JP5218566B2 - 弾性境界波装置 - Google Patents

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Description

本発明は、例えば帯域フィルタや共振子として用いられる弾性境界波装置に関し、より詳細には、圧電基板上に、第1,第2の誘電体層が積層されている、いわゆる三媒質構造の弾性境界波装置に関する。
パッケージを省略することができ、小型化を図り得るため、弾性表面波装置に代えて、弾性境界波装置が注目されている。下記の特許文献1には、弾性境界波として、SH型弾性境界波やストンリー波を利用した弾性境界波装置が開示されている。
図8は、特許文献1に記載の弾性境界波装置の模式的部分切欠正面断面図である。
弾性境界波装置1001は、圧電基板1002と、圧電基板1002上に積層された第1,第2の誘電体層1003,1004とを有する。すなわち、弾性境界波装置1001は、いわゆる三媒質構造の弾性境界波装置である。
圧電基板1002と、第1の誘電体層1003との間にIDT電極1005が配置されている。ここでは、第1の誘電体層1003がSiOからなる。SiOからなる第1の誘電体層1003の膜厚は、弾性境界波の波長をλとしたときに、好ましくは、波長の20〜200%の範囲とされている。SiO膜の膜厚をこの範囲内とすることにより、スプリアスを抑圧することができ、良好なフィルタ特性が得られると記載されている。
WO2007/85237
上記のような三媒質構造の弾性境界波装置では、例えばストンリー波を用いた場合、該ストンリー波の高次モードの応答が大きいということがあった。すなわち、高次モードスプリアスが現れがちであった。この高次モードスプリアスの大きさは、SiO膜の膜厚を薄くすると、小さくすることができる。
しかしながら、SH型境界波を利用した場合と、ストンリー波を利用した場合とでは、高次モードスプリアスが抑圧されるSiO膜の膜厚範囲は異なるのに対し、特許文献1では、いずれの弾性境界波を用いた場合においても、SiO膜の膜厚は、波長λの20〜200%の範囲が好ましいとされているにすぎない。
本発明の目的は、上述した従来技術の現状に鑑み、ストンリー波を利用した三媒質構造の弾性境界波装置において、高次モードスプリアスをより効果的に抑圧することが可能とされている構造を提供することにある。
本発明によれば、圧電基板と、前記圧電基板上に積層された第1の誘電体層と、前記第1の誘電体層上に積層された第2の誘電体層と、前記圧電基板と前記第1の誘電体層との間の界面に設けられたIDT電極とを備え、前記界面を伝搬するストンリー波を利用した弾性境界波装置であって、前記圧電基板における遅い横波バルク波の音速をV1、前記ストンリー波の高次モードの反共振点における音速をVaとしたときに、Va>V1とされている、弾性境界波装置が提供される。
本発明に係る弾性境界波装置では、好ましくは、前記高次モードの位相が最大であるときの該高次モードの音速をVpmaxとしたときに、Vpmax>V1とされている。それによって、高次モードスプリアスをさらに効果的に抑圧することができる。さらに好ましくは、前記高次モードの共振点における音速をVrとしたときに、Vr>V1とされ、この場合には、高次モードスプリアスをより一層効果的に抑圧することができる。
本発明に係る弾性境界波装置において、上記圧電基板は、適宜の圧電材料により形成することができるが、好ましくは、LiNbOからなる。それによって、電気機械結合係数を大きくすることができる。
また、本発明に係る弾性境界波装置のある特定の局面では、前記第1の誘電体層がSiOまたはSiONからなる。この場合には、弾性境界波装置の周波数温度係数の絶対値を小さくして周波数温度特性を改善することができ、さらに高次モードスプリアスを効果的に抑圧することができる。
好ましくは、前記第1の誘電体層が、SiOからなり、該誘電体層の厚みをストンリー波の波長λで規格化してなる規格化膜厚が1.4以下とされている。それによって、高次モードスプリアスを効果的に抑圧することができる。
