JP5220518B2 - 鋳鉄管の防食方法およびそれによって処理された鋳鉄管 - Google Patents

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Description

本発明は、鋳鉄管の防食方法およびそれによって処理された鋳鉄管に関する。
従来、防食の目的で、ポリエチレン等のポリオレフィンフィルムで鋳鉄管を被覆することが一般的に行われてきた。しかし、鋳鉄管は、しばしば直線状でなく、また、しばしば凹凸を有しており、完全に被覆することが困難である。これに対して、鋳鉄管を塗装により防食する場合は、前記のような鋳鉄管の形状に制約を受けることなく容易に鋳鉄管を被覆できるという利点がある。
このように鋳鉄管を塗装する場合、一般に、プライマー塗膜形成後に、上塗り塗装を行う。当該プライマーとしては、通常、ウレタンプライマーまたはエポキシプライマーが選択されるが、ウレタンプライマーは、防食性が十分ではなく、また塗膜形成の条件によっては発泡するという問題がある。一方、エポキシプライマーは、低温条件下では固化(乾燥)し難い、という問題がある。
また、一般に、プライマー塗膜の形成後、短期間内に上塗り塗装を行わなければならない、という作業上の不便さがある。特に、重厚長大な鋳鉄管を、塗料組成物で防食処理する場合、自動車ボディーのような被塗物と異なり、複層塗膜を連続して塗装する塗装ラインおよび管理された乾燥ラインを設置することが難しく、各塗膜を塗装した鋳鉄管をそのまま作り置きすることになる。このような場合、プライマー塗膜形成後、長期間経過したプライマー塗膜の上に上塗り塗料を塗装しても、プライマー塗膜との層間での付着性が担保できない場合が多いという問題があった。したがって、プライマー塗膜形成から上塗り塗装までの時間に自由度を持たせることができれば、産業上、大きなメリットがある。
本発明は、低温環境下でもプライマー塗料組成物の塗布が可能である防食方法を提供することを目的とする。
また、本発明は、プライマー塗膜の形成後、上塗り塗装までに長い間隔をあける事ができる防食方法を提供することを更なる目的とする。
発明者らは、上記課題を解決すべく、検討を行った結果、鋳鉄管の表面上に(1)末端に複数のエポキシ基を有するエポキシ樹脂、(2)末端に複数のアクリレート基をもつエポキシアクリレート樹脂、および(3)ポリアミンを含有するプライマー塗料組成物を塗布して、プライマー塗膜を形成し、当該プライマー塗膜の上に、2液型ポリウレタン塗料組成物を上塗り塗装した場合、低温でもプライマー塗料組成物が固化(乾燥)すること、およびプライマー塗膜形成から上塗り塗装までの間隔を長くとっても錆の発生等の問題が生じないこと、を見出し、更なる検討の結果、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、
[1]
鋳鉄管の外表面上に、(1)末端に複数のエポキシ基を有するエポキシ樹脂、(2)末端に複数のアクリレート基をもつエポキシアクリレート樹脂、および(3)ポリアミンを含有するプライマー塗料組成物(a)を塗布して、乾燥膜厚が15〜100μmであるプライマー塗膜を形成する工程(A)、および
前記プライマー塗膜の上に、2液型ポリウレタン塗料組成物(b)を塗布して、上塗り塗膜を形成する工程(B)を含むことを特徴とする、鋳鉄管の外表面の防食方法;
[2]
前記2液型ポリウレタン塗料組成物(b)が、
(1)PVCが15〜25%の範囲であり、かつ乾燥して得られる塗膜の色相がL値50以上、b値10以上となる量の、白色顔料、黄色顔料、およびその他の顔料、
(2)固形分濃度で0.2〜1.5重量%の可塑剤、
(3)ひまし油ポリオール、および
(4)一般式
Figure 0005220518
(式中、nは0〜5の整数を表す。)
で示される芳香族イソシアネート化合物を含有し、かつ
前記ひまし油ポリオール由来の水酸基と前記芳香族イソシアネート化合物由来のイソシアネート基の比(OH/NCO)が0.7/1〜1.1/1であることを特徴とする
