JP5221203B2 - 高周波交流電源装置 - Google Patents
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Description
この場合、絶縁トランスの1次巻線と2次巻線間を絶縁する絶縁材料中にボイドがあると、ボイド部分に局部的に高電界が印加され部分放電が発生する。
そして、半導体スイッチのスイッチング周波数が高いほど部分放電の発生頻度が高くなり、時間経過と共にトリーイングによってやがて絶縁破壊に至る確率が高まり信頼性が低下するため、通常はモールドトランスと呼ばれる樹脂封止型のトランスを使用しなければならず、コスト高となる問題があった。
また、このようなモールドトランスは内部が見えないので、劣化や汚損の状態が把握し難くメンテナンス周期を短くする必要があった。また劣化や汚損が生じた場合でも絶縁部がモールドされているので、清掃など簡便な方法によって機能を回復できないため、トランスを交換する必要がありメンテナンスコストが高くなるという問題があった。
このようなトランスを用いて半導体スイッチを高いスイッチング周波数で動作させると、浮遊容量を介してコモンモード電流が流れる。
このようなコモンモード電流は、ノイズ輻射の原因になる他、ノイズ電流による装置の誤動作や発熱などの原因となるため、コモンモード電流を抑制する部品としてチョークコイルやフィルタを挿入する必要がありコスト高となる問題があった。
また、前記ノイズ輻射を抑制するためにトランスを金属シャーシでシールドする必要があり、このためコスト高になるだけでなく、トランスの外形サイズ・重量が大きくなり装置への取り付け作業が困難となる。
これを防ぐため従来は各トランスの出力に短絡状態を検出するための保護回路を設けるなどの対策が必要であった。
また、トランスコアを共通としたトランスは、各2次巻線を離して絶縁するために大きなトランスコアを使う必要がありトランスが重く大型化してしまう。
前記問題を解決するためにトランスをエポキシ樹脂でモールドしたり絶縁性能の高い絶縁線を使用したりする必要がありコスト高となっていた。
前記の問題を解決するため、従来は各半導体スイッチにコンデンサが並列に接続され電圧が均等に分担するように出力端子に近い半導体スイッチほど大容量のコンデンサが接続されていた。そのため部品点数が多くなり、コスト高となっていた。
図1は高周波交流電源装置に接続する負荷としてレーザ出力を得る放電管を接続した場合の基本的な構成を示す回路構成図である。
図1において、負荷である放電管1は、誘電体コンデンサ2と放電抵抗3を含んでいる。フルブリッジインバータの4つのアームA1〜A4を構成する複数の高電圧スイッチ5は、中点を接地された直流高圧電源8の直流電圧Ea/2を高速でスイッチングして高周波交流電圧に変換し出力リアクトル4を介して放電管1に供給する。各高電圧スイッチ5は直列接続された複数のFET等の半導体スイッチで構成され、各半導体スイッチは各ゲート回路6によって駆動される。各ゲート回路6はゲート用電源7から駆動用電力を供給されると共に、制御回路9から光発振器10、光ファイバ11を介してオン・オフ用の制御信号を供給される。
図2に制御回路9から出力される制御信号S1〜S4と出力電圧Voutのタイミングチャートの一例を示す。
制御信号S1〜S4はオン時間がオフ時間よりも2td短いオン・オフ信号で、制御信号S3、S4は制御信号S1、S2よりも位相が90度進みまたは遅れたオン・オフ信号である。
前記のようにオン時間をオフ時間よりも2td短くすることで制御信号S1、S2と制御信号S3、S4の立ち上がり、立下りのタイミングが同じにならないようにデッドタイムtdが設けられる。
制御信号S1,S2がオンのときに、出力電圧Voutは+Ea、制御信号S3,S4がオンのときに、出力電圧Voutは-Eaとなり±Eaの高周波交流電圧が出力される。
前記S1〜S4のオン・オフ信号を光発振器10で光に変換し光ファイバ11を介してゲート回路6に伝送する。
