JP2004319690A - マグネトロン駆動用の昇圧トランス及びこれを備えたトランスユニット - Google Patents

マグネトロン駆動用の昇圧トランス及びこれを備えたトランスユニット Download PDF

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伸一 酒井
Keiichi Sato
圭一 佐藤
Kenji Yasui
健治 安井
Haruo Suenaga
治雄 末永
Hisashi Morikawa
久 森川
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Abstract

【課題】トランスの性能を犠牲にすることなく、しかもコストアップを招くことなく小型化を図り、実装用基板における占有スペースを小さくし、トランスユニットの小型化を図ることが可能なマグネトロン駆動用の昇圧トランス及びこれを備えたトランスユニットを提供する。
【解決手段】少なくとも一次巻線13及び二次巻線15が巻回されたボビン11と、該ボビン11の中心に挿通されたコア19とを有するマグネトロン駆動用の昇圧トランス100であって、二次巻線15の巻線領域が隔離壁23を隔てて2分割されており、二次巻線15の線材の外径をd、分割された各巻線領域の幅をtとしたときに、これらの寸法をt<11dに設定した。
【選択図】 図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、マグネトロン駆動用の昇圧トランス及びこれを備えたトランスユニットに関し、特に昇圧トランスを小型化する技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えばインバータ方式の高周波加熱装置は、基板上に昇圧トランスを実装したトランスユニットを内蔵している。このトランスユニットの回路について図9を参照して説明する。
商用電源51は、ダイオードブリッジ等の整流回路53によって全波整流され、インバータ55によって高周波電圧に変換されて昇圧トランス57の一次巻線59に印加される。これにより、昇圧トランス57の二次巻線61に数kVの高周波の高電圧が発生する。
【0003】
そして、この高周波高電圧は、コンデンサ63やダイオード65からなる倍電圧整流回路67によって整流される。これにより、マイクロ波発生器であるマグネトロン69に高電圧が印加される。また、昇圧トランス57のヒータ巻線71は、マグネトロン69のフィラメント73に接続され、フィラメント73を加熱する。そして、マグネトロン69は、フィラメント73の加熱と高電圧の印加によりマイクロ波を発振する。
【0004】
上記のマグネトロン駆動用の昇圧トランス57としては、例えば図10に示すように、一次巻線59と二次巻線61とヒータ巻線71が一つの巻き枠(ボビン)75に巻線され、U型磁性体77,78の同一軸上に並列して配置された構成のものがある。このような昇圧トランス57は、実装する基板に対し各巻線に接続されたピン端子を基板の端子孔に挿入して半田固定されていた。
【0005】
上記構成のマグネトロン駆動用の昇圧トランスとしては、例えば特許文献1記載のものがある。
【特許文献1】
特開平10−27720号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
この種のマグネトロン駆動用の昇圧トランスにおいては、加熱調理器等の装置の小型化と、装置の高機能化に伴ってより高付加価値の部品搭載が求められており、装置各部のダウンサイジングが積極的に図られている。その中で、昇圧トランスは、特に重量と容積の大きな部品であり、小型化が特に求められている。
【0007】
また、昇圧トランスの一次巻線59、二次巻線61等が巻線されるボビン75は金型成形により作製されるが、その形状が複雑なものとなると、金型が高価となって製造コストが増大する。特に二次巻線61側では3層以上の複数層に跨って構成されることもあり、ボビン75の形状を複雑化していた。そこで、ボビン形状の単純化のため、単純に巻線領域を分割するためのリブ79を省略したり、層数を少なくしたりすると、その場合には線間電圧が増大してコロナ放電を誘発することがあり、トランスの寿命が大幅に短縮される不具合を生じることとなる。