上記[1]記載の防食方法;
[3]
前記可塑剤がジブチルフタレートであることを特徴とする上記[2]記載の防食方法;
[4]
前記工程(A)を実施した後、前記工程(B)を実施するまでの間隔が、1〜10日であることを特徴とする、上記[1]〜[3]のいずれかに記載の防食方法;および
[5]
上記[1]〜[4]のいずれかに記載の防食方法によって処理された鋳鉄管;
等を提供するものである。
本発明の防食方法によれば、低温環境下でもプライマー塗料組成物の塗布が可能であり、かつプライマー塗膜の形成後、上塗り塗装までに長い間隔をあける事ができる。
また、本発明の防食方法によれば、高い防食性と高い耐衝撃性を兼ね備えた防食塗膜を有する鋳鉄管が得られる。
本発明の鋳鉄管の外表面の防食方法(本明細書中、単に、本発明の防食方法と称する場合がある)は、以下の工程(A)および工程(B)を有することを特徴とする。
工程(A):鋳鉄管の外表面上に、(1)末端に複数のエポキシ基を有するエポキシ樹脂、(2)末端に複数のアクリレート基をもつエポキシアクリレート樹脂、および(3)ポリアミンを含有するプライマー塗料組成物(a)を塗布して、乾燥膜厚が15〜100μmであるプライマー塗膜を形成する工程
工程(B):前記プライマー塗膜の上に、2液型ポリウレタン塗料組成物(b)を塗布して、上塗り塗膜を形成する工程
本発明の防食方法の工程(A)に用いられるプライマー塗料組成物(a)は、(1)末端に複数のエポキシ基を有するエポキシ樹脂、(2)末端に複数のアクリレート基をもつエポキシアクリレート樹脂、および(3)ポリアミンを含有するプライマー塗料組成物を含有する。
当該「末端に複数のエポキシ基を有するエポキシ樹脂」としては、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、水素添加ビスフェノールA型エポキシ樹脂、水素添加ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールAプロピレンオキサイド付加型エポキシ樹脂、ビスフェノールFプロピレンオキサイド付加型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂等を挙げることができる。なかでも、ビスフェノールA型エポキシ樹脂等のビスフェノール型エポキシ樹脂が好ましい。
当該「末端に複数のエポキシ基を有するエポキシ樹脂」のエポキシ当量は、100〜4000が好ましく、200〜3000がより好ましい。また、エポキシ基の数は好ましくは2個である。
このようなエポキシ樹脂は市販品として入手可能であり、例えば、jER828、jER1001、jER1004、jER1007、およびjER1009(いずれも商品名、ジャパンエポキシレジン製)等を用いることができる。
当該「末端に複数のエポキシ基を有するエポキシ樹脂」は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
プライマー塗料組成物(a)中の末端に複数のエポキシ基を有するエポキシ樹脂の含有量は、プライマー塗料組成物(a)の固形分に対して、好ましくは10〜20重量%である。
本明細書中の用語「固形分」は、水分および溶剤を除いた成分を意味し、不揮発分と同意義である。
前記「末端に複数のアクリレート基をもつエポキシアクリレート樹脂」としては、例えば、上記のような「末端に複数のエポキシ基を有するエポキシ樹脂」がその末端のエポキシ基にアクリレート基を有する構造のものが挙げられる。アクリレート基の数は、好ましくは2個である。このようなエポキシアクリレート樹脂は、市販品にて入手可能であり、その例としては、リポキシVR−60 、およびリポキシVR−90(いずれも商品名、昭和高分子(株)製)が挙げられる。
当該「末端に複数のアクリレート基をもつエポキシアクリレート樹脂」の二重結合当量は、300〜700が好ましく、400〜600がより好ましい。