高電圧スイッチ5は、直列多段接続された6個の半導体スイッチ20で構成され、ゲート回路6は、各半導体スイッチ20にゲート信号を供給する6個のゲートドライブ回路19で構成されている。ゲート用電源7は、商用電源12、AC/DCコンバータ13、ゲートドライブ回路19、6個のトランス15、6個の整流回路27で構成されている。トランスドライブ回路14はフルブリッジ回路といった一般的なスイッチング回路でAC/DCコンバータ13からの出力電圧をスイッチングする。
各トランス15は、閉じた磁路を形成する複数のトランスコア18、これらのトランスコアを貫通する直列接続された1次巻線(以下直列1次巻線という)16、及びこの直列1次巻線と空間距離を設けて各トランスコアに巻回された複数の2次巻線17を有し、直列1次巻線16はトランスドライブ回路14に接続されると共に、各2次巻線17は対応す
る各ゲートドライブ回路19に整流回路27を介して接続されている。
各ゲートドライブ回路19には光ファイバ11を通してオン・オフ信号が伝送されており、ゲートドライブ回路19から各半導体スイッチ20にスイッチング信号が供給される。半導体スイッチ20はそれぞれ直列に接続されているため、1つの耐圧が小さくても全体としては、高電圧仕様を満足し得る。
図4において、複数(図では6個)のトランス15は、それぞれ閉じた磁路を形成するように円環状のトランスコア18と、トランスコアに巻回された2次巻線17と、全てのトランスコア18を貫通し全ての2次巻線17に対して直列1次巻線16とを有し、プリント基板21上に配設されている。
即ち、図4に示すように、複数のトランスコア18が、それらの中空部が一列に連なるように台座23を介してプリント基板21上に取り付けられた状態で、直列1次巻線16は、全てのトランスコア18の中空部を直線状に貫通するように配置され、その両端が端子台22を介してプリント基板21上に支持され、端子台22を介して1次電流が供給され、各2次巻線17は、その両端がプリント基板21上の配線(図示せず)に接続され、整流回路27を介して対応する各ゲートドライブ回路19に直流電圧を供給する。
そして、このトランス構造においては、各トランス15の1次巻線16と2次巻線17間は空間距離によって一様な雰囲気で絶縁される。このため、部分放電が発生し難く、部分放電が発生したとしても絶縁材料の劣化による絶縁破壊がないため信頼性・安全性が大幅に向上する。
図5に絶縁物中にボイドが1個ある場合の等価回路を示す。図中、Cvはボイド25の静電容量、C1〜C4は右図の位置に対応した絶縁物の静電容量を示している。
通常、絶縁物26中のボイド25は空気等の気体でできていて、その大きさは非常に小さい。絶縁物26の電極24間に電圧を印加すると静電容量の小さいボイド25に高い電圧が印加され、ボイド部の電界強度が局部的に高くなる。電界強度が局部的に高くなると部分放電の発生確率が高まり、さらに半導体スイッチのスイッチング周波数が高くなるとその確率はより高まる。部分放電が発生すると絶縁物が炭化し侵食され時間経過と共に侵食された部位が発展して局部破壊を起こす。これが更に樹枝状に発達して全路破壊に至るトリーイング現象が起こる。
部分放電による絶縁破壊を防ぐため、一般的にはモールドトランスと呼ばれる樹脂封止型のトランスが使用される。モールドトランスは、1次巻線と2次巻線間を絶縁するため絶縁テープなどの絶縁材料を挟み込んでトランスコアに巻線を巻きつけた後、巻線間の隙間・ボイドを減らすためエポキシ樹脂などの絶縁材料でモールドしている。
トランスの絶縁に用いられる代表的な絶縁材料であるエポキシ樹脂の比誘電率は2.5〜6.0なのに対し空気は1.0である。静電容量CはC=(ε0εs・S)/dから計算でき、静電容量Cは比誘電率εsに比例する。比誘電率の小さな空気で絶縁することで、エポキシ樹脂を用いた場合と比較して1次巻線と2次巻線間の浮遊容量を1/2.5〜1/6.0に抑えることができる。また静電容量Cは距離dに反比例するので1次巻線と2次巻線間に十分な空間距離を設けることでさらに浮遊容量を小さくすることができる。
