JP5219429B2 - 妊娠線の予防及び/又は治療剤 - Google Patents

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Description

本発明は、妊娠線の予防及び/又は治療剤に関する。より詳しくは、本発明は、コラーゲンのコラゲナーゼ消化物を含有する妊娠線の予防及び/又は治療剤、及びGly-Xaa-Yaa(Xaa、Yaaは任意のアミノ酸)で表されるアミノ酸配列からなるトリペプチドを含有する妊娠線の予防及び/又は治療剤に関する。
妊娠線は、妊娠5〜6ヶ月を過ぎる頃から主におなかに複数現れることのある赤紫色の線をいい、胎児の成長に伴う表皮の伸展に真皮組織や皮下組織の細胞増殖が間に合わずこれらの組織に亀裂が生じるため見られる線状班を示す。妊娠線は、出産後しばらくすると色が薄れ若干目立たなくなるが完全に消すことは非常に困難であり、皮膚表面の凹凸又は色素沈着等によって皮膚美観を大きく損なうため、女性にとっては大きな悩みとなっている。
妊娠線の予防法又は治療法としては、妊娠線の出来やすい腹部、胸部、臀部、大臀部などの皮膚を柔軟に保つために、油剤をベースとするマッサージオイルまたは保湿成分等を含有するクリーム等を用いてこれらの部位をマッサージ方法などが従来より知られている。また、近年では、油剤をベースとし、ホエイ及びツボクサエキス及びプラセンタエキス等の繊維芽細胞形成促進成分を含有する経皮吸収型の妊娠線形成抑制剤(特許文献1)や妊娠線消失促進剤(特許文献2)、保湿剤及び皮膚軟化剤並びに細胞賦活化剤を適宜配合した妊娠線予防剤(特許文献3及び4)、トリテルペノイドサポニン含有生薬抽出物(特許文献5)等の開発もなされ、これにより妊娠線予防・改善効果が期待できるとされている。
しかし、上記の各公報においては記載の妊娠線形成抑制剤等に関して妊娠線予防・改善効果に関する具体的な実証データはほとんど記載されていない。また、上記の公報に記載の技術を利用した一部の市販品については、評価も芳しくないのが実態である。すなわち、従来の技術は未だ妊娠線予防及び妊娠線治療において充分な効果を挙げるには至っておらず、今日でも妊婦のおよそ2人に1人は妊娠線ができると言われている。
特開2002−145788 特開2002−145729 特開2000−191492 特開2004−244368 特開2003−128570
本発明は、このような問題点を解決するためになされたもので、効果の高い妊娠線の予防及び/又は治療剤を提供することを目的としている。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討を重ねた結果、コラーゲンのコラゲナーゼ消化物が妊娠線の消失を促進することを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、コラーゲンのコラゲナーゼ消化物を含有する妊娠線の予防及び/又は治療剤を提供するものである。本発明はまた、Gly-Xaa-Yaa(Xaa、Yaaは任意のアミノ酸)で表されるアミノ酸配列からなるトリペプチドを含有するコラーゲン加水分解物を含有する妊娠線の予防及び/又は治療剤を提供するものである。
本発明の別の観点からは、Gly-Xaa-Yaa(Xaa及びYaaはそれぞれ任意のアミノ酸である)で表されるアミノ酸配列からなるトリペプチドを含有する妊娠線の予防及び/又は治療剤が提供される。
本発明の好ましい態様として、前記トリペプチドがGly-Pro-Hyp及びGly-Pro-Alaからなる群から選択される1種以上のトリペプチドである前記いずれかの妊娠線の予防及び/又は治療剤、及び前記トリペプチドを総質量に対して0.001〜1.5質量%含有する前記いずれかの妊娠線の予防及び/又は治療剤が提供される。