【0008】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、トランスの性能を犠牲にすることなく、しかも巻線時間の増大を招くことなく小型化を図り、実装用基板における占有スペースを小さくし、トランスユニットの小型化を図ることが可能なマグネトロン駆動用の昇圧トランス及びこれを備えたトランスユニットを提供することを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的は、下記構成により達成される。
(1)少なくとも一次巻線及び二次巻線が巻回されたボビンと、該ボビンの中心に挿通されたコアとを有するマグネトロン駆動用の昇圧トランスであって、前記二次巻線の巻線領域が隔離壁を隔てて2分割されており、二次巻線の線材の外径をd、分割された各巻線領域の幅をtとしたときに、これらの寸法が、t<11dに設定されていることを特徴とするマグネトロン駆動用の昇圧トランス。
【0010】
このマグネトロン駆動用の昇圧トランスによれば、二次巻線の巻線領域が隔離壁を隔てて2分割されており、二次巻線の外径d、分割された各巻線領域の幅t1の各寸法がt1<11dに設定されることで、コロナ放電の発生が防止されて耐久性が向上し、且つ昇圧トランス全体のサイズをコンパクトにすることができる。
【0011】
(2)前記二次巻線が、線材を非整列状態でボビンに巻き付けていることを特徴とする(1)記載のマグネトロン駆動用の昇圧トランス。
【0012】
このマグネトロン駆動用の昇圧トランスによれば、線材を非整列状態でボビンに巻き付けても、最隣接線間の最大電位差がコロナ放電発生電圧を下回るため、比較的ラフな高速巻き付け機械を利用して線材をボビンに巻き付けることができ、コロナ放電の発生を防止しつつ、製造コストを抑えることができる。
【0013】
(3)前記隔離壁の厚みt、前記分割された各巻線領域の幅tの各寸法が、0.8t<tに設定されていることを特徴とする(1)又は(2)記載のマグネトロン駆動用の昇圧トランス。
【0014】
このマグネトロン駆動用の昇圧トランスによれば、二次巻線の最外径が大きくなって昇圧トランスが扁平形状となり昇圧トランスを実装する基板の専有面積が増大したり、昇圧トランスの設置高さが増大する等の設置スペースの増大を招くことがなくなる。
【0015】
(4)前記二次巻線の線材が、芯線の回りに絶縁被覆を形成した単線又は該単線を複数本撚り合わせただけのリッツ線であることを特徴とする(1)〜(3)のいずれか1項記載のマグネトロン駆動用の昇圧トランス。
【0016】
このマグネトロン駆動用の昇圧トランスによれば、ボビン形状により十分に裕度のある耐電圧設計がなされているため、線材自体の耐電圧性が低くても耐久性が低下することがないので、安価である単線やリッツ線を用いた低コストな構成にできる。
【0017】
(5) 前記(1)〜(4)のいずれか1項記載のマグネトロン駆動用の昇圧トランスであって、前記昇圧トランスの前記二次巻線からの高周波高電圧を整流する倍電圧整流回路を構成する高電圧部品が、前記ボビンと一体に保持されていることを特徴とするトランスユニット。
【0018】
このトランスユニットによれば、トランスユニットの幅L、高さL、奥行きLの各寸法をそれぞれ小さくでき、トランスユニット全体を略立方体の形状にできる。これにより、トランスユニットを基板上に実装した場合に、基板上の占有面積を小さくでき、基板の小型化に寄与できる。また、高さ方向にも低くすることができ、例えば加熱調理器の装置内部に基板を搭載するために必要な容積を大きく低減させることができる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明のマグネトロン駆動用の昇圧トランス及びこれを備えたトランスユニットの好適な実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
図1は本発明に係る昇圧トランスの概略的な構成図、図2は図1に示す昇圧トランスの二次巻線部分の概念図である。
図1に示すように、本発明の昇圧トランス100は、主に、樹脂製の絶縁材料からなるボビン11と、このボビン11に巻回された一次巻線13、二次巻線15、ヒータ巻線17と、フェライトコア等の磁性体(コア)19とから構成されている。
【0020】
磁性体19は、2つのU型コア19a,19bの一端側を互いにボビン11の中心に挿通して対峙させた状態で配設されている。