各トランス15の1次巻線16と2次巻線17間の浮遊容量を小さくできれば、浮遊容量を介して流れるコモンモード電流が減少し、チョークコイルやフィルタ等のノイズ対策部品が必要なくなる。また、ノイズ輻射も抑制されるため金属シャーシを必要とせずトランスが軽量化され、トランスの装置への取り付けが容易となる。
半導体スイッチの出力容量Coesでの充放電損失Wcは、分担電圧をVc、スイッチング周波数をfとすると、1/2・Coes・Vc^2・fで求めることができ、上式より分担電圧Vcが高くなると出力容量Coesでの損失Wcは分担電圧Vcの2乗に比例して増加する。そのため分担電圧Vcが高い一部の半導体スイッチで損失Wcが大きくなるといった問題があった。
かかる問題を解決するため従来は各半導体スイッチにコンデンサが並列に接続され、電圧が均等に分担するように出力端子に近い半導体スイッチほど大容量のコンデンサが接続されていた。そのため部品点数が多くなり、コスト高となっていた。
図6(a)に示すようにアームA1を構成する半導体スイッチQ1〜Q6全てがオン、A2がオン、A3,A4がオフの時、各出力容量の両端電圧は0V、各接続点の電位は+3kVとなりトランス結合容量10pFが充電される。
図6(b)に示すようにアームA1を構成する半導体スイッチQ1〜Q6全てがオフ、A2がオフ、A3,A4がオンで、各接続点の電位が図のようになった場合、トランス結合容量10pFから各半導体スイッチの出力容量に移動電荷が流れ込む。
図6(b)中の10nC〜60nCは、図6(a)中のQ1〜Q6がオンからオフに切り替わった際、トランス結合容量10pFにかかる電圧が図6(b)のように仮に+2kV〜-3kVである場合に移動する電荷を表している。
また、図6(b)中の400nC〜550nCは、各出力容量400pFに流れる電荷を表しており、最初に図6(b)中、左端の出力容量400pFに1kVが印加され、400nC(=400pF/1kV)の電荷が流れ、その後、接続点に流れ込んでくる上記トランス結合容量10pFからの移動電荷が加算され、各出力容量に400nC〜550nCの電荷が流れる。
出力アームに近い半導体スイッチの出力容量ほど多くの移動電荷が流れ、この各部の移動電荷を出力容量で除したものが半導体スイッチの分担電圧を等価的に表し、出力アームに近い半導体スイッチほど分担電圧が高くなる。
従来は分担電圧を均等化させるため半導体スイッチQ1〜Q6にコンデンサを並列に接続し出力アームに近い半導体スイッチほど大容量コンデンサが接続されていた。
このため半導体スイッチ20の分担電圧のアンバランスが小さくなり、出力容量の充放電に伴う損失を均一化できると共に、半導体スイッチにコンデンサを並列に接続する必要がなくなり部品点数・コストを抑えることができる。
この場合、複数のゲート回路のうち1つでも故障しトランスの出力がショートするとトランス1次側が短絡状態となり、トランス1次側のトランスドライブ回路も連鎖的に故障してしまうため、各トランスの出力(2次側)に短絡電流検出のための保護回路を設けるなどの対策を行っていた。
本実施の形態1によれば、複数のゲートドライブ回路19のうち1つが故障しトランス15の出力がショートした場合でも、トランス1次側が短絡状態にならずトランス15は継続して他のゲートドライブ回路に駆動用電力を供給することができる。
n個のトランスのうち1個の出力がショートした場合、ショートしたトランスは磁気飽和
を起こし1次側インダクタンスはゼロとなる。
これによりトランスの1次電圧がV1'=Vin/(n-1)に上昇するため、他の2次側の出力電圧(即ちゲートドライブ回路の出力電圧=ゲート電圧)もV2'=Vin・N/(n-1)に上昇する。
また1次側の総インダクタンスL=n・L1はL'=(n-1)・L1に減少し、