本発明のさらに別の観点からは、妊娠線の予防及び/又は治療剤の製造のためのコラーゲン加水分解物又はGly-Xaa-Yaa(Xaa及びYaaはそれぞれ任意のアミノ酸である)で表されるアミノ酸配列からなるトリペプチドの塩の使用;ならびに、妊娠線の予防及び/又は治療方法であって、コラーゲン加水分解物又はGly-Xaa-Yaa(Xaa及びYaaはそれぞれ任意のアミノ酸である)で表されるアミノ酸配列からなるトリペプチドの予防及び/又は治療のための有効量を妊婦に投与する工程を含む方法が提供される。
本発明の妊娠線の予防及び/又は治療剤は、妊娠により生じる妊娠線の予防及び生じた妊娠線の治療に有用である。
以下、本発明をその実施の形態に基づき詳細に説明する。
本明細書において「妊娠線予防」とは妊娠線の形成の予防、妊娠線の悪化の予防、妊娠による皮膚表面の凹凸又は色素沈着の予防等の意味を含み、いかなる場合にも限定的に解釈されるものではない。また、本明細書において「妊娠線治療」とは形成した妊娠線の軽減又は消失促進、妊娠による皮膚表面の凹凸又は色素沈着の軽減又は消失促進等の意味を含み、いかなる場合にも限定的に解釈されるものではない。
本発明の1つの態様における妊娠線の予防及び/又は治療剤は、コラーゲン加水分解物を含有する。本明細書において、コラーゲンとは変性コラーゲンすなわち、ゼラチンを含む意味で用いられる。
コラーゲン加水分解物は、好ましくは、Gly-Xaa-Yaa(Xaa、Yaaは任意のアミノ酸を示す)で表されるアミノ酸配列を有するトリペプチドを含有する。当該トリペプチドとしては、親水性のトリペプチドが好ましく、例えば、Gly-Ser-Hyp、Gly-Lys-Asp、Gly-Ala-Ala、Gly-Pro-Hyl、Gly-Leu-Hyp、Gly-Ala-Arg、Gly-Ala-Ser、Gly-Ala-Hyp、Gly-Gln-Glu、Gly-Glu-Gln、Gly-Pro-Ser、Gly-Pro-Lys、Gly-Pro-Ala、Gly-Pro- Pro、Gly-Pro-ArgおよびGly-Pro-Hypが挙げられる。当該トリペプチドとしては、Gly-Pro-Hyp及びGly-Pro-Alaからなる群から選択される1種以上を含むトリペプチドが特に好ましい。
なお、本発明の妊娠線の予防及び/又は治療剤においては、他のトリペプチド、又はアミノ酸数が3以外(例えば4〜12アミノ酸、好ましくは4〜9アミノ酸)のペプチドが含まれていてもよい。
コラーゲン加水分解物は、例えば特許第3146251号明細書に記載の方法を参照して調製することができ、具体的には、例えば、下記の原料、手順により調製することができる。
コラーゲンの由来原料は特に限定されず、例えば、豚又は牛などの哺乳類の皮、骨、軟骨又は腱、鳥類の皮、骨、又は軟骨、魚類の鱗、皮、骨、又は軟骨などが挙げられる。これらの原料につき、必要に応じて脱毛処理や油脂層除去処理、又は加水分解処理に適する大きさとするための細断あるいは破砕処理を行ったものなどをそのまま使用することができる。また、市販の精製コラーゲンあるいはゼラチンを使用することもできる。
コラーゲンの加水分解処理は、コラゲナーゼ酵素を用いて行うことが好ましい。すなわち、コラーゲンの加水分解物はコラゲナーゼ消化物であることが好ましい。コラゲナーゼ酵素としては、Clostridium histo-ticum, Streptomyces parvulusなどの細菌、放線菌あるいは真菌など由来の酵素をあげることができる。また、コラゲナーゼ酵素としては、コラーゲン特有のアミノ酸配列:(Gly−X−Y)nのグリシンのアミノ基側を特異的に切断するコラゲナーゼを用いればよい。また、コラゲナーゼの処理を容易にするため、又は効率的にGly-Xaa-Yaaで表されるアミノ酸配列を有するトリペプチドを得るために、必要に応じて、消石灰等でのアルカリ処理、又はペプシン、トリプシン、パパインなどのコラゲナーゼ以外のプロテアーゼでの処理を前処理等として追加で行ってもよい。