当該「末端に複数のアクリレート基をもつエポキシアクリレート樹脂」は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
「プライマー塗料組成物(a)」中の「末端に複数のアクリレート基をもつエポキシアクリレート樹脂」の含有量は、プライマー塗料組成物(a)の固形分に対して、好ましくは5〜10重量%である。
また、「プライマー塗料組成物(a)」中の「末端に複数のアクリレート基をもつエポキシアクリレート樹脂」の末端に複数のエポキシ基を有するエポキシ樹脂に対する重量比は、好ましくは1/4〜1/2である。
前記ポリアミンとしては、例えば、
脂肪族ポリアミン(例、エチレンジアミン、N−ヒドロキシエチルエチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ジエチレントリアミン)、
脂環族ポリアミン(例、4,4'−ジアミノジシクロヘキシルメタン、1,4−ジアミノシクロヘキサン、イソホロンジアミン)、
芳香環を有する脂肪族ポリアミン(例、キシリレンジアミン、テトラメチルキシリレンジアミン)、
芳香族ポリアミン(例、4,4'−ジアミノジフェニルメタン、トリレンジアミン、ベンジジン、フェニレンジアミン)、および
これらポリアミンと重合脂肪酸との反応によって得られるポリアミドアミン等が挙げられる。
当該ポリアミンは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
「プライマー塗料組成物(a)」中のポリアミンの含有量は、反応するエポキシと2重結合との当量和に対して、アミン中の活性水素が当量で0.5〜1.5になるように決定される。
「プライマー塗料組成物(a)」は、塗料性能や塗膜性能を改善する目的で、上記の成分の他に、プライマー塗料組成物に一般に用いられる添加成分を含有してもよい。このような添加成分としては、例えば、顔料(例、酸化チタン、ベンガラ、黄色酸化鉄、カーボンブラック、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン、キナクリドン系顔料、およびアゾ系顔料等の着色顔料;タルク、シリカ、炭酸カルシウム、および沈降性硫酸バリウム等の体質顔料;ならびにトリポリリン酸アルミニウム顔料、カルシウム変性シリケート顔料、およびモリブデン酸亜鉛等の防錆顔料);紫外線吸収剤;シリコーン、および有機高分子等の表面調整剤;タレ止め剤;ならびに増粘剤等が挙げられる。
プライマー塗料組成物(a)における、これらの添加剤の含有量は、特に限定されないが、プライマー塗料組成物(a)の固形分に対して、通常、20〜60重量%である。
また、「プライマー塗料組成物(a)」は、溶剤(例、エチレングリコールモノブチルエーテル(ブチルセロソルブ)、メチルイソブチルケトン、トルエン、イソブタノール、酢酸ブチル等の有機溶剤)を含有してもよい。
プライマー塗料組成物(a)における、溶剤の含有量は、通常20〜40重量%である。
プライマー塗料組成物(a)は、通常、
末端に複数のエポキシ基を有するエポキシ樹脂、および末端に複数のアクリレート基をもつエポキシアクリレート樹脂を含有する塗料液と、
ポリアミンを含有する硬化剤と
からなる。
前記添加成分は、好ましくは塗料液中に含有される。
上記の成分を混合し(実際には、塗料液と硬化剤を混合し)、次いで鋳鉄管の外表面に塗布することにより、プライマー塗膜が形成される。
上記の成分の混合は、ペイントシェイカー、ディゾルバー、ボールミル、サンドグラインドミル、またはニーダー等の汎用の装置を用いて混合することができる。
鋳鉄管の外表面へのプライマー塗料組成物(a)の塗布方法は、特に限定されず、スプレー塗装、刷毛塗り塗装、浸漬塗装、ロール塗装、および流し塗装等の通常の塗装方法を用いることができる。
本発明の防食方法において、プライマー塗膜の乾燥膜厚は、15〜100μmである。