励磁電流IlがVin・t/((n-1)・L1)に増加する。
1次電流I1は2次電流I2と励磁電流との和なので、
1次電流I1はI2+ Vin・t/(n・L1)からI2+ Vin・t/((n-1)・L1)に増加する。
つまり、n個のトランスのうち1個の出力がショートすると、2次側出力電圧(ゲート電圧)はV2'=Vin・N/(n-1)に増加またはゼロとなり、1次電流I1も増加するが、nが十分に大きければ2次側出力電圧及び1次電流の増加分もわずかである。
1次巻線を直列に接続した本実施の形態によれば、必要耐圧に対して十分なマージンを有する半導体スイッチを用いれば、ゲート電圧がV2'=Vin・N/(n-1)に上昇するが、装置が停止することなく継続して動作可能である。
また半導体スイッチとして絶縁ゲート素子を用いた場合では、ゲート電圧が上がるとオン抵抗が下がり、損失増加が低減されるので、
半導体スイッチの分担電圧増加に伴う発熱の増加が緩和され、故障箇所のメンテナンスを行うまでの期間、装置を停止させること無く、継続動作させることが可能となり、非常に高い信頼性を確保できる。
側)を監視する必要があった。本実施の形態1においては、1次巻線が直列である複数の
トランスのうち少なくとも1つのトランスの2次側がショートすると、他のトランスの2次側の出力電圧はVin・N/nからVin・N/(n-1)に増加する。
上記のように2次側の出力電圧はVin・N/(n-1)に増加するが、必要耐圧に対して十分なマージンを有する半導体スイッチを使用することで複数のトランスのうち少なくとも1つのトランスの2次側がショートしても装置のメンテナンスを行うまでの期間、装置を停止することなく継続して動作が可能であるため高い信頼性が得られる。
また、複数のトランスのうち少なくとも1つのトランスの2次側電圧を監視し、2次側電圧が所定のしきい値を超えた場合にゲートドライブ回路19の動作を停止させる保護回路を備えることにより、ゲートドライブ回路19の故障に対して容易に対処することができる。
1次電圧はV1'=Vin/(n-1)に増加する。従って、直列1次巻線における1次電流または1次電圧を監視し、1次電流または1次電圧が所定のしきい値を超えた場合に、ゲートドライブ回路19の動作を停止させる保護回路を備えるようにしても、ゲートドライブ回路19の故障に対して容易に対処することができる。
本実施の形態によれば保護回路と監視電圧を絶縁することなく保護をかけられるので、複雑な回路を必要とせず、回路調整などに時間を割かれることがなくなり、設計時間の短縮とコスト削減の両方が図れる。
また、本実施の形態1によれば、独立した複数のトランスコア18に2次巻線17が巻かれるため、2次巻線17間は空間距離を設けて絶縁され、トランスコアを小型・軽量化できると共にエポキシ樹脂でモールドする必要がないためコストを抑えることができる。
また、本実施の形態1によれば、各トランス15は広く流通している部材を用いて構成可能なため汎用性に優れ、構成部材は極めて安価であるため、モールドトランスを用いた従来の装置と比較して安価な高周波交流電源装置が得られる。
また、本実施の形態1によれば、各トランス15を樹脂で封止する必要が無く、汚損状態を目で見て確認できるためメンテナンス時期を容易に確認できるほか、ハケなどでトランスコア周辺を清掃することによって簡便に機能を回復することができるためメンテナンスコストを抑えることができる。
このようにプリント基板上にトランスを実装することで、配線部材、トランスや端子台といった構造体とシールド板とを兼ね備えたゲート用電源が構成でき、トランスの1次巻線と2次巻線間の距離と位置、空間・沿面距離といった絶縁距離を、プリント基板の製造精度で極めて高精度に制御可能であると共に、配線が簡便な低ノイズ高周波交流電源装置が得られる。