コラーゲン加水分解物におけるGly-Xaa-Yaaで表されるアミノ酸配列を有するトリペプチド含量は、コラーゲン加水分解物の総質量に対して15〜95質量%であればよく、25〜40質量%であることが好ましい。またコラーゲン加水分解物におけるトリペプチドの含量は、妊娠線の予防及び/又は治療剤の総質量に対して0.001〜1.5質量%であることが好ましい。
妊娠線の予防及び/又は治療剤におけるGly-Xaa-Yaaで表されるアミノ酸配列を有するトリペプチド含量は、例えばゲル濾過法や逆相クロマトグラフィー法などを単独で、場合によっては組み合わせで用いることにより確認することができる。具体的には液体クロマトグラフや質量分析計を単独、場合によっては組み合わせで用いることにより確認できる。カラムは、例えばGEヘルスケアバイオサイエンス社製のゲル濾過カラム又は東ソー製のODSカラムを用いることができる。
また、Gly-Xaa-Yaaで表されるアミノ酸配列を有するトリペプチドにおける具体的な配列のトリペプチド(例えばGly-Pro-Hyp又はGly-Pro-Ala)の含有量の確認は、例えば、ゲル濾過法や逆相クロマトグラフィーを単独、場合によっては組み合わせで用いることにより行うことができる。
Gly-Xaa-Yaaで表されるアミノ酸配列を有するトリペプチドを、コラーゲン加水分解物から単離して、あるいは化学的に合成して、妊娠線の予防及び/又は治療剤の有効成分としてもよい。
このとき、Gly-Xaa-Yaaで表されるアミノ酸配列を有するトリペプチドは、1種のトリペプチドであってもよいが、任意のXaa、任意のYaaにより構成される複数のトリペプチドの混合物であってもよい。当該トリペプチドとしては、親水性のトリペプチドが好ましい。親水性のトリペプチドとしては、例えば、Gly-Ser-Hyp、Gly-Lys-Asp、Gly-Ala-Ala、Gly-Pro-Hyl、Gly-Leu-Hyp、Gly-Ala-Arg、Gly-Ala-Ser、Gly-Ala-Hyp、Gly-Gln-Glu、Gly-Glu-Gln、Gly-Pro-Ser、Gly-Pro-Lys、Gly-Pro-Ala、Gly-Pro- Pro、Gly-Pro-ArgおよびGly-Pro-Hypが挙げられる。Xaaは、Proであることが好ましい。また、Yaaは、Hyp又はAlaであることが好ましい。Gly-Xaa-Yaaで表されるアミノ酸配列を有するトリペプチドが複数のトリペプチドの混合物である場合、該混合物中にはGly-Pro-Hyp及びGly-Pro-AlaがGly-Xaa-Yaaで表されるアミノ酸配列を有するトリペプチドの総質量に対して30質量%〜100質量%、好ましくは50質量%〜100質量%で含まれていることが好ましい。
Gly-Xaa-Yaaで表されるアミノ酸配列を有するトリペプチドを化学的に合成する場合は、Gly-Pro-Hyp又はGly-Pro-Alaのいずれかの配列を有する1種のトリペプチドを合成することが好ましい。
トリペプチドの化学合成法としては、例えば、tert.BOCアミノ酸誘導体を用いる液相法を用いることができる。
本発明の妊娠線の予防及び/又は治療剤におけるアミノ酸配列がGly-Xaa-Yaaのトリペプチドの配合量は、妊娠線の予防及び/又は治療剤の総質量に対して0.001〜1.5質量%であればよく、より好ましくは0.01〜1.5質量%であればよい。