ボビン11は、一端側から一次巻線13、二次巻線15、ヒータ巻線17がこの順で同心軸上に並列され、一次巻線13はボビン11のリブ21aと21bとの間、二次巻線15は21cと21dとの間、ヒータ巻線17は21dと21eとの間に巻線されている。二次巻線15は、リブ21c,21dの間で隔離壁23により巻線領域を2層構造としている。
【0021】
本発明の昇圧トランス100においては、図2に示すように、二次巻線15の巻線領域を隔離壁23により2層構造とし、二次巻線15の線材の線径をd、二次巻線15の各巻線領域の幅をt、隔離壁23の厚みをtとしたときに、(1)式の範囲に収まるように各寸法を設定している。
0.8t<t<11d (1)
【0022】
上記範囲に収まるように昇圧トランス100を設計することにより、コロナ放電の発生が防止されて耐久性が向上し、且つ昇圧トランス100全体のサイズをコンパクトにすることができる。
【0023】
以下に、上記範囲に設定する理由を詳細に説明する。
マグネトロン駆動用として用いる昇圧トランスは、二次巻線の線間電圧を2kV〜3kVとして印加し、倍電圧回路の出力側に接続されたマグネトロンへ4kV〜5kVの駆動電圧を供給している。また、電子レンジ用のインバータ装置に用いる昇圧トランスとしては、一次巻線は15〜20ターン程度、二次巻線は250〜350ターン程度の巻線数に設定されている。
【0024】
ここで、昇圧トランスを設計するにあたり重要な注意事項として、(1)隣接する巻線同士の間の線間耐電圧を確保すること、(2)隔離壁を設けて巻線領域を多層構造とした場合に、層間の耐電圧を確保することが挙げられる。(1)の線間耐電圧の確保に対しては、線材自体の耐電圧性を向上することは勿論であるが、コロナ放電(部分放電)の発生を避けることが肝要となる。
図3にコロナ放電が発生する電圧を線間距離に対して求めた結果を示した。なお、環境温度は180℃の場合とした。
隣接する線材同士間の距離である線間距離が0の場合、つまり、線材同士が接触している場合には、約800Vの電位差が生じたときにコロナ放電が発生して、線材の絶縁被覆層等に損傷を与える。このようなコロナ放電を繰り返すと、損傷が蓄積されてついには線間の絶縁破壊により、リーク電流が発生して昇圧トランスの性能が維持できなくなる。
【0025】
コロナ放電発生電圧は、線間距離が1mmの場合には930V、2mmの場合には1100V、3mmの場合には1900Vとなり、線間距離の増加に応じて耐圧性も増加する。つまり、線間距離が短い程、コロナ放電発生電圧が低くなり、コロナ放電が生じやすい環境となる。
【0026】
ここで、図4に示すように二次巻線15の巻線領域を、単層、及び多層構造とした場合の耐電圧性をそれぞれ比較する。
図4において(a)は単層構造であり、(b)は隔離壁23を1箇所設けた2層構造、(c)は隔離壁23を2箇所に設けた3層構造、(d)は隔離壁23を3箇所に設けた4層構造を例示している。各構造において、隣接する線間の電位差が最大となる場合を考えると、例えば(c)の構造を一例として挙げると図5に示すようになる。即ち、図5(a)のように、巻線領域に線材24を順次巻き付ける際、巻線領域26の幅と線材24の外径との関係により、3ターン目で一段目が埋まることとする。そして、次の4ターン目は3ターン目の線材の直上に巻かれ、5ターン目は2ターン目の線材の直上に巻かれる。
【0027】
さらに6ターン目が4ターン目の線材の直上に巻かれ、三角状に巻線されるといった偏った巻線パターンになることが最悪のケースとして想定される。この偏った巻線パターンで、次の7ターン目を巻き付ける際、6ターン目や5ターン目の線材の直上では不安定となり、1ターン目の線材の直上に巻かれることが安定的な巻かれ方となる。従って、この場合には1ターン目と7ターン目が電位差の最大となる隣接する線材同士の関係となる。
【0028】
この二次巻線15が、例えば合計300ターンで、印加される電圧が3kVとすると、1ターン目と7ターン目の線材間の電位差は次のように計算される。
図5(c)の構造では、二次巻線15が3層構造であるので、1層当たりの巻線数は約100ターンとなる。また、印加電圧も1層当たり1kVとなる。従って、1ターン当たりの電位差は約10Vとなり、1ターン目と7ターン目の差である6ターン分の電位差は約60Vとなる。
【0029】