この場合、トランスコアが角型であることで、トロイダル状(環状)のトランスコアと比較して、トランスコアとトランスコア取り付け面の接触面積が広いので、安定してトランスコアを基板に固定できるため台座を必要とせず、耐振動性が向上するとともに信頼性が向上し、コストと組み立て工数が削減される。
また一般的に角型のトランスコアには、トランスコアを分割できるものがあり、1次巻線を配線後に、トランスコアを組み立てることで、トランスコア中空部に1次巻線を配置することができ、組み立て性が向上する。
またギャップ(スリット)を設けることで、トランスコアを基板に固定した後、1次巻線をトランスコアに貫通させることなく、ギャップ(スリット)を通して1次巻線をトランスコア中空部に配置することができるので組み立て性が向上する。
従って、本実施の形態と異なり1次巻線と2次巻線間の距離が短い場合やトランスが汚損した場合は部分放電を発生しやすいが、部分放電発生時に生成されるオゾンによって装置内部への害虫やネズミ等の侵入を防止することができる(オゾンにはハエやゴキブリ等の害虫やネズミ等の忌避効果、殺虫や害虫の活動の抑制効果がある)。
上記のように1次巻線と2次巻線間に部分放電が発生する場合はオゾンが生成されオゾンによって害虫やネズミ等が装置に侵入することで起きる故障、短絡事故などを防止できるため装置の信頼性が高まる。
図8、図9及び図10は、ゲート用電源7におけるトランス部分の他の構成例を示す斜視図及び要部平面図である。
図8において、複数のトランスコア18が、それらの中空部が一列に連なるように台座23を介してプリント基板21上に取り付けられた状態で、直列1次巻線16は、全てのトランスコア18の中空部を直線状に貫通するように配置され、その両端が端子台22を介してプリント基板21上に支持され、端子台22を介して1次電流が供給され、各2次巻線17は、その両端がプリント基板21上の配線に接続され、整流回路27を介して対応する各ゲートドライブ回路19に直流電圧を供給する。
以上の構成は実施の形態1と同じであるが、本実施の形態2においては、図8に詳細を示すように、複数のトランス15は、2次巻線17が各トランスコア18の中心よりトランスコアのプリント基板取り付け部側(台座23側)に偏って巻かれ、直列1次巻線16が各トランスコア18に対する2次巻線の偏りとは反対側に偏って複数のトランスコア18を貫通するように端子台23で支持されている。
更に、図9に示すように直列1次巻線16の断面形状は1次巻線16の中心よりトランスコアのプリント基板取り付け部側が円形となっている。
偏らせて複数のトランスコア18に貫通させることで、1次巻線16がトランスコア18
の中心を通るときよりも1次巻線16と2次巻線17間の空間距離を容易に大きくできるため、所望の絶縁距離を取りやすくトランスコアを小型・軽量化できる。
また1次巻線16と2次巻線17の間の浮遊容量は距離に反比例するので、前記のように1次巻線16と2次巻線17間の空間距離を大きくすることで、1次巻線と2次巻線間の浮遊容量が小さくなり、浮遊容量を介して流れるコモンモード電流を抑制できる。
1次巻線16の断面形状が円形ではなく、角がある断面形状の場合、角部に電界が集中し部分放電の発生確率が高まり、放射ノイズが多く発生する。
部分放電による放射ノイズを抑えたい場合は、本実施の形態2に示すように1次巻線16の断面形状を少なくとも1次巻線16の中心より下のトランスコア取り付け部側が円形とすることで低ノイズ化が図れる。
本実施の形態2のように、2次巻線17をトランスコア18の中心より、トランスコア取り付け部の方向に偏らせて巻くことで、コアと取り付け面との接着の際に巻線も同時に接着固定できるので、組み立て性・加工時間が改善されるだけでなく巻線の配線長を短くでき、コストを抑えることができる。
この場合、トランスコアが角型であることで、トロイダル状(環状)のトランスコアと比較して、トランスコアとトランスコア取り付け面の接触面積が広いので、安定してトランスコアを基板に固定できるため台座を必要とせず、耐振動性が向上するとともに信頼性が向上し、コストと組み立て工数が削減される。