本発明の妊娠線の予防及び/又は治療剤は妊娠線が形成された部位又は妊娠線予防を希望する部位に、外用剤として投与すればよい。外用剤の形状としては、クリーム、軟膏、ジェル、乳液、ローション、パックなどがあげられる。これらの外用剤の形態にするための基剤等は化粧料調製等において従来公知のものを適宜選択して用いることができる。例えば、本発明の妊娠線の予防及び/又は治療剤には、油性成分、保湿剤、増粘剤、界面活性剤、抗炎症剤、酸化防止剤、防腐剤、キレート剤及びpH調整剤等の群から1種又は2種以上適宜選択して配合することができる。
油性成分としては例えば、オリーブ油、ヒマシ油などの油脂類、ラノリン、ミツロウ、ホホバ油などのロウ類、セチルアルコール、ステアリルアルコール、オレイルアルコール、ベヘニルアルコールなどの高級アルコール、ラウリン酸、パルチミン酸、ステアリン酸、オレイン酸、ベヘニン酸などの高級脂肪酸類、ミリスチン酸イソプロピル、パルチミン酸イソプロピル、ミリスチン酸ミリスチル、ミリスチン酸オクチルドデシルなどの高級脂肪酸エステル、スクワラン、流動パラフィン、ワセリン、マイクロスタリンワックスなどの炭化水素類やシリコンオイルなどを単独であるいは複数種組み合わせて用いることができる。
保湿剤としては、例えば、グリセリン、プロピレングリコール、1,3-ブチレングリコール、ポリグリセリン、ポリエチレングリコール、dl-ピロリドンカルボン酸ナトリウム、乳酸ナトリウム、尿素、ソルビトール、キシリトール、マンニトール、マルチトール、トレハロース、ヒアルロン酸ナトリウム、プラセンタエキスなどを単独であるいは複数種組み合わせて用いることができる。
増粘剤としては、例えば、クインスシードガム、キサンタンガム、カルボキシメチルセルロースナトリウム、カルボキシビニルポリマー、ペクチン、アルギン酸ナトリウムなどを単独であるいは複数種組み合わせて用いることができる。
界面活性剤としては、例えば、モノステアリン酸グリセリン、POEソルビタン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、POEアルキルエーテル、POE硬化ヒマシ油エステルなどの非イオン性界面活性剤、脂肪酸石けん、アルキル硫酸ナトリウムなどの陰イオン性界面活性剤等を単独であるいは複数種組み合わせて用いることができる。
抗炎症剤としては、例えば、アルニカエキス、オウゴンエキス、カミツレエキス、甘草エキス、クチナシエキス、ソウハクヒエキスなど抗炎症作用を有する植物由来の抽出物、アラントイン、グアイアズレン、グリチルリチン酸、グリチルリチン酸、及びこれらの誘導体を単独であるいは複数種組み合わせて用いることができる。
酸化防止剤としては、例えば、没食子酸プロピル、アスコルビン酸、ジブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール、トコフェロール等を単独であるいは複数種組み合わせて用いることができる。
キレート剤としては、例えば、エデト酸、フィチン酸、クエン酸等を単独であるいは複数種組み合わせて用いることができる。また、pH調整剤としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、トリエタノールアミン、クエン酸、クエン酸ナトリウム、乳酸、乳酸ナトリウム、ホウ酸、ホウ砂を単独であるいは複数種組み合わせて用いることができる。
本発明の妊娠線予防及び/又は治療剤の調製はその剤型に応じて、化粧料の調製法として従来公知の方法を参照して行うことができる。例えば、クリームとする場合には、油性成分、界面活性剤等を70℃前後に加温し溶解した油相と、同様に70℃前後に加温した精製水及び保湿剤などの水相を徐々に混合溶解し、乳化後、室温まで冷却する方法などが挙げられる。油性ジェルとする場合には、クリームと同様な方法、水性ジェルとする場合には、保湿剤、界面活性剤等を50〜55℃程度で加温溶解し、防腐剤等を添加後、精製水に増粘剤、保湿剤等を溶解させた水相を徐々に添加後、pH調整を行い、室温まで冷却する方法などが挙げられる。