本発明に係る弾性境界波装置では、第1の誘電体層がSiOからなり、IDT電極のデューティー比と、波長λで規格化してなるIDT電極の波長規格化膜厚h/λに、Ptの密度に対するIDT電極の密度の比aを乗じてなるh×a/λとが、図9に示す各領域J1〜J13内にあるときに、波長λで規格化してなる第1の誘電体層の規格化膜厚H/λは、下記の表1に記載されている値以下であることが好ましい。この場合、高次モードスプリアスを確実に抑圧することができる。
Figure 0005218566
また、本発明に係る弾性境界波装置では、第1の誘電体層がSiOからなり、圧電基板のオイラー角θと、波長λで規格化してなるIDT電極の波長規格化膜厚h/λに、Ptの密度に対するIDT電極の密度の比aを乗じてなるh×a/λとが、図10に示す各領域K1〜K11内にあるときに、波長λで規格化してなる第1の誘電体層の規格化膜厚H/λは、下記の表2に記載されている値以下であることが好ましい。この場合、高次モードスプリアスを確実に抑圧することができる。
Figure 0005218566
本発明によれば、Va>V1とされているため、ストンリー波を利用した弾性境界波装置において高次モードスプリアスを効果的に抑圧することが可能となる。よって、周波数特性に優れた弾性境界波装置を提供することが可能となる。
図1(a)は、本発明の一実施形態に係る弾性境界波装置の模式的正面断面図である。図1(b)は、電極構造を示す模式的平面図である。 図2は、実施形態及び比較例の弾性境界波装置のインピーダンス特性を示すグラフである。 図3は、実施形態及び比較例の弾性境界波装置の位相特性を示すグラフである。 図4は、実施形態及び比較例の弾性境界波装置のインピーダンス特性のスミスチャートである。 図5は、実施形態及び比較例の弾性境界波装置のリターンロス特性を示すグラフである。 図6は、実施形態及び比較例の弾性境界波装置の挿入損失特性を示すグラフである。 図7は、SiO膜の膜厚がλの152.0、147.8、140.0、126.7、95.0または72.4%とされている各弾性境界波装置の高次モードの位相特性を示す図である。 図8は、従来の弾性境界波装置の模式的正面断面図である。 図9は、領域J1〜J13を規定するための、IDT電極のデューティー比と、IDT電極の波長λで規格化してなる波長規格化膜厚h/λに、Ptの密度に対するIDT電極の密度の比aを乗じてなるh×a/λとを表すグラフである。 図10は、領域K1〜K11を規定するための、圧電基板のオイラー角と、IDT電極の波長λで規格化してなる波長規格化膜厚h/λに、Ptの密度に対するIDT電極の密度の比aを乗じてなるh×a/λとを表すグラフである。
以下、図面を参照しつつ、本発明の具体的な実施形態を説明することにより、本発明を明らかにする。
図1(a)及び(b)は、本発明の一実施形態に係る弾性境界波装置の略図的正面断面図及びその電極構造を示す模式的平面図である。弾性境界波装置1は、圧電基板2と、第1,第2の誘電体層3,4とを有する。すなわち、本実施形態の弾性境界波装置1は、いわゆる三媒質構造の弾性境界波装置である。
圧電基板2と第1の誘電体層3との間には、IDT電極5及び反射器6,7を含む電極構造が形成されている。
圧電基板2は、オイラー角(0°,30°,0°)のLiNbOからなる。もっとも、他のオイラー角のLiNbOを用いてもよく、またはLiTaOなどの他の圧電単結晶を用いてもよい。
第1の誘電体層3は、本実施形態では、SiOからなる。弾性境界波装置1のIDT電極5の電極指ピッチで定まる波長をλとしたときに、SiO膜のλで規格化してなる規格化膜厚は、0.8とされている。すなわち、λの80%の膜厚とされている。
第1の誘電体層3上に積層されている第2の誘電体層4は、本実施形態では、SiNからなり、λで規格化してなる規格化膜厚は1.16とされている。SiN以外のSiO、SiON、Si、SiC、AlN、AlO、DLC(ダイヤモンドライクカーボン)などにより第2の誘電体層4を形成してもよい。
なお、本実施形態では、IDT電極5は、上から順にAl膜及びPt膜をこの順序で積層した積層金属膜により形成した。Al膜及びPt膜の膜厚は、それぞれ、波長λの7.9%及び4.0%とした。
図1(b)に示すように、IDT電極5の弾性境界波伝搬方向両側に、反射器6,7が配置されている。IDT電極5及び反射器6,7によって1ポート型弾性境界波共振子が構成されている。