このため、図3のコロナ放電発生電圧のグラフによる、線間距離が0の場合のコロナ放電発生電圧800Vを大きく下回っており、図5(d)の状態における最大の電位差が生じる場合であっても、隣接線間のコロナ放電の問題は解消されている。
同様にして他の構造図4(a),(b),(d)に対する最大電位差を求めると、(a)単層構造では1.71kV、(b)2層構造では210V、(d)4層構造では60Vとなる。
層内で一段毎に発生する線間電圧は、その層内に一列に並べられるターン数をnとすると、n(n+1)/2で与えられる。先に述べたように二次巻線15の巻数は250〜350ターンで、それに印加される電圧は2〜3kVであるため、最悪のケースは、巻数250ターンで且つ、印加電圧が3kVの場合となる。その場合の線間電圧を800V以下にするためには、最下段には11ターン以下の巻線が必要となる。
【0030】
次に、隔離壁23を設けて巻線領域を多層構造とした場合の、層間の耐電圧を確保する点について説明する。
ここでも図4(c)の3層構造を一例として挙げ、図6に隔離壁を隔てて巻線を行う様子を概念的に示した。
図6(a)に示すように、一つの巻線領域に対して巻線を完了すると、最終ターン位置の線材25は隔離壁23に設けられたスリットを通り、隣接する巻線領域で巻線が開始される。この隣接する巻線領域においても順次巻線が行われ、例えば図6(b)に示すように、最終ターン位置の線材27が、先の最終ターン位置の線材25に接近して配置される場合がある。このように、最大の電位差を生じる線材25,27同士が接近すると、その近接距離は最短で隔離壁23の厚みtとなる。
【0031】
上記の場合に隔離壁23を挟んで生じる最大電位差は、3層構造の場合に次のように求められる。前述のように1層当たり約100ターンの巻線が存在することになり、各巻線領域内で線材が3列配置されることで、実際には図6に示す状態(4層構造)とは異なり、径方向(図中縦方向)に約34ターン分が積層された34段構造となる。従って、前述の最大の電位差を生じる線材25,27は、約100ターン分の電位差を有しており、概ね1kVの電位差が生じることとなる。
【0032】
同様にして他の構造図4(b),(d)に対する隔離壁間の最大電位差を求めると、(b)2層構造では1.5kV、(d)4層構造では750Vとなる。
以上の結果を表1に纏めて示した。
【0033】
【表1】
Figure 2004319690
【0034】
表1を参照すると、単層の場合には、最隣接線間の最大電位差が線間距離0の場合のコロナ放電発生電圧を大きく超えており、従って整列巻きがコロナ放電防止のために必須となる。
2層以上の多層構造の場合には、最隣接線間の最大電位差がコロナ放電発生電圧を下回り、比較的ラフな巻き付け状態となる高速巻き付け機械を利用して、線材をボビン11へ非整列状態(線材の巻き位置が前ターンの位置に隣接するように順次巻かれていないランダムな巻き状態)で巻き付けても、コロナ放電の発生が防止され、製造コストを抑えることができる。
【0035】
また、隔離壁23を挟んだ最大電位差は、2層では隔離壁の厚みを3mmに設定しているため、1.5kVの電位差があってもコロナ放電が発生することはない。3層の場合には最大電位差が1kVとなるが、隔離壁23の厚みが2.0mmあるのでコロナ放電が防止され、また、4層の場合には最大電位差が750Vとなり、隔離壁23の厚みが1mmであるのでこの場合もコロナ放電が防止される。
【0036】
一方、二次巻線15が形成されるボビンの形状は、単層構造では単純になり低コストで作製することができる。また、多層構造の場合のボビン形状は、層数の増加に伴い複雑化し、4層以上では実質的に加工性に不具合が生じて加工コストが大きく増加する傾向にある。
以上のことから、二次巻線15の層数は、高速機械巻きで作製可能な2層以上とし、且つボビンの加工性の良い3層以下に抑えることが必要となる。ここで、2層構造と3層構造とを比較すると、前述したように、トランスユニットの小型化を考えた場合、2層構造の方がより小型化できるというメリットを有している。
以上のことから、二次巻線15の層数は2層に設定することが好ましい。
【0037】
ここで、二次巻線15の層数を2層としたときに、二次巻線15の線材の外径dと巻線領域の幅tは、コロナ放電の発生を防止できる程度の厚みの関係に設定する。具体的には(2)式を満足する寸法に設定する。