本発明の妊娠線予防及び/又は治療剤は、腹部に急激な進展がみられる妊娠5ヶ月から出産まで継続して1日1回以上、腹部全体に塗布して使用するのが好ましく、さらに好ましくは、妊娠初期から使用を開始するのが望ましい。また、本発明の妊娠線予防及び/又は治療剤は、妊娠線が生じた部位及びその周辺部に1日1回以上塗布して使用するのが好ましく、妊娠線発生後出来るだけ早い時期に塗布を開始するのが望ましい。
本発明の妊娠線予防及び/又は治療剤の投与量は特に限定されないが、通常はアミノ酸配列がGly−Xaa−Yaaのトリペプチドの質量として1日あたり0.1〜20 mgを1日1回又は数回に分けて投与することができる。
以下、実施例により本発明を詳細に説明するが、これらの実施例は、本発明の範囲を何ら制限するものではない。
(製造例)アミノ酸配列がGly-Xaa-Yaaであるトリペプチドを含む調製加水分解コラーゲン末の調製
酵素分解用の固定化酵素は、100 mgのコラゲナーゼ酵素(ワシントン社製、typeIVから精製した高純度品)を50 gの粒子担体に結合させて調製した。結合前後の 280 nmにおける吸光度の変化を計測して算出したコラゲナーゼ酵素の担体への結合率は、99%以上であった。使用時、本固定化酵素をカラムとカラムとの間にpHセンサーを設置した2連式のカラム式バイオリアクターに充填し、20mM Tris-HCl緩衝液(pH 7.4)/0.1M NaCl 緩衝液で、良く洗浄・平衡化を行った。pHの測定は、この2連式カラムのカラム間に設置したpHセンサーを用いた。このpHセンサーが変化を感知して、繋いであるチューブから濃厚Tris緩衝液が流入するシステムとなっている。
高純度ゼラチン(ゼライス(株)製)50gを1,000mLの20mM Tris-HCl緩衝液(pH 7.4)/0.1M NaClに加温しながら溶解し、得られた溶液を50℃に冷却した。この溶液を、上記工程で調製された2連式のコラゲナーゼ酵素固定化カラムにアプライし、カラム法によるゼラチンの酵素分解を行った。この間、流速は毎分20〜60mLに、またカラムの温度は39±1℃にコントロールした。最終(2連目)のカラムから出てきた酵素反応終了液を分取し、0.45μmのフィルターで濾過を行った。得られた濾液の噴霧乾燥(Pulvis GB22、ヤマト科学製)を行って、加水分解コラーゲン末(以下CTPという)を得た。
CTPにつき、トリペプチド含量、及びGly-Pro-Hyp及びGly-Pro-Alaの含量の測定を行った。
トリペプチド含量の測定はゲルろ過カラムを用いて行い、Gly-Pro-Hyp及びGly-Pro-Alaの測定は液体クロマトグラフ質量分析計(島津製作所製)にてODSカラムを用いて行った。その結果、CTP中の、トリペプチド含量は29質量%、Gly-Pro-Hypの含量は11質量%、Gly-Pro-Alaの含量は4質量%であった。
(例1)
CTP2g、グリチルリチン酸ジカリウム 2g、リン酸アスコルビルMg 2gを精製水1068.8gに溶解させ、PEG1500 80g、1,3−ブチレングリコール 120gを添加後、70℃に調整した水相に、スクワラン 180g、ステアリルアルコール 120g、ステアリン酸 40g、水添ラノリン 80g、オクチルドデカノール、POB(25)セチルアルコールエーテル 60g、モノステアリン酸グリセリン 40g、パラオキシ安息香酸メチル 4g、トコフェロール 1g、セラミド3 0.2gを加熱溶解して70℃に調整した油相を徐々に添加し予備乳化を行った後、ホモミキサーにて乳化粒子を均一にして、脱気、ろ過、冷却し、CTP配合クリームを調製した。また、前記処方のCTPを精製水に置き換えて同様の手順でCTP非配合クリームを調製した。
(例2)