本実施形態の弾性境界波装置1では、圧電基板2の遅い横波バルク波の音速をV1、ストンリー波(弾性境界波)の高次モードの反共振点における音速をVaとしたときに、Va>V1とされており、それによって、高次モードを効果的に抑圧することが可能とされている。より好ましくは、高次モードの位相が最大であるときの音速をVpmaxとしたときに、Vpmax>V1とされ、その場合には、高次モードスプリアスをより一層効果的に抑圧することができる。さらに好ましくは、高次モードの共振点における音速をVrとしたときに、Vr>V1とされており、その場合には、さらに一層高次モードスプリアスを抑圧することができる。これを、具体的な実験例に基づき説明する。
なお、高次モードの反共振点における音速Vaとは、オープングレーティングサーキットモデルに基づき計算することにより得られる音速の値である。高次モードの共振点における音速Vrとは、ショートグレーティングサーキットモデルに基づき計算することにより得られる音速の値である。
上記実施形態の弾性境界波装置1と比較するため、SiO膜の規格化膜厚がλの143.8%であることを除いては、上記実施形態の弾性境界波装置1と同様の構成を有する比較例の弾性境界波装置を作製した。図2〜図5は、上記実施形態及び比較例の弾性境界波装置のインピーダンス特性、位相特性、インピーダンススミスチャート及びリターンロス特性を示し、図6は挿入損失特性を示す。
図2〜図6において、実線が実施形態の結果を、破線が比較例の結果をそれぞれ示す。図2〜図6において、矢印Aで示す応答が基本モードの応答よりも高周波数側に現れる高次モードの応答である。この高次モードの応答が高次モードスプリアスとして現れる。この高次モードは、SiO膜の上面と、SiO膜と圧電基板との間で伝搬するP波及びSV波成分を主体とするスプリアスモードである。
なお、IDT電極5の電極指の対数は60、電極指交叉幅は30λ(λ=1.9μm)とし、デューティー比は0.5とした。
また、反射器6,7については、電極指の対数は25、デューティー比は0.5とした。
図2〜図6から明らかなように、比較例の弾性境界波装置に比べ、実施形態の弾性境界波装置では、高次モードの音速が高いことがわかる。すなわち、実施形態では、矢印Aで示す高次モードの音速は、LiNbOにおける遅い横波音速V1である4050m/秒を超えていることがわかる。また、図3の位相値から明らかなように、高次モードの応答が小さくなっていることがわかる。遅い横波音速V1は、オイラー角に応じて任意の値をとる。ここで音速V(m/s)と周波数f(MHz)とは電極波長λ=1.9μmを含む式V(m/s)=1.9(μm)×f(MHz)を用いて変換することができる。
本実施形態において、上記のように高次モードの応答が小さくなり、高次モードスプリアスが抑圧されるのは、以下の理由によると考えられる。すなわち、SiOの膜厚がλの143.8%から80%へと薄くされたため、高次モードの音速が高められ、高次モードの反共振点における音速Vaは、約4400m/秒となり、LiNbOの遅い横波音速V1=4050m/秒を超えている。このように、本実施形態では、Va>V1とされているため、高次モードがLiNbO側に漏洩し、高次モードスプリアスが抑圧されていると考えられる。高次モードの反共振点における音速Vaに比べ、共振点における音速Vrは、遅い。従って、Vr>V1であれば、より一層高次モードをLiNbO基板側に漏洩させることができ、高次モードスプリアスを抑圧することができる。
また、高次モードの位相が最大であるときの高次モードの音速Vpmaxは、VaとVrとの間に位置する。従って、Vpmax>V1とした場合、Va>V1とした場合よりも高次モードをLiNbO側に確実に漏洩させることができ、高次モードスプリアスを抑圧することができる。
よって、好ましくは、Vpmax>V1であり、より好ましくはVr>V1である。
なお、上記実施形態では、SiO膜の膜厚を調整することにより、高次モードの反共振点における音速VaをV1より大きくしたが、SiO膜の膜厚以外を変更することにより、高次モードの反共振点における音速VaをV1より大きくしてもよい。
実施形態と比較例の結果から明らかなように、SiO膜の膜厚を変化させた場合、高次モードの音速及び高次モードの応答の大きさが変化することがわかる。