<11d (2)
【0038】
また、二次巻線15の最外径が大きくなると、昇圧トランスが扁平形状となり、昇圧トランスを実装する基板の専有面積が増大したり、昇圧トランスの設置高さが増大する等の設置スペースの増大を招く要因となる。例として、二次巻線を300ターンとすると、一層当たり150ターン巻線する必要があり、最下段に5列巻いた場合は、半径方向に30ターン巻く必要がある。隔離壁の厚みを二層の場合に適している3mm、二次巻線15の線材の外径を0.5mmとすると、(30×0.5):(5×0.5×2+3)=(15:8)で約2:1となり、半径方向にはこの他にもコアやコアと二次巻線間の絶縁層の厚みを考慮すると、これ以上半径方向のサイズを大きくすることは好ましくない。よって、二次巻線15の隔離壁23の厚みtと巻線領域tは、(3)式を満足する寸法に設定する。
0.8t<t (3)
【0039】
上記の(2)式及び(3)式を纏めると、前述した(1)式となる。このように、(1)式を満足するようにt、t、及びdの各寸法を設定することでコロナ放電の発生が防止され、且つ昇圧トランス100全体のサイズをコンパクトにできる。
【0040】
そして、上記(1)式を満足する昇圧トランス100に対し、二次巻線15からの高周波高電圧を整流する倍電圧整流回路を構成する高電圧部品をボビン11と一体に保持させてトランスユニットを構成すると、このトランスユニットを使用した電源ユニットのサイズを大幅にコンパクト化することができる。
図7にトランスユニットの一構成例を示した。(a)は基板搭載面を下側にしたときの側面図で、(b)は(a)に示すA方向の矢視図である。
【0041】
図7(a),(b)に示すように、トランスユニット200の高圧部品のコンデンサ31やダイオード33を、ボビン11の片側側面に取り付けた構成としたときに、幅L、高さL、奥行きLの各寸法をそれぞれ小さくでき、トランスユニット200の全体を略立方体の形状にできるような(1)式の範囲の設定にすることにより、トランスユニット200を基板上に実装した場合に、基板上の占有面積が小さくなり、基板の小型化に寄与できる。また、高さ方向にも低くすることができ、例えば加熱調理器の装置内部に基板を装着するために必要な容積を大きく低減させることができる。なお、本実施形態では、ボビン11の側面に高圧部品を設けた構成例を示しているが、この構成に限らず、基板上に高圧部品を設ける構成としても、トランスユニット200の一層の小型化が達成される。
【0042】
ここで、上記の昇圧トランス100の巻線に用いる線材としては、単線、リッツ線、オーバーコートリッツ線等が挙げられるが、これらのいずれも好適に適用することができる。図8にこれら各線材の断面図を示した。(a)は単線、(b)はリッツ線、(c)はオーバーコートリッツ線の断面を示している。
一般に耐電圧性に優れる線材としては芯線35の回りにエナメル等の絶縁被覆37を施した線材を複数本纏めて束ね、さらにその外側を絶縁材39によりコートして断面円形とした構成のオーバーコートリッツ線が挙げられるが、高価という難点がある。一方、リッツ線では安価で低コストとなる反面、耐電圧性ではオーバーコートリッツ線より劣るため、耐久性に乏しくなる難点があった。しかし、本発明に係る昇圧トランス100においては、ボビン11の形状により十分に裕度のある耐電圧設計がなされているために、線材自体の耐電圧性が低くても耐久性が低下することがない。その結果、安価な単線やリッツ線を用いても、コロナ放電発生による耐久性低下を招くことなく、低コストな構成にできる。即ち、複数本が束ねられたリッツ線を絶縁材39により外周を断面円形にオーバーコートした構成ではなく、芯線35の回りに絶縁被覆37を形成しただけの単線、又はこのような単線を複数本撚り合わせただけの非オーバーコートタイプのリッツ線を用いることで済む。
【0043】
なお、リッツ線の直径dについては、各芯線35の絶縁被覆37の外表面の最小径d(min)から各芯線35の絶縁被覆37の外表面との外接円径となる最大径d(max)までの径寸法が取り得るが、いずれの場合であっても前述した(1)式及び(2)式の条件を満足するように設定する。
【0044】
このように、本発明の昇圧トランス及びトランスユニットによれば、トランスの性能を犠牲にすることなく、小型化と低コスト化が図れ、加熱調理器のマグネトロン駆動用としては勿論、本発明の主旨を逸脱しない範囲の他の用途のトランスとしても利用でき、汎用的な構成にできる。