妊娠20週〜31週目までの妊婦21名を被験者とし、それぞれの腹部右半分に例1により得られたCTP配合クリームを、腹部左半分にCTP非配合クリームを、1日2回、出産後1ヶ月まで塗布した。塗布開始前及び産後2〜3ヶ月後の医師所見、状態観察、及び被験者アンケートにより、クリームの妊娠線予防効果を検討した。その結果、出産後の観察において21名中12名は妊娠線が認められず、残り9名については、肉眼観察において、左腹部よりもCTP配合クリームを塗布した右腹部の症状が軽度であることが確認された。医師所見において、紅斑、色素欠損、色素過剰、皮膚隆起などの妊娠線の諸症状について、下記の基準で評価した結果の代表例を表1及び表2に示した。また観察例を図1に示した。表及び図に示す結果から、左腹部よりもCTP配合クリームを塗布した右腹部の症状が軽度であることがわかる。
(基準)
「症状なし」:0、「軽微にあり」:1、「軽度にあり」:2、「中等度にあり」:3
(例3)
腹部に妊娠線を有する出産後1年以上経過した女性21名を被験者とし、例1により得られたCTP配合クリームを腹部右半分に、CTP非配合クリームを左半分に、1日2回、8週間塗布した。塗布前ならびに塗布開始4週間後及び8週間後の医師所見によりCTP配合クリームの妊娠線治療効果を検討した。結果の平均値を表3に示す。色素欠損においては変化が認められなかったが、その他の項目においては、左腹部よりも本発明のCTP配合クリームを塗布した右腹部の症状がより改善していることが示された。
(例4)
CTP4gを精製水1560gに溶解させ、カルボキシビニルポリマー 8g、メチルセルロース 4gを添加し、均一に溶解させた後、PEG1500 160gを添加し、調製した水相を、ジプロピレングリコール 140gにPOE(15)オレイルアルコールエーテル 20gを加えて50〜55℃で加熱溶解し、フェノキシエタノール 2g、パラオキシ安息香酸メチル 2gを加えて調製した油相に徐々に添加し、2% 水酸化カリウム水溶液100gを添加し、十分に攪拌して水性ジェルを調製した。
(例5)
CTP10gを日本薬局方 親水軟膏 990gに添加し、よく混和した。これにより得られた軟膏を産後1〜6ヶ月の妊娠線を有する女性10名の右側の腹部に位置する妊娠線及びその周辺部に塗布させ、左側の腹部に位置する妊娠線及びその周辺部には対照として、CTPを添加しない親水軟膏を塗布させ、12週間後の状態についてアンケート調査を行った。その結果、10名中2名については、左側と右側の妊娠線の消失の程度が同等であったという回答であったが、残り8名においては、左側よりも右側の妊娠線の消失の程度が大きいという回答であった。即ち、本発明の妊娠線の予防及び/又は治療剤の有用性が確認された。
妊婦腹部におけるCTP配合クリーム塗布部位及びCTP非配合クリーム塗布部位の観察例(2被験者)を示す写真である。

Claims (5)

  1. Gly-Xaa-Yaa(Xaa、Yaaは任意のアミノ酸)で表されるアミノ酸配列からなるトリペプチドを含有するコラーゲン加水分解物を含有する妊娠線の予防及び/又は治療剤。
  2. コラーゲン加水分解物がコラーゲンのコラゲナーゼ消化物である請求項1に記載の妊娠線の予防及び/又は治療剤。
  3. 前記トリペプチドがGly-Pro-Hyp及びGly-Pro-Alaからなる群から選択される1種以上のトリペプチドである請求項1または2に記載の妊娠線の予防及び/又は治療剤。
  4. Gly-Pro-Hyp及びGly-Pro-Alaからなる群から選択される1種以上のトリペプチドを含有する妊娠線の予防及び/又は治療剤。
  5. 前記トリペプチドを総質量に対して0.001〜1.5質量%含有する請求項1〜4のいずれか一項に記載の妊娠線の予防及び/又は治療剤。
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