乾燥膜厚が上記下限を下回ると防食性が不十分となったり、上塗り層との層間付着性に問題が出る場合がある。一方、上記上限を上回ると、低温条件下でのプライマー塗膜の乾燥に時間がかかる。
プライマー塗膜の乾燥膜厚は、塗装を繰り返し回数によって調整することができる。
「プライマー塗料組成物(a)」の塗布は、硬化および乾燥を促進するため、鋳鉄管を加熱して行ってよい。しかし、本発明の防食方法では、低温(例、5℃)でも、好適に「プライマー塗料組成物(a)」の塗布を行う事ができる。
本発明の防食方法の工程(B)に用いられる2液型ポリウレタン塗料組成物(b)は、特に限定されないが、高い耐衝撃性と高い防食性を得る観点から、好ましくは
(1)PVC(顔料体積濃度)が15〜25%の範囲であり、かつ乾燥して得られる塗膜の色相がL値50以上、b値10以上となる量の、白色顔料、黄色顔料、およびその他の顔料、
(2)2液型ポリウレタン塗料組成物(b)の固形分に対し0.2〜1.5重量%の可塑剤、
(3)ひまし油ポリオール、および
(4)一般式
Figure 0005220518
(式中、nは0〜5の整数を表す。)
で示される芳香族イソシアネート化合物を含有し、かつ
前記ひまし油ポリオール由来の水酸基と前記芳香族イソシアネート化合物由来のイソシアネート基の比(OH/NCO)が0.7/1〜1.1/1である。
本明細書中のPVC(顔料体積濃度)は、以下の式で求められる。
顔料体積濃度(%)=塗料組成物の固形分中の顔料の体積/塗料組成物の固形分の体積×100
2液型ポリウレタン塗料組成物(b)におけるPVC(顔料体積濃度)は、好ましくは15〜25%である。PVCが低すぎる場合、得られる塗料に十分なチクソトロピー性を付与することができず、タレ性などが悪化する場合があったり、塗膜硬度および防食性が低くなる場合がある。一方、PVCが高すぎる場合、得られる塗料の粘度が高くなりすぎてスプレーに適した粘度に調整することが難しくなったり、得られた塗膜の耐衝撃性が低くなる場合があり好ましくない。
2液型ポリウレタン塗料組成物(b)に用いられる顔料としては、例えば、
二酸化チタン、ベンガラ、黄色酸化鉄、カーボンブラック、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン、キナクリドン系顔料、およびアゾ系顔料等の着色顔料;
タルク、シリカ、炭酸カルシウム、および沈降性硫酸バリウム等の体質顔料;ならびに
トリポリリン酸アルミニウム顔料、カルシウム変性シリケート顔料、およびモリブデン酸亜鉛等の防錆顔料等が挙げられる。
本明細書中のL値およびb値は、JIS規格Z8722の方法に従って求められる。
2液型ポリウレタン塗料組成物(b)に用いられる、黄色顔料、白色顔料、およびその他の顔料の、各含有量は、好ましくは、塗膜形成時の塗膜の色相がL値50以上、b値10以上となるように決定される。当該含有量は、用いる顔料の種類等によって異なるが、例えば、2液型ポリウレタン塗料組成物(b)の固形分に対して、黄色顔料(例、黄色酸化鉄)が0.1〜0.4重量%であり、白色顔料(例、酸化チタン)が3〜6重量%である。
塗膜がかかる色相を有することにより、塗膜の外見上の色相の、塗装後の経時的変化を抑制することができる。
2液型ポリウレタン塗料組成物(b)に用いられる可塑剤としては、例えば、ジメチルフタレート、ジエチルフタレート、ジブチルフタレート、ジ−(2−エチルヘキシル)フタレート、ジ−n−オクチルフタレート、ジイソブチルフタレート、ジヘプチルフタレート、ジフェニルフタレート、ジイソデシルフタレート、ジトリデシルフタレート、ジウンデシルフタレート、ジ(ブチル、ノニル、ウンデシル)フタレート、ベンジルフタレート、ブチルベンジルフタレート、ジノニルフタレート、およびジシクロヘキシルフタレート等のフタル酸誘導体;
ジメチルイソフタレート、およびジ−(2−エチルヘキシル)イソフタレート等のイソフタル酸誘導体;
ジ−(2−エチルヘキシル)テトラヒドロフタレート、およびジ−n−オクチルテトラヒドロフタレート等のテトラヒドロフタル酸誘導体;