図7は、SiOの膜厚を、波長λの152%、147.8%、140%、126.7%、95%または72.4%と変化させたことを除いては、上記実施形態と同様にして作製した弾性境界波装置の高次モードが現れる部分の位相特性を示す図である。図7において、矢印B〜矢印Gは、それぞれ、SiO膜の膜厚が、152.0、147.8、140.0、126.7、95.0または72.4%の場合の高次モードの応答を示す。
図7から明らかなように、SiO膜の膜厚が140%以下であれば、140%を超えた場合に比べて、高次モードの応答の大きさを著しく小さくし得ることがわかる。さらには、SiO膜の膜厚を95%以下とすれば、高次モードの応答をより小さくし得ることがわかる。また、高次モードの応答は、SiO膜の膜厚が薄くなるにつれて小さくなる傾向があることがわかる。
もっとも、SiO膜の膜厚が薄くなりすぎると、SiO膜を積層したことによる周波数温度係数TCFの絶対値を小さくする効果が十分に得られない場合がある。よって、SiO膜の膜厚は、λの20%以上であることが好ましい。
SiOの膜厚は、より好ましくはλの20〜140%、さらに好ましくは20〜95%、なお好ましくは20〜72%である。
図7における矢印B〜矢印Gで示した弾性境界波装置のSiO膜の膜厚、規格化膜厚及び高次モードの応答の位相最大値Pmaxを下記の表3にまとめて示す。
Figure 0005218566
さらに、IDT電極5をPt膜により構成し、IDT電極5のデューティー比と、IDT電極の膜厚を種々変化させたこと以外は、上記実施形態と同様にして弾性境界波装置を作製し、高次モードスプリアスの発生態様について調べた。
その結果、IDT電極5のデューティー比と、波長λで規格化してなるIDT電極5の波長規格化膜厚h/λに、Ptの密度に対するIDT電極5の密度の比aを乗じてなるh×a/λとが、図9に示す各領域J1〜J13内にあるときに、波長λで規格化してなる第1の誘電体層3の規格化膜厚H/λが下記の表4に記載されている値以下となれば、高次モードスプリアスを確実に抑制できることが分かった。
Figure 0005218566
また、IDT電極5をPt膜により構成し、圧電基板のオイラー角θと、IDT電極の膜厚を種々変化させたこと以外は、上記実施形態と同様にして弾性境界波装置を作製し、高次モードスプリアスの発生態様について調べた。
その結果、圧電基板2のオイラー角θと、波長λで規格化してなるIDT電極5の波長規格化膜厚h/λに、Ptの密度に対するIDT電極の密度の比aを乗じてなるh×a/λとが、図10に示す各領域K1〜K11内にあるときに、波長λで規格化してなる第1の誘電体層3の規格化膜厚H/λが下記の表5に記載されている値以下となれば、高次モードスプリアスを確実に抑制できることが分かった。
Figure 0005218566
なお、上記実施例では、IDT電極5をPt膜により構成したが、表4,5に示す第1の誘電体層3の規格化膜厚H/λの範囲は、IDT電極5がPt膜以外の導電膜により形成されている場合にも好適に適用される。すなわち、IDT電極は、Al、Ti、Fe、Cu、Ag、Ta、Au及びPtからなる群から選択された少なくとも1種からなる金属や、Al、Ti、Fe、Cu、Ag、Ta、Au及びPtからなる群から選択された少なくとも1種の金属を含む合金から形成されていてもよい。また、IDT電極は、これらの金属や合金からなる導電膜の積層体により構成されていてもよい。
なお、上記実施形態では、第1の誘電体層3は、SiOからなるが、SiONなどの他の誘電体材料により形成されてもよい。
なお、本明細書において、オイラー角、結晶軸及び等価なオイラー角の意味は以下の通りとする。
(オイラー角)
本明細書において、基板の切断面と境界波の伝搬方向を表現するオイラー角(φ,θ,ψ)は、文献「弾性波素子技術ハンドブック」(日本学術振興会弾性波素子技術第150委員会、第1版第1刷、平成3年1月30日発行、549頁)記載の右手系オイラー角を用いた。すなわち、例えば、LiNbOの結晶軸X、Y、Zに対し、Z軸を軸としてX軸を反時計廻りにφ回転しXa軸を得る。次に、Xa軸を軸としてZ軸を反時計廻りにθ回転しZ′軸を得る。Xa軸を含み、Z′軸を法線とする面を基板の切断面とした。そして、Z′軸を軸としてXa軸を反時計廻りにψ回転した軸X′方向を境界波の伝搬方向とした。
(結晶軸)
