料糖化物を1種または2種以上の発酵微生物で発酵させ;そして
    (c)発酵から物質を回収する;
    工程を含んで成る方法。
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