トリエチルホスフェート、トリブチルホスフェート、トリ−(2−エチルヘキシル)ホスフェート、トリブトキシエチルホスフェート、トリフェニルホスフェート、クレジルジフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート、およびトリキシレニルホスフェート等のリン酸誘導体;
ジ−n−ブチルアジペート、およびジイソデシルアジペート等のアジピン酸誘導体;
ジ−(2−エチルヘキシル)アゼレート、およびジ−n−ヘキシルアゼレート等のアゼライン酸誘導体;
ジ−n−ブチルセバケート、およびジ−(2−エチルヘキシル)セバケート等のセバシン酸誘導体;
ジ−n−ブチルマレート、およびジエチルマレート等のマレイン酸誘導体;
ジ−n−ブチルフマレート、およびジ−(2−エチルヘキシル)フマレート等のフマル酸誘導体;
トリ−(2−エチルヘキシル)トリメリテート、およびトリイソオクチルトリメリテート等のトリメリット酸誘導体;
テトラ−(2−エチルヘキシル)ピロメリテート、およびテトラ−n−オクチルピロメリテート等のピロメリット酸誘導体;
トリエチルシトレート、およびトリ−n−ブチルシトレート等のクエン酸誘導体;
モノメチルイタコネート、およびジエチルイタコネート等のイタコン酸誘導体;
ブチルオレート、およびグリセリルモノオレート等のオレイン酸誘導体;
メチルアセチルリシノレート、およびジエチレングリコールモノリシノレート等のリシノール酸誘導体;
n−ブチルステアレート、およびグリセリンモノステアレート等のステアリン酸誘導体;
ジエチレングリコールモノラウレート、およびジエチレングリコールジペラルゴネート等のその他の脂肪酸誘導体;
ジエチレングリコールジベンゾエート、およびトリエチレングリコールジベンゾエート等のグリコール誘導体;
グリセロールモノアセテート、およびグリセロールトリアセテート等のグリセリン誘導体;
エポキシ化大豆油、エポキシブチルステアレート、エポキシトリグリセライド、およびエポキシ化オレイン酸オクチル等のエポキシ誘導体;
アジピン酸系ポリエステル、セバシン酸系ポリエステル、およびフタル酸系ポリエステル等のポリエステル系可塑剤 ;
ジアリルフタレート;ならびに、
アクリル系モノマーまたはオリゴマー等の重合性可塑剤等が挙げられる。
これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。中でも、ジブチルフタレートが好ましい。
2液型ポリウレタン塗料組成物(b)中の可塑剤の含有量は、好ましくは、2液型ポリウレタン塗料組成物(b)の固形分に対し0.2〜1.5重量%である。この範囲内で、塗膜は、好適な耐衝撃性を有する。
2液型ポリウレタン塗料組成物(b)に用いられるひまし油ポリオールは、特に限定されず、C−C結合ひまし油重合体、およびひまし油変性ポリオール等の誘導体を包含する。なかでも、水酸基価(mgKOH/g)が、70〜350のものが好ましい。
このようなひまし油ポリオールは、市販品にて入手可能であり、その例としては、Uric H−30、Uric H−31、Uric H−52、Uric H−56、Uric H−57、Uric H−62、Uric H−73X、Uric H−81、Uric H−92、Uric H−102、Uric H−420、Uric H−854、POLYCASTOR#10、POLYCASTOR#30、Uric AC−005、Uric AC−006、およびUric H−368(いずれも商品名、伊藤製油(株)製)が挙げられる。ひまし油ポリオールは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
2液型ポリウレタン塗料組成物(b)中のひまし油ポリオールの含有量は、好ましくは、2液型ポリウレタン塗料組成物(b)の固形分に対し30〜50重量%である。
2液型ポリウレタン塗料組成物(b)に用いられる
一般式
Figure 0005220518