また、オイラー角の初期値として与える結晶軸X、Y、Z軸をc軸と平行とし、X軸を等価な3方向のa軸のうち任意の1つと平行とし、Y軸はX軸とZ軸を含む面の法線方向とする。
(等価なオイラー角)
なお、本発明におけるオイラー角(φ,θ,ψ)は結晶学的に等価であればよい。例えば、文献(日本音響学会誌36巻3号、1980年、140〜145頁)によれば、LiNbOやLiTaOは三方晶系3m点群に属する結晶であるので、下記の式(1)が成り立つ。
F(φ,θ,ψ)=F(60°−φ,−θ,180°−ψ)
=F(60°+φ,−θ,ψ)
=F(φ,180°+θ,180°−ψ)
=F(φ,θ,180°+ψ) ・・・式(1)
ここで、Fは、電気機械結合係数k 、伝搬損失、TCF、PFA、ナチュラル一方向性などの任意の境界波特性である。PFAのナチュラル一方向性は、例えば伝搬方向を正負反転してみた場合、符号は変わるものの絶対量は等しいので実用上等価であると考える。なお、上記の文献は表面波に関するものであるが、境界波に関しても結晶の対称性は同様に扱える。
例えば、オイラー角(30°,θ,ψ)の境界波伝搬特性は、オイラー角(90°,180°−θ,180°−ψ)の境界波伝搬特性と等価である。また、例えば、オイラー角(30°,90°,45°)の境界波伝搬特性は、表16に示すオイラー角の境界波伝搬特性と等価である。
また、本発明において計算に用いた導体の材料定数は多結晶体の値であるが、エピタキシャル膜などの結晶体においても、膜自体の結晶方位依存性より基板の結晶方位依存性が境界波特性に対して支配的であるので、(1)式により、実用上問題ない程度に同等の境界波伝搬特性が得られる。
Figure 0005218566
1…弾性境界波装置
2…圧電基板
3…第1の誘電体層
4…第2の誘電体層
5…IDT電極
6,7…反射器

Claims (8)

  1. 圧電基板と、
    前記圧電基板上に積層された第1の誘電体層と、
    前記第1の誘電体層上に積層された第2の誘電体層と、
    前記圧電基板と前記第1の誘電体層との間の界面に設けられたIDT電極とを備え、
    前記界面を伝搬するストンリー波を利用した弾性境界波装置であって、前記ストンリー波の高次モードを前記圧電基板側へ漏洩させるように、前記圧電基板における遅い横波バルク波の音速をV1、前記ストンリー波の高次モードの反共振点における音速をVaとしたときに、Va>V1とされている、弾性境界波装置。
  2. 前記高次モードの位相が最大であるときの該高次モードの音速をVpmaxとしたときに、Vpmax>V1である、請求項1に記載の弾性境界波装置。
  3. 前記高次モードの共振点における音速をVrとしたときに、Vr>V1である、請求項1または2に記載の弾性境界波装置。
  4. 前記圧電基板がLiNbOからなる、請求項1〜3のいずれか1項に記載の弾性境界波装置。
  5. 前記第1の誘電体層がSiOまたはSiONからなる、請求項1〜4のいずれか1項に記載の弾性境界波装置。
  6. 前記第1の誘電体層が、SiOからなり、該第1の誘電体層の前記ストンリー波の波長λで規格化してなる規格化膜厚が1.4以下である、請求項5に記載の弾性境界波装置。
  7. 前記第1の誘電体層がSiOからなり、前記IDT電極のデューティー比と、波長λで規格化してなる前記IDT電極の波長規格化膜厚h/λに、Ptの密度に対する前記IDT電極の密度の比aを乗じてなるh×a/λとが、図9に示す各領域J1〜J13内にあるときに、波長λで規格化してなる前記第1の誘電体層の規格化膜厚H/λは、下記の表1に記載されている値以下である、請求項1〜6のいずれか一項に記載の弾性境界波装置。
    Figure 0005218566
  8. 前記第1の誘電体層がSiOからなり、前記圧電基板のオイラー角θと、波長λで規格化してなる前記IDT電極の波長規格化膜厚h/λに、Ptの密度に対する前記IDT電極の密度の比aを乗じてなるh×a/λとが、図10に示す各領域K1〜K11内にあるときに、波長λで規格化してなる前記第1の誘電体層の規格化膜厚H/λは、下記の表2に記載されている値以下である、請求項1〜7のいずれか一項に記載の弾性境界波装置。
    Figure 0005218566
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