【0045】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明のマグネトロン駆動用の昇圧トランスによれば、二次巻線の巻線領域が隔離壁を隔てて2分割し、二次巻線の線材外径をd、分割された各巻線領域の幅をtとしたときに、これらの寸法が、t<11dを満足するように設定することで、コロナ放電の発生が防止されて耐久性が向上し、且つ昇圧トランス全体のサイズをコンパクトにすることができる。
【0046】
また、この昇圧トランスを備えたトランスユニットによれば、トランスユニットの幅、高さ、奥行きの各寸法をそれぞれ小さくでき、トランスユニット全体を略立方体の形状にできる。これにより、トランスユニットを基板上に実装した場合に、基板上の占有面積を小さくでき、基板の小型化に寄与できる。また、高さ方向にも低くすることができ、必要とする搭載容積も低減できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る昇圧トランスの概略的な構成図である。
【図2】図1に示す昇圧トランスの二次巻線部分の概念図である。
【図3】コロナ放電が発生する電圧を線間距離に対して求めた結果示すグラフである。
【図4】二次巻線の巻線領域を単層及び多層構造とした場合の耐電圧性を比較するための説明図で、(a)は単層構造(b)は隔離壁を1箇所設けた2層構造、(c)は隔離壁を2箇所に設けた3層構造、(d)は隔離壁を3箇所に設けた4層構造を例示する図である。
【図5】隣接する線間の電位差が最大となる場合を想定する説明図であって、(a)〜(c)は巻き付け順を示し、(d)は最大電位差の生じる巻き付けの様子を示す図である。
【図6】隔離壁を隔てて巻線を行う様子を概念的に示す説明図で、(a)は一つの巻線領域に対して巻線を完了して、隣接する巻線領域で巻線が開始された様子、(b)は最終ターン位置の線材が、先の巻線領域の最終ターン位置の線材に接近して配置された様子を示す図である。
【図7】トランスユニットの一構成例を示す外観図で、(a)は基板搭載面を下側にしたときの側面図で、(b)は(a)に示すA方向の矢視図である。
【図8】昇圧トランスの巻線に用いる線材の断面図であって、(a)はリッツ線、(b)はオーバーコートリッツ線の断面図である。
【図9】トランスユニットの回路図である。
【図10】従来のマグネトロン駆動用の昇圧トランスの概略構成図である。
【符号の説明】
11 ボビン
13 一次巻線
15 二次巻線
17 ヒータ巻線
19 磁性体(コア)
19a,19b U型コア
23 隔離壁
24,25,27 線材
26 巻線領域
35 芯線
37 絶縁被覆
39 絶縁材
47 ボビン基体
100 昇圧トランス
200 トランスユニット

Claims (5)

  1. 少なくとも一次巻線及び二次巻線が巻回されたボビンと、該ボビンの中心に挿通されたコアとを有するマグネトロン駆動用の昇圧トランスであって、
    前記二次巻線の巻線領域が隔離壁を隔てて2分割されており、2次巻線の線材の外径をd、分割された各巻線領域の幅をtとしたときに、これらの寸法が、t<11dに設定されていることを特徴とするマグネトロン駆動用の昇圧トランス。
  2. 前記二次巻線が、線材を非整列状態でボビンに巻き付けていることを特徴とする請求項1記載のマグネトロン駆動用の昇圧トランス。
  3. 前記隔離壁の厚みt、前記分割された各巻線領域の幅tの各寸法が、0.8t<tに設定されていることを特徴とする請求項1又は請求項2記載のマグネトロン駆動用の昇圧トランス。
  4. 前記二次巻線の線材が、芯線の回りに絶縁被覆を形成した単線又は該単線を複数本撚り合わせただけのリッツ線であることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項記載のマグネトロン駆動用の昇圧トランス。
  5. 請求項1〜請求項4のいずれか1項記載のマグネトロン駆動用の昇圧トランスであって、
    前記昇圧トランスの前記二次巻線からの高周波高電圧を整流する倍電圧整流回路を構成する高電圧部品が、前記ボビンと一体に保持されていることを特徴とするトランスユニット。
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