(式中、nは0〜5の整数を表す。)
で示される芳香族イソシアネート化合物(本明細書中、単に、芳香族イソシアネート化合物と称する場合がある。)は、市販品にて入手可能であり、その例としては、ミリオネートMR−100、ミリオネートMR−200、ミリオネートMR−200S、ミリオネートMR−400(いずれも商品名、日本ポリウレタン工業(株)製)が挙げられる。
当該芳香族イソシアネート化合物は、nが異なる複数種類の化合物の混合物であってもよい。
2液型ポリウレタン塗料組成物(b)中の当該芳香族イソシアネート化合物の含有量は、好ましい硬化反応の観点から、好ましくは、前記ひまし油ポリオール由来の水酸基と前記芳香族イソシアネート化合物由来のイソシアネート基の比(OH/NCO)が0.7/1〜1.1/1となる量である。
2液型ポリウレタン塗料組成物(b)は、ひまし油ポリオールを含有する主剤と、芳香族イソシアネート化合物を含有する硬化剤とからなる。
好ましくは、前記顔料、および可塑剤は、主剤中に含有される。
2液型ポリウレタン塗料組成物(b)は、塗料性能や塗膜性能を改善する目的で、上記の成分の他に、2液型ポリウレタン塗料組成物に一般に用いられる添加成分を含有していてもよい。このような添加成分としては、例えば、脱水剤、硬化触媒、粘性制御剤、消泡剤、光劣化防止剤、分散剤、レベリング剤、酸化防止剤、および紫外線防止剤等が挙げられる。
これらの添加成分は、主剤および硬化剤のいずれに含有されていてもよいが、好ましくは主剤中に含有される。
前記主剤および前記硬化剤は、プライマー塗膜上への塗布時に、好ましくは前記ひまし油ポリオール由来の水酸基と前記芳香族イソシアネート化合物由来のイソシアネート基のモル比(OH/NCO)が0.7/1〜1.1/1となる量比で混合される。
2液型ポリウレタン塗料組成物(b)の主剤と硬化剤を混合し、プライマー塗膜の上に塗布する方法は特に限定されないが、好ましくは、主剤および硬化剤の2液を衝突混合させて噴霧する2液衝突混合スプレー塗布法が用いられる。当該塗布法は、市販の高圧2液衝突混合型吹付装置(例、二液エアレス塗装システム、旭サナック(株)製)を用いて行うことができる。
ポリウレタン塗料を塗装する場合、通常、プライマー塗膜形成後1日以内にポリウレタン塗料を塗布することが好ましいが、本発明の防食方法では、プライマー塗膜形成後長期間(例、1〜10日))経過した後でも、ポリウレタン塗料を良好に塗布することができる。
本発明の防食方法は、特に、プライマー塗膜形成後に作り置きできることが望まれる重厚長大な鋳鉄管(例、2000kg、長さ9m)に好適に用いられる。
本発明の防食方法で処理された鋳鉄管もまた、本発明の一態様である。
当該、本発明の防食方法によって処理された鋳鉄管は、上述の説明から明らかなように、製造時の利便性に優れる。
また、本発明の防食方法によって処理された鋳鉄管は、高い耐衝撃性と高い防食性とを有する。
以下、本発明を実施例および比較例により具体的に説明する。以下に示す実施例は、本発明の一例を示すものであり、本発明は以下の実施例によって限定されるものではない。
なお、特に断りのない限り、%は重量%を表す。
<実施例1〜10、比較例1〜4>
表1に示した各成分を、表1に示した量比で混合し、プライマー塗料組成物の塗料液および硬化剤を調製した。
表2に示した各成分を、表2に示した量比(ひまし油ポリオールの重量を50重量部とした場合の重量部)で混合し、2液型ポリウレタン塗料組成物の主剤を調製した。
それぞれ、上記のように調製したプライマー塗料組成物の塗料液と硬化剤を手作業で撹拌して混合し、鋳鉄管の外表面上に、表2に記載の乾燥膜厚になるようにエアレススプレーによって塗布した。
5℃で12時間放置して乾燥性を試験し、ついで屋外で10日間暴露した。
芳香族イソシアネート化合物(ミリオネートMR−200(商品名)、当量134、日本ポリウレタン工業(株)製)を硬化剤として用い、二液エアレス塗装システム(APW8000(商品名)、旭サナック(株)製)によって、上記のように調製した2液型ポリウレタン塗料組成物の主剤と混合し、プライマー塗膜の上に塗布した。ただし、実施例8については、スプレーが不可なため混合した2液をヘラで塗りつけた。
Figure 0005220518

Figure 0005220518
Figure 0005220518
<試験例>
実施例1〜10および比較例1〜4によって得られた、防食処理された鋳鉄管を用い、耐衝撃性および硬度を試験した。
耐衝撃性は、ASTM(米国材料試験協会;American Society for Testing and Materials) D2794に記載の方法に従って行った。
硬度は、ASTM(米国材料試験協会;American Society for Testing and Materials) D2240(D)に記載の方法に従って行った。
結果を表2に示す。
また、表2には、上記の乾燥性の試験、および屋外環境に10日間暴露した結果を示した。
表2中、耐衝撃性の項目の+は、耐衝撃性試験により、塗膜に割れ等の以上が観察されなかったことを意味する。
表2中、通常塗装性の項目は、パイプに1mmの厚さで塗装し、塗料がたれなかったものを+とした。
表2中、回転塗装性の項目は、パイプを回転させながら、2mm厚で塗装した際に、平滑な塗装が形成できるものを+とした。
表2から明らかなように、エポキシアクリレート樹脂を含有しないプライマーBを用いた場合、5℃、12時間の条件では、プライマー塗膜は、十分に乾燥しなかった。また、ウレタンプライマーであるプライマーCを用いた場合、10日間の屋外環境への暴露により、錆が発生した。
また、表2から、さらに明らかなように、(1)PVCが15〜25%の範囲であり、かつ(2)固形分濃度で0.2〜1.5重量%の可塑剤を含有する2液型ポリウレタン塗料組成物を用いた場合、高い耐衝撃性と高い硬度が得られた。
本発明の防食方法は、作業の自由度が高い。また本発明の防食方法によれば、防食性と耐衝撃性を兼ね備えた防食塗膜を有する鋳鉄管を製造できる。

Claims (5)

  1. 鋳鉄管の外表面上に、(1)末端に複数のエポキシ基を有するエポキシ樹脂、(2)末端に複数のアクリレート基をもつエポキシアクリレート樹脂、および(3)ポリアミンを含有するプライマー塗料組成物(a)を塗布して、乾燥膜厚が15〜100μmであるプライマー塗膜を形成する工程(A)、および
    前記プライマー塗膜の上に、2液型ポリウレタン塗料組成物(b)を塗布して、上塗り塗膜を形成する工程(B)を含むことを特徴とする、鋳鉄管の外表面の防食方法。
  2. 前記2液型ポリウレタン塗料組成物(b)が、
    (1)PVCが15〜25%の範囲であり、かつ乾燥して得られる塗膜の色相がL値50以上、b値10以上となる量の、白色顔料、黄色顔料、およびその他の顔料、
    (2)固形分濃度で0.2〜1.5重量%の可塑剤、
    (3)ひまし油ポリオール、および
    (4)一般式
    Figure 0005220518
    (式中、nは0〜5の整数を表す。)
    で示される芳香族イソシアネート化合物を含有し、かつ
    前記ひまし油ポリオール由来の水酸基と前記芳香族イソシアネート化合物由来のイソシアネート基のモル比(OH/NCO)が0.7/1〜1.1/1であることを特徴とする
    請求項1記載の防食方法。
  3. 前記可塑剤がジブチルフタレートであることを特徴とする請求項2記載の防食方法。
  4. 前記工程(A)を実施した後、前記工程(B)を実施するまでの間隔が、1〜10日であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の防食方法。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の防食方法によって処理された鋳鉄管。
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