また一般的に角型のトランスコアには、トランスコアを分割できるものがあり、1次巻線を配線後に、トランスコアを組み立てることで、トランスコア中空部に1次巻線を配置することができ、組み立て性が向上する。
またギャップ(スリット)を設けることで、トランスコアを基板に固定した後、1次巻線をトランスコアに貫通させることなく、ギャップ(スリット)を通して1次巻線をトランスコア中空部に配置することができるので組み立て性が向上する。
光発振器、11 光ファイバ、12 商用電源、13 AC/DCコンバータ、14 トランスゲートドライブ回路、15 トランス、16 1次巻線、17 2次巻線、18 トランスコア、19 ゲートドライブ回路、20 半導体スイッチ、21 プリント基板、22 端子台、23 台座、24 電極、25 ボイド、26 絶縁物
27 整流回路
Claims (8)
- 直列に接続された複数の半導体スイッチと、これらの半導体スイッチをそれぞれ駆動する複数のゲートドライブ回路と、これらのゲートドライブ回路にそれぞれ電圧源を供給する多出力ゲート用電源とを備え、
前記多出力ゲート用電源は、前記各ゲートドライブ回路に相互に、絶縁された電圧源を供給する複数のトランスと、これらのトランスに駆動電力を供給するトランスドライブ回路を含み、
前記トランスは、閉じた磁路を形成するトランスコアと、このトランスコアに巻回された2次巻線と、前記トランスコアの中空部を貫通する1次巻線とで構成され、
前記2次巻線は前記各ゲートドライブ回路に接続され、
前記複数のトランスの1次巻線は直列に接続され、
前記直列1次巻線と2次巻線が空間距離を設けて配置されており、
前記複数のトランスコアの中空部が一列に連なるようにプリント基板上に取り付けられると共に、
前記直列1次巻線は全てのトランスコアの中空部を貫通するように配置され、その両端が前記プリント基板上に支持され、
前記各2次巻線はその両端が前記プリント基板上の配線を介して対応する前記各ゲートドライブ回路に接続されている
ことを特徴とする高周波交流電源装置。 - 前記各トランスコアにギャップ(スリット)を形成したことを特徴とする請求項1記載の高周波交流電源装置。
- 前記各2次巻線が、前記各トランスコアのプリント基板取り付け部側に偏って巻かれていることを特徴とする請求項1または2記載の高周波交流電源装置。
- 前記直列1次巻線が、前記各トランスコアの2次巻線の偏りとは反対側に偏って前記複数のトランスコアを貫通するように位置していることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一つに記載の高周波交流電源装置。
- 前記直列1次巻線の断面の形状が、少なくとも1次巻線の中心より前記各トランスコアのプリント基板取り付け側が円形となっている請求項1乃至4のいずれか一つに記載の高周波交流電源装置。
- 前記直列1次巻線における1次電流または1次電圧を監視し、前記1次電流または1次電圧が所定のしきい値を超えた場合に、前記ゲートドライブ回路の動作が停止することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一つに記載の高周波交流電源装置。
- 前記複数のトランスのうち少なくとも1つのトランスの2次側電圧を監視し、前記2次側電圧が所定のしきい値を超えた場合に、前記ゲートドライブ回路の動作が停止することを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一つに記載の高周波交流電源装置。
- 前記複数のトランスの1次巻線と2次巻線間に部分放電が発生し、オゾンが生成されることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか一つに記載の高周波交流電源